JP2004514450A - 酵母における異種ポリペチドの産生 - Google Patents

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Abstract

酵母において大量のタンパク質またはポリペプチドを産生するための方法を開示する。本方法は、CIT1酵母プロモーターまたはその機能的部分もしくは変異形を利用する。高収量で発現されるポリペプチドの例は、インスリンまたはインスリン類似体またはGLP1である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵母において異種ポリペチドまたはその中間体、特に非細菌起源のポリペチドを産生するための方法に関する。また、本発明は、このような方法および形質転換された酵母細胞で使用するための、DNA配列およびベクター構築物に関する。
【0002】
【背景】
酵母は、所望のタンパク質またはポリペチドを産生するために広く使用されている生物である。酵母における外来タンパク質またはポリペチドの発現は、たとえばEP 163,529、US 4,870,008およびUS 5,618,676に開示されている。
【0003】
商業的に応用するには、発現されたポリペチドが高収量であることが重要である。プロモーターおよびいわゆる上流の活性化配列を含む種々の因子の多くは、発現収率に影響を与えるであろう。形質転換された宿主細胞において、天然遺伝子および外来遺伝子の両者の発現のために、宿主生物に対して同種のプロモーターを使用するときに、最高の結果が達成されることが一般に認められる。したがって、酵母で外来遺伝子を発現するためには、酵母遺伝子に関連したプロモーターが好ましいであろう。酵母で異種タンパク質を発現するために有用ないくつかのプロモーターは、既知である。最も一般的に使用される酵母プロモーターは、PGK、TPI、ADH2、PH05、MFa1およびGAPプロモーターを含む。
【0004】
しかし、改善された効率および大規模で使用するための制御される能力を有し、市販の製品において高レベルの発現収量が可能なさらなるプロモーターは、絶えず必要とされている。
【0005】
【発明の要旨】
本発明は、酵母において異種の非細菌性ポリペチドを発現するための方法であって、酵母CIT1遺伝子またはCIT1プロモーターの機能部分に結合した酵母プロモーターが異種遺伝子の発現のために使用される方法を提供する。
【0006】
その最も広範な側面において、本発明は、酵母において、異種の、非細菌性ポリペチドまたはその中間体を作成するための方法であって、(i)所望のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列を含む酵母株を前記ポリペプチドの発現に適した培養条件下で培養し、ここで、所望のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列は、CIT1酵母プロモーターまたはその機能的部分もしくは変異形の転写制御下にあることと、(ii)所望のポリペプチドまたはその中間体を単離することとを含む方法に関する。
【0007】
本発明のもう一つの側面において、本発明は、非細菌性のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列と、CIT1酵母プロモーターまたはCIT1プロモーターの機能的部分もしくは変異形とを含むポリヌクレオチド構築物に関する。
【0008】
さらなる側面において、本発明は、(a)酵母CIT1プロモーターまたはその機能的部分もしくは変異形と、(b)非細菌性ポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列と、(c)適切なリーダー配列と、および(d)可能な転写ターミネータ配列を適当な読み枠で含むベクター構築物に関する。
【0009】
さらなる側面において、本発明は、ポリヌクレオチド構築物または本発明のベクターで形質転換された酵母細胞に関する。
【0010】
酵母プロモーターCIT1は、酵母クエン酸シンターゼ遺伝子CITの発現に向けられる(Rosenkrantz et al, Curr Genet (1994) 25: 185−195およびRosenkrantz et al Molecular Microbiology (1994) 13 (1), 119−131を参照)。CIT1プロモーター配列は、GenBank受入れ番号Z71616の位置2434から位置3155の配列に相補的な配列に含まれる。
【0011】
本発明のもう一つの態様において、CIT1プロモーター配列は、配列番号:1に含まれ、典型的には配列番号:1のヌクレオチド配列の全部または一部からなるであろう。本発明において使用されるプロモーター配列は、さらに配列番号:1の10〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなっていてもよい。さらなる態様において、プロモーターは、配列番号:1の位置150〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなっていてもよく、なおさらなる態様において、プロモーターは、配列番号:1の位置150〜530のヌクレオチド配列の全部または一部からなっていてもよい。
【0012】
【詳細な記載】
「CIT1」酵母プロモーターは、Rosenkrantz et al, Curr Genet (1994) 25: 185−195) and Rosenkrantz et al, Molecular Microbiology (1994) 13 (1) : 119−131によって開示された天然型または野生型の酵母プロモーター配列を意味する。天然のプロモーター配列の全ての部分が効率的な転写に必要でないことは、当業者に周知である。切除は、N末端の末端またはC末端の末端、またはN末端およびC末端の末端でなされてもよい。さらに、1つまたは複数のヌクレオチドは、プロモーター配列内で削除されることもできる。また、個々のヌクレオチドの小数は、その他のヌクレオチドに変化されてもよい(たとえば適切な制限位置を導入するため)。したがって、この意味で「CIT1プロモーターの機能的部分または変異形」は、転写プロモーター活性が有害な影響を受けない限り、天然のCIT1プロモーター配列のこのような修飾された形態を包含する。プロモーター配列以外の他のすべてが同じであるような同様の構築物と比較して、少なくとも75%の転写プロモーター活性を保持することが好ましいであろう。CIT1プロモーターの機能的部分または変異形は、変化していないプロモーターの65%未満、より典型的には少なくとも70〜95%未満の転写プロモーター活性を有するべきではない。
【0013】
本発明に関して、CIT1プロモーターの変異形は、プロモーター変異形が修飾されていない状態におけるその転写プロモーター活性の少なくとも65%を保持している限り、配列番号:1から1つまたは複数の変異、欠失、置換、付加および/または修飾することによって得られるいずれの配列も含むであろう。
【0014】
CIT1プロモーターの機能的部分または変異形が、その変化していない形態の転写プロモーター活性の少なくとも65%を保持しているどうかは、種々の方法によって、たとえばその発現が簡便な方法で検出可能であるレポーター遺伝子を使用することによって示すことができる。プロモーターおよびその変異形は、当業者に周知な上流活性化配列「UAS」が先行していてもよい。
【0015】
RNAポリメラーゼが転写開始配列に結合し、コード配列をmRNAに転写して転写終結配列で終結し、次いでmRNAがコード配列によってコードされたポリペチドに翻訳されるとき、コード配列は、プロモーターの「転写制御」下にある。
【0016】
「適切な読み枠」とは、個々のポリヌクレオチド配列が、コード配列が酵母に認識されるプロモーターおよびターミネータ配列の転写制御下にあるような方法で使用可能な状態に結合されていることを意味する。
【0017】
「酵母に認識される」プロモーターおよびターミネーター配列とは、酵母内で機能的な調節配列を意味する。
【0018】
「パーセント配列同一性」は、2つのヌクレオチド配列を整列してヌクレオチドとヌクレオチドを比較したときの、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性を意味する。配列アランメントのための方法およびパーセント同一性の測定のための方法は、当業者に周知であり、たとえば、Smith T. F. and Waterman M. S. (1981) Identification of common molecular subsequences. J. Mol. Biol. 147: 195−7を参照。
【0019】
「POT」は、分裂酵母ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子であり、「TPI1」は、S.セレビジア(S. cerevisiae)トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子である。
【0020】
「インスリン前駆体」は、単鎖ポリペチドを意味し、これは、1つまたは複数の引き続いて起こる化学的および/または酵素的プロセスにより2本鎖ヒトインスリンに変換することができる。ヒトインスリンにおいて、単鎖インスリン前駆体は、正しく配置されたジスルフィド架橋(3つ)を含むであろう。
【0021】
「リーダー」は、プレペプチド(シグナルペプチド)およびプロペプチドからなるアミノ酸配列を意味する。
【0022】
「プロペプチド」は、培養培地中に分泌するために、発現したポリペチドが小胞体からゴルジ装置に向けられ、さらに分泌小胞に向けることができる機能があるポリペチド配列を意味する(すなわち、酵母細胞の細胞壁を越えて、または少なくとも細胞膜周辺腔の細胞膜を通過してポリペプチドを移出すること)。プロペプチドは、酵母α−因子プロペプチドであってもよく、US 4,546,082および4,870,008を参照する。あるいは、プロペプチドは、合成プロペプチド、すなわち天然に見出されないプロペプチドであってもよい。適切な合成プロペプチドは、US 5,395,922;5,795,746;5,162,498およびWO 98/32867において開示されたものである。プロペプチドは、好ましくはC末端の末端に、Lys−Arg配列またはその機能的な類似体のいずれかなどのエンドペプチダーゼプロセシング配列を含んでいてもよい。
【0023】
「シグナルペプチド」の用語は、タンパク質の前駆体型のN末端配列として存在するプレペプチドを意味すると理解される。シグナルペプチドの機能は、異種タンパク質を小胞体にトランスロケーションすることを容易にさせることである。シグナルペプチドは、通常このプロセスにおいて切断される。シグナルペプチドは、タンパク質を産生している酵母生物に対して異種または同種であってもよい。本発明のDNA構築物に使用される多くのシグナルペプチドは、酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチドまたは機能的類似体のいずれかを含む(Egel−Mitani et al. (1990) YEAST 6: 127−137) and the a−factor product of the MFa1 gene (Thorner (1981) in The Molecular BiologY of the Yeast Saccharomyces cerevisiae, Strathern et al., eds., pp 143−180, Cold Spring Harbor Laboratory, NY)。
【0024】
本明細書において使用されるものとして、「異種タンパク質またはポリペプチド」は、タンパク質配列の成熟した部分(すなわち、シグナルペプチド、リーダーペプチド、スペーサーペプチドなど)が、宿主細胞のものとは異なった種に由来するのものである。好ましくは、異種タンパク質またはポリペチドは、非細菌性のタンパク質またはポリペチドである。「非細菌性のタンパク質またはポリペプチド」は、細菌細胞に由来するタンパク質またはポリペチドではないことを意味する。
【0025】
一連の態様において、異種ポリペチドは、インスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体である。インスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体は、1つまたは複数の引き続く化学物質および/または酵素法により、インスリンまたはインスリン類似体に転換することができる単鎖ポリペチドである。インスリンは、ヒトインスリンを含むが、これに限定されない。インスリン類似体は、天然のインスリン配列と比べて、Aおよび/またはBアミノ酸鎖において1つまたは複数の変異、置換、欠失および/または付加を有する。好ましくは、インスリン類似体は、1、2または3つのアミノ酸の欠失または置換を含む。「DesB30」または「B(1−29)」は、B30アミノ酸残基を欠いているヒトインスリンB鎖配列を指す。A(1−21)は、天然のヒトインスリンA鎖を指す。「M13」は、B(1−29)が、短いペプチド架橋(AlaAlaLys)を介してA(1−21)に結合された単鎖インスリン前駆体を指す。
【0026】
もう一つの態様において、異種ポリペチドは、GLP−1である。GLP−1のアミノ酸配列は、とりわけSchmidt et al. (Diabetologia 28 704−707 (1985)によって与えられる。GLP−1(7−37)およびその類似体は、近年多くの注目を引きつけている。異種ポリペチドのその他の例は、GLP−2およびグルカゴンであり、両方ともN末端位置にHisまたはTyrを有し、且つ次の位置にSer、Ala、またGlyを有するペプチドであるGRF(成長ホルモン放出因子)ファミリーに属している(Adelhorts K. et al., The Journal of Biological Chemistry (1994) p 6275−6278を参照)。
【0027】
「中間体」は、適切な化学的手段または物理的手段により、所望の最終産物に転換することができるポリペチドまたはタンパク質を意味する。
【0028】
「連結ペプチド」または「C−ペプチド」は、単鎖プレプロインスリン様分子のB−C−Aポリペチド配列の連結部分を意味する。特に、天然のインスリン鎖において、C−ペプチドは、B鎖の位置30とA鎖の位置1を連結する。
【0029】
本発明のポリヌクレオチド配列は、確立された標準的な方法により、合成的に調製されてもよく、たとえば、Beaucage et al. (1981) Tetrahedron Letters 22: 1859−1869によって記載されたホスホアミダイト(phosphoamidite)法、またはMatthes et al. (1984) EMBO Journal 3: 801−805によって記載された方法であってもよい。ホスホアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、たとえば、自動DNA合成装置において精製され、二重鎖にされ、合成DNA構築物の形態にライゲーションされる。
【0030】
現在の好ましいDNA構築物を調製する方法は、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による。
【0031】
また、本発明のポリヌクレオチド配列は、ゲノム、cDNAおよび合成起源の混合物であってもよい。たとえば、リーダーペプチドをコードするゲノムまたはcDNA配列は、AおよびB鎖をコードしているゲノムまたはcDNA配列に結合されてもよく、その後、DNA配列は、周知の手順に従って所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入することによって部位を修飾されてもよく、または好ましくは、適切なオリゴヌクレオチドを使用したPCRにより、所望の配列を生じさせてもよい。
【0032】
本発明は、酵母において複製することができ、所望のポリペチドをコードするポリヌクレオチド配列をもつベクターを包含する。組換えベクターは、独立して複製するベクター、すなわち、染色体外の存在物として存在するベクターであってもよく、その複製が染色体の複製から独立していてもよい(たとえば、プラスミド、細胞質因子、ミニクロモソームまたは人工クロモソーム)。ベクターは、自己複製を保証するためのいずれの手段を含んでいてもよい。酵母においてベクターを複製することが可能な配列の例は、酵母プラスミド2μM複製遺伝子REP 1−3および複製開始点である。
【0033】
あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノム中に組み込まれて、これが組み込まれたクロモソーム(s)と共に複製されるものであってもよい。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される総DNAもしくはトランスポゾンを共に含む単一のベクターまたはプラスミド、あるいは2以上のベクターまたはプラスミドを使用してもよい。ベクターは、直鎖状または閉環状のプラスミドであってもよく、好ましくは、宿主細胞のゲノム中にベクターを安定に組込むこと、またはゲノムから独立して細胞内でベクターを自律複製することを可能にするエレメントを含んでいてもよい。
【0034】
本発明のベクターは、好ましくは、形質転換細胞を容易に選択することができる1つまたは複数の選択可能なマーカーを含む。選択可能なマーカーは、その産物が殺生物剤耐性もしくはウイルス耐性、重金属耐性、栄養要求株に対する原栄養性などを与える遺伝子である。細菌の選択可能なマーカーの例は、枯草菌(Bacillus subtilis)もしくはリケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)由来のdal遺伝子、またはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリン耐性などの抗生物質抵抗性を与えるマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。酵母のための好ましい選択可能なマーカーは、分裂酵母ポンベ(Schizosaccharomyces pompe)TPI遺伝子である(Russell (1985) Gene 40: 125130)。
【0035】
ベクターにおいて、ポリヌクレオチド配列は、使用可能な状態で本発明のプロモーター配列に連結されている。プロモーター配列は、上流のエンハンサ配列の後にあってもよい。
【0036】
本発明は、酵母において複製されることができ、所望の産物または中間体をコードするポリヌクレオチド構築物をもつ組換え発現ベクターを包含する。組換え発現ベクターは、酵母生物において複製可能などのようなベクターであってもよい。ベクターにおいて、ポリヌクレオチド配列は、使用可能な状態で選択されたプロモーター配列に連結されているべきである。本発明のポリヌクレオチド構築物は、また、使用可能な状態で適切なターミネータ、たとえばTPIターミネータ(Alber et al. (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1: 419−434)に連結されていてもよい。
【0037】
本発明のポリヌクレオチド構築物 、プロモーターおよびターミネータをライゲーションするために、並びに酵母複製に必要な情報を含む適切な酵母ベクターにこれらを挿入するために使用される手順は、それぞれ当業者にとって周知である。第一に、本発明の全てのDNA配列を含むDNA構築物を調製し、次に、適切な発現ベクターにこの断片を挿入することにより、または個々のエレメント(たとえばシグナル、リーダー、プロモーターおよび所望の産物)のための遺伝情報を含むDNA断片を順番に挿入した後でライゲーションすることにより、構築されてもよい。
【0038】
本発明の方法において使用される酵母生物は、大量の本発明のインスリン前駆体およびインスリン前駆体類似体を培養において産生するいずれの適切な酵母生物であってもよい。適切な酵母生物の例は、酵母生物種サッカロミセス・セレビジア(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、分裂酵母ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、サッカロミセス・ウバラム(Sacchoromyces uvarum)、クルイベロミセス・ラクチ(Kluyveromyces lactis)、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・クルイベリ(Pichia kluyveri)、ヤロイワ・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、カンジタ・sp.(Candida sp.)、カンジタ・ウチリス(Candida utilis)、カンジタ・カカオイ(Candida cacaoi)、ゲオトリクム・sp.(Geotrichum sp.)およびゲオトリクム・ファーメンタンス(Geotrichum fermentans)から選択される株であってもよい。
【0039】
酵母細胞の形質転換は、たとえば、プロトプラストを形成した後、それ自体既知の方法で形質転換することによって行われてもよい。細胞を培養するために使用される培地は、産業的規模で酵母生物を培養するために適したどのような従来の培地であってもよい。典型的発酵槽の設計および操作は、Bailey & Ollis, Biochemical Engineering Fundamentals, p620−26, Sec. ed. 1986, McGraw−Hill, ISBN 0−07−003212−2Aに記載されている。培養は、バッチ式培養法(すなわち、植菌前に全ての成分が添加される)として、発酵の間に栄養制御剤が添加される流加培養法として、またはAiba, Humphey and Millis : Biochemical Engineering, Academic Press N. Y., 1965に記載されているように、完全培地のフィードが連続して発酵槽に与えられて、等量の培地が発酵槽から除去されることを意味する連続培養として行われてもよい。一つの態様において、培養は、バッチ式培養法(すなわち、最初の、限定された量の栄養素を含む閉ざされた培養システム)として行われる。
【0040】
「産業的または商業的規模」は、10mより大きい製造規模、好ましくは10〜500mの間、より好ましくは、50から200mの間、より好ましくは、80〜180mの間を意味する。
【0041】
発現された産物は、遠心または濾過によって培地から酵母細胞を分離し、塩(たとえば、硫酸アンモニウム)を用いて、もしくはイオン交換クロマトグラフィにより、上澄またはろ液のタンパク質成分を沈殿させた後、種々のクロマトグラフィ方法(たとえば、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティークロマトグラフィなど)によって精製することにより、媒介物から酵母細胞を分離することを含む従来の手順によって回収されるてもよい。
【0042】
培地に分泌して回収した後、単離したポリペチドは、種々のインビトロにおける手順、たとえば予想されるN末端伸張配列および/または発現されて分泌された産物中のその他の不必要な配列の除去を行ってもよい。したがって、米国特許番号5,395,922およびヨーロッパ特許番号765,395A(両特許は、参照により本願明細書に詳細に援用される)に記載されているように、所望のポリペチド、たとえばインスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体は、N末端アミノ酸残基伸張を伴って発現されてもよい。N末端伸張は、末端伸張がLys残基で切断されるように、塩基性アミノ酸(たとえば、Lys)に特異的なタンパク分解性の酵素により、回収されたインスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体から除去されてもよい。このようなタンパク分解性の酵素の例は、トリプシンまたはアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼである。インスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体が連結ペプチドを含む場合、このような連結ペプチドは、トリプシンもしくはトリプシン様の酵素またはアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼにより、インビトロにおける酵素変換によって切断されるであろう。米特許明細書番号4,343,898または4,916,212に記載されているように、インスリン前駆体またはインスリン前駆体類似体が発現されて単鎖前駆体が分泌された場合であって、B29アミノ酸残基が、ペプチド結合またはAlaAlaLys配列(M13)などの連結ペプチドによりA1アミノ酸残基と結合されている場合、インスリン前駆体は、L−スレオニンエステルの存在下でトリプシンまたはアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼによる酵素転換の後、塩基または酸加水分解によるインスリンまたはインスリン類似体のスレオニンエステルの転換によって、インスリンに転換される。
【0043】
本発明は、以下の実施例においてさらに詳細に記載されるが、いかなる形であれ本発明の範囲および請求の範囲を限定することは意図されない。添付された図は、本明細書および本発明の一部に組み込まれるものとものと考えられる。引用した全ての文献は、そこに記載された全てが、参照により本願明細書に詳細に援用される。
【0044】
【実施例】
一般的な手順:
プラスミドおよびDNA
全ての発現プラスミドは、WO EP 171 142において記載したものと同様のC−POT型であり、これは、S. cerevisiaeにおけるプラスミド選別および安定化の目的で、Schizosaccharomyces pombeトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子(POT)wo含むことを特徴とする。プラスミドは、さらに、S. cerevisiaeトリオースリン酸イソメラーゼターミネーターを含む。
【0045】
酵母株および形質転換
S. cerevisiae株MT663(MATa/MATα pep4−3/pep4−3 HIS4/his4 tpi::LEU2/tpi::LEU2 Cir)またはS. cerevisiae株ME1719(MATa/MATα Δyap3::URA3/Δyap3::ura3 pep4−3/pep4−3 Δtpi::LEU2/Δtpi::LEU2 leu2/leu2 URA3/URA3)を形質転換のための宿主に使用した。株MT663は、出願WO 92/11378に関連して、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zelikulturenに寄託されており、寄託番号DSM 6278を与えられた。株ME1719は、WO 98/01535において記載されている。MT633およびMT1719の形質転換は、それぞれWO 97/22706およびWO 98/01535に記載したとおりに行った。
【0046】
酵母発現
上記の通りのプラスミドを含む酵母株をYPD培地で培養した(Guthrie, C. & Fink, G. R., Eds., Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Academic Press, 1991)。それぞれの株2−4について、個々の5mlの培養液を30℃において72時間、最終OD600約15〜20に振とうした。遠心後、定量分析のために上澄を除去し、この方法によって分泌された異種産物の濃度を測定した。GLP−1については、出願中の特許出願DK PA 2001 01141において記載したようにHPLCで解析した。インスリン前駆体については、Snel, L. et al. Chromatographia 24 (1987) 329−332に記載した方法によって解析した。Sf−IBPについては、インスリン結合実験は、Andersen, A. S. et al., J. Biol. Chem. 275 (2000) 16948 16953に記載したように行った。AMMEPについては、タンパク質分解活性のためのアッセイを次のように行った:伸張GluGluAlaGluAlaGluAlaLys(配列番号:2)を有するM13前駆体(Kjeldsen et al., Gene 170: 107−112,1996に記載した)をyKV333またはyEA284由来の上清と共にオーバーナイトでインキューベートした。次いで、上記の通りにHPLCにより、GluGluAlaGluAlaGluAla−Lys(配列番号:2)が延長されたM13または単一のN末端Lys残基(AMMEP切断によって生じる産物)を有するM13について上澄みを解析した。LysMl3/GluGluAlaGluAlaGluAlaLys(配列番号:2)−MI3の比をAMMEP発現レベルの基準として使用した。
【0047】
表1において、多くのインスリン前駆体、GLP−1(7−37)Lys34Arg類似体、並びにCIT1プロモーターを用いて得られたSf−IBPおよびAMMEPの発現量は、CIT1プロモーターの代わりにTP11プロモーターを使用した対応する構築物で得られたレベルのパーセンテージとして与えた。
【0048】
実施例1
CIT1プロモーターの発現制御下でインスリン前駆体M13をコードする発現ベクターの構築。
【0049】
図1は、pMT742と呼ばれる酵母プラスミドを示す(Egel−Mitani et al., Gene, 73,1988,99. 113−120)。プラスミドは、転写−プロモーター(SalI−EcoRl断片に位置する)とS. cerevisiae TPI遺伝子の転写−ターミネーターの間のプラスミド中に挿入されたEcoRl−Xbal断片を含む発現カセットを含有する。
【0050】
プラスミドpMT742において、EcoRl−Xbal断片は、MFa1 プレ−プロリーダー、二塩基プロセシング・エンドペプチダーゼKEX2のためのLys−Arg切断部位および単鎖ミニインスリン前駆体M13からなる融合産物をコードする。TPI遺伝子由来のプロモーターがS. cerevisiaeのCIT1遺伝子由来のプロモーターによって置換されたプラスミドを構築するために、標準的な分子生物学的技術(たとえば、Sambrook, J., Fritsch, E. F. and Maniais, T., Molecular Cloning : A laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory Press, New York, 1989)を使用して、以下の工程を行った。
【0051】
CIT1プロモーターを含む722bp DNA断片は、オリゴヌクレオチドE102(5’−TAT AAG AGA GGT CGA CTT ATT GTT GTC AGC CCA ATG ATT C−3’)(配列番号:3)およびE103(5’−TAT CGC TGA CGA ATT CGT AAA TAG TAT TAT ATT GCT ATA TGT−3’)(配列番号:4)を使用して、S. cerevisiae ゲノムDNA(株MT663由来)から増幅した。E102は、SalI制限部位を導入するように設計し、E103は、EcoRl制限部位を導入するように設計した。これにより、SalIおよびEcoRlで消化した後、CIT1プロモーターをSalI−EcoRl断片としてクローン化することができる。
【0052】
クローン化を容易にするために、S. cerevisiae由来のTPIプロモーターを含むpMT742のApal−EcoRlを、pBluescriptil−SK(Stratagene)のApal−EcoRlベクター断片にサブクローン化した。生じたプラスミドpEA222をSalIおよびEcoRlで消化して、ベクター断片をCIT1プロモーターを含むSalI/EcoRI DNA断片にライゲーションした。生じたプラスミドpSurf/CITをNcolおよびEcoRlで消化して、CIT1プロモーターを含むDNA断片を、pMT742由来のNcol/Xbalベクター断片およびEcoRl/Xbal断片にライゲーションして、最終的なプラスミドpEA268を生じた。
【0053】
発現プラスミドを大腸菌内で増殖させ、アンピシリンの存在下で培養して、標準技術な技術を使用して単離した(Sambrookほか(1989))。プラスミドDNAは、適切な制限ヌクレアーゼ(たとえば、EcoRI、NcoI、SalI、Xbal)によってインサートを調べ、適切なCIT1プロモーター配列を含むことを配列解析によって示した。
【0054】
プラスミドpEA268は、S. cerevisiae株MT663に形質転換された。プラスミドpEA268を有する酵母形質転換体は、YPD(1%酵母エキス、2%ペプトン、2%グルコース)アガー(2%)プレート上で炭素源としてグルコースを利用することによって選択し、生じた株をyEA268と名付けた。コントロール株MT742は、pMT742で形質転換したMT633である。
【0055】
実施例2
CIT1プロモーターの発現制御下でN末端伸長インスリン前駆体M13をコードする発現ベクターの構築。
【0056】
プラスミドpAK729(WO 97/22706に記載)由来の発現カセットを含むEcoRI/XbaI DNA断片は、シグナルペプチドの後に合成リーダー、二塩基プロセシング・エンドペプチダーゼKEX2のためのLys−Arg切断部位、スペーサーおよびプロセシング部位(GluGluAlaGluProLys)(配列番号:5)並びに単鎖ミニ−インスリン前駆体M13から成る融合産物をコードする。この断片をpEA268由来のNcoI/XbaIおよびNcoI/EcoRI断片(CIT1プロモーターを含む)にライゲーションして、最終的にプラスミドpEA274を生じた。プラスミドを大腸菌で増殖して、単離し、実施例1の通りに正確なインサートを調べた。プラスミドpAK729およびpEA274をS. cerevisiae株MT663に形質転換し、実施例1の通りに形質転換体を選択した。生じた酵母株は、それぞれyAK729およびyEA274と名付けた。
【0057】
実施例3
CIT1プロモーターの発現制御下にN末端伸長インスリン前駆体(B(1−29)(Asp−Pro−Lvs−A(1−21)))をコードする発現ベクターの構築。
【0058】
出願中の特許出願DK PA 2001−00547は、シグナルペプチドの後に合成リーダー、二塩基プロセシング・エンドペプチダーゼKEX2のためのLys−Arg切断部位、スペーサーおよびプロセシング部位(GluGluGly−GluGluProLys)(配列番号:6)並びにインスリン前駆体B(1−29)−AspProLys−A(1−21)から成る融合産物の発現を開示している。この融合産物をコードするDNAを含むEcoRI/Xbal断片を、pEA268由来のNcoI/XbalおよびNcoI/EcoRI断片(CIT1プロモーターを含むこと)にライゲーションした。生じたプラスミドを大腸菌内で増殖し、単離して実施例1に記載の通りに正確なインサートを調べて、S. cerevisiae株ME1719を形質転換した。形質転換体は、実施例1に記載したとおりに選択した。コントロールと比較した収率を表1に示す。
【0059】
実施例4
N末端伸張を伴うGLP−1(7−37)Arg34の発現。
【0060】
出願中の特許出願DK PA 2001 01141は、MFα1プレプロリーダー、二塩基プロセシング・エンドペプチダーゼKEX2のためのLys−Arg切断部位、スペーサーおよびプロセシング部位GluGluAlaHisLys(配列番号:7)、並びに位置34のLysがArgで置換されたGLP−1類似体を含む融合産物の発現を開示している。融合産物をコードするDNAを含むEcoRI/Xbal DNA断片を、pEA268由来のApaI/XbaIおよびApaI/EcoRI断片(CIT1プロモーターを含む)にライゲーションした。生じたプラスミドを大腸菌内で増殖し、実施例1に記載の通りに単離して正確なインサートを調べ、S. cerevisiae株ME1719に形質転換した。形質転換体を実施例1に記載の通りに選択した。
【0061】
実施例5
TPIまたはCIT1プロモーターを含むSf−IBPタンパク質の発現ベクターの構築。
【0062】
Spodoptera frugipera(ヨトウムシ(fall armyworm)インスリン様ペプチド結合タンパク質は、Andersen, A. S. et al., J. Biol. Chem. 275 (2000) 16948−16953に開示されており、該遺伝子の配列はGenBank受入れ番号AF236641寄託されている。
【0063】
オリゴヌクレオチドは、アミノ酸配列EEAEPKを有するN末端伸張を備えたSf−IBPのアミノ酸23〜265をコードするDNA断片をPCR増幅できるようにデザインした。PCRおよびオーバーラップPCRの組合せを使用した後、標準的な方法(Horton et al., Gene 77: 61−68,1989, Sambrook et al., 1989)によって単離およびクローン化して、SP−リーダー−KR−Ext−Sf−IBPをコードする発現カセットを含む発現ベクターpEA263を得た。発現カセットを含むプラスミドpEA263由来のEcoRI/NheI断片を、pEA268由来のNcoI/NheIおよびNcoI/EcoRI断片(CIT1プロモーターを含む)にライゲーションし、最終的なプラスミドpEA286を生じた。
【0064】
プラスミドを大腸菌内で増殖し、実施例1に記載の通りに単離して正確なインサートを調べた。プラスミドpEA263およびpEA286により、S. cerevisiae株MT663を形質転換して、形質転換体を実施例1に記載の通りに選択した。生じた酵母株は、それぞれyEA263およびyEA286と名付けた。
【0065】
実施例6
AMMEPの発現ベクターの構築。
【0066】
ナラタケ(Armillaria mellea)エンドメタロプレプチダーゼ(endometallopreptidase)の遺伝子は、Vad, K and Thim, L.によってクローン化されており、ヌクレオチド配列は、GenBank受入れ番号AJ238718に寄託されている。EcoRIおよびXbaI制限部位を含むオリゴヌクレオチドは、完全なコード配列がPCR増幅されるようにデザインした。単離した後、EcoRIおよびXbaIで消化し、完全なAMMEPコード配列を含むEcoRI/XbaI DNA断片を、NcoI/XbaIベクター断片およびTPIプロモーター(pMT742由来の両方とも)を含むNcoI/EcoRI断片にライゲーションして、最終的なプラスミドpKV333を生じた。
【0067】
AMMEPのための発現カセットを含むプラスミドpKV333由来のEcoRI/XbaI断片を、pEA268由来のNcoI/XbaIおよびNcoI/EcoRI断片(CIT1プロモーターを含む)にライゲーションして最終的なプラスミドpEA284を生じた。
【0068】
プラスミドを大腸菌内で増殖し、実施例1に記載の通りに単離して正確なインサートを調べた。プラスミドpKV333およびpEA284によりS. cerevisiae株MT663を形質転換して、形質転換体を実施例1に記載の通りに選択した。生じた酵母株は、それぞれyKV333およびyEA284と名付けた。
【0069】
表1は、TPIプロモーターと比較してCIT1プロモーターを使用することによる収率の増加を示す。CIT1プロモーターの使用では、発現して分泌された産物が50〜340%以上に増加されたことが、表より明らかである。
【0070】
表1
【0071】
【表1】
Figure 2004514450
[配列表]
Figure 2004514450
Figure 2004514450
Figure 2004514450

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、pMT742(Egel−Mitani et al., Gene, 73,1988,99.113−120)と呼ばれる酵母プラスミドの例を示す。プラスミドは、該プラスミド内の転写−プロモーター(SalI−EcoRI断片に位置する)とS. cerevisiae TPI遺伝子の転写−ターミネータとの間に挿入されたEcoRI−Xbal断片を含む発現カセットを含む。
【図2】
図2は、実施例1において記載したCIT1プロモーターを含む722ヌクレオチドのDNA配列を示す。配列の上には、オリゴヌクレオチドE102およびE103によって挿入されたヌクレオチドの変化を示す。下線を引いた配列は、これらの変化によって挿入された制限位置を示す。該ヌクレオチド配列は、GenBank受入れ番号Z71616の位置2434〜位置3155の相補的配列と一致する。

Claims (19)

  1. 酵母において異種の非細菌性ポリペチドまたはその中間体を作成するための方法であって、(i)所望のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列を含む酵母株を前記ポリペプチドの発現に適した培養条件下で培養し、ここで、所望のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列は、CIT1酵母プロモーターまたはその機能的部分もしくは変異形の転写制御下にあることと、(ii)所望のポリペプチドまたはその中間体を単離することとを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記CIT1プロモーターは、配列番号:1のヌクレオチド配列の全部または一部からなる方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記CIT1プロモーターは、配列番号:1の10〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなる方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記CIT1プロモーターは、配列番号:1の位置150〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなる方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記CIT1プロモーターは、配列番号:1の位置150〜530のヌクレオチド配列の全部または一部からなる方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記発現されたポリペプチドは、培養培地から単離される方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記異種ポリペプチドは、インスリン前駆体である方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記異種ポリペプチドは、GLP−1(7−37)である方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記異種ポリペプチドは、GLP−1(7−37)Arg34である方法。
  10. バッチ法である請求項1に記載の方法。
  11. 非細菌性のポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列と、CIT1酵母プロモーターまたはCIT1プロモーターの機能的部分もしくは変異形とを含むポリヌクレオチド構築物。
  12. 請求項11に記載のポリヌクレオチド構築物であって、前記プロモーターは、配列番号:1のヌクレオチド配列の全部または一部からなるポリヌクレオチド構築物。
  13. 請求項11に記載のポリヌクレオチド構築物であって、前記プロモーターは、配列番号:1の10〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなるポリヌクレオチド構築物。
  14. 請求項11に記載のポリヌクレオチド構築物であって、前記プロモーターは、配列番号:1の位置150〜722のヌクレオチド配列の全部または一部からなるポリヌクレオチド構築物。
  15. 請求項11に記載のポリヌクレオチド構築物であって、前記プロモーターは、配列番号:1の位置150〜530のヌクレオチド配列の全部または一部からなるポリヌクレオチド構築物。
  16. 請求項11に記載のポリヌクレオチド構築物であって、さらに発現したペプチドを分泌するためのリーダー配列を含むポリヌクレオチド構築物。
  17. (a)CIT1酵母プロモーターまたはその機能的部分もしくは変異形と、(b)非細菌性ポリペチドまたはその中間体をコードするポリヌクレオチド配列と、(c)適切なリーダー配列と、および(d)可能な転写ターミネータ配列を適当な読み枠で含むベクター構築物。
  18. 請求項11〜16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物で形質転換された酵母細胞。
  19. 請求項18に記載のベクターで形質転換された酵母細胞。
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