JP2003528613A - マスクメロンCucumisMeloヒドロペルオキシドリアーゼ及びその使用 - Google Patents

マスクメロンCucumisMeloヒドロペルオキシドリアーゼ及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は脂肪酸リアーゼを提供し、その際、リアーゼの9−ヒドロペルオキシド基質に対する活性は13−ヒドロペルオキシド基質に対する活性よりも大きく、リアーゼの9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するK及びVmaxはリアーゼの9−ヒドロペルオキシリノール酸のK及びVmaxよりも大きい。特に、本発明はメロンであるCucumis melo中に存在するリアーゼを提供する。また本発明はリアーゼをコードする核酸、ベクター及びこれによって組み換えリアーゼを得ることができる発現系を提供する。また本発明は、本発明のリアーゼを使用するにあたり、9−ヒドロペルオキシリノール酸、9−ヒドロペルオキシリノレン酸、13−ヒドロペルオキシリノール酸及び13−ヒドロペルオキシリノレン酸を分解することを含む方法を提供する。また本発明は、本発明のリアーゼを使用して、3−(Z)−ノネナール、(3Z,6Z)−ノナジエナール、2−(E)−ノネナール、(2E,6Z)−ノナジエナール又はそれらの相応のアルコールを製造する方法並びにn−ヘキサナール、3−(Z)−ヘキセン−1−アール又はそれらの相応のアルコールを製造する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、9−ヒドロペルオキシド基質に対する活性を有し、かつマスクメロ
ン(Cucumis melo)中に存在する脂肪酸ヒドロペルオキシドリアーゼタンパク質
及び該タンパク質をコードする遺伝子に関する。また本発明はヒドロペルオキシ
ドリアーゼを発現するための措置及び有機合成の分野においてリアーゼを使用す
る方法に関する。
【0002】 背景技術 植物は特定の植物の特徴的なフレーバー及び臭いをもたらす種々の揮発性化合
物を産生する。リノール酸及びリノレン酸のような不飽和脂肪酸はフレーバー化
合物、例えばn−ヘキサナール、ヘキサン−1−オール、2(E)−ヘキセン−
1−アール、2(E)−ヘキセン−1−オール、3(Z)−ヘキセン−1−アー
ル、3(Z)−ヘキセン−1−オール(ピポールとしても知られる)、3−(Z
)−ノネナール、(3Z,6Z)−ノナジエナール、3−(Z)−ノネノール、
(3Z,6Z)−ノナジエノール、2−(E)−ノネナール、(2E,6Z)−
ノナジエナール、2−(E)−ノネノール及び(2E,6Z)−ノナジエノール
の前駆体である。これらの化合物はフレーバー、特に果実フレーバーにおいて広
範に使用され、かつ果実香気に関する香気工場によって使用される。これらのフ
レーバー化合物に対する需要は伝統的な起源からのそれらの供給を超えて成長し
ており、従ってこれらの材料を得るための代替の天然の経路を見いだす調査に努
力が注がれている。
【0003】 これらのフレーバー化合物の合成は遊離の(多不飽和)脂肪酸、例えばリノー
ル酸(9(Z),12(Z)−オクタデカジエン酸)及びα−リノレン酸(9(
Z),12(Z),15(Z)−オクタデカトリエン酸)から出発する。天然で
は、これらの酸は細胞障害後に脂肪分解性酵素によって細胞膜から放出される。
脂肪酸ヒドロペルオキシドはリポキシゲナーゼ(LOX)の作用によって形成さ
れ、引き続きヒドロペルオキシドリアーゼによって分解されて、ω−オキソ酸と
一緒にC−揮発性フレーバー化合物が得られる。13−ヒドロペルオキシ
ドの分解によってヘキサナール及び(3Z)−ヘキサナールを含むC−化合物
が得られ、かつ9−ヒドロペルオキシドの分解によってC−化合物、(3Z)
−ノネナール及び(3Z,6Z)−ノナジエナールが得られる。イソメラーゼの
存在下に、これらのアルデヒドは(2E)−エナールに異性体化される。更にア
ルコールデヒドロゲナーゼは該アルデヒドをそれらの相応のアルコールに変換す
ることができる。
【0004】 HPL酵素は研究が難しいことが判明している。それというのも該酵素は膜に
結合し、かつ植物組織中に少量のみ存在するからである。HPL酵素はその基質
特異性によって13−HPL又は9−HPLとして特徴付けられている。13−
HPL酵素は最初はバナナ果実中で同定され(Tressl and Drawert, 1973)、か
つ引き続きスイカ幼植物(Vick and Zimmerman, 1976)、リンゴ及びトマト果実
(Schreier and Lorenz, 1982)、トマト葉(Fauconnier et al., 1997)、キュ
ウリ幼植物(Matsui, et al, 1989)及びダイズ幼植物(Olias et al., 1990)
を含む種々の多くの植物マテリアルにおいて研究された。13−HPL酵素は茶
葉(Matsui et al., 1991)及び、より最近では青ピーマン果実(Shibata et al
., 1995)、トマト葉(Fauconnier et al., 1997)、ヒマワリ(Itoh and Vick,
1999)、グァバ(PCT出願、国際公開第9958648号明細書)及びバナナ
(欧州特許出願、文献番号EP0801133A2)から精製されている。9−
ヒドロペルオキシド特異的HPLは洋ナシ(Kim and Grosch, 1981)中に同定さ
れている。9−ヒドロペルオキシド及び13−ヒドロペルオキシドの両方を分解
する第3のタイプのHPLの存在を示唆する研究がなされている(Matsui et al
. 1989; Hornostaj and Robinson, 1998)。
【0005】 リアーゼの粗製ソースは現在ではフレーバー及び香気の製造のための工業的方
法で使用されている(例えば米国特許第5464761号明細書を参照のこと)
。このプロセスにおいて、必要とされる基質の溶液は新鮮に製造されたダイズ粉
をLOXのソースとして使用してリノール酸又はリノレン酸(ヒマワリ及びアマ
ニ油からそれぞれ得られる)から製造される。この溶液を次いで新鮮に製造され
た果実全体のピューレをHPLの粗製ソースとして混合する。次いでアルデヒド
生成物を蒸留によって単離する。アルコールが必要な場合には、新鮮なパン酵母
をヒドロペルオキシド溶液に添加して、その後に果実ピューレと混合する。この
酵母はHPLによって形成されるようなアルデヒドを還元する活性なアルコール
デヒドロゲナーゼ酵素を有する。
【0006】 この工業的プロセスには幾つかの欠点がある。第1の欠点は大量の新鮮な果実
を必要とすることである。かかる必要量は、前記プロセスを新鮮な果実が廉価に
かつ無料で手に入る国で行う必要があることを意味する。かかる場所が見つかっ
たとしても、その利用は果実の成長時期に限定される。
【0007】 第2の欠点は所望の酵素活性は使用されるソース中ではかなり希薄であるとい
うことである。このことは、比較的大量のダイズ粉、果実ピューレ及び酵母を該
プロセスにおいて必要とすることを意味する。工業的生産のために必要な大量の
これらの粗製材料は達成できるフレーバー及び香気化合物の収率において物理的
な制約がある。
【0008】 第3の欠点は大量のバッチ工程であり、これはその性質によってHPLの触媒
活性が最大限に使用できず、比較的、研究所よりであり、かつ大量の残留有機物
質をもたらす。残留有機物質は引き続きコンポストに輸送するか、又はさもなく
ば廃棄せねばならない。
【0009】 本発明はマスクメロン9−HPLの起源に関連する制限及び欠点を、精製され
た及び組み換えのマスクメロン9−HPLタンパク質、核酸、発現系及びその使
用方法を提供することによって克服している。
【0010】 発明の要約 本発明は脂肪酸リアーゼ及び該リアーゼをコードする核酸を提供する。特に単
離された脂肪酸ヒドロペルオキシドリアーゼを開示しており、その際、9−ヒド
ロペルオキシド基質に対するリアーゼの活性は13−ヒドロペルオキシド基質に
対する活性よりも大きく、かつ9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアー
ゼのK及びVmaxは9−ヒドロペルオキシリノール酸に関するリアーゼのK 及びVmaxよりも大きい。より特に、本発明はメロン(Cucumis melo)中に
存在するリアーゼ及び該リアーゼをコードする核酸を提供する。また本発明は本
発明の核酸を有するベクター並びに組み換えリアーゼを得ることができる発現系
を提供する。
【0011】 また本発明は、(9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−
10,12−ジエン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオ
キシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸をC−アルデヒド及びC
オキソノナン酸に分解する方法並びに(9Z,11E,13S)13−ヒドロペ
ルオキシオクタデカ−9,11−ジエン酸又は(9Z,11E,13S,15Z
)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,15−トリエン酸をC−ア
ルデヒド及びC12−オキソカルボン酸に分解する方法を含む本発明のリアーゼ
を使用する方法を提供している。また、本発明は3−(Z)−ノネナール、(3
Z,6Z)−ノナジエナール、2−(E)−ノネナール、(2E,6Z)−ノナ
ジエナール又はそれらの相応のアルコールを、(9S,10E,12Z)9−ヒ
ドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸から製造する方法を提供する
【0012】 図面の簡単な説明 図1は、グァバ−HPL、バナナ−HPL、トウガラシ−HPL、アラブ−A
OS、アマ−AOS、グアユール−AOS、メロンAOS、及びメロン9−HP
Lのための全長のアミノ酸配列を示しており、高い度合いの同一性を有する領域
は暗色のボックスに示し、コンセンサス配列は“majority”としてラベルした。
【0013】 図2AはメロンcDNA及び他のHPL及びAOSに基づく縮重プライマーが
結合して、150bp及び70bpのメロンからクローニングされた生成物を生
成する領域を示す図である。
【0014】 図2Bはグァバ−HPL、バナナ−HPL、トウガラシ−HPL、アラブ−A
OS、アマ−AOS、グアユール−AOSからの部分アミノ酸配列のアラインメ
ントを示している。ボックスで示した領域はHPL及びAOS間の高いホモロジ
ーの領域を表している。
【0015】 図3はメロンHPL及びAOSの150bp及び70bpを得るために使用さ
れる縮重プライマーの配列を示している。
【0016】 図4はメロンHPL及びAOSの3つの異なる150bpのクローンのアミノ
酸配列のアラインメントを示している。クローンA及びクローンBは65%の同
一性を有するが、一方でクローンA及びクローンCは57%の同一性を有し、か
つクローンB及びクローンCは72%の同一性をアミノ酸配列において有する。
【0017】 図5はメロンからのクローンA、クローンB及びクローンCの3′末端によっ
てコードされる部分アミノ酸配列及びグァバ、トウガラシ及びバナナからの13
−HPL及びアマ、グアユール及びアラビドプシスからのAOSのC末端配列の
間の同一性を比較している。クローンA及びクローンBによってコードされるC
末端配列は42%の同一性を有するが、クローンA及びクローンCは40%の同
一性を有し、かつクローンB及びクローンCは49%の同一性を有する。
【0018】 図6はメロン9−HPLの存在下での9S−ヒドロペルオキシリノール酸の2
つの一次酵素生成物:9−オキソノナン酸及び3Z−ノネナールの図を示してい
る。また示されているのは、3Z−ノネナールの2E−ノネナールへのマイナー
な異性体化反応であり、これは精製酵素又は粗製の細菌分解物のいずれかを使用
して低い程度で観察されるものである。また示されているのは、粗製の細菌分解
物によって惹起される酸化反応であり、それによって3Z−ノネナールは酸化さ
れて3種のアルデヒド、4−ヒドロキシ−2E−ノネナール(4−HNE)及び
4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナール(4−HPNE)及び9−オキソノナ
ン酸及び4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナールの間で形成されるヘミアセタ
ール誘導体(ヘミアセタール)の混合物にされる。
【0019】 発明の詳細な説明 本発明は以下の本発明の有利な態様の詳細な記載及びそこに含まれる実施例を
参照してより容易に理解できる。
【0020】 本発明を開示及び記載する前に、本発明は特定の方法又は特定の配合物に制限
されるものではなく、勿論それ自体変化してよいものと解される。また本願で使
用される述語は記載の特定の態様の目的のためのものであり、制限を意図するも
のではない。
【0021】 本明細書及び請求の範囲で使用されるように、数量はそこで使用される内容に
依存して1つ以上を意味することもある。
【0022】 A.タンパク質及び核酸 本発明は脂肪酸リアーゼ及び該リアーゼをコードする核酸を提供する。特に単
離された脂肪酸ヒドロペルオキシドリアーゼを開示しており、その際、9−ヒド
ロペルオキシド基質についてのリアーゼの活性は13−ヒドロペルオキシド基質
についての活性よりも大きく、かつリアーゼの9−ヒドロペルオキシリノレン酸
についてのK及びVmaxは9−ヒドロペルオキシリノール酸についてのリア
ーゼのK及びVmaxよりも大きい。より特に、本発明はキュウリ(Cucumis
sativus)ではなくメロン(Cucumis melo)中に存在するリアーゼ及びかかるポ
リペプチド又はタンパク質をコードする核酸を提供する。このようにリアーゼは
Cucumis meloから単離されるタンパク質中に存在するアミノ酸配列を有するが、
キュウリ(Cucumis sativus)から単離されたタンパク質中のアミノ酸配列を有
さない。
【0023】 用語“タンパク質”はアミノ酸のポリマーを示し、かつ全長のタンパク質及び
ポリペプチド及びその断片を含んでよい。本発明においては、“リアーゼ”は少
なくとも1つのリアーゼ機能を有するタンパク質を意味する。
【0024】 特に用語“9−ヒドロペルオキシドリアーゼ”、“9−HPL”及び“機能的
な9−ヒドロペルオキシドリアーゼ”は天然の9−ヒドロペルオキシドリアーゼ
によって展開される少なくとも1つの機能を有するリアーゼタンパク質を意味す
る。例えば、9−HPL機能は脂肪酸9−ヒドロペルオキシドをC−アルデヒ
ド及びC−オキソノナン酸に分解する触媒活性を含んでよい。更に、開示され
たリアーゼは天然の9−HPLの以下の特性:抗原決定基、結合部位などを有し
てよい。
【0025】 開示される9−HPLは13−ヒドロペルオキシド基質よりもむしろ9−ヒド
ロペルオキシド基質に有利であるが、9−HPL及び13−HPLの両方の機能
を有する。用語“13−ヒドロペルオキシドリアーゼ”、“13−HPL”及び
“機能的な13−ヒドロペルオキシドリアーゼ”は天然の13−ヒドロペルオキ
シドリアーゼによって展開される少なくとも1つの機能を有するリアーゼタンパ
ク質を示している。例えば13−HPL機能は脂肪酸9−ヒドロペルオキシドを
−アルデヒド及びC12−ω−オキソ酸部に分解する触媒活性を含むことが
ある。更に開示されるリアーゼは天然の13−HPLの以下の特性:抗原決定基
、結合部位などを有してよい。
【0026】 本願のリアーゼは、得られるタンパク質又はペプチドがリアーゼ機能、例えば
有利なリアーゼ機能を保持する限りは、付加的なアミノ酸、例えばN−末端に結
合されるアミノ酸又はC−末端に結合されるアミノ酸又はリアーゼ配列内に挿入
されるアミノ酸を含む。更にリアーゼは、少なくとも1つのリアーゼ機能が保持
される限りは、天然のリアーゼのアミノ酸配列に対してアミノ酸配列中に種々の
突然変異を有してよい。より特に開示されるリアーゼは9−ヒドロペルオキシリ
ノール酸基質(例えば(9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデ
カ−10,12−ジエン酸)、9−ヒドロペルオキシリノレン酸基質(例えば(
9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12
,15−トリエン酸)、13−ヒドロキシリノール酸基質(例えば(9Z,11
E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11−ジエン酸)及び1
3−ヒドロペルオキシリノレン酸基質(例えば(9Z,11E,13S,15Z
)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,15−トリエン酸)を分解す
る。9−ヒドロペルオキシリノレン酸に関するリアーゼのK及びVmaxは9
−ヒドロペルオキシリノール酸に関するリアーゼのK及びVmaxよりも大き
い。
【0027】 該リアーゼは種々の基質に対して特徴的な親和性を有する。該リアーゼは13
−ヒドロペルオキシド基質に対するより大きな親和性を有し、かつ9−ヒドロペ
ルオキシド基質に対するリアーゼのKは13−ヒドロペルオキシド基質に対す
るよりも大きい。コンピュータ演算されたKは以下の通りである:9−ヒドロ
ペルオキシリノレン酸>9−ヒドロペルオキシリノール酸>13−ヒドロペルオ
キシリノール酸。13−ヒドロペルオキシリノール酸に対するリアーゼのK
13−ヒドロペルオキシリノレン酸に対する親和性とほぼ同一である。より特に
コンピュータ演算された9−ヒドロペルオキシリノール酸に対するKは142
〜242としての95%の信頼限界でほぼ192μMであり、かつ約45〜60
%、有利には約54%の9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアーゼのK である。コンピュータ演算された13−ヒドロペルオキシリノレン酸に対する
は41〜59としての95%の信頼限界で50μMであり、かつ約15〜3
5%、有利には約26%の9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアーゼの
である。コンピュータ演算された13−ヒドロペルオキシリノレン酸に対す
るKは37〜65としての95%の信頼限界で約51μMであり、かつ約15
〜35%、有利には約27%の9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアー
ゼのKである。
【0028】 開示されたリアーゼは、おのおのの型の基質を特徴的な速度で分解する。該リ
アーゼは9−ヒドロペルオキシド基質とより迅速に反応し、かつ9−ヒドロペル
オキシド基質の対するリアーゼのVmaxは13−ヒドロペルオキシド基質に対
するVmaxよりも大きい。本発明のリアーゼによる種々の基質の、Vmax
よって示される速度は以下の通りである:9−ヒドロペルオキシリノレン酸>9
−ヒドロペルオキシリノール酸>13−ヒドロペルオキシリノール酸。13−ヒ
ドロペルオキシリノール酸に対する分解速度は13−ヒドロペルオキシリノレン
酸に対する速度とほぼ同一である。より特に、9−ヒドロペルオキシリノール酸
に対するリアーゼのVmaxは9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアー
ゼのVmaxの約45〜60%、有利には約55%である。13−ヒドロペルオ
キシリノール酸に対するリアーゼのVmaxは9−ヒドロペルオキシリノレン酸
に対するリアーゼのVmaxの約25〜35%、有利には約30%である。13
−ヒドロペルオキシリノレン酸に対するリアーゼのVmaxは9−ヒドロペルオ
キシリノレン酸に対するリアーゼのVmaxの20〜30%、有利には約22%
である。“ほぼ同一”な速度又は親和性とは、1つの基質、例えば13−ヒドロ
ペルオキシリノレン酸に対する、9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対する速度
又は親和性のパーセントとして表現される速度又は親和性を意味し、かつ第2の
基質、例えば13−ヒドロペルオキシリノール酸の、9−ヒドロペルオキシリノ
レン酸に対する速度又は親和性のパーセンテージとして表現される10%未満、
有利には5%未満である。
【0029】 開示されたリアーゼは約45〜65kDa、有利には約50〜60kDa、か
つより有利には約55kDaの分子量を有する。開示されるリアーゼのために最
適なpHは6より高い、有利には約6.5〜8.5、より有利には7.0〜8.
0、より特に有利には7.2〜7.6である。該酵素は、pH5.0で最大活性
の約25%を有し、かつpH9.0で最大活性の約15%を有する。
【0030】 開示されたリアーゼを単離する。リアーゼの単離は種々の方法で行うことがで
きる。例えば該リアーゼは、起源、例えばCucumis meloから、標準的な生化学的
手法を使用して精製でき、又は部分的に精製できる。例えばHornostaj and Robn
son (1998)を参照のこと。選択的に、該リアーゼは当業者に公知のタンパク質合
成法を使用して合成でき、又は組み換えDNA技術によってかつ遺伝子操作され
た発現系を使用して組み換え的に作成できる。合成された又は組み換え的に作成
されたリアーゼはヒスチジンタグによって単離を促進できる。このように、組み
換え的に作成されるリアーゼのための有利な単離方法はヒスチジン残基を結合す
るニッケルカラムの使用である。ヒスチジン残基を開示されたリアーゼのアミノ
末端に付加して、タンパク質のためのタグとして作用させてよい。ヒスチジンタ
グ又は他のタグの使用は当業者によく知られている。
【0031】 1つの態様において、開示されるリアーゼは図1に記載されるようなCucumis
meloに独特なアミノ酸を有し、これらは13−ヒドロペルオキシド基質よりも大
きい活性で9−ヒドロペルオキシド基質を分解する活性を提供し、かつ9−ヒド
ロペルオキシリノレン酸よりも1.6倍未満の活性で9−ヒドロペルオキシリノ
ール酸を分解する活性を提供する。
【0032】 また本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号
5、配列番号6、配列番号7及び配列番号15からなる群から選択されるアミノ
酸配列を有する単離されたタンパク質を提供する。配列番号15のアミノ酸配列
はアクセッション番号AF081955としてGenBankデータベースに寄
託されている。
【0033】 本発明は開示されるリアーゼをコードする単離された核酸を提供する。Cucumi
s meloからの9−HPLのcDNAはクローニングされ、かつ配列決定された(
配列番号8)。Cucumis meloのcDNAによってコードされるタンパク質のアミ
ノ酸配列はまた開示されている(配列番号7)。1つの態様においては、該核酸
は配列番号8に記載される核酸配列を有する。他の態様においては、該核酸は配
列番号56に記載される核酸配列を有する。配列番号56の核酸配列はアクセッ
ション番号AF081955としてGenBankデータベースに寄託されてい
る。
【0034】 更に配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番
号6及び配列番号7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質
をコードする単離された核酸が提供されている。組み換え系は原核細胞及び真核
細胞の両方の発現系を含み、かつ天然のタンパク質配列を有するリアーゼ又は同
様に天然配列から改変されたタンパク質配列を有するリアーゼの発現を含む。メ
ロンの9−HPLのcDNAはクローニングされ、かつ配列決定され、かつ全長
のcDNAに関するヌクレオチド配列は1446塩基対であると規定され(配列
番号8)、これは停止コドンを含む。翻訳された配列は全体で481個のアミノ
酸残基(配列番号7)をコードし、計算される約55000ダルトンの分子量を
有するタンパク質に相当する。
【0035】 図1に示されるように、誘導される全長のアミノ酸配列は幾つかのHPL及び
アレン酸化物シンターゼ(AOS)にある程度のホモロジー(同一性及び類似性
)を示す。例えば開示されたアミノ酸配列及びグァバ、バナナ及びトウガラシの
13−HPLの間にある程度のホモロジーが存在する。また開示されたHPL及
びAOS−アマ、AOS−グアユール、AOSアラビ及びAOS−メロンの間に
ホモロジーが存在する。しかしながら、図1は、他のHPL及びAOSと比較し
て独特な開示されたリアーゼのための領域が存在することを明確に示している。
特にこれらの領域は9−HPLにとって独特であり、かつ更にこれらの領域はCu
cumis meloにとって独特である。
【0036】 欠失及び挿入を考慮して、図1及び第1表におけるアラインメントはLasergen
e(Dnastar, Madison, Wisconsin)のMegAlignサブプログラムを通して利用でき
るPAM250残基質量チャートを用いるClustal法を使用して、メロン
の9−HPLアミノ酸配列がAOS−アマと約45.7%の類似性を有し、AO
S−グアユールと約46%の類似性を有し、AOS−アラビと約48.0%の類
似性を有し、AOS−メロンと約47%の類似性を有し、HPL−グァバと約6
0%の類似性を有し、HPL−バナナと約58%の類似性を有し、かつHPL−
トウガラシと約60%の類似性を有することが判明した。
【0037】 “類似性”は同一又は類似のいずれかのアミノ酸残基を含んでよい。類似のア
ミノ酸は第2表に示す。これらの類似性にもかかわらず、開示されたリアーゼの
独特の領域が存在する。有利な独特な領域は配列番号1(MATPSSSSPE
)、配列番号2(ILFDTAKVEKRNILD)、配列番号3(RLFLS
FLA)、配列番号4(SISDSMS)、配列番号5(LLSDGTPD)及
び配列番号6(IFSVFEDLVI)に示される。これらの領域及び開示され
たリアーゼとしての機能を有するタンパク質を提供する。特に有利な態様は、9
−HPL機能を保持する配列番号1〜6に示される前記の定義の領域の少なくと
も1つを有するタンパク質である。より有利な態様は存在する配列番号1〜6に
示される前記の定義の領域の少なくとも2つを有し、かつ9−HPL機能を保持
するタンパク質である。より有利な態様は存在する配列番号1〜6に示される前
記の定義の領域の少なくとも3つを有し、かつ9−HPL機能を保持するタンパ
ク質である。より有利な態様は存在する配列番号1〜6に示される前記の定義の
領域の少なくとも4つを有し、かつ9−HPL機能を保持するタンパク質である
。更により有利な態様は存在する配列番号1〜6に示される前記の定義の領域の
少なくとも5つを有し、かつ9−HPL機能を保持するタンパク質である。最も
有利な態様は存在する配列番号1〜6に示される前記の定義の領域の少なくとも
6つを有し、かつ9−HPL機能を保持するタンパク質である。
【0038】
【表1】
【0039】 開示されるリアーゼは機能的変異体を含む。これらの変異体はアミノ酸置換、
欠失及び挿入並びに翻訳後修飾をもたらすことによって作成される。かかる変異
体はアレル変異体(例えば遺伝子多型のため)として天然に生じてよく、又はヒ
トの関与(例えばクローニングされたDNAの突然変異誘発によって)、例えば
誘発された欠失、挿入および置換の点突然変異によって作成されてよい。これら
の改変はアミノ酸配列に変化をもたらし、サイレント突然変異をもたらし、制限
部位を変更し、又はほかの特異的突然変異をもたらす。
【0040】 アミノ酸配列の改変は3つのクラス:置換変異体、挿入変異体又は欠失変異体
の1つ以上をもたらす。挿入はアミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合並
びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。挿入は通常、アミノ末端
又はカルボキシル末端の融合のそれよりもより少ない、1〜4残基のオーダーで
ある。欠失はタンパク質配列から1つ以上のアミノ酸の除去によって特徴付けら
れる。典型的に約2〜6残基以下の残基がタンパク質分子内の任意の部位で欠失
する。これらの変異体は通常、タンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオ
チドの部位特異的突然変異誘発によって作成され、それによって変異体をコード
するDNAが作成され、かつ次いで組み換え細胞培養においてDNAが発現され
る。公知の配列を有するDNA中の予め規定された部位において置換変異を作成
するための技術はよく知られており、例えばM13プライマー突然変異誘発およ
びPCR突然変異誘発である。アミノ酸置換は典型的に単一の残基であるが、種
々の部位に複数の置換を含んでよく;挿入は通常約1〜10アミノ酸残基のオー
ダーであるが、それ以上であってもよく;かつ欠失は約1〜30残基の範囲であ
るが、それ以上であってもよい。欠失又は挿入は有利には隣接のペア、すなわち
2残基の欠失又は2残基の挿入でなされる。置換、欠失、挿入又は任意のそれら
の組み合わせを最終構築物に到達するように組み合わせてよい。突然変異は読み
枠の他の配列に位置してはならず、有利には二次的なmRNA構造を生じうる相
補的領域を作成しない。置換変異体は少なくとも1つの残基が除去され、かつ種
々の残基がその場所に挿入された変異体である。かかる置換は一般に第2表に関
連してなされ、かつ保存的置換と呼称される。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】 機能又は免疫学的同一性における置換変化は第2表での置換よりも保存性に乏
しい置換を選択する、すなわち(a)置換の領域におけるポリペプチド骨格、例
えばシート又はヘリックスのコンホーメーションの構造、(b)標的部位での分
子の電荷又は疎水性又は(c)側鎖の嵩の保持におけるその効果がより大きく異
なる残基を選択することによってなされる。一般にタンパク質特性に非常に大き
な変化をもたらすと期待される置換は(a)親水性残基、例えばセリル又はトレ
オニルが疎水性残基、例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バ
リル又はアラニルの代わりに(又はによって)置換され;(b)システイン又は
プロリンが任意の他の残基の代わりに(又はによって)置換され;(c)正電荷
の側鎖を有する残基、例えばリシル、アルギニル又はヒスチジルが負電荷の残基
、例えばグルタミル又はアスパラギルの代わりに(又はによって)置換され;又
は(d)嵩高い側鎖、例えばフェニルアラニンが側鎖を有さない残基、例えばグ
リシンの代わりに(又はによって)、この場合に(e)硫酸化及び/又はグリコ
シル化のための部位の数を増大させて置換される置換である。置換又は欠失の突
然変異誘発を使用してN−グリコシル化(Asn−X−Thr/Ser)又はO
−グリコシル化(Ser又はThr)のための部位を挿入してよい。システイン
又は他の反応性の残基の欠失も所望であってよい。潜在的なタンパク質分解部位
、例えばArgの欠失又は置換は、例えば塩基性残基の1つの欠失又は1つの残
基のグルタミニル又はヒスチジル残基による置換によって達成される。
【0044】 一定の翻訳後誘導体化は発現されたポリペプチドにおける組み換えホスト細胞
の作用の結果である。グルタミニル及びアルパラギニル残基はしばしば翻訳後脱
アミド化されて、相応のグルタミル及びアスパリル残基になる。選択的に、これ
らの残基は緩慢な酸性条件下に脱アミド化される。他の翻訳後修飾はプロリン及
びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン
酸化、リシン、アルギニン及びヒスチジンの側鎖のo−アミノ基のメチル化(Cr
eighton,1983)、N−末端アミンのアセチル化及び幾つかの例においては、C−
末端カルボキシルのアミド化を含む。
【0045】 全ての突然変異現象において、突然変異の制御範囲は引き続いてのタンパク質
が有する機能であると解される。最も有利な突然変異は変化を検出できないほど
9−HPL機能を変化させる突然変異である。例えば前記のように開示されたリ
アーゼが非常に特異的な動力学特性を有し、かつ有利な突然変異が9−ヒドロペ
ルオキシド基質を有利に分解する突然変異された9−HPLをもたらす突然変異
である。
【0046】 開示されたリアーゼの相対的な機能を測定するための、HPLC分析、分光分
析、ガスクロマトグラフィー分析、質量分光分析とのガスクロマトグラフィーを
含む多くのアッセイが存在する。
【0047】 また突然変異現象は、そのときに定義された方法で、例えば9−ヒドロペルオ
キシド基質の分解のVmaxを増大させることによって活性を変更する突然変異
を含んでよいと解される。これらの種類の突然変異が望まれるべき場合には、反
応速度及び突然変異されたタンパク質の機能の緻密な分析は、天然のリアーゼよ
り良好又は粗悪のいずれかで機能する突然変異リアーゼの単離を可能にする。有
利な突然変異は9−ヒドロペルオキシド基質の分解に関するリアーゼの活性を増
大させる突然変異である。
【0048】 また与えられたタンパク質配列のための複数の核酸コドンが存在しうるように
、核酸及びタンパク質の間の関係において縮重が存在すると解される。このよう
にCucumis meloから単離されたDNAと同一の配列を有さないメロンのcDNA
がCucumis meloから単離されたリアーゼの同一のアミノ酸配列をコードする。更
にCucumis meloのcDNAの配列を変更することが望まれるが、Cucumis meloの
タンパク質の独特のコーディングを維持する多くの理由が存在する。例えばcD
NA中に含まれ又は望まれる特異的な核酸制限酵素部位を挿入又は除去すること
が望まれることがある。
【0049】 特に有利な態様は配列番号1から配列番号6に示される独特の領域と組み合わ
せて前記の非保存的アミノ酸を組み込む機能的変異体の両者を織り込んでいる。
最も有利には配列番号7に示される配列を有するCucumis meloから単離される機
能的な9−HPLである。
【0050】 また本願に開示されるタンパク質をコードする核酸配列が開示される。これら
の核酸は配列番号1から配列番号6に開示される独特のアミノ酸配列の少なくと
も1つを有するタンパク質をコードする核酸配列を含む。これは残基で議論され
たように、これらのタンパク質をコードする核酸に対する全ての縮重配列を含む
。1つの態様は配列番号8に示されるCucumis meloから単離されたcDNAを表
す核酸である。
【0051】 また配列番号8の核酸とハイブリダイゼーションのストリンジェントな条件下
に特異的にハイブリダイズする単離された核酸が開示される。有利には配列番号
8の核酸とストリンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸はストリンジェ
ントな条件下にCucumis sativus中に存在するリアーゼをコードする核酸とハイ
ブリダイズしない。最も有利には単離された核酸は9−HPL機能を有するタン
パク質をコードする。
【0052】 “ストリンジェントな条件”はハイブリダイゼーション手順又はPCR反応に
おけるプライマー/鋳型ハイブリダイゼーションにおいて使用される洗浄条件を
呼称する。一般にこれらの条件は、変性温度が調査されるハイブリッドの計算さ
れたT(溶融温度/変性温度)より低い約5〜20℃であるように選択された
洗浄のための温度及び塩濃度の組み合わせであるべきである。該温度及び塩条件
は、参照核酸を関連のプライマー核酸にハイブリダイズし、かつ異なる厳密性の
条件下に増幅させる予備試験において経験的に容易に規定される。厳密条件は容
易に試験され、かつ変更されたパラメータは当業者に容易に明らかにされる。例
えばPCRバッファー中で使用されるMgCl濃度を変更して、プライマーが
鋳型に結合する特異性が増大するが、ハイブリダイゼーション反応で使用される
該化合物の濃度範囲は狭く、従って適当な厳密性レベルは容易に規定される。例
えば18ヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼー
ションは6×SSPE中で推定されるTの5〜10℃未満で実施され、次いで
2×SSPE中で同一の温度で洗浄される。かかるオリゴヌクレオチドのT
各A又はTのヌクレオチドに関しては2℃を可能にし、かつ各G又はCに関して
は4℃を可能にすることによって見積もることができる。50%のG+Cの18
ヌクレオチドプローブは、従って約54℃のTを有する。同様に18ヌクレオ
チドプライマー又はプローブの出発塩濃度は約100〜200mMである。この
ようにかかる18ヌクレオチドプライマー又はプローブのためのストリンジェン
トな条件は約54℃のT及び約150mMの出発塩濃度であり、かつ従って予
備試験によって変更される。T値はまた市販されるコンピュータソフトウェア
(例えばOLIGO(R))を使用して種々の条件に関して計算することができ
る。
【0053】 更に本発明は配列番号7に記載されるメロンの9−HPLのアミノ酸配列をコ
ードする核酸とハイブリダイゼーションのストリンジェントな条件下に特異的に
ハイブリダイズする単離された核酸を提供する。有利には単離された核酸はスト
リンジェントな条件においてCucumis sativus中に存在するリアーゼをコードす
る核酸セットにハイブリダイズしない。最も有利には単離された核酸は9−HP
L機能を有するタンパク質をコードする。
【0054】 有利には本発明の単離された核酸は、ハイブリダイズする配列と少なくとも9
9、98、97、95、90、85、80、75又は70%の相補性を有する。
より有利な態様は、ハイブリダイズする配列と少なくとも90%の相補性を有す
る単離された核酸である。より有利な態様は、ハイブリダイズする配列と少なく
とも80%の相補性を有する単離された核酸である。より有利な態様は、ハイブ
リダイズする配列と少なくとも70%の相補性を有する単離された核酸である。
パーセントの相補性は、有利には2つのストランドのヌクレオチドとヌクレオチ
ドとの比較に基づくものであってよい。相補性の測定のための特定の方法は当業
者に公知である(例えばClustal, Jotun Hein, WilburLipman, Martinez Needle
man-Wunsch, Lipman-Pearson, and Dotplot methods)。従って当業者はその用
語の意味を理解し、2つの配列間の相補性を測定する方法を知っている。
【0055】 また核酸は、例えばターゲット核酸を検出又は増幅するためのプローブ又はプ
ライマーであってよい。典型的に、プライマー又はプローブとして有用な独特の
核酸は配列の特定のヌクレオチド含量に依存して長さが少なくとも約20ヌクレ
オチドから約25ヌクレオチドである。更に断片は、例えば約30、40、50
、75、100、200、400又はヌクレオチド長の間の任意の数であってよ
い。選択的に全長の配列又は全長の配列より長い配列を使用してよい。
【0056】 B.ベクター 本発明は本発明の核酸を有するベクターを提供する。また本発明は、例えばCu
cumis meloから単離されたタンパク質中に存在するアミノ酸配列を有するリアー
ゼを含む9−ヒドロペルオキシドリアーゼをコードする核酸を有するベクターを
提供する。より特に該ベクターはプラスミドであってよい。更により特にベクタ
ーは本発明の核酸の1つに機能的に結合したプロモーターを有してよい。
【0057】 “ベクター”は外来DNAを有する任意の担体を意味する。従って、ベクター
は外来核酸を分解せずに細胞中に輸送する原因物質であり、かつ移送される細胞
中の核酸の発現をもたらすプロモーターを含む。“ベクター”は、しかしながら
プラスミド、ウイルス核酸、ウイルス、ファージ核酸、ファージ、コスミド及び
人工染色体に制限されない。本発明の機能的なリアーゼの発現のために適当な原
核性及び真核性の多様な発現ベクターを作成することができる。かかる発現ベク
ターは、例えばpET、pET3d、pCR2.1、pBAD、pUC及び酵母
ベクターを含む。該ベクターは、例えば多様なインビトロ及びインビボの状況に
おいて前記のリアーゼを発現することができる。
【0058】 ウイルスベクターはアデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス
、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、AIDSウイルス、ニューロン栄養ウ
イルス、シンドビスウイルス及び、HIV骨格を有する前記のウイルスを含む他
のRNAウイルスを含む。またベクターとしての使用に適当にする前記のウイル
スの特性を共有する任意のウイルスファミリーが有利である。Verma(1985)に記
載されるレトロウイルスはマウスマロネー白血病ウイルス、MMLV及びベクタ
ーとしてのMMLVの所望の特性を発現するレトロウイルスを含む。典型的にウ
イルスベクターは非構造的早期遺伝子、構造的後期遺伝子、RNAポリメラーゼ
III転写物、複製及びカプシド形成のために必要な逆反復末端及びウイルスゲ
ノムの転写及び複製をコントロールするプロモーターを含む。ベクターとして加
工される場合、ウイルスは典型的に1つ以上の早期遺伝子が除去され、かつ遺伝
子又は遺伝子/プロモーターカセットは除去されたウイルスDNAの代わりにウ
イルスゲノム中に挿入される。
【0059】 “プロモーター”は一般に転写開始部位に関して比較的固定された位置の場合
に機能するDNAの1つ以上の配列である。“プロモーター”はRNAポリメラ
ーゼ及び転写因子の基本的な相互作用のために必要なコアエレメントを含み、か
つ上流エレメント及び応答エレメントを含んでよい。
【0060】 “エンハンサー”は一般に転写開始部位から固定されない距離で機能するDN
Aの配列を呼称し、かつ転写単位に対して5′(Laimins,1981)又は3′(Lusk
y et al., 1983)のいずれであってよい。更にエンハンサーはイントロン内(Ba
nerji et al., 1983)並びにそのコーディング配列内(Osborne et al., 1984)
であってよい。これらは通常は長さ10〜300bpであり、かつシスで機能す
る。エンハンサーは近隣のプロモーターからの転写を増大するように機能する。
プロモーターのようなエンハンサーは、またしばしば転写の調節を媒介する応答
エレメントを有する。しばしばエンハンサーは発現の調節を規定する。プロモー
ター及び/又はエンハンサー領域が構成的プロモーター及び/又はエンハンサー
として作用して、転写されるべき転写単位の領域の発現を最大化することが有利
である。
【0061】 真核性の宿主細胞(酵母、菌類、昆虫、植物、動物、ヒト又は有核細胞)中で
使用される発現ベクターはまたmRNA発現に影響することがある転写の終結の
ために必要な配列を有する。これらの領域は組織因子タンパク質をコードするm
RNAの非翻訳部位でポリアデニル化されたセグメントとして転写される。また
3′非翻訳領域は転写終結部位も含む。また転写単位がポリアデニル化領域を有
することも有利である。この領域の1つの利点は、転写された単位がmRNAの
ようにプロセシングされ、かつ輸送される見込みが増大することである。発現構
築物中のポリアデニル化シグナルの同定及び使用はよく確立されている。同種の
ポリアデニル化シグナルをトランスジーン構築物中で使用することが有利である
【0062】 ベクターはマーカー生成物をコードする核酸配列を含んでよい。このマーカー
生成物を使用して、遺伝子が細胞に移送されたかを決定し、かつ移送されれば発
現される。有利なマーカー遺伝子はβ−ガラクトシダーゼ及び緑色蛍光タンパク
質をコードするE.coliのlacZ遺伝子である。
【0063】 いくつかの態様において、マーカーは選択可能なマーカーであってよい。かか
る選択可能なマーカーを効率的に宿主細胞中に移送する場合に、形質転換された
宿主細胞は、選択圧下にある場合には生存できる。選択の様式には2種の広範に
使用される別個のカテゴリーが存在する。第1のカテゴリーは細胞の代謝に基づ
くものであり、かつ供給された培地に独立に増殖する能力を欠損した変異細胞系
統の使用である。第2のカテゴリーは任意の細胞型で使用される選択様式と示さ
れ、かつ変異細胞系統の使用を必要としない優性選択である。これらのスキーム
を使用して、典型的に宿主細胞の増殖を抑止する。新規の遺伝子を有するこれら
の細胞は薬剤耐性を与えるタンパク質を発現し、かつ選択から生存する。かかる
優性選択の例は薬剤のネオマイシン(Southern and Berg, 1982)、ミコフェノ
ール酸(Mulligan and Berg, 1980)又はハイグロマイシン(Sugden et al., 19
85)を使用する。
【0064】 またリアーゼ又は本発明のタンパク質をコードする核酸を有する外来の核酸を
有する細胞が開示される。有里な細胞は原核細胞である。特に有利な原核細胞は
エシェリキア コリ細胞、バシラス細胞及びストレプトマイセス細胞である。こ
れらの細菌は組み換えタンパク質を分泌する能力を有し、従ってタンパク質の単
離のために細胞の溶解を必要としない。
【0065】 リアーゼ又は本発明によるタンパク質をコードする核酸を有する外来の核酸を
有する別の有利な細胞型は真核細胞である。特に有利な真核細胞は酵母細胞、植
物細胞、及び昆虫細胞である。例えばピチア パストリス又はサッカロマイセス
セレビシエは発現系として使用できる。ウイルスベクター、化学的なトランスフ
ェクタント又は物理機械的方法、例えばエレクトロポレーション及びDNAの直
接的な拡散を含む外来のベクターでの細胞のトランスフェクションのための適当
な措置は当業者に公知である。例えばWolff他及びWolff(Wolff et al.(1990) a
nd Wolff(1991))を参照のこと、これらは引用されることにより内容が記載され
たものとする。トランスフェクションされた細胞を本発明のタンパク質及びリア
ーゼの発現のための方法として使用できる。
【0066】 多くの異なる戦略を使用して、本発明のタンパク質又はリアーゼの発現を最適
化することができる。種々のエンハンサーは宿主細胞型、ベクター及びプロモー
ターに基づいて選択される。例えばイソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシ
ド(IPTG)をPlacプロモーター及びPlacプロモーターの誘導体を、
E.coliが宿主の場合にはインデューサーとして使用してよい。IPTGの
インデューサー濃度は0〜1mMの範囲である。選択的にL−アラビノースによ
って誘導されるプロモーターを有するpBADベクターをE.coliにおいて
使用できる。宿主細胞型、ベクター、プロモーター、誘導時間、培地組成、温度
、コファクター、培養条件及び培養時間を変更して発現を最適化してよい。更に
ヘム(例えばδ−アミノレブリン酸を含む)のような補欠分子群の前駆体の添加
によって発現を最適化することができる。
【0067】 C.該組成物の使用方法 (9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジ
エン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)−9−ヒドロペルオキシオクタデ
カ−10,12,15−トリエン酸をC9−アルデヒド及びC9−オキソノナン
酸に分解するにあたり、開示されたリアーゼと(9S,10E,12Z)9−ヒ
ドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸又は(9S,10E,12Z
,15Z)−9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸
と接触させる工程を有する方法が開示される。(9S,10E,12Z)9−ヒ
ドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸が基質である場合にはC9−
アルデヒドは3Z−ノネナールである。(9S,10E,12Z,15Z)−9
−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸が基質である場
合には、C9−アルデヒドは3Z,6Z−ノナジエナールである。
【0068】 また(9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11
−ジエン酸又は(9Z,11E,13S,15Z)13−ヒドロペルオキシオク
タデカ−9,11,15−トリエン酸をC6−アルデヒド及びC12−オキソカ
ルボン酸に分解するにあたり、開示されたリアーゼを13−ヒドロペルオキシオ
クタデカ−9,11−ジエン酸又は13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,1
1,15−トリエン酸と接触させることを含む方法が開示される。
【0069】 また3−(Z)−ノネナール、(3Z,6Z)−ノナジエナール、2−(E)
−ノネナール、(2E,6Z)−ノナジエナール又はそれらの相応のアルコール
を(9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジ
エン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ
−10,12,15−トリエン酸から製造するにあたり、(9S,10E,12
Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸又は(9S,10
E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12,15−ト
リエン酸を開示された9−HPLと接触させ、それによって(9S,10E,1
2Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸を3−(Z)−
ノネナールに変換し、又は(9S,10E,12Z,15Z)−9−ヒドロペル
オキシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸を(3Z,6Z)−ノナジエ
ナールに変換し;かつ3−(Z)−ノネナール又は(3Z,6Z)−ノナジエナ
ールを回収し;3−(Z)−ノネナールを3−(Z)−ノネノールに還元し、又
は(3Z,6Z)−ノナジエナールを(3Z,6Z)−ノナジエノールに還元し
、かつ3−(Z)−ノネノール又は(3Z,6Z)−ノナジエノールを回収し;
又は3−(Z)−ノネナール又は(3Z,6Z)−ノナジエナールを、2−(E
)−ノネナール又は(2E,6Z)−ノナジエナールを得るのに効率的な温度及
びpH条件下に異性体化し、かつ形成された2−(E)−ノネナール又は(2E
,6Z)−ノナジエナールを回収し、又は2−(E)−ノネナールを2−(E)
−ノネノールに還元し、又は(2E,6Z)−ノナジエナールを(2E,6Z)
−ノナジエノールに還元し、かつ2−(E)−ノネノール又は(2E,6Z)−
ノナジエノールを培地から回収することを含む方法が開示されている。還元工程
は有利には当業者に公知の技術を使用して酵母によって媒介される酵素触媒によ
る還元(例えばアルコールデヒドロゲナーゼを使用する)を使用して行われる。
例えばEP0597069B1号を参照のこと、これは引用することにより内容
が記載されたものとする。異性体化工程は酵素的な手順を使用して最適化するこ
とができる。異性体化はイソメラーゼ又は非酵素的な異性体化因子によって触媒
できる。例えばイソメラーゼは3Z:2E−エナールイソメラーゼであってよい
。例えばNoordermeer他(Noordermeer et al)を参照のこと、これは引用するこ
とにより内容が記載されたものとする。
【0070】 またn−ヘキサナール、3−(Z)−ヘキセン−1−アール、2−(E)−ヘ
キセン−1−アール又はそれらの相応のアルコールを、(9Z,11E,13S
)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11−ジエン酸又は(9Z,11E
,13S,15Z)−13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,15−ト
リエン酸から製造するにあたり、(9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオ
キシオクタデカ−9,11−ジエン酸又は(9Z,11E,13S,15Z)1
3−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,15−トリエン酸を開示された9
−HPLと接触させ、それにより(9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオ
キシオクタデカ−9,11−ジエン酸をn−ヘキサナールに変換し、又は(9Z
,11E,13S,15Z)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,1
5−トリエン酸を3−(Z)−ヘキセン−1−アールに変換し;かつn−ヘキサ
ナール又は3−(Z)−ヘキセン−1−アールを回収し;n−ヘキサナールをn
−ヘキサノールに還元し、又は3−(Z)−ヘキセン−1−アールを3−(Z)
−ヘキセン−1−オールに還元し、かつヘキサノール又は3−(Z)−ヘキセン
−1−オールを回収する;又は3−(Z)−ヘキセン−1−アールを、2−(E
)−ヘキセン−1−アールを得るのに効率的な温度及びpH条件下に異性体化し
、かつ形成された2−(E)−ヘキセン−1−アールを回収し、又は2−(E)
−ヘキセン−1−アールを2−(E)−ヘキセン−1−オールに還元しかつ2−
(E)−ヘキセン−1−オールを培地から回収する工程を含む方法が開示される
。還元工程は有利には前記の酵素触媒による還元を使用して行われ、かつ異性体
工程は前記の酵素的な手順を使用して最適化できる。
【0071】 本発明を以下の実施例でより特に記載し、これらは多くの変法及び変形が当業
者に明らかなので説明を意図しているにすぎない。
【0072】 実施例 例1. 9−ヒドロペルオキシドリアーゼを含むメロンリアーゼの部分的なc
DNAのクローニング ホモロジーに基づいたクローニング方法を使用してマスクメロン(Cucumis me
lo)を単離した。一般にメロンのmRNAを調製し、リバーストランスクリプタ
ーゼを使用してメロンのmRNAをcDNAに変換した。このcDNAはシトク
ロムP450ファミリー74(CYP74)におけるコンセンサス配列に適合す
るようにデザインされた縮重プライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(RT
−PCR)のための基質であった。このPCRはCYP74遺伝子ファミリーと
配列ホモロジーを有する部分的なcDNAクローンを提供する。部分的クローン
は3′−RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)及び5′−RACEの
反応によって伸長され、これはそれぞれの部分的なクローンのための完全なcD
NA(すなわちmRNAの完全体)をもたらす。全長のcDNAをPCRによっ
てクローニングし、かつE.coli中で発現させた。E.coliが発現する
生成物の触媒活性を基質としての9−ヒドロペルオキシ及び13−ヒドロペルオ
キシ脂肪酸を使用して特徴付けた。
【0073】 メロンのRNAの調製 出発材料は様々なカンタループメロン(“マスクメロン”)、Cucumis melo、
Caravelle(Asgrow,Texas)であった。TRI REAGENTキット(Molecular Research
Center, Cincinnati, Ohio)を使用して全体のRNAを単離した。全体のRN
Aを未熟なメロン果実20gから調製した。400μgの全体のRNAが得られ
た。mRNA精製キット(Pharmacia Biotech, Piscataway, New Jersey)を使
用して全体のRNAからmRNAを精製した。該キットはポリアデニル化された
RNAのアフィニティー精製のためのオリゴ(dT)−セルローススピンカラム
を提供する。製造元のプロトコールに従った。3.7μgのmRNAが400μ
gの全体のRNAから単離された。
【0074】 B. 保存されたCYP74配列に基づく縮重プライマーを使用するRT−P
CRクローニング 第1のストランドのcDNAを全体のRNA又はポリ(A)+RNAからオリ
ゴd(T)−アダプターを使用して合成された。リバーストランスクリプターゼ
反応は80ピコモルのオリゴ−dTアダプター(配列番号49,A1678,5
′−ATGAATTCGGTACCCGGGATCCTTTTTTTTTTTT
TTTTT−3′又は配列番号50,A1677,5′−ATGAATTCGG
TACCCGGGATC−3′)、10μlの5×の第1ストランドバッファー
(GibcoBRL, Rockville, Maryland)、1mMのDTT、各dNTPに関して1
mM、50単位のRNAsin、400UのMMV−RT及びHOを有し、最
終反応容量50μlにした。このRT反応混合物を37℃で1時間インキュベー
トした。第1ストランドcDNAをさらなる精製をせずにPCR反応で直接使用
した。PCR反応物は20〜100ngのメロンのcDNA鋳型、200μMの
各dNTP、10mMのトリスHCl(pH8.3)、50mMのKCl、3m
MのMgCl、20ピコモルの上流プライマー(GGTGAGTTGCTNT
GYGGNTAYCA(配列番号16)、GGTGAGTTGCTNTGYGG
NTA(配列番号17)又はTACTGGTCNAAYGGNCCNSARAC
(配列番号19))及び20ピコモルの下流プライマー(TGGTCNAAYG
GNCCRGAGAC(配列番号18)、AAYAARCARTGYGCNGC
TAAGGAC(配列番号20)又はAARCARTGYGCNGCTAAGG
AC(配列番号21))(図2及び図3を参照のこと)を含有した。更にPCR
反応物は1.25単位の酵素及びHOを有し、最終反応容量50μlを有した
。cDNA鋳型を反応温度が80℃の時に添加した。反応サイクルパラメーター
は94℃で2分(サイクル1だけ);57℃〜62℃で1分間、72℃で1分間
、94℃で1分間(典型的に30サイクル)及び72℃で10分間(最終サイク
ル)であった。反応条件は全ての反応に関して同一であるが、2種の異なるDN
Aポリメラーゼを使用した:(1)AmpliTaqDNAポリメラーゼ(PE Applied B
iosystems, Focter City, CA)及び(2)AdvanTaq(Advantage cDNA Polymera
se Mix(Clontech, Palo Alto, CA))。
【0075】 i.150bpのcDNA断片の増幅 単一サイクルのPCRを鋳型としてメロンのcDNAを使用して実施した。上
流縮重プライマー(配列番号16、プライマー1A、図2及び図3)を下流縮重
プライマー(配列番号18、プライマー2、図2及び図3)と一緒に使用したが
、第1のPCRではバンドは得られなかった。従って第2のPCRを0.1μl
の第1回のPCR反応生成物を鋳型として使用して、かつ上流縮重プライマー1
B(配列番号17、図2及び図3)をネスト型上流プライマーとして使用して実
施した。
【0076】 第2のPCRはアガロースゲル中で唯一のバンド(150bp)として移行す
る生成物を精製した。150bpのPCR生成物は期待されたCyp74遺伝子
ファミリー生成物にサイズでは匹敵するものである。
【0077】 150bp生成物をベクター(pCR2.1 Invitrogen, Carlsbad, CA)中にサブ
クローニングし、かつ約50個のクローンの配列決定をした。3種の異なるP4
50関連の配列が得られ(図4)、これらを部分的なクローンA(配列番号28
)、クローンB(配列番号29)及びクローンC(配列番号30)と呼称した。
部分的なクローンA及びクローンBは65%の同一性ホモロジーを有した;部分
的なクローンA及びクローンCは57%の同一性ホモロジーを有した;かつ部分
的なクローンB及びクローンCは72%の同一性ホモロジーを有した。
【0078】 ii.70bpのcDNA断片の増幅 単一サイクルのPCRをメロンcDNAを鋳型として使用して実施した。上流
縮重プライマー(配列番号18、プライマー2、図2及び図3)を下流縮重プラ
イマー(配列番号20、プライマー4A、図2及び図3)と一緒に使用した。ア
ガロースゲル中に生成物のバンドは観察されなかった。従って第2のPCRを0
.1mlの第1のPCRを鋳型として使用して実施した。下流縮重プライマー、
プライマー4B、(配列番号21、図2及び図3)をネスト型下流プライマーと
して使用した。この第2のPCRはアガロースゲル中で約70bpの唯一のバン
ドとして移行する生成物を生成する。これは期待される生成物にサイズにおいて
匹敵する。この70bpのバンドのサイズはアガロースゲル上では厳密に測定す
るのが困難なので、個々のクローン(48個のクローン)を10%のゲル上のポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって較正のために10bpのD
NAラダーを使用してサイズを測定した。PAGEは生成物(60〜90bp)
の複合混合物が増幅されたことを示した。予測されたサイズに近い12個のクロ
ーンの配列決定をした。これらのクローンの1つはP450の様な配列をコード
していた。この部分的なクローンは150bpの部分的なクローンBの種々の領
域を表した。
【0079】 例2. 3′−RACE及び5′−RACEにより得られたプライマーを使用
する全長クローンの作成 3′−RACE(3′−cDNA末端の迅速増幅)法はPCRのための縮重上
流プライマー及びcDNAの逆転写酵素で触媒される合成で使用されるプライマ
ーの5′−末端でのアダプター配列に基づく下流プライマーを使用する。cDN
Aを例1に記載のように調製した。
【0080】 マラソンcDNA増幅キット(Marathon cDNA Amplification Kit)(Clontec
h)を5′−RACE(5′−cDNA末端の迅速増幅)のために使用した。こ
の手順をmRNA(1μg)を二本鎖cDNAに変換し、cDNA末端をアダプ
ター配列カセットでタグするようにデザインした。プロトコールは製造元のプロ
トコールに従った。
【0081】 A.3′−RACE cDNAを前記のように調製した。全体のRNAの3種の調製を使用した:(
1)メロンの多汁性の果肉及び固い皮の混合物から、(2)メロンの固い皮から
、(3)メロンの多汁性の果肉から。クローンAの遺伝子特異的上流プライマー
(5′−GGTTATCAGCCGCTGGTGATG−3′(配列番号34)
又は5′−ATGAACCGGAGGCGTTTAATCCG−3′(配列番号
35))、クローンB(5′−ACAGAGCGGACGAGTTCGTACC
T−3′(配列番号36))又はクローンC(5′−AGGATTCGGAGA
AGTTCGTGGGC−3′(配列番号37))をオリゴdT−アダプター配
列に基づく下流プライマー(配列番号49及び配列番号50)と一緒に使用した
【0082】 クローンB及びクローンCの全長クローンを単離するために、クローンBのた
めの遺伝子特異的プライマー(配列番号36)及びクローンCのための遺伝子特
異的プライマー(配列番号37)及びオリゴdTプライマーのアダプター配列に
基づくプライマー(配列番号50)を使用した。PCRをメロンの多汁性の果肉
及び固い皮の混合物から単離されたRNAから得られたcDNA鋳型で開始した
。これらのプライマーを使用するPCR反応は350bp(クローンB)の生成
物及び550bpの生成物(クローンC)を生成し、これらはアガロースゲル上
で唯一のバンドとして移行する。
【0083】 これらの350bp及び550bpのPCR生成物はAOS及び13−HPL
のcDNAの3′−末端の増幅からの期待される生成物とサイズにおいて匹敵し
た。これらの生成物をpCR2.1中にサブクローニングし、かつ配列決定した
【0084】 クローンAの全長のクローンを単離するために、PCRを多汁性の果肉又は固
い皮のメロンcDNA鋳型を用いて開始した。クローンAのための遺伝子特異的
上流プライマー(配列番号34又は配列番号35)及びオリゴdTアダプター配
列に基づく下流プライマー(配列番号50)を増幅のために使用した。PCR反
応を固い皮のメロンcDNAを用いて開始する場合にはアガロースゲル電気泳動
で測定されるようにPCR生成物は得られなかった。PCR反応を多汁性の果肉
のメロンcDNAを用いて開始する場合には、しかしながらアガロースゲル上で
唯一のバンドとして移行する2つのバンドが得られた。配列番号34のヌクレオ
チド配列を有するプライマーで生成された生成物は450bpであり、かつ配列
番号35のヌクレオチド配列を有するプライマーで生成された生成物は400b
pであった。これらの2つのPCR生成物のサイズにおける差異(50bp)は
配列番号34及び配列番号35に相応する2種の上流プライマー間の期待される
距離と一致した。
【0085】 クローンAから得られるプライマーから生成した400bp及び450bpの
PCR生成物はAOS及び13−HPLのcDNAの3′末端からの期待される
生成物とサイズにおいて匹敵した。これらの生成物をpCR2.1中にサブクロ
ーニングし、かつ配列決定した。
【0086】 図5はメロンからのクローンA、クローンB及びクローンCによってコードさ
れるアミノ酸配列のC−末端及びグァバ、トウガラシ及びバナナからの13−H
PLのC−末端配列及びアマ、グアユール及びアラビドプシスからのAOSのC
−末端配列の間の同一性を比較している。このアラインメントはクローンAが1
3−HPL配列と最も高いホモロジーを有することを示している。クローンB及
びクローンCはAOSと13−HPLより高いホモロジーを有する。クローンB
はクローンCよりもAOSと類似しており、かつ従ってクローンCはAOS又は
13−HPLのいずれかとは最も異なる。
【0087】 B.5′−RACE 全体のRNAを前記のように多汁性のメロン果肉から調製した。5′−RAC
EのためのcDNA合成はクロンテックの手順(Clontech procedue)(マラソ
ンcDNA増幅キット)を使用して達成された。プロトコールは製造元のプロト
コールに従った。未熟なメロン果実からの1μgのmRNAを使用した。第1の
PCRを、5′及び3′末端でマラソンアダプター配列でタグされたメロンcD
NAを鋳型として使用して実施した。上流プライマーAP1をクローンAのため
の遺伝子特異的下流プライマー(5′−CCGTCAGCACCACCAAAT
CCTTC−3′(配列番号39))、クローンBのための遺伝子特異的下流プ
ライマー(5′−CTGAACCGACCGCGACTGTGT−3′(配列番
号41))及びクローンCのための遺伝子特異的下流プライマー(5′−TCC
GCGTCGGCTCCACTGTC−3′(配列番号43))と一緒に使用し
た。アガロースゲル上で拡散した不鮮明なバンドとして移行する生成物は各クロ
ーンに関する第1のPCRにおいて得られた。第2のPCRを0.05μlの第
1のPCR生成物を鋳型(50μlのPCR反応)として使用して実施した。上
流プライマーはアダプターAP2(マラソンcDNA増幅キット)であり、かつ
下流遺伝子特異的プライマーはクローンAのためには5′−GAACAGATA
ATCCAGCAGGGC−3′(配列番号40)、クローンBのためには5′
−TCGCCCGTGAACCGATCAGGTA−3′(配列番号42)又は
クローンCのためには5′−TCTCCCACGAACCTATCGCCCA−
3′(配列番号44)であった。この第2のPCRはクローンAに関しては10
00bp生成物を、クローンBに関しては1400bp生成物を、かつクローン
Cに関しては1200bp生成物を生成した。1000bp、1400bp及び
1200bpのPCR生成物はAOS及び13−HPLのcDNAのサイズに基
づく期待される生成物とサイズにおいて匹敵した。これらの生成物をベクター(
pCR2.1、インビトロゲン)中にサブクローニングし、かつ配列決定した。
【0088】 クローンB及びクローンCの5′−RACE及び3′−RACEの生成物の配
列決定の後に、遺伝子特異的プライマーをコーディング配列の推定される開始に
相応し、かつ停止コドンに相応して合成した。クローンBに関してはNcoI及
びEcoRI制限部位(ユニーク部位)を、以下のプライマー5′−GCCAT GG CCTCCATTGTCATTCCTTC−3′(配列番号45)(Nco
I部位に下線及び下線のATGはMetをコードする)(5′−up)及び5′
−GGAATTCTTAGTGATGGTGATGGTGATGGAAACTT
GCTTTCTTTAG−3′(配列番号46)(EcoRI部位に下線及び下
線のAGTコドンは停止コドンを表す)を使用してそれぞれ5′−末端及び3′
−末端に組み込んだ。
【0089】 クローンCのために、ユニークなNdeI及びClaI制限部位を5′及び3
′末端にそれぞれ、以下のプライマー5′−GCATATGGCTACTCCT
TCTTCCTCCTC−3′(配列番号47)(NdeI部位に下線及び下線
のATGはMetをコードする)(5′−up)及び5′−CATCGATTT
AGTGATGGTGATGGTGATGATTAGTCATTAGCTTTA
A−3′(配列番号48)(ClaI部位に下線及びAGTは停止コドンである
)(3′−down)を使用して組み込んだ。NcoI部位はコーディング配列
中に存在する。
【0090】 PCR反応を1μgのmRNA(前記の)から調製されたメロンcDNA及び
配列番号45のヌクレオチド配列を有するプライマー及び配列番号46のヌクレ
オチド配列を有するプライマー又は配列番号47のヌクレオチド配列を有するプ
ライマー及び配列番号48のヌクレオチド配列を有するプライマーをプライマー
として使用して開始した。これらの反応のためのアニーリング温度は60℃であ
り、クロンテックによるAdvantagecDNAポリメラーゼミックスを使用した。
クローンBに関する1.6kbの生成物及びクローンCに関する1.4kbの生
成物を増幅した。これらの生成物のそれぞれをベクター(pCR2.1)中にサ
ブクローニングし、かつ配列決定した。クローンBのヌクレオチド配列は配列番
号51として提供され、かつクローンCのヌクレオチド配列は配列番号7として
提供される。
【0091】 クローンBの1.6kb生成物(図1において示されるメロンAOS、アミノ
酸配列 配列番号52を有する)配列番号51及びクローンCの1.4kb生成
物(図1において示されるメロンHPL、配列番号7を有する)によってコード
される推定されるアミノ酸配列をアマ(配列番号53)、グアユール(配列番号
54)及びアラビドプシス(配列番号55)からのAOSのアミノ酸配列並びに
グァバ(配列番号38)、バナナ(配列番号33)及びトウガラシ(配列番号3
2)からの13−HPLのアミノ酸配列と比較した。配列の開始(5′末端によ
ってコードされる)は長さ及びアミノ酸配列における相当の変化を含み、次いで
全ての配列が収束し、かつ緊密な関連性を示すようになる。クローンBは比較的
短い5′末端を有するクローンCと比較してより長い5′−RACE生成物の根
拠となる非常に長い5′末端を有する。
【0092】 得られる3′末端の配列比較によって、クローンAは公知の13−HPL酵素
に最も類似している。クローンBはメロンAOSである。クローンCは9−ヒド
ロペルオキシドリアーゼである。
【0093】 例3.E.coliにおける発現 pCR2.1中のクローンBのcDNAをNcoI及びEcoRIで切断し、
かつ発現ベクタープラスミドpET3d(これもNcoI及びEcoRIで消化
した)中にサブクローニングした。pCR2.1中のクローンCのcDNAをN
deI及びClaIで切断し、かつ発現ベクタープラスミドpET3b(これも
NdeI及びClaIで消化した)中にサブクローニングした。2つの異なる構
築物を使用してE.coli株BL21(DE3)を形質転換し、クローンB及
びクローンCの遺伝子産物を発現させる。これらの構築物は付加的なアミノ酸を
有さない又は5′−末端の他の改変を有さない天然の植物の配列の細菌による発
現をもたらす。
【0094】 発現のために、形質転換されたBL21細胞を37℃及び280rpmでLB
培地(3ml、トリプトン(10g)、酵母エキス(5g)及びNaCl(10
g)を1lの水に溶解させ、pHを7.0に調整し、かつオートクレーブにかけ
ることによって調製される)中で一晩培養した。抗生物質カナマイシン(30m
g)をオートクレーブにかけた後に無菌的に添加した。得られた培養の一部(0
.2ml)を次いでテリフィックブロス(TB,10ml、バクトトリプトン(
12g)、バクト酵母エキス(12g)及びグリセロール(4ml)を脱イオン
水(900ml)中に溶解し、オートクレーブにかけ、次いで50μg/mlの
アンピシリン、0.17MのKHPO及び0.72MのKHPOを含有
する滅菌溶液(100ml)を添加することによって調製される)に移し、かつ
260nmでの光学密度(OD260)が0.6に達するまで増殖させた。この
培養を使用して50μg/mlのアンピシリンを含有する50mlのTBに接種
し、次いで28℃及び200rpmに置き、ヘム前駆体、δ−アミノレブリミン
酸(aminolevulimic acid)(1mM)を添加し、引き続き1時間後にインデュ
ーサーのIPTG(0.4mM)を添加した。誘導された培養を更に(4又は1
6時間)放置し、かつ細胞を遠心分離(4℃で5000rpmで7分間)によっ
て回収した。沈殿した細胞をトリスHClバッファー(50mM、pH7.9)
中に再懸濁させ、引き続き前記のように再遠心分離することによって洗浄した。
【0095】 得られた細胞のペレットを、スクロース(0.5M)、EDTA(0.5mM
)及びリソザイム(1mg/ml)を含有するトリス酢酸バッファー(0.1M
、pH7.6)中に再懸濁した。氷上で30分後に、該混合物を前記のように遠
心分離し、スフェロプラストのペレットを得た。これらを、酢酸マグネシウム(
6mM)、グリセロール(20%v/v)及びDTT(0.1mM)を含有する
リン酸カリウムバッファー(0.1M、pH7.6)中に再懸濁し、かつ該混合
物を−80℃で10分間放置する。これに引き続いてプロテアーゼインヒビター
を添加し(PMSF、1mM)、細胞をソニケーション処理(2×30秒)した
。SDS−PAGEによる発現生成物の分析はクローンB及びクローンCの両方
に関してほとんど検出できるバンドを示さなかった。cDNAインサートを有さ
ないベクターから生成するコントロールタンパク質と比較して、より少量のタン
パク質が存在するが、それぞれの細菌溶解物は容易に測定可能な触媒活性を与え
る。脂肪酸ヒドロペルオキシド基質のUV−235nmの消失をモニタすること
によって、1μl(<10μgの粗製タンパク質)の懸濁され、かつ溶解された
細菌ペレットが1mlのUVキュベット中で反応を観察するために必要であった
【0096】 例4.クローンCから得られた9−HPLの部分的な精製 9−HPL酵素を例3で議論したようにE.coli(BL21細胞)中で発
現させたが、His−6タグを、配列番号31のヌクレオチド配列を使用してタ
ンパク質のカルボキシル末端で発現させた。可溶化されたスフェロプラストの3
つの50mlの細菌培養からの調製物をプールし、かつ製造元の指示に従ってニ
ッケル−NTAカラム(キアゲンから購入)に適用した。該カラム(床容量1m
l)をアプリケーションバッファー(50mMのグリシン及び0.1%のエマル
ホゲン(Emulphogen)を含有する)で洗浄し、次いで該酵素を40mMのヒスチ
ジン及び0.1%のエマルホゲン界面活性剤を含有するアプリケーションバッフ
ァーを使用して溶出させた。プールされたフラクションを引き続き一晩透析し、
ヒスチジンを除去した。これによって約5mlの溶液が得られ、これはSDS−
PAGEでの分析によって主要なタンパク質成分として期待された55kDの9
−HPLのバンドを含んでいた。部分的に精製された9−HPLのUV可視スペ
クトルは416nmで0.35AUの吸収を有するヘムタンパク質のメジャーな
ソレー帯を示した。
【0097】 例5.発現されたメロンのクローンCの触媒活性 A.室温、pH7.6での9S−ヒドロペルオキシリノール酸を使用する9−
HPLの代謝回転数 測定は分光分析的アッセイ(235nmでの吸光度における減少)及び反応の
初期速度を使用して実施した。基質として9S−ヒドロペルオキシリノール酸を
使用する精製された9−HPL酵素の代謝回転数(酵素1分子あたりに形成され
る生成物分子の数)を公知の酵素濃度(416nmでのソレー極大で測定し、1
00000のモル吸光係数を使用する)及び基質濃度の測定された変化速度(共
役ジエンの235nmでの23000のモル吸光係数を使用する)から算出した
。得られた値は最も活性な9−HPLの調製物に関して1秒間に3000の代謝
回転であった。
【0098】 この計算は反応の観察される初期速度に関連している。酵素が代謝回転依存性
の失活を被るので該速度は時間とともに低下する。
【0099】 B.9S−ヒドロペルオキシリノール酸から、精製された9−HPL酵素によ
って形成される生成物の同定 精製された酵素(2μl中約0.4μg)を100μlのバッファー(リン酸
カリウム、0.1M、pH7.6)中の3μgの「U−14C]9S−ヒドロペ
ルオキシリノール酸と反応させた。反応が完了する室温での30秒後に、メタノ
ール(200μl)を添加した。該溶液を混合し、ベンチトップ遠心分離器で簡
単に回転させ、かつ上清をHPLCに注入した。
【0100】 HPLCシステムはBeckman Ultrasphere 5μmのOD
Sカラム(25×0.46cm)、メタノール/水/氷酢酸(75/25/0.
01、v/v/v)及び流速1.1ml/分を使用した。該カラムを、UV吸収
化合物の検出のためにヒューレット・パッカード1040Aダイオードアレイ検
出器(Hewlett-Packard 1040A diode array detector)に接続し、次いで溶出液
14C代謝物のプロフィールの記録のためにパッカードFlo−One放射活
性オンライン検出器(Packard Flo-One radioactive on-line detector)に通し
た。
【0101】 不均一に14Cで標識された基質を2つの主要な放射線標識された生成物に変
換し、これらは面積において等しかった。初期に溶出する生成物(3.5分の滞
留時間で)はCG−MSによって引き続き9−オキソ−ノナン酸(以下参照)と
して同定され;この生成物は18個の炭素基質の最初の9個の炭素を表す。9分
の滞留時間での第2の主要な生成物は厳密に滞留時間において3Z−ノネナール
と一致した。この生成物は基質の炭素10〜18を表す。ピークにおける非常に
小さい後方の肩、ピーク面積の約5%は基準の2E−ノネナールと一致した。
【0102】 C.9−オキソ−ノナン酸の同定 9−HPLと9S−ヒドロペルオキシリノール酸との反応から初期に溶出する
生成物(3.5分の滞留時間)はUVにおける弱い最終吸収(end absorbance)
のみを阻害する。この生成物を前記のHPLCシステムを使用して精製し、かつ
ジエチルエーテルを有するカラム溶媒から抽出した。アリコートを20μlのメ
タノール中に再溶解させ、かつエーテル性のジアゾメタンで処理して、遊離酸を
メチルエステルに変換した。このメチル化された試料の一部をピリジン中の2%
メトキシルアミン塩酸(MOX)で試料を処理することによってメトキシム誘導
体に変換した。
【0103】 2つの試料(メチルエステル及びメチルエステルメトキシム誘導体)を電子衝
撃モードで、SPB−5融解石英キャピラリカラム(30m×0.25mmの内
径)を備えたヒューレット・パッカード5890ガスクロマトグラフに接続され
たFinnigan Icons50マススペクトロメーターを使用して作動さ
れるGC−MS(ガスクロマトグラフィー−質量分析)によって分析した。これ
らの試料を50℃で注入し、かつ温度を引き続き10℃/分で300℃にプログ
ラムした。これらの条件下に、9−オキソ−ノナン酸メチルエステルは13分の
滞留時間で溶出した。質量スペクトルはm/z185(M+−H)、158(M+
−CO)、155(M+−OCH)、143(M+−CHCHO)で特徴的な
フラグメントを示し、m/z74及び87でメチルエステルマクラファティーフ
ラグメントを示した。メチルエステルのMOX誘導体化は約14.5分で一緒に
溶出されるsyn−及びanti−オキシム異性体からなる二重のガスクロマト
グラフィーピークをもたらす。これらの質量スペクトルはイオン強度において僅
かな差異を有する同一の主要なフラグメントイオンを示す。主要なイオンはm/
z215(M+)、184(M+−NHOCH)、152(M+−NHOC
−CHOH)、124(184−CHCOH)及び73(CH−C
NH−OCH+)で検出された。
【0104】 D.3Z−ノネナールの同定 9S−ヒドロペルオキシリノール酸と精製された9−HPLとの反応物をヘキ
サンで抽出し、かつヘキサン抽出物のアリコートを前記のGC−MSシステムに
注入した。2つのピークが3Z−ノネナール(約8分)及び2E−ノネナール(
約9分)の基準のスタンダードの滞留時間で留出した。ピーク面積によって判断
すれば、2つのアルデヒドは10:1の3Z対2Eの比で形成した。2つのアル
デヒドの同定のために、3Z−ノネナールのスタンダードを化学的に合成し(例
6参照)かつ2E−ノネナールをAldrich(Milwakee, WI)から購入した。9S
−ヒドロペルオキシリノール酸との9−HPLの反応によって製造された両方の
アルデヒドに関する質量スペクトルは基準のスタンダードと実質的に同一である
。3Z−ノネナールはm/z140(M+)、122(M+−HO)及び111
(M+−CHO)において特徴的なフラグメントイオンを示すが、他方で2E−
ノネナールはm/z139(M+−H)、122(M+−HO)及び111(M
+−CHO)でのイオンを示した。
【0105】 例6.3Z−ノネナールの化学合成 3Z−ノネナール合成をCorey及びSuggsの方法(1975)及びAndre及びFun
kの方法(1986)の僅かな変更によって実施した。簡単にNaOAc緩衝さ
れた、塩化メチレン中のピリジニウムクロロクロメートの溶液に、塩化メチレン
中に溶解された3Z−ノネノールを添加した。室温での撹拌の後に、ジエチルエ
ーテルの添加によって反応を終了させ、かつ直ちにシリカゲルのカラムを通して
濾過し、塩化メチレンで溶出させ、酸化剤を除去した。TLC分析は、3Z−ノ
ネナールへの変換が約50%完了であることを示した。粗製生成物をオープンベ
ッドクロマトグラフィーによって単離し、かつRP−HPLCによって精製した
。精製の間の全ての段階において、3Z−ノネナールが4−ヒドロペルオキシ−
2E−ノネナールに酸化しないように気をつけた。化学合成された3Z−ノネナ
ールのGC−MS分析は、化学合成された3Z−ノネナールの質量スペクトルが
特徴的なフラグメントイオンを示す基準のスタンダードと実質的に同一であるこ
とを示した。
【0106】 例7.粗製の細菌溶解物中の9−HPL酵素によって9S−ヒドロペルオキシ
リノール酸から形成される生成物の同定 細菌による発現の粗製溶解物を9−HPLの起源として使用する場合に、精製
された酵素を使用して得られた生成物と比較して異なる生成物プロフィールが得
られた。以下に記載される分析調査(特にトラッピング試験)は、最初の酵素に
よる生成物が精製酵素を使用して特徴付けられた生成物と同一であるという結論
に導いた。しかしながら粗製の細菌溶解物中で2種の一次酵素生成物の1つ、3
Z−ノネナールは容易に酸化されて(恐らく非酵素的に)4−ヒドロキシ−2E
−ノネナール(4−HNE)、4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナール(4−
HPNE)及び9−オキソ−ノナン酸及び4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナ
ールの間に形成されるヘミアセタール誘導体(ヘミアセタール)からなる3種の
アルデヒドの混合物になった。3種の極性のアルデヒドの構造及び3Z−ノネナ
ールからのそれらの形成を図6に示す。またこれは3Z−ノネナールの2E−ノ
ネナールへのマイナーな異性体化を示し、後者は精製酵素又は粗製の細菌溶解物
のいずれかを使用しても少量が観察される。粗製の細菌溶解物において、他の一
次9−HPL生成物、9−オキソ−ノナン酸は主に未変換で回収される。少量の
フラクションを図6に示されるようにヘミアセタールに変換する。
【0107】 メロン9−HPLを発現する粗製の細菌溶解物を使用して、9S−ヒドロペル
オキシリノール酸との反応を酸素電極(該電極は時間に対する溶液中のO濃度
を記録する)を使用してモニタした。酸素電極の閉鎖された2mlのセル中でイ
ンキュベーションを実施することによって、9S−ヒドロペルオキシリノール酸
と粗製溶解物からの9−HPLの反応が溶液中でのO濃度の低下と関連がある
ことが観察された。O濃度の低下はOと3Z−ノネナールとが反応して、3
種の極性アルデヒドが得られることに相当する。定量的に、O濃度の低下(消
費されたナノモルのO)はHPLC分析によって検出された極性アルデヒド誘
導体のナノモルにほぼ相当した。粗製の酵素調製物との対比によって、精製され
た9−HPLと9S−ヒドロペルオキシリノール酸との反応は、溶液中の不変の
濃度と関連した。
【0108】 メロン9−HPLを発現する粗製の細菌溶解物を使用して9S−ヒドロペルオ
キシリノール酸との反応をO電極を使用するか、又は前記のような235nm
での分光分析によってモニタした。次いで該溶液をC18抽出カートリッジ(Bo
nd-Elut,Varian)を使用して抽出し、かつジエチルエーテルを使用して溶出させ
た。エーテル抽出物を蒸発させて乾燥させ、かつHPLCによって分析した。放
射線標識された生成物のプロフィールを、[1−14C]9S−ヒドロペルオキ
シリノール酸(炭素−1において14C)及び[U−14C]9S−ヒドロペル
オキシリノール酸(全ての18炭素で均一に14C)を基質として使用して得た
。UV吸収材料のプロフィールを205nm及び220nmでのモニタリングに
よって検出した。1−14C基質を使用する場合、基質の炭素−1を保持する生
成物だけが放射線標識され(すなわち9−オキソ−ノナン酸及びヘミアセタール
生成物)、かつU−14C基質からは、全ての生成物が放射線標識された。
【0109】 1−14C及び均一に標識された14C基質の両方から形成される最も高い放
射線標識ピークは9−オキソ−ノナン酸として同定された。これは本来の基質の
炭素1−9に相当し、かつこの9−HPLの一次アルデヒド生成物は主にインキ
ュベーションからインタクトに回収される。少量が図6に示されるようにヘミア
セタールに変換される。
【0110】 3種の生成物は3Z−ノネナールの最初の酸化を介して得られる。3Z−ノネ
ナールを酸化させて、まず4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナール(4−HP
NE)を形成することは、恐らく粗製の細菌溶解物中で簡単に生じる非酵素的反
応である。4−HPNEは4−HNEに部分的に還元される。また4−HPNE
は9−オキソ−ノナン酸と反応して、ヘミアセタール誘導体を形成する(図6)
【0111】 例8.粗製の細菌溶解物中の9−HPLの一次生成物が9−オキソ−ノナン酸
及び3Z−ノネナールであることの証拠 この一連の試験のために、粗製の9−HPLとの反応の前に、バッファー中の
酸素濃度をゼロに減らす。これはナトリウムジチオナイトの溶液の少量のアリコ
ートを添加することによって達成し、他方でO濃度を酸素電極を使用してモニ
タする。
【0112】 酸素が枯渇したバッファーを使用して、9−HPLと9S−ヒドロペルオキシ
リノール酸との反応速度はOの不在によって低下しないことが示された。これ
は分光分析アッセイを使用して証明された(235nmでのUV吸収の消失速度
)。
【0113】 [U−14C]9S−ヒドロペルオキシリノール酸(40μg)と粗製の細菌
溶解物からの9−HPLとの反応をO枯渇したバッファー中で酸素電極の2m
lのセル中で実施した。反応がほとんど完了すると期待される1分後に、新たに
調製されたNaBHの10mg/ml溶液50μlを注入し、かつ還元反応を
5分間進行させた。この手順はアルデヒドを相応のアルコール(9−ヒドロキシ
−ノナン酸及び3Z−ノネノール)として還元(かつそれにより安定化された)
【0114】 2mlの溶液を引き続きC18抽出カートリッジ(Bond-Elut,Varian)を使用
して抽出し、かつ生成物をジエチルエーテルでの溶出によって回収した。50μ
gの未標識の基準の3Z−ノネノール及び50μgの2E−ノネノール(Aldric
hから入手)を試料のアリコートに添加し、次いで該試料をHPLCによって分
析した。
【0115】 1つのクロマトグラムは放射線標識された生成物を示し、かつもう1つのクロ
マトグラムは205nmでのUVプロフィールを示した。UVクロマトグラムに
おける2つのメインピークは2つの添加されたスタンダードに相当し、従って3
Z−ノネノール及び2E−ノネノールの正確な滞留時間を達成した。UVクロマ
トグラムにおける後方のピークは使用されない基質(9−ヒドロキシ−リノール
酸)及びその10トランス−12トランスの異性体の還元生成物に相当し、これ
らは本来の基質のマイナーな汚染物であることがある。
【0116】 14Cクロマトグラムは9−ヒドロキシ−ノナン酸、一次酵素生成物のNaB
−還元生成物、9−オキソ−ノナン酸として同定される3分で早くに溶出す
るピークを示した。8.8分で溶出する第2の放射線標識されたメインピークは
3Z−ノネノール、3Z−ノネナールのNaBH−還元生成物に相当した。2
E−ノネノールはNaBH−トラッピング実験においては検出されなかった。
このことは相応のアルデヒド、2E−ノネナールは一次酵素生成物であるが、む
しろ非酵素的な異性体化によって形成されることを暗示している。NaBH
トラッピング実験においては、その形成は3Z−ノネナールのより安定なアルコ
ールへの迅速な変換の故に低減された。
【0117】 トラッピング実験の結果は、粗製の細菌溶解物中の9−HPLの活性が9S−
ヒドロペルオキシ−リノール酸の2つの一次アルデヒド、9−オキソ−ノナン酸
及び3Z−ノネナールへの変換に限定されることを示している。粗製の細菌溶解
物中の9−HPLの反応から回収された他のアルデヒドは一次生成物と分子の酸
素との引き続いての反応によるか、又は2E−ノネナールの異性体化によって形
成された。
【0118】 例9.4−ヒドロペルオキシ−2E−ノネナール(4−HPNE)及び4−ヒ
ドロキシ−2E−ノネナール(4−HNE)の同定 例7に記載されたインキュベーションから、4−HPNEは逆相HPLCによ
って単離され、かつH−NMR分光法(9.58ppm、d,J=7.8、H
1;6.9ppm、dd,J=15.9、6.2、H3;6.25、ddd,J
=15.9、7.8、1.2、H2;4.6ppm、q(幾つかの微細構造を有
する),J>>6.5、H4)によって特徴付けられた。4−ヒドロキシ−2E
−ノネナール(4−HNE)の形成はまた、4−HPNEの非特異的な還元によ
って形成され、微生物溶解物中でみられた(例7参照)。酵素インキュベーショ
ンから回収された4−HNEはそのUVスペクトル及びHPLC滞留時間におい
てCayman Chemical Co.(Ann Arbor, MI)から得られる4−HNEの基準の試料
と同一であった。
【0119】 4−HPNEの質量分析法のために、アリコートを、トリフェニルホスフィン
を使用して還元して、相応のアルコール、4−HNEにし、かつHPLCによっ
て再精製した。前記のGC−MSシステムを使用して4−HNEを直接及びBS
TFAでの処理の後に分析し、トリメチルシリルエーテル誘導体を得た。誘導体
化されていない4−HNEに関して得られたフラグメントイオンは文献(Gardne
r et al., 1992)における報告と一致している。特に、以下のフラグメントイオ
ンが観察された:m/z138(M+−HO)、127(M+−CHO)、10
9(M+−CHO−HO)、99、86及び85。トリメチルシリルエーテル
誘導体はm/z199(M+−CHO)、157(CHO−C−CH−O
Si(CH)3+)及び129(CHO−C−CH−OSi(CH
3+−CO)において診断イオンを示した。
【0120】 本明細書を通して、種々の文献を引用している。これらの文献の開示は参照す
ることにより本願にその全体が記載され、その発明の関連する分野の状態をより
完全に記載するものとする。
【0121】
【外1】
【0122】
【外2】
【0123】
【外3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、グァバ−HPL、バナナ−HPL、トウガラシ−HPL、アラブ−A
OS、アマ−AOS、グアユール−AOS、メロンAOS、及びメロン9−HP
Lのための全長のアミノ酸配列を示している。
【図2】 図2のAはメロンcDNA及び他のHPL及びAOSに基づく縮重プライマー
が結合して、150bp及び70bpのメロンからクローニングされた生成物を
生成する領域を示し、図2のBはグァバ−HPL、バナナ−HPL、トウガラシ
−HPL、アラブ−AOS、アマ−AOS、グアユール−AOS、メロンAOS
、及びメロン9−HPLからの部分アミノ酸配列のアラインメントを示している
【図3】 図3はメロンHPL及びAOSの150bp及び70bpを得るために使用さ
れる縮重プライマーの配列を示している。
【図4】 図4はメロンHPL及びAOSの3つの異なる150bpのクローンのアミノ
酸配列のアラインメントを示している。
【図5】 図5はメロンからのクローンA、クローンB及びクローンCの3′末端によっ
てコードされる部分アミノ酸配列及びグァバ、トウガラシ及びバナナからの13
−HPL及びアマ、グアユール及びアラビドプシスからのAOSのC末端配列の
間の同一性を比較している。
【図6】 図6はメロン9−HPL:9−オキソノナン酸及び3Z−ノネナールの存在下
での9S−ヒドロペルオキシリノール酸の2つの一次酵素生成物の図を示してい
る。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/88 C12P 7/24 C12P 7/04 7/42 7/24 C12N 15/00 ZNAA 7/42 5/00 A B C (72)発明者 ナタリー ティジェ アメリカ合衆国 アリゾナ タクソン イ ースト ヴィア パロミタ 3750 アパー トメント 33202 (72)発明者 イアン エム ホワイトヘッド シンガポール国 シンガポール アーモン ド ストリート 19 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA07 CA01 DA01 DA02 DA06 DA11 DA12 DA20 EA04 GA11 HA20 4B050 CC03 DD14 EE10 LL05 4B064 AC02 AC09 AC24 CA21 CB16 CB18 CC24 CD07 DA10 DA20 4B065 AA88Y AB01 AC14 BA02 BB08 CA05 CA08 CA27 CA41 CA51

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9−ヒドロペルオキシド基質及び13−ヒドロペルオキシド
    基質の両者に対する活性を有し、その際、9−ヒドロペルオキシリノレン酸に対
    するリアーゼのK及びVmaxが9−ヒドロペルオキシリノール酸に対するリ
    アーゼのK及びVmaxよりも大きい単離された脂肪酸ヒドロペルオキシドリ
    アーゼ。
  2. 【請求項2】 9−ヒドロキシペルオキシド基質に対するリアーゼのVma が13−ヒドロペルオキシド基質に関するVmaxよりも大きい、請求項1記
    載のリアーゼ。
  3. 【請求項3】 9−ヒドロペルオキシド基質に対するリアーゼのKが13
    −ヒドロペルオキシド基質に関するよりも大きい、請求項1記載のリアーゼ。
  4. 【請求項4】 リアーゼがCucumis meloから単離されたタンパク質中に存在
    するアミノ酸配列を有する、請求項1記載のリアーゼ。
  5. 【請求項5】 Cucumis meloに独特であり、かつ図1に記載されるアミノ酸
    を有し、13−ヒドロペルオキシド基質よりも大きい活性で9−ヒドロペルオキ
    シド基質を分解する活性を提供する、請求項1記載のリアーゼ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のリアーゼをコードする単離された核酸。
  7. 【請求項7】 配列番号8に記載される核酸配列を有する、請求項6記載の
    核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
    号5、配列番号6及び配列番号7からなる群から選択されるアミノ酸配列を有す
    る、単離されたタンパク質。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のタンパク質をコードする単離された核酸。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の核酸を有するベクター。
  11. 【請求項11】 更に核酸に機能的に結合されたプロモーターを有する、請
    求項10記載のベクター。
  12. 【請求項12】 ベクターがプラスミドである、請求項10記載のベクター
  13. 【請求項13】 請求項6記載の核酸を有する外因性核酸を有する細胞。
  14. 【請求項14】 細胞が原核細胞である、請求項13記載の細胞。
  15. 【請求項15】 原核細胞が、エシェリキア コリ細胞、バチルス細胞及び
    ストレプトマイセス細胞からなる群から選択される、請求項14記載の細胞。
  16. 【請求項16】 細胞が真核細胞である、請求項13記載の細胞。
  17. 【請求項17】 真核細胞が、酵母細胞、植物細胞及び昆虫細胞からなる群
    から選択される、請求項16記載の細胞。
  18. 【請求項18】 (9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデ
    カ−10,12−ジエン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペ
    ルオキシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸をC−アルデヒド及びC −オキソノナン酸に分解する方法において、請求項1記載のリアーゼを(9S
    ,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12−ジエン酸又
    は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,
    12,15−トリエン酸と接触させることを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 (9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタ
    デカ−9,11−ジエン酸又は(9Z,11E,13S,15Z)13−ヒドロ
    ペルオキシオクタデカ−9,11,15−トリエン酸をC−アルデヒド及びC12 −オキソカルボン酸に分解する方法において、請求項1記載のリアーゼを(
    9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11−ジエン
    酸又は(9Z,11E,13S,15Z)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−
    9,11,15−トリエン酸と接触させることを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 3−(Z)−ノネナール、(3Z,6Z)−ノナジエナー
    ル、2−(E)−ノネナール、(2E,6Z)−ノナジエナール又はそれらの相
    応のアルコールを(9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−
    10,12−ジエン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオ
    キシオクタデカ−10,12,15−トリエン酸から製造するための方法におい
    て、 (a)(9S,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12
    −ジエン酸又は(9S,10E,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタ
    デカ−10,12,15−トリエン酸を請求項1記載のタンパク質と接触させ、
    それによって(9Z,10E,12Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10
    ,12−ジエン酸を3−(Z)−ノネナールに変換するか、又は(9S,10E
    ,12Z,15Z)9−ヒドロペルオキシオクタデカ−10,12,15−トリ
    エン酸を(3Z,6Z)−ノナジエナールに変換し、かつ (b)3−(Z)−ノネナール又は(3Z,6Z)−ノナジエナールを回収し、 (c)3−(Z)−ノネナールを3−(Z)−ノネノールに還元するか、又は(
    3Z,6Z)−ノナジエナールを(3Z,6Z)−ノナジエノールに還元し、か
    つ3−(Z)−ノネノール又は(3Z,6Z)−ノナジエノールを回収するか、
    又は (d)3−(Z)−ノネナール又は(3Z,6Z)−ノナジエナールを2−(E
    )−ノネナール又は(2E,6Z)−ノナジエナールを得るのに効果的な温度及
    びpH条件下に異性体化し、かつ形成された2−(E)−ノネナール又は(2E
    ,6Z)−ノナジエナールを回収するか、又は2−(E)−ノネナールを2−(
    E)−ノネノールに還元するか、又は(2E,6Z)−ノナジエナールを(2E
    ,6Z)−ノナジエノールに還元し、かつ2−(E)−ノネノール又は(2E,
    6Z)−ノナジエノールを培地から回収する ことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 n−ヘキサナール、3−(Z)−ヘキセン−1−アール、
    2−(E)−ヘキセン−1−アール、又はそれらの相応のアルコールを(9Z,
    11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11−ジエン酸又は
    (9Z,11E,13S,15Z)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,1
    1,15−トリエン酸から製造する方法において、 (a)(9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11
    −ジエン酸又は(9Z,11E,13S,15Z)13−ヒドロペルオキシオク
    タデカ−9,11,15−トリエン酸を請求項1記載のリアーゼと接触させ、そ
    れによって(9Z,11E,13S)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,
    11−ジエン酸をn−ヘキサナールに変換するか、又は(9Z,11E,13S
    ,15Z)13−ヒドロペルオキシオクタデカ−9,11,15−トリエン酸を
    3−(Z)−ヘキセン−1−アールに変換し、かつ (b)n−ヘキサナール又は3−(Z)−ヘキセン−1−アールを回収し、 (c)n−ヘキサナールをn−ヘキサノールに還元するか、又は3−(Z)−ヘ
    キセン−1−アールを3−(Z)−ヘキセン−1−オールに還元し、かつヘキサ
    ノール又は3−(Z)−ヘキセン−1−オールを回収するか、又は (d)3−(Z)−ヘキセン−1−アールを、2−(E)−ヘキセン−1−アー
    ルを得るのに効率的な温度及びpH条件下に異性体化し、かつ形成された2−(
    E)−ヘキセン−1−アールを回収するか、又は2−(E)−ヘキセン−1−ア
    ールを2−(E)−ヘキセン−1−オールに還元し、かつ2−(E)−ヘキセン
    −1−オールを培地から回収する ことを特徴とする方法。
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