JP2003525570A - 酵母において所望のポリペプチドを産生する方法 - Google Patents

酵母において所望のポリペプチドを産生する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、酵母において所望のポリペプチドを産生するための方法を記載する。前記の所望の生成物は、一塩基性プロセシング部位によって結びついた、リーダー連結ポリペプチドとして発現する。前記の所望の生成物は、酵素的開裂によって、in vivo又はin vitroのどちらかにおいて、前記リーダーから開裂する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は一塩基性プロテアーゼプロセシング部位を含む、融合ポリペプチドを
発現することによって、酵母において所望のポリペプチドを産生する方法に関す
る。 発明の背景 酵母生物は、細胞内で合成されるが、細胞の外側における機能を有する多くの
タンパク質を提供する。これらの細胞外タンパク質は、分泌タンパク質として言
及される。初めに、前記分泌タンパク質は、発現した生成物の(細胞の分泌経路
への)小胞体(ER)の膜を通過しての効果的な方向づけを確実にするプレペプ
チド配列を含む前駆体又はプレタンパク質の形態において、細胞の内側で発現す
る。通常シグナルペプチドとして言及されるプレ配列は、一般に輸送の間、所望
の生成物から除去される。一旦分泌経路に入り込むと、前記タンパク質はゴルジ
体に輸送される。ゴルジ体から、細胞膜、リソソーム及び分泌小胞に前記タンパ
ク質は分配される。
【0002】 酵母にとって異種のタンパク質の、酵母における発現及び分泌のために、いく
つかのアプローチが示唆されてきた。欧州特許公開第116201号は、所望の
タンパク質、リーダー配列及びプロセシングシグナルをコードするDNAを宿す
発現ベクターによって形質転換した酵母宿主によって、酵母にとって異種のタン
パク質が発現し、プロセシングされ、そして分泌される方法、形質転換した生物
の培養物の調製、培養物の増殖、及び培養培地からの前記タンパク質の回収、酵
母のα因子のリーダー配列であるリーダー配列を記載している。
【0003】 サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevi
siae)のMFα1(α因子)は、19アミノ酸のシグナル又はプレペプチド
に続いて64アミノ酸の“リーダー”又はプロペプチドを含んで成り、3つのN
結合グリコシル化部位に続いて(Lys Arg((Asp/Glu)Ala) 2-3 α因子)4 を含む165アミノ酸のプレプロ型として合成される(Clements
et al., Gene, 106, 1991, pp.267-272)。この刊公物は、KEX2プロセシン
グの向上を目的とするKEX2のある修飾を記載している。
【0004】 プレプロMFα1のシグナルリーダー部分は、S.セレビシアエにおける異種
タンパク質の合成及び分泌を獲得するために広範に使用されてきた。 欧州特許公開第301669号は、リーダー配列、特にα因子のリーダーが、
酵母において発現した異種ポリペプチドの分泌を方向づける方法を記載している
。欧州特許第324274号は、グリコシル化したα因子のリーダー配列の端を
切除することによる、異種のポリペプチドの発現及び分泌の効率の向上を開示し
ている。
【0005】 前記分泌タンパク質は、2つの連続的な塩基性アミノ酸残基のC末端において
ペプチド結合を開裂する、タンパク質分解的プロセシング系にさらすために輸送
される。この酵素的な働きは、S.セレビシアエにおいてKEX2遺伝子にコー
ドされる(Julius, D.A. et al., GENE, 37, 1884b, pp.1075 )。KEX2プロ
テアーゼによる前記生成物のプロセシングは、活性のあるS.セレビシアエの接
合因子α1(MFα1又はα因子)の分泌のために必要であり、一方KEX2は
S.セレビシアエの接合因子aの分泌には関与していない。
【0006】 国際公開第90/10075号及び第95/35384号は、KEX2部位の
周辺の修飾を記載している。更に、国際公開第95/34666号、第92/1
1378号及び第90/13653号は、KEX2の使用が実用的ではない状態
において、FXa と称されるアミノ酸Ile−Glu−Gly−Argを含んで
成る、第2のプロセシング部位を利用する選択を記載している。
【0007】 Applied Microbiological Biotechnology 35 (1991) 771-776 において、Seeb
oth 等は酵母におけるαリーダー連結ポリペプチドが、in vitroで、可
溶性KEX2によってプロセシングされる機構を記載し、ここでKEX2はKE
X2遺伝子を修飾することによって可溶性にされ、そしてそれによってin v
itroでの部位特異的プロセシングを増大する方法を提示している。GENE, 17
0 (1996) 107-112において、Kjeldsen等は、二塩基性KEX2部位が続き、前記
ポリペプチド前駆体のN末端伸長を創作するスペーサーペプチドの挿入が、KE
X2プロセシング及びそれによる前記ポリペプチド前駆体の収率の向上を大変容
易にすることを記載している。
【0008】 上述の方法で認識される問題は、分泌のレベルが低すぎるかもしれないこと、
あるいはタンパク質分解的プロセシングが、所望の生成物の収率が低い、不正確
又は不完全なものであるかもしれないことである。 本発明の目的は、所望のポリペプチドの高収率を確実にする酵母の発現方法を
提供することである。 発明の要約 この発明は、KEX2プロセシング部位を含まない、リーダー連結ポリペプチ
ドの発現及び分泌による、酵母における所望のポリペプチドを産生するための方
法に関する。前記のリーダー連結ポリペプチドは、一塩基性のプロセシング部位
によって連結した天然のα因子リーダーペプチド及び所望のポリペプチド、並び
に可能な限りスペーサーペプチドを含んで成る。
【0009】 更に具体的に、本発明は以下の式 SP−LP−Xn −PS− *ポリペプチド* (ここでSPはシグナルペプチドであり; LPは天然のα因子のリーダーペプチド又は天然のα因子のリーダーペプチド
に少なくとも85%相同であるリーダーペプチドであり; PSは一塩基性プロセシング部位、Lys又はArgであり; Xはn個のアミノ酸を含むスペーサーペプチドであり; nは0又は1〜10の整数であり;そして *ポリペプチド* は所望のポリペプチドであり; 但し、スペーサーペプチドXはIle−Glu−Gly,Leu−Pro,L
ys−Lys−Leu−Ile−Asp,Ile−Asp又はPro−Gly−
Asp−Proではなく、そして更に、スペーサーペプチドXはKEX2開裂部
位を含まず、あるいはPS又はLPと一緒にKEX2開裂部位を構成せず、そし
てnが0である場合、リーダーペプチドのC末端はLys,Arg,Ile−G
lu−Gly,Leu−Pro,Lys−Lys−Leu−Ile−Asp,I
le−Asp又はPro−Gly−Asp−Proではなく、その結果、リーダ
ーと連結した所望のポリペプチドは、in vivoでの細胞膜を通る移動の間
か又はin vitroでの培養培地への分泌の後かのどちらかで、プロセシン
グ部位PSにおいて開裂し、その結果、所望のポリペプチドが単離される)を有
する配列を、発現することが可能な発現ベクターを含む酵母の菌株を、適当な培
養培地中で培養することによって、酵母において所望のポリペプチドを産生する
方法に関する。
【0010】 本発明はまた、上記のリーダー連結ポリペプチドをコードするDNA配列、そ
の様なDNA配列を含む発現ベクター及びその様なベクターで形質転換した酵母
の菌株に関する。 発明の詳細な説明 本発明において使用されるリーダーペプチド(LP)は、好ましくはMFα1
(1〜83)(配列番号1)のプロペプチドである、天然のα因子のリーダーペ
プチドである。MFα1(1〜83)において、残基1〜19はいわゆるプレ配
列又はシグナルペプチドを形成し、そして残基20〜83はいわゆるプロ配列又
はリーダーペプチドを形成する。
【0011】 前記の天然のα因子のリーダーペプチドは、よく知られた技術によってわずか
に修飾されることがあり、これによっていくつかのアミノ酸残基を欠失し、又は
他のアミノ酸残基と置換される。この様に、プロセシング部位PSでのプロセシ
ングを向上するために、2〜5のアミノ酸残が他のアミノ酸残基で置換されるC
末端の端で、前記リーダーは修飾されることがある。好ましくは、前記の修飾し
たリーダー配列はアミノ酸組成を基にした天然のα因子リーダーペプチドに対し
て、85%以上の相同性及び更に好ましくは90%以上の相同性があるであろう
【0012】 好ましい態様において、前記のα因子リーダーペプチドのC末端の端における
、終わりの2つのアミノ酸残基は、Met−Alaで置換される。 本発明において使用されるシグナルペプチドは、分泌経路に入った際に、発現
したポリペプチドの安全な及び効果的な方向づけを確実にするあらゆるポリペプ
チドであることができる。“シグナルペプチド”の語は、発現したポリペプチド
を、小胞体の膜を通して安全に方向づける機能を有するプレペプチド配列として
理解されなければならず、ここで前記シグナルペプチドは輸送の間に除去される
。前記シグナルペプチドは、酵母にとって同種であることがあり、又はそれは酵
母にとって異種であることがある。それは天然の又は合成のシグナルペプチドで
あることがある。前記シグナルペプチドは前記リーダー配列のN末端に位置し、
そして天然では支配的に疎水性である。好ましくは、SPはα因子のシグナル配
列をコードするDNA配列である。適当な他のシグナルペプチドは、酵母のアス
パラギン酸プロテアーゼ3のシグナルペプチド、マウスの唾液腺アミラーゼのシ
グナルペプチド、カルボキシペプチダーゼのシグナルペプチド及び酵母のBAR シグナルペプチドである。
【0013】 本発明に従う、プロセシング部位PSにおけるリーダー連結ポリペプチドの開
裂は、一塩基性プロセシング部位(Lys,Arg)に特異的なプロテアーゼに
よって行われる。その様なプロテアーゼの例はアクロモバクター・リチカス(A
chromobacter lyticus)のプロテアーゼI、エンテロキナ
ーゼ、及びフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporu
m)のトリプシン様プロテアーゼである。好ましいプロテアーゼは酵母のアスパ
ラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)である。
【0014】 前記リーダーペプチドからのリーダー連結ポリペプチドの開裂を、リーダー連
結ポリペプチドの分泌の後にin vitroで行うことができる。前記開裂を
培養培地への適当なプロテアーゼの添加によって行い、続いて所望のポリペプチ
ドの単離を行うことができる。代わりとして、前記のリーダー連結ポリペプチド
を、培養培地から単離し、そして単離の後開裂することができる。
【0015】 あるいは、前記開裂を一塩基性プロテアーゼ部位PSに特異的なプロテアーゼ
の共発現によってin vivoで行う。 前記の所望のポリペプチドは酵母細胞において発現することが可能なペプチド
のいずれかであることができ、そしてアプロチニン、組織因子系凝固インヒビタ
ー又は他のプロテアーゼインヒビター、インスリン様増殖因子I又はII、ヒト又
はウシの成長ホルモン、インターロイキン、組織プラスミノーゲンアクチベータ
ー、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1、VII 因子、VIII因子、XIII因子、血
小板由来増殖因子及び工業用酵素、並びにそれらのあらゆる機能的類似体から成
る群から選択されることがある。好ましくは、前記ポリペプチドはインスリン、
インスリン類似体、インスリン及びインスリン類似体の前駆体、インスリン様増
殖因子、又はそれらの機能的な類似体である。
【0016】 前記ポリペプチドはまた、プログルカゴンファミリー、例えばGLP−1(7
〜37)及びGLP−1(7〜36)の様な端を切り取った形態又はGLP1* の様な、その機能的類似体を含む、グルカゴンGLP−1、GLP−2及びGR
PPの、より小さいヒトのペプチドであることができる。 “機能的類似体”の語は、天然のポリペプチドに対して機能的に等しいが、天
然のポリペプチドと比較して修飾を有するポリペプチドを示す。
【0017】 前記の機能的類似体は、欠失され、短かくされ、置換され、又は挿入された1
又は複数のアミノ酸を有することによって、天然のポリペプチドと異なることが
ある。アミノ酸は前記配列内で、若しくはC末端の端において、若しくはN末端
の端において、又は両端において、あるいは上記の全ての部位において欠失され
、短かくされ、置換され、又は挿入されることがある。
【0018】 インスリン前駆体の例はB(1〜29)−Ala−Ala−Lys−A(1〜
21)の構造を有するMI3であり、ここでB(1〜29)は位置B(30)に
おけるアミノ酸残基を欠くヒトインスリンのB鎖であり、A(1〜21)はヒト
インスリンのA鎖である。 前記スペーサーペプチドXの機能は、プロセシング部位PSにおける、所望の
ポリペプチドからのリーダーの開裂を最適化することである。リーダーペプチド
(LP)もスペーサーペプチド(X)もまたKEX2プロセシングを含まないこ
とが重要である。理論によって連結され無ければ、リーダーペプチド又はスペー
サーペプチドにおけるKEX2部位の存在が、分泌経路における早まった開裂の
ために分泌生成物の収率を減少させるであろうことが信じられている。
【0019】 前記のスペーサー配列Xは、それがKEX2部位を含まず、あるいは一塩基性
プロセシング部位PS又はリーダーペプチドLPと一緒にKEX2部位を形成し
ない、最大10アミノ酸残基(n=10)の長さを有するポリペプチド配列のい
ずれかであることができる。Xは、好ましくは7(n=7)及び更に好ましくは
2(n=2)のアミノ酸残基を含むだろう。好ましい態様においてXはLys−
Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−Ala又はLys−Gluである。
【0020】 別の好ましい態様において、nは0であり、これはリーダー(LP)及び一塩
基性プロセシング部位(PS)の間にスペーサー配列が無いことを意味している
。その場合において、前記リーダーペプチドのC末端の端はKEX2部位又はK
EX2様部位を構成してはならず、PSと一緒に、前記のC末端のアミノ酸残基
もまたKEX2部位を形成してはならない。
【0021】 本方法において使用される酵母細胞は、サッカロミセス・ウバエ(Sacch
aromyces uvae)、サッカロミセス・クルイベリ(Sacchar
omyces kluyveri)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schiz
o Saccharomyces pombe)、サッカロミセス・ウバラム(
Saccharomyces uvarum)、クルイベロミセス・ラクチス(
Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(H
ansenula polymorpha)、ピキア・パストリス(Pichi
a pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia methano
lica)、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)、ヤロビ
ア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、カンジダ(Ca
ndida)種、カンジダ・ウチリス(Candida utilis)、カン
ジダ・カカオイ(Candida cacaoi)、ゲオトリチュム(Geot
richum)種及びゲオトリチュム・ファーメンタンス(Geotrichu
m fermentans)から成る群から選択されることがある。好ましい酵
母の菌株はサッカロミセス・セレビシアエである。
【0022】 前記の酵母細胞は、一塩基性のプロセシング部位に特異的なプロテアーゼをコ
ードする遺伝子で形質転換されることがあり、それによってプロテアーゼ及び所
望のポリペプチドの共発現を獲得することができる。 本発明に従って、従来の分子生物学、微生物学、及び当業者の技量の範囲内に
ある、、組換えDNA技術を適用することができる。その様な技術は、文献にお
いて十分に説明されている。例えばSambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular
Cloning : A Laboratory Manual, Second Edition (1989) Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照せよ。前記DNAコン
ストラクトを、確立された標準的な方法、例えばS.L.Beaucage及びM.H.Caruther
s の、Tetrahedron Letters 22, 1981, pp.1859-1869に記載のホスホアミダイト
法、又はMatthes 等の、EMBO Journal 3, 1984, pp.801-805に記載の方法によっ
て合成的に調製することができる。前記ホスホアミダイト法に従い、合成DNA
コンストラクトを形成するために例えば、自動DNA合成装置においてオリゴヌ
クレオチドは合成され、精製され、二本鎖にされ、そして結合される。DNAコ
ンストラクトを調製する、近年好まれる方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)によってであり、例えばSambrook等の Molecular Cloning : A Laboratory Ma nual , Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載されている。
【0023】 直鎖化又は環状化することができる発現ベクターは、その転写を提供する付加
的な部分に、作用可能に連結している所望のポリペプチドをコードするDNA配
列を含んで成るだろう。その様な付加的な部分は、プロモーター及びターミネー
ター配列、並びに任意に1又は複数の複製起点、1又は複数の選択マーカー、エ
ンハンサー、ポリアデニル化シグナルなどを含むことがある。
【0024】 適当な酵母のプロモーターは、MFα1プロモーター、ガラクトース誘導プロ
モーター、例えばGAL1、GAL7及びGAL10プロモーター、TPI及び
PGKプロモーターを含む解糖系酵素プロモーター、PHO5プロモーター、A
DH1プロモーター、並びにHSPプロモーターである。酵母宿主細胞のために
有用な他のプロモーターは、Romanos 等の、1992, Yeast 8 : 423-488 に記載さ
れている。
【0025】 前記の発現ベクターはまた、所望のポリペプチドをコードする核酸配列の3’
末端に作用可能に連結したターミネーターを典型的に含むだろう。前記酵母細胞
において機能的なターミネーターのいずれかを、本発明において使用することが
できる。 好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエのエノラーゼ、サ
ッカロミセス・セレビシアエのシトクロムC(CYC1)、又はサッカロミセス
・セレビシアエのグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、トリオー
スリン酸イソメラーゼ及び接合因子MFα1をコードする遺伝子、あるいはS.
クルイベリ由来の解糖系及び呼吸の遺伝子由来であろう。酵母宿主細胞のために
有用な他のターミネーターは、Romanos 等の1992, Supra に記載されている。
【0026】 前記ベクターは、形質転換細胞の選択を容易にする、1又は複数の選択マーカ
ーを好ましくは含むだろう。選択マーカーは、殺生物性又はウィルス耐性、重金
属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養性などを提供する生成物の遺伝子で
ある。酵母宿主細胞にとって適当なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2
、LYS2、MET3、TRP1、URA3、TPI1、PGK及びKANE.C. 遺伝子によるジェネティシンG418R である。
【0027】 自律的複製のために、前記ベクターは更に、酵母宿主において、ベクターが自
律的に複製することを可能にする、複製起点を含んで成る。酵母宿主細胞におけ
る使用のための複製起点の例は、2マイクロン複製起点、CEN6及びARS4
の組合わせ、並びにCEN3及びARS1の組合わせである。前記複製起点は、
宿主細胞において温度感受性に作用する変異を有するものであることがある(例
えば、Ehrlich, 1978, Proceeding of the National Academy of Science USA 1
75 : 1433 を参照)。
【0028】 好ましい酵母の発現ベクターは、シゾサッカロミセス・ポンベのトリオースリ
ン酸イソメラーゼ(POT)遺伝子の存在を特徴とするプラスミドである。PO
T遺伝子は、形質転換細胞の選別に使用され、そしてまた、トリオースリン酸イ
ソメラーゼ(TPI)ネガティブサッカロミセス・セレビシアエ菌株におけるプ
ラスミドの維持を確実にするであろう。上述の構成成分を本発明の組換え発現ベ
クターのコンストラクトに連結するために使用される方法は、当業者に公知であ
る(例えばSambrook等の、1989, Supra を参照)。
【0029】 前記の酵母の菌株を、Becker及びGuarente, In Abelson, J.N.及びSimon, M.I
., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in En
zymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York ; Ito等
の、1983, Journal of Bacteriology 153 : 163 ; 並びにHinnen等の、1978, Pr
oceedings of the National Academy of Sciences USA 75 : 1920 に記載の方法
を用いて形質転換することができる。
【0030】 次に、形質転換された細胞は、所望の生成物の発現及び分泌を可能にするため
に、ここで開示した教示を考慮して、十分な時間及び、当業者に知られた適当な
条件下培養される。 前記生成物は、当業界で公知の方法によって単離され、そして精製される。分
泌され、そして単離された生成物が活性ポリペプチドの前駆体、例えばインスリ
ン前駆体ならば、前記前駆体は酵素的変換などの知られた手段によって活性ポリ
ペプチドに変換される。
【0031】 IUPAC−IUBの生化学命名委員会によって承認された規則、vide Colle
cted Tentative Rules & Recommendations of the Commission on Biochemical
Nomenclature IUPAC-IUB, 2nd ed., Maryland, 1975に従い、本明細書及び請求
項を通じて、アミノ酸の1文字及び3文字表記を使用する。 更に、本発明を以下の例によって例示する; 例1: S.セレビシアエにおけるリーダー/生成物融合体のクローニング及び生成 本研究において、エピソームに由来するPOT型の、酵母の発現プラスミド(
Thim等の、PNAS 83, 1986, pp.6766-6770 ; Kjeldsen等の、Gene 170, 1996, pp
.107-112 ; PCT No. 95/00250 及びPCT No. 97/00298)を使用した。
【0032】 図1はpMT742(Egel-Mitani 等の、Gene, 73, 1988, pp.113-120)と称
される、酵母のプラスミドの例を示す。本プラスミドは、S.セレビシアエのT
PI遺伝子の、転写プロモーター及び転写ターミネーターの間の、プラスミドに
挿入したEcoRI−XbaIフラグメントを含んで成る発現カセットを含む。 プラスミドpMT742において、EcoRI−XbaIフラグメントはMF
α1プレプロリーダー、二塩基性プロセシングエンドペプチドダーゼKEX2の
ためのLys−Arg開裂部位、及び一本鎖ミニインスリン前駆体MI3から成
る融合生成物をコードする。
【0033】 様々なリーダー/生成物融合体をコードするプラスミド(表1参照)を構築す
るために、EcoRI及びXbaI部位の間に修飾を導入し、これは適当なオリ
ゴヌクレオチドを用いるPCR又は重復PCRの技術、続いてPCT特許出願第
95/00250号に概説された、標準的な分子的方法(例えばSambrook, J.,
Fritsch, E.F. 及びManiatis, T., Molecular Cloning : A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbour Laboratory Press, New York, 1989 )による。
【0034】 表1はリーダー/生成物融合体の異なるプラスミドコンストラクトを示す。
【0035】
【表1】
【0036】 表1において、MFα1(1〜83)はS.セレビシアエ由来の接合因子α1
前駆体のリーダーペプチドを構成する最初の83アミノ酸である。残基1〜19
は、いわゆるプレ配列(シグナルペプチド)を形成し、そして残基20〜83は
いわゆるプロ配列(リーダーペプチド)を形成する。 MFα1(1〜83)(配列番号1)は、Met−Arg−Phe−Pro−
Ser−Ile−Phe−Thr−Ala−Val−Leu−Phe−Ala−
Ala−Ser−Ser−Ala−Leu−Ala−Ala−Pro−Val−
Asn−Thr−Thr−Thr−Glu−Asp−Glu−Thr−Ala−
Gln−Ile−Pro−Ala−Glu−Ala−Val−Ile−Gly−
Tyr−Ser−Asp−Leu−Glu−Gly−Asp−Phe−Asp−
Val−Ala−Val−Leu−Pro−Phe−Ser−Asn−Ser−
Thr−Asn−Asn−Gly−Leu−Leu−Phe−Ile−Asn−
Thr−Thr−Ile−Ala−Ser−Ile−Ala−Ala−Lys−
Glu−Glu−Gly−Val−Ser−Leu−Aspのアミノ酸配列を有
する。
【0037】 MFα1(1〜81)のMAは、最後の2残基(Leu−Asp)かMet−
Alaで置換されたMFα1(1〜83)である。 MI3は30番目のアミノ酸残基(B30)を欠き、そしてヒトインスリンの
B29−LysとA1−GlyをつなぐAla−Ala−Lys架橋を有するヒ
トインスリン前駆体である。
【0038】 MI3(配列番号2)は、Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu
−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu
−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe
−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Ala−Ala−Lys−Gly
−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile
−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr
−Cys−Asnのアミノ酸配列を有する。
【0039】 GLP−1* は余分なC末端リジン残基、並びに26及び34位におけるリジ
ンからアルギニンへの置換を有する、ヒトグルカゴン様ペプチドGLP−1(7
〜37)である。 GLP−1* (配列番号3)は、His−Ala−Glu−Gly−Thr−
Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−
Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Arg−Glu−Phe−Ile−
Ala−Trp−Leu−Val−Arg−Gly−Arg−Gly−Lysの
アミノ酸配列を有する。
【0040】 真性YAP3、又はC末端を切除したYAP3対応物YAP3Δ18を共発現す
るプラスミドの構築のために、特定のDNAコンストラクトを含むDNA断片を
、POT遺伝子の3’末端におけるSalIに挿入した(図1参照)。 前記の真性YAP3の遺伝子は、pME768(Egel-Mitani 等の、Yeast, 6
, 1990, pp.127-137)由来であり、そして0.6kbの転写プロモーター配列、及
び0.3kbの転写ターミネーター配列を含んでいる。
【0041】 前記YAP3Δ18遺伝子コンストラクトは、YAP3のコード領域が、C末端
をコードする部分において切除されたpME927に由来した(Egel-Mitani 等
の、1990、前記引用文と同じ)。前記の切除は、終わりの18アミノ酸を欠失さ
せ、これは2つの余分なアミノ酸コドン(Pro−Ile)、及びUAG翻訳終
結シグナルによって置換される。YAP3遺伝子コンストラクトの様に、YAP
3Δ18遺伝子コンストラクトは、標準の0.6kbのYAP3遺伝子転写プロモー
ター配列を含むが、MFα1遺伝子由来の、0.3kb転写ターミネーター配列を
有する。
【0042】 前記発現プラスミドを、アンピシリン存在下で生育した、E.コリにおいて増
殖し、そして標準的な技術(Sambrook等の、1989、前記引用文と同じ)を用いて
単離した。前記のプラスミドDNAを、適当な制限エンドヌクレアーゼ(例えば
EcoRI、XbaI及びSalI)によって挿入を確かめ、そして正しいリー
ダー/生成物融合体コンストラクトをコードしていることを、ジクエンス解析に
よって示した。
【0043】 前記プラスミドDNAを、それぞれPCT出願第95/00250号及び第9
7/00298号に記載の、S.セレビシアエの菌株MT663(MATa/M
ATαpep4−3/pep4−3 HIS4/his4 Δtpi::LEU
2/Δtpi::LEU2)又はME1487(MATαΔyap3::URA
3pep4−3 Δtpi::LEU leu2 Δura3)にトランスフォ
ーメーションした。
【0044】 酵母形質転換体を、YDP(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%グルコース
)寒天(2%)プレート上で、炭素源としてのグルコースを利用することによっ
て選択した。ALP消化による分泌生成物の定量及びHPLC 形質転換体を、5mlのYPD液体培地中、30℃で3日間、200rpm で震盪
することで培養した。培養上清を、2500rpm の遠心の後に回収し、そして以
下の方法において分泌生成物を解析した: 各培養のために、一方の試料の630μlの上清を、70μlの1MTris
緩衝液、pH8.75と混合し、そしてこれに100μg/mlのLys−Xaaの
特異的アクロモバクター・リチカスプロテアーゼI(ALP)を添加した。
【0045】 別の試料(B)の630μlの上清を、70μlの1Mトリス緩衝液、pH8.
75と混合し、そしてALPは混合しなかった。両方の試料を37℃で2時間イ
ンキュベートし、そして続けてHPLCによって解析した。 前記のB試料(ALP無し)を解析することで、リーダーの連結無しの、分泌
され、そしてプロセシングされた生成物ポリペプチド(表2のMI3及び表3の
GLP−1* )の収量を定量出来た。
【0046】 ALPで消化したA試料を解析することによって、分泌され、そしてプロセシ
ングされなかったプロプレリーダー/生成物融合体(表2のMI3及び表3のL
−GLP−1* )の収量を決定出来た。ALPは、B29のリジン残基及びそれ
に連結しているAla−Ala−Lys架橋の間を開裂する。更にALPは、プ
ロセシングされないリーダー/MI3融合体を、前記リーダー及びMI3に分離
するリジン残基において、それが存在するならば開裂する。この様に、プロセシ
ングされたMI3及びプロセシングされなかったMI3の全収量を、A試料中の
desB30インスリンの量として測定できる。プロセシングされなかった(リ
ーダーが連結した)MI3の収量を、ALP処理した生成物の全収量から(B試
料から得た)リーダー無しの生成物の収量を引くことによって、間接的に測定で
きる。
【0047】 分泌したリーダー連結ポリペプチドの収量は、前記試料のHPLC解析によっ
て定量出来なかった。これは、プロリーダー部分の、高いグリコシル化(過グリ
コシル化)量によるものであった。 しかしながら、MI3に関連した生成物の対照プラスミド、pMT742の場
合、A試料中のプロセシングされなかったプロリーダー/MI3融合体の収量を
、B鎖において余分なN末端アルギニン残基を有するdesB30(“B0Ar
g−desB30”)の量を定量することによって、直接決定した。B0Arg
−desB30インスリンは、プロセシングされなかったKEX2のプロセシン
グ部位におけるLys及びArgの間の開裂から生じる。
【0048】 表2は、MT663において、MI3に関連のプラスミドコンストラクトによ
り得られた相対的収量を示す。前記の酵母の菌株MT663は、WO92/11
378のファイルに関連する、Deutche Sammlung von Mikroorganism und Zellk
ulturen に寄託され、そして寄託番号DSM6278を与えられた。この特定の
酵母の菌株は、プラスミドコンストラクトの発現において、及び続くポリペプチ
ドの分泌において、極めて適当であり、そして好結果であることが証明された。
【0049】
【表2】
【0050】 前記の発酵収量は、pMT742により得られたMI3の収量に対するもので
ある。MI3の収量を、未処理の上清中のMI3を測定することによって決定し
た。全収量を、pMT742由来の上清のALP処理から得られてた、desB
30インスリンの量に対する、ALPで処理した上清中のdesB30インスリ
ンの収量として測定した。リーダー連結MI3(L−MI3)の収量を、全収量
からMI3の収量を引くことによって計算した。
【0051】 a:pMT742の場合、pMT742由来の上清のALP処理から得られた
、desB30インスリン収量に対する、B0(Arg)−desB30として
L−MI3を測定し、そして全収量を、これらの数字の合計として計算した。 表2における結果は、本発明に従う開裂部位を有し、そして共発現したプロテ
アーゼの無いコンストラクト(すなわちpJB162、pJB160及びpIM
172)は、pMt742より多くのMI3関連生成物を提供することを示す(
すなわち、それぞれ165%、125%及び150%)。更に、リーダー連結M
I3(リーダー連結Arg−desB30を除く)が、ALP消化によってde
sB30インスリンに変換することができるので、従ってヒトインスリンの生成
にすぐにでも使用されるdesB30インスリンの収量は、pMT742コンス
トラクトより、これらのコンストラクトの方がより高い(290%、220%及
び265%)。これはまた、表2において記した他のコンストラクトにとっても
真実である(すなわち“合計”=desB30量)。
【0052】 更に、YAP3Δ18を共発現するpIM37及びpIM256の両者は、in vivoでpMT742より更にプロセシングされたMI3を提供する(それ
ぞれ140%及び170%)。MI3は精製に直ちに使用可能であり、一方、過
グリコシル化された、プロセシングされなかったプロリーダー/MI3融合体生
成物はそうではない。
【0053】
【表3】
【0054】 前記発酵収量はpKV231で得たGLP−1* の収量に対するものである。
GLP−1* の収量を、未処理の上清中のGLP−1* を測定することによって
決定した。(プロ)リーダー連結GLP−1* (L−GLP−1* )を、ALP
処理した上清中のGLP−1* の収量から、未処理の上清中のGLP−1* の収
量を引くことによって計算した。
【0055】 GLP−1* 関連生成物の対照プラスミド、pKV231の場合、余分なN末
端アルギニンを有するGLP−1* を、ALPで消化したA試料中に検出出来な
かったので、プロセシングされなかったプロリーダー/GLP−1* 融合体は存
在しなかった(表3)。pKV248の例において、プロセシングされたGLP
−1* をB試料中で検出しなかったが、一方、GLP−1* の量は、ALPで消
化したA試料中、pKV231で得たそれの375%であることが明らかとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は酵母の発現プラスミドpMT742の略図である。このプラスミドはM
Fα1プレプロ(1〜85)−MI3の発現のための遺伝子を含む。 以下の記号を使用する: Sc TPIプロモーター:サッカロミセス・セレビシアエ(Sc)由来のトリ
オースリン酸イソメラーゼ(TPI)遺伝子のプロモーター配列。 Sc TPI term.:Sc由来のTPI遺伝子のターミネーター配列。 POT遺伝子:シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharom
yces pombe)由来のTPI遺伝子。 POT:S.ポンベ由来のTPIをコードする配列。 E.Coliのプラスミド:プラスミドpBR322及びpUC13の複製起点
に由来する配列。 AMP−R:β−ラクタマーゼをコードする配列(アンピシリン耐性マーカー)
。 酵母の2μプラスミド:Sc2μプラスミドの複製起点を含むSc2μプラスミ
ド由来の配列。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月8日(2001.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】 GLP−1* 関連生成物の対照プラスミド、pKV231の場合、余分なN末
端アルギニンを有するGLP−1* を、ALPで消化したA試料中に検出出来な
かったので、プロセシングされなかったプロリーダー/GLP−1* 融合体は存
在しなかった(表3)。pKV248の例において、プロセシングされたGLP
−1* をB試料中で検出しなかったが、一方、GLP−1* の量は、ALPで消
化したA試料中、pKV231で得たそれの375%であることが明らかとなっ
た。 配列表 (1) 一般情報: (i) 出願人: (A) 氏名又は名称: ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (B) 通り: ノボ アレ (C) 都市: バグスバエルト (E) 国: デンマーク国 (F) 郵便番号: 2880 (ii) 発明の名称: ポリペプチドを産生する方法 (iii) 配列の総数: 3 (2) 配列番号1の情報: (i) 配列の特徴: (A) 配列の長さ: 83アミノ酸 (B) 配列の型: アミノ酸 (C) 鎖の型: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 分子の型: タンパク質 (xi) 配列番号1の記述:
【表1】 (2) 配列番号2の情報: (i) 配列の特徴: (A) 配列の長さ: 53アミノ酸 (B) 配列の型: アミノ酸 (C) 鎖の型: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 分子の型: タンパク質 (xi) 配列番号2の記述:
【表2】 (2) 配列番号3の情報: (i) 配列の特徴: (A) 配列の長さ: 32アミノ酸 (B) 配列の型: アミノ酸 (C) 鎖の型: 一本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (ii) 分子の型: タンパク質 (xi) 配列番号3の記述:
【表3】 (訂正理由1) 国際出願の明細書(英文)、第17ページから第18ページに記載の配列表が
、明細書の翻訳文に含まれていなかったので、前記配列表の翻訳文を追加した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バー,クヌーズ デンマーク国,デーコー−2720 バンレー セ,ホイヨーネバイ 22 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA02 BA14 BA80 DA12 EA04 GA11 GA19 HA01 4B064 AG01 AG16 CA06 CA19 CC24 DA01 DA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式 SP−LP−Xn −PS− *ポリペプチド* (ここでSPはシグナルペプチドであり; LPは天然のα因子のリーダーペプチド又は天然のα因子のリーダーペプチド
    に少なくとも85%相同であるリーダーペプチドであり; PSは一塩基性プロセシング部位、Lys又はArgであり; Xはn個のアミノ酸を含むスペーサーペプチドであり; nは0又は1〜10の整数であり;そして *ポリペプチド* は所望のポリペプチドであり; 但し、スペーサーペプチドXはIle−Glu−Gly,Leu−Pro,L
    ys−Lys−Leu−Ile−Asp,Ile−Asp又はPro−Gly−
    Asp−Proではなく、そして更に、スペーサーペプチドXはKEX2開裂部
    位を含まず、あるいはPS又はLPと一緒にKEX2開裂部位を構成せず、そし
    てnが0である場合、リーダーペプチドのC末端はLys,Arg,Ile−G
    lu−Gly,Leu−Pro,Lys−Lys−Leu−Ile−Asp,I
    le−Asp又はPro−Gly−Asp−Proではなく、その結果、リーダ
    ーと連結した所望のポリペプチドは、in vivoでの細胞膜を通る移動の間
    か又はin vitroでの培養培地への分泌の後かのどちらかで、プロセシン
    グ部位PSにおいて開裂し、その結果、所望のポリペプチドが単離される)を有
    する配列を、発現することが可能な発現ベクターを含む酵母の菌株を、適当な培
    養培地中で培養することによって、酵母において所望のポリペプチドを産生する
    方法。
  2. 【請求項2】 SPが酵母にとって同種のシグナルペプチドである、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 SPがα因子のシグナルペプチド、酵母のアスパラギン酸プ
    ロテアーゼ3のシグナルペプチド、マウスの唾液腺アミラーゼのシグナルペプチ
    ド、カルボキシペプチダーゼのシグナルペプチド、又は酵母のBAR1のシグナ
    ルペプチドである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 PSがLysである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 XがLys−Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−A
    la又はLys−Gluである、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 nが1〜3の整数である、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 nが0である、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記の酵母の菌株が一塩基性プロセシング部位に特異的であ
    るプロテアーゼをコードするDNA配列を含み、前記プロテアーゼが、リーダー
    連結ポリペプチドと共発現し、そしてプロセシング部位PSにおいて、前記リー
    ダー連結ポリペプチドを開裂する、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記の共発現したプロテアーゼがトリプシン、アクロモバク
    ター・リチカス(Achromobacter lyticus)のプロテアー
    ゼI、エンテロキナーゼ、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium o
    xysporum)のトリプシン様プロテアーゼ又はYAP3である、請求項8
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記プロテアーゼがYAP3又はその類似体、例えばYA
    P3Δ18である、請求項9に記載の方法。
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