JP2003519533A - 拡大可能な構成要素を有する使い捨て衣料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 衣料の合わせ具合と機能を向上するために拡大することが可能な、消費者作動型の構成要素を有する使い捨て衣料。拡大可能な構成要素は、シールした空気不透過性の包袋の中に配置した、圧縮された弾力性のある拡大可能な部材を包含する。包袋の開口をさらすように衣料に引張り力をかけ、これによって空気を包袋に入れ、圧縮された拡大可能な構成要素を実質的に非圧縮状態に拡大させることにより、拡大可能な構成要素を活性化することができ、その結果その構成要素は衣料着用者の身体の方向に拡大する。拡大すると、拡大可能な構成要素は排泄物の収集室を画定することができ、或いは衣料と着用者の所定の区域に、より密接な接触を提供して衣料の着用者の体への合わせを改善することができ、或いは衣料と着用者身体の間でより密接な接触を提供して吸収性部材を身体開口部に近接して配置し、吸収性部材による身体老廃液の吸収を改良することができる。かくして、その衣料は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等となり得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、衣料の合わせ具合と機能を向上するために拡大可能な、消費者作動
型の構成要素を有する、使い捨て衣料に関する。特に、本発明は、最初は比較的
平らな圧縮された形であるが、着用者の体に当てる時又は直前にその衣料に引張
り力をかけると、続いて拡大することができる一つ以上の要素を包含する、使い
捨て衣料に関する。

【０００２】 （発明の背景） 使い捨て吸収性物品の形態の衣料は、尿や糞便や経血などの身体排出物を吸収
し封じ込めるためのものとして提供されている。このような使い捨て吸収性物品
で特に望まれる特徴は、身体排出物を捕捉して保持し、その衣料と着用者との隙
間から身体排出物の漏れを最小にする性能である。これら物品でそのほかに望ま
れる特徴は、着用者の体が動いたときに望ましい着用場所に維持できるような方
法で、着用者の体に沿って合わせられることである。

【０００３】 使い捨て吸収性物品に糞便を封じ込めるための収集空間を得る予成形したスペ
ーサーを追加することは、公知である。しかし、このような予成形したスペーサ
ーには、その物品の厚さを増すことになる初期厚さがあり、したがって、このよ
うなスペーサーを包含する物品はより厚く梱包内でより多い場所を占め、これに
よってこのようなスペーサーがない使い捨て吸収性物品と比べ輸送と保管のコス
トが増加する、という不利点がある。更に、このようなスペーサーは、その物品
を着用者に当てる時の厚さのために、着用者にとって不快であると消費者に考え
られることがあり、着用者の外側衣服の合わせ具合に悪影響を与えると考えられ
ることもある。

【０００４】 使い捨て吸収性物品と共に使用する様々な形態の公知のスペーサーが、以下の
特許に例示され記載されている：「シールした拡大可能な構成要素を有する使い
捨て吸収性物品（Disposable Absorbent Article Having a Sealed Expandable
Component）」と題する１９９６年５月２８日にラボン（Lavon）らに発行された
米国特許第５，５２０，６７４号、１９９３年１月５日にブルーマー（Bruemmer
）らに発行された米国特許第５，１７６，６７２号、１９９２年１２月１５日に
ドレイル（Dreier）らに発行された米国特許第５，１７１，２３６号、及び「使
い捨て吸収性物品中で使用するスペーサー及びそのようなスペーサーを有する使
い捨て吸収性物品（Spacers for Use in Disposable Absorbent Articles and D
isposable Absorbent Articles Having Such Spacers）」と題して１９９２年６
月１１日にアレン（Allen）らにより出願された米国特許出願整理番号０７／８
９８，０４７。

【０００５】 膨張可能な構造を有する吸収性物品の開示が、１９８５年９月２０日にラフェ
ーブル（Lefebvre）の名で公開された仏国特許出願第２，５６１，０７８号に含
まれている。口で膨張させることができる構造要素を有するおむつが開示されて
いる。しかし、膨張作業の実施は、特に公共の場所やおむつが既に着用者に固定
されているときには、不恰好であり不便のことがある。更に、このような膨張作
業手順は、衛生的見地からも望ましくない。

【０００６】 １９７５年５月６日と１９７５年１１月２５日にそれぞれホワイト（Whyte）
に発行された米国特許第３，８８１，４９１号及び第３，９２１，２３２号では
、自己膨張構造を有する使い捨て吸収性物品が開示されている。その構造は、体
液が通過できる半透過性材料の壁を有するとともに、活性化材料（例えば、尿）
と作用してその構造を膨張させるガス放出材料を包含している。しかし、ホワイ
ト（Whyte）が教示する構造は、第一にコアの密度上昇を妨げ、尿など外部源か
らの活性化材料を必要とし、着用者が望む時に望む場所で又はその構造を適度に
膨張させる望ましい量の排尿ができないことがあるという不利点がある。

【０００７】 １９９３年６月２３日にアール（Ahr）らの名で出願された米国特許出願整理
番号０８／０８１，７３３、及び１９９３年１月２３日にラボン（LaVon）らの
名で出願された米国特許出願整理番号０８／０８１，５３６では、膨張するには
構成成分の濡れ又は二つの異なる物質の混合物の濡れを必要とする、膨張可能な
おむつの構成要素が開示されている。

【０００８】 このような状況により、着用者の体に当てる時又は直後に拡大することができ
、その衣料の合わせ具合と機能を向上する構成成分を有する、使い捨て衣料を供
給すること望ましい。また、また、糞便を収容する空間のためのスペーサーを有
し、そのスペーサーの厚さはスペーサー濡れの必要なく増大でき、消費者又は着
用者によりスペーサーの厚さが増大できる、使い捨ておむつを供給することが望
ましい。また、生理用ナプキンを使用する場所でナプキントップシートとコアを
生理用ナプキンのバックシートから離して引き上げことにより拡大可能であり、
これによって生理用ナプキンの長手方向中心線に沿って厚さ増大を得ることがで
きる構成成分を有する、生理用ナプキンを供給することができれば望ましいこと
である。

【０００９】 更に、空気不透過性の包袋の中に入れて拡大の遅れを得た圧縮状態の弾力性要
素を包含する拡大可能な構成要素を有し、拡大の大部分は物品を包装から取り出
し着用者の身体に当てた後に起きる、使い捨て吸収性物品を供給することができ
れば望ましいことである。

【００１０】 （発明の概要） 端的にいえば、本発明の一態様により、衣料本体の一部を形成する第一と第二
の構造要素を包含する使い捨て衣料が提供される。包袋が第一と第二の構造要素
の間に支えられ、その包袋はシールした状態であって、圧縮したスペーサー要素
を含んでいる。包袋は、第一の支持点で、第一の構造要素に確実に接続されてい
る。活性化体が、包袋と接続され、包袋から第二の構造要素の第二の支持点へ伸
びている。衣料に引張りを与えると、第一と第二の支持点は互いに遠ざかる方向
に動き、活性化体は包袋への流路を開き、スペ−サ要素は圧縮状態から実質的に
非圧縮状態に拡大できる。

【００１１】 本発明の別の態様によれば、衣料本体を包含する、使い捨て衣料が提供される
。形成された弾力性の拡大可能な部材が、衣料本体に支えられ、衣料を着用した
時着用者の身体に隣接して配置される。その拡大可能な部材は、包袋の中で最初
は少なくとも部分的に圧縮された状態にある。包袋は、衣料本体に第一の支持点
で取り付けられ、また少なくとも部分的に圧縮された拡大可能な部材の周りでシ
ールされた状態にあり、したがって包袋に開口を作って周辺空気を取り込むまで
、圧縮可能な部材は少なくとも部分的に圧縮された状態を維持する。活性化体は
その衣料に支えられ、第一の活性化体接続点で包袋に接続する。活性化体はまた
、第二の活性化体接続点で衣料本体の部分と接続し、第二の接続点は、第一の支
持点から衣料本体の領域により間隔を空けた第二の支持点を画定する。第一の支
持点と第二の支持点の間の衣料本体の領域を伸ばすように衣料に引張り力をかけ
ると、活性化体は第一の支持点の近傍にある包袋の流路を開いて包袋に周辺空気
を入れ、これによって拡大可能な部材は圧縮が解かれ、最初の少なくとも部分的
に圧縮された状態から実質的に非圧縮状態に拡大する。

【００１２】 本発明の別の態様によれば、その衣料は使い捨ておむつであり、拡大可能な部
材は糞便を収集するための収集室を画定する。

【００１３】 本発明の更なる態様によれば、その衣料は使い捨ておむつであり、拡大可能な
部材はおむつの腰部領域に配置され、着用者の腰の周りでおむつの合わせを改善
する。

【００１４】 本発明の更に別の態様によれば、その衣料は使い捨ておむつであり、拡大可能
な部材はおむつの端部領域に配置され、着用者の脚周りの合わせを改善する。

【００１５】 本発明の別の態様によれば、その衣料は生理用ナプキンであり、拡大可能な部
材はナプキンの長手方向軸に沿って配置され、その機能を改善する。

【００１６】 （発明の詳細な説明） 本発明で使用する「衣料」という用語は、体排出物を吸収し封じ込める吸収性
物品を指し、特に、着用者の身体に押し付けて又は体に近接して配置し、身体か
ら排出される様々な排出物を吸収し封じ込める吸収性物品を示す。そのような吸
収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、おむつホル
ダー、おむつライナー等が挙げられるが、これには限定されない。用語「衣料」
に包含されるものとしてはまた、また、生理用ナプキンとパンティライナー等の
女性用衛生用品もある。

【００１７】 本明細書で使い捨て物品に関連して使用する用語「使い捨て」は、洗濯したり
、或いは、修復したり、吸収性物品として再使用したりすることを意図しない吸
収性物品について言う。（すなわち、その物品を、一回の使用の後に廃棄するか
、好ましくはリサイクルするか、堆肥化するか、さもなければ環境に適応した方
法で処分することを意図する）。

【００１８】 本発明による吸収性物品の一実施態様として、図１に示す一体使い捨て吸収性
おむつ２０がある。本明細書で使用する用語「おむつ」は、一般に幼児及びその
他の失禁者が胴体下部の周りに着用する吸収性物品を指す。図１は、本発明のお
むつ２０の平らに伸ばした非収縮状態の（すなわち、全ての弾性に起因する収縮
を完全に伸ばした）平面図であり、構造の一部を切り欠いておむつ２０の内部構
造をより明瞭に示す。図１に見るように、おむつ２０の着用者に面する又は接触
する面、すなわち内側、身体側表面は、この図の読者を向いている。

【００１９】 図１に示すおむつ２０は、前腰部領域２２と、後腰部領域２４と、股部領域２
６と、周辺部２８とを備え、周辺部２８は、横方向に間隔を空けた一対の長手方
向縁３０と、長手方向に間隔を空けた一対の前横方向縁３２Ａと後横方向縁３２
Ｂとを包含する。（本明細書で使用する用語「前腰部領域」と「後腰部領域」は
他に指定がなければ互換可能であり、本発明においては、おむつの前腰部領域は
着用者の後腰の反対側に配置することができ、後腰部領域は着用者の前腰の反対
側に配置できる実施態様を意図していることを注記する。）おむつ２０はまた、
また、横方向中心線３４と長手方向中心線３６とを有する。

【００２０】 本明細書において使用する用語「長手方向」を寸法、方向、又はおむつ２０の
軸に対して適用するとき、長手方向中心線３６と整列又は平行の寸法、方向、軸
である。同様に用語「横方向」又は「横断方向」を寸法、方向、又はおむつ２０
の軸に対して適用するとき、長手方向に直角であり、横方向中心線３４と整列又
は平行である。また、また、本明細書で使用する「Ｚ方向」は、長手方向と横断
方向の両方に直交する方向であり、図３及び図４に示す断面図で特定する。

【００２１】 前腰部領域２２と後腰部領域２４は、おむつを着用してこれらの外側端部を相
互に接続した時に、着用者の腰の少なくとも一部を覆うおむつ２０の部分である
。股部領域２６は、前腰部領域２２と後腰部領域２４との間に配置され、着用し
た時に着用者の脚の間を通るおむつ２０の部分である。

【００２２】 図１から図３までに示すように、おむつ２０は、液体透過性トップシート３８
と液体不透過性バックシート４２とを包含し、後者は少なくとも周辺でトップシ
ート３８と結合している。トップシート３８とバックシート４２の間に吸収性コ
ア４４を配置し、吸収性コアは、図面には一つの層しか示してないが、一つ以上
の層の材料を包含することができる。吸収性コア４４は境界４５を有し、境界４
５は、前部横方向伸長端４５Ａと後部横方向伸長端４５Ｂ及び側縁部４５Ｃと４
５Ｄを包含する。コア４４は、股部領域のみに配置してもよく、腰部領域２２又
は２４のいずれか又は両方の中へ延びてもよい。

【００２３】 おむつ２０は、側端部５８を包含し、側端部５８は、吸収性コア側縁部４５Ｃ
と４５Ｄから横方向外側におむつの長手方向縁３０へ伸びる。側端部５８は、吸
収性コア側縁部４５Ｃと４５Ｄの少なくとも一部から横方向外側に伸びる、トッ
プシート３８及び／又はバックシート４２の部分により画定される。

【００２４】 おむつ２０は、身体側表面３９を有し、身体側表面３９は、少なくともトップ
シート３８の一部により画定され、おむつ２０を着用した時の着用者の体に隣接
して配置される。おむつ２０はまた、着用者の体から外側に向く衣類側表面４３
（図３参照）を有し、衣類側表面４３は、バックシート４２の少なくとも一部に
より画定され、バックシート４２に結合された構成要素を包含することができる
。

【００２５】 本発明の一実施態様では、少なくとも一つの拡大可能な構成要素２００が、お
むつ２０の中に支えられている。拡大可能な構成要素２０は、おむつの軸に関連
して、おむつの横断方向には実質的に中心になるように、おむつの長手方向には
実質的におむつの中央からずれるように配置される。拡大可能な構成要素２００
は、図３に示す第一の厚さＴ１を有する初期圧縮条件から、図４に示す第二の厚
さＴ２を有する最終拡大条件まで、拡大可能である。

【００２６】 拡大可能な構成要素２００は弾力性要素２１５を包含し、弾力性要素２１５は
シールした空気非透過性の包袋２２０の中に配置され、包袋２２０は図３に示す
ように開放可能な閉止２５０で閉じられた開口又は空気入口２２２を有する。包
袋２２０の内部は周辺大気と圧力平衡にあり、このような拡大はするとシールし
た空気不透過性包袋２２０の容量が増大してシールした包袋内部２２０の圧力を
下げることになるので、圧縮された弾力性要素２１５は、シールした空気不透過
性の包袋２２０の中で拡大しない。このように、包袋２２０の外側の大気圧が、
包袋内の弾力性要素２１５の拡大を阻止する作用をする。非透過性包袋２２０の
中へ空気を入れると、例えば図４に示すように閉止２５０を開放して入口２２２
から空気が入れるようにすると、包袋２２０を画定している壁は互いに離れるよ
うに動くことができ、したがって、包袋２２０内の弾力性要素２１５は、図３に
示す第一の厚さＴ１から、図４に示すＴ１よりも大きい第二の厚さＴ２へ拡大す
ることができる。好ましくは、第二の厚さＴ２は、少なくとも第一の厚さＴ１の
２倍である。（弾力性要素はある厚さから別の厚さへ拡大すると記載されること
が多いが、厚さという用語はＺ方向以外の横方向又は長手方向などの方向も包含
することができる。更に、弾力性要素の拡大は、二つ以上の方向、すなわち横方
向とＺ方向であってもよいことも注記する。） 弾力性要素２１５に適用する用語「圧縮された」は、圧縮力の適用により、要
素２１５が自由非制限の厚さよりも減少した厚さを有することを意味する。シー
ルした包袋２２０内での弾力性要素２１５の減少した厚さは、要素２１５の自由
非制限厚さの約半分以下であることが好ましい。「弾力性」という用語により、
要素２１５は（例えば、Ｚ方向圧縮力により）自由非制限の初期厚さからより少
ない厚さに圧縮され得ることと、更に、要素２１５を圧縮状態に維持するように
作用する力を開放すると、要素２１５は約１０分から約２０分以内に最初の自由
非制限厚さの少なくとも約７０％の厚さ、好ましくは少なくとも約９０％の厚さ
に拡大できることを意味する。

【００２７】 おむつ２０は更に、例えばテープ状紐又は機械的なファスナーなどの一対の締
結具５４を包含する締着装置を包含することができ、締結具は後腰部領域２４に
配置して前腰部領域２２と接続し、おむつ２０を着用者の胴体の周りの着用位置
に固定することができる。或いは、必要ならば、締結具５４は、前腰部領域２２
又はおむつ２０のいずれか他の部分に配置することもできる。締着装置は、テー
プ状紐及び／又はホック及び輪状ファスナー構成要素を含むのが好ましいが、他
のいずれかの既知の固定手段も一般的には採用可能である。代表定期な例となる
締着装置が、「使い捨ておむつ用テープ締着装置（Tape Fastening System for
Disposable Diaper）」と題する１９７４年１１月１９日にブエル（Buell）に発
行された米国特許第３，８４８，５９４号、「吸収性の物品（Absorbent Articl
e）」と題する１９８７年５月５日にヒロツ（Hirotsu）らに発行された米国特許
第Ｂ１ ４，６６２，８７５号、「改良された締着装置を備える使い捨ておむつ
（Disposable Diaper Having An Improved Fastening Device）」と題する１９
８９年７月１１日にスクリップス（Scripps）に発行された米国特許第４，８４
６，８１５号、「改良されたホックファスナー部分を有する使い捨ておむつ（Di
sposable Diaper With Improved Hook Fastener Portion）」と題する１９９０
年１月１６日にネストガード（Nestegard）に発行された米国特許第４，８９４
，０６０号、「感圧接着剤ファスナー及びその製造方法（Pressure-Sensitive A
dhesive Fastener And Method of Making Same）」と題する１９９０年８月７日
にバットレル（Battrell）に発行された米国特許第４，９４６，５２７号、及び
本明細書において上記引用した１９９２年９月９日ブエル（Buell）に発行され
た米国特許第５，１５１，０９２号と１９９３年６月２２日にブエル（Buell）
に発行された米国特許第５，２２１，２７４号、に開示されている。他の代表的
な例となる締着装置が、「吸収性物品の固定装置（Absorbent Article Fastenin
g Device）」と題して１９９８年８月２８日にクリン（Kline）らの名で出願さ
れ同時係属中の米国特許出願整理番号０９／１４３，１８４に開示されている。
締着装置は、その物品を廃棄する形状に保持する手段を提供することもでき、例
えば、１９９０年１０月１６日にロバートソン（Robertson）らに発行された米
国特許第４，９６３，１４０号に開示されている。締着装置は、一次と二次の締
着装置を包含して、米国特許第４，６９９，６２２号に開示されるように重なり
合う部分のずれを減少してもよく、或いは米国特許第５，２４２，４３６号、第
５，４９９，９７８号、第５，５０７，７３６号、第５，５９１，１５２号に開
示されるように合わせ具合を改良してもよい。これら特許の各々は、本願に参考
として組み入れる。別の実施態様においては、衣料の両側を継いで又は溶着して
パンツを形成してもよい。これにより、その物品は、プルオンおむつ又はトレー
ニングパンツとして使用できる。

【００２８】 おむつは、腰部弾性機構、ガスケットカフス、及びバリア脚部カフス６０を有
することもできる（図２、６参照）。バリア脚部カフス６０は、おむつ２０の側
端域５８に結合した近位縁６２と、トップシート３８から外側に間隔を置く末端
縁６４とを有する。

【００２９】 脚部カフスは、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフス、又は弾性カフス
と呼ぶこともできる。米国特許第３，８６０，００３号には、収縮可能な脚部開
口を提供する使い捨ておむつが記載され、この脚部開口はサイドフラップと一つ
以上の弾性部材とを有し、伸縮自在の脚部カフ（ガスケットカフ）を提供する。
１９８９年２月２８日にアジズ（Aziz）らに発行された米国特許第４，８０８，
１７８号及び１９９０年３月２０日にアジズ（Aziz）らに発行された米国特許第
４，９０９，８０３号には、それぞれ脚部域における封じ込め性を改良する「立
ち上がった」伸縮自在のフラップ（バリアカフス）を有する使い捨ておむつが記
載されている。１９８７年９月２２日にローソン（Lawson）に発行された米国特
許第４，６９５，２７８号、及び１９８９年１月３日にドラグー（Dragoo）に発
行された米国特許第４，７９５，４５４号には、ガスケットカフスとバリアカフ
スを包含する二重カフスを有する使い捨ておむつが記載されている。これら特許
の各々の開示を本明細書に引用し援用して、好適なガスケットカフ構造及び好適
なバリア脚部カフ構造を例示する。実施態様によっては、脚部カフスの全て又は
一部分をローションで処理するのが望ましいことがある。

【００３０】 使い捨ておむつの好適な伸縮自在のウエストバンドの構造は、数多くの様々な
形態に構成することができる。使用できる構造を記載した特許としては、１９８
５年５月７日にキービト（Kievit）らに発行された米国特許第４，５１５，５９
５号、１９８７年１２月１日にラッシュ（Lasch）に発行された米国特許第４，
７１０，１８９号、１９９２年９月９日にブエル（Buell）に発行された米国特
許第５，１５１，０９２号、及び１９９３年６月２２日にブエル（Buell）に発
行された米国特許第５，２２１，２７４号などがある。他の適切なウエスト構成
は、ウエストキャップ機構を包含することができ、例えば、１９９１年６月２５
日にロバートソン（Robertson）発行された米国特許第５，０２６，３６４号、
及び１９８９年３月２８日にフォアマン（Foreman）発行された米国特許第４，
８１６，０２５号に記載されている。上記に示した参照の各々の開示は、完全に
再記述したかの如くの程度まで、本明細書に参考として組み入れる。

【００３１】 本発明の一実施態様では、拡大可能な構成要素２００はスペーサー３００を包
含でき、スペーサー３００は、図１から図４に示すように、おむつ２０内でトッ
プシート３８とバックシート４２との間に配置することができる。スペーサー３
００は、糞便収集空間３１１を画定する（図４参照）。図面に示す実施態様では
、スペーサー３００は、吸収性コア４４とバックシート４２との間に配置されて
いる。しかしながら好ましくは、後述する実施態様では、スペーサー３００は、
吸収性コア４４とトップシート３８との間に配置される。

【００３２】 本発明の他の実施態様では、図１に示すシール４００Ａと４００Ｂ等の腰部域
シールの形態で、一つ以上の拡大可能な構成要素を設けることができる。シール
４００Ａと４００Ｂは、それぞれ、拡大したときに、着用者の体と前腰部領域２
２及び後腰部領域２４との間からの身体排出物の漏れをせき止めることに役立つ
。ウエストシールは、一つ又は両方の腰部領域に置くことができ、腰部領域の全
部又は一部を覆うことができ、又一つの腰部領域に一つ以上のシールを置くこと
もできる。一つ以上のそのようなシールを設ける場合には、そのシールは同じ弾
力性材料でも異なる弾力性材料でもよく、同じ活性化体で活性化されても異なる
活性化体で活性化されてもよい。

【００３３】 更に、拡大可能な構成要素を長手方向に伸長した縁部シール４００Ｃと４００
Ｄの形態で設けることもでき、これらは、拡大したときに、着用者の体と側端部
５８との間からの身体排出物の漏れをせき止めることに役立つ。縁部シールは、
一つ又は両方の縁部領域に置くことができ、縁部領域の全部又は一部を覆うこと
ができ、又一つの縁部領域に一つ以上のシールを置くこともできる。一つ以上の
そのようなシールを設ける場合には、そのシールは同じ弾力性材料でも異なる弾
力性材料でもよく、同じ活性化装置で活性化されても異なる活性化装置で活性化
されてもよい。

【００３４】 更に別の本発明の実施態様では、拡大可能な構成要素を長手方向に伸長する脚
部カフシール４００Ｅの形態で設けることもでき、これは図２の平面図にて想像
線で示すように、又図６の断面図に示すように、バリア脚部カフス６０に隣接し
て内側に配置する。脚部カフシール４００Ｅもまた、拡大したときに、着用者の
体と脚部カフス６０との間からの身体排出物の漏れをせき止めることに役立つ。

【００３５】 再び図１において、おむつ２０の実施態様が示され、トップシート３８とバッ
クシート４２の長さ寸法と幅寸法は、吸収性コアの対応する寸法より概ね大きい
。したがって、トップシート３８とバックシート４２各々は、横方向伸長端部４
５Ａと４５Ｂを越えて長手方向に伸び、前腰部領域２２と後腰部領域２４とを形
成する。トップシート３８とバックシート４２はまた、コア側縁部４５Ｃと４５
Ｄの横方向外側に延び、側端部５８を画定する。トップシート３８、バックシー
ト４２、吸収性コア４４は様々な公知の形状に組み立てることができるが、好ま
しいおむつの形状が、１９７５年１月１４日にブエル（Buell）発行された米国
特許第３，８６０，００３号、及び１９９２年９月２９日にブエル（Buell）に
発行された米国特許第５，１５１，０９２号に大略記載されており、これら特許
の各々の開示は本明細書に参考として組み入れる。

【００３６】 図１に示すスペーサー３００は、内部に開いた領域がある閉じた形状により画
定される「鍵穴」形状を有することができ、開いた内部領域は長く延び一端は反
対側の他端よりも広い。スペーサー３００に好適なその他の閉じた形状としては
、円、楕円、長方形、又はその他の多角形を挙げることができるが、これらには
限定されない。或いは、スペーサー３００は開放端形態とすることもでき、例え
ば図２に示すようにほぼＵ字形でＵの開放端が後腰部領域２４を向くこともでき
る。

【００３７】 スペーサー３００は、二つの長手方向に延びる部分３２２を繋ぐ、横方向に延
びる部分３２０を包含するのが好ましい。スペーサー３００の好適な形状と寸法
が、「膨張可能なスペーサーを備える使い捨て吸収性物品（Disposable Absorbe
nt Article Having an Inflatable Spacer）」と題する１９９４年７月１９日に
ラボン（LaVon）らに発行された米国特許第５，３３０，４５９号、１９９３年
１月２３日にアール（Ahr）らの名で出願された米国特許出願整理番号０８／０
８１，７３３，１９９２年１月１１日にアレン（Allen）らの名で出願された米
国特許出願整理番号０７／８９８，０４７、及び１９９２年１２月１５日にドレ
イル（Dreier）らに発行された米国特許第５，１７１，２３６号に開示され、こ
れら特許の各々の開示は本明細書に参考として組み入れる。

【００３８】 拡大可能な構成要素２００が糞便収集容積を画定する働きをする実施態様では
、スペーサー３００とトップシート３８と吸収性コア４４は、図４に示すように
、開口４６と４７とをそれぞれ包含することができ、収集空間３１１への通路を
作る。開口４６と４７は図４に示すように位置的に互いに一致しているのが好適
であり、糞便が収集空間３１１に入る通路を提供することができる。

【００３９】 本明細書で使用する「収集空間」とは、トップシート３８とバックシート４２
との間の空洞である。その空洞は、糞便を受け入れるようになっており、少なく
とも約０．６５センチメートル（０．２５インチ）のＺ方向高さと、少なくとも
約１６．４立方センチメートル（１立方インチ）の容積を有するのが好ましい。
収集空間３１１の有効容積は、例えば着用者が着座して吸収性コア４４と弾力性
要素２１５が着用者の体重により圧縮されている場合は、減少し得る。弾力性要
素２１５が第二の厚さＴ２まで拡大すると、スペーサー３００は糞便を受け入れ
るための望ましい容量の収集空間３１１を提供する。

【００４０】 トップシート３８とバックシート４２は、ほぼ同一の広がりであり、少なくと
も周辺部で部分的に結合されているのが好ましい。本明細書で使用する「結合し
ている」とは、第一の部材又は構成要素が直接又は間接的に第二の部材又は構成
要素に取り付け又は接続されている状態を示し、又第一の部材又は構成要素が中
間の部材又は構成要素に取り付け又は接続され、次にそれが第二の部材又は構成
要素に取り付け又は接続されている状態も示す。

【００４１】 トップシート３８とバックシート４２は、例えば、接着剤接着、熱シーリング
、超音波接着など、当技術分野で公知のいずれかの手段によって相互結合できる
。トップシート３８とバックシート４２とを接着する好適な接着剤としては、セ
ンチュリーアドヒーシブ社（Century Adhesives Company、コロンバス、オハイ
オ州）により製造されるセンチュリー５２２７接着剤、Ｈ．Ｂ．フーラー社（H.
B. Fuller Company、セントポール、ミネソタ州）により販売されるＨＬ１２５
８接着剤、フィンドレイアドヒーシブ社（Findley Adhesive Company、エルムグ
ローブ、ウィスコンシン州）により製造されるフィンドレイＨ２０３１ホットメ
ルト接着剤、等が挙げられる。これら接着剤は、例えばビード、バンド、スパイ
ラル等、いずれかの好都合な形で塗布できる。

【００４２】 本明細書で使用する用語「吸収性コア」は、身体排出物を吸収し保持するおむ
つ２０のいずれかの構成要素を指す。吸収性コア４４は、対向する主要面を有し
、必要ならば一つ以上の層のティシューで包むこともできる（図示せず）。更に
、吸収性コア４４は、通常エアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ等、様々な普
通に使用されている材料で作ることができる。必要ならば、吸収性コア４４は、
当技術分野で普通に使われているような吸収性ゲル材料を含有することもできる
。特に、吸収性コア４４は、１９８６年９月９日にワイスマン（Weisman）らに
発行された米国特許第４，６１０，６７８号、１９８７年１月１６日にワイスマ
ン（Weisman）らに発行された米国特許第４，６７３，４０２号、１９８９年５
月３０日にアレマニー（Alemany）らに発行された米国特許第４，８３４，７３
５号、１９９２年９月１５日にヤング（Young）らに発行された米国特許第５，
１４７，３４５号、１９９３年１月８日にクック（Cook）らに発行された米国特
許第５，２１７，４４５号、及び１９９３年８月１０日にアレマニー（Alemany
）らに発行された米国特許第５，２３４，４２３号、の教示に基づいて得ること
ができ、これら特許の開示は本願に引用して援用し、本発明と共に使用するに好
適な吸収性コア４４を如何に製造するかを示す。この点に関しては、「吸収性構
造において使用するヒドロゲル形成ポリマー組成物（Hydrogel-Forming Polymer
Compositions for Use in Absorbent Structures）」と題する１９８８年４月
１９日にブラント（Brandt）らに発行され本発明の譲受人に譲渡された米国特許
第Ｒｅ．３２，６４９号により作られる吸収性ゲル材料もまた、本発明によるお
むつ２０に使用するに好適である。

【００４３】 吸収性コア４４は、図３に示すように、トップシート３８の下側に結合するこ
とができる。或いは、コア４４はバックシート４２に結合することができ、又は
、コア４４は二つ以上の層を包含することもできる。コア４４は、当技術分野に
おいて公知のいずれかの取り付け手段により、トップシート３８又はバックシー
ト４２に粘着的に結合することができる。好適な取り付け手段としては、接着剤
のビード、接着剤の長手方向と横断方向のバンド又はスパイラル接着等が挙げら
れるが、これに限定されない。コア４４をおむつ２０の他の構成要素に結合する
好適な接着剤としては、ミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社（
Minnesota Mining and Manufacturing Company、セントポール、ミネソタ州）に
て製造されるＸＰＯ−９−０３５接着剤、及び上述参照したセンチュリー５２２
７、フーラーＨＬ１２５８、及びフィンドレイＨ２０３１接着剤、等が挙げられ
る。

【００４４】 再び図１において、「トップシート」という用語は、おむつ２０のいずれかの
液体透過性仕上げ表面を指し、この仕上げ表面は、おむつ２０の着用中に着用者
の皮膚に接触することを意図し、吸収性コア４４と着用者の皮膚の実質的な接触
を阻止するものである。更に、トップシート３８は、柔軟性があり、触り心地が
良く、着用者の皮膚を刺激しないのが好ましい。トップシート３８は、流体排出
物が吸収性コア４４へより容易に移動するように、親水性に処理することができ
る。

【００４５】 例えば、多孔質発泡体、孔あきプラスチックフィルム、天然繊維（例えば、木
繊維、木綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、又はポリプロピレン繊維
）、又はこれらの混合物などから、好適なトップシート３８を作ることができる
。特に好ましいトップシート３８は、約２．２デニール、約１５．９ミリメート
ル（０．６２インチ）長のポリプロピレン繊維を包含する。トップシート３８は
、数多くの公知の技術により製造することができる。例えば、トップシート３８
は、スパンボンド、カード式、湿式（wet-laid）、メルトブロウン、水流交絡、
又はこれらの組み合わせによる、繊維で形作られる不織布とすることができる。
好適なトップシート３８として、カーディングと熱接着によるものがあり、平米
あたり約１８から約２５グラムの坪量を有し、インターナショナルペーパー社の
部門であるベラテック社（Veratec, Inc., Division of International Paper C
ompany, Walpole、マサチューセッツ州）からＰ−８の名称で入手できるものが
ある。

【００４６】 不織布で作られるトップシートから得られる望ましい品質である柔らかさに加
えて、これらトップシートは弾性的に延伸性に作ることもできる。伸長性はおむ
つの合わせ具合を改良するので望ましい。全体的又は部分的に弾性的に延伸性で
あるトップシートが、「弾性紐を備える吸収性物品（Absorbent Article Having
elastic Strands）」と題する１９９０年１月９日にデマリ（DesMaris）らに発
行された米国特許第４，８９２，５３６号、「排泄物隔離用の弾性ライナーを有
する吸収性物品（Absorbent article with elastic Liner for Waste Material
Isolation）」と題する１９９１年２月５日にフリーランド（Freeland）に発行
された米国特許第４，９９０，１４７号、及び「使い捨て吸収性物品用の３セク
ションのトップシート及びそのような３セクションのトップシートを有する使い
捨て吸収性物品（Trisection Topsheets for Disposable Absorbent Articles a
nd Disposable Absorbent Articles Having such Trisection Topsheets）」と
題する１９９３年１２月１４日にフリーランド（Freeland）らに発行された米国
特許第５，２６９，７７５号に開示され、これら特許の各々の開示は本願に参考
として組み入れる。

【００４７】 開口４６と４７は、長手方向軸３６を中心に、横方向に振り分けにすることが
できる。開口４６はどのような好適な形状にすることもでき、例えば、一実施態
様では、長手方向寸法が少なくとも約５．１センチメートル（２．０インチ）で
横方向寸法が少なくとも約３．８センチメートル（１．５インチ）の楕円形など
である。開口４６の最後端縁は、着用した時のおむつ２０の後縁３２Ｂから少な
くとも約１５．２センチメートル（６．０インチ）に配置することができる。一
実施態様では、開口４６の最後端縁は、着用した時のおむつ２０の後縁３２Ｂか
ら、約１７．８センチメートル（７．０インチ）と約２１．６センチメートル（
８．５インチ）の間にある。当業者において理解されるように、開口４６の位置
と大きさは、着用者の様々なサイズに合わせるように変更可能である。

【００４８】 開口４７は、開口４６と位置的に一致しているのが好ましく、必要であれば、
開口４６と同じ又は類似の形とすることができる。好ましくは、スペーサー３０
０は、スペーサー３００が開口４６又は４７を実質的に遮ることがないように、
開口４６と４７の各々に位置的に一致しており、開口４６と４７の各々の少なく
とも一部がスペーサー３００の長手方向に延びる部分３２２の間に配置されるよ
うになっている。必要ならば、スペーサー３００は、トップシート３８の身体側
表面３９に結合することができる。

【００４９】 バックシート４２は、尿などの液体に対して不透過性であるのが好ましく、吸
収性コア４４に吸収し保持した液体が下着や衣服やベッドシーツを濡らすことを
阻止する。本明細書で使用する用語「バックシート」は、吸収した液をおむつ２
０内に保持する、おむつ２０を着用した時に吸収性コア４４の外側に配置される
いずれかの障壁を指す。バックシート４２は薄い熱可塑性フィルムであることが
好ましいが、その他の可撓性の、好ましくは液体不透過性の材料を使用すること
もできる。本明細書で使用する用語「可撓性」は、柔軟性があり、一般的な人間
身体の形と輪郭に容易に沿うことができる材料について言う。

【００５０】 バックシート４２は、織布又は不織布材、ポリエチレン又はポリプロピレンの
熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、又はフィルムコーティング不織布材等
の複合材料を包含することができる。バックシート４２は、約０．０１ｍｍから
約０．０５１ｍｍ（０．０００４から０．００２インチ）の厚さの熱可塑性フィ
ルムとすることができる。必要ならば、バックシート４２にエンボス加工又はつ
や消し仕上げを行って、布様の外観を得ることもできる。バックシート４２を形
成できる好適な材料として、厚さが約０．０１０ｍｍから約０．０５１ｍｍのポ
リエチレンフィルムがある。好適なポリエチレンフィルムが、クロペイ社（Clop
ay Corp.、シンシナティ、オハイオ州）によりＰ−１８−１４０１の名称で、ト
レドガー社（Tredegar Industries、Terre Haute、インディアナ州）によりＸ８
２９７ ＨＴＳ−５とＸ８２９７ ＦＳＩＩの名称で製造されている。バックシ
ート４２を形成できるその他の好適な材料としては、トレドガー社（Tredegar I
ndustries）により製造されるＲＲ８２２０インフレフィルム、ＲＲ５４７５キ
ャストフィルム等が挙げられる。

【００５１】 トップシート３８とバックシート４２の一つ又は両方を延伸性とすることがで
き、エラストマー又は伸縮可能なフィルムで形成することができる。延伸性構成
要素が、「伸縮可能な吸収性物品（Stretchable Absorbent Articles）」と題す
る１９９３年２月４日に公開された国際公開特許第ＷＯ９３／０１７８５号に記
載されており、この特許の開示は本願に参考として組み入れる。例えば、バック
シート４２又はその部分は、構造的弾性様フィルム（structural, elastic-like
film（ＳＥＬＦ））ウエブを包含することができる。構造的弾性フイルムウエ
ブは、追加の弾性材料を使用することなく、伸長方向に弾性様挙動を示す延伸性
材料である。

【００５２】 本発明に適切なＳＥＬＦウエブの一例は、「弾性様挙動を示すウエブ材料（We
b Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior）」と題する１９９６年５月２
１日にチャペル（Chappell）らに発行され本発明の譲受人に譲渡された米国特許
第５，５１８，８０１号に更に完全に記載されており、この発明の開示は本願に
参考として組み入れる。

【００５３】 図３と４において、拡大可能な構成要素２００は、弾力性要素２１５を包む、
実質的にガス不透過性の包袋２２０を包含する。包袋２２０の形成は、弾力性要
素２１５を二つの可撓性包袋の壁２３２と２３４との間に配置し、壁２３２と２
３４との間で弾力性要素２１５を圧縮し、更に壁２３２と２３４の端縁部を結合
してシ−ルし、弾力性要素２１５を圧縮した形で保持する空洞２３６を形成する
ことにより、行なうことができる。壁２３２と２３４とを形成できる好適な材料
としては、熱可塑性フィルム、金属箔、及びこれらの積層体などが挙げられる。
例えば、好適なフィルムとして、約０．０１０ｍｍから約０．０５１ｍｍの厚さ
のポリエチレンフィルムがある。好適なポリエチレンフィルムが、クロペイ社（
Clopay Corp.、シンシナティ、オハイオ州）によりＰ−１８−１４０１の名称で
、トレドガー社（Tredegar Industries, Terre Haute、インディアナ州）により
Ｘ８２９７ ＨＴＳ−５とＸ８２９７ ＦＳIIの名称で製造されている。壁２３
２と２３４を形成できるその他の好適な材料としては、トレドガー社（Tredegar
Industries）により製造されるＲＲ８２２０インフレフィルムとＲＲ５４７５
キャストフィルム、及びトレドガー社からＣ−８３２３の名称で入手できるポリ
エチレンフィルム等が挙げられる。壁２３２と２３４の好ましい材料としては、
プリントパック社（Printpack, Inc.、アトランタ、ジョージア州）から製品Ｃ
７３５Ｈ−０１４として入手できる３．０ミルのナイロン／ＬＤＰＥ／サーリン
の共押出しフィルム、プリントパック社から製品Ｃ７３３Ｈ−０１０とＣ７３３
−０１０として入手できる３．０ミルのナイロン／ＬＬＤＰＥ共押出しフィルム
等が挙げられる。

【００５４】 可撓性壁２３２と２３４は、二つの別個の材料片から形成することができる。
或いは、それらは、折り合わせた単一片材料又は単一材料で形成した連続筒で形
成することができる。図３と４に示すように、包袋２２０の壁部分２３４をバッ
クシート４２の一体部分とし、壁部分２３２の端縁部分をバックシート４２の内
向き表面に直接結合することにより、包袋２２０の一部をバックシート４２で形
作ることができる。或いは、壁部分２３４はバックシート４２とは別個の一片の
材料で形成し、接着剤の使用等により壁部分２３４をバックシート４２のうち向
き表面に固定することにより、包袋２２０をバックシート４２に直接結合するこ
ともできる。

【００５５】 弾力性要素２１５を壁２３２と２３４との間に配置し、圧縮力によって壁２３
２と２３４を圧縮して、要素２１５を圧縮することができる。要素２１５を圧縮
している間に、壁２３２と２３４は、例えば熱／圧力シーリングか接着剤接着か
超音波接着などのいずれかの好適な結合方法による縁シームの形成により結合す
ることができ、要素２１５を囲む壁部分２３２と２３４を共に完全にシールし、
シールが完成した後に圧縮力を除去した時空洞２３６への空気の流入を阻止する
。好適なシームの形成は、フィンドレイＨ２０３１ホットメルト接着剤の使用に
より、壁２３２の縁をバックシート４２の一部である壁２３４に結合して、行な
うことができる。一実施態様では、壁２３２と２３４を結合する間に、当技術分
野において公知の真空シール装置を使用するなどして壁２３２と２３４の間の空
気を排気することができ、その結果シールされた包袋２２０は圧縮形態の弾力性
要素２１５と共に比較的平らな状態を維持する。

【００５６】 本発明の一実施態様では、壁２３２と２３４の一つ又は両方をエラストマー又
は伸縮性のフィルムで形成でき、その結果、壁は延伸性となり、包袋２２０を周
辺大気に開放された時の弾力性要素２１５の拡大に適応することができる。例え
ば、壁２３２と２３４の一つ又は両方をＳＥＬＦウエブとすることができ、ＳＥ
ＬＦウエブについては、「弾性様挙動を示すウエブ材料（Web Materials Exhibi
ting Elastic-Like Behavior）」と題する１９９６年５月２１日にチャペル（Ch
appell）らに発行され本発明譲受人に譲渡された米国特許第５，５１８，８０１
号に記載され、この特許の開示は本願前段落に参考として組み入れている。或い
は、壁２３２と２３４の一つ又は両方は、真空成形、型押し、折り畳み等により
事前成形し、弾力性要素２１５の拡大に適応することもできる。例えば、壁２３
２と２３４の一つ又は両方は、弾力性要素２１５の拡大に適応するひだを有する
ことができる。図３に、長手方向に延びるひだ２３５を有する壁２３２を示す。
更に別の実施態様では、空洞２３６の境界を定める壁２３２と２３４の各々の非
接着部分を弾力性要素２１５の投影面積よりも大きくなるようにすると、以下に
記述するように、壁２３２と２３４は弾力性要素２１５の拡大に適応することが
できる。

【００５７】 図２１は、拡大可能な構成要素２００を提供する装置の一形態の模式図である
。壁２３２と２３４及び弾力性要素２１５を、間隔を空けて実質的に平行な二つ
のアクリル樹脂等で形成した板１００１の間に置いた状態を示す。弾力性要素２
１５は、幅Ｗ１と、壁２３２と２３４の間で圧縮される前の自由非制限の初期状
態の厚さＨ１とを有する。接着剤層（複数）２３９の部分が互いに離れて壁２３
４の上に置かれ、壁２３２と２３４のその間の部分は非接着のままである。接着
剤層２３９の部分の間隔Ｗ２は、空洞２３６の境界を定める壁２３２と２３４の
非接着部分が、弾力性要素２１５の面積よりも大きくなるように選択することが
できる。壁２３２と２３４は、これにより、弾力性要素２１５の引き続く拡大に
適応することができる。例えば、間隔Ｗ２をＷ１とＨ１の和以上に選択して、包
袋２２０を開いた時の弾力性要素２１５の厚さ約Ｈ１への拡大に適応することが
できる。或いは、間隔Ｗ２をこれより狭くして、弾力性要素２１５を包袋２２０
の開放にさらした時の、拡大を制限することもできる。

【００５８】 板１００１に圧縮力１０００をかけ、壁２３２と２３４を近づける。順応片１
００５を、板１００１の一つと壁２３２との間に配置することができる。順応片
１００５は、圧縮力１０００を壁２３２の全面に分散し、弾力性要素２１５及び
壁２３２と２３４の間から空気を押出し、壁２３２が粘着的に壁２３４に結合さ
れる時に壁２３２のしわを減少する補助となる。順応片１００５の圧縮剛性は、
弾力性要素２１５の圧縮剛性にほぼ等しいかそれ以下でなければならない。順応
片１００５は、弾力性要素２１５を形成したと同じ材料で形成することができ、
弾力性要素２１５の厚さＨ１以上の厚さとすることができる。

【００５９】 図５において、ガス不透過性の包袋２２０の壁は、壁２３２と２３４の一つに
設けた開口２２２を包含し、周辺空気を包袋２２０に取り入れることができる。
開口２２２をカバーする取り外し可能な閉止フラップ２５０は、開口２２２が延
びる壁の外側の表面に隣接して結合した、一片のフィルム２５１を包含すること
ができる。必要ならば、閉止フラップ２５０は、壁２３２と２３４を作った材料
と同じ材料で作ることができ、接着剤接着、機械的結合、超音波接着、熱シーリ
ング、等を包含するいずれかの好適な方法で（ただしこれには限定しない）、包
袋２２０の外側表面に結合することができる。閉止フラップ２５０を包袋２２０
の表面から部分的又は完全に手で剥いで、開口２２２を暴露して開放し、これに
より空気を空洞２３６に入れ、弾力性要素２１５が空洞２３６内で拡大できるよ
うにすることができる。開口２２２の面積は、開放可能な閉止フラップ２５０を
開口２２２の上から剥がした時に、弾力性要素２１５の拡大が好ましい速度とな
るように選定することができる。このように、開口２２２の面積を増加するに従
い、弾力性要素２１５はより早く拡大する。開口２２２を通過する空気流速度を
増加させ、又は減少させるその他の構造、例えば、開口の全部又は一部を、空気
をある速度で通す通気性フィルム又はその他の材料で覆う、なども企図している
。

【００６０】 フィルム２５１は、接着剤２５２を担持して、開口２２２がそこから延びる壁
表面にフィルム２５１を付着することができる。閉止フラップ２５０に使用する
好適な圧力依存接着剤としては、センチュリーアドヒーシブ社（Century Adhesi
ves Corporation、コロンバス、オハイオ州）により製造されるセンチュリー接
着剤Ａ−３０５−ＩＶ、ナショナルスターチアンドケミカル社（National Starc
h and Chemical Company、ブリッジウォーター、ニュージャージー州）により製
造される接着剤Ｎｏ．３４−２８２３、Ｈ．Ｂ．フーラー社（H. B. Fuller Com
pany, Vadnais Heights、ミネソタ州）により製造されるフーラー接着剤Ｎｏ．
ＨＬ−２２３８−ＸＺＰとＨＬ−２２５４−ＸＺＰ等が挙げられる。

【００６１】 閉止フラップ２５０を包袋の壁に結合する別の実施態様では、第一の物質が開
口２２２を囲み、閉止フラップ２５０の包袋側表面には第一の物質と接着性のあ
る第二の物質を包含することもできる。別の実施態様では、閉止フラップ２５０
は一片の圧力依存テープの形態、例えば、３Ｍ社（3M Company、ミネアポリス、
ミネソタ州）にて製造されるスコッチブランドモデル６００透明テープ等とする
こともできる。

【００６２】 別の代替実施態様では、包袋２２０は、予成形した開口２２２を有さずに形成
することができる。その代わり、閉止フラップ２５０は、図５に示すように閉止
２５０を希望する位置で取り外し可能に保持する比較的低粘着性の接着剤の区域
２５２と、低粘着性接着剤の区域２５２に隣接する比較的高粘着性の接着剤の区
域２５４とを包含することができる。低粘着性の接着剤の区域では閉止２５０を
包袋２２０の表面から容易に剥がせるが、引き続いて剥がすと、高粘着性の接着
剤２５４が包袋２２０の壁を引裂き、これによって包袋２２０に開口ができ、こ
こから空気が入ることができる。

【００６３】 更に別の実施態様では、開口２２２と閉止フラップ２５０の両方を省略して、
壁２３２と２３４を手で引裂き離すか、又は包袋２２０の表面をはさみで切るか
、又はランセット（Lancet：外科用の先の鋭い切開器具）等で包袋２２０を突き
刺すかして、空気不透過性包袋２２０を開けることができる。

【００６４】 弾力性要素２１５を多孔質材料で作り、圧縮状態時に包袋２２０に開口を形成
すると、外気の包袋２２０への流入により、弾力性要素２１５が圧縮から戻って
拡大し厚さ増加ができるのが好ましい。そのような一実施態様では、弾力性要素
２１５は、連続気泡ポリマー発泡体となり得る連続気泡の多孔質のスポンジ様構
造の形態で設けることができる。連続気泡発泡体の一般的な特徴は、多数の比較
的小さな個々の気泡を包含し、その気泡の大部分は隣接する気泡の壁によって完
全には互いに隔絶されておらず、むしろ実質的に互いに接続している点である。
本明細書で使用する連続気泡発泡体は、最初は独立気泡であって、例えば圧縮に
より、包袋２２０内で網状化して連続気泡構造を形成する発泡体を包含すること
ができる。弾力性要素を作ることができる好適な一発泡体として、アメリカンエ
クセルジャー社（American Excelsior Corp.、シンシナティ、オハイオ州）から
＃１２３０発泡体として入手可能なポリウレタン発泡体がある。その他の好適な
多孔質連続気泡の発泡体としては、高内相エマルジョンを重合して調整する発泡
体があり、例えば「失禁管理用の高効率吸収性物品（High Efficiency Absorben
t Articles for Incontinence Management）と題する１９９２年９月１５日にヤ
ング（Young）らに発行された米国特許第５，１４７，３４５号に開示され、こ
の特許の開示は本願に参考として組み入れる。

【００６５】 弾力性要素２１５の孔部容積は、少なくとも２ｍｌ／グラムとすることができ
、一実施態様では、上記特定した米国特許第５，２４７，３４５号にて測定する
ところによれば、包袋２２０内での圧縮前は約２から約１００ｍｌ／グラムの間
である。孔部容積は、発泡体構造を形成する固体物質の単位質量に対する、連続
気泡の多孔質発泡体構造内の容積に関する指標である。孔部容積は、弾力性要素
２１５の可撓性、圧縮性、及びたわみ特性に影響する。一定の材料については、
孔部容積が増加するに伴い、可撓性が増加し、一般的には圧縮に対する抵抗は減
少する。更に、孔部容積が増加するに伴い、弾力性要素２１５が拡大するときに
包袋２２０に引き込み可能な、弾力性要素２１５の単位重量当りの空気量もまた
増加する。このように、比較的小さな量と重さの材料により、大きなＺ方向厚さ
を得ることができる。

【００６６】 弾力性要素２１５は、上記特定した米国特許第５，１４７，３４５号で開示さ
れた測定技術によれば、包袋２２０内での圧縮の前には少なくとも約５μｍの気
泡寸法を有することができる。一定の材料については、気泡寸法が増加するに伴
い、一般的には弾力性要素２１５が拡大する速度が増加する。

【００６７】 弾力性要素２１５は、包袋２２０内での圧縮前には立法センチメートル当り約
１．０グラム未満の密度を有することができ、一実施態様では、米国特許第５，
１４７，３４５号が開示する方法により測定すると、立法センチメートル当り約
０．０１から約０．５０グラムの間の密度を有する。弾力性要素２１５の密度も
また、弾力性要素の可撓性、圧縮性、及び撓み特性に影響する。一般に、一定材
料については、密度が減少するに伴い可撓性が増加し、圧縮に対する抵抗は減少
する。

【００６８】 例として、約０．０３ｇｍ／ｃｃの密度と、約３２ｍｌ／ｇｍの孔部容積と、
約５０から約７０μｍの間の気泡大きさを有する、多孔質連続気泡の発泡体の層
を使用して、スペーサー３００を作成した。その発泡体は、上記特定した米国特
許第５，１４７，３４５号の教示するところにより、その発明の例６にて示され
ているものと同様な単量体組成物を使用して作ることができる。

【００６９】 弾力性要素２１５は、７層の多孔質連続開口の発泡体を包含し、各層は開いた
区域を囲む閉じた形であって、各層とも他の層とほぼ同じ形であった。各層は、
閉じた形の周辺部を測定すると約１２．７ｍｍ（０．５インチ）の幅Ｗ１（図２
１参照）と、約３０平方センチメートルの表面積を有し、約３０平方センチメー
トルの開いた区域を囲んでいた。発泡体の各層は、約０．０７０インチの自由非
制限厚さを有し、故に、弾力性要素２１５は圧縮前に約０．４９インチの合計Ｚ
方向厚さＨ１であった。

【００７０】 フィンドレイ（Findley）Ｈ２３０１接着剤を、０．００１０インチ（０．０
２５ｍｍ）厚さの第一のポリエチレンシートの一つの側に塗布した。接着剤は、
閉じた形の接着剤なしの領域を残すように、ポリエチレンシートに塗布した。接
着剤なしの区域は、弾力性要素２１５を形成する層よりも大きい投影面積を有す
るように寸法決めし、これによって弾力性要素２１５の拡大に適応した。接着剤
なし区域の周辺のいずれの点における接着剤なし区域の幅Ｗ２（図２１）も、約
２．５４センチメートル（１．０インチ）、又は高さＨ１と幅Ｗ１との和にほぼ
同じであった。

【００７１】 約０．５インチの直径を有する開口２２２を第一のポリエチレンシートに開け
、第一のポリエチレンシートの接着剤を塗布していない側から、スコッチブラン
ドモデル６００の透明テープの切片でカバーした。次に、７層の発泡体を、第一
のポリエチレンシートと第二のポリエチレンシートとの間に置いた。次に、図１
１に概略的に示す方法で、２枚のメチルメタクリル樹脂板の間で２枚のポリエチ
レンシートと７層の発泡体を一緒に押して、７層の発泡体を圧縮した。圧縮荷重
は約２８ｐｓｉであった。その圧縮荷重を維持しながら、第一と第二のポリエチ
レンシートの縁部を押し合わせてスペーサーの周辺付近でシートを粘着結合し、
空気不透過性包袋２２０を得た。

【００７２】 スペーサーの全厚さは、ポリエチレンシート２枚と圧縮した発泡体７枚との厚
さを合わせて、約０．１５０インチであった。次に開口２２２から透明テープ片
を取り去り、スペーサーのＺ方向厚さを所定時間間隔で測定した。Ｚ方向厚さの
測定はダイアルゲージを使用し、１．０平方インチ表面域の荷重下端でスペーサ
ーにかけた約０．２４ｐｓｉの制限圧力下で行なった。スペーサーのＺ方向厚さ
を、第一のポリエチレンシートの開口からテープを除去した後の表示時間中につ
いて、下表１に示す。

【００７３】

【表１】 図１から４までと６において、拡大可能な構成要素２００は、吸収性物品と着
用者の皮膚との間から身体排出物が漏れるのを減少するための、又は着用者の快
適感を増すための、伸長したシール４００の形態とすることもできる。そのよう
なシール４００は、前腰部領域２２と後腰部領域２４のそれぞれに位置した腰部
領域シール４００Ａと４００Ｂとを、更に側端部５８内に位置した側端シール４
００Ｃと４００Ｄとを包含することができる。シール４００の各々は、空気不透
過性包袋２２０の中に配置する圧縮された弾力性要素２１５を包含することがで
きる。腰部領域シール４００Ａ、４００Ｂは各々、ほぼ横方向に延びる伸長した
弾力性要素２１５を有することができ、側端シール４００Ｃ、４００Ｄは各々、
ほぼ長手方向に延びる伸長した弾力性要素２１５を有することができる。弾力性
要素２１５は、図３と４に示すように、トップシート３８とバックシート４２と
の間に配置することができる。更に、単一のシールがその物品の全周辺を囲むこ
とができ、又は多数のシールを一部分に又は全体に沿って置くこともできる。

【００７４】 図３、４、６において、シール４００は、第一の厚さＴ１（図３参照）から第
一の厚さＴ１よりも厚い第二の厚さＴ２（図４参照）へ拡大する。拡大は、弾力
性要素２１５を囲む包袋２２０の周辺大気への開放と共に生じる。

【００７５】 図２と６において、おむつ２０はまた、側端シール（複数）４００Ｅを包含す
ることができ、各側端シール４００Ｅは、バリア脚部カフ６０と関連している。
各バリア脚部カフ６０は、おむつ２０の側端５８に沿ってほぼ長手方向に延びて
おり、更に側端５８中のおむつ２０の下部にある部分に結合した近位縁６２と、
近位縁６２から間隔を空けた末端縁６４とを有する。末端縁６４は、末端縁６４
をトップシート３８の身体側表面３９から離しておくための、弾性要素などの空
隙部要素６７を包含することができる。その弾性要素とシール４００Ｅは、互い
に隣接することができ、或いは、その物品のセンターラインに関して横方向及び
／又は長手方向の位置で、少なくとも部分的に一致することができる。

【００７６】 バリアカフ６０は、空気不透過性包袋２２０の中に配置された弾力性要素２１
５包含することができる。空気不透過性包袋２２０は、第一の可撓性壁２３２と
第二の可撓性壁２３４とを包含することができ、壁２３２と２３４の各々は、ポ
リエチレンフィルム等のポリマーフィルムで形成することができる。壁２３２と
２３４は、近位縁６２と末端縁６４の長さに沿って、又前腰部領域２２と後腰部
領域２４に位置するバリア脚部カフスの端部にて、互いに結合することができる
。図６に示す実施態様では、壁２３２は、近位縁６２においてトップシート３８
と結合している。壁２３２は、接着剤、超音波、機械的、又は熱接着を包含する
、いずれかの好適な手段で、トップシート３８と結合することができるが、これ
には限定されない。壁２３４は、空隙部要素６７を収容するへりを形成するため
に折られ、末端縁６４に沿って壁２３２に結合される。

【００７７】 壁２３４は、閉止フラップ２５０でカバーされた開口２２２を包含することが
できる。閉止フラップ２５０を開くと、弾力性要素２１５は、当初の圧縮状態か
ら拡大する。弾力性要素２１５の拡大により、おむつ２０と着用者の皮膚との間
にシールが得られ、トップシート３８から末端縁６４を離す補助となり、これに
よってバリア脚部カフ６０とトップシート３８との間に溝型部６９が形成される
。溝型部６９は、もしこれが無ければ側端５８と着用者の皮膚との間から漏出し
うる身体排出の液体と固体を保持する。

【００７８】 図６は、空隙部要素６７と拡大可能シール４００Ｅとを有する、バリアカフ６
０を示す。或いは、必要ならば、空隙部要素６７を省くこともできる。空隙部要
素６７を省く実施態様では、シール４００Ｅは、バリアカフ６０の末端縁６４に
位置することができる。更に、その弾性要素とシール４００Ｅは、互いに隣接す
ることができ、或いは、その物品のセンターラインに関して横方向及び／又は長
手方向の位置で、少なくとも部分的に一致することができる。

【００７９】 更に別の本発明の実施態様では、使い捨ておむつ２０ａの形態のその衣料は、
図７の長手方向断面に示す構造を有することができる。その実施態様では、圧縮
した弾力性要素２１５を囲み保持する包袋２２０は、ユーザーが閉止フラップを
直接掴んで包袋又は衣料から剥がす必要なしに、又包袋を手で直接切ったり穴を
あけたりするための切断又は穴あけ器具の使用も必要とせず、開けることができ
る。この点に関して、包袋壁への開口の形成は、その衣料を着用者の体に当てる
前にユーザーがその衣料に引張り力をかけることによりなされる。引張り力をか
けると、包袋と衣料との両方に接続する活性化体が包袋に開口を作る。

【００８０】 図７に示す実施態様では、包袋２２０は、図１から４に示す実施態様のような
吸収性コアとバックシートとの間ではなく、おむつ２０ａのトップシート３８と
吸収性コア４４との間に置かれる。トップシート４３と吸収性コア４４との間に
配置される、第二のトップシート４３の形態の選択任意の中間シートが、おむつ
２０ａに包含される。第二のトップシート４３は、吸収性コア４４の身体側表面
の上に置かれ、液体透過性であり、尿や液体又は比較的低粘性の糞便が通過して
吸収性コア４４へ入ることができ、これを収集し封じ込める。これに関連して、
好適な第二のトップシート材料として不織布があり、第二のトップシートについ
ては例えば、「低粘性物質用の使い捨て吸収性物品（Disposable Absorbent Art
icle for Low-Viscosity Material）」と題する１９９４年８月３０日にロー（R
oe）に発行された米国特許第５，３４２，３３８号に記載され、この特許の開示
は本願に参考として組み入れる。更に、第二のトップシートは弾性であるのが好
ましく、或いは、本質的に弾性ではないが例えば本願の前段で開示したＳＥＬＦ
法で弾性特性を有するように処理した材料で作ることもできる。更に必要ならば
、第二のトップシート４３は、トップシート３８との関連で前述特定した材料及
び構造と同じ材料及び構造とすることができる。

【００８１】 包袋２２０は、トップシート３８に接着剤層５００により固定することができ
る。これに関連して、接着剤層５００は、包袋２２０と基材（この場合トップシ
ート３８）との間に接続点又は第一の支持点を形作ることができ、また包袋２２
０の上側身体側全表面をトップシート３８に固定する働きをする連続層の接着剤
であってもよく、又はその代替として、接着剤層５００は、図７に示すように、
いくつかの間隔を空けた、より小さな区域の接着剤、又は単一のより小さな区域
の接着剤の形態とすることもできる。しかしながら、その包袋は、摩擦で作用す
る一つ以上の支持点で所定位置に支持することもでき、包袋の動きを止める壁や
バリアをポケットのような他の支持手段で、又は物品の包袋の動きを阻止する又
は減少する二つ以上の要素の間に結合して保持してもよい。

【００８２】 更に、包袋２２０は、包袋の第二のトップシート４３の面する表面上に予成形
した一つ以上の開口２２２を包含することができ、必要ならば、少なくともおむ
つの長手方向に延伸性にすることができる。長い細片や棒等の形態の機械的活性
化体５０２が、包袋２２０から第二のトップシート４３の内側表面の第二の支持
点へ延びるのが好ましい。ここで例示し記載するように、活性化体５０２は、実
質的に非延伸性材料か、又は第二のトップシート４３又はバックシート４２のい
ずれかの伸長性よりも顕著に低い伸長性の材料で形成する。

【００８３】 活性化体５０２は、その一端５０４において、例えば接着剤層５０６により、
又は熱又は超音波シーリング、摩擦シーリング等により、第二のトップシート４
３と好適な第二の支持点で接続され、その結果、活性化体５０２の端部５０４は
第二のトップシート４３によって堅く確実に保持されている。活性化体５０２の
反対側の端部５０８は、例えば感圧接着剤層５１０などの取り外し可能な接続方
法で、包袋２２０に接続している。その上、活性化体５０２の端部５０８は、包
袋２２０に設けた開口２２２を完全に覆って囲うカバー部分を形作るに十分大き
い区域を有する。図のように、活性化体５０２は、端部５０８で、活性化体５０
２が部分的にその上に折り返されるような方法で包袋２２０に接続することがで
き、その結果、活性化体５０２を外方向に包袋２２０から離すように引くと、活
性化体端部５０８が包袋２２０の表面から、開口２２２の横方向内側の点から開
始して外方向に進み、引き剥がれされる。この点に関して、接着剤層５１０の引
き剥がしに対する抵抗は比較的低いことが望ましく、その結果、包袋２２０から
活性化体端部５０８を引き剥がすのに、比較的小さな引張り力だけが必要とされ
る。

【００８４】 図７に示す実施態様における弾力性要素２１５の活性化は、矢印Ｔで示す方向
の少なくとも一つの方向に衣料を引張る力をかけることにより、達成される。そ
の衣料に引張り力を与えると、包袋２２０の第一の支持点とおむつ構造（図７で
接着剤の層又は点５００で定められる）との動きと、活性化体５０２の第二の支
持点と第二のトップシート４３（図７で接着剤層又は点５０６で定められる）と
の間の相対的な動きとなる。二つの間隔を置いた支持点間の相対的な動きは、反
対方向の動きとなり、支持点５００と５０６は互いに離れるように移動する。

【００８５】 支持点が相互に対して移動できる能力は、衣料構造の少なくとも一つにひだ又
はギャザーなどを形成する等、衣料構造の少なくとも一部に幾何学的に伸びうる
能力を付与することにより、与えることができる。更に、支持点の相対的な移動
は、弾性的に延伸性か又は非弾性的に延伸性かいずれかの延伸性材料によって衣
料構造の少なくとも一つの構造要素を形成することにより、可能とすることもで
きる。例えば、トップシート３８、バックシート４２、又は第二のトップシート
４３の内の一つは、延伸性であるように作ることができ、引張り力Ｔを衣料にか
けた時、活性化体５０２と包袋２２０の相対的な非伸長性により、活性化体は横
方向外側に包袋２２０から離れるように動き、これにより、図８に示すように、
折り返された活性化体端５０８は包袋２２０から引き剥がされ、開口２２２のカ
バーが開かれる。開口２２２が開かれると、空気が包袋２２０に入ることができ
、弾力性要素２１５は弾力的に拡大し、実質的に非圧縮の状態に戻ることができ
る。弾力性要素２１５の圧縮からの戻りと拡大の結果として、糞便収集空間３１
１が形成され、糞便を収集し、糞便とおむつ着用者の皮膚との接触面積を最小に
するのに役立つ。

【００８６】 包袋２２０の開口２２２は、包袋２２０のバックシート４２に面する表面に位
置するように図示しているが、必要ならば、トップシート３８に面する表面に配
置することもできる。この配置の場合、活性化体５０２は、包袋２２０の身体側
表面からトップシート３８へ延びる。

【００８７】 これまで検討したように、弾力性要素２１５は非圧縮の状態に拡大することが
できるようになされているが、結果的には圧縮から戻った弾力性要素の厚さが初
期の非圧縮厚さよりもやや小さいこともある。また、圧縮から戻り最終的な厚さ
への到達は、開口２２２のカバーを取った直後よりもしばらく後の方が望ましく
、これにより、弾力性要素２１５の厚さが完全に戻る前に、おむつを着用者の体
上で適当な位置に置くことが可能になる。更に使い捨ておむつの場合、一般的に
は下着として着用するものであり、下着と上着の両方を着用者の体に着用してか
らしばらく後で完全な圧縮戻りが生じることが好ましい。

【００８８】 開口２２の最初の開放から弾力性要素２１５の実質的に完全な圧縮戻りが生じ
るまでの時間は、開口２２２が開かれた後の空気が包袋２００への入る速度を制
限することにより、伸ばすことができる。外気が包袋に入り弾力性要素の気泡に
入って充満する場合のみ、弾力性要素２１５は包袋の中で拡大できるので、包袋
２２０への空気流速度を制限することにより、弾力性要素２１５の拡大速度をあ
る程度制御することができる。包袋への空気流速度を制限する一つの方法は、非
常に小さな面積の予成形した開口を設けることである。例えば、面積０．０３ｍ
ｍ^２の開口（直径０．２ｍｍの円形開口に等しい）の場合に、圧縮した弾力性要
素２１５が最大非圧縮厚さの９０％にまで拡大する時間が１８秒であったとき、
面積２８．２ｍｍ^２の開口（直径６．０ｍｍの円形開口に等しい）の場合は、圧
縮した弾力性要素２１５が最大非圧縮厚さの９０％にまで拡大する時間が９０秒
であった。

【００８９】 弾力性要素の拡大速度を制限するその他の方法は、低い開口率の表皮を有する
実質的に連続気泡の弾力性要素を設け、その表皮に周辺空気が弾力性要素の内部
気泡に入る速度を下げて圧縮戻りを遅らせる役目をさせることである。

【００９０】 包袋２２０と弾力性要素２１５へ入る空気速度を制限する更に他の方法は、開
口２２２を通る空気流を遅らせるように作用するバリアを開口２２２の上に置く
ことである。バリアは、包袋への空気流速度を制限する流速限定物として作用す
ることができる。そのような部分バリアの一形態としては、ガス透過性フィルム
又は半透過膜５１２があり、図９と１０に示すように、開口２２２に覆いかぶさ
る関係に配置する。そのバリアとしては、微小多孔性フィルム、モノリシックフ
ィルム、発泡体、不織布ウエブ、織布ウエブ、接着剤、又はこれら又は他の好適
な材料のいずれかの組み合わせなどを挙げることができる。好適な制限された透
過性の膜とフィルムの例としては、クロペイ社（Clopay Corporation、シンシナ
ティ、オハイオ州）から取引名称２０１−１９９９とＢＲ１０６で入手可能なも
のが挙げられる。膜５１２の比較的低い透過性は、開口２２２を通って包袋２２
０に入る空気の速度を下げるように作用する。

【００９１】 図９と１０に示す実施態様では、包袋２２０の開口２２２は、薄い半透過膜５
１２又はガス透過性フィルム等のガス透過性要素によりカバーされている。弾力
性要素２１５の拡大速度は、半透過膜又はガス透過性フィルムを選定することに
より制御することができ、圧縮された弾力性要素が初期非圧縮厚さの実質的に９
０％まで拡大する時間が望ましい時間となる速度で空気が包袋２２２へ入ること
ができる、ガス拡散係数を有するものとする。好適なガス透過性膜又はフィルム
は、膜又はフィルムの湿気透過速度（moisture vapor transmission rate（ＭＶ
ＴＲ））を求めることにより評価できる透過性を有することができる。好適な膜
又はフィルムのＭＶＴＲは、下記の測定方法により測定したとき、約５００ｇｍ
Ｈ_２Ｏ／ｍ^２／２４時間から約５０００ｇｍＨ_２Ｏ／ｍ^２／２４時間とすること
ができる。ガス透過性膜２１５として使用する好適なフィルムとしては、クロペ
イ社（Clopay Corporation、シンシナティ、オハイオ州）から入手できる製品名
称２０１−１９９９とＢＲ１０６を有するフィルム等が挙げられる。

【００９２】 薄いフィルムのＭＶＴＲは、例えば塩化カルシウム等の多量の親水性物質を、
上部が開いてその周囲に外側に延びるフランジを有する穴のない容器（図示せず
）に入れて、測定することができる。ＭＶＴＲを求める対象物質の一部分を、容
器開口に対して覆い被さるように置き、容器フランジ全体にしっかり密着させ、
テスト物質が容器の開口端を完全に覆うようにする。次に、環状ガスケットと環
状保持リングをシート物質の上に置き、いずれかの適当なクランプ装置で容器の
フランジに確実に締め付け、空気又は湿気は試験中の物質のみを通過できるよう
に、容器開口の周辺を堅く完全にシールする。次に、できあがった組み立て体の
重量を測り、容器と内容物の初期重さを求める。

【００９３】 初期重量が求まった後、恒温（４０℃）恒湿（７５％相対湿度）の箱の中に組
み立て体を置く。その容器をその雰囲気の中に５時間保持し、その後箱から取り
出し、湿気が容器の中へ入るか、外へも出ないように不透過性のフィルムで堅く
包み、秤量天秤が置かれた周辺大気と温度平衡になるまで放置する。温度平衡は
約３０分の後ほぼ達成され、フィルムの覆いを容器から取り除く。次に容器重量
を測定し、容器と内容物の最終重量を求める。

【００９４】 ＭＶＴＲは次式により計算でき、ｇｍＨ_２Ｏ／ｍ^２／２４時間の単位で示され
る：

【数１】 上述のように、弾力性要素２１５の拡大速度は、包袋２２０に設ける開口２２
２の面積を変えることにより、又は開口２２２を望ましいガス透過性を有する透
過性フィルム又は膜５１２で覆うことにより、制御できる。一般的に、開口２２
２の面積を減少するか、開口２２２を覆うガス透過性フィルム又は膜５１２のガ
ス拡散係数を減少すると、弾力性要素２１５が実質的に完全圧縮戻りの状態にな
るまでの時間は長くなる。逆に、開口２２２の面積を増加するか、開口２２２を
覆うガス透過性フィルム又は膜５１２のガス拡散係数を増加すると、弾力性要素
２１５が実質的に完全圧縮戻りの状態になるまでの時間は短くなる。更に、必要
があれば、開口２２２の面積と膜又はフィルム５１２の透過性の両方を変えるこ
とができる。

【００９５】 弾力性要素２１５の拡大速度を制御する能力があることにより、ユーザーにと
って大きな利益が得られる。この点に関して、実施態様によっては、弾力性要素
２１５の拡大が早過ぎるとその製品は早過ぎる容積増加となり、拡大した要素を
包含する衣料の上に外衣を着せるのが困難となることもある。しかし、弾力性要
素２１５の拡大が遅すぎる場合には、適切な時間に予定した機能を果たせないこ
ともある。例えば、弾力性要素が使い捨ておむつのスペーサーであって、糞便の
収集室を画定することを意図している場合、拡大速度が遅すぎると、排便してし
まった後でその製品が機能を十分発揮する状態になることもある。したがって、
ある種の実施態様では、意図した収集機能を果たせるよう十分早く弾力性要素２
１５が拡大し、一方おむつとその他の衣服を着せるのが容易なよう十分遅く弾力
性要素２１５が拡大するように、おむつを構成することが好ましい。これに関連
して、包袋２２０を開いて拡大活性化が開始してから約２０分未満経過した後、
弾力性要素２１５が初期厚さの約９０％まで拡大するのが好ましい。ある実施態
様ではまた、弾力性要素２１５の全拡大は、活性化開始時から約５分以上後で生
じるのが好ましい。より好ましくは、弾力性要素２１５の初期厚さの９０％への
拡大は、包袋２２０へ開口を設けて活性化が開始した後、約６分から約１５分の
間に生じる。その他の実施態様では、望ましい拡大時間はより短いことも、例え
ば、５分未満、１分未満、３０秒未満、或いは５秒未満のことさえある。

【００９６】 本発明の好適な一実施態様では、開口２２２は、二つの離れた１２ｍｍ径の開
口を包含し、２２６ｍｍ^２の開口面積を有する。この開口は、上記特定したガス
透過性のクロペイ社の２０１−１９９９フィルムで覆うことができる。このよう
な構造により、弾力性要素が初期非圧縮厚さに約６分で拡大できることが判明し
た。開口２２２の大きさを１２ｍｍ径の開口一つに減らし開口面積を１１３ｍｍ ^２ にすると、弾力性要素が初期非圧縮厚さの９０％に拡大するのに要する時間は
約３倍になることが判明した。

【００９７】 ガス透過性カバー膜又はフィルムは、接着剤接着、機械的接着、超音波接着、
熱接着、或いはこれら又はその他いずれかの好適な結合方法の組合せ等を包含す
る、しかしこれには限定されない、いずれかの既知の結合手段により、開口２２
２を覆う適所に固定できる。好ましい一実施態様では、ガス透過性膜又はフィル
ムは、開口２２２を囲う全周域で包袋２２０に結合することにより、開口２２２
を覆う適所に固定される。

【００９８】 開口２２２を覆うガス透過性カバー構成要素の拡大速度は、ＭＶＴＲで測定し
たガス透過性カバーの透過性と開口面積の両方を変えることにより、綿密に制御
することができる。下表に、開口の大きさと、ガス透過性開口カバーの透過性と
、弾力性要素の相対的圧縮抵抗又は剛性との組み合わせに対する、弾力性要素が
初期非圧縮厚さの９０％に拡大するのに要する時間で測定される拡大速度を示す
。この例の弾力性要素は、前記米国特許第５，１４７，３４５号の教示に基づい
て製造した、連続気泡の微小多孔性の吸収性発泡体である。発泡体の「軟」変異
型は、１．０ｐｓｉの加圧下で約４１％圧縮される発泡体であり（すなわち、こ
の発泡体のその圧力での厚さは初期非圧縮厚さの５９％に等しい）、一方、発泡
体の「硬」変異型は、同じ加圧下で約６％圧縮される。

【００９９】

【表２】 好ましくは、活性化体５０２の少なくとも端部５０８は、例えば本明細書で明
確にしたようなもののような、実質的にガス非透過性の材料で作って開口２２２
と膜５１２とを完全に覆い、開口２２２を覆う半透過性膜５１２の部分を通る空
気の流れを阻止する。活性化体５０２は、開口２２２を完全に包囲する環状区域
の感圧接着剤５１４により、開口２２２の周りで取り外し可能に包袋２２０の壁
に粘着接続することができ、弾力性要素２１５の圧縮戻り開始が望ましい時点ま
で、開口２２２を周辺大気から効果的に隔絶する。このようにして、活性化体５
０２は、開口２２２と半透過膜５１２の両方を完全に覆ってカバーし、開口２２
２を覆う半透過膜５１２の一部分を通る空気の流れを阻止する。好ましくは、接
着剤区域５１４は、開口２２２を完全に包囲するも開口２２２には被さることな
く、したがって、活性化体５０２を剥ぎ去ると、空気は半透過膜５１２を通って
流れることができる。

【０１００】 図７から１０に示すように、活性化体５０２は、実質的に非延伸性の材料から
なる長い細片の形の伸長要素を包含する。それらの図に示す形態の場合は更に、
活性化体５０２は、接着剤層５０６と５１０とで形作られる支持点を有し、これ
らは衣料本体に関し互いに横方向にずれている。しかし必要ならば、取り外し可
能でない接着剤層５０６と取り外し可能な接着剤層５１０は、図１０Ａに示すよ
うに、実質的に上下の対向する関係にすることができ、その結果、活性化体５０
２Ａは、包袋２２０と第二のトップシート４３の対向する区域の間を延び、これ
らに接続する短い折り返された要素になる。その実施態様では、図１０Ａに示す
ように、包袋２２０をトップシート３８に固定している取り外し可能でない接着
剤層５００は、取り外し可能でない接着剤層５０６から横方向に距離Ｌの間隔を
おいているのが好ましく、その結果、トップシート３８と第二のトップシート４
３の各々に引張り力をかけると、接着材層５００と接着剤層５０６との間の相対
的な横方向の動きとなり、活性化体５０２ａが包袋２２０から引き剥がされる。
距離Ｌは、弾力性要素２１５の対向する部分間の実質的な中心間距離とすること
ができ、又は包袋２２０の最大幅に相当する距離と収集空間３１１の幅に相当す
る距離との間の距離とすることができる。

【０１０１】 包袋２２０の予成形した開口２２２を覆うカバー要素を除去し開口を開いて、
弾力性要素２１５を圧縮から戻らせる他に、活性化体５０２により包袋の壁の弱
化した個所で包袋２２０を引裂き又は破裂させて、空気を包袋２２０へ入れるこ
ともできる。図１１から１３までにおいて、包袋２２０は、活性化体５０２を取
り付けた点に隣接する包袋２２０の壁に設けた、弱化部の線５１６を包含する。
図のように、活性化体５０２は、例えば、接着剤、ヒートシーリング、超音波融
着、等により、取り付け区域５１８において取り外し可能ではなく確実に包袋２
２０に接続される。取り付け区域５１８の位置は、弱化部の線５１６の近くに隣
接し、好ましくはそこから約２ｃｍ以内であり、最も好ましくは約１ｃｍ以内で
ある。

【０１０２】 弱化部の線５１６は、包袋２２０の壁に設けた図１２に示すような所定の長さ
の減肉部を提供する、割れ目又はスコア線５２０の形態とすることができる。ス
コア線５２０は、包袋２２０の壁と包袋２２０の壁の下に置いた好適なアンビル
表面に対してスコアツールを押し付けることにより形成でき、包袋材料を局部的
に圧縮して変形させ、活性化体５０２に十分な引張り力をかけることにより容易
に裂き開くことができるが、必要な引張り力がかけられるまでは包袋２２０のガ
ス不透過性を破壊することはない、薄い壁の部分を作る。好ましくは、スコア線
の長さは、約０．５ｃｍから約５ｃｍである。

【０１０３】 或いは、弱化部の線は、図１３に示すように、カット線５２２の形態とするこ
とができる。カット線５２２は、包袋２２０の壁の中に部分的にのみ入り、弱化
部の線を形作る包袋壁の薄い部分を提供する。カット線５２２は、所定の長さを
有し、包袋２２０の壁で引き裂きを開始できる薄壁部分を形作り、十分な引張り
力を活性化体５０２にかけると開口を作るが、必要な引張り力をかけるまでは包
袋２２０のガス不透過性を破壊することはない。好ましくは、カット線の長さは
、約０．５ｃｍから約５ｃｍである。

【０１０４】 図１１に示す連続のスコア又はカット線の他に、弱化部の線５１６は、一連の
間隔を空けて実質的に整列した、割れ目、スコア又はカット線とすることもでき
る。

【０１０５】 図１４において、活性化体５０２は、図１１に示したような包袋に接続する薄
い細片ではなく、細い棒５０２ａの形とすることができ、この棒は包袋壁を貫き
包袋２２０の中へ延びる。活性化棒５０２ａは、貫いている包袋の壁の部分で直
接シールしてもよく、包袋をシールして活性化棒５０２ａと包袋壁との間の空気
の流れを阻止する。おむつに引張り力をかけると、活性化体５０２ａは包袋２２
０に対して外側に引かれて包袋壁から引き抜かれ、壁に空気が流れることのでき
る開口を作る。その結果できる開口の大きさは、活性化棒５０２ａの厚み又は径
を変えることにより変更でき、大きい厚みの棒は概ね大きい開口を作る。

【０１０６】 できあがる開口の大きさを制御するその他の方法には、活性化体の最内端など
に拡大部分を設けることがある。例えば、図１５に示すような活性化体５０２ｂ
の最内端で横方向に延びるＴ部材５２４や、図１６に示すようなビード５２６の
形態の拡大した端部などを、活性化体の一部として作ってもよい。Ｔ部材５２４
の横断方向長さとビード５２６の大きさは、包袋２２０から活性化体が引き抜か
れた時に形成される開口の大きさに影響する。

【０１０７】 衣料の内部に配置する機械的活性化体の利用を対象とするこれまでの議論は、
糞便を受け封じ込める内部収集室の形成と関連した活性化体の使用に関すること
を、記さねばならない。しかしながら、当業者においては、図７から１６までに
示すと同じ構造要素と配置を、これまでに記述した構造を有する前腰部領域シー
ル４００Ａと後腰部シール４００Ｂと側端シール４００Ｃと４００Ｄとを活性化
することに適用し利用うることを理解されるであろう。また更に、これまでの議
論は、包袋２２０は吸収性コア４４又はバックシート４２又はトップシート３８
に直接固定していることを前提に進めてきたが、もし必要ならば、包袋２２０と
衣料の構造要素との間の接続は、いずれかの中間接続部材、例えば接続部材又は
繋ぎ紐などの、トップシート３８又は第二のトップシート４３等の衣料の構造部
材及び包袋から延びて、これらと接続する部材により行なうことができる。また
、おむつの長手方向に引張り力をかけることにより活性化すると開示したが、必
要ならば、横断方向又は他のいずれかの方向の引張り力により活性化できるよう
に、これら要素を配置することもできる。更に、本明細書に記した実施態様は、
閉じた側部を有するトレーニングパンツやブリーフ型の製品にも適用可能である
ことを記しておく必要がある。これらの一実施態様では、臀部に滑り上げるため
に製品を拡大する力を、一つ以上の拡大可能な構成部材の活性化に使用すること
もできる。典型的なプルオン及びトレーニングパンツ製品の例が、米国特許第４
，６１０，６８１号、第４，９３８，７５３号、第５，２３６，４３０号、第５
，５６９，２３４号、及び第５，８３６，９３２号に開示されている。これら特
許の各々の開示は、本願に参考として組み入れる。

【０１０８】 また、衣料の構成要素と包袋２２０に取り付けられてこれらの間で延びる別個
の伸張した活性化体５０２の代わりに活性化体は、例えばトップシート又は第二
のトップシート又はバックシートなど、その衣料の一構成要素の一部として一体
に形成することもできる。第一の支持点は、包袋２２０と衣料の構成要素との間
の確実な接続とすることができる。第二の支持点は、その同じ構成要素と図７と
８に示す活性化体端５０８等の開口カバーとの間の確実な接続か、又は図１１に
示す弱化部の線５１６に隣接する包袋２２０との確実な接続とすることができる
。これに関して、第一と第二の支持点は間隔を空けた点で包袋に接続され、これ
らの点は衣料に引張り力をかけると互いに離れるように動くことができ、包袋２
２０の開放を生じる。もう一つの別の実施態様では、図２２に示すように、例え
ばサイドパネル５０３などのおむつ２０の一体の部分が、活性化体５０２として
使用できる。サイドパネル５０３の活性化体５０２は、包袋２２０（これも又お
むつの一体部品とすることができる）に取り付けられ、サイドパネル５０３を引
張ると包袋に開口２２２を作るようになっている。一旦開かれると、弾力性部材
２１５は自由に拡大する。おむつ２０のいずれの部品が活性化体５０２又は包袋
２２０として作用するように構成できると考えており、本発明は本明細書に記載
した例示実施態様に限定するものではない。

【０１０９】 図１７から２０までは、本発明による拡大部材を取り入れた、生理用ナプキン
を示す。図１７と１８は、内部表面８６１と外部表面８６３とを有する可撓性包
み材８６０に包まれた、生理用ナプキン７２０を示す。生理用ナプキン７２０は
、内部表面８６１に結合され、二つの間隔を空けた折れ線８５２と８５３に沿っ
て、可撓性包み材８６０と共にユニットとして折られている。折れ線８５２と８
５３により、可撓性包み材８６０は、パネル８６２と８６４と８６６とに分かれ
る。包み材８６０と生理用ナプキン７２０は、図１７では閉じた折られた状態で
示され、図１８では完全に開いた状態である。

【０１１０】 包み材８６０は、生理用ナプキンが使用前に汚れることを防ぎ、紙、熱可塑性
フィルム、金属箔、又はこれらの積層体を包含する材料により形成できるが、こ
れらに限定されない。可撓性包み材を形成できる好適な材料としては、約０．０
２５ミリメートル（約１ミル）の厚さのポリエチレンフィルムがある。折られた
包み材８６０は、二つ以上のパネル８６２から８６６を熱又は接着剤で互いに結
合するなどして、包装縁８７０に沿ってシールできる。パネル８６２のフラップ
縁８６８は、接着剤テープ片８６９により、下のパネル８６６と結合できる。

【０１１１】 生理用ナプキン７２０は、長手方向中心線７３６と横方向中心線７３４とを有
し、身体側表面７３９を有する液体透過性トップシート７３８と、トップシート
７３８に結合すると共に衣料側表面７４３を有する液体不透過性バックシート７
４２と、トップシート７３８とバックシート７４２との間に位置する吸収性コア
７４４とを包含する。

【０１１２】 生理用ナプキン７２０は更に、拡大可能な構成要素２００（図１８で想像線に
て示す）を包含する。拡大可能な構成要素２００は、図１９と２０に示すように
、ガス不透過性包袋２２０の中に配置され圧縮された弾力性要素２１５を包含す
る。拡大可能な構成要素２００は、第一のＺ方向厚さＴ３を有する圧縮された形
状から、第一の厚さＴ３よりも厚い第二のＺ方向厚さＴ４を有する拡大した形状
へ拡大する。拡大は、空気不透過性包袋２２０に開口を形成するとともに生じる
。第二の厚さＴ４は、第一の厚さＴ３の少なくとも約２倍であるのが好ましい。

【０１１３】 拡大可能な構成要素２００は、生理用ナプキン７２０のＺ方向厚さを局部的に
増大する。圧縮された形状及び拡大した形状両方を、図１９と２０にそれぞれ示
す。拡大した状態では、拡大可能な構成要素２００が、生理用ナプキン７２０の
一部を着用者の体に沿わせて身体排出物の捕捉と吸収を強化し、これにより着用
者の下着を汚すことがなくなる。

【０１１４】 トップシート７３８とバックシート７４２と吸収性コア７４４は、様々なよく
知られた形状に組み立てることができるが、好適な形状が、１９９１年４月１６
日にオズボーン（Osborn）らに発行された米国特許第５，００７，９０６号、１
９９０年８月２１日にオズボーン（Osborn）に発行された米国特許第４，９５０
，２６４号、１９８４年１月１０日にデマレーズ（DesMarais」に発行された米
国特許第４，４２５，１３０号、１９８２年３月３０日にアール（Ahr）に発行
された米国特許第４，３２１，９２４号、及び１９８７年８月１８日にバンティ
ルブルク（Van Tilburg）に発行された米国特許第４，５８９，８７６号、に大
略記載されている。これら特許の各々の開示は、生理用ナプキン７２０の構成要
素の組立てを一般的に記載する目的で、本願に参考として組み入れる。

【０１１５】 トップシート７３８は液体透過性であり、液体がその厚さを容易に通過できる
。好適なトップシート７３８は、例えば、織布及び不織布材、孔あき成形熱可塑
性フィルムや熱可塑性スクリム等のポリマー材料等、広い範囲の材料により製造
することができる。好適なトップシート７３８は、孔あき成形フィルムとするこ
とができる。好適な孔あきフィルムが、１９７５年１２月３０日にトンプソン（
Thompson）に発行された米国特許第３，９２９，１３５号、１９８２年４月１３
日にミュラン（Mullane）らに発行された米国特許第４，３２４，２４６号、１
９８２年８月３日にラデル（Radel）らに発行された米国特許第４，３４２，３
１４号、１９８４年７月３１にアール（Ahr）に発行された米国特許第４，４６
３，０４５号、及び１９９１年４月９日にベアード（Baird）発行された米国特
許第５，００６，３９４号に記載されている。これら特許の各々の開示は、本願
に参考として組み入れる。

【０１１６】 好適な成形フィルムトップシート７３８が、ザプロクターアンドギャンブル社
（The Procter & Gamble Company、シンシナティ、オハイオ州）によりＤＲＩ−
ＷＥＡＶＥの名で生理用ナプキン用に市販されている。トップシート７３８の身
体側表面７３９は、体液のトップシート７３８通過を早めるために、親水性とす
ることができる。界面活性剤を、成形フィルムトップシート用ポリマー材料へ取
り入れることができ、或いは、トップシートの身体側表面７３９を、上記特定し
たオズボーンへの特許第４，９５０，２５４号に記載されるように、界面活性剤
で処理することもできる。

【０１１７】 バックシート７４２は、その他の可撓性の液体不透過性材料も使用できるが、
液体不透過性であり、薄いプラスチックフィルムで製造することもできる。好適
なバックシート７４２が、約０．０１０ｍｍから約０．０５１ｍｍの厚さのポリ
エチレンフィルムで作られる。バックシート７４２を製造することができる好適
なフィルムが、クロペイ社（Clopay Corporation、シンシナティ、オハイオ州）
によりＰ１８−０４０１の名称で製造され、エチル社ビスクイーン部門（Ethyl
Corporation, Visqueen Division, Terre Haute、インディアナ州）によりＸＰ
−３９３８５の名称で製造されている。

【０１１８】 或いは、トップシート７３８とバックシート７４２の一つ又は両方は、延伸性
とすることができ、エラストマーフィルム又は伸縮可能なフィルムにより形成す
ることができる。例えば、バックシート７４２又はバックシート７４２の部分は
、前述した構造的な弾性様フィルムウエブ（ＳＥＬＦ）を包含することができる
。本発明に好適なＳＥＬＦウエブは、「弾性様挙動を示すウエブ材料（Web Mate
rials Exhibiting Elastic-Like Behavior）」と題する１９９６年５月２１日に
チャペル（Chappell）らに発行され、本発明の譲受人に譲渡されて同時係属中の
米国特許第５，５１８，８０１号に更に完全に記載され、本明細書の前段におい
て参考として引用し組み入れられている。

【０１１９】 吸収性コア７４４は、液体（例えば、経血及び／又は尿）を吸収し保持するこ
とができるものならば、いずれの吸収性材料であってもよい。吸収性コア７４４
は、例えば、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ等の広く様々な液体
吸収性の材料により、多種多様な大きさと形状（例えば、長方形、楕円形、砂時
計形）に、製造することができる。その他の好適な吸収性材料としては、縮みセ
ルロース詰め物、メルトブローポリマー、化学的に硬化されて変性又は架橋され
たセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュ積層品を包含するティッシュ
、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、及びこ
れら材料の組み合わせ等が挙げられる。本発明の吸収性コア７４４として使用す
る好適な吸収性構造が、１９９１年４月１６日にオズボーン（Osborn）に発行さ
れた米国特許第５，００７，９０６号、１９９０年８月２１日にオズボーン（Os
born）に発行された米国特許第４，９５０，２６４号、１９８６年９月９日にワ
イスマン（Weisman）らに発行された米国特許第４，６１０，６７８号、１９８
９年５月３０日にアレマニー（Alemany）らに発行された米国特許第４，８３４
，７３５号、及び１９８６年１０月２２日にデュエンク（Duenk）らの名で公開
された欧州特許出願第０１９８６８３号に記載されている。これら特許の各々の
開示は、吸収性コア７４４に好適な材料と構造を示す目的で、本願に参考として
引用組み入れる。

【０１２０】 生理用ナプキン７２０はまた、一対の横方向に伸長するフラップ７５２を包含
することができる。フラップ７５２は、着用者のパンティの股部領域の縁を越え
て垂れるように形成され、その結果、フラップ７５２は着用者のパンティの縁と
太腿との間に配置される。フラップ７５２は、着用者の身体とパンティが身体排
出物で汚れるのを阻止する補助として働く。フラップ７５２は、フラップ７５２
を着用者のパンティに固定するための接着剤７５４を包含することができ、これ
により生理用ナプキン７２０をパンティ内の適当な位置に保つ。フラップリリー
スペーパー片７５３が、各フラップ７５２上の接着剤７５４に係合し、生理用ナ
プキン７２０が包み材８６０の中で折られている間、フラップ７５２をトップシ
ート７５４の上で折った位置に保持する。リリースペーパー７５３を接着剤７５
４から剥ぐと、（図（８）で想像線にて示すように）フラップ７５２を開くこと
ができる。次に示す米国特許の開示を、フラップ７５２を有する生理用ナプキン
の構造を示す目的で、本明細書に参考として組み入れている：１９９０年８月２
１日にオスボーン（Osborn）に発行された米国特許第４，９５０，２６４号、１
９８６年５月２０日にバンティルブルク（Van Tilburg）に発行された米国特許
第４，５８９，８７６号、１９８６年８月２６日にマッテリングリ（Mattingly
）に発行された米国特許第４，６０８，４０７号、１９８７年８月１８日にバン
ティルブルク（Van Tilburg）に発行された米国特許第４，６８７，４７８号、
及び１９９１年４月１６日にオズボーン（Osborn）らに発行された米国特許第５
，００７，９０６号。フラップ７５２は、図１９と２０では、明瞭化の目的で省
略している。

【０１２１】 生理用ナプキン７２０はまた、バックシート７４２の衣料側表面７４３を着用
者のパンティに結合するための、衣料取り付け接着剤７６０（図（８）参照）を
包含することができる。包み材リリースペーパーの細片９００が、着用者が生理
用ナプキンを着用者の下着に固定する準備ができるまで、衣料取り付け接着剤７
６０をカバーする。リリースペーパーの細片９００は、第一の表面９０２と反対
に向く表面９０４とを有する。第一の表面９０２は、衣料取り付け接着剤７６０
により、バックシート７４２の衣料側表面７４３に結合し、リリースペーパー９
００の第二の表面９０４は、包み材接着剤により、可撓性包み材８６０の内部表
面８６１に結合する。第一の表面９０２は、例えばシリコンを包含するコーティ
ング等で処理されているのが好ましく、その結果、表面９０２とバックシート７
４２との間の接着は、表面９０４と可撓性包み材８６０との間の接着よりも低強
度である。このような接着強度の差は望ましいものであり、これにより、消費者
が生理用ナプキン７２０を包み材８６０から分離した時、リリースペーパー９０
０は包み材８６０に結合して残る。

【０１２２】 衣料取り付け接着剤７６０としては、センチュリアドヒーシブ社（Century Ad
hesives Corporation、コロンバス、オハイオ州）により製造されるセンチュリ
ー接着剤Ａ−３０５−ＩＶ、ナショナルスターチアンドケミカル社（National S
tarch and Chemical Company、ブリッジウォーター、ニュージャージー州）によ
り製造される接着剤Ｎｏ．３４−２８２３、及びＨ．Ｂ．フーラー社（H. B. Fu
ller Company、Vadnais Heights、ミネソタ州）により製造される接着剤Ｎｏ．
ＨＬ−２２３８−ＸＺＰとＨＬ−２２５４−ＸＺＰ等の感圧接着剤を挙げること
ができる。好適なリリースペーパー９００が、米国特許第４，９１７，６９７号
に記載され、この特許を本願に参考として引用し組み入れる。別の好適なリリー
スペーパー９００が、エアロゾル社（Aerosol Corporation、Menasha、ウィスコ
ンシン州）によりＢＬ３０ＭＧ−Ａ Ｓｉｌｏｘ Ｅ１／ＯとＢＬ３０ＭＧ−Ａ
Ｓｉｌｏｘ ４Ｐ／Ｏとして製造されている。

【０１２３】 図１９と２０において、拡大可能な構成要素２００は、二つの包袋壁２３２と
２３４とを有するガス不透過性包袋２２０に包まれた、圧縮された弾力性要素２
１５を包含する。図１９と２０では、包袋２２０は、バックシート７４２と一体
であり、バックシート７４２の一部である壁２３４と、バックシート７４２の表
面に直接接合された壁２３２とを有する。或いは、必要あれば、壁２３４は、バ
ックシート７４２とは別個の小片の材料で形成することもできる。

【０１２４】 包袋２２０の壁２３２と２３４は、ガス不透過性であり、好ましくは柔らかい
可撓性のある材料で作る。壁２３２と２３４を作ることができる好適な材料とし
ては、約０．０１０ｍｍから約０．０５１ｍｍの厚さのポリエチレンフィルム等
の熱可塑性フィルムを挙げることができる。好適なポリエチレンフィルムが、ク
ロペイ社（Clopay Corp.、シンシナティ、オハイオ州）にてＰ−１８−１４０１
の名称で製造され、トレドガー社（Tredegar Industries, Terre Haute、インデ
ィアナ州）にてＸ８２９７ ＨＴＳ−５とＸ８２９７ ＦＳＩＩの名称で製造さ
れている。壁２３２と２３４とを作ることのできるその他の好適な材料としては
、トレドガー社（Tredegar Industries）にて製造されるＲＲ８２２０インフレ
フィルムとＲＲ５４７５キャストフィルム等が挙げられる。

【０１２５】 一実施態様では、壁２３２と２３４の一つ又は両方は、エラストマーフィルム
又は伸縮可能なフィルムにより形成し、弾力性構成要素２１５の拡大に適応する
ことができる。例えば、壁２３２と２３４の一つ又は両方はＳＥＬＦウエブを包
含することができ、例えば、「多数区域の構造的に弾性様のフィルムウエブによ
る延伸性ウエスト機構を有する吸収性物品（Absorbent Article with Multiple
Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature）」と題し
て１９９４年２月２４日にドナルドＣ．ロー（Donald C. Roe）らにより出願さ
れ、本発明の譲受人に譲渡されて同時係属中の米国特許出願整理番号０８／２０
３，４５６に記載され、この特許の開示を本願に参考として組み入れる。或いは
、壁２３２と２３４の一つ又は両方は、真空成形、型押し、又は折り畳み等によ
り予成形し、弾力性要素２１５の拡大に適応させることもできる。例えば、壁２
３２と２３４の一つ又は両方は、弾力性要素２１５の拡大に適応するひだを有す
ることができる。図１９に、長手方向に延びるひだを有する壁２３２を示す。

【０１２６】 図１９と２０において、ガス不透過性の包袋は、包み材リリースペーパー９０
０が接着剤で結合されているバックシート７４２の部分に、開口２２２を包含す
ることができる。図１９に示すように、リリースペーパー９００は、開口２２２
をカバーし、壁２３２と壁２３４との間の空洞２３６に空気が入るのを阻止する
。リリースペーパー９００と衣料取り付け接着剤７６０は、開口２２２をカバー
する取り外し可能な閉止を形成する。消費者が生理用ナプキン７２０から可撓性
包み材８６０を除去すると、リリースペーパー９００は包み材８６０に粘着して
残る。開口２２０のカバーはこれによってはずれ、図２０に示すように、圧縮さ
れた弾力性要素２１５は空洞２３６内で拡大することができる。別の実施態様で
は、包袋２２０は、取り外し可能で再シール可能な閉止でカバーする開口２２２
を包含することができる。更に別の実施態様では、開口２２２を省くことができ
、例えば包袋２２０をはさみで切ったり、ランセットで突き刺したり、或いは単
に包み材８６０を除去することにより、壁２３２と２３４を手で裂き、空気不透
過性の包袋２２０を開くことができる。

【０１２７】 圧縮された弾力性要素２１５は多孔質であるのが好ましく、その結果、取り外
し可能な閉止２５０を開口２２２から取り外したとき、弾力性要素２１５の拡大
により、弾力性要素２１５内と空洞２３６内で弾力性要素２１５に占められてい
ない部分とに空気が引き込まれる。そのような一実施態様では、弾力性要素は多
孔質スポンジを包含できる。別の実施態様では、弾力性要素２１５は、連続気泡
ポリマー発泡体等の連続気泡発泡体を包含できる。弾力性要素２１５を作ること
ができる好適な一発泡体としては、例えばアメリカンエクセルジャー社（Americ
an Excelsior Corp.、シンシナティ、オハイオ州）から＃１２３０フォームとし
て入手可能な、ポリウレタン発泡体がある。別の好適な多孔質連続気泡発泡体と
しては、高内相エマルジョンを重合して調整する発泡体があり、例えば、「失禁
管理用高効率吸収性製品（High Efficiency Absorbent Articles for Incontine
nce Management）」と題する１９９２年９月１５日にヤング（Young）らに発行
された、前記特定した米国特許第５，１４７，３４５号に記載されている。

【０１２８】 拡大可能な構成要素２００は、中間バックシート７４２とトップシート７３８
との間に配置できる。図１９と２０では、圧縮された弾力性要素２１５は、中間
バックシート７４２と吸収性コア７４４との間に配置されている。I圧縮された
弾力性要素２１５により、トップシート７３８と吸収性コア７４４の一部はバッ
クシート７４２に対し変位し、身体排出物の捕捉を強化する。圧縮された弾力性
要素２１５は、図１８にて想像線で示すように、長手方向中心線７３６に沿って
延びることができる。弾力性要素２１５はこれによって、身体側表面７３９の一
部を長手方向中心線７３６に沿って凸形の形とし、生理用ナプキン７２０のＺ方
向厚さを長手方向中心線に沿って増加し、トップシート７３８を着用者の体、特
に、陰唇、肛門、臀筋溝領域に沿わせる補助となる。

【０１２９】 いずれの好適な寸法も可能であるが、一実施態様では、弾力性要素２１５は、
約１．０から約２．０センチメートルの間の横方向幅と、約１．０から約２．０
センチメートルの間の圧縮前の自由非制限Ｚ方向厚さとしてもよい。別の実施態
様では、弾力性要素２１５のＺ方向厚さを長手方向中心線７３６に沿って変える
ことができ、これによってトップシート７３８とバックシート７４４の変位を生
理用ナプキン７２０の長さに沿って変化させ、身体の陰唇、肛門、臀筋領域で選
択的なフィットを得る。

【０１３０】 図１８から２０には、長手方向に延びる一つの弾力性要素２１５のみを示して
いる。別の実施態様では、生理用ナプキンは複数の弾力性要素２１５を包含する
ことができる。弾力性要素２１５は、分離した又は相互接続した不透過性包袋２
２０の中に配置することができる。図１９と２０に示す実施態様では、弾力性要
素２１５は、バックシート７４２とトップシート７３８との間に配置されている
。更に別の実施態様では、拡大可能な構成要素を生理用ナプキン７２０の衣料側
表面７４３に結合し、生理用ナプキンを着用者の下着から変位させることができ
る。

【０１３１】 上述した実施態様では、弾力性要素２１５は、空気不透過性包袋の中に配置さ
れている。更に別の実施態様では、空気透過性か又は空気不透過性かいずれかの
包袋により、弾力性要素２１５を圧縮した状態で保持することができる。例えば
、壁２３２と２３４の一つ又は両方を空気透過性とし、壁２３２と２３４が弾力
性要素２１５の拡大を制限するような寸法とした接着剤間隔Ｗ２（図２１）を有
することができる。使い捨て吸収性物品を使用する場所で、弾力性要素２１５を
圧縮した状態に保持している包袋の一部を除去することにより、弾力性要素２１
５を拡大できる。例えば、引き裂く又は剥ぐなどして壁２３４から壁２３２を取
り去り、弾力性要素２１５を拡大することができる。

【０１３２】 図１８において、更に別の実施態様では、弾力性要素２１５を圧縮した状態に
保持している包体は、包み材８６０を包含することができる。生理用ナプキン７
２０と包み材８６０をユニットとして折り線８５２と８５３で折り畳むとき、弾
力性要素２１５を圧縮することができる。次に、包み材８６０を縁８７０に沿っ
てシールし、折り畳んでシールした包み材８６０の中で、弾力性要素２１５の圧
縮状態を保持する。包み材８６０を開いて生理用ナプキン７２０から取り去ると
、弾力性要素２１５は拡大できる。

【０１３３】 当業者において理解されるように、図７から１６までに示したような活性化体
構造及び関連する構造要素と配置は、生理用ナプキン弾力性要素の活性化にもま
た適用し利用することができる。

【０１３４】 本発明の特定の実施態様及び／又は個別な特徴を例示し記述しているが、本発
明の精神と範囲から逸脱することなく様々な変化と変形が可能であることは、当
業者にとり明白であると考える。さらに、このような実施態様及び特徴の全ての
組み合わせが可能であること、又これにより本発明を好ましく実施できることも
明らかである。従って、付随する請求項は、本発明の範囲内にある全てのこのよ
うな変更と修正を包括するように企図したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 拡大可能な構成要素（複数）の位置を構造の一部を切り欠いて図
示した、使い捨ておむつの形態の衣料の平面図であり中央に配置した糞便収容空
間用の輪状の拡大可能な構成要素を包含し、衣料の腰部領域と側端部に配置した
拡大可能な構成要素を包含する。

【図２】 中央に配置したＵ字形の拡大可能な構成要素を示す、他の使い捨
ておむつの図１と同様な平面図である。

【図３】 図１の線３−３に沿った断面図でありおむつの拡大可能な構成要
素の最初の圧縮状態を示す。

【図４】 図３と同様な断面図であり拡大可能な構成要素の拡大後の状態を
示す。

【図５】 空気不透過性包袋の一部の部分拡大斜視図であり拡大可能な構成
要素を含み、入り口開口をカバ−する開放可能な閉止を包含する。

【図６】 図２の線６−６に沿った部分断面図でありおむつの脚部カフに配
置された拡大可能な構成要素を包含する、おむつの側端領域に隣接して配置され
た拡大可能な構成要素（複数）を示す。

【図７】 図３と同様な長手方向断面図であり拡大可能な構成要素の包袋を
開くことができる活性化体細片が衣料構造の中に備えられている本発明の実施態
様を示す。

【図８】 活性化体が包袋から分離された直後の図７の拡大可能な構成要素
の包袋を示す、拡大部分断面図である。

【図９】 拡大可能な構成要素を含んでいる包袋の一部分の拡大部分図であ
り拡大可能な構成要素の包袋の壁に設けられた空気導入開口を覆ってカバーする
半透過膜と活性化体を示す。

【図１０】 図９の線１０−１０に沿った、拡大部分断面図である。

【図１１】 拡大可能な構成要素を含んでいる包袋の一部分の拡大部分平面
図であり包袋の壁に弱化部の線が形成された拡大可能な構成要素の包袋と活性化
体との間の接続を示す。

【図１２】 活性化体に隣接して包袋に形成されたスコア線を示す、図１１
の線１２−１２に沿った拡大部分断面図である。

【図１３】 活性化体に隣接して包袋の壁に設けられた部分カット線を示す
、図１２と同様な拡大部分断面図である。

【図１４】 本発明による拡大可能な構成要素を含んでいる包袋と活性化体
との間の別の形態の接続の、拡大部分平面図である。

【図１５】 Ｔ形の最内端を有する活性化体を示す、図１４と同様な図であ
る。

【図１６】 丸い球根状の最内端を有する活性化体を示す、図１５と同様な
図である。

【図１７】 個々に包まれて折り返された生理用ナプキンの前面図である。

【図１８】 図１７の生理用ナプキンの平面図であり生理用ナプキンの長手
方向中心線に沿って延びる拡大可能な構成要素（想像線で示す）を有し、広げて
示す。

【図１９】 圧縮状態にある拡大可能な構成要素を示す、図１８の線１９−
１９に沿った断面図である。

【図２０】 非圧縮状態にある拡大可能な構成要素を示す、図１９と同様な
断面図である。

【図２１】 本発明による拡大可能な構成要素を含んでいる包袋を形成する
方法と装置の、模式図である。

【図２２】 活性化体がおむつと一体になっている、本発明の別の実施態様
の断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｆ 13/53 Ａ４１Ｂ 13/02 Ｇ 13/534 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ブランドン、エリス、ワイズ アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 ラッセル、アベニュ、3616 (72)発明者 キンバリー、アン、ドライアー アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 アックスミンスター、ドライブ、9228 (72)発明者 マーク、ジェイムズ、クライン アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 ポンダローザ、ドライブ、5265 (72)発明者 コンスタンス、リー、フィッシャー アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 スプリングフィールド、パイク、11755 (72)発明者 トレイシー、エレイン、ベックマン アメリカ合衆国オハイオ州、グリーンヒル ズ、ディアヒル、レイン、１ (72)発明者 ドナルド、キャロル、ロウ アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ ェスター、エンバーウッド、コート、6324 Ｆターム(参考） 3B029 BB03 BD00 4C003 AA08 AA26 AA29 HA05 4C098 AA09 CC01 CD10 DD10 DD25 DD28 DD30 【要約の続き】

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使い捨て衣料であって： （ａ）衣料本体と； （ｂ）該衣料本体に支えられた弾力性のある、拡大可能な部材と； （ｃ）少なくとも部分的に圧縮された該拡大可能な部材を囲んで包む包袋
   であって、該包袋は少なくとも部分的に圧縮された該拡大可能な部材の周りでシ
   ールされた状態にあり、これによって該拡大可能な部材は、該包袋に開口が作ら
   れて該包袋に空気が入れられるまで、少なくとも部分的に圧縮された状態を維持
   する、包袋と：更に、 （ｄ）該衣料によって支えられ、第一の活性化体接続点で該包袋と接続さ
   れ、該第一の支持点から該衣料本体の領域によって間を置かれた第二の支持点を
   画定する第二の活性化体接続で該衣料本体の一部と接続された活性化体であって
   、これによって、該衣料本体の一部を伸ばす引張り力をかけると、該活性化体は
   、該第一の活性化体接続点の近傍の該包袋に流路を開いて、該包袋に空気を流入
   させ、該拡大可能な部材を最初の少なくとも部分的に圧縮された状態から実質的
   に非圧縮の状態に拡大させる活性化体と、を有する使い捨て衣料。
2. 【請求項２】 前記活性化体が実質的に非延伸性である請求項１に記載の使
   い捨て衣料。
3. 【請求項３】 前記拡大可能な部材が発泡体材料を包含する先行する請求項
   １または請求項２に記載の使い捨て衣料。
4. 【請求項４】 前記拡大可能な部材が、該拡大可能な部材が実質的に非圧縮
   状態にある時に、内部収集容積を画定する、内部が開いた空間を有する閉じた形
   状か、開放端の実質的にＵ形の部材を画定する先行する請求項１〜３のいずれか
   一項に記載の使い捨て衣料。
5. 【請求項５】 前記包袋が、実質的にガス不透過性の材料で形成される先行
   する請求項１〜４のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
6. 【請求項６】 前記第二の活性化体接続点が、前記活性化体と前記衣料本体
   との間の、取り外し不可能な接続で画定される活性化体支持点である先行する請
   求項１〜５のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
7. 【請求項７】 前記包袋は予成形した開口を包含し、前記活性化体は、前記
   開口に覆い被さる関係にあって、該開口を通る空気の流れを止めるためのシール
   部分を包含する先行する請求項１〜６のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
8. 【請求項８】 前記使い捨て衣料は更に、前記開口の上に延びカバーして、
   該開口を空気が流れることができる速度を制限するガス透過性フィルムを包含し
   、該ガス透過性フィルムが好ましくは微小多孔性フィルムかモノリシックフィル
   ムである先行する請求項１〜７のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
9. 【請求項９】 前記ガス透過性フィルムが、微小多孔性フィルムとモノリシ
   ックフィルムからなる群から選択される請求項８に記載の使い捨て衣料。
10. 【請求項１０】 前記ガス透過性フィルムが、約５００ｇｍＨ_２Ｏ／ｍ^２／
    ２４時間から約５０００ｇｍＨ_２Ｏ／ｍ^２／２４時間までの湿気透過速度を有す
    る請求項８記載の使い捨て衣料。
11. 【請求項１１】 前記包袋が、第一の活性化体接続点に隣接する弱化した区
    域を包含する先行する請求項１〜１０のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
12. 【請求項１２】 前記第一の支持点が、該引張り力をかけた時に該衣料本体
    に関して該包袋をほぼ所定の場所に保持する摩擦点である先行する請求項１〜１
    １のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
13. 【請求項１３】 前記弱化した区域が、前記第一の活性化体接続点に隣接し
    て該包袋の壁に刻み込まれた、カット又はスコア線で画定される請求項１１に記
    載の使い捨て衣料。
14. 【請求項１４】 前記包袋が、前記衣料の少なくとも一つの構造要素に接続
    されている先行する請求項１〜１３のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
15. 【請求項１５】 前記活性化体が、前記包袋の中に延びる端部を包含し、該
    端部は好ましくは拡大部分を包含する先行する請求項１〜１４のいずれか一項に
    記載の使い捨て衣料。
16. 【請求項１６】 前記衣料本体が、実質的に液体不透過性のバックシートと
    、バックシートの上に置かれてこれに結合された液体透過性のトップシートと、
    該トップシートと該バックシートの間に配置された吸収性コアとを包含する、先
    行する請求項１〜１５のいずれか一項に記載の使い捨て衣料。
17. 【請求項１７】 前記使い捨て衣料が、使い捨ておむつ、トレーニングパン
    ツ、又は生理用ナプキンである請求項１６に記載の使い捨て衣料。
18. 【請求項１８】 前記拡大可能な部材が糞便収集室である請求項１６に記載
    の使い捨て衣料。
19. 【請求項１９】 前記トップシートは糞便が通過できる開口を包含し、前記
    拡大可能な部材は、該トップシートの該開口と実質的に位置が一致する内部が開
    いた空間を有する閉じた形状を画定する請求項１６に記載の使い捨て衣料。
20. 【請求項２０】 前記おむつは前及び後腰部領域を包含し、前記拡大可能な
    部材は少なくとも腰部領域の一つに配置されるか、又は、該おむつは脚部カフス
    を包含し、該拡大可能な部材が該脚部カフスの少なくとも一つに配置される、請
    求項１６に記載の使い捨て衣料。