JP2003516831A - 呼吸マスクおよび防護服の効率の測定、およびその他の改良 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 有害な浮遊汚染物のある環境にいる労働者のための呼吸マスクシステム１０、１００は、呼吸マスク１２、１１２と、ヘルメット１４、１１４と、カメラ４０、１４０と、呼吸マスク内および使用者近くの隣接領域から採ったガス試料を分析することのできる、ガス試料分析装置１６、１１６とを備えている。高周波エミッタ２０、１２０は、リモートレシーバ２４、１２４に信号を送信する。発せられた信号は、カメラ４０、１４０を通したリアルタイム表示であり、その上には呼吸マスクにより達成された防護係数の図形表示が重畳される。システム１００は、防護係数の経時変化等のデータを記憶するデータ記憶装置１６２、１７０を有していてもよく、位置センサ１６０を有していてもよい。位置センサ１６０を設けることにより、使用者が領域をあちこち移動するのに伴って、位置と合わせた汚染レベルのマップを作り上げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、呼吸マスク、防護服（例えばフルボディースーツ）の効率、および
その働きから発展するその他のアイデアに関する。

【０００２】 本発明は、呼吸マスクの分野に限定されるものではないが、この分野から生じ
たものであり、例として呼吸マスクについて説明するのが好都合である。

【０００３】 有害な環境から顔や目を保護するため、および呼吸する空気を浄化して口、喉
、肺を保護するために、多数の労働者が呼吸マスクを使用している。呼吸マスク
を使用する人の例としては、有害な蒸気のある化学工場の労働者、原子力労働者
、大気中に有害な粉塵のある炭鉱労働者および石切り工、消防士、非常に危険な
物質を扱う実験室の作業員等が挙げられる。呼吸マスクまたは面体を着用する他
の分野としては、ダイビングがある。この場合、呼吸マスクまたは面体は周囲の
空気を浄化することはできないが、タンクまたはラインから呼吸可能な気体を提
供する。

【０００４】 呼吸マスクを着用したままで激しい身体的活動を行う必要のある労働者もいる
ので、呼吸マスクが、周囲の大気中の有害物質を効果的に中に入れないことが重
要である。

【０００５】 特定の有害物質に対する呼吸マスクの性能は、防護係数（ＰＦ）（周囲の大気
中の物質量と比べてどれだけの量の物質を通すか）として測定される。現在、実
験室で行われる試験で、呼吸マスク／マスクの防護係数を測定するものがある（
例えば、Ｐｏｒｔｏｎ Ｄｏｗｎで開発されたＣＥＮ標準試験は、産業上の呼吸
マスク試験に広く使用されており、塩化ナトリウム量を試験する水素フレーム光
度計を要する）。ボランティアは、分析装置に接続された呼吸マスクを着用する
。防護係数（ＰＦ）は、呼吸マスク中の濃度を測定することにより計算される。
勿論、ボランティアは試験室内にいる。ボランティアは、試験室内で、例えば固
定自転車でのサイクリング、エクササイズマシンでのステッピング、トレッドミ
ルでのランニング等の運動をすることができる。

【０００６】 過去数年にわたり、試験室内で測定された呼吸マスクの防護係数は、実際にど
れだけの効果が得られるかを本当に表しているわけではないことが明らかになっ
てきている。試験の際には、試験用の呼吸マスクは、ボランティアに合わせた大
きさにすることができるので、専門家がこれをボランティアに合せて調節する。
または、ボランティアが専門家自身（例えば実験室のスタッフの１人）であるた
め、呼吸マスクが正確な大きさであり、よく手入れされたものとなる。これによ
り、達成しうる最大の防護係数を測定することができる。さらに、この試験は比
較的短く（約１５分）、運動が本当の使用状態を表すものではないため、呼吸マ
スクにかかる負担は、実際にかかるものを本当に再現したものにはならない。

【０００７】 前記の点を考慮して、呼吸マスクに、実験室で測定された防護係数のうちのほ
んのわずかである「割当て防護係数」を与えるという提案がある。

【０００８】 測定された防護係数とその分野で達成された防護係数との適合性を向上させる
１つの可能性として、移動式の野外実験室を使用して呼吸マスクを試験し、本物
の労働者／消防士等を、手伝いなしで着用した自分の呼吸マスクを使用して試験
することがある。これも、ボランティアが密閉された部屋（人工的な制御されす
ぎた環境）の中で試験されることになり、やはり短い試験となる。実験室内でボ
ランティアが行う運動は、例えば消防士や他のレスキュー作業者のような非常に
活動的な着用者にとっては十分に現実的なものではない。

【０００９】 本発明の第１の態様によれば、本発明は、呼吸マスクと、呼吸マスク内側の物
質量を感知して、呼吸マスク内側の前記物質量を示すセンサ信号を信号処理装置
に出力するように構成されたセンサとを有し、前記信号処理装置が、（ｉ）セン
サ信号を表すデータを記憶するように構成されたデータ記憶装置、（ｉｉ）セン
サ信号を示す電気通信信号を発するように構成された電気通信エミッタ、または
（ｉｉｉ）（ｉ）と（ｉｉ）の両方のいずれかを備え、センサと、信号処理装置
と、呼吸マスクとがすべて、移動する使用者によって着用され携帯されるように
構成される携帯型呼吸マスクシステムを含む。

【００１０】 また、センサが、呼吸マスク外側の環境中の前記物質量を感知するように構成
されることが好ましい。センサは、ガス分析装置または粒子計数装置を備えてい
てもよく、呼吸マスク内側の空気および大気と結合可能であってもよい。

【００１１】 したがって、携帯型の試験ユニット／センサを使用して、使用者は長時間（例
えば、一度に数時間、おそらくは５時間、１０時間、さらには２４時間以上）呼
吸マスクシステムを着用することができ、実際の作業環境の中で「本気で」行う
職務を実際に果たすことができるので、確定される防護係数は意味のあるものに
なる。工業労働者等の同じ場所で働く労働者については、単に呼吸マスクシステ
ムを着用して仕事をして、防護係数データを集める。消防士、軍人、警察官等の
機動隊については、実践的な訓練の際に呼吸マスクシステムを着用することがで
きる。移動型の防護係数確定呼吸マスクシステムは、職員がその分野で、実際の
環境の中で通常の職務を果たす際に、および、性能に影響し得る他の装置を携帯
または着用している際に使用することができる。長時間の呼吸マスクの着用の影
響、および防護係数の経時変化をモニタすることができる（例えば、長時間の着
用による、ひげの伸び方、汗、顔の形態の変化）。

【００１２】 システムは、使用時に、呼吸マスク内の物質量を、周期的に、例えば少なくと
も１５秒、３０秒、１分、２分、５分、１０分、３０分、１時間、もしくはそれ
以上、または、これらの点のいずれかにより定義される範囲内の時間毎に、セン
サで読み取るように構成することが好ましい。あるいは、センサは、おそらくは
呼吸マスクのマスク内の汚染レベルと、呼吸マスク外側の使用者周辺の大気中の
汚染レベルとを、交互にほぼ連続して測定することができる。勿論、これは、呼
吸マスクの内側および外側の物質量をモニタする携帯型の分析装置／テスタがあ
ることに頼っている。粒子計数装置はテスタを備えていてもよく、アメリカ合衆
国、ミネソタ州のＴＳＩ，Ｉｎｃ．のＣＬＣ「ｐｏｒｔａｃｏｕｎｔ」システム
が、適当な検出システムの１つである。マスク／呼吸マスクの外側から採った試
料と、マスク／呼吸マスクの内側から採った試料とを試験することができる。分
析装置はガス分析装置であってもよく、または粒子計数装置（例えば、レーザお
よび検出器粒子計数装置）もしくはその他の適宜の装置としてもよい。

【００１３】 システムが、データ記憶装置を含むことが好ましく、このデータ記憶装置は、
コンピュータのメモリ、磁気テープ、光メモリ、または光記録媒体もしくは光磁
気記録媒体とすることができる。

【００１４】 システムは、使用者に取り付けられる（例えば使用者が着用または携帯する）
ように構成されたカメラを含むことが好ましい。システムはヘルメットを備えて
いてもよく、カメラをヘルメットに関連して設けることもできる。あるいは、カ
メラを呼吸マスクに、または衣服のフードに関連させてもよい。データ記憶装置
（設ける場合には）は、カメラにより出力されるものを記録することができる。
エミッタ（設ける場合には）は、カメラの出力に関連した信号を発することがで
きる。データ記録装置に取外し可能に結合することのできる、機械読取可能なデ
ータキャリア、例えばビデオレコーダの磁気テープ（ＤＶＲ等）、ＣＤ、ＤＶＤ
、ＭＤ（磁気ディスク）があってもよい。

【００１５】 したがって、使用者が見ているもの／行っていることの記録を取り込むことが
できる。システムは、得られたセンサ信号をカメラ画像信号と相関させる（相関
は周期的に行われる）ことが好ましい。これにより、検出信号が変動した際にカ
メラが見ていたものを、記録データまたは送信データの観察者が見ることができ
、また、使用者がある動作をする（カメラ画像信号により証明される）ときに検
出信号がどのようになるかを見ることができる。信号相関を設けてもよい。検出
信号および／またはカメラ信号を、時間と相関させることが好ましい。時計をシ
ステムに設けてこれを行ってもよい。カメラ信号は、ビデオテープ、またはビデ
オ記録媒体に記憶させることができる。センサ信号も、ビデオ記録媒体に記憶さ
せることができる。

【００１６】 呼吸センサを呼吸マスクと関連させて設けてもよい。これを使用して、使用者
が呼吸マスクを着用し、その中で呼吸をしているか否かを確定することができる
。これと一致しない信号を呼吸センサが発した場合、使用者が呼吸マスクを（お
そらくは、着用すべきときに）着用していないか、または使用者の呼吸が止まっ
た／呼吸するのに障害があることを意味している。勿論、これらの徴候はいずれ
も、訓練の指導教官や操作の指導者にとって非常に有用であり、これによって指
導教官／指導者が治療を行うことができる。

【００１７】 物質量センサに加えて呼吸センサを設けることが好ましく、呼吸センサは、電
気通信エミッタが設けられている場合には、これと同じものを使用してもよく、
または別のエミッタを使用してもよい。あるいは、呼吸センサを物質量センサの
代わりに設けてもよく、その場合には、呼吸マスクシステムは、呼吸マスクが適
切に働いていることを調べるシステムではなく、呼吸マスクが着用されているこ
とと、使用者が呼吸をしていることおよび／または使用者自身の呼吸パターンで
あることとを調べるシステムとなる。呼吸マスクシステムの好適な実施形態は、
この両方を行う。

【００１８】 呼吸センサは、呼吸マスク内の空気圧を感知するように構成された圧力センサ
を備えていてもよく、システムは、おそらくは呼気／吸気に伴う空気圧の周期的
な上昇および下降をモニタすることができる。呼吸速度をモニタすることもでき
る。使用者に携帯された、または使用者から離れたところにあるプロセッサが、
呼吸センサ（例えば圧力変換器）からの信号を空気流および／または呼吸速度に
変換する。１分当りの空気流および／または呼吸の情報を使用して、呼吸マスク
の着用者が身体的に激しい仕事をしているか（例えば高流量／速い呼吸速度）、
または身体が静止しているかを判定することができる。速い呼吸速度はストレス
の多い状況とも関連しており、おそらくは積極的な運動とは異なる流量を伴う（
例えば、速くて浅い呼吸に対して速くて深い呼吸）。呼吸速度、またはその変化
を使用して、呼吸マスクの故障または部分的な故障を指摘し、有害な物質を中に
入れないようにすることもできる。

【００１９】 離れた位置に呼吸データを提供することは、指揮官が、演習に関わる人々の生
理学的状況を評価することを可能にする。

【００２０】 システムは、空間の呼吸マスクの位置が決定できる信号を供給するように構成
された位置センサを有することができる。位置センサは、全地球測位センサ、ま
たは、三角法センサ、または、近傍センサであってもよい。位置センサは、好ま
しくは、システム内での保存、伝送、または、その双方のために、位置データを
信号ハンドラに供給するように構成される。位置は、カメラ画像、防護係数、好
ましくは呼吸マスクのすぐ近くの呼吸マスクの外部の汚染物質レベル、呼吸マス
クの内部の汚染物質レベル、着用者／使用者の生理学的活動の態様を示す生理学
的データの１つまたは複数に、好ましくは相関（例えば、それを時刻刻印するこ
とによって）されている。

【００２１】 好ましくは、このシステムは、組み合わされた、または、関連付けられた処理
済み画像が、カメラ画像と同時に表示されたパラメータまたは値を備えて、使用
において、作成可能であるように、画像とデータの組合せ、または、システムの
センサによって検出されるパラメータ（または、１つまたは複数のセンサ信号か
ら計算される値）を、カメラによって記録された画像と、使用において、関連付
けるように構成された画像およびデータの組合せまたは関連付け手段を有する。
好ましくは、システムは、カメラ画像の周辺で、最も好ましくは１つの縁で、パ
ラメータまたは値を表示するように構成される。

【００２２】 呼吸マスクシステムは、使用者に情報を示すように構成されたインジケータを
有することができる。インジケータは、可視、例えば、光であってもよい。イン
ジケータは、呼吸マスク上に、可能な限りアイウインドウの近くに設けることが
できる。インジケータは、呼吸マスクが、呼吸マスク内の安全な呼吸可能な空気
を維持することに成功していないことを使用者に示すように構成することができ
る。インジケータは、光、例えば、ＬＥＤであってもよい。これは、示す時に点
滅してもよく、これは、使用において、使用者の周辺視野に設けてもよい。イン
ジケータは、呼吸マスクシステム（または、それに付属した通信装置）内に設け
られた、検出された汚染物質信号を処理し、それが規定の許容可能な範囲の外側
にある場合に、使用者に自動的に警報を発令する自動装置によって起動されるよ
うに構成することもできる。代わりに、または、付加的に、リモート電気通信ユ
ニットは、作業者の手動制御のもとで、インジケータを起動することができても
よい。

【００２３】 呼吸マスクシステムは、使用者によって着用されるように構成されたスーツを
含むことができる。確かに、スーツは、人間が占有できる保護されたまたは濾過
された内部空間を提供することができる。

【００２４】 第２の態様によれば、本発明は、（ｉ）送信機を有する本発明の第１の態様に
よるシステム、および、（ｉｉ）レシーバシステムの組合せを含み、レシーバシ
ステムは、送信された信号を受信するように構成されたレシーバ、および、プロ
セッサとディスプレイを有し、プロセッサは、受信した信号を、使用において、
処理し、使用において、センサ信号によるパラメータの視覚的表現を作成するデ
ィスプレイ信号をディスプレイに供給する。

【００２５】 好ましくは、プロセッサおよびディスプレイは、呼吸マスクシステムに供給さ
れた、カメラによって記録された視覚的画像を表示するように構成される。レシ
ーバシステムは、好ましくは、レシーバを有する呼吸マスクシステムに信号を送
信するように構成された送信機を有する。

【００２６】 第３の態様によれば、本発明は、呼吸マスクのマスクの内部の汚染物質レベル
を検出するための呼吸マスクと結合されたセンサを設けるステップと、呼吸マス
クの外部の汚染物質レベルを検出するステップと、呼吸マスクのマスクの内部お
よび外部の汚染物質レベルを決定し、マスクの内部と外部の汚染物質レベルを比
較するように構成された携帯型アナライザを設けるステップを含む、呼吸マスク
の効力を決定するための方法を含む。

【００２７】 この方法は、呼吸マスクの使用者の近傍における汚染物質レベルを検出するス
テップを含むこともできる。

【００２８】 好ましくは、この方法は、呼吸マスクの使用者に職場の環境、例えば、工場、
または、建物、または、屋外における演習を行わせるステップを含む。好ましく
は、この方法は、使用者に、呼吸マスクを着用している間、および、アナライザ
を携帯している間に、その通常の予想される職務を行わせるステップを含む、呼
吸マスクの通常の予想される使用法の効力を決定するための方法を含む。

【００２９】 この方法は、好ましくは、リモートステーションに、呼吸マスクおよび関連す
るアナライザを、リモートステーションとの通信（可能な限り電気通信）状態に
置くことによって、リアルタイムで、試験の結果を知らせるステップを含む。好
ましくは、試験データは、呼吸マスクの使用者によって携帯された（例えば、運
ばれた／着用された）記録デバイスに記録される。好ましくは、ユーザの位置が
決定される。

【００３０】 好ましくは、視覚的画像は、使用者が呼吸マスクの試験を行っている間に記録
される。好ましくは、呼吸マスクの性能に関係する試験データは、記録された画
像と関連付けられている。試験データ、または、試験データから導出されたパラ
メータは、好ましくは視覚的画像の近傍に、視覚的画像と同時に視覚的に表示さ
れてもよい。好ましくは、生理学的データなどの他のデータも、試験の間に記録
され、視覚的画像および／または呼吸マスクの性能データと相関させることがで
きる。

【００３１】 第４の態様によれば、本発明は、本発明の第１の態様のシステムのセンサから
記録されたデータ、または、そのようなデータから導出された値を有するデータ
キャリア、および、本発明の第１の態様のシステムの一部として設けられたカメ
ラによって観察されたものの視覚的履歴を含む。

【００３２】 第５の態様によれば、本発明は、呼吸マスクの防護係数を評価するように、本
発明の第１の態様のシステムの信号ハンドラによって受信された信号を処理する
ように、コンピュータ上で実行された時にコンピュータに指示する命令を担持す
るプログラム済みのデータキャリアを含む。

【００３３】 好ましくは、命令は、呼吸マスクシステムのカメラからの視覚的記録を、呼吸
マスクシステムによってモニタされたもの、または、モニタされた信号から導出
されたものの同時記録の視覚的表示と組み合わせ、または、関連付けさせもする
。好ましくは、命令は、組み合わされた、または、関連付けられた信号を、組み
合わされた表示として、使用において、一緒に表示させもする。

【００３４】 第６の態様によれば、本発明は、人間に１つまたは複数のセンサを提供するこ
とによって移動センサとして使用するステップ、センサを使用してその人間の近
傍における環境状態を検出するステップ、領域内の複数の位置における状態が確
立されるようにその人間に領域の周囲を移動させるステップ、および、領域につ
いての位置に関して環境状態のマッピングを作成するステップを含む。

【００３５】 好ましくは、マッピングは、位置と空中の汚染物質のレベルとの間の相関を含
む。

【００３６】 本発明の上記の態様のいずれも、本発明の第５の態様が行われることを可能に
することができる。

【００３７】 好ましくは、マッピングは、その人間がその通常の職務を実行する間に構築さ
れる。好ましくは、空中の危険レベル対工場、実験室、鉱山、または、採石場な
どの産業環境における位置のマップが作成される。その人間は、ビデオカメラで
もよいカメラを携行してもよい。

【００３８】 遠隔計測は、人間から基地局への信号を通信するために、依存することができ
る。遠隔計測の使用は、これが、人間によって携行される装置の複雑さ／大きさ
を低減することができるため、有利である。さらに、これは、システムによって
作成されたデータをより安全にすることができる（データを保持する装置は、そ
れが基地局の一部であれば、これは、危険な環境において人間によって携行され
る装置と比較して、より安全であることが可能である）。

【００３９】 基地局は、（コンピュータの一部であってもよい）処理手段を含むことができ
、処理手段は、使用において、これに送信されたデータを遠隔計測を使用して検
討するように構成することができる。基地局に送信された信号は、人間を取り囲
む状態に関することができるパラメータ信号を含むことができる。パラメータ信
号が許容範囲の外側（または、ある範囲内であってもよい）にあれば、人間に携
行されたカメラは、動作を開始させることができる。（ビデオストリームであっ
てもよい）カメラからの画像は、遠隔計測を介して基地局に供給することもでき
る。カメラは、プリセットされた期間の間動作させることができ、または、パラ
メータ信号が許容範囲内に戻るまで動作させることもでき、または、パラメータ
信号が許容範囲内に戻った後の所定の時間の間でもよい。

【００４０】 本発明の第７の態様によれば、環境マッピングシステムは、１人の人間によっ
て携行可能なセンサ設備、同じ１人の人間によって携行可能な位置感知設備、お
よび、ｉ）環境および／または位置の記録、または、ｉｉ）環境および／または
位置センサ信号をリモートユニットに送信する、または、ｉｉｉ）ｉ）およびｉ
ｉ）の双方のいずれかをするように構成された環境センサ信号および位置センサ
信号取扱い手段を含む。

【００４１】 システムは、設けられた場合に、本発明の他の態様のいずれかに関連して説明
されたように機能することができるカメラを含むことも含まないこともできる。

【００４２】 マッピングシステムは、呼吸マスクに結合して設けることができ、または、呼
吸マスクを全く有さなくてもよい。システムは、ヘルメットに結合して設けるこ
とができる。センサおよび／またはカメラおよび／または位置センサは、ヘルメ
ット上に設けることができる。代わりに、センサ／カメラ／位置センサの１つま
たは複数は、バックパック上に設けることができる。しかし、恐らく好ましい実
施形態において、センサおよびカメラ（設けられた場合）は、ヘルメット上に取
り付けられて設けられ、位置センサは、使用者の体のそばのパック（可能であれ
ばバックパック）上に携行される。

【００４３】 第８の実施形態によれば、本発明は、１人または複数の人間に、本発明の第１
の実施形態による呼吸マスクシステムを供給するステップ、および、信号ハンド
ラによって取扱われる信号を観測するステップ、または、それらの信号から導出
されたパラメータを観測するステップを含む模擬演習の状況における呼吸マスク
の性能をモニタする方法を含む。

【００４４】 センサは、カメラを有する使用者の１つまたは複数の生理学的変数を感知する
ことができる。

【００４５】 第９の態様によれば、本発明は、職務を遂行中の１人または複数の人間にカメ
ラを着用または携行させ、同様に、１つまたは複数のセンサを着用または携行さ
せるステップ、および、カメラ画像の処理済み画像を作成するステップを含む模
擬演習の状況にある人間の業績をモニタする方法を含み、処理済み画像は、カメ
ラによって記録された画像を含み、同様に、同時のセンサ値またはセンサ値から
導出された値を同時に視覚的に表示する。

【００４６】 装置は、カメラによって作成された画像上にグラフィックな情報を重ねるよう
に構成することができる。

【００４７】 好ましくは、センサは、物質の空中汚染物質のレベルを感知する。それらは、
代わりに、または、付加的に、カメラを有する使用者の１つまたは複数の生理学
的変数を感知することができる。

【００４８】 本発明の第１０の態様によれば、カメラおよび１つまたは複数のセンサを含む
装置が設けられ、カメラおよび各センサは、個人によって着用されるように構成
され、さらに、装置は、使用において、カメラ画像の処理済み画像を作成するよ
うに構成されており、処理済み画像は、カメラによって記録された画像、および
、同様に、同時に視覚的に表示された同時のセンサ値またはセンサ値から導出さ
れた値を含む。

【００４９】 したがって、カメラによって作成された画像上にグラフィックな情報を重ねる
装置が提供される。

【００５０】 カメラ画像は、ビデオ信号であってもよい。ビデオ信号は、光景を連続的にモ
ニタすることができるため有利である。

【００５１】 第１１の態様によれば、本発明は、本発明の第６の態様の環境マッピングシス
テムから信号を受信し、受信した信号に基づいてマップを作成するように、コン
ピュータ上で実行された時にコンピュータに指示するインストラクションを担持
するプログラム済みのデータキャリアを含む。

【００５２】 本発明の第１２の態様によれば、本発明の先行する態様のいずれかにおける使
用のために適合された呼吸マスクが提供される。

【００５３】 呼吸マスクは、（アナライザに導く）エアチューブへの接続のために適合され
た部分を有することができる。これは、代わりに、または、付加的に、呼吸マス
クのフェイスマスクの内部のパラメータを検出するためのプローブを有すること
もできる。空気の試料を抽出するための何らかの手段が設けられてもよい。

【００５４】 本発明の実施形態は、以下に、例としてのみの方法によって、添付の図面を参
照して説明される。

【００５５】 図１は、呼吸マスク１２、ヘルメット１４、試験アナライザ１６、バッテリ１
８、制御ユニット２０、ＲＦエミッタ２２、および、ＲＦレシーバユニット２４
を含む呼吸マスクシステム１０を示す。（当業者には、ＲＦという用語が使用さ
れた場合に、これが、代わりに、または、付加的に、ＩＲエミッタ、または、確
かに、いかなる他のタイプの適する波のエミッタでもあることが理解される。）
以下の検討から、呼吸マスクシステム１０が、同じ人間によって携行可能／着用
可能であり、この人間はそれでも走る／登る／這うことができることが理解され
る。

【００５６】 呼吸マスク１２は、ゴム製フェイスシール２６、アイウインドウ２８、流入お
よび流出ユニット３０および３２、および、試験アナライザ１６に至るガス接続
チューブ３６に（取外し可能に、または、恒久的に）接続可能な空気ポート３４
を有する。アナライザ１６は、アナライザの空気取入れ口を、チューブ３６また
は外気に結合するように構成されたバルブユニット３８を有する。

【００５７】 ヘルメット１４は、カメラ４０およびマイクロフォン４２を有し、双方とも、
電気ケーブル４４および４６によってバッテリ１８および制御ユニット２０に接
続される。

【００５８】 制御ユニット２０は、電気ケーブル４８によってアナライザ１６に接続され、
電力供給のためにバッテリ１８に接続される。試験アナライザは、ケーブル５０
によってバッテリ１８に接続される。

【００５９】 図２は、バルブユニット３８および試験ユニット１６を概略的に示す。バルブ
ユニット３８は、フェイスマスク／呼吸マスク１２のマスクサンプリングポート
５２または周辺大気サンプリングポート５４のいずれかを、選択的に試験ユニッ
ト１６に結合する。ユニット１６は、センサ信号６０を制御ユニット２０に供給
する試験センサ５８を介して空気を引き出すポンプ５６を有する。試験が行われ
た空気は、ベント６２において大気へ排気される。

【００６０】 制御器２０は、１５秒毎に（または、他の間隔で）防護係数試験（周辺空気に
対する呼吸マスクの空気の試験）を行うように試験ユニット１６を制御する。

【００６１】 ビデオカメラ４０およびマイクロフォン４２は、制御器２０に継続的にカメラ
および音声信号を供給する（カメラ信号は、ビデオ信号であってもよい）。制御
器２０は、ビデオ、音声、センサ試験の信号に時刻でラベル付けすることによっ
て、それらを相関し、防護係数を評価し、測定された防護係数をビデオおよび音
声のテープのフィート数と相関させる。制御器２０は、ビデオテープのフィート
数、音声、および、防護係数を表すデータを含むＲＦ信号を、リアルタイムで放
射するように、エミッタ２２を制御する。この実施例におけるエミッタ２２は、
圧縮バーストで放射するが、実質的に連続してリアルタイムで放射することもで
きる。

【００６２】 図３は、レシーバ２４にリンクされたコンピュータ６４によって、リアルタイ
ムで作成されたグラフであり、呼吸マスクを着用している人間が、異なった作業
を異なった物理的位置において実行する際、呼吸マスクの防護係数が試験の時間
中にどのように変化するかを示す。

【００６３】 図１のシステムの変形形態において、位置探索デバイスは、防護係数を人間の
位置に相関させるために、人間に設けることができる。さらに、有害な物質／検
出された物質の量を表す信号が、防護係数と並んで、または、その代わりに送信
することができ、その情報は、位置と相関することができる。このように、人間
（および、その装備）を移動センサとして使用して、地理的位置に関する有害物
質の濃度のマップを構築することができる。

【００６４】 図１のシステムが、環境／注釈の視覚的および／または聴覚的網羅とともに、
呼吸マスクによって達成される防護係数のリアルタイムの解析を提供できること
が理解されよう。制御器２０は、センサユニットからのセンサ信号および／また
は計算された防護係数および／またはビデオのテープのフィート数／音声、およ
び／または、人間の位置または位置の記録のコンピュータメモリに保存された記
録を有してもよい。

【００６５】 これは、使用者が基地へ帰還した際にダウンロードすることができる。電気通
信リンクは、いくつかの応用例では余計であることもあるが、これが、離れた所
の監視者／制御ユニットに、実質的にリアルタイムで画像および分析を提供する
ため、好ましい。これは、いくつかの状況において有利となり得る。

【００６６】 図１は、同様に、試験アナライザ１６、バッテリ１８、制御ユニット２０、お
よび、エミッタ２２が、全て、独立かつ移動性の使用者によって携行されるよう
に構成されているという事実も示す。点線７０は、各品目が携行されるバックパ
ック、帯ひも、または、リュックサックを示す。

【００６７】 図４は、図１のものと類似するがいくつかの差を有する他の呼吸マスクシステ
ム、参照番号１００を示す。呼吸マスクシステム１００は、フェイスマスク１１
２、ヘルメット１１４、試験アナライザ１１６、バッテリ１１８、制御ユニット
１２０、ＲＦエミッタ１２２、および、ＲＦレシーバユニット１２４を含む。

【００６８】 呼吸マスクは、試験アナライザ１１６に至る試料ポート１３４およびガス接続
チューブ１３６を有する。ヘルメット１１４は、ケーブル１４４および１４６に
よってバッテリ１１８および制御ユニット１２０に双方とも接続されているカメ
ラ１４０およびマイクロフォン１４２を有する。制御ユニット１２０は、バッテ
リ１１８に、および、ケーブル１４８によってアナライザ１１６に接続される。
アナライザ１１６は、ケーブル１５０によってバッテリ１１８に接続される。位
置センサ１６０は、制御ユニット１２０に有効に接続されて設けられ、ビデオレ
コーダ１６２も、同様に、制御ユニット１２０およびバッテリ１１８に有効に接
続されて設けられる。

【００６９】 試料ポート１３４の代わりに、または、これに加えて、呼吸マスクの内部空間
を感知するプローブがあってもよい。

【００７０】 試験アナライザ１１６、制御ユニット１２０、ＲＦエミッタ１２２、および、
位置センサ１６０は、点線１４９内に示され、これらの品目は、使用者によって
着用できるようにバックパックに関して設けられる。これらの品目は、バックパ
ックの帯ひも上、バックパック自体上またはその内部などに設けることができる
。

【００７１】 当業者は、ＲＦレシーバ１２４とともにＲＦエミッタ１２２が、図４の装置が
遠隔計測を利用することを可能にすることを理解するであろう。マイクロ波、赤
外線、または、他の電気通信リンクも使用することができる。

【００７２】 図４および５のシステムも、同様に、クロック１７２によって供給される関連
した時刻、および、同様に、呼吸マスクおよび大気センサ信号とともに、防護係
数値を、使用において、保存するキャッシュメモリ１７０を有する。このデータ
は、コンピュータにダウンロードすることができ、いつでも処理することができ
る。

【００７３】 システム１１０は、同様に、ビデオテープに従来技術で設けられた予備の記録
回線を使用して、ビデオレコーダ１６２内で使用されるビデオデータ保存テープ
上に評価された防護係数を書き込む。これを行うために、相関関数１７４は、制
御ユニット１２０内に設けられる。再び、データは時刻刻印される。図４のシス
テムにおいて、アナライザ１１６は、使用者の近くの周辺大気と呼吸マスク内の
空気を、連続的に交互に分析している。

【００７４】 システム１１０は、呼吸マスクの空気内のレベルが安全でないレベルに近づい
た時に起動されるアラーム１７６を有する。アラームは、リモートモニタリング
ステーションまたは監視者が、危険な領域からオペレータを呼び戻すために、そ
のリモートステーションにアラームを送り返されたアラームであってもよく、ま
たは、それが、使用者が自身で気付くことができるアラーム（例えば、可聴アラ
ーム、または、可視アラーム、例えば、呼吸マスクのアイウインドウの周辺にお
けるＬＥＤ）を起動してもよい。アラーム１７６を自動的に起動するかどうかを
決定するために、ユニット１２０内（または、リモートステーション）にアルゴ
リズムを設けてもよい。

【００７５】 図５から分かるように、システム１１０は、同様に、入来する電気通信信号を
受信するための能力を有する。外部電気通信ネットワークまたはチャンネルを１
７８で示す。入来信号は、使用者が検出可能なアラームを起動できるか、または
、（システム内、例えば、呼吸マスクまたはヘルメット内にスピーカが設けられ
ている場合）音声信号であってもよいか、または、入来信号は１２０において制
御の動作を制御する制御信号であってもよい。例えば、外部の監視者、または、
外部の制御アルゴリズムは、システム１１０に、その呼吸マスク／周辺大気の分
析の頻度を、増やすか減らすかのいずれかに変化するように指示することができ
るか、または、そのことをモニタに伝えるか、異なったパラメータ、例えば、心
拍数などを処理することができる。

【００７６】 図５は、同様に、位置センサ１６０が、全地球測位センサ（ＧＰＳ）１８０、
すなわち、衛星に基づいたもの、または、地上に基づいた三角法センサ１８２、
または、近接センサ１８４または１つまたは複数の近接センサ、または、他の位
置センサシステムであってもよいことを示す。

【００７７】 図５は、同様に、制御ユニットには他のセンサ入力があってもよいことを示す
。例えば、使用者の心拍数についての入力１８６、マスクの内部圧力についての
入力１８８、二酸化炭素レベルについての入力１９０、および、体温についての
入力１９２が供給される。これらは、同様に、クロック１７２によって時間刻印
され、関連するビデオテープのフィート数に関してビデオカセットテープに保存
されるか、または、キャッシュメモリ１７０に保存されるか、または、通信チャ
ンネル１２２を介してエクスポートされるか、または、これらの２つ、または、
３つ全てのいずれかである。制御ユニットへの他のセンサ入力１８６〜１９２は
、典型的に、アナログ／デジタル変換機を含む。使用者の呼吸は、（例えば、空
気圧／流量センサによって）モニタすることができる。マスク内部圧力信号１８
８を作成する内部空気圧センサは、呼吸数、または、使用者が呼吸しているかど
うかを決定するために処理することができる（使用者が呼吸するに従い、圧力は
時間とともに変化し、これはモニタすることができる）。

【００７８】 一実施形態において、制御器１２０（または、図１の装置における制御器２０
）は、防護係数のデータまたは感知された他のパラメータ（例えば、心拍数）を
カメラの画像と関連付け、同じく、いくつかの実施形態において、カメラによっ
て見られた画像と同時に視覚的に表示された感知されたパラメータデータを有す
る変形された画像をリアルタイムで作成する。

【００７９】 これは、図６および７に示す。図６は、化学薬品事故の光景に近づきつつある
（視野にはいない）使用者の呼吸マスクシステムによって作成された全体画像１
８９を表し、使用者のカメラによって見られているもの、光景１９０、および、
観測された光景１９０の周辺にグラフィック形態で使用者についての瞬間防護係
数１９２を示す。この実施例において、離れた所の監視者は、２人の人間１９４
および１９６が危険な化学薬品のコンテナを動かそうとしており、第３の人間１
９８が、その呼吸マスクの欠陥によってヒュームに巻かれたこと、および、２人
の作業者１９４および１９６が彼らの同僚１９８を助けようとちょうど振り向い
たことを、人間である使用者のカメラを介して見ることができる。画像１８９は
、同様に、防護係数が危険なほどに低いと考えられ、呼吸マスクシステムを着用
している使用者に対してアラームが起動される、２００で参照されるレベルも示
す。

【００８０】 図７は、呼吸マスクを含む全身用ボディスーツを着て、工場内の危険物を取扱
っている同僚を見ている（視野にはいない）使用者の呼吸マスクシステムによっ
て作成された画像２１０を示す。カメラ画像２２４を備えて画像化されたグラフ
ィックな表示２２２は、表示されたいくつかのパラメータ、現在の防護係数２２
６、それまでの防護係数２２８、システムが起動されてから経過した時間２３０
、使用者の心拍数２３２、使用者の場所の外部温度２３４、および、ガイガー計
数管の読み２３６（または、外部大気の汚染物質の読み）を有する。

【００８１】 システムの使用者によって、さほど多くのハードウェアを携行することが必ず
しも必要ではないため、呼吸マスクシステムに遠隔計測を取り込むことは、シス
テムがより軽くなることを可能にする。バックパックの重量は、大型のデータ記
録装置がなければ、約２キログラムとすることができる。（しかし、遠隔計測は
、いくつかの障害物（例えば、丘、または、建物／地下の内部）が信号を妨害す
ることがあり、そのため、受信されたデータが断続的となることがある。）デー
タをデータ保存媒体上に記録する図４および５のシステムは、これらの問題を回
避する。

【００８２】 障害物による遠隔計測信号の破壊を克服する他の方法は、適切な通信システム
、例えば、携帯電話システム、中継器などを使用することである。

【００８３】 図４および５のシステムが、ビデオ保存装置（例えば、ＤＶＣ）、および、ダ
ウンロードするためにコンピュータメモリ内の両方に防護係数を保存する１つの
理由は、コンピュータキャッシュメモリが、関心を引く（例えば、低防護係数）
の期間を識別するために使用することができ、ビデオは、関心を引く時間の前の
所定の時刻から、または、起こっていたことの視覚的記録を得るために、対応す
る時刻の周辺で動作させられることである。例えば、ビデオは、防護係数が閾値
以下に入る前の３０秒間、入っている間、および、その後の３０秒間にわたって
動作させることができる。これは、ビデオを見ている人物が、学ぶべき教訓があ
るかどうかが分かることを可能にすることもできる。コンピュータに、関心を引
く期間を自動的に見出させ、正しい時刻に対応するビデオ記録を自動的に再生さ
せることは、防護係数が危険なレベルに入った場合に、何時間ものビデオの証拠
を人間に見させるよりも、迅速かつ優れている。

【００８４】 同様に、他のパラメータが測定された時、コンピュータは、関心を引くことが
、選択された他のパラメータ（例えば、心拍数またはマスク圧力）に関して、起
ころうとしている／起きている時にビデオを開始するように手配することができ
る。

【００８５】 制御ユニット２０または１２０の制御／信号結合／画像重ねの機能は、堅牢性
のためにハードウェアに組み込むか、または、ソフトウェアで制御することがで
きる。代わりに、移動システムは信号を処理しなくてもよく、代わりに、信号は
、レシーバシステムに通信され、そこで処理／組合せることができる。

【００８６】 呼吸マスクシステムを使用することのさらなる利点は、純粋に呼吸マスクの効
率をチェック／モニタすることに加えて、フィールドにいる状態において訓練演
習のビデオ記録が作成できることである。確かに、訓練演習または実際の緊急事
態における何人かの人々は、本発明による呼吸マスクシステム、および、異なっ
た人々の視点から演習の別個のフィート数を各々有することができ、防護係数の
別個の評価を得ることができる。（電気通信リンクで）監視者／主制御ユニット
に情報をリアルタイムで取り戻すことは、同様に魅力的である。

【００８７】 前述したように、呼吸マスクシステムは、適切に変形された場合に、使用者と
通信するためのシステムとして使用することもできる。システムがアラームを有
している場合、使用者は、内蔵アラームによって、不適切な保護の危険に対して
警告されることができる。例えば、システムが安全に動作している（例えば、緑
色）か、していない（例えば、赤色）かを示す、使用者の周辺視野における光（
例えば、ＬＥＤ）があってもよい。危険の光は点滅することができる。アラーム
は、可能であれば使用者を呼び戻すために、または、点滅するオン／オフの光の
適切な符号が、他の指示を与えるために使用される場合に、通信システムとして
離れた所の指揮官によって使用されることもできる。ユーザに命令を与えるため
のオーディオ機能を設けることができる。

【００８８】 システムは、監視者によって遠隔的に起動されることができる。緊急事態用の
人員が、危険な地域に侵入するまでに何時間もかかることがあり、必要な時刻が
来るまでにかなりのバッテリ電力を使用するシステムを有することは所望しない
ことがある。代わりに、使用者は、本システムを起動することができてもよい。

【００８９】 システムは、同様に、使用者が、その呼吸マスクを正しく着用しているかどう
かをチェックするために使用することもできる。例えば、１人または複数の使用
者が同じ場所にいて、１人が、他より大幅に低い測定された防護係数を有する場
合、これは、呼吸マスクの着用法のチェックの目安となる。

【００９０】 呼吸マスク空気試験を周辺大気試験と比較することは、使用者を危険な環境か
ら保護することを意図された呼吸マスクに関するいかなる問題もあるかどうかを
モニタする１つの適切な方法である。しかし、ダイバーのような人々にとっては
、さらに良いことは、空気が呼吸できる質のものであることをチェックすること
であることがある。

【００９１】 図９は、さらなる発展を示す。使用者の位置が知られていて、彼らの位置にお
ける汚染物質のレベルが知られている（周辺大気試料試験）場合、その場所につ
いての汚染物質レベルのマップは、１人または複数の使用者がその場所を動き回
るに従い、構築することができる。このマップは、好ましくは、その人物が動き
回るに従い、コンピュータによって自動的に構築される。図８は、危険な化学薬
品のタンク３０２、危険な化学薬品を使用する処理が行われる処理室３０４、空
気吸引装置３０６、汚染物質除去装置３０８、および、清潔な着替え室３１０を
有する工場３００を示す。この図は、呼吸マスクを必要としない安全である１の
レベル、および、呼吸マスクを着用することが不可欠である５のレベルを備えた
、１から５の数字による有害物質の空気中レベルを同様に概略的に示す。マップ
は、歩き回り、一日の通常の職務を果たしている図４および５のシステムの使用
者によって作成される。マップは、汚染の「ホットスポット」が工場内に見出さ
れることを可能にするため、有用である。

【００９２】 呼吸マスクシステムが、空気中の汚染物質（および／または防護係数）に関す
るデータの代わりに、または、これに加えて、データを得られることが理解され
よう。防火服／耐火服の一部として使用された場合、これは、外部温度センサが
設けられれば外部温度のデータを得るために使用することができ、マイクロフォ
ン（もし設けられれば）は外部の雑音レベルをモニタするために使用することが
でき、ガイガー計数管は放射線レベルを測定することができ、他の外部の状態も
測定／感知することができる。外部の状態のマップは、使用者を移動センサとし
て使用して構築することができる。（血圧、心拍数などの）生理学的パラメータ
は、システムを使用してモニタすることができる。使用者の呼吸速度は、適した
センサで測定でき／彼が呼吸しているかどうか測定できる。センサは、呼吸マス
クのフェイスマスク上に取り付けても、取り付けなくてもよい。センサは、ヘル
メット／ベルト／帯ひも／衣服／他の装備上に取り付けることができる。

【００９３】 マスク内部への空気試料の接続は、飲用チューブ／飲用取入れ口を介すること
ができる。空気チューブは、飲用チューブに結合することができる。

【００９４】 本発明のいくつかの実施形態がもたらすことができる他の有用なことは、呼吸
マスクを使用することによって、使用者の呼吸、または、呼吸パターンをモニタ
する能力である。例えば、１つまたは複数のトランスデューサ、例えば、圧力ト
ランスデューサは、呼吸をモニタするために、呼吸マスク内に設けることもでき
る。センサは、呼吸マスクの呼気用バルブ内および／または吸気システム内、例
えば、吸気キャニスタ（例えば、キャニスタ３２）内に設けることができる。代
わりに、キャニスタおよび呼気バルブによって制御される呼吸マスクのマスク内
の圧力は、圧力トランスデューサによってモニタすることができる。アルゴリズ
ムは、圧力レベルを呼吸者の流量に変換することができる。呼吸者の流量、また
は、呼吸を示すデータは、今度は、使用者の健康状態（例えば、負傷のレベル）
を検査するために使用することができ、および／または、使用者が呼吸マスクを
着用しているかどうかを確立することができる。このデータ／情報は、中央指令
基地へ逆に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による呼吸マスクシステムを示す図である。

【図２】 図１のシステムのセンサの一部の概略的詳細の図である。

【図３】 図１のシステムによって得られた時間に対する防護係数を示す図である。

【図４】 代替呼吸マスクを示す図である。

【図５】 図４の有効な構成部分を概略的に示す図である。

【図６】 図１または図４のシステムを使用して得られた画像を示す図である。

【図７】 図１または図４のシステムを使用して得られた画像を示す図である。

【図８】 工場内の位置に関する危険レベルのマップを示す図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１４年２月２８日（２００２．２．２８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチヤードソン，グラント・スチユワート イギリス国、ウイルトシヤー・エス・ピ ー・４・０・ジエイ・キユー、ソールズベ リ、ポートン・ダウン、デイー・エス・テ イー・エル Ｆターム(参考） 2E185 BA20 CA01 CB02 CC17 CC52 DA05 5C086 AA39 BA11 CA28 CA30 CB11 DA08 DA40 FA17 FA18

Claims (31)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 呼吸マスクと、前記呼吸マスク内側の物質量を感知して、前
   記呼吸マスク内側の前記物質量を示すセンサ信号を信号処理装置に出力するよう
   に構成されたセンサとを有し、前記信号処理装置が、（ｉ）前記センサ信号を表
   すデータを記憶するように構成されたデータ記憶装置、（ｉｉ）前記センサ信号
   を示す電気通信信号を発するように構成された電気通信エミッタ、または（ｉｉ
   ｉ）（ｉ）と（ｉｉ）の両方のいずれかを備え、前記センサと、信号処理装置と
   、呼吸マスクとがすべて、移動する使用者によって着用され携帯されるように構
   成される携帯型呼吸マスクシステム。
2. 【請求項２】 システムが、呼吸マスク外側の環境中の前記物質量を感知す
   るように構成される、請求項１に記載のシステム。
3. 【請求項３】 使用者が前記呼吸マスク内で呼吸していることを示す信号を
   供給するように構成された呼吸センサを設ける、請求項１または２に記載のシス
   テム。
4. 【請求項４】 前記呼吸マスク内の空気圧レベルに関連した信号を供給する
   ように構成された圧力センサを備えた呼吸センサを設ける、請求項１から３のい
   ずれかに記載のシステム。
5. 【請求項５】 前記電気通信エミッタが、前記使用者が前記呼吸マスクを着
   用し、その中で呼吸をしているか否かを示す信号を発するように構成される、請
   求項３または４に記載のシステム。
6. 【請求項６】 使用中に着用者の呼吸速度をモニタするように構成される、
   請求項３から５のいずれか一項に記載のシステム。
7. 【請求項７】 システムが、前記使用者が着用または携帯するように構成さ
   れたカメラをさらに備える、請求項１から６のいずれかに記載のシステム。
8. 【請求項８】 システムが、物質量および／または呼吸センサからのセンサ
   信号をカメラ画像信号と相関させる信号相関手段を有する、請求項７に記載のシ
   ステム。
9. 【請求項９】 前記カメラの出力に関連した信号を発するように構成された
   エミッタを設け、および／または、データ記録装置に取外し可能に結合すること
   のできる、機械読取可能なデータキャリアを設ける、請求項７または８に記載の
   システム。
10. 【請求項１０】 データ記憶装置を含み、前記データ記憶装置が、コンピュ
    ータのメモリ、磁気テープまたはディスク、光メモリ、光記録媒体、光磁気記録
    媒体のいずれか１つを備える、請求項１から９のいずれか一項に記載のシステム
    。
11. 【請求項１１】 前記呼吸マスクシステムの空間上の位置をそこから判定す
    ることのできる信号を供給するように構成された位置センサを含む、請求項１か
    ら１０のいずれか一項に記載のシステム。
12. 【請求項１２】 前記位置と、カメラ画像、防護係数、呼吸マスク外側の汚
    染レベル、呼吸マスク内側の汚染レベル、着用者／使用者の生理的活動の態様を
    示す生理的データのうちの１つまたは複数とを、使用時に相関させるように構成
    された相関手段を設ける、請求項１１に記載のシステム。
13. 【請求項１３】 使用時に、システムのセンサにより検出されたパラメータ
    と、前記カメラにより記録された前記画像とを関連させて、前記パラメータまた
    は値を前記カメラ画像と同時に表示させた状態で、組合せまたは関連付け処理さ
    れた画像を使用時に生成することができるように構成された、画面およびデータ
    組合せまたは関連付け手段を含む、請求項８から１１のいずれかに記載のシステ
    ム。
14. 【請求項１４】 前記呼吸マスクが前記呼吸マスク内の安全かつ呼吸可能な
    環境をうまく維持していないことを、前記使用者に知らせるように構成された表
    示器を設ける、請求項１から１３のいずれかに記載のシステム。
15. 【請求項１５】 使用者が着用するように構成された防護服を備えた、請求
    項１から１４のいずれか一項に記載のシステム。
16. 【請求項１６】 （ｉ）トランスミッタを有する請求項１から１５のいずれ
    か一項に記載のシステムと、（ｉｉ）レシーバシステムとの組合せであって、前
    記レシーバシステムが、送信信号を受けるように構成されたレシーバと、プロセ
    ッサと、ディスプレイとを有し、前記プロセッサが、使用中に受信信号を処理し
    、センサ信号が示すパラメータを視覚表示させる表示信号を、使用中にディスプ
    レイに供給する組合せ。
17. 【請求項１７】 呼吸マスクのマスク内側の汚染レベルを判定する、呼吸マ
    スクに関連したセンサを設けるステップと、前記呼吸マスク外側の汚染レベルを
    検出するステップと、前記呼吸マスクの内側および外側の汚染レベルを判定する
    ように構成された携帯型分析装置を設けるステップと、前記マスク内側の前記汚
    染レベルと前記マスク外側の前記汚染レベルとを比較するステップとを含む、呼
    吸マスクの有効性を判定する方法。
18. 【請求項１８】 前記呼吸マスクの使用者に、職場環境で運動させるステッ
    プを含む、請求項１７に記載の方法。
19. 【請求項１９】 呼吸センサを有するステップと、使用者の呼吸速度および
    ／または呼吸の流れもしくは量に関する情報を判定するステップとを含む、請求
    項１７または１８に記載の方法。
20. 【請求項２０】 前記呼吸マスクおよび関連する分析装置に、遠隔ステーシ
    ョンと通信を行わせることによって、試験結果をリアルタイムで前記遠隔ステー
    ションに通知するステップを含む、請求項１７から１９のいずれか一項に記載の
    方法。
21. 【請求項２１】 前記呼吸マスクの前記使用者により携帯された記録装置に
    試験データを記録するステップを含み、および／または、使用者の位置を判定す
    るステップを含む、請求項１７から２０のいずれか一項に記載の方法。
22. 【請求項２２】 請求項１から１５のいずれか一項のシステムまたは請求項
    １６の組合せのセンサからのデータ、または請求項１７から２０のいずれか一項
    の方法からのデータ、もしくはそのようなデータから引き出された値と、請求項
    １から１５のいずれか一項のシステムの一部として設けられたカメラにより観察
    されるものの視覚履歴とを記録するデータキャリア。
23. 【請求項２３】 コンピュータ上で実行されると、請求項１から１５のいず
    れか一項のシステムの信号処理装置により受信した信号を処理するよう前記コン
    ピュータに指示する命令を担持する、プログラム化されたデータキャリア。
24. 【請求項２４】 １つまたは複数のセンサを設けることにより、人を移動型
    センサとして使用するステップと、前記センサを使用する人の周辺の環境状態を
    検出するステップと、領域内の複数の位置の状態を確定するように、前記人を前
    記領域のあちこちに動かすステップと、前記領域の位置と合わせた、前記センサ
    から引き出された環境状態のマッピングを生成するステップとを含む、領域内の
    環境状態を評価する方法。
25. 【請求項２５】 前記マッピングが、位置と浮遊汚染物レベルとの相関を含
    む、請求項２４に記載の方法。
26. 【請求項２６】 １人の人により携帯可能な環境センサ装置と、前記１人の
    人により携帯可能な位置感知装置と、環境センサ信号および位置センサ信号処理
    手段とを備え、前記環境センサ信号および位置センサ信号処理手段が、ｉ）環境
    および／または位置信号の記録、ｉｉ）環境および／または位置センサ信号の遠
    隔ユニットへの送信、またはｉｉｉ）ｉ）とｉｉ）の両方のいずれかを行うよう
    に構成される環境マッピングシステム。
27. 【請求項２７】 請求項１から１５のいずれか一項に記載の呼吸マスクシス
    テムを、１人または複数の人に提供するステップと、信号処理装置により処理さ
    れた信号を観察するステップ、もしくは前記信号から引き出されたパラメータを
    観察するステップとを含む、生活と同様の操作状況で呼吸マスクの性能をモニタ
    する方法。
28. 【請求項２８】 職務を果たしている１人または複数の人にカメラを着用さ
    せ、および１つまたは複数のセンサを着用させるステップと、カメラ画像の処理
    された画像を生成するステップとを含み、前記処理された画像は、前記カメラに
    より記録され、同時発生センサ値または前記センサ値から引き出された値とほぼ
    同時に視覚表示される画像を含む、生活と同様の操作状況で呼吸マスクの性能を
    モニタする方法。
29. 【請求項２９】 前記センサが、物質の浮遊汚染レベルを感知する、請求項
    ２８に記載の方法。
30. 【請求項３０】 カメラと１つまたは複数のセンサとを備えた装置であって
    、前記カメラおよび前記センサが個人により着用されるように構成され、前記装
    置がさらに、カメラ画像の処理された画像を使用中に生成するように構成され、
    前記処理された画像は、前記カメラにより記録され、同時発生センサ値または前
    記センサ値から引き出された値とほぼ同時に視覚表示される画像を含む装置。
31. 【請求項３１】 コンピュータ上で実行されると、請求項２６に記載の環境
    マッピングシステムから信号を受信して、受信信号に基づいてマップを生成する
    よう前記コンピュータに指示する命令を担持する、プログラム化されたデータキ
    ャリア。