JP2003523779A - サイフォン吸い上げにより体液を輸送する体液処理用装置 - Google Patents

サイフォン吸い上げにより体液を輸送する体液処理用装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、サイフォン吸い上げにより体液を輸送するステップを含む体液処理プロセスに関する。本発明はさらに、そのようなプロセスを実行する装置に関する。本発明はさらに、実質的に幾何学的に液体で飽和される液体輸送部材を備えている体液処理装置に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 技術分野 本発明は、尿、汗、唾液、血液、経血、膿、または、大便物質のような体液を
処理するためのプロセス、および、そのようなプロセスを実行する装置に関する
。本発明はさらに、乳児用おむつやトレーニングパンツ、成人失禁用製品、およ
び、女性用衛生製品のような使い捨て吸収物品、および、カテーテル、尿瓶等の
ような、その他の体液処理品に関する。
【０００２】 背景技術 体液処理用装置は、当分野においてよく知られており、様々な目的のために頻
繁に使用されている。例えば、同装置は、おむつ、衛生ナプキン、成人失禁用製
品、前腕汗取りパッド、傷口包帯等のような衛生的目的に役立つ。従って、この
ような装置は、例えば、尿、汗、唾液、血液、経血、膿、大便物質等のような、
広範囲に渡る様々な体液と遣り繰りをつけるように設計されている。
【０００３】 通常、このような体液処理装置は、体液を、装置の第１領域で捕捉し、同体液
を捕捉域から輸送し、最終的に、液体保存域と表示される第２領域に同液を保存
することが望ましい。体液を、捕捉域から輸送する理由は色々ある。その理由と
して、生体からの液体放出点に接近して、不快な嵩が創成されること、および、
体液と皮膚との長引く接触を回避すること、が挙げられる。体液は、捕捉域表面
にたいして垂直な方向、すなわち、装置の嵩の中に侵入する方向に輸送されても
よいし、あるいは、体液は、捕捉域表面にたいして平行な方向に沿って、捕捉地
点から輸送されても、そのいずれであってもよい。これらの装置の液体輸送は、
通常、毛管吸引によって達成される。
【０００４】 しかしながら、毛管吸引は、いくつかの内在的限界を有している。特に、液体
を重力に抗して輸送することが望まれる場合、毛細管のサイズを縮小することに
よって、毛管吸引を増大させることが必要になる。一方、開口サイズを縮小され
た毛細管は、同毛細管を貫通する液体流にたいしてより高い抵抗を示す。従って
、高い毛管吸引と、高い液体流速の併立は、多数の小毛細管を供給することによ
ってのみ達成されるが、そのような毛細管を供給することは、次に、装置の全体
断面積を大きくすることにつながる。
【０００５】 ＰＣＴ特許出願ＷＯ９４/０３２１４(Lawrence)において、捕捉ポイントから
、液体を、サイフォン吸い上げにより移動させることが示されている。同出願に
おいては、重力、または、真空が、液体移動のための駆動力となることが教示さ
れている。しかしながら、いずれの駆動力も内在的な欠点を呈示する。重力を駆
動力として用いた場合、装置の機能性は、空間におけるその方向性に依存するこ
とになる。すなわち、保存領域は常に、捕捉領域よりも低くなっていなければな
らない。従って、重力に依存する液体移動装置の適用性には限界がある。真空を
駆動力として用いた場合には、その真空を維持するために、高い機械的な努力が
要求される。従って、この場合、装置の複雑性が、予想される用途の範囲を狭め
る。さらに、この装置の液体は、依然として比較的可動な時に保存されることに
なるので、新たな水濡れ、および、搾出に関する問題が創成される可能性がある
。
【０００６】 従って、従来の、体液処理装置の呈する問題を克服するのが、本発明の一つの
目的である。
【０００７】 液体をサイフォン吸い上げにより輸送するステップと、同液体を毛管圧または
浸透圧によって保存するステップとを有する体液処理プロセスを供給するのが、
本発明のもう一つの目的である。
【０００８】 液体をサイフォン吸い上げにより輸送し、同液体を毛管圧または浸透圧のいず
れかによって保存する体液処理装置を供給するのが、本発明のさらにもう一つの
目的である。
【０００９】 装置の意図された使用前に、実質的に幾何学的に飽和された液体輸送部材を備
えている体液処理装置を供給するのが、本発明のさらにもう一つの目的である。
【００１０】 装置の意図された使用前に、遊離液体を含む液体輸送部材を備えている体液処
理装置を供給するのが、本発明のさらにもう一つの目的である。
【００１１】 発明の概要 本発明は、体液を捕捉領域から保存領域にサイフォン吸い上げにより輸送する
ステップを有する体液処理プロセスを供給する。体液をサイフォン吸い上げによ
り輸送するステップは、 ・液体を捕捉する第１ステップの前に、実質的に幾何学的に液体で飽和された
液体輸送部材を供給するステップを有し、同液体は、液体捕捉領域と液的に連絡
している液体輸送部材を飽和しており、 ・液体輸送部材と液的に連絡している液体保存部材を供給するステップを有し
、液体保存部材は保存領域の内部に位置しており、 ・捕捉領域に配された液体を捕捉して液体輸送部材に注入するステップと、 ・液体輸送部材を飽和している液体の少なくとも一部を、捕捉した液体で置換
するステップと、 ・置換された液体の少なくとも一部を保存部材に保存するステップとを有して
いる。
【００１２】 本発明のプロセスは、液体が、毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段に
より、保存部材中に保存されることを特徴とする。
【００１３】 本発明のプロセスを実行するよう設計された体液処理装置を供給するのが、本
発明のもう一つのアスペクトである。
【００１４】 少なくとも一つの液体捕捉領域と、少なくとも一つの液体保存領域とを有する
体液処理装置を供給するのが、本発明のもう一つのアスペクトである。保存領域
は、毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段により液体を保存する。体液処
理装置は、液体を捕捉領域から液体保存領域に輸送する液体輸送部材を備えてい
る。本発明の体液処理装置は、液体輸送部材が、装置の意図された使用前に、実
質的に幾何学的に飽和されていることを特徴とする。
【００１５】 少なくとも一つの液体捕捉領域と、少なくとも一つの液体保存領域とを有する
体液処理装置を供給するのが、本発明のもう一つのアスペクトである。保存領域
は、毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段により液体を保存する。体液処
理装置は、液体を捕捉領域から液体保存領域に輸送する液体輸送部材を備えてい
る。本発明の体液処理装置は、液体輸送部材が遊離液体によって実質的に幾何学
的に飽和されていることを特徴とする。
【００１６】 発明の詳細な説明 サイフォン吸い上げのプロセス 体液をサイフォン吸い上げにより輸送するステップを有する捕捉領域から保存
領域へ体液を輸送するプロセスを供給するのが、本発明の一つのアスペクトであ
る。
【００１７】 ここで使用される「体液」という用語は、哺乳類生体によって、体の様々の場所
で、排泄される、または、生産される液体、特に、水性液体であって、例えば、
尿、汗、唾液、血液、経血、膿、大便物質等のような水性液体を指す。ここで使
用される「体液処理装置」という用語は、体液に作用することが可能な装置を指す
。この装置の典型的な作用としては、捕捉、輸送、分布、保存、修飾等が挙げら
れるが、ただし、これらに限定されない。一般に、そのような装置は、おむつ、
トレーニングパンツ、衛生ナプキン、パンティー縁取、タンポン、成人失禁用製
品、ベッドマット、ギプス包帯、汗取りパッド、傷口カバー等のような吸収性物
品；可動性および不動性患者の膀胱から尿を集めるのに用いられるカテーテル；
尿瓶、特に、携帯用尿瓶のような尿収集装置；医用の、血液捕捉装置や唾液捕捉
装置；体液採取装置等を含むが、ただし、これらに限定されない。 サイフォン吸い上げの定義 「サイフォン吸い上げ」という用語は、液体が捕捉領域から液体輸送部材に沿っ
て保存領域に輸送され、液体輸送部材は、装置の意図される使用の前に、実質的
に幾何学的に飽和されており、捕捉領域に捕捉された液体の少なくとも一部が、
液体輸送部材中の液体の少なくとも一部と交換し、それが次に保存領域に保存さ
れる、プロセスを言う。一般に、液体の保存は、２回の相継ぐ負荷間の平均時間
間隔よりも遥かに短い時間スケールで行われる。ある場合において、液体が液体
輸送部材に捕捉される時間と、交換された液体が保存領域に保存される時間の間
に、ある遅れの生ずることが起こり得る。このような遅れは、液体捕捉の後液体
輸送部材に生ずる体積増加のために引き起こされる可能性がある。サイフォン吸
い上げのプロセスは、一般に可逆的であり、液体は、与えられる圧等の外的条件
に依存して、逆方向に輸送され得る。ここで使用される「サイフォン吸い上げ」は
、内的サイフォン吸い上げと同時に、後に定義される外的サイフォン吸い上げを
も含む。特に、液体をサイフォン吸い上げにより輸送するステップは、 ・液体を捕捉して液体輸送部材に送り込む第１ステップの前に、実質的に幾何
学的に液体で飽和された液体輸送部材を供給するステップを有し、液体輸送部材
を飽和する液体は捕捉領域と液的に連絡しており、 ・液体輸送部材を飽和する前記液と液的に連絡している液体保存部材を供給す
るステップを有し、前記保存部材は保存領域の内部に位置しており、 ・捕捉領域に配された液体を捕捉して液体輸送部材に注入するステップと、 ・液体輸送部材を飽和している液体の少なくとも一部を、捕捉された液体で置
換するステップと、 ・置換された液体の少なくとも一部を、保存部材に保存するステップとを有し
、保存部材は、この液体を、毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段により
保存する。
【００１８】 ここで使用される「幾何学的に飽和された」という用語は、液体の侵入可能な空
隙空間が液体によって満たされた多孔性材料を言う。この定義において引用され
る空隙空間とは、多孔性材料の現在の幾何学的形態において存在するものである
。言葉を換えると、装置の全ての空隙が、現在の幾何学的形態において液体で満
たされていたとしても、その幾何学的形態を変えることによって、例えば、膨張
することによって、ただし、そのような変更によってのみ、さらにそれ以上の液
体を受容することが可能となる。液体処理用装置は、同装置の一部となっており
、液体処理用と意図される全ての多孔性材料が幾何学的に飽和されたならば、幾
何学的に飽和されたと言うことができる。
【００１９】 ここで使用される「多孔性材料」という用語は、少なくとも２相、固体材料と気
体または空隙の相を備えており、さらに前記空隙空間を部分的にまたは完全に満
たす第３の液相を備えていてもよい材料を言う。ある材料の多孔性は、同材料に
おける空隙体積と、同材料が液体で満たされていない時に測定された全体積との
間の比と定義される。多孔性材料の非限定的実例としては、フォームであって、
例えば、ポリウレタン、ＨＩＰＥ(例えば、ＰＣＴ特許出願ＷＯ９４/１３７０４
参照)、超吸収フォーム等；繊維集合体であって、例えば、紡績、捻毛、起毛し
たセルロースウェッブ、繊維ベッド等；多孔性粒子であって、例えば、クレー、
ゼオライト等；幾何学的構造材料であって、例えば、管、バルーン、通路構造等
、がある。多孔性材料は、仮令それが親水性でなくとも液体を吸収する可能性が
ある。従って、材料の多孔性は、吸収される液体にたいする親和性とは関連しな
い。
【００２０】 ここで使用される「実質的に幾何学的に飽和される」という用語は、部材の巨視
的空隙体積の少なくとも９０％が幾何学的に飽和されている、好ましくは、装置
の巨視的空隙体積の少なくとも９５％が幾何学的に飽和されている、さらに好ま
しくは装置の巨視的空隙体積の９７％が幾何学的に飽和されている、もっとも好
ましくは、装置の巨視的空隙体積の９９％が幾何学的に飽和されている部材を言
う。
【００２１】 必要ならば、液体で実質的に幾何学的に飽和されている液体輸送部材は、さら
に個別のステップを有していてもよい。例えば、そのステップは、液体輸送部材
を供給する第１ステップと、前記液体輸送部材を活性化する第２ステップとを有
していてもよい。活性化するステップは、例えば、液体を液体輸送部材に配し、
その液体が次に液体輸送材に吸収され、それによって、その液体輸送部材を実質
的に幾何学的に飽和するステップを有していてもよい。あるいは、活性化するス
テップは、捕捉を意図する領域を操作して、例えば、一時的に紙を剥がすことに
よって、または、捕捉意図領域の少なくとも一部を濡らすことによって、同領域
を機能的にするステップを有していてもよい。
【００２２】 必要ならば、本発明による体液処理プロセスは、 ・液体捕捉部材を供給するステップと、 ・体液を前記捕捉部材中に捕捉するステップと、 ・前記捕捉した体液の少なくとも一部を、前記液体輸送部材に輸送するステッ
プとを有している。 内的サイフォン吸い上げ ここで使用される「内的サイフォン吸い上げ」という用語は、保存領域が、液体
輸送部材を飽和する液体と、直接、液的に連絡しているサイフォンプロセスを言
う。この場合、保存部材は、液輸送部材の内部に位置付けられてもよい。従って
、このような保存部材においては、液輸送部材から直接液を捕捉することが、特
に、たった今捕捉されたばかりの液によって置換された液を捕捉することが可能
である。必要ならば、この場合の液体保存部材もまた、その意図される使用の前
に、実質的に幾何学的に液体で飽和されていてもよい。 外的サイフォン吸い上げ 「外的サイフォン吸い上げ」という用語は、保存領域が、液体輸送部材の外部に
位置付けられるが、同部材と液的に連絡している、サイフォンプロセスを言う。
この場合、液体輸送部材から液体保存部材に輸送される液体は、液体輸送部材か
ら、液体放出領域において放出されなければならない。
【００２３】 必要ならば、複数の保存領域の内の少なくとも一つが、液体放出領域と直接に
接触していてもよい。あるいは、本発明による体液処理プロセスは、液体処理部
材から放出される少なくとも一部を、液体保存部材に輸送するステップを有して
いる。 液体輸送部材 ここで使用される「液体輸送部材」という用語は、液体を第１領域から第２領域
へと輸送することが可能な装置を指す。
【００２４】 以下、液体処理部材の好適な形態について説明する。液体処理部材は、膜で完
全に被覆された、気泡開放性フォーム材料から組み立てられる。好適な膜材料は
、スイスのReuschlikonのSEFARから、SEFAR 03-20/14の表示の下に市販されてい
る。好適なフォーム材料は、ベルギーブルッセルのRecticelから、Bulpren S10
blackの表示の下に市販されている。このフォーム材料を、前記膜材料で完全に
被覆するための好適な技術は、その膜材料で、フォーム材料の周囲を包み、その
後、膜材料の全開放端を加熱封印することである。熟練した実行家であれば、そ
の他にも同様に好適な材料を選択できることが直ちに明白であろう。液体処理部
材について意図される特定用途に応じて、少し異なる性質を持つ同様の材料を選
択することが必要とされる場合もあろう。組立後、この液体処理部材を、水また
は合成尿に浸して活性化し、これを、同液体処理部材が完全に液体で充満される
まで、また、膜が完全に液体で濡れるまで、続ける。活性化後、液体処理部材内
部の液体の一部を、同液体処理部材に外圧を加えて、搾り出してもよい。この液
体処理部材の活性化が成功したと言えるためには、液体処理部材は、膜を通じて
空気を吸い込んではならない。
【００２５】 本発明の目的にとって好適な他の液体処理部材は、例えば、Ehrnsperger等の
名前で１９９８年６月２９日に提出された「２個ポート領域間高流速輸送のため
の液体輸送部材」と題するＰＣＴ特許出願ＰＣＴ/ＵＳ９８/１３４９７号、本願
と同時提出された次のＰＣＴ特許出願、Ehrnsperger等の名前で提出された「２個
の異なる透過性領域を備える高流速液体輸送部材」(P&G case CM1840MQ)と題する
出願、Ehrnsperger等の名前で提出された「２個ポート領域間高流速輸送のための
液体輸送部材」(P&G case CM1841MQ)と題する出願、Ehrnsperger等の名前で提出
された「重力に抗する高流速輸送のための液体輸送部材」(P&G case CM1842MQ)と
題する出願、Ehrnsperger等の名前で提出された「高い透過度の嵩高領域と、高い
気泡点圧ポート領域を有する液体輸送部材」(P&G case CM1843MQ)と題する出願に
記載されている。これらの文書はすべて引用により本明細書に組み込まれるもの
とする。
【００２６】 本発明の液体処理部材の特定サイズは、意図する用途の特定要求に応じて変更
が可能である。例えば、液体処理部材を、吸収性物品の中で使用することを意図
しているのであれば、同液体処理部材は、その意図される液体捕捉域が、装着者
の両脚間に適合すること、さらに、その意図される液体放出域が、それに関連す
る液体保存部材の形態と適合するように定義されていてもよい。従って、液体処
理部材の外側サイズ、例えば、その長さ、幅、または、厚みも、意図される用途
の特定要求に適応するようになっていてもよい。しかしながら、この文意におい
て、液体処理部材の外形の設計は、同部材の性能に影響を及ぼすことを承知しな
ければならない。例えば、液体処理部材の断面は、直接、その部の流速に影響す
る。
【００２７】 この液体処理部材を、本発明による体液処理装置に適用するためには、同液体
処理部材を、保存部材と併用しなければならない。この「液体保存部材」という用
語は、液体を捕捉・保存することが可能な装置を指す。液体保存部材の体積は、
例えば、膨張等によって保存される液体の量に応じて変更してよい。通常、保存
部材は、毛管吸引、および・または、浸透圧によって液体を吸収する。他の保存
部材も、液体を保存する手段として、真空を用いてもよい。液体保存部材はさら
に、保存された液体の一部を圧力下に保持することが可能である。好適な保存部
材は、当分野でよく知られているが、例えば、ポリアクリレートのような超吸収
性ポリマー材料を備えていてもよい。保存部材はさらに、セルロース繊維から成
るパッドのような、その中に粒状の超吸収剤が分散された繊維構造を備えていて
もよい。好適な、吸収性ゲル材は、英国のChemical Ltd.から市販されているASA
P400である。好適な超吸収性ポリマー、これはしばしば「ヒドロゲル形成ポリマ
ー」とか「吸収性ゲル材」とも呼ばれるものであるが、これらポリマーの別例につ
いては、１９９６年１０月８日発行の米国特許第５,５６２,６４６号(Goldman等
)、および、１９９７年２月４日発行米国特許第５,５９９,３３５号(Goldman等)
に記載されている。
【００２８】 液体処理部材から放出された液体を捕捉するために、保存部材は、液体処理部
材の液体放出設計域と、直接的に液的に連絡しているように設置されていてよい
。
【００２９】 好適な超吸収性ポリマー、これはしばしば「ヒドロゲル形成ポリマー」とか「吸
収性ゲル材」とも呼ばれるものであるが、これらポリマーの別例については、１
９９６年１０月８日発行の米国特許第５,５６２,６４６号(Goldman等)、および
、１９９７年２月４日発行米国特許第５,５９９,３３５号(Goldman等)に記載さ
れている。
【００３０】 本発明の一つの実施形態においては、本発明の液体処理部材は、遊離液体によ
って、幾何学的に飽和される、または、実質的に幾何学的に飽和される。ここで
使用される「遊離液体」という用語は、特定の表面、または、その他の実体に結合
していない液体を指す。遊離液体は、当分野において既知のNMR(核磁気共鳴)分
光光度法によって液体分子の陽子スピン緩和時間Ｔ２を測定することによって、
結合液体と区別することが可能である。 体液処理装置 本発明の一局面として、本発明による液体輸送部材を備える体液処理装置を供
給する。この装置は、乳児用おむつやトレーニングパンツ、成人失禁用製品、お
よび、女性用衛生製品のような使い捨て吸収物品、および、カテーテル、尿瓶等
のような、その他の体液処理品を含むが、それらに限定はされない。
【００３１】 本発明の一つの実施形態においては、体液処理装置は、おむつ、トレーニング
パンツ、衛生ナプキン、成人失禁用装置等のような、使い捨て可能な吸収性物品
である。このような吸収性物品は、さらに、液浸透性トップシートと、少なくと
も部分的に周縁部において同トップシートに接合する液不透性バックシートとを
備えていてよい。この吸収性物品はさらに、体液保存部材として働く吸収性コア
を備えていてよい。本発明に好適な、トップシート、バックシート、および、吸
収コアは、当分野においてよく知られている。さらに、本発明の吸収性物品と併
用して使用されてもよい、当分野で既知の特性が他にも沢山ある。例えば、吸収
性物品を、装着者の腰部の周囲に付着させる閉鎖機構がそれである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ＵＳ９８１３５２１ (32)優先日 平成10年６月29日(1998．6．29) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (31)優先権主張番号 ＵＳ９８１３５２３ (32)優先日 平成10年６月29日(1998．6．29) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，Ｚ Ａ，ＺＷ (72)発明者 シュミット、マティアス ドイツ連邦共和国、デー−65510 イドシ ュタイン、アルトケーニヒベーク ３ (72)発明者 エールンスペルガー、ブルーノ、ヨハネス ドイツ連邦共和国、デー−65936 フラン クフルト・アム・マイン、ベスターバッハ シュトラーセ 89 Ｆターム(参考） 3B029 BA17 4C003 AA22 BA01 BA03 BA04 DA01 4C098 AA09 CC02 DD23

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 サイフォン吸い上げにより体液を捕捉領域から保存領域に輸
    送するステップを含む体液処理プロセスであって、前記サイフォン吸い上げによ
    り体液を輸送するステップは、液体を捕捉する第１ステップの前に実質的に幾何
    学的に液体で飽和されている液体輸送部材を供給するステップを有し、前記液体
    輸送部材を飽和する液は前記液体捕捉領域と液的に連絡しており、前記液体輸送
    部材と液的に連絡している液体保存部材を供給するステップを有し、前記液体保
    存部材は前記保存領域の内部に位置しており、前記捕捉領域に配された液を捕捉
    して前記液体輸送部材に注入するステップと、前記液体輸送部材を飽和する前記
    液の少なくとも一部を前記捕捉した液で置換するステップと、前記置換された液
    の少なくとも一部を保存部材中に保存するステップとを有しており、前記液は、
    毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段により、保存部材中に保存されるこ
    とを特徴とする、体液処理プロセス。
  2. 【請求項２】 液によって実質的に幾何学的に飽和される液体輸送部材を供
    給する前記ステップが、液体輸送部材を供給するステップと、前記液体輸送部材
    を活性化するステップとを有している、請求項１に記載の体液処理プロセス。
  3. 【請求項３】 前記液体輸送部材を活性化する前記ステップが、前記液体輸
    送部材を実質的に幾何学的に飽和するステップを有している、請求項２に記載の
    体液処理プロセス。
  4. 【請求項４】 前記保存部材の内の少なくとも１個が、前記液体輸送部材の
    内部に位置しており、前記保存部材が、前記液体輸送部材を実質的に幾何学的に
    飽和する前記液と直接接触している、請求項１に記載の体液処理プロセス。
  5. 【請求項５】 液を捕捉して前記液体処理部材に注入する第１ステップ前に
    、前記保存部材の内の少なくとも１個が実質的に幾何学的に飽和されている、請
    求項４に記載の体液処理プロセス。
  6. 【請求項６】 前記液体保存部材の内の少なくとも１個が、液体輸送部材の
    外側に位置し、同液体輸送部材と液的に連絡しており、前記置換された液は、前
    記液体輸送部材から放出され、前記放出された液の少なくとも一部は、液体輸送
    部材の外側の保存部材中に保存される、請求項１に記載の体液処理プロセス。
  7. 【請求項７】 前記置換された液の少なくとも一部は、前記液体輸送部材か
    ら、液体放出領域を通じて放出される、請求項６に記載の体液処理プロセス。
  8. 【請求項８】 前記液体輸送部材外部の前記液体保存部材の内の少なくとも
    １個が、前記液体放出領域と直接液的に連絡している、請求項７に記載の体液処
    理プロセス。
  9. 【請求項９】 前記液体放出領域の内の少なくとも一つから、前記保存部材
    の内の少なくとも一つへ、前記放出された液体の少なくとも一部を輸送するステ
    ップをさらに有している、請求項７に記載の体液処理プロセス。
  10. 【請求項１０】 液体捕捉部材を供給するステップ、体液を捕捉し前記液体
    捕捉部材に注入するステップと、前記捕捉した液体の少なくとも一部を、前記液
    体輸送部材に輸送するステップとをさらに有している、請求項１に記載の体液処
    理プロセス。
  11. 【請求項１１】 使用時に、先行請求項のいずれかひとつのプロセスを実行
    するように設計された体液処理装置。
  12. 【請求項１２】 前記装置が使い捨て可能な吸収性物品である、請求項１１
    に記載の体液処理装置。
  13. 【請求項１３】 前記装置が使い捨ておむつである、請求項１２に記載の体
    液処理装置。
  14. 【請求項１４】 少なくとも１個の液体捕捉領域と、少なくとも１個の液体
    保存領域とを有する体液処理装置であって、前記保存領域は、毛管圧と浸透圧の
    グループから選ばれる手段により液を保存し、前記体液処理装置は、前記捕捉領
    域から前記液体保存領域へ液を輸送する液体輸送部材を備えており、前記液体輸
    送部材が、前記装置の意図された使用以前に、実質的に幾何学的に飽和されてい
    ることを特徴とする体液処理装置。
  15. 【請求項１５】 少なくとも１個の液体捕捉領域と、少なくとも１個の液体
    保存領域とを有する体液処理装置であって、前記保存領域は、毛管圧、浸透圧か
    ら成るグループから選ばれる手段により液を保存し、前記体液処理装置は、前記
    捕捉領域から前記液体保存領域へ液を輸送する液体輸送部材を備えており、ここ
    に、前記液体輸送部材は、遊離液によって実質的に幾何学的に飽和されているこ
    とを特徴とする体液処理装置。
  16. 【請求項１６】 少なくとも１個の液体捕捉領域と、前記液体捕捉領域から
    空間的に隔てられている少なくとも１個の液体保存領域とを有する体液処理装置
    であって、前記保存領域は、毛管圧と浸透圧のグループから選ばれる手段により
    液を保存し、前記体液処理装置は、前記捕捉領域から前記液体保存領域へ液を輸
    送する液体輸送部材を備えており、前記液体輸送部材が、前記液体捕捉領域から
    前記保存領域へサイフォン吸い上げにより液体を輸送することを特徴とする体液
    処理装置。
  17. 【請求項１７】 前記保存領域の内の少なくとも１個は、前記液体輸送部材
    の内部に位置している、請求項１６に記載の体液処理装置。
  18. 【請求項１８】 前記保存領域の内の少なくとも１個は、前記液体輸送部材
    の外部に位置している、請求項１６に記載の体液処理装置。
  19. 【請求項１９】 前記装置が使い捨て可能な吸収性物品である、請求項１６
    に記載の体液処理装置。
  20. 【請求項２０】 前記使い捨て可能な吸収性物品が使い捨ておむつである、
    請求項１９に記載の使い捨て可能な吸収性物品。
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