JP2003527234A - 産業用プラントにおける沈泥および堆積物の形成を減少させるための硫黄フリーリグニンおよびその誘導体 - Google Patents

産業用プラントにおける沈泥および堆積物の形成を減少させるための硫黄フリーリグニンおよびその誘導体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水または水性プロセス用液体が循環する産業用プラントにおける沈泥および堆積物形成を低減するための方法に関し、硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、水に存在する沈泥および堆積物の原因となる物質の量に比例した量で、前記システムに添加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、密閉および/または部分的に密閉された水性または滞水システムに
おける、沈泥および堆積物の形成を減少させるための方法に関するものである。
前記方法は、貯蔵タンク、抄紙機などの水が循環する産業用プラントまたは冷却
水循環路に貯蔵された水性溶液、乳濁液および懸濁液に適用可能である。
【0002】 あらゆる型の微生物は、一般に、産業用システムの水循環路および/または貯
蔵タンクにおいて、成長に適した理想的な条件を得る。そこに存在する特定の条
件は、微生物の種類に影響を及ぼす。プロセス用水、ここでは特に抄紙機で知ら
れる白水は、近年、増大するリサイクルおよび循環路の密閉という変化に曝され
ており、これらの変化は、温度、pH値、栄養分など、微生物の広範囲にわたる
成長に対して理想的な条件を益々提供している。このような多くの生物は、個々
の自由に分散した単位を形成するのではなく、沈泥コロニーを形成する傾向があ
り、このことが循環路における沈泥堆積物成長の進行を招いている。
【0003】 その上、製紙に使用される、天然または合成ポリマー、フィラーおよびその他
の微細に分解された成分といった種々の添加物は、白水循環路に堆積物を形成す
る傾向がある。明らかに、微生物学的に生じた沈泥と、これらの追加的な堆積物
との組み合わせは、更に深刻な堆積物の問題を招く。
【0004】 更に、特別な方法で濾過または処理されたプロセス用水または全くの清浄水が
、抄紙機において水のスプレーまたはジェットを生成させるためにしばしば使用
されることも重要である。このスプレーまたはジェットは、例えば、消泡したり
、棄却域における紙繊維およびフィラーの堆積物の蓄積を防止したり、湿った紙
シートの幅を決定したりするために使用される。このスプレー水と、主となる白
水循環路との境界領域は、例えば、酸素に富んだ冷たい清浄水が、養分に富んだ
温かいプロセス用水と遭遇する場所であるが、微生物、特に糸状類の成長に対し
て非常に伝導性のある(conductive)特殊な条件が優勢となり得る。同じことが
、異なる循環路の混合境界にも同様に当てはまる。
【0005】 これらの堆積物の、循環路の壁およびその他の構造物から、白水、作動してい
る抄紙機または紙シートへの脱離は、紙に損傷または欠陥を生じ、紙ウェブの破
れを引き起こし、機械の停止時間となり得る。
【0006】 これらの堆積物の問題と戦うため、かなりの量の殺生物剤が白水に添加される
。細菌類だけでなく菌類をも含む微生物の多種多様性および適応性のため、殺生
物剤の選択は容易ではない。微生物の適応性のため、その成長を「安全」または
問題のないレベルに減少させることは非常に困難である。殺生物剤の助力により
微生物堆積物を制御する唯一有効な方法は、これらの有機体のほとんど全てを殺
すことである。システムの複雑性およびサービス制御の必要性が、有効な処理が
安価ではないということを示している。
【0007】 必要性およびしばしば法による規定により、通常の使用濃度において、環境に
対して、または、下流の排水および/または浄化設備の機能に対して問題を生じ
ないように、殺生物剤は通常は分解性である。その一方で、殺生物剤は、取扱い
、輸送および偶発的な誤用において潜在的な危険性を示す。
【0008】 有効性の改善、環境保護および価格的な理由のため、他の方法によって殺生物
剤の使用を減少させることが、長く製紙産業の目的とされている。
【0009】 沈泥堆積物低減のための周知の方法は、抄紙機白水に対するリグノスルホネー
トの添加である。殺生物剤と組み合わせても使用され、これにより、殺生物剤の
使用量の低減が可能となる。これらの方法は、欧州特許明細書第0185963号およ
び第0496905号に記載されている。
【0010】 本発明により扱われる問題は、沈泥および堆積物制御システムの有効性を増大
させると同時に、環境への影響を少なくとも同レベルまたはそれよりも低減させ
ることである。
【0011】 驚くべきことに、本出願の請求項1によれば、この問題は、硫黄フリーリグニ
ンまたはその誘導体を、水中に存在する沈泥原因物質の量に比例した量でシステ
ムに添加することによって解決される。好ましい形態は、請求項2〜23から理
解することができる。
【0012】 リグニンまたはその誘導体から誘導される可溶性芳香族ポリマーを比較すると
、すなわち、本発明により使用される硫黄フリーリグニンおよびリグニン誘導体
が、従来使用されていたリグノスルホネートよりも、抄紙機白水が循環するシス
テムにおける沈泥および堆積物形成の防止および低減に有効であることが判明し
た。
【0013】 更に、本発明により使用される生成物は、実質的に無毒であるため、殺生物剤
と比較して、明らかに環境に対して要求される利点を有している。
【0014】 「ソーダ」パルプ法として知られるパルプファイバーの製造方法においては、
結果として生じる「黒液」と呼ばれる液体が、リグニン減成による物質を、カル
ボキシル化されたリグニン誘導体の形態で含む。この方法の変形が、「ソーダア
ントラキノンまたはソーダAQ法」として知られている。これらの方法は、ワラ
、亜麻および大麻などの一年生植物に代表される非木質材料の加工に非常に適し
ている。
【0015】 温度依存性およびpH依存性の沈殿による清浄化可溶性ポリマー物質の生成の
ための更なる方法――WO89/00512「芳香族ポリマーを含むアルカリ溶
液の処理のための方法」に記載されているような――においては、特定の割合の
カルボキシル化されたリグニン誘導体を生成することができる。この方法におい
て、黒液は比較的低温とされ、沈殿を生じる一定のレベルにまで酸性化される。
酸性化は、一般に、酸による黒液の滴定変化点のpH値よりも約1〜2単位低い
pH値の程度まで実施される。結果として生じる混合物の粘度は、一般に変化点
直下のpH値で最大に達し、通常は、濾過または遠心分離による沈殿リグニンの
分離を工業的に実施することができないほど高い。しかしながら、この混合物は
、後に黒液の種類に依存する特定の温度にまで加熱され、同時に、液体混合物の
粘度は、産業的に実施可能な方法を用いて、カルボキシル化されたリグニンの好
結果の分離ができるほどに、著しく低下する。
【0016】 ソーダ−アントラキノン法およびカルボキシル化リグニンの沈殿の両方におけ
る原材料のチェックおよびプロセス条件の制御により、特定の方法で、カルボキ
シル化されたリグニン誘導体の性質および特性に影響を及ぼすことができる。
【0017】 煮液として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を用いて、木材由来
の植物材料をパルプ製造のために使用する更なる方法において、沈殿によって清
浄化できる硫黄フリーリグニンが得られる。このリグニンは低分子であり、アル
カリ性の範囲で水に可溶である。
【0018】 沈泥制御の目的で提案される工業用製品を含むリグノスルホネートは、リグニ
ンの基本単位であるフェニルプロパン分子のC3側鎖にスルホネート基が位置し
ているという事実で構成される、特定の構造的特徴を有している。工業用リグノ
スルホネート沈泥対策製品は、試験によると、約5〜6%の硫黄含有量を示す。
工業用リグノスルホネートのカルボキシル基の割合は、通常、関連文献には示さ
れていないが、精製が困難であり、ウロン酸を含み得ることが知られている。こ
れは、存在し得るどのカルボキシル基も、リグニン基本単位と結合する必要はな
いということを意味している。リグノスルホネート単位におけるカルボキシル基
の局在化は、文献によれば、実際に明らかではない。環のC1またはC5位に位
置すべきであると提案されている。しかしながら、サーカネン、ルードヴィッヒ
、「リグニン」、ジョンワイリー アンド サンズ、1971年 (Sarkanen and
Ludwig,'Lignins', John Wiley & Sons, 1971)によれば、その証拠は非常に説
得力に欠ける。
【0019】 本発明により用いられる一年生植物のカルボキシル化リグニン誘導体は、一般
に、5〜7%のカルボキシル含有量と、0.05%未満の硫黄含有量を有してい
る。このテーマの文献に従えば、草由来のリグニンの−COOH基は、例えば、
クマリン酸基に由来し、より小さい割合でフェルレイン酸(feruleinic acid)
基に由来する(シマダ、フクザカ、ヒグチ、ティーエイピーピーアイ54(1) 72-7
8 (1971年)(Shimada, Fukuzuka and Higuchi, Tappi 54 (1) 72-78 (1971))。
これは、カルボキシル基は脂肪族側鎖に位置し、環には存在しないことを示唆し
ている。
【0020】 従って、本発明の方法において引用されるカルボキシル化リグニンは、リグノ
スルホネートとは異なる分子構造と異なる化学組成を示し、これらの相違が、こ
れらの生成物の異なる性能の原因であることは明らかである。
【0021】 規定量の水酸化ナトリウムを添加すると、カルボキシル化リグニン誘導体は水
溶性となる。十分な量のアルカリ、一般にカルボキシル化リグニンに基づいて4
〜10%のNaOHを用いると、例えば、33%溶液はpH9で500cPs、
pH12で40cPsの粘度を有するため、工業的使用に適した活性物質の含有
量と、処理される白水への投与とそれに続く混合を容易にするような粘度とを兼
ね備えた生成物が生成される。
【0022】 ここで使用されるアルカリ溶解性リグニンは、木材をTMAHで処理すること
により得られるが、1000か、それよりわずかに大きい分子量を有しており、
実質的に硫黄を含んでいない。このことから、更に、このリグニンが、リグノス
ルホネートと異なる化学構造および組成を示し、これらの相違が、これらの生成
物の異なる性能の原因であることが明らかとなる。この種のリグニンの正確な構
造はまだ十分には研究されていないが、一定のカルボキシル化度が存在すること
が知られており、一年生植物材料に対して実施されるソーダ法からのカルボキシ
ル化リグニンと、木材からのTMHAリグニンの基本構造は異なるものではない
が、この両者はリグノスルホネートと著しく相違すると提案できる。
【0023】 本特許出願の範囲内では、硫黄フリーリグニンまたは硫黄フリーカルボキシル
化リグニンについてのみ述べているが、生成物の有効性にとって重要な因子はそ
の水溶性である。硫黄を含まないその他の水溶性リグニン、すなわちホスホン酸
化または硝酸化生成物もまた本発明において使用することが可能である。
【0024】 更にフィラーを含む特定種の紙の場合、特にフィラーが炭酸カルシウム系であ
ると、抄紙機循環路はより堆積物を形成し易くなる。この堆積物は――微生物活
性または化学的条件のいずれかに起因して引き起こされるかは未決問題であるが
――しばしば生物由来の物質と結合した状態の炭酸塩に特に富んでいる。
【0025】 驚くべきことに、本発明による硫黄フリーリグニンまたはリグニン誘導体と、
特定の錯化剤との同時使用が、――抄紙機白水に別々に加えても、混合物として
加えても――、沈泥および堆積物形成の防止または減少を相当に改善することが
わかった。
【0026】 より正確には、ポリアスパラギン酸(−Na塩)溶液が、溶解した混合物にお
いて小さい割合で本発明のカルボキシル化リグニンと混合され、沈泥および堆積
物の処理にかなり良好な結果を得ている。他の入手可能な錯化剤、例えばポリア
クリレートと比較したポリアスパラギネートの利点は、高い生分解性を有し、生
態学上の利点を有することである。
【0027】 このように、本発明による生成物は、特定の問題の要求に特に合うように製造
され得る。
【0028】 ワラ、亜麻または大麻などの非木材含有材料源からのセルロース繊維の製造で
は、ある種の紙に対して有利な長く強い繊維が製造される。しかしながら、ソー
ダAQ法を含む繊維の製造で得られる黒液は、通常、多量のシリカを含む。これ
は、リグニンを含む黒液の従来の廃物処理、すなわち燃料としての濃縮および燃
焼による処理は不可能であるため、廃棄物の処理はしばしば環境に対して負の結
果をもたらすことを意味する。従って、本発明による生成物の製造のためのソー
ダAQ法からの黒液の使用は、環境に対して追加的な明らかな利点が得られる。
【0029】 更に、ソーダAQ法の結果として、硫黄性(sulphurous)廃液またはガスが発
生せず、他の繊維の製造方法に比べて、環境に対して際立った利点を更に有する
【0030】 本発明の方法による使用において、カルボキシル化リグニンなどの硫黄フリー
リグニンまたはリグニン誘導体は、一般に循環水または抄紙機白水の0.1 g/m3
〜1.8 g/m3の添加量(活性生成物含有量に基づく。)で使用できる。すき網上へ
の紙料流量における低密度紙料の固形分が約1%であると、これは、通常、紙料
を含む流動体の固形分に基づいて10 g/t〜180 g/tとなる。カルボキシル化リグ
ニンは、濃縮溶液として24時間に渡って連続的に、抄紙機の白水に直接添加さ
れる。
【0031】 例えば、炭酸塩フィラーの割合が高い紙料に対して、更に錯化剤、例えばポリ
アスパラギネートを硫黄フリーリグニンに混合した場合、生成液に存在する硫黄
フリーリグニンの割合として算出される活性な錯化剤の量は、一般に5〜25%
、好ましくは10〜20%とすることができ、特に有効な濃度は15%である。
この混合物は、同様に、白水に連続的に添加される。
【0032】 紙料の組成物は、通常、湿った濃縮紙料としてしばらくの間貯蔵することが可
能なリサイクル紙または不合格品の添加や、半静的(semi-static)な条件下で
貯蔵されるプロセス用水の添加を含む。再加工された不合格品は、紙の製造のた
めに使用される紙料の20〜30%を埋め合わせることができる。この紙料は、
貯蔵条件だけでなく、例えばデンプンなどの大量の栄養分のため、生分解されや
すく、抄紙機の主要な白水循環路の重大な汚染源となり得る。このような場合、
貯蔵中の不合格品を維持するために、殺生物剤を使用することができる。本発明
の方法に関しては、硫黄フリーリグニンの効果を補うために、紙料または白水に
適当な殺生物剤を少量添加することができる。一般的な殺生物剤の使用濃度は、
殺生物剤で処理される白水循環路内の沈泥堆積物に対して非常に低い。
【0033】 例えば、不合格品が微生物で汚染される可能性のある製品のための紙料が処理
され、――本発明の方法の一部のように――硫黄フリーリグニンに加えて殺生物
剤がわずかに添加される場合、紙料を含む流動体の固形分に基づいて、10〜180
g/t以上、通常は50〜100 g/tの量が添加できる。70 g/tの量が、特に有効となる
ことがわかった。殺生物剤は、連続的ではなく断続的に、高密度紙料が混合され
る場所か、または白水循環に直接添加することができる。殺生物剤が添加される
時間は、通常、全処理期間の10〜30%とすることができ、例えば、硫黄フリ
ーリグニンは24時間に連続的に添加しながら、6時間ごとに1時間の殺生物剤
添加である。硫黄フリーリグニンと組み合わされて、本発明の方法において良好
な有効性を示す殺生物剤は、3,5−ジメチル−テトラヒドロ−1,3,5−チアジアジ
ン−2−チオン、メチレン−ビス−チオシアネート、カルバメート、2,2−ジブロ
ミウム−3−ニトリル−プロピオンアミド、および、2−ブロミウム−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオールである。2−ブロミウム−2−ニトロプロパン−1,3−ジ
オール殺生物剤は、20%溶液として使用でき、例えば70g/tの添加量の場合に特
に有効な追加の殺生物剤のようになる。硫黄フリーリグニンとの組み合わせた、
長期間持続する阻害作用を有する殺生物剤は、短い寿命の「キラー」や殺菌殺生
物剤との組み合わせよりも、更に有効であることが分かった。
【0034】 種々のシステムの沈泥および堆積物制御に対する効果を量るため、図1に示さ
れるような小試験ユニットを使用した。このユニットには、例えば、清浄な抄紙
機白水が供給される。中心的な循環路は白水で満たされており、これが循環して
いる。温度は、一般的な抄紙機内の温度に対応するように設定されている。清浄
水または澄んだ濾液を希釈のために、特にスプレー水として用いることができる
。隣接した容器内には、少なくとも2つの沈泥測定板が循環水に対して露出して
おり、その一つは完全に浸かっており、別の一つは水から半分突き出している。
空気中にある板の半分は、スプレー水抄紙機のスプレー水領域をシミュレートす
るために、一定の温度で、清浄水またはプロセス用水で連続的にスプレーされる
。これらの追加のため、同程度の体積がドレインにあふれる。全ユニットは、必
要ならば、製紙の近傍に設置されてもよい。温度、pH値、溶存酸素、流出率、
添加剤の添加、入射光の光度、湿度などのあらゆるパラメーターをチェックし、
および/または測定することができる。
【0035】 沈泥測定板は既知の重量を有し、堆積物の成長を測定するために周期的にチェ
ックおよび秤量することができる。板は乾燥され、その後、沈泥の乾燥重量を測
定または化学組成を確認するために秤量することができる。
【0036】 本発明のために供されるような、カルボキシル化リグニンなどの硫黄フリーリ
グニンまたはその誘導体と、全ての追加的な錯化剤または殺生物剤は、適当な量
で投与することができ、その効果を測定することができる。このように硫黄フリ
ーリグニンまたはその誘導体が、本発明のベースとなる問題を首尾よく解決する
ことが可能である。
【0037】
【実施例】
生成物およびその製造のための工程 (実施例1) ソーダAQ法を用いた麦ワラからの硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体
を含む黒液の製造 麦ワラは、植物材料の乾燥重量を基準として16%のNaOHおよび0.5%
のアントラキノンと共に、加圧反応器において160℃で1時間煮沸した。得ら
れた紙料を冷やす間、最少の水で洗浄した。黒液は、本発明の方法において使用
するためのカルボキシル化リグニン誘導体をさらに分離する処理のために維持し
た。
【0038】 (実施例2) ソーダAQ法を用いた亜麻および大麻ワラからの硫黄フリーカルボキシル化リ
グニン誘導体を含む黒液の製造 亜麻および大麻ワラの混合物を、植物材料の乾燥重量を基準として16%のN
aOHおよび0.5%のアントラキノンと共に、加圧反応器において160℃で
1時間煮沸した。得られた紙料を冷やす間、最少の水で洗浄した。黒液は、本発
明の方法において使用するためのカルボキシル化リグニン誘導体をさらに分離す
る処理のために維持した。
【0039】 (実施例3) 沈殿法の手段による麦ワラ黒液からの硫黄フリーカルボキシル化リグニンの
製造 実施例1においてソーダAQ法を用いて製造した麦ワラパルプ由来の黒液を使
用した。前記黒液は、COD(化学酸素要求量)として測定された有機物質含量
120g/L、NaOHのg/Lとして表示された全塩基度18g/L、酸滴定
曲線の変化点pH3、および進行性酸性化pH2で最大粘度を有していた。前記
黒液を、85℃に加熱し、硫酸によりpH1の値まで酸性化した。このように酸
性化された前記溶液は、バキュームユニットを通して濾過され、前記酸性化され
た溶液は全種類の試験済み濾紙を通って、フィルター上に堆積物なしに濾過でき
る。
【0040】 同じ原液の黒液を、はじめ35℃にセットし、それから硫酸によってpH1に
した。その結果として生じる混合物は、非常に粘性であるため、濾過ユニットに
おいて、全てのタイプの濾紙がほとんど直ちに詰まった。前記混合物の遠心分離
で固形物の分離が生じなかった。
【0041】 可溶性有機ポリマー電解質を、前記酸性化された混合物を凝固するために使用
した。後者は、それから無灰濾紙を通して濾過し、その堆積物を分離した。風乾
した後、回収した前記固形物は黒く、おそらく前記堆積物に残存した無機塩に起
因する灰の含量が25%であった。
【0042】 さらなる実験において、前記原液の黒液200mlを、35℃でpH1に酸性
化し、85℃に加熱した後、10分間混合し、温度85℃に維持した。結果とし
て得られた堆積物を、30℃に冷却し、濾紙を有するバキューム濾過ユニットを
通じて濾過した。濾過は、おおよそ5分間かかった。結果として得られた濾過ケ
ーキを50mlの水で洗浄したところ、水は濾紙を通るのに4分間かかった。前
記濾過ケーキを80℃で乾燥し、測定された灰含量が1%である黄色物質8gを
回収した。カルボキシル基の量は、固体1g当り1ミリ当量に等しいミリ当量で
あった。前記濾液中の有機物質の量は、CODとして測定し、68g/Lに達し
た。
【0043】 最後の実験からの前記黄色物質は、本発明による方法に関する応用のために、
この状態で維持した。
【0044】 (実施例4) 沈殿および濾過法の手段による、亜麻および大麻ワラ黒液からの硫黄フリーカ
ルボキシル化リグニンの製造 実施例2のソーダAQ法を用いて製造された亜麻ワラおよび大麻ワラパルプ由
来の黒液を使用した。前記黒液は、COD(化学酸素要求量)として測定された
有機物質含量110g/L、NaOHg/Lとして表示された全塩基度18.3
g/L、酸滴定曲線の変化点pH3、および進行性酸性化pH2.5で最大粘度
を有していた。前記黒液の温度を30℃にセットし、温度は維持して、二酸化炭
素ガスの添加によってpH7に下げ、続いて硫酸によってpH1まで酸性化した
。それから前記混合物をゆっくり85℃まで加熱し、同じ温度で10分間放置し
た。結果として得られた沈殿スラリーを30℃に冷やし、減圧空下で濾紙を通し
て濾過した。
【0045】 濾過は、スラリー200mlづつで各々おおよそ5分間続け、各々に対して新
しい濾紙を用いた。各濾過ケーキを50mlの水で洗浄したところ、水が前記濾
紙を通過するのに5分間かかった。前記濾過ケーキを回収し、80℃で乾燥し、
測定された灰含量0.8%がである全重量65gの黄色物質を回収した。カルボ
キシル基の量は、固体1g当り1.2ミリ当量に等しいミリ当量であった。前記
濾液中の有機物質の量は、CODとして測定し、68g/Lに達した。乾燥され
た黄色粉末の前記カルボキシル化リグニン誘導体は、本発明による方法に関する
応用のために、この状態で維持した。
【0046】 (実施例5) 麦ワラ由来の硫黄フリーカルボキシル化リグニンからの溶液の製造 水1020gおよびNaOH38gを、実施例3で製造したカルボキシル化リ
グニンの乾燥濾過ケーキ500gに添加した。この混合物を室温で24時間混合
し、セルロース繊維フィルターを通して減圧濾過を行った。室温において、前記
濾液は、固形分30%、pH10、粘度85cpsであった。この形態状態で、
溶液を、本発明による方法に関する応用のために維持した。
【0047】 (実施例6) 亜麻および大麻ワラ由来の硫黄フリーカルボキシル化リグニン溶液の製造 水1100gおよびNaOH45gを、実施例4で製造したカルボキシル化リ
グニンの乾燥濾過ケーキ500gに添加した。この混合物を室温で48時間混合
し、セルロース繊維フィルターを通して減圧濾過した。室温において、前記濾液
は、固形分31%、pH10.3、粘度98cpsであった。前記溶液は、本発
明による方法に関する応用のため、この状態で維持した。
【0048】 (実施例7) 硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体と、錯化剤としてのポリアスパラギ
ン酸ナトリウムとの混合物 38%ポリアスパラギン酸Na溶液59gを、実施例5のカルボキシル化リグ
ニン溶液500gに添加した(ポリアスパラギン酸Naは発展製品(developmen
t product)である。ナンハ゛ー TP OC 2401 、バイエル アーゲー(Bayer AG)社製 、レーヴァークーゼン(Leverkusen))。結果として得られた混合物は、1時間
混合し、セルロース繊維フィルターを通して濾過した。室温において、pH9.
5であり、粘度78cpsであった。前記溶液は、本発明による方法に関する応
用のために、この状態で維持した。
【0049】 (実施例8) 硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体と、錯化剤としてのアスパラギン酸
ナトリウムとの混合 38%ポリアスパラギン酸Na溶液59gを、実施例6のカルボキシル化リグ
ニン溶液500gに添加した(ポリアスパラギン酸Naは発展製品である。ナンハ゛ー TP OC 2401 、バイエル アーゲー社製、レーヴァークーゼン)。結果として得 られた混合物を1時間混合し、セルロース繊維フィルターを通して濾過した。室
温において、pH9.9であり、粘度90cpsであった。前記溶液は、本発明
による方法に関する応用のために、この状態で維持した。
【0050】 (実施例9) 水酸化テトラメチルアンモニウムパルプ工程およびそれに続く沈殿による木材
からの硫黄フリーリグニンの製造 木材チップを、加圧反応器において、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液中
で、高温、圧力下で煮沸した。室温に冷却する間、結果として得られたパルプを
最少量の水で洗浄した。前記黒液を、リグニン誘導体分を分離するための更なる
処理のために維持した。前記黒液を硫酸で酸性化し、そして温度を、沈殿したリ
グニンが濾過できる点まで上げた。濾過後、リグニンは黄色で湿ったケーキとし
て回収された。湿ったリグニンを水に分散させ、水酸化ナトリウムを添加してp
Hを9.5とし、少しおいた後、そのリグニン溶液を濾過した。結果として得ら
れた硫黄フリーリグニン溶液は固形分15%であり、本発明による方法に関する
応用のために、この状態に維持した。
【0051】 応用実施例 (実施例10) 硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体で処理することによる、抄紙機白水
が循環するシステムにおける沈泥および堆積物の減少 沈泥および堆積物の形成への影響に関して、硫黄フリーカルボキシル化リグニ
ン誘導体、商業的に入手可能なリグノスルホネートおよび殺生物剤を調べるため
に、51個のコンテナーを使用した。
【0052】 白水は、炭酸塩フィルターを備えた木材フリーペーパーを生産する抄紙機の白
水I循環路から生じ、紙料製造のために塗装された不良品および澱粉を使用して
おり、わずかにアルカリ性のpHである。前記白水は、再スタートの後、沈泥対
策システムが使用される前に、サンプリングした。前記白水は、4.6g/Lの固
形分を有し、そのうち3.0 g/Lはフィラー (CaCO3)であることが確認された。7
個のタンクは、5Lの印まで白水をみたし、マグネティック攪拌器のスイッチを
入れ、サーモスタット制御加熱システムを36℃にセットした。計量した沈泥測
定板を完全に液体に浸した。テストタンク内の微生物活性を、メルク(Merck)
社製の細菌数-寒天(bacterial count-Agar)にプレーティングすることによっ
て調べた。比較のために沈泥の追加分をチェックし、適当な方法で希釈し、特定
量を各テストタンクに加えた。72時間後、細菌数を再度測定し、沈泥で被覆さ
れた測定板を注意深く計量した。72時間後の測定の後、沈泥測定板を105℃
で乾燥し、再度、蓄積された物質の乾燥重量を測定するために計量した。そして
乾燥物質を板から除去し、550℃で磁器ルツボの炉において焼却により灰にし
た。灰を、もとの沈泥における無機物質の割合を測定するために計量した。全て
の実施例は、個々の沈泥対策生成物の様々な濃度で繰り返した。
【0053】テスト生成物 1)生成物なし(コントロール) 2)実施例5の硫黄フリーカルボキシル化リグニンの溶液(麦ワラ由来のカルボ
キシル化リグニン) 3)実施例6の硫黄フリーカルボキシル化リグニンの溶液(亜麻/大麻ワラ由来
のカルボキシル化リグニン) 4)タイプA、抄紙機において沈泥対策のために使用される工業用リグニンスル
ホネート溶液 5)タイプB、分散剤として建設産業に供給される工業用リグニンスルホネート
溶液 6)メチレン−ビス−チオシアネートを含む工業用殺生物剤溶液 7)4級アンモニウム塩を含む工業用殺生物剤溶液
【0054】 表1に示すように、実施例5および6の硫黄フリーカルボキシル化リグニンと
の生成物が使用されたテストアプローチでは、最も低い堆積物の乾燥重量が得ら
れた。実用的な観点からすると、更に重要なことは、これらのアプローチは、堆
積物自体に固形分がごく僅かであることを示すということである。このような低
い固形分を有する堆積物が、流れの助けによってかなり容易に分散し、抄紙機の
性能に対する脅威を減少させ得るということは、経験的に価値あることである。
【0055】 チェック法と、殺生物剤で処理する2つのテストアプローチは、低い灰分を有
する。これは、これらの堆積物においては、原位置で生じる有機体の大きな成長
および/または際立ったコロニー形成があり、存在する固体物質全ての発達した
堆積がないということを示唆している。微生物のコロニーからなる沈泥は、分散
した状態で数をかぞえることが困難なため、製紙のための重大な問題を引き起こ
す可能性がある。
【0056】 これらの結果を表1に要約する。
【0057】
【表1】
【0058】 (実施例11) カルボキル化リグニン誘導体および錯化剤の混合物での処理による、抄紙機白
水が循環する抄紙機システムにおける沈泥および堆積物の減少 以下に示す生成物を使用する以外は、実施例10に従って同じテストを行った
【0059】テスト生成物 1)生成物なし(チェック) 2)実施例7の硫黄フリーカルボキシル化リグニン/ポリアスパラギン酸Naの
溶液(麦ワラ由来のカルボキシル化リグニン) 3)実施例8の硫黄フリーカルボキシル化リグニン/ポリアスパラギン酸Naの
溶液(亜麻/大麻ワラ由来のカルボキシル化リグニン) 4)実施例5の硫黄フリーカルボキシル化リグニン(麦ワラ由来のカルボキシル
化リグニン) 5)実施例6の硫黄フリーカルボキシルかリグニン(亜麻/大麻ワラ由来のカル
ボキシル化リグニン) 6)タイプA、抄紙機において沈泥対策に使用する工業用リグニンスルホネート
溶液
【0060】 使用する白水は、固形分4.1g/Lであり、2.9g/Lが炭酸塩フィラー
である。
【0061】 堆積物の固形分から分かるように、硫黄フリーリグニンを含む生成物は、錯化
剤と組合わせて使用した場合、堆積物において更に低い乾燥重量が得られ、前記
堆積物は低流量で極めて容易に分散する。
【0062】 結果を表2に要約する。
【0063】
【表2】
【0064】 (実施例12) 硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体の混合物、および、少量の殺生物剤
の添加での処理による、抄紙機白水が循環するシステムにおける沈泥および堆積
物の減少 以下に示す生成物を使用する以外は、実施例10と同じテストを実施した。
【0065】テスト生成物 1)生成物なし(コントロール) 2)実施例6の硫黄フリーカルボキシル化リグニン溶液(亜麻/大麻ワラ由来の
カルボキシル化リグニン) 3)実施例6の硫黄フリーカルボキシル化リグニンと殺生物剤2-フ゛ロミウム-2-ニトロフ゜ロハ゜ン -1,3-シ゛オールとの溶液 4)2-フ゛ロミウム-2-ニトロフ゜ロハ゜ン-1,3-シ゛オール
【0066】 使用した白水は、固形分4.7g/Lであり、そのうち3.2g/Lは炭酸塩
フィラーである。
【0067】 この実験において、実施例6の硫黄フリーカルボキシル化リグニンと少量の殺
生物剤との組み合わせは、堆積物の最も低い乾燥重量が得られることが判明した
【0068】 結果を表3に要約する。
【0069】
【表3】
【0070】 (実施例13) 硫黄フリーカルボキシル化リグニン誘導体と錯化剤との混合物でのスプレー水
の処理による、抄紙機白水が循環しているシステムのスプレー水領域における沈
泥および堆積物の減少 図1に従ったテストユニットを使用した。その部材および典型的な寸法を、以
下に説明する。
【0071】循環タンク1 操作容量が10Lであり、懸濁液の状態の白水中の固体を十分に維持できるよう
な流体速度および流量である約 100 l/hで、循環タンク2にポンプ供給する。前
記タンクは、サーモスタットヒーター/温度制御を有している。
【0072】循環タンク2(沈泥測定タンク) 操作容量が10Lであり、オーバーフローがタンク1に戻るように、タンク1と
循環している。タンクには、全体または半分が水に浸された沈泥測定板が1つま
たは幾つかづつ備えつけられている。沈泥測定板は、薄いステンレス鋼シートか
らなり、細いワイヤーで吊るされている。タンクは、液面の上方に、密閉、半密
閉(half-closed)または開放された雰囲気を生じるような自由容積を有してい
る。このチャンバーには照明システムおよびスプレーノズルがあり、使用中に噴
霧される水が、沈泥測定板の露出(水中に浸かっていない)部分にあたる。
【0073】白水タンク 容積が約 200 Lであり、懸濁液の状態の白水中の固体を維持するための混合
器を有している。白水は、例えば、小さなダイヤフラムポンプによって速度 5 l
/hでタンク1に投入することができる。
【0074】希釈水タンク 容積が約200 Lであり、新鮮な水または選択されたプロセス用水で満たすこと
ができる。
【0075】スプレー水タンク 容積が約 200 Lであり、選択されたプロセス用水または新鮮な水で満たすこと
ができ、また、新鮮な水は直接ウォーターパイプから供給できる。
【0076】スプレー領域 循環タンク2の自由容積は抄紙機のスプレー領域を真似ており、ここでは、湿
度、スプレーの形態、スプレー液、スプレー液の処理、照明などに影響を及ぼす
ことができる。これは、沈泥および堆積物の形成傾向を測定すること、および、
特定の処理を検査することを可能にする。
【0077】沈泥測定板 細いワイヤーに固定された特殊鋼の薄いシートであり、全ての板には番号が付
けられ、その重量は既知である。沈泥の成長を調べるために、計量または乾燥お
よび計量のために取り出すことができる。
【0078】処理システム 様々な処理添加剤が、必要に応じて、適当に希釈され、所望の個所で目盛付き
ぜん動ポンプにより計量される。
【0079】処理1 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体、または、それらの錯化剤との混合物の
添加に適する。計測点は循環タンク1に位置する。
【0080】処理2 白水タンクまたは循環タンク1に導くラインのいずれかに断続的に投与される
殺生物剤に適した追加の補足タンク。
【0081】処理3 スプレー水の処理。周期的な間隔などで連続的に実施できる。処理は、硫黄フ
リーリグニンもしくはその誘導体からなるか、または、それらと錯化剤、殺生物
剤もしくは過酸化水素などとの混合物からなることが可能である。
【0082】 試験結果 炭酸塩フィラーを含む木材フリーペーパーを製造する抄紙機の白水I循環路か
ら生じる白水は、紙料の製造のために塗装された不合格品および澱粉を用いてお
り、僅かにアルカリpHである。白水は、再スタートアップ後であって沈泥対策
システムが使用される前に、サンプリングされた。白水は3.8 g/lの固形分を有
し、そのうち2.8 g/lはフィラー (CaCO3)として確認された。白水タンク(加熱
されていない。)、循環タンク1および循環タンク2を白水で満たした。スプレ
ー水タンクを、ウォーターパイプから水道水で満たした。白水およびスプレー水
タンクの攪拌器を始動させ、更に、1時間当り約100リットルの流速に設定さ
れたタンク1とタンク2との間のポンプを始動させた。白水を貯蔵タンクから循
環タンク1に送るポンプを始動させ、1.5 l/hに設定した。ゆえに対応する量が
、循環タンク1のオーバーフローから排水管に流れた。循環路用の加熱システム
を、温度36 °Cに設定した。
【0083】 高圧ポンプおよびエアロゾルノズルからなるシステムからのスプレー水を、速
度1 l/hで微細なエアロゾルスプレーが循環タンクの上部で生成するようにセッ
トした。対応する量が、循環タンク1のオーバーフローを通して、配水管に流れ
た。
【0084】 この条件下で5日後、部分的に浸された沈泥測定板を、分析のために循環タン
ク2のスプレー領域から取り出した。
【0085】 空気と白水との境界およびその直上に、ピンク色の堆積物が形成された。顕微
鏡分析により、堆積物が、糸状細菌が混ざり合った塊であることが示された。偏
光下で、沈泥中にごく僅かなフィラーが存在することが確認できた(CaCO3 系フ
ィラーは明るい白点として現れる。)。沈泥の成長は、白水表面の1cm下まで
広がっており、ここで白色堆積物への一般的な変化が生じていた。この白色堆積
物は、水中に浸された試験板表面の残りの部分に渡って均一に広がっていた。顕
微鏡により、水面下の堆積物は相当な割合のフィラーを含むことが確認できた。
水面上方の沈泥を、水面下と同様に、固形分の分析のために取り除いた。
【0086】スプレー水の処理 第2の試験において、上記と同様の条件ではあるがスプレー水を処理して試験
ユニットをセットし、充填し、開始した。実施例6のカルボキシル化リグニンお
よびポリアスパラギネートの混合物の溶液――0.1%の活性成分を含む――を
、水道水で製造した。これは、50 ml/hで連続的にスプレーポンプの吸い込み側
に入るように規制される。これは、スプレー水において50ppmの処理濃度となる
【0087】 この条件下で5日後、部分的に浸された沈泥測定板を、分析のため循環タンク
2のスプレー領域から取り出した。
【0088】 空気と白水との境界およびその直上に、僅かに白色がかった堆積物が存在した
。顕微鏡分析によると、空気/水の境界およびその上方の堆積物は、糸状細菌を
ほとんど含んでおらず、いくらかのフィラーが存在していた。水面下の白色堆積
物は、板を均一に被覆していた。処理なしの試験と同様の方法で、堆積物を分析
した。
【0089】 その結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】 処理されていないスプレー水が測定板にあたる領域においては、水面より上方
の堆積物はコロニーを形成する糸状細菌からなり、それは、堆積物は分散性に乏
しいため、周知のように製紙において問題を生じる沈泥に類似しており、紙の汚
れを引き起こし得る。処理されたスプレー水を用いた試験で生じた水面およびそ
の上方の堆積物は、このような糸状細菌のコロニーが見られず、分散させること
が容易であった。
【0092】 水面下における測定板上の堆積物は、処理されたスプレー水での試験では、処
理なしの試験よりも分散させるのが容易であった:これは、実施例6の硫黄フリ
ーカルボキシル化リグニンおよびアスパラギネートの混合物の溶液による、スプ
レー水の処理が、循環路の水面下表面における堆積物の減少に有効な効果を示す
【0093】 (実施例14) 硫黄フリーリグニンでの処理による、抄紙機白水が循環するシステムにおける
沈泥および堆積物の減少 硫黄フリーリグニンと、商業的に入手可能なリグノスルホネートとを比較する
ため、実施例10の1つのと同様の方法を用い、これを、沈泥および堆積物形成
に及ぼす影響について堆積物をチェックする手段とした。
【0094】 炭酸塩フィラーを含む紙を製造し、僅かにアルカリpHである抄紙機の白水I循
環路から生じた白水を、試験タンクを満たすのに用いた。再スタートアップ後で
あって沈泥対策システムを用いる前に、白水をサンプリングした。白水は3.5 g/
lの固形分を有しており、そのうち2.6gはフィラー(CaCO3)として確認された。
【0095】 3つのタンクを白水で5リットルマークまで満たし、マグネチック攪拌器のス
イッチを入れ、36 °Cに設定されたサーモスタット制御加熱システムのスイッチ
を入れた。計量した沈泥測定板は液中に完全に浸した。試験タンク内の微生物活
動を、メルク社製の細菌数-寒天にプレーティングすることによってチェックし
た。比較する生成物は適当な方法で希釈し、特定量を各テストタンクに添加した
。72時間後、再び細菌数を調べた。測定板を注意深く取り出した。水が滴り落
ちなくなったら、沈泥を完全に掻き落とし、ガラスビーカーに移した。顕微鏡で
観察可能な微生物の集合体またはコロニーがなくなり、全て均一に分散するまで
、滅菌水を添加して、堆積物からの物質を振り混ぜた。細菌数を決定するために
、得られる懸濁液をプレーティングした。これを、測定板上の堆積物にどれくら
いの微生物が存在するかの測定として使用した。
【0096】テストポイント: 1)生成物なし(コントロール) 2)実施例9の硫黄フリーリグニンの溶液(木材由来のリグニン) 3)タイプA,抄紙機において沈殿対策のために使用される工業用リグノスルホ
ネート溶液
【0097】 その結果を表5に示す。
【0098】
【表5】
【0099】 表5から分かるように、実施例9の硫黄フリーリグニン生成物および工業用リ
グニン生成物は、コントロールと比較して少なくとも同程度の、堆積物に存在す
る細菌数の減少が得られた。
【0100】 最後に、よって、本発明による方法は、循環水と接触する場所で抄紙機の水ス
プレーにおいて、また、澱粉、原材料、例えばフィラーや不良紙のスラリーなど
の、製紙に用いられる補助材料の溶液を貯蔵するための特定の期間に、抄紙機の
白水循環路にて有効に使用することができると述べることができる。前述した最
後の2つのケースにおける貯蔵のための応用は、活性成分が、溶液、スラリーな
どと共に、既にシステムに導入されているため、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システムにおける沈泥および堆積物制御に対する効果を計測するた
めの試験ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 C02F 1/50 532D 532J 532K 540 540C A01N 33/20 101 A01N 33/20 101 37/34 101 37/34 101 43/88 101 43/88 101 47/46 47/46 61/00 61/00 D D21H 17/09 D21H 17/09 17/11 17/11 17/22 17/22 17/23 17/23 21/02 21/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4H011 AA02 BB04 BB06 BB10 BB11 BB13 DA13 DD01 4L055 AA05 AA07 AG36 AG37 AG43 AG54 AG99 AH21 AH22 AH39 FA06

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉および/または部分的に密閉された水性または滞水システ
    ムにおける、沈泥および堆積物の形成を減少させる方法であり、 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、沈泥および堆積物の原因となる水に
    存在する物質の量に比例した量で、前記システムに添加する方法。
  2. 【請求項2】 硫黄フリーリグニン誘導体が、カルボキシル化、リン酸化また
    はニトロ化された硫黄フリーリグニンとして選択されることを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルボキシル化された硫黄フリーリグニンを使用することを特
    徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が、一年生植物、特にワ
    ラ、大麻または亜麻から得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が、パルプ製造のための
    ソーダ法またはソーダアントラキノン法を用いて、一年生植物から得られること
    を特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が、ソーダ法またはソー
    ダアントラキノン法のアルカリ溶液から、アルカリ溶液の酸性化、および選択さ
    れた温度範囲での酸性化溶液の処理、および液相からの沈殿物の分離によって得
    られることを特徴とする請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 初めの温度範囲が30℃〜40℃であり、二回目の温度範囲が
    80℃〜90℃であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が木材から得られること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が、水酸化テトラメチル
    アンモニウム法を用いて、木材から得られることを特徴とする請求項8記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体が、活性生成物含量に
    基づいて、循環水1m当り0.1g〜1.8gの割合でシステムに添加される
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、錯化剤と共に使用
    することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 錯化剤がポリアスパラギネートであることを特徴とする請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 活性錯化剤の量が、硫黄フリーリグニンまたはその誘導体の
    シェア%として計算して5%〜25%であり、好ましくは10%〜20%であり
    、より好ましくは15%であることを特徴とする請求項11または12記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、殺生物剤と共に使
    用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 殺生物剤が、3,5-シ゛メチル-テトラヒト゛ロ-1,3,5-チアシ゛アシ゛ン-2-チオン、メチレン -ヒ゛ス-チオシアネート、カルハ゛マテン(carbamatene)、2,2-シ゛フ゛ロミウム-3-ニトリル-フ゜ロヒ゜オンアミト゛ および2-フ゛ロミウム-2-ニトロフ゜ロハ゜ン-1,3-シ゛オールから選択されることを特徴とする請求項 14記載の方法。
  16. 【請求項16】 殺生物剤が、2-フ゛ロミウム-2-ニトロフ゜ロハ゜ン-1,3-シ゛オールであることを 特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 殺生物剤を、紙料を含む流動体の固形分に基づいて、10〜
    180g/t以上、特に50〜100g/t、好ましくは70g/tの割合で添
    加することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、錯化剤および殺生
    物剤と共に使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 錯化剤および殺生物剤が、請求項11〜17の限定(defini
    tions)および提示(statements)に従うことを特徴とする請求項18記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 抄紙機の白水循環路に硫黄フリーリグニンまたはその誘導体
    を添加することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 抄紙機のスプレー水に、循環水と接触する個所で、硫黄フリ
    ーリグニンまたはその誘導体を添加することを特徴とする請求項1〜19または
    20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 後の貯蔵のため、特に一時的な貯蔵のために、プロセス用水
    に硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を添加することを特徴とする請求項1〜
    19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 硫黄フリーリグニンまたはその誘導体を、製紙に使用される
    補助材料の溶液、原材料または不良紙のスラリーに添加することを特徴とする請
    求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
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