JP2003526933A - 電気的な装置のためのケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気的な装置のためのケーシングが提案され、このケーシングは電気的または電子的な構成エレメントを有しており、かつ流体内に浸漬可能である。ケーシング１には圧力補償エレメント２が設けられており、この圧力補償エレメントによって、外部に支配する圧力によるケーシング１の内部圧力の補償がもたらされる。圧力補償エレメント２への外部圧力の供給が浸漬ベル５によって行われており、この浸漬ベルが同様に流体内に浸漬されていて、その閉じられた空気容積で圧力補償エレメント２の外側と作用結合している。この場合、浸漬ベル５内の空気容積が、所定の温度低下時にケーシング１内へ補充される空気容積より大きいように寸法決めされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は主請求項の上位概念に記載した形式の電気的な装置のためのケーシン
グに関する。

【０００２】 一般に、電気的または電子的な構成エレメント、特に自動車内の電子的な制御
装置は外的影響から保護するために比較的密なケーシング内に組み込まれる。こ
の種のケーシングはなかんずく電子的な構成エレメント、プリント配線板および
その他の制御手段を、ケーシング内に侵入する流体から、かつ場合により攻撃的
な媒体からも保護しなければならない。

【０００３】 この種のケーシングは圧力補償のためのエレメントを備えるのが普通である。
これにより、ケーシング内部へ流体が侵入するのを阻止するために、ケーシング
内圧と大気圧との間の圧力補償が行われる。この圧力補償エレメント自体にも流
体が侵入するのを阻止するために、通常では付加的に、圧力補償エレメントが水
密かつ呼吸可能なフォイルによって閉鎖されることもでき、これにより、電気的
または電子的な構成エレメントが流体の侵入から守られる。

【０００４】 しかし、この装置での欠点とするところは、ケーシング内部と周辺部との間に
所定の差圧もしくはバースト圧が発生し、かつそれと同時に圧力補償エレメント
が流体にさらされた後は、この流体が圧力補償エレメントを通して侵入すること
があり、かつこのことが電気的または電子的な構成エレメントの損傷を招くこと
にある。さらに、ケーシング内部に負圧が生じた場合もまた、場合によりケーシ
ング部分およびシール箇所にミクロ漏洩箇所があれば、これを通して流体がケー
シング内部に侵入することがある。

【０００５】 発明の利点 電気的または電子的な構成エレメントを有していて流体内に浸漬可能である形
式の冒頭に記載した電気的な装置のためのケーシングは主請求項のその他の特徴
によって有利な形式で改良可能である。ケーシングには圧力補償エレメントが設
けられており、この圧力補償エレメントによって、外部に支配している圧力によ
るケーシングの内部圧力の補償がもたらされ、かつ圧力補償エレメントへの外部
圧力の供給が行われる。有利にはこのことは浸漬ベルによって行われ、当該浸漬
ベルは、同様に流体内に浸漬されていてその閉じられた空気容積で圧力補償エレ
メントの外側と作用結合している。

【０００６】 よって、上記形式のケーシングにおいて、一面においては圧力補償が可能であ
り、他面においては、それと同時に電気的もしくは電子的な構成エレメントが確
実に流体の侵入から保護されることが可能であり、従って水浸しになることはな
い。本発明の根本思想はケーシング内部と周辺部との間に圧力差が存在する際に
圧力補償エレメントが流体にさらされることが阻止されることにある。

【０００７】 浸漬ベル内の空気容積は本発明によれば、所定の温度低下時にケーシング内へ
補充される空気容積より大きいように寸法決めされている。有利な１実施形では
浸漬ベルが簡単な形式でホース結合部材を介して、圧力補償エレメントに位置す
る接続アダプタによってフレキシブルに結合され、その場合、特に有利な形式で
はホース結合部材がリングパッキンを介してシールされて回転可能に保持されて
いる。

【０００８】 さらに、簡単な形式では接続アダプタが別のパッキンを介し、かつケーシング
への固定用エレメントによって保持されて圧力補償エレメントを閉じ込めること
ができる。この場合付加的に、例えば自動車における使用時にはケーシング内部
で大気圧が電子的に検出され、かつこの測定値がエンジン制御のために供用され
ることができる。

【０００９】 これらの特徴および本発明の有利な実施形の別の特徴は請求項、実施例の説明
および図面から明らかであり、その際、個々の特徴はそれぞれそれ独立して、ま
たは本発明の実施形における下位組合せの形状で組み合わされて実現されること
ができ、かつ有利な実施形並びにそれ自体発明の高度性を有する実施形を成すこ
とができ、これらのためにここに権利保護が申請される。

【００１０】 実施例の説明 電気的な装置のための本発明によるケーシングの１実施例を図面につき説明す
る。

【００１１】 図１には電子的な制御装置のためのケーシング１が示されており、このケーシ
ングは圧力補償エレメント２を備えている。この圧力補償エレメント２には浸漬
ベル５（Tauchglocke）に向かうホース結合部材４のための接続アダプタ３が設
けられている。

【００１２】 圧力補償エレメント２の詳細は図２からも認識される。図２からはさらに、接
続アダプタ３がパッキン６を介してケーシング１に当接しており、かつホース結
合部材４がホース接続部７によって回転可能にシールリング８を介して接続アダ
プタ３に保持されていることが看取される。接続アダプタ３は単数または複数の
ねじ結合部材９によってケーシング１に固定されている。

【００１３】 特に図１から看取される浸漬ベル５は要するにホース結合部材４を介して圧力
補償エレメント２に密に取付けられている。適当な寸法によって、浸漬ベル５内
に閉じ込められた空気容積は、この場合にはケーシング１の冷却時にケーシング
内部と周辺部との間の圧力差を補償するために補充されなければならないような
、ケーシング１内に存在する空気容積よりも大きく選択されている。

【００１４】 例えば自動車内で制御装置として使用される際に流体内へのケーシング１の浸
漬によって冷却が行われる場合には、浸漬ベル５によって、流体が直に圧力補償
エレメント２に接触することが阻止される。このことにより、ケーシング１の内
部と周辺部との間の圧力補償が保証され、かつ流体の侵入が阻止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 電子的な制御装置のための、圧力補償エレメントとこれに接続された浸漬ベル
とを備えていて流体内に浸漬可能なケーシングを示す図である。

【図２】 図１の圧力補償エレメントの詳細図である。

【符号の説明】

１ ケーシング、 ２ 圧力補償エレメント、 ３ 接続アダプタ、 ４ ホ
ース結合部材、 ５ 浸漬ベル、 ６ パッキン、 ７ ホース接続部、 ８
回転シールリング、 ９ ねじ結合部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライナー カーラス ドイツ連邦共和国 ローア アム ブック ５ (72)発明者 エーヴァルト ジーモン ドイツ連邦共和国 ラウフ ヴェッシュガ ッセ ９ Ｆターム(参考） 4E360 AB31 CA02 EA03 EA27 ED02 GA23 GA29 GA31 GB92

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気的な装置のためのケーシングであって、 − 当該ケーシングが電気的または電子的なエレメントを有していて流体内に浸
   漬可能であり、その場合、 − 当該ケーシング（１）に圧力補償エレメント（２）が設けられており、この
   圧力補償エレメントによって、外部に支配する圧力によるケーシング（１）の内
   部圧力の補償がもたらされ、 − 圧力補償エレメント（２）への外部圧力の供給が浸漬ベル（５）によって行
   われており、この浸漬ベルが同様に流体内に浸漬されていて、その閉じられた空
   気容積で圧力補償エレメント（２）の外側と作用結合していることを特徴とする
   電気的な装置のためのケーシング。
2. 【請求項２】 浸漬ベル（５）内の空気容積が、所定の温度低下時にケーシ
   ング（１）内へ補充される空気容積よりも大きいように設定されている、請求項
   １記載のケーシング。
3. 【請求項３】 浸漬ベル（５）が、ホース結合部材（４）を介して、圧力補
   償エレメント（２）に位置する接続アダプタ（３）にフレキシブルに結合されて
   いる、請求項１または２記載のケーシング。
4. 【請求項４】 ホース結合部材（４）が、ホース接続部（７）によって回転
   可能に、シールリング（８）を介してシール下で保持されている、請求項３記載
   のケーシング。
5. 【請求項５】 接続アダプタ（３）が、パッキン（６）を介して、単数また
   は複数の固定用エレメント（９）によってケーシング（１）に保持されていて圧
   力補償エレメント（２）を閉じ込めている、請求項３または４記載のケーシング
   。