JP2003518941A - 安定化用ペプチド、ポリペプチド及びそれらを包含する抗体 - Google Patents

安定化用ペプチド、ポリペプチド及びそれらを包含する抗体

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ベンヴェヌート、ユージェニオ
フランコーニ、ロゼッラ
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タブラドラキ、パラスケヴィ
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エンテペル レ ヌオベ テクノロジイ、レネルジア エ ラムビエンテ(エネア)
ソシエタ コンソルティレ メタポントウム アグロビオス エス.アール.エル.
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Abstract

(57)【要約】 本発明の目的は、ペプチドであって、それらを包含する抗体を還元性媒質、特に細胞質媒質においても安定化する、上記ペプチド、上記ペプチドの少なくとも1つを包含するポリペプチド、これらのポリペプチドを包含する抗体、並びに本発明のペプチド、ポリペプチド及び抗体をコードするポリヌクレオチドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、標的分子と特異的に相互作用することができる分子に関する。
【0002】 (従来技術の状態) 標的と特異的に相互作用することができる分子は当該技術分野において知られ
ている。 特に、抗体は、標的と相互作用することができることが知られている、溶解性
で安定な分子であり、同時に特異的かつ効果的でもある。 したがって、このような分子は、生物学、医療及び農業分野での非常に多くの
用途における標的分子の蓄積及び/又は発現をモジュレートするために用いられ
る。
【0003】 これらの用途では、大きな安定性を有する抗体を有することが一般に望ましい
。 特に、例えば細胞質のような極度に還元性の環境において相互作用が行なわれ
る又は行なわれうる、特に安定な抗体を有することが必要な用途、例えば、細胞
内区画内で、 - マクロ分子間(例えば、タンパク質−タンパク質、タンパク質−DNA型)の
相互作用をブロック又は安定化するために; - 活性部位をカバーし、基質を制限し又は酵素をその活性若しくは不活性な構造
においてブロックし、酵素機能をモジュレートするために; - タンパク質をそれらの正常な細胞区画に取り出す、例えば転写因子を細胞質中
に限定する、又は膜受容体を小胞体中に保留する、ために; - 関連する感染プロセスを妨げるために病原体由来分子と相互作用するように;
- 診断又は治療のためにin vivoにおいて細胞質分子(例えば、腫瘍遺伝
子産物)と結合するように、 行なわれる用途が存在する。
【0004】 これらの特徴を示すとして、当該技術分野において知られる抗体の中では、s
cFv(F8)[scFv(“単鎖可変フラグメント”)フォーマットでの改変
(engineered)抗体]は最も代表的な1つである(Tavladoraki等,
1993)。 scFv(F8)は実際に、in vitroでの変性及び再生実験において
自由エネルギーの変化(ΔG)を測定することによって実証されるように、顕著
な分子安定性を示す(Tavladoraki等,1999)。
【0005】 この分子はまた、 ・フォールディング(folding)における高い効率(Tavladoraki等
,1999); ・細胞質内側における長い半減期(Tavladoraki等,1999); ・抗原を認識して、AMCVウイルスの複製を妨害する能力としての細胞質内で
の機能(Tavladoraki等,1993); ・細菌及び植物細胞質における可溶性タンパク質としての高レベルの発現(Ta
vladoraki等,1999); ・酵母“二ハイブリッド”系で行なわれる実験によって示されるように、in
vivoで真核細胞の細胞質においてその抗原と相互作用する能力(Visin
tin等,1999) を有することを特徴とする。
【0006】 このタンパク質の酸化還元状態に関する研究は、このタンパク質では細胞質内
側においてジスルフィド結合が形成されないことをさらに示している(Tavl
adoraki等,1999)。 scFv(F8)はバイオテクノロジー用途、特に上記で指摘した用途のため
に非常に興味深い分子である。 しかし、このようなscFv(F8)は、AMCVウイルスのみと相互作用しう
るので、比較的限定された用途分野しか有しない。
【0007】 これに反して、その代わりに、AMCV以外の標的と相互作用しうる“scF
v(F8)様”(機能的見地から)抗体は非常に興味深い。これらは細胞質にお
ける又は、安定性が与えられるならば、他の異なる環境における特異的な標的に
対する多くの用途を可能にする。
【0008】 (発明の概要) 本発明の目的は、ペプチドであって、それらを包含する抗体に安定性と溶解性
とを与えることができる、上記ペプチドである。 本発明によると、このような目的は、配列番号:1〜配列番号:8の添付の配
列表に報告された配列から成る群から選択される配列を有することと、scFv
抗体の可変部に包含されて、前記抗体を細胞質媒質中で溶解性及び安定性にする
ことを特徴とするペプチドによって達成される。
【0009】 前記抗体を安定性及び溶解性にするためには、本明細書ではH−FRペプチド
とも呼ばれる、配列、配列番号:1(H−FR1)、配列番号:2(H−FR2
)、配列番号:3(H−FR3)及び配列番号:4(H−FR4)を有するペプ
チドが、本明細書ではH−CDRペプチドとも呼ばれる、配列番号:70(H−
CDR1)、配列番号:71(H−CDR2)及び配列番号:72(H−CDR
3)の添付の配列表に報告された配列を有するペプチドに、配列番号:1(H−
FR1)−配列番号:70(H−CDR1)−配列番号:2(H−FR2)−配
列番号:71(H−CDR2)−配列番号:3(H−FR3)−配列番号:72
(H−CDR3)−配列番号:4(H−FR4)の順序で共有結合した、前記抗
体の重鎖の可変部(VH領域)に包含されるべきである。
【0010】 図1に示した配置によると。この代わりに、L−FRペプチドと一般的に呼ば
れる、配列、配列番号:5(L−FR1)、配列番号:6(L−FR2)、配列
番号:7(H−LR3)及び配列番号:8(L−FR4)を有するペプチドが、
本明細書ではL−CDRペプチドとも呼ばれる、配列番号:73(L−CDR1
)、配列番号:74(L−CDR2)及び配列番号:74(L−CDR3)の添
付の配列表に報告された配列を有するペプチドに、配列番号:5(L−FR1)
−配列番号:73(L−CDR1)−配列番号:6(L−FR2)−配列番号:
74(L−CDR2)−配列番号:7(L−FR3)−配列番号:75(L−C
DR3)−配列番号:8(L−FR4)の順序で共有結合して、図1に示した配
置に従って、前記抗体の軽鎖の可変部(VL領域)に包含されるべきである。 H−FR及びL−FRペプチドは本明細書において一般的にFRs(フレームワ
ーク領域)ペプチドとも呼ばれる。
【0011】 本発明のFRsペプチドの利点は、これらが驚くべきことに、これらを上記順
序で包含する任意の抗体に溶解性及び安定性を与える能力を示すという事実であ
る。少なくともscFv型の抗体における前記安定化能力は、例えば細胞質のよ
うな還元性媒質においても前記抗体を安定性及び溶解性にすることができる。
【0012】 Tavladoraki等,1999に記載された方法に従ってこの配置を有
するscFv抗体によって得られた熱力学的安定性は、実際に、scFv(F8
)のものとその大きさで同じ程度であり、in vitroでの変性及び再生反
応の自由エネルギーの値(ΔG)はscFv(F8)に関して記録されたものと
その幅で同じ程度である(Tavladoraki等,1999)。
【0013】 特に、pH7.2では、ΔG値は7Kcal/mole以上であり、特に7.
8〜10.5Kcal/moleの範囲を包含する値である。 本発明のFRsペプチドを包含するFv及びDab抗体でも同様な安定性に達
することができる。
【0014】 いずれにせよ、上記ペプチドを包含する抗体の全てが重鎖又は軽鎖の可変部に
おける適当な包含の効果として安定である。特に、このことは、主鎖としてIg
G若しくはIgAのような免疫グロブリンの定常部又はFabのような抗体の定
常部を用いた構築体に対して示され、前記構築体の安定性はいずれにせよ改良さ
れる。
【0015】 本発明のH−Frペプチドの好ましい態様では、H−FR1(配列番号:1)
の位置24のXaaはAlaであり;H−FR2(配列番号:2)の位置12の
XaaはLeuであり;H−FR3(配列番号:3)の位置2のXaaはPro
であり;H−FR3(配列番号:3)の位置3のXaaはAspであり;H−F
R3(配列番号:3)の位置13のXaaはArgであり;H−FR3(配列番
号:3)の位置18のXaaはAsnであり;H−FR3(配列番号:3)の位
置20のXaaはLeuであり;H−FR7(配列番号:7)の位置12のXa
aはArgであり;H−FR7(配列番号:7)の位置15のXaaはPheで
ある。
【0016】 本発明によると、これらのペプチドの全ては、例えば組換えDNAまた合成ポ
リペプチドの構築のような当該技術分野で知られた一連の慣用的な手法によって
製造されうる。
【0017】 可変部にそれらを包含する抗体を安定化するペプチドを得るための適当な方法
は下記工程: - ポリペプチドをモノクローナル抗体から誘導する工程、 - 前記ポリペプチドを階層的(hierarchical)突然変異誘発、ミスのあるPCR
(error-prone PCR)、DNAシャフリング(DNA shuffling)又はリボソーム・
ディスプレイのような手法によって突然変異誘発する工程 を含み、本発明の目的に包含される。
【0018】 或いは、前記ペプチドを例えばそれらをコードするポリヌクレオチドを翻訳す
ることによるような、化学合成によって誘導することができる。
【0019】 本発明のH−CDR及びL−CDRペプチドを本明細書ではCDRs(相補性
決定領域)ペプチドと呼ぶ。本発明によるCDRsペプチドは、抗体の結合特異
性を決定する、抗体の領域VH及びVLの部分に対応する。特に、H−CDRs
ペプチドはVHの部分に対応し、L−CDRsペプチドはVLの部分に対応し、
これらの部分は抗体の結合特異性を決定する。
【0020】 CDRsペプチドの構造的特徴は、上記配置に従ってペプチドFRsに共有結
合したポリペプチドVH及びVLに包含されるときに、これらのCDRsペプチ
ドがそれらを包含する抗体に、その安定性及び溶解性を変更することなしに特異
性を与えることができるような構造的特徴である。
【0021】 したがって、それらの配列は、それらが包含される抗体が特異的に結合する抗
原に依存する。
【0022】 抗体のVH又はVL領域として適したポリペプチドを誘導するために、抗体の
可変部として適し、予め定められた抗原に対して特異的なポリペプチドの誘導方
法であって、 - 重鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:82として報告された配列を
有するポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:8
3として報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程;及び - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
部のポリペプチドを単離する工程 を含む前記方法を用いることができる。
【0023】 本発明の目的であるこの方法は、好ましい態様において、 - 前記抗原に結合する前記抗体の可変部を配列決定する工程 をさらに含む。
【0024】 本発明の方法の予め定められた抗原は興味深い任意の抗原、特にウイルス性抗
原、好ましいと考えられる、Tat、Rev、E7又はNS3タンパク質のよう
な、HIV、HCV及びHPVに関連した抗原でありうる。ウシ血清アルブミン
、リゾチーム、AMCVウイルス、“トマト・スポッテッド・ウイルト・ウイル
ス”又は“キウリモザイク病ウイルス”のような、他の抗原が、本発明の好まし
い実施態様において用いられる。
【0025】 本発明の目的はさらに、一定の抗体の重鎖の可変部(VH)又は軽鎖の可変部
(VL)を構成するために適した、上記方法によって得られ得るポリペプチドで
ある。 本発明のポリペプチドに関して、抗体のVH領域を構成するために適したポリ
ペプチドは本明細書ではVHポリペプチドとも呼ばれ、抗体のVL領域を構成す
るために適したポリペプチドは本明細書ではVLポリペプチドとも呼ばれる。
【0026】 特に、これに関して、下記ポリペプチド VH及びVLポリペプチドが本発明
の目的である: - 特定のAMCV抗体、特にscFv(F8)のVH及びVL領域をそれぞれ構
成するVH−F8(配列番号:31)及びVL−F8(配列番号:32); - リゾチームに対して特異的な抗体のVH及びVL領域をそれぞれ構成するVH
−LYS/P5(配列番号:33)及びVL−LYS/P5(配列番号:34)
; - リゾチームに対して特異的な抗体のそれぞれVH及びVL領域を構成するVH
−LYS/11E(配列番号:35)及びVL−LYS/11E(配列番号:3
6); - ウシ血清アルブミンに対して特異的な抗体のそれぞれVH及びVL領域を構成
するVH−BSA/9F(配列番号:37)及びVL−BSA/9F(配列番号
:38); - “トマト・スポッテッド・ウイルト・ウイルス”に対して特異的な抗体のそれ
ぞれVH及びVL領域を構成するVH−TSWV(BR01)/6H(配列番号
:39)及びVL−TSWV(BR01)/6H(配列番号:40);
【0027】 - “トマト・スポッテッド・ウイルト・ウイルス”に対して特異的な抗体のそれ
ぞれVH及びVL領域を構成するVH−TSWV(P105)/1C(配列番号
:41)及びVL−TSWV(P105)/1C(配列番号:42); - “キウリモザイク病ウイルス”に対して特異的な抗体のそれぞれVH及びVL
領域を構成するVH−CMV/4G(配列番号:43)及びVL−CMV/4G
(配列番号:44); - “キウリモザイク病ウイルス”に対して特異的な抗体のそれぞれVH及びVL
領域を構成するVH−CMV/4B(配列番号:45)及びVL−CMV/4B
(配列番号:46);及び - “キウリモザイク病ウイルス”に対して特異的な抗体のそれぞれVH及びVL
領域を構成するVH−CMV/2G(配列番号:47)及びVL−CMV/2G
(配列番号:48)。
【0028】 本発明のポリペプチドに基づいて、特異的なCDRsペプチドを誘導すること
ができ、この特異的なCDRsペプチドはそれらを包含する抗体に結合特異性を
与える。
【0029】 前記CDRsペプチドは、予め定められた抗原に対する結合特異性を抗体に与
えるペプチドを誘導する方法によって誘導されることができ、この方法は下記工
程: - 重鎖の可変部として、配列表に配列番号:82として報告された配列を有する
ポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:83とし
て報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程; - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
部のポリペプチドを単離する工程;及び - 前記ポリペプチドから前記抗体に結合特異性を与える部分を単離する工程 を含む。
【0030】 好ましい態様では、上記方法はさらに、 - 前記抗原に結合する前記抗体の可変部を配列決定する工程 を含む。 抗原は任意の抗原であることができ、好ましくは上記抗原でありうる。 本発明の目的はさらに、上記方法によって得られ得る全てのペプチドでもある
【0031】 特に、 - それぞれ、配列、配列番号:9(H−CDR1−F8)、配列番号:10(H
−CDR2−F8)、配列番号:11(H−CDR3−F8)、配列番号:12
(L−CDR1−F8)、配列番号:13(L−CDR2−F8)、配列番号:
14(L−CDR3−F8)を有して、抗体scFv(F8)においてACMV
(アーティチョーク・モットル・クリンクル・ウイルス)に対する結合特異性を
与えるペプチドCDRs; - 配列、配列番号:78(H−CDR1−LYS/P5)、配列番号:79(H
−CDR2−LYS/P5)、配列番号:15(H−CDR3−LYS/P5)
、配列番号:80(L−CDR1−LYS/P5)、配列番号:81(L−CD
R2−LYS/P5)及び配列番号:16(L−CDR3−LYS/P5)を有
して、リゾチーム(特に、ニワトリ卵白のリゾチーム)に対する結合特異性を与
えるペプチドCDRs が本発明の他の目的である。
【0032】 本発明の目的はさらに、ACMVとは異なる抗原に対する結合特異性を、図7
に示した配列によって、VH及びVLポリペプチド中に本来のH−CDR3−F
8及びL−CDR3−F8の代わりにそれらを、他のペプチド、F8のH−CD
R1、H−CDR2及びL−CDR2と共に、及びペプチドL−CDR1−F8
の代わりに包含されるL−CDR1−MUT(配列番号:76)と共に包含する
抗体に与える、上記で定義したようなペプチドH−CDR3及びL−CDR3の
全てである。
【0033】 これらのうちで、特に本発明の目的は、 - リゾチーム(H−CDR3−LYS/11E、配列番号:17及びL−CDR
3−LYS/11E、配列番号:18)、 - ウシ血清アルブミン(H−CDR3−BSA/9F、配列番号:19及びL−
CDR3−BSA/9F、配列番号:20)、 - “トマト・スポッテッド・ウイルト・ウイルス”核タンパク質(H−CDR3
−TSWV(BR01)/6H、配列番号:21及びL−CDR3−TSWV(
BR01)/6H、配列番号:22;H−CDR3−TSWV(P105)/1
C、配列番号:23及びL−CDR3−TSWV(P105)/1C、配列番号
:24)、及び - “キウリモザイク病ウイルス”(H−CDR3−CMV/4G、配列番号:2
5及びL−CDR3−CMV/4G、配列番号:26;また、さらにH−CDR
3−CMV/4B、配列番号:27及びL−CDR3−CMV/4B、配列番号
:28;及び最後に、H−CDR3−CMV/2G、配列番号:29及びL−C
DR3−CMV/2G、配列番号:30) に対する特異性を与えるペプチド H−CDR3及びL−CDR3である。
【0034】 図7におけるH−CDR3なる用語は、VH領域におけるペプチド H−CD
R3−LYS/11E、H−CDR3−BSA/9F、H−CDR3−TSWV
(BR01)/6H、H−CDR3−TSWV(P105)/1C、H−CDR
−CMV/4G、H−CDR3−CMV/4Bの位置を示す。L−CDRなる用
語は、VH領域におけるペプチド L−CDR3−LYS/11E、L−CDR
3−BSA/9F、L−CDR3−TSWV(BR01)/6H、L−CDR3
−TSWV(P105)/1C、L−CDR−CMV/4G及びL−CDR3−
CMV/4Bの位置を示す。
【0035】 L−CDR1−MUT(配列番号:76)も本発明の目的を構成する。 上記CDRペプチドの全ては、サンプル中の興味深い分子の検出のために当該
技術分野で知られた手法によって使用することができ;前記使用は本発明の目的
に包含されると見なすべきである。
【0036】 本発明の他の目的は、本発明の上記VH及びVLポリペプチドの少なくとも1
つを包含する全ての抗体によっても与えられる。 これに関して、scFv型の改変抗体のみでなく、FAb、Fv、dAb型並
びに全ての免疫グロブリン、特にIgG及びIgA型の免疫グロブリンの改変抗
体も本発明の目的である。
【0037】 特に、本発明の目的は、改変抗体scFv(F8)(配列番号:49)及びs
cFv抗体:scFv(P5)(配列番号:50)、scFv(LYS11E)
、scFv(BSA9F)、scFv(BR01−6H)、scFv(P105
−1C)、scFv(CMV−4G)、scFv(CMV4B)及びscFv(
CMV−2G)である。
【0038】 このようなscFv抗体は、VH及びVLポリペプチドをそれぞれ、VHポリ
ペプチドのカルボキシ末端にそのアミノ末端を介して共有結合した、及びVLポ
リペプチドのアミノ末端にそのカルボキシ末端を介して共有結合した、リンカー
と結合させることによって得られ得る(図2のダイアグラムを参照のこと)。
【0039】 このリンカーは、VHポリペプチド及びVLポリペプチドを結合させるために
適すると当該技術分野において知られた任意のリンカーのいずれかでありうる。
特に、添付の配列表に配列番号:51として記載された配列を有するリンカーで
ありうる。
【0040】 上記ペプチド及びポリペプチド又はそれらを含有する抗体の変異体の全ても、
本発明の目的に包含されると見なさなければならない。 これらの変異体は、 - 上記FR及びCDRペプチド、VH及びVLポリペプチド並びにそれらを包含
する抗体のムテイン(muteine)、 - 上記FR及びCDRペプチド、VH及びVLポリペプチド並びにそれらを包含
する抗体の少なくとも1つ、又は関連ムテインの少なくとも1つを包含する分子
、 - 上記FR及びCDRペプチド、VH及びVLポリペプチド並びにそれらを包含
する抗体、又は関連ムテインの少なくとも1つのフラグメント若しくは一部、 - 上記FR及びCDRペプチド、VH及びVLポリペプチド並びにそれらを包含
する抗体の少なくとも1つ又は関連ムテインの少なくとも1つを包含する分子の
フラグメント若しくは一部、 - 上記FR及びCDRペプチド、VH及びVLポリペプチド並びにそれらを包含
する抗体の少なくとも1つから本質的に成る全て を包含する。
【0041】 本発明のペプチド、ポリペプチド及び抗体並びに特に、添付の配列表に報告さ
れた配列を有するもの、の1つから直接的に又は間接的に誘導される各分子は、
- 上記ペプチド/ポリペプチドの変異体の場合には、少なくとも任意の細胞の細
胞質中で機能的及び安定性である抗体に含有されるときに; - 上記抗体の変異体の場合には、少なくとも細胞質区画において機能的及び安定
性である抗体自体であるときに 前記ペプチド、ポリペプチド及び抗体の1つから本質的に成ると見なされなけれ
ばならない。
【0042】 本出願のために、上記ペプチド/ポリペプチド/抗体のムテインは本来のペプ
チド/ポリペプチド/抗体に類似しており、これは第1から第2の誘導を示唆し
うるようにである。
【0043】 上記ペプチド/ポリペプチド/抗体の少なくとも1つ又はそのムテイン若しく
はそれを含有するより大きな分子の1つのフラグメントは、本発明のために、本
来のペプチド又はムテインの1つ以上のアミノ酸が切り取られている分子によっ
て与えられる。
【0044】 これらのペプチド/ポリペプチド/抗体及び/又はムテインの少なくとも1つ
を含有するより大きな分子に関して、これらのペプチド及び/又はムテインとは
異なる分子部分はscFv(F8)の配列と部分的又は全体的に一致することが
できる。
【0045】 これらの分子の全ては、例えば組換えDNAまた合成ポリペプチドの構築のよ
うな当該技術分野で知られた一連の慣用的な手法によって製造されうる。
【0046】 本発明の他の目的は、本発明のペプチド/ポリペプチド又はそれらの変異体を
コードするポリヌクレオチド(ポリデオキシリボヌクレオチド及びポリリボヌク
レオチドの両方)によって与えられる。特に、配列番号:52(H−FR1−F
8)、配列番号:53(H−FR2−F8)、配列番号:54(H−FR3−F
8)、配列番号:55(H−FR4−F8)、配列番号:56(L−FR1−F
8)、配列番号:57(L−FR2−F8)、配列番号:58(L−FR3−F
8)、配列番号:59(L−FR4−F8)、配列番号:60(H−CDR1−
F8)、配列番号:61(H−CDR2−F8)、配列番号:62(H−CDR
3−F8)、配列番号:63(L−CDR1−F8)、配列番号:64(L−C
DR2−8)、及び配列番号:65(L−CDR3−F8)、配列番号:66(
VH−F8)、及び配列番号:67(VL−F8)、配列番号:77(L−CD
R1−MUT)として報告された配列を有するポリヌクレオチドが本発明の目的
に包含される。
【0047】 本発明のペプチド/ポリペプチド、特に配列番号:68(scFv(F8))
及び配列番号:69(scFv(P5))として与えられた配列を有するものを
用いて得られた改変抗体をコードするポリヌクレオチドも、本発明に包含される
【0048】 本発明の他の目的は、薬剤として用いるため、特に遺伝子療法、特に細胞内外
の環境における少なくとも1種類の分子の蓄積に関連した全ての病的状態の療法
、に適した薬剤組成物の調製のための本発明のペプチド/ポリペプチド、改変抗
体及び/又はポリヌクレオチドによって与えられる。この場合、特に、感染性、
腫瘍、代謝性及び免疫性(immunitary)(特に、自己免疫性)病状に関する。感
染性病状に関しては、特に、動物(例えば、ヒトにおけるHIV、特にHIV−
1、HPV、ヘルペスウイルス若しくはHCVウイルスに関連した病状参照)又
は植物(例えば、CMV若しくはトマトにおけるTSWVウイルスに関連した病
状参照)のいずれかにおけるウイルスに関連した感染性病状に関する。
【0049】 さらに、上記ペプチド、ポリペプチド、抗体及び/又はそれらの変異体の少な
くとも1種類の治療有効量、及び/又は上記ポリヌクレオチドの少なくとも1種
類の治療有効量と、製薬的に適当なビヒクルとを包含する薬剤組成物。
【0050】 この製薬的に受容されるビヒクル、担体又は補助剤は、上記分子を含有する薬
剤組成物又は物質を製造するために適していると当該技術分野において知られた
、任意のビヒクル、担体又は補助剤でありうる。特に、本発明によると、このよ
うな担体は、タンパク質及び抗体に適切であると当業者によって用いられている
又はいずれにせよ知られている、液体又は固体の担体でありうる。
【0051】 本発明の目的はさらに、ヒト、動物細胞内外の分子の蓄積に関連した病状の治
療方法であって、 - 上記抗体又はその変異体の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する段階
を含む前記方法である。
【0052】 特に、前記投与は癌若しくはそれに関連した病状を非経口的に治療するために
、又は当業者に知られた投与手法による、受動的免疫療法としての経口投与によ
って行なわれうる。
【0053】 本発明の目的はさらに、ヒト、動物又は植物細胞の内外の分子の蓄積に関連し
た病状の治療方法であって、 - 本発明の抗体をコードする上記ポリヌクレオチド又はその変異体の治療有効量
をそれを必要とする対象に投与する段階 を含む前記方法である。
【0054】 前記投与は、トランスフェクションに適したベクターに前記ポリヌクレオチド
を挿入することによって行なわれるべきである。本発明によると、任意のベクタ
ー、特に、ウイルス性ベクターであって、それを必要とする対象を治療するため
に当業者によって現在採用されている上記ベクターがこのために用いられうる。
【0055】 本発明の他の目的は、ヒト、動物又は植物細胞の内外の分子の蓄積に関連した
病状を治療するための上記抗体及び/又はポリヌクレオチド又はそれらの変異体
の使用である。
【0056】 これらの病状を診断するためのこれらの上記ペプチド/ポリペプチド/抗体又
はそれらの変異体の使用も、本発明の目的に包含される。 特に、このような分子は、酵素活性を有するタンパク質(即ち、アルカリホス
ファターゼ)又は例えばグリーン蛍光タンパク質のようなリポータータンパク質
をコードする遺伝子に融合して、診断用途に用いることができる。診断用途に適
当であると当該技術分野において知られた、他のリポーター遺伝子又はタンパク
質も同様に使用可能である。
【0057】 本発明の抗体を用いることができる診断用途の中では、イメージングが特に好
ましい。 本発明の目的は、上記分子を試薬として包含する診断キット、特に、上記ポリ
ヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、抗体及び/又はそれらの変異体の少な
くとも1つを包含する少なくとも1種類の組成物を包含することを特徴とする、
感染性病状のための診断キットである。
【0058】 新規な分子及び/又は関連する機能を同定するための上記抗体の使用も、本発
明の目的に包含される。 このような同定は、例えば、ゲノミクス及びプロテオミクスに関連した技術分
野において知られた手法によって行なわれうる。
【0059】 特に、本発明の目的は、感染性病状の療法に用いられる分子を誘導するための
、上記ペプチド/ポリペプチド/抗体又はそれらの変異体の使用、及びこのよう
なペプチド/ポリペプチド/抗体又はそれらの変異体の少なくとも1つを試薬と
して包含する関連キットである。
【0060】 本発明の他の目的はさらに、上記分子の少なくとも1つと、それらと化学的に
両立するビヒクルとを包含する、実験用途に適した組成物である。 この化学的に両立するビヒクルは、上記分子を含有する薬剤組成物又は物質の
ために適すると当該技術分野において知られた任意のビヒクルでありうる。
【0061】 特に、本発明によると、このような担体は、タンパク質及び抗体に適当である
当業者によって用いられている又はいずれにせよ知られている液体又は固体担体
でありうる。 添付の図面を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
【0062】 (発明の詳細な説明) 上述したように、本発明のペプチドはそれらを包含する抗体を還元性環境にお
いてさえも安定性にすることができる。 抗原との相補性を決定する領域(CDRs)とscFv(F8)抗体のフレー
ムワーク領域(FRs)とは、技術水準において知られた基準による配列決定に
よって同定されている。
【0063】 scFv(F8)は、新規な特異性がループ移植(loop grafting)(“合理
的アプローチ”)によって又は突然変異と、レパートリー発生(repertoire gen
eration)による選択(“分子進化”)によってその上に工学的に作り出される
(engineered)足場(scaffold)として用いられてきた。細胞質環境における安
定性及び溶解性の維持と、AMCVとは異なる結合特異性の獲得とを実証するた
めに、部位特異的突然変異誘発から誘導された抗体が分析されている。
【0064】 “合理的アプローチ”では、CDRs及びFRs領域の両方の残基を、リゾチ
ームを認識するscFv(D1.3)の残基によって置換したが、“分子進化”
では、CDR3領域の残基が行きあたりばったりで置換され、得られたscFv
の結合性をチェックした。これらの実験は、scFv(F8)足場がCDRs及
びFRs領域の両方における定められた残基(defined residue)の置換を許容
することを実証した、これらの領域は抗体scFv(F8)の安定性保存に関し
て再定義することができる(特に、図3を参照のこと)。
【0065】 “合理的置換”アプローチ 本発明者はscFv(F8)アミノ酸を、リゾチームを認識するscFv(D
1.3)のCDRs及びFRsのアミノ酸によって置換した。これらの置換は、
分子“モデリング”によって策定された理論的設計に基づいて各残基を修飾する
合理的方法で行われた。
【0066】 このアプローチによると、VH及びVLの全てのCDRsを包含する、広範囲
なアミノ酸修飾が行なわれる。これらの領域を、リゾチーム、ウシ血清アルブミ
ン、トマト・スポッテッド・ウイルト・ウイルスとキウリモザイク病ウイルスの
核タンパク質、又は関心ある任意の他の標的分子でありうる、他の標的分子に結
合する“正常型”の他の抗体(特定の安定性又は細胞質機能性を示さない)の対
応領域によって置換した(“移植”として当該技術分野において知られる手法に
よって)。
【0067】 図4に示したダイアグラムはscFv(F8)抗体移植のために適合させた突
然変異誘発方法を要約する。 リゾチーム結合性抗体を与えることを目的とした突然変異誘発に関連する図に
示した特定の場合の突然変異誘発産物の分析により、移植方法の成功を実証した
。実際に、得られたキメラ抗体(P2、P3、P4及びP5と名付けられる)は
、分子設計によって予測されたように、リゾチームを特異的に認識することがで
きた。同時に、分子安定性に影響を与えずに広範囲な突然変異をサポートするs
cFv(F8)足場の能力が、特にCDRsレベルにおいて、実証された。実際
に、このアプローチによって得られた新規な結合性分子は、同系のscFv(F
8)と同様に、細胞の細胞質の還元性環境において溶解性及び機能性であること
を示した。
【0068】 この結果、新たな抗原認識に関与する領域の正確なフォールディングを可能に
するように修飾された若干のFRs残基を除いて、scFv(F8)のサポート
構造は実質的に変更されなかった。新たな抗原に対する結合能力を与えることが
できる配列を、タンパク質工学によって、それに移植することが可能である“中
心核”として機能することが可能な構造が同定された。 この中心核は発明の概要に述べたFRsペプチドから構成される。
【0069】 これらの突然変異体分子の性質は、本発明者によって、実施例においてさらに
詳しく説明され、例示される、大腸菌(Escherichia coli)の
細胞周辺腔と細胞質の両方における発現の分析手法を用いて実証された。特に、
細菌細胞周辺腔における発現の分析は、移植された抗体が新たな抗原を認識する
能力を評価することを可能にした。その代わり、細菌細胞質における発現は還元
性環境におけるタンパク質溶解性及び機能性を分析することを可能にした。
【0070】 リゾチーム特異性に関して突然変異誘発された抗体の場合には、総タンパク質
含量に関して標準化された細胞周辺腔抽出物に対して行なわれたELISA(酵
素結合イムノソルベント・アッセイ)が、P1(最低数の置換を有する突然変異
体)を除いて、全ての突然変異誘発産物がリゾチームを認識することができたこ
とを示している。フレームワーク中にscFv(D1.3)のCDRsと幾つか
の置換とを提示するP3突然変異体は最高の結合活性を示した。P3で観察され
たリゾチーム認識はscFv(D1.3)によって示されたものよりもやや低か
った(約15%低い)。これらのデータを、種々な突然変異誘発産物の匹敵する
発現レベル及び、突然変異誘発産物と本来のscFv(F8)とscFv(D1
.3)との匹敵する発現レベルを示したウェスタン・ブロット分析と組み合わせ
た。これは、ELISAで観察されたシグナルの相違が、異なる発現レベルによ
るのではなく、抗原に対する異なる特異性のみによるものであることを実証する
【0071】 細菌細胞質における発現に関して、総タンパク質に関して標準化した抽出物に
対して実施したELISAは、最高数のアミノ酸置換を特徴とするP5突然変異
体に関して高い活性を示した。各場合にscFv(D1.3)に関して測定され
た結合活性よりも高いが、乏しい結合活性もP3とP4に関して記録された。
【0072】 この場合にも、ウェスタン・ブロット分析は細胞質において発現されたscF
v突然変異体の同等の発現を示し、このことは、ELISAシグナルの相違が異
なるリゾチーム認識能力に起因することを再度立証する。
【0073】 “分子進化”アプローチ 合理的置換アプローチから得られた徴候に基づいて、scFv(F8)から誘
導された新規な分子のライブラリーは構築されている。 ライブラリー構築の始点は、scFv(MUT−VL1)、CDRsにおいて
修飾されたscFv(F8)抗体の誘導体であった。VLドメインのCDR1は
短縮されており、モデリング補助設計によって部分的に修飾されていた。さらに
、本来のscFvのVHドメインの異常に長いCDR3から9個のアミノ酸を取
り除いた(図5参照)。
【0074】 VH及びVHドメインの両方のCDR3の4アミノ酸位置における標的ランダ
ムPCR−突然変異誘発によって、構造的可変性を導入した。VHの95と98
及びVLの91と94の間(これらを包含する)の残基をランダム化した変性オ
リゴヌクレオチドを用いた。突然変異誘発後に、推定される多様な、5x107
の異なるファージクローンによるレパートリーが得られた。
【0075】 このようにして得られた分子のプールを、本来(originally)scFv(F8
)によって認識されるAMCVとは異なる抗原に対する選択のためにライブラリ
ー中のファージに取り付けた。基本構造として単一出発抗体(“単一足場ライブ
ラリー”)を用いて構築された、このライブラリーは、異なる特異性を有し、同
時にscFv(F8)分子の特有の特徴及び安定性(細胞質溶解性、in vi
troでの変性及び再生)を保有する抗体を生じた。これらの結論は、単離した
scFv分子の塩化グアニジニウム変性及び再生研究によって得られた。大腸菌
細胞質における溶解性及び機能的分子としての同じScFvフラグメントの発現
は、これらのタンパク質がin vivo系においても安定であることを立証し
た。
【0076】 さらに、これらの幾つか(ScFv(CMV)4B及びScFv(CMV)4
G)に関しては、それらが植物の細胞質ゾルにおいても溶解性及び機能性分子と
して発現されることが判明している。ジャガイモウイルスX(PVX)感染タバ
コ植物の溶解性フラクションにおけるScFv(CMV)4B又はScFv(C
MV)4G抗体の存在は、これらの分子が、大抵の抗体とは異なって、植物細胞
質においてフォールドされ、安定であることを示す。トランジェニック・トマト
植物において同じ結果が得られて、還元性環境における正確なフォールディング
の可能性を立証した。これらの抗体はCMV集合及び/又は複製を妨害して、こ
のウイルスに対する改変された耐性を生じた(“プランティボディ仲介耐性(pl
antibody-mediated resistance)”)。
【0077】 ライブラリーから単離され、特徴付けられた(後記表I参照)抗体のVH及び
VLドメインのCDR3配列は、上記位置における残基置換が全体的に行きあた
りばったり(casual)であることを示した。さらに、突然変異したCDR3にお
けるアミノ酸組成と分布は、アミノ酸の荷電と障害とがこれらのscFvフラグ
メントのフォールディング及び溶解性に実質的に影響を与えないことを実証した
【0078】 “単一足場ライブラリー”の構築及び分析から得られたデータは、本来の抗体
scFv(F8)と同じ固有の安定性を有する多価抗体のプールを構築するため
にscFv(F8)の足場を用いることの可能性を示している。このライブラリ
ーは、細胞質における抗体の発現が必要とされるか又は分子安定性という特定の
特徴が重要である用途の全てに対して予定されている。
【0079】 これらの実験の結果として、新規な結合特異性、特に発明の概要に述べた結合
特異性を有する安定な抗体分子が得られている。
【0080】 結論 これらの実験アプローチの全ての結果を次の表Iに示したダイアグラムに要約
する。 この表では、行きあたりばったり(カジュアル)置換のアプローチによる突然
変異体の誘導の結果として得られた結果及び情報を報告する。非極性残基は二重
アンダーラインによって示し;電荷を有さない極性R基を有する残基は通常の文
字で示し;酸残基(負電荷)は破線のアンダーラインによって示し;塩基残基(
basic residues)(正電荷)は一重アンダーラインによって示す。
【0081】
【0082】 aはscFv(F8)に関する場合には残基95〜残基100Jの位置を示し;
“単一足場ライブラリー”から単離されたクローンに関する場合には残基95〜
残基98の位置を示す(Kabat等,1991による命数法)。 bは残基91〜残基94の位置を示す(Kabat等,1991による命数法)
【0083】 上記結果に基づいて、発明の概要に報告されたペプチド、ポリペプチド、抗体
は同じくそれに報告された方法に従って得られている。
【0084】 それによって得られた抗体は特に改良された安定性に関して実証されており、
FAB、Fv、dAb、IgG又はIgA型の抗体では、VH及びVL領域にお
ける本発明のペプチドの存在による改良された安定性を示している。
【0085】 今まで、本発明の一般的な説明を与えてきた。次に、以下の実施例を用いて、
範囲、特徴、利点及び操作方法を明確にするために、さらに詳細な説明を提供す
る。
【0086】 (例) 例1:scFv(F8)の配列決定 単鎖抗体scFv(F8)は、植物ウイルスAMCV(アンチチョーク・モッ
トル・クリンクル・ウイルス)の外皮タンパク質に対して向けられたIgG2b
クラスのMAb(ハイブリドーマから分泌)から得られる。この抗体を得るため
に、Balb/cマウスをこの精製ウイルスによって免疫化した。リンパ球を単
離し、ハイブリドーマを得るための手法は、文献(Harlow及びLane
1988)に報告された標準的手法であった。この抗体を発現するハイブリドー
マ系(hybridoma line)は、抗原に対するその高いアフィニティに基づいて、E
LISAによって選択した。この抗体の重鎖(H)及び軽鎖(L)の遺伝子を単
離するために、完全なcDNAを公開プロトコール(Tavladoraki等
,1993)に従って選択した。可変部(VHとVL)を可変部に対する普遍的
プライマーを用いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって増幅して、連続的
に種々な型のベクターにクローン化した(Tavladoraki等,1993
)。Sanger方法(Sambrook等,1989)によってSequen
aseキット(USB)のプロトコールに従って配列を決定した。
【0087】 例2:合理的アプローチにおける部位特異的突然変異誘発の測定 scFv(F8)から誘導された、scFv(F8)からVLのCDR1のみ
が分化され、アミノ酸組成において部分的に修飾され、4アミノ酸だけ減少した
、抗体をコードする遺伝子を含有するプラスミドpMUT−VL1上で突然変異
誘発が行なわれた。
【0088】 突然変異誘発のStratagene(“Quick Change Sit
e−directed Mutagenesis Kit”)系を、製造者から
与えられた指示に従って用いた。この系は、突然変異配列を含有する2種類の相
補的プライマーの、鋳型としてpMUT−VL1を用いた酵素伸長(enzymatic
extension)に基づくものである。Pfu DNAポリメラーゼの伸長反応を準
備するために、このプラスミドを変性して、対立するDNA鎖への2つのオリゴ
ヌクレオチドのアニーリングを可能にした。結果は、オリゴヌクレオチドを組み
入れて所望の突然変異を惹起した二重らせんを有するプラスミドである。
【0089】 プラスミドベクターの精製のために用いた大腸菌XL1−Blueの細菌スト
ックはメチル−トランスフェラーゼ活性を有する、それ故、細菌から抽出された
DNAプラスミドはメチル化を生じる。これに反して、Pfu DNAポリメラ
ーゼの伸長によって得られた突然変異体プラスミドはメチル化を含有しない。こ
のことは、親プラスミド中のメチル化DNAの頻繁な特異的配列を認識するエン
ドヌクレアーゼ酵素DpnIによる反応産物の消化による突然変異プラスミドの
選択を可能にした。反応産物は大腸菌XL1−Blue中でトランスフェクトさ
れ、この場合、突然変異体プラスミドのin vitro合成中に生じた“ニッ
ク”部位が細胞修復系によってリン酸化される。
【0090】 2.5μlの反応バッファー10x、2.5mM dNTP、10ng DN
A鋳型、62.5ngの各プライマー、1.25U Pfu DNAポリメラー
ゼ(Stratagene)を含有する25μl中で突然変異誘発反応を行なっ
た。 採用した条件は下記の通りであった:30秒間の95℃における変性;30秒
間の95℃における変性、1分間の55℃におけるアニーリング及び7分間の6
8℃における酵素伸長:18サイクル;この伸長を完成するための68℃におけ
る5分間。この反応はPerkin Elmer/Cetus装置を用いて行な
った。
【0091】 反応産物を5Uの制限酵素DpnI(Stratagene)と共に37℃において1時
間インキュベートして、アガロースゲル上での電気泳動に関して分析した。 突然変異誘発産物をpGEM−7Zf(+)ベクター(Promega)にお
いてクローン化し、大腸菌XLi−Blueにおいて、分子生物学の慣用的方法
に従ってトランスフェクトした。突然変異誘発は配列決定によって実証された。
【0092】 発現ベクターpDN332におけるクローニング(Neri等,1996)及
び細菌における発現の誘導後に、下記例に述べる手法に従って、突然変異配列に
よって発現されたタンパク質を分析した。
【0093】 細胞質の還元性環境における抗体の機能性と溶解性をウェスタンブロッティン
グとELISAを用いて、以下に述べるように、分析した。
【0094】 例3:大腸菌細胞周辺腔において発現されたタンパク質の抽出 scFv抗体を発現する大腸菌HB2151の単一コロニーを、100μg/
mlアンピシリンと2%グルコースを含有するSB培地 50ml中に接種し、
37℃において16時間増殖させた。この予備培養物(preculture)を新鮮なS
B培地によって1リットルになるまで希釈し、37℃においてさらに2時間振と
うした(A600nm=0.7〜0.8まで)。次に、細胞を室温で3000gにお
いて15分間遠心分離した。
【0095】 100μg/mlアンピシリンと1mM IPTGを含有するSB培地 1リ
ットル中に細菌沈降物を再懸濁させ、30℃において3時間振とうすることによ
って、lacZプロモーターの誘導が達成された。次に、培養物を4℃で300
0gにおいて15分間遠心分離して、細胞を沈降させた。
【0096】 溶解性タンパク質を細菌細胞周辺腔から浸透圧“ショック”によって抽出した
。ペレット化した細胞を、プロテアーゼ阻害剤(“Complete Mini
”,Boehringer)を含有するTESバッファー溶液(0.5Mサッカ
ロース、0.2M Tris−HCl、0.5mM EDTA、pH8.0)1
5ml中に再懸濁させた。
【0097】 次に、22.5mlの1:5希釈TESとプロテアーゼ阻害剤を加えた。この
細菌懸濁液を室温において15分間緩やかに回転させた。次に、抽出物を4℃、
15000gにおいて20分間遠心分離して、上澄み中に存在する細胞周辺腔タ
ンパク質を回収した。
【0098】 例4:大腸菌細胞質におけるタンパク質発現 a.細胞内構築体の調製 細菌細胞質中にscFvフラグメントを発現させるために、シグナル配列なし
構築体(signal sequenceless constructs)を調製した。PelB分泌シグナル
を有さないscFv(F8)をコードする配列(Tavladoraki等,1
993)をpDN332ファージミドのHindIII−NotI部位において
クローン化して、pDN−F8intraと名付けられたファージミドを得た。
scFv(F8)遺伝子に対応する、pDN−F8intraのPstI−No
tI744bpフラグメントを、突然変異scFv遺伝子の消化によって得られ
た類似体PstI−NotI制限フラグメントによって置換することによって、
細胞内発現を予定されたscFv遺伝子の構築体が得られた。scFv遺伝子の
ジグナル配列なしバージョンを含有するプラスミドを用いて、大腸菌HB215
1を形質転換した。
【0099】 b.大腸菌における組換えタンパク質の発現 50mlの2xTY−AGに一晩培養物(overnight culture)をA600nm=0
.05において接種した。細胞を37℃においてA600nm=0.6まで増殖させ
、次に、これらをペレット化して、100μg/mlアンピシリンと0.4mM IPTGを含有するSB培地 50ml中に再懸濁させた。30℃における3
時間の誘導後に、細菌を2.5mlの抽出バッファー(20mM Tris−H
Cl、2mM EDTA、10mM ヨードアセトアミド、pH8)中に回収し
、−20℃において凍結/解凍し、次に氷上で150Watt出力において3分
間超音波処理した(Soniprep 150,Sonyo)。溶解性フラクシ
ョンを18000gにおける30分間の遠心分離によって回収した。
【0100】 封入体を含有するペレットを電気泳動バッファー(20%グリセロール、2%
SDS、0.06M Tris−HCl pH6.8、0.02%ブロモフェノ
ールブルー、5%β−メルカプトエタノール)中に再懸濁させ、5分間ボイルし
、短時間の遠心分離後に得られた上澄みをポリアクリルアミドゲル上に負荷した
【0101】 例5:組換え抗体の分析 a.タンパク質濃度の測定 抽出物中に存在する総タンパク質の濃度をBioRad試薬と基準としてのウ
シ血清アルブミンとを用いて測定した。 精製後のscFvの濃度を280nmにおける吸光度に基づいて算出した。電
気泳動分離後に、硝酸銀又はクーマシーブルー染色方法によってタンパク質のバ
ンドを可視化した。
【0102】 b.ポリアクリルアミド変性ゲル(SDS−PAGE)上での電気泳動 精製後に得られた抗体フラグメントの分析は、当該技術分野において知られた
プロトコールに従ってSDS−PAGEによって行なった。2%SDSの存在下
、12%の最終濃度でポリアクリルアミド(アクリルアミド/ビアクリルアミド 29:1)を用いて分離ゲルを調製した。負荷バッファー(最終濃度:10%
グリセロール、0.06M Tris−HCl pH6.8、0.025%ブロ
モフェノールブルー、2%SDS及び5%β−メルカプトエタノール)をサンプ
ルに加えて、5分間ボイルした。MiniProtean(BioRad)装置
を100Voltにおいて用いて、電気泳動を行なった。
【0103】 c.ウェスタン・ブロット分析 SDS−PAGE上での分離後に、次に、タンパク質をゲルからニトロセルロ
ース膜(Hybond−C Super,Amersham)上に100Vol
t、4℃において1時間かけてエレクトロトランスファーした(electro-transf
erred)。 次に、ニトロセルロース膜を、0.1%Tween−20(PBST)と4%
スキムミルクを含有するPBSバッファー(0.2M NaH2PO4,0.2M Na2HPO4、0.15M NaCl)中に4℃において16時間ブロックし
た。
【0104】 それぞれ、30秒間、5分間、5分間のPBSTによる3回の洗浄及びPBS
中での5分間の洗浄後に、2.5μg/mlモノクローナル抗体anti−Fl
ag M2(Sigma)を含有する、PBS、2%スキムミルク(PBSM)
中で膜を室温において2時間インキュベートした。この膜を洗浄して、ビオチニ
ル化抗マウスIgG抗体(Amersham)を含有するPBSM中、室温にお
いて1時間インキュベートし、続いてストレプトアビジン−ホースラディッシュ
・ペルオキシダーゼ・コンジュゲート(Amersham)を含むPBSM中で
インキュベートすることによって、免疫検出(immunodetection)を実現した。
強化化学発光(ECL Plus,Amersham)によってシグナル発生が
得られた。
【0105】 d.ELISA試験 Immunoplates(Maxisorp,Nunc)を100μl炭酸
塩バッファー(50mM NaHCO3、pH9.6)中の抗原(100μg/
mlリゾチーム(Sigma)と3μg/ml AMCV)によって4℃におい
て16時間被覆した。 PBSTによる3回洗浄とPBSによる1回洗浄後に、プレートをPBSMに
よって37℃において2時間ブロックした。次に、各穴を洗浄し、誘導細菌培養
物からの80μl抽出物と、2.5μg/mlのanti−Flag M2(S
igma)含有PBSM 20μlとを充填した。これらのプレートを4℃にお
いて16時間インキュベートして、洗浄した。次に、ペルオキシダーゼ(KPL
)にコンジュゲートしたヤギ抗マウス抗体を含有する各穴に、100μl PB
SMを加えた。これらのプレートを37℃において1時間インキュベートして、
洗浄した。シグナル発生のために、ペルオキシダーゼ基質、ABTS(2’2’
−アジンビ(3−エチルベンズチアゾリン)スルホン酸):H22(KPL)の
1:1溶液 100μlを用いた。ELISAリーダー(Labsystem
Multiscan Plus)を用いて405nm吸光度においてシグナルを
測定した。
【0106】 例6:“単一足場”ライブラリーの構築とクローニング ファージ・ライブラリーを構築するための鋳型として、例2に述べたプラスミ
ドpMUT−VL1を用いた。このライブラリーは、表Iに示した位置において
4つのアミノ酸残基をコードする配列のランダム修飾によって、VH及びVLの
CDR3中に可変性を導入することによって得られた。このために、転写終止コ
ドンの導入を避けるように、及びVHのCDR3の長さを13アミノ酸から4ア
ミノ酸に減ずるように設計された、部分的に変性されたオリゴヌクレオチドを合
成した。それぞれ、PCRによって、プライマーVHaとVHf、及びVLaと
VLf(図6)を用いて、VH及びVLドメインのコーディング配列を独立的に
増幅させることにより、突然変異誘発を行なった。PCRの反応は次のように準
備した:50μlのインキュベーションバッファー 1xAppligene(
Oncor)中の300ng pMUT−VL1、0.4mM センス・プライ
マー(VHa又はVLa)、0.8μM 変性アンチセンス・プライマー(VH
f又はVLf)、250μMの各dNTP;2.5UのTaq DNA App
ligeneポリメラーゼ(Oncor)を94℃において加えた(高温スター
ト)。増幅反応を下記プログラムによって行なった:94℃、3分間;94℃、
1分間、60℃、1分間、72℃、1分間:25サイクル;72℃、2分間。増
幅産物をアガロースゲルから、QIAquick Gel Extractio
n Kit(QIAgen)を用い、30mlの3mM Tris/HCl p
H8.0で溶出して精製した。scFv抗体のアセンブリを上記と同じ条件下で
のPCRによって、50μlの10反応に細分割する500μlの最終量で、1
0μgの精製VH及びVLフラグメント、0.8μMセンス・プライマー(VH
a)及び0.8μMアンチセンス・プライマー(VLg)を用いて、行なった。
アセンブルされたscFvをQIAquick PCR Purificati
on Kit(QIAgen)を用いて精製した。NcoI−NotI消化後に
、アセンブリの全産物をベクターpDN332においてクローン化した。
【0107】 ライゲーション産物を大腸菌TG1菌株中でのエレクトロポレーションによっ
て、下記条件:200ohm、25mF、2.5kVoltを用いてトランスフ
ェクトした。形質転換細胞を2xYT+2%グルコース+アンピシリン100g
/ml上で選択した。Nissim等(1994)によって述べられたプロトコ
ールに従って、ファージを作製した。
【0108】 例7:“単一足場”ライブラリーからの突然変異体の選択と、それらの性質の 分析 a.ライブラリーの選択 イムノチューブ(Maxisorp,NUNC)上への抗原固定をPBS(8
mM Na2HPO4・12H2O+1mM NaH2PO4・H2O+0.15M
NaCl)中又は炭酸塩バッファー50mM(CB)中で、抗原に依存して10
〜100μg/ml間で変化する濃度において実施し、室温又は4℃において1
6時間インキュベートした。
【0109】 4mlのPBS+2%ミルク(PBS−M)中の1012〜1013ファージを各
選択サイクルに対して用いて、最初の30分間は軽度に撹拌しながら、2時間イ
ンキュベートした。PBS+0.1%Tween20による10〜15回洗浄と
、PBSによる10〜15回洗浄後に、1mlの100mMトリエチルアミンに
よって溶出を行なって、0.5mlの1M Tris/HCl pH8.0によ
って直ちに中和した。次に、このファージ懸濁液を用いて、10mlの指数関数
的増殖している大腸菌TG1菌株を感染させる(37℃、30分間)。遠心分離
後に、細菌を再懸濁させ、寒天培地:2xYT+100μg/mlアンピシリン
+1%グルコース(2xYT−AG)を含有するプレートでプレーティングした
(plated)。
【0110】 最後のパンニング・サイクル(panning cycle)から得られる単クローンの結
合力に関する特徴付けを、場合によっては、ファージの形態で発現されたクロー
ン及び溶解性scFvとして発現された他のクローンに対して行なった。
【0111】 ファージ・クローンの場合には、最後の選択サイクルから得られた96単コロ
ニーを150mlの2xYT−AGに接種して、30℃において16時間撹拌し
ながら増殖させた。次に、10mlの各予備培養物のアリコートを用いて、15
0mlの2xYT−AGに、指数関数的増殖に達するまで、接種した。約1011 t.u.(形質転換単位(transforming unit))の“ヘルパー”ファージVC
SM13(Stratagene)によって感染させ、37℃において30分間
インキュベートすることによって、ファージの産生が得られた。感染した細菌を
遠心分離し、150mlの2xYT+100μg/mlアンピシリン+25μg
/mlカナマイシン中に再懸濁させ、30℃において16時間インキュベートし
た。培養物上澄みをELISAによって分析し、抗原をイムノチューブに対して
用いた条件と同じ条件下で固定した。37℃において2時間インキュベートした
後に、ペルオキシダーゼにコンジュゲートしたモノクローナル抗体anti−M
13(pharmacia)をPBS−M中で1:5000で、37℃において
1時間用いた。“ABTSペルオキシダーゼ基質系”(KPL)を用いて、比色
反応を発生させた。この予備選択から得られたポジティブ・クローンを、溶解性
scFvsとしての機能性を立証するために、さらに分析した。この目的のため
に、ポジティブ・クローンからのプラスミドをQIAprep Spin Mi
niprep(QIAGEN)によって抽出して、配列決定し、大腸菌HB21
51菌株中にトランスフェクトした。TSS(100mlに対して:1gのバク
ト−トリプトン、0.5gの酵母抽出物、0.5gのNaCl、10gのPEG 3350、5mlのDMSO、50mM MgCl2、pH6.5)中に0℃
において再懸濁させることによって、コンピテント細菌を作製した。DNAプラ
スミド(1〜5ng)を1mlのコンピテント細胞に加えて、氷上で45分間イ
ンキュベートした。42℃において2分間短い衝撃を与えた後に、1mlのLB
を加えて、次に、細胞を37℃において1時間撹拌してから、LB+100μg
/lアンピシリン上にプレーティングした。形質転換からの単コロニーの発現の
分析を、以下に述べる方法に従ってELISAによって行なった。
【0112】 溶解性scFvとして選択するために、抗原上での最後のパンニングから溶出
した10〜100μlのファージを用いて、大腸菌HB2151菌株の指数関数
的増殖にある細胞を感染させた。96単コロニーを150μlの2xYT−AG
に撹拌しながら16時間接種した。10μlの各予備培養物を150μlの2x
YT+100μg/mlアンピシリン+0.1%グルコース中で希釈し、37℃
において1時間増殖させた。1mM IPTGを加え、16時間インキュベート
することによって、タンパク質発現を誘導した。単培養(single culture)上澄
み[PBS−M中の2.5μg/mlのanti−FLAG M2モノクローナ
ル抗体(Sigma)を含有]を37℃において2時間インキュベートし、EL
ISAによって分析した。次に、ペルオキシダーゼにコンジュゲートしたウサギ
抗マウス抗体(KPL)を、PBS−M中で1:10000に希釈して、37℃
において1時間加えた。
【0113】 b.交差反応性の分析 ELISAスクリーニングから得られたポジティブ・クローンをさらに、選択
された抗原以外の抗原に対するそれらの結合特異性に関して分析した。SB−A
(35g/lトリプトン+20g/l酵母抽出物+5g/l塩化ナトリウム+1
00μg/mlアンピシリン、pH7.5)中の指数関数的増殖にある大腸菌H
B2151菌株50mlを、1mM IPTGの添加によって30℃において3
時間誘導した。遠心分離後に、プロテアーゼ阻害剤(CompleteTM,ED
TA−free,Boehringer)を含有するTES(0.2M Tri
s−HCl pH8+0.5mM EDTA+0.5Mサッカロース)500μ
l中に細胞を再懸濁させ、次に、1:5に希釈したTES 750μlを加え、
サンプルを室温において10分間、オービタル撹拌しながら(in orbital agita
tion)インキュベートした。4℃、18000gにおける20分間の遠心分離後
に上澄みとして得られたタンパク質抽出物を種々な抗原と共にELISA試験に
用いた。各ELISA穴中に、80μlの細胞周辺腔抽出物を装填し、次に20 1PBS+10%ミルクを装填した。上述したように、抗体anti−FLA
G M2を用いて、検出を行なった。
【0114】 c.配列決定 ポシティブ選択したクローンからのプラスミドを両DNA鎖で、373DNA
シーケンサー(Applied Biosystems)を用いて、配列決定し
た。
【0115】 d.scFvの精製 多量のscFvを製造するために、大腸菌HB2151の単コロニーを、10
0μg/mlアンピシリンと2%グルコースを含有するSB(SB−AG)10
0ml中に接種した。30℃における16時間のインキュベーション後に、培養
物を900mlのSB−AGによって希釈し、さらに1時間撹拌した(O.D. 600 =0.9まで)。遠心分離後に、ペレットをSB−A+1mM IPTG中
に再懸濁させ、30℃において3時間誘導した。遠心分離後に、細菌を10ml
のTES+プロテアーゼ阻害剤中に再懸濁させ、次に、15mlの1:5希釈T
ES+プロテアーゼ阻害剤を加えて、サンプルを室温において10分間インキュ
ベートした。遠心分離(4℃、18000gにおいて20分間)後に、上澄みを
回収し(フラクション1A)、さらにタンパク質を抽出するために、ペレットを
15mlの5mM MgSO4+プロテアーゼ阻害剤中に再懸濁させた。室温に
おける10分間のインキュベーション後に、第二の遠心分離工程を行ない、上澄
みをフラクション2Aとして分離して維持した。フラクション1Aと2AをDi
aflo YM10膜(Amicon)上での限外濾過によって独立的に濃縮し
て、Protein−L Sepharose(Actigene)上又はNi
−NTA(QIAgen)上でのアフィニティ・クロマトグラフィーによって、
製造者によって提案されたプロトコールに従って精製した。280nmにおける
吸光度を読み取ることによって定量を行ない、タンパク質純度をSDS−PAG
Eと、続いてのAgNO3染色によって立証した。
【0116】 e.熱力学的安定性の分析 (i)scFv突然変異体のアンフォールディングとリフォールディング研究 20℃においてPBS中の塩化グアニジニウム(GdmCl)濃度(0〜4M
)を高めながら各scFv突然変異体(35μg/ml)をインキュベートする
ことによって、平衡アンフォールディング実験を20℃において行なった。3時
間後に、特有の蛍光発光スペクトルが20℃において記録された。アンフォール
ディングの可逆性を試験するために、突然変異体(0.70mg/ml)をPB
S中4M GdmCl中で20℃において3時間アンフォールディングさせた(
unfolded)。減少するGdmCl濃度を含有する、アンフォールディングに用い
た同じバッファーの溶液中での20℃における20倍希釈によって、リフォール
ディングが開始した。3時間後に、固有蛍光発光スペクトルが20℃において記
録された。20mM Tris−HCl pH9.0,0.15M NaCl、
2mM DTT及び0.1mM EDTA中でGdmCl濃度(0〜4M)を高
めながら35μg/mlのscFv(HEL−11E)を20℃において3時間
インキュベートすることによって、還元性条件下での平衡アンフォールディング
実験を行なってから、蛍光発光スペクトルを記録した。リフォールディング実験
のためには、突然変異体(0.70mg/ml)を4M GdmCl、18mM DTT及び1.0mM EDTA中でpH9.0において3時間アンフォール
ディングさせ、次に、溶液を減少するGdmCl濃度中に25倍希釈し、3時間
後に、蛍光発光スペクトルを記録した。還元性条件下でリフォールディングさせ
た突然変異体の全ての機能性をELISAによって試験した(上記参照)。
【0117】 (ii)データ分析 上昇するGdmCl濃度での固有蛍光発光スペクトルの変化を、次式によって
算出される強度平均化発光波長-λ(Roger等,1993)として定量化し
た:
【0118】 式中、λiとIiは発光波長とこの波長におけるその対応する蛍光強度である
。scFv(F8)GdmCl変性の基準及び遷移領域データは、次式によって
二状態(Santoro等,1988)直線補外モデル(LEM)に適合した:
【0119】 式中、ΔGunfoldは一定の変性剤濃度に対するアンフォールディングのための
自由エネルギー変化であり、ΔGH2Oは変性剤の不存在下でのアンフォールディ
ングのための自由エネルギー変化であり、mは変性剤の単位濃度当りのΔGunfo lding の変化を定量化する勾配表現であり、Rは気体定数であり、Tは温度であ
り、Kunfoldingはアンフォールディングの平衡定数である。このモデルは変性
剤濃度の関数としてシグナルを表現する:
【0120】 上記式中、Yiは実測されたシグナルであり、YNとYDはそれぞれ天然のタン
パク質と変性タンパク質に対応する基準線の切片であり、mNとmDは対応する基
準線の勾配であり、[X]iはi回目の添加後の変性剤の濃度であり、ΔGH2O
は変性剤の不存在下でのアンフォールディングの補外自由エネルギーであり、m g はΔGアンフォールディング対[X]のプロットの勾配であり、Rは気体定数
であり、Tは温度である。[GdmCl]0.5は遷移の中間点における変性剤濃
度であり、式2によって次のように算出される:
【0121】 f.アフィニティ測定 OD280nm=1.0の読取りが0.7mg/mlのscFv濃度に対応するこ
とを仮定して、キウリモザイク病ウイルス(CMV)に対するアフィニティ精製
scFvG4及びscFvB4抗体を100g/mlに濃縮した。表面プラスモ
ン共鳴(SPR)を用いて、結合特性を評価した。リアルタイム相互作用分析を
BIAcoreXバイオセンサー系(Pharmacia Biosensor
AB)において行なった。
【0122】 抗原を固定するためにAmine Couplingキット(Biacore
AB)を用いて、約5400共鳴単位(RU)の精製CMV(7mM酢酸塩バ
ッファーpH4.0中200ng/μl)をCM5センサー・チップに結合させ
た。20μl/分の連続流下で動的分析を行なった。各結合測定後に、表面を1
0mM HClによって再生した。速度定数を、単一部位モデルに基づいて、B
IAevaluation2.1ソフトウェア(Biacore AB)を用い
て測定した。会合速度定数(kon)は、両scFvsの6種類の濃度(120、
150、250、300、400及び450nM)の範囲にわたるIn(dR/
dt)/t対濃度のプロットから算出した。解離速度定数(koff)は、次式を
用いて、センサーグラム(sensorgram)の解離相から算出した:
【0123】 上記式中、Rt0は抗体注入の完了後30秒後の応答である。ln Rt/R
0対(t−t0)の線形プロットは、勾配の測定として、koffを直接生じる。
総アフィニティ定数(kD)はkD=koff/konとして会合及び解離速度定数か
ら算出した。アフィニティ値はscFvG4では60nM、scFvB4では1
0nMであった。
【0124】 例8:植物細胞質におけるタンパク質の発現 a.PVX由来ベクターにおけるクローニングと、N.benthamian
a植物における発現 本出願人は、scFvs構築体を、高い発現レベルを得るために、ジャガイモ
ウイルスX(PVX)由来ベクター(Chapman等,1992)を介して植
物に送達した。scFv遺伝子の上流に認識部位ClaI、SphI及びXba
I(PVX CSK back=TTC ATC GAT TTG CAT G
CT CTA GAC ATG CAG GTG CAG CTG CAG)を
、下流に認識部位SalII(PVX flag=TCC GTC GAC C
TA CTT GTC GTC GTC GTC TCC GTA GTC)を
挿入するように設計されたオリゴヌクレオチドを用いて、scFvsをコードす
る配列を増幅した。次に、scFv遺伝子をClaI−SalIフラグメントと
して、pGC3ベクターの誘導体(Chapman等,1992)であるベクタ
ーpPVX201のポリリンカー(Baulcombe等,1995)中に挿入
した、このベクターはPVX外皮タンパク質二重サブゲノムプロモーター及びC
aMV(カリフラワー・モザイク病ウイルス)35Sプロモーターの下流に工学
的に作り出された特有のクローニング部位を含有した。このようにして、PVX
scFv(G4)とPVXscFv(B4)構築体が得られた。これらのプラス
ミドを接種材料として直接用いることができた。各構築体のDNA(40μg)
を用いて、N.benthamiana植物に3〜4葉期において植物当り2葉
に機械的に接種した。4種類の別々の実験を行ない、少なくとも10の植物に各
構築体を感染させた。
【0125】 接種後通常7〜9日間で症状が上方の葉に現れた。症状が現れた葉を液体窒素
中で凍結させ、続いて、プロテアーゼ阻害剤(CompleteTM,EDTA−
なし,Boehringer)のカクテルを含有するPBSバッファー中でホモ
ジナイズした。20,000xgにおいて4℃で30分間遠心分離した後に、上
澄みを用いて、Bio−Rad Proteinアッセイと、基準としてのBS
Aとを用いることによって総溶解性タンパク質(TSP)濃度を測定した。モノ
クローナル抗体anti−FLAG M2(Sigma)を用いて、ウェスタン
・ブロットを行なった。イムノブロットは溶解性フラクション中の、scFvB
4又はscFvG4に相当する、30K分子の存在を実証した。
【0126】 b.トマト形質転換 続いて、scFvB4とscFvG4遺伝子をPVXscFv(G4)及びP
VXscFv(B4)構築体からXbaI−Sal Iフラグメントとして、C
aMV35Sプロモーターの制御下のpBI由来ベクター中にサブクローン化し
た。次に、これらのプラスミドをAgrobacterium tumefac
iens菌株EHA105中に電気穿孔法によってトランスファーして、ミニア
チュアLycopersicon esculentum栽培変種、Micro
−Tom(ミクロトマト)のリーフ・ディスク形質転換に用いた(Meissn
er等,1997)。トランスジェニック・ミクロトマト植物を本質的に既述さ
れているように再生した(van Roekel等,1993)。
【0127】 植物の形質転換は両方の構築体に対する3種類の独立した実験を包含し、一次
形質転換体を機能的発現のために選択した。scFvB4及びscFvG4抗体
に対応するシグナルをELISA及びイムノブロッティングの両方によって検出
した。特に、ELISA試験は次の手順に従って行なった:PBS中の5μg/
mlの精製CMV抗原をマイクロタイター・プレート上に4℃においてO/N塗
布した。PBS中の5%ミルクによってブロックした後に、溶解性植物抽出物(
上述したように得たもの)を4℃においてO/N添加した。モノクローナル抗体
anti−FLAG M2(2.5μg/ml)とウサギ抗マウスペルオキシダ
ーゼ・コンジュゲート抗体(KPL)とを用いて、機能的結合を評価した。シグ
ナル発生に関しては、ABTS Peroxidase Substrate(
KPL)を用いた。組換え抗体を発現する幾つかのトランスジェニック植物が得
られており、ウイルスによって試験された。
【0128】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による抗体のVH及びVLポリペプチド中の本発明のペプチドの配置を
示す。
【図2】 scFv型の抗体における本発明のVH及びVLポリペプチドの連結を示す。
【図3】 抗体の安定性という実際の特徴を変えないscFv(F8)配列の修飾の概略
図を示す。領域(FRsとCDRs)はAbM(Oxford Molecul
ar Ltd)によって個別化され、番号付けはKabat(Kabat等,1
991)による。 灰色スクウェアに示した残基は、変化させずに維持しなければならない残基で
あり、黒色スクウェアに示した残基は、任意のアミノ酸によって置換されうる残
基であり、白色スクウェアに示した残基は以下のように修飾可能である: - 残基VH24は、同等の化学的性質の残基によって置換可能である; - 残基VH47は、同等の化学的性質の残基によって置換可能である; - 残基VH52は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基によって
置換可能である、又は欠失によって削除されることができる; - 残基VH60は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基によって
置換可能である; - 残基VH61は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基によって
置換可能である; - 残基VH71は、同等の化学的性質の残基によって置換可能である; - 残基VH76は、同等の化学的性質の残基によって置換可能である; - 残基VH78は、同等の化学的性質の残基によって置換可能である; - 残基VH100〜100Gは、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の
残基によって置換可能である、又は欠失によって削除されることができる; - 残基VL27C〜29は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基
によって置換可能である、又は欠失によって削除されることができる; - 残基VL68は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基によって
置換可能である; - 残基VL71は、同等の化学的性質若しくは異なる化学的性質の残基によって
置換可能である。
【図4】 抗体scFv(F8)のVH及びVLポリペプチドの合理的置換によって用い
られた突然変異誘発方法の概略図を示す。scFv(F8)配列の実際のアミノ
酸残基は通常の文字で示し、scFv(D1.3)(Bhat等,1990)配
列のアミノ酸はアンダーライン付き文字で示す。scFv(F8)の本来の配列
に対して行なわれた修飾(置換と欠失)がアンダーラインで標識されるように、
中間突然変異誘発の全ての産物(P1、P2、P3及びP4)及び突然変異誘発
の最後の産物(P5)について配列を示す。
【図5】 scFv(F8)の突然変異体の誘導のための行きあたりばったりの(カジュ
アル)突然変異のアプローチによって、VLのCDR1に行なわれた修飾を示す
【図6】 例に述べたように、“単一足場”ライブラリーの構築のためのプライマーとし
て用いたオリゴヌクレオチドを示す。表現Nは任意のヌクレオチドを示し、表現
MはdATP又はdCTPヌクレオチドを示す。
【図7】 抗体のVH及びVLポリペプチドにおける本発明のペプチドのレイアウトを示
す、ここでは結合特異性が特にH−CDR3及びL−CDR3ペプチドによって
与えられる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年2月1日(2002.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】 前記抗体を安定性及び溶解性にするためには、本明細書ではH−FRペプチド
とも呼ばれる、配列、配列番号:1(H−FR1)、配列番号:2(H−FR2
)、配列番号:3(H−FR3)及び配列番号:4(H−FR4)を有するペプ
チドが、本明細書ではH−CDRペプチドとも呼ばれる、配列番号:88(H−
CDR1)、配列番号:89(H−CDR2)及び配列番号:90(H−CDR
3)の添付の配列表に報告された配列を有するペプチドに、配列番号:1(H−
FR1)−配列番号:88(H−CDR1)−配列番号:2(H−FR2)−配
列番号:89(H−CDR2)−配列番号:3(H−FR3)−配列番号:90
(H−CDR3)−配列番号:4(H−FR4)の順序で共有結合した、前記抗
体の重鎖の可変部(VH領域)に包含されるべきである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】 図1に示した配置によると。この代わりに、L−FRペプチドと一般的に呼ば
れる、配列、配列番号:5(L−FR1)、配列番号:6(L−FR2)、配列
番号:7(H−LR3)及び配列番号:8(L−FR4)を有するペプチドが、
本明細書ではL−CDRペプチドとも呼ばれる、配列番号:91(L−CDR1
)、配列番号:92(L−CDR2)及び配列番号:93(L−CDR3)の添
付の配列表に報告された配列を有するペプチドに、配列番号:5(L−FR1)
−配列番号:91(L−CDR1)−配列番号:6(L−FR2)−配列番号:
92(L−CDR2)−配列番号:7(L−FR3)−配列番号:93(L−C
DR3)−配列番号:8(L−FR4)の順序で共有結合して、図1に示した配
置に従って、前記抗体の軽鎖の可変部(VL領域)に包含されるべきである。 H−FR及びL−FRペプチドは本明細書において一般的にFRs(フレームワ
ーク領域)ペプチドとも呼ばれる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】 抗体のVH又はVL領域として適したポリペプチドを誘導するために、抗体の
可変部として適し、予め定められた抗原に対して特異的なポリペプチドの誘導方
法であって、 - 重鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:101として報告された配列
を有するポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:
102として報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程
; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程;及び - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
部のポリペプチドを単離する工程 を含む前記方法を用いることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】 前記CDRsペプチドは、予め定められた抗原に対する結合特異性を抗体に与
えるペプチドを誘導する方法によって誘導されることができ、この方法は下記工
程: - 重鎖の可変部として、配列表に配列番号:101として報告された配列を有す
るポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:102
として報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程; - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
部のポリペプチドを単離する工程;及び - 前記ポリペプチドから前記抗体に結合特異性を与える部分を単離する工程 を含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】 特に、 - それぞれ、配列、配列番号:9(H−CDR1−F8)、配列番号:10(H
−CDR2−F8)、配列番号:11(H−CDR3−F8)、配列番号:12
(L−CDR1−F8)、配列番号:13(L−CDR2−F8)、配列番号:
14(L−CDR3−F8)を有して、抗体scFv(F8)においてACMV
(アーティチョーク・モットル・クリンクル・ウイルス)に対する結合特異性を
与えるペプチドCDRs; - 配列、配列番号:97(H−CDR1−LYS/P5)、配列番号:98(H
−CDR2−LYS/P5)、配列番号:15(H−CDR3−LYS/P5)
、配列番号:99(L−CDR1−LYS/P5)、配列番号:100(L−C
DR2−LYS/P5)及び配列番号:16(L−CDR3−LYS/P5)を
有して、リゾチーム(特に、ニワトリ卵白のリゾチーム)に対する結合特異性を
与えるペプチドCDRs が本発明の他の目的である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】 L−CDR1−MUT(配列番号:94)も本発明の目的を構成する。 上記CDRペプチドの全ては、サンプル中の興味深い分子の検出のために当該
技術分野で知られた手法によって使用することができ;前記使用は本発明の目的
に包含されると見なすべきである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】 本発明の他の目的は、本発明のペプチド/ポリペプチド又はそれらの変異体を
コードするポリヌクレオチド(ポリデオキシリボヌクレオチド及びポリリボヌク
レオチドの両方)によって与えられる。特に、配列番号:52(H−FR1−F
8)、配列番号:54(H−FR2−F8)、配列番号:56(H−FR3−F
8)、配列番号:58(H−FR4−F8)、配列番号:60(L−FR1−F
8)、配列番号:62(L−FR2−F8)、配列番号:64(L−FR3−F
8)、配列番号:66(L−FR4−F8)、配列番号:68(H−CDR1−
F8)、配列番号:70(H−CDR2−F8)、配列番号:72(H−CDR
3−F8)、配列番号:74(L−CDR1−F8)、配列番号:76(L−C
DR2−8)、及び配列番号:78(L−CDR3−F8)、配列番号:80(
VH−F8)、及び配列番号:82(VL−F8)、配列番号:95(L−CD
R1−MUT)として報告された配列を有するポリヌクレオチドが本発明の目的
に包含される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】 本発明のペプチド/ポリペプチド、特に配列番号:84(scFv(F8))
及び配列番号:86(scFv(P5))として与えられた配列を有するものを
用いて得られた改変抗体をコードするポリヌクレオチドも、本発明に包含される
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/12 A61P 35/00 35/00 37/00 37/00 C07K 7/06 C07K 7/06 7/08 7/08 14/00 14/00 16/08 16/08 19/00 19/00 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,GW,ML,MR,NE,S N,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,MW ,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW),EA( AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,T M),AE,AG,AL,AM,AU,AZ,BA,B B,BG,BR,BY,BZ,CA,CN,CR,CU ,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, MZ,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 フランコーニ、ロゼッラ イタリア国 アンギッラーラ サバツィ ア、ヴィア アルド モロ、9 (72)発明者 デシデリオ、アンジョーラ イタリア国 アンギッラーラ、サバツィ ア、ヴィア ジー、マッテオッティ、41 (72)発明者 タブラドラキ、パラスケヴィ イタリア国 ローマ、ヴィアーレ ビー、 ブオッツィ、5 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA07 BA43 BA51 CA04 DA01 DA06 EA01 EA04 GA11 HA12 4B064 AG27 CA02 CA11 CA19 CC24 CE12 DA01 DA11 DA20 4C085 AA13 AA14 BB11 CC21 CC23 EE01 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB05 ZB26 ZB31 ZC55 4H045 AA11 BA41 CA01 DA76 EA05 EA20 FA50 FA74 GA26

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1〜配列番号:8の添付の配列表に報告された配
    列から成る群から選択される配列を有すること、及び 抗体の可変部に包含されて、前記抗体を細胞質中に可溶性及び安定性にするこ
    とを特徴とするペプチドであって、 該ペプチドが、抗体の重鎖の可変部に包含される配列番号:1〜配列番号:4
    の配列を有し、配列番号:70〜配列番号:72の添付の配列表に報告された配
    列を有するペプチドに、配列番号:1−配列番号:70−配列番号:2−配列番
    号:71−配列番号:3−配列番号:72−配列番号:4の順序で共有結合し、
    及び 該ペプチドが、抗体の軽鎖の可変部に包含される配列番号:5〜配列番号:8
    の配列を有し、配列番号:73〜配列番号:75の添付の配列表に報告された配
    列を有するペプチドに、配列番号:5−配列番号:73−配列番号:6−配列番
    号:74−配列番号:7−配列番号:75−配列番号:8の順序で共有結合した
    、 上記ペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ペプチドが配列番号:1として添付の配列表に報告され
    、位置24におけるXaaがAlaである配列を有する; 前記ペプチドが配列番号:2として添付の配列表に報告され、位置12におけ
    るXaaがLeuである配列を有する; 前記ペプチドが配列番号:3として添付の配列表に報告され、位置2における
    XaaがProであり、位置3におけるXaaがAspであり、位置13におけ
    るXaaがArgであり、位置18におけるXaaがAsnである、及び/又は
    位置20におけるXaaがLeuである配列を有する;あるいは 前記ペプチドが配列番号:7として添付の配列表に報告され、位置12におけ
    るXaaがArgである、及び/又は位置15におけるXaaがPheである配
    列を有する、請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 細胞質中で安定で溶解性及び予め定められた抗原に対して特
    異的である抗体の可変部として適したポリペプチドを誘導する方法であって、 - 重鎖の可変部として、配列表に配列番号:82として報告された配列を有する
    ポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:83とし
    て報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程;及び - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
    部のポリペプチドを単離する工程 を含む、上記方法。
  4. 【請求項4】 - 前記抗原に結合する前記抗体の可変部を配列決定する工程
    をさらに含む、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記抗原がTat、Rev、E7又はNS3タンパク質であ
    る、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 配列番号:82又は配列番号:83として添付の配列表に報
    告された配列を有するポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の方法によって得られ得るポリペプチド。
  8. 【請求項8】 前記ポリペプチドが配列番号:31〜配列番号:48の添付
    の配列表に報告された配列から成る群から選択された配列を有する、請求項7記
    載のポリペプチド。
  9. 【請求項9】 抗体に予め定められた抗原に対する結合特異性を与えるペプ
    チドを誘導する方法であって、 - 重鎖の可変部として、配列表に配列番号:82として報告された配列を有する
    ポリペプチドを、及び軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:83とし
    て報告された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体を前記抗原に接触させる工程; - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程; - 前記抗原に結合する抗体の重鎖の可変部のポリペプチド及び/又は軽鎖の可変
    部のポリペプチドを単離する工程;及び - 前記ポリペプチドから前記抗体に結合特異性を与える部分を単離する工程 を含む、上記方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法によって得られ得るペプチド。
  11. 【請求項11】 添付の配列表に配列番号:9〜配列番号:30及び配列番
    号:76として報告された配列から成る群から選択された配列を有するという事
    実を特徴とする、請求項10記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 重鎖の可変部として又は軽鎖の可変部として請求項7記載
    のポリペプチドを包含するという事実を特徴とする抗体。
  13. 【請求項13】 重鎖の可変部として、添付の配列表に配列番号:31、配
    列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:
    41、配列番号:43、配列番号:45又は配列番号:47として報告された配
    列を有するポリペプチドを、及び、軽鎖の可変部として、添付の配列表に配列番
    号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40
    、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46又は配列番号:48として
    報告された配列を有するポリペプチドを包含するという事実を特徴とする、請求
    項12記載の抗体。
  14. 【請求項14】 前記抗体がscFv、FAB、Fv、dAb、IgG又は
    IgAである、請求項12記載の抗体。
  15. 【請求項15】 前記抗体がscFv、FAB、IgG又はIgAである、
    請求項13記載の抗体。
  16. 【請求項16】 前記抗体がscFvであり、重鎖の可変部及び軽鎖の可変
    部として包含されるポリペプチドがリンカーによって結合される、請求項14又
    は15に記載の抗体。
  17. 【請求項17】 前記リンカーが添付の配列表中に配列番号:51として報
    告された配列を有する、請求項16記載の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項12〜17のいずれかに記載の抗体を得るための方
    法であって、 - 重鎖の可変部として配列表に配列番号:82として報告された配列を有するポ
    リペプチド、及び軽鎖の可変部として添付の配列表に配列番号:83として報告
    された配列を有するポリペプチドを有する抗体を製造する工程; - 前記抗体に前記抗原を接触させる工程;及び - 前記抗原に結合する抗体を選択する工程 を含む、上記方法。
  19. 【請求項19】 請求項1、2、10及び11のいずれか一項に記載のペプ
    チドをコードするという事実を特徴とするポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 請求項6〜8のいずれか一項に記載のポリペプチドをコー
    ドするという事実を特徴とするポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 配列番号:52〜配列番号:77の添付の配列表に報告さ
    れた配列から成る群から選択される配列を有する、請求項20記載のポリヌクレ
    オチド。
  22. 【請求項22】 請求項12〜請求項17のいずれか一項に記載の抗体をコ
    ードするという事実を特徴とするポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 配列番号:68〜配列番号:69として添付の配列表に報
    告された配列から成る群から選択される配列を有する、請求項22記載のポリヌ
    クレオチド。
  24. 【請求項24】 活性剤としての請求項12〜17のいずれか一項に記載の
    抗体の治療有効量を、製薬的に受容される担体、ビヒクル又は補助剤と共に包含
    するという事実を特徴とする薬剤組成物。
  25. 【請求項25】 活性剤としての請求項19〜23のいずれか一項に記載の
    ポリヌクレオチドの治療有効量を、製薬的に受容される担体、ビヒクル又は補助
    剤と共に包含するという事実を特徴とする薬剤組成物。
  26. 【請求項26】 薬剤として用いるための、請求項12〜17のいずれかに
    記載の抗体。
  27. 【請求項27】 ヒト又は動物の細胞の内又は外の分子の蓄積に関連した病
    状の治療用薬剤の製造のための、請求項12〜17のいずれか一項に記載の抗体
    の使用。
  28. 【請求項28】 薬剤として用いるための、請求項25〜29のいずれか一
    項に記載のポリヌクレオチド。
  29. 【請求項29】 ヒト又は動物の細胞の内又は外の分子の蓄積に関連した病
    状の遺伝子治療のための薬剤の製造のための、請求項19〜23のいずれか一項
    に記載のポリヌクレオチドの使用。
  30. 【請求項30】 ヒト、動物又は植物の細胞の内又は外の分子の蓄積に関連
    した病状の診断のための、請求項12〜17のいずれか一項に記載の抗体、及び
    /又は請求項19〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドの使用。
  31. 【請求項31】 試薬として、請求項12〜17のいずれか一項に記載の抗
    体及び/又は請求項19〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む
    診断キット。
  32. 【請求項32】 試薬として、請求項10又は11に記載のペプチドを含む
    診断キット。
  33. 【請求項33】 植物細胞の内又は外の分子の蓄積に関連した病状の治療の
    ための、請求項12〜17のいずれか一項に記載の抗体及び/又は請求項19〜
    23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドの使用。
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