JP2003525603A - サーモアクチノマイセス−ブルガリス由来の好熱性ポリメラーゼ - Google Patents

サーモアクチノマイセス−ブルガリス由来の好熱性ポリメラーゼ

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    • C12N9/1276RNA-directed DNA polymerase (2.7.7.49), i.e. reverse transcriptase or telomerase

Abstract

(57)【要約】 本発明は、超好熱性真性細菌に由来する耐熱性DNAポリメラーゼを含む組成物を提供する。特に、本発明は超好熱性真性細菌種であるサーモアクチノマイセス-ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)由来の耐熱性DNAポリメラーゼを含む。さらに、本発明は、配列決定、逆転写反応、および増幅反応において、サーモアクチノマイセス-ブルガリスの天然型および非天然型のものを利用する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、好熱性真性細菌種であるサーモアクチノマイセス-ブルガリス(The
rmoactinomyces vulgaris)に由来する耐熱性DNAポリメラーゼ、ならびにこれら
の酵素を単離および生産する手段に関する。本発明の耐熱性DNAポリメラーゼは
、サーマルサイクル・シーケンシング、核酸増幅および逆転写等、多くのDNA組
換え技術に利用できる。
【0002】 背景 好熱菌は高温で増殖することのできる生物である。中温菌は25〜40℃の温度範
囲で最適に増殖し、好冷菌は15〜20℃の温度範囲で最適に増殖するが、中温菌や
好冷菌とは異なり、好熱菌は50℃より高い温度で最適に増殖する。実際のところ
、65〜75℃で最適に増殖する好熱菌もいる。また、超好熱菌のなかには、130℃
までの温度で好適に増殖するものある(例えば、J. G. Black、「微生物学の原
理および応用(Microbiology Principles and Application)第2版」 Prentice Ha
il、New Jersey、1993、pp. 145-146 )。
【0003】 好熱菌には、様々な属および種がある。代表的な好熱菌としては、光合成細菌
(すなわち、紅色細菌、緑色細菌、および青緑色細菌)、真性細菌(すなわち、
バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、硫黄菌属(Thiobaci
llus)、デスルフォトマクルム属(Desulfotomaculum)、サーマス属(Thermus)、乳
酸菌、放線菌、スピロヘータ、およびその他多くの属)、および古細菌(すなわ
ち、パイロコッカス属(Pyrococcus)、サーモコッカス属(Thermococcus)、サーモ
プラズマ属(Thermoplasma)、テルモトーガ属(Thermotoga)、スルフォロバス属(S
ulfolobus)、およびメタン細菌に属するものが挙げられる。好熱性生物には、嫌
気的なもの以外に好気的なものがある。従って、これらの好熱菌はいずれも高温
の地域から分離されることを除けば、その生育環境は様々である。地球全域の自
然の地熱環境に分布し、これらは地球表面の動きが活発である構造的に活性な地
域に存在する。中性pHの沸騰泉、硫黄に富んだ酸性泉、および深海の開口部を含
むすべての地熱環境から好熱性の細菌が単離された。一般的に、これら生物は生
息している地熱環境の温度に最適に適応している(T. D. Brock、「序論:好熱
菌概論(Introduction: An overview of the thermophiles)」T. D. Brock (編)
、「好熱菌:一般向分子および応用微生物学(Thermophiles: General、Molecula
r and Applied Microbiology)」、John Wiley & Sons、New York、1986、pp. 1-
16)。好熱菌に関する基礎的および応用的研究は、これら生物の生理を明らかに
し、また同時に、産業やバイオテクノロジーにおけるこれら生物の用途を提供し
てきた。
【0004】 I.好熱性酵素の用途 分子生物学および工業的方法が進歩したため、好熱性生物に大きな関心が寄せ
られるようになった。特記すべきは、洗剤、調味料、デンプンに関連する産業等
における用途に関して好熱性酵素が開発されていることである。実際、中温性の
酵素に比べ、好熱性酵素は長期保存に安定であり、また高温でより高い活性を示
すので、コストを下げることができ、産業およびバイオテクノロジーへの応用を
目的として好熱性酵素を選択し開発するもっともな理由がある。こうして、多く
の研究によって好熱性生物由来の酵素の特徴付けが行われている。しかし、産業
で使用される高温(通常、50〜100℃の温度範囲)の下で、相当する中温性の酵
素と比較して、同じ条件下でより活性の低い好熱性酵素もある(T.K. Ng and Wi
lliam R. Kenealy、「耐熱性酵素の産業的用途(Industrial Applications of Th
ermostable Enzymes)」T.D. Brock (編)、「好熱菌:一般向分子および応用微生
物学(Thermophiles: General、Molecular、and Applied Microbiology)」、1986
、John Wiley & Sons、New York、pp. 197-215)。従って、中温性の酵素の代わ
りに耐熱性酵素を選択しても、当初予想していた恩典があるとは限らない。しか
し、分子生物学等の分野における重要な好熱性酵素(例えば、ポリメラーゼ、リ
ガーゼ、キナーゼ、トポイソメラーゼ、制限酵素等)に関して、さらに特徴付け
および比較研究を行わなくてはならない。
【0005】 II.好熱性DNAポリメラーゼ 大腸菌等の中温性生物からDNAポリメラーゼを単離する研究は数多く実施され
ている(例えば、 Bessmanら、J. Biol. Chem. 223:171,1957; ButtinおよびKor
nberg、J. Biol. Chem. 241:5419、1966;ならびにJoyceおよびSteitz、Trends B
iochem. Sci.、12:288-292、1987)。他の中温性ポリメラーゼについても研究が
なされている。幾つか例を挙げるならば、バチルス-リケニフォルミス(Bacillus
licheniformis)(SteneshおよびMcGowan、Biochim. Biophys. Acta 475:32-44、
1977; SteneshおよびRoe、Biochim. Biophys. Acta 272:156-166、1972)、枯草
菌(Bacillus subtilis)(Lowら、S. Biol. Chem.、251:1311、1976;およびOttら
、J. Bacteriol.、165:951、1986)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimuriun)
(Harwoodら、J. Biol. Chem.、245:5614、1970; HamiltonおよびGrossman、Bioc
hem.、13:1885、1974)、ストレプトコッカス-ニューモニエ(Streptococcus pneu
moniae) (Lopezら、J. Biol. Chem.、264:4255、1989)、およびミクロコッカス-
ルテウス(Micrococcus luteus) (EnglerおよびBessman、Cold Spring Harbor Sy
mp.、43:929、1979)等に由来するものである。
【0006】 好熱性生物からのDNAポリメラーゼの単離と精製に関する研究は幾分少ない。
しかし、下の表1に示すように、天然型(すなわち、非組換え型)および/もしく
は組換え型の耐熱性DNAポリメラーゼは種々の生物から精製されている。
【0007】
【表1】 好熱性生物からのポリメラーゼの単離 *参照として本明細書に組み入れられる。
【0008】 天然型のものに加えて、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼの活性が弱めら
れたまたは有しない改変型耐熱性DNAポリメラーゼを、T.アクティカス(T. aquat
icus)、T.マリティマ(T. maritima)、サーマス種のsps17、サーマス種のZ05、T.
サーモフィラス(T. thermophilus)、バチルス-ステアロサーモフィラス(Bacillu
s stearothermophilus)(米国特許第5,747,298号、同第5,834,253号、同第5,874
,282号、および同第5,830,714号) およびT.アフリカーヌス(T. africanus)(国
際公開公報第92/06200号)で発現させ、これらから精製されている。
【0009】 III.好熱性DNAポリメラーゼの用途 耐熱性DNAポリメラーゼの一用途としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙
げられる。PCR工程は、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号に記載さ
れ、これらに公開された内容は本明細書に参照として組み入れられる。PCR工程
では、プライマー、鋳型、ヌクレオシド3リン酸、適当な緩衝液および反応条件
、ならびにポリメラーゼを用い、この工程は、標的DNAの変性、標的DNAへのプラ
イマーのハイブリダイゼーション、および相補鎖合成の複数のサイクルを含む。
個々の プライマーの伸長産物が、所望の核酸配列を生産するその後のサイクル
において鋳型となる。PCRに耐熱性DNAポリメラーゼ酵素を利用すれば、ポリメラ
ーゼ活性が熱失活しないため、各冷却工程で新たなDNAポリメラーゼ酵素を添加
することなく加熱/冷却の繰り返しサイクルが可能となり、このことは中温性のD
NAポリメラーゼ酵素と比較した場合の主要な利点である。なぜなら、PCRにクレ
ノウ等の中温性のDNAポリメラーゼ酵素を利用する場合には、各サイクルで個々
の反応チューブに新鮮な中温性ポリメラーゼを添加しなくてはならない。米国特
許第4,965,188号、欧州特許公開公報第258,017号、および国際公開公報第89/066
91号に記載されているPCRにおけるTaqの利用については、本明細書に参照として
組み入れられる。
【0010】 PCRに加え、DNA組換え法を含むその他の分子生物学技術においても、耐熱性DN
Aポリメラーゼは広汎に用いられている。例えば、逆転写とPCRとを組み合わせた
方法(例えば、米国特許第5,322,770号、この文献は本明細書に参照として組み
入れられる)においても種々のTaqが利用されている。Taq DNAポリメラーゼを用
いたDNA配列決定法についても記載がある(例えば、米国特許第5,075,216号、こ
の文献は本明細書に参照として組み入れられる)。
【0011】 しかし、PCRや他の応用の際に不要な性質(例えば、5'から3'方向へのエキソ
ヌクレアーゼ活性)を有する耐熱性DNAポリメラーゼもある。5'から3'方向への
エキソヌクレアーゼの活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼ(例えば、Taq、Tma
、Tsps17、TZ05、Tth およびTaf)をPCR工程やその他の方法に用いた場合、望ま
しくない種々の結果が観察される場合もある。すなわち、PCR産物の生成量が限
られる、長いPCR産物の生成もしくは二次構造を有意に形成する領域の増幅が困
難になる、DNA配列決定において偽のバンドが出現する、または反応終結による
所望のバンドのシグナル強度が弱められた、プライマー-鋳型の二本鎖複合体に
おけるオリゴヌクレオチド・プライマーの5'末端が分解する、オリゴヌクレオチ
ド部位特異的変異誘発においてニックトランスレーションが合成される、および
RNA:DNAハイブリッドのRNA成分が分解する等である。プライマー-鋳型二本鎖複
合体をPCR工程に利用する場合には、DNAポリメラーゼの5'から3'方向へのエキソ
ヌクレアーゼ活性によって、5'末端からオリゴヌクレオチド・プライマーが分解
することがある。このような活性は、PCRにおいて望ましくないだけでなく、cDN
Aの第2鎖合成や配列決定工程でも望ましくない。
【0012】 酵素を生産し配列決定に利用する目的で酵素を選択する場合、考慮すべき要素
は様々である。例えば、多量の酵素が容易に調製されるか、酵素が長期にわたっ
て安定に保存されるか、酵素が同等の親和性と高い正確度でデオキシおよびジデ
オキシ・ヌクレオチドならびに類似体のいずれをも基質として享受しうるか、鋳
型中に二次構造を生じた領域があってもポリメラーゼ活性が1Kbおよびそれ以上
のヌクレオチド伸長を達成する高い性能を有しているか、最適状態以下の条件で
も活性が充分高いか、および低コストで酵素を調製できるか等である(A.T. Ban
kier、「DNAポリメラーゼIのクレノウ断片を用いたジデオキシシークエンス反応
(Dideoxy sequencing reactions using Klenow fragment DNA polymerase I)」H
.およびA. Griffin (編)「分子生物学の手法:DNAシーケンスプロトコール(Meth
ods in Molecular Biology: DNA Sequencing Protocols)」、Humana Press、Tot
owa、NJ、1993、pp. 83-90)。さらに、非特異的プライマー結合反応を最小に抑
えるため、酵素は高温で機能し得るものでなくてはならない(例えば、約70℃よ
りも高い温度)。しかし、これらすべての基準を満たす天然型の酵素は存在しな
い。従って、これまではこれらの要求のいくつかに対処するように変異酵素が生
産されてきた。
【0013】 例えば、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性が弱められたまたは欠損し
た変異型耐熱性DNAポリメラーゼが作られている。N末端の289個のアミノ酸を欠
失した切断型タンパク質を生じるような遺伝子操作により、Taq DNAポリメラー
ゼのストッフェル断片は5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼの活性を欠損して
いる(例えば、Lawyerら、J. Biol. Chem.、264:6427-6437、1989、および Lawy
erら、PCR Meth. Appl、2:275-287、1993)。Tma、Tsps17、TZ05、Tth およびTa
fを含む種々のポリメラーゼから、同様な変異型ポリメラーゼが調製されている
。5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を欠失した耐熱性ポリメラーゼは、
特定用途の酵素としては改善されているが、これら変異型ポリメラーゼのなかに
は、3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性等の望ましくない性質を未だ有す
るものもある。
【0014】 3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性は、通常「校正活性」と呼ばれ、こ
の活性により、プライマー-鋳型二重鎖中のプライマーの3'末端でミスマッチを
起こした塩基が除かれる。核酸鎖の複製における正確度が増加するので、3'から
5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性があると好都合ではあるが、同時に望ましく
ない性質を有することもある。Tma(5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼの活
性を欠損したTma の変異体を含む)等の耐熱性DNAポリメラーゼの3'から5'方向
へのエキソヌクレアーゼ活性は、PCRに用いたプライマー等の一本鎖DNA、一本鎖
の鋳型および一本鎖PCR産物をも分解する。プライマー伸長法(例えば、PCR、サ
ンガーの配列決定法等)に用いるオリゴヌクレオチド・プライマー3'末端の完全
性は、重要である。なぜなら、初期の鎖伸長がこの末端から開始するからである
。プライマーの3'末端の分解によって、プライマー結合反応の特異性が消失する
(すなわち、プライマーが短くなるほど、非特異的プライマー結合が起こりやす
くなる)。
【0015】 3'末端を改変したヌクレオチドを利用すれば、3'から5'方向へのエキソヌクレ
アーゼによるオリゴヌクレオチド・プライマーの分解を防ぐことができる。例え
ば、オリゴヌクレオチドの3'末端のヌクレオチド間にチオリン酸結合を有するジ
デオキシヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドを利用することによって、
3'から5'方向のエキソヌクレアーゼによる分解を防ぐことができる。しかし、3'
から5'方向のエキソヌクレアーゼによるオリゴヌクレオチドの分解を防ぐ修飾ヌ
クレオチドの利用が必要になれば、オリゴヌクレオチド・プライマーの作製に要
する時間とコストは増す。
【0016】 5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼおよび3'から5'方向へのエキソヌクレア
ーゼの両方を欠損した耐熱性ポリメラーゼも幾種類か知られている。上記のよう
に、Taq DNAポリメラーゼのストッフェル断片は、遺伝子操作によって5'から3'
方向へのエキソヌクレアーゼの活性を欠損しており、3'から5'方向への活性は存
在しない。Taqポリメラーゼは元来3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を
有していないのである。同様に、Tth ポリメラーゼも、もともと3'から5'方向へ
のエキソヌクレアーゼ活性がなく、N末端のアミノ酸をコードするヌクレオチド
配列を欠失させることによって、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を除
くことができる。
【0017】 ストッフェル断片等の組換え酵素が開発されているが、種々の用途にあわせて
、他の耐熱性ポリメラーゼの性質を改善することも必要である。例えば、耐熱性
ポリメラーゼには逆転写酵素活性を有するものもあり、より低い温度では二次構
造を有するRNAの領域でも、温度を高くすることで酵素による伸長が可能となる
ため、逆転写反応法での使用が見出されている。しかし、耐熱性DNAポリメラー
ゼによる逆転写反応はマンガン依存性であることが多い。残念ながら、マンガン
イオンの存在は、不正確度が増す原因となり、ポリヌクレオチドの傷害の原因と
なる。従って、当技術分野で必要なものは、マグネシウムの存在下で逆転写酵素
活性等の性質を強化した改良型耐熱性DNAポリメラーゼである。
【0018】 発明の概要 本発明は、サーモアクチノマイセス-ブルガリス(Tvu)由来の精製耐熱性DNA
ポリメラーゼに関する。本発明は、特定のいかなる核酸またはアミノ酸配列にも
限定されるものではない。実際には、全長、変異型、および切断型Tvu DNAポリ
メラーゼをコードする様々な核酸配列を目的とする。また、本発明はTvu DNAポ
リメラーゼの精製物を単離する方法を提供する。本発明のTvu DNAポリメラーゼ
の由来については、特定の起源に限定されるものではない。Tvu DNAポリメラー
ゼは、Tvu細胞(すなわち、天然型)もしくはTvu DNAポリメラーゼをコードする
核酸配列を発現する宿主細胞(すなわち、組換え体)から単離することができる
【0019】 ある態様においては、本発明は、DNA合成活性を有する天然型耐熱性Tvu DNAポ
リメラーゼの単離と精製を目的とする。別の態様においては、精製天然型Tvu DN
Aポリメラーゼは、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を有する。
【0020】 目的の単離および精製した天然型Tvu DNAポリメラーゼ酵素は、少なくとも85
%の純度、さらに好ましい態様においては、 酵素は少なくとも90%の純度、最
も好ましい態様においては、酵素は少なくとも95%の純度を有する。純度は、ゲ
ル電気泳動後に、染色またはオートラジオグラフィーを実施し、さらにレザー走
査デンシトメータにより測定することで決定される。
【0021】 別の態様においては、精製天然型Tvu DNAポリメラーゼは、マグネシウムイオ
ンまたはマンガンイオンのいずれかが存在する条件下で、逆転写酵素活性を示す
。好ましい態様においては、精製天然型Tvu DNAポリメラーゼは、マンガンイオ
ンの存在下での逆転写酵素活性と比較して、マグネシウムイオンの存在下で逆転
写酵素活性がより高い。さらに別の態様においては、マグネシウムイオンの存在
下での逆転写酵素活性はマンガンイオン非依存性である。
【0022】 ある態様においては、本発明はDNA合成活性を有する組換え耐熱性Tvu DNAポリ
メラーゼの精製を目的とする。別の態様においては、精製した組換えTvu DNAポ
リメラーゼは5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を有する。目的の組換え
Tvu DNAポリメラーゼは、天然型Tvu DNAポリメラーゼと同様の5'から3'方向への
エキソヌクレアーゼ活性を有する。別の態様において、野生型Tvu DNAポリメラ
ーゼの5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性と比較すると、組換えTvu DNA
ポリメラーゼは、変異体であり、その5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性
が弱められている。別の態様においては、変異型Tvuポリメラーゼは、5'から3'
方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質的に有していない。
【0023】 好ましい態様においては、精製組換えTvu DNAポリメラーゼ酵素は、少なくと
も80%の純度、さらに好ましい態様においては、酵素は少なくとも90%の純度、
最も好ましい態様においては、酵素は少なくとも95%の純度を有する。純度は、
ゲル電気泳動後に染色またはオートラジオグラフィーを実施し、さらにレザー走
査デンシトメータにより測定することで決定される。。
【0024】 別の態様においては、精製組換えTvu DNAポリメラーゼは、マグネシウムイオ
ンまたはマンガンイオンのいずれかが存在する条件下で逆転写酵素活性を示す。
さらに別の態様においては、マグネシウムイオン存在下における逆転写酵素活性
は実質的にマンガンイオン非依存性である。
【0025】 本発明はさらに、耐熱性Tvu DNAポリメラーゼをコードする核酸を提供する。
本発明は特定の種類の核酸に限定されるものではない。ある態様においては、核
酸はDNAである。別の態様においては、核酸はRNAである。目的とする好ましいTv
u DNAポリメラーゼ酵素は、配列番号:1、もしくは配列番号:3に記載の切断型D
NAコード配列、もしくは配列番号:5に記載の切断型DNAコード配列、またはそれ
らの変種の配列を有するオリゴヌクレオチドによりコードされる。
【0026】 しかし、本発明はいずれかの配列に限定されるものではない。実際には、様々
な異なる核酸配列含む。ある態様においては、耐熱性Tvu DNAポリメラーゼをコ
ードする核酸は変異体であり、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質
的に有しないポリメラーゼをコードする。DNA合成活性を有するTvu DNAポリメラ
ーゼをコードするDNA変種は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換
を有することがある。
【0027】 ある態様においては、核酸配列は、高ストリンジェントな条件下で、配列番号
:1にハイブリダイズする配列、および高ストリンジェントな条件下で、配列番
号:1の相補的配列にハイブリダイズする配列より選択される。
【0028】 他の態様においては、本発明は配列番号:1の核酸の少なくとも15個の連続し
たヌクレオチドを含む精製オリゴヌクレオチド、または配列番号:1の核酸配列
の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む配列に相補的な精製オリゴヌク
レオチドを提供する。
【0029】 ある態様においては、配列番号:1に記載の核酸の少なくとも15個の連続した
ヌクレオチドを含むこれらのオリゴヌクレオチド、またはその相補鎖を利用して
、配列番号:1に記載の核酸およびその変種、または相同体を増幅する。さらに
別の態様においては、オリゴヌクレオチドを利用して、ハイブリダイゼーション
法により配列番号:1の核酸配列の相同体もしくは変種の同定を行う。
【0030】 また、本発明は、DNA合成活性を有する耐熱性Tvu DNAポリメラーゼをコードす
る核酸配列を含む組換えDNAベクターまたは発現ベクターを提供する。ある態様
においては、ポリメラーゼがコーする核酸配列は配列番号:1に記載されている
もの、またはそのDNA変種である。DNA変種については上記した。別の態様におい
ては、 組換えDNAベクターは、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質
的に含まない耐熱性Tvu DNAポリメラーゼをコードする配列番号:3および5に記
載の変異型核酸配列、もしくはその変種DNAを含む。変種核酸配列は、配列番号
:2、4、または6に記載のTvu DNAポリメラーゼの配列と少なくとも95%またはそ
れ以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードする配列である。
【0031】 別の態様においては、ベクターは、中程度のストリンジェントな条件または高
ストリンジェントな条件下で、配列番号:1、3、もしくは5、またはそのDNA変種
にハイブリダイズする核酸より選択される組換え核酸を含む。さらに別の態様に
おいては、ベクターは、原核生物の複製起点を含む。他の態様においては、ベク
ターは、さらにTvu DNAポリメラーゼをコードする組換え核酸に機能的に結合し
たプロモーターまたはエンハンサー配列を含む。選択的に、プロモーターは外部
から供給される物質によって誘導可能なものであり、最も好ましくは、プロモー
ターは外部から供給されるIPTGによって誘導されるものである。ある態様におい
ては、ベクターは、さらに選択可能なマーカーを含む。
【0032】 さらに、本発明は、DNA合成活性のあるTvu DNAポリメラーゼをコードする核酸
配列(またはその変種)を含むベクターで形質転換した宿主細胞の提供を目的と
する。本発明の宿主細胞の選択に関して限定されることはない。宿主細胞は原核
細胞であってもよく、または真核細胞であってもよい。ある態様においては、宿
主細胞は細菌細胞(例えば、大腸菌細胞)である。別の態様においては、宿主細
胞は、哺乳動物細胞、酵母細胞、または昆虫細胞である。
【0033】 本発明はさらに、本発明のTvu DNAポリメラーゼを用いてDNA分子のセグメント
または一部分のDNA配列を決定する方法を提供する。チェーン・ターミネーショ
ン・シーケンシングもしくはサーマルサイクル・シーケンシング・プロトコール
を含む従来の方法(すなわち、サンガー法)およびその他の方法に限定されるも
のではないが、これらの方法では、本発明のTvu DNAポリメラーゼを利用すると
好都合である。従って、例えば、ある態様においては、ジデオキシヌクレオチド
(ddNTP)チェーン・ターミネーション・シーケンシング・プロトコールを本発
明のポリメラーゼと組み合わせて用いる。
【0034】 従って、ある態様においては、本発明は、以下の段階を含むDNA分子のヌクレ
オチド塩基配列を決定する方法を提供する:(a)(i)反応容器(例えば、微小
遠心チューブまたはマルチタイタープレート等の任意の好適な容器);(ii)少
なくとも一種類のデオキシヌクレオシド3リン酸;(iii)耐熱性Tvu DNAポリメ
ラーゼ;(iv)特異的なヌクレオチド塩基部位でDNA合成を停止させる、少なく
とも一種類のDNA合成停止剤;(v)第1のDNA分子;および(vi)第1のDNA分子と
ハイブリダイズ可能な少なくとも一種類のプライマーを、任意の順序で調製する
段階、(b)プライマーがDNA分子とハイブリダイズし、DNAポリメラーゼがプラ
イマー伸長を行い、第1のDNA分子に相補的なDNA分子を生成することのできる条
件下で、デオキシヌクレオシド3リン酸、DNAポリメラーゼ、DNA合成停止剤、第1
のDNA分子、およびプライマーを任意の順序で反応容器に添加して、反応混合物
を調製する段階、ならびに(c)第1のDNA分子のヌクレオチド塩基配列の少なく
とも一部を決定する段階。本発明において、プライマーが、DNA分子にハイブリ
ダイズし、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長が可能である任意の順序で添
加される限り、本発明の方法において反応容器へ添加する反応成分の添加順序に
は制限がない。好ましい態様においては、DNAポリメラーゼを最後に添加する。
プライマーがDNA分子にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼによるプライマー伸
長が可能な条件には、緩衝液の使用を含むことができる。
【0035】 ある態様においては、配列決定法には、天然型Tvu DNAポリメラーゼを用いる
。別の態様においては、配列決定法には、組換えDNAポリメラーゼを用いる。
【0036】 別の態様においては、本方法の条件は、混合物を加熱することを含む。別の態
様においては、本方法はさらに、耐熱性DNAポリメラーゼによるプライマー伸長
が起こる温度に混合物を冷却することを含む。特に好ましい態様においては、本
方法はさらに、加熱後冷却するサイクルを一回または複数回繰り返す段階を含む
。本方法のさらに別の態様においては、反応混合物は7-デアザdGTP、dATP、dTTP
、およびdCTPを含む。
【0037】 本発明においては、種々のDNA合成停止剤を利用することを含む。好ましい態
様においては、DNA合成停止剤は、ジデオキヌクレオシド3リン酸である。特に好
ましい態様においては、ジデオキヌクレオシド3リン酸は、ddGTP、ddATP、ddTTP
、およびddCTPからなる群より選択される。
【0038】 また、本発明の配列決定法では、標識したプライマーを用いることが考慮され
る。好ましい態様においては、プライマーを、32P、33P、35S、酵素、または蛍
光分子で標識する。また、本発明の方法では、プライマー以外の標識した反応物
質を用いることを含む。例えば、ある態様においては、一種類のデオキシヌクレ
オシド3リン酸を標識する。本態様の好ましい形態においては、デオキシヌクレ
オシド3リン酸を32P、33P、35S、酵素、または蛍光分子で標識する。
【0039】 また、本発明の方法ではさらに、本発明の配列決定法に付加的な段階および準
段階を組み入れる。例えば、ある態様においては、段階(b)はさらに、反応混
合物に耐熱性ピロホスファターゼを添加する段階を含む。本態様の好ましい形態
においては、耐熱性ピロホスファターゼは、サーマス-サーモフィラス(Thermus
thermophilus)ピロホスファターゼである。ある態様においては、DNAポリメラ
ーゼと耐熱性ピロホスファターゼを含む混合物または混和物を本方法で使用する
【0040】 本発明はまた、キット、例えばDNA分子のヌクレオチド塩基配列を決定するた
めのキットが提供される:(a)耐熱性Tvu DNAポリメラーゼ;および(b)複数
のデオキシヌクレオシド3リン酸および一種類のジデオキヌクレオシド3リン酸を
含む少なくとも一種類のヌクレオチド混合物。好ましい態様においては、 キッ
トのポリメラーゼは、非天然型DNAポリメラーゼである。変異型Tvu DNAポリメラ
ーゼは有意な5'エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠損しているものである。別
の態様においては、キットの変異型Tvu DNAポリメラーゼは、3'エキソヌクレア
ーゼ活性を実質的に欠損しているものである。
【0041】 別の態様においては、本発明のキットは、第1のヌクレオチド混合物、第2のヌ
クレオチド混合物、第3のヌクレオチド混合物、および第4のヌクレオチド混合物
を含み、第1のヌクレオチド混合物はddGTP、7-デアザdGTP、dATP、dTTPおよびdC
TPを含み、第2のヌクレオチド混合物はddATP、7-デアザdGTP、dATP、dTTPおよび
dCTPを含み、第3のヌクレオチド混合物はddTTP、7-デアザdGTP、dATP、dTTPおよ
びdCTPを含み、ならびに第4のヌクレオチド混合物はddCTP、7-デアザdGTP、dATP
、dTTPおよびdCTPを含む。本態様のキットはさらに、耐熱性ピロホスファターゼ
を含むこともある。特に好ましい態様においては、耐熱性ピロホスファターゼは
Tthピロホスファターゼである。好ましい態様においては、キットはTvu DNAポリ
メラーゼと耐熱性ピロホスファターゼを含む混合物もしくは混和物を含む。
【0042】 本発明はさらに、以下の段階を含む二本鎖DNA分子の増幅法を提供する:(a)
(i)第1の鎖と第2の鎖が互いに相補的である、第1の鎖と第2の鎖を含む第1のDN
A分子;(ii)第1のプライマーが第1のDNA鎖に対し相補的であり、第2のプライ
マーが第2のDNA鎖に対し相補的である、第1のプライマーと第2のプライマー;お
よび(iii)真性細菌であるサーモアクチノマイセス-ブルガリスに由来する第1
の耐熱性DNAポリメラーゼを調製する段階、並びに(b)第1の鎖に相補的な領域
を有する第3の鎖および第2の鎖に相補的な領域を有する第4の鎖を含む第2のDNA
分子が合成される条件下で、第1のDNA分子、第1のプライマー、第2のプライマー
、およびポリメラーゼを混合し、反応混合物を調製する段階。本発明の方法にお
いては、第1のDNA分子の起源には制限がない。好ましい態様においては、 第1の
DNA分子は、ゲノムDNA混合物(例えば、生物、組織、または細胞株から抽出した
ゲノムDNA)に存在する。別の態様においては、第1のDNA分子は逆転写法(RT)
によって得られたRNA分子に由来する。新規にDNA分子(cDNA)を合成し、これを以
降の増幅反応(PCR)における基質とする。プライマーをDNA分子にハイブリダイ
ズさせ、DNAポリメラーゼを単独または他の耐熱性DNAポリメラーゼと組み合わせ
てプライマー伸長を実施することの可能な条件には、緩衝液の使用が含まれる。
【0043】 ある態様においては、本方法の条件は、混合物を加熱することを含む。別の態
様においては、本方法はさらに、混合物を耐熱性Tvu DNAポリメラーゼ単独また
は他の耐熱性DNAポリメラーゼと組み合わせてプライマー伸長を実施する温度に
冷却することを含む。特に好ましい態様においては、本方法は混合物の加熱およ
び冷却を一回または複数回繰り返す段階を含む。
【0044】 本方法において、Tvu DNAポリメラーゼは種々の性質を有することが考えられ
る。従って、本方法のある態様において、ポリメラーゼは5'から3'方向へのエキ
ソヌクレアーゼ活性を実質的に有していない。別の態様においては、ポリメラー
ゼは、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼおよび3'から5'方向へのエキソヌク
レアーゼ活性の両方を実質的に有していない。他の態様においては、ポリメラー
ゼはマグネシウムまたはマンガンイオンのいずれかの存在下で逆転写酵素活性を
示す。さらに別の態様においては、マグネシウムイオンの存在下での逆転写酵素
活性は実質的にマンガンイオン非依存性である。
【0045】 本発明は多くの恩典および利点を有し、そのいくつかを以下に示す。
【0046】 本発明の1つの恩典は、実質的にDNA合成活性の消失なしに高い温度の核酸増幅
工程および配列決定工程に、耐熱性Tvu DNAポリメラーゼ酵素を利用しうること
である。
【0047】 本発明の利点の一つは、酵素を用いて、マンガンイオンの非存在下で高い温度
で逆転写反応の実施を可能にすることである。
【0048】 本発明の別の利点は、室温で高い酵素安定性を保持しているため、ハイスルー
プットなロボット工学的操作方法において酵素を利用できることである。
【0049】 さらに別の恩典と利点については、当業者であれば以下に記載の開示より明ら
かであると思われる。
【0050】 定義 本発明を明確に理解できるように、複数の用語について以下に定義を示す。
【0051】 本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、ポリペプチドまたはタンパク
質前駆体の生産に必要な制御配列およびコード配列を含むDNA配列を表す。ポリ
ペプチドは、完全長コード配列によってコードされるか、または所望のタンパク
質活性を保持している限り、そのいずれかの一部によってコードされるものであ
りうる。
【0052】 本明細書で使用される「ヌクレオシド」とは、五炭糖に共有結合したプリン(
グアニン(G)またはアデニン(A)) もしくはピリミジン(チミン(T)、ウリ
ジン(U)またはシチジン(C))塩基を含む化合物を表し、「ヌクレオチド」と
は、五炭糖のヒドロキシル基のいずれか一つがリン酸化されているヌクレオシド
を表す。
【0053】 本明細書で使用される「核酸」とは、一つのヌクレオチドにおける五炭糖の3'
位置が次の五炭糖の5'位置にホスホジエステル基で結合し、ヌクレオチド残基(
塩基)が特異的配列で結合する、共有結合したヌクレオチド配列、すなわち、直
鎖状のヌクレオチドを表す。本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」とは、
長さが約100ヌクレオチドより長い配列を含む核酸である。本明細書で使用され
る「オリゴヌクレオチド」とは、短いポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド
の一部分である。オリゴヌクレオチドは通常約2〜約100塩基の配列を含む。「オ
リゴ」という用語は、用語「オリゴヌクレオチド」の代わりに用いることがある
【0054】 核酸分子には、「5'末端」(5'端)および「3'末端」(3'端)があると言われ
る。これは核酸のホスホジエステル結合が、モノヌクレオチド置換基の五炭糖環
における5'炭素と3'炭素で起こることによる。新規の結合が5'炭素に対しておこ
るポリヌクレオチドの末端が5'末端のヌクレオチドである。新規の結合が3'炭素
に対して起こるポリヌクレオチドの末端が、3'末端のヌクレオチドである。本明
細書に記載の末端ヌクレオチドは、3'もしくは5'末端に位置するヌクレオチドで
ある。
【0055】 DNA分子には「5'端」および「3'端」があると言われる。これは、モノヌクレ
オチドの五炭糖環の5'リン酸がホスホジエステル結合を介して一方向に隣接した
3'酸素に結合するように、モノヌクレオチドが反応してオリゴヌクレオチドにな
るためである。従って、オリゴヌクレオチドの一方の末端は、5'リン酸がモノヌ
クレオチドの五炭糖環の3'酸素に結合していなければ「5'末端」と呼ばれ、ある
いは3'酸素が以降のモノヌクレオチドにおける五炭糖環の5'リン酸に結合してい
なければ「3'末端」と呼ばれる。
【0056】 本明細書で使用される「核酸配列」は、より大型のオリゴヌクレオチドまたは
ポリヌクレオチドの内部にあるものであっても、5'端と3'端を有する。直鎖状DN
A分子または環状DNA分子のいずれかにおいて、互いに離れた要素は、「下流」も
しくは3'の要素の「上流」もしくは5'側にあると示される。この用語は、DNA鎖
に沿って5'から3'方向に転写が進行することを反映している。通常、結合された
遺伝子の転写を誘導するプロモーターおよびエンハンサー要素は、一般的にコー
ド領域の5'側もしくは上流に位置する。しかし、エンハンサー要素がプロモータ
ー要素およびコード領域の3'側に位置していても、その効果を発揮することがで
きる。転写終結およびポリアデニル化シグナルは、コード領域の3'側もしくは下
流に位置する。
【0057】 ポリペプチド分子には「アミノ末端」(N末端)と「カルボキシル末端」(C末
端)があると言われるが、これは、ペプチド結合が、第1のアミノ酸残基の骨格
アミノ基と第2のアミノ酸残基の骨格カルボキシル基の間で起こるためである。
典型的には、新規の結合が起こるポリペプチドの末端は、伸長するポリペプチド
鎖のカルボキシル末端であり、アミノ末端から開始し、左から右へ、ポリペプチ
ド配列が記載される。
【0058】 本明細書で使用される「野生型」という用語は、天然源から単離した遺伝子ま
たは遺伝子産物の性質を有する遺伝子または遺伝子産物を表す。野生型遺伝子と
は、ある集団に最も高頻度に観察され、したがって任意に「野生型」と呼ばれて
いる遺伝子である。対照的に「変異体」という用語は、野生型遺伝子もしくは遺
伝子産物と比較して配列に変更があるおよび/もしくは機能的性質に変更がある
(すなわち、変化した性質)遺伝子もしくは遺伝子産物を表す。天然型変異体も
単離されることがある。このような変異体は野生型遺伝子または遺伝子産物と比
較して、性質が変化しているものとして同定される。野生型Tvu DNAポリメラー
ゼのコード領域を配列番号:1に示し、野生型Tvu DNAポリメラーゼタンパク質を
配列番号:2に示す。「変異型」遺伝子がコードするTvu DNAポリメラーゼタンパ
ク質を、「変種」Tvu DNAポリメラーゼと呼ぶ。「改変」または「変異型」遺伝
子がコードするTvu DNAポリメラーゼタンパク質を、「非天然型」または「変種
」Tvu DNAポリメラーゼと呼ぶ。野生型Tvu DNAポリメラーゼ遺伝子(すなわち、
配列番号:1)がコードするTvu DNAポリメラーゼタンパク質を、「天然型」Tvu
DNAポリメラーゼと呼ぶ。
【0059】 本明細書で使用される「試料鋳型」という用語は、「標的」(後に定義する)
の有無について分析を実施する試料に由来する核酸を表す。対照的に、試料鋳型
以外の核酸を参照して「バックグラウンド鋳型」と呼び、試料中に含まれるもの
であっても、含まれないものであってもよい。バックグラウンド鋳型はほとんど
偶然的に混入するものである。持ち込みによる場合もあり、または試料から精製
によって除去されるはずの核酸不純物の存在によるものである場合もある。例え
ば、検出されるべき核酸以外の核酸が被検試料にバックグラウンドとして存在す
ることがある。
【0060】 本明細書で使用される「プライマー」という用語は、天然型(例えば、制限酵
素消化により精製されたもの)または合成的に生産されたオリゴヌクレオチドで
あって、ある核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(
すなわち、ヌクレオチド、DNAポリメラーゼ等の誘導物質の存在下、かつ好適な
温度およびpH条件下)に置いた場合の核酸合成の開始点として作用しうるオリゴ
ヌクレオチドを表す。プライマーは増幅が最大効率となうように一本鎖であるこ
とが好ましいが、二本鎖であってもよい。二本鎖である場合には、伸長産物の調
製に使用する前に、プライマーを処理して一本鎖に分離する。好ましくは、プラ
イマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、誘導物質の存
在下で伸長産物の合成が開始可能な程度に充分長いものでなければならない。プ
ライマーの正確な長さは、温度、プライマーの起源、および方法の用途を含む多
く要因に依存する。
【0061】 プライマーとDNA分子がアニーリングし得る場合、即ちプライマーがDNA分子と
相補性を有する場合に、プライマーは「DNA分子にハイブリダイズ可能」と表現
される。相補性の程度は完全な相補性であり得るが、必ずしも完全である必要は
ない(すなわち、プライマーがDNA分子と100%相補的である必要はない)。実際
、変異誘発PCRを実施するのであれば、プライマーは、DNA分子にハイブリダイズ
できないミスマッチを生じた塩基を少なくとも1箇所含んでいてもよい。用いる
反応条件においてアニーリングが可能で、かつ鋳型DNA分子に沿ったプライマー
伸長が可能ないかなるプライマーも、DNA分子とハイブリダイズ可能である。
【0062】 本明細書で使用される「相補的」または「相補性」という用語は、塩基の対合
規則に関連してヌクレオチドの配列に関して用いられる。例えば、配列 5'「A-G
-T」3'は、配列 3'「T-C-A」5'と相補的である。核酸塩基の一部が塩基の対合規
則に従う場合に、相補性の程度は「部分的」である。あるいは、核酸間で「完全
に」または「全体的に」相補的である場合もある。核酸鎖間の相補性の程度は、
核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率と程度に有意に影響を与える。増幅反
応および核酸のハイブリダイゼーションに依存した検出方法においては、このこ
とは特に重要である。
【0063】 本明細書で使用される「プローブ」という用語は他の対象となるオリゴヌクレ
オチドとハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチド配
列)を表し、これは天然型(例えば、制限酵素消化して精製したもの)、合成型
、組換え型、またはPCR増幅したものであってもよい。プローブは一本鎖であっ
ても、または二本鎖であってもよい。プローブは特定の遺伝子配列の検出、同定
、および単離において有用である。特に限定されるものではないが酵素(すなわ
ち、ELISAおよび酵素組織化学的アッセイ法)、蛍光、放射性、および発光系を
含む検出系において検出可能となるように、本発明に用いるプローブは、任意の
「レポーター分子」で標識される。本発明はいかなる特定の検出系または標識に
も限定されるものではない。本明細書で使用される「レポーター分子」および「
標識」という用語は互換的に使用される。プローブに加え、プライマーおよびデ
オキシヌクレオシド3リン酸も標識を含みうる。このような標識としては、32P、 33 P、35S、酵素もしくは蛍光分子(例えば、蛍光色素)が挙げられるが、これら
に限定されるものでない。
【0064】 本明細書で使用される「標的」という用語は、ポリメラーゼ連鎖反応に関して
用いられる場合に、プライマーが結合した対象となる核酸領域を表す。PCRでは
、これは増幅したおよび/または同定された領域である。従って、「標的」は他
の核酸配列から区別される。「セグメント」は、標的配列中の核酸領域として定
義される。
【0065】 本明細書で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)という用語は、
米国特許第4,683,195号、同第4,889,818号、および同第4,683,202号に記載の方
法を表す。これらの文献はいずれも、本明細書に参照として組み入れられる。こ
れらの特許では、クローニングまたは精製を実施していないゲノムDNAの混合物
中で標的配列セグメントの濃度を増加させる方法を記載している。この標的配列
の増幅法は、所望の標的配列を含有するDNA混合物に対して2種類のオリゴヌクレ
オチドプライマーを大過剰に加えた後に、DNAポリメラーゼ(例えば、Taq)の存
在下でサーマル・サイクリングを正確に繰り返す段階を含む。2種のプライマー
は、標的配列中の二本鎖の個々の鎖に相補的である。増幅を効果的にするために
、混合物を変性し、次にプライマーと標的分子中の相補的配列がアニーリングす
る。アニーリング後に、ポリメラーゼでプライマーから伸長させ、新しい相補鎖
対を合成する。所望の標的配列の増幅セグメントを高い濃度で得るために、変性
工程、プライマー・アニーリングおよびポリメラーゼによる伸長は多数回繰り返
すことができる(すなわち、変性、アニーリング、および伸長で構成する1回の
「サイクル」。多数回の「サイクル」が可能である)。所望の標的配列における
増幅セグメントの長さは、プライマー相互の相対位置で決まる。従って、長さは
制御可能なパラメータである。工程が繰り返されることから、この方法は「ポリ
メラーゼ連鎖反応」(以降「PCR」と称する)と呼ばれる。標的配列中の所望の
増幅セグメントは、混合物中で(濃度に関して)主たる配列となるので、「PCR
増幅した」と表現される。
【0066】 PCRを用いた場合には、ゲノムDNA中の特異的標的配列の1コピーを、複数の異
なる方法(すなわち、標識プローブによるハイブリダイゼーション;ビオチン化
プライマーの取り込み後のアビジン-酵素複合体の検出;dCTPまたはdATP等の32P
標識デオキシヌクレオチド3リン酸の増幅セグメントへの取り込み)で検出可能
なレベルに増幅することができる。ゲノムDNA以外にも、任意のオリゴヌクレオ
チド配列を増幅することができる。特に、PCR法自体で得られる増幅セグメント
それ自身が、以降のPCR増幅過程で効率的な鋳型となる。
【0067】 本明細書で使用される「PCR産物」および「PCR断片を」という用語は、変性、
アニーリング、および伸長の工程を含む2回以上のPCRサイクルを実行した後に得
られた化合物の混合物を表す。これらの用語は、1種類以上の標的配列中の1種類
以上のセグメントが増幅されている場合を含む。
【0068】 配列番号:2に記載のTvu DNAポリメラーゼの完全長アミノ酸配列またはその一
部を含み、DNA合成活性を維持する場合には、本明細書では、DNAポリメラーゼを
「真性細菌であるT.ブルガリスに由来する」ものと記載する。T.ブルガリスに由
来するDNAポリメラーゼは、T.ブルガリス細胞から単離された天然型Tvu DNAポリ
メラーゼ、および野生型Tvu DNAポリメラーゼ遺伝子(配列番号:1)によりコー
ドされる組換えTvu DNAポリメラーゼ、またはDNA合成活性を維持している変異体
もしくはその変種を含む。
【0069】 本明細書で使用される「完全長耐熱性Tvu DNAポリメラーゼ」という用語は、T
vu DNAポリメラーゼ遺伝子(配列番号:1)によりコードされるアミノ酸を本質
的にすべて含むDNAポリメラーゼを表す。当業者であれば、生細胞中ではタンパ
ク質が微妙に異なっており、実際にはわずかな変化を有するタンパク質が相互に
密接に関連した群を形成している。例えば、すべてではないが、タンパク質は(
a)アミノ末端からアミノ酸残基が除去されている、および/または、(b)化学
的基が付加されている(例えば、糖鎖付加)。このような変化によって分子量が
増加または減少する。このような型の変化は、通常、不均一である。従って、す
べての分子に同一の変化が起こるわけではない。従って、実際には、天然型「完
全長」分子は、同一のアミノ酸配列であるがわずかに変化があり異なっている分
子のファミリーのことでありうる。「完全長耐熱性Tvu DNAポリメラーゼ」とい
う用語は、このような分子のファミリーを含む。Tvu DNAポリメラーゼ遺伝子は
、96.3キロダルトン(kD)の推定分子量を有する876アミノ酸を含むタンパク質
をコードする。下記の実施例に示すように、4〜20%の勾配を有するトリス・グ
リシンPAGEでは、完全長ポリメラーゼの見かけの分子量は約97kDである。
【0070】 「高い正確度のポリメラーゼ」という用語は、塩基対当たりの誤りが5 x 10-6 またはより低い頻度であるDNAポリメラーゼを表す。高い正確度のDNAポリメラー
ゼの例としては、サーモコッカス-リトラリス(Thermococcus litoralis)に由来
する Tli DNAポリメラーゼ(Promega、Madison WI; New England Biolabs、Bever
ly MA)、パイロコッカス-フリオース(Pyrococcus furiosus)に由来する Pfu D
NAポリメラーゼ (Stratagene、San Diego、CA)、 およびパイロコッカス-オエ
シィ(Pyrococcus woesii)に由来する Pwo DNAポリメラーゼ (Boehringer Mann
heim)が挙げられる。このようなDNAポリメラーゼの過誤率は、当技術分野で公知
のアッセイ法を用いて測定される。
【0071】 本明細書で使用される「組換えタンパク質」または「組換えポリペプチド」と
いう用語は、組換えDNA分子によって発現するタンパク質分子を表す。対照的に
、本明細書で使用される「天然型タンパク質」という用語は、天然源(すなわち
、非組換え体)から単離したタンパク質を表す。分子生物学的技術を利用して、
天然型タンパク質と比較して同一の性質を有する組換えタンパク質を生産するこ
ともできる。「rTvu」という用語は、組換えTvuポリメラーゼを表すために使用
される。「nTvu」という用語は、天然型Tvuポリメラーゼを表すために使用され
る。「Tvuポリメラーゼ」という用語はrTvuとnTvuのポリメラーゼ両者を含む。
【0072】 本明細書に記の用語であってアミノ酸配列もしくはタンパク質に関して「一部
分」( 「アミノ酸配列の一部分」のように記載される)という用語は、タンパ
ク質の断片を表す。断片は、4アミノ酸残基から、全アミノ酸配列から1アミノ酸
を引いた数までのサイズ範囲にある。Tvuポリメラーゼに関して記載する場合に
は、断片は、約300アミノ酸残基またはそれ以上、より好ましくは約400アミノ酸
残基またはそれ以上、最も好ましくは約500アミノ酸またはそれ以上である数か
ら、全アミノ酸配列から1アミノ酸を引いた数までのサイズ範囲である。特に好
ましいTvuポリメラーゼの断片としては、野生型Tvuポリメラーゼに関連する一種
類以上の酵素活性(すなわち、5'エキソヌクレアーゼ、3'エキソヌクレアーゼ、
および/または重合活性)を保持したものである。
【0073】 本明細書で使用される「融合タンパク質」という用語は、外因性タンパク質断
片(例えば、非Tvuポリメラーゼタンパク質を含む融合パートナー)と結合した
目的のタンパク質(例えば、Tvu DNAポリメラーゼおよびその断片)を含むキメ
ラタンパク質を表す。融合パートナーは、宿主細胞で発現させた場合のTvuポリ
メラーゼタンパク質の溶解度を増強するか、宿主細胞もしくは培養上清から組換
え融合タンパク質の精製を容易にする親和性タグを提供するか、または両者の効
果を有しうる。必要に応じて、当技術分野で公知の様々な酵素的もしくは化学的
手段を用いて、融合タンパク質を目的のタンパク質(例えば、Tvu DNAポリメラ
ーゼまたはその断片)から除去する。
【0074】 「DNAポリメラーゼ活性」、「合成活性」、および 「ポリメラーゼ活性」とい
う用語は互換的に使用され、DNAポリメラーゼがデオキシヌクレオシド3リン酸を
取り込み、新規のDNA鎖を合成可能であることを意味する。下記の例において、D
NAポリメラーゼ活性測定のアッセイ法を示すが、同様の複数のアッセイ法が当技
術分野において公知である。鋳型依存性にデオキシヌクレオシド3リン酸を取り
込み、新規のDNA鎖を合成可能であるタンパク質を、「DNA合成活性がある」と表
現する。
【0075】 「5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性」という用語は、タンパク質がオ
リゴヌクレオチドの5'末端からヌクレオチドを除去しうる活性を含むことを意味
する。この5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性は、本明細書に記載の任意
のアッセイ法、または当技術分野で公知のアッセイ法のいずれかを用いて測定す
ることができる。「5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質的に有しな
い」という用語は、タンパク質が野生型Tvuの5'から3'方向へのエキソヌクレア
ーゼ活性の約5%より低い活性を含む、好ましくは野生型Tvuの5'から3'方向への
エキソヌクレアーゼ活性の約3%より低い活性を含むことを示し、最も好ましく
は5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性が検出されないことを示す。
【0076】 「3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性」という用語は、タンパク質がオ
リゴヌクレオチドの3'末端からヌクレオチドを除去する活性を含むことを表す。
3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性は、本明細書に記載のアッセイ法、ま
たは当技術分野で公知のアッセイ法のいずれかを用いて測定することができる。
「3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質的に有しない」という用語は
、タンパク質が野生型Tvuの3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性の約5%よ
り低い活性、好ましくは野生型Tvuの3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性
の約3%より低い活性を有することを示し、最も好ましくは3'から5'方向へのエ
キソヌクレアーゼ活性が検出されないことを示す。
【0077】 「5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼのレベルが弱められている」という用
語は、野生型Tvu DNAポリメラーゼ(すなわち、配列番号:2のポリメラーゼ)の
5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性のレベルに関するものであり、変異型
ポリメラーゼにおいては、完全長または非修飾型酵素よりも5'から3'方向へのエ
キソヌクレアーゼ活性レベルが低いことを示す。
【0078】 「有意な5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を欠損した」ポリメラーゼ
は、野生型 ポリメラーゼの5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性の約5%よ
りも低い活性を示すポリメラーゼであり、好ましくは野生型ポリメラーゼの5'か
ら3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性の約3%よりも低い活性を示すポリメラー
ゼであり、最も好ましくは5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性が検出され
ないポリメラーゼである。
【0079】 「逆転写酵素活性」および「逆転写」という用語は、酵素が鋳型としてRNA鎖
を利用して、DNA鎖(すなわち、相補的DNA、cDNA)を合成し得ることを表す。逆
転写酵素活性に関する「実質的にマンガンイオン非依存性」という用語は、マグ
ネシウムと比較してマンガンの比率が低い(すなわち、濃度が約5%未満)反応
混合物中の逆転写酵素活性を表す。
【0080】 「特異的なヌクレオチド塩基の部位でDNA合成を停止させるDNA合成停止剤」は
、2'、3'ジデオキシ構造を有するジデオキシヌクレオシド(例えば、ddATP、ddC
TP、ddGTPおよびddTTP)を含む化合物を表すが、これにのみ限定されるものでは
ない。特異的塩基の位置でDNA配列決定反応を特異的に停止し得る化合物であれ
ば、いずれもDNA合成停止剤として用いることができる。
【0081】 本明細書に記載の「細胞」、「細胞株」、および「宿主細胞」は互換的に使用
され、これらの定義で示されるものの子孫または潜在的に子孫であり得るものを
も含む。「形質転換体」もしくは「形質転換細胞」という用語は、遺伝子導入の
回数に関わらず上記の細胞に由来する初代形質転換細胞を含む。全ての子孫は、
故意もしくは偶然の変異により、これに含まれるDNAの内容が厳密に一致すると
は限らない。しかしながら、もともとの形質転換細胞においいて機能的スクリー
ニングを実施したその機能と同一な機能を有している変異体の子孫は、形質転換
体の定義に含まれる。
【0082】 本発明は原核宿主細胞または真核宿主細胞のいずれかで発現するTvuポリメラ
ーゼを提供する。塩化カルシウム処理もしくはエレクトロポレーション法で形質
転換可能にした処理した細菌細胞の形質転換を含む各種の手段を用い、Tvuポリ
メラーゼをコードする核酸を細菌宿主細胞に導入することができる。Tvuポリメ
ラーゼを宿主細胞中で発現させる態様においては、リン酸カルシウム共沈法、ス
フェロプラスト融合法、エレクトロポレーション法等を含むいずれかの適当な手
段を用いて、Tvuポリメラーゼをコードする核酸を真核宿主細胞に導入する。真
核宿主細胞が酵母細胞であれば、酢酸リチウムによる宿主細胞の処理またはエレ
クトロポレーション法等の方法を用いて形質転換を実施することができる。
【0083】 本明細書で使用される「トランスフェクション」という用語は、真核細胞に導
入した外因性DNAを表す。トランスフェクションは当技術分野で公知の各種の手
段で達成可能である。このような方法としては、カルシウム・リン酸-DNA共沈法
、DEAE-デキストランを介するトランスフェクション法、ポリブレンを介するト
ランスフェクション法、エレクトロポレーション法、微量注入法、リポソーム融
合法、リポフェクション法、プロトプラスト融合法、レトロウイルス感染法、お
よび微粒子銃法等が挙げられる。
【0084】 核酸の変異には、異なる種類があることが知られている。「点」突然変異は、
野生型配列の単一塩基位置についてヌクレオチド配列を変化させることを表す。
変異は、1箇所以上の塩基の挿入または欠失であってもよく、このような変異に
より核酸配列が野生型配列から区別される。
【0085】 「相同性」という用語は相補性の程度を表す。相同性には、部分的な相同性と
完全な相同性(すなわち、同一性)がある。部分的に相補的である配列は、標的
配列に対する完全に相補的な配列のハイブリダイゼーションを少なくとも部分的
に阻害するものであり、機能に関する「実質的に相同な」という用語を用いて表
される。標的配列に対する完全に相補的な配列のハイブリダイゼーションを阻害
するか否かは、低ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション・アッセ
イ法(サザンまたはノーザンブロット、溶液中でのハイブリダイゼーション等)
を実施することにより調べることができる。実質的に相同な配列またはプローブ
は、低ストリンジェントな条件下における完全に相同な配列の標的への結合(す
なわち、ハイブリダイゼーション)に競合し、これを阻害する。しかしこれは、
非特異的結合が起こるほど低ストリンジェントな条件ということではない。低ス
トリンジェントな条件でも、2種類の配列による相互の結合は特異的(すなわち
、選択的)相互作用である。非特異的結合が起こっていないことは、部分的な相
補性程度(例えば、約30%より低い同一性)さえ有しない第2の標的を利用して
調べることができる。この場合、非特異的結合が起こらない場合には、プローブ
は第2の非相補的標的にハイブリダイズしない。
【0086】 cDNAまたはゲノムクローン等の二本鎖核酸配列に関する「実質的に相同な」と
いう用語は、本明細書に記載のような低ストリンジェントな条件下で、二本鎖核
酸配列のいずれかの鎖もしくは両方の鎖にハイブリダイズ可能なプローブを表す
【0087】 本明細書で使用される「ハイブリダイゼーション」という用語は、相補的核酸
鎖の対形成に関するものである。核酸間の相補性の程度、塩濃度条件等によって
影響されるストリンジェンシー条件、形成されるハイブリッドのTm(融解温度)
、他の構成要素の存在(例えば、ポリエチレングリコールの有無)、ハイブリダ
イズする鎖のモル数、および核酸鎖のG:C含量を含む、当技術分野で公知の多く
の要因がハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの程度(すなわ
ち、核酸鎖間の結合の強度)に影響を与える。
【0088】 本明細書で使用される「ストリンジェンシー」という用語は、核酸のハイブリ
ダイゼーションを実施する際の温度、イオン強度、および他の化合物の有無等の
条件を表す。「高ストリンジェントな」条件の場合には、核酸塩基の対合は相補
的塩基配列の頻度が高い核酸断片間でのみ起こる。従って、完全に相補的ではな
い核酸をハイブリダイズまたはアニーリングさせる必要がある場合には、「中程
度」または「低」ストリンジェントな条件が必要となることが多い。数多くの同
等の条件を用いて中程度または低ストリンジェントな条件を構成させることがで
きることは、当技術分野で公知である。ハイブリダイゼーション条件の選択につ
いては、一般的に当業者に公知であり、通常ハイブリダイゼーションの目的、ハ
イブリダイゼーション (DNA-DNAまたはDNA-RNA)の種類、および配列間の所望の
関連性の程度に従う(当技術分野に関する一般的な説明に関しては、例えば、Sa
mbrookら、1989、「核酸ハイブリダイゼーション、実践的アプローチ(Nucleic
Acid Hybridization、A Practical Approach)」、IRL Press、Washington D.C.
、1985)。
【0089】 ミスマッチを起こした塩基数が増加すると核酸二重鎖の安定性は減少すること
が知られており、さらに二重鎖ハイブリッド中のミスマッチの相対位置に依存し
て減少の程度が小さくなったり大きくなったりすることも知られている。従って
、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーにより、このような二重鎖の安
定性を最大化したり最低化したりすることができる。ハイブリダイゼーション温
度の調節、ハイブリダイゼーション混合物中のホルミアミド等のヘリックス不安
的化剤の濃度の調節、ならびに温度および/もしくは塩濃度を調節することによ
って、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを変化させることができる
。フィルター・ハイブリダイゼーションに関しては、ハイブリダイゼーション後
の洗浄に用いる塩濃度および/もしくは温度によって最終的なハイブリダイゼー
ションのストリンジェンシーが決定されることが多い。
【0090】 核酸ハイブリダイゼーションに関する「高ストリンジェントな条件」は、5X S
SPE(43.8 g/L NaCl、6.9 g/L NaH2PO4・H2O および1.85 g/L EDTA、pHをNaOH
で7.4に調整)、0.5% SDS、5X デンハルト試薬、および100 μg/mL変性サケ精
子DNAを含む溶液中での42℃における結合またはハイブリダイゼーションを実施
し、長さが約500ヌクレオチドのプローブを用いた場合、その後に42℃で0.1X SS
PE、0.1%SDSを含む溶液中で洗浄する条件と同等な条件を含む。
【0091】 核酸ハイブリダイゼーションに関する「中程度のストリンジェントな条件」は
、5X SSPE(43.8 g/L NaCl、6.9 g/L NaH2PO4・H2O および1.85 g/L EDTA、pH
をNaOHで7.4に調整)、0.5% SDS、5X デンハルト試薬、および100 μg/mL変性
サケ精子DNAを含む溶液中での42℃における結合またはハイブリダイゼーション
を実施し、長さが約500ヌクレオチドのプローブを用いた場合、その後に42℃で1
.0X SSPE、1.0% SDSを含む溶液中で洗浄する条件と同等な条件を含む。
【0092】 核酸ハイブリダイゼーションに関する「低ストリンジェントな条件」は、5X S
SPE(43.8 g/L NaCl、6.9 g/L NaH2PO4・H2O および1.85 g/L EDTA、pHをNaOH
で7.4に調整)、0.1% SDS、5X デンハルト試薬(50X デンハルトは、500mL当
たり5 gのフィコール(Ficoll)(タイプ400、ファルマシア)、5gのBSA (フラク
ションV、シグマ)を含む)、および100 μg/mL変性サケ精子DNAを含む溶液中で
の42℃における結合またはハイブリダイゼーションを実施し、長さが約500ヌク
レオチドのプローブを用いた場合、その後、42℃で5X SSPE、1.0% SDSを含む溶
液中で洗浄する条件と同等な条件を含む。
【0093】 本明細書で使用される「Tm」という用語は、「融解温度」を表す。融解温度は
、二本鎖核酸分子の50%が一本鎖に解離する温度である。核酸のTmを計算する等
式は当技術分野で公知である。核酸ハイブリッドのTmは、1Mの塩の存在下でハイ
ブリダイゼーション・アッセイ法を行った場合に対応する式を用いて推定するこ
とが多い。これは、PCRプライマーのTmを計算する際に通常利用するものである
。すなわち、その式とは、「(A+Tの数)X 2℃ + (G+Cの数)X 4℃」(C.
R. Newtonら、「PCR」第2版、Springer-Verlag (New York、1997)、p. 24)であ
る。この式は、20ヌクレオチドより長いプライマーでは不正確であることが知ら
れている(同上)。簡便にTmを推定する他の方法としては、以下の等式を利用し
て計算することができる。すなわち、核酸が1M NaClの水溶液に溶解している場
合には、Tm=81.5 + 0.41(%G+C)である(例えば、 AndersonおよびYoung
、定量的フィルターハイブリダイゼーション(Quantitative Filter Hybridizat
ion)」、核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybridization)(1985))
。当技術分野では、他にも構造的および配列上の性質をTmに反映させた、より高
度なTmの計算法がある。算出したTmは単に推定値であり、通常、最適温度は経験
的に決定される。
【0094】 核酸に関する「単離された」という用語は、「単離されたオリゴヌクレオチド
」または「単離されたポリヌクレオチド」等のように、通常その起源に含まれる
少なくとも1種類の不純物から同定および分離された核酸配列を表す。従って、
単離された核酸は天然にある形態とは異なる形態または状態にある。対照的に、
単離されていない核酸(例えば、DNAおよびRNA)は、天然にあるのと同一の状態
である。例えば、所与のDNA配列(例えば、遺伝子)は、宿主細胞の染色体上で
、近傍の遺伝子と隣接して存在する。RNA配列(例えば、特異的タンパク質をコ
ードする特異的mRNA配列)は、複数のタンパク質をコードする数多くの他のmRNA
との混合物として細胞に存在する。しかし、Tvuポリメラーゼをコードする単離
された核酸は、例えば、Tvuポリメラーゼを通常発現する細胞中の核酸であって
、天然の細胞中と異なる染色体位置にある核酸、または天然の状態の場合と異な
る核酸配列ではさまれている核酸等の核酸を含む。単離された核酸またはオリゴ
ヌクレオチドは、一本鎖の形態であっても二本鎖の形態であってもよい。タンパ
ク質を発現させるために、単離された核酸またはオリゴヌクレオチドを利用する
場合には、オリゴヌクレオチドは、少なくともセンス鎖もしくはコード鎖を含む
(すなわち、オリゴヌクレオチドは一本鎖であってもよい)が、センス鎖とア
ンチセンス鎖の両方を含むこともある(すなわち、オリゴヌクレオチドは二本鎖
であってもよい)。
【0095】 本明細書で使用される「精製された」または「精製」という用語は、タンパク
質または核酸等の目的の成分から不純物を除く処理の結果を表す。これにより、
試料中の精製された成分の割合(%)は増加する。純度(%)はゲル電気泳動後にオ
ートラジオグラフィーを行い、タンパク質のバンドをレザー・デンシトメーター
による測定で定量することによって決定することができる。定量するバンドのサ
イズは4〜20%トリス-グリシンゲル(Novex EC6025)上でマーク12サイズマーカ
ー(Novex)と比較した場合、完全長Tvuポリメラーゼでは97kDであり、変異型Tv
uポリメラーゼでは66kDである。この場合、純度(%)は、目的のバンドの密度(
例えば、97kDのバンドもしくは66kDのバンド)を調べ、これをそのバンドがある
レーンの全密度で除して決定する。
【0096】 本明細書で使用される「機能的に結合した」という用語は、核酸分子が所与の
遺伝子の転写および/または所望のタンパク質分子の合成を誘導することが可能
な形態で核酸配列を連結することを意味する。本用語はまた、機能的タンパク質
が生産可能な形態でアミノ酸をコードする配列を連結することを表す。
【0097】 本明細書で使用される「プロモーター」という用語は、遺伝子の発現制御要素
を提供し、RNAポリメラーゼが特異的に結合してその遺伝子のRNA合成(転写)を
開始するための1つのDNA配列またはDNA配列群における認識部位を表す。
【0098】 本明細書で使用される「組換えDNA分子」という用語は、天然には通常存在し
ない少なくとも2種類のヌクレオチドを含むハイブリッドDNA配列を表す。
【0099】 本明細書で使用される「ベクター」という用語は、ある細胞から別の細胞へDN
Aセグメントを導入し、細胞内で複製し得る核酸分子を表す。ベクターとしては
、プラスミド、バクテリオファージ、ウイルス、コスミド等が含まれる。
【0100】 本明細書で使用される「組換えベクター」および「発現ベクター」という用語
は、所望のコード配列および特定の宿主生物で機能的に結合したコード配列が発
現するために必要な適当なDNAまたはRNA配列を含有するDNAまたはRNA配列を表す
。原核生物発現ベクターは、プロモーター、リボゾーム結合部位、宿主細胞中で
の自己複製のための複製起点、および場合によってはその他の配列(例えば、選
択的なオペレーター配列)を含む。プロモーターは、RNAポリメラーゼとDNAとの
結合とRNA合成開始を誘導するDNA配列として定義される。真核生物発現ベクター
は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および任意でエンハンサー配列を
含む。
【0101】 構造遺伝子に関する本明細書で使用される「コード領域」という用語は、mRNA
分子の翻訳によって生じる未完成ポリペプチド中のアミノ酸をコードするヌクレ
オチド配列を表す。通常、コード領域の5'側の境は開始メチオニンをコードする
ヌクレオチド・トリプレット「ATG」であり、3'側の境は停止コドン(例えば、T
AA、TAG、TGA)である。コード領域がヌクレオチド・トリプレット「TTG」で開
始する場合もあることが知られている。
【0102】 本明細書で使用される「遺伝子をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌ
クレオチド」という用語は、遺伝子のコード領域を含む核酸配列、または言い換
えれば、遺伝子産物をコードする核酸配列を表す。コード領域は、cDNA、ゲノム
DNA、またはRNAのいずれかの形態である。DNAの形態である場合には、オリゴヌ
クレオチドは、一本鎖(すなわち、センス鎖)であっても二本鎖であってもよい
。必要に応じて、転写の適切な開始および/または一次RNA転写産物の正確なプロ
セッシングが起こるように、エンハンサー/プロモーター、スプライス接合部位
、ポリアデニル化シグナル等の好適な制御要素は、遺伝子のコード領域近傍に隣
接して配置する。あるいは、本発明の発現ベクターに利用するコード領域は、内
因性のエンハンサー/プロモーター、スプライス接合部位、介在配列、ポリアデ
ニル化シグナル等を含む。別の態様においては、コード領域は、内因性調節要素
および外因性調節要素の両方の組み合わせを含む。
【0103】 本明細書で使用される「調節要素」という用語は、核酸配列の発現のある局面
を制御する遺伝的要素を表す。例えば、プロモーターは、機能的に結合したコー
ド領域の転写開始を促進する調節要素である。他の調節要素としては、スプライ
スングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終結シグナル等がある(上記に定義
されている)。
【0104】 真核生物の転写制御シグナルは、「プロモーター」および「エンハンサー」要
素を含む。プロモーターおよびエンハンサーは、転写の際に細胞内タンパク質と
特異的に相互作用するDNA配列の短いつながりを含む(Maniatisら、Science 236:
1237、1987)。プロモーターおよびエンハンサー要素は、酵母、昆虫、および哺
乳動物細胞等の様々な真核生物起源の遺伝子から単離されている。プロモーター
およびエンハンサー要素は、ウイルスからも単離されており、プロモーター等の
類似の制御要素は原核生物にも見いだされる。特定のプロモーターおよびエンハ
ンサーの選択は、目的のタンパク質の発現に利用する細胞の種類に依存する。真
核生物のプロモーターおよびエンハンサーには、多様な宿主を有するものもある
が、他のものは、特定のサブセットの細胞種でのみ機能する(総説としては、Vo
ssら、Trends Biochem. Sci、11:287、1986;およびManiatisら、上記 1987を参
照のこと)。例えば、SV40の初期遺伝子のエンハンサーは、様々な哺乳動物種に
由来する多様な細胞種において高く活性を示し、哺乳動物細胞におけるタンパク
質発現に広汎に用いられている(Dijkemaら、EMBO J. 4:761、1985)。広汎な哺
乳動物細胞種で高い活性を示すプロモーター/エンハンサー要素に関する他の2例
としては、ヒト伸長因子1α遺伝子 (Uetsukiら、J. Biol. Chem.、264:5791、19
89; Kirnら、Gene 91:217、1990; ならびにMizushimaおよびNagata、Nuc. Acids
. Res.、18:5322、1990) およびラウス肉腫ウイルスの末端反復配列(Germanら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:6777、1982)およびヒト・サイトメガロウイ
ルス(Boshartら、Cell 41:521、1985)のものが挙げられる。
【0105】 本明細書で使用される「プロモーター/エンハンサー」という用語は、プロモ
ーターおよびエンハンサー機能(すなわち、上記のプロモーター要素およびエン
ハンサー要素が提供する機能)の双方を提供しうる配列を含むDNAセグメントを
表す。例えば、レトロウイルスの末端反復配列は、プロモーターおよびエンハン
サー機能の両方を含む。エンハンサー/プロモーターは、「内因性」もしくは「
外因性」または「異種の」ものであってもよい。「内因性」エンハンサー/プロ
モーター は、ゲノム中の所与の遺伝子にもともと連結されているものである。
「外因性」または「異種の」エンハンサー/プロモーターは、遺伝子操作(すな
わち、分子生物学的技術)の手段を用いて、連結されたエンハンサー/プロモー
ターによって遺伝子の転写が誘導されるように、遺伝子の近傍に配置したもので
ある。
【0106】 発現ベクターが「スプライスングシグナル」を含む場合には、真核生物宿主細
胞中での組換え転写産物のレベルが高まることが多い。スプライスングシグナル
は、一次RNA転写産物からのイントロンの除去を介し、スプライス・ドナーおよ
びアクセプター部位を含む (Sambrookら、「分子クローニング:実験マニュアル
(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」、第2版、Cold Spring Harbor La
boratory Press、New York [1989] pp. 16.7-16.8)。通常利用するスプライス・
ドナーおよびアクセプター部位は、SV40の16S RNAのスプライス・ジャンクショ
ンである。
【0107】 真核細胞における組換えDNA配列の効率的発現には、得られる転写産物の効率
的終結とポリアデニル化を誘導するシグナルの発現が必要となる。転写終結シグ
ナルは、一般的にポリアデニル化シグナルの下流にあり長さが数百ヌクレオチド
程度である。本明細書で使用される「ポリ(A)部位」もしくは「ポリ(A)配列」と
いう用語は、未完成RNA転写産物の終結とポリアデニル化の双方を誘導するDNA配
列を表す。ポリA尾部を欠損した転写産物は不安定で急速に分解するので、組換
え転写産物には効率的なポリアデニル化が望ましい。発現ベクターに用いるポリ
(A)シグナルは「異種の」ものであってもよく、または「内因性」のものであっ
てもよい。内因性のポリ(A)シグナルは、ゲノム中の所与の遺伝子のコード領域
の3'末端にもともと連結されているものである。異種のポリ(A)シグナルは、あ
る遺伝子から単離され他の遺伝子の3'端に配置したものである。通常、利用する
異種のポリ(A)シグナルは、SV40のポリ(A)シグナルである。SV40のポリ(A)シグ
ナルは、237bpのBamHI/BclI制限酵素断片を含み、終結とポリアデニル化の双方
を誘導する(Sambrook、上記、pp. 16.6-16.7)。
【0108】 また、真核生物発現ベクターは「ウイルスレプリコン」もしくは「ウイルスの
複製起点」を含む。ウイルスレプリコンは、適当な複製因子を発現する宿主細胞
におけるベクターの染色体外複製を可能にするウイルスのDNA配列である。SV40
もしくはポリオーマウイルスの複製起点のいずれかを含むベクターは、適当なウ
イルスT抗原を発現する細胞中で高コピー数(細胞当たり104コピーまで)に複製
する。対照的に、ウシのパピローマウイルスまたはエプスタイン-バーウイルス
由来のレプリコンを含むベクターは、染色体外で低コピー数(細胞当たり100コ
ピー程度)に複製する。
【0109】 本明細書に示すアミノ酸残基はいずれも、天然のL型立体配座を有するもので
ある。ポリペプチドに関する標準的な用語はそのまま用いた(J. Biol. Chem.、
243:3557-3559 (1969))。アミノ酸残基の略称については、以下の対照表に示す
【表】 対照表
【0110】 発明の説明 本発明は、T.ブルガリス(Tvu)に由来する精製耐熱性DNAポリメラーゼI酵素を
提供する。本発明には、天然型および組換え型の野生型酵素の両方、および野生
型酵素と比較して性質が変化しているものをも含む変異体ならびに変種を含む。
ある態様においては、本発明は5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を欠損
した変異体を提供する。
【0111】 また、本発明は、増幅、逆転写、および配列決定反応における利用を含むTvu
ポリメラーゼを利用した方法に関する。実際には、本発明のポリメラーゼによる
新規の性質によって、耐熱性DNAポリメラーゼを利用した種々の用途に対し改良
された酵素を提供する。
【0112】 以下の順に本発明を説明する。すなわち、I.A型DNAポリメラーゼの構造上の
一般的性質、II.Tvu DNAポリメラーゼの作製、III.PCRにおけるTvu DNAポリメ
ラーゼの用途、IV.逆転写反応におけるTvu DNAポリメラーゼの用途、V.DNA配
列決定法におけるTvu DNAポリメラーゼの用途である。
【0113】 I.DNAポリメラーゼの構造上の一般的性質 中温性生物(例えば、大腸菌)および好熱細菌(例えば、サーマス属、テルモ
トーガ属、およびサーモアクチノマイセス属(Thermoactinomyces))から単離し
たDNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼ(DNAP)は、新規のDNA鎖を合成する酵
素である。上記のように、既知のDNAPには酵素の重合活性に加えてヌクレアーゼ
活性を含むものもある。
【0114】 DNA鎖の3'および5'末端からヌクレオチドを除くことが知られているエキソヌ
クレアーゼ活性を有するDNAPも存在する(Kornberg、「DNA複製(DNA Replicati
on)」、W.H. Freeman and Co.、San Francisco、pp. 127-139、1980)。これら
エキソヌクレアーゼ活性は、通常、それぞれ5'から3'方向へのエキソヌクレアー
ゼ活性および3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性と呼ばれる。例えば、複
数のDNAPにおいてそのN末端ドメインに存在する5'から3'方向へのエキソヌクレ
アーゼの活性は、DNA複製におけるラギング鎖合成中のRNAプライマーの除去、な
らびにDNA修復における傷害ヌクレオチドの除去に関与している。DNAPには、大
腸菌DNAポリメラーゼI等のように、DNA合成中の校正に関わる3'から5'方向への
エキソヌクレアーゼ活性を有するものもある(Komberg、上記)。
【0115】 サーマス-アクアティカス(Thermus aquaticus)(Taq)、 サーマス-フラバンス(
Thermus flavns)(Tfl) 、およびサーマス-サーモフィラス(Thermus thermophil
us) (Tth)から単離されたDNAPは、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を
有するが、3'から5'方向への機能的エキソヌクレアーゼは含まない (Tindallお
よびKunkell、Biochem. 27:6008、1988)。しかし、3'から5'方向へのエキソヌク
レアーゼ活性を欠損することが、好熱性細菌に由来するDNAPの一般的性質である
というわけではない。なぜなら、好熱菌テルモトーガ-マリティマ(Thermotoga m
aritima)(Tma)、サーモコッカス-リトラリス(Tli) およびパイロコッカス-フリ
オース(Pyrococcus furiosus)(Pfu)から単離したDNAポリメラーゼは、3'から5'
方向へのエキソヌクレアーゼの活性を含むからである。バチルス-カルドテナク
ス(Bacillus caldotenax)は、3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼにおける
コンセンサス配列中の3つのアスパラギン酸残基を欠損しているが、かなり弱い3
'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を有する。コンセンサス配列について
は、後にさらに詳しく説明する。
【0116】 複数の真性細菌のA型DNAポリメラーゼにおける5'から3'方向へのエキソヌクレ
アーゼ活性は、独立した機能的ドメインとして、このタンパク質のN末端から3分
の1の領域に局在していることが知られている。これらのポリメラーゼ分子では
、分子のC末端側3分の2がDNA合成活性を司る重合ドメインを構成する。A型DNAポ
リメラーゼには、分子のC末端側3分の2に3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ
活性を有しているものもある。後にさらに詳細に説明するが、図1は、複数の真
性細菌のDNAPにおいて活性をコードする5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ、
3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ、およびポリメラーゼの位置を模式的に示
している。上記のように、すべてのDNAPが、5'から3'方向および3'から5'方向へ
のエキソヌクレアーゼ活性の両方を含むわけではない。
【0117】 図1は、T4ファージ(「φT4」)、 T7ファージ(「φT7」)、大腸菌(DNAポ
リメラーゼI、「ECO Pol I」)、T.アクティカス(「Taq」)、T.マリティマ(
「Tma」)およびT.ナポリターナ(T. neapolitana)(「Tne」)のDNAポリメラー
ゼにおいて、活性をコードする5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ (「5'EXO
」)、3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ (「3'EXO」)およびポリメラーゼ
(「POL」)の配置を模式的に示している。Taq DNAポリメラーゼにおいて、3'か
ら5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性が存在しないことは、枠で囲んだ5'から3'
方向へのエキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼドメイン間を結んだ線で表して
いる。T4ファージのポリメラーゼに5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼの活性
が存在しないことは、分子の第1の枠で囲まれた領域に「5'EXO」の用語が記載さ
れていないことで表している。
【0118】 DNAPの5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性および重合活性は、ポリメラ
ーゼ分子のタンパク質切断もしくは遺伝子操作により分離できる。例えば、大腸
菌DNAポリメラーゼIのクレノウもしくはタンパク質の切断による大型断片は、ポ
リメラーゼおよび3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を含むが、5'から3'
方向へのエキソヌクレアーゼ活性は欠損する(Brutlagら、Biochem. Biophys. R
es. Commun. 37:982、1969)。ポリメラーゼ分子のN末端の289アミノ酸を欠失さ
せる遺伝子操作によって、Taqのストッフェル断片ポリメラーゼは、 5'から3'方
向へのエキソヌクレアーゼ活性を欠損している(Erlichら、Science 252:1643、
1991)。
【0119】 5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼドメインをDNAPから除去すると、残存ド
メインの活性にも影響がある可能性がある。例えば、クレノウ断片を調製するた
めに、大腸菌のポリメラーゼIタンパク質から5'から3'方向へのエキソヌクレア
ーゼドメインを除去すると、残ったポリメラーゼの大型ドメインの正確度に影響
を与える。DNAポリメラーゼの正確度には複数の機能があり、これにはヌクレオ
チドがはじめに挿入された際の誤りに対する識別能力、並列過誤したもしくは対
合過誤を起こしたプライマー末端からの伸長に対する識別能力、および誤りのエ
キソヌクレアーゼによる除去等が含まれる。
【0120】 完全長の酵素と比較すると、クレノウ断片では塩基の置換過誤の特異性が異な
り、反復鋳型ヌクレオチドにおけるマイナス1塩基のフレームシフト誤差に対す
る正確度がより低くなる(Bebenekら、J. Biol. Chem. 265:13878、1990)。従
って、大腸菌DNAポリメラーゼIの5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼをコード
するドメインを除くと、残った3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼおよびDNA
合成をコードするドメインの正確度に有害な影響を与える。
【0121】 5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼをコードするドメインの除去は、常に得
られたポリメラーゼ断片の正確度に有害な影響を与えるとは限らない。例えば、
KlenTaqは、Taq DNAポリメラーゼを短くしたものであり、N末端の最初の235アミ
ノ酸(5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼドメインを含む)を欠損する。これ
は、完全長Taqと比較して正確度が2倍向上していることが報告されている(Bame
s、Gene 112:29、1992)。
【0122】 複数のDNAPの3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼをコードするドメインに関
するアミノ酸配列比較により、EXO I〜IIIと命名された3種類のドメインが同定
されている。これらは、各種の中温性および好熱性のDNAPで高度に保存されてい
る(Bemadら、Cell 59:219、1989)。図2には、3'から5'方向へのエキソヌクレ
アーゼをコードするドメインに関して複数のDNAPのアミノ酸残基のアライメント
を模式的に示している。図2では、アミノ酸の1文字コードを用いている。数字は
所与のポリメラーゼにおけるアミノ酸残基番号を表している。また図2において
、高度に保存される残基を黒い背景に白抜き文字で示した。3'から5'方向へのエ
キソヌクレアーゼをコードするドメイン部分は、以下のポリメラーゼについて示
した。すなわち、枯草菌(Bsu) ポリメラーゼ III(配列番号:19〜21)、大腸菌
(Eco)ポリメラーゼIIIε(配列番号:22〜24)、T4ファージ(配列番号:25〜
27)、T7ファージ(配列番号:28〜30)、大腸菌のポリメラーゼI(配列番号:3
1〜33)、T.マリティマ(Tmd)ポリメラーゼ(配列番号:34〜36)およびT.ナポ
リターナ(Tne) ポリメラーゼ(配列番号:37〜39)である。「下向き三角」は、
一本鎖DNA結合に関連するアミノ酸残基示す。「上向き三角」は、金属結合およ
び触媒に関係するアミノ酸残基を示す。
【0123】 部位特異的変異誘発を利用した実験によって、大腸菌のポリメラーゼIの3'か
ら5'方向へのエキソヌクレアーゼの活性に重要である高度に保存された残基のサ
ブセットを同定した。重要な残基はD335、D424、およびD501を含み、二価金属イ
オンを結合し、これらの残基の変異は3'エキソヌクレアーゼ活性を数千倍減少さ
せるので、3'エキソヌクレアーゼの活性に必須であることが知られている。これ
ら3つの残基と同様のアミノ酸は、Tvu DNAポリメラーゼには存在しない。従って
、弱い3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を有しているが、Tvu DNAポリ
メラーゼが有意な3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼの活性を含んでいるとは
考えられない。Bca DNAポリメラーゼは、これら3つのD残基を欠失しており、弱
い3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を有することが示されている(J. B
iochem. 113:401-410、1993)。L361、F473、およびY497も3'から5'方向へのエ
キソヌクレアーゼ活性に重要であり、活性部位に基質を正確に配置することに関
連していると考えられる。変異型L361およびF497によって、3'から5'方向へのエ
キソヌクレアーゼ活性は12.5分の1から25分の1に減少し、変異型F473により3'か
ら5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を約3000分の1に減少する。
【0124】 国際公開公報第92/03556号(本明細書に参照として組み入れられる)には、耐
熱性Tma DNAポリメラーゼの3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性に3つの特
徴的なドメインが重要であることが記載されている。しかし、「重要な」残基に
関して部位特異的変異誘発で調べているわけではなく、Tma DNAポリメラーゼの
変異体に関して3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を報告しているわけで
もない(すなわち、これらは主に欠失変異体である)。国際公開公報第92/03556
号において同定された3つのドメインは、D-X-E-X3-Lを含むドメインA;N-X3-D-X 3 -Lを含むドメインB;およびY-X3-Dを含むドメインCである。ここで、XNは、特
定されたアミノ酸間の重要ではないアミノ酸の数(N)を表す。図2に示すように
、好熱性生物に由来するポリメラーゼにおけるこれら3つのドメインの、位置、
配列、および間隔は、中温性生物に由来するポリメラーゼにおいて同定された3
つのドメインと一致する。
【0125】 II.Tvu DNAポリメラーゼの作製 本発明は、野生型および変異型Tvu DNAポリメラーゼを提供する。変異型は、5
'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性を実質的に有していない。本明細書で
提供される変異型Tvu DNAポリメラーゼは代表例であって、特定の変異体に限定
されるものではない。M285(配列番号:4)は、野生型Tvu DNAポリメラーゼの28
5位の残基に相当するメチオニンコドンから開始し、野生型の終結コドンで停止
する。M285は配列番号:3に記載の核酸配列でコードされる。T289M(配列番号:
6)は、野生型の289位の残基から始まる。Tvu DNAポリメラーゼでは、スレオニ
ンがメチオニンに変異しており、野生型終結コドンのところで停止する。T289M
は配列番号:5に記載の核酸配列によりコードされる。酵素の重合(すなわち、
合成)活性が必要であり、かつ5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性が不要
である場合には、本発明の改変Tvuポリメラーゼが好都合である。
【0126】 本発明においては、Tvuポリメラーゼの5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ
活性を欠損させるための改変の種類(例えば、欠失、挿入、置換)に特に限定は
ない。実際、本発明においては、タンパク質分解および 遺伝子操作等の様々な
方法が含まれるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0127】 A.Tvuポリヌクレオチド 本発明は、Tvu DNAポリメラーゼIをコードする核酸(配列番号:1)を提供す
る。他の態様においては、本発明は、中程度のストリンジェンシー条件下で配列
番号:1とハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド配列を提供する。ある態様に
おいては、ハイブリダイズするポリヌクレオチド配列は、天然型Tvu DNAポリメ
ラーゼの少なくとも1種類の生物活性を保持したタンパク質をコードする。好ま
しい態様においては、ハイブリダイゼーション条件は、核酸の結合複合体の融解
温度(Tm) に従い、上記で定義した「ストリンジェンシー」を与えるものであ
る(例えば、Wahlら、Methods Enzymol、152:399-407、1987)。
【0128】 本発明の他の態様においては、Tvu DNAポリメラーゼの変種を提供する(例え
ば、配列番号:3および5)。好ましい態様においては、変種は変異(すなわち、
核酸配列の変化)によって得られ、一般的に構造もしくは機能が変化したもしく
は変化していない改変mRNAもしくはポリペプチドを生じる。所与のいずれの遺伝
子に関しても、変種を全く有さない場合、単一の変種のみを有する場合、または
多数の変種を有する場合がある。変種を与える通常の変異的変化は、一般的に核
酸の欠失、付加、または置換によるものである。これらの変化はそれぞれ、単独
で起こるものであってもよく、他のものとの組み合わせであってもよい。また、
所与の配列で一回以上の頻度で起こるものであってもよい。
【0129】 本発明のさらに別の態様においては、本発明のヌクレオチド配列は、Tvu DNA
ポリメラーゼのコード配列を改変する目的で加工することができる。このような
改変は、限定されるものではないが、遺伝子産物のクローン化、プロセッシング
、局在、分泌、および/または発現を変化させる改変を含む。例えば、変異は、
当技術分野で公知の技術(例えば、新規に制限酵素部位を挿入する、糖鎖付加の
パターンを変化させるため、または使用コドンを変化させる等のための部位特異
的変異誘発)を用いて導入できる。
【0130】 B.Tvuポリペプチド 他の態様においては、本発明は、Tvu DNAポリメラーゼのポリペプチド(例え
ば、配列番号:2)を提供する。他の態様においては、本発明は、Tvu DNAポリメ
ラーゼの断片、融合タンパク質、または機能的同等物(例えば、配列番号:4お
よび6)を提供する。本発明のさらに別の態様においては、Tvu DNAポリメラーゼ
に対応する核酸配列を利用して、適当な宿主細胞において発現するTvu DNAポリ
メラーゼおよび変種の組換えDNA分子を作製する。本発明のある態様においては
、ポリペプチドは、もともと精製されている産物であり、別の態様においては、
化学的合成法で得た産物であり、さらに別の態様においては、原核もしくは真核
宿主細胞 (例えば、培養された細菌細胞)を利用し、組換え技術を用いて生産
したものである。別の態様においては、発明のポリペプチドは、開始アミノ酸残
基としてのメチオニンを含むものである。
【0131】 本発明のある態様においては、Tvu DNAポリメラーゼをクローン化する、およ
び発現させる目的で、実質的に同一もしくは機能的に同等なアミノ酸配列をコー
ドする配列番号:1以外のDNA配列を用いることがある。これは遺伝コードが縮重
性を内在しているためである。一般的に、このようなポリヌクレオチドは、上記
のように、中程度のストリンジェントな条件下で、配列番号:1に記載のの配列
にハイブリダイズする。当業者であれば理解し得るが、非天然型のコドンを有す
るTvu DNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を調製することも利点が
ある。従って、ある好ましい態様においては、例えば、Tvu DNAポリメラーゼの
発現率を増加させる、または天然型の配列から生産した転写産物よりも半減期が
より長い等の望ましい性質を有する組換えRNA転写産物を生産する目的で、特定
の原核生物宿主または真核生物宿主が好むコドンを選択する。
【0132】 1.Tvu DNAポリメラーゼの生産用ベクター 組換え技術によりポリペプチドを生産する目的で、本発明のポリヌクレオチド
を利用することができる。従って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチド
を発現するための様々な発現ベクターのいずれかに含まれていてもよい。本発明
のある態様においては、ベクターとして染色体、非染色体および合成DNA配列 (
例えば、SV40の派生物、細菌のプラスミド、ファージDNA、バキュウロウイルス
、酵母のプラスミド、プラスミドとファージDNAとの組み合わせに由来するベク
ター、ならびにワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂犬病等
のウイルスDNA)を含むが、これらに限定されるものではない。宿主中で複製可
能であり存続可能である限り、いかなるベクターも使用可能であるとみなされる
【0133】 特に、本発明のある態様においては、上記に何度も示したような1種類以上の
配列(例えば、配列番号:1、3または5)を含む組換え構築物を提供する。本発
明のある態様においては、構築物は、本発明の配列が正方向または逆方向で挿入
されているプラスミドまたはウイルスベクター等のベクターを含む。さらに別の
態様においては、異種の構造配列(例えば、配列番号:1、3または5)は翻訳開
始および終結配列とともに適切な読み枠で構成される。本発明の好ましい態様に
おいては、適当なDNA配列は、様々な方法のいずれかを利用してベクターに挿入
する。一般的に、DNA配列は当技術分野で公知の方法により適当な制限エンドヌ
クレアーゼ部位に挿入する。
【0134】 宿主中で複製可能であり存続可能な好適なベクターは、多数、当業者に公知で
あり、市販されている。宿主中で複製可能であり存続可能である限り、他のどの
プラスミドまたはベクターをも利用し得る。本発明のある好ましい態様において
は、細菌の発現ベクターは、複製起点、好適なプロモーターおよび選択的にエン
ハンサー、さらに必要であればリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、転写
終結配列および5'隣接非転写配列を含む。
【0135】 本発明の特定の態様においては、発現ベクター中のTvu DNA配列は、mRNA合成
を指令する適当な発現制御配列(例えば、構成的または誘導可能なプロモーター
)と機能的に連結される。本発明において有用であるプロモーターとしては、レ
トロウイルスLTR、SV40プロモーター、CMVプロモーター、RSVプロモーター、大
腸菌lacまたはtrpプロモーター、λファージPLおよびPRプロモーター、T3、SP6
およびT7プロモーターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発
明の他の態様においては、組換え発現ベクターは、複製起点および選択可能なマ
ーカー(例えば、大腸菌におけるテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性、も
しくは真核細胞での選択に用いるネオマイシン・リン酸転移酵素遺伝子)を含む
【0136】 別の態様においては、発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボゾーム結合
部位、および転写終結部位を含む。本発明のさらに別の態様においては、ベクタ
ーは発現を促進する適当な配列をも含む。
【0137】 2.Tvu DNAポリメラーゼの生産用宿主細胞および系 本発明においては、本発明の核酸構築物は好適な宿主において発現され得ると
みなされる。特に、発現を誘導するまではTvuポリメラーゼの発現を抑制してお
くことのできる制御プロモーターを利用する選択された発現系が好ましい。この
ようにすれば、発現するポリメラーゼの宿主細胞に対する(および、特に細菌宿
主細胞に対する)毒性についての潜在的問題が回避される。効率がよく、厳密な
発現制御を達成するために、種々のプロモーターおよび3'配列を遺伝子配列に連
結する方法は、当業者に公知である。後に例として、複数の好適なベクターおよ
びベクター構築物を開示する。当然のことながら、他にも本発明に利用できる好
適なプロモーター/ベクターの組み合わせは存在する。また、用いる宿主細胞(
すなわち、原核または真核細胞)の機能の種類によって特定のベクターを選択す
る。
【0138】 本発明のある態様においては、宿主細胞は原核細胞(例えば、細菌細胞)でも
よい。宿主細胞の具体例としては、大腸菌、ネズミチフス菌(Salmonella typhim
urium)、枯草菌、およびシュードモナス(Pseudomonas)属の各種、ストレプトミ
セス属(Streptomyces)、およびブドウ球菌属(Staphylococcus)が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0139】 宿主細胞中の構築物を用いて、常法により組換え配列がコードする遺伝子産物
を生産しうる。ある態様においては、宿主細胞中への構築物の導入は、当技術分
野で公知のいずれかの好適な方法(例えば、リン酸カルシウムによるトランスフ
ェクション、DEAEデキストランを介するトランスフェクション、またはエレクト
ロポレーション法)を利用して達成することができる。(例えば、Davisら、「
分子生物学の基礎方法(Basic Methods in Molecular Biology)」、1986)。あ
るいは、本発明のある態様においては、本発明のポリペプチドは、通常のペプチ
ド合成機で合成することができる。
【0140】 本発明のある態様においては、好適な宿主株を形質転換し、宿主株を適当な細
胞密度まで増殖させた後、選択したプロモーターを適当な手段(例えば、温度シ
フトまたは化学的誘導)により誘導し、宿主細胞をさらに適当な期間培養する。
本発明の他の態様においては、宿主細胞を回収し(例えば、遠心分離によって)
、物理的または化学的手段で破砕し、得られた粗抽出物をさらに精製するために
保存する。本発明のさらに別の態様においては、タンパク質発現に用いた微生物
の細胞は、凍結融解の繰り返し、超音波破砕、 機械的破砕または細胞溶解剤の
利用を含むあらゆる常法により破砕しうる。
【0141】 本発明の核酸構築物の発現に、必ずしも宿主生物を用いる必要はない。例えば
、無細胞インビトロ転写/翻訳系を利用すれば、核酸構築物がコードするタンパ
ク質を発現させることができる。このような無細胞系の例としては、市販のTnT
(商標)共役網状赤血球可溶化液系(Coupled Reticulocyte Lysate System)(
プロメガ、この無細胞系は米国特許第5,324,637号に記載されており、この文献
は本明細書に参照として組み入れられる)がある。
【0142】 3.Tvu DNAポリメラーゼの精製 本発明はまた、天然型培養細胞および組換え培養細胞からTvu DNAポリメラー
ゼを回収および精製する方法を提供する。このような方法としては、硫酸アンモ
ニウム沈殿、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロー
ス・クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグ
ラフィー、ヒドロキシル・アパタイト・クロマトグラフィーおよびレクチン・ク
ロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の
別の態様においては、必要に応じて、成熟タンパク質の構造を完成させるために
タンパク質の再折り畳みの工程を利用することができる。本発明のさらに別の態
様においては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を1工程以上の精製工程で
用いることができる。ある態様においては、実施例1に記載されているように精
製を実施することができる。
【0143】 本発明の他の態様においては、野生型または変種Tvuポリメラーゼをコードす
るDNAを含有する核酸構築物は、得られるポリメラーゼタンパク質(「融合タン
パク質」 と呼ばれる親和性タグ等を含むタンパク質)の精製を容易にする目的
で、さらに外因性の配列(すなわち、Tvuポリメラーゼのコード領域にコードさ
れていない配列)をTvuポリメラーゼのコード領域の5'末端もしくは3'末端のい
ずれかへの付加することを含む。コード領域のアミノ末端もしくはカルボキシル
末端のいずれかに親和性タグ(例えば、外因性の配列)を付加するための発現ベ
クターが複数市販されている。一般的に、これら親和性タグは短いアミノ酸断片
であり、発現するタンパク質の性質を変化させない(すなわち、酵素活性を変化
させない)。
【0144】 例えば、pET発現系(ノバジェン)では、短いヒスチジン残基の断片を有する
融合タンパク質のいずれかの末端に機能的に結合したT7プロモーター、およびT7
DNAポリメラーゼを誘導的に発現しうる宿主細胞(すなわち、DE3 宿主株)を含
むベクターを利用する。ヒスチジン部分を含む融合タンパク質の生産は、特定の
発現ベクターおよび宿主株の利用に限定されるものではない。ヒスチジン部分を
含む融合タンパク質としてタンパク質配列を発現させるために利用できる発現ベ
クターおよび宿主株は複数の市販されている(例えば、宿主株M15(pREP4)(キ
アゲン)およびSG13009(pREP4)(キアゲン)とともに用いる発現ベクターpQE
シリーズ(pQE-8、12、16、17、18、30、31、32、40、41、42、50、51、52、60
および70;キアゲン)を利用して、融合タンパク質のアミノ末端にヒスチジンを
6残基含む融合タンパク質を発現させることができる)。他の親和性タグを利用
したその他の発現系も当技術分野で公知である。
【0145】 好ましい核酸構築物が作製できれば、この構築物からTvu DNAポリメラーゼを
生産することができる。下記の実施例および当技術分野で公知の標準的な分子生
物学的知見によって、様々な好適な方法を用いて構築物を操作することが可能と
なる。所望のTvu DNAポリメラーゼが発現されれば、下記のようにDNA合成に関し
ポリメラーゼを試験することができる。
【0146】 4.Tvu DNAポリメラーゼの欠失変異体 本発明はさらに、Tvu DNAポリメラーゼの断片(すなわち、欠失変異体、例え
ば、配列番号:4および6)を提供する。本発明のある態様においては、Tvu DNA
ポリメラーゼの一部分を発現することが望ましい場合、発現する所望の配列を含
むオリゴヌクレオチド断片に開始コドン(ATG)を付加する必要がありうる。メ
チオニン・アミノペプチダーゼ(MAP)酵素を用いてN末端に位置するメチオニン
を酵素的に切断できることは、当技術分野で公知である。MAPは大腸菌(Ben-Bas
satら、J. Bacteriol. 169:751-757、1987)およびネズミチフス菌からクローニ
ングされており、組換えタンパク質についてそのインビトロ活性が証明されてい
る(Millerら、PNAS 84:2718-1722、1990)。従って、必要であれば、N末端のメ
チオニンは、MAPを産生する宿主(例えば、大腸菌もしくはCM89あるいは酵母(S
. cerevisiae))でこのような組換えポリペプチドを発現させてインビボで、ま
たは精製MAPを用いてインビトロで除去できる。
【0147】 本発明の他の態様においては、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼをコード
するドメインを欠失したTvu DNAポリメラーゼ部分をサブクローニングし、野生
型と比較して、活性の低下した5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼを有するTv
u DNAポリメラーゼを調製した(実施例11〜12)。他の態様においては、タンパ
ク質分解を利用して、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ活性に相当するTvu
ポリメラーゼの一部を取り除く。タンパク質分解消化後に、得られた断片を標準
的なクロマトグラフィー技術で分離して、DNA合成能および5'から3'方向へのエ
キソヌクレアーゼ活性を測定する。
【0148】 5.Tvu DNAポリメラーゼの変異種 本発明のさらに別の態様においては、Tvu DNAポリメラーゼの変異体もしくは
変種を提供する。安定性を向上させる目的で(例えば、インビトロでの有効期間
および/またはインビボでのタンパク質分解に対する耐性)または5'から3'方向
へのエキソヌクレアーゼ活性を低下させる目的で、Tvu DNAポリメラーゼの活性
(例えば、DNA合成活性)を有するペプチドの構造を改変することもできる。こ
のような改変ペプチドは、本明細書で定義したTvu DNAポリメラーゼの活性を有
するペプチドと機能的に同等物であると考えられる。ポリペプチドをコードする
ヌクレオチド配列が置換、欠失もしくは付加等で変化した改変ペプチドを作製す
ることができる。本発明のある好ましい態様においては、改変によって5'から3'
方向へのエキソヌクレアーゼ活性レベルを減少させ、下記の実施例で説明するPC
Rおよびチェーン・ターミネーション・シーケンシング(サーマルサイクル・シ
ーケンシングを含む)等の様々な用途に対して充分に改良された酵素を提供する
。特に好ましい態様においては、これらの改変によって、改変酵素のDNA合成活
性は有意に低下することはない。換言すれば、構造的定義よりむしろ機能的定義
による本発明の改変Tvu ポリメラーゼ類のメンバーであるか否かを調べる目的で
、構築物「X」を、下記のプロトコールに従い評価することができる。
【0149】 さらに、上記に示されているように、Tvu DNAポリメラーゼの変種はまた、本
明細書により詳細に記載されているこれらペプチドおよびDNA分子と同等である
ものと見なされる。例えば、個々に、ロイシンをイソロイシンもしくはバリンで
置換、アスパラギン酸をグルタミン酸で置換、スレオニンをセリンで置換、また
はあるアミノ酸を構造的に関連したアミノ酸で同様に置換(すなわち、保存的変
異)しても、得られる分子の生物活性に大きな影響をもたらすことはないことを
意味する。従って、本発明のある態様においては、保存的置換を含むTvu DNAポ
リメラーゼの変種が提供される。保存的置換は、その側鎖について関連したアミ
ノ酸のファミリーに属するものによる置換である。アミノ酸の遺伝子コードは、
4つに分類することができる。(1)酸性(アスパラギン酸、グルタミン酸)、(
2)塩基性(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)非極性(アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリ
プトファン)、および(4)非荷電性極性(グリシン、アスパラギン、グルタミ
ン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン)である。フェニルアラニン、
トリプトファン、およびチロシンは、芳香族アミノ酸として一緒に分類されるこ
とがある。同様に、アミノ酸のレパートリーを以下のように分類することもでき
る。すなわち、(1)酸性 (アスパラギン酸、グルタミン酸)、(2)塩基性(
リジン、アルギニン、ヒスチジン)、(3)脂肪族(グリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン)(セリンおよびスレオニン
に関しては、選択的に脂肪族ヒドロキシルとして分けて分類されることもある)
、(4)芳香族(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)、(5)アミド
(アスパラギン、グルタミン)および(6)硫黄含有性(システインおよびメチ
オニン)(例えば、 Stryer編、Biochemistry、17-21、第2版、WH Freeman and
Co.、1981)。ペプチドのアミノ酸配列における変化によって機能的相同体が得
られるか否かは、機能的変種ペプチドが野生型タンパク質と同様に機能するか否
かを評価することで、容易に調べることができる。2箇所以上の置換を有するペ
プチドも同様にして容易に試験できる。
【0150】 比較的まれであるが、変種が「非保存的」変化(例えば、グリシンのトリプト
ファンへの置換)を含むこともある。同様にまれな変種としては、アミノ酸の欠
失もしくは挿入またはその両方を含む場合が挙げられる。生物活性を消失せずに
いずれのアミノ酸残基が置換、挿入または欠失しているかを決定する指針として
、当技術分野で公知のコンピュータプログラム(例えば、LASERGENE ソフトウエ
アー(DNASTAR Inc.、Madison、Wis.))を利用することができる。
【0151】 保存的置換が1箇所以上あり、本発明のTvu DNAポリメラーゼ酵素が配列番号:
2、4または6のアミノ酸配列と同一ではない場合には、配列番号:2、4または6と
比較して置換したアミノ酸残基は、好ましくは20%未満であり、より好ましくは
10%未満であり、最も 好ましくは5%未満である。
【0152】 Tvu DNAポリメラーゼは、長さが配列番号:2のものより短く、DNA合成活性を
維持しているものとみなされる。配列番号:4および6の酵素のように、アミノ末
端から最初の284個のアミノ酸を欠失していてもよい。本明細書の別の箇所で記
載されるように、このような変種は、DNA合成活性を含み、約50度より高い温度
でDNA合成活性を示す。
【0153】 本発明は、本Tvu DNAポリメラーゼのコンビナトリアル変異体、および欠失変
異体を作製する方法であって、固有のDNA合成活性を有する潜在的変種の配列(
すなわち、相同体)の同定に特に有用である。このようなコンビナトリアルライ
ブラリーのスクリーニングの目的は、例えば、新規活性を有する新規Tvu DNAポ
リメラーゼ相同体を得ることである。
【0154】 本発明のコンビナトリアル変異誘発アプローチのある態様においては、好まし
くは最も相同性が高くなるように、一群のTvu DNAポリメラーゼ相同体またはそ
の他関連タンパク質のアミノ酸配列を整列させる。このような一群の変種として
は、例えば、一種類以上の種に由来するDNAポリメラーゼ相同体、もしくは同一
種に由来するが変異の異なるTvu DNAポリメラーゼ相同体が挙げられる。アライ
メント配列の個々の位置におけるアミノ酸は、コンビナトリアル配列のセットが
縮重するように選択する。
【0155】 本発明の好ましい態様においては、コンビナトリアルTvu DNAポリメラーゼラ
イブラリーを、潜在的なTvu DNAポリメラーゼタンパク質配列の少なくとも一部
を含むポリペプチドのライブラリーをコードする遺伝子の縮重ライブラリーとし
て生産する。例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、潜在的Tvu DNAポリ
メラーゼ配列の縮重セットが個々のポリペプチドとして機能的に、またはTvu DN
Aポリメラーゼ配列のセットをそこに含むより大型の融合タンパク質のセットと
して(例えば、ファージ・ディスプレー用に)機能的に、遺伝子配列に酵素的に
ライゲーションする。
【0156】 潜在的Tvu DNAポリメラーゼ相同体のライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド
配列から調製する方法には様々なものがある。ある態様においては、縮重遺伝子
配列の化学的合成を自動DNA合成機を用いて実施し、合成遺伝子を発現用の適当
な遺伝子にライゲーションする。遺伝子の縮重セットの目的は、所望の潜在的Tv
u DNAポリメラーゼ配列のセットをコードする配列をすべて含む単一の混合物を
提供することである。縮重オリゴヌクレオチドの合成については、当技術分野で
公知である(例えば、Narang、Tetrahedron 39:39、1983; Itakuraら、Recombin
ant DNA、Proc 3rd Cleveland Sympos. Macromol.、Walton編、Elsevier、Amste
rdam、273-289、1981; Itakuraら、Annu. Rev. Biochem. 53:323、1984; Itakur
aら、Science 198:1056、1984; およびIkeら、Nucleic Acid Res. 11:477、1983
)。他のタンパク質の定方向進化に、このような技術が利用されている(例えば
、Scottら、Science 249:386-390、1980; Robertsら、PNAS 89:2429-2433、1992
; Devlinら、Science 249: 404-406、1990; Cwirlaら、PNAS 87: 6378-6382、19
90; および 米国特許第5,223,409号、第5,198,346号および第5,096,815号、それ
ぞれの文献は本明細書に参照として組み入れられる)。
【0157】 当技術分野において、点突然変異により作製したコンビナトリアルライブラリ
ーの遺伝子産物のスクリーニング、および対象とする特定の性質を有する遺伝子
産物に対するcDNAライブラリーのスクリーニングに関し、多様な技術が公知であ
る。このような技術は、一般的に、Tvu DNAポリメラーゼ相同体のコンビナトリ
アル変異誘発で作製した遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適している
。大型の遺伝子ライブラリーのスクリーニングに最も広汎に用いられている技術
は、通常、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクターにクローニングする段
階、得られたベクターのライブラリーで適当な細胞を形質転換する段階、所望の
活性を検出すれば、検出された産物の遺伝子をコードするベクターを比較的容易
に単離できるような条件下でコンビナトリアル遺伝子を発現させる段階を含む。
コンビナトリアル変異技術によって得られる数多くの縮重配列のスクリーニング
を必要とする場合には、後に記載のアッセイ法の例がハイスループットな分析に
適している。
【0158】 本発明のある態様においては、遺伝子ライブラリーは、ウイルスの粒子表面に
融合タンパク質として発現される。例えば、繊維状ファージ系では、外因性ペプ
チド配列を感染性ファージの表面に発現することができ、これは2つの重要な利
点を含む。第一に、これらファージは非常に高濃度で親和性マトリックスに添加
できるので、多数のファージを同時にスクリーニングすることができる。第二に
、個々の感染性ファージが表面にコンビナトリアル遺伝子産物を表出するので、
特定のファージが親和性マトリックスから低収率で回収されれば、さらに別の回
のウイルス複製でファージを増幅することができる。ほとんど同一の大腸菌繊維
状ファージ群M13、fd、およびflは、ファージ・ディスプレー・ライブラリーに
最も頻用され、ウイルス粒子の最終的なパッケージングを阻害することなくファ
ージのgIIIもしくはgVIIIコートタンパク質のいずれかを利用して融合タンパク
質を生成させる(例えば、国際公開公報第90/02909号; 国際公開公報第92/09690
号; Marksら、J. Biol. Chem.、267:16007-16010、1992; Griffthsら、EMBO J.
、12:725-734、1993; Clacksonら、Nature、352:624-628、1991; およびBarbas
ら、PNAS 89:4457-4461、1992)。
【0159】 本発明の別の態様においては、Tvuポリメラーゼのコンビナトリアルライブラ
リーの発現とスクリーニングに利用するために、組換えファージ抗体系(例えば
、RPAS、ファルマシアのカタログ番号27-9400-01)に変更を加える。RPASキット
のpCANTAB5ファージミドは、ファージgIIIコートタンパク質をコードする遺伝子
を含む。本発明のある態様においては、Tvuポリメラーゼのコンビナトリアル遺
伝子ライブラリーを、gIII融合タンパク質として発現するようにファージミドの
gIIIシグナル配列の隣にクローニングする。本発明の他の態様においては、ライ
ゲーションしたファージミドを用いて大腸菌TG1のコンピテント細胞を形質転換
する。本発明のさらに別の態様においては、形質転換細胞にさらにヘルパーファ
ージM13K07を感染させて、ファージミドを回収し、候補Tvuポリメラーゼ遺伝子
のインサートを回収する。得られた組換えファージは、特異的候補Tvuポリメラ
ーゼタンパク質コードするファージミドDNAを含み、1コピー以上の対応する融合
コートタンパク質を表出する。本発明のある態様においては、例えば、ヌクレオ
チドまたは核酸を結合可能なファージ・ディスプレー候補タンパク質は、パニン
グによって選択もしくは濃縮することができる。次に、結合ファージを単離し、
組換えファージが少なくとも1コピーの野生型gIIIコートタンパク質を発現して
いれば、大腸菌に感染可能である。従って、さらに大腸菌に再感染させ、パニン
グを実施すると、Tvuポリメラーゼ相同体が高度に濃縮される。次に、さらに生
物活性に関してスクリーニングを実施する。
【0160】 本開示に照らして、保存的対非保存的残基に基づく上記の合理的な変異誘発に
加えて一般的に利用可能な他の形態の変異誘発についても、当業者であれば実施
し得る。例えば、アラニン走査変異誘発法(Rufら、Biochem.、33:1565-1572、19
94; Wangら、J. Biol. Chem.、269:3095-3099、1994; Balintら、Gene 137:109-
118、1993; Grodbergら、Eur. J. Biochem.、218:597-601、1993; Nagashimaら
、J. Biol. Chem.、268:2888-2892、1993; Lowmanら、Biochem.、30:10832-1083
8、1991; およびCunninghamら、Science、244:1081-1085、1989)、リンカー走査
変異法 (Gustinら、Virol.、193:653-660、1993; Brownら、Mol. Cell. Biol.、
12:2644-2652、1992; McKnightら、Science、232:316); または飽和変異誘発法(
Meyersら、Science、232:613、1986)等を用いて、Tvu DNAポリメラーゼ相同体を
作製しスクリーニングすることができる。
【0161】 ある態様においては、分子生物学的方法を用いてゲノムDNAを単離することに
より、野生型Tvuポリメラーゼをクローニングする。単離されたゲノムDNAを、次
に制限酵素を用いて、断片化し(例えば、約3kb以上)、断片をプラスミドまた
はバクテリオファージ・ベクター等の好適なクローニング・ベクターに挿入する
。次に、T.ブルガリスのゲノムDNAの断片を含むベクターを好適な大腸菌宿主に
形質転換する。TvuポリメラーゼをコードするDNAを含むクローンは、機能アッセ
イ法(例えば、形質転換細胞可溶化液における耐熱性ポリメラーゼの有無)また
はDNA耐熱性生物のポリメラーゼ間で保存されている領域に由来するプローブを
用いたハイブリダイゼーションにより単離することができる。あるいは、T.ブル
ガリスゲノムDNAを、耐熱性DNAポリメラーゼをコードする遺伝子間で高度に保存
された配列の領域から選択されるプライマーを用いたPCRの標的として用いるこ
とができる。このようなPCRでは、TvuポリメラーゼI遺伝子の全コード領域が増
幅しないかもしれないが、増幅した断片をプローブとして用いて、T.ブルガリス
DNAを含むゲノム・ライブラリーをスクリーニングすることによって、完全長Tvu
遺伝子を単離することができる。
【0162】 完全長Tvuポリメラーゼ遺伝子が得られれば、これらの活性を低下させるまた
は除去するための様々な手段を利用して、5'から3'方向へのエキソヌクレアーゼ
をコードする領域を改変することができる。好適な欠失および部位特異的変異誘
発法は、当技術分野で公知である。
【0163】 本発明のある態様においては、コードする遺伝物質における欠失、または変異
もしくはフレームシフトによる翻訳停止コドンの導入のいずれかにより、タンパ
ク質のアミノ酸を欠失させることができる。他の態様においては、タンパク質分
子のタンパク質分解処理を実施し、タンパク質の一部を除去する。さらに別の態
様においては、野生型配列を制限酵素消化して欠失変異体を調製し、適当に消化
したオリゴマーを所望の活性をコードする消化断片にアニーリングし、新規の開
始部位を導入する(例えば、実施例11)。
【0164】 6.Tvu DNAポリメラーゼの化学合成 本発明の別の態様においては、当技術分野で公知の化学的方法(例えば、 Car
uthersら、Nuc. Acids Res. Symp. Ser.、7:215-233、1980; CreaおよびHorn、N
uc. Acids Res.、9:2331、1980; MatteuociおよびCaruthers、Tetrahedron Lett
.、21:719、1980、ならびにChowおよびKempe、Nuc. Acids Res.、9:2807-2817、
1981)を用いて、Tvu DNAポリメラーゼのコード配列の全域もしくは一部を合成
する。本発明の別の態様においては、完全長Tvu DNAポリメラーゼのアミノ酸配
列またはその一部のいずれかを合成する化学的方法を用いて、タンパク質それ自
体を作製する。例えば、ペプチドは固相技術で合成し、樹脂から切り出し、調整
用高速液体クロマトグラフィーで精製することができる(例えば、Creighton、
「タンパク質構造および分子原理(Proteins Structures and Molecular Princi
ples)」、W H Freeman and Co、New York N.Y.、1983)。本発明の別の態様に
おいては、合成ペプチドの組成はアミノ酸分析または配列決定で確認することが
できる(例えば、Creighton、上記)。
【0165】 ペプチドの直接合成は、種々の固相技術を用いて実施することができる(Robe
rgeら、Science 269:202-204、1995)。また、自動合成は、例えば、ABI 431Aペ
プチド合成機(パーキンエルマー)を用い供給元の説明書に従って実施すること
ができる。さらに、Tvu DNAポリメラーゼのアミノ酸配列、もしくはその一部を
直接合成の段階で改変する、および/または化学的方法を用いて変種ポリペプチ
ドを生産する他の配列と組み合わせることができる。
【0166】 III.PCRにおけるTvu DNAポリメラーゼの用途 本発明の野生型および改変Tvuポリメラーゼは、PCRの実施における好適な酵素
を提供する。PCR工程については、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号
に記載され、公開された内容は本明細書に参照として組み入れられている。
【0167】 プライマーセットに対して相補的である領域を含む核酸であれば、いずれの核
酸も本発明のPCR法で増幅できる。好適な核酸の例としては、DNA、cDNA、染色体
DNA、プラスミドDNA、RNA、rRNAおよびmRNAが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。核酸は、細菌、ウイルス、真菌、原虫、酵母、植物、動物、血
液、組織、およびインビトロ合成した核酸を含むいかなる起源に由来するもので
あってもよく、これらに限定されるものではない。
【0168】 IV.逆転写反応におけるTvu DNAポリメラーゼの用途 本発明は、逆転写反応におけるTvu DNAポリメラーゼの利用をも意図する。通
常利用する逆転写酵素(例えば、トリ骨髄性白血病ウイルス(AMV)逆転写酵素
およびモロニー白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素)による、多種のRNA鋳型の
逆転写反応では、RNA鋳型の二次構造によって限定を受けることが多い。所与のR
NA分子内の相補的領域間でのハイブリダイゼーションによってRNAに二次構造が
生じる。二次構造はcDNAの合成率が低下したり、cDNA産物が未成熟なまま終結し
たりする原因となる。なぜならば、これらポリメラーゼは、二次構造によって処
理ができないからである。従って、二次構造を有するRNAに対応するものがcDNA
ライブラリー中で少なくなり、試料中で二次構造を形成したRNAを逆転写反応PCR
(RT-PCR)で検出することが困難となりうる。さらに、RNAの二次構造によって
、ディファレンシャル・ディスプレーPCR等の技術において整合性のある結果が
得られなくなる。従って、高い温度では二次構造が減少または制限されるので、
高い温度で逆転写反応を実施するとには利点がある。
【0169】 逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼは複数存在する (例えば、サ
ーマス-サーモフィラスDNAポリメラーゼ、アネロセルム-サーモフィラム(Anaer
ocellum thermophilum)DNAポリメラーゼ(例えば、国際公開公報第98/14588号
))。これらの酵素はレトロウイルスの逆転写酵素より高い温度で使用可能であ
るため、RNA分子の二次構造をかなり解除できる(すなわち、RNA構造の熱融解に
よって)。これらポリメラーゼのうち多くのものが、マンガンイオンの存在下で
のみ逆転写酵素活性を示すが、例外としては、アネロセルム-サーモフィラムDNA
ポリメラーゼ(例えば、国際公開公報第98/14588号)、バチルス-カルドテナク
スDNAポリメラーゼ (例えば、米国特許第5,436,149号)およびC. THERM DNAポ
リメラーゼ(ベーリンガー・マンハイム)が挙げられる。マンガンの存在下での
逆転写反応は、最適状態ではないことが多い。これは、マンガンイオンの存在に
よって、ポリメラーゼの正確度が低下し、ポリヌクレオチドに傷害を与えるため
である。
【0170】 本発明は、Tvuポリメラーゼの利用により逆転写酵素法に改良をもたらす。従
って、本発明のある態様においては、Tvuポリメラーゼ の逆転写酵素活性を利用
する。ある態様においては、マグネシウムまたはマンガンイオンの存在下で逆転
写酵素活性を示す。別の態様においては、ポリメラーゼはマグネシウムイオンの
存在下で、かつ実質的マンガンイオンの非存在下で逆転写酵素活性を示す。従っ
て、本発明はTvuポリメラーゼを用いた種々の逆転写法を含む。ある態様におい
ては、約50℃から80℃、好ましくは約60℃から75℃で逆転写反応を実施する。さ
らに別の態様においては、TvuポリメラーゼによるRNA分子の逆転写反応により、
RNA分子に相補的なcDNA分子が生産される。別の態様においては、Tvuポリメラー
ゼは次に、cDNA分子に相補的な第2のDNA鎖の合成を触媒し、二本鎖DNA分子を形
成する。さらに別の態様においては、Tvuポリメラーゼは、上記のPCRにおいて二
本鎖DNA分子の増幅を触媒する。ある態様においては、逆転写酵素反応と同一の
反応混合物でPCRを実施する(すなわち、共役RT-PCR)。
【0171】 V.DNA配列決定法におけるTvu DNAポリメラーゼの用途 本発明は、配列決定反応におけるTvu DNAポリメラーゼの利用を含む。サーマ
ルサイクル・シーケンシングは、サーマス-アクアティカスから単離されたDNAポ
リメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼ)等の好熱性DNAポリメラーゼに固有の性質の
利点を利用した酵素的配列分析法の別法である。プロトコールではサーモサイク
リング装置を利用するので、従来の配列決定戦略に比較して複数の利点が実現さ
れる。第一に、プロトコールでは、鋳型DNAの増幅が直線的であり、検出可能な
配列ラダーを生じるのに必要な鋳型の量を減らすことができる。32P末端標識し
たプライマーを用いることによって、4フェムトモル(4 x 10-15 モル)程度の
少量の鋳型を用いたときでも、一晩露光すれば500塩基よりも長い配列が得られ
る。第二に、個々の変性サイクルで高温にすることにより、二本鎖DNA(dsDNA)
鋳型のアルカリ変性とエタノール沈殿とが不必要になった。変性サイクルは、PC
R反応産物等の直鎖状dsDNA鋳型における急速再アニーリングの問題解決にも寄与
する。第三に、高いアニーリング温度により、プライマー・ハイブリダイゼーシ
ョンのストリンジェンシーを高めることができる。第四に、高い重合温度により
、DNA鋳型の二次構造を減少させ、これにより高度に構造化した領域の重合が可
能となる(Innisら、Proc. Natl. Acad. Sci USA 85:9436、1988)。サーマルサ
イクル・シーケンシングは、組換えDNA、増幅DNA、λ等の大型の二本鎖DNA鋳型
、GCに富んだ鋳型および回文構造に富んだ鋳型等の多様な鋳型の配列決定に有用
である。
【0172】 本発明のある態様においては、Tvu DNAポリメラーゼを核酸の配列決定に利用
する。DNA分子の配列は、化学的 (MaxamおよびGilbert、Proc. Natl. Acad. Sci
. USA 74:560、1977) または酵素的 (Sangerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 7
4:5463、1977) 方法を用いて確認することができる。酵素的配列決定法は、配列
決定しようとする鋳型にハイブリダイズしたプライマーをDNAポリメラーゼがチ
ェーン・ターミネーション・ヌクレオチドを取り込むまで伸長させ得ることに基
づいている(「チェーン・ターミネーション・シーケンシング」呼ばれる)。個
々の配列決定は、異なる4種類の別々の反応セットとして実施し、それぞれが4種
類のデオキシリボヌクレオシド3リン酸(dNTP)をすべてを含み、かつ限定的な
量の異なるジデオキシリボヌクレオシド3リン酸(ddNTP)を含む。4種のddNTPに
は鎖伸長に必要な3'-OH基がないため、反応において、個々のジデオキシ類似体
に依存してオリゴヌクレオチドの伸長が選択的にG、A、TもしくはCの位置で停止
する。
【0173】 個々のdNTPおよびddNTPの相対濃度を調整して、数百から数千塩基の長さで停
止した鎖のネステッドセットを与えることができる。得られた断片は、それぞれ
共通の起点を有するが、終点のヌクレオチドは異なっており、高解像度変性ゲル
電気泳動でサイズに従い分離する。
【0174】 オリゴヌクレオチド鎖への標識の取り込み(例えば、放射標識もしくは蛍光標
識)によって、オートラジオグラフィーもしくは蛍光検出を利用して配列決定産
物を可視化できる。末端標識プライマーのプロトコールは、既報に記載の方法(
Heinerら、Applied Biosystems, Inc. DNAシーケンサー・モデル370ユーザー・
付属Taqポリメラーゼ: DNA配列決定における酵素の汎用性の増大、1988)の改変
であるが、配列決定プライマーを標識するのに[γ-32P]ATP、[γ-33P]ATPもしく
は[γ-35S]ATPを用いる。あるいは、蛍光色素を5'末端に含むプライマーを用い
てもよい。サーマルサイクル・シーケンシングでは、DNA鋳型および標識プライ
マーは繰り返しアニーリングし、酵素的に伸長/停止する。末端標識したプライ
マーのプロトコールが、最も用途の広い配列決定法であり、λDNA(Kaledinら、
Biokhimiya 45:494、1980)、PCRの鋳型および誤ったプライマー結合が問題とな
るような鋳型を用いるときにも有用である。このプロトコールでは、プライマー
に非常に近接した位置の配列も得られるので、これが必要なときには推奨される
。また、反応は、dGTPの代わりに7-デアザdGTPを含むデアザ・ヌクレオチド混合
物を含む。デアザ混合物は、GCに富んだ領域のバンドの圧縮を解消する(Mizusa
waら、Nucl. Acids Res. 14:1319、1986、およびBarrら、Biotechniques 4:428
、1986)。
【0175】 米国特許第4,707,235号(本開示は本明細書に参照として組み入れられる)は
、配列決定において有用なマルチチャンネル泳動装置を用いて放射性標識した産
物に対する泳動および分析自動化システムを提供している。Tvuポリメラーゼも
同様に、この方法で使用できるものとみなされる。
【0176】 実施例 以下の実施例は、本発明の特定の好ましい態様および局面を示すために役立ち
、その範囲を限定するものとして解釈されるべきでははない。
【0177】 本開示においては、以下の略語が適用される:℃(摂氏);g(重力場);vol
(容量);w/v(重量/容量);v/v(容量/容量);BSA(ウシ血清アルブミン
);CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド);fmol(フェムトモル);
HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);DTT(ジチオトレイトール);DMF(N,N
ジメチルホルムアミド);DNA(デオキシリボ核酸);p(プラスミド);μl(
マイクロリットル);ml(ミリリットル);μg(マイクログラム);pmoles(
ピコモル);mg(ミリグラム);MOPS(3-[N-モルフォリノ]プロパンスルホン酸
);M(モル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);nm(ナノメートル);
kd(キロダルトン);OD(光学密度);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);FITC
(フルオレセインイソチオシアネート);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);NaP
O4(リン酸ナトリウム);Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン);PM
SF(フェニルメチルスルフォニルフルオリド);TBE(Tris-ホウ酸-EDTA、即ち
、HClよりもむしろホウ酸を用いて滴定された、EDTAを含むTris緩衝液);PBS(
生理的リン酸緩衝液);PPBS(1 mMのPMSFを含む生理的リン酸緩衝液);PAGE(
ポリアクリルアミドゲル電気泳動);SDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム-ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動);Tween(ポリオキシエチレンソルビタン);Boe
hringer MannheimまたはBM(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim)
、Indianapolis, IN);Epicentre(エピセンターテクノロジー社(Epicentre Te
chnologies)、Madison, WI);New England BiolabsまたはNEB(ニューイングラ
ンドバイオラボ社(New England Biolabs)、Beverly, MA);Novagen(ノバゲン
社(Novagen,Inc.)、Madison, WI);Pharmacia(ファルマシアバイオテック社(P
harmacia Biotech Inc.)、Piscataway, NJ);Perkin Elmer(パーキンエルマー
社(Perkin Elmer)、Norwalk, CT);Promega(プロメガ社(Promega Corp.)、Mad
ison, WI);Qiagen(キアゲン社(Qiagen Inc.)、Chatsworth, CA);Spectra(
スペクトラ社(Spectra)、Houston, TX);Stratagene(ストラタジーンクローニ
ングシステムズ社(Stratagene Cloning Systems)、La Jolla, CA);USB(U.S.
バイオケミカル社(U.S.Biochemical)、Cleveland, OH);Tomah(トマープロダ
クツ社(Tomah Products Inc.)、Tomah, WI)。
【0178】 実施例1 Tvu DNAポリメラーゼの精製 本実施例は、天然のサーモアクチノマイセス-ブルガリス(T.vulgaris)(Tvu
)DNAポリメラーゼの精製について説明する。Tvu細胞をATCC(アクセッション番
号43649)から得た。この精製ポリメラーゼをその後、実施例2〜10において表さ
れる実験において使用した。冷凍シードバイアルから1 mlを融解し、1 lのルリ
ア(Luria)培地に接種した。培地には10 mlの20%グルコースを補足した。培養
物を55℃、250 rpmにて15時間、振とう器上で増殖させた。この培養物500 mlを
、20 lの培養槽中において17.5 lの培地に加えた。培養物を55℃において増殖さ
せた。培養物の増殖を580 nmにおける吸光度計測によりモニタリングし、40 ml
の培地から得られた細胞ペレットの湿重量に基づいて測定した。4.75時間後、内
容物を冷却し、CEPAチューブラーボウル遠心分離を用いて回収した。細胞ペース
トの純収量は69.0 gであった。Tvu DNAポリメラーゼの精製を実施するまで、細
胞ペーストを冷凍室において-85℃にて保存した。
【0179】 30 gの細胞ペーストを、2.5 mM PMSFを含む、150 mlの氷冷0.25 M NaCl TEDGT
緩衝液(pH 7.3の50 mM Tris-HCl、1 mM EDTA、1 mM DTT、10%グリセロール、
および0.1% Tween20)に懸濁し、氷上にて音波処理により溶解した。その後、1
1.5 mlの5% PEIを溶解産物に加え、DNAを沈殿させた。以下の精製段階を4℃に
おいて実施した。上清を沈殿物から分離するため、遠心分離(Beckman JA18ロー
ターにおいて15,000 rpm、15分間)を使用した。上清をその後回収し、硫酸アン
モニウムを最終飽和濃度が65%となるように加え、DNAポリメラーゼを沈殿させ
た。硫酸アンモニウム沈殿物を上清から分離するため、遠心分離(Beckman JA18
ローターにおいて15,000 rpm、20分間)を使用した。沈殿物を回収し、TEDGT緩
衝液中に懸濁し、TEDGT緩衝液に対して透析して硫酸アンモニウムを取り除いた
【0180】 透析した溶液をその後、TEDGT緩衝液によって平衡化したヘパリン-アガロース
カラム(SPL 1905-0004)に充填した。カラムをTEDGT緩衝液で洗浄した後、0〜1
MのNaCl TEDGT緩衝液の直線勾配を適用して溶出を行った。画分を回収し、実
施例2において説明されるように、DNAポリメラーゼ活性についてアッセイを行っ
た。DNAポリメラーゼ活性がある画分を集積した。集積画分の1/64、1/16、1/8、
1/4、1/2、および1μl当量を、1μgのラムダDNA(Promega、D150)と共に、緩衝
液E(Promega、R005A)において74℃にて1時間インキュベートすることにより、
エンドヌクレアーゼの存在を決定した。分解物のアガロースゲル電気泳動による
分析では、制限酵素活性は示されなかった。集積した画分をTEDGT緩衝液に対し
て透析し、その後、TEDGT緩衝液により平衡化したシバクロンブルー(Cibacron
Blue)カラム(Sigma、C-1535)に充填した。カラムをTEDGT緩衝液で洗浄した後
、0〜1 MのNaCl TEDGT緩衝液の直線勾配を用いて溶出を行った。溶出液を画分
として回収し、各画分をDNAポリメラーゼ活性について調べた。
【0181】 DNAポリメラーゼ活性を含む画分を集積し、TEDGT緩衝液に対して透析し、TEDG
T緩衝液により平衡化したDEAE-セファロースカラム(Sigma、DCL-6B-100)に充
填した。カラムをTEDGT緩衝液で洗浄した後、0〜1 MのTEDGT緩衝液の直線勾配を
用いて溶出を行った。溶出液を画分として回収し、DNAポリメラーゼ活性につい
て調べた。最高のDNAポリメラーゼ活性を示した画分を、TEDGTで平衡化したDNA-
アガロースカラム(Promega)に充填する前に、TEDGT緩衝液に対して透析した。
カラムをTEDGT緩衝液で洗浄した後、0〜1 MのNaCl TEDGT緩衝液の直線勾配を用
いて溶出を行った。溶出液を画分として回収し、DNAポリメラーゼ活性について
調べた。最高のDNAポリメラーゼ活性をもつ画分の5μlを、Hae III制限酵素(Pr
omega、G176A)により分解した1μgのPhiX174 DNA、またはpBR322プラスミドDNA
(Promega、D151A)と共に、緩衝液E(Promega、R005A)において70℃にて3時間
20分インキュベートすることにより、エンドヌクレアーゼ活性およびニック酵素
活性を調べた。最高レベルのDNAポリメラーゼ活性を示し、実質的なエンドヌク
レアーゼ活性またはニック酵素活性がなかった画分を集積し、3 mlの溶液を得た
。60 μlの10% Tween 20および60μlの10% NP40界面活性剤を加え、保存緩衝
液(pH 8.0の20 mM Tris-HCl、100 mM KCl、0.1 mM EDTA、1 mM DTT、50%グリ
セロール、0.5% NP-40、および0.5% Tween 20)に対して透析し、保存緩衝液
を用いて1μl当たり(実施例2において定義されたように)5単位の濃度になるま
で希釈し、-20℃において保存した。
【0182】 本実験より、ヌクレアーゼの混入が実質的にないこと、および、4%〜20%の
勾配Tris-グリシンゲル(Novex、EC6025)上において、Mark 12サイズマーカー
(Novex、LC5677)と比較した場合、約97 kDにおける顕著なバンドが現われたこ
とによって示唆されるように、Tvu DNAポリメラーゼは95%以上純粋になるまで
精製されたことが示された。
【0183】 実施例2 DNA合成活性アッセイ法 放射性標識したdTTPの、下記に説明されるように調製された、ニックおよびギ
ャップをもつ(即ち活性化された)仔ウシ胸腺DNAへの取り込みにより、実施例1
において説明されたように精製された、天然の、熱安定性Tvu DNAポリメラーゼ
の活性を調べた。熱安定性DNAポリメラーゼ1単位を、74℃において30分間に10 n
molのdNTPを酸不溶性形態に取り込むのを触媒するのに必要な酵素の量として定
義する。反応条件は以下を含んだ:50μlの反応物当たり、50 mM Tris-HCl(25
℃においてpH 9.0)、50 mM NaCl、10 mM MgCl2、12μg活性化仔ウシ胸腺DNA、0
.2 mM dATP、0.2 mM dGTP、0.2 mM dCTP、0.2 mM dTTP(Promega、U1240)、お
よび1μCiの3H-dTTP(Amersham、#TRK.424)。
【0184】 反応成分を室温にて集合させた。ポリメラーゼ活性を含むと疑われる試料を加
え(0.05単位〜0.5単位を含む5 μl)、試験管を74℃にて30分間インキュベート
した。その後、50μlのアリコートを6分、9分、12分、および15分の時点で取り
除き、氷上にて別々の試験管中に入れた。以下の手順によるTCA沈殿計数の測定
により、3H-dTTPの取り込みを決定した。各50μlアリコートに、500μlの10%冷
TCA溶液を加え、試験管を氷上にて10分間インキュベートし、その後、各試験管
の内容物を別々のGF/Aフィルター(Whatman、1820024)においてフィルターろ過
した。フィルターを5 mlの5%冷TCA溶液で3回、アセトンで1回洗浄した。フィル
ターを熱ランプ下で乾燥し、シンチレーションバイアル中に入れ、その後、シン
チレーション液(Beckman、158735)中において、液体シンチレーションカウン
ターにて計測した。酵素を含まない陰性対照実験も、上記のように、50μlのDNA
ポリメラーゼ活性アッセイ混合物を用いて実行し、洗浄した。5μlのDNAポリメ
ラーゼ活性アッセイ混合物を直接用いて、各反応の総計数を決定した。
【0185】 1 gの仔ウシ胸腺DNA(#D-151、Sigma)を400 mlのTM緩衝液(10 mM Tris-HCl(
pH 7.3)、5 mM MgCl2)に溶解することにより、活性化した仔ウシ胸腺DNAを調製
した。RQ1-DNase(Promega)をTM緩衝液中に40単位含むような溶液400μlをDNA
溶液に加え、37℃にて10分間インキュベートした。DNA溶液を68℃にて30分間加
熱することにより、DNaseの分解を停止した。使用するまで、活性化した仔ウシ
胸腺DNAを-20℃において保存した。使用する前に、活性化した仔ウシ胸腺DNAを7
4℃まで10分間加熱し、その後、室温にまで冷却した。
【0186】 実施例3 Mg2+イオンまたはMn2+イオンの存在下における熱安定性DNAポリメラーゼのRT活
性の比較 本実施例は、Mg2+イオンまたはMn2+イオンのいずれかの存在下における、幾つ
かの異なるDNAポリメラーゼの逆転写酵素活性の決定について説明する。これら
の実験においては、逆転写(RT)反応混合物が使用された。反応物における各成
分の最終濃度は、以下のようであった:50μlの反応容量中、10 mM Tris-HCl(p
H 8.3)、90 mM KCl、0.5 mM dTTP(Promega、U123A)、0.25 mM ポリリボアデ
ニル酸、0.025 mM オリゴデオキシチミジル酸(Supertechs 111020A)、および0
.25 μCi 3H-dTTP(Amersham Life Science、カタログ番号#TRK.424)。
【0187】 RT反応混合物の各45μlのアリコートを、DNAポリメラーゼのうち1つの2μl(1
0単位)、および50 mMのMnCl2または50 mMのMgCl2のいずれかの1μlと混合した
。溶液をその後、70℃にて15分間インキュベートした。それらを氷上に置くこと
により反応を停止した。天然Taq、シーケンシング級(grade)Taq(sTaq)、お
よびTthはプロメガ社(Promega)から得(各々M166、M203、M210)、Tneは、参
照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,001,645号において説明される
ように精製した。陰性対照実験は、説明されたように、しかしいかなる酵素も加
えずに実行した。
【0188】 3H-dTTPの取り込みは、TCA沈殿計数を以下のように測定することにより決定し
た。10μlの仔ウシ胸腺DNA(1 mg/ml)、500μlの10%冷TCA溶液を加え、その後
、GF/Cフィルター(Whatman、1822024)においてフィルターろ過する前に、氷上
に10分間置くことにより、各RT反応物をTCA沈殿した。フィルターを、5%冷TCA
溶液5 mlで3回、アセトンで1回洗浄した。フィルターを熱ランプ下で乾燥させ、
その後、シンチレーション液(Beckman、158735)中において、液体シンチレー
ションカウンターにて計測した。結果(バックグラウンドについて補正された)
は表2において示される。
【0189】
【表2】 逆転写酵素活性 *反応は、0.05%のTomah E-18-15界面活性剤中で行われた。+ シーケンシング級Taq
【0190】 本実験により、以下のことが示された:1)試験されたDNAポリメラーゼは、Mn 2+ の存在下において高いRT活性をもっていた;2)0.05%のTomah E-18-15界面活
性剤の添加(例えば、参照として本明細書に組み入れられる、米国特許出願第09
/338,174号を参照のこと)により、Mn2+緩衝液においてはTth RT活性が80%増加
した;および3)試験されたポリメラーゼのうち、Tvu DNAポリメラーゼのみが、
Mg2+イオンの存在下において、著しい逆転写酵素活性をもつ。データから示され
るように、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵素活性は、1 mMのMgCl2の存在下にお
いて、天然のTaq DNAポリメラーゼよりも約150倍高く、シーケンシング級Taq DN
Aポリメラーゼよりも約52倍高く、Tth DNAポリメラーゼよりも約66倍高く、およ
び、Tne DNAポリメラーゼよりも約92倍高い。
【0191】 実施例4 マグネシウム濃度のある範囲に渡って試験を行ったTvu DNAポリメラーゼの逆転
写酵素活性 本実施例は、Tvu DNAポリメラーゼが最高の逆転写酵素活性をもつような、マ
グネシウムイオン濃度の決定について説明する。10×RT緩衝液において10 mMのK
Cl(即ち、 90 mMのKClの代わりに)を使用したことを除いては、上記の実施例3
において説明されたように、逆転写(RT)反応混合物を調製した。混合物の成分
およびその濃度は表3において示される。
【0192】
【表3】 逆転写酵素反応物
【0193】 各反応物を70℃にて20分間インキュベートした。それらを氷上に置くことによ
り反応を停止した。実施例3において説明されたように、TCA沈殿計数を測定する
ことにより、3H-dTTPの取り込みを決定した。結果は表4において示される(示さ
れる全ての値はバックグラウンドについて補正された)。
【0194】
【表4】 逆転写酵素アッセイ法
【0195】 本実験は、1〜3 mMのMg2+レベルにおいては、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵
素活性が増加し、3 mM Mg2+において最大となり、その後、Mg2+濃度が3 mMを超
えて増加したときには減少したことを示す。
【0196】 実施例5 マンガンイオン濃度のある範囲に渡って試験を行ったTvu DNAポリメラーゼの逆
転写酵素活性 本実験は、逆転写酵素活性のための最適Mn2+濃度の決定について説明する。To
mah E-18-15界面活性剤を最終濃度0.01%にまで加え、Tvu DNAポリメラーゼをRT
反応混合物1μl当たり0.07単位の最終濃度にまで加えたことを除いて、実施例3
において説明されたように、逆転写(RT)反応混合物を調製した。混合物の成分
は表5において示される。
【0197】
【表5】 逆転写反応物
【0198】 各反応物を74℃において20分間インキュベートした。それらを氷上に置くこと
により、反応を停止した。実施例3において説明されたように、TCA沈殿計数を測
定することにより、3H-dTTPの取り込みを決定した。結果は表6において示される
(全ての値はバックグラウンドについて補正された)。
【0199】
【表6】 逆転写酵素活性
【0200】 本実験は、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵素活性が、反応物中のMn2+レベル
が0.4 mM〜0.6 mMと増加するにつれ増加し、Mn2+が0.6 mMのとき最大となり、Mn 2+ 濃度が0.6 mMを超えて増加したときには減少したことを示す。
【0201】 実施例6 Mg2+緩衝液におけるTvu逆転写酵素活性 本実施例は、マグネシウムを含む緩衝液におけるTvu DNAポリメラーゼの逆転
写酵素(RT)活性を測定するものである。これらの実験においては、RT反応混合
物を、反応物における混合物の各成分の最終濃度が以下のようになるよう調製し
た:50μlの反応物中に、50 mM Tris-HCl(pH 8.3)、40 mM KCl、0.5 mM dTTP
(Promega、U123A)、7 mM MgCl2、10 mM DTT、0.25 mM ポリリボアデニル酸、0
.025 mM オリゴデオキシチミジル酸(Supertechs、#111020A)、および0.25 Ci 3 H-dTTP(Amersham、TRK.424)。
【0202】 RT反応混合物の45μlのアリコートを、1.25単位の酵素と混合した。溶液をそ
の後、74℃にて15分間インキュベートした。それらを氷上に置くことにより、反
応を停止した。異なる量の酵素について実験を反復した。酵素を全く含まない陰
性対照実験を実施した。
【0203】 結果は表7において示される(示される全ての値はバックグラウンドについて
補正された)。
【0204】
【表7】 逆転写酵素活性
【0205】 実施例7 Tvu DNAポリメラーゼの熱安定性 本実施例は、Tvu DNAポリメラーゼの熱安定性を決定するために実施された。T
vu DNAポリメラーゼ(0.08単位)を、実施例2において説明されたDNAポリメラー
ゼ活性アッセイ混合物55μlに加えた。溶液を70℃にて10分間インキュベートし
た。試験管を氷上に置くことにより、反応を終了した。TCA沈殿計数を測定する
ことにより、3H-dTTPの取り込みを決定した(実施例2を参照のこと)。72℃、74
℃、76℃、78℃および80℃のインキュベーション温度を用いて、実験を反復した
。結果は表8において示される(全ての値はバックグラウンドについて補正され
た)。
【0206】
【表8】 熱安定性
【0207】 本実験は、Tvu DNAポリメラーゼ活性が、温度が70℃を超えて上昇するにつれ
減少し、Tvu DNAポリメラーゼ活性のための最適温度は約70℃またはそれ以下で
あることを示す。
【0208】 実施例8 高温におけるTvu逆転写酵素活性 本実施例は、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵素活性のための最適温度を決定
するために実施された。2.5単位のTvu DNAポリメラーゼ、2 mMのMgCl2、および1
×RT反応混合物(実施例3を参照のこと)を含む、25μlの溶液を作製した。溶液
を65℃にて10分間インキュベートした。それを氷上に置くことにより、反応をそ
の後終了した。実施例3において説明されたように、TCA沈殿計数を測定すること
により、3H-dTTPの取り込みを決定した。68℃、70℃、72℃、74℃、76℃および7
8℃のインキュベーション温度を用いて実験を反復した。得られた結果は表9にお
いて示される(結果はバックグラウンドを除くために補正された)。
【0209】
【表9】 高温における逆転写酵素活性
【0210】 本実験は、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵素活性が、反応温度が65℃から68
℃に上昇するにつれ増加し、68℃において最大となり、その後74℃を超える温度
においては減少することを示す。これにより、Tvu DNAポリメラーゼの逆転写酵
素活性のための最適温度は約68℃であることが示唆される。
【0211】 実施例9 Tvu DNAポリメラーゼPCR PCRを実施するためにTvu DNAポリメラーゼを使用できることを示すため、以下
の実験を行った。PCR緩衝液、dNTP(Promega、U1240)、鋳型DNA、プライマーA
、プライマーB(以下に説明されるDNA)、および添加物(Bstにはベタイン、Tvu
にはホルムアミド)を含む、49μlの溶液を作製した。95℃にて2分間、サーモサ
イクラーにおいて溶液をインキュベートした。その後溶液を65℃にまで冷却し、
65℃において2分間インキュベートした。この間、1μlのTvu DNAポリメラーゼ(
5単位/μl)を溶液に加え、各成分の最終濃度を以下のようにした:Tvuについて
は、10 mMのTris-HCl(pH 7.5)、50 mMのNaCl、10 mMのMgCl2、1.5 mMのdNTP、
10 ngの鋳型DNA、1μMのプライマーA、1μMのプライマーB、および0.5%のホル
ムアミド。溶液を35サイクル(75℃にて15秒間、および65℃にて2分間)インキ
ュベートした。65℃において5分間、最終伸長反応を行った。反応物をその後、4
℃において保存した。10μlの反応物をその後、20%のTBEゲル(Novex、EC6315
)に充填した。230ボルトにおいて60分間、ゲル電気泳動を行い、臭化エチジウ
ムで染色した。双方のDNAポリメラーゼ反応物について、36 bpのバンドを検出し
た。本実施例は、Tvu DNAポリメラーゼが、本実施例において説明される条件下
においてPCRを実施できることを示す。
【0212】 これらの実験において、プライマーAは以下の配列を有した: (配列番号:7);プライマーBは以下の配列を有した:配列 (配列番号:8)。鋳型DNAは、プラスミドpGEM-7fz+(Promega、p225A)を制限
酵素Apa IおよびKpn Iによって分解することにより作製された。
【0213】 実施例10 野生型および変異型の組換えTvu DNAポリメラーゼのクローニング野生型Tvu DNAポリメラーゼをコードする遺伝子のクローニング TvuからゲノムDNAを単離し、完全長のTvu DNAポリメラーゼを発現ベクターに
クローニングするために使用した。5'から3'方向エキソヌクレアーゼをコードす
るドメインを双方とも欠失しているような、2つの変異型組換えTvu DNAポリメラ
ーゼをその後構築した。ルリア培地中で一晩増殖させたTvu細胞をTE(10 mM Tri
s、1 mM EDTA)中に再懸濁し、ボルテックスに激しくかけることにより、Tvuか
らゲノムDNAを単離した。細胞溶液をその後、0.1 mmのガラス/ジルコンビーズ
と結合させ、5,000 rpmにて各20秒の強い撹拌サイクルを2サイクル行った。細胞
はその後、完全に分散し、溶解したと考えられた。新しい試験管に液体を移し、
フェノールを用いて2回、クロロホルムを用いて1回抽出した。各回ごとに、水相
を新しい試験管に移した。水相をその後、リボヌクレアーゼIで処理し、エタノ
ール沈殿させた。DNAを巻き取り、乾燥させる前に70%エタノールで洗浄した。
乾燥したDNAペレットをその後、最終濃度3μg/μlになるまでTE中に再懸濁した
【0214】 TvuゲノムDNAから、PCRによってDNAポリメラーゼドメインを増幅した。以下の
成分を組み合わせた: TvuゲノムDNA(98℃において2分間、事前に変性させた) 1μl プライマー JH47(500ピコモル) 1μl プライマー JH49(500ピコモル) 1μl 15 mMのMgCl2を含む10×Taq緩衝液(Promega) 5μl 10 mMのdNTP 1μl 超純水 40μl
【0215】 DNAポリメラーゼにおいては、使用された縮重プライマーの配列は保存され、
それらは以下の通りである: Yはピリミジン(TまたはC)を示す。 Iは、4つの通常の塩基のいずれかとアニールするイノシンを示す。 Rはプリン(AまたはG)を示す。
【0216】 PCRサイクルのプロフィールは、96℃ 1分間、(94℃、15秒間;32℃、30秒間
;72℃、1分間)×25サイクル、72℃ 1分間であった。600塩基対の断片が予測通
りに生じた。Wizard PCR精製システム(Promega、A7170)を製造者の使用説明書
に従って用い、PCR産物を精製した。製造者の使用説明書に従って、25 ngの断片
を50 ngのTベクター(Promega、A3600)にライゲートした。4μlのライゲーショ
ン反応液をコンピテントJM109細胞に形質転換した。クローンを選択し、Pvu II
制限酵素によって分解し、600塩基対のPCR産物を含むことが示された。産物をジ
デオキシ法によって配列決定した。このポリヌクレオチドにコードされる、結果
的に生じるアミノ酸配列を、大腸菌のPolAおよびTaq DNAポリメラーゼのアミノ
酸配列と比較した場合、双方に対して約50%の相同性が示され、クローニングし
たPCR産物はTvuのDNAポリメラーゼ遺伝子由来であることが示唆された。
【0217】 600 bpのPCR断片内にある、オリゴヌクレオチド11300 を、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて33P-ATPによって標識し、サザンブロ ット法のプローブとして使用した。サザンブロット法では、レーン毎に、7つの
異なる制限酵素(BamH I、Acc65 I、Apa I、EcoR I、Hind III、Spe I、Xba I、
Xho I)の1つにより分解したTvuゲノムDNAが含まれた。プレハイブリダイゼーシ
ョン条件は、3 mlの1×SSPE、10%のPEG-8000、7%のSDS、250μg/mlの変性ニシ
ン精子DNAにおいて、65℃、1.5時間にて行うものであった。ハイブリダイゼーシ
ョン条件は、プレハイブリダイゼーションに使用されたものと同じ溶液に、G-25
カラム上で精製した、放射性標識したプローブを添加し、50℃にて4時間反応を
行うものであった。25℃において、200 mlの0.3×SSC、0.1%のSDSによる、各々
15〜30分間の洗浄を繰り返し、続いて50℃において、200 mlの0.3×SSC、0.1%
のSDS による洗浄を3回行った。ブロットをその後X-OMATフィルムに22℃にて2日
間曝露した。Hind IIIにより分解されたレーンにおいて、検出可能な、およそ3
kbにおける1つのバンドが生じ、Xho Iにより分解されたレーンにおいて、検出可
能な、10 kbより大きな1つのバンドが生じた。
【0218】 Hind III制限酵素によりTvuゲノムDNAを分解し、0.4%TAEアガロースゲルで泳
動した。3 kb位置近傍の領域をゲルから切り出し、Wizard PCR精製システム(Pr
omega、A7170)を用いて精製した。精製した3 kbの断片をpZERO-2(Invitrogen
)にライゲートし、TOP10細胞(LTI)に形質転換した。96個のクローンをつつい
て取り、30μ/mlのカナマイシンを含む200μlのLB培地において、37℃にて一晩
振とうし、各々増殖させた。上記に説明されたオリゴヌクレオチド11300をプロ
ーブとして使用して、および同様に上記に説明されたプレハイブリダイゼーショ
ン条件およびハイブリダイゼーション条件を使用して、培養物をドットブロット
した。25℃において、150 mlの0.5×SSC、0.1%SDSによる各15〜30分間の洗浄を
2回行い、続いて、50℃において、150 mlの0.5×SSC、0.1%SDSによる各15〜30
分間の洗浄を3回行った。ブロットをその後、X-OMATフィルムに2時間曝露し、現
像した。2つのコロニーは強いシグナルを呈した。それらを増殖させ、それから
プラスミドを単離した。プラスミドにおけるクローニングした断片を配列決定し
、Hind III制限酵素部位がQNIP保存された領域の183塩基対上流であることを示
し、DNAポリメラーゼ遺伝子(C-末端)の約3分の1がクローン中に存在すること
が示唆された。
【0219】 遺伝子におけるHind III部位の上流をクローニングするため、Hind III部位上
流の領域を増幅するための、第二のPCR増幅を設計した。再度、DNAポリメラーゼ
に存在する保存配列を含む、縮重プライマー(JH31)を使用した。以前にクロー
ニングされたTvu DNAポリメラーゼのHind III断片内から、第二プライマー(112
99)を選択した。以下のPCR反応が組み立てられた: TvuゲノムDNA 1μl JH31プライマー 400 pmol 4μl 11299プライマー 50 pmol 5μl 10 mM dNTP 1μl 10×Taq緩衝液 5μl 50 mM MgSO4 2μl Taqポリメラーゼ 1μl 水/エンハンサー 31μl
【0220】 PCRサイクル条件は、96℃ 1分間(94℃、15秒間;37℃、30秒間;72℃、1分間
)×25、72℃ 1分間であった。PCR反応物を1.2% TBE/アガロースゲル上で泳動
た。その結果生じる350 bpのバンドは予測通りであり、Wizard PCR精製システム
(Promega、A7170)を使用して精製された。Tベクターに断片をライゲートし、J
M109細胞に形質転換した。陽性クローンを配列決定した。Hind III部位からの下
流配列は以前のクローンと同一であった。Hind III部位の上流の配列は、他のDN
Aポリメラーゼに相同なアミノ酸をコードしていた。
【0221】 現存のストックよりも断片化の程度が低いDNAを得るために、細胞をプロテイ
ナーゼKにより溶解したことを除いて、以前に説明されたように、新規のTvuゲノ
ムDNAを単離した。上記に説明されるように、得られたHind III部位の上流の配
列を用い、オリゴヌクレオチド(11761)を調製した。このオリゴヌクレオチド
配列は以下の通りである:
【0222】 Hind III 、またはHind III およびその他の制限酵素(Acc I、BamH I、Bgl I
I、EcoR I、Spe I、Xba I、Xho I、Xho II)により、TvuゲノムDNAを分解し、分
解した各試料を、0.6%のTBE/アガロースゲルのレーン上で泳動した。サザンブ
ロット法により、ゲル中のDNAをナイロン膜にトランスファーした。T4ポリヌク
レオチドキナーゼを用い、33P-γ-ATPにより11761オリゴヌクレオチドの末端を
標識し、製造者の使用説明書に従ってNAP-5カラム(Pharmacia)上で精製した。
プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、以前
に説明した通りであった。膜をその後、X-OMATフィルムに数日間曝露し、現像し
た。Hind III+EcoR Iによって分解し、若干小さなバンドが生じたレーンを例外
として、全てのレーンにおいて4 kbのバンドが生じた。これらの結果は、以前に
Tvu DNAポリメラーゼのコード配列に位置付けられたHind III部位の約4 kb上流
に位置する、Hind III制限酵素部位が存在することを示す。
【0223】 TvuゲノムDNAをHind IIIで分解し、0.6%のTBE/アガロースゲル上にて泳動し
た。4 kb位置におけるアガロースをゲルから切り出し、DNAを単離した。その結
果生じたDNAをHind III 部位においてpZERO-2(Invitrogen)にライゲートし、T
OP10細胞に形質転換した。上記に説明されたように、放射性標識した11761オリ
ゴヌクレオチドをプローブとして用い、ドットブロット法により、クローンをス
クリーニングした。陽性クローンを増殖させ、プラスミドを精製し、Tvuポリメ
ラーゼ遺伝子の残りを含むインサートを配列決定した。
【0224】 2つのHind III断片を、Litmus 29プラスミド(New England Biolabs)に、正
しい順にクローニングし、断片接合部に渡って再配列決定した。Litmus 29プラ
スミドにおけるTvu DNAポリメラーゼのこの完全長クローンは、L29bと名付けら
れる。結果的に生じる読み取り枠のヌクレオチド配列は配列番号:1である。
【0225】変異型Tvu DNAポリメラーゼの構築−T289M Tvu DNAポリメラーゼのT289M突然変異体の構築により、スレオニンの代わりに
メチオニン残基をコードするように突然変異を導入した、野生型酵素のアミノ酸
289個をコードするヌクレオチドにおいて開始し、野生型酵素の終止コドンにお
いて終了する、Tvu DNA断片の発現を行う、IPTG誘導性の哺乳動物プロモーター
を含むプラスミドを生じた。
【0226】 JHEX25ベクター(Promega)を、Nco IおよびAcc65 I制限酵素により分解し、
アガロースゲルから、大きな線状バンドを単離した。上記に説明されたL29bベク
ターを、Sgf IおよびAcc65 I制限酵素で分解し、1.8 kbのバンドをアガロースゲ
ルから単離した。L29bにおけるSgf I切り出し部位は、ポリメラーゼ開始コドン
から912塩基対下流に位置しており、L29bにおけるAcc65 I切り出し部位は、ポリ
メラーゼ終止コドンから69塩基対下流に位置している。
【0227】 互いにアニーリングした場合に、Sgf I突出部が一端に存在し、Nco I突出部が
もう一端に存在するように、オリゴヌクレオチド12144および12145を設計した。
Nco I 部位内のATGは、T289M DNAポリメラーゼのための、新しい、本来にはない
開始部位を作製する。試験管において、TNE(10 mM Tris、5 mM NaCl、1 mM EDT
A)中において各々2 pmol/μlを組み合わせ、試験管を9600サーモサイクラー中
に置き、温度を80℃から25℃まで40分間かけてゆっくりと低下させることにより
、オリゴヌクレオチドをアニーリングした。
【0228】 L29bの精製したSgf I/Acc65 I断片を、T4 DNAリガーゼを用いて、室温にて約2
時間、アニーリングした12144/12145オリゴヌクレオチド2 pmolにライゲートし
た。4μlのライゲーション反応液をその後、JM109細胞に形質転換し、テトラサ
イクリンを含むLBプレート上に播いた。プラスミドを単離し、Nco IおよびAcc65
I制限酵素によって分解することにより、コロニーをスクリーニングし、DNAポ
リメラーゼをコードする配列に渡ってジデオキシ法を行うことによって正しいこ
とがさらに確証された。プラスミドをTvuK-25と名付けた。T289Mポリメラーゼを
コードするヌクレオチド配列は、図7、配列番号:5において示される。T289Mポ
リメラーゼのアミノ酸配列は、図8、配列番号:6において示される。
【0229】変異型Tvu DNAポリメラーゼの構築−M285 Tvu DNAポリメラーゼのM285突然変異体の構築により、野生型酵素の位置285に
おけるメチオニンアミノ酸をコードするヌクレオチドにおいて開始し、野生型酵
素の終止コドンにおいて終了する、Tvu DNA断片の発現を行う、IPTG誘導性の哺
乳動物プロモーターを含むプラスミドを生じた。
【0230】 上記に説明されたTvuK-25プラスミドを、Dra IおよびSgf I制限酵素によって
分解した。アガロースゲルから大きな線状バンドを単離した。互いにアニーリン
グされた場合にSgf I突出部が一端に存在し、Dra I突出部がもう一端に存在する
ように、オリゴヌクレオチド12230および12231を設計した。試験管において、TN
E(10 mM Tris、5 mM NaCl、1 mM EDTA)中において、各々2 pmol/μlを組み合
わせ、試験管を9600サーモサイクラー中に置き、温度を80℃から25℃まで40分間
かけてゆっくりと低下させることにより、オリゴヌクレオチドをアニーリングし
た。
【0231】 TvuK-25の精製したSgf I/Dra I断片を、T4 DNAリガーゼを用いて、室温にて約
2時間、アニーリングした12230/12231オリゴヌクレオチド2 pmolにライゲートし
た。4μlのライゲーション反応液をその後、JM109細胞に形質転換し、テトラサ
イクリンを含むLBプレート上に播いた。プラスミドを単離し、Dra IまたはAccB7
I制限酵素のいずれかによって分解することにより、コロニーをスクリーニング
し、DNAポリメラーゼをコードする配列に渡ってジデオキシ法を行うことによっ
て、正しいことがさらに確証された。
【0232】 M285ポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列は、図5、配列番号:3におい
て示される。M285ポリメラーゼのアミノ酸配列は、図6、配列番号:4において示
される。
【0233】 実施例11 組換えTvu DNAポリメラーゼの発現および精製 組換えTvu DNAポリメラーゼは、完全長のものおよび突然変異体のいずれも、
本明細書において説明されるように発現および精製された。完全長クローンにつ
いては、100μg/mlのアンピシリンを含む1lのテリフィック(Terrific)培地に
おいて、組換え完全長Tvu DNAポリメラーゼ(実施例11において説明される)を
発現できるベクターにより形質転換した大腸菌を、37℃において飽和密度まで増
殖させた。9,000 rpmにおける5分間の遠心分離により、細胞を回収した。
【0234】 完全長組換えTvu DNAポリメラーゼについては、2.5 mMのPMSFを含む、200 ml
の0.25 M NaCl TEDG(pH 7.3の50 mM Tris-HCl、1 mMのEDTA、1 mMのDTTおよび1
0%のグリセロール)と、20 gの細胞ペーストを組み合わせた。100%出力で、10
℃において各々2分間で3回、溶液を超音波破砕した。溶液(40 mlアリコート)
をその後、65℃にて5分間加熱処理し、その後4℃まで冷却した。その後、5%のP
EIの4 mlを溶解産物に加え、DNAを沈殿させた。以下の精製段階は4℃において実
施した。
【0235】 上清を沈殿物から分離するため、遠心分離(Beckman JA18ローターにおいて12
,000 rpmで90分間)を用いた。上清をその後回収し、最終飽和濃度が65%になる
まで硫酸アンモニウムを加え、DNAポリメラーゼを沈殿させた。硫酸アンモニウ
ム沈殿物を上清から分離するため、遠心分離(Beckman JA18ローターにおいて15
,000 rpm、30分間)を用いた。沈殿物を回収し、TEDG緩衝液中に懸濁し、2.5 mM
のPMSFを含むTEDG緩衝液に対して一晩透析し、硫酸アンモニウムを除去した。
【0236】 透析した溶液をその後、TEDG緩衝液によって平衡化したヘパリンアガロース(
Heparin-Agarose)カラム(SPL 1905-0004)に充填した。カラムをTEDG緩衝液で
洗浄した後、0〜0.6 M NaCl TEDG緩衝液の直線勾配を適用することにより溶出を
行った。画分を回収し、実施例2において説明されたように、DNAポリメラーゼ活
性について調べた。
【0237】 エンドヌクレアーゼの存在は、活性アッセイ緩衝液において、2μlの画分を、
1μgのλDNA(Promega、D150)またはpBR322プラスミドDNAと70℃にて17時間イ
ンキュベートすることにより決定された。分解物のアガロースゲル電気泳動法に
よる分析では、ヌクレアーゼの混入の証拠は全く示されなかった。DNAポリメラ
ーゼ活性をもつ画分を集積した。集積した画分をTEDG緩衝液に対して透析し、そ
の後、TEDG緩衝液によって平衡化したシバクロンブルーカラム(Sigma、C-1535
)に充填した。0.05 MのNaCl/TEDG緩衝液でカラムを洗浄した後、0.05〜0.75 M
のNaCl/TEDG緩衝液の直線勾配を用いて溶出を行った。溶出液を画分として回収
し、試料画分をDNAポリメラーゼ活性について調べ、ヌクレアーゼの混入につい
て再試験を行った。そのような混入は検出されなかった。DNAポリメラーゼ活性
をもつ画分を集積し、Tomah-34界面活性剤を最終濃度0.2%となるまで加えた(
例えば、参照として本明細書に組み入れられる、米国特許出願第09/338,174号を
参照のこと)。ポリメラーゼ溶液をその後、保存緩衝液(50%グリセロール、25
℃においてpH 8.0の20 mM Tris、100 mM KCl、0.1 mM EDTA、1 mM DTT、0.5%To
mah-34)に対して一晩透析した。
【0238】 変異型Tvu DNAポリメラーゼ(M285およびT289M)を、IPTG誘導性プラスミドに
よって発現させた。これらの変異型プラスミドの増殖のために、10μg/mlのテト
ラサイクリンを含む3 lのテリフィック培地に、いずれかの変異型プラスミドを
含む大腸菌の一晩置いたシードストック50 mlを別々に植え付けた。およそA600
= 1.5 ODとなるまで、37℃において振とうしながら、培養物を増殖させた。その
後、培養物の増殖温度を25℃に調整し、IPTGを最終濃度1 mMになるまで加えた。
25℃において振とうしながら、培養物を一晩増殖させ、その後、9,000 rpm、5分
間の遠心分離によって細胞を回収した。その後の精製法は、完全長rTvu DNAポリ
メラーゼについて上記に説明されたものと同じである。
【0239】 本実験により、ヌクレアーゼの混入が実質的に存在しないこと、ならびに、4
〜20%のTris-グリシンゲル(Novex EC6025)において、Mark 12サイズマーカー
(Novex)に比較した場合、完全長ポリメラーゼについて約97 kDの顕著なバンド
および変異型ポリメラーゼについて約66 kDのバンドが生じたことによって示さ
れるように、組換えTvu DNAポリメラーゼが85%を上回って精製されたことが示
された。
【0240】 実施例13 逆転写反応における組換えTvu DNAポリメラーゼの使用 実施例12において説明されたように精製された、完全長および変異型の組換え
Tvu DNAポリメラーゼ酵素について、マグネシウムイオンの存在下における逆転
写活性を測定した。
【0241】 これらの実験においては、逆転写(RT)反応混合物を使用した。反応物におけ
る各成分の最終濃度は:50μlの反応容量中、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、50 mM
KCl、0.5 mM dTTP(Promega、U123A)、0.25 mM ポリリボアデニル酸、0.025 m
M オリゴデオキシチミジル酸(Supertechs 111020A)、および0.25μCi 3H-dTTP
(Amersham、TRK.424)であった。
【0242】 RT反応混合物の各45μlのアリコートを、DNAポリメラーゼのうち1つの2μl(1
0単位)または1μl(5単位)、および水と、最終容量50μlとなるように混合し
た。溶液をその後、74℃にて20分間インキュベートした。それらを氷上に置くこ
とにより、反応を停止した。説明されたように、しかし酵素を全く加えずに、陰
性対照実験を実施した。
【0243】 TCA沈殿計数を以下のように測定することにより、3H-dTTPの取り込みを決定し
た。10μlの仔ウシ胸腺DNA(1 mg/ml)、500μlの10%冷TCA溶液を加えることに
より、各RT反応物をTCA沈殿し、10分間氷上に置き、その後、GF/Cフィルター(W
hatman、1822024)においてフィルターろ過した。5%の冷TCA溶液5 mlで3回、お
よびアセトンで1回、フィルターを洗浄した。熱ランプ下でフィルターを乾燥さ
せ、その後、シンチレーション液(Beckman、158735)中において、液体シンチ
レーションカウンターにて計数した。結果(バックグラウンドについて補正され
た)は、表10において示される。
【0244】
【表10】 組換えTvu DNAポリメラーゼの逆転写活性
【0245】 結果により、試験された全ての組換えTvu DNAポリメラーゼには、74℃におい
て逆転写酵素活性があり、予測通りに、10単位は5単位よりも活性が高かったこ
とが示される。
【0246】 実施例14 Tvu DNAポリメラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼの混合物を用いたRT-PCR マグネシウムの存在下、および実質的にマンガンイオンのない条件下において
、RT-PCRをワンポット反応において実施できることを示すために、Tvu DNAポリ
メラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼの複数の混合物を、様々なpHにおいて使用
した。
【0247】 RT-PCR反応における核酸基質として、カナマイシンmRNA(Promega、C1381)を
使用した。下記の表にて詳細を述べられるように、反応物を集合させた。
【表】
Taq DNAポリメラーゼおよびTvu DNAポリメラーゼは全て、μl当たり5単位の濃度
であった。nTaqおよびnTvuは天然の酵素であり、rTvuは組換え酵素である。反応
5は陰性対照反応である。反応のある組み合わせは、pH 8.3におけるもの、反応
のその他の組み合わせはpH 9.0におけるものであった。反応混合物は以下のよう
であった:5μlの10×緩衝液(500 mM KCl、100 mM Tris pH 8.3または9.0);5
μlの2 mM dNTP、1μlのプライマー1(Promega、A109B);1μlのプライマー2(
Promega、A110B);5μlの25 mM MgCl2;26μlの水。
【0248】 使用されたPCRサイクルプログラムは、以下のようであった:逆転写をさせる
ために70℃にて20分間、続いて95℃にて1分間、(94℃にて15秒間、68℃にて1分
間)×30;68℃にて5分間、4℃にて浸透。RT-PCR反応物のアリコートをその後、
20%TBEゲル上にて泳動し、300 bpの産物を見えるようにするため臭化エチジウ
ムにより染色した。
【0249】 全てのTvu DNAポリメラーゼ酵素を含む反応物は、上記の反応においてnTaq DN
Aポリメラーゼと組み合わせた場合、顕著なRT-PCR産物を生じた。RT反応は、70
℃または78℃のいずれかにおいて行われ、双方ともほぼ同等の量のRT-PCR産物を
生じた。同様に、pH 8.3およびpH 9.0はいずれも有効であり、ほぼ同等量のRT-P
CR産物を生じた。変異型および完全長のTvu DNAポリメラーゼは、ほぼ同等量のR
T-PCR産物を生じた。
【0250】 mRNA鋳型の1:10の連続的な希釈を行い、2μlの各希釈物および完全長のr Tvu
DNAポリメラーゼを用いて、上記に説明されたような反応を実行した。2μlのア
リコートにおいて1コピーを含むmRNA希釈物を使用した場合でさえも、300 bpのR
T-PCR産物が検出可能であった。Tvu DNAポリメラーゼを含まない陰性対照反応物
では、検出可能なRT-PCR産物を生じなかった。
【0251】 上記の明細書において言及された全ての刊行物および特許は、参照として本明
細書に組み入れられる。本発明の、説明された組成および方法の様々な修飾およ
び変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかで
あると考えられる。本発明は特定の好ましい態様に関連して説明してきたが、主
張される本発明は、そのような特定の態様に不当に限定されるものではないと理
解されるべきである。実際に、当業者およびその関連分野においては明らかであ
る本発明を実行するために説明された方法の様々な修飾は、添付の特許請求の範
囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数のDNAポリメラーゼに関し5'から3'方向へのエキソヌクレア
ーゼ、3'から5'方向へのエキソヌクレアーゼ、およびポリメラーゼドメインを模
式的に示す。
【図2】 選択されたDNAポリメラーゼの3'から5'方向へのエキソヌクレア
ーゼドメイン内の3つの領域、およびすべての種類の酵素に存在する同一残基の
コンセンサス配列を1文字コードによるアミノ酸配列として整列化して示す。こ
こで配列中に残基が存在してない場所は直線で示した。
【図3】 完全長Tvu DNAポリメラーゼをコードするDNA配列(配列番号:1
)を1文字コードによるヌクレオチドで表す。
【図4】 完全長Tvu DNAポリメラーゼの推定アミノ酸配列(配列番号:2)
を表す。
【図5】 Tvu DNAポリメラーゼのM285と呼ばれる5'から3'方向へのエキソ
ヌクレアーゼが欠失した変異体をコードするDNA配列を表す。このDNA配列は、野
生型Tvu DNAポリメラーゼの285位のアミノ酸であるメチオニンをコードするヌク
レオチドから開始し、野生型酵素(配列番号:3)の停止コドンで終止する酵素
をコードする。
【図6】 M285 Tvu DNAポリメラーゼ(配列番号:4)の推定アミノ酸配列
を表す。
【図7】 T289Mと呼ばれるTvu DNAポリメラーゼの5'から3'方向へのエキソ
ヌクレアーゼを欠失した変異体をコードするDNA配列を表す。このDNA配列は、野
生型Tvu DNAポリメラーゼの289位のアミノ酸で開始し、 野生型の相当する位置
にみられるスレオニンがメチオニン置換されたものをコードする変異体であって
、かつ野生型酵素(配列番号:5)の停止コドンで終止する酵素をコードする。
【図8】 T389MのTvu DNAポリメラーゼ(配列番号:6)の推定アミノ酸配
列を表す。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月22日(2003.1.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0251
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0251】 上記の明細書において言及された全ての刊行物および特許は、参照として本明
細書に組み入れられる。本発明の、説明された組成および方法の様々な修飾およ
び変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかで
あると考えられる。本発明は特定の好ましい態様に関連して説明してきたが、主
張される本発明は、そのような特定の態様に不当に限定されるものではないと理
解されるべきである。実際に、当業者およびその関連分野においては明らかであ
る本発明を実行するために説明された方法の様々な修飾は、添付の特許請求の範
囲内であることが意図される。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> PPOMEGA CORPORATION <120> Thermophilic DNA Polymerases from Thermoactinomyces Vulgaris <140> JP 2001-564324 <141> 2001-02-28 <150> US 09/517,439 <151> 2000-03-02 <160> 39 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 2631 <212> DNA <213> Thermoactinomyces vulgaris <400> 1 ttgaaaaaca agctcgtctt aattgacggc aacagcgtgg cgtaccgcgc ctttttcgcg 60 ttgccgcttt tgcataacga taaagggatt catacgaacg cagtctacgg gtttacgatg 120 atgttaaaca aaattttggc ggaagagcag ccgacccaca ttctcgtggc gtttgacgcc 180 gggaaaacga cgttccgcca tgaaacgttc caagactata aaggcgggcg gcagcagacg 240 ccgccggaac tgtcggaaca gtttccgctg ctgcgcgaat tgctcaaggc gtaccgcatc 300 cccgcctatg agctcgacca ttacgaagcg gacgatatta tcggaacgat ggcggcgcgg 360 gctgagcggg aagggtttgc agtgaaagtc atttccggcg accgcgattt aacccagctt 420 gcttccccgc aagtgacggt ggagattacg aaaaaaggga ttaccgacat cgagtcgtac 480 acgccggaga cggtcgcgga aaaatacggc ctcaccccgg agcaaattgt cgacttgaaa 540 ggattgatgg gcgacaaatc cgacaacatc cccggcgtgc ccggcatcgg ggaaaaaaca 600 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<400> 8 accgaattcc tcgagtc 17 <210> 9 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> modified_base <222> (18) <223> i <220> <221> modified_base <222> (24) <223> i <400> 9 tagagcggcc gcgayccnaa yytncaraay at 32 <210> 10 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> modified_base <222> (14)..(15) <223> i <220> <221> modified_base <222> (18) <223> i <220> <221> modified_base <222> (20) <223> i <220> <221> modified_base <222> (30) <223> i <400> 10 ctgcggccgc ctannacnan ytcrtcrtgn ac 32 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 11 gcgcgaagaa cggctgcagg c 21 <210> 12 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> modified_base <222> (8)..(9) <223> i <220> <221> modified_base <222> (15)..(19) <223> i <220> <221> 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Sequence: Synthetic <400> 18 cgcaaagtcc atcccagcca gtggtttctc gccttcatcg gtttgaactg ccatggttt 59 <210> 19 <211> 17 <212> PRT <213> Bacillus subtilis <400> 19 Glu Thr Tyr Val Val Phe Asp Val Glu Thr Thr Gly Leu Ser Ala Val 1 5 10 15 Tyr <210> 20 <211> 14 <212> PRT <213> Bacillus subtilis <400> 20 Leu Val Ala His Asn Ala Ser Phe Asp Met Gly Phe Leu Asn 1 5 10 <210> 21 <211> 13 <212> PRT <213> Bacillus subtilis <400> 21 Thr Leu Cys Lys Lys Phe Asp Ile Glu Leu Thr Gln His 1 5 10 <210> 22 <211> 17 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 22 Thr Arg Gln Ile Val Leu Asp Thr Glu Thr Thr Gly Met Asn Gln Ile 1 5 10 15 Gly <210> 23 <211> 14 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 23 Leu Val Ile His Asn Ala Ala Phe Asp Ile Gly Phe Met Asp 1 5 10 <210> 24 <211> 13 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 24 Ala Leu Cys Ala Arg Tyr Glu Ile Asp Asn Ser Lys Arg 1 5 10 <210> 25 <211> 18 <212> PRT <213> phage T4 <400> 25 Arg Val Ile Tyr Met Pro Phe Asp Asn Glu Arg Asp Met Leu Met Glu 1 5 10 15 Tyr Ile <210> 26 <211> 15 <212> PRT <213> phage T4 <400> 26 Phe Thr Gly Trp Asn Ile Glu Gly Phe Asp Val Pro Tyr Ile Met 1 5 10 15 <210> 27 <211> 12 <212> PRT <213> phage T4 <400> 27 Asp Lys Ile Arg Gly Phe Ile Asp Leu Val Leu Ser 1 5 10 <210> 28 <211> 15 <212> PRT <213> phage T7 <400> 28 Met Ile Val Ser Asp Ile Glu Ala Asn Ala Leu Leu Glu Ser Val 1 5 10 15 <210> 29 <211> 14 <212> PRT <213> phage T7 <400> 29 Val Phe His Asn Gly His Lys Tyr Asp Val Pro Ala Leu Thr 1 5 10 <210> 30 <211> 14 <212> PRT <213> phage T7 <400> 30 Glu Glu Met Met Asp Tyr Asn Val Gln Asp Val Val Val Thr 1 5 10 <210> 31 <211> 18 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 31 Lys Ala Pro Val Phe Ala Phe Asp Thr Glu Thr Asp Ser Leu Asp Asn 1 5 10 15 Ile Ser <210> 32 <211> 13 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 32 Val Gly Gln Asn Leu Lys Tyr Asp Arg Gly Ile Leu Ala 1 5 10 <210> 33 <211> 14 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 33 Glu Glu Ala Gly Arg Tyr Ala Ala Glu Asp Ala Asp Val Thr 1 5 10 <210> 34 <211> 18 <212> PRT <213> T. maritima <400> 34 Glu Ser Pro Ser Phe Ala Ile Asp Leu Glu Thr Ser Ser Leu Asp Pro 1 5 10 15 Phe Asp <210> 35 <211> 13 <212> PRT <213> T. maritima <400> 35 Val Gly Gln Asn Leu Lys Phe Asp Tyr Lys Val Leu Met 1 5 10 <210> 36 <211> 14 <212> PRT <213> T. maritima <400> 36 Glu Lys Ala Ala Asn Tyr Ser Cys Glu Asp Ala Asp Ile Thr 1 5 10 <210> 37 <211> 18 <212> PRT <213> T. neapolitana <400> 37 Glu Val Pro Ser Phe Ala Leu Asp Leu Glu Thr Ser Ser Leu Asp Pro 1 5 10 15 Phe Asn <210> 38 <211> 13 <212> PRT <213> T. neapolitana <400> 38 Val Gly Gln Asn Leu Lys Tyr Asp Tyr Lys Val Leu Met 1 5 10 <210> 39 <211> 14 <212> PRT <213> T. neapolitana <400> 39 Asp Lys Ala Ala Asn Tyr Ser Cys Glu Asp Ala Asp Ile Thr 1 5 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/12 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ファン フェン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 マデ ィソン ノース ウィングラ ドライブ 1329 (72)発明者 ハートネット ジェイムズ ロバート アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 マデ ィソン チェサピーク ドライブ 2590 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA10 CA04 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 EA04 GA11 HA08 4B050 CC01 CC03 CC07 DD02 EE10 FF01 FF04E FF09E LL03 4B063 QA13 QQ42 QR08 QR42 QR50 QR62 QS25 4B065 AA01X AA01Y AA26X AA57X AA87X AB01 AC02 BA02 CA29 CA46

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA合成活性を有する精製および単離されたサーモアクチノ
    マイセス-ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)DNAポリメラーゼを含む組成
    物。
  2. 【請求項2】 ポリメラーゼの分子量が約97kDである、請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリメラーゼがマグネシウムイオンの存在下で逆転写酵素活
    性を有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 逆転写酵素活性が実質的にマンガンイオン非依存性である、
    請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 DNAポリメラーゼが耐熱性である、請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 実質的にエンドヌクレアーゼ活性を有していない、請求項1
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 純度が85%より高い、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 純度が95%より高い、請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 ポリメラーゼが配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有する
    、請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 天然型ポリメラーゼである、請求項1に記載のポリメラー
    ゼ。
  11. 【請求項11】 組換えポリメラーゼである、請求項1に記載のポリメラー
    ゼ。
  12. 【請求項12】 配列番号:2、 配列番号:4、および配列番号:6からなる
    群より選択されるアミノ酸配列を有するDNAポリメラーゼをコードする核酸。
  13. 【請求項13】 配列番号:2に記載のアミノ酸配列の少なくとも一部を含
    む、精製された耐熱性変異型サーモアクチノマイセス-ブルガリスDNAポリメラー
    ゼであって、DNA合成活性を有するポリメラーゼ。
  14. 【請求項14】 実質的に5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有して
    いない、請求項13に記載のポリメラーゼ。
  15. 【請求項15】 配列番号:4および配列番号:6ならびにその変種からなる
    群より選択されるアミノ酸配列をコードする、請求項13に記載のポリメラーゼ。
  16. 【請求項16】 配列番号:1、配列番号:3、および配列番号:5、ならび
    に高ストリンジェントな条件下で配列番号:1、配列番号:3、および配列番号:
    5にハイブリダイズする配列からなる群より選択される、精製および単離された
    核酸。
  17. 【請求項17】 配列が配列番号:1である、請求項16の核酸。
  18. 【請求項18】 配列がDNA合成活性を有するサーモアクチノマイセス-ブル
    ガリスDNAポリメラーゼをコードする、請求項16の核酸。
  19. 【請求項19】 ポリメラーゼが実質的に5'から3'方向へのエキソヌクレア
    ーゼ活性を有していない、請求項17に記載のポリメラーゼ。
  20. 【請求項20】 請求項16に記載の核酸に含まれる少なくとも15個の連続し
    たヌクレオチドに相補的な精製オリゴヌクレオチドを含む組成物。
  21. 【請求項21】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5およびその変種
    からなる群より選択される核酸を含む宿主細胞。
  22. 【請求項22】 核酸が、複製起点、プロモーター、およびエンハンサーか
    ら選択される調節要素に機能的に結合する、請求項21に記載の宿主細胞。
  23. 【請求項23】 選択可能なマーカー遺伝子をさらに含む、請求項21に記載
    の宿主細胞。
  24. 【請求項24】 以下の段階を含む、DNA分子のヌクレオチド塩基配列を決
    定する方法: (a)(i)少なくとも1種類のデオキシヌクレオシド3リン酸、 (ii)サーモアクチノマイセス-ブルガリスDNAポリメラーゼ、 (iii)特異的なヌクレオチド塩基の部位でDNA合成を停止させる少なくとも1
    種類のDNA合成停止剤、 (iv)第1のDNA分子、および (v)第1のDNA分子とハイブリダイズ可能なプライマー を任意の順序で提供する段階; (b)プライマーがDNA分子とハイブリダイズし、DNAポリメラーゼがプライマー伸
    長を行うことによって、第1のDNA分子に相補的なDNA分子集団を生成することの
    できる条件下で、デオキシヌクレオシド3リン酸、DNAポリメラーゼ、DNA合成停
    止剤、第1のDNA分子およびプライマーを任意の順序で加え、反応混合物を調製す
    る段階、および (c)第1のDNA分子のヌクレオチド塩基配列の少なくとも一部を決定する段階。
  25. 【請求項25】 ポリメラーゼが天然型DNAポリメラーゼである、請求項24
    に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ポリメラーゼが非天然型DNAポリメラーゼである、請求項2
    4に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記条件が混合物を加熱することを含む、請求項24に記載
    の方法。
  28. 【請求項28】 DNAポリメラーゼがプライマー伸長可能な温度に、混合物
    を冷却することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  29. 【請求項29】 加熱と冷却を一回または複数回繰り返す段階をさらに含む
    、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 反応混合物が7-デアザ-dGTP、-dATP、-dTTP、および-dCTP
    を含む、請求項24に記載の方法。
  31. 【請求項31】 DNA合成停止剤がジデオキヌクレオシド3リン酸である、請
    求項24に記載の方法。
  32. 【請求項32】 プライマー 分子が標識されている、請求項24に記載の方
    法。
  33. 【請求項33】 以下の段階を含む、二本鎖DNA分子を増幅する方法: (a)(i)第1の鎖と第2の鎖が互いに相補的である、第1の鎖と第2の鎖を含む第1
    のDNA分子、 (ii)第1のプライマーが第1のDNA鎖に相補的であり、第2のプライマーが第2
    のDNA鎖に相補的である、第1のプライマーと第2のプライマー、 および (iii)サーモアクチノマイセス-ブルガリスDNAポリメラーゼ を提供する段階;ならびに (b)第1の鎖に相補的な領域を有する第3の鎖、および第2の鎖に相補的な領域を有
    する第4の鎖を含む第2のDNA分子が合成される条件下で、第1のDNA分子、第1のプ
    ライマー、第2のプライマー、およびポリメラーゼを混合して、反応混合物を調
    製する段階。
  34. 【請求項34】 条件が混合物を加熱することを含む、請求項33に記載の方
    法。
  35. 【請求項35】 DNAポリメラーゼがプライマー伸長可能な温度に、混合物
    を冷却することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 加熱および冷却を一回または複数回繰り返す段階をさらに
    含む、請求項33に記載の方法。
  37. 【請求項37】 ポリメラーゼが実質的に5'から3'方向へのエキソヌクレア
    ーゼ活性を有していない、請求項33に記載の方法。
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