JP2003518069A - 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−・オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分とを含む調剤組成物 - Google Patents

生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−・オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分とを含む調剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 組織の二次的傷害の予防薬処置的な治療に用いる調剤組成物。二次的傷害は、主に組織の付近の一次的傷害により引き起こされ、外傷性イベントの結果生じたものである。調剤組成物は、生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、活性成分として、少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分とを含む。調剤組成物は、好適に、外傷性イベントの前、その直後又は短い時間計かしてから、好適に、一回の投薬で投与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、
少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及
びカスパーゼ(caspase)抑制剤から選択される成分とを含む調剤組成物に関す
るものである。本発明は、さらに、二次的組織傷害の予防薬処置的な治療のため
に、生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくと
も、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパ
ーゼ抑制剤から選択される成分とを含む調剤組成物のセラピー的な使用に関する
ものである。ここで、この二次的組織傷害は、主に組織の付近の一次的傷害によ
り引き起こされ、外傷性イベントによるものである。本発明は、特に、二次的組
織傷害の予防薬処置的な治療のための、上記調剤組成物の使用に関するものであ
る。ここで、この二次的組織傷害は、主に組織の付近の一次的傷害により引き起
こされ、外傷性イベントによるものであり、この外傷性イベントは虚血であり、
二次的傷害は虚血後の再灌流によって発生する。
【0002】 二次的組織傷害が、既に傷害を受けた組織によって分泌された毒素によっても
引き起こされること、及びこの既に傷害を受けた組織が、二次的傷害から保護さ
れるべき組織の直ぐ近辺に位置される必要がないことは、当業者には明らかなこ
とである。この詳細な説明においては、用語「バナジウム化合物、塩又は複合物
」は、交換可能に使用され、通常の酸化状態(好適に、V(II)、V(III
)、V(IV)及び/又はV(V))にある少なくとも1個のバナジウム原子及
び/又はイオンを含む有機、無機又は無機金属化合物を指していう。この化合物
は、選択的に、カチオン又はアニオンであり、選択的に、イオン対の成分である
【0003】 セラピー的な目的のためのバナジウム化合物の使用は既知である。例えば、WO
90/12563には、哺乳動物組織(例えば、皮膚、心臓や脳のような臓器)を治癒す
るための活性物質としてバナジウム化合物を含む組成物の使用が開示され、バナ
ジウム化合物は、長時間にわたり、選択される濃度範囲で繰り返し処理される。
特に、これら化合物は、皮膚組織のシワを防ぐことができるように言われる。
【0004】 WO90/12563に従ったバナジウム化合物が、退化的なプロセスを抑制(細胞死滅
レートを低減)し、及び/又は再製的なプロセス(細胞増殖レートを増大)を刺
激し、総合的な効果として、細胞の成長が、傷害を受けた組織を最終的に治癒す
る細胞の死滅を上回るので、そのバナジウム化合物が作用するメカニズムが明ら
かでない。しかし、バナジウム化合物が、酵素的なリン分除去作用を抑制するこ
とにより細胞増殖を刺激する効果を有し、表皮成長因子(EGF)やインシュリ
ン及び血小板由来成長因子のような成長因子が長時間の間作用することが開示さ
れている。さらに、バナジウム化合物が、例えば、心臓や脳の治癒を促進するこ
とが示唆されている。しかし、心臓や脳は非増殖組織なので、このように示唆さ
れた治療は、上記文献に記載されるような前提となるメカニズムに基づいて達成
され得ず、また当業者は、上記した開示に基づいて、バナジウム化合物を用いて
このような組織の治療を考えることはない。このような関係において、非増殖組
織は、通常の周囲環境下で殆ど増殖しない組織又は細胞のように理解される。特
に、非増殖組織は、分化できるだけであり、よって、前記非増殖組織の直接的又
は一次的傷害(例えば、肝臓の壊死)は、増殖プロセスを刺激するように言われ
るバナジウム化合物の使用によって治癒されない。例えば、通常の状態下の非増
殖組織の例としての肝臓細胞の有糸毒性インデックス(mitotoxic index)は非
常に低く、約1:10.000〜1:20.000である。心臓や脳の組織の治
癒を促進するというバナジウム化合物の効果を証明する証拠がなく、よって、WO
90/12563は、細胞増殖を向上させるためにバナジウム化合物を使用することのみ
を開示しているように考えられ、実際に、増殖細胞(例えば、皮膚)に対しての
み効果があり、前記増殖組織の直接的又は一次的傷害が治癒される。非増殖組織
のトリートメトについて、何も開示されていない。
【0005】 既知のバナジウム化合物の成長因子及びインシュリン擬態性の他に、Na/K
ATP−ase抑制剤、遊離基捕捉剤(特に、傷害組織(例えば、虚血組織、
熱傷及び他の外傷によるもの)に、キサンチン・オキシダーゼにより製造される
スーパーオキシド基捕捉剤)、及びアンギオテンシンIIタイプ2受容体の抑制
剤が知られている。
【0006】 スーパーオキシド基は、組織の細胞消滅(又は枯死又はアポプトシス(apopto
sis))を誘導し、したがって、バナジウム化合物は、スーパーオキシド基を取
り除くことにより、細胞消滅抑制剤であるものと考えられる。また、Yamadaら[
T. Yamada, M. Horiuchi及びV.J.Dzau, Procl. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 1
56-160 (1996)]は、アンギオテンシンIIタイプ2受容体が細胞消滅を媒介す
ることを開示する。前記受容体は、胎児細胞と未成熟な脳に豊富に存在し、血管
の多い滑らかな組織と内皮組織の非成長効果を媒介する。ここで、細胞のメカニ
ズムが、ミトゲン活性化タンパク質キナーゼ(MAPキナーゼ)の脱リンを向上
することを含むようにみえる。この説明では、未成熟な脳組織が増殖組織として
考えられていることが理解されるべきである。生体外(又は実験管内)での研究
から、バナジウム酸塩が、MAPキナーゼの脱リンを弱め、これにより、アンジ
オテンシンIIタイプ2受容体を抑制し、細胞消滅を防ぐことがわかった。よっ
て、バナジウム組成物の応用によるこのような組織のタイプにおける細胞消滅の
抑制の示唆が与えられる。しかし、生体外又は生体内でのこのような応用のデー
タが全く与えられず、非増殖組織について全く説明されていない。
【0007】 Buerkeら[M. Berke, T. Murohara, C. Skurk, C. Nuss, K. Tomaselli及びA.
M. Lefer, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 92, 8031-8035 (1995)]は、虚
血後の再灌流傷害を防止するためのインシュリンのような成長因子(IGF)の
使用を開示する。生体外での研究から、IGFが再灌流後の心筋傷害を防止し、
またIGFでのプレ治療が心臓保護をもたらすことがわかった。虚血再灌流心筋
における好中球蓄積、多形核白血球誘導心筋壊死の抑制、及び心筋伸縮性細胞の
再灌流誘導細胞消滅の誘導を含むIGFの効果を明らかにする様々なメカニズム
がある。しかし、再灌流のダメージ(例えば、心筋の非直接的又は二次的傷害)
を低減するための生体内でのIGFのシミュレーションは開示されていない。ま
た、点滴による投与の場合に、非常に短時間の間に分解するので、Buerkeらは、
歯冠内IGFを使用した。さらに、IGF−I、IGF−II及びEGFのよう
な隔離成長因子は、再結合技術によってのみ使用可能量で得られるので、非常に
高価である。したがって、医療におけるその使用は、非常に限られた範囲内での
み可能である。
【0008】 Olivettiら[G. Olivetti, R. Abbi, F. Quaini, J. Kajstura, W. Cheng, J.
A. Nitahara, E. Quani, C. DiLoreto, C. A. Beltrami, S. Krajewski, J. C.
Reed及びP. Anversa, N. Engl. J. Med. 16, 1131-1141 (1997)]には、虚血の
結果としての伸縮性細胞の死滅が、細胞消滅及び壊死により起こることが開示さ
れる。虚血後の再灌流により起こる非直接的又は二次的傷害について何も示唆さ
れておらず、また開示もされていない。バナジウム化合物についての開示もなさ
れていない。
【0009】 米国特許第5,583,242号には、このような細胞の細胞消滅を低減することによ
り、悪性Bリンパ球増殖を抑制するためのバナジウム化合物の使用が開示される
。しかし、この効果は、人間T細胞白血病細胞ラインや人間結腸癌細胞で観察で
きず、このことから、バナジウム化合物が、全種類の細胞の細胞消滅を低減でき
ないことを示す。他の細胞のタイプについての説明が何もなされていない。B細
胞ポピュレーションと心筋又は上皮組織との間の相関がないことが知られており
、B細胞ポピュレーションが心筋又は上皮組織の傷害のイベントで増大しないの
で、心筋又は上皮組織の治療のバナジウム化合物の応用について、この文献には
示唆されていない。
【0010】 さらに、バナジウム化合物、塩及び複合物は、真性糖尿病の治療及び高血圧症
と肥満の治療のためのインシュリンシミュレータのように使用される。既知のイ
ンシュリン模擬バナジウム塩は、オルトバナジウム酸塩ナトリウム(Na3VO4 )、硫化バナジル(VOSO4(H2O)x)及び他のバナジウム酸塩及びペルオ
キシドの反応生成物である。
【0011】 WO99/06056(オランダ国特許明細書1,006,681に対応)には、組織の二次的傷
害の予防薬処置的治療のための調剤組成物の調製における活性成分として生理病
理学的に受入れ可能のバナジウム化合物の使用が開示される。ここで、二次的傷
害は、主に組織の付近の一次的傷害によって誘発され、また二次的傷害は、表皮
組織上の虚血、手術及び熱傷のような外傷性イベントの結果生じるものである。
【0012】 Rohmannら[S. Rohmann, H. Weygandt, K-O. Minck, Eur. Heart J. 16, 1925
(1995)]には、豚の心筋の梗塞サイズを低減するためのNa+/H+交換体抑制
剤(3−メチルスルホニ1−4−ピペリジノベンゾイル)−グアニジンメタンス
ルホン酸塩(HOE694)の使用が開示される。HOE694が虚血発症後に
投与され、それが細胞の壊死を制限したことを示したときにさえ、HOE694
でのトリートメトが、梗塞サイズを実質的に低減したことを、彼らは示している
。言い換えると、HOE694の効果は、虚血前に投与されるときによりいっそ
う効果があり、したがって、心臓保護性を有し得る。しかし、任意の治療の種類
におけるバナジウム化合物の使用について何も記載されていない。
【0013】 虚血性心筋の再灌流中に、Na+/H+交換体が、虚血中に起こる低下した細胞
内pHによって抑制されることが、Lazdunskiら[M. Ladzunski, C. Frelin, P.
Vigne, J. Mol. Cell Cardiol. 17, 1029-1042 (1985)]によって示されている
。しかし、Na+/H+交換体が再灌流中に反応し、Na+の流れ込みを増大させ
る。後者は、細胞内Na+濃度を劇的に増大させ、Na+とCa2+の交換を開始さ
せる。よって、これら段階的なイベントにより、細胞内Ca2+濃度も同様に増大
し、このようなCa2+のオーバーロードが、再灌流傷害(二次的傷害)における
決定的な寄与因子であることが示された[M. Tani, Ann. Rev. Physiol. 52, 54
3-559 (1990);N. S. Dhalla, L. E. Alto, P. K. Singal, Eur. Heart J. 4 (S
uppl. H), 51-56 (1983);P. A. Pool-Wilson, D. P. Harding, P. D. V. Bourd
illon, M. A. Tones, J. Mol. Cell Cardiol. 16, 175-187 (1984)]。
【0014】 WO98/13357には、ベンゾ[1,4]チアジンタイプのNa+/H+交換体抑制剤
が、心筋梗塞及び狭心症のような虚血性心臓疾患にみられる心臓作用疾患、心筋
壊死及び不整脈のような心筋虚血における不規則的な酸血症によって誘発される
疾患を効果的に防止し、治療する。
【0015】 WO97/25310には、グアニジン誘導体が、Na+/H+交換抑制作用を有し、心臓
血管症、不整脈、脳血管症、腎臓症、動脈硬化、ショックの治療及び/又は防止
に使用できることが開示される。さらに、器官移植及び開心臓外科的処置におけ
る虚血性再灌流傷害、心筋保護、器官保護の薬剤として使用できる。
【0016】 Avkiran, M., Am. J. Cardiol. 83、10G-17G(1999)には、Na+/H+抑制が
、人間の急性心筋虚血の治療に効果的な方法を与え得ることが開示される。
【0017】 本発明に従った製剤組成物の一つの成分だけに関連する先行技術について上述
したが、これら先行技術は、生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩
又は複合物と、少なくとも、Na+/H+交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ
抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分との組合せについて何ら教示せ
ず、またその示唆もされていない。
【0018】 真性糖尿病、高血圧症及び肥満の治療に有効な様々なバナジウム化合物、塩及
び複合物が米国特許第5,520,967号に開示される。これら化合物、塩及び複合物
は、5つ又は6つの部分からなる不飽和バナジウム含有リングにバナジウムをキ
レート化できる一塩基酸の二配位のリガンドのバナジウム複合物である。ここで
、前記リングは、バナジウムに加えて、少なくとも2つの他のヘテロ原子を含み
、前記リングは、このリングが6つの部分からなるリングである場合、バナジウ
ム配位結合酸素及び窒素ヘテロ原子を含有する。5つの部分からなるリガンドの
ようなリングの形態にある化合物の例は、マルトール(maltol)又はコウジ酸(
kojic acid)のような、α−アミノ酸、ヒドロキサム酸塩、チオヒドロキサム酸
塩、α−ヒドロキシピリジノン(hydroxypyridinone)又はα−ヒドロキシピロ
ン(hydroxypyrone)である。6つの部分からなるリガンドのようなリングの形
態にある化合物の例は、置換又は不飽和2−オキサゾリン(oxazolin)−2−イ
ルフェノール(ylphenol)及び2−チアゾリン(thiazolin)−2−イルフェノ
ール(ylphenol)である。
【0019】 既知のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+交換体抑
制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分
とを含む調剤組成物が異状のない組織の非直接的又は二次的傷害を防止するのに
非常に有効であることがわかった。ここで、前記非直接的又は二次的傷害は、外
傷により生じた主に異状のない組織の付近の直接的又は一次的傷害によって引き
起こされるものである。特に、バナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも
、Na+/H+交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制
剤から選択される成分との組合せが、このような非直接的又は二次的傷害を防止
するのに共働薬的な効果を有することがわかった。しかし、上記の先行技術には
、外傷性イベントの結果生じた主に異状のない組織の付近の直接的又は一次的傷
害により引き起こされた異状のない組織の日直接的又は二次的障害を防止するた
めの、バナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+交換体抑制
剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分と
の組合せの使用について、示唆も教示もない。本発明に従って、バナジウム化合
物、塩又は複合物と、Na+/H+交換体抑制剤との組合せが好適である。バナジ
ウム化合物、塩又は複合物と、Na+/H+交換体抑制剤と、シクロ−オキシゲナ
ーゼ抑制剤と、カスパーゼ抑制剤との組合せがより好適である。
【0020】 先行技術は、幾つかの組織の細胞消滅の間のリンクを示唆するが、任意の治療
による細胞消滅の抑制の生体内データ又は生体外データについて何も与えていな
い。また、任意の種類の火直接的傷害の治療の生体内データ又は生体外データに
ついても何も与えていない。細胞消滅を示すいかなるデータも非直接的傷害に対
して責任を負っていない。出願人は理論に縛られなければよいと考えるが、この
異状のない組織の非直接的又は二次的傷害が細胞消滅により引き起こされえるこ
とが示唆される。ここで、前記細胞消滅は、主に前記異状のない組織の付近の直
接的又は一次的傷害によって引き起こされる。したがって、本発明は、二次的傷
害の予防薬処置的トリートメトに用いられる調剤組成物の調製における活性成分
として、生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少な
くとも、Na+/H+交換体抑制剤、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパー
ゼ抑制剤から選択される成分との使用に関するものである。ここで、前記二次的
傷害は、主に組織の付近の一次的傷害によって引き起こされ、外傷性イベントの
結果生じるものである。上述したように、本発明に従って、調剤組成物がバナジ
ウム化合物、塩又は複合物と、Na+/H+交換体抑制剤との組合せが好適である
。より好適には、調剤組成物は、バナジウム化合物、塩又は複合物と、Na+
+交換体抑制剤と、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤と、カスパーゼ抑制剤とを
含む。
【0021】 理論に縛られることを意図とせず、本発明に従った調剤組成物の共働薬的な効
果が、異なるメカニズムを含むことによるものであると考えられる。バナジウム
化合物は、酸化防止剤及び成長因子及びインシュリンシミュレータとして作用し
、これにより、細胞消滅及び壊死を防止することが可能であるが、Na+/H+
換体抑制剤は、再灌流傷害の発生に非常に関連する因子であるとして知られる高
細胞内Ca2+濃度の形成を防止する。本発明の最初の実験において、バナジウム
化合物が、Na+/H+交換体抑制剤と同様に、20〜25%の再灌流傷害の減少
量をもたらすが、バナジウム化合物と、Na+/H+交換体抑制剤との組合せが、
35〜50%減少の減少量をもたらすことが示された。本発明に従った調剤組成
物によって得られるこのように高い減少量は、特に、個々の成分の生体内の効果
が一般的に一緒に加えられないことから、先行技術に基づいて当業者が予測し得
るものではない。両方の成分の正確な作用メカニズムは、完全にわかっていない
ので、両方の成分を組み合わせることによる二次的傷害の減少量の向上は驚くべ
きものである。
【0022】 一般に、増殖組織の再生は、前記増殖組織が分解によるダメージを受けたとき
に、向上した細胞増殖によって起こる。言い換えると、ダメージを受けた非増殖
組織の再生は、このような組織が増殖可能でないと、明らかに可能ではない。
【0023】 再生が、ダメージの原因に全く無関係に起こる。ここで、前記原因は、例えば
、虚血(梗塞)又は外傷である。虚血や外傷の結果としてのダメージとともに、
非直接的又は二次的ダメージが、直接的ダメージ又は一次的ダメージに加えて生
じる。非直接的又は二次的ダメージは、主に、直接的又は一次的ダメージによっ
て既に傷害を受けた組織の付近の組織に生じる。ここで、前記非直接的又は二次
的ダメージは、直接的又は一次的傷害によりダメージを受けた組織の細胞の細胞
消滅を含むプロセスの結果生じ得るものである。多くの場合、この非直接的又は
二次的ダメージは、直接的ダメージよりも大きい。増殖組織において、増殖がシ
ミュレートでき、これにより、前記組織の再生が誘導されるが、非増殖組織は、
明らかに増殖できず、非増殖組織のダメージは、不可逆のプロセスである。した
がって、非直接的又は二次的傷害の影響が、最小限に制限されるか、好適に、防
止されることが、患者にとって必要なことである。
【0024】 思いがけなく、本発明に従った調剤調整が、一回の投薬(好適に、点滴、例え
ば、薬物の全量を一度に注射すること、又は経口)により投与されるとき、非常
に良好な結果が得られる。バナジウム又は任意の種類のNa+/H+交換体抑制剤
、シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤又はカスパーゼ抑制剤での治療を説明する先行
技術は、このような投与のどのような利点についても全く注目していない。一回
の投薬は、また、身体的な患者の状態に有害で、他の影響を与え得るような長引
いた投与が要求されないので、患者の負担を軽減する。本発明に従って、調剤組
成物は、特定的に、点滴により投与される。
【0025】 好適に、本発明に従った調剤組成物は、外傷性イベントの前に投与される。こ
こで、前記イベントの後、その直後又はそれから短時間経過してからでも可能で
ある。このイベントが、手術を含む場合、例えば、調剤組成物は、前記手術の前
の適当な時期に投与できる。調剤組成物は、前記イベント後、二週間まで投与で
き、好適に、24時間以内、特定的に、イベントの2時間以内が適当である。好
適に、外傷性イベント後、できるだけ早急に、治療が行われる。正確なタイミン
グは、患者の状態に依存し、担当医師により割り当てられる。
【0026】 外傷性イベントが手術である場合、この手術自体が組織に対する直接的又は一
次的傷害の原因であり、これが、通常の状況下で、主に組織の付近に非直接的又
は二次的傷害を生じさせる。本発明に従って、前記非直接的又は二次的傷害は、
手術を行う前(すなわち、通常は、手術前の数時間内)に、本発明に従った調剤
組成物の適量の一回の投薬を患者に投与することによって防止できる。変形的に
、外傷性イベントが再灌流に続く虚血である場合、非直接的又は二次的傷害は、
このイベント起こった後にできるだけ早急に、調剤組成物の適量を一回の投薬で
投与することで防止される。しかし、24時間後であっても、投与が、非直接的
又は二次的傷害を防止することが可能である。また、外傷性イベントが熱傷であ
る場合、非直接的又は二次的傷害の防止は、調剤組成物が熱傷の4〜5日後に投
与されても達成される。調剤組成物は、したがって、外傷性イベントの一週間後
、好適に前記期間内、例えば、このようなイベントの24時間後、特定的に2時
間後に投与される。
【0027】 本発明に従って、本発明の調剤組成物は、また、組織又は器官移植のための媒
介物、又は移植されるべき組織及び器官の輸送のための媒介物に付加され、これ
により、無酸素/低酸素又は成長因子欠乏による移植組織又は器官の二次的障害
による前記組織又は器官の細胞死を防止する。また、このような場合、ドナーの
器官又は組織の除去後、できるだけ早急に付加されることが好適である。
【0028】 本発明の好適実施例に従って、非直接的又は二次的傷害から保護されるべき組
織は、非増殖組織、特に心臓、腎臓、肝臓、神経又は他の別の組織である。前述
したように、直接的傷害を受けた非増殖組織は、本発明に従った治療から除外さ
れる。本発明に従って治療が施される非増殖組織は、特定的に、心筋又は心臓組
織である。外傷性イベントは、このような組織に治療を施したとき、特定的に、
虚血後の再灌流である。再灌流ダメージは、虚血により引き起こされる直接的又
は一次的ダメージに加えて生じ、非直接的または二次的傷害は、直接的または一
次的傷害よりも大きく、これら傷害の割合は、予測的に70:30である。結果
的に、例えば、虚血後の再灌流によって引き起こされる二次的傷害の防止は、例
えば、虚血により引き起こされた一次的傷害に病む患者にとっての大きな関心事
である。
【0029】 本発明に従って塗料されるべき外傷性イベントの他の重要な例は、皮膚組織上
の熱傷である。熱傷、特に第2度及び第3度の熱傷は、深層血管網状組織、毛付
属器(脂肪腺)及び汗腺のような皮膚にある構造体にダメージを与えることで知
られている。本発明に従った調剤組成物は、一回の投薬で、点滴により投与する
と、非直接的又は二次的傷害からこれら構造体を保護することができる。これら
構造体は、非増殖のものであり、表皮組織は、増殖組織である。さらに、傷跡が
最小限に低減される。治癒の効果の間に大きな差がみられ、一方は、成長因子又
は成長因子模擬剤に影響され、他方は、熱傷によって引き起こされた非直接的又
は二次的傷害の防止が成長因子又は成長因子模擬剤だけに影響されない。これは
、成長因子作用を刺激することに関連した治療のためのバナジウムの使用を示唆
する先行技術の開示に関して前述したコメントを繰り返し、本発明と前記先行技
術との間の差異を示す。
【0030】 先行技術に従った熱傷の治療は、結果的に、より早い治癒になる。しかし、深
層血管網状組織、毛付属器(脂肪腺)及び汗腺のような構造体の非直接的傷害の
防止につい何も記載されておらず、またそれが現実に可能であることもない。そ
して、過酷な傷跡を防止できない。しかし、本発明は、このような非直接的又は
二次的傷害を防止するのに非常に有効な組成物を提供する。
【0031】 本発明に従って、調剤組成物は、好適に、点滴又は経口により投与される。本
発明に従った調剤組成物での熱傷の原則的な治療は、おそらく、バナジウム化合
物の熱傷組織の不浸透性により、二次的傷害を防止しない。
【0032】 適当なバナジウム塩は、原理的に、全ての生理病理学的に受入れ可能のバナジ
ウム塩である。このような塩の例は、例えば、真性糖尿病患者のインシュリン置
換として既に使用されているものであり、オルトバナジウム酸ナトリウム及びバ
ナジル硫酸塩である。使用できるバナジウム複合物は既知の生理病理学的に受入
れ可能の複合物である。前記複合物は、バナジルとバナジウム複合物の両方を含
む。使用される複合物形成ユニットは、例えば、マルトール及びコウジ酸である
。本発明に従って、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)又は対応す
るビス(マルトラート)オキソバナジウム酸塩になるマルトールが好適である。
上記したバナジウム及びバナジル塩及び複合物及び他の適当なバナジウム及びバ
ナジル塩及び複合物は、米国特許第5,583,242号及び同第5,620,967号に記載され
る。原理的に、上記特許に記載された全ての塩及び複合物が使用できる。
【0033】 本発明に従って、バナジウム化合物、塩又は複合物は、好適に、有機バナジウ
ム化合物、特定的に、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)又は対応
するビス(マルトラート)オキソバナジウム酸塩である。
【0034】 適当なNa+/H+交換体抑制剤は、特定的に、(3−メチルスルホニル−4
−ピペリジノベンゾニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、及びより特定的に、
ジメチルアミロリドである。
【0035】 例1:フェノバルビタル麻酔をかけたネズミの心臓(60分の冠状動脈閉塞(C
AO)後、180分の再灌流)の危険状態領域(AR)及び梗塞領域(IA)を
決定した。正常体温(36.5−37.5℃の体温)で、IA/AR比が、対照
のネズミで69±2%(平均±標準誤差限界、n=6)であり、(a)3.3m
g/kg体重(10分で薬物の全量を一度に注射する)のビス(マルトラート)
オキソバナジウム(IV)(BMOV)、(b)3.0mg/kg体重(10分
で薬物の全量を一度に注射する)のNa+/H+交換体抑制剤のジメチルアミロリ
ド(DMA)又は(c)これら二つの成分(a)及び(b)を1:1で組み合わ
せたものでCAOの25分前に前治療したネズミ(n=6、P<0.001)で
45±3%であった。左心室のパーセンテージで表される平均ARは、対照のも
のと実験グループとの間で相違しない。しかし、直接的及び非直接的傷害の両方
を表すIA(直接的傷害の比率が全てのグループに対して等しい)が下記の表に
示され、対照グループが、実験グループよりも、非直接的又は二次的傷害に病ん
でいた。さらに、BMOVとDMAの組合せが、同一の投薬量の個々の成分のい
ずれか一方よりも大きい範囲に心筋組織の非直接的障害を防止することがわかる
【表1】
【0036】 例2:実験動物としてヨークシャー豚を選択した。これは、全ての動物種におい
て、この家畜豚が、人間の皮膚に最も近い形態学上及び機能上の皮膚特性をもつ
ものの一つであるようにみえ、人間の皮膚のモデルの要件を最も良く満たしてい
るからである。基本的な構造においては、表皮と皮膚の相対的な厚さ、表皮隆起
の存在、独特な表皮乳頭状層、及び皮下脂肪の深層において、人間の皮膚に類似
する。人間と比較すると、豚皮の弾力性のある繊維成分が比較的低い(ただし、
いずれの他の種のものよりも高い)。豚皮の増殖レートの研究は、人間のものに
匹敵することを示す。角質のタンパク質は同様である。齧歯動物(rodent)の皮
膚と異なり、豚と人間の小胞状のパターンは比較的まばらであり、単一の毛又は
二つか三つの小胞のグループで配列される。豚は汗をかかない。皮膚による体温
の規則は、豚よりも、人間において、よりはっきりしている。豚の皮膚には、エ
クリン腺が全くみられない。アポクリン腺を有する。ただし、これらの体温調節
機能の役割については異論がある。豚皮の血管の解剖学的構造は、三層のネット
ワーク(下層、中層−真皮及び副表皮)からなる。導管のサイズ、方位及び分布
は、人間の皮膚に顕著に類似する。ただし、副表皮ネットワークの密度が低い点
で人間のものと相違する。小胞の下層領域の導管化は、人間のものに一致する。
深層真皮の熱傷の治癒は、この現象に依存し、類似する。深さの関数としての豚
皮の熱的性質の研究は、組織の含水量を計測することによって行われた。数学的
なモデルの使用で、熱容量及び熱伝導が計算され、その結果、豚皮は、人間の皮
膚のものと変わらないことがわかった。
【0037】 豚の上皮化速度は、様々な因子に依存する。全厚の創傷では、上皮化は、創傷
の周辺から開始するだけである。
【0038】 裂け割れ厚の創傷では、各々の生育可能の毛胞が、再上皮化の斑点である。生
後6ヶ月のユカタン産ミニ豚の2.2×2.2cmで厚さ0.04cmの裂け割
れ厚の創傷では、完全な再上皮化前に6時間かかる。上皮化の平均度のSDは±
10%である。これは、相互に個別的に変動することを示す。上皮化速度は、年
齢に依存し、体重40kgの豚と比較して、体重7kgの豚のほうが著しく速い
【0039】 裂け割れ厚の創傷の創傷周囲と比較して、創傷の中央での上皮化の進み具合に
差は全くない。
【0040】 プロトコル1a:12の同一の深さの熱傷を各動物に負わせた。使用される動
物モデルは、熱傷研究所(Burn Research Institute、オランダ国ベフェルヴェ
イク)で育てられ、実験的な熱傷創傷研究の全てに用いられる標準的なものであ
る。このモデルは、また、アムステルダム大学の動物実験委員会により認められ
ているものである。
【0041】 プロトコル1b:6つのバイオプシー(6mmの熱傷領域)が各豚から採取さ
れ、無熱傷領域に移植される。6つのバイオプシー(6mmの無熱傷領域)が各
豚から採取され、熱傷領域に移植される。(非直接的傷害の決定)
【0042】 動物:豚、ヨークシャーホワイト、雌、±30kg。
【0043】 この研究では、深層血管網状組織、毛付属器(皮脂腺)及び汗腺のような皮膚
にある構造体が、シクロ−オキシゲナーゼ2抑制剤(COX−2)、カスパーゼ
抑制剤(CAS)、Na+/H+交換体抑制剤ジメチルアミロリド(DMA)、ビ
ス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)(BMOV)、DMA+BMOV
の組合せ、又はDMA+BMOV+COX−2+CASの組合せ(等しい一回の
投薬量、g/kg体重)を、一回の投薬で、点滴により投与した後に保護された
ことを観察した。また、傷跡が、著しく減少し、より早い治癒が観察された。下
記の表2に、皮膚の保持状態のパーセンテージを示す。その結果は、等しい一回
の投薬量で、COX−2、CAS、DMA及びBMOVの4つの全ての組合せが
、最も良好な結果をもたらすことを示す。
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 41/00 A61P 41/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C084 AA16 MA02 MA66 NA05 NA14 ZA89 ZC54 4C086 AA01 AA02 BC21 BC48 HA04 MA03 MA04 MA66 NA05 NA14 ZA89 ZC54 (54)【発明の名称】 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+イ オン交換体抑制剤、シクロ−・オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分 とを含む調剤組成物

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織の二次的傷害の予防薬処置的治療に用いられる調剤組成
    物であって、 前記二次的傷害が、主に組織の付近の一次的傷害によって引き起こされ、外傷
    性イベントの結果生じたものであり、 当該調剤組成物が、 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物、及び 活性成分として、少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−オキ
    シゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分、 を含む、 ところの調剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の調剤組成物であって、 当該組成物が、 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、及び Na+/H+イオン交換体抑制剤、 を含む、 ところの調剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1の調剤組成物であって、 当該組成物が、 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、 Na+/H+イオン交換体抑制剤、 シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤、及び カスパーゼ抑制剤、 を含む、 ところの調剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1の調剤組成物であって、 当該調剤組成物が、一回の投薬で投与される、ところの調剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1の調剤組成物であって、 当該調剤組成物が、前記外傷性イベントの前又は直後に投与される、ところの
    調剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5の調剤組成物であって、 当該調剤組成物が、前記外傷性イベントの後、一週間以内に投与される、とこ
    ろの調剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1の調剤組成物であって、 当該調剤組成物が、点滴又は経口により投与される、ところの調剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1の調剤組成物であって、 前記組織が、移植組織である、ところの調剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1の調剤組成物であって、 前記外傷性イベントが、外科的処置である、ところの調剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1の調剤組成物であって、 前記組織が、非増殖組織である、ところの調剤組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10の調剤組成物であって、 前記非増殖組織が、心臓、腎臓、肝臓、神経又は他の別の組織である、ところ
    の調剤組成物。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11の調剤組成物であって、 前記外傷性イベントが、虚血である、ところの調剤組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9のいずれか1の調剤組成物であって、 一次的傷害が、表皮組織に生じる、ところの調剤組成物。
  14. 【請求項14】 請求項7〜7及び13のいずれか1の調剤組成物であって
    、 前記外傷性イベントが、熱傷である、ところの調剤組成物。
  15. 【請求項15】 請求項14の調剤組成物であって、 前記組織が、深層血管網状組織、毛付属器及び/又は汗腺を含む、ところの調
    剤組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1の調剤組成物であって、 前記バナジウム化合物が、有機バナジウム化合物である、ところの調剤組成物
  17. 【請求項17】 請求項16の調剤組成物であって、 前記バナジウム化合物が、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)又
    は対応するビス(マルトラート)オキソバナジウム酸塩である、ところの調剤組
    成物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1の調剤組成物であって、 前記Na+/H+交換体抑制剤が、(3−メチルスルホニ1−4−ピペリジノベ
    ンゾイル)グアニジンメタンスルホン酸塩又はジメチルアミロリドである、とこ
    ろの調剤組成物。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか1の調剤組成物であって、 前記シクロ−オキシゲナーゼ抑制剤が、シクロ−オキシゲナーゼ2抑制剤であ
    る、ところの調剤組成物。
JP2001546656A 1999-12-20 2000-12-20 生理病理学的に受入れ可能のバナジウム化合物、塩又は複合物と、少なくとも、Na+/H+イオン交換体抑制剤、シクロ−・オキシゲナーゼ抑制剤及びカスパーゼ抑制剤から選択される成分とを含む調剤組成物 Pending JP2003518069A (ja)

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