JPH10151201A - 気道アダプタおよびこれを用いる方法並びにサンプル・ポート - Google Patents

気道アダプタおよびこれを用いる方法並びにサンプル・ポート

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JPH10151201A
JPH10151201A JP9224030A JP22403097A JPH10151201A JP H10151201 A JPH10151201 A JP H10151201A JP 9224030 A JP9224030 A JP 9224030A JP 22403097 A JP22403097 A JP 22403097A JP H10151201 A JPH10151201 A JP H10151201A
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air collector
inlet
tube
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    • A61M16/0841Joints or connectors for sampling
    • A61M16/085Gas sampling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直立に保持される必要がなく、いろいろな配
位に自由に回転可能であり、据え付け及び保守が容易な
アダプタを得る。 【解決手段】 気道アダプタのための多経路サンプル・
ポートは、複数の入口管及び一つの出口があるかなり球
形の突起を含み、気道アダプタの主経路の側壁にある開
口を介して気道アダプタの主経路のかなり内部に配置さ
れるように設計される。出口は、かなり円筒状の室の一
端に繋がれる、あるいは一体に形成される。そのかなり
円筒状の室の反対側の端部は、ガス分析器へ接続可能に
改造される。大気圧よりも低い圧力がガス分析器に用い
られると、ガスが気道アダプタの主経路からかなり球形
の突起の入口の中へ、球形の突起を通ってかなり円筒状
の室の中へ、そしてそこからガス分析器へ流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプル・ポート
のある気道アダプタに関し、特に、多数の入口のある空
気コレクタを含むサンプル・ポートのある気道アダプタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】説明のため、ここでの論議は患者に用い
る気道アダプタに焦点を合わせるが、本発明は、患者へ
の用途だけの範囲に制限されることなく、有益に種々の
他の状況で用いられることが可能である。
【0003】一般に、気道アダプタは、特に、麻酔下の
患者あるいは生命維持システムにある患者等、呼吸装置
を必要とする入院患者が吐き出す息から、分析の目的で
呼気を試料として採るために用いられる。通常、このよ
うな患者からは、患者へガスを吸入すると共に患者の吐
き出す息を患者から排出する気管内挿入管が呼吸装置ま
で延びる。アダプタは、この患者から延びて来た気管内
挿入管を呼吸装置へ繋ぐものである。アダプタは、その
形状が「T」である場合もあり、「Tピース」としても
知られている。「T」の上部すなわち横切る部分は管で
あり、その部分を介して患者へガスが入り、患者から呼
気が戻る。「T」の他の部分は、その管の壁から突き出
すポートである。このポートが、管を通って流れるガス
を試料として採るために用いられる。また、アダプタ
は、形状が肘のようである場合もあり、このタイプのア
ダプタは「エルボ・ピース」と呼ばれる。これらのアダ
プタにおいては、管が肘の部分を形成しており、ポート
が管の壁から突き出している。
【0004】いずれのタイプのアダプタであっても、ポ
ートは他端部においてガス分析器に接続される。患者の
呼気の側留がポートを介してガス分析器に流れ分析され
る。この非侵襲性分析の結果は、患者の肺の灌流状態、
呼吸器系、新陳代謝等、患者の状態についての指標を提
供する。
【0005】この呼気の非侵襲性分析の精度は、呼気の
波形及び応答時間に可能な限り変化がないように呼気の
平滑な層流を保守しながら、患者からガス分析器まで呼
気試料を移動する試料採取システムの能力に拠る。呼気
波形は正確な分析に不可欠である。呼気が患者からガス
分析器へ移動するとき呼気は波の状態で移動する。呼気
の組成は、この波全体に渡って変化するもので、この波
形を定めるものである。これらの変化は、10から 100
ミリ秒内に起こり、患者の状態についての重要な情報
を提供する。呼気試料の密閉混合あるいは波形の変化
は、ガス分析器による試料分析の精度を落とし、その分
析から得られる情報量を減少させる。
【0006】呼気試料の密閉混合及び波形の変化は、ど
ちらも応答時間を遅くする。各々の呼気が波状で移動す
るとき、その波にはピーク、すなわち呼気が高濃度にな
る箇所がある。応答時間とは、ピークのベースの出現と
ピークそれ自体の出現との間の経過時間である。速い応
答時間とは、ピークが比較的高く狭いことを示し、呼気
が患者から吐き出されてからピークが広がっていないこ
とを示す。ガス分析の精度及びその分析から得られる情
報量は、波形がほとんど変化しないことに依存するた
め、速い応答時間が望ましい。
【0007】これらの要因の一つを単に安定させるだけ
では呼気試料の正確な分析には不十分である。これらの
うち一つの要因の変化は、他の要因に影響を与える性質
があり、呼気試料の変化を増し、ガス分析の精度及びそ
の分析から得られる情報量が共に急減する。例えば、呼
気の混合により応答時間が遅くなる傾向がある。したが
って、気道アダプタによるこれらの要因の変化が可能な
限り少ないことが重要である。
【0008】呼気へのこれらの変化を妨げ正確なガス分
析を得ることに対する重大な障害となるのは、このよう
な患者の呼気が、しばしば、粘液性のだ液及び濃縮水を
含む液体あるいは固体の分泌物、あるいはそれらの混合
物等、試料採取装置を塞ぐあるいは詰まらせる物質を含
んでいることである。したがって、気道アダプタには、
これらの固体、液体あるいはそれらの混合物から所望の
呼気を分離するための手段が含まれなくてはならない。
これら分離手段は、管、あるいは気道アダプタのポート
に配置される。しかしながら、このような手段も詰まり
を発生させることがあり、気道アダプタを介してガス分
析器へ移動する呼気の圧力を減らすことがある。このよ
うな圧力降下は、ガス分析の精度及びその分析から得ら
れる情報量を減らす原因となる波形の変化、呼気の混
合、呼気濃度の変化等を含む多様な変化を呼気試料に引
き起こす恐れがある。ガス濃度はガス圧に直接的に依存
するため、圧力変化によってガス濃度が特に影響を受け
る。このガス濃度は、通常、水銀ミリメートルの単位で
測られる。以下、用語「圧力降下」は、ガス自体が及ぼ
す圧力減少を意味する。
【0009】正確なガス分析の必要及び呼気分析の全体
的な需要によって、気道アダプタが必要とする特徴が定
められる。第一に、平滑なガスの層流を保ちながら、大
きな圧力降下あるいはガス波形の変化を起こすことな
く、ガスが、液体、固体あるいはそれらの混合物から分
離されるべきことである。第二に、アダプタあるいはサ
ンプル・ポート内においては、ガス混合を起こす恐れの
ある付加空隙率が最小になるべきことである。先に説明
したように、ガス混合、ガスの平滑な層流の混乱、ある
いはガス波形の変化が、かなり不正確な結果をもたらす
ので、これらの特徴は、正確な試料分析のために、ま
た、その分析から最大の情報を得るために不可欠であ
る。さらに、圧力降下は、ガス混合、ガス流量の減少及
びガス波形の変化を悪化させる傾向があるため、避ける
べきである。
【0010】さらなる特徴は、呼気分析の需要から定ま
る。分離手段を用いる気道アダプタはメンテナンスが容
易であるべきである。つまり、頻繁に清掃あるいは取り
換えが必要であってはいけない。また、気道アダプタは
操作が容易であるべきである。悪いことに、現在利用可
能なアダプタには重大な欠陥がある。これらの信頼性の
低いアダプタは、完全に必要条件を満たす本発明のもの
から容易に見分けることが可能である。
【0011】従来のアダプタは、ガスを液体、固体及び
それらの組合せから分離するためにサンプル・ポートに
フィルターを含むものが多い。他のこのようなアダプタ
は、気道アダプタの管内にフィルターあるいはバッフル
がある。しかし、波形に干渉し試料分析の精度を減ら
す、これらのフィルターに基づく構造のいずれもは、ガ
スがフィルターを横切るときにガスの圧力降下をかなり
増すという疎水性多孔物質特有の性質を解決するもので
はない。さらに、このような圧力降下は、患者分泌物及
び濃縮水がフィルター上にあるいはフィルター内に集ま
るので、長い時間にわたって増加する傾向がある。例え
ば、比較的小さな表面積を有する単純な平らなフィルタ
ー、バック氏( Buck )の米国特許第 4,456,014 号等
に開示されたものは、患者の分泌物あるいは濃縮水で容
易に覆われ、圧力降下を早める。
【0012】例えば、パーノフ氏( Parnoff )の米国
特許第 4,679,573 号(以下に「 Parnoff 」と呼ぶ)等
のように、フィルターの直径をサンプル・ポート径より
大きくすることでフィルターが塞がる割合が減る。しか
しながら、試料採取装置に空隙率が増えるのを避けるた
めに、パーノフ気道アダプタのデザインは、フィルター
が管壁に対向して配置されているので、フィルターが濃
縮水あるいは患者分泌物で覆われる傾向を増してしま
う。
【0013】パーノフ及びウォ氏( Wo )への PCT 出
願第 US 90/04353 号の説明のように、もしフィルター
の形状が平坦からドーム状あるいは円錐に変えられるな
ら、直径を増やさないでフィルターの表面積を増やすこ
とが可能である。しかし、ドームが圧力下でその形状を
保守するためには壁が厚くなくてはならない。壁が厚い
と、流量が急激にその壁厚によって減らされるのでガス
混合が促される。さらに、壁厚が試料装置に空隙率を増
加させる。最後に、フィルター膜は、濃縮水や他の液体
が入らないように孔が小さくなくてはならないが、これ
は、ガスの平滑な層流を妨害し圧力降下を増す。
【0014】フィルターあるいはバッフルを、サンプル
・ポートにではなく、気道アダプタの管に加えることが
可能である。これによって付加空隙率を減らすことが可
能である。例えば、気道アダプタ自体の内張りをガスに
対してのみ透過性にすることが可能である。このように
構成することにより、液体及び固体はアダプタ内に残留
するがガスはサンプル管へ通過する。この場合、ソーン
氏( Thorne )の米国特許第 4,985,055 号に説明され
るように、管自体がフィルターである。または、ラブダ
氏( Labuda )の米国特許第 4,558,708 号に説明され
るように、バッフルは、フィルターによりもむしろ、ア
ダプタの管内に配置されてもよい。しかし、このタイプ
のバッフルは、気道アダプタの管壁上に集まる濃縮水に
速やかに満たされ、その後、バッフルはもう有効でなく
なる。満たされたバッフルは重く、気道アダプタと気管
内挿入管との間の接続にひずみを起こす傾向がある。ま
た、これらバッフルはさらに空隙容積を増やす。さら
に、いずれの構成も、フィルター及びバッフルが塞がれ
るという特有の傾向を解決しない。実に、患者への弊害
となり得る、アダプタ自体が液体あるいは固体物質によ
って塞がれてしまうといことも起こり得る。
【0015】代替的に、コレンマン氏( Corenman )の
米国特許第 5,042,522 号にあるように、フィルターを
塞いでいる液体あるいは固体物質を取り除くために逆フ
ラッシュ機構を用いることができる。しかし、それで
も、このような機構は、ガスがフィルターを横切るとき
のガス圧力の減少という問題、あるいはそれに関係があ
る応答時間が遅いという問題を解決するものではない。
【0016】明らかに、フィルターは、それら自体の性
能に固有の欠陥があるため、十分な解決方法にはならな
い。ガスを液体、固体あるいはそれらの混合物から分離
するのにフィルターに依存しないアダプタが作れること
が文献から知られている。スペースラブ社( Spacelab
s, Inc. )の E.P.C. 第 0275105 号(以下「スペース
ラブ」と呼ぶ)は、フィルターあるいはフィルターのよ
うな工夫のいかなる種類をも用いないアダプタを説明し
ている。スペースラブのアダプタの管には、二つの室が
あり、これらは、内室から、環状経路に形成された室へ
延びる放射状の経路によって結ばれる。この環状経路
は、アダプタのある部分に絞られた径を設けて形成され
ている。ガスが内室から放射状の経路を介して環状経路
へ流れ、環状経路からポートへ流れる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】スペースラブのアダプ
タは上記の問題に対する十分な解決方法ではない。アダ
プタの径が絞られているので、気道アダプタを通る気流
は制限される。さらに、スペースラブのアダプタのポー
トは、もしポートが直立に保持されないなら、水あるい
は他の液体を吸い込む傾向がある。ポートを直立に保持
することは、病院環境においては非現実的である。なぜ
なら、病院スタッフによってアダプタが間違って据え付
けられるかもしれないし、患者が動き、管及びポートが
回転するなどして、アダプタを頻繁に付け直す必要が生
じるかもしれない。
【0018】本発明も、ガスを液体、固体あるいはそれ
らの混合物から分離するためにフィルターに依存しな
い。したがって、本発明は、フィルターに頼るアダプタ
に特有な欠陥を被ることはない。さらに、本発明はアダ
プタ全体の構造よりもむしろ気道アダプタのポートの構
造を変えるので、本発明は、スペースラブのアダプタか
ら容易に識別可能であり、また、スペースラブのアダプ
タよりも大変優れている。本発明のアダプタの内部構造
は、スペースラブのアダプタのものとは完全に異なり、
アダプタを通る気流を危うくせず、また、本発明のポー
トは、最適な効力を得るために直立に保持される必要が
ない。特に、本発明の気道アダプタは、いろいろな配位
に自由に回転可能であり、それでも効率を持続するた
め、本発明は据え付け及び保守が容易である。
【0019】上記既知の構成のいずれもが、上記にリス
トアップされた気道アダプタへの基準を完全に満たすも
のではないが、本発明は、上記既知の構成から明確に且
つ容易に見分けがつく形でこれらの基準を完全に達成す
る。
【0020】ゆえに、ガス圧力あるいは流量を減らすあ
るいはガス波形を変えることなく、容易に塞がるあるい
は詰まることがなく、付加空隙率が最小であって、操作
が容易で、頻繁な付け直しあるいは維持管理を必要とせ
ず、また、自由に回転ができ種々の配位で有効な気道ア
ダプタの必要が広く認められており、そのようなアダプ
タを得ることは非常に有益である。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
壁を特徴とする管と、(b)壁を介して管との接合部を
形成するポートとからなる気道アダプタであって、ポー
トは出口、空気コレクタ及び複数の入口を含み、空気コ
レクタは出口に付いており、入口は空気コレクタに付い
ており、入口の各々は、管のかなり内部に配置される開
口を特徴とする気道アダプタが提供される。
【0022】さらに、下記の本発明の実施例における特
徴によれば、選択的に、入口は孔であってもよいが、か
なり管状であることが好ましい。開口の各々及び入口の
各々は、それぞれ、他開口の各々及び他入口の各々とほ
ぼ等しい内径を有することが好ましい。もし入口がかな
り管状であるなら、入口の各々の長さは他入口の各々の
長さにほぼ等しいことが好ましい。また、入口の各々の
内径はその開口の内径にほぼ等しいことが好ましい。入
口は、かなり疎水性の材料から形成されることが好まし
い。
【0023】また、実施例におけるさらなる特徴によれ
ば、開口及び入口の内径は、約0.5ミリメートルから
約1.7ミリメートルまでの範囲にあることが好まし
い。もし入口がかなり管状であるなら、各入口の長さは
約2.5ミリメートルであることが好ましい。開口及び
入口の内径は、約0.8ミリメートルであることが最も
好ましい。
【0024】また、実施例におけるさらなる特徴によれ
ば、空気コレクタは、中空の球であることが好ましく、
かなり疎水性の材料からあるいは代替的にかなり親水性
の材料から形成される。空気コレクタは、管内のかなり
中央に位置し、管の壁に対してかなり直角であることが
好ましい。任意に、入口の開口は、かなり管の一端に面
していてもよく、この場合、入口の各々は、他入口の各
々に対して対称的に配置される。少なくとも1つの入口
の開口が、かなり管の一端に面し、少なくとももう一つ
の入口の開口が、かなり管の他端に面していることが好
ましい。また、3つの入口があることが好ましい。
【0025】また、実施例におけるさらなる特徴によれ
ば、入口が空気コレクタの中に突き出し、入口の各々の
端部が空気コレクタのかなり内部にあり、端部の各々の
間に第一の距離があり、開口の各々の間に第二の距離が
あり、第一の距離は第二の距離よりも少ないことが好ま
しい。また、出口の内径は各開口の内径よりも大きいこ
とが好ましい。
【0026】また、本発明によれば、(a)ガスを導く
ために気道アダプタを導管に付けること、(b)ポート
の出口をガス分析器へ連結すること及び(c)気道アダ
プタを通って流れるガスが気道アダプタからガス分析器
まで移動するようにガス分析器に力を作用させることか
らなる、側留を引き出すために本発明を用いる方法が提
供される。
【0027】本発明のさらにもう一つの実施例によれ
ば、(a)患者の呼吸装置へ気道アダプタを連結するこ
と及び(b)気道アダプタのポート内に薬を置くことか
らなる、薬を投与するために本発明を用いる方法が提供
される。
【0028】また、本発明によれば、(a)出口、
(b)空気コレクタ及び(c)複数の入口を含むが提供
される。このサンプル・ポートは、空気コレクタが出口
に、入口が空気コレクタに付けられており、入口の各々
は開口を特徴とし、開口は管のかなり内部に配置されて
いる。
【0029】本発明は、試料採取されるガスの圧力ある
いは流量をあまり減らさずに、ガス波形を混ぜ合わせる
ことなく、ガス試料についての正確な分析を可能にし、
閉塞、詰まり、必要とされる維持管理、置き直しあるい
は取り換えの頻度は低いが操作が容易な気道アダプタを
提供することによって、従来の構成の欠点を指摘する。
【0030】特に、本発明は、ポート及び管を有する気
道アダプタである。ポートは、管の壁を介して接合部を
形成し、管の内部へのアクセスを提供する。ポートは、
出口、空気コレクタ及び複数の入口を含む。空気コレク
タは出口に付けられており、入口は空気コレクタに付け
られている。入口の各々の一端は、管のかなり内部に配
置される。以下、用語「付けてある」は、繋がれてい
る、あるいは一体に形成されているということを意味す
る。
【0031】ポートは、気道アダプタの管の壁に対して
かなり直角であることが好ましく、入口が管の内壁と接
触しないように、空気コレクタは、アダプタの管の壁に
対してかなり直角で、管のかなり中心にあることが好ま
しい。
【0032】本発明は次の状態で用いられることが意図
されている。側留すなわちガス試料が、気道アダプタの
管から空気コレクタの入口を通って流れ、そこからポー
トの出口を介して流れ出る。望ましいやり方は、そこか
らガスはガス分析器に流される。ガスの側留が気道アダ
プタの管からガス分析器へ流れるようにガス分析器に力
を作用させることが好ましい。
【0033】本発明は、粘液、だ液、他の固体、液体あ
るいはそれらの混合物による閉塞あるいはそれらの取り
込みを少なくするように設計されている。全ての入口が
塞がれない限り、これら固体、液体あるいはそれらの混
合物が空気コレクタの入口に入ることは不可能である。
もしすべての入口が塞がれないなら、入口の小さな内径
及びそれらが形成された材料が疎水性であるために、固
体、液体、あるいはそれらの混合物の取り込みに対する
入口の抵抗に勝る十分な外圧力が生じない。入口は、一
つの固体の微粒子あるいは液体の滴が同時にすべての入
口を塞ぐことが不可能なように配置されている。
【0034】以下、用語「疎水性」は、液体あるいは他
の水を含む物質との接触を阻む物質を示すために用いら
れている。以下、用語「親水性」は、液体あるいは他の
水を含む物質との接触を促す物質を示すために用いられ
ている。
【0035】本発明を用いる第二の方法は、本発明の気
道アダプタのポートを介して、噴霧の、あるいは空中浮
揚の医薬品を患者に投与することである。この方法で
は、このような薬は気道アダプタのポート内に置く。患
者が吸入すると、薬はポートから空気コレクタを介して
気道アダプタの管の中に引き込まれ、気道アダプタの管
から、薬は、患者の気管内挿入管の中に、そしてそこか
ら患者の肺へ吸い込まれる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明は、集められるガスの圧力
あるいは流量を減らすことなく、ガス試料の収集に効率
的に用いられ、その配位の如何にほとんど影響を受け
ず、粘液あるいはだ液等の液体あるいは固体物質あるい
はそれらの混合物に塞がれるあるいはそれらを取り込む
可能性が少ない気道アダプタに関する。特に、本発明は
管及びポートを有し、そのポートが管の壁を通る接合部
を形成し、管内部への進入路を提供する。ポートには出
口、空気コレクタ及び複数の入口があり、空気コレクタ
は出口に繋がり、その空気コレクタに入口が繋がり、各
入口の一端部はかなり管の内部に位置する。
【0037】本発明による気道アダプタの原理及び作動
については、図面及びその説明文から明確に理解可能で
ある。
【0038】さて、図面を参照する。図1A及び1B
は、本発明による説明のための気道アダプタの概要図で
ある。図1Aは気道アダプタ10の長手方向の断面図で
ある。気道アダプタ10は管12及びポート14を有す
る。本実施例に示されるように、管12は、かなりまっ
すぐであり、気道アダプタ10は「Tピース」として説
明されてもよい。管12は、また、肘の形状に曲がって
いてもよいため、気道アダプタ10は「エルボ・ピー
ス」として説明されてもよい(図7及び8参照)。ポー
ト14が管12に付けられており、ポート14は、管1
2の壁を通る接合部を形成する。ポート14は、出口1
6、空気コレクタ18及び複数の入口20を有し、空気
コレクタ18が出口16に繋がり、空気コレクタ18に
は入口20が繋がっている。出口16は、ガス分析器
(図示せず)をつなぐように改造してもよい。各入口2
0は開口22を有し、その開口は管12のかなり内部に
位置する。
【0039】図1Bは図1Aの気道アダプタの第二の断
面形状を示す。管12を端部から見ている。空気コレク
タ18は中空の球であり、入口20はかなり管状である
ことが好ましい(図2参照)。
【0040】図2Aは、図1Aにおける、管12が取り
除かれたポート14だけの正面図である。図2Bは図2
Aの説明のためのポート14の長手方向の断面図を示
す。
【0041】図3Aは図1のポート14のもう一つの説
明のための実施例の正面図にを示す。図3Bは図3Aに
示されているポート14の長手方向の断面形状を示す。
この実施例では、入口24は、空気コレクタ18に対し
てかなり平で開口26がある。開口26及び入口24が
同一物体からなり入口24が孔となるように、入口24
は開口26と同じ広がりをもってもよい。
【0042】図4は、かなり球形の空気コレクタ18及
び4つのかなり管状の入口20がある、気道アダプタ1
0の異なる実施例を示す。ポート14は、管12と一体
に形成されるものではなく、むしろ別部品であり管12
内部に配置されるものである。
【0043】図5は、気道アダプタ10について、かな
りだ円状の空気コレクタ28及び3つのかなり管状の入
口20があるもう一つの可能な構成を示す。だ円状の空
気コレクタ28は、特に、空気コレクタ28のカーブ形
状が空気コレクタ18の利点の多くを提供するため、か
なり球形の空気コレクタ18の効率的な代用となる。
【0044】図6は、気道アダプタ10について、空気
コレクタ28及び2つのかなり管状の入口20がある、
さらにもう一つの可能な構成を示す。
【0045】図7及び8は「エルボ・ピース」形の気道
アダプタ10の図である。この構成では、管12に肘曲
がりがある。この構成は気管へのストレスを減らすの
で、肘曲がりは、患者の気管が直接的に挿管される呼吸
システムに特に有利である。図7は空気コレクタ18及
び3つの入口20を含み、図8は空気コレクタ28及び
4つの入口24を含んでいる。
【0046】これらすべての実施例において、出口16
内部の直径が入口20あるいは24内部の直径より大き
いことが好ましい。例えば、出口16の内径が、約30
%から約50%までの範囲にあるパーセンテージで入口
20あるいは24の内径より大きいことが好ましい。複
数の入口20あるいは24が一つの出口16につながっ
ているので、出口16の内径を大きくすることで圧力変
動を妨げる。もし出口16の内径が入口20あるいは2
4とほぼ同じなら、すべての入口20あるいは24から
の全ガスがすべての入口20あるいは24の全容量より
少ない容積に入ることになるため、ガスの平滑な層流が
混乱してしまうであろう。同様の理由により、各開口2
2あるいは26の内径は、他の開口22あるいは26の
内径にほぼ等しいことが好ましい。また、各入口20あ
るいは24の内径は、各々、その開口22あるいは26
の内径にほぼ等しいことが好ましい。かなり管状の入口
20については、各入口20の長さは他の入口20の長
さにほぼ等しいことが好ましい。もしこれらの寸法が揃
えられていないなら、ガスの平滑な層流は乱れてしまう
であろう。
【0047】オプションとして、各々、少なくとも1つ
の入口20あるいは24の開口22あるいは26が管1
2の一端に面してもよい。図4、5、6及び8に示され
るように、各々、他の入口20あるいは24の少なくと
も1つの開口22あるいは26が管12の他端に面して
もよい。代替的に、図1、2、3及び7に示されるよう
に、各々、すべての入口20あるいは24の開口22あ
るいは26が管12の一端に面してもよい。すべての開
口22あるいは26を管12の一端に向けること、最も
好ましくは、管12を通る気流の方向に正反対に向ける
ことは、ポート14を通して最大の気流が得られるとい
う利点があるが、一度にすべての開口22あるいは26
を塞いでしまう、液体、固体、あるいはそれらの混合物
の一滴あるいは一微粒子を入れてしまう可能性があると
いう欠点がある。図1、2、3、5及び7に示されるよ
うに3つの入口20あるいは24があることが好まし
い。図1から3までに示された実施例で、3つの入口2
0あるいは24は、互いに他に対して対称的に配置さ
れ、各々2つの入口20あるいは24の間に 120 度の
角度が保たれる。3つの入口20あるいは24を対称的
に配置することの利点は、入口20あるいは24の各対
の間の距離が最大になり、固体、液体、あるいはそれら
の混合物の一微粒子あるいは一滴が同時にすべての3つ
の入口20あるいは24を塞いでしまう可能性を減少さ
せることにある。
【0048】入口20に関しては、かなり管状であっ
て、入口20及び空気コレクタ18あるいは28の形状
は、入口20が空気コレクタ18あるいは28を介して
突き出していることが好ましい。入口20の、空気コレ
クタ18あるいは28内にある各端は、他の入口20の
各端から第一の距離にあり、各開口22は他開口22か
ら第二の距離にあり、第一の距離が第二の距離よりも小
さいことが好ましい。もし第一の距離が第二の距離より
も小さくないなら、2つの問題が起こり得る。第一に、
空気コレクタ18あるいは28内でガス混合が起こり得
る。第二に、液体の一滴あるいは固体の微粒子あるいは
それらの混合物が同時に全ての開口22を塞ぐことが起
こり得る。第二の距離を増やすことで、このようなこと
が起こる可能性を最小にできる。
【0049】すべての実施例において、ポート14が管
12に対してかなり直角で、空気コレクタ18あるいは
28が管12内のかなり中央に位置し、空気コレクタ1
8あるいは28が管12の壁に対してかなり直角である
ことが好ましい。入口20が管12の内壁と接触しない
ことが好ましい。管12の壁に対してかなり直角に空気
コレクタ18あるいは28を配置することで、管12の
壁の内面から入口20あるいは24までの距離を最大に
することが可能である。また、管12内におけるかなり
中央に空気コレクタ18あるいは28を配置すること
で、最大の気流に空気コレクタ18あるいは28をさら
すことになる。
【0050】本発明の説明のための気道アダプタの構成
要素の特定な望ましい寸法は次の通りである。空気コレ
クタ18あるいは28は、直径において約5.5ミリメ
ートル(外面寸法)以下であることが好ましい。入口2
0は、かなり管状で、長さが約2.5ミリであることが
好ましい。入口20あるいは24の内径は約0.5ミリ
メートルから約1.7ミリメートルの範囲にあることが
好ましく、約0.8ミリであることが最も好ましい。固
体、液体及びそれらの混合物の取り込み、あるいはそれ
らによる閉塞による混乱が最も少なく、ガスの最も効率
的な採集を可能にするため、これらの寸法は気道アダプ
タに最適な効率を提供する。
【0051】すべての実施例において、空気コレクタ1
8あるいは28及び入口20あるいは24は、液体及び
液体を含む混合物との接触を拒む疎水性の材料から形成
されることが好ましい。代替的に、空気コレクタ18あ
るいは28は親水性の材料から、入口20あるいは24
は疎水性の材料から形成されてもよい。ポート14を塞
ぐあるいは詰まらせる液体あるいはそれらの混合物が入
らないように、入口20あるいは24は疎水性の材料か
ら形成されることが好ましい。空気コレクタ18あるい
は28は、親水性の材料から形成されてもよく、これに
よって液体あるいはそれらの混合物を入口20あるいは
24から離れるように引き付け、入口20あるいは24
の塞ぎあるいは詰まりを防ぐ助けとする。
【0052】気道アダプタ10は、次の方法で用いられ
てもよい。この方法は、図1及び2に示された気道アダ
プタ10の最も好ましい実施例の使用についての説明で
あるが、図3から8に示された気道アダプタ10につい
ても同様の方法が用いられてもよい。この例は、呼吸装
置に繋がれた患者から吐き出された呼気を試料として採
るためのもので、単に説明を目的としたものである。な
ぜなら、気道アダプタ10は、多くの他の方法において
ガスを試料採取するために用いられ得るものである。患
者の気管内挿入管(図示せず)は気道アダプタ10の管
12に繋がれており、出口16はガス分析器(図示せ
ず)に繋がれている。ガス分析器に、大気圧より幾分低
い気圧の形で力が提供されるため、気道アダプタ10の
管12を介して流れるガスが、入口20を通って空気コ
レクタ18の中に流れるように促される。その後、ガス
はポート14の出口16を介してガス分析器の中に流れ
る。悪いことに、この力は、液体、固体あるいはそれら
の混合物の取り入れをも促す。
【0053】粘液あるいはだ液等の液体、固体あるいは
それらの混合物は、開口22の大きさ、入口20の配置
及び入口20の疎水性によって空気コレクタ18に入る
ことが妨げられる。開口22は、ガスの試料採取に適し
た側留を受け入れるに十分に大きいが、開口22に液体
の表面張力の発生を促すに十分に小さいため、粘液及び
だ液等の液体を含む液体あるいは混合物が入ることを阻
む。複数の入口20を有することの利点は、もし1つの
入口20が塞がれても、残っている入口20がまだガス
を受け入れることができることにある。さらに、ガス分
析器に用いられる力には、入口20がすべて塞がれた場
合にのみ、空気コレクタ18内の圧力と空気コレクタ1
8外の圧力との間の陰圧差を増す傾向があるため、全て
の入口20が塞がれない限り、入口20の抵抗に打ち勝
って固体、液体あるいはそれらの混合物が入口20に入
ることはない。この陰圧差の増加により、固体、液体あ
るいはそれらの混合物が入口20に入ることが起こり得
る。例えば、入口20内に含まれる物質の取り入れによ
って、1つの入口20の閉塞が解かれるとすぐに、陰圧
差は以前のレベルに減り、入口20は、固体、液体ある
いはそれらの混合物が再び入ることに抵抗可能となる。
したがって、一度に入り得るのは僅かに最小量の物質の
みである。
【0054】図1、2、3、5及び7に示された実施例
は、固体、液体あるいはそれらの混合物による閉塞ある
いはそれらの取り込みに対し最大の抵抗を有する。この
実施例は、互いに対して対称的に配置された3つのかな
り管状の入口20あるいは3つのかなり平らな入口24
を有する。このような構成は、入口20あるいは24間
の距離を最大にするため、粘液あるいはだ液等の固体の
一微粒子あるいは液体の一滴あるいはそれらの混合物に
よって入口20あるいは24が塞がれることを少なくす
る。閉塞には1つ以上の微粒子あるいは小滴が必要とさ
れることは、3つの入口20あるいは24すべてが同時
に塞がれる可能性を減少させるので、固体、液体あるい
はそれらの混合物の取り込みの可能性を減らす。入口2
0あるいは24から管12の内壁への距離も最大になっ
ているので、気流が最大の流量を有し、より速い応答時
間が得られる管12の中心近くに入口20あるいは24
が配置されるのが好ましい。このような構成は、さら
に、固体、液体あるいはそれらの混合物の微粒子あるい
は小滴が入口20あるいは24と管12の内壁との間に
閉じ込められる可能性を減少させる。
【0055】入口20のかなり管状の形状は、入口24
より、さらに多くの利点を提供する。空気コレクタ18
の表面から離れた入口20の突起は、固体、液体あるい
はそれらの混合物の微粒子あるいは小滴に物理的な支え
を拒むため、それら微粒子あるいは小滴がこなごなにな
りガスの流れによって排出されるという可能性を増す。
さらに、図1、2、4及び7に示される実施例の球形の
空気コレクタ18のカーブ形状は、固体、液体あるいは
それらの混合物は空気コレクタ18上に付着するよりも
むしろ空気コレクタ18を滑り落ちる性質があるため、
同じく、閉塞に対する抵抗を向上させるものである。上
記に述べられた文献で知られている気道アダプタに見ら
れるそのような堆積の形成は、維持管理の必要を増し、
気道アダプタの寿命を減少させるものである。従って、
本発明の空気コレクタ18の、そのような堆積に抵抗す
る能力は、気道アダプタ10の稼働寿命を増す。
【0056】ガス試料採取により良い性能を達成するこ
とに加え、本発明のアダプタ10には、本発明のポート
14を介して患者へ噴霧の、あるいは空中に含まれる医
薬品として薬を投与するという第二の使用方法がある。
この方法では、そのような薬はポート14内に置かれ
る。患者が吸入するとき、薬はポート14から空気コレ
クタ18を介して管12の中に引かれる。管12から薬
は患者の気管内挿入管の中に、そしてそこから患者の肺
の中へと吸い込まれる。
【0057】
【多経路サンプル・ポートのテスト】ここに説明された
特徴及び実施例は、下記の実験を参照すればもっと良く
理解される。これらの実験は、本発明による気道アダプ
タと、ガスを液体、固体あるいはそれらの混合物から分
離するために複数のよく知られているシステムを用いた
気道アダプタの例とに対して行われたものである。
【0058】
【実験方法】すべての試験は室温(22−27℃)にお
いて行われた。用語「Tピース」はかなりまっすぐな管
の気道アダプタを意味する。すべての試験には、下記の
実験材料の下に「基準Tピース」と定められた、比較の
ための基準Tピースを用いた。しかし、応答時間テスト
については、比較のために特別に設計されたTピースを
用いた。
【0059】1.ミクロドロップ・テスト−テストされ
るTピースから 135 ミリの所に噴霧器が置かれた。噴
霧器を通る気流は5.0L/分であった。水が噴霧器で
噴霧され、容量換気装置の作動によってTピースへ吸い
込まれた。容量換気装置( LP - 6)には次の変数が設
定された。V=0.8L及び BR =14/分。Tピース
の管から配管を通る流れは47ミリリットル/分であっ
た。噴霧器からTピースを介して配管内へ通過した水
は、水だめに取り込まれて測定された。この水を取り込
み測定する方法は、後に続くすべての実験に用いられ
た。
【0060】2.マクロドロップ・テスト−テストされ
るTピースから8から10ミリメートルの所に管が置か
れた。容量換気装置( LP - 6)の作動によって、水及
び卵の白身の大粒が18ミリリットル/分の割合で管か
ら流れ出てTピースへ吸い込まれた。換気装置には、次
の変数が設定されていた。V=1.6L及び BR =14
/分。
【0061】3.湿り空気テスト−95から 100 %の
相対湿度まで湿気が空気に加えられた。湿り空気は容量
換気装置の作動によってTピースの中に流れた。次の変
数が設定されていた。V=0.8L及び BR =14/
分。配管内のガスの流れは47ミリリットル/分であっ
た。換気システム及びTピース内の温度は30から32
℃であった。
【0062】4.Tピース取り込み時の通風抵抗−テス
トされるTピースは、さらに2つの基準Tピースの間に
置かれた。この3つのTピースシステムを介して30リ
ットル/分の空気の流れが確立された。テストされるT
ピースを含む場合と含まない場合とで、この流れに対す
る圧力降下が測定された。差異は抵抗を表す。
【0063】5.Tピース流出時の通風抵抗−第二の基
準TピースがテストされるTピースの出口に繋がれた。
第二のTピースの第一の端は差圧計に繋がれ、第二の端
は空気ポンプに繋がれた。気流は50ミリリットル/分
であった。圧力降下が差圧計によって測定された。
【0064】6.応答時間テスト−カプノグラフのため
の規則 prEN864 によって定められた方法を用いて応答
時間が測定された。比較に用いられたTピースは、速い
反応に対する障害が最小になるように特別にデザインさ
れたものであるため、この速い応答時間のTピースの応
答時間は最小であった。速い応答時間のTピースの応答
時間が測定された後、速い応答時間のTピースは、テス
トされるTピースに置き換えられ、テストされるTピー
スの応答時間が測定された。速い応答時間のTピースの
応答時間とテストされるTピースの応答時間との間の差
が計算された。
【0065】
【実験材料】Tピースは、次の材料から構成され、上記
の方法に従ってテストされた。結果が下記の表1に基準
Tピースへの比較形式で提供されている。
【0066】1.基準−これら実験全てに対して基準T
ピースが参照として用いられた。この基準Tピースに
は、従来から知られている気道アダプタのデザインの中
で最も効果的であることが知られている単一の非常に大
きな入口のあるポートがあった。この入口は、サンプル
・ポートへ入口が最も効果的な場所である管の中心に配
置されていた。大きな入口は、固体、液体あるいはそれ
らの混合物によって塞がれることに抵抗できる利点があ
った。この入口における流れが非常に遅いため、大きな
入口は、固体、液体あるいはそれらの混合物の小さな微
粒子あるいは小滴の取り込みに対して同じく抵抗を促す
ものであった。悪いことに、遅い流れは遅い反応を引き
起こした。
【0067】2.中空繊維、平らな膜及びシリンダ−疎
水性で多孔性の媒体から形成されたフィルターが、中空
繊維、平らな多孔性の膜あるいは多孔性のシリンダに形
成され、Tピースのポートに挿入された。流出における
抵抗が、測定された初期抵抗であり、疎水性のフィルタ
ーが生じる抵抗は長い時間にわたって増加する傾向があ
るため、この時の抵抗値が、これらTピースが示す最も
低い抵抗値である。また、中空繊維の応答時間は推定で
ある。
【0068】3.壁/ネット−保護性網状障壁、流向指
示板、滴形物体がTピースのポートに挿入された。ある
いは、Tピースは波形状あるいは「Z」形に曲げて作ら
れた。これらのシステムには、基準Tピースよりも大き
いという欠点があった。
【0069】4.水だめ−水だめは、水分吸収材から、
あるいはTピースの内部形状を変えることによって構成
された。これらのシステムには、基準Tピースよりも大
きいとう、また、水を捕らえた後に非常に重くなるとい
う欠点があった。
【0070】5.最小インプット−Tピースのポートの
直径は内径0.8ミリメートルに減らされた。
【0071】6.最大インプット−Tピースのポートの
直径は、内径2.5から4ミリメートルに増やされた。
【0072】7.3つのかなり管状の入口がある空気コ
レクタ−本発明の気道アダプタは、かなり球形の空気コ
レクタがある図1及び2に示された最も好ましい実施例
において、また、かなりだ円状の空気コレクタがある図
5に示された第二実施例においてテストされた。
【0073】両実施例とも、空気コレクタには3つのか
なり管状の入口があった。本発明の気道アダプタは、性
能において他のTピースより優れた素晴らしい改善があ
った。本発明の気道アダプタは、マイクロドロップ・テ
ストでの成績において、基準Tピースと比較して4から
5倍の改善があった。さらに、基準Tピースには4ミリ
リットル/時の水が入ったのに、本発明の気道アダプタ
のポートには、マイクロドロップ・テスト中、水がまっ
たく入らなかった。空気取り込みにおける抵抗は、30
リットル/分の流量下で、0.1ミリバールを超える圧
力降下はなかった。空気流出における抵抗は無視できる
程度であった。50ミリリットル/分の流量下で約0.
2から0.3ミリバールの圧力降下。応答時間は、基準
Tピースと比較して約70%改善され、最小インプット
のTピースのそれに非常に近かった。事実、本発明の気
道アダプタの応答時間は、Tピース構造に対する可能な
限りの最小値である。
【0074】
【表1】
【0075】本発明は、限られた数の実施例に関して説
明されたが、本発明について多くの変形、改良及び他の
適用が行なわれ得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】かなり球形の空気コレクタ及びかなり管状の
入口のある、本発明による説明のための気道アダプタの
概要断面図である。
【図1B】かなり球形の空気コレクタ及びかなり管状の
入口のある、本発明による説明のための気道アダプタの
概要正面図である。
【図2A】本発明による図1A及び1Bのポートの拡大
平面図である。
【図2B】本発明による図1A及び1Bのポートの拡大
断面図である。
【図3A】図2のポートについての、かなり球形の空気
コレクタ及びかなり平らな入口があるもう一つの実施例
を示す平面図である。
【図3B】図2のポートについての、かなり球形の空気
コレクタ及びかなり平らな入口があるもう一つの実施例
を示す断面図である。
【図4】本発明による実施例として、かなり球形の空気
コレクタ及び4つのかなり管状の入口を持つ、説明のた
めの気道アダプタを示す断面図である。
【図5】本発明によるもう一つの実施例として、かなり
だ円状の空気コレクタ及び3つのかなり管状の入口を持
つ、説明のための気道アダプタを示す断面図である。
【図6】本発明によるもう一つの実施例として、かなり
だ円状の空気コレクタ及び2つのかなり管状の入口を持
つ、説明のための気道アダプタを示す断面図である。
【図7】本発明による実施例として、肘曲がりのある
管、かなり球形の空気コレクタで及び3つのかなり管状
の入口を持つ、説明のための気道アダプタを示す断面図
である。
【図8】本発明による実施例として、肘曲がりのある
管、かなりだ円状の空気コレクタ及び4つのかなり平ら
な入口を持つ、説明のための気道アダプタを示す断面図
である。
【符号の説明】
10 気道アダプタ 12 管 14 ポート 18 空気コレクタ 16 出口 20 入口 22 開口

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)壁を特徴とする管と、(b)前記
    壁を介して前記管との接合部を形成するポートとからな
    る気道アダプタであって、 前記ポートは出口、空気コレクタ及び複数の入口を含
    み、前記空気コレクタは前記出口に付いており、前記入
    口は前記空気コレクタに付いており、前記入口の各々は
    開口を特徴とし、前記開口は前記管のかなり内部に配置
    される気道アダプタ。
  2. 【請求項2】 前記入口が孔である請求項1に記載の気
    道アダプタ。
  3. 【請求項3】 前記孔の各々の内径は前記他孔の各々の
    前記内径にほぼ等しい請求項2に記載の気道アダプタ。
  4. 【請求項4】 前記内径が約0.5ミリメートルから約
    1.7ミリメートルまでの範囲にある請求項3に記載の
    気道アダプタ。
  5. 【請求項5】 前記内径が約0.8ミリメートルである
    請求項4に記載の気道アダプタ。
  6. 【請求項6】 前記入口がかなり管状である請求項1に
    記載の気道アダプタ。
  7. 【請求項7】 前記入口及び前記空気コレクタがかなり
    疎水性の材料から形成される請求項6に記載の気道アダ
    プタ。
  8. 【請求項8】 前記空気コレクタがかなり親水性の材料
    から形成され、前記入口がか なり疎水性の材料から形
    成される請求項6に記載の気道アダプタ。
  9. 【請求項9】 前記入口の各々は、前記他入口の各々と
    ほぼ等しい内径及びほぼ等しい長さを有し、前記開口の
    各々は、前記他開口の各々とほぼ等しい内径を有する請
    求項6に記載の気道アダプタ。
  10. 【請求項10】 前記入口の各々及び前記開口の各々の
    前記内径が、約0.5ミリメートルから約1.7ミリメー
    トルまでの範囲にある請求項9に記載の気道アダプタ。
  11. 【請求項11】 前記入口の各々及び前記開口の各々の
    前記内径が、約0.8ミリメートルであり、前記入口の
    各々の前記長さが約2.5ミリメートルである請求項1
    0に記載の気道アダプタ。
  12. 【請求項12】 前記入口の前記開口が前記管の一端に
    かなり面している請求項1に記載の気道アダプタ。
  13. 【請求項13】 前記入口の少なくとも1つの前記開口
    が、前記管の一端にかなり面しており、前記入口の少な
    くとももう一つの前記開口が、前記管の他端にかなり面
    している請求項1に記載の気道アダプタ。
  14. 【請求項14】 前記複数の入口が3つの入口であり、
    前記入口の各々は、前記入口の互いに対して対称的に配
    置される請求項12に記載の気道アダプタ。
  15. 【請求項15】 前記空気コレクタが前記管内のかなり
    中央に位置しており、前記空気コレクタが前記管の前記
    壁に対してかなり直角である請求項1に記載の気道アダ
    プタ。
  16. 【請求項16】 前記空気コレクタは中空の球である請
    求項1に記載の気道アダプタ。
  17. 【請求項17】 前記空気コレクタの外径が約5.5ミ
    リメートル未満である請求項16に記載の気道アダプ
    タ。
  18. 【請求項18】 前記入口が前記空気コレクタ内に突き
    出し、前記入口の各々の端部が前記空気コレクタのかな
    り内部に配置され、前記端部の各々の間に第一の距離が
    あり、そして前記開口の各々の間に第二の距離があり、
    前記第一の距離は前記第二の距離よりも少ない請求項6
    に記載の気道アダプタ。
  19. 【請求項19】 前記出口が第一の内径を有し、前記入
    口の前記開口の各々が第二の内径を有し、前記第一の内
    径は前記第二の内径よりも大きい請求項1に記載の気道
    アダプタ。
  20. 【請求項20】 (a)ガスを導くために気道アダプタ
    を導管に付けること、(b)前記ポートの前記出口をガ
    ス分析器へ連結すること、及び(c)気道アダプタを通
    って流れるガスが気道アダプタから前記ガス分 析器ま
    で移動するように前記ガス分析器に力を用いることから
    なる、側留を引き出すために請求項1に記載の気道アダ
    プタを用いる方法。
  21. 【請求項21】 (a)患者の呼吸装置へ前記気道アダ
    プタを連結すること、及び(b)前記気道アダプタの前
    記ポート内に薬を配置することからなる、薬を投与する
    ために請求項1に記載の気道アダプタを用いる方法。
  22. 【請求項22】 (a)出口、(b)空気コレクタ、及
    び(c)複数の入口からなるサンプル・ポートであっ
    て、 前記空気コレクタは前記出口に付けてあり、前記入口は
    前記空気コレクタに付けてあり、前記入口の各々は開口
    を特徴とし、前記開口は前記管のかなり内部に配置され
    ているサンプル・ポート。
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