JP2003523754A - グラム陽性エンテロコッカスビルレンス因子のスクリーニング法 - Google Patents

グラム陽性エンテロコッカスビルレンス因子のスクリーニング法

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JP2003523754A JP2001561786A JP2001561786A JP2003523754A JP 2003523754 A JP2003523754 A JP 2003523754A JP 2001561786 A JP2001561786 A JP 2001561786A JP 2001561786 A JP2001561786 A JP 2001561786A JP 2003523754 A JP2003523754 A JP 2003523754A
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Abstract

(57)【要約】 エンテロコッカスビルレンス因子を同定するための方法が提供される。エンテロコッカス病原体の病原性を阻害する化合物をスクリーニングするための方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、病原体のビルレンス因子を同定するためのスクリーニング法および
病原体感染を阻害する薬物を同定するためのスクリーニング法に関する。
【0002】 エンテロコッカス属のグラム陽性病原体は、一つには多剤耐性による、ますま
す問題となっている院内感染の源である。エンテロコッカスは、菌血症および心
内膜炎などの疾患を引き起こすことがある。これらの病原体はまた、免疫無防備
状態の個体において尿路および皮膚の創傷に感染することがある。細菌を無効化
できない場合、感染が命取りになることがある。
【0003】 感染因子としてのエンテロコッカスの流行の拡大にもかかわらず、これらの細
菌がどのように疾患を引き起こすかについてはほとんど知られていない。エンテ
ロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)による病気発生の哺乳動物
モデルにおいてビルレンス因子として証明できるほどまで厳密に研究されている
ものは、細胞溶解素および凝集物質しかない。ある特定のプロテアーゼなどの他
のビルレンス因子が病気発生に寄与すると考えられるが、哺乳動物モデル系にお
いて十分に研究されていない。
【0004】 エンテロコッカスビルレンス因子についてほとんど知られていない1つの理由
は、これらの細菌を研究するために用いられるモデル系(人気のあるモデルはウ
サギ心内膜炎モデルである)が高価であり、扱いにくいことである。これらのビ
ルレンス因子をスクリーニングするために哺乳動物モデル系を使用することは実
質的に不可能であった。従って、エンテロコッカスビルレンス因子を同定するた
めの簡単明瞭で、安価な、かつ信頼性の高い方法が必要とされる。エンテロコッ
カスの病原性を阻害する分子またはこの病原体に対する宿主耐性を促進する分子
の同定を目的とした薬物発見プロセスを大いに簡素化する簡単で正確なスクリー
ニング方法もまた必要とされる。
【0005】発明の概要 本発明は、エンテロコッカスビルレンス因子を同定する新規のアプローチおよ
び細菌による病気発生を治療するための化合物を同定する新規のアプローチを提
供する。
【0006】 第1の局面において、本発明は、エンテロコッカスビルレンス因子を同定する
方法を特徴とする。前記方法は、一般的に、以下のステップを含む: (a)線虫を、変異誘発されたエンテロコッカス病原体に暴露するステップ; (b)エンテロコッカス変異体が線虫に感染するかどうかを確かめるステップであ
り、変異誘発されていないエンテロコッカス病原体により引き起こされる疾患と
比較した線虫における疾患の軽減がエンテロコッカスビルレンス因子の変異を示
す、ステップ;および (c)エンテロコッカスビルレンス因子を同定するためのマーカーとして変異を使
用するステップ。好ましい態様において、エンテロコッカス病原体はエンテロコ
ッカス・フェカーリス(例えば、エンテロコッカス・フェカーリスV583株)であり
、線虫はセノルハブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)(例えば
、野生型または変異体の線虫)である。他の好ましい態様において、前記方法は
エンテロコッカス/C.エレガンス殺傷アッセイを利用する。
【0007】 第2の局面において、本発明は、エンテロコッカス病原体の病原性を阻害する
化合物を同定する方法を特徴とする。前記方法は、一般的に、以下のステップを
含む: (a)エンテロコッカス病原体に感染した線虫を作成するステップ; (b)感染した線虫を試験化合物と接触させるステップ;および (c)試験化合物が線虫においてエンテロコッカス病原体の病原性を阻害するかど
うかを確かめるステップ。好ましい態様において、エンテロコッカス病原体はエ
ンテロコッカス・フェカーリス(例えば、エンテロコッカス・フェカーリスV583
株)であり、線虫はセノルハブディティス・エレガンス(例えば、野生型または変
異体の線虫)である。好ましくは、試験化合物は化合物ライブラリーで提供され
る。他の好ましい態様において、試験化合物は小さな有機化合物であるか、ある
いはペプチド、ペプチドミメティック、または抗体もしくはそのフラグメントで
ある。さらに他の好ましい態様において、病原性の阻害はエンテロコッカス/C.
エレガンス殺傷アッセイによって測定される。
【0008】 さらに別の局面において、本発明は、単離されたエンテロコッカス病原体を含
む単離された線虫(例えば、セノルハブディティス・エレガンス)を特徴とする。
好ましい態様において、エンテロコッカス病原体は、エンテロコッカス・フェカ
ーリス、エンテロコッカス・フェカーリスV583株、エンテロコッカス・フェシウ
ム(Enterococcus faecium)であるか、または変異したエンテロコッカス病原体で
ある。
【0009】 「ビルレンス因子」は、存在しないと病原体が真核宿主生物(例えば、線虫ま
たは哺乳動物)において疾患または感染を引き起こすことができない細胞成分(例
えば、転写因子または分子などのタンパク質)を意味する。このような成分は、
細菌の宿主(例えば、線虫宿主)への適応、細菌感染の確立、細菌感染の維持、お
よび宿主生物に対する感染の有害な影響の発生に関与する。さらに、この句は、
宿主組織に直接作用する成分ならびに他の病気発生因子の活性または産生を調節
する成分を含む。
【0010】 「感染」または「感染した」は、宿主に有害な病原性細菌が宿主動物(例えば
、線虫)に侵入またはコロニー形成することを意味する。
【0011】 「エンテロコッカス病原体の病原性を阻害する」は、真核宿主生物におけるエ
ンテロコッカスによる疾患または感染の発達または進行を減少させる、阻止する
、弱める、小さくする、止める、または安定させる試験化合物の能力を意味する
。好ましくは、このような阻害は、任意の適切な病原性アッセイ(例えば、本明
細書に記載のアッセイ)において、試験化合物非存在下での症状と比較して病原
性を少なくとも5%、より好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくと
も50%以上減少させる。1つの特定の例において、阻害は、試験化合物または抽
出物に暴露されたエンテロコッカス病原体に感染した線虫における病原体による
症状をモニターすることによって測定することができ、化合物に暴露されていな
い宿主生物における症状の程度と比較した病原体による症状の程度の減少が、化
合物によるエンテロコッカス病原体の阻害を示す。
【0012】 本発明は多くの利益を提供する。例えば、本発明は、エンテロコッカスビルレ
ンス因子および遺伝子に対して活性のある治療剤を調製するための新規の標的お
よび治療アプローチの同定を容易にする。本発明はまた、エンテロコッカス病原
体に抵抗する化合物の効力の識別および評価に用いられる多種多様な標準的なス
クリーニング法より優れた、長く待たれていた利益を提供する。1つの特定の例
において、本明細書に記載のスクリーニング法は、簡単なインビボスクリーニン
グで宿主の毒性ならびに抗エンテロコッカス能の同時評価を可能にする。さらに
、本発明の方法を用いると、エンテロコッカスによる病気発生を阻害する化合物
の能力を評価することができ、加えて、エンテロコッカス病原体の攻撃に対する
宿主の応答を刺激および強化する化合物の能力を評価することができる。
【0013】 従って、本発明の方法は、真核宿主生物において使用しても安全であり(すな
わち、生物の正常な発生および生理機能に悪影響を及ぼさない化合物)、かつエ
ンテロコッカス病原性微生物に対して有効な化合物を同定するための簡単明瞭な
手段を提供する。さらに、本発明の方法は、多量の処理量、高感度、および低い
複雑さで、実質的に任意の数の化合物を抗エンテロコッカス病原体効果について
分析する方法を提供する。この方法はまた、精製形態または粗抽出物形態のいず
れかで発見された少量の活性物質の分析を実施し、可能にするのに比較的安価で
ある。さらに、本明細書に開示される方法は、真核細胞膜を横断する能力を有し
、かつインビボ投与法において治療効力を維持する抗病原体化合物を同定する手
段を提供する。さらに、前記のスクリーニング法は、既知および未知の化合物な
らびに化合物ライブラリーに適している。
【0014】 本発明の他の特徴および利点は、以下の本発明の好ましい態様の説明および特
許請求の範囲から明らかであろう。
【0015】詳細な説明 以下では、本発明者らは、エンテロコッカスが線虫C.エレガンスにおいて疾患
を引き起こし、エンテロコッカス・フェカーリスのローン(lawn)を摂食するC.エ
レガンスが発病プロセスの結果として数日の間に死滅することを証明する実験証
拠について述べる。哺乳動物モデルにおける最大ビルレンスに必要とされた少な
くとも1つの既知のE.フェカーリスビルレンス因子である細胞溶解素がC.エレガ
ンスの殺傷を増強することを証明し、C.エレガンス宿主を哺乳動物病気発生モデ
ルとして使用できることを実証する、データもまた示される。従って、本明細書
に記載のエンテロコッカス/C.エレガンス殺傷アッセイは、新規のエンテロコッ
カスビルレンス因子を同定するための有用な系、ならびにエンテロコッカス病原
性を阻害するか、病原体に対する宿主の耐性を促進するか、またはその両方を行
う化合物を同定するための有用な系を提供する。以下の実験例は本発明の範囲を
例示するが、制限しないことが意図される。
【0016】C.エレガンス/エンテロコッカス殺傷アッセイ エンテロコッカスによる殺傷をモニターするために、以下のようにC.エレガン
スアッセイを行った。ブレインハートインフュージョン(BHI)寒天培地(ジフコ(D
ifco))をオートクレーブし、35mm組織培養プレート(フィッシャー(Fisher))に注
いだ。注ぐ前に、大腸菌の増殖を抑制するが、試験される特定のエンテロコッカ
ス株の増殖を許す適切な抗生物質を培地に添加した。E001、E002、E003、E006、
およびE009株については、12.5μg/mlテトラサイクリンを使用した。V583株につ
いては、200μg/mlゲンタマイシンを使用した。E007株については、50μg/mlア
ンピシリンを使用した。OG1およびOG1(pAD1)株については、250μg/mlスペクチ
ノマイシンを使用した。OG1(pCF10)株については、250μg/mlスペクチノマイシ
ンおよび12.5μg/mlテトラサイクリンを使用した。FA2-2、FA2-2(pAM714)、およ
びFA2-2(pAM771)株については、50μg/mlゲンタマイシンを使用した。
【0017】 エンテロコッカスの細菌ローンを以下のように調製した。組織培養プレート上
でBHI 2mlに適切な株のシングルコロニーを接種し、37℃で4〜5時間増殖させ、
培養物10μlを各プレートにプレートした。プレートを37℃で一晩インキュベー
トし、次いで、2〜5時間室温にした。次いで、30匹のL4幼虫段階のC.エレガンス
をOP50大腸菌プレートからのローン上に置いた。プレートを25℃でインキュベー
トし、培養された線虫の総数と比較した、死んでいるのが発見された線虫の数を
約24時間間隔で数えた。以下の実験での各実験条件をトリプリケートで行い、少
なくとも2回繰り返した。
【0018】エンテロコッカス臨床分離株によるC.エレガンス殺傷 6種類の異なるエンテロコッカス株をマサチューセッツ総合病院(Massachusett
s General Hospital)(Boston,MA)の臨床微生物学研究所から入手し、E001、E002
、E003、E006、E007、およびE009と名付けた。標準的な臨床方法を用いて、エン
テロコッカス・フェシウムとしてE003およびE007株を、エンテロコッカス・フェ
カーリスとしてE001、E002、E006、およびE009株を同定した。一般的に、エンテ
ロコッカス・フェカーリスはヒトにおけるエンテロコッカス感染の約80〜90%を
引き起こし、エンテロコッカス・フェシウムは約10〜20%を引き起こす。
【0019】 前記の殺傷アッセイプロトコールを用いて、各エンテロコッカス株を摂食した
時間の関数としてのC.エレガンス死のパーセントを求めた。図1に示すように、
臨床分離株E002およびE006は最も速くC.エレガンスを殺傷することが見出された
(LT50約100時間)。E001およびE009はそれより遅く殺傷した(LT50約150時間)。E0
03およびE007は有意なC.エレガンス殺傷を引き起こさなかった。これらのデータ
は、エンテロコッカス・フェカーリスはC.エレガンスを殺傷できるが、エンテロ
コッカス・フェシウムは殺傷できないことを示唆している。また、異なるエンテ
ロコッカス・フェカーリス株間の差は、観察された殺傷効率の範囲を引き起こし
た同定可能な遺伝的な差があり得ることを示唆した。
【0020】エンテロコッカス・フェカーリスV583株によるC.エレガンス殺傷 V583株は、E.フェカーリスのバンコマイシン耐性臨床分離株である。これは、
バンコマイシン耐性がエンテロコッカス感染間での一問題として現れた1980年代
後半に初めて述べられた。E.フェカーリスV583株のゲノムはTIGR(ゲノム研究所(
The Institute for Genomic Research))によって現在配列決定されている。配列
は、(http://ftp.tigr.org/tdb/mdb/mdb.html)で公に入手することができる。
【0021】 図2は、E002、E006、およびV583株によるC.エレガンス殺傷を示す。E002およ
びE006と比較して、E.フェカーリスV583株は同じ程度に効果的に殺傷することが
見出された(LT50約100時間)(図2)。
【0022】異なる既知のビルレンス因子を発現する同質遺伝子エンテロコッカス・フェカー リスによるC.エレガンス殺傷 E.フェカーリスは多くの天然の接合性プラスミドを含んでいる。pAD1(ジェッ
ト(Jett)ら,Clinical Microbiol.Rev.7:462-478,1994)およびpCF10(レオナルド(
Leonard)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.93:260-264,1996)と呼ばれるこのような2種類
のプラスミドがよく研究されている。特定のプラスミドを有さない株(受容菌)が
フェロモンと呼ばれるペプチドシグナルを放出し、次に、フェロモンは、プラス
ミドを含む株(供与菌)に凝集物質(AS)をその表面上に産生させる。ASは受容菌の
エンテロコッカス結合物質(EBS)に結合し、これにより交配凝集体が形成して、1
コピーのプラスミドが供与菌から受容菌へ接合により伝達される。
【0023】 プラスミド接合におけるその役割に加えて、ASはまた、E.フェカーリスが宿主
組織に結合するのを助けることで病気発生に役割を果たしていると考えられる。
例えば、AS産生株は、AS非産生株よりしっかりとブタ尿細管細胞に結合した。AS
を産生する遺伝子はpAD1およびpCF10の両方にある。
【0024】 ASの他に、細胞溶解素(Cyl)が真核細胞および他の原核細胞の両方を溶解する
ことができる別のビルレンス因子である。細胞溶解素オペロンはpAD1に存在する
が、pCF10には存在しない。ASおよびCylが両方ともウサギ心内膜炎モデルにおい
て発現されると、死亡率は有意に増加する。
【0025】 線虫感染におけるASおよびCylの役割を調べるために、プラスミドを含まない(
OG1株)、AS遺伝子およびCyl遺伝子の両方を含むプラスミドを有する(pAD1を含む
OG1株)、またはAS遺伝子のみを含むプラスミドを有する(pCF10を含むOG1株)、E.
フェカーリス同質遺伝子株を前記の殺傷アッセイで調べた。E.フェカーリスV583
およびE007株を対照として使用した。これらの実験の結果を図3に示す。
【0026】 pAD1を含むOG1株は、OG1株またはpCF10を含むOG1株より有意に速くC.エレガン
スを殺傷することが見出された。これらの結果は、細胞溶解素がC.エレガンスに
おける病気発生に寄与するが、凝集物質が全くといってよいくらい影響を及ぼさ
ないことを示しているように見える。
【0027】接合性プラスミド:pAD1対pAD1-cylΔを含む同質遺伝子エンテロコッカス株によ
るC.エレガンス殺傷 ビルレンス因子である細胞溶解素がC.エレガンスのより速い殺傷を担っている
のかどうかを調べるために、pAD1に様々な変異を含む同質遺伝子E.フェカーリス
株(イケ(Ike)ら,J.Bacteriol.172:155-163,1990)の殺傷速度を調べた。図4に示
したように、野生型pAD1を含む株(pAM714を含むFA2-2)は、プラスミドを含まな
い株または細胞溶解素オペロンのプロモーターに欠失のあるpAD1を含む株(pAM77
1を含むFA2-2)より速くC.エレガンスを殺傷することが見出された。これらのデ
ータは、ビルレンス因子である細胞溶解素がC.エレガンスのより速い殺傷を引き
起こしたことを示した。
【0028】 要約すると、本発明者らは、E.フェカーリスおよびC.エレガンスを用いた新し
い病原体/宿主モデル系を開発した。本発明者らは、様々なE.フェカーリス株が
異なる速度でC.エレガンスを殺傷し、E.フェシウムが有意な死亡率を引き起こさ
ないことを示した。配列決定されているE.フェカーリス株は非常に効率的に殺傷
し、このために変異誘発研究に好適な選択肢となった。既知の哺乳動物ビルレン
ス因子である細胞溶解素もまた殺傷速度を増大させることが見出された。このこ
とから、C.エレガンスは、E.フェカーリスによる哺乳動物の病気発生の研究に有
効なモデル宿主であることが示唆された。このモデル系は、新規のE.フェカーリ
スビルレンス因子を同定するために、およびこの問題のある病原体の理解をより
深めるために潜在的に価値のあるツールをもたらす。
【0029】エンテロコッカスビルレンス因子を同定するための線虫スクリーニング系 E.フェカーリスビルレンス因子がC.エレガンスの病原性に関与することを示す
前記の結果に基づいて、本発明者らは、エンテロコッカスの病原性に重要なビル
レンス決定因子を同定する方法を開発した。このスクリーニングは、一般的に、
前記のエンテロコッカス/線虫殺傷アッセイを利用し、何千もの無作為に作成さ
れたエンテロコッカス変異体を容易にスクリーニングする能力を活用している。
殺傷アッセイにおいて野生型宿主線虫を使用することに加えて、便秘になってい
る、または排便に欠陥のある変異体(例えば、aex-2およびunc-25)、粉砕(grindi
ng)に欠陥のある変異体(例えば、phm-2およびeat-14)、ならびに特異的ABC輸送
体変異体(例えば、pgp-4およびmrp-1)も使用することができる。
【0030】 一般的に、エンテロコッカス株は、当技術分野において周知の標準的な方法に
従って変異され、次いでその後、線虫宿主生物において疾患を誘導する能力につ
いて評価される。病原性が弱まったことが見出されたか、または非病原性にされ
た、変異誘発された病原体は本発明の方法に有用である。次いで、このような変
異病原体は、当技術分野において周知の方法に従って、病原性を担う宿主依存性
または宿主非依存性のビルレンス因子を同定するために用いられる。
【0031】 以下は、C.エレガンス線虫摂食モデルにおいて感染性であることが見出された
ヒト臨床分離株E.フェカーリスV583株を使用した、ビルレンス因子線虫スクリー
ニング系の実用例である。V583株は、推定100kbに達するプラスミドを含むE.フ
ェカーリスのバンコマイシン耐性変種である。これは、バンコマイシン抗生物質
に対するその耐性に寄与する約7kbに及ぶ一組の7つの遺伝子を含んでいる。この
哺乳動物病原体を研究するための宿主として線虫を使用する利点は、線虫におけ
る非病原性エンテロコッカス変異体を同定するのが比較的簡単なことである。
【0032】 生存がモニターされる1つの好ましい実用例では、4〜8匹のC.エレガンス線虫(
例えば、L4幼虫)を、変異誘発されたE.フェカーリスV583株のローンに置き、約1
00〜200時間後に本明細書に記載の方法に従って生存をモニターする。任意の標
準的な手順(例えば、標準的なインビボまたはインビトロでの挿入/トランスポゾ
ン変異誘発法(例えば、イケら,J.Bacteriol.172:155-63,1990;ムンケンベック(M
unkenbeck)ら,Plasmid 24:57-67,1990;クレクナー(Kleckner)ら,J.Mol.Biol.116
:125,1977を参照のこと))に従って、エンテロコッカス病原体(例えば、E.フェカ
ーリスV583株)が変異される。他の方法(例えば、化学的変異誘発またはDNA指定
変異誘発)もまた利用することができる。約100〜150時間後、野生型病原性E.フ
ェカーリスV583株を播種したプレートには全くといってよいくらい生きている線
虫が見られないが、変異誘発されたE.フェカーリスV583株を播種したプレートに
は線虫生存の増大(例えば、LT50の増大によって確認される)が観察される。従っ
て、線虫が変異E.フェカーリスV583株の存在下で成長できることは、病原性を担
う遺伝子が不活化されたことを示している。次いで、標準的な方法を用いて(例
えば、ポリメラーゼ連鎖反応および挿入/トランスポゾン接合部の配列決定によ
って、またはマッピングによって)、不活化変異の位置が同定され、例えば、ヌ
クレオチド配列決定による、1つまたはそれ以上の変異ビルレンス因子のクロー
ニングおよび同定につながる。
【0033】 生存および生殖がモニターされる別の実用例では、2匹のC.エレガンス線虫(例
えば、L4雌雄同体幼虫)を、変異誘発されたE.フェカーリスV583株のローンに置
き、線虫の子孫をモニターする。V583株は標準的な方法に従って変異される。約
100〜150時間後、野生型病原性E.フェカーリスV583株を播種したプレートには全
くといってよいくらい生きている線虫が見られないが、V583株変異体を播種した
プレートには、最初の2匹の雌雄同体線虫の何百または何千もの生きている子孫
が存在する。従って、線虫が変異V583の存在下で成長および生殖できることは、
病原性を担う遺伝子が不活化されたことを示すとみなされる。次いで、標準的な
方法を用いて変異ビルレンス因子が同定される。
【0034】マウス病原性スクリーニングアッセイ 前記の線虫スクリーニングアッセイにおいて同定されたエンテロコッカス変異
体のビルレンスをさらに評価するために、マウス病原性/死亡率研究を以下のよ
うに行う。エンテロコッカス変異体のビルレンスを評価するために、体重20〜30
グラムの、1ケージにつき5匹収容された雌ICRマウス(Taconic,Germantown,NYま
たはCharles River,Wilmington,MA)を使用する。以下で説明するように、滅菌ラ
ット糞便抽出物(SRFE)に溶解した変異体細菌をマウス(6〜10匹の群)に腹腔内注
射する。次いで、変異体細菌を与えたマウスの生存を、野生型細菌(例えば、変
異のない細菌)の同等接種物を与えた動物の生存と比較する。実験を通して、全
ての動物が自由に固形飼料および水を摂取することができる。
【0035】 例示的な細菌接種物を以下のように調製する。エンテロコッカス・フェカーリ
スOG1RFまたはエンテロコッカス変異体を、穏やかに振盪しながらBHIブロス中で
37℃で一晩増殖させる。細胞を遠心分離によって収集し、0.9%食塩水で1回洗浄
し、次いで、600nmで2.2〜2.8の光学密度まで食塩水に再懸濁する。細胞懸濁液
のCFU(コロニー形成単位)は、系列希釈をBHI寒天プレートにプレートすることに
よって測定される。系列希釈は食塩水に溶解して調製し、SRFEと混合して所望の
接種物とする。SRFEを調製するには、ラットの糞便を乾燥させ、押しつぶし、糞
便量の3倍の量の滅菌蒸留水と混合し、オートクレーブする。結果として得られ
たスラリーを遠心分離し、糞便抽出物を無菌的に取り出す。次いで、抽出物をオ
ートクレーブし、エンテロコッカス培養物と混合する。次いで、所望の最終接種
物を得るように、各接種物を最終35%SRFEまで希釈する。
【0036】 25ゲージ針を用いて、マウスに、約5×108〜1×109コロニー形成単位のE.フェ
カーリスまたはエンテロコッカス変異体を含む接種物1mlを腹腔内注射する。注
射後、動物をケージに戻し、7日間、8時間毎にモニターする。次いで、生き残っ
ている動物を屠殺し、剖検によって調べる。滅菌SRFE 1mlを腹腔内注射した対照
マウスも調べる。
【0037】 剖検の際に、無菌条件下で腎臓または脾臓から細菌を取り出す。評価のために
腹水および腹部膿瘍もサンプリングする。腹水の系列希釈を調製し、コロニー計
数のために各希釈0.1mlを寒天プレートに塗り付ける。次いで、プレートを4日間
まで好気条件下でインキュベートする。選択のために、リファンピンを含むBHI
プレート(エンテロコッカス野生型エンテロコッカスOG1RF培養用)またはリファ
ンピンおよびエリスロマイシンを含むBHIプレート(エンテロコッカス変異体培養
用)を使用する。結果は、例えば、STATAソフトウエア(StataCorp.1999.Stata St
atistical Software:Release 6.0.College Station,TX:Stata Corporation)を用
いて、カプラン-マイヤー(Kaplan-Meier)曲線およびログランク検定によって表
される。
【0038】 所望であれば、野生型と比較して統計的に有意な差または統計的な傾向(stati
stical trend)(P≦0.20)を示す変異体を再度評価する。低下したビルレンスを有
すると同定された変異体は本発明に有用であるとみなされる。
【0039】化合物スクリーニングアッセイ 前記のように、本発明者らの実験結果によって、エンテロコッカスビルレンス
因子は線虫C.エレガンスの病原性に関与することが証明された。この発見に基づ
いて、本発明者らはまた、エンテロコッカス病原体が感染を引き起こす能力を阻
害するのに使用することができる治療化合物(例えば、抗病原体薬)を同定するた
めのスクリーニング手順を開発した。一般的に、この方法は、本明細書に記載の
エンテロコッカス/線虫殺傷系を用いることによって、治療上活性のある薬剤に
ついて任意の数の化合物をスクリーニングすることを伴う。これらの病原体がC.
エレガンスに感染し、C.エレガンスを殺傷するという本発明者らの証明に基づい
て、線虫においてエンテロコッカスの病原性を妨げる化合物はまた哺乳動物(例
えば、ヒト患者)における有効な治療剤をもたらすことが容易に理解されるだろ
う。現在医療で用いられている大部分の抗生物質は殺菌性または静菌性のいずれ
かであり、従って、耐性株または変異体に有利であるが、本明細書に記載のスク
リーニング手順で同定された化合物は細菌を殺傷しないが、その代わりに細菌を
非病原性にする。さらに、本発明のスクリーニング手順はインビボで行われるの
で、同定された化合物が宿主生物に対して毒性が高いということも起こりそうに
ない。
【0040】 従って、本発明の方法は、活性のある薬剤(例えば、エンテロコッカス微生物
により引き起こされる病原体による疾患の治療のための薬物)の評価、同定、お
よび開発を簡素化する。
【0041】 一般的に、本発明の化学的スクリーニング法は、大きな集団から目的の天然産
物の抽出物または化合物を選択するための簡単明瞭な手段を提供する。これらの
天然産物の抽出物または化合物はさらに評価され、活性のある選択された少数の
物質に濃縮される。次いで、このプールの構成要素は精製され、抗病原体活性を
測定する本発明の方法において評価される。
【0042】試験抽出物および化合物 一般的に、新規の抗病原体薬物は、当技術分野において周知の方法に従って、
天然産物または合成(もしくは半合成)抽出物の大きなライブラリーあるいは化学
ライブラリーから同定される。本発明のスクリーニング法は、様々な供給源から
の化合物を可能性のある抗病原体活性について試験するのに適切であり、かつ有
用である。初期スクリーニングは多様性のある化合物ライブラリーを用いて行う
ことができるが、この方法は様々な他の化合物および化合物ライブラリーに適し
ている。このような化合物ライブラリーは、コンビナトリアルライブラリー、天
然産物ライブラリー、または他の小分子ライブラリーでもよい。さらに、商業的
供給源からの化合物、ならびに同定されたインヒビターの市販の類似体を試験す
ることができる。
【0043】 例えば、薬物の発見および開発分野の専門家は、試験抽出物または化合物の正
確な供給源が本発明の1つまたはそれ以上のスクリーニング手順に重要でないこ
とを理解するだろう。従って、本明細書に記載の方法を用いて、実質的に任意の
数の化学抽出物または化合物をスクリーニングすることができる。このような抽
出物または化合物の例として、植物、菌類、原核生物、または動物をベースとす
る抽出物、発酵ブロス、および合成化合物、ならびに既存の化合物の修飾物が挙
げられるが、これに限定されない。任意の数の化合物(糖、脂質、ペプチド、お
よび核酸をベースとする化合物を含むが、これに限定されない)のランダム合成
または指定合成 (例えば、半合成または全合成)を行うために、非常に多くの方
法もまた利用することができる。合成化合物ライブラリーが、ブランドンアソシ
エーツ(Brandon Associates)(Merrimack,NH)およびアルドリッチケミカル(Aldri
ch Chemical)(Milwaukee,WI)から市販されている。または、細菌、菌類、植物、
および動物の抽出物の形をした天然化合物ライブラリーが、バイオティックス(B
iotics)(Sussex,UK)、ゼノバ(Xenova)(Slough,UK)、ハーバーブランチオーシャ
ングラフィックスインスティチュート(Harbor Branch Oceangraphics Institute
)(Ft.Pierce,FL)、およびファーママールユーエスエー(PharmaMar,U.S.A.)(Camb
ridge,MA)を含む多くの供給源から市販されている。さらに、所望であれば、当
技術分野において周知の方法に従って(例えば、標準的な抽出法および分画法に
よって)天然ライブラリーおよび合成により生成されたライブラリーが作成され
る。さらに、所望であれば、標準的な化学的方法、物理的方法、または生化学的
方法を用いて、任意のライブラリーまたは化合物が容易に修飾される。
【0044】 さらに、デレプリケーション(dereplication)(例えば、分類学的デレプリケー
ション、生物学的デレプリケーション、および化学的デレプリケーション、もし
くはその任意の組み合わせ)のための方法、または抗病原体活性について既に知
られている物質の複製(replicate)または反復(repeat)の排除のための方法を可
能な時には必ず使用すべきであることを、薬物の発見および開発分野の専門家は
容易に理解する。
【0045】 粗抽出物が抗病原体活性を有すると発見された場合、観察された効果を担う化
学的構成要素を単離するために陽性リード抽出物のさらなる分画が必要である。
従って、抽出、分画、および精製プロセスの目標は、抗病原体活性を有する粗抽
出物内の化学的実体の徹底した特徴付けおよび同定である。このような不均一な
抽出物の分画および精製の方法は当技術分野において周知である。所望であれば
、当技術分野において周知の方法に従って、病原性の治療に有用な薬剤であると
示された化合物を化学修飾する。
【0046】 ライブラリー(例えば、コンビナトリアルライブラリーおよび天然産物ライブ
ラリー)ならびに天然産物調製物に含まれる化合物の多くが特徴付けられていな
いので、本発明のスクリーニング法によって、スクリーニングにおいて活性のあ
る既知の化合物が同定されるのに加えて、特定のスクリーニングにおいてインヒ
ビターまたはインデューサーとして活性のある新規の化合物が得られる。従って
、本発明は、このような新規の化合物、ならびに薬学的組成物および治療方法に
おける新規および既知の化合物の使用を含む。
【0047】例示的なハイスループットスクリーニング系 エンテロコッカスに対する宿主耐性の促進またはエンテロコッカスの病原性の
阻害における分子または化合物の効力を評価するために、多くのハイスループッ
トアッセイを使用することができる。
【0048】 例えば、効率的および系統的な多量の天然産物、抽出物、または化合物の大規
模スクリーニングを可能にするために、操作の半自動化およびデータ収集の完全
自動化を容易にするマイクロタイタープレートのウェル内で、セノルハブディテ
ィス・エレガンス(例えば、L4雌雄同体幼虫またはaex-2、unc-25、phm-2、eat-1
4、pgp-4、もしくはmrp-1などの変異体線虫)を培養する。前記のように、E.フェ
カーリスはC.エレガンスに感染し、C.エレガンスを殺傷する。E.フェカーリスの
病原性が弱まれば、L4線虫は生存し、雌雄同体成虫に成長し、何千もの生きてい
る子孫を産む。従って、C.エレガンスを病原体と共にインキュベートした場合、
E.フェカーリスの病原性を小さくする化合物が存在しない限り、線虫は死滅する
。このような生きている子孫の存在は、標準的な顕微鏡による視覚的スクリーニ
ングを含む様々な方法を用いて容易に検出される。
【0049】 試験化合物または抽出物が病原体に対する宿主耐性を促進する能力または病原
体の病原性を抑制する能力を評価するために、適量の病原体(例えば、E.フェカ
ーリス)一晩培養物を播種した適切な寒天培地(例えば、BHIまたはM17(ジフコ))
に、適切な投与量の試験化合物または抽出物を接種する。所望であれば、宿主お
よび病原体の両方に対する投与量効果を評価するために、様々な濃度の試験化合
物または抽出物を接種することができる。対照ウェルには非病原性細菌を接種す
るか(負の対照)、または試験化合物もしくは抽出物の非存在下で病原体を接種す
る(正の対照)。次いで、病原体の増殖を促進するために、プレートを37℃で24時
間インキュベートする。その後、マイクロタイターディッシュを25℃まで冷却し
、2匹のC.エレガンスL4雌雄同体幼虫をプレートに加え、C.エレガンス生理機能
の正常で完全な状態を得るための上限である25℃でインキュベートする。適切な
時間間隔(例えば、100〜200時間)で、例えば、視覚的スクリーニングまたは運動
検出器を用いた線虫の運動のモニタリングによって、生存している線虫、子孫の
存在、またはその両方についてウェルを調べる。
【0050】 別の実用例において、エンテロコッカスによるC.エレガンス殺傷を以下のよう
に行う。ブレインハートインフュージョン(BHI)寒天培地(ジフコ)をオートクレ
ーブし、35mm組織培養プレート(フィッシャー)に注ぐ。注ぐ前に、大腸菌の増殖
を抑制するが、試験される特定のエンテロコッカス株の増殖を許す適切な抗生物
質を培地に添加する。試験化合物または化合物ライブラリーもまた培地に添加す
る。組織培養プレート上でBHI 2mlに適切な株のシングルコロニーを接種し、37
℃で4〜5時間増殖させ、培養物10μlを各プレートにプレートする。プレートを3
7℃で一晩インキュベートし、次いで、2〜5時間室温にする。次いで、30匹のL4
幼虫段階のC.エレガンスをOP50大腸菌プレートからのローン上に置く。プレート
を25℃でインキュベートし、次いで、培養された線虫の総数と比較した、死んで
いるのが発見された線虫の数を約24時間間隔で数える。各実験条件をトリプリケ
ートで行い、少なくとも2回繰り返す。適切な時間間隔で、生存している線虫に
ついてプレートを調べる。
【0051】 病原体に対する宿主耐性の促進または病原体のビルレンスの阻害における試験
分子または化合物の相対効力を求めるために、処理された線虫と対照線虫(また
は幼虫)との比較研究を用いる。病原体に対する宿主耐性を効果的に刺激する、
上昇させる、増強する、増大させる、もしくは促進する、または病原体の病原性
を阻害する、不活化する、阻止する、抑制する、もしくは抑えるが、線虫の正常
な生理機能、生殖、または発生に有意に悪影響を及ぼさない試験化合物が本発明
において有用であると考えられる。
【0052】使用 本発明の方法は、エンテロコッカスビルレンス因子、および病原性を阻害する
ことができる化合物またはこのような病原体に対する生物の耐性の能力を増強す
ることができる化合物を同定するための簡単な手段を提供する。従って、本明細
書に記載の方法を用いて医薬的価値を有することが発見された化学的実体は、薬
物として、または例えば、合理的薬物設計による既存の抗病原体化合物の構造修
飾のための情報として有用である。
【0053】 治療に使用するために、本明細書に開示された方法を用いて同定された組成物
または薬剤は全身投与してもよく、例えば、生理食塩水などの薬学的に許容され
る緩衝液に溶かして処方される。好ましい投与経路として、例えば、患者に連続
的な持続的な濃度の薬物を供給する、皮下注射、静脈内注射、経腹腔注射、筋肉
内注射、または皮内注射が挙げられる。ヒト患者または他の動物の治療は、生理
学的に許容される担体に溶かした治療有効量の抗病原体薬剤を用いて行われる。
細菌感染の治療に関して、「治療有効量」または「薬学的に有効な量」は、治療
効果を有する抗菌剤(例えば、本発明について開示される抗菌剤)の量を示す。こ
れは、一般的に、細菌感染を引き起こすか、または細菌感染に寄与する細菌細胞
(例えば、エンテロコッカス細胞)の正常な細胞機能をある程度まで阻害すること
を意味する。治療として有用な抗菌剤の用量が「治療有効量」である。従って、
本明細書で使用する治療有効量は、臨床試験結果、標準的な感染動物モデル、ま
たはその両方によって判断されるような望ましい治療効果を生じる抗菌剤の量を
意味する。この量は当業者によって日常的に決定することができ、関与する特定
の細菌株および使用される特定の抗菌剤などのいくつかの要因によって異なる。
この量は、患者の身長、体重、性別、年齢、ならびに腎機能および肝機能、また
は他の病歴によってさらに左右されることがある。このような目的で、治療効果
は、感染の1つまたはそれ以上の症状をある程度まで緩和する効果であり、感染
の治癒を含む。
【0054】 ビルレンス因子または遺伝子の抗菌剤を含む組成物は、予防的処置もしくは治
療的処置またはその両方のために投与することができる。治療用途において、組
成物は、感染の症状を治癒するか、少なくとも部分的にくいとめるのに十分な量
で、細菌による感染(同様に、他の微生物による感染)に既に苦しんでいる患者に
投与される。これを達成するのに十分な量が「治療有効量」と定義される。この
使用に有効な量は、感染の重篤度および経過、以前の治療法、患者の健康状態お
よび薬物に対する応答、ならびに治療を行っている医師の判断によって決まる。
予防的用途において、本発明の化合物を含む組成物は、特定の感染にかかりやす
いか、または特定の感染の危険性がある患者に投与される。このような量は「予
防有効量」であると定義される。この使用においてもまた、正確な量は患者の健
康状態、体重などによって決まる。しかしながら、一般的に、適切な有効量は、
0.1〜10000ミリグラム(mg)/レシピエント/日の範囲であり、好ましくは、10〜50
00mg/日の範囲である。望ましい投与量は、好ましくは、1日に適切な時間間隔で
投与される1、2、3、4、またはそれ以上の亜用量(subdose)で示される。これら
の亜用量は、例えば、1回服用量の剤形(unit dosage form)1個につき5〜1000mg
、好ましくは10〜100mgの有効成分を含む1回服用量の剤形として投与することが
できる。好ましくは、本発明の化合物は、患者の体重1kgにつき約2.0mg〜25mgの
量で1日に約1〜4回投与される。
【0055】 適切な担体およびその処方物が、例えば、E.W.マーティン(Martin)によるレミ
ングトンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)に記載されている。投
与される抗病原体薬剤の量は、投与方法、患者の年齢および体重、ならびに疾患
の種類および疾患の広範性よって異なる。一般的に、量は、他の微生物性疾患の
治療で用いられる他の薬剤に用いられる量の範囲であるが、ある特定の場合では
、化合物の特異性が増大したために、それより少ない量が必要とされる。化合物
は、微生物の増殖を阻害する投与量で投与される。
【0056】 本明細書で述べられた全ての刊行物および特許は、それぞれ個々の刊行物また
は特許が参照として組み入れられるように詳細かつ個々に示されるのと同じ程度
に参照として本明細書に組み入れられる。
【0057】 前述の説明から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に理解することができ
、本発明を様々な使用法および条件に合うように本発明の様々な修正および変更
を行うことができる。従って、他の態様もまた特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンテロコッカス臨床分離株によるC.エレガンス殺傷を示す。
【図2】 エンテロコッカスE002、E006、およびV583株によるC.エレガンス
殺傷を示す。
【図3】 エンテロコッカスV583、OG1、OG1(pAD1)、OG1(pCF10)、およびE0
07株によるC.エレガンス殺傷を示す。
【図4】 プラスミドpAD1またはpAD1-cylΔを含むエンテロコッカス株によ
るC.エレガンス殺傷を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ガーシン ダニエル アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ブ ルックリン プリンス ストリート #3 49 (72)発明者 シフリ コスティ ディー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ク インシー アパートメント 204 リンデ ン ストリート 21 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA36 4B063 QA07 QQ02 QQ06 QS24 QX01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のステップを含む、エンテロコッカスビルレンス因子を
    同定する方法: (a)線虫を、変異誘発されたエンテロコッカス病原体に暴露するステップ; (b)該エンテロコッカス変異体が該線虫に感染するかどうかを確かめるステップ
    であり、変異誘発されていないエンテロコッカス病原体により引き起こされる疾
    患と比較した該線虫における疾患の軽減がエンテロコッカスビルレンス因子の変
    異を示す、ステップ;および (c)該エンテロコッカスビルレンス因子を同定するためのマーカーとして該変異
    を使用するステップ。
  2. 【請求項2】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリス
    (Enterococcus faecalis)である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリス
    V583株である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 線虫がセノルハブディティス・エレガンス(Caenorhabditis
    elegans)である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 エンテロコッカス/C.エレガンス殺傷アッセイを利用する、
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 変異したエンテロコッカス病原体が、変異誘発されていない
    エンテロコッカス病原体よりC.エレガンス殺傷を引き起こさない、請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 以下のステップを含む、エンテロコッカス病原体の病原性を
    阻害する化合物を同定する方法: (a)エンテロコッカス病原体を含む線虫を作成するステップ; (b)該線虫を試験化合物と接触させるステップ;および (c)試験化合物が該線虫において該エンテロコッカス病原体の病原性を阻害する
    かどうかを確かめるステップ。
  8. 【請求項8】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリス
    である、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリス
    V583株である、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 線虫がセノルハブディティス・エレガンスである、請求項
    7記載の方法。
  11. 【請求項11】 試験化合物が化合物ライブラリーで提供される、請求項7
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 試験化合物が小さな有機化合物である、請求項7記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 試験化合物がペプチド、ペプチドミメティック、または抗
    体もしくはそのフラグメントである、請求項7記載の方法。
  14. 【請求項14】 病原性の阻害がエンテロコッカス/C.エレガンス殺傷アッ
    セイによって測定される、請求項7記載の方法。
  15. 【請求項15】 エンテロコッカス病原体が、試験化合物の非存在下より試
    験化合物の存在下でC.エレガンス殺傷を引き起こさない、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 単離されたエンテロコッカス病原体を含む、単離された線
    虫。
  17. 【請求項17】 変異した線虫である、請求項16記載の線虫。
  18. 【請求項18】 セノルハブディティス・エレガンスである、請求項16記載
    の線虫。
  19. 【請求項19】 エンテロコッカス病原体が、変異した病原体である、請求
    項16記載の線虫。
  20. 【請求項20】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリ
    スである、請求項16記載の線虫。
  21. 【請求項21】 エンテロコッカス病原体がエンテロコッカス・フェカーリ
    スV583株である、請求項16記載の線虫。
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