JP2003528646A - 新生児用気道アダプタ - Google Patents

新生児用気道アダプタ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スライドする内部通路(54)を有する新生児用気道アダプタ(10)であって、気道の内孔(76)内の空隙容積(112)をほぼ完全に排除して、吐き出された気体と空隙気体の混合を減らし、息の波形が過大な歪みなしに維持されるようなものである。さらに、空隙容積のほぼ完全な排除によって再呼吸のレベルが低下する。この新生児用気道アダプタは気管内チューブ・アダプタに、現在利用できるETアダプタで用いられている異なる内径(20)及び内部長さの差の影響を解消するような仕方で接続される。ETアダプタから呼吸装置のコネクタに息が流れる気道の内孔の断面は、特に気体サンプリング点(66)の領域で、ほとんど一定に維持されて、無理のない層流及び正確なサンプリングの条件が確実に維持されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、一般に、気管内チューブを呼吸装置に接続するための気道アダプタ
に関し、詳しくは新生児の患者で使用されるそのような気道アダプタに関する。
【0002】 発明の背景 一般に、気道アダプタは呼吸補助が与えられている患者、例えば麻酔されてい
る患者、又は生命維持システムが使用されている患者など、に対して、気管内チ
ューブ(ETチューブ)と人工呼吸装置の呼吸チューブとの間を接続するために
用いられる。これらのチューブは、呼吸する気体を患者に運び、吐き出された呼
気を患者から運び去る。気道アダプタは、管の形をした短いコネクタという形態
であって、一般に非常に異なるこれら二つのチューブの断面の間で接続を形成す
るために必要とされる。気管内チューブに直接接続される気道アダプタはETア
ダプタと呼ばれる。気道アダプタはまた、患者の肺に他のチューブを挿入したり
、患者の肺の部位に医薬を投与したりするための取り外し可能なジョイントを提
供するという機能を有する。患者の安静を乱さずに、又は治療を妨害せずにET
自身をそのコネクタ・ポートから取り外すことは困難なことがあるのでこれが必
要になる。
【0003】 患者の呼吸状態の非侵襲的な指標は、吐かれた呼気の気体を分析することによ
って得られる。呼気の動的二酸化炭素含有量の測定はカプノグラフィーと呼ばれ
る。サンプリング・ポートを有する気道アダプタを用いて患者の呼気から気体サ
ンプルが収集され分析される。小さな孔のポートが気流経路の壁まで伸びて気体
分析のために気道を流れる気体サンプルを集めるようになっているETアダプタ
もある。しかし、カプノグラフィー測定は一般に連続的には行われず、サンプリ
ングのためのETアダプタを使用すると大部分の時間サンプリング・ポートを密
閉することが必要になる。密閉されたサンプリング・チューブに閉じこめられた
破片にバクテリアが増殖する危険があるので、このようなサンプリング用のET
アダプタは、一般に挿管される新生児に最初から使用されることはない。さらに
、ETアダプタ気道の壁にサンプリング・ポートが終端接続されるために、分泌
物や液体をサンプリング・ラインを通して気体分析装置に吸い込むということが
起こりやすく、特に肺吸引処置の際には肺から液体を真っ直ぐにサンプリング・
ポートの開口に吸い込む可能性がある。この問題を回避するために、サンプリン
グ・ポートが孔の中央まで伸びているETアダプタがある。しかし、これは他の
チューブや装置をETチューブの奥へ挿入するのに邪魔になる。
【0004】 以上のような理由により、新生児で一般に用いられる手順は、挿管の最初には
サンプリングETチューブを使用せずに、後で必要になった場合、サンプリング
・ポートを有する気道アダプタを追加するというものである。
【0005】 カプノグラフィー測定の正確さは、気道アダプタを通る患者の息の滑らかな層
流を維持して呼気の波形を安定させられるかどうかに依存する。患者の呼気にお
ける時間的に変化する二酸化炭素レベルを表すこの波形は、10乃至100ms
ecという応答時間で変化する細部を含んでいる。それらの速い変動も含めた波
形の正確な形が患者の呼吸状態についての情報を提供する。気体が内部で混合さ
れたり、波形が変化したりすると、応答時間が遅くなってカプノグラフィー測定
の精度が低下し、カプノグラフから抽出できる診断情報の量又は正確さが減少す
る。
【0006】 気道のコンポーネントは、普通、製造コストを低く抑えるためにプラスチック
射出成形で作られる。接合を気密にするために、接続されるコンポーネントは、
一般に、一つのコンポーネントが別のコンポーネントに柔軟にはまり込むように
小さなテーパーをつけて製造される。このようなプラスチック・パーツの製造許
容公差は比較的大きいので、適合するパーツを接合した対を閉鎖ときの寸法には
大きな変動がある。例えば、ゆるくフィットするETアダプタ/呼吸チューブ・
コネクタ対は、タイトにフィットする対に比べて、一方のパーツを他方のパーツ
にずっと深く押し込んだときに密閉される。この結果、このような接続部に生ず
る空隙容積(デッド・スペースとも呼ばれる)の量は非常に変動が大きく、タイ
トにフィットする対の場合、相当に大きくなる可能性がある。気道アダプタは、
波形の完全さに悪影響を及ぼす気体混合の作用を抑えるために、また、再呼吸の
原因となる解剖学的なデッド・スペースを減らすためにも、空隙容積の増加を最
小にしなければならない。
【0007】 さらに、患者の呼気は常に凝縮可能な水蒸気を含み、また相当な量の液体又は
固体の分泌物、例えば粘液分泌や唾液を含むことがある。このような液体は、サ
ンプリング・ラインをブロック又は一部ブロックして、気道アダプタを通って気
体分析装置に送られる気体の圧力を減少させる可能性がある。この圧力低下が、
波形の変化、気体の混合、及び気体の濃度の変化を引き起こす可能性があり、こ
れらはすべて気体分析の精度を低下させる。したがって、気体の正確な分析のた
めには、滑らかな層流を維持しながら、そして大きな圧力低下や気体波形の変化
を生ずることなく、気体に随伴する液体や固体から気体を効率的に分離すること
が必要である。
【0008】 このような気道アダプタのいくつかの新しい設計が、本出願人による“多重チ
ャンネル・サンプル・ポート”の名称の米国特許第5,857,461号で開示
されており、その全体が参考として本明細書に取り入れられる。さらに、その特
許の発明の背景では、他の設計による気道アダプタを記述しているいくつかの他
の特許にも言及している。しかし、そこに記述された気道アダプタは、いずれも
新生児の患者に使用するには満足できないものである。新生児患者に関する大き
な問題は、該当する流量が非常に小さいことである。例えば、新生児は普通わず
か4ccの呼気しか吐かない。これに対して標準的な成人用気道アダプタの容量
は6乃至8ccである。このことは、空隙容積が非常に小さくても新生児の呼気
に相当な混合を引き起こす可能性があり、カプノグラフィー測定の結果が不正確
になる可能性があることを意味する。さらに、新生児の呼吸速度が速いために、
他の患者の場合に比べて、速い応答時間がもっと決定的に重要になる。その上、
ETアダプタを変えて使用するサンプリング装置を取り付けるために、挿管され
た新生児のETチューブを取り外すことは実際的ではない。最後に、吸引を含む
閉回路システムは広く用いられており、必要に応じカプノグラフィー・アダプタ
を挿入したり外したりするためにこの回路を切るということは実際的ではない。
【0009】 したがって、サンプリング気道アダプタ、特に新生児の患者で使用されるサン
プリング気道アダプタで、このような患者で使用したときに従来のアダプタが示
す欠点や問題を克服したものに対する深刻なニーズがある。
【0010】 本明細書のこのセクション及び他のセクションで言及される全ての刊行文献の
開示は、参照によって本明細書にそれぞれその全体が取り入れられる。
【0011】 発明の概要 本発明は、患者について行われているカプノグラフィー測定の精度をあまり低
下させず、患者の呼吸を不当に妨害しない新生児の患者に使用する新しい構成の
新しい気道アダプタを提供しようとするものである。
【0012】 すなわち、本発明の好ましい実施の形態によれば、気道の孔の中の空隙容積(
デッド・スペース)を事実上排除して、呼気と空隙気体との混合を最小レベルに
抑え、息の波形を不必要な歪みなしに維持できる新生児用気道アダプタが提供さ
れる。さらに、空隙容積は、吐き出された二酸化炭素の分散を防止して再呼吸の
レベルを高めるので、空隙容積がほとんど排除されることは患者にとって臨床的
に利益になる。この理由からも、本発明による新生児用気道アダプタは、余分な
長さが呼気の二酸化炭素の分散を困難にする状態で、気道回路に最小の長さしか
付け加えない。
【0013】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によれば、新生児用気道アダプタは気
管内チューブ・アダプタに、現在提供されているETアダプタで用いられている
異なる内径及び内部長さの影響をゼロにするような仕方で接続される。
【0014】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によれば、ETアダプタから呼吸装置
のコネクタまでの呼気が流れる気道の内孔の断面は、特に気体サンプリング点の
領域で、ほぼ一定に維持されて、無理のない層流の状態を維持するようになって
いる。
【0015】 本発明の好ましい実施形態による新生児用気道アダプタによって気道系の他の
部分の応答時間に加えられる追加の応答時間は極めて小さく、新生児患者につい
て行われているカプノグラフィー測定の精度にはほとんど影響しない。
【0016】 分泌された液体又は呼気に含まれる水分が気体分析装置のサンプリング・ライ
ンに入り込むのをできるだけ少なくするために、本発明の他の好ましい実施形態
によれば、気体サンプリング点は気道内孔の壁から離れた中心に、従来の気道ア
ダプタに比べて液体侵入レベルを有効な因子により顕著に減少させるような位置
で配置される。この因子はまた、波形伝送の忠実度に影響するサンプル・ライン
の詰まりの防止を助け、また、分析される気体の最初の水分レベルを下げること
によって、分析の精度を改善する。
【0017】 本発明の他の好ましい実施形態による気道アダプタの別の利点は、その長さが
最小限に短いので、患者の呼吸を過度に妨害せず、過度に厄介ではないことであ
る。したがって、カプノグラフィー測定が必要でないときでも、それを回路に残
して置いても患者の安静や治療に影響することはなく、閉回路吸引系に使用する
場合にも同様である。これは従来のアダプタと違う点であり、従来のアダプタは
使用しないときには回路から外すことがしばしば必要であったが、これは挿管さ
れた新生児に対しては面倒なことであった。さらに、呼吸回路が邪魔されない場
合、感染の危険も減少する。
【0018】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、内孔を有する気管内チューブ
・アダプタに接続される、通路が内部に形成された第一端部と、呼吸チューブ・
コネクタに接続される、第一端部と流体により連通する第二端部と、これらの端
部の中間にあって第一端部と流体により連通するサンプリング・ポートと、内孔
を有しその通路内で軸方向にスライドする管状インサートとから成る気道アダプ
タが提供される。
【0019】 さらに、本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道ア
ダプタであって、インサートの内孔の内径がサンプリング・ポート近くのインサ
ートの端に向かって漸次増加し、この内孔の内径が通路の内径に実質的に等しく
なる気道アダプタが提供される。
【0020】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタで
あって、インサートが第一端部の一部に当接する構成の突起を有し、それが通路
への軸方向運動に限界を与え、あるいは前記突起がインサートの外壁上のリップ
から成る気道アダプタが提供される。
【0021】 本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタであって
、インサートの外壁が、インサートと通路との間の摩擦がインサートが通路内で
自由にスライドすることを阻止するような、表面形態を有する気道アダプタが提
供される。
【0022】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタ
であって、サンプリング・ポートから遠い方のインサートの端でインサートの内
孔が、気管内チューブ・アダプタの内孔の内径と実質的に等しい内径を有し、そ
れにより気管内チューブの内孔からインサートの内孔へほとんど滑らかな壁面通
路を提供する気道アダプタが提供される。
【0023】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタで
あって、サンプリング・ポートから遠い方のインサートの端が気管内チューブ通
路の内孔の端に当接し、それにより気管内チューブ・アダプタの内孔とインサー
トの内孔との間の空隙容積が事実上排除される気道アダプタが提供される。
【0024】 本発明の好ましい実施形態によると、さらに、上述のような気道アダプタであ
って、ほぼ滑らかな壁面通路が、実質的にその波形に影響を与えることなく息の
波形を通過させる作用をする気道アダプタが提供される。
【0025】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタ
であって、空隙容積の事実上の排除が、実質的にその波形に影響を与えることな
く息の波形を通過させる作用をする気道アダプタが提供される。
【0026】 同様に、本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道ア
ダプタであって、サンプリング・ポートの開口が通路の側壁から半径方向に離れ
て配置されている気道アダプタが提供される。
【0027】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、気道アダプタであって、内孔
を有する気管内チューブ・アダプタに接続される、外壁を有する通路が内部に形
成された第一端部と、呼吸チューブ・コネクタに接続される、第一端部と流体に
より連通する第二端部と、これらの端部の中間にあって第一端部と流体により連
通するサンプリング・ポートと、該通路の外壁上で軸方向にスライドする、内孔
を有する管状スリーブとから成る気道アダプタが提供される。
【0028】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタ
であって、内部通路の内径がサンプリング・ポートに近い方の通路の端に向かっ
て増加している気道アダプタが提供される。
【0029】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタで
あって、前記スリーブを軸方向でサンプリング・ポートから離れる方向に押す作
用をするスプリングを更に備えている気道アダプタが提供される。
【0030】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタで
あって、内部通路の内径が気管内チューブ・アダプタの内孔の内径と実質的に等
しく、それによって気管内チューブ・アダプタの内孔から内部通路の内孔へ無理
のない滑らかな壁面通路または移行部を形成する気道アダプタが提供される。
【0031】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタ
であって、サンプリング・ポートから遠い方のスリーブの端が気管内チューブ通
路の内孔の端に当接し、それによって気管内チューブ・アダプタの内孔とスリー
ブの内孔との間の空隙容積が事実上排除されている気道アダプタが提供される。
【0032】 本発明のさらに好ましい実施形態によると、また、上述のような気道アダプタ
であって、ほぼ滑らかな壁面通路が息の波形を実質的にその波形に影響を与える
ことなく通過させる作用をする、又は空隙容積の事実上の排除が息の波形を実質
的にその波形に影響を与えることなく通過させる作用をする気道アダプタが提供
される。
【0033】 本発明のさらに他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタで
あって、気管内チューブ・アダプタの内孔とインサートの内孔との間の空隙容積
の事実上の排除が、気管内チューブ・アダプタと気道アダプタが嵌合する相対的
位置と無関係に効果的である気道アダプタが提供される。
【0034】 さらに、本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタ
であって、気管内チューブ・アダプタの内孔とスリーブの内孔との間の空隙容積
の事実上の排除が、気管内チューブ・アダプタと気道アダプタが係合する相対的
位置と無関係に効果的である気道アダプタが提供される。
【0035】 本発明の他の好ましい実施形態によると、上述のような気道アダプタであって
、サンプリング・ポートから遠い方のインサートの端が柔軟な材料で作られてい
る気道アダプタが提供される。
【0036】 本発明は、図面に関連した以下の詳細な説明からさらに良く理解されかつ評価
されるであろう。
【0037】 好適実施形態の詳細な説明 図1を参照すると、同図は気管内チューブ(ET)アダプタ10と呼吸チュー
ブ・コネクタ24(普通、その遠隔端で呼吸装置に取り付けられる)との間でな
される従来の気道接続の断面図である。ETアダプタ10の一端は、壁と中心孔
14を有する狭い管状セクション12の形に形成され、その上にETチューブ自
身の端がフィットするように取り付けられる。新生児用ETチューブは、2.5
から4mmまでの範囲のサイズで提供されている。吐き出される呼吸サポート気
体は、この孔14を通って患者から及び患者へ運ばれる。ETチューブはこの管
状セクションの上に取り付けられるが、その内径(ID)は一般に3.5mmで
あり、これはたいていのETチューブに対して適当である。ETアダプタには、
また、ETアダプタの壁の孔39で終端する気体モニタリング・ポートを設ける
ことができる。
【0038】 ETアダプタの他端には、壁16と呼吸チューブと同程度のサイズの中心孔2
2を有する広い孔の管状開口がある。呼吸チューブは、普通、長さが2メートル
あり、ETチューブのような狭い孔では呼吸する気体の導通が厳しく制限される
ので、広い孔のものでなければならない。この管状開口の外径(OD)18は一
般に標準的なサイズであるが、内径(ID)及び長さLは普遍的に標準化された
サイズではない。呼吸チューブ・コネクタ24は、ETアダプタの広い孔の管状
開口の壁16の上に呼吸チューブ・コネクタの外壁26をスライドさせることに
よってETアダプタに取り付けられる。ETアダプタの広い孔の管状開口の外壁
16は、非常にわずかな円錐状テーパーを有し、呼吸チューブの端の方へ狭まっ
ており、呼吸チューブ・コネクタの外壁26の内側表面28は、それに適合する
円錐状テーパーを有し、ETアダプタの端の方へ広がっており、組み立てたとき
にこの二つのパーツが良好な気密結合を形成するようになっている。
【0039】 しかし、ETアダプタが呼吸コネクタ24に接続されたとき、ETアダプタの
中心孔22の中空スペースが、そこに生ずる空隙容積(デッド・スペースとも呼
ばれる)のために、気道に沿って行われる波形測定を妨害する可能性がある。さ
らに、中央のチャンネルがETの直径14から中心孔22と同程度のサイズであ
る呼吸チューブ・コネクタの直径まで広がる領域30において、直径の急激な変
化が気体中に渦を形成させ、滑らかな層流を破壊して息波形の完全性を損う。こ
れは呼吸サンプリング点39のすぐ近くで起こるので、サンプリングされた波形
が歪んでしまう。
【0040】 一部の従来のアダプタでは、コネクタ本体24から突出する第二管状の内壁3
2によって、ETアダプタの内側の中空スペースの一部を埋めることにより、空
隙容積を埋め、直径の急激な変化をなくす試みがされている。しかし、前述した
ように、このような気道コンポーネントは普通、生産コストを低く抑えるために
プラスチック射出成形で製造される。気密接合を確保するために、コンポーネン
トには、通常、小さなテーパーをもたせ、一方のコンポーネントが他方のコンポ
ーネントの中に楽にはまり込むように製造される。このようなプラスチック・パ
ーツに不可避な製造時の許容公差のために、また円錐状テーパーの角度が非常に
小さいために、完全に組み合わせたときに適合する一対のパーツの閉鎖寸法には
大きなばらつきがある。
【0041】 したがって、管状の内壁32は空隙容積の排除に完全には成功しないというこ
とがよく起こる。すなわち、コネクタの外側端36とIDが階段状に増加するE
Tアダプタの内壁38との間にスペースがあり、そのスペースのサイズは気密接
合を形成する前にETアダプタが呼吸チューブ・コネクタにどれだけ深くスライ
ドして入り込むかに依存する。したがって、中心孔、そして空隙容積30の内径
の急激な変化は残る。さらに、ETアダプタのタイプが異なればID20も異な
り、ETアダプタと呼吸チューブ・コネクタを組み合わせたときに外周に生ずる
内部の余分なスペースは必ずしも常に排除されない。
【0042】 患者の息をモニターする必要がある場合、形成されたサンプリング・ポートを
有するETアダプタの上記の欠点のために、しばしばサンプリング・アダプタが
ETアダプタと呼吸チューブ・コネクタとの間に挿入される。このためには気道
接続を開放する必要があり、それに伴って患者の呼吸ケアが攪乱され、感染の危
険が増す。
【0043】 次に、図2を参照して説明する。同図は、本発明の好適実施形態にしたがって
構成され動作する新生児用気道アダプタ50の断面図である。新生児用気道アダ
プタ50は呼吸サポート及びモニター回路の呼吸チューブ・コネクタとETアダ
プタとの間に挿入される。気道アダプタ50は、射出成形されるプラスチック材
料から、呼吸の気体が長さ方向に流れることができるように軸方向に結合される
一連の管状セクションの形に構成されることが好ましい。中心通路52は、約3
.5mmの内孔を有することが好ましい。これは普通に用いられる新生児用ET
チューブに対して適当な内径(ID)である。
【0044】 管状インサート54が中心通路52の内側に配置される。インサート54は気
道アダプタの中心通路52の内側壁55にぴったりとフィットしながら軸方向5
6にスライドすることができる。インサート54と中心通路52の内側壁55と
の間に、どちらかのパーツのスライド面内の細かい刻み又は溝による、摩擦要素
を加えて、スライドする位置にインサートが本質的にとどまるようにすることが
できる。スライドするインサート54の内孔の直径76は、ETアダプタの狭い
管孔の内径と類似又は同等であることが好ましい。管状インサート54の内端で
、内部通路は漏斗形セクション70に開放し、インサートの内径76がインサー
トの主要長に沿って有する値から、その端で新生児用気道アダプタの中心通路5
2の内径に等しくなるまで、この漏斗形セクションの長さに沿って増加するよう
になっている。中心通路52への管状インサート54の運動は外径がわずかに増
加した外端部74によって制限されることが好ましい。外径が増加しているこの
外端部の内端壁のリップ72が新生児用気道アダプタの外端壁78上に当接する
ときに、インサートの内方運動が停止する。
【0045】 新生児用気道アダプタのET端の外壁の内面68は円錐状テーパーを有し、こ
れは図1の寸法18によって示されているETアダプタの外壁に設けられている
テーパーに適切に適合し、二つを組み合わせたときに気密結合が形成されるよう
になっている。
【0046】 アダプタ50の外端80は広い孔の管状開口58を有し、これは好ましくは図
1に示されたETアダプタのそれと同様寸法であって、標準の呼吸チューブ・コ
ネクタ又は標準のフロー・アダプタをそれと組み合わせることができるようにな
っている。
【0047】 患者の呼吸する息のサンプルを気体分析装置に運ぶ気体サンプリング・ライン
を取り付けることができるように、サンプリング・ポート装置66が新生児用気
道アダプタの中央部に設けられている。サンプリング・ポートの内孔60は、本
発明のこの好ましい実施形態によると、気道中心通路52に二つの小さな孔62
,64の形で開放し、中心通路の中央部分にサンプリング・ポート本体構造によ
って、中心通路の壁から離して保持される。それらの位置が壁から離れているこ
とは、アダプタの壁にたまった分泌物や液体が気体サンプリング・ラインに侵入
するのを防止するのに役立つ。二つの小さな孔62,64は中心通路のセンター
ラインから外れて、このセンターラインの両側に位置し、かつ中心通路の長さに
沿って異なる軸方向位置に配置され、中心通路に沿った気体の流れに対して一方
が他方を隠蔽することがないように配設されている。さらに、二つの孔が用いら
れているので、一方の孔の端に付着した液体が表面張力のために吸い込まれない
で液体の滴で孔が閉塞されても、他方の孔がサンプリングのために利用できる。
サンプリングの孔の配置から、このアダプタはY−バージョンと呼ばれている。
上記リップ72が新生児用気道アダプタの外端壁78に当接することによって、
管状インサート54はサンプリング・ポートの孔構造との衝撃から保護される。
これによって新生児用気道アダプタを回路に組み立てる前に、操作中にインサー
トが損傷することが防止される。
【0048】 次に、図3を参照して説明する。同図は本発明の別の好ましい実施形態にした
がって構成され動作する新生児用気道アダプタの断面図である。このアダプタが
呼吸回路における関連コンポーネントとどのように接続されるかを示すために、
気管内チューブ・アダプタ90と呼吸チューブ・コネクタ102との間に接続さ
れて示されている。新生児用気道アダプタは、包装から取り出されたときに管状
インサートが完全に伸びるようにパックされている。移動及び貯蔵のときも、イ
ンサート110と中心通路116の内側壁111との間に存在する摩擦によって
その位置に保たれる。ETアダプタ90を新生児用気道アダプタに押しつけると
、IDが階段状に増加するところでETアダプタの内壁114がインサート11
0を軸方向内方へ押す。やがてETアダプタは新生児用気道アダプタと組み合わ
せられ、ETアダプタ壁92の外面94と新生児用気道アダプタのET端の外壁
の内孔95との間の円錐状テーパー適合によって気密フィットする。
【0049】 インサート110が新生児用気道アダプタの中心通路116を奥へスライドす
るにつれて、最初は中心通路116と接触していた空隙容積112が今度はそれ
から隔離されることが図3で観察される。ETアダプタと新生児用気道アダプタ
が最終的に組合わさると、摩擦によってインサート110はそれが到達した位置
に保持され、患者の息はETアダプタの内孔100から直接中心通路116に流
れ込み、この空隙容積112とは接触しない。さらに、インサート110の内径
はETアダプタの孔のIDと同じ3.5mmであるから、流れる息は急激な内孔
の変化に出会わず、滑らかな層流が維持されて息の波形への妨害が最小になる。
【0050】 図示された新生児用気道アダプタは、図2に示されている実施形態のそれとは
少し異なるサンプリング・ポート装置106を有する。一対のサンプリング孔1
08及び109は中心通路内の中央に位置する短い軸方向チューブの両端に位置
する。この装置は、図2に示されているものより生産コストが低いという利点が
あり、流体の侵入の可能性を減らし、良い応答時間を与えるという同様な利点が
ある。サンプリング孔の配置によって、このアダプタはT−バージョンと呼ばれ
る。
【0051】 次に、図4を参照して説明する。同図は、図3に示されているタイプの新生児
用気道アダプタで、気管内チューブ・アダプタ及び呼吸チューブ・コネクタと組
み合わされた断面図である。しかし、図3で示されているものとは異なり、この
特定のETアダプタとその新生児用気道アダプタにより得られる組み合わせ位置
は、この対の閉鎖長が更に短くなるようにされている。閉鎖長の大きな差にもか
かわらず、中心通路における気体の流れに見られる差異は流れの長さが短いだけ
であることが観察されている。インサート110は単に中心通路116をさらに
奥まで移動しただけであり、空隙容積のはっきりした増加も、孔の寸法の変化も
見られない。これは本発明のこれらの好ましい実施形態による新生児用気道アダ
プタの大きな利点を示しており、気道のどちらかの側で組み合わされたコンポー
ネント対の閉鎖長に製造による差があっても、この新生児用気道アダプタはその
影響を打ち消し、流れの経路自体にはほとんど何の影響もないという利点がある
【0052】 インサート110は、その内端に漏斗形のセクション124を有する。この漏
斗形のセクション124の機能は、サンプリング・ポート構造の存在から生ずる
中心通路116の断面積の狭隘化を補償することである。最大閉鎖位置で、患者
の方向に向いたサンプリング孔109は、インサートの漏斗の下ほぼ半ばに位置
している。このようにして、波形の完全性を維持することが極めて重要である正
にそのサンプリング点で、サンプリング孔構造が引き起こしたであろう不安にも
かかわらず、息の層流は十分に無傷を維持する。サンプリング孔を過ぎた後では
息の波形はもはや重要ではなく、気道通路は、良好な呼吸導通(伝導性)を得る
ために断面が大きい呼吸チューブ104へと広がっている。
【0053】 別の考慮点として、インサートの広がった漏斗セクションには、新生児用気道
アダプタの中心通路の壁のサンプリング孔からの距離を漸次増加させる作用があ
る。分泌された液体や凝縮した水分は中心通路の壁に沿って流れる傾向があるの
で、この構造は、また、サンプリング孔へのこれらの液体の望ましくない侵入を
減らすことに役立つ。
【0054】 インサートの漏斗形セクションの長さは、孔の直径をサンプリング・ポートの
方へ漸次増加させる必要と、気道の通路の体積の不必要な増加を避ける必要との
間の妥協(当業者によって決定できる妥協)によって決定される。インサートの
内孔の重要な物理的特徴は、それがETチューブに当接する端ではETチューブ
・アダプタの内径と同じIDを有することが好ましく、サンプリング・ポート側
の端では、そのIDを拡げて上述の補償が得られるようにしなければならないこ
とである。
【0055】 次に、図5を参照して説明する。同図は、本発明のさらに別の好ましい実施形
態にしたがって構成され動作する新生児用気道アダプタの断面図である。この実
施形態の全体的な構成及び使用方法は図3及び4に示されている。しかし、この
新生児用気道アダプタは次の二つの点で異なっている。
【0056】 第一に、それが取り付けられるETアダプタとの間の本質的に漏れのない封止
をインサートの代わりにスリーブを用いて確保している、そして 第二に、スプリングを用いてそのスリーブとETアダプタとのポジティブな接
触を確実にしている。
【0057】 この好ましい実施形態のスリーブ140は、新生児用気道アダプタの中心通路
の壁142の外側でスライドする。サンプリング孔の反対側に必要な気道の孔の
漏斗形の拡大部144は中心通路の壁146と合体し、したがってこの位置で固
定される。このスリーブは、IDが階段状に増加するETアダプタの内壁148
に対して、好ましくはスリーブの外端に取り付けられた丸い端を有する柔軟なエ
ラストマー・シール150によって、封止する。このシールは、中心通路の外壁
のまわりに配置されたスプリングによってETアダプタの内壁148とポジティ
ブな接触で維持される。
【0058】 スプリングの使用には他にもいくつか利点がある。第一に、スプリングは、発
送や取り扱いの際に、気道アダプタが組み合わせるETアダプタに取り付けられ
るようになるまで、スリーブを完全に伸張した位置に保持する。スプリングの自
由長は、それが圧縮されていないとき、スリーブが中心通路の壁上にとどまるよ
うなものであることが好ましい。第二に、何らかの理由により、ETアダプタと
の結合を開放しなければならないとき、スプリング荷重されたスリーブによって
、再び結合したときにポジティブな封止が再度得られることが保証される。最後
に、ポジティブ運動を確実にするスプリングの使用は、気密性を保証するために
パーツ間に必要とされるタイト・フィットから生ずる摩擦を克服するのに役立つ
。スプリングがないと、かかる摩擦でスリーブが中心通路の壁にくっついてしま
うおそれがある。
【0059】 しかし、スプリングの使用はこの好ましい実施形態の不可欠な部分であること
を意味せず、図2から4までに示された実施形態におけるインサートと同様に、
スリーブは、また、スプリングなしでも好ましく利用できることが理解されるで
あろう。同様に、他の好ましい実施形態によると、図2から4までに示された実
施形態で用いられるインサートは、また、適当な付加的構造と共に、スプリング
と共に用いて、それに伴う利点を生かすことができる。
【0060】 通路の内孔の内径は、好ましくはETアダプタの内孔の内径と同じにして、E
Tアダプタから通路へほぼ滑らかな壁面移行が得られことが好ましく、それによ
り図2から4までの実施形態で言及されたような利点がこの実施形態で得られる
ようにする。スリーブ位置における直径の変化の影響は、その変化が小さいため
に、また、露出するスリーブの長さが短いために、極めて小さい。
【0061】 本発明のすべての好ましい実施形態にしたがって構成された、図2から5まで
に示されたような、新生児用気道アダプタについて行われたテストは、これらの
アダプタがその意図した使用で成功するための作用的条件を満たすことを示して
いる。
【0062】 第一に、これらのアダプタは、よく用いられるETアダプタ及び周知のBallar
d Closed Suction System及びBird Flow Adapterを含めて、本発明者が知る限り
の全ての最も普通に用いられている気道コンポーネントに、相容性の点で何ら大
きな問題なしに接続される。
【0063】 空隙容積は非常に小さく、0.4cc未満であり、かつ新生児用気道アダプタ
のいろいろな実施形態の長さも非常に短くT−バージョンで30mm、Y−バー
ジョンで36mmである。そのサイズの小ささと空気力学的な内部構造によって
圧力低下は最小になっており、標準の3.5mmETセットに接続したときに余
分に12%低下するだけであり、この低い値が8l/分という高い気道流量で得
られる。
【0064】 気道システムの応答時間は、この新生児用気道アダプタを含めることによって
ほとんど影響されない。8l/分という気道流量で、この新生児用気道アダプタ
は応答時間を1乃至3msec増加させる。0.6l/分という流量で、応答時
間を10乃至13msec増加させる。比較のために言うと、よく用いられる従
来のRSPアダプタは0.6l/分という流量で、応答時間を43msec増加
させる。本発明による新生児用気道アダプタが正しく挿入されず、スライドする
インサートがETアダプタの内壁と面がそろっていなくても、応答時間は許容さ
れる範囲にある。内壁からのギャップが3mmの場合、応答時間の増加は0.6
l/分という流量でわずか23乃至36msecと測定されており、これでもま
だRSPアダプタの応答時間の増加より少ない。
【0065】 噴霧器によるミクロ・ドロップ・テストと呼ばれる、サンプリング・ラインへ
の液体の侵入防止を決定するテストで、Y−バージョンは毎時5mlの水の侵入
を許し、T−バージョンは毎時わずか1mlの水の侵入しか許さなかった。比較
のために言うと、RSPアダプタは毎時6mlの水の侵入を許した。
【0066】 本発明は上で具体的に示して説明したことによって限定されないということは
当業者には理解されるであろう。本発明の範囲には、上で述べたいろいろな特徴
のいろいろな組み合わせ、ならびに上の説明を読んで当業者に思い浮かぶような
従来の技術にはない変形や変更も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 気管内チューブ(ET)アダプタと呼吸チューブ・コネクタ間でなされる従来
の気道接続の断面図である。
【図2】 本発明の好ましい実施形態にしたがって構成され動作する新生児用気道アダプ
タの断面図である。
【図3】 本発明の他の好ましい実施形態にしたがって構成され動作する新生児用気道ア
ダプタの断面図であって、図2に示されているものと異なる気体サンプリング出
口を有し、ETアダプタを呼吸チューブ・コネクタに接続した気道アダプタを示
す。
【図4】 図3に示されている新生児用気道アダプタであるが、ETアダプタに接続され
たときの更に完全に閉鎖位置にある新生児用気道アダプタの断面図である。
【図5】 本発明の他の好ましい実施形態にしたがって構成され動作する新生児用気道ア
ダプタの断面図であって、それが取り付けられるETアダプタとの気密封止を確
保する他の方法が用いられている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内孔を有する気管内チューブ・アダプタに接続するための、
    内部に形成された通路を有する第一端部、 呼吸チューブ・コネクタに接続するための、前記第一端部と流体により連通す
    る第二端部、 前記両端部の中間にあって前記第一端部と流体により連通するサンプリング・
    ポート、及び 内孔を有しかつ前記通路内で軸方向にスライドする管状インサートを含む気道
    アダプタ。
  2. 【請求項2】 前記インサートの前記内孔の内径は前記サンプリング・ポー
    トに近い前記インサートの端に向かって、前記内孔の前記内径が前記通路の内径
    と実質的に等しくなるように漸次増加している請求項1に記載の気道アダプタ。
  3. 【請求項3】 前記インサートは、前記第一端部の一部に当接する構成であ
    って前記通路への軸方向運動を制限する突起を有する請求項1に記載の気道アダ
    プタ。
  4. 【請求項4】 前記突起は前記インサートの外壁上のリップを含む請求項3
    に記載の気道アダプタ。
  5. 【請求項5】 前記インサートの外壁は、前記インサートと前記通路との間
    の摩擦によって前記インサートが前記通路内で自由にスライドすることを阻止す
    る表面形態を有する請求項1に記載の気道アダプタ。
  6. 【請求項6】 前記サンプリング・ポートから遠い方の前記インサートの端
    で前記インサートの内孔は前記気管内チューブ・アダプタの前記内孔の内径に実
    質的に等しい内径を有し、それにより前記気管内チューブ・アダプタの前記内孔
    から前記インサートの前記内孔へほぼ滑らかな壁面通路を形成している請求項1
    に記載の気道アダプタ。
  7. 【請求項7】 前記サンプリング・ポートから遠い方の前記インサートの端
    は前記気管内チューブ.アダプタの通路の前記内孔の端に当接し、それにより前
    記気管内チューブ・アダプタの前記内孔と前記インサートの前記内孔の間の空隙
    容積が事実上排除される請求項6に記載の気道アダプタ。
  8. 【請求項8】 前記ほぼ滑らかな壁面通路は、その波形に実質的影響を与え
    ることなく息の波形を通過させる作用をする請求項6に記載の気道アダプタ。
  9. 【請求項9】 前記空隙容積の事実上排除は、その波形に実質的影響を与え
    ることなく息の波形を通過させる作用をする請求項7に記載の気道アダプタ。
  10. 【請求項10】 前記気管内チューブ・アダプタの前記内孔と前記インサー
    トの前記内孔との間の空隙容積の事実上排除は、前記気管内チューブ・アダプタ
    と前記気道アダプタが組み合わされる相対位置に無関係に有効である請求項7に
    記載の気道アダプタ。
  11. 【請求項11】 前記サンプリング・ポートが前記通路の壁から半径方向に
    離れた位置にある開口を有する請求項1に記載の気道アダプタ。
  12. 【請求項12】 内孔を有する気管内チューブ・アダプタに接続するための
    、内孔と外壁を有する通路が内部に形成され第一端部、 呼吸チューブ・コネクタに接続するための、前記第一端部と流体により連通す
    る第二端部、 前記両端部の中間にあり前記第一端部と流体により連通するサンプリング・ポ
    ート、及び 内孔を有しかつ前記通路の前記外壁上で軸方向にスライドする管状スリーブを
    含む気道アダプタ。
  13. 【請求項13】 前記スリーブを前記サンプリング・ポートから離れる方向
    で軸方向へ押す作用をするスプリングを更に含む請求項12に記載の気道アダプ
    タ。
  14. 【請求項14】 前記通路の内径は前記サンプリング・ポートに近い前記通
    路の端へ向かって増加している請求項12または13のいずれかに記載の気道ア
    ダプタ。
  15. 【請求項15】 前記通路の前記内孔は前記気管内チューブ・アダプタの前
    記内孔の内径に実質的に等しい内径を有し、それにより前記気管内チューブ・ア
    ダプタの前記内孔から前記通路の前記内孔へほぼ滑らかな壁面移行部を形成して
    いる請求項12または13のいずれかに記載の気道アダプタ。
  16. 【請求項16】 前記サンプリング・ポートから遠い方の前記スリーブの前
    記端は前記気管内チューブ.アダプタの通路の前記内孔の端に当接し、それによ
    り前記気管内チューブ・アダプタの前記内孔と前記スリーブの前記内孔との間の
    空隙容積が事実上排除される請求項12または13のいずれかに記載の気道アダ
    プタ。
  17. 【請求項17】 前記ほぼ滑らかな壁面移行部は、その波形に実質的影響を
    与えることなく息の波形を通過させる作用をする請求項15に記載の気道アダプ
    タ。
  18. 【請求項18】 前記空隙容積の事実上排除は、その波形に実質的影響を与
    えることなく息の波形を通過させる作用を請求項16に記載の気道アダプタ。
  19. 【請求項19】 前記気管内チューブ・アダプタの前記内孔と前記スリーブ
    の前記内孔との間の空隙容積の事実上排除は、前記気管内チューブ・アダプタと
    前記気道アダプタが組み合わされる相対的位置に無関係に有効である請求項16
    に記載の気道アダプタ。
  20. 【請求項20】 前記サンプリング・ポートは前記通路の壁から半径方向に
    離れた位置にある開口を有する請求項12または13のいずれかに記載の気道ア
    ダプタ。
  21. 【請求項21】 前記サンプリング・ポートから遠い前記スリーブの端は柔
    軟材料で作られている請求項1乃至20のいずれか1に記載の気道アダプタ。
  22. 【請求項22】 気管内チューブ・アダプタに使用される異なる内径及び内
    部長さの影響を打ち消す作用をする請求項1乃至21のいずれか1に記載の気道
    アダプタ。
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