JP2003518598A - 不連続に切り換える車両トランスミッションの切換段を求める方法 - Google Patents

不連続に切り換える車両トランスミッションの切換段を求める方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は，不連続に切り換える車両トランスミッションの出力段（変速比）を求める方法に関し，その場合にトランスミッションの出力回転数が検出され，かつ最適エンジン回転数が設定されている。切換段のためにトランスミッションの計算及び／又は測定入力回転数（２２，２３）が検出され，ヒステリシス回路（２４）を介して各切換段のための回転数（２５，２６）が決定され，次に高い切換段の入力回転数（２２）と回転数（２６）の差がシフトアップ限界（１０）を，及び実際の入力回転数（２３）と回転数（２５）の和がシフトダウン限界（１２）を供給し，シフトアップ限界（１０）が最適エンジン回転数（２８）を上回った場合にはより高い切換段への切換えが行われ，最適エンジン回転数（２８）がシフトダウン限界（１２）を上回った場合にはより低い切換段への切換えが行われる（切換え必要性）（２７））。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は，請求項１の上位概念に記載の特徴を備えた，不連続に切り換える車
両トランスミッションの切換段を求める方法に関する。
【０００２】 従来技術 従来技術から解決が既知であり，その解決においては最適なエンジン回転数を
調節するために車両トランスミッションの変速比が使用される。当然ながら，こ
れら全ての解決は，無段階に切り換え可能なオートマチックトランスミッション
を前提としている。しかし，従来の方法を不連続に切り換えるトランスミッショ
ンにそのまま移し替えることはできない。
【０００３】 例えば段階的自動機械又は自動切換トランスミッションのような，不連続に切
り換えるトランスミッションにおいては，所定の駆動状況内でいわゆる振り子切
換えがもたらされる場合があり，その振り子切換えにおいては個々のギア段間で
矢継ぎ早に切り換えられる。かかる振り子切換えは，車両の走行特性内のノイズ
をもたらす恐れがあり，従って可能な限り抑圧されなければならない。ＤＥ１９
６２５９３６からは，個々の切換段階に変速領域が対応づけられ，その中では切
換えが抑圧される。個々の切換段階に属する変速領域の適用は，当然ながら極め
て煩雑である。即ち，全ての変速領域が初めから設けられていて，走行状況又は
運転者特性のような，付加的なパラメータを一緒に取り入れようとする場合には
極めて面倒である。
【０００４】 本発明の利点 請求項１に記載された特徴を備えた本発明に基づく方法によって，振り子切換
えをもたらすことなしに，最適なエンジン回転数のための切換段を求めることを
著しく簡略化することが可能である。 （ａ）切換段のために，計算された，及び／又は測定されたトランスミッショ
ンの入力回転数が検出され， （ｂ）ヒステリシス回路を介して各切換段のための回転数が決定され， （ｃ）より高い切換段の入力回転数と回転数に基づく差がシフトアップ限界を
，及び実際の入力回転数と回転数に基づく和がシフトダウン限界を供給し， （ｄ）シフトアップ限界が最適なエンジン回転数を上回った場合にはより高い
切換段への切換えが行われ，最適なエンジン回転数がシフトダウン限界を上回っ
た場合にはより低い切換段への切換えが行われる（切換え必要性），ことによっ
て，切換段階選択の適用が著しく簡略化された。
【０００５】 さらに，ヒステリシス回路をマップを用いて決定し，そのマップに，運転者特
性及び／又はその時の走行状況のようなパラメータが流入できると効果的である
ことが明らかにされている。運転者特性というのは，例えば運転者によって設定
可能な消費又は出力に関する走行特性のことである。その時の走行状況は，特に
市街地走行駆動の場合，ストップ＆ゴー駆動の場合又は増大された負荷の元での
走行駆動の場合にヒステリシス回路へ与える影響によって考慮することができる
。
【０００６】 本方法の好ましい実施形態においては，各切換段について入力回転数のための
上限が設定される。この上限を越えた場合にはより高い切換段への切換えが強制
される。同様にして，各切換段について入力回転数のための下限が設定され，そ
れを下回った場合にはより低い切換段への切換えが行われる。ヒステリシス回路
とは無関係に適用されるこれらの上限及び下限（切換段制限器）によって，各々
の切換段のための最大の回転数と最小の回転数を設定することができ，その中で
長期間安定の駆動が可能である。
【０００７】 上限を上回ることによって，あるいはシフトアップ限界が最適なエンジン回転
数を上回ることによって，シフトアップの必要性が与えられている場合に，好ま
しくは次に高い切換段への切換えが行われ，その切換段においてはこの切換段の
ために求められたシフトアップ限界はまだ最適なエンジン回転数を上回っていな
い。シフトダウンのための必要性が存在している場合には，同様に行うことがで
きる。その場合には，次に低い切換段への切換えは，この切換段のために求めら
れたシフトダウン限界がまだ最適なエンジン回転数を下回っていない場合に行わ
れる。このようにして，シフトアップあるいはシフトダウンを互いに連続する切
換段にわたって連続的に強制することができるが，極端な場合には，より多くの
切換段にわたって切り換えることも可能である。
【０００８】 入力回転数は，好ましくは出力回転数と，切換段の与えられている変速比を用
いて計算することができるので，トランスミッション入力軸に付加的な回転数セ
ンサを設けることを省略することができる。
【０００９】 本発明の他の好ましい実施形態は，従属請求項に記載された，その他の特徴か
ら得られる。
【００１０】 実施例の説明 図１には，ブロック回路図が図示されており，そのブロック回路図は，不連続
的に切り換える車両トランスミッション１４の個々の切り換え段階のためのシフ
トアップ限界１０あるいはシフトダウン限界１２を求めることが明らかにされる
。例えば段階的自動装置又は自動化されたトランスミッションとしての，トラン
スミッション１４の設計に従って，著しくモノトーンに下降する変速比を有する
様々な数の切換段階１，２，…，ｎが設けられている。従って各切換段階に，変
速比を対応づけることができる。トランスミッションは，エンジン側の好適な駆
動部材を有し，その駆動部材に車両エンジンからパワーが供給される。エンジン
回転数に従って，駆動部材のための入力回転数が得られ，その入力回転数は原理
的には直接検出することができるが，以下のような方法でずっと確実に計算する
ことができる。
【００１１】 まず，トランスミッション１４の出力回転数１６が計算される（例えば配置さ
れている回転数センサを介して）。さらに，実際の切換段１８が与えられる。既
に説明したように，個々の切換段は下降する変速比に従って番号付けられる。出
力回転数１６とマップ２０内に格納されている，個々の切換段の変速比を用いて
，各々可能な切換段のための出力回転数２２，２３が計算される。即ち，図１の
上方の部分は，まさに実際の切換段の次に高い切換段のための入力回転数２２を
求めることを示している。図１の下方の部分の入力回転数２３は，実際の入力回
転数に相当する。当然ながらこのようにして全ての設けられている切換段につい
て，入力回転数が求められる。適用の手間を削減するためには，実際の切換段と
隣接の切換段への入力回転数のみを求めると好ましいことが，明らかにされてい
る。当然ながら，実際の入力回転数（２３）を適切な回転数センサを用いて直接
求めることもできる。
【００１２】 ヒステリシス回路２４を介して，まず，各々の切換段に従って回転数２５，２
６が定められる。回転数２６を次に高い切換段の入力回転数２２から引き算する
ことによって，シフトアップ限界１０が得られ，回転数２５と実際の入力回転数
２３の合計がシフトダウン限界１２をもたらす。
【００１３】 切換え必要性２７を求めるために，シフトアップ限界１０とシフトダウン限界
１２が，エンジンの最適な回転数２８と比較される。シフトアップ限界が最適な
回転数２８を上回り，あるいは最適な回転数２８がシフトダウン限界１２を上回
る場合には，切換え必要性２７が存在する（図２を参照）。
【００１４】 最適な回転数２８をシフトアップ限界１０が上回っている場合には，より高い
切換段への−実施例によれば次に高い切換段３０への−切換えが強制される。シ
フトダウンの必要性が存在する場合には，より低い切換段−ここでは次に低い切
換段３２−が調節される。原理的には，この種の連続的なシフトアップあるいは
シフトダウン代わりに，複数の切換段を一度に飛び越すことも考えられる。しか
し，この種の切換えは，その次に高い切換段の求められたシフトアップ回転数も
同様に越えられている場合，あるいは次に低い切換段の求められたシフトダウン
限界が最適な回転数２８を下回っている場合にのみ，許可すると，効果的である
ことが明らかにされている。
【００１５】 回転数２５，２６の決定は，−既に説明したように−ヒステリシス回路２４を
介して各々の切換段を考慮して行われる。さらに，他のパラメータをヒステリシ
ス回路２４へ流入させることも考えられる。ここでは例えば，運転者特性３４，
走行状況３６又は駆動状況３８が挙げられる。その場合に運転者特性３４は，特
に車両運転者の消費最適化された，あるいは出力最適化された走行特性を考慮す
る変量を内容としている。車両運転者が，例えば燃料消費を最少にすることを重
視する場合には，一般に，最適な回転数２８のできる限り迅速な調節を可能にす
るために，回転数２５，２６が減少される。
【００１６】 所定の走行状況３６については，マップに他のパラメータを収容すると，効果
的であろう。即ち図３は，増大された負荷（例えば登坂走行）の元での走行駆動
を考慮するためにマップへ流入することのできる特性曲線４０を示している。
【００１７】 同様にして，回転数２５，２６を求めるために，例えば市街地走行駆動とスト
ップ＆ゴー走行駆動のための特性曲線４２，４４をヒステリシス回路２４へ収容
すると，所定の駆動状況を満足させることが考えられる。
【００１８】 切換段制限器４６によって，さらに，予め設定された回転数限界の遵守を保証
することができるので，まだシフトアップ限界１０を上回り，あるいはシフトダ
ウン限界１２を下回らない場合でも，切換えが強制される。従って各々実際の切
換段１８について，上限４８と下限５０が存在する。実際の入力回転数２３が上
限４８を越えた場合には，回転数２５に関して決定されているシフトアップ限界
１０をまだ上回っていない場合でも，シフトアップが行われる。同様に，実際の
入力回転数２３が下限５０を下回った場合に，シフトダウンが強制される（その
場合には両方の場合において切換え必要性２７が存在する）。ここでも上述した
２つの方法で互いに連続する切換段への切換えを連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
次に，本発明の実施例を付属の図面を用いて詳細に説明する。その場合に：
【図１】 図１は，シフトアップ限界とシフトダウン限界を求めるためのブロック回路図
を示し，
【図２】 図２は，切換え必要性を求めるためのブロック回路図を示しており，
【図３】 図３は，各切換段階のための回転数と上限あるいは下限を決定するためのブロ
ック回路図を示している（切換段階制限器）。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒュルザー、ホルガー ドイツ連邦共和国 70329 シュトゥット ガルト ベークレンヴェーク 22 Ｆターム(参考） 3J552 MA01 NA01 NB01 PA19 PA54 SB02 SB28 TA11 VA32W VA37W VD12W VD15W VE03W

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 トランスミッションの出力回転数が検出され，かつ最適なエ
    ンジン回転数が設定されている，不連続的に切り換える車両トランスミッション
    の切換段（変速比）を求める方法であって， （ａ）切換段のためにトランスミッションの計算された，及び／又は測定され
    た入力回転数（２２，２３）が検出され， （ｂ）ヒステリシス回路（２４）を介して，各切換段のための回転数（２５，
    ２６）が決定され， （ｃ）次に高い切換段の入力回転数（２２）と回転数（２６）に基づく差がシ
    フトアップ限界（１０）を，及び実際の入力回転数（２３）と回転数（２５）に
    基づく和がシフトダウン限界（１２）を供給し， （ｄ）シフトアップ限界（１０）が最適なエンジン回転数（２８）を上回った
    場合にはより高い切換段への切換えが，あるいは最適なエンジン回転数（２８）
    がシフトダウン限界（１２）を上回った場合にはより低い切換段への切換えが行
    われる（切換え必要性（２７））， ことを特徴とする切換段を求める方法。
  2. 【請求項２】 前記ヒステリシス回路（２４）はマップを用いて定められ，
    前記マップに運転者特性（３４）及び／又はその時の走行状況（３６）及び／又
    は駆動状況（３８）のようなパラメータが流入する，ことを特徴とする請求項１
    に記載の方法。
  3. 【請求項３】 パラメータを求めるために， −運転者は，どちらかと言うと消費最適化された走行特性を定めたか，あるい
    は出力最適化された走行特性を定めたか（運転者特性（３４）），及び／又は −市街地走行（駆動状況（３８））が存在するか，及び／又は −ストップ＆ゴー走行駆動（駆動状況（３８））が存在するか，及び／又は −増大された負荷の元での走行駆動が存在するか（走行状況（３６））， が，定められる， ことを特徴とする請求項２に記載の方法。
  4. 【請求項４】 各切換段について入力回転数のための上限（４８）が設定さ
    れ，上限（４８）を越えた場合にはより高い切換段への切換えが行われる，こと
    を特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の方法。
  5. 【請求項５】 各切換段について入力回転数のための下限（５０）が設定さ
    れ，下限（５０）を下回った場合にはより低い切換段への切換えが行われる，こ
    とを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の方法。
  6. 【請求項６】 次に高い切換段への切換えが行われ，前記切換段においては
    この切換段について求められたシフトアップ限界（１０）がまだ最適なエンジン
    回転数（２８）を上回っていない，ことを特徴とする請求項１又は４に記載の方
    法。
  7. 【請求項７】 次に低い切換段への切換えが行われ，前記切換段においては
    この切換段のために求められたシフトダウン限界（１２）がまだ最適なエンジン
    回転数（２８）を下回っていない，ことを特徴とする請求項１又は５に記載の方
    法。
  8. 【請求項８】 トランスミッションの入力回転数（２２，２３）が，出力回
    転数（１６）と切換段の与えられた変速比とを用いて計算される，ことを特徴と
    する請求項１から７のいずれか１項に記載の方法。
JP2001548881A 1999-12-24 2000-11-29 不連続に切り換える車両トランスミッションの切換段を求める方法 Withdrawn JP2003518598A (ja)

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