JP2003525612A - TNF−α関連障害の処置のための変種TNF−αタンパク質の設計および発見 - Google Patents

TNF−α関連障害の処置のための変種TNF−αタンパク質の設計および発見

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JP2003525612A
JP2003525612A JP2001564372A JP2001564372A JP2003525612A JP 2003525612 A JP2003525612 A JP 2003525612A JP 2001564372 A JP2001564372 A JP 2001564372A JP 2001564372 A JP2001564372 A JP 2001564372A JP 2003525612 A JP2003525612 A JP 2003525612A
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    • C07K14/525Tumour necrosis factor [TNF]

Abstract

(57)【要約】 本発明は、TNF-αアゴニスト活性を有する新規タンパク質およびこのタンパク質をコードする核酸に関する。本発明はさらに、慢性関節リウマチなどのTNF-α関連障害の処置において新規なタンパク質を使用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、米国特許出願60/186,427(2000年3月2日出願)の
継続出願である。
【0002】 発明の分野 本発明は、TNF-αアゴニスト活性を有する新規タンパク質およびこのタン
パク質をコードする核酸に関する。本発明はさらに、慢性関節リウマチなどのT
NF-α関連障害の処置において新規なタンパク質を使用することに関する。
【0003】 発明の背景 腫瘍壊死因子α(TNF-α)は、活性化されたマクロファージおよびリンパ
球により主に産生される多面発現性サイトカインであるが、内皮細胞や他の型の
細胞でも発現される。TNF-αは、炎症性の、免疫性の、病態生理的な反応の
主要な調節物質である(Grell, M., et al., (1995) Cell, 83: 793-802)。T
NF-αには、2つの相違する形態が存在する。26kDaの膜発現型と、26
kDa型のタンパク質分解性開裂から誘導される溶性の17kDaのサイトカイ
ンとである。溶性TNFポリペプチドは、アミノ酸の長さが157であり、主要
な生物学的に活性な分子である。
【0004】 TNF-αは、その生物学的作用を高親和性細胞表面受容体との相互作用で発
揮する。2つの相違する膜TNF-α受容体はクローン化され、特徴解明されて
いる。55kDaのものはp55TNF-Rと名付けられ、75kDaのものは
p75TNF-αと名付けられた(Corcoran, A.E et al., (1994) Eur. J. Bioc
hem., 223: 831-840)。この2つのTNF受容体は、アミノ酸レベルで28%の
類似性を示す。これは細胞外ドメインに限界つけられ、4つの反復システインに
富むモチーフからなる。各モチーフは約40のアミノ酸である。各モチーフは保
存位置で4から6のシステインを含有する。デイホーフ(Dayhoff) 解析による
と、各受容体の最初の3反復体に最も大きいサブユニット間の類似性がある。こ
の特徴的な構造は、TNF-R/神経成長因子受容体スーパーファミリーを含む
他の受容体や細胞表面分子で多く共通している(Corcoran, A.E et al., (1994)
Eur. J. Biochem., 223: 831-840)。
【0005】 TNFシグナル伝達は、3価リガンドTNFまたは橋かけモノクローナル抗体
による受容体群集合で開始される(Vandevoorde, V., et al., (1997) J. Cell
Biol., 137: 1627-1638)。TNFおよび構造的に関連するサイトカインであるリ
ンホトキシン(LT)についての結晶学的試験によると、両サイトカインともホ
モ三量体として存在し、3つに折りたたまれた左右対称形の縁から縁にパッケイ
ジされたサブユニットを持つ。各単量体は、形成された円錐形であり、円錐の基
底の反対側に2つの親水性ループを含有する。p55溶性TNF-R/LT複合
体の最近の結晶化研究により、近接の単量体からのループが一緒になって、単量
体間の大湾を形成し、TNF-Rがそれらの大湾中で結合するという仮説が確認
された(Corcoran, A.E et al., (1994) Eur. J. Biochem., 223: 831-840)。
【0006】 炎症、細胞免疫応答、多くの疾患の病態においてTNF-αが果たす主な役割
からして、TNF-αのアゴニストについて研究がなされた。TNF-αシグナル
伝達を妨害する溶性TNF受容体は、単離されて慢性関節リウマチの処置のため
に商標名 Enbrel で Immunex 社から販売されている。ランダム変異法を用いて
、細胞毒活性の喪失の原因となるTNF-αの活性部位の同定がなされた(Van O
stade, X., et al., (1991) EMBO J. 10: 827-836)。しかし、治療剤としての使
用のためにさらに強力なTNF-αアンタゴニストの開発の必要性がなお存在し
ている。
【0007】 従って、本発明の目的は、TNF-α関連障害の処置のためにTNF-αアゴニ
スト活性を有するタンパク質およびそのタンパク質をコードする核酸を提供する
ことである。
【0008】 発明の要旨 上記の目的に合致して、本発明は、野生型TNF-α配列に比して少なくとも
1つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む非天然型の変種TNF-αタン
パク質(例えば、天然に見出されないタンパク質)を提供する。好ましい実施態
様は、野生型TNF-αと優先的に相互作用して、受容体シグナル伝達を活性化
し得ない混合された三量体を形成する変種TNF-αタンパク質を利用する。好
ましくは、野生型TNF-αに比して1から5のアミノ酸変化を有する変種TN
F-αタンパク質を使用する。好ましい実施態様において、その変化は、位置2
1、30、31、32、33、35、65、66、67、111、112、11
5、140、143、144、146、147でのアミノ酸残基より選ばれる。
【0009】 他の態様において、非天然型変種TNF-αタンパク質は、D143E、D1
43N、D143S、A145R、A145K、A145E、E146K、E1
46R、A84Vよりなる群から選ばれる置換を有する。
【0010】 さらなる態様において、本発明は、非天然型変種TNF-αタンパク質をコー
ドする組換え核酸、発現ベクター、宿主細胞を提供する。
【0011】 追加の態様において、本発明は、非天然型変種TNF-αタンパク質をつくる
方法を提供する。この方法は、本発明の宿主細胞を該核酸の発現に適する条件で
培養することを含む。
【0012】 さらなる態様において、本発明は、本発明の変種TNF-αタンパク質および
薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。 さらなる態様において、本発明は、本発明の変種TNF-αタンパク質を患者
に投与することを含むTNF-α関連障害を処置する方法を提供する。
【0013】 図面の簡単な説明 図1は、TNF-α変異体についての設計戦略を示す。図1Aは、TNF受容
体と野生型TNF-αとの複合体を示す。図1Bは、変異TNF-α(TNF-X
)と野生型TNF-αとの混合された三量体を示す。灰色の丸形は受容体分子で
あり、白色の五角形は野生型TNF-αであり、灰色の五角形は変異TNF-αで
ある。
【0014】 図2は、野生型TNF−TNF-R三量体複合体の構造を示す。 図3は、p55TNF-R細胞外ドメインの構造を示す。黒色の領域はTNF-
αとの接触に要する残基を表現する。
【0015】 図4は、TNF-Rを結合するのに関与するTNF-α上の結合部位を示す。 図5は、TNF-α三量体の接触面を示す。
【0016】 図6Aは、変異体がつくられるテンプレート分子として使用されるヒスチジン
・タグ野生型TNF-α分子のヌクレオチド配列を示す。追加の6ヒスチジンは
、開始コドンと最初のアミノ酸の間に位置し、それに下線を引く。 図6Bは、開始コドンと最初のアミノ酸の間の追加の6ヒスチジンを有する野
生型TNF-αのアミノ酸配列を示す。TNF-α変異体で変っているアミノ酸を
太字で示す。
【0017】 図7は、TNF-α変異体における位置およびアミノ酸変化を示す。 図8は、図7に揚げる変異体のTNF-α活性%を示す。「オリゴ名」は、変
異体における変化されたアミノ酸および変化が起きた位置に基づく。 図9Aおよび9Bは、変異体のTNF-α活性の再製性を示す。
【0018】 図10は、TNF-αタンパク質配列の変異パターンを示す。蓋然性の表は位
置72、73、75、86、87、97、137のアミノ酸残基のみを表示する
。各アミノ酸残基の表示位置での発生は、相対的な蓋然性で表す。例えば、位置
137で野生型アミノ酸はアスパラギンであり、TNF-α変異体では、アスパ
ラギン酸がこの位置で好ましいアミノ酸である。
【0019】 図11はTNF-αタンパク質配列の変異パターンについての別の例である。
蓋然性の表は位置21、30、31、32、33、35、65、66、67、1
11、112、115、140、143、144,146、147のアミノ酸残
基のみを表示する。各アミノ酸残基の表示位置での発生は、相対的な蓋然性で表
す。例えば、位置21で野生型アミノ酸はグルタミンであり、TNF-α変異体
では、アルギニンがこの位置で好ましいアミノ酸である。 図12は、TRAFタンパク質からの三量化ドメインを示す。
【0020】 図13は、完全長の遺伝子の合成およびPCRによるすぺての可能な変異を示
す。完全長遺伝子(黒棒、工程1)に対応し、1以上の所望の変異を含む重複オ
リゴヌクレオチドを合成し、加熱し、アニーリングを行う。DNAポリメラーゼ
のアニーリングされたオリゴヌクレオチドへの添加でDNAの5'から3'への合
成がなされ(工程2)、より長いDNA断片をつくる(工程3)。加熱、アニー
リング、DNA合成を繰り返すと、いくつかの完全長分子を含む長いDNAが産
生する。これらのものを、完全長遺伝子の末端に対応するPCR使用プライマー
(矢印で表示)の第2段階で選択できる。
【0021】 図14は、野生型遺伝子を用いて本発明の変種TNF-αタンパク質のライブ
ラリーを合成するのに、好ましい方法を示す。
【0022】 図15Aおよび15Bは、重複伸長法を示す。図15Aの最上段のテンプレー
トDNAに、変異される領域(ブラックボックス)の場所および関連プライマー
(矢印)の部位を示す。プライマーR1およびR2はプライマーのプールを表し
、各々が異なる変異を含有する。本明細書に記述するように、所望により、異な
る比率のプライマーを用いて行い得る。変種位置はハイブリダイゼーションをな
すのに十分な相同性をもつ領域に挟まれている。この例において、3つの別個の
PCR反応を工程1で行う。第1反応はテンプレートおよびオリゴF1とR1を
含有し、第2反応はテンプレートおよびオリゴF2とR2を含有し、第3反応は
テンプレートおよびオリゴF3とR3を含有する。反応産物を表示する。工程2
において、工程1チューブ1および工程1チューブ2からの産物を得る。プライ
マーからの精製をした後、新たなPCR反応をF1およびR4とともに行う。P
CRの変性相の間に、重なり領域のアニーリングがなされ、第2鎖が合成される
。次いで産物を外部プライマーで増幅する。第3工程で、第2工程からの精製産
物を、第3PCR反応に工程1チューブ3およびプライマーF1およびR3とと
もに使用する。最終産物は完全長遺伝子に対応し、必要な変異を含有する。
【0023】 図16Aおよび16Bは、本発明のライブラリィを作るためのPCR反応産物
の連結反応を示す。この技法において、プライマーはまた、エンドヌクレアーゼ
制限部位(RE)を含有し、平滑末端が5'突出または3'突出のいずれかである。
工程1について別個の3PCR反応を行う。第1反応はテンプレートおよびオリ
ゴF1とR1を含有する。第2反応はテンプレートおよびオリゴF2とR2を含
有する。反応産物を表示する。工程2において、工程1の産物を精製し、ついで
適当な制限エンドヌクレアーゼで消化せしめる。工程2チューブ1と工程2チュ
ーブ2からの消化産物をDNAリガーゼで連結する(工程3)。産物を、プライマ
ーF1およびR4を用いて工程4で増幅する。全過程を繰り返す。すなわち、増
幅産物を消化せしめ、それを工程2チューブ3の消化産物に結合し、プライマー
F1およびR3で最終産物を増幅する。2制限部位(RETおよびRE2)が異な
っていると、工程1からのすべての3PCR産物を1反応で結合することもでき
る。
【0024】 図17は、PCR産物の平滑末端連結反応を示す。この技法において、F1や
R1などのプライマーは重ならないで隣接している。さらに別個の3PCR反応
を行う。チューブ1およびチューブ2からの産物を連結し、外部プライマーF1
およびR4で増幅する。この産物を工程1チューブ3からの産物と連結する。最
終産物をプライマーF1およびR3で増幅する。
【0025】 発明の詳細な説明 本発明は、TNF-αアンタゴニスト活性を有する新規のタンパク質および核
酸に関する。このタンパク質は、下記の特許等に記載のシステムを用いてつくる
。WO 98/47089、米国特許出願 09/058,459、09/127,9
26、60/104,612、60/158,700、09/419,351、60/
181,630、60/186,904、09/419,351 および発明の名称「
タンパク質ライブラリーのためのタンパク質設計自動化」(2001年2月12
日の出願、出願番号未着)(これらを、出典明示により本明細書の一部とする)
。一般的に、これらの出願は、非常に安定なタンパク質をつくることのできるよ
うな種々のコンピューター化モデルシステムを開示している。この方法で、野生
型TNF-αのアンタゴニストとして作用するTNFタンパク質の変種をつくる
。変種TNFタンパク質を、野生型TNF-α、p55TNF-Rタンパク質、p
75TNF-Rタンパク質からつくり得る。好ましい実施態様は変種TNF-αタ
ンパク質を含む。
【0026】 一般的に、本発明のTNFタンパク質を生成するのに用いられるコンピュータ
法は幾つかある。好ましい実施態様では、配列を基本とする方法を使用する。あ
るいは、構造を基本とする方法、例えば、下に詳細に記述したPDAを使用する。
【0027】 同様に、分子力学的計算は、変異体配列のスコアを個々に計算することおよび
ランクの順位付けリストを編集することにより、配列をコンピュータに評価する
ために使用する。
【0028】 好ましい実施態様では、残基対の力価をコンピュータスクリーニングにおいて
、配列を評価するために使用する(Miyazawa et al.,Macromolecules 18(3):534
-552(1985)、出典明示により本明細書の一部とする)。
【0029】 好ましい実施態様では、配列プロファイルスコア(Bowie et al.,Science 253
(5016):164-70(1991)、出典明示により本明細書の一部とする)および/または
力の平均の強さ(Hendlich et al.,J.Mol.Biol.216(1):167-180(1990)、出典明
示により本明細書の一部とする)も配列を評価するために計算する。これらの方
法は、配列と三次元タンパク質構造との間の釣り合いを評価し、そしてタンパク
質の構造に対し適合性を調べる。配列を順位付けるために異なったスコア化関数
を用い、配列空間の異なる領域をコンピュータ評価でサンプル化する。
【0030】 さらに、スコア化関数はタンパク質中で金属または補助因子の結合部位を作る
と思われる配列を評価するのに使用する(Hellinga,Fold Des.3(1):R1-8(1998)
、出典明示により本明細書の一部とする)。また、スコア化関数はタンパク質中
でジスルフィド結合を作ると思われる配列を評価するのにも使用する。これらの
可能性は新しい構造的モティーフを導入するためのタンパク質構造を特異的に修
正することを試みるものである。
【0031】 好ましい実施態様では、配列および/または構造的配列プログラムは本発明の
変種TNF-αタンパク質を生成するために使用する。当分野の技術では良く知
られているように、数多くの配列を基本とする配列プログラムがある:例として
は、Smith-Waterman検索、Needleman-Wunsch、DoubleAffine Smith-Wate
rman、フレーム検索、Gribskov/GCGプロファイル検索、Gribskov/GCGプ
ロファイルスキャン、プロファイルフレームスキャン、Bucher帰納化プロファ
イル、Hidden Markovモデル、Hframe、Double Frame、Blast、Psi-Blas
t、Clustal、GeneWise等である。
【0032】 当分野の技術では良く知られているように、使用し得る配列整列手法は数多く
ある。例えば、配列相同性に基いた整列法を、目標とする構造に関係する配列整
列を作り出すのに使用する(Altschul et al.,J.Mol.Bio.215(3):403-410(1990)
、Altschul et al., Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997)、両者とも出典明
示により本明細書の一部とする)。これらの配列整列を調べて、配列変化を決定
する。これらの配列変化は、一組の変種TNF-αタンパク質を明確にするため
に表に示す。
【0033】 整列に基いた配列を幾つかの手法に使用する。例えば、当分野の技術で良く知
られている様に、幾つかの関係するタンパク質を並び換え、そして、「可変性の
」および「保存性の」残基を明確にする:即ち、ファミリーメンバー間で可変性
の残基または同一性が存続する残基を明確にする。これらの結果は、下に概略を
示すように確率表を作るために使用する。また、これらの配列変化を表にし、そ
れから下記に明らかにするように二次的なライブラリィも明確にする。あるいは
、許される配列変化は、コンピュータ評価の間にそれぞれの部位での考えられる
アミノ酸を明確にするため使用する。他の変化は、配列整列で生じるアミノ酸に
対するスコアを偏向せることであり、それによりコンピュータ評価の間に見出さ
れる見込みを増加させるが、他のアミノ酸の考慮もなお残すものである。この偏
向は、結果として目的とする変種TNF-αタンパク質のライブラリィになるが
、配列中に見出されていないアミノ酸を考慮から除外するものではない。さらに
、幾つかの他のタイプの偏向を取り入れている。例えば、多様性を強化すること
である:即ち、「保存性」残基を選択し、変更して、タンパク質の多様性を強化
し、サンプルを配列空間のより大きな部分とする。あるいは、ファミリーメンバ
ー(即ち、低保存)間の変化しやすい部位を、アミノ酸の全てあるいは幾つかの
サブセットを用いてランダマイズできる。アウトライアー残基、即ち部位的なア
ウトライアーまたは側鎖アウトライアーのいずれも除外し得る。
【0034】 同様に、構造的に関係付けられたタンパク質の構造的な整列は、配列整列を作
るために行う(Orengo et al.,Structure 5(8):1093-108(1997);Holm et al.,Nu
cleic Acid Res.26(1):316-9(1998)、両者とも出典明示により本明細書の一部と
する)。これらの配列整列は、観測された配列変化を決めるために調べる。ライ
ブラリィは配列から二次構造を予測することにより、そして予測された二次構造
と矛盾のない配列を選択することにより作成する。ヘリクッスコイル転移理論(
Munoz and Serrano,Biopolymers 41:495,1997)、神経ネットワーク、局所的構
造配列など(例えば、Selbig et al.,Bioinformatics 15:1039-46,1999を参照)
の幾つかの二次構造予測法がある。
【0035】 上で概略したように、他のコンピュータ方法が配列プロファイル化を含め知ら
れている。しかし、限定されるものではない。以下参照;[Bowie and Eisenberg
,Science 253(5016):164-70,(1991)]、回転異性体ライブラリィ選択[Dahiyat an
d Mayo,Protein Sci.5(5):895-903(1996);Dahiyat and Mayo,Science 278(5335)
:82-7(1997);Desjariais and Handel,Protein Science 4:2006-2018(1995);Harb
ury et al.,Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92(18):8408-8412(1995);Kono et al.,Pr
oteins:Structure,Function and Genetics 19:244-255(1994);Hellinga and Ric
hards,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:5803-5807(1994)];およびポテンシャルあ
たりの残基[Jones,Protein Science 3:567-574,(1994)];PROSA[Heindlich et al
.,J.Mol.Bio.216:167-180(1990)];THREADER[Jones et al.,Nature 358:86-89(19
92)]、そしてSimons et al.により記述されいるような他の逆折り畳み法[Protei
ns,34:535-543,(1999)],Levitt and Gerstein[Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,95:5
913-5920,(1998)],Godzik and Skolnick[Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,89:12098-1
02,(1992)],Godzik et al.[J.Mol.Biol.227:227-38,(1992)]、そして二つのプロ
ファイル法[Gribskov et al.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:4355-4358(1987) ,F
isher and Eisenberg,Protein Sci.5:947-955(1996),Rice and Eisenberg J.Mol
.Biol.267:1026-1038(1997)],これらは出典明示により本明細書の一部とする。
【0036】 さらに、Koehl および Levitt により記述されているような他のコンピュータ
方法 (J.Mol.Biol.293:1161-1181(1999);J.Mol.Biol.293:1183-1193(1999);出典
明示により本明細書の一部とする)は、変種TNF-αライブラリィを作るのに使
用する。それは実験的なスクリーニングに改良された性質と機能を使用するため
、より小さい二次ライブラリィを作成するのに使用する。加えて、SCMFに良
く使われるSCMFのようなフォース・フィールド計算に基くコンピュータ方法
がある。以下参照:Delarue et al.Pac.Symp.Biocomput.109-21(1997); Koehl e
t al.J.Mol.Biol.239:249-75(1994); Koehl et al.,Nat.Struct.Biol.2:163-70(
1995); Koehl et al.,Curr.Opin.Struct.Biol.6:222-6(1996); Koehl et al.,J.
Mol.Biol.293:1183-93(1999); Koehl et al.,J.Mol.Biol.293:1161-81(1999);Le
e J.Mol.Biol.236:918-39(1994); Vasquez Biopolymers 36:53-70(1995);出典明
示により本明細書の一部とする。
【0037】 コンピュータ方法において、配列の立体構造を最適化するのに、またはここで
含まれる概略に示すような新たに最適化された配列を作成するのに使用される他
のフォース・フィールド計算がある。しかし、限定されるものではない。以下参
照;OPLS-AA [Jorgensen et al.,J.Am.Chem.Soc.118:1125-1136(1996); Jorgens
en. W.L.; BOSS, Version 4.1;Yale University: New Haven, CT(1999)]; OPLS[
Jorgensen et al., J.Am.Chem.Soc.110:1657ff(1988); Jorgensen et al., J.Am
.Chem.Soc.112:4768ff(1990)]; UNRES(United Residue Forcefield; Liwo et al
., Protein Science 2:1697-1714(1993); Liwo et al., Protein Science 2:171
5-1731(1993); Liwo et al.,J.Comp.Chem.18:849-873(1997); Liwo et al.,J.Co
mp.Chem.18:874-884(1997); Liwo et al.J.Comp.Chem.19:259-276(1998);タンパ
ク質構造予測のためのフォース・フィールド (Liwo et al., Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A. 96:5482-5485(1999)); ECEPP/3 [Liwo et al., J. Protein Chem.13(4
):375-80(1994)]; AMBER 1.1 force field (Weiner et al., J.Am.Chem.Soc..10
6:765-784); AMBER 3.0 force field [U.C. Singh et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.82:755-759(1985)]; CHARMMおよびCHARMM22 (Brooks et al., J.Com.Chem
.4:187-217); cvff3.0 [Dauber-Osguthorpe et al., Proteins: Structure, Fun
ction and Genetics,4:31-47(1988)]; cff91(Maple et al.,J.Comp.Chem.15:162
-182)。また、DISCOVER (cvffおよびcff91)とAMBERフォース・フィールドは分子
モデル化パッケージ、INSIGHT (Biosym/MSI, San Diego California)で使用され
ている。そして、HARMM は分子モデル化パッケージ、QUANTA (Biosym/MSI, San
Diego California)で使用されている。これらの全てを出典明示により本明細書
の一部とする。実際には、下に概略で示すように、これらのフォース・フィール
ド方法はTNF-αライブラリィを直接的に作成するために使用する;これらの
方法は確率表をを作成するのに使用し、そこから追加的なライブラリィを直接作
成する。
【0038】 好ましい実施態様では、変種TNF-αタンパク質のセットやライブラリィを
作成するのに使用されるコンピュータ方法は、Protein Design Automation(PDA)
である。これは、米国特許出願60/061,907、60/043,464、60
/054,678、09/127,926、60/104,612、60/158,70
0、09/419,351、60/181,630、60/186,904、09/4
19,351および2001年2月12日に出願(番号は未受理)表題「Protein
Design Automation for Protein Libraries」およびPCT/US98/0725
4に記述されている(出典明示により本明細書の一部とする)。PDAは次に示
すように簡潔に記述されている。既知のタンパク質構造を出発点として使用する
。最適化される残基を同定する。それは全体の配列あるいはそれのサブセットで
ある。タンパク質の骨格と残っている側鎖からなる結果として得られる構造は、
テンプレートと呼ばれている。それぞれの可変性残基部位をそれからコア残基、
表面残基あるいは境界残基として分類する;それぞれの分類は部位に対し可能な
アミノ酸残基のサブセットを限定する(例えば、コア残基は一般的に疎水性残基
のセットから選択され、表面残基は一般的に親水性残基から選択され、そして境
界残基はそのいずれかである)。それぞれのアミノ酸は、それぞれの側鎖が取り
うる全ての構造の別々のセット、即ち回転異性体と呼ばれる、により表される。
骨格に対し最適の配列に至るために、回転異性体の全ての可能な配列を評価しな
ければならない。それぞれの骨格部位は、その可能な回転異性体状態で、あるい
はアミノ酸のサブセット、そして回転異性体のサブセットの中にそれぞれのアミ
ノ酸により占められる。
【0039】 相互作用する二セットをそれからそれぞれの回転異性体に対し全ての位置で計
算する:回転異性体の側鎖と骨格の全てあるいは部分との相互作用(「シングル
」エネルギー、回転異性体/テンプレートまたは回転異性体/骨格エネルギーと
も呼ばれる)、回転異性体の側鎖と他の有りうる位置での別の可能な回転異性体
との相互作用(「ダブル」エネルギー、回転異性体/回転異性体エネルギーとも
呼ばれる)。これらの相互作用のそれぞれのエネルギーは、幾つかの変化するス
コア化関数の使用を通して計算する。それはファンデルワールス力のエネルギー
、水素結合のエネルギー、二次構造の性質のエネルギー、表面位置での溶媒和そ
して静電気的エネルギーである。このようにして、それぞれの回転異性体相互作
用と骨格および他の回転異性体との相互作用の総エネルギーを計算し、マトリッ
クス型にして保存する。
【0040】 回転異性体セットの個々の性質は、試験される回転異性体配列の数の単純な計
算を可能にする。位置あたり可能な回転異性体m個を持つ長さnの骨格はm
個の可能な回転異性体配列を持つ。その数は配列長さとともに指数関数的に増加
し、計算を一般的にもリアルタイムでも可能としない。従って、この組み合わせ
の検索の課題を解決するために、「Dead End Elimination」(DEE)計算を行
った。DEE計算は、もし一番目の回転異性体の最も悪い総相互作用が二番目の
回転異性体の最も良い総相互作用に比べなお良ければ、二番目の回転異性体は全
体の最適解決の部分にはなりえないとの事実に基づく。全ての回転異性体のエネ
ルギーは既に計算し終えているので、DEEのアプローチは試験する配列長さに
わたる総和のみを必要とし、そして回転異性体を除外する。それは計算をかなり
スピードアップさせる。DEEは回転異性体のペアまたは回転異性体の組み合わ
せを比較しながら再試行でき、それは結果として、全体の最適エネルギーを表す
一つの配列を決定することになる。
【0041】 いったん全体の解が見出されると、モンテカルロ検索をDEEの解に基いて配
列のランクを順位付けたリストを作成するために行う。DEEの解で開始し、ラ
ンダムな位置を他の回転異性体に変え、そして新しい配列を計算する。もし、新
しい配列が受け入れられる基準になれば、それは他のジャンプの出発点として使
用する。ジャンプの予め決められた数により、配列のランクを順位付けたリスト
を作成する。モンテカルロ検索作業は、全体的に最小となる配列空間を探索する
ための、または配列空間における新しい局部的な最小距離を見つけ出すためのサ
ンプリング技術である。下にさらに追加的に概略するように、使用される他のサ
ンプリング技術、ボルツマンサンプリングを含め、遺伝的アルゴリズムと擬似的
に試される強化技術がある。さらに、全てのサンプリング技術に対し可能なジャ
ンプの種類を変える(例えば、ランダム残基へのランダムジャンプ、偏向のある
ジャンプ(例えば、野生型へのまたは野生型から離れての)、偏向のある残基へ
のジャンプ(例えば、類似した残基へのまたは類似した残基から離れての)等)
。同様に、全てのサンプリング技術に対し、サンプリングジャンプが受け入れら
れるかどうかの受入基準を変える。
【0042】 米国特許出願09/127,926に概略されるように、タンパク質骨格(α-
炭素からβ-炭素のベクトル方向に沿って、窒素、カルボニル炭素、α-炭素そし
てカルボニル酸素からなる(天然型のタンパク質に対し))をコンピュータ解析
に先立ち変化させ、超二次構造パラメータと呼ばれるパラメータのセットを変え
得る。
【0043】 タンパク質の構造骨格を作成し(上で概略したように、変化を持たせて)そし
てコンピューターに入力する場合、もし構造の中に含まれていなければ、判って
いる水素を加える(例えば、もし構造がX線結晶解析により作成されていると、
水素を加える)。水素を追加した後、他の原子、結合角度および結合距離と同様
、水素を緩和するため、構造のエネルギー最小化の計算を行う。好ましい実施態
様では、静電気を持たないドライディングフォース・フィールドを最小にするた
め、原子の配位位置の共役勾配最小化[Mayo et al.,J.Phys.Chem.94:8897(1990)
]を幾つかの工程で行うことにより実施する。一般的には、約10から250工
程が望ましく、約50工程が最も望ましい。
【0044】 タンパク質の骨格構造は、少なくとも一つの可変性の残基位置を含む。当分野
の技術では良く知られているように、タンパク質の残基またはアミノ酸は、一般
的にタンパク質のN末端から開始して番号付けされている。N末端にメチオニン
を持つタンパク質は、残基またはアミノ酸位置1にメチオニンを持っている。次
ぎの残基は2、3、4等とする。それぞれの位置で、野生型(即ち、天然型)タ
ンパク質は少なくとも20のアミノ酸の一つを持っており、回転異性体のいずれ
の番号でも同じである。「可変性残基位置」はここではタンパク質のアミノ酸位
置を意味し、そのアミノ酸位置は特殊な残基または回転異性体、一般的に野生型
の残基または回転異性体として固定しないで設計する。
【0045】 好ましい実施態様では、タンパク質の残基位置の全てが可変性である。即ち、
本発明の方法においては、あらゆるアミノ酸側鎖を変え得るものである。これは
より小さなタンパク質に特に望ましいが、本方法は、より大きなタンパク質の設
計も可能にする。このように設計されるタンパク質の長さに理論的な制限はない
のに対し、実際上はコンピュータ制限がある。
【0046】 代わりの好ましい実施態様では、タンパク質の残基位置の幾つかのみを変え、
残りの部分は「固定する」。即ち、それらを一組の立体配座の状態にして三次元
構造で同定する。幾つかの実施態様で、固定された位置は元の立体配座状態を残
している(それは使用される回転異性体ライブラリィの特異な回転異性体と相関
するかしないかいずれかである)。あるいは、残基は非野生型残基として固定す
る;例えば、既知の位置指示変異誘発技術が、特殊な残基が望ましいことを示し
たとき(例えば、タンパク質分解の位置を除外するために、または酵素の基質特
異性を変えるために)、その残基を特殊なアミノ酸として固定する。あるいは、
本発明の方法を、下記するように変異を改めて評価するために使用する。代わり
の好ましい実施態様では、固定された位置を「浮かせる」;その位置でのアミノ
酸を固定するが、そのアミノ酸の異なる回転異性体を試験する。この実施態様で
は、可変性残基は少なくとも一つ、または残基の総数の0.1%から99.9%の
いずれである。このように、例えば、少しの(あるいは一つの)残基またはほと
んどの残基を、その中間にある全ての確率をもって、変えることが出来る。
【0047】 好ましい実施態様では、固定できる残基は構造的にまたは生物学的に機能しう
る残基を含むが、これらに限るものではない;生物学的に機能しうる残基は特異
的に固定されないかもしれない。例えば、生物学的な活性に重要であると知られ
ている残基、それは結合相手(配位子/受容体、抗原/抗体等)に対し結合部位
を持つような残基、生物学的な機能に非常に重要であるリン酸化またはグルコシ
ル化の部位、あるいは構造的に重要な残基、それはジスルフィド架橋のような部
位、金属結合位置、重要な水素結合残基、プロリンまたはグリシンのような骨格
立体配座に重要な残基、パッキング相互作用に重要な残基、これら全てを立体配
座の中にまたは単一回転異性体として固定する、または「浮かせる」。
【0048】 同様に、可変性残基として選択される残基は、望ましくない生物学的特性、例
えばタンパク質分解に対する感受性、二量体化や凝集化位置、免疫応答に導くグ
ルコシル化部位、望まない結合活性、望まないアロステリック性、結合は保存さ
れているが望ましくない酵素活性等の特性を与えるものであるかもしれない。本
発明では、下記に概略するように、可変性四量体化ドメイン残基のものである。
【0049】 好ましい実施態様では、下記に説明するように幾つかの場合、可変性位置は骨
格のひずみを最小にするためグリシンにセットするけれども、それぞれ可変性位
置を、コアと表面または境界残基位置いずれかに分類している。さらに、ここで
概略するように、必要とする残基は分類していない。それらは使用されるアミノ
酸の可変性セットおよびいずれかのセットとして選択出来る。コア、表面および
境界の位置のいずれの組み合わせも利用出来る:コア、表面および境界残基;コ
アと表面残基;コアと境界残基、そして表面と境界残基、コア残基単独、表面残
基単独、境界残基単独も同様である。
【0050】 コア、表面または境界として残基位置の分類を、当分野で知られている幾つか
の方法で行う。好ましい実施態様では、分類は側鎖を含め、そしてタンパク質モ
デル化の技術分野でうまく使われている主観的な評価に基いた分類と照らし合わ
せ、元のタンパク質骨格構造の視覚的走査を通して行う。あるいは、好ましい実
施態様は、テンプレートCα原子のみを用いて計算した溶媒が付き易い表面に比
して、Cα-Cβベクトルの配向の評価を利用している。これは、米国特許出願
60/061,907、60/043,464、60/054,678、09/127,
926、60/104,612、60/158,700、09/419,351、60
/181,630、60/186,904、09/419,351および2001年2
月12日に出願(番号は未受理)表題「Protein Design Automation for Protei
n Libraries」および PCT/US98/07254に記述されている。あるいは
、表面領域の計算が出来る。
【0051】 可変性位置をコア、表面または境界としていずれかに分類し、アミノ酸側鎖の
セットと回転異性体のセットをそれぞれの位置に割り付ける。即ち、プログラム
がいずれか特定の位置で考えるアミノ酸側鎖の組みを選択する。続いて、可能な
アミノ酸側鎖を選択し、特定の位置での評価される回転異性体の組を決める。こ
のように、コア残基をアラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルア
ラニン、イソロイシン、トリプトファンおよびメチオニン(幾つかの実施態様で
は、ファンデルワールススコア化関数のαスケール因子が、下に記述するように
低く、メチオニンはそのセットから除外される)からなる疎水性残基グループか
ら一般的に選択する。そして、それぞれのコア位置に対する回転異性体は、これ
ら8個のアミノ酸に対する回転異性体を含み得る(もし骨格非依存のライブラリ
ィを使用すると全ての回転異性体、もし回転異性体依存の骨格を使用するとサブ
セット)。同様に、表面位置をアラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸
、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、リジンそしてヒスチ
ジンからなる親水性残基のグループから一般的に選択する。それぞれの表面位置
に対する回転異性体はこれら10個の残基を含む。最後に、境界位置はアラニン
、セリン、トレオニン,アスパラギン酸,アスパラギン、グルタミン,グルタミ
ン酸,アルギニン,リジン、ヒスチジン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フ
ェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびメチオニンから一般的に選択
する。それぞれの境界位置に対する回転異性体は、これら17個の残基に対する
あらゆる回転異性体を含むかもしれない(システイン、グリシンおよびプロリン
を使用していない、使用出来るけれども)。従って、幾つかの好ましい実施態様
では、18個の天然型アミノ酸(システインとプロリンを除いて全て、これら二
つは特に破壊的であると知られている)のセットを使用する。
【0052】 このように、当業者には判るように、残基位置を分類することは、計算回数を
減少させるので、コンピューター上の利得がある。コア、境界および表面残基の
セットは上で記述したこれらから変える状況にあることもまた注目すべきである
;例えば、ある条件下で1以上のアミノ酸を許されるアミノ酸のセットから加え
るか差し引くかのいずれかである。例えば、二量化するまたは多量化する、ある
いは配位子結合位置を持つ幾つかのタンパク質は親水性表面残基等を含んでいる
。さらに、へリックスの「キャッピング」をさせないまたはα-へリックス双極
子と取り易い相互作用をさせない残基は許される残基から差し引く。アミノ酸グ
ループのこの修正は残基から残基への基礎に基いて行う。
【0053】 好ましい実施態様では、プロリン、システインおよびグリシンを可能なアミノ
酸側鎖のリストには含めない。従って、これらの側鎖に対する回転異性体を使用
しない。しかしながら、好ましい実施態様で、可変性残基位置が0°より大きな
φの角度(即ち、1)前のアミノ酸のカルボニル炭素;2) 今の残基の窒素原子
;3) 今の残基のα炭素;4) 今の残基のカルボニル炭素で定義される二面角)
を持つとき、位置を骨格の歪みを最小にするためにグリシンにセットする。
【0054】 可能性のある回転異性体のグループをそれぞれの変化する残基に対し割り付け
ると、米国特許出願09/127,926およびPCT/US98/07254に概
略されるように、直ちに結果を処理する。この処理工程は、回転異性体お互いの
、または回転異性体と最適化されたタンパク質配列を作成するため、タンパク質
骨格との相互作用を解析することを必要とする。簡単には、その処理は、骨格そ
のものまたはタンパク質の回転異性体いずれかに対する回転異性体の相互作用エ
ネルギーを計算するためにスコア化関数の使用をまず意味している。好ましいP
DAスコア化関数は、ファンデルワールス力スコア化関数、水素結合力スコア化
関数、原子溶媒和スコア化関数、二次構造傾向スコア化関数および静電気的スコ
ア化関数を含む。これらに限定されるものではない。さらに下に記述するように
、α-へリックス双極子との好ましい相互作用のように、少なくとも一つのスコ
ア化関数をそれぞれの位置をスコア付けるために使用する。なお、スコア化関数
は位置の分類または他の考察により異なる。下に概略するように、計算に使用さ
れる全エネルギーは、一般的に式1で示されるような特定な位置で使用されるそ
れぞれのスコア化関数のエネルギー和である。 計算式 1 Etotal = nEvdw + nEas + nEh-bonding + nEss + nEelec 式1において、全エネルギーは、ファンデルワールス力のエネルギー(Evdw )、原子溶媒和のエネルギー(Eas)、水素結合のエネルギー(Eh-bonding)
、二次構造のエネルギー(Ess)および静電気的相互作用のエネルギー(Eel
ect)の和である。項nは、その項が特定の位置に対して考慮されるものかど
うかにより、0か1のいずれかである。
【0055】 米国特許出願60/061,907、60/043,464、60/054,678
、09/127,926、60/104,612、60/158,700、09/41
9,351、60/181,630、60/186,904、09/419,351お
よび2001年2月12日に出願(番号は未受理)表題“Protein Design Au
tomation for Protein Libraries”および PCT/US98/07254に記
述されているように、これらのスコア化関数のあらゆる組み合わせ、単独もしく
は組み合わせで使用し得る。使用されるべきスコア化関数をそれぞれの可変性位
置に対して同定すると、コンピューター解析での好ましい最初の工程は、タンパ
ク質の全てまたは残りの一部を持つそれぞれ可能な回転異性体の相互作用を決め
ることを意味する。即ち、スコア化関数の1以上、骨格もしくはタンパク質の回
転異性体が持つそれぞれの可変性残基位置での可能な回転異性体の1以上により
測定されるような、相互作用のエネルギーを計算する。好ましい実施態様では、
タンパク質の残り部分全体、即ちテンプレート全体と他の回転異性体全て、を持
つそれぞれの回転異性体の相互作用を見る。しかしながら、上で概略したように
、タンパク質の部分(ポーション)、例えばより大きなタンパク質のドメインを
モデル化することが出来るだけで、タンパク質の全てを考慮するものではない。
タンパク質に関し、この中で使用する術語「部分」あるいは文法的に同じものは
、そのタンパク質の断片を意味する。断片は6-10個のアミノ酸残基から1つ
のアミノ酸を引いた全体のアミノ酸配列までのサイズである。従って、核酸に関
し、この中で使用する術語「部分」はその核酸の断片を意味する。この断片は1
0個のヌクレオチドから1つのヌクレオチドを引いた全体の核酸配列までのサイ
ズである。
【0056】 好ましい実施態様では、コンピュータ処理の第一工程を、あらゆる位置でそれ
ぞれの回転異性体に対し2組の相互作用を計算することにより行う:回転異性体
側鎖とテンプレートまたは骨格との相互作用(「シングル」エネルギー)、そし
て回転異性体側鎖と他のあらゆる位置で他の可能な回転異性体全てとの相互作用
(「ダブル」エネルギー)、その位置が変化しているのか浮いているのかである
。個の場合の骨格は固定されたいずれの残基の原子と同様、タンパク質の構造骨
格の原子両方を含む。この中で、固定された残基をアミノ酸の特定の立体配座と
して定義する。
【0057】 このように、「シングル」(回転異性体/テンプレート)エネルギーを、骨格
とあらゆる可変性残基位置であらゆる可能な回転異性体との相互作用に対し、ス
コア化関数の幾つかまたは全てを用いて計算する。水素結合スコア化関数のため
に、回転異性体のあらゆる水素結合原子と骨格のあらゆる水素結合原子を評価す
る。そして、Ehbをあらゆる可変性位置で可能なそれぞれの回転異性体に対し
て計算する。同様に、ファンデルワールススコア化関数のために、回転異性体の
あらゆる原子をテンプレートのあらゆる原子(一般的に骨格、それ自身の残基の
原子を除いて)と比較する。そして、Evdwをあらゆる可変性残基位置でそれ
ぞれの可能な回転異性体に対して計算する。さらに、一般的にファンデルワール
スエネルギーは、もし原子が3個以下の結合で繋がっていれば、計算しない。原
子溶媒和スコア化関数のために、回転異性体の表面をテンプレートの表面に対し
て測定する。そして、あらゆる可変性残基位置でそれぞれの可能な回転異性体に
対するEasを計算する。二次構造傾向スコア化関数はシングルエネルギーと考
えられており、全シングルエネルギーはEssの項に含んでいる。当業者には判
るはずであろう、これらのエネルギー項の多くは、回転異性体とテンプレート位
置の間の物理的距離に依存してゼロに近づくはずである;すなわち、二つの部分
構造が離れれば離れるほど低いエネルギーとなる。
【0058】 「ダブル」エネルギー(回転異性体/回転異性体)の計算のために、それぞれ
可能な回転異性体の相互作用エネルギーを他の可変性残基位置全てであらゆる可
能な回転異性体と比較する。こうして、「ダブル」エネルギーを、スコア化関数
の幾つかまたは全てを使って、あらゆる可変性残基位置であらゆる可能な回転異
性体とあらゆる他の可変性残基位置であらゆる可能な回転異性体との相互作用に
対し計算する。水素結合スコア化関数のために、一番目回転異性体のあらゆる水
素結合原子とあらゆる可能な二番目回転異性体のあらゆる水素結合原子を評価す
る。そして、Ehbをいずれか二つの可変性位置のそれぞれ可能な回転異性体に
対し計算する。同様に、ファンデルワールススコア化関数のために、一番目回転
異性体のあらゆる原子を、あらゆる可能な二番目回転異性体のあらゆる原子と比
較する。そして、Evdwをあらゆる二つの可変性残基位置でそれぞれ可能な回
転異性体ペアに対して計算する。原子溶媒和スコア化関数のために、一番目回転
異性体の表面をあらゆる可能な二番目回転異性体の表面に対して測定する。そし
て、あらゆる2つの可変性残基位置でそれぞれ可能な回転異性体に対するEas を計算する。二次構造傾向スコア化関数は、「シングル」エネルギーの一成分と
考えられるので、「ダブル」エネルギーとして実行する必要はない。当業者には
判るように、一番目回転異性体と二番目回転異性体の間の物理的距離に依存して
、即ち二つの部分構造が離れれば離れるほどエネルギーは低くなり、これらダブ
ルエネルギー項の多くはゼロに近づくはずである。
【0059】 さらに、当業者には判るように、PDA計算に使用されるフォース・フィール
ドの多様性は以下のものを含め使用できる。しかし、これに限るものではない。
以下参照;Dreiding I and Dreiding II [Mayo et al, J.Phys.Chem. 94:8897(1
990)], AMBER [Weiner et al., J.Amer.Chem.Soc. 106:765(1984), Weiner et a
l., J.Comp.Chem. 106:230(1986)], MM2 [Allinger, J.Chem.Soc.99:8127(1977)
, Liljefors et al., J.Com.Chem. 8:1051(1987)]; MMP2 [Sprague et al., J.C
omp.Chem. 8:581(1987)]; CHARMM [Brooks et al., J.Comp.Chem. 106:187(1983
)]; GROMOS; MM3[Allinger et al., J.Amer.Chem.Soc. 111:8551(1989), OPLS-A
A [Jorgensen et al., J.Am.Chem.Soc. 118:11225-11236(1996); Jorgensen,W.L
.;BOSS, Version 4.1; Yale University: New Haven,CT(1999)]; OPLS [Jorgens
en et al., J.AM.Chem.Soc. 110:1657ff(1988); Jorgensen et al., J.Am.Chem.
Soc. 112:4768ff(1990)]; UNRES (United Residue Forcefield; Liwo et al., P
rotein Science 2:1697-1714(1993); Liwo et al., Protein Science 2:1715-17
31(1993); Liwo et al.,J.Comp.Chem.18:849-873(1997); Liwo et al.,J.Comp.C
hem.18:874-884(1997); Liwo et al.,J.Comp.Chrm.19:259-276(1998); Forcefie
ld for Protein Structure Prediction(Liwo et al., Proc. Natl.Acad.Sci.U.S
.A 96:5482-5485(1999)); ECEPP/3 [Liwo et al., J. Protein Chem. 13(4):37
5-80(1994)]; AMBER 1.1 force field (Weiner et al.,J.Am.Chem.Soc. 106:765
-784);AMBER 3.0 force field(U.C.Singh et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.8
2:755-759); CHARMMおよびCHAMM22 (Brooks et al., J.Comp.Chem.4:187-217);
cvff3.0 [Dauber-Osguthorpe et al., Proteins: Structure, Function and Gen
etics,4:31-47(1988);cff91(Maple et al.,J.Comp.Chem.15:162-182); DISCOVER
(cvff とcff91)および AMBER forcefield は分子模型パッケージINSIGHT (Biosy
m/MSI, San Diego California)に使用されている、および HARMM は分子模型パ
ッケージQUANTA(Biosym/MSI, San Diego California)に使用されている。これら
の全ての文献は出典明示により本明細書の一部とする。
【0060】 シングルスおよびダブルスエネルギーを計算しそして保存すると、コンピュー
タ処理の次の工程を行う。米国特許出願09/127,926およびPCT/US
98/07254に概略したように、好ましい実施態様はDead End Eliminati
on(DEE)工程、望ましくはモンテカルロ法を利用する。
【0061】 PDAは、広く見ると、出力(例えば、初期ライブラリィ)を変えるために変
化させ得る3成分をもっている。すなわち、処理に使われるスコア化関数:フィ
ルタリング技術である。
【0062】 好ましい実施態様では、スコア化関数を変える。好ましい実施態様では、上で
概略したスコア化関数を種々の方法で偏らせ、または重み付けをする。例えば、
対照配列または配列のファミリーから近づく方向または離れる方向への偏向を行
う;例えば、野生型または相同残基に近づける偏向を使用する。同様に、そのタ
ンパク質全体または断片を偏らせる:例えば、活性位置を野生型残基に近づける
方向に偏らせ、または特定の望まれる物理的性質の方向に近づけるドメイン残基
を偏向せしめる。さらに、エネルギーを増加させる方向へのまたは逆への偏向を
生じさせる。付加的なスコア化関数偏向は、静電位傾斜または親水性傾斜を適用
することに限定されないが、計算に基質または結合相手を加えること、または望
ましい変化または親水性の方向に偏らせることを含む。
【0063】 さらに、好ましい実施態様では、使用される種々の付加的なスコア化関数があ
る。付加的なスコア化関数は、歪み力に限定されないが、残基ペア力または残基
エントロピー力を含む。その様な付加的なスコア化関数は単独で、または初めに
スコア化された後ライブラリィを処理するために関数として使用されうる。ペプ
チドの結合についてのデータからMHC(Major Histocompatibility Complex)
に誘導される種々の関数を、MHCに潜在的に結び付けられうる配列、即ち免疫
原性配列を含むタンパク質を除外するためにライブラリィを再スコア化するのに
使用する。
【0064】 好ましい実施態様では、DEEおよび同種技術を含む種々のフィルタリング技
術を行う。しかし、これに限定されるものではない。付加的なフィルタリング技
術は、限定されないが、最適な配列(Gordon and Mayo, Structure Fold. Des.
7: 1089-98, 1999) および網羅的な一覧の配列を見出すための枝分かれ-結合技
術を含む。
【0065】 当業者にはわかるように、最適化された配列または配列のセットが作成される
と、種々の配列空間サンプリング法を望ましいモンテカルロ法に加えて、または
モンテカルロ検索に代えて行う。即ち、配列または配列のセットが作成されると
、望ましい方法を試験するために付加的な、関係付けられた配列の作成を可能に
するサンプリング技術に利用する。
【0066】 これらのサンプリング法は、1以上の配列についてアミノ酸の置換、挿入、欠
失、または組換を含む。ここで概略するように、好ましい実施態様にモンテカル
ロ検索を利用する。その検索は一連の偏向のある、組織的なまたはランダムなジ
ャンプである。しかしながら、ボルツマンサンプリング、遺伝学的アルゴリズム
技術そして模擬的に試されるアニール化を含めて、使用されうる他のサンプリン
グ技術がある。さらに、全てのサンプリング技術に対し、許されたジャンプの種
類を、ランダム残基に対するランダムジャンプに、偏向のあるジャンプに(例え
ば、野生型から近くにまたは離れた)、偏向のある残基に対するジャンプに(例
えば、類似の残基から近くにまたは離れた等)変える。複数の残基位置を組み合
わせる(2つの残基を常に一緒に変化させる、または決して一緒に変化させない
)ジャンプ、残基の全体のセットが他の配列(例えば、組換え)に変わるジャン
プがある。同様に、全てのサンプリング技術に対し、サンプリングジャンプが許
されるかどうかの受入れ基準を変える。
【0067】 さらに、発明の好ましい方法は、配列のランクの順序付けされたリストになる
ことは注目すべきである;即ち、配列を幾つかの客観的な基準に基いてランク付
けする。しかしながら、ここで概略するように、非順序付け配列のセットを作る
ことは可能である。例えば、ランク付けしないで配列をリストする確率表(例え
ば、SCMF 解析または配列技術を使用して)を作成することにより可能である。
この中で概略するサンプリング技術はいずれの状況にも使用できる。
【0068】 好ましい実施態様では、ボルツマンサンプリングを行う。当分野の技術におい
てこれらにより価値を認められるはずであり、ボルツマンサンプリングに対し温
度基準を高い温度では幅広い検索が、または低い温度では局所的な最適化に近づ
く狭い検索が出来るように変える (参照、例えば、Metropolis et al., J.Chem.
Phys. 21:1087,1953)。
【0069】 好ましい実施態様では、サンプリング技術に遺伝学的アルゴリズムを利用する
。例えば、Holland により記述されているようなアルゴリズム(Adaptation in
Natural and Artifical Systems, 1975, Ann Arbor, U.Michigan Press)。遺伝
的学アルゴリズム解析は、一般的に作成された配列を取り上げ、そして「遺伝子
シャッフリング」に類似した方法で核酸組換え作業と同様コンピュータに組替え
る。遺伝的学アルゴリズム解析の「ジャンプ」は、一般的に複数位置ジャンプで
ある。そして、下に概略するように、関係付けられた複数ジャンプも行う。その
ようなジャンプは、異なった交差位置でと1つ以上の組換えで同時に起こすこと
が出来、2以上の配列の組替えを含むことが出来る。さらに、削除または挿入(
ランダムまたは偏向)を行う。そして、下に概略するように、遺伝学的アルゴリ
ズム解析を二次ライブラリィが作成された後に使用する。
【0070】 好ましい実施態様では、サンプリング技術を模擬的に試されるアニール化に利
用する。たとえば、Kirkpatrick 他により記述されているようなアニール化 [Sc
ience, 220:671-680(1983)]。模擬的に試されるアニール化は、温度を変えるこ
とにより良いまたは悪いジャンプを受け入れるための区別を変える。即ち、区別
の説得力は温度を変えることにより変化する。これは配列空間の新しい領域に対
し、高い温度での幅広い検索が出来、詳細に領域を探索するために低い温度で狭
い検索が出来る。
【0071】 そして、下に概略したように、これらのサンプリング方法をTNF-αタンパ
ク質の初めのセットから追加的セットを作成するため更なる処理に使用する。 本発明で使用される変種としてTNF-αタンパク質はTNF-α単量体を含む
【0072】 コンピュータ処理は、最適化された変種TNFタンパク質配列のセットを結果
として出す。最適化変種TNF-αタンパク質配列は、受容体親和性に重要な領
域、例えばp55やp75において野生型TNF-α配列と一般的にかなり異な
っている。好ましくは、最適化変種TNF-αタンパク質配列は、出発のまたは
野生型の配列と少なくとも約1つ、好ましくは3−5の変種アミノ酸を含む。
【0073】 そして、最も広い意味で、本発明は、野生型TNF-αのアゴニストである変
種TNF-αタンパク質に関する。ここでの「変種TNF-αタンパク質」は、少
なくとも1つのアミノ酸が対応の野生型タンパク質と相違するように記述のコン
ピュータ法を用いて、設計されたTNF-αタンパク質を意味する。
【0074】 ここでの「タンパク質」は、少なくとも二つの共有結合的に付いたアミノ酸を
意味し、タンパク質、ポリペプタイド、オリゴペプタイド、およびペプタイドを
含む。タンパク質は、天然型アミノ酸やペプタイド結合から、または一般的な合
成の方法による合成ペプタイド様構造、即ちペプトイドのような「類縁物」[Sim
on et al., Proc.Natl.Acd.Sci. U.S.A. 89 (20:9367-71(1992))からつくり得る
【0075】 そして、この中で使用される「アミノ酸」または「ペプタイド」は天然型と合
成アミノ酸両方を意味している。例えば、ホモフェニルアラニン、シツルリンお
よびネオロイシンは本発明の目的に対しアミノ酸と考える。「アミノ酸」はまた
プロリンやハイドロオキシプロリンのようなイミノ酸も含んでいる。さらに、変
種TNF-αタンパク質の成分を表すいずれのアミノ酸も反対のキラルなものを
除いて同じアミノ酸と置きかえることが出来る。L型の立体配置(化学的に実在
する構造により、RとSとして参照される)にある天然型のいずれのアミノ酸も
、同一の化学構造タイプのアミノ酸と、D型アミノ酸として一般的に参照される
反対のキラルなものを除いて、置きかえ得る。キラルなものは、その組成と化学
的立体配座により、R-またはS-として補充的に参照される。そのような誘導体
は、安定性を大きく増す性質を持ち、それに経口、静注,筋注、腹腔内注、局所
、直腸、眼球内あるいは他の経路で投与された時、生体内でより長い半減期を持
つ化合物の製剤化に有利である。好ましい実施態様で、アミノ酸は、(S)または
L型の立体配座である。もし非天然型の側鎖を使用すると、非アミノ酸置換基
を、例えば生体内での分解を防ぐためまたは遅らせるために使用し得る。非天然
型アミノ酸を含むタンパク質を合成するか、ある場合には組替え的につくり得る
(van Hest et al., FEBS Lett 428: (1-2)68-70 May 22 1998, ang et al., Ab
str.Pap Am.Chem.S 218:U138-U138 Part 2 August 22, 1999、出典明示により本
明細書の一部とする)。
【0076】 芳香族アミノ酸は、D-またはL-ナフチルアラニン、D-またはL-フェニルア
ラニン、フェニルグリシン、D-またはL-2-チエニルアラニン、D-またはL-
1-,2-または3-4-ピレネイルアラニン、D-またはL-3-チエニルアラニン
、D-またはL-(2-ピリジニル)-アラニン、D-またはL-(3-ピリジニル)-アラ
ニン、D-またはL-(2-ピラジニル)-アラニン、D-またはL-(4-イソプロピル
)-フェニルグリシン、D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン、D-(トリフ
ルオロメチル)-フェニルアラニン、D-p-フルオロフェニルアラニン、D-また
はL-p-ビフェニルフェニルアラニン、D-またはL-p-メトキシビフェニルフ
ェニルアラニン、D-またはL-2-インドール(アルキル)アラニンおよびfD-ま
たはL-アルキルアニリンである。ここでアルキルは、置換または非置換メチル
、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル
、sec-ブチル、イソペンチルである。これらはC1-C20 の非酸性アミノ酸で
ある。
【0077】 酸性アミノ酸を、負の電化を維持している間に非カルボオキシレートアミノ酸
で置換し得る。そして、それの誘導体または類縁物、例えば(ホスホノ)アラニン
、グリッシン、ロイシン、シオロイシン、トレオニン、セリン;または硫酸化(例
えば、-SO.sub.3H)トレオニン、セリン、チロシンで置換し得る。
【0078】 非天然水酸化アミノ酸を含む他の置換は、いずれかの天然アミノ酸と「アルキ
ル」を組み合わせることによりつくり得る。この中で使用されている術語「アル
キル」は、1から24の炭素原子の枝分かれまたは枝分かれしていない飽和炭化
水素基に相当する。それらは、メチル、エチル、n-プロピル、シオプロピル、
n-ブチル、、イソブチル、t-ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキ
サデシル、エイコシル、テトラシシルおよびそれらに類似するものである。アル
キルは窒素、酸素および硫黄の原子を持つヘテロアルキルを含む。この中で望ま
しいアルキル基は1から12の炭素原子を持っている。
【0079】 塩基性アミノ酸を天然型アミノ酸のいずれかの位置でアルキル基と置換し得る
。天然型のアミノ酸は、リシン、アルギニン、オルニチン、シトルリンまたは(
グアニジノ)酢酸、または他の(グアニジノ)アルキル酢酸である。「アルキル」
は上で定義している。ニトリル誘導体(例えば、COOHの場所にあるCN部分
を含む)もアスパルギンまたはグルタミンに置換する。そして、メチオニンスル
フォキシドはメチオニンに置換する。そのようなペプタイド誘導体の合成法は当
分野の技術でよく知られている。
【0080】 さらに、TNF-αポリペプタイドにあるアミド結合をケトンメチレン部分に
より置換し得る。そのような誘導体は、酵素による分解に対し安定性を増す性質
を持つことが期待される。従って、経口、静注,筋注、腹腔内注、局所、直腸、
眼球内あるいは他の経路で投与された時、生体内でより長い半減期を持つ化合物
の製剤化に有利である。
【0081】 本発明の変種TNF-αポリペプタイドアミノ酸の付加的なアミノ酸修飾は、
次ぎのものを含み得る:システニル残基をα-ハロアセテート(アミンに対応)
、例えば 2-クロロ酢酸および/またはクロロアミドと反応させ、カルボキシメ
チルまたはカルボアミドメチル誘導体を得る。システイニル残基を、同様ブロモ
トリフルオロアセトン、α-ブロモ-β-(5-イミダゾイル)プロピオン酸、N-ア
ルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド、メチル2-ピリジルジ
スルフィド、p-クロロメルキュリベンゾエート、p-クロロメルキュリ-4-ニト
ロフェノール、クロロ-7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾールとの反応
により誘導化し得る。
【0082】 ヒスチジル残基を、ジエチルプロカルボネートのような化合物と、例えば p
H5.5-7.0で反応し誘導化し得る。なぜなら、この試薬はヒスチジル側鎖に
対し比較的特殊であり、パラ-ブロモフェナクチルブロミドも使用し得る。;例
えば、その反応は0.1Mナトリウム・カルボジレート中 pH6.0でうまくい
く。
【0083】 リジニルとアミノ末端残基を、酒石酸または他のカルボン酸無水物のような化
合物と反応させ得る。これらの試薬を持つ誘導体化は、リシニル残基の電荷を逆
転させる効果を持つことが期待される。α−アミノを持つ残基を誘導化する他の
適切な反応試薬には、イミドエステルのような化合物がある。例えば、メチルピ
コリニミデート;リン酸ピリドキサール;ピリドキサールクロロボロ無水物;トリ
ニトロベンゼンスルホン酸; O-メチルイソウレア; 2,4-ペンタンジオン;グ
リオキシレートとのトランスアミナーゼ触媒反応である。
【0084】 アルギニン残基を、既知の方法の工程に従い、一つあるいは幾つかの普通の反
応試薬と反応させて修飾し得る。その試薬は、2,3-ブタンジオン、1,2-シク
ロヘキサンジオン、ニンヒドリンである。アルギニン残基の誘導体化は、反応が
グアニジン官能基の高いpKaのため、アルカリ条件中で行う必要がある。さら
に、これらの試薬はアルギニンのイプシロンアミノ基と同じリシンのその基と反
応する。
【0085】 トシル残基自体の特定の修飾は、よく知られている。それは、芳香族ジアゾニ
ウム化合物またはテトラニトロメタン、N-アセチルイミダゾールとの反応によ
りトシル残基にスペクトルラベルを導入するものである。そして、テトラニトロ
メタンはO-アセチルトシル部分と3-ニトロ誘導体をそれぞれ作るのに使用する
【0086】 カルボキシル側鎖基(アスパルチルまたはグルタミル)を、1-シクロヘキシ
ル-3-(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3-(4-
アゾニア-4,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドのようなカルボジイミド(R'
-N-C-N-R')と反応させ選択的に修飾し得る。さらに、アスパラチルおよびグ
ルタミル残基を、アンモニウムイオンと反応させてアスパラギニルおよびグルタ
ミニル残基に変換し得る。
【0087】 アスパラギニルおよびグルタミニル残基を、対応するアスパラチルおよびグル
タミル残基にしばしば脱アミド化し得る。あるいは、これらの残基を緩和な酸性
条件下で脱アミド化する。これら残基のいずれの形も本発明の範囲に入る。
【0088】 TNF-αタンパク質は多くの生物体由来であり、哺乳動物由来のTNF-αタ
ンパク質が特に望まれる。適切な哺乳動物は、げっ歯類(ラット、マウス、ハム
スター、モルモット等)、霊長類動物、飼育動物(ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、
ウマ等)を含む。しかし、限定されるものではない。最も好ましい実施態様では
、変種TNF-αタンパク質は、野生型TNF-αタンパク質と相互作用し、変種
TNF-αと野生型TNF-αを含む複合体がTNF受容体、例えばp55TNF
−Rやp75F-αと野生型TNF-αを含む複合体がTNF受容体、例えばp5
5を活性化できないものである
【0089】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質は、野生型TNF−α
6のアゴニストとして機能する変種TNF-αタンパク質である。好ましくは、
変種TNF-αタンパク質は野生型TNF-αと優先的に相互作用し、野生型TN
F-αとの混合三量体を形成する。これは受容体結合を起こさないし、および/ま
たはTNF-αシグナル伝達を開始しない。
【0090】 本明細書での混合された三量体は、野生型の単量体と変種TNF-αタンパク
質とが相互作用して三量体TNF-αを形成することを意味する。混合された三
量体は、変種TNF-αタンパク質と野生型TNF-αタンパク質が1:2または
2:1で含有する。ある実施態様において、三量体は変種TNF-αタンパク質
のみから形成され得る。
【0091】 本発明の変種TNF-αアンタゴニストタンパク質は、TNF-βアンタゴニス
ムに比してTNF-αアンタゴニスムに高い特異性をもつ。追加の特徴は、改善
された安定性、薬力学、野生型TNF-αとの高い親和性を含む。野生型TNF-
αとの高い親和性をもつ変種は、上記したようなTNF-αアンタゴニスムを示
す変種からつくることができる。
【0092】 好ましい実施態様において、変種TNF-αは野生型に比して生物学的活性の
減少を示す。限定でないが、受容体との結合の減少、活性化の減少および/また
は細胞毒活性の消失を含む。ここで「細胞毒活性」は、細胞を選択的に殺すまた
は阻害する野生型TNF-αの活性を意味する。生物学的活性が野生型TNF-α
に比して50%未満を示す変種TNF-αタンパク質が好ましい。さらに好まし
いのは、生物学的活性が25%未満を示す変種TNF-αタンパク質であり、一
層さらに好ましいのは、生物学的活性が15%未満を示す変種TNF-αタンパ
ク質であり、最も好ましいのは、生物学的活性が10%未満を示す変種TNF-
αタンパク質である。。適切な検定は、DNA 結合検定;転写検定(レポータ
コンストラクト使用;Stavridi、前出);腫瘍抑制検定(トランスフェクション
検定とセルカウンティング使用;Stavridi、前出);四量体化検定(ゲル電気泳
動検定;Mateu、前出;サイズ排除クロマトグラフィー検定および放射ラベル化
/免疫沈降法;Stavridi、前出);そして安定性検定(円偏向二色性(CD)検定
と平衡研究の使用含む;Mateu、前出);しかし、限定されるものではない。こ
れらの全ては出典明示により本明細書の一部とする。
【0093】 一つの実施態様において、変種TNF-αタンパク質の結合親和性に重要な少
なくとも一つの性質が野生型TNF-αの同じ性質に比して変わっている。特に
、受容体親和性が変わった変種TNF-αタンパク質が好ましい。特に望ましい
のは、野生型TNF-αに比してオリゴ化に対する親和性が変わった変種TNF-
αタンパク質である。
【0094】 本発明は、変種TNF-αが野生型TNF-αに優先的にオリゴマー化し、野生
型TNF-α受容体、例えばp55やp75と実質的に相互作用しないような、
変化した結合親和性を持つTNF-αタンパク質を提供する。「優先的に」は、
変種TNF-α単量体と野生型TNF-α単量体が等量与えられたときに、変種と
野生型との混合TNF-α三量体が少なくとも25%、さらに好ましくは少なく
とも50%、一層好ましくは少なくとも80−90%で得られることを意味する
。換言すると、本発明の変種TNF-αタンパク質が、野生型TNF-αに比して
野生型TNF-αに大きい親和性をもつことが好ましい。「TNF-α受容体と実
質的に相互作用しない」とは、変種TNF-αタンパク質がp55またはp75
と結合し得ないで、この受容体を活性化またはTNFシグナル伝達経路を開始し
ないことを意味する。
【0095】 上記したように、本発明は、変種TNF-αポリペプチドをコードする変種T
NF-α核酸を提供する。変種TNF-αポリペプチドは、天然型TNFポリペプ
チドの少なくとも1つの性質と実質的に異なる同種の性質を有する。変種TNF
-αポリペプチドの性質は、本発明のPDA分析の結果である。
【0096】 本明細書で使用されているポリペプタイドについて「変化した性質」または文
法的にその相当語句は、選択または見つけられうるおよび天然のタンパク質の対
応する性質と比較されうるポリペプタイドの特性または寄与を意味する。これら
の性質は、限定でないが、以下のものがある;細胞毒活性、酸化安定性、基質特
異性、基質結合または触媒活性、温度安定性、アルカリ安定性、pH 活性プロフ
ァイル、タンパク質分解に対する抵抗性、動力学的会合(Kon)と解離(K
ff)速度、タンパク質の折り畳み、免疫応答を含むものとして、細胞表面に表
現される能力、オリゴマー化する能力、シグナルを出す能力、細胞増殖を刺激す
る能力、細胞増殖を阻止する能力、アポトーシスを引き起こす能力、リン酸化ま
たはグルコシル化により修飾される能力、病気を治療する能力。
【0097】 他に特定しない限り、変種TNF-αポリペプタイドの性質を天然型TNFタ
ンパク質の性質と比較したとき、上にリストしたタンパク質のいずれにおいても
実質的な変化が、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは50%、さらに
より好ましくは2倍に増加または減少する。
【0098】 細胞毒活性は、野生型タンパク質に比して変種TNF-αタンパク質により開
始される細胞死が75%以上になることで証明する。 結合親和性の変化は、野生型TNF受容体タンパク質または野生型TNF-α
に対して結合親和性が少なくとも5%以上増加または減少することで証明する。
【0099】 酸化安定性における変化を、種々の酸化条件にさらしたとき、野生型TNF-
αの活性と比較して変種TNF-αの活性が少なくとも約20%、より望ましく
は少なくとも50%増加することにより証明する。酸化安定性は既知の手順によ
り測定する。
【0100】 アルカリ安定性における変化を、増加または減少のpH条件にさらしたとき、
野生型TNF-αの活性と比較して変種TNF-αの活性が半減期で少なくとも約
5%以上大きく増加か減少(望ましくは増加)することにより証明する。一般的
に、アルカリ安定性は既知の手順により測定する。
【0101】 温度安定性における変化を、比較的高い温度と中性pHにさらした時、野生型
TNF-αの活性と比較して変種TNF-αの活性が半減期で少なくとも約5%、
またはより大きく増加か減少(望ましくは増加)することにより証明する。一般
的に、温度安定性は既知の手順により測定した。
【0102】 同様に、変種TNF-αタンパク質を、インビボおよびインビトロ検定で実験
的に試験し、そして確認する。適切な検定は、限定されるものではないが、例え
ば、天然のTNF-αおよびp55やp75などのTNF受容体タンパク質に対
する変種TNF-αの結合親和性を、野生型TNF-αタンパク質に比して調べる
ことを含み、動力学的定数と平衡結合定数の定量的比較も含む。動力学的会合速
度(Kon)と解離速度(Koff)、そして平衡結合定数(Kd)を、文献の標準
手順に従い BIAcore社製装置により、表面プラズモン共鳴を使用して測定する[P
earce et al., Biochemistry 38:81-89(1999)]。再度、概略するように、変種T
NF-αが野生型TNF-αタンパク質との混合三量体を優先的に形成し、野生型
TNF-α受容体と実質的に相互作用しないことが好ましい。
【0103】 好ましい実施態様では、変種TNF-αタンパク質の宿主動物における抗原性
プロファイルは、宿主TNF-αの抗原性プロファイルに対し類似しており、そ
して望ましくは同等である;即ち、変種TNF-αタンパク質は免疫応答に対し
宿主生物体(例えば、患者)を充分に刺激しない;即ち、いずれの免疫応答も臨
床的には適切でなく、抗体によりアレルギー反応またはタンパクの中性化もない
。即ち、好ましい実施態様では、変種TNF-αタンパク質は、TNF-αとは付
加的または異なったエピトープを含んでいない。ここでの「エピトープ」または
「デターミナント」は抗原をつくるおよび/または結合するタンパク質の一部を
意味する。そして、ほとんどの例において、変種TNF-αタンパク質に対して
、抗体の意味のある量はつくられない。一般的に、これは表面残基を変えること
によっても、下に概略するように新しいグルコシル化が免疫応答を示すとき、グ
ルコシル化が起こる表面にあるいずれのアミノ酸残基を付加しても達成されない
【0104】 本発明の変種TNF-αタンパク質および核酸は天然の野生型TNF-αと区別
できる。「天然」または「野生型」または文法的に相当語句は、自然に見出され
るまたはアレイックな変化を含むアミノ酸配列または核酸を意味する;即ち、通
常は計画的に修飾されないアミノ酸配列または核酸配列である。従って、「非天
然」または「合成」または「組換え体」または文法的に相当語句は、天然には見
出されないアミノ酸配列または核酸配列をここでは意味する;即ち、通常は計画
的に修飾されないアミノ酸配列または核酸配列である。組換え体核酸がつくられ
、そして宿主細胞または生物体に再導入されると、それは非組換え的に転写する
と理解される。即ち、インビトロ操作よりもむしろインビボで宿主細胞の細胞装
置を使用して起こるだろう。しかしながら、そのような核酸は、一旦組換え的に
つくられると、非組換え的にその後転写されるけれども、発明の目的にはなお組
換え体と考える。天然のヒトTNF-αの代表的なアミノ酸と核酸配列を図6に
示す。他の方法で述べない限り、変種TNF-αタンパク質と変種TNF-α核酸
の全ての位置番号付けは、これらの配列に基いている。即ち、当業者には判るで
あろうように、TNF-αタンパク質と変種TNF-αタンパク質の配列を、下に
概略するように、二つのタンパク質間の「同等な」位置を同定するのに、標準的
なプログラムを使用して行うことが出来る。そして、本発明の変種TNF-αタ
ンパク質と核酸とは非天然である;即ち、それらは自然に存在しない。
【0105】 そして、好ましい実施態様では、変種TNF-αタンパク質は、野生型TNF-
α配列とは、残基の少なくとも1-5%異なるアミノ酸配列を持っている。即ち
、本発明の変種TNF-αタンパク質は、野生型TNF-αアミノ酸配列と約97
-99%以下で同じである。従って、タンパク質は、もし図6に示したアミノ酸
配列に対しタンパク質配列の全てにわたる相同性が、好ましくは約99%以下、
より好ましくは約98%以下、さらにより好ましくは約97%以下、そして最も
望ましくは95%以下である。幾つかの実施態様では、相同性は約75から80
%と同じ低さである。別の言い方をすれば、図6のヒトTNF配列に基けば、変
種TNF-αタンパク質は、少なくとも約2、3、4、5の異なる残基を持ち、
ヒトTNF-α配列と少なくとも約1つの残基を持っている。望ましい変種TN
F-αタンパク質は、1-3の異なる残基を持っている。
【0106】 本文における相同性は、配列類似性または同一性を意味し、同一性が望ましい
。当分野の技術では良く知られているように、数多くの異なるプログラムは、タ
ンパク質(または下に記述する核酸)が既知の配列に対し、同一のまたは類似の
配列を持つかどうかを同定するために使用されている。配列同一性および/また
は類似性は、当分野の技術で知られている標準の技術を使用して決定される。そ
れらは以下のものを含む。しかし、限定されるものではない。Smith & Waterman
の局所配列同一性アルゴリズム、Adv.Appl.Math., 2:482(1981)、Needleman &
Wunsch の配列同等性配列アルゴリズム、J.Mol.Biol., 48:443(1970)、Pearson
& Lipman の類似性法のための検索、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 85:2444(1988
)、これらのアルゴリズムの計算実施(GAP, BESTFIT, FASTA, TFASTA, Wisconsi
n Genetic Software Package,Genetics Computer Group, 575 Science Drive, M
adison, WI)、Devereux et al.,により記述されたBest Fit 配列プログラム、N
ucl.Acid Res.,12:387-395(1984)、デフォルトセッティングを使用すること、ま
たは点検が望ましい。パーセント同一性が次のようなパラメーターに基いてFas
tDB により計算される;ミスマッチペナルティー、1;ギャップペナルティー
、1; ギャップサイズペナルティー、0.33;ジョイニングペナルティー、30
、「Current Method in Sequence Comparison and Analysis」、Macromolecule
Sequencing and Synthesis, Selected Methods and Applications, pp 127-149(
1988),Alan R. Liss, Inc.。
【0107】 有用なアルゴリズムの例は、PILEUPである。 PILEUPは漸進的、
ペア組み合わせ配列を使用して関係する配列から複数の配列整列をつくる。それ
は配列をつくるために使用されるクラスター化の関係を示すツリーをプロットも
出来る。PILEUPはFeng & Doolittle, J.Mol.Evol. 35:351-360 (1987)の
斬新配列法の単純化を使用している;その方法はHiggins & Sharp CABIOS 5:151-
153 (1989)により記述されたものに類似している。有用なPILEUPパラメー
ターは3.00のデフォルトギャップ重み、0.10のデフォルトギャップ長さ重
みおよび重みづけられたエンドギャップを含む。
【0108】 有用なアルゴリズムの他の例は、BLASTアルゴリズムである。以下に記述
されている;Altschul et al., J.Mol.Biol. 215,403-410,(1990); Altschul et
al., Nucleic Acids Res. 25:3389-3402 (1997); および Karlin et al., Proc
.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 90:5873-5787 (1993)。特に有用なBLASTプログラ
ムは、Altshul et al., Methods in Enzymology, 266:460-480 (1996); http://
blast.wust/edu/blast/README.html]から得られた WU-BLAST-2である。
WU-BLAST-2は幾つかの検索パラメーターを使用する。そのほとんどをデ
フォルト値にセットする。調整可能なパラメーターを次の値でセットする:オー
バーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワードスレシ
ョールド(T)=11。HSP SおよびHSP S2パラメーターは動力学的値で
あり、興味ある配列を検索して行くのに特定の配列の組成と特定のデ−タベース
の構成によりプログラムそれ自身で実行する;しかしながら、それらの値は感度
を増すために調整する。
【0109】 さらに有用なアルゴリズムは、Altschul et al., Nucl.Acid Res., 25:3389-3
402 に報告されているギャップドBLASTである。ギャップドBLASTはB
LOSUM-62の置換スコアを使用する;スレショールドTパラメーターを9
にセットする;拡張子をギャップさせないトリガーに対する二点ヒット法;κの
電荷ギャップ長さ、10+κの値段;Χuを16にセット、そしてΧgを検索段階
のデータベースに対し40にセットし、アルゴリズムの出力段階でに対し67に
セットする。ギャップ化された配列は、〜22 ビットに対応するスコアにより引
き金が引かれる。
【0110】 %アミノ酸配列同等性値は、配列された領域にある「より長い」配列の残基の
総数により割られた、適合する同一の残基の数により決められる。「より長い」
配列は、配列された領域にある最も現実の残基を持っている一つである(配列ス
コアを最小にするため WU-Blast-2により導入されたギャップは無視する)
【0111】 同様な方法で、同定されたポリペプタイドのコード化する配列に関しての「パ
ーセント(%)核酸配列同等性」は、細胞周期タンパク質のコード化配列にあるヌ
クレオチドと同じである、候補配列中のヌクレオチド残基のパーセンテージとし
て定義される。望ましい方法は、オーバーラップスパンとともに、デフォルトパ
ラメータとオーバーラップフラクションをそれぞれ1と0.125にセットして
、WU-BLAST-2の BLASTNモヂュールを利用する。
【0112】 整列は、配列されるべき配列にあるギャップの導入を含む。さらに、図6の配
列によりコード付けされたタンパク質より多いか少ないアミノ酸のいずれかを含
む配列に対して、一つの実施態様では、配列同等性はアミノ酸の全体の番号に関
連付けて同等のアミノ酸の番号に基いて決められることが判る。そして、例えば
、図6に示したそれよりも短い配列の配列同等性は、以下で議論するように、一
つの実施態様では、より短い配列にあるアミノ酸の番号を使用して決められる。
パーセント同等性計算において、相対的な重みを配列変化の種々の表示、例えば
挿入、削除、置換等には割り付けない。
【0113】 一つの実施態様では、同等性にのみに正(+)をスコア付けする。そしてギャッ
プを含む配列変化の全ての形を「0」の値に帰属する。それは重みづけられたス
ケール、または配列類似性計算のため、下に記述するようなパラメータに対する
必要性を除去する。パーセント配列同等性は、例えば適合する同等な残基の数を
、配列された領域にある「より短い」配列の残基の総数で割り、そして100を
掛けて計算する。「より長い」配列は、配列された領域にある最も現実の残基を
持っている一つである。
【0114】 そして、発明の変種TNF-αタンパク質は図6Bに示したアミノ酸配列より
短いまたは長いかである。好ましい実施態様では、変種TNFタンパク質の定義
に含まれるものは、表中に示された部分または配列の断片である。変種TNF-
αタンパク質は、a)少なくとも一つの抗原性エピトープを共有し;b)少なくとも
同等の相同性を持ち;c)ここで明らかにしているような変種TNF-α生物学的
活性を望ましく持っていると、変種TNF-αタンパク質と考える。
【0115】 好ましい実施態様では、以下に詳しく概略するように、野生型TNF-αと比
較して、変種TNF-αタンパク質は、ここで概略するよりもさらに多くのアミ
ノ酸変化を含む。そして、ここで概略するように、ここで描かれた変化のいずれ
もを、付加的な新しい変種TNF-αタンパク質を形成するために何らかな方法
で組み合わせ得る。
【0116】 さらに、変種TNF-αタンパク質は、例えば、エピトープまたは精製タグの
付加により,ここで概略するように他の融合配列等の付加により、図に描かれた
それらより長いものをつくる。例えば、発明の変種TNF-αタンパク質を、治
療的タンパク質にまたはFcのような他のタンパク質に、または薬物動態的な目
的のため血清アルブミンに融合させる。参照、例えば、米国特許5,766,88
3および5,876,969(出典明示により本明細書の一部とする)。
【0117】 好ましい実施態様では、変種TNF-αタンパク質は、位置21、30、31
、32、33、35、65、66、67、111、112、115、140、1
43、144,146、147から選択された残基を含む。
【0118】 コア、表面、境界残基において可変性残基を含む変種TNF-αタンパク質も
本発明に含まれる。 各タンパク質についての好ましいアミノ酸は、ヒトTNF-α残基を含み、図
7に示す。例えば、位置143での好ましいアミノ酸は、Glu、Asn、Gl
n、Ser、Arg、Lysなどである。
【0119】 好ましい変化は次の通り:D143E、D143N、D143S、A145R
、A145K、A145E、E146K、E146R、A84V。これは個々に
または組み合せて(いかなる組み合わせも可能)行い得る。しかし、上記の様に
、好ましい実施態様では、各変種TNF-αタンパク質において少なくとも1か
ら 5、好ましくはそれ以上の位置を利用する。
【0120】 好適な一実施態様で、本発明の変種TNF-αタンパク質はヒトTNF-αの配
座体である。本明細書で「配座体」は、三次元構造のタンパク質骨格が実質的に
同じであるが、アミノ酸側鎖に有意な差を持つタンパク質を意味する。すなわち
本発明の変種TNF-αタンパク質は配座体のセットを定義するが、このセット
のタンパク質は全て同じ骨格構造を共有しているが少なくとも1-3-5%異なる
配列を持っている。変種TNF-αタンパク質の三次元骨格構造はヒトTNF-α
の三次元骨格構造に実質的に対応する。この文脈での「骨格」は非側鎖原子すな
わち:窒素、カルボニルの炭素および酸素、α-炭素、および窒素およびα−炭
素に付着している水素を意味する。タンパク質である配座体はヒトTNF-α構
造から2Å以内に骨格原子を持たなければならないと考えられ1.5Å以内が好
適であり1Å以内が特に好適である。一般にこの距離は二つの方法で決定しうる
。一実施態様では可能な各配座体を結晶化させてその三次元構造を決定する。他
には前記方法がとても面倒なので可能な各配座体の配列をPDAプログラムに付
してそれが配座体であるかどうかを決定する。
【0121】 変種TNF-αタンパク質はまた、変種TNF-α核酸にコードされることによ
って確認し得る。核酸の場合核酸配列の全般的相同性はアミノ酸の相同性と対応
するが、遺伝子コードの縮退性および様々な生物のコドン偏向を配慮する。従っ
て核酸配列相同性はタンパク質配列のものよりも低いことも高いこともあり、低
い相同性の方が好適である。
【0122】 好適な一実施態様で、変種TNF-α核酸は変種TNF-αタンパク質をコード
する。当技術分野で認められるように遺伝子コードの縮退性のために非常に大き
な数の核酸が造れるがその全てが本発明の変種TNF-αタンパク質をコードす
る。そこで特定のアミノ酸配列が確認されれば、当業者は変種TNF-αのアミ
ノ酸配列を変更しない方法で単にコドン1個以上の配列を修正することによって
異なる核酸を多数作成できる。
【0123】 一実施態様で、核酸相同性はハイブリッド形成研究によって決定する。そこで
例えば図6Aに示す核酸配列またはその相補鎖および変種TNF-αタンパク質
をコードする配列に高い緊縮度でハイブリッドを形成する核酸は、変種TNF-
α遺伝子と考える。
【0124】 高緊縮度条件は当技術分野で知られており、例えば、共に出典明示により本明
細書の一部とするManiatis et al., Molecular Cloning; A Laboratory Manual.
, 2版, 1989 および Short Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al.
編を参照。緊縮度の条件は配列依存性であって条件によって異なる。長い配列は
高温でハイブリッドを特異的に形成する。核酸のハイブリッド形成に関する詳細
な指針は Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybri
dization with Nucleic Acid Probes, "Overview of principles of hybridizat
ion and the strategy of nucleic acid assays" (1993) に見出される。一般に
緊縮条件は特定の配列に対して所定のイオン強度およびpHにおける熱的融点(
Tm)よりも約5〜10℃低く選択する。このTmは(所定のイオン強度、pH
および核酸濃度の下で)標的に相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列
とハイブリッドを形成する(標的配列が過剰に存在するので、このTmでの平衡
時にはプローブの50%が占拠される)温度である。緊縮度条件はナトリウムイ
オン約1.0M以下、典型的にはpH7.0〜8.3で塩濃度がナトリウムイオン
(または他の塩)約0.01から約1.0Mであって、温度は短いプローブ(例え
ば10から50ヌクレオチド)に対しては低くとも約30℃であり、長いプロー
ブ(例えば50ヌクレオチド以上)に対しては低くとも約60℃である。緊縮度
条件はまたホルムアミドのような不安定化剤の添加によって達成しうる。
【0125】 別の一実施態様では当技術分野で知られているように緊縮度がさらに低いハイ
ブリッド形成条件、例えば中庸なまたは低い緊縮度を使用する。Maniatis et al
.前出、Ausubel et al.前出および Tijssen 前出を参照。
【0126】 本発明による変種TNF-αタンパク質および核酸は組換え体である。本明細
書に使用する「核酸」はDNAまたはRNAのいずれか、またはデオキシリボヌ
クレオチドとリボヌクレオチドとの双方を含む分子を示す。この核酸はゲノムD
NA、cDNAおよびセンスおよびアンチセンス核酸を含むオリゴヌクレオチド
を包含する。このような核酸はまた生理学的環境下におけるその分子の安定性お
よび半減期を改善するためにリボース−リン酸骨格に修飾を含みうる。
【0127】 この核酸は二重鎖または一重鎖であるか、または二重鎖の部分と一重鎖の部分
との双方を含みうる。当技術分野で認められるように一重鎖(「Watson」)の描
写は他の鎖(「Crick」)の配列を決定する;そこで図6に示す配列はその配列
の相補鎖も含む。用語「組換え核酸」は、本明細書では一般に最初は生体外で核
酸をエンドヌクレアーゼで処理することによって天然には通常存在しない型に形
成された核酸を意味する。そこで分離した直線状の変種TNF-α核酸、または
正常には結合していないDNA分子に連結することによって試験管内で形成され
た発現ベクターは、共にこの発明の目的には組換え体であると考える。一旦組換
え核酸が作成されて宿主細胞または宿主生物に再導入されるとそれが非組換え的
に複製され、すなわち生体外操作ではなくて宿主細胞の生体内細胞機構を使用し
て複製されるけれども、その核酸は一旦組換え的に産生されたものなので非組換
え的に複製されても本発明の目的では組換え体であると考える。
【0128】 同様にして「組換えタンパク質」は組換え技術を使用して、すなわち前記組換
え核酸の発現によって作成したタンパク質である。組換えタンパク質は、天然起
源タンパク質と少なくとも1種以上の特性によって区別される。例えばそのタン
パク質は野生型宿主内では正常に混合しているタンパク質および化合物のいくつ
かまたは全部から離されて分離または精製されて実質的に純粋になっていること
もある。例えば、分離されたタンパク質は天然の状態では通常に混合している物
質の少なくともいくつかを伴っておらず、所与の試料中の全タンパク質の好まし
くは少なくとも約0.5重量%、さらに好ましくは少なくとも5重量%を構成す
る。実質的に純粋なタンパク質は全タンパク質の少なくとも約75重量%、好適
には少なくとも約80%、殊に好適には少なくとも約90%を含む。この定義に
は変種TNF-αタンパク質の様々な生物または宿主細胞の生物1種からの生産
を含む。あるいはタンパク質を増大した濃度レベルで作成するように誘導可能な
プロモーターまたは高発現プロモーターを使用することによって、そのタンパク
質は通常見られるよりも有意に高い濃度で作成できる。さらにその上、本明細書
に略述する全変種TNF-α配列はアミノ酸の置換、挿入および欠失を含むので
正常には天然には見出せない型である;この中では以下に説明するように置換が
最も好適である。
【0129】 本発明の変種TNF-αタンパク質の定義には本明細書に略述し、各図に記載
する変種TNF-α配列のアミノ酸配列変異体も含む。すなわちこの変種TNF-
αタンパク質はヒトTNF-αと比較して可変位置が追加されていてもよい。こ
の変異体は、置換変異体、挿入変異体または欠失変異体の3群の1以上に属する
。これらの変異体は通常変種TNF-αタンパク質をコードするDNAにあるヌ
クレオチドをカセット変異誘発またはPCR変異誘発またはその他の当技術分野
でよく知られている技術を用いる位置特異的変異誘発を行ってその変異体をコー
ドするDNAを産生し、その後にそのDNAを前記に略述したようにして組換え
細胞培養で発現することによって製造する。しかしながら約100〜150残基
を有する変種TNF-αタンパク質断片は確立された技術を使用して試験管内合
成によって作成しうる。アミノ酸配列変種は予め決定しておいた変種TNF-α
タンパク質アミノ酸配列の天然起源対立遺伝子または種間変化の範囲から離れて
設定した特徴である変種の性質によって特徴付けられる。この変種は典型的には
天然起源類似体と定性的に同じ生物学的活性を示すが、この変種はまた以下に詳
細に記述するように修正された特徴を有するようにも選択できる。
【0130】 変種アミノ酸配列を導入するための部位または領域は予め決定しておくが、変
異それ自体を決定しておく必要はない。例えば所定の部位における変異の効率を
最適化するために、標的コドンまたは標的領域に無作為変異誘発を行い、発現さ
れた変種TNF-αタンパク質を所望する活性の最適な組合せについて検索して
もよい。知られている配列を持つDNA内の所定の位置における置換変異を行う
ための技術はよく知られており、例えばM13プライマー変異誘発およびPCR
変異誘発がある。変異体の検索は変種TNF-αタンパク質活性についての各検
定法を用いて行う。
【0131】 アミノ酸置換は典型的には単一な残基のものである;挿入は通常は約1個から
約20個までのオーダーのアミノ酸であるが、かなり長い挿入にも耐えられる。
欠失は約1個から約20個までの範囲の残基にわたるが、場合によってはさらに
大きなものでありうる。
【0132】 置換、欠失、挿入またはその組合せを使用して最終的誘導体に到達してもよい
。一般にこのような変化はアミノ酸少数に行って分子の変化を小さくする。しか
しながら場合によってはさらに大きな変化にも耐えられる。変種TNF-αタン
パク質の特性に小さな変化を起させることを望むとき、置換は一般に次の図表に
従って行う。図表1
【表1】
【0133】 機能もしくは免疫学的同一性における実質的な変化は、図表Iに示されたもの
より保存性の低い置換を選択することによって行う。例えば、より大きく影響す
る置換を行うことができる:それらは、変化する区域のポリペプチドバックボー
ンの構造、例えばα−ヘリックス構造もしくはβ−シート構造;標的位置の分子
の電荷もしくは疎水性;または側鎖の大きさである。一般的にポリペプチドの性
質に最も大きな変化を生じると期待される置換は(a)親水性残基、例えばセリル
もしくはスレオニルを、疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニル
アラニル、バリル、もしくはアラニルに変える(もしくは、それにより)、(b)シ
ステインもしくはプロリンを他のいずれかの残基に変える(もしくは、それによ
り)、(c)正電荷を持つ側鎖、例えばリシル、アルギニル、もしくはヒスチジル
を負電荷を持つ側鎖、例えばグルタミル、アスパルチルに変える(もしくは、そ
れにより)、(d)嵩高い側鎖を持つ残基、例えばフェニルアラニンを側鎖を持た
ない残基、例えばグリシンに変える(もしくは、それにより)置換である。
【0134】 変種は典型的には元来の変種TNF-αタンパク質と定性的に同じ生物学的活
性を発揮し、同じ免疫応答を誘起する。必要に応じて変種TNF-αタンパク質
の特性を修飾するような変種もまた選択する。これに代えて、変種TNF-αタ
ンパク質の生物学的活性が変わるように変種をデザインすることができる。例え
ば、グリコシル化位置を変えたりもしくは除去したりすることができる。同様に
、生物学的機能も変えることができる;例えば、ある場合にはより強力なもしく
はより弱いTNF-α活性を持つことが望ましいであろう。
【0135】 好ましい実施態様において、本発明は、溶性p55変種TNFタンパク質およ
び核酸を含む。この実施態様において、溶性p55変種TNFタンパクは、受容
体シグナル伝達に対するアンタゴニストとして働く。「受容体シグナル伝達に対
するアンタゴニストとして働く」とは、溶性p55変種TNFタンパク質が野生
型TNF-αに優先的に相互作用し、TNF-α受容体活性化シグナル伝達を阻害
または顕著に減少せしめることを意味する。
【0136】 このように、上記のコンピュータ処理の結果を用いて、1セットの最適な変種
p55タンパク質配列をつくり得る。最適な変種p55タンパク質配列は、一般
的に野生型p55配列と少なくとも約1つの変種アミノ酸が異なっている。
【0137】 好ましい実施態様において、変種TNFp55タンパク質を、ヒトTNF受容
体結合因子(TRAF)三量体化ドメインに融合せしめる。好ましい実施態様に
おいて、最適な変種TNFp55受容体のC末端がTRAF三量体化ドメインに
融合する。
【0138】 TRAFタンパク質からTNFR分子への三量体化ドメインの融合が三量体化
を誘導して、単量体溶性TNFRよりも強いTNF-α阻害剤をつくりTNF-α
治療について高い結果をもたらす。この三量体化を用いると、いかなるタンパク
質の三量体化を誘導できる。それには、TNF-α、TNF-β、TNF受容体(
p55およびp75)およびNGF受容体を含むTNF受容体ファミリーの他の
メンバー、CD27、CD30、Cd40、fas 抗原を含む。三量体コイル化コ
イルを形成することが知られている他のペプチドも使用できる。これはpIIを含
む(Harbury, Kim and Alber, 1994)。
【0139】 TNF-αに焦点を絞って述べたが、当業者にわかるような実施態様および定
義を溶性p55変種TNFタンパク質に適用できる。
【0140】 本発明の変種TNF-αタンパク質および核酸は多数の方法でつくることがで
きる。個々の核酸およびタンパク質を技術上公知の、また以下に略述する方法で
つくることができる。あるいは、変種TNF-αタンパク質のライブラリーを試
験用につくることができる。
【0141】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質のセットまたはライブ
ラリィを、確率分布表から作製する。本明細書に概説するように、PDA、配列
整列、SCMF算といったようなフォース・フィールド(force field)計算の使
用を包含する、確率分布表を作製する様々な方法がある。さらに、確率分布は、
ライブラリィで観察される変異頻度の尺度として、各位置についての情報エント
ロピー評点の作製に使用することができる。
【0142】 この実施態様において、リスト中の可変位置の各々にある各アミノ酸残基の頻
度を同定する。頻度は限界設定することができ、ここで、カットオフより低い変
異体頻度はゼロと定める。このカットオフは、好ましくは1%、2%、5%、1
0%、20%であり、10%が特に好ましい。次いでこれらの頻度を変種TNF
-αライブラリィに組み入れる。即ち、上記のように、これらの可変位置を集め
、可能な組み合わせを全て作製するが、但し、ライブラリィを「満たす」アミノ
酸残基は頻度を基準にして利用する。したがって、頻度を基準としないライブラ
リィでは、5個の可能な残基を有する可変位置は、第一の可能な残基を伴う可変
位置を含むタンパク質の20%、第二について20%等を有する。しかしながら
、頻度に基づくライブラリィでは、10%、15%、25%、30%、20%の
頻度をそれぞれ持つ5個の可能な残基を有する可変位置は、第一の可能な残基を
伴う可変位置を含むタンパク質の10%、第二の残基では当該タンパク質の15
%、第三では25%等を有する。当業者には理解できるであろうが、実際の頻度
はそのタンパク質を実際に生成させるために用いられる方法に依存し、例えば、
当該タンパク質を合成する場合は、正確な頻度が得られるかも知れない。しかし
ながら、下に概説するように、頻度に基づくプライマー系を使用する場合、各位
置での実際の頻度は下記のように変動する。
【0143】 当業者に理解されるように、そして本明細書に概説するように、確率分布表は
様々な方法で作製することができる。本明細書に記載の方法に加えて、自己整合
的平均フィールド(SCMF)法を、確率表の直接作製に使用することができる
。SCMFは、回転異性体相互作用の平均フィールド描写を使用してエネルギー
を計算する、決定論的なコンピューター上の方法である。この方法で作製された
確率表は、本明細書に記載のライブラリィの創設に使用することができる。SC
MFは3種類の方法で使用することができる:アミノ酸および各アミノ酸につい
ての回転異性体の頻度を各位置で列挙する;確率をSCMFから直接決定する(
Delarue et al., Pac.Symp.Biocomput. 109-21(1997)、出典明示により本明細書
の一部とする)。さらに、高度可変位置および非可変位置を同定することができ
る。これとは別に、別の方法を用いて、配列間隙の探索中にどの配列が跳躍する
かを決定する;SCMFを用いてその配列についての精確なエネルギーを取得す
る;次にこのエネルギーを用いてそれを等級付け、等級順の配列リストを創る(
モンテカルロ配列リストに類似する)。次いで各位置でのアミノ酸頻度を示す確
率表をこのリストから計算することができる(Koehl et al.、J.Mol.Biol. 239:
249(1994);Koehl et al., Nat.Struc.Biol. 2:163(1995);Koehl et al., Curr
.Opin.Struct.Biol. 6:222(1996);Koehl et al.,J.Mol.Bio. 293:1183(1999);
Koehl et al., J.Mol.Biol. 293:1161(1999);Lee J.Mol.Biol. 236:918(1994)
; Vasquez Biopolymers 36:53-70 (1995);これらは全て出典明示により本明細
書の一部とする。同様の方法には、OPLS-AA (Jorgensen et al., J. Am. Chem.
Soc. (1996)、v 118、11225-11236; Jorgensen, W.L.; BOSS、4.1版; Yale Univ
ersity: New Haven、CT (1999)); OPLS (Jorgensen et al., J. Am. Chem. Soc.
(1988)、 v 110、1657ff; Jorgensen et al., J Am. Chem. Soc. (1990)、v 11
2、4768ff); UNRES (United Residue Forcefield; Liwo et al., Protein Scien
ce (1993)、v 2、1697−1714; Liwo et al., Protein Science (1993)、v 2、17
15-1731; Liwo et al.,J. Comp. Chem. (1997)、v 18、849-873; Liwo et al.,
J. Comp. Chem. (1997)、v 18、874884; Liwo et al., J. Comp. Chem. (1998)
、v 19、259276; タンパク質構造の予想のためのフォース・フィールド(Liwo et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999)、v 96、54825485); ECEPP/3 (Liwo
et al.,J Protein Chem 1994. 5 ;13(4):375-80); AMBER1.1フォース・フィー
ルド (Weiner et al., J. Am Chem. Soc. v106、765-784); AMBER 3.0フォー
ス・フィールド (U.C. Singh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82:755-75
9); CHARMMおよびCHARMM22 (Brooks et al., J. Comp. Chem. v4、187-217); cv
ff3.0 (Dauber-Osguthorpe et al.,(1988) Proteins: Structure, Function and
Genetics, v4、31-47); cff91 (Maple et al., J. Comp. Chem. v15、162-182)
が包含され; さらに、DISCOVER (cvffおよびcff91)およびAMBER forcefield が
INSIGHT分子モデリングパッケージ(Biosym/MSI、サンディエゴ、カリフォルニア
) で使用され、HARMMがQUANTA分子モデリングパッケージ(Biosym/MSI、サンディ
エゴ、カリフォルニア)で使用される。
【0144】 さらに、本明細書に概説するように、確率分布表を作製する好ましい方法は、
配列整列プログラムの使用による。また、確率表は、配列整列とコンピューター
的アプローチとの組み合わせによって取得できる。例えば、コンピューター処理
結果に相同性配列の整列で見出されたアミノ酸を加えることができる。好ましく
は、野生型アミノ酸を、もしこれがコンピューター処理で発見されなかったなら
ば、確率表に加えることができる。
【0145】 理解されるように、可変位置および/または可変位置の残基を再結合すること
によりつくられた変種TNF-αライブラリィは、等級順のリストには無いかも
知れない。幾つかの実施態様では、このリスト全体を作製し試験することができ
る。これとは別に、好ましい実施態様において、変種TNF-αライブラリィは
、順位付けリストの形態でもある。これは、実験的に作製するにはライブラリィ
の大きさが依然として大きすぎる等といった幾つかの理由のため、または予想目
的のために行う。これは幾つかの方法で実施できる。一つの実施態様では、ライ
ブラリィのメンバーを順位付けるためのPDAの採点機能を用いてこのライブラ
リィを等級付ける。別法として、統計学的方法を使用することもできる。例えば
、ライブラリィを頻度評点によって順位付けることができる;即ち、高頻度残基
の殆どを含むタンパク質をより高い順位とする等である。これは、各可変位置で
の頻度を加える、または掛けて数字による評点を作製することによって行うこと
ができる。同様にして、ライブラリィ相違位置に重みを付け、次いでタンパク質
を採点することができる;例えば、或る残基を含むものを随意に順位付けること
ができる。
【0146】 好ましい実施態様において、変種TNF-αライブラリィの異なるタンパク質
メンバーを化学合成することができる。これは、設計されたタンパク質が短い、
好ましくは150アミノ酸長未満、より好ましくは100アミノ酸未満、そして
特に好ましくは50アミノ酸未満である場合にとりわけ有用であるが、当分野で
知られるように、より長いタンパク質もまた化学的または酵素的に作製できる。
例えば、Wilken et al., Curr.Opin.Biotechnol. 9:412-26(1998)を参照(出典明
示により本明細書の一部とする) 。
【0147】 好ましい実施態様において、特に、より長いタンパク質または大きな試料が望
まれるタンパク質のためには、このライブラリィ配列を使用して、当該メンバー
の配列をコードしているDNAのような核酸を作り出し、次いでこれを宿主細胞
中にクローニングし、発現し、所望により検定できる。したがって、各メンバー
タンパク質配列をコードしている核酸、特にDNAを作製することができる。こ
れはよく知られる方法を用いて実施する。コドン、適切な発現ベクターおよび適
切な宿主細胞の選択は、幾つかの因子に応じて変わり、必要に応じて容易に最適
化できる。
【0148】 好ましい実施態様において、図面に概略を示したように、プールされたオリゴ
ヌクレオチドを用いた複数のPCR反応を実施する。この実施態様では、全長遺
伝子に対応する部分重複オリゴヌクレオチドを合成する。また、これらのオリゴ
ヌクレオチドは各可変位置にある異なるアミノ酸の全て、またはサブセットを表
し得る。
【0149】 好ましい実施態様において、これらのオリゴヌクレオチドを等しい割合でプー
ルし、複数のPCR反応を実施して、当該ライブラリィにより定義される変異の
組み合わせを含む全長配列を作製する。加えて、これは、誤りがちなPCR法を
用いて行うことができる。
【0150】 好ましい実施態様において、異なるオリゴヌクレオチドを確率分布表に対応す
る相対量で添加する。したがって、多数のPCR反応は、変異の所望の組み合わ
せを所望の比率で有する全長配列をつくる。
【0151】 必要とされるオリゴヌクレオチドの総数は、変異を受ける位置の数およびこれ
らの位置で考えられる変異の数の関数である: (定常位置のためのオリゴの数)+ M1+M2+M3+....Mn=(必要なオリゴの総
数) [式中、Mnは、配列中の位置nにおいて考えられる変異の数である]
【0152】 好ましい実施態様において、部分重複している各オリゴヌクレオチドは、変化
する位置をただ1個含んでおり;別の実施態様においては、変種の位置が近づき
すぎていて、そうなることができず、全ての可能性の完全な再組み合わせを可能
にするためにはオリゴヌクレオチド当たり多数の変種を使用する。即ち、各オリ
ゴは、変異を受ける1個の位置のためのコドンを含むことができ、または1以上
の位置が変異する。変異を受ける複数の位置は、そのオリゴの長さが実用不能と
なることを防ぐため、配列中で接近していなければならない。オリゴヌクレオチ
ド上の多数の変異位置について、変異の特定の組み合わせを、その組み合わせを
コードしているオリゴヌクレオチドを含める、または排除することにより、ライ
ブラリィに含める、またはライブラリィから排除することができる。例えば、本
明細書で述べるように、可変領域間には相関があるかも知れない;即ち、位置X
が或る残基であるとき、位置Yは特定の残基でなければならない(またはそうで
あってはならない)。可変位置のこれらの組は、時には「クラスター」と呼ぶ。
クラスターが、接近した残基を含み、したがって1個のオリゴヌクレオチドプラ
イマー上に存在するとき、このクラスターは「良好な」相関関係に設定でき、ラ
イブラリィの有効性を低減させ得る劣悪な組み合わせを排除する。しかしながら
、クラスターの残基が配列内で遠く離れ、したがって合成のための異なるオリゴ
ヌクレオチド上に存在する場合は、その残基を「良好な」相関関係に設定するか
、またはそれらを可変残基として全体を排除することが望ましい。
【0153】 これに代わる実施態様では、ライブラリィは幾つかの工程で作製でき、その結
果、クラスターの変異は一諸に現れるだけである。この方法、即ち変異クラスタ
ーを同定し、且つそれらを同一オリゴヌクレオチド上に位置させるか、もしくは
それらをライブラリィから排除するかのいずれかを行う方法、または、クラスタ
ーを温存する幾つかの工程でライブラリィを作製する方法は、適正に折り畳まれ
たタンパク質を伴う実験的ライブラリィの価値をかなり高めることができる。ク
ラスターの同定は、幾つかの方法、例えば既知のパターン認識法、変異の出現頻
度の比較、または実験的に生成される配列のエネルギー解析を使用することによ
って実施できる(例えば、相互作用のエネルギーが高い場合、その位置は相関し
ている)。これらの相関関係は、位置相関(例えば、可変位置1および2は常に
一諸に変化するか、または決して一諸に変化しない)または配列相関(例えば、
1位に残基Aがあるならば、2位には常に残基Bがある)であってよい。生体分
子データにおけるパターンの発見:手段、技術、および適用;Jason T.L. Wang,
Bruce A. Shapiro, Dennis Shasha編、ニューヨーク: Oxford University、199
9; Andrews, Harry C. パターン認識における数学技術入門; ニューヨーク、Wil
ey-lnterscience [1972]; パターン認識の適用; K.S. Fu.編、Boca Raton, Fla.
CRC Press, 1982; パターン認識のための遺伝子アルゴリズム、Sankar K. Pal
、Paul P. Wang.編、Boca Raton: CRC Press, c1996; Pandya, Abhijit S., C++
における神経ネットワークによるパターン認識/ Abhijit S. Pandya、Robert B.
Macy、Boca Raton、Fla.: CRC Press, 1996; パターン認識およびコンピュータ
ー観察のハンドブック/ C.H. Chen、L.F. Pau、P.S.P. Wang編、第2版、シンガ
ポール; リヴァーエッジ、N.J.: World Scientific, c1999; Friedman, パター
ン認識入門:統計学的、構造的、神経学的およびファジー論理学的アプローチ;
リヴァーエッジ、N.J.: World Scientific, c1999, シリーズ標題:機械認知お
よび人工知能におけるシリーズ; 32巻; を参照(全て出典明示により本明細書の
一部とする)。さらに、コンセンサスモチーフの探索に使用するプログラムもま
た同様に使用できる。
【0154】 さらに、オリゴヌクレオチドの設計を変更することにより;即ち、オリゴヌク
レオチド(プライマー)が開始および停止する場所(例えば、配列が「切断」さ
れる場所)を決定することにより、相関関係およびシャフリングを固定または最
適化することができる。オリゴの開始および停止位置は、1個のオリゴヌクレオ
チド中に現れるクラスターの数を最大にするよう設定でき、それによりライブラ
リィに高評点配列が多くなる。異なるオリゴヌクレオチド開始および停止位置の
選択肢は、コンピューター処理により設計でき、1個のオリゴ上に現れるクラス
ターの数、または予想された配列ライブラリィに一致する、得られた配列のパー
センテージにしたがって等級付けることができる。
【0155】 多数の変異可能な位置が1個のオリゴヌクレオチドによりコードされている場
合には、必要なオリゴヌクレオチドの総数は増加する。アニーリングされた領域
は、不変のままである領域、即ちレファレンス配列の配列を有する領域である。
【0156】 コドンが挿入または除去されているオリゴヌクレオチドを用いて異なる長さの
タンパク質を発現するライブラリィを作り出すことができる。特定のコンピュー
ター上の配列においては、挿入または除去のためのスクリーニングは、異なる長
さのタンパク質を規定する二次ライブラリィを産み、これは異なる長さを有する
プールされたオリゴヌクレオチドのライブラリィによって発現され得る。
【0157】 好ましい実施態様において、変種TNF-αライブラリィは、このファミリー
(例えば、一組の変異体)をシャフリングすることによって実施する;即ち、最
上級の配列(等級順のリストを使用する場合)の何らかの組を、誤りがちなPC
Rを使用して、または使用せずにシャフリングすることができる。この文脈にお
ける「シャフリング」とは、一般に無作為なやり方での、関連配列の組換えを意
味する。これは、米国特許5,830,721、5,811,238、5,605,7
93、5,837,458およびPCT/US/19256 に定義され且つ例示さ
れている「シャフリング」を包含し、これらは全て出典明示によりその全体を本
明細書の一部とする。この配列の組は、人工的な組、例えば確率表由来のもの(
例えば、SCMFを使用して作製されたもの)またはモンテカルロの組であって
もよい。同様に、「ファミリー」は、最上級の10および最下級の10配列、最
上級の100配列等であってよい。これもまた誤りがちなPCRを用いて行うこ
とができる。
【0158】 したがって、好ましい実施態様では、本明細書に記載のコンピューター処理法
を用いてin silicoシャフリングを行うことができる。即ち、二つのライブラリ
ィまたは二つの配列から開始して、配列の無作為組換えを作製し、評価すること
ができる。
【0159】 好ましい実施態様において、変種TNF-αライブラリィを作製するために、
誤りがちなPCRを行う。米国特許5,605,793、5,811,238、5,
830,721 を参照(これらは全て出典明示により本明細書の一部とする)。
これは、ライブラリィの最適配列もしくは最上級メンバー、またはその他の何ら
かの人工的組もしくはファミリーについて実施することができる。この実施態様
では、一次ライブラリィのコンピュータースクリーニングで見出された最適配列
のための遺伝子を合成することができる。次いで、そのライブラリィの可変位置
にある変異をコードしているオリゴヌクレオチドの存在下に、最適配列の遺伝子
上で誤りがちなPCRを実施する。オリゴヌクレオチドの付加は、該ライブラリ
ィ中に変異を組み込むのに好都合な偏向を産むであろう。これとは別に、或る変
異のための唯一のオリゴヌクレオチドを、該ライブラリィを偏向させるために使
用できる。
【0160】 好ましい実施態様において、誤りがちなPCRによる遺伝子シャフリングを、
偏向オリゴヌクレオチドの存在下に、最適配列の遺伝子上で実施し、変種TNF
-αライブラリィ中に見出される変異の比率を反映するDNA配列ライブラリィ
を作り出すことができる。偏向オリゴヌクレオチドの選択は様々な方法で行われ
る;これらは、その頻度の偏向に基づいて選択、即ち、高頻度変異位置をコード
しているオリゴヌクレオチドを使用することができ;これとは別に、最も変化し
易い位置を含むオリゴヌクレオチドを使用して多様性を増大させることもできる
;二次ライブラリィを等級付ける場合、幾つかの最上級評点の位置を使用して偏
向オリゴヌクレオチドを作製することができ;無作為な位置を選択することがで
き;最上級評点を幾つかと最下級評点を幾つか選択することができる等である。
重要なことは、好ましい可変位置および配列に基づく新たな配列を作製すること
である。
【0161】 好ましい実施態様において、図面に模式的に示すように、野生型遺伝子または
その他の遺伝子を用いるPCRを使用することができる。この実施態様では、開
始遺伝子を使用する;一般にこの遺伝子は、通常、野生型遺伝子であるが、これ
が必要である訳ではない。幾つかの場合には、これは、包括的最適化配列をコー
ドしている遺伝子、または当該リストのその他の配列、または、例えば異なる生
物由来の相同性配列を整列することで得られるコンセンサス配列であってよい。
この実施態様では、変種位置に対応し、ライブラリィ中の異なるアミノ酸を含む
オリゴヌクレオチドを使用する。当分野で知られるように、末端にPCRプライ
マーを使用するPCRを行う。これには二つの利点がある;第一は、一般にこれ
は、より少ないオリゴヌクレオチドを必要とし、且つより少ない誤りがもたらさ
れる。加えて、野生型遺伝子を使用する場合、合成する必要が無いという点で、
実験上の有利性がある。
【0162】 さらに、図面に例示するように、使用できるその他幾つかの技術がある。好ま
しい実施態様において、PCR産物の結合反応を実施する。
【0163】 好ましい実施態様において、様々な追加工程を変種TNF-αライブラリィに
対して実施することができる;例えば、さらなるコンピューター処理が発生し得
、異なる変種TNF-αライブラリィを再結合でき、または異なるライブラリィ
からのカットオフを併用できる。好ましい実施態様において、変種TNF-αラ
イブラリィをコンピューターによって再操作して、さらなる変種TNF-αライ
ブラリィを作製することができる(時には本明細書中で「三次ライブラリィ」と
称する)。例えば、任意の変種TNF-αライブラリィ配列を、第一ライブラリ
ィ中の変化した位置の幾つかまたは全てを凍結または固定することにより、2巡
目のPDA用に選択できる。別法として、最後の確率分布表に見られる変化のみ
を許容する。別法として、確率表の緊縮度を、包含のカットオフを増大または低
下させることにより、変化させることができる。同様にして、変種TNF-αラ
イブラリィを第一巡の後に実験的に再結合できる;例えば、第一スクリーニング
由来の最良の遺伝子(群)を選択し、遺伝子の組み立てを再度実施できる(下に
概説する技術、複数のPCR、誤りがちなPCR、シャフリング、等)。別法と
して、1以上の良好な遺伝子(群)由来の断片を、幾つかの位置で確率を変化さ
せる。このことは、コンピューターによる実験的なスクリーニングの1巡目に見
出される配列間隙の領域についての探索を偏向させる。
【0164】 好ましい実施態様において、異なる変種TNF-αライブラリィを合すること
により三次ライブラリィを作製できる。例えば、第一の変種TNF-αライブラ
リィ由来の確率分布表を作製し、本明細書に概説するようにコンピューター処理
により、または実験的に再結合できる。PDA変種TNF-αライブラリィを配
列整列変種TNF-αライブラリィと合し、そして再結合(これもまたコンピュ
ーター処理により、または実験的に)するか、または各々由来のカットオフを合
するだけで、新たな三次ライブラリィを作製できる。幾つかのライブラリィ由来
の最上級配列を再結合できる。ライブラリィの最上部由来の配列を該ライブラリ
ィの最下部由来の配列と合して、試料の配列間隙をより広くするか、または、該
ライブラリィの最上部から遠い配列のみを合することができる。或るタンパク質
の異なる部分を分析した変種TNF-αライブラリィを合して、このタンパク質
の合した部分を処理する三次ライブラリィとすることができる。
【0165】 好ましい実施態様において、変種TNF-αライブラリィ中の相関を用いて三
次ライブラリィを作製できる。即ち、第一の可変位置の残基を、第二の可変位置
の残基と相関させることができる(または、さらなる位置の残基と、同様に相関
させる)。例えば、第一の残基がXであるならば、第二の残基はYでなければな
らないといったように、2個の可変位置を立体的または静電的に相互作用させる
ことができる。これは、正または負の相関であってよい。
【0166】 変種TNF-αタンパク質をコードしている本発明に係る核酸を使用して、様
々な発現ベクターを作製する。この発現ベクターは、自己複製する染色体外ベク
ター、または宿主ゲノム中に組み込まれるベクターであってよい。一般に、これ
らの発現ベクターは、変種TNF-αタンパク質をコードしている核酸に操作可
能的に連結した、転写および翻訳調節核酸を包含する。「制御配列」という語は
、特定の宿主生物中の操作可能的に連結したコード化配列の発現に必要なDNA
配列を指す。原核生物にとって好適な制御配列は、例えばプロモーター、所望に
よりオペレーター配列、およびリボソーム結合位置を包含する。真核細胞は、プ
ロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサーを利用することが知
られている。
【0167】 核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれたとき、「操作可能的に連結して
」いる。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、これがポリペ
プチドの分泌に参加するプレタンパク質として発現される場合、そのポリペプチ
ドのためのDNAに操作可能的に連結している;プロモーターまたはエンハンサ
ーは、これがコード化配列の転写に影響を及ぼすならば、その配列に操作可能的
に連結している;または、リボソーム結合位置は、これが翻訳を促進するように
配置されているならば、コード化配列に操作可能的に連結している。
【0168】 好ましい実施態様において、内因性分泌配列が天然に存在するタンパク質また
は変種TNF-αタンパク質の低レベル分泌を導く場合、この天然に存在する分
泌リーダー配列を置換することが望ましい。この実施態様では、関連のない分泌
リーダー配列が変種TNF-αコード化核酸に操作可能的に連結し、タンパク質
分泌の増加を導いている。したがって、TNF-αの分泌およびその分泌配列と
比較したとき、変種TNF-αタンパク質の分泌増強をもたらす任意の分泌リー
ダー配列が望ましい。タンパク質の分泌を導く好適な分泌リーダー配列は当分野
で知られている。
【0169】 別の好ましい実施態様において、天然に存在するタンパク質の分泌リーダー配
列またはタンパク質を当分野で既知の技術によって除去し、その後発現させると
、組換えタンパク質の細胞内蓄積がもたらされる。
【0170】 一般に、「操作可能的に連結」とは、連結しているDNA配列が連続しており
、そして、分泌リーダーの場合には、連続し且つ読み取り相にあることを意味す
る。しかしながら、エンハンサーは連続している必要がない。連結は、都合の良
い制限部位での結合反応によって達成する。係る部位が存在しない場合、常套技
術に従い、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを使用する。融合
タンパク質の発現に用いられる宿主細胞には、転写および翻訳の調節核酸が一般
に適当である;例えば、Bacillusでの融合タンパク質の発現には、Bacillus由
来の転写および翻訳調節核酸配列を好ましく使用する。多くのタイプの適当な発
現ベクター、および適当な制御配列が、様々な宿主細胞のために当分野で知られ
ている。
【0171】 一般に、転写および翻訳の制御配列には、プロモーター配列、リボソーム結合
位置、転写開始および停止配列、翻訳開始および停止配列、ならびにエンハンサ
ーまたはアクチべーター配列が包含されるが、これらに限定される訳ではない。
好ましい実施態様において、制御配列は、プロモーターならびに転写開始および
停止配列を包含する。
【0172】 プロモーター配列は、構成的または誘導的プロモーターのいずれかをコードし
ている。プロモーターは天然に存在するプロモーターまたはハイブリッドプロモ
ーターのいずれかとすることができる。2以上のプロモーターの要素を合してい
るハイブリッドプロモーターもまた当分野で知られており、且つ本発明において
有用である。好ましい実施態様において、プロモーターは、とりわけTet調節要
素と組み合わせて、細胞、特に哺乳動物細胞での高度発現を可能にする強力なプ
ロモーター、例えばCMVプロモーターである。
【0173】 加えて、発現ベクターはさらなる要素を含んでいてよい。例えば、発現ベクタ
ーは二つの複製系を持っており、したがってこれを二つの生物、例えば発現のた
めの哺乳動物または昆虫細胞内で、そしてクローニングおよび増幅のための原核
生物宿主内で維持できる。さらに、発現ベクターを組み込むため、この発現ベク
ターは、宿主細胞ゲノムに対し相同性な少なくとも1個の配列、および、好まし
くは該発現組み立て物に隣接する2個の相同性配列を含んでいる。この組み込み
ベクターは、ベクター内への包含に適する相同性配列を選択することにより、宿
主細胞内の特異的な座をめざすことができる。ベクターを組み込むための組み立
て物は当分野でよく知られている。
【0174】 加えて、好ましい実施態様において、発現ベクターは、形質転換された宿主細
胞の選択を可能にする選択マーカーを含んでいる。選択遺伝子は当分野でよく知
られており、使用する宿主細胞によって変わる。
【0175】 好ましい発現ベクター系は、PCT/US97/01019およびPCT/US
97/01048に一般的な記載のあるレトロウイルスベクター系であり、これ
らは共に出典明示により本明細書の一部とする。
【0176】 好ましい実施態様において、発現ベクターは上記の構成成分および変種TNF
-αタンパク質をコードしている遺伝子を含んでいる。当業者には理解できるで
あろうが、全ての組み合わせが可能であり、したがって、本明細書で用いるよう
に、レトロウイルスであってもそうでなくてもよい1以上のベクターより成る構
成成分の組み合わせを、本明細書中では「ベクター組成物」と称する。
【0177】 変種TNF-α核酸は、単独でまたは発現ベクターと組み合わせて細胞内に導
入する。本明細書中、「導入する」または文法上の等価表現は、当該核酸が、そ
の核酸のその後の発現にとって好適な方法で細胞に入ることを意味する。導入の
方法は、下に論ずるような標的となる細胞タイプによってほぼ規定される。方法
の例は、CaPO4沈殿、リポソーム融合、リポフェクチン(登録商標)、電気穿
孔、ウイルス感染等を包含する。変種TNF-α核酸は、宿主細胞のゲノム中に
安定に統合され(例えば下に概説するレトロウイルス導入によって)、または、
細胞質中に一時的にまたは安定に存在することができる(即ち、常套的なプラス
ミドの使用により、標準的制御配列、選択マーカーの利用により、等)。
【0178】 本発明に係る変種TNF-αタンパク質は、変種TNF-αタンパク質をコード
している核酸を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、変種TNF-α
タンパク質の発現を誘導または惹起するのに適当な条件下で培養することによっ
て産生させる。変種TNF-αタンパク質の発現にとって適当な条件は、発現ベ
クターおよび宿主細胞の選択によって変わり、通常の実験によって当業者により
容易に確認できるであろう。例えば、発現ベクター中の構成的プロモーターは、
宿主細胞の生長および増殖の最適化を必要とし、また、誘導的プロモーターの使
用は、誘導のための適当な生長条件を必要とする。さらに、幾つかの実施態様に
おいては、収穫のタイミングが重要である。例えば、昆虫細胞発現で用いられる
バキュロウイルス系は溶解性ウイルスであり、したがって収穫時期の選択が、生
成物の収量にとって決定的となり得る。
【0179】 適当な宿主細胞は、酵母、細菌、古細菌、真菌、ならびに昆虫、および哺乳動
物細胞を包含する動物細胞を包含する。特に興味深いものは、Drosophila mela
ngaster細胞、Saccharomyces cerevisiaeおよびその他の酵母類、E.coli、Ba
cillus subtilis、SF9細胞、C129細胞、293細胞、Neurospora、BH
K、CHO、COS、Pichia Pastoris等である。
【0180】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質を哺乳動物細胞で発現
する。哺乳動物発現系もまた当分野で知られており、レトロウイルス系を包含す
る。哺乳動物プロモーターは、哺乳動物RNAポリメラーゼに結合することがで
き、そして融合タンパク質のコード化配列の、mRNAへの下流(3')転写を開
始させることのできる、任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コー
ド化配列の5'末端に近接して位置する転写開始領域、および、この転写開始位
置の上流に位置する25-30塩基対を使用するTATAボックスを有する。こ
のTATAボックスは、RNAポリメラーゼIIに、正しい位置でのRNA合成の
開始を指令すると思われる。哺乳動物プロモーターはさらに、典型的にはTAT
Aボックスの上流100ないし200塩基対以内に位置する上流プロモーター要
素(エンハンサー要素)を含むであろう。上流プロモーター要素は、転写が開始
される速度を決定し、いずれの方向にも作用することができる。哺乳動物ウイル
ス遺伝子はしばしば高度に発現され、且つ広範な宿主範囲を有するため、哺乳動
物ウイルス遺伝子由来のプロモーターは哺乳動物プロモーターとして特に有用で
ある。例として、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモ
ーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモー
ター、およびCMVプロモーターが挙げられる。
【0181】 典型的には、哺乳動物細胞により認識される転写終結およびポリアデニル化配
列は、翻訳停止コドンの3'に位置する調節領域であり、したがって、プロモー
ター要素と共にコード化配列に隣接している。成熟 mRNAの3'末端を、位置
特異的翻訳後開裂およびポリアデニル化によって形成させる。転写ターミネータ
ーおよびポリアデニル化シグナルの例は、SV40から誘導されるものを包含す
る。
【0182】 哺乳動物宿主に外因性核酸を導入する方法は、その他の宿主と同様当分野でよ
く知られており、使用される宿主細胞によって変わる。方法には、デキストラン
仲介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン仲介トランスフ
ェクション、プロトプラスト融合、電気穿孔、ウイルス感染、リポソーム内への
ポリヌクレオチドのカプセル化、および核内へのDNAの直接的マイクロ注入が
挙げられる。本明細書に概説するように、特に好ましい方法は、PCT US97/01019
(出典明示により本明細書の一部とする)に概説されるレトロウイルス感染を利
用するものである。
【0183】 当業者には理解できるであろうが、本発明に使用される哺乳動物細胞の型は極
めて多様である。基本的に任意の哺乳動物細胞を使用することができ、マウス、
ラット、霊長類およびヒトの細胞が特に好ましいが、当業者には理解できるよう
に、偽タイピングによる系の修飾により、全ての真核細胞、好ましくは高等真核
生物を使用することができる。以下により詳細に記載するように、細胞が生物学
的活性ペプチドの存在下で選択可能な表現型を表すよう、スクリーニングが設定
されるであろう。以下により詳細に記載するように、細胞内に或るペプチドが存
在する結果として変化した表現型を表す細胞を選択できるよう、適切なスクリー
ニングを設定できる限り、多岐にわたる疾病状態に関わる細胞型がとりわけ有用
である。
【0184】 したがって、好適な細胞型は、全ての型の腫瘍細胞(特に黒色腫、骨髄性白血
病、肺、乳房、卵巣、大腸、腎臓、前立腺、膵臓および精巣の癌腫)、心筋細胞
、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球(T細胞およびB細胞)、肥満細胞、好酸球、
血管内膜細胞、肝細胞、単核白血球を包含する白血球、幹細胞、例えば造血、神
経、皮膚、肺、腎臓、肝臓および筋細胞幹細胞(分化および退化因子のスクリー
ニングに使用するため)、破骨細胞、軟骨細胞およびその他の結合組織細胞、ケ
ラチノサイト、メラノサイト、肝臓細胞、腎臓細胞、および脂肪細胞を包含する
が、これらに限定される訳ではない。好適な細胞はさらに、Jurkat T細胞、N
IH3T3細胞、CHO、Cos等を包含する既知の研究用細胞を包含するが、
これらに限定されない。ATCCセルラインカタログ(出典明示により本明細書
の一部とする)を参照。
【0185】 一つの実施態様において、細胞は、さらに遺伝学的に操作してよく、即ち、変
種TNF-α核酸以外の外因性核酸を含んでいてよい。 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質を細菌系で発現させる
。細菌発現系は当分野でよく知られている。
【0186】 好適な細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合でき、且つ変種T
NF-αタンパク質のコード化配列の、mRNAへの下流(3')転写を開始するこ
とができる任意の核酸配列である。細菌プロモーターは、コード化配列の5'末
端の近傍に通常位置する転写開始領域を持っている。この転写開始領域は、典型
的にはRNAポリメラーゼ結合位置および転写開始位置を含んでいる。代謝経路
酵素をコードしている配列は、とりわけ有用なプロモーター配列を提供する。例
として、ガラクトース、乳糖およびマルトースといった糖代謝酵素から誘導され
るプロモーター配列、ならびにトリプトファンのような生合成酵素から誘導され
る配列が挙げられる。バクテリオファージ由来のプロモーターもまた使用でき、
当分野で知られている。加えて、合成プロモーターおよびハイブリッドプロモー
ターもまた有用である;例えば、tac プロモーターは trp および lac プロモー
ター配列のハイブリッドである。さらに、細菌プロモーターは、細菌RNAポリ
メラーゼに結合し転写を開始させる能力を有する非細菌起源の天然に存在するプ
ロモーターを包含する。
【0187】 機能的なプロモーター配列に加えて、有効なリボソーム結合位置が望ましい。
E.coli においては、このリボソーム結合位置は Shine-Dalgarno(SD)配列と
呼ばれ、開始コドンと、この開始コドンの3-11ヌクレオチド上流に位置する
3-9ヌクレオチド長の配列を含んでいる。
【0188】 発現ベクターはさらに、細菌において変種TNF-αタンパク質の分泌をさせ
るシグナルペプチド配列を含んでいる。シグナル配列は、典型的には、当分野で
よく知られているように、タンパク質の、細胞からの分泌を指令する疎水性アミ
ノ酸から成るシグナルペプチドをコードしている。タンパク質は、生長培地中に
分泌される(グラム陽性細菌)か、または、細胞の外膜と内膜の間に位置するペ
リプラズム間隙中に分泌される(グラム陰性細菌)。細菌での発現のためには、通
常、変種TNF-αコード化核酸と操作可能的に連結している細菌分泌リーダー
配列が好ましい。
【0189】 細菌発現ベクターはさらに、形質転換された細菌菌株の選択を可能にする選択
マーカー遺伝子を含んでいる。好適な選択遺伝子は、細菌を、アンピシリン、ク
ロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテ
トラサイクリンといった薬物に対して耐性とする遺伝子を包含する。選択マーカ
ーはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生
合成経路中の生合成遺伝子を包含する。
【0190】 これらの構成成分を組み立てて発現ベクターとする。細菌のための発現ベクタ
ーは当分野でよく知られており、なかでもBacillus subtilis、E.coli、Stre
ptococcus cremoris、Streptococcus lividansのためのベクターを包含する。
【0191】 細菌発現ベクターは、当分野でよく知られる技術、例えば塩化カルシウム処理
、電気穿孔等を用いて細菌宿主細胞中に導入する。
【0192】 一つの実施態様において、変種TNF-αタンパク質を昆虫細胞でつくる。昆
虫細胞の形質転換用発現ベクター、特にバキュロウイルスに基づく発現ベクター
は当分野でよく知られている。
【0193】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質を酵母細胞でつくる。
酵母発現系は当分野でよく知られており、Saccharomyces cerevisiae、Candid
a albicans およびC.maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragi
lis およびK.lactis、Pichia guillerimondii および P.pastoris、Schizos
accharomyces pombe、およびYarrowia lipolyticaのための発現ベクターを包含
する。酵母での発現のための好ましいプロモーター配列は、誘導的GAL1,1
0プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、グルコキナーゼ、
グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセラートム
ターゼ、ピルビン酸キナーゼ、および酸ホスファターゼ遺伝子由来のプロモータ
ーを包含する。酵母選択マーカーは、ADE2、HIS4、LEU2、TRP1
、ALG7(ツニカマイシンに対する耐性を付与する)、ネオマイシンホスホトラ
ンスフェラーゼ遺伝子(G418に対する耐性を付与する)、およびCUP1遺
伝子(酵母を銅イオンの存在下で生長させる)を包含する。
【0194】 加えて、本発明に係る変種TNF-αポリペプチドは、例えば発現を増大させ
るため、またはタンパク質を安定化するために、所望によりさらに他のタンパク
質と融合させることができる。
【0195】 一つの実施態様において、本発明に係る変種TNF-α核酸、タンパク質およ
び抗体は、その骨格以外の標識を用いて標識する。本明細書において「標識する
」とは、或る化合物が、その化合物の検出を可能にするために結合させた少なく
とも一つの元素、アイソトープまたは化学化合物を有することを意味する。一般
に、標識は3つのクラスに分類できる:a) アイソトープ標識。これは放射性ま
たは重アイソトープであってよい;b) 免疫標識。これは抗体または抗原であっ
てよい;そしてc) 着色または蛍光色素。標識はいかなる位置で化合物に組み込
んでもよい。
【0196】 いったん製造されると、変種TNF-αタンパク質は共有結合により修飾する
ことができる。したがって当該タンパク質の共有結合的および非共有結合的修飾
は、本発明の範囲内にある。このような修飾は、標的とされる該ポリペプチドの
アミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応できる有機誘導体化試薬
と反応させることにより、変種TNF-αポリペプチド中に導入することができ
る。
【0197】 共有結合による修飾の一つの型は、変種TNF-αポリペプチドの標的アミノ
酸残基を、変種TNF-αポリペプチドの選択された側鎖またはNもしくはC末
端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることを包含する。例えば、後
により詳細に記載するように、抗変種TNF-α抗体を精製するまたはスクリー
ニングする検定の方法で使用するための、水不溶性支持体マトリックスまたは表
面に、変種TNF-αタンパク質を架橋するには、二官能性試薬による誘導体化
が有用である。一般的に使用される架橋試薬は、例えば1,1-ビス(ジアゾアセ
チル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミド
エステル類、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、ジスクシンイミジルエ
ステル類、例えば3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)を包含
するホモ二官能性イミドエステル類、二官能性マレイミド類、例えばビス-N-マ
レイミド-1,8-オクタンならびにメチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロ
ピオイミダートのような試薬を包含する。
【0198】 その他の修飾には、それぞれ対応するグルタミルおよびアスパルチル残基への
、グルタミニルおよびアスパラギニル残基の脱アミド化、プロリンおよびリジン
のヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、
リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のアミノ基のメチル化[T.E.Creight
on、タンパク質:構造および分子の性質、W.H.Freeman & Co.、サンフランシス
コ、79-86(1983)]、N末端アミンのアセチル化、ならびに任意のC末端カルボキ
シル基のアミド化を包含する。
【0199】 本発明の範囲内に包含される変種TNF-αポリペプチドの共有結合的修飾の
他の型は、該ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含むものである
。「天然グルコシル化パターンの変更」とは、本発明の目的のために、天然配列
変種TNF-αポリペプチドに見出される1以上の炭水化物部分を除去し、およ
び/または天然配列変種TNF-αポリペプチドに存在しない1以上のグリコシ
ル化位置を付加することを意味する。
【0200】 変種TNF-αポリペプチドへのグリコシル化位置の付加は、そのアミノ酸配
列を変化させることによって達成できる。この変更は、例えば、天然配列変種T
NF-αポリペプチドに対して1以上のセリンまたはトレオニン残基を付加、ま
たは置換することによってなす事ができる(O-結合グリコシル化位置に対し)。
変種TNF-αアミノ酸配列は所望により、特に、変種TNF-αポリペプチドを
コードしているDNAを、前もって選択した塩基位置で、所望アミノ酸に翻訳さ
れるようなコドンを生成するように変異させることによって、DNAレベルでの
変化を介して変化させることができる。
【0201】 変種TNF-αポリペプチド上の炭水化物部分の数を増加させるもう一つの手
段は、当該ポリペプチドにグリコシドを化学的または酵素的にカップリングさせ
ることによるものである。このような方法は、文献、例えばWO87/0533
0(1987年9月11日公開)およびAplin and Wriston, CRC Crit.Rev.Bioche
m.、259-306(1981)に記載されている。
【0202】 変種TNF-αポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的もし
くは酵素的に、または、グリコシル化の標的として働くアミノ酸残基をコードし
ているコドンを変異によって置換することにより達成することができる。化学的
脱グリコシル化技術は当分野で知られており、例えば、Hakimuddin et al., Arc
h.Biochem.Biophys., 259:52(1987)およびEdge et al., Anal.Biochem., 118:13
1(1981)に記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的開裂は、Tho
takura et al., Meth.Enzymol., 138:350(1987)に記載のような様々なエンドお
よびエキソグリコシダーゼの使用によって達成できる。
【0203】 このような誘導体化された部分は、溶解度、吸収、脳血液関門の透過性、生物
学的半減期等を改善することができる。変種TNF−αポリペプチドのこのよう
な部分または修飾は、それ以外にも、当該タンパク質等に起こり得る望ましくな
い副作用を排除または減弱することができる。係る効果を仲介できる部分は、例
えば Remington's Pharmaceutical Sciences、第16版、Mack Publishing Co.、
イーストン、Pa(1980)に開示されている。
【0204】 変種TNF-αの、別の型の共有結合的修飾は、変種TNF-αポリペプチドを
、米国特許4,640,835、4,496,689、4,301,144、4,67
0,417、4,791,192、4,179,337に開示される方法で、種々の
非タンパク質性ポリマーのうちの一つ、例えばポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、またはポリオキシアルキレン類に結合させることを含む。
【0205】 本発明に係る変種TNF-αポリペプチドは、さらに、別の非定型のポリペプ
チドまたはアミノ酸配列と融合した変種TNF-αポリペプチドを含むキメラ分
子を形成させる方法で修飾することができる。一つの実施態様において、係るキ
メラ分子は、変種TNF-αポリペプチドと、抗標識抗体が選択的に結合するエ
ピトープを提供する、標識ポリペプチドとの融合物を含む。このエピトープ標識
は一般に、変種TNF-αポリペプチドのアミノまたはカルボキシ末端に位置す
る。このようなエピトープ標識された形態の変種TNF-αポリペプチドの存在
は、この標識ポリペプチドに対する抗体を用いて検出できる。また、エピトープ
標識の提供は、この変種TNF-αポリペプチドを、抗標識抗体またはエピトー
プ標識に結合する他の型の親和マトリックスを使用する親和精製によって容易に
精製できるようにする。これに代わる実施態様では、このキメラ分子は、変種T
NF-αポリペプチドと免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定領域との融
合物を含むことができる。二価形態のキメラ分子の場合、このような融合物はI
gG分子のFc領域に対するものである。
【0206】 様々な標識ポリペプチドおよびそれらの各抗体が当分野でよく知られている。
例として、ポリ-ヒスチジン(ポリhis)またはポリ-ヒスチジン-グリシン(ポリ-hi
s-gly)標識;flu HA標識ポリペプチドおよびその抗体12CA5[Field et al
., Mol.Cell.Biol.8:2159-2165(1988)];c-myc 標識およびこれに対する8F9
、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体[Evan et al., Molecular
and Cellular Biology、5:3610-3616(1985)];および単純ヘルペスウイルス糖蛋
白D(gD)標識およびその抗体[Paborsky et al., Protein Engineering、3(6):
547-553(1990)]。その他の標識ポリペプチドには、Flag-ペプチド[Hopp et al.
, BioTechnology 6:1204-1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martin et a
l., Science 255:192-194(1992)];チューブリンエピトープペプチド[Skinnere
et al., J.Biol.Chem. 266:15163-15166(1991)];およびT7遺伝子10タンパ
ク質ペプチド標識[Lutz-Freyermuth et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 87:63
93-6397(1990)]が包含される。
【0207】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質は、発現後に精製また
は単離する。変種TNF-αタンパク質は、試料中に他のいかなる成分が存在す
るかに応じて、当業者に知られる様々な方法で単離または精製することができる
。標準的精製法には、イオン交換、疎水性、親和、および逆相 HPLC クロマトグ
ラフィーを包含する、電気泳動、分子的、免疫学的およびクロマトグラフィー的
技術、ならびにクロマトフォーカシングを挙げ得る。例えば、変種TNF-αタ
ンパク質は標準的抗ライブラリィ抗体カラムを用いて精製できる。タンパク質濃
縮に関連した限外濾過およびダイアフィルトレーション技術もまた有用である。
好適な精製技術の一般的指針については、Scopes, R.; 蛋白精製、Springer-Ver
lag、NY(1982)を参照。必要な精製の程度は変種TNF-αタンパク質の用途に応
じて変る。幾つかの例では精製は必要ないであろう。
【0208】 いったん製造されたならば、本発明に係る変種TNF-αタンパク質および核
酸は、幾つかの適応に用途がある。好ましい実施態様において、変種TNF-α
タンパク質は、TNF-α関連疾患を治療するため患者に投与する。
【0209】 本明細書中使用する「TNF-α関連疾患」または「TNF-α応答性疾患」ま
たは「状態」とは、変種TNF-αタンパク質を含む医薬組成物の投与により改
善できる疾患を意味する。限定でないが、炎症性および免疫性障害を含む。好ま
しい実施態様において、変種TNF-αを用いて慢性関節リウマチを処置する。
【0210】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質の治療上有効な用量を
、治療を必要とする患者に投与する。本明細書中、「治療上有効な用量」とは、
それが投与される目的の効果を生み出す用量を意味する。正確な用量は治療目的
に依存し、既知の技術を用いて当業者が確認できるであろう。好ましい実施態様
においては、約5μg/kgの用量を用いて静脈内または皮下のいずれかに投与する
。当分野で知られるように、変種TNF-αタンパク質の分解、全身対局所デリ
バリー、および新たなプロテアーゼ合成の速度、ならびに年齢、体重、一般健康
状態、性別、食事、投与時間、薬物相互作用および状態の重篤度についての調節
が必要となり得、これらは当業者によって常套的実験を用いて確認できるであろ
う。
【0211】 本発明の目的のための「患者」とは、ヒトおよびその他の動物の両者、特に哺
乳動物、および生物を包含する。したがって、この方法は、ヒトの治療および獣
医学的適用の両者に適用可能である。好ましい実施態様において患者は哺乳動物
であり、最も好ましい実施態様では、患者はヒトである。
【0212】 本発明において「治療」という語は、疾病または異常に対する治療的処置、な
らびに予防的または抑制的方法の包含を意味する。したがって、例えば疾病の発
症前に変種TNF-αタンパク質をうまく投与するならば、その疾病の「治療」
がもたらされる。別の例としては、疾病の症状と対抗するため、その疾病の臨床
症状発現後に変種TNF-αタンパク質をうまく投与することは、その疾病の「
治療」を含む。「治療」とはさらに、疾病を根絶するため、その疾病の出現後に
変種TNF-αタンパク質を投与することをも包含する。臨床症状の緩和の可能
性および恐らくは疾病の軽減を伴う、発症後および臨床症状発現後の好首尾の投
与は、該疾病の「治療」を含む。
【0213】 「治療を必要とする」ものとは、既にその疾病または異常を有する哺乳動物、
およびその疾病または異常に罹り易い哺乳動物を包含し、その疾病または異常を
防止すべき哺乳動物を包含する。
【0214】 別の実施態様においては、変種TNF-αタンパク質、変種TNF-α遺伝子、
または変種TNF-α抗体の治療上有効な用量を、不適当なTNF-αの発現を含
む疾病を有する患者に投与する。本発明の範囲内にある「不適当なTNF-αの
発現を含む疾病」とは、TNF-αの存在量の変化による、またはTNF-α変異
体の存在に起因する、異常なTNF-αを特徴とする疾病または異常の包含を意
味する。過剰は、分子レベルでの過剰発現、作用位置での延長されたもしくは蓄
積された出現、または正常状態に比したTNF-αの活性の増強を包含する(但し
これらに限定されない)いかなる原因にも起因し得る。この定義にはTNF-αの
低下を特徴とする疾病または異常が包含される。この低下は、分子レベルでの低
下発現、作用位置での短縮されたまたは低下した出現、TNF-αの変異型、ま
たは正常状態に比したTNF-αの活性の減少を包含する(但しこれらに限定され
ない)いかなる原因にも起因し得る。TNF-αの正常な発現、出現、または活性
に比較した、このようなTNF-αの過剰または低下は、本明細書に記載し引用
した検定に従って(但しこれらに限定されない)測定することができる。
【0215】 好ましくは無菌水溶液の形態での、本発明に係る変種TNF-αタンパク質の
投与は、経口、皮下、静脈内、経鼻、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、腟内、直腸
内、または眼内を包含する(但しこれらに限定されない)様々な方法で実施するこ
とができる。幾つかの例では、例えば創傷、炎症、または多発性硬化症の治療の
際に、変種TNF-αタンパク質を溶液またはスプレーとして直接適用すること
ができる。導入の様式に応じてこの医薬組成物は様々な方法で製剤化できる。治
療上活性な変種TNF-αタンパク質の製剤内濃度は、約0.1から100重量%
まで変わり得る。別の好ましい実施態様においては、変種TNF-αタンパク質
の濃度は0.003ないし1.0モルの範囲であり、体重1キログラム当たり0.
03、0.05、0.1、0.2、0.3ミリモルの用量が好ましい。
【0216】 本発明に係る医薬組成物は、患者への投与に好適な形態で変種TNF-αタン
パク質を含む。好ましい実施態様において、この医薬組成物は、薬学上許容し得
る塩として存在するといったような、水溶性の形態であり、これは酸および塩基
付加塩の包含を意味する。「薬学上許容し得る酸付加塩」とは、無機酸、例えば
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、および有機酸、例えば酢酸、プロピ
オン酸、グリコール酸、ピルビン酸、蓚酸、マレイン酸、マロン酸、琥珀酸、フ
マル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸
、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等を用いて製造された
、遊離塩基の生物学的有効性を保持し、且つ生物学的またはその他の意味で有害
でない塩を指す。「薬学上許容し得る塩基付加塩」とは、ナトリウム、カリウム
、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガ
ン、アルミニウム塩等といったような無機塩基から誘導されるものを包含する。
アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩が特
に好ましい。薬学上許容し得る有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一、第二
、および第三アミン、天然に存在する置換アミンを包含する置換アミン、環状ア
ミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノー
ルアミンの塩を包含する。
【0217】 この医薬組成物は以下のものの1以上を含み得る:担体タンパク質、例えば血
清アルブミン;緩衝剤、例えばNaOAc;増量剤、例えば微結晶性セルロース、
乳糖、トウモロコシおよびその他の澱粉;結合剤;甘味料およびその他の香料;
着色剤;ならびにポリエチレングリコール。添加剤は当分野でよく知られており
、様々な製剤に使用されている。
【0218】 さらなる実施態様において、変種TNF-αタンパク質はミセル製剤に添加さ
れており;米国特許第5,833,948 を参照(出典明示によりその全体を本明
細書の一部とする)。 医薬組成物の組み合わせを投与することができる。さらに、該組成物は他の治
療薬と組み合わせて投与することができる。
【0219】 本明細書に提供される一つの実施態様において、モノクローナルおよびポリク
ローナル抗体を包含する(但しこれらに限定されない)抗体を、当分野で知られる
方法を用いて変種TNF-αタンパク質に対して作製する。好ましい実施態様に
おいて、これらの抗変種TNF-α抗体を免疫療法に使用する。したがって、免
疫療法の方法を提供する。「免疫療法」とは、変種TNF-αタンパク質に対し
て作製された抗体による、TNF-α関連疾患の治療を意味する。本明細書中使
用する免疫療法とは、受動的または能動的であってよい。本明細書中定義する受
動免疫療法は、レシピエント(患者)への抗体の受動的移動である。能動免疫は、
レシピエント(患者)における抗体および/またはT細胞反応の誘導である。免疫
反応の誘導は、レシピエントに、抗体が作製される変種TNF-αタンパク質抗
原を提供した結果であってよい。当業者に理解できるように、変種TNF-αタ
ンパク質抗原は、これに対する抗体がレシピエント内部に作製されることが望ま
れる変種TNF-αポリペプチドを注射することによって、または、レシピエン
トに、変種TNF-αタンパク質抗原を発現することのできる変種TNF-αタン
パク質コード化核酸を、変種TNF-αタンパク質抗原の発現のための条件下で
接触させることによって、提供できる。
【0220】 別の好ましい実施態様において、治療用化合物を抗体、好ましくは抗変種TN
F-αタンパク質抗体とコンジュゲートさせる。この治療用化合物は細胞毒性物
質であってよい。この方法では、腫瘍組織または細胞を細胞毒性物質の標的とす
ることが、罹患細胞の数の減少をもたらし、それにより癌、および変種TNF-
α関連疾患に伴う症状を低減させる。細胞毒性物質は多数且つ多岐にわたり、細
胞毒性薬物または毒素または係る毒素の活性断片を包含するが、これらに限定さ
れない。好適な毒素およびそれらの対応断片は、ジフテリアA鎖、エキソトキシ
ンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン、クロチン、フェノマイシン、エ
ノマイシン等を包含する。細胞毒性物質はさらに、細胞周期タンパク質に対して
作製された抗体にラジオアイソトープをコンジュゲートさせることにより、また
は、抗体に共有結合させたキレート剤に放射性核種を結合させることによって製
造される放射性化学物質を包含する。
【0221】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質を治療物質として投与
でき、上に概説したように製剤化することができる。同様に、変種TNF-α遺
伝子(全長配列、部分配列、または変種TNF-αコード化領域の制御配列を包含
する)は、当分野で知られるように、遺伝子治療適用において投与することがで
きる。これらの変種TNF-α遺伝子は、当業者には理解できるであろうが、遺
伝子治療(即ち、ゲノムへの組み込みのため)としてまたはアンチセンス組成物と
してのアンチセンス適用を包含することができる。
【0222】 好ましい実施態様において、変種TNF-αタンパク質をコードしている核酸
は、遺伝子治療に使用することもできる。遺伝子治療適用では、例えば欠陥遺伝
子の置換のため、治療上有効な遺伝子産物のインビボ合成を達成するために、細
胞内に遺伝子を導入する。「遺伝子治療」は、1回の治療によって永続的効果が
達成される常套的遺伝子治療と、治療上有効なDNAまたは mRNAの1回また
は反復投与を含む遺伝子治療剤の投与の両者を包含する。或る遺伝子の発現をイ
ンビボでブロックするための治療用物質として、アンチセンスRNAおよびDN
Aを使用することができる。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に導
入することができ、細胞膜による取り込みが限定されているため細胞内濃度が低
いにも拘わらず、それらがインヒビターとして働くということが既に示されてい
る[Zamecnik et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 83:4143-4146 (1986)]。この
オリゴヌクレオチドは、例えば負に荷電したホスホジエステル基を非荷電基に置
換することにより、それらの取り込みを増強するよう修飾することができる。
【0223】 生存細胞に核酸を導入するために利用できる様々な技術がある。この技術は、
核酸を、培養細胞にインビトロで移行させるのか、または意図する宿主の細胞に
インビボで移行させるのかによって異なる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで
移行させるのに好適な技術は、リポソーム、電気穿孔、マイクロ注入、細胞融合
、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法等の使用を包含する。現在好ま
しいインビボ遺伝子移動技術は、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクター
によるトランスフェクションおよびウイルス外殻タンパク質-リポソーム仲介ト
ランスフェクションを包含する[Dzau et al., Trends in Biotechnology 11:205
-210(1993)]。幾つかの状況では、核酸供給源に、標的細胞を標的とする物質、
例えば細胞表面膜タンパク質または標的細胞に対し特異的な抗体、標的細胞上の
レセプターに対するリガンド等を供給することが望ましい。リポソームを使用す
る場合、エンドサイトーシスに関連する細胞表面膜タンパク質に結合するタンパ
ク質を、標的化のために、そして/または、例えば特定の細胞型に対し親和性の
カプシドタンパク質またはその断片、周期においてインターナリゼーションを受
けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在を標的とし、細胞内半減期を増大させ
るタンパク質、の取り込みを促進するために使用できる。レセプター仲介エンド
サイトーシスの技術は、例えば Wu et al., J.Biol.chem.. 262:4429-4432 (198
7);および Wagner et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 87:3410-3414 (1990)
に記載されている。遺伝子マーキングおよび遺伝子治療プロトコルの総説につい
ては Anderson et al., Science 256:808-813(1992)を参照。
【0224】 好ましい実施態様において、変種TNF-α遺伝子は、単一の遺伝子または変
種TNF-α遺伝子の組み合わせのいずれかのDNAワクチンとして投与する。
裸のDNAワクチンは一般に当分野で知られている。Brower、Nature Biotechno
logy、16:1304-1305(1998)。DNAワクチンとしての遺伝子の使用方法は当業者
によく知られており、変種TNF-α遺伝子または変種TNF-α遺伝子の一部を
、発現のためのプロモーターの調節下に、治療を必要とする患者に入れることを
包含する。DNAワクチンに使用される変種TNF-α遺伝子は、全長変種TN
F-αタンパク質をコードしていてよいが、より好ましくは、変種TNF-αタン
パク質から誘導されるペプチドを含む変種TNF-αタンパク質の一部をコード
している。好ましい実施態様において、患者を、変種TNF-α遺伝子から誘導
される多数のヌクレオチド配列を含むDNAワクチンで免疫する。同様に、本明
細書に定義する多数の変種TNF-α遺伝子またはその一部で患者を免疫するこ
とも可能である。理論により拘束されることなく、このDNAワクチンによりコ
ードされているポリペプチドの発現、細胞毒性T細胞、ヘルパーT細胞および抗
体が誘導され、これらはTNF-αタンパク質を発現する細胞を認識し、且つこ
れを破壊または排除する。
【0225】 好ましい実施態様において、このDNAワクチンは、該DNAワクチンと共に
アジュバント分子をコードしている遺伝子を包含する。係るアジュバント分子は
、該DNAワクチンによりコードされている変種TNF-αポリペプチドに対す
る免疫原性反応を増大させるサイトカインを包含する。さらなるまたはこれに代
わるアジュバントが当業者に知られており、本発明における用途が見いだせる。 本明細書に引用されている文献は全て出典明示によりその全体を本明細書の一
部とする。
【0226】 実施例1 TNF-αライブラリー発現および精製についてのプロトコール 方法 1)一夜培養製剤 96ウエルPCRプレート中の形質転換能Tuner(DE3)pLyS細胞を、1μlの
TNF-αライブラリーDNAで形質転換し、34μg/mlのクロラムフェニコー
ルおよび100μg/mlのアンピシリンを有するLB寒天プレートに広げた。37
℃で一夜成長さした後、コロニーを各プレートから、96深ウエルブロックに3
4μg/mlのクロラムフェニコールおよび100μg/mlのアンピシリンを有する1
.5 mlのCG培地に採取した。ブロックを250rpmで37℃一夜攪拌した。
【0227】 2)発現 コロニーをプレートから、24ウエルブロック中の5mlのCG培地(34μg/
ml のクロラムフェニコールおよび100μg/mlのアンピシリン)に採取し、O
D600 0.6になるまで37℃で250rpmで成長させ、その時点で各ウエル
に1μM濃度まで IPTGを加えた。培養物をさらに4時間成長さす。
【0228】 3)分解 24ウエルブロックを3000rpmで10分間遠心分離した。ペレットを70
0μlの分解緩衝液(50mM NaH2PO4、300 mM NaCl、10 mMイミダゾール)に再懸
濁した。-80℃で20分間冷凍し、37℃で2回解凍した後に、MgCl2を10
mMまで、DNaseを75μg/mlまで加えた。混合物を37℃で30分間インキュ
ベートした。
【0229】 4)NiNTAカラム精製 自然状態のQiagen Ni NTAカラム精製プロトコールにしたがって精製を行
った。精製されたタンパク質を1X PBSに対して1時間4℃で4回透析した
。透析されたタンパク質のフィルター滅菌をミニポア・マルチスクリーンGVで行
い、後の滅菌哺乳動物細胞培養物へのタンパク質添加を可能とした。
【0230】 5)定量 精製されたタンパク質をSDS PAGEで定量し、コーマシー染色およびコ
ダック・ジギタル・イメージ密度測定を行った。
【0231】 6)TNF-α活性アッセイ 変種TNF-αタンパク質サンプルの活性を、Vybrantアッセイキットおよび
Caspaseアッセイキットを用いて試験した。Syntoxグリーン核酸染色液を用い
て、アクチノマイシンA感受性細胞系におけるTNF誘導細胞透過性を調べた。
細胞性核酸との結合において、染色が大きい蛍光の高まりを示し、これを測定し
た。この染色は生きている細胞を含まないが、傷ついた膜を有する細胞を貫通す
る。
【0232】 Caspaseアッセイは蛍光測定アッセイであり、細胞におけるアポトーシスとネ
クローシスとを識別できる。このキットで細胞のアポトーシス中に生じたカスパ
ーゼ活性を測定する。
【0233】 A)材料 細胞系:ATCCからのWEHI Var-13細胞系 培地:10% FBSを有するRPMI完全培地 Vybrant TNFキット:Cat # V-23100 ; Molecular Probe キットはSYTOXグリーン核酸染色液(500 mM 溶液)および アクチノマイシンD(1mg/mL)を含む。 Caspaseアッセイキット:Cat # 3 005 372; Roche キットは基質保存溶液(500μM)およびインキュベーシ ョン緩衝液を含む。 TNF-α標準保存液:R & D からのhTNF-αの10μg/mLの保存液 未知のサンプル:社内TNF-αライブラリー・サンプル 96ウエルプレート:1mL深ウエルおよび250μLウエル マイクロプレート・リーダー
【0234】 B)方法 プレートWEHI細胞、2.5x10細胞/mL、アッセイ前24時間(Sytoxア
ッセイについて 100μL/ウエル、Caspaseアッセイについて50μL/ウエル)。
【0235】 実験当日に下記のようにアッセイ培地をつくる: 1)Sytoxアッセイ(1X)についてのアッセイ培地:アッセイ培地をつくるのに
、濃縮Sytoxグリーン染色液および濃縮アクチノマイシン液を500倍にRPM
I中に希釈し、最終濃度を10μM Sytoxおよび2μg/mLアクチノマイシンと
する。 10 mL 完全RPMI培地 20μL SYTOXグリーン 20μL アクチノマイシンD
【0236】 2)Caspaseアッセイ(1X)のためのアッセイ培地の作成 10mL 完全RPMI培地 20μL アクチノマイシンD(最終濃度2μg/mL)
【0237】 3)サンプルのためのアッセイ培地の作成:Sytoxアッセイ 14mL 完全RPMI培地 56μL SYTOXグリーン核酸染色液 56μL アクチノマイシンD
【0238】 4)アッセイ培地の作成:(2X):サンプルのため:Caspaceアッセイ 14mL 完全RPMI培地 56μL アクチノマイシンD 5)標準曲線稀釈の準備および実施 TNF-α標準保存液:10μg/mL 1μg/mLまで稀釈:10μL保存液+90μLアッセイ培地
【0239】
【表2】
【0240】 未知のサンプルについて:(ゲルにより定性):TNF-αライブラリー 正味(ニート):500ng/mL:100μL 500ngの1:10=50ng/mL: 50ng/mLの20μL+180μLRP MI 50ng/mLの1:10=0.5ng/mL:0.5ng/mLの20μL+180μL RPMI
【0241】 6)Sytoxアッセイについて:別個の稀釈プレートに、60μLの各稀釈サンプ
ルを60μLの2X Sytoxアッセイ培地に加える。100μLの稀釈サンプル
を100μL培地に培養の細胞に移す。37℃で6時間インキュベートする。蛍
光に適したフィルター(485nm励起フィルターおよび530nm放出フィルター
)をもつ蛍光マイクロプレート・リーダーを用いて、プレートを読む。
【0242】 7)Caspaseアッセイについて:別個の稀釈プレートに、35μL各稀釈サンプ
ルを35μLの2X Sytoxアッセイ培地に加える。50μLの稀釈サンプルを
50μL培地に培養の細胞に移す。37℃で4時間インキュベートする。4時間
後にCaspase基質を加え(100μL/ウエル)[前稀釈基質 1:10]。さらに2
時間37℃でインキュベートし、蛍光を読む。
【0243】 C)データ分析 蛍光シグナルはアポトーシス細胞の数に直接比例する。TNF-α標準濃度に
対して蛍光をプロットし、標準曲線を作成する。標準曲線(5ng/mL)上での最高
点から得られた蛍光を、未知のサンプルから得られた蛍光と比較し、サンプルの
活性%を決定する。
【0244】 4パラメータ適合プログラムを用いてデータを解析してTNFについて50%
有効濃度(EC50)を決定する。未知サンプルの活性%=(未知サンプルの蛍光/
5ng/mL標準点の蛍光)x100
【0245】 実施例2 溶性TNF-R(p55)のPDA計算 p55 TNFR(タンパク質データバンク・コード 1ext, 1ncf, 1nf)の単独お
よびそのリガンドとの複合についての公表利用可能なタンパク質3次元構造を用
いて、PDAを使用し、TNF-αアンタゴニストとしての最適の溶性p55受
容体を設計できる。下記のライブラリーについて、タンパク質データバンク1 e
xtナンバリングシームに関するPDAを用いて配列を作成した。p55のTNF-
αとの結合に非常に重要な受容体-TNF-α複合体の構造からわかるアミノ酸配
列を設計した。表1に示す結果は、野生型p55受容体からの15位置をPDA
設計に用いたライブラリーの例である。選択された位置のうち4が非極性であり
、7が電荷をもち、4が極性であった。表1に示すライブラリーを5つの独立の
設計から集め、ライブラリー中の各位置について15%のカットオフを行った。
単独変異についてのライブラリーのサイズは78であり、全ライブラリーは1.
5 x 1010配列である。野生型(WT)配列を表の最初の行に示す。所定の位
置での溶性p55受容体の変異パターンを表の残りの部分に示す。
【0246】 表1
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、TNF-α変異体についての設計戦略を示す。
【図2】 図2は、野生型TNF−TNF-R三量体複合体の構造を示す。
【図3】 図3は、p55TNF-R細胞外ドメインの構造を示す。
【図4】 図4は、TNF-Rを結合するのに関与するTNF-α上の結合部
位を示す。
【図5】 図5は、TNF-α三量体の接触面を示す。
【図6A】 図6Aは、変異体がつくられるテンプレート分子として使用さ
れるヒスチジン・タグ野生型TNF-α分子のヌクレオチド配列を示す。
【図6B】 図6Bは、開始コドンと最初のアミノ酸の間の追加の6ヒスチ
ジンを有する野生型TNF-αのアミノ酸配列を示す。
【図7】 図7は、TNF-α変異体における位置およびアミノ酸変化を示
す。
【図8A】 図8Aは、図7に揚げる変異体のTNF-α活性%を示す。
【図8B】 図8Bは、図7に揚げる変異体のTNF-α活性%を示す。
【図9】 図9Aおよび9Bは、変異体のTNF-α活性の再製性を示す。
【図10】 図10は、TNF-αタンパク質配列の変異パターンを示す。
【図11】 図11は、TNF-αタンパク質配列の変異パターンについて
の別の例である。
【図12】 図12は、TRAFタンパク質からの三量化ドメインを示す。
【図13】 図13は、完全長の遺伝子の合成およびPCRによるすぺての
可能な変異を示す。
【図14】 図14は、野生型遺伝子を用いて本発明の変種TNF-αタン
パク質のライブラリーを合成するのに、好ましい方法を示す。
【図15】 図15Aおよび15Bは、重複伸長法を示す。
【図16】 図16Aおよび16Bは、本発明のライブラリィを作るための
PCR反応産物の連結反応を示す。
【図17】 図17は、PCR産物の平滑末端連結反応を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 アントン・フィリコフ アメリカ合衆国91016カリフォルニア州モ ンロビア、フェアグリーン・アベニュー 2202番 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA28 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA03 HA08 HA11 4B064 AG07 CA02 CA05 CA10 CA11 CA19 CC24 DA01 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90Y AB01 BA01 CA24 CA44 4C084 AA02 AA07 BA44 CA53 DA25 NA14 ZA961 ZA962 ZB151 ZB152 4H045 AA10 AA20 AA30 BA09 CA40 DA14 EA20 FA72 FA73 FA74

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野生型TNF-α配列に比して少なくとも1つのアミノ酸置
    換を有するアミノ酸配列を含む非天然型の変種TNF-αタンパク質であって、
    該変種TNF-αが野生型TNF-αと優先的に相互作用して、受容体シグナル伝
    達を活性化し得ない混合された三量体を形成する非天然型TNF-αタンパク質
  2. 【請求項2】 該TNF-αタンパク質が野生型TNF-αに比して3から5
    のアミノ酸置換を有する、請求項1の非天然型TNF-αタンパク質。
  3. 【請求項3】 該置換が、位置21、30、31、32、33、35、65
    、66、67、111、112、115、140、143、144、146、1
    47でのアミノ酸残基より選ばれる、請求項1の非天然型TNF-αタンパク質
  4. 【請求項4】 該置換が、D143E、D143N、D143S、A145
    R、A145K、A145E、E146K、E146R、A84Vよりなる群か
    ら選ばれる、請求項1の非天然型TNF-αタンパク質。
  5. 【請求項5】 請求項1の非天然型TNF-αタンパク質をコードする組換
    え核酸。
  6. 【請求項6】 請求項5の組換え核酸を含む発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項5の組換え核酸を含む宿主細胞。
  8. 【請求項8】 請求項6の発現ベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 非天然型TNF-αタンパク質をつくる方法であって、請求
    項7の宿主細胞を該核酸の発現に適する条件で培養することを含む方法。
  10. 【請求項10】 該TNF-αタンパク質を回収することをさらに含む、請
    求項9の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1の非天然型TNF−αタンパク質および薬学的に
    許容される担体を含む医薬組成物。
  12. 【請求項12】 TNF-α関連障害を処置する方法であって、非天然型T
    NF-αタンパク質を患者に投与することを含む方法。
  13. 【請求項13】 該状態が慢性関節リウマチである、請求項12の方法。
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