JP2003517301A - 造血幹細胞のレンチウイルスベクター形質導入 - Google Patents

造血幹細胞のレンチウイルスベクター形質導入

Info

Publication number
JP2003517301A
JP2003517301A JP2001536768A JP2001536768A JP2003517301A JP 2003517301 A JP2003517301 A JP 2003517301A JP 2001536768 A JP2001536768 A JP 2001536768A JP 2001536768 A JP2001536768 A JP 2001536768A JP 2003517301 A JP2003517301 A JP 2003517301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vector
hematopoietic stem
stem cells
cells
population
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001536768A
Other languages
English (en)
Inventor
ウェン ヨン チェン,
シャオユン ウ,
ジョン シー. カッペス,
ティム エム. タウネス,
Original Assignee
ザ ユーエービー リサーチ ファウンデイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ユーエービー リサーチ ファウンデイション filed Critical ザ ユーエービー リサーチ ファウンデイション
Publication of JP2003517301A publication Critical patent/JP2003517301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/16043Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/16045Special targeting system for viral vectors

Abstract

(57)【要約】 本発明において、造血幹細胞の形質導入に関する組成物、ならびにこれらの組成物を作製するための方法、およびこれらの組成物を用いるための方法が開示される。本発明においてまた、造血幹細胞の精製した集団を形質導入し得るレンチウイルスベクターが開示される。本発明の組成物および方法は、鎌状赤血球およびサラセミアのような、血液障害に関連する疾患を処置するために用いられ得る。本発明の目的に従って、本明細書中に具体的におよび広範に記載されるように、本発明は、1つの局面において、ウイルスベクターを含む造血幹細胞の精製された集団に関し、ここで、造血幹細胞の集団は、正常な分布の血球型に分化し得、そして、ここで、ベクターは、類似した割合で全ての血球型に含まれる。造血幹細胞を形質導入する方法および疾患を処置する方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (謝辞) 本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金1 R01 HL576
19−02および1 P60 HL58418−01を受け、政府の支持の元に
行なわれた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】 (関連出願に対する相互参照) 本出願は、1999年10月10日に提出され、現在棄却された、米国仮出願
番号60/164,625の優先権を主張する。この出願は、本明細書中にその
全体が参考として援用される。
【0003】 (発明の分野) 造血幹細胞の効率的な形質導入は、多数の血液疾患の遺伝的処置に必須である
。非循環性の静止幹細胞(Weissman IL「Stem cells:u
nits of development,units of regener
ation,and units in evolution」、Cell,1
00:157−68(2000))は、レトロウイルスベクターを用いる形質導
入の効率が乏しい。なぜなら、有糸分裂間の核膜の崩壊が、宿主クロマチン中へ
の効率的なレトロウイルス組み込みに必要とされるためである(Varmus
HEら、「Cellular functions are required
for the synthesis and integration o
f avian sarcoma virus−specific DNA」C
ell;11:307−19(1977))。
【0004】 幹細胞の乏しい形質導入はまた、アンホトロピックレトロウイルスベクターに
ついてのレセプターの低レベルの発現と相関している(Orlic Dら、「T
he level of mRNA encoding the amphot
ropic retrovirus receptor in mouse a
nd human hematopoietic stem cells is
low and correlates with the efficie
ncy of retrovirus transduction」Proc
Natl Acad Sci USA;93:11097−102(1996)
)。
【0005】 アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、有糸分裂後の骨格筋細胞または肝
細胞を効率的に形質導入することが示されているが(Xiao X,Li Jお
よびSamulski RJ,「Efficient long−term g
ene transfer into muscle tissue of i
mmunocompetent mice by adeno−associa
ted virus vector」J Virol;70:8098−108
(1996);Snyder ROら、「Persistent and th
erapeutic concentrations of human fa
ctor IX in mice after hepatic gene t
ransfer of recombinant AAV vectors」,
Nat Genet;16:270−6(1996);Fisher KJら、
「Recombinant adeno−associated virus
for muscle directed gene therapy」Nat
Med;3:306−12(1997))、造血幹細胞の形質導入率は低い(
Ponnazhagan Sら、「Adeno−associated vir
us type 2−mediated transduction of m
urine hematopoietic cells with long−
term repopulating ability and sustai
ned expression of a human globin gen
e in vivo」J Virol;71:3098−104(1997))
。さらに、我々は、宿主染色体への組み込み後、ウイルスによって形質導入され
た遺伝子が沈黙すること(Chen WYら、「Reactivation o
f silenced,virally transduced genes
by inhibitors of histone deacetylase
」Proc Natl Acad Sci USA;94:5798−803(
1997)、および沈黙の機構が、ヒストン脱アセチル化およびクロマチン凝縮
を含むこと(Chen WYおよびTownes TM,「Molecular
mechanism for silencing virally tra
nsduced genes involves histone deace
tylation and chromatin condensation」
Proc Natl Acad Sci USA;97:377−82(200
0))を実証してきた。
【0006】 多数のレトロウイルスと対照的に、レトロウイルスサブファミリーのレンチウ
イルスベクターは、静止有糸分裂後細胞を効率的に形質導入する(Naldin
i Lら、「In vivo gene delivery and stab
le transduction of nondividing cells
by a lentiviral vector」Science;272:
263−7(1996);Naldini Lら、「Efficient tr
ansfer,integration,and sustaind long
−term expression of the transgene in
adult rat brains injected with a le
ntiviral vector」Proc Natl Acad Sci U
SA;93:11382−8(1996))。最近の研究において、Miyos
hiら(Miyoshi Hら、「Transduction of huma
n CD34+ cells that mediate long−term
engraftment of NOD/SCID mice by HIV
vectors」Science;283:682−6(1999))は、ヒ
トCD34+細胞が、レンチウイルスベクターによって効率的に形質導入され、
そしてGFPレポーター遺伝子の持続性の発現が、22週間NOD/SCIDマ
ウスにおいて検出されることを実証した。しかし、これらの動物における造血は
異常である。これらのマウスの末梢血液中のヒト細胞は、主にBリンパ球であっ
た(Miyoshi Hら、Science;283:682−6(1999)
)、従って、レンチウイルス形質導入後の正常な造血の維持を評価することは困
難である。
【0007】 従って、それらの多能性を変更することなく造血幹細胞を形質導入するための
系が必要である。組成物および精製されたマウス骨髄幹細胞を形質導入するため
の方法が開示される。
【0008】 組成物、ならびに造血幹細胞の形質導入後および致死的に照射されたレシピエ
ントマウスの再構成後に正常な造血を保存する方法が開示される。組成物、およ
び長期移植後および2次移植における形質導入された遺伝子の発現を促進する方
法がまた開示される。
【0009】 (発明の要旨) 本発明の目的に従って、本明細書中に具体的におよび広範に記載されるように
、本発明は、1つの局面において、ウイルスベクターを含む造血幹細胞の精製さ
れた集団に関し、ここで、造血幹細胞の集団は、正常な分布の血球型に分化し得
、そして、ここで、ベクターは、類似した割合で全ての血球型に含まれる。
【0010】 造血幹細胞を形質導入する方法および疾患を処置する方法もまた開示される。
【0011】 本発明のさらなる利点は、以下の記載に部分的に開示され、そして、その記載
から部分的に明らかであるか、または、本発明の実施によって学習され得る。本
発明の利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素および組み合わせの
手段によって理解および達成される。前述の一般的な記載および以下の詳細な説
明は、例示的および説明的のみの説明であり、特許請求の範囲のように、本発明
を制限するものではないことの両方が理解される。
【0012】 (発明の詳細な説明) 本発明は、以下の本発明の実施形態の詳細な説明およびそこに含まれる実施例
、ならびに図面およびそれらの以下の説明を参考として、より容易に理解され得
る。
【0013】 本化合物、組成物、論文、デバイスおよび/または方法が開示および記載され
る前に、本発明は、特定の合成方法、組換えバイオテクノロジーの特定の方法、
または特別の薬剤(これは、もちろん、特別に限定されない場合、変化し得る)
に限定されないことが理解されるべきである。本明細書中で使用される用語法は
、特定の実施形態を記載する目的のみのためであり、そして限定を意図しないこ
とも理解されるべきである。
【0014】 本明細書および添付される特許請求の範囲中で使用される場合、単数形「a」
、「an」および「the」は、文脈が他に明確に示さない場合、複数の対象を
含む。従って、例えば、「薬学的キャリア」という参照は、2以上のこのような
キャリアの混合物などを含む。
【0015】 範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで
として、本明細書中で表され得る。このような範囲が表される場合、別の実施形
態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、
近似として値が表される場合、先立つ「約」の使用によって、特定の値が別の実
施形態を形作ることが理解される。各範囲の終点は、他方の終点に関して両方と
も有意であり、そして他方の終点から独立していることがさらに理解される。
【0016】 本明細書および前記の特許請求の範囲において、以下の意味を有するように規
定される多くの用語に対して参照がなされる。
【0017】 「任意の」または「必要に応じて」は、後に記載される事象または状況が起こ
り得るか、または起こり得ないこと、ならびにこの記載がこの事象または状況が
起こる場合、およびこれが起こらない場合を含むことを意味する。
【0018】 ウイルスベクターを含む造血幹細胞の精製された集団が開示され、ここで、こ
の造血幹細胞の集団は、正常な分布の末梢血型へと分化し得、そしてこのベクタ
ーが同様な百分率の全ての末梢血細胞型に含まれる。
【0019】 造血幹細胞の精製された集団は、この集団の少なくとも2%の細胞が造血幹細
胞であることを意味する。造血幹細胞はまた、この集団の少なくとも3%、4%
、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、
15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、40%、
50%、60%、70%、80%、90%および100%を含み得る。
【0020】 正常な分布の血液細胞型は、末梢血または骨髄の血液細胞型の分布が、標準的
な血液学の教科書に公表されるBリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、顆粒
球、赤血球系細胞などのおおよその分布であることを意味する。
【0021】 ベクターは、全ての血液細胞型に同様の百分率で含まれ、これは、所定の細胞
に対してベクターを含む細胞の百分率と、異なる細胞型におけるベクターを含む
細胞の百分率とを比較した場合、最も高い百分率の最も低い百分率の割合が、任
意の2つの細胞型に対して約5倍より大きくないことを意味する。この割合はま
た、約4倍、約3倍および約2倍より大きいことはあり得ない。
【0022】 ウイルスベクターを含む造血幹細胞の精製された集団もまた開示され、ここで
、この造血幹細胞の集団は、インビボで正常な分布の血液細胞型へ分化し得、そ
してこのベクターは、全ての細胞型で同様の百分率である。
【0023】 (組成物) (ベクター) 本明細書中で使用する場合、ベクターは、全ての細胞の中で分解なしに目的の
遺伝子を細胞へ輸送し、そして送達された細胞においてこの遺伝子の発現を生ず
るプロモーターを含む薬剤である。ベクターは、ウイルスまたはレトロウイルス
のいずれかの由来であり得る。好ましいウイルスベクターは、レンチウイルスベ
クター(SIVベクター、HIVベクターまたはこれらのベクターのハイブリッ
ド構築物(HIV骨格を有するウイルスを含む)を含むが、これらに限定されな
い)である。これらのベクターはまた、第1、第2および第3世代レンチウイル
スを含む。第3世代レンチウイルスは、少なくとも3つの独立したプラスミドに
分割されるレンチウイルスパッケージング遺伝子を有する。好ましいものはまた
、ベクターとしての使用を適切にするこれらのウイルスの特性を共有する任意の
ウイルスファミリーである。レンチウイルスベクターは、レトロウイルスベクタ
ーの特殊型であり、感染について長いインキュベート期間を有することによって
典型的に特徴付けられる。
【0024】 レトロウイルスベクターは、他のウイルスベクターより大きな遺伝ペイロード
(すなわち、外来遺伝子エレメント、例えば、導入遺伝子またはマーカー遺伝子
)を所持し得、そしてこの理由により、一般的に使用されるベクターである。ア
デノウイルスベクターは、相対的に安定および取り扱いやすく、高い力価を有し
、そしてエアロゾル処方において送達され得、そして時々未分化細胞をトランス
フェクトし得る。
【0025】 開示されたベクターの1つの実施形態は、ウイルス抗原によって誘発される宿
主生物の免疫応答を抑制するように操作されたウイルスベクターである。この型
のベクターは、インターロイキン8または10のコード領域を典型的に所持する
【0026】 いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、非構造初期遺伝子、構造
後期遺伝子、RNAポリメラーゼIII転写物、逆方向末端反復、複製および被
包に必要なもの、ならびにウイルスゲノムの転写および複製を制御するプロモー
ターを含む。ベクターとして操作される場合、ウイルスは、典型的に1つ以上の
初期遺伝子を除去され、そして遺伝子または遺伝子/プロモーターカセットは、
ウイルスゲノム中へ除去されたウイルス核酸の位置で挿入される。この型の構築
物は、約8kbまでの外来遺伝子物質を所持し得る。除去された初期遺伝子の必
要な機能は、イントランス(in trans)で初期遺伝子の遺伝子産物を発
現するように操作された細胞株によって典型的に供給される。
【0027】 (アデノウイルスベクター) 複製欠失アデノウイルスの構築は、記載されている(berknerら、J.
Virology 61:1213−1220(1987);Massieら、
Mol.Cell.Biol.6:2872−2883(1986);Haj−
Ahmadら、J.Virology 57:267−274(1986);D
avidsonら、J.Virology 61:1226−1239(198
7);Zhang「Generation and identificati
on of recombinant adenovirus by lipo
spme−mediated transfection and PCR a
nalysis」BioTechniques 15:868−872(199
3))。ベクターとしてのこれらのウイルスの使用の恩恵は、ウイルスが、他の
細胞型に広がり得る範囲に限定されることである。これは、ウイルスが、初期の
感染細胞内で複製し得るが、新しい感染ウイルス粒子を形成し得ないからである
。組み換えアデノウイルスは、インビボでの気道上皮、肝細胞、血管内皮、CN
S実質および多くの他の組織部位への直接送達後、高い有効性遺伝子送達を達成
することが示されている(Morsy、J.Clin.Invest.92:1
580−1586(1993);Kirshenbaum、J.Clin.In
vest.92:381−387(1993);Roessler,J.Cli
n.Invest.92:1085−1092(1993);Moullier
,Nature Genetics 4:154−159(1993);La
Salle,Science 259:988−990(1993);Gome
z−Foix,J.Biol.Chem.267:25129−25134(1
992);Rich,Human Gene Therapy 4:461−4
76(1993);Zabner、Nature Genetics 6:75
−83(1994);Guzman、Circulation Researc
h 73:1201−1207(1993);Bout、Human Gene
Therapy 5:3−10 (1994);Zabner、Cell 7
5:207−216(1993);Caillaud、Eur.J.Neuro
science 5:1287−1291(1993);およびRagot、J
.Gen.Virology 74:501−507(1993))。組み換え
アデノウイルスは、このウイルスが、野生型または複製欠失アデノウイルスと同
じ様式で、レセプター媒介エンドサイトーシスによって内在化された後、特異的
細胞表面レセプターへの結合によって遺伝子形質導入を達成する(Chardo
nnetおよびDales、Virology 40:462−477 (19
70);BrownおよびBurlingham、J.Virology 12
:386−396 (1973); SvenssonおよびPersson,
J.Virology 55:442−449 (1985);Sethら、
J.Virol. 51:650−655 (1984); Sethら、 M
ol. Cell. Biol. 4:1528−1533(1984); V
argaら、J.Virology 65:6061−6070 (1991)
; Wickhamら、Cell 73:309−319 (1993))。
【0028】 ウイルスベクターの1つの型は、E1遺伝子が除去されたアデノウイルスに基
づくものであり、そしてこれらのビリオンは、細胞株(例えば、ヒト293細胞
株)において生成される。別の実施形態において、E1およびE3遺伝子の両方
が、アデノウイルスゲノムから除去される。
【0029】 ウイルスベクターの別の型は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく。この
欠失パルボウイルスは、多くの細胞型(未分化細胞を含む)を感染し得、そして
ヒトに対して非病原性である。AAV型ベクターは、約4〜5kbを輸送し得、
そして野生型AAVは、安定に第19染色体に挿入することが公知である。ベク
ターは、この部位特異的形成特性を含み得る。この型のベクターの1つの実施形
態は、Avigen、San Francisco、CAによって生成されるP
4.1Cベクターである。このベクターは、単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ
遺伝子、HSV−tk、および/またはマーカー遺伝子(例えば、緑色蛍光タン
パク質、GFPをコードする遺伝子)を含み得る。
【0030】 (レトロウイルスベクター) レトロウイルスは、Retroviridaeのウイルスファミリー(任意の
型、サブファミリー、属、または親和性を含む)に属する動物ウイルスである。
一般的に、レトロウイルスベクターは、Verma,I.M.、Retrovi
ral vectors for gene transferに記載される。
Microbiology−1985,American Society f
or Microbiology, pp. 229−232, Washin
gton, (1985)において、これは本明細書中に参考として援用される
。遺伝子治療のためのレトロウイルスベクターを使用する方法の例は、米国特許
第4,868,116号および同第4,980,286号;PCT出願番号WO
90/02806号および同WO 89/07136号;ならびにMulli
gan,(Science 260:926−932(1993))に記載され
る;これらの教示は本明細書中に参考として援用される。
【0031】 レトロウイルスは、本質的には、核酸カーゴ(cargo)を充填したパッケ
ージである。この核酸カーゴは、代表的には、一緒にパッケージングシグナルを
輸送し、このパッケージングシグナルは複製された娘分子が効率的にパッケージ
コート内に充填されることを確実にする。パッケージシグナルに加えて、複製お
よび複製されたウイルスのパッケージングのためにシス(cis)である必要が
ある多くの分子が存在する。代表的には、レトロウイルスゲノムはgag、po
l、およびenv遺伝子を含み、これらはタンパク質コートの作製に関与する。
gag、pol、およびenv遺伝子は、標的細胞に移行される外来DNAによ
って代表的に置換される。レトロウイルスベクターは、代表的には、パッケージ
コートに組み込むためのパッケージングシグナル(Psi)、gag転写ユニッ
トの開始のシグナル伝達をする配列、逆転写に必要なエレメント(逆転写のtR
NAプライマーに結合するためのプライマー結合部位を含む)、DNA合成の間
にRNA鎖の切り替えをガイドする末端反復配列、DNA合成の第2鎖の合成の
ためのプライミング部位として貢献するプリンリッチな配列5’から3’LTR
、および宿主ゲノムへの挿入のためのレトロウイルスのDNA状態の挿入を可能
にするLTRの末端付近の特定の配列を含む。gag、pol、およびenv遺
伝子の除去は、ウイルスゲノムに挿入される約8kbまでの外来配列(外来遺伝
子エレメント)が、逆転写となり、そして複製の際に新しいレトロウイルス粒子
内への充填を可能にする。この量の核酸は、各転写物のサイズに依存して1〜多
数の遺伝子の送達に十分である。ポジティブまたはネガティブな選択マーカーは
、他の遺伝子と共に外来遺伝子エレメント中に含まれ得る。このベクターは、構
造エレメントおよび複製エレメントのいずれか1つ以上を含み得る。代表的に、
外来遺伝子を含むベクターは、gag配列またはこのgag配列の改変体を含む
【0032】 好ましいレトロウイルスベクターは、レンチウイルスベースのレトロウイルス
ベクターである。レンチウイルスベクターは、ウイルスのレンチウイルスファミ
リー由来のウイルスの核酸骨格に基づく。例は、SIVおよびHIVである。例
えば、レンチウイルスベクターは、好ましくは、レンチウイルス(例えば、SI
VおよびHIV)の5’および3’LTR領域を含む。好ましいLTR領域は、
SIVおよびHIV由来である。レンチウイルスベクターはまた、好ましくは、
レンチウイルス(例えば、SIVおよびHIV)のRev応答性エレメント(R
RE)を含む。好ましいRREは、HIVのRREである。
【0033】 (外来遺伝子エレメント) 開示されるベクターは、好ましくはこのベクターで移行される細胞中で発現さ
れる外来遺伝子エレメントを保有するように設計される。この外来遺伝子エレメ
ントは、約8kb以下のサイズ要求を満たし得る限り、任意の目的の遺伝子であ
り得る。外来遺伝子エレメントの1つの型は、マーカー遺伝子であり得る。
【0034】 このマーカー遺伝子は産物を作製し、そしてこの産物は、この遺伝子が細胞に
送達され、そして一度送達されたものが発現されたか否かを決定するために使用
される。マーカー遺伝子はE.Coli lacZ遺伝子であり得、これはβ−
ガラクトシダーゼおよびグリーン蛍光タンパク質(eGFP)をコードする。
【0035】 いくつかの実施形態において、このマーカーは、選択マーカーであり得る。哺
乳動物細胞についての適切な選択マーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(
DHFR)、チミジンキナーゼ、ネオマイシン、ネオマイシンアナログG418
、ハイドロマイシン(hydromycin)、およびプロマイシンである。こ
のような選択マーカーが哺乳動物宿主細胞に首尾よく移行される場合、形質転換
される哺乳動物宿主細胞は、選択圧下に配置される場合は生存し得る。広く使用
される選択的レジメンの、2種類の異なるカテゴリーが存在する。最初のカテゴ
リーは、細胞の代謝および補充された培地に関係なく増殖する能力を欠く変異体
細胞株の使用に基づく。2つの例は、以下である:CHO DHFR細胞および
マウスLTK細胞。これらの細胞は、チミジンまたはヒポキサンチンのような栄
養素の添加なしで、増殖する能力を欠く。これらの細胞は完全なヌクレオチド合
成経路に必要な特定の遺伝子を欠くので、これらの細胞は、補充される培地にお
いて不足したヌクレオチドが提供されない限り、生存し得ない。培地の補充につ
いての代替は、インタクトなDHFRまたはTK遺伝子をそれぞれの遺伝子を欠
いた細胞へ導入することであり、従ってその増殖要求を変化する。DHFRまた
はTK遺伝子で形質転換されない個体の細胞は、非補充培地においては生存し得
ない。
【0036】 第2のカテゴリーは、任意の細胞型において使用される選択スキームを参照す
る優性選択であり、そしてこれは変異体細胞株の使用を必要としない。これらの
スキームは、代表的には宿主細胞の増殖を阻止するために薬物を使用する。新規
の遺伝子を有するこれらの細胞は、薬物耐性を与えるタンパク質を発現し、そし
て選択で生存する。このような優性選択の例は、薬物ネオマイシン(South
ern P.およびBerg,P.,J.Molec.Appl.Genet.
1:327(1982))、ミコフェノール酸(Mulligan,R.C.お
よびBerg,P.Science 209:1422(1980))またはハ
イグロマイシン(Sugden,B.ら,Mol.Cell.Biol.5:4
10−413(1985))を使用する。この3つの例は、真核生物制御下で細
菌遺伝子を利用し、適切な薬物G418またはそれぞれネオマイシン(ゲネティ
シン(geneticin))、xgpt(ミコフェノール酸)またはハイグロ
マイシンに対する耐性を与える。他には、ネオマイシンアナログG418および
プロマイシン(puramycin)が挙げられる。
【0037】 この外来遺伝子エレメントはまた、標的細胞におけるネイティブな遺伝子を置
換するかまたは補充する遺伝子を含み得る。この型の外来遺伝子エレメントの例
は、β−グロビン遺伝子である。図3は、ヒトβ−グロビン外来遺伝子エレメン
トを含むレンチウイルス構築物を示す。β−グロビン遺伝子に直接連結したLC
R HS2エレメントを含むこの構築物は、Ryanら(Ryan,T.M.,
Behringer,R.R.,Martin,N.C.,Townes,T.
M.,Palmiter,R.D.およびBrinster,「A Singl
e Erythroid−Specific DNase I Super−h
ypersensitive Site Activates High Le
vels of Human β−globin Gene Expressi
on in Transgenic Mice」,Genes and Dev
elopment 3:314−323(1989))によって記載されるよう
に作製され得る。(Caterina,J.J.,Ryan,T.M.,Paw
lik,K.M.,Palmiter,R.D.,Brinster,R.L.
,Behringer,R.R.およびTownes,T.M.(1991)H
uman β−globin Locus Control Region(L
CR):Analysis of the 5’HS 2 Site in T
ransgenic Mice.Proc.Natl.Acad.Sci.,8
8:1626−1630もまた参照のこと。) この型の外来遺伝子エレメント
の別の例は、αグロビン遺伝子である。βグロビン遺伝子に直接連結するLCR
HS2エレメントを含むこの構築物は、上記の論文に記載されるように作製さ
れ得る。別の外来遺伝子エレメントは、抗鎌状赤血球化遺伝子ある。この構築物
は、McCune,S.L.,Reilly,M.P.,Chomo,M.J.
,Asakura,T.およびTownes,T.M.(1994)Recom
binant Human Hemoglobins Designed Fo
r Gene Therapy Of Sickle Cell Diseas
e,Proc.Natl.Acad.Sci.,91,9852−9856に記
載されるように作製され得る。別の型の外来遺伝子エレメントは、成熟EKLF
であり、これはDonze,D.,Jeancake,P.H.およびTown
es,T.M.(1996)Activation of delta−glo
bin Gene Expression by Erythroid Kru
pple Like Factor(EKLF):Novel Strateg
y for Gene Therapy of Sickle Cell Di
sease,Blood 88:4051−4057に記載されるように作製さ
れ得る。
【0038】 (ウイルスプロモーターおよびエンハンサー) 哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの転写を制御するプロモーターは、種
々の供給源、例えば、ポリオーマウイルス、SV40(SV40)、アデノウイ
ルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはサイトメガロウ
イルスのようなウイルスのゲノム、または異種哺乳動物プロモーター(例えば、
βアクチンプロモーター)から得ることができる。SV40ウイルスの初期およ
び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点もまた含むSV40制限フラ
グメントとして、簡便に得られる(Fiersら、Nature、273:11
3(1978))。ヒトサイトメガロウイルスの最初期プロモーターは、Hin
dIII E制限フラグメントとして簡便に得られる(Greenway,P.
J.ら、Gene 18:355−360(1982))。当然、宿主細胞また
は関連する種由来のプロモーターがまた、本明細書中において有用である。
【0039】 エンハンサーは、一般に転写開始部位から固定されていない距離で機能し、そ
して転写単位に対して5’(Laimins,L.ら、Proc.Natl.A
cad.Sci.78:993(1981))または3’(Lusky,M.L
.ら、Mol.Cell Bio.3:1108(1983))のいずれかであ
り得るDNA配列をいう。さらに、エンハンサーは、イントロン内(Baner
ji,J.L.ら、Cell 33:729(1983))ならびにコード配列
自身内(Osborne,T.F.ら、Mol.Cell Bio.4:129
3(1984))であり得る。これらは通常、10bpと300bpとの間の長
さであり、そしてこれらはシスで機能する。エンハンサーは、近くのプロモータ
ーからの転写を増加するために機能する。エンハンサーはまた、しばしば、転写
調節を媒介する応答エレメントを含む。プロモーターはまた、転写調節を媒介す
る応答エレメントを含み得る。エンハンサーはしばしば、遺伝子発現の調節を決
定する。哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプ
ロテインおよびインスリン)由来の多くのエンハンサー配列が現在公知であるが
、代表的に、真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用する。例としては
、複製起点の後部側のSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメ
ガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後部側のポリオーマエ
ンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーである。
【0040】 プロモーターおよび/またはエンハンサーは、光またはその機能を誘発する特
定の化学事象のいずれかによって特異的に活性化され得る。系は、テトラサイク
リンおよびデキサメタゾンのような試薬によって調製され得る。照射(例えば、
γ照射)、またはアルキル化化学療法剤に曝露することによってウイルスベクタ
ー遺伝子の発現を増強するための方法がまた、存在する。
【0041】 プロモーターおよび/またはエンハンサー領域は、転写される転写単位領域の
発現を最大化するための、構成的プロモーターおよび/またはエンハンサーとし
て作用し得る。いくつかの実施形態において、プロモーターおよび/またはエン
ハンサー領域は、全ての真核生物細胞型で活性化され得る。この型のプロモータ
ーは、CMVプロモーター(650塩基)である。他のプロモーターは、SV4
0プロモーター、サイトメガロウイルス(全長プロモーター)、およびレトロウ
イルスベクターLTFである。
【0042】 特定の調節エレメントがクローン化され、そして特定の細胞型(例えば、造血
細胞)で選択的に発現される発現ベクターを構築するために使用され得ることが
示された。例えば、αグロビン遺伝子およびβグロビン遺伝子のLCRは、αグ
ロビン遺伝子およびβグロビン遺伝子の発現を赤血球のみで特異的にアップレギ
ュレートする。Ryan,T.M.,Behringer,R.R.,Town
es,T.M.,Palmiter,R.D.およびBrinster,R.L
.(1989)「High Level Erythroid Express
ion of Human b−Globin Genes in Trans
genic Mice」Proc.Natl.Acad.Sci.86,37−
41。従って、αグロビンまたはβグロビンのいずれかのLCRによって制御さ
れる外因性遺伝子エレメントは、代表的に、赤血球でのみ発現される。
【0043】 (転写後調節エレメント) 開示されたベクターはまた、転写後調節エレメントを含み得る。転写後調節エ
レメントは、mRNA安定性を増強し得るかまたは転写mRNAの翻訳を増強し
得る。開示されたベクター内で良好にはたらく転写後調節エレメントは、ウッド
チャック肝炎ウイルス(woodchuck hepatitis virus
)から単離されたWPRE配列である。(Zufferey Rら、「Wood
chuck hepatitis virus post−transcrip
tional regulatory element enhances e
xpression of transgenes delivered by
retroviral vectors」J Virol;73:2886−
92(1999))。転写後調節エレメントは、外因性遺伝子に対して3’およ
び5’の両方に位置し得るが、転写後調節エレメントは、外因性遺伝子に対して
3’に位置し得ることが好ましい。
【0044】 (形質導入効率化エレメント) 形質導入効率化エレメントは、ベクターのパッケージングおよび形質導入を増
強する配列である。これらのエレメントは、代表的に、ポリプリン配列を含む。
開示されたベクター内で良好にはたらく1つの形質導入効率化エレメントは、p
pt−cts配列であり、これは、HIV−1 pSG3分子クローン由来の中
央ポリプリントラクト(central polypurine tract)
(ppt)および中央末端部位(central terminal site
)(cts)を含む(配列番号1、HIV−1 pSG3クローンのbp432
7〜4483)。
【0045】 (3’非翻訳領域) 真核生物宿主細胞(酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、植物細胞、動物細胞、ヒ
ト細胞または有核細胞)中で使用される発現ベクターはまた、mRNA発現に影
響を及し得る転写の終結に必要な配列を含み得る。これらの3’非翻訳領域は、
外因性遺伝子をコードするmRNAの非翻訳部分においてポリアデニル化セグメ
ントとして転写される。この3’非翻訳領域はまた、転写終結部位を含む。この
転写単位はまた、ポリアデニル化領域を含み得る。この領域の1つの利点は、転
写単位がmRNAのようにプロセスされ輸送される可能性をこの領域が増加させ
ることである。発現構築物におけるポリアデニル化シグナルの同定および使用は
、十分に確立されている。相同なポリアデニル化シグナルが、導入遺伝子構築物
中で使用され得る。転写単位の実施形態において、ポリアデニル化領域は、SV
40初期ポリアデニル化シグナルから誘導され、そして約400塩基からなる。
転写単位は、他の標準的な配列を単独で含んでも、この構築物からの発現または
この構築物の安定性を改善する上記配列と組合わせて含んでもよい。
【0046】 開示された造血幹細胞の集団は、外因性遺伝子エレメントを含むベクターを含
み得る。さらに、開示されたベクターは、レンチウイルスベクターであり得、そ
してこのレンチウイルスベクターは、外因性遺伝子エレメントを含み得る。外因
性遺伝子エレメントとして改変された結合特異性を有する抗鎌状赤血球化タンパ
ク質およびEKLFタンパク質をコードする遺伝子を含むレンチウイルスベクタ
ーがまた、開示される。
【0047】 開示されたウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターは、例えば、HI
V−1 pSG3分子クローンから誘導されるppt−cts配列などの形質導
入効率化エレメントを含み得る。
【0048】 開示されたウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターは、例えば、ウッ
ドチャック肝炎ウイルスから単離されたWPRE領域などの転写後調節エレメン
トを含み得、このWPRE領域は、外因性遺伝子エレメントから下流であり得る
【0049】 (パッケージングベクター) 上記で考察したように、レトロウイルスベクターは、多数の異なる配列エレメ
ントを含むレトロウイルスに基づく。このエレメントは、ウイルスの組み込み、
組み込まれたウイルスの複製、組み込まれていないウイルスの複製、細胞進入、
および感染粒子へのウイルスのパッケージングのような多様なものを制御する。
理論的には、このベクターは、その必要なエレメントの全ておよび内因性遺伝子
エレメント(内因性遺伝子エレメントが十分小さい場合)を含み得、代表的には
多くの必須のエレメントが除かれている。全てのパッケージング成分および複製
成分が代表的なレトロウイルス(レンチウイルスを含む)からは取り除かれてい
るので、このベクター(被験体に用いられるベクター)は、パッケージングベク
ターおよびパッケージング細胞株の使用を通じて初回感染性粒子にパッケージン
グされる必要がある。代表的には、レトロウイルスベクターは、レトロウイルス
の無数の機能が少なくとも2つのベクター(パッケージングベクターおよび送達
ベクター)に分割されるように操作されている。次いで、このタイプのシステム
は、感染性粒子が産生され得る前に小細胞に全てのエレメントを提供する全ての
ベクターの存在を必要とする。このパッケージングベクターは、代表的には、レ
トロウイルスから誘導された構造遺伝子および複製遺伝子を運搬しており、そし
てこの送達ベクターは、標的細胞中で好ましくは発現される外因性遺伝子エレメ
ントを運搬するベクターである(図4)。これらのタイプのシステムは、複数の
ベクターへパッケージングベクターのパッケージング機能を分割し得る(例えば
、三世代レンチウイルスシステム)。Dull Tら「A Third−gen
eration lentivirus vector with a con
ditional packaging system」J.Virol 72
(11):8463〜71(1998)。
【0050】 レトロウイルスは、代表的には、エンベロープタンパク質(env)を含む。
このEnvタンパク質は、核酸という荷物を囲むタンパク質の本質である。さら
に細胞性感染の特異性は、代表的なレトロウイルスに関連する特定のEnvタン
パク質に基づく。代表的なパッケージングベクター/送達ベクターシステムでは
、Envタンパク質は、例えば、プロテアーゼ(pro)またはインテグラーゼ
(in)タンパク質とは別のベクターから発現される(図4を参照のこと)。
【0051】 (パッケージング細胞株) このベクターは、それをパッケージング細胞株に入れることによって、代表的
には生成される。パッケージング細胞株は、複製およびパッケージングの機構を
含むレトロウイルスを用いてトランスフェクトまたは形質転換されているが、パ
ッケージングシグナルは欠いている、細胞株である。選り抜きのDNAを運搬す
るベクターをこれらの細胞株にトランスフェクトすれば、目的の遺伝子を含有す
るベクターが複製され、ヘルパー細胞によってシス(cis)で提供された機構
によって、新しいレトロウイルス粒子にパッケージングされる。この機構のため
のゲノムは、パッケージングされていない。なぜなら、そのようなゲノムは必須
のシグナルを欠くからである。パッケージング細胞株のタイプの1つは293細
胞である。
【0052】 (造血細胞株) 哺乳動物の血液系は、多くの高度に分化した細胞の非常に複雑な混合物である
。哺乳動物の血液を作成する複数の異なる細胞型は、全て、単一のタイプの細胞
(造血幹細胞)から派生する。造血幹細胞は、血液をつくる全ての細胞型を生じ
得る。造血幹細胞は、3つの主なタイプの系列に分化する。これには以下が挙げ
られる:リンパ、骨髄、および赤血球。B細胞およびT細胞は、リンパ系列から
派生するが、骨髄系列は、例えば、単球、顆粒球、巨核球、好中球、および他の
細胞を生じる。赤血球系列は、赤血球を生じる。
【0053】 造血細胞の存在からアッセイされ得る器官は多数存在する。例えば、造血細胞
は、抹消血(PB)、骨髄(BM)、脾臓および胸腺に見出されるはずである。
【0054】 所定の血液細胞(血球)を特徴付けるための通常の方法は、抗体認識によるも
のである。異なる表面マーカーが、細胞の分化のレベルおよび分化のタイプに依
存して、各細胞上に存在する。
【0055】 ヒト造血細胞において、CD34マーカーが、造血幹細胞に存在することが公
知である。しかし、このマーカーはまた、造血幹細胞よりも分化している多数の
他の細胞(B細胞(CD19+細胞)および骨髄細胞(CD33+細胞)を含む
)にも存在し、これは、80〜90%のCD34+集団からなる。
【0056】 造血細胞に存在する他のマーカーは、CD3、CD8,CD10、CD15、
CD19、CD20およびCD33であり、そしてこれらのマーカーの全てが全
てのCD34+細胞の>90%でアッセイされる。
【0057】 B細胞は、マーカーのなかでもとりわけCD10/19/20マーカーを含む
が、T細胞は、とりわけCD3/4/8マーカーを含む。同様に、CD14/1
5/33細胞マーカーが、骨髄細胞で見出され得る。ヒトT細胞は、Thy−1
マーカーを欠く。従って、本明細書において参考として援用される米国特許第5
,716,827号に従って、ヒト幹細胞は、ほとんどの部分、CD34+、C
D3-、CD7-、CD8-、CD10-、CD14-、CD15-、CD19-、C
D20-、CD33-、およびThy−1+、について存在することにより特徴付
けられる。選択のためのこれらのマーカーが多いほど、精製される造血細胞集団
が多くなる。関連の米国特許第号(これも参考として本明細書に援用される)は
、米国特許第5,061,620号である。
【0058】 用いられ得るマウスマーカーは、Sca1、c−Kit、B−220、CD3
、CD4、CD5、CD8、Mac−1、Gr−1およびTer−119であり
、これらはChen,W.,Wu,X.,Liu,H.,Zhang,M,La
i,L,Ciavatta,D.,Kappes,J.およびTownes,T
(2000)致死的に照射したマウスの長期再構成を媒介するマウス造血幹細胞
のレンチウイルス導入(Lentiviral transduction o
f murine hematopietic stem cells tha
t mediate long term reconstitution o
f lethally irradiated mice)、Stem Cel
ls 18:352〜359に記載されている。
【0059】 当業者は分化した細胞から造血幹細胞を分別するマーカーが他にも存在するこ
とおよびそれらが本明細書に記載されているように取り込まれてかつ用いられて
いることを理解する。
【0060】 幹細胞の造血集団を特徴付ける方法の1つは、造血幹細胞がCD34+(ヒト
)またはSca1およびc−Kit(マウス)のようなタンパク質を発現し、そ
してCD38、CD19、CD14、CD2、CD3、CD5、グリコホリン(
ヒト)またはB220、Ter119、CD3、CD4、CD5、CD8、Ma
c1およびGR1(マウス)のような前駆体または前駆系列特異的なタンパク質
を発現しないということである。この細胞はまた、特定の色素(例えば、Hoe
chst33342)を流出する細胞として、およびHoechst33342
のような色素で染色した細胞の蛍光発光パターンによって規定され得る。これら
の特徴を有する造血幹細胞は、骨髄、抹消血、または臍帯血から得られ得る。こ
の細胞はまた、筋、神経細胞、胚性幹細胞、および胚性性腺細胞を含む他の細胞
型に由来し得る。
【0061】 異なる哺乳動物は、その同系の造血細胞を分別する異なるマーカーを有する。
例えば、マウス造血幹細胞は、Sca1、c−Kitについて選択することによ
り、およびB−220、CD3、CD4、CD5、CD8、Mac−1、Gr−
1およびTer−119に対して精製され得る。
【0062】 (鎌状赤血球(sickle)マウス) 開示されたベクターおよび造血細胞を、特定の遺伝的バックグラウンドにおい
て使用し得る。1つのこのようなバックグラウンドが、鎌状赤血球症についての
マウスモデルである。鎌状赤血球症についての好ましいマウスモデルを作製する
ための組成物および方法は、Ryan,T.M.,Ciavatta,D.およ
びTownes,T.M.(1997)Knockout/Transgeni
c Mouse Model of Sickle Cell Disease
,Science,278:873−876(これは、本明細書中で参考として
援用される)に記載されている。
【0063】 本明細書中に開示された造血幹細胞の集団を用いて改変および再構築された、
生物体(特に、哺乳動物(ヒト以外))が、本発明の範囲内であることが理解さ
れる。例えば、トランスフェクトされた造血幹細胞を有するマウスは、本発明の
範囲内であるとみなされる。
【0064】 (組成物を作製する方法) (ベクターの作製) 開示されたウイルスベクターは、標準的な組換え分子生物学的技術を使用して
作製され得る。これらの技術の多くが、Maniatis(Maniatisら
,「Molecular Cloning−−A Laboratory Ma
nual」(Cold Spring Harbor Laboratory,
最新版)およびSambrookら,Molecular Cloning:A
Laboratory Manual,第2版,Cold Spring H
arbor Laboratory,Cold Spring Harbor,
New York,1989に例示されている。
【0065】 特定の場合では、組換え生物工学を通して改変された、外因性の遺伝子エレメ
ント自体を構築する。例えば、抗鎌状赤血球化遺伝子は、鎌状ヘモグロビンの重
合を完全に阻害する改変ヘモグロビン遺伝子である。本発明の組成物において外
因性の遺伝子エレメントとして使用される好ましい抗鎌状赤血球化遺伝子は、M
cCune,S.L.,Reilly,M.P.,Chomo,M.J.,As
akura,T.およびTownes,T.M.(1994)Recombin
ant Human Hemoglobins Designed For G
ene Therapy Of Sickle Cell Disease,P
roc.Natl.Acad.Sci.,91,9852(これは、特に、本明
細書中で参考として援用される)において、これらの好ましい抗鎌状赤血球化遺
伝子を作製および使用する方法と共に開示および記載されている。
【0066】 改変EKLF遺伝子は、鎌状ヘモグロビンの連鎖状化を排除する改変EKLF
遺伝子である。本発明の組成物において外因性の遺伝子エレメントとして使用さ
れる好ましい改変EKLF遺伝子は、これらの好ましい改変EKLF遺伝子を作
製および使用する方法と共に開示および記載されている。これは、特に、本明細
書中で参考として援用される。
【0067】 パッケージングされたレトロウイルスおよびレンチウイルスのパッケージング
系を作製する方法は、周知である。
【0068】 造血幹細胞を形質導入する前に、造血幹細胞を高度に精製することが好ましい
。造血幹細胞は、例えば、造血幹細胞上に存在するタンパク質を認識する抗体で
、ドナーの骨髄から収集された細胞を標識することによって精製され得る。次い
で、これらの標識された抗体−細胞結合体を、直接的にこの抗体を認識するカラ
ムか、またはこの抗体に付着した結合体(例えば、ビオチンまたはストレプトア
ビジン)を認識するカラムにおいて予備精製し得る。この型の手順では、カラム
からの貫流物は廃棄(または、回収率を最大化するために再精製)され得、そし
て抗体−造血幹細胞結合体を含む溶出物を収集する。次いで、この溶出物を、分
化した造血細胞に特異的な種々の蛍光標識化抗体(例えば、B細胞についてCD
19に対する抗体)と共にインキュベートし得る。インキュベーション後、イン
キュベーション混合物を作製し、そしてこのインキュベーション混合物を、FA
CSによって分類し得る。ここでは、造血幹細胞を認識する抗体を有する細胞を
収集するが、非造血幹細胞の抗体で標識された細胞は破棄する。この型の精製プ
ロトコールは、マウス造血幹細胞について実施例1に記載されているが、例えば
、ヒト造血幹細胞の精製においても容易に利用可能である。
【0069】 形質導入された少なくとも1つの造血幹細胞を産生するウイルスベクターを用
いて、精製された造血幹細胞集団を形質導入する方法が開示され、この方法は、
造血幹細胞に、その多能性を改変させない長さの時間にわたって、ベクターおよ
び精製された造血幹細胞集団をインキュベートする工程を包含する。
【0070】 造血幹細胞に、それらの多能性を改変させない長さの時間は、代表的に、短期
間のインキュベーション時間である。例えば、この時間の長さは、好ましくは、
4時間以下である。適切な条件下(例えば、感染多重度を変化させる)では、最
適な時間の長さは変化し得ることが理解される。
【0071】 例えば、1つの実施形態では、造血幹細胞の集団を、幹細胞の多能性を改変さ
せない期間にわたってウイルスベクターと共にインキュベートし、そして造血幹
細胞に、その多能性を改変させることなく形質導入を達成するために、十分な数
のベクターを用いてインキュベーションを実施する。
【0072】 また、形質導入された少なくとも1つの造血幹細胞を産生するウイルスベクタ
ーを用いて、精製された造血幹細胞集団を形質導入する方法が開示され、この方
法は、造血幹細胞に、その多能性を改変させることなく形質導入を達成するため
に、十分な数のベクターを用いて、ベクターおよび精製された造血幹細胞集団を
インキュベートする工程を包含する。
【0073】 ベクター数が、造血幹細胞に、その多能性を改変させることなく形質導入を達
成するために十分であるか否かを判断するための1つの方法は、形質導入される
べき細胞(例えば、精製された造血幹細胞集団)の数に対してウイルスベクター
数を比較することである。これは、感染多重度(MOI)と呼ばれる。例えば、
形質導入されるべき各細胞に対して3つのウイルスベクターが存在する場合、こ
れは、3のMOIである。代表的に、細胞に対するベクターの量(すなわち、M
OI)は、精製された細胞集団における細胞と同程度多くのベクターの約50倍
以上であるべきである。他の例は、300または1000のMOIである。開示
された方法の1つの実施形態は、造血幹細胞に、その多能性を改変させることな
く形質導入を達成するために、十分な数のベクターを用いて、ベクターおよび精
製された造血幹細胞集団をインキュベートする工程、ならびに造血幹細胞に、そ
の多能性を改変させない長さの時間にわたって、ベクターおよび精製された造血
幹細胞集団をインキュベートする工程を包含する。
【0074】 (組成物を使用する方法) 開示された組成物を使用して、血液障害を模倣するマウスモデルを試験および
確証し得る。
【0075】 開示された組成物を使用して、血液障害を処置し得る。
【0076】 第1の被験体において鎌状赤血球症を処置する方法が開示され、この方法は、
鎌状赤血球症を処置し得る外因性の遺伝子エレメントを含むウイルスベクターと
、この第1の被験体の骨髄から精製された造血幹細胞集団をインキュベートする
工程、インキュベーション混合物を形成する工程、ならびにこの第1の被験体へ
の導入のためにこのインキュベーション混合物由来の細胞のサブセットを供給す
る工程を包含し、ここでこの第1の被験体または第2の被験体は、減少した造血
細胞計数を有する。第1の被験体のインキュベーション混合物はまた、対宿主性
移植片病の問題が、例えば、免疫抑制によって克服され得ると仮定して、鎌状赤
血球症を有する第2の被験体に導入され得る。
【0077】 鎌状細胞疾患を処置する方法もまた開示され、ここで、外因性エレメントは、
変化した結合特異性を有する抗鎌状赤血球化遺伝子および/またはEKLFタン
パク質である。
【0078】 鎌状細胞疾患を処置する方法もまた開示され、ここで、ウイルスベクターは、
レンチウイルスベクターである。
【0079】 第1の被験体におけるサラセミアを処置する方法もまた開示され、この方法は
、サラセミアを処置し得る外因性遺伝子エレメントを含むウイルスベクターと共
に第1の被験体の骨髄から精製した造血幹細胞の集団をインキュベートする工程
、インキュベーション混合物を形成する工程、およびこのインキュベーション混
合物由来の細胞のサブセットを、第1の被験体または第2の被験体への導入のた
めに供給する工程を包含し、ここで、第1の被験体は、減少した造血細胞数を有
する。
【0080】 また、第1の被験体のインキュベーション混合物は、第2の被験体のサラセミ
アを処置するために、第2の被験体に導入され得る。
【0081】 サラセミアを処置する方法が開示され、ここで外因性遺伝子エレメントは、α
グロブリン遺伝子またはβグロブリン遺伝子のいずれかである。
【0082】 サラセミアを処置するための方法が開示され、ここで、ウイルスベクターはレ
ンチウイルスベクターである。
【0083】 以下の実施例は、当業者に、どのように本発明の化合物、組成物、物品、デバ
イスおよび/または方法が作製され、そして評価されるかという完全な開示およ
び記載を提供するように記載され、本発明の純粋な例示であることを意図し、発
明者らが本発明とみなすものの範囲を制限することを意図しない。数(例えば、
量、温度など)に関する精度を保証するために努力がなされたが、いくらかの誤
差および偏差は考慮に入れられるべきである。他に記載されない限り、部は重量
部であり、温度は℃であるか、または周囲温度であり、そして圧力はatである
かまたは大気圧付近である。
【0084】 (実施例) (実施例1) (マウス幹細胞の精製) C57B1/6Hbbdドナーマウスを、Jackson Labから得、そ
して本発明者らのマウス施設で繁殖させた。骨髄を、5mM EDTA、2%
ウシ胎児血清(FBS)および抗生物質を含有するIMDM培地を用いて、8〜
16週齢のドナーマウスの大腿骨および脛骨からフラッシュした。分離緩衝液(
5mM EDTAおよび0.5% チャコール処理したBSAを含むPBS)で
1回洗浄した後、細胞を、標識緩衝液(5mM EDTAを含むPBS)中、氷
上で15分間、ビオチン結合Sca−1抗体(Pharmingen)で標識し
た。次いで、細胞を分離緩衝液で1回洗浄し、遊離Sca−1抗体を除去し、そ
して氷上で15分間、磁性ビーズ結合ストレプトアビジン(Miltenyi)
で標識した。この工程の直後(洗浄なし)に、氷上でさらに15分間、FITC
結合ストレプトアビジン(Caltag)を添加した。標識の後、細胞を分離緩
衝液で1回洗浄し、そして磁性ビーズ標識細胞を、製造者に指示されるように、
MACSカラム(Miltenyi)を使用して濃縮した。細胞をこのカラムか
ら溶出し、ペレット化し、そして標識緩衝液に再懸濁した。次いで、細胞を、氷
上で15分間、APC結合c−Kit抗体(Pharmingen)、およびB
−220、CD3、CD4、CD5、CD8、Mac−1、Gr−1およびTe
r−119(Pharmingen)を含むPE結合系列抗体のカクテルで、同
時に標識した。細胞を分離緩衝液で1回洗浄し、そしてBecton−Dick
inson FCASVantage SEで識別するために、IMDM培養液
に再懸濁した。Sca−1+c−Kit+Lin-細胞を、形質転換のために、1
% FBSを含むIMDMと共に、5mlチューブに収集した。
【0085】 (レンチウイルスGFP発現ベクターの生成) pPCW−eGFP遺伝子転移ベクターを構築するために、EGFP遺伝子(
pEGFP−C1由来、Clontech Laboratories)を含む
PCR増幅したDNAフラグメントをpHR−CMV−eGFPを生成するpH
R−CMV−LacZプラスミドのBamHI/XhoI部位(Naldini
Lら、Science;272:263−7(1996))にライゲーション
した。次いで、中心ポリプリン路(PPT)および中心末端部位(CTS)を含
むDNAの150bp配列(座標4327〜4483)を、HIV−1 pSG
3分子クローンからPCR増幅し(Ghosh SKら、「A molecul
ar clone of HIV−1 tropic and cytopat
hic for human and chimpanzee lymphoc
ytes」、Virology;194:858−64(1993))、そして
pHR−CMV−eGFPの特有のClaI部位にライゲーションした。形質転
換した細胞におけるeGFP発現を増加するために、マーモット肝炎ウイルス(
WPRE)由来の転写後調節エレメントを、pPCW−eGFP遺伝子転移ベク
ターを生成する、eGFPの下流に挿入した。
【0086】 (幹細胞の形質転換) 識別したSca−1+c−Kit+Lin-幹細胞を、300×gで10分間遠
心分離し、そして10μg/ml 硫酸デキストランおよび1% FBSを含む
IMDM培養液に再懸濁した。1000個の幹細胞を、100μlの全容量中で
、37℃で4時間感染させ、単一の致死的に照射したマウスに以下に記載される
ように移植した。
【0087】 (移植) 類遺伝子性レシピエントマウス(C57B1/6 Hbbs)をJackso
n Labから購入し、本発明者らのトランスジェニック施設で維持した。マウ
スを、Picker Cyclops Cobalt−60装置を使用して、そ
れぞれ265RADの線量で2回、致死的に1250RADで照射した。麻酔し
たマウスに、後眼窩注射によって、100μlのIMDM培養液中、マウス1匹
あたり1000個の幹細胞を移植した。移植片を、移植後2ヶ月間、1.1g/
l硫酸ネオマイシン(Sigma)および1×106unit/l 硫酸ポリミ
キシンB(Sigma)を含む抗生物質水に維持した。第2の移植のために、一
次移植片由来の5百万の分画されていない骨髄細胞を各レシピエントマウスに後
眼窩注射した。移植片の造血快復を、前記のように、高速液体クロマトグラフィ
ーを使用して、拡散ヘモグロビンの分析によってモニタリングした(Ryan
TMら、「Knockout−transgenic mouse model
of sickle cell disease」、Science;278
−6(1997))。
【0088】 (単核細胞GFP分析) 各マウス由来の末梢血50μlを、尾静脈から収集し、2.5mM EDTA
を含む1mlのPBSと混合した。これらの細胞を、勾配分離の直前にPBSで
3mlまでさらに希釈した。3mlのHitopaque−1077(Sigm
a)を15mlコニカルチューブに充填し、3mlの希釈した血液細胞を慎重に
その上部に層状にした。細胞を300×gで10分間遠心分離した。界面に形成
された単核細胞の不透明な層を慎重に新しいチューブに移し、そしてPBSで1
回洗浄した。次いで、細胞を等分し、そして上記のようにPE結合抗体で標識し
、GFP発現をFACSを使用して分析した。同じ勾配手順をまた使用して、分
析のための骨髄単核細胞を調製した。脾臓または胸腺の単一の細胞懸濁液を、標
識および分析のために直接使用した。
【0089】 (前駆体アッセイ) 骨髄細胞を、メチルセルロース培地M3434(Stem Cell Tec
honology)と、製造業者が提案する通り、3×104/mlまで混合し
、35mmプレート上にプレート化し、そして37℃で12時間かけて培養した
。CFU−GEMMコロニーを、倒立顕微鏡を使用して試験し、そしてコロニー
からの蛍光画像を、エピフルオレセンスオプティクス(epifluoresc
ence optics)およびHamamatsuCCDカメラを備えるOl
ympus IX70倒立顕微鏡を使用して撮った。
【0090】 (実施例2) (Sca−1+c−Kit+Lin-細胞を有する、致死量まで照射されたマウ
スの再構成) 骨髄細胞を、びまん性ヘモグロビン(Hbbd)ハプロタイプを含む、C57
Bl/6ドナーマウスの大腿骨および頚骨から単離した。5−フルオロウラシル
は、骨髄の単離の前に、幹細胞を移動させるためにマウスに投与しなかった。S
ca−1+c−Kit+Lin-細胞を、実施例1に記載されるように単離し、そ
して単一のヘモグロビン(HbbS)ハプロタイプを含む、致死量まで照射され
た野生型C57Bl/6レシピエントに移植した。これらの高度に精製した細胞
の50程度は、造血を完全に再構成し得る(データを示さず)。続いて、ドナー
幹細胞を用いた再構成は、溶血血液の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
によって行った。代表的に、1匹のレシピエントマウス当たりの1000のSc
a−1+c−Kit+Lin-細胞を、移植の前に、レンチウイルスベクターを用
いて慣用的に感染させた。図1は、1000の形質転換した幹細胞を移植した、
代表的な動物の再構成を例示する。移植の8週後内に、全ての赤血球細胞を、H
bbD(βmaj,βmin)でのHbbD(βs,βt)の置換により示される
ように、ドナーから誘導した。
【0091】 (レンチウイルスベクターの設計) 本研究において使用されるレンチウイルスベクターは、水疱性口内炎 対 G
(VSV−G)グリコタンパク質で偽型化したヒト免疫不全ウイルス−1であっ
た。このベクターは、GFPレポーター遺伝子を駆動するサイトメガロウイルス
(CMV)プロモーター、パッケージングおよび形質転換効果を増加させるため
にHIV−1の分子クローンから誘導された中心ポリプリン路(PPT)および
中心末端部位(CTS)(Ghosh SKら、Virology;194:8
58−64(1993))、ならびにWoodshuck肝炎ウイルス(WPR
E)(図2A)を含む。Zuffereyら(Zufferey Rら、J V
irol;73:2886−92(1999))は、このWPREが、RNA処
理の効率を増加させることによって、培養細胞においてレトロウイルスおよびレ
ンチウイルス形質転換効果を増強させることを実証した。WPREを有するか、
または有さないレンチウイルスベクターは、培養したマウスの赤血球病(MEL
)細胞の効果(データを示さず)を減少させ得る。WPPEは、骨髄幹細胞を効
率的に形質転換した。
【0092】 (Sca−1+c−Kit+Lin-細胞の形質転換および造血系統中における
ベクター誘導GEOのインビボでの持続的発現) レンチウイルスベクターは、静止細胞を形質転換し得(Naldini Lら
,Science;272:263−7(1996);Naldini Lら、
Proc Natl Acad Sci USA;93:11382−8(19
96))、形質転換の効果は、細胞が細胞周期に入るように誘導される場合に、
増強される(Sutton REら、「Transduction of hu
man progenitor hematopoietic stem ce
lls by humann immunodeficiency virus
type 1−based vectors is cell cycle
dependent」,J Virol;73:3649−60(1999);
Park Fら、「Efficient lentiviral transd
uction of liver requires cell cyclin
g in vivo」,Nat Genet;24:49−52(2000))
。しかし、インビトロでの造血幹細胞の複製の誘導の結果として、多機能性の欠
如をもたらし得る。従って、精製した幹細胞を、サイトカインの非存在下で4時
間だけインキュベートした。次いで、細胞を、致死量で照射したレシピエントに
移植し、この幹細胞を骨髄に戻し、そして多分化能の維持を助ける条件下でイン
ビボで複製する。形質転換の効率を、GFP発現関してFACS分析することに
よって測定した。
【0093】 図2Bは、移植の5〜20週間後のマウスの末梢血単核細胞中でのGFP発現
の結果を例示する。幹細胞を受容したこれらの動物を、50、300または10
00のMOIで形質転換した。ドナー幹細胞を有する完全再構成は、8週間で達
成された(データを示さず)。50のMOIにおいて、末梢血単核細胞の平均4
%は、GFPポジティブであり、そしてこの割合は、300および1000のM
OIで、それぞれ6%および8%増加した。GFPポジティブ単核細胞は、幹細
胞が、5のMOIで形質転換される場合にほとんど検出されなかった(データを
示さず)。これらの結果は、高いMOIが、造血幹細胞の効果的なレンチウイル
ス形質転換に必要とされることを実証した。このデータはまた、このレンチウイ
ルスベクターが、インビボで長期に再構成され得る幹細胞の安定的な形質転換を
媒介することを実証した。
【0094】 形質転換された造血幹細胞が、長期の再構成の後の多分化能を維持したことを
示すために、マウスを移植16〜20週間後に屠殺し、そしてB細胞(α−B2
20)、T細胞(α−CD3、CD4およびCD8)、好中球、単球、および顆
粒球(α−Mac−1およびGR−1)、ならびに赤血球系細胞(α−Ter−
119)に対するPE−結合体系統特異的抗体で、単核細胞を標識した。代表的
な実験において、移植16週間後に、単核細胞は、末梢血(A)、骨髄(B)、
脾臓および胸腺(C)から採取した。この第1レシピエントは、300のMIO
で形質転換した1000幹細胞を最初に受容した。単核細胞を、染色することな
くFACSによって分析するか、またはPE結合体系統抗体(B細胞に対してB
220、T細胞に対してCD3、4および8の混合物、好中球に対してMac−
1およびGr−1の混合物、ならびに赤血球系細胞に対してTer−119)を
用いて染色した後、FACSによって分析した。GFPポジティブ単核細胞の割
合を、FACSによって決定した。代表的に実験において、末梢血中(7.9%
のB細胞、9.6%のT細胞、および12.6%の好中球)で、顆粒球および単
球が、GFP発現に対してポジティブであった。類似の値が、末梢血の単核細胞
に対する全ての時間点において観測された(データを示さず)。これらの結果の
タイプは、形質転換した造血幹細胞が、完全に再構成したマウスにおいて、正常
系統特異性に関する能力を維持することを実証した。
【0095】 末梢血中における1%未満の赤血球系細胞は、赤血球の前駆体が安定的に形質
転換されないが、GFPが徐核した赤血球細胞中でほとんど存続しないという事
実に起因して、GFPに対してポジティブであった。なぜならば、Ter−11
+骨髄単球細胞(赤血球前駆体)の9.7%が、GFP発現に対してポジティ
ブであったからである。このことにより、形質転換した幹細胞が正常な赤血球系
統の分化を可能にすることも実証した。骨髄B細胞、好中球、顆粒球および単球
、ならびに脾臓B細胞および胸腺T細胞は、同様の割合で全てGFPポジティブ
であった。さらに、これらにより、レンチウイルスベクターは、造血幹細胞を効
果的に形質転換し、そして完全に再構成されたマウスにおいて、自己再生および
系統特異性の正常な特性を変えないことを実証する。
【0096】 (第2の移植片における持続的なGFPの発現) 第2の移植片において、GFPの発現が持続するか否かを決定するために、第
1の移植片からの500万個の骨髄細胞を、致死量まで照射したC57BL/6
Hbbdレシピエント細胞に注射した。表1は、16週目の第1移植片から誘導
された1セットの第2の移植片を例示する。GFP発現は、移植後12週間後に
、全ての再構成した第2レシピエントにおいて検出され、そして、GFPポジテ
ィブの単核細胞、B細胞、T細胞、および好中球の平均の割合は、第1の移植片
由来のものと一致した。これらの結果は、長期の自己再生幹細胞が、レンチウイ
ルスベクターによって形質転換さるという結論およびこれらの細胞の多分化能が
、完全に再構成されたレシピエントにおいて保持されたという結論をさらに支持
する。
【0097】 (レンチウイルスにより形質導入された遺伝子のサイレンシング) 長期の再構成されたマウスから誘導される、CFU−GEMM(コロニー形成
単位−顆粒球、赤血球、マクロファージ、および巨核球)におけるGFP発現を
調べた。1つの代表的な実験において、移植の16週後(マウス番号TP54)
または20週後(マウス番号TP62)の完全に再構成されたレシピエントのマ
ウス由来の骨髄細胞(35mmプレート当たり3×105)を、メチルセルロー
ス中にプレートし、12日間37℃で培養した。12日後、CFU−GEMMコ
ロニーを評点付けし、蛍光顕微鏡によって調べた。TP54およびTP62それ
ぞれは、1000個の幹細胞を受容し、この幹細胞は、それぞれ1000および
300のMOIで形質導入された。2匹のレシピエントからのGFP陽性CFU
−GEMMコロニーの割合を分析し、そして評点付けした。同じマウスの末梢血
(PBL)および骨髄(BM)由来のGFP陽性単核細胞もまたコントロールと
して分析した。コロニーは、完全な陽性または陰性のいずれかであり;発現細胞
および非発現細胞へのセクター化(sectoring)は観測されなかった。
この結果は、形質導入された遺伝子のサイレンシングが、系統特異化の間に生じ
ないことを示唆する。しかし、いくつかのサイレンシングが初期の前駆体におい
て生じ得る。GFP陽性CFU−GEMMの割合は、末梢血および骨髄における
GFP陽性単核細胞の割合よりも約2倍高かった。それにもかかわらず、高い割
合のGFP陽性細胞は、完全に再構成されたマウスにおいて16週間および20
週間続く。骨髄細胞を移植の16週後に動物から得、そしてメチルセルロース中
にプレートした(3×104/プレート)。予期されるように、再構成されたマ
ウスおよび野生型のマウスから誘導されるCFU−GEMMの数は、類似してい
た(データは示さない)。
【0098】 赤血球において特異的にlacZ遺伝子を発現するトランスジェニックマウス
において、初期赤血球コロニーをlacZ発現細胞および非発現細胞にセクター
化する(Graubert TAら、「Stochastic,stage−s
pecific mechanisms account for the v
ariegation of a human globin transge
ne,「Nucleic Acids Res,26:2849−58(199
8))。トランスジェニックマウスにおけるこの結果は、トランスジーンのサイ
レンシングが、赤血球分化の間に生じたことを示唆した。レンチウイルスベクタ
ーを用いて形質導入されたマウス由来のコロニーは、セクター化されなかった;
従って、形質導入された遺伝子のサイレンシングは、明らかに、系統特異化の間
には生じない。しかし、サイレンシングは、幹細胞または初期前駆体において生
じ得る。PCR分析は、40%のCFU−GEMMがGFP DNAを含んだこ
とを示した(データは示さない);しかし、これらのコロニーの20%のみおよ
び末梢系細胞の10%が、GFPを発現した。これらのデータは、サイレンシン
グが形質導入の後に、2つの別々の段階で生じることを示唆する。全てのベクタ
ー組込み部位の半分は、形質導入の後すぐに幹細胞においてサイレンシングされ
る。引き続いて、残りの部位の半分が、初期前駆体においてサイレンシングされ
る。それにもかかわらず、高い割合(10%)のGFP陽性細胞が、完全に再構
成されたマウスにおいて移植後の20週間の間、骨髄および末梢血において持続
し、二次レシピエントにおいては少なくとも12週間持続する。
【0099】 (実施例3) 高度に精製されたマウス骨髄幹細胞は、レンチウイルスベクターによって効率
的に形質導入され、そしてこれらの細胞の正常な多能性は、完全に再構成された
、致死的に照射されたマウスにおいて、保存される。開示された組成物および方
法は、移植後において正常な造血を維持する;従って、安定なレンチウイルスに
よる形質導入は、正常な細胞系統特異化を変化させない。
【0100】 高い感染多重度(MOI)を、効率的な形質導入のために向上させた。5のM
OIにおいて、いくつかの細胞が形質導入された。50のMOIは、有意な形質
導入のために必要とされ、そして1000のMOIは、形質導入の効率を2倍に
増加した。本研究において必要とされる高いMOIは、サイトカイン刺激なしで
形質導入された高度に精製された幹細胞の使用から生じ得る。本発明者らは、多
能性を保存することを試みるために、刺激されていない幹細胞を使用し、そして
これらの分化していない細胞は、VSV−G糖タンパク質についてより少ないレ
セプターを発現し得る。
【0101】 マウス造血幹細胞への効率的な遺伝子送達は、マウスモデルにおけるサラセミ
アおよび鎌状赤血球疾患の遺伝的補正のための強力なツールを提供し(Ciav
atta DJら、「Mouse model of human beta
zero thalassemia:targeted deletion o
f the mouse beta maj− and beta min−g
lobin genes in embryonic stem cells」
,Proc Natl Acad Sci USA,;92:9259−63(
1995);Yang Bら、「A mouse model for bet
a 0−thalassemia」,Proc Natl Acad Sci
USA;92:11608−12(1995);Ryan TMら、「Knoc
kout−transgenic mouse model of sickl
e cell disease」,Science;278:873−6(19
97);Paszty Cら、「Transgenic knockout m
ice with exclusively human sickle he
moglobin and sickle cell disease」,Sc
ience;278:876−8(1997))、そしてヒトにおける同様なプ
ロトコルの基礎を提供する。鎌状赤血球およびサラセミア赤血球の寿命は、正常
な細胞よりも有意に短い;従って、骨髄における約10%の赤血球前駆体の補正
は、末梢血の大部分の画分に翻訳され得る。レンチウイルスにより形質導入され
る遺伝子は、デアセチラーゼインヒビターによって再活性化され得る。レンチウ
イルス形質導入および薬物処置の組み合わせは、高いレベルの治療遺伝子発現を
生じ得、従って、遺伝的な血液疾患に対する強力な処置を提供する。
【0102】 本出願全体を通じて、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、
全体において、本出願が関係する技術の状態をより完全に記載するために本明細
書によって参考として援用される。
【0103】 本発明の範囲または精神から外れることなく、種々の改変および変更が本出願
においてなされ得ることが当業者に明かである。本発明の他の実施形態は、本明
細書中に開示される本発明の詳細および実施を考慮することにより当業者に明か
である。詳細および実施例は単なる例示として考慮され、本発明の真の範囲およ
び精神は先の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0104】
【表1】 添付される図面(これは、本明細書中で参考として援用され、そして本明細書
の一部を構成する)は、本発明のいくつかの実施形態を例示し、そしてその説明
と共に本発明の本質を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Scal−1+c−Kit+Lin-幹細胞を有する、致死的に照射さ
れたマウスの再構成を示す。致死的に照射されたレシピエントマウスに、100
0のウイルス的に形質導入されたScal−1+c−Kit+Lin-幹細胞を移
植した。末梢血を、示された時間点において、ドナー(びまん性ヘモグロビンハ
プロタイプ)、レシビエント(単一ヘモグロビンハプロタイプ)および移植片か
ら収集した。溶血血液を35%〜41%のアセチルニトリル勾配を使用して、H
PLCによって分析した。全再構成は、移植後8週間で達成された。溶出したグ
ロビン産生物の追跡を示す。αおよびβポリペプチドに起因する両方のピークを
示す。
【図2】 図2は、レンチウイルスによるScal−1+c−Kit+Lin-幹細胞の安
定な形質導入を示す。パネル(A)は、本研究で使用されたレンチウイルスPC
W−eGFPのマップを示す。HIV−1の分子クローンに由来する中心ポリプ
リン路(PPT)および中心末端部位(CTS)をベクターに挿入し、形質導入
効率を増加させた。ウッドチャック肝炎ウイルス(VPRE)の転写後調節エレ
メントをCMV/eGFPと共にセンス配向で下流に配置し、GFP発現を増加
させた。パネル(B)は、末梢血由来の単核細胞におけるGFP発現の持続性を
示す。GFP+単核細胞の百分率を、移植後の週での時間の関数としてプロット
する。100のScal−1+c−Kit+Lin-幹細胞を、50、300また
は1000のMOIにおいてベクターによって形質導入し、そしてこれらの細胞
を一匹の致死的に照射されたマウスへ移植した。4匹のマウスをMOI300で
感染された幹細胞によって再構成し、そして4匹をMOI1000で再構成した
。3匹のマウスはをMOI50で感染された細胞によって再構成した。示された
時間点において、各移植されたマウス由来の血液50マイクロリットルを尾の静
脈から収集した。次いで、 単核細胞を分離し、そしてFACSによってGFP発現について分析した。移植
後16週目に開始し、何匹かのマウスを、第2の移植および骨髄細胞分析のため
に屠殺した。各群から少なくとも2匹のマウス(MOI=50、300または1
000)を20週後に分析した。GFP発現は、全ての再構成されたマウスにお
いて20週間持続した。これらのデータは、レンチウイルスベクターは、インビ
ボで長期再構築し得る幹細胞の安定な形質導入を媒介することを示す。この結果
はまた、高MOIが、造血幹細胞の有効なレンチウイルス形質導入のために必要
とされることを示す。
【図3】 図3は、βヘモグロビンを外因性遺伝子エレメントとして含む典型的なレンチ
ウイルスベクターの略図を示す。
【図4】 図4は、典型的なレンチウイルスパッケージング系を示す。
【図5】 図5は、造血幹細胞の形質導入のための模式図の一例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/00 C12N 5/00 B C12N 5/10 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ウ, シャオユン アメリカ合衆国 アラバマ 35242, バ ーミンガム, ヘリテイジ オークス サ ークル 4217 (72)発明者 カッペス, ジョン シー. アメリカ合衆国 アラバマ 35242, バ ーミンガム, バードソング ロード 5284 (72)発明者 タウネス, ティム エム. アメリカ合衆国 アラバマ 35243, バ ーミンガム, ブリッジウォーター ロー ド 4687 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA04 DA02 EA02 FA02 GA11 HA17 4B065 AA90X AA90Y AB01 BA02 BA25 CA44 4C084 AA02 AA13 DC50 NA14 ZA512 4C086 AA01 AA02 EA16 MA03 MA04 NA14 ZA51 4C087 BC83 CA12 NA14 ZA51

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルスベクターを含む造血幹細胞の精製した集団であって
    、ここで、該造血幹細胞の集団は、正常な分布の血球型へと分化し得、そしてこ
    こで、該ベクターは、類似した割合で全ての血球型に含まれる、造血幹細胞の精
    製した集団。
  2. 【請求項2】 前記造血幹細胞の集団が、インビボで、正常な分布の血球型
    へと分化する、請求項1に記載の造血幹細胞の集団。
  3. 【請求項3】 前記ベクターが、外因性遺伝子エレメントを含む、請求項1
    に記載の造血幹細胞の集団。
  4. 【請求項4】 前記ベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項1
    に記載の造血幹細胞の集団。
  5. 【請求項5】 前記ベクターが、外因性遺伝子エレメントを含む、請求項4
    に記載のベクター。
  6. 【請求項6】 前記外因性遺伝子エレメントが、抗鎌状赤血球タンパク質を
    コードする、請求項5に記載のベクター。
  7. 【請求項7】 前記外因性遺伝子エレメントが、変化した結合特異性を有す
    るEKLFタンパク質をコードする、請求項5に記載のベクター。
  8. 【請求項8】 さらに形質導入有効化エレメントを含む、請求項4に記載の
    ベクター。
  9. 【請求項9】 形質導入有効エレメントが、ppt−cts配列を含む、請
    求項8に記載のベクター。
  10. 【請求項10】 前記ppt−cts配列が、前記HIV−1 pSG3分
    子クローンに由来する、請求項9に記載のベクター。
  11. 【請求項11】 転写後の調節エレメントをさらに含む、請求項4に記載の
    ベクター。
  12. 【請求項12】 前記転写後の調節エレメントが、ウッドチャック肝炎ウイ
    ルスに対応するWPRE領域である、請求項11に記載のベクター。
  13. 【請求項13】 前記WPRE領域が、外因性遺伝子エレメントの下流にあ
    る、請求項12に記載のベクター。
  14. 【請求項14】 造血幹細胞の精製した集団を、少なくとも1つの形質導入
    した造血幹細胞を産生するウイルスベクターを用いて、形質導入する方法であっ
    て、該方法は、該ベクターおよび造血幹細胞の精製した集団を、該造血幹細胞が
    その多能性を変化させない時間、インキュベートする工程を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 前記時間が、4時間より少ないかまたは4時間に等しい、
    請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ベクターおよび前記造血幹細胞の精製した集団を、該
    造血幹細胞がその多能性を変化させることなく形質導入を達成するのに十分な数
    のベクターと共にインキュベートする工程をさらに包含する、請求項14に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 造血幹細胞の精製した集団を、少なくとも1つの形質転換
    した造血幹細胞を産生するウイルスベクターを用いて形質導入する方法であって
    、該方法は、該ベクターおよび造血幹細胞の精製した集団を、該造血幹細胞がそ
    の多能性を変化させることなく形質導入を達成するのに十分な数のベクターと共
    に、インキュベートする工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 前記インキュベーションが、前記造血幹細胞の精製した集
    団中に、該細胞より少なくとも50倍多い数のベクターを用いる工程を包含する
    、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記インキュベーションが、前記造血幹細胞の精製した集
    団中に、該細胞より少なくとも300倍多い数のベクターを用いる工程を包含す
    る、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記インキュベーションが、前記造血幹細胞の精製した集
    団中に、該細胞より少なくとも1000倍多い数のベクターを用いる工程を包含
    する、請求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法であって、該方法は、前記ベクタ
    ーおよび前記造血幹細胞の精製した集団を、該造血幹細胞がその多能性を変化さ
    せない時間、インキュベートする工程、ならびにインビボで該形質導入した造血
    細胞を増幅させる工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 被験体における鎌状赤血球疾患を処置する方法であって、
    該方法は、該被験体の骨髄から精製した造血幹細胞の集団を、鎌状赤血球疾患を
    処置し得る外因性遺伝子エレメントを含むウイルスベクターと共にインキュベー
    トする工程、インキュベーション混合物を形成させる工程、そして該インキュベ
    ーション混合物由来の細胞のサブセットを該被験体への導入のために供給する工
    程、を包含し、ここで、該被験体は、減少した造血幹細胞計数を有する、方法。
  23. 【請求項23】 前記外因性エレメントが、抗鎌状赤血球遺伝子である、請
    求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記外因性遺伝子エレメントが、変化した結合特異性を有
    する、EKLFタンパク質である、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである
    、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 被験体におけるサラセミアを処置する方法であって、該方
    法は、該被験体の骨髄から精製した造血幹細胞の集団を、該サラセミアを処置し
    得る外因性遺伝子エレメントを含むウイルスベクターと共にインキュベートする
    工程、インキュベーション混合物を形成させる工程、そして該インキュベーショ
    ン混合物由来の細胞のサブセットを該被験体への導入のために供給する工程、を
    包含し、ここで、該被験体は、減少した造血幹細胞計数を有する、方法。
  27. 【請求項27】 前記外因性遺伝子エレメントが、αグロビン遺伝子または
    βグロビン遺伝子のいずれかである、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである
    、請求項26に記載の方法。
JP2001536768A 1999-11-10 2000-11-10 造血幹細胞のレンチウイルスベクター形質導入 Pending JP2003517301A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16462599P 1999-11-10 1999-11-10
US60/164,625 1999-11-10
PCT/US2000/030882 WO2001034843A1 (en) 1999-11-10 2000-11-10 Lentiviral vector transduction of hematopoietic stem cells

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003517301A true JP2003517301A (ja) 2003-05-27

Family

ID=22595350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001536768A Pending JP2003517301A (ja) 1999-11-10 2000-11-10 造血幹細胞のレンチウイルスベクター形質導入

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1230394A4 (ja)
JP (1) JP2003517301A (ja)
AU (1) AU784988B2 (ja)
CA (1) CA2391129A1 (ja)
WO (1) WO2001034843A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130124521A (ko) * 2010-12-09 2013-11-14 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
US10221245B2 (en) 2013-03-16 2019-03-05 Novartis Ag Treatment of cancer using humanized anti-CD19 chimeric antigen receptor
US10253086B2 (en) 2015-04-08 2019-04-09 Novartis Ag CD20 therapies, CD22 therapies, and combination therapies with a CD19 chimeric antigen receptor (CAR)-expressing cell
US10357514B2 (en) 2014-04-07 2019-07-23 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Treatment of cancer using anti-CD19 Chimeric Antigen Receptor
JP2019532099A (ja) * 2016-09-13 2019-11-07 アカデミア シニカAcademia Sinica 移植による、寿命の増強および/または細胞増殖性障害の治療のための方法
US10525083B2 (en) 2016-10-07 2020-01-07 Novartis Ag Nucleic acid molecules encoding chimeric antigen receptors comprising a CD20 binding domain

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7575924B2 (en) 2000-11-13 2009-08-18 Research Development Foundation Methods and compositions relating to improved lentiviral vectors and their applications
CA2456169C (en) 2001-08-02 2012-05-22 Didier Trono Methods and compositions relating to improved lentiviral vector production systems
KR20040054699A (ko) 2001-10-02 2004-06-25 엥스띠뛰 끌레이톤 드 라 러쉐르쉬 제한된 발현의 렌티바이러스 벡터 및 이의 적용과 관련된방법 및 조성물
ATE458047T1 (de) 2002-03-07 2010-03-15 Univ Delaware Verfahren zur verstärkung der oligonucleotid- vermittelten nucleinsäuresequenzänderung unter verwendung von zusammensetzungen mit einem hydroxyharnstoff
CN103403151A (zh) * 2011-01-03 2013-11-20 蓝鸟生物公司 提高基因转导的细胞的递送的方法
US10653123B2 (en) 2014-05-27 2020-05-19 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods and compositions for perturbing gene expression in hematopoietic stem cell lineages in vivo
US11597917B2 (en) 2017-07-06 2023-03-07 The Medical College Of Wisconsin, Inc. In vitro and in vivo enrichment strategy targeting lymphocytes derived from vector transduced HSCs for therapy of disorders

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210059762A (ko) * 2010-12-09 2021-05-25 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
US9464140B2 (en) 2010-12-09 2016-10-11 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Compositions and methods for treatment of cancer
JP7426361B2 (ja) 2010-12-09 2024-02-01 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
JP2016174607A (ja) * 2010-12-09 2016-10-06 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペン 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
KR102062407B1 (ko) * 2010-12-09 2020-01-03 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
US9481728B2 (en) 2010-12-09 2016-11-01 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Compositions and methods for treatment of cancer
US9499629B2 (en) 2010-12-09 2016-11-22 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Use of chimeric antigen receptor-modified T-cells to treat cancer
US9518123B2 (en) 2010-12-09 2016-12-13 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Compositions and methods for treatment of cancer
US9540445B2 (en) 2010-12-09 2017-01-10 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Compositions and methods for treatment of cancer
JP2018029594A (ja) * 2010-12-09 2018-03-01 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペン 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
JP2018029595A (ja) * 2010-12-09 2018-03-01 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペン 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
KR102417796B1 (ko) 2010-12-09 2022-07-07 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
JP2022002516A (ja) * 2010-12-09 2022-01-11 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
KR20130124521A (ko) * 2010-12-09 2013-11-14 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
US9328156B2 (en) 2010-12-09 2016-05-03 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Use of chimeric antigen receptor-modified T cells to treat cancer
JP2014507118A (ja) * 2010-12-09 2014-03-27 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
KR102243575B1 (ko) 2010-12-09 2021-04-22 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
KR20200014343A (ko) * 2010-12-09 2020-02-10 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 암을 치료하기 위한 키메릭 항원 수용체 변형 t 세포의 용도
JP2020022456A (ja) * 2010-12-09 2020-02-13 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 癌を治療するためのキメラ抗原受容体改変t細胞の使用
US10927184B2 (en) 2013-03-16 2021-02-23 Novartis Ag Treatment of cancer using humanized anti-CD19 chimeric antigen receptor
US10221245B2 (en) 2013-03-16 2019-03-05 Novartis Ag Treatment of cancer using humanized anti-CD19 chimeric antigen receptor
US10357514B2 (en) 2014-04-07 2019-07-23 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Treatment of cancer using anti-CD19 Chimeric Antigen Receptor
US11149076B2 (en) 2015-04-08 2021-10-19 Novartis Ag CD20 therapies, CD22 therapies, and combination therapies with a CD19 chimeric antigen receptor (CAR)-expressing cell
US10253086B2 (en) 2015-04-08 2019-04-09 Novartis Ag CD20 therapies, CD22 therapies, and combination therapies with a CD19 chimeric antigen receptor (CAR)-expressing cell
JP2019532099A (ja) * 2016-09-13 2019-11-07 アカデミア シニカAcademia Sinica 移植による、寿命の増強および/または細胞増殖性障害の治療のための方法
US11026976B2 (en) 2016-10-07 2021-06-08 Novartis Ag Nucleic acid molecules encoding chimeric antigen receptors comprising a CD20 binding domain
US10525083B2 (en) 2016-10-07 2020-01-07 Novartis Ag Nucleic acid molecules encoding chimeric antigen receptors comprising a CD20 binding domain
US11872249B2 (en) 2016-10-07 2024-01-16 Novartis Ag Method of treating cancer by administering immune effector cells expressing a chimeric antigen receptor comprising a CD20 binding domain
USRE49847E1 (en) 2016-10-07 2024-02-27 Novartis Ag Nucleic acid molecules encoding chimeric antigen receptors comprising a CD20 binding domain

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001034843A1 (en) 2001-05-17
EP1230394A4 (en) 2002-12-18
AU784988B2 (en) 2006-08-17
EP1230394A1 (en) 2002-08-14
CA2391129A1 (en) 2001-05-17
AU1594401A (en) 2001-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sauvageau et al. Overexpression of HOXB4 in hematopoietic cells causes the selective expansion of more primitive populations in vitro and in vivo.
KR101990068B1 (ko) 렌티바이러스 벡터의 안정한 제조
US10653123B2 (en) Methods and compositions for perturbing gene expression in hematopoietic stem cell lineages in vivo
US20090148425A1 (en) Therapeutic method for blood coagulation disorder
Vassilopoulos et al. Gene transfer into murine hematopoietic stem cells with helper-free foamy virus vectors
CA2849720C (en) Improved gene therapy methods
JP2018519827A (ja) 逆配向のヒトユビキチンcプロモーターを含むレトロウイルスベクター
CN109563139B (zh) 稳定的假型化慢病毒颗粒及其用途
ES2747951T3 (es) Método
Johansson et al. Hematopoietic stem cell–targeted neonatal gene therapy reverses lethally progressive osteopetrosis in oc/oc mice
EP3672617A1 (en) Lentiviral vectors expressing foxp3 in hematopoietic stem cells to treat immuine deficiencies and autoimmune diseases
JP2003517301A (ja) 造血幹細胞のレンチウイルスベクター形質導入
US11261441B2 (en) Vectors and compositions for treating hemoglobinopathies
Pan et al. Prolonged adherence of human immunodeficiency virus-derived vector particles to hematopoietic target cells leads to secondary transduction in vitro and in vivo
Germeraad et al. Efficient retrovirus-mediated gene transduction into murine hematopoietic stem cells and long-lasting expression using a transwell coculture system
WO2008136656A1 (en) Improved methods and means for lentiviral gene delivery
EP4339291A1 (en) Lentiviral vectors and uses thereof
EP2021484B1 (en) Expression vectors comprising the hs1 promoter of the vav1 oncogene and use thereof for the preparation of pharmaceutical compositions intended for somatic gene therapy
JP2006501829A (ja) Hoxで誘導される増殖を制限する遺伝子をブロックする幹細胞増殖因子およびその方法
JP2022541608A (ja) ヌクレアーゼ標的idlvを用いる正確な組み込み
Ngom et al. 3 Laboratory of Molecular Genetics of Stem Cells, Institute for Research in Immunology and
Derdouch et al. Reconstitution of the myeloid and lymphoid compartments after the transplantation of autologous and genetically modified CD34+ bone marrow cells, following gamma irradiation in cynomolgus macaques
Mouly et al. CD4 regulation in human lymphoid non-T-cells: a role for the silencer element
Moreno Carranza Self-inactivating gammaretroviral vectors for the gene therapy of chronic granulomatous disease
Bellantuono Gene therapy for chronic granulomatous disease