JP2003525591A - 神経組織の成長の誘導および生存の増強方法 - Google Patents

神経組織の成長の誘導および生存の増強方法

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JP2003525591A JP2000614954A JP2000614954A JP2003525591A JP 2003525591 A JP2003525591 A JP 2003525591A JP 2000614954 A JP2000614954 A JP 2000614954A JP 2000614954 A JP2000614954 A JP 2000614954A JP 2003525591 A JP2003525591 A JP 2003525591A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、神経組織を神経組織の成長を誘導しまたは生存を増強させるのに有効量のebafと接触させることを包含する、神経組織の成長の誘導または生存の増強方法を提供する。本発明はまた、被検体の損傷または変性した神経組織を治療するのに有効量のebafを被検体に投与することを包含する、損傷または変性した神経組織をもつ被検体の治療方法をも提供する。本発明は更に、神経変性疾患を治療するのに有効量のebafを投与することを包含する、被検体の神経変性疾患の治療方法を提供する。本発明は更にまた、損傷または変性した神経組織の発症を阻止し、または損傷または変性した神経組織の重症度を軽減することを包含するのに有効量のebafを被検体に投与することを包含する、被検体の損傷または変性した神経組織の発症の阻止または重症度の軽減方法を提供するにある。最後に、本発明は、ebafの発現を誘導または増強するのに有効量のebaf発現のモジュレ−タ−と神経組織とを接触させることを包含する神経組織の成長の誘導または生存の増強方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 ニューロン(神経細胞単位)またはグリア細胞(神経膠細胞)といった神経組
織の死亡または破壊は、種々の神経系の変性疾患に関連している。これらの疾患
には、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、および
筋萎縮性側索硬化症のような変性疾患が包含される。ニューロンの壊死または喪
失はさらに、糖尿病のような疾病状態の結果としての、中枢、末梢または運動ニ
ューロンの神経疾患にも関連している。加えて、ニューロンの損傷は、卒中によ
る虚血、外傷(例えば火傷および創傷)、腎不全、ならびに癌およびAIDSの
治療に使用される薬剤の毒性作用にも帰因し得る。さらに、ニューロンの喪失は
、加齢に関連する痴呆を導くことがある。
【0002】 現在、損傷を受けまたは変性した神経組織の有効な治療は知られていない。毛
様体神経栄養因子(CNTF)のような或る種の成長因子が、アルツハイマー病
のような神経変性疾患の治療のために提起されてきた。しかしながら、CNTF
の使用は、臨床治験ではうまくいかなかった。したがって、現在、損傷しそして
変性した神経組織を治療するための新規な薬剤の同定に対する要請が存在する。
【0003】 Kothapalli(コサパリ)等は、異常な子宮内膜出血に関連する子宮内膜出血関
連因子(「ebaf」)蛋白質をコードしている新規なヒト遺伝子の同定を記載
している(J.Clin.Invest.、99(10):2342-50頁、1997年)。このebaf遺伝
子は、ヒト第一染色体のバンドq42.1上に位置しており、ヌクレオチドおよ
び推定アミノ酸配列が知られている(Kothapalli等、1997年)。ebaf蛋白質
の配列はまた、TGF−β(トランスフォーミング増殖因子−β)スーパーファ
ミリーの成員の相同性および構造的特徴を示している(Kothapalli等、1997年)
。ebaf遺伝子は、分泌後期および月経期のヒト子宮内膜で発現され、分泌初
期および分泌中期の子宮内膜には存在せず(Tabibzadeh等、Mol.Hum.Reprod.、4
(6):595-602頁、1998年)、さらに、結腸、十二指腸、および卵巣癌種を包含す
る、粘液性分化を示す或る種の腺癌でも発現される(Tabibzadeh等、Front.Bios
ci.、15(2):18-25、1997年)。
【0004】 Meno(メノ)等は、Lefty−1およびLefty−2と呼ばれるマウスの
TGF−βスーパーファミリーの二つの成員を記載している。これらはマウスの
胚で左右非対称に発現され、マウス染色体1H2上で約30kb(キロベース)
で分離された(Meno等、Genes Cells、2(8):513-24頁、1997年)。Meno等はさら
に、Lefty−1は中胚葉誘導の不在下にNCAM−1(神経マーカー)を誘
導することを報告し、ノギンおよびコーディン(chordin)といったようなBM
Pアンタゴニストと同様にLefty−1の活性を直接無力化することにより、
マウス胚の左側に位置する組織中でBMP(骨形成蛋白質)仲介シグナルに拮抗
するかも知れないとの仮説を立てた。
【0005】 近年、Kosaki(コサキ)等は、染色体1q42上でおよそ50kbで分離され
たLefty−AおよびLefty−Bと呼ばれる二つのヒトのlefty遺伝
子の同定を記載している(Am.J.Hum.Genet.、64(3):712-21頁、1999年)。Le
fty−Aは、ebafと同一であると記載された。ヒトのLefty−Aおよ
びLefty−BならびにマウスのLefty−1およびLefty−2は似か
よってはいるが、Kosaki等は、ヒトのLefty−AおよびLefty−Bはマ
ウスのLefty−1およびLefty−2に類似しているよりも、Lefty
−AおよびLefty−B互い同士がより類似していると記載している。この点
において、Kosaki等は、Lefty−AおよびLefty−Bは、96%相同的
であり、そしてマウスのLefty−1およびLefty−2は、90%相同的
であるが、一方、それらヒトとマウスとの種間の相同性は81−82%でしかな
いことを記載している。このようにKosaki等は、配列分析だけでは、特異的オー
ソローガス関係(即ち、Lefty−AがLefty−1の機能的等価物質であ
るかどうか)の決定はできないことを示唆した。
【0006】 発明の要旨 本発明は、ebafが神経組織の発生および成長に関係していることを知見し
たことに基づくものである。この知見に基づき、本発明は、神経組織を、その神
経組織の成長を誘導しまたは生存を増強するのに有効量のebafと接触させる
ことを包含する、神経組織の成長の誘導または生存の増強方法を提供するもので
ある。本発明はさらに、損傷または変性した神経組織を治療するのに有効量のe
bafを被検体に投与することを包含する、損傷または変性した神経組織をもつ
当該被検体の治療方法を提供するものである。
【0007】 本発明は更に、神経変性疾患を治療するのに有効量のebafを投与すること
を包含する、被検体の神経変性疾患の治療方法を提供する。本発明は更にまた、
損傷または変性した神経組織の発症を阻止し、または損傷または変性した神経組
織の損傷または変性の重症度を軽減する有効量のebafを投与することを包含
する、被検体の損傷または変性した神経組織の発症を阻止し、または損傷または
変性した神経組織の損傷または変性の重症度の軽減方法を提供する。
【0008】 最後に本発明は、神経組織を、ebafの発現を誘導または増強し、且つ当該
神経組織の成長を誘導しまたは生存を増強するのに有効量の、ebaf発現のモ
ジュレーターと接触させることを包含する、神経組織の成長の誘導または生存の
増強方法を提供するものである。本発明のさらなる目的は、以下の記載に鑑みて
明らかであろう。
【0009】 図1A−1Kは、Xenopus laevis(アフリカツメガエル)の胚盤胞中の種々の組
織マーカーの発生における、遺伝子転写に及ぼすebafの効果を証明している
。ebaf RNAを、インビトロ(試験管内)で転写によって調製し、実施例
に記載されるように、二つの細胞期のXenopus laevis(アフリカツメガエル)の
胚盤胞中に注入した。動物のキャップ(頭部)を24時間で除去し、このRNA
を逆転写し、次いでcDNAを、表示のようなXenopus laevis(アフリカツメガ
エル) mRNAに対するプライマーを用いてPCRに付した。図1A=アクチン
(中胚葉マーカー);図1B=XAG1(粘着(セメント)腺マーカー);図1
C=H8(内胚葉マーカー);図1D=サイトケラチン(上皮マーカー);図1
E=グロビン(腹側中胚葉);図1F=X1hbox9(脊髄マーカー);図1
G=NRP−1(一般マーカー);図1H=EN2(中−後脳マーカー);図1
I=OTXA(前脳マーカー);図1J=KROX20(後脳マーカー);図1
K=EF1α(ハウスキーピング遺伝子)。
【0010】 図1A−1D:第1列:対照として使用した全胚RNA。第2列:ebaf
RNAを注入せず。第3列:ebaf RNA 20pg(ピコグラム)を注入。
第4列:ebaf RNA 200pgを注入。第5列:ebaf RNA 2ng
(ナノグラム)を注入。図1E−1K:第1列:対照として使用した全胚RNA
。第2列:RT(ポリメラーゼ連鎖)反応から逆転写酵素を除いたRT−PCR
対照。第3列:ebaf RNAを注入せず。第4列:ebaf RNA 20p
gを注入。第5列:ebaf RNA 200pgを注入。第6列:ebaf R
NA 2ngを注入。
【0011】 図2は、ebafのヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列を示してい
る。
【0012】 図3は、ラット胚の前脳細胞の増殖に及ぼすebafの効果を示している。1
6日齢(E16)のラット胚前脳細胞の培養を、ebafを産生している細胞の
上清と共にインキュベートし、そして対照培養は、1日だけBrdUの存在下に
DMEM培地のみを与えられ、その後BrdUについて染色した。棒グラフは、
平均BrdU陽性細胞数±平均値の標準誤差(SEM)を表している。
【0013】 図4は、TG−2陽性のラット胚前脳細胞の数に及ぼすebafの効果を示し
ている。16日齢(E16)のラット胚前脳細胞の培養を、ebafを産生して
いる細胞の上清、組換えebaf(5ng/mL)およびDMEM培地のみと共
にインキュベートした。9日間の培養の後、これらをTG−2抗体で染色した。
棒グラフは、平均TG2陽性細胞±反復測定時の平均値の標準誤差(SEM)を
表している。
【0014】 図5は、ELISA(固定酵素免疫検定法)により測定したニューロンの数に
及ぼすebafの効果を示している。前脳細胞を本明細書に記載のように培養し
、TG−2およびNeuN2について染色した細胞に関してOD(吸光度)を測
定した。示された結果は2個の試料の平均である。
【0015】 発明の詳細な説明 本発明は、神経組織を、その神経組織の成長の誘導または生存の増強に有効な
量のebafと接触させることを含む、神経組織の成長の誘導または生存の増強
方法を提供するものである。本発明の方法は、神経組織のインビトロ(試験管内
)での培養に使用することができ、さらに、インビボ(生体内)で神経組織の成
長を誘導しそして生存を増強するために使用することができる。
【0016】 本明細書中使用する「神経組織」とは、ニューロンおよび神経膠を包含する。
「ニューロン」とは、典型的には、核およびこれを取り巻く細胞質を内包する細
胞体(核周体)、幾つかの短い放射状の突起(樹状突起)、および、末端が小枝
様枝(終末分枝)になり、その経路に沿って突出する枝(側副枝)を有し得る、
1本の長い突起(軸索)、から構成される、神経系の任意の伝達または神経細胞
である。「神経膠」とは、神経組織の支持構造を形作る神経膠細胞またはグリア
細胞である。「神経組織」は、中枢神経系および末梢神経系の両者に存在する神
経組織を包含する。
【0017】 本明細書中使用する「成長」とは、核周体、神経細繊維、ニッスル小体、軸索
、樹状突起、終末分枝、ミエリン鞘、神経腺維鞘、シュワン細胞、および/また
は神経膠もしくはグリア細胞を包含する(但しこれらに限定される訳ではない)
神経組織の1つ以上の構成成分の厚さ、直径、長さ、質量および/または数の増
加であって、神経組織の1つ以上の構成成分の産生または再生を包含する。神経
組織の「生存を増強する」とは、神経組織をさらなる死、変性、損傷または傷害
から完全にまたは部分的に防護することである。
【0018】 神経組織のインビトロ(試験管内)での培養に関しては、ebafが神経組織
の成長を誘導しまたは生存を増強する能力は、ebafを、神経組織のインビト
ロでの培養にとりわけ有用にすると考えられる。これに関連して、ebaf蛋白
質を直接培養基に添加することにより、またはebafをコードしている核酸を
、神経組織の成長を誘導しまたは生存を増強するのに充分な量で、ebafを発
現できるように、神経組織またはその他の細胞へと導入することにより、eba
fは培養基中に導入することができる。神経組織のインビトロでの培養は、移植
、診断、薬物スクリーニングなどのための神経組織を調製するために望ましいで
あろう。
【0019】 インビボ(生体内)治療に関しては、ebafが神経組織の成長を誘導しまた
は生存を増強する能力は、ebafを、被検体における損傷または変性した神経
組織の治療にとってとりわけ有用なものとなす。被検体は、好ましくは哺乳動物
(例えば、ヒト、家畜、商業的動物)であり、最も好ましくはヒトである。損傷
しまたは変性した神経組織は、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、パーキ
ンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、痴呆症、またはピック病
、先天性水頭症等に関連し得る。損傷しまたは変性した神経組織が、外傷に関連
する傷害(trauma)、脳出血、動脈瘤、高血圧性脳症、クモ膜下出血、糖尿病、
腎不全、虚血、化学療法剤および抗ウイルス剤のような治療剤、ならびに損傷ま
たは変性した神経組織を惹起し易い他の疾病または状態から引き起こされ得ると
いうこともまた、本発明の範囲内のものである。
【0020】 したがって、損傷または変性した神経組織を治療することにより、ebafは
神経変性疾患の治療に有用であると考えられる。同様に、外傷に関連する傷害、
脳出血、動脈瘤、高血圧性脳症、クモ膜下出血、糖尿病、腎不全、虚血、化学療
法剤および抗ウイルス剤のような治療剤、ならびに損傷または変性した神経組織
を惹起し易い他の疾病または状態から引き起こされる、損傷または変性した神経
組織を治療することにより、ebafが、単独で、またはこれらの疾病、状態ま
たは障害の治療に使用される治療薬との組み合わせで有効であろうということが
考えられる。
【0021】 さらに、ebafが神経組織の成長を誘導し、または生存を増強する能力は、
ebafを、損傷または変性した神経組織の発症を阻止し、または損傷または変
性の重症度を軽減するのに有用とならしめる。例えば、最近、神経変性疾患であ
ると診断された被検体、または家族履歴に基づいて神経変性疾患に罹患する素因
があるとされる被検体は、ebaf治療のための候補者であると考えることがで
きる。同様に、ebafは、糖尿病、癌またはAIDSの患者を治療する際に使
用して、当該疾病またはこれらの疾病もしくは状態の治療に使用される薬物が引
き起こす、損傷または変性した神経組織の発症を阻止し、またはその損傷または
変性の重症度を軽減させることができると思われる。
【0022】 加えて、ebafは、神経組織の成長を誘導または生存を増強するため、創傷
治癒、臓器再生、臓器移植(例えば、心臓、腎臓、肺、および肝臓)、人工的臓
器の移植、および移植片の受容(例えば、皮膚、付属器等)の増強にとって有用
となり得る。
【0023】 本発明方法によれば、ebafとの接触または投与は、ebaf蛋白質それ自
身の導入または投与により、あるいは、ebafをコードしている核酸をeba
f蛋白質の発現ができるように、導入または投与することによって行うことがで
きる。ebaf蛋白質は、合成により、もしくは組換えにより生成させることが
でき、または、天然の細胞から単離することができるが、好ましくはebafを
コードしているcDNA(図2に開示の通り)および常套的技術を用いて組換え
により生成させる。本明細書中使用するebaf蛋白質は、図2に開示するアミ
ノ酸配列を有する。しかしながら、この蛋白質が、好ましくは90%以上の相同
性を有するその機能的変異体(即ち、ebaf蛋白質活性を有する蛋白質)を包
含するということは、本発明の範囲内にある。加えて、本発明はさらに、生物活
性を有するebaf蛋白質のフラグメント(即ち、ニューロンの成長を誘導およ
び/または生存を増強するペプチドフラグメント)、および、同様の生物活性を
及ぼすそれらの関連ペプチド類似体をも包含する。ebaf蛋白質は、例えば注
射または輸注のような既知の蛋白質投与技法によって、組織または被検体に投与
することができる。損傷または変性した神経組織が、例えば脳のような身体の特
定の部分に局在する場合、この蛋白質を、注入または他の何らかの手段により、
神経組織へと直接投与することが望ましいであろう(例えば、ebafを脳脊髄
液または血液中に導入する)。ebaf蛋白質の量は、神経組織の成長を促進し
または生存を増強するのに有効な量であり、当業者にとっては容易に決定できる
【0024】 ebafはまた、損傷または変性した神経組織を治療するのに充分な量で、e
bafの発現を可能にするように、ebafをコードしている核酸を、神経組織
の充分な数の細胞(例えば、ニューロン、グリア細胞またはシュワン細胞)の内
部に導入することによって投与することができる。当該核酸は、電気穿孔、DE
AEデキストラン、モノカチオン性リポソーム融合、ポリカチオン性リポソーム
融合、プロトプラスト融合、DNA被覆ミクロ抛射体のボンバードメント(DNA
coated microprojectile bombardment)、インビボ(生体内)電場の創出(crea
tion of an in vivo electrical field)、組換え複製欠陥ウイルスを用いた注
入、相同的組換え、裸のDNA転移、遺伝子療法、ウイルスベクター、発現ベク
ター、またはこれらの組み合わせを包含する、当分野で既知の常套的手法を用い
て導入することができるが、これらに限定される訳ではない。遺伝子療法に好適
な組換えウイルスベクターは、HSV(単純ヘルペスウイルス)、アデノウイル
ス、アデノ随伴ウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、サイトメガロウイルスおよ
びワクシニアウイルスといったようなウイルスゲノムから誘導されるベクターを
包含するが、これらに限定される訳ではない。ebafをコードしている核酸は
、常法を用いて適当な細胞中に(例えば、シュワン細胞またはグリア細胞)イン
ビトロ(試験管内)で導入できるということもまた本発明の範囲内にある。次い
で、ebafを発現している細胞を、被検体に投与されて、損傷または変性した
神経組織を治療することができる。拒絶反応を低減させるため、患者から細胞を
取出し、ebafをコードしている核酸を組み入れるDNA技術に付し、次いで
患者に再度導入することが好ましい。
【0025】 ebafの所望の使用に応じて、ebafは、単独で、または1つ以上の治療
剤、例えば成長因子と組合わせて、損傷または変性した神経組織の治療に使用す
ることができるという事が本発明の範囲内にある。加えて、ebafは、化学療
法剤または抗ウイルス剤といった他の治療剤と組合わせて使用することができる
【0026】 最後に、本発明は、神経組織を、ebafの発現を誘導または増強し、且つ神
経組織の成長を誘導または生存を増強するのに有効量の、ebaf発現のモジュ
レーターと接触させることを含む、神経組織の成長の誘導または生存の増強方法
を提供するものである。ebaf発現のモジュレーターの例は、レチノイン酸、
エストロゲンまたはプロゲステロンを包含するが、これらに限定される訳ではな
い。ebaf発現のモジュレーターは、例えば、損傷または変性した神経組織の
治療、神経変性疾患の治療、損傷または変性した神経組織の発症の阻止、または
損傷または変性の重症度の軽減などを包含する、上に述べた適用のために、イン
ビトロ(試験管内)およびインビボ(生体内)の両方で使用することができると
いうこともまた、本発明の範囲内にある。
【0027】 本発明の理解を助けるために、以下の実施例を挙げて本発明を説明するが、こ
れは、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を、いかなるやり方によっても
限定するものではないことを理解されたい。
【0028】 実施例1 ebaf RNAを、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の二つの細胞期
の胚盤胞に注入した。このRNAを投与応答効果を示すために種々の用量で注入
した。この胚盤胞をインビトロ(試験管内)で数時間成長させ、次いで、動物の
キャップ(頭部)を切断し、取出されるまでさらにインビトロで維持した。eb
af RNAを投与されなかった胚盤胞および胚全体を対照として用いた。上記
注入した動物キャップ(頭部)、非注入動物キャップ(頭部)および陽性の対照
として使用した胚全体から、RNAを抽出した。これらのRNAをcDNAに逆
転写し、次に、異なる組織のマーカーに対する様々なプライマーの組を使用して
PCRにより増幅した。ebafは内胚葉および中胚葉層の発生には何の効果も
示さなかったが、ebafは表皮形成を阻害し、ニューロンのマーカーの発生を
増強した(図1を参照されたい)との知見が示された。ebafはまた、神経マ
ーカーNCAM(神経細胞接着因子)を誘導した(図示せず)。これらの試験は
また、ebafが脊髄または後脳の発生を増強せず、その効果はむしろ前脳の発
生に厳密に限定されていることを証明している(図1)。加えて、形態学的には
、ebafの誘導が行われたカエルの脳は対照より大きかった(図示せず)。
【0029】 ebafの活性は、ノギン、コーディンおよびフォリスタチンといったBMP
(骨誘導因子)アンタゴニストにより引出される活性と顕著に類似している[We
instein D.(ワインシュタイン ディ)等、インヒビン、アクチビンおよびフォ
リスタチンにおいて、カエルXenopus laevisにおける神経誘導(Neural inducti
on in the frog Xenopus laevis. In: Inhibin, activin and follistatin)。
セロノ・シンポジウム、米国、マサチゥーセツト、ノーウエル(Serono Symposi
a USA、Norwell、MA.):アオノT、スギモトHおよびベイル、ダブリューダブ
リュウ(Aono T、Sugino H、およびVale WW.)著、セロノ・シンポジウム、米国
刊行物(A Serono Symposia SA Publication)、シュプリンガー出版(Springer
Verlag)、ニューヨーク(New York) 214-219頁 1097年]。これらの蛋白質は
リガンドに直接結合し、それら蛋白質とレセプターとの結合をブロックする。T
GF−βファミリーの成員の二量体化に必要とされるシステイン残基が無いため
(Kothapalli等、1997)、ebafは二量体を形成しないで、リガンドではなく
恐らくTGF−βファミリーの成員のレセプターに結合することができる。この
結合によって、ebafは、TGF−βスーパーファミリーの一つまたは幾つか
の成員の活性を阻害することができる。
【0030】 TGF−βファミリーの成員の生物学的効果は、I型およびII型レセプターと
呼ばれる二つのクラスの分子を介してシグナル伝達される。これらは、互いに相
同性を有してはいるが、別個の特徴を有する貫膜セリン−トレオニンキナーゼで
ある。二量体化したリガンドは、最初にII型レセプターに結合し、引き続きI型
レセプターが加わってヘテロメリックな複合体の形成を導く。この複合体内部で
は、構成的に活性なII型レセプターが、GS(グリシン−セリンに富む)ドメイ
ンにあるI型レセプターを燐酸化する。BMPおよびアクチビンの場合、リガン
ドはまずI型レセプターに結合する(パジェット(Padgett)等、バイオアッセ
イ(Bioessays)、20(5):382-90頁、1998年)。ebafモノマーは、TGF−
βファミリーの成員のレセプターに結合し、それらの活性を妨げることができる
【0031】 実施例2 以下の実験は、ebafの神経性の潜在的可能性を評価するためにインビトロ
(試験管内)で実施した。最初に、ラット胚の前脳から分離した細胞に及ぼす細
胞分裂促進性(マイトジェン)ebafの効果を測定した。次に、ebafがこ
のような培養においてニューロンの数を増加させるか否かを測定した。下に提示
した知見に基づき、ebafは前脳細胞の増殖を増加させ、ニューロン細胞への
それらの成熟を増強することが結論付けられた。
【0032】 培養におけるラット胚の前脳細胞の増殖に及ぼすebafの効果。 分離した16日齢(E16)の胚性ラット前脳の培養を、24ウェル組織培養
皿に同数(250x103/ウェル)の細胞を設置した。これらを化学的に規定
された培地中に一夜維持した。翌朝、この実験培養ウェルに、DMEM培地中に
集めた集密的ebafトランスフェクト(形質移入)細胞の一夜培養上清を加え
た。対照培養ウェルには、DMEM培地のみを加えた。ブロモデオキシウリジン
(BrdU)を全ての培養容器に添加した(1mL当たり1mM溶液の1μl)
。翌日、これらの培養をBrdUについて染色した。この実験は3ずつ実施した
。結果を図3に示す。
【0033】 ラット胚の前脳細胞培養のニューロン数に及ぼすebafの効果。 分離した16日齢(E16)の胚性ラット前脳の培養を、24ウェル組織培養
皿に同数(250x103/ウェル)の細胞を設置した。これらを化学的に規定
された培地に一夜維持した。翌朝、この実験培養に、DMEM培地中に集めた集
密的ebafトランスフェクト細胞の一夜培養上清を加えた。別の培養には、組
換え大腸菌ebaf(26kD)を5ng/mL加えた。対照培養ウェルには、
DMEM培地のみを加えた。これらを培地を変えずに9日間インキュベートした
。9日間の培養の後、ニューロンを識別明示するTG−2抗体で細胞を染色した
(TG−2:ホーナー(Honer)等、Psychol.Med.、26:1919-195頁、1996年)。
TG−2陽性細胞を、各々の培養皿で200xの倍率の顕微鏡の下で算定した。
この実験は2ずつ実施した。結果を図4に示す。
【0034】 ラット胚の前脳細胞培養中のニューロンマーカーに及ぼすebafの効果。 分離した16日齢(E16)の胚性ラット前脳の培養を、24ウェル組織培養
皿に同数(250x103/ウェル)の細胞を設置した。これらを化学的に規定
された培地に一夜維持した。翌朝、実験および対照ウェルのそれぞれに、集密的
ebafトランスフェクト細胞からの培養上清(25倍に希釈)およびDMEM
培地のみを加えた。これらを培養中で9日間インキュベートした。培地は5日目
に交換した。9日目に、いずれもニューロン細胞を識別明示するTG−2および
NeuN抗体でこのウェルを染色した(TG−2:ホーナー(Honer)等、Psych
ol.Med.、26:1919-195頁、1996年;NeuN:ミューレン(Mullen)等、Developmen
t、116:201-211頁、1992年)。反応生成物は、o−フェニレンジアミンニ塩酸塩
(OPD)の存在下に溶液中で生成させた。この溶液を96ウェルのプレートに
移し、490nmで吸光度を読み取った。この実験は2ずつ実施した。結果を図
5に示す。
【0035】 本明細書で上に述べた全ての刊行物は、それらの全体を本明細書に援用する。
本発明は、明確性および理解の目的のため幾分詳細に記載してきたが、当業者に
は、この開示を読むことによって、付記した特許請求の範囲における本発明の真
正な範囲から逸脱することなく、形態および細部において種々の変更がなし得る
ことを理解し得よう。。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1の1A−1Kは、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の胚盤胞におけ
る様々な組織マーカーの発生における、遺伝子転写に及ぼすebafの効果を説
明する図である。
【図2】 図2は、ebafのヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列を示してい
る。
【図3】 図3は、ラット胚の前脳細胞の増殖に及ぼすebafの効果を示している。
【図4】 図4は、TG−2陽性のラット胚前脳細胞の数に及ぼすebafの効果を示し
ている。
【図5】 図5は、ELISAにより測定したニューロンの数に及ぼすebafの効果を
示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 48/00 4C091 45/00 A61P 25/14 4C206 48/00 25/16 A61P 25/14 25/28 25/16 C07J 9/00 25/28 C12N 15/00 ZNAA C12N 5/10 5/00 B // C07J 9/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 タビブザデー、シアマック アメリカ合衆国、ニューヨーク州、アルバ ートソン、パークヴュー・ドライブ 71 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 DA02 EA04 GA11 HA03 HA17 4B065 AA90X AA91X AA99Y AB01 AC20 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA13 AA17 BA44 NA14 ZA022 ZA152 ZA162 4C086 AA01 AA02 DA10 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 4C091 AA01 BB05 CC01 DD01 EE07 FF01 GG01 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PB02 QQ01 4C206 AA01 AA02 CA17 DA12 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 神経組織を、神経組織の成長を誘導または生存を増強するの
    に有効量のebafと接触させることを包含する、神経組織の成長の誘導または
    生存の増強方法。
  2. 【請求項2】 前記神経組織をebaf蛋白質と接触させることにより前記
    神経組織をebafと接触させる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記神経組織をebafをコードしている核酸と接触させて
    、前記神経組織にebafを導入することによりebafを発現させる、請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記核酸が、電気穿孔、DEAEデキストラントランスフェ
    クション、燐酸カルシウムトランスフェクション、カチオン性リポソーム融合、
    プロトプラスト融合により、インビボ(生体内)電場の創出、DNA被覆ミクロ
    抛射体のボンバードメント、組換え複製欠陥ウイルスを用いた注入、相同的組換
    え、遺伝子療法、ウイルスベクター、または裸のDNA転移によって導入される
    、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記接触を、インビトロ(試験管内)で行う、請求項1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記接触を、インビボ(生体内)で行う、請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記損傷または変性した神経組織を治療するのに有効量eb
    afを被検体に投与することを包含する、損傷または変性した神経組織をもつ被
    検体の治療方法。
  8. 【請求項8】 前記被検体が、神経変性疾患をもつ、請求項7記載の治療方
    法。
  9. 【請求項9】 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、
    ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、痴呆症、またはピック病である、請
    求項8記載の治療方法。
  10. 【請求項10】前記損傷または変性したニューロンが、外傷に関連する傷害
    、糖尿病、腎不全、虚血、または治療剤の治療に関連する損傷から生ずる、請求
    項7記載の治療方法。
  11. 【請求項11】 前記ebafの投与が、ebaf蛋白質の投与により行わ
    れる、請求項7記載の治療方法。
  12. 【請求項12】 前記ebafの投与が、ebafをコードしている核酸の
    投与によりebafを発現させることにより行われる、請求項7記載の治療方法
  13. 【請求項13】 前記核酸が、電気穿孔、DEAEデキストラントランスフ
    ェクション、燐酸カルシウムトランスフェクション、カチオン性リポソーム融合
    、プロトプラスト融合により、インビボ(生体内)電場の創出、DNA被覆ミク
    ロ抛射体のボンバードメント、組換え複製欠陥ウイルスを用いた注入、相同的組
    換え、遺伝子療法、ウイルスベクター、または裸のDNA転移によって投与され
    る、請求項12記載の治療方法。
  14. 【請求項14】 神経変性疾患を治療するのに有効量のebafを被検体に
    投与することを包含する、被検体の神経変性疾患の治療方法。
  15. 【請求項15】 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病
    、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、痴呆症、またはピック病である、
    請求項14記載の治療方法。
  16. 【請求項16】 前記ebafの投与が、ebaf蛋白質の投与により行わ
    れる、請求項14記載の治療方法。
  17. 【請求項17】 前記ebafの投与が、ebafをコードしている核酸の
    投与によりebafを発現させることにより行われる、請求項14記載の治療方
    法。
  18. 【請求項18】 前記核酸が、電気穿孔、DEAEデキストラントランスフ
    ェクション、燐酸カルシウムトランスフェクション、カチオン性リポソーム融合
    、プロトプラスト融合により、インビボ(生体内)電場の創出、DNA被覆ミク
    ロ抛射体のボンバードメント、組換え複製欠陥ウイルスを用いた注入、相同的組
    換え、遺伝子療法、ウイルスベクター、または裸のDNA転移によって投与され
    る、請求項17記載の治療方法。
  19. 【請求項19】 損傷または変性した神経組織の発症を阻止するか損傷また
    は変性の重症度を軽減するのに有効量のebafを投与することを包含する、被
    検体の損傷または変性した神経組織の発症の阻止、或は損傷または変性の重症度
    の軽減方法。
  20. 【請求項20】 前記被検体が、神経変性疾患を既にもっているか、または
    神経変性疾患に罹患する素因のある、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病
    、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、痴呆症、またはピック病である、
    請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】前記損傷または変性したニューロンが、外傷に関連する傷害
    、糖尿病、腎不全、虚血、または治療剤の治療に関連する損傷から生ずる、請求
    項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ebafの投与が、ebaf蛋白質の投与により行わ
    れる、請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ebafの投与が、ebafをコードしている核酸の
    投与によりebafを発現させることにより行われる、請求項19記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記核酸が、電気穿孔、DEAEデキストラントランスフ
    ェクション、燐酸カルシウムトランスフェクション、カチオン性リポソーム融合
    、プロトプラスト融合により、インビボ(生体内)電場の創出、DNA被覆ミク
    ロ抛射体のボンバードメント、組換え複製欠陥ウイルスを用いた注入、相同的組
    換え、遺伝子療法、ウイルスベクター、または裸のDNA転移によって投与され
    る、請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 ebafの発現を誘導または増強し且つ神経組織の成長の
    誘導または生存を増強するのに有効量のebaf発現のモジュレーターと神経組
    織とを接触させることを包含する、神経組織の成長の誘導または生存の増強方法
  27. 【請求項27】 前記モジュレーターが、レチノイン酸、エストロゲンまた
    はプロゲステロンである、請求項26記載の方法。
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