JPH08500246A - 細胞増殖の阻害剤,その調製および用途 - Google Patents

細胞増殖の阻害剤,その調製および用途

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JPH08500246A
JPH08500246A JP6505616A JP50561694A JPH08500246A JP H08500246 A JPH08500246 A JP H08500246A JP 6505616 A JP6505616 A JP 6505616A JP 50561694 A JP50561694 A JP 50561694A JP H08500246 A JPH08500246 A JP H08500246A
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マーシオニ、マーク
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ケンブリッジ ニューロサイエンス インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 細胞(とくにシュワン細胞)増殖の阻害に有益な多数のポリペプチド因子をコードするDNAの特徴づけおよび精製が開示されている。これらの因子は神経腫瘍の治療に有益である。また、細胞増殖を阻害する剤としての用途を有してもよい新規なペプチドをコードするDNA配列も開示されている。疾患の治療における治療および診断の補助として用いるための既知のおよび新規なポリペプチドの合成、精製ならびに試験の方法も与えられている。また、かかるポリペプチドを抗体プローブの調製に用いるための方法も与えられている。かかるプローブは神経細胞およびグリア細胞に関する疾患において診断の、および治療の用途を有する。

Description

【発明の詳細な説明】細胞増殖の阻害剤、その調製および用途 発明の背景 本発明は、種々の細胞型に対して抗増殖活性(antiproliferative activity) を有する、細胞増殖の阻害剤である化合物(compound)に関する。 多くの脊椎動物の細胞型は増殖を調節する刺激物として拡散しうる(diffusib le)成長因子に応答する。多数のこれら成長因子およびそれらと同族の(cognat e)受容体が精製されており、またそれらをコードする遺伝子がクローン化され 特徴付けがなされている(スポーン(Sporn)およびロバーツ(Robarts)編(19 91)ペプチド・グロース・ファクターズ・アンド・ゼア・レセプターズI・アン ド・II(Peptide Growth Factors and their Receptors I and II)、スプリン ガー−ベルラッツ(Springer-Verlaz)、ニューヨーク)。細胞増殖の疾患であ る多くの癌は、成長因子と受容体の相互作用の性質に影響を与える遺伝子の修飾 (genetic modifications)に関係する。このような修飾の結果、受容体をもつ 標的細胞における増殖が調節されることなく(unregulated)刺激されうる。加 えて、神経系のある種の腫瘍は中枢および末梢神経系の両者からの細胞の増殖の 調節に関係する。 脊椎動物のグリア細胞は中枢および末梢神経系の特殊化された結合組織を構成 する。重要なグリア細胞は、ニューロンへの代謝の支持(support)および特定 の末梢ニューロンの軸索のまわりのミエリンの被覆(myelin shea thing)の両者を提供し、それによって個々の神経繊維が形成される、末梢シュ ワン細胞を含む。シュワン細胞はニューロンを支持し、ニューロン軸索の近傍周 辺に同心性の膜の層を形成すること、その層が軸索周辺に発達(develop)する につれてねじれることによって鞘効果を提供する。これらのミエリン鞘は多くの 神経繊維の影響を受けやすいエレメント(susceptible element)である。シュ ワン細胞への損傷、または成長および発達の不全は、多数の末梢神経系疾患およ び障害の特徴である重大な脱髄化(demyelination)または神経の変性(degener ation)を伴いうる。神経系の発達において、細胞はその分裂および成長を調節 する種々の因子を必要とすることが明らかになってきている。シュワン細胞の増 殖および分化のいくつかの調節剤が同定されている。このような因子は末梢神経 系の発達および再生(損傷に続いて)の両方において重要な役割を果たす。 ブロックス(Brockes)ら((1984)ジャーナル・オブ・ニューロサイエ ンス(J. Neuroscience)4巻、75〜83頁)はウシ脳および下垂体組織から の抽出物に存在する、グリア成長因子(Grial Growth Factor) (GGF)と 名付けたタンパク質成長因子を記述している。 この因子は10%胎児子ウシ血清を含むバックグラウンド培地に抗して、培養さ れたラットシュワン細胞の分裂を刺激する。GGFは31KDの分子量を有し、 容易に二量体を形成すると記述されている。ブロックス((1987)メソッズ ・イン・エンザイモロジー(Meth.Enz.)147巻、217〜225頁)はシュ ワン細胞をベースにした31KD GGFのための分析および逆相HPL Cを用いた精製を記述している。 ブロックスらのジャーナル・オブ・ニューロサイエンス、前出の文献には、見 かけ上均質なGGFへの精製法が記載されている。簡単にいえば手短かには、1 つの記載された大規模の精製法には、凍結乾燥されたウシ前葉の抽出およびそれ によってえられた材料のCMセルロースからのNaCl濃度勾配溶出を用いたク ロマトグラフィーが含まれる。そののちウルトロゲル(Ultrogel)カラムを用い てゲル濾過が行なわれ、ついでホスホセルロースカラムからの溶出、さらに最後 に小規模のSDSゲル電気泳動が行なわれる。代わりになるべきものとしては、 CM−セルロース材料を直接ホスホセルロースカラムに付し、そのカラムからの 画分を集め、さらに予備的な未変性(native)ゲル電気泳動により精製し 、最後にSDSゲル電気泳動を行なった。 ブロックス((1980)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー (J.Biol. Chem.)225巻、8374〜8377頁)は、ゲル濾過実験におい て成長因子活性の主たるピークは56KDの分子量に移動することが観察され、 一方前記の手順の第1段階で活性は分子量31KDに主に観察された。彼らはこ の手順においてCM−セルロースからの濃度勾配溶出の結果としてGGF二量体 が大いに除去されると報告している。 ベンベニステ(Benveniste)ら((1985)ピー・エヌ・エー・エス(PN AS)82巻、3930〜3934頁)は、Tリンパ球由来のグリア成長促進因 子を記述している。この因子は還元条件下でSDSゲル上の見かけの分子量にお ける変化を呈する。 キムラ(Kimura)ら((1990)ネイチャー(Nature)348巻、257〜 260頁)は、坐骨神経鞘腫瘍からえたシュワノーマ由来成長因子(SDGF) と名付けた因子を記述している。著者らは培養されたシュワン細胞内へのトリチ ウムで標識したTdRの取り込みを、対照的にGGFを含む部分精製した下垂体 画分は活性である条件下でSDGFが刺激しないと述べている。 デイビス(Davis)ら((1990)ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー (J.Cell.Biol.)110巻、1353〜1360頁)は、多数のマイトジェン( mitogen)の候補のスクリーニングを記述している。選ばれた候補物質はフォル スコリン(forskolin)存在および非存在において、10% FCS(胎児子ウ シ血清)存在下でラットシュワン細胞におけるDNA合成の刺激能について実験 されている。調べられた因子の1つ、GGF−カルボキシメチルセルロース画分 (GGF−CM)はフォルスコリン存在および不存在において、FCS存在下で 分裂促進能を有した。フォルスコリン存在下で血小板由来成長因子(PDGF) はシュワン細胞に対する有力なマイトジェンであることが観察された。この発見 より前には、PDGFはシュワン細胞に対して分裂促進能を有すると思われてい なかった。 ホルムス(Holmes)ら((1992)サイエンス(Science)256巻、12 05頁)およびウェン(Wen)ら((1992)セル(Cell)69巻、55 9頁)は、受容体(p185erbB2)に結合するタンパク質をコードするDNA 配列がいくつかのヒト腫瘍に関連することを証明している。 p185erbB2タンパク質はチロシンキナーゼ活性をもつ185キロダルトン の膜貫通タンパク質(membranespanning protein)である。該タンパク質はer bB2プロト−オンコジンによりコードされる(ヤーデン(Yarden)およ びウーリッヒ(Ullrich)(1988)アニュル・レビュー・オブ・バイオケミ ストリ(Ann. Rev. Biochm.)57巻、443頁)。erbB2遺伝子(HER −2(ヒト細胞中)およびneu(ラット細胞中)とも参照される)は、上皮成 長因子(EGF)に対する受容体と密接に関連している。最近の証明で、p18 5erbB2と相互作用する(かつp185erbB2のキナーゼを活性化する)タンパク 質がp185erbB2をもつ細胞において増殖を誘導することが示されている(ホ ルムスら、(1992)サイエンス256巻、1205頁;ドバシ(Dobashi) ら(1991)プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ イエンス(Proc. Natl.Acad.Sci.)88巻、8582頁;およびルプ(Lupu)ら (1992)プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ エンス89巻、2287頁)。 ある受容体(たとえばp185erbB2受容体)をもつ細胞の増殖を刺激するリ ガンドが同定されているが、これらの受容体部位で細胞増殖の阻害剤として働く 因子を同定および単離する必要がある。このような阻害剤は細胞増殖障害(たと えば、新生物)を治療する目的で用いられうる。発明の要旨 大きくは、本発明は神経系の細胞を含む、細胞の増殖 阻害の方法を提供する。本発明の抗増殖因子は、タンパク質のGGF/p185erbB2 ファミリーをコードするDNAの選択的スプライシング(alternative spl icing)産物およびそのフラグメントである。 本発明はまた、グリア成長阻害因子をコードするDNA配列をも提供し、その 配列はクローンpGGF2HBS11(ATCC寄託番号75347)に含まれ る。 このクローンによりコードされるペプチドもまた本発明の一部である。本発明 はさらにE配列(配列番号137および163)でコードされるペプチド、およ びクローンpGGF2HBS11(ATCC寄託番号75347)上のEをコー ドする配列にフランキングする(flanking)脳由来のDNA配列によりコードさ れるペプチドの少なくとも一部からなるペプチドを含む。好ましくは、そのEで コードされたポリペプチド配列はアミノ末端部で48アミノ酸を欠失し、Eによ りコードされたポリペプチドにフランキングする20〜100または、より好ま しくは、25〜70のアミノ酸を含む。加うるに、Eでコードされたポリペプチ ドは、そのEでコードされたセグメントのカルボキシ末端側で30〜50、また は、より好ましくは、35〜45のアミノ酸によってフランキングされていても よい。Eでコードされたポリペプチドにフランキングする配列は、クローンpG GF2HBS11(ATCC寄託番号75347)に存在するE配列にフランキ ングするDNA配列によってコードされる。 とくに、本発明はまた、 a)式: VYBAZWX (式中、VYBAZWXは図31(配列番号136〜139、141〜147、 160、161)に示すポリペプチドセグメントから構成される;式中VはFを 含むかまたは存在しない;式中YはポリペプチドセグメントEを含むかまたは存 在しない;式中ZはポリペプチドセグメントGを含むかまたは存在しない;式中 WはCを含むかまたは存在しない;および式中XはポリペプチドセグメントC/ D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D ′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D ′ H、C/D D′HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/ D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/DC/D′ D′ H、C/ D C/D′ D′ HL、H、HK、HKL、またはC/D C/D′ D′ HKLを含む)により定義されるポリペプチド; b)図31(配列番号136、138、139)に示すアミノ酸配列を有する FBAポリペプチドセグメントからなるポリペプチド; c)図31(配列番号136、138、140、168)に示すアミノ酸配列 を有するFBA′ポリペプチドセグメントからなるポリペプチド; d)図31(配列番号136〜139)に示すアミノ酸配列を有するFEBA ポリペプチドセグメントからなるポリペプチド;もしくは e)図31(配列番号136〜138、140、168)に示すポリペプチド セグメントに対応するアミノ酸 配列を有するFEBA′ポリペプチドセグメントからなるポリペプチド; f)図31(配列番号136、138、140、168)に示すポリペプチド セグメントに対応するアミノ酸配列を有するEBA′ポリペプチドセグメントか らなるポリペプチド;もしくは g)E配列(配列番号137および163)の一部からなり、F、B、A、C /D、C/D′、D、D′、HKまたはLに含まれずかつクローンpGGF2H BS11、ATCC寄託番号75347に含まれる新しい配列によってフランキ ングされるポリペプチドと;またはグリア細胞(すなわち、中枢および末梢神経 系の星状膠細胞、およびミクログリア細胞ならびに末梢神経系のシュワン細胞) に細胞を接触させることからなるインビトロまたはインビボの細胞増殖を阻害す るための方法をも提供する。 本発明はまた、神経系の細胞を含む細胞の増殖を阻害する方法をも提供し、細 胞をその細胞型のp185erbB2受容体に特異的に結合する化合物と接触させる ことからなる方法による。 また含まれるのは、神経疾患または障害の治療または予防において前記ペプチ ドが投与されるばあいの前記ペプチドのいずれかの投与を含む方法である。さら に本発明に含まれるのは、細胞が哺乳動物内に存在し、該細胞を含む哺乳動物に おける病態生理学的状態の予防または治療のための哺乳動物への前記ペプチドの 投与により細胞の接触が行なわれるばあいの、前記ペプチドのいずれかの投与の 方法である。また含まれるのは、前記した方 法の用途であって、ここで状態には腫瘍などの細胞増殖の疾患を含み、さらにと りわけ前記状態には神経系の腫瘍により惹き起こされる末梢神経損傷を含む。ま た本発明の一部は、存在するまたは再生された神経組織の有髄化増大を目的とし た阻害因子の投与である。 さらに本発明の一部として含まれるのは、細胞が哺乳動物内に存在し、以下の 状態を含む状態の予防または治療のためにその哺乳動物に前記ペプチドを投与す ることにより細胞の接触が行なわれるばあいの、細胞への前記ペプチドのいずれ かの投与からなる方法であり、シュワン細胞の腫瘍、たとえば神経繊維腫症;悪 性神経鞘腫または神経繊維肉腫;髄膜腫;両側聴神経腫;星状細胞腫;網膜芽腫 ;神経膠腫;神経芽細胞腫;腺癌;または膠腫、哺乳動物に有効量の前に定義し たポリペプチドを投与することからなる方法による。 本発明はまた、前掲のポリペプチドから選択されたポリペプチドまたはそのフ ラグメントで哺乳動物を免疫すること、およびその動物の組織からまたはその組 織を用いて作製されたハイブリドーマから抗体を精製することよりなる、ポリペ プチドに特異的な抗体の製造法をも含む。 さらに本発明は、前記ポリペプチドから選択されたポリペプチドに結合する受 容体に結合しうる分子の存在を、サンプル中で、検出する、およびそのサンプル を受容体とともにポリペプチドと接触させ、該サンプル中の受容体結合分子の存 在の指標として受容体に対するポリペプチドの結合の阻害を検出するための方法 を提供する。本発明はまた、このような競合的阻害剤が受容体機能の拮 抗剤かまたは作用剤のいずれであるかを決定するための方法をも提供する。 かくして、本発明の方法において有用な因子は、 (a)神経系の細胞とくにシュワン細胞を含む細胞と接触したばあいに抗増殖 活性を有し、それらのアミノ酸配列の中に1またはそれより多くの以下のペプチ ド配列を含有するベーシックなポリペプチド因子(basic polypeptide fators) : FKGDAHTE ASLADEYEYMXK TETSSSGLXLK ASLADEYEYMRK AGYFAEXAR TTEMASEQGA AKEALAALK FVLQAKK ETQPDPGQILKKVPMVIGAYT EYKCLKFKWFKKATVM EXKFYVP KLEFLXAK;ならびに (b)神経系の細胞とくにシュワン細胞を含む細胞の分化を阻害することがで き、それらのアミノ酸配列の中にそれぞれ、1またはそれより多くの以下のペプ チド配列を含有するベーシックなポリペプチド因子; VHQVWAAK YIFFMEPEAXSSG LGAWGPAFPVXY WFVVIEGK ASPVSVGSVQELQR VCLLTVAALPPT KVHQVWAAK KASLADSGEYMXK DLLLXV である。 以下に詳細に記載した低分子量および高分子量ポリペプチド因子に由来した、 前記したペプチド配列もまた、まぎれもなく本発明の1つの面である。これらの 配列は、治療法として、大きいポリペプチド因子のためのプローブとして、ある 範囲の異なる種からこのような因子(もしくは対応する遺伝子配列)を探索し、 単離しまたは調製するために、あるいはこのような因子を組換え技術によって調 製するために、ならびに探索ツールおよび可能性のある薬剤としてそれ自体有用 な抗体(好ましくはモノクローナル)を従来の技術によって作製するうえで、潜 在的に有用である。このような抗体は本発明の中に含まれる。本発明はまた、本 発明のペプチド配列を用いてえられうる遺伝子配列でコードされる細胞増殖の阻 害剤も含む。 さらに本発明は、神経系の細胞を含む細胞の抗増殖活性を有し、かつ (a)図28a、28bまたは28c(それぞれ配列番号133〜135)のい ずれかに示されるDNA配列; (b)図22(配列番号89)に示されるDNA配列; (c)図28a(配列番号133)に示される配列のヌクレオチド281〜55 7で表わされるDNA配列; または (d)(a)、(b)または(c)のDNA配列のいずれかとハイブリダイズし うるDNA配列 によってコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド因子の使用のための方法 を含む。 本発明はハイブリダイゼーション条件の特定のセットに限定されないが、以下 のプロトコルは所望であれば追随されてもよい一般的なガイダンスを与える; たとえば、ニックトランスレーションによってまたはシュワルター(Schowalt er)およびソマ(Sommer)((1989)アナリティカル・バイオケミストリー (Anal. Biochem.)177巻、90〜94頁)にしたがうPCR反応によってD NAプローブは高い特異的活性(およそ108〜109dpm32P/μg)まで標 識され、さらにG150セファデックスカラムでの脱塩によって精製されてもよ い。プローブは変性され(沸騰水中10分、ついで氷水中に浸漬)、ついで1μ lあたり106dpm32Pで10%デキストラン硫酸を含有する80%緩衝液B (2gポリビニルピロリドン、2gフィコール−400、2gウシ血清アルブミ ン、50μl 1MトリスHCL(pH7.5)、58gNaCI、1gピロリ ン酸ナトリウム、10gドデシル硫酸ナトリウム、950μlH2O)のハイブ リダイゼーション溶液に添加され、60℃にて一晩(たとえば16時間)インキ ュベートされてもよい。ついでフィルターは60℃にてまず緩衝液B中15分間 、つぎに2×SSC、0.1%SDS中20分の洗浄を3回、ついで1×SSC 、0.1% SDS中20分間1回洗浄されてもよい。 本発明の方法は、グリア成長因子とp185erbB2リ ガンドタンパク質が同じ遺伝子によりコードされるという事実を利用する。種々 のメッセンジャ−RNAスプライシング変異体(およびそれらの結果としてえら れるタンパク質)がこの遺伝子に由来し、これらの産物の多くがp185erbB2 結合を呈する。この結合の結果、細胞増殖または細胞分裂の休止を惹き起こすか もしれない。その遺伝子産物の少なくとも2つ(GGFIおよびGGFII)が、 シュワン細胞の分裂促進活性を誘導するのに用いられている。本発明は細胞増殖 の阻害剤として、さらにとりわけ、グリア細胞増殖の阻害剤としてGGF/p1 85erbB2 リガンド遺伝子の知られている産物(前掲の引用文献に記載)のいく つかを使用する。 本発明は他の、まだ天然で単離されていないグリア成長因子遺伝子のスプライ シング変異体にも関する。図30にポリメラーゼ連鎖反応実験(逆転写されたR NAについて)およびcDNAクローンの分析(中に表されたとおり)に由来す る、ならびにp185erbB2リガンドをコードする配列として報告されているも の(ペレス(Peles)ら(1992)セル69巻、205頁およびウェンら(1 992)セル69巻、559頁)に由来する知られているスプライシングのパタ ーンを示す。本明細書中に開示された付加的なパターンは勿論、これらのパター ンは、可能な存在するスプライシング変異体を表わす。 かくして本発明の他の面は、 シュワン細胞などの神経系の細胞の分裂の阻害を含む、細胞の抗増殖活性を有 する一連のヒトおよびウシのポリペプチド因子の使用のための方法である。この ようなペプチド配列を図31〜34(配列番号136〜137) にそれぞれ示す。 前記した、図31〜34、配列番号136〜137でそれぞれ表わされる、ヒ トのペプチド配列は、天然のソース(適切な組織から調製したcDNAライブラ リー)から全長の相補的DNA′S(cDNA′S)として単離されうるか、ま たは当業者によって個々のエクソン(たとえば独立したエクソンとして派生する もの)を用いたDNA構築物として集められうる、一連のスプライシング変異体 を表わす。 他の化合物、とくにペプチドでp185erbB2 受容体に特異的に結合するもの もまた、本発明にしたがってグリア細胞増殖の阻害剤として用いられうる。候補 となる化合物は、p185erbB2結合について慣例的にスクリーニングされえ、 さらに、それが結合すれば、本明細書に記載の方法を用いて細胞増殖の阻害につ いてスクリーニングされうる。 本発明は述べられた阻害活性における重大な減少を呈さない、前記ポリペプチ ド因子のいかなる修飾物または等価物の使用も含む。たとえば、阻害活性に実質 的に悪影響を及ぼすことなくアミノ酸含量または配列が変えられる修飾物が含ま れる。図によって、EP−A 109748中の天然のタンパク質のムテイン体 が開示され、ここでは生物学的活性に必要ではない元来の配列中のシステインの いずれかを中性アミノ酸(neutral amino acid)に置換することにより望ましく ないジスルフィド結合の可能性が回避されている。本明細書中に含まれる効果お よび使用の言及はしたがって、本発明の一部であるとして前述したような修飾さ れたまたは等価である因子を 用いるそのような用途および効果にしたがって解釈されるべきである。 本発明において有用なペプチドは、制御配列の制御下にベクター内で作動可能 なリーディングフレーム位置における前に定義したDNA配列を含むDNA構築 物を用いて、該構築物(好ましくは制御配列はたとえばTrpなどの調節しうる プロモーターを含む)による好適な宿主細胞の形質転換ののちその細胞内で配列 の発現を可能ならしめるよう組換えによってつくることができる−プロモーター および調節配列(あれば)の選択が通常の当該技術を有する者によって選択され る問題であることは正しく認識されるであろう。 本発明の因子は、許容しうる希釈剤、担体または賦形剤との組み合わせにより 、および/または単位投与形態で医薬または獣医薬用途のために製剤化されうる 。本発明の因子を用いる際、好適な製剤または組成物を提供するため通例の医薬 または獣医薬の手法を使用してもよい。 たとえば、本発明の製剤は非経口投与、たとえば、静脈内、皮下、筋肉内、眼 窩内、眼内、心室内、頭蓋内、嚢内、髄腔内、槽内、腹腔内、局所、鼻腔内、ア エロゾル、乱切などの非経口投与、および経口、頬、直腸、膣投与にも適用され うる。 本発明の製剤は、本発明のDNAを発現する宿主細胞の患者への移植によって または本発明の製剤を放出する外科的インプラントの使用によって投与されても よい。 非経口製剤は液体溶液または懸濁液の形態でよく、経口投与のためには製剤は 錠剤またはカプセル剤の形態でよく、また鼻腔内製剤のためには粉末、点鼻剤、 または エアロゾルの形態でよい。 製剤をつくるための当該技術分野でよく知られた方法は、たとえば「レミント ンズ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(“Remington′s Pharmaceutica l Sciences”)」に見出される。非経口投与用製剤は、たとえば、賦形剤として 滅菌水もしくは生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリ コール、植物起源の油、または水素化したナフタレンを含んでよく、生体適合し うる、生体分解しうる(biodegradable)ラクチドポリマー、もしくはポリオキ シエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを本発明の因子の放出を制御する ために用いてもよい。前記因子のための他の潜在的に有用なデリバリーシステム にはエチレン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透性ポンプ、移植可能な注 入システム、およびリポソームが含まれる。吸入用製剤は、賦形剤としてたとえ ば、ラクトースを含有してよく、またはたとえばポリオキシエチレン−9−ラウ リルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含有する水溶液でもよ く、または点鼻剤の形態での投与用の、もしくは鼻腔内に適用されるべきゲルと して油性溶液でもよい。非経口投与用製剤にはまた、頬投与用にグリココレート (glycocholate)、直腸投与用にメトキシサリチレート、もしくは腟投与用にク エン酸を含んでもよい。 本発明の因子は唯一の活性薬剤として用いられえ、または他の活性成分ととも に組合わせて用いられることができる。 本発明の製剤中の本因子の濃度は、投与すべき薬量、および投与の経路を含め た数多くの点に依存して変化す るであろう。 通常は、本発明の因子は非経口投与用に約0.1〜10%w/vの化合物を含 有する水性生理的緩衝液の形で提供されてもよい。通常の投与量(dose)は1日 あたり約1μg/kg〜約1g/kg体重の範囲であり、好ましい投与量の範囲 は1日あたり0.01mg/kg〜100mg/kg体重である。投与されるべ き好ましい投与量は指向される病態生理学的状態の進行の度合および型、患者の 全身的な健康、製剤の構成(make up)、および投与の経路に依存する傾向にあ る。 前に示したように、細胞増殖、とくにシュワン細胞(末梢神経系のグリア細胞 )および神経系の他の細胞の増殖は、本発明の因子の存在下で阻害される。 グリア細胞の種々の腫瘍があり、そのうちもっとも一般的なのはおそらくは神 経繊維腫症であり、これはグリア細胞の過成長(overgrowth)によってつくり出 されるパッチ状の小さい腫瘍である。また、極めてGGFに似た活性がいくつか のシュワン細胞腫瘍に見出されうることがわかっている(ブロックスら、アニュ ル・ニューロロジー(Ann. Neurol.)20巻、317頁(1986))。それゆ えそれらの受容体へのGGF作用の阻害剤が、グリア腫瘍の治療を提供する。こ の治療は前に定義した刺激因子の、その受容体への結合を阻害する物質の有効量 を投与することを含む。加えて、GGF受容体の増幅がヒト腺癌(クラウス(Kr aus)ら、(1987)エンボ・ジャーナル(EMBO J.)6巻、605頁、スラモ ン(Slamon)ら、(1987)サイエンス235巻177頁、バーレイ(Varley )ら(1987)オンコジン(Oncogene)1巻、 423頁、およびバン・デ・ビシュバ(van de Vijver)ら(1987)モレキ ュラー・セル・バイオロジー7巻、2019頁)ならびに乳房および卵巣の腫瘍 (スラモンら、前出、バーレイら、前出、ベンター(Venter)ら(1987)ラ ンセット(Lancet)ii巻、67頁、ゾウ(Zhou)ら(1987)キャンサー・ リサーチ(Cancer Res.)47巻、6123頁、バーガー(Berger)ら(198 8)キャンサー・リサーチ48巻、1238頁、ツダ(Tsuda)ら(1989) キャンサー・リサーチ49巻、3104頁、スラモンら(1989)サイエンス 244巻、707頁)に関連するなら、類似の治療のアプローチが腺癌ならびに 乳房および卵巣組織の腫瘍にも採用されてよい。 通例、本発明は因子−感受性または因子−応答性細胞型が関係する病態生理学 的状態のいずれかの予防または治療における本発明のポリペプチド因子の使用を 含む。 本発明のポリペプチド因子はまた、標準技術にしたがってモノクローナル抗体 などの抗体をつくるための免疫源としても用いられうる。このような抗体は本発 明の中に含まれる。これら抗体は治療または診断目的のために用いることができ る。したがって、因子の異常なレベルに関連する状態が、このような抗体を用い ることで探知されるかもしれない。標準法を用いた単離されたサンプルのアッセ イを使用して、イン・ビトロ技術が用いられうる。抗体が、たとえば腫瘍イメー ジングなどの当該技術分野において使用されている技術を用いて、体外から遠隔 操作によってイメージされうる放射活性同位体で標識をつけられるイメージング 法もまた使用されうる。 前記のようにこのような抗体は治療目的のために用い られてもよい。本発明のポリペプチド因子に対して生じた抗−イディオタイプ抗 体、またはそれらの同族の受容体に対して生じたイディオタイプ抗体が、GGF /erbB2リガンドで誘導されるp185をもつ細胞の増殖の拮抗剤として用 いられうる。 本発明はまた、イン・ビボまたはイン・ビトロでの細胞増殖の阻害剤としての 本発明の因子の通常の使用、およびこのような使用のための方法をも含む。かく して1の実施態様は、有効量の本発明の因子を投与することにより脊椎動物にお いて腫瘍細胞抗増殖効果をつくり出すための方法である。このような方法の例は 、神経系腫瘍または他の組織の腫瘍の治療または予防である。 本発明のさらなる通例の1つの面は、薬剤に製造における本発明の因子の使用 、好ましくは神経疾患または障害の治療への使用である。 さらに本発明に含まれるのは、該ポリペプチドの受容体結合特性に対応する、 受容体結合特性を有する分子を同定または定量するための競合的アッセイにおけ る、本発明の因子の用途である。ポリペプチドは放射性同位体で随意に標識され てもよく、これらの標識された産物は受容体結合が存在するかどうか決定するた めに用いられてもよい。競合的アッセイにより、関連性のある受容体の拮抗剤お よび作用剤の両者を同定することができる。バイオアッセイにおける既知の作用 剤と拮抗剤(受容体結合が示される)間の受容体結合に対するいかなる競合も、 拮抗剤濃度の増大にともなう生物学的活性の減少に反映されるであろう。 他の面において、本発明はそれぞれの対応する受容体 の分離のための、アフィニティー単離プロセス、たとえばアフィニティークロマ トグラフィーにおける因子の用途を提供する。特定のタンパク質に対応する受容 体の単離のためのこのようなプロセスは、当該技術分野において知られており、 多数の技術が利用でき、本発明の因子に適用されうる。たとえば、IL−6およ びIFN−ガンマに関連しては、読者はノビック(Novick)ら((1990)ジ ャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J. Chromatogr.)510巻、331〜7 頁)を参照され、ゴナドトロピン放出ホルモンに関連してはハズム(Hazum)( (1990)ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J. Chromatogr.)510 巻、233〜8頁)を参照、G−CSFに関連してはフクナガ(Fukunaga)ら、 ((1990)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー265巻、1 3386〜13390頁)を参照、IL−2に関連してはスマ-ト(Smart)ら( (1990)ジャーナル・オブ・インベスティゲーティブ・ダーマトロジー(J. Invest. Dermatol.)94巻。158S〜163S頁)を参照、ならびにヒトI FN−ガンマに関連してはステファノス(Stefanos)ら((1989)ジャーナ ル・オブ・インターフェロン・リサーチ(J. Interferon Res.)9巻、719〜 30頁)を参照されたい。 以下の実施例は発明を限定することは意図せず、発明を説明し有効な調製技術 のための特定の指針を提供することを意図する。実施例1〜4は精製およびその 結果として可能なGGFをコードするウシのDNA配列のクローニングを教示す る。実施例5および7はGGFをコードするヒトDNA配列の単離を明示する。 実施例8およ び9はスプライシング変異体の単離を明示する。実施例10および11は特異的 な抗増殖変異体およびそれらの機能の例を示す。実施例12および13は抗増殖 分子の産生および試験を明示する。図面の簡単な説明 まず図面について説明する。図面 図1〜8は後記の実施例1に関連し、以下に簡単に説明する: 図1はカルボキシメチルセルロースクロマトグラフィーからの産物についての プロファイルである; 図2はヒドロキシアパタイトHPLCからの産物についてのプロファイルであ る; 図3はモノ S FPLCからの産物についてのプロファイルである; 図4はゲル濾過FPLCからの産物についてのプロファイルである; 図5および6は逆相HPLCからの2つの部分精製されたポリペプチド産物を 示す;ならびに 図7および図8は胎児子ウシ血清または胎児子ウシ血漿のバックグラウンドの いずれかを用いた逆相HPLCからのGGF−IおよびGGF−IIについての用 量応答曲線を示す; 図9〜12はGGF−IおよびGGF−II由来のペプチド(配列番号1〜53 および169)(後記の実施例2参照)を示し、図10および図12はとくに新 規な配列を示す: 図10、パネルAに、変性オリゴヌクレオチドプローブおよび変性PCRプラ イマーを設計するために用いられたGGF−Iぺプチドの配列を列挙する(配列 番号20〜30)。パネルAのそれらの配列のうちのいくつかは合成ペプチドを 設計するためにも用いられた。パネルBは変性プローブまたは変性PCRプライ マーの設計のためには短すぎた(6アミノ酸より少ない)新規なペプチド(配列 番号31および52)を示す; 図12、パネルAに、変性オリゴヌクレオチドプローブおよび変性PCRプラ イマーを設計するために用いられたGGF−IIペプチドの配列を列挙する(配列 番号45〜52)。パネルAのこれらの配列のうちのいくつかも合成ペプチドを 設計するために用いられた。パネルBは変性プローブまたは変性PCRプライマ ーの設計のためには短すぎた(6アミノ酸より少ない)新規なペプチド(配列番 号53)を示す; 図13〜20は後記の実施例3に関連し、本発明に関連する因子の分裂促進活 性の種々の観点を示す; 図21〜28(a、bおよびc)は後記の実施例4に関連し、以下に簡単に説 明する: 図21は図10、パネルAおよび図12、パネルAに列挙した新規なペプチド 配列から設計された変性オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号54〜88)を 列挙する; 図22(配列番号89)は組換えウシゲノムファージGGF2BG1からの推 定される(putative)一続きのウシGGF−II遺伝子配列を示し、これは変性オ リゴヌクレオチドプローブ609および650(図21、それぞ れ配列番号69および72)の結合部位を含む。 示したのは第3リーディングフレーム内のDNA配列のコーディングストラン ドおよび推定された(deduced)アミノ酸配列である。GGF−2からのぺプチ ド12の配列(ボールド(bold)で示す)は、66アミノ酸のオープンリーディ ングフレーム(ヌクレオチド75272)の一部である; 図23は変性PCRプライマー(パネルA、配列番号90〜108)および下 垂体前葉からのRNA中に存在するウシGGF−IIをコードする配列のセグメン トを単離するための実験において用いられた独自なPCRプライマー(パネルB 、配列番号109〜119)を列挙する; 図24に、図7、パネルAおよびB中のプライマーのリストを用いた下垂体前 葉からのRNAについてのPCR増幅実験でえられた9個の別個の隣接する(co ntiguous)ウシGGF−IIcDNA構造および配列を要約する。図の上に付した 線は特徴付けがなされたcDNA構造に寄与するエクソン配列の図解を示す; 図25はウシ組換えファージGGF2BG1の物理的地図(physical map)で ある。ウシDNAフラグメントはおおよそ20kbの長さでウシGGFII遺伝子 の2つのエクソン(ボールド)を含む。酵素Xbal、SPel、Ndel、E coRI、Kpnl、およびSstIに対する制限部位をこの物理的地図に記し ている。影を付した部分は配列決定のためにサブクローン化されたフラグメント に対応する; 図26は推定されるウシGGF−II遺伝子の3つの副 遺伝子産物(alternative gene products)の構造を図式的に示す。エクソンは AからEまでそれらの発見の順に列挙する。選択的スプライシングパターン1、 2および3は、3つのオーバーラップする推定されたタンパク質構造(GGF2 BPP1、2、および3)をつくり、それらを種々の図28に表わす; 図27では、図10および図12に列挙された新規なペプチド配列をもつ、図 28a、図28bおよび図28cに示す推定されたタンパク質の配列(配列番号 120〜132)において同定されるGGF−IおよびGGF−II配列を比較す る。9つの新規なGGF−IIペプチド配列のうち6つがこれら推定されたタンパ ク質の配列に対すると考えられる。GGF−I配列と類似の2つのペプチド配列 もまた見出された; 図28aは図26に示すスプライシングパターン番号1からえられるcDNA (配列番号133)のコーディングストランドDNA配列および推定されたアミ ノ酸配列を示す。この推定されるウシGGF−II遺伝子の部分的なcDNAは、 206アミノ酸長のタンパク質をコードする。ボールドで示すペプチドは図10 および図12に示すリストから同定されたものである。潜在的なグリコシル化部 位に下線を付す(ポリアデニル化シグナルAATAAAに加えて); 図28bは図26に示すスプライシングパターン番号2からえられるcDNA (配列番号134)のコーディングストランドDNA配列および推定されたアミ ノ酸配列を示す。この推定されるウシGGF−II遺伝子の部分的なcDNAは、 281アミノ酸長のタンパク質をコー ドする。ボールドで示すペプチドは図10および図12に示すリストから同定さ れたものである。潜在的なグリコシル化部位に下線を付す(ポリアデニル化シグ ナルAATAAAに加えて); 図28cは図26に示すスプライシングパターン番号3からえられるcDNA (配列番号135)のコーディングストランドDNA配列および推定されたアミ ノ酸配列を示す。この推定されるウシGGF−II遺伝子の部分的なcDNAは、 257アミノ酸長のタンパク質をコードする。ボールドで示すペプチドは図10 および図12に示すリストから同定されたものである。潜在的なグリコシル化部 位に下線を付す(ポリアデニル化シグナルAATAAAに加えて); また図28a、図28bおよび図28cに示すDNA配列はそれ自体本発明の さらなる1つの面である;または本発明はさらに該配列によりコードされるポリ ペプチドを含む; 図29は後記の実施例7に関連し、サザンブロット上での種々の哺乳動物DN Aへの推定されるウシGGF−II遺伝子配列の交差ハイブリダイゼーション分析 のオートラジオグラムを示す。フィルターは図に列挙する種からのEco RI で消化されたDNA(レーンあたり5Mg)のレーンを含む。図25中の物理的 地図により予想されるようにウシDNA中の4kbフラグメントを含めて、プロ ーブは各DNAサンプル中に強い単一バンドを検出する。比較的小さい強度のバ ンドもまた観察され、これらは関連するDNA配列を示しうる。他の哺乳動物D NAサンプルのそれぞれからの強くハイブリダイズす るバンドは、おそらくはこれらの種のGGF−II相同物を示す。 後記の実施例1において、他に示さない限りすべての操作は40℃にて行なわ れ、図1〜6に関しては、各段階での活性は以下の修飾を加えてブロックス(メ ソッズ・イン・エンザイモロジー、前出)の技術を用いて決定した。すなわち、 シュワン細胞調製に際し、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)、FCSお よびGGFに加えて5μMのフォルスコリンが添加された。アッセイに用いた細 胞は、線維芽細胞を含まない10より少ない継代数のシュワン細胞で、これら細 胞はトリプシンを用いてフラスコから剥がし、マイクロウェルあたり3300細 胞で平底の96穴プレートに撒いた。 試験溶液添加ののち最後の24時間、125IIUdRを添加した。各アッセイ へのバックグラウンド(刺激されない)取り込みは100cpmより少なく、ま た最高の取り込みはシュワン細胞のバッチ番号および継代数に応じてバックグラ ウンドを20〜200倍超えていた。 実施例1で後記するように逆相HPLCからのGGF−IおよびGGF−II画 分のばあい、また各因子に対して2つの用量応答曲線をつくり、ここで各因子に 対して曲線のうち1つには正確に前記の方法を用い、また各因子に対するもう一 方の曲線をうるためにはアッセイ手順において胎児子ウシ血漿を胎児子ウシ血清 の代わりに用いることによりのみ変更した前記の方法を用いた。結果を図7およ び図8に示す。 図30は代表的なスプライシング変異体の図式的なダイアグラムである。コー ディングセグメントはF、E、 B、A、G、C、C/D、C/D′、D、D′、H、KおよびLで示される。精 製されたタンパク質に由来したペプチド配列の位置を「○」によって示す。 図31(配列番号136〜147、160、161および168)は、GGF のコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列のリスト である。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGG Fのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチ ド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)ま た列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列 は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントKはウシの配列の みを示す。EおよびA′の両方に対するヒトとウシのコーディングセグメントが 提供される。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示 す。 図32は、BPP5の予測されるGGF2アミノ酸配列およびヌクレオチド配 列である(配列番号148)。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列 は予測されるアミノ酸配列を表わす。 図33は、GGF2BPP2の予測されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配 列である(配列番号149)。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列 は予測されるアミノ酸配列を表わす。 図34は、GGF2BPP4の予測されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配 列である。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列は予測されるアミノ 酸配列を表わす。 図35(配列番号151〜152)は、2つのGGFペプチド配列(GGF2 bpp4およびGGF2bpp5)のヒトEGF(hEGF)ペプチド配列との アラインメントを記す。星印は保存されたシステインの位置を示す。 図36は、GGFの量の増大に応じたGGF活性(シュワン細胞分裂促進能ア ッセイ)および約200kDタンパク質のチロシンリン酸化(抗ホスホチロシン ポリクローナル抗体とともに展開されたウェスタンブロットのオートラジオグラ ム上での200kDのバンドの強度)のレベルを記す。 図37は、図31に示す配列に由来するスプライシング変異体のリストである 。 図38は、クローンのスケールコーディングセグメント地図である。T3はク ローンからmRNAをつくるために用いられたバクテリオファージプロモーター のことである。R=フランキングするEcoRI制限酵素部位。5′UTは5′ 非翻訳領域のことである。E、B、A、C、C/D′およびDはコーディングセ グメントのことである。O=翻訳開始部位。Λ=ウシEセグメントと相同な領域 の5′限界(実施例6参照)また3′UTは3′非翻訳領域のことである。 図39は、EGFL1の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号154)。 図40は、EGFL2の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号155)。 図41は、EGFL3の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号156)。 図42は、EGFL4の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号157)。 図43は、EGFL5の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号158)。 図44は、EGFL6の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド 配列、上部である(配列番号159)。 図45は、GGF2HBS5の予測されるアミノ酸配列(中部)およびヌクレ オチド配列(上部)である(配列番号167)。下部(間欠(intermittent)配 列)は、GGFII調製物に由来したペプチド配列を表わす(図11、12参照) 。詳細な説明 本発明は、細胞、とくに神経およびグリアの細胞増殖の阻害剤である新規な因 子の用途、ならびにこれらの因子をコードするDNA配列の使用のための方法に 関する。開示されるのは、細胞分裂の阻害剤をコードしうるこれらの因子の数種 の遺伝子スプライシング変異体である。 ホルムスら((1992)サイエンス256巻、1205頁)およびウェンら ((1992)セル69巻、559頁)はいくつかのヒト腫瘍に関連する受容体 (p185)に結合するタンパク質をコードするDNA 配列がGGFのDNA配列と大いに相同性を分担することを明らかにしている。 これは、ウシGGF類とヒトおよびラットp185erbB2リガンドが同じ(相同 の)遺伝子によってコードされること、ならびにリガンドグループがいずれも同 じ受容体(p185erbB2)と相互作用することを示す証拠を提供する。 p185erebB2タンパク質は、チロシンキナーゼ活性をもつ185キロダルト ンの膜貫通タンパク質である。タンパク質はerbB2プロト−オンコジンによ りコードされる(ヤーデンおよびウーリッヒ、(1988)マニュアル・レビュ ー・オブ・バイオケミストリー57巻、443頁)。erbB2遺伝子はHER −2(ヒト細胞中)およびneu(ラット細胞中)とも称され、上皮成長因子( EGF)に対する受容体と密接に関係している。最近の証拠により、p185er bB2 と相互作用する(およびp185erbB2のキナーゼを活性化する)タンパク質 がp185erbB2をもつ細胞において増殖を誘導することが示されている(ホル ムスら(1992)サイエンス256巻、1205頁;ドバシら(1991)プ ロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス88巻、 8582頁;ルプら(1992)プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカ デミー・オブ・サイエンス89巻、2287頁)。この証拠は、GGF′Sをコ ードする遺伝子およびp185erbB2結合タンパク質が、神経細胞、とくにシュ ワン細胞、およびヒト腺癌ならびに他の癌を起こす細胞の両方を標的とする、多 価発現性(pleiotrophic)効果を有する成長因子のファミリーの産生を請け負う ものであるという結論を支 持する。 さらに、GGFおよびp185erbB2結合タンパク質をコードする遺伝子が、 異なる長さでかついくつかの共通ペプチド配列およびいくつかの独自なペプチド 配列である一連のタンパク質を生じる、数多くの様々なサイズとなり差が生ずる ように(differentially)スプライスされたRNA転写産物を産生する。これは 、差が生ずるようにスプライスされた配列がウシ下垂体前葉RNA(ここで提示 されたように)、およびヒト乳がん細胞系(MDA−MB−231)RNA(ホ ルムスら(1992)サイエンス256巻、1205頁)から回収しうるという 証拠により支持される。この「1遺伝子:多様産物(“one gene:multiple prod uct”)」の結論に対するさらなる支持は、シュワン細胞に対するマイトジェン (本明細書に開示されるように)およびp185rbB2受容体に対するリガンド( 以下を参照)の両方として作用するタンパク質の広いサイズ範囲から導き出され る。 GGFとp185erbB2受容体リガンドをコードする遺伝子が相同であるとい う事実を支持するさらなる証拠は、ヌクレオチド配列の比較から帰着する。ホル ムスら((1992)サイエンス、256巻、1205〜1210頁)は、p1 85erbB2受容体と特異的に相互作用する45キロダルトンのヒトタンパク質( ヘレグリン(heregulin))の精製を明らかにしている。これらのヒトDNA配 列によりコードされるポリペプチドの予測される配列は、グリア成長因子の配列 から予測される配列と密接にマッチする。ペレス(Peles)ら((1992)セ ル69巻、205頁)およびウェンら((1992)セ ル69巻、559頁)は、ホルムスらが記載したヘレグリン配列と相同性を分担 するneu分化因子(NDF)と呼ばれるタンパク質をコードする、ラット細胞 から単離された相補DNAを記載している。加えて、そのNDF cDNAの翻 訳産物はp185erbB2結合活性を有する。種々の他のグループが、erbB2 結合活性をもつ種々の分子量のタンパク質の精製を報告している。これらのグル ープは、ルプら((1992)プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデ ミー・オブ・サイエンス・ユー・エス・エー89巻、2287頁)、ヤーデンお よびペレス((1991)バイオケミストリー(Biochemistry)30巻、354 3頁)、ルプら((1990)サイエンス249巻、1552頁)、およびドバ シら((1991)バイオケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケ ーシヨン(Biochem. Biophys. Res.Comm.)179頁、1536頁)を含む。 p185erbB2オンコジーンおよび推論による、その同族リガンドは、数種の 型の腫瘍の発達および維持に重大な役割を果たすことが確認されている。erb B2の増幅および過発現は、数種の組織からのヒト腺癌に伴なわれている(クラ ウスら(1987)エンボ・ジャーナル6巻、605頁;スラモンら(1987 )サイエンス235巻、177頁;バーレイら(1987)オンコジーン1巻、 423頁;およびバン・デ・ビシュバら(1987)モレキュラー・セル・バイ オロジー7巻、2019頁)。乳房および卵巣の癌との関連もまた報告されてい る(スラモンら、前出;バーレイら、前出;ベンタら(1987)ランセットii 巻、67頁;ゾウら(1 987)キャンサー・リサーチ47巻、6123頁;バーガーら(1988)キ ャンサー・リサーチ48巻、1238頁;ツダら(1989)キャンサー・リサ ーチ49巻、3104頁、スラモンら(1989)サイエンス244巻、707 頁)。 erbB2遺伝子がシュワン細胞系列(lineage)の細胞の腫瘍形成において 役割を果たす証拠もある(ペラントニ(Perantoni)ら(1987)プロシーデ ィングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス84巻、6317 頁;ニキチン(Nikitin)ら(1991)プロシーディングズ・オブ・ナショナ ル・アカデミー・オブ・サイエンス88巻、9939頁)。数種の腫瘍型はシュ ワン細胞の異常増殖の結果であり、これらには神経繊維腫、および悪性神経鞘腫 ならびに神経繊維肉腫が含まれる。 erbB2受容体に対するリガンドの候補として、GGF類は前記腫瘍の発達 において重大な役割を果たしうるであろう。 以上概説したように、GGF類およびp185erbB2リガンドをコードする遺 伝子は多種のタンパク質をコードする数多くの変異体転写物を生ずる。これらの 変異体タンパク質の数種は、前記腫瘍細胞系上のp185erbB2受容体とはもち ろんのこと、シュワン細胞(本明細書中に開示)を含む神経細胞上のp185er bB2 受容体に結合する。これら変異体タンパク質のいくつかは、シュワン細胞に おいておよび腫瘍細胞系(本明細書中に開示)において細胞増殖を活性化する。 他の変異体はおそらく、p185erbB2受容体上の結合部位に対してそれらのリ ガンドと競合することにより増殖を剌激するリガンドの活性を妨げるかもしれな い。チャン(Chan)ら((1991)サイエンス254巻、1382頁)は、天 然に生じている肝細胞成長因子(HGF)変異体は、同じ遺伝子によってコード される全長の分子としてより小さい転写産物に由来することを示した。変異体転 写産物によりコードされる切除された(truncated)タンパク質は、HGFで誘 導される分裂促進誘発を特異的に阻害し、HGF受容体への結合に対してHGF と競合することが明らかにされた。HGF受容体はc−metプロト−オンコジ ーン産物として同定されている。このように、成長因子タンパク質のこれらの変 異体バージョンは、細胞増殖の制御において重大な調節の役割を果たすかもしれ ない。グリアの増殖を阻害するGGF関連因子は、神経系の腫瘍の治療用の抗増 殖化合物として治療上有用であろう。 シュワン細胞および乏突起膠細胞(oligodendrocytes)による有髄化は増殖状 態により調節されることが示されている(ジェセン(Jessen)ら、1991アニ ュル・エヌワイ・アカド・サイエンス(Ann NY Acad Science)633巻、78 〜89頁)。細胞が増殖サイクルから抜ける(withdraw)際、有髄化プロセスが 始まるようである。シュワン細胞および乏突起膠細胞が増殖細胞サイクルを出て 休止状態に入ることを誘導する本発明の因子は、脱髄化の疾患または障害をもっ ている哺乳動物において、存在しているまたは新しく再生される神経組織の有髄 化を増大するために投与されてもよい。突然変異誘発の阻害剤を用いて治療され うる疾患および障害の例には、シャロット−マリー−トゥース(Charot-Marie-T ooth)病(と くにI型およびIII型)、腓骨筋委縮、デジェリン−ソッタ(Dejerine-Sottos) 病(III型遺伝性運動性および知覚性神経病)、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄 化多発性神経根神経病、慢性肝疾患、ジフテリア性多発性神経炎、ギランバレー 症候群、甲状腺機能不全多発性神経病、異染性大脳白質委縮症(metachromatic leukodystrophy)、I型遺伝性運動性および知覚性神経病、III型遺伝性運動性 および知覚性神経病、ならびに脈管炎神経病が含まれる。実施例1 I.因子−CM画分の調製 4,000の凍結した全ウシ脳下垂体(約12kg)を一晩解凍し、簡単に水 で洗浄したのちに、等量の0.15M硫酸アンモニウムでウェアリング ブレン ダー(Waring Blender)中バッチ式でホモジナイズした。ホモジネートを1.0 M HClでpH4.5とし、4,900g、80分間遠心分離した。上清をガ ラスウールに通過させることにより上清のあらゆる脂肪物質(fatty material) を除去した。上清のpHを1.0M NaOHを用いて6.5としたのちに、固 体の硫酸アンモニウムを加えて36%飽和溶液をえた。数時間撹拌したのち、懸 濁液を4,900g、80分間遠心分離し、沈殿物を廃棄した。ガラスウールに よるろ過ののち、さらなる固体の硫酸アンモニウムを上清に加え、75%飽和溶 液をえた。この溶液を数時間撹拌したのち、もう一度4,900g、80分間遠 心分離した。ペレットを約2Lの0. 1Mリン酸ナトリウムpH6.0に再度懸濁し、40Lの同一の緩衝液で3回透 析した。透析物の導伝率が20.0μジーメンスより下であることを確認したの ち、カルボキシメチルセルロース(CM−52、ワットマン)が充填されたバイ オプロセスカラム(Bioprocess column)(120×113mm、ファルマシア )に流速2μl/分で付した。このカラムを2倍量の0.1Mリン酸ナトリウム pH6.0で洗浄し、続いて2倍量の50mMNaCl、そして最終的に2倍量 の0.2M NaCl、両者とも同一の緩衝液中で、洗浄した。最後の工程で1 0μL(5分)の画分を集めた。画分73〜118の内容物(inclusive)をプ ールし、10倍量の10mMリン酸ナトリウムpH6.0に対して2回透析し、 100,000g、60分間遠心分離することにより不純物を除去した。II.ヒドロキシアパタイトHPLC ヒドロキシアパタイトHPLCは、これまではグリア成長因子の単離に用いら れる技術ではなかったが、本発明ではとくに効果的であることが証明された。 前記CM−セルロースクロマトグラフィーからえられる物質を0.22μmの フィルター(ナルゲン(nalgene))に通してろ過し、ガードカラム(15×2 5mm、バイオラッド)を備えた高性能ヒドロキシアパタイトカラム(50×5 0mm、バイオラッド)に室温で付し、10mMリン酸カリウムpH6.0で平 衡化した。以下のプログラム化された線形勾配を用いて、流速2μl/分、室温 で溶出を行なった: 勾配溶出の際に6.0μL(3分)の画分を集めた。画分39〜45をプール し、10倍量の50mMリン酸ナトリウムpH6.0に対して透析した。III.モノ S FPLC モノ S FPLCにより、のちのゲルろ過のためにさらなる濃縮物質を調製 することができた。 のちに、室温で流速1.0μL/分、50MMリン酸ナトリウムpH6.0に 再平衡化される予備のHR10/10モノ S 陽イオン交換カラム(100× 10mm、ファルマシア)に付す前に、100,000g、60分間の不純物を 除去するスピンにより、ヒドロキシアパタイトカラムからプールされた物質中の あらゆる粒子状物質を除去した。これらの条件下、以下のプログラム化された線 形勾配を用いて結合されたタンパク質を溶出した: この勾配プログラムを通じて1μL(1分)の画分を集めた。画分99〜11 5の内容物をプールした。IV.ゲルろ過FPLC この工程では、濃縮画分を産生する最終精製の前に、本発明の2つの因子の分 離を開始した。 この工程の目的のために、製造業者の指示にしたがって予備のスーパーロース (Superose)12 FPLCカラム(510×20mm、ファルマシア)を充填 した。このカラムを標準化するために、製造者の指示にしたがって理論段の測定 を行ない、9,700理論段の値をえた。 モノ Sで溶出された物質のプールを、室温で、2.5μLアリコート中、5 0MMリン酸ナトリウム、0.75 NaCl pH6.0(あらかじめC18 逆相カラム(セップ−パック(Spe-pak)、ミリポア)に通した)におけるこの カラムに、流速1.0μL/分で付した。1μL(0.5分)画分を各サンプル をカラムに付したのち35分から集めた。各実験からの画分27〜41(GGF −II)および42〜57(GGF−I)の内容物をプールした。V.逆相HPLC 前記スーパーロース12の実験からのGGF−Iおよ びGGF−IIのプールを3つの等アリコートにそれぞれ分けた。ガードカートリ ッジ(RP−8、15×3.2mm、アプライド バイオシステムズ)によって 保護されたC8逆相カラム(アクアポア(Aquapore) RP−300 7μ C 8 220×4.6mm、アプライドバイオシステムズ)に各アリコとートを付 し、4℃、0.5μL.分で平衡化した。以下のプログラム化された線形勾配を 用いてこれらの条件下、タンパク質を溶出した: プログラム化された勾配の開始後15.2分から、シリコン処理された試験管 (マルチルーブ チューブズ(Multilube tubes)、バイオクオート(Bioquote ))に200μL(0.4分)画分を集めた。VI.SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 この工程において、タンパク質の分子量の標準物質、低範囲、バイオ−ラッド ラボラトリーズ リミテッド、ワットフォード 英国のカタログ番号161− 0304を用いた。実際に用いたタンパク質およびそれらの分子量の標準物質は 前記にあげている。 前記逆相HPLCの実施からの画分47〜53(GGF−I)および画分61 〜67(GGF−II)を各々プールした。プールされた物質の7μLを、当量の 0.0125M Tris−Cl、4% SDS、20%グリセロール、および GGF−I用10% β−メルカプトエタノール中で煮沸し、4%スタッキング ゲルを有する11%ポリアクリルアミドリームリゲル(Leammli gel)に付し、 50Vの定電圧で、16時間実施した。そののちにゲルを固定し、銀染色キット (アマシャム(Amersham))を用いて染色した。これらの条件下、分子量マーカ ーによって定められるものとして、相対分子量30,000〜36,000ダル トン(GGF−I)および55,000〜63,000ダルトン(GGF−II) の多少拡散したバンドとして因子がそれぞれ確かめられる。ゲル染色の結果から 、逆相の実施からプールされた物質には、GGF−I種およびGGF−II種と同 等のレベルで存在する少数のほかのタンパク種があることが明らかである。VII.トリフルオロ酢酸中の安定性 トリフルオロ酢酸存在下の本発明の因子について安定性のデータを以下のよう にえた:GGF−I 逆相HPLCからの物質を、0.1% TFAおよびアセトニトリルの存在下 、カラムでの実施が完了した12時間以内および、そののち40℃で10週間イ ンキュベーションしたのちにアッセイした。インキュベーションののちのGGF −Iは、カラムから取出して直接アッセイした物質の活性の少なくとも50%の 活性を有して いた。GGF−II 逆相HPLCからの物質を、0.1%TFAおよびアセトニトリルの存在下− 20℃で貯蔵し、これを解凍したのち40℃で4日間インキュベーションし、ア ッセイした。インキュベーションののちの、GGF−IIは解凍したこの物質の活 性の少なくとも50%の活性を有していた。 前述の研究で用いられたトリフルオロ酢酸の濃度は、逆相クロマトグラフィー で最も一般的に用いられる濃度であることは理解されるであろう。実施例2 精製GGF−IおよびGGF−IIのアミノ酸配列 高度に精製されたウシ脳下垂体のGGF−IおよびGGF−IIを用いて、アミ ノ酸配列分析の研究が行なわれた。配列を記載するために通常の1文字コードを 用いた。11%SDS−PAGEの55〜65RD領域から溶出された物質(前 記に示したマーカーに対して相対的な分子量)について行なわれたGGF−IIの リシルエンドペプチダーゼ分解とともに、還元され、カルボキシメチル化された サンプルについて行なわれたリシルエンドペプチダーゼ分解およびプロテアーゼ V8分解によりペプチドをえた。 GGF−Iについて合計21のペプチド配列(図9参照)がえられ、そのうち の12のペプチド配列(図10参照)は、現在のタンパク質データベースに存在 しない ので、独自なの配列を表わす。GGF−IIについては合計12のぺプチド配列( 図11参照)がえられ、そのうちの10のぺプチド配列(図12参照)は現在の タンパク質データベースに存在しないので、独自な配列を表わす(おそらく重要 性のない、少数の残基である多くのタンパク質において同一の配列を示すぺプチ ドGGF−II 06(配列番号38)は例外である)。これらの新規な配列はお そらく、GGFIおよびIIの真のアミノ酸配列の一部ときわめて一致するであろ う。 明らかに高度に関連しているGGF−I 07の(配列番号39)およびGG F−II 12(配列番号44)の配列はとくに注目されうる。この類似性は、こ れらのぺプチドの配列が、ほとんど疑いなく割り当てられた(assigned)GGF 種のぺプチド配列であり、混入したタンパク質に由来することはほとんどありえ ないことを示す。 さらに、ぺプチドGGF−II 02(配列番号34)では、配列XSSが、X と記された位置でアスパラギンにN結合した炭水化物部分(N linked carbohydr ate moiety)の存在と一致する。 一般的には、図9および11において、Xは配列決定のサイクルの中で同じ大 きさのシグナルが1より多く存在するので、またはシグナルが存在しないので、 単一の位置を確信をもってコールすることができない、配列決定のサイクルを示 す未知の残基を示す。 星印はコールされた(called)最後のアミノ酸がそのペプチドに存在する最後 のアミノ酸に対応するペプチドを示す。残りのペプチドにおいては、コールされ た最後の アミノ酸のうしろのシグナルの強度がそのペプチドの末端への配列コーリングを 続けるには不充分であった。 右側の欄には、NBRFおよびEMBL配列データベースを分析するために、 GCGパッケージFASTAおよびTFASTAプログラムを用いてコンピュー タデータベースを調査した結果を示す。この欄のタンパク質の名前は、その配列 の一部の、最大2つのミスマッチを許容するコールされたペプチドのアミノ酸配 列との、同一性を示す。疑問符は3つのミスマッチを許容することを示す。用い た略語は以下のとおりである: HMG−1 高移動度のグループのタンパク質−1 HMG−2 高移動度のグループのタンパク質−2 LH−アルファ 黄体形成ホルモンαサブユニット LH−ベータ 黄体形成ホルモンβサブユニット実施例3 精製GGF−IおよびGGF−IIの分裂促進活性 GGFIおよびIIの両者を含有する高度に精製されたサンプルの分裂促進活性 を、1つの微小培養物についてDNA合成、細胞形態、細胞数および細胞抗原の 発現を検討できる定量法を用いて、調べた。この技術は、ミュアー(Muir)ら( (1990)アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry )185巻、377〜382頁)によって以前に報告された方法を修正したもの である。おもな修正として、1)コートされていないマイクロタイタープレータ の使用、2)ウェルあた りの細胞数、3)10%胎児子ウシ血清(FCS)にかわる5%胎児ウシ血漿( FBP)の使用および4)同時に培養物に加えられたマイトジェンおよびブロモ デオキシウリジン(BrdU)の存在下のインキュベーション時間である。さら に、細胞の損失を避けるために、固定の前に細胞の単層は洗浄せず、アッセイの 感受性を高めるために、モノクローナルマウス抗BrdU抗体およびペルオキシ ダーゼ接合ヤギ抗マウスイムノグロブリン(IgG)抗体のインキュベーション 時間を2倍にした。ラット座骨神経のシュワン細胞のために最適化されたアッセ イを、細胞培養条件を適切に修正したのち、数種の細胞系にも用いた。I.分裂促進誘導の試験法 1日目に、5%FBP/ダルベッコの修正イーグル培地(DMEM)の入った コートされていない96ウェルプレートに精製シュワン細胞をまいた(5,00 0細胞/ウェル)。2日目に、最終濃度10mmでのBrdUと同様にGGF類 またはほかの試験因子を培養物に加えた。48時間後(4日目)、培地を吸引す ることによりBrdUの取り込みを終わらせ、70%エタノール200μl/ウ ェルを用いて、20分間、室温で細胞を固定した。つぎに、水で細胞を洗浄し、 2N HCl 100μlを用いて、10分間、37℃でインキュベーションす ることによりDNAを変性させた。吸引に引き続き、0.1Mホウ酸塩緩衝液、 pH9.0でウェルを満たして残った酸を中和し、細胞をリン酸塩緩衝生理食塩 水(PBS)で洗浄した。そののちに、ブロッキング緩衝 液(0.1%トリトン×100および2%正常ヤギ血清を含有するPBS)50 μlを用いて15分間、37℃で細胞を処理した。吸引ののち、モノクローナル マウス抗BrdU抗体(ダコ社(Dako Corp.)、サンタ バーバラ(Santa Barb ara)、カリフォルニア州)(50μl/ウェル、1.4mg/mlブロッキン グ緩衝液で希釈)を加え、2時間、37℃でインキュベートした。結合していな い抗体は0.1%トリトンX−100を含有するPBSで3回洗浄することによ って除去して、ペルオキシダーゼ接合ヤギ抗マウスIgG抗体(ダコ コーポ、 サンタ バーバラ、カリフォルニア州)(50μl/ウェル、2mg/mlブロ ックキング緩衝液で希釈)を加え、1時間37℃でインキュベートした。PBS /トリトンで3回洗浄してPBSで最終的にすすいだのちに、0.05%可溶性 色素原オルト−フェニレンジアミン(OPD)および0.02%H22を含有す る50mMリン酸塩/クエン酸塩緩衝液、pH5.0を100μl/ウェルでウ ェルに加えた。室温にて、5〜20分後、2N硫酸を40μl/ウェル含むきれ いなプレートに、各ウェルから80μlをピペッティングすることにより反応を 停止した。吸光度は、プレートリーダー(ダイナテック ラブズ(Dynatech Lab s)を用いて490nmで記録した。細胞の単層を有するアッセイプレートをP BSで2回洗浄し、100μl/ウェルの基質ジアミノベンジジン(DAB)お よび0.02%H22を加えて不溶性産物を生じさせることにより、BrdU− DNAに対して免疫細胞化学的に(immunocytochemically)染色した。10〜2 0分後、水で洗浄することにより、染色反 応を停止させ、倒立顕微鏡を用いてBrdU−陽性核を観察し、カウントした。 適宜、陰性核を0〜001%トルイジンブルー(Toluidine blue)で対比染色し 、前述のようにカウントした。II.分裂促進誘発アッセイに用いられる細胞系 スイス3T3線維芽細胞 フロー ラブズ(Flow Labs)からの細胞を、空気中10%(CO2の加湿され た雰囲気下、37℃で、10%FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを 補足したDMEM中で維持した。2日ごとに細胞の栄養補給をするかまたは細胞 の継代培養をした。分裂促進アッセイ用に、完全培地中5,000細胞/ウェル の密度で細胞をプレートにまき、細胞がコンフルエントでかつ静止状態になるま で1週間インキュベートした。血清を含有する培地を除去し、無血清培地で細胞 の単層を2回洗浄した。マイトジェンおよび10μM BrdUで含有する無血 清培地100μlを各ウェルに加え、48時間インキュベートした。GGF類お よび血清もしくはPDGF(陽性コントロールとして)に対する用量応答を行な った。 BHK(ベビー ハムスター 腎臓)21 C13線維芽細胞 ヨーロピアン・コレクション・オブ・アニマルセル・カルチャーズ(ECAC C)からの細胞を、空気中5%CO2の加湿された雰囲気下、37℃で、5%ト リプトース ホスフエート ブロス(tryptose phosphate broth)、5% FC S、ペニシリンおよびストレプトマイシ ンを補足したグラスゴー修正イーグル培地(GMEM)で維持した。2〜3日ご とに細胞の栄養補給をするか細胞の継代培養をした。分裂促進アッセイ用に、完 全培地中、2,000細胞/ウェルの密度で24時間プレートでインキュベート した。血清を含む培地を除去し、無血清培地で洗浄したのちに、0.1%FCS を含有するGMEM、またはGMEM単独100μlで培地交換した。10μM BrdUとともに、GGF類およびFCSまたはBFGFを陽性コントロール として加え、48時間インキュベートした。そののち、シュワン細胞に対して記 載したように、細胞培養物を処理した。 C6 ラット膠腫細胞系 継代39でえられた細胞を、空気中10%CO2の加湿された雰囲気中37℃ で、5%FCS、5%ウマ血清(HS)、ペニシリンおよびストレプトマイシン を含有するDMEM中で維持した。3日ごとに細胞の栄養補給をするかまたは細 胞の継代培養をした。分裂促進アッセイ用に完全培地に2,000細胞/ウェル の密度で細胞をプレートにまき、24時間インキュベートした。無血清培地で洗 浄したのち、ついで培地を0.1%FCSを含有するDMEMとF12の1:1 培地の混合物で交換した。そののち、GGF類、FCSおよびAFGFに対する 用量応答を行ない、ほかの細胞型に対して以前に記載したように、ELISAに より細胞を処理した。 PC12(ラット副腎褐色細胞腫細胞) ECACCからの細胞を、コラーゲンでコートされたフラスコで、10%HS 、5%FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補足したRPMI 16 40で 370C、空気中5%CO2の加湿された雰囲気中維持した。 3日ごとに、培地の80%のを交換することにより細胞の栄養補給をした。分 裂促進アッセイ用に、完全培地にコラーゲンでコートされたプレート(50μl /ウェルコラーゲン、ビトロゲン コラーゲン コープ(Vitrogen Collagen Co rp.)、1:50に希釈、30分間、37℃)に、細胞を3,000細胞/ウェ ルの密度でまき、24時間インキュベートした。そののち、新鮮なRPMI単独 または1mMインスリンもしくは1%FCSを含有する新鮮なRPMIで培地を 交換した。陽性コントロールとしてのFCS/HS(1:2)およびGGF類に 対する用量応答を前述のように行なった。48時間後、細胞を固定し、前述のと おりにELISAを行なった。III.分裂促進誘発アッセイの結果 GGF−IおよびGGF−II(GGF類)の混合物を含有する、スーパーロー ス12クロマトグラフィー精製工程で高度に精製されたサンプル(実施例1、セ クションD参照)を用いて、本実施例に記された実験のすべてを、行なった。 まず、ジェイ ピー ブロックス(J. P. Brockes)((1987)メソッズ エンザイモル(Methods Enzymol.)147巻、217頁)に記載されている、 分裂している細胞のDNAへの125I−UdRの取り込みにもとづくシュワン細 胞の古典的な分裂促進アッセイとBrdUの取り込みアッセイでえられた結果を 比較した。 図13に、同一の細胞培養条件(5,000細胞/ウ ェル、5%FBP/DMEM中、GGF類の存在下48時間インキュベートされ た)で行なわれた2つのアッセイからえられたデータの比較を示す。明確に示さ れているように、結果は比較することができ、曲線のグラフの左へ、すなわちG GF類のより低濃度へのシフトから示唆されるように、BrdU取り込みアッセ イはわずかにより感受性があるように考えられる。 以下のセクション「方法」に記載したように、免疫応答性のBrdU−DNA を、OPDペルオキシダーゼ反応の可溶性産物の強度を読むことにより定量した のち、細胞の単層を含むオリジナルのアッセイプレートで、BrdU陽性核を染 色する、不溶性DAB産物がえられる第2の反応を行なうことが可能である。そ ののちに、微小培養物を倒立顕微鏡下で調べることができ、細胞形態およびBr dU陽性および陰性核の数を観察することが可能である。 図14aおよび図14bでは、490nmにおける吸光度を読むことにより評 価されたBrdU−DNAの免疫応答性を、同一培養物でカウントされたウェル あたりのBrdU−陽性核の数および全細胞数に対するBrdU−陽性核の百分 率と比較する。標準偏差は10%より小であった。2つの評価法はきわめて望ま しい相間を示し、最大用量のGGF類における値の間の相違は、BrdU−陽性 として検出された細胞におけるDNA合成の程度の差によるものであると説明す ることができる。 したがって、125I−UdR取り込みアッセイと比較すると、BrdU取り込 みアッセイは、シュワン細胞に対するGGF類の生物学的活性についてのさらな る有用 な情報が提供されうる。たとえば、図15に報告されるデータは、GGF類がシ ュワン細胞に作用してDNA合成を誘導することができるが、低用量では48時 間後の微小培養物に存在する陰性細胞の数を増加させうることを示す。 BrdU取り込みアッセイは、異なる起源の数種の細胞系に用いられた。図1 6では、シュワン細胞およびスイス3T3線維芽細胞のGGF類に対する分裂促 進応答が比較される;3T3線維芽細胞で弱い応答がえられたにもかかわらず、 これらの培養物においてBrdU−陽性核がある程度は明らかに検出された。コ ントロール培養は、数種の用量のFCSまたはヒト組換えPDGFの存在下で並 行して行なわれ、細胞は適切な剌激に応答しうることが示された(データは示さ ない)。 線維芽細胞のGGF類に対する応答能を、BHK21 C13細胞系を用いて さらに調べた。腎臓由来のこれらの線維芽細胞は、コンフルエントのときにコン タクトインヒビションを示さないかまたは静止状態に達しない。したがって、実 験条件は細胞の生存度からなるのではなく、きわめて低いバックグラウンドの増 殖を有するように決められた。図17および図18によって示されるように、G GF類はBHK21 C13細胞に対する著しい分裂促進活性を有する。図17 は、0.1%FCSの存在下、GGF類によって剌激されたBHK21 C13 細胞によるBrduのDNAへの取り込みを示す。FCSに対する好ましい分裂 促進応答は、細胞培養条件が限定していなかったことを示す。図18は、GGF 類の分裂促進効果がBrdU−陽性およびBrdU−陰性の 細胞数として、およびウェルあたりのカウントされた全細胞数として表現されて いる。データは重複して実行した2つの実験の代表例である;ウェルあたり少な くとも3領域をカウントした。低容量の増殖効果に加えてシュワン細胞について 観察されたように、GGF類はまた、応答しない生存細胞数をも増加させる。B rdU陽性細胞の割合は、培養物に加えられたGGF類の量の増加と比例する。 より高い用量のGGF類の存在下、48時間後の全細胞数は少なくとも2倍であ り、GGF類がBHK21 C13細胞におけるDNA合成および増殖を誘導す ることが確かめられる。同一条件下、2%FCSの存在下で48時間維持された 細胞は、約6倍の増加を示した(データは示さない)。 C6膠腫細胞は、グリア細胞の性質を研究するための有用なモデルを提供して いる。発現される表現型は細胞継代によると考えられ、細胞は初期段階では星状 細胞の表現型、後期段階(継代70をこえる)は乏突起膠細胞の表現型により近 似している。これらの実験で用いられるC6細胞は、継代39〜継代52であっ た。C6細胞は高度に増殖する集団であるため、実験条件はきわめて低いバック グラウンドのBrdUの取り込みを有するように最適化された。FCSに対する 用量応答により示されたように(図19)、分裂促進応答に著しく影響を及ぼす ことなく細胞の生存度を維持するために、0.1%血清の存在は必要であった。 図20では、aFGF(酸性の線維芽細胞成長因子)およびGGF類に対する 分裂促進応答がFCS(8%)の存在下でえられる最大のBrdUの取り込みの 割合と して表現されている。値は、重複して行なわれた2つの実験の平均である。GG F類の効果はaFGFの純粋な調製物の効果と比較できた。aFGFは、C6細 胞に対する特異的な成長因子として記載されており(リム アール(Lim R.)ら 、(1990)セル・レギュレーション(Cell Regulation)1巻、741〜7 46頁)、その理由で陽性コントロールとして用いた。微小培養物における細胞 の密度は高いので、BrdU陽性および陰性細胞を直接的にカウントすることは 不可能であった。報告されている細胞系とは対照的に、PC12が血清(細胞の 維持に通常通りに用いられるようなFCSおよびHSの混合物)に応答しうる培 養条件下で処理されたばあい、PC12細胞はGGF類に対して明白な応答性を 示さなかった。それにもかかわらず、ウェルあたりに播かれた細胞数が、PC1 2細胞の挙動に影響を与えると考えられるので、さらなる実験が必要である。実施例4 GGF−IおよびGGF−IIペプチドを含有するタンパク質をコードするヌク レオチド配列の単離およびクローニング ペプチド配列の情報およびライブラリースクリーニングを用いて、ここに概述 したようにGGF−IIヌクレオチド配列の単離およびクロ−ニングを行ない、以 下に記述したように行なった。ここに記載する技術にしたがうことによってGG F−I配列の単離およびクロ−ニングのための出発点として、図4および図5の ペプチドが用 いられうることは理解されるであろう。実際に、図21(配列番号54〜88) はこの目的のために可能な変性オリゴヌクレオチドプローブを示し、図23(配 列番号90〜119)は可能なPCRプライマーを列挙している。DNA配列お よびポリペプチド配列は、GGF−IIをもちいるこの手段によりうることができ なければならない。また、DNA構築物およびそのようなDNA配列を取り込ん でいる発現ベクター、そのような構築物/ベクターを取り込むことによって遺伝 的に変えられた宿主細胞、そのような宿主細胞を培養することによりえられうる タンパク質も同様である。本発明はこのような主題を意図する。I.オリゴヌクレオチドのプローブおよびプライマーの設計および合成 アミノ酸配列(精製されたGGFタンパク質から生じたペプチドに由来する) をヌクレオチド配列に逆翻訳(backtranslating)することにより、変性DNA オリゴマープローブを設計した。オリゴマーはDNA配列をコードする鎖または コードしない鎖のいずれかを表わす。オリゴマーの設計においてセリン、アルギ ニンまたはロイシンが含まれるばあいは、あいまいさを避けるために2つの化合 物を別々に調製した。たとえば、セリンは537と538または609と610 におけるように、TCNかまたはAGYかのいずれかによりコードされた。類似 のコドンスプリッティング(SPlittng)がアルギニンまたはロイシン(たとえば 544、545)に対して行なわれた。0.2マイクロモルの規模の合成で操作 され る、βシアノエチルケミストリー(β cyanoethyl chemistry)を用いて、バイ オリサーチ 8750 4 −カラムDNAシンセサイザー(Biosearch 8750 4- column DNA synthesizer)でDNAオリゴマーを合成した。オリゴマーをカラ ム(500 オングストローム CpG樹脂)から切り離し、6〜24時間55 〜60′℃で濃縮水酸化アンモニウム中で脱保護を行なった。脱保護されたオリ ゴマーを真空(スピードバック(Speedvac))下で乾燥し、15%アクリルアミ ドゲル(20モノ:1ビス)、7M尿素を含有する50mMトリス−ホウ酸塩− EDTA緩衝液により精製した。UVをシャドーイングすることにより、全長の オリゴマーをゲル中で検出し、そのバンドを切り出し、4〜16時間振とうしな がらDNAオリゴマーを1.5μls H2Oに溶出した。溶出物を乾燥し、0 .1μl H2Oに再溶解し、260nmで吸光度測定を行なった。 濃度は以下の式にしたがって決定された: (A260×単位/μ1)(60.6/長さ)=XμM H2Oを添加してすべてのオリゴマーを50μMの濃度に調節した。 前述のように設計された変性DNAを図21(配列番号54〜88)に示す。 以下の修飾をともなうプローブに用いられた手順と本質的に同様の手順によっ てPCRプライマーを調製した。制限部位を含む13個のヌクレオチドのリンカ ーは、ベクターへのクロ−ニングに用いるために変性オリゴマーの5´末端に含 有された。DNA合成は1,000オングストロームCpG樹脂を用いて1マイ クロモルの規模 で行なわれ、4種すべてのヌクレオチドが変性プローブに正常に取り込まれる位 置にイノシン(inosine)を用いた。PCRプライマーの精製は、ゲル電気泳動 精製につづくエタノール沈殿を含んでいた。II.ライブラリーの構築およびスクリーニング ウシゲノムDNAライブラリーはストラタジーン(Stratagene)より購入した (カタログ番号:945701)。ライブラリーは、ベクター ラムダ ダッシ ュII(lamdaDashII)中にクローン化された、2×106 15〜20 k b S a u 3 Alの部分ウシDNAフラグメントを含有した。ウシ全脳CDNA ライブラリーはクローンテック(Clonetech)より購入した(カタログ番号:B L10139)。相補的DNAライブラリーは、ウシ全脳から、ウシ脳下垂体か らおよびウシ脳下垂体後葉から調製されたmRNAから構築された(イン ビト ロゲン(In Vitrogen)、ストラタジーン)。イン ビトロゲンは2つのcDN Aライブラリーを調製した。1つのライブラリーはベクター ラムダg10に存 在し、もう一方はベクタ−pcDNAIに存在していた(プラスミドライブラリ ー)。ストラタジーンのライブラリーは、ベクタラムダ ユニザップ(unizap) において調製された。あわせると、cDNAライブラリーは1400万の主要な 組換えファージを含有した。 ウシゲノムライブラリーを、プレート(plate)あたり150,000〜20 0,000ファージプラークで23×23cmプレート (ヌンク(Nunc))上 の大腸菌K12宿主株LE392に播いた。各プレートはおよそ1ウ シゲノム相当量(equivalent)を示した。一晩37℃でインキュベーションを行 なったのち、プレートを冷蔵し、グルーンシュテタイン(Grunstein)およびホ グネス(Hogness)の手順((1975)PNAS(米国)72巻、39 61頁)に従って複製フィルター(replicate filters)を調製した。各プレー トから帯電していないナイロン膜(パール バイオダイン エイ(Pall Biodyne A)またはエムエスアイ ニトロピュア(MSI Nitropure))上へ4種のプラー ク隆起(lifts)を調製した。UV光のもと5分間クロスリンキング(cross-lin king)することによるか、または真空下2時間80℃で焼くことにより、DNA を膜に固定した。供給元の説明書にしたがって、T4ポリヌクレオチドキナーゼ (ニュー イングランド バイオラブズ(New England Biolabs))を用いてガ ンマ32P ATP (ニュー イングランド ヌクレアー(New England Nuclea r)、6500 Ci/mmol)で標識した。簡単にいえば、50pmolの 変性DNAオリゴマーを600μCiガンマ32P−ATPおよび5単位のT4ポ リヌクレオチドキナーゼの存在下30分間、37℃でインキュベートした。反応 を停止させ、ゲル電気泳動ローディング緩衝液を加えて電気泳動により放射能標 識したプローブを精製した。32Pで標識されたプローブをゲルスライスから切り 出し、水に溶出した。それとは別に、ショーウォルター(Schowalter)およびソ マー(Sommer)のプロトコル((1989)アナル・バイオケム177巻、90 〜94頁)にしたがって、PCR増幅を経たのちにα32P−dATPまたはα32 P dCTPの取込みによりDNAプローブを標識した。PCR反応で標 識されたプローブをセファデックス(Sephadex)G−150カラムで脱塩するこ とにより精製した。 プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションをGMC緩衝液( 0.52M NaPi、7%SDS、1%BSA、1.5mM EDTA、 0 .1MNaCl、10pg/μl TRNA)で行った。洗浄は緩衝液Aオリゴ ウォッシュ(oligowash)(160μl1 M Na2HPO4、200μl 20 %SDS、8.0μl 0.5m EDTA、100μl 5M NaCl、3 632μl H2O)中で行った。典型的には、10ウシゲノム相当量の複製コ ピーを示す20枚のフィルター(それぞれ400平方センチメートル)を100 pmolの変性オリゴヌクレオチドプローブ(128〜512倍変性)をともな う200μlハイブリダイゼーション溶液中でインキュベートした。変性プロー ブ用に計算された最小の融解温度より低い5℃で一晩ハイブリダイゼーションさ せた。最小の融解温度の計算値は、AT対については2℃、そしてGC対につい ては4℃と考えられる。 フィルターをハイブリダイゼーション温度で、4〜5時間、オリゴウォッシュ を繰返し変えて洗浄し、最後には、DNAプローブの長さに依存する温度で30 分間、2回1%SDSを含む3.2Mテトラメチルアンモニウムクロライドで洗 浄した。20量体では、最終の洗浄温度は60℃であった。フィルターをのせ、 ついで強化スクリーン(デュポン クロネックス ライトニング プラス(Dupo nt Cronex Lightening Plus))を用いてX線フィルム(コダックXAR5)に 暴露した。通常、これ らのライブラリースクリーニングにおいて重複するシグナルを検出するには、3 〜5日間フィルムを−80℃で暴露させると充分である。結果の分析につづき、 フィルターをはがし、再びプローブ化することができた。10mM EDTA pH8を含有する1%SDSの溶液において電子レンジ中全出力で15分間の2 回の連続するサイクルによってインキュベートすることによってはがした。フィ ルターは、はがすおよび種々のプローブを用いて再度プローブ化する少なくとも 3〜4のサイクルによってとった。III.組換えファージの単離、成長およびDNAの調製 これらの手順は組換えDNA(マニアティスら、リコンビナントDNA(Reco mbinant DNA)、2巻、60〜62頁、1981年)に記載されたように標準プ ロトコルにしたがった。IV.DNA分解およびサザンブロットによる単離されたクローンの分析 組換えファージDNAサンプル(2μg)は制限エンドヌクレアーゼの供給者 (ニューイングランド バイオラブス(New England Biolabs))によって推奨 された条件により分解された。37℃での4時間のインキュベーションにつづい て、反応産物を0.1Mの酢酸ナトリウムおよび3倍量のエタノールの存在下で 沈殿させた。沈殿したDNAは遠心分離により集め、75%のエタノールですす ぎ、乾燥した。すべての再び懸濁されたサンプルはアガロースゲル(典型的には TAE緩衝液中1%、 0.04Mのトリス酢酸塩、0.002M EDTA)にかけられた。ゲル操作 (run)は4〜20時間、1cmあたり1Vで行なわれた。マーカーはλ H ind III DNA フラグメントおよび/またはφ×174 Hae III DNA フラグメント(ニューイングランド バイオラブズ)を含んでいた。ゲ ルは0.5μg/μLのエチジウムブロミドを用いて染色され、写真撮影を行な った。サザンブロッティングのために、DNAはまず0.125NのHCl処理 によってゲルでデピュリネート(depurinate)し、0.5NのNaOHで変性し 、20×SSC(3Mの塩化ナトリウム、0.03Mのクエン酸ナトリウム)に おいて、荷電されていないナイロン膜に移した。ブロッティングは6時間から2 4時間まで行われ、そののち、フィルターを0.5MのトリスHC1pH7.5 、0.15Mの塩化ナトリウムで中和し、ついで50mMのトリスーホウ酸塩E DTAで簡単にすすいだ。 クロスリンキングのために、フィルターをまず透明なプラスティックラップで 包み、そののちDNA側を5分間紫外線暴露した。ハイブリダイゼーションおよ び洗浄は、ライブラリースクリーニングのために記載されたように行った(本実 施例のセクション2参照)。類似遺伝子が他の種に存在するか否かを決定するた めのハイブリダイゼーション分析について、わずかな修飾が行われた。DNAフ ィルターは、クローンテック(カタログ番号7753〜1)から購入され、系( lane)あたり様々な種からの、EcoRIで分解されたDNA5μgを含む。プ ローブは前記セクション2に記載されたように、PCR 増幅反応により標識され、ハイブリダイゼーションは、10%デキストラン硫酸 を含む80%緩衝液B(ポリビニルピロリジン2gNフィコール(Ficoll)−4 00 2g、ウシ血清アルブミン2g、1Mのトリス−HCl(pH7.5)5 0μl NaCl 58g、ピロリン酸ナトリウム1g、硫酸ドデシルナトリウ ム1og、H20 950μl)において行なわれた。プローブは10分間煮沸 し、そののちすみやかに氷水中で冷却することによって変性された。プローブは 1μlあたり106dpm32pでハイブリダイゼーション緩衝液に加えられ、6 0℃で一晩インキュベートされた。フィルターは、まず緩衝液B中で、つづいて 2×SSC、0.1%SDSでそののち1×SSC、0.1%SDS中で60℃ で洗浄された。極めて厳格な、実験のために、最後の洗浄が0.1×SSC、1 %SDS中で行なわれ、温度は65℃まであげられた。 サザンブロットデータは、ゲノムクローンの制限地図を調製するため、および サブフラグメントがGGFプローブ(サブクロ−ニングのための候補)にハイブ リダイズされたことを示すために用いられた。V.ハイブリダイゼーションプローブに対して相同なDNAの小片のサブクロー ニング DNA分解物(たとえば5μg)を1%のアガロースゲルにかけ、適当なフラ グメントをゲルから切り出し、染色した。DNAはガラスビーズへの吸着につづ いて、供給者(バイオ(Bio) 101)によって記載されたプロトコルを用 いた溶出によって精製された。回収された DNAフラグメントー(100〜200ng)は、線化され脱リン酸化された( linearizd dephoshorylated)ベクター、たとえばpUC18の誘導体であるp T3T7(アンビオン(Ambion))に、T4リガーゼ(ニューイングランド バ イオラブズ)を用いて連結された。このベクターは大腸菌βラクタマーゼ遺伝子 を担っているので、形質転換体はアンピシリン含有平板培地(plate)上で 選択されうる。また前記ベクターは宿主細胞にβ−ガラクトシダーゼ補足性を与 え、そのため、非組換え体(ブルー)はイソプロピルチオガラクトシドおよびブ ルオガル(Bluogal)(ベセスダ リサーチ ラブズ(Bethesda Research Labs )を用いて検出されうる。連結反応(ligationreactions)の一部は、大腸菌K 12 XLl ブルー コンピテント細胞(ストラタジーンカタログ番号200 236)を形質転換するために用いられ、ついで、形質転換体が1μlあたり5 0μgのアンピシリンを含有するLB平板培地で選択された。白色のコロニーが 選択され、プラスミド小調製物(mini preps)がDNA分解のためにおよびDN A配列分析のために調製された。選択されたクローンはGGFプローブでハイブ リダイズされたそれらの挿入DNAであるか否かを決定するために再試験された 。VI.DNA配列決定 二本鎖プラスミドDNAの鋳型は標準プロトコルにしたがって5μlの培養物 から単離された二本鎖プラスミドから調製された。配列決定は、取扱いプロトコ ル(ア・モディフィケーション・オブ・サンガー・エト・アー ル(a modification of Sanger et al.(1 9 7 7)PNAS、米国、7 4巻、5463頁)にしたがい、シークエナーゼ2.0およびジデオキシヌクレ オチド配列決定キット(USバイオケミカル(Biochemical))を用いたジデオ キシ鎖終止法(dideoxy chain termination method)によった。択一的に、配列 決定はサイクル配列決定キット(ニューイングランド バイオラブズ、ベセスダ リサーチ ラボラトリーズ(Bethesda Research Laboratories))を用いたD NAサーマルサイクラー(DNA thermal cycler)(パーキン エルマー(perkin Elmer)、モデル4800)で行なわれ、5′末端が標識されたプライマーを用 いて製造者の指示にしたがって行なわれた。配列プライマーは配列決定キットで 供給されたもの、あるいはクローンから決定された配列にしたがって合成された もののいずれかであった。配列決定反応は、0.4mm厚の6%ポリアクリルア ミドの配列決定ゲルにかけられ、分解された。ゲルを乾燥し、X線フィルムに暴 露した。典型的には標準配列決定キットが用いられたばあい、35Sが取り込ま れ、32Pで末端が標識されたプライマーは、サイクル配列決定反応のために用い られた。配列はゲルの下から上まで(5′から3′へ)DNA配列エディターに 読み込まれ、データはジェネティックス コンピユータ グループ(Genetics C omputer Group)(GCG、ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)) により供給されたプログラムを用いて分析された。VII.RNAの調製およびPCRの増幅 ゲノムDNAにおいて検出されたオープンリーディン グフレームは、GGFペプチドをコードする配列を含み、推定されるRNAのP CR増幅により延長された。RNAはグアニジン中性−CsCl塩化物手順(gu anidine neutral-CsCl chloride procedure)(チヤーウイン(Chirgwin)ら、 (1979)、バイオケミストリー、18巻、5294頁)にしたがって冷凍ウ シ組織(ペルフリーズ(Pelfreeze))から調製された。ポリアデニル化された RNAはオリゴーdTセルロースカラムクロマトグラフィー(アビブ(Aviv)お よびレーダー(Leder.)(1972)PNAS(米国)、69巻、1408頁) によって選択された。 特異的な標的ヌクレオチド配列は、パーキン エルマーPCR/RNAキット 番号N808−0017を用いてcDNAに変換されている、全RNAまたはポ リアデニル化されたRNAのいずれかのサンプルをはじめに用いて増幅された。 第1鎖逆転写反応は鋳型RNAIμgと付加された制限酵素認識部位のリンカー とともにオリゴdTのプライマーあるいは付加された制限部位を有するクローン 化された配列から決定された特異的なアンチセンスプライマーのいずれかを用い た。第2の鎖を産生するため、プライマーは3′レース(RACE)反応(フローマ ン(Frohman)ら(1988)PNAS(米国)、85巻、8998頁)に用い られたような、プラス鎖の特自な配列(plus strand unique sequences)、ある いは第2の標的部位がdATPをもちいて第1鎖反応産物をテーリングするター ミナルトランスフェラーゼによって加えられたばあいは(たとえば5′レース反 応、フローマンら、同書)付加された制限部位を有するオリゴdTプラ イマーのいずれかであった。択一的にアンカーされたPCR反応におけるように 第2の鎖のプライマーが変性され、ゆえに特別なペプチド配列を表している。 増幅プロフィールは以下の一般のスキーム、1)95℃、5分間の浸漬(soak )ファイル、2)95℃、1分間のサーマルサイクルファイル、45℃、50℃ または55℃のアニーリング温度まで1分間冷却(ramped down)し、1分間ア ニーリング温度を維持、1分間にわたって72℃まで加熱(ramp up)、72℃ 、1分間延長あるいは1分+10秒の自動延長、3)72℃、5分間延長サイク ルおよび4)40℃、長時間浸漬ファイル、にしたがった。サーマルサイクルフ ァイル(#2)は通常30サイクル行なわれた。各増幅反応100μlのうち1 6μ1を3時間1cmあたり4ボルトでTAE緩衝液中2%ヌシーブ(Nusieve )1%アガロースゲル実施において電気泳動により分析された。ゲルが染色され 、そののちプライマーに対して内部である標識されたDNAプローブを用いてプ ローブ化された非荷電ナイロン膜にブロッティングされた。 DNA増幅産物の特異的なセットはブロッティング実験で同定されることがで き、それらの位置は精製および再増幅のためのガイドとして用いることができた 。適切であれば、選択されたサンプルのうち適切な残りの部分が予備のゲルにか けられ、ついで、以下の電気泳動の0.5mm厚の4〜5のスライス(特異的な 産物の予測された位置をかっこでくくっている)がゲルからえられた。アガロー スはつぶされ、40℃、2〜16時間、電気泳動の緩衝液0.5μlに浸漬され た。つぶされたアガロ ースは、2分間遠心分離され、上清が新しい試験管に移された。 再増幅がオリジナル反応におけるように同じセットのプライマーおよび反応プ ロフィールを用いて溶出された物質の5μl(産物のおおむね1%)について行 なわれた。再増幅反応が終了したとき、サンプルはクロロホルムで抽出され、新 しい試験管に移された。濃縮された制限酵素緩衝液および酵素は、リンカーに存 在する制限部位で切裂(cleave)するために反応物(reactions)に加えられた 。分解されたPCR産物はゲル電気泳動によって精製され、ついでサブクローニ ングのセクションに記載されているようにベクターにサブクローン化された。D NA配列決定は前記のように行われた。 VII.DNA配列分析 DNA配列はフラグメントアッセンブリープログラム(fragment assembly pr ogram)を用いて収集し、アミノ酸配列をGCGプログラムゲルアセンブル、地 図および翻訳(GelAssemble、 Map and Translate)によって推定した。推定さ れたタンパク質の配列は、ワードサーチ(WordSearch)を用いたタンパク質配列 データベースを調べるための検索(query)配列として用いた。VMS 5.1 で作動するVAXステーション3100ワークステーションにおいて分析した。 データベース調査はGCGバージョン7.0を用いたスイスプロット リリース 番号21(SwissProt release number 21)において行なった。 VII.結果 前述のように、ウシGGF−IIをコードするDNA配列を同定するため、変性 オリゴヌクレオチドプローブがGGF−IIペプチド配列から設計された。精製さ れたGGF−II調製物(図11および12参照)をリシルエンドペプチダーゼ分 解により産生されたペプチドであるGGF−II 12(配列番号44)は、精製 されたGGF−I調製物から産生されたトリプシン性(triptic)のペプチドで あるGGF−I 07(配列番号39)と強いアミノ酸配列の相同性を示した。 このようにGGF−II 12を用いて10コの変性オリゴヌクレオチドプロープ (図21のオリゴ609、610および649〜656、それぞれ配列番号69 〜71および79を参照)を作製した。フィルターの1つの複写のセットをGG F−II 12の重複する2つの部分をコードするプローブの2つのセット(セッ ト1=609、610;セット2=649〜656)を用いてプローブされた。 ハイブリダイゼーションシグナルが観察されたが、1つのクローンのみが両プロ ーブセットに対してハイブリダイズされた。このクローン(GGF2BG1とす る)を精製した。 ファージクローンGGF2BG1からのDNAのサザンブロット分析により、 プローブの両セットがそのウシDNA配列とハイブリダイズすることが確認され 、さらに、両プローブはそのクローン内の同じセットのDNAフラグメントと反 応することが示された。それらの実験にもとづいて、オリジナルクローンの4k bのEcoRIサブフラグメントが同定され、サブクローン化されて、部分的に 配列決定された。図22はプローブ609および650のハイブリダイゼーショ ン部位を含んだ初 期DNA配列リーディングのヌクレオチド配列および推定されたアミノ酸配列( 配列番号89)を示し、このウシゲノムDNAの一部がペプチド12(KASL ADSGEYM)をコードすることが確認された。 さらに配列分析は、GGF−II 12が推定されるウシGGF−II遺伝子およ びcDNAを表す重複配列の単離のための開始位置にきた66アミノ酸オープン リーディングフレーム(以下参照)に存在することを証明した。 いくつかのPCR法が推定されるウシGGF−II遺伝子のためのさらなるコー ディング配列をうるために用いられた。全RNAおよびオリゴdT選択(dT-sel ected)(ポリA含有)RNAのサンプルをウシ全下垂体、下垂体前葉、下垂体 後葉、および視床下部から調製した。図23(配列番号109〜119)に示さ れたリストからプライマーを用いて片側の(one-sided)PCR反応(RACE )が3′および5′の両方向でのcDNA末端を増幅するために用いられ、アン カーされたPCR反応をさらなるGGF−IIペプチドを表す変性オリゴヌクレオ チドプライマーを用いて行った。図24にそれらの実験においてえられた隣接す るDNA構造および配列をまとめた。3′レース(RACE)反応から、クローン化 および配列決定された3つの代わりに別のスプライシングされたcDNA配列が 産生された。5′レース反応により少なくとも52のアミノ酸ためのコーディン グ配列を含むさらなるエクソンが発見された。その推定されたアミノ酸配列の分 析によりペプチドGGF−II−6およびGGF−I−18(以下参照)と類似の 配列が示された。アンカーされたPCR反応により300bpの追加のcDN Aセグメント内に含まれるペプチド(GGF−II−1、2、3および10)のコ ーディング(cDNA)配列が同定された。このセグメント(すなわち、セグメ ントE、図31参照)の5′末端は、ペプチドGGF−II−1をコードし、PC R反応に用いられる、オリゴヌクレオチドによって定義される。(追加の5′配 列データは、実施例6のヒトクローンに記載したように存在する。)このように このクローンは存在する全部で9つの新規なGGF−IIペプチド配列のうち6つ をコードするヌクレオチド配列を含む。 クローン化された遺伝子は、見出されたような(以下、図25参照)コーディ ング配列を位置づけることができる、GGF2BG1の物理的地図を構成するこ とによってまず特徴づけられた。前記したコーディング配列からのDNAプロー ブは、このファージクローン上のエクソンを含むさらなるDNAフラグメントを 同定し、両方向で重複するクローンを同定するために用いられた。推定されるウ シGGF−II遺伝子は少なくとも5つのコーディングセグメントに分けたが、こ れまではコーディングセグメントAおよびBのみがエクソンとして定義され、配 列決定され、マッピングされた。同定された隣接するコーディング配列の要約を 図26に示す。エクソンは発見された順に(アルファベット順に)列記した。イ ントロン/エクソンの境界から、エクソンBが、コーディングセグメントEおよ びコーディングセグメントAを接続するcDNAに含まれうることは明らかであ る。すなわち、リーディングフレームを傷つけることなく、エクソンBをスプラ イシングされることができないのである。 それゆえ、我々は、別の3つのスプライシングパターンが推定されるウシGGF −IIcDNA配列1、2および3を産生しうることを示唆する。これらのコーデ ィング配列、それぞれ、設計されたGGF2BPP1.CDS、GGF2BPP 2.CDSおよびGGF2BPP3.CDSを、それぞれ図28a(配列番号1 33)、28b(配列番号134)および図28c(配列番号135)に示す。 また3つのcDNAの推定されたアミノ酸配列も図28a、図28bおよび図2 8c(それぞれ配列番号133〜135)に示す。 3つの推定された構造は長さ206個、281個および257個のアミノ酸の タンパク質をコードする。推定されたタンパク質配列の最初の183残基が3つ の遺伝子産物すべてにおいて同一である。184位でクローンは大きく異なる。 また、GGF2BPP1におけるグリシンGGTのコドンは、GGF2BPP2 およびGGF2BPP3に対するスプライスドナーとして働き、これら配列は代 わりに図33(配列番号149)に示される、それぞれエクソンC、C/D、C /D′およびDまたはエクソンC、C/DおよびD上に加える。GGF2BPP 1はコーディングセグメントを越えてつぎの介在する配列(イントロン)へのス プライス接合点を読みとることによって産生される切断された遺伝子産物である 。これは図31(配列番号140、168)においてコーディングセグメントA ′を表している。転写は規定(canonical)のAATAAAポリアデニル化配列 に隣接して終了し、我々はこの切断された遺伝子産物が真実の(bonafide)成熟 転写を表すことを示唆する。ほかの2つのよ り長い遺伝子産物は同じ3′翻訳されていない配列およびポリアデニル化部位を 共有する。 これら3つのすべての分子は9つの新規なGGF−IIペプチド配列のうち6つ を有し(図12参照)、もう一つのペプチドはGGF−I−18と相同性が高い (図27参照)。この所見は、この組換え体分子がウシGGF−IIの少なくとも 一部をコードする可能性が高いことを示している。さらに、3つのペプチドに対 する計算された等電点はGGF−IおよびIIの物理的性質と一致している。GG F−2の分子サイズは約60kdであるので、3つのcDNAのうち最も長いも のは、予想されるアミノ酸の数のほぼ1.5倍でタンパク質をコードするであろ う。 BおよびAのエクソンを包囲するプローブは、PCR増幅により標識され、ウ シ下垂体後葉から単離されたRNAで作製されたcDNAライブラリーをスクリ ーニングするために用いられた。1つのクローン(GGF2BPP5)は図30 に示すパターンを示し、コーディングセグメントAおよびC間の追加のDNAコ ーディングセグメント(G)を含んでいた。全核酸配列は図32(配列番号14 8)に示す。最も長いオープンリーディングフレームから予測される翻訳産物は 241個のアミノ酸である。また2つめのcDNA(GGF2BPP4)の一部 を、前述したプローブを用いてウシ下垂体後葉ライブラリーから単離した。この クローンは図30に示すパターンを示した。このクローンは5′末端では不完全 であるが、コーディングセグメントGおよびDを欠損しているセンスにおけるス プライシング変異体である。また BPP4はC/D領域を越えてH、KおよびL領域を有する新規な3′末端を表 す。BPP4の配列は図34(配列番号150)に示す。実施例5 様々な種におけるGGF配列 コンピューターデータベース調査では、いかなる予測されるGGF翻訳産物と 既知のタンパク質配列とでは、いかなる有意義な類似性も示さなかった。このこ とは、GGF−IIがタンパク質の新規なファミリーもしくはスーパーファミリー の最初のメンバーであることを示唆している。他の哺乳類のDNAとの極めて厳 格なクロスハイブリダイゼーション研究(DNAブロッティング実験)において 、我々は、このウシ組換え体分子からのDNAプローブが、種々の被験サンプル において特異な配列を容易に検出しうることを明確に示した。また相同性の高い 配列がヒトゲノムDNAで検出された。オートラジオグラムを図29に示す。ラ ットおよびヒトのDNAを含む、系(lane)におけるシグナルはラットおよびヒ トの等価のGGFを表し、その配列はホルムズ(Holmes)ら((1992)、サ イエンス、256巻、1205頁)およびウェン(Wen)ら((1992年)、 セル、69巻、559頁)によって最近報告された。実施例6 ヒトGGF2をコードするヒトの配列の単離 ウシGGF−IIコーディングセグメントEに相同な配列を含むいくつかのヒト クローンは、脳幹から調製されたヒトcDNAライブラリーをスクリーニングす ることによって単離された(ストラタジーン カタログ#935206)。この 方法は、ほとんどのGGF2ペプチド(GGF2に特有)とウシEセグメントを 含むクローンからの予測されるペプチド配列との強い結合(link)にもとづいて 行なわれた。このライブラリーは、以下にあげたオリゴヌクレオチドプローブ9 14〜919を用いて実施例4のセクションIIに記載したようにスクリーニング した。 914 TCGGGCTCCATGAAGAAGATGTA 915 TCCATGAAGAAGATGTACCTGCT 916 ATGTACCTGCTGTCCTCCTTGA 917 TTGAAGAAGGACTCGCTGCTCA 918 AAAGCCGGGGGCTTGAAGAA 919 ATGARGTGTGGGCGGCGAAA これらのプローブで検出されたクローンは、ハイブリダイゼーションによって さらに分析した。またセグメントAからのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物 を標識することによって産生された、コーディングセグメントA(図21参照) に由来するプローブは、プライマリーライブラリーをスクリーニングするために 用いた。AおよびEに由来するプローブでハイブリダイズされたいくつかのクロ ーンが選択され、1つの特別なクローン、GGF2HBS5がさらなる分析のた めに選択された。このクローンは、コーディングセグメントのパターン(図31 に示されるEBACC/D′D)によって表される。 このクローンのEセグメントは、図37に示されるEの切断されたウシバージョ ンに等価なヒトのセグメントである。GGF2HBS5は、記載されたすべての 「推定される」GGF−II候補のGGF−IIをコードするのに最も好ましい候補 である。コーディング配列セグメントEの長さは786ヌクレオチドに非翻訳配 列の264塩基を加えたものである。GGF2HBS5によってコードされたタ ンパク質の予測される大きさは約423アミノ酸(約45キロダルトン)であり 、GGFの脱グリコシル化された形態のもの(deglycosylated form)の大きさ と類似している(実施例15参照)。さらに図27にあげたGGFIIペプチドの うち7つはE領域から予測されるタンパク質配列に入る等価な配列を有する。ペ プチドII−6およびII−12はそれぞれコーディングセグメントBおよびコーデ ィングセグメントAに入るが除外する。GGF2HBS5タンパク質をコードす るRNAは、GGF2HBS5挿入物を含むベクター(ブルースクリプト エス ケー(Bluescript S K)[ストラタジーンインク]図44参照)に内在するバク テリオファージT7プロモーターによって行なわれたインビトロ転写系において 産生された。このRNAは無細胞(ウサギ網状赤血球)翻訳系で翻訳することが でき、そのタンパク質産物の大きさは45Kdであった。さらに、無細胞産物は 、生物学的活性を確認するためにシュワン細胞分裂促進アッセイでアッセイした 。コンディションドメディウム(conditioned medium)で処理されたシュワン 細胞は、125ウリジンの取り込みによって測定された増殖、および185キロダ ルトンの範囲内のタンパク質のチロシンリン 酸化の両方が増加を示す。 こうして、GGF2HBS5によってコードされた産物のサイズ、および図1 2で示されるウシペプチドと相同性の高いヒトペプチドをコードするDNA配列 の存在から、GGF2HBS5がウシGGF2と等価のヒトの配列をコードする ことが確かめられる。このクローンで形質転換された細胞から調製された条件培 地がシュワン細胞の分裂促進活性を引き出すという事実から、GGFIIHBS5 遺伝子産物(BPP5遺伝子産物とは似ていない)が分泌されることが確かめら れる。さらに、GGFBPP5遺伝子産物はp185erbB2などの受容体チロシ ンキナーゼまたは密接に関連する受容体を介して、シュワン細胞増殖応答を媒介 するようである(実施例13参照)。実施例7 ウシGGFに関連するヒトの配列の単離 実施例5の結果から、GGFに関連するヒトのソース(source)からの配列も 、ウシGGF配列由来のDNAプローブを用いて容易に単離できることが示され る。あるいは、ホルムズらによって記載された方法(1992年、サイエンス、 256巻、1205頁)が用いられうる。本実施例においては、p185erbB2 受容体と結合してこの受容体を活性化する(およびGGFと関連する)、ヒトの タンパク質(ヘレグリンα)が腫瘍細胞系から精製され、えられた(derived)ペ プチド配列は、ヘレグリンをコードするcDNAをクローンするために利用され たオリゴヌクレオチドプローブを産生するために用いられる。これは、視床下部 cDNAからGGF配列をクローニングするために実施例1〜4で用いられたも のとよく似た方法である。ヘレグリンタンパク質および相補的DNAは以下の手 順にしたがって単離した。ヘレグリンは、パーセル バイオリチカ マイクロキ ャリヤー ビーズ(Percell Biolytica microcarrier beads)(ハイクローン ラブズ(Hyclone Labs))上で育成されたMDA−MB−231乳癌細胞(AT CC ♯HTB26)によってコンディションされた培地から精製した。培地( 10リットル)は膜(10-kD カットオフ)(ミリポア(Millipore))で濾過す ることによって25倍まで濃縮し、遠心分離およびフィルター(0.22μm) で濾過することによって浄化された。濾過物はヘパリンセファロースカラム(フ ァルマシア(Pharmacia))に付し、タンパク質をリン酸塩緩衝生理食塩水で0 .3、0.6および0.9M NaClの段階で溶出した。種々のクロマトグラ フィー画分での活性を、MCF−7胸部腫瘍細胞(ATCC♯HTB22)にお いてp185erbB2のチロシンリン酸化の増大を定量することにより測定した。 MCF−7細胞を血清(10%)を含むF12(50%)ダルベッコ(Dulbecco )の最小必須培地(50%)において24ウェルのコスター(Costar)プレート にまき(ウェルあたり105細胞)、24時間以上接着させた。アッセイに先立 って、細胞は、最低1時間、無血清培地へ移した。カラム画分(10〜100μ l)を37℃で30分間インキュベートした。つぎに、上清を吸引し、SDS− PAGEサンプル緩衝液(100μl)を添加する ことにより反応を停止した。サンプルを100℃で5分間加熱し、部分(10〜 15μl)をトリスーグリシンゲル(4〜20%)(ノベックス(Novex))に 付した。電気泳動後、タンパク質をポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜上 でエレクトロブロッティングして、ツイーン20(Tween-20)(0.05%)を 含むトリス緩衝生理食塩水(TBST)中でウシ血清アルブミン(5%)でブロック した。ブロットは室温で最低1時間、ホスホチロシン(アップステート バイオ テクノロジー(Upstate Biotechnology))に対するモノクローナル抗体(1: 1000に希釈)でプローブした。ブロットをTBSTで洗浄し、室温で最低3 0分アルカリホスファターゼ(プロメガ(Promega))に結合(conjugate)した マウスイムノグロブリンGに対する抗体(1:7500に希釈)でプローブした 。反応性のバンドは5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル−1−リン酸塩お よびニトローブルー テトラゾリウムで視覚化した。イムノブロットはスキャン ジェット プラス(Scan Jet Plus)(ヒューレットーパッカード(Hewlett-Pac kard))濃度計を用いてスキャンした。剌激されていないMCF−7細胞に対す るシグナル強度は20〜30単位であった。充分に刺激されたp185erbB2は 180〜200単位のシグナルを生じた。ほとんどの活性を含んだ0.6MのN aClプール(pool)は、エタノール(30%)を含有する17mMのリン酸ナ トリウム(pH6.8)で平衡化されたポリアスパラギン酸(PolyLC)カラムに 付した。平衡緩衝液(equilibration buffer)において0.3Mから0.6Mま でのNaClの直線勾配を結合タンパク質を溶出するため に用いた。さらに活性のピーク(0.45MまでのNaClにおいて)を、TF A(0.1%)およびアセトニトリル(15%)を含む緩衝液で平衡化されたC 4逆相カラム(シンクロパック(SynChropak)RP−4)で分画した。タンパク 質を60分をこえて25%から40%までのアセトニトリル勾配でこのカラムか ら溶出させた。画分(1μl)を集めて、活性をアッセイし、トリス−グリシン ゲル(4〜20%、ノベックス(Novex))におけるSDS−PAGEによって 分析した。 HPLCで精製されたHRG−αは、37℃で20時間、SDS中リジンC( 0.1%)、10mM ジチオスレイトール(dithiothreitol)、0.1M N H4HCO3(pH8.0)を用いて溶解し、生じたフラグメントをシンクロム( Synchrom)C4カラム(4000Å、0.2×10cm)で分解した。前記カラ ムは0.1%TFAで平衡化し、0.1%TFA中1−プロパノールの勾配で溶 出した(ヘンゼル(Henzel)ら(1989)、ジャーナル・オブ・バイオロジカ ル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、264巻、15905頁)。クロマトグラ フィーの実施からのピークを真空下で乾燥し、配列決定した。ペプチドの1つ( 24%までの1−プロパノールで溶出)は[A]AEKEKTF[C]VNGGEXFMVKDLXNP の配列(配列番号162)であった。角カッコ内の残基は不確定で、Xはアミノ 酸を同定することができないサイクルを表す。最初の収率は8.5pmolで、 配列はいかなる既知のタンパク質とも対応しなかった。のちに、残基1、9、1 5および22はシステインとしてcDNA配列において同定された。過負荷され 、PVDF膜にブロットされ た、ゲルからの45−kD以下のバンドの直接配列決定では、最初のきわめて低 い収率(0.2pmol)で発達量(adundance)の低い配列 XEXKE[G][R] GK [G] K [G]KKKEXGXG 「K](配列番号169)を示した。これは、セリン 2がproHRG−αのNH2末端であることを示唆しているので、ヘレグリン ーαのアミノ酸残基2〜22(図31)に対応していた。NH2末端はブロック されていたにもかかわらず、少量の正常にブロックされたタンパク質が時折翻訳 後に修飾されないであろうことが観察された。NH2末端の割り当て(assignmen t)は臭化シアンを用いて溶解したのち、タンパク質の質量分析法によって確認 した。単離されたタンパク質のCOOH末端は明確には同定されていなかったが 、タンパク質分解分解物(proteolytic digests)の混合物の配列決定によって 、成熟配列が後残基(past residue)241を延長するとは思えない。アミノ残 基の略号は:A、Ala;C、Cys;D、Asp;E、Glu;F、Phe; G、Gly;H、His;I、Ile;K、Lys;L、Leu;M、Met; N、Asn;P、Pro;Q、Gln;R、Arg;S、Ser;T、Thr; V、Val;W、Trp;およびY、Tyrである。 cDNAクローンのソースとしてオリゴ(dT)がプライマーとしてついた( oligo(dT)-primed)λgt10(ハーン(Hurn)ら(1984)λgt10およ びλgt11 DNAクローニングテクニックス(λgt10and λgt11 DNA Cloning Techiques):ア・プラクティカル・アプローチ(A Practical A pproach)cDNAライブラリーが、MDA−MB−231細胞から精製され たmRNA(チャーウィン(Chirwin)ら(1979)バイオケミストリー(Bio chemistry)、18巻、5294頁)を用いて構築された(ガブラー(Gubler) およびホフマン(Hoffman)、1983年、ジーン(Gene)、25巻、263頁 )。13のアミノ酸配列 AEKEKTFCVNGGE (配列番号164)をコードする以下 の8倍の変性アンチセンスデオキシオリゴヌクレオチドは、ヒト・コドン・フリ ークエンシー・オプテイマ(human codon frequency optima)(ラス(Lathe) (1985)ジェイ・モル・バイオル(J.Mol. Biol.)、183巻、1頁)にも とづいて設計され、化学的に: 5′−CTCGCC(GまたはT) CC (AまたはG )TTCAC(AまたはG)CAGAAGGTCTTCTCCTTCTCAGC−3′(配列番号165)が合 成された。プローブ設計のために、システインがアミノ酸配列の未知の残基にわ りあてられた。プローブはリン酸化により標識し、cDNAライブラリーに対し て、厳しくない条件下でハイブリダイズした。proHRG−αタンパク質はこ のライブラリーで同定された。HRB−β1 cDNAは、proHRGの5′ および3′の両末端から誘導された配列を用いてMDA−MB−231細胞mR NAから作製された2つめのオリゴ(dT)がプライマーとしてついたλgt1 0ライブラリーをプローブすることによって同定した。クローン13(図2A) は5′HRG配列を用いてプライマー化された(5′−CCTCGCTCCTTCTTCTTGCCCT TC−3′プライマー;proHRG−αアンチセンスヌクレオチド33〜56) MDA−MB−231λgt10ライブラリーのスクリーニング産物であった。 プローブとしてクローン13の5末端に対応する配列は、MDA −MB−231細胞のmRNAから誘導された3つめのオリゴ(dT)がプライ マーとしてついたλgt10ライブラリーにおいて、proHRGβ2およびp roHRGβ3を同定するために用いられた。4つのHRGのそれぞれをコード する2つのcDNAクローンが配列決定された(サンガー(Sanger)ら(197 7)PNAS(米国)、74巻、5463頁)。もう一つのcDNAによるクロ ーン84(cDNA designated clone 84)はアミノ酸420を介して、proHR Gβ2と同一のアミノ酸配列を有している。421位の停止コドンのあとに異な る3′−未翻訳配列が続く。実施例8 さらなるスプライシング変異体の単離 実施例7の方法により、スプライシング多様性の結果としておこる近密に関連 した4つの配列(ヘレグリンα、β1、β2、β3)を産生した。ペレス(Pele s)ら(1992)セル、69巻、205頁)およびウェン(Wen)ら(1992 )セル、69巻、559頁)は、p185に結合するタンパク質を含む実施例1 〜4および7に記載されたものと類似した精製法およびクローニングアプローチ を用いて(ラットから)さらなるスプライシング変異体を単離した。cDNAク ローンは、(形質転換されたラット線維芽細胞系からのp185erbB2結合タン パク質を精製して配列決定することににより)以下のようにえられた。 p185erbB2結合タンパク質は以下のようにコンデ ィションドメディウムから精製した。500本のローラー(roller)ボトル(全 量120リットル)の3つの収穫物からプールされたコンディションドメディウ ムは、0.2μのフィルターで濾過することにより浄化し、20kd分子サイズ カットオフの膜を用いてペリコン(Pelicon)限外濾過システムにより31倍に 濃縮した。すべての精製段階は、ファルマシア ファスト プロテイン(Pharma cia fast protein)液体クロマトグラフィーシステムを用いて行なった。濃縮物 は直接ヘパリンーセファロースカラムに付した(150μl、あらかじめリン酸 塩緩衝生理食塩水(PBS)で平衡化された)。カラムは、280nmの波長で吸 光度が検出されなくなるまで、0.2M NaClを含むPBSで洗浄した。そ ののち結合タンパク質はNaCl(0.2Mから1.0Mまで)の連続勾配(2 50μl)で溶出し、5μlの画分を収集した。サンプル(収集された画分の0 .01μl)はキナーゼ刺激活性の定量アッセイのために用いた。3つのカラム 実施(全量=360μl)からの活性画分をプールして、YM10限外濾過膜( アミコン(Amicon)、ダンバース(Danvers)、マサチューセッツ州)を用いて 25μlにまで濃縮し、硫酸アンモニウムを1.7Mの濃度になるまで加えた。 遠心分離(10,000×g、15分間)による浄化後、プールされた材料をフ ェニルースーパーロース(phenyl-Superose)カラム(HR10/10、ファル マシア)に付した。カラムは0.1M Na2PO(PH7.4)中で45μl の(NH42SO4勾配(1.7Mから無塩まで)で展開され、2μlの画分を 収集し、(実施例7に記載のように)キナーゼ剌激につ いてアッセイされた(サンプルあたり0.002μl)。主な活性ピークをプー ルし、50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)に対して透析した。モ ノ−S(Mono-S)陽イオン交換カラム(HR5/5、ファルマシア)は50mM リン酸ナトリウムを用いてあらかじめ平衡化した。活性材料(タンパク質0. 884mg;35μl)をかけたのち、カラムは開始用緩衝液で洗浄し、1μl /分の速度でNaClの勾配で展開した。キナーゼ剌激活性は0.45〜0.5 5Mの塩で回収され、各2μlの4つの画分に渡っていた。これらをプールし、 直接Cu+2キレーティングカラム(1.6μl、HR2/5キレーティングスー パーロース(chelating Superose)、ファルマシア)に付した。ほとんどのタン パク質は樹脂に吸収されたが、それらは順次30.μlの塩化アンモニウムの直 接勾配(0〜1M)で溶出された。活性は0.05〜0.2M NH4Clの範 囲で単一のタンパク質のピークに溶出された。種々の精製段階からのサンプルは ゲル電気泳動をしたのちICNからのキット(コスタメサ(Costa Mesa)、カリ フォルニア州(CA))を用いて銀染色して分析し、それらのタンパク質の含有量 はバイオーラッド(Bio-Rad)(リッチモンド(Richmond)、カリフォルニア州 )からのキットを用いて、クマシーブルー染色結合アッセイで決定された。 p44タンパク質(10μg)は、0.1M 重炭酸アンモニウム緩衝液(p H7.8)200pl中で再構築した。溶解は1:10の酵素−基質比で37℃ 、18時間、L−1−トシル−アミド 2−フェニルエチルクロロメチルケトン で処理された(L-1-tosyl−amide 2-ph enylethyl chloromethyl ketone-treated)トリプシン(セルバ(Serva))を用 いて行なわれた。えられたペプチド混合物は逆相HPLCにより分離し、ビダッ ク(Vydac)C4マイクロカラム(2.1mm内径×15cm、300)および ダイオードアレイ(diode-array)検出機およびワークステーションを備えたH P1090液体クロマトグラフィーシステムを用いて215nmでモニターした 。カラムは0.1%のトリフルオロ酢酸(移動相(mobile phase)A)で平衡化 され、溶出は70分を越えて0%〜55%の移動相B(0.1%トリフルオロ酢 酸中90%アセトニトリル)の直線勾配で達成した。流速は0.2μl/分で、 カラム温度は25℃に調節した。HPLCシステムから手動で収集したペプチド ピークの1/3アリコートはエドマン(Edman)分解によるN末端配列分析によ って特徴付けられた。27.7分後溶出された画分(T27.7)は、混合アミ ノ酸配列を含有し、さらに以下のような還元ののち、再びクロマトグラフィーに かけた。ペプチド画分の70%アリコートを真空下で乾燥し、0.2M 重炭酸 アンモニウム緩衝液(pH7.8)100μlに再構築した。DTT(最終濃度 2mM)を溶液に加え、そののち、37℃で30分間インキュベートした。つぎ に、還元されたペプチド混合物は、ビダックカラム(2.1mm内径×15cm )を用いて逆相HPLCにより分離した。溶出条件および流速は前記のものと同 一にした。ペプチドのアミノ酸配列分析は、オンライン式のフェニルチオヒダン トイン(PTH)アミノ酸分析機およびモデル90データ分析システム(ヒュンカ ピラー(Hunkapiller)ら、1986年)が備えられた モデル477タンパク質シークエンサー(アプライドバイオシステムズ インク (Applied Biosystems, Inc.)フォスターシテイ(Foster City)、カリフォル ニア州)を用いて行なわれた。タンパク質はポリブレン(polybrene)およびN aClであらかじめ環化されたトリフルオロ酢酸処理された、ガラスファイバー ディスクにかけられた。PTH−アミノ酸分析は、デュアルシリンジポンプおよ び逆相(C−18)の狭い内径のカラム(アプライド バイオシステムズ、2. 1mm×250mm)を用いてマイクロ液体クロマトグラフィーシステム(モデ ル120)により行なわれた。 RNAは標準手順(マニアティス(Maniatis)ら、1982年、モレキュラー ・クローニング、ア・ラボラトリー ・マニュアル(Molecular Cloning :A La boratory Manual)によりラット1−EJ細胞から単離し、ポリ(A)+がmRN Aセパレーターキット(Separator kit)(クローンテック ラブ インク(Clo ntech Lab,Inc.)、パロ(Palo)、アルト(Alto)、カリフォルニア州)を用い て選択した。cDNAはスーパースクリプト キット(Superscript kit)(B RL ライフ テクノロジーズ インク(BRL Life Technologies,Inc.)、ベセ スダ(Bethesda)、ミシシッピー州(MS))により合成された。カラム分画され た二本鎖のcDNAは、SallおよびNaclで溶解されたpJT−2プラス ミドベクター、pCD−Xベクター(オカヤマ(Okayama)およびバーグ(Berg )(1983)モル・セル・バイオル(Mol.Cell Biol.)、3巻、280頁)の 誘導体に連結させ、エレクトロポレーション(electroporation)によってDH 10B大腸菌細胞を 形質転換した(ダウアー(Dower)ら、1988年、ニュークル・アシッズ・レ ス(Nucl. Acids Res.)、16巻、6127頁)。約5×105の主要な形質転 換体は、NDFのN末端のタンパク質配列(残基5〜24)およびT40.4ト リプシンのペプチド(残基7〜12)から誘導された2つのオリグヌクレオチド プローブを用いてスクリーニングした。それら各配列は以下のとおりである(N はすべて4ntを示す)。 (1:配列番号167;2:配列番号168) 合成オリゴヌクレオチドはT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて[γ−32P ]ATPにより末端を標識し、ニトロセルロースフィルターの複製セットをスク リーニングするために用いた。ハイブリダイゼーション溶液は、6×SSC、5 0mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%リン酸ナトリウム、2×デン ハート(Denhardt′s)溶液、50μg/mlサーモン精子DNA,および20 %ホルムアミド(プローブ1用)もしくは(ホルムアミドを用いないプローブ2 用)を含んでいた。フィルターは、0.5×SSC、0.2%SDS、2mM EDTAを用いて50℃で(プローブ1用)、または2×SSC、0.2%SD S、2mM EDTAを用いて37℃(プローブ2用)で洗浄した。フィルター のオートラジオグラフィーにより両プローブを用いてハイブリダイ ズされた10クローンをえた。これらのクローンは前記のように再びプレートに まくことおよびプローブハイブリダイゼーションにより精製した。 cDNAクローンは製造者の指示にしたがってアプライド バイオシステムズ 373A自動化DNAシークエンサーおよびアプライド バイオシステムズ タ ク ダイデオキシ(Taq DyeDeoxy)(商品名)ターミネーター(Terminator)サ イクル配列決定キットを用いて配列決定した。いくつかのばあい、配列は製造者 の指示にしたがって、[35S]dATP(アマーシャム(Amersham))およびU .S.バイオケミカルズ(U.S.Biochemicals)からのシークエナーゼ(Sequenas e)(商品名)キットを用いてえられた。cDNAクローン44の両鎖はプライ マーとして合成オリゴヌクレオチドを用いることによって配列決定した。ほとん どの5′の350ntの配列が7つの独立したcDNAクローンにおいて決定さ れた。えられたクローンは図30に示すパターン(NDF)を証明した。実施例9 ほかの可能なスプライシング変異体 ウシのcDNAクローンおよびPCR産物の推定されたアミノ酸配列の整列( alignment)および公表されたヒト(図31)およびラットの配列は、類似性が 高いことを示しており、それは、これらの配列が3つの種内の相同遺伝子に由来 することを示している。cDNA/PCR産物レベルで検出可能な様々な数のメ ッセンジャーR NA転写物はおそらく広範な組織特異的スプライシングによるであろう。えられ た図30に示すパターンはほかのスプライシング変異体が存在することを示して いる。可能なスプライシング変異体のリストを以下に示す。これらの変異体の多 くは、別々の組織に由来するcDNAライブラリーのプロービングに特異的なコ ーディングセグメントによってえられうる。あるいは、前記変異体は、当業者に 知られた切除およびスプライシング技術により、特異的な(cDNAクローンか ら切り出された)cDNAクローン、PCR産物またはゲノムDNA領域から集 められた。これらの変異体配列は、組換えシステムで発現することができ、組換 え産物は、p185erbB2受容体を結合および活性する能力と同様にシュワン細 胞分裂促進活性のレベルを決定するために、アッセイすることができる。実施例10 GGFの機能的要素 GGF配列のファミリーの推定された構造により、(GGF2BPP4で示さ れるような)最も長い形が、細胞外部分が上皮成長因子に類似のドメインを含有 している膜貫通タンパク質をコードすることが示される(ペプチド・グロース・ ファクターズ・アンド・ゼア・レセプターズ I(Peptide Growth Factors and Their Receptors I)69〜133頁、スプリンジャーバーラグ(Springer-V erlag)、ニューヨーク州(NY)1991年におけるカーぺンター(Carpenter) およびワール(Wahl)参照)。 コーディングセグメントCおよびC/DまたはC/D′ペプチド配列におけるシ ステイン残基の位置は、上皮成長因子(EGF)ペプチド配列中の類似残基に関し て保持されている。このことにより、細胞外ドメインが受容体認識および生物学 的活性化(actiration)部位として機能することが示唆される。いくつかの変異 体はH、K、およびLコーディングセグメントを欠いており、そのため分泌され る、拡散可能な生物学的に活性なタンパク質として発現されうる。ありそうな構 造を図35に示す。 このタンパク質の膜結合バージョンは、胚形成の際または神経再生の際にニュ ーロンの表面上に発現されれば(その際ニューロンの表面は増殖中のシュワン細 胞の表面と密接に関連する)、シュワン細胞増殖を誘導しうる。 分泌される(非膜結合)GGF類は、それらの分泌点からいく分離れたシュワ ン細胞と相互作用することのできる古典的に拡散可能な因子として作用しうる。 分泌されるGGFの一例は、GGF2HBS5によりコードされるタンパク質で ある(実施例6参照)。 GGF2BPP5によりコードされるGGFなどのほかのGGF類は、非分泌 のようである(実施例6参照)。 これらのGGF類は、組織障害の結果として放出される損傷応答形態のものであ るかもしれない。実施例11 抗増殖作用を有するスプライシング変異体 ひとつの特定のスプライシング変異体(GGF2BPP1)が実施例4に記載 されている。GGF2BPP1 は、コーディングセグメントAスプライスジャンクションをへて隣接するゲノム 配列へリーディングすることによって産生される、切断された遺伝子産物である 。これは図31のコーディングセグメントA′を表す。転写は、特徴的AATA AAポリアデニレーション配列の近くで終わる。このスプライシング変異体は、 領域F、E、BおよびA′を含有する。ほかの可能なこれの変異体は、領域E( F、B、A′)を欠いていてもよい。実施例10に記載のように、領域C、C/ D、またはC/D′はEGFと相同であり、生物学的活性の原因となる部位であ るのに最も適当である。GGF2BPP1は、受容体活性化能力を失うが、受容 体結合活性を維持することができるであろう。そのようなリガンドは、活性GG F/p185 erbB2リガンド(たとえばGGF2BPP5)とレセプター 結合について競合するため、拮抗剤として機能するであろう。領域Eを含有する スプライシング変異体などのほかのスプライシング変異体も、前記のように拮抗 剤として機能しうる。領域Eによりコードされるもののような過剰のドメインの 存在により、受容体結合のあとに起こる生物学的活性をそこなう構造上の差異が 生じうる。GGF2BPP2も阻害剤分子となりうる。GGF2BPP2中の領 域C/Dに加えて領域C/D′の存在により、生物学的活性を欠いたタンパク質 を潜在的に生じうるEGF関連領域に、配列が加えられる。GGF2HBS11 はもう1つの潜在的阻害剤分子である。このクローンは、GGF2HBS5の単 離について実施例6において記載したのと同じ方法およびプローブを用いて、ヒ ト脳幹ライブラリーから単離した。G GF2HBS11クローンは、ほかのいかなる既知の領域にも含まれない新しい 配列によってフランキングされる、領域Eの一部を含む。領域C、C/Dまたは C/D′が欠失していることから、GGF2HBS11も生物学的活性を欠いて いるであろうことが示唆される。実施例12 組換え細胞からの抗増殖因子の精製 抗増殖因子をえて生物学的活性をアッセイするため、タンパク質をクローン化 されたDNAを用いて過剰産生することができる。いくつかのアプローチを用い ることができる。実施例11で記載した配列を含有する組換え大腸菌細胞を構築 することができる。この目的のためにpNH8a(ストラタジーン、インク(St ratagene,Inc.))などの発現システムを、製造業者の手法にしたがって用いる ことができる。そうする代わりに、これらの配列を哺乳動物の発現ベクターに挿 入し、過剰産生細胞系を構築することもできる。一例として、この目的のために GGF2BPP1をコードするDNAをCOS細胞中で発現することができ、ま たはpMSXND発現ベクターを用いてチャイニーズハムスター卵巣細胞中で発 現させることができる(リー(Lee)およびナサンス(Nathans)、ジャーナル・ オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)263巻、3521〜3 527頁(1981))。GGFのDNA配列を含有するこのベクターは、確立 された手順を用いて宿主細胞中にトランスフェクトすることができる。 一時的な発現を調べることが可能であり、(pMSXNDベクター上に含まれ る)DHFR遺伝子を増幅する細胞を選択すべく、G418耐性クローンをメト トレキセートの存在下で増殖させ、その工程において隣接するタンパク質をコー ドする配列を共増幅(co-amplify)することができる。CHO細胞は完全な無タ ンパク質培地中で維持することができる(ハミルトン(Hamilton)およびハム( Ham)、イン・ビトロ(In Vitro)13巻、537〜547頁(1977))の で、所望のタンパク質を培地から精製することができる。過剰産生細胞のコンデ ィションドメディウム中の所望のタンパク質の存在を検出するために、実施例9 で作製した抗血清を用いたウエスタン分析を用いることができる。 所望のタンパク質は、実施例1で記載したタイプの手法を用いて、大腸菌溶菌 液またはCHO細胞コンディションドメディウムから精製することができる。ウ エスタンブロットアッセイを用いて、手順の中の様々なポイントでタンパク質を アッセイすることもできる。実施例13 抗増殖因子の設計およびアッセイ 先にならびに図35および図39〜45に示したように、GGFコーディング セグメントはEGF様相同性を有する領域を含有する。これらのEGF様ドメイ ンは、そのようなドメインを含有するGGFリガンドとerbB2受容体との間 の結合反応における分裂促進誘発の活性化に必要とされうる。既に開示したよう に、天然に生 じるGGFコーディング配列の産物で分裂促進活性を有するものと抗増殖活性を 有するものとの比較によって、このことがさらに支持される。結果として、好ま しい抗増殖因子は、これらのEGF様ドメインを欠いたものである。このように して設計された抗増殖因子は、C、C/DまたはC/D′コーディングセグメン トのすべてまたは一部を欠いているであろう。この設計戦略を用いた抗増殖活性 を有するであろうそのような因子の例を図37に示し、本発明の開示に記載した 。 既に記載した基準を用いて実施例12で作製した組換えタンパク質を、以下に 記載するようにアッセイすることができる。ここで記載するシュワン細胞分裂促 進アッセイは、完全長クローンの発現産物またはそのあらゆる生物学的に活性な 部分をアッセイするのに用いることができる。当業者は、(ヘレグリンを含む) GGF遺伝子由来のスプライシング変異体相補的DNA類のファミリーのあらゆ るメンバーを、このようにして発現し、シュワン細胞の増殖アッセイでアッセイ することができる。GGFアッセイにおける抗増殖活性は、競合アッセイによっ て調べることができる(チャン(Chan)ら、サイエンス(Science)254巻、 1383頁(1991))。様々な濃度の(GGF2BPP1のような)組換え 抗増殖GGF変異体を、GGFの存在下、シュワン細胞培養物に加えることがで きる。培養物の分裂促進活性を、GGFのみで処理されたコントロールと比較す ることによって、抗増殖活性の程度を測定することができる。これによって、用 量依存阻害の測定を行なうことができる。応答の特異性は、さまざまな濃度の抗 増殖因子の、他の成 長因子の分裂促進活性およびその標的細胞(たとえばEGF)への効果を調べる ことにより測定することができる。組換えGGF変異体の抗増殖活性は、乳癌細 胞においても調べることが可能である。GGF′s/p185erbB2リガンドに 応答して増殖するSK−BR−3のような細胞系は、先でシュワン細胞について 述べたのと類似方法でアッセイすることができる。 (前記のように)抗増殖活性を示す、I125で標識されたGGF変異体がer bB2受容体に結合するかどうかを決定するため、クロスリンキング試験を行な うことができる(チャンら、サイエンス254巻、1383頁(1991))。 クロスリンクされたタンパク質をerbB2受容体に対する抗体で免疫沈降させ ることにより結合を証明することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/00 ADU C07K 14/52 8318−4H C12P 21/02 C 9282−4B G01N 33/53 D 7055−2J 33/577 B 7055−2J // A61K 39/395 D 9284−4C N 9284−4C C12Q 1/68 A 9453−4B A61K 37/02 AAA ADU (31)優先権主張番号 07/984,085 (32)優先日 1992年12月1日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/011,396 (32)優先日 1993年1月29日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA, CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,J P,KP,KR,LK,LU,MG,MN,MW,NL ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SK,UA,VN (72)発明者 マーシオニ、マーク アメリカ合衆国、02174 マサチューセッ ツ州、アーリントン、ツイン サークル ドライブ 24 (72)発明者 マックバーニー、ロバート エヌ アメリカ合衆国、02166 マサチューセッ ツ州、ニュートン、レスリー ロード 20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.A.T.C.C.に1992年11月6日に寄託されたプラスミドpGGF 2HBS11(A.T.C.C.寄託番号75347)によって合成されるポリ ペプチドをコードするDNA配列。 2.A.T.C.C.に1992年11月6日に寄託されたpGGF2HBS1 1(A.T.C.C.寄託番号75347)によりコードされるポリペプチド。 3.E配列(配列番号137および163)でコードされるペプチドおよびクロ ーンpGGF2HBS11、ATCC寄託番号75347上のEをコードする配 列にフランキングする脳由来のDNA配列によりコードされるペプチドの少なく とも一部からなるポリペプチド。 4.E配列(配列番号137および163)によりコードされる前記ペプチドに 48N末端アミノ酸の欠失があり、前記のEにフランキングするペプチド配列が 前記クローンによってコードされる20〜100N末端アミノ酸および30〜5 0C末端アミノ酸に含まれる請求項3記載のポリペプチド。 5.E配列(配列番号137および163)によりコードされる前記ペプチドに 48N末端アミノ酸の欠失があり、前記Eにフランキングするペプチド配列は前 記クローンによってコードされる25〜70N末端アミノ酸および30〜45C 末端アミノ酸に含まれる請求項3記載のポリペプチド。 6.式: VYBAZWX (式中、VYBAZWXは図31(配列番号136〜139、141〜147、 160、161、および163)に示されたポリペプチドセグメントから構成さ れる;式中、VはFを含むかまたは存在しない;式中、Yはポリペプチドセグメ ントEを含むかまたは存在しない;式中、ZはポリペプチドセグメントGを含む かまたは存在しない;式中、WはCを含むかまたは存在しない;および式中、X はポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′HL、C/D D′ HKL、 C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、C/D C/D′ D′ HKL、H、HL、またはHKLを含む)により定義されるポリペプチドと細 胞とそ接触させることからなる、前記細胞の増殖を阻害する方法。 7.図31(配列番号136〜140、163、168)に示されたポリペプチ ドセグメントに対応するアミノ酸配列を有する、FBAポリペプチドセグメント 、FBA′ポリペプチドセグメント、EBAポリペプチドセグメント、EBA′ ポリペプチドセグメント、FEBAポリペプチドセグメント、またはFEBA′ ポリペプチドセグメントからなるポリペプチドと細胞とを 接触させることからなる、前記細胞の増殖を阻害する方法。 8.請求項1、2、3、4または5記載のポリペプチドと細胞とを接触させるこ とからなる、前記細胞の増殖を阻害する方法。 9.細胞のp185erbB2受容体と特異的に結合する化合物と細胞とを接触させ ることからなる、前記細胞の増殖を阻害する方法。 10.前記細胞が神経系の細胞である請求項6、7、8または9記載の方法。 11.前記細胞がグリア細胞である請求項10記載の方法。 12.前記細胞がシュワン細胞である請求項11記載の方法。 13.前記細胞が癌細胞である請求項6、7、8または9記載の方法。 14.前記細胞がアデノカルチノーマ細胞である請求項13記載の方法。 15.前記方法が神経疾患または障害の治療または予防に用いられる請求項6、7 、8または9記載の方法。 16.前記細胞が哺乳動物内にあり、該哺乳動物における病態生理学的状態の予防 または治療のために該状態に関係する前記細胞を含む該哺乳動物に前記ペプチド を投与することにより前記接触が行なわれる請求項6、7、8または9記載の方 法。 17.前記方法が脱髄性疾患または障害の治療または予防に用いられる請求項6、 7、8または9記載の方法。 18.前記状態が腫瘍または細胞腫瘍により生じた末梢神経損傷などの細胞増殖の 疾患を含む請求項16記載の 方法。 19.前記細胞は哺乳動物内にあり、前記接触がたとえば神経繊維腫症、悪性神経 鞘腫または神経繊維肉腫である前記細胞の腫瘍を含む状態の予防または治療のた めに前記哺乳動物に前記ペプチドを投与することによって行なわれる請求項6、 7、8または9記載の方法。 20.前記細胞が哺乳動物内にあり、前記接触が髄膜腫、両側聴神経腫、星状細胞 腫、網膜芽腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、または膠腫を含む状態の予防または治 療のために前記哺乳動物に前記ペプチドを投与することにより行なう請求項6、 7、8または9記載の方法。 21.i)式: VYBAZWX (式中、VYBAZWXは図31(配列番号136〜139、141、146、 147、160、161、および163)に示されるポリペプチドセグメントか ら構成される;式中VはFを含むかまたは存在しない;式中Yはポリペプチドセ グメントEを含むかまたは存在しない;式中ZはポリペプチドセグメントGを含 むかまたは存在しない;式中WはCを含むかまたは存在しない;式中Xはポリペ プチドセグメントH、HK、またはHKLを含む)により定義されるポリペプチ ドよりなる群から選択されるポリペプチドで哺乳動物を免疫し、 ii)抗体を該哺乳動物の組織から、または該組織を用いて作製されたハイブリ ドーマから抗体を精製することからなる、前記ポリペプチドに特異的な抗体の製 造法。 22.i)式:FBA、FBA′、EBA、FEBA、FEBA′、またはEBA ′(式中、F、E、B、AおよびA′セグメントは図31(配列番号136〜1 40、163、168)に示されるアミノ酸配列により定義される)により定義 されるポリペプチドよりなる群から選択されるポリペプチドで哺乳動物を免疫し 、 ii)抗体を該哺乳動物の組織から、または該組織を用いて作製されたハイブリ ドーマから精製する ことからなる、前記ポリペプチドに特異的な抗体の製造法。 23.式: VYBAZWX (式中、VYBAZWXは図31(配列番号136〜139、141、146、 147、160、161、および163)に示されるポリペプチドセグメントか ら構成される;式中VはFを含むかまたは存在しない;式中Yはポリペプチドセ グメントEを含むかまたは存在しない;式中ZはポリペプチドセグメントGを含 むかまたは存在しない;式中WはCを含むかまたは存在しない;式中Xはポリペ プチドセグメントH、HK、またはHKLを含む)により定義されるポリペプチ ドよりなる群から選択されるポリペプチドに結合する受容体に結合しうる分子の 存在を、サンプル中で、検出する方法であって、 i)前記受容体とともに前記ポリペプチドと前記サンプルを接触させる工程、お よび ii)前記サンプル中の受容体結合分子の存在を指標として前記受容体に対する 前記ポリペプチドの結合の 競合的阻害を検出する工程からなる検出方法。 24.式:FBA、FBA′、EBA、FEBA、FEBA′、またはEBA′( 式中、F、E、B、AおよびA′セグメントは図31(配列番号136〜140 、163、168)に示されるアミノ酸配列により定義される)により定義され るポリペプチドよりなる群から選択されるポリペプチドに結合する受容体に結合 しうる分子の存在を、サンプル中で、検出する方法であって、 i)前記受容体とともに前記ポリペプチドと前記サンプルを接触させる工程、お よび ii)前記サンプル中の受容体結合分子の存在を指標として前記受容体に対する 前記ポリペプチドの結合の競合的阻害を検出する工程からなる検出方法。
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