JP2003519536A - 腐食促進微生物を燻蒸するためにエチレンオキシドを使用する方法 - Google Patents

腐食促進微生物を燻蒸するためにエチレンオキシドを使用する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、微生物に影響された腐食(MIC)を受けやすいシステムを燻蒸する方法に関する。この方法は、殊に、防火スプリンクラーシステムにおけるMICを軽減するための方法に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、微生物影響腐食(MIC)を受けやすいクローズド・システムの燻
蒸及びメインテナンスに関する。
【0002】 背景 微生物混入により時間の経過により腐食するシステムのメインテナンスは、微
生物の増殖、回復力及び順応性故に顕著な難題である。多数の、多様なシステム
はそのような劣化を受けやすく、これらのシステムに対応するために、クリーニ
ング及びスクレーピングを含む多様な方法が考案されているが、腐食の根源に対
処し、またシステムの材料組成に関係なく広範囲のシステムにおいて安全かつ有
効に使用され得る方法が求められている。
【0003】 金属、及び合金で造られたシステムは、微生物からの損害を特に受けやすい。
これらの作用は、配管及びその他の内包されたシステムで際立って見出され、こ
れらの場所では微生物に影響された腐食及び微生物汚染が閉塞、漏洩、及び構造
材料の時期尚早の破壊を引き起こす。このような悪化を引き起こすいくつかのタ
イプの細菌があり、パイプサンプル中には1つよりも多くの種が見出される。こ
れらの細菌は、就役したシステム中にまた未使用未就役のパイプでも見出され得
る。処理しなければ、これらの微生物は増殖し、システムに損害を与え、その内
容物を汚染する。金属製システムは腐食を特に受けやすいが、プラスチック構造
物も微生物被害を受けやすく、この被害は温度及び太陽輻射のような環境因子を
含む諸因子の結合によって増強され得る。これらの因子は、汚染微生物によって
促進されるプロセスと結び付いて、システムを汚染し、そしてシステム破損へと
向かわせる。
【0004】 微生物損害は、タンクや容器から配管システムに及ぶ範囲の多数のクローズド
・システムに悪影響を与える。この防微生物処理の潜在的な応用には、防火スプ
リンクラーシステム、浄水及び配水装置、クーリングタワー、バラストシステム
、ならびに製造及び化学の加工、取扱い及び貯蔵装置が含まれる。
【0005】 市販のシステムメインテナンス処理のための選択枝としては、グルタルアルデ
ヒドのような液体殺菌剤及びクリーニング溶液(米国特許第5160047号)
、あるいはグリコール酸溶液(米国特許第5885364号)を用いるフラッシ
ングが含まれる。液体殺菌剤は、広大な配管システムのあらゆる枝や立ち上り部
分を完全にフラッシュするのが困難であるので、システムのあらゆる表面へ到達
する能力に限界がある。その殺菌剤に直接曝されない細菌は、増殖することとな
ろう。
【0006】 エチレンオキシド及び二酸化塩素のような気体状の滅菌剤は公知であり、医療
工業においては医療器具及び装置を滅菌するために50年にわたって使用されて
いる。二酸化塩素及び純粋エチレンオキシドの両者は、爆発性である。しかしな
がら、不活性ガスとの非発火性ブレンドが市販されている。
【0007】 微生物影響腐食(MIC)を受けやすいシステムを燻蒸するための方法におけ
る燻蒸剤の潜在的有効性は、未知である。殊に、エチレンオキシドは非多孔質物
質よりも多孔質物質で一層有効であることが知られている。本出願人は、本発明
方法で使用されるときに、燻蒸剤、殊にエチレンオキシドはシステムの内側表面
に均一に曝し、そしてシステム内側表面上に存在する腐食生成物及び/又は微生
物生長物の層に侵入して、下の方にいる腐食に影響するタイプの微生物に到達す
るように、効果的に使用し得ることを見出した。本方法は、広範囲の応用を有す
るが、殊に防火スプリンクラーシステム中のMICを燻蒸するのに有用である。
【0008】 発明の概要 本発明は、水性媒体が含まれるか、水性媒体が流通する物品ないし手段を含む
クローズド・システムを燻蒸する方法であって、該物品の表面を燻蒸剤の有効量
に対して有効な時間曝すことを含む上記燻蒸方法に関する。
【0009】 さらに特定的には、本発明は、水性媒体が含まれるか、水性媒体が流通する物
品ないし手段を含むクローズド・システムを燻蒸する方法であって、そのシステ
ムを空にし;燻蒸剤の有効量を導入し;そのシステムを燻蒸剤に有効な時間曝し
;そして燻蒸剤を取り除く;ことを含む上記燻蒸方法に関する。
【0010】 本発明方法の好ましい態様において、燻蒸剤はエチレンオキシドと不活性キャ
リヤーガスとの不燃性ブレンドを含む。 別の好ましい態様において、本方法は、燻蒸剤を導入する前にシステムを約3
0〜90%の相対湿度、好ましくは約50ないし約80%の相対湿度に加湿する
ことを含む。
【0011】 さらに別の好ましい態様においては、本方法は、燻蒸剤の殺菌活性を促進する
ためにシステムを加熱することを含む。 さらに別の好ましい態様において、本方法は、システムを、大気圧以下の圧力
、好ましくは約0.5気圧と1気圧未満の間の圧力の下で燻蒸剤へ曝すことを含
む。
【0012】 発明の詳細な説明 本発明方法で処理されるシステムは、外側境界と内側境界とを有し、その内側
境界が空間(スペース)を画定している物品ないしは手段を含む。この空間は該
物品の内側表面によって限定され、その空間はある方向へ延在して、液体を流通
させ得る通路を画定するものでよい。そのような内側表面は、曲面状または平坦
状のような任意の形で、そして例示的には(しかし限定されるものではないが)
円筒形または管状の空間、あるいは三角状あるいは直線で囲まれた形状のような
多角形空間、を形成するものでよい。これらの空間を包囲する物品は、典型的に
は、該液体を導入し、排除するために備えられた1つまたはそれ以上の開口を備
えるように設計される。例示的なシステムは、タンク、容器、配管、導管、。カ
ップリング、弁、及びあらゆる形及び大きさの管のような内包物品(クローズド
システム)を含む。
【0013】 これらのシステムは、押出し、モールディング、キャスティング、ミリング、
アニーリング、熱成形、切断、ドリル加工、折り曲げ等を含む任意の公知の方法
によって、多様な材料から構成される。そのような物品の使用に関連する材質は
、一般的には、機械的強度、耐薬品性、耐久性、耐熱性、耐光性、耐酸素性、及
び耐湿性によって特徴付けられる。殊に、該物品をなす材料はその物品のうちが
わ表面と接触する流体、例えば暴露の条件下その表面を処理するためのここに開
示した燻蒸剤、に対して化学的に耐えるのが典型的である。代表的な材料は、金
属及びプラスチックを包含する。例示的金属は、銅、鉄、鋼、アルミニウム、及
びそれらの合金、並びに亜鉛被覆鋼のような被覆付金属である。例示的なプラス
チックは、エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化PVC、ポリブチ
レン、ナイロン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネートを含み、こ
れらのいずれも充填剤、顔料、可塑剤、抗酸化剤、防炎剤及びUV線安定剤を包
含する添加剤を配合していてよい。
【0014】 微生物に影響された腐食(あるいは微生物影響腐食)は、材料物質腐食過程を
促進し及び/又はそれに触媒作用をなす微生物と接触し、あるいはそのような微
生物に適切な生長条件を与えた、結果としての劣化又は腐食を指称する。MIC
を起こすことが知られているタイプの微生物は、低栄養バクテリア(low n
utrient bac.、LNB)、鉄関連バクテリア(iron rela
ted bac.,IRB)、サルフェート還元バクテリア(sulfate
reducing bac.,SRB)及び酸生成バクテリア(acid p
roducing bac.,APB)である。
【0015】 個々で使用される用語「燻蒸する」は、腐食に影響する微生物の生長を駆逐、
中和または抑制するために煙に付すことを意味する。汚染しいる微生物数の少な
くとも2ロガリズム(2logs)好ましくは3以上のロガリズムの減少をもた
らす燻蒸が望ましい。
【0016】 用語「燻蒸剤」は、腐食に影響する微生物に有毒である蒸気形態の薬剤を意味
する。適当な燻蒸剤は、アルキレンオキシド、二酸化塩素、二酸化フッ素、オゾ
ン、過酸化水素又は臭化メチル等を含み、システムを燻蒸するのに充分な時間に
わたる。好ましいアルキレンオキシドは、エチレンオキシド及びプロピレンオキ
シドである。エチレンオキシドが殊に好ましい。
【0017】 エチレンオキシドは、それ自体非常に燃焼性のガスである。従って、エチレン
オキシドを燻蒸剤として単独で使用するときには、防爆装置のような予備注意が
が必須である。好ましい実施態様は、エチレンオキシドを希釈する働きをなす不
活性キャリヤーガスとブレンドし、その混合物を全体として非発火性となすよう
にする。参照:米国特許第5039485号;第5254309号;第5342
579号;第5376333号;第5976554号;及びWO99/4214
3号、これらのものは全体が参照のためここに組込まれる。代表的な不活性キャ
リヤーガスは、二酸化炭素、窒素、ハロゲン化炭化水素、及びそれらの混合物を
包含するが、これらに限定されるものではない。代表的なハロゲン化炭化水素は
、大気圧またはそれ以下の圧力で、約0℃またはそれ以上の温度で気体であるク
ロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカ
ーボンを包含する。適当な市販のハロゲン化炭化水素の例は、ヂクロロヂフルオ
ロメタン(CFC−12)、のようなクロロフルオロカーボン、クロロヂフルオ
ロメタン(HCFC−22)及び1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオエ
タン(HCFC−124)のようなハイドロクロロフルオロカーボン、ペンタフ
ルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(H
FC−134a)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC
−236fa),1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HF
C−227ea)及び1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン(
HFC−227ca)のようなハイドロフルオロカーボン、並びに上記のものの
にんいの組合わせを包含するが、これに限定されない。ハイドロフルオロカーボ
ンは、それらの低いオゾン滅減性に故に殊に好ましい。特に好ましいハイドロフ
ルオロカーボンは、ペンタフルオロカーボン、ヘプタフルオロプロパン及びそれ
らの混合物である。殊に好ましい燻蒸剤は、約8ないし約25wt%のエチレン
オキシド、約75ないし約92wt%のペンタフルオロエタン、及び約5ないし
約15wt%のヘプタフルオロプリパンを含む。
【0018】 燻蒸剤の効果的な量は、処理されるシステム中に存在する有害微生物の生長を
駆逐し、中和し、または抑制するのに有効な量である。例えば、エチレンオキシ
ドの有効量は、約200mg/lないし約1250mg/l、好ましくは300
mg/lないし約700mg/lの濃度の範囲が典型的である。個々のシステム
においては、好ましい有効量は、日常的な実験によって決定され得る。エチレン
オキシドの濃度は、システム中の気体の圧力によってセットされ、ラウールの法
則によって計算され得る。例えば、システムの圧力が745mmHgであるとき
、エチレン御喫しどの濃度は約350mg/lである。
【0019】 シールされたシステムは、適当な真空ポンプを用いて空にされる。真空ポンプ
の大きさは、当業者によって容易に選定され、空にされるべきシステムの容積、
所望される最終の減圧水準、及び所望の減圧水準に達するに要する時間によって
決定される。所望される減圧の水準は、各特定の用途に応じて変動する。一般に
、高い水準の減圧が好ましい。約10mmHg以下またはそれに等しい減圧水準
は特に好ましい。
【0020】 燻蒸剤供給シリンダーは、適当な配管設備を用いて、被処理システムへ接続さ
れる。主シリンダー弁とシステムとの間の全ての配管、弁、付属部は、上記の減
圧工程中にシステムに対して開かれる。所望の減圧水準が達成されたときに、シ
ステムは減圧源から隔離される。主シリンダー弁を開いて、ガスをシステムへ入
れる。シリンダー出口のところに熱交換または気化器を設けて、エチレンオキシ
ドまたはエチレンオキシドとフルオロカーボン希釈剤との混合物のような液化圧
縮ガスが気化するのを助けるのが好ましいであろう。システムにおけるエチレン
オキシドの濃度は、システム圧力に関係づけられ、当業者によってラウールの法
則を用いて計算され得る。例えば、最終減圧水準から約745mmHgの圧力上
昇は、燻蒸容積の1リットル当り約350mgのエチレンオキシドを導入する。
所望のシステム圧力に到達したときに、燻蒸剤供給シリンダーの弁を閉じる。
【0021】 曝露の有効時間は、システムを構成している物品の内側表面を燻蒸するのに充
分な時間である。汚染された物品についての有効な曝露量は、約1日から約5日
が典型的であるが、より長い曝露時間も所望により採用できる。個々のシステム
に行いての最適曝露時間は、日常的な実験によって決定され得る。
【0022】 湿潤微生物は燻蒸剤の作用を一層受けやすいので、典型的には水蒸気が使用さ
れる。本発明方法は、システムへの燻蒸剤の導入と同時に、またはそれに先立っ
て、制御された湿度の雰囲気を与えることを含む、多様な手段で水蒸気を存在さ
せるように備えることができる。一具体例において、本方法は、システムをその
中の相対湿度が約30ないし約90%、最も好ましくは約50ないし約80%に
達するまで前処理し、次いでシステムまたは物品の内側表面を有効量の燻蒸剤に
曝すことを含む。
【0023】 本発明方法の加湿操作の好ましい具体例において、燻蒸剤を導入する直前にシ
ステムを約60%以上、例えば約70ないし約95%の相対湿度まで、少なくと
も約15分間、好ましくは約20分から約1時間またはそれ以上にわたり、加湿
する。加湿はいくつかの方法で達成できる。水蒸気をスチーム注入器で導入でき
、あるいは脱気水を含むシリンダーから水を蒸発させることにより水蒸気を得ら
れる。湿度水準は、システムの圧力ゲージによって、あるいは市販湿度計を用い
てモニターすることができる。システムへ水蒸気を導入するその他の手段は当業
者に明らかであろう。加湿は ほぼ室温で行うことができるが、より低いまたは
より高い温度を所望により採用できる。湿分を含む窒素等のような他の湿潤ガス
を使用できることも銘記すべきである。
【0024】 システムへの熱の加入は、燻蒸効率を高める(より低濃度のガス、またはより
短い曝露時間)。一般に、温度の10℃の増加は、燻蒸の速度を2倍にする。本
発明の特定の態様において、スチームは、加湿するため、及びシステムへ熱を加
えるための両方のために使用できる。
【0025】 本発明方法の実施は、本発明において使用される気体物質の安全な取扱い、並
びに気状材料の配合自体を包含する安全事項の注意が必要である。これに関連し
て、本発明方法は燻蒸剤をシステムの内包空間へ導入し、その空間は有効な曝露
時間にわたり閉められる。安全の配慮のため、その閉鎖システム内で大気圧また
はそれ以下の圧力を用いて、ガスの大気中への漏れを制限するのが好ましい。従
って、システムの内側表面を約0.5ないし1気圧未満の圧力のガスにばくろす
るのが最も好ましい。
【0026】 本発明の別の安全面は、燻蒸剤の殺菌作用が達成された後に採られる工程を含
む。そのような時に、燻蒸剤はシステムから取出され、適当な回収装置内に回収
されまたは駆逐される。そのような方法は、窒素のような不活性ガスによるシス
テムの繰返しフラッシング、及び適切な廃棄またはリサイクルのために適当なタ
ンク中への排出燻蒸剤の加圧を含む。エチレンオキシドは、高度に反応性であり
、廃棄の手段としての反応または接触分解を受けやすい。例えば、乱ガス流を酸
または塩基性溶液を含むスクラバーシステムに通過させるとエチレンオキシドは
エチレングリコールとポリエチレングリコールに変化する。あるいは、エチレン
グリコール含有流をホプカライト(Hopcalite)または市販触媒を含む
触媒床に通すことは、効果的な分解手段である。
【0027】 以下の非限定的な実施例は本発明の実施を例示する。 実施例 腐食を引き起こす微生物によって汚染された防火スプリンクラーシステムから
の、それぞれが長さ3フィートである9つのパイプ試料を、この実施例では使用
する。各試料は、中間部に取り付けられたスプリンクラーヘッドを備えている。
3つの試料は、使用したことの無いパイプのものである。残りの6つの試料は使
用されたパイプから取出された。これら6つの内の3つを、錆、小塊及び生物膜
を含む可視腐食生成物を除去する酸クリーニング溶液で処理する。9つの試料を
次いで培養して、微生物影響腐食(BIC)を引き起こすことが知られている4
つのタイプの細菌の存在を試験した。これらの細菌は、低栄養バクテリア(lo
w nutrient bac.、LNB)、鉄関連バクテリア(iron r
elated bac.,IRB)、サルフェート還元バクテリア(sulf
ate reducing bac.,SRB)及び酸生成バクテリア(aci
d producing bac.,APB)と称される。初期に4つの細菌全
てが試料に存在する。
【0028】 パイプから残留水を流出させ、圧縮窒素ガスで乾燥させ、相対湿度が75%の
水準に達するまで減圧する。各源からの1つのパイプを、処理操作の残部から隔
離して対照試料とする。次いで10.4wt%のエチレンオキシド、81.9w
t%のペンタフルオロエタン(HFC−125)、及び7.7wt%のヘプタフ
ルオロプロパン(HFC−227ea)を含む燻蒸剤混合物を各パイプへ、シス
テム圧力が大気圧よりちょっと下、約745mmHgとなるまで導入する。この
圧力で、システムにおけるエチレンオキシドの濃度は、350mg/lである。
ガスは、試験パイプの3本中に約1日間留まる。他の試験試料は、3日間曝露さ
れる。曝露期間の終了時に、システムを交互に乾燥圧縮窒素ガスでフラッシュし
、ポータブルエチレンオキシド検出器が排出ガス中にエチレンオキシドを検出し
なくなるまで、真空ポンプを用いて減圧する。次いでパイプ試料を細菌の存在に
ついて再分析する。
【0029】 表1は、燻蒸剤への曝露は、未処理パイプ試料と比較して存在する微生物の数
を著しく減少させることを示す。
【0030】
【表1】
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月7日(2002.8.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 腐食促進微生物を燻蒸するためにエチレンオキシドを使用する
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、微生物影響腐食(MIC)を受けやすいクローズドシステム(閉じ
た系)の燻蒸及びメインテナンスに関する。
【0002】 背景 微生物混入に起因して時間の経過により腐食するシステムのメインテナンスは
、微生物の増殖、回復力及び順応性故に顕著な難題である。多数の、多様なシス
テムはそのような劣化を受けやすく、これらのシステムに対応するために、クリ
ーニング及びスクレーピングを包含する多様な方法が考案されているが、腐食の
根源に対処し、またシステムの材料組成に関係なく広範囲のシステムにおいて安
全かつ有効に使用され得る方法が求められている。
【0003】 金属、及び合金で造られたシステムは、微生物からの損害を特に受けやすい。
これらの作用は、配管及びその他の内包されたシステムで際立って見出され、こ
れらの場所では微生物影響腐食及び微生物汚染が閉塞、漏洩、及び構造材料の時
期尚早の破壊を引き起こす。このような悪化を引き起こすいくつかのタイプの細
菌があり、パイプ試料中には1つよりも多くの種が見出される。これらの細菌は
、就役したシステム中にまた未使用未就役のパイプでも見出され得る。処理しな
ければ、これらの微生物は増殖し、システムに損害を与え、その内容物を汚染す
る。金属製システムは腐食を特に受けやすいが、プラスチック構造物も微生物被
害を受けやすく、この被害は温度及び太陽輻射のような環境因子を包含する諸因
子の結合によって増強され得る。これらの因子は、汚染微生物によって促進され
る作用と結び付いて、システムを汚染し、そしてシステム破損へと導く。
【0004】 微生物損害は、タンクや容器から配管システムに及ぶ範囲の多数のクローズド
システムに悪影響を与える。この防微生物処理の潜在的な応用には、防火スプリ
ンクラーシステム、浄水及び配水設備、クーリングタワー、バラストシステム、
並びに製造及び化学の加工、取扱い及び貯蔵装置が含まれる。
【0005】 市販のシステムメインテナンス処理のための選択枝としては、グルタルアルデ
ヒドのような液体殺菌剤及びクリーニング溶液(米国特許第5160047号)
、あるいはグリコール酸溶液(米国特許第5885364号)を用いてシステム
をフラッシングすることが含まれる。液体殺菌剤は、広大な配管システムのあら
ゆる枝や立ち上り部分を完全にフラッシュするのが困難であるので、システムの
あらゆる表面へ到達する能力に限界がある。その殺菌剤に直接曝されない細菌は
、繁殖することとなろう。
【0006】 エチレンオキシド及び二酸化塩素のような気体状の滅菌剤は公知であり、医療
事業においては医療器具及び装置を滅菌するために50年にわたって使用されて
いる。二酸化塩素及び純粋エチレンオキシドの両者は、爆発性である。しかしな
がら、不活性ガスとの不燃性ブレンドが市販されている。
【0007】 微生物影響腐食(MIC)を受けやすいシステムを燻蒸するための方法におけ
る燻蒸剤の潜在的有効性は、未知である。殊に、エチレンオキシドは非多孔質物
質よりも多孔質物質で一層有効であることが知られている。本出願人は、本発明
方法で使用されるときに、燻蒸剤、殊にエチレンオキシドはシステムの内側表面
に均一に曝露し、そしてシステム内側表面上に存在する腐食生成物及び/又は微
生物生長物の層に侵入して、下の方にいる腐食に影響するタイプの微生物に到達
するように、効果的に使用し得ることを見出した。本方法は、広範囲の応用を有
するが、殊に防火スプリンクラーシステム中のMICを燻蒸するのに有用である
【0008】 発明の概要 本発明は、水性媒体が含まれるか、水性媒体が流通する物品ないし手段を含む
クローズドシステムを燻蒸する方法であって、該物品の表面を燻蒸剤の有効量に
対して有効な時間曝すことを含む上記燻蒸方法に関する。
【0009】 さらに特定的には、本発明は、水性媒体が含まれるか、水性媒体が流通する物
品ないし手段を含むクローズド・システムを燻蒸する方法であって、そのシステ
ムを空にし;燻蒸剤の有効量を導入し;そのシステムを燻蒸剤に有効な時間曝し
;そして燻蒸剤を取り除く;ことを含む上記燻蒸方法に関する。
【0010】 本発明方法の好ましい態様において、燻蒸剤はエチレンオキシドと不活性キャ
リヤーガスとの不燃性ブレンドを含む。 別の好ましい態様において、本方法は、燻蒸剤を導入する前にシステムを約3
0〜90%の相対湿度、好ましくは約50ないし約80%の相対湿度に加湿する
ことを含む。
【0011】 さらに別の好ましい態様においては、本方法は、燻蒸剤の殺菌活性を促進する
ためにシステムを加熱することを含む。 さらに別の好ましい態様において、本方法は、システムを、大気圧以下の圧力
、好ましくは約0.5気圧と1気圧未満の間の圧力の下で燻蒸剤へ曝すことを含
む。
【0012】 発明の詳細な説明 本発明方法で処理されるシステムは、外側境界と内側境界とを有し、その内側
境界が空間(スペース)を画定している物品ないしは手段を含む。この空間は該
物品の内側表面によって限定され、その空間はある方向へ延在して、液体を流通
させ得る通路を画定するものでよい。そのような内側表面は、曲面状または平坦
状のような任意の形で、そして例示的には(しかし限定されるものではないが)
円筒形または管状の空間、あるいは三角状あるいは直線で囲まれた形状のような
多角形空間、を形成するものでよい。これらの空間を包囲する物品は、典型的に
は、該液体を導入し、排除するために備えられた1つまたはそれ以上の開口を有
するように設計される。例示的なシステムは、タンク、容器、配管、導管、カッ
プリング、弁、及びあらゆる形及び大きさの管のような内包物品(クローズドシ
ステム)を含む。
【0013】 これらのシステムは、押出し、モールディング、キャスティング、フライス削
り、アニーリング、熱成形、切断、ドリル加工、折り曲げ等を含む任意の公知の
方法によって、多様な材料から構成される。そのような物品の使用に関連する材
質は、一般的には、機械的強度、耐薬品性、耐久性、耐熱性、耐光性、耐酸素性
、及び耐湿性によって特徴付けられる。殊に、該物品をなす材料はその物品の内
側表面と接触する流体、例えば曝露の条件下その表面を処理するためのここに開
示した燻蒸剤、に対して化学的に耐えるのが典型的である。代表的な材料は、金
属及びプラスチックを包含する。例示的金属は、銅、鉄、鋼、アルミニウム、及
びそれらの合金、並びに亜鉛被覆鋼のような被覆付金属である。例示的なプラス
チックは、エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化PVC、ポリブチ
レン、ナイロン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネートを含み、こ
れらのいずれも充填剤、顔料、可塑剤、抗酸化剤、防炎剤及びUV線安定剤を包
含する添加剤を配合していてよい。
【0014】 微生物影響腐食(MIC)は、材料物質の腐食過程を促進し及び/又はその過
程に触媒作用をなす微生物と接触し、あるいはそのような微生物に適切な生長条
件を与えた結果としての、崩壊又は腐食を指称する。MICを起こすことが知ら
れているタイプの微生物は、低栄養細菌(low nutrient bac.
:LNB)、鉄関連細菌(iron related bac.:IRB)、
サルフェート還元細菌(sulfate reducing bac.:SRB
)及び酸生成細菌(acid producing bac.:APB)である
【0015】 ここで使用される用語「燻蒸する」は、腐食に影響する微生物の生長を駆逐、
中和または抑制するために煙(フューム)に付すことを意味する。汚染している
微生物数の少なくとも2ロガリズム(2logs)、好ましくは3以上のロガリ
ズムの減少をもたらす燻蒸が望ましい。
【0016】 用語「燻蒸剤」は、腐食に影響する微生物に有毒である蒸気形態の薬剤を意味
する。適当な燻蒸剤は、アルキレンオキシド、二酸化塩素、二酸化フッ素、オゾ
ン、過酸化水素又は臭化メチル等を含み、システムを燻蒸するのに充分な時間に
わたる。好ましいアルキレンオキシドは、エチレンオキシド及びプロピレンオキ
シドである。エチレンオキシドが殊に好ましい。
【0017】 エチレンオキシドは、それ自体非常に燃焼性のガスである。従って、エチレン
オキシドを燻蒸剤として単独で使用するときには、防爆装置のような予防措置が
が必須である。好ましい実施態様は、エチレンオキシドを希釈する働きをなす不
活性キャリヤーガスとブレンドし、その混合物を全体として不燃性となすように
する。参照:米国特許第5,039,485号;第5,254,309号;第5
,342,579号;第5,376,333号;第5,976,554号;及び
WO99/42143号、これらのものは全体が参照のためここに組込まれる。
代表的な不活性キャリヤーガスは、二酸化炭素、窒素、ハロゲン化炭化水素、及
びそれらの混合物を包含するが、これらに限定されるものではない。代表的なハ
ロゲン化炭化水素は、大気圧またはそれ以下の圧力で、約0℃またはそれ以上の
温度で気体であるクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、
ハイドロフルオロカーボンを包含する。適当な市販のハロゲン化炭化水素の例は
、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、のようなクロロフルオロカーボ
ン、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)及び1−クロロ−1,2,2,
2−テトラフルオエタン(HCFC−124)のようなハイドロクロロフルオロ
カーボン、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン(HFC−236fa),1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフル
オロプロパン(HFC−227ea)及び1,1,1,2,2,3,3−ヘプタ
フルオロプロパン(HFC−227ca)のようなハイドロフルオロカーボン、
並びに上記のものの任意の組合わせを包含するが、これに限定されない。ハイド
ロフルオロカーボンは、それらの低いオゾン減耗性の故に殊に好ましい。特に好
ましいハイドロフルオロカーボンは、ペンタフルオロカーボン、ヘプタフルオロ
プロパン及びそれらの混合物である。殊に好ましい燻蒸剤は、約8ないし約25
wt%のエチレンオキシド、約75ないし約92wt%のペンタフルオロエタン
、及び約5ないし約15wt%のヘプタフルオロプロパンを含む。
【0018】 燻蒸剤の効果的な量は、処理されるシステム中に存在する有害微生物の生長を
駆逐し、制圧し、または抑制するのに有効な量である。例えば、エチレンオキシ
ドの有効量は、約200mg/lないし約1250mg/l、好ましくは300
mg/lないし約700mg/lの濃度の範囲が典型的である。個々のシステム
においては、好ましい有効量は、日常的な実験によって決定され得る。エチレン
オキシドの濃度は、システム中の気体の圧力によって調節され、ラウールの法則
によって計算され得る。例えば、システムの圧力が745mmHgであるとき、
エチレンオキシドの濃度は約350mg/lである。
【0019】 シールされたシステムは、適当な真空ポンプを用いて空にされる。真空ポンプ
の大きさは、当業者によって容易に選定され、空にされるべきシステムの容積、
所望される最終の減圧水準、及び所望の減圧水準に達するに要する時間によって
決定される。所望される減圧の水準は、各特定の用途に応じて変動する。一般に
、高い水準の減圧が好ましい。約10mmHg以下またはそれに等しい減圧水準
は特に好ましい。
【0020】 燻蒸剤供給シリンダーは、適当な配管設備を用いて、被処理システムへ接続さ
れる。主シリンダー弁とシステムとの間の全ての配管、弁、付属部は、上記の減
圧工程中にシステムに対して開かれる。所望の減圧水準が達成されたときに、シ
ステムは減圧源から隔離される。主シリンダー弁を開いて、ガスをシステムへ入
れる。シリンダー出口のところに熱交換または気化器を設けて、エチレンオキシ
ドまたはエチレンオキシドとフルオロカーボン希釈剤との混合物のような液化圧
縮ガスが気化するのを助けるのが好ましいであろう。システムにおけるエチレン
オキシドの濃度は、システム圧力に関係づけられ、当業者によってラウールの法
則を用いて計算され得る。例えば、最終減圧水準から約745mmHgの圧力上
昇は、燻蒸容積の1リットル当り約350mgのエチレンオキシドを導入する。
所望のシステム圧力に到達したときに、燻蒸剤供給シリンダーの弁を閉じる。
【0021】 曝露の有効時間は、システムを構成している物品の内側表面を燻蒸するのに充
分な時間である。汚染された物品についての有効な曝露量は、約1日から約5日
が典型的であるが、より長い曝露時間も所望により採用できる。個々のシステム
においての最適曝露時間は、日常的な実験によって決定され得る。
【0022】 湿潤微生物は燻蒸剤の作用を一層受けやすいので、典型的には水蒸気が採用さ
れる。本発明方法は、システムへの燻蒸剤の導入と同時に、またはそれに先立っ
て、制御された湿度の雰囲気を与えることを含む、多様な手段で水蒸気を存在さ
せるように備えることができる。一具体例において、本方法は、システムをその
中の相対湿度が約30ないし約90%、最も好ましくは約50ないし約80%に
達するまで空にすることにより前処理し、次いでシステムまたは物品の内側表面
を有効量の燻蒸剤に曝すことを含む。
【0023】 本発明方法の加湿操作の好ましい具体例において、燻蒸剤を導入する直前にシ
ステムを約60%以上、例えば約70ないし約95%の相対湿度まで、少なくと
も約15分間、好ましくは約20分から約1時間またはそれ以上にわたり加湿す
る。加湿はいくつかの方法で達成できる。水蒸気をスチーム注入で導入でき、あ
るいは脱気水を含むシリンダーから水を蒸発させることにより水蒸気を得られる
。湿度水準は、システムの圧力ゲージによって、あるいは市販湿度計を用いて監
視することができる。システムへ水蒸気を導入するその他の手段は当業者に明ら
かであろう。加湿は、ほぼ室温で行うことができるが、より低いまたはより高い
温度を所望により採用できる。湿分を含む窒素等のような他の湿潤ガスを使用で
きることも銘記すべきである。
【0024】 システムへの熱の添加は、燻蒸効率を高める(より低濃度のガス、またはより
短い曝露時間)。一般に、温度の10℃の増加は、燻蒸作用の速度を2倍にする
。本発明の特定の態様において、スチームは、加湿するため、及びシステムへ熱
を加えるための両方に使用できる。
【0025】 本発明方法の実施は、本発明において使用される気体物質の安全な取扱い、並
びに気状材料の配合自体を包含する安全事項の注意が必要である。これに関連し
て、本発明方法は燻蒸剤をシステムの内包空間へ導入し、その空間は有効な曝露
時間にわたり閉められる。安全の配慮のため、そのクローズドシステム内で大気
圧またはそれ以下の圧力を用いて、ガスの大気中への漏れを制限するのが好まし
い。従って、システムの内側表面を約0.5ないし1気圧未満の圧力のガスに曝
露するのが最も好ましい。
【0026】 本発明の別の安全面は、燻蒸剤の殺菌作用が達成された後に採られる工程を含
む。そのような時に、燻蒸剤はシステムから取出され、適当な回収装置内に回収
されか、または駆逐される。そのような方法は、窒素のような不活性ガスによる
システムの繰返しフラッシング、及び適切な廃棄またはリサイクルのために適当
なタンク中への排出燻蒸剤の加圧を含む。エチレンオキシドは、高度に反応性で
あり、廃棄の手段としての反応または接触分解を受けやすい。例えば、退出ガス
流を酸または塩基性溶液を含むスクラバーシステムに通過させるとエチレンオキ
シドはエチレングリコールとポリエチレングリコールに変化する。あるいは、エ
チレンオキサイド含有流をホプカライト(Hopcalite)または他の市販
触媒を含む触媒床に通すことは、効果的な分解手段である。
【0027】 燻蒸済みのシステムの再汚染を防止するために、付加的な工程を使用し得る。
そのような工程は、汚染性細菌の再導入を許し得る全てのシステム開口又は入口
をシーリングすることを包含する。微生物の通過に対して効果的な障害を与える
適当なシール、カバー、及び蓋は、被処理システムの性質に応じて多様な材料、
例えば金属、プラスチック、ガラス及びセラミックのような非多孔質材料から構
成され得る。多孔質材料も、材料の細孔寸法が微生物の通過を防ぐのに充分に小
さければ、満足に機能し得る。
【0028】 更には、通常の運転中に水を保持するシステムは、オゾン分解、蒸留又はマイ
クロ濾過を含む任意の公知滅菌方法によって作られた滅菌水を充填され得る。水
に含まれる微生物によるシステムの再汚染は、都市水とは対照的に滅菌の使用に
よって回避される。エチレンオキシド滅菌システムに滅菌水を充填する別の利点
は、残留エチレンオキシドの加水分解転化の促進である。一般的には長期間にわ
たって水を保持するシステムは、防火スプリンクラーシステムを包含する。防火
スプリンクラーシステムは、本発明の好ましい具体化態様である。
【0029】 本方法の実施に必須ではないが、若干の応用においては、システムにおける生
存能力のある微生物の残留水準を監視して再汚染の早期検出をできるようにする
ことは望ましいであろう。
【0030】 本発明方法は、特定の態様において、処理されるべきシステムをシーリングし
、そしてそのシステムを空にし、同時にシステム中に30−80%の相対湿度を
維持しあるいは設定しながら、実施される。これは、比較的に乾燥したシステム
に対しては水蒸気を添加することにより、あるいは所望の水蒸気水準が残るに至
るまで湿潤システムから水を排除することにより、達成できる。不燃性のエチレ
ンオキシド混合物を含む燻蒸剤は、所望のエチレンオキシド有効濃度に達するま
でシステムに入れられる。本発明の好ましい一態様において、システム圧は大気
圧よりほんの僅か低いままであるようにする。この圧力限定は、システムの漏洩
の際に、有毒なエチレンオキシドが周囲環境中へ漏洩せずに、室内空気がシステ
ムに入ることを保証する。次いで、エチレンオキシドブレンドはシステム内に存
在する腐食に影響する微生物に侵入し、滅菌するのに充分な時間システム内に留
まるようにされる。曝露後、エチレンオキシドブレンドは、システムから取出さ
れ、そして真空ポンプ、圧縮機、及び容器シリンダーから構成される冷媒回収装
置を用いて回収され得る。
【0031】 以下の非限定的な実施例は本発明の実施を例示する。 実施例 腐食を引き起こす微生物によって汚染された防火スプリンクラーシステムから
の、それぞれが長さ3フィートである9つのパイプ試料を、この実施例では使用
する。各試料は、中間部に取り付けられたスプリンクラーヘッドを有している。
3つの試料は、実際に使用したことの無いパイプのものである。残りの6つの試
料は使用されたパイプから取出された。これら6つの内の3つを、錆、結核(t
ubercles)及び生物膜を含む可視腐食生成物を除去する酸クリーニング
溶液で処理する。9つの試料を次いで培養して、微生物影響腐食(BIC)を引
き起こすことが知られている4つのタイプの細菌の存在を試験した。これらの細
菌は、低栄養細菌(low nutrient bac.:LNB)、鉄関連細
菌(iron related bac.:IRB)、サルフェート還元細菌
(sulfate reducing bac.:SRB)及び酸生成細菌(a
cid producing bac.:APB)と称される。初期に4つの細
菌全てが試料に存在する。
【0032】 パイプから残留水を流出させ、圧縮窒素ガスで乾燥させ、相対湿度が75%の
水準に達するまで減圧する。各試料源からの1つのパイプを、処理操作の残部か
ら対照試料として隔離する。次いで10.4wt%のエチレンオキシド、81.
9wt%のペンタフルオロエタン(HFC−125)、及び7.7wt%のヘプ
タフルオロプロパン(HFC−227ea)を含む燻蒸剤混合物を各パイプへ、
システム圧力が大気圧よりちょっと下、約745mmHgとなるまで導入する。
この圧力で、システムにおけるエチレンオキシドの濃度は、350mg/lであ
る。ガスは、試験パイプの3本の中に約1日間留まる。他の試験試料は、3日間
曝露される。曝露期間の終了時に、システムを代わるがわる乾燥圧縮窒素ガスで
フラッシュし、ポータブルエチレンオキシド検出器によって排出ガス中にエチレ
ンオキシドが検出されなくなるまで、真空ポンプを用いて減圧する。次いでパイ
プ試料を細菌の存在について再び分析する。
【0033】 表1は、燻蒸剤への曝露が未処理パイプ試料と比較して存在する微生物の数を
著しく減少させることを示す。
【0034】
【表1】 本件の最初に提出された明細書翻訳文は、翻訳時間が極めて制限された条件下
で複数の翻訳者により作成された部分的翻訳文を連結したものであり、全体的な
校正、整理、調整を経ていないものである。その翻訳文は、用語の不統一(例:
バクテリア/細菌など)、用字あるいは表現の不統一(微生物によって影響され
た腐食(MIC)/微生物影響腐食(MIC);クローズド・システム/クロー
ズドシステム;暴露/曝露など)、誤字(プリパン/プロパンなど)、脱字、ワ
ードプロセッサー変換誤謬、編集上の誤整理等が含まれており、原文の適切でな
い翻訳によるものである。これを適切に訂正し、明細書翻訳文の記載を適切な翻
訳によるものとする目的で、本翻訳訂正書は提出される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/04 A01N 43/04 59/00 59/00 A 59/08 59/08 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 コンヴァイザー,スティーヴン・エイ アメリカ合衆国ニュージャージー州07960, モーリスタウン,ウィンドミル・ドライブ 27 (72)発明者 ビットネイ,ロナルド・ジー アメリカ合衆国アリゾナ州86401,キング マン,ターキー・トラック・サークル 2618 Fターム(参考) 4C058 AA24 AA30 BB07 JJ14 JJ15 JJ16 4H011 AA02 AA03 BA01 BB02 BB08 BB18 BC02 DA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体が含まれるか、水性媒体が流通する物品ないし手段
    を含むクローズド・システムを燻蒸する方法であって、該物品の表面を燻蒸剤の
    有効量に対して有効な時間曝すことを含む上記燻蒸方法。
  2. 【請求項2】 燻蒸剤がアルキレンオキシド、二酸化塩素、二酸化フッ素、
    オゾン、過酸化水素又は臭化メチルを含む請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 燻蒸剤がエチレンオキシドと不活性キャリヤーガスとの不燃
    性ブレンドを含む請求項1の方法。
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