JP2003524380A - 腫瘍治療のための組成物及び方法 - Google Patents

腫瘍治療のための組成物及び方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトを含む哺乳動物における腫瘍細胞成長及び増殖の診断及び治療のための組成物及び方法に関する。本発明は、腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅される遺伝子の同定に基づく。このような遺伝子増幅は、遺伝子産物の同じ組織型の正常細胞と比較して過剰な発現に関連し、腫瘍形成に寄与すると予測される。従って、増幅された遺伝子にコードされるタンパク質は、或る種の癌の診断及び治療(予防を含む)に有用であると考えられ、腫瘍治療の予後を予知するように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、腫瘍の診断及び治療のための組成物及び方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 悪性腫瘍(癌)は、米国特許第号において心臓疾患に続き第2の主要な死亡原
因である(Boring等, CA Cancel J. Clin., 43: 7 [1993])。 癌は、正常な組織から誘導されて腫瘍実体を形成する異常な、又は腫瘍形成性
の細胞数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織の侵襲、及び最終
的に血液やリンパ系を介して局所のリンパ節及び離間部位に拡散(転移)する悪
性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が成長しない条件下
で細胞が増殖する。癌自体は、異なる侵襲及び攻撃性の程度で特徴付けられる広
範な種々の形態で顕現する。 遺伝子発現の交互変化は制御不能な細胞成長及び脱分化に強く関連しており、
全ての癌に共通する特徴である。或る種の良く研究されたゲノムが、通常は腫瘍
抑制遺伝子と呼ばれ、正常には悪性細胞成長又は或る種の優性遺伝子、例えば悪
性成長を促進する用に作用するオンコジーンの過剰発現を防止するように作用す
る劣性遺伝子発現の現象を示すことが見出された。これらの遺伝子変化は、凝集
して十分な腫瘍形成性フェノタイプを示す形質の幾つかが移入される原因である
ことが明らかとなった(Hunter, Cell 64: 1129 [1991]; Bishop, Cell 64: 235
-248 [1991])。
【0003】 癌細胞における良く知られた遺伝子(例えばオンコジーン)過剰発現のメカニ
ズムは遺伝子増幅である。これは、祖先細胞の染色体において特定遺伝子の多重
コピーが生成されるプロセスである。このプロセスは、遺伝子を含む染色体の領
域の計画性のない複製、次いで複製されたセグメントが染色体へ戻る再組換えを
含む(Alitalo等, Adv. Cancer Res. 47: 235-281 [1986])。遺伝子増幅に平行
する遺伝子の過剰発現は、即ち作成されるコピーの数に比例すると考えられてい
る。 成長因子及び成長因子レセプターをコードするプロトオンコジーンは、乳癌を
含む、様々なヒトの悪性腫瘍の原因に重要な役割を担っていることが確認されて
いる。例えば、表皮成長因子レセプター(EGFR)に関連した185-kdの膜
貫通糖タンパク質レセプター(p185HER2、HER2)をコードするヒト
ErbB2遺伝子(erbB2、her2としても知られている、又はc-erb
B-2)は、ヒトの乳癌の約25%〜30%で過剰発現されていることが見出され
ている(Slamon等, Science 235:177-182[1987];Slamon等, Science 244:707-71
2[1989])。
【0004】 プロトオンコジーンの遺伝子増幅は、典型的には癌のより悪性の形態に含まれ
る事象であり、臨床的結果の予言者として作用しうることが報告されている(Sc
hwab等, Genes Chromosome Cancer 1, 181-193 [1990]; Alitalo等, 上掲)。即
ち、erbB2の過剰発現は、特に腋窩のリンパ節を含む一次疾患を持つ患者に
おいて、不完全な予後の前兆と共通して見なされており(Slamon等, [1987]及び
[1989], 上掲; Ravdin及びChamness, Gene 159: 19-27 [1995]; 及びHynes及びS
tern, Biochem Biophys Acta 1198: 165-184 [1994])、ホルモン療法及びCM
F(シクロホスファミド、メトトレキセート、及びフルオロウラシル)を含む化
学治療薬に対する感受性又は耐性と関連付けられていた(Baselga等, Oncology
11 (3 Suppl 1): 43-48 [1997])。しかしながら、erbB2過剰発現と不完全
な予後との関連にも関わらず、HER2-ポジティブな患者のタキサンでの処理
に臨床的に反応する可能性は、HER2-ネガティブ患者の3倍も大きかった(
上掲)。組換えヒト化抗-ErbB2(抗-HER2)モノクローナル抗体(マウ
ス抗-ErbB2抗体4D5のヒト化型、rhuMAb HER2又はHerceptin(
商品名)と呼ばれる)は、広範な従来の抗癌治療を受けたErbB2を過剰発現
する転移性乳癌を持つ患者で臨床的に活性である。(Baselga等, J. Clin. Onco
l. 14: 737-744[1996])。 上記に照らして遺伝子増幅に関連する腫瘍の診断及び治療に有用な新規な方法
及び組成物を同定することに明らかな興味がある。
【0005】 (発明の概要) 本発明は、ヒトを含む哺乳動物における腫瘍細胞成長及び増殖の診断及び治療
のための組成物及び方法に関する。本発明は、腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅さ
れる遺伝子の同定に基づく。このような遺伝子増幅は、遺伝子産物の同じ組織型
の正常細胞と比較して過剰な発現に関連し、腫瘍形成に寄与すると予測される。
従って、増幅された遺伝子にコードされるタンパク質は、或る種の癌の診断及び
治療(予防を含む)に有用であると考えられ、腫瘍治療の予後の予言者として作
用する。 一実施態様では、本発明は、ここでPRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチドと命名されるポリペプチドに結合する単離された
抗体に関する。一実施態様では、単離された抗体は、PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317ポリペプチドに特異的に結合する。多くの場合
、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドを発
現する細胞は、当該ポリペプチドを同じ組織型の正常細胞に比較して過剰に発現
する腫瘍細胞である。さらに他の態様では、抗体はモノクローナル抗体であり、
それは好ましくは非ヒトの相補性決定領域(CDR)及びヒトフレームワーク領
域(FR)残基を有する。さらに他の態様では、抗体は抗体断片、一本鎖抗体、
又はヒト化抗体であって、好ましくはPRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチドに特異的に結合する。
【0006】 他の実施態様では、本発明は、製薬的に許容される担体と混合された、好まし
くはPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドに
特異的に結合する抗体とを含む物質の組成物に関する。一態様では、この物質の
組成物は抗体の治療的有効量を含有する。他の態様では、この組成物は、例えば
更なる抗体又は細胞毒性又は化学治療薬であってよい更なる成分を含有する。好
ましくは、この組成物は無菌である。 さらなる実施態様では、本発明は、抗-PRO187、抗-PRO533、抗-
PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PR
O261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体をコードする単離された核
酸分子、及びそのような核酸分子を含むベクター及び組換え宿主細胞に関する。 またさらなる実施態様では、本発明は抗-PRO187、抗-PRO533、抗
-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-P
RO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体の製造方法に関し、当該
方法は、その抗体をコードする核酸分子で形質転換した宿主細胞を当該抗体を発
現させるのに十分な条件下で培養し、細胞培地から抗体を回収することを含んで
なる。 さらに本発明は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
ポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的機能又は活性の一又は複数を阻害す
るPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドのア
ンタゴニストに関する。
【0007】 さらなる実施態様では、本発明は、PRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチド、、又はその補体をコードする核酸配列にハイブ
リッド形成する単離された核酸分子に関する。単離された核酸分子は、好ましく
はDNAであり、ハイブリッド形成は好ましくは緊縮性ハイブリッド形成及び洗
浄条件下で起こる。このような核酸分子は、ここで同定される増幅された遺伝子
のアンチセンス分子として作用でき、また翻って各増幅遺伝子の転写及び/又は
翻訳の変調において、又は増幅反応におけるアンチセンスプライマーとしての用
途が見出される。さらに、このような配列は、リボザイム(ribozyme)及び/又は
三重螺旋配列の一部として使用することができ、それは翻って増幅遺伝子の調節
に置いて使用してもよい。 他の実施態様では、本発明は、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドを含有すると推測される試料中でPRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの存在を測定する方法を提
供し、当該方法は、当該試料を抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO
214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO26
1、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体に暴露し、当該抗体の試料中のP
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドへの結合
を測定することを含んでなる。他の実施態様では、本発明は、細胞中でのPRO
187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO2
30、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの存在を測定
する方法を提供し、当該方法は、当該細胞を抗-PRO187、抗-PRO533
、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗
-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体に接触させ、抗体の
細胞への結合を測定することを含んでなる。
【0008】 さらに他の実施態様では、本発明は、哺乳動物において腫瘍を診断する方法に
関し、(a)哺乳動物から得た組織細胞の試験試料中、及び(b)同じ細胞型の
知られた正常組織細胞の対照試料中におけるPRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出す
ることを含んでなり、対照試料に比較した試験試料における高いレベルが、当該
試験組織細胞を得た哺乳動物における腫瘍の存在を示す。 他の実施態様では、本発明は、哺乳動物において腫瘍を診断する方法に関し、
(a)抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240
、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は
抗-PRO317抗体を哺乳動物から得た組織細胞の試験試料と接触させ、そし
て(b)抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO24
0、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又
は抗-PRO317抗体と試験試料中のPRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出することを含んで
なり、複合体の形成が前記哺乳動物における腫瘍の存在を示す。測定は定性的で
も定量的でもよく、同じ細胞型の知られた正常組織細胞の対照試料における複合
体形成の監視と比較して実施してもよい。試験試料中の複合体形成量の増加が、
試験試料を得た哺乳動物における腫瘍の存在を示す。抗体は、好ましくは検出可
能な標識を担持する。複合体形成は、例えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリ
ー、蛍光定量法、又はこの分野で公知の他の技術によって監視できる。 試験試料は通常、腫瘍性細胞成長又は増殖(例えば癌性細胞)を有すると推測
される個体から得る。
【0009】 他の実施態様では、本発明は、抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PR
O214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO2
61、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体及び担体(例えばバッファー)
を適切な包装内に含んでなる癌診断用キットに関する。このキットは、好ましく
は当該抗体が、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチドを含有することが推測される試料中のそれらの存在をを検出するために
用いられるという説明書を具備する。 さらに他の実施態様では、本発明は腫瘍細胞の成長を阻害する方法に関し、P
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドを発現す
る腫瘍細胞を、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性及び/又は発現を阻害する薬剤の有
効量に暴露することを含んでなり、それにより当該腫瘍細胞の成長が阻害される
。この薬剤は、好ましくは抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO21
4、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、
抗-PRO246又は抗-PRO317抗体、小さな有機及び無機分子、ペプチド
、リンペプチド、アンチセンス又はリボザイム分子、又は三重螺旋分子である。
特別な態様では、薬剤、例えば抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO
214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO26
1、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体は細胞死を誘発する。さらなる態
様では、腫瘍細胞には、放射線処理、細胞毒性薬又は化学治療薬がさらに施され
る。 さらなる実施態様では、本発明は、 容器; 当該容器上のラベル;及び 当該容器内に収容された活性剤を含有する組成物とを具備し、当該組成物が腫
瘍細胞の成長を阻害するのに有効であり、容器上のラベルが当該組成物は前記腫
瘍細胞中で同じ組織型の正常細胞に比較してPRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317ポリペプチドの過剰発現を特徴とする状態の治療に有効
であることを表示する製造品に関する。特別な態様では、組成物中の活性剤は、
PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの活性
及び/又は発現を阻害する薬剤である。好ましい態様では、活性剤は抗-PRO
187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO21
1、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317
抗体又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0010】 また本発明は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポ
リペプチドの生物学的又は免疫学的活性を阻害する化合物を同定する方法を提供
し、候補化合物をPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポ
リペプチドと、2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させ
、前記PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
の生物学的及び/又は免疫学的活性が阻害されるか否かを測定することを含んで
なる。他の態様では、非固定化成分が検出可能な標識を担持している。好ましい
態様では、この方法は、(a)細胞とスクリーニングすべき候補化合物とを、P
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの存在下
で、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドに
よって通常誘発される細胞性反応の誘発に適した条件下で接触させ、そして(b
)前記細胞性反応の誘発を測定して試験化合物が有効なアンタゴニストか否かを
決定することを含んでなる。 他の実施態様では、本発明はPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317ポリペプチドを発現する細胞で前記ポリペプチドの発現を阻害する化
合物を同定する方法を提供し、当該細胞を化合物と接触させ、前記PRO187
、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、
PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの発現が阻害される
か否かを測定することを含んでなる。好ましい態様では、この方法は、(a)細
胞とスクリーニングすべき候補化合物とを、PRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317ポリペプチドの発現に適した条件下でで接触させ、(b
)前記ポリペプチド発現の阻害を測定する工程を具備する。
【0011】 (好適な実施態様の詳細な説明) I.定義 「遺伝子増幅」及び「遺伝子複製」なる語句は交換可能に用いられ、遺伝子又
は遺伝子断片の複数のコピーが特定の細胞又は細胞系で生成されるプロセスを意
味する。複製された領域(増幅されたDNAの伸展)は、しばしば「単位複製配
列」と呼ばれる。通常は、生成されるメッセンジャーRNA(mRNA)の量、
即ち遺伝子発現レベルも、発現された特定遺伝子の作成されたコピー数に比例し
て増加する。 ここで用いられる「腫瘍」は、悪性又は良性に関わらず、全ての腫瘍形成細胞
成長及び増殖、及び全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を意味する。 「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には調節されない細胞成長を特徴と
する、哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。癌の例には、これらに
限定されるものではないが、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が含
まれる。このような癌のより特定の例には、乳癌、前立腺癌、大腸癌、扁平上皮
細胞癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸
管癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫、結腸直腸癌、子宮体癌、唾液腺癌、
腎臓癌、肝臓癌、産卵口癌、甲状腺癌、肝癌及び様々な種類の頭部及び頸部の癌
が含まれる。 「治療」とは、疾患の病理の進展阻止又は変更の本発明で実施される介入であ
る。従って、「治療」は治療的処置及び予防的又は保護的手段の両方を指す。治
療が必要なものは、既に疾患に罹っているもの並びに疾患が防止されるべきもの
を含む。腫瘍(例えば、癌)治療では、治療薬は直接的に腫瘍細胞の病理を低下
させてもよいし、又は腫瘍細胞を他の治療媒介物、例えば放射線及び/又は化学
治療に対してより敏感にしてもよい。 癌の「病理」は、患者の良好な生存を危うくさせる全ての現象を含む。これは
、限定されるものではないが、異常又は制御不能な細胞成長、転移、隣接細胞の
正常機能の阻害、サイトカイン又は他の分泌生成物の異常レベルでの放出、炎症
又は免疫反応の抑制又は悪化などを含む。
【0012】 治療の目的とされる「哺乳動物」は、哺乳類に分類される任意の動物を意味し
、ヒト、家畜用及び農場用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイ
ヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジなどを含む。好ましくは、哺乳動物はヒト
である。 ここで用いられる「担体」は製薬的に許容される担体、賦形剤、又は安定化剤
を含み、それらは、用いられる用量及び濃度でそれに暴露される細胞又は哺乳動
物に対して非毒性である。生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である
ことが多い。生理学的に許容される担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他
の有機酸バッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基
未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、または
免疫グロブリン;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー、グリシン、グルタ
ミン、アスパラギン、アルギニン又はリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノ
ース又はデキストラン等の単糖類、二糖類及び他の炭水化物;EDTA等のキレ
ート化剤;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の自
己形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG
)、及びPLURONICS(商品名)等の非イオン性界面活性剤を含む。 一又は複数のさらなる治療薬「と組み合わせて」の投与は、同時(一時)及び
任意の順序での連続投与を含む。 ここで用いられる「細胞毒性薬」なる用語は、細胞の機能を阻害又は抑制する
及び/又は細胞破壊を生ずる物質を意味する。この用語は、放射性同位体(例え
ば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学治療薬、及び細菌、真
菌、植物又は動物由来の酵素的活性毒素といった毒素、又はその断片を含むとさ
れる。
【0013】 「化学治療薬」は、癌の治療に有用な化合物である。化学治療薬の例は、アド
リアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、シトシ
ンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルフ
ァン、サイトキシン、タキソイド、例えばパクリタキセル(Taxol(商品名), Bri
stol-Myers Squibb Oncology, Princeton, NJ)及びドキセタキセル(Taxotere(
商品名), Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France)、トキソテール、メトトレキ
セート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エト
ポシド、イフォスファミド、マイトマイシンC、マイトキサントロン、ビンクリ
スチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミ
ノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラマ
イシン(米国特許第4,675,187号)、5-FU、6-チオグアニン、6-メルカプト
プリン、アクチノマイシンD、VP-16、クロランブシル、メルファラン、及
び他の関連するナイトロジェンマスタードを含む。また、この定義に含まれるの
は、タモキシフェン及びオナプリストンなどの腫瘍へのホルモン作用を調節又は
阻害するように作用するホルモン様薬剤である。 ここで用いられる際の「成長阻害剤」は、細胞、特にここで同定される任意の
遺伝子を過剰発現する癌細胞の成長を、インビトロ又はインビボで阻害する化合
物又は組成物を意味する。即ち、成長阻害剤は、S相でそのような遺伝子を過剰
発現する細胞の割合を有意に減少させるものである。成長阻害剤の例は、細胞周
期を(S相以外の位置で)阻害する薬剤、例えばG1停止又はM相停止を誘発す
る薬剤を含む。古典的なM相ブロッカーは、ビンカス(ビンクリスチン及びビン
ブラスチン)、タキソール、及びトポII、例えばドキソルビシン、エピルビシ
ン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンを含む。G1停止させる
これらの薬剤は、S相停止にも溢流し、例えば、DNAアルキル化剤、例えば、
タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン
、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びara-Cである。さらなる情
報は、The Molecular Basis of Cancer, Mendelsohn及びIsrael, 編, Chapter 1
, 表題「Cell cycle reguration, oncogene, and antineoplastic drugs」, Mur
akami等, (WB Saunders: Philadelphia, 1995)、特にp13に見出すことができる
。 「ドキソルビシン」はアントラサイクリン抗生物質である。ドキソルビシンの
完全な化学名は、(8S-シス)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-
L-リキソヘキサピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,
11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-5,12-ナフタ
センジオンである。
【0014】 「サイトカイン」なる用語は、1つの細胞集団から放出され、他の細胞に細胞
間メディエータとして作用するタンパク質の一般用語である。このようなサイト
カインの例は、リンホカイン、モノカイン、及び伝統的なポリペプチドホルモン
である。サイトカインに含まれるのは、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン
、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン
;チロキシン;インシュリン;プロインシュリン;レラキシン;プロレラキシン
;糖タンパク質、例えば濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(T
SH)、及び黄体化ホルモン(LH);肝臓成長因子;線維芽成長因子;プロラ
クチン;胎盤ラクトゲン;腫瘍壊死因子-α及び-β;ミューラー阻害因子;マウ
ス生殖腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因
子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF-β等の神経成長因子
;血小板成長因子;TGF-α及びTGF-β等のトランスフォーミング成長因子
;インシュリン様成長因子-I及びII;エリスロポエチン(EPO);骨誘発
因子;インターフェロン-α、-β、及び-γ等のインターフェロン;コロニー刺
激因子(CSFs)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球-マ
クロファージ-CSF(GM-CSF);及び顆粒球-CSF(G-CSF);イン
ターロイキン(ILs)、例えばIL-1、IL-1α、IL-2、IL-3、IL
-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-11、IL-12;
腫瘍壊死因子、例えばTNF-α及びTNF-β;及びLIF及びキットリガンド
(KL)を含む他のポリペプチド因子である。ここで用いられる際、用語サイト
カインは、天然供給源から、又は組換え細胞培養からのタンパク質を含み、天然
配列サイトカインの生物学的な活性等価物である。 この出願で用いられる用語「プロドラッグ」は、親薬剤に比較して腫瘍細胞に
対する細胞毒性が低く、酵素的に活性化又はより活性な親形態に変換される製薬
的活性物質の前駆体又は誘導体形態を意味する。例えば、Wilman, 「Prodrugs i
n Cancer Chemotherapy」, Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-3
82, 615th Meeting, Belfast (1986),及びStella 等, 「Prodrugs: A Chemical
Approach to Targeted Drug Delivery」、Directed Drug delivery, Borchardt
等(編), pp.147--267, Human Press (1985)参照。本発明のプロドラッグは、
これらに限られないが、ホスファート含有プロドラッグ、チオホスファート含有
プロドラッグ、スルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D
-アミノ酸変性プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β-ラクタム含有プロ
ドラッグ、任意に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ又は任意
に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、より活性のある細胞毒の
ない薬剤に転換可能な5-フルオロシトシン及び他の5-フルオロウリジンプロド
ラッグを含む。限定するものではないが、本発明で使用されるプロドラッグ形態
に誘導体化可能な細胞毒性薬の例には、前記の化学療法剤が含まれるが、これら
に限られない。
【0015】 ここに開示されるポリペプチド又はそのアンタゴニストの「有効量」とは、腫
瘍性細胞成長、腫瘍成長又は癌細胞成長の阻害に関しては、標的細胞の成長を或
る程度阻害できる量である。この用語は、標的細胞の成長阻害、細胞分裂停止及
び/又は細胞毒性効果及び/又はアポトーシスを誘起することのできる量を含む
。腫瘍性細胞成長、腫瘍成長又は癌細胞成長の阻害の目的のためのPRO187
、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、
PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドのアンタゴニストの
「有効量」は、経験的に日常的手法で決定できる。 「治療的有効量」は、腫瘍の治療に関しては、次の効果:(1)遅延化及び完
全な成長停止を含む、腫瘍成長の或る程度の阻害;(2)腫瘍細胞数の減少;(
3)腫瘍サイズの縮小;(4)腫瘍細胞の末梢器官への浸潤の阻害(即ち、減少
、遅延化又は完全な停止);(5)転移の阻害(即ち、減少、遅延化又は完全な
停止);(6)抗腫瘍免疫反応の促進、これは、腫瘍の退行又は拒絶をもたらし
てもよいが、必ずしも必要ではない;及び/又は(7)疾患に伴う徴候の1つ又
は複数の或る程度の軽減の1つ又は複数を誘起することのできる量を意味する。
腫瘍の治療の目的のためのPRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317ポリペプチドのアンタゴニストの「治療的有効量」は、経験的に日常的手
法で決定できる。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317アンタゴニストの
「成長阻害量」は、細胞、特に腫瘍、例えば癌細胞の成長をインビトロ又はイン
ビボで阻害できる量である。腫瘍性細胞成長の阻害の目的のためのPRO187
、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、
PRO261、PRO246又はPRO317アンタゴニストの「成長阻害量」
は、経験的に日常的手法で決定できる。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317アンタゴニストの
「細胞毒性量」は、細胞、特に腫瘍、例えば癌細胞をインビトロ又はインビボで
破壊できる量である。腫瘍性細胞成長の阻害の目的のためのPRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317アンタゴニストの「細胞毒性量」は、経
験的に日常的手法で決定できる。
【0016】 ここで使用される際の「PRO187」、「PRO533」、「PRO214
」、「PRO240」、「PRO211」、「PRO230」、「PRO261
」、「PRO246」又は「PRO317」、「PRO187ポリペプチド」、
「PRO533ポリペプチド」、「PRO214ポリペプチド」、「PRO24
0ポリペプチド」、「PRO211ポリペプチド」、「PRO230ポリペプチ
ド」、「PRO261ポリペプチド」、「PRO246ポリペプチド」又は「P
RO317ポリペプチドポリペプチド」という用語は、天然配列PRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド及びPRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317ポリペプチド変異体(ここで更に詳細
に定義する)を含む。PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7ポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離し
てもよく、あるいは組換え又は合成方法によって調製してもよい。 「天然配列」PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチドは、天然由来のPRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17ポリペプチドポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含
む。このような天然配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17ポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段に
より生産することもできる。「天然配列」PRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317ポリペプチドという用語には、特に、PRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの自然に生じる切断又は分
泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択
的にスプライシングされた形態)及びPRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本
発明の或る実施態様では、天然配列PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチドは、各々Fig2(配列番号:2)、Fig4(配
列番号:7)、Fig6(配列番号:12)、Fig8(配列番号:17)、F
ig10(配列番号:22)、Fig12(配列番号:27)、Fig14(配
列番号:32)、Fig16(配列番号:37)、又はFig18(配列番号:
42)のアミノ酸配列を含む成熟又は全長の天然配列PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317ポリペプチドである。ここで各天然ポリペプチ
ドの断片は、これらに限られないが、そのような切断(分泌)形態が自然に生ず
るか否かに関わらず、そこから天然N-末端シグナル配列が全部又は一部欠失さ
れ、又は他の配列に置換されたポリペプチド変異体及び各天然配列の細胞外ドメ
インを含む。断片は、好ましくは対応する天然「PRO」ポリペプチドに特異的
に結合する抗体の生産のために十分な長さである。
【0017】 「PRO187変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
2(配列番号:2)に示すPRO187ポリペプチドの残基1又は約23〜20
5、(b)Fig2(配列番号:2)に示すPRO187ポリペプチドの残基X
〜205であって、XがFig2(配列番号:2)の18〜27の任意のアミノ
酸残基であるもの、又は(c)Fig2(配列番号:2)に示すアミノ酸配列の
他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
を持つ活性ポリペプチドである。 「PRO533変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
4(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチドの残基1又は約23〜21
6、(b)Fig4(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチドの残基X
〜216であって、XがFig4(配列番号:7)の18〜27の任意のアミノ
酸残基であるもの、又は(c)Fig4(配列番号:7)に示すアミノ酸配列の
他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
を持つ活性ポリペプチドである。 「PRO214変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの残基1又は約30〜4
20、(b)Fig6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの残
基X〜420であって、XがFig6(配列番号:12)の25〜34の任意の
アミノ酸残基であるもの、(c)Fig6(配列番号:12)に示すPRO21
4ポリペプチドの残基1又は約30〜Xであって、XがFig6(配列番号:1
2)のアミノ酸367〜アミノ酸376の任意のアミノ酸であるもの、又は(d
)Fig6(配列番号:12)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミ
ノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドで
ある。 「PRO240変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチドの残基1又は約31〜2
29、(b)Fig8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチドの残
基X〜229であって、XがFig8(配列番号:17)の26〜35の任意の
アミノ酸残基であるもの、(c)Fig8(配列番号:17)に示すPRO24
0ポリペプチドの残基1又は約31〜Xであって、XがFig8(配列番号:1
7)のアミノ酸193〜アミノ酸202の任意のアミノ酸であるもの、又は(d
)Fig8(配列番号:17)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミ
ノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドで
ある。
【0018】 「PRO211変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
10(配列番号:22)に示すPRO211ポリペプチドの残基1又は約25〜
353、(b)Fig10(配列番号:22)に示すPRO211ポリペプチド
の残基X〜353であって、XがFig10(配列番号:22)の20〜29の
任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig10(配列番号:22)に示
すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のア
ミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドである。 「PRO230変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
12(配列番号:27)に示すPRO230ポリペプチドの残基1又は約22〜
164、(b)Fig12(配列番号:27)に示すPRO230ポリペプチド
の残基X〜164であって、XがFig12(配列番号:27)の17〜26の
任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig12(配列番号:27)に示
すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のア
ミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドである。 「PRO261変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
14(配列番号:32)に示すPRO261ポリペプチドの残基1又は約24〜
250、(b)Fig14(配列番号:32)に示すPRO261ポリペプチド
の残基X〜250であって、XがFig14(配列番号:32)の19〜28の
任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig14(配列番号:32)に示
すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のア
ミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドである。 「PRO246変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチドの残基1又は約30〜
390、(b)Fig16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチド
の残基X〜390であって、XがFig16(配列番号:37)の25〜34の
任意のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig16(配列番号:37)に示すP
RO246ポリペプチドの残基1又は約30〜Xであって、XがFig16(配
列番号:37)のアミノ酸242〜アミノ酸251の任意のアミノ酸であるもの
、又は(d)Fig16(配列番号:37)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘
導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を持つ活性ポ
リペプチドである。 「PRO317変異体ポリペプチド」は、下記に定義するように(a)Fig
18(配列番号:42)に示すPRO317ポリペプチドの残基1又は約19〜
366、(b)Fig18(配列番号:42)に示すPRO317ポリペプチド
の残基X〜366であって、XがFig18(配列番号:42)の14〜23の
任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig18(配列番号:42)に示
すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と少なくとも約80%のア
ミノ酸配列同一性を持つ活性ポリペプチドである。 このようなPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317変異体
ポリペプチドは、例えば、各々Fig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号
:7)、Fig6(配列番号:12)、Fig8(配列番号:17)、Fig1
0(配列番号:22)、Fig12(配列番号:27)、Fig14(配列番号
:32)、Fig16(配列番号:37)、又はFig18(配列番号:42)
の配列のN-及び/又はC-末端並びに一又は複数の内部ドメインにおいて一又は
複数のアミノ酸残基が付加又は削除されたPRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317ポリペプチドを含む。
【0019】 通常、PRO187変異体ポリペプチドは、(a)Fig2(配列番号:2)
に示すPRO187ポリペプチドの残基1又は約23〜205、(b)Fig2
(配列番号:2)に示すPRO187ポリペプチドの残基X〜205であって、
XがFig2(配列番号:2)の18〜27の任意のアミノ酸残基であるもの、
又は(c)Fig2(配列番号:2)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片
のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少な
くとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%のア
ミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列
同一性を有する。 通常、PRO533変異体ポリペプチドは、(a)Fig4(配列番号:7)
に示すPRO533ポリペプチドの残基1又は約23〜216、(b)Fig4
(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチドの残基X〜216であって、
XがFig4(配列番号:7)の18〜27の任意のアミノ酸残基であるもの、
又は(c)Fig4(配列番号:7)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片
のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少な
くとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%のア
ミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%のア
ミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列
同一性を有する。
【0020】 通常、PRO214変異体ポリペプチドは、(a)Fig6(配列番号:12
)に示すPRO214ポリペプチドの残基1又は約30〜420、(b)Fig
6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの残基X〜420であっ
て、XがFig6(配列番号:12)の25〜34の任意のアミノ酸残基である
もの、(c)Fig6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの残
基1又は約30〜Xであって、XがFig6(配列番号:12)のアミノ酸36
7〜アミノ酸376の任意のアミノ酸であるもの、又は(d)Fig6(配列番
号:12)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なく
とも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約84%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約88%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約92%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約96%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして
、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する。 通常、PRO240変異体ポリペプチドは、(a)Fig8(配列番号:17
)に示すPRO240ポリペプチドの残基1又は約31〜229、(b)Fig
8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチドの残基X〜229であっ
て、XがFig8(配列番号:17)の26〜35の任意のアミノ酸残基である
もの、(c)Fig8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチドの残
基1又は約31〜Xであって、XがFig8(配列番号:17)のアミノ酸19
3〜アミノ酸202の任意のアミノ酸であるもの、又は(d)Fig8(配列番
号:17)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なく
とも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約84%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約88%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約92%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約96%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして
、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する。
【0021】 通常、PRO211変異体ポリペプチドは、(a)Fig10(配列番号:2
2)に示すPRO211ポリペプチドの残基1又は約25〜353、(b)Fi
g10(配列番号:22)に示すPRO211ポリペプチドの残基X〜353で
あって、XがFig10(配列番号:22)の20〜29の任意のアミノ酸残基
であるもの、又は(c)Fig10(配列番号:22)に示すアミノ酸配列の他
の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約82%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約86%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約94%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99
%のアミノ酸配列同一性を有する。 通常、PRO230変異体ポリペプチドは、(a)Fig12(配列番号:2
7)に示すPRO230ポリペプチドの残基1又は約22〜164、(b)Fi
g12(配列番号:27)に示すPRO230ポリペプチドの残基X〜164で
あって、XがFig12(配列番号:27)の17〜26の任意のアミノ酸残基
であるもの、又は(c)Fig12(配列番号:27)に示すアミノ酸配列の他
の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約82%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約86%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約94%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99
%のアミノ酸配列同一性を有する。
【0022】 通常、PRO261変異体ポリペプチドは、(a)Fig14(配列番号:3
2)に示すPRO261ポリペプチドの残基1又は約24〜250、(b)Fi
g14(配列番号:32)に示すPRO261ポリペプチドの残基X〜250で
あって、XがFig14(配列番号:32)の19〜28の任意のアミノ酸残基
であるもの、又は(c)Fig14(配列番号:32)に示すアミノ酸配列の他
の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約82%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約86%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約94%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99
%のアミノ酸配列同一性を有する。 通常、PRO246変異体ポリペプチドは、(a)Fig16(配列番号:3
7)に示すPRO246ポリペプチドの残基1又は約30〜390、(b)Fi
g16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチドの残基X〜390で
あって、XがFig16(配列番号:37)の25〜34の任意のアミノ酸残基
であるもの、(c)Fig16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプ
チドの残基1又は約30〜Xであって、XがFig16(配列番号:37)のア
ミノ酸242〜アミノ酸251の任意のアミノ酸であるもの、又は(d)Fig
16(配列番号:37)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のアミノ酸配
列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81
%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%のアミノ酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85
%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%のアミノ酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89
%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約93
%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%のアミノ酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97
%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%のアミノ酸配列同
一性、そして、より好ましくは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有す
る。
【0023】 通常、PRO317変異体ポリペプチドは、(a)Fig18(配列番号:4
2)に示すPRO317ポリペプチドの残基1又は約19〜366、(b)Fi
g18(配列番号:42)に示すPRO317ポリペプチドの残基X〜366で
あって、XがFig18(配列番号:42)の14〜23の任意のアミノ酸残基
であるもの、又は(c)Fig18(配列番号:42)に示すアミノ酸配列の他
の特異性誘導断片のアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性
、好ましくは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約82%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約86%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約94%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミ
ノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99
%のアミノ酸配列同一性を有する。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246及びPRO317変異体ポリペプチ
ドは、天然のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペ
プチド配列は含まない。通常は、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、より多くは
少なくとも約20アミノ酸長、より多くは少なくとも約30アミノ酸長、より多
くは少なくとも約40アミノ酸長、より多くは少なくとも約50アミノ酸長、よ
り多くは少なくとも約60アミノ酸長、より多くは少なくとも約70アミノ酸長
、より多くは少なくとも約80アミノ酸長、より多くは少なくとも約90アミノ
酸長、より多くは少なくとも約100アミノ酸長、より多くは少なくとも約15
0アミノ酸長、より多くは少なくとも約200アミノ酸長、より多くは少なくと
も約300アミノ酸長、又はそれ以上である。
【0024】 ここに定義されるPRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246及びPRO317
ポリペプチドに対してここで同定されている「パーセント(%)アミノ酸配列同一
性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば
間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、PR
O187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO
230、PRO261、PRO246又はPRO317配列のアミノ酸残基と同
一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセント
アミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の
範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソ
フトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することに
より達成可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のア
ラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメン
トを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここで
の目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、以下に記載するように、ALIGN-
2プログラム用の完全なソースコードがFig20A−Qに与えられている配列
比較プログラムALIGN-2を用いて得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログ
ラムはジェネンテク社によって作成され、Fig20A−Qに示したソースコー
ドは米国著作権事務所, Washington D.C., 20559に使用者用書類とともに提出さ
れ、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2はジェネンテ
ク社、South San Francisco, Californiaを通して公的に入手可能であり、また
Fig20A−Qに与えたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プ
ログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタル
UNIX V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、
ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。 ここでの目的のためには、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸
配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたア
ミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は
含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される: 分率X/Yの100倍 ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメン
トによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全
アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる
場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列
同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列
同一性の計算の例として、Fig19A-Bは、「比較タンパク質」と称される
アミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一
性の計算方法を示す。
【0025】 特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は上記のように
ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%
アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschul等, Nucleic
Acids Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配
列比較プログラムは、http://ww.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードできる。NC
BI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては
初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最
小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25
、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリ
クス=BLOSUM62を含む。 アミノ酸配列比較にNCBI-BLAST2が用いれれる状況では、与えられたアミノ酸
配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同
一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%
アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともでき
る)は次のように計算される: 分率X/Yの100倍 ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のA及びBのアライン
メントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはB
の全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異
なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸
配列同一性とは異なることは理解されるであろう。 さらに、%アミノ酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Al
tschul等, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて決定しても
よい。殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定さ
れない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパ
ン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、
及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。ここでの目的のために、%アミノ酸配
列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列を有する対象
とするPROポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列(即
ち、対象とするPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であ
ってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一アミノ酸
残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドの残基の総数で除した商によ
って決定される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ
酸配列同一性を持つ又は持っているアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」
という表現では、アミノ酸配列Aが対象とする比較アミノ酸配列であり、アミノ
酸配列Bが対象とするPROポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0026】 「PRO187変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO187変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO187をコードする核酸配列を意味し、
(a)Fig2(配列番号:2)に示すPRO187ポリペプチドの残基1又は
約23〜205をコードする核酸配列、(b)Fig2(配列番号:2)に示す
PRO187ポリペプチドの残基X〜205をコードする核酸配列であって、X
がFig2(配列番号:2)の18〜27の任意のアミノ酸残基であるもの、又
は(c)Fig2(配列番号:2)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片を
コードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ。通常、PR
O187変異体ポリヌクレオチドは、(a)Fig2(配列番号:2)に示すP
RO187ポリペプチドの残基1又は約23〜205をコードする核酸配列、(
b)Fig2(配列番号:2)に示すPRO187ポリペプチドの残基X〜20
5をコードする核酸配列であって、XがFig2(配列番号:2)の18〜27
の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig2(配列番号:2)に示す
アミノ酸配列の他の特異性誘導断片をコードする核酸配列のいずれかと、少なく
とも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約9
0%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%の核酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、よ
り好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有する。PRO187ポリ
ヌクレオチド変異体は、天然のPRO187ヌクレオチド配列を含まない。
【0027】 「PRO533変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO533変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO533ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig4(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチド
の残基1又は約23〜216、(b)Fig4(配列番号:7)に示すPRO5
33ポリペプチドの残基X〜216であって、XがFig4(配列番号:7)の
18〜27の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig4(配列番号:
7)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少なくとも約80%
の核酸配列同一性を持つ。通常は、PRO533変異体ポリヌクレオチドは、(
a)Fig4(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチドの残基1又は約
23〜216、(b)Fig4(配列番号:7)に示すPRO533ポリペプチ
ドの残基X〜216であって、XがFig4(配列番号:7)の18〜27の任
意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig4(配列番号:7)に示すアミ
ノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、少なくとも約80%の核酸配列同
一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約82%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約83%の核酸配列
同一性、より好ましくは少なくとも約84%の核酸配列同一性、より好ましくは
少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約86%の核
酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%の核酸配列同一性、より好ま
しくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89
%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%の核酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約93%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約95%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約96%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約97%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約
99%の核酸配列同一性を有している。PRO533ポリヌクレオチド変異体は
、天然のPRO533ヌクレオチド配列を含まない。
【0028】 「PRO214変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO214変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO214ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチ
ドの残基1又は約30〜420、(b)Fig6(配列番号:12)に示すPR
O214ポリペプチドの残基X〜420であって、XがFig6(配列番号:1
2)の25〜34の任意のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig6(配列番号
:12)に示すPRO214ポリペプチドの残基1又は約30〜Xであって、X
がFig6(配列番号:12)のアミノ酸367〜アミノ酸376の任意のアミ
ノ酸であるもの、又は(d)Fig6(配列番号:12)に示すアミノ酸配列の
他の特異性誘導断片のいずれかと少なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ。
通常、PRO214変異体ポリヌクレオチドは、(a)Fig6(配列番号:1
2)に示すPRO214ポリペプチドの残基1又は約30〜420、(b)Fi
g6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの残基X〜420であ
って、XがFig6(配列番号:12)の25〜34の任意のアミノ酸残基であ
るもの、(c)Fig6(配列番号:12)に示すPRO214ポリペプチドの
残基1又は約30〜Xであって、XがFig6(配列番号:12)のアミノ酸3
67〜アミノ酸376の任意のアミノ酸であるもの、又は(d)Fig6(配列
番号:12)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、少なくと
も約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配列同一性
、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましくは少なく
とも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の核酸配列
同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好ましくは
少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87%の核
酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、より好ま
しくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90
%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、より
好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。PRO214ポ
リヌクレオチド変異体は、天然のPRO214ヌクレオチド配列を含まない。
【0029】 「PRO240変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO240変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO240ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチ
ドの残基1又は約31〜229、(b)Fig8(配列番号:17)に示すPR
O240ポリペプチドの残基X〜229であって、XがFig8(配列番号:1
7)の26〜35の任意のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig8(配列番号
:17)に示すPRO240ポリペプチドの残基1又は約31〜Xであって、X
がFig8(配列番号:17)のアミノ酸193〜アミノ酸202の任意のアミ
ノ酸であるもの、又は(d)Fig8(配列番号:17)に示すアミノ酸配列の
他の特異性誘導断片のいずれかと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を持
つ活性ポリペプチドである。通常、PRO240変異体ポリヌクレオチドは、(
a)Fig8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペプチドの残基1又は
約31〜229、(b)Fig8(配列番号:17)に示すPRO240ポリペ
プチドの残基X〜229であって、XがFig8(配列番号:17)の26〜3
5の任意のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig8(配列番号:17)に示す
PRO240ポリペプチドの残基1又は約31〜Xであって、XがFig8(配
列番号:17)のアミノ酸193〜アミノ酸202の任意のアミノ酸であるもの
、又は(d)Fig8(配列番号:17)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導
断片のいずれかと少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも
約81%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約84%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約87%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約9
1%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約94%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約97%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸
配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有
している。PRO240ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO240ヌクレ
オチド配列を含まない。
【0030】 「PRO211変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO211変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO211ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig10(配列番号:22)に示すPRO211ポリペプ
チドの残基1又は約25〜353、(b)Fig10(配列番号:22)に示す
PRO211ポリペプチドの残基X〜353であって、XがFig10(配列番
号:22)の20〜29の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
0(配列番号:22)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少
なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ。通常、PRO211変異体ポリヌク
レオチドは、(a)Fig10(配列番号:22)に示すPRO211ポリペプ
チドの残基1又は約25〜353、(b)Fig10(配列番号:22)に示す
PRO211ポリペプチドの残基X〜353であって、XがFig10(配列番
号:22)の20〜29の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
0(配列番号:22)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、
少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約8
7%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好まし
くは少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%
の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そし
て、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。PRO
211ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO211ヌクレオチド配列を含ま
ない。
【0031】 「PRO230変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO230変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO230ポリペプチドをコードする核酸分
子であり、(a)Fig12(配列番号:27)に示すPRO230ポリペプチ
ドの残基1又は約22〜164、(b)Fig12(配列番号:27)に示すP
RO230ポリペプチドの残基X〜164であって、XがFig12(配列番号
:27)の17〜26の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig12
(配列番号:27)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少な
くとも約80%の核酸配列同一性を持つ。通常、PRO230変異体ポリヌクレ
オチドは、(a)Fig12(配列番号:27)に示すPRO230ポリペプチ
ドの残基1又は約22〜164、(b)Fig12(配列番号:27)に示すP
RO230ポリペプチドの残基X〜164であって、XがFig12(配列番号
:27)の17〜26の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig12
(配列番号:27)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、少
なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配列
同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましくは
少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の核
酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好ま
しくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約87
%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、よ
り好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも
約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして
、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。PRO2
30ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO230ヌクレオチド配列を含まな
い。
【0032】 「PRO261変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO261変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO261ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig14(配列番号:32)に示すPRO261ポリペプ
チドの残基1又は約24〜250、(b)Fig14(配列番号:32)に示す
PRO261ポリペプチドの残基X〜250であって、XがFig14(配列番
号:32)の19〜28の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
4(配列番号:32)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少
なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ。通常、PRO261変異体ポリヌク
レオチドは、(a)Fig14(配列番号:32)に示すPRO261ポリペプ
チドの残基1又は約24〜250、(b)Fig14(配列番号:32)に示す
PRO261ポリペプチドの残基X〜250であって、XがFig14(配列番
号:32)の19〜28の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
4(配列番号:32)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、
少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約8
7%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好まし
くは少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%
の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そし
て、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。PRO
261ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO261ヌクレオチド配列を含ま
ない。
【0033】 「PRO246変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO246変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO246ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプ
チドの残基1又は約30〜390、(b)Fig16(配列番号:37)に示す
PRO246ポリペプチドの残基X〜390であって、XがFig16(配列番
号:37)の25〜34の任意のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig16(
配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチドの残基1又は約30〜Xであ
って、XがFig16(配列番号:37)のアミノ酸242〜アミノ酸251の
任意のアミノ酸であるもの、又は(d)Fig16(配列番号:37)に示すア
ミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少なくとも約80%の核酸配列同
一性を持つ。通常、PRO246変異体ポリヌクレオチドは、(a)Fig16
(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチドの残基1又は約30〜39
0、(b)Fig16(配列番号:37)に示すPRO246ポリペプチドの残
基X〜390であって、XがFig16(配列番号:37)の25〜34の任意
のアミノ酸残基であるもの、(c)Fig16(配列番号:37)に示すPRO
246ポリペプチドの残基1又は約30〜Xであって、XがFig16(配列番
号:37)のアミノ酸242〜アミノ酸251の任意のアミノ酸であるもの、又
は(d)Fig16(配列番号:37)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断
片のいずれかと、少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも
約81%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一
性、より好ましくは少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少な
くとも約84%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約87%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約9
1%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約94%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約97%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸
配列同一性、そして、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有
している。PRO246ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO246ヌクレ
オチド配列を含まない。
【0034】 「PRO317変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO317変異体核酸配列
」は、下記に定義するように活性PRO317ポリペプチドをコードする核酸分
子を意味し、(a)Fig18(配列番号:42)に示すPRO317ポリペプ
チドの残基1又は約19〜366、(b)Fig18(配列番号:42)に示す
PRO317ポリペプチドの残基X〜366であって、XがFig18(配列番
号:42)の14〜23の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
8(配列番号:42)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと少
なくとも約80%の核酸配列同一性を持つ。通常、PRO317変異体ポリヌク
レオチドは、(a)Fig18(配列番号:42)に示すPRO317ポリペプ
チドの残基1又は約19〜366、(b)Fig18(配列番号:42)に示す
PRO317ポリペプチドの残基X〜366であって、XがFig18(配列番
号:42)の14〜23の任意のアミノ酸残基であるもの、又は(c)Fig1
8(配列番号:42)に示すアミノ酸配列の他の特異性誘導断片のいずれかと、
少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくは少なくとも約81%の核酸配
列同一性、より好ましくは少なくとも約82%の核酸配列同一性、より好ましく
は少なくとも約83%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約84%の
核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約85%の核酸配列同一性、より好
ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約8
7%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約88%の核酸配列同一性、
より好ましくは少なくとも約89%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくと
も約90%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約91%の核酸配列同
一性、より好ましくは少なくとも約92%の核酸配列同一性、より好ましくは少
なくとも約93%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約94%の核酸
配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%の核酸配列同一性、より好まし
くは少なくとも約96%の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約97%
の核酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そし
て、より好ましくは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。PRO
317ポリヌクレオチド変異体は、天然のPRO317 ヌクレオチド配列を含まない。 通常は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チド変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長、より多くは
少なくとも約60ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約90ヌクレオチド長
、より多くは少なくとも約120ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約15
0ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約180ヌクレオチド長、より多くは
少なくとも約210ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約240ヌクレオチ
ド長、より多くは少なくとも約270ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約
300ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約450ヌクレオチド長、より多
くは少なくとも約600ヌクレオチド長、より多くは少なくとも約900ヌクレ
オチド長、又はそれ以上である。
【0035】 ここに定義されるPRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246及びPRO317
ポリペプチドコード化核酸配列に対して同定されている「パーセント(%)核酸配
列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要
ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした
、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドコー
ド化配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントと
して定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメ
ントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN
又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフ
トウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配
列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリ
ズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定すること
ができる。しかし、ここでの目的のためには、%核酸配列同一性値は、以下に記
載するように、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードがFig20A−Q
に与えられている配列比較プログラムALIGN-2を用いて得られる。ALIGN-2配列比
較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、Fig20A−
Qに示したソースコードは米国著作権事務所, Washington D.C., 20559に使用者
用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている
。ALIGN-2はジェネンテク社、South San Francisco, Californiaを通して公的に
入手可能であり、またFig20A−Qに与えたソースコードからコンパイルし
てもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム、好ましくは
デジタルUNIX V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメ
ータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。 ここでの目的のためには、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dと
の、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、
又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ
酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される: 分率W/Zの100倍 ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメン
トによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全
ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、C
のDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なる
ことは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例とし
て、Fig19C-Dは、「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO-DNA
」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
【0036】 特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は上記のようにALIG
N-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸
配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschul等, Nucleic Acids R
es. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プ
ログラムは、http://ww.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードできる。NCBI-BLAST
2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に
設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合
長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギ
ャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BL
OSUM62を含む。 配列比較にNCBI-BLAST2が用いれれる状況では、与えられた核酸配列Cの、与
えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与え
られた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は
含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される: 分率W/Zの100倍 ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアライン
メントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはD
の全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合
、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異
なることは理解されるであろう。 さらに、%核酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altsch
ul等, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて決定してもよい
。殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されな
い、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=
1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及び
スコアリングマトリクス=BLOSUM62。ここでの目的のために、%核酸配列同一性
値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有
する対象とするPROポリペプチドコード化配列の核酸配列と、対象とする比較
核酸分子(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の配列が比較
される変異体ポリヌクレオチドであってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によ
って決定した一致する同一ヌクレオチドの数を、(b)対象とするPROポリペ
プチドコード化核酸のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例え
ば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持
っている核酸配列Aを含んでなる単離された核酸分子」という表現では、核酸配
列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするPROポリペプ
チドコード化核酸分子の核酸配列である。
【0037】 他の実施態様では、PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7変異体ポリヌクレオチドは、活性PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチドをコードする核酸分子であり、好ましくは緊縮性ハ
イブリッド形成及び洗浄条件下で、各々Fig2(配列番号:2)、Fig4(
配列番号:7)、Fig6(配列番号:12)、Fig8(配列番号:17)、
Fig10(配列番号:22)、Fig12(配列番号:27)、Fig14(
配列番号:32)、Fig16(配列番号:37)、又はFig18(配列番号
:42)に示す全長のPRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリッド形成できる。PR
O187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO
230、PRO261、PRO246又はPRO317変異体ポリペプチドは、
PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317変異体ポリヌクレオ
チドにコードされるものであってもよい。 「陽性(ポジティブ)」という用語は、上記のように実施された配列比較の中
で、比較された配列において同一ではないが類似の特性を有している残基を含む
。対象とするアミノ酸残基に対してポジティブ値のスコアとされるアミノ酸残基
は、対象とするアミノ酸残基と同一であるか、又は対象とするアミノ酸残基の(
下記の表1で特定するように)好ましい置換とされるものである。 ここでの目的のために、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配
列Bとの、又はそれに対する%ポジティブ値(あるいは、与えられたアミノ酸配
列Bと、又はそれに対して或る程度の%ポジティブを持つ又は含む与えられたア
ミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される: 分率X/Yの100倍 ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメン
トによってポジティブであるとのスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全
アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる
場合、AのBに対する%ポジティブは、BのAに対する%ポジティブとは異なる
ことは理解されるであろう。
【0038】 「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために
使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収され
たポリペプチドを意味する。好ましくは、単離されたポリペプチドはそれに自然
に付随する全ての成分を伴わない。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプ
チドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン
、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様
において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用する
ことにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに
充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用い
た非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される
。単離されたポリペプチドには、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため
、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、
単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドをコ
ードする「単離された」核酸分子、又は抗-PRO187、抗-PRO533、抗
-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-P
RO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体をコードする「単離され
た」核酸は、同定され、PRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17ポリペプチドのコード化核酸又は抗-PRO187、抗-PRO533、抗-
PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PR
O261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体のコード化核酸の天然源に
通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である
。好ましくは、単離された核酸はそれに自然に付随する全ての成分を伴わない。
単離されたPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チドコード化核酸分子又は抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO21
4、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、
抗-PRO246又は抗-PRO317抗体コード核酸分子は、天然に見出される
形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離された核酸分子は、天然の細
胞中に存在するPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチドコード化核酸分子又は抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO
214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO26
1、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体コード化核酸分子とは区別される
。しかし、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チド又は抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO24
0、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又
は抗-PRO317抗体をコードする単離された核酸分子は、例えば、核酸分子
が天然細胞のものとは異なった染色体位置にある、通常はPRO187、PRO
533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO2
61、PRO246又はPRO317ポリペプチドを発現する又は抗-PRO1
87、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211
、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗
体を発現する細胞に含まれるPRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317核酸分子及び抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、
抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-
PRO246又は抗-PRO317抗体コード化核酸分子を含む。
【0039】 「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合
したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好
適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及び
リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化
シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。 核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」てい
る。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に
参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNA
に作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影
響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合
部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用
可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したD
NA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズに
あることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない
。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位
が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプター
あるいはリンカーが使用される。 「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗-P
RO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO
211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO3
17モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、
多エピトープ特異性を持つ抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO21
4、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、
抗-PRO246又は抗-PRO317抗体組成物、一本鎖抗-PRO187、抗-
PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PR
O230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体、及び
抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-
PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-P
RO317抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノク
ローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する
個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一
である集団から得られる抗体を称する。
【0040】 ハイブリッド形成反応の「緊縮性」は、当業者によって容易に決定され、一般
的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に
、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブ
が短くなると温度は低くなる。ハイブリッド形成は、一般的に、相補的鎖がその
融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニール
する能力に依存する。プローブとハイブリッド形成可能な配列との間の所望の相
同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い
相対温度は、反応条件をより緊縮性にするが、低い温度は緊縮性を低下させる。
さらに、緊縮性は塩濃度に逆比例する。ハイブリッド形成反応の緊縮性の更なる
詳細及び説明は、Ausubel等, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley
Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。 ここで定義される「緊縮性条件」又は「高度の緊縮性条件」は、(1)洗浄の
ために低イオン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナ
トリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナト
リウムを用いるもの;(2)ハイブリッド形成中にホルムアミド等の変性剤、例
えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミ
ン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6
.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75m
Mクエン酸ナトリウムを用いるもの;(3)42℃における50%ホルムアミド
、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、
50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム
、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%
SDS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩
化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミ
ド、次いで55℃におけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高緊縮性洗浄
を用いるものによって同定される。 「中程度の緊縮性条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory
Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989に記載されて
いるように同定され、上記の緊縮性より低い洗浄溶液及びハイブリッド形成条件
(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度の緊縮性条件
は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエ
ン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハー
ド液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断サケ精子DNA
を含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中37−
50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長
などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調
節するかを認識するであろう。
【0041】 「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチ
ド」に融合したPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチド含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体
が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトー
プを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポ
リペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好
ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特
である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通
常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。 ここで意図している「活性な」及び「活性」とは、天然又は天然発生PRO1
87、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO23
0、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの生物学的及び
/又は免疫学的活性を保持するPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317ポリペプチドの形態を意味し、ここで「生物学的」活性とは、天然又
は天然発生PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チドによって生ずる(阻害性又は刺激性の)生物学的機能であって、天然又は天
然発生PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
が有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を除くものを意味し、「
免疫学的」活性とは、天然又は天然発生PRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317ポリペプチドが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成
する能力を意味する。
【0042】 ここに開示されるスクリーニングアッセイによって同定できる抗体又は他のア
ンタゴニスト分子(例えば、有機又は無機小分子、ペプチド等)の文脈における
「生物学的活性」は、それらの分子がここに同定される増幅された遺伝子にコー
ドされるペプチドと結合又は複合体形成する能力、又はコード化ポリペプチドと
他の細胞性タンパク質との相互作用を妨害する能力、又はPRO187、PRO
533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO2
61、PRO246又はPRO317ポリペプチドの転写又は翻訳を妨害する能
力を指す。好ましい生物学的活性は、標的細胞の成長阻害である。他の好ましい
生物学的活性は、標的腫瘍細胞の死をもたらす細胞毒性活性である。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの文
脈における「生物学的活性」という用語は、PRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317ポリペプチドが腫瘍形成細胞成長又は制御されない細胞
成長を誘発する能力を意味する。 「免疫学的活性」という語は、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドの少なくとも1つのエピトープとの免疫学的交差反応
性を意味する。 ここで用いられる「免疫学的交差反応性」とは、候補ポリペプチドが、この活
性を持つPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO2
11、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチ
ドの定性的生物学的活性を、周知の活性PRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317ポリペプチドに対して生じたポリクローナル抗血清と競合的
に阻害できることを意味する。そのような抗血清は、例えばヤギ又はウサギに、
完全フロイントアジュバント中の周知の活性類似物を皮下注射し、次いで不完全
フロイント中で腹膜内又は皮下に追加免疫することにより従来の方法で調製され
る。免疫学的交差反応性は好ましくは「特異的」であり、これは同定される免疫
学的交差反応性分子(例えば抗体)の対応するPRO187、PRO533、P
RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
O246又はPRO317ポリペプチドに対する結合親和性が、その分子の他の
任意の知られた天然ポリペプチドに対する結合親和性より有意に高い(好ましく
は少なくとも約2倍、より好ましくは少なくとも約4倍、さらにより好ましくは
少なくとも約8倍、最も好ましくは少なくとも約10倍高い)ことを意味する。
【0043】 「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然
PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの生物
学的活性又はその転写又は翻訳を全体的又は部分的に阻止、阻害、又は中和する
任意の分子を含む。好適なアンタゴニスト分子は特に、アンタゴニスト抗体又は
抗体断片、断片、ペプチド、有機小分子、アンチセンス核酸などを含む。PRO
187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO2
30、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドのアンタゴニ
ストの同定方法は、候補アンタゴニスト分子と接触させ、PRO187、PRO
533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO2
61、PRO246又はPRO317ポリペプチドに通常付随する一又は複数の
生物学的活性の変化を測定することを含みうる。 「小分子」は、ここで約500ダルトン未満の分子量を有すると定義される。 「抗体」(Abs)及び「免疫グロブリン」(Igs)は同じ構造的特徴を持
つ糖タンパク質である。抗体は特定の抗原に対する特異性を示すが、免疫グロブ
リンは抗体及び抗原特異性を持たない他の抗体様分子の両方を含む。後者の種類
のポリペプチドは、例えば、リンパ系によって低レベルで、ミエローマによって
向上したレベルで生産される。「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、
限定されることなく、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なく
とも2つの無傷の抗体から形成される多重特異的抗体(例えば二重特異的抗体)
、及びそれらが所望の生物学的活性を有している限り抗体断片を包含する。 「天然抗体」及び「天然免疫グロブリン」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖及
び2つの同一の重(H)鎖からなる、約150,000ダルトンの異種四量体糖タ
ンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合してお
り、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の中
で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖間ジスルフィド架橋を有
している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(V)を一端に有
する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V)を、他端に定常ドメインを有し;軽
鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは重
鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ド
メイン間の界面を形成すると考えられている。
【0044】 「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体の中で配列が広範囲
に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使
用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイ
ンにわたって一様には分布していない。軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方の高
頻度可変領域又は相補性決定領域(CDRs)と呼ばれる3つ又は4つののセグメ
ントに濃縮される。可変ドメインのより高度に保持された部分はフレームワーク
領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を
結合し、ある場合にはその一部を形成するループ結合を形成する、CDRにより
連結されたβシート配置を主にとる4つ又5つのFR領域をそれぞれ含んでいる
。各鎖のCDRは、FRにより近接して結合せしめられ、他の鎖のCDRと共に
、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, NIH Publ. No.91-3242,
Vol.I, 647-669頁[1991]を参照のこと)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合
に直接関連しているものではないが、種々のエフェクター機能、例えば抗体依存
性細胞毒性活性への抗体の関与を示す。 ここで使用される場合、「高頻度可変領域」なる用語は、抗原結合性を生じる
抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は「相補性決定領域」又は「C
DR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインの残基24−34(L1
)、50−56(L2)及び89-97(L3)及び重鎖可変ドメインの31−35(
H1)、50−65(H2)及び95−102(H3);Kabatら, Sequences of Pro
teins of Immunological Interest,5版, Public Health Service, National In
stitutes of Health, Bethesda, MD.(1991))又は「高頻度可変ループ」からの
残基(すなわち、軽鎖可変ドメインの残基26−32(L1)、50−52(L2)
及び91−96(L3)及び重鎖可変ドメインの残基26−32(H1)、53−5
5(L2)及び96−101(L3);Chothia及びLesk J.Mol.Biol. 196:901-917 (
1987))を含んでなる。「フレームワーク」又は「FR」残基はここに定義した高
頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0045】 「抗体断片」は、未変性の抗体の一部、好ましくは未変性の抗体の抗原結合又
は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab')、及びF
v断片;ダイアボディ(diabody);直鎖状抗体(Zapata等, Protein Eng. 8(10):
1057-1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異
的抗体を含む。 抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれ、各々単一の抗原結合部位を
持つ2つの同一な抗原結合断片、及び残りの「Fc」断片、その名称は容易に結
晶化する能力を反映している、を生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結
合部位を有するが、交差結合抗原であり得るF(ab')2断片が生成される。 「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小抗体断片である。この領
域は、緊密に非共有的に結合した1つの重鎖と1つの軽鎖の二量体からなる。こ
の配置では、V−V二量体の表面における抗原結合部位を決定するために各
可変領域の3つのCDRが相互作用する。正確には、6つのCDRが抗体に抗原
結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(又は抗原特異的な3つのC
DRしか含まないFvの半分)でさえも抗原を認識し結合する能力を持つが、結
合部位全体よりは親和性が低い。 また、Fab断片は軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH
1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ又は複数のシステインを
含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端における数個の残基の付加によりF
ab断片と相違する。Fab'-SHは、ここにおいて、定常ドメインのシステイ
ン残基が遊離のチオール基を持つFab'の記号である。F(ab')2抗体断片は
、元々、それらの間にヒンジシステインを持つFab'断片の対として生成され
た。抗体断片の他の化学的結合も知られている。 任意の種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメイン
のアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる1つ又は
2つの明らかに異なる型に分類できる。 それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、免疫グロブリンは異
なるクラスに分けられる。免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、Ig
D、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらの幾つかは、更にサブクラス(
アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及び
IgA2に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメ
インは、各々α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリ
ンのサブユニット構造及び三次元配置は良く知られている。
【0046】 ここで用いられる「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の
集団、即ち、集団を構成する個々の抗体が少量で存在する自然に起こりうる突然
変異以外は同一である集団から得られる抗体を意味する。モノクローナル抗体は
高度に特異的であり、単一の抗原部位に向けられている。さらに、典型的に異な
る決定基(エピトープ)に対して向けられた異なる抗体を含む従来の(ポリクロ
ーナル)抗体とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に対し
て向けられている。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、ハイブリ
ドーマ培養によって合成され、他の免疫グロブリンに汚染されない点において有
利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体集団から得
られ、任意の特定の方法による抗体の生産を必要とするとは解釈されない抗体の
特徴を示す。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler
等, Nature, 256: 495 [1975]によって最初に記載されたハイブリドーマ法によ
り作成してもよいし、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号参照)
により作成してもよい。また「モノクローナル抗体」はファージ抗体ライブラリ
から、例えば、Clackson等, Nature, 352: 624-628 [1991]及び Marks等, J. Mo
l. Biol., 222: 581-597 (1991)に記載された技術を用いて単離してもよい。 ここで、モノクローナル抗体は特に、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含
み、それは、重鎖又は軽鎖の一部が特定の種から誘導された又は特定の抗体クラ
ス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一又は相同であるが、鎖の残
りの部分は他の種から誘導された又は特定の抗体クラス又はサブクラスに属する
抗体の対応する配列と同一又は相同である抗体、並びにそれらが所望のお生物学
的活性を示す限りにおいてそれらの抗体の断片である(米国特許第4,816,567号
;Morrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 6851-6855 [1984])。
【0047】 非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンから誘
導された最小配列を含有する特定のキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖又
はそれらの断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')あるいは抗体の
他の抗原結合性配列)である。大部分において、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリ
ン(レシピエント抗体)であって、そのレシピエントの相補性決定領域(CDR
)が、マウス、ラット、ヤギなどのヒト以外の種のCDR(ドナー抗体)に由来
する所望の特異性、親和性及び容量を持つ残基で置換されている。ある場合は、
ヒト免疫グロブリンのFvFR枠残基が対応する非ヒト残基で置換される。さら
に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、輸入されるCDR又は枠配列にも見
られない残基を含んでもよい。これらの修飾は、抗体の性能をさらに精密かつ最
適化するために施される。一般にヒト化抗体は、CDR領域の全て又は実質上全
てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全て又は実質上全てがヒ
ト免疫グロブリン共通配列のものである少なくとも1つ、典型的には2つの可変
ドメインの実質的に全部を含有するであろう。また、最適なヒト化抗体は、免疫
グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくと
も一部も含有するであろう。さらなる詳細については、Jones等, Nature 321: 5
22 -525 (1986);Reichmann等, Nature 332: 323-329 (1988);Presta, Curr. O
p. struct. Biol. 2: 593 -596 (1992)を参照のこと。ヒト化抗体は、抗体の抗
原結合領域が、関心のある抗原でマカクザルを免疫化することにより生産された
抗体から由来するプリマタイズしたPRIMATIZED(商品名)抗体を含む。 「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のV及びVドメインを含
む抗体断片を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ま
しくは、FvポリペプチドはV及びVドメイン間にポリペプチドリンカーを
更に含み、それはsFVが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。
sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol.
113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)
のPluckthunを参照のこと。 「ダイアボディ」なる用語は、二つの抗原結合部位を持つ小さい抗体断片を指
し、その断片は同一のポリペプチド鎖(V−V)内で軽鎖可変ドメイン(V)
に重鎖可変ドメイン(V)が結合している。非常に短いために同一鎖上で二つの
ドメインの対形成を可能にするリンカーを使用して、ドメインを他の鎖の相補ド
メインと強制的に対形成させ、二つの抗原結合部位を創製する。ダイアボディー
は、例えば、EP404097;WO93/11161;及びHollingerら, Pro
c.Natl.Acad.Sci. USA 90:6444-6448 (1993)に更に詳細に記載されている。
【0048】 「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定され分離され又は回収
されたものを意味する。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療への
使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他の非タンパク質様溶質が含
まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー(Lowry)法によって
決定した場合95重量%以上の、最も好ましくは99重量%の抗体まで、(2)
スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN
末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分な程度まで、あるいは(3)
クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた還元又は非還元条件下での
SDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、組換え細
胞内のインサイツの抗体が含まれるが、これは抗体の自然環境の少なくとも1つ
の成分が存在しないからである。しかしながら、通常は、単離された抗体は少な
くとも1つの精製工程により調製される。 「標識」という語は、ここで用いられる場合、抗体に直接的又は間接的に結合
して「標識化」抗体を生成する検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は
それ自身によって検出可能でもよく(例えば、放射性同位体標識又は蛍光標識)
、あるいは、酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的変
換を触媒してもよい。検出可能な標識を提供しうる放射性ヌクレオチドは、例え
ば、I-131、I-123、I-125、Y-90、Re-188、Re-186、
At-211、Cu-67、Bi-212、及びPd-109を含む。
【0049】 「固相」とは、本発明の抗体が接着できる非水性マトリクスを意味する。ここ
に包含される固相の例は、部分的又は全体的にガラス(例えば、孔の制御された
ガラス)、ポリサッカリド(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリス
チレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンで形成されたものを含む。或る実
施態様では、前後関係に応じて、固相はアッセイ用プレートのウェル;その他で
は精製用カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィカラム)を含むことがで
きる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような別々の粒
子の不連続な固体相も含む。 「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(PRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317ポリペプチド又はそれらに対する抗体、場合によっては化
学治療薬)の送達に有用な、脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤を含む種々の
型の小さな小胞である。リポソームの成分は、通常は生物学的メンバーの脂質配
列に類似した2層構造に配列される。 ここで用いる「イムノアドヘシン」という用語は、免疫グロブリン定常ドメイ
ンのエフェクター機能を持つ異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性を
付与した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは抗体の抗原認識及
び結合部位以外の所望の結合特異性を持つアミノ酸配列(即ち「異種」)と免疫
グロブリン定常ドメイン配列との融合物である。イムノアドヘシン分子のアドへ
シン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む近
接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は
、IgG-1、IgG-2、IgG-3、又はIgG-4サブタイプ、IgA(Ig
A-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロ
ブリンから得ることができる。
【0050】 II. 本発明の組成物と方法 A.全長PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チド 本発明は、本出願においてPRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317と称されるポリペプチドをコードする、新規に同定され単離されたヌク
レオチド配列を提供する。特に、以下の実施例で更に詳細に開示するように、P
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドをコード
するcDNAを同定し単離した。異なる発現ラウンドで生成されたタンパク質は
異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は任意の与えられたDNA及びコ
ードされたタンパク質に独特であり変化しない。しかしながら、単純化のために
、本明細書では、ここに開示される核酸配列によりコードされるタンパク質並び
に前述のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO2
11、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の定義に含
まれる更なる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製方法に関わらず、
「PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317」と呼ばれる。 下記の実施例に開示するように、cDNAクローンはATCCに寄託されてい
る。クローンの実際のヌクレオチド配列は、この分野での日常的方法を用いて寄
託番号203229されたクローンを配列決定することにより当業者により容易
に決定される。ここに記載したPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317ポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手
可能な配列情報で最も同定可能なリーディングフレームがどれと考えられるかを
特定した。
【0051】 B.PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317変異体 ここに記載した全長天然配列PRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317ポリペプチドに加えて、PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317変異体も調製できると考えられる。PRO187、PRO533
、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、
PRO246又はPRO317変異体は、公知のPRO187、PRO533、
PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、P
RO246又はPRO317DNAに適当なヌクレオチド変化を導入することに
より、及び/又は所望のPRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17ポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、適切なアミノ酸
変化がPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
の翻訳後プロセスを変えうること、例えばグリコシル化部位の数の変化又は膜固
着特性の改変を理解するであろう。 天然全長配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317又は
ここに記載したPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の種
々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されてい
る保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことがで
きる。変異は、結果として天然配列PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317と比較してPRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317のアミノ酸配列が変化するようなPRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317をコードする一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であ
ってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317の一又は複数のドメインの任意の他
のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与
えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317の配列を相同性の知られたタンパク質分子の配
列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすること
によって見出される。アミノ酸置換は、一のアミノ酸を類似した構造又は化学特
性を持つ他のアミノ酸で置換した結果、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち
保存的アミノ酸置換とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1か
ら5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列において
アミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を全長又は成
熟天然配列によって発揮される活性について試験することにより決定される。
【0052】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの断
片がここに提供される。このような断片はN末端又はC末端で切断されていても
よいし、例えば全長又は天然タンパク質と比較した場合、内部残基を欠いていて
もよい。或る種の断片はPRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17ポリペプチドの所望の生物活性に対して必須ではないアミノ酸残基を欠く。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317断片は多くの一般
的な方法の任意のものによって調製することができる。所望のペプチド断片を化
学的に合成してもよい。他のアプローチ法は、酵素消化により、例えば特定のア
ミノ酸残基により定まる部位でタンパク質を切断することが知られている酵素で
タンパク質を処理するか、適当な制限酵素でDNAを消化させることによりPR
O187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO
230、PRO261、PRO246又はPRO317断片を産生し、所望の断
片を単離することを含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応法(
PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅
することを含む。DNA断片の所望の末端を定めるオリゴヌクレオチドを、PC
Rにおいて5'及び3'プライマーとして使用する。好ましくは、PRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド断片は、PRO187
、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、
PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドと少なくとも1つの
生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。 特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換という見出しで
表1に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表1に例示
的置換と名前を付け、又は以下にアミノ酸分類を参照して更に記載するような、
より大幅な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
【0053】
【0054】 ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の実質的な修飾は、(a)置換領域の
ポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又
は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において有意に異
なる置換基を選択することにより達成される。天然に生じる残基は共通の側鎖特
性に基づいてグループに分けられる: (1)疎水性:sys, ser, thr; (2)中性の親水性:cys, ser, thr; (3)酸性:asp, glu; (4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg; (5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び (6)芳香族:trp, tyr, phe 非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを
必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、よ
り好ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。 変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位指向性)突然変異誘発、アラニンスキ
ャンニング、及びPCR突然変異誘発等のこの分野で周知の技術を用いてなすこ
とができる。部位特異的突然変異誘発[Carter等, Nucl. Acids Res., 13: 4331
(1986); Zoller等, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異
誘発[Wells等, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wells等,
Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]又は他のこの分野で
知られた技術をクローニングしたDNAに実施して、PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317変異体DNAを作成することもできる。 また、隣接配列に沿って一又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニング
アミノ酸分析を用いることができる。中でも好ましいスキャンニングアミノ酸は
、比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グ
リシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖
を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好まし
いスキャンニングアミノ酸である[Cunninghem及びWells, Science, 244: 1081-
1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的に
は好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが
多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia,
J. Mol. Biol., 150: 1 (1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない
場合は、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
【0055】 C.PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の修飾 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の共有結合的修飾
は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の一型は、PRO187、PRO
533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO2
61、PRO246又はPRO317ポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を
、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の選択された側鎖
又はN-又はC-末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることを含む
。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317を水不溶性支持体マトリクスあるいは抗-PRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317抗体の精製方法又はその逆で用いるた
めの表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,
1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒド
ロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸、3,3’-ジチオ
ビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含
むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官
能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピオイミ
ダート等の試薬を含む。 他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル
及びアスパルチルへの脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリ
ル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及び
ヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structur
e and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79
-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基の
アミド化を含む。
【0056】 本発明の範囲内に含まれるPRO212、PRO290、PRO341、PR
O535、PRO619、PRO717、PRO809、PRO830、PRO
848、PRO943、PRO1005、PRO1009、PRO1025、P
RO1030、PRO1097、PRO1107、PRO1111、PRO11
53、PRO1182、PRO1184、PRO1187、PRO1281、P
RO23、PRO39、PRO834、PRO1317、PRO1710、PR
O2094、PRO2145、又はPRO2198ポリペプチドの共有結合的修
飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンを変更することを含む
。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、天然配列PRO187、PRO5
33、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO26
1、PRO246又はPRO317に見出される1つ又は複数の炭水化物部分の
欠失、及び/又は天然配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317に存在しない1つ又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さらに
、この語句は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び比率の変化を含む、天然
タンパク質のグリコシル化の定性的変化を含む。
【0057】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドへの
グリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列の変更によって達成されうる。この変
更は、例えば、天然配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17への一又は複数のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれによる置換に
よってもなされる(O結合グリコシル化部位の場合)。場合によっては、PRO1
87、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO23
0、PRO261、PRO246又はPRO317アミノ酸配列はDNAレベル
での変化によって、特に所望のアミノ酸に翻訳されるコドンが産生されるように
予め選んだ塩基でPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポ
リペプチドをコードしているDNAを突然変異させることによって変更される。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド上の
炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、ポリペプチドへのグリコシドの化学
的又は酵素的結合による。これらの方法は1987年9月11日公開の国際特許出願第W
O 87/05330号及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp259-306 (19
81)に記載されている。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド上に
存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的あるいはグリコシル化の標的
となるアミノ酸残基をコードするコドンの突然変異的置換によりなされる。例え
ば、化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimudd
in等, Arch. Biochem Biophys., 259:52 (1987)及びEdge等, Anal. Biochem., 1
18:131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的
開裂は、Thotakura等, Meth. Enzymol., 138:350 (1987)に記載されているよう
に種々のエンド-及びエキソ-グリコシダーゼを使用して達成することができる。
【0058】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の共有結合的修飾
の他の型は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリぺ
プチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,
640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又
は第4,179,337号に記載された方法での結合を含む。 また、本発明のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317は
、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317を含むキメラ分子を形成する方法で修飾しても
よい。 一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できる
エピトープを提供するタグポリペプチドとPRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317との融合を含む。エピトープタグは、一般的にはPRO1
87、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO23
0、PRO261、PRO246又はPRO317のアミノ-又はカルボキシル-
末端に位置する。このようなPRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317のエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用い
て検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピ
トープタグに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によ
ってPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317を容易に精製で
きるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良
く知られている。例としては、ポリ-ヒスチジン(poly-his)又はポリ−ヒスチ
ジン−グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体1
2CA5[Field等, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及び
それに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evan等
, Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616 (1985)];及び単純ヘルペス
ウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborsky等, Protein Engine
ering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグ(Fla
g)-ペプチド[Hopp等, BioTechnology, 6:1204-1210 (1988)];KT3エピトー
プペプチド[Martin等, Science, 255:192-194 (1992)];α-チューブリンエピ
トープペプチド[Skinner等, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)];及
びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth等, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 87:6393-6397 (1990)]を含む。 これに換わる実施態様では、キメラ分子はPRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317の免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域との融
合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも呼ばれ
る)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融
合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可変領域に換えてPRO18
7、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230
、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの可溶化(膜貫通
ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロ
ブリン融合体は、IgG分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1
、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995
年6月27日発行の米国特許第5,428,130号を参照のこと。
【0059】 D.PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
の調製 以下の説明は、主として、PRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞を培養すること
によりPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317を生産する方
法に関する。もちろん、当該分野において良く知られている他の方法を用いてP
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317を調製することができ
ると考えられる。例えば、PRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産
してもよい[例えば、Stewart等, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freem
an Co., San Francisco, CA (1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149
-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行っ
てもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成
機(Foster City, CA)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PRO
187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO2
30、PRO261、PRO246又はPRO317の種々の部分を、別々に化
学的に合成し、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて全長PRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317を製造してもよい。
【0060】 a.PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
をコードするDNAの単離 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコードするDN
Aは、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317mRNAを保
有し、それを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcD
NAライブラリから得ることができる。従って、ヒトPRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317DNAは、実施例に記載されるように、ヒトの
組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。またPR
O187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO
230、PRO261、PRO246又はPRO317コード化遺伝子は、ゲノ
ムライブラリから又はオリゴヌクレオチド合成により得てもよい。 ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタン
パク質を同定するために設計された(PRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317に対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレ
オチド等の)プローブによってスクリーニングできる。選択されたプローブによ
るcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrook等, Mole
cular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができ
る。PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコードする遺
伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrook等,上掲;D
ieffenbach等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laborat
ory Press, 1995)]。 下記の実施例は、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している。
プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が
最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スク
リーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリッド形成時に検出可能であ
るように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良く
知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化あるい
は酵素標識の使用が含まれる。中程度の緊縮性及び高度の緊縮性を含むハイブリ
ッド形成条件は、上掲のSambrook等に与えられている。 このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genban
k等の公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能
とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の所
定領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同
一性は、この分野で知られここに記載する方法を用いて決定できる。 タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ
酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されなかったmRNAの生
成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrook等に記述されているような従来
のプライマー伸展法を使用することにより選択したcDNA又はゲノムライブラ
リのスクリーニングにより得られる。
【0061】 b.宿主細胞の選択及び形質転換 宿主細胞を、ここに記載したPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317生成のための発現又はクローニングベクターで形質移入又は形質転換
し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする
遺伝子を増幅するために適当に改変された常套的栄養培地で培養する。培養条件
、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶこと
ができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、
及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Bu
tler編 (IRL Press, 1991)及びSambrook等, 上掲に見出すことができる。 原核生物細胞形質移入及び真核生物細胞形質移入の方法、例えば、CaCl 、CaPO、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られて
いる。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用
いて形質転換はなされる。前掲のSambrook等に記載された塩化カルシウムを用い
るカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、原核生物又は実質的な細胞壁
障壁を含む他の細胞に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエ
ンスによる感染が、Shaw等, Gene, 23:315 (1983)及び1989年6月29日公開のWO 8
9/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。
このような細胞壁のない哺乳動物細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Viro
logy, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞
の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。
酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van solingen等, J. Bact., 130:946 (1
977)及びHsiao等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従っ
て実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核
マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカ
チオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合
もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術につ
いては、Keown等, Methods in Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansour等
, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。 ここに記載のベクターにおいてDNAをクローン化あるいは発現するために適
切な宿主細胞は、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核
生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性
生物体、例えば大腸菌のような腸内細菌科を含む。種々の大腸菌株、例えば、大
腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大
腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)が公衆に利用可
能である。他の好ましい原核生物宿主細胞は、例えば、大腸菌(Escherichia)、
例えば大腸菌(E. coli)、エンテロバクター、エルウィニア(Erwinia)、クレブシ
エラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア、例えば霊菌
、及び赤痢菌等の腸内細菌科;枯草菌及びビー・リシェニフォルミス(B. lichen
iformis)等の桿菌(例えば、1989年4月12日に発行されたDD 266,710に開示され
たビー・リシェニフォルミス41P);緑膿菌等のシュードモナス;及びストレ
プトマイセスである。これらの例は例示的であり限定するものではない。大腸菌
株W3110は、組み換えDNA生産発酵の共通の宿主株であるので好ましい宿
主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分
泌する。例えば、株W3110は宿主に外因性のタンパク質をコードする遺伝子
において遺伝子変異をもたらすために修飾してもよく、そのような宿主の例は、
完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型t
onA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA
ptr3 phoA E15(argF-lac)169 degP ompT ka
を有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型to
nA ptr3 phoA E15(argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanを有する大腸菌W3110株37D6;株37D
6の非カナマイシン耐性degP欠失変異体である大腸菌W3110株40B4
;及び1990年8月7日に発行された米国特許第4,946,783号に記載された変異体周
辺質プロテアーゼを有する大腸菌株を含む。あるいは、インビトロのクローニン
グ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好ましい。
【0062】 原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、PRO187-
、PRO533-、PRO214-、PRO240-、PRO211-、PRO23
0-、PRO261-、PRO246-又はPRO317-コード化ベクターのため
の適切なクローン化又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシアは、通
常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他に、シゾサッカロミセスプロン
ブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 [1981];
1985年5月2日発行のEP 139,383);クルベロミセスホスツ(Kluveromyces hosts
)(米国特許第4,943,529号; Fleer等, Bio/Technology, 9: 968-975 (1991))、
例えばケーラクチス(K. lactis)(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourt等,
J. Bacteriol. 737 [1983])、ケーフラギリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、
ケーブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、ケーウィケラミイ(K. wick
eramii)(ATCC 24,178)、ケーワルチイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、ケードロ
ソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Berg等, Bio/Technol
ogy, 8: 135 (1990))、ケーテモトレランス(K. themotolerans)及びケーマルキ
シアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia)(EP 402,226);ピッチャパス
トリス(Pichia pastoris)(EP 183,070; Sheekrishna等, J. Basic Microbiol,
28: 265-278 [1988]);カンジダ;トリコデルマレーシア(reesia)(EP 244,234
);アカパンカビ(Case等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259-5263 [197
9]);シュワニオマイセス(schwanniomyces)、例えばシュワニオマイセスオクシ
デンタリス(occidentalis)(1990年10月31日発行のEP 394,538);及び糸状真菌
、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム(Tolypocladium)
(1991年1月10日発行のWO 91/00357);及びコウジ菌宿主、例えば偽巣性コウジ
菌(Ballance等, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284-289 [1983]; Til
burn等, Gene, 26: 205-221 [1983]; Yelton等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
81: 1470-1474 [1984])及びクロカビ(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475-479
[1985])が含まれる。ここで好ましいメチロトロピック(methylotropic)酵母は
、これらに限られないが、ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ、クロエケラ(Kloe
ckera)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス、トルロプシス(Torulopsis)、及びロ
ドトルラ(Rhodotorula)からなる属から選択されるメタノールで成長可能な酵母
を含む。この酵母の分類の例示である特定の種のリストは、C. Anthony, The Bi
ochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載されている。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の発現に適切な宿
主細胞は、多細胞生物から誘導される。無細胞の例としては、ショウジョウバエ
S2及びスポドスペラSf9等の昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。有用な哺
乳動物宿主細胞系の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びCOS細
胞を含む。より詳細な例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株
(COS-7, ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサ
ブクローン化された293細胞、Graham等, J. Gen Virol., 36:59 (1977));チャ
イニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO), (Urlaub及びChasin, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather,
Biol. Reprod., 23:243-251 (1980));ヒト肺細胞 (W138, ATCC CCL 75);ヒト
肝細胞 (Hep G2, HB 8065);及びマウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562, ATTC CCL51
)を含む。適切な宿主細胞の選択は、この分野の技術常識内にある。
【0063】 c.複製可能なベクターの選択及び使用 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコードする核酸
(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現
のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能
である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファ
ージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクタ
ーに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エ
ンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに
制限されるものではないが、一又は複数のシグナル配列、複製開始点、一又は複
数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配
列を含む。これらの成分の一又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者
に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317は直接組換え的に
生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペ
プチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペ
プチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクター
の成分であるか、ベクターに挿入されるPRO187-、PRO533-、PRO
214-、PRO240-、PRO211-、PRO230-、PRO261-、P
RO246-又はPRO317-コード化DNAの一部である。シグナル配列は、
例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定なエン
テロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列であってよい
。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、例えば酵母インベルターゼリーダー
、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Klu
yveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されて
いる)、又は酸ホスフォターゼリーダー、白体(C.albicans)グルコアミラーゼリ
ーダー(1990年4月4日発行のEP 362,179)、又は1990年11月15日に公開された国際
特許出願第WO 90/13646号に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞
の発現においては、同一あるいは関連する種の分泌ポリペプチド由来のシグナル
配列、ウイルス分泌リーダーのような他の哺乳動物のシグナル配列をタンパク質
の直接分泌に使用してもよい。 発現及びクローニングベクターは共に一又は複数の選択された宿主細胞におい
てベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、
酵母菌及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来
する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点
は酵母菌に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノ
ウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに
有用である。 発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される
選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、
メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素
に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリに対する遺伝子
コードD-アラニンラセマーゼのような、複合培地から得られない重要な栄養素
を供給するタンパク質をコードする。 哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの他の例は、DHFRあるいはチミジン
キナーゼのように、PRO187-、PRO533-、PRO214-、PRO2
40-、PRO211-、PRO230-、PRO261-、PRO246-又はP
RO317-コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することので
きるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaub 等
により, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているように
して調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO細胞系である。酵母菌
中での使用に好適な選択遺伝子は酵母菌プラスミドYRp7に存在するtrp1
遺伝子である[Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979);Kingman等, Gene, 7:1
41(1979);Tschemper等, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、
ATCC第44076号あるいはPEP4-1のようなトリプトファン内で成長
する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, G
enetics, 85:12 (1977)]。
【0064】 発現及びクローニングベクターは、通常、PRO187-、PRO533-、P
RO214-、PRO240-、PRO211-、PRO230-、PRO261-
、PRO246-又はPRO317-核酸配列に作用可能に結合し、mRNA合成
を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される好適な
プロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ
-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Cahng等, Nature, 275:615 (197
8); Goeddel等, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリホスファターゼ、トリプ
トファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980);
EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[de
Boer 等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21-25 (1983)]を含む。細菌系で使
用するプロモータもまたPRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17をコードするDNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列
を有する。 酵母菌宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグ
リセラートキナーゼ[Hitzeman 等, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他
の糖分解酵素[Hess 等, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Bioch
emistry, 17:4900(1978)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン
酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホ
フルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレー
トムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。 他の酵母菌プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的
効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソ
チトクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオ
ネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及び
ガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現
に好適に用いられるベクターとプロモータはEP 73,657に更に記載されている。 哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのPRO187、PRO533、P
RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
O246又はPRO317転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫
ウィルス(1989年7月5日公開のUK 2,211,504)、アデノウィルス(例えばアデノウ
ィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、
レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサルウィルス40(SV40)のようなウィル
スのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物から得られるプロモータ
ー、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、及び熱衝撃
プロモーターから得られるプロモーターによって、このようなプロモーターが宿
主細胞系に適合し得る限り制御される。 より高等の真核生物によるPRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317をコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入す
ることによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対
で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。
哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、
エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしなが
ら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。
例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)
、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポ
リオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサ
ーは、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317コード化配列
の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモ
ーターから5’位に位置している。 また真核生物宿主細胞(酵母菌、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多
細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRN
Aの安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのD
NA又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これ
らの領域は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコー
ドするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチ
ドセグメントを含む。 組換え細胞培養でのPRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7の合成に適応化するのに適切なさらに他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Ge
thing等, Nature, 293:620-625 (1981); Mantei等, Nature, 281:40-46 (1979);
EP 117,060; 及びEP 117,058に記載されている。
【0065】 d.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子の増幅又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識された
プローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量
化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-520
5 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリッド形成
法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖
、RNA二本鎖及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本
鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。次
いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結
合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体
の存在を検出することができる。 あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な
方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のア
ッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色又はアッ
セイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳
動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドに対して、又はここで提供
されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317DNAに融合し特異的抗体エピトープ
をコードする外因性配列に対して調製され得る。
【0066】 e.ポリペプチドの精製 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の形態は、培地又
は宿主細胞の溶解液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な
洗浄液(例えばトリトン-X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことがで
きる。PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の発現に用い
られる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤な
どの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317を、組換え細胞タ
ンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例であ
る次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノー
ル沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるク
ロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニ
ウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染
物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPRO187、PRO533、
PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、P
RO246又はPRO317のエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化
カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutcher, Methodes in Enzymology
, 182 (1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Spr
inger-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用い
ることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる産生方法及び特に産
生されるPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO2
11、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の性質に依
存する。
【0067】 E.PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド
をコードする遺伝子の腫瘍組織及び細胞系での増幅 この発明は或る種の癌細胞で増幅される遺伝子の同定及び特徴付けに基づいて
いる。 原核生物及び真核生物ゲノムに2つの見掛け上は矛盾する要件を課した。一方
は、遺伝情報としてのDNAのその最初の形態での保存及び繁殖であり、複数の
世代を通して安定な遺伝を確保する。他方では、細胞又は生物が最近の環境変化
を採用しなければならない。適応メカニズムは遺伝子物質の質的又は量的改変を
含みうる。質的改変は、コード化配列が変化して構造的又は機能的に異なるタン
パク質を生ずるDNA変異を含む。遺伝子増幅は量的改変であり、それにより実
際の完全なコード化配列、即ち遺伝子の数が増加し、転写に利用できるテンプレ
ート数の増加、翻訳可能な転写物の数の増加、及び最終的には増幅された遺伝子
にコードされるタンパク質の量の増加をもたらす。 遺伝子増幅の現象及びそこにあるメカニズムは、幾つかの原核及び真核生物細
胞培養系でインビトロ実験されている。遺伝子増幅の最も特徴づけられた例は、
種々の濃度の細胞毒性薬メトトレキセート(MTX)を含有する培地での真核生
物細胞の培養を含む。MTXは葉酸類似物であり酵素デヒドロフォレートレダク
ターゼ(DHFR)のブロックによりDNA合成を妨害する。低濃度のMTXに
最初に暴露すると殆どの細胞(>99.9%)が死亡する。少量の細胞は生き残り、多
量のDHFR-RNA及びタンパク質を生産することによりMTX濃度を増加さ
せても成長できる。この過剰生産の基礎は単一のDHFR遺伝子の増幅である。
遺伝子のさらなるコピーは、小さく過剰な染色体(二重微小)の形態で染色体外
コピーとして、又は一体化染色体コピーとして見られる。
【0068】 遺伝子増幅は、細胞毒性薬(最近に対する抗生物質及び真核生物に対する化学
治療薬)への耐性の進行及び腫瘍形成性形質転換において最も普通に起こる。自
発的事象としての又はウイルス又は化学/環境侵襲による真核生物の形質転換は
典型的にその細胞の遺伝物質における変化を伴う。ヒト悪性収容で観察される最
も通常の遺伝的変化はp53タンパク質の突然変異である。p53は、定常(G
1)から複製(S)相への細胞の転移を制御し、DNA損傷の存在下でこの転移
を防止する。言い換えれば、p53変異不全の主な結果の一つは、DNA損傷の
蓄積及び成長、即ち遺伝的変化である。腫瘍形成細胞における遺伝的変化の通常
の型は、点変異に加えて、増幅及び全体、構造的改変、例えば転位置である。 DNA配列の増幅は、DHFR実験系で例示したように特定の機能的要件を示
す。従って、悪性におけるある種のオンコジーンの増幅は悪性形質転換及び形質
転換フェノタイプの維持のプロセスにおけるこれらの遺伝子の原因となる役割を
示す。この仮説が最近の研究で支持されている。例えば、bcl-2タンパク質
はある型の非ホジキンリンパ腫において増幅されることが見いだされた。このタ
ンパク質はアポトーシスを阻害して腫瘍形成細胞の蓄積を進行させる。成長因子
レセプターの遺伝子ファミリのメンバーが種々の型の癌で増幅されることが見い
だされ、これらのレセプターの過剰発現が、腫瘍細胞の制限された量の利用可能
な成長因子に対する感受性を低下させる。例としては、アンドロゲン欠乏治療の
間の再発前立腺癌におけるアンドロゲンレセプターの増幅、及び乳癌における成
長因子レセプター相同体ERB2の増幅を含む。最近、細胞間シグナル伝達及び
細胞周期進行に含まれる遺伝子が悪性形質転換の間に増幅を受けうる。これは、
種々の上皮及びリンパ腫瘍形成におけるbcl-I及びras遺伝子の増幅によ
って例示される。 これらの初期の研究は、これらの方法が悪性形質転換に重要な遺伝子の同定が
可能であるため、腫瘍形成において増幅されたDNA配列の同定の可能性を例示
する。ERB2の場合も、形質転換タンパク質が腫瘍治療のための新規で特異的
な標的を示すので、治療的立場からの可能性を示す。 増幅されたゲノム配列を示すのに幾つかの異なる技術を使用できる。癌細胞か
ら調製した染色体展開の古典的な細胞発生分析は、転位置、欠失及び変換といっ
た全体構造変化を同定するには十分である。増幅ゲノム領域は、それらが高いコ
ピー数を含むか染色体外物質として存在する場合にのみ可視化される。細胞発生
は特定の腫瘍形成を持つ特定の染色体変化の一貫した関係を示すための第1の技
術だが、管理可能なDNA配列の同定及び単離には不十分である。より最近に開
発された技術の競合ゲノムハイブリッド形成(CGH)は腫瘍形成におけるゲノ
ム増幅の広範な現象を例示する。腫瘍及び正常DNAは正常細胞の分裂中期に同
時にハイブリッド形成し、腫瘍に高頻度で存在するDNA配列についての画像分
析で全ゲノムをスクリーニングする(WO 93/18,186; Gray等, Radiation Res. 1
37: 275-289 [1994])。スクリーニング法として、このタイプの分析は、種々の
ヒト腫瘍における再発アンプリコン(増幅DNAの伸展)の多数を明らかにした
。CGHは古典的細胞発生分析よりDNAの増幅伸展の同定において感度が高い
が、それは標準的な遺伝子技術によりアンプリコン内のコード化配列の迅速な同
定及び単離ができない。
【0069】 遺伝子増幅の検出に最も感度の良い方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベ
ースのアッセイである。これらのアッセイは極めて少量の腫瘍DNAを出発材料
として用い、精巧で感度が良く、配列決定などの更なる分析に利用できるDNA
を提供し、高容量スループット分析に適している。 上記のアッセイは相互に排他的ではなく、腫瘍形成における増幅の同定にしば
しば組み合わせて使用される。細胞発生分析及びCGHは増幅領域の全ゲノムの
概観のためのスクリーニング法を代表し、PCRベースのアッセイはコード化配
列、即ち増幅領域の遺伝子を最終的に同定するのに最も適している。 本発明により、このような遺伝子は定量的PCR(S. Gelmini等, Clin, Chem
. 43: 752 [1997])により、乳、肺、結腸、前立腺、脳、肝臓、腎臓、膵臓、脾
臓、精巣、卵巣、子宮など、腫瘍、又は腫瘍細胞系を含む種々の一次腫瘍からの
DNAを健常ドナーからのプールしたDNAと比較することにより同定される。
定量的PCRは、Taqman装置(ABI)を用いて実施された。遺伝子特異的プライ
マー及び蛍光発生プローブは、DNAのコード化配列に基づいて設計される。 ヒト肺癌細胞系は、A549(SRCC768)、Calu-1(SRCC769
)、Calu-6(SRCC770)、H157(SRCC771)、H441(SR
CC772)、H460(SRCC773)、H522(SRCC832)、H81
0(SRCC833)、SKMES-1(SRCC774)及びSW900(SRCC
775)を含み、全てATCCから入手可能である。原発ヒト肺腫瘍細胞は通常
は腺癌、扁平上皮細胞癌、大細胞癌、非-小細胞癌、小細胞癌、及び気管支肺胞
癌から誘導され、例えば、SRCC724(「AdenoCa」と略記される腺癌)(
LT1)、SRCC725(「SqCCa」と略記される扁平上皮細胞癌)(LT1a)
、SRC725(「NSCCa」と略記される非-小細胞癌)(LT1a)、SRC
C726(腺癌)(LT2)、SRCC727(腺癌)(LT3)、SRCC728(腺
癌)(LT4)、SRCC729(扁平上皮細胞癌)(LT6)、SRCC730(腺
/扁平上皮細胞癌)(LT7)、SRCC825(腺癌)(LT8)、SRCC7
31(腺癌)(LT9)、SRCC732(扁平上皮細胞癌)(LT10)、SRCC
733(扁平上皮細胞癌)(LT11)、SRCC734(腺癌)(LT12)、SR
CC735(腺/扁平上皮細胞癌)(LT13)、SRCC736(扁平上皮細胞癌
)(LT15)、SRCC737(扁平上皮細胞癌)(LT16)、SRCC738
(扁平上皮細胞癌)(LT17)、SRCC739(扁平上皮細胞癌)(LT18)、S
RCC740(扁平上皮細胞癌)(LT19)、SRCC741(肺細胞癌、「LCCa
」と略記)(LT21)、SRCC811(腺癌)(LT22)、SRCC887(扁平
上皮細胞癌)(LT26)、SRCC888(腺-BAC癌)(LT27)、SRCC88
9(扁平上皮細胞癌)(LT28)、SRCC890(扁平上皮細胞癌)(LT29
)、SRCC891(腺癌)(LT30)、SRCC892(扁平上皮細胞癌)(LT3
1)、SRCC894(腺癌)(LT3を含む。また、SRCC1125[HF-000
631]、SRCC1129[HF-000643]、SRCC1133[HF-000840]及び
SRCC1135[HF-000842]と称されるヒト肺腫瘍も含まれる。
【0070】 大腸癌細胞系は、例えば、ATCC細胞系SW480(腺癌、SRCC776)
、SW620(結腸腺癌のリンパ節転移、SRC777)、Colo320(癌、
SRCC778)、Colo205(癌、SRCC828)、HCC2998(癌、
SRCC830)、HT29(腺癌、SRCC779)、HM7(癌、SRCC7
80)、KM12(癌、SRCC831)、CaWiDr(腺癌、SRCC781)
、HCT15(癌、SRCC829)、HCT116(癌、SRCC782)、SK
CO1(腺癌、SRCC783)、SW403(腺癌、SRCC784)、LS17
4T(癌、SRCC785)、及びHM7(ATCC大腸腺癌細胞系LS174T
の高ムシン産生変異体、SRCC780、Robert Warren博士, UCSFから得た)を
含む。原発大腸腫瘍は、CT1(SRCC751)、CT2(SRCC742)、C
T3(SRCC743)、CT4(SRCC752)、CT5(SRCC753)、C
T6(SRCC754)、CT7(SRCC755)、CT8(SRCC744)、C
T9(SRCC756)、CT10(SRCC745)、CT11(SRCC757)
、CT12(SRCC746)、CT14(SRCC747)、CT15(SRCC
748)、CT16(SRCC749)、CT17(SRCC750)、CT18(S
RCC758) 、CT25(腺癌、SRCC912)、CT28(腺癌、SRCC
915)、CT35(腺癌、SRCC921)と称される大腸腺癌を含む。また、
SRCC1051[HF-000499]、SRCC1052[HF-000539]、SRCC1
053[HF-000575]、SRCC1054[HF-000698]、SRCC1060[HF
-000756]、SRCC1144[HF-000789]及びSRCC1148[HF-000811
]と称されるヒト大腸腫瘍中心、及びSRCC1059[HF-000755]と称され
るヒト大腸腫瘍辺縁も含まれる。 ヒト乳癌細胞系は、例えば、HBL100(SRCC759)、MB435s(
SRCC760)、T47D(SRCC761)、MB468(SRCC762)、
MB175(SRCC763)、MB361(SRCC764)、BT20(SRC
C765)、MCF7(SRCC766)及びSKBR3(SRCC767)、及
びSRCC1057[HF-000545]と称されるヒト乳腫瘍中心を含む。また、S
RCC1094、SRCC1095、SRCC1096、SRCC1097、S
RCC1098、SRCC1099、SRCC1100及びSRCC1101と
称されるヒト乳腫瘍も含まれる。 ヒト腎臓腫瘍中心は、SRCC989[HF-000611]及びSRCC1014[H
F-000613]を含む。リンパ節腫瘍はSRCC1004[HF-000854]を含む。直
腸腫瘍はSRCC82[HF-000551]を含む。精巣腫瘍中心はSRCC1001
[HF-000733]そして精巣腫瘍辺縁はSRCC999[HF-000716]を含む。
【0071】 F.組織分布 ここでの遺伝子増幅アッセイの結果は、種々のヒト組織でのmRNA発現の測
定などのさらなる実験により確認できる。 上記したように、種々の組織における遺伝子増幅又は遺伝子発現は、mRNA
の転写の定量化のための従来のサザンブロット、ノーザンブロット(Thomas, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 5201-5205 [1980])、ドットブロット(DNA
分析)、又はインサイツハイブリッド形成により、ここに提供する配列にもとづ
いて適切な標識プローブを用いて測定できる。あるいは、DNA二重鎖、RNA
二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-タンパク質二重鎖を
含む特定の二重鎖を認識する抗体を用いてもよい。 あるいは、種々の組織における遺伝子発現は、遺伝子産物を直接定量化するた
めの、組織断片及び細胞培地又は体液の免疫組織学的染色などの免疫的方法によ
っても測定できる。免疫組織学的染色又は試料液のアッセイに有用な抗体は、モ
ノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の動物から調製される。便利に
は、抗体は天然配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
ポリペプチドに対して、又はここに提供するDNA配列に基づく合成ペプチドに
対して、又はPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317DNA
配列に融合し特異的抗体エピトープをコードする細胞外配列に対して調製される
。抗体を生成する一般的技術、及びノーザンブロット及びインサイツハイブリッ
ド形成のプロトコールは以下に提供する。
【0072】 G.染色体マッピング 与えられた遺伝子の増幅が機能的に関連する場合は、その遺伝子は、腫瘍生存
に重要でない隣接ゲノム領域より多く増幅すべきである。これを試験するために
、例えば放射性ハイブリッド分析により、遺伝子を特定染色体にマッピングでき
る。次いで、増幅レベルを特定した位置及び隣接ゲノム領域において測定する。
遺伝子がマッピングされたゲノム領域での選択的又は優先的増幅は、観察された
遺伝子増幅が腫瘍成長又は生存を促進する可能性と一致する。染色体マッピング
はフレームワーク及びエピセンターマッピングの両方を含む。さらなる詳細は、
例えば、Stewart等, Genome Research 7, 422-433 (1997)を参照。 H.抗体結合実験 遺伝子増幅実験の結果は、腫瘍(癌)細胞上でのPRO187、PRO533
、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、
PRO246又はPRO317ポリペプチドの発現を阻害する抗-PRO187
、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗
-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体の
能力が試験される抗体結合実験によって更に確認できる。例示的な抗体は、ポリ
クローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、及びへテロ抱合体抗体を含
み、その調製は以下に記載する。 抗体結合実験は、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドウィッチアッセイ
、及び免疫沈降アッセイなどの既知のアッセイ法で実施してよい。Zola, Monocl
onal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 19
87)。 競合的結合アッセイは、標識標準物の、限られた量の抗体との結合について試
験分析物と競合する能力による。試験試料中の(腫瘍細胞で増幅された遺伝子に
コードされる)標的タンパク質の量は、抗体に結合し始める標準物の量に逆比例
する。結合し始める標準物の量の測定を促進するために、抗体は好ましくは競合
の前又は後に固定化し、抗体に結合した標準品及び分析物が未結合で残っている
標準物及び分析物から容易に分離できるようにする。 サンドウィッチアッセイは2つの抗体の使用を含み、各々が検出すべきタンパ
ク質の異なる免疫原部分、又はエピトープに結合できる。サンドウィッチアッセ
イにおいて試験試料分析物は固体支持体上に固定化された第1の抗体に結合し、
その後第2の抗体が分析物に結合し、よって不溶性の3成分複合体が形成される
。例えば米国特許第4,376,110号参照。第2の抗体は検出可能部分で標識され(
直接サンドウィッチアッセイ)、あるいは検出可能部分で標識された抗-免疫グ
ロブリン抗体を用いて測定してもよい(間接サンドウィッチアッセイ)。例えば
、サンドウィッチアッセイの一形態はELISAアッセイであり、この場合の検
出可能部分は酵素である。 免疫組織学のために、腫瘍試料は新鮮でも凍結したものでもよく、パラフィン
に包埋して、例えばホルマリン等の保存剤で固定してもよい。
【0073】 I.細胞ベースの腫瘍アッセイ 細胞ベースアッセイ及び腫瘍(例えば、癌)の動物モデルを用いて、遺伝子増
幅アッセイに発見を確認し、ここでの遺伝子増幅と腫瘍形成細胞成長の進行及び
病理との関係をさらに理解することができる。ここで同定する遺伝子産物の腫瘍
又は癌の進行及び病理における役割は、ここで遺伝子を増幅すると同定された一
次腫瘍細胞又は細胞系を用いて試験することができる。このような細胞は、例え
ば、上記した乳、大腸及び肺癌細胞及び細胞系を含む。 異なる方法では、特定の腫瘍に含まれることが知られた細胞型の細胞をここの
cDNAで形質移入し、これらのcDNAの過剰成長誘発能力を分析する。適当
な細胞は、例えば、B104-1-1(neuプロトオンコジーンで形質移入され
た安定なNIH-3T3細胞液)及びras-形質移入NIH-3T3細胞等の安
定な腫瘍細胞系を含み、これらは所望の遺伝子で形質移入し、そして腫瘍形成的
成長を監視できる。このような形質移入細胞系は、次いで、形質転換細胞の成長
に対する細胞分裂停止又は細胞毒性活性の発揮により、又は抗体依存性細胞性細
胞毒性(ADCC)の媒介により、ポリ−又はモノクローナル抗体又は抗体組成
物の腫瘍形成細胞成長を阻害する能力を試験するのに使用できる。ここに同定し
た遺伝子のコード化配列で形質移入した細胞は、さらに、癌治療用の候補薬の同
定に使用できる。 さらに、(下記のような)トランスジェニック動物の腫瘍から誘導された一次
培地は、ここでの細胞ベースアッセイに使用できるが、安定な細胞系が好ましい
。トランスジェニック動物から連続細胞系を誘導する技術はこの分野で良く知ら
れている(Small等, Mol. Cell. Biol. 5, 642-648 [1985]参照)。 J.動物モデル 腫瘍の進行及び原因におけるここに同定される遺伝子の役割を更に理解するた
めに、そして抗体、及び小分子アゴニストを含む天然ポリペプチドの他のアゴニ
ストを含む候補治療薬の有効性を試験するために、種々の良く知られた動物モデ
ルが使用できる。これらのモデルのインビボ性質により、特にヒト患者における
反応を予測できる。腫瘍及び癌(例えば、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌など)
の動物モデルは、非組換え及び組換え(トランスジェニック)動物の両方を含む
。非組換え動物モデルは、例えば、齧歯類、例えばマウスモデルを含む。このよ
うなモデルは、標準的な技術、例えば、皮下注射、尾部静脈注射、脾臓移植、腹
膜内移植、腎被膜下移植、又はオルトピン(orthopin)移植、例えば大腸組織に移
植された大腸癌細胞により、腫瘍細胞を同系マウスに導入することにより作成さ
れる。(1997年9月18日に発行されたPCT公報WO 97/33551参照。) 癌遺伝子の研究におそらく最もしばしば用いられる動物種は、免疫不全マウス
、特にヌードマウスである。ハイポ/形成不全を持つヌードマウスがヒト腫瘍異
種移植の宿主として行動するという観察は、この目的のための広い用途を導いた
。常染色体劣性nu遺伝子が、例えば、ASW、A/He、AKR、BALB/
c、B10.LP、C17、C3H、C57BL、C57、CBA、DBA、D
DD、I/st、NC、NFR、NFS、NFS/N、NZB、NZC、NZW
、P、RIII及びSJLを含むヌードマウスの極めて多数の異なる共通遺伝子
系統に導入された。さらに、遺伝的な免疫不全を持つヌードマウス以外の広範な
他の動物が生育され、腫瘍異種移植のレシピエントとして用いられた。さらなる
詳細については、The Nude Mouse in Oncology Research, E. Boven 及び B. Wi
nograd 編, CRC Press, Inc., 1991を参照。
【0074】 これらの動物に導入される細胞は、周知の腫瘍/癌細胞系、例えば上記列挙し
た腫瘍細胞系、及び、例えばB104-1-1細胞系(neuプロトオンコジーン
で形質移入された安定NIH-3T3細胞系);ras-形質移入NIH-3T3
細胞:Caco-2(ATCC HTB-37)、中程度に良く分化したグレードIIヒト大
腸腺癌細胞系、HT-29(ATCC HTB-38)から、あるいは腫瘍及び癌から誘導す
ることができる。腫瘍又は癌細胞の試料は、手術を受けている患者から、液体窒
素中での凍結及び保存を含む標準的な条件を用いて得ることができる(Karmali
等, Br. J. Cancer 48, 689-696 [1983])。 腫瘍細胞は、ヌードマウスなどの動物に、種々の手法によって導入できる。マ
ウスの皮下(s.c.)空間は、腫瘍移植に非常に好ましい。腫瘍は、固体ブロ
ックとして、トロチャー(trochar)を用いてニードル生検として、細胞懸濁物と
してs.c.移植できる。固体ブロック又はトロチャー移植のために、適切な大
きさの腫瘍組織断片がs.c.空間に導入される。細胞懸濁物は、原発腫瘍又は
安定な腫瘍細胞系から新たに調製され、皮下注射される。また腫瘍細胞は、皮下
植え込みとして注射することもできる。この位置において、種菌が皮膚結合組織
の下層とs.c.組織との間に析出される。Boven及びWinograd (1991), 上掲。 乳癌の動物モデルは、例えば、神経芽腫細胞(それからneu癌遺伝子が最初
に単離される)、又はneu形質移入NIH-3T3細胞をヌードマウスに移植
することにより、基本的にはDrebin等, PNAS USA 83, 9129-9133 (1986)に記載
されているように生成される。 同様に、大腸癌の動物モデルは、大腸癌細胞を動物、例えばヌードマウスに継
代し、これらの動物における腫瘍の発現を導くことにより生成される。ヌードマ
ウスにおけるヒト大腸癌の同所性移植モデルは、例えば、Wang等, Cancer Resea
rch 54, 4726-4728 (1994)及びToo等, Cancer Research 55, 681-684 (1995)に
記載されている。このモデルは、いわゆるAntiCancer, Inc. (SanDiego, Califo
rnia)から市販の「METAMOUSE」に基づく。 動物に生じた腫瘍は、取り出してインビトロで培養することができる。インビ
トロ培地からの細胞は、次いで動物に継代することができる。これらの腫瘍は、
さらなる試験及び薬物スクリーニングの標的として提供され得る。あるいは、継
代から得られる腫瘍は単離でき、継代前細胞及び1又はそれ以上の継代後に単離
した細胞のRNAを、対象とする遺伝子の識別可能な発現について分析する。こ
のような継代技術は、周知の腫瘍又は癌細胞系で実施することができる。
【0075】 例えば、Meth A、CMS4、CMS5、CMS21、及びWEHI-16
4がBALB/c雌マウスの線維肉腫に導入され(DeLeo等, J. Exp. Med. 146,
720 [1977])、それは、種々の抗原の抗-腫瘍活性の研究のための高度に制御可
能なモデル系を提供する(Palladino等, J. Immunol. 138, 4023-4032 [1987])
。簡便には、腫瘍細胞は細胞培地中でインビトロで成長させる。動物に注射する
前に、細胞系は洗浄してバッファー中に約10x10から10x10細胞/
mlの細胞密度で懸濁する。次いで動物を10から100μlの細胞懸濁物で皮
下感染し、腫瘍が現れるまで1から3週間放置する。 さらに、最も完全に研究された実験的腫瘍の一つであるマウスのルイス肺(3
LL)癌腫は、研究用腫瘍モデルとして用いることができる。この腫瘍モデルに
おける有効性は、肺の小細胞癌腫(SCCL)と診断されたヒト患者の治療にお
ける有利な効果と相関していた。この腫瘍は、影響を受けたマウスからの腫瘍断
片又は培地に残った細胞の注射に際して正常マウスに導入でき(Zupi等, Br. J.
Cancer 41, suppl. 4, 309 [1980])、証拠は、腫瘍がたった一つの細胞の注射
から開始され、感染した腫瘍細胞の極めて高い集団が生存することを示している
。この腫瘍モデルに関する更なる情報については、Zacharski, Haemostasis 16,
300-320 [1986]を参照のこと。 移植された腫瘍の動物モデルにおける試験化合物の有効性を評価する一つの方
法は、治療前後での腫瘍の大きさを測定することである。伝統的に、移植した腫
瘍の大きさは、二又は三次元のスライドキャリパーで測定される。二次元に制限
された測定は、腫瘍の大きさを正確に反映せず、従って、通常は数式を用いて対
応する容積に換算される。しかしながら、腫瘍の大きさの測定は極めて不正確で
ある。候補薬の治療効果は、治療-誘発性の成長遅延及び特異的な成長遅延とし
てより良く記述できる。腫瘍成長の記述における他の重要な変数は、腫瘍容積倍
加時間である。Rygaard及びSpang-Thomsen, Proc. 6th Int. Workshop on Immun
e-Deficient Animals, Wu及びSheng編, Basel, 1989, 301によって報告されたプ
ログラムなどの、腫瘍成長の計算及び記述のためのコンピュータプログラムも利
用可能である。しかし、腫瘍に続く壊死及び炎症反応が実際には少なくとも初期
に腫瘍の大きさを増大させ得ることを注記しておく。従って、これらの変化は、
形態学的方法及びフローサイトメトリー分析を組み合わせて、注意深く監視する
必要がある。 組換え(トランスジェニック)動物モデルは、ここに同定された遺伝子のコー
ド部分を、トランスジェニック動物作成のための標準的技術を用いて、対象とす
る動物のゲノムに導入することにより加工できる。トランスジェニック動物は、
「導入遺伝子」又は動物自体又は動物の祖先に出生前段階(例えば胚段階)でゲ
ノムに導入された遺伝物質を有するものである。トランスジェニック操作の標的
として提供できる動物は、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモッ
ト、ヒツジ、ヤギ、ブタ、及び非-ヒト霊長類、例えばヒヒ、チンパンジー及び
サルを含む。これらの動物に導入遺伝子を導入するのにこの分野で知られた技術
は、全核マイクロインジェクション(Hoppe及びWanger, 米国特許第4,873,191号
);胚系列へのレトロウイルス媒介遺伝子転移(例えば、Van der Putten等, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 6148-615 [1985]);胚性肝細胞での遺伝子標的
化(Thompson等, Cell 56, 313-321 [1989]);胚のエレクトロポレーション(L
o, Mol. Cel. Biol. 3, 1803-1814 [1983]);精子媒介遺伝子転移(Lavitrano
等, Cell 57, 717-73 [1989])を含む。概説のためには、例えば、米国特許第4,
736,866号を参照のこと。
【0076】 本発明の目的のために、トランスジェニック動物は、その一部にのみ導入遺伝
子を有するもの(「モザイク動物」)を含む。導入遺伝子は、単一の導入遺伝子
として、又はコンカテマー、例えば頭部と頭部又は頭部と尾部の直列型として組
み込まれる。特定の細胞型への導入遺伝子の選択的導入も、例えば、Lasko等, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 6232-636 (1992)の技術に従って可能である。 トランスジェニック動物における導入遺伝子の発現は、標準的技術によって監
視できる。例えば、導入遺伝子の組み込みの確認にサザンブロット分析又はPC
R増幅が用いられる。次いで、mRNA発現のレベルは、インサイツハイブリッ
ド形成、ノーザンブロット分析、PCR、又は免疫組織化学などの技術を用いて
分析できる。動物は、腫瘍又は癌発生の徴候についてさらに試験される。 あるいは、動物の胚性細胞に導入されたPRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317ポリペプチドをコードする変更ゲノムDNAと、そのポリ
ペプチドをコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、ここに同定
するPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドを
コードする欠陥又は変更遺伝子を有する「ノックアウト」動物を作成することが
できる。 例えば、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO2
11、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチ
ドをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317ポリペプチドをコードするゲノムDNAのクロ
ーニングに使用できる。特にPRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317ポリペプチドをコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込み
を監視するために使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝
子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDN
A(5'と3'末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターに
ついてはThomas and Capecchi, Cell, 51: 503 (1987)を参照のこと]。ベクタ
ーは胚性幹細胞に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入された
DNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞を選択する[例えば、Li等,
Cell,69:915 (1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラッ
ト)の胚盤胞内に注入され、集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratoca
rcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson
, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113-152参照]。その後、キメラ性胚を適切な
偽妊娠の雌性乳母に移植し、「ノックアウト」動物を作ると言われる。胚細胞に
相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それ
らを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させ
ることができる。ノックアウト動物は、PRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317ポリペプチドが不在であることによるある種の病理的状態及
び病理的状態の進行に対して防御する能力によって特徴付けられる。
【0077】 自発的な動物腫瘍の治療におけるここに同定されるポリペプチドに特異的に結
合する抗体、及び他の候補薬の有効性も試験できる。このような研究のための適
切な標的は、ネコ口腔扁平上皮癌(SCC)である。ネコ口腔SCCは高度に侵
襲的な悪性腫瘍で、ネコに最も通常の口腔悪性腫瘍であり、この種に報告される
口腔腫瘍の60%以上を占める。それは、離れた部位には殆ど転移しないが、こ
の転移の低い発生率は単にこの腫瘍を持つネコの短い生存期間を反映しているに
すぎない。これらの腫瘍は通常手術できないが、主にネコの口腔の解剖学的形状
による。現在では、この腫瘍の有効な治療法は存在しない。研究に入る前に、各
々のネコに完全な臨床検査、生体組織検査を施し、コンピュータ断層撮影(CT
)によりスキャンした。舌下口腔扁平上皮細胞腫瘍を持つと診断されたネコは研
究から排除した。舌はこの腫瘍のために麻痺し始め、治療がこの腫瘍を殺した後
でも、動物は自分で餌を取ることができないであろう。各々のネコを長期に渡っ
て繰り返し治療する。腫瘍の写真を治療期間中の毎日及び引き続く再チェックの
時点で撮影した。治療の後、各ねこに再度CTスキャンを施した。CTスキャン
及びラジオグラフは、その後8週間ごとに評価した。データは、対照群と比較し
た生存数、反応性及び毒性における相違について評価した。ポジティブ反応は、
腫瘍の縮小、好ましくは生存の質の向上又は生存期間の延長を必要とする。 さらに、他の自発的動物腫瘍、例えばイヌ、ネコ、及びヒヒの線維肉腫、腺癌
、リンパ腫、クロンドローマ(chrondroma)、平滑筋肉腫も試験できる。これらの
イヌ及びネコでの乳腺癌は、その発現及び挙動がヒトのものに極めて類似してい
るので、好ましいモデルである。しかし、このモデルの使用は動物におけるこの
型の腫瘍の発生比率によって制限される。
【0078】 K.候補薬についてのスクリーニングアッセイ 候補薬のスクリーニングアッセイは、ここで同定される遺伝子にコードされる
ポリペプチドと結合又は抱合する化合物、あるいはコード化ポリペプチドと他の
細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。
このようなスクリーニングアッセイは、特に小分子候補薬の同定に適したものに
する、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに従うアッセイを含む
。小分子とは、抗体合成有機又は無機化合物を含むと考え、それらは、ペプチド
、好ましくは可溶性ペプチド、(ポリ)ペプチド-免疫グロブリン融合体、特に
、限定されないが、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、
抗-イディオタイプ抗体、及びそれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形、並
びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。アッセイは、種々の形式で
実施でき、この分野で良く特徴付けられたタンパク質-タンパク質結合アッセイ
、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ及び細胞ベースのアッセイ
を含む。 全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定される核酸にコードされるポ
リペプチドと、それら2成分が相互作用するのに十分な時間接触させることで共
通している。 結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離され
るか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された
遺伝子にコードされるポリペプチドのレセプター即ち候補薬が、共有又は非共有
結合により固相、例えばマイクロタイタープレートに固定化される。非共有結合
は、一般的に固体表面をポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成
される。あるいは、固定化すべきペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノク
ローナル抗体を、そのペプチドを固体表面に固着させるために用いることができ
る。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標
識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応
が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複
合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面
に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化
成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特
異的に結合する標識抗体によって検出できる。 候補化合物がここで同定される遺伝子にコードされる特定のPRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317ポリペプチドと相互作用するが結合し
ない場合、その相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するために
良く知られた方法によってアッセイすることができる。そのようなアッセイは、
架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィカラムを通す同時精製など
の伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質−タンパク質相互作用は、Fields及
び共同研究者等[Fiels及びSong, Nature(London) 340, 245-246 (1989); Chien
等, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578-9582 (1991)]に記載された酵母菌ベ
ースの遺伝子系を用いることにより、Chevray及びNathans[Proc.Natl. Acad. S
ci. USA 89, 5789-5793 (1991)]に開示されているように監視することができる
。酵母菌GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラ
ードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとして作用し、他方は転写活性
化ドメインとして機能する。以前の文献に記載された酵母菌発現系(一般に「2
-ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用して、2つのハイブ
リッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメ
インに融合し、他方では、候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合
している。GAL1-lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーター
の制御下での発現は、タンパク質-タンパク質相互作用を介したGAL4活性の
再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β-ガラクト
シダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2-ハイブリッド技術を用いた
2つの特定なタンパク質間のタンパク質-タンパク質相互作用を同定するための
完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから商業的に入手可能である
。この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタンパク質ドメインのマッピ
ング、並びにこの相互作用にとって重要なアミノ酸残基の特定にも拡張すること
ができる。
【0079】 ここで同定されるPRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
のコード化配列と他の細胞外成分との相互作用を阻害する化合物は、次のように
試験することができる:通常は、増幅された遺伝子の生成物及び細胞内又は外成
分を含む反応混合物を、条件下で2つの生成物が相互作用及び結合する時間に渡
って調製する。試験化合物が結合を阻害する能力を試験するために、反応は試験
化合物有り又は無しで実施する。さらに、第3の反応混合物にプラシーボを添加
してポジティブ対照としてもよい。混合物中に存在する試験化合物と細胞内又は
外成分との結合(複合体形成)は上記のように監視する。対照反応において複合
体が形成され、試験化合物を含む反応混合物ではしないことは、試験化合物が試
験化合物とその反応パートナーとの相互作用を妨害することを示す。 アンタゴニストを検定するために、PRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチドを、特定の活性についてスクリーニングする化合
物とともに細胞に添加してもよく、PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチド存在下で対象とする活性を阻害する当該化合物の能
力が、当該化合物がPRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
ポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、アンタゴニストは
、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチド及び
潜在的アンタゴニストを、膜結合PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドレセプター又は組換えレセプターと、競合的阻害アッ
セイに適した条件下で結合させることにより検出してもよい。PRO187、P
RO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PR
O261、PRO246又はPRO317ポリペプチドは、放射活性等で標識で
き、レセプターに結合したPRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317ポリペプチド分子の数を潜在的アンタゴニストの有効性を決定するのに使
用できる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例
えばリガンドパンニング及びFACSソーティングにより同定できる。Coligan
等, Current Protocols in Immun., 1(2): Chapter 5 (1991)。好ましくは発現
クローニングが用いられ、そこではポリアデニル化RNAがPRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドに反応性の細胞から調製さ
れ、このRNAから生成されたcDNAライブラリがプールに分配され、COS
細胞又は他のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PR
O211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペ
プチドに反応性でない細胞の形質移入に使用される。スライドガラスで成長させ
た形質移入細胞を標識したPRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317ポリペプチドに暴露する。PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認
識部位の包含を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後
、スライドにオートラジオグラフ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互
作用サブプール化及び再スクリーニング工程を用いてサブプールを調製して再形
質移入し、結果的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
【0080】 レセプター同定の代替的方法として、標識したPRO187、PRO533、
PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、P
RO246又はPRO317ポリペプチドをレセプター分子を発現する細胞膜又
は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架橋材料はPAGEに溶解さ
せ、X線フィルムに暴露する。レセプターを含む標識複合体を励起し、ペプチド
断片に分離し、タンパク質マイクロ配列決定を施すことができる。マイクロ配列
決定から得たアミノ酸配列は、推定レセプターをコードする遺伝子を同定するc
DNAライブラリをスクリーニングする分解性オリゴヌクレオチドプローブの組
の設計に用いられる。 アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調
製物を、候補化合物の存在下で標識PRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この相互作
用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。 潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドとの融合体に結合する
オリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリペプチド-及びモノクローナル
抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又
は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含ん
でいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例え
ば、レセプターを認識するが効果を与えず、よってPRO187、PRO533
、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、
PRO246又はPRO317ポリペプチドの作用を競合的に阻害するPRO1
87、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO23
0、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの変異形態であ
ってもよい。 他の潜在的なPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリ
ペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用いて調製されたアンチセンス
RNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNAは、標
的mRNAにハイブリッド形成してタンパク質翻訳を妨害することによりmRN
Aの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、トリプルへリッ
クス形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに
使用でき、それらの方法はともに、ポリペプチドヌクレオチドのDNA又はRN
Aへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟PRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'
コード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオ
チドの設計に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子
の領域に相補的であるように設計され(三重螺旋−Lee等, Nucl, Acid Res., 6:
3073 (1979); Cooney等, Science, 241: 456 (1988); Dervan等, Science, 251
: 1360 (1991)参照)、それによりPRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオ
リゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリッド形成してmRNA分子の
PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドへの翻
訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeox
ynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (SRS Press: Boca
Raton, FL, 1988))。また上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、ア
ンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて、PRO187、PRO5
33、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO26
1、PRO246又はPRO317ポリペプチドの産生を阻害することもできる
。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌク
レオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌ
クレオチドが好ましい。
【0081】 アンチセンスRNA又はDNAは、一般的に少なくとも約5塩基長、約10塩
基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基
長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長
、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、
約90塩基長、 約95塩基長、約100塩基長、又はそれ以上である。 潜在的アンタゴニストは、PRO187、PRO533、PRO214、PR
O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
O317ポリペプチドの活性部位、レセプター結合部位、又は成長因子又は他の
関連結合部位に結合し、それによりPRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317ポリペプチドの正常な生物学的活性を阻止する小分子を含む。小
分子の例は、これらに限られないが、小型ペプチド又はペプチド様分子、好まし
くは可溶性ペプチド、及び合成非ペプチド有機又は無機化合物を含む。 リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リ
ボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いでヌクレ
オチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切
断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current B
iology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO 97/33551(1997年9月18日発
行)を参照。 転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌク
レオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩
基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般
に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要と
する。さらなる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。 これらの小分子は、上記で議論したスクリーニングアッセイの一又は複数の任
意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術
により同定できる。
【0082】 L.腫瘍治療のための組成物及び方法 ここで同定した遺伝子の増幅を伴う腫瘍の治療に有用な組成物は、限定されな
いが、抗体、小有機及び無機分子、ペプチド、ホスホペプチド、アンチセンス及
びリボザイム分子、三重螺旋分子などを含み、標的遺伝子産物の発現又は活性を
阻害するものである。 例えば、アンチセンスRNA及びRNA分子は、標的mRNAにハイブリッド
形成してタンパク質翻訳を防止することによりmRNAの翻訳を直接阻止する。
アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレ
オチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌク
レオチドが好ましい。 リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リ
ボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いでヌクレ
オチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切
断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current B
iology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO 97/33551(1997年9月18日発
行)を参照。 転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌク
レオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩
基対則を介する三重螺旋形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の
一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さら
なる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。 これらの分子は上記のスクリーニングアッセイの任意のもの又は任意の組み合
わせにより、又は当業者に知られた他のスクリーニング技術により同定できる。
【0083】 M.抗体 本発明で最も有望な候補薬剤の幾つかは、ここで同定される増幅遺伝子の生成
又は遺伝子産物を阻害する及び/又は遺伝子産物の活性を低下させる抗体及び抗
体断片である。 1.ポリクローナル抗体 ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポ
リクローナル抗体は、例えば免疫化剤、及び所望するのであればアジュバントを
、一又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫化剤
又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免
疫化剤は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
チド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫化剤を免疫化された哺乳動物にお
いて免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用である。このよう
な免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモ
シアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビ
ターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバ
ント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロース
ジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業
者により選択されるであろう。
【0084】 2.モノクローナル抗体 あるいは、抗-PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317抗
体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMi
lstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使
用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスタ
ー又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫化剤により免疫化することで、免疫
化剤に特異的に結合する抗体を生成するかあるいは生成可能なリンパ球を誘発す
る。また、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。 免疫化剤は、典型的には断片を含むPRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317ポリペプチド、又はそのタンパク質又はその断片の融合タンパ
ク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PB
L」)が使用されるか、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓
細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコール等の適当
な融合剤を用いてリンパ球を不死化細胞系と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形
成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic
Press, (1986) pp. 59-103]。不死化細胞系は、通常は、形質転換した哺乳動
物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット
又はマウスの骨髄腫細胞系が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、
未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切
な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホ
リボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマ
の培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジンを含み(「
HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。 好ましい不死化細胞系は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安
定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性の
ものである。より好ましい不死化細胞系はマウス骨髄腫系であり、これは例えば
カリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerや
ヴァージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(
ATCC)より入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト
骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞系も開示されている[Kozbor, J. Immuno
l., 133:3001 (1984)、Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Technique
s and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63]。 次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PRO187、PRO5
33、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO26
1、PRO246又はPRO317に対するモノクローナル抗体の存在について
検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル
抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫
測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技
術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親
和性は、例えばMunson及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるス
キャッチャード分析法によって測定することができる。
【0085】 所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを制限希釈工程によりサ
ブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。
この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及び
RPMI-1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物
においてインビボで腹水として成長させることもできる。 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA
−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳
動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン
精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。 また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567
号に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体
をコードするDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び
軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使
用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細
胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNA
は発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞
、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク
質を生成などしない骨髄腫細胞内に形質移入され、組換え宿主細胞内でモノクロ
ーナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列
に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[US
. Patent No.4,816,567;Morrison等, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列
に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合するこ
とにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、
本発明の抗体の定常ドメインの代わりに置換するか、本発明の抗体の一つの抗原
結合部位の可変ドメインの代わりに置換し、キメラ性二価抗体を産生することが
できる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメ
インに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに
置換でき、キメラ性二価抗体を生成する。 抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく
知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現
を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意のポイン
トで切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換
するか欠失させて架橋を防止する。 一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その
断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使
用して達成できる。
【0086】 3.ヒト及びヒト化抗体 抗-PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO21
1、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317抗体は、さら
にヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、
キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fa
b、Fab'、F(ab')2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非
ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピ
エントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような
所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基に
よって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例で
は、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によ
って置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入された
CDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。
一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グ
ロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロ
ブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変
ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領
域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含ん
でなる[Jones等, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmann等, Nature, 332:32
3-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。 非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト
化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒト
アミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移
入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト
抗体の該当する配列を置換することによりウィンター(winter)及び共同研究者[
Jones等, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature, 332:323-327 (1
988);Verhoeyen等, Science, 239:1534-1536 (1988)]の方法に従って、齧歯類
CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施され
る。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的
に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4
,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及
び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によ
って置換されたヒト抗体である。 また、ヒト抗体は、ファージ表示ライブラリ[Hoogenboom及びWinter, J. Mol
. Biol., 227:381 (1992);Marks等, J. Mol. Biol., 222:581 (1991)]を含む
この分野で知られた種々の方法を用いて作成することもできる。また、Cole等及
びBoerner等の技術も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる
[Cole等, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1
985)及びBoerner等, J. Immunol., 147(1):86-95(1991) ]。同様に、ヒト抗体
はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブ
リン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することにより産生
することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリーを
含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の
生産が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,5
45,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,0
16号、及び次の科学文献:Marks等, Bio/Technology 10, 779-783 (1992); Lonb
erg等, Nature 368 856-859 (1994); Morrison, Nature 368, 812-13 (1994); F
ishwild等, Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996); Neuberger, Nature Bio
technology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13 6
5-93 (1995)に記載されている。
【0087】 4.抗体依存性酵素媒介性プロドラッグ治療法(ADEPT) また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公
開81/01145号を参照)を活性な抗癌剤に転化させるプロドラッグ活性化酵素に抗
体をコンジュゲートさせることにより、ADEPTにおいて使用することができ
る。例えば国際公開88/07378及び米国特許第4,975,278号を参照されたい。 ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形
態に転化するように、プロドラッグに作用し得る任意の酵素が含まれる。 限定するものではないが、この発明の方法に有用な酵素には、グリコシダーゼ
、グルコース置きシダーゼ、ヒトリソザイム、ヒトグルコロニダーゼ、ホスファ
ート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアルカリ性ホスファタ
ーゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアリー
ルスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗癌剤5-フルオロウラシルに
転化するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロ
テアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ(例えば、カ
ルボキシペプチダーゼG2及びカルボキシペプチダーゼA)及びカテプシン(例
えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化
するのに有用なもの;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグの転化に有用
なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル
化プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラ
クトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化させるのに
有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシ
アセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化さ
れた薬剤を遊離の薬剤に転化するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシ
リンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた公知の酵
素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを転化させるた
めに使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458[1987]を参照)
。抗体-アブザイムコンジュゲートは、ここで記載されているようにして、腫瘍
細胞個体群にアブザイムを送達するために調製することができる。 この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討
したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗-PRO187、抗-PR
O533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO2
30、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体に共有的に
結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも結合領域を本発
明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を
、当該技術においてよく知られている組換えDNA技術を使用して作成すること
ができる(Neuberger等, Nature 312:604-608[1984])。
【0088】 5.二重特異性抗体 二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する
モノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合
において、結合特異性の一方はPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317に対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパ
ク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。 二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的に
は、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免
疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature,
305:537-539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため
、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合
物を生成し、その内一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精
製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の
手順が1993年5月13日公開のWO 93/08829、及びTraunecker等, EMBO J.,10:3655-
3656 (1991)に開示されている。 所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロ
ブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部
、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのもの
である。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常
領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合体をコードす
るDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿
入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗体を作成するための更
なる詳細については、例えばSuresh等, Methods in Enzymology, 121:210(1986)
を参照されたい。 国際公開WO 96/27011号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体
分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロ二量体のパーセン
トを最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3ドメイン
の少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの一又は複数
の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と
置換される。大きな側鎖と同じ又はより小さいサイズの相補的「キャビティ」を
、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(アラニン又はスレオニン)と置き換えること
により第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモ二量体のような不要
の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供さ
れる。
【0089】 二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab')二重特異性
抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文
献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製するこ
とができる。Brennan等, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解
性に切断してF(ab')断片を産生する手順を記述している。これらの断片は
、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを
安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab'断片はつ
いでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導
体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再
転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成
する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用するこ
とができる。 大腸菌からFab'フラグメントを直接回収でき、これは化学的に結合して二
重特異性抗体を形成することができる。Shalaby等, J. Exp. Med., 175:217-225
(1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')分子の製造を記述して
いる。各Fab'フラグメントは大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方
向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重
特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞
に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活
性の誘因となる。 組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体フラグメントを作成し分離する様
々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを
使用して生産されている。Kostelny等, J. Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)
。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合に
より二つの異なった抗体のFab'部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒン
ジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形
成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる
。Hollinger等, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述さ
れた「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体フラグメントを作成する別のメカニ
ズムを提供した。フラグメントは、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能
にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイ
ン(V)を結合してなる。従って、一つのフラグメントのV及びVドメイン
は他のフラグメントの相補的V及びVドメインと強制的に対形成させられ、
2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特
異性抗体フラグメントを製造する他の方策もまた報告されている。Gruber等, J.
Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。 二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することがで
きる。Tutt等 J. Immunol. 147:60(1991)。 例示的二重特異性抗体は、ここで与えられるタンパク質上の2つの異なるエピ
トープに結合しうる。あるいは、抗-ポリペプチドアームは、T細胞レセプター
分子(例えばCD2、CD3、CD28又はB7)等の白血球上のトリガー分子
、又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(C
D16)等のIgGのFcレセプター(FcγR)に結合するアームに結合し、
細胞防御メカニズムを特定のタンパク質発現細胞に集中するようにしてもよい。
二重特異性抗体は、特定のポリペプチドを発現する細胞に対する局所的細胞毒性
薬として使用してもよい。これらの抗体は、ポリペプチド結合アーム及び細胞毒
性薬又はキレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTET
Aに結合するアームを有する。他の対象とする二重特異性抗体は、ポリペプチド
に結合し、さらに組織因子(TF)に結合する。
【0090】 6.ヘテロ抱合体抗体 ヘテロ抱合抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロ抱合抗体は、2つの共有結
合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対
してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治
療のために[WO 91/00360; WO 92/200373; EP 03089]提案されている。この抗
体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用
して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド
交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を
作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレー
ト及びメチル-4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,6767,980
号に開示されているものが含まれる。 7.エフェクター機能の設計 本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えばガンの治療における
抗体の効能を増強することが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導
入して、この領域における鎖間ジスルイド結合を形成させる。このようにして産
生されたホモダイマー抗体は改善されたインターナリゼーション能力及び/又は
増加した補体媒介細胞死滅及び抗体依存性細胞障害活性(ADCC)を有しうる。
Caron等, J. Exp. Med. 176:1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148
:2918-2922 (1992)を参照されたい。抗腫瘍活性が高められたホモダイマー抗体
は、Wolff等, Cancer Research 53:2560-2565(1993)に記載されているようなヘ
テロ二官能性架橋剤を使用して調製することもできる。あるいは二重Fc領域を
有し、よって増強された補体溶解及びADCC能を有しうる抗体を設計すること
ができる。Stevensonら, Anti-cancer Drug Design 3:219-230 (1989)を参照。
【0091】 8.免疫複合体 本発明はまた、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の
酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち
、放射性抱合)に抱合された抗体を含む免疫複合体にも関する。 このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬は上記した。用いることので
きる酵素活性毒素及びその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活
性断片、コレラ毒素、ボツリヌス毒素、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA
鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリ
テス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパ
ク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI
、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica char
antia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オ
フィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミト
ゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(pheno
mycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)を含む。様々
な放射性ヌクレオチドが放射性抱合抗体の生成に利用可能である。例として、 12 Bi、131I、131In、90Y及び186Reを含む。 抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、
例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(S
PDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチ
ルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等
)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジ
ドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジ
アゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2
,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-
2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は
、Vitetta等, Science 238: 1098 (1987)に記載されたように調製することがで
きる。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレン
トリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合の
ためのキレート剤の例である。WO 94/11026参照。 他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター
」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体-レセプター複合体は患
者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細
胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(例えば
アビジン)を投与する。
【0092】 9.免疫リポソーム また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を
含むリポソームは、Epstein等, Proc. Natl. acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985)
; Hwang等, Proc. natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,
485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調
製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開
示されている。 特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG
-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆
相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して
押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab
’断片は、Martin等, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているよ
うに、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(
ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizon等,
J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
【0093】 N.製薬組成物 ここで同定される増幅遺伝子の産物に特異的に結合するアゴニスト抗体、並び
に上記に開示したスクリーニングアッセイで同定された他の分子は、癌を含む腫
瘍、ウイルス性疾患などの上記で議論した種々の病理学的状態の治療のために、
免疫調節剤として、製薬組成物の形態で投与することができる。 増幅された遺伝子にコードされるタンパク質が細胞内であり、全抗体が阻害剤
として用いられる場合、内在化抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又は
リポソームも抗体、又は抗体断片を細胞に導入するのに使用できる。 抗体断片
が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害
断片が通常は好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク
質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチ
ドは、化学的に合成でき、又は組換えDNA技術によって生成できる(例えば、
Marasco等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 [1993])。 抗体の治療用製剤は、所望される程度の純度を持つ抗体を、親油性製剤又は水
性溶液の形態で、任意の製薬上許容される担体、賦形剤又は安定化剤と混合する
ことにより調製され保存される(Remington's Pharmaceutical Science 16th ed
ition, Osol, A. Ed. [1980])。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用
いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有
機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐
剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウム
クロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンズエトニウムクロライド;フ
ェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のア
ルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペン
タノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチ
ド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニ
ルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒス
チジン、アルギニン、又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又は
デキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物EDTA等のキレート剤
、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリ
ウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)又はト
ゥイーン(TWEEN)(商品名)、プルロニクス(PLURONICS)(商品名)、及びポリエ
チレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0094】 本発明のスクリーニングアッセイで同定された非-抗体化合物は、同様の方式
で、この分野で知られた標準技術を用いて製剤される。 ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に1以上の活性化合物、
好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的仮性を持つものも含んでよい。ある
いは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤
を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合
わせで存在する。 また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により
調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼ
ラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中
、コロイド状薬物送達系<BR(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロ
エマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に
包括されていてもよい。これらの技術は、Remington's Pharmaceutical Science
16th edition, Osol, A. Ed. [1980]に開示されている。 インビボ投与に使用される製剤は無菌でなけらばならない。これは、滅菌濾過
膜を通した濾過により容易に達成される。 徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体
疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、
例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は
、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレー
ト)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)
、L-グルタミン酸及びγ-エチル-L-グルタメート、非分解性エチレン-酢酸ビ
ニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロ
リドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ-(D)
-3-ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸な
どのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒド
ロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身
体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝
集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす
。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができ
る。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S-S結合形成
であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの
凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の付加、及び特異的ポリマーマトリ
クス組成物の開発によって達成されうる。
【0095】 O.治療方法 本発明の抗体及び他の抗腫瘍化合物は、ここで同定される増幅遺伝子の過剰発
現及び/又は活性化を特徴とするものを含む種々の状態の治療に用いてもよいと
考えられる。このような抗体及び、これらに限られないが有機及び無機小分子、
ペプチド、アンチセンス分子等を含む他の化合物で治療される状態又は疾患の例
としては、良性又は悪性腫瘍(例えば、腎臓(renal)、肝臓、腎臓(kidney)、膀
胱、乳房、胃、卵巣、大腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状、肝臓の癌;
肉腫;膠芽細胞腫;及び種々の頭部及び頸部の腫瘍);白血病及びリンパ悪性疾
患;ニューロン、グリア、星状細胞、視床下部及び他の腺、マクロファージ、上
皮、間質及び胞胚腔の疾患;及び炎症、脈管形成及び免疫学的な疾患が含まれる
。 本発明の抗腫瘍剤、例えば抗体は、哺乳動物、好ましくはヒトに、周知の方法
、例えば、ボーラスとして又は所定時間に渡る連続注入による静脈内投与、筋肉
内、腹膜内、脳脊髄内、皮下、関節間、滑膜内、鞘内、経口、局所、又は吸入経
路などにより投与される。抗体の静脈内投与が好ましい。 他の治療的養生法を抗癌剤、例えば本発明の抗体の投与と組み合わせてもよい
。例えば、このような抗癌剤で治療される患者は放射線治療を受けてもよい。あ
るいは、又はそれに加えて、患者に化学治療薬を投与してもよい。このような化
学治療薬の調製法及び用量スケジュールは、製造者の指示に従って使用されるか
、熟練した実務者により経験的に決定される。そのような化学治療に対する調製
法及び用量スケジュールはまたChemotherapy Service M.C. Perry編, Williams
&amp; Wilkins, Baltimore, MD (1992)にも記載されている。化学治療薬は、本
発明の抗腫瘍剤、例えば抗体の投与に先立って、又は続いて投与してもよく、あ
るいはそれらと同時に投与してもよい。本発明の抗体は、タモキシフェン等の抗
エストロゲン化合物又はオナプリストンなどの抗プロゲステロン(EP 616812参
照)の、それらの分子について知られた用量と組み合わせてもよい。
【0096】 また、腫瘍関連抗原に対する抗体、例えばErbB2、EGFR、ErbB3
、ErbB4、又は血管内皮因子(VEGF)に結合する抗体を投与することも
好ましい。ときどきは、患者にサイトカインを投与することも有利である。好ま
しい実施態様では、ここの抗癌剤は、成長阻害剤と同時投与される。例えば、ま
ず成長阻害剤を投与し、続いて本発明の抗癌剤を投与する。しかしながら、同時
投与、又は本発明の抗癌剤を最初に投与することも考えられる。成長阻害剤につ
いての適切な用量は現在用いられている量であるが、成長阻害剤とこの抗体との
組み合わせ(相乗)効果により減少させ得る。 疾患の防止又は治療のための、ここでの抗腫瘍剤の適切な用量は、上記で定義
したような治療される疾患の型、疾患の重篤さ及び経過、防止又は治療目的で薬
剤が投与されるか否か、従前の治療、患者の臨床履歴及び薬剤に対する反応、及
び主治医の裁量に依存する。薬剤は、適切には患者に一回又は一連の治療に渡っ
て適切に投与される。 例えば、疾患の型及び重篤さに応じて、約1μg/kgから15mg/kg(
例えば、0.1−20mg/kg)の抗体が、例えば、1又はそれ以上の別々の
投与あるいは連続注入のいずれにしても、患者に投与するための最初の候補用量
である。典型的な1日の用量は、上記の要因に応じて、約1μg/kgから10
0mg/kg又はそれ以上であろう。数日以上に渡る繰り返し投与のためには、
状態に応じて、疾患の徴候に所望の抑制が現れるまで治療が続けられる。しかし
ながら、他の用量計画が有用であることもある。この治療の進行は、従来の技術
及びアッセイによって容易に監視される。
【0097】 P.製造品 本発明の他の実施態様では、上記の疾患の診断又は治療に有用な物質を含む製
造品が提供される。この製造品は容器とラベルとを含んでなる。好適な容器は、
例えば、ビン、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、ガラス又はプ
ラスチックなどの材料から形成されてよい。容器は、状態を診断し治療するのに
有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下
注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであって
よい)。組成物中の活性剤は通常、ここで同定される遺伝子産物の活性を妨害す
ることのできる抗腫瘍剤、例えば抗体である。容器上又は添付されるラベルは、
組成物が選択した状態の診断又は治療のために使用されることを示す。製造品は
さらに、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液などの製薬的に許
容されるバッファーを含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他のバッファ
ー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用上の指示を付けたパッケージ
挿入物を含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0098】 Q.腫瘍の診断及び予知 或る種の腫瘍で過剰発現される成長レセプター等の細胞表面タンパク質は候補
薬剤又は腫瘍(例えば、癌)治療の優れた標的であるが、同じタンパク質は腫瘍
細胞で増幅された遺伝子にコードされる分泌タンパク質とともに腫瘍の診断及び
予知に用途が見出される。例えば、腫瘍細胞で増幅された遺伝子のタンパク質産
物に対する抗体は腫瘍診断又は予知として使用できる。 例えば、抗体断片を含む抗体は、増幅された遺伝子にコードされるタンパク質
(「マーカー遺伝子産物」)の発現の定性的又は定量的検出に用いることができ
る。抗体は、好ましくは検出可能な、例えば蛍光標識を備え、結合は光学顕微鏡
、フローサイトメトリー、フルオロメトリー、又はこの分野で知られた他の技術
によって監視できる。これらの技術は、増幅された遺伝子が細胞表面タンパク質
、例えば成長因子をコードする場合に特に好ましい。このような結合アッセイは
、上記5節に実質的に記載されたように実施される。 マーカー遺伝子産物に結合する抗体のインサイツ検出は、例えば、免疫蛍光又
は免疫電子顕微鏡によって実施できる。この目的のために、組織学的試料を患者
から取り出し、好ましくは生物学的試料に抗体を被せることにより、標識抗体を
それに適用する。この手法はまた、試験される組織におけるマーカー遺伝子産物
の分布も決定できるようにする。当業者には、インサイツ検出のために広範な組
織学的方法が容易に利用できることは明らかであろう。
【0099】 以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を
決して限定することを意図するものではない。 本明細書で引用した全ての特許及び文献の全体を、出典明示によりここに取り
込む。 (実施例) 実施例で言及されている全ての他の市販試薬は、特に示さない限りは製造者の
使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体
を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション、10801ユニヴァーシティー・ビルディング、マナッサス、VA2
0110−2209である。本出願で言及される全ての元の寄託は、特許手続き
上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペス
ト条約)の規定の下でなされた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存
可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の
条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから
入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発
行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ
非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う
特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含
む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能とす
ることを保証するものである。 特に記さない限り、本発明は上記及び以下の教科書に記載されたもののような
組換えDNA技術の標準的な手法を用いた:Sambrook等, Molecular Cloning: A
Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press N.Y., 1989; Ausubel等, Curr
ent Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wile
y Interscience, N.Y., 1989; Innis等, PCR Protocols: A Guide to Methods a
nd Applications, Academic Press, Inc., N.Y.., 1990; Harlow等, Antibodies
: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, 198
8; Gait, Oligonucleotide synthesis, IRL Press, Oxford, 1984; R.I. Freshn
ey, Animal Cell Culture, 1987; Coligan等, Current Protocols in Immunolog
y, 1991。
【0100】 実施例1 ヒトPRO187をコードするcDNAクローンの単離 発現配列タグ(EST)DNAデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Ph
armaceuticals、Palo Alto, CA)を検索し、アンドロゲン誘発成長因子としても
知られる繊維芽細胞成長因子(FGF-8)と相同性を示すEST[#843193]を
同定した。 次いで、cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単
離した。ヒトPRO187をコードするcDNAクローンを単離するために用い
たcDNAライブラリーは、Invitrogen, San Diego, CA からのもの等の市販試
薬を用いて標準的方法によって形成した。cDNAは、NotI部位を含むオリ
ゴdTでプライムし、SalIヘミキナーゼアダプターの平滑末端で結合させ、
NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分割をし、決められた方向で
適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5Bは、Sfi
I部位を持たないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253:1278-12
80 (1991))に独特のXhol及びNotI部位においてクローン化した。 次いで、上記EST配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを、1)PCR
により対象とする配列を含むcDNAライブラリを同定するために、そして2)
PRO187についての全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして
使用するために合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜
30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産
物を与えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長であ
る。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ラ
イブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular Bi
ologyのように、PCRプライマー対でのPCR増幅によりスクリーニングした
。次いでポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー
対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードするクローンの単離に使用した。 用いたオリゴヌクレオチドプライマーは次の通り: 正方向PCRプライマー: 5'-CAGTACGTGAGGGACCAGGGCGCCATGA-3'(配列番号:3) 逆方向PCRプライマー: 5'-CCGGTGACCTGCACGTGCTTGCCA-3'(配列番号:4) ハイブリッド形成プローブ: 5'-GCGGATCTGCCGCCTGCTCANCTGGTCGGTCATGGCGCCCT-3'(配列番号:5) 全長クローンが同定され、それは単一のオープンリーディングフレームリーデ
ィングフレームを含み、ヌクレオチド位置26−28に見かけの翻訳開始部位及
びヌクレオチド位置641−643の停止シグナルを有していた(Fig1;配
列番号:1)。予測されるポリペプチド前駆体は205アミノ酸長であり、Fi
g2(配列番号:2)に示した。Fig2(配列番号:2)に示した全長PRO
187の分析は、Fig2に示したような重要なポリペプチドドメインの存在を
明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上記のようにお
よそのものである。全長PRO187配列の分析により、約アミノ酸1〜約アミ
ノ酸22のシグナルペプチドが明らかになった。クローンDNA278664−
1155は1997年10月16日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号20937
5が付与されている。 Fig2(配列番号:2)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO187アミノ酸配列とヒト繊維芽細胞成長因子-8(アンドロゲン誘導成長
因子)との間の74%の配列同一性を明らかにした。
【0101】 実施例2 ヒトPRO533をコードするcDNAクローンの単離 種々の公的ESTデータベース(例えばGenBank、Dayhoff等)を検索するため
に、EST配列登録番号AF007268、マウス成長因子(FGF-15)を使用した
。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2[Altschul等, Methods in
Enzymology, 266: 460-480(1996)]を用い、EST配列の6フレーム翻訳に対す
るECDタンパク質配列の比較として実施した。検索によりGenBankESTAA220
994に的中し、それはストラタジーンNT2ニューロン前駆体937230と同定され
た。 次いで、cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児網膜から単離
した。ヒトPRO533をコードするcDNAクローンを単離するために用いた
cDNAライブラリーは、Invitrogen, San Diego, CA からのもの等の市販試薬
を用いて標準的方法によって形成した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴ
dTでプライムし、SalIヘミキナーゼアダプターの平滑末端で結合させ、N
otIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分割をし、決められた方向で適
当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI
部位を持たないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253:1278-1280
(1991))に独特のXhol及びNotI部位においてクローン化した。 次いで、上記EST配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを、1)PCR
により対象とする配列を含むcDNAライブラリを同定するために、そして2)
PRO533についての全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして
使用するために合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜
30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産
物を与えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長であ
る。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ラ
イブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular Bi
ologyのように、PCRプライマー対でのPCR増幅によりスクリーニングした
。次いでポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー
対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードするクローンの単離に使用した。 用いたオリゴヌクレオチドプライマーは次の通り: FGF-15.f(正方向PCRプライマー): 5'-ATCCGCCCAGATGGCTACAATGTGTA-3'(配列番号:8) FGF-15.r(逆方向PCRプライマー): 5'-CCAGTCCGGTGACAAGCCCAAA-3'(配列番号:9) FGF-15.p(ハイブリッド形成プローブ): 5'-GCCTCCCGGTCTCCCTGAGCAGTGCCAAACAGCGGCAGTGTA-3'(配列番号:10) 全長クローンが同定され、それは単一のオープンリーディングフレームリーデ
ィングフレームを含み、ヌクレオチド位置464−466に見かけの翻訳開始部
位及びヌクレオチド位置1112−1114の停止シグナルを有していた(Fi
g3;配列番号:6)。予測されるポリペプチド前駆体は216アミノ酸長であ
り、Fig4(配列番号:7)に示した。Fig4(配列番号:7)に示した全
長PRO533の分析は、Fig4に示したような重要なポリペプチドドメイン
の存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上記の
ようにおよそのものである。全長PRO533配列の分析により、約アミノ酸1
〜約アミノ酸22のシグナルペプチドが明らかになった。クローンDNA494
35−1219は1997年11月21日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号20
9480が付与されている。 Fig4(配列番号:7)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO533アミノ酸配列と繊維芽細胞成長因子との間の53%の配列同一性を明ら
かにした。
【0102】 実施例3 ヒトPRO214をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA28744と命名した。幾
つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され
、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コンセ
ンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA28744コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO214の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。
【0103】 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-ATTCTGCGTGAACACTGAGGGC-3'(配列番号:13) 逆方向PCRプライマー: 5'-ATCTGCTTGTAGCCCTCGGCAC-3'(配列番号:14) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA28744配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-CCTGGCTATCAGCAGGTGGGCTCCAAGTGTCTCGATGTGGATGAGTGTGA-3'(配列番号:1
5) cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO214ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA32286-1191と命名する[Fi
g5、配列番号:11])及び当該PRO214ポリペプチドの誘導タンパク質
配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置103−105に見かけの翻訳開始
部位及びヌクレオチド位置1363−1365の停止シグナルを有していた(F
ig5;配列番号:11)。予測されるポリペプチド前駆体は420アミノ酸長
であり、Fig6(配列番号:12)に示した。Fig6(配列番号:12)に
示した全長PRO214の分析は、Fig6に示したような重要なポリペプチド
ドメインの存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置
は上記のようにおよそのものである。全長PRO214配列の分析により以下の
もの:約アミノ酸1〜約アミノ酸29のシグナルペプチド及び約アミノ酸372
〜約アミノ酸392の膜貫通ドメインが明らかになった。クローンDNA322
86−1191は1997年10月16日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号20
9385が付与されている。 Fig6(配列番号:12)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント
分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、
PRO214アミノ酸配列とHTタンパク質及び/又はフィブリンとの間の配列
同一性(各々49%及び38%)を明らかにした。
【0104】 実施例4 ヒトPRO240をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA330873と命名した。
幾つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導さ
れ、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コン
センサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA30873コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO240の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'- TCAGCTCCAGACTCTGATACTGCC-3'(配列番号:18) 逆方向PCRプライマー: 5'-TGCCTTTCTAGGAGGCAGAGCTCC-3'(配列番号:19) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA30873配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-GGACCCAGAAATGTGTCCTGAGAATGGATCTTGTGTACCTGATGGTCCAG-3'(配列番号:2
0)
【0105】 cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO240ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA34387-1138と命名する[Fi
g7、配列番号:16])及び当該PRO240ポリペプチドの誘導タンパク質
配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置12−14に見かけの翻訳開始部位
及びヌクレオチド位置699−701の停止シグナルを有していた(Fig7;
配列番号:16)。予測されるポリペプチド前駆体は229アミノ酸長であり、
Fig8(配列番号:17)に示した。Fig8(配列番号:17)に示した全
長PRO240の分析は、Fig8に示したような重要なポリペプチドドメイン
の存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上記の
ようにおよそのものである。全長PRO240配列の分析により以下のもの:約
アミノ酸1〜約アミノ酸30のシグナルペプチド及び約アミノ酸198〜約アミ
ノ酸212の膜貫通ドメインが明らかになった。クローンDNA34387−1
138は1997年9月16日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号209260
が付与されている。 Fig8(配列番号:17)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント
分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、
PRO240アミノ酸配列とドロソフィリアメラノガスター(Drosophilia melan
ogaster)からの鋸歯状前駆体タンパク質及びニワトリからのC-鋸歯状-1タンパ
ク質との間の配列同一性(各々30%及び35%)を明らかにした。
【0106】 実施例5 ヒトPRO211をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA28730と命名した。幾
つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され
、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コンセ
ンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA28730コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO211の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-AGAGTGTATCTCTGGCTACGC-3'(配列番号:23) 逆方向PCRプライマー: 5'-TAAGTCCGGCACATTACAGGTC-3'(配列番号:24) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA28730配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-AGGGAGCACGGACAGTGTGCAGATGTGGACGAGTGCTCACTAGCA-3'(配列番号:25) cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO211ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA32292-1131と命名する[Fi
g9、配列番号:21])及び当該PRO211ポリペプチドの誘導タンパク質
配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置65−67に見かけの翻訳開始部位
及びヌクレオチド位置1124−1126の停止シグナルを有していた(Fig
9;配列番号:21)。予測されるポリペプチド前駆体は353アミノ酸長であ
り、約38,190ダルトンの分子量を有していた[Fig10(配列番号:2
2)]。Fig10(配列番号:22)に示した全長PRO211の分析は、F
ig10に示したような重要なポリペプチドドメインの存在を明らかにし、ここ
で重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上記のようにおよそのものである
。全長PRO211配列の分析により、約アミノ酸1〜約アミノ酸24のシグナ
ルペプチドが明らかになった。クローンDNA32292−1131は1997年9
月16日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号209258が付与されている
。 Fig10(配列番号:22)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO211アミノ酸配列とEGFとの間の配列同一性を明らかにした。
【0107】 実施例6 ヒトPRO230をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA30857と命名した。ジ
ェネンテクが所有するEST配列をコンセンサス構築に使用し、ここでDNA2
0088と命名した。幾つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサス
DNA配列から誘導され、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸
長させ、その中間コンセンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な
限り伸長させた。 DNA30857コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO230の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-TTCGAGGCCTCTGAGAAGTGGCCC-3'(配列番号:28) 逆方向PCRプライマー: 5'-GGCGGTATCTCTCTGGCCTCCC-3'(配列番号:29) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA28730配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-TTCTCCACAGCAGCTGTGGCATCCGATCGTGTCTCAATCCATTCTCTGGG-3'(配列番号:3
0)
【0108】 cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO230ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA33223-1136と命名する[Fi
g11、配列番号:26])及び当該PRO230ポリペプチドの誘導タンパク
質配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置100−102に見かけの翻訳開始
部位及びヌクレオチド位置592−594の停止シグナルを有していた(Fig
11;配列番号:26)。予測されるポリペプチド前駆体は164アミノ酸長で
あった[Fig12(配列番号:27)]。Fig12(配列番号:27)に示
した全長PRO230の分析は、Fig12に示したような重要なポリペプチド
ドメインの存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置
は上記のようにおよそのものである。全長PRO230配列の分析により、約ア
ミノ酸1〜約アミノ酸21のシグナルペプチドが明らかになった。クローンDN
A33223−1136は1997年9月16日にATCCに寄託され、ATCC寄託
番号209264が付与されている。 Fig12(配列番号:27)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO230アミノ酸配列とウサギ尿細管間質性腎炎抗原前駆体との間の配列
同一性を明らかにした。
【0109】 実施例7 ヒトPRO261をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA30843と命名した。幾
つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され
、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コンセ
ンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA30843コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO261の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-AAAGGTGCGTACCCAGCTGTGCC-3'(配列番号:33) 逆方向PCRプライマー: 5'-TCCAGTCGGCAGAAGCGGTTCTGG-3'(配列番号:34) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA30843配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-CCTGGTGCTGGATGGCTGTGGCTGCTGCCGGGTATGTGCACGGCGGCTGGG-3'(配列番号:3
5) cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO261ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA33473-1176と命名する[Fi
g13、配列番号:31])及び当該PRO261ポリペプチドの誘導タンパク
質配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置10−12に見かけの翻訳開始部位
及びヌクレオチド位置760−762の停止シグナルを有していた(Fig13
;配列番号:31)。予測されるポリペプチド前駆体は250アミノ酸長であっ
た[Fig14(配列番号:32)]。Fig14(配列番号:32)に示した
全長PRO261の分析は、Fig14に示したような重要なポリペプチドドメ
インの存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上
記のようにおよそのものである。全長PRO261配列の分析により、約アミノ
酸1〜約アミノ酸23のシグナルペプチドが明らかになった。クローンDNA3
3473−1176は1997年10月17日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号
209391が付与されている。 Fig14(配列番号:32)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO261アミノ酸配列とCTCFとの間の配列同一性を明らかにし、それ
によりPRO261が新規な成長因子であることが示唆された。
【0110】 実施例8 ヒトPRO246をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA30955と命名した。幾
つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され
、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コンセ
ンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA30955コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO246の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-AGGGTCTCCAGGAGAAAGACTC-3'(配列番号:38) 逆方向PCRプライマー: 5'-ATTGTGGGCCTTGCAGACATAGAC-3'(配列番号:39) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA30955配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-GGCCACAGCATCAAAACCTTAGAACTCAATGTACTGGTTCCTCCAGCTCC-3'(配列番号:4
0)
【0111】 cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肝臓組織から単離した
。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrog
en, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成し
た。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキ
ナーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でお
よそのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRK
B又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体
である;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びN
otI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO246ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA35639-1172と命名する[Fi
g15、配列番号:36])及び当該PRO246ポリペプチドの誘導タンパク
質配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置126−128に見かけの翻訳開始
部位及びヌクレオチド位置1296−1298の停止シグナルを有していた(F
ig15;配列番号:36)。予測されるポリペプチド前駆体は390アミノ酸
長であった[Fig16(配列番号:37)]。Fig16(配列番号:37)
に示した全長PRO246の分析は、Fig16に示したような重要なポリペプ
チドドメインの存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた
位置は上記のようにおよそのものである。全長PRO246配列の分析により以
下のもの:約アミノ酸1〜約アミノ酸29のシグナルペプチド及び約アミノ酸2
47〜約アミノ酸266の膜貫通ドメインが明らかになった。クローンDNA3
5639−1176は1997年10月17日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号
209396が付与されている。 Fig16(配列番号:37)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO246アミノ酸配列とヒト細胞表面タンパク質HCARとの間の配列同
一性を明らかにし、それによりPRO246が新規な細胞表面ウイルスレセプタ
ーでありうることが示唆された。
【0112】 実施例9 ヒトPRO317をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Protデータベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ド
メイン(ECD)配列(あるとすれば分泌シグナル配列を含む)をESTデータ
ベースの検索に使用した。ESTデータベースは公的なESTデータベース(例
えばGenBank)及び個人的なESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte P
harmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLA
ST又はBLAST2[Altschul等, Methods in Enzymology, 266: 460-480(1996)]を
用い、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコアが70(90の場合もある
)又はそれ以上となる比較物を、プログラム「phrap」(Phil Green, Universit
y of Washington, Seattle, Washington)でコンセンサスDNA配列に集団化し
て構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA28722と命名した。幾
つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され
、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コンセ
ンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。 DNA28722コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とする
配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO317の全長コ
ード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレ
オチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌ
クレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与
えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である。幾
つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更
なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブラリ
をスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubel等, Cur
rent Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPC
R増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオ
リゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードする
クローンの単離に使用した。 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-AGGACTGCCATAACTTGCCTG-3'(配列番号:43) 逆方向PCRプライマー: 5'-ATAGGAGTTGAAGCAGCGCTGC-3'(配列番号:44) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA28722配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-TGTGTGGACATAGACGAGTGCCGCTACCGCTACTGCCAGCACCGC-3'(配列番号:45) cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肝臓組織から単離した
。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrog
en, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成し
た。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキ
ナーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でお
よそのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRK
B又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体
である;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びN
otI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO317ポリペプ
チドについての全長DNA配列(DNA33461-1199と命名する[Fi
g17、配列番号:41])及び当該PRO317ポリペプチドの誘導タンパク
質配列を与えた。 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置68−70に見かけの翻訳開始部位
及びヌクレオチド位置1166−1168の停止シグナルを有していた(Fig
17;配列番号:41)。予測されるポリペプチド前駆体は366アミノ酸長で
あった[Fig18(配列番号:42)]。Fig18(配列番号:42)に示
した全長PRO317の分析は、Fig18に示したような重要なポリペプチド
ドメインの存在を明らかにし、ここで重要なポリペプチドドメインに与えた位置
は上記のようにおよそのものである。全長PRO317配列の分析により以下の
もの:約アミノ酸1〜約アミノ酸18のシグナルペプチド及び約アミノ酸160
のN-結合グリコシル化部位が明らかになった。クローンDNA33461−1
199は1997年10月15日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号209367
が付与されている。 Fig18(配列番号:42)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO317アミノ酸配列とヒトEBAF-2との間の92%の配列同一性を明ら
かにした。また、PRO317アミノ酸配列とヒトEBAF-2及びマウスLE
FTYタンパク質との間にも有意な相同性が存在する。PRO317はTGF-
βスーパーファミリーの他のメンバーとの配列整列を示す。タンパク質C-末端
は、多くの保存配列及びTGF-βスーパーファミリーの予測されたパターンを
含む。
【0113】 実施例10 遺伝子増幅 この実施例は、PRO187-、PRO533-、PRO214-、PRO24
0-、PRO211-、PRO230-、PRO261-、PRO246-又はPR
O317-コード化遺伝子が或る種のヒト肺、大腸及び/又は乳癌及び/又は細
胞系のゲノムで増幅されることを示す。増幅は遺伝子産物の過剰発現を伴い、大
腸、肺、乳及び他の癌といった或る種の癌において治療的処置の有用な標的であ
ることを示している。治療薬は、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドに対するアンタゴニスト、例えばPRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメ
ラ、ヒト化又はヒト抗体であってよい。 スクリーニングの出発物質は種々の癌から単離したゲノムDNAである。DN
Aは、例えば蛍光的に正確に定量化される。ネガティブ対照として、10の正常
健常個体からDNAを単離し、それをプールして健常個体における遺伝子コピー
のアッセイ対照として使用した(示さず)。5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば
TaqMan(商品名))及び実時間定量的PCR(例えば、ABI Prizm 7700 Sequenc
e Detection System(商品名)(Perkin Elmer, applied Biosystems Division, Fo
ster City, CA))を、或る種の癌で潜在的に増幅される遺伝子の発見に使用した
。結果は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコード
するDNAがスクリーニングした原発肺又は大腸癌又は癌細胞系又は乳癌細胞系
で過剰表現されるか否かの決定に使用した。原発肺癌は、表2に示した型及び段
階の腫瘍を持つ個体から得た。表2に列挙した原発腫瘍及びこの実施例を通して
参照される細胞系の表示に使用した略語の説明は上記に与えた。 TaqMan(商品名)の結果はデルタ(Δ)Ct単位で報告した。1単位は1PCRサ
イクル又は正常に対して約2倍の増幅に相当し、2単位は4倍、3単位は8倍増
幅等々に相当する。定量化はプライマー及びPRO187-、PRO533-、P
RO214-、PRO240-、PRO211-、PRO230-、PRO261-
、PRO246-又はPRO317-コード化遺伝子から誘導したTaqMan(商品名)
蛍光プローブを用いて得た。最も独特の核酸配列を含むと思われ、最もスプライ
シングされたイントロンを持たないと思われるPRO187、PRO533、P
RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
O246又はPRO317の領域が、プライマー及びプローブ誘導、例えば3-
非翻訳領域のために好ましい。PRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317遺伝子増幅分析に使用されるプライマー及びプローブ(正、逆及びプ
ローブ)の配列は次の通り:
【0114】 PRO187(DNA27864-1155) 27864.tm.p: 5'-GCAGATTTTGAGGACAGCCACCTCCA-3' (配列番号:46) 27864.tm.f: 5'-GGCCTTGCAGACAACCGT-3' (配列番号:47) 27864.tm.r: 5'-CAGACTGAGGGAGATCCGAGA-3' (配列番号:48) 27864.tm.p2: 5'-CAGCTGCCCTTCCCCAACCA-3' (配列番号:49) 27864.tm.f2: 5'-CATCAAGCGCCTCTACCA-3' (配列番号:50) 27864.tm.r2: 5'-CACAAACTCGAACTGCTTCTG-3' (配列番号:51) PRO533(DNA49435-1219) 49435.tm.p: 5'-GGGACGTGCTTCTACAAGAACAG-3' (配列番号:52) 49435.tm.f: 5'-CAGGCTTACAATGTTATGATCAGACA-3' (配列番号:53) 49435.tm.r: 5'-TATTCAGAGT TTTCCATTGG CAGTGCCAGTT-3' (配列番号:54) PRO214(DNA32286-1191) 32286.3utr-5: 5'-GGGCCATCACAGCTCCCT-3' (配列番号:55) 32286.3utr-3b: 5'-GGGATGTGGTGAACACAGAACA-3' (配列番号:56) 32286.3utr-プローブ: 5'-TGCCAGCTGCATGCTGCCAGTT-3' (配列番号:57)
【0115】 PRO240(DNA34387-1138) 34387.tm.p1: 5'-CAGCGCCGAAAAGCCAAGACTTCAT-3' (配列番号:58) 34387.tm.f1: 5'-GATTCTGGGAGCCACCACTCTAT-3' (配列番号:59) 34387.tm.r1: 5'-AGCTCCCTGACTGGGCTAAGATA-3' (配列番号:60) 34387.3utr-5: 5'-GTCAGGGAGCTCTGCTTCCTAG-3' (配列番号:61) 34387.3utr-3b: 5'-AATGGCGGCCTCAACCTT-3' (配列番号:62) 34387.3utr-プローブ: 5'-CGAATCCACTGGCGAAAGATGCCTT-3' (配列番号:63) PRO211(DNA32292-1131) 32292.3utr-5: 5'-CAGAAGGATGTCCCGTGGAA-3' (配列番号:64) 32292.3utr-3: 5'-GCCGCTGTCCACTGCAG-3' (配列番号:65) 32292.3utr-プローブ.rc: 5'-GACGGCATCCTCAGGGCCACA-3' (配列番号:66) PRO230(DNA33223-1136) 33223.tm.p3: 5'-ATGTCCTCCATGCCCACGCG-3' (配列番号:67) 33223.tm.f3: 5'-GAGTGCGACATCGAGAGCTT-3' (配列番号:68) 33223.tm.r3: 5'-CCGCAGCCTCAGTGATGA-3' (配列番号:69) 33223.3utr-5: 5'-GAAGAGCACAGCTGCAGATCC-3' (配列番号:70) 33223.3utr-3: 5'-GAGGTGTCCTGGCTTTGGTAGT-3' (配列番号:71) 33223.3utr-プローブ: 5'-CCTCTGGCGCCCCCACTCAA-3' (配列番号:72)
【0116】 PRO261(DNA33473-1176) 33473.3utr-5: 5'-TCTAGCCCACTCCCTGCCT-3' (配列番号:73) 33473.3utr-3: 5'-GAAGTCGGAGAGAAAGCTCGC-3' (配列番号:74) 33473.3utr-プローブ: 5'-CACACACAGCCTATATCAAACATGCACACG-3' (配列番号:75) PRO246(DNA35639-1172) 35639.3utr-5: 5'-GGCAGAGACTTCCAGTCACTGA-3' (配列番号:76) 35639.3utr-3: 5'-GCCAAGGGTGGTGTTAGATAGG-3' (配列番号:77) 35639.3utr-プローブ: 5'-CAGGCCCCCTTGATCTGTACCCCA-3' (配列番号:78) PRO317(DNA33461-1199) 33461.tm.f: 5'-CCAGGAGAGCTGGCGATG-3' (配列番号:79) 33461.tm.r: 5'-GCAAATTCAGGGCTCACTAGAGA-3' (配列番号:80) 33461.tm.p: 5'-CACAGAGCATTTGTCCATCAGCAGTTCAG-3' (配列番号:81)
【0117】 5'ヌクレアーゼアッセイ反応は蛍光PCRベースの技術であり、実時間での
増幅監視のためのTaqDNAポリメラーゼ酵素の5’エキソヌクレアーゼ活性
を使用する。PCR反応に典型的な単位複製配列の生成に2つのオリゴヌクレオ
チドプライマーを使用した。第3のオリゴヌクレオチド、又はプローブは、2つ
のPCRプライマーの間に位置する核酸配列を検出するために設計された。プロ
ーブはTaqDNAポリメラーゼ酵素により非伸展性であり、レポーター蛍光染
料及び消光剤蛍光染料で標識される。2つの染料がプローブ上に接近して位置す
る場合、レポーター染料からのレーザー誘導発光は消光染料によって消光される
。増幅反応の間、プローブはTAQ DNAポリメラーゼ酵素によりテンプレー
ト依存的方式で切断される。得られたプローブ断片は溶液中に解離し、放出され
たレポーター染料からのシグナルは第2のフルオロホアからの消光効果を受けな
い。レポーター染料の一分子は、新たに合成された各分子について標識され、非
消光レポーター染料の検出がデータの定量的解釈の基礎を提供する。 5'ヌクレアーゼ法は、ABI Prism 7700TM配列検出などの実時間定量的PCR
装置で実施される。系は温度サイクル器、レーザー、電荷結合装置(CCD)カ
メラ及びコンピュータからなる。系は温度サイクル器上で96-ウェルでの試料を
増幅させる。増幅中に、レーザー誘導蛍光シグナルは光ファイバーケーブルで9
6ウェルに集められ、CCDで検出される。系は装置の実行及びデータの分析の
ためのソフトウェアを含む。 5'ヌクレアーゼアッセイデータは、最初はCt又は境界サイクルで表現され
る。これは、レポーターシグナルが蛍光のバックグラウンドを越えて蓄積される
サイクルとして定義される。ΔCt値は核酸試料における特定の標的配列の種発
コピー相対数の定量的尺度として使用した。 表2は、本発明のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240
、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
化合物のスクリーニングに用いた種々の原発腫瘍の段階(stage)、T段階及びN
段階を記載する。
【0118】
【0119】 DNA調製: DNAは培養した細胞系、原発腫瘍、正常ヒト血液から調製した。単離は、全
てQuiagenからの、精製キット、バッファーセット及びプロテアーゼを用い、製
造者の指示と下記に従って実施した。 細胞培養溶解: 細胞を洗浄し、チップ当たり7.5x10の濃度でトリプシン化し、4℃で5分間
1000rpmで遠心分離してペレット化し、次いで1/2容量のPBS再遠心で洗浄した
。ペレットを3回洗浄し、懸濁細胞を回収して2xPBSで洗浄した。次いで細胞
を10mLのPBSに懸濁させた。バッファーC1を4℃で平衡化させた。Quiagen
プロテアーゼ#19155を6.25mlの冷ddHOで最終濃度20mg/mlまで希釈して4
℃で平衡化させた。10mLのG2バッファーを、QuiagenRNAseAストック(1
00mg/ml)を200μg/mlの最終濃度まで希釈して調製した。 バッファーC1(10ml、4℃)及びddHO(40ml、4℃)を、次いで10ml
の細胞懸濁物に添加し、反転させて混合し、氷上で10分間インキュベートした
。細胞核をBeckmanスイングバケットロータで4℃において2500rpmで15分間遠
心分離することによりペレット化した。上清を捨て、核をボルテックスしながら
2mlのバッファーC1(4℃)及び6mlのddHOに懸濁し、1秒後に4℃にお
いて2500rpmで15分間遠心分離した。次いで核を残りのバッファー中にチップ
当たり200μlを用いて再懸濁した。G2バッファー(10ml)を懸濁した核に添加
しながら緩いボルテックスを適用した。バッファー添加が完了したら、強いボル
テックスを30秒間適用した。Quiagenプロテアーゼ(200μl上記のように調製
)を添加し、50℃で60分間インキュベートした。インキュベーション及び遠
心分離を、溶解物が透明になるまで繰り返した(例えば、さらに30-60分間イン
キュベートし、4℃で10分間3000xgでペレット化する)。
【0120】 固体ヒト腫瘍試料の調製及び溶解: 腫瘍試料を秤量し50mlのコニカル管に配して氷上に保持した。加工は調製当た
り250mgの組織未満に制限した(1チップ/調製)。プロテアーゼ溶液を6.25ml
の冷ddHO中に最終濃度20mg/mlまで希釈することにより新たに調製して4
℃で貯蔵した。DNAseAを最終濃度200mg/mlまで希釈することによりG2バ
ッファー(20ml)を調製した(100mg/mlのストックから)。エアロゾルの吸入を
避けるために層流Tフード内でポリトロンの大きなチップを用いて、腫瘍組織を
19mlのG2バッファー中で60秒間均一化し、室温に保持した。試料間で、各々
2LのddHOで2x30秒間、次いでG2バッファー(50ml)でスピンさせる
ことによりポリトロンを透明化した。組織がジェネレータチップ上に存在する場
合は、装置を分解して清浄化した。 Quiagenプロテアーゼ(上記の用に調製、1.0ml)を添加し、次いでボルテック
スして50℃で3時間インキュベートした。インキュベーション及び遠心分離を
、溶解物が透明になるまで繰り返した(例えば、さらに30-60分間インキュベー
トし、4℃で10分間3000xgでペレット化する)。 ヒト血液調製及び溶解: 健常なボランティアから標準的な感染薬プロトコールを用いて血液を採りだし
、チップ当たり10mlの試料にクエン酸化した。Quiagenプロテアーゼを6.25mlの
冷ddHO中に最終濃度20mg/mlまで希釈することにより新たに調製して4℃
で貯蔵した。DNAseAを100mg/mlのストックから最終濃度200μg/mlまで希
釈することによりG2バッファー(20ml)を調製した。血液(10ml)を50mlのコ
ニカル管に配し、10mlのC1バッファー及び30mlのddHO(ともに4℃で平
衡化したもの)を添加し、反転させて混合して氷上に10分間保持した。Beckma
nスイングバケットローターで、4℃において2500rpmで15分間核をペレット化
し、上清を捨てた。ボルテックスしながら、核を2mlのC1バッファー(4℃)
及び6mlのddH2O(4℃)中に懸濁させた。ボルテックスはペレットが白く
なるまで繰り返した。次いで核を残りのバッファー中に200μlチップを用いて懸
濁させた。G2バッファー(10ml)を懸濁核に添加しながら緩くボルテックスし
、次いで30秒間強くボルテックスした。Quiagenプロテアーゼを添加(200μl
)し、50℃で60分間インキュベートした。インキュベーション及び遠心分離
を、溶解物が透明になるまで繰り返した(例えば、さらに30-60分間インキュベ
ートし、4℃で10分間3000xgでペレット化する)。
【0121】 透明化溶解物の精製: (1)ゲノムDNAの単離: ゲノムDNAを10mlのQBTバッファーで平衡化した(最大チップ調製当たり
1試料)。QF溶離バッファーを50℃で平衡化した。試料を30秒間ボルテッ
クスし、次いで平衡化チップに負荷して重力により排液した。チップを2x15mlの
QCバッファーで洗浄した。DNAを、30mlのシラン化したオートクレーブ30ml
Cortex管に15mlのQFバッファー(50℃)で溶離した。イソプロパノール(10
.5ml)を各試料に添加し、管をパラフィンで被覆し、DNAが沈殿するまで繰り
返し反転させて混合した。試料を、SS-34ロータで4℃において15,000rpmで10
分間遠心分離してペレット化した。ペレット位置をマークして上清を捨て、10ml
の70%エタノール(4℃)を添加した。試料を、SS-34ロータで4℃において10,0
00rpmで10分間遠心分離して再度ペレット化した。ペレット位置をマークして
上清を捨てた。次いで管を乾燥棚の各面に置き、37℃で10分間乾燥させたが
、使用の過剰乾燥には注意した。 乾燥後、ペレットを1.0mlのTE(pH8.5)に溶解し、50℃に1−2時間置い
た。試料を4℃に終夜保持して溶解を続けた。次いでDNA溶液を、ツベルクリ
ンシリンジ上に26ゲージの針を具備する1.5ml管に移した。DNAを剪断する
ために移行を5x繰り返した。次いで試料を50℃に1−2時間置いた。
【0122】 (2)ゲノムDNAの定量及び遺伝子増幅アッセイのための調製: 各管のDNAレベルを1:20希釈(5μlDNA+95μlddHO)での標準的
なA260、A280分光分析により、Beckman DU640分光光度計の0.1ml石英キ
ュベットを用いて定量した。A260/A280比率は1.8-1.9の範囲であった
。次いで各DNA試料をTE(pH8.5)中に約200ng/mlまで希釈した。最初の材
料が高濃度(約700ng/μl)である場合、材料を50℃に再懸濁するまで数時間
置いた。 次いで、希釈した材料(20-600ng/ml)に対して、製造者の指示を以下のよう
に改変して蛍光DNA定量化を実施した。これは、Hoeffer DyNA Quant 200蛍光
計を約15分間暖めて実施した。Hoechst染料作業溶液(#H33258、10μl、使用
の12時間以内に調製)を100mlの1xTNEバッファーに希釈した。2mlキュベッ
トを蛍光計溶液で満たし、機械に配し、機械をゼロ調節した。pGEM3Zf(
+)(2μl、ロット#360851026)を2mlの蛍光計溶液に添加して200単位で校正し
た。次いで、さらに2μlのpGEM3Zf(+)DNAを試験し、400+/-10単位
で読みを確認した。次いで各試料を少なくとも3回読んだ。3試料が互いに10%
以内であることが見られたとき、それらの平均をとり、この値を定量化値として
用いた。 次いで、蛍光測定で決定した濃度を、各試料をddHO中に10ng/μlまで希
釈するのに用いた。これは、1回のTaqManプレートアッセイについて全てのテン
プレート試料について同時に行い、500-1000アッセイを実施するのに十分な材料
で行った。試料は、Taqman(商品名)プライマー及びプローブで3回試験し、B-
アクチン及びGAPDHともに正常なヒトDNAを持ちテンプレート対照を持た
ない単一のプレート上にある。希釈した試料を用いたが、試験DNAから減算し
た正常ヒトDNAのCT値は+/-1CTであった。希釈した、ロット定性化した
ゲノムDNAを、1.0mlアリコートで−80℃において保存した。続いて遺伝し
増幅アッセイに使用するアリコートは、4℃で保存した。各1mlのアリコートは
、8-9プレート又は64試験に十分である。 遺伝子増幅アッセイ: 本発明のPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317化合物を
以下の原発腫瘍でスクリーニングし、得られたΔCt値を表3に報告する。
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】 PRO187 PRO187(DNA27864-1155)を、上記の最初のスクリニング
から選択した腫瘍についてフレームワークマッピングで再試験した。表4は、P
RO187(DNA27864-1155)について使用したフレームワークマ
ーカーを示す。フレームワークマーカーは、染色体8(Fig8)に沿って約20
メガベース毎に位置し、対照異数性に使用した。PRO187(DNA2786
4-1155)に対する染色体8に沿った記載のフレームワークマーカーは、選
択した腫瘍について表6に表示した。 またPRO187(DNA27864-1155)は、上記の最初のスクリニ
ングから選択した腫瘍についてエピセンターマッピングで再試験した。表5は、
PRO187(DNA27864-1155)について使用したエピセンターマ
ーカーを示す。これらのマーカーは、DNA27864の直ぐ隣に位置し、DN
A27864が位置する染色体領域における増幅状態の評価に使用する。マーカ
ー間の距離はセンチレイ(cR)で測定し、これは放射線分解単位であり、2つ
のマーカー間の分解の1%の機会とほぼ等しい。1cRは極めて粗くは20キロ
ベースと等しい。マーカーSHGC-9963はDNA27864-1155が近
くにマッピングされる染色体8の位置の最も近くに見られるマーカーである。 表7はDNA27864に対するエピセンターマッピングの結果に関するΔC
t値を示し、染色体8に沿ったDNA27864の実際の位置により近い領域で
の相対的増幅を示す(Fig21)。
【0145】
【0146】
【0147】 PRO240 PRO240(DNA34387-1138)を、上記の最初のスクリニング
から選択した腫瘍についてフレームワークマッピングで再試験した。表8は、P
RO240(DNA34387-1138)について使用したフレームワークマ
ーカーを示す。フレームワークマーカーは、染色体2(Fig22)に沿って約
20メガベース毎に位置し、対照異数性に使用した。PRO240(DNA343
87)に対する染色体2に沿った記載のフレームワークマーカーは、選択した腫
瘍について表10に表示した。 またPRO240(DNA34387-1138)は、上記の最初のスクリニ
ングから選択した腫瘍についてエピセンターマッピングで再試験した。表9は、
PRO240(DNA34387-1138)について使用したエピセンターマ
ーカーを示す。これらのマーカーは、DNA34387の直ぐ隣に位置し、DN
A34387が位置する染色体2領域(Fig22)における増幅状態の評価に
使用する。マーカー間の距離はセンチレイで測定し、これは放射線分解単位であ
り、2つのマーカー間の分解の1%の機会とほぼ等しい。1cRは極めて粗くは
20キロベースと等しい。マーカーSHGC-14626はDNA34387が
近くにマッピングされる染色体2に沿ったマーカーである;しかし、PCRに関
する技術的困難さにより、我々のアッセイではSHGC-14626に対するTaq
Man(商品名)プライマー及びプローブを欠いていた。またDNA34387は
BAC(細菌性人工染色体)に含まれていることがわかった。全BACは約10
0Kbである。DNA34387を含むBACは、BACライブラリをDNA3
4387に対するTaqMan(商品名)プライマー及びプローブでスクリーニングす
ることにより同定された。DNA34387-ポジティブクローンの末端が配列
決定され、BACend配列に対するTaqMan(商品名)プライマー及びプローブ
の2つの組が作成された(表9及び11)。これにより、我々の最初のマッピン
グ結果の正当性が確認された。表11はDNA34387に対するエピセンター
マッピングの結果に関するΔCt値を示し、染色体2に沿った直近領域での相対
的増幅を示す(Fig22)。
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】 PRO230 PRO230(DNA33223-1136)を、上記の最初のスクリニング
から選択した腫瘍についてフレームワークマッピングで再試験した。表12は、
PRO230(DNA33223-1136)について使用したフレームワーク
マーカーを示す。フレームワークマーカーは、染色体1(Fig23)に沿って
約20メガベース毎に位置し、対照異数性に使用した。PRO230(DNA33
223)に対する染色体1に沿った記載のフレームワークマーカーは、選択した
腫瘍について表14に表示した。 またPRO230(DNA33223-1136)はエピセンターマッピング
で再試験した。DNA33223を含む細菌性人工染色体をBACライブラリを
スクリーニングすることにより同定した、DNA33223-ポジティブクロー
ンの末端が配列決定され、BACend配列に対するTaqMan(商品名)プライマ
ー及びプローブの2つの組が作成された(表9及び11)。即ちBACendに対
するTaqMan(商品名)プライマー及びプローブは、DNA33223が位置する
染色体1の領域の増幅状態を評価するマーカーとして使用した。BACクローン
は典型的には100〜150Kbである。また、DNA40625(新規の遺伝
子)もDNA33223を含むBACに位置する。表13は、PRO230(D
NA33223)について使用したエピセンターマーカーを示す。これらのマー
カーは、DNA33223の直ぐ隣に位置し、DNA33223が位置する染色
体1領域における増幅状態の評価に使用する。マーカー間の距離はセンチレイ(
cR)で測定し、これは放射線分解単位であり、2つのマーカー間の分解の1%
の機会とほぼ等しい。1cRは極めて粗くは20キロベースと等しい。マーカー
SHGC-35321はDNA33223-1136がマッピングされる染色体1
の位置の直近に見られるマーカーである(Fig23)。 表15はDNA33223に対するエピセンターマッピングの結果に関するΔ
Ct値を示し、染色体1に沿ったDNA33223の実際の位置により近い領域
での相対的増幅を示す(Fig23)。
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】 議論と結論: PRO187(DNA27864-1155): 種々の腫瘍におけるDNA27864-1155についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT12、LT13、LT15、
LT16、LT19及びLT30;及び(2)原発大腸腫瘍:CT2、CT8、
CT10、CT14、CT1、CT5、CT6、CT7、CT9及びCT11で
生じたPRO187をコードする核酸DNA27864-1155の有意な増幅
を示す。増幅は、原発肺腫瘍:LT12、LT13,LT15及びLT16;及
び原発大腸腫瘍:CT2、CT5、CT10、CT11及びCT14におけるD
NA27864のフレームワークマッピング(表6)により確認された。フレー
ムワークマーカー分析は、表示した腫瘍における染色体8の特定領域の相対的増
幅を報告したが、エピセンターマーカー分析は、対象とする遺伝子の直ぐ隣の領
域における相対的増幅の正確な読みを与えた。最も近いフレームワークマーカー
の増幅(表6)は、DNA27864より大きくは起こらなかった。 増幅は、DNA27864-1155についてのエピセンターマッピング(表
7)によって確認され、原発大腸腫瘍:CT2、CT5、CT8、CT10、C
T11及びCT14;及び原発肺腫瘍:LT12、LT13、LT15及びLT
16における有意な増幅が確認された。これに対して、最も近いエピセンターマ
ーカー(H60及びH64を除く)の増幅は、DNA27864より大きな程度
では起こらなかった(表7)。このことは、DNA27864が染色体8上の特
定領域の増幅の原因となる遺伝子であることを強く示唆している。DNA278
64の増幅が種々の肺及び大腸腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成又は成長にお
いて有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA27864にコード
されるタンパク質(PRO187)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、
癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO533(DNA49435-1219): 種々の肺腫瘍におけるDNA49435-1219についてのΔCt値を表3
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表3は、原発肺腫瘍:LT1a、LT7、LT11、LT
16、LT17及びLT19で生じたPRO533をコードする核酸DNA49
435-1219の有意な増幅を示す。DNA49435-1129の増幅が種々
の肺腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及び/又は成長に関連している可能性が
ある。結果として、DNA49435にコードされるタンパク質(PRO533
)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予
測される。 PRO214(DNA32286-1191): 種々の腫瘍におけるDNA32286-1191についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT3、LT11、LT12、L
T13、LT15、LT17及びLT19;及び(2)原発大腸腫瘍:CT3、
CT8、CT10、CT12、CT14、CT15、CT16、CT17、CT
1、CT1、CT4、CT5、CT6、CT9及びCT11で生じたPRO21
4をコードする核酸DNA32286-1191の有意な増幅を示す。DNA3
2286-1191の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及び/又
は成長に関連している可能性がある。結果として、DNA32286にコードさ
れるタンパク質(PRO214)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、癌
治療における有用性を持つと予測される。
【0165】 PRO240(DNA34387-1138): 種々の腫瘍におけるDNA34387-1138についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT1a、LT3、LT6、LT
10、LT11、LT12、LT13、LT15、LT16、LT17、LT1
9、LT21、LT26、LT28、LT30及びHF000840;(2)原
発大腸腫瘍:CT2、CT3、CT8、CT10、CT12、CT14、CT1
5、CT16、CT17、CT1、CT4、CT5、CT6、CT7及びCT1
1及び大腸腫瘍中心HF000539、HF000575及びHF000698
;(3)乳腫瘍SRCC1097、SRCC1098、SRCC1100、SR
CC1101及び乳腫瘍中心HF000575;(4)腎臓腫瘍中心HF000
611;(5)リンパ節HF000854;及び(6)精巣腫瘍中心HF000
733及び精巣腫瘍辺縁HF000716で生じたPRO240をコードする核
酸DNA34387-1138の有意な増幅を示す。 増幅は、原発肺腫瘍:LT1a、LT3、LT11、LT12、LT13、L
T15、LT16、LT17及びLT19におけるDNA34387-1138
のフレームワークマッピング(表10)により確認された。これに対して、最も
近い公知のエピセンターマーカー(B3及びB90を除く)の増幅は、DNA3
4387より大きな程度では起こらなかった(表10)。フレームワークマーカ
ー分析は、表示した腫瘍における染色体2の特定領域の相対的増幅を報告したが
、エピセンターマーカー分析は、対象とする遺伝子の直ぐ隣の領域における相対
的増幅の正確な読みを与えた。 増幅は、DNA34387-1138についてのエピセンターマッピング(表
11)によって確認され、原発肺腫瘍:LT1a、LT2、LT3、LT4、L
T6、LT7、LT9、LT10、LT11、LT12、LT13、LT15、
LT16、LT17、LT19及びLT21における有意な増幅が確認された。
マーカーがDNA34387と類似の腫瘍パターンを示し、増幅の程度も類似し
ているので(表11)、DNA34387はBACマーカー208K21For
1に極めて近いことがわかった。 フレームワーク及びエピセンターマッピングで示された増幅は、DNA343
87が染色体2上の特定領域の増幅の原因となる遺伝子であることを強く示唆し
ている。DNA34387の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成又
は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA3438
7にコードされるタンパク質(PRO240)に対するアンタゴニスト(例えば
抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO211(DNA32292-1131): 種々の肺腫瘍におけるDNA32292-1131についてのΔCt値を表3
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表3は、(1)原発肺腫瘍:LT1a、LT3、LT4、
LT9、LT10、LT11、LT12、LT13、LT15、LT16、LT
17、LT19及びLT21;(2)原発大腸腫瘍:CT2、CT1、CT4、
CT5、CT6及びCT11;及び(3)肺腫瘍細胞系SW900で生じたPR
O211をコードする核酸DNA32292-1131の有意な増幅を示す。D
NA32292-1131の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及
び/又は成長に関連している可能性がある。結果として、DNA32292にコ
ードされるタンパク質(PRO211)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)
は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO230(DNA33223-1136): 種々の腫瘍におけるDNA33223-1136についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT11、LT12、LT13、
LT15、LT16、LT17、LT19、LT21、LT30及びHF000
840;(2)原発大腸腫瘍:CT3、CT12、CT16、CT17、CT1
、CT4、CT5、CT7、CT11及び大腸腫瘍中心HF000539;(3
)肺腫瘍細胞系Calu-1;(4)大腸腫瘍細胞系SW620;(5)腎臓腫
瘍中心HF000611;及び(6)精巣腫瘍中心及び腫瘍辺縁HF00073
3及びHF000716で各々生じたPRO230をコードする核酸DNA33
223-1136の有意な増幅を示す。 増幅は、原発肺腫瘍:LT11、LT12、LT13、LT15、LT17及
びLT19におけるDNA33223のフレームワークマッピング(表14)に
より確認された。 DNA33223についてのエピセンターマッピング(表15)は、原発肺腫瘍
:LT1a、LT3、LT6、LT9、LT10、LT11、LT12、LT1
3、LT15、LT16及びLT19;及び原発大腸腫瘍:CT2、CT5、C
T10及びCT11における有意な増幅をもたらした。フレームワークマーカー
分析は、表示した腫瘍における染色体1の特定領域の相対的増幅を報告したが、
エピセンターマーカー分析は、対象とする遺伝子の直ぐ隣の領域における相対的
増幅の正確な読みを与えた。最も近い公知のフレームワークマーカーの増幅(表
14)は、DNA33223より大きな程度では起こらなかった。このことは、
DNA33223が染色体1上の特定領域の増幅の原因となる遺伝子であること
を強く示唆している。DNA33223の増幅が種々の腫瘍及び細胞系(特に肺
)で生じたので、それは腫瘍形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が
高い。結果として、DNA33223にコードされるタンパク質(PRO230
)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予
測される。
【0166】 PRO261(DNA33473-1176): 種々の腫瘍におけるDNA33473-1176についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT1a、LT10、LT11、
LT12、LT13、LT15、LT16、LT17、LT18、LT19及び
LT21;(2)原発大腸腫瘍:CT2、CT3、CT14、及びCT5;(3
)大腸腫瘍細胞系:SW480、SW620、Colo320、H29、WiD
r、HCT116、SKCO1、SW403及びLS174T;及び(4)乳腫
瘍細胞系HBL100、MB435s、BT20、及びSKBR3で生じたPR
O261をコードする核酸DNA33473-1176の有意な増幅を示す。D
NA33473-1176の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及
び/又は成長に関連している可能性がある。結果として、DNA33473にコ
ードされるタンパク質(PRO261)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)
は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO246(DNA35639-1172): 種々の腫瘍におけるDNA35639-1172についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT3、LT10、LT11、L
T12、LT13、LT15、LT17、LT19及びLT21;及び(2)原
発大腸腫瘍:CT4、CT5、CT9、及びCT11で生じたPRO246をコ
ードする核酸DNA35639-1172の有意な増幅を示す。DNA3563
9-1172の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及び/又は成長
に関連している可能性がある。結果として、DNA35639にコードされるタ
ンパク質(PRO246)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療に
おける有用性を持つと予測される。 PRO317(DNA33461-1199): 種々の腫瘍におけるDNA33461-1199についてのΔCt値を表3に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表3は(1)原発肺腫瘍:LT1a、LT3、LT4、LT
6、LT7、LT9、LT10、LT11、LT12、LT13、LT15、L
T16、LT17及びLT19;及び(2)原発大腸腫瘍:CT2、CT10、
CT14、CT15、CT4、及びCT9で生じたPRO317をコードする核
酸DNA33461-1199の有意な増幅を示す。DNA33461-1199
の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍形成及び/又は成長に関連してい
る可能性がある。結果として、DNA33461にコードされるタンパク質(P
RO317)に対するアンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性
を持つと予測される。
【0167】 実施例11 インサイツハイブリッド形成 インサイツハイブリッド形成は、細胞又は組織調製物内での核酸配列の検出及
び局在化のための強力で多用途の技術である。それは、例えば、遺伝子発現部位
の同定、転写物の組織分布の分析、ウイルス感染の同定及び局在化、特定mRN
A合成及び染色体マッピングにおける追跡に有用である。 インサイツハイブリッド形成は、Lu及びGillett, Cell Vision 1: 169-176 (1
994)のプロトコールの最適な変形に従って、PCR生成33P-標識リボプロー
ブを用いて実施される。簡単には、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織を
切片化し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20g/ml)で15分間37℃で脱
タンパクし、さらに上掲のLu及びGillettに記載されたようにインサイツハイブ
リッド形成する。[33-P]UTP-標識アンチセンスリボプローブをPCR産
物から生成し、55℃で終夜ハイブリッド形成する。スライドをKodak NTB2核ト
ラックエマルションに浸漬して4週間露出する。 33P-リボプローブ合成 6.0μl(125mCi)の33P-UTP(Amersham BF 1002, SA<2000 Ci/mmol)
をスピード真空乾燥させた。乾燥33P-UTPを含む管に以下の成分を添加し
た: 2.0μlの5x転写バッファー 1.0μlのDTT(100mM) 2.0μlのNTP混合物(2.5mM: 10μl; 10mMのGTP, CTP及びATP+10μlのH2O) 1.0μlのUTP(50μM) 1.0μlのRnasin 1.0μlのDNAテンプレート(1μg) 1.0μlのHO 1.0μlのRNAポメラーゼ(PCR産物についてT3=AS, T7=S,通常) 管を37℃で1時間インキュベートし、1.0μlのRQ1 DNaseを添加し、次
いで37℃で15分間インキュベートした。90μlのTE(10mMトリスpH7.6/1m
MのEDTApH8.0)を添加し、混合物をDE81紙にピペットした。残りの溶液をMi
crocon-50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10を用いてスピンさせた(6
分間)。濾過ユニットを第2の管に変換し、プログラム2を用いてスピンさせた
(3分間)。最終回収スピンの後、100μlのTEを添加した。1μlの最終生成物
をDE81紙にピペットし6mlのBiofluor IIで数えた。 プローブをTBE/尿素ゲル上で走らせた。1-3μlのプローブ又は5μlのRN
A MrkIIIを3μlの負荷バッファーに添加した。加熱ブロック上で95℃
に3分間加熱した後、ゲルを即座に氷上に置いた。ゲルのウェルをフラッシング
し、試料を負荷し、180-250ボルトで45分間走らせた。ゲルをサランラップでラ
ップし、−70℃冷凍機内で補強スクリーンを持つXARフィルムに1時間から
終夜露出した。
【0168】 33P-ハイブリッド形成 凍結切片の前処理: スライドを冷凍機から取り出し、アルミニウムトレイに
配置して室温で5分間解凍した。トレイを55℃のインキュベータに5分間配置
して凝結を減らした。スライドを蒸気フード内において4%パラホルムアルデヒド
中で5分間固定し、0.5xSSCで5分間室温で洗浄した(25ml 20xSSC + 975ml SQ H2O)。0.5μg/mlのプロテイナーゼ中、37℃で10分間の脱タンパクの後
(250mlの予備加熱RNase無しRNaseバッファー中の10mg/mlストック12
.5μl)、切片を0.5xSSCで10分間室温で洗浄した。切片を、70%、95%、10
0%エタノール中、各2分間脱水した。 パラフィン包埋切片の前処理: スライドを脱パラフィンし、SQ HO中
に配置し、2xSSCで室温において各々5分間2回リンスした。切片を20μg/m
lのプロテイナーゼK(250mlのRNase無しRNaseバッファー中10mg/m
lを500μl;37℃、15分間)−ヒト胚又は8xプロテイナーゼK(250mlの
RNaseバッファー中100μl、37℃、30分間)−ホルマリン組織で脱タン
パクした。続く0.5xSSCでのリンス及び脱水は上記のように実施した。 プレハイブリッド化: スライドをBoxバッファー(4xSSC、50%ホルム
アミド)−飽和濾紙で列を作ったプラスチックボックスに並べた。組織を50μl
のハイブリッド形成バッファー(3.75gデキストラン硫酸+6mlSQ H2O)で
被覆し、ボルテックスし、キャップを外して2分間マイクロ波で加熱した。氷上
で冷却した後、18.75mlのホルムアミド、3.75mlの20xSSC及び9mlのSQ
H2Oを添加し、組織を良くボルテックスし、42℃で1-4時間インキュベート
した。 ハイブリッド形成: スライド当たり1.0x10cpmのプローブ及び1.0μlのt
RNA(50mg/mlストック)を95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却
し、スライド当たり48μlのハイブリッド形成バッファーを添加した。ボルテッ
クスの後、50μlの33P混合物をスライド上のプレハイブリッド50μlに添加し
た。スライドを55℃で終夜インキュベートした。 洗浄: 洗浄は、2x10分間、2xSSC、EDTAで室温で実施し(400mlの2
0xSSC+16mlの0.25M EDTA、Vf=4L)、次いでRNaseA処理を37℃で
30分間行った(250mlRNaseバッファー中10mg/mlを500μl=20μg/ml)
。スライドを2x10分間、EDTAで室温において洗浄した。緊縮性洗浄条件は
次の通り:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20mlの20xSSC+16mlのED
TA、Vf=4L)。
【0169】 DNA49435-1219(FGF相同体、FGFレセプター3リガンド) オリゴA-252G 46 mer: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCGGATCCTGGCCGGCCTCGG-3'(配列番号:82) オリゴA-251H 48 mer: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAGCCCGGGCATGGTCTCAGTTA-3'(配列番号:83) 中程度の発現が胎児脳の皮質ニューロン全体に観察された。発現は胎児網膜の
内面全体に観察され、発達中のレンズにも見られることがあった。発現は胎児皮
膚、軟骨、小腸、胎盤絨毛及び臍帯に見られた。成人組織では、胆嚢上皮全体に
高レベルの発現があった。成人腎臓、胃及び結腸上皮で中程度の発現が見られた
。これらのデータは、この分子の軟骨及び骨成長における潜在的な役割に符合す
る。 DNA32286-1191(EGF様相同体) オリゴB-138U 47 mer: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCCTCCTGCCTTCCCTGTCC-3'(配列番号:84) オリゴB-134R 48 mer: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAGTGGTGGCCGCGATTATCTGC-3'(配列番号:85) 胎児組織では、間葉全体に渡って低レベルの発現が見られた。膜状組織の胎盤
間質細胞及び甲状腺において中程度の発現が見られた。皮質ニューロンで低レベ
ルの発現が見られた。 DNA34387-1138(鋸歯状/EGF相同体) オリゴB-231W 48 mer: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCGAGATATGCACCCAATGTC-3'(配列番号:86) オリゴB-231-X 47 mer: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGATCCCAGAATCCCGAAGAACA-3'(配列番号:87) ヒト成人及び胎児組織における発現パターン 以下の部位で増大したシグナルが観察された: 胎児組織:甲状腺上皮、小腸上皮、生殖腺、胎盤上皮、肝臓の肝実質細胞及び尿
細管;発現は発達中の骨の血管組織でも見られた。 成人組織:胎盤細胞栄養芽層、尿細管上皮、膀胱上皮、副甲状腺及び上皮腫瘍に
おける中程度のシグナル。 肺腺癌及び扁平上皮癌 8つ全ての扁平上皮癌及び8つの腺癌のうち6つで発現が観察された。発現は
インサイツ及び浸潤成分において見られた。発現レベルは腺癌において低から中
程度であった。一般的に、発現は扁平上皮癌の方が高く、2の発現が強かった。
リンパ節において低レベルの発現がある場合もあった。
【0170】 DNA33223-1136(尿細管間質性腎炎抗原相同体) DNA33223p1: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCGGCGATGTCCACTGGGGCTAC-3'(配列番号:88) DNA33223p2: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGACGAGGAAGATGGGCGGATGGT-3'(配列番号:89) ヒト成人及び胎児組織における発現 組織断片は、胎児の動脈及び静脈に関連した強いシグナルを示した。動脈にお
いて、シグナルは平滑筋/周辺細胞に限定されていた。発現は糸球体の毛細血管
でも見られた。発現はまた胎児のレンズにおける上皮細胞でも観察された。また
胎盤栄養膜絨毛で強い発現が見られた。これらの細胞は、栄養膜及びHGFを発
現する繊維芽様細胞の間にあり、不確定の組織形成を有する。 成人においては、大動脈壁における発現の証拠は無く、殆どの血管はネガティ
ブであることがわかった。しかしながら、発現は正常前立腺の血管チャンネル全
体及び胆嚢内の上皮で見られた。発現は、軟組織肉腫及び腎細胞癌で見られた。
要するに、この分子は胎児及び幾つかの成人器官において比較的特異的な血管発
現を示した。発現はまた胎児レンズ及び成人胆嚢でも観察された。 乳房及び肺腫瘍組織を用いた発現 上記の結果に類似した血管発現が胎児ブロックで見られた。発現は、上皮より
むしろ血管平滑筋であった。また発現は発達中の食道の平滑筋でも見られ、よっ
てこの分子は血管特異的ではない。発現は4つの肺及び4つの乳癌で試験した。
実質的な発現が、4つの肺ガンのつち3つ及び4つの乳癌のうち2つの血管平滑
筋で見られた。さらに、1つの乳癌(IF97-06551 3E)では不確かな組織形成の
腫瘍辺縁間質細胞(おそらく筋繊維芽細胞)で観察された。 肺腺癌及び扁平上皮癌での発現 16の腫瘍のうち1つ(1/16)が強いハイブリッド形成シグナルを示し、16
のうち2つが弱から中の強さのポジティブシグナルを示した。3つの腫瘍は全て
分化が進んでいない扁平上皮癌に分類された。残りの6つの扁平上皮癌及び7つ
の腺癌は全てネガティブであった。既に記載した以前の研究に見られるように、
発現は小及び中程度のサイズの血管チャンネルの上皮及び平滑筋に存在し、1つ
の場合では良性の腺細胞で弱く限局的な発現を示した。 DNA33473-1176(CTGF相同体) オリゴD-170R 45 mer: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCGCGAGGACGGCGGCTTCA-3'(配列番号:90) オリゴD-170V 48 mer: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAAGAGTCGCGGCCGCCCTTTTT-3'(配列番号:91) 正常成人皮膚の真皮繊維芽細胞で強い発現が観察された。また2つの硬変肝臓
においても活性肝臓線維症の部位で強い発現が見られた。中程度の発現が副腎皮
質の束状(fasiculata)細胞全体に見られた。この局在化は、細胞外マトリクス形
成又はターンオーバーにおけるこの分子の役割を支持している。 DNA35639-1172(HCAR相同体) DNA35639p1: 5'-GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCTTGCTGCGGTTTTTGTTCCTG-3'(配列番号:92) DNA35639p2: 5'-CTATGAAATTAACCCTCACTAAAGGGAGCTGCCGATCCCACTGGTATT-3'(配列番号:93) この分子は、CNSの組織を含む胎児血管上皮において強く発現された。より
低レベルの発現は、CNSを含む成人血管で観察された。腫瘍血管上皮では高レ
ベルの発現は見られなかった。またシグナルは骨マトリクス及び成人脾臓で見ら
れたが、このシグナルは明らかに細胞関連であった。
【0171】 実施例12 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317のハイブリッド形成
プローブとしての使用 以下の方法は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポ
リペプチドをコードする核酸配列のハイブリッド形成プローブとしての使用を記
述する。 ここに開示されるような全長又は成熟「PRO」ポリペプチド又はその断片の
コード化配列を含むDNAは、同種DNA(ヒト組織cDNAライブラリ又はヒ
ト組織ゲノムライブラリのPRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317の天然発生変異体をコードするもの等)のスクリーニングのためのプロー
ブとして用いられ得る。 ハイブリッド形成及びいずれかのライブラリを含むフィルターの洗浄は、以下
の高い緊縮性条件下で実施される。放射性標識PRO187-、PRO533-、
PRO214-、PRO240-、PRO211-、PRO230-、PRO261
-、PRO246-又はPRO317-誘導プローブのフィルターへのハイブリッ
ド形成は、50%ホルムアミド、5xSSc、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン
酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中で4
2℃で20時間実施した。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶
液中で、42℃で実施した。 全長天然配列PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317をコ
ードするDNAと所望の同一性を持つDNAは、次いでこの分野で知られた標準
的技術を用いて同定できる。
【0172】 実施例13 大腸菌における「PRO」ポリペプチドの発現 この実施例は、大腸菌での組換え発現による非グリコシル化形態のPRO18
7、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230
、PRO261、PRO246又はPRO317の調製を例示する。 対象とするPROポリペプチドをコードするDNA配列を、選択したPCRプ
ライマーを用いて最初に増幅した。プライマーは、選択された発現ベクターの制
限酵素部位に対応する制限酵素部位を持たなければならない。種々の発現ベクタ
ーが用いられる。好適なベクターの例は、pBR322(大腸菌から誘導された
もの;Bolivar等, Gene, 2:95 (1977)参照)であり、アンピシリン及びテトラサ
イクリン耐性についての遺伝子を含む。ベクターは、制限酵素で消化され脱リン
酸される。PCR増幅した配列は、次いでベクターに結合させる。ベクターは、
好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリhisリーダー(最
初の6つのSTIIコドン、ポリhis配列、及びエンテロキナーゼ切断部位を
含む)、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO2
11、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317コード化領
域、ラムダ転写終結区、及びargU遺伝子を含む。 ライゲーション混合物は、次いで、上掲のSambrook等に記載された方法を用い
た選択した大腸菌の形質転換に使用される。形質転換体は、それらのLBプレー
トで成長する能力により同定され、次いで抗生物質耐性クローンが選択される。
プラスミドDNAが単離され、制限分析及びDNA配列決定で確認される。 選択されたクローンは、抗生物質を添加したLBブロスなどの液体培地で終夜
成長させることができる。終夜培地は、続いて大規模培地の播種に用いられる。
次に細胞を最適密度で成長させ、その間に発現プロモーターが作動する。 更に数時間の培養の後、細胞を採集して遠心分離できる。遠心分離で得られた
細胞ペレットは、この分野で知られた種々の試薬を用いて可溶化され、可溶化P
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317タンパク質を金属キレ
ート化カラムを用いてタンパク質を緊密に結合させる条件下で精製した。 PRO187、PRO533、PRO240及びPRO317は、以下の手法
を用いて、大腸菌においてポリHisタグ形態で発現させた。PRO187、P
RO533、PRO240又はPRO317をコードするDNAを選択したPC
Rプライマーを用いて最初に増幅した。プライマーは、選択された発現ベクター
の制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的で信頼性のある翻訳開始、
金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼでのタンパク質分解
的除去を与える他の有用な配列を含む。次いでPCR増幅された、ポリ-His
タグ配列を発現ベクターに結合させ、それを株52(W3110 fuhA(tonA) lon gal
E rpoHts(htpRts) cllpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用した。
形質転換体は、最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中、30℃で振
盪しながら3-5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培地をCRAP
培地(3.57gの(NHSO、0.71gのクエン酸ナトリウム・2H2O、1.07gの
KCl、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL水中の5.36gのShefield hycase SF、並
びに110mMのMPOS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコース及び7mMのMgSO
の混合で調製)中に50-100倍希釈し、30℃で振盪させながら約20-30時間成長
させた。試料を取り出してSDS-PAGEにより発現を確認し、バルク培地を
遠心分離して細胞のペレットとした。細胞細胞ペレットを精製及び再折りたたみ
まで凍結させた。
【0173】 0.5から1Lの発酵(6-10gペレット)からの大腸菌ペーストを、7Mのグアニジン
、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁させた。固体硫酸ナ
トリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を各々0.1M及び0.02
Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により、亜硫酸によりブロックさ
れたシステイン残基を持つ変性タンパク質がもたらされた。溶液をBeckman Ultr
acentrifuge中で40,000rpmで30分間濃縮した。上清を金属キレートカラムバッ
ファー(6Mのグアニジン、20mMのトリス、pH7.4)の3-5容量で希釈し、0.22ミク
ロンフィルターを通して濾過して透明化した。透明化抽出物を、金属キレートカ
ラムバッファーで平衡化させた5mlのQiagen Ni-NTA金属キレートカラムに負荷し
た。カラムを50mMのイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッ
ファー、pH7.4で洗浄した。タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッフ
ァーで溶離した。所望のタンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した
。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて28
0nmにおけるその吸収により見積もった。 試料を、20mMのトリス、pH8.6、0.3MのNaCl、2.5Mの尿素、5mMのシス
テイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製した再折りたた
みバッファー中に徐々に希釈することによりタンパク質を再折りたたみさせた。
リフォールディング容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラム/
mlとなるように選択した。リフォールデlイング溶液を4℃で12-36時間ゆっく
り撹拌した。リフォールディング反応はTFAを採取濃度0.4%(約3のpH)で
添加することにより停止させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22
ミクロンフィルターを通して濾過し、アセトニトリルを最終濃度2-10%で添加し
た。再折りたたみされたタンパク質を、Poros R1/H逆相カラムで、0.1%TFAの
移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配での溶離を用いてクロマトグラ
フにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSDSポリアクリルアミドゲル
で分析し、相同な再折りたたみされたタンパク質を含有する画分をプールした。
一般的に、殆どのタンパク質の正しく再折りたたみされた種は、これらの種が最
もコンパクトであり、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されてい
るので、アセトニトリルの最低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高い
アセトニトリル濃度で溶離される。タンパク質の誤って折りたたまれた形態を所
望の形態から除くのに加えて、逆相工程は試料からエンドトキシンも除去する。 所望の折りたたまれたPRO187、PRO533、PRO240及びPRO
317タンパク質各々を含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流
を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで
平衡化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、
0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHEPES、pH6.8に
調製した。
【0174】 実施例14 哺乳動物細胞におけるPRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7の発現 この実施例は、哺乳動物細胞での組換え発現によるグリコシル化形態のPRO
187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO2
30、PRO261、PRO246又はPRO317の調製を例示する。 発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日発行のEP 307,247参照
)を用いた。場合によっては、PRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317DNAを選択した制限酵素でpRK5に結合させ、上掲のSambrook等
に記載されたような結合方法を用いてPRO187、PRO533、PRO21
4、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246
又はPRO317DNAの挿入を行う。得られたベクターは、pRK5-PRO
187、pRK5-PRO533、pRK5-PRO214、pRK5-PRO2
40、pRK5-PRO211、pRK5-PRO230、pRK5-PRO26
1、pRK5-PRO246又はpRK5-PRO317と呼ばれる。 一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト
293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分又
は抗生物質を添加したDMEMなどの媒質中で組織培養プレートにおいて成長さ
せて集密化した。約10μgのpRK5-PRO187、pRK5-PRO533
、pRK5-PRO214、pRK5-PRO240、pRK5-PRO211、
pRK5-PRO230、pRK5-PRO261、pRK5-PRO246又は
pRK5-PRO317DNAを約1μgのVA RNA遺伝子をコードするDN
A[Thimmappaya等, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mMトリス
-HCl、0.1mMのEDTA、0.227MのCaClに溶解させた。この混合物に、
滴状の、500μlの50mMのHEPES(pH7.35)、280mmのNaCl、1.5mMのNa
POを添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、293
細胞に加えて37℃で約4時間定着させた。培養培地を吸引し、2mlのPBS中20
%グリセロールを30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清培地で洗浄し
、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートした。
【0175】 形質移入の約24時間後、培養培地を除去し、培養培地(のみ)又は200μCi/
mlの35S-システイン及び200μCi/mlの35S-メチオニンを含む培養培地で置
換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィル
ターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PRO1
87、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO23
0、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの存在を現す選
択された時間にわたってフィルムに暴露した。形質転換した細胞を含む培地は、
更なるインキュベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオア
ッセイで試験した。 これに換わる技術において、PRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317DNAは、Somparyac等, Proc. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)
に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入される。2
93細胞は、スピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5-
PRO187、pRK5-PRO533、pRK5-PRO214、pRK5-P
RO240、pRK5-PRO211、pRK5-PRO230、pRK5-PR
O261、pRK5-PRO246又はpRK5-PRO317DNAを添加する
。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄し
た。DNA−デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートした
。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、組織培養培
地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピ
ナーフラスコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細
胞及び細胞片を除去した。次いで発現されたPRO187、PRO533、PR
O214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO
246又はPRO317を含む試料を濃縮し、透析又はカラムクロマトグラフィ
ー等の選択した方法によって精製した。 他の実施態様では、PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7をCHO細胞で発現させることができる。pRK5-PRO187、pRK5-
PRO533、pRK5-PRO214、pRK5-PRO240、pRK5-P
RO211、pRK5-PRO230、pRK5-PRO261、pRK5-PR
O246又はpRK5-PRO317は、CaPO又はDEAE-デキストラン
などの公知の試薬を用いてCHO細胞に形質移入することができる。上記したよ
うに、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35S-メチ
オニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PRO187、PR
O533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO
261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの存在を同定した後、培養
培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、培地を約6日間インキュベー
トし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現されたPRO187、PRO5
33、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO26
1、PRO246又はPRO317を含む培地を濃縮して、選択した方法にとっ
て精製することができる。
【0176】 また、エピトープタグPRO187、PRO533、PRO214、PRO2
40、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO3
17は、宿主CHO細胞において発現させてもよい。PRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317はpRK5ベクターからサブクローニングした
。サブクローン挿入物は、次いで、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクタ
ー中のポリ-hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。
ポリ-hisタグPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317挿
入物は、次いで、安定なクローンの選択のためのDHFR等の選択マーカーを含
むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後に、CHO細胞をSV
40誘導ベクターで(上記のように)形質移入した。発現を確認するために、上
記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ-hisタグPRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317を含む培養培地は、次いで濃縮し、
Ni2+-キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択された方法により
精製できる。 PRO214、PRO240、PRO211、PRO230及びPRO261
は、一過性及び安定発現法の両方でCHO細胞において発現された。さらに、P
RO246はCHO細胞で一過性発現された。 CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質
は、それは対応するタンパク質の可溶化形態及び/又はポリ-Hisタグ形態の
コード化配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH
2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)と
して発現された。 PCR増幅に続いて、対応するDNAを、Ausubel等, Current Protocols of
Molecular Biology, Unit 3.26, John Wiley and Sons (1997)に記載されたよう
な標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現
ベクターは、対象とするDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cD
NAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucas等, Nuc
l. Acids res. 24: 9, 1774-1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発
現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR
)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR
発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。 所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superfec
t(登録商標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer M
annheim)約一千万のCHO細胞に導入した。細胞は、上掲のLucas等に記載され
ているように成長させた。約3x10細胞を、下記のような更なる成長及び生産
のためにアンプル中で凍結させた。
【0177】 プラスミドDNAを含むアンプルを水槽に配して解凍し、ボルテックスにより
混合した。内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで5分間
遠心分離した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過PS20、5%
の0.2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次いで細胞を90mLの選
択培地を含む100mlスピナーに分けた1-2日後、細胞を150mLの選択培地を満たし
た250mLスピナーに移し、37℃でインキュベートした。さらに2-3日後、250mL
、500mL及び2000mLのスピナーを3x10細胞/mLで播種した。細胞培地を遠心分
離により新鮮培地に交換し、生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO培地
を用いてもよいが、実際には1992年6月16日に発行の米国特許第5,122,469号に記
載された生産培地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x10細胞/mLで播種した
。0日目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプルし、濾過
空気での散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に変
え、500g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35%ポリジメチルシロキ
サンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)の30mLとした。
生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生存率が70%を
下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルターを通して濾過し
た。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに負荷した。 ポリ-Hisタグ作成物について、タンパク質はNi2+-NTAカラム(Qiagen)を
用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加
した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepe
s, pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi-NTAカラムに4-5ml/分の流速で4℃に
おいてポンプ供給した。負荷後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タン
パク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製され
たタンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニト
ールを含む貯蔵バッファー中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩
し、−80℃で貯蔵した。 イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培地から精製し
た。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー, pH6.8で平衡化した5mlの
プロテインAカラム(Pharmacia)に負荷した。負荷後、カラムを平衡バッファ
ーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸, pH3.5で溶離した。溶離したタンパク質
は、1mlの画分を275μlの1Mトリスバッファー, pH9を含む管に回収することによ
り即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ-Hisタグ
タンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリ
アクリルアミドゲルで試験し、エドマン(Edman)分解によりN-末端アミノ酸配列
決定した。
【0178】 実施例15 酵母菌でのPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の発現 以下の方法は、酵母菌中でのPRO187、PRO533、PRO214、P
RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
RO317の組換え発現を記載する。 第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317の細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベク
ターを作成する。PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317を
コードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位
に挿入してPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の細胞内
発現を指示する。分泌のために、PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317をコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPD
Hプロモーター、天然PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
7シグナルポリペプチド又は他の哺乳類シグナルペプチドをコードするDNA、
又は、例えば酵母菌アルファ因子分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要なら
ば)PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317の発現のための
リンカー配列とともにクローニングすることができる。 酵母菌株AB110等の酵母菌は、次いで上記の発現プラスミドで形質転換し
、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリ
クロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシー
ブルー染色でゲルの染色をすることができる。 続いて組換えPRO187、PRO533、PRO214、PRO240、P
RO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317は、
発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択されたカートリッ
ジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PRO
187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO2
30、PRO261、PRO246又はPRO317を含む濃縮物は、選択され
たカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
【0179】 実施例16 バキュロウイルス感染昆虫細胞でのPRO187、PRO533、PRO214
、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
はPRO317の発現 以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中における組換え発現を記載す
る。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317は、バキュロウイ
ルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエ
ピトープタグは、ポリ-hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域
など)を含む。pVL1393(Navogen)などの市販されているプラスミドか
ら誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単に
は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211
、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317又はPRO18
7、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230
、PRO261、PRO246又はPRO317の所定部分(膜貫通タンパク質
の細胞外ドメインをコードする配列など)が、5’及び3’領域に相補的なプラ
イマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された
)制限酵素部位を包含していてもよい。生成物は、次いで、選択された制限酵素
で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。 組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGoldTMウイルスD
NA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL
1711)中にリポフェクチン(GIBCO-BRLから市販)を用いて同時形質移入するこ
とにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイ
ルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O'Re
illey等, Baculovirus expression vectors: A laboratory Manual, Oxford: Ox
ford University Press (1994)に記載されているように実施した。 次いで、発現されたポリ-hisタグPRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317は、例えば、Ni2+-キレートアフィニティクロマトグラ
フィーにより以下のように精製される。抽出物は、Rupert等, Nature, 362:175-
179 (1993)に記載されているように、ウイルス感染した組み換えSf9細胞から
調製した。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理用バッファー(25mlのH
epes、pH7.9;12.5mMのMgCl;0.1mMのEDTA;10%のグリセロール
;0.1%のNP-40;0.4MのKCl)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理
した。超音波処理物を遠心分離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸
塩、300mMNaCl、10%のグリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィ
ルターで濾過した。Ni2+-NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5ml
の総容積で調製し、25mlの水で洗浄し、25mlの負荷バッファーで平衡させた。濾
過した細胞抽出物は、毎分0.5mlでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始
まる点であるA280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カ
ラムを、結合タンパク質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMのリン
酸塩;300mMのNaCl、10%のグリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280
ベースラインに再度到達した後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMの
イミダゾール勾配で展開した。1mlの分画を回収し、SDS-PAGE及び銀染色
又はアルカリホスファターゼ(Qiagen)に複合したNi2+-NTAでのウェス
タンブロットで分析した。溶離したHis10−タグPRO187、PRO53
3、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261
、PRO246又はPRO317を含む分画をプールし、負荷バッファーで透析
した。 あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PRO187、PRO533、PRO
214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
46又はPRO317の精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラム
クロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
【0180】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317は、バキュロウイ
ルス感染したSf9昆虫細胞で発現された。発現は実際には0.5-2Lのスケールで
あったが、容易により大きな(例えば8L)調製にスケールアップできる。タンパ
ク質はIgG作成物(イムノアドヘシン)として発現され、そこではタンパク質
細胞外領域がヒンジ、CH2及びCH3ドメイン及び/又はポリ-Hisタグ形
態を含むIgG1定常領域配列に融合している。 PCR増幅に続いて、対応するコード化配列をバキュロウイルス発現ベクター
(IgG融合物に対するpb.PH.IgG及びポリHisタグに対するpb.PH.His.c)に
サブクローニングし、そのベクター及びBaculogold(登録商標)バキュロウイルス
DNA(Pharmingen)を105スポドプテラグルヒペルダ(Spodoptera frugipe
rda)(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)にリポフェクチン(Gibco BRL)を
用いて同時形質移入した。pb.PH.IgG及びPH.His.cは、市販のバキュロウイルス
発現ベクターpVL1393(Pharmingen)の修飾物であり、His又はFcタ
グ配列を含むように修飾されたポリリンカー領域を持つ。細胞を、10%のFBS
(Hyclone)を添加したHinkのTNM-FM培地で成長させた。細胞は、28℃で
5日間インキュベートした。上清を回収し、続いて10%FBSを添加したHinkの
TNM-FH培地におけるSf9細胞感染による約10の感染効率(MOI)での
最初のウイルス増幅に用いた。細胞を28℃で3日間インキュベートした。上清
を回収し、バキュロウイルス発現ベクターにおける作成物の発現を、1mlの上清
の25mLのヒスチジンタグタンパク質用のNi2+-NTAビーズ(QIAGEN)又は
IgGタグタンパク質用のプロテインAセファロースCL-4Bビーズ(Pharmacia)
へのバッチ結合、次いでクマシーブルー染色により周知の濃度のタンパク質標準
と比較するSDS−PAGE分析により測定した。 第1の増幅ウイルス上清をESF-921培地(Expression System LLC)で成
長させたSf9細胞のスピナー培地(500ml)の約0.1のMOIでの感染に使
用した。細胞は28℃で3日間インキュベートした。上清を回収して濾過した。
バッチ結合及びSDS−PAGEを、スピナー培地の発現が確認されるまで、必
要に応じて繰り返した。 形質移入細胞からの条件培地(0.5〜3L)を、遠心分離により細胞を除去し0.2
2ミクロンフィルターを通して濾過することにより回収した。ポリ-Hisタグ作
成物については、配列を含むタンパク質をNi2+-NTAカラム(Qiagen)を
用いて精製した。精製前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した
。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes, p
H7.4バッファーで平衡化した6mlのNi2+-NTAカラムに4-5ml/分の流速で4℃にお
いてポンプ供給した。負荷後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパ
ク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製された
タンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトー
ルを含む貯蔵バッファー, pH6.8中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用い
て脱塩し、−80℃で貯蔵した。
【0181】 タンパク質のイムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培
地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー, pH6.8で平
衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に負荷した。負荷後、カラムを
平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸, pH3.5で溶離した。溶離し
たタンパク質は、1mlの画分を275mLの1Mトリスバッファー, pH9を含む管に回収
することにより即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ
-Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。PRO
ポリペプチドの均一性はSDSポリアクリルアミドゲル(PEG)電気泳動及び
エドマン(Edman)分解によるN-末端アミノ酸配列決定により評価できる。 あるいは、修飾バキュロウイルス法をhigh5細胞取り込みに使用してもよ
い。この方法では、所望の配列をコードするDNAは、Pfu(Stratagene)等
の適当な系で増幅されても、又はバキュロウイルス発現ベクターの含まれるエピ
トープタグの上流(5'-)に融合させてもよい。このようなエピトープタグは、
ポリ-Hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域等)を含む。種々
のプラスミドを用いることができ、pIE-1(Novagen)等の市販のプラスミド
から誘導されたプラスミドを含む。pIE-1及びpIE-2ベクターは、安定に
形質転換された昆虫細胞におけるバキュロウイルスie1プロモーターからの組
換えタンパク質の構成的発現のために設計される。このプラスミドは複数のクロ
ーニング部位の方向においてのみ相違し、未感染昆虫細胞におけるie1媒介遺
伝子発現に重要であることが知られた全てのプロモーター配列並びにhr5エン
ハンサー成分を含む。pIE-1及びpIE-2はie翻訳開始部位を含み、融合
タンパク質の製造に使用できる。簡単には、所望の配列又は配列の所望の部分(
膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5'及び3'領域
に相補的なプライマーでのPCRにより増幅する。5'プライマーは隣接する(
選択された)制限酵素部位を導入してもよい。生成物は、次いで、選択された制
限酵素で消化して発現ベクターにサブクローニングされる。例えば、pIEl-
1の誘導体はヒトIgG(pb.PH.IgG)のFc領域又は8ヒスチジン(pb.PH.His
)タグ下流(3'-)を含むことができる。好ましくは、ベクター作成物は確認の
ために配列決定される。
【0182】 High5細胞は、27℃、CO無し、pen/strep無しの条件下で50%の集密
度まで成長させた。150mmプレート各々について、30μgのPROポリペプチドを
含むpIEベースベクターを1mlのEx-細胞培地(媒質:Ex-細胞401+1/100のL
-Glu JRH Biosciences #14401-78P(注:この媒質は軽感受性))と混合し、
別の管において、100μlのセルフェクチン(CellFECTIN(Gibco BRL #10362-010)
(ボルテックスで混合))を1mlのEx-細胞培地と混合した。2つの溶液を混合し
、室温で15分間インキュベーションした。8mlのEx-細胞培地を2mlのDNA
/セルフェクチン混合物に添加し、Ex-細胞培地で1回洗浄したHi5細胞上
に層形成させた。次いでプレートを暗中室温でインキュベートした。次いでDN
A/セルフェクチン混合物を吸引し、細胞をEx-細胞で1回戦乗して過剰のセ
ルフェクチンを除去した。30mlの新鮮なEx-細胞培地を添加し、細胞を28℃
で3日間インキュベートした。上清を回収して、バキュロウイルス感染ベクター
でのPROポリペプチドの発現を、1mlの上清の25mLのヒスチジンタグタンパク
質用のNi2+-NTAビーズ(QIAGEN)又はIgGタグタンパク質用のプロテ
インAセファロースCL-4Bビーズ(Pharmacia)へのバッチ結合、次いでクマシー
ブルー染色により周知の濃度のタンパク質標準と比較するSDS−PAGE分析
により測定した。 形質移入細胞からの条件培地(0.5〜3L)を、遠心分離により細胞を除去し0.2
2ミクロンフィルターを通して濾過することにより回収した。ポリ-Hisタグ作
成物については、タンパク質作成物をNi2+-NTAカラム(Qiagen)を用い
て精製した。精製前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した。条
件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes, pH7.4
バッファーで平衡化した6mlのNi2+-NTAカラムに4-5ml/分の流速で48℃におい
てポンプ供給した。負荷後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパク
質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製されたタ
ンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトール
を含む貯蔵バッファー, pH6.8中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用いて
脱塩し、−80℃で貯蔵した。 タンパク質のイムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培
地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー, pH6.8で平
衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に負荷した。負荷後、カラムを
平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸, pH3.5で溶離した。溶離し
たタンパク質は、1mlの画分を275mLの1Mトリスバッファー, pH9を含む管に回収
することにより即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ
-Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。PRO
ポリペプチドの均一性はSDSポリアクリルアミドゲル及びエドマン(Edman)分
解によるN-末端アミノ酸配列決定及び所望又は必要に応じて他の分析手法によ
り評価できる。 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211及
びPRO246は、high5細胞を導入する上記の改変バキュロウイルス法に
より成功裏に発現された。
【0183】 実施例17 PRO533のFGFレセプター3への結合性の証明 PRO533は、バキュロウイルスにおいて、C-末端His8エピトープタ
グ形態で、実施例16に記載したように、対照C-末端His8エピトープタン
パク質と同様に発現された。EGFレセプター1−4及びTIE1レセプターの
細胞外ドメインはFc融合タンパク質として発現された。タンパク質は、結合バ
ッファー(DMEM培地+10mMのHepespH7.4+0.1%アルブミン+200ng/ml
ヘパリン)中で室温において1時間相互作用させた。プロテインAセファロース
(Pharmacia)を添加して(0.01ml)結合を30分間続けた。プロテインAセファ
ロースビーズを回収して結合バッファーで2回洗浄した。次いで試料を還元条件
下のSDS PAGEで分割した。抗-His抗体(Quiagen)を用いて製造者に
推奨されているようにウエスタンブロット分析を実施した。結果は、FGFレセ
プター3(FGFR3-Fc)への高い特異性を示した。このことは、殆どのF
GFリガンドが1以上のFGFレセプターと結合することから極めて意味がある
【0184】 実施例18 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、P
RO230、PRO261、PRO246又はPRO317に結合する抗体の調
製 この実施例は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、
PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317に
特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。 モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば
、Goding,上掲に記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO187、
PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
RO261、PRO246又はPRO317、PRO187、PRO533、P
RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
O246又はPRO317を含む融合タンパク質、細胞表面に組換えPRO18
7、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230
、PRO261、PRO246又はPRO317を発現する細胞を含む。免疫原
の選択は、当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。 Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は
腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO187、PRO533、P
RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
O246又はPRO317免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL−T
DMアジュバント(Ribi Immunochemical Researh, Hamilton, MT)に乳化し、
動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後
に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、
数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗-PRO187、抗-P
RO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO
230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体の検出の
ためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清
試料をマウスから周期的に採取してもよい。
【0185】 適当な抗体力価が検出された後、抗体に「ポジティブ」な動物に、PRO18
7、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230
、PRO261、PRO246又はPRO317静脈内注射の最後の注入をする
ことができる。3から4日後、マウスを屠殺し、脾臓を取り出した。次いで脾臓
細胞を(35%ポリエチレングリコールを用いて)、ACTTから番号CRL1
597で入手可能なP3X63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫細胞系に
融合させた。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポ
キサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プ
レートに蒔き、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの
増殖を阻害した。 ハイブリドーマ細胞は、PRO187、PRO533、PRO214、PRO
240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO
317に対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。所望のP
RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
O230、PRO261、PRO246又はPRO317に対するモノクローナ
ル抗体を分泌する「ポジティブ」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲
内である。 ポジティブハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、
抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-
PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-P
RO317モノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリド
ーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。
腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それ
に続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことができる。あるいは、抗体
のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくアフィニティクロマトグラ
フィーを用いることもできる。
【0186】 材料の寄託 次の細胞系をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション, 10801
ユニバーシティ ブルバード マナッサス、バージニア、20110−2209
米国(ATCC)に寄託した: 材料 ATCC寄託番号 寄託日 DNA27864-1155 209375 10/16/97 DNA49435-1219 209480 11/21/97 DNA32286-1191 209385 10/16/97 DNA34387-1138 209260 9/16/97 DNA32292-1131 209258 9/16/97 DNA33223-1136 209264 9/16/97 DNA33473-1176 209391 10/17/97 DNA35639-1172 209396 10/17/97 DNA33461-1199 209367 10/15/97
【0187】 この寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条
約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付
から30年間、寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。
寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の
合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、どれが最初であろうと
も、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄
託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法
第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の3
7CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定し
た者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
【0188】 本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に
死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと即座
に取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる
政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスである
とみなされるものではない。 上記の文書による明細書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十
分であると考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として
意図されており、機能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため
、寄託された作成物により、本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの
物質の寄託は、ここに含まれる文書による説明が、そのベストモードを含む、本
発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であることを認めるものでは
ないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解釈される
ものでもない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に改変す
ることは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の
範囲内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【Fig1】 天然配列PRO187をコードするヌクレオチド配列を含む
cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)を示す図であり、当該ヌクレオチ
ド配列(配列番号:1)はここでDNA27864−1155と命名されるクロ
ーンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停止コド
ンである。
【Fig2】 配列番号:1のコード化配列から誘導された天然配列PRO
187のアミノ酸配列(配列番号:2)を示す図である。
【Fig3】 天然配列PRO533をコードするヌクレオチド配列を含む
cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:6)を示す図であり、当該ヌクレオチ
ド配列(配列番号:6)はここでDNA49435−12219と命名されるク
ローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停止コ
ドンである。
【Fig4】 配列番号:6のコード化配列から誘導された天然配列PRO
533のアミノ酸配列(配列番号:7)を示す図である。
【Fig5】 天然配列PRO214をコードするヌクレオチド配列を含む
cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:11)を示す図であり、当該ヌクレオ
チド配列(配列番号:11)はここでDNA32286−1191と命名される
クローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停止
コドンである。
【Fig6】 配列番号:11のコード化配列から誘導された天然配列PR
O214のアミノ酸配列(配列番号:12)を示す図である。
【Fig7】 天然配列PRO240をコードするヌクレオチド配列を含む
cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:16)を示す図であり、当該ヌクレオ
チド配列(配列番号:16)はここでDNA34387−1138と命名される
クローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停止
コドンである。
【Fig8】 配列番号:16のコード化配列から誘導された天然配列PR
O240のアミノ酸配列(配列番号:17)を示す図である。
【Fig9】 天然配列PRO211をコードするヌクレオチド配列を含む
cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:21)を示す図であり、当該ヌクレオ
チド配列(配列番号:21)はここでDNA32292−1131と命名される
クローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停止
コドンである。
【Fig10】 配列番号:21のコード化配列から誘導された天然配列P
RO211のアミノ酸配列(配列番号:22)を示す図である。
【Fig11】 天然配列PRO230をコードするヌクレオチド配列を含
むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:26)を示す図であり、当該ヌクレ
オチド配列(配列番号:26)はここでDNA33223−1136と命名され
るクローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停
止コドンである。
【Fig12】 配列番号:26のコード化配列から誘導された天然配列P
RO230のアミノ酸配列(配列番号:27)を示す図である。
【Fig13】 天然配列PRO261をコードするヌクレオチド配列を含
むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:31)を示す図であり、当該ヌクレ
オチド配列(配列番号:31)はここでDNA33473−1176と命名され
るクローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停
止コドンである。
【Fig14】 配列番号:31のコード化配列から誘導された天然配列P
RO261のアミノ酸配列(配列番号:32)を示す図である。
【Fig15】 天然配列PRO246をコードするヌクレオチド配列を含
むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:36)を示す図であり、当該ヌクレ
オチド配列(配列番号:36)はここでDNA35639−1172と命名され
るクローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停
止コドンである。
【Fig16】 配列番号:36のコード化配列から誘導された天然配列P
RO246のアミノ酸配列(配列番号:37)を示す図である。
【Fig17】 天然配列PRO317をコードするヌクレオチド配列を含
むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:41)を示す図であり、当該ヌクレ
オチド配列(配列番号:41)はここでDNA33461−1199と命名され
るクローンである。また、太字及び下線フォントで示したのは、各々開始及び停
止コドンである。
【Fig18】 配列番号:41のコード化配列から誘導された天然配列P
RO317のアミノ酸配列(配列番号:42)を示す図である。
【Fig19A〜19D】 ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用
いた%アミノ酸配列同一性(Fig19A-B)及び%核酸配列同一性(Fig
19C-D)を決定するために下記の方法を使用した仮説的例示を示す図であり
、「PRO」は対象とする仮説的PRO187、PRO533、PRO214、
PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又は
PRO317ポリペプチドのアミノ酸配列を示し、「比較タンパク質」は対象と
する「PRO」ポリペプチドが比較されるポリペプチドのアミノ酸配列を示し、
「PRO-DNA」は対象とする仮説的PRO187、PRO533、PRO2
14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
6又はPRO317ポリペプチドコード化核酸配列を示し、「比較DNA」は対
象とする「PRO-DNA」核酸分子が比較される核酸分子のヌクレオチド配列
を示し、「X」、「Y」及び「Z」は各々異なる仮説的アミノ酸残基を示し、「
N」、「L」及び「V」は各々異なる仮説的ヌクレオチドを示す。
【Fig20A〜20Q】 ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムの完
全なソースコードを与える図である。このソースコードはUNIXオペレーティング
システムで使用するために日常的にコンパイルでき、ALIGN-2配列比較コンピュ
ータプログラムを与える。
【Fig21】 DNA27864−1155のマッピング領域を示す染色
体8のマップを示す図である。
【Fig22】 DNA34387−1138のマッピング領域を示す染色
体2のマップを示す図である。
【Fig23】 DNA33223−1136のマッピング領域を示す染色
体1のマップを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 45/00 4C084 45/00 48/00 4C085 48/00 A61P 35/00 4C086 A61P 35/00 C07K 16/32 4H045 C07K 16/32 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/08 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/577 B 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/577 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),EA(AM,AZ,B Y,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AE,A L,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE, DK,DM,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ヒラン, ケネス, ジェー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94114, サン フランシスコ, スワード 64 (72)発明者 ロイ,マーガレット アン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94123, サン フランシスコ,#4 ウェブスター ストリート 2960 (72)発明者 ウッド,ウィリアム,アイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94010, ヒルスボロー,サウスダウン コート 35 (72)発明者 ボッツタイン,デ−ヴィッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 94002, ベルモント,サマセット ドライブ 2539 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 FB07 4B024 AA01 AA12 BA36 CA04 DA02 DA03 EA02 EA04 FA02 FA10 GA11 HA01 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ08 QQ46 QR32 QR55 QR62 QR77 QS05 QS25 QS34 4B064 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 DA05 DA14 4B065 AA90X AA92X AA93X AA93Y AB01 AB05 AC14 BA02 BA08 CA25 4C084 AA13 AA19 MA02 NA14 ZB05 ZB26 4C085 AA11 AA14 BB02 BB11 CC21 DD62 EE01 EE03 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA02 MA04 NA14 ZB05 ZB26 4H045 AA11 AA20 AA30 CA41 DA76 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO240
    、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317
    ポリペプチドに結合する単離された抗体。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドに特異的に結合する請求項1に記載の抗体
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドを発現する細胞の死を誘発する請求項1に
    記載の抗体。
  4. 【請求項4】 前記細胞が前記ポリペプチドを同じ組織型の正常細胞に比較
    して過剰に発現する癌細胞である請求項3に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体である請求項1に記載の抗体。
  6. 【請求項6】 非ヒトの相補性決定領域(CDR)又はヒトフレームワーク
    領域(FR)を含む請求項5に記載の抗体。
  7. 【請求項7】 標識された請求項1に記載の抗体。
  8. 【請求項8】 抗体断片又は一本鎖抗体である請求項1に記載の抗体。
  9. 【請求項9】 製薬的に許容される担体と混合された請求項1に記載の抗体
    を含む物質の組成物。
  10. 【請求項10】 前記抗体の治療的有効量を含有する請求項9に記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】 細胞毒性又は化学治療薬をさらに含有する請求項9に記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の抗体をコードする単離された核酸分子。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の核酸分子を含むベクター。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のベクターを含む宿主細胞。
  15. 【請求項15】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドに結合する抗体の製造方法において、請求項14に記載の宿主細
    胞を前記抗体を発現させるのに十分な条件下で培養し、細胞培地から前記抗体を
    回収することを含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドのアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 前記アンタゴニストが腫瘍細胞成長を阻害する請求項16
    に記載のアンタゴニスト。
  18. 【請求項18】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチド、、又はその補体をコードする核酸配列にハイブリッド形成する
    単離された核酸分子。
  19. 【請求項19】 前記ハイブリッド形成が緊縮性ハイブリッド形成及び洗浄
    条件下である請求項18に記載の単離された核酸分子。
  20. 【請求項20】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドを含有すると推測される試料中で前記ポリペプチドの存在を測定
    する方法において、当該試料を抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO
    214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO26
    1、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体に暴露し、前記抗体の試料中のP
    RO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PR
    O230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドへの結合
    を測定することを含んでなる方法。
  21. 【請求項21】 前記試料が、PRO187、PRO533、PRO214
    、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
    はPRO317ポリペプチドを含むと推測される細胞を含有する請求項20に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 前記細胞が癌細胞である請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 哺乳動物において腫瘍を診断する方法において、(a)哺
    乳動物から得た組織細胞の試験試料中、及び(b)同じ細胞型の知られた正常組
    織細胞の対照試料中におけるPRO187、PRO533、PRO214、PR
    O240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPR
    O317ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含んで
    なり、対照試料に比較した試験試料における高いレベルが、当該試験組織細胞を
    得た哺乳動物における腫瘍の存在を示す方法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物において腫瘍を診断する方法において、(a)抗
    -PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-P
    RO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-PR
    O317抗体を哺乳動物から得た組織細胞の試験試料と接触させ、そして(b)
    抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、抗-PRO240、抗-
    PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-PRO246又は抗-P
    RO317抗体と試験試料中のPRO187、PRO533、PRO214、P
    RO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はP
    RO317ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出することを含んでなり、複
    合体の形成が前記哺乳動物における腫瘍の存在を示す方法。
  25. 【請求項25】 前記抗体が検出可能に標識された、請求項24に記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 前記組織細胞の試験試料が、腫瘍性細胞成長又は増殖を有
    すると推測される個体から得られる請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO214、
    抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、抗-
    PRO246又は抗-PRO317抗体及び担体を適切な包装内に含んでなる癌
    診断用キット。
  28. 【請求項28】 前記抗体が、PRO187、PRO533、PRO214
    、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
    はPRO317ポリペプチドを含有することが推測される試料中のそれらの存在
    をを検出するために用いられるという説明書をさらに具備する請求項27に記載
    のキット。
  29. 【請求項29】 腫瘍細胞の成長を阻害する方法において、PRO187、
    PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
    RO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドを発現する腫瘍細胞を
    、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
    PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの生
    物学的活性を阻害する薬剤の有効量に暴露することを含んでなり、それにより前
    記腫瘍細胞の成長が阻害される方法。
  30. 【請求項30】 前記腫瘍細胞が、同じ組織型の正常細胞に比較して前記ポ
    リペプチドを過剰発現する請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記薬剤が、抗-PRO187、抗-PRO533、抗-P
    RO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO
    261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体である請求項29に記載の方
    法。
  32. 【請求項32】 前記抗-PRO187、抗-PRO533、抗-PRO21
    4、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO261、
    抗-PRO246又は抗-PRO317抗体が細胞死を誘発する請求項31に記載
    の方法。
  33. 【請求項33】 前記腫瘍細胞に、放射線処理、細胞毒性薬又は化学治療薬
    をさらに施す請求項29に記載の方法。
  34. 【請求項34】 腫瘍細胞の成長を阻害する方法において、PRO187、
    PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、P
    RO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドを発現する腫瘍細胞を
    、PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO211、
    PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプチドの発
    現を阻害する薬剤の有効量に暴露することを含んでなり、それにより前記腫瘍細
    胞の成長が阻害される方法。
  35. 【請求項35】 前記腫瘍細胞が、同じ組織型の正常細胞に比較して前記ポ
    リペプチドを過剰発現する請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記薬剤が、PRO187、PRO533、PRO214
    、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又
    はPRO317ポリペプチドをコードする核酸にハイブリッド形成するアンチセ
    ンスオリゴヌクレオチド、又はその補体である請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記腫瘍細胞に、放射線処理、細胞毒性薬又は化学治療薬
    をさらに施す請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 容器; 当該容器上のラベル;及び 当該容器内に収容された活性剤を含有する組成物とを具備し、当該組成物が腫瘍
    細胞の成長を阻害するのに有効であり、容器上のラベルが当該組成物は前記腫瘍
    細胞中で同じ組織型の正常細胞に比較してPRO187、PRO533、PRO
    214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
    46又はPRO317ポリペプチドの過剰発現を特徴とする状態の治療に有効で
    あることを表示する製造品。
  39. 【請求項39】 前記活性剤が、前記PRO187、PRO533、PRO
    214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO2
    46又はPRO317ポリペプチドの生物学的活性及び/又は発現を阻害する請
    求項38に記載の製造品。
  40. 【請求項40】 前記活性剤が抗-PRO187、抗-PRO533、抗-P
    RO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-PRO
    261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体である請求項39に記載の製
    造品。
  41. 【請求項41】 前記活性剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチドである請
    求項39に記載の製造品。
  42. 【請求項42】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドの生物学的又は免疫学的活性を阻害する化合物を同定する方法に
    おいて、候補化合物をPRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドと、2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間に接触
    させ、前記PRO187、PRO533、PRO214、PRO240、PRO
    211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO317ポリペプ
    チドの生物学的又は免疫学的活性が阻害されるか否かを測定することを含んでな
    る方法。
  43. 【請求項43】 前記候補化合物が、抗-PRO187、抗-PRO533、
    抗-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO211、抗-PRO230、抗-
    PRO261、抗-PRO246又は抗-PRO317抗体である請求項42に記
    載の方法。
  44. 【請求項44】 前記候補化合物又は前記PRO187、PRO533、P
    RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
    O246又はPRO317ポリペプチドが固体支持体に固定化される請求項42
    に記載の方法。
  45. 【請求項45】 非固定化成分が検出可能に標識される請求項44に記載の
    方法。
  46. 【請求項46】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドの活性を阻害する化合物を同定する方法において、(a)細胞と
    スクリーニングすべき候補化合物とを、PRO187、PRO533、PRO2
    14、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PRO24
    6又はPRO317ポリペプチドの存在下で、PRO187、PRO533、P
    RO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO261、PR
    O246又はPRO317ポリペプチドによって通常誘発される細胞性反応の誘
    発に適した条件下で接触させ、そして(b)前記細胞性反応の誘発を測定して試
    験化合物が有効なアンタゴニストか否かを決定することを含んでなり、前記細胞
    性反応の誘発を欠くことが前記化合物が有効なアンタゴニストであることを示す
    方法。
  47. 【請求項47】 PRO187、PRO533、PRO214、PRO24
    0、PRO211、PRO230、PRO261、PRO246又はPRO31
    7ポリペプチドを発現する細胞で前記ポリペプチドの発現を阻害する化合物を同
    定する方法において、前記細胞を化合物と接触させ、前記PRO187、PRO
    533、PRO214、PRO240、PRO211、PRO230、PRO2
    61、PRO246又はPRO317ポリペプチドの発現が阻害されるか否かを
    測定することを含んでなる方法。
  48. 【請求項48】 前記候補化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである
    請求項47に記載の方法。
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