JP2003517851A - 後部脊柱骨接合デバイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ペディクルねじを用いずに骨固定用デバイスを利用できるようにする。 【解決手段】この発明は、脊柱部分に沿って延びる二つの脊椎ロッド（１）の間を横連結するためのデバイスに関する。このデバイスは一対のフック（２）を有している。フックはこれらを相互に連結するための手段へ固定された脊椎（Ｔ）上へ側方から載置されている。各フックはその中に脊椎ロッドを配置することのできる本体（８）を有している。フックの本体は予め切除が行われた脊椎の横突起（５）上に支持されるような形状を有している。前記連結手段は相互に噛み合った一対の平行なロッド（６ａ，６ｂ）から構成されている。これらのロッドは弾性的に曲げられていて横アーク（６）を形成している。横アークの端部はフック（２）の中に配置された穴の中に係合される。横突起上に当接するフックの脊椎アークによって弾性による戻り偶力を発生するような位置においてフックを横アーク（６）のロッドの端部へ固定するための手段が設けられている。この発明によれば、脊椎にねじを用いないが、それらと完全に一体化され、問題となっている脊柱部分を関節固定できるような骨固定用デバイスを製造することが可能である。この発明は、特に、寸法がペディクルねじを設置するには不十分であるような胸部脊椎に対して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は脊柱部分に沿って延びる二つの脊椎ロッドの間を横連結するための
後部脊柱骨接合デバイスに関する。

【０００２】 こうしたデバイスは、脊椎上に側方から当接する一対のフックを有するタイプ
であり、フックはそれらを互いに連結するための手段へ固定されている。 国際特許願WO97/25931には、二つのフックが、脊椎の棘突起の上方に設置され
た中心部材を貫く管状部材を介して連結されるような後部横連結デバイスが開示
されている。ここでは中心部材は長手方向ロッドに対するベヤリングとして作用
する。

【０００３】 整形手術医が脊柱側彎症を矯正したいとき、腰部脊椎の領域ではペディクルね
じを使用することができる。それは、これらの脊椎のペディクルはねじにとって
十分な寸法を有しているからである。これに対して、腰部脊椎よりも薄い胸部脊
椎の領域では、利用可能なスペースがねじにとって十分であることはほとんどな
く、このため、手術医は横フックへ連結されたペディクルフックを使用しなけれ
ばならない。

【０００４】 脊柱側彎症が発症したとき、手術医がフックの助けを借りて脊椎を所望の位置
へ移動させるのは困難である。これは、脊椎を前面内において並進させるととも
に、サジタル面内でそれ自身上で回転させる必要があるためである。この結果、
手術医によって圧力が加えられるフックが摺動する危険性が生じる。簡単に言え
ば、手術医が脊椎上に復元力を加えるだけでよい場合には、一つのフックで十分
である。これに対して、脊椎をさらにそれ自身のまわりに回転させる必要のある
ときには、手術医はペディクルの他方のサイドに第２のペディクル横フックを設
置し、二つのフックに連結ロッドを通す。これによってこれらが摺動する危険性
は小さくなる。しかし、フックの保持が不十分なためにこの危険性は存在すると
いう事実は残る。

【０００５】 さらに、フックは、脊椎に固定されずに、脊椎上でできる限り調節が行われる
。この結果、かなり遊びが設けられ、従って骨の固定が不十分になる。これは、
復元偶力が高すぎてはいけないことを意味している。また、フックやねじの設置
には長い時間がかかり、手術に必要な時間が長引いてしまう。

【０００６】 最後に、いろいろなペディクルフックは、脊椎の位置を回転矯正する操作では
、横方向でも層方向でも効果的ではない。これらの脊椎に対するその作用は後部
から前部への、あるいは前部から後部への方向における移動に制限される。また
、薄層フックのブレードは髄溝の硬膜と接触する。 周知の器具システムの脊椎ねじは、それらが十分な寸法のペディクルを必要と
するという事実の他に、手術医がそれらを取り付けるときに、脊髄に触れる危険
性がある。

【０００７】 この発明の目的は上述したタイプの後部脊柱骨接合デバイスを利用可能にする
ことであり、このデバイスはフックを脊椎上にしっかりと保持できるように、ま
た脊柱側彎症を矯正するために脊椎へ回転を加えるときにフックが摺動したり傾
斜したりする危険性がないように形成されている。 この発明においては、フックの本体は、予め切除された脊椎の横突起上へ当接
するように設計されている。連結手段は、互いに接合されていて弾性的に曲げら
れて横アークを形成する一対の平行ロッドから構成されている。アークの端部は
フックに形成された穴の中に係合している。横突起上へ当接するフックの脊椎ア
ークを介して弾性復元偶力を発生するような位置でフックを横アークのロッドの
端部へ固定するための手段が設けられている。

【０００８】 こうしたデバイスの取り付け準備を行うために、手術医は適当な箇所で二つの
横突起（あるいは、アポフィーゼ）を切除する。脊椎が胸部脊椎のときには、こ
れによって、各横突起の切除された面と、対応する側部との間にはアクセス可能
なスペースが形成される。この発明によるデバイスの第１の応用は、胸部脊椎で
あるけれども、このデバイスは他の脊椎、特に、腰部脊椎にも同じように取り付
けることができる。

【０００９】 いったん二つのフックが弾性的に曲げられた横アーク上の所定の位置に設置さ
れると、手術医は次に適当なクランプを使用して、横突起上に当接する二つのフ
ックを締め付け、それらを横アーク上で摺動させ、それらを互いに引き寄せる。
これによって、その弾性領域内に留まっているアークのロッドの曲率が強められ
る。その後、フックはアーク上でロックされる。そうすると、アークによってフ
ックに復元偶力が加えられ、それによってそれらは横突起上にしっかりと押し付
けられたままに維持される。これによって、しっかりとしたアセンブリが実現さ
れる。脊椎を回転するために手術医がそれに加える力によってフックが脊椎上で
スリップすることはなく、遊びなく所定の位置に留まる。

【００１０】 脊椎アークは、一つではなく、二つの溶接された円柱ロッドから構成されてい
ることが好ましい。これは、単一のロッドを使用したときには、ロッド上の一方
のフックが他方に対して回転する危険性があるからである。一方、二つの平行で
一体化されたロッドでは、横アーク上でのフックの傾斜が防止される。 フックの本体はどのような形でもよいが、脊椎ロッドを受容するようになった
Ｕ字形状のチャネルを形成していて、フック上にロッドをロックするための適当
な手段が設けられていることが好ましい。

【００１１】 この発明によるデバイスは、二つの脊椎ロッドへ連結されたこのタイプの少な
くとも二つの連結デバイスを使用して、二つあるいはそれ以上の脊椎を関節固定
することが可能である。 この発明の一つの特性によれば、フックの穴は、横アークの円柱ロッドの断面
を補完する長円形断面を有している。

【００１２】 この発明の一つの実施の形態によれば、各フックは対応する脊椎ロッドを受容
するように設計された本体と、横突起上へ当接可能な側方ステムとを有する。本
体とステムとの接合部には長円形の穴が形成されていて、横アークの端部が横切
るようになっている。ステムに形成されたねじ付き穴がこの長円形の穴につなが
っている。このねじ付き穴には、横アーク上でフックをブロックするためのねじ
が設けられている。 横アークの二つのロッドは、例えば、レーザ溶接などの任意の適当な手段によ
って相互に接合することができる。

【００１３】 この発明の他の特徴や利点は、以下の説明から明かになろう。以下の説明では
いくつかの実施の形態を示す添付図面を参照する。これらの実施の形態は単に例
であり、発明を制限するものではない。

【００１４】 図１及び図２に示されている後部脊柱骨接合器具は、脊柱部分Ｓの脊柱側彎症
などの脊椎偏移を矯正して、この脊柱部分を図２の位置までまっすぐにするため
のものである。 この器具は、棘突起の各サイドを部分Ｓに沿って延びる二つの長手方向の後部
脊椎ロッド１と、ロッド１の間に設けられた一連の横連結デバイス５０とを有し
ている。横連結デバイスはロッドの端部の間に適当に配置されており、このアセ
ンブリに十分な堅固さを付与している。 各デバイス５０は一対の横フック２と、フック２間の横連結アーク６とを有し
ており、それぞれのフックを脊椎ロッド１が横切っている。

【００１５】 図３〜図９に示されている後部脊柱骨接合デバイスは、少なくとも二つの脊椎
段から成る脊柱部分に沿って延びる二つの脊椎ロッド１の間を横方向に連結する
ためのものである。 各デバイス５０は、図２〜図８に示されているように胸郭の二つの肋骨３の間
に配置された胸部脊椎Ｔ、又は、例えば、腰部脊椎（図１及び図２を参照のこと
）などの脊柱部分の脊椎に側方から当接する一対のフック２を有する。これらの
フック２は脊椎の側部に配置され、脊椎Ｔの横突起（あるいはアポフィーゼ）５
の予め切除されている平面４上へ当接可能なように設計されている。このデバイ
スは二つのフック２の間の横連結アーク６によって完成するものであり、このア
ーク６の両端はフックへ接合されている。横アーク６はその中央領域において、
脊椎Ｔの棘突起７のベースに当接している。

【００１６】 各フック２はほぼＵ字形状の断面を有する本体８を有している。この本体は内
側チャネル９を形成していて、そのチャネルはその中にロッド１を配置可能とな
っている。Ｕ字形状の本体８は、例えば、ユーロサージカル(EUROSURGICAL)とい
う名称の仏国特許第2,697,992号(9213868)に記載されているような多くの形で構
成することが可能である。各フック２には脊椎ロッド１を本体８の中にロックす
るための手段が設けられている。これらの手段は、例えば、前述した仏国特許に
記載されているものと同様のものである。

【００１７】 各本体８には横ステム１１が続いている。横ステム１１は横突起５の切除され
た面４と対向するように設置されて、この面上へ当接されるためのものである。
このために、ステム１１は脊椎ロッド１の長手軸を含む平面とほぼ平行な方向に
延びており、その末端は湾曲端部１２になっていて固定用ブレードを形成してい
る。ブレード１２は横突起５の下側に配置されるように形成されており、一方、
本体８は棘突起７の近くでこの横突起の後部に配置される。フックを形成する末
端ブレード１２は直線状の形状を有し、ステム１１に対して鈍角を成している。
脊椎の解剖学的形状に応じてこの角度はかなり変更することが可能である。

【００１８】 各フック２には長円形断面の穴１３が形成されている。この穴は、ステム１１
と本体８との接合部分において、チャネル９の長手軸とほぼ直角に横方向に延び
ている。この長円形の穴１３の中へはねじ付き穴１４が開口している。穴１４は
本体８から突き出してステム１１のベースを構成している側方ポート１５の中に
加工形成されている。

【００１９】 横アーク６は二つの平行な金属ロッド６ａ，６ｂから構成されている。これら
の金属ロッドは、例えば、レーザ溶接によってそれらの中央部分１６において相
互に接合されている。二つのロッド６ａ，６ｂは適当な金属から形成されていて
、弾性的に曲げられており、フック２の本体８の下側を延びていてアークを形成
している。このアークの両端６ｃは長円形の穴１３の中に係合している。穴１３
の断面は二つのロッド６ａ，６ｂの周囲を補完するようになっている。

【００２０】 手術医がフック２をアーク６上に適当に設置した後、フック２はロック用ねじ
１７が穴１４の中にねじ込まれることによってアーク６の端部６ｃ上にロックさ
れる。この場合、ねじ１７は、その先端１７ａが二つのロッド６ａ，６ｂの間に
係合して、その結果、各フック２が横アーク６上にロックされるまでねじ込まれ
る。 各フック２においては、長円形の穴１３には長手方向の隙間１８がそれに連続
して設けられている（図３及び図５を参照のこと）。隙間１８はチャネル９と反
対側の本体８の面に加工形成されており、一種のスライドを構成していて、横ア
ーク６を取り付けやすくしている。 横突起５は前もって部分的に除去されていて、ステム１１とフックブレード１
２がそれぞれ残りの横突起部分５へ当接して、側部を介して脊椎Ｔのペディクル
へ接触するようになっている。

【００２１】 図６〜図８は、この発明による横連結デバイスを胸部脊椎Ｔへ移植するための
手術シーケンスを示している。 横突起５を部分的に除去して切除面４が形成されたら、手術医はフック２を横
アーク６の一端上に係合させ、手術医はねじ１７を締め付けることによってフッ
クをその上に設置する。次に、図４に示されているように、手術医はフック２と
アーク６のアセンブリを脊椎Ｔ上に挿入し、問題としているサイドで残りの横突
起５部分を囲む。臨床状況に応じて、フック２のステム１１及び/又は端部ブレ
ード１２は脊椎Ｔの残りの横突起５部分、及び/又はペディクルと接触する。手
術医は２番目のフック２を横アーク６の他端６ｃ上に係合させる（図５を参照の
こと）。そして、フック２が脊椎Ｔの他方のペディクル及び/又は他方の残りの
横突起５部分へ側方から当接するまで、端部６ｃを長円形の穴１３の中へ挿入す
る。

【００２２】 図８に示されている手術医の最後の操作は、２番目のフック２を横アーク６上
へ摺動させて、二つのフックを互いに引き寄せることである。末端ブレード１２
は脊椎Ｔのペディクルのところで左右対称に接触させられ、手術医がクランプ（
図示されていない）を操作することによってアーク６上でフックが摺動させられ
る。これによって二つのフックは相互に引き寄せられ、横アーク６はその弾性領
域内においてさらに曲げられる（図８を参照のこと）。各フックのロック用ねじ
がアーク６上にねじ込まれると、アークはその初期の曲げまで復帰しようとする
復元偶力をフック２に加える。この復元偶力によってフック２はペディクル及び
/又は残りの横突起５部分に対して締め付けられ、従ってフック２の保持が補強
される。

【００２３】 この発明による横連結デバイスはそれを移植しようとする脊椎Ｔ上において完
全に満足すべき形で骨を安定して固定することができ、また、使用しやすい。 図１０及び図１１に示されているこの発明の第２の実施の形態においては、こ
のデバイスに第２のアーク２２が設けられている。この第２のアーク２２は脊椎
Ｔの棘突起７の下側に通されるほぼＵ字形状のワイヤから構成されている。第２
のアーク２２のブランチ２２ａはフック２の本体８の下側に当接しており、横ア
ーク６に復元偶力を加えている。これによって、横アーク６が棘突起７へ押し付
けられる。より正確には、各ブランチ６ａはフック２の本体８の側方延長部２３
と本体８の壁上へ当接しており、各延長部２３の中へ挿入されたロック用ねじ２
４などの適当なブロック手段によってそこへ保持されている。

【００２４】 この別の実施の形態では、デバイスの安定性、特に、水平で前面内に位置する
軸Ｙ−Ｙ’（図３を参照のこと）のまわりの回転に関する安定性の改善が可能で
ある。横アーク６上に復元偶力が加わる結果、第２のアーク２２は横アーク６を
棘突起７の上側部分へ押し付け、デバイス全体を脊椎へ押し付けるため、結果的
に、脊椎に対する軸Ｙ−Ｙ’のまわりの傾斜に対する抗力を発揮する。

【００２５】 この発明によるデバイスは脊椎への取り外しが可能であり、また永続的に連結
できるという利点もある。また、著しい変形能力を有する弾性アーク６を使用し
ているため、骨とフック２との間の境界における力が変動しても、フック２が骨
と接触したままにすることが可能である。従って、例えば、クランプ力が働いた
状態で骨を緩めることができる。 移植はデバイスを外すことなく、骨移植片によって行うことができる。しかし
、ロック用ねじ１７を外すことによって容易に取り外しを行うことができる。

【００２６】 図１２に示されているデバイスの第３の実施の形態においては、各フックには
、例えば、図示されているように二つの尖端部材２５が設けられている。これら
の尖端部材は本体８と湾曲ブレード１２との間をステム１１から延びている。こ
れら尖端部材２５は、前述したようにして脊椎Ｔ上にフック２が設置されたとき
、残りの横突起５部分の対応するスポンジ状物質の中に突き刺さる。この実施の
形態は、特に、脊椎に対するデバイスの軸Ｙ−Ｙ’のまわりの回転を防止するな
ど、脊椎Ｔ上におけるデバイスの安定性を改善する別の方法を提供している。 上述したいくつかの実施の形態においては、デバイスが所定の位置に設置され
たとき、ステム１１の本体は横突起５の切断された面４上へ当接し、ブレードを
形成する湾曲端部１２は前記横突起５に沿って配置されるようになっている。

【００２７】 図１３に示されているこの発明の第４の実施の形態は、前のように二つのワイ
ヤによって形成された横アーク２６が水平面内に三つの湾曲部を有していて、脊
椎Ｔの後部アーチの解剖学的形状により適合できるようになっている点で、これ
までの実施の形態とは違っている。より正確には、横アーク２６は、各フック２
７の中に挿入された直線状の端部２６ａの間に、凹状の中央部分２６ｂとこの中
央部分２６ｂと直線状の端部２６ａとをつなぐ二つの凸状の側部２６ｃを有して
いる。中央部分の凹状性は脊椎の後部アーチの凸状性にほぼ整合している。

【００２８】 アーク２６の各端部２６ａはフック２７の本体３１のブランチ２９の中に形成
された穴２８の中に係留されている。第２のブランチ３２は、ブランチ２９とい
っしょになって、脊椎ロッド１を受容するためのＵ字形状のチャネル３３を形成
している。本体３１の底部３４は、デバイスを設置したときには切除された横突
起５と対向するように配置される。本体３１にはブランチ２９とほぼ平行に延び
るほぼ直線状のステム３５が側方へ続いて設けられている。従って、デバイスを
脊椎Ｔ上に取り付けたとき、本体３１は横突起５の切除された面４上に当接し、
側方ステム３５は隣接する肋骨３と横突起５の側部との間に配置される。

【００２９】 ねじ付き穴４４が本体３１のブランチ２９の中に設けられていて、長円形の穴
２８の中へ開口している。穴４４はねじ４５を受容するためのものである。ねじ
４５は、本体３１を横アーク２６の直線状の端部２６ａ上で方向を決めて摺動さ
せた後、対応するフック２７を横アーク２６上の所望の位置にブロックするため
のものである。 デバイスの第５の実施の形態においては（図１４及び図１５を参照のこと）、
横アーク２６は二つの金属ワイヤ３８，３９によって構成されている。ワイヤの
一方、例えば、ワイヤ３９のねじ付き端部４１はワイヤ３８の滑らかな端部４２
を越えて延びており、穴２８の外側へ突き出している。このねじ付き端部４１に
は対応するフック２７を横アーク２６上でブロックするためのナット４３が設け
られている。

【００３０】 もちろん、穴２８は並んで配置された二つのワイヤ３８，３９の断面に適合し
た長円形断面を有している。この長円形の穴２８は側方ステム３５とほぼ平行な
方向に延びている。二つのフック２７はナット４３によって横アーク２６上での
摺動とブロックが両方とも可能になっている。 図１３〜図１５の二つの実施の形態によれば、フック２７の本体３１が横突起
５の面４に対して側方にずれているという事実のために、デバイスの占めるスペ
ースを制限することが可能である。そして、これは横アーク２６が三つの湾曲部
を有しているためである。また、それと同時に、フックの本体３１は脊椎Ｔの瞬
時的な回転中心Ｏから離れたところにある。これによって、てこ作用が増大し、
従って脊椎をまっすぐにする力を加えたときに発生するストレスが小さくなる。

【００３１】 図１６〜図１９に示されている第６の実施の形態においては、横アーク５１は
三つのロッド、すなわち、二つの長い外側のロッド５２と、例えば、レーザによ
って他の二つのロッドへ溶接された一つの短い中心ロッド５３から構成されてい
る。協働する各フック５４にはねじ５５が備わっている。ねじ５５はフック５４
の本体の側方補強部材５７の中に加工されたねじ付き穴５６の中にねじ込まれる
。穴５６の長手軸はフック５４のチャネル３３の長手軸Ａ−Ａに対して傾斜して
いる。そして、ねじ５５は、穴５６の中へ挿入された後、このねじが対応する横
突起５の中を通って湾曲ブレード１２の端部に形成されたリセス５９へその先端
５５ａが当接できるような長さを有している。

【００３２】 二つのロッド５２の間にスペースがあるために、横アーク５１はねじ５５をこ
れらの間へ通せるようになっていて、前記ねじ５５は前記横突起の主軸に対して
ほぼ直角な方向に横突起５の残りの部分を貫通する。

【００３３】 また、補助的なねじ５５のために、この実施の形態では、横連結デバイスを脊
椎Ｔに対して、特に、軸Ｙ−Ｙ’のまわりの回転や軸Ｚ上での並進に関して、よ
り安定させることが可能である。ロッド５２は図３〜図９におけるデバイスのよ
うに連結されてはいないけれども、締め付け用のねじ１７によって、フック５４
をアーク５１に対してブロックすることができる。

【００３４】 図２０及び図２１に示されているフック６１の実施の形態は、フック６１に二
つのパネル６２が設けられている点で、それまでのものとは違っている。パネル
６２はフック６１の対称面Ｐに関して対称に配置された平行なトングを形成して
おり、そのステム１１からその本体６３と湾曲ブレード１２との間を延びている
。従って、パネル６２はフック６１のＵ字形状のチャネル９の長手軸Ａ−Ａとほ
ぼ直角に延びている。この発明による骨接合器具の一部を形成する横連結デバイ
スの少なくともいくつかのフックは、このように修正することが可能である。

【００３５】 パネル６２を加えることによって、横連結デバイスが上下方向、すなわち、Ｚ
軸に沿って並進する危険性が避けられる。従って、横突起５の残りの部分はパネ
ル６２と、ブレード１２と、フック６１の本体６３のベースとによって囲まれた
小さなキャビティの中に”埋め込まれる”。 この発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、多くの変形が可能
である。例えば、尖端部材２５の数を変えることができ、最も少ない場合は一つ
である。 図１０〜図１２における実施の形態は図１３〜図１５の形態と組み合わせるこ
とができることに留意すべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明による横連結デバイスを備えた脊柱骨接合器具の立面図であり、脊柱
側彎症を矯正する前において、器具が脊柱側彎症を患った脊椎部分上に設置され
た状態を示す図である。

【図２】 図１と同様の図であり、脊柱側彎症が矯正された脊柱部分上で完成された器具
を示す図である。

【図３】 脊椎上に移植されたこの発明による後部脊柱骨接合デバイスの第１の実施の形
態をほぼ同じ縮尺で示す斜視図である。

【図４】 図３の骨接合デバイスの拡大縦断面図である。

【図５】 図４の５−５線横断面図である。

【図６】 骨接合デバイスを胸部脊椎上に移植するシーケンスを示す図５と同様の縦断面
図である。

【図７】 骨接合デバイスを胸部脊椎上に移植するシーケンスを示す図５と同様の縦断面
図である。

【図８】 骨接合デバイスを胸部脊椎上に移植するシーケンスを示す図５と同様の縦断面
図である。

【図９】 図４の９−９線横断面図である。

【図１０】 この発明において使用されるデバイスの第２の実施の形態によるフックの部分
拡大断面図である。

【図１１】 脊椎上に設置された図１０の第２の実施の形態による骨接合デバイスの部分斜
視図である。

【図１２】 この発明によるデバイスのフックの第３の実施の形態を示す拡大斜視図である
。

【図１３】 脊椎上に移植されたこの発明による骨接合デバイスの第４の実施の形態を示す
水平面内の拡大横断面図である。

【図１４】 この発明によるデバイスの第５の実施の形態を示す図１２と同様の図である。

【図１５】 図１４の１５−１５線部分拡大断面図である。

【図１６】 この発明によるデバイスの第６の実施の形態を半分は断面図で、半分は立面図
で示す部分図である。

【図１７】 図１６の１７−１７線断面図である。

【図１８】 図１６の１８−１８線横断面図である。

【図１９】 図１６〜図１８のデバイスの横アークを示す斜視図である。

【図２０】 フックの第７の実施の形態を示す斜視図である。

【図２１】 図２０のフックの２１−２１線断面図である。

【符号の説明】

１ ロッド ２，２７，５４，６１ フック ４ 面 ５ 横突起 ６，２６，５１ アーク ６ａ，６ｂ ロッド ６ｃ 端部 ７ 棘突起 ８ 本体 １１ ステム １３ 穴 １４ ねじ付き穴 ２２ アーク ２２ａ ブランチ ２３ 延長部 ２５ 尖端部材 ２８ 穴 ２９ ブランチ ３１ 本体 ３５ ステム ３８，３９ ワイヤ ４１ ねじ付き端部 ４３ ナット ５１ 横アーク ５２ ロッド ５３ 中心ロッド ５４ フック ５５ ねじ ５５ａ 先端 ５７ 側方補強部材 ５９ リセス ６１ フック ６２ パネル ６３ 本体

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年１０月２日（２０００．１０．２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィヤール，ギ フランス国 Ｆ−62128 サン レジェー ル，リュ ダ ヴォルクス ヴローコー ト，６ (72)発明者 フロインド，ジャン−ピエール フランス国 Ｆ−67000 ストラスブール， リュ ストックホルム，25 Ｆターム(参考） 4C060 LL13 MM24 【要約の続き】 れ、問題となっている脊柱部分を関節固定できるような 骨固定用デバイスを製造することが可能である。この発 明は、特に、寸法がペディクルねじを設置するには不十 分であるような胸部脊椎に対して有用である。

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも二つの対のフック（２；２７；５４；６１）と、
   このフックの本体（８；３１）の中に受容された二つの脊椎ロッド（１）とを有
   し、前記フックがそれらを横方向に相互に連結するための手段へ固定された脊椎
   （Ｔ）へ側方から当接し、前記ロッドが脊柱部分（Ｓ）に沿って延びるている後
   部脊柱骨接合デバイスであって、 フックの本体が、予め切除が行われた脊椎の横突起（５）上へ当接するように
   設計され、前記連結手段が、フックの各対に対して、一対の平行なロッド（６ａ
   ，６ｂ）から構成され、これらのロッドは相互に接合されるとともに弾性的に曲
   げられて横アーク（６；２６；５１）を形成し、その端部（６ｃ）がフック（２
   ）に形成された穴（１３）の中に係合し、また、脊椎上に当接するフックの脊椎
   アークを介して弾性復元偶力を発生するような位置でフックを横アークのロッド
   の端部（６ｃ）へ固定するための手段が設けられているデバイス。
2. 【請求項２】 前記穴（１３）が横アーク（６）のロッド（６ａ，６ｂ）の
   断面を補完する長円形断面を有している請求項１記載のデバイス。
3. 【請求項３】 各フック（２）が、対応する脊椎ロッド（１）を受容するよ
   うに設計された本体（８）と、横突起（５）上へ当接できるようになった側方ス
   テム（１１）とを有し、本体とステムとの接合部に長円形の穴（１３）が形成さ
   れ、横アーク（６）の端部（６ｃ）がそこを横切るようになっており、ステム（
   １１）に形成されたねじ付き穴（１４）が長円形の穴（１３）の中へつながって
   おり、このねじ付き穴がフックを横アーク上でブロックするためのねじ（１７）
   を備えている請求項２記載のデバイス。
4. 【請求項４】 前記横アーク（６）の二つのロッド（６ａ）が溶接（１６）
   によって相互に接合されている請求項１〜請求項３のいずれか１項記載のデバイ
   ス。
5. 【請求項５】 前記ステム（１１）にブレードを形成する湾曲端部（１２）
   が設けられ、切除が行われた横突起（５）に沿って配置されるようになっており
   、一方、ステムの残りが横突起（５）の切断された面（４）上へ当接するように
   設計されている請求項３記載のデバイス。
6. 【請求項６】 第２のアーク（２２）が設けられ、このアークが脊椎（Ｔ）
   の棘突起（７）の下側に通されるほぼＵ字形状のワイヤから構成され、第２のア
   ークのブランチ（２２ａ）がフック（２）の本体（８）の下側に当接して、横ア
   ークに偶力を加え、それを棘突起へ押し付けるようになっている請求項１〜請求
   項５のいずれか１項記載のデバイス。
7. 【請求項７】 前記第２のアーク（２２）のブランチ（２２ａ）がフック（
   ２）の本体（８）の側方延長部（２３）上へ当接し、この延長部の中へ挿入され
   たねじ（２４）などのブロック手段によってそこへ保持されている請求項６記載
   のデバイス。
8. 【請求項８】 各フック（２）に少なくとも一つの尖端部材（２５）が設け
   られ、この尖端部材がステム（１１）から突き出して、横突起（５）の中に係合
   可能になっている請求項３記載のデバイス。
9. 【請求項９】 前記横アーク（２６）が、脊椎の後部弓の解剖学的形状によ
   り適合できるように、水平面内に、すなわち、それぞれのフック（２７）の中に
   挿入された直線状の端部（２６ａ）の間に三つの湾曲部を有するとともに、凹状
   の中央部分（２６ｂ）と、端部で連結される二つの凸状の側部（２６ｃ）とを有
   している請求項１〜請求項８のいずれか１項記載のデバイス。
10. 【請求項１０】 前記横アーク（２６）の各端部（２６ａ）がフック（２７
    ）の本体（３１）のブランチ（２９）の中に形成された穴（２８）の中に係留さ
    れ、この本体には側方にステム（３５）が続いていて、いったん脊椎（Ｔ）上に
    取り付けられると、本体が横突起（５）の切除された面（４）上に当接し、ステ
    ムが横突起に沿って配置されるようになっている請求項９記載のデバイス。
11. 【請求項１１】 前記本体（３１）のブランチ（２９）の中にねじ付き穴（
    ４４）が設けられ、このねじ付き穴が穴（２８）の中へ開口し、フック（２７）
    を横アーク（２６）上へブロックするためのねじ（４５）を受容するようになっ
    ている請求項１０記載のデバイス。
12. 【請求項１２】 横アーク（２６）を形成する二つの金属ワイヤ（３８，３
    ９）の一方のワイヤ（３９）がねじ付き端部（４１）を有し、このねじ付き端部
    がフックの本体の穴（２８）の外側へ突き出るように隣接するワイヤ（３８）の
    端部を越えて延び、このねじ付き端部にはフックを横アーク（２６）上にブロッ
    クするためのナット（４３）が設けられている請求項１０記載のデバイス。
13. 【請求項１３】 横アーク（５１）が三つのロッド、すなわち、二つの長い
    外側のロッド（５２）と、他の二つのロッドへ溶接された一つの短い中心ロッド
    （５３）とから構成され、フック（５４）にねじ（５５）が設けられ、このねじ
    がフックの本体の側方補強部材（５７）及び対応する横突起（５）を横切るよう
    に配置され、その先端（５５ａ）がフックのブレードを形成する湾曲端部（１２
    ）に形成されたリセス（５９）の中に当接する請求項５記載のデバイス。
14. 【請求項１４】 少なくともいくつかのフック（６１）に二つのパネル（６
    ２）が設けられ、これらのパネルがフックの対称面（Ｐ）に関して対称に配置さ
    れ、そのステム（１１）からその本体（６３）と湾曲ブレード（１２）との間を
    延びている請求項５記載のデバイス。