JPH11509831A - 眼の障害を処置する方法 - Google Patents

眼の障害を処置する方法

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JPH11509831A JP8529635A JP52963596A JPH11509831A JP H11509831 A JPH11509831 A JP H11509831A JP 8529635 A JP8529635 A JP 8529635A JP 52963596 A JP52963596 A JP 52963596A JP H11509831 A JPH11509831 A JP H11509831A
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ケンブリッジ ニューロサイエンス,インコーポレイテッド
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エル. マックケイブ,キャサリン
バーミンガム−マックドノー,オリビア
マハンサッパ,ナゲシュ ケイ.
アイ. グウィン,デイビッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、治療的有効量のニューレグリンポリペプチドの投与により網膜細胞を予防または処置するための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 眼の障害を処置する方法 政府の支援 本発明は、米国政府の連邦補助金の支援によりなされた(補助番号第5ROINS28 308-06号)。政府は本発明の一定の権利を有する。 発明の分野 本発明は、網膜細胞機能に作用する方法に関する。 発明の背景 本発明は、脊椎動物種に見出されるポリペプチドの投与による、眼の網膜およ び関連組織の疾病および障害の予防的または積極的処置に関する。このポリペプ チドは、いくつかの細胞のタイプについての成長、分化、および生存因子である 。生存、増殖、分化、および維持を含む網膜細胞の正常な機能は、種々のペプチ ド成長因子の制御された発現に依存する。これらの因子のいくつかは神経細胞お よび網膜の他の細胞により産生され得、これは網膜細胞機能を調節するシグナル を提供する。 網膜の解剖学的構造および機能 網膜は、光を感じて、そして視神経から視覚皮質を経由して刺激を伝達する視 覚系の構成要素であり、視覚皮質でシグナルはイメージとして解釈されそして判 断される。網膜は、図1に示すように、一連の層および細胞タイプからなる。 網膜の基本的な機能は、視覚イメージを電位変化のパターンに変換することで あり、これは、脳の視覚中枢によりプロセスされ得る。次いで、網膜細胞での電 位の変化が脳に伝達される。網膜の構造はこれらの機能を反映する(図1)。網 膜の細胞は3層に並んでいる:(1)外核層、光受容細胞を含む:(2)内核層 、網膜の介在ニューロンおよび神経膠の多くの細胞核を含む:および(3)神経 節 細胞層、視神経を介して脳に視覚情報を伝達する細胞の細胞本体を含む。これら の核層に加えて、網膜には3つの他の異なる層が存在する。最外層は光受容細胞 の外部セグメントを含む:ここで、光から電気的シグナルへの伝達の実際のプロ セスが行われる。外網状層は、外核層と内核層との間に位置する。それは、光受 容の末端と内核層の網膜の介在ニューロンの樹状突起との間のシナプスからなる 。内網状層は、内核層と神経節細胞層との間に位置する。この層は、内核層の介 在ニューロンが網膜神経節細胞樹状突起とシナプス形成する層である。 網膜は、5クラスのニューロンおよび2クラスの支持細胞で構成される(Princ iples of Neural Science、第3版、E.R.Kandel、J.H.SchwartzおよびT.M.Je ssell 編、Elsevier,New York,NY 1991)。ニューロンのタイプにおいて、レセ プター細胞は光を電気シグナルへ変換する細胞である。レセプター細胞は2つの サブタイプを有する:錐状体(日の光において形態および色の認識を媒介する) および桿状体(かすかな光において形態認識を媒介する)。網膜の神経節細胞は 視神経を介して軸索を脳内へ突出し、そして網膜の出力細胞である。残っている ニューロンのタイプは、網膜出力を調整する介在ニューロンである:双極性細胞 がレセプター細胞を神経節細胞に連結する;水平細胞がレセプターと双極性細胞 との間の側方相互作用を媒介する;アマクリン細胞が双極性細胞と神経節細胞と の間の側面相互作用を媒介する。支持細胞のタイプは、網膜の神経膠細胞、ミュ ラー細胞、および色素上皮細胞である。後者の細胞タイプはレセプター細胞の維 持において重要な役割を果たす。 網膜を介した情報の基本的な流れは以下のとおりである(図1を参照のこと) :(1)光が網膜の細胞を介して通過し、そして光受容細胞の外部セグメントに よって吸収される;(2)光子が光受容細胞において電位変化に変換される;( 3)この電位変化が、外網状層のシナプスを介して、内核層(双極性細胞)の網 膜の介在ニューロン1つのタイプに伝えられる;(4)双極性細胞が電位変化を 内網状層のそれらのシナプスを介して神経節細胞に伝える;そして(5)神経節 細胞が電位変化を視神経に沿って脳に送られる作用電位に転換する。このプロセ スは視神経において作用電位のパターンを生じ、これは視覚世界の明暗のパター ンを反映する。視覚情報のいくつかの最初のプロッセシングは、それ が脳の他の視覚領域に送られる前に網膜で起こる。 網膜の適切な発達および維持は、正常な視覚を維持するために必要である。網 膜の構成要素の変性は、部分的な失明または完全な失明に導き得る。 ペプチド成長因子 多細胞性生物の発生および生理機能は、複数の様式の細胞間連絡を必要とする 。このような連絡は、血流を介して送達されるホルモンの場合のように全身的で あり得るか、または高度に局所的であり得る。後者の場合において、2つの様式 が一般に認識されている:ニューロンからのシナプスシグナル伝達、および隣接 するかまたは近接する細胞からのパラクリン(paracrine)シグナル伝達(Molecu lar Biology of the Cell、Albertsら、第2版、Garland Publishing、New York ,NY 1989)。このようなシグナル伝達の機能は、細胞の生存、増殖、分化、およ び/または代謝活性を調和することである。変換されたシグナルとして作用する 分子は、それらの化学的成分を異にする:分子の1つのグループは、タンパク質 (ペプチド成長因子)である。ペプチド成長因子は、細胞表面レセプターに結合 することにより細胞において作用する。これらレセプターは、成長因子の結合に より活性化された場合、上記活性を生じる細胞内シグナル伝達経路に結合する。 変化した網膜細胞タイプの形態発生および分化ならびに眼杯の前駆細胞からの網 膜の異なる層の発生は、ペプチド成長因子を含む細胞間連絡により媒介された発 生事象の結果である。 網膜のペプチド成長因子 網膜の発生および維持における成長因子の役割が、発現した成長因子およびそ れらのレセプターの分子解析により、細胞培養において、および疾病または傷害 の動物モデルにおいて研究されてきた。 インビトロ研究の例のように、外植片および部分解離したヒヨコの網膜色素沈 着上皮(RPE)は、bFGFの存在下で神経網膜にトランス分化(trans-differentia te)し得る(CoulombreおよびCoulombre、Dev.Biol.12:79,1965)。解離したRP E細胞の増殖は、αFGF、βFGF、EGF、PDGF、IGF、およびインスリンにより刺激 される;そして、それはTGFβにより阻害される(Sternfeldら、Curr.Eye Res.8 :1029,1989;Lescheyら、Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.31:839,1990;Son gおよびLui、J.Cell Physiol.143:196,1990)。培養RPE細胞は、サイトカイン により誘導され一酸化窒素(細胞傷害性である)を放出し、そして誘導はFGFに よりブロックされ得る(Goureauら、Biochem.Biophys Res.Comm.186:854,199 2;同198:120,1994)。さらに、rdマウスからの網膜外植片が、NGFとbFGFとの組 み合わせ処置により細胞死から救済される(Caffeら、Curr.Eye Res.12:719,1 993)。 網膜細胞の成長因子レセプターの存在が、免疫染色、インサイチュハイブリダ イゼーション、および放射性標識リガンドを用いる組織結合を含む様々な分子解 析技術により示された。RPEの細胞は、FGFレセプターを発現する(Malecazeら、J . FGF、trkA、およびtrkBのレセプターを発現する(Jelsmaら、J.Neurobiol.24:1 207,1993;Takahashiら、Neurosci.Lett.151:174,1993;Carmignotoら、Exp . Neurol.111:302,191;Steinberg、Curr.Opin.Neurobiol.4:515,1994に 概説される)。ミュラー細胞はまた、PDGFレセプターを発現する(Mudharら、Deve lopment 118:539,1993)。IGFのレセプターが、光受容細胞において検出され(Wa ldbilligら、Exp.Eye Res.47:587 1988;Ocrantら、Exp.Eye Res.52:58、19 91)、そして種および発達段階に依存する。IGFのレセプターは、網膜神経節細胞 を含む、いくつかの細胞タイプに局在するbFDFの解析されたレセプターである(S ternfeldら、Curr.Eye Res.8:1029,1992;Schweigererら、Biochem Biophys. Res.Comm.143:934,1987)。 視神経の軸索切断および網膜虚血の動物モデルにおける、インビボでの網膜神 経節細胞生存の研究が、FGF(Sieversら、Neurosci.Lett.76:157,1987)、NGF( Carmignotoら、J.Neurosci.9:1263,1989)、CNTF(MeyおよびThanos、Brain Re s.602:304,1993)、BDNF(Mansour-Robaeyら、PNAS USA 91:1632,1994;Meyお よびThanos、Brain Res.602:304,1993)、NT4/5(Cohenら、J.Neurobiol.25:9 53,1994)、およびbFGF(Fergusonら、J.Neuroscl.10:2176,1990)による効果 を示した。いくつかの所望でない網膜合併症(マクロファージ増殖、炎症、網膜 構 造の組織崩壊、および脈管形成を含む)は、いくつかの上記因子による網膜の処 置に関連する。 ニューレグリン 近年に記載された成長因子のファミリー、ニューレグリン(Mudge、Curr.Biol . 3:361,1993に概説される;PelesおよびYarden、Bioessays 15:815,1993)が ニューロンにより(Marchionniら、Nature 362:313,1993)、および特定の実質組 織器官由来の間葉織細胞により(MeyerおよびBirchmeier、PNAS 91:1064,1994) 合成される。p185erbB2に結合するニューレグリンおよび関連因子が精製され、 クローン化され、そして発現された(Benvenisteら、PNAS,82:3930,1985;Kimu raら、Nature 348:257,1990;DavisおよびStroobant、J.Cell Biol.110:1353 ,1990;Wenら、Cell 69:559,1992;YardenおよびUllrich,Ann.Rev.Biochem .57:443,1988;Dobashiら、Proc.Natl.Acad.Sci.88:8582,1991;Lupuら 、Proc. Natl.Acad.Sci.89:2287,1992;Wenら、Mol.Cell.Blol.14:1909 ,1994)。組換えニューレグリンが、末梢神経膠の有糸分裂誘発性であることが 示され(Marchionniら、Nature 362:313,1993)、そして神経筋接合部の形成に影 響を与えることが示された(Fallsら、Cell 72:801,1993;Joら、Nature 373:15 8,1995;Chuら、Cell 14:329,1995)。 ニューレグリン遺伝子は、少なくとも13エクソンからなる。ニューレグリン転 写産物は、別々にスプライスされ、そしてこれらは多くの異なるペプチド成長因 子(ニューレグリンと呼ばれる)をコードする(Marchionniら、Nature 362:313, 1993)。DNA配列の比較は、neu分化因子(NDF)(Wenら、Cell 69:559,1992)およ びヘレグリン(Holmesら、Science 256:1205,1992)(これらは、p185rebB2(neu またはHER2としても知られる)レセプターチロシンキナーゼのリガンドとして精 製された)がまた、ニューレグリン遺伝子のスプライシング改変体であることを 示した。アセチルコリンレセプター誘導活性(ARIA)はまた、ニューレグリン遺 伝子の産物である(Fallsら、Cell 72:801,1993)。ニューレグリンの共通した構 造特性は、1つの免疫グロブリン様(Ig)折りたたみおよび1つの上皮成長因子様 (EGF)ドメインの存在である。 ニューレグリン遺伝子発現の部位は、ノーザンブロット、RNase保護、または インサイチュハイブリダイゼーションのような種々の方法によってRNAサンプル を解析するための核酸プローブの使用により特徴づけられた。転写産物が、神経 系および種々の他の組織において検出された(Holmesら、Science 256:1205,199 2;Wenら、Cell69:559,1992;MeyerおよびBirchmeier、PNAS 91:1064,1994)。 遺伝子発現の部位は、脳および脊髄ならびに他の組織に局在した(Orr-Urtegerら 、PNAS 90:1867,1993;Fallsら、Cell 72:801,1993;Marchionniら、Nature 3 62 :313,1993;MeyerおよびBirchmeier、PNAS 91:1064,1994;Chenら、J.Comp .Neurol.349:389,1994;Corfasら、Neuron 14:103,1995)。特に網膜の感覚 上皮細胞において、ニューレグリン転写産物の発現が、ラットの18日目の胚で検 出された(MeyerおよびBirchmeier、PNAS 91:1064,1994)。 多数のニューレグリンが、別々のスプライシングにより産生され得るが、それ らは推定の膜結合イソ形態および可溶性イソ形態に広く分類され得る。前者は推 定の膜貫通ドメインを含み、そして細胞表面に存在し得る。膜固定のペプチド成 長因子は、細胞接着またはジャクスタクリン(juxtacrine)機構を介して細胞-細 5,1993により概説される)。あるいは、推定膜結合イソ形態は細胞表面から切断 され、そして可溶性タンパク質として機能し得る(Wenら、Cell 69:559,1992;F allsら、Cell 72:801,1993)。可溶性ニューレグリンイソ形態は、推定膜結合イ ソ形態の細胞外ドメインに対応する配列を含むが、膜貫通ドメインの前で終結す る。これらのニューレグリンイソ形態は、分泌され得、それゆえ離れた細胞に作 用し得る;あるいは、それらは、細胞質内に存在し得るが、細胞の傷害に際して 放出され得る。後者の場合、ニューレグリンは、毛様体神経栄養因子として推定 ニューレグリンのこれらの作用様式のいずれか1つが、網膜において生じ得る。 ペプチド成長因子の細胞標的は、これらの因子のレセプターを有する標的およ びインビトロまたはインビボのいずれかにおけるバイオアッセイに応答を示す標 的である。チロシン残基のリン酸化を示す研究または架橋実験に基づくと、ニュ ーレグリンは、レセプターチロシンキナーゼp185erbB2(あるいはヒトのHER-2)、 p1 85rebB3(ヒトのHER-3)、p185erbB4(あるいはヒトのHER-4)、またはEGFR遺伝子フ ァミリーの関連するメンバーの候補のリガンドである。まとめると、これらのレ セプターをerbBレセプターと称し得る。各ニューレグリンタンパク質とEGFRファ ミリーの各メンバーとの正確なリガンド-レセプター関係は未だ明らかにされて いないが、証拠のいくつかの傾向は、リガンドの結合がerbB3およびerbB4のいず れによっても媒介されるが、シグナル伝達はerbB2、erbB4、および種々のサブユ ニットのヘテロダイマーのいずれを介しても生じることを示唆する(例えば、Car rawayおよびCantley、Cell 78:5,1994)。これらのレセプターが、シュワン細胞 および筋肉細胞(Joら、Nature 373:158,1995)、ならびに他のニューレグリン標 的(例えば、胸および胃上皮のような種々の腫瘍組織由来の細胞株)に存在する ことが知られている。HER-4遺伝子の発現部位が、インサイチュハイブリダイゼ ーションにより、脳の特定の領域に局在化された。この領域は、海馬、歯状回、 新皮質、中間手綱(medial habenula)、視床の網状核、および小脳扁桃を含む( LaiおよびLemke、Neuron 6:691,1991)。HER-4レセプターの分布は、インビボま たは初代細胞の培養物においてタンパク質または活性化されたレセプターチロシ ンキナーゼの検出を可能にする方法によって研究されていない。網膜におけるer bB2、erbB3、およびerbB4の発現パターンは記載されていない。 ニューレグリンは、研究されている細胞タイプに依存する種々の生物学的活性 を有することが示されている。特定のニューレグリン(天然のウシGGFI、II、お よびIII、ならびに組換えヒトGGF2(rhGGF2)を含む)は、ヘレグリンB1(Leviら、 J Neurosci.15:1329,1995)と同様に、シュワン細胞(Marchionniら、Nature 36 2 :313,1993)について有糸分裂誘発性である。ヒト筋肉培養物において、rhGGF2 は、筋管において潜在的な栄養(trophic)効果を有する(Sklarら、米国特許出 願番号第08/059,022号)。rhGGF2に対する分化応答もまた、培養した筋管のアセ チルコリンレセプターの誘導を含む(Joら、Nature 373:158,1995)。この活性は 、ARIA(Fallsら、Cell 72:801,1993)、およびヘレグリンB1(Chuら、Neuron 14: 329,1995)を含むニューレグリンの他の形態、ならびにrhGGF2に関連する。さら に、ARIAは、ヒヨコの骨格筋において電圧ゲート化ナトリウムチャンネルの合成 を誘導することが示されている(CorfasおよびFischbach、J.Neurosci.13:2118 ,19 93)。神経膠成長因子(GGF)、そしてさらに詳細にはrhGGF2は、神経堤幹細胞を制 限してインビトロで神経膠細胞に分化し得る(Shahら、Cell 77:349,1994)。網 膜細胞におけるニューレグリンの活性は記載されていない。要約すると、標的細 胞の増殖、生存、および分化に作用するニューレグリンタンパク質の例が存在す る。 眼の障害を処置することの薬学的必要性 種々の網膜疾病および関連障害が知られており、これは視界を損ない、そして ときには完全な失明に進行する。これらの眼の障害としては、以下を包含するが 、これらに限定されない:高血圧網膜症、糖尿病網膜症、および閉塞網膜症のよ うな種々の網膜症;また網膜の裂傷および剥離のような網膜変性を引き起こす疾 病および傷害、ならびに色素性網膜炎のような遺伝病;また年齢に関連する黄斑 変性(macular degeneration);視神経の疾病;緑内障および網膜虚血。 糖尿病網膜症は、25〜74才の患者の失明の主要な原因である。それは、米国に おいて1年あたり12,000〜24,000の新たな失明症例の原因である。米国において 6百万の糖尿病患者の50%が、糖尿病の7年後に検出可能な網膜症を示す。年齢 に関連する黄斑変性(ARMD)が、52歳以上の人口の9%より多く、そして75歳以上 の人口の33%に存在することが見積もられている。緑内障は、慢性の高い眼内圧 に関連し、そして米国では約2百万人が現在処置されている。米国では、約100,0 00人が緑内障により毎年失明している。 成長因子の使用の先例が存在し、これは網膜の変性疾病の処置において網膜培 養物が活性であることを示している。FGFは、培養物において光受容細胞の生存 を支持し、そして桿状体および錐状体を取り囲む細胞外空間に、または硝子体に 注入されて、光損傷の結果としてまたは遺伝病により変性しているラットの光受 容体を救済した(LaVailら、PNAS 89:11249,1992,Faktorovichら、J.NeuroSci 12:3554,1992)。同様にTGFβ2が、ヒトの黄斑穴(macular holes)の処置に使用 された。使用されたTGFβは、ウシ供給源由来であり、そして因子を黄斑穴の領 域に直接注入することにより投与された(Glaserら、Opthalmol.99:1162,1992) 。 現在、網膜細胞機能の促進のための治療について制限された選択が存在し、そ れは生存、増殖、分化、成長ならびに遺伝子活性および代謝活性の変化を包含す る。このような治療は、視覚の喪失を引き起こす種々の眼の障害の処置に有用で ある。 発明の要旨 一般に、本発明は、ニューレグリンを用いた網膜細胞機能を促進するための方 法を提供する。本発明の新規の局面は、網膜細胞の生存を促進するための成長因 子としてのニューレグリンの使用を包含する。網膜細胞を処置してこれらの効果 を提供することは、網膜細胞を本明細書中に記載のポリペプチドと接触させるこ とにより達成され得る。この処置は、正味の細胞損失を緩慢にするかもしくは停 止するために、または脊椎動物に存在する網膜組織の量または質を増大するため に提供され得る。 ニューレグリンは、タンパク質因子のファミリーであり、本明細書においてこ れ以降、1つの遺伝子にコードされる神経膠成長因子、アセチルコリンレセプタ ー誘導活性(ARIA)、ヘレグリン、neu分化因子として記載される。種々のメッセ ンジャーRNAスプライシング改変体(およびそれらから得られるタンパク質)は この遺伝子に由来し、そして多くのこれらの産物は、erbB2(neu)、ならびに密接 に関連するレセプターerbB3およびerbB4への結合および活性化を示す。本発明は 、ニューレグリン遺伝子の公知の産物のすべて、ならびにニューレグリン遺伝子 の未知のスプライシング改変体を使用するための方法を提供する。従って、上記 の因子、これらの因子の合成を誘導する調節化合物、および網膜組織上のレセプ ターに結合することにより、または他の手段を介して刺激することによりこれら の因子の効果を模倣する小分子、リガンド-レセプター複合体により活性化され た第2のメッセンジャー系はすべて、眼の網膜組織疾病および関連する障害の予 防的および積極的な治療として非常に有用である。 本明細書中で使用される網膜細胞の生存は、ネクローシスまたはアポトーシス による網膜細胞の喪失の防止、または網膜喪失の他の機構の防止に関連する。本 明細書中で使用される生存は、未処置のコントロールと比較して、少なくとも10 %、より好ましくは少なくとも50%まで、そして最も好ましくは100%までの細 胞死の割合の減少を示す。生存の割合は、培養物中の死細胞に特異的な色素(例 えば、ヨウ化プロピジウム)で染色可能な細胞を計数することにより測定され得 る。 本明細書中に記載のポリペプチドまたは他の化合物を用いる疾病または障害の 処置方法はまた、本発明の一部である。処置され得る網膜組織障害の例は、視覚 の喪失のような、感覚神経の病理に起因する眼の疾病および障害を包含し、これ はまた本発明の方法を用いて処置され得る。これらの眼の障害は以下を包含する が、これらに限定されない:高血圧網膜症、糖尿病網膜症、および閉塞網膜症の ような種々の網膜症;また網膜の裂傷および剥離のような網膜変性を引き起こす 傷害および障害、ならびに色素性網膜炎のような遺伝病;また年齢に関連する黄 斑変性;視神経の疾病;緑内障および網膜虚血。 本発明の方法は、種々のニューレグリンタンパク質が同一の遺伝子によりコー ドされるという事実を利用する。種々のメッセンジャーRNAスプライシング改変 体(およびそれらから得られるタンパク質)はこの遺伝子に由来し、そして多く のこれらの産物は、p185erbB2(または関連するレセプターerbB3およびerbB4) への結合および同じ活性化を示す。この遺伝子の産物は、網膜細胞生存活性を示 すために使用される(以下の実施例2を参照のこと)。本発明は、ニューレグリ ン遺伝子の公知の産物(本明細書中および上記に列挙される参考文献中に記載) のすべての使用を提供し、これは網膜細胞機能を促進するような活性を有する。 最も好ましくは、組換えヒトGGF2(rhGGF2)がこれらの方法において使用される。 本発明はまた、他の、未だ天然で単離されていない、ニューレグリン遺伝子の スプライシング改変体の使用に関する。図12は、公知のスプライシングパターン を示す。これらのパターンは、ポリメラーゼ連鎖反応実験(逆転写RNA)、cDNA クローンの解析(図内に示す)、およびニューレグリンをコードする発表された 配列の解析(Pelesら、Cell 69:205,1992;Wenら、Cell 69:559,1992;Wenら、 Mol.Cell Biol.14:1909,1994)に由来する。これらのパターン、ならびに本明 細書中に開示されるさらなるパターンは、存在する推定のスプライシング改変体 を示す。このスプライシング改変体は、1993年3月24日に出願されたGoodearlら 、米国特許出願第08/036,555号(本明細書中で参考として援用する)に完全に記 載 される。 本発明の利点は、眼の傷害または疾病、より詳細には網膜の変性疾病に対する 、ニューレグリンの使用による網膜細胞機能の促進に基づいた、新しい治療アプ ローチの開発を含む。網膜細胞の喪失は、変性眼疾病の共通する特性であり、そ して網膜神経節細胞の死を防止する成長因子を含む有用な治療法は存在しない。 因子は眼内部への注入用に処方され得、そして視野の喪失をもたらす変性障害を 患う患者に投与され得る。従って、本発明の治療へのアプローチは、種々の眼疾 病において結果として引き起こされる進行的な視野の喪失を停止し得るかまたは 緩慢にし得る。 図面の簡単な説明 図1は、網膜を形成する一連の層および細胞のタイプを示す:(1)神経節細胞層 に対応する;(2)内網状層に対応する;(3)内核層に対応する;(4)外網状層に対 応する;(5)外核層に対応する。 図2は、ニューレグリンタンパク質が胚の網膜発生の間に網膜神経節細胞層にお いて発現されることを示す免疫染色である。矢印は、生長する神経節細胞層中の 標識を示す。 図3は、ニューレグリンmRNAが胚発生の間に網膜神経節細胞層の細胞において発 現されることを示すインサイチュハイブリダイゼーションである。矢印は、神経 節細胞層中の標識を示し、分布が図2に示すニューレグリン免疫反応性と同様で あることを示す。 図4は、ニューレグリンタンパク質が成人網膜の内部および外網状層に存在する ことを示す免疫染色である。 図5は、TUJ1免疫反応性が新生ラット網膜において発現されることを示す免疫染 色であり、そして網膜神経節細胞が発生のこの段階においてこの抗原を発現する 初代細胞クラスであることを示す。網膜神経節細胞層を大きな矢印で記し、一方 、標識したアマクリン細胞を小さな矢印で、そして標識した水平細胞を矢頭で記 す。 図6は、ラット網膜ニューロンの免疫染色した培養物であり、これはコラーゲン ゲル上でrhGGF2(ニューレグリン)の存在下で2日間生長させたものである。図6 は、TUJ1抗体で標識された伸長した長いプロセスを示す。 図7は、ラット網膜細胞の免疫染色した培養物であり、ニューレグリン(rhGGF2) が、培養の2日後に、18日目の胚のラット網膜細胞のTUJ1免疫反応性に有意な増 大を引き起こすことを示す。 図8は、ラット網膜細胞の免疫染色した培養物であり、ニューレグリン(rhGGF2) 誘導性細胞生存が、年齢依存性であること;ニューレグリン(rhGGF2)が、培養の 2日後に、15日目の胚のラット網膜細胞のTUJ1免疫反応性に有意な増大を引き起 こさないことを示す。 図9は、18日目の胚のラット網膜細胞による3つの別々の実験の結果の棒グラフ である。 図10は、網膜細胞生存におけるGGFの効果を示す実験結果の棒グラフである。 図11Aは、コード鎖DNA配列および図12に示すGGFBPP1のスプライシングパターン から得られるcDNAの推定アミノ酸配列を列記する。潜在的なグリコシル化部位に 下線が引かれる(ポリアデニル化シグナルAATAAAとともに); 図11Bは、コード鎖DNA配列およびGGF2BPP2のスプライシングパターンから得られ るcDNAの推定アミノ酸配列を列記する。潜在的なグリコシル化部位に下線が引か れる(ポリアデニル化シグナルAATAAAとともに); 図11Cは、コード鎖DNA配列およびGGF2BPP3のスプライシングパターンから得られ るcDNAの推定アミノ酸配列を列記する。潜在的なグリコシル化部位に下線が引か れる(ポリアデニル化シグナルAATAAAとともに)。 図12は、ニューレグリン遺伝子の産物を示す。 図13は、GGFのコードセグメントのDNA配列および推定ペプチド配列を列記する。 1列目はウシGGFの推定アミノ酸配列を列記し、2列目はウシGGFのヌクレオチド 配列を列記し、3列目はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を列記し( ヌクレオチド塩基の一致を垂直線で示す)、そして4列目はヒトGGF/ヘレグリン の推定アミノ酸配列を列記する(この場合、それは推定ウシ配列とは異なる)。 コードセグメントE、A'、およびKは、ウシ配列のみを示す。コードセグメントD' はヒト(ヘレグリン)配列のみを示す。 図14は、推定GGF2アミノ酸配列およびBPP5のヌクレオチド配列である。上列はヌ クレオチド配列であり、そして下列は推定アミノ酸配列である。 図15は、GGF2BPP2の推定アミノ酸配列およびヌクレオチド配列である。上列はヌ クレオチド配列であり、そして下列は推定アミノ酸配列である。 図16は、GGF2BPP4の推定アミノ酸配列およびヌクレオチド配列である。上列はヌ クレオチド配列であり、そして下列は推定アミノ酸配列である。 図17は、図13に示す配列由来のスプライシング改変体を列記する。 図18は、EGFL1の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図19は、EGFL2の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図20は、EGFL3の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図21は、EGFL4の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図22は、EGFL5の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図23は、EGFL6の推定アミノ酸配列(下段)および核酸配列(上段)である。 図24は、GGF2HBS5の推定アミノ酸配列(中段)および核酸配列(上段)である。 下段(断続的な)の配列はGGF-II調製物由来のペプチド配列を示す。 図25は、GGFHBS5、GGFHB1、およびGGFBPP5ポリペプチドの配列である。 図26は、成熟hGGF2をコードするcDNAのアミノ酸配列である。 図27は、組換えウシゲノムファージGGF2BG1由来の推定ウシGGF-II遺伝子配列の 範囲(stretch)を示す。この図は第3番目の読みとり枠におけるDNA配列のコー ド鎖および推定アミノ酸配列である。 発明の詳細な説明 引用されるすべての参考文献は、参考として本明細書中に援用されることが意図 される。 概説 本発明は、網膜細胞の機能を促進する方法に関する。この機能は、脊椎動物へ のニューレグリンの投与により作用する。ここでは、ニューレグリンは網膜細胞 と相互作用して、網膜細胞の機能の1つまたはそれより多くの局面を促進する。 この機能には、増殖、分化、成長、生存、遺伝子発現および分泌パターンの変化 、 ならびに網膜細胞の代謝変化が含まれる。 重要な用語の定義 本明細書で用いられる用語投与とは、物質を送達する行為をいい、以下の経路 が挙げられるがこれらに限定されない:非経口、静脈内、皮下、筋肉内、眼窩内 、眼、硝子体内、網膜下、腹腔内、局所、鼻孔内、エアロゾル、または経口。 本明細書で用いられる用語作用するとは、ニューレグリンとの相互作用の結果 としての標的細胞の応答における量的変化の誘導をいう。 本明細書で用いられる用語アマクリン細胞とは、双極性細胞と神経節細胞との 間の相互作用を媒介する網膜の内網状層における局部介在ニューロンをいう。 本明細書で用いられる用語双極性細胞とは、光受容細胞を網膜神経節細胞に連 絡する網膜の介在ニューロンをいう。 本明細書で用いられる用語分化とは、異なる細胞タイプの生成または特殊化の 状態を生じる形態学的および/または化学的変化をいう。本明細書で用いられる 細胞の分化とは、細胞タイプの1つまたはそれより多い成分を特定する細胞発達 プログラムの誘導をいう。分化の治療的有用性は、疾病組織における細胞タイプ の任意の成分の量の増加が、同様に処置されたコントロール動物における同量の 組織に対して、少なくとも10%またはそれより多く、より好ましくは50%または それより多く、および最も好ましくは100%より多く見られ得る。 本明細書で用いられる用語障害とは、生きている生物の機能および/または構 造の障害をいい、外的原因、遺伝学的素質、物理的または化学的外傷、あるいは これらの組み合わせから生じ、あらゆる哺乳動物の疾病を含むがこれに限定され ない。 本明細書で用いられる用語erbBレセプターとは、1つまたはそれより多くのニ ューレグリンを結合するおよび/またはそれにより活性化されるモノマーの、ホ モダイマーの、およびヘテロダイマー(例えば、erbB2/erbB3)の細胞表面レセ プターチロシンキナーゼとして存在する、erbB2、erbB3、およびerbB4(また、 ヒトのHER-2、HER-3、およびHER-4)をいう。 本明細書で用いられる用語機能とは、細胞のあらゆる活性または応答をいう。 これらには、増殖、分化、成長、生存、遺伝子発現および分泌パターンの変化、 ならびに代謝変化が含まれるが、これらに限定されない。 本明細書で用いられる用語水平細胞とは、双極性細胞とレセプター細胞との間 の相互作用を媒介する網膜の外網状層における局部介在ニューロンをいう。 本明細書で用いられる用語哺乳動物は、哺乳綱のメンバー(脊椎動物亜門)を 記載する。 本明細書で用いられる用語有糸分裂とは、細胞の分割をいい、ここでは、各娘 核が種の体細胞に特有の染色体数の同一の相補物を受容する。本明細書で用いら れる有糸分裂とは、患者において新しい細胞の産生を生じるあらゆる細胞分割を いう。より詳細には、有用な治療は、細胞が標識薬剤に2倍の倍加時間に等しい 時間曝露される場合、未処置細胞に対して、50%、より好ましくは100%、およ び最も好ましくは300%の有糸分裂指標の増加としてインビトロで定義される。 有糸分裂指標は、S期の間のみに組み入れるトレーサー(すなわち、BrdU)の存 在下で増殖した場合に、標識された核を有する培養物中の細胞の画分である。そ して、倍加時間は、1つの因子が2倍まで増加するために培養物中の細胞数に必 要とされる平均時間として定義される。 本明細書で用いられる用語ニューレグリンとは、神経膠増殖因子、ヘレグリン 、neu分化因子、アセチルコリンレセプター誘導活性、ならびに、erbB2、erbB3 、およびerbB4結合タンパク質をいう。ニューレグリンのより完全な定義は、本 明細書中および以下の資料中に見いだされ得る:米国特許第5,237,056号;米国 特許出願第08/249,322号;WO 92/20798;欧州特許出願第0 505 148 A1号;Marc hionniら、Nature 362:313,1993;Benvenisteら、PNAS 82:3930,1985;Kimura ら、Nature 348:257,1990;DavisおよびStroobant、J.Cell.Biol.110:1353, 1990;Wenら、Cell 69:559,1992;YardenおよびUllrich、Ann.Rev.Biochem. 57:443,1988:Holmesら、Science 256:1205,1992;Dobashiら、Proc.Natl.A cad. Sci.88:8582,1991;Lupuら、Proc.Natl.Acad.Sci.89:2287,1992;P elesおよびYarden,BioEssays 15:815,1993;Mudge、Current Biology 3:361, 1993、すべて本明細書に参考として援用される。 本明細書に記載される用語神経学的障害とは、神経系の障害をいう。 本明細書で用いられる用語光受容細胞とは、2つの網膜細胞タイプ、桿状体お よび錐状体をいい、これらは光を電気的シグナルに変換する細胞である。 本明細書で用いられる用語網膜細胞とは、網膜神経節細胞、アマクリン細胞、 水平細胞、双極性細胞、ならびに光受容細胞(桿状体および錐状体を含む)、ミ ュラー神経節細胞、ならびに網膜色素上皮のような網膜を含むあらゆる細胞タイ プをいう。 本明細書で用いられる用語網膜神経節細胞とは、視神経を介して外側膝状核お よび上丘へ軸索を突起する網膜のニューロンをいう。 本明細書で用いられる用語生存とは、細胞が死を避けるあらゆるプロセスをい う。本明細書で用いられる用語生存とはまた、ネクローシスまたはアポトーシス により証明されるような細胞喪失の防止、あるいは細胞喪失の防止の他のメカニ ズムをいう。本明細書で用いられる生存は、未処置コントロールに対する細胞死 の割合の、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%、および最も好まし くは少なくとも100%の減少を示す。生存の割合は、培養物中で死んだ細胞に特 異的な染料(例えば、ヨウ化プロピジウム)で染色可能な細胞を計数することに より測定され得る。 本明細書で用いられる用語治療的有効量とは、投与により所望の結果を生じる 量、ならびに、投与されるべき用量および投与経路を含む多くの問題に依存して 変化する量をいう。 本明細書で用いられる用語処置とは、障害に対する有益な効果を及ぼすように 設計された手順(例えば、医学的手順)をいう。本明細書で用いられる処置は、 網膜細胞の機能を増進するための、本明細書に記載された物質のあらゆる投与を 意味する。最も好ましくは、処置は、網膜細胞の疾病または障害の徴候または進 行を縮小または減少させるためである。本明細書で用いられる処置はまた、健常 個体における細胞を増加または変更するための物質の投与を意味する。処置は、 本明細書に記載されたニューレグリンに感受性または応答性である細胞を、ニュ ーレグリンの有効量と接触させることによりもたらされ得る。 本明細書で用いられる用語TUJ1とは、神経特有の形態のβ-チューブリンを認 識する抗体をいい、これは網膜の縦細胞、アマクリン細胞、および神経節細胞で 発現される。 本明細書で用いられる用語脊椎動物とは、脊椎動物亜門のメンバー(脊索動物 門)である動物をいう。 ニューレグリン 本発明の新規な局面は、網膜細胞の機能に作用するためのニューレグリンの能 力に関する。ニューレグリンは、種々の大きさに、異なってスプライスされた、 多くのRNA転写物を産生する遺伝子の産物であり、このRNA転写物は一連のタンパ ク質を生じる。これらのタンパク質は、種々の長さであり、いくつかの共通のペ プチド配列およびいくつかの独特のペプチド配列を含む。これらの因子が単一の 遺伝子によりコードされるという結論は、異なってスプライスされたRNA配列に より支持される。この配列は、ウシ脳下垂体後葉、ヒト脊髄、およびヒト乳癌細 胞(MDA-MB-231)から回収可能である。この結論のさらなる支持は、erbBレセプ ターへのリガンドとして作用するタンパク質の大きさの範囲から得られる(以下 を参照のこと)。 単一の遺伝子が種々のニューレグリンをコードするという事実を支持するさら なる証拠は、ヌクレオチド配列の比較から得られる。Holmesら(Science 256:12 05,1992)は、レセプタータンパク質P185erbB2と特異的に相互作用する45キロ ダルトンのヒトタンパク質(ヘレグリン−a)の精製を証明する。Pelesら(Cell69 :559,1992)は、「neu分化因子」(NDF)というタンパク質をコードするラッ ト細胞から単離された相補的DNAを記載する。NDF cDNAの翻訳産物はp185erbB2結 合活性を有する。いくつかの他のグループが、erbBレセプタ結合活性を有する種 々の分子量のタンパク質の精製を報告している。これらのグループには以下が含 まれる:Lupuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2287,1992;YardenおよびPe les、Biochemistry 30:3543,1991;Lupuら、Science 249:1552,1990;Dobashi ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.179:1536,1991;およびHuangら、J.Biol .Chem.257:11508,1992。 発明者らは、P185erbB2および関連レセプター(p185erbB3およびp185erbB4) と結合するタンパク質が網膜細胞の生存に作用することを見いだした(実 施例2)。さらに、網膜神経節細胞でインビボにおける免疫学的に検出可能なニ ューレグリンタンパク質の存在(実施例1)は、ニューレグリンがインビボで網 膜細胞の生存における役割を有することを示す。 これらのニューレグリンは、本明細書および以下に記載されるプロトコルを用 いて同定され得る:Holmesら、Science 256:1205,1992;Pelesら、Cell 69:205 , 1992;Wenら、Cell 69:559,1992;Lupuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 2287,1992;YardenおよびPeles Biochemistry 30:3543,1991;Lupuら、Scienc e 249:1552,1990;Dobashiら、Biochem.Biophys.Res.Comm.179:1536,1991 ;Huangら、J.Biol.Chem.257:11508-11512,1992;Marchionniら、Nature 36 2 :313,1993;および1992年8月17日に出願された米国特許出願第07/931,041号 、これらはすべて本明細書に参考として援用される。 詳細には、本発明は、特定された式のポリペプチドおよびそのポリペプチドを コードするDNA配列の使用を提供する。このポリペプチドは、以下の式を有する : WYBAZCX ここで、WYBAZCXは図13に示されるアミノ酸配列から構成される;Wはポリペプ チドセグメントFを含むかまたは存在しない;YはポリペプチドセグメントEを 含むかまたは存在しない;ZはポリペプチドセグメントGを含むかまたは存在し ない;そしてXはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D ' HL、C/D' HKL、C/D' H、C/D' D、C/D C/D' HKL、C/D C/D' H、C/D C/D' HL、C /D C/D' D、C/D D' H、C/D D' HL、C/D D' HKL、C/D' D' H、C/D' D' HL、C/D' D' HKL、C/D C/D' D' H、C/D C/D' D' HL、またはC/D C/D' D' HKL;ただし、 a) 少なくとも1つのF、Y、B、A、Z、C、またはXはウシ起源である、 または b) YはポリペプチドセグメントEを含む;または c) XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D D、C/D' HKL、C/D C/D' HKL、C /D C/D' D、C/D D' H、C/D D' HL、C/D D' HKL、C/D' D' H、C/D' D' HKL、C/D C/D' D' H、C/D C/D' D' HL、C/D C/D' D' HKL、C/D'H、C/D C/D'H、またはC/D C/D' HLを含む。 さらに、本発明は、コードセグメント5'FBA3'を含むDNA配列ならびに図13 に示されるアミノ酸配列を有するその対応のポリペプチドセグメントを含むDNA 配列の使用を包含する; コードセグメント5'FBA’3'を含むDNA配列ならびに図13に示されるアミノ 酸配列を有するその対応のポリペプチドセグメントを含むDNA配列; コードセグメント5'FEBA3'を含むDNA配列ならびに図13に示されるアミノ 酸配列を有するその対応のポリペプチドセグメントを含むDNA配列; コードセグメント5'FEBA’3'を含むDNA配列ならびに図13に示されるアミ ノ酸配列を有するその対応のポリペプチドセグメントを含むDNA配列; GGF2HBS5 cDNAクローン(ATCC寄託番号第75298号、1992年9月2日寄託)(GG F-IIとしても知られる)のポリペプチドコードセグメントを含むDNA配列。 本発明はさらに、式FBA、FEBA、FBA’、FEBA’のペプチド、お よびこれらのペプチドをコードするDNA配列の使用を包含し、ここでポリペプチ ドセグメントは図13に示されるアミノ酸配列に対応する。GGF-IIポリペプチドを 精製したポリペプチドもまた本発明の一部として包含される。 N末端シグナルペプチドを除く、成熟GGFペプチドおよびこのペプチドをコー ドするDNAも本発明に包含され、これはまた網膜細胞の機能における異常に関連 する症状の処置に有用である。 さらに、本発明は、以下のものの脊椎動物への適用による網膜細胞機能のため の方法を包含する: MDA-MB 231ヒト乳房細胞株から単離される30kDポリペプチド因子;または 線維芽細胞株を神経膠細胞に形質転換したラットI-EJから単離される35 kDポ リペプチド因子;または SKBR-3ヒト乳房細胞株から単離される75kDポリペプチド因子;または 線維芽細胞を形質転換したラットI-EJから単離される44kDポリペプチド因子; または 活性化マウス腹膜マクロファージから単離される25kDポリペプチド因子;また は MDA-MB 231ヒト乳房細胞から単離される45kDポリペプチド因子;または 神経膠細胞に対してATL-2ヒトT細胞株から単離される7〜14kDポリペプチド 因子;または ウシ腎細胞から単離される25kDポリペプチド因子;または 脳から単離される42kDポリペプチド因子(ARIA)。 本発明は、さらに、EGFL1、EGFL2、EGFL3、EGFL4、EGFL5、およびEGFL6ポリペ プチドの使用のための方法を提供する。図18〜23は、それぞれ、インビボおよび インビトロで網膜細胞の機能に作用する方法である。 本発明はまた、網膜細胞の機能に作用するための、配列が図24に示されるGGF- IIポリペプチドの投与を包含する。 したがって、本発明はさらに網膜細胞の機能に作用し得るポリペプチド因子を 包含し、この因子は以下によりコードされるアミノ酸配列を含む: (a) 図11に示されるDNA配列; (b) 図27に示されるDNA配列; (c) 図11に示される配列のヌクレオチド281-557により表されるDNA配列;また は (d)(a)、(b)、または(c)のいずれか1つのDNA配列にハイブリダイズし得るDNA 配列。 本発明はさらに、上に示される配列に対して60%以上、好ましくは80%以上の 配列同一性を有する配列を包含する。 本発明は特定のセットのハイブリダイゼーション条件に限定されないが、以下 のプロトコルは、所望であれば、以下であり得る一般的ガイダンスを提供する: DNAプローブを、ニックトランスレーションによりまたはSchowalterおよびSom mer(Anal.Biochem.177:90,1989)に従ってPCR反応により高い比活性(約108 〜109 32P dpm/μg)に標識し、G-150 Sephadexカラムで脱塩することにより精 製し得る。プローブを変性し(沸騰水中10分の後、氷水中に浸す)、次いで10% 硫酸デキストランを含む80%緩衝液B(2g ポリビニルピロリドン、2g Ficoll-4 00、2g ウシ血清アルブミン、50ml 1M Tris HCL(pH 7.5)、58g NaCl、1gピロ リン酸ナトリウム、10g ドデシル硫酸ナトリウム、950ml H2O)のハイブリダイ ゼーション溶液に1ml当たり106dpm32Pで加え、そして60℃で一晩(約16 時間)インキュベートし得る。次いで、フィルターを、60℃にて、緩衝液B、15 分間で1回の後、2X SSC、0.1%SDS、20分間で3回、次いで1XSSC、0.1%SDS、2 0分間で1回洗浄する。 他の局面において、本発明は以下を提供する: (a) 塩基性ポリペプチド因子、これは、ウシ脳下垂体材料から得られる場合、 還元条件であろうとなかろうと、以下の分子量標準を用いてSDS-ポリアクリルア ミドゲル電気泳動で約30kD〜約36kDの観察される分子量を有する: リゾチーム(ニワトリ卵白) 14,400 ダイズトリプシンインヒビター 21,500 炭酸脱水酵素(ウシ) 31,000 オボアルブミン(ニワトリ卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 ホスホリラーゼB(ウサギ筋肉) 97,400; この因子は、ウシ胎児血漿の存在下でラットシュワン細胞の分裂を刺激すること を含む神経膠細胞有糸分裂活性を有し、そして逆相HPLCを用いて単離される場合 、0.1%トリフルオロ酢酸中で4℃にて10週のインキュベート後に少なくとも50 %の上記活性を保持する:および (b) 塩基性ポリペプチド因子、これは、ウシ脳下垂体材料から得られる場合、 非還元条件下で、以下の分子量標準を用いてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳 動で約55kD〜約63kDの観察される分子量を有する: リゾチーム(ニワトリ卵白) 14,400 ダイズトリプシンインヒビター 21,500 炭酸脱水酵素(ウシ) 31,000 オボアルブミン(ニワトリ卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 ホスホリラーゼB(ウサギ筋肉) 97,400; この因子のヒト等価物は、本明細書に記載のDNAクローンGGF2HBS5によりコード され、そして網膜細胞の機能に作用し得る。 記載の便宜のためだけに、本発明の低分子量因子および高分子量因子を、以下 ではそれぞれ「GGF-I」および「GGF-II」という。「GGF2」の名称は、GGF-IIタ ンパク質(すなわち、GGF2HBS5、GGF2BPP3)由来のペプチド配列データで単離さ れたすべてのクローンについて用いられる。 引用される分子量範囲の限界は正確ではないが、特定のポリペプチド因子の供 給源に依存してわずかの変動を受けることが理解される。例えば、約10%の変動 が、他の供給源由来の材料には不可能ではない。 本発明の他の重要な局面は、網膜細胞の機能に作用し得るポリペプチドをコー ドしそして以下を含むDNA配列である: (a)図11に示されるDNA配列; (b)図27に示されるDNA配列; (c)図11に示される配列のヌクレオチド281-557により表されるDNA配列;また は (d)(a)、(b)、または(c)に従っていずれか1つのDNA配列にハイブリダイズし 得るDNA配列。 したがって、本発明の他の重要な局面は、以下のものである: (a)網膜細胞の機能に作用し得る一連のヒトおよびウシのポリペプチド因子。 これらのペプチドの配列は、それぞれ図13、14、15、および16に示される。 (b)網膜細胞の機能に作用し得る一連のポリペプチド因子であり、そして以下 により概説される手順に従って精製および特徴づけられる:Lupuら、Science 24 9 :1552,1990;Lupuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2287,1992;Holmesら 、Science 256:1205,1992;Pelesら、Cell 69:205,1992;YardenおよびPeles 、Biochemistry 30:3543,1991;Dobashiら、Proc.Natl.Acad.Sci.88:8582 ,1991;Davisら、Biochem.Biophys.Res.Commun.179:1536,1991;Beaumont ら、特許出願第PCT/US91/03443号(1990);Greeneら、特許出願第PCT/US91/02331 号(1990);UsdinおよびFischbach、J.Cell.Biol.103:493,1986;Fallsら、C old Spring Harbor Symp.Quant.Biol.55:397,1990;Harrisら、Proc.Natl .Acad.Sci.USA 88:7664,1991;およびFallsら、Cell 72:801,1993。 (c)ポリペプチド因子(GGFBPP5)は網膜細胞の機能に作用し得る。アミノ酸配 列は図14に示され、そして図14に示されるウシDNA配列によりコードされる。 上に記載されそしてそれぞれ図13、14、15、および16に示される新規なヒトペ プチド配列は、一連のスプライシング改変体を示し、これは、天然の供給源(適 当な組織から調製されたcDNAライブラリー)由来の完全長の相補的DNA(cDNA) として単離され得るか、または当業者により個々のエクソン(例えば、別々のエ クソンとして得られる)でDNA構築物として組み立てられ得る。 特定のペプチドにおいて、erbBレセプターに特異的に結合する他の化合物もま た、本発明に従って網膜細胞の機能のエフェクターとして用いられ得る。候補化 合物は、erbBレセプター結合について通常スクリーニングされ得、そして次いで 、化合物が結合する場合、網膜細胞の機能、より詳細には網膜細胞生存に作用す ることについて、本明細書に記載の方法を用いてスクリーニングされ得る。 本発明は、著しく低減した活性を示さない上記のポリペプチド因子のあらゆる 改変物または等価物を包含する。例えば、アミノ酸含量または配列が実質的に逆 に作用する活性がないように変更される改変物が含まれる。実例として、EP-A 1 09748では、天然のタンパク質の変異が開示され、そこでは望ましくないジスル フィド結合の可能性が、天然のままの配列中の生物学的活性に必要でない任意の システインを中性アミノ酸に置き換えることにより回避される。したがって、本 明細書に含まれる効果および使用の記述は、本発明の一部である改変されたまた は等価の因子を用いるこのような使用および効果とともに解釈されるべきである 。 本発明の新しい配列は、組換え技術の有益性を開発する。したがって、本発明 はまた以下の局面を包含する: (a)DNA構築物であって、この構築物による形質転換後の選択された宿主細胞中 のベクター内の作動可能なリーディングフレーム位置(配列の発現を可能にする ような制御配列に関して位置する)に先に定義されるようなDNA配列を含む(好 ましくは制御配列は調節可能なプロモーター、例えばTrpを含む)。(あるなら ば)プロモーターおよび調節配列の選択は、当業者の選択事項であることが理解 される; (b)宿主細胞であって、上記のDNA配列がこの宿主細胞で発現され得るように直 前の(a)に定義される構築物を組み込むことにより改変される(宿主の選択は重 要でない)、そして選択された細胞は原核生物または真核生物であり得、そして 当該分野において公知の方法によりこの構築物を組み込むように遺伝学的に改変 され得る;および (c)先に定義されるような因子の調製のためのプロセスであって、DNA配列の発 現を可能にする条件下で改変された宿主細胞を培養する工程を包含する。これら の条件は、組換えDNA技術の分野の当業者により、任意の特定の実施態様につい て容易に決定され得る。この手段により調製される神経膠細胞マイトジェンが本 発明に包含される。 当該分野で記載されている因子は、本発明の新しいポリペプチド因子が有する 特徴の組み合わせを有していない。 本発明はまた、先に定義されるニューレグリンを含み、このニューレグリンは タンパク質得るため脊椎動物の脳材料を抽出し、得られる抽出物をヒドロキシア パタイトHPLCによるクローマトグラフィー精製に供し、次いでこれらの画分をSD S-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供することにより得られる。約30kD〜36kD の観察される分子量を有する画分および/または約55kD〜63kDの観察される分子 量を有する画分が収集される。いずれの場合も、この画分は以下の分子量標準を 用いるSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供される: リゾチーム(ニワトリ卵白) 14,400 ダイズトリプシンインヒビター 21,500 炭酸脱水酵素(ウシ) 31,000 オボアルブミン(ニワトリ卵白) 45,000 ウシ血清アルブミン 66,200 ホスホリラーゼB(ウサギ筋肉) 97,400 より小さい分子量画分の場合、SDS-ポリアクリルアミドゲルは、非還元条件でま たは還元条件で行われ、そしてより大きい分子量画分の場合、ゲルは非還元条件 で行われる。次いで、これらの画分は、ウシ胎児血漿のバックグラウンドに対す るラットシュワン細胞の分裂を刺激する活性についてテストされる。 好ましくは、上記プロセスは、例えば、ウシ脳下垂体材料から、カルボキシメ チルセルロースクロマトグラフィーにより得られる関連画分を単離することによ り開始する。また、ヒドロキシアパタイトHPLC、陽イオン交換クロマトグラフィ ー、ゲル濾過、および/または逆相HPLCが、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳 動の前に用いられることが好ましい。このプロセスにおける各段階において、活 性は、一般的にBrockesによりMeth.Enz.147:217,1987に記載されるが10%FCP を10%FCSに置き換えることで改変したアッセイにおいて、測定として放射活性 ヨードデオキシウリジンのシュワン細胞への取り込みを用いて決定され得る。 化合物は、発明の詳細な説明および以下の実施例に提供される方法を用いて、 インビトロの有用性についてアッセイされ得る。網膜細胞の機能へのニューレグ リンの効果のインビトロの証明に続いて、効果のインビボ治療有益性が、治療を 必要とする脊椎動物へのニューレグリン、ニューレグリン産生細胞、またはニュ ーレグリンをコードするDNAの投与により達成され得る。 網膜細胞におけるニューレグリンの効果のインビトロアッセイ いくつかのインビトロアッセイを用いて、どのニューレグリンタンパク質が網 膜細胞の機能を促進するか、そしてどの網膜細胞タイプがニューレグリンタンパ ク質を接触させることにより作用するかを測定する。ニューレグリンの網膜細胞 の機能を促進する能力を検出する方法が以下に記載される。網膜細胞の機能への ニューレグリンの効果を測定するためのインビトロアッセイは、網膜培養物を樹 立することに依存する。細胞および組織培養物についての一般的参考文献は、Ce ll and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths、 およびD.G.Newell編、John Wiley and Sons、New York、NY、1994)である。神 経細胞および組織の培養物についての一般的参考文献は、Neurosciences、第12 巻、(P.M.Conn.Academic Press編、San Diego,CA,1990)、およびCulturing Ne rve Cells(G.BankerおよびK.Goslin編、MIT Press.Cambridge、MA、1991)で ある。免疫細胞化学の一般的参考文献は、Antibodies: A Laboratory Manual(E . HarlowおよびD.Lane、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor ,NY,1988)、およびJohn Wiley and Sons、New York、NY、1993)である。 本発明で用いられる脊椎動物由来の網膜細胞は、種々の培地中で培養され得る 。Ham's F10(Sigma)、最少必須培地([MEM]、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、 およびダルベッコの改変イーグル培地([DMEM]、Sigma)のような市販の培地が 、 網膜細胞を培養するために適切である。さらに、HamおよびWallace、Meth.Enz. 58:44,1979;BarnesおよびSato、Anal.Biochem.102:255,1980;米国特許第 4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;または同第4,560,655号;WO 90/03430;WO 87/00195および米国再発行特許第30,985号に記載される培地のい ずれも、網膜細胞用の培養培地として使用され得る。これらの培地のいずれも、 ホルモンおよび/または他の成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリン 、または上皮細胞成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム 、塩化マグネシウム、およびリン酸ナトリウム)、緩衝剤(例えば、HEPES)、 ヌクレオシド(例えば、アデノシンおよびチミジン)、抗生物質(例えば、Gent amycinTM薬物)、微量元素(μM範囲における最終濃度で通常存在する無機化合 物として定義される)、およびグルコースまたは等価のエネルギー供給源が、必 要なように追加され得る。任意の他の必要な追加物もまた、当業者に公知である 適切な濃度で含まれ得る。例えば、温度、pHなどの培養条件は、当業者には明ら かである。 ニューレグリンが網膜細胞の機能を促進することを証明するための網膜細胞培 養物の使用は、先の一般的用語に記載された方法、およびPittackら、Devel.11 3 :577,1991にさらに記載された方法に従っている。網膜を、胚または成体の脊 椎動物のいずれかから切り出し、Ca+2/Mg+2を含まないHepes緩衝化滅菌生理食塩 水(HBSS)中に15分間置き、次いでさらに15分間0.25%トリプシンで処理する。 トリプシンを1%ウシ胎児血清の添加により不活性化する。続いて、細胞を新鮮 な培地に再懸濁し、そして穏やかにトリチウム化して単一の細胞の懸濁液を得る 。細胞を24ウェルプレートのウェル中に入れ、そして37℃で培養する。培養物中 に存在する網膜細胞のタイプは、免疫細胞化学マーカーの使用により同定され得 る。特異的分子マーカーは、網膜中の細胞タイプの同定のために免疫細胞化学的 に染色され得る:光受容体では--例えば、ロドプシン、ならびに赤および緑の錐 状体オプシン;アマクリン細胞では--例えば、細胞レチノイン酸結合タンパク質 ;双極性細胞では--例えば、特定の形態のプロテインキナーゼCおよびその基質 タンパク質PCP2;網膜神経節細胞では--Thy1およびβ3-チューブリン、および; 水平細胞では--β3-チューブリン。種々の期間、好ましくは1日以上および7日 未満、 培養物を維持した後、種々のアッセイを利用して、細胞の表現型の種々の局面( 例えば、細胞生存、増殖、分化、形態、ならびに酵素および分泌産物の産生であ るが、これらに限定されない)を評価し得る。 インビトロ方法I 生存機能を、生きている細胞または死んだ網膜細胞のいずれかを同定および計 数し、次いで培養培地に添加した種々の量のニューレグリンの存在下で1〜6日 の期間、低密度(例えば、網膜神経節細胞では10,000細胞/cm2)で培養する方法 によりアッセイする。これらの方法には、死んだ細胞に特異的な染色、例えばヨ ウ化プロピジウムが含まれ、これは死んだ細胞の核に入りそして蛍光顕微鏡によ り検出される。あるいは、6日の期間にわたり培養下層に付着する網膜細胞の計 数もまた細胞生存の指標として使用され得る。 インビトロ方法II 網膜細胞の死をモニターするための他の手順は、Gavrieliら、J.Cell.Biol. 119:493-501,1992に記載されるプロトコルに従って末端デオキシヌクレオチジ ルトランスフェラーゼを用いるジゴキシゲニン-11-dUTPでの、アポトーシス細胞 死を被る細胞に特徴的であるニック化DNA鎖の標識(TUNEL)を利用する。標識さ れたDNA鎖を、販売業者から入手可能な標準的キット(例えば、Boehringer Mann heimからのGeniusキット)を使用して検出する。さらに、死にかけている細胞で 生じるDNA断片化に基づく細胞死検出ELISAシステム(Boehringer Mannheimカタ ログ番号1585 045)を、販売業者により提供される説明書に従って細胞死を定量 するために使用し得る。 インビトロ方法III 細胞質酵素の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の培養培地への放出もまた、イン ビトロでの網膜細胞死の程度を定量するために使用され得る(Kirkら、J.Pharm acol.Exper.Therapeut.271:1080,1994)。LDHレベルを、乳酸のピルビン酸 への酸化がテトラゾリウム染料INTの還元に結びつく自動化動力学比色アッセイ により測定する。簡単にいえば、80μlサンプルの培養培地を、0.2M Tris緩衝 液、pH 8.2中にINT、334 mg/l;メト硫酸フェナジン、86 mg/l;ニコチンアミド アデニンジヌクレオチド、862 mg/l;L-(+)-乳酸、4900 mg/l(リチウム塩); および0.1%Triton X-100を含む等容量の基質溶液と混合する。このアッセイに おいて、LDH活性は、得られるINTホルマザン(492 nmで吸収極大)の出現速度に 直接的に比例する。この産物を、490nmでの2分にわたる吸収の変化として、マ イクロプレートリーダー(UVmax、Molecular Devices、Menlo Park、CA)で定量 的にモニターする。 インビトロ方法IV 網膜細胞におけるニューレグリンの増殖機能を、分裂する細胞の複製するDNA 鎖中への125I-Urd、3H-dT、またはBrdUの取り込みにより、あるいは細胞計数に よりアッセイし得る。DNA合成前駆体の取り込みによるシュワン細胞におけるニ ューレグリンの有糸分裂活性を測定するために開発されたアッセイ(Brockesら 、Brain Res.165:105,1979;DavisおよびStroobant、J.Cell Biol.110:1353 ,1990)を、細胞培養の分野の当業者により網膜細胞に適応し得る。 インビトロ方法V 網膜細胞におけるニューレグリンの分化機能は、免疫染色またはインサイチュ ハイブリダイゼーションのような分析方法を用いることによりアッセイされ得る 。この方法は、網膜の種々の細胞タイプと関連するマーカータンパク質を検出お よび定量し得る。網膜神経節細胞は、実施例2(図4)に示されるように、特異 的チューブリン抗体TUJ1で染色することにより認識される。網膜の神経膠細胞で あるミュラー神経膠は、神経膠線維酸性タンパク質(GFAP)を認識する抗体で染 色することにより認識される。例えば、培養物中の網膜細胞の神経発生は、ラッ トの胚網膜前駆体細胞(E15〜E18)を分離して、次いでこの細胞をニューレグリ ンと接触させ、そして本明細書に記載されたマーカーを用いる免疫染色により同 定された種々の細胞タイプの分布を定量することにより達成され得る。網膜の神 経発生における活性を測定することに基づくこのアッセイの他に、ニューレグリ ン の分化機能は成熟培養物(例えば、約2週間培養物中で分化される)中でアッセ イされ得る。このように、特定の網膜細胞タイプで発現される特異的タンパク質 のレベルの変化が定量され得る。 インビトロ方法VI いくつかのペプチド成長因子およびそれらのレセプターが、先行技術に記載さ れるように、網膜において同定されている。これらの分子および活性を検出する ために利用される方法は、網膜細胞におけるニューレグリンの分化機能を証明す るために用いられ得る。ニューレグリンは、網膜で発現される成長因子および/ またはそれらのレセプターの合成を誘導することが示され得る。この分析は、イ ンサイチュハイブリダイゼーションまたは定量的RNA分析の他の方法(例えば、 これらに限定されないが、逆転写PCR、RNAse保護、およびノーザンブロッティン グ)により行われ得る。あるいは、成長因子またはそれらのレセプターの誘導さ れた発現は、免疫細胞化学染色または成長因子活性を測定するために設計された 細胞生物学的アッセイによりアッセイされ得る。 網膜細胞において生物学的活性を有するニューレグリンを同定するための上記 のインビトロアッセイは、分離された細胞、半分分離された細胞、網膜全体の外 移植物、およびそれらの一部(例えば、網膜色素上皮および網膜の他の層の調製 物)に適用され得る。この培養物は上記の方法を用いて樹立されそして維持され 得る。ある場合には、本発明の実施を変更しない、本明細書に記載される手順へ の小さな改変または置換は、当業者により提供され得る。 網膜細胞におけるニューレグリンの効果のインビボアッセイ 網膜細胞におけるニューレグリン活性もまたインビボアッセイにより示され得 る。いくつかのインビボアッセイは、網膜変性および他の疾病ならびに眼の障害 の動物モデルを示す。例えば、光受容細胞は、遺伝的網膜変性および年齢に関連 する黄斑変性がない。網膜神経節細胞は、緑内障および視神経障害(例えば、網 膜虚血または軸索切断)で死ぬ。 インビボ方法I 光受容細胞の救出は、Royal College of Surgeons(RCS)ラットにおいて証明 され得、このラットは遺伝的に網膜変性を有する(Faktorovichら、Nature 347: 83,1990)。組織学的分析(方法H1)は、麻酔をかけた動物の血管を潅流するこ と、眼をエポキシ樹脂へ包埋すること、次いで1ミクロン切片をトルイジンブル ーで染色することからなる。生後53日目の未処理のRCSラット(P53)において、 光受容細胞を含む外核層は、ほんのわずかの列の細胞の厚さに減少される(同じ 年齢の正常ラットで見られる厚さの約20%)。硝子体内投与により投与された治 療的有効量のニューレグリン(1マイクロリットルの単回注入)は、外核層の厚 さを修復し得、そして光受容細胞を救出し得る。あるいは、光受容細胞の救出は 、1週間一定の光(115〜200フート燭)に曝露したSprague-Dawleyラットモデル (2〜3カ月齢の雄)で証明され得る(LaVailら、PNAS USA 89:11249,1992) 。ニューレグリンは、持続照明の開始の48時間前に網膜下隙または硝子体内に注 入され得る(1μl)。固定された回復期間(通常10日)後の網膜の組織学的分 析(方法H1)は、光受容細胞の損傷および救出を評価するために用いられる。網 膜剥離もまた、光受容細胞の死を導き、網膜細胞におけるニューレグリンのイン ビボ生存活性を証明するための他の動物モデルを提供する(Ericksonら、J.Str uct.Biol.108:148,1992)。 インビボ方法II 光受容体変性のいくつかのマウスの遺伝的モデル(例えば、rd--cGMPホスホジ エステラーゼのbサブユニットの変異体;rds--ペリフェリンの変異体)は、上 記の投与の態様を用いてインビボでのニューレグリンの生存効果を示すために用 いられ得る。rdおよびrds動物は、生後2〜3週以内に網膜変性を示し、そして ニューレグリンの硝子体内注入後、組織は上記の組織学的方法(例えば、方法H1 )により分析され得る。さらに、ニューレグリンを含む培地中で培養したrdマウ ス由来の網膜外移植物は、Caffeら、Curr.Eye Res.12:719,1993に記載の方法 を用いて外核層の厚さについてアッセイされ得る。マウスの子供を生後48時間に 摘出し、そしてプロテイナーゼKで処理する。酵素処理後、付着した網膜色素 上皮(RPE)を有する神経網膜を回収し、マルチウェル培養ディッシュに入れ、 そして5%CO2で37℃にて4週間まで1.2mlの培養培地(例えば、R16)中でイン キュベートする。固定した(例えば、4%パラホルムアルデヒド)切片のオプシ ンでの免疫細胞化学的染色を用いて光受容細胞の変性および救出を評価する。rd マウスでは、外核層(光受容細胞)は培養の2〜4週後に変性する。培地には種 々の用量のニューレグリンが追加されて、網膜細胞の機能への効果(例えば、外 核層の変性からの救出)を達成し得る。生存効果もまた、上記のモデルで分析さ れる網膜の切片上でTUNEL方法を用いて示され得る。 インビボ方法III 網膜に対する傷害に応答して、ミュラー細胞は増殖型神経膠症になる。ミュラ ー神経膠におけるニューレグリンの有糸分裂活性は、因子の投与後に分裂してい る細胞をDNA合成前駆体で標識することにより示され得る。標識された細胞は、 オートラジオグラフィー(3H-dT)によりまたは免疫染色(BrdU標識)により検 出されて定量され得る。 インビボ方法IV ニューレグリンは、Sieversら、Neurosci.Lett.76:157,1987;Carmignoto ら、J.Neurosci.9:1263,1989;MeyおよびThanos、Brain Res.602:304,1993 に記載の方法を用いて、視神経切除術または神経圧挫後の網膜神経節細胞の生存 を促進することが示され得る。簡単にいうと、4〜6週齢のマウスに麻酔をかけ 、視神経を露出し、そして視神経乳頭の2〜4mm後部の眼窩内で細い鉗子の間で 30〜60秒間圧挫する。あるいは、神経を外科的に切開する。硝子体内または網膜 下注入によるニューレグリンの投与を、動物が手術から回復した後、治療的有効 量を用いて行う。網膜神経節細胞の生存は、組織学的分析(方法H1)により、ま たは本明細書に記載されるような網膜神経節細胞を認識する抗体を用いる免疫染 色により、注入後3日と6週との間のいくつかの時点で評価される。 インビボ方法V 虚血は、生理食塩水の眼内注入による眼内圧の上昇により白色Lewisラットの 網膜で生じ得る(UnokiおよびLaVail,Invest Ophthalmol Vis.Sci.35:907,1 994)。内部網膜層の厚さは、網膜が虚血後7日目に組織学的に(方法H1)分析 されるとき、網膜神経節細胞の喪失のために減少される。虚血前2日に与えられ た治療的有効量のニューレグリンの硝子体内注入は、虚血損傷を低減し得る。 インビボ方法VI 特定のペプチドにおいて、erbBレセプターに特異的に結合するおよび/または 活性化する他の化合物もまた、網膜細胞の機能のエフェクターとして本発明に従 って用いられ得る。候補化合物は、erbBレセプター結合について通常スクリーニ ングされ得、そしてこれが結合する場合、次いで本明細書に記載された方法を用 いて網膜細胞の機能に作用することについてスクリーニングされ得る。 インビボ方法VII 生存促進因子の不適切量は、黄斑変性などの変性眼障害を導き得る。本発明は 、ニューレグリンの生存促進活性が、有効量のポリペプチドまたは関連化合物を 脊椎動物に投与することによって、これらの因子が脊椎動物(好ましくは哺乳動 物、より好ましくはヒト)において網膜細胞の生存を促進するために使用され得 ることを示していることを証明する。網膜細胞におけるニューレグリンの効果は 、例えば、網膜の胚発生の間に生じる天然に生じるプログラム細胞死の範囲を妨 げることにより生じ得る。ラットモデルにおいて、網膜虚血は、眼への生理食塩 水の注入によって眼内圧を上昇させることにより誘導され得る(Buchiら、Ophth almologic.203:138,1991;Hughes,Exp.Eye Res.53:573,1991)。このモデ ルは、神経喪失を減少させる点で、bFGF、CNTF、およびBDNFの効能を評価するた めに使用されている(UnokiおよびLaVail,Invest Ophthalmol Vis.Sci.35:90 7,1994)。眼内注入により投与されるニューレグリンは、この動物モデルにお いて網膜虚血に関連する神経喪失を減少させることが示され得る。網膜細胞生存 におけるニューレグリンの効果は、色素性網膜炎(rp)の遺伝的およびトランス ジェニックマウスモデルで示され得る。ニューレグリンの硝子体内投与後のrpマ ウスの 網膜の組織学的分析(方法H1)は、網膜細胞変性を救出するために用いられ得る 。 上記のあらゆる動物モデルで網膜細胞の機能を促進することによるニューレグ リンの生物学的活性の証明は、眼の障害を処置することにおける効能を示す。種 々の網膜の疾病および関連の障害は、障害のある視覚を生じ、そしてある場合に は完全な失明に進行することが知られている。これらの眼の障害には、限定され ないが以下のものが含まれる:種々の網膜症(例えば、高血圧網膜症、糖尿病網 膜症、および閉塞網膜症);また、網膜変性(例えば、網膜裂傷および剥離)な らびに遺伝病(例えば、色素性網膜炎)で生じる傷害および障害;また、年齢に 関連する黄斑変性(ARMD)および関連の疾病(例えば、特発性中心性漿液性脈絡 網膜症、中心性疎性脈絡膜ジストロフィー、黄斑穴、黄斑欠損、Stargardt遺伝 性ジストロフィー、外傷、糖尿病連環状斑症、網膜色素線条および脈絡膜血管新 生、仮定眼ヒストプラズマ症および脈絡膜血管新生、網膜血管腫症、脈絡膜破裂 および脈絡膜血管新生、トキソプラズマ症および脈絡膜血管新生);視神経の疾 病;ならびに、緑内障および網膜虚血。したがって、ニューレグリンの治療的有 効量での投与は、未処置のままでは視力の喪失を生じる眼の障害の処置を提供し 得る。 本発明は、網膜細胞の機能に作用することに関連する著しく低減した活性を示 さない上記のポリペプチド因子のあらゆる改変物または等価物の使用を包含する 。例えば、アミノ酸含量または配列が実質的に逆に作用する活性を有さずに変更 される改変が含まれる。したがって、本明細書に含まれる効果および使用の記述 は、改変されたまたは等価の因子を用いるこのような使用および効果とともに本 発明の一部であると解釈されるべきである。 本発明は、天然の供給源(組織または細胞株)から抽出されたまたは組換え手 段により調製された、先に挙げたファミリーのタンパク質(すなわち、ニューレ グリン)の使用を包含する。 上記のヒトペプチド配列は、天然の供給源(適切な組織から調製されたcDNAラ イブラリー)由来の完全長相補的DNA(cDNA)として単離され得るか、または当 業者により個々のエクソン(例えば、別々のエクソンとして得られる)でDNA構 築物として構築され得る、一連のスプライシング改変体を表す。 本発明は、図13におけるコードセグメントに実質的に相同なあらゆるタンパク 質、ならびに天然に存在する他のニューレグリンポリペプチドの網膜細胞の機能 を促進する目的での使用の方法を包含する。また、以下の使用も包含される:対 立遺伝子改変物;天然の変異体;誘導された変異体;高または低ストリンジェン シー条件下で天然に存在する核酸にハイブリダイズするDNAによりコードされた タンパク質(高および低ストリンジェンシー条件の定義についてはCurrent Prot ocols in Molecular Biology,(1989)John Wiley & Sons,New York,NY,6.3.1 - 6.3.6.を参照のこと、これらは本明細書に参考として援用される);およびG GFポリペプチドに抗血清により特異的に結合されるポリペプチドまたはタンパク 質の使用。この用語もまた、図13からの配列を含むGGFポリペプチドを含むキメ ラポリペプチドの使用を包含する。 ニューレグリンの使用 本発明の新規な局面は、網膜細胞の機能を促進するための因子としてのニュー レグリンの使用を包含する。これらの効果を達成するための細胞の処理は、本明 細書に記載されたポリペプチドに細胞を接触させることにより達成され得る。 本発明の方法は、ニューレグリンタンパク質が同じ遺伝子によりコードされる という事実を使用する。種々のメッセンジャーRNAスプライシング改変体(およ びそれらの結果として生じるタンパク質)はこの遺伝子に由来し、そしてこれら の産物の多くはerbBレセプターへの結合および同じものの活性化を示す。本発明 はニューレグリン遺伝子(本明細書および上掲の参考文献に記載されている)の すべての公知の産物についての使用を提供する。最も好ましくは、組換えヒトGG F2(rhGGF2)がこれらの方法で使用される。 本発明はまた、他の、まだ天然に単離されていない、ニューレグリン遺伝子の スプライシング改変体の使用に関する。図12はスプライシングの公知のパターン を示す。これらのパターンは、ポリメラーゼ連鎖反応実験(逆転写されたRNAに よる)、cDNAクローンの分析(内部に存在するとして)、および公表されたニュ ーレグリンをコードする配列(Pelesら、Cell 69:205,1992;およびWenら、Cel l 69:559,1992)に由来する。これらのパターン、ならびに本明細書に開示され た他のパターンは、存在する予想されるスプライシング改変体を表す。スプライ シング改変体は、Goodearlら、USSN 08/036,555(1993年3月24日に出願)に十分 に記載され、これは本明細書に参考として援用されている。 より詳細には、網膜細胞の機能への効果は以下の式で定義されるポリペプチド と細胞を接触させることにより達成され得る: WYBAZCX ここで、WYBAZCXは図13に示されるポリペプチドセグメントから構成される;W はポリペプチドセグメントFを含むかまたは存在しない;Yはポリペプチドセグ メントEを含むかまたは存在しない;ZはポリペプチドセグメントGを含むかま たは存在しない;そしてXはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、 C/D D、C/D' HL、C/D' HKL、C/D' H、C/D' D、C/D C/D' HKL、C/D C/D' H、C/D C/D' HL、C/D C/D' D、C/D D' H、C/D D' HL、C/D D' HKL、C/D' D' H、C/D' D' H、C/D' D' HL、C/D' D' HKL、C/D C/D' D' H、C/D C/D' D' HL、またはC/D C/ D' D' HKL。 さらに、本発明は、以下のものの網膜細胞への適用により網膜細胞を処置する 方法を包含する: MDA-MB 231ヒト乳房細胞株から単離される30kDポリペプチド因子;または 線維芽細胞株を神経膠細胞に形質転換したラットI-EJから単離される35kDポリ ペプチド因子;または SKBR-3ヒト乳房細胞株から単離される75kDポリペプチド因子;または 線維芽細胞を形質転換したラットI-EJから単離される44kDポリペプチド因子; または 活性化マウス腹膜マクロファージから単離される25kDポリペプチド因子;また は MDA-MB 231ヒト乳房細胞から単離される45kDポリペプチド因子;または 神経膠細胞に対してATL-2ヒトT細胞株から単離される7〜14kDポリペプチド 因子;または ウシ腎細胞から単離される25kDポリペプチド因子;または 脳から単離される42kD ARIAポリペプチド因子;または 0-2A神経膠前駆体細胞を刺激する46〜47kDポリペプチド因子;または 43〜45kDポリペプチド因子、GGFIII、1992年8月17日に出願された米国特許出 願第07/931,041号、本明細書に参考として援用される。 本発明は、著しく低減した活性を示さない上記ポリペプチド因子のあらゆる改 変物または等価物の使用を包含する。例えば、アミノ酸含量または配列が実質的 に逆に作用する活性を有さないように変更される改変物が含まれる。したがって 、本明細書に含まれる効果および使用の記述は、本発明の一部である改変された または等価の因子を用いるこのような使用および効果とともに解釈されるべきで ある。 上に記載されそしてそれぞれ図13、14、15、および16に示されるヒトペプチド 配列は、一連のスプライシング改変体を示し、これは、天然の供給源(適当な組 織から調製されたcDNAライブラリー)由来の完全長の相補的DNA(cDNA)として 単離され得るか、または当業者により個々のエクソン(例えば、別々のエクソン として得られる)でDNA構築物として組み立てられ得る。 本発明の他の局面は、それぞれ薬学的または獣医学的使用のために処方され、 適宜、受容可能な希釈剤、キャリア、または賦形剤とともに、および/または単 位投与形態で、先に定義されたような任意の因子を含む、薬学的または獣医学的 処方物の使用である。本発明の因子の使用において、通常の薬学的または獣医学 的実施が適切な処方物または組成物を提供するために用いられ得る。 薬剤は、ポリペプチドを薬学的に有効なキャリアとともに投与することにより 作製される。ニューレグリンは、強膜、脈絡膜、および網膜を通しての針の挿入 、次いで投与のために適切なベヒクル中に処方された因子の注入により硝子体内 に投与され得る。因子はまた、経胸膜注入により網膜下に送達され得る。また、 エチレンビニル酢酸コポリマー移植物を用いるか、または点眼により結膜表面に 送達することによるかの、因子を眼内に送達することの選択権もある。 したがって、本発明の一部として用いられるべき処方物は、非経口投与に適用 され得る。例えば、静脈内、皮下、筋肉内、眼窩内、眼、腹腔内、局所、鼻孔内 、エアロゾル、経皮、および他の遅延放出デバイス(すなわち、浸透圧ポンプ駆 動デバイス;USSN 08/293,465も参照のこと、本明細書に参考として援用される ) による。 本発明の処方物はまた、本発明の方法に有効なポリペプチドをコードするDNA を発現する宿主細胞の患者への移植により、または本発明の処方物を放出する外 科的移植物の使用により投与され得る。 非経口処方物は液体溶液または懸濁液の形態であり得;経口投与のためには、 処方物は錠剤またはカプセル剤の形態であり得;そして鼻腔内処方物としては、 粉剤、点鼻剤、またはエアロゾルの形態であり得る。 処方物を製造するための当該分野に周知の方法は、例えば、「Remington's Ph armaceutical Sciences」に見られる。非経口投与用の処方物は、例えば、賦形 剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアル キレングリコール、植物起源の油、あるいは水素添加ナフタレンを含み得、生体 適合性の生分解性ラクチドポリマー、またはポリオキシエチレンポリオキシプロ ピレンコポリマーが、本発明の因子の放出を制御するために使用され得る。この 因子のための他の潜在的に有用な非経口送達システムには、エチレンビニル酢酸 コポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能な注入システム、およびリポソームが 含まれる。吸入用の処方物は、賦形剤として、例えば、ラクトースを含み得、あ るいは、例えば、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココール酸、 およびデオキシコール酸を含む水性溶液であり得、あるいは、点鼻剤の形態でま たは鼻内に適用されるゲルとしての投与用の油性溶液であり得る。非経口投与用 の処方物はまた、頬内投与にはグリココール酸を、直腸投与にはメトキシサリチ レートを、あるいは膣投与にはクエン酸を含み得る。 本発明の因子は、単独の活性薬として使用され得、あるいは、他の活性成分( 例えば、神経学的疾病において神経の生存を助長し得る他の成長因子、またはペ プチダーゼもしくはプロテアーゼインヒビター)と組み合わせて使用され得る。 本発明の処方物中の本発明の因子の濃度は、投与される用べき量、および投与 経路を含む多くの問題に依存して変化する。 一般的用語において、本発明の因子は、非経口投与のためには、約0.1〜10%w /vの化合物を含む水性の生理学的緩衝溶液で提供され得る。一般的な用量範囲は 、1日当たり約1μg/kg〜約1g/kg体重であり;好ましい用量範囲は、1日当た り 約0.01 mg/kg〜100 mg/kg体重である。投与されるべき好ましい用量は、扱われ る病理生理学的症状のタイプおよび進行の範囲、患者の全体の健康、処方物の構 成、および投与経路に依存するようである。 本発明のさらなる一般的な局面は、薬剤の製造における、好ましくは疾病また は障害の処置のための、本発明の因子の使用である。「GGF2」という名称は、GG F-IIタンパク質(すなわち、GGF2HBS5、GGF2BPP3)に由来するペプチド配列デー タを用いてこれまでに単離されているすべてのクローンについて、そして、単独 で存在する場合(すなわち、GGF2またはrhGGF2)、GGF-IIタンパク質由来のペプ チド配列データを用いて単離されたプラスミドによりコードされる組換えヒトタ ンパク質(すなわち、プラスミドHBS5から昆虫細胞中で産生されるように)を示 すために、使用される。GGFHBS5クローン由来の組換えヒトGGFは、GGF2、rhGGF2 、およびGGF2HBS5ポリペプチドと呼ばれる。 ニューレグリンをコードする核酸構築物またはニューレグリン産生細胞を用い る疾病または障害の処置の方法もまた、本発明の一部である。 Wolffら(Science 247:1465,1990)およびAscadiら(Nature 352:815,1991 )により示されるように、DNAを拾い、DNAを発現させ、そしてニューレグリンを 産生する細胞または組織へDNAを送達することは、本発明の1つの局面である。 培養された細胞からニューレグリンの産生を誘導するための、(Wolffら、Proc .Nat'l Acad.Sci.USA 86:1575,1988に示されるように)線維芽細胞のような 、あるいは(Weissら、国際特許出願第PCT/US94/01053号;公開番号WO 94/16718 に示されるように)神経系に由来する細胞のような培養された細胞(またはそれ らの前駆体)の遺伝学的改変は、本発明の他の局面である。遺伝学的に改変され たニューレグリン産生細胞は、網膜細胞タイプの近位に移植され、そして上記の 応答を惹起し得る。 他の実施態様 本発明は、図13におけるコードセグメントに実質的に相同なあらゆるタンパク 質、ならびに他の天然に存在するGGFまたはニューレグリンポリペプチドの、網 膜細胞の機能を促進する目的での使用の方法を包含する。また、以下の使用も包 含される:対立遺伝子改変物;天然の変異体;誘導された変異体;高または低ス トリンジェンシー条件下で天然に存在する核酸にハイブリダイズするDNAにより コードされたタンパク質(高または低ストリンジェンシー条件の定義については Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,198 9,6.3.1-6.3.6.を参照のこと、本明細書に参考として援用される);およびGGF ポリペプチドに抗血清により特異的に結合されるポリペプチドまたはタンパク質 の使用。この用語もまた、図11からの配列を含むGGFポリペプチドを含むキメラ ポリペプチドの、網膜細胞の機能の促進のための使用を包含する。 以下の実施例2に見られるように、本発明の因子は、網膜細胞の生存活性を示 す。処方物および/または薬剤およびそれらの製造に関する上記の本発明の一般 的記述は、適切な産物および使用を含むと明らかに解釈されるべきである。 本明細書に記載の請求の範囲のさらなる根拠を提供する一連の実施例が以下に 続く。本発明に関する以下の実施例は、本発明を、あるいは、現在知られている または後に開発されるような本発明の改変物を、特に限定するように解されるべ きではない。 実施例は、組換えヒトGGF2(rhGGF2)が網膜細胞培養物に生存効果を与えると いう本発明者らの発見を説明する。これらの活性は、創傷修復および他の網膜組 織障害の修復を誘導すること、ならびに網膜組織変性の再生および予防効果を促 進することにおける、GGF2および他のニューレグリンの効能を示す。 実施例 以下の実施例は、本発明のある局面を説明するために設計される。実施例は、 本発明のすべての実施態様を包括することを意図するのではなく、そして本明細 書に示される請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。 実施例1:胚および成体の網膜におけるニューレグリンの発現 ニューレグリンは、発達している胚の網膜でおよび成体ラットにおいて発現さ れる。発現パターンは、インサイチュハイブリダイゼーション(図3)によりそ してまた免疫染色(図2および4)により証明されている。発現は、網膜神経節 細胞層で検出される。発現は、網膜層が分化しているとき、ならびに網膜神経節 細胞が軸索を伸長しそして脳(外側膝状体および上丘、)における神経支配の標 的へ結合しているときに、発達中の点で生じる。網膜におけるニューレグリン遺 伝子産物の段階および分布は、ニューレグリンが網膜およびそれに関連組織にお いて細胞の発達および/または維持に役割を有することを示唆する。 方法 インサイチュハイブリダイゼーション(図3を参照のこと)。10ミクロンの凍結 切片を、ラットcDNAクローンGGFRP3の細胞質ドメイン中のEGF様ドメインをコー ドする一本鎖のジゴキシゲニン標識リボプローブ(アンチセンス鎖)とともにイ ンキュベートした(Marchlonniら、Nature 362:312,1993)。免疫染色 。ラットの16日目の胚の網膜の10ミクロン凍結切片を、CN16(抗rhGGF2 )抗体中で約10mg/mlにて12時間インキュベートし、そして抗体結合をペルオキ シダーゼ結合二次抗体で間接的免疫組織化学を用いて明らかにした(図2を参照 のこと)。 成体ラット由来の10ミクロンの凍結切片を、フルオレセイン結合二次抗体が一 次抗体の結合を明らかにするために用いられたこと以外は、図1に記載されたCN 16中でインキュベートした(図4を参照のこと)。ニューレグリン免疫反応は、 網膜神経節細胞の突起が網膜の介在ニューロン(内網状層、大きな矢印)と接続 する網膜のシナプス層に、および外網状層(小さな矢印、光受容器の突起が第2 次(second order)網膜ニューロン、双極性細胞、および水平細胞とともにシナ プス形成する)に存在する。 新生ラット網膜からの10ミクロンの切片を、ニューロン特異的β-チューブリ ンを認識するマウスモノクローナル抗体であるTUI抗体(A.Frankfurter博士、U VA)とインキュベートした。抗体結合は、フルオレセイン結合二次抗体との間接 的免疫組織化学により明らかにされた(図5を参照のこと)。 実施例2:ニューレグリン(rhGGF2)はインビトロで網膜細胞の生存を促進する 。 胚および新生ラットの網膜細胞を、コラーゲンゲルでコートされたカバーガラ ス上で2日間培養し、次いで固定し、そして、発達のこれらの段階で初代網膜神 経節細胞を同定する抗体(TUJ1)を用いて標識した(図6を参照のこと)。試料 カバーガラス上の突起を有する標識されたすべての細胞を計数した。培養ウェル 中のrhGGF2の最終濃度は0.01〜100 ng/mlの範囲であった。明らかな用量応答は 観察されておらず、そのため全てのrhGGF2処理されたウェルからのデータを分析 のために組み合わせた。18日目の胚の細胞での3つの別々の実験のすべてが、イ ンビトロで2日後に突起を有するTUJ1免疫反応性細胞の数の増加を示した(図7 を参照のこと)。対になっていない試料のスチューデント(student)のT検定 は、細胞生存の増加がp<0.004およびp<0.012で統計学的に有意であることを示 した。15日目の胚の細胞を用いる2つの実験および新生ラットの網膜細胞を用い る1つの実験は、コントロールとの有意な差を示さなかった(図8を参照のこと )。これらの観察から、本発明者らは、rhGGF2が年齢依存的な様式で細胞培養物 中でラットの網膜細胞生存を促進すると結論づける。この年齢依存性は、特定の 網膜細胞集団のこの因子についての変化する必要性、あるいはこれらの発達段階 中の集団における反応性細胞の相対数の変化のいずれかを表し得る。単独または EGFとの組み合わせでアッセイされる場合、rhGGF2は、テストされるいずれの年 齢でもインビトロで有糸分裂活性網膜細胞を有していなかった。 方法 ラットの胚の網膜細胞を切り出し、そしてコラーゲンゲル上に低密度で置き、そ して培地に添加された10 ng/ml rhGGF2(ニューレグリン)とともに2日間生存 させた。4%パラホルムアルデヒド中に固定した後、細胞をTUJ1抗体で染色して 未処理のままで2日間生存したそれらの突起および全ての細胞の全範囲を明らか にし、破断されていない突起を計数した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,JP,KE,KG,KP, LR,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ,TT ,UA,UZ,VN (71)出願人 マーチオニ,マーク エイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02174,アーリントン,ツイン サークル ドライブ 24 (71)出願人 マックケイブ,キャサリン エル. アメリカ合衆国 ワシントン 98103,シ アトル,フランシス アベニュー ノース ナンバー2 3644 (71)出願人 バーミンガム−マックドノー,オリビア アメリカ合衆国 カリフオルニア 90504, トランス,クランブルック アベニュー 18815 (71)出願人 マハンサッパ,ナゲシュ ケイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139,ケンブリッジ,ノーフォーク ス トリート 240 (71)出願人 グウィン,デイビッド アイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01915,ビバリー,グローバー ストリー ト 77 (72)発明者 リー,トーマス エイ. アメリカ合衆国 ワシントン 98102,シ アトル,フェデラル アベニュー イース ト 2339 (72)発明者 マーチオニ,マーク エイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02174,アーリントン,ツイン サークル ドライブ 24 (72)発明者 マックケイブ,キャサリン エル. アメリカ合衆国 ワシントン 98103,シ アトル,フランシス アベニュー ノース ナンバー2 3644 (72)発明者 バーミンガム−マックドノー,オリビア アメリカ合衆国 カリフォルニア 90504, トランス,クランブルック アベニュー 18815 (72)発明者 マハンサツパ,ナゲシュ ケイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139,ケンブリッジ,ノーフォーク ス トリート 240 (72)発明者 グウィン,デイビッド アイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01915,ビバリー,グローバー ストリー ト 77

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞と 式 WYBAZCX で定義されるポリペプチドとを接触させる工程を包含し、 ここで、WYBAZCXは図13に示すポリペプチドセグメントを含み;ここで、Wはポ リペプチドセグメントFを含むか、または存在せず;ここで、Yはポリペプチドセ グメントEを含むか、または存在せず;ここで、ZはポリペプチドセグメントGを 含むか、または存在せず;そして、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D HL、 C/DD、C/D' HL、C/D' HKL、C/D' H、C/D' D、C/D C/D' HKL、C/D C/D' H、C/D C /D' HL、C/D C/D' D、C/D D' H、C/D D' HL、C/D D' HKL、C/D' D' H、C/D' D'H L、C/D' D' HKL、C/D C/D' D' H、C/D C/D' D' HL、またはC/D C/D' D' HKLを含 む、方法。 2.XがC/D HKLである、請求項1に記載の方法。 3.XがC/D Hである、請求項1に記載の方法。 4.XがC/D HLである、請求項1に記載の方法。 5.XがC/D Dである、請求項1に記載の方法。 6.XがC/D' HLである、請求項1に記載の方法。 7.XがC/D' HKLである、請求項1に記載の方法。 8.XがC/D' Hである、請求項1に記載の方法。 9.XがC/D' Dである、請求項1に記載の方法。 10.XがC/D C/D' HKLである、請求項1に記載の方法。 11.XがC/D C/D' Hである、請求項1に記載の方法。 12.XがC/D C/D' HLである、請求項1に記載の方法。 13.XがC/D C/D' Dである、請求項1に記載の方法。 14.XがC/D D' Hである、請求項1に記載の方法。 15.XがC/D D' HLである、請求項1に記載の方法。 16.XがC/D D' HKLである、請求項1に記載の方法。 17.XがC/D' D' Hである、請求項1に記載の方法。 18.XがC/D' D' HLである、請求項1に記載の方法。 19.XがC/D' D' HKLである、請求項1に記載の方法。 20.XがC/D C/D' D' Hである、請求項1に記載の方法。 21.XがC/D C/D' D' HLである、請求項1に記載の方法。 22.XがC/D C/D' D' HKLである、請求項1に記載の方法。 23.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図11に示すアミノ酸配列を有するFBAポリペプチドセグメントを含むポリペプ チドとを接触させる工程を包含する、方法。 24.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図11に示すアミノ酸配列を有するFBA'ポリペプチドセグメントを含むポリペプ チドとを接触させる工程を包含する、方法。 25.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図11に示すアミノ酸配列を有するFEBAポリペプチドセグメントを含むポリペプ チドとを接触させる工程を包含する、方法。 26.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図11に示すアミノ酸配列を有するFEBA'ポリペプチドセグメントを含むポリペ プチドとを接触させる工程を包含する、方法。 27.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 とGGF2ポリペプチドとを接触させる工程を包含する、方法。 28.前記GGF2が組換えヒトGGF2である、請求項27に記載の方法。 29.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と該網膜細胞のerbBレセプターと結合する化合物とを接触させる工程を包含する 、方法。 30.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図18に示すアミノ酸配列を有するEGFL1を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 31.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図19に示すアミノ酸配列を有するEGFL2を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 32.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図20に示すアミノ酸配列を有するEGFL3を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 33.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図21に示すアミノ酸配列を有するEGFL4を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 34.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図22に示すアミノ酸配列を有するEGFL5を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 35.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と図23に示すアミノ酸配列を有するEGFL6を含むポリペプチドとを接触させる工 程を包含する、方法。 36.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がラットI-EJ ras形質転換繊維芽細胞株から単離された45kDのポリペプチド因子を該網膜細胞 に接触させる工程を包含する、方法。 37.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がSKBR-3ヒト 胸細胞株から単離された75kDのポリペプチド因子を該網膜細胞に接触させる工程 を包含する、方法。 38.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がMDA-MB231 ヒト胸細胞株から単離された45kDのポリペプチド因子を該網膜細胞に接触させる 工程を包含する、方法。 39.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がATL-2ヒト T細胞株から単離された7〜14kDのポリペプチド因子を該網膜細胞に接触させる 工程を包含する、方法。 40.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が活性化マウ ス腹膜マクロファージから単離された25kDのポリペプチド因子を該網膜細胞に接 触させる工程を包含する、方法。 41.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がウシ腎臓か ら単離された25kDのポリペプチド因子を該網膜細胞に接触させる工程を包含する 、方法。 42.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がARIAポリペ プチドを該網膜細胞に接触させる工程を包含する、方法。 43.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がO-2Aの神経 膠前駆体細胞を刺激することが知られる46〜47kDのポリペプチド因子を該網膜細 胞に接触させる工程を包含する、方法。 44.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法がGGF-IIIを 該網膜細胞に接触させる工程を包含する、方法。 45.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該哺乳動物 に式 WYBAZCX のポリペプチドをコードするDNA配列を投与する工程を包含し、 ここで、WYBAZCXは図13に示すポリペプチドセグメントを含み;ここで、Wはポ リペプチドセグメントFを含むか、または存在せず;ここで、Yはポリペプチドセ グメントEを含むか、または存在せず;ここで、ZはポリペプチドセグメントGを 含むか、または存在せず;そして、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H 、C/D HL、C/D D、C/D' HL、C/D' HKL、C/D' H、C/D' D、C/D C/D' HKL、C/D C/ D' H、C/D C/D' HL、C/D C/D' D、C/D D' H、C/D D' HL、C/D D' HKL、C/D' D' H、C/D' D' HL、C/D' D' HKL、C/D C/D' D' H、C/D C/D' D' HL、またはC/D C/D ' HKLを含み、該DNAが発現し得る遺伝子構造である、方法。 46.哺乳動物の網膜細胞を処置するための方法であって、該方法が該網膜細胞 と治療的有効量のニューレグリンポリペプチドとを接触させる工程を包含する、 方法。 47.哺乳動物の網膜細胞の病理状態を予防または処置するための方法であって 、該状態がニューレグリンポリペプチドに感受性または応答性である網膜細胞タ イプを含み、該方法が治療的有効量の該ニューレグリンポリペプチドを投与する 工程を包含する、方法。 48.哺乳動物の網膜細胞損傷を含む状態を処置するための方法であって、該方 法が該網膜細胞と有効量のニューレグリンポリペプチドとを接触させる工程を包 含する、方法。 49.前記処置の結果が前記網膜細胞の減少した変性である、請求項1〜28の いずれかに記載の方法。 50.前記処置の結果が前記哺乳動物に存在する前記網膜細胞の増加である、請 求項1〜28のいずれかに記載の方法。 51.前記処置の結果が前記哺乳動物における前記網膜細胞の生存の増加である 、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。 52.前記網膜細胞が網膜細胞疾病を有する哺乳動物中に存在する、請求項1〜 28のいずれかに記載の方法。 53.前記網膜細胞疾病が網膜症である、請求項52に記載の方法。 54.前記網膜症が高血圧網膜症である、請求項53に記載の方法。 55.前記網膜症が糖尿病網膜症である、請求項53に記載の方法。 56.前記網膜症が閉塞網膜症である、請求項53に記載の方法。 57.前記網膜細胞疾病が網膜変性である、請求項52に記載の方法。 58.前記網膜変性が障害により引き起こされる、請求項57に記載の方法。 59.前記網膜変性が遺伝的障害により引き起こされる、請求項57に記載の方 法。 60.前記遺伝的障害が色素性網膜炎である、請求項59に記載の方法。 61.前記網膜変性が年齢に関連する黄斑変性である、請求項57に記載の方法 。 62.前記網膜疾病が増大した眼内圧により引き起こされる、請求項52に記載 の方法。 63.前記網膜疾病が視神経病により引き起こされる、請求項52に記載の方法 。 64.脊椎動物の網膜の病理状態を予防または処置するための方法であって、該 状態がニューレグリンポリペプチドに感受性または応答性である網膜細胞タイプ を含み、該方法が該脊椎動物に治療的有効量の該ニューレグリンポリペプチドを 投与する工程を包含する、方法。 65.前記状態が網膜細胞損傷を包含する、請求項53に記載の方法。 66.前記網膜細胞が網膜神経節細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載 の方法。 67.前記網膜細胞がアマクリン細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載 の方法。 68.前記網膜細胞が水平細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載の方法 。 69.前記網膜細胞が双極性細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載の方 法。 70.前記網膜細胞が光受容細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載の方 法。 71.前記網膜細胞が色素細胞である、請求項1〜28のいずれかに記載の方法 。 72.哺乳動物の網膜細胞を処置する方法であって、該方法がN-ARIAポリペプチ ドを該網膜細胞に接触させる工程を包含する、方法。
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