JP2003521385A - 手持ち式ベルトグラインダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 手持ち式ベルトグラインダーであって、伝動装置（１７）を備えたモータ（１６）を有する研削ベルト（１８）用の駆動装置（１５）を収容するケーシング（１１）が設けられていて、前記研削ベルトが、回転駆動可能な駆動ローラ（１９）を介して及び有利には偏向ローラ（２０）を介して循環案内可能である形式のものにおいて、小型で、操作が容易でかつ安価な手持ち式ベルトグラインダーを得るために、駆動ローラ（１８）が、駆動装置（１５）に対して同軸的に配置されて支承されていてかつ伝動装置出力部材によって直接駆動されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 従来技術 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の手持ち式ベルトグラインダーに
関する。

【０００２】 上記形式の手持ち式ベルトグラインダーは手持ち式ベルト研削盤の形式で公知
であり、該手持ち式ベルト研削盤は、相当のサイズ及び重量を有する手動案内式
の機械として構成されていてかつそれ故ほぼ２つの間隔を置いて設けられたハン
ドグリップを有していてかつ使用時に両ハンドグリップにおいて保持される必要
がある。研削ベルトの所望の最適なベルト速度を得るために、ユニバーサルモー
タは高回転数で作動され、この場合、回転数は多段式の伝動装置、例えば歯付き
ベルト伝動装置と組み合わせた平歯車もしくはマイタ歯車伝動装置の形式の多段
式の伝動装置を介して変速される。従って、モータの駆動力はピニオンを介して
、ピニオンから間隔を置いて支承された歯車に導かれる。ピニオン及び歯車は歯
付きベルトを介して伝動結合されている。前記歯車自体は平歯車伝動装置を駆動
し、該平歯車伝動装置の出力軸には駆動ローラが配置されていて、従って該駆動
ローラは、モータから間隔を置いて位置している。このような駆動装置は、重く
、多額の費用を必要としかつ多くの所要スペースを必要とししかも複雑なケーシ
ング及び軸受け構造を必要とする。

【０００３】 発明の利点 請求項１の特徴部分に記載の本発明による手持ち式ベルトグラインダーは、公
知の手持ち式ベルトグラインダーに比して、加工時に高い切削能及び長手研削構
造が得られるというベルトグラインダーの基本的な利点を維持して、小型で、操
作容易でかつ安価である。駆動ローラひいては研削ベルトの駆動装置が駆動装置
、特にモータ軸に対して同軸的に配置されていることによって、重量を軽減した
コンパクトで所要スペースの少ない構造形式が得られ、該構造形式は、手持ち式
ベルトグラインダーの低構造形式及びこれによって片手操作を可能にする。駆動
装置構成によって段付け軸及びその支承部材が節約される。

【０００４】 その他の請求項に記載の構成によって、請求項１に記載の手持ち式ベルトグラ
インダーの有利な改良構成が得られる。

【０００５】 実施例 図面では手持ち式ベルト研削盤の一実施例として手持ち式ベルトグラインダー
１０が図示されていて、該手持ち式ベルトグラインダーは、上側の例えばほぼ条
片状のハンドグリップ１２を備えたケーシング１１を有している。ハンドグリッ
プ１２は第１図右側範囲で上面側にスライドスイッチとして構成されたスイッチ
を有していて、該スイッチを介して電気的な導線１４を用いて供給された電気的
なエネルギが制御可能である。電気的なエネルギは、ケーシング１１内部の駆動
装置（符号１５で図示）を給電するために用いられる。駆動装置１５は、伝動装
置１７を有する特に電気的なモータ１６を有していてかつ概略的にのみ図示され
た研削ベルト１８を駆動するのに用いられ、該研削ベルトは、回転駆動可能な駆
動ローラ１９及び該駆動ローラから間隔を置いてケーシング１１内に回転可能に
支承された偏向ローラ２０とを介して循環案内可能でありかつ駆動ローラ１９の
回転駆動装置によって駆動可能である。ケーシング１１は、ほぼ長手方向で延び
る多部分から成る構造体を成していて、該構造体の個々の構成部材は解離可能に
組み立てられていて、例えばねじによって結合、クリップ止め又は別の形式で互
いに結合されている。駆動ローラ１９の外径は、軸２１に保持されている偏向ロ
ーラ２０の外径よりも大きく、前記軸２１は、両側で軸受け２２，２３、例えば
ニードル軸受けによってケーシング１１の対応配置された支承受容部２４もしく
は２５内に回転可能に支承されている。モータ１６と伝動装置１７とから成る駆
動装置１５は、概略的にのみ図示されていて、この場合、モータ１６の長手中央
軸線２６は、研削ベルト１８、特に上側及び下側のベルト区分の長手方向経過に
対して横方向に方向付けられている。駆動装置１５の同様に概略的にのみ図示さ
れた伝動装置１７は、第２図及び第４図でみてモータ１６の端部の右側でほぼ隙
間無く接続されていてかつモータ１６に対して列をなして延びている。この場合
、モータピニオン（詳細に図示せず）はモータ１６の出力装置を成し、該モータ
ピニオンは伝動装置を駆動するために伝動装置１７内に係合している。伝動装置
１７は、有利には二段式のプラネタリー伝動装置として構成されていてかつ第２
図及び第４図でみて右側の軸方向端部で出力装置、例えば長手中央軸線２６中心
として回転する第２図で概略的にのみ図示された出力ピン２７の形式の出力装置
を有している。

【０００６】 研削ベルト１８用の駆動ローラ１９は、駆動装置１５に対してひいては長手中
央軸線２６に対して同軸的に配置されていてかつ軸受け２８，２９によってケー
シング１１内に回転可能に支承されている。軸受け２９は、ケーシング１１の対
応配置された軸受け受容部３０内に収容されている。駆動ローラ１９は、伝動装
置出力部材によって、例えば出力ピン２７を介して直接駆動される。駆動ローラ
１９は同心的でありかつ長手中央軸線に関連して駆動装置１５に対して同軸的に
配置されていてかつこの場合、伝動装置の軸方向延在範囲のほぼ全体に亘って軸
方向に延びるように配置されている。駆動ローラ１９は、ほぼベル状又はコップ
状に構成されていてかつこのような構成においてほぼ円筒状のコップ壁３１とこ
れと一体の底部３２とを有している。前記底部は同軸的なピン３３を支持してい
て、該ピンによって、駆動ローラ１９は例えば玉軸受け又はニードル軸受けの形
式の軸受け２９を用いてケーシング１１内に回転可能に支承されている。このよ
うな構成において駆動ローラ１９は一体の構成部材を成している。駆動ローラ１
９は、駆動装置１５，例えば駆動装置の伝動装置１７を取り囲むコップ壁３１の
内面側に設けられている例えばニードル軸受けの形式の軸受け２８を用いて、直
接駆動装置１５又は、第２図及び第４図で図示のように、駆動装置１５を取り囲
むケーシング１１のスリーブ３４に回転可能に支承されている。駆動装置１５上
での、例えば伝動装置１７の周面上での軸受け２８を用いた直接的な支承形式で
は、スリーブ３４が完全に又は少なくとも部分的に省略される。駆動ローラ１９
はコップ壁３１の外面で研削ベルト１８によって巻掛けられている。駆動装置１
５に対して同軸的な駆動ローラ１９は、有利には駆動装置１５、特に伝動装置１
７の第２図及び第４図でみて右側の軸方向端部に被せ嵌め可能でありかつこの際
プラネタリー伝動装置の２つの段の出力装置を成す伝動装置出力部材、例えば出
力ピン２７に連結可能である。

【０００７】 研削ベルト１８は研削・歯付きベルト３５によって支持されていて、該研削・
歯付きベルトは、歯３６を有する歯側で駆動ローラ１９ひいては同様に偏向ロー
ラ２０に面している。駆動ローラ１９及び同じ形式で偏向ローラ２０は外面側に
、歯３７もしくは３８を備えたそれぞれ１つの対応歯列を有していて、該対応歯
列には研削・歯付きベルト３５が形状結合式に係合する。研削ベルト１８と研削
・歯付きベルトとの間には面付着部材３９、特に面ファスナー（Klettverschlus
ses）を用いた結合部が設けられている。面ファスナーとしての面付着部材３９
の構成においては、歯３６とは反対側の研削・歯付きベルト３５の外面側にファ
スナーフック（Kletthaekchen）を有する層が設けられているのに対して、研削
ベルト１８の背面側にはベロア層（Velourschicht）が設けられている。面付着
部材３９は、交換可能な研削ベルト１８と研削・歯付きベルト３５との間で、解
離可能で研削プロセスに耐える力伝達作用を有する結合を可能にする。面付着部
材３９を用いた前記結合部によって、ベルト張力を調節するための調節及び調整
装置を省くことができる。駆動される研削・歯付きベルト３５と研削ベルト１８
との形状結合式の結合に基づいて、不必要な熱を発生しかつ著しい負荷の場合に
駆動ローラ１９並びに研削ベルト１８を損傷せしめるスリップは生じない。

【０００８】 駆動ローラ１９は駆動装置１５に対して同軸的にしかも、駆動ローラのコップ
壁３１が駆動装置１５を少なくとも軸方向長さ、例えば伝動装置１７の軸方向長
さの一部で覆いかつ周方向で取り囲むように、配置されているので、高い研削能
及び長手研削構造のベルトグラインダーの基本的な利点を維持して小型で操作が
容易でひいては安価である手持ち式ベルトグラインダー１０の特別な低構造形式
が得られる。駆動装置１５、特にモータ１６並びに伝動装置１７は、前記構造形
式の場合にスペースを節約してケーシング内に収容できる。モータ１６に対して
同軸的な伝動装置１７の列を成す配置によって、段付け軸及びその支承部材が節
減される。研削ベルト１８の駆動は、駆動装置の周方向領域で及びモータ１６の
モータ軸の延長部で行われる。これによって、重量を低減されかつ構成部材を減
少された極めてコンパクトな構造形式が得られる。コンパクトな低構造形式に基
づき、研削ベルト１８の作業面から僅かな高さ間隔を置いてハンドフリップを位
置決めすることができる。従って、ハンドグリップ位置は作業面の直ぐ上方で得
られる。手持ち式ベルトグラインダーは片手で保持されかつ案内されかつ完全な
片手操作を可能にする。それというのも、保持及び案内のための付加的なグリッ
プも不要であるからである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 手持ち式ベルトグラインダーの概略的な側面図。

【図２】 第１図ｌｌ−ｌｌ線に沿った概略的な断面図。

【図３】 第１図ｌｌｌ−ｌｌｌ線に沿った概略的な断面図。

【図４】 第１図ｌＶ−ｌＶ線に沿った概略的な断面図。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 手持ち式ベルトグラインダーであって、伝動装置（１７）を
   備えたモータ（１６）を有する研削ベルト（１８）用の駆動装置（１５）を収容
   するケーシング（１１）が設けられていて、前記研削ベルトが、回転駆動可能な
   駆動ローラ（１９）を介して及び有利には偏向ローラ（２０）を介して循環案内
   可能である形式のものにおいて、駆動ローラ（１８）が、駆動装置（１５）に対
   して同軸的に配置されて支承されていてかつ伝動装置出力装置によって直接駆動
   されるようになっていることを特徴とする、手持ち式ベルトグラインダー。
2. 【請求項２】 駆動ローラ（１９）が、駆動装置（１５）に対して同心的に
   配置されている、請求項１記載の手持ち式ベルトグラインダー。
3. 【請求項３】 駆動ローラ（１９）が、ほぼコップ状に構成されていて、か
   つ、軸受け（２８）、例えばニードル軸受けを用いて駆動装置（１５）を取り囲
   むコップ壁（３１）の内面側で直接駆動装置（１５）又は該駆動装置を取り囲む
   ケーシング（１１）のスリーブ（３４）に支承されていて、かつ、コップ壁（３
   １）の外面側で研削ベルト（１８）を巻掛けられている、請求項１又は２記載の
   手持ち式ベルトグラインダー。
4. 【請求項４】 駆動ローラ（１９）が底部（３２）に、コップ壁（３１）に
   対して同軸的なピン（３３）を有していて、該ピンによって駆動ローラ（１９）
   が、軸受け（２９）、例えば玉軸受け又はニードル軸受けを用いてケーシング（
   １１）内に支承されている、請求項３記載の手持ち式ベルトグラインダー。
5. 【請求項５】 駆動装置（１５）が、研削ベルト（１８）の長手方向に対し
   て横方向に調整されたモータ（１６）を有していて、該モータが、モータに対し
   て列を成して延びる、モータピニオンによって駆動可能な伝動装置（１７）、特
   に２段式のプラネタリー伝動装置を有しており、該伝動装置の軸方向端部に駆動
   ローラ（１９）が被せ嵌め可能でありかつこの際伝動装置出力装置、特にプラネ
   タリー伝動装置の第２段の出力装置に連結可能である、請求項１から４までのい
   ずれか１項記載の手持ち式ベルトグラインダー。
6. 【請求項６】 駆動ローラ（１９）のコップ壁（３１）が、軸方向で駆動装
   置（１５）の一部に亘って、特に伝動装置（１７）の軸方向延在範囲のほぼ全体
   に亘って延びている、請求項５記載の手持ち式ベルトグラインダー。
7. 【請求項７】 研削ベルト（１８）が研削・歯付きベルト（３５）によって
   支持されていて、該研削・歯付きベルトの歯側（歯３６）が駆動ローラ（１９）
   に面しており、駆動ローラ（１９）が外面側に、研削・歯付きベルト（３５）が
   係合する対応歯列（歯３７）を有している、請求項１から６までのいずれか１項
   記載の手持ち式ベルトグラインダー。
8. 【請求項８】 研削ベルト（１８）と研削・歯付きベルト（３５）との間に
   、面付着部材（３９）、特に面ファスナーを用いた結合部が設けられている、請
   求項７記載の手持ち式ベルトグラインダー。