JP2003527418A - アセチルサリチル酸と併用したカカオプロシアニジンの抗血小板療法としての使用 - Google Patents

アセチルサリチル酸と併用したカカオプロシアニジンの抗血小板療法としての使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アスピリンと併用したカカオプロシアニジンの抗血小板療法としての使用、ならびにカカオプロシアニジンおよびアスピリン(アセチルサリチル酸)を含む組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本出願は、アスピリンと併用したカカオプロシアニジンの抗血小板療法として
の使用抗血小板療法としての使用に関する。
【0002】 少なくとも1つの水酸基を有する1つの芳香環から成る化合物は、単純フェノ
ールに分類される。従って、ポリフェノールは1つ以上の芳香環から成り、各環
は少なくとも1つの水酸基を有する。フラボノイドはジフェニルプロパン(C6
−C3−C6)骨格構造を有するポリフェノールであり、植物界において偏在し
ている。プロアントシアニジンと称されるフラボノイドの類は、フラバン−3−
オールモノマー単位のオリゴマー(4→6または4→8として最も頻繁に結合す
る)である。プロアントシアニジンの最も一般的な類の1つは、カテキン、エピ
カテキン、およびそれらの没食子酸エステルのオリゴマーであるプロアントシア
ニジンである。
【0003】 一般的に様々な果物および野菜において見出される食物ポリフェノールの規則
的な摂取は、脳梗塞、心疾患および血栓症等の心血管疾患(CVD)による死亡
率の低下に寄与することが分かっている。赤ワイン、緑茶、およびココアは全て
、ポリフェノールを豊富に含むとされており、赤ワインおよび緑茶は、先進工業
国における心疾患による死亡と反比例して関連することが示されている。
【0004】 粥腫発生の危険性を減らすことに加えて、食物ポリフェノールは、様々な他の
潜在的に有益な生物活性を有することが分かっている。例えば、食物ポリフェノ
ールは、ウィルス逆転写酵素を阻害し、in vitroでHIV Iの複製を阻害し、
潰瘍形成を抑制し、さらに抗突然変異性、神経保護作用、抗炎症作用、抗菌作用
、血圧降下作用、および様々な癌細胞タイプに対する細胞毒性を有することが示
されている。
【0005】 食物ポリフェノールがその生物学的機能を発揮する機序は完全には理解されて
いないが、食物ポリフェノールは強力な抗酸化特性を有し、かつ血小板活性に対
する阻害効果を有することが分かっている。
【0006】 アスピリン(アセチルサリチル酸)は、代表的な非ステロイド性抗炎症薬であ
る。アスピリンは、再発性の一過性虚血性発作および脳血管障害の危険性を減ら
すための抗血小板療法として長年に亘り用いられてきた。アスピリンの作用機序
はかなり特定されている(Vane, J., Nature, 1971)。簡単に言って、アスピリ
ンは、血小板プロスタグランジンG/Hシンターゼを変化させて、そのシクロオ
キシゲナーゼ活性を不可逆的に喪失させることによって、アラキドン酸経路を阻
害する。その結果、アラキドン酸から、あらゆる生理的プロセスの非常に強力な
メディエーターであるプロスタグランジンへの変換が減る。アスピリンの治療的
用途の基礎を形成するアスピリンの様々な薬理効果を担うのは、それらプロスタ
グランジンの還元形態(特にトロンボキサンA2およびプロスタグランジンE2
)である。残念ながら、同じ因子が、十分立証されたアスピリンの毒性の原因と
なっている。
【0007】 血小板は、新しいタンパク質を合成する手段を欠いており、そのことは、アス
ピリンによって生じた異常が血小板の寿命の間に修復されないことを意味する。
このことは、アスピリンの一日量を繰り返し投与することによる阻害効果は蓄積
し、最終的に、7−10日後には、血小板トロンボキサン生合成がほぼ完全に抑
制されることを意味する。生化学的、薬理的、および臨床的データは、アスピリ
ンの抗血小板効果を担っているのが、トロンボキサン−依存血小板活性化の防止
につながるトロンボキサンの抑制であるという理論を支持する。
【0008】 しかしながら、アラキドン酸経路によって生成される様々な他のプロスタグラ
ンジンは、例えば胃酸分泌、初期の止血、血圧の制御、および腎機能等のいくつ
かの重要なホメオスタティックメカニズムを担っている。結果的に、長期間のア
スピリン治療は有害な影響をもたらす。そのような有害な影響として、例えば出
血および穿穴等の重篤な胃腸合併症、例えば出血性事象等の出血性合併症、なら
びに慢性腎疾患の危険性の上昇等が挙げられる。
【0009】 長期間のアスピリン治療の肯定的な一面および否定的な一面に関する理解がし
だいに高まり、その結果、しばしば弱い強さの経口抗凝血剤と併用することによ
って(危険性の高い患者において)、推奨される1日量が減少する傾向となった
【0010】 明らかに、アスピリンの危険な副作用を生じさせないで長期間の予防/治療計
画においてアスピリンに代わって用いることができ、あるいはアスピリンの極低
用量と併用できる抗血小板薬の発見は、血小板機能障害によって生じる任意の疾
患または障害の治療または予防における大きな1歩の前進であろう。そのような
発見は、医療従事者、ならびにそのような疾患の危険性を有する人達、またはそ
のような疾患の発生の可能性の予防を望む人達によって非常に歓迎されるであろ
う。
【0011】発明の概要 カカオに含まれるプロシアニジンは、in vitroおよびin vivoの両方において
、抗血小板効果を有することが示されている。また、その抗血小板作用の機序が
、アラキドン酸経路の阻害を介するものではないことも示されている。さらには
、カカオプロシアニジンと併用した低用量のアスピリンでの治療は、2つの各々
での治療の抗血小板効果を超える、増強された抗血小板効果をもたらすと考えら
れる。従って、本発明は、アスピリンに関連する好ましくない危険な副作用をも
たらすことなく、代用され得る長期間抗血小板療法を提供する。
【0012】発明の詳細な説明 本発明は、アスピリンと併用したカカオプロシアニジンの抗血小板療法として
の使用、ならびにカカオプロシアニジンおよびアスピリン(アセチルサリチル酸
)を含む組成物に関する。
【0013】 この中で用いられている「カカオプロシアニジン」は、エピカテキンおよびカ
テキンのモノマー(単量体)および/またはオリゴマーである。「プロシアニジ
ン」の用語は、当業界では、より限定された意味(すなわちエピカテキンおよび
カテキンのオリゴマー(モノマーではない)を称するものとして)で用いられて
いる。しかしながら、略して、その用語はモノマーならびにオリゴマーを含むも
のとしてこの中で用いられている。
【0014】 本発明は、アスピリンおよびカカオプロシアニジンを含む組成物に関する。本
組成物は、任意の適切な形態であって差し支えないが、通常、薬剤組成物、食品
、栄養補助食品、または食品添加物として形成されている。
【0015】 1つの実施形態において、本発明は、生理学的に許容される担体中にアスピリ
ンおよびカカオプロシアニジンを含む、摂取に適した組成物を提供する。本組成
物は、任意の適切な形態であって差し支えないが、通常、薬剤組成物、食品、栄
養補助食品、または食品添加物として形成される。
【0016】 また、本発明は、以下のものも提供する: −血小板機能障害によって生じる疾患または障害(例えば血栓形成および出血
の予防につながる正常な血小板の活性化とは異なる異常な血小板の活性化等)の
治療または予防のための薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物の製造に
おけるアスピリンおよびカカオプロシアニジンの使用; −血小板機能障害によって生じる疾患または障害の予防または治療において、
カカオプロシアニジンと共に使用するための薬剤、食品、栄養補助食品、または
食品添加物の製造におけるアスピリンの使用;ならびに −血小板機能障害によって生じる疾患または障害の予防または治療において、
アスピリンと共に使用するための薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物
の製造におけるカカオプロシアニジンの使用。
【0017】 カカオポリフェノールは、エピカテキンおよびカテキンのモノマーおよび/ま
たはオリゴマーであるカカオプロシアニジンを含む。
【0018】 プロシアニジンモノマーは以下の構造を有する:
【化1】 プロシアニジンは、テオブロマカカオおよび様々な関連するカカオ種、ならび
にヘラニア(Herrania)属およびそれらの属内および属間の遺伝的交配物から得ら
れたカカオ豆において見出される。
【0019】 プロシアニジンモノマーは、(+)カテキン、(−)エピカテキン、ならびにそれ
らの対応するエピマー(例えば(−)カテキンおよび(+)エピカテキン)を含む。
【0020】 以下の構造を有する合成による直鎖および/または分枝オリゴマーは、カカオ
プロシアニジンの例である: nが0−16の整数である直鎖オリゴマー
【化2】 AおよびBが独立して1−15のオリゴマーであり、最終的に全体で3−18の
オリゴマーである分枝オリゴマー
【化3】 オリゴマーにおいて、nは2から18、好ましくは3から12、さらに好まし
くは5から12の整数であり、最も好ましくは5である。本オリゴマーは、(4
→6)および/または(4→8)のフラバン間結合を有する。本オリゴマーは、
上記の構造によって代表される。直鎖オリゴマーに関して、xが0である場合、
オリゴマーは「ダイマー(二量体)」と称され;xが1である場合、オリゴマー
は「トリマー(三量体)」と称され;xが2である場合、オリゴマーは「テトラ
マー(四量体)」と称され;xが3である場合、オリゴマーは「ペンタマー(五
量体)」と称され;さらに、同様の用語が、18までとそれ以上のxを有するオ
リゴマーを称するのに適用され、例えばxが18の場合はオリゴマーは「オクタ
デカマー」とされる。分枝オリゴマーに関して、AまたはBが1の場合、オリゴ
マーは「トリマー」と称され、直鎖オリゴマーに関して記載されたのと同様の用
語が用いられる。
【0021】 カカオ原料、特にカカオプロシアニジンの含有量が増強されたカカオ原料によ
ってカカオプロシアニジンを提供し、あるいは合成的に提供することができる。
カカオ原料は、カカオプロシアニジンを含有するカカオ豆から得られる任意の物
質であり、例えば、チョコレート液、カカオバター、部分脱脂カカオ固形物およ
び/または完全脱脂カカオ固形物を含む。カカオ原料の形態でカカオプロシアニ
ジンを用いても、あるいはカカオ豆、カカオニブ、または上記のようなカカオ原
料からカカオプロシアニジンを抽出しても差し支えない。
【0022】 カカオポリフェノール含有物に関する方法は米国特許第5,554,645号(199
6年9月10日に発行された)に記載されている(参照によってその全てがこの
中に組み込まれている)。収穫したカカオの鞘を開き、果肉を含む豆を取り出し
、凍結乾燥した。凍結乾燥したものから果肉を手で取り除き、以下の操作を豆に
施した。まず、凍結乾燥カカオ豆の外皮を手で剥き、TEKMARミルで微粉末
に粉砕した。次いで、溶媒として再蒸留ヘキサンを用いたソックルレー抽出によ
って、得られた塊を一晩脱脂した。室温で真空によって残存する溶媒を脱脂塊か
ら除去した。
【0023】 カカオプロシアニジンモノマーおよび/またはオリゴマーを含むカカオポリフ
ェノールは、新鮮なカカオ豆、カカオニブ、またはカカオニブの画分から、好ま
しくは高レベルのカカオポリフェノールを含有する未発酵または発酵不十分なカ
カオ豆から抽出することができる。また、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形
物、および/または完全脱脂カカオ固形物(好ましくはカカオポリフェノールを
高含有量で含む)からカカオポリフェノールを抽出しても差し支えない。プロシ
アニジンを含むカカオポリフェノールを溶解させる溶媒が用いられる。
【0024】 本発明の1つの態様において、カカオプロシアニジンはオリゴマー、モノマー
またはそれらの混合物であり、それらオリゴマー、モノマーまたは混合物は以下
の工程によって得られる: (a)カカオプロシアニジンを溶解させる溶媒を用いて、脱脂粉砕カカオニブ、
カカオニブの部分、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形物、または完全脱脂カ
カオ固形物に溶媒抽出を施し; (b)得られたカカオ抽出物から、プロシアニジンモノマー、オリゴマーまたは
それらの混合物を含む画分を単離する。
【0025】 適切な溶媒として、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、または
それらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒は、水とメタノールまたはアセトン
の混合物である。好ましい抽出工程は、アセトン/水/酢酸(70%:29.5
%:0.5%)で2回抽出し、その後、メタノール/水/酢酸(40%:29.
5%:0.5%)で1回抽出する。好ましい溶媒はわずかに酸性にしたものであ
る。ある場合には、例えばカフェインおよび/またはテオブロミンの除去によっ
て抽出物を精製し、さらにその後、ゲル浸透クロマトグラフィーおよび/または
高圧液体クロマトグラフィーによって精製する。高圧液体クロマトグラフィーの
間に、抽出物はモノマー画分とオリゴマー画分(50重量%以上のモノマーまた
は特異的オリゴマーを含む)に分画される。その画分がモノマーおよび低オリゴ
マー(テトラマーまで)を含む場合、その画分は約90から95重量%の特定オ
リゴマー画分を含む。
【0026】 別の実施形態において、カカオポリフェノール(通常カカオプロシアニジンモ
ノマーおよび/またはオリゴマー)は、増強されたまたは保存されたレベルのカ
カオポリフェノールを含むカカオ原料(例えば上記のような)中に存在するもの
である。増強レベルのカカオポリフェノールは、例えばカカオプロシアニジンモ
ノマー、オリゴマー、および/またはそれらの混合物のようなカカオフェノール
をカカオ原料に加えることによって達成される。以下に記載のように、焙煎した
カカオニブ、チョコレート液、および部分脱脂または無脂肪カカオ固形物のカカ
カオプロシアニジン含有量を含むカオポリフェノール含有量は、発酵されていな
いカカオ豆またはそれらの混合物から調製した場合に高くなるため、保存レベル
のカカオポリフェノールは、カカオ豆の発酵の程度を制御することによって達成
される。
【0027】 保存レベルのカカオポリフェノールは、豆を加工する条件を制御することによ
っても達成できる。従って、カカオ豆から、保存レベルのカカオポリフェノール
を有するカカオバターおよび/またはカカオ固形物を作成する方法は、長時間に
亘り厳しい熱処理に曝すことなくおよび/または脂肪の溶媒抽出を行うことなく
カカオ豆を加工する選択を可能とする、別個の豆焙煎または液体ミル装置を必要
としない独自の加工工程の組合せを用いる。本工程の利益は、加工後に得られる
ポリフェノールの量に対する非加工豆中のポリフェノールの最初の量の比が2以
下になるように、従来のカカオ加工において認められるものよりポリフェノール
の保存が高められていることにある。
【0028】 高いカカオプロシアニジン含有量を含む高いカカオポリフェノール含有量を有
する部分脱脂カカオ固形物は、豆またはニブを焙煎する工程無しに、カカオ豆を
直接カカオ固形物に加工することによって得られる。本方法は従来の焙煎工程を
省略するため、カカオポリフェノールを保存する。本方法は:(a)約3重量%
まで含水量を減らしかつカカオ殻を軟らかくするのにちょうど十分な豆内部温度
までカカオ豆を加熱する工程;(b)カカオ殻からカカオニブをふるい分ける工
程;(c)カカオニブを回転圧搾する工程、および(d)カカオアプロシアニジ
ンを含むカカオポリフェノールを含有するカカオバターおよび部分脱脂カカオ固
形物を回収する工程;から実質的に成る。必要に応じて、加熱工程前に、例えば
空気流動層式密度分離器等でカカオ豆を洗浄する。ふるい分けは、空気流動層式
密度分離器において行ってもよい。好ましくは、通常赤外線加熱装置を用いて、
約3〜4分間、豆の豆内部温度が約100℃〜約110℃、より好ましくは約1
05℃未満となるようにカカオ豆を加熱する。必要であれば、カカオ固形物をア
ルカリ化しおよび/または粉砕してカカオパウダーとしてもよい。
【0029】 豆内部温度(IBT)は、魔法瓶などの断熱容器に豆(約80〜100個の豆
)を充填することによって測定できる。その後、中の試料の温度を維持するため
、断熱容器をほぼ密閉する。豆を充填した断熱容器に温度計を挿入し、魔法瓶中
の豆の温度に温度計の温度を平衡化させる。表示される温度は豆の豆内部温度で
ある。豆内部温度はまた、豆の平衡集団温度とも考えられる。
【0030】 カカオ豆は、その色によって4種類に分類できる。茶色一色(完全に醗酵され
ている)、紫色/茶色、紫色、およびスレート色(醗酵されていない)である。
好ましくは、上述したように、カカオ固形物は、醗酵された豆よりカカオポリフ
ェノール含有量の高い、醗酵不十分なカカオ豆から調製される。醗酵不十分な豆
には、スレート色のカカオ豆、紫色のカカオ豆、スレート色のカカオ豆と紫色の
粗挽きカカオ豆との混合物、紫色の豆と茶色のカカオ豆との混合物、またはスレ
ート色の豆と紫色の豆と茶色の豆との混合物がある。より好ましくは、カカオ豆
はスレート色の豆および/または紫色のカカオ豆である。発酵不十分な豆は、通
常275以下の発酵因子を有する。
【0031】 「醗酵因子」は、カカオ豆の醗酵を特徴づけるための等級分け方式を使って定
義される。スレート色のものは1とされ、紫色のものは2とされ、紫色/茶色の
ものは3とされ、茶色のものは4とされる。それぞれの分類の範疇にはいる豆の
割合(%)を加重数bに掛ける。従って、100%茶色の豆の試料の「醗酵因子
」は、100×4で400であり、一方、100パーセント紫色の豆の試料につ
いては100×2で200である。50パーセントがスレート色で50パーセン
トが紫色の豆の醗酵因子は150[(50×1)+(50×2)]となる。
【0032】 1つの実施形態において、例えば没食子酸プロシアニジンまたはメチル化プロ
シアニジン等のカカオプロシアニジン誘導体を、アスピリンと併用して差し支え
ない。カカオプロシアニジンおよびその用途に関するこの中の任意の引例をプロ
シアニジン誘導体にも適用できる。国際特許出願第PCT/US98/21392号(WO99/193
19として公開されている)に記載のように、没食子酸プロシアニジンを調製でき
る。メチル化プロシアニジンは、例えば実施例6に記載のように調製できる。
【0033】 本発明の1つの態様において、メチル化プロシアニジンモノマーまたはオリゴ
マーは化学式(A)で示され、nは1〜18であり、Aは以下の化学式のモノ
マー単位であり:
【化4】 からR、およびRからR10のそれぞれ(同じであっても異なっていて
も差し支えない)は、HまたはCHであり;RおよびR(同じであっても
異なっていても差し支えない)はH、CH、または隣接するモノマー単位との
結合であり;少なくとも1つのモノマー単位中のRからR10の基の少なくと
も1つはCHである。そのモノマーは、例えば、上記のフラバン間結合によっ
て、環位置4、6、および8の任意の1つまたは2つにおいて結合している。
【0034】 本発明の別の態様において、メチル化プロシアニジンモノマーまたはオリゴマ
ーは化学式(A’)で示され、nは1〜18であり、A’は以下の化学式のモノ
マー単位であり:
【化5】 からRのそれぞれ(同じであっても異なっていても差し支えない)はHま
たはCHであり;少なくとも1つのモノマー単位中のRからRの基の少な
くとも1つはCHである。そのモノマーは、例えば、上記のフラバン間結合に
よって、環位置4、6、および8の任意の1つまたは2つにおいて結合している
【0035】 例えば、オリゴマーは以下の構造の直鎖オリゴマーであり、nは0から16で
ある:
【化6】 からRは上記で定義された通りである。
【0036】 あるいは、またはさらには、オリゴマーは以下の構造の分枝オリゴマーであり
、AおよびBは独立して1−15のオリゴマーであり、最終的に全体で3−18
のオリゴマーである:
【化7】 からRは上記で定義された通りである。
【0037】 別の実施形態において、本発明は、各オリゴマーがメチル化テトラマーである
プロシアニジンオリゴマーまたはオリゴマー混合物を提供する。
【0038】 例えば、メチル化テトラマーは、化学式(A)の化合物であり、Aは以下の化
学式のモノマーである:
【化8】 からR、およびRからR10のそれぞれ(同じであっても異なっていて
も差し支えない)は、HまたはCHであり;RおよびR(同じであっても
異なっていても差し支えない)はH、CH、または隣接するモノマー単位との
結合であり;少なくとも1つのモノマー単位中のRからR10の基の少なくと
も1つはCHである。そのモノマーは、例えば、上記のフラバン間結合によっ
て、環位置4、6、および8の任意の1つまたは2つにおいて結合している。
【0039】 あるいは、メチル化テトラマーは、化学式(A’)で示され、A’は以下の化
学式のモノマー単位であり:
【化9】 からRのそれぞれ(同じであっても異なっていても差し支えない)はHま
たはCHであり;少なくとも1つのモノマー単位中のRからRの基の少な
くとも1つはCHである。そのモノマーは、例えば、上記のフラバン間結合に
よって、環位置4、6、および8の任意の1つまたは2つにおいて結合している
【0040】 本発明のメチル化カカオプロシアニジンテトラマーまたはテトラマー混合物は
、プロシアニジンテトラマーを含有するカカオ抽出物の単離画分または合成によ
って調製されたテトラマーをメチル化することによって得られる。
【0041】 1つの実施形態において、メチル化カカオプロシアニジンテトラマーまたはテ
トラマー混合物は、以下の工程によって得られる: (a)カカオプロシアニジンを溶解させる溶媒を用いて、脱脂粉砕カカオニブ、
カカオニブの部分、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形物、または完全脱脂カ
カオ固形物に溶媒抽出を施し; (b)得られたカカオ抽出物から、プロシアニジンテトラマーを含む画分を単離
し:さらに (c)単離画分をメチル化する。
【0042】 メチル化カカオプロシアニジンオリゴマーまたはオリゴマー混合物は、以下の
工程によって得られる: (a)カカオプロシアニジンを溶解させる溶媒を用いて、脱脂粉砕カカオニブ、
カカオニブの部分、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形物、または完全脱脂カ
カオ固形物に溶媒抽出を施し; (b)得られたカカオ抽出物から、プロシアニジンオリゴマーを含む画分を単離
し:さらに (c)単離画分をメチル化する。
【0043】 本発明の組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、丸薬、濃縮液、粉末、液体、溶
液または懸濁液等の経口投与に適した形態である。好ましくは、本発明の組成物
は、薬剤組成物、食品、栄養補助食品、または食品添加物として存在する。また
、本発明の組成物はペットフード材料の形態であっても差し支えない。本発明の
組成物は、単位投与形態で提供されて差し支えない。
【0044】 活性化合物を、即時放出または遅延放出をもたらすように製剤化しても差し支
えない。錠剤は、有効量のアスピリンと配合して、有効量のカカオポリフェノー
ル、カカオプロシアニジンモノマーおよび/またはオリゴマー、あるいはカカオ
ポリフェノール−またはカカオプロシアニジン−含有組成物を含み、さらに必要
に応じて担体または放出システムを含む。合成ポリマーは、制御放出を有する組
成物の製剤化において特に有用である。カプセル剤は、所定の用量のカカオポリ
フェノール−アスピリン−含有組成物を含むゼラチンカプセル剤を含んでいて差
し支えない。経口摂取製品は、例えばリン酸二カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウム、硝酸カルシウム、ビタミン、およびミネラル等の栄養補助食品を含んで
いて差し支えない。薬学、食品科学、医学、獣医学の業界における当業者に周知
である標準技術を用いて、カカオプロシアニジン/アスピリン配合製剤およびそ
れらを含む組成物を調製できる。
【0045】 カカオプロシアニジンとアスピリンの併用有効量を輸送するように組成物を製
剤化する。カカオプロシアニジンの有効量を単回投与しても、あるいは1日に2
回または3回に分けて投与しても差し支えない。ヒトの1日有効量は、50mg
以上、好ましくは100mg以上、さらに好ましくは150mg以上のカカオプ
ロシアニジンである。用量の上限は限定されない。例えば、約50から約100
0mg、約100から約800mg、約300から約600mgの範囲で、ある
いは例えば50、100、または300mg以上といった、用量の上限無しに上
記の下限用量を用いて、プロシアニジンを投与して差し支えない。例えばネコ科
の動物、ウマ、またはイヌ科の動物のような家畜動物において用いる場合、当業
者は、例えば動物の体重等を考慮して上記の用量から有効量を特定することがで
きる。Adamson(“HPLC Method for the Quantification of Procyanidins in Co
coa and Chocolate Samples and Correlation to Total Antioxidant Capacity
” J. Ag. Food Chem., Vol. 7:10, 4184-4188)に記載されている方法(参照に
よって関連部分がこの中に組み込まれる)によって、プロシアニジンの用量を特
定することができる。カカオプロシアニジンと併用投与した場合、増強された効
果が得られるため、抗血小板療法においてアスピリンを単独で用いた場合に心血
管防護効果を達成するのに必要とされる用量(例えばヒトに関して約80mg/
日である)よりも低用量でアスピリンを投与することができる。従って、本発明
の方法および/組成物において、約80mg/日より少ない量、例えば約10か
ら約80mg/日、好ましくは約20から約80mg/日でアスピリンを用いる
ことができる。別の実施形態では、約40から約80mg/日で投与し、あるい
は約70mg/日より少ない量、例えば約20から約70mg/日、または約3
0から70mg/日で投与しても差し支えない。
【0046】 単一の経口投与可能な組成物中に配合する他に、カカオプロシアニジンとアス
ピリンとを別々に投与するように製剤化しても差し支えない。従って、本発明は
、血小板機能障害によって生じる疾患または障害の治療において、別々に、同時
に、または連続的に使用するための、アスピリンとカカオプロシアニジンを含む
製品をさらに提供する。別々に投与する場合、併用効果を有するのに十分な濃度
で哺乳動物において同時に確実に存在するような時間間隔で、カカオプロシアニ
ジンとアスピリンを投与しなければならない。当業者は、カカオプロシアニジン
およびアスピリンの生体利用率に関する知識に基づいて、その時間間隔を特定す
ることができる。例えば、お互いに8時間内に、好ましくはお互いに6時間内に
、さらに好ましくはお互いに2時間内に、カカオプロシアニジンとアスピリンと
を哺乳動物に投与しなければならない。
【0047】 カカオポリフェノールは、通常、例えば上記のように得られた増強されたまた
は保存されたレベルのカカオポリフェノールを有するカカオ原料中に存在するも
のである。従って、1つの態様において、カカオ原料は以下の工程によって得ら
れるカカオ固形物を含む: (a)約3重量%まで含水量を減らしかつカカオ殻を軟らかくするのにちょうど
十分な豆内部温度までカカオ豆を加熱する工程; (b)カカオ殻からカカオニブをふるい分ける工程; (c)カカオニブを回転圧搾する工程;および (d)カカオポリフェノールを含有するカカオバターおよび部分脱脂カカオ固形
物を回収する工程。
【0048】 好ましい実施形態では、増強されたまたは保存されたレベルのカカオポリフェ
ノールを有するカカオ原料が混合飲料中に含まれ、有効量のアスピリンと共に共
投与(co-administer)するための飲料を構成する。好ましい飲料または混合飲料
は:高カカオポリフェノール固形物および/またはカカオ抽出物;ならびに必要
に応じて、天然または人工甘味料、天然または合成調味料、および乳製品を含む
。飲料は炭酸飲料であって差し支えない。甘味料は、砂糖シロップ、固形物、ま
たは砂糖代用品であって差し支えない。「砂糖代用品」の用語は、充填剤、糖ア
ルコール(即ち例えばグリセロールのようなポリオール)、強力な甘味料、また
はそれらの組合せであって差し支えない。様々な程度の甘味強度を有する栄養糖
甘味料は、当業界で一般的に用いられている任意の甘味料であり、限定はされな
いが、スクロース、デキストロース、フルクトール、ラクトース、マルトース、
グルコースシロップ固形物、コーンシロップ固形物、転化糖、加水分解したラク
トース、カエデ糖、黒砂糖、糖液等が挙げられる。砂糖代用品で、部分的にまた
は全体的に、栄養糖甘味料を置換して差し支えない。強力な砂糖代用品として、
アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、アセスルファーム(acesulfame)-
K、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、スクラロース、アリテーム(alitame
)、ステビア甘味料、グリシリジン、タウマチン等、ならびにそれらの混合物が
挙げられる。代表的な糖アルコールとして、例えばソルビトール、マンニトール
、キシリトール、マルチトール、イソマルト(isomalt)、ラクチトール等が挙げ
られる。代表的な乳製品は、無脂肪乳固形物、乳脂肪、甘いクリーム、バターを
採った後のミルク、および脱脂粉乳である。
【0049】 本出願の目的において、以下の定義は、開示されかつクレームされているもの
の明確な理解を可能とするであろう。
【0050】 この中で用いられている「食品」は、成長、修復および生活過程を維持し、か
つエネルギーを供給するために生物の体内で用いられる、タンパク質、炭水化物
および/または脂肪から実質的に成る物質である。食品は、例えばミネラル、ビ
タミン、および調味料のような補助的物質も含んでいて差し支えない。Merriam-
Webster’s Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993を参照。
【0051】 この中で用いられている「製剤」または「薬剤」は医薬である。Merriam-Webste
r’s Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993を参照。
【0052】 この中で用いられている「保険食品」または「栄養補助食品」は、食事を補足
することが意図された、以下の食物原料の1つ以上を有するまたは含有する製品
(タバコ以外)である:ビタミン、ミネラル、ハーブまたは他の植物、アミノ酸
、全1日摂取量を増やすことによって食事を補足するために男性に用いられる栄
養物質、あるいはそれら原料の濃縮物、代謝物、構成成分、抽出物または配合物
。Merriam-Webster’s Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993を参照。
【0053】 食品標示で用いられている「補足」は、通常、U.S. RDAに対して50
%を超える量の栄養素が追加されていることを意味する(”Understanding Norm
al and Clinical Nutrition, Third Edition”, Eds. Whitney, Cataldo and Ro
lfes, p.525)。
【0054】 血小板機能障害によって生じる任意の疾患または障害の治療または予防のため
、カカオプロシアニジン(すなわちカカオプロシアニジンモノマーおよび/また
はオリゴマーの混合物)、あるいはカカオプロシアニジン(すなわちモノマーお
よび/またはオリゴマー)を含む組成物を、有効量のアスピリンと併用して、単
独でまたは他の治療と共に、本開示に含まれている方法および当業界で公知の方
法に従って、熟練した医者の要望通りに、ヒトまたは例えばペット動物のような
家畜動物に投与することができる。例えば、過度の実験を必要とせずに、血小板
機能障害の最初の兆候または症状が現れた時、あるいは熟練した医者の要望通り
にその後できるだけ直ぐに、アスピリンとカカオプロシアニジンの共投与を含む
治療を施すことができる。従って、例えば、心臓発作、脳梗塞、および抹消血管
疾患、抹消動脈疾患、冠動脈疾患、頚動脈疾患、粥状動脈硬化症、レステノシス
(restenosis)を含む心血管疾患を患っておりまたはそれら疾患の危険性がある被
験者において、本発明の組成物および治療を用いることができる。
【0055】 過度の実験の必要無しに、例えば1ヶ月に1回、2ヵ月に1回、半年に1回、
1年に1回といった投薬計画、あるいは他の投薬計画に従って、必要な回数、熟
練した医者によって、単独でまたは他の治療と共に、カカオプロシアニジンとア
スピリンとの共投与を継続して差し支えない。
【0056】 さらに、食品、栄養補助食品または薬剤、ならびにアスピリンと配合して増強
された含有量のカカオポリフェノール(カカオプロシアニジンを含む)を含むこ
とを指示する標示またはそれら化合物の有利な特性を指示する標示、さらに必要
に応じて使用説明書を含む、包装も本発明の範囲内に含まれる。この中で用いら
れているように、有利な特性として、例えば、心血管疾患、ならびに炎症によっ
て生じる疾患および障害の予防および治療における、血小板機能障害の阻害が挙
げられる。
【0057】 以下の非限定的な実施例において、本発明をさらに説明する。
【0058】 実施例1カカオプロシアニジンの定量のための分析方法 以下に記載の分析方法を用いて、重合の程度によって、テオブロマカカオの種
およびチョコレートのプロシアニジン組成物を分離および定量化した。以下に記
載の分析方法は、Hammerstone, J.F., Lazarus, S.A., Mitchell, A.E., Rucker
R., Schmitz, H.H., Identification of Procyanidins in Cocoa (Theobroma c acao) and Chocolate Using High-Performance Liquid Chromatography/Mass Sp ectrometry , J. Ag. Food Chems; 1999;47(10) 490−496に報告されている仕事
に基づいている。Lazarus, S.A., Adamson, G.E., Hammerstone, J.F., Schmitz
, H.H., High Performance Liquid Chromatography/mass Spectrometry Analysi
s of Proanthocyanidins in Foods and Beverages, J.Ag.Food Chem.; 1999; 47
(9); 3693-3701に報告されているように、様々なタイプのプロアントシアニジン
を含有することが報告されている広範囲の食品および飲料試料の定量試験におい
て、以下に記載の分析方法を利用した。Lazarusらの分析(1999)は、高い選択
性および感度のため、蛍光検出を用いた分析を報告した。
【0059】 Adamson, G.E., Lazarus, S.A., Mitchell, A.E., Prior, R.L., Cao, G., Ja
cobs,P.H., Kremers, B.G., Jammerston, J.F., Rucker, R.,Ritter, K.A., Sch
mitz, H.H., HPLC Method for the Quantification of Procyanidins in Cocoa and Chocolate Samples and Correlation to Total Antioxidant Capacity , J.A
g. Food Chem.; 1999; 47(10) 4184-4188に記載のように、以下に記載の分析方
法を用いて、デカマー(十量体)までの各プロシアニジンオリゴマーに関して、
複合標準ストック溶液および校正曲線を作成した。その後、試料を複合標準と比
較して、プロシアニジンのレベルを正確に特定した。
【0060】抽出 液体窒素を用いた高速実験用ミルで、粒子サイズが約90μmになるまで新鮮
な種(ブラジルカカオ豆由来)を粉砕した。1000ミリリットル(mL)のヘ
キサンで3回抽出することによって、粉砕した種220グラム(g)から脂質を
除去した。脂質を含まない固形物を空気乾燥し、約100gの無脂肪材料を作成
する。水中の70容積%のアセトン(1000mL)で抽出することによって、
プロシアニジン含有画分を得た。懸濁液を1500xgで10分間遠心分離した
。グラスウールを備えた漏斗を通してアセトン相をデカントした。次に、水性ア
セトンをヘキサン(〜75mL)によって再抽出し、残留脂質を除去した。ヘキ
サン相を廃棄し、40℃で、部分真空状態において水性アセトンを回転蒸発させ
ることによって、最終容量を200mLにした。水性抽出物を凍結乾燥して、約
19gのアセトン抽出材料を得た。
【0061】ゲルクロマトグラフィー 約2gのアセトン抽出物(上記のように得られた)を10mLの70%水性メタ
ノールで抽出し、1500xgで遠心分離した。3.5mL/分の流速でメタノ
ールによって予め平衡化させておいたSephadex LH−20カラム(7
0×3cm)において上澄み液を半精製した。試料装填の2時間半の間、画分を
20分毎に収集し、HPLCによってテオブロミンおよびカフェインに関して分
析した(Clapperton, J., Hammerstone, J.F., Romanczyk, L.J., Yow, S., Lim
, D., Lockwood, R., Polyphenols and Cocoa Flavour, Proceedings,16th Inte
rnational Conference of group Polyphenols, Lisbon, Portugal, Grouppe Pol
yphenols: Norbonne France, 1992; Tome II, pp.112-115を参照のこと)。テオ
ブロミンおよびカフェインをいったんカラムから溶出し(〜3.5時間)、残っ
ている溶出物をさらに4.5時間かけて収集し、部分真空状態において40℃で
回転蒸発させることによって有機溶剤を除去した。その後、抽出物を水中に懸濁
させて凍結乾燥した。
【0062】予備順相HPLCによるプロシアニジンオリゴマーの精製 上記のように得られたカカオ抽出物(0.7g)を、容積比がそれぞれ70:
29.5:0.5のアセトン/水/酢酸混合液(7mL)中に溶解させた。28
0nmの波長の紫外線によってモニターが行われる、5μm Supelcosil LCカラ
ム(シリカ、100オングストローム(Å);50×2cm)(Supelco, Inc.,
Bellefonte, Pennsylvania)を使用して、直線勾配(以下の表に示す)を用いて
プロシアニジン画分を分離した。
【0063】
【表1】 オリゴマーに対応するピーク間の谷間で画分を収集した。いくつかの予備分離
から等しい保持時間を有するものを合わせて、部分真空状態で回転蒸発させて凍
結乾燥した。
【0064】HPLC/MSによる精製画分の分析 個々のオリゴマー画分の純度を特定するため、Lazarus et al. (1999), supra
.に記載のように、大気圧イオン化スプレー(API−ES)チャンバーを用い
たオンライン質量分析(MS)に接続した順相高速クロマトグラフィー(HPL
C)法を用いて分析を実施した。自動注入器、4つのHPLCポンプ、カラム加
熱器、ダイオードアレー検出器、ならびにデータ収集および操作用のHP ChemSta
tionを備えたHP1100型HPLC(Hewlett-Packard, Palo Alto, Californ
ia)でクロマトグラフィー分析を実施した。Phenomenex(Torrance, California)
Lunaシリカカラム(25x4.6mm)において37℃で、プロシアニジンオ
リゴマーの順相分離を実施した。280nmの波長でUV検出を記録した。三つ
の移動相は、A)ジクロロメタン、B)メタノール、およびC)酢酸および水(
1:1v/v)からなる。1mL/分の流速で、(C)を4パーセントに固定し
、以下のように、Aに対するBの連続直線勾配によって分離を達成した:14%
のBから溶出を開始し;0〜30分は14−28.4%のB;30〜60分は2
8.4−50%のB;60〜65分は50−86%のBをAに加えて溶出し;さ
らに65〜70分はそのまま定組成で溶出した。
【0065】 API−ESイオン化チャンバーを備えたHP型1100質量選択的検出器(
G1946Aモデル)に接続した、上記のHP1100型HPLCを用いて、精
製画分のHPLC/MS分析を実施した。質量分析器の直前でT字型接続を介し
てHPLCの溶出液の流れに緩衝試薬を添加し、脱気装置を回避するHP110
0型高速液体クロマトグラフィーポンプによって搬送した。陰イオン態様での分
析条件は、流量0.04mL/分、3kVのキャピラリー電圧、75Vのフラグ
メンター、25psigの噴霧圧力、および350℃の乾燥ガス温度で、緩衝試
薬として0.75Mの水酸化アンモニウムを含んでいた。走査方式および選択イ
オン検出の両方を使用して、HP ChemStationにおいてデータを収集した。1サイ
クルにつき1.96秒で、m/z100〜3000の質量範囲についてスペクト
ルを走査させた。水酸化アンモニウムを用いて、MSに入る直前に、別の補助的
ポンプを介して溶出液のpHを中性付近に調整した。その処理は、移動相におけ
る酸濃度の上昇による(−)エピカテキン標準の負イオン化の抑制を妨げる。各オ
リゴマー類間のイオン存在比の比較と組み合わせて280nmの波長でのUV検
出を用いて、ピーク面積によって各画分の純度を特定した。
【0066】カカオおよびチョコレート中のプロシアニジンの定量 モノマーに関して市販されている(−)エピカテキンを用いて、複合標準を作成
した。上記の方法によって、精製状態でダイマーからデカマーまでを得た。励起
波長276nmおよび発光波長316nmでの蛍光検出を用いた上記の順相HP
LC法を使用して、それら化合物を用いた標準ストック溶液を分析した。ピーク
を集め、任意の1つのオリゴマー類内の全ての異性体が含まれるようにその面積
を合計し、さらに2次フィット (quadratic fit)を用いて校正曲線を作成した。
モノマーおよび小さなオリゴマーはほとんど直線プロットを有しており、それは
モノマーおよびダイマーに基づく校正曲線を作成するために直線回帰を事前に行
ったものと一致していた。
【0067】 それら校正曲線を用いて、以下のように調製した試料中のプロシアニジンレベ
ルを計算した:最初に、ヘキサン(各45mL)を用いて、カカオまたはチョコ
レート試料(約8g)を3回脱脂処理した。次に、5mLのアセトン/水/酢酸
混合物(70:28.5:0.5 v/v)を用いて1gの脱脂材料を抽出した
。次に、試料のHPLCデータを、上記のように得られた校正曲線(精製オリゴ
マーを用いた)と比較することによって、脱脂材料中のプロシアニジンの量を特
定した。Association of Official Analytical Chemists(AOAC Official Method
920.177)による標準化方法を用いて、試料(チョコレートに関して1gの試料
を用い、または液体に関して0.5gの試料を用いた)の脂肪の割合(%)を特
定した。さらに、元の試料(脂肪を含む)中の全プロシアニジンの量を計算した
。カラム間の変動を防ぐため、各試料について実施する前に校正を行った。
【0068】 実施例2臨床試験 アスピリン、高プロシアニジン飲料、またはそれら2つの組合せの摂取を含む
無作為臨床試験に参加する16人の被験者を採用した。被験者は、分かっている
疾患が無く、非喫煙者であり、さらに年齢が20歳から55歳の間である。個体
が無作為化の単位であった。
【0069】 参加者は、非ステロイド性抗炎症剤を少なくとも試験前4日間、アルコール飲
料を少なくとも試験前2日間、さらにカフェイン−またはテオブロミン−含有食
品を少なくとも試験前24時間、ならびに試験期間中、控えるように指示された
。被験者は、試験前日の夕食は低植物化学物質を摂取し、さらに午後10時以降
は絶食するように指示された(植物化学物質は植物の成分である。高植物化学物
質含量を有する食品および飲料として、多くの果物、コーヒー、いくつかのお茶
、ピーマン、ニンニク、タマネギ、ヨーグルト、糠、ならびに例えばブロッコリ
ー、キャベツ、およびカリフラワー等のアブラナ科の野菜が挙げられる)。
【0070】 任意の食品を摂取する前に被験者から血液を採取した。最初の血液を採取した
後、被験者を4つの群に分けた。第1の群は81mgのアスピリン(アセチルサ
リチル酸)(バイエルの小児用アスピリン)を摂取した。第2の群は、18.75gの
スラウェシ豆由来のプロシアニジン豊富なカカオパウダー(51.1mg/gの全プロシ
アニジン、11.2%の脂肪、0.092%のカフェイン、1.618%のテオブロミンを含有
する)および12.5gのスクロースを蒸留水300mlと混合した高カカオポリフ
ェノール飲料を摂取した。第3の群は、高カカオプロシアニジン飲料および81
mgの小児用アスピリンを摂取する。第4の群は、81mgの小児用アスピリン
、ならびに、18.75gのカカオパウダー(0.45mg/gの全プロシアニジン、9.87%
の脂肪、2.063%のテオブロミン、0.234%のカフェインを含有する)および12.5
gのスクロースを蒸留水300mlと混合したプロシアニジン欠乏カカオ飲料を
摂取した。各処置物質の摂取の2時間および6時間後、各被験者から血液を採取
した。0.5mlの3.2%緩衝クエン酸ナトリウム溶液を含む真空チューブに
静脈血を吸引した。
【0071】 使用説明書に基づいて血小板機能分析機(PFA-100(登録商標)Dade Behring
International, Miami,Fla.)を用いて、血小板凝集の阻害を測定した。そのシ
ステムは、マイクロプロセッサー制御装置、および生物活性膜を含む使い捨てテ
ストカートリッジを含む。その装置は、一定の減圧下で、試料リザーバから、キ
ャピラリーおよび微細な開口切断部を介して膜中に血液試料を吸引した。膜はコ
ラーゲンおよびエピネフリンで被覆されている。それら生化学的刺激の存在、な
らびに標準化されたフロー条件下で生じた速いずり速度は、結果的に、血小板の
接着、活性化および凝集をもたらし、安定な血小板の栓を開口部にゆっくり形成
した。開口部の完全な閉塞をもたらすのに必要な時間(秒)を「閉鎖時間」とし
て報告した(Kundu et al., “Description of an in vitro platelet function
analyzer-PFA-100” Semin Thromb Hemost 21 Suppl 2: 106-12, 1995)アスピリ
ン処置が血小板凝集の減少をもたらし、その結果PFA-100で測定した閉鎖時間が
長くなることは周知である(Marshall et al., “A comparison of the effects
of aspirin on bleeding time measured using the Simplate method and closu
re time measured using the PFA-100, in healthy volunteers”, Br J Clin P
harmacol 44: 151-155, 1997)。
【0072】 結果は、2時間目において、4つの処置の全てが、基線レベルと比較して、閉
鎖時間の増加をもたらす(p<0.05)ことを示す。さらには、アスピリン処置と、カ
カオ+アスピリン処置との比較は、2つの処置の閉鎖時間の間に差(p<0.08)があ
ることを示す。そのことは、アスピリンとカカオプロシアニジンオリゴマーとの
併用が、アスピリンの血小板活性化阻害能力を強化することを示唆する。アスピ
リン単独での処置とアスピリン+CP欠乏カカオでの処置による閉鎖時間の間に
は差が無く、増強された効果が、カカオ中のプロシアニジンの存在に依存するこ
とを示す。また、結果は、アスピリン+カカオ処置と、アスピリン+CP欠乏カ
カオ処置が、その閉鎖時間において有意に異なっている(p<0.06)ことを立証して
おり、カカオ/アスピリン併用の増強効果が、プロシアニジンの存在に依存する
ことを確認した。
【0073】 4つの処置の結果生じた、ロイコトリエン、プロスタサイクリン、およびトロ
ンボキサンレベルの変化に関して、血液試料を分析した。Westcott et al., “A
nalysis Of 6-Keto PGF1 Alpha, 5-HETE, and LTC4 In Rat Lung: Comparison O
f GM/MS, RIA and EIA", Prostaglandins 32: 857-873, 1986; Yakota et al.,
"Enzyme Immunoassay Of Prostanoids In Blood And Urine", Adv. Prostgl. Th
rombox. Leukot. Res. 15: 33-34, 1985;Schromm et al., "Differential Effec
ts of Small and Large Molecular Weight Phytochemicals on Endothelial Cel
l Eicosanoid Secretion" J Agric Food Chem 46: 1900-1905, 1998に記載のよ
うに、免疫測定法を実施した。ケーマン酵素免疫測定法#515211を用いて
、プロスタサイクリン(PGI)代謝物6−ケトプロスタグランジンF1−α
を測定し、ケーマン酵素免疫測定法519031を用いてトロンボキサン(TX
)代謝物TXBを測定し、さらに免疫測定法EA−39(Oxford Biomedi
cal Research)を用いてロイコトリエンC4、D4、およびE4を定量化した。
両側T−テストを用いてP値を計算した。P<0.05の場合に統計的に有意で
あると考えた。アスピリン+プロシアニジン欠乏カカオでの処置以外の全ての処
置はアテロスタティック(atherostatic)エイコサノイドに対するアテロゲニック
(atherogenic)エイコサノイドの比の減少をもたらし、それら処置が血管の健康
および虚血性発作の防止に有用であり、それら処置によってもたらされる閉鎖時
間の増加は、少なくともその一部において、エイコサノイドの調節によるもので
あることを示す。それら結果は、CP豊富なカカオ+アスピリンでの処置が、ア
テロゲニックロイコトリエンレベルの減少、ならびにアテロスタティックプロス
タサイクリンレベルの増加を生じさせることを示す。一方、CP−欠乏カカオ+
アスピリン処置は、プロスタサイクリンレベルの減少、ならびにロイコトリエン
レベルの増加をもたらした。それら結果は、カカオのアテロスタティック効果が
、プロシアニジンの存在に依存することを示す。
【0074】 興味深いことに、それら結果は、抗血小板活性をもたらす機構が、アスピリン
処置と高カカオプロシアニジンカカオ処置とで異なることを示唆する。アスピリ
ンの作用機序は、トロンボキサンレベルの低下(トロンボキサン依存性血小板活
性化の阻害につながる)をもたらすアラキドン酸経路の阻害(プロスタグランジ
ン産生の阻害による)を介するものである。このことは、アスピリンの抗血栓効
果を説明する。表1から分かるように、アスピリンに関連する3つの処置全てが
、処置物の摂取の2時間後および6時間後の両方において、血漿トロンボキサン
レベルの有意な減少をもたらすが、一方、高カカオプロシアニジンカカオ処置は
血漿トロンボキサンレベルを変化させない。このことは、高カカオプロシアニジ
ンとアスピリンとの併用処置が、アスピリン単独での処置によって得られるレベ
ル以下にトロンボキサンレベルを減少させないという結果によって確認される。
それら結果とは対照的に、PFA−100データは、高カカオプロシアニジンカ
カオとアスピリンの併用処置が、それぞれ個々での処置における閉鎖時間を超え
て閉鎖時間の増加をもたらし、すなわち併用処置によって効果が増強されること
を示す。
【0075】 従って、カカオプロシアニジンの抗血小板活性は、アラキドン酸経路の阻害に
依存しないと考えられる。その事実には2つの重要な意味がある。第1に、アラ
キドン酸経路の阻害の結果である、アスピリンに関して立証されている副作用は
、カカオプロシアニジンでの処置によって生じないであろう。第2に、併用処置
は、異なる機構によって抗血小板活性に寄与する各成分(アスピリンおよびカカ
オプロシアニジン豊富なカカオ)による抗血小板相乗効果をもたらすであろう。
【0076】 要約して、アスピリンとカカオプロシアニジン豊富なカカオの併用処置は、相
加的な(好ましくは相乗的な)血小板活性の低下をもたらす。また、カカオとア
スピリンとの共投与がアスピリンの活性を増強し、より少ない用量の使用によっ
てアスピリンの匹敵する効果を達成でき、一方でアスピリンの有害な副作用を最
少化できるという証拠がある。
【0077】 実施例3アスピリンと併用したプロシアニジン豊富な飲料の摂取の血小板活性に対する効 有効量のアスピリンと併用したカカオ飲料の摂取の血小板活性に対する効果を
調べた。
【0078】 前記の試験に参加した被験者が、表面タンパク質発現試験にも参加した。処置
計画および採血の方法は、前記の実施例で概説した方法と同じである。
【0079】 採血の10分内に、ペプチドArg-Gly-Ser(Sigma, St. Louis, MO)の存在下ま
たは不在下、10μm HEPESバッファー(pH7.4、未刺激対照)、2
0または100μM ADP、あるいは20μMエピネフリン(BioData, Horsham
, PA)と共に、ポリスチレンチューブ中において全血を室温で5分間インキュベ
ートした。5分後、試料を1ml HEPESバッファー中に懸濁させ、100
mlの試料を、飽和濃度(20μM)の下記の蛍光標識モノクロナール抗体の各
々を含むチューブに移した:PAC1−フルオレセインイソチオシアネート(F
ITC)、抗−CD62P−ピコエリスリン(PE)、および抗CD42a−P
erCP。PAC1は、フィブリノーゲン結合受容体GPIIb−IIIaの活性化
形態を認識し、抗CD62Pは、活性化血小板の表面に存在するP−セレクチン
を認識する。抗CD42aは、活性化および休止血小板の両方の表面に存在する
GP1b−1Xを認識する。マウスIgG、FITCおよびマウスIgG、PE
をアイソタイプ対照として用いた。Arg-Gly-Asp-Serペプチドを用いて血小板に
対するPAC1抗体の結合をブロックし、それによってフローサイトメトリーに
おける陰性対象マーカーを設定した。抗体およびアイソタイプ対照はBecton Dic
kinson Immunocytometry Systems, Inc., San Jose, CAから購入した。
【0080】 アゴニストADPおよびエピネフリンの存在下または不在下において、モノク
ロナール抗体またはアイソタイプ対照と共に、全血試料を20分間暗がりにおい
て室温でインキュベートした。その後、濾過した1%パラホルムアルデヒド(p
H7.2)中において試料を固定し、暗がりにおいて2−8℃で保存した。48
時間以内に、LYSYS IIソフトウェアを用いたFACScanフローサイト
メーターで全ての試料を分析した。1、2および10μmキャリブレーションビ
ーズ(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, Inc., San Jose, CA and Fl
ow Cytometry Systems, Research Triangle Park, NC)を用いてフローサイトメ
トリーの性能を確認した。対数コードにおける全ての光散乱および蛍光パラメー
ターを用いたリストモードにおいて、20,000イベントを収集した。光散乱および
CD42a発現に基づいて血小板を限定した。活性化血小板は、活性化形態のG
PIIb−IIIaまたはP−セレクチンを共発現するCD42a陽性イベントの割
合(%)と定義した。血小板微粒子は、2μm未満のサイズのCD42a陽性イ
ベントの割合(%)と定義した。
【0081】 結果の統計解析を実施するため、ランクに基づくフリードマン累次尺度(Friedma
n’s repeated measures) ANOVA(ランクに基づくRM ANOVA)を用
いて、各処置群における基線、2時間目および6時間目の結果を比較した。Tuke
y’s全ペア比較(all pairwise comparison)をこの後の多重比較のために用いた
。P値が0.05未満である場合に差が有意と考えた。各時間(基線、2時間、
および6時間)における処置群間の統計上の差に関して、血小板−依存ホメオス
タシスデータを解析した。
【0082】結果 弱いアゴニストであるADPおよびエピネフリンによる刺激の存在下または不
在下における、GPIIb/IIIa血小板受容体の活性化形態のex vivo発現に対す
る、カカオおよびアスピリン摂取の効果を図2、3、および4に示す。
【0083】 血小板活性化に基づき、GPIIb/IIIa受容体は、フィブリノーゲンおよびフ
ォンヴィレブランド因子に結合し得るように構造変化を受ける。活性化GPIIb
/IIIa受容体に結合するリガンドを介した血小板間の架橋形成が、血小板凝集
および血栓形成に必須である。
【0084】 図2Bに示すように、(+)カカオの摂取は、基線と比較して、6時間目におけ
る未刺激GPIIb/IIIa発現を高めた(p<0.001)。他の処置のいずれも、未刺
激GPIIb/IIIaに有意な影響を及ぼさなかった。
【0085】 図3Cに示すように、ADP誘導GPIIb/IIIa発現は、基線と比較して、A
SA+(+)カカオの摂取後6時間において抑制された(P=0.004)。一方、図3
Dに示すように、ASA+(−)カカオの摂取は、基線または2時間目と比較して
、6時間目において、ADP誘導GPIIb/IIIa発現を高めた(p=0.005)。
【0086】 図4Aに示すように、ASA摂取は、基線と比較して、6時間目において、エ
ピネフリン誘導GPIIb/IIIa発現を抑制した(p=0.003)。(+)カカオの摂
取は、基線と比較して、2時間目において、エピネフリン誘導GPIIb/IIIa
発現を抑制した(P=0.005;図4B)。ASA+(+)カカオの併用摂取は、基線
と比較して、2時間目と6時間目の両方において、エピネフリン誘導GPIIb/
IIIa発現を抑制した(P=0.006;図4C)。一方、ASA+(−)カカオの摂取後に
おけるエピネフリン誘導GPIIb/IIIa発現には有意な変化は無かった(図4
D)。
【0087】 弱いアゴニストであるADPおよびエピネフリンによる刺激の存在下または不
在下における、P−セレクチン(CD62)のex vivo血小板表面発現に対する
、カカオおよびアスピリン摂取の効果を表2に示す。P−セレクチンは活性化血
小板の表面に発現される。ASA+(−)カカオの摂取は、2時間目にADP−誘
導P−セレクチン発現を抑制する唯一の処置であった(P=0.001)。
【0088】 ASA摂取は、基線と比較して、6時間目に、エピネフリン誘導P−セレクチ
ン発現を抑制した(p=0.028)が、一方、(+)カカオはまったく効果が無かった。
ASA+(+)カカオの併用摂取は、基線と比較して、2時間目と6時間目に、エ
ピネフリン誘導P−セレクチン発現を抑制した(P=0.014)。一方、ASA+(−)
カカオの併用摂取は、エピネフリン誘導P−セレクチン発現に有意な変化をもた
らさなかった。
【0089】 実施例4錠剤 米国特許第6,015,913号(参照によってこの中に組み込まれる)に記載の方法
によって得られた高カカオプロシアニジンカカオ固形物を用いて錠剤を調製した
。簡単に説明すると、加工後のカカオプロシアニジンの量に対する未加工豆中の
カカオプロシアニジンの最初の量の比が2以下になるように、従来の方法で加工
されたカカオにおけるカカオプロシアニジンと比較して、カカオプロシアニジン
の天然の存在量を増強する方法によってそれら食材を調製する。簡略化のために
、そのカカオ固形材料をこの中でCP−カカオ固形物と称する。
【0090】 錠剤は以下の組成を含む(割合(%)は重量%で示す): CP−カカオ固形物 24.0% 4倍濃縮天然バニラエッセンス(Bush Boake Allen) 1.5% ステアリン酸マグネシウム(乾燥潤滑剤)(AerChem, Inc.) 0.5% ジパックタブレット砂糖(Dipac tabletting sugar) 37.0% (Amstar Sugar Corp.) キシリトール(American Xyrofin, Inc.) 37.0% アスピリン 50mg
【0091】 フードプロセッサーでCP−カカオ固形物とバニラエッセンスとを2分間混ぜ
合わせる。アスピリン、砂糖、およびステアリン酸マグネシウムを穏やかに混合
し、その後、CP−カカオ固形物/バニラ混合物と混ぜ合わせる。最大の圧力お
よび密圧でManesty Tablet Press(B3B)を通して、重量1.5−1.8gの丸い
錠剤(15mmx5mm)を作成する。
【0092】 あるいは、約600mgの全プロシアニジンモノマーおよびオリゴマーを含有
する抽出物の形態でCPを用いる。
【0093】 当業者は、カカオプロシアニジンまたは化合物の組合せに非可逆的に結合する
ポリビニルピロリドン以外の、広範囲の香味料、着色料、 賦形剤、ビタミン、
ミネラル、市販薬、糖充填剤、UV保護剤(例えば二酸化チタン、染料等)、結
合剤、ヒドロゲル等を含む他の錠剤を容易に調製することができる。糖充填剤の
量を調整してカカオプロシアニジンまたは化合物の配合物の投薬量を操作するこ
とができる。
【0094】 実施例5カプセル剤 ゼラチンから成るプッシュフィット(push-fit)カプセル、ならびにゼラチンお
よび例えばグリセロール等の可塑剤から成る密閉軟カプセルを用いて、アスピリ
ンと配合してカカオプロシアニジンを含む、実施例4に開示されている錠剤の経
口剤形の変形物を作成する。プッシュフィットカプセルは、粉末の形態である実
施例4に記載の本発明の化合物または化合物の配合物、あるいはCP−カカオ固
形物を含有し、必要に応じて、例えばラクトースまたはスクロース等の充填剤と
混合して、カカオプロシアニジンの投薬量を操作して差し支えない。軟カプセル
において、例えば脂肪油またはカカオバターもしくはそれらの混合物等の適切な
液体中に、単離カカオプロシアニジンまたはCP−カカオ固形物を懸濁させる。
カプセル剤は、UVから保護するために、例えば二酸化チタンまたは適切な着色
剤等のUV保護剤を含んでいて差し支えない。また、カプセル剤は実施例4に記
載のような充填剤を含んでいて差し支えない。
【0095】 実施例6メチル化プロシアニジン 血管平滑筋に対するメチル化カカオプロシアニジンの効果について本実施例に
示す。ウサギ大動脈環における内皮由来血管弛緩(EDR)を測定するin vitro
法を用いた。
【0096】カカオポリフェノールおよびプロシアニジン代謝物の調製 精製カカオプロシアニジンテトラマー画分(Romanczykらの米国特許第5,554,6
45号に記載のように単離した)を反応させることによって、メチル化テトラマー
を調製した。
【0097】 ジアゾメタン試薬を調製するため、Diazald Kit Diazomethane Generator (Al
drich Chemicals)を用いた。反応は2つの試薬を含む。第1試薬に関して、5g
のKOHを8mLの水に溶解させ、その後10mLのMeOHを加えた。反応槽
として用いられる丸底フラスコ中に試薬を入れた。その反応槽をコンデンサーお
よび氷浴中で冷却したレシービングフラスコに取り付けた。エーテルトラップを
サイドアームに配置した。45mLの再蒸留ジエチルエーテル中に溶解させた5
gのDiazaldによって第2試薬を調製した。その試薬を反応槽上の分液漏斗に入
れた。水浴を用いて反応槽を65℃に暖めた。蒸留速度と同じ速度でDiazald溶
液をKOH溶液中に滴下した。Diazaldを使い切った時、分液漏斗を10mLのエ
ーテルですすいだ。
【0098】 3mLのメタノール中に100mgのテトラマーを懸濁させた。12mLのジア
ゾメタン試薬を添加した。混合物を室温で20分間反応させ、その後、冷凍庫(
−7℃)で1晩(16時間)放置して反応させた。メタノール中の10%酢酸(
2.5mL)を添加することによって反応を停止させた。窒素流の下、溶媒を除
去し、真空下で固形物を乾燥させた。
【0099】 陰イオン態様でAPI−ES質量分析装置を用いて反応をモニターした。メタ
ノール中の10mM酢酸アンモニア(8%)およびメタノール(92%)を含む
溶媒を用いて、流速1mL/mLで10μLを注入した。3500Vのキャピラ
リー電圧および100Vの分解電圧(fragmentation voltage)を用いてイオン化
を達成した。m/z500−1500の質量範囲に亘り、スペクトルを走査させ
た。質量スペクトルデータは、反応の終わりに、非メチル化テトラマーが全く残
っていないことを示唆した。反応産物の大部分は、水酸基位置14−18でメチ
ル化されていた。テトラマーの一部は20の位置全てにおいて完全にメチル化さ
れていた。
【0100】内皮由来血管弛緩 オスのニュージーランドホワイトウサギ(2.5−3kg)を、ペントバルビ
タール(50mg/kg)で末期的に麻酔した。胸大動脈を摘出し、付着した脂
肪および結合組織を注意深く取り除いた。次に、動脈を環(3−4mm長)に切
り分け、クレブス重炭酸バッファー(mMol/l):NaCl 116.0, KCl 5.4, CaCl2 1.2,
NaHCO3 22.0, NaH2PO4 1.2, MgCl2 1.2, グルコース10.1)で満たし、pH7.
4、37℃に維持し、さらに連続的に95%O−5%CO混合物で飽和させ
た伝統的な20ml臓器浴(organ baths)中に入れた。力変位変換機(force disp
lacement transducer) (Grass Instrument Co., Quincy MA Model FT03C)に組織
を接続し、基礎張力8gに伸ばした。
【0101】 臓器浴中において環を90分間平衡化させ、その後ノルエピネフリン(10
M)で予備収縮させた。予備収縮させた環の40%以上の弛緩を誘導するアセ
チルコリン(10−5)の能力によって、全ての調製物における機能的内皮の存
在を評価した。それら方法は、以前公開されている(Kappagoda, Cardiovascular
Res. 25: 270-82, 1991)。機能的内皮を有する動脈環をノルエピネフリン(1
−5)で予備収縮させた。収縮が定常状態に達した時、メチル化テトラマーを
10−3、10−4、10−5、10−6、10−7および2.5x10−4
濃度で添加した。結果を表3に示す。4つの別個の動脈環から得られた結果は、
メチル化テトラマーが弛緩効果を有することを示す。従って、それら誘導体は、
血管の健康状態を維持しかつ血管疾患を治療するそれらの能力における親化合物
として有効である。
【0102】
【表2】
【表3】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、2つの時間間隔で記録された、4つの処置間でのトロン
ボキサンレベルおよびLT/PGI2比の比較を示す(アスピリン;(+)カカオ
;(+)カカオと併用したアスピリン;(−)カカオと併用したアスピリン)。
【図2】 図2は、2つの時間間隔で記録された、4つの処置間での未刺激
血小板IIb/IIIa受容体発現の比較を示す(アスピリン;(+)カカオ;(+)カ
カオと併用したアスピリン;(−)カカオと併用したアスピリン)。
【図3】 図3は、2つの時間間隔で記録された、4つの処置間でのADP
−刺激血小板IIb/IIIa受容体発現の比較を示す(アスピリン;(+)カカオ;(
+)カカオと併用したアスピリン;(−)カカオと併用したアスピリン)。
【図4】 図4は、2つの時間間隔で記録された、4つの処置間でのエピネ
フリン−刺激血小板IIb/IIIa受容体発現の比較を示す(アスピリン;(+)カ
カオ;(+)カカオと併用したアスピリン;(−)カカオと併用したアスピリン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/02 A61P 7/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ロマンクズィーク,レオ ジェイ ジュニ ア アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07840 ハケッツタウン アールディー ナンバー3 ファーン ドライヴ 4 Fターム(参考) 4B018 MD07 MD08 MD57 ME14 MF01 4C086 AA01 AA02 BA08 DA17 MA02 MA35 MA37 MA52 NA06 ZA54 4C088 AB12 BA08 MA02 MA35 MA37 MA52 NA06 ZA54

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理学的に許容される担体中にアスピリンおよびカカオプロ
    シアニジンを含む、摂取に適した組成物。
  2. 【請求項2】 薬剤組成物、食品、栄養補助食品、または食品添加物である
    ことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 カカオプロシアニジンがモノマーであることを特徴とする請
    求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 カカオプロシアニジンがダイマーであることを特徴とする請
    求項1または2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 カカオプロシアニジンがオリゴマーであることを特徴とする
    請求項1または2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記オリゴマーが、2から18のカカオプロシアニジンオリ
    ゴマーまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 カカオプロシアニジンが、以下の工程によって得られるモノ
    マー、オリゴマー、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1から
    6何れか1項記載の組成物: (a)カカオプロシアニジンを溶解させる溶媒を用いて、脱脂粉砕カカオニブ、
    カカオニブ画分、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形物、または完全脱脂カカ
    オ固形物に溶媒抽出を施し; (b)得られたカカオ抽出物から、プロシアニジンモノマー、オリゴマーまたは
    それらの混合物を含む画分を単離する。
  8. 【請求項8】 血小板機能障害によって生じる疾患または障害を治療または
    予防するための薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物の製造におけるア
    スピリンおよびカカオプロシアニジンの使用。
  9. 【請求項9】 血小板機能障害によって生じる疾患または障害を治療または
    予防するための薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物の製造におけるア
    スピリンの使用。
  10. 【請求項10】血小板機能障害によって生じる疾患または障害を治療または
    予防するための薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物の製造におけるカ
    カオプロシアニジンの使用。
  11. 【請求項11】 カカオプロシアニジンがモノマーであることを特徴とする
    請求項8から10何れか1項記載の使用。
  12. 【請求項12】 カカオプロシアニジンがダイマーであることを特徴とする
    請求項項8から10何れか1項記載の使用。
  13. 【請求項13】 カカオプロシアニジンがオリゴマーであることを特徴とす
    る請求項項8から10何れか1項記載の使用。
  14. 【請求項14】 前記オリゴマーが、2から18のカカオプロシアニジンオ
    リゴマーまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項13記載の使用。
  15. 【請求項15】 カカオプロシアニジンが、以下の工程によって得られるモ
    ノマー、オリゴマー、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項8か
    ら14何れか1項記載の使用: (a)カカオプロシアニジンを溶解させる溶媒を用いて、脱脂粉砕カカオニブ、
    カカオニブ画分、チョコレート液、部分脱脂カカオ固形物、または完全脱脂カカ
    オ固形物に溶媒抽出を施し; (b)得られたカカオ抽出物から、プロシアニジンモノマー、オリゴマーまたは
    それらの混合物を含む画分を単離する。
  16. 【請求項16】 前記薬剤、食品、栄養補助食品、または食品添加物が、心
    血管疾患または炎症性疾患もしくは障害の予防または治療用であることを特徴と
    する請求項8から14何れか1項記載の使用。
  17. 【請求項17】 血小板機能障害によって生じる疾患または障害の治療にお
    ける別々での使用、同時使用、または連続使用のための、アスピリンおよびカカ
    オプロシアニジンを含む製品。
  18. 【請求項18】 カカオプロシアニジンが、増強レベルまたは保存レベルの
    カカオプロシアニジンを有するカカオ原料中に存在しているカカオプロシアニジ
    ンであることを特徴とする請求項17記載の製品。
  19. 【請求項19】 前記カカオ原料が、275未満の発酵因子を有するカカオ
    豆に由来することを特徴とする請求項17または18記載の製品。
  20. 【請求項20】 前記カカオ原料が、以下の工程によって得られるカカオ固
    形物を含むことを特徴とする請求項18または19記載の製品: (a)約3重量%まで含水量を減らしかつカカオ殻を軟らかくするのにちょうど
    十分な豆内部温度までカカオ豆を加熱する工程; (b)カカオ殻からカカオニブをふるい分ける工程; (c)カカオニブを回転圧搾する工程;および (d)カカオプロシアニジンを含有するカカオバターおよび部分脱脂カカオ固形
    物を回収する工程。
  21. 【請求項21】 前記カカオ原料が混合飲料であることを特徴とする請求項
    17から20何れか1項記載の製品。
  22. 【請求項22】 血小板機能障害によって生じる疾患または障害の予防また
    は治療において併用するためのアスピリンおよびカカオプロシアニジン。
  23. 【請求項23】 血小板機能障害によって生じる疾患または障害の予防また
    は治療において使用するための、アスピリンおよびカカオプロシアニジンを含む
    薬剤。
  24. 【請求項24】 アスピリンおよびカカオプロシアニジンを含む薬剤組成物
  25. 【請求項25】 血小板機能障害を治療または予防するのに有効な併用量の
    カカオプロシアニジンとアスピリンとを被験者に投与することを含んでなる、血
    小板機能障害に関連する症状を治療または予防する方法。
  26. 【請求項26】 カカオプロシアニジンがモノマーであることを特徴とする
    請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 カカオプロシアニジンがダイマーであることを特徴とする
    請求項25記載の方法。
  28. 【請求項28】 カカオプロシアニジンがオリゴマーであることを特徴とす
    る請求項25記載の方法。
  29. 【請求項29】 カカオプロシアニジンとアスピリンとを同じ組成物中にお
    いて投与することを特徴とする請求項25記載の方法。
  30. 【請求項30】 カカオプロシアニジンとアスピリンとを別々に投与するこ
    とを特徴とする請求項25記載の方法。
  31. 【請求項31】 血小板機能障害を治療または予防するのに有効な併用量の
    カカオプロシアニジ誘導体とアスピリンとを被験者に投与することを含んでなる
    、血小板機能障害に関連する症状を治療または予防する方法。
  32. 【請求項32】 前記カカオプロシアニジン誘導体がメチル化カカオプロシ
    アニジンであることを特徴とする請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記カカオプロシアニジン誘導体が没食子酸プロシアニジ
    ンであることを特徴とする請求項31記載の方法。
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