JP2003528612A - 新規好熱性ポリメラーゼiiiホロ酵素 - Google Patents

新規好熱性ポリメラーゼiiiホロ酵素

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マクヘンリー,チャールズ・エス
ジャンジク,ネボジサ
ブラード,ジョン・ランドール
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レプリダイン・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、好熱性生物由来のDNAポリメラーゼIIIホロ酵素サブユニット及び構造遺伝子をコードする遺伝子及びアミノ酸配列に関する。特定すれば、本発明は、T.thermophilusのDNAポリメラーゼIIIホロ酵素サブユニット及びアクセサリー蛋白質を提供する。本発明は、DNAポリメラーゼIII分子を同定するために有用な抗体、プライマー、プローブ及び他の試薬も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、好熱性生物由来のDNAポリメラーゼIIIホロ酵素サブユニット
及び構造遺伝子をコードする遺伝子配列及びアミノ酸配列に関する。特定すれば
、本発明は、T.thermophilusのDNAポリメラーゼIIIホロ酵
素サブユニット及びアクセサリー蛋白質を提供する。本発明は、DNAポリメラ
ーゼIII分子を同定するのに有用な抗体及び他の試薬も提供する。
【0002】 先行技術 細菌の細胞は、ポリメラーゼI,II及びIIIと命名された3種のDNAポ
リメラーゼを含む。DNAIII(pol III)は染色体の大部分の複製に
必須である。pol IIIは複製ポリメラーゼと呼ばれ;複製ポリメラーゼは
高速であり且つ高度にプロセッシブな酵素である。pol I及びIIは非複製
酵素と呼ばれるが、両酵素は複製機能を有するらしい。DNAポリメラーゼIは
もっとも豊富な酵素であり、いくつかのタイプのDNA修復に必須であり、DN
A複製の間のオカザキフラグメントの連結を可能にする修復様反応を含む。po
l IはUV照射及び放射線模倣性薬剤により誘導されたDNAの損傷の修復に
必須である。pol IIは、SOS応答を誘導するDNA損傷を修復する際に
役割を担うと考えられ、そしてpol I及びIIIの両方を欠く変異体におい
て、pol IIはUV誘導障害を修復する。pol IとIIはモノマーのポ
リメラーゼであり、一方pol IIIは複数のサブユニットの複合体からなる
【0003】 E.coliにおいて、pol IIIはE.coliレプリカーゼの触媒性
コアを含む。E.coliにおいては、細胞あたり約400コピーのDNAポリ
メラーゼIが存在するが、pol IIIはたった10−20コピーである(K
ornberg and Baker,DNA Replication,2d
ed.,W.H.Freeman & Company,[1992],pp
.167;及びWu et al.J.Biol.Chem.,259:121
17−12122[1984])。pol IIIの富裕性の低さ及び一般的複
製アッセイとして典型的に使用されるギャップの入ったDNA鋳型上のその相対
的に弱い活性が、DNAポリメラーゼIの欠損変異体の入手までの発見を遅らせ
た(Kornberg and Gefter,J.Biol.Chem.,4
7:5369−5375[1972])。
【0004】 pol IIIの触媒サブユニットは、その固有の触媒活性によるのではなく
、フォークにおいて他の複製蛋白質と相互作用する能力により、E.coliの
主要な複製複合体の成分として識別される。これらの相互作用は酵素の莫大なプ
ロセッシビティーを授与する。DNAポリメラーゼIIIホロ酵素がプライムさ
れたDNAに結合したら40分以上解離せず、これは全4 MbのE.coli
染色体の合成に必要な時間である(McHenry,Ann.Rev.Bioc
hem.,57:519−550[1988])。複製フォークの共役したロー
リングサークルモデルにおける研究は、上記酵素がインビトロにおいて解離せず
にDNA150kb以上を合成できたことを示唆する(Mok and Mar
ians,J.Biol.Chem.,262:16444−16654[19
87];Wu et al.Biol.Chem.,267:4030−404
4[1992])。この高いプロセッシビティーに要求される必須の相互作用は
、α触媒サブユニットとβのダイマーの間の相互作用であり、ブレスレットのよ
うにDNA鋳型を環状にするスライディングクランププロセッシビティー因子で
あり、結合したポリメラーゼに沿ってそれを迅速にスライドさせるが、それが離
反することを阻害する(LaDuca et al.,J.Biol.Chem
.,261:7550−7557[1986];Kong et al.,Ce
ll 69:425−437[1992])。β−α結合は、その他の場合に解
離するかもしれないとき、一過性の温度の変動の間、見かけ上ポリメラーゼを鋳
型上に保持させる。
【0005】 β2ブレスレットは高分子量のDNAに自発的に結合できず、ATPの加水分
解のエネルギーを用いてDNAの回りで複合蛋白質DnaX−複合体を開かせて
閉じさせることを必要とする(Wickner,Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 73:35411−3515[1976];Naktini
s et al.,J.Biol.Chem.,270:13358−1336
5[1985];及びDallmann et al.,J.Biol.Che
m.,270:29555−29562[1995])。E.coliにおいて
、dnaX遺伝子は2つの蛋白質τ及びγをコードする。γはdnaXのmRN
Aを通した経路のプログラムされたリボソームフレームシフト機構5番目から7
番目により生成され、停止コドンに遭遇する直前である−1リーディングフレー
ム内にリボソームを配置させる(Flower and McHenry Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 87:3713−3717[19
90];Blinkowa and Walker,Nucl.Acids R
es.,18:1725−1729[1990];及びTsuchihashi
and Kornberg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
87:2516−2520[1990])。E.coliにおいて、dnaX
−複合体は化学量論γ2τ2δ1δ’1χ1ι1を有する(Dallmann and
McHenry,J.Biol.Chem.,270:29563−2956
9[1995])。τ蛋白質は、ポリメラーゼに強固に相互作用する付加的なカ
ルボキシルドメインを含み、同時に複製フォークのリーディング鎖及びラギング
鎖を等しく複製できる一つの複合体中に2つのポリメラーゼを維持させる(Mc
Henry,J.Biol.Chem.,257:2657−2663[198
2];Studwell and O’Donnell,Biol.Chem.
,266:19833−19841[1991];McHenry,Ann.R
ev.Biochem.57:519−550[1998])。
【0006】 関連する複数のATPaseを生じさせるフレームシフト機構の保存は、E.
coliに関する類推によると、プライムされたDNA上にプロセッシビティー
因子を共に集合できる点において意義がある。E.coliにおいては、リボソ
ームが配列A AAA AAGにおいて−1フレームにフレームシフトし、リジ
ンのUUUアンチコドンのtRNAが伸長前に6つのAと対合できる(Flow
er and McHenry,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 87:3713−3717[1990]Blinkowa and Wal
ker,Nucl.Acids Res.,18:1725−1729[199
0];及びTsuchihashi and Kornberg,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 87:2516−2520[1990])
【0007】 pol IIIは中温性ユーバクテリアを通して保存されていることが明らか
である。E.coli及び関連するプロテオバクテリアに加えて、該酵素がfi
rmicute Bacillus subtilisから精製された(Low
et al.,J.Biol.Chem.,251:1311−1325[1
976];Hammond and Brown[1992])。配列決定され
た細菌ゲノムの増加と、DNA配列の推論によると、pol IIIは、Cau
lobacter,Mycobacteria,Mycoplasma,B.s
ubtilis及びSynechocystisとして広く分散して生物に存在
する。dnaXとdnaNの存在も(βの構造遺伝子)、これらの生物において
明らかである。これらの一般的複製機構は生物においてさらにより広く保存され
ている。真核生物はpol IIIに相同のポリメラーゼを含まないが、真核生
物は、染色体の複製に振り向けられた特別なポリメラーゼ及びβ様のプロセッシ
ビティー因子(PCNA)及びdnaX様ATPases(RFC,アクチベー
ターI)を含み、これらはDNA上でこれらのプロセッシビティー因子を集合さ
せる(Yoder and Burgers,J.Biol.Chem.,26
6:22689−22697[1991];Brush and Stillm
an,Meth.Enzymol.,262:522−548[1995];U
hlmann et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
93:6521−6526[1996])。
【0008】 ヘリカーゼはDNA代謝において様々な機能を担う。細胞性(E.coli
dnaB,priA及びrep蛋白質)、ファージ(T4遺伝子41及びdda
蛋白質;T7遺伝子4蛋白質)、及びウイルス(SV40 T抗原;HSV−1
UL5/UL52複合体及びUL9蛋白質)のヘリカーゼは、DNAを巻き戻
すことにより複製複合体の他の蛋白質がssDNA上に集合できることになり、
複製の開始に関与する。他のヘリカーゼ(例えば、E.coliのrecBCD
及びrecQ蛋白質)は遺伝子の特徴による組換えにおいて関与する。他のクラ
スのヘリカーゼは、E.coliのuvrAB及びuvrDを含む。これらのヘ
リカーゼは、切断前(DNAの損傷又は変化の認識)及び切断後の(損傷断片の
置換)工程の両方の間のヌクレオチド切り出し修復又はメチル指向性ミスマッチ
修復において作用する。例えば、USPN5,747,247を参照されたい。
【0009】 DNAの対合ミスは生体内で起こり得ることであって、修復蛋白質により認識
されて修正される。ミスマッチ修復は、E.coli,Salmonella
typhimurium、及びS.pneumoniaeにおいてもっとも広範
囲に研究されてきた。E.coliのMutS,MutH及びMutL蛋白質は
DNAミスマッチの修復に関与するが、E.coli内のuvrD遺伝子の産物
であるヘリカーゼIIのようにである。例えば、USPN5,750,335を
参照。
【0010】 もっとも良好に定義されたミスマッチ修復の経路はE.coliのMutHL
S経路であり、mutH,mutL,mutS及びmutU(uvrD)遺伝子
産物に依存する長いパッチの(約3kb)切り出し修復反応を促進させる。Mu
tHLS経路は、E.coliのもっとも活性の高いミスマッチ修復経路である
らしく、そしてDNA複製の忠実度を増加させると共に対合ミスの塩基を含む組
換え中間体に作用することが知られている。上記の系はインビトロにて再構成さ
れて、mutH,mutL,mutS及びuvrD(ヘリカーゼII)蛋白質、
並びにDNAポリメラーゼIIIホロ酵素、DNAリガーゼ、一本鎖DNA結合
蛋白質(SSB)及び一本鎖DNAエキソヌクレアーゼExo I,Exo V
II又はRecJのうちの一つを要求する。酵母の類似の経路は、MSH2遺伝
子及びPMS1及びMLH1と呼ばれる2つのmutL様遺伝子を含む。例えば
、USPN6,191,268を参照。
【0011】 E.coliの細菌性Uvr蛋白質はDNA二重鎖のバックボーンの結合構造
を歪める広い範囲の化学薬品により引き起こされる損傷DNA部位を切り出すこ
とができる。結果として、DNAが環境サンプル中の化学薬品により損傷を受け
たなら、Uvr蛋白質が損傷領域を分断して切り出すことになる。DNAポリメ
ラーゼIによる続く再合成が標識又は非標識ヌクレオチドをDNA内に取り込む
。例えば、USPN6,060,288を参照。
【0012】 DNAのラギング鎖の複製は、priA,dnaT,dnaB,dnaC及び
dnaGからなる複合蛋白質複合体により媒介される。この複合体はプライモソ
ームと呼ばれる。精製されたpriAはATPase、ヘリカーゼ、トランスロ
カーゼ及びプライモソームの集合体活性を有する。この遺伝子は、Dループに結
合し、recGと相互作用し、そしてヘリカーゼ活性を有するから、組換え及び
DNA修復に必須かも知れない。priAの3’−5’DNAヘリカーゼ活性は
組換えを阻害する。例えばUSPN6,146,846を参照。
【0013】 発明の簡単な概要 発明は、配列番号(SEQ ID NO):(uvrDヘリカーゼ)68のア
ミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離さ
れたポリペプチドに関する。
【0014】 発明は、配列番号:(DNA−Gプライマーゼ)72のアミノ酸配列に少なく
とも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに
関する。
【0015】 発明は、配列番号:(priAヘリカーゼ)76のアミノ酸配列に少なくとも
95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに関す
る。
【0016】 発明は、配列番号:(デルタサブユニット)10のアミノ酸配列に少なくとも
95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに関す
る。
【0017】 発明は、配列番号:(デルタプライムサブユニット)17のアミノ酸配列に少
なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチ
ドに関する。
【0018】 発明は、配列番号:(ベータサブユニット)23のアミノ酸配列に少なくとも
95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに関す
る。
【0019】 発明は、配列番号:(ssb蛋白質)32のアミノ酸配列に少なくとも95%
の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに関する。 発明は、配列番号:(イプシロン−1,dnaQ−1)37のアミノ酸配列に
少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプ
チドに関する。
【0020】 発明は、配列番号:(イプシロン−2,dnaQ−2)82のアミノ酸配列に
少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプ
チドに関する。
【0021】 発明はヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを生成する方法に関
し、該ポリペプチドは配列番号68、72、76、10、17、23、32、3
7及び82の一つのアミノ酸配列に少なくとも95%の配列同一性を有し、該ポ
リペプチドが発現されて回収されるような条件下で上記ヌクレオチド配列を含む
宿主細胞を培養することを含む。
【0022】 発明はひとつ又は複数のポリペプチドを利用することを含むDNA合成方法に
関し、該ひとつ又は複数のポリペプチドは配列番号68、72、76、10、1
7、23、32、37及び82の一つのアミノ酸配列に少なくとも95%の配列
同一性を有する。
【0023】 本発明のさらなる目的及び利点は、以下の記載から明らかになる。 発明の詳細な説明 A.定義 そのような用語に付与される範囲を含めて、明細書及び特許請求の範囲の明快
且つ一貫した理解を提供するため、以下の定義を提供する。用語「a」又は「a
n」の実体はひとつ又は複数のその実体を意味し、例えば「a polynuc
leotide」はひとつ又は複数のポリヌクレオチドを表すように理解される
ことにも注目されるべきである。
【0024】 本明細書にて使用されるとおり、用語「DNAポリメラーゼIIIホロ酵素」
は完全なDNAポリメラーゼIII実体物を意味し(即ち、全てのサブユニット
、並びに染色体又はゲノムのプロセッシブな複製に必要な、他の結合したアクセ
サリー蛋白質、例えばssb,dnaG,uvrD及びpriA)、一方「DN
AポリメラーゼIII」はコア(α、ε、θ)のみである。「DNAポリメラー
ゼIIIホロ酵素サブユニット」は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素を含む
サブユニット実在物のいずれかに関して使用される。即ち、用語「DNAポリメ
ラーゼIII」は、「DNAポリメラーゼIIIホロ酵素サブユニット」及び「
DNAポリメラーゼIIIサブユニット」を包含する。
【0025】 用語「5’エキソヌクレアーゼ活性」は、オリゴヌクレオチドの5’末端から
ヌクレオチドを除去できる蛋白質の活性の存在を意味する。5’エキソヌクレア
ーゼ活性は本明細書に提供されるアッセイの何れかを用いて測定してよい。
【0026】 用語「3’エキソヌクレアーゼ活性」は、オリゴヌクレオチドの3’末端から
ヌクレオチドを除去できる蛋白質の活性の存在を意味する。3’エキソヌクレア
ーゼ活性は本明細書に提供されるアッセイの何れかを用いて測定してよい。
【0027】 用語「DNAポリメラーゼ活性」、「合成活性」及び「ポリメラーゼ活性」は
、互いに交換可能に使用され、デオキシヌクレオシド3リン酸の取り込みにより
新たなDNA鎖を合成する酵素の能力を意味する。以下の実施例は、DNAポリ
メラーゼ可能の測定のためのアッセイを提供する。鋳型依存性様式によりデオキ
シヌクレオシド3リン酸の取り込みにより新たな鎖の合成(DNA合成)を指令
することができる蛋白質を「DNA合成活性ができる」と言う。
【0028】 特定のヌクレオチド塩基においてDNA合成を停止させるDNA合成停止試薬
は化合物であり、限定ではないが、2’,3’ジデオキシ構造を有するジデオキ
シヌクレオシド(例えば、ddATP,ddCTP,ddGTP及びddTTP
)を含む。特定の塩基においてDNA配列決定反応を特異的に停止させることが
可能な如何なる化合物も、DNA合成停止試薬として用いてよい。
【0029】 用語「遺伝子」は、ポリペプチド又は前駆体の生成に必要なコーディング配列
(例えば、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素、ホロ酵素サブユニット、又は適
当なアクセサリー蛋白質)を含む核酸(例えば、DNA)配列を意味する。上記
ポリペプチドは、完全長のコーディング配列によるか又は該完全長のポリペプチ
ド又は断片の所望の活性又は機能特性(例えば、酵素活性、リガンド結合、シグ
ナルトランスダクション等)が保持されるならば上記コーディング配列の何れか
の部分によりコードされ得る。該用語は、構造遺伝子のコーディング領域も包含
し、そして遺伝子が完全長のmRNAの長さに相当するように、何れかの末端上
に約1kbの距離で5’及び3’の両末端上のコーディング領域に隣接して位置
する配列を含む。
【0030】 用語「遺伝子」は、遺伝子のcDNA形態及びゲノミック形態の両方を包含す
る。遺伝子のゲノミック形態又はクローンは、「介在領域」又は「介在配列」と
呼ばれる非コーディング配列により中断されるコーディング領域を含む。mRN
Aは、新生ポリペプチド中のアミノ酸の配列又は順序を特定するために翻訳する
間に機能する。
【0031】 特定すれば、用語「DNAポリメラーゼIIIホロ酵素」及び「ホロ酵素サブ
ユニット遺伝子」は、それぞれ、完全長DNAポリメラーゼIIIホロ酵素及び
ホロ酵素サブユニットヌクレオチド配列を意味する。しかしながら、上記用語は
DNAポリメラーゼIIIホロ酵素及びホロ酵素サブユニット配列の断片、例え
ばサブユニット蛋白質を含む興味のある特定のドメインをコードするもの、並び
に完全長のDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニットヌクレ
オチド配列内の他のドメインを包含することも意図される。さらに、用語「DN
AポリメラーゼIIIホロ酵素」、「ホロ酵素サブユニットヌクレオチド配列」
、「DNAポリメラーゼIIIホロ酵素」及び「ホロ酵素サブユニットポリヌク
レオチド配列」は、DNA、cDNA、及びRNA(例えば、mRNA)の配列
を包含する。
【0032】 本明細書にて使用されるとおり、用語「(単数又は複数の)アクセサリー蛋白
質」は、染色体又はゲノムのプロセッシブな複製に必要か又は関与する蛋白質又
はポリペプチドを意味する。該用語はさらに完全長のポリペプチド又は蛋白質を
包含する。アクセサリー蛋白質の断片を意図する場合、ポリペプチド又は蛋白質
の断片が明確に示されることになる。
【0033】 「アミノ酸配列」を天然に生じる蛋白質分子のアミノ酸配列を意味するように
記載する場合、「アミノ酸」及び類似の用語、例えば「ポリペプチド」又は「蛋
白質」は、記載された蛋白質に関連する完全な天然アミノ酸配列に上記アミノ酸
配列を限定することを意味しない。さらに、「ポリペプチド」及び「蛋白質」は
他に明記しない限り交換可能に使用される。「ポリペプチド」と「蛋白質」の違
いを意図する場合、そのような違いは明確にされることになる。
【0034】 遺伝子のゲノミック形態は、RNA転写物上に存在する配列の5’及び3’両
末端上に位置する配列も含む。これらの配列は、「フランキング」配列又は領域
と呼ばれる(これらのフランキング配列はmRNA転写物上に位置する転写され
た配列に対して5’又は3’に位置する)。5’フランキング領域は遺伝子の転
写を制御するか又は転写に影響するプロモーター及びエンハンサーのような制御
配列を含んでよい。3’フランキング領域は、転写の終結、翻訳後分割及びポリ
アデニル化を指令する配列を含んでよい。
【0035】 用語「野生型」は、天然に生じる源から単離された遺伝子又は遺伝子産物を意
味する。野生型遺伝子は、集団においてもっとも頻繁に観察される遺伝子であっ
て、即ち遺伝子の「正常」又は「野生型」と任意に呼ぶ。対照的に、用語「修飾
された」又は「変異体(mutant)」は、野生型遺伝子又は遺伝子産物と比
較した場合に、配列中に修飾を表すか又は機能特性を表す(即ち、変更された特
性)遺伝子又は遺伝子産物を意味する。天然に生じる変異体が単離され得ること
は注目される;野生型の遺伝子又は遺伝子産物に比較してそれらが変更された特
性を有する事実が明らかにされる。
【0036】 用語「をコードするヌクレオチド配列」、「をコードする核酸分子」、「をコ
ードするDNA配列」及び「をコードするDNA」は、デオキシリボ核酸の鎖に
沿ったデオキシリボヌクレオチドの順序又は配列を意味する。これらのデオキシ
リボヌクレオチドの順序は、ポリペプチド(蛋白質)鎖に沿ったアミノ酸の順序
を決定する。上記DNA配列は即ち上記アミノ酸配列をコードする。
【0037】 用語「オリゴヌクレオチド」は、2つ又はそれ以上の、好ましくは3つより多
い、そして通常は10より多いデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド
からなる分子として定義される。正確なサイズは、多くの因子に依存し、さらに
オリゴヌクレオチドの最終的な機能又は用途に依存する。上記オリゴヌクレオチ
ドはあらゆる様式にて生成されてよく、化学合成、DNA複製、逆転写、PCR
又はそれらの組み合わせを含む。
【0038】 一つのモノヌクレオチドのペントース環がホスホジエステル結合を通して一方
向に向かってその隣りの3’の酸素に結合するようにモノヌクレオチドを反応さ
せてオリゴヌクレオチドを作成するため、その5’リン酸がモノヌクレオチドの
ペントース環の3’酸素に結合していないならばオリゴヌクレオチドの一方の末
端を「5’末端」と呼び、そしてその3’酸素が次のモノヌクレオチドのペント
ース環の5’リン酸に結合していないならばオリゴヌクレオチドの一方の末端を
「3’末端」と呼ぶ。本明細書にて使用されるとおり、核酸配列は、たとえより
大きなオリゴヌクレオチドに対して内部であっても、5’及び3’末端を有する
と言ってもよい。
【0039】 2つの異なる非重複オリゴヌクレオチドを同じ直鎖の相補核酸配列の別の領域
にアニールさせ、そして一方のオリゴヌクレオチドの3’末端が他方の5’末端
の近くに向く場合、前者を「上流」ヌクレオチドと呼び、そして後者を「下流」
ヌクレオチドと呼ぶ。直鎖又は環状DNA分子の何れにおいても、異なる要素を
「上流」又は「下流」の5’末端又は3’要素と呼ぶ。この用語は、転写がDN
A鎖に沿って5’から3’への様式にて進行する事実を反映する。結合した遺伝
子の転写を指令するプロモーター及びエンハンサー要素は一般的にコーディング
領域の5’又は上流に配置させる。しかしながら、エンハンサー要素は、プロモ
ーター要素及びコーディング領域の3’に位置する場合であっても、それらの影
響を及ぼし得る。転写の終結及びポリアデニル化のシグナルはコーディング領域
の3’又は下流に配置させる。
【0040】 用語「コーディング領域」は、構造遺伝子に関して使用される場合、mRNA
分子の翻訳の結果として発生期のポリペントース中に見いだされるアミノ酸をコ
ードするヌクレオチド配列を意味する。該コーディング領域は、開始のメチオニ
ンをコードするヌクレオチドトリプレット「ATG」により5’側に結合され、
そして停止コドン(即ち、TAA,TAG,TGA)を特定する3つのトリプレ
ットの一つにより3’側に結合される。場合により、ATGはGTGに置換えら
れる。
【0041】 用語「遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子」は
、遺伝子のコーディング領域を含む核酸配列、又は換言すれば遺伝子産物をコー
ドする核酸配列を意味する。コーディング領域は、cDNA、ゲノミックDNA
又はRNA形態の何れかで存在してよい。DNA形態で存在する場合、ポリヌク
レオチドは一本鎖(即ち、センス鎖)か又は二本鎖であってよい。正確な転写の
開始及び/又は初期RNA転写物の正確なプロセシングを可能にする必要がある
なら、適切な制御要素、例えばエンハンサー/プロモーター、スプライス接合点
、ポリアデニル化シグナル等を遺伝子のコーディング領域の極めて近位に配置さ
せてよい。あるいは、本発明の発現ベクターにて利用されるコーディング領域は
、内在エンハンサー/プロモーター、スプライス接合点、介在配列、ポリアデニ
ル化シグナル等、又は内在及び外来の制御要素両方の組み合わせを含んでよい。
【0042】 用語「制御要素」は、核酸配列の発現のいくつかの側面を制御する遺伝子要素
を意味する。例えば、プロモーターは操作可能なように連結されたコーディング
領域の転写の開始を促進させる制御要素である。他の制御要素はスプライシング
シグナル、ポリアデニル化シグナル、終結シグナル等である(下に定義した)。
【0043】 真核生物の転写制御シグナルは「プロモーター」及び「エンハンサー」要素を
含む。プロモーター及びエンハンサーは、転写に関与する細胞蛋白質に特異的に
相互作用するDNA配列の短いアレイからなる(Maniatis et al
.,Science 236:1237[1987])。プロモーター及びエン
ハンサーの要素は様々な真核生物源から単離されており、酵母、昆虫及び哺乳類
細胞及びウイルスの遺伝子を含む(類似の制御要素、即ちプロモーターは原核生
物にも見いだされる)。特定のプロモーター及びエンハンサーの選択は、どの細
胞種を用いて興味のある蛋白質を発現させるかに依存する。いくつかの真核生物
のプロモーター及びエンハンサーは広い宿主範囲を有し、一方その他は限定され
たサブセットの細胞種において機能する(総説については、Voss et a
l.,Trends Biochem.Sci.,11:287[1986];
及びManiatis et al.,前記を参照)。例えば、SV40の初期
遺伝子のエンハンサーは多くの哺乳類種由来の広い種類の細胞種において極めて
活性であり、哺乳類細胞の蛋白質の発現のために広く使用されてきた(Dijk
ema et al.,EMBO J.4:761[1985])。哺乳類細胞
種において活性なプロモーター/エンハンサー要素の他の2例は、ヒト伸長因子
1α遺伝子(Uetsuki et al.,J.Biol.Chem.,26
4:5791[1989];Kim et al.,Gene 91:217[
1990];及びMizushima and Nagata,Nucl.Ac
ids Res.,18:5322[1990])及びラウス肉腫ウイルス(G
orman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
79:6777[1982])及びヒトサイトメガロウイルス(Boshart
et al.,Cell 41:521[1985])のロングターミナルリ
ピート由来のものである。
【0044】 用語「プロモーター/エンハンサー」は、プロモーター及びエンハンサーの両
方の機能を提供し得る配列を含むDNAのセグメントを意味する(即ち、プロモ
ーター要素とエンハンサー要素により提供される機能、これらの機能の考察に関
しては前記参照)。例えば、レトロウイルスのロングターミナルリピートはプロ
モーター及びエンハンサーの両方の機能を含む。エンハンサー/プロモーターは
「内在性」又は「外来」又は「異種」であってよい。「内在性」エンハンサー/
プロモーターはゲノム中の所定の遺伝子に天然において結合しているものである
。「外来」又は「異種」のエンハンサー/プロモーターは、その遺伝子の転写が
結合したエンハンサー/プロモーターにより指令されるように、遺伝子操作(即
ち、分子生物学の技術)により遺伝子に並列に(in juxtapositi
on to)配置されたものである。多くのプロモーター/エンハンサー配列は
発明の蛋白質を発現させるのに使用することができる。
【0045】 真核細胞中の組換えDNA配列の効率よい発現は、結果の転写物の効率よい終
結とポリアデニル化を指令するシグナルの発現を必要とする。転写終結シグナル
は、一般にポリアデニル化シグナルの下流に見いだされ、そして長さにして数百
ヌクレオチドである。用語「ポリA部位」又は「ポリA配列」は、新生RNA転
写物の終結及びポリアデニル化の両者を指令するDNA配列を意味する。組換え
転写物の効率よいポリアデニル化は、ポリAテイルを欠く転写物が不安定であり
且つ素早く分解するので、望まれる。発現ベクター中で利用されるポリAシグナ
ルは「異種」又は「内在性」であってよい。内在性ポリAシグナルは、ゲノム中
の所定の遺伝子のコーディング領域の3’末端に天然に見いだされるものである
。異種のポリAシグナルは、一つの遺伝子から単離されて、別の遺伝子の3’に
位置するものである。共通に使用される異種ポリAシグナルは、SV40のポリ
Aシグナルである。SV40ポリAシグナルは、237bpのBamHI/Bc
lI制限断片上に含まれ、そして終結及びポリアデニル化の両者を指令する(S
ambrook,前記、16.6−16.7)。
【0046】 本明細書にて使用される、用語「ベクター」は、一つの細胞から別の細胞へD
NAセグメントを輸送する核酸分子に関して使用される。用語「媒体(vehi
cle)」はときどき「ベクター」と交換可能に使用される。「ベクター」は「
プラスミド」とも交換可能に使用される。違いを意図する場合は、その違いが明
確にされる。
【0047】 用語「発現ベクター」は、特定の宿主生物中の、「所望のコーディング配列と
、操作可能なように連結されたコーディング配列の発現に必要な適切な核酸配列
を含む組換えDNA分子」を意味する。原核生物における発現のために必要な核
酸配列は、通常、プロモーター、オペレーター(任意)、及びリボソーム結合部
位、並びにしばしば別の配列を含む。真核生物細胞は、プロモーター、エンハン
サー、及び終結及びポリアデニル化シグナルを利用することが知られている。
【0048】 本明細書にて使用される用語「形質転換」は、真核生物細胞への外来DNAの
導入を意味する。形質転換は、リン酸カルシウム−DNA共沈殿、DEAE−デ
キストラン媒介トランスフェクション、ポリブレン−媒介トランスフェクション
、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション
、リポソーム融合、リポフェクチン、プロトプラスト融合、レトロウイルス感染
、及びバイオリスティックスを含む当業界公知の様々な手段により達成してよい
【0049】 用語「選択可能なマーカー」は、他の状態で必須の栄養であるはずのものを欠
く培地中で生育する能力を授与する酵素活性をコードする遺伝子の使用を意味す
る(例えば、酵母HIS3遺伝子);さらに、選択可能なマーカーは該選択可能
なマーカーが発現されるように細胞上で抗生物質又は薬剤に耐性を授与してよい
。選択可能なマーカーは「優性」であってよい;優性な選択可能マーカーは任意
の真核細胞系で検出できる酵素活性をコードする。優性な選択可能マーカーの例
は、哺乳類において薬剤G418に対する耐性を授与する細菌性アミノグリコシ
ド3’ホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neo遺伝子とも呼ばれる)、抗生物
質ハイグロマイシンに対する耐性を授与する細菌性ハイグロマイシンGホスホト
ランスフェラーゼ(hyg)遺伝子及びミコフェノリック酸存在下での生育能力
を授与する細菌性キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝
子(gpt遺伝子とも呼ばれる)を含む。他の選択可能マーカーはそれらの用途
が関連する酵素活性を欠く細胞系と共になければならないという点で優性ではな
い。非優性の選択可能マーカーの例は、tk-細胞系と共に使用されるチミジン
キナーゼ(tk)遺伝子、CAD−欠損細胞と共に使用されるCAD遺伝子及び
hprt-細胞系と共に使用される哺乳類ヒポキサンチン−グアニンホスホリボ
シルトランスフェラーゼ(hprt)遺伝子を含む。哺乳類細胞系における選択
可能マーカーの使用の総説は、Sambrook et al.,Molecu
lar Cloning:Laboratory Manual,第2版、Co
ld Spring Harbor Laboratory Press,Ne
w York(1989)pp.16.9−16.15に提供される。
【0050】 真核生物の発現ベクターは、「ウイルスレプリコン」又は「ウイルスの複製オ
リジン」を含んでもよい。ウイルスレプリコンは、適切な複製因子を発現する宿
主細胞の染色体外複製を可能にするウイルスDNA配列である。SV40又はポ
リオーマのウイルス複製オリジンの何れかを含むベクターは、高いコピー数に複
製する。ウシパピローマウイルス又はエプスタイン−バールウイルス由来のレプ
リコンを含むベクターは、低いコピー数で染色体外で複製する(約100コピー
/細胞)。
【0051】 好熱性DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアク
セサリー蛋白質(例えば、dnaG,priA,uvrD)は、原核宿主生物又
は真核宿主生物の何れかにおいて発現させてよい。好熱性DNAポリメラーゼI
IIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質(例えば、dn
aG,priA,uvrD)をコードする核酸は、塩化カルシウム処理によるか
又はエレクトロポレーションによる形質転換のためにコンピテントにされた細菌
細胞の形質転換を含む、多くの手段により細菌宿主細胞に導入してよい。好熱性
DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー
蛋白質(例えば、dnaG,priA,uvrD)を真核生物の宿主細胞におい
て発現させるなら、好熱性DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブ
ユニット又はアクセサリー蛋白質(例えば、dnaG,priA,uvrD)を
コードする核酸を、リン酸カルシウム共沈殿、スフェロプラスト融合、エレクト
ロポレーション等を含む多くの手段により真核細胞に導入してよい。真核宿主細
胞が酵母細胞の場合、形質転換は、酢酸リチウムによる宿主細胞の処理又はエレ
クトロポレーション又は当業界公知の他の何れかの方法により、作用させてよい
。何れの宿主細胞も発明のペプチド又は蛋白質又はその断片を生成するのに有用
になることが予期される。
【0052】 「ハイブリダイゼーション」方法は標的核酸(検出されるべき配列)に相補な
配列のアニーリングを含む。複数の相補配列を含む核酸の2つのポリマーが塩基
対相互作用を通して互いを見つけてアニールする能力は、よく認識された現象で
ある。MarmurとLaneによる「ハイブリダイゼーション」プロセスの初
期の観察(例えば、Marmur and Lane,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 46:453[1960];及びDoty et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:461[196
0])は、近代の生物学の必須の道具へのこのプロセスの改良へと続いてきた。
にもかかわらず、多くの問題が診断道具としてのハイブリダイゼーションの広い
スケールの使用を妨害してきた。より侮りがたい問題は、1)ハイブリダイゼー
ションの非効率性;2)ゲノミックDNA混合物中での特定の標的配列の低濃度
;そして、3)ほんの一部の相補プローブ及び標的のハイブリダイゼーションで
ある。
【0053】 効率に関しては、プローブ−標的の可能な数の僅かな画分しかハイブリダイゼ
ーション反応において形成されないことが実験上観察される。これは特に短いオ
リゴヌクレオチドプローブには真実である(100塩基未満の長さ)。3つの根
本的な原因がある:a)二次又は三次構造の相互作用のためにハイブリダイゼー
ションをおこすことができない;b)標的配列を含むDNAの鎖がそれらの相補
鎖へ再ハイブリダイズ(再アニール)する;そして、c)いくつかの標的分子が
固相表面へ標的核酸を固定化するハイブリダイゼーションフォーマットにおいて
使用される場合に、それらがハイブリダイゼーションを妨害する。
【0054】 プローブの配列が完全に標的の配列の相補である場合でさえ(即ち、標的の一
次構造)、標的配列は高次構造の再構成を通してプローブに接近可能に作成され
なければならない。これらの高次構造の再構成は、分子の二次構造又は三次構造
の何れかに関係してよい。二次構造は分子内結合により決定される。DNA又は
RNA標的の場合、これは単一の連続する塩基鎖内のハイブリダイゼーションか
らなる(2つの異なる鎖の間のハイブリダイゼーションとは対照に)。分子内結
合能力範囲及び位置に依存して、プローブはハイブリダイゼーションを妨害する
標的配列から置換され得る。
【0055】 オリゴヌクレオチドプローブの二本鎖DNAへの溶液ハイブリダイゼーション
は、より長い相補標的鎖が再変性又は再アニールし得るという事実によりさらに
複雑化する。再び、ハイブリダイズしたプローブはこのプロセスにより置き換る
。これは、プローブと標的の初期濃度に関連して低収量のハイブリダイゼーショ
ンをもたらす(低い「適用範囲」)。
【0056】 低い標的配列濃度に関して、標的配列を含むDNA断片は、通常、ゲノミック
DNA中では相対的に低い富裕性である。これは多大な技術的困難を提示する;
オリゴヌクレオチドプローブを用いる殆どの慣用法はそのような低レベルにおい
てハイブリダイゼーションを検出するのに必要な感度を欠く。
【0057】 標的配列の濃度の問題に対する解決における一つの試みは、検出シグナルの増
幅である。ほとんどの場合、これはオリゴヌクレオチドプローブ上にひとつ又は
複数の標識を配置させることを必要とする。非放射性標識の場合、もっとも高い
親和性の試薬でさえ、オリゴヌクレオチドプローブを用いてゲノミックDNA中
の単一コピーの遺伝子を検出するのに不適当であることがわかった(Walla
ce et al.,Biochimie 67:755[1985]を参照)
。放射性オリゴヌクレオチドプローブの場合、極端に高い比活性のみが満足の行
く結果を示すことがわかった(Studencki and Wallace,
DNA 3:1[1984];及びStudencki et al.,Hum
an Genetics 37:42[1985]を参照)。
【0058】 相補に関しては、いくつかの診断適用について、ハイブリダイゼーションが完
全又は一部の相補を表すか否かを決定することに関して重要である。例えば、病
原体のDNAの存否を簡単に検出することが望まれる場合(例えば、ウイルス、
細菌、真菌、マイコプラズマ、原生動物)、問題の配列が存在する場合に上記ハ
イブリダイゼーション法がハイブリダイゼーションを保証することのみが重要で
ある;条件は一部相補性のプローブ及び完全に相補なプローブの両方がハイブリ
ダイズする場合に選択され得る。他の診断応用は、しかしながら、一部相補と完
全相補の間を上記ハイブリダイゼーション法が識別することを要求するかもしれ
ない。遺伝子の多型性を検出することは重要かもしれない。例えば、ヒトのヘモ
グロビンは、一部分、4つのポリペプチド鎖からなる。これらの鎖の2つは14
1アミノ酸の同一の鎖であり(アルファ鎖)、そしてこれらの鎖の2つは146
アミノ酸の同一の鎖である(ベータ鎖)。ベータ鎖をコードする遺伝子は多型性
を呈することが知られている。正常な対立遺伝子は6位にグルタミン酸を有する
ベータ鎖をコードする。変異対立遺伝子は6位にバリンを有するベータ鎖をコー
ドする。アミノ酸におけるこの違いは、鎌状赤血球性貧血として臨床上公知の根
深い(変異対立遺伝子に関して個体が同型接合体である場合にもっとも根深い)
生理学上の衝撃を有する。アミノ酸変化の遺伝学上の基礎は正常な対立遺伝子D
NA配列と変異対立遺伝子DNA配列の間の1塩基違いを含む。
【0059】 他の技術と組み合わせなければ(例えば、制限酵素分析)、一部相補並びに完
全相補の両方の場合に同じハイブリダイゼーションレベルを可能にさせる方法は
そのような応用には典型的に適さない;プローブは正常及び変異標的配列の両方
にハイブリダイズすることになる。使用される方法に拘わらず、ハイブリダイゼ
ーションは、アッセイされる配列(標的配列)と試験を実施するために使用され
るDNAの断片(プローブ)の間のいくらかの程度の相補性を必要とする。もち
ろん、当業者は、何の相補性もなく結合を得ることはできるが、この結合が非特
異的であって回避すべきことを知っている。
【0060】 本明細書にて用いられる、用語「相補」又は「相補性」は、塩基対合規則によ
り関係付けられるポリヌクレオチド(即ち、ヌクレオチドの配列)に関して使用
される。例えば、配列「A−G−T」に関しては、配列「T−C−A」に相補で
ある。相補性は、核酸の塩基のほんのいくつかが塩基対合規則により適合してい
るような、「部分的」であってよい。あるいは、核酸間が「完全」又は「全体」
補であってよい。核酸鎖間の相補の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーション
の効率及び強度に対して顕著な効果を有する。これは、増幅反応、並びに核酸間
の結合に依存する検出法において特に重要である。
【0061】 用語「相同性(homology)」は相補の程度を意味する。部分的相同性
又は完全相同性(即ち、同一)があってよい。部分的相同配列は、完全相補配列
が標的核酸配列にハイブリダイズすることを少なくとも一部阻害する配列であっ
て、「実質上相同」なる機能的な用語を用いて呼ばれる。標的配列に対して完全
相補な配列のハイブリダイゼーションの阻害は、ハイブリダイゼーションアッセ
イ(サザン又はノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いて低
いストリンジェンシー条件下で試験してよい。実質上相同な配列又はプローブは
、低いストリンジェンシーの条件下で、標的への完全相補な結合(即ち、ハイブ
リダイゼーション)に関して競合して阻害することになる。これは、低いストリ
ンジェンシーの条件が、非特異的結合を許容しないようなことであるとは言えな
い;低いストリンジェンシー条件は、2つの配列の互いの結合が特異的(即ち、
選択的)相互作用であることを要求する。非特異的結合の不在は部分的な相補性
の程度さえも欠く第2の標的の使用により試験してよい(例えば、約30%未満
の同一性);非特異的結合の不在下では、プローブは非相補標的にハイブリダイ
ズしない。
【0062】 多くの均等な条件が当業界公知であり、低いストリンジェンシー条件を含むよ
うに用いられてよい;プローブの長さ及び性質(DNA、RNA、塩基組成)の
ような因子及び標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液で存在するかある
いは固定化されるか、等)及び塩及び他の化合物の濃度(例えば、ホルムアミド
、硫酸デキストラン、ポリエチレングリコールの存在又は不在)が考慮され、そ
してハイブリダイゼーション溶液は上記のリストされた条件とは異なるが均等な
低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションの条件を生じるように変更し
てよい。さらに、業界は高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーショ
ンを促進させる条件を知っている(例えば、ハイブリダイゼーション及び/又は
洗浄工程の温度を増加させること、ハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミ
ドの使用等)。
【0063】 二本鎖核酸配列、例えばcDNA又はゲノミッククローンに関して使用される
場合、用語「実質上相同」は、上記のとおり低いストリンジェンシー条件下で二
本鎖核酸配列の一方又は両方の鎖にハイブリダイズできるいかなるプローブをも
意味する。
【0064】 以下の用語が、2つ又はそれ以上のポリヌクレオチド間の配列の関係を記載す
るのに使用される:「参照配列」、「比較ウインドウ」、「配列同一性」、「配
列同一性のパーセンテージ」、及び「実質上同一」。用語「配列同一性」は、2
つのポリヌクレオチド配列が比較ウインドウを通して同一であることを意味する
(即ち、ヌクレオチド対ヌクレオチドの基準の上で)。用語「配列同一性のパー
センテージ」は、比較ウインドウを通して2つの最適に整列化された配列を比較
し、同一の核酸塩基(例えば、A,T,C,G,U又はI)が両方の配列中に生
じることにより適合した位置の数を生じさせる位置の数を決定し、比較ウインド
ウにおいて位置の全数で適合した位置の数を割り(即ち、ウインドウサイズ)、
そして結果に100を掛けることにより配列同一性のパーセンテージを生じさせ
ることにより、計算される。
【0065】 「参照配列」は、配列比較のための基準として使用される、定義された配列で
ある;参照配列は、例えば配列表中に提供された完全長のcDNA又は遺伝子配
列、例えば本明細書に提供されるポリヌクレオチド配列の何れかのセグメントと
してより大きな配列のサブセットであってよく、あるいは完全cDNA配列又は
遺伝子配列を含んでよい。通常、しかしいつもではないが、参照配列は少なくと
も20ヌクレオチドの長さ、頻繁には少なくとも25ヌクレオチドの長さ、そし
てしばしば少なくとも50ヌクレオチドの長さである。2つのポリヌクレオチド
は各々、(1)2つのポリヌクレオチド間で類似の配列(即ち、全ポリヌクレオ
チド配列の一部)を含み、そして(2)2つのポリヌクレオチド間で相異する配
列をさらに含んでよく、2つ(又は複数)のポリヌクレオチド間の配列比較を「
比較ウインドウ」を通して2つのポリヌクレオチドの配列を比較することにより
典型的には実施され、そして配列類似性の局所領域を同定して比較する。本明細
書にて使用される「比較ウインドウ」は少なくとも20の連続するヌクレオチド
配列の概念上のセグメントを意味し、但し、ポリヌクレオチド配列を少なくとも
20の連続するヌクレオチドの参照配列と比較してよく、そして比較ウインドウ
中のポリヌクレオチド配列の一部は2つの配列の最適な整列化のために参照配列
(付加又は欠失を含まない)と比較して20パーセント又はそれ未満の付加又は
欠失(即ち、ギャップ)を含んでよい。比較ウインドウを整列化するための配列
の最適な整列化は、Smith and Waterman(1981)Adv
.Appl.Math.2:482の局所相同性アルゴリズムによるか、Nee
dleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48
:443の相同性整列化アルゴリズムによるか、Pearson and Li
pman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.
)85:2444の類似性研究法によるか、これらのアルゴリズムのコンピュー
ター処理手段(ウイスコンシンジェネティックスソフトウエアパッケージリリー
ス7.0,ジェネティックコンピューターグループ、57サイエンスのDr.,
Madison,Wis.のGAP,BESTFIT,及びTFASTA)によ
るか、又は閲覧により実施してよく、そして様々な方法により生じさせた最良の
整列化(即ち、比較ウインドウを通して相同性のもっとも高いパーセンテージを
もたらす)を選択する。用語「実質上同一」は、少なくとも20ヌクレオチド位
置の比較ウインドウを通して、常習的には少なくとも25−50ヌクレオチドの
比較ウインドウを通した、参照配列に比較しての、少なくとも85%パーセント
の配列同一性、好ましくは少なくとも90から95パーセントの配列同一性、よ
り通常には少なくとも99パーセントの配列同一性を有するポリヌクレオチドの
特徴を意味し、但し、配列同一性のパーセンテージは、参照配列を、比較のウイ
ンドウを通して20パーセント又はそれ未満を占める欠失又は付加を含んでよい
ポリヌクレオチド配列と比較することにより計算される。参照配列は、より大き
な配列のサブセットであってよく、例えば完全長のポリヌクレオチド配列又は完
全長のcDNA配列のセグメントである。
【0066】 ポリペプチドに適用される場合の用語「実質上同一」は、例えばプログラムG
AP又はBSESTFITにより欠点ギャップウエイト(default ga
p weights)を用いて最適に整列化した場合に、2つのポリペプチドが
少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90パーセント
配列同一性、より好ましくは少なくとも95パーセント配列同一性又はそれ以上
(即ち、99パーセント配列同一性)を共有することを意味する。好ましくは、
同一でない残基位置は保存的アミノ酸置換により異なる。保存的アミノ酸置換は
類似の側鎖を有する残基の交換可能性を意味する。例えば、脂肪族側鎖を有する
アミノ酸の基はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンである
;脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の基はセリンとスレオニンである;
アミド含有側鎖を有するアミノ酸の基はアスパラギンとグルタミンである;芳香
族側鎖を有するアミノ酸の基はフェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン
である;塩基性側鎖を有するアミノ酸の基はリジン、アルギニン及びヒスチジン
である;そしてイオウ含有側鎖を有するアミノ酸の基はシステインとメチオニン
である。好ましい保存的アミノ酸置換基は:バリン−ロイシン−イソロイシン、
フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、そして
アスパラギン−グルタミンである。
【0067】 遺伝子は初期RNA転写物の異なるスプライシングにより生成した複数のRN
A種を生産するかもしれない。同じ遺伝子の変異体をスプライスするcDNAは
、配列同一又は完全相同の領域(両cDNAs上の同じエクソン又は同じエクソ
ンの一部の存在を表す)及び完全非同一の領域(例えば、cDNA 1上のエク
ソン「A」の存在を表し、その際cDNA 2は代わりにエクソン「B」を含む
)を含むことになる。2つのcDNAsが配列同一性領域を含むため、それらは
両cDNAs上に見いだされる配列を含む完全な遺伝子又は遺伝子の一部に由来
するプローブに共にハイブリダイズすることになる;2つのスプライス変異体は
従ってそのようなプローブに対して及び互いに実質上相同である。
【0068】 一本鎖核酸配列に関して使用される場合、用語「実質上相同」は、記載された
とおり、低いストリンジェンシー条件下で一本鎖核酸にハイブリダイズできる(
即ち、相補)いかなるプローブをも意味する。本明細書にて使用される用語「ハ
イブリダイゼーション」は、相補な核酸の対合に関して使用される。ハイブリダ
イゼーションとハイブリダイゼーション強度(即ち、核酸間の対合の強度)は、
核酸間の相補の程度、関与する条件のストリンジェンシー、形成されたハイブリ
ッドのTm、及び核酸内のG:C比のような因子により影響される。
【0069】 用語「Tm」は「融解温度」に関して使用される。融解温度は、二本鎖核酸分
子の集団が一本鎖に半分解離するようになる温度である。核酸のTmを計算する
反応式は当業界でよく知られている。標準の文献にて示されるとおり、Tm値の
簡単な見積もりは、核酸が1MのNaCl水溶液中にある場合、等式:Tm=8
1.5+0.41%(%G+C)により計算してよい(例えば、Anderso
n and Young,Quantitative Filter Hybr
idization,in Nucleic Acid Hybridizat
ion[1985])。他の文献は、Tm計算のために構造上の特性並びに配列
特性を考慮に入れる、より洗練されたコンピューター処理を含む。
【0070】 用語「ストリンジェンシー」は、核酸ハイブリダイゼーションを実施する際の
、温度、イオン強度、及び他の化合物、例えば有機溶剤の存在の条件に関して使
用される。高い「ストリンジェンシー」条件を用いると、核酸塩基対合は高い頻
度の相補塩基配列を有する核酸断片間でのみ起こることになる。即ち、「弱い」
か「低い」ストリンジェンシー条件は、しばしば遺伝上別種の生物由来の核酸に
必要とされるが、相補配列の頻度が通常低いからである。
【0071】 「増幅」は鋳型特異性を含む核酸複製の特定のケースである。非特異的鋳型複
製とは対照的なはずである(即ち、鋳型依存性であるが特定の鋳型に依存しない
複製)。鋳型の特異性は、複製忠実度(即ち、正確なポリヌクレオチド配列の合
成)及びヌクレオチド(リボ−又はデオキシリボ−)特異性とは、本明細書にお
いては区別される。鋳型特異性は頻繁に「標的」特異性という用語で記載される
。標的配列は、それらが他の核酸から区別されるべきという意味において、「標
的」である。増幅技術はこの区別に関して主として計画されてきた。
【0072】 鋳型特異性は酵素の選択により殆どの増幅技術において達成される。増幅酵素
は、それらが使用される条件下で、核酸の異種混合物中の特定の核酸配列のみを
加工処理することになる酵素である。例えば、Qベータレプリカーゼの場合、M
DV−1 RNAが該レプリカーゼの特異的鋳型である(Kacian et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:3038[1
972])。他の核酸はこの増幅酵素により複製されない。同様に、T7 RN
Aポリメラーゼの場合、この増幅酵素はそれ自身のプロモーターに関してストリ
ンジェントな条件を有する(Chamberlin et al.,Natur
e 228:227[1970])。T4 DNAリガーゼの場合、オリゴヌク
レオチド又はポリヌクレオチド基質と鋳型の間に連結接合部においてミスマッチ
がある場合、該酵素は2つのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを連結し
ない(Eu and Wallace,Genomics 4:560[198
9])。最後に、Taq及びPfuポリメラーゼは高い温度で機能するそれらの
能力のために、プライマーにより結合されて即ち規定される配列に関して高い特
異性を表すことが見いだされる;高い温度は標的配列とのプライマーハイブリダ
イゼーションを好み、非標的配列とのハイブリダイゼーションを好まない熱力学
条件をもたらす(Erlich(編纂)PCR Technology,Sto
ckton Press[1989])。
【0073】 用語「増幅可能な核酸」は、如何なる増幅法によっても増幅してよい核酸に関
して使用される。「増幅可能な核酸」は、通常は「サンプル鋳型」を含むことが
意図される。
【0074】 用語「サンプル鋳型」は、「標的」(下に定義される)に関して分析されるサ
ンプルを起源とする核酸を意味する。対照的に、「バックグラウンド鋳型」は、
サンプル中に存在してもしなくてもよいサンプル鋳型以外の核酸に関して使用さ
れる。バックグラウンド鋳型は殆どの場合間違いである。それはキャリーオーバ
ーの結果かもしれず、あるいは、それはサンプルから精製され果てるべき核酸夾
雑物の存在によるかもしれない。例えば、検出されるべき生物以外の生物からの
核酸が試験サンプル中にバックグラウンドとして存在したかもしれない。
【0075】 本明細書にて使用される用語「プライマー」は、精製された制限消化物として
天然に生じるか又は合成により生成されたかの何れかであって、核酸鎖に相補な
プライマー伸長生成物の合成が誘導される条件したで定められるとき、合成の開
始点として作用し得る、オリゴヌクレオチドを意味する(即ち、ヌクレオチド及
び誘導試薬、例えばDNAポリメラーゼ存在下において、そして適切な温度及び
pHにおいて)。プライマーは増幅における最大の効率のためには一本鎖が好ま
しいが、別に二本鎖でもよい。二本鎖なら、プライマーを最初に処理して、伸長
生成物を調製する前にその鎖を分離する。好ましくは、プライマーはオリゴデオ
キシリボヌクレオチドである。プライマーは誘導試薬の存在下で伸長生成物の合
成を開始するのに十分長くなければならない。プライマーの正確な長さは多くの
因子に依存することになり、温度、プライマーの源及び上記方法の使用を含む。
【0076】 プライマーは、鋳型の特定の配列の鎖に「実質上」相補であるように選択され
る。プライマーは、プライマー伸長が起こるためには、鋳型鎖とハイブリダイズ
するのに十分相補でなければならない。プライマー配列は鋳型の正確な配列を反
映する必要がない。例えば、非相補ヌクレオチド断片をプライマーの5’末端に
連結してよく、プライマー配列の残りは上記鎖に実質上相補である。非相補塩基
又は長い配列をプライマー中に散在させることができるが、プライマー配列が鋳
型配列とハイブリダイズしてそれによりプライマーの伸長生成物の合成のために
鋳型プライマー複合体を形成するのに十分相補である場合に限る。
【0077】 用語「ネステッドプライマー」は、PCRを開始するのに使用されるアニーリ
ング境界内のエリア内の標的配列にアニールするプライマーを意味する(Mul
lis et al.,Cold Spring Harbor Sympos
ia,Vol.LI,pp.[263−273]を参照)。ネステッドプライマ
ーは開始プライマーののアニーリング境界の内部にて標的にアニールするため、
開始プライマーの優勢なPCR増幅産物は、ネステッドプライマーのアニーリン
グ境界により定義されたよりも必然に長い配列になる。ネステッドプライマーの
PCR増幅生成物は、よって開始プライマーにアニールできない標的配列の増幅
されたセグメントである。
【0078】 用語「プローブ」は、精製された制限消化物として天然に生じるか又は合成、
組換えあるいはPCR増幅により生成されたかの何れかであって、興味のある別
のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドを意味する(
即ち、ヌクレオチドの配列)。プローブは一本鎖でも二本鎖でもよい。プローブ
は、特定の遺伝子の配列の欠失、同定及び単離に有用である。本発明において使
用される如何なるプローブも如何なる「レポーター分子」により標識されて、あ
らゆる検出系において検出可能であり、限定ではないが、酵素(例えば、ELI
SA,並びに酵素に基づく組織化学アッセイ)、蛍光、放射性、及び発光系を含
む。本発明は如何なる特定の検出系又は標識にも限定されることを意図しない。
【0079】 本明細書にて使用される用語「標識」は、検出可能な(好ましくは定量可能な
)シグナルを提供するのに使用でき、そして核酸又は蛋白質に結合できるあらゆ
る原子又は分子を意味する。標識は、蛍光、放射性、測色、重量測定、X−線回
折又は吸着、磁気、酵素活性等を提供してよい。
【0080】 ポリメラーゼ鎖反応に関して使用される場合の用語「標的」は、ポリメラーゼ
鎖反応のために使用されるプライマーにより結合された核酸の領域を意味する。
即ち、「標的」は、他の核酸配列から分類されるべきである。「セグメント」は
標的配列内の核酸の領域として定義される。
【0081】 用語「実質上一本鎖」は、核酸標的に関して使用される場合、鎖間の塩基対合
相互作用により共に保持される核酸の2つの鎖として存在する二本鎖標的とは対
照的に一本鎖の核酸として主に存在することを意味する。
【0082】 核酸は、安定のために塩基対合に依存した二次構造を形成する。異なる配列の
複数の核酸の一本鎖(一本鎖DNA、変性された二本鎖DNA又はRNA)は、
密接な関係であるにせよ、それら自身が折り畳まれることが可能な場合、それら
は特徴的な二次構造をとる。標的の配列中の変更は、二重鎖の破壊を引き起こす
か、又はプローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションへのいくつかの
領域の接近性をそれにより変更する安定性の増加を引き起こすかもしれない。何
の理論にも拘束されないが、標的集団中の個々の分子はたったひとつ又はほんの
いくつかの構造を各々がとるかもしれないが(即ち、二重鎖領域)、サンプルを
全体として分析する場合、プローブのハイブリダイゼーションからの混成のパタ
ーンが創製され得る。プローブの結合を変更できる構造のほとんどはほんの僅か
な塩基対の長さであるらしく、そして不安定であるらしい。これらの構造のいく
つかはその領域内のプローブのハイブリダイゼーションにより置き換るかもしれ
ない;その他は近くのプローブのハイブリダイゼーションにより安定化するかも
しれず、プローブ/基質の二重鎖が標的の鎖内の二重鎖と共軸で群をなし得るよ
うなもので、それにより、両者の安定性を増加させる。小さな配列の変化への応
答におけるこれらの構造の形成又は破壊は、プローブ/標的複合体形成のパター
ンの変化をもたらす。本明細書にて使用される用語「ポリメラーゼチェイン反応
」(「PCR」)は、クローニング及び精製なしにゲノミックDNAの混合物中
の標的配列のセグメントの濃度を増加させる方法を記載する、引用により本明細
書に編入される、Mullisの米国特許第4,683,195号、第4,68
3,202号及び第4,965,188号の方法を意味する。標的配列を増幅す
るこのプロセスは、所望の標的配列を含むDNA混合物に、過剰な2つのオリゴ
ヌクレオチドプライマーを導入し、次にDNAポリメラーゼの存在下で正確な順
序の温度循環を行うことからなる。上記の2つのプライマーは二本鎖標的配列の
それぞれの各鎖に相補である。増幅させるためには、上記混合物を変性し、そし
てプライマーを次に標的分子中のそれらの相補配列に対してアニールさせる。ア
ニールさせた後、プライマーをポリメラーゼにより伸長させることにより、相補
鎖の新規な対を形成させる。変性、プライマー伸長及びポリメラーゼ反応の工程
を多数回繰り返し(即ち、変性、アニーリング及び伸長は一つの「サイクル」を
構成する;非常に多くの「サイクル」があり得る)、所望の標的配列の高濃度の
増幅セグメントを得る。所望の標的配列の増幅されたセグメントの長さは互いに
関してプライマーの相対位置により決定され、よって、この長さは制御可能なパ
ラメーターである。上記プロセスの繰り返しの側面のおかげで、上記方法は「ポ
リメラーゼチェイン反応」(以後は「PCR」)と呼ばれる。標的配列の所望の
増幅セグメントが混合物中で優勢な配列になるため、それらは「PCR産物」と
言われる。
【0083】 PCRを用いると、いくつかの異なる方法論により検出可能なレベルまで、ゲ
ノミックDNA中の特定の標的配列の単一コピーを増幅させることが可能である
(例えば、標識プローブを用いたハイブリダイゼーション;ビオチン化プライマ
ーの取り込みとそれに続くアビジン−酵素コンジュゲート検出;32P−標識デオ
キシヌクレオチド3リン酸、例えばdCTP又はdATPの増幅されたセグメン
トへの取り込み)。ゲノミックDNAに加えて、如何なるオリゴヌクレオチド又
はポリヌクレオチド配列もプライマー分子の適切なセットにより増幅できる。特
に、PCRプロセス自体により創製された増幅されたセグメントは、それら自体
が次のPCR増幅のための有効な鋳型である。
【0084】 用語「PCR産物」、「PCR断片」及び「増幅産物」は、変性、アニーリン
グ及び伸長のPCR工程の2又はそれ以上の循環が完了した後の化合物の結果の
混合物を意味する。これらの用語は、ひとつ又は複数の標的配列のひとつ又は複
数のセグメントの増幅が存在した場合を含む。
【0085】 用語「増幅試薬」は、プライマー、核酸鋳型及び増幅酵素以外の、増幅に必要
な試薬(デオキシリボヌクレオチド3リン酸、バッファー等)を意味する。典型
的には他の反応成分と共に増幅試薬を反応容器(試験管、マイクロウエル等)に
入れて含ませる。
【0086】 PCRのような増幅法に関して使用される場合、用語「ポリメラーゼ」は、興
味のある核酸の増幅における使用のために適したあらゆるポリメラーゼを意味す
る。該用語は、本発明のポリメラーゼIIIのようなDNAポリメラーゼ、並び
にTaqポリメラーゼ(即ち、Thermus aquaticusから得られ
るタイプIのポリメラーゼ)を包含するが、他のポリメラーゼも、好熱性及び熱
不安定性の何れもが、この定義により包含される。
【0087】 用語「RT−PCR」は、RNA配列の複製及び増幅を意味する。この方法に
おいては、逆転写をPCRと共役させ、ほとんどの場合、好熱性ポリメラーゼを
用いるような一つの酵素の処置を用い、引用により本明細書に編入される、米国
特許第5,322,770に記載されるとおりである。RT−PCRにおいては
、上記ポリメラーゼの逆転写酵素活性によりRNA鋳型をcDNAに変換させ、
そして次にポリメラーゼの重合活性を用いて増幅する(即ち、他のPCR法にお
けるように)。発明の蛋白質及びポリペプチドは、DNAを合成又は複製する如
何なる方法にも使用できる。
【0088】 用語「制限エンドヌクレアーゼ」及び「制限酵素」は、各々、特定のヌクレオ
チド配列においてか又は近辺において二本鎖DNAを切断する、細菌の酵素を意
味する。
【0089】 本明細書にて使用される用語「組換えDNA分子」は、分子生物学の技術によ
り連結したDNAのセグメントからなる分子を意味する。 用語「操作可能な組み合わせ」、「操作可能な順序」及び「操作可能に連結し
た」は、所定の遺伝子の転写及び/又は所望の蛋白質分子の合成を指令できる核
酸分子を生産するような、核酸配列の結合を意味する。上記用語は、機能性蛋白
質が生産されるような、アミノ酸配列の連結をも意味する。
【0090】 本明細書にて使用される用語「単離された」は、核酸に関連して「単離された
オリゴヌクレオチド」又は「単離されたポリヌクレオチド」として使用される場
合、正体が確認され、そしてその天然源に通常関連する少なくとも一つの夾雑核
酸から分離される核酸配列を意味する。単離された核酸は、自然界において見い
だされるのとは異なる形態又はセッティングにおけるように存在する。対比して
、それらが自然界において存在する状態で発見される、DNA及びRNAのよう
な核酸としての非単離核酸である。単離された核酸、オリゴヌクレオチド、又は
ポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖形態の何れかにて存在してよい。単離さ
れた核酸、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを利用して蛋白質を発現さ
せる場合、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドはセンス鎖又はコーディン
グ鎖を最小限含むことになる(即ち、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド
は一本鎖であってよい)が、センス及びアンチセンス鎖の両方を含んでよい(即
ち、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは二本鎖であってよい)。
【0091】 本明細書にて使用される、用語「精製された」又は「精製する」は、サンプル
からの夾雑物の除去を意味する。例えば、抗−DNAポリメラーゼIIIホロ酵
素及びホロ酵素サブユニット及びアクセサリー蛋白質抗体は、混在する非イムノ
グロブリン蛋白質の除去により精製される;それらは、DNAポリメラーゼII
Iホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質を結合しないイム
ノグロブリンの除去によっても精製される。非イムノグロブリン蛋白質の除去及
び/又はDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアク
セサリー蛋白質を結合しないイムノグロブリンの除去は、サンプル中のDNAポ
リメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質に
反応性のイムノグロブリンのパーセントの増加をもたらす。別の例においては、
組換えの、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はア
クセサリー蛋白質のポリペプチドを細菌宿主細胞中で発現させ、そしてポリペプ
チドを宿主細胞蛋白質の除去により精製する;組換えDNAポリメラーゼIII
ホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質のポリペプチドはそ
れによりサンプル中で増加する。
【0092】 本明細書にて使用される用語「組換えDNAポリメラーゼ」は、分子生物学技
術により連結したDNAのセグメントからなるDNA分子を意味する。 本明細書にて使用される用語「組換え蛋白質」又は「組換えポリペプチド」は
、組換えDNA分子から発現される蛋白質分子を意味する。
【0093】 本明細書にて使用される用語「天然蛋白質」は、ベクター配列によりコードさ
れるアミノ酸残基を含まない;即ち、天然蛋白質は自然界において生じるとおり
に蛋白質中に見いだされるそれらのアミノ酸のみを含む。天然蛋白質は、組換え
手段により製造してよく、又は天然に生じる源から単離してよい。
【0094】 本明細書にて使用される用語「融合蛋白質」は、興味のある蛋白質(即ち、D
NAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又は該ホロ酵素のア
クセサリー蛋白質及び断片)を、外来の蛋白質又はペプチド断片である融合パー
トナーに連結して含むキメラ蛋白質を意味する。融合パートナーは、非DNAポ
リメラーゼIIIホロ酵素又は非ホロ酵素サブユニット又は非アクセサリー蛋白
質からなる。融合パートナーは、宿主細胞中で発現された、DNAポリメラーゼ
IIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の可溶性を増
強させてよく、宿主細胞又は培養上清あるいは両方からの組換え融合蛋白質の精
製を可能にする親和性標識を供給してよい。望むならば、融合蛋白質は、当業界
公知の様々な酵素手段又は化学手段により、興味のある蛋白質から除去してよい
(即ち、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素、ホロ酵素サブユニット又は前記の
如何なるもののアクセサリー蛋白質又は断片)。
【0095】 本発明においては、発明のサブユニット及びアクセサリー蛋白質を、ヘキサヒ
スチジン部位、ビオチン化部位及びトロンビン分割部位を含むN−末端ペプチド
に融合させる。他の態様においては、サブユニット及びアクセサリー蛋白質を翻
訳上共役させた蛋白質として発現させる。さらに別の態様において、アミノ末端
標識はヘキサヒスチジン部位及びビオチン化部位を含む。さらに別の態様におい
て、サブユニット及びアミノ酸蛋白質はヘキサヒスチジン部位及びビオチン化部
位を含むC−末端ペプチドに融合させる。他のマーカー配列は当業界公知であり
、発明のサブユニット及びアクセサリー蛋白質に連結することができる。
【0096】 DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリ
ー蛋白質の「変種(variety)」は、ひとつ又は複数のアミノ酸が変更さ
れたアミノ酸配列を意味する。変種は「保存的」変化を有してよく、置換された
アミノ酸は類似の構造上の特性又は化学特性を有する(例えば、ロイシンのイソ
ロイシンへの置換)。より稀にではあるが、変種は「非保存的」置換(例えば、
グリシンのトリプトファンへの置換)を含むかもしれない。類似のマイナーな変
更はアミノ酸の欠失又は挿入又は両方を含んでもよい。生物活性又は免疫活性を
破壊することなしに、どのアミノ酸残基を置換するか、挿入するか、又は欠失さ
せるかを決定することにおけるガイダンスは、当業界公知のコンピュータープロ
グラム、例えばDNASTARソフトウエアを用いて見いだしてよい。
【0097】 用語「配列の異形(variation)」は、2つの核酸配列間の核酸配列
の相異を意味する。例えば、野生型の構造遺伝子とこの構造遺伝子の変異形態は
、1塩基置換及び/又はひとつ又は複数のヌクレオチドの欠失又は挿入の存在に
より配列中で変更してよい。構造遺伝子のこれらの2つの形態は他方とは配列が
変異すると言う。構造遺伝子の第2の変異形態が存在してよい。この第2の変異
形態は、野生型遺伝子と遺伝子の第1の変異形態の両方から配列上変異すると言
う。しかしながら、発明は配列の異形を検出するためにひとつ又は複数の形態の
遺伝子の間に比較がなされることを必要としないことは注目すべきである。発明
の方法は所定の核酸標的に関しての複合体の形成の特徴的パターン及び再生可能
なパターンを生じるため、特徴的な「フィンガープリント」は野生型又は他の対
照を参照することなく、如何なる核酸からも得てよい。発明は、標的の変異形態
と野生型又は公知の変異体対照の比較により、対照に対する参照及び標的核酸の
変異形態の確認なしに、両方の「フィンガープリンティング」核酸のための方法
の使用を意図する。
【0098】 用語「標的核酸」は、ポリメラーゼチェイン反応に使用されるプライマーに結
合した核酸の領域を意味する。即ち、「標的」は、別の核酸から分類されること
が望ましい。「セグメント」は標的配列内の核酸の領域として定義される。
【0099】 用語「ヌクレオチド類似体」は、修飾されたか又は天然には生じないヌクレオ
チド、例えば7−デアザプリン(7−デアザ−dATP及び7−デアザ−dGT
P)を意味する。ヌクレオチド類似体は塩基の類似体を含み、そしてデオキシリ
ボヌクレオチド並びにリボヌクレオチドの修飾形態を含む。用語「ヌクレオチド
類似体」は、PCR混合物に存在する標的に関して使用される場合、dATP,
dGTP,dCTP及びdTTP以外のヌクレオチドの使用を意味する;即ち、
dUTP(天然に生じるdNTP)のPCRにおける使用は、PCRにおいてヌ
クレオチド類似体の使用を含むはずである。反応混合物中でdUTP,7−デア
ザ−dATP,7−デアザ−dGTP又はあらゆる他のヌクレオチド類似体を用
いて生成されたPCR産物は、ヌクレオチド類似体を含むと言う。
【0100】 遺伝子配列にマッチしたか又は相補なオリゴヌクレオチドプライマーは、一本
鎖又は二本鎖核酸の鋳型依存性合成を促進することが可能なオリゴヌクレオチド
プライマーを意味する。遺伝子配列にマッチしたか又は相補なオリゴヌクレオチ
ドプライマーは、PCRs、RT−PCR等において使用してよい。
【0101】 「コンセンサス遺伝子配列」は、2つ又はそれ以上の遺伝子配列の比較により
誘導され、そして遺伝子の所定のセグメントにもっとも存在するヌクレオチドを
記載する遺伝子配列を意味する;コンセンサス配列は標準の(canonica
l)配列である。「コンセンサス蛋白質」、「コンセンサスアミノ酸」、「コン
センサスペプチド」及びコンセンサスポリペプチド配列は、複数の生物又は蛋白
質間に共通の配列を意味する。
【0102】 用語「生物学上活性な」は、天然に生じる分子の構造上の機能、制御機能又は
生化学機能を有する蛋白質又は他の生物学上活性な分子(例えば、触媒性RNA
)を意味する。同様に、「免疫学上活性な」は、天然、組換え又は合成の、DN
AポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白
質又はそれらのあらゆるオリゴペプチド又はポリペプチドが、適切な動物又は細
胞において特定の免疫応答を誘導して特定の抗体と結合する能力を意味する。
【0103】 用語「アゴニスト」は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブ
ユニット又はアクセサリー蛋白質に結合したときに、DNAポリメラーゼIII
ホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質に変化を引き起こし
、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリ
ー蛋白質の活性を変調する分子を意味する。アゴニストは、蛋白質、核酸、糖質
、又はDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセ
サリー蛋白質に結合又は相互作用するあらゆる他の分子を含んでよい。
【0104】 用語「アンタゴニスト」又は「阻害剤」は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵
素又はホロ酵素サブユニットに結合した場合に、DNAポリメラーゼIIIホロ
酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の生物活性又は免疫活性
をブロックするか又は変調させる分子を意味する。アンタゴニスト及び阻害剤は
、蛋白質、核酸、糖質、又はDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サ
ブユニット又はアクセサリー蛋白質に結合するか又は相互作用するあらゆる他の
分子を含んでよい。
【0105】 用語「変調する」は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユ
ニット又はアクセサリー蛋白質の変化又は変更を意味する。変調は、蛋白質活性
の増加又は減少、結合特性の変化、又はDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又は
ホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の生物学上の特性、機能特性又は
免疫特性におけるあらゆる他の変化であってよい。
【0106】 用語「誘導体」は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニ
ット又はアクセサリー蛋白質をコードする核酸、又はコードされたDNAポリメ
ラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の化学
修飾を意味する。そのような修飾の例示は、水素の、アルキル、アシル又はアミ
ノ基による置き換えである。核酸誘導体は天然分子の必須の生物学上の特徴を保
持するポリペプチドをコードする。
【0107】 用語「サザンブロット(分析)」は、サイズに従いDNAを分画するためのア
ガロース又はポリアクリルアミドゲル上のDNAの分析、続くゲルから固相、例
えばニトロセルロース又はナイロン膜へのDNAの移行を意味する。固定化され
たDNAは次に標識されたプローブで釣り上げられることにより、使用されるプ
ローブに相補なDNA種を検出する。上記DNAは電気泳動前に制限酵素により
分割してよい。電気泳動後に、固相への移行前又は移行中に、DNAを部分的に
脱プリン化して変性してよい。サザンブロットは分子生物学者の標準の手段であ
る(Sambrook et al.,Molecular Cloning:
A Laboratory Manual,Cold Spring Harb
or Press,NY,pp 9.31−9.58[1989])。
【0108】 用語「ノーザンブロット(分析)」は、サイズに従いRNAを分画するための
アガロース又はポリアクリルアミドゲル上のRNAの分析、続くゲルから固相、
例えばニトロセルロース又はナイロン膜へのRNAの移行を意味する。固定化さ
れたRNAは次に標識されたプローブで釣り上げられることにより、使用される
プローブに相補なRNA種を検出する。ノーザンブロットは、分子生物学者の標
準の手段である(Sambrook et al.,前記、pp 7.39−7
.52[1989])。
【0109】 用語「ウエスタンブロット」又は「ウエスタン分析」は、ニトロセルロース又
は膜のような固相上に固定化された蛋白質の分析を意味する。蛋白質はアクリル
アミドゲル上を泳動されることにより分離され、そしてゲルから固相、例えばニ
トロセルロース又はナイロン膜への蛋白質の移行へと続く。固定化された蛋白質
は、次に、興味のある抗原に対して反応性を有する抗体に暴露される。抗体の結
合は、放射性標識抗体の使用を含む様々な方法により検出してよい。
【0110】 「免疫原性エピトープ」は、蛋白質が全体として免疫原である場合に、抗体応
答を顕在化させる蛋白質の一部として定義される。これらの免疫原性エピトープ
は、分子上の僅かな位置に限定されると信じられる。一方、抗体が結合できる蛋
白質分子の領域は「抗原性エピトープ」として定義される。蛋白質の多くの免疫
原性エピトープは抗原性エピトープの数よりも一般的に少ない。例えばGeys
en,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:
3998−4002(1983)を参照。例えば、USPN6,011,012
を参照。
【0111】 本明細書にて使用される用語「抗原決定基」は、特定の抗体へ接触させる抗原
の一部を意味する(即ち、エピトープ)。蛋白質又は蛋白質の断片を用いて宿主
動物を免疫する場合、蛋白質の多くの領域は蛋白質上の所定の領域又は3次元構
造に特異的に結合する抗体の生産を誘導するかもしれない;これらの領域又は構
造は抗原決定基と呼ばれる。抗原決定基は抗体への結合に関して完全抗原(即ち
、免疫応答性を顕在化させるのに使用される「免疫原」)と競合するかもしれな
い。例えば、USPN 6,011,012を参照。
【0112】 用語「特異的な結合」又は「特異的に結合」は、抗体と蛋白質又はペプチドの
相互作用に関して使用される場合、相互作用が蛋白質上の特定の構造(即ち、抗
原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味する;換言すれば、一般
に、抗体は蛋白質よりむしろ特定の蛋白質構造を認識して結合する。例えば、抗
体がエピトープ「A」に特異的であれば、標識された「A」及び抗体を含む反応
におけるエピトープA(又はフリーの、非標識A)を含む蛋白質の存在が抗体に
結合した標識Aの量を減少させることになる。
【0113】 本明細書にて使用されるとおり、用語「細胞培養」は細胞のあらゆるインビト
ロ培養を意味する。この用語により含まれるのは、連続する細胞系(例えば、不
死の表現型)、初生細胞培養、有限細胞系(例えば、非形質転換細胞)、及びイ
ンビトロで維持されたあらゆる他の細胞集団である。
【0114】 用語「試験DNAポリメラーゼIIIホロ酵素」及び「試験ホロ酵素サブユニ
ット」又は「試験蛋白質」は、それぞれ、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又
はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質を含むと疑われるサンプルを意
味する。DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアク
セサリー蛋白質の試験サンプル中の濃度は、様々な手段により測定してよく、そ
して「DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセ
サリー蛋白質の定量された量」(即ち、公知の量のDNAポリメラーゼIIIホ
ロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質を含む陽性対照サンプ
ル)と比較することにより、サンプル中の試験DNAポリメラーゼIIIホロ酵
素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の濃度が野生型生物からの
サンプル内に見いだされる通常の範囲内か否かを決定してよい。
【0115】 本明細書にて使用される用語「微生物」又は「生物」は、肉眼で観察されない
程の小さな生物を意味し、限定ではないが、細菌、ウイルス、原生生物、真菌及
び繊毛虫を意味する。
【0116】 用語「微生物の遺伝子配列」は、微生物に由来する遺伝子配列を意味する。 用語「細菌」は、真正細菌及び古細菌種を含むあらゆる細菌種を意味する。 用語「ウイルス」は、自己複製可能な、偏性の、超顕微鏡的、細胞内の、寄生
体を意味する(即ち、複製は宿主細胞の機構の使用を必要とする)。 B.方法論 他に示さなければ、本明細書においてDNA配列を配列決定することにより決
定された全てのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機を用いて決定した
。様々な配列決定機が当業界において公知であり、例えばアプライドバイオシス
テムズ社のモデル373である。本明細書において決定されたDNA分子により
コードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、上記のとおりに決定されたDNA
配列の翻訳により予測された。あるいは、配列はポリペプチドを直接配列決定す
ることにより決定することができる。この自動化のアプローチにより決定される
DNA配列に関して当業界において公知のとおり、本明細書において決定された
あらゆるヌクレオチド配列は幾つかのエラーを含むかもしれない。自動により決
定したヌクレオチド配列は、配列決定されたDNA分子の実際のヌクレオチド配
列に対して、一般的には少なくとも約90%同一、より一般的には少なくとも9
5%から99%同一である。実際の配列は、当業界公知のマニュアルのDNA配
列決定法を含む他のアプローチにより、より正確に決定できる。当業界において
も知られているとおり、決定されたヌクレオチド配列中の単一の挿入又は欠失は
、実際の配列に比較された予測アミノ酸配列が、決定されたヌクレオチド配列に
よりコードされ、そのような挿入又は欠失の点から始まる配列決定された分子に
より実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なるように、ヌクレオチド配
列の翻訳のフレームシフトを引き起こす。例えば、USPN 6,171,81
6及び6,040,157を参照。
【0117】 「同一性」それ自体は、当業界においてよく認識された意味であり、公表され
た技術を用いて計算できる。(例えば、COMPUTATIONAL MOLE
CULAR BIOLOGY,Lesk,A.M.,編纂、Oxford Un
iversity Press,New York,(1988);BIOCO
MPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJE
CTS,Smith,D.W.,編纂、Academic Press,New
York,(1993);COMPUTER ANALYSIS OF SE
QUENCE DATA,PART I,Griffin,A.M.,and
Griffin,H.G.,編纂、Humana Press,New Jer
sey,(1994);SEQUENCE ANALYSIS IN MOLE
CULAR BIOLOGY,von Heinje,G.,Academic
Press,(1987);及びSEQUENCE ANALYSIS PR
IMER,Gribskov,M.and Devereux,J.,編纂、M
Stockton Press,New York,(1991)を参照。)
2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の間の同一性を測定するための多
数の方法が存在するが、用語「同一性」は、当業者によく知られている(Car
illo,H.and Lipton,D.,SIAM J Applied
Math 48:1073(1988))。2つの配列の間の同一性又は類似性
を決定するために一般に採用される方法は、限定ではないが、Guide to
Huge Computers,Martin J.Bishop,編纂、A
cademic Press,San Diego,(1994)、及びCar
illo,H.,and Lipton,D.,SIAM J Applied
Math 48:1073(1988)に開示された方法を含む。ポリヌクレ
オチド又はポリペプチドを整列化する方法はコンピュータープログラムに体系化
されており、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et a
l.,Nucleic Acids Research(1984)12(1)
:387(1984))、BLASTP,BLASTN,FASTA(Atsc
hul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403(
1990)),Bestfitプログラム(Wisconsin Sequen
ce Analysis Package,Version 8 for Un
ix(登録商標),Genetics Computer Group,Uni
versity Research Park,575 Science Dr
ive,Madison,Wis.53711(Smith and Wate
rman,Advances in Applied Mathmematic
s 2:482−48(1981)の局所相同性計算式を用いる)を含む。US
PN 6,040,157を参照。
【0118】 特定の態様において、発明のポリヌクレオチドは、配列番号:9、16、22
、31、36、67、71、75及び81又はそれらの相補配列からなる群から
選択される配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%
、95%、96%、97%、98%又は99%同一な配列の核酸を含む。
【0119】 その配列が例えば少なくとも95%参照配列に同一な核酸を含むポリヌクレオ
チドは、上記核酸配列が参照配列に同一であるが、但し、上記核酸配列が参照配
列100ヌクレオチドあたり5までの点変異を含んでよいことを意図する。言い
換えれば、参照核酸配列に少なくとも95%同一の配列の核酸を得るためには、
参照配列中の5%までのヌクレオチドを欠失してよいか又は別のヌクレオチドで
置換されてよく、あるいは参照配列中の全ヌクレオチドの5%までのいくらかの
ヌクレオチドが参照配列に挿入されてよい。参照配列のこれらの変異は、参照ヌ
クレオチド配列の5’又は3’末端位置のいずれか又はそれら末端の間のどこか
で起きてよく、参照配列内のヌクレオチド間で個々にか又は参照配列内のひとつ
又は複数の連続する群の中に散在する。参照(質問)配列は、配列番号:9、1
6、22、31、36、67、71、75及び81に示される全ヌクレオチド配
列の何れかひとつ、又はこれらの配列の何れかの断片であってよく、前記のとお
りである。USPN6,040,157及び6,171,816を、例えば参照
されたい。
【0120】 実際の問題としては、何れかの特定の核酸分子が、例えば、配列番号:9、1
6、22、31、36、67、71、75及び81に示されるヌクレオチド配列
に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%同一であるか
否かは、公知のコンピュータープログラム、例えば、Bestfitプログラム
(Wisconsin Sequence Analysis Package
,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics C
omputer Group,University Research Pa
rk,575 Science Drive,Madison,Wis.537
11)を使用して慣用的に決定できる。Bestfitは、Smith and
Waterman,Advances in Applied Mathme
matics 2:482−48(1981)の局所相同性計算式を用いること
により、2つの配列間の最良の相同セグメントを発見する。Bestfit又は
他の配列整列化プログラムを用いて、特定の配列が、例えば本発明に従い参照配
列に少なくとも95%同一であるか否かを決定する場合、もちろん、同一性のパ
ーセンテージが参照ヌクレオチド配列の完全長にわたり計算されるように、そし
て参照配列中のヌクレオチドの全数の5%までの相同におけるギャップが許容さ
れるように、パラメーター設定する。当業界公知の他の配列分析プログラムは、
パーセント同一性を測定するのに使用できる。USPN6,040,157及び
6,171,816を参照。
【0121】 もちろん、遺伝子コードの縮重により、当業者は、配列番号:9、16、22
、31、36、67、71、75及び81に示されるヌクレオチド配列に対して
、少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%同一な配列を有する多
数の核酸分子が、生物活性を有するポリペプチド又は蛋白質をコードすることに
なることを即座に認識する。事実、これらのヌクレオチド配列の縮重変異体は全
て同じポリペプチドをコードするから、これは比較アッセイを実施することさえ
無しに当業者には明らかである。当業界においては、縮重変異体ではないそのよ
うな核酸分子に関して、無理のない数が生物活性を有するポリペプチドをコード
することも、当業者には認識される。これは、蛋白質の機能に顕著に影響する可
能性が低いか又は無いアミノ酸置換を当業者は完全に承知しているからである(
例えば、一つの脂肪族アミノ酸の第二の脂肪族アミノ酸による置換)。USPN
6,011,012;6,171,186;6,040,157を参照。
【0122】 本発明の一つの態様は、配列番号:9、16、22、31、36、67、71
、75及び81又はそれらの相補配列からなる群から選択される配列に対して、
少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%
、98%又は99%同一な配列の核酸を含むポリヌクレオチドに向けられ、それ
らが機能性の活性を有するか否かは問わない。これは、特定のポリヌクレオチド
が機能活性をもたない場合でも、当業者は上記核酸を如何にして使用するのかを
知っているからであり、例えばハイブリダイゼーションプローブ、S1ヌクレア
ーゼマッピングプローブ又はポリメラーゼチェイン反応(PCR)プライマーと
してである。
【0123】 好ましくは、しかしながら、本当に機能活性を有する蛋白質をコードする、配
列番号:9、16、22、31、36、67、71、75及び81又はそれらの
相補配列からなる群から選択される配列に対して、少なくとも90%、91%、
92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一な配
列の核酸を含むポリヌクレオチドである。
【0124】 本発明は、さらに、DNA IIIサブユニット及びアクセサリー蛋白質の一
部、類似体又は誘導体をコードする、本発明の核酸分子の変異体に関する。変異
体は、自然界の対立遺伝子変異体のように天然に生じてよい。「対立遺伝子」は
、生物の染色体上の所定の座を占有する遺伝子の幾つかの別の形態のひとつを意
図する。Genes II,Lewin,B.,編纂、John Wiley
& Sons,New York(1985)。
【0125】 非天然に生じる変異体は、当業界公知の変異導入技術を用いて生成してよい。
そのような変異体は、ヌクレオチドの置換、欠失又は付加により生じた変異体を
含んでよい。置換、欠失又は付加はひとつ又は複数のヌクレオチドを含んでよい
変異体は、コード領域、非コード領域又は両方を含んでよい。コード領域の変更
は、保存的又は非保存的なアミノ酸の置換、欠失又は付加を生じてよい。特定す
れば、とりわけ好ましいのは、サイレントな置換、欠失又は付加であり、DNA
Pol IIIサブユニット及びアクセサリー蛋白質又はそれらの断片の特性
及び活性を変更しないものである。この点に関してまた特に好ましいのは、保存
的置換である。もっとも好ましいのは、配列番号:10、17、23、32、3
7、68、72、76及び82に示すアミノ酸配列を有する成熟蛋白質をコード
する核酸分子である。
【0126】 ポリペプチドの参照アミノ酸配列に例えば少なくとも5%同一なアミノ酸配列
を有するポリペプチドは、請求されたポリペプチドのアミノ酸配列が参照配列に
同一であるが、但し、上記請求されたアミノ酸配列が参照配列100アミノ酸あ
たり5アミノ酸までの変更を含んでよいことを意図する。言い換えれば、参照ア
ミノ酸配列に少なくとも95%同一の配列のアミノ酸配列を有するポリペプチド
を得るためには、参照配列中のアミノ酸残基の5%まで、参照アミノ酸配列の少
なくとも5%のアミノ酸残基が欠失してよいか又は別のアミノ酸で置換されてよ
く、あるいは参照配列中の全アミノ酸の全アミノ酸残基の5%までのいくらかの
アミノ酸が参照配列に挿入されてよい。参照配列のこれらの変異は、参照アミノ
酸配列のアミノ又はカルボキシル末端位置のいずれか又はそれら末端の間のどこ
かで起きてよく、参照配列内のアミノ酸間で個々にか又は参照配列内のひとつ又
は複数の連続する群の中に散在する。
【0127】 実際の問題としては、何れかの特定のポリペプチドが、例えば、配列番号:1
0、17、23、32、37、68、72、76及び82に示されるアミノ酸配
列に対して、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、96%、9
7%、98%又は99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログラム
、例えば、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence
Analysis Package,Version 8 for Unix
(登録商標),Genetics Computer Group,Unive
rsity Research Park,575 Science Driv
e,Madison,Wis.53711)を使用して慣用的に決定できる。B
estfit又は他の配列整列化プログラムを用いて特定の配列が、例えば本発
明に従い参照配列に少なくとも95%同一であるか否かを決定する場合、もちろ
ん、同一性のパーセンテージが参照アミノ酸配列の完全長にわたり計算されるよ
うに、そして参照配列中のアミノ酸の全数の5%までの相同におけるギャップが
許容されるように、パラメーター設定する。当業界公知の他の配列分析プログラ
ムは、パーセント同一性を測定するのに使用できる。USPN6,040,15
7及び6,171,816を参照。
【0128】 例えば、参照配列(質問配列、本発明の配列)と問題の配列の間の同一性は、
グローバル配列整列化とも呼ばれるが、Brutlagらの計算式に基づくFA
STDBコンピュータープログラムを使用して測定される(Comp.App.
Biosci.6:237−245(1990))。FASTDBアミノ酸整列
化において使用される好ましいパラメーターは:マトリックス=PAM 0、k
−tuple=2、ミスマッチペナルティ=1、接合ペナルティ=20、ランダ
ム化グループ長=0、カットオフスコア=1、ウインドウサイズ=配列長、ギャ
ップペナルティ=5、ギャップサイズペナルティ=0.05、ウインドウサイズ
=500又は問題のアミノ酸配列の長さの何れか短い方、である。この態様によ
ると、問題の配列が内部欠失ではなくN−又はC−末端欠損失のために質問配列
よりも短いなら、結果に対してマニュアルの補正がなされることにより、グロー
バルパーセント同一性を計算する際にFASTDBプログラムが問題の配列のN
−及びC−末端削除を補償しないという事実を考慮する。N−及びC−末端削除
された問題の配列に関しては、質問配列に関して、質問配列の全塩基数のパーセ
ントとして、対応する問題残基に適合/整列化される問題配列のN−及びC−末
端である質問配列の残基の数を計算することにより、パーセント同一性を修正す
る。次に、このパーセンテージを、特定のパラメーターを用いて上記FASTD
Bプログラムにより計算されたパーセント同一性から引き、最終的なパーセント
同一性スコアに到達する。この最終的な同一性スコアは、この態様のために何が
使用されるかである。質問配列と適合しない/整列化されない、問題の配列のN
−及びC−末端の残基のみが、パーセント同一性スコアをマニュアルで調節する
ために考慮される。即ち、質問残基のみが、問題の配列のもっとも遠いN−及び
C−末端配列の外側に位置する。例えば、90アミノ酸の問題の配列を100残
基の質問配列と整列化することにより、パーセント同一性を測定する。問題の配
列のN−末端にて欠損がおこり、よって、FASTDB整列化はN−末端におけ
る最初の10残基の適合化/整列化を示さない。10の不対残基は配列の10%
に相当し(N−及びC−末端の非適合残基の数/質問配列中の全数)、そのため
FASTDBプログラムにより計算されたパーセントスコアから10%を差し引
く。残りの90残基が完全に一致したら、最終的なパーセント同一性は90%に
ある。別の例では、90残基の問題の配列を100残基の質問配列と比較する。
このとき、欠失は内部欠失であり、そのため問題の配列のN−及びC−末端には
質問配列と適合しない/整列化されない残基がない。この場合、FASTDBに
より計算されたパーセント同一性はマニュアルで修正されない。再び、FAST
DB整列化により表示されるとおり、質問配列と適合しない/整列化されない、
問題の配列のN−及びC−末端の両エンドの外側の残基のみがマニュアルにより
修正される。例えば、USPN6,040,157を参照。
【0129】 表現型上サイレントなアミノ酸置換を如何にして作るかのガイダンスは、Bo
wie,J.U.et al.,”Deciphering the Mess
age in Protein Sequencce:Tolerance t
o Amino Acid Substitution,”Science 2
47:1306−1310(1990)に適用され、著者らは、アミノ酸が変化
する寛容を研究するために2つの主なアプローチが存在することを示す。第1の
方法は、変異が自然選択により享受されるか拒絶されるかについて、進化のプロ
セスに依存する。第2のアプローチは、クローン化された遺伝子の特定の位置に
おいてアミノ酸の変更を導入するための遺伝子技術及び機能性を保持する配列を
同定するための選択又はスクリーンを使用する。著者らは、蛋白質の特定の位置
において許容されるらしいアミノ酸変化をさらに示す。例えば、もっとも覆い隠
されるアミノ酸残基は非極性鎖を必要とするが、表面の側鎖のほとんどの特徴は
通常保存されない。他のそのような表現型上サイレントな置換は、Bowie,
J.H.et al.,前記に記載されており、当該文献は本明細書に引用され
る。USPN6,040,157及び6,171,816を参照。
【0130】 発明のDNA Pol IIIサブユニットのポリペプチド及びアクセサリー
蛋白質は、断片又は融合蛋白質のような修飾された形態で発現してよく、そして
分泌シグナルのみならず付加的異種機能領域も含んでよい。例えば、追加のアミ
ノ酸、特に荷電したアミノ酸の領域をポリペプチドのN−末端に追加することに
より、精製の間、又は次の操作及び保存の間の宿主細胞中の安定性及び残留性を
改良してよい。あるいは、アミノ酸の領域をポリペプチドのC−末端に追加して
よい。N−末端結合したペプチド及びC−末端結合したペプチドを追加する方法
は当業界にて知られている。また、ペプチド部分(moiety)をポリペプチ
ドに追加することにより、精製を促進させてよい。そのような領域は、ポリペプ
チドの最終調製の前に除去してよい。分泌又は排泄を生じさせ、安定性を改善し
、そして精製を促進させるための、ペプチド部分のポリペプチドへの追加は、当
業界にて知られており、本明細書において発明の実施における使用のために意図
される。
【0131】 本発明は、抗−DNAポリメラーゼIIIホロ酵素及び抗−ホロ酵素サブユニ
ット及び抗−アクセサリー蛋白質の抗体の生成方法も提供し、免疫上コンピテン
トな細胞を有する動物を少なくともDNAポリメラーゼIIIホロ酵素(又はホ
ロ酵素サブユニット又はアクセサリー)蛋白質の抗原性部分(決定基)を含む免
疫原に対して免疫上コンピテントな細胞がDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又
はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の一部に対して向けられた抗体
を産生するような条件下で暴露することを含む。一つの態様において、上記の方
法は、さらに、抗体を回収する工程を含む。別の態様において、上記方法は、さ
らに、ハイブリドーマが生産される条件下で不死細胞に免疫上コンピテントな細
胞を融合させる工程を含む。
【0132】 上記方法発明に使用される抗体は、様々な免疫原を用いて作成してよい。一つ
の態様においては免疫原がDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブ
ユニットペプチドであることにより、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホ
ロ酵素サブユニットを認識する抗体を生成させる。アクセサリー蛋白質に結合す
る抗体は、同一又は類似の方法を用いて調製する。そのような抗体は、限定では
ないが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、単一鎖、Fab断片、及び
Fab発現ライブラリーを含む。
【0133】 当業界公知の様々な手法を、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素
サブユニット又はアクセサリー蛋白質に対するポリクローナル抗体の生産に使用
してよい。抗体の生産のためには、様々な宿主動物をDNAポリメラーゼIII
ホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質に相当するペプチド
で注射して免疫することができ、限定ではないが、ウサギ、マウス、ラット、ヤ
ギ、ヒツジ等を含む。好ましい態様において、上記ペプチドは免疫原担体(例え
ば、ジフテリア毒素、ウシ血清アルブミン(BSA)、又はスカシガイヘモシア
ニン[KLH])に配合させる。様々なアジュバントを使用して免疫応答性を増
加させてよく、宿主種に依存し、限定ではないがフロイント(完全及び不完全)
、ミネラルゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えばリソレイイ
ン、プルロニックポリオール類ポリアニオン類、ペプチド類、オイルエマルジョ
ン類、スカシガイヘモシアニン、及びジニトロフェノールを含む。
【0134】 DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリ
ー蛋白質に対して向けられたモノクローナル抗体の製造のためには、培養におい
て連続細胞系により抗体分子の生産を提供するあらゆる技術を使用してよい(例
えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Labo
ratory Manual,Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,Cold Spring Harbor,NY)
。これらは限定ではないが、Kohler and Milstein(Koh
ler and Milstein,Nature 256:495−497[
1975])により最初に開発されたハイブリドーマ技術、並びに当業界公知の
他の技術を含む。
【0135】 発明によれば、単一鎖抗体の生産に関して記載された技術(米国特許4,94
6,778;引用により本明細書に編入)は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵
素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質に特異的な単一鎖抗体を生
産するのに適合し得る。発明の追加の態様は、Fab発現ライブラリーの構築に
関して記載された技術を利用することにより(Huse et al.,Sci
ence 246:1275−1281[1989])、DNAポリメラーゼI
IIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質に望ましい特異
性を伴うモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定を可能にさせる。
【0136】 上記抗体分子のイディオタイプ(抗原結合領域)を含む抗体断片は公知の技術
により生成することができる。例えば、そのような断片は限定ではないが、抗体
分子のペプシン消化により生成され得るF(ab’)2断片;F(ab’)断片
のジスルフィドブリッジを還元することにより生成され得るFab’断片、及び
パパイン及び還元剤を用いて抗体分子を処理することにより生成され得るFab
断片を含む。
【0137】 抗体の生産において、所望の抗体に関するスクリーニングは当業界公知の技術
により達成できる(例えば、免疫アッセイ、ELISA[酵素結合免疫収着剤ア
ッセイ]、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫放射分析アッセイ、ゲル拡散プ
リシピチン反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュ免疫アッセイ[金コロイド、
酵素又は放射性標識を例えば用いる]、ウエスタンブロット、沈殿アッセイ、凝
集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ等)、相補体固定化
アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、及び免疫電気泳動アッセ
イ等)。
【0138】 一つの方法において、抗体の結合は一次抗体上で標識を検出することにより検
出される。別の方法においては、一次抗体は、一次抗体に対する二次抗体又は試
薬の結合を検出することにより、検出される。さらなる方法においては、二次抗
体を標識する。多くの手段が免疫アッセイにおいて結合を検出するために当業界
において知られており、本発明の範囲内である(当業界において知られていると
おり、免疫原性ペプチドは何れかの免疫化プロトコルにおいても使用される担体
分子を含まずに供給されるべきである。例えば、ペプチドをKLHに配合するな
ら、スクリーニングアッセイにおいてはBSAに配合させるか又は直接使用して
よい。)。
【0139】 前記の抗体は、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニット
又はアクセサリー蛋白質の局在及び構造に関して(ウエスタンブロッティングの
ため)、適切な生物学サンプル中のそのレベルを測定することに関して、当業界
公知の方法において使用することができる。生物学上のサンプルは、適切な戦略
(例えば、ELISA又は放射性免疫アッセイ)及びフォーマット(例えば、マ
イクロウエル、ディップスティック[例えば、国際特許公開WO93/0336
7に記載されるとおり])を用いて、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホ
ロ酵素サブユニット又はアクセサリー蛋白質の存在を直接に試験することができ
る。あるいは、サンプル中の蛋白質は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)存在
又は不在下で、そして免疫ブロッティング(ウエスタンブロッティング)により
検出されたDNAポリメラーゼIIIホロ酵素又はホロ酵素サブユニットの存在
下で分離できる(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により
)。免疫ブロッティング技術は蛋白質のエピトープ又は抗原決定基に相当するペ
プチドに対して生成された抗体を用いると一般にはより効率よく、よって、特に
本発明には適している。
【0140】 本発明は、好熱性生物由来の単離されたDNAポリメラーゼIIIホロ酵素サ
ブユニット及びアクセサリー蛋白質を提供する。好ましい態様において、上記好
熱性生物は好熱性生物である。好熱性生物はThermus属、Thermot
oga属及びAquifex属のメンバーから選択することができる。
【0141】 本発明は、完全長のポリペプチド又は蛋白質も提供する。上記発明は、あらゆ
るサイズの蛋白質並びに断片を提供する方法も提供する(即ち、蛋白質並びによ
り短いペプチドのの全アミノ酸配列)。プライマー及び遺伝子増幅技術を用いる
ことにより、興味のあるヌクレオチド領域をコードするヌクレオチド配列を増幅
し、連結に際してベクターへ、そして宿主細胞を形質転換し、そして興味のある
蛋白質又はペプチドの発現をもたらす。
【0142】 発明は、配列番号:(uvrDヘリカーゼ)68のアミノ酸配列に少なくとも
95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに向けられ
る。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:68のアミノ酸配列を
有する。別の態様において、発明は、配列番号:(uvrDヘリカーゼ)68の
アミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプ
チドをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子に向
けられる。別の態様において、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:6
7の配列を有するヌクレオチド配列を含む。発明は、配列番号:(uvrDヘリ
カーゼ)68のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含
むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供する。発明
は、配列番号:(uvrDヘリカーゼ)68のアミノ酸配列に少なくとも95%
の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含むベクターを含む宿主細胞も提供する。一つの態様において、上記ポリペ
プチドは好熱性生物由来のuvrDヘリカーゼである。別の態様において、上記
好熱性生物はThermus thermophilusである。
【0143】 発明は、配列番号:(DNA−Gプライマーゼ)72のアミノ酸配列に少なく
とも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドにも向
けられる。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:72のアミノ酸
配列を有する。発明は、配列番号:(DNA−Gプライマーゼ)72のアミノ酸
配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
別の態様において、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:71の配列を
有するヌクレオチド配列を含む。発明は、配列番号:(DNA−Gプライマーゼ
)72のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供する。発明は、配
列番号:(DNA−Gプライマーゼ)72のアミノ酸配列に少なくとも95%の
同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含むベクターを含む宿主細胞も提供する。発明は、上記ベクターを含む宿主細
胞も提供する。一つの態様において、上記単離されたポリペプチドは好熱性生物
由来のDNA Gプライマーゼである。別の態様において、上記好熱性生物はT
hermus thermophilusである。
【0144】 発明は、配列番号:(priAヘリカーゼ)76のアミノ酸配列に少なくとも
95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドも提供する
。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:76のアミノ酸配列を有
する。発明は、配列番号:(priAヘリカーゼ)76のアミノ酸配列に少なく
とも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子も提供する。一つの態様に
おいて、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:75の配列を有するヌク
レオチド配列を含む。発明は、配列番号:(priAヘリカーゼ)76のアミノ
酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。発明は、上記ベクターを含
む宿主細胞を提供する。一つの態様において、上記ポリペプチドは好熱性生物由
来のpriAヘリカーゼである。別の態様において、上記好熱性生物はTher
mus thermophilusである。
【0145】 発明は、配列番号:(デルタサブユニット)10のアミノ酸配列に少なくとも
95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに向けられ
る。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:10のアミノ酸配列を
有する。発明は、配列番号:(デルタサブユニット)10のアミノ酸配列に少な
くとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子も提供する。別の態様に
おいて、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:9の配列を有するヌクレ
オチド配列を含む。発明は、配列番号:(デルタサブユニット)10のアミノ酸
配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。発明は、上記ベクターを含む
宿主細胞を提供する。一つの態様において、上記単離されたポリペプチドは好熱
性生物由来のデルタサブユニットである。一つの態様において、上記好熱性生物
はThermus thermophilusである。発明はさらに、配列番号
:(デルタサブユニット)10のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有
するアミノ酸配列を含むポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決定基に特異的
に結合する単離された抗体分子を提供する。
【0146】 発明は、配列番号:(デルタプライムサブユニット)17のアミノ酸配列に少
なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドを
提供する。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:17のアミノ酸
配列を有する。発明は、配列番号:(デルタプライムサブユニット)17のアミ
ノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子に向けら
れる。一つの態様において、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:16
の配列を有するヌクレオチド配列を含む。発明は、配列番号:(デルタプライム
サブユニット)17のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ
酸を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供する
。発明は、上記ベクターを含む宿主細胞も提供する。一つの態様において、上記
単離されたポリペプチドは好熱性生物由来のデルタサブユニットである。別の態
様において、上記好熱性生物はThermus thermophilusであ
る。発明はさらに、配列番号:(デルタプライムサブユニット)17のアミノ酸
配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド上の
少なくとも一つの抗原決定基に特異的に結合する単離された抗体分子を提供する
【0147】 発明は、配列番号:(ベータサブユニット)23のアミノ酸配列に少なくとも
95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに向けられ
る。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:23のアミノ酸配列を
有する。発明は、配列番号:(ベータサブユニット)23のアミノ酸配列に少な
くとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子にも向けられる。一つの
態様において、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:22の配列を有す
るヌクレオチド配列を含む。発明は、配列番号:(ベータサブユニット)23の
アミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。発明は、上記ベクタ
ーを含む宿主細胞も提供する。一つの態様において、上記単離されたポリペプチ
ドは好熱性生物由来のデルタサブユニットである。別の態様において、上記好熱
性生物はThermus thermophilusである。発明はさらに、配
列番号:(ベータサブユニット)23のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一
性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決定基に
特異的に結合する単離された抗体分子を提供する。
【0148】 発明は、配列番号:(ssb蛋白質)32のアミノ酸配列に少なくとも95%
の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに向けられる。一
つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:32のアミノ酸配列を有する
。発明は、配列番号:(ssb蛋白質)32のアミノ酸配列に少なくとも95%
の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含む単離されたポリヌクレオチド分子にも向けられる。一つの態様において
、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:31の配列を有するヌクレオチ
ド配列を含む。発明は、配列番号:(ssb蛋白質)32のアミノ酸配列に少な
くとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドを含むベクターを提供する。発明は、上記ベクターを含む宿主細胞を
提供する。一つの態様において、上記単離されたポリペプチドは好熱性生物由来
のSSBである。別の態様において、上記好熱性生物はThermus the
rmophilusである。発明はさらに、配列番号:(ssb蛋白質)のアミ
ノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド
上の少なくとも一つの抗原決定基に特異的に結合する単離された抗体分子を提供
する。
【0149】 発明は、配列番号:(エプシロン−1,dnaQ−1)37のアミノ酸配列に
少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド
に向けられる。一つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:23のアミ
ノ酸配列を有する。別の態様において、発明は、配列番号:(エプシロン−1、
dnaQ−1)37のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ
酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリ
ヌクレオチド分子に向けられる。一つの態様において、単離されたポリヌクレオ
チド分子は配列番号:36の配列を有するヌクレオチド配列を含む。発明は、配
列番号:(エプシロン−1、dnaQ−1)37のアミノ酸配列に少なくとも9
5%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドを含むベクターも提供する。発明は、さらに上記ベクターを含む宿主細胞も提
供する。一つの態様において、上記単離されたポリペプチドは好熱性生物由来の
エプシロン−1サブユニットである。別の態様において、上記好熱性生物はTh
ermus thermophilusである。発明はさらに、配列番号:(エ
プシロン−1、dnaQ−1)37のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決定基に特
異的に結合する単離された抗体分子を提供する。
【0150】 発明は、配列番号:(dnaQ−2)82のアミノ酸配列に少なくとも95%
の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドに向けられる。一
つの態様において、上記ポリペプチドは配列番号:82のアミノ酸配列を有する
。発明は、sarani配列番号:(dnaQ−2)82のアミノ酸配列に少な
くとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子に向けられる。一つの態
様において、単離されたポリヌクレオチド分子は配列番号:81の配列を有する
ヌクレオチド配列を含む。発明は、配列番号:(エプシロン−2)82のアミノ
酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸を含むポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを含むベクターに向けられる。発明は、上記ベクターを
含む宿主細胞にも向けられる。一つの態様において、上記単離されたポリペプチ
ドは好熱性生物由来のエプシロン−2サブユニットである。別の態様において、
上記好熱性生物はThermus thermophilusである。発明はさ
らに、配列番号:(エプシロン−2,dnaQ−2)82のアミノ酸配列に少な
くとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド上の少なくとも
一つの抗原決定基に特異的に結合する単離された抗体分子を提供する。
【0151】 発明は、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを生産する方法に
向けられ、該ポリペプチドは配列番号:68、72、76、10、17、23、
32、37及び82の一つのアミノ酸配列に少なくとも95%同一なアミノ酸配
列を含み、上記ポリペプチドが発現されるような条件下で上記ヌクレオチド配列
を含む宿主細胞を培養し、そしてポリペプチドを回収することを含む。
【0152】 発明は、ひとつ又は複数のポリペプチドを利用することを含むDNA合成方法
にも向けられ、但し、上記ひとつ又は複数のポリペプチドは配列番号:68、7
2、76、10、17、23、32、37及び82からなる群から選択されるア
ミノ酸配列に少なくとも95%同一性を有するアミノ酸配列を含む。一つの態様
において、上記方法はさらに、鋳型及びヌクレオチドを含む成分を含む反応混合
物を何れかの順序で提供し、そしてDNA合成を得るために十分な温度において
十分な長さの時間上記反応混合物をインキュベートすることを含む。上記方法の
別の態様において、該方法は、さらにN−末端結合ペプチド又はC−末端結合ペ
プチドを含む。
【0153】 精製されたDnaQ−1蛋白質(エプシロンサブユニット1)及びDnaQ−
2(エプシロンサブユニット2)がPCR及び高い忠実度のDNA合成が要求さ
れて望まれる他の応用において用途を見いだすことを意図する。上記の機構の理
解は本発明を使用するために必要ではないが、DnaQ−1蛋白質又はDnaQ
−2蛋白質はDNAポリメラーゼIIIのαサブユニットに結合し、そしてそれ
と共に作用することにより、DNAポリメラーゼIIIにより作られたエラーを
効率よく除去する。
【0154】 DnaQ−1又はDnaQ−2がPCR及び他の増幅において付属物の校正ポ
リメラーゼに代わる用途を見いだすことも意図される。例えば、校正エキソヌク
レアーゼを欠くDNAポリメラーゼを用いる増幅反応において化合される場合、
DnaQ−1又はDnaQ−2はPCR産物内のミスマッチを除去できるため、
PCR産物の伸長を促進することになる。即ち、本発明(DnaQ−1又はDn
aQ−2)は、ロングレンジのPCR(例えば、5−50kbの標的を含むPC
R)のような応用における用途を見いだすことが意図される。
【0155】 DnaN蛋白質は、pol IIIがプロセッシブな(即ち、解離なしの長距
離の)増幅反応を触媒することを許容するβサブユニット(即ち、必須のサブユ
ニット)の精製における用途を見いだすことが意図される。DnaNは追加のサ
ブユニットの不在下で直鎖状鋳型上でpol IIIのみ(例えば、α又はαプ
ラスβ)と共に有用であるか、又はDNaX複合体、並びに追加の蛋白質(例え
ば、一本鎖結合蛋白質、ヘリカーゼ、及び/又はアクセサリー因子)と共に使用
されることにより、極めて長いPCR反応を許容することができる。
【0156】 αサブユニット、βサブユニット、δサブユニット、δ’サブユニット、ε−
1サブユニット、ε−2サブユニット、γサブユニット、τサブユニット、ss
b蛋白質、uvrD蛋白質、dnaG蛋白質、及びpriA蛋白質が個別にか又
は組み合わせてPCR及び高い忠実度のDNA合成が要求されるか又は望まれる
他の応用、例えば極めて長いPCR反応(5−50kbの標的)において用途を
見いだすことが意図される。前記のN−末端及びC−末端結合サブユニット及び
蛋白質が個別にか又は組み合わせてPCR及び高い忠実度のDNA合成が要求さ
れるか又は望まれる他の応用、例えば極めて長いPCR反応(5−50kbの標
的)において用途を見いだすことが意図される。
【0157】 存在するPCR技術は相対的に非プロセッシブな修復様DNAポリメラーゼに
より制限される。本発明は、上昇温度において素早い複製及び高いプロセッシブ
特性が可能な好熱性レプリカーゼを提供する。本発明の組成物が多くの分子生物
学の応用において用途を見いだすことが意図され、現在の長さの制限を除き、ロ
ングレンジのDNA配列決定をし、そして高次二次構造によりDNAを通して配
列決定することによるメガベースのPCR、並びに分子生物学における新しい技
術の前進を可能にすることを含む。
【0158】 本明細書にて引用された全ての特許及び刊行物はそれらの全体の引用により特
別に編入される。 実施例 以下の実施例は、本発明の特に好ましい態様及び側面を例示するために供給さ
れ、そしてそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0159】 続く実験の開示においては、以下の略語を適用する:g(グラム);L(リッ
トル);μg(マイクログラム);ml(ミリリットル);bp(塩基対);℃
(摂氏温度);kb又はKB(キロベース);kDa又はkd(キロドルトン)
;EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸);DTT(ジチオスレイトール);
LB(ルリアブロス);−mer(オリゴマー);DMV(DMVインターナシ
ョナル、フレイザー、NY);PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動);
SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウ
ムポリアクリルアミドゲル電気泳動);SSPE(2x SSPEが0.36m
MのNaCl.20mMのNaH2PO4,pH7.4及び20mMのEDTA,
pH7.4を含み;使用されるSSPEの濃度は変更してよい);SOP培地(
20g/lのトリプトン(ディフコ)、10g/lのイーストエキストラクト(
ディフコ)、5g/lのNaCl、2.5g/lのリン酸カリウム、二塩基酸(
フィッシャー)、1g/lのMgSO4・H2O(フィッシャー),pH7.2)
;TEバッファー(10mMのTris,1mMのEDTA);50xTAE(
242gのTris塩基、57.1mlの氷酢酸、100mlの0.05MのE
DTA pH8.0);Blotto(10%スキムミルクをdH2Oに溶解、
及び0.2%のアジ化ナトリウム);ゲルローディング染料(0.25%のブロ
ムフェノールブルー、0.25%のキシレンシアノール、25%のFicoll
(タイプ400)dH2O中);プレ−ハイブリダイゼーションミックス(50
%のホルムアミド、5X SSPE,1%のSDS、0.5%のCARNATI
ON(商標名)ノンファット乾燥ミルク、10%のスキムミルク、0.2%のア
ジ化ナトリウム);FBS(胎児ウシ血清);ABS,Inc(ABS社、ウイ
ルミントン、DE);GeneCodes(ジーンコード、アンアーバー、MI
);Boehringer Mannheim(ベーリンガーマンハイム、イン
ディアナポリス、IN);Champion Industries(チャンピ
オン工業、クリフトン、NJ);Enzyco(エンジコ社、デンバー、Co)
;Fisher Scientific(フィッシャーサイエンティフィック、
フェアローン、NJ);FMC(FMC,ロックランド、メイン);Gibco
BRL(ギブコBRLガイセルスベルグ、MD);Hyclone(ハイクロ
ーン、ローガンUT);Intermountain又はISC(ISCバイオ
エクスプレス、バウンティフル、ユタ);Invitrogen(インビトロジ
ェン、カールスバッド、CA);Millipore(ミリポア、マルボロ、M
A);MJ Research(MJリサーチ、ウオータータウン、MA);M
olecular Probes(モリキュラープローブ、ユージーン、OR)
;National Diagnostics(ナショナルダイアグノスティッ
クス、マンヴィル、NJ);Pharmacia Biotech(ファルマシ
アバイオテック、ピスカタウエイ、NJ);Promega(プロメガ社、マジ
ソン、WI);Qiagen(キアゲン、シャッツワース、CA);Sigma
PE/ABI(パーキンエルマーアプライドバイオシステムズ部門、フォスタ
ーシティ、CA);(シグマセントルイス、MO);Stratagene(ス
トラタジーン、ラホヤ CA);Tecan(テカン、リサーチトライアングル
パーク、NC);Whatman(ワットマン、メイドストーン、英国);Lo
fstrand Labs(ロフストランドラブズ社、ガイセルスベルグ、メリ
ーランド);及びLSP(LSPIフィルトレーションプロダクツ、ライフサイ
エンスプロダクツ、デンバー、CO);Irvine(イルバインサイエンティ
フィック、イルバイン、CA);及びJackson Labs(ジャクソンラ
ブズ、バーハーバー、マイン)。
【0160】 SDS−PAGEゲルに基づく分子量を蛋白質に関して報告する実施例におい
て、報告された分子量はおおよその値である。 実施例1 最初のベクターの構築 pA1−CB−Cla−2の構築 プラスミドpA1−CB−Cla−1は、引用により本明細書に編入される、
米国特許出願09/151,888に記載された。T.thermophilu
s遺伝子のいくつかの発現に有用なpA1−CB−Cla−1プラスミドに関し
ては、修飾が必要であった。C−末端ビオチン標識の下流のKpnI制限部位を
除去するため、pA1−CB−Cla−1プラスミドのDNAを調製した。本実
施例及び以下に掲載された全てのプラスミドDNA調製物は、プロメガのWiz
ard(登録商標)及びWizard(登録商標)プラスDNA精製システムを
用いて、製造者の指示に従い精製した。pA1−CB−Cla−1のDNAプラ
スミドをKpnIで消化した。その結果の3’及び5’の突出末端をクレノー断
片を用いて満たすことにより消し去り、そして1mMのATPの存在下でT4
DNAリガーゼにより再び閉じた。プラスミドでDH5αを形質転換し、そして
プラスミド含有コロニーをアンピシリン耐性に関して選択した。最初のベクター
の生育は、2xYT培養培地(16g/Lバクト−トリプトン、10g/Lバク
ト−イーストエキストラクト、5g/L NaCl(pH7.0)本実施例、次
のセクション)中である。これらのペプチド中のKpnI部位の破壊は、DNA
配列決定により確認した(ATG seq.#630−631;プライマーゼP
64−A215及びP38−S5576)。KpnIにより分割できなかった単
離物を含んだコロニーの一つを選択し、生育させ、そして中間体プラスミドpA
1−CB−Cla1(Kpn-)(ATGグリセロールストック番号424)の
製造に使用した。T.thermophilusのDNAポリメラーゼIIIホ
ロ酵素のサブユニットはE.coli中で発現させた。核酸(プラスミド)は多
くの手段により細菌細胞に導入してよく、塩化カルシウムによる処理又はエレク
トロポレーションによる形質転換のためにコンピテントに作成された細菌細胞の
形質転換を含む。形質転換技術の使用の総説は、Sambrook et al
.,Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual,第2版、Cold Spring Harbor Laborator
y Press,New York(1989)pp.1.74−1.84に提
供される。プラスミドをDH5α細菌に導入するためにここで使用された戦略は
、以下の全ての形質転換反応においても使用される。
【0161】 プラスミドpA1−CB−Cla1(Kpn-)を制限エンドヌクレアーゼC
laI及びSpeIにより消化することにより、制限部位:EagI,BamH
I,XhoI,XbalI及びDraIIIを含むポリリンカーを除去した。2
つのオリゴヌクレオチド(ATGリンカー/アダプター #P67−S1及びP
67−A1)をアニールさせて、アダプター/リンカー(以下に示す)(配列番
号(SEQ ID NO):1)を作成した。
【0162】
【化1】 このアダプター/リンカーはClaI及びSpeI粘着末端を含むことにより
、プラスミドpA1−CB−Cla1(Kpn-)上に存在するこれらの制限部
位への挿入を可能にした。このアダプター/リンカーのClaI/SpeI消化
したpA1−CB−Cla1(Kpn-)への導入は、制限部位ClaI−スペ
ーサー−FseI−NheI KpnI−SpeIを含む新規のポリリンカーを
作成し、そして新規プラスミドpA1−CB−Cla2をもたらした。このプラ
スミドでDH5αを形質転換し、そしてプラスミドを含むコロニーをアンピシリ
ン耐性に関して選択した。プラスミドを一つの陽性クローンから単離し、そして
挿入されたDNAの配列をDNA配列決定により確認した(ATG seq.#
649,プライマーP38−S5576)。確認されたpA1−CB−Cla2
プラスミドを含む単離物を生育させて、ストック培養液として保存した(ATG
グリセロールストック#440)。 pA1−CB−Nco−1の構築 pA1−CB−Nco−1を構築するため、pDRK−Cを最初に修飾した(
Kim,D.R.and McHenry,C.S.(1996)J Biol
Chem 271,20690−20698を参照)。プラスミドpDRKC
のDNAを調製してKpnIにより消化した。結果として生じる奥まった3’末
端及び突出した3’末端をクレノーにより平滑にし、そして該プラスミドを再び
閉じた。プラスミドでDH5αを形質転換し、そしてプラスミドを含むコロニー
をアンピシリン耐性に関して選択した。該プラスミドを調製して、KpnI部位
の喪失に関して選択した。KpnIで分割できなかったプラスミドを含む一つの
陽性コロニーを選択して、DNA配列をDNA配列決定により確認した(ATG
SEQ #627及び632;プライマーP38−S5576及びP64−A
215)。このプラスミドをpDRK−C(Kpn-)と命名し、そして単離物
をグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#
414)。
【0163】 プラスミドpDRK−C(Kpn-)を制限エンドヌクレアーゼXbaI及び
SpeIにより消化して、制限部位NcoI,EagI及びDraIIIを含む
ポリリンカーを除去した。2つのオリゴヌクレオチド(ATGリンカー/アダプ
ター#P63−1及びP63−A1)をアニールしてアダプターリンカーを作成
した(下に示す)(SEQ ID NO:2)
【0164】
【化2】 このアダプター/リンカーはXbaI及びSpeI粘着末端を含むことにより
、pDRK−C(Kpn-)プラスミド上に存在する対応の制限部位への挿入を
可能にさせた。挿入された領域を含むプラスミドを再度閉じて、DH5αを形質
転換した。このアダプター/リンカーのpDRK−C(Kpn-)への導入は、
制限部位XbaI−PacI−NcoI−スペーサー−KpnI−FseI−S
peIを含む新たなポリリンカーを作成した。その結果のアンピシリン耐性クロ
ーンをKpnI制限部位の導入に関して選抜した(screened)。一つの
陽性クローンからのプラスミドを配列決定したところ、挿入されたリンカー/ア
ダプターの領域の正確な配列を有することが分かった(ATG SEQ # 6
46及び647;プライマーp38−S5576及びP65−A106)。この
プラスミドpA1−CB−Nco−1と命名した。この単離物を生育させて、ス
トック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#438)。 pA1−CB−Nsi1の構築 pA1−CB−Nsi1プラスミドを製造するため、pA1−CB−Nco−
1を制限エンドヌクレアーゼPacI及びKpnIで消化することにより、制限
部位PacI−NcoI−スペーサー−KpnIを含むポリリンカーを除去した
。2つのオリゴヌクレオチド(ATGリンカー/アダプター#P68−S1及び
P68−A1)をアニールして、アダプター/リンカー(下に示す)(SEQ
ID NO:3)を作成した。
【0165】
【化3】 このアダプター/リンカーはPacI及びKpnI粘着末端を含むことにより
、対応するPacI/KpnI消化pA1−CB−Nco−1プラスミドへの挿
入を可能にした。該プラスミドを再び閉じて、DH5αを形質転換した。このア
ダプター/リンカーのpA1−CB−Nco−1の導入により、制限部位Xba
I−PacI−NsiI−スペーサー−KpnI−スペーサー−FseI−Sp
eIを含む新規のポリリンカーを作成した。結果のクローンをアンピシリン耐性
に関して選択し、そして単離されたプラスミドをNsiI制限部位の導入に関し
て選抜した。一つの陽性クローンからのプラスミドを配列決定したところ、挿入
されたリンカー/アダプターの領域を含む正確な配列を有することが分かった(
ATG SEQ #663,プライマーP65−A106)。このプラスミドを
pA1−CB−Nsi−1と命名し、そして単離物をストック培養液として保存
した(ATGグリセロールストック#445)。 pA1−CB−NdeIの構築 pA1−CB−Nde1プラスミドを製造するため、pA1−CB−Nco
−1をNdeIで消化した。突出をクレノー断片により平滑化することにより、
上記ポリリンカー領域の外側のNdeI制限部位を破壊した。この直鎖状プラス
ミドを再び閉じて、pA1−CB−NcoI(NdeI−)を作成した。このプ
ラスミドでDH5αを形質転換し、プラスミドをその結果生じた一つのアンピシ
リン耐性コロニーから単離した。該プラスミドをNdeI部位の損失に関して選
抜した。クレノー断片によりフィルインされた領域を配列決定することにより、
NdeI部位の損失を確認した(ATG SEQ 661,プライマーP65−
S2529)。pA1−CB−NcoI(NdeI−)をPacI及びSpeI
制限酵素により消化した。これにより、PacI−NcoI−スペーサー−Kp
nI−スペーサー−KpnI−スペーサー−FseI−SpeI制限部位を含む
ポリリンカーを除去した。アニールしたDNA二重鎖又はアダプター/リンカー
(下に示す)(SEQ ID NO:4)はPacI及びSpeI粘着末端を含
み(ATGリンカー/アダプター#P65−S1及びP65−A1)、消化され
たpA1−CB−NcoI(NdeI−)プラスミドに挿入した。
【0166】
【化4】 このアダプター/リンカーのpA1−CB−NcoI(NdeI-)への導入
により、制限部位PacI−NdeI−スペーサー−NheI−KpnI−Fs
eI−SpeIを含む新規のポリリンカーを作成した。このプラスミドでDH5
αを形質転換して、これらのプラスミドをその結果のアンピシリン耐性コロニー
から単離した。これらのプラスミドをNdeI部位の導入に関して選抜した。挿
入された配列を含む領域をDNA配列決定に供することにより、正確な配列の挿
入を確認した(ATG SEQ #718,プライマーP38−S5576)。
このプラスミドをpA1−CB−NdeIと命名し、そして陽性単離物をストッ
ク培養液として保存した(ATGグリセロールストック#464)。 pA1−NB−Avr−2の構築 pA1−NB−Avr−2を構築するため、アミノ末端標識により蛋白質の
発現のためにデザインされたプラスミドであるDRK−N(M)を出発プラスミ
ドとして使用した。上記アミノ末端標識は、インビボにてビオチン化された30
アミノ酸、ヘキサヒスチジン部位、及びトロンビン分割部位からなった(Kim
and McHenry,J.Biol.Chem.,271:20690−
20698[1996]を参照)。また、pBR322の複製オリジン、laq
Qリプレッサー蛋白質を発現する遺伝子、及びlaqIQリプレッサーにより抑
制される半合成E.coliプロモーター(pA1)が存在する。
【0167】 以下の2つのオリゴヌクレオチドを別々に合成してアニールすることにより、
粘着末端(AvrII及びSalI)を有する二重鎖を作成し、そしてAvrI
I/SalI消化したpDRK−N(M)に挿入した。該リンカー/アダプター
は、2つのアニールされたオリゴヌクレオチドからなった(ATGリンカー/ア
ダプターP64−S1及びP64−A1)(を下に示す)(SEQ ID NO
:5)。
【0168】
【化5】 これらのアニールされたDNA断片のpDRK−N(M)への挿入により、A
vrII−DraIII−SalIからAvrII−スペーサー−KpnI−ス
ペーサー−FseI−SpeI−SalIへ、融合ペプチド後のポリリンカーが
変換された。これらのプラスミドでDH5αを形質転換し、そしてその結果のア
ンピシリン耐性コロニーを上記リンカー/アダプターにより運ばれたSpeI部
位を含んだプラスミドに関して選別した。一つの陽性クローンを選択して挿入さ
れた領域の配列をリンカー/アダプター領域を横切ってDNA配列決定した(A
TG SEQ #648,プライマーP64−A215)。このプラスミドをp
A1−NB−Avr−2と命名し、そして単離物をグリセロールストック培養液
として保存した(ATGグリセロールストック#439)。 pA1−NB−KpnIの構築 AvrII−スペーサー−KpnI−スペーサー−FseI−SpeI−Sa
lIを含むポリリンカーを制限部位PstI−KpnI−スペーサー−NsiI
−SacI−NheI−HindIII−スペーサー−SpeIを含むポリリン
カーに置き換えることにより、pA1−NB−Avr−2プラスミドを修飾して
、pA1−NB−Kpn1を構築した。これは、pA1−NB−Avr−2のP
stI及びSpeI制限酵素による消化及び以下に示すアニールされたDNA二
重鎖の挿入により達成した(ATGアダプター/リンカー#P64−S1及びP
64−A1)。アニールされた二重鎖DNAの末端はPstI−SpeI制限部
位に相当する粘着末端を形成した(下に示す)(SEQ ID NO:6)。
【0169】
【化6】 第1のスペーサーはPstI/NsiIの二重消化を可能にし、そして最後の
スペーサーはHindIII/SpeIの二重消化を可能にした。該プラスミド
でDH5α細菌を形質転換し、そしてアンピシリン耐性コロニーを、リンカー/
アダプターにより創製されたHindIII制限部位を含んだプラスミドに関し
て選抜した。リンカー/アダプター領域のDNA配列はDNA配列決定により確
認した(ATG SEQ #662,プライマーP64−A215)。このプラ
スミドをpA1−NB−Kpn−1と命名し、そして単離物をグリセロールスト
ック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#446)。 pA1−NB−AgeIの構築 pA1−NB−Avr−2プラスミドを修飾してpA1−NB−AgeIを構
築した。これは、制限部位PstI−AvrII−KpnI−FseI−Spe
Iを含んだpA1−NB−Avr−2中のポリリンカーを、制限部位PstI−
スペーサー−AgeI−BamHI−SacII−スペーサー−NcoI−Sp
eIを含むポリリンカーに置き換えることにより、実施した。最初に、上記ポリ
リンカーの上流のBamHI部位を破壊した。これは、pA1−NB−Avr−
2をBamHIで消化して、創製された粘着末端をクレノー断片の消化によりフ
ィルインすることにより達成した。上記DNAの平滑末端を再度閉じた。該プラ
スミドでDH5αを形質転換し、そして陽性クローンをアンピシリン耐性に関し
て選択した。プラスミドを一つの陽性単離物から単離して、BamHI制限部位
の損失により選抜した。BamHI制限部位の損失はDNA配列決定により確認
した(ATG SEQ #1171,プライマーP64−A215)。このプラ
スミドをpA1−NB−Avr(BamHI)と命名し、そして陽性単離物をス
トック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#688)。
【0170】 pA1−NB−Avr2(BamHI-)をPstI/SpeI制限酵素によ
り消化した。これにより、制限部位PstI−ArvI−KpnI−FseI−
SpeIを含むポリリンカーを除去した。アニールされた二重鎖(ATGアダプ
ター/リンカー#P116−S1及びP116−A1)を、消化されたpA1−
NB−Avr2(BamHI-)(SEQ ID NO:7)に挿入した。
【0171】
【化7】 上記のアニールされた二重鎖DNAの末端はPstI及びSpeI制限部位に
相当する粘着末端を形成する。このプラスミドでDH5αを形質転換し、そして
一つのクローンの生育から単離されたプラスミドを、AgeI,BamHI,S
acII及びNcoI制限酵素による消化の可能性に関して選抜した。このプラ
スミドへの挿入領域の配列は、DNA配列決定により確認した(ATG SEQ
#1176,プライマー#64−A215)。このプラスミドをpA1−NB
−AgeIと命名し、そして陽性単離物をストック培養液として保存した(AT
Gグリセロールストック#698)。 pTAC−CCA−ClaIの構築 うまく発現しなかったE.coli中においてT.thermophilus
由来の天然蛋白質を発現させる試みにおいて、翻訳共役蛋白質として蛋白質を発
現させるために使用できるベクター系を構築した。プラスミド(pTACCCA
(pTC9)は、E.coliのATP(CTP):tRNAヌクレオチジルト
ランスフェラーゼ(CCA付加酵素と呼ぶ)をコードする遺伝子をtacプロモ
ーター制御下に含む。この遺伝子は極めて高いレベルで発現される。この遺伝子
の全部を5’の12コドン以外除去して、T.thermophilusのdn
aE遺伝子を、この残りの5’末端へ翻訳共役蛋白質としてカップリングするこ
とができた(pTAC−CCA−TE)(下で考察される)。プラスミドpTA
C−CCC−TEから始めて、翻訳共役蛋白質として発現できる他の標的蛋白質
の挿入を可能にさせるポリリンカーを含むプラスミドを消化した。最初に、pT
AC−CCA−TEをNsiI及びSpeIにより消化した。NsiI制限部位
はCCA付加酵素の開始コドンの約35ヌクレオチド下流であり、そしてSpe
I部位はT.thermophilusのdnaE停止TAGの下流である。こ
れにより、完全なT.thermophilusのdnaE(TE)遺伝子及び
TE遺伝子に対して5’末端にCCA付加酵素遺伝子を連結した領域を除去した
。次に、NsiI及びSpeI粘着末端を含む、アニールされたDNA二重鎖(
下)(SEQ ID NO:8)(ATGアダプター/リンカー#P152−S
L及びP152−AL)を、消化したpTAC−CCA−TEプラスミドに挿入
した。
【0172】
【化8】 このDNA二重鎖は、NsiI粘着末端の下流にリボソーム結合部位(RBS
)「AGGAGG」(イタリック体)を含み、標的遺伝子の5’末端の挿入のた
めのClaI制限部位(下線)へと続く。ClaI制限部位は、リンカー領域を
含むCCA付加酵素遺伝子5’末端の翻訳を停止させるための「taa」停止の
「t」を含む(下の場合)。アダプター/リンカーにより提供される付加された
配列(リボソーム結合部位及びClaI制限部位を含む)は、コドンの維持がC
CA付加酵素遺伝子の5’末端から「taa」停止コドンまでがインフレームに
なるようなものである。本実施例及びこのテキストのその他においては、DNA
の領域を他のDNA領域と「インフレーム」であるようにアドレスする場合、こ
れは、連続する蛋白質発現(翻訳)が「停止」コドンの遭遇なしに、従って蛋白
質の合成の停止が無いようにすることが可能なように2つの領域のコドンの維持
がなされる。停止の2番目の「a」は、標的の翻訳共役遺伝子の「ATG」開始
コドンの1番目のヌクレオチドを形成するために使用され、CCA付加酵素とは
フレームがずれる。上記アダプター/リンカーの残りは、制限部位ClaI−t
aa−スペーサー−AgeI−AvrII−NheI−XhoI−SpeIを含
むポリリンカーを含むことにより、標的遺伝子の挿入のために内部の制限部位又
は停止コドンの下流部位を適応させる。このプラスミドでDH5αを形質転換し
、そしてプラスミドを含むコロニーをアンピシリン耐性に関して選択した。ひと
つの陽性コロニーを選択して、直鎖断片(5.5kb)をもたらす1カ所の切断
を生じるNsiI,ClaI及びSpeIで消化することにより、単離されたプ
ラスミドを選抜した。このプラスミドの中の挿入された領域の配列はDNA配列
決定により確認した(ATG SEQ #1617,プライマー#P144−S
23)。このプラスミドをpTAC−CCA−ClaIと命名し、そして陽性単
離物を成育させて、ストック培養液として保存した(ATGグリセロールストッ
ク#980)。
【0173】 標的遺伝子はフォワード/センスプライマーがATCGATAatg.... ... を含むようにPCRを用いて増幅する。下線の配列は標的の5’末端に相
補にし、一方、上の場合は非相補であって、pTAC−CCA−ClaIへの挿
入のために必要なClaI部位を含む。ClaI部位の隣りは停止コドンの5’
TAである。「a」(イタリック体)は停止「TAa」の最後の「a」に対応し
、そしてオーバーラップする開始「atg」の「a」でもある。リバース/アン
チセンスプライマーは上記ポリリンカー内の制限部位の一つを含むことにより、
標的遺伝子の3’末端のpTAC−CCA−ClaIへの挿入を可能にしなけれ
ばならない。翻訳共役の機構は、高発現蛋白質(CCA付加酵素)のメッセージ
ャーRNA(mRNA)を部分的に翻訳して次にリボソームが未熟な(prem
ature)停止コドンに遭遇することである。挿入されたRBSは、リボソー
ムが新たな開始コドンを認識して標的蛋白質を翻訳続行させるまで、mRNAか
らのリボソームの遊離を阻害する。我々の仮説は、リボソームRNAのヘリカー
ゼ活性がGCリッチなT.thermophilus配列中の二次構造を破壊す
ることにより、より効率の良い翻訳開始を可能にさせることである。
【0174】 実施例2 pA1−NB−TE/MGC1030によるヘキサヒスチジン 及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドへ融合されたT. thermophilus αサブユニットの発現の証明 米国特許出願第09/151,888号において、TthのdnaE遺伝子の
pA1−NB−Avr−2へのクローン化及びMGC1030の形質転換が記載
された。dnaE遺伝子のこのベクターへの挿入は、αサブユニットがN−末端
標識化蛋白質として発現されるのを可能にする。発現の証明は以下に記載される
【0175】 pA1−NB−TEでMC1030 E.coli細菌(mcrA,mcrB
,lamBDA(−)(RRND−RRNE)1,lexA3)(ATGグリセ
ロールストック#938)及びAP1.L1 E.coli(ATGグリセロー
ルストック939)を形質転換した。AP1.L1細菌株に対する親は、Nov
agenのBLR細菌株[F−,ompT hsdSB(rB− mB−)ga
l dcm(srl−recA)306::Tn10]であった。このBLR株
のT1ファージ−耐性バージョンはAP1.L1と命名した。アンピシリン耐性
により選択された形質転換細胞の単一のコロニー(各形質転換体から3コロニー
)を100μg/mlのアンピシリンを含む2mlの2xYT培養培地へ接種し
、そして撹拌インキュベーター中で37℃において一晩生育させた。朝に、一晩
生育からの濃い培養液0.5mlを1.5mlの新鮮な2xYT培養培地に接種
した。培養液を1時間37℃において撹拌しながら生育させ、発現は最終濃度1
mMまでのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加
により誘導した。細胞を誘導3時間後に遠心分離により回収した。細胞沈殿物を
直後に1/10培養容量の2xレムリサンプルバッファー(2x溶液:125m
M Tris−HCl(pH6.8),20%グリセロール、4%ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)、5%β−メルカプトエタノール、及び0.005%ブロ
ムフェノールブルー w/v)に再懸濁し、そして音波処理により細胞を完全溶
解して、DNAを剪断した。サンプルを10分間90−100℃において加熱し
、そして遠心分離により不溶性残渣を除去した。細胞蛋白質を含む少アリコート
の各上清(3μl)を4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(No
vex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTr
is塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲ
ルをクマジーブルーで染色した。ギブコの10kDa蛋白質ラダーの120kD
a分子量標準のすぐ上を移動する蛋白質が明確な蛋白質バンドとして検出できた
が、誘導しなかった対照においては観察されなかった。この蛋白質バンドは、N
−末端融合蛋白質に融合させたT.thermophilusのαサブユニット
の予測された分子量(141kDa)に相当する。
【0176】 次に、各溶解物の中の全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スに移した(ブロットした)。Novex転写装置を用いて、30V定圧にて1
2mM Tris塩基、96mMグリシン、0.01%SDS(w/v)、及び
20%メタノール(v/v)中で60分間室温にて、各溶解物の中の全蛋白質を
ポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースに移した(ブロットした)。膜は
、5%ノンファットドライミルク(w/v)を含む0.2%Tween20(v
/v)−TBS(TBST)(tris−緩衝塩溶液;8g/L NaCl,0
.2g/L KCl,3g/L Tris−HCl(pH7.4))中で、1時
間室温においてブロックした。ブロットされたニトロセルロースは、次にTBS
T洗浄し、そして次にTBST中の2μg/mlのアルカリホスファターゼ複合
ストレプトアビジン(ピアスケミカルズ社#21324)中で1時間室温におい
てインキュベートした。大規模のTBSTによる洗浄の後に、ブロットをBCI
P/NBT(KPL #50−81−07;一成分系)により展開した。内在の
E.coliビオチン−カルボキシル担体蛋白質(ビオチン−CCP)約20k
Daが誘導及び非誘導サンプルの両方において検出された。αに相当する極めて
強い蛋白質バンドがギブコ10kDa蛋白質ラダーの140kDa分子量標準の
上を移動した。この蛋白質は誘導された培養物の中では明確なバンドとして観察
されたが、非誘導対照においては観察されなかった。
【0177】 細胞を溶解し、全細胞蛋白質を得て、そしてSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動及びビオチンブロット分析において蛋白質を分析することを含む、蛋白
質発現を評価するための本明細書に記載された手法は、天然の標識された蛋白質
の発現を評価するための以下の全ての手法において使用されることになる。本実
施例及び以下の全ての蛋白質濃度は、ピアスのクマジープロテインアッセイ試薬
及びウシ血清アルブミン(BSA)を標準として使用して測定される。 pA1−NB−TE/MGC1030の大規模生育 株pA1−NB−TE/MGC1030を250Lの発酵機にて生育させて、
「pTAC−CCA−TEによる天然T.thermophilus dnaE
(αサブユニット)の大規模な生育」と題されたセクションにおいて記載された
とおりに、T.thermophilusのαの精製のために細胞を生成した。
細胞の回収を誘導の3時間後に7.2のOD600にて開始し、そして回収の間は
10℃に冷やした。回収容量は175Lであり、そして最終回収重量は約2.4
7kgの細胞ペーストであった。等量の(w/w)50mM Tris(pH7
.5)及び10%の蔗糖溶液を細胞ペーストに加えた。質に関するコントロール
の結果(Quality control results)は、接種中におい
てアンピシリン含有培地上で10の陽性コロニー中10を示し、そして回収中で
10/10陽性コロニーを示した。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより細胞
を凍らせて、処理前まで−20℃において保存した。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusの精製 発現されたT.thermophilusのαサブユニットを含む細胞のスフ
ェロプラストの創製により溶解を達成した。最初に、−20℃に凍らせておいた
Tris−蔗糖中の凍結細胞(300g細胞)の1:1懸濁液600gから、F
rIを調製した(875ml,21.6mg/ml)。上記調製物は、「翻訳共
役蛋白質として発現されたT.thermophilusのαサブユニットの硫
酸アンモニウム沈殿条件の決定」と題されるセクションに記載されたとおりであ
った。Fr Iに、硫酸アンモニウム(各初期ml画分I−45%飽和まで0.
258g)を15分間隔で加えた。混合物をさらに30分間4℃において撹拌し
、そして沈殿物を遠心分離により回収した(23,000 x g,45分、0
℃)。結果の沈殿物はすぐに液体窒素に浸すことにより素早く凍結させて、−8
0℃において保存した。
【0178】 Fr Iからの沈殿物を90mlのNi++−NTA懸濁バッファーに懸濁して
、ダウンス(Dounce)ホモジェナイザーによりホモジェナイズした。サン
プルは遠心分離(16,000 x g)により透明にし、そして上清をFr
II(98ml,25mg/ml)とした。Fr IIをNi−NTA樹脂の5
0%スラリー50mlに加え、そして1.5時間4℃において振盪した。このス
ラリーを次にバイオラッドEcono−カラム(2.5 x 5cm)上に負荷
した。該カラムを250mlのNi++−NTA洗浄バッファーで0.5ml/分
の流速にて洗浄した。T.thermophilus αは10−200mMイ
ミダゾール勾配を含むNi++−NTA溶出バッファー150mlに溶出した。溶
出物は80 x 2mlに集めた(図1)。画分30−50を保存し(図1参照
)、そしてFrIIIとした(63ml,2mg/ml)。 翻訳共役蛋白質としてT.thermophilusのαサブユニットを過剰発
現するプラスミド(pTAC−CCA−TE)の構築 前の特許出願(米国出願#09/151888)において、αサブユニットを
発現するT.thermophilusのdnaE遺伝子(TE)をpA1−C
B−NcoIにクローン化して、pA1−TEをもたらした。このプラスミドは
αサブユニットの天然形態を発現するようにデザインされたが、αサブユニット
の収量は極めて低かった(前で論じたとおり)。天然のαサブユニットの発現レ
ベルを増加させるための試みにおいて、ベクターをデザインして、翻訳共役蛋白
質としてαサブユニットを発現させた。上流の高発現蛋白質との翻訳共役を用い
ることにより、BCリッチのT.thermophilus dnaEのmRN
A中に存在する強固な二次構造を破壊し、より効率のよい翻訳開始及び高いレベ
ルのT.thermophilus発現を可能にする。出発のプラスミドはpT
ACCCA(pTC9)であり、そしてpTACプロモーター制御下にCCA付
加酵素を含んだ。このプラスミドは、CCA付加酵素を高いレベルで発現する。
上記戦略は、pTACCCAプラスミドをNsiI及びKpnIで消化すること
により5’−12コドンのみを残してCCA付加酵素のほとんどを除去するため
であった。NsiI制限部位はCCA付加酵素のATG開始部位の下流約12コ
ドンであり、そしてKpnI制限部位は上記停止コドンの下流である。
【0179】 TE遺伝子をCCA付加酵素の後ろに挿入し、そして2段階で翻訳共役させた
。第1に、TE遺伝子の5’末端をpA1−TEを鋳型として用いてポリメラー
ゼチェイン反応(PCR)により増幅した。フォワードプライマー(ATGプラ
イマー#P69−S541)を下に示す。
【0180】
【化9】 上記プライマーの非相補部分を上部の場合として示し、そして該遺伝子の5’
末端に相補なプライマーの部分を下部の場合として示す。 NsiI部位( TGCAT )及びClaI部位(ATCGAT)を下線を引いたイタリック体に
て示す。RBS(AGGAGG)を下線を引いて示す。RBSとClaI制限部
位は共にCAA付加酵素に関する構造遺伝子とインフレームのコドンを維持する
。プライマー「TA」の非相補部分の最後の2つのヌクレオチド及びプライマー
「a」の相補部分の最初のヌクレオチドは、未熟停止コドンを、CCA付加酵素
の5’末端とインフレームにて形成する。「a」はTE遺伝子の「atg」開始
コドンの最初のヌクレオチドでもある。これは互いに関してフレームを外れたC
CA付加酵素遺伝子及びTE遺伝子を置き換える。リバースプライマーの配列(
5’−CGGCTCGCCAGGCGCACCAGG−3’)(SEQ ID
NO:21)(ATGプライマー#P69−A971)は、開始「ATG」コド
ンの約316bp下流に位置する唯一のKpnI部位のちょうど下流の領域に相
補である。
【0181】 前の段落に記載されたフォワードプライマー及びリバースプライマーよりもた
らされるPCR産物(430塩基対の長さ)はNsiIとKpnIにより切断さ
れて、350bpの断片を生じて、NsiI/KpnIで消化されたpTACC
CAプラスミドに挿入された。これらの2つの酵素でpTACCCAプラスミド
を切断することにより、CAA付加酵素遺伝子並びに600bpの停止コドン下
流配列のC−末端(3’)の計算上95%が除去された。結果のプラスミドでD
H5αを形質転換して、陽性単離物をアンピシリン耐性に関して選択した。一つ
の陽性単離物から単離されたプラスミドが、NsiIとKpnIによる消化によ
り証明された(予測された0.35及び5.3kbの断片を生じる)。挿入物の
配列はDNA配列決定により確認された(それぞれ、ATG SEQ #151
2及び1513、プライマー#P144−S23及びP144−A1965)。
このプラスミドをpTAC−CCA−TEmpと命名し、単離物をグリセロール
ストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#898)。
【0182】 T.thermophilusのdnaE遺伝子の残りを構築するため、pA
1−TEプラスミドを制限酵素KpnIとSalIで消化した。SalI制限部
位はTE遺伝子の末端の約254bp下流である。それはC−末端ビオチン−ヘ
キサヒスチジン融合ペプチドの下流にも位置する。T.thermophilu
sのdnaE遺伝子のC−末端(3)95%を包含するその結果の3601塩基
対のKpnI−SalI断片を、KpnI/SalI消化したpTAC−CCA
−TEmpプラスミドに挿入した。プラスミドを連結し、DH5αを形質転換し
、そして陽性単離物をアンピシリン耐性に関して選択した。一つの陽性単離物か
ら単離されたプラスミドをKpnIとSalI制限酵素による消化により証明し
た(予測された3.6及び5.6kbの断片を生じる)。挿入物の配列はDNA
配列決定により確認した(それぞれ、ATG SEQ #1550及び#155
1,プライマー#P144−S23及びP144−A1965)。このプラスミ
ドをpTAC−CCA−TEと命名し、そして単離物pTAC−CCA−TE/
DH5αをグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリセロールス
トック#933)。 pTAC−CCA−TEによる翻訳共役蛋白質としての天然T.thermop
hilus dnaE遺伝子(αサブユニット)の発現の証明 pTAC−CCA−TEプラスミドでMGC1030(ATGグリセロールス
トック#938)及びAP1.L1 E.coli(ATGグリセロールストッ
ク#939)を形質転換した。上記のとおり、各形質転換体からの3つの単離物
を生育させて、全蛋白質を単離した。各上清のアリコート(3μl)を、25m
M Tris塩基、192mMグリシン、及び0.1% SDS中の4−20%
SDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255;1mm厚
、15ウエル/ゲル)中の電気泳動に供した。その結果のゲルをクマジーブリリ
アントブルーで染色した。ギブコの10kDa蛋白質ラダーの120kDaの分
子量標準スタンダードのわずかに上を移動するMGC1030及びAP1.L1
細菌調製物の両方からの特有な蛋白質バンドが、誘導された培養物において特有
なバンドとして観察されたが、非誘導対照においては観察されなかった。これら
の蛋白質は、天然T.thermophilus αに関して予測された分子量
(137.5kDa)に一致すると決定された。検出された蛋白質は、ゲル上の
蛋白質バンドのクマジーブリリアントブルーの強度に基づくと、全E.coli
蛋白質の約5%を表した。 T.thermophilus蛋白質発現の最適化 発現された組換えT.thermophilus蛋白質の収量を最適化するた
めの試みにおいて、誘導時間を各新規蛋白質に関して分析した。F−培地(バク
トイーストエキストラクト、14g/L,バクトトリプトン、8g/L,リン酸
1水素2カリウム、12g/L,リン酸2水素1カリウム、1.2g/L(pH
7.2),1%グルコース)を生育培地として使用する。アンピシリンを含む少
量のF−培地(10−20ml)に標的細菌を接種して、撹拌しながら一晩37
℃において生育させた。この一晩の生育を使用して、予め37℃に温めた新鮮な
アンピシリン含有F−培地に接種する。この新鮮な培地は一晩生育させた培養物
を使用して20:1の比で接種する。これは、誘導前の3−4倍に細胞密度を倍
増させるのに十分な時間を与える。新たに接種された培養物をOD600=0.6
−0.8に生育させ(最適な密度のOD600は溶液中の細胞密度を計算すること
において600ナノメーターにおける溶液中の細胞により散乱される光を測定す
るために使用される)、そして発現を1mMのIPTGの添加により誘導する。
誘導のときに、ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位含有蛋白質に、d−ビオチ
ンを最終濃度10μMにて加える。対照の培養物はd−ビオチンのみを摂取させ
た――それらはIPTGで誘導しなかった。
【0183】 培養物と等量のサンプル容量(5ml)を誘導のときに回収し、そして誘導後
は誘導後5時間まで毎時間最適生育時間を測定するため分析した。OD600を各
サンプルに関して測定した。回収されたサンプルをフィッシャーセントリフィッ
クモデル228(1380 x g)中で10分間遠心分離した。上清を捨てて
、細胞沈殿物を分析のために残した。各サンプル中の全蛋白質の濃度を等しく保
つため、50μlのレムリ溶解バッファー(125mM Tris−HCl,(
pH6.8),20%グリセロール、5% SDS)を、サンプル容量(5ml
)を掛けた各サンプルのOD600あたり加えた。細胞沈殿物を再懸濁し、そして
90−100℃にて10分間加熱する。サンプルを最大のrpm(16,000
x g)にて10分間、テーブルトップ遠心分離管中で遠心分離して、そして
上清を残す。各上清(5μl)中の全細胞蛋白質を含む少量のアリコートを、2
5mM Tris塩基、192mMグリシン、及び0.1% SDS中の10%
SDS−ポリアクリルアミドゲル(16 x 18 x 0.75cm)に負荷
する。ゲルを2時間25ボルトにおいて電気泳動する。ゲルをクマジーブルーで
染色するか又は(ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位含有蛋白質に関して)ニ
トロセルロースに転写して、ビオチンブロット分析により分析する。ビオチンブ
ロット分析は、SDS−ポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース膜に転写
された蛋白質及びビオチン化部位を含むN−又はC−末端ペプチドに結合したビ
オチンにより検出された蛋白質に適用するように使用される。通常のように生育
する細胞においては、ビオチン化部位を含む特定のパーセンテージの蛋白質をビ
オチンにより結合した。これらの蛋白質の検出は、融合蛋白質へ結合したビオチ
ンに結合するアビジンによる。アルカリホスファターゼ配合ストレプトアビジン
(ピアスケミカルズ社、#21324)を使用し、そしてアルカリホスファター
ゼを許容する化学試薬を使用して検出でき、それにより興味のある蛋白質が可視
化される。 pTAC−CCA−TEによるT.thermophilusのdnaE遺伝子
(αサブユニット)の発現の最適化 予備実験において、T.thermophilusのαはAP1.L1株にお
いてより高いレベルで合成されるらしい。よって、AP1.L1中に保有される
pTAC−CCA−TEからのT.thermophilusの発現のための最
適な誘導時間を分析した。T.thermophilusのαの収量を、「T.
thermophilus蛋白質発現の最適収量」のセクションにて上で記載さ
れるとおりに1、2、3、4、及び5時間の誘導時間で分析した。T.ther
mophilusのαの最適収量は誘導3時間後に達成した;この誘導時間は次
の実験において使用した(図2)。 T.thermophilusのαサブユニット活性の測定のためのギャップフ
ィリングアッセイ 複製型複合体の触媒サブユニットはプライムされた鋳型上において他のホロ酵
素サブユニットの不在下で極めて低いプロセッシビティしか有さない。しかしな
がら、触媒サブユニットは、低塩条件において素早い対合及び解離反応により極
めて効率よくヌクレアーゼ活性化(ギャップの入った)DNAのギャップを埋め
ることができる(下参照)(McHenry and Crow(1979),
J.Biol.Chem.,254,1748−1753)。T.thermo
philusのαサブユニットの別の精製工程における活性のアッセイを可能に
するため、ギャップフィリングアッセイを使用した。
【0184】 アッセイ混合物(25μl)は、32mMのHepes(pH7.5),13
%のグリセロール、0.01%のNonidet P40,0.13 mg/m
lのBSA,10mMのMgCl2、0.2mg/mlの活性化子ウシ胸腺DN
A、57μM)の各dGTP,dATP,dATP及びdCTP、及び21μM
の[3H]TTP(約100cpm/pmol)を含んだ。上記混合物を氷上で
混合し、そしてDNAポリメラーゼのサンプルの希釈物の添加及び60℃におけ
る5分間の放置により、反応を開始した。反応は、試験管を氷の上に置くことに
より停止し、そして0.2Mのピロリン酸ナトリウム(PPi)及び10%のT
CAの添加によりDNAを沈殿させた。沈殿したDNAの捕獲及び取り込まれな
かったヌクレオチド3リン酸の除去は、混合物をGFCフィルター(ワットマン
)により濾過して、当該フィルターを12mlの0.2M PPiナトリウム/
1M HClで洗浄し、そして次にエタノールで洗浄することにより達成した。
上記フィルターを次に乾燥させて、フィルターを5mlの液体シンチレーション
液体(Ecoscint−O,ナショナルダイアグノスティックス)中に浸して
、ベックマンLS 3801シンチレーションカウンター中で計数することによ
り、[3H]TTP取り込みを定量した。1ユニットの酵素活性を、60℃にお
いて1分あたり取り込まれる全ヌクレオチドの1ピコモルと定義する。陽性対照
はE.coliのDNAポリメラーゼIII(30℃においてアッセイした)を
含み、そして陰性対照はポリメラーゼを含まず、各アッセイセットに含ませた。
pTAC−CCA−TE/AP1.L1による天然T.thermophilu
s αの大規模な生育 株pTAC−CCA−TE/AP1.L1を250Lの発酵機中で生育させる
ことにより、T.thermophilusのdnaE生成物(α)の精製のた
めの細胞を生産した。F−培地(1.4%イーストエキストラクト、0.8%ト
リプトファン、1.2% K2HPO4,及び1.2% KH2PO4,NaOHに
よりpHを7.2に)を滅菌して、グルコースを1%まで、40%滅菌溶液から
加え、そしてアンピシリン(100mg/L)を加えた。大規模な接種(28L
)は、1mlグリセロールストック培養液から開始し(即ち、―80℃において
15%グリセロール中で培養)、そして37℃において40L/分の通気にて一
晩生育させた。接種物は、1%グルコース及び100mg/Lのアンピシリンを
含む180LのF−培地を含む250Lの発酵機に移した(0.06のOD600
から開始)。180Lの初期F−培地が存在したこの発酵において、発酵機へ添
加する一晩培養物の量を計算するには、発酵機中に存在する培地をOD600=0
.06にするのに十分加えるべきである。これは、誘導前の3−4倍に細胞密度
を倍増させるのに十分な時間を与える。培養物を37℃においてインキュベート
したが、40 LPMの通気を伴い、そして20rpmにて撹拌した。T.th
ermophilus αの発現は、培養物が0.79のOD600に到達した時
に、1mMのIPTGの添加により誘導した(E.coli中の外来蛋白質の発
現は細胞密度がおおよそ0.6−0.8のOD600に到達したときに誘導する)
。追加のアンピシリン(100mg/L)を誘導と同時に加えた。温度は生育中
を通じて約37℃に保った。pHはNH4OHの添加により生育を通して7.2
に保った。細胞の回収はOD600=4.88において誘導3時間後に開始し、そ
して回収の間は細胞を10℃に冷却した。回収容量は180Lであって、最終回
収重量は1.9kgの細胞ペーストであった。等量(w/w)の50mM Tr
is(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を上記細胞ペーストに加えた。上記細胞
懸濁液を液体窒素に注ぐことにより細胞を凍結して、加工まで−20℃に保存し
た。質のコントロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地上の10の陽性
コロニー中10を示し、そして回収時のアンピシリン含有培地上の10の陽性コ
ロニー中10を示した。陽性コロニーは選択性抗生物質を含むLB培地にコロニ
ーを移した場合でも生育する、LBプレート上でストリークされたサンプルから
生育したコロニーをである。ルリア−ベルターニ(LB)生育培地(バクトトリ
プトン、10g/L,バクトイーストエキストラクト、5g/L,NaCl,1
0g/L)を本実施例及び以下のセクションにおいて陽性コロニーの選択に使用
する。 翻訳共役蛋白質として発現されたT.thermophilus αの最適な硫
酸アンモニウム沈殿条件の決定 発現されたT.thermophilusのαサブユニットを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により、溶解を達成した。最初に、−20℃に保存され
ていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液50g(25g細胞)を、予
め55℃に温めておいた69mlのTris−蔗糖に加えた(2.75ml/細
胞のg)。撹拌した混合物に対して、1.25mlの0.5M 1,4−ジチオ
スレイトール(DTT)(0.05ml/細胞のg)及び6.25mlの溶解バ
ッファー(2M NaCl,0.3MスペルミジンをpH7.5に調節したTr
is−蔗糖中に含む)を加えた(0.25ml/細胞のg)。18mMのスペル
ミジンの存在は、部分破壊された細胞及び置換されたDNA結合蛋白質中で濃縮
した核様体を保った。上記スラリーのpHは2MのTris塩基0.5mlの添
加によりpH8.0に調節し(pHは2MのTris塩基により8.0に調節す
る)、そして125mgのリゾチームを4.5mlのTris−蔗糖バッファー
に加えた(5mgリゾチーム/細胞のg)。上記スラリーは、5分間の撹拌後に
250mlの遠心分離管に分注して、4℃において1時間インキュベートした。
250mlの遠心分離管を次に37℃の渦巻き水浴槽に入れて、4分毎に30秒
間、穏やかに倒置した。遠心分離により(23,000 x g,60分間、4
℃)、上清を不溶性細胞残渣から分離した。回収された上清(0.1 I)は画
分I(Fr I)とした(13mg蛋白質/ml)。本実施例及び以下の全ての
蛋白質濃度は、ピアスのクマジープロテインアッセイリージェント及びウシ血清
アルブミン(BSA)をスタンダードとして用いて測定した。FrIは5つの等
しい容量に分割し、そして0.164、0.226、0.291、0.361及
び0.436gの硫酸アンモニウム(30%、40%、50%、60%及び70
%飽和)をそれぞれの分離されたサンプル中のFrIの各mlに関して15分の
間隔にて4℃において加えた。沈殿物を遠心分離により回収した(23,000
x g,45分、0℃)。結果の沈殿物を2mlのNi−NTA懸濁バッファ
ー(50mM Tris−HCl(pH7.5),40mM KCl,7mM
MgCl2,及び10%グリセロール)に懸濁した。各サンプルの蛋白質濃度は
クマジープロテインアッセイリージェント(ピアス)及びウシ血清アルブミン(
BSA)をスタンダードとして用いて測定した。30%、40%、50%、60
%及び70%の硫酸アンモニウム沈殿サンプルは、それぞれ、2.4、8.0、
18.0、35.0及び38.0mg/mlの蛋白質濃度を含んだ。
【0185】 サンプルはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した(図4)
。40%の硫酸アンモニウム沈殿サンプルが90%を超えるαサブユニットを含
んだ。
【0186】 各硫酸アンモニウムカットは、「T.thermophilusのαサブユニ
ットの活性の測定のためのギャップフィリングアッセイ」と題したセクションに
おいて上で記載されたギャップフィリングアッセイにおける活性に関してもアッ
セイした。活性は40%硫酸アンモニウム飽和においてもっとも高いと思われ、
増加したパーセント硫酸アンモニウム飽和として低下する(図5)。これは、高
い塩濃度が懸濁した沈殿物において保持されてギャップフィリング反応をもたら
すか又は阻害する夾雑物が高い濃度の硫酸アンモニウムにおいて沈殿してT.t
hermophilusのαサブユニットの活性をもたらすかの何れかによる。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び活性アッセイは、ほとんどのαサ
ブユニットが40%硫酸アンモニウムカットに回収されることを示すため、この
硫酸アンモニウムの濃度が次の調製に使用された。 pTAC−CCA−TEからのT.thermophilusのdnaE産物(
α−サブユニット)の精製 発現されたT.thermophilus αを保有する細胞のスフェロプラ
ストの創製により、溶解を達成した(7−10−2000の大規模な調製)。最
初に、−20℃にて保存されたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液50
0g(250g細胞)を用いてFrIを調製した(770ml,27.4mg/
ml)。調製物は「翻訳共役蛋白質として発現されたT.thermophil
usのα−サブユニットの最適な硫酸アンモニウム沈殿条件の測定」と題される
セクションにおいて記載されたとおりであった。Fr Iに対して、硫酸アンモ
ニウム(各初期ml画分I−45%飽和まで0.258g)を15分間隔で加え
た。混合物をさらに30分間4℃において撹拌して、沈殿物を遠心分離により回
収した(23,000 x g,45分、0℃)。結果の沈殿物を液体窒素に浸
すことにより素早く凍結して、−80℃に保存した。
【0187】 Fr Iからの沈殿物を160mlの50mM Tris−HCl,(pH7
.5),25%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTTに懸濁して、
ダウンスホモジェナイザーを使用してホモジェナイズした。サンプルを遠心分離
により透明化(16,000 x g)したところ、上清はFr IIとした(
164ml,11.4mg/ml)。Fr IIはブチルセファロースファスト
フロー(ファルマシアバイオテック)カラムを使用してさらに精製した。ブチル
樹脂(360ml)をブチル平衡化バッファー(50mM Tris−HCl,
(pH7.5),25%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTT,0
.5M硫酸アンモニウム)中で平衡化した。250mlのブチル樹脂を使用して
カラムを流出させた。残る110mlのブチル樹脂をFr IIと混合して、2
74mlにした。この混合物に対して、0.5容量の飽和硫酸アンモニウムをゆ
っくりと1時間にわたり撹拌しながら加えた。この混合物を1.3ml/分にて
カラムに加えた。カラムは次に1Lの平衡化バッファーで洗浄した。蛋白質は、
ブチル平衡化バッファーで開始して、50mM Tris−HCl,(pH7.
5),25%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTT,50mM K
Clを含むバッファーで終了する、10カラム容量の勾配にて溶出した。残る蛋
白質を追加の10カラム容量「突沸(bump)」終了バッファーで溶出するこ
とによりカラムから除去した。αサブユニットは最初の突沸の半分において溶出
し、そしてプールした(242ml,0.15mg/ml)。ギャップフィリン
グアッセイを使用することにより、活性に関して画分をアッセイした。
【0188】 プールは粉末形態のポリエチレングリコール(PEG)8000(フィッシャ
ー)を用いることにより27mlに濃縮した(1.5mg/ml)。T.the
rmophilusのαをさらに、50mM Tris−HCl,(pH7.5
),20%グリセロール、100mM NaCl,1mM EDTA,5mM
DTTで平衡化したセファクリルS300HR(ファルマシアバイオテック)ゲ
ル濾過カラム(510ml,3cm x 120cm)を用いて精製した。カラ
ムを負荷して、蛋白質を0.7ml/分の流速にて溶出した。αサブユニットは
精製度の高い蛋白質として単離された(35ml,0.23mg/ml)。10
%ポリアクリルアミドゲルが天然T.thermophilus αの精製の段
階を要約した(図6)。
【0189】 実施例3 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させた T.thermophilusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)を 発現するpA1−NB−TXの構築 T.thermophilusのdnaX遺伝子を予めpA1−CB−Cla
Iに挿入することにより、天然(pA1−TX)且つC−末端標識された蛋白質
(pA1−CB−TX)として発現させた(米国出願番号09/151,888
)。τ−サブユニット及びγ−サブユニット共に両構築物から低レベルで発現さ
れた。T.thermophilusのdnaX遺伝子も予めpET−CB−C
laIプラスミドに挿入することにより、天然(pET−TE)且つC−末端標
識された蛋白質(pET−CB−TX)として発現させた(米国出願番号09/
151,888)。pA1プロモーターの制御下にある場合のように、T7プロ
モーターの制御下で発現した場合、τ−サブユニット及びγ−サブユニットの両
者が低レベルで発現された。τ及びγ−サブユニットの発現レベルを増加させる
試みにおいて、ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドを
コードするDNAにdnaX遺伝子を融合するようにプラスミドをデザインした
(ATGプロジェクトS)。最初に、プラスミドpA1−TXからdnaXのN
−末端(5’)の断片を増幅するように、PCR反応をデザインした。フォワー
ド(ATGプライマー#P38−S1586,5’−AACTGCAGAGCG CCCTCTACCG −3’)(SEQ ID NO:47)は、PstI部位
をdnaX遺伝子の5’末端に付加することにより、実際のPCR産物はATG
開始コドンを除外してコドン2枚から始まる。コドン2の隣りのPstI制限部
位は、N−末端融合ペプチドコード配列にインフレームにてdnaX遺伝子の5
’部分をもたらす。リバースプライマー(ATGプライマー#P38−A205
0,5’−CGGTGGTGGCGAAGACGAAGAG−3’)(SEQ
ID NO:48)をデザインして、それがT.thermophilusのd
naX内のBamH1制限部位の下流になるようにした(BamH1制限部位は
開始コドンの約318塩基下流である)。このPCR産物をPstI及びBam
H1で切断して、同じ2つの制限酵素により切断してあったpA1−NB−Ag
eIに連結した。このプラスミドでDH5αを形質転換して、陽性単離物をアン
ピシリン耐性に関して選択した。一つの陽性クローンからのプラスミドをBam
HI/PstI制限消化(予測された5.5kb及び0.32kbの断片を生じ
る)及びNcoI消化(予測された5.6及び0.16kbの断片を生じる)に
より証明した。挿入された領域の配列はDNA配列決定により確認して(ATG
SEQ#1185及び1186、プライマーP64−S10及びP64−A2
15)、そしてpA1−TXの配列と比較した。この前駆体プラスミドをpAI
−NB−TX5’と命名し、単離物(pA1−NB−TX5’/DH5α)をス
トック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#702)。
【0190】 次に、dnaX遺伝子の3’領域(C−末端)(1.6kb)を制限酵素Ba
mH1及びSpeIを用いてpAI−TXプラスミドから切り出した。この断片
を、同じ上記2つの制限酵素で切断してあった前駆体プラスミドpAI−NB
TX5’に連結した。このプラスミドでDH5αを形質転換して、陽性単離物を
アンピシリン耐性に関して選択した。陽性単離物を、予測された5.9及び1.
6kb断片を生じるBamHI/SpeI消化により証明した。N−末端融合ペ
プチドに結合したTXに関する完全な遺伝子を含むこのプラスミドをpAI−N
B−TXと命名し、単離物(pA1−NB−TX/DH5α)をストック培養液
として保存した(ATGグリセロールストック#740)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)のpA1−N
B−TX/AP1.L1による発現の証明 pA1−NB−TXプラスミドを製造して、MGC1030(ATGグリセロ
ールストック#740)及びAP1.L1細菌(ATGグリセロールストック#
741)を共に形質転換した。細菌の生育及び全蛋白質の単離は実施例2に記載
されたとおりであった。全蛋白質を含む上清のアリコート(3μl)を、25m
M Tris塩基、192mMグリシン、及び0.1% SDS中の4−20%
ポリアクリルアミドミニゲル(ノベックス、EC60255;1mm厚、15ウ
エル/ゲル)に負荷した。ミニゲルをクマジーブルーで染色して、一つの蛋白質
(二重のバンド)が、ギブコの10kDa蛋白質ラダーの、60kDaの下を移
動すること及び他方の蛋白質バンドが60kDa分子量スタンダードのわずかに
下を移動すること観察した。これらの蛋白質バンドは両細菌株からの誘導された
培養物においては明確なバンドとして観察されたが、誘導されなかった対照にお
いては観察されなかった。これらの蛋白質は予測された分子量53.6kDa及
び61.9kDaに一致すると決定された。T.thermophilusのD
naXを示す検出された蛋白質バンドは、ゲル上の蛋白質バンドのクマジーブル
ーの強度に基づくと、全E.coli蛋白質の2%未満を表した。
【0191】 T.thermophilusにおいては、τ及びγの両サブユニットの発現
を可能にする仮想フレームシフト部位が配列A AAA AAA Aを有し、そ
れが+1又は−1のフレームシフトの何れかを可能にさせる。+1のフレームシ
フト産物はLys−Lysコーディング配列を超えてたった一つの残基しか伸長
せず、E.coliの−1フレームシフト産物に類似している。しかしながら、
−1フレームシフトは12アミノ酸の伸長を伴う蛋白質をコードするはずである
。これは、サイズにして11アミノ酸異なる2つのγサブユニットの発現を可能
にする。あるいは、最近の研究は、T.thermophilusのγサブユニ
ットが2つの異なる長さのガンマサブユニットをコードする異なる長さのmRN
Aの亜集団を生じさせる転写のずれの結果として発現されるのかもしれない(L
arsen,B.,Wills,et al.,Proc.Natl.Acad
.Sci.97:1683−1688(2000))。我々は、二重の蛋白質バ
ンドとしてγサブユニットを観察したことから、これらのプロセスの一つが起こ
ることを確証する。
【0192】 次に、発現された蛋白質を実施例2に記載されたとおりにビオチンブロット分
析に供した。内在のE.coliのビオチン−CCP蛋白質〜20kDaが誘導
されたサンプル及び誘導されなかったサンプルの両方において検出できた。等し
い強度の2つのバンドを可視化して、ギブコ10kDa蛋白質ラダーの、60k
Daのすぐ下のバンド及び他方の60kDa分子量スタンダードのわずかに上の
バンドが両細菌株からの誘導された培養液において観察されたが、誘導されなか
った対照において観察されなかった。 T.thermophilusのDnaXのpA1−NB−TXによる発現の最
適化 天然及びC−末端融合ペプチドにカップリングさせて発現させると共にT.t
hermophilusのdnaX遺伝子の発現が低いか又は検出不可能な蛋白
質しか生じないので、最適な発現を達成するために、N−末端融合ペプチドに結
合したdnaXに関して細心の注意を払った。発現は、pA1−NB−TXを保
有するE.coliのMGC1030及びAP1.L1の両方を用いて、異なる
誘導時間において、そして異なる生育温度においても(25及び37℃)、分析
した。細菌培養物の生育及び分析は実施例2に記載されたとおりに実施した。ビ
オチンブロット分析は、発現レベルが37℃において高く、そしてAP1.L1
細菌株中で発現した場合にわずかに良好であったことも示した(図7)。T.t
hermophilusのDNaXの最大収量は37℃において誘導の4時間後
に達成された;この誘導時間を次の実験において使用する。 pA1−NB−TX/AP1.L1の大規模な生育 株pA1−NB−TX/AP1.L1を250Lの発酵機中で生育させて(発
酵ラン#99−17)、実施例2に記載されたとおりに、ヘキサヒスチジン及び
ビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.thermophil
usのdnaX(τ及びγ−サブユニット)の精製のための細胞を製造した。細
胞の回収は、OD600=7.0において誘導の4時間後に開始して、回収の間は
細胞を10℃まで冷却した。回収容量は172Lであり、最終回収重量は約2.
2kgの細胞ペーストであった。等容量(w/w)の50mM Tris−HC
l(pH7.5)及び10%の蔗糖溶液を用いて上記の細胞ペーストを懸濁した
。細胞は細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより凍結して、加工までは−20℃
において保存した。質のコントロールの結果は、接種物中のアクリルアミド含有
培地上の10クローン陽性コロニー中10を示し、そして回収の10の陽性コロ
ニーのうち10を示した。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)の精製 −20℃においてTris−蔗糖中で保存されたpA1−NB−TXを含む凍
結細胞の1:1懸濁液800g(400gの細胞)の溶解を、実施例2に記載さ
れたとおりに実施した。回収された上清(1.75l)は、画分I(Fr I)
(13.5mg/ml)とした。Fr Iに対して、硫酸アンモニウム(各初期
ml画分I−40%飽和まで0.226g)を15分間隔で加えた。混合物を4
℃においてさらに30分間撹拌し、そして沈殿物を遠心分離により回収した(2
3,000 x g,45分、0℃)。結果の沈殿物を液体窒素に浸すことによ
り素早く凍結して、−80℃に保存した。
【0193】 Fr Iからの沈殿物を125mlのNi++−NTA懸濁バッファー(50m
M Tris−HCl(pH7.5),40mM KCl,7mM MgCl2
,10%グリセロール、7mM βME,0.1mM PMSF)に懸濁して、
ダウンスのホモジェナイザーを用いてホモジェナイズした。サンプルを遠心分離
により透明にし(16,000 x g)、上清をFrII(13.3mg/m
l)とした。Fr IIは、Ni++−NTA懸濁バッファー中のNi−NTA樹
脂の50%スラリー60mlに加え、そして1.5時間4℃において振動させた
。このスラリーを次にバイオラッドエコノ−カラム(2.5 x 5cm)上に
負荷した。カラムをNi++−NTA洗浄バッファー(50mM Tris−HC
l(pH7.5),1M KCl,7mM MgCl2,10%グリセロール、
10mMイミダゾール、7mM βME)300mlで0.5ml/分の流速で
洗浄した。NB−TX蛋白質は、10−200mMイミダゾール−HCl(pH
7.5)勾配を含む、300mlのNi++−NTA溶出バッファー(50mM
Tris−HCl(pH7.5),40mM KCl,7mM MgCl2,1
0%グリセロール、7mM βME)に溶出した。溶出物を150 x 2ml
画分に回収した。各画分の蛋白質濃度を測定した(図8)。
【0194】 画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析し、(図9A及び
9B)そしてたった一つの主要な高い分子量の夾雑物を含むことが観察された。
この夾雑物はτサブユニットのちょうど上を移動して、画分96で消失した。画
分66−95と96−113をプールして、蛋白質を硫酸アンモニウムの添加に
より沈殿させた(各初期ml画分I−40%飽和まで0.226g)。沈殿物は
、遠心分離より回収し(23,000 x g,45分、0℃)、そして−80
℃に保存した。Ni++−NTAカラムクロマトグラフィーを用いてN−末端標識
されたT.thermophilusのDnaXの一部をラボラトリーストック
として保存した。
【0195】 抗体産生のための追加の精製工程において、硫酸アンモニウム沈殿させたN−
末端標識T.thermophilus DnaXを含む沈殿物を、30mlの
リン酸緩衝塩(PBS)(137mM NaCl,2.7mM KCl,4.3
mM Na2HPO4:7H2O,1.4mM KH2PO4(pH7.3))プラ
ス10%グリセロールに懸濁して、ダウンス75ホモジェナイザーを用いてホモ
ジェナイズした。結果の溶液を遠心分離により透明にし(16,000 x g
)、そして上清をFr IIIとした(2.9mg/ml)。
【0196】 Fr IIIを、PBSプラス10%グリセロールで平衡化した、2mlのU
ltraLink(商標名)固定化モノマーアビジンカラム(1.1cm x
2.5cm)(ピアス)上に製造者の指示に従い負荷した。サンプルを0.09
ml/分の流速で負荷した。パススルーは3回カラムを戻して通すことにより、
全てのビオチン化蛋白質がアビジンに結合することを可能にさせた。カラムは次
に10mlのPBSプラス10%グリセロールにより0.08ml/分の流速で
洗浄した。蛋白質をカラムから20mlの溶出バッファー(2mM D−ビオチ
ン、10%グリセロール、PBS中)中にて0.09ml/分の流速にて溶出し
た(画分10A及び10B)。
【0197】 この精製工程は、Ni++−NTAカラム精製において観察された高い分子量の
夾雑物を除去した。画分1−24(19ml)をプールして(0.43mg/m
l)、硫酸アンモニウムの添加により蛋白質を沈殿させ(プールされた画分の各
mlに対して0.258g)、そして上記のとおりに遠心分離して−80℃にお
いて保存した。このサンプルを以下に記載されるポリクローナル抗体の産生に用
いた。 T.thermophilusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)に対する
ポリクローナル抗体の産生 ポリクローナル抗体の産生のため、アビジン精製からのN−標識T.ther
mophilus DnaXを含む沈殿物を2mlのPBSに溶解して、500
mlのPBSに対して2回透析した(2.5mg/ml,2ml)。サンプルを
PBS中にて50μg/mlに希釈して、2mlをアジュバント(RIBIアジ
ュバントシステムズ(RAS))を含むバイアルに直接注射した。この溶液を混
合して、室温まで戻した。1mlのアジュバント/NB−TX混合物を用いてウ
サギを接種した(#598);6カ所の皮内注射の各々において0.05ml、
各後肢の筋肉内注射において0.3ml、そして頸部の皮下注射において0.1
ml。注射の開始前に、5mlの注射前採血をした。上記ウサギは接種開始から
28日後に初期注射容量の1倍半を用いて追加抗原刺激を受けた。試験血液(1
0ml)を37日目に採取した。ウサギは58日目にオリジナルの接種と同じ製
剤を用いた2回目の追加抗原刺激を受けた。
【0198】 NB−TX結合に関する抗血清の最適な希釈は、試験採血後及び最終採血後に
測定した。これは、小アリコートのT.thermophilusのN−末端標
識DnaX(1.0μg/ウエル)を10%ポリアクリルアミドミニゲル(10
x 10cm)上で電気泳動するSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を
用いて実施し、そして次に蛋白質をニトロセルロース膜に移した。該膜をストリ
ップに切断したが、各ストリップはT.thermophilusのN−末端標
識DnaXの同一のバンドを含んだ。膜を、5%ノンファットドライミルクを含
む(w/v)0.2% Tween 20(v/v)−TBS(TBST)で1
時間室温においてブロックし、TBSTで洗浄した。ストリップは抗血清/TB
ST(1:100、1:200、1:400、1:800、1:1600、1:
3200、1:6400及び1:12800の希釈)中に1時間入れて、TBS
T中で5分間4回洗浄した。次に、ストリップを、アルカリホスファターゼに配
合した二次抗体(ヤギ抗ウサギIgG(H+L)、TBST中で1:3000に
希釈)(バイオラッド)中に1時間入れた。ストリップを次に4回5分間TBS
Tで洗浄した。この大規模な洗浄後に、ブロットをBCIP/NBT(KPL
#50−81−07;1成分系)により発色させた。τ及びγ−サブユニットに
相当する蛋白質は、もっとも高い希釈の抗血清においてさえ明確なベンドとして
可視化された。これらのバンドは抗血清の希釈が低下するにつれてより強くなっ
た。陰性対照は、抗原で接種する前にウサギから採られた抗血清を含んだ。陽性
対照は、抗血清検出において使用されたのと同じ濃度(1.0μg)における抗
原のビオチンブロット分析である(図11)。
【0199】 次に、抗体血清による認識のために必要なT.thermophilusのN
−末端標識DnaXの最少量を測定した。これは、小アリコートのT.ther
mophilusのN−末端標識DnaX(0.02,0.04,0.08,0
.16,0.32,0.625,1.25,2.50,及び5.0μg/ウエル
)を10%ポリアクリルアミドミニゲル(10 x 10cm)上で電気泳動す
るSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて実施した。蛋白質をニトロ
セルロース膜に移した。ブロットされたニトロセルロースを、5%ノンファット
ドライミルクを含む(w/v)0.2% Tween 20(v/v)−TBS
(TBST)で1時間室温においてブロックし、TBSTで洗浄した。ブロット
は、抗血清/TBST(1:6400の希釈)中に1時間入れて、次に、TBS
T中で5分間4回洗浄した。次に、ブロットを、アルカリホスファターゼに配合
した二次抗体(ヤギ抗ウサギIgG(H+L)、TBST中で1:3000に希
釈)(バイオラッド)中に1時間入れた。ストリップを次に4回5分間TBST
で洗浄した。この大規模な洗浄後に、ブロットをBCIP/NBT(KPL #
50−81−07;1成分系)により発色させた。
【0200】 τ及びγ−サブユニットに相当する蛋白質は、0.02μgのDnaXにおい
て明確なベンドとして可視化された。これらのバンドはDnaXの濃度が増加す
るにつれてより強くなった(図12)。 T.thermophilusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)に対する
モノクローナル抗体の産生 T.thermophilus DnaXのサンプル2mlをPBS中で50
μ/mlに希釈し(上記)、アジュバント(RIBIアジュバントシステムズ(
RAS))を含むバイアルに直接注射した。0日目に、3匹のマウスにDnaX
−アジュバントサンプルを接種した(0.2ml/マウス)。21日目に、各マ
ウスはDnaX−アジュバントサンプル0.2mlの追加抗原刺激を受けた。4
1日目に、試験採血を尾のクリッピングから採取した。これら3匹のマウスに、
44日目に第2回の追加抗原刺激を行い、そして尾のクリッピングからの2回目
の採血を58日目に行った。この採血からの抗血清を「T.thermophi
lusのdnaX(τ及びγ−サブユニット)に対するポリクローナル抗体の産
生」と題されるセクションに記載されたとおりにしてウエスタン分析に使用した
。抗血清は1:400の希釈にて使用することにより、1μg/レーンのT.t
hermophilus DnaXを検出した。該抗血清はELISAスクリー
ニングにも使用した(Tissue Culture/Monoclonal
Antibody Facility,UCHSC)。マウス#2及び#3は、
ウエスタン分析及びELISAスクリーニングの両方においてT.thermo
philus DnaXに対して等しい応答を生じたのに対し、マウス#1は低
い応答を生じた。マウス#2を選択して、N−末端標識T.thermophi
lus DnaXに対するモノクローナル抗体の産生のために、Tissue
Culture/Monoclonal Antibody Facility
(UCHSC)に供した。 翻訳共役ベクターpTAC−CCA−ClaIへのT.thermophilu
s dnaX遺伝子(τ/γ)のクローン化 天然蛋白質としてτ/γを効率よく発現させるため、翻訳共役蛋白質としてτ
/γを発現するようにデザインした。ここでの到達点は、再び、実施例#2に記
載されたとおりに翻訳共役を使用することである。天然T.thermophi
lus αに関して記載されたとおり、dnaX遺伝子をCCA付加酵素の後ろ
に挿入して、翻訳上共役させた。最初に、dnaX遺伝子を、pA1−TXを鋳
型として用いてPCRにより増幅した。フォワード/リバースプライマー(AT
Gプライマー #P38−S1cla2,5’−ACTTATCGATAATG AGCGCCCTCTACCGCC −3’)(SEQ ID NO:49)は非
相補領域中にClaI制限部位を有する。非相補領域は、上流のCCA付加蛋白
質断片のための停止(TAA)の「TA」も含む。T.thermophilu
sのholA遺伝子の5’末端に相補なプライマーの領域は、「ATG」開始コ
ドンの最初のヌクレオチドの「A」及び「TAA」停止コドンの最後の「A」で
始まる。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー #P38−A
1603STOPspe,5’−GAGGACTAGTTTATTATATAC CAGTACCCCCTATC −3’)(SEQ ID NO:50)は、プラ
イマーの非相補部分中のSpeI制限部位及び天然の停止コドンに隣接した追加
の停止コドンも含み、タンデムに2つの停止コドンを提供した。SpeIによる
効率よい切断のためのクランプ領域も存在した。次に、PCR産物をClaI/
SpeI制限酵素で消化して、同じ酵素で消化したpTAC−CCA−ClaI
プラスミドに挿入した。該プラスミドで5DHαを形質転換して、アンピシリン
耐性陽性単離物からのプラスミドをClaI/SpeI制限消化により1.6及
び5.5kbの断片を生じることに関して選抜した。上記挿入物の両鎖の配列は
、DNA配列決定により証明した(ATG SEQ #1666−1674,1
617,1719;プラスミド、P144−S23,P144−A1965,P
38−S394,P38−S809,P38−S1169,P38−A1272
,P38−A946,P38−A541,P38−A282,P38−A106
)。配列の分析は上記挿入された領域内に正確な配列が含まれたことを証明した
。このプラスミドをpTAC−CCA−TXと命名して、単離物をストック培養
液として保存した(ATGグリセロールストック#1030)。 PTAC−CCA−TX/MGC1030及びpTAC−CCA−TX/AP1
.L1による天然T.thermophilus DnaX蛋白質の発現の証明 pTAC−CCA−TXプラスミドを製造して、MGC1030(ATGグリ
セロールストック#1067,1068,1069)及びAP1.L1(ATG
グリセロールストック#1075,1076,1077)を形質転換した。細菌
の生育及び全細胞蛋白質の単離は、実施例2に記載されたとおりであった。全細
胞蛋白質を含む小アリコートの各上清(3μl)を、25mM Tris塩基、
192mMグリシン、及び0.1% SDS中の4−20%ポリアクリルアミド
ミニゲル(ノベックス、EC60255:1mm厚、15ウエル/ゲル)上で電
気泳動した。該ミニゲルはクマジーブルーで染色した。τ(58.3 kDa)
又はγ(51.0kDa)を含むことが予測されたゲルの領域は多くの天然E.
coli蛋白質を含み、そしてτ又はγは如何なる単離物においても可視化でき
なかった。
【0201】 実施例4 T.thermophilusのholA遺伝子(δサブユニット)の同定 E.coli及びHaemophilus influenzae由来のδサ
ブユニット及びBacillus subtilis,Aquiflex ae
olicus由来の仮想δサブユニットの配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミッ
クス研究所のT.thermophilusゲノムのデータベースを検索した。
仮想T.thermophilusのholA遺伝子を含むT.thermop
hilusのゲノムの領域の部分的に加工していない配列を同定して(BLAS
Tを用いて)、そして得た(Dr.Carsten Jacobi,Goett
ingen Genomics Laboratory,Institute
of Microbiology and Genetics,Griseba
chstrasse 8,Goettingen,独国)。全てATGであった
いくつかの可能な開始部位及び多数の可能な停止コドンも存在するらしい。加工
していない配列の正確さの不確定さ故、T.thermophilusのhol
A遺伝子及び周辺配列を含む疑いのあるT.thermophilusゲノムの
領域をPCRにより増幅した。PCRプライマーは上記の非加工配列に由来する
配列を用いてデザインした。フォワード/リバースプライマー(ATGプライマ
ーP134−S415,5’−CGGGAGGGTGAAGCGCAAGATG
TC−3’)(SEQ ID NO:51)及びリバース/アンチセンスプライ
マー(ATGプライマーP134−A2099,5’−GCCGCACCCCC
GCCCCGTAGT−3’)(SEQ ID NO:52)は、T.ther
mophilusゲノミックDNAを鋳型として用いることにより、1685b
pの長さのPCR産物を生じ、holAをコードするDNAの領域を含んだ。こ
のPCR断片をpGEM−T Easy(商標名)(プロメガ)ベクターへ製造
者の指示に従い挿入した。pGEM−T Easy(商標名)ベクター系は、幾
つかの好熱性DNAポリメラーゼによりPCR産物の3’末端上に1つのデオキ
シアデノシンを鋳型と独立に追加する利点を有する。上記PCR断片を、Eco
RV部位で切断されていた直鎖状ベクターDNAに連結し、そして両末端に追加
された単一の3’末端チミジンを有した。これらのベクターを使用することによ
り、粘着末端連結の高い効率の利点を享受しながら、さらなる酵素操作無しにP
CR産物を直接クローン化することができる。このプラスミドでDH5α細菌を
形質転換して、陽性単離物をアンピシリン耐性に関して選択した。ひとつの陽性
クローン由来のプラスミドを単離して、1.7及び3.1kbの断片を生じるE
coRI制限消化による消化により選抜した。挿入されたDNA領域の配列はD
NA配列決定により確認した(ATG SEQ #1336−1345;プライ
マー、SP6,T7,P134−S621,P134−S1016,P134−
S1279,P134−S1633,P134−A1849,P134−A14
64,P134−A1091及びP134−A655)。ゲッチンゲンゲノミッ
クス研究所から得た非加工配列に比較して、多数の塩基の変化がPCRクローン
に観察された。876bpのオープンリーディングフレーム(ORF)が仮想T
.thermophilusのholA遺伝子を含む領域中に同定された。この
単離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#787
)。
【0202】 PCR産物中に同定されたORFをPCRによりT.thermophilu
sゲノミックDNAを鋳型として用いて増幅した。フォワード/センスプライマ
ー(ATGプラスミド#P134−S585de,5’−GGATCCAAGC
TTCATATGGTCATCGCCTTCAC−3’)(SEQ ID NO
:53)は上記ORFの5’末端に相補な領域を含んだ。NdeI部位はATG
開始コドンとオーバーラップし、そして上流のHindIII部位及びBamH
I部位もあった。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー#P1
34−A1493kpn,5’−AGATCTGGTACCTCATCAACG GGCGAGGCGGAG −3’)(SEQ ID NO:54)は相補領域内
の天然の停止コドンに隣接した追加の停止コドンを含んだから、2つの停止コド
ンをタンデムに提供する。停止コドンの上流にKpnI部位及び当該KpnI制
限部位の上流にBglII制限部位があった。このPCR断片を製造者の指示に
従いpGEM−T Easy(商標名)プラスミド(プロメガ)に挿入した。次
に、当該プラスミドでDH5α細菌を形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離
物由来のプラスミドを、0.9及び3.0kbの断片を生じるNdeI/Kpn
I制限消化により選抜した。挿入された領域の両DNA鎖の配列はDNA配列決
定により確認した(ATG SEQ #1392−1397,1408;プライ
マー、SP6,T7,P134−S1279,P134−S1633,P134
−A1464,P134−A790及びP134−A1849)。このプラスミ
ドをpT−TD(Kpn)と命名し、そして単離物をストック培養液として保存
した(ATGグリセロールストック#817)。
【0203】 T.thermophilusのholA遺伝子のDNAコーディング配列(
SEQ ID NO:9)を図13に示す。開始コドン(atg)及び停止コド
ン(tga)を太線で印字する。図14には、上記DNA配列に由来する蛋白質
(アミノ酸)配列(SEQ ID NO:10)も示す。
【0204】 T.thermophilusのδサブユニットのアミノ酸配列をE.col
iのδサブユニットと比較した(図15)。T.thermophilusのデ
ータベースにおいて使用されたδサブユニット配列、E.coli及びHaem
ophilus influenzae及びBacillus subtili
s及びAquiflex aeolicus由来の仮想δサブユニット配列全て
の整列化も行った(図16)。T.thermophilusのδサブユニット
は、E.coli,H.influenzae,A.aeolicus及びB.
subtilisのδサブユニットと、それぞれ、193、182、110及び
169アミノ酸にわたり、34%、29%、31%及び27%同一であった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合したT.t
hermophilusのholA(δサブユニット)を過剰発現するプラスミ
ド(pA1−NB−TD)の構築 C−末端ペプチドに融合したδサブユニットは発現が乏しかったので(以下に
記載される)、N−末端融合ペプチドにholA遺伝子をカップリングすること
により発現を増強しようと試みることを決定した。T.thermophilu
sのholA遺伝子をpA1−NB−Avr2プラスミドに挿入することにより
、ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合して発現
させた。holA遺伝子はpA1−TDプラスミドを鋳型として用いてPCRに
より増幅した。フォワード/センスプライマーはPstI部位を上記遺伝子の5
’末端に付加して、実際のPCR産物はATG開始コドンを伸長してコドン2に
おいて開始するがPstI部位はコドン2に隣接する(ATGプライマー P1
34−S592pst,5’−GAATTCTGCAGGTCATCGCCT TCACCG −3’)(SEQ ID NO:11)。上記PstI部位はho
lA遺伝子をN−末端融合ペプチドのフレームに持ち込み、そして2つのアミノ
酸(LeuとGln)をholA遺伝子のN−末端融合ペプチドと第2コドンの
間に付加することになる。リバースプライマーはpA1−TDを作成するときに
使用したのと同じプライマーであった(P134−A1493kpn)。このプ
ライマーは2つのことが達成できるようにデザインした。第1に、TGA(停止
コドン)が遺伝子の末端に付加されることにより、タンデムに2つの停止コドン
を提供した(天然の停止コドンと別の停止コドンが上記プライマーの非相補部分
に加えられた)。第2に、ベクターへの挿入のため、KpnI制限部位を上記プ
ライマーの非相補領域内に加えた。KpnIによる効率よい消化のためのクラン
プ領域もあった。PCR産物はPstIとKpnI制限酵素により消化して、同
じ酵素で消化されたpA1−NB−Avr2プラスミドに挿入した。当該プラス
ミドでDH5α細菌を形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラス
ミドを、0.9と5.62kbの断片を生じるPstIとKpnI制限酵素によ
る消化により選抜した。このプラスミドを選択して、挿入物の両鎖の配列をDN
A配列決定により証明した(ATG SEQ #1530−1536;プライマ
ー、P64−S10,P64−A215,P134−S1279,P134−S
1633,P134−A1849,P134−A1464,P134−A790
)。このプラスミドをpA1−NB−TDと命名して、単離物をストック培養液
として保存した(ATGグリセロールストック#915)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合したT.t
hermophilus δサブユニットのpA1−NB−TD/MGC103
0による発現の証明 pA1−NB−TDプラスミドを製造して、MGC1030細菌を形質転換し
た(ATGグリセロールストック#931)。細菌の生育及び全細胞蛋白質の単
離は実施例2に記載されたとおりであった。全細胞蛋白質を含む小アリコートの
各上清(3μl)を、25mM Tris塩基、192mMグリシン、及び0.
1% SDS中の4−20%ポリアクリルアミドミニゲル(ノベックス、EC6
0255:1mm厚、15ウエル/ゲル)上で電気泳動した。該ミニゲルはクマ
ジーブルーで染色した。ギブコ10kDa蛋白質ラダーの40kDa分子量スタ
ンダードのすぐ下を移動する蛋白質が明確な蛋白質バンドとして検出できたが、
非誘導対照においては観察できなかった。この蛋白質バンドは、N−末端融合蛋
白質に融合したT.thermophilusのδサブユニットの予測された分
子量に相当する(36.2kDa)。
【0205】 次に、各溶解物の中の全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スへ実施例2に記載されるように転写した。各レーンは1.5ulの上清を含ん
だ。内在E.coliビオチン−カルボキシル担体蛋白質(ビオチン−CCP)
約20kDaが誘導及び非誘導サンプルの両方において検出可能であった。δサ
ブユニットに相当する強度の極めて強い蛋白質バンドは、ギブコ10kDa蛋白
質ラダーの40kDa分子量スタンダードのすぐ下を移動した。この蛋白質は誘
導培養液においては明確なバンドとして観察されたが、非誘導対照においては観
察されなかった。 pA1−NB−TDによるT.thermophilusのholA遺伝子(δ
サブユニット)の発現の最適化 pA1−NB−TDプラスミドを保有する細菌株AP1.L1を用いて異なる
誘導時間にて発現を分析した。細菌の生育及び分析は実施例2に記載されるとお
りに実施した。生育及び分析は37℃においてであった。全蛋白質は、SDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びビオチンブロット分析の両者を用いて分析
した(図17)。δサブユニットに相当する明確な蛋白質バンドが両方式の分析
において観察された。ビオチンブロット分析は、殆どのδサブユニットが37℃
において4時間発現され続けることを示し、これらの生育条件を次の調製物に用
いた。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合されたT.
thermophilusのholA遺伝子産物(δサブユニット)のpA1−
NB−TD/MGC1030による大規模な生育 株pA1−NB−TD/MGC1030を250Lの発酵機で生育させること
により、実施例2に記載されたとおりにT.thermophilusのδサブ
ユニットの精製のための細胞を製造した。細胞の回収は、7.2のOD600にお
いて、誘導の3時間後に開始して、細胞は回収の間10℃に冷却した。回収容量
は175Lであって、最終回収重量は約2.47kgの細胞ペーストであった。
等量の(w/w)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細胞
ペーストに加えた。質のコントロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地
上の10の陽性コロニーのうち10を示し、そして回収中の10/10の陽性コ
ロニーを示した。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより、細胞を凍結して、加
工まで−20℃において保存した。 pA1−NB−TD/MGC1030によるヘキサヒスチジン及びビオチン化部
位を含むN−末端ペプチドに融合させたδの最適硫酸アンモニウム沈殿条件の決
定 発現されたT.thermophilusのδサブユニットを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により溶解を達成した。最初に、−20℃において保存
されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液100gから(50g細
胞)、FrIを調製した(160ml,23mg/ml)。調製は、実施例2に
記載されたとおりであった。FrIを、Ni−NTA懸濁バッファー(50mM
Tris−HCl,(pH7.5),40mM KCl,7mM MgCl2
,10%グリセロール、7mM βME)中で平衡化したNi−NTA樹脂の5
0%スラリー2.4mlに添加した。樹脂とサンプルを1.5時間4℃にて振動
させた。次に、サンプルは5mlのフリット化ポリプロピレンカラム(キアゲン
)を通過させて、Ni−NTA樹脂及び結合したδを濾過した。樹脂は、50m
lのNi−NTA洗浄バッファーを上記カラムに通過させることにより洗浄して
、9mlのNiNTA溶出バッファー(2.6mg/ml)に溶出した。
【0206】 溶出したサンプルはNi−NTA懸濁バッファーを添加することにより40m
lにした。次に、サンプルを4等容量(10ml)に分割して、1.64、2.
26、2.91及び3.61gの硫酸アンモニウム(30%、40%、50%及
び60%飽和)を各分離サンプルにそれぞれ15分間隔で4℃において加えた。
混合物は、追加の30分間4℃において撹拌して、沈殿物を遠心分離により回収
した(23,000 x g,45分、0℃)。結果の沈殿物を1mlのNi−
NTA懸濁バッファーに懸濁した。各サンプルの蛋白質濃度はクマジー蛋白質ア
ッセイ試薬(ピアス)及びウシ血清アルブミン(BSA)をスタンダードとして
用いて測定した。30%、40%、50%及び60%硫酸アンモニウムで沈殿さ
せたサンプルは、それぞれ0.4、2.6、3.2及び3.5mg/mlの蛋白
質濃度を含んだ。サンプルはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析し
た(図18)。
【0207】 50%と60%の硫酸アンモニウム沈殿サンプルは等しい量のδサブユニット
を含んだ。40%硫酸アンモニウム沈殿サンプルは50%と60%の硫酸アンモ
ニウム沈殿サンプルの約90%を含んだが、30%硫酸アンモニウム沈殿サンプ
ルは極めて少量のδサブユニットしか含まなかった。δサブユニットの以後の全
ての調製物は硫酸アンモニウム40%飽和にて沈殿させた。 pA1−NB−TD/MGC1030によるヘキサヒスチジン及びビオチン化部
位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.thermophilusのhol
A産物(δサブユニット)の精製 発現されたT.thermophilus δを保有する細胞のスフェロプラ
ストの創製により溶解を達成した。最初に、−20℃において保存されていたT
ris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液800gから(400g細胞)、Fr
Iを調製した(1280ml,30.8mg/ml)。調製は、実施例2に記載
されたとおりであった。FrIに、硫酸アンモニウム(画分I−40%飽和各々
に対して0.226g)を15分間隔で加えた。混合物をさらに30分間4℃に
おいて撹拌し、そして沈殿物を遠心分離により回収した(23,000 x g
,45分、0℃)。結果の沈殿物を液体窒素に浸すことにより素早く凍結させ、
−80℃において保存した。
【0208】 FrIからの沈殿物を160mlのNi++−NTA懸濁バッファーに懸濁して
、ダウンスホモジェナイザー用いてホモジェナイズした。サンプルを遠心分離に
より透明にし(16,000 x g)、上清をFr IIとした(27.6m
g/ml)。Fr IIは、Ni−NTA樹脂の50%スラリー50mlに添加
して、1.5時間4℃にて振動させた。次に、このスラリーをバイオラッドEc
ono−カラム(2.5 x 5cm)に負荷した。カラムは250mlのNi++ −NTA洗浄バッファーを流速0.5ml/分にて洗浄した。蛋白質は、10
−200mMのイミダゾール勾配を含むNi++−NTA洗浄バッファー230m
lに溶出した。溶出物は92 x 2.5mlの画分に回収した。画分はSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析して、画分25−92が95%を
超える純度のδを含むことが分かった(図19A及び19B)。画分25−92
をプールして(160ml,2.3mg/ml)、3.5LのHG.04バッフ
ァー(20mM Hepes,(pH7.6),40mM KCl,1mM M
gCl2,0.1mM EDTA,6mM βME,10%グリセロール)に対
して透析した。透析したサンプルはFrIIIとした(160ml,2.1mg
/ml)。サンプルは、次に、等分して、液体窒素中で素早く凍結して、−80
℃において保存した。 T.thermophilusのholA(δサブユニット)に対するポリクロ
ーナル抗体の産生 抗体産生のための超純粋蛋白質を回収するため、上記(2.1mg/ml)か
らの30mlのδサブユニットのFIIIを硫酸アンモニウムを用いて沈殿させ
た(FrIIIの初期mlあたり7.75g、45%飽和)。沈殿した沈殿物を
20mlのPBSに懸濁して、実施例3に記載されたとおりにUltraLin
k(商標名)固定化モノマーアビジンカラムを用いて精製した。アビジンカラム
の蛋白質溶出プロフィール図20に示す。画分2−6(5ml)をプールした(
0.35mg/ml)。図21は、T.thermophilusのδに関する
アビジンカラムのプールしたのSDS−PAGE分析を示す。
【0209】 プールされたサンプルを用いて、実施例3に記載されたとおりにT.ther
mophilusのholA遺伝子産物(δサブユニット)に対するポリクロー
ナル抗体を産生させた。 天然蛋白質としてT.thermophilusのholA遺伝子(δサブユニ
ット)を過剰に発現するプラスミド(pA1−TD)の構築 N−末端標識蛋白質としてδを発現させるためのベクターpA1−NB−TD
の構築の前に、まずδを天然でC−末端が標識された蛋白質を発現させるために
いくつかの試みを行った。これらの試みは十分な収量のδを生産して精製の試み
を正当化することにおいて不成功であった。これらの試みはこのセクションに記
載される。
【0210】 プラスミドpT−TD(Kpn)中に含まれたT.thermophilus
のholA遺伝子を、該プラスミドのNdeI/KpnI制限酵素消化により抽
出した。この0.9kbの断片を、同じ制限酵素で消化してあったpA1−CB
−NdeIに挿入した。NdeI部位の「ATG」は、holA遺伝子の開始コ
ドンとして機能した。これは、開始コドンを最適な翻訳のためにRBSから正し
い距離で(11ヌクレオチド)配置した。このプラスミドで次にDH5α細菌を
形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.9及び5
.65kb断片を生じるNdeIとKpnI制限酵素による消化に関して選抜し
た。一つのプラスミドを選択して、挿入物の配列をDNA配列決定により証明し
た(ATG SEQ #1428及び1429、プライマーP38−S5576
及びP134−1633)。このプラスミドをpA1−TDと命名して、単離物
をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#841)。 pA1−TD/MGC1030から天然蛋白質としてT.thermophil
usのholA遺伝子(δサブユニット)を過剰に発現するプラスミド(pA1
−TD)の発現の証明 プラスミドpA1−TDをDH5α細菌から調製して、MGC1030細菌を
形質転換した(ATGグリセロールストック#856,857,858)。3つ
の単離物の細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載されたとおりであ
った。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)の上
清を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC6
0255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、19
2mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブ
ルーで染色した。δの予測された分子量に相当する単離物の如何なるものからの
可視蛋白質バンドもなかった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのholA遺伝子(δサブユニット)を過剰に発現す
るプラスミド(pA1−CB−TD)の構築 再び、天然δサブユニットを発現させる試みは失敗したため、我々は、C−末
端融合蛋白質にカップリングさせたこの蛋白質を発現することを次に試みた。h
olA遺伝子をPCRによりT.thermophilusゲノミックDNAを
鋳型として用いて増幅した。フォワード/リバースプライマー(ATGプライマ
ー#P134−S585’de)は、pT−TD(Kpn)と命名された構築物
において使用されたのと同じプライマーであり、遺伝子の5’末端に相補な領域
を含んだ。また、NdeI部位はATG開始コドンとオーバーラップし、そして
上流のHindIIIとBamHI部位もあった。リバース/アンチセンスプラ
イマーは停止コドンを除いたORFの3’末端に相補であった(ATGプライマ
ー#P134−A1486spe,5’−GAGGACTAGTACGGGCG AGGCGGAGGACC −3’)(SEQ ID NO:43)。このプライ
マーはプライマーの相補領域に隣接してSpeI制限部位を含んだ。当該Spe
I部位は、発現された蛋白質がδサブユニットのC−末端アミノ酸とC−末端融
合ペプチドの間に2つの追加のアミノ酸(Thr及びSer)を含むことを可能
にした。この901bpのPCR産物を、「T.thermophilusのh
olA遺伝子(δサブユニット)の同定」と題されるセクションにおいて前に記
載されたとおりにpGEM−T Easy(商標名)に挿入した。このプラスミ
ドでDH5α細菌を形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミ
ドを、0.9及び3.0kb断片を生じるNdeI及びKpnIによる消化によ
り選抜した。挿入物両鎖はDNA配列決定により証明した(ATG SEQ #
1398−1403及び1409−1411;プライマー、SP6,T7,P1
34−S1279,P134−S1633,P134−A1464,P134−
A790,P134−S1279,P134−A1849)。このプラスミドを
pT−TD(Spe)と命名し、単離物をストック培養液として保存した(AT
Gグリセロールストック#818)。
【0211】 プラスミドpT−TD(spe)を調製して、holA遺伝子をNdeIとK
pnI制限酵素による消化により抽出した。この0.9kbの断片を、同じ制限
酵素により消化したpA1−CB−NdeIプラスミドに挿入した。このプラス
ミドでDH5α細菌を形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラス
ミドを、0.9及び5.65kb断片を生じるNdeI及びKpnIによる消化
により選抜した。挿入されたDNA断片の配列はDNA配列決定により証明した
(ATG SEQ #1430,1431;プライマー、P38−S5576及
びP134−S1633)。このプラスミドをpA1−CB−TDと命名し、単
離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#842)
。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端オエに融合させたT.th
ermophilusのδサブユニットのpA1−CB−TD/MGC1030
による発現の証明 pA1−CB−TDプラスミドを調製して、MGC1030細菌を形質転換し
た(ATGグリセロールストック#859)。3つの単離物の細菌の生育及び全
細胞蛋白質の単離は実施例2に記載されたとおりであった。各単離物からの全細
胞蛋白質を含む小アリコートの各上清(3μl)を、4−20%のSDS−ポリ
アクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル
/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mMグリシン、及び0.1%S
DS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。CB−TDが予
測されたゲルの領域は他の強い蛋白質バンドを含み、そしてδは可視化されなか
った。
【0212】 次に、実施例2に記載されたとおりに、各溶解物の中の全蛋白質をポリアクリ
ルアミドゲルからニトロセルロースに移した。各レーンは、1.5ulの上清を
含んだ。内在E.coliビオチン−CCP,〜20kDaが誘導サンプル及び
非誘導サンプルの両方で検出可能であった。δに相当する極めて弱いバンドが、
ギブコ10kDa蛋白質ラダーの40kDa分子量スタンダードのすぐ下を移動
した。δの予測された分子量は36.2kDaであった。この蛋白質は誘導され
た培養物中で弱いバンドとして観察されたが、溶解物の中の非誘導対照において
は観察されなかった。蛋白質バンドの強度は、δが極めて低いレベルで発現され
つつあったことを示した。 翻訳共役ベクターpTAC−CCA−ClaIへのT.thermophilu
sのholA遺伝子(δ)のクローン化 天然蛋白質として効率よくδを発現するため、我々は、翻訳共役蛋白質として
δを発現するベクターをデザインした。翻訳共役蛋白質としてのDnaXの発現
におけるように、ここでの我々の到達点は実施例2に記載されたとおりに翻訳共
役を用いることでもある。holA遺伝子をCCA付加酵素の後ろに挿入して、
2工程で翻訳共役させた。最初に、holA遺伝子をpA1−TDを鋳型として
用いてPCRにより増幅した。フォワード/センスプライマー(ATGプライマ
ー#P134−S558cla2,5’−ACTGATCGATAATGGTC ATCGCCTTCAC −3’)(SEQ ID NO:55)は、非相補領域
中にClaI制限部位を含む。pTAC−CCA−TXに関して開発されたクロ
ーン化戦略におけるように、非相補領域は、上流のCCA付加蛋白質断片のため
の停止(TAA)の「TA」も含む。T.thermophilusのholA
遺伝子の5’末端に相補なプライマーの領域は、「ATG」開始コドンの第1ヌ
クレオチドであり「TAA」停止コドンの最後の「A」である、「A」で始まる
。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー#P134−A149
stopspe,5’−GAGGTACTAGTCATCAACGGGCGAG GCGGAGGA −3’)(SEQ ID NO:56)は、プライマーの非相
補部分中のSpeI制限部位を含み、天然停止コドンに隣接した追加の停止コド
ンも含むから、タンデムに2つの停止コドンを提供する。次に、PCR産物をC
laI/SpeI制限酵素で消化して、同じ酵素で消化したpTAC−CCA−
ClaIプラスミドに挿入した。当該プラスミドでDH5αを形質転換して、ア
ンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.9及び5.5kb断片を生
じるClaI/SpeI制限酵素による消化により選抜した。挿入物の両方の鎖
の存在はDNA配列決定により証明した(ATG SEQ #1675−168
1;プライマー,P144−S23,P144−A1965,P65−A106
,P134−S1279,P134−S1633,P134−A1849,P1
34−A1464,P134−A790)。正確な配列が挿入領域中に含まれた
ことを配列分析が確証した。このプラスミドをpTAC−CCA−TDと命名し
て、単離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#1
031)。 PTAC−CCA−TD/MGC1030及びpTAC−CCA−TD/AP1
.L1による天然T.thermophilusのδサブユニットの発現の証明 pTAC−CCA−TDプラスミドを調製して、MGC1030細菌(ATG
グリセロールストック#1070)及びAP1.L1(ATGグリセロールスト
ック#1078)を形質転換した。細菌プラスミド及び全細胞蛋白質の単離は、
実施例#2に記載されたとおりであった。全細胞蛋白質を含む小アリコートの各
上清(3μl)を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Nov
ex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTri
s塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲル
をクマジーブルーで染色した。T.thermophilusのδの分子量(3
2.5kDa)に相当する蛋白質バンドが可視化され、ギブコ10kDa蛋白質
ラダーの30kDaと40kDaの分子量スタンダードの間の中間を移動した。
pA1−CCA−TD/AP1.L1の大規模生育 実施例#2に記載されたとおりに、株pA1−CCA−TD/AP1.L1を
250Lの発酵機中で生育して、天然のT.thermophilusのδの精
製のために細胞を製造した。最適誘導時間は実施例#2に記載されたとおりに決
定した。細胞の回収は、3.38のOD600において誘導から3時間後に開始し
て、回収の間は細胞を10℃に冷却した。回収容量は180Lであって、最終回
収重量は約1.56kgの細胞ペーストであった。等量(w/w)の50mM
Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細胞ペーストに加えた。質のコン
トロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地上の10の陽性コロニー中1
0を示し、そして回収時のアンピシリン含有培地上の10の陽性コロニー中10
を示した。細胞は細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより凍結して、加工まで−
20℃に保存した。 pA1−CCA−TDからの天然T.thermophilus δの精製 発現されたT.thermophilusのδサブユニットを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により、溶解を達成した。最初に、−20℃にて保存し
てあったTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液300g(150g細胞)
を調製した(930ml,16.4mg/ml)。調製は実施例2に記載された
とおりであった。Fr Iに、硫酸アンモニウム(各初期ml画分I−45%飽
和まで0.258g)を15分間隔で加えた。混合物をさらに30分間4℃にお
いて撹拌して、沈殿物を遠心分離(23,000 x g,45分、0℃)によ
り回収した。結果の沈殿物を液体窒素に浸すことにより素早く凍結させて、−8
0℃に保存した。
【0213】 次の精製工程においては、精製カラムからの画分を再構成アッセイを用いてア
ッセイすることにより(実施例7に記載される)、活性を、従ってδサブユニッ
トを含んだ画分を決定した。最初の精製工程は、Qセファロース高性能(アマシ
ャムファルマシア)カラムクロマトグラフィー(200ml,5.5 x 13
cm)により実施した。Qセファロース樹脂はQ−セファロース平衡バッファー
(25mM Tris−HCl,(pH7.5),10%グリセロール、1mM
EDTA,1mM DTT,10mM KCl)中で平衡化した。Fr Iか
らの沈殿物をQセファロース再懸濁バッファー(25mM Tris−HCl,
(pH7.5),10%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTT)に
再懸濁して、ダウンスホモジェナイザーによりホモジェナイズして、遠心分離(
16,000 x g)により透明にした。平衡化されたカラムの伝導率に達す
るまで、サンプルをQ−セファロース再懸濁バッファーにて希釈し、Fr II
とした(2250ml,0.8mg/ml)。画分IIは1.84 x 106
ユニット/mg蛋白質にて3.5 x 109ユニットの活性を含んだ。サンプ
ルを上記カラムに負荷して、5カラム容量のQ−セファロース平衡化バッファー
で洗浄した。洗浄物を17ml画分(50画分)に回収した。カラム負荷(ロー
ド)(load)からのフロースルー及び分画された洗浄物の分析は、δがカラ
ム負荷からのフロースルー及びカラム洗浄物からの第1の画分の中に存在したこ
とを示した。カラムフローからのフロースルー及びカラム洗浄物の画分1−13
をプールし、Fr IIIとした(2470ml,0.05mg/ml)。プー
ルのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲル分析は、T.thermop
hilusのδがこの精製工程により16倍以上精製されて、3.2 x 107 ユニット/mg蛋白質にて3.5 x 109ユニットの活性を含んだことを示
した。
【0214】 Fr IIIはMacro Prep Methyl HIC Suppor
t(バイオラッド)カラムクロマトグラフィーを用いてさらに精製した。メチル
樹脂(60ml)をメチル平衡バッファー(50mM Tris−HCl,(p
H7.5),10%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTT、1M硫
酸アンモニウム)中で平衡化した。メチル樹脂40mlを用いて、カラムを流し
た。残りの20mlのメチル樹脂をFr IIIと混合して、2490mlにし
た。この混合物に、飽和した硫酸アンモニウム(0.5サンプル容量)をゆっく
りと1時間かけて撹拌しながら加えた。この混合物をカラムに加えて、重力によ
りカラムを通過させた。次に、カラムを5カラム容量(300ml)のメチル平
衡バッファーで洗浄した。蛋白質を10カラム容量の、0.9から0.1Mの硫
酸アンモニウム勾配を含む50mM Tris−HCl,(pH7.5),10
%グリセロール、1mM EDTA,1mM DTTバッファーに溶出して、7
mlの画分(80画分)に回収された。画分29−42は90%を超える純度の
T.thermophilusのδを含んだ。これらの画分をプールして、再構
成アッセイ(実施例7を参照)及びSDS−ポリアクリルアミドゲルを用いて分
析した。プールされた画分(100ml,0.14mg/ml)はFr IVを
含み、そして1.23 x 108ユニット/mg蛋白質において1.7 x
109ユニットの活性を含んだ。
【0215】 T.thermophilusのδをさらに、50mM Tris−HCl,
(pH7.5),20%グリセロール、100mM NaCl,mM EDTA
,5mM DTTで平衡化した、セファクリルS300 HR(ファルマシアバ
イオテック)ゲル濾過カラム(510ml,3cm x 120cm)を用いて
精製した。Fr IVの容量はPEG8000を用いて35mlまで減少させた
(0.22mg/ml,8.2 x 108ユニット)。サンプルをセファクリ
ルS−300カラムに負荷して、蛋白質を0.7ml/分の流速にて溶出した。
δサブユニットは高い精製度の蛋白質として単離された(24ml,0.2mg
/ml)。プールされた画分はFr Vとし、1.23 x 108ユニット/
mg蛋白質において5.8 x 108ユニットの活性を含んだ 実施例5 T.thermophilusのholB遺伝子(δ’サブユニット)の同定 E.coliからのδ’のアミノ酸配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミックス
研究所においてT.thermophilusのゲノムデータベースを検索した
。仮想T.thermophilusのholB遺伝子を含むT.thermo
philusゲノムの領域の部分的な未加工の配列が同定されて、得られた(D
r.Carsten Jacobi,ゲッチンゲンゲノミックス研究所、微生物
学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り8、ゲッチンゲン、独国)。上記未加
工の配列の正確さが不明確なため、T.thermophilusのholB遺
伝子及び周囲の領域を含む疑いのあるT.thermophilusのゲノム領
域をPCRにより増幅した。正確な配列が同定されることを確かにするために未
加工の配列に由来する配列を用いて、2セットのPCRプライマーをデザインし
た。最初のPCR反応(ATGプライマーP139−S181,5’−GGGG
GACCGGATCGCCTTCTA−3’(SEQ ID NO:12)及び
P139−A1082,5’−GTACGCCCACGGTCATGTCTCT
AAGTCT AAG−3’(SEQ ID NO:13))は、T.ther
mophilusゲノミックDNAを鋳型として用い、901bp断片のPCR
産物を生じた。このPCR産物を製造者の指示書に従いpGEM−T Easy
(商標名)(プロメガ)ベクターに挿入した。このプラスミドでDH5αを形質
転換して、アンピシリン耐性陽性単離物を、0.9及び3.0kb断片を生じる
EcoRI制限消化による消化に関して選抜した。挿入された領域の中のDNA
の両鎖の正確な配列は、挿入された領域を横切ってDNA配列決定により確認し
た(ATG SEQ #1363,1365−1367,1379−1380;
プライマー、SP6,T7,P139−S651,P139−S321,P13
9−A681,P139−A287)。これらの塩基の変化(845及び849
位における「C」の欠失、及び681位におけるG>Cの変化)が、ゲッチンゲ
ンゲノミックス研究所から得た未加工の配列に比較して、PCRクローン中にお
いて観察された。上記欠失は、未加工配列において観察されたよりも大きなオー
プンリーディングフレーム(ORF)(804bp)を導くフレームシフトを引
き起こした。このプラスミドをpT−TD’−1と命名して、単離物をストック
培養液として保存した(ATGグリセロールストック#811)。
【0216】 第2のPCR反応は、仮想holB遺伝子から離れて位置するプライマーを利
用して(ATGプライマー#P139−S91,5’−CTCCCCCCCTC
GGTGCGGGCCCTGGTGAA−3’(SEQ ID NO:14)及
び#139−A1407,5’−CTCGGCGCTGTAGTGGATGAC
G−3’(SEQ ID NO:15))、T.thermophilusゲノ
ミックDNAも鋳型として用い、1361bp断片のPCR産物を生じた。この
PCR断片もpGEM−T Easy(商標名)(プロメガ)ベクターにも製造
者の指示に従い挿入した。このプラスミドでもDH5α細菌を形質転換して、ア
ンピシリン耐性陽性単離物を、1.3及び3.0kb断片を生じるEcoRI制
限消化による消化に関して選抜した。挿入された領域の中のDNAの両鎖の正確
な配列は、挿入された領域を横切ってDNA配列決定により確認した(ATG
SEQ #1368−1372,1381−1383;プライマー、SP6,T
7,P139−S651,P139−S321,P139−1042,P139
−A681,P139−A287,P139−A1082)。ゲッチンゲンゲノ
ミックス研究所から得た未加工の配列に比較して、3’非翻訳領域において他の
塩基の変化が観察された。このプラスミドをpT−TD’−2と命名して、単離
物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#812)。
【0217】 T.thermophilusのholB遺伝子のDNAコーディング配列(
SEQ ID NO:16)は図22にある。開始コドン(atg)と停止コド
ン(tga)を太字で印字する。また、図23には、DNAコーディング配列由
来の蛋白質(アミノ酸)配列(SEQ ID NO:17)も示す。
【0218】 T.thermophilusのδ’のアミノ酸配列をE.coliのδ’サ
ブユニットのそれと比較した(図24)。他の配列整列化をBacillus
subtilis,E.coli及びHaemophilus influen
zae,Rickettsiaからのδ’配列及びAquiflex aeol
icusからの仮想δ’配列と実施した(図25)。T.thermophil
usのδ’サブユニットは、Bacillus subtilis,E.col
i及びHaemophilus influenzae,Rickettsia
からのδ’配列及びAquiflex aeolicusからの仮想δ’配列と
、それぞれ、163、149、229、104及び104アミノ酸オーバーラッ
プにわたり、30%、29%、31%、39%及び31%同一であった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのholB(δ’)を過剰発現するプラスミド(pA
1−NB−TD’)の構築 T.thermophilus δ’サブユニットの発現を増強するために、
holB遺伝子をpA1−NB−AgeIプラスミドにクローン化して、ヘキサ
ヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチド認識され融合させて発現
させた。holB遺伝子はPCRによりpA1−TD’プラスミド(下記)を鋳
型として用いて増幅した。フォワード/センスプライマーは上記遺伝子の5’末
端にPstI部位を付加することにより、実際のPCR産物がATGコドンを して、コドン2から始まり、PstI部位はコドン2に隣接する(ATGプラ
イマーP139−S254pst,5’−GAATTCTGCAGGCTCTA CACCCGGCTCACCC −3’(SEQ ID NO:18))。Pst
I部位はholB遺伝子をN−末端融合ペプチドのインフレームに導き、そして
N−末端融合ペプチドとholB遺伝子の第2コドンの間に追加の2アミノ酸(
LeuとGln)を付加することになる。リバースプライマー(ATGプライマ
ーP139−A1081stopspe,5’−GGACACTAGTTCAT CATGTCTCTAAGTCTAA −3’(SEQ ID NO:19))は
、追加のATG(停止コドン)を含むholB遺伝子の3’末端に相補であった
。また、SpeI制限部位を上記ベクターへの挿入のためにプライマーの非相補
領域内に加えた。SpeIにより効率よく切断するためのクランプ領域も存在し
た。PCR産物はPstI/SpeI制限酵素により消化して、同じ制限酵素に
より消化したpA1−NB−AgeIプラスミドへ挿入した。該プラスミドでD
H5αを形質転換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.
8及び5.6kbの断片を生じるPstI/SpeI制限酵素による消化に関し
て選抜した。挿入物の両鎖の配列はDNA配列決定により確認した(ATG S
EQ #1537−1541,1543;プライマー,P64−S10.P64
−A215,P139−S321,P139−S651,P139−A681,
P64−A215)。配列分析は、正確な配列が挿入領域に含まれたことを確証
した。このプラスミドをpA1−NB−TD’と命名して、単離物をストック培
養液として保存した(ATGグリセロールストック#913)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilus δ’サブユニットのpA1−NB−TD’/MGC
1030による発現の証明 pA1−NB−TD’プラスミドを製造して、MGC1030細菌を形質転換
した(ATGグリセロールストック#930)。細菌の生育及び全細胞蛋白質の
単離は実施例2に記載されたとおりであった。全細胞蛋白質を含む小アリコート
の各上清(3μl)を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(N
ovex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのT
ris塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニ
ゲルをクマジーブルーで染色した。ギブコ10kDa蛋白質ラダーの40kDa
スタンダードのすぐ下を移動する蛋白質は溶解物中に検出できなかった。
【0219】 次に、実施例2に記載されたとおりに、各溶解物の中の全蛋白質をポリアクリ
ルアミドゲルからニトロセルロースに写した(ブロットした)。内在E.col
iビオチン−CCP、〜20 kDaは誘導及び非誘導サンプルの何れにおいて
も検出可能であった。T.thermophilusのδ’に相当する強い蛋白
質バンドが、ギブコ10kDa蛋白質ラダーの30kDaと40kDa分子量ス
タンダードの間の中間を移動した。T.thermophilusのδ’の予測
された分子量は33kDaである。この蛋白質は誘導培養物の中では明確なバン
ドとして検出されたが、非誘導対照においては溶解物の中に観察されなかった。
pA1−NB−TD’によるT.thermophilusのholB遺伝子(
δ’サブユニット)の発現の最適化 異なる誘導時間においてpA1−NB−TD’プラスミドを保有する細菌株A
P1/L1を用いて発現を分析した。細菌の生育と分析は実施例2に記載された
とおりに実施した。生育と分析は37℃においてであった。全蛋白質をSDS−
ポリアクリルアミドゲル電泳動及びビオチンブロット分析の両方を用いて分析し
た(図26)。δ’に相当する明確な蛋白質のバンドが両形態の分析において観
察された。ビオチンブロット分析は、ほとんどのδ’サブユニットが4時間以内
に37℃において発現されつつあることを示したため、これらの条件を次の調製
において使用した。 pA1−NB−TD’/MGC1030によるヘキサヒスチジン及びビオチン化
部位を含むN−末端ペプチドに融合されたδ’サブユニットの最適な硫酸アンモ
ニウム沈殿条件の測定 発現されたT.thermophilusのδ’サブユニットを保有する細胞
のスフェロプラストの創製により、溶解を達成した。最初に、実施例2に記載さ
れたとおりに、−20℃に保存されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1
懸濁液76.4g(38.2g細胞)から、FrIIを調製して、Ni++−NT
Aカラムを用いて精製した。溶出したサンプルは、Ni−NTA懸濁バッファー
の添加により40mlにした。次に、サンプルを4つの等容量に分割(10ml
)して、1.64,2.26,2.91及び3.61gの硫酸アンモニウム(3
0%、40%、50%及び60%飽和)を各別々のサンプルにそれぞれ15分間
隔で4℃にて加えた。混合物はさらに30分間4℃において放置して、次に、0
℃において23,000 x gにて45分間遠心分離した。結果の沈殿物を1
mlのNi−NTA懸濁バッファーに懸濁した。30%、40%、50%及び6
0%の硫酸アンモニウムで沈殿させたサンプルは、それぞれ0.47,0.55
,1.3及び1.2mg/mlの蛋白質濃度を含んだ。サンプルは、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。4つの硫酸アンモニウム沈殿サ
ンプルの全てが等量のδ’サブユニットを含んだ。δ’サブユニットの以後の全
ての調製は35%飽和の硫酸アンモニウムである。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのholB遺伝子産物(δ’サブユニット)のpA1
−NB−TD’/MGC1030による大規模な生育 株pA1−NB−TD’/MGC1030を250Lの発酵機にて生育させて
、実施例2に記載されたとおりに、T.thermophilusのδ’サブユ
ニット濃度を精製のために細胞を生成した。細胞の回収は5.8のOD600にお
いて誘導の3時間後に開始して、回収の間は細胞を10℃に冷却した。回収した
容量は186Lであり、最終の回収重量は約2.1kgの細胞ペーストであった
。等量の(w/w)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細
胞ペーストに加えた。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより、細胞を凍結させ
て、加工まで−20℃において保存した。質のコントロールの結果は、接種物中
アンピシリン含有培地上で10の陽性コロニー中10であり、誘導中10/10
陽性コロニーであり、そして回収物中7/10陽性コロニーであった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのholB産物(δ’サブユニット)のpA1−NB
−TD□/MGC1030による精製 実施例2に記載されたとおりに、発現されたT.thermophilusの
δ’サブユニットを保有する細胞のスフェロプラストの創製により、溶解を達成
した。最初に、−20℃に保存されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1
懸濁液800g(400g細胞)から、FrIを調製した(1200ml,17
mg/ml)。FrIに対して、硫酸アンモニウム(各初期ml画分I−35%
まで0.194g)を15分間隔で4℃にて加えた。混合物はさらに30分間4
℃において放置して、遠心分離により沈殿物を回収した(0℃において23,0
00 x gにて45分間)。結果の沈殿物を液体窒素への浸潤により素早く凍
結させて、−80℃に保存した。
【0220】 Fr Iからの沈殿物を150mlのNi++−NTA懸濁バッファー中に懸濁
して、ダウンスのホモジェナイザーによりホモジェナイズした。サンプルは遠心
分離(16,000 x g)により透明にして、上清をFr II(4mg/
ml)とした。Fr IIを50mlのNi−NTA樹脂の50%スラリーに加
え、1.5時間4℃において振盪させた。このスラリーを次にバイオラッドのE
cono−カラム(2.5 x 5cm)に負荷した。カラムを400mlのN
++−NTA洗浄バッファー中で1.5ml/分の流速で洗浄した。NB−TD
’蛋白質を、10−200mMのイミダゾール勾配を含む200mlのNi++
NTA溶出バッファーに溶出した。溶出物を92 x 2ml画分中に回収した
。画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析して、画分40―
75が95%を超える純度でδ’を含んだことがわかった(図27A及び27B
)。
【0221】 画分40−75をプールして(70ml,0.7mg/ml)、2.5LのH
G.04バッファー(20mM Hepes,(pH7.6),40mM KC
l,1mM MgCl2,0.1mM EDTA,6mM βME,10%グリ
セロール)に対して透析した。透析したサンプルはFr IIIとした(70m
l,0.5mg/ml)。プールから、75%のサンプルをアリコートにして、
液体窒素中で素早く凍結して、−80℃に保存した。残りの25%を抗体産生の
ためにさらに精製した。 T.thermophilusのδ’に対するポリクローナル抗体の産生 上で論じた25%のT.thermophilus δ’ FrIIIは、硫
酸アンモニウムを40%飽和まで添加することにより沈殿させた(初期mlあた
り0.226gの硫酸アンモニウム)。蛋白質沈殿物を2mlの20mMリン酸
カリウム、pH6.5,100mM KCl,25%グリセロール及び5mM
DTTのバッファーに懸濁した。サンプルを同じバッファーで平衡化したセファ
クリルS−300カラム(88ml;40:1の高さ:幅比率)上に負荷した。
これは、カラムの上部を樹脂ベッドに対して下にして稼働させ、サンプルを加え
(2ml)、サンプルを樹脂内へ移動させてカラム上部を再構成させることによ
り達成した。次に、サンプルを流速0.2ml/分にて同じバッファー中に溶出
して、1.5ml画分中へ回収した。各画分の蛋白質濃度は、クマジーブルー蛋
白質アッセイ試薬を用いて測定した(図28)。画分はSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動により分析して、画分が均質なδ’を含むことが観察された(
図29)。
【0222】 画分30から40をプールして、前記のとおりに硫酸アンモニウムを40%飽
和まで添加することにより、蛋白質を沈殿させた。次に、蛋白質を3mlのPB
Sに再懸濁して、500mlのPBSに対して2回透析した。これをFr IV
とし、抗体産生に使用した。透析したサンプルを使用して、実施例3に記載され
たとおりに、T.thermophilusのholB遺伝子産物(δ’サブユ
ニット)に対するポリクローナル抗体を産生した。 T.thermophilusのholB遺伝子(δ’サブユニット)を天然蛋
白質として過剰発現するプラスミド(pA1−TD’)の構築 N−末端標識蛋白質としてδ’サブユニットを発現するためのベクターpA1
−NB−TD’の構築の前に、天然及びC−末端標識蛋白質としてδ’をまず発
現させるためのいくつかの試みがなされた。これらの試みは、δ’の十分な収量
を生じて精製の試みを正当であると理由付けするには不成功であった。これらの
試みがこのセクションに記載される。
【0223】 holB遺伝子をPCRによりpT−TD’−2を鋳型として用いて増幅して
、天然蛋白質として発現させた。フォワード/センスプライマー(ATGプライ
マー #P139−S253,5’−CTTTCCCCCATGGCTCTAC ACCCG −3’)(SEQ ID NO:44)は、上記遺伝子の5’末端に
相補な領域を含んだ。NcoI部位はATG開始コドンとオーバーラップした。
リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー #P139−A108
5,GGATCCGGCCGGCCTCATCATGTCTCTAAGTCTA AGGC −3’)(SEQ ID NO:45)は、天然の停止コドンに隣接し
て追加の停止コドンを含むことにより、タンデムに2つの停止コドンを提供した
。第2の停止コドンに隣接してFseI部位が存在し、そしてFseI制限部位
に隣接してBamHI制限部位が存在する。このPCR断片をNcoIとFse
I制限酵素により消化して、同じ2つの酵素により消化したプラスミドpA1−
CB−NcoIに挿入した。当該プラスミドを再度閉じて、DH5α細菌を形質
転換した。アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドは、0.8及び5.6
kbの断片を生じるNcoIとFseI制限消化により選抜した。挿入された領
域の配列はDNA配列決定により確認した(ATG SEQ #1447−14
50;プライマー、P38−S5576,P65−A106,P139−S65
1及びP139−A681)。上記クローンの配列はFseI制限部位の下流の
予測されなかった追加の塩基を示したが、挿入物の残りは正確な配列を有した。
よって、NcoI/FseI断片は正確な配列を有した。このプラスミドをpA
1−TD’(a)と命名して、単離物をストック培養液として保存した(ATG
グリセロールストック#844)。下流の領域が正確な配列を含んだことを確認
するため、pA1−TD’(a)をNcoI/FseI制限酵素で消化して、同
じ制限酵素で消化した別のpA1−CB−NcoIプラスミドに挿入した。この
プラスミドを再度閉じて、これでもDH5α細菌を形質転換した。0.8及び5
.6kbの断片を生じるNcoIとFseI制限消化により、アンピシリン耐性
コロニーからのプラスミドを再び選抜した。挿入された領域の配列は、再び、D
NA配列決定により確認した(ATG SEQ #1473−1476,148
5;プライマー、P38−S5576,P65−A106,P139−S651
,P139−A681及びP139−S321)。配列分析は、配列決定された
領域を通して正確な配列を証明した。このプラスミドをpA1−TD’と命名し
て、単離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#8
78)。 T.thermophilusのholB遺伝子(δ’サブユニット)を天然蛋
白質としてpA1−TD’/MGC1030から過剰発現するプラスミド(pA
1−TD’)の発現の証明 プラスミドpA1−TD’をDH5α細菌から調製した。該プラスミドでMG
C1030細菌を形質転換した(ATGグリセロールストック#893,894
,895)。3つの単離物の細菌の生育及び全細胞蛋白質の単離は実施例2に記
載されたとおりであった。3つの単離物の各々からの全細胞蛋白質を含む小アリ
コート(3μl)の上清を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル
(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mM
のTris塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。
ミニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophilusのδ’の
予測された分子量に相当する単離物の何れからの可視蛋白質バンドもなかった。
ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのholB(δ’サブユニット)を過剰発現するプラ
スミド(pA1−CB−TD’)の構築 再び、天然のδ’を発現する試みが失敗したので、C−末端融合ペプチドに該
蛋白質をカップリングさせることにより、この蛋白質の発現を試みた。T.th
ermophilusのholBをコードする遺伝子をPCRによりpT−TD
’−2プラスミドを鋳型として用いて増幅した。フォワード/センスプライマー
(ATGプライマー#P139−S253)は、pA1−TD’の構築において
使用したのと同じプライマーであり、T.thermophilusのholB
遺伝子の5’末端に相補な領域を含んだ。前のように、NcoI部位はATG開
始コドンとオーバーラップした。リバース/アンチセンスプライマーは、停止コ
ドンを除くT.thermophilusのholB遺伝子の3’末端に相補で
あった(ATGプライマー#P139−A1075,5’−GAGGACTAG
TGTCTCTAAGTCTAA GGC−3’)(SEQ ID NO:4
6)。このプライマーは、プライマーの相補領域に隣接してSpeI制限部位を
含んだ。SpeI部位は、発現された蛋白質が、δ’サブユニットのC−末端ア
ミノ酸とC−末端融合ペプチドの間に2つの追加のアミノ酸(ThrとSer)
を含むことを可能にさせる。この822bpのPCR産物をNcoIとSpeI
制限酵素により消化して、同じ制限酵素で消化したプラスミドpA1−CB−N
coIに挿入した。このプラスミドでDH5α細菌を形質転換して、アンピシリ
ン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.8及び5.6kbの断片を生じるN
coIとFseIによる消化に関して選抜した。挿入された領域の配列は、DN
A配列決定により確認した(ATG SEQ #1500−1503;プライマ
ー、P38−S5576,P65−A106,P139−S651,P139−
S321)。このプラスミドをpA1−CB−TD□と命名し、そして単離物を
ストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#896)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのδ’サブユニットのpA1−CB−TD’/MGC
1030による発現の証明 pA1−CB−TD’プラスミドを製造して、MGC1030細菌(ATGグ
リセロールストック#920)を形質転換した。3つの単離物の細菌の生育及び
全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載されたとおりであった。3つの単離物の各
々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)の上清を、4−20%のS
DS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255;1mm厚、
15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mMグリシン、及び
0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。δ’
が予測されたゲルの領域は他の強い蛋白質バンドを含み、そしてδ’は可視化で
きなかった。
【0224】 次に、実施例2に記載されたとおりに、各溶解物中の全蛋白質をポリアクリル
アミドゲルからニトロセルロースへ転写(ブロット)した。各レーンは、1.5
ulの上清を含んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋白質は、上記のと
おりにホスファターゼ−配合ストレプトアビジンとの相互作用により可視化した
。内在のE.coliビオチン−CCP、〜20kDaが誘導及び非誘導サンプ
ルの両方において検出可能であった。δ’に相当する極めて弱い蛋白質バンドが
ギブコ10kDa蛋白質ラダーの30kDaと40kDaの分子量スタンダード
の間の中間を移動した。この蛋白質は誘導培養物中で弱いバンドとして観察され
たが、非誘導の対照の溶解物の中では観察されなかった。T.thermoph
ilusのδ’は生育と精製を正当に理由付けするに際立って十分なほどの量で
発現されなかった。 T.thermophilusのholB遺伝子(δ’)の翻訳共役ベクターp
TAC−CCA−ClaIへのクローン化 δ’を天然蛋白質として効率よく発現させるため、我々は、翻訳共役蛋白質と
してδ’を発現させるためのベクターをデザインした。到達点は、実施例#2に
記載されたとおりの翻訳共役を使用することである。holB遺伝子をCCA付
加酵素の後ろに挿入して、2段階で翻訳共役させた。最初に、holB遺伝子を
pA1−TD’を鋳型としてPCRにより増幅した。フォワード/センスプライ
マー(ATGプライマー#P139−S250cla2,5’−ACTGATC
GATAATGGCTCTACACCCGGCTCACCC−3’)(SEQ
ID NO:57)は、非相補領域中にClaI制限部位を含んだ。上記非相補
領域は、上流のCCA付加蛋白質断片のための停止(TAA)の「TA」も含む
。T.thermophilusのholB遺伝子の5’末端に相補なプライマ
ーの領域は「A」から始まるが、「ATG」開始コドンの最初のヌクレオチドで
あり且つ「TAA」停止コドンの最後の「A」である。リバース/アンチセンス
プライマー(ATGプライマー#P139−A1081stopspe,5’−
GGACACTAGTTCATCATGTCTCTAAGTCTAA−3’)(
SEQ ID NO:58)は、プライマーの非相補領域内にSpeI制限部位
を含み、そして天然の停止コドンに隣接して追加の停止コドンも含むため、タン
デムに2つの停止コドンを提供する。SpeIによる効率よい切断のためのクラ
ンプ領域も存在した。第2段階においては、PCR産物をClaI/SpeI制
限酵素により消化し、そして同じ制限酵素により消化したpTA−CCA−Cl
aIプラスミドに挿入した。当該プラスミドでDH5α細菌を形質転換して、ア
ンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.8及び5.5kbの断片を
生じるClaI/SpeIによる消化に関して選抜した。挿入物の両方の鎖の配
列は、DNA配列決定により確認した(ATG SEQ #1737−1742
;プライマー、P144−S23,P65−A106,P139−S321,P
139−S651,P139−A681,P139−A1081stopspe
)。配列分析は、正確な配列が挿入領域中に含まれたことを証明した。このプラ
スミドをpTAC−CCA−TD’と命名し、そして単離物をストック培養液と
して保存した(ATGグリセロールストック#1055)。 pTAC−CCA−TD’/MGC1030及びpTAC−CCA−TD’/A
P1.L1から発現された天然T.thermophilusのδ’サブユニッ
トの発現の証明 pTAC−CCA−TD’プラスミドを製造して、MGC1030細菌(AT
Gグリセロールストック#1083)及びAP1.L1(ATGグリセロールス
トック#1080,1081,1082)を形質転換した。細菌の生育と全細胞
蛋白質の単離は実施例#2に記載されたとおりであった。全細胞単を含む各上清
の小アリコート(3μL)を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲ
ル(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25m
MのTris塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した
。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophilusのδ’
蛋白質バンドの予測された位置は天然のE.coliの蛋白質の多くのバンドを
含むエリアの中にあり、そしてT.thermophilusのδ’はこれらの
他の蛋白質バンドをから分離することができなかった。 pA1−CCA−TD’/AP1.L1の大規模な生育 実施例#2に記載されたとおりに、株pA1−CCA−TD’/AP1.L1
を250Lの発酵機中で生育させることにより、T.thermophilus
のδ’の精製のための細胞を生じさせた。最適な誘導時間は実施例#2に記載さ
れた通りに決定した。細胞の回収は、3.12のOD600における誘導の3時間
後であり、回収の間は細胞を10℃に冷却した。回収された容量は175Lであ
って、最終回収重量は約1.37kgの細胞ペーストであった。等量の(w/w
)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖の溶液を細胞ペーストに加
えた。質のコントロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地上で10の陽
性コロニー中10、そして誘導時における10/10陽性コロニー、そして回収
における10/10陽性コロニーであった。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことに
より細胞を凍結させて、加工まで−20℃に保存した。 pA1−CCA−TD’からの天然T.thermophilusのδ’の精製 発現されたT.thermophilusのδ’を保有する細胞のスフェロプ
ラストの創製により溶解を達成した。最初に、−20℃において保存されていた
Tris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液400gから(200g細胞)、F
rIを調製した(700ml,13.7mg/ml)。調製は、実施例#2に記
載されたとおりであった。FrIに、硫酸アンモニウム(画分I−45%飽和各
々に対して0.258g)を15分間隔で加えた。混合物をさらに30分間4℃
において撹拌し、そして沈殿物を遠心分離により回収した(23,000 x
g,45分、0℃)。結果の沈殿物を液体窒素に浸すことにより素早く凍結させ
、−80℃において保存した。
【0225】 次の精製工程においては、精製カラムからの画分を再構成アッセイを用いてア
ッセイして(実施例7に記載された)、活性を含んだ、即ちδ’サブユニットを
含んだ画分を決定した。Fr Iからの沈殿物の半分を270mlの50mM
Tris−HCl,(pH7.5),25%グリセロール、1mM EDTA,
1mM DTTに懸濁して、ダウンスのホモジェナィザーを用いてホモジェナイ
ズした。サンプルを遠心分離により透明にし(16,000 x g)、そして
上清をFr IIとした(270ml,7.7mg/ml)。Fr IIをさら
にブチルセファロースファストフロー(ファルマシアバイオテック)カラムを用
いて精製した。ブチル樹脂(400ml)をブチル平衡化バッファー(50mM
Tris−HCl,(pH7.5),25%グリセロール、1mM EDTA
,1mM DTT、0.5硫酸アンモニウム)中で平衡化した。カラムを260
mlのブチル樹脂を用いて流した。残りの140mlのブチル樹脂をFr II
と混合して410mlにした。この混合物に、飽和した硫酸アンモニウム(0.
5サンプル容量)をゆっくりと1.3ml/分にて加えた。次に、カラムは4L
のブチル平衡化バッファーで洗浄した。蛋白質は、ブチル平衡化バッファーで始
まり、そして50mM Tris−HCl,(pH7.5),25%グリセロー
ル、1mM EDTA,1mM DTT,50mM KClを含むバッファーで
終了する10カラム容量の勾配に溶出した。残りの蛋白質は追加の7.5容量の
終了バッファーの「揺らし(bump)」により溶出することにより、カラムか
ら取り出した。最初の半分の「揺らし」からδ’サブユニットが溶出して、プー
ルした(485ml,0.1mg/ml)。Fr Iの沈殿の他方の半分は、記
載されたとおりに同じく正確に精製した。2つの調製物を混合して、972ml
(0.1mg/ml)のFr IIになった。
【0226】 Fr IIIを、オクチルセファロースファスフロー(ファルマシアバイオテ
ック)カラムを用いてさらに精製した。オクチル樹脂(20ml)は、オクチル
平衡化バッファー(50mM Tris−HCl,(pH7.5),25%グリ
セロール、1mM EDTA,1mM DTT,0.5M硫酸アンモニウム)中
で平衡化した。カラムは13mlのオクチル樹脂を用いて流した。この混合物に
、飽和した硫酸アンモニウム(0.5サンプル容量)をゆっくりと撹拌しながら
1時間かけて加えた。この混合物を1.3ml/分にてカラムに加えた。次に、
カラムは600mlのオクチル洗浄バッファー(50mM Tris−HCl,
(pH7.5),25%グリセロール、1mM DTT,1mM EDTA,2
00mM硫酸アンモニウム)で洗浄した。洗浄物は画分(10ml)に回収した
。蛋白質は、オクチル洗浄バッファーで始まり、そして50mM Tris−H
Cl,(pH7.5),25%グリセロール、1mM EDTA,1mM DT
T,50mM KClを含むバッファーで終了する10カラム容量(200ml
)の勾配に溶出した。δ’サブユニットを画分に回収して、洗浄を完全にした。
これらの画分をプールして(210ml,0.07mg/ml)、PEG800
0を用いて濃縮して、Fr IV(38ml,0.26mg/ml)とした。
【0227】 T.thermophilusのδ’は、50mM Tris−HCl,(p
H7.5),20%グリセロール、100mM NaCl,1mM EDTA,
5mM DTTで平衡化したセファクリルS300 HR(ファルマシアバイオ
テック)ゲル濾過カラム(510ml,3cm x 120cm)を用いてさら
に精製した。カラムを負荷して、蛋白質は0.7ml/分の流速で溶出した。δ
’サブユニットは高い精製度の蛋白質として単離された(54ml,0.08m
g/ml)。翻訳共役蛋白質として発現されたδ’に関する異なる精製工程の生
成物をSDS−ポリアクリルアミドゲルにより分析した(図30)。
【0228】 実施例6 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに 融合させたT.thermophilusのdnaN(βサブユニット) を過剰発現するプラスミド(pA1−NB−TN)の構築 E.coliにおいて、βサブユニットはホモダイマーとして機能する(Jo
hanson,K.O.and Charles S.”Purificati
on and Characterization of the β−sub
unit of the DNA Polymerase III Holoe
nzyme of Escherichia coli”,J.Biol.Ch
em.,255:10984−10990(1980)を参照)。このダイマー
は、プロセッシビティの高い合成能力をコアのポリメラーゼに付与する。以前の
特許出願において(米国出願#09/151888)、βサブユニットをコード
するT.thermophilusの遺伝子の同定が記載された。以前の出願(
米国出願#09−151888)の実施例9に記載されたラムダベクター調製物
から、2.2kbのDraI/EcoRI断片をpBluescript II
SK+ベクター(ストラタジーン)にクローン化した。このサブクローンで、
次に、XL I Blue細胞を形質転換した。成功クローンを成し遂げる前に
、10の連結反応の全てを試みた。このクローン(UCO9)を生育させて、プ
ラスミドDNAを単離した。挿入された領域からのDNAの両鎖を配列決定した
(Larkテクノロジー社、DNA SEQ #UC0:9.2.T7X,9.
23.AP124,9.AP110,9.2.AP114,9.23.AP12
5,9.2.AP112,9.2.AP113,9.23.AP128,9.6
.AP119,9.25.AP35,9.6.AP118,9.25.AP36
,9.23.AP126,9.25.AP34B,9.23.AP32B,9.
6.AP121,9.25.AP40,9.23.AP121,9.2.48R
,9.6.AP116,9.23.AP131,9.6.AP122,9.23
.AP122)挿入された領域中の各ヌクレオチドは少なくとも3つの個々のプ
ライマーを用いて確認した。このサブクローンをUCO9と命名した。
【0229】 T.thermophilusのdnaN遺伝子(SEQ ID NO:22
(図62)のDNAコーディング配列中で、開始コドン(atg)及び停止コド
ン(tag)を太字で示す。5’と3’のUTRsも示す(下の場合)。DNA
コーディング配列由来の蛋白質(アミノ酸)配列(SEQ ID NO:23)
(図63)も示す。
【0230】 精製を単純化するため、ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端
ペプチドに融合させたβサブユニットを最初に発現させた。ヘキサヒスチジン及
びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドをコードするDNAに、dnaN遺伝
子を融合させるように、プライマーをデザインした。最初に、TthのdnaN
遺伝子の5’部分を含むPCR断片を、プラスミドUCO9から、上記遺伝子の
5’末端にPstI部位を付加するフォワードプライマー(ATG #P118
−S85,5’−AACTGCAGAACATAACGGTTCCCAAGAA ACTCC −3’)(SEQ ID NO:24)を用いて増幅して、実際のP
CRはATG開始コドンを排除して、コドン2つのから始まる。フォワードプラ
イマーの下線の領域は、上記遺伝子の5’末端に相補なヌクレオチドがここでそ
して他の全てのプライマーにおいて使用されることを示す。PstI部位がコド
ン2に隣接しており、この断片をpA1−NB Age−1プライマーに挿入し
た場合、dnaN遺伝子はN−末端融合ペプチドをコードするDNAにインフレ
ームになった。リバースプライマー(ATG #P118−A731,5’− ACCCGCACCATCTCGTCCACG −3’)(SEQ ID NO:
25)は、SacII制限部位の下流である(ATG開始コドンの下流496位
の近傍である)。結果のPCR産物はPstIとSacIIで消化して、Pst
I/SacIIで切断したpA1−NB Age1に連結して、DH5αを形質
転換した。アンピシリン選択陽性単離物からのプラスミドを、予測される0.5
及び5.5kbの断片を生じるPstI/SacII制限消化により確認した。
このプラスミド(pA1−NB−TN5’)をPCR挿入された領域を横切るよ
うに配列決定して、正確な配列を確認した(ATG SEQ #1187−11
90,プライマーP64−S10,P64−A215,P118−S290及び
P118−A411)。この配列もUCO9挿入物由来の配列と比較した。この
前駆体プラスミドをpA1−NB−TN5’と命名して、陽性単離物(pA1−
NB−TN5’/DH5α)をストック培養液として保存した(ATGグリセロ
ールストック#708)。
【0231】 T.thermophilusのdnaN遺伝子の3’領域(C−末端)を、
2つの制限酵素SacIIとNcoIを用いた部分消化によりUCO9から切り
出した。NcoI消化された部位は停止コドンの約150塩基下流である。これ
は、約800塩基の断片サイズを提供した。NcoI制限部位の約400塩基下
流にはさらに第2のSacII制限部位も存在する。この第2の部位は約400
塩基の長さの追加の断片を提供した。正確な断片は容易に同定され、第2のSa
cII制限部位により提供される断片の2倍であった。上記断片を電気泳動によ
り分離して、800bpの断片を水の中に溶出した。TN遺伝子の3’部分を含
むこの断片を、SacIIとNcoIの両制限酵素で消化してあったpA1−N
B−TN5’プラスミドに挿入した。このプラスミド(pA1−NB−TN)は
、N−末端融合ペプチドをコードするDNAに融合させた完全なT.therm
ophilusのdnaNを含んだ。このプラスミドでDH5αを形質転換した
。アンピシリン耐性コロニーからのプラスミドを、予測される6.1kbと0.
8kbの断片を生じるSacII/NcoIによる分解により確認した。陽性単
離物(pA1−NB−TN/DH5α)をストック培養液として保存した(AT
Gグリセロールストック#722)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのβサブユニットの発現の証明 pA1−NB−TNを製造して、MGC1030(ATGグリセロールストッ
ク#765)及びAP1.L1細菌(ATGグリセロールストック#743)を
形質転換した。3つの単離物の細菌の生育及び全細胞蛋白質の単離は実施例2に
記載された通りであった。全細胞蛋白質を含む各上清のアリコート(4μl)を
、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC602
55;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192m
Mグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルー
で染色した。N−標識されたT.thermophilusのβが予測されたゲ
ルの領域は、多くの他の強く染色された蛋白質バンドを含み、そしてN−末端標
識されたT.thermophilusのβは可視化できなかった。
【0232】 実施例2に記載されたとおりに、各溶解物の中の全蛋白質をビオチンブロット
分析により分析した。内在E.coliビオチン−CCP,〜20kDaは、誘
導及び非誘導サンプルの両方において検出できた。βサブユニットに相当する蛋
白質バンドは、ギブコ10kDaラダーの40と50の分子量スタンダードの間
のほぼ中間を移動した。この蛋白質は誘導培養液中において明確なバンドとして
観察されたが、AP1.L1株からの溶解物中の非誘導対照においては観察され
なかった。MGC1030株においては発現が検出できなかった。 T.thermophilusのdnaN遺伝子(βサブユニット)の発現の最
適化 異なる誘導時間及び異なる生育温度においても(25℃と37℃)、pA1−
NB−TNプラスミドを保有する細菌株AP1.L1を用いて、発現を分析した
。細菌培養液の生育と分析は、実施例2に記載されたとおりに実施した。ビオチ
ンブロット分析は、発現レベルが37℃においてもっとも高かったことを示した
(図31)。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、ほとんどのβサブユ
ニットが4時間において37℃にて発現されつつあることを示すので、これらの
生育条件を次の調製において使用した。 pA1−NB−TN/AP1.L1の大規模な生育 実施例2に記載されたとおり、株pA1−NB−TN/AP1.L1を250
Lの発酵機の中で生育させることにより、T.thermophilusのβサ
ブユニットの精製のための細胞を生成した。細胞の回収は、6.7のOD600
おいて誘導の4時間後に開始して、細胞は回収の間10℃に冷却した。回収され
た容量は180Lであり、そして最終回収重量は約2.2kgの細胞ペーストで
あった。小量(w/w)の50mM Tris(pH7.5)及び10%グリセ
ロール溶液を細胞ペーストに加えた。細胞は、細胞懸濁液を液体窒素に注ぐこと
により凍結させ、そして加工されるまで−20℃に保存した。質のコントロール
の結果は、接種物中アンピシリン含有培地上で10の陽性コロニーから10、そ
して回収時に10/10陽性コロニーを示した。 N−末端標識されたT.thermophilusのβのための最適な硫酸アン
モニウム沈殿条件の決定 発現されたT.thermophilusのβサブユニットを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により、溶解を達成した。最初に、−20℃において保
存されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液100g(50g細胞
)から、FrIを調製した(390ml,9.8mg/ml)。調製は実施例2
に記載されたとおりであった。FrIを5つの等しい容量に分割して、0.16
4、0.226、0.291、0.361及び0.436gの硫酸アンモニウム
(30%、40%、50%、60%及び70%飽和)を各分離サンプルにそれぞ
れ15分間隔で4℃において加えた。混合物は、追加の30分間4℃において撹
拌して、沈殿物を遠心分離により回収した(23,000 x g,45分、0
℃)。結果の沈殿物を1mlのNi−NTA懸濁バッファー(50mM Tri
s−HCl(pH7.5),40mM KCl,7mM MgCl2及び10%
グリセロール)に懸濁した。各サンプルの蛋白質濃度はクマジー蛋白質アッセイ
試薬(ピアス)及びウシ血清アルブミン(BSA)をスタンダードとして用いて
測定した。30%、40%、50%、60%及び70%硫酸アンモニウムで沈殿
させたサンプルは、それぞれ2.4、8.0、18.0、35.0及び38.0
mg/mlの蛋白質濃度を含んだ。サンプルはSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動で分析した。40%の硫酸アンモニウム沈殿サンプルは90%を超える
βサブユニットを含み、この濃度の硫酸アンモニウムを、以後の調製において使
用した。 T.thermophilusのN−末端標識βの精製 発現されたT.thermophilusのβサブユニットを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により、溶解を達成した。最初に、−20℃において保
存されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液600g(300g細
胞)から、FrIを調製した(1.05L,15.4mg/ml)。調製は実施
例2に記載されたとおりであった。FrIに対して、硫酸アンモニウム(各初期
ml画分I−40%飽和まで0.266g)を15分間隔で加えた。当該混合物
を追加の30分間4℃において撹拌して、沈殿物を遠心分離により回収した(2
3,000 x g,45分、0℃)。結果の沈殿物は、液体窒素への浸潤によ
り素早く凍結させて、−80℃に保存した。
【0233】 FrI硫酸アンモニウム沈殿からの沈殿物は、100mlのNi++−NTAバ
ッファーに懸濁して、ダウンスのホモジェナイザーによりホモジェナイズした。
サンプルを遠心分離により透明にした(16,000 x g)、そして上清は
Fr IIとした(19.5mg/ml,100ml)。Fr IIを30ml
のNi−NTA樹脂の50%スラリーに加え、そして1.5時間4℃において振
盪させた。このスラリーを次にバイオラッドのEconoカラム(2.5 x
5cm)に負荷した。カラムを200mlのNi++−NTA洗浄バッファーによ
り0.5ml/分の流速にて洗浄した。N−末端標識したβは、Ni++−NTA
溶出バッファー中の150mlの10−200mMイミダゾール勾配に溶出した
。溶出物を75 x 2mlの画分に回収した。画分はSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動により分析して、画分26−60が90%を超える全βサブユ
ニット蛋白質を含んだことが分かった(図32)。これらの画分は、プライマー
伸長アッセイにおいてβサブユニットを刺激する殆どの能力をも含んだ(以下に
論じる)。
【0234】 画分26−60をプールして(67ml)、2回、1LのバッファーHG.0
4バッファー(20mM Hepes,(pH7.6),40mM KCl,1
mM MgCl2,0.1mM EDTA,10%グリセロール及び6mM β
ME)に対して透析した。サンプルはFrIIIとして(65ml,3.8mg
/ml)、等分して、液体窒素中で素早く凍結して、−80℃において保存した
。 規定された直鎖状鋳型上のT.thermophilus βの単純なプロセッ
シビティアッセイの開発 直鎖状鋳型の上に高い非生理濃度において存在するなら、E.coliから酵
母の範囲にわたる複製型ポリメラーゼを、それぞれ、それらの同じ起源の「スラ
イディングクランププロセッシビティ因子」、β及びPCNAにより、他のホロ
酵素サブユニットの不在下で刺激する(Crute,J.J.,et al.,
J.Biol.Chem.258:11344−1149(1983)を参照)
。これは、高い濃度のクランプローダー(DnaX又はRFC)の不在下で直鎖
状DNA上に因子が集合する能力による。T.thermophilusのβの
検出のためのアッセイを開発するため、我々は、複製型複合体の他のメンバーの
不在下でのDNA複製型ポリメラーゼの低いプロセッシビティを利用した。βの
複製型下では、DNAポリメラーゼ(αサブユニット)が各結合事象あたり約1
0ヌクレオチドしかプライマーを伸長しなくなる(Crute,J.J.,et
al.,J.Biol.Chem.258:11344−11349(198
3)参照)。基質(以下に示す)(SEQ ID NO:28)はβによる刺激
の検出を可能にする。
【0235】
【化10】 T.thermophilusのβは、プライマー/鋳型に結合して、βの不
在下で結合事象あたり相対的に短い距離に関してプライマーを伸長することが予
測される。鋳型は、最初の30ヌクレオチドに関して「A」を欠き、よって「A
」の糸を含む。鋳型プライマーの大過剰において進行するように複製が許容され
て、ポリメラーゼを制限するなら、平均して鋳型はアッセイの間に一度だけポリ
メラーゼに遭遇することになる。即ち、βの不在下では、T.thermoph
ilusのαは「A」の末端配列に対して放射性標識されたdTTPsの有意な
レベルを取り込むことが予測されない。よって、βの存在下でDNAポリメラー
ゼのプロセッシビティの刺激を検出するためにこの系を使用することが可能にな
るべきである。
【0236】 アニーリングを可能にするため、鋳型(EO7)とプロセッシブ(EO8)を
、アニーリングバッファー(10mM Tris−HCl,pH7.5,0.1
mM EDTA)中で各10μMまで希釈して、加熱ブロック中で90℃に加熱
して、ゆっくりと室温に冷やした。反応(25μl)は30℃において5分間酵
素希釈バッファー(EDB)(50mM Hepes(pH7.5),20%グ
リセロール、0.02%ノニデットP40,0.2mg/ml BSA,10m
M DTT,10mM MgCl2)、dNTPミックス(50μM dATP
,dCTP,dGTP及び18μM[3H]dTTP,100cpm/pmol
)及び量を変えたDNAポリメラーゼ(1μl)、β及びアニールしたDNA中
で実施した。
【0237】 E.coliのDNAポリメラーゼαを用いた反応において、プライマー/鋳
型の濃度を0.1−1.3μMの間で変更させることにより、単一の結合事象の
ためにバックグラウンドシグナルのレベルに対して放射活性の取り込みレベルを
保持するために必要な量を決定した。これらの反応は、0.3、0.6及び1.
2nMのαにおいてβの不在下で実施した。0.6と1.3μMのプライマー/
鋳型の間の取り込まれる全dTTPの増加はなかった。よって、T.therm
ophilusのαのレベルを最適にするための反応においては、1.3μMプ
ライマー/鋳型を使用した。
【0238】 使用される最適な量のT.thermophilusポリメラーゼを決定する
ため(1mg/ml)、100,250,500,1000,2000及び40
00:1希釈比のT.thermophilus N−末端標識T.therm
ophilusのαを用いて設定した(1−4μlポリメラーゼ/反応)。25
0:1希釈のT.thermophilusのαを含むサンプルがバックグラウ
ンドレベルに等しいシグナルを与えたため、この濃度のN−末端標識T.the
rmophilus αをβ刺激に関して選抜する反応において使用した。
【0239】 様々な量のN−末端標識T.thermophilus βの、T.ther
mophilus αの活性を刺激する能力に関してアッセイするため、プライ
マー伸長アッセイを使用した。250:1希釈のαサブユニット(1mg/ml
)及び1.3μMのアニールされたプライマー/鋳型を用いて、アッセイを0、
0.25、0.5、1.0、2.0及び4.0μMのT.thermophil
us βにて実施した(図33)。T.thermophilusのαは、機能
性βと一致してβの濃度を増加させることにより刺激されたことから(図33)
、精製されたT.thermophilusのαとβの上昇温度におけるプロセ
ッシブな複製反応における協調能力が証明された。 T.thermophilusのβに対するポリクローナル抗体の産生 「ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させた
T.thermophilusのdnaN産物(βサブユニット)のpA1−N
B−TN/AP1.L1による精製」と題されたセクションにおいて記載された
T.thermophilusのN−末端標識FrIIIから、2ml(3.8
mg/ml)を、20mMリン酸カリウム,pH6.5,100mM KCl,
25%グリセロール及び5mM DTT中に平衡化されたセファクリルS−30
0カラム(88ml,40:1高さ:幅比率)に負荷した。これは、カラムの土
台上から樹脂の土台へとバッファーを流し、サンプル(2ml)を添加し、サン
プルを樹脂に流し、そしてカラム土台上にバッファーを再度構築することにより
、達成した。次に、サンプルを同じバッファーで流速0.2ml/分にて溶出し
て、1ml画分に回収した。各画分の蛋白質濃度は、クマジー蛋白質アニール試
薬を用いることにより測定した(図34)。当該画分をSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動により分析して、画分43−66をプールした(20ml,0
.15mg/ml)(図35)。
【0240】 プールされた画分中の蛋白質を硫酸アンモニウムの添加により沈殿させ(プー
ルされた画分の各mlに対して0.436g−70%飽和)、そして沈殿物を遠
心分離により回収した(23,000 x g,45分、0℃)。硫酸アンモニ
ウム沈殿させた沈殿を2mlのPBSに溶解して(0.24mg/ml)、50
0mlのPBSに対して2回透析した。この透析したサンプルをSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動により分析した(図36)。
【0241】 実施例3に記載されたとおりに、T.thermophilusのβに対する
ポリクローナル抗体を、N−末端標識したT.thermophilusのβを
ウサギに接種することにより産生し、そしてウサギから回収した。N−標識され
たT.thermophilusのβを結合することに関する抗血清の最適な希
釈は、試験採血後及び最終採血後に測定した。これは、小アリコートのN−末端
標識T.thermophilus βを10%のSDS−ポリアクリルアミド
ミニゲル(10 x 10cm)上で電気泳動する、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により実施した。実施例3に記載されたとおりに、蛋白質をニト
ロセルロース膜へ移した。各ストリップがN−末端標識T.thermophi
lus βの同一のバンドを含むように、膜をストリップに切り出した。膜を5
%ノンファットドライミルク(w/v)を含む0.2%のツイーン20(v/v
)−TBS(TBST)中で1時間室温においてブロックし、TBSTで洗浄し
た。ストリップを抗血清/TBST中に(希釈:1:100,1:200,1:
400,1:800,1:1600,1:3200,1:6400,及び1:1
2800)1時間おいて、次に4回TBST中で5分間洗浄した。次に、ストリ
ップを、アルカリホスファターゼに配合させた二次抗体(ヤギ抗ウサギIgG(
H+L),TBST中1:3000希釈)(バイオラッド)中に1時間おいた。
次に、ストリップを4回5分間TBSTで洗浄した。この大規模な洗浄の次に、
ブロットをBCIP/NBT(KPL #50−81−07;1成分系)により
発色させた。βに対応する蛋白質はもっとも高い希釈の抗血清中でさえも明確な
バンドとして目に見えた(図37)。これらのバンドは抗血清の希釈が低下する
につれてより強くなった。陰性対照は、抗原を接種する前にウサギから取り出し
た抗血清を含んだ。陽性対照は、抗血清検出において使用されたのと同じのウド
における(0.5μg)、抗原のビオチンブロット分析である。
【0242】 次に、抗体血清による認識に要求される最少量のβを測定した。これは、小ア
リコートのβ(0.02,0.04,0.08,0.16,0.32,0.64
,1.25,2.50及び5.0μg/ウエル)を10%のSDS−ポリアクリ
ルアミドミニゲル(10 x 10cm)上で電気泳動する、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動により実施した。蛋白質をニトロセルロース膜に移した
。ブロットされたニトロセルロースを、5%のノンファットドライミルク(w/
v)を含むTBST中で1時間室温においてブロックし、TBST中で洗浄した
。ブロットを抗血清/TBST(1:6400の希釈)中に1時間おいて、次に
4回TBST中で5分間洗浄した。次に、ブロットを、アルカリホスファターゼ
に配合させた二次抗体(ヤギ抗ウサギIgG(H+L),TBST中1:300
0希釈)(バイオラッド)中に1時間おいた。次に、ストリップを4回5分間T
BST中で洗浄した。この大規模な洗浄の次に、ブロットをBCIP/NBT(
KPL #50−81−07;1成分系)により発色させた(図38)。もっと
も低いレベルの(0.02μg)、N−標識されたT.thermophilu
sのβが検出できた。 天然のT.thermophilusのdnaN(βサブユニット)を過剰発現
するプラスミド(pA1−TN)の構築 天然の(未−標識)T.thermophilusのβを発現させるため、d
naN遺伝子をベクターpA1−CB−NdeIに挿入した。このプラスミドに
より保有されたC−末端のビオチンヘキサヒス(hexahis)標識は、挿入
されたdnaN遺伝子の下流になり、そしてフレーム外になる。CATをプライ
マーの非相補領域中に加えて、ATG開始コドンへすぐ続くように、フォワード
プライマーをデザインした。これは、NdeI制限部位CATATGをもたらし
た(ATGプライマー #118−S74、5’−GGATCCAAGCTTC
ATATGAACATAACGGTTCCCAAGAAA−3’)(SEQ I
D NO:41)。追加の停止コドンが非相補領域中に加えられてタンデムに2
つの停止コドンを生じるように、リバースプライマーをデザインした。領域中に
プライマーの非相補領域は、NheI制限部位と該制限酵素によるPCR産物の
有効な消化のための追加のヌクレオチドを含む(ATGプライマー #P118
−1231,5’−GAGCAGCTAGCCTACTAGACCCTGAGG GGCACCA −3’)(SEQ ID NO:42)。PCR反応は、完全な
T.thermophilusのdnaN遺伝子を含み、NdeI部位が開始コ
ドンとオーバーラップし、追加の停止コドンが天然の停止コドン(TAG)とタ
ンデムになり、NheI部位が当該タンデム停止の下流にあるさうぶつをもたら
した。上記PCR産物とpGEM−T EasyプラスミドのNdeIとNhe
Iによる消化は、T.thermophilusのdnaN遺伝子がpGEM−
T Easyプラスミドに挿入されることを可能にさせた。挿入領域の配列決定
の予備プラスミドとして、PCR産物をpBEM−T Easyプラスミドに連
結した。このプラスミドでDH5αを形質転換し、そしてアンピシリン耐性陽性
単離物を選択した。一つの陽性単離物からのプラスミドを単離して、1.15k
bと3.0kbの断片を生じるプラスミドのEcoRI消化により選抜した。d
naN遺伝子を含む挿入物の両DNA鎖の正確な配列は、DNA配列決定により
確認した(ATG SEQ #1420−1427;プライマー,SP6配列決
定プライマー、T7配列決定プライマー、P118−S290,P118−S6
39,P118−S1003,P118−A996,P118−A731及びP
118−A411)。この配列を、「ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含
むN−末端ペプチドに融合させたT.thermophilusのdnaN(β
サブユニット)を過剰発現させるプラスミド(pA1−NB−TN)の構築」と
題されるセクションにおいて得られた配列と比較した。このプラスミドをpT−
TNと命名して、陽性単離物(pT−TN/DH5α)をストック培養液として
保存した(ATGグリセロールストック#839)。
【0243】 T.thermophilusのdnaN遺伝子を予備pT−TNプラスミド
から回収して、発現ベクターに挿入した。pT−TNプラスミドをNdeI/N
heI制限酵素により消化して、同じ制限酵素により消化したpA1−CB−N
deIプラスミドに挿入した。これは、dnaN遺伝子をpA1−CB−Nde
Iプラスミド内へ、下流のビオチン−ヘキサヒス標識とフレームをはずして配置
させた。これは、PBSの下流に開始コドン11ヌクレオチドも配置した。当該
プラスミドでDH5αを形質転換して、陽性の単離物をアンピシリン耐性により
選択した。一つの陽性単離物からのプラスミドをNdeI/NheIにより確認
して、XbaI制限消化により、予測された1.1と5.6kDa及び0.1と
6.7kDaの断片をそれぞれ生じた。挿入された領域の配列はDNA配列決定
により確認した(ATG SEQ #1443及び#1444,プライマーP1
18−S1003及びP38−S5576)。この配列を、「ヘキサヒスチジン
及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.thermoph
ilusのdnaN(βサブユニット)を過剰発現させるプラスミド(pA1−
NB−TN)の構築」と題されるセクションにおいて得られた配列と比較した。
このプラスミドをpA1−TNと命名して、単離物(pA1−TN/DH5α)
をストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#845)。 pA1−TN/AP1.L1によるT.thermophilusのβの発現の
証明 pA1−TNプライマーを製造して、AP1.L1細菌を形質転換した(AT
Gグリセロールストック#860,861,871)。3つの単離物の細菌の生
育及び全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載されたとおりであった。3つの単離
物の各々からの上清の各小アリコート(3μl)を、4−20%のSDS−ポリ
アクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル
/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mMグリシン、及び0.1%S
DS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。βの予測された
移動領域に相当する如何なる単離物からも、目で見えるバンドはなかった。おそ
らく、高いGCのT.thermophilus配列の二次構造が開始を干渉し
ていた。この困難を克服する試みにおいて、我々は、高発現のE.coliのc
ca遺伝子に翻訳共役された天然T.thermophilusのβをコードす
る遺伝子を有するベクターを構築した。 T.thermophilusのdnaN遺伝子(β)の翻訳共役ベクターpT
AC−CCA−ClaIへのクローン化 βを天然蛋白質として発現させるため、我々は、翻訳共役された蛋白質を発現
するベクターをデザインした。他の天然形態のT.thermophilus蛋
白質の発現におけるように、ここでの我々の到達点は、再び実施例#2に記載さ
れたとおりに翻訳共役を使用することである。dnaN遺伝子をCCA付加酵素
の後ろに挿入して、T.thermophilusのβに関して記載されたとお
りに翻訳共役させた。最初に、dnaN遺伝子をpA1−TNを用いてPCRに
より増幅した。フォワード/センスプライマー(ATGプライマー #P118
−S78cl2,5’−AGTCATCGATAATGAACATAACGGT TCCCAAG AAA −3’)(SEQ ID NO:59)は、非相補領域
中にClaI部位を有する。pTAC−CCA−TXに関して開発されたクロー
ン化戦略におけるように、非相補領域は、上流のCCA付加蛋白質断片のための
停止(TAA)の「TA」も含む。T.thermophilusのholA遺
伝子の5’末端に相補なプライマーの領域は、「ATG」開始コドンの最初のヌ
クレオチドであって且つ「TAA」停止コドンの最後の「A」である「A」で始
まる。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー #P118−A
1230spe,5’−GAGGACTAGTCTACTAGACCCTGAG GGGCACCAC −3’)(SEQ ID NO:60)は、上記プライマー
の非相補部分内にSpeI制限部位を含み、また、天然停止コドンに隣接して追
加の停止コドンも含むことにより、タンデムに2つの停止コドンを提供する。S
peIによる有効な切断のためのクランプ領域も存在した。次に、PCR産物を
ClaI/SpeI制限酵素により消化して、同じ酵素で消化したpTAC−C
CA−ClaIプラスミドへ挿入した。当該プラスミドでDH5α細菌を形質転
換して、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、1.1kbと5.5
kbの断片を生じるClaI/SpeI制限酵素による消化により選抜した。挿
入物の両鎖の配列はDNA配列決定により確認した(ATG SEQ #174
9−1756;プライマー、P144−S23,P144−A1965,P11
8−S290,P118−S639,P118−S1003,P118−A99
6,P118−A731,P118−A411)。配列分析は、正確な配列が挿
入領域内に含まれたことを確証した。このプラスミドをpTAC−CCA−TN
と命名して、単離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロールスト
ック#1074)。 PTAC−CCA−TN/MGC1030及びpTAC−CCA−TN/AP1
.l1による天然T.thermophilusのβサブユニットの発現の証明 pTAC−CCA−TNプラスミドを製造して、MGC1030細菌(ATG
グリセロールストック#1087,1088,1089)及びAP1.L1(A
TGグリセロールストック#1090,1091)を形質転換した。細菌の生育
と全細胞蛋白質の単離は、実施例2に記載されたとおりであった。全細胞蛋白質
を含む上清の小アリコート(3μl)を、4−20%のSDS−ポリアクリルア
ミドミニゲル(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上
で、25mMのTris塩基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電
気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophil
usのβの予測された分子量(40kDa)に相当する弱い蛋白質バンドが、ギ
ブコ10kDa蛋白質ラダーの40kDa分子量スタンダードのわずか上に、M
GC1030単離物から可視化できたが、AP1.L1単離物からは可視化でき
なかった。 pA1−CCA−TN/AP1.L1の大規模な生育 実施例#2に記載されたとおりに、株pA1−CCA−TN/AP1.L1を
250Lの発酵機(発酵機ラン#00−13)中で生育させて、T.therm
ophilusのβの精製のための細胞を生成した。最適な誘導時間は、実施例
#2に記載されたとおりに決定した。細胞の回収は誘導の3時間後に3.04の
OD600において開始して、回収の間は細胞を10℃に冷却した。回収容量は1
70Lであり、最終回収重量は約0.9kgの細胞ペーストであった。等容量の
(w/w)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細胞ペース
トに加えた。質のコントロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地上で1
0の容積コロニー中10であり、誘導時10/10陽性コロニーであり、そして
回収時10/19陽性コロニーを示した。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことによ
り細胞を凍結させて、加工まで−20℃において保存した。
【0244】 実施例7 T.thermophilusのDNAポリメラーゼIIIホロ酵素の再構築 我々の努力の最初の到達点は、上昇させた温度においてプロセッシブな好熱性
のレプリカーゼの必須サブユニットの最少の集合体を得ることであった。我々は
、最低限、T.thermophilusのα、β、DnaX,δ及びδ’が必
要であろうと仮定した。これらの蛋白質のN−末端標識形態における利用可能性
により、これらの蛋白質を、最初に成功した試みにおいて再構成に際して使用し
た。E.coliのDNAポリメラーゼIIIホロ酵素のための標準アッセイの
修飾形を用いた。当該方法は、RNAプライマーにより開始した長い一本鎖環状
鋳型上の合成からなった。M13 Gori一本鎖DNAを、E.coli D
naGプライマーゼの作用により、全ての報告されたアッセイにおいてアリコー
ト化して直ちに凍結させた大容量の反応において、開始した。RNAプライムし
たM13 Gori一本鎖DNAは、0.5ml MgOAc(250mM),
1.125ml M13 Gori(240μM,nt),0.2ml 精製さ
れたE.coli SSB蛋白質(4.3mg/ml),1.5ml dNTP
混合物(400μM dATP,dCTP,dGTP及び150μM[3H]−
dTTP(100cpm/pmol),0.5ml rNTP混合物(5mMの
各ATP,CTP,GTP及びUTP),0.025ml 精製されたE.co
liプライマーゼ(0.665mg/ml)及び5.65ml EDB(50m
M HEPES(pH7.5),20%グリセロール、0.02% NP40,
0.2mg/ml BSA)を加えることにより、調製した(9.5ml)。放
射性dNTP混合物は上記プライミング反応物の中で使用しなかったが、実際の
複製反応において加えられる場合には(M13 Gori反応)、複製ポリメラ
ーゼにより使用された。プライミング混合物は30℃において5分間インキュベ
ートして、次に氷の上に置いた。混合物を400ulのアリコートに分注して、
使用までは−80℃に保存した。この混合物を全てのM13 Goriアッセイ
において使用して、プライムされた鋳型混合物と呼ぶ。
【0245】 最初に、精製されたT.thermophilusのサブユニット全て(N−
末端標識されたα,β,DnaX,δ及びδ’)を共にアッセイして、上記複合
体がM13 Goriでプライムされた混合物のプロセッシブな重合を指示でき
たか否かを測定した。この初期アッセイにおいて使用された各T.thermo
philusサブユニットの初期濃度は、類似のアッセイ(Olson,et
al.,J.Biol.Chem.270:29570−29577(1995
))において使用されたE.coli Pol IIIサブユニットの濃度の1
0倍に任意に設定した。サブユニットをEDBバッファー中で希釈することによ
り、化合して(6ulトータル)そして19ulのプライムされた鋳型混合物と
化合して25ul反応物を生じる場合、α,β,DnaX,δ及びδ’の全レベ
ルをそれぞれ、1.25,1.25,1.0,1.0及び2.0pmolであっ
た(全サブユニットの濃度はモノマーとしてである)。上記酵素混合物とプライ
ムされた鋳型混合物を化合して、5分間50℃においてインキュベートすること
により反応を開始した。反応は反応試験管を氷上において、2滴の0.2M N
aPPI及び0.5mlの10% TCAを添加することにより停止した。溶液
をワットマンGF/Cグラスマイクロファイバーフィルターで真空したで濾過し
た。次に、フィルターを3mlの1M HCl/0.2M NaPPI及び1m
lの95% EtOHで洗浄して、加熱ランプを用いて乾燥した。取り込まれた
ヌクレオチドのpmolをシンチレーション計数により定量した。他の反応は異
なるサブユニットを反応物から連続して取り去ることにより実施した(図39)
。最後の反応(一番右、図39)は、全てのサブユニットが存在したがαの濃度
を4.0pmolsに増加させた。図39のこれらの反応のグラフから、如何な
るサブユニットが反応から取り去られても、DNAの合成が極めて低いレベルに
低下するが、しかしながら、全ての反応物の存在下では、最大の合成が観察され
る。これらのアッセイの結果は、各サブユニットが機能し、そしてプロセッシブ
な重合に必要であることを示した。
【0246】 T.thermophilusのPol IIIサブユニットを用いたM13
Goriアッセイのための最適な温度を測定した。再構成されたホロ酵素反応
を前に記載されたとおりに実施した(4pmolのαを使用して)。反応物を5
分間示された時間インキュベートした。結果は、50−65℃がT.therm
ophilusの複製型複合体サブユニットをアッセイするのに最適な温度を提
供したことを示した(図40)。さらなるアッセイは60℃において実施する。
【0247】 T.thermophilusホロ酵素を再構成するのに使用されるサブユニ
ットの各々の活性は、過剰レベルの他の4つのサブユニットの存在下で個々に評
価した。M13 Goriアッセイを最初にデザインして、全てのサブユニット
がαを除いて上記実験に記載された濃度で存在した(β,DnaX,δ及びδ’
がそれぞれ1.25,1.0,1.0及び2.0pmols)。αサブユニット
は0.125から4.2pmolの範囲の量にて別々の反応に加えた。反応は6
0℃において5分間実施した。結果は、全ての利用可能なM13 Goriの鋳
型が1pmolのαの存在下で複製されたことを示す(図41A)。
【0248】 他のサブユニットの不在下では、αにより触媒された非プロセッシブな合成の
バックグラウンドレベルがある。バックグラウンドを規定するため、αをM13
Gori反応中で量を変えてアッセイした(0.125から8.4pmol)
(図42)。
【0249】 αをM13 Goriホロ酵素アッセイにおいて力価測定するアッセイにおい
て、全ての利用可能な鋳型が2pmolのαの存在下で複製した。2pmolの
濃度においてαのバックグラウンド活性を測定するために使用したアッセイにお
いては、たったの17pmolのヌクレオチドしか取り込まれなかった。よって
、以後の全てのアッセイは2pmolのαを含む。
【0250】 プライムさえた鋳型をαがプロセッシブに複製する能力に対するβの影響を測
定するため、βを除く他の全てのサブユニットの存在したでαを量を変えてアッ
セイした(図43)。αのみの活性と比較した場合に観察できるとおり(図42
)、βサブユニットの不在したでは他のホロ酵素サブユニットの存在により、α
はほんのわずか刺激された。
【0251】 上で考察したとおり、T.thermophilusのdnaX遺伝子の翻訳
は、τサブユニットとγサブユニットの両方の発現をもたらす。E.coli中
のdnaX遺伝子産物は、βスライディングクランプの集合を触媒するクランプ
ローディング装置の一部として機能する。τサブユニットはαとの直接の接触に
よりPolを二量体化する機能も有する(Dallmann,H.G.,and
McHenry,C.S.,J.Biol.Chem.270:29563−
29569(1995))。τ及びγのクマジーブルー染色ゲル(図10)から
、約60%の発現がγサブユニットのであり、約40%の発現がτサブユニット
のであるらしい。よって、M13 Goriアッセイにおいて使用するためのτ
及びγの最適な量を測定するため、広い範囲の濃度をアッセイした(0.312
から20pmol)。これらのアッセイを図41Bに示し、そして約4pmol
のτ及びγが、複製型複合体の最大の再構成を達成するのに必要である。以後の
M13 Goriアッセイにおいては、4pmolのDnaXを使用する。
【0252】 複製型ポリメラーゼのβサブユニットは、触媒サブユニットをDNAに結合さ
せることにより劇的にプロセッシビティを増大させた。βがT.thermop
hilusの系においてホロ酵素活性を再構成する能力を試験するため、βをM
13 Goriアッセイ中で力価測定した(0.08から10.0pmol)(
図41C)。以下のM13 Goriアッセイにおける最大活性を保証するため
、βは4pmolにて存在する。
【0253】 δ及びδ’の両者は、E.coliにおいてはクランプローディング複合体の
構成要素であって、T.thermophilusにおいても類似の機能を担う
らしい。E.coliにおいて、それらは共に単一コピーとして存在し、よって
プロセッシブな複製を完全に刺激するには少量しか要求されないかもしれない。
【0254】 以後のM13 Gori反応においては、δとδ’を2pmolにて存在させ
る。これらのアッセイ(図41Dと41E)は、触媒サブユニット(α)による
最適な重合に必要なホロ酵素サブユニットの全ての濃度を測定することを可能に
させた。全てのサブユニットがプロセッシブな複製に必要である。以後、天然の
サブユニットの精製に関しては、ここで決定したアッセイ条件を使用して、別々
の精製工程を通した各天然蛋白質を追跡する。上記アッセイをデザインして、天
然標的サブユニットに相当するN−末端標識されたサブユニットを反応混合物か
ら取り去り、そしてカラム溶出画分からのアリコートを置き換える。この様式に
おいて、標的天然蛋白質を含む画分が検出される。
【0255】 実施例8 T.thermophilusのPol IIIの サブユニットを含む蛋白質−蛋白質相互作用 E.coliとT.thermophilusのDNAポリメラーゼIII遺
伝子の間の相当な相同性の見地から、我々は、E.coli中のサブユニットの
公知の相互作用のいくつかがT.thermophilusでも起きるか否かを
試験した。Pol IIIサブユニットの相互作用のゲル濾過分析を、HG.0
4バッファーで平衡化したセファクリル(登録商標)S−200(ファルマシア
バイオテック)カラム(0.7 x 30cm)を用いて実施した。全てのゲル
濾過実験において、サブユニット(単独又は化合して)を60℃において5分間
(300μl)、セファクリルS−200に負荷する前にインキュベートした。
最初の3つの画分(各1ml)は空隙容量を含み、そして続く全ての画分が30
0μlを含んだ。画分を、クマジーブリリアントブルーで染色した10%のSD
S−ポリアクリルアミドゲルで分析した。画分は、サブユニットを分析すること
以外は、実施例7に記載されたとおりに全てのサブユニットが存在する再構成活
性アッセイにおいても分析した。これらの反応においては、2μlの各画分を再
構成アッセイに添加した。観察された活性が存在したなら、その画分中に分析さ
れたサブユニットが存在することの指標であった。 クランプ−ローディング装置を構成するサブユニットの蛋白質相互作用 E.coliのクランプ−ローディング複合体において、δとδ’は互いに相
互作用して、共にDnaXサブユニット(τとγ)と相互作用する。よって、こ
の相互作用がT.thermophilusのクランプ−ローディング複合体を
構成するサブユニット間に存在するか否かを決定するため、我々は、δ、δ’及
びτ/γを単独か又は異なる組み合わせを用いて、最初にゲル濾過実験を実施し
た。δ、δ’及びτ/γ単独の分析は、それぞれ200、100及び70μgを
用いて実施した。単独でアッセイした蛋白質の溶出プロフィールを図44のパネ
ルA,B及びDに示す。δ(画分18)はδ’(画分20)の2つ前の画分に溶
出した。τ/γは同様に、δの2つ前の画分(画分16)に溶出した。再構成ア
ッセイにおいて画分に関して観察された活性は、SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル上のボックス中に示し(図44)、そして蛋白質バンドを含む画分に相当する
。次に、δ(150μg)とδ’(150μg)を共にアッセイして相互作用が
起こるか否かを測定した。溶出位置のシフトは、何れかのサブユニットのみより
大きな複合体を形成するための、試験されたサブユニット間の相互作用を示すは
ずである。このアッセイにおいては(図44、パネルC)、δとδ’がδ単独の
ときより2つ早い画分に溶出したことから、これら2つの蛋白質の相互作用が起
こったことを示す。活性プロフィールが蛋白質溶出プロフィールを確証し、さら
に2つのサブユニット間の相互作用を支持するシフトもある。不幸なことに、δ
とδ’はサイズが類似しており、10%又は勾配ポリアクリルアミドゲルの何れ
でも解析できなかった(データ示さず)。τ/γ(35μg)をδ(70μg)
とδ’(85μg)とアッセイしたとき、溶出プロフィールはサブユニット単独
の何れよりも早い画分にシフトした(図44、パネルE)。SDS−ポリアクリ
ルアミドゲルは、全てのサブユニットがシフトした画分中に含まれたこと、そし
て全てのサブユニットがこの観察を支持することを示す。
【0256】 クランプローディング複合体がδ又はδ’及びτ/γの何れかとの相互作用を
通して形成されたか否かを決定するため、τ/γ(60μg)及びδ(75μg
)又はδ’(40μg)を分析するようなゲル濾過実験を実施した。τ/及びγ
/γをいっしょにアッセイした場合、SDS−ポリアクリルアミドゲルと活性ア
ッセイの何れにおいても相互作用が観察されなかった。しかしながら、τ/γと
δ’をいっしょにアッセイした場合、DnaXとδ’の両方が、SDS−ポリア
クリルアミドゲルにおいても、溶出プロフィールの活性アッセイの何れにおいて
も、いっしょにシフトすることが観察された(データは示さず)。これらのデー
タから、我々は、クランプ−ローディング装置が、δ’と、τ/γ及びδの両方
の間の相互作用を通して形成すると理論付ける。 触媒性サブユニットαとクランプローディング装置を構成するサブユニットの蛋
白質相互作用 E.coliのPol IIIホロ酵素においては、リーディングDNA鎖及
びラギングDNA鎖を複製する2つのα触媒サブユニットがDnaX蛋白質τと
の相互作用により結合している。(McHenry,C.S.,J.Biol.
Chem.,257:2657−2663,[1982]を参照)。T.the
rmophilusホロ酵素内で生じる類似の相互作用が存在するか存在するか
否かを決定するため、αサブユニットとDnaX蛋白質及びクランプローディン
グ装置の他のメンバーとの相互作用をゲル濾過によりアッセイした。α(75μ
g)を他のサブユニット不在下でゲル濾過に供すると、ピークの画分が画分16
に溶出した(図45、パネルA)。τ/γの存在下では(170μg)、溶出が
画分14にシフトした(図45、パネルB)。前のセクションから、τ/γのみ
が画分16に溶出した(図44、パネルD)。これらの観察は、αはτ/γと相
互作用するが、おそらくはτとの相互作用によるらしく、α存在下では大相対量
のτがγよりもシフトすることが明白だからである(図44のパネルDと図45
のパネルBを比較すると)。
【0257】 次に、δとδ’もα及びτ/γの存在下でシフトするか否かを測定するため、
α(40μg)、τ/γ(115μg)、δ(50μg)及びδ’(50μg)
をいっしょにアッセイした。これらのアッセイにおいて、δ/δ’はいっしょに
アッセイすると画分18(図44、パネルD)から画分14(図45、パネルC
)へ明白にシフトする。
【0258】 βのダイマーはDNA上へ装填される環構造を形成して、複製の間はDNAに
対して複製型複合体にいっしょに作用して、それによりE.coliにおいてP
ol IIIホロ酵素へのプロセッシビティの特性が解釈できる。T.ther
mophilusのβとT.thermophilusのホロ酵素βの他のメン
バーとの相互作用を測定する試みにおいて、βをゲル濾過実験においてアッセイ
した。最初に、βを単独でアッセイして(250μg,20μM)、他の蛋白質
の不在下で溶出プロフィールを測定した。βサブユニットはセファクリルS−2
00カラムから画分12−20に溶出したので、大きな分子量のマルチマーの形
成が示唆される(図46)。マルチマーの形成が濃度依存性かもしれない可能性
に接近するため、βを再び10倍低い濃度においてアッセイした(25μg,2
0μM)。これらのアッセイの結果は、高い濃度において観察された結果と同一
であった。よって、βサブユニットとDNAポリメラーゼIIIホロ酵素の他の
成分との相互作用はこの方法により試験できなかった。
【0259】 実施例9 T.thermophilusのssb遺伝子の同定 A.aeolicus,B.subtilis,E.coli,及びH.in
fluenzae由来のssb遺伝子配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミックス
研究所におけるT.thermophilusゲノムのデータベースを検索した
。仮想T.thermophilus ssb遺伝子を含むT.thermop
hilusの領域の配列が同定され(BLASTを用いて)、そして得られた(
Dr.Carsten Jacobi,ゲッチンゲンゲノミックス研究所、微生
物学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り、ゲッチンゲン、独国)。未加工の
配列を用いて、2つのPCRプライマーをデザインしてssb遺伝子を増幅した
。PCR反応においては、フォワード/センスプライマー(ATGプライマー
P138−S540,5’−GATCCATGGCTCGAGGCCTGAAC CGC −3’)(SEQ ID NO:29)をデザインして、NcoI部位を
開始「ATG」コドンとオーバーラップさせた。リバース/アンチセンスプライ
マー(P138−A1348,5’−GACGGTACCTCATCAAAAC GGCAAATCCTC −3’)(SEQ ID NO:30)は、天然の「T
GA」コドンに隣接して追加の「TGA」コドンを、そして非相補領域にKpn
I制限部位を追加するようにデザインした。両プライマーは、NcoIとKpn
I制限酵素による有効な消化を可能にするための追加のヌクレオチドを含んだ。
PCRはT.thermophilusゲノミックDNAを鋳型として用い、そ
して808bpの長さのPCR産物を生じた。このPCR断片を製造者の指示に
従いpGEM−T Easy(商標名)(プロメガ)ベクターに挿入した。この
プラスミドでDH5α細菌を形質転換して、陽性単離物を0.8および3.0k
bの断片を生じるEcoRI制限消化によるプラスミドの消化に関して選抜した
。一つの陽性単離物からのプラスミドを選択して、当該DNAの両鎖の正確な配
列が、挿入された領域を通るDNA配列決定により同定された(ATG SEQ
#1432−1436;プライマー、SP6,T7,P138−S913,P
138−A1148,P138−A824)。このプラスミドをpT−TSSB
と命名して、単離物をグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリ
セロールストック#838)。
【0260】 図47のT.thermophilusのssb遺伝子(SEQ ID NO
:31)のDNAコーディング配列。開始コドン(atg)と停止コドン(tg
a)を太字で示す。下(図48)は上記DNA配列由来の蛋白質(アミノ酸)配
列(SEQ ID NO:32)も示す。
【0261】 T.thermophilusのSSB蛋白質のアミノ酸配列を、いくつかの
他のSSB蛋白質の配列との配列アラインメントにより比較した(図49)。T
.thermophilusのSSBの配列はこれらの比較において追加の50
−70アミノ酸を含むことが示された。これは、全蛋白質の約25%である。
【0262】 我々は、E.coli由来のSSBがホモ四量体の形態で機能するとの以前の
研究を知っている(Lowman and Ferrari,Annu.Rev
.Biochem.63:527−530(1994))。E.coliのSS
BのN−末端の115アミノ酸はssDNA結合性領域を含む。他の同定された
SSB蛋白質はE.coliのSSBと類似性を共有し、そしてN−末端領域に
ssDNA結合性領域を含む。これらの他のSSB蛋白質も四量体として活性で
あると考えられる。示される通り(図49)、T.thermophilusの
SSBはE.coliのSSB及びその他に類似のN−末端領域を含むが、E.
coliのSSBよりも約50%大きい。T.thermophilusのSS
Bの追加の領域(C−末端領域)の配列を、それ自身のN−末端ssDNA結合
領域と比較した(図50)。驚くことに、広い範囲の配列相同性が存在したこと
から、この追加領域は第2のssDNA結合領域を含むかもしれないことを示唆
する。T.thermophilusのSSBが2つのssDNA結合領域を含
むなら、それは既に研究されたSSB蛋白質中で唯一なはずであり、そしてT.
thermophilusのSSBが上昇温度においてssDNAに結合する能
力を説明するかもしれない。 天然蛋白質としてT.thermophilusのssb遺伝子(SSB)を過
剰発現するプラスミド(pA1−TSSB)の構築 TSSB遺伝子は内部にKpnI制限部位を含んだので、NcoI/KpnI
の部分消化により、完全なT.thermophilusのssb遺伝子がpT
−TSSBプラスミドから抽出されるのを可能にした。完全なT.thermo
philusのssb遺伝子を含むNcoI/KpnI制限断片を、同じ2つの
制限酵素により消化したpA1−CB−NcoIプラスミドに挿入した。pA1
−CB−NcoIプラスミドは下流のヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含
むが、それはssb遺伝子の停止コドンの下流であって、フレームをはずれてお
り、そして発現されない。このプラスミドでDH5α細菌を形質転換して、陽性
単離物を、161bp,642bp及び3.0kbの断片を生じるNcoI/K
pnI制限酵素によるプラスミドの消化により選抜した。一つの陽性単離物から
のプラスミドを選択して、挿入されたDNAの正確な配列を挿入領域を通したD
NA配列決定により確認した(ATG SEQ #1445及び1446,P1
38−S5576,P138−S913)。このプラスミドをpA1−TSSB
と命名して、単離物をグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリ
セロールストック#846)。 pA1−TSSB/MGC1030から天然蛋白質としてT.thermoph
ilusのssb遺伝子を過剰発現するプラスミド(pA1−TSSB)の発現
の証明 前に記載されたとおりに、プラスミドpA1−TSSBをDH5αから調製し
た。当該プラスミドでMGC1030細菌(ATGグリセロールストック#87
2,873,874)を形質転換した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施
例2に記載された通りであった。上記3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含
む上清の小アリコート(3μl)を、25mM Tris塩基、192mMグリ
シン、及び0.1% SDS中の4−20%SDS−ポリアクリルアミドミニゲ
ル(Novex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)中の電気泳動
に供した。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophilu
sのSSBの予測された分子量に相当する単離物の何れからも目に見える蛋白質
バンドは存在しなかった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのSSB遺伝子を過剰発現するプラスミド(pA1−
CB−TSSB)の構築 T.thermophilusのSSBをコードする遺伝子をPCRによりp
A1−TSSBプラスミドを鋳型として用いて増幅した。フォワード/センスプ
ライマー(ATGプライマー #P138−S540)は、pA1−TSSBの
構築において使用されたのと同じプライマーであって、T.thermophi
lusのSSB遺伝子の5’末端に相補な領域を含んだ。前のとおり、NcoI
部位はATG開始コドンとオーバーラップした。リバース/アンチセンスプライ
マーは、停止コドンを除いたT.thermophilusのSSB遺伝子の3
’末端に相補であった(ATGプライマー #P138−A1343spe,5
’−GACGACTAGTAAACGGCAAATCCTCCTCC−3’)(
SEQ ID NO:33)。このプライマーはプライマーの相補領域に隣接し
てSpeI制限部位を含んだ。SpeI部位は、発現された蛋白質が、SSB蛋
白質のC−末端アミノ酸とC−末端融合ペプチドの間の2つの追加のアミノ酸(
ThrとSer)を含むことを可能にさせた。この800bpのPCR産物をN
coI/SpeIにより消化して、前記のとおり同じ制限酵素により消化したプ
ラスミドpA1−CB−NcoIに挿入した。このプラスミドでDH5α細菌を
形質転換して、陽性単離物からのプラスミドを、0.8及び5.6kbの断片を
生じるNcoI/SpeI制限酵素による消化により選抜した。一つの陽性プラ
スミドを選択して、挿入物の配列をDNA配列決定により確認した(ATG S
EQ #1504−1507;プライマー,P38−S5576,P65−A1
06,P138−S913,P138−A1148)。このプラスミドをpA1
−CB−TSSBと命名して、単離物をグリセロールストック培養液として保存
した(ATGグリセロールストック#897)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのSSB蛋白質のpA1−CB−TSSB/MGC1
030による発現の証明 プラスミドpA1−TSSBを調製して、MGC1030細菌(ATGグリセ
ロールストック#919)を形質転換した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は
実施例2に記載された通りであった。全細胞蛋白質を含む上清の小アリコート(
3μl)を、25mM Tris塩基、192mMグリシン、及び0.1% S
DS中の4−20%SDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC6
0255;1mm厚、15ウエル/ゲル)中の電気泳動に供した。ミニゲルをク
マジーブルーで染色した。CB−TSSBが予測されたゲルの領域は他の強い蛋
白質バンドを含み、T.thermophilusのSSB蛋白質は可視化でき
なかった。
【0263】 次に、各溶解物中の全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース
へ実施例2に記載されたとおりに移した(ブロットした)。各レーンは、1.5
μlの上清を含んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋白質は、前記のと
おり、ホスファターゼ配合ストレプトアビジンによる相互作用により可視化した
。内在のE.coliのビオチン結合蛋白質〜20kDaは誘導及び非誘導サン
プルの両者において検出できた。T.thermophilusのSSB蛋白質
に相当する蛋白質バンドはギブコ10kDa蛋白質ラダーの40kDa分子量ス
タンダードのすぐ下を移動した。CB−TSSBの予測された分子量は33.5
kDaであった。この蛋白質は誘導培養液中では弱いバンドとして観察されたが
、非誘導の対照溶解物中では観察されなかった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのssb遺伝子産物の大規模な生育 株pA1−CB−TSSB/MGC1030を250Lの発酵機中で生育させ
ることにより、実施例2に記載されたとおりにT.thermophilusの
SSB蛋白質の精製のための細胞を生成した。細胞回収は、8.4のOD600
おいて、誘導の3時間後に開始して、細胞は回収の間10℃に冷却した。回収容
量は178Lであって、最終回収重量は約2.4kgの細胞ペーストであった。
等量の(w/w)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細胞
ペーストに加えた。質のコントロールの結果は、接種物中アンピシリン含有培地
上の10の陽性コロニーのうち10を示し、誘導において8/10陽性コロニー
、そして回収において8/10の陽性コロニーを示した。細胞懸濁液を液体窒素
に注ぐことにより、細胞を凍結して、加工まで−20℃において保存した。 pA1−CB−TSSB/MGC1030によるヘキサヒスチジン及びビオチン
化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたSSBの最適硫酸アンモニウム沈殿
条件の決定 発現されたT.thermophilusのSSBを保有する細胞のスフェロ
プラストの創製により溶解を達成した。最初に、−20℃において保存されてい
たTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液100gから(50g細胞)、F
rIを調製した(170ml,14mg/ml)。調製は、実施例2に記載され
たとおりであった。次に、サンプルを4つの等容量に分割して(40ml)、6
.56,9.04,11.64及び14.44gの硫酸アンモニウム(30%、
40%、50%及び60%飽和)をそれぞれ各別々のサンプルに15分間隔で4
℃において加えた。混合物はさらに30分間4℃において放置して、次に23,
000 x gにて45分間0℃において遠心分離した。結果の沈殿物を2ml
のNi−NTA懸濁バッファーに懸濁した。30%、40%、50%及び60%
硫酸アンモニウム沈殿サンプルは、それぞれ、0.04,0.18,1.6及び
2.9mg/mlの濃度の蛋白質を含んだ。上記サンプルをSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動により分析した。30%及び40%の硫酸アンモニウム沈
殿サンプルは検出可能なSSB蛋白質を含まなかった。50%及び60%サンプ
ルは、T.thermophilusのSSBの分子量に相当する領域に移動す
る蛋白質の等しい強度のバンドを含んだ。このバンドは、上記引用の他の蛋白質
に比べて弱かったし、当該蛋白質の大規模な調製による収量は低いと考えられた
。Ni−NTA樹脂を使用したが硫酸アンモニウム沈殿を使用しないで精製され
たサンプルのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析も、別々のT
.thermophilus蛋白質バンドを可視化できなかった。 pA1−CB−TSSB/MGC1030によるヘキサヒスチジン及びビオチン
化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.thermophilusのS
SB蛋白質の精製 T.thermophilusのSSBの発現レベルの最初の分析が低い収量
を示したとしても、抗体産生のための十分な蛋白質が大規模調製物から得ること
ができた。発現されたT.thermophilusのSSBを保有する細胞の
スフェロプラストの創製により、溶解を達成した。実施例2に記載されたとおり
、−20℃において保存されていたTris−蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液
800gから(400g細胞)FrIを調製した(1270ml,10.6mg
/ml)。FrIに対して、硫酸アンモニウム(各初期ml画分I−50%飽和
まで0.291g)を15分間隔で加えた。上記混合物をさらに30分間4℃に
おいて放置して、次に23,000 x gにおいて45分間0℃において遠心
分離した。液体窒素への浸潤により結果の沈殿物を素早く凍結させて、−80℃
において保存した。
【0264】 蛋白質沈殿物を150mlのNi++−NTA懸濁バッファーに懸濁して、ダウ
ンスホモジェナイザーを用いてホモジェナイズした。サンプルを遠心分離により
透明にして(16,000 x g)、上清はFr IIとした(30mg/m
l)。Fr IIを50mlのNi−NTA樹脂の50%スラリーに加えて、1
.5時間4℃において振盪させた。次にこのスラリーをバイオラッドEcono
−カラム(2.5 x 5cm)に負荷した。当該カラムを400mlのNi++ −NTA洗浄バッファーで1.5ml/分の流速で洗浄した。T.thermo
philusのSSBを10−200mMイミダゾール試薬を含む250mlの
Ni++−NTA溶出バッファーで溶出した。溶出物を96 x 2.5ml画分
に回収した。画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びビオチンブロ
ット分析に供したところ、画分28−70が95%を超える全SSB蛋白質を含
むことがわかった(図51)。E.coliのδを対照として使用したが、分子
量がT.thermophilusのSSBに類するからである。クマジーブル
ー染色ゲル中で、T.thermophilusのSSBに相当する明確な蛋白
質バンドは限定できなかったが、しかしながら、ビオチンブロット分析は、T.
thermophilusのSSB蛋白質を含む画分を我々が決定することを可
能にした。画分28−70をプールして(100ml,0.76mg/ml)、
硫酸アンモニウムを50%飽和まで加えることにより沈殿させた。このサンプル
を前記の通りに遠心分離して、2つの蛋白質沈殿物をもたらした。 T.thermophilusのSSB蛋白質に対するポリクローナル抗体の産
生 上からの2つのT.thermophilusのSSB沈殿した蛋白質沈殿物
の一つを20mlのPBSに懸濁して、Fr IIIとした(1.5mg/ml
)。製造者の指示に従い、2mlのUltraLink(商標名)固定化モノマ
ーアビジンカラム(1.1cm x 2.5cm)(ピアス)をPBSプラス1
0%グリセロールで平衡化した。FrIIIサンプルをアビジンカラムに負荷し
、次に実施例3に記載されたとおり、洗浄(15ml)して、画分に溶出した。
画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析したところ、T.t
hermophilusのSSBに相当する弱い蛋白質バンドが画分4−35に
検出できた。これらの画分をプールして(27ml,0.01mg/ml)、硫
酸アンモニウムを50%飽和まで添加することにより蛋白質を沈殿させ、そして
沈殿物を遠心分離により回収し(23,000 x g,45分、0℃)、そし
て−80℃において保存した。次に、沈殿物を2mlのPBSに懸濁して(0.
01mg/ml)、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びビオチンブロ
ット分析に供した。このサンプルは2つの弱い上部の(upper)分子量の汚
染蛋白質を含んだが、しかしながら、SSB蛋白質の低い収量のため、我々はこ
のサンプルを抗体の産生に使用することを決定した。
【0265】 透析したサンプルを使用して、T.thermophilusのssb遺伝子
産物(SSB蛋白質)に対するポリクローナル抗体を実施例3に記載されたとお
りにして生成した。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端蛋白質に融合させたT.t
hermophilusのssb遺伝子を過剰に発現するプラスミド(pA1−
NB−TSSB)の構築 T.thermophilusのSSBの発現を増加させるため、SSBをN
−末端標識蛋白質として発現するようにベクターをデザインした。フォワード/
センスプライマー(ATGプライマー P138−S539pst,5’−AA
ACTGCAGGCTCGAGGCCTGAACCGCGTTTTCC−3’)
(SEQ ID NO:61)をデザインして、非相補部分が「AAA」クラン
プ部位及びPstI部位を含むようにした。当該プライマーの相補部分はコドン
2から始まるssb遺伝子の最初の25ヌクレオチドに相補であり、最初のコド
ン(「ATG」開始コドン)を排除する。これは、PCR産物がベクターpA1
−NB−AgeIへPstI部位において挿入されることを可能にし、よって、
ssb遺伝子をN−末端標識ペプチドとインフレームで融合させる。リバース/
アンチセンスプライマー(ATGプライマー P138−A1348stops
pe,5’−GACAACTAGTCATCAAAACGGCAAATCCTC −3’)(SEQ ID NO:62)は、非相補領域に「GACA」クラン
プ領域及びSpeI制限部位を含む。非相補領域は、天然の「TGA」停止コド
ンに隣接することになる追加の「TGA」(TCA)停止コドンも含み、タンデ
ムに2つの停止コドンを提供する。
【0266】 PCR反応はpA1−TSSBを鋳型として用いて、815bpの長さのPC
R産物を生じた。PstIとSpeIで消化したこのPCR産物をPstIとS
peIで消化したpA1−NB−AgeIに挿入し、そしてT.thermop
hilusのSpeIをコードする完全遺伝子を含んだプラスミドpA1−NB
−TSSBをもたらした。pA1−NB−TSSBでDH5α細菌を形質転換し
て、陽性の単離物を,5.6及び0.8kbの断片を生じるPstI及びSpe
I制限消化によるプラスミド消化により選抜した。一つの陽性単離物からのプラ
スミドを選択して、当該DNAの両鎖の正確な配列が挿入領域を横切るDNA配
列決定により確認された(ATG SEQ #1855−1859及び#188
4−1885;プライマー:P138−S913,P138−A1148,P1
38−A824,NB−Sseq,p64−A215)。この単離物をグリセロ
ールストック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#1101)
。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのSSBの発現の証明 プラスミドpA1−NB−TSSBを調製して、MGC1030細菌(ATG
グリセロールストック#1128)及びAP1.L1細菌(ATGグリセロール
ストック#1129)を形質転換した。各形質転換体からの3つの単離物をさら
なる研究のために選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例#2に記
載された通りであった。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む上清の小ア
リコート(3μl)を、25mM Tris塩基、192mMグリシン、及び0
.1% SDS中の4−20%SDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Nove
x,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)中の電気泳動に供した。ミ
ニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophilusのSSBの
予測された移動領域(約33.5kDa)に相当する単離物すべてからの明確な
蛋白質バンドが可視化された。
【0267】 次に、各溶解物中の全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース
へ実施例#2に記載されたとおりに移した(ブロットした)。各レーンは、全蛋
白質を含む1.5μlの上清を含んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋
白質は、前記のとおり、ホスファターゼ配合ストレプトアビジンによる相互作用
により可視化した。内在のE.coliのビオチン結合蛋白質〜20kDaは誘
導及び非誘導サンプルの両者において検出できた。T.thermophilu
sのSSB蛋白質に相当する蛋白質バンドはギブコ10kDa蛋白質ラダーの3
0と40kDa分子量スタンダードの間の中間を移動した。この蛋白質は誘導培
養液中では極めて強いバンドとして観察されたが、非誘導の対照溶解物中では観
察されなかった。 T.thermophilusのSSBのpA1−NB−TSSBによる発現の
最適化 T.thermophilusのssb遺伝子の発現は天然又はカップリング
されたC−末端融合ペプチドの両者として発現させた場合に、検出可能な蛋白質
の収量が低いか又は無かったので、細心の注意をN−末端融合ペプチドに連結し
たT.thermophilusのSSBに払って最適な発現を達成した。pA
1−NB−TSSBを保有するE.coli株MGC1030及びAP1.L1
の両方を用いて、異なる誘導時間において発現を分析した。細菌培養液の生育及
び分析は実施例#2に記載されたとおりに実施した。ビオチンブロット分析は、
発現レベルが37℃において高く、そしてAP1/L1細菌株中で発現させた場
合にわずかに良好であったことを示した。T.thermophilusのSS
Bの最適な収量は37℃において誘導の3時間後に達成された;この誘導時間を
次の実験において使用する。 pA1−NB−TSSB/AP1.L1の大規模な生育 株pA1−NB−TSSB/AP1.L1を250Lの発酵機中で生育させる
ことにより、実施例#2に記載されたとおりに、ヘキサヒスチジン及びビオチン
化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.thermophilusのS
SB蛋白質の精製のための細胞を生成した。細胞回収は、5.0のOD600にお
いて、誘導の3時間後に開始して、細胞は回収の間10℃に冷却した。回収容量
は180Lであって、最終回収重量は約2.07kgの細胞ペーストであった。
等量の(w/w)50mM Tris(pH7.5)及び10%蔗糖溶液を細胞
ペーストに加えた。細胞懸濁液を液体窒素に注ぐことにより、細胞を凍結して、
加工まで−20℃において保存した。質のコントロールの結果は、接種物中アン
ピシリン含有培地上の10の陽性コロニーのうち10を示し、誘導において10
陽性コロニーのうち10、そして回収において10の陽性コロニーのうち10を
示した。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのssb産物の精製 実施例2に記載されたとおりに、−20℃において保存されていたTris−
蔗糖中の凍結細胞の1:1懸濁液800g(400g細胞)の溶解を実施した。
回収した上清(1.4 l)をFr Iとした(10.7mg/ml)。FrI
に、硫酸アンモニウム(各初期ml画分I−50%飽和まで0.291g)を1
5分間隔で加えた。混合物はさらに30分間4℃において撹拌して、次に遠心分
離した(23,000 x g,45分間,0℃)。結果の沈殿物を液体窒素へ
浸潤することにより、素早く凍結させ、そして−80℃において保存した。
【0268】 100mlのNi++−NT懸濁バッファー(50mM Tris−HCl(p
H7.5),40mM KCl,7mM MgCl2,10%グリセロール、7
mM βME,0.1mM PMSF)に懸濁して、ダウンスのホモジェナイザ
ーを用いてホモジェナイズした。サンプルを遠心分離により透明にし(16,0
00 x g)、そして上清をFr IIとした。Fr IIをNi++−NTA
懸濁バッファー中のNi++−NTA樹脂の50%スラリー40mlに加えて、1
.5時間4℃において振盪した。次に、このスラリーをバイオラッドEcono
−カラム(2.5 x 5cm)に負荷した。当該カラムを、Ni++−NTA溶
出バッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5),40mM KCl
,7mM MgCl2,10%グリセロール、10mMイミダゾール、7mM
βME)300mlで0.5ml/分の流速で洗浄した。T.thermoph
ilusのSSBを10−200mMイミダゾール−HCl(pH7.5)勾配
を含む300mlのNi++−NTA溶出バッファー(50mM Tris−HC
l(pH7.5),40mM KCl,7mM MgCl2,10%グリセロー
ル、7mM βME)で溶出した。T.thermophilusのSSBは勾
配の半分より後半に溶出し、SDS−ポリアクリルアミドゲルにより測定したと
ころ、多数の汚染蛋白質を含んだ。これらの画分をプールして、硫酸アンモニウ
ムによる沈殿により蛋白質を単離した。
【0269】 沈殿蛋白質の1/3を10%グリセロール含有PBSに懸濁して、実施例#3
に記載されたとおりにモノマーのアビジンを用いてさらに精製した。このカラム
からの生産はほとんど均質なT.thermophilusのSSBであった(
20ml,0.23mg/ml)。
【0270】 沈殿蛋白質の残りの2/3を20mlのNi++−NTA懸濁バッファーに懸濁
して、Ni++−NTA樹脂の50%スラリー10mlと混合して、1.5時間4
℃において振盪した。前のように、樹脂をカラムに注ぎ、そして精製した。この
カラムからの生産はほとんど均質なT.thermophilusのSSBであ
った(68ml,0.5mg/ml)。両蛋白質精製物を液体窒素への浸潤によ
り凍結して、−80℃において後の分析のために保存した。 T.thermophilusのssb遺伝子(SSB)の翻訳共役ベクターp
TAC−CCA−ClaIへのクローン化 SSBを効率よく天然蛋白質として発現するため、我々は、SSBを翻訳共役
蛋白質として発現するようにベクターをデザインした。我々は、再び、実施例2
に記載されたとおりに翻訳共役を使用した。T.thermophilusのs
sb遺伝子をCCA付加酵素の後ろに挿入し、そして翻訳共役により発現させた
他のT.thermophilus蛋白質に関して記載されたとおりに翻訳共役
させた。最初に、ssb遺伝子をpA1−TSSBを鋳型として用いてPCRに
より増幅した。フォワード/センスプライマー(ATGプライマー #P138
−S533cla2,5’−ACTGATCGATAATGGCTCGAGGC CTGAACCGC −3’)(SEQ ID NO:63)は非相補領域中にC
laI制限部位を有する。非相補領域は、上流のCCA−付加蛋白質断片のため
の停止(TAA)の「TA」も含む。T.thermophilusのholA
遺伝子の5’末端に相補なプライマーの領域は「A」から始まるが、「ATG」
開始コドンの最初のヌクレオチドであり且つ「TAA」停止コドンの最後の「A
」である。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー #P138
−A1348stopspe,5’−GACAACTAGTCATCAAAAC GGCAAATCCTCC −3’)(SEQ ID NO:64)はプライマー
の非相補部分内にSpeI制限部位を含み、また天然の停止コドンに隣接して追
加の停止コドンも含み、タンデムに2つの停止コドンを提供する。SpeIによ
る効率よい切断のためのクランプ領域も存在した。次に、PCR産物をClaI
/SpeI制限酵素により消化して、同じ制限酵素で消化したpTAC−CCA
−ClaIプラスミドに挿入した。当該プラスミドでDH5α細菌を形質転換し
て、アンピシリン耐性陽性単離物からのプラスミドを、0.8と5.5kbの断
片を生じるClaI/SpeI制限酵素による消化により選抜した。挿入物の両
鎖の配列をDNA配列決定により証明した(ATG SEQ #1688−16
92;プライマー,P144−S23,P144−A1965,P65−A10
6,P138−S913,P138−A1148,P138−A828)。配列
分析は、正確な配列が挿入領域中に含まれたことを確証した。このプラスミドを
pTAC−CCA−TSSBと命名して、単離物をストック培養液として保存し
た(ATGグリセロールストック#1033)。 天然T.thermophilusのSSBのPTAC−CCA−TSSB/M
GC1030及びpTAC−CCA−TSSB/AP1.L1による発現の証明 pTAC−CCA−TSSBプラスミドを調製して、MGC1030細菌(A
TGグリセロールストック#1071,1072、1073)及びAP1.L1
(ATGグリセロールストック#1079)を形質転換した。細菌の生育と全細
胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りであった。全細胞蛋白質を含む上清
の小アリコート(3μl)を、25mM Tris塩基、192mMグリシン、
及び0.1% SDS中の4−20%SDS−ポリアクリルアミドミニゲル(N
ovex,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)中の電気泳動に供し
た。ミニゲルをクマジーブルーで染色した。T.thermophilusのS
SBの予測された分子量(29.8kDa)に相当する弱い蛋白質バンドが可視
化され、AP1.L1単離物中で、ギブコ10kDa蛋白質ラダーの30kDa
分子量スタンダードのすぐ上を移動した。
【0271】 実施例10 2つのT.thermophilusの dnaQ遺伝子(εサブユニット)の同定 以前のTth特許出願(米国出願#09/151888)から、プローブ5’
−CCT CGA ACA CCT CCT GCC GCA AGA CCC
TTC GAC CCA−3’(SEQ ID NO:34)を用いて、T.
thermophilusのゲノミックDNAを含むラムダライブラリーを選抜
した。このプローブを用いて、100を超える強い陽性プラークが同定されて、
再プレーティングにより確認した。3つを十分成長させ、dnaEに関して記載
されたとおりにDNAを精製した。一つ(cl#5.1.1)を次の配列決定の
ために選択した。dnaQ遺伝子の主要部分の配列は、PCR産物から選択され
た配列を用いて単離されたラムダDNA中の挿入物の配列を直接決定して配列決
定を開始することにより、得た。前に記載されたとおり(米国出願#09/15
1888)、配列の予備実験の際、他の細菌由来の他のDNAポリメラーゼII
Iのεサブユニットに対する有意な相同性を示すオープンリーディングフレーム
(ORF)を一つコードすることがわかった(BLAST検索に基づき)。強い
二次構造あるいは他のブロックがT.thermophilusのdnaQ遺伝
子のさらに3’側の配列を得ることを妨害した。
【0272】 上記の同定されたORFの配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミックス研究所に
おけるT.thermophilusのゲノムのデータベースを検索した。それ
は、我々の部分的なTthのdnaQ配列によく似ていることを示す2つのオー
プンリーディングフレームを示した。密接にマッチしたものをdnaQ−1と命
名して、スコアリングマッチが低かったものをdnaQ−2と命名した。dna
Q−2は実施例14に記載する。相同性スコアのみで、実際の配列データはウエ
ブサイトから利用できなかった。Dr.Carsten Jacobi(ゲッチ
ンゲンゲノミックス研究所、微生物学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り8
、ゲッチンゲン、独国)は、彼らのウエブサイト上で、我々のBLASTのヒッ
トの領域内の未加工の非自動化不完全配列情報を提供することに同意した。配列
の調査は、2つの明確に異なるが相同なdnaQ様遺伝子を示唆した。最初に、
dnaQ−1に焦点を絞ると、いくつかの制限部位(NgoMIV,BamHI
,NcoI及びSacI)がdnaQ−1遺伝子の上流及び下流に同定された。
T.thermophilusのdnaQ−1遺伝子の完全に正確な配列を得る
ため、ラムダクローン#5.1.1(米国出願#09/151888に記載され
た)をNgoMIV,BamHI,NcoI及びSacI制限酵素により消化し
た。制限消化は、5μl(約2.8μgのDNA)のラムダクローン#5.1.
1において実施した。消化したDNAサンプルを1%アガロースゲル上で電気泳
動して、キャピラリーによりMSIマグナグラフナイロン膜に移した。ブロット
(10 x 15cm)を20mlのAmbion Ultrahyb(商標名
)ハイブリダイゼーション溶液で42℃において2時間処理し、次に、20ng
のビオチン化プローブ(プローブ5’−CCT CGA ACA CCT CC
T GCC GCA AGA CCC TTC GAC CCA−3’)(SE
Q ID NO:35)をハイブリダイゼーションバッグに加え、そしてブロッ
トを42℃において一晩インキュベートした。NEB Photo CDP−S
tar化学発光検出キット(ニューイングランドバイオラブズ)を製造者の指示
に従い使用して、ブロットを処理して検出した。プローブは1kb NgoMI
V/SacI制限断片にハイブリダイズした。この1kbのNgoMIV/Sa
cI制限断片をサブクローン化及び配列決定のために選択した。
【0273】 pUC21クローニングベクター(シグマ)を受容DNAとして選択して、N
goMIV/SacI消化に供した。ラムダクローン#5.1.1のNgoMI
V/SacI断片を、消化いたpUC21内に連結した。結果のプラスミドでD
H5αを形質転換して、単離物をアンピシリン耐性に関して選択した。プラスミ
ドを一つの陽性単離物から精製して、予測された1.0及び2.7kb及び48
0bp及び3.3kbno断片をそれぞれ生じるNgoMIV/SacI及びX
hoIによるプラスミドの消化により選抜した。挿入された領域の両DNA鎖を
配列決定した(ATG SEQ #1437−1442;プライマー,M13リ
バースプライマー,P140−S839,P140−S1209,P140−A
1443,P140−A1089及びpUC21−A829)。このプラスミド
をpUC21−TQと命名して、単離物をストック培養液として保存した(AT
Gグリセロールストック#843)。
【0274】 T.thermophilusのdnaQ−1遺伝子のDNAコーディング配
列(SEQ ID NO:36)を図52に示す。開始コドン(atg)及び停
止コドン(tga)を太字で示す。図53にも示すのは、上記DNAコーディン
グ配列に由来する蛋白質(アミノ酸)配列(SEQ ID NO:37)である
。 T.thermophilusのdnaQ−1遺伝子を発現するプラスミド(p
A1−TQ)の構築 天然蛋白質としてT.thermophilusのdnaQ−1遺伝子産物(
ε1サブユニット)の発現を達成した。pA1−TQの構築は、天然T.the
rmophilusのdnaQ−1遺伝子のpA1−CB−Cla−2プラスミ
ドへの挿入により実施した。pUC21−TQプラスミドを調製して、T.th
ermophilusのdnaQ−1遺伝子をpUC21−TQプラスミドから
PCRにより増幅した。PCR反応において使用したフォワード/センスプライ
マー(ATGプライマー #P140−S96cla;5’−CCATCGAT
CCTGCAGGTCTGGAGG−3’)(SEQ ID NO:38)を
デザインして、dnaQ−1遺伝子のために使用したATG開始コドンのATと
オーバーラップする上流のClaI部位を有するようにした。dnaQ−1遺伝
子の天然の停止コドンはGTGであり、これは上記プライマー中でATG開始コ
ドンにより置換ることにより、E.coli内の発現を可能にさせた。リバース
/アンチセンスプライマー(ATGプライマー #P140−A713kpn;
5’−GACGGTACCTCATCAGTACCTGAGCCGGGCCAA −3’)(SEQ ID NO:39)をデザインして、天然停止コドンにタン
デムに配置された追加の停止コドンを有するようにした。この追加の停止コドン
は上記プライマーの非相補領域においてKpnI制限部位に隣接した。PCR産
物をClaIとKpnI制限酵素により消化した。消化したPCR産物をCla
I/KpnI消化したpA1−CB−Cla−2プラスミドに挿入した。これら
のプラスミドでDH5α細菌を形質転換して、陽性の単離物をアンピシリン耐性
により選択した。プラスミドを一つのクローンから精製して、0.6と5.6k
bの断片を生じる精製プラスミドのClaI/KpnI消化により選抜した。こ
のプラスミド内の挿入領域をDNA配列決定に供することにより、正確な配列を
確認した(ATG SEQ #1508−1511;プライマー,P38−S5
576,P65−A106,P140−S839及びP140−A1089)。
このプラスミドをpA1−TQと命名して、単離物をストック培養液として保存
した(ATGグリセロールストック#900)。 T.thermophilusのdnaQ−1遺伝子(εサブユニット)を天然
蛋白質としてpA1−TQ/MGC1030から過剰発現するプラスミド(pA
1−TQ)の発現の証明 pA1−TQプラスミドを調製して、MGC1030細菌を形質転換した。3
つの単離物を次の研究のために選択した(ATGグリセロールストック#921
,922,923)。細菌の生育及び部位に細胞蛋白質の単離は実施例2に記載
されたとおりに実施した。3つの単離物各々からの全細胞単を含む小アリコート
(3μl)を、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex
,EC60255;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩
基、192mMグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをク
マジーブルーで染色した。εサブユニットの予測された移動領域に相当する単離
物の如何なるものからの可視蛋白質バンドもなかった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaQ−1(ε1サブユニット)を過剰発現する
プラスミド(pA1−CB−TQ)の構築 天然のεサブユニットを発現させる初期の試みは失敗に終わったため、ヘキサ
ヒスチジン及びビオチン化部位を含む融合ペプチドにT.thermophil
usのdnaQ−1遺伝子をカップリングさせるようにベクターをデザインした
。pA1−CB−TQの構築も、T.thermophilusのdnaQ−1
遺伝子のpA1−CB−Cla2プラスミドへの挿入により実施した。リバース
/アンチセンスプライマーは、しかしながら、当該遺伝子の3’末端上にSpe
I部位を付加することにより、ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−
末端ペプチドをコードするDNAとフレームが合うようなpA1−CB−Cla
2プラスミドへの挿入を可能にした。pUC21−TQプラスミドをPCR鋳型
として使用するために調製した。T.thermophilusのdnaQ−1
遺伝子を、pUC21−TQプラスミドからPCRを用いて増幅した。フォワー
ド/センスプライマー(ATGプライマー #P140−S96cla)はpA
1−TQを生成するのに使用したのと同じであった。リバース/アンチセンスプ
ラスミド(ATGプライマー #P140−A708Spe;5’−CCTCA
CTAGTGTACCTGAGCCGGGCCAA−3’)(SEQ ID N
O:40)は、SpeI制限部位が終わりから2番目のコドンに隣接するように
デザインした(停止コドンは除去した)。当該SpeI部位は、上記の発現され
た蛋白質が、εサブユニットのC−末端アミノ酸とC−末端融合ペプチドの間に
2つの追加のアミノ酸(ThrとSer)を含むことを可能にさせた。上記PC
R産物をClaIとSpeI制限酵素により消化して、ClaI/SpeI消化
したpA1−CB−Cla2プラスミドへ挿入した。次に、上記プラスミドでD
H5α細菌を形質転換して、陽性単離物からのプラスミドをアンピシリン耐性に
関して選択した。プラスミドを一つの陽性単離物から単離して、0.6と5.6
kbの断片を生じるClaIとSpeI制限酵素による消化により選抜した。挿
入された領域の正確な配列はDNA配列決定により確認した(ATG SEQ
#1526−1529;プライマー,P38−S5576,P65−A106,
P140−S839及びP140−A1089)。このプラスミドをpA1−C
B−TQと命名して、単離物をストック培養液として保存した(ATGグリセロ
ールストック#911)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaQ−1遺伝子(ε1サブユニット)をpA1
−CB−TQ/MGC1030から過剰発現するプラスミド(pA1−CB−T
Q1)の発現の証明 pA1−CB−TQ1プラスミドを調製して、MGC1030細菌を形質転換
した。3つの単離物(ATGグリセロールストック#929)を次の研究のため
に選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りに実
施した。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を
、4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC602
55;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192m
Mグリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルー
で染色した。ε1サブユニットの予測された移動領域に相当する単離物の如何な
るものからの可視蛋白質バンドもなかった。
【0275】 次に、溶解物からの全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース
へ、実施例2に記載されたとおりに移した。ブロットされたニトロセルロース上
の蛋白質は、ホスファターゼ−配合ストレプトアビジンとの相互作用により可視
化した。内在のE.coliビオチン−CCP、〜20kDaが誘導及び非誘導
サンプルの両方において検出可能であった。ε1サブユニットに相当する蛋白質
バンドがギブコ10kDa蛋白質ラダーの20kDaと30kDaの分子量スタ
ンダードの間のほぼ中間を移動した。これは、25.8kDaの予測され分子量
に一致する。この蛋白質は誘導培養物中で弱いバンドとして観察されたが、AP
1.L1からの溶解物中においては非誘導の対照中に観察されなかった。当該蛋
白質は精製の試みが正当であると理由付けするのにはあまりに低いレベルでしか
発現されなかった。
【0276】 実施例11 T.thermophilusのUvrDヘリカーゼ T.thermophilusのuvrD遺伝子の同定とクローン化 E.coliの由来のUvrD蛋白質配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミック
ス研究所におけるT.thermophilusのゲノムのデータベースを検索
した。仮想T.thermophilus uvrD遺伝子を含む、T.the
rmophilusのゲノムの領域(2−4−2000コンティーグワーキング
.0.15372,領域40201−46740)が同定されて(BLASTを
使用して)、得られた(Dr.Carsten Jacobiから、ゲッチンゲ
ンゲノミックス研究所、微生物学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り8、ゲ
ッチンゲン、独国)。未加工の配列を用いて、uvrD遺伝子を増幅するために
2つのPCRプライマーをデザインした。N−末端標識蛋白質を発現するのに我
々が有する全てのベクターは、当該ベクターへ上記遺伝子の5’末端を挿入する
ためのPstI部位を必要とする。しかしながら、uvrD遺伝子内にPstI
がある。この問題を克服するため、NsiI部位をフォワード/センスプライマ
ー(ATGプライマーP159−S1689,5’−GACTATGCATAG CGACGCCCTCCTAGCCCCCCTCAAC −3’)(SEQ ID
NO:65)の非相補領域に加えた。PCR産物のNsiI制限切断部位は、
pA1−NB−AgeIプラスミド上でPstI制限切断部位により利用(アニ
ール)され得る4つのヌクレオチド突出を残すことになる。PstIとNsiI
部位は連結により破壊されるが、uvrD遺伝子はN−末端融合ペプチドをコー
ドするDNA内にフレームが合って挿入される。PCR産物はGTG開始コドン
排除して、コドン2から始まり、コドン2にNsiI部位が隣接する。リバー
ス/アンチセンスプライマー(ATGプライマーP159−A3786,5’−
GACTACTAGTCTATCATGCCGGCTTAAGCTCCGCG
3’)(SEQ ID NO:66)は、天然の「TGA」停止コドンに隣接し
て追加の「TAG」停止コドンを、そしてSpeI制限部位を非相補領域中に含
むようにデザインした。両プライマーは、NsiIとSpeI制限酵素による効
率よい消化を可能にするための追加のヌクレオチドを含んだ。PCR反応はT.
thermophilusのゲノミックDNAを鋳型として用いて、2410b
pの長さのPCR産物を生成した。NsiIとSpeIで消化したこのPCR断
片をPstIとSpeIで消化したpA1−NB−AgeIに挿入して、T.t
hermophilusのUvrDヘリカーゼをコードする完全遺伝子を含んだ
プラスミドpA1−NB−TuvrDをもたらした。
【0277】 pA1−NB−TuvrDでDH5α細菌を形質転換して、陽性単離物を5.
5と2.45kbの断片を生じるNdiIとSpeI制限消化によるプラスミド
の消化に関して選抜した。一つの陽性単離物からのプラスミドを選択して、当該
DNAの両方の鎖の正確な配列を挿入領域を横切るDNA配列決定により確認し
た(ATG SEQ #1993−2005;プライマー:P159−S192
6,P159−S2326,P159−S2733,P159−S3134,P
159−S3540,P159−A3592,P159−A3332,P159
−A3154,P159−A2770,P159−A2471,P159−A2
060,NB−Sseq,p64−A215)。この単離物をグリセロールスト
ック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#1161)。
【0278】 このDNA配列を、ゲッチンゲンゲノミックス研究所におけるT.therm
ophilusのゲノムのデータベースから得た未加工の配列と比較するに際し
て、不一致が観察された。よって、この単離物の挿入領域を配列決定することに
より得たuvrD遺伝子をコードするDNAの配列を適合させるため、第2のク
ローンを不可欠なエリアにおいて配列決定した(ATG SEQ #2007−
2008,プライマー;P159−A3154及びP159−A2471)。未
加工のDNA配列に関して報告されたものからの上記遺伝子の配列決定により観
察された変化は:337位のC>G(アミノ酸変化なし);466位のC>T(
アミノ酸変化なし);731位のGの欠失(フレームシフト);776位のGの
挿入(フレームシフト);1474位のT>C(アミノ酸変化なし);1475
位のT>C(Ser>Proのアミノ酸変化);1481位のG>C(Pro>
Alaのアミノ酸変化)であった。
【0279】 T.thermophilusのuvrD遺伝子のDNAコーディング配列を
示す(図54、SEQ ID NO:67)。開始コドン(gtg)停止コドン
(tga)を太字で示す。また、上記DNA配列由来の蛋白質(アミノ酸)配列
(図55、SEQ ID NO:68)も示す。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのUvrDの発現の証明 pA1−NB−TuvrDプラスミドを調製して、MGC1030及びAP1
.L1細菌を形質転換した。各形質転換体からの3つの単離物を次の研究のため
に選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りであ
った。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を、
4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC6025
5;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mM
グリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで
染色した。uvrD(約80kDa)の予測された移動領域に相当する単離物の
如何なるものからの可視蛋白質バンドもなかった。
【0280】 次に、各溶解物からの全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スへ、実施例2に記載されたとおりに移した。各レーンは1.5ulの上清を含
んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋白質は、前記のとおりにホスファ
ターゼ−配合ストレプトアビジンとの相互作用により可視化した。内在のE.c
oliビオチン−CCP、〜20kDaが誘導及び非誘導サンプルの両方におい
て検出可能であった。T.thermophilusのuvrD蛋白質に相当す
る蛋白質バンドがギブコ10kDa蛋白質ラダーの80kDaの分子量スタンダ
ードのすぐ下を移動した。この蛋白質は誘導培養物中で弱いバンドとして観察さ
れたが、非誘導の対照溶解物中に観察されなかった。MGC1030及びAP1
.L1中のpA1−NB−TuvrDのグリセロールストック(ATGグリセロ
ールストックそれぞれ#1177及び1178)を−80℃において保存した。
【0281】 実施例12 T.thermophilusのDnaG−プライマーゼ T.thermophilusのdnaG遺伝子の同定とクローン化 E.coli由来のDnaG蛋白質配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミックス
研究所におけるT.thermophilusのゲノムのデータベースを検索し
た。仮想T.thermophilus dnaG遺伝子を含む、T.ther
mophilusのゲノムの領域(2−4−2000コンティーグワーキング.
0.24624,領域42961−48060)が同定されて(BLASTを使
用して)、得られた(Dr.Carsten Jacobiから、ゲッチンゲン
ゲノミックス研究所、微生物学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り8、ゲッ
チンゲン、独国)。未加工の配列を用いて、dnaG遺伝子を増幅するために2
つのPCRプライマーをデザインした。フォワード/センスプライマー(ATG
プライマーP161−S1922,5’−GACTCTGCAGGACGCGG GCCAGGCGGTGGAGCTGA −3’)(SEQ ID NO:69)
は、非相補部分が「GACT」クランプ領域及びPstI部位を含むようにデザ
インされる。当該プライマーゼの非相補部分はコドン2から始まるdnaG遺伝
子の最初の25ntに相補であり、最初のコドン(「ATG」開始コドン)が排
除される。これは、PCR産物がPstI部位においてベクターpA1−NB−
Avr2(BamHI−)に挿入されることを可能にし、当該遺伝子をN−末端
標識されたペプチドとインフレームに融合させる。リバース/アンチセンスプラ
イマー(ATGプライマーP161−A3714,5’−GACTACTAGT
CTACTAGGTGGACCAGCCCGAAGGA−3’)(SEQ ID
NO:70)は、「GACT」クランプ領域及びSpeI制限部位を非相補領
域に含む。当該非相補領域は、天然の「TGA」停止コドンに隣接することにな
る追加の「TAG」(CTA)停止コドンも含むことにより、タンデムに2つの
停止コドンを提供する。
【0282】 T.thermophilusのdnaG遺伝子の配列は、(図56、SEQ
ID NO:71)である。開始(atg)コドン及び停止(tga)コドン
を太字で示す。当該DNA配列由来の蛋白質(アミノ酸)配列も示す(図57、
SEQ ID NO:72)。
【0283】 PCR反応はT.thermophilusのゲノミックDNAを鋳型として
用いて、2148bpの長さのPCR産物を生成した。PstIとSpeIで消
化したこのPCR断片をPstIとSpeIで消化したpA1−NB−Avr2
(BamHI−)に挿入して、T.thermophilusのDnaGプライ
マーゼをコードする完全遺伝子を含んだプラスミドpA1−NB−TdnaGを
もたらした。pA1−NB−TdnaGでDH5α細菌を形質転換して、陽性単
離物を5.6と2.15kbの断片を生じるPstIとSpeI制限消化による
プラスミドの消化に関して選抜した。一つの陽性単離物からのプラスミドを選択
して、当該DNAの両方の鎖の正確な配列を挿入領域を横切るDNA配列決定に
より確認した(ATG SEQ #2022−2031;プライマー:P161
−S2260,P161−S2650,P161−S3056,P161−S3
349,P161−A3375,P161−A3048,P161−A2694
,P161−A2389,NB−Sseq,p64−A215)。ここで決定し
たDNA配列をゲッチンゲンゲノミックス研究所におけるT.thermoph
ilusのゲノムのデータベースから得た未加工の配列と比較したが、違いは観
察されなかった。この単離物をグリセロールストック培養液として保存した(A
TGグリセロールストック#1173)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのDnaGの発現の証明 pA1−NB−TdnaGプラスミドを調製して、MGC1030及びAP1
.L1細菌を形質転換した。各形質転換体からの3つの単離物を次の研究のため
に選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りであ
った。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を、
4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC6025
5;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mM
グリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで
染色した。DnaG(約80kDa)の予測された移動領域に相当する単離物の
全てから明確な蛋白質バンドが可視化された。
【0284】 次に、各溶解物からの全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スへ、実施例2に記載されたとおりに移した。各レーンは1.5ulの上清を含
んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋白質は、前記のとおりにホスファ
ターゼ−配合ストレプトアビジンとの相互作用により可視化した。内在のE.c
oliビオチン−CCP、〜20kDaが誘導及び非誘導サンプルの両方におい
て検出可能であった。T.thermophilusのDnaG蛋白質に相当す
る蛋白質バンドがギブコ10kDa蛋白質ラダーの70と80kDaの分子量ス
タンダードの間の中間を移動した。この蛋白質は誘導培養物中で弱いバンドとし
て観察されたが、非誘導の対照溶解物中に観察されなかった。MGC1030及
びAP1.L1中のpA1−NB−TdnaGのグリセロールストック(ATG
グリセロールストックそれぞれ#1182及び1183)を−80℃において保
存した。
【0285】 実施例13 T.thermophilusのPriA−ヘリカーゼ T.thermophilusのpriA遺伝子の同定とクローン化 E.coli由来のPriA蛋白質配列を用いて、ゲッチンゲンゲノミックス
研究所におけるT.thermophilusのゲノムのデータベースを検索し
た。仮想T.thermophilus priA遺伝子を含む、T.ther
mophilusのゲノムの領域(2−4−2000コンティーグワーキング.
0.2196,領域36541−42840)が同定されて(BLASTを使用
して)、得られた(Dr.Carsten Jacobiから、ゲッチンゲンゲ
ノミックス研究所、微生物学及び遺伝学研究所、グリーゼバッハ通り8、ゲッチ
ンゲン、独国)。未加工の配列及び開始コドン及び停止コドンの正確な配置が不
確実なため、我々は、仮想開始コドンの約200bp上流から始まる領域から、
仮想停止コドンの約200bp下流まで配列決定することに決定した。未加工の
配列を用いて、priA遺伝子を増幅するために2つのPCRプライマーをデザ
インした。フォワード/センスプライマー(ATGプライマーP162−S96
3,5’−CCGAAGAGCCTCTCCAGGAGGGGGAGGAGGG GAACCA −3’)(SEQ ID NO:73)及びリバース/アンチセン
スプライマー(ATGプライマー162−A3625、5’−GGGGCAGC CGCAAGGGGTAAGGGTAGAAAA −3’)(SEQ ID NO
:74)を、T.thermophilusのゲノミックDNAを鋳型として用
いて、2676bpのDNA断片を生じさせた。このDNA断片を製造者の指示
に従いpGEM−TEasyプラスミドのT/Aクローニング部位へ挿入するこ
とにより、pT−TpriAを創製した。このプラスミドでDH5α細菌を形質
転換して、陽性単離物を2.7と3.0kbの断片を生じるEcoRI制限消化
によるプラスミドの消化、及び0.6と5.1kbの断片を生じるHindII
I制限消化によるプラスミドの消化に関して選抜した。一つの陽性単離物からの
プラスミドを選択して、当該DNAの両方の鎖の正確な配列を挿入領域を横切る
DNA配列決定により確認した(ATG SEQ #1969−1982,20
09−2017,及び2042−2043;プライマー:SP6,T7−Spe
2,P162−S1292,P162−S1656,P162−S2026,P
162−S2408,P162−S2781,P162−S3173,P162
−A3257,P162−A2825,P162−A2446,P162−A2
038,P162−A1709,P162−A1243,P162−S963,
P162−A1335,P162−S1146)。ここで決定したDNA配列を
ゲッチンゲンゲノミックス研究所におけるT.thermophilusのゲノ
ムのデータベースから得た未加工の配列と比較したが、不一致は認められなかっ
た。この単離物をグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリセロ
ールストック#1155)。
【0286】 T.thermophilusのpriA遺伝子の配列は、(図58、SEQ
ID NO:75)である。開始(gtg)コドン及び停止(tag)コドン
を太字で示す。当該DNA配列由来の蛋白質(アミノ酸)配列も示す(図59、
SEQ ID NO:76)。
【0287】 発現ベクターpA1−NB−AgeI中にT.thermophilus遺伝
子を挿入してN−末端標識蛋白質として発現させるため、5’PstI制限部位
及び3’SpeI制限部位を必要とした。これは、非相補領部分が「GACT」
クランプ領域及びPstI制限部位を含むようにデザインされたフォワード/セ
ンスプライマー(ATGプライマーP162−S1052,5’−GACTCT
GCAGCGGGTGCTTCAGGTGGCCCTTC−3’)(SEQ I
D NO:77)を用いて、T.thermophilus遺伝子をPCRによ
り増幅して達成した。上記プライマーの相補部分はコドン2で始まるpriAの
最初の22ntに相補であり、最初のコドン(このケースでは開始コドンが「G
TG」)が排除される。リバース/アンチセンスプライマー(ATGプライマー
P162−A3180,5’−CAGTACTAGTCTAGTCCTCCAA AAGCCCCACGA −3’)(SEQ ID NO:78)は、非相補領領
域に「GACT」クランプ領域及びSpeI制限部位を含む。このPCRプライ
マーは追加の停止コドンを含むことができないか、又は天然の「TAG」(ct
a)に隣接することになる追加のSpeIを創製する。PCR反応はpT−Tp
riAを鋳型として用いて、2130bpの長さのPCR産物を生じた。このP
CR断片をPstIとSpeIで消化して、PstIとSpeIで消化したpA
1−NB−AgeIに挿入して、T.thermophilusのPriAヘリ
カーゼをコードする完全な遺伝子を含んだプラスミドpA1−NB−TpriA
をもたらした。pA1−NB−TpriAでDH5α細菌を形質転換して、陽性
単離物を、5.6と2.13kbの断片を生じるPstIとSpeI制限消化に
よるプラスミドの消化に関して選抜した。一つの陽性単離物からのプラスミドを
選択して、当該DNAの両方の鎖の正確な配列を挿入領域を横切るDNA配列決
定により確認した(ATG SEQ #2057−2070;プライマー:P1
62−S1146,P162−S1292,P162−S1656,P162−
S2026,P162−A2408,P162−S2781,P162−A28
25,P162−A2446,P162−A2038,P162−A1709,
P162−A1335,P162−A1243,NB−Sseq,p64−A2
15)。この単離物をグリセロールストック培養液として保存した(ATGグリ
セロールストック#1192)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むN−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのPriAの発現の証明 pA1−NB−TpriAプラスミドを調製して、MGC1030及びAP1
.L1細菌を形質転換した。各形質転換体からの3つの単離物を次の研究のため
に選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りであ
った。3つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を、
4−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC6025
5;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mM
グリシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで
染色した。priA(約81.5kDa)の予測された移動領域に相当する単離
物の全てから明確な蛋白質バンドが可視化された。
【0288】 次に、各溶解物からの全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スへ、実施例2に記載されたとおりに移した。各レーンは1.5ulの上清を含
んだ。ブロットされたニトロセルロース上の蛋白質は、前記のとおりにホスファ
ターゼ−配合ストレプトアビジンとの相互作用により可視化した。内在のE.c
oliビオチン−CCP、〜20kDaが誘導及び非誘導サンプルの両方におい
て検出可能であった。T.thermophilusのPriA蛋白質に相当す
る蛋白質バンドがギブコ10kDa蛋白質ラダーの80と90kDaの分子量ス
タンダードの間の中間を移動した。この蛋白質は誘導培養物中で弱いバンドとし
て観察されたが、非誘導の対照溶解物中に観察されなかった。MGC1030及
びAP1.L1中のpA1−NB−TpriAのグリセロールストック(ATG
グリセロールストックそれぞれ#1196及び1197)を−80℃において保
存した。
【0289】 実施例14 T.thermophilusのdnaQ−2のクローン化 T.thermophilusのdnaQ−2遺伝子をコードするORFは互
いにフレームが一致しない2つの可能な開始部位を含んだ。よって、正確な開始
コドンを決定するため、及びT.thermophilusからのT.ther
mophilus dnaQ−2遺伝子をコードする遺伝子の配列を確認するた
め、ゲノミックDNAをPCRにより開始コドン及び停止コドンの約200bp
上流及び下流に位置する2つをプライマーを用いて増幅した。フォワード/セン
スプライマー(ATGプライマー#P133−S150,5’−TGGGGGC GAACCTCACG −3’)(SEQ ID NO:79)及びリバース/ア
ンチセンスプライマー(ATGプライマー#P133−A1237,5’−AC CCCGGCCTTCCAGTCCA −3’)(SEQ ID NO:80)及
びT.thermophilusのゲノミックDNAを鋳型として用いて、10
88bpのPCR産物をもたらした。このPCR断片をpGEM−T Easy
プラスミドに挿入して、DH5αを形質転換して、アンピシリン耐性に関して単
離物を選択した。プラスミドを一つの単離物から精製して、予測された1.1と
3.0kbの断片を生じるEcoRI消化により選抜した。挿入された領域の両
DNA鎖を配列決定した(ATG SEQ #1330−1335,SP6,T
7,P133−S456,P133−S894,P133−A896,P133
−A527)。未加工の配列と比較すると、上記DNA配列と1塩基対の不一致
が存在した。最初のGTG開始コドンの下流61塩基から始まる未加工の配列に
示された4つの「T」が存在した。ATG社によるDNA配列決定は3つの「T
」のみを示唆及び確認した。これは、両方の可能なGTG開始コドンがインフレ
ームに存在したこと、及び最初のGTGが天然の開始コドンであるらしかったこ
とを示した。このプラスミドをpT−TQ−2と命名して、単離物をストック培
養液として保存した(ATGグリセロールストック#785)。
【0290】 T.thermophilusのdnaQ−1遺伝子(SEQ ID NO:
81)を図60に示す。2つの可能な開始コドン(gtg)及び停止コドン(t
ga)を太字で示す。図61には、上記DNAコーディング配列由来の、蛋白質
(アミノ酸)配列(SEQ ID NO:82)も示す。 T.thermophilusのdnaQ−2遺伝子を発現するプラスミド(p
A1−TQ2)の構築 T.thermophilusのdnaQ−2遺伝子産物(ε2サブユニット
)の天然蛋白質としての発現を達成した。pA1−TQ2の構築は、天然T.t
hermophilus dnaQ−2遺伝子のpA1−CB−NcoIプラス
ミドへの挿入により実施した。T.thermophilusのdnaQ−2遺
伝子はPCRを用いてT.thermophilusゲノミックDNAから増幅
した。PCR反応に用いたフォワード/センスプライマー(ATGプライマー#
P133−S442nco;5−GGATCCATGGAGCGGGTGGTG CGGCCCCTTCTG −3)(SEQ ID NO:83)は、dnaQ−
2遺伝子のために使用されたATG開始コドンのTGGとオーバーラップする上
流のNcoI部位を有するようにデザインした。dnaQ−2遺伝子のための天
然開始コドンはGTGであり、これをプライマー中でATG開始コドンに代える
ことによりE.coli中での発現を可能にさせた。リバース/アンチセンスプ
ライマー(ATGプライマー#P133−A109kpn;5−AAGCTAG
GTACCTACTACCTCCCGAGTTCCCAAAG−3)(SEQ
ID NO:84)は、天然の停止コドンにタンデムに配置された追加の停止コ
ドンを含むようにデザインされた。この追加の停止コドンはプライマーの非相補
領域中においてKpnI制限部位に隣接した。PCR産物はNcoIとKpnI
制限酵素により消化した。消化したPCR産物をNcoI/KpnI消化したp
A1−CB−NcoIプラスミドに挿入した。これらのプラスミドでDH5α細
菌を形質転換して、陽性単離物をアンピシリン耐性により選択した。プラスミド
を一つの単離物から精製して、0.65と5.7kbの断片を生じるNcoI/
KpnI消化により選抜した。このプラスミド中の挿入された領域の両DNA鎖
を配列決定した(ATG SEQ #1384−1387,1404−1405
;プライマー,P38−S5576,P65−A106,P133−S635,
及びP133−A817)。このプラスミドをpA1−TQ2と命名して、スト
ック培養液として保存した(ATGグリセロールストック#815)。 T.thermophilusのdnaQ−2遺伝子(ε2サブユニット)を天
然蛋白質として過剰発現するプラスミド(pA1−TQ2)の発現のpA1−T
Q2/MGC1030及びpA1−TQ2/AP1.L1による証明 pA1−TQ2プラスミドを調製して、MGC1030及びAP1.L1細菌
を形質転換した。3つの単離物をpA1−TQ2/MGC1030から(ATG
グリセロールストック#828,829,830)そしてAP1.L1から(A
TGグリセロールストック#847,848,849)次の研究のために選択し
た。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は、実施例2に記載された通りに実施した
。6つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を、4−
20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255;
1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mMグリ
シン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染色
した。ε2サブユニットの予測された移動領域に相当する何れの単離物からも周
囲の内在E.coliから分離され得る蛋白質バンドはなかった。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaQ−2(ε2サブユニット)を過剰発現する
プラスミド(pA1−CB−TQ2)の構築 天然のεサブユニットを発現させる初期の試みが失敗したので、ヘキサヒスチ
ジン及びビオチン化部位を含む融合ペプチドにT.thermophilusの
dnaQ−2遺伝子をカップリングさせるようにベクターをデザインした。pA
1−CB−TQ2の構築も、T.thermophilusのdnaQ−2遺伝
子のpA1−CB−NcoIプラスミドへの挿入により実施した。フォワード/
センスプライマーはpA1−TQ2の構築に使用したのと同じであった(ATG
プライマー#P133−S442nco)。T.thermophilusのゲ
ノミックDNAをPCR鋳型として使用した。リバース/アンチセンスプライマ
ー(ATGプライマー#P133−A1084Spe;5−CCTCACTAG TCCTCCCGAGTTCCCAAAGCGT −3)(SEQ ID NO:
85)は、SpeI制限部位が終わりから2番目のコドンに隣接するようにデザ
インした(停止コドンは除去した)。SpeI部位は発現された上記蛋白質が、
ε2サブユニットのC−末端アミノ酸とC−末端融合ペプチドの間に2つの追加
のアミノ酸(ThrとSer)を含ませることを可能にした。当該PCR産物を
NcoIとSpeI制限酵素で消化して、NcoI/SpeI消化したpA1−
CB−NcoIプラスミドに挿入した。これらのプラスミドでDH5α細菌を形
質転換して、陽性単離物をアンピシリン耐性により選択した。プラスミドを一つ
の単離物から精製して、0.65と5.7kbの断片を生じるNcoI/Spe
I消化により選抜した。挿入された領域の正確な配列を配列決定した(ATG
SEQ #1388−1391,1406−1407;プライマー,P38−S
5576,P65−A106,P133−S635,及びP133−A817)
。このプラスミドをpA1−TQ2と命名して、ストック培養液として保存した
(ATGグリセロールストック#816)。 ヘキサヒスチジン及びビオチン化部位を含むC−末端ペプチドに融合させたT.
thermophilusのdnaQ−2遺伝子(ε2サブユニット)を過剰発
現するプラスミド(pA1−CB−TQ)のpA1−CB−TQ/MGC103
0からの発現の証明 pA1−NB−TQ2プラスミドを調製して、MGC1030及びAP1.L
1細菌を形質転換した。3つの単離物をpA1−TQ2/MGC1030から(
ATGグリセロールストック#831,832,833)そしてAP1.L1か
ら(ATGグリセロールストック#850,851,852)次の研究のために
選択した。細菌の生育と全細胞蛋白質の単離は実施例2に記載された通りであっ
た。6つの単離物各々からの全細胞蛋白質を含む小アリコート(3μl)を、4
−20%のSDS−ポリアクリルアミドミニゲル(Novex,EC60255
;1mm厚、15ウエル/ゲル)上で、25mMのTris塩基、192mMグ
リシン、及び0.1%SDS中で電気泳動した。ミニゲルをクマジーブルーで染
色した。ε2サブユニットの予測された移動領域において内在E.coli蛋白
質から分離され得る、何れの単離物からの可視蛋白質バンドもなかった。
【0291】 次に、各溶解物からの全蛋白質をポリアクリルアミドゲルからニトロセルロー
スへ、実施例2に記載されたとおりに移した(ブロットした)。ブロットされた
ニトロセルロース上の蛋白質は、前記のとおりにホスファターゼ−配合ストレプ
トアビジンとの相互作用により可視化した。内在のE.coliビオチン−CC
P、〜20kDaが誘導及び非誘導サンプルの両方において検出可能であった。
ε2サブユニットに相当する蛋白質バンドは検出できなかった。当該蛋白質は精
製の試みが正当であると理由付けするのにはあまりに低いレベルでしか発現され
なかった。
【0292】 理解の明確化の目的に例示及び実施例によりいくらか詳細に本発明を今完全に
記載したが、広い犯意及び均等な範囲の条件、系統化及び他のパラメータを用い
て発明を修飾又は変化させることにより同じことが実施可能なこと、あるいはそ
のような修飾又は変化が請求された範囲内に包含されることを意図することが当
業者には明らかになる。
【0293】 この明細書に言及された全ての刊行物、特許及び特許出願は、この発明の属す
る分野における当業者のレベルの指標であり、そして各々の刊行物、と特許及び
特許出願が特に且つ個別に引用により取り込まれたことを示すような同じ範囲に
引用により取り込まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 N−末端標識されたT.thermophilus αのNi++−NTAカラ
ム精製の蛋白質濃度プロフィール。
【図2】 pTAC−CCA−TEの発現最適化のSDS−PAGE分析。
【図3】 天然のT.thermophilus αの硫酸アンモニウム沈殿最適化の蛋
白質濃度プロフィール。
【図4】 T.thermophilus αの硫酸アンモニウム沈殿最適化のSDS−
PAGE分析。
【図5】 ギャップフィリングアッセイを使用したT.thermophilus αの
硫酸アンモニウム沈殿最適化の活性アッセイ分析。
【図6】 翻訳上共役された蛋白質として発現された天然T.thermophilus
の異なる精製工程のSDS−ポリアクリルアミドサマリーゲル。
【図7】 pA1−NB−TX/AP1.L1からのN−末端標識されたT.therm
ophilusのDnaXサブユニットの発現のための生育最適化のビオチンブ
ロット分析。
【図8】 N−末端標識されたT.thermophilusのDnaXのNi++−N
TAカラム精製からの画分の蛋白質濃度プロフィール。
【図9】 A及びB。N−末端標識されたT.thermophilusのDnaXのN
++−NTAカラム精製からの画分のSDS−PAGE分析。
【図10】 A及びB。N−末端標識されたT.thermophilusのDnaXのア
ビジンカラム精製からの画分のSDS−PAGE分析。
【図11】 T.thermophilusのDnaX検出において使用するための希釈の
測定のための様々な抗血清希釈のウエスタン分析。
【図12】 1:6400の抗血清希釈におけるDnaX検出の限界の測定のための様々な
T.thermophilusのDnaXのウエスタン分析。
【図13】 T.thermophilusのholA遺伝子(δサブユニット)のDNA
配列(配列番号:9)。
【図14】 T.thermophilusのholA遺伝子(δサブユニット)のアミノ
酸配列(配列番号:10)。
【図15】 T.thermophilusとE.coliからのδのアミノ酸配列の整列
化。
【図16】 A.aerolicus,T.thermophilus,B.subtil
is,E.coli及びH.influenzaeのδサブユニットのアミノ酸
配列の整列化。
【図17】 pA1−NB−TD/AP1.L1によるT.thermophilusのδ
の発現の生育/誘導時間最適化のビオチンブロット分析。
【図18】 硫酸アンモニウムによるT.thermophilusのδの沈殿の最適化。
【図19】 A及びB。T.thermophilusのδのNi++−NTAカラム精製か
らの画分のSDS−PAGE分析。
【図20】 T.thermophilusのδのアビジンカラム精製からの画分の蛋白質
濃度プロフィール。
【図21】 T.thermophilusのδのアビジンカラム精製からの画分のSDS
−PAGE分析。
【図22】 T.thermophilusのPol IIIホロ酵素のδ’サブユニット
をコードするT.thermophilusのholB遺伝子のDNA配列(配
列番号:16)。
【図23】 T.thermophilusのholB遺伝子のDNA配列から演繹された
T.thermophilusのδ’サブユニットのアミノ酸配列(配列番号:
17)。
【図24】 E.coliとT.thermophilusのδ’を比較するアミノ酸配列
の整列化。
【図25】 A.aerolicus,T.thermophilus,B.subtil
is、E.coli及びH.influenzae及びRickettsiak
araのδ’サブユニットのアミノ酸配列の整列化。
【図26】 pA1−NB−TD/AP1.L1によるT.thermophilus δ
’の発現の生育/誘導時間最適化のビオチンブロット分析。
【図27】 A及びB。N−末端標識されたT.thermophilusのδ’のNi++ −NTAカラム精製のSDS−PAGE分析。
【図28】 T.thermophilusのδ’のセファクリルS−300ゲル濾過カラ
ム精製から溶出する画分の蛋白質濃度プロフィール。
【図29】 T.thermophilusのδ’のセファクリルS−300カラム精製か
らの画分のSDS−PAGE分析。
【図30】 翻訳上共役された蛋白質としてのT.thermophilusのδ’の精製
のSDS−PAGEサマリー。
【図31】 pA1−NB−TD/AP1.L1によるT.thermophilus β
の発現の異なる温度における生育/誘導時間最適化のビオチンブロット分析。
【図32】 T.thermophilus βのNi++−NTAカラム精製から溶出する
画分の蛋白質濃度プロフィール。
【図33】 T.thermophilus βによるT.thermophilus α
の刺激を測定するためのプライマー伸長アッセイ。
【図34】 T.thermophilus βのセファクリルS−300ゲル濾過カラム
精製から溶出する画分の蛋白質濃度プロフィール。
【図35】 A及びB。T.thermophilus βのセファクリルS−300カラ
ム精製からの画分のSDS−PAGE分析。
【図36】 βに対して向けられた抗体の生成において使用されたセファクリルS−300
ゲル濾過カラムからのT.thermophilus βのプールされた画分。
【図37】 T.thermophilus βの検出において使用するための希釈の測定
のための様々な抗血清希釈のウエスタン分析。
【図38】 1:6400の抗血清希釈におけるβの検出の限界の測定のための様々なT.
thermophilus βののウエスタン分析。
【図39】 T.thermophilus Pol IIIサブユニットのM13gor
i再構成。
【図40】 再構成アッセイにおける機能性T.thermophilusホロ酵素の温度
依存性。
【図41】 T.thermophilus A.α,B.ι/γ,C.β,D.δ及びE
.δ’を、他のサブユニットを一定に保って、力価測定する再構成アッセイ。
【図42】 αのみの鋳型へのための結合及び各結合事象にてプライマーを短い距離伸長す
るために存在するバックグラウンド活性を測定するためのα以外の全てのサブユ
ニットの不在下での再構成アッセイ。
【図43】 αの偽の結合のための測定するためのバックグラウンド活性に対する他のサブ
ユニットの作用を測定するための、β不在下であるが他のサブユニットの存在下
での再構成アッセイ。
【図44】 A−E。蛋白質−蛋白質相互作用を示すクランプローディング複合体のサブユ
ニットのセファクリルS−200ゲル濾過。
【図45】 A−C。蛋白質−蛋白質相互作用を示すクランプローディング複合体のサブユ
ニットによるT.thermophilusのαのセファクリルS−200ゲル
濾過。
【図46】 T.thermophilusのβのセファクリルS−200ゲル濾過。
【図47】 T.thermophilusのSSBをコードする遺伝子のDNA配列(配
列番号:31)。
【図48】 T.thermophilusのSSB蛋白質のアミノ酸配列(配列番号:3
2)。
【図49】 Aquifex,B.subtilis,E.coli及びH.influe
nzae由来のSSBのアミノ酸配列と比較したT.thermophilus
のSSBの配列整列化。
【図50】 T.thermophilusのSSBのN−末端配列とT.thermop
hilusのSSBのC−末端領域との配列整列化。
【図51】 T.thermophilusのSSBのNi++−NTAカラム精製からの関
連画分のビオチンブロット分析。
【図52】 T.thermophilusのエプシロン−1(ε−1,dnaQ−1)を
コードする遺伝子のDNA配列(配列番号:36)。
【図53】 T.thermophilusのエプシロン−1サブユニット(ε−1)のア
ミノ酸配列(配列番号:37)。
【図54】 t.TのUVRdをコードする遺伝子のDNA配列(配列番号:67)。
【図55】 T.thermophilusのuvrD蛋白質のアミノ酸配列(配列番号:
68)。
【図56】 T.thermophilusのdnaG遺伝子のDNA配列(配列番号:7
1)。
【図57】 T.thermophilusのdnaG蛋白質のアミノ酸配列(配列番号:
72)。
【図58】 T.thermophilusのpriA遺伝子のDNA配列(配列番号:7
5)。
【図59】 T.thermophilusのpriA蛋白質のアミノ酸配列(配列番号:
76)。
【図60】 T.thermophilusのdnaQ−2遺伝子(ε2サブユニット)の
DNA配列(配列番号:81)。
【図61】 T.thermophilusのε2サブユニットのアミノ酸配列(配列番号
:82)。
【図62】 T.thermophilusのdnaN遺伝子(βサブユニット)のDNA
配列(配列番号:22)。
【図63】 T.thermophilusのβサブユニットのアミノ酸配列(配列番号:
23)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12R 1:01 9/12 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 9/12 5/00 A C12R 1:01) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ブラード,ジョン・ランドール アメリカ合衆国コロラド州80504,ロング モント,イースト・ウェットランズ・ドラ イブ 5762 (72)発明者 ケリー,ウラディミール アメリカ合衆国ユタ州84108,ソルト・レ イク・シティ,ドナー・ウェイ 939,ナ ンバー 201 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA10 CA04 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 EA02 EA04 GA11 4B050 CC03 DD02 LL01 4B065 AA01X AA57X AA72X AA90X AB01 BA02 CA29 CA44 CA46 4H045 AA11 DA75 FA72

Claims (82)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号(SEQ ID NO):(uvrDヘリカーゼ)6
    8のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、
    単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号:68のアミノ酸配列を有する、請求項1記載のポリ
    ペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  4. 【請求項4】 配列番号:67の配列を有する核酸を含む、請求項3記載の単
    離されたポリヌクレオチド分子。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のベクターを含む宿主細胞。
  7. 【請求項7】 好熱性生物由来のuvrDヘリカーゼである、請求項1記載の
    単離されたポリペプチド。
  8. 【請求項8】 好熱性生物がThermus thermophilusであ
    る、請求項7記載の単離されたポリペプチド。
  9. 【請求項9】 配列番号(SEQ ID NO):(DNA−Gプライマーゼ
    )72のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含
    む、単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 配列番号:72のアミノ酸配列を有する、請求項9記載のポ
    リペプチド。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
    を含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  12. 【請求項12】 配列番号:71の配列を有する核酸を含む、請求項11記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のベクターを含む宿主細胞。
  15. 【請求項15】 好熱性生物由来のDNA Gプライマーゼである、請求項9
    記載の単離されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項15記載の単離されたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 配列番号(SEQ ID NO):(priAヘリカーゼ)
    76のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む
    、単離されたポリペプチド。
  18. 【請求項18】 配列番号:76のアミノ酸配列を有する、請求項17記載の
    ポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項17記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  20. 【請求項20】 配列番号:75の配列を有する核酸を含む、請求項19記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のベクターを含む宿主細胞。
  23. 【請求項23】 好熱性生物由来のpriAヘリカーゼである、請求項17記
    載の単離されたポリペプチド。
  24. 【請求項24】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項23記載の単離されたポリペプチド。
  25. 【請求項25】 配列番号(SEQ ID NO):(デルタサブユニット)
    10のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む
    、単離されたポリペプチド。
  26. 【請求項26】 配列番号:10のアミノ酸配列を有する、請求項25記載の
    ポリペプチド。
  27. 【請求項27】 請求項25記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  28. 【請求項28】 配列番号:9の配列を有する核酸を含む、請求項27記載の
    単離されたポリヌクレオチド分子。
  29. 【請求項29】 請求項27記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  30. 【請求項30】 請求項29記載のベクターを含む宿主細胞。
  31. 【請求項31】 好熱性生物由来のデルタサブユニットである、請求項25記
    載の単離されたポリペプチド。
  32. 【請求項32】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項31記載の単離されたポリペプチド。
  33. 【請求項33】 請求項25記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  34. 【請求項34】 配列番号(SEQ ID NO):(デルタプライムサブユ
    ニット)17のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配
    列を含む、単離されたポリペプチド。
  35. 【請求項35】 配列番号:17のアミノ酸配列を有する、請求項34記載の
    ポリペプチド。
  36. 【請求項36】 請求項34のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  37. 【請求項37】 配列番号:16の配列を有する核酸を含む、請求項36記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  38. 【請求項38】 請求項36記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  39. 【請求項39】 請求項38記載のベクターを含む宿主細胞。
  40. 【請求項40】 好熱性生物由来のデルタプライムサブユニットである、請求
    項34記載の単離されたポリペプチド。
  41. 【請求項41】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項40記載の単離されたポリペプチド。
  42. 【請求項42】 請求項37記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  43. 【請求項43】 配列番号(SEQ ID NO):(デルタサブユニット)
    23のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む
    、単離されたポリペプチド。
  44. 【請求項44】 配列番号:23のアミノ酸配列を有する、請求項43記載の
    ポリペプチド。
  45. 【請求項45】 請求項43のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  46. 【請求項46】 配列番号:22の配列を有する核酸を含む、請求項45記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  47. 【請求項47】 請求項45記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  48. 【請求項48】 請求項47記載のベクターを含む宿主細胞。
  49. 【請求項49】 好熱性生物由来のデルタサブユニットである、請求項43記
    載の単離されたポリペプチド。
  50. 【請求項50】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項49記載の単離されたポリペプチド。
  51. 【請求項51】 請求項43記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  52. 【請求項52】 配列番号(SEQ ID NO):(ssb蛋白質)32の
    アミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離
    されたポリペプチド。
  53. 【請求項53】 配列番号:32のアミノ酸配列を有する、請求項52記載の
    ポリペプチド。
  54. 【請求項54】 請求項52のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  55. 【請求項55】 配列番号:31の配列を有する核酸を含む、請求項54記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  56. 【請求項56】 請求項54記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  57. 【請求項57】 請求項56記載のベクターを含む宿主細胞。
  58. 【請求項58】 好熱性生物由来のssb蛋白質である、請求項52記載の単
    離されたポリペプチド。
  59. 【請求項59】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項58記載の単離されたポリペプチド。
  60. 【請求項60】 請求項55記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  61. 【請求項61】 配列番号(SEQ ID NO):(エプシロン1、dna
    Q−1)37のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配
    列を含む、単離されたポリペプチド。
  62. 【請求項62】 配列番号:37のアミノ酸配列を有する、請求項61記載の
    ポリペプチド。
  63. 【請求項63】 請求項61のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  64. 【請求項64】 配列番号:36の配列を有する核酸を含む、請求項63記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  65. 【請求項65】 請求項63記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  66. 【請求項66】 請求項65記載のベクターを含む宿主細胞。
  67. 【請求項67】 好熱性生物由来のエプシロンサブユニットである、請求項6
    1記載の単離されたポリペプチド。
  68. 【請求項68】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項67記載の単離されたポリペプチド。
  69. 【請求項69】 請求項61記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  70. 【請求項70】 配列番号(SEQ ID NO):(dnaQ−2蛋白質)
    82のアミノ酸配列に少なくとも5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む
    、単離されたポリペプチド。
  71. 【請求項71】 配列番号:82のアミノ酸配列を有する、請求項70記載の
    ポリペプチド。
  72. 【請求項72】 請求項70のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
    含む単離されたポリヌクレオチド分子。
  73. 【請求項73】 配列番号:81の配列を有する核酸を含む、請求項72記載
    の単離されたポリヌクレオチド分子。
  74. 【請求項74】 請求項72記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクタ
    ー。
  75. 【請求項75】 請求項74記載のベクターを含む宿主細胞。
  76. 【請求項76】 好熱性生物由来のエプシロン−2サブユニットである、請求
    項70記載の単離されたポリペプチド。
  77. 【請求項77】 好熱性生物がThermus thermophilusで
    ある、請求項76記載の単離されたポリペプチド。
  78. 【請求項78】 請求項73記載のポリペプチド上の少なくとも一つの抗原決
    定基に特異的に結合する単離された抗体分子。
  79. 【請求項79】 配列番号:68、72、76、10、17、23、32、3
    7及び82の一つのアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有す
    るアミノ酸配列を含む、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを生
    産する方法であって、ポリペプチドが発現される条件したでヌクレオチド配列を
    含む宿主細胞を培養し、そして、ポリペプチドを回収することを含む方法。
  80. 【請求項80】 配列番号:68、72、76、10、17、23、32、3
    7及び82からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の
    配列同一性を有するアミノ酸配列を含むひとつ又は複数のポリペプチドを利用す
    ることを含む、DNA合成方法。
  81. 【請求項81】 何れかの順序にて鋳型及びヌクレオチドを含む成分を含む反
    応混合物を用意し、そして該反応混合物をDNA合成を得るのに十分に長い時間
    及び温度にてインキュベートすることをさらに含む、請求項80記載の方法。
  82. 【請求項82】 ひとつ又は複数のポリペプチドがN−末端結合又はC−末端
    結合ペプチドをさらに含む、請求項81記載の方法。
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