JP2003522613A - 交流を用いて物質を抽出する方法 - Google Patents

交流を用いて物質を抽出する方法

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Abstract

(57)【要約】 内因性物質、製薬化学物質、疾病の標識、およびこれらの代謝産物等の異なった物質を組織にわたって抽出する種々の方法が提供される。方法は、AC信号を利用し、抽出が行なわれる組織の領域において実質的に一定の電気的状態を維持し、これによって、制御され、かつ予測可能な方法で物質が組織にわたって輸送されることを可能にする。特定の方法は、任意のACまたはDC前パルス信号を含み、最初に目標の電気的状態を獲得する。任意のDCオフセット信号は、さらに、物質の抽出を促進することを支援するために利用され得る。方法は、種々の異なった臨床背景および用途において利用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、概して、イオン導入法による物質の抽出を含む、電気的信号を利用
して被験者の体から物質を抽出および検出する分野に関する。
【0002】 (発明の背景) 代謝産物、薬物および栄養物等の種々の薬剤を組織にわたって輸送することは
、主に3つのファクタの機能である。すなわち、組織の浸透性、駆動力の有無、
および輸送が行なわれる領域の大きさである。複数の分子浸透体が本来の浸透性
を欠くと、組織の層にわたる浸透体の移動が妨げられる。皮膚の浸透性は低い。
なぜなら、膜の中の細胞が密接に詰まった独特の構成、および細胞間の脂質基質
は、角質層を、特に、極性種およびイオン化種に対して比較的不浸透性にする。
【0003】 イオン導入法は、組織にわたる薬剤の輸送を達成する方法として探求されてき
た1つの方法である。このような方法は、薬剤を抽出するのではなく、主に、組
織を通して薬剤を人体に送達するために用いられてきた(例えば、薬物の経皮送
達)。イオン導入は、電流を付与し、直接的電界効果(例えば、電気泳動等)、
電気浸透の結果として、または電気的に誘導された孔の形成(電気穿孔法)によ
って、イオン化された薬剤を駆動して組織にわたる輸送を強化するという点で特
徴付けられる。実際には、イオン導入法は、概して、送達が行なわれるべき組織
上に特定のタイプのリザーバを含む電極の位置付けを含む。リザーバは、通常、
輸送されるべき物質を含む溶液または吸収パッドを含む。これは、活性電極また
は薬物電極と呼ばれる。別の電極も組織と接触して配置され、電気回路の完成を
可能にする。これは、帰電極、不活性電極または中立電極と呼ばれる。
【0004】 2つの電極間および組織にわたる電圧の印加は、1つの電荷のイオン化された
薬剤を逆の電荷の電極の方向に移動させる電流を生成する。薬剤を送達するため
にイオン導入が用いられる標準の構成において、この電流は、活性電極における
リザーバ内の薬剤を、組織を通って体内へと駆動する。中性薬剤は、さらに、イ
オン化された薬剤よりも効果的ではないが、電気浸透を介して輸送され得る。電
界は、さらに、新しい孔の形成を誘導し、その浸透性を高める。組織が皮膚のと
き、薬剤は角質に浸透し、真皮表皮層に入る。真皮層の最も外側の部分は、通常
、乳頭層と呼ばれ、脈管系からの毛細管網を含む。この網は、薬剤を吸収し、次
に、この薬剤を脈管系の主要部分に移動させる。
【0005】 分析物は、電界の影響を受けて、真皮乳頭層から角質の表面へ膜の外へ横断す
る。イオン導入が体から物質を抽出するために用いられると、リザーバは物質が
収集される部位である。電極間に形成される電流が作用して血管網から組織を通
ってリザーバへと物質を抽出する。
【0006】 イオン導入法の大部分は、定電流DC信号を利用し輸送を達成する。このよう
な方法に付随するいくつかの問題が存在するので、監督機関、臨床医および患者
によって限定的に受入れられる結果になった。発明者の研究室から得られた文献
および未発表のデータは、定電流DCの1つの欠点は、組織の孔隙率が時間に依
存して変化するために、定電流で定フラックスを獲得することができず、孔表面
の電荷密度の変化を伴うことを示唆する。このような変化および結果として生じ
る磁束の可変性は、イオン導入によって組織を通って薬剤の輸送(送達または抽
出)を効果的に制御することにおいて重大な問題を呈する。定電流DC法を用い
て、生理活性薬剤の輸率(特定の荷電化学種によって運ばれる総電流の比)は、
典型的なイオン導入手順の経過時間とともに変化する。従って、DC信号を付与
すると、最初は電気穿孔法の状態になるが、時間とともに、孔の特性が変化する
。この傾向は、組織電気抵抗の変化および/またはイオン導入法による輸送中の
時間とともに輸率が変化することによってモニタリングされ得る。輸率の可変性
は、組織にわたり輸送される薬剤の量が時間とともに変化し、効果的に制御、モ
ニタリングまたは予測され得ないことを意味する。定電流DC法を用いて電気穿
孔法の範囲を制御する場合の問題は、患者間患者内で非常に可変になることであ
る。従って、輸送される薬剤の量が時間の関数として変化するだけでなく、さら
に、同一の個人に関する日々の変化、および人による変化がある。
【0007】 さらに別の問題は、イオン導入中に形成される副産物の作用である。複数の直
流システムを用いる場合、輸送は水による加水分解がともない、これは電極にお
いて著しいpHのシフトを引き起こす。特に、プロトンはアノードに蓄積し、水
酸化物イオンはカソードに蓄積する。このようなpHシフトは、電気化学処理に
よる焼灼(electrochemical burn)を生じ、組織の損傷を
引き起こし得る。さらに、水による加水分解は、ガスを形成し、これは電極素子
と組織表面との間の接触、従って電気伝導を妨げる。純(pure)ACの使用
は、水による加水分解および次に続く組織の刺激およびガス形成の問題を改善す
る。
【0008】 これらの問題に対処するために、定電流信号ではなく、異なった波形の信号お
よびパスルDC信号の使用を含む種々の方法が試された。パルスDC信号の使用
は、理論的に、皮膚キャパシタンスが放電することを可能にし、これによってよ
り制御された電流の流れおよび薬剤の輸送を可能にすることによって、改善され
た性能を提供することが提示された。しかしながら、複数のDCパルス法は、定
電流DC法と同じ一般的問題の少なくともいくつを抱えている。
【0009】 以下の米国特許は、一般的なパルスDC法の例示である。Van Groni
ngenによる第5,391,195号、Newmanによる第4,931,0
46号およびChienらによる第5,042,975号である。特定のDC法
は、パルスと連続電界の組み合わせ(例えば、Hofmannによる米国特許第
5,968,006号を参照)を用いる。しかしながら、これらの先行する特許
の各々は、これらの特許が物質を、組織を横断して個人の体内に送達する方法の
みについて述べることにとどまる。これらの特許は、体から組織にわたって化合
物を抽出する方法に関する議論を含まない。さらに、これらの特許は、イオン導
入を実行するためのDC信号の使用についてのみ議論する。これらの特許は、輸
送を達成するためにAC信号がどのように利用され得るかについての議論を含ま
ない。特に、これらの特許は、輸送される物質(単数または複数)の実質的に一
定の輸送レベル(例えば、輸率)を維持するために実質的に一定の電気的状態を
どのように維持するかについて議論していない。
【0010】 上記のイオン導入に関する文献は、電導性イオン導入においてAC信号を利用
することについて教示されていない。AC信号は、イオン導入による効果的な輸
送を達成するための必要な駆動力を欠くと複数の当業者に信じられてきた。その
代わりに、荷電化学種を輸送するために付与されたDC信号の駆動力が必要とさ
れるという見解がある。AC信号が双方向性の性質を有しているために、AC信
号の使用は、よくても非能率的な輸送をもたらし、回路網輸送はおそらく全く行
なわれないという結論に多くの人を導いた。例えば、米国特許第5,391,1
95号において、「(交流の)負のパルスは、正のパルスに逆効果をもたらし、
それによって治療の有効性を低減する」ことが記載される。
【0011】 それにもかかわらず、特定の研究者は、導電性イオン導入法における特定の目
的のためにAC信号を用いることを述べている。例えば、Sabalisによる
いくつかの特許(例えば、米国特許第5,312,325号;第5,328,4
54号;5,336,168号および第5,372,579号を参照)は、患者
の皮膚に周期的な電気的変化を付与するために電流発振器が利用されるシステム
について述べる。皮膚の電位および抵抗の周期的な変化をトリガーする目的は、
治療中の個人の自然な送達リズムを補強することである。一部の特許は、逆の電
荷(例えば、米国特許第5,328,453号を参照)を有する複数の物質(例
えば、薬物、および血餅の形成を抑制する物質)をより効率的に送達する方法と
してのAC信号の使用について議論する。その他の特許は、AC成分を含み得る
分離するか、または重なり合う一連の波形の適用を含む方法について述べている
(例えば、Sabalisによる米国特許第5,135,478号および5,3
28,452号およびLissらによる米国特許第5,421,817号を参照
)。しかしながら、Lissらは、極性の逆転は「薬物の経皮送達を逆にするか
、または速度をおとす傾向があり」AC信号の使用は好適ではないという見解を
補強する。
【0012】 さらに、DC法(Howardらによる「Arch Phys.Med.Re
habil.76(1995年)463〜466、およびTapperらによる
米国特許第5,224,927号を参照)を用いて生じ得る電気化学処理による
焼灼を最小限にするための、イオン導入法におけるAC信号の使用に関する文献
においていくらか述べられている。発汗過多の治療等の関連する方法においてA
C信号を用いるように(例えば、ReinauerらによるBr.J.Derm
.129、1993年、166〜169ページを参照)、受動的またはイオン導
入法による薬物の輸送の後、皮膚の刺激を制御および低減するためにAC信号を
用いることも述べられている(例えば、OkabeらによるJournal o
f Controlled Release、Volume4、1986年、7
9〜85ページを参照)。一部の研究者(Dinhによる米国特許第6,018
,679号を参照)は、電流の短時間の反転(brief current r
eversal)の使用を、イオン導入による化合物の送達に続く、潜在的刺激
性化合物を組織から引き出す手段として研究した。
【0013】 しかしながら、これらの特許または論文のいずれも、人体から物質を組織にわ
たって抽出する論点または問題について述べていない。その代わりに、これらの
特許および刊行物は、薬剤を個人の体内に送達することに焦点を当てている。さ
らに、これらの特許または刊行物のいずれも、AC信号を用いて実質的に一定の
電気的状態を維持し、予測可能な方法で抽出を制御することについて述べていな
い。
【0014】 限定的な数の特許は、個人の身体から物質を組織にわたって抽出する場合にイ
オン導入を用いる特定の方法について述べる。Weaverらによる米国特許第
5,019,034号は、一連の短いDCパルスを利用して電気穿孔、特に、可
逆電気的破壊と呼ばれる状態を誘導する方法について述べる。種々の力が、その
後、利用され得、組織にわたる物質の抽出を達成する。電気穿孔が一度作製され
ると、DCパルスの性質(例えば、パルス持続時間、形状および周波数)は輸送
が完了するまで維持される。Guyらによる米国特許第5,730,714号お
よび第5,362,307号ならびにGlikfeldらによる米国特許第5,
279,543号は、特定の電極構成という点で特徴付けられる装置を利用する
イオン導入法によって物質を抽出および送達する方法について述べる。Tama
daによる米国特許第5,771,890号および第6,023,629号は、
直流の方向が、物質のサンプリング中、周期的に反転される特定の方法について
述べる。‘890号および‘629号の特許において議論される電流の反転の周
波数は、通常、非常に低く、20秒毎に1周期〜4時間毎に約1周期の範囲内で
ある傾向がある。GuyらおよびGlikfeldらにより議論される方法はD
C法に限定され、WeaverらはDCパルス法のみについて述べる。先行する
すべての特許および刊行物と同様に、Weaverら、Guyら、Glikfe
ldらおよびTamadaも実質的に一定の電気的状態を維持するためのAC信
号の使用について議論されていない。
【0015】 従って、先行する特許および論文のいずれも、実質的に一定の電気的状態およ
び実質的に一定の電気穿孔状態を維持し、輸送の時間中、組織にわたる物質の輸
送、ならびに特に、物質の抽出が予測可能および制御可能な方法で行なわれるよ
うにする課題に取り組んでいない。複数のイオン導入法に悪影響を及ぼす被験者
内および被験者間(intra−and intersubject)の可変性
を低減する方法についても議論されていない。
【0016】 (発明の要旨) AC信号を利用して組織にわたって異なった物質を抽出する方法が提供される
。この方法は、個人の体内に位置する内因性物質、製薬化学物質、疾病および代
謝産物の標識等の多数の異なった物質を抽出するために利用され得る。抽出プロ
セス中、AC信号が用いられ、抽出が行なわれる組織の領域において実質的に一
定の電気的状態を維持し、これによって、制御され、かつ予測可能な方法で組織
にわたって物質が輸送される。この方法は、幅広い用途において利用される。例
えば、特定の方法が種々の治療的処置において利用され得、代謝産物または製薬
剤のレベルをモニタリングする。他の方法は、診断用途において利用され得、例
えば、疾病標識の存在を検出する。
【0017】 従って、特定の方法は、1つ以上の電気的信号を供給することによって、人体
から組織を通って物質を抽出することを含む。これらの電気的信号のうちの1つ
はAC信号であり、組織に付与される。AC信号は、その後、組織の領域内で実
質的に一定の電気的状態を維持するように調節され、実質的に一定の電気的状態
の維持は、物質の抽出を容易にする。AC信号は、典型的には、物質が抽出され
る期間の間中、組織の領域において、電気穿孔の実質的に一定の状態を維持する
ように調整される。いくつかの方法と同様に、AC信号によって維持される電気
的状態は、導電性または電気抵抗性である。組織に付与されるAC信号は、基本
的に、任意の波形を有し得る。波形は、対称または非対称、従って、例えば、四
角、正弦、鋸歯、三角および台形の形状であり得る。AC信号の周波数は、他の
例においては、周波数は約1Hz〜約1kHz、または約1kHz〜約30kH
zの範囲内であるが、少なくとも1Hzである傾向がある。
【0018】 他の抽出方法は、AC信号の前に組織に付与される任意の電気的前パルスを含
み、組織を通って抽出が行なわれるべき組織の領域内で電気穿孔を誘導する。前
パルスは、AC信号か、またはDC信号のどちらかであり得る。前パルスの電圧
は、概して、約1〜約90V、他の例においては約5〜約20V、さらに別の例
においては約20〜約40V、およびまたさらに別の例においては約40〜約9
0Vの範囲内である。実際の電圧は、これらの範囲内の任意の特定の電圧または
電圧の範囲であり得る。
【0019】 組織にわたる物質の抽出は、AC信号により誘導された、電気穿孔された領域
にわたって受動的拡散を介して起こり得る。しかしながら、特定の方法は、任意
のDCオフセット信号を利用し、この信号はAC信号と組合されて組織に付与さ
れる。DCオフセット信号は、実質的に一定の電気的状態に保たれる領域にわた
って物質の抽出を促進するために効果的である。DCオフセット信号は、通常、
物質の抽出中、実質的に連続的に付与され、電圧または電流を含み、抽出レート
を制御するために効果的である。DCオフセット信号は、典型的には、約0.1
〜5Vおよび約0.01〜0.5mA/cmの範囲にあるが、任意の特定の電
圧、電流または電圧のスパンあるいはこの範囲内の電流を含み得る。特定の方法
において、DCオフセット信号は、組織と接触する2つの電極を利用して付与さ
れ、DCオフセット信号の電流の流れの方向は、2つの電極間で周期的に反転さ
れる。
【0020】 さらに別の方法は、前パルスおよびDCオフセットの両方をAC信号と組合せ
、組織にわたって物質を抽出する。このような方法は、概して、電気的前パルス
をAC信号より前に組織に付与し、領域内に電気穿孔を誘導する。DCオフセッ
ト信号も組織に付与され、AC信号により実質的に一定の電気的状態で維持され
る領域にわたって物質の抽出を促進するために効果的である。
【0021】 この方法は、異なったタイプの組織の変形を用いて利用され得、動物と植物の
組織の両方を含む。組織は、身体の表面の部分であり得るか、または人工的な性
質のものであり得る。通常、組織は、皮膚組織または粘膜組織、特に、人の皮膚
または粘膜組織である。荷電および非荷電物質を含む物質の変形がさらに抽出さ
れ得る。
【0022】 (詳細な説明) (I.定義) 本発明を説明する前に、他に明記なき限り、本発明は特定のイオン導入抽出デ
バイス、モニタリングされることが可能な物質等に限定されないことが理解され
る必要がある。なぜならこれらには様々な種類があり得るからである。本明細書
中で使用される専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的で用いられ、限
定することを意図しないことも理解される必要がある。
【0023】 本明細書および添付の請求項において用いられるように、単数形「a」、「a
n」および「the」は、文脈が明確に示さない限り、複数の対象物を含む。
【0024】 本発明の説明および請求項において、以下の用語は以下に挙げられた定義で用
いられる。
【0025】 「体」が抽出プロセスに関して用いられる場合、組織にわたって抽出されるべ
き物質を含む源に関する。典型的には、体は動物の体であり、最も典型的には人
の体である。このような例において、この用語は、皮膚、下に有る組織または循
環する血液を含み得る。
【0026】 用語「体表面」は、皮膚または粘膜組織と関係付けて用いられ、粘膜の内層を
有する体腔の内面を含む。用語「皮膚」は「粘膜組織」を含むと解され、逆に「
粘膜組織」は「皮膚」を含むと解される。
【0027】 組織の「領域」は、1つ以上の信号を付与することによって電気穿孔される組
織の領域のことであり、この領域にわたって物質が抽出される。従って、体表面
の領域は、皮膚の領域または粘膜組織のことであり、これらにわたって物質が抽
出される。
【0028】 用語「電気穿孔」は、概して、誘導が原因であると信じられている組織の浸透
性の増大および/またはイオン導入プロセス中に抽出され得る組織内の孔の大き
さおよび/または数の増加のことである。従って、用語「電気穿孔状態」は、電
気穿孔された組織の浸透性のことである。
【0029】 本明細書中で用いられるように、用語「治療すること」および「治療」は、症
状の重症度および/または頻度の低減、症状および/または内在する原因の除去
、症状および/または内在する原因の出現の予防、および損傷の改善または治療
のことである。
【0030】 用語「薬理学的活性薬剤」、「製薬化学的薬剤」、「薬物」および「治療的薬
剤」は、本明細書中で交換可能に用いられ、被験者に投与するために適切な化学
物質または化合物、および所望の効果を誘導する化学物質または化合物のことで
ある。この用語は、治療に効果的である物質、および予防に効果的である物質を
含む。この用語は、さらに、所望の効果を誘導する活性代謝産物を含む誘導体、
およびこれらの化合物の類似物、または具体的に研究された化合物のクラスも含
む。
【0031】 本明細書中で用いられるように、「個人」または「被験者」は、人および動物
の両方の被験者を含む。
【0032】 (II.概要) 制御され、かつ予測可能な組織にわたる物質の輸送の種々の方法が本明細書中
に開示される。特に、これらの方法は、個人の体から1つ以上の物質を抽出する
ために用いられる。これらの方法は、部分的に、AC信号のみか、または1つ以
上のACまたはDC信号との組合せが、輸送が行なわれる組織の領域において、
実質的に一定の電気的状態を誘導および維持するために利用され得る。このよう
な電気的状態を維持することによって、領域内の組織の浸透性を維持し得、領域
内の孔の大きさ、孔密度および表面電荷密度は維持される。電気的信号を付与し
て組織の浸透性を高めるプロセス(例えば、組織内に孔を生成または拡大するこ
と)は、電気穿孔法と呼ばれ、このように取得される浸透度は、電気穿孔の状態
と呼ばれる。
【0033】 この方法で組織の浸透性または電気穿孔状態を制御することは、磁束における
可変性が組織にわたって低減されることを可能にして、輸送される物質の、実質
的に一定の輸率が達成される。フラックスの可変性を順次低減するということは
、代謝産物、毒素、疾病標識または以前に投与された医薬品等の物質を、制御さ
れ、かつ予測可能な方法で抽出し得ることを意味する。患者内患者間の抽出レー
トの可変性も、本明細書中で開示される特定の方法を用いて最小限化され得る。
電気的状態、従って組織の電気穿孔度は、組織の導電性または抵抗をモニタリン
グすることによって、または組織の浸透度と相関する、類似の電気的パラメータ
を測定することによって確認され得る。
【0034】 AC信号は、実質的に一定の電気的状態を維持するように調節されるが、組織
にわたる物質の輸送は種々の方法で達成され得る。組織の一方の側の物質の濃度
が、組織のもう一方の側よりも著しく高い場合(例えば、皮膚の内側に対して外
側)、電気穿孔領域を通る物質の輸送は、受動的拡散、フィック駆動の拡散によ
り達成され得る。他の方法は、AC信号のDCオフセットを電気穿孔領域に付与
し、領域にわたって物質を駆動し、その輸送レートを高めることを含む。特定の
方法は、所望の電気的状態を迅速に獲得するための任意の前パルスを含み、所望
の電気的状態は、その後、AC信号によって維持される。前パルスは、AC信号
またはDC信号のどちらかであり得る。従って、本明細書中に提供される方法は
、単に、AC信号(「ACプロトコル」または「ACオンリープロトコル」)、
AC信号とDCオフセット信号の組み合わせ(「AC+DCオフセットプロトコ
ル」)、を含み得、これらのうちのいずれも、ACまたはDC前パルスとさらに
組合され得る。
【0035】 本明細書中で提供される方法は、従来のDC導入法またはパルスDCイオン導
入法による送達または抽出方法と著しく異なる。発明の背景の節において説明さ
れたように、一定の電流DC法およびパルスDC法の著しい欠点は、これらが組
織浸透性または電気穿孔の、実質的に一定の状態を維持できないことである。直
流を用いる場合、電気穿孔された組織の領域内の、例えば電気抵抗等の電気的特
性は、イオン導入中、時間とともに変化し、これにともなって孔の輸送特性が時
間とともに変化する。実質的に一定の電気穿孔された状態を維持できないという
ことは、組織にわたる薬剤を制御可能および予測可能に抽出する定電流DC法の
能力を著しく制限する。例えば、Tamadaによる米国特許第5,771,8
90号および第6,023,629号において、DCは「磁束のシフト」をもた
らし、これは母平均数学アルゴリズムを用いて補正されなければならない。本発
明の方法は、輸送が行なわれる期間中、実質的に一定の電気的状態を維持するこ
とによって、この問題を改善し得る。
【0036】 (III.種々の方法の説明) (A.概要) 本明細書中に記載される種々の方法の一般的な特徴は、AC信号を用いて実質
的に一定の電気的状態を維持して、体表面等の組織にわたって物質を抽出する際
の磁束の可変性を制限することである。電気的状態は、典型的には、抽出が行な
われる間の時間にわたって維持される。実質的に一定の電気的状態、および電気
穿孔の状態を維持することによって、有効孔密度、穴の大きさおよび孔表面の負
荷密度は、治療の手順の間、基本的に一定の状態で保たれる。これは、同様に、
抽出される物質が、実質的に一定で制御および決定できる輸送レートを可能にす
る。
【0037】 本明細書中で用いられるように、用語「AC信号」は、概して、周期的に方向
を逆転させる電気的信号(例えば、電流または電圧)のことである。さらに後述
されるように、典型的には、AC信号は、少なくとも約1Hzの周波数を有する
。「電気的状態」という用語は、電気穿孔される組織の浸透性の測定値と相関す
る状態、またはこの測定値のことであり、これは電気値として測定され得る。実
質的に一定の電気的状態は、実質的に一定の電気穿孔状態と相関する。実質的に
一定の電気的状態は、例えば電気穿孔される領域内の実質的に一定の抵抗かまた
はコンダクタンスによって、および/または抽出される物質の、実質的に一定の
輸率(特定の物質によって運ばれる全電流に対する比)によって証明される。
【0038】 この方法は、荷電化学種および非荷電化学種の両方を含む種々の物質の制御、
および予測可能な抽出のために用いられ得る。イオン導入法において典型的であ
るように、浸透体は、主に、荷電実態である傾向がある。しかしながら、本明細
書中に記載された方法は、荷電分子の抽出のみに限定されない。本明細書中で述
べられる方法は、非荷電物質の抽出に利用され得る。
【0039】 これらの方法は、組織にわたって、より具体的には組織の領域にわたって物質
の抽出を達成する方法が立案される。本明細書中で用いられるように、「組織」
は同様の細胞または細胞成分の集合体を意味するように定義される。細胞は、特
定の機能の実行において統一的である。組織は、生体の部分、生体から摘出され
た部分、または人工物であり得る。人工組織は、人工組織中で細胞の集合体が培
養され、生体内の組織と同様の機能をするものである。しかしながら、集合化さ
れた組織は、宿主(すなわち、生体)から取得されない。人工組織は、インビボ
またはインビトロで培養され得る。人の皮膚は、例えば、インビトロで培養され
得、細胞の集合体を取得し、単層の厚さまたはそれよりも大きい。これは、培養
液中の皮膚組織か、または生きた宿主に一旦移植された皮膚組織として機能し得
る。本発明の特定の方法を用いて利用され得る特定のタイプの人工組織は、例え
ば、米国特許第4,458,678号、第4,485,096号および第4,3
04,866号において述べられる。
【0040】 特定の方法は、人または動物の組織を用いて実施される。従って、これらの方
法は、人の患者に対する種々の臨床的用途および獣医学的用途において利用され
得る。動物に対して実施される場合、動物は基本的に、提供される任意の種類の
動物であり得、動物は、電気的信号が付与されることによって中に孔が生成され
得る組織層を有する。従って、特定の方法は、例えば、犬および猫等の家内動物
、馬、牛、羊および豚等の家畜、外来動物、爬虫類、鳥および両生類を用いて実
行され得る。さらに、他の方法は、植物または植物細胞培養物を用いて実行され
る。
【0041】 いくつかの例において、組織は、人等の動物の体表面、特に皮膚、あるいは口
、鼻、直腸または膣、あるいは他の類似の腔等の粘膜組織である。従って、物質
は、皮膚、下にある組織、または循環する血液から収集リザーバ内に抽出され得
る(下記参照)。
【0042】 (B.AC信号) (1.概要) 付与されるAC信号の特定の機能は、実質的に一定の電気的状態を維持する目
的を達成することを支援し、一方で、DCベースの方法と関連付けられたいくつ
かの問題を回避する。例えば、既存のDC経皮性イオン導入技術の問題は、この
ような方法が、皮膚抵抗が経時的に変化することを許すことである。これは、次
に、薬剤が組織にわたって抽出されるレートを変化させる。しかしながら、AC
信号の使用は、この問題を低減し得る。AC成分は、極性を連続的に逆転させる
ので、組織は、実質的に輸送手順にわたって減極された状態で保たれ、従って、
電荷をあまり蓄積せず、孔の大きさを変更する。
【0043】 AC信号も、新しい孔の形成を誘導することによって、および/または既存の
孔を拡大することによって、輸送を促進するように働く。AC信号の適用は、電
気浸透を介して、同時に輸送が強化されることなく新しい孔を生成し得ることが
現在の発明者によって見出されている。従って、AC信号の適用によって強化さ
れた輸送は、少なくとも部分的に新しい孔が生成された結果である。(例えば、
Liらによる「J.Pharmaceutical Sciences 88」
1999年、419〜427ページを参照。この発明は、参考のため本明細書中
で援用する)。新しい孔を生成することによって、AC信号の適用は、受動拡散
のみと比較して、抽出のレートを著しく増大し得る。
【0044】 さらに、複数の当業者は、荷電化合物を輸送するためにDC電界が必要とされ
、AC信号はイオン導入による輸送のために必要な駆動力を欠くと考えたが、本
発明者は、ACイオン導入法は、直接電界効果(すなわち、電気泳動)を取除か
ず、この効果の約10%までが、比較的低い周波数AC(例えば、10Hz〜1
kHz)の状態で保たれることを発見した。任意の特定の理論に縛られることを
意図しないが、このACフラックス強化現象は、皮膚にわたる目標物質の非対称
的境界条件の結果であると考えられる。従って、AC信号は、低減された直接電
界効果および電気穿孔を介して、電極の電気化学反応による複雑さがなく、イオ
ン物質の輸送を増大する手段も提供する。
【0045】 抽出中の増大されたレベルの制御のほかに、AC信号の利用によって取得され
得る他の利益が存在する。例えば、輸送中のAC信号の適用は、従来のDCイオ
ン導入法と比較して、皮膚への刺激を少なくし、不快のより高い閾値を有する。
すなわち、高周波数ACを用いることは、所与の電流で、DCよりも、あまり不
都合でない感覚/痛みをもたらす。従って、イオン導入法のためにAC電界を使
用することは、イオン導入のためにDCを用いるよりも良好である(例えば、D
alziel&Mansfield、AIEE Trans、1950年、Vo
lume69、1162〜1168ページ、およびDalziel&Masso
glia、AIEE Trans、1956年、Volume75、49〜56
ページを参照)。周波数、電気穿孔および感覚の関係は、別の理由で重要である
。皮膚における孔の誘導の広がりへの周波数効果の結果は、低いAC周波数領域
(例えば、10〜250Hz)における孔の形成の広がりにおける周波数に対し
て非常に小さい依存度を示す。これらの結果は、皮膚における孔の誘導に対する
周波数の依存度は、感覚閾値に対する依存度よりも低いことを示す。従って、最
適なAC周波数領域は、AC法において利用され得、この方法で、高いAC電圧
が用いられ、孔の誘導の広がりを増大し、最低の感覚および刺激を伴う輸送を強
化する。
【0046】 (2.組織へのAC信号の付与) 極めて詳細に後述されるように、AC信号(および任意の前パルスおよびDC
オフセット信号)は、通常、治療される組織と接触して配置される、少なくとも
1対の電極を用いる組織に付与される。少なくとも1つの電極は、抽出されるべ
き物質(例えば、代謝産物)を受取るリザーバを含む。この電極は、輸送が行な
われるべき組織の領域上に配置される。第2の電極も、組織と接触して配置され
、電源を有する電気回路を形成するように配置される。AC信号は、組織にわた
る薬剤の輸送の条件を最適化する賦形剤を用いて、または用いずに実行され得る
【0047】 人に対して実施される方法については、電極は、しばしば、最も外側の皮膚層
、すなわち角質層と接触して配置される。AC信号の適用は、任意の前パルス信
号と組合せて、皮膚内に孔を生成および維持し、これによって、物質が角質層に
わたって輸送され、それを受取るリザーバまたは画分へ輸送されることを可能に
する。
【0048】 付与されたAC信号は、所望の電気的状態を効果的に導入および/または維持
するために適切な電圧および波形であり、その状態は、孔のない組織と比較して
、物質の強化された輸送を可能にする電気穿孔された状態である。通常、目標の
電気的状態は、選択された電気抵抗または電気コンダクタンスである。あるいは
、さらに、電気抵抗またはコンダクタンス値が決定され得る他の電気的パラメー
タ、および組織の浸透度に対応する任意の他のパラメータがモニタリングされ得
る。通常、AC信号は、物質の抽出が行なわれている間の時間にわたって、実質
的に一定の電気的状態を維持するように付与される。抽出に要する実際の期間は
、用途の性質に著しく依存して変化する。いくつかの用途は、約10分で実行さ
れ得、他の用途は12〜24時間またはそれ以上続き得る。
【0049】 抽出が実行される時間において、AC信号は、選択された目的値で電気的状態
を維持するか、またはより典型的には、目標の範囲内に維持するように、必要に
応じて変更される。最も典型的には、これは、印加される電圧の振幅および/ま
たは周波数を変更することによって達成される。患者の皮膚の電気抵抗がモニタ
リングされる方法に関して、目標の抵抗は、人によっていくらか異なり得る。し
かしながら、目的抵抗は、一般的に、約1〜30kΩ・cm、より典型的には
5〜15kΩ・cm内の値である傾向がある。目標の抵抗は、さらに、患者の
初期抵抗の固有化であり得る。概して、目標の抵抗は、初期抵抗の約0.1〜1
0%であり、より典型的な値は0.1〜1%の範囲内である。
【0050】 AC信号は、通常、選択される目的値を維持し、測定された値が目的値の約2
0%よりも増減しないように、必要に応じて付与される。従って、目的が5kΩ
・cmの場合、AC信号は、測定された抵抗を約4〜6kΩ・cmの範囲内
に保持するために必要に応じて変更される。特定の他の方法において、揺らぎは
目的値の10%未満に制限され、さらに他の方法において、約1%未満に制限さ
れる。
【0051】 AC信号の周波数、波形および持続時間は、選択された電気的状態を所望の範
囲内に維持するために効果的な間、変動し得る。しかしながら、AC信号の周波
数は、一般的に、少なくとも約1Hzである傾向がある。特定の方法において、
付与された周波数は、通常、約1Hz〜約1kHzの範囲内に含まれ、他の方法
においては、周波数は、通常、約1kHz〜約30kHzの範囲内である。実際
の周波数は、これらの範囲内の任意の特定の値か、またはこれらの範囲内の値の
範囲であり得る。多様な波形が利用され得る。適切な波形は、対称および非対称
の両方の波形を含み、四角、三角、正弦、鋸歯および台形の形状等を含む。
【0052】 信号が付与される組織の領域の大きさは、用途の性質に著しく依存して異なり
得る。いくつかの例において、領域は1cm未満である。通常、電気穿孔され
た領域および物質が抽出される領域は、約1cm〜約200cmである傾向
がある。領域の大きさは、他の用途においてより小さい傾向であり、約5cm 〜約100cmに及ぶ。さらに他の方法において、領域は、約5cm〜約3
0cmである傾向がある。領域の大きさは、さらに、これらの範囲内の特定の
値またはこれらの範囲内の値の範囲であり得る。領域の形状は、任意の幾何学的
形状であり得、任意の1つの特定の形状または形状のタイプに限定されない。
【0053】 (3.中性化学種の輸送) DC成分なしで輸送を実行する、AC信号を利用する方法は、組織にわたる中
性物質(例えば、グルコースまたはエタノール)を抽出するために有用であり得
る。本発明の発明者は、さらに、DCを付与せず、約1Hzより上の周波数でA
C信号が用いられて行なわれる方法は、電気穿孔をほとんど含まないか、全く含
まないことを見出した。従って、AC信号のみを利用して抽出を実行するとき、
とるに足りない電気穿孔が存在する。さらに、中性薬剤を輸送すると、電気穿孔
は存在しない。この状態での輸送は、受動拡散と類似であるが、新しい孔の誘導
(すなわち、より高い皮膚の孔隙率)が原因で強化されおよび/または電気穿孔
のために孔隙率が増大または増加される。
【0054】 ACのもとでの中性物質の輸送は、伝統的な定電流DCシステムを用いるより
も結果として(主に電気穿孔が不在のため)磁束が少なくなり得るが、主にAC
信号を用いる方法は、それにもかかわらず有用である。なぜなら、可変の孔表面
と関連付けられた患者内患者間の可変性が最小化されるからである。さらに、中
性浸透体については、静電物質が皮膚へ分配されず、孔の大きさは、比較的一定
の状態で保たれるようである。プロセスにおける輸送の変動を最小化する能力は
、特定の既存のグルコースモニタリングデバイスによって必要とされる頻繁な指
穿刺較正(finger pricking calibration)(例え
ば、Cygnus(R)によるGlucowatch Biographer )の必要を未然に防ぐ。このような較正の回避は、(例えば、グルコースモニ
タリング等)モニタリングデバイスの使用において患者のコンプライアンスを著
しく向上する。
【0055】 (C.任意の前パルス) 比較的高電圧DCまたはACの前パルスは、選択的に組織に付与され得、目標
の電気的状態、または必要に応じてAC信号を調節することによって、実質的に
維持される電気穿孔の状態を迅速に達成する。前パルスが所望の電気的状態を組
織に一度獲得させると、抽出される物質の磁束は、実質的に一定の電気的状態を
AC信号(例えば、実質的に一定の抵抗またはコンダクタンス)を利用して電気
穿孔された領域内で維持することによって制御され得る。AC信号は前パルスと
して利用されると、この信号は、実質的に目標の電気的状態を維持するために利
用され得る。AC前パルスには、さらに、分離AC信号が続き、目標の電気的状
態を維持し、これは通常、前パルスの終了の直後に付与される。
【0056】 所望の電気的状態を獲得するためにAC信号のみが用いられ得る場合、前パル
スを用いる利点は、これが所望の電気的状態を確立するプロセスを加速し得るこ
とである。しかしながら、前パルスなしで、主にAC信号だけを用いることに付
随するより長い期間は、DCオンリープロトコルと比較して依然として好適であ
る。なぜなら、ACオンリープロトコルは、依然として予測可能かつ安定した電
気的状態をもたらし、これは組織の一定の輸送特性を高める。このことは、DC
信号だけを適用するときには起こらない。
【0057】 通常、AC前パルスまたはDC前パルスの特性は、所望の電気的状態を取得す
るために効果的であるように選択される。典型的には、これは、前パルス信号が
目標の電気抵抗またはコンダクタンスを獲得するために付与されることを意味す
る。前パルスの電圧は、しばしば、約1〜約90Vの範囲にある。他の方法にお
いて、電圧は約9〜約20Vの範囲にある。さらに他の方法において、電圧は、
約20から約40Vであり、他の方法においては約40〜約90Vである。
【0058】 AC前パルスが利用される場合、AC前パルスは対称または非対称であり得る
。種々の適切なAC前パルス波形が用いられ得、方形波形、正弦波形、鋸歯波形
、台形波形および三角波形を含むが、これらに限定されない。前パルスの持続時
間は目標の電気的状態を達成するために十分に長い。前パルスの持続時間は、部
分的に、前パルスの電圧に依存する。従って、前パルスは、通常、10マイクロ
セカンド〜20分である。前パルスが利用される場合、これもDCで有り得るか
、または種々の波形に供給され、波形の形状は、例えば、四角、三角、台形また
は鋸歯である。前パルスは、目標の電気的状態を確立するために十分な持続時間
を有する。
【0059】 (D.任意のDCオフセット信号) 組織にわたる輸送を行なうためにAC信号のみを用いる方法は、主に受動拡散
を含み、輸送を達成する。しかしながら、上述のように、輸送は荷電物質および
非荷電物質の両方の純粋に受動的な輸送を介して向上される。なぜなら、AC信
号は電気穿孔を誘導し、ACプロトコルと関連付けられた小さい直接電界効果が
存在するために、この穿孔を通って物質、具体的には、イオン化合物が拡散し得
る。抽出を促進し、抽出プロセスを加速するために、AC信号は、選択的に、D
Cオフセット信号と組合され得る。この組合せを利用する方法は、時には、「A
C+DCプロトコル」と呼ばれる。この信号の特定の組合せを用いて、AC信号
は、主に、組織の領域を実質的に一定の電気的状態で維持するために利用され、
輸送を強化する浸透性のレベルを維持する。DCオフセット信号は、輸送をさら
に増大するために付与され、物質の抽出を促進する。一定の電気的状態を維持す
るようにAC信号を調整することは、通常、DCオフセットで駆動された輸送を
妨害しない。信号のこのような組合せを用いて、組織にわたる物質の比較的安定
したレートの抽出が達成され得る。これは、DC信号のみを用いて輸送を達成し
、薬剤のフラックスがしばしば予測不可能である従来の方法と対照的である。
【0060】 一般的事項として、組織に付与されるDCオフセット信号は、通常、組織にわ
たって輸送される物質の抽出の実質的に一定のレートを維持するために効果的で
ある。従って、DCオフセット信号のタイミングおよび持続時間は、この目標に
よって決定される。物質が抽出されるレートは、組織の電気抵抗またはコンダク
タンス、およびDCオフセット電圧または電流によって制御され得る。
【0061】 DCオフセット信号は、しばしば、AC信号の付与と基本的に同時に付与され
る。このタイミングは、例えば、前パルスが所望の電気的状態をすでに確立した
ときに適切である。しかしながら、他の方法において、DCオフセット信号は、
AC信号が開始された後まで遅延される。遅延は、例えば、前パルスがAC信号
が目標の電気的状態を確立することを可能にすることなく行なわれる方法の場合
に適切であり得る。しかしながら、DCオフセットは、DCオフセット干渉がな
く、前パルスを用いて最初に目標の電気的状態を確立するこれらの方法に関して
さえも、少しの間遅延され得る。このような遅延があった場合、通常、比較的短
く、通常、10分未満である。通常、DCオフセット信号の電圧は、約0.1V
〜約5Vの範囲にあり、他の方法において、電圧は約0.1V〜約2.5Vの範
囲にある。電流の範囲は、通常、0.01〜約0.5mA/cmである。
【0062】 (E.例示的方法) 上述の電気的信号は、種々の組合せで組合され得、組織にわたって物質を抽出
するための種々の異なったプロトコルを生成する。例示的方法が続く。方法が、
多数の異なった組織タイプを用いて実施され、組織の電気的状態を評価するため
に異なったパラメータがモニタリングされ得る一方で、このような方法は、しば
しば、人の組織を用いて実行され、皮膚の電気抵抗またはコンダクタンスをモニ
タリングすることを含む。以下の例は、例示のみを意図し、限定することは考慮
に入れられていない。
【0063】 (1.ACオンリープロトコル) 図1は、方法50を図示し、これは、(例えば、目標の皮膚抵抗またはコンダ
クタンス等の)目標値または範囲の選択52で始まる。上述のように、選択され
た特定の目的は、処置される個人、および抽出される物質の性質にいくらか依存
して変動し得る。次にAC信号が付与され(54)、所望の目標の電気的状態を
獲得し、組織にわたる物質の抽出を容易にする。上述のように、前パルスを用い
ず、AC信号のみの付与は、所望の目的を達成するために長期間を必要とし得る
。それでもなお、AC信号の付与は、上述の理由で、単純な受動拡散を介して輸
送を著しく向上する。さらに、極性を反転することによるAC信号は、組織が脱
分極され、組織の表面における荷電化学種の増大に対してあまり敏感でない状態
に組織を保つ。AC信号は、さらに、皮膚浸透性の比較的一定のレベルを維持し
、これは、比較的一定の、制御され、予測可能、および決定可能な組織にわたる
物質の抽出を可能にする。
【0064】 AC信号が付与される時間において、連続的または周期的に組織の電気的状態
が測定され(58)、組織の電気的状態が目標の範囲内にあるかどうかを決定す
る。電気的状態は、目標の範囲内にある場合、AC信号は改変せずに付与される
。しかしながら、測定された電気的状態が目標の範囲の外側にずれる場合、AC
信号は調節され(60)、電気的状態を目標の範囲内に戻す。AC信号は、組織
にわたる所望の量の物質を実質的に一定のレートで抽出するために十分な期間の
間付与され、この後、この方法は終了する(62)。
【0065】 (2.AC+前パルスプロトコル) 1つのAC+前パルス法70の模式図が図2に示される。この特定のアプロー
チを用いて、目標の電気的状態の選択72はACオンリープロトコルに関して説
明されたとおりであり、図1に示される。しかしながら、AC信号の付与78の
前に、ACまたはDC前パルスが組織に付与され(74)、選択された電気的状
態を比較的早く獲得する。目標の状態が達成された(76)と一度判定されると
、AC信号が組織に付与される(78)。電気的状態は、前の節で説明されたよ
うに、連続的または定期的にモニタリングされ(82)、抽出が行われる期間に
わたって目標の電気的状態を維持する。AC信号は、必要に応じて調節され、目
標の状態を維持する。抽出期間が一度完了される(80)と、手順は終了する(
86)。
【0066】 (3.AC+DCオフセット) 図3は、AC+DCオフセットプロトコルを利用する方法90の主な局面を図
示する。方法の初期のステージは、通常、目標の電気的状態の選択92を含むA
Cオンリープロトコルに関して説明されたステージをたどる。しかしながら、こ
の特定の方法は、AC信号およびDCオフセット信号が組織に付与される(94
)。DCオフセット信号は、AC信号の付与または治療中の任意の時間と同時に
付与され得る。電気的状態がもはや目的とされる値にないと判定される場合、A
C信号は調節され(100)、電気的状態を目標の値または範囲に戻す。このよ
うな調節は、通常、DC信号に依存せず、通常、DC駆動輸送を妨害しない。D
C信号は、典型的には一定に保たれるが、任意に調節され得、治療中に輸送され
る物質の抽出レートを変更する。所望の量の物質が一度抽出されると(96)、
ACおよびDC信号の付与が終了される(102)。
【0067】 (4.AC+前パルス+DCオフセット) 特定の方法110は、前パルスおよびDCオフセット信号をAC信号と組み合
わせる(図4を参照)。このような方法は、各タイプの信号の独特な機能を利用
し、物質の抽出を最適化する。上述のように、目標の電気的状態が選択され(1
12)、次に、ACまたはDC前パルスを付与し、組織の浸透性が向上されたレ
ベルと相関する選択された電気的状態を迅速に確立し、物質の抽出を促進する。
目標の状態が達成されたと一度判定されると(116)、AC信号およびDCオ
フセット信号が付与され(118)、AC信号が主に機能して、電気穿孔された
組織にわたる物質の輸送を促進するように作用する目標の電気的状態およびDC
オフセット信号を維持する。電気的状態はモニタリングされる(122)。電気
的状態が目標の状態と異なることが見出される場合、AC信号は、必要に応じて
調節され(124)、電気的状態を目標の状態に戻す。所望の量の物質が一度抽
出されると(120)、プロセスは完了する(126)。
【0068】 (F.抽出に続くプロセス) リザーバにおける関心の対象となる特定の物質の存在は、種々の技術を利用し
て検出され得る。例えば、液体がリザーバ内に収集されると、液体内の物質また
は関心の対象となる物質の存在は、種々のクロマトグラフィ法(例えば、高性能
液体クロマトグラフィ(HPLC))、分光法(例えば、赤外線分光学(IR)
、核磁気共鳴分光学(NMR)および質量分光学(MS))、電気化学法(例え
ば、電気抵抗および/または電位)、および比色分析または電位変化と結合され
た酵素法等の種々の分析技術のいずれかを用いて検出され得る。分析技術の組み
合わせも利用され得る(例えば、ガスクロマトグラフィ/質量クロマトグラフィ
(GC/MS))。物質の検出は、質的または量的のどちらかであり得る。
【0069】 リザーバは、関心の対象となる1つ以上の物質と特に反応し、検出可能な生成
物または複合体を形成する種々の薬剤を含み得る。例えば、リザーバは、物質(
単数または複数)と相互作用して特定の波長の光を放出または吸収する染料を含
み得る。さらに他の方法において、分析のために特定の働きを有する酵素は、第
2の酵素によって化学分解されると、センサによって検出可能な電子を放出する
ことができる別の配位子の特定の働きを有する別の酵素と結合され得る。例えば
、抽出された物質がグルコースの場合、酵素はグルコースオキシダーゼであり得
る。グルコースオキシダーゼは、ペルオキシダーゼと結合され得、これは電子の
放出を引き起こし、センサによって検出され得る。グルコース選択電極(例えば
、Solsky,R.L.によるAnal.Chem.60、1988年、10
6R〜113R)等のグルコースを検出する種々の他のセンサ、および当該分野
において公知の種々のインサイチュ分析(例えば、比色分析)が利用され得る。
【0070】 抽出リザーバにおける物質の濃度は、種々の方法で物質の濃度と相関され得る
。いくつかの例において、大きい母集団セット(population set
)または較正手順から確立される数学アルゴリズムは、2つの値を相関させるた
めに利用される。
【0071】 (G.物質) 本明細書中に開示される方法は、幅広い物質の抽出において用いられ得る。こ
れらの方法は、通常、被験者の器官系または体(例えば、循環系、組織系)にあ
り、電気穿孔された組織にわたって輸送され得る任意の物質を抽出するために利
用され得る。組織が人の皮膚であると、物質は、内因性物質、または特定の手段
によって体内に予め導入された物質のどちらかである。従って、物質は、疾病の
状態、被験者に投与される製薬化学的薬剤、乱用物質、電解質、鉱物、ホルモン
、ペプチド、金属鉄、核酸、遺伝子、および酵素または任意の代謝産物、共役、
あるいは前述の物質の他の偏向の標識である分子であり得る。いくつかの例にお
いて、1つ以上の物質が一度にモニタリングされる。特定のモニタリングの適用
が以下に記載される。物質は、(負または正の)荷電、非荷電または中性(例え
ば、等しい数の逆の電荷を有する双性イオン物質)であり得る。
【0072】 モニタリングされ得る物質は、オリゴ糖、単糖(例えば、グルコース)、種々
の有機酸(例えば、ピルビン酸およびラクト酸)、アルコール、脂肪酸、コレス
テロールおよびコレステロールベースの化合物、ならびにアミノ酸をさらに含む
が、これらに限定されない。特定の疾病または疾病状態と相関する複数の異なっ
た物質がモニタリングされ得る。例えば、フェニルアラニンレベルは、フェニル
ケトン尿症症の治療を評価するために確認され得、これは、高い血液のフェニル
アラニンレベルによって明らかである。モニタリングされ得る金属の例は、亜鉛
、鉄、銅、マグネシウムおよびカリウムを含むが、これらに限定されない。人か
ら抽出され得るさらなる物質は、Praveen Tyleによる「Ionto
phoresis Devices for Drug Delivery」、
Pharmaceutical Research、vol.3、no.6、3
18〜326ページにおいて述べられている。
【0073】 方法は、治療的処置または予防的処置のために投与された種々の薬理学的活性
薬剤の濃度を評価するために利用され得る。このような物質の例は、興奮薬、鎮
痛薬、麻酔薬、抗喘息薬、抗間接炎薬、抗癌薬、コリン抑制薬、鎮痙攣薬、抗う
つ薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、制吐薬、駆虫薬、抗ヒスタミン薬、抗高脂血薬
、抗高血圧薬、抗感染薬、抗炎症薬、抗片頭痛、抗腫瘍薬、抗パーキンソン症薬
、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗結節薬、抗潰瘍薬、抗ウィルス薬、
抗不安薬、食欲抑制剤、注意血管障害および注意血管過活動薬、カルシウムチャ
ネル遮断薬、抗狭心症薬、中枢神経系(「CNS])薬、ベータ遮断薬および抗
不整脈薬を含む心臓血管薬、中枢神経系興奮薬、利尿薬、遺伝物質、ホルモン剤
(hormonolytics)、睡眠薬、低血糖薬、免疫抑制剤、筋弛緩剤、
麻酔拮抗薬、ニコチン、栄養剤、副交感神経遮断薬、ペプチド薬、精神刺激薬、
鎮静薬、ステロイド、禁煙薬、交感神経興奮薬、トランキライザ、血管拡張薬、
ベータアゴニスト、ならびに早産防止薬またはそれらの活性代謝産物を含むが、
これらに限定されない。
【0074】 (IV.抽出システム) 本明細書中に開示される方法を実行するための装置の1実施形態は、図5に模
式的に示される。組織または体表面218にわたる物質を抽出するシステム20
2、204は、通常、電源206に電気接続された2つの電極202の第1のセ
ットを含む。電源206は、AC信号およびDC信号の両方を送達することがで
きる単一の電源であり得るか、または2つの別々の電源、すなわち、AC信号を
送達する一方の電源およびDC信号を送達する他方の電源を含み得る。2つの電
極202、204および電源206を含む回路は、さらに、制御器208に接続
され、この制御器は電極202、204に送達される電気的信号をモニタリング
し、信号を電源206に送信し得、そこから伝送された信号を変更する。
【0075】 電極202、204のうちの少なくとも1つは、少なくとも、1つのリザーバ
(例えば、210)を含み、リザーバ表面212に電気接続される。リザーバ2
10の別の表面214は、組織218(例えば、患者の皮膚)の表面126に接
触して配置され、例えば、接着剤またはゲル(図示せず)によって位置が保持さ
れる。リザーバ210は、組織218にわたって抽出される1つ以上の物質(例
えば、代謝産物または製薬化学的薬剤、図示せず)を受取るように設計される。
対のもう一方の電極204も、組織218の表面216と接触して配置され、接
着剤またはゲル(図示せず)によって位置が保持される。この電極204が配置
され、2つの電極202と204との間を流れる電流の形成を可能にする。AC
信号のみが組織218に付与される場合、電流の流れの方向は、付与された電流
の周波数と等しい周期で2つの電極間の方向を変更する。DCオフセット信号が
電極202、204を用いて付与されると、電流の流れは、治療を受ける個人の
器官系内の荷電または非荷電物質の輸送を強化するように、組織218にわたる
少なくとも1つのリザーバの方向に向かう。
【0076】 装置200は、任意に、電極222、224の第2のセットか、またはモニタ
リングセットを含み、これらのセットは、電気穿孔される組織の領域内に配置さ
れ、組織にわたる物質の抽出中、組織218の電気的状態をモニタリングする。
上に示されるように、モニタリングされる電気的状態は、(例えば、電気抵抗ま
たはコンダクタンス等の)組織の浸透性の程度か、または電気穿孔の状態を反映
する状態である。電極のこの第2のセットは選択的である。なぜなら、電極の第
1のセット202、204は、組織218の電気的状態をモニタリングするため
に用いられ得るからである。モニタリング電極222、224は、図5に示され
るように分離モニタ226に接続され得るか、または電極202、204の第1
のセットと同じ制御器208に接続され得る。分離モニタ226に接続された場
合、モニタ226は、電極222、224の第2のセットによって測定されたよ
うな組織218の電気的状態に関する信号を制御器208に送信し得る。
【0077】 電気的信号を付与する際に利用される電極202、204の第1のセットは、
イオン導入法において用いられる任意の標準タイプの電極であり得る。いくつか
のシステムは、銀/塩化銀から製作された標準心電計電極等の非分極電極を用い
る。他の適切な材料は、金、ステンレス鋼およびプラチナを含む。多重チャンネ
ル分散性電極も、特定の方法で利用され得る(米国特許第5,415,629号
を参照)。
【0078】 DCオフセット信号が利用されると、電極はリザーバ機能を含む。なぜなら、
カソードまたはアノードのどちらかは抽出される物質の電荷に依存するからであ
る。通常、アノードはDCオフセット信号の正の寄与を受取る一方、カソードは
DCオフセット信号の負の寄与を受取る。結果として、DCオフセット信号が付
与される場合、負に帯電しているイオンは組織を通じて抽出され、アノードの部
分であるリザーバにおいて受取られる。正に帯電しているイオンは、組織にわた
って抽出され、カソードの部分であるリザーバにおいて受取られる。電気浸透の
流れの方向は生理学的pHでアノードからカソードの方向であるため、非帯電物
質は組織にわたって抽出され、カソードの部分であるリザーバにおいて受取られ
る。DCオフセットが利用されず、信号がACのみを含む場合、形式アノードま
たは形式カソードはないことが留意されるべきである。
【0079】 いくつかのシステムにおいて、電極202、204の両方においてリザーバを
含むことは有益であり得る。例えば、AC信号のみが付与される場合、薬剤はい
ずれかのリザーバへの拡散を介して抽出され得る。さらに後述されるように、D
Cオフセットを用いる方法は、異なった時点で電流の流れの方向を逆転すること
を含む。電極202、204の両方において配置されるリザーバは、そのような
方法において有益であり得る。なぜなら、個人の器官系から両方のリザーバへの
抽出は、DC信号の方向に依存して起こり得る。2つのリザーバは、さらに、逆
の電荷の異なった物質、または中性または負に帯電している物質が抽出されるべ
き場合に、よい影響が及ぼされるように利用され得る。このような例において、
異なった帯電物質は、別々のリザーバに抽出される。
【0080】 動作中、最初に、電極202、204の第1のセットが配置され、その後、電
気的信号が電源206を介して電極202、204の第1のセットに送達される
。送達される特定の信号は、上で開示されたプロトコルのどれが利用されるかに
依存する。しかしながら、上述のように、種々の方法は、通常、電源206を利
用することを含み、適切な形状、持続時間、周波数および電圧のAC信号を生成
し、選択された電気的状態を維持する。輸送プロセス中に電気的状態が、モニタ
リング電極222、224によって検出された目標の電気的状態からずれた場合
、適切な調節は、電源206を用いて行なわれ、AC信号を変更し、電気的状態
が目標の値か、または目標の範囲内に戻されるようにする。
【0081】 制御器208は、マイクロプロセッサにより制御され得る。マイクロプロセッ
サベースの制御器が、モニタリング電極222、224からの信号に基づいて、
電気的状態が目標の状態からずれていると判定した場合、制御器は、電源206
に信号を送り、AC信号を変更し、電気的状態が所望の目的に戻るようにする。
患者の皮膚の電気的状態が、例えば、許容不可能なレベルに達したことが判定さ
れる場合、このような制御器は、さらに、安全遮断を含み得る。
【0082】 ACまたはDC前パルスのどちらかを利用する方法については、目標の電気的
状態に到達するために効果的な電源206によって適切な周波数の前パルス、電
圧および持続時間が生成される。モニタリング電極222、224は、このプロ
セスの間に利用され得、所望の電気的状態の方向に進む。この状態が一度獲得さ
れると、信号は制御器208に送信され、前パルスの生成を終了し、その後、組
織に付与するためのAC信号および/またはDCオフセットを生成する。
【0083】 上述のように、いくつかの方法において、個人の器官系内の物質の濃度は、組
織のもう一方の側よりも十分に高く、受動拡散を介して電気穿孔領域を通って薬
剤が輸送されるようにする。しかしながら、より典型的には、電源206は、さ
らに、DCオフセット信号を生成するために利用される。この電流は、帯電物質
の輸送を、逆の電荷を有する電極の方向、または非荷電物質をアノードからカソ
ードへ駆動する。しかしながら、いくつかの手順において、DC電流の流れの方
向は、第1のセットの電極間で逆転され、皮膚への潜在的な刺激を低減し、非分
極電極の電気機械的減損を回避し、抽出する表面領域を増大し、バイオセンサが
より長い期間動作することを可能にする。
【0084】 半導体回路の使用によって、信号抽出電極、電源およびリザーバ等の種々の前
述の素子は、個人の日常の活動を妨害することなく、個人によって快適に着用さ
れ得る小型の集積デバイスに含まれ得る。
【0085】 (V.例示的用途) 本明細書中で提供される抽出法は、種々の障害および疾病の治療を含む、種々
の用途において用いられ得る。特定の方法は、血液中のグルコースレベルが上昇
した個人の治療において用いられる。例えば、いくつかの方法は、周期ベースか
、または実質的に一定のベースで個人の体内のグルコースレベルをモニタリング
する。このような方法は、例えば、糖尿病患者におけるグルコースレベルをモニ
タリングする場合に有益である。グルコースレベルを直接的にモニタリングする
代わりに、例えば、乳酸および/またはビルビン酸等のグルコースが代謝する間
に形成される生成物をモニタリングし得る。
【0086】 この方法は、種々の診断用途において用いられ得る。例えば、方法は、特定の
疾病または疾病の状態(すなわち、疾病「標識」)と関係する個人の器官系内の
物質の存在を検出またはモニタリングするために用いられ得る。上述のように、
フェニルアラニンレベルがモニタリングされ得、フェニルケトン尿症の危険性を
評価する。フェニルケトン尿症は、血液中のフェニルアラニンレベルが上昇する
ことによって明らかになる。別の例は、裁判書の命令による治療プログラムの部
分としての、血液中のアルコールまたは不法物質のモニタリングである。
【0087】 この方法も、種々の治療的用途において有用性を有する。例として、患者の器
官系内の活性成分の現在のレベルを評価し、患者の器官系内のレベルを制御する
方法として、患者に投与された1つ以上の製薬化学的薬剤のレベルを探知するた
めにいくつかの方法が利用される。
【0088】 さらに他の実施形態において、患者の血液中の治療薬剤のレベルを探知するこ
とは、薬物送達デバイスと接続され得、狭い許容範囲内で効果のある治療範囲が
狭い薬剤(narrow therapeutic window agent
)のレベルを保つ。従って、このような実施形態において、上記のような特定の
システムは、個人の体から抽出された物質を収集するために1つの電極に1つの
リザーバを含み得、所望の薬剤を送達するために第2の電極に第2のリザーバを
含み得る。特定の例として、グルコースレベルが一度上昇すると、1システムは
、グルコースを抽出し、グルコースレベルをモニタリングし、必要に応じてイン
シュリンまたは別の低血糖薬剤を送達する。
【0089】 以下の実施例は、本明細書中で開示される方法の特定の局面を例示するために
提供され、方法の範囲を限定するようには解釈されるべきでない。
【0090】 (実施例) (I.実験) (A.材料) 放射性同位元素で標識された[H]マンニトールおよび[14C]臭化テト
ラエチルアンモニウム(TEA)は、New England Nuclea
r(Boston、MA)およびAmerican Radiolabeled
Chemicals(St.Louis、MO)からそれぞれ購買された。人
の表皮膜(HEM)は、分層皮を切除された人の皮膚を熱分離することによって
調整された。リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)を、試薬用化学薬品
および脱イオン水を用いて、0.1Mのイオン強度で調整した。
【0091】 (B.実験方法) (1.概要) イオン導入法による輸送の研究は、並んだ2チャンバ拡散セル(約0.8cm の拡散表面積および2mLのチャンバ容積)内において37℃で、HEMを用
いて行われた。各実験における見かけ透過係数(P)を、
【0092】
【数1】 によって計算した。
【0093】 ここで、Aは膜表面積、tは時間、Qは受取チャンバ(receiver c
hamber)に輸送された浸透体の量、およびCは供与チャンバ(dono
r chamber)における浸透体の濃度である。供与チャンバおよび受取チ
ャンバにおける溶液のpHを、各イオン導入法を作動させ、可能な水による加水
分解を検出した後に点検した。
【0094】 (2.従来の定電流法) 定電流DC輸送実験を、Ag−AgCl電極を有する定電流イオン導入デバイ
ス(phoresor II Auto、Model No.PM850、Io
med、Inc.,Salt Lake City、UT)を用いて、0.13
mA/cmの電流レベルで実行した。Srinivasanらによる「Jou
rnal of Controlled Release;10、1989年、
157〜165ページに記載されるように、HEMの初期の抵抗を、4電極電位
システム(JAS Instrumental Systems、Inc.、S
alt Lake City、UT)100mVの電位を膜にわたって付与する
ことによって測定した。イオン導入中のHEM抵抗は、拡散セルの供与チャンバ
および受取チャンバに挿入された2つの可撓性ルギン毛管を用いて、膜にわたる
電位降下をモニタリングすることによって測定された。ルギン毛管の各々は、電
圧計に接続されたカロメル電極を含んだ。HEM抵抗は、イオン導入中に出力電
流レベルおよび電圧計が読み取られることによって決定され得る。
【0095】 [14C]TEA+および[H]マンニトールの追跡量は、実験の開始時に
供与チャンバに付加された。1mlの試料を約30分ごとに受取チャンバから取
得し、新鮮なPBSと取り換えた。10μlの試料を1時間ごとに供与チャンバ
から取得された。試料は、10mlのシンチレーションカクテル(Ultima
GoldTM、Packard Instrument Co.、Merid
en、CT)と混合され、デュアルラベル(dual−labeled)の液体
シンチレーション検出器(Parkard TriCarbTM、Model
1900 TR Liquid Scintillation Analyze
r)によって分析試験される。
【0096】 (3.AC+DC オフセット法) 5ボルトのDCは、4電極電位システムを用いて、皮膚電気抵抗を2kΩに低
減し、次に、250mVDCオフセットを有する50Hzの方形波ACが関数発
生器(Model 4017、BK Precision、Placentia
、CA)によって生成される。膜のコンダクタンスは、オシロスコープ(Mod
el2211、Tekronix Inc.、Beaverton、OR)によ
ってモニタリングされた。出力AC電圧は、手動で3〜8ボルトに調節され、皮
膚抵抗を2kΩ(±10%)に保ち、DCオフセット値は、実験の全期間の間、
0.25Vで一定に保たれた。低電流セッションに記載されるのと同じ浸透体お
よびサンプリングプロトコルが用いられた。
【0097】 (4.AC+受動輸送法(DCオフセットなしのAC) 皮膚の電気抵抗を2kΩに低減するために、AC+DCオフセット法において
記載されたのと同じプロトコルが用いられた。DC前パルスの次に、DCオフセ
ットを有しない50Hzの方形波ACが、AC+DCオフセット実験セッション
で記載されたように、手動で出力AC電圧を調節することによって、皮膚抵抗を
2kΩ(±10%)で保つ。浸透体およびサンプリングプロトコルは、上述のよ
うに、定電流およびAC+DCオフセットセッションの場合と同じである。
【0098】 (II.結果) (A.従来の定電流DC法、とAC+DCオフセットおよびDCオフセットプ
ロトコルを有しないACとの比較。) 人の表皮膜を通るマンニトールおよびテトラエチルアンモニウムイオン(TE
A+)の透過係数(ドナー濃度により正規化されたフラックス)は、本実施例の
第1部において示される定電流DC法、DCオフセットプロトコルを有しないA
CおよびAC+DCオフセットプロトコルにより、複数の異なった試料に関して
決定された。平均値および標準偏差値は、この結果から計算され、下記の表1お
よび表2において要約される。
【0099】 平均の標準誤差(SEM)は、各アプローチに関する測定された浸透値におけ
る可変量を示し、より具体的には、標準偏差を表す平均の比率である。従って、
SEMが小さくなるほど、平均に正規化された標準偏差は小さくなり、測定され
た値の可変性は少なくなる。
【0100】 表1に示されるように、伝統的な定電流DCのみの治療は、DCオフセットを
有しない新しいACおよびAC+DCオフセット法のSEM値と比較して、マン
ニトール輸送に関して比較的大きいSEC値を生成する。さらに、表2は、DC
オフセット法を用いないAC、AC+DCオフセット法、および従来の定電流D
C法に関するTEZを示す。マンニトール輸送と同様、表2は、DCオフセッ
ト法を用いないACまたはAC+DCオフセット法と比較して、DCのみに関し
て比較的高いSEM値を示す。
【0101】 これらの結果は、浸透値により測定された組織の電気的状態の可変性の著しい
低減は、マンニトール等の非荷電浸透体およびTEA等の荷電浸透体の両方に
対して、DCオフセット法を用いないACまたはAC+DCオフセット法のどち
らかを利用して達成されたことを示す。さらに、これらのデータは異なった人の
ドナーから切除された皮膚の試料間の可変性を表すので、患者間の可変性を制御
するためのDCオフセットを用いないACまたはAC+DCイオン導入法の優位
性を示した。
【0102】 下記の表3は、マンニトールおよびTEAの種々の電流プロファイルの効果
を示す。表3の最後の欄は、100〜330分のすべての輸送データポイントに
関する最適ラインの線形回帰線の傾斜を示す。線の傾斜は、2つの変数、この場
合、浸透体フラックスと時間との間の関係の変化率として定義される。従って、
ゼロの傾斜は、浸透体フラックスが時間に関して変化せず、傾斜が正(または負
)であるほど傾斜し、磁束は時間とともにより変化する。
【0103】 表3は、非荷電マンニトールとカチオンTEAの両方に関して、目標の皮膚
抵抗が2kΩか4kΩかによって、ACを有する磁束の変化が同じであることを
示す。マンニトール磁束の変化率が、AC+DCオフセット法を用いる場合、D
Cオフセット法を用いないACよりも57%低いことも明らかである。伝統的定
電流DCを用いるマンニトール磁束の変化率は、DCオフセット法を用いないA
CおよびAC+DCオフセット法をそれぞれ用いて取得された値よりも5.7倍
〜10倍高い。最後に、正規化されたTEA磁束の変化率は、伝統的な定電流
DCを用いる場合、AC+DCオフセット法およびDCオフセット法を用いない
ACよりもそれぞれ3倍〜20倍高い。これらのすべてのデータは、DCを用い
ないACオフセットおよびAC+DCオフセットイオン導入法は、伝統的な定電
流DCのみのイオン導入法よりも、被験者間の可変性(表1および表2)が少な
くおよび1被験者内部の可変性(表3)が少ないことを示す。
【0104】 本明細書中に記載された例および実施形態は例示的目的にすぎず、これに照ら
して種々の改変または変更が当業者に提示され、本出願の意図および範囲、およ
び特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解される。本明細書中に引用さ
れたすべての刊行物、特許および特許出願は、各個人の刊行物、特許または特許
請求が、参考のため、援用されるべく具体的かつ個別に示されるのと同様に、す
べての目的のために、参考のため、その全体を本明細書中に援用される。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本明細書中に提供される組織にわたって物質を抽出する、AC信号の
みを利用する方法のステップを図示する模式的ブロック図である。
【図2】 図2は、本明細書中に提供された組織にわたって物質を抽出する、AC信号お
よび前パルスを利用する方法のステップの図示する模式的ブロック部である。
【図3】 図3は、本明細書中に提供された組織にわたって物質を抽出する、AC信号お
よびDCオフセット信号を利用する方法のステップを図示する模式的ブロック図
である。
【図4】 図4は、本明細書中に提供された、組織にわたって物質を抽出する前パルス、
AC信号およびDCオフセット信号を利用する1方法のステップを図示する模式
的ブロック図である。
【図5】 図5は、代謝産物または薬理学的活性薬剤等を患者の皮膚にわたって抽出する
ように、組織にわたって物質を抽出する例示的装置の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ヒグチ, ウィリアム アイ. アメリカ合衆国 ユタ 84103, ソルト レイク シティ, イースト キャピト ル パーク アベニュー 342 (72)発明者 チュ, ホンガン アメリカ合衆国 ユタ 84108, ソルト レイク シティ, イースト サニーサ イド アベニュー 1909 ナンバー340 (72)発明者 ソン, ヤン アメリカ合衆国 ユタ 84108, ソルト レイク シティ, イースト サニーサ イド アベニュー 1909 ナンバー539 Fターム(参考) 4C053 BB32 HH01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織にわたって体から物質を抽出する装置であって、該装置
    は、 (a)1つ以上の電気的信号を供給する電源であって、該1つ以上の電気的信
    号はAC信号を含む、電源と、 (b)該組織と電気接触して配置され、該AC信号を該組織に付与するように
    適合された1対の電極を備える電気回路を形成し、該電極のうちの少なくとも1
    つは該物質を受取るためのリザーバを備え、該回路は該電源を備える、システム
    と、 (c)該AC信号を調節して、該組織の領域内の実質的に一定の電気的状態を
    維持するように作用する該回路に電気接続された制御器であって、該実質的に一
    定の電気的状態の維持は該物質の抽出を促進する、制御器と を含む、装置。
  2. 【請求項2】 前記制御器は、前記AC信号を調整して、前記組織の領域内
    で、前記物質が抽出される期間にわたって、電気穿孔の実質的に一定の状態を維
    持する、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記電気的状態はコンダクタンスまたは電気抵抗であり、前
    記制御器は、前記物質が抽出される期間にわたって、前記組織の領域内で実質的
    に一定のコンダクタンスまたは電気抵抗を維持する、請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記電源によって供給される前記AC信号の周波数は、少な
    くとも約1Hzである、請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記装置は、前記電極を介して前記組織に付与するための電
    気的前パルスを生成するために作用し、該電気的前パルスは、前記AC信号を付
    与する前に、前記領域内で電気穿孔を誘導するために作用する、請求項1に記載
    の装置。
  6. 【請求項6】 前記装置は、前記電極を介して前記組織に付与するためのD
    Cオフセット信号を生成するために作用し、該DCオフセット信号は、前記領域
    に渡って前記物質の抽出を促進するために作用する、請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記装置は、前記物質の抽出中、前記DCオフセット信号を
    実質的に一定に付与するために作用し、該DCオフセット信号は、前記領域にわ
    たって抽出するレートを制御する電圧または電流の信号である、請求項6に記載
    の装置。
  8. 【請求項8】 人の皮膚は該人の組織である、請求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記物質はグルコースであり、前記装置はグルコースを抽出
    するために構成される、請求項1に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記物質は、代謝障害と相関する物質であり、前記装置は
    、該代謝障害と相関する該物質を抽出するために構成される、請求項1に記載の
    装置。
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