JP2003524369A - エピトープを有する主要組織適合複合体クラスiiエレメント/免疫グロブリンキメラ分子 - Google Patents
エピトープを有する主要組織適合複合体クラスiiエレメント/免疫グロブリンキメラ分子Info
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Abstract
Description
レメント、および免疫グロブリン定常領域エレメントを含む、免疫学的に活性な
分子に関する。
過程は、侵入(offending)細胞と微生物とに関連する抗原と体内に天然に存在
する抗原とを区別しうる場合にのみ有効である。自己と非自己の区別は、少なく
とも部分的には、Bリンパ球、Tリンパ球、ならびにマクロファージおよび樹状
細胞などの専門の抗原提示細胞(「APCs」)を含む免疫系の細胞性エレメント上に
存在する分子群の相互作用によるものである。そのような相互作用の1つとして
はTリンパ球の表面上に存在するT細胞受容体(「TCR」)と主要組織適合複合体(
「MHC」)のエレメントの間のものがある。非自己の抗原に応答するためにはT細
胞は自己のMHC分子と関連づけてその抗原と遭遇しなければならない。
れている。細胞傷害性Tリンパ球(それはCD8表面抗原を持っており、「CD8+ T
リンパ球」と呼ばれる)は自己のMHCクラスI分子と関連づけて外来抗原を有して
いる細胞のみを破壊する。同様にしてヘルパーTリンパ球(これはCD4表面抗原を
持っており「CD4+ Tリンパ球」と呼ばれる)は、APCの表面上の自己MHCクラスI
I分子と関連している外来抗原に応答した場合のみ増殖する(総説として、Davies
, H., 1997, Introductory Immunobiology, Chapman & Hall, New York, pp.177
-223を参照せよ)。クラスI分子はα重鎖およびβ2ミクログロブリン軽鎖を含む
のに対して、クラスII分子はα鎖とβ鎖からなるヘテロ二量体であり、各々が2
つのドメインを有し、ほぼ同じ長さである。MHC遺伝子を含んでいるDNA領域はヒ
トとマウスのものについてはよく調べられており、マウスMHCは「H-2複合体」、
ヒトのMHCは「HLA 複合体」(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)と呼ば
れている。クラスI分子はヒトではA, B, およびCの遺伝子座でコードされ、マウ
スではK, D, およびLの遺伝子座でコードされる。クラスII分子はヒトではDP, D
Q, およびDR領域で、マウスではI-AおよびI-E領域でコードされる。各領域で、
多数の対立遺伝子が同定されている。
が組み合わさってT細胞の活性化が起こるが、共刺激性分子がない場合にはT細
胞は反応しない。後者は組織特異的抗原の末梢自己寛容を説明するものと思われ
る(Guerderら, 1995, Int. Rev. Immunol. 13:135-146)。この知識に基づき、例
えば(i)細胞膜から抽出し、ペプチドを溶出させた後にin vitroで特定のペプチ
ドを交換したMHC分子(Nagら, 1996, Cell Immunol. 170:25-33; Sharmaら, 1991
, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:11465-11469; Spackら, 1995, J. Autoim
munity 8:787-807);(ii)in vitroでペプチドをロードさせた組換えMHC分子(Aba
stadoら, 1995, J. Exp. Med. 182:439-447; Altmanら, 1996, Science 274:94-
96; Godeauら, 1992, J. Biol. Chem. 267:24223-24229; Scheirleら, 1992, J.
Immunol. 149:1994-1999; Scottら, 1996, J. Exp. Med. 183:2087-2095; Ster
nとWiley, 1992, Cell 68:465-477)、もしくは(iii)遺伝子工学技法で作製した
、共有結合したペプチド/MHCキメラ(KapplerとMarrackによる国際特許出願番号
PCT/US95/02689(WO95/23814); Kozonoら, 1994, Nature 369:151-154; Mottezら
, 1995, J. Exp. Med. 181:493-502; Rhodeら, 1996, J. Immnunol. 15:4885-48
91)等の可溶性抗原を提示している分子は、免疫修飾作用を有する可能性のある
プロドラッグのデザインのためのプラットホームとなった。しかし、MHCの溝(g
roove)と結合する自己ペプチドは離れて出る比率が非常に低いため(Buusら, 19
87, Immunol. Rev. 98:115-141; Tampeら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.
A. 88:4661-4665)、ヒトにおいて使用する治療用のMHCペプチド複合体の均一な
集合をin vitroで新たに作成することは困難なことがわかった。
との相互作用のアフィニティーが本質的に低いことである(Corrら, 1994, Scien
ce 265:946-949; Matsuiら, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:12862-1
2866; Sykulevら, 1994, Immunity 1:15-22; Weberら, 1992, Nature 356:793-7
96)。数人の研究者が、TCRとの結合を改善するために非共有結合で多量体化した
MHCクラスI/ペプチド複合体を作製した。カルボキシ末端にBirA依存性ビオチニ
ル化部位を発現しているヒトHLA-A2重鎖MHC分子をストレプトアビジンで四量体
化し、HIV感染者の血液中の低頻度HIV特異的T細胞表現型に対して用いた(Altma
nら, 1996, Science 274:94-96)。同様のアプローチによって、ポリクローナル
抗クラスI MHC抗体で二量体化した可溶性MHCクラスI/ペプチド複合体(しかし対
応する単量体ではない)が抗原特異的T細胞と高いアフィニティーで結合しうる
ことが示された(Abastadoら, 1995, J. Exp. Med. 182:439-447)。しかし、これ
らの非共有結合で会合させた単量体の安定性は依然として問題がある。Selickと
Armstrongによる国際特許出願番号PCT/US92/10030 (WO93/10220)では、クラスI
もしくはクラスII MHC分子を含むキメラ分子を構築し、次いでキメラと非共有結
合による結合もしくは架橋を作りうる抗原性物質をロードした。ここでも MHCと
抗原エレメントとの適切な相互作用の形成に問題がある場合がある。
免疫グロブリン定常領域エレメントを含む免疫学的に活性な分子に関し、そのエ
ピトープがMHCエレメントを含む融合タンパク質中に包含されており、各MHCクラ
スIIエレメントがMHCクラスIIタンパク質の細胞外ドメインを含む非共有結合で2
個会合している鎖を含み、そのMHCクラスIIエレメントは免疫グロブリン定常領
域エレメント中にある1個以上のジスルフィド結合で共有結合している。本発明
の分子は、主要組織適合抗原クラスIIエレメントと関係づけられている対象のエ
ピトープと反応するTCRを有するT細胞を選択的に排除するために用いることが
できる。それ故、本発明の分子を使用して、例えば、限定するものではないが、
自己免疫疾患および/または移植片対宿主病の治療において、特定のT細胞集団
を排除もしくは低減させることができる。
メント、および免疫グロブリン定常領域エレメントを含む免疫学的に活性な分子
に関する。本発明の分子は、ジスルフィドで結合しており(Disulfide-linked)、
エピトープ(Epitope)と免疫グロブリン定常領域(Fc)エレメントを含むことより
、本明細書では「DEF」分子と呼ぶ。 本発明のDEF分子は、対象とするエピトープがMHCエレメントを含む融合タンパ
ク質中に包含されている少なくとも1個のサブユニットを含む(すなわち対象とす
るエピトープおよびMHCエレメントが同一タンパク質の部分として発現され、そ
れらは同一のRNA分子から翻訳されたものである)。
によって認識されうる抗原の一部分の分子構造を意味する。エピトープは、それ
が感染性物質に伴う抗原、自己免疫疾患と関係する自己抗原、もしくは移植片拒
絶もしくは移植片対宿主病(GVH)に伴うアロ反応性のエピトープの一部である場
合に「対象とする」と呼ばれる。対象とするエピトープがT細胞抗原受容体と結
合することができるようにするために、構築物のMHCエレメントとそのエピトー
プとが会合することができるものであれば、本発明に従って用いることのできる
エピトープには限定はない(そのような結合は例えば蛍光励起細胞ソート分析「F
ACS」によって調べることができる。 下記の第6.1節を参照のこと)。従って、分
子をデザインする際に、静電電荷、疎水性、親水性、および立体障害などの問題
を考慮しなければならない。いくつかの場合には、ペプチドリンカーを変えたも
のや、DEF分子の他の領域も、対象とするエピトープおよびMHCエレメントの方向
を最適化するために用いることができる。本発明に従ってDEF分子中に取り込む
ことのできる対象のエピトープの例としては、グルタミン酸デカルボキシラーゼ
65(インシュリン依存性糖尿病に関連);ミエリン塩基性タンパク質(多発性硬化
症に関連);ヒト軟骨糖タンパク質39(関節リウマチに関連);小麦グリアジン(セ
リアック病に関連);およびアセチルコリン受容体(重症筋無力症に関連)に由来
するものが挙げられる。
スII分子もしくはその部分であり;MHCクラスIIエレメントは好ましくはα鎖成
分およびβ鎖成分を含む。αおよびβ鎖成分は好ましくは完全なαおよびβ鎖タ
ンパク質の細胞外ドメインの全部もしくは部分を含む。MHCクラスIIエレメント
はヒトもしくはヒト以外のもので、DEF分子を受け取る予定の動物と同じ種のも
のを選択する。ヒトMHCクラスIIエレメントの例としては、DP、DQおよびDR分子
ならびにその部分があり、それらについては多数の対立遺伝子が知られている。
特に好ましいのは特定の自己免疫疾患に関連するMHCクラスIIエレメントで、例
えばDR3、DQw2およびDR4、DQw3(インシュリン依存性糖尿病(IDDM)に関連);DR4
、DQw3およびDR1、DQw1(関節リウマチに関連);DR2、DQw1(多発性硬化症に関連)
;DR3、DQw2およびDR7、DQw2(セリアック病に関連);DR4、DQw3およびDR6、DQw(
尋常性天疱瘡に関連);DR8およびDR5(少数関節性の(pauciarticular)若年性関
節リウマチに関連);DR3、Dqw2およびDR2、DQw1(全身性エリテマトーデスに関連
);DR3(シェーグレン症候群に関連);DR2、DQw1(ナルコレプシーに関連);DR3、
DQw2(グレーヴズ病に関連);DR3、DQw2(疱疹状皮膚炎に関連)が挙げられる。 「免疫グロブリン定常領域エレメント」という用語は、1つの重鎖定常領域成
分がもう一方と1個以上のジスルフィド結合で結合しているような2つの重鎖の双
方のC末端部分の全てもしくは部分を含む免疫グロブリン分子の部分を意味する
。免疫グロブリン定常領域エレメントという用語は、ここではまた別にFcエレメ
ントも意味するが、ここで用いているその用語は免疫グロブリン分子のパパイン
消化によって得られる産物に限定しているわけではない。ヒンジ領域が必要とさ
れるジスルフィド結合を含むため、免疫グロブリン定常領域エレメントはヒンジ
領域の全てもしくは部分を含むことが好ましい。
を免疫グロブリン定常領域エレメントの1個以上のジスルフィド結合を介して結
合させたものである。各ヘテロ二量体は、(i) MHCクラスIIのαもしくはβ鎖エ
レメントと結合した免疫グロブリン定常領域エレメントからなる第1のタンパク
質鎖、および(ii)相補的(αもしくはβ)鎖エレメントからなる第2のタンパク質
鎖であって、第1もしくは第2の鎖、またはその両方が対象とするエピトープから
なる。本発明のDEF分子は好ましくはグリコシル化される。例えば、限定するも
のではないが、本発明のDEF分子は、(a)2個のMHCクラスIIエレメント;(b)ジス
ルフィド結合によって共有結合で結合した2本のタンパク質鎖からなる免疫グロ
ブリン定常領域エレメント;および(c)対象とするエピトープであって、免疫グ
ロブリン定常領域エレメントの各タンパク質鎖が2個のMHCクラスIIエレメントの
うちの一方とペプチド結合によって共有結合で結合しているエピトープ、を含む
。
次のとおり調製される。本発明にしたがって作製される最終的なDEF分子は、二
対の異なるDEFサブユニット(以後"A DEFサブユニット"および"B DEFサブユニッ
ト"と呼び、非共有結合的に結合した2つの二量体(A-B)がB DEFサブユニットを
介して共有結合的に結合して四量体を形成する(A-B=B-A))から構成される四量体
で、サブユニットの一方または両方が所望のエピトープからなる。B DEFサブユ
ニットはMHCサブユニットおよびFcエレメントをコードする領域からなる核酸配
列によってコードされ;そのような核酸構築物を作製するために、(i)MHC分子の
第1のサブユニットの1個以上の外部ドメインおよび任意に対象とするエピトープ
、および(ii)免疫グロブリン分子の定常(Fc)領域をコードする核酸を、別々に調
製し、互いと連結することができる。完全なDEF分子を作製するために必要なDEF
(A DEFサブユニット)をコードするもう一方の構築物は、第2のMHCサブユニット
の1つ以上の外部ドメインをコードする配列からなることができ、さらに任意で
対象とするエピトープをコードする配列からなることができる。次いでAおよびB
DEFサブユニットをコードする構築物は、適切な発現系中で対応するタンパク質
に翻訳される。完全なDEF分子を形成するためには、第1および第2のMHCサブユニ
ットのドメインを非共有結合で結合(A-B)するとA DEFサブユニットとB DEFサブ
ユニットとの間のタンパク質二量体が形成され、B DEFサブユニットのFc部分が
ジスルフィド結合(A-B=B-A)を介して共有結合で結合すると完全な四量体が形成
される。
クラスII遺伝子を発現している細胞から得たmRNAを逆転写-ポリメラーゼ連鎖反
応法("RT-PCR")にかけることによって第1MHCサブユニットの1個以上の外部ドメ
インをコードする核酸配列を得ることができるようにオリゴヌクレオチドプライ
マーをデザインしうる。とりわけ、RT-PCR反応で用いられるオリゴヌクレオチド
プライマーは、対象とするエピトープ、適切な他のペプチドリンカーをコードす
る核酸配列、ならびに/またはMHCおよびFc領域を一緒にスプライシングしやすく
するような1カ所以上の制限酵素切断部位を含む核酸配列を(任意に)取り込むよ
うにデザインすることができる。Fcのヒンジ領域の少なくとも一部分をコードす
る核酸も、とりわけそのような核酸が制限酵素切断部位をコードする場合に、プ
ライマー中に含めることができる。また、プライマーは、DEF最終産物の適切な
プロセシングのために必要なもしくは望ましい核酸配列および/またはコードさ
れたペプチド配列(例えば、限定するものではないが、リーダー配列およびポリ
アデニル化配列)が含まれるようにデザインされなければならない。
を使用して、Aおよび/またはB DEFサブユニットをコードする構築物中へ、本発
明のMHC遺伝子中のどの位置にでも導入することができる;RT-PCRに用いられる
オリゴヌクレオチドプライマー中に取り込むことが示唆されるが、それは第1に
はそれが最も便利であるためで、第2にはそのことによってMHCドメインと会合す
るためのより大きな柔軟性を得られるような位置にエピトープを有するDEF分子
が得られるからである。そのような柔軟性はさらに、エピトープとMHC領域間に
ペプチドリンカーを入れることによって改善され、そのペプチドリンカーの長さ
を調節することによってエピトープ/MHCの相互作用を最適化することができる。
ている細胞系について開示している参照文献類は、GENEBANKおよびKabat, E.A.,
Wu, T.T., Reid-Miller, M., Perry, H.M.およびGottesman, K.S. Sequences o
f proteins of immunological interest. 第4版 1987, U.S.Department of Hea
lth and Human Services, Public Health Service, National Institute of Hea
lth中に挙げられており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。また
、図6および7を参照せよ。
分をコードする核酸を調製することができる。そのような核酸は好ましくは免疫
グロブリン分子のヒンジ部分をコードする領域からなる。上述のとおり、そのよ
うなFc領域をコードする核酸は、所望のFc領域からなる免疫グロブリンを発現し
ている細胞系から得たmRNAのRT-PCRによって得られる。そのようなRT-PCR反応を
行うためのプライマーは既知のFc配列を用いてデザインすることができる。前述
のGENBANKおよびKabatの参照文献類は、各種Fc領域の配列および該Fc領域を発現
している細胞系を提供する一連の参照文献を含む。プライマーは、その分子のMH
C部分をコードする核酸を連結し適切なベクター中に取り込むことを容易にする
ために、1個所以上の制限酵素切断部位が含まれるようにデザインすることが好
ましい。
を結合させて(例えば1種以上の制限酵素を用いて特定の部位を切断し、その後連
結することによってすることによって)適当な発現ベクター中に取り込ませるこ
とができる。適当な発現ベクターとしては、pRSET, pTrcHis, pSE420, pSE380,
およびpSE280などの原核生物発現ベクター;pVL1392/3, pBlueBacHis, p2Bac, p
AC360, およびpBlueBacIIIなどのバキュロウイルス発現ベクター;pCMV/EBNA,
λPopTM6, pREP4, pCEP4, pREP7, pREP8, pREP9, pREP10, pEBVHis, pRC/CMV,
pRC/RSV, pcDNA3, pcDNAI/Amp, pcDNAI, pCDM8などの真核生物発現ベクター;p
YES2などの酵母発現ベクターが挙げられ;適当な発現系としてはCOS細胞などの
哺乳類細胞、昆虫細胞(例えばバキュロウイルス系)、酵母細胞(例えばPichia, h
anensula)、及び細菌細胞が挙げられるが、細菌細胞は適切にプロセスされたDEF
分子を産生する可能性が低いため、最も好ましくないものである。哺乳類細胞は
適切にプロセスされた分子を産生する可能性が最も高いわけだが、組換えタンパ
ク質の収量が低い可能性がある。培養液中のSF9昆虫細胞のバキュロウイルス感
染に用いるために特に好ましい発現ベクターはp2Bac(Invitrogen)である。発現
ベクターは好ましくは、DEFサブユニットの発現のために必要なおよび/または望
ましいエレメントからなり、プロモーター/エンハンサー配列、適切な転写及び
翻訳シグナル、ポリアデニル化部位、Shine Delgarno配列などを含む。
DEFサブユニットをコードするDEF構築物を、同様の手法で調製することができ、
それには対象とするエピトープを含ませることも含ませないこともできる。本発
明の別の実施形態においては、完全なDEF分子を産生するために用いられる2つの
DEF構築物は同一のもしくは別々の発現ベクターを含んでいることができる。本
発明の好ましいが非限定の実施形態においては、A DEFサブユニットをコードし
ている核酸構築物およびB DEFサブユニットをコードしている核酸構築物の双方
を同じ発現ベクター中に取り込み、それらが同時に産生されてDEF分子をアセン
ブルできるようにする。あるいはまた、別々の発現ベクターをタンパク質合成用
の細胞中に一緒に導入するか(例えば、双方の構築物を含んでいる細胞を選択す
るためのマーカーがある場合には同時トランスフェクションによって)、もしく
はA DEFサブユニットとB DEFサブユニットを別々に産生させ、その後所望の四量
体に会合させるかどちらかとすることができる。
標準的な方法で評価して確認することができる(例えば、下記の実施例6の節を
参照せよ)。
ープをAおよびB DEFサブユニットの一方もしくは両方の一部としては産生させな
いという点を除いて、DEF分子を上述の方法を用いて産生させることができる。
したがって、AおよびB DEFサブユニットをコードする核酸は対象とするエピトー
プをコードせず;その替わりに対象とするエピトープをその分子に、例えば、化
学的なコンジュゲーションまたは、in vitroもしくはin vivoで会合させること
によって、後から付加することができる。本発明の特定の、非限定の実施形態に
おいては、対象とするエピトープは親DEF分子(これは対象とするエピトープ("E"
成分)を欠いているがここではそうであっても名称が過度に煩雑となることを避
けるためにDEF分子と呼ぶ)に、DEF分子のアミノ酸もしくは炭水化物成分に対し
ての結合によって、コンジュゲートすることができる(例えば、Brumeanuら, 199
5, J. Immunol. Methods 183:185-197; Brumeanuら, 1996, Nature Biotech. 14 :722-725; Brumeanuら, 1997, Eur. J. Immunol. 27:2408-2416を参照せよ)。そ
のようなコンジュゲーションは四量体のDEF分子上で、もしくはそれらの単量体
成分もしくは二量体成分上で行うことができる。広範囲のT細胞サブセットを排
除することが所望される場合には、別個の対象エピトープを全く欠いているDEF
分子も本発明に従って用いることができる。
に改変することができる。例えば、限定はされないが、半減期はアミノ酸もしく
は炭水化物残基のいずれかのpeg化によって延長させることができる(例えば、Br
umeanuら, 1995, J. Immunol. Methods 183:185-197; Brumeanuら, 1996, Natur
e Biotech. 14:722-725; Brumeanuら, 1997, Eur. J. Immunol. 27:2408-2416を
参照せよ)。別の例としては、DEF分子はサイトカインもしくは毒素として働きう
る生物活性を有する別の分子と共有結合的もしくは非共有結合的に結合させるこ
とができる;例示すればサイトカインとしてはTGFβ、IL-4、IL-5、IL-10が挙げ
られ、毒素としてはシクロスポリン、ステロイド、またはICEもしくはFASLなど
のアポトーシスの活性化剤が挙げられる。
予防法を提供し、それはそのような治療を要する対象者に対して本発明のDEF分
子の有効量を投与することからなる。そのような自己免疫疾患としては、若年型
および成人型の関節リウマチ、糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス
、強皮症、シェーグレン症候群、セリアック病、尋常性天疱瘡、ナルコレプシー
、グレーブス病、および疱疹状皮膚炎が挙げられるが、それらに限定されない。
ここで用いられている"治療"という用語は、その方法が完全な治癒を成し遂げら
れる方法であることは必ずしも意味せず、むしろ対象者がその症状および/また
は臨床徴候によって判断したときに顕著な臨床的改善を示すことを意味している
。ある対象者が自己免疫疾患の治療を受ける場合には、DEF分子中に含まれるMHC
クラスIIエレメントの選択は、MHCクラスIIエレメントがそれが投与される対象
者のAPC上に発現されているMHCクラスIIタンパク質と同系のものとすることがで
きる;例えば、HLA-DR2対立遺伝子に対応するMHCクラスIIエレメントからなるDE
Fを、その対象者のAPCがHLA-DR2を発現しているような対象者に投与することが
できる、などである。ある対象者が移植片対宿主病の緩和もしくは防止のための
治療を受ける場合には、DEF分子中に含まれるMHCクラスIIエレメントは、MHCク
ラスIIエレメントが移植片のドナーのAPCによって発現されているMHCクラスIIタ
ンパク質と同系となるようなものとすることができる。本発明は前述の病状の治
療に用いるための医薬組成物の製造を提供する。
グロブリンキメラの作製と特徴の検討 材料と方法 DEFキメラ分子の遺伝子の構築 I-EdβおよびIg-Fcγ2a鎖断片をコードす
る遺伝子は、2PK3 Bリンパ球細胞系(American Type Culture Collection("ATCC
")、受託番号ATCC TIB 203)および14-44-4ハイブリドーマ細胞(IgG2aを産生する
、ATCCから入手、受託番号ATCC HB32)からそれぞれ単離された合計RNAから逆転
写ポリメラーゼ連鎖反応法("RT-PCR")で得たものである。I-Edα鎖断片をコー
ドする遺伝子はI-Edα遺伝子からPCR法で得たものである。
の逆転写に用いた。IEdβ1-FおよびIEdβ1-Rの対は、リーダー配列およびI-E
dβ遺伝子のβ1ドメイン(アミノ酸-26から+4)の最初の4つのコドンのPCR増幅に
用いた。HA110-120ペプチドの11個のアミノ酸およびBamHI部位を含んでいるペプ
チドリンカーの5個のアミノ酸をコードする配列をオリゴヌクレオチドIEdβ-R
の3'末端に導入した。IEdβ2-FおよびIEdβ2-Rの対は、I-Edβ遺伝子の5-190
コドンの増幅に用いた。BamHI部位を含んでいるペプチドリンカーの12個のアミ
ノ酸をコードする配列をIEdβ2-Fの5'末端に含むようにした。Fcγ2a-ヒンジ領
域のアミノ酸228-232をコードする配列(天然型ApaI部位を含んでいる)をIEdβ2
-Rの3'末端に含ませた。Fc-FおよびFc-Rの対をIgG2a遺伝子の分泌性ヒンジ、CH2
、およびCH3(アミノ酸228-478)をコードする配列の増幅に用いた。
イマー中に含まれる切断部位で制限酵素によって消化することにより得られ、p2
Bacベクター(Invitrogenから入手)のポリヘドリンプロモーターの下のマルチク
ローニング部位のEcoRIおよびHindIII切断部位へクローン化した(図1および図2)
。p2Bacベクターはあらかじめマルチクローニング部位からATGコドンを含んでい
るヌクレオチド2764-2791を除去することによって改変した。その新規のマルチ
クローニングサイトはBamHI-EcoRI-SmaI-HindIIIとなった。
コードする配列の増幅のために用いた。StuI部位をコードする配列をIEdα-Fの
5'末端に含ませ、停止コドンおよびSpeI部位をコードする配列をIEdα-Rの3'末
端に含ませた。増幅した遺伝子をp2Bacのp10プロモーターの下のStuI部位、 Spe
I部位にクローン化した。クローン化された遺伝子の配列決定は遺伝子のインフ
レームアセンブリーおよび変異がないことを示していた。
/Fcγ2a二量体分子を作製するために用いた。組換えバキュロウイルスは、直鎖
状AcMNPV DNAおよびDEF-p2Bacベクターを製造者の使用説明書に従って(製造者は
Invitrogen)、SF9昆虫細胞に同時トランスフェクションさせることによって得た
。組換えウイルスのスクリーニングと力価測定はタンパク質産生の検出によって
行った。簡潔に記せば、細胞培養上清を、5μg/mlのヤギ抗マウスγ2a抗体でコ
ートした96ウエルのマイクロタイタープレート中でインキュベートし、結合した
DEF分子を125I-ヤギ抗γ2a抗体で出現させた。大規模産生はSF9細胞を10p.f.
u./細胞の組換えバキュロウイルスで感染させて得た。上清へのタンパク質の分
泌をサンドイッチラジオイムノアッセイ(RIA)で毎日モニターした。分泌の最高
値(4-5 mg/ml)は感染後4ないし5日後に得られた。
ゼインヒビターの標準カクテル(Boehringer Mannheim)で処理し、ヤギ抗γ2a抗
体-セファロースアフィニティーカラムに通した。溶出物をTris 1M, pH 8中に集
め、PBSに対して透析し、1,000 ドルトンMWCO(Spectrapor)の透析バッグ中でCar
bowax 20,000 Da(Sigma Chemicals)上で濃縮した。凝集してくる物質を超遠心で
除去し、タンパク質濃度をRIAで、以前に確立されたプロトコールによって(Brum
eanuら, 1996, Immunotechnol. 2:85-95)マウス14-4-4モノクローナル抗体を用
いて作られた標準曲線を用いて推定した。
の分子の大きさを分析するために、Superose 6 カラム(30 x 1 cm, Pharmacia,
LKB)をまず重炭酸アンモニウム0.1M, pH 8.0で平衡化し、次いで、マウスIgG、
ニワトリ卵白アルブミン、およびチトクロームCを含む分子量標準タンパク質の
混合物をカラムに1 ml/分の流速でアプライした。標準化した後、200μlのPBS中
に100μgのDEFを含む液を同一の流速条件下でカラムにアプライし、ピークの管
の溶出時間を分子量標準タンパク質の溶出時間に対してプロットした。各管につ
いてもSDS-PAGEとウエスタンブロットでDEF分子の存在を分析した。
精製したDEFに対してMONO Q 陰イオン交換カラム(5/30 HR, Pharmacia, LKB)で
クロマトグラフィーを行った。カラムを20 mM Tris/HCl, pH 7.5 および200μl
の平衡化バッファー中に100μgのDEFを含む液を1 ml/分の流速で30分以上、0か
ら0.5MのNaClグラディエントを用いてアプライした。管を1分毎に集め、ピーク
の管をプールし、SDS-PAGEおよびウエスタンブロットでDEF分子の存在を分析し
た。
で製造者の使用説明書に従って行った。簡潔に記せば、アフィニティーで精製し
たDEF分子 5μgを室温にてもしくはTris/HCl/SDS 0.1%バッファー中で煮沸のい
ずれかで5分間、還元剤(β-メルカプトエタノール, 2-ME)の存在下もしくは不在
下でインキュベートした。サンプルを150ボルトで45分間電気泳動し、ゲルを銀
染色するか、もしくはセミドライ条件でPVDF膜(0.2μ)上へ200 mAmps/ゲルで、
45分間の電気的転写するかのいずれかを行った。膜を4℃で一晩、5%の無脂肪乳(
Carnation)を含むPBSでブロックし、125I-14-4-4モノクローナル抗体をPBS/B
SA 1%に107cpm/膜の濃度で含む液とともに室温で2時間インキュベートし、次い
で0.05% Tween 20をPBS中に含む液でよく洗い、-80℃でKodak X-OMAT フィルム
上に一晩露出させた。
を発現している精製したトランスジェニックT細胞(1 x 106)(Kirbergら, 1994
, J. Exp. Med. 180:25-34)、もしくは14-3-1 TcHを100μlのPBS/BSA 1%中に含
むものを、氷上で30分間10μg/mlの精製DEFと100μg/mlの6.5.2抗TCRクロノタイ
プモノクローナル抗体(Weberら, 1992, Nature 356:793-796)の存在下もしくは
不在下でインキュベートした。細胞を冷PBS/BSA 1%/NaN3 0.1%中で洗い、結合
したDEF分子を氷上で30分間かけてヤギ抗γ2aモノクローナル抗体-FITCコンジュ
ゲート(Boehringer Mannheim)で標識した。対照の自己蛍光細胞もヤギ抗γ2aFIT
Cコンジュゲートで染色した。特異的TCRを発現しているトランスジェニックT細
胞の比率は、6.5.2抗TCRクロノタイプ抗体をFITCとコンジュゲートさせたもので
染色することによって推定した。
いるBLongメラノーマ細胞を、10μg/mlの精製DEFもしくは対照としての14-4
-4モノクローナル抗体(マウスIgG2a, (ATCC HB32))と、2.4G-2抗FcγRモノクロ
ーナル抗体(Unkeless, 1979, J. Exp. Med. 150:580-596)の存在下および不在下
でインキュベートし、ヤギ抗γ2a-FITCで標識した。5000個の細胞のうちで陽性
を示した細胞パーセンテージを計測した。
クマウスの脾臓からFicoll-Hypaqueで精製し、Brumeanuら, 1996, Nature Biote
chnology 14:722-725で述べられているようにナイロン-ウールカラムで集積培養
した。精製T細胞を室温で30分間、各種濃度のDEFもしくは対照の14-4-4モノク
ローナル抗体(2μg-50ng)とインキュベートした。ウサギ補体(Sigma Chemicals)
を45分間添加し、次いで細胞をエオジンで染色し、標準的なプロトコール(Thomp
son, R.A.(編), 1981, Techniques in Clinical Immunology, Blackwell Scient
ific Publications, Oxford)に従ってホルムアルデヒドで固定した。融解した細
胞のパーセンテージは倒立Zeiss顕微鏡で顕微鏡的に測定した。
分子はSuperose-6 カラムから170kDaの分子として溶出される。この分子の大き
さは可溶性DEF分子がSF9感染細胞によって均一な二量体として分泌されることを
示している。陰イオン交換クロマトグラフィーで調べると昆虫細胞によるグリコ
シル化の相違のために軽度の不均一性が認められた。(図3B)。
図4A, レーン2)。170kDaのバンドは無傷のHA110-120/I-Edαβ/Fcγ2a分子の大
きさに対応し、これはサイズ除外クロマトグラフィーの結果と一致する。界面活
性剤の存在下でDEF分子を煮沸させた後に得られた110kDaと30kDaの主要バンドは
HA110-120/I-Edβ/Fcγ2a二量体および単鎖I-Edαの分子の大きさにそれぞれ
対応している。55kDaおよび80kDaの小バンドはそれぞれHA110-120/I-Edβ/Fcγ
2a単量体およびHA110-120/I-Edβ/Fcγ2a二量体の分子の大きさに対応する。こ
れらの単量体は煮沸条件下で二量体DEF分子の解離によって生まれる。還元およ
び非煮沸条件下では、DEF分子は3つの主要なバンド50, 55, 80kDaへ移動し、そ
れらはそれぞれHA110-120/I-Edβ/Fcγ2a単量体およびHA110-120/I-Edαβ/Fc
γ2aの単量体に対応し、またI-Eα鎖に対応する30kDaの小バンドへ移動する(図4
A、レーン3)。還元および煮沸条件下では、DEF分子は50および55kDaの2つのバン
ドと30kDaに移動するが、それらはそれぞれHA110-120/I-Edβ/Fcγ2a単量体お
よびI-Edα鎖に対応する。HA110-120/I-Edβ/Fcγ2aの50および55kDaの2つの
バンド(図4A, レーン3および4)は、陰イオン交換クロマトグラフィーでも認めら
れているような、2つの主要なグリコシル化の形を示しているのであろう。ヤギ
抗マウスγ2a抗体と反応させたウエスタンブロット分析でも非還元・非煮沸の条
件下では170kDaのバンドが出現し、還元・煮沸条件では50および55kDaの2つのバ
ンドが出現した。このことは、二量体DEFが適正に折り畳まれ、Fcγ2a断片の抗
原性が保持されていることを示している(図4B, レーン1および2)。二量体DEF分
子は非還元・非煮沸条件下で、I-Edαのコンホメーショナルエピトープを認識
する14-4-4モノクローナル抗体(Ozatoら, 1980, J. Immunol. 124:533-540; 図4
B, レーン3)によっても出現するが、還元・煮沸条件下では出現しない(図4B, レ
ーン4)。DEF分子の抗原性については、ヤギ抗γ2a抗体でコートしたプレートを
使用したRIAにおいて、125I-ヤギ抗γ2a抗体もしくは125I-14-4-4モノク
ローナル抗体を用いて出現させた場合にも同様の結果が得られた。
I-Ed複合体のHA110-120特異的TCRとの結合能を調べた。このために、HA110-120
/I-Ed複合体を認識する14-3-1T細胞ハイブリドーマ(TcH)、もしくは14.3d TCR
を発現している精製トランスジェニックT細胞を用いた。TcHをDEF分子とインキ
ュベートし、次いでヤギ抗γ2a-FITCで標識した。FACS分析の結果は68%のT細胞
がDEFに結合していることを示していた(それぞれ図5Bおよび5A)。14.3d TCRに特
異的な6.5.2モノクローナル抗体を用いた染色でも同様な結果が得られた。DEFの
TCRとの結合は6.5.2モノクローナル抗体によって阻害された(図5C)。トランスジ
ェニックマウスから精製したT細胞をDEF分子で染色すると32%の陽性T細胞を検
出した。精製トランスジェニックT細胞を6.5.2モノクローナル抗体-FITCコンジ
ュゲートで染色した場合も同様のパーセンテージが得られた。
の結合能を調べるため、FcγRII受容体遺伝子でトランスフェクトしたBLong メラノーマ細胞系の細胞を使用した。細胞をDEF分子もしくは陽性対照の14-4-4
モノクローナル抗体とインキュベートし、ヤギ抗γ2a-FITCコンジュゲートで染
色した。データはそれぞれ図5Eおよび5Hに示しているが、そのデータはDEF分子
および14-4-4モノクローナル抗体のBLong細胞との結合を自己蛍光対照と比較し
て示している(図5Bおよび5C)。DEF分子および14-4-4モノクローナル抗体の結合
はいずれも2.4G-2ラット抗FcγR モノクローナル抗体によって阻害された(それ
ぞれ図5Fおよび5I)。
ントのヒンジ領域およびCH2-CH3ドメイン、とりわけGlu 318, Lys 320, Lys 322
およびPro 331の残基に位置するC1q結合部位の構造的完全性に主として依存して
いる(Reidら, 1995, The Immunologist 3:206-211)。DEF分子中でFcγ2aドメイ
ンの折り畳み構造が保存されているか調べるために、トランスジェニックマウス
から得たT細胞上でDEFによって誘発される補体介在性の溶解を測定した。エオ
ジンで染色し顕微鏡で調べたところ細胞の30%に溶解が認められた。FACS分析で
は、このアッセイで用いられた精製トランスジェニック細胞で認められたのと同
様なパーセンテージ(32%)のHA110-120特異的T細胞が、DEF分子もしくは6.5.2モ
ノクローナル抗体による染色で認められた。
インフルエンザウイルスのHAのCD4-T細胞の免疫的に優生なエピトープのジスル
フィドで安定化させた二量体を作製した。そのキメラ遺伝子のヌクレオチド配列
は遺伝子断片がフレーム内でアセンブルされ遺伝子構築の過程で変異が起こって
いないことを示している。組換えDEF分子はトランスフェクトされたSF9昆虫細胞
によって170kDaの可溶性二量体として分泌される。その二量体は界面活性剤(0.1
% SDS)の存在下で安定で、そのことはHA110-120ペプチドがDEF分子の溝に適正に
アセンブルされ、MHCヘテロ二量体を安定化できることを示している。実際、非
還元/非煮沸条件下のSDS-PAGE中では、空のクラスII分子は移動せず、ペプチド
でin vitroロードされたI-EdクラスII分子のみが単一のタンパク質成分として
移動することは既に示されている(Germainら, 1996, Immunol. Rev. 151:5-30)
。
ことはI-Edα鎖およびI-Edβ鎖の両方の細胞外ドメイン、ならびにIgG2aのFc
γ2a領域が適正にアセンブルされ折り畳まれたことを示している。その結果、DE
F分子のMHC/ペプチド部分が、TcH上もしくはトランスジェニックT細胞上のいず
れかに発現されているペプチド特異的TCRと結合した。
する。
子の遺伝子断片。遺伝子断片はクローニングに用いる制限酵素で消化し1%アガロ
ースゲルで分析した結果で示している。レーン1および2は低分子量及び高分子量
のマーカー(それぞれφX174/HaeIIIおよびλ/HindIII)を示しており;レーン3は
I-Edβ1-FおよびI-Edβ1-Rプライマーで増幅しEcoRI/BamHI制限酵素で消化す
ることによって得られたI-Edβ1-Fリーダー/HA110-120/リンカーの配列を含む
クローン化された断片に対応する194bpのバンドを示す;レーン4はI-Edβ2-Fお
よびI-Edβ2-Rプライマーで増幅しBamHI/ApaI制限酵素で消化することによって
得られたリンカー/I-Edβ1/I-Edβドメインの配列を含むクローン化された断
片に対応する609bpのバンドを示す。下方のバンドは、クローン化された配列の
上流のp2Bacのマルチクローニング部位中にBamHI部位が存在するため、レーン1
に存在する断片に対応する;レーン5はFc-FおよびFc-Rプライマーで増幅しApaI/
HindIII制限酵素で消化することによって得られたIg-Fc領域のヒンジ-CH1-CH2ド
メイン配列を含むクローン化された断片に対応する699bpのバンドを示す;レー
ン6はp2Bacベクター中にクローン化されEcoRI/HindIII制限酵素によって消化さ
れた完全長のHA110-120/I-Edβ/Fcγaキメラ遺伝子に対応する1502bpのバンド
を示す。
クレオチド配列(ギャップを有する、配列番号1-6)を示す。制限酵素切断部位は
下線で示す;アミノ酸(配列番号7-10)はコドンの下部に示す。(B)はそれぞれp2B
acバキュロウイルスベクターのp10およびpPo1Hプロモーターの下でのI-Edαお
よびHA110-120/I-Edβ/Fcγ2a遺伝子のクローニングのダイアグラムを示す。
F分子についてのSuperose6カラムでのサイズ排除クロマトグラフィー結果を示す
。点線のピークは分子量標準タンパク質であるウシIgG、ニワトリ卵白アルブミ
ン、およびチトクロームCの溶出時間を示す。170kDaの位置で溶出されているピ
ークはDEF分子を示す。(B)はアフィニティー精製したDEF分子のMONO Qカラムで
の陰イオン交換クロマトグラフィーの結果を示す。SDS-PAGEおよびウエスタンブ
ロット分析によれば、40mM NaCl中で溶出された小ピークと200から300mMのNaCl
勾配の間に溶出された大きなピークは双方ともHA110-120/I-Edαβ/Fcγ2a分子
の170kDa二量体中に含まれていた。
アクリルアミドグラディエントゲル上でLaemmliの標準的な方法に従って行った
。(A)は銀染色によりDEF分子を示す;レーン1は非還元非煮沸条件;レーン2は煮
沸したが非還元のもの;レーン3は煮沸せず還元を行ったもの;レーン4は煮沸・
還元とも行ったものである。(B)はゲルをPVDF膜上に移した後のウエスタンブロ
ット分析を示す;レーン1と2はそれぞれ、非還元/非煮沸条件下および還元/煮沸
条件下で、125I-ヤギ抗マウスγ2a抗体を用いて出現させたDEF分子、レーン3
と4はそれぞれ、非還元/非煮沸条件下および還元/煮沸条件下で、125I-14-4-
4モノクローナル抗体を用いて出現させたDEF分子を示している。
抗γ2a-FITCコンジュゲート)のバックグラウンドの蛍光を示す;パネルBはヤギ
抗γ2a-FITCコンジュゲートで出現させたDEF分子(10μg/ml)の14-3-1 TcHの14.3
d TCRとの結合を示す;パネルCはヤギ抗γ2a-FITCコンジュゲートで出現させたD
EF分子(10μg/ml)のBlongメラノーマ細胞との結合の阻害を示す;パネルFは
DEF分子(10μg/ml)の結合の2.4G-2モノクローナル抗体(100μg/ml)による阻害を
示す;パネルHはヤギ抗γ2a-FITCコンジュゲートで出現させた14-4-4モノクロー
ナル抗体(10μg/ml)のBlong細胞との結合を示す;パネルIは14-4-4モノクロ
ーナル抗体(10μg/ml)の結合の2.4G-2モノクローナル抗体(100μg/ml)による阻
害を示す。
Claims (34)
- 【請求項1】 免疫学的に活性な分子であって、対象とするエピトープ、2
個以上の主要組織適合複合体クラスIIエレメント、および免疫グロブリン定常領
域エレメントを含み、そのエピトープは主要組織適合複合体クラスIIエレメント
を含む融合タンパク質中に包含されており、各主要組織適合複合体クラスIIエレ
メントは主要組織適合複合体クラスIIタンパク質の細胞外ドメインを含む非共有
結合的に会合している2本の鎖を含み、その主要組織適合複合体クラスIIエレメ
ントは免疫グロブリン定常領域エレメント中に存在する1個以上のジスルフィド
結合によって共有結合している、免疫学的に活性な分子。 - 【請求項2】 (a)2個の主要組織適合複合体クラスIIエレメント;(b)ジス
ルフィド結合によって共有結合した2本のタンパク質鎖を含む1個の免疫グロブリ
ン定常領域エレメント;および(c)対象とするエピトープを含み、免疫グロブリ
ン定常領域エレメントのタンパク質鎖の各々が2個の主要組織適合複合体クラスI
Iエレメントのうちの1個とペプチド結合で共有結合している、請求項1に記載の
免疫学的に活性な分子。 - 【請求項3】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよび
対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1
のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメ
ントを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1に記載の免疫学的に活性な分子
。 - 【請求項4】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよび
対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1
のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体α鎖エレメントを含む第2のタ
ンパク質鎖を含む、請求項1に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項5】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントに結合
した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii)
主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよび対象とするエピト
ープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1に記載の免疫学的に活性な分子
。 - 【請求項6】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントに結合
した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii)
主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよび対象とするエピト
ープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1に記載の免疫学的に活性な分子
。 - 【請求項7】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよび
対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1
のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメ
ントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1に
記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項8】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各サ
ブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよび
対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1
のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメ
ントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1に
記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項9】 主要組織適合複合体クラスIIタンパク質がHLA-DR対立遺伝子
の産物である、請求項1に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項10】 HLA-DR対立遺伝子がHLA-DR2である、請求項9に記載の免
疫学的に活性な分子。 - 【請求項11】 HLA-DR対立遺伝子がHLA-DR4である、請求項9に記載の免
疫学的に活性な分子。 - 【請求項12】 対象とするエピトープが自己免疫疾患と関連している、請
求項1に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項13】 免疫学的に活性な分子であって、対象とするエピトープ、
2個以上の主要組織適合複合体クラスIIエレメント、および免疫グロブリン定常
領域エレメントを含み、そのエピトープは主要組織適合複合体クラスIIエレメン
トを含む融合タンパク質中に包含されており、各主要組織適合複合体クラスIIエ
レメントは主要組織適合複合体クラスIIタンパク質の細胞外ドメインを含む非共
有結合的に会合している2本の鎖を含み、その主要組織適合複合体クラスIIエレ
メントは免疫グロブリン定常領域エレメント中に存在する1個以上のジスルフィ
ド結合によって共有結合している、自己免疫疾患の治療に用いるための、免疫学
的に活性な分子。 - 【請求項14】 (a)2個の主要組織適合複合体クラスIIエレメント;(b)ジ
スルフィド結合によって共有結合した2本のタンパク質鎖を含む1個の免疫グロブ
リン定常領域エレメント;および(c)対象とするエピトープを含み、免疫グロブ
リン定常領域エレメントのタンパク質鎖の各々が2個の主要組織適合複合体クラ
スIIエレメントのうちの1個とペプチド結合で共有結合している、請求項13に
記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項15】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレ
メントを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項13に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項16】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体α鎖エレメントを含む第2のタ
ンパク質鎖を含む、請求項13に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項17】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントに結
合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii
)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよび対象とするエピ
トープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項13に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項18】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントに結
合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii
)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよび対象とするエピ
トープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項13に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項19】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレ
メントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1
3に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項20】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレ
メントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項1
3に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項21】 主要組織適合複合体クラスIIタンパク質がHLA-DR対立遺伝
子の産物である、請求項13に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項22】 HLA-DR対立遺伝子がHLA-DR2である、請求項21に記載の
免疫学的に活性な分子。 - 【請求項23】 HLA-DR対立遺伝子がHLA-DR4である、請求項21に記載の
免疫学的に活性な分子。 - 【請求項24】 対象とするエピトープが自己免疫疾患と関連している、請
求項13に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項25】 免疫学的に活性な分子であって、対象とするエピトープ、
2個以上の主要組織適合複合体クラスIIエレメント、および免疫グロブリン定常
領域エレメントを含み、そのエピトープは主要組織適合複合体クラスIIエレメン
トを含む融合タンパク質中に包含されており、各主要組織適合複合体クラスIIエ
レメントは主要組織適合複合体クラスIIタンパク質の細胞外ドメインを含む非共
有結合的に会合している2本の鎖を含み、その主要組織適合複合体クラスIIエレ
メントは免疫グロブリン定常領域エレメント中に存在する1個以上のジスルフィ
ド結合によって共有結合している、移植片対宿主病の改善もしくは予防に用いる
ための、免疫学的に活性な分子。 - 【請求項26】 (a)2個の主要組織適合複合体クラスIIエレメント;(b)ジ
スルフィド結合によって共有結合した2本のタンパク質鎖を含む1個の免疫グロブ
リン定常領域エレメント;および(c)対象とするエピトープを含み、免疫グロブ
リン定常領域エレメントのタンパク質鎖の各々が2個の主要組織適合複合体クラ
スIIエレメントのうちの1個とペプチド結合で共有結合している、請求項25に
記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項27】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレ
メントを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項25に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項28】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体α鎖エレメントを含む第2のタ
ンパク質鎖を含む、請求項25に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項29】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントに結
合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii
)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよび対象とするエピ
トープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項25に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項30】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントに結
合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第1のタンパク質鎖、および(ii
)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよび対象とするエピ
トープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項25に記載の免疫学的に活性な
分子。 - 【請求項31】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレ
メントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項2
5に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項32】 共有結合した2個のヘテロ二量体サブユニットを含み、各
サブユニットが(i)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質β鎖エレメントおよ
び対象とするエピトープに結合した免疫グロブリン定常領域エレメントを含む第
1のタンパク質鎖、および(ii)主要組織適合複合体クラスIIタンパク質α鎖エレ
メントおよび対象とするエピトープを含む第2のタンパク質鎖を含む、請求項2
5に記載の免疫学的に活性な分子。 - 【請求項33】 自己免疫疾患を治療する方法であって、請求項1に記載の
免疫学的に活性な分子の有効量をそのような治療を必要としている対象者に投与
することを含む、上記方法。 - 【請求項34】 移植片対宿主病を治療する方法であって、請求項1に記載
の免疫学的に活性な分子の有効量をそのような治療を必要としている対象者に投
与することを含む、上記方法。
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