JP2003517006A - 5−ヘリックスタンパク質 - Google Patents

5−ヘリックスタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 アミノ酸残基リンカーなどのリンカーで分離されている、HIV gp41のヘアピン三量体構造の3つのN−ヘリックスと少なくとも2つ、しかし3つではない、C−ヘリックスとから構成される5−ヘリックスタンパク質が開示される。リンカーで分離されている、HIV gp41のヘアピン三量体構造の3つのN−ヘリックスと3つのC−ヘリックスとを有する6−ヘリックスタンパク質も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、Michael J.Root、Michael S.Kay、D
avid C.ChanおよびPeter S.Kim(1999年12月16
日提出)の「5−ヘリックスタンパク質」という発明の名称の米国特許仮出願6
0/171,042およびMichael J.Root、Michael S
.Kay、David C.ChanおよびPeter S.Kim(2000
年9月22日提出)の「HIV侵入インヒビターのタンパク質デザイン」という
発明の名称の米国特許仮出願60/234,572の利点を主張する。参照され
た両仮出願の教示の全体が、本明細書中で参考として援用される。
【0002】 政府援助 本発明は、その全体または一部が国立衛生研究所の助成金番号PO1GM56
552の援助を受けた。合衆国政府は本発明に一定の権利を有する。
【0003】 発明の背景 HIVは、世界的に流行しているAIDSの原因ウイルスである。HIV感染
の初期段階は、ウイルス膜と標的細胞膜の融合、ウイルス内容物を細胞の細胞質
に注入する過程が含まれる。ウイルス側では、融合活性を担う分子複合体は、表
面タンパク質gp120および膜貫通タンパク質gp41を含む。これは、現在
、gp120が標的細胞上のタンパク質CD4および補助受容体と相互作用し、
高次構造が変化してgp41のアミノ末端(融合ペプチド領域)を標的細胞膜に
挿入すると考えられている。この構造の再編成によりウイルスと細胞膜との融合
が促進されるが、その機構についてはあまり理解されていない。
【0004】 発明の要旨 本発明は、本明細書中に記載の条件下で安定な構造に折りたたまれ、HIV
gp41タンパク質のC−ペプチド領域に対応するペプチド(C34という)ま
たはこの領域の一部に結合し、ヒト細胞などの哺乳動物細胞のHIV感染を阻害
する5−ヘリックスまたは5−ヘリックスタンパク質と呼ばれる新規のタンパク
質に関する。5−ヘリックスは、アミノ酸残基リンカーなどのリンカーで分離さ
れた3つのN−ヘリックスおよび少なくとも2つ、しかし3つではない、HIV
gp41のヘアピン構造の三量体の3つのC−ヘリックスから構成されている
。すなわち、5−ヘリックスには、3つのN−ヘリックスおよびHIV gp4
1の3つのC−ヘリックスの少なくとも2つが含まれる。第3のC−ヘリックス
の一部も含むことができるが、第3のC−ヘリックスを全ては含まない。ヘリッ
クスはそれぞれヘリックスの前後がリンカー、好ましくはアミノ酸残基リンカー
で分離されている。1つの実施形態では、5−ヘリックスは、以下のように示す
ことができる:N−リンカー−C−リンカー−N−リンカー−C−リンカー−N
(式中、NはN−ヘリックスを示し、CはC−ヘリックスまたはC−ヘリックス
の一部を示す)。本明細書中で示されるように、用語5−ヘリックスまたは5−
ヘリックスタンパク質は、全てのこのような実施形態(適切なリンカーで分離さ
れた3つのN−ヘリックスおよび2つまたはそれ以上であるが3つ未満の完全な
C−ヘリックスを含む)を含む。5−ヘリックスのアミノ酸組成は、5−ヘリッ
クスがHIV gp41タンパク質のC−ペプチド領域に相補的な構造であり、
好ましくは全体としてgp41のペプチドまたは一部としてgp41のC34ま
たはC−ペプチド領域に結合する表面が存在するという条件で、非常に変化し得
る。すなわち、5−ヘリックスの残りの(相互作用)表面(C−ペプチド結合部
位、この全てまたは一部がC−ペプチドで占められていない)が、HIV gp
41のC−ペプチド領域の結合に利用可能な様式(高次構造)で存在しなければ
ならない。5−ヘリックスのワクチンおよび治療への適用の場合、5−ヘリック
スはHIV gp41のC34またはC−ペプチド領域に結合しなければならな
い(結合することができる)。5−ヘリックスが薬物スクリーニングツールまた
は抗体スクリーニングツールとして使用される場合、5−ヘリックスはHIV
gp41のC34またはCペプチド領域に結合する必要は無い(結合することが
できなくても良い)。
【0005】 1つの実施形態では、5−ヘリックスは配列番号:1のアミノ酸配列を有する
。他の実施形態では、5−ヘリックスは、C−ペプチド領域に構造が相補的であ
り、好ましくはC−34またはC−ペプチド領域に結合する表面が存在し、少な
くとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失、置換、または変更によって配列番号:
1と異なるアミノ酸配列を有する。暴露したタンパク質がHIV gp41のC
−ペプチド領域に構造が相補的な表面が存在するような高次構造であるという条
件で、5−ヘリックスのN−ヘリックスおよびC−ヘリックスの順序を変化させ
ることもできる。5−ヘリックスタンパク質の高次構造が上記のように保持され
る場合、リンカーは任意の長さまたは組成であり得る。5−ヘリックスはL−ア
ミノ酸タンパク質、D−アミノ酸タンパク質、またはL−アミノ酸残基とD−ア
ミノ酸残基との組み合わせであってよく、これらの残基は改変残基であり得る。
【0006】 本発明は、さらに、5−ヘリックスをコードするDNA;5−ヘリックスの産
生法;5−ヘリックスの使用方法(HIVの、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞への
侵入を阻害する方法など)およびヒトなどの個体における免疫応答の誘発方法;
遺伝子療法においてなどの5−ヘリックスをコードするDNAの使用方法;5−
ヘリックスタンパク質コードDNAを含み且つ発現する細菌、ヒト、および他の
哺乳動物ならびに他の真核細胞などの遺伝子操作細胞ならびにこのような細胞の
使用方法(例えば、遺伝子療法または5−ヘリックス産生);5−ヘリックスを
含む医薬組成物などの組成物;5−ヘリックスとHIVエンベロープタンパク質
(例えば、gp120)に結合する成分とを含む5−ヘリックス複合体;5−ヘ
リックス複合体を含む医薬組成物などの組成物;5−ヘリックスに結合する抗体
、特に中和抗体およびHIV感染減少法などのこのような抗体の使用方法;なら
びに細胞のHIV感染を阻害しするおよび/または5−ヘリックスタンパク質に
結合する分子または化合物の同定法に関する。
【0007】 5−ヘリックスは、抗HIV治療剤、予防剤、またはHIV感染を妨げる薬物
、他の抗HIV治療薬または予防薬の同定用(スクリーニング用)またはデザイ
ン用試薬、およびHIV感染を妨げるまたは減少させる抗体の惹起用免疫原とし
て有用である。特定の実施形態では、本発明は、評価すべき化合物または分子を
候補インヒビターと呼び、インヒビターと5−ヘリックスとの結合が生じるのに
適切な条件下で候補インヒビターと5−ヘリックスとを組み合わせる工程と、結
合が生じる場合に決定する工程とを包含し、結合が生じる場合には、前記候補イ
ンヒビターは5−ヘリックスに結合する化合物または分子である、5−ヘリック
スに結合して哺乳動物細胞のHIV感染を阻害する化合物または分子の同定法に
関する。この方法は、任意に、5−ヘリックスに結合する化合物または分子が細
胞ベースのアッセイなどにおいて哺乳動物(例えば、ヒト)細胞のHIV感染を
阻害するかどうかを決定する工程をさらに包含する。このような化合物または分
子は、細胞のHIV感染を(全てまたは部分的に)阻害する(例えば、ヘアピン
三量体の形成の妨害または干渉による)。
【0008】 別の実施形態では、本発明は、適切な経路により5−ヘリックスおよび生理学
的に許容されうる担体を含む組成物を個体の免疫応答の誘発に十分な用量で導入
する工程を含む個体のHIVに対する免疫応答の誘発方法に関する。生理学的に
許容されうる担体中に5−ヘリックス(またはその変異型または一部)を含むワ
クチンは本発明の主題である。
【0009】 アミノ酸残基リンカーなどのリンカーによって連結したHIV gp41の3
つのN−ヘリックスおよび3つのC−ヘリックスを含む6−ヘリックスタンパク
質もまた本発明の主題である。1つの実施形態では、6−ヘリックスタンパク質
は、配列番号:2のアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、6−ヘリックスの
アミノ酸配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失、置換、または変
更によって配列番号:2の配列とは異なる。6−ヘリックスタンパク質は、5−
ヘリックスの産生だけでなく膜融合を阻害する薬物のスクリーニングにおけるネ
ガティブ対照としても有用である。
【0010】 本特許の提出書類には、少なくとも1つのカラー図面が含まれる。このカラー
図面を持つ本特許のコピーは、特許商標庁の要求に応じて作成し、必要な料金を
支払っている。
【0011】 発明の詳細な説明 gp41分子の外部ドメインの主要部分の高次構造は、ヘアピン三量体構造か
らなる。中心の「ヘアピン三量体」は、3つの外側のC−ヘリックスに囲まれた
中心の三本鎖N−ヘリックスコイルドコイルから構成され、これが6つの全ヘリ
ックスと束を形成する。ヘアピン三量体は、多数のエンベロープ型ウイルスの融
合に関連する共通の構造エレメントであり、これにより、膜融合促進におけるこ
のモチーフの重要な役割が示唆される。HIV gp41では、ヘアピン三量体
の中心は、中央の三本鎖コイルドコイル(gp41分子のN末端領域によって形
成)に対して逆平行の様式で封入された6つのαヘリックス(3つのgp41外
部ドメインのC末端領域によって形成)の束である(M.Lu.ら、J.Mol
.Biol.290、1031〜1044(1995);D.C.Chanら、
Cell 89、263〜273(1997);W.Weissenhornら
、Nature 387、426〜430(1997);K.Tanら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 94、12303〜12308(1
997))。細胞膜に挿入された融合ペプチド領域がgp41の極度なN末端に
存在し、C末端領域がウイルス膜に固着した膜貫通ヘリックスに隣接するので、
ヘアピン三量体モチーフは、2つの膜を互いに導くのに役に立つ。これを図1A
に図示する。N−ヘリックス(三量体の各サブユニットのうちの1つ)は、C−
ヘリックスが封入された非常に保存された疎水性の溝を形成する。これは、一般
に、この6−ヘリックス構造の形成が膜融合を生じるのに必要であることに一致
する。
【0012】 HIV−1侵入におけるヘアピン三量体形成の重要性により、gp41のC末
端領域が潜在的な膜融合インヒビター用の標的として役に立つという仮説が設定
される。C−ペプチドは、インビトロでのIC50値が1nMほどの低さでHIV
−1の細胞への侵入を阻害することが示されている(C.T.Wildら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 91、9770〜9774(19
94);D.C.Chanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
、95、15613〜15617(1998))。この証明により、C−ペプチ
ドは、N−ペプチド領域への結合およびヘアピン三量体形成の破壊によってドミ
ナントネガティブ様式で作用することが示唆される。C末端領域がヘアピン三量
体の形成前に(少なくとも一過性に)接近可能である場合、gp41のN末端の
この領域に結合する薬剤が膜融合を予防すると予想するのが妥当である。この考
えと一致して、gp41のN末端領域由来のペプチド(N−ペプチドという)は
、HIV−1膜融合の適切なインヒビターである。N−ペプチドの阻害機構は決
定されていないが、1つにはこれらのペプチドが強力に凝集する傾向があるため
である。
【0013】 出願人は、折りたたまれたN−ヘリックス中心および中心ヘアピン三量体の3
つのC−ヘリックスのうちの2つを含む1つの可溶性分子が非常に安定であり、
高親和性の1つのC−ペプチドと結合すると判断した。本明細書中に記載のよう
に、gp41のC−ペプチド領域がHIV−1侵入阻害の標的であるという仮説
を調べた。本明細書中にも記載のように、評価の結果は、gp41のC−ペプチ
ド領域に結合する5−ヘリックスがHIV−1に対するおよび種々のエンベロー
プタンパク質のセットを含むHIV−1変異型に対する強力な阻害活性を示すこ
とを明らかにした。これらの結果は、膜融合(したがって、細胞のHIV感染)
に必要なヘアピン三量体の形成を阻害するための実行可能な標的としてのHIV
gp41のC−ペプチド領域を指す。
【0014】 gp41のC−ペプチド領域に結合するタンパク質が細胞へのHIV侵入を阻
害することを示す結果が本明細書に記載されている。このようなタンパク質は、
HIVのインヒビターであり、さらなる抗HIV薬の開発の基礎として役立つ。
これらを、gp41外部ドメインのN−末端領域を標的とする中和抗体応答を生
じさせるのに使用することができる。
【0015】 5−ヘリックスは、タンパク質と示されている場合、N−ヘリックスペプチド
コイルドコイルの結合性をうまく利用する一方で、N−ペプチドが凝集する傾向
を最小にする。5−ヘリックスの1つの実施形態では、gp41ヘアピン三量体
構造の中心を構成する6つのヘリックスのうちの5つが、短いペプチドリンカー
と連結(結合)している(図1Aを参照のこと)。この実施形態では、5−ヘリ
ックスは、第3のC−ペプチドヘリックスを欠くので、gp41のC末端領域に
対する高親和性の結合部位を得るための隙間が得られる。5−ヘリックスのさら
なる実施形態では、3つのN−ペプチドヘリックスおよび2つを越える(しかし
3つの完全体未満)C−ペプチドヘリックスが短いペプチドリンカーで連結され
ている。これらの実施形態では、3つのN−ペプチドヘリックス、2つの完全な
C−ペプチドヘリックス、および第3のC−ペプチドヘリックスの一部がペプチ
ドリンカーで連結されている。第3のC−ヘリックスの一部は、第3のC−ヘリ
ックスの1アミノ酸残基または、このヘリックスの任意のさらなるアミノ酸残基
数少ないものであり得るが、このヘリックスの全てのアミノ酸残基を含まない。
本発明の5−ヘリックスタンパク質は、生理学的条件下で可溶性である。
【0016】 個々のN−およびC−ペプチドによって形成されたヘアピン三量体の中心は、
既に非常に安定であり、融解温度は65℃である。出願人は、6つのヘリックス
のうちの5つが共有結合して5−ヘリックスタンパク質を形成する場合、中心の
安定性はさらに増加する(安定性は6−ヘリックス中心の安定性よりも高い)こ
とを示した。生理学的条件下では、5−ヘリックスは折りたたまれており、水溶
性で、安定である。これはデザインから予想される値に密接に一致するαヘリッ
クス含有率を有する(図2Aおよび2Bを参照のこと)。親和性相互作用実験で
は、5−ヘリックスはエピトープタグ化C−ペプチドと強力且つ特異的に相互作
用する(図2Cを参照のこと)。混合前後の円偏光二色性の相違によって判断し
たところ、この相互作用は結合したC−ペプチド中にヘリックス高次構造を含む
(図2Dを参照のこと)。これらの性質は、5−ヘリックスの所期のデザインと
一致する。
【0017】 ウイルス感染性および細胞−細胞融合アッセイで測定したところ、5−ヘリッ
クスはHIV−1膜融合を強力に阻害する(ナノモルのIC50)(図3Aおよび
3Bを参照のこと)。それに対して、C−ペプチド結合部位が結合したC−ペプ
チドで占められた6−ヘリックスと呼ばれる対照タンパク質(すなわち、実施例
1に記載のように、gp41のヘアピン三量体を構成する6つ全てのヘリックス
が1つのポリペプチドに結合している)は、明らかな阻害活性を示さない。(図
3Aおよび図8および9を参照のこと)。同様に、C−ペプチド結合部位が4つ
の境界残基(V549、L556、Q563、およびV570)のAspの変異
によって破壊された5−ヘリックス変異型(5−ヘリックス(D4)と呼ぶ)は
、1μMでも膜融合をブロックしない(実施例3および図3Aを参照のこと)。
これらの結果は、C−ペプチド結合が5−ヘリックスの抗ウイルス活性の鍵とな
る決定基であるという結論を支持する。
【0018】 5−ヘリックスおよびC−ペプチドの阻害活性は拮抗性であると予想される:
5−ヘリックスがC−ペプチドに結合する場合、各インヒビターの抗ウイルス活
性を担うと考えられるアミノ酸残基が結合境界に埋没する。実際、5−ヘリック
スとC34との混合物〔十分に特徴づけられ、IC50が約1nMの強力なペプチ
ドインヒビター〕は、用量依存性拮抗性効果を示す(図3B)。5−ヘリックス
の存在下では、C34による高力価の阻害は、ペプチドが化学量論的に過剰であ
る場合に認められるだけである(図3B)。
【0019】 5−ヘリックスは、類似の力価を有する種々のHIV−1エンベロープタンパ
ク質(クレードA、B、およびD)で偽型化されたウイルスにより感染を阻害す
る(図3D)。この広範囲の阻害は、gp41ヘアピン三量体構造内のN末端領
域とC末端領域との間の高度に保存された境界に影響を与えるようである(図4
)。5−ヘリックスと接触すると予想されるgp41のC−ペプチド領域中の残
基は、HIV−1、HIV−2、およびSIV中で非常に保存されている(図4
)。
【0020】 強力で、ウイルス侵入の広範なインヒビターである、5−ヘリックスは、HI
V−1に対する新規のクラスの治療薬の開発の基礎として貢献し得る。典型的に
は非経口投与を必要とするにもかかわらず、タンパク質ベースの治療薬、例えば
インスリン、成長ホルモン、組織プラスミノゲンアクチベーター、顆粒球コロニ
ー刺激因子、およびエリスロポイエチンは実用的であり得る。あるいは、5−ヘ
リックスは内因的に(遺伝子治療によって)発現して、血流に分泌することがで
きる。5−ヘリックスがHIV感染細胞中に内因的に発現する場合、gp160
の細胞内折り畳みおよび輸送を阻害することができる。5−ヘリックス、5−ヘ
リックス(D4)、および6−ヘリックスはまた、小分子の薬物をスクリーニン
グする目的のための潜在的な試薬である。5−ヘリックスは、より良好な治療特
性を有する変異型のデザインにおいて多くの自由度を有している。原理的には、
C−ペプチド結合部位以外の5−ヘリックスを広範に改変してその免疫原性、抗
原性、生物学的利用能、または阻害特性を変化させることができる。例えば、g
p41外部ドメインの異なる領域の標的化によって阻害力価を至適化するために
、gp41配列中のC−ペプチド結合部位を、延長、短縮、または変化させるこ
とができる。
【0021】 5−ヘリックスの結合特性を模倣する中和抗体を産生することが望ましい。5
−ヘリックスの広範な中和能力は、おそらくgp41のC−ペプチド領域中の高
度に保存された残基との相互作用に由来するようである(図4)。gp41のC
−ペプチド領域の線状配列が異なるHIV−1株の間で変化し得るので、不統一
なC−ペプチド免疫原は中和抗体を広範に惹起しない場合がある。このような不
統一なC−ペプチドは、長い領域の保存されたアミノ酸残基を有さない。むしろ
、保存されたアミノ酸残基および非保存残基が散在している。しかし、C−ペプ
チドまたはC−ペプチドアナログをヘリックス構造(例えば、5−ヘリックスに
結合する場合のC−ペプチド領域中)に制限することは、AIDSワクチンを開
発しようと努力する際に免疫原として有用となり得る。図4は、gp41のC−
ペプチド領域と5−ヘリックスとの相互作用を示すヘリックスのホイール図であ
る。示されるように、ヘリックスホイール上の全「表面」は、保存または同一の
アミノ酸残基で構成されている。また、示されるようにHIV gp41のC−
ペプチド領域のaおよびdの位置の保存度が高い。分子の1つの表面上に高度に
保存されているアミノ酸残基(図4中のa、d、およびeの位置など)が存在す
るような様式で制限されたgp41外部ドメインのC末端領域由来のペプチドを
産生することができる。これらのペプチドを、対応する無制限のペプチド(HI
V gp41のC−ペプチド領域)中のこれらのアミノ酸残基におそらく結合し
て5−ヘリックスの結合特性を模倣する抗体を作製するのに免疫原として使用す
ることができる。例えば、C38で高度に保存された(同一および/または保存
された)アミノ酸残基(図4を参照のこと)のいくつかまたは全てに結合する抗
体を産生することができる。5−ヘリックスの結合を模倣するこのような抗体は
、実際に5−ヘリックスの活性(結合)の減少または防止により予防薬またはワ
クチンとして作用する。HIV gp41外部ドメインのC末端領域由来の制限
されたペプチドに対するこのような抗体は、本発明の主題である。
【0022】 興味深いことに、2F5のエピトープ(広範な中和活性を有するgp41に対
して指向される公知のヒトモノクローナル抗体のみ)は、5−ヘリックスによっ
て標的化されたC−ペプチド領域のC末端に隣接して存在する(T.Muste
rら、J.Virol.、67、6642〜6647(1993);M.Pur
tscherら、AIDS 、10、587〜593(1996))。2F5エ
ピトープの中心(Leu−Asp−Lys−Trp;HIV HXB2 gp1
60配列中の残基663〜666)は、図4を作成するために使用されたHIV
−1、HIV−2、およびSIV単離物の同一のセットで高度に保存されている
(81%同一)。しかし、2F5中和に対するいくつかのHIV−1エスケープ
変異型は、エピトープ配列における変異を含んでおらず、これにより2F5によ
る阻害がさらなる決定基の認識に関与し得ることが示唆される。2F5結合エピ
トープの高次構造は未知なままであるが、この配列を含むgp41のフラグメン
トで惹起される抗体は、有意なウイルス中和活性をもたない(T.Muster
ら、J.Virol.、68、4031〜4034(1994);L.Eckh
artら、J.Gen.Virol.、77、2001〜2008(1996)
)。2F5がヘアピン三量体形成の妨害によって感染を阻害するかどうかは不明
である。
【0023】 さらに、5−ヘリックス自体がワクチン候補である。HIV−1融合に関連す
るタンパク質の一時的に暴露した高次構造に対する抗体応答を誘発する可能性が
示唆されている(R.A.LaCasseら、Science,283、357
〜362(1999))。1つの可能性のある十分に規定された標的は、前ヘア
ピン中間体に暴露されたN末端コイルドコイルである(D.M.Eckertら
、Cell、99、103〜115(1999))。5−ヘリックス様中間体を
融合工程の間暴露することができ、この場合、5−ヘリックスに対して指向され
る抗体はウイルスの侵入を阻害することができる。
【0024】 本明細書中に記載の結果は、ヘアピン三量体の形成を阻害するための実行可能
な標的としてHIV−1 gp41のC−ペプチド領域を指す。構造およびコン
ピュータによる方法によって、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイルス科
、フィロウイルス科、レトロウイルス科などを含む多数の異なるファミリーにお
けるウィルスの類似のヘアピン三量体のモチーフを予想する。さらに、これらの
いくつかの場合では、gp41のC−ペプチドのペプチドアナログによるウイル
ス侵入の阻害が証明されている。したがって、5−ヘリックスデザインアプロー
チは、ウイルス感染を阻害する広く適用されているストラテジーを提供すること
ができる。
【0025】 さらに、5−ヘリックスは、凝集性N−ペプチドでは行うことができない形成
されたC−ペプチド結合部位を詳細に研究する手段を提供する。この5−ヘリッ
クス分子中の暴露したC−ペプチド結合部位は、gp41のN−ヘリックス中心
に結合する分子の同定またはデザインに有用であり、さらに、公知の方法を使用
してHIV膜とヒト細胞などの哺乳動物細胞の膜との融合を阻害して細胞感染を
阻害(減少または予防)する能力を評価することができる。さらに、5−ヘリッ
クスを、gp41のC−ヘリックス領域に結合してその作用を阻害する能力につ
いて評価することができる。gp41のN−ヘリックス中心は高度に保存されて
いる(アミノ酸組成に関して)ので、5−ヘリックスおよびその変異型は種々の
HIV臨床株を広範に中和するようであり、これにより治療に有用である。
【0026】 公知の構造のgp41外部ドメインに基づく5−ヘリックスタンパク質は、1
つの実施形態では、共有結合した3つのN−ペプチドおよび2つのC−ペプチド
からなり、C−ペプチドで占められる3 つのC−ヘリックス結合部位のうちの2
つを有するN−ヘリックス中心の実質的な部分に折りたたむように配置されてい
る。N−ペプチドの残りのC−ペプチド結合部位は暴露している。この部位は、
40アミノ酸長のエピトープを暴露している。さらに、N−ペプチド中心が外側
の2つのC−ペプチドによって固定されているので、この部位の骨格原子は構造
化された高次構造中に強固に保持されていると予想される。
【0027】 アミノ酸の一文字表記により、5−ヘリックスの1つの実施形態のアミノ酸配
列を以下に示す: (配列番号:1)
【0028】 アミノ酸の一文字表記により、6−ヘリックスのアミノ酸配列を以下に示す: (配列番号:2)
【0029】 5−ヘリックスタンパク質を、種々の方法で作製することができる。例えば、
実施例1に記載のように、酵素(トリプシン)消化によってより大きなタンパク
質(6−ヘリックスなど)から作製することができる。あるいは、公知の方法お
よび発現系を使用して、全5−ヘリックスタンパク質をコードする1つのDNA
または2つもしくはそれ以上のDNA「単位」(それぞれN−ヘリックスタンパ
ク質の一部(例えば、1つまたは複数のN−ヘリックス、1つまたは複数のC−
ヘリックス)をコードする)であり得る5−ヘリックスタンパク質コードDNA
の発現によって作製することができる。大腸菌などの適切な宿主細胞における5
−ヘリックス遺伝子の直接発現によって5−ヘリックスの発現率および精製率を
有意に改善することができる。このアプローチでは、5−ヘリックス遺伝子は、
最終的な5−ヘリックスタンパク質中に存在する残基をコードする。C−末端H
isタグを結合して精製を容易にすることができる(その後タグを除去するプロ
テアーゼ開裂部位を有するまたは有しない)。次いで、6−ヘリックスから出発
する5−ヘリックスの作製に必要なタンパク質分解を生ずる開裂工程および折り
たたみ工程を用いないで直接タンパク質を使用することができる。この5−ヘリ
ックス分子を、折りたたまれた活性分子として発現させることができ、これによ
り生物学的選択またはスクリーニングで使用してその性質を至適化することがで
きる。あるいは、タンパク質合成法を使用して、5−ヘリックスタンパク質を作
製することができる。5−ヘリックスの5つのヘリックスを、(少なくとも1つ
(1つまたは複数)のアミノ酸残基のリンカー手段または他の手段などによって
)共有結合させて、生理学的条件下で安定で、5−ヘリックスの残りの表面がC
34ペプチドの結合に利用可能なように存在するように正確に折りたたまれたタ
ンパク質を形成することができる。3つのN−ヘリックスおよび2つを超える(
しかし、3つの完全体未満)のC−ヘリックスが存在する実施形態では、ヘリッ
クスを同様に結合することができる。
【0030】 5−ヘリックスは、N−およびC−ヘリックス領域の両方ならびにリンカー成
分に広範な種々の配列を有することができ、これは、L−アミノ酸残基、D−ア
ミノ酸残基、またはL−およびD−アミノ酸残基の組み合わせで構成可能である
。アミノ酸残基を改変することができる。5−ヘリックスは、ヘリックスおよび
リンカーの残基に加えてアミノ酸残基を含み得る(例えば、分子の安定化のため
)。本明細書中に記載の5−ヘリックスを安定性および活性を向上させるように
変化させることができるようである。N−およびC−ヘリックスに連結させるル
ープのデザイン(長さおよび組成の両方)の小さな変化およびN−およびC−ヘ
リックスの正確な境界は、5−ヘリックスの安定性、収量、および活性に有意な
効果を有するようである。
【0031】 現在構築されているものと同様に、5−ヘリックスは、N−ヘリックス中心に
沿って40個のアミノ酸が取り囲んでいるC−ペプチド結合部位を暴露している
。5−ヘリックス(あるいは関連分子)上のC−ペプチド結合部位のより短いセ
グメントを暴露するストラテジーには、より長い暴露したエピトープへの短いC
−ペプチド配列を結合することを含む。この型の分子は、N−ヘリックス中心に
沿ったより短いエピトープに対して特異的に標的化された薬物の開発の一助とな
り得る。例えば、1つのポケット領域(IQN17に見られるものと類似;D.
M.Eckertら、Cell、99、103〜115(1999))を、そこ
(C34の最初の約10残基程度)に結合する残基を欠くC−ペプチドに結合す
ることによって5−ヘリックス中に暴露されうる。これらの短いC−ペプチド配
列は、共有結合の架橋または暴露したエピトープの一部を被覆するために5−ヘ
リックス配列を単に伸長することを含む種々の手段によって5−ヘリックスに結
合することができる。
【0032】 5−ヘリックスは種々の状況で有用である。本明細書中に記載のように、5−
ヘリックスは、ウイルス膜融合の強力なインヒビターであるので、ウイルスがH
IV感染細胞に作用する細胞に侵入する前に(現在の実用的治療とは異なる)ウ
イルスに作用する。5−ヘリックスは可溶性であり、本明細書中に記載の条件下
で安定であることが認められた。腎臓でのクリアランス速度を減少させるために
分子量を増加させた5−ヘリックス変異型を作製する(オリゴマー形成または巨
大タンパク質を結束することによる)ことも可能なはずである。さらに、5−ヘ
リックス二量体をジスルフィド架橋によって作製して、5−ヘリックス「単量体
」よりも小さな範囲に濾過した分子を作製することができる。したがって、C−
ペプチドのものと比較した場合、二量体は生物学的利用能が向上していると予想
するのが妥当である。
【0033】 5−ヘリックスは、ウイルス侵入後のウイルスタンパク質を標的とする標準的
な治療と異なり、ウイルスの細胞への侵入を防止するので、5−ヘリックスを予
防的に使用して感染を予防するか感染を生じる範囲を減少させることができる。
このような治療の1つの用途は、病院などで起こり得るニードルスティックによ
る損傷またはHIVで汚染した針を共有する状況である。例えば、細胞へのHI
V侵入を予防または減少させるために針を刺し且つHIVに感染しているか感染
しているかもしれない個体に十分量の5−ヘリックス(治療有効量)を1回また
は複数回で投与することができる。5−ヘリックスを、例えば、静脈内注射また
は筋肉内注射によって投与することができる。
【0034】 本発明の1つの実施形態では、5−ヘリックスを使用して、個体のHIV感染
を減少させる。この実施形態では、個体の細胞のHIV感染を(全体的または部
分的に)減少させるのに十分な量で、5−ヘリックス自体または適切な宿主細胞
またはベクターでの5−ヘリックスコードDNAの発現を介してのいずれかによ
って5−ヘリックスを個体に投与する。すなわち、HIV感染を減少するのに十
分な用量(有効用量)の5−ヘリックスを、細胞へのHIV侵入を(全体的また
は部分的に)阻害する様式(例えば、注射、局所投与、静脈内経路)で投与する
。1つの実施形態では、個体への5−ヘリックスタンパク質を発現する細胞の導
入により遺伝子治療アプローチを使用して有効用量を得る。5−ヘリックスを、
さらなる感染を減少させるためにHIV感染した個体に投与するか、感染を予防
するか感染が生じる範囲を減少させるために感染していない個体に投与すること
ができる。
【0035】 適切な担体(例えば、生理学的に許容されうる緩衝液)中に5−ヘリックスを
含む医薬組成物は、本発明の主題である。医薬組成物は、予防および治療目的に
有用であり、種々の経路(例えば、注射、局所投与、静脈内経路)を介して投与
することができる。
【0036】 5−ヘリックスは、1つのインタクトなC−ヘリックス結合部位を示すので、
膜融合を阻害する薬物のスクリーニングに有用である。5−ヘリックスは、IQ
N17が暴露するよりもより大きく且つ強固な潜在的薬物のスクリーニング標的
を暴露している。この分子6−ヘリックスおよび5−ヘリックス(D4)は、こ
れらの研究における有用なネガティブ対照である。
【0037】 5−ヘリックス暴露エピトープを、抗体(特に、公知の方法を使用した中和抗
体)産生用の抗原として使用することができる。抗体は、モノクローナルまたは
ポリクローナルであり得る。
【0038】 5−ヘリックスの血清安定性を、その治療可能性を確認するために公知の方法
を用いて試験することができる。5−ヘリックスが分解している場合、最も有望
な攻撃/分解部位は、グリシン/セリンリンカー領域である。この場合、異なる
リンカー領域を分解して試験することができる(以下を参照のこと)。これらの
抗5−ヘリックスの血清および腹水の阻害能力を、標準的な融合アッセイを使用
して試験することができる。
【0039】 5−ヘリックスの外側の表面は例えば、生物学的利用能を向上させ、毒性を減
少させ、免疫クリアランスを回避するために変化させることができる。5−ヘリ
ックスは強力な阻害活性を示すが6−ヘリックスの束は示さないので、これは阻
害を担うポケット領域を含む暴露した溝である。残りの分子は、単に暴露した溝
を表示するための足場を提供している。したがって、この足場を、5−ヘリック
スの阻害活性に有害な影響を与えること無く改変することができる。足場の改変
により、いくつかの利点を得ることができる。第1に、5−ヘリックスの複数回
投与が必要な手順を容易にする。例えば、抗HIV治療薬として5−ヘリックス
を使用する場合、複数回投与が必要であり得る。投与の延長後、個体は身体から
のそのクリアランスを増大させると考えられる5−ヘリックスに対する抗体を産
生し得る。複数のバージョンの5−ヘリックスの有用性は、既存の抗体を避ける
ことにより、この問題を回避することを助ける。第2に、例えば、足場があまり
免疫原性を示さない外側の表面上のグリコシル化部位の導入によって5−ヘリッ
クスのバージョンを設計可能であり得る。ワクチン研究用に、この改変は、足場
とは対照的に暴露した溝に免疫応答を偏向させる一助となる。
【0040】 gp41のC−ヘリックス領域の結合によりHIV感染が防止されるという所
見により、HIVワクチンを構築するためのストラテジーが示唆される。C−ペ
プチドによるHIV阻害アナログである5−ヘリックスは、前ヘアピン中間体と
呼ばれるgp41の融合中間体への結合によってgp41を阻害するようである
。C−ペプチドインヒビターはこの中間体のN−ペプチド領域に結合することに
よって機能する一方で、5−ヘリックスはC−ペプチド領域に結合することによ
って機能するようである。これらの検討材料により、gp41のC−ペプチド領
域がHIV侵入インヒビター開発用の良好な薬物標的であることが強く示唆され
る。さらに、中和抗体を惹起させるための免疫原としてC−ペプチドベースの構
築物を使用することが可能である。5−ヘリックスの場合、阻害の標的は、C−
ペプチド領域のヘリックス高次構造であるが、C−ペプチド領域の他の高次構造
を標的する試薬もまた阻害活性を示し得る。
【0041】 最近のワクチン研究(R.A.LaCasseら、Science,283、
357〜362(1999))は、エンベロープ媒介融合過程の中間体が中和抗
体を強く惹起することができることを示唆している。このような融合中間体に対
する抗体は、エンベロープタンパク質の保存領域を標的化し、それゆえ、広範な
範囲のウイルス株を中和するようである。C−ペプチド領域に対する抗体は、高
度に保存され且つ融合過程に重要な領域を標的化する。
【0042】 ヘアピン三量体は、多数のウイルス膜融合タンパク質の共通の特徴である。こ
れは、インフルエンザ、エボラ、SV5(シミアンパラインフルエンザウイルス
5)、およびRSV(ヒト呼吸器合胞体ウイルス)の結晶構造で認められている
。さらに、レトロウイルス、パラミクソウイルス、およびフィロウイルスファミ
リーの多数の他のメンバーが、このモチーフを含むと予想されている。関連する
脊椎動物小胞融合タンパク質に類似の構造が認められている。本明細書中に記載
の基本的ストラテジーを、融合を阻害するためにこれらの任意の系に適用するこ
とができる。本発明の1つの主題は、ウイルスとウイルスエンベロープタンパク
質(例えば、ウイルスエンベロープタンパク質のC−ペプチド領域)に結合して
エンベロープ化(enveloped) タンパク質のヘパリン三量体形成を阻害する薬物と
の接触によるエンベロープを有するウイルス(ウイルスエンベロープタンパク質
を含むウイルス)のヘアピン三量体の形成阻害方法である。
【0043】 本発明を、以下の実施例によって例示するが、これらは決して本発明の制限を
意図しない。
【0044】 実施例1:5−ヘリックスの産生 5−ヘリックスのデザインは、N36/C34 6−ヘリックス束状構造に基
づいた(D.C.Chanら、Cell、89、263〜273、1997)。
5−ヘリックスのために、各ペプチド領域をそのN末端上の3つの残基およびそ
のC末端上の1つの残基によって伸長し(N36およびC34と比較)、最終的
なN40およびC38セグメントを作製した(それぞれHIV−1 HXB2
gp160の代表的な残基543〜582および625〜662)。N40の後
ろに−GGSGG−リンカー、C38の後ろに−GSSGG−リンカーを使用し
て3つのN40および2つのC38セグメントを連結させた。全ての構築物は、
翻訳開始用のN末端Metを含む。C末端のみが異なる以下の2つの異なる5−
ヘリックスタンパク質をこの研究のために作製した:(i)−GG(H)6で終
わるHisタグ化5−ヘリックスおよび(ii)−GGRで終わる非タグ化5−
ヘリックス。さらに、トリプシン切断リンカー(−GGR−)によって5−ヘリ
ックス骨格をHisタグ化C−ペプチド(C37−H6)(実施例4を参照のこ
と)に連結した6−ヘリックスと呼ばれる第3の構築物を作製した(図10およ
び11A〜11Cを参照のこと)。
【0045】 全てのDNA構築物を、大腸菌XL1−Blue(recA株、Strata
gene)を使用してpAED4ベクター[D.S.Doering、P.Ma
tsudaira、Biochemistry、35、12677〜12685
、1996]に連続的にクローン化したPCRカセットから構築した。全てのタ
ンパク質を、IPTG(0.4M)で3時間誘導する前に2×YT中で0.5〜
0.7のOD(590nm)まで増殖させた大腸菌RP3098株で組換え発現
させた。細菌ペレットを、完全無EDTAプロテアーゼインヒビタータブレット
(Roche)を補足したTris/NaCl緩衝液(Qiaexpressi
onist booklet、1999年3月、Qiagen)に再懸濁し、そ
の後精製する日まで−20℃で凍結した。解凍した再懸濁物を溶解し(超音波処
理またはフレンチプレス)、遠心分離して(35,000×gで30分間)、封
入体から可溶性画分を分離した。
【0046】 Hisタグ化5−ヘリックス(プラスミドp−5HelixH6から作製)を
、8M尿素のTBS(50mMのTris(pH8.0)、100mMのNaC
l)および10mMイミダゾール溶液に再懸濁した封入体から直接精製した。混
合物を遠心分離(35,000×gで30分間)によって明澄化後、室温でNi
−NTAアガロース(Qiagen)カラムに結合させた。40ml(約5カラ
ム体積)の6M尿素/TBS/100mMイミダゾール溶液でタンパク質を溶出
した。室温での1リットルの20mMのTris(pH8.0)撹拌溶液の滴下
によってタンパク質の再折り畳みを行った。次いで、再折りたたみタンパク質を
、Ni−NTAアガロースカラムの通過によって再濃縮し、20ml(約2カラ
ム体積)の100mMイミダゾールのTBS溶液で溶出した。
【0047】 非タグ化5−ヘリックスを6−ヘリックスのタンパク質分解によって産生し(
以下を参照のこと)、5−ヘリックス/C37−H6複合体を作製した。トリプ
シン消化後(TBS中に1:200の重量比、室温で1時間、Sigma)、5
−ヘリックス/C37−H6複合体をNi−NTAアガロースに結合させ、大規
模に洗浄して過剰なトリプシンを除去した。ビーズを8MのGuHCl/TBS
中に再懸濁し、加熱(70℃)して複合体を変性させた。変性5−ヘリックスを
含む非結合画分を、8M尿素/20mMのTris(pH8.0)(室温で4時
間)および4M尿素/20mMのTris(pH8.0)(4℃で一晩)で連続
的に透析した。タンパク質をDEAEカラム(Fastflow、Pharma
cia)にロードし、室温で4時間20カラム体積で逆尿素勾配(4M〜0M尿
素の20mMのTris溶液(pH8.0))で運転した。NaCl勾配(0〜
300mM)の20mMのTris溶液(pH8.0)(10カラム体積)を使
用してタンパク質をDEAE樹脂から溶出した。6−ヘリックス(プラスミドp
−6へリックスから作製)を、細菌溶解物の可溶性画分から直接精製した。溶液
をNi−NTAアガロースカラムに通し、10カラム体積のイミダゾール勾配(
10〜250mM)のTBS溶液で溶出した。
【0048】 すべてのタンパク質について、TBS中でのゲル濾過(Sephacryl
S200HRまたはSuperdex75)によって凝集物から単量体を分離し
た。SDS−PAGEで判断したところタンパク質は95%を超える純度であり
、少なくとも3mg/mlに濃縮することができる。すべてのペプチドおよびタ
ンパク質の濃度を、6MGuHCl中での280nmでの吸光度によって同定し
た[H.Edilhoch,Biochemistry6、1948〜1954
、(1967)。]
【0049】 実施例2:5−ヘリックス/C−ペプチド相互作用の特異性および膜融合の5−
ヘリックスによる阻害の評価 5−ヘリックス/C−ペプチド相互作用の特異性を、Hisタグ化C−ペプチ
ド(大腸菌中で独立して発現し、逆相HPLCで精製したC37−H6)および
Ni−アガロース沈殿を使用して試験した。30μMのC37−H6を含むTB
S中で、Ni−アガロースによって16μMの5−ヘリックスが完全に沈殿する
。150μMのC34(Hisタグを含まない、化学合成し、HPLCで精製)
の添加により、5−ヘリックスの沈殿量が実質的に減少する。C37−H6とC
34との有効な競争は、5−ヘリックスが特異的様式でC−ペプチドに結合する
ことを示す。CD実験および競合結合アッセイにより、5−ヘリックスが予想さ
れた高次構造に折りたたまれていることが示唆される。すなわち、これらの結果
は、5−ヘリックスが暴露したC−ペプチド結合部位を含むという予想を支持す
るものである。
【0050】 5−ヘリックスがgp41のC領域と相互作用して融合タンパク質の融合を阻
害する能力を評価するアッセイを行った。5−ヘリックスおよび6−ヘリックス
によるこの膜融合の阻害を、細胞ベースアッセイを使用して評価した。タンパク
質5−ヘリックスおよび6−ヘリックスを、5%FCSを含む改変DMEM培地
で連続希釈し、スライドチャンバーに等分した。Tatプロモーターの調節下で
CD4および補助受容体を発現し、βガラクトシダーゼ遺伝子を含むHELA細
胞(4×104 )を添加する。gp160(gp120/gp41の前駆体タン
パク質)およびTatを発現するCHO細胞(2×104 )も添加する。400
μlのミニ培地を37℃で8〜24時間インキュベートし、融合細胞(シンシチ
ウム)はβガラクトシダーゼを転写および翻訳する。グルタルアルデヒド中に細
胞を固定し、X−gal/Fe溶液に1時間暴露する。βガラクトシダーゼを含
むシンシチウムは、青緑色に変色する。このアッセイでは、5−ヘリックスは、
シンシチウム形成の強力な阻害を示している(IC50は10〜20nM;あるア
ッセイでは13nMのIC50であった)。6−ヘリックスは1μMの濃度でさえ
感知できるほどには融合を妨害しない。
【0051】 阻害剤としての5−ヘリックス暴露エピトープの特異性を評価し、汚染物質を
除外するために、C−ペプチドとの混合実験を行った。濃度200nMの5−ヘ
リックスを、100、166、190、および210nMのC34と混合する。
使用濃度では、遊離の5−ヘリックスおよび遊離のC34は、ミニ培養物中のほ
とんど全てのシンシチウムを阻害するはずである。C34が5−ヘリックスに対
して過剰にある(すなわち、210nM)5−ヘリックス/C34混合物では、
C34濃度が5−ヘリックス濃度より低い5−ヘリックス/C34混合物におけ
るシンシチウム形成は妨害されない。それに対して、6−ヘリックスの存在下で
はC34は全てのシンシチウム形成をブロックする。
【0052】 5−ヘリックスおよび6−ヘリックスの阻害可能性を、ウイルス融合実験で再
現した。ルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むように改変したHIVを、希釈
タンパク質の存在下、37℃で6時間CD34および補助受容体を発現するヒト
骨肉種(HOS)細胞と混合する。ウイルス溶液を交換し、HOS培養物を新鮮
な培地中で48時間以上インキュベートする。ルシフェラーゼ活性はルミノメー
ターで測定する。このアッセイでは、5−ヘリックスは10nM未満のIC50
ルシフェラーゼ活性を阻害する。また、6−ヘリックスは、1μMまで感知でき
るほどの妨害を示さない(図3Aおよび3C)。
【0053】 実施例3:5−ヘリックス(D4)のデザインおよび評価 5−ヘリックス(D4)では、Hisタグ化5−ヘリックスのC−ペプチド結
合部位中の4つの非常に保存された残基(Val549、Leu556、Gln
563、およびVal570)を、最後の(第3の)N40セグメント中でAs
pに変異させた。構築物[p−5Helix(D4)]を組換え発現し、His
タグ化5−ヘリックスと同一の様式で精製した。Hisタグ化5−ヘリックスお
よび5−ヘリックス(D4)タンパク質は、同一の楕円率を有し:(共に、4℃
のTBS中で[θ]222 =−28,100±1500deg cm2 dmol -1 (約100%の推定ヘリックス含有率))、両タンパク質は、TBS中での熱
変性(98℃を超えるTm)および25℃でのGuHCl化学変性(Cm値は5
−ヘリックス(D4)で約6M、Hisタグ化5−ヘリックスで約7.2M)に
対して非常に安定である。5−ヘリックス(D4)の安定性がわずかに減少した
のは、この状況で5−ヘリックス表面上の大部分が疎水性の溝(groove)の中に
存在するAsp残基のヘリックス傾向の低さおよび電荷に影響を反映しているよ
うである。
【0054】 実施例4:Hisタグ化C−ペプチドC37−H6 ペプチドC37−H6は、以下の配列のHisタグ化Cペプチドである: GGHTTWMEWDREINNYTSLIHSLIEESQNQQEKNEQ
ELLGHHHHHH(配列番号5)。このペプチドはHIV−1 HXB2残
基625〜661(下線)に由来し、全C34配列(W628〜L661)を含
む。C37−H6を−GGR−リンカーでC37−H6に結合された1つのN4
0セグメントからなる組換え発現構築物p4−NC1.1のトリプシン消化から
作製する。発現後、NC1.1を、6−ヘリックスと同一の様式で細菌溶解物の
可溶性画分から精製する。トリプシン消化(非タグ化5−ヘリックスと同一の条
件)によりC37−H6が得られ、次いで、Vydac C−18カラムおよび
直線勾配の、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水溶液を使用した
逆相HPLCによって均一に精製する。C37−H6の同一性を、質量分析(M
ALDI−TOF、PerSeptive)によって確認した。C34と同様に
、C37−H6は、HIV−1膜融合の強力なインヒビターである(細胞−細胞
融合アッセイにおいてIC50は約1nM)。
【0055】 図2A〜2Dのデータを、5−ヘリックスの非タグ化変形形態を使用して作製
したが、Hisタグ化変形形態と類似の結果が得られた(実施例3を参照のこと
)。特記しない限り、TBS緩衝液中でCD(Aviv62DS)実験を行った
。図2Bでは、タンパク質濃度は、TBSサンプルについては1mMであり、G
uHCl/TBSサンプルについては0.54mMであった。図2Dでは、1m
lチャンバー(4.375mm/チャンバー光路長)を有する石英混合セル(H
elma)を使用した。混合前の20mMのTris(pH8.0)/250m
MのNaCl中のポリペプチド濃度は5.9mMの(5−ヘリックス)および6
mMの(C37−H6)であった。
【0056】 16mM非タグ化5−ヘリックス、30mMのHisタグ化C37−H6、お
よび/または150mMのC34を含む20mlのTBS中で5−ヘリックス沈
殿実験(図2C)を行った。Ni−NTAに溶液を添加し、室温で10分間イン
キュベートした。非結合上清を除去後、1mlのTBSでビーズを2回洗浄し、
500mMのイミダゾールで溶出した。Ni結合および非結合サンプルを、16
.5%Tris−トリシンポリアクリルアミドゲル(Biorad)上で泳動し
、Gel−code Blue(Pierce)で染色した。
【0057】 実施例5:Hisタグ化5−ヘリックス 図3A〜3Cの全てのデータを、Hisタグ化5−ヘリックスを使用して作製
した(実施例1を参照のこと)。細胞−細胞融合アッセイ(図3B)を記載のよ
うに行った(D.C.Chanら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA95、15613〜15617、1998)。以前に詳述されたアッセイ(
D.C.Chanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、95、
15613〜15617、1998)を少し改変した組換えルシフェラーゼレポ
ーターアッセイを使用してウイルス感染阻害を研究した。簡単に述べれば、エン
ベロープ欠失HIV−1ゲノムNL43LucR- - [B.K.Chenら、
J.Viol.、68、654〜660、1994]および以下の4つのgp1
60発現ベクターのうちの1つ:pCMV−HXB2(D.C.Chanら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA、95、15613〜15617
、1998)、pEBB−JRFL(B.K.Chenから提供)、pSVII
I−UG024.2、およびpSVIII−RW020.5で共トランスフェク
トした293T細胞から偽型ウイルスを作製した。プラスミドpSVIII−U
G024.2およびpSVIII−RW020.5を、NIH AIDS試薬プ
ログラム(F.Gao、B.Hahn、およびDAIDS、NIAID)から獲
得し、これは初代HIV−1単離物由来のエンベロープタンパク質をコードする
。ウイルスを含む上清を以前に記載のように調製し(D.C.Chanら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA95、15613〜15617、1
998)、これを使用してHOS−CD4細胞(HXB2およびUG024.2
)またはHOS−CD4−CCR5細胞(JRFLおよびRW020.5)のい
ずれかを感染させた。HIH AIDS試薬プログラム(N.Landau)か
ら細胞を得た。図3Aでは、標準的な24ウェル形式でウイルス感染性アッセイ
を行った(D.C.Chanら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A95、15613〜15617、1998)。図3Cのデータを、以下の96
ウェル形式で行ったアッセイから得た:ウイルス含有上清(10ml)および培
地(90ml)を50%の密集度のHOS細胞上に被せた。37℃で2日間のイ
ンキュベーション後、100mlの溶解緩衝液(ルシフェラーゼアッセイシステ
ム、Promega)中に細胞を回収し、製造者のプロトコールに従ってその1
0mlを分析した。ラングミュア関数[標準化ルシフェラーゼ活性=1/(1+
[5−ヘリックス]/IC50)]への5−ヘリックス滴定データの適合によって
IC50値を計算した。
【0058】 本発明を、特に好ましい実施形態を参照して表示および記載しているが、添付
の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲を逸脱することなく形態および詳細の
種々の変更を行うことができることが当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび図1Bは、HIV−1膜融合の標的化を示す。図1Aは、gp4
1ヘアピン三量体の形成を促進する事象を示すHIV−1膜融合の略図である。
天然の状態では接近不可能なgp41(赤)のN末端融合ペプチドを、CD4お
よび補助受容体とのgp120の相互作用後に標的細胞膜に挿入する(示さず)
。前ヘアピン中間体の構造は、N末端コイルドコイル(灰色)(C−ペプチド阻
害の標的)が暴露している。この一過性構造がヘアピン三量体状態に崩壊して、
膜が融合して密接に並行に配置される。図1Bは、5−ヘリックス構築物のデザ
インを示す。リボン図(上)は、ヘアピン三量体の中心構造(左およびD.C.
Chanら、Cell 89、263〜273(1997))および5−ヘリッ
クスモデル(右)を示す。内側の灰色のヘリックスはN36ペプチドを示し、外
側の青色のヘリックスはC34ペプチドを示す。5−ヘリックスモデルでは1つ
のC−ペプチドが取り除かれており、橙色の線を引いてヘリックス間の接続を示
す。5−ヘリックスのデザインでは、短いGly/Serペプチド配列(図の下
の灰色のバー)によってN40およびC38配列(一文字アミノ酸記号で示す)
が交互に結合している(実施例1を参照のこと)。
【図2】 図2A〜図2Dは、5−ヘリックスの性質を示す。図2Aは、25℃での5−
ヘリックス(10μM)の円偏光二色性(CD)スペクトルである。このスペク
トルは、5−ヘリックスタンパク質がデザインから予想される95%を超えるヘ
リックス含有率を使用していることを示している。図2Bは、TBS(黒四角)
および3.7Mグアニジン(Gu)HCl/TBS(白四角)における222n
mでの楕円率によってモニターした5−ヘリックスの熱変性のグラフである。G
uHCl溶液で認められた変性は、90%を超えて可逆性である。図2Cは、H
isタグ化C−ペプチドでの5−ヘリックスのニッケル(Ni)−NTA沈殿の
結果を示す。非タグ化5−ヘリックスおよびHisタグ化C−ペプチド(C37
−H6と示す)をNi−TNAアガロースを添加する前に混合し、C37−H6
を含む複合体を沈殿させた(レーン1および5ならびに実施例4)。過剰な非タ
グ化C−ペプチド(C34)の添加により、5−ヘリックス分子が結合画分から
非結合画分に変化する(レーン2および6)。図2Dは、混合キュベットでの混
合前(黒四角)および混合後(白丸)の5−ヘリックスおよびC37−H6のC
Dスペクトルである。混合による222nmでの楕円率の増加は、全体のヘリッ
クス含有率が増加する(会合したC−ペプチドあたりのさらなる28ヘリックス
残基に対応する)2種間の相互作用を示す。
【図3】 図3A〜図3Cは、実施例2に記載のHIV−1エンベロープ媒介膜融合の5
−ヘリックス阻害の評価結果を示す。図3Aは、実施例3および5に記載の5−
ヘリックス(黒四角)、6−ヘリックス(白三角)、および5−ヘリックス(D
4)(白丸)によるウイルス感染性の滴定評価の結果を示す。データを、2つま
たはそれ以上の個別の実験の平均±SEMで示す。図3Bは、5−ヘリックスお
よびC34の拮抗阻害活性のグラフである。シンシチウム数を、表示濃度の5−
ヘリックス、C34、もしくは5−ヘリックスとC34との混合物の存在下また
は不在下で行った細胞−細胞融合アッセイで測定した。このアッセイでの5−ヘ
リックスおよびC34のIC50値は、それぞれ13±3nMおよび0.55±0
.03nMである(D.C.Chanら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 95、15613〜15617(1998))。データは、対照以
外の二連の測定の平均および平均の範囲を示している(5つの測定値の平均±S
EM)。図3Cは、異なるHIV−1エンベロープ糖タンパク質を含む偽型ウイ
ルスの5−ヘリックス阻害の評価結果を示す。報告したIC50値は、3つの独立
した実験の平均±SEMで示す。
【図4】 図4は、5−ヘリックスとgp41のC−ペプチド領域との相互作用を示すヘ
リックスのホイール図である。各ヘリックス中のa〜gの位置は、各配列中の4
,3−疎水性の7残基反復中の連続した位置を示す。gp41 C−ペプチド中
のaおよびdの位置は、5−ヘリックスのN40コイルドコイル上に暴露したe
およびgの位置と相互作用する。HIV−1、HIV−2、およびSIV単離物
由来の247配列(HIV−1配列データベース、2000年8月、ロスアラモ
ス国立研究所)のアラインメントから決定した保存の程度にしたがって残基を囲
む:黒四角(>90%同一)、灰色の四角(>90%保存的置換)、点線の四角
(70〜90%保存)、囲み無し(<70%保存)。図4の作成において、以下
のアミノ酸残基群内の置換を保存的置換とみなした: [Asp、Glu]、[
Lys、Arg]、[Asn、Gln]、[Phe、Tyr]、[Ser、Th
r]、および[Val、Ile、Leu、Met]。gp41のC−ペプチド領
域のaおよびdの位置での高い保存度、C−ペプチド領域の他の位置(特にcお
よびg)で著名に欠如している特性は、5−ヘリックスの結合に直接関与しない
ことに留意のこと。
【図5】 図5は、HIV gp41の構造の編成である。ヘリックス領域(7残基反復
)を灰色で示し、N−(N36)およびC−(C34、DP178)ペプチドの
相対的な位置を示す。ヘリックス領域のリボン図では、N−ペプチドを淡灰色で
示し、C−ペプチドを濃灰色で示す。
【図6】 図6は、6−ヘリックスおよび5−ヘリックスの配列である。推定ヘリックス
セグメントを、配列の積み重ねによって示す。
【図7】 図7は、5−ヘリックスの可能なαヘリックス編成の1つのリボン図である。
N−ヘリックス三量体は淡灰色であり、C−ヘリックス領域は濃灰色であり、伸
長ループ領域は黒色である(D.C.Chanら、(Cell 89、263〜
273(1997)の構造に基づく)。
【図8】 図8は、細胞−細胞融合アッセイ滴定実験の画像を示す。画像中、シンシチウ
ム(融合細胞を示す)は青色、破片は褐色である。
【図9】 図9は、細胞−細胞融合アッセイ競争実験の画像を示す。漸増量のC34ペプ
チドと共に200nMの6−ヘリックスまたは5−ヘリックス中でインキュベー
トした培養物についてのシンシチウムの量を記録する。
【図10】 図10は、5−ヘリックス構築物のデザインを示す図である。この略図は、基
本的5−ヘリックス構築物の結合パターンを示す。3つの異なるC末端を付加し
た。6−ヘリックスでは、Hisタグ化C−ペプチドを、5−ヘリックスに結合
させて、ヘアピン三量体の完全な6−ヘリックス束を模倣する。N40およびC
38配列(短いGly/Serリンカーを使用して交互に連結した)は、HIV
HXB2 gp41のN−およびC−ペプチド領域に由来する。(赤色および
青色で囲んだ残基は、それぞれN36(配列番号:11)およびC34(配列番
号:12)のペプチド配列を示す。)
【図11】 図11A〜図11Cは、本発明のペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1〜1
0)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/06 G01N 33/15 Z 4H045 C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 C12N 5/00 E 33/50 A61K 37/02 // C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),CA,J P,US (72)発明者 ケイ,マイケル,エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139 ケンブリッジ,アパートメント 3エフ,メイン ストリート 884 (72)発明者 チャン,デービッド,シー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02446 ブルックリン,ケント ストリー ト ナンバー38 205 (72)発明者 キム,ピーター,エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02420 レキシントン,バスキン ロード 48 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA13 BB03 BB20 CB21 DA36 4B024 AA01 CA02 CA20 DA06 EA04 GA11 4B063 QA18 QQ08 QQ20 QR48 QR77 4B065 AA93X AA97X BD32 CA44 4C084 AA02 AA07 BA01 BA21 BA22 BA23 DA01 NA14 ZB09 ZC55 4H045 AA10 AA30 BA10 BA19 CA05 EA29 FA74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理学的条件下で溶解しうる、かつHIV gp41のヘア
    ピン構造の三量体の3つのN−ヘリックスと少なくとも2つ、しかし完全な3つ
    ではない、C−ヘリックスとから構成され、該成分ヘリックスがリンカーで分離
    されている、5−ヘリックスタンパク質。
  2. 【請求項2】 リンカーが少なくとも1つのアミノ酸残基リンカーを含む、
    請求項1記載の5−ヘリックスタンパク質。
  3. 【請求項3】 HIV gp41のC−ペプチド領域に結合する、請求項2
    記載の5−ヘリックスタンパク質。
  4. 【請求項4】 HIV gp41のヘアピン構造の三量体の3つのN−ヘリ
    ックスと2つのC−ヘリックスとを含む、請求項2記載の5−ヘリックスタンパ
    ク質。
  5. 【請求項5】 配列番号:1を含む5−ヘリックス。
  6. 【請求項6】 HIV gp41のヘアピン構造の三量体の3つのN−ヘリ
    ックスと3つのC−ヘリックスとを含み、該成分ヘリックスがリンカーで分離さ
    れている、6−ヘリックス。
  7. 【請求項7】 配列番号:2を含む6−ヘリックスタンパク質。
  8. 【請求項8】 5−ヘリックスに結合し、かつ哺乳類細胞のHIV感染を阻
    害する化合物または分子を同定する方法であり、該評価対象の化合物または分子
    は候補インヒビターと称され、候補インヒビターと5−ヘリックスとの結合が生
    じるのに適当な条件下で候補インヒビターと5−ヘリックスとを混合して、結合
    が生じるかを決定し、結合が生じている場合には、該候補インヒビターが5−ヘ
    リックスに結合する化合物または分子である方法。
  9. 【請求項9】 さらに5−ヘリックスに結合する化合物または分子が細胞系
    アッセイにおける哺乳類細胞のHIV感染を阻害するかを決定する工程を含む、
    請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 適当な経路により、5−ヘリックスと生理学的に許容され
    うる担体とを含有する組成物を、個体での免疫応答を誘発するのに十分な用量で
    導入する工程を含む、個体でのHIVへの免疫応答を誘発する方法。
  11. 【請求項11】 HIV gp41のC−ペプチド領域に結合し、哺乳類細
    胞のHIV感染を阻害する5−ヘリックス。
  12. 【請求項12】 ヒト細胞のHIV感染を阻害する請求項9記載の5−ヘリ
    ックス。
  13. 【請求項13】 ヘアピン構造のHIV gp41三量体の形成を妨げ、細
    胞のHIV感染を阻害する、5−ヘリックス。
  14. 【請求項14】 ウイルス感染性アッセイ、細胞−細胞融合アッセイまたは
    両者で測定されるように、HIVおよび哺乳類細胞膜の融合を阻害する5−ヘリ
    ックス。
  15. 【請求項15】 哺乳類細胞膜がヒト細胞膜である、請求項14記載の5−
    ヘリックス。
  16. 【請求項16】 ウイルス感染性アッセイまたは細胞−細胞融合アッセイで
    測定される場合、ナノモルIC50でタンパク質がHIV膜融合を阻害する、請求
    項14記載の5−ヘリックス。
  17. 【請求項17】 HIV gp41のC−ペプチド領域に結合する5−ヘリ
    ックスを個体に投与する工程を含む、個体における中和抗HIV応答を誘発する
    方法。
  18. 【請求項18】 5−ヘリックスを、5−ヘリックスがHIV gp41の
    C−末端領域に結合するのに十分な量、かつ適当な経路で個体に投与する工程を
    含み、それにより細胞のHIV膜融合およびHIV感染が阻害される、個体にお
    ける細胞のHIV感染を阻害する方法。
  19. 【請求項19】 HIV gp41のヘアピン三量体の形成を阻害する薬剤
    を個体に投与する工程を含み、それによりHIV膜とヒト細胞膜との融合を阻害
    する、個体におけるHIV膜とヒト細胞膜との融合を阻害する方法。
  20. 【請求項20】 薬剤が5−ヘリックスであるか、または5−ヘリックスと
    類似の結合特性を有する中和抗体である、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 ウイルスと、ウイルスエンベロープタンパク質に結合し、
    エンベロープを有するウイルスのヘアピン三量体の形成を阻害する薬剤とを接触
    させる工程を含む、エンベロープを有するウイルスのヘアピン三量体の形成を阻
    害する方法。
  22. 【請求項22】 薬剤が5−ヘリックスまたは5−ヘリックスと類似の結合
    特性を有する抗体である、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 HIVエンベロープタンパク質に結合する分子に連結した
    5−ヘリックスを含有してなる、5−ヘリックス複合体。
  24. 【請求項24】 HIVエンベロープタンパク質に結合する分子がHIV
    gp120に結合する、請求項23記載の5−ヘリックス複合体。
  25. 【請求項25】 HIV gp120に結合する分子がsCD4または抗体
    である、請求項24記載の5−ヘリックス複合体。
  26. 【請求項26】 5−ヘリックス複合体を、5−ヘリックス複合体がHIV
    エンベロープタンパク質に結合するのに十分な量、かつ適当な経路で個体に投与
    する工程を含み、5−ヘリックス複合体がHIVエンベロープタンパク質に結合
    する分子に連結した5−ヘリックスを含む、個体におけるHIV膜とヒト細胞膜
    との融合を阻害する方法。
  27. 【請求項27】 エンベロープタンパク質がHIV gp120である、請
    求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 (a)配列番号:1、(b)配列番号:2、(c)配列番
    号:3、(d)配列番号:4、(e)配列番号:5、(f)配列番号:6、(g
    )配列番号:7、(h)配列番号:8、(i)配列番号:9、(j)配列番号:
    10、(k)配列番号:11、(l)配列番号:12からなる群より選ばれる単
    離タンパク質。
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