JP2003515331A - ナイーブスクリーニング法 - Google Patents

ナイーブスクリーニング法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特異的標的リガンドを用いた予備選択していないナイーブポリペプチドレパートリーから、該特異的標的リガンドと相互作用し得る対象のポリペプチドを単離する方法であって、標的リガンドを用いてナイーブポリペプチドレパートリーを直接スクリーニングして対象のポリペプチドを特定することを含む上記方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特異的な標的リガンドを用いてライブラリーを予備選択することな
く、アレイ形態になしたポリペプチドライブラリーをスクリーニングする方法に
関する。特に、本方法は、多数の異なる発現cDNAと結合するライブラリーのメン
バーを単離するための、直接スクリーニング手法における増強された免疫グロブ
リンライブラリーの使用に関する。
【0002】序論 免疫グロブリンの抗原結合ドメインは2つの個別の領域を含む:重鎖可変ドメ
イン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL:VκまたはVλのいずれであってもよい)。
抗原結合部位自体は、VHドメインに由来する3つ(H、HおよびH)およびVL
ドメインに由来する3つ(L、LおよびL)の6つのポリペプチドループから
形成される。VHおよびVLドメインをコードするV遺伝子の多様な一次レパートリ
ーは、遺伝子セグメントのコンビナトリアル再編成により生成される。VH遺伝子
は、3つの遺伝子セグメントVH、DおよびJHの組換えにより生成される。ヒト
においては、約51の機能的VHセグメント(CookおよびTomlinson (1995) Immunol
Today, 16:237)、25の機能的Dセグメント(Corbettら (1997) J. Mol. Biol., 26
8: 69)、および6の機能的JHセグメント(Ravetchら (1981) Cell, 27:583)がハ
プロタイプに応じて存在する。VHセグメントはVHドメインの第1および第2の抗
原結合ループ(H1およびH2)を形成するポリペプチド鎖の領域をコードし、VH、D
およびJHセグメントは組み合わさってVHドメインの第3の抗原結合ループ(H3)
を形成する。VL遺伝子は、2つの遺伝子セグメント(VLおよびJL)のみの組換え
により生成される。ヒトにおいては、約40個の機能的Vκセグメント(Schableお
よびZachau (1993) Biol. Chem. Hoppe-Seyler, 374: 1001)、31個の機能的Vλ
セグメント(Williamsら (1996) J. Mol. Biol., 264: 220;Kawasakiら (1997)
Genome Res., 7: 250)、5つの機能的Jκセグメント(Hieterら (1982) J. Biol.
Chem. 257:1516)、および4つのJλセグメント(VasicekおよびLeder (1990) J.
Exp. Med., 172: 609)がハプロタイプに応じて存在する。VLセグメントはVL
メインの第1および第2の抗原結合ループ(L1およびL2)を形成するポリペプチ
ド鎖の領域をコードし、VLおよびJLセグメントは組み合わさってVLドメインの
第3の抗原結合ループ(L3)を形成する。この一次レパートリーから選択される
抗体は、少なくとも中度の親和性をもってほぼ全ての抗原に結合するのに十分な
程度に多様性を有すると考えられる。高親和性抗体は、改善された結合に基づい
て免疫系により点突然変異が生成および選択された再アセンブリ遺伝子の「親和
性成熟(affinity maturation)」により生成される。
【0003】 抗体の構造および配列の分析から、6つの抗原結合ループのうちの5つ(H1、H
2、L1、L2、L3)が、限られた数の主鎖立体構造または基本(canonical)構造を所
有することが示された(ChothiaおよびLesk (1987) J. Mol. Biol., 196: 901;C
hothiaら(1989) Nature, 342: 877)。主鎖立体構造は、(i)抗原結合ループの長
さ、および(ii)抗原結合ループおよび抗原枠組み構造の特定の枢要位置にある特
定の残基または残基の種類により決定される。ループ長さおよび枢要残基の分析
により、ほとんどのヒト抗体配列にコードされるH1、H2、L1、L2およびL3
の主鎖立体構造が予測可能になった(Chothiaら (1992) J. Mol. Biol., 227: 79
9;Tomlinsonら (1995) EMBO J., 14:4628;Williamsら (1996) J. Mol. Biol.,
264:220)。H3領域は、配列、長さおよび構造の点でより多様性を有するが(Dセ
グメントを使用するため)、ループおよび抗体枠組み構造の特定の枢要位置にあ
る特定の残基の長さおよび存在、または残基の種類に依存して、短いループ長さ
のための限定数の主鎖立体構造も形成する(Martinら (1996) J. Mol. Biol., 26
3: 800;Shiraiら (1996) FEBS Letters, 399:1)。
【0004】 ヒト抗体配列における側鎖多様性についての同様の分析により、体細胞過剰突
然変異(hypermuration)により生じるパターンから、一次レパートリーにおける
配列多様性のパターンを分離することが可能になった。2つのパターンは相補的
であることが分かった:一次レパートリーにおける多様性は抗原結合の中心に焦
点を当てており、体細胞過剰突然変異は一次レパートリーにおいて高度に保存さ
れる周辺の領域にまで多様性を拡大している(Tomlinsonら (1996) J. Mol. Biol
., 256: 813;Ignatovichら (1997) J. Mol. Biol, 268: 69)。この相補性は、
限られた数のB細胞が選択に常に利用可能であることから、配列の空き(sequenc
e space)を検索するための効率的な戦略として発達したと思われる。従って、抗
体は、まず、結合部位の中心における多様性に基づいて一次レパートリーから選
択される。その後の体細胞過剰突然変異により、初期応答の際に確立される好ま
しい相互作用を妨害することなく周辺の残基を最適化する。
【0005】 最近のファージディスプレイ技術の出現(Smith (1985) Science, 228: 1315;
ScottおよびSmith (1990) Science, 249: 386;McCaffertyら (1990) Nature, 3
48: 552)により、「シングルポット(single pot)」ライブラリー由来の広範な標的
抗原に対するヒト抗体のin vitro選択が可能になった。これらのファージ-抗体
ライブラリーは、2つのカテゴリーに分類できる:ヒトB細胞から回収した再構
築V遺伝子を使用する天然型ライブラリー(Marksら (1991) J. Mol. Biol., 222:
581;Vaughanら (1996) Nature Biotech, 14:309)、または生殖細胞系列V遺伝子
セグメントがin vitroで「再編成」されるか(HoogenboomおよびWinter (1992) J.
Mol. Biol., 227: 381;Nissimら (1994) EMBO J., 13: 692;Griffithsら (199
4) EMBO J., 13: 3245;De Kruifら(1995) J. Mol. Biol., 248:97)もしくは合
成CDRが単一の再編成V遺伝子に組み込まれる(Barbasら(1992) Proc. Natl. Acad
. Sci. USA, 89: 4457)合成ライブラリーである。合成ライブラリーは、再編成V
遺伝子から構築されるファージライブラリーの有効なサイズを限定し得る天然型
レパートリーの固有の偏りを克服には貢献するが、編成されたV遺伝子に塩基対
の欠失を頻繁に導入する長い縮重PCRプライマーの使用を必要とする。この高度
なランダム化により、正規の折りたたみ構造をとることができず、従って非機能
的な抗体の生成も起こり得る。さらに、これらのライブラリーから選択された抗
体は、発現が乏しく、多くの場合、ヒト治療に使用されると抗体免疫原性に影響
し得る枠組み構造突然変異を含む。
【0006】 最近、合成ライブラリーア手法の延長として、コンセンサス枠組み構造配列を
有し、折りたたみおよび発現を改善することが示されているアミノ酸置換を取り
入れる「主要遺伝子」のセットを合成することによりヒト抗体枠組み構造が予め最
適化できることが示唆されている(WO97/08320, Morphosys)。次いで、CDRにおけ
る多様性を、オリゴヌクレオチドを使用して組み込む。ヒト免疫系により異種の
ものとして認識されない人工ヒト抗体を生成することが望ましいため、多くの場
合にどの天然型枠組み構造とも対応しないコンセンサス枠組み構造を使用するこ
とがこのアプローチの障害である。さらに、CDRの多様性は折りたたみおよび/ま
たは発現に対しても影響を有する可能性が高いため、V遺伝子が完全に編成され
た後に、折りたたみおよび/または発現を最適化すること(そして全てのフレーム
シフトまたは停止コドンを除去すること)が好ましい。この目的のために、標的
抗原で選択する前に、ライブラリーの非機能的メンバーまたは折りたたみ/発現
の乏しいメンバーを除去できる選択系を有することが望ましい。
【0007】 上記および他の問題に対する解決法は、本発明者らの同時係属中の国際特許出
願WO 99/20749 (MRC)(その内容は参照により本明細書に援用される)に提供され
ている。後者の出願は、一般的リガンド(generic ligand)と結合する能力により
決定される機能性に応じてポリペプチドのレパートリーを予備選択し、そして予
備選択した結果として得られたポリペプチドのサブセットを、標的リガンドと結
合する能力に応じたさらなるラウンドの選択のために採用する方法を記載する。
このアプローチは、当業者が、例えば、実質的にどの標的リガンドにも結合でき
ない、フレームシフト突然変異、停止コドン、折りたたみ変異または発現変異の
導入の結果生じる非機能的なポリペプチドを、選択されたレパートリーから除去
することを可能にする。このような非機能的な変異体は、ポリペプチドレパート
リーの構築において採用される通常のランダム化および変異手順により生成され
る。同時に、本発明は、当業者が、選択されたレパートリーのポリペプチドにお
いて、機能的で、うまく折りたたまれ、高度に発現されたポリペプチドについて
富化できるようにする。
【0008】 WO 99/20749において免疫グロブリンレパートリーとの使用について記載され
る一般的リガンドは、スーパー抗原を含む。スーパー抗原は、標的リガンド特異
性に関係なく、機能的免疫グロブリン分子、または特定の主鎖立体構造を含むそ
のサブセットと結合できる。
【0009】 WO 99/02749はまた、レパートリーのメンバーが既知および/または単一の主鎖
立体構造を有する、免疫グロブリンスーパーファミリーのポリペプチドのレパー
トリーを含むライブラリーを記載する。これは、不適切な主鎖立体構造のために
標的抗原に適さない非結合免疫グロブリンの除去をはじめとする多くの長所を有
している。
【0010】 WO 99/02749は、改善されたライブラリーについて記載するが、ライブラリー
にコードされたレパートリーから所望のポリペプチドを選択するためには、ファ
ージディスプレイなどのディスプレイ系に依存する。ファージディスプレイは非
常に力強いが、ファージの増殖、パンニング法および感染のラウンドの繰返し(
これにより、免疫優性エピトープおよび優性タンパク質(タンパク質混合物)に偏
ることが多い)を必要とするなどの労力を伴う技法である。抗体レパートリーラ
イブラリーの大きさのために、従来技術においては他の手段では選択できなかっ
たので、この使用を必要とする。
【0011】 標的リガンドを使用して予備選択すること、その後の結合についてのスクリー
ニングは、当該分野において一般的であり、例えば、マウスの免疫化、選択遺伝
子のクローニング、およびコロニーリフトの実施、またはファージもしくはリボ
ソームディスプレイのラウンドを実施してから、選択クローンをELISA形式でス
クリーニングすることにより行う。同様に、標的リガンドも、おそらく共通のエ
ピトープと結合させることにより、関連する異種の標的リガンドに対する結合物
を予備選択するためによく使用される。同様に、所与の標的リガンドに対する結
合物は、ファージディスプレイを使用することなく、関連抗原に対して多様化お
よびスクリーニングし易い。本発明において、本発明者らは、標的リガンドおよ
びその任意の関連分子のどちらも、ポリペプチドレパートリーの任意のメンバー
またはその関連ポリペプチドのいずれとも接触させることを必要とせず、ポリペ
プチドレパートリーを所与の標的リガンドと相互作用する特異的なメンバーにつ
いてスクリーニングする方法を発明した。
【0012】発明の概要 本発明者らは、標的リガンドに対してポリペプチドを選択するために、ファー
ジディスプレイまたは他のディスプレイ技法によらず、かつ動物免疫化によらず
に、標的リガンドに曝露して予備選択することなく、ライブラリーからポリペプ
チドを選択可能な系を開発した。本発明は、任意にランダム化したポリペプチド
レパートリーまたはクローニングcDNAライブラリーからのポリペプチドの選択に
まで範囲を広げることができる。
【0013】 従って、本発明の第一の態様では、特異的標的リガンドを用いて予備選択して
いないポリペプチドレパートリーから、該特異的標的リガンドと相互作用し得る
対象のポリペプチドをを単離する方法であって、標的リガンドを用いたポリペプ
チドレパートリーの直接スクリーニングして対象の特異的なポリペプチドを特定
することを含む上記方法を提供する。
【0014】 有利なことに、本発明による特異的な標的リガンドを使用したスクリーニング
は、ファージディスプレイ、ポリソームディスプレイまたはマイクロカプセル化
法などの遺伝子ディスプレイパッケージングを利用せずに実施される。
【0015】 ポリペプチドレパートリーは、標的リガンドに対してスクリーニングする前に
1つまたは複数の一般的リガンドにより予備選択されることが好ましい。このよ
うな一般的リガンドは、機能的に発現される分子とだけ結合できる。本発明者ら
は、本アプローチが、ライブラリーの機能性を低下させることなく、アレイ上の
ポリペプチドレパートリーに対する標的リガンドの直接スクリーニングが可能な
程度にライブラリーの大きさを十分に小さくできる1つの方法であることを発見
した。さらに、スクリーニング用に選択された標的リガンドも機能的に発現され
ることが好ましい。このような機能的発現は、標的リガンドに適した一般的リガ
ンドを用いることでアッセイできる。ポリペプチドレパートリーおよび標的リガ
ンドの両方を、互いに対してスクリーニングする前に、適切な一般的リガンドと
結合させて予備選択することにより、特異的な結合対を単離するのに必要なアレ
イ中のポリペプチドの数をさらに減らすことがより好ましい。
【0016】 従って、本発明は、一般的リガンドへの結合能により決定される機能性に応じ
てポリペプチドのレパートリーを予備選択し、次いで予備選択した結果得られた
ポリペプチドのサブセットを、標的リガンドとの相互作用する能力に応じた直接
選択に用いる方法を提供する。さらに、本発明は、スクリーニングの前に潜在的
標的リガンドの機能性を、それらが適切な一般的リガンドへの結合能により調べ
る方法を提供する。
【0017】 ポリペプチドレパートリーを予備選択することは、実質的にどの標的リガンド
とも結合できなくなるかまたはできない、例えばフレームシフト突然変異、停止
コドン、折りたたみ変異または発現変異などの導入により非機能的であるポリペ
プチドを除去する。このような非機能的変異体は、ポリペプチドレパートリーの
構築に用いされる通常のランダム化および多様化手順により生じる。同時に、予
備選択することにより、選択されるポリペプチドレパートリーは、機能的で、正
規の折りたたみ構造をとり、かつ高度に発現されたポリペプチドについて富化さ
れる。標的リガンドを予備選択することにより、ポリペプチドレパートリーの実
質的にどのメンバーとも結合できない、例えばフレームシフト突然変異、停止コ
ドン、折りたたみ変異または発現変異の導入により生じた非機能的なメンバーが
除去される。
【0018】 本発明の方法により、例えば、2つ以上の一般的リガンドでレパートリーを予
めスクリーニングするか、または異なる条件下でレパートリーを一般的リガンド
に接触させることにより、レパートリーから2つ以上のポリペプチドサブセット
を得ることが好ましい。都合よくは、このようにして得られたポリペプチドのサ
ブセットを組み合わせてさらなるポリペプチドのレパートリーを形成し、これを
標的および/または一般的リガンドと接触させてさらにスクリーニングしてもよ
い。標的リガンドも、標的リガンドに対する一般的リガンドを2つ以上使用する
か、異なる条件下で標的分子を一般的リガンドと接触させることにより予備選択
することがより好ましい。
【0019】 本発明において使用するポリペプチドのレパートリーまたは標的分子は、抗体
ポリペプチドまたはT細胞受容体ポリペプチドなどの免疫グロブリンスーパーフ
ァミリーのポリペプチドを含むことが好ましい。ライブラリーは、抗体のVHまた
はVLドメイン、またはT細胞受容体のVβまたはVαドメインなどの個別の免疫グ
ロブリンドメインを含み得ることが都合がよい。従って、好適な実施形態では、
例えばVHおよびVLポリペプチドのレパートリーは、個々について一般的リガンド
を使用して予めスクリーニングしてから組み合わせて、VHおよびVLポリペプチド
の両方を含む機能的レパートリーを作製してもよい。次いで、このようなレパー
トリーを標的リガンドでスクリーニングして、VHおよびVLドメインの両方を含み
、かつ所望の結合特異性を有するポリペプチドを単離できる。あるいはまた、ス
クリーニングを逆にして、標的分子が免疫グロブリンスーパーファミリーのポリ
ペプチドを含み、ポリペプチドのレパートリーが例えば発現されたcDNAライブラ
リーまたはペプチドライブラリーであってもよい。この場合、まず、1つまたは
複数の一般的リガンドを用いたスクリーニングを採用して機能的標的分子を選択
し、次いでcDNAまたはペプチドライブラリーに対してスクリーニングする。この
ようなcDNAまたはペプチドライブラリーはまた、cDNAライブラリーの場合には抗
タグ抗体などの適切な一般的リガンドでの選択またはスクリーニングにより予め
スクリーニングすることができる。
【0020】 都合のよい実施形態では、免疫グロブリンと使用するために選択される一般的
リガンドは、スーパー抗原である。スーパー抗原は、標的リガンド特異性とは無
関係に、特定の主鎖立体構造を含む機能的免疫グロブリン分子またはそのサブセ
ットと結合できる。あるいはまた、一般的リガンドは、抗体そのもの、金属イオ
ンマトリクス、有機化合物(タンパク質、ペプチドなどを含む)など、任意の所与
のレパートリーを形成するポリペプチドの全般的な構造および結合可能な任意の
リガンドから選択され得る。
【0021】 さらなる態様では、本発明は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー
を含むライブラリーを提供する。ここで、レパートリーのメンバーは既知の主鎖
立体構造を有する。このようなライブラリーは、標的リガンドでのスクリーニン
グのために免疫グロブリンポリペプチドのアレイ化したレパートリーを作製する
ために、または別のポリペプチドライブラリーをスクリーニングするための標的
リガンドのソースとして使用できる。
【0022】 免疫グロブリンは、単一の主鎖立体構造を有することが都合がよい。いくつか
の主鎖立体構造が天然に存在するにもかかわらず、実際には、機能性を有意に失
うことなく、レパートリー全体を単一の主鎖立体構造に基づかせることが可能で
ある。これにより、ライブラリーのサイズを、アレイ化したレパートリーの直接
スクリーニングを可能にする程度に十分に小さくできる。
【0023】 さらに、公知の主鎖立体構造を採用することにより、レパートリーがプロテイ
ンAまたはプロテインLなどの一般的リガンドへの結合能が最大化される。なぜ
なら、免疫グロブリン折りたたみの基本的構造はこのようなレパートリーにおい
ては相違がないと考えられるからである。
【0024】 既知および/または単一の主鎖立体構造に基づくライブラリーは、本発明の上
記態様に従って予備選択して、非機能的ポリペプチドをレパートリーから除去す
ることによりライブラリーをさらに厳選することが好ましい。
【0025】 好適な実施形態では、本発明は、1種以上の一般的リガンドと結合させること
により非機能的なメンバーを完全にまたは部分的に排除したナイーブライブラリ
ーまたはレパートリーを提供する。該ライブラリーまたはレパートリーは、特異
的な標的リガンドを用いて直接スクリーニングするのに、または別のポリペプチ
ドライブラリーをスクリーニングするための機能的標的リガンドのソースとして
適している。
【0026】 本発明によるポリペプチドレパートリーは、一般的リガンドおよび標的リガン
ドの両方を用いて選択するために設計されることが好ましい。標的分子は、少な
くとも1種の一般的リガンドおよびポリペプチドのレパートリーを用いる選択の
ためにフォーマット化されることが都合がよい。
【0027】 本発明によるレパートリーは、標的リガンドを用いて様々な手法により選択さ
れることができ、その例をいくつか以下に記載する。例えば、レパートリーを、
固相支持体上でアレイ化し、標的リガンドを使用してスクリーニングしてもよい
。あるいはまた、ポリペプチドレパートリーの各メンバー(または少数のメンバ
ー)を別個のウェルに入れておき、ポリペプチドレパートリーの特異的結合性を
有するメンバーを含むウェル中で標的リガンドとの相互作用が生じ得るようにし
て、レパートリーを溶液中でスクリーニングしてもよい。
【0028】 レパートリーアレイは、多くの長所を有する。特に、異なる標的リガンドでス
クリーニングした複製アレイを比較することにより、比較結合情報を得ることが
できる。アレイは、様々な手法により作成できる。例えば、ポリペプチドレパー
トリーを、一般的リガンドで被覆されうるフィルターまたは他の表面に結合させ
てアレイ化することできる。
【0029】 あるいはまた、抗体などの結合分子のポリペプチドアレイは、フィルターに結
合させた標的リガンドに結合させることにより直接的にアレイ化することができ
る。本実施形態では、標的リガンドに対して特異性を有するポリペプチドのみが
結合する。つまり、ポリペプチドを標的化一般的リガンドと結合させることによ
り可視化できることを意味する。レパートリーは、ポリペプチド形式、または核
酸の発現ライブラリーの形態で上述のようにアレイ化することができる。
【0030】 ポリペプチドレパートリーは、標識化標的リガンドを用いてスクリーニングさ
れることが好ましい。例えば、ポリペプチドレパートリーがアレイ化された場合
、標的リガンドは、HRPなどの酵素標識、FITCなどの蛍光標識、または放射能標
識で標識化すると好都合である。ポリペプチドレパートリーが溶液中にある場合
、標識は結合対のうちの片方など単離可能な部分(例えば、ビオチンまたは(スト
レプト)アビジン)であると都合がよい。これにより、標的リガンドと相互作用し
た(この場合は結合した)ポリペプチドを単離し易くなる。あるいはまた、結合し
た標的リガンドは、HRPなどの酵素標識、FITCなどの蛍光標識、または放射能標
識で都合よく標識化されたその一般的リガンドを使用して検出できる。
【0031】 本発明のレパートリー(または標的分子)は、限定的なランダム化を含むことが
都合がよい。ヒト抗体などの抗原結合部位免疫グロブリンにおける側鎖多様性の
ひとつの特徴は、特定のアミノ酸残基を好むはっきりとした偏りである。VH、V
κおよびVλ領域のそれぞれにおける最も多様性を有する10個の位置のアミノ
酸組成を合計すると、76%を上回る側鎖多様性が7つの異なる残基のみに由来す
る。これらは、セリン(24%)、チロシン(14%)、アスパラギン(11%)、グリシン
(9%)、アラニン(7%)、アスパラギン酸(6%)およびトレオニン(6%)である。こ
のような主鎖の柔軟性を提供することが可能な親水性残基および小型の残基への
偏りは、広い範囲の抗原と結合することに傾倒する表面の進化(evolution)をお
そらく反映し、一次レパートリーにおける必要な抗体の混合性(promiscuity)を
説明する助けになるかもしれない。
【0032】 このアミノ酸分布を模倣することが好ましいため、本発明は、変異のある位置
におけるアミノ酸の分布が、抗体の抗原結合部位に認められる分布を模倣するラ
イブラリーを提供する。様々な標的リガンドに対する特定のポリペプチド(抗体
ポリペプチドだけではない)の選択を可能にするアミノ酸の置換におけるこのよ
うな偏りは、本発明により、どのようなポリペプチドレパートリーに対しても簡
単に適用できる。変異のある位置においてアミノ酸分布を偏らせる方法は色々あ
る(トリヌクレオチド突然変異誘発の使用を含む、WO97/08320、Morphosys、前掲
)。この中で好ましい方法は、合成の簡易性から、従来の縮重コドンの使用であ
る。全ての組合せの縮重コドン(各位置において同等の比率で一重、二重、三重
および四重の縮重を有する)によりコードされるアミノ酸プロフィールを天然型
アミノ酸を使用して比較することで、最も代表的なコドンを計算できる。コドン
(AGT)(AGC)T、(AGT)(AGC)C、および(AGT)(AGC)(CT)(すなわち、IUPAC命名法を用
いるとそれぞれDVT、DVCおよびDVY)は、所望のアミノ酸プロフィールに最も近い
ものである。これらは22%セリン、ならびに11%チロシン、アスパラギン、グリ
シン、アラニン、アスパラギン酸、トレオニンおよびシステインをコードする。
従って、ライブラリーは、各変異の位置において、DVT、DVCまたはDVYコドンの
いずれかを使用して構築されることが好ましい。
【0033】発明の説明 定義 レパートリー レパートリーとは、多様な変異体の集団であって、例えば、ヌクレオチド配列
の異なる核酸変異体またはアミノ酸配列の異なるポリペプチド変異体の集団であ
る。本発明においては、ポリペプチドのレパートリーは、一般的リガンドに対す
る結合部位および標的リガンドに対する結合部位を含有するように設計すること
が好ましい。これらの結合部位は、重複していてもよく、または分子の同一の領
域内に位置していてもよいが、特異性を異にする。
【0034】ナイーブレパートリー 特異的標的リガンドにまだ曝露されていない場合、または異的標的リガンドを
用いてまだ選択されていない場合、そのレパートリーはナイーブであるという。
典型的には、先行技術のナイーブレパートリーは多くの不要な分子、非機能的な
分子、または不完全な分子を含む。本発明のレパートリーにおいては、一般的リ
ガンドを用いて予備選択するため、または単一もしくは公知の主鎖立体構造およ
び限定的無作為化(limited randomization)を用いて慎重に構築するために、
このような分子は非常に少数しか含まれない。本発明のナイーブレパートリーに
含まれるレパートリーのメンバーは、本発明のスクリーニングの前に、標的リガ
ンドに曝露されていない(標的リガンドと特異的に相互作用するレパートリーの
メンバーについての、例えばファージディスプレイ、リボソームディスプレイも
しくはピューロマイシンディスプレイなどのin vitro選択、動物の免疫化、また
はレパートリーの優先的な富化(preferential enrichment)をもたらす他のい
ずれのの技法にも供されていない)。
【0035】機能的 本明細書中に用いる「機能的」という語は、その型の元来の生物学的活性か、
何らかの所望の特定の活性のいずれかを有しているレパートリーのポリペプチド
または標的分子をいう。これは、例えば、正規の折りたたみ構造を取る能力、ま
たはフレームシフト、停止コドンなどを含まずに全長の産物として発現させる能
力によって判断される。レパートリーの「機能的」ポリペプチドは少なくとも、
所定の標的分子と相互作用する潜在的能力は有しているが、「非機能的」ポリペ
プチドは、同一の標的分子と相互作用することは実質的にはない。「機能的」標
的分子は少なくとも、ポリペプチドレパートリーのメンバーと相互作用する潜在
能力を有しているが、非機能的標的分子はポリペプチドレパートリーのメンバー
と相互作用することは実質的にはない。レパートリーの所定のポリペプチドまた
は所定の標的分子の機能性は、その適切な一般的リガンドに結合する能力によっ
て判断できる。下記も参照されたい。
【0036】一般的リガンド 一般的リガンドとは、所定のポリペプチドレパートリーの機能的メンバーの実
質的な集団に結合するリガンドである。したがって、同一の一般的リガンドは、
レパートリーの多くのメンバーに、該メンバーの標的リガンド特異性に関係なく
結合し得る(下記参照)。一般的には、機能的な一般的リガンド結合部位が存在
するということは、レパートリーのメンバーが発現されかつ正規の折りたたみ構
造を取ることを示す。したがって、一般的リガンドの結合部位への結合により、
ポリペプチドのレパートリーから機能的ポリペプチドを予備選択する方法が提供
される。標的分子は、標的分子の機能性を示すために用いることができる一般的
リガンドをも含有する場合がある。
【0037】標的リガンド 標的リガンドとは、この分子に対する特異的な活性を有するポリペプチドレパ
ートリーのメンバーを特定するための分子である。ポリペプチドレパートリーの
メンバーが抗体分子である場合、標的リガンドは抗原であり得、レパートリーの
メンバーが酵素である場合、標的リガンドは基質であり得る。ポリペプチドレパ
ートリーのメンバーがcDNAの発現されたものである場合、標的リガンドは抗体で
あるか、その他の何らかのポリペプチド分子であり得る。標的リガンドとポリペ
プチドレパートリーのメンバーの組み合わせの特異的活性は、標的リガンドおよ
び機能的な(上記一般的リガンドの項で記載する通り)レパートリーのメンバー
の双方に依存し、かつ、標的リガンドに対するポリペプチドレパートリーメンバ
ーの正確な特異性に依存する。
【0038】活性 標的リガンドに対するレパートリーのメンバーであるポリペプチドの活性は、
レパートリーのメンバーが標的分子に結合する場合は結合活性でもよく、レパー
トリーのメンバーが標的リガンドが関与する反応を触媒し得る場合は酵素活性で
もよく、また、測定可能な任意の他の活性であってもよい。
【0039】サブセット サブセットとは、レパートリーの一部をいう。本発明においては、レパートリ
ーのサブセットのみが、機能的であり、即ち機能的な一般的リガンド結合部位を
有する場合が多い。さらに、レパートリーの機能的なメンバーのうちの一部の集
団だけが、一般的リガンドに結合する場合もある(ただし、所定の標的リガンド
に対してはより顕著な活性を示すかもしれない)。かかるサブセットを本発明に
したがって選択することができる。
【0040】 ライブラリーのサブセットを組合せたりまたはまとめたりして、所望の基準に
応じて予備選択された新規レパートリーを作製することができる。組合せたまた
はまとめたレパートリーは、一般的リガンドの結合により予備選択されたポリペ
プチドのメンバーの単純な混合物である場合もあり、または2つのポリペプチド
サブセットを組合わせるための操作を行ってもよい。例えば、VHおよびVLのポリ
ペプチドをそれぞれ予めスクリーニングし、その後、scFvなどの連結したVH-VL
の二量体を発現するように遺伝子レベルで単一のベクター上に組合せることもで
きる。
【0041】ライブラリー ライブラリーという用語は、異種のポリペプチドまたは核酸の混合物を指す。
ライブラリーは、一本鎖ポリペプチドまたは核酸配列を有するメンバーで構成さ
れている。この場合、「ライブラリー」は、「レパートリー」と同義である。ラ
イブラリーが核酸ライブラリーを指す場合、そのライブラリーはポリペプチドの
レパートリーをコードするものである。ライブラリーメンバー間の配列の相違が
、ライブラリーにおける多様性を担っている。ライブラリーは、ポリペプチドま
たは核酸の単純な混合物の形態をとることもあり、または核酸のライブラリーで
形質転換された生物体もしくは細胞(例えば、細菌、ウイルス、動物または植物
細胞など)の形態であってもよい。有利には、核酸によってコードされるポリペ
プチドの発現を可能にするために、核酸を発現ベクターに組込む。したがって、
好ましい態様では、ライブラリーは宿主生物体の集団の形態を取る場合もあり、
この場合、各生物体は、発現されて対応するポリペプチドメンバーを生成し得る
核酸のライブラリーのメンバーを1つ含む発現ベクターを1コピー以上含有する
。即ち、宿主生物の集団は遺伝子的に多様なポリペプチド変異体の大きなレパー
トリーをコードするという可能性を有している。
【0042】免疫グロブリンスーパーファミリー 免疫グロブリンスーパーファミリーとは、免疫グロブリン(抗体)分子に特徴
的な免疫グロブリン折りたたみ構造(2つのβシートおよび通常は保存的ジスル
フィド結合を含んでいる)を保持するポリペプチドのファミリーを指す。免疫グ
ロブリンスーパーファミリーのメンバーは、in vivoの細胞性および非細胞性相
互作用の多くの現象に関与している。例としては、免疫系(例えば、抗体、T細
胞受容体分子など)における広範な作用、細胞接着(例えば、ICAM分子など)お
よび細胞内シグナル伝達(例えば、PDGF受容体などの受容体分子)における関与
などがある。本発明は、全ての免疫グロブリンスーパーファミリー分子に適用可
能である。その理由は、免疫グロブリンスーパーファミリー分子の変異が同様の
様式で達成されるからである。好ましくは、本発明はイムノグロブリン(抗体)
に関する。
【0043】主鎖立体構造 主鎖立体構造とは、3次元構造のCα骨格のことをいう。抗体またはTCR分子の
個々の超可変ループを考える場合、主鎖立体構造は基本構造(canonical structu
re)と同義である。ChothiaおよびLesk(1987;J. Mol. Biol., 196: 901)およ
びChothiaら(1989;Nature, 342: 877)に示されているように、抗体は、側鎖
はループそれぞれにかなり多様性があるのに対して、6つの超可変ループのうち
の5つ(H1、H2、L1、L2およびL3)においては限られた数の基本構造を示す。提
示される正規の基本構造は、ループの長さおよびそのパッキングに関与する鍵と
なる特定の残基の同一性に依存する。第6のループ(H3)は、長さおよび配列の
両方においてかなり多様性があり、従って特定の長さの短いループにおける基本
構造だけを提示する(Martinら、1996、J. Mol. Biol. 263: 800 ; Shiraiら、1
996、FEBS Letters、399:1)。本発明では、6つ全てのループが基本構造を有し
、これによって抗体分子全体の主鎖立体構造がわかることが好ましい。
【0044】抗体ポリペプチド 抗体は、B細胞によって産生され、脊椎動物における宿主免疫防御系の中心を
なしているイムノグロブリンである。抗体ポリペプチドは、本明細書で用いる場
合、抗体、または抗体の一部(修飾されていても、未修飾のものでもよい)のど
ちらかのポリペプチドである。したがって、抗体ポリペプチドという用語は、重
鎖、軽鎖、重鎖-軽鎖二量体、Fabフラグメント、F(ab')2フラグメント、Dabフラ
グメント、軽鎖一本鎖ドメイン、重鎖一本鎖ドメイン、またはFvフラグメント(
一本鎖Fv(scFv)を含む)を包含する。このような抗体分子の作製方法は、当業者
には公知である。
【0045】スーパー抗原 スーパー抗原とは、ほとんどが細菌中で発現させた毒素の形態にある、免疫グ
ロブリンスーパーファミリーのメンバーと、これらの分子に対する通常のリガン
ド結合部位以外で相互作用する抗原である。スタフィロコッカスのエンテロトキ
シンは、T細胞受容体と相互作用してCD4+T細胞を刺激する作用を有する。抗体に
対するスーパー抗原は、IgGの定常領域に結合するプロテインG分子(Bjorckおよ
びKronavall、1984、J. Immunol, 133: 969; Reisら、1984、J. Immunol., 132:
3091)、IgGの定常領域およびVHドメインに結合するプロテインA分子(Forsgre
nおよびSjoquist、1966、J. Immunol., 97; 822)およびVLドメインに結合する
プロテインL(Bjorck、1988、J. Immunol, 140: 1994)を含む。本発明では、ス
ーパー抗原は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーに対する一般的リ
ガンドとして用いる。
【0046】発明の好適な実施形態 本発明において有用なライブラリーおよびレパートリーの調製は、WO 99/2074
9(この開示は参照により本明細書に援用される)に完全に記載されている。WO 99
/20749は、免疫グロブリンのライブラリーの調製方法、一般的リガンドを用いて
予備選択する方法、ならびに/または単一の主鎖立体構造を用いて調製され得る
方法を記載している。WO 99/20749に記載のライブラリーは、該文献に記載され
ているようにまたは当該分野で周知の技術により宿主生物内で発現されて、アレ
イ化および本発明における使用に適したポリペプチドのレパートリーを作成でき
る。あるいはまた、ポリペプチドは、配列であって、in situ、さもなくばアレ
イの形態に合成されて、本発明に使用され得る。
【0047】ポリペプチドレパートリーのアレイ化 本発明によれば、ポリペプチドをそのままアレイ化するか、アレイ化された細
胞で発現させるかに依存して、様々ある方法の1つによりポリペプチドをアレイ
化できる。例えば、ポリペプチドを、当該分野で一般的に入手可能な商業的技術
によりロボット工学的グリッド化によりアレイ化してもよい。
【0048】 アレイ化は、ライブラリーメンバーの直接化学合成により実施され得る。初期
の方法の1つは、例えばWO84/03564に記載されているように、ピンまたはロッド
のセット上でペプチドを合成することである。ビーズ上でペプチドを合成して各
ビーズが個々のライブラリーメンバーであるペプチドライブラリーを形成する同
様の方法が米国特許第4,631,211号に記載されており、関連方法がWO92/00091に
記載されている。ビーズ利用法の有意な改善は、各ビーズを固有の識別タグ(例
えばオリゴヌクレオチド)でタグ付けして、各ライブラリーメンバーのアミノ酸
配列を同定し易くすることである。これらの改善されたビーズ利用法はWO93/061
21に記載されている。
【0049】 別の化学合成法は、個別のライブラリーメンバー(例えばユニークなペプチド
配列)をそれぞれアレイの区別された所定の位置に配置するように、表面上でペ
プチド(またはペプチド模倣体)のアレイを合成することである。各ライブラリー
メンバーの同定は、アレイにおける空間的位置により決定される。所定の分子(
例えば受容体)と反応ライブラリーメンバーとの結合相互作用が生じるアレイに
おける位置を決定して、空間的位置に基づいて反応ライブラリーメンバーの配列
を同定する。これらの方法は、米国特許第5,143,854号;WO90/15070およびWO92/
10092;Fodorら (1991) Science, 251:767;DowerおよびFodor (1991) Ann. Rep
. Med. Chem. 26:271に記載されている。
【0050】(a)細胞のアレイ化 本発明の好適な態様においては、細胞をアレイ化することにより核酸のアレイ
を調製できる。細胞はロボット工学的ピッキングによりアレイ化されることが都
合がよい。なぜならロボット工学的技術は、細胞コロニーの最も精密で高密度な
グリッド化を可能にするからである。ただし、細胞または細胞コロニーを支持体
上の区別された位置に配置するのに適した、手操作技術を含む任意の技術も使用
できる。
【0051】 細胞のグリッド化は、規則的で、各コロニーが隣接するものから所定の距離に
あってもよいし、ランダムであってもよい。コロニーがランダムに配置される場
合、それらの密度を調節して、選択した支持体上でコロニーが重複する確率を統
計的に低くするかまたは無くすことができる。
【0052】 細胞コロニーのアレイ化方法は、米国特許第5,326,691号(その内容は参照によ
り本明細書に援用される)に詳細に記載されている。
【0053】本発明に従ってポリペプチドアレイをスクリーニングする いったん作製したポリペプチドアレイは、当該分野で公知の技術により、1つ
または複数の適切な標的分子を用いてスクリーニングされ得る。標的リガンドは
標識化するか、または検出可能なシグナルを生成する試薬を使用してそれ自体を
検出可能にすることが都合がよい。
【0054】 本発明は、異なる検出アプローチの使用を指示するいくつかの異なる基準に従
って構成できる。本発明の好適な実施形態を以下に記載するが、他のアプローチ
も当業者には明らかになるであろう。
【0055】a.溶液アプローチ ポリペプチドのレパートリーは、溶液中でスクリーニングしてもよい。本実施
形態では、レパートリーのサブセットをまず一般的リガンドを用いて単離し、場
合によっては、標的リガンドを用いるスクリーニングの前に複数のサブセットを
組み合わせてもよい。
【0056】 溶液スクリーニングのために、ポリペプチドレパートリーの各メンバー(また
は少数のメンバー)は、例えば96、384または1536ウェルプレートの個別のウェル
に入れておく。次いで、標的リガンドをレパートリーに曝露し、ポリペプチドレ
パートリーの特異的な結合メンバーを含むウェルにおいてのみ標的リガンドとの
相互作用が生じる。このような相互作用は、その後、ビオチン分子し(この場合
ストレプトアビジンを使用して標的リガンドを捕捉する)などのタグを介して標
的リガンドを捕捉、例えば一般的リガンドを用いる検出などによりレパートリー
の特異的なメンバーの存在を決定することにより検出できる。
【0057】b.アレイ化アプローチ 代替的な実施形態セットは、ポリペプチドレパートリーを標的リガンド上でア
レイ化するか、またはポリペプチドレパートリーを固相支持体に結合させて、標
識化標的リガンドに曝露し、または標的リガンドに曝露し、別のステップでそれ
に特異的な標識に曝露することを伴う方法を含む。
【0058】 最初の好適な実施形態では、ポリペプチドレパートリーはグリッド化プロセス
によりアレイ化され、このとき、アレイにおけるポリペプチドの位置は、レパー
トリーをコードするライブラリーのクローンに対応するようにしてもよい。
【0059】 より具体的には、標的リガンドを固相表面上に固定化し、レパートリーに曝露
する。すると、標的リガンドと相互作用するレパートリーのメンバーを、例えば
ポリペプチドレパートリーの機能的メンバーを指向する標識化一般的リガンドを
使用して検出できる。
【0060】 あるいはまた、ポリペプチドレパートリーは、固相支持体に付着した一般的リ
ガンドを介して固相支持体上に直接アレイ化されてもよい。ポリペプチドレパー
トリーのメンバーが固相支持体に直接的または間接的のいずれで固定された場合
でも、標的リガンドは検出可能標識で都合よく標識化されて、標的リガンドと相
互作用するアレイ上のポリペプチドの位置を可視化できるようにする。あるいは
また、標識リガンドと固定化ポリペプチドとの結合は、他の手段によっても検出
でき、例えば、表面プラスモン共鳴、または標的分子に対する標識化一般的リガ
ンドの使用を含む。
【0061】 上記実施形態によれば、所望であれば、レパートリーを、多くの異なる標的リ
ガンドに対して同時にスクリーニングし、所望の組み合わせの標的リガンドと相
互作用するポリペプチドレパートリーのメンバーを特定してもよい。
【0062】 ロボット工学的アレイ化は当該分野において周知であり、Genetix、Genetic M
icroSystemsおよびBioRoboticsなどの会社から、小さいまたは大きい表面にわた
り高速かつ非常に正確にアレイ化できる機械が入手可能である。このような機械
は精製タンパク質、上清、または細胞を多孔性または非多孔性表面にスポットで
き、その後必要であれば固定して、安定したアレイを作製できる。上述のように
、必要であればアレイを複製して、複数の標的リガンドを用いて同にスクリーニ
ングすることを可能にできる。公知の手順により、細胞を利用したアレイを溶出
してポリペプチドをin situで放出でき、および/または発現されたポリペプチド
を固相支持体に固定できる。
【0063】本発明に従って選択されたポリペプチドの利用 本発明の方法に従って選択されたポリペプチドは、実質的にあらゆるプロセス
において使用することができる。該ポリペプチドが抗体ポリペプチドである場合
、それらをリガンド−ポリペプチド結合を含むあらゆるプロセスに使用してもよ
く、それにはin vivoにおける治療的および予防的適用、in vitroおよびin vivo
における診断的適用、in vitroアッセイおよび試薬への適用などが含まれる。例
えば、抗体の場合、抗体分子を当業者に周知の方法に従ってELISA技術などの抗
体に基づいたアッセイ技術に使用してもよい。
【0064】 前記のように、本発明に従って選択された分子は、診断、予防および治療手段
において使用される。例えば、これらの方法により作製および選択された酵素変
異体は、当技術分野でよく知られた技術を用いてin vitroまたはinvivo活性につ
いてアッセイしてもよく、それによりそれらは基質の候補分子と共にインキュベ
ートされて基質の生成物への転換が解析される。選択された細胞表面の受容体ま
たは接着分子を培養細胞中で発現させ、次にこれらの生化学的刺激に対する応答
能または細胞表面分子を発現する他の細胞型(不変的な接着分子が結合している
と予測されるもの)との親和性が試験される。本発明に従って選択された抗体ポ
リペプチドは、標準的な免疫組織化学的手法によるウエスタン解析およびin sit
uタンパク質検出において診断的に使用される。つまり、これらの適用における
使用のために、選択されたレパートリーの抗体を当技術分野において周知の技術
に従って標識してもよい。さらに、そのような抗体ポリペプチドを、樹脂などの
クロマトグラフィー担体と結合させて、アフィニティークロマトグラフィー法に
おいて予備的に使用してもよい。そのような技術の全てが当業者に公知である。
【0065】 本発明に従って調製したタンパク質の治療および予防における使用は、本発明
に従って選択されたポリペプチドをヒトなどの受容体哺乳動物に投与することを
含む。これに関する特定の使用は、抗体、他の受容体(T細胞受容体を含むが、
これに限定はされない)および、抗体または受容体が、それらに結合する一般的
リガンドあるいは標的リガンドのどちらかとして使用される場合、タンパク質で
ある。
【0066】 実質的に純粋な抗体または結合タンパク質で少なくとも90〜95%の均質性を有
するものが哺乳動物への投与には、特に哺乳動物がヒトである場合には、好まし
く、および98〜99%あるいはそれ以上の均質性が治療上の使用にとって最も好ま
しい。所望通りに部分的にあるいは均質になるように一度精製されると、選択さ
れたポリペプチドは診断もしくは治療(生体外のものも含む)またはアッセイ手
段の開発および実施、免疫蛍光染色などにおいて使用することもできる(Lefkov
iteおよびPernis,(1979および1981)Immunological Methods, 第IおよびII巻,
Academic Press, NY)。
【0067】 本発明の選択された抗体またはその結合タンパク質は、典型的には、炎症症状
、アレルギー性過敏感症、癌、細菌性またはウイルス性感染、および自己免疫疾
患(限定はされないが、I型糖尿病、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、全身性
エリテマトーデス、クローン病および重症性筋無力症を含む)の予防、抑制また
は治療における使用が見出されるであろう。
【0068】 本出願において、「予防」という用語は疾患誘発前の防御的組成物の投与を意
味する。「抑制」は誘発事象後かつ疾患の臨床的発症前の組成物の投与を指す。
「治療」は疾患の徴候が明白になった後における防御的組成物の投与を意味する
【0069】 抗体またはその結合タンパク質の疾患に対する防御または治療における効力を
調べるために利用することができる動物モデル系が入手可能である。感受性(sus
ceptible)マウスにおける全身性エリテマトーデス(SLE)の試験の方法は、当技
術分野において周知である(Knightら(1978)J. Exp. Med., 147: 1653、Reine
rstenら(1978)New Eng. J. Med., 299: 515)。重症性筋無力症(MG)は、別
の種由来の可溶性AchRタンパク質を用いて疾患を誘発させた雌のSJL/Jラットに
て試験する(Lindstromら(1988)Adv. Immunol., 42: 233)。関節炎は感受性
系統マウスにII型コラーゲンを注入することにより誘発させる(Stuartら(1984
)Ann. Rev. Immunol., 42: 233)。感受性ラットにマイコバクテリウムの熱シ
ョックタンパク質を注入することによりアジュバント関節炎を誘発させるモデル
が記載されてきている(Van Edenら(1988)Nature, 331: 171)。甲状腺炎は、
記載されているようにチログロブリンの投与によりマウスに誘発させる(Maron
ら(1980)J. Exp. Med., 152: 1115)。インシュリン依存性糖尿病(IDDM)は
自然に発症するかまたはマウスのある系統において誘発させることができ、それ
らの系統はKanasawaら(1984)Diabetologia, 27: 113に記載されているものな
どである。マウスおよびラットのEAEはヒトのMSへのモデルを提供する。このモ
デルにおいて、脱髄性疾患はミエリン塩基性タンパク質の投与によって誘発され
る(Paterson(1986)Textbook of Immunopathology, Mischerら,監修, Gruneお
よびStratton, New York, pp. 179-213、McFarlinら(1973)Science, 179: 478
、ならびにSatohら(1987)J. Immunol., 138:179を参照)。
【0070】 本発明の選択された抗体、受容体(T細胞受容体を含むが、しかしこれに限定
されない)またはその結合タンパク質はまた、他の抗体、特に上記疾患に関与す
るヒト細胞内の他の標識との反応性を有するモノクロナル抗体(MAbs)と組合わ
せて使用してもよい。例えば、適切なT細胞マーカーはいわゆる「分化クラスタ
」の中に分類されるものを含むことができ、これは第1回国際白血球分化ワーク
ショップによって命名された(Bernhardら(1984)Leukocyte Typing, Springer
Verlag, NY)。
【0071】 一般的に、ここで選択された抗体、受容体またはその結合タンパク質は、精製
された形で薬理学的に好適な担体と共に利用されるであろう。典型的に、これら
の担体は水溶液またはアルコール性/水性溶液、乳液または懸濁液を含み、これ
らは任意の塩類および/または緩衝化媒質を含む。非経口的投与のためのビヒク
ルは、塩化ナトリウム水溶液、リンゲル糖、ブドウ糖ならびに塩化ナトリウムお
よび乳酸リンゲル液を含む。好ましい物理的に好適な助剤は、ポリペプチド複合
体を懸濁液中に維持する必要がある場合、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、ゼラチンおよびアルギン酸などの濃縮剤から選択してもよい。
【0072】 静脈注射のためのビヒクルには、液体および栄養補助剤および電解質補助剤が
あり、リンゲル糖を基剤とするものなどを含む。抗生物質、抗酸化剤、キレート
試薬および不活性ガスなどの保存剤および他の添加剤もまた含まれ得る(Mack(
1982)Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第16版)。
【0073】 本発明の選択されたポリペプチドは、別々に投与される組成物として、または
他の薬剤と共に投与されるのに使用され得る。これらは多様な免疫療法薬、例え
ばシクロスポリン、メトレキセート、アドリアマイシンあるいはシスプラチンお
よび免疫毒素などを含むことができる。医薬組成物は、多様な細胞内毒素性薬剤
および他の薬剤の「混合液」を、本発明における抗体、選択された受容体または
その結合タンパク質と、あるいは本発明の選択された異なる特異性を有するポリ
ペプチド(異なる標的リガンドを用いて選択されたポリペプチドなど)の組み合
わせとも共に含みうる。それらは、投与の前に混合されてもされなくてもよい。
【0074】 本発明の医薬組成物の投与方法は、当業者に公知のものであってもよい。限定
されないが、免疫治療を含む治療には、本発明における選択された抗体、受容体
あるいはその結合タンパク質を、標準的な技術に従ってあらゆる患者に投与する
ことができる。投与はあらゆる好適な様式で行うことができ、非経口的注入、静
脈注射、筋肉注射、腹腔内注入、経皮的注入、肺経路を経由した注入を含み、あ
るいはまたカテーテルを用いた直接注入も適切である。投与の量および回数は、
臨床家によって考慮されるべき患者の年齢、性別および状態、他の薬剤の共投与
、反適応性および他のパラメーターに依存する。
【0075】 本発明の選択されたポリペプチドは保存のために凍結乾燥することができ、か
つ使用する前に適切な担体中に再構築することができる。この技術は、従来の免
疫グロブリンに効果的であることが示されてきており、ならびに当技術分野で周
知の凍結乾燥および再構築技術を用いることができる。当業者によって、凍結乾
燥および再構築が抗体活性の損失の程度の改変をもたらし得るということ(例え
ば、従来の免疫グロブリンでは、IgM抗体はIgG抗体より活性損失が大きい傾向が
ある)、ならびに使用レベルを高く調整して補う必要があってもよいことも理解
できるであろう。
【0076】 選択された該ポリペプチドあるいはその混合物を含む組成物は、予防的および
/または治療的処置のために投与することができる。特定の治療上の適用におい
て、選択された細胞個体群の少なくとも部分的な阻害、抑制、調節、殺傷、ある
いはいくつかの他の重要な要素を達成するのに十分な量が「治療に有効な投与量
」として明らかになる。この投与量を達成するのに必要な量は、疾患の深刻度お
よび患者自身の通常状態の免疫系に依存するが、しかし一般的には体重キログラ
ム当たり0.005〜5.0mgの範囲の選択された抗体、受容体(例えばT細胞受容体)
または結合タンパク質であり、一般的には0.05〜2.0mg/kg/回の投与量で使用さ
れる。予防的適用には、混合物で選択された該ポリペプチドあるいはその混合物
を含むものはまた、等量あるいはわずかに少ない量で投与されてもよい。
【0077】 本発明における選択されたポリペプチドを含む組成物を、哺乳動物における選
択した標的細胞個体群の改変、不活性化、殺傷または除去を目的として、予防的
および治療的な局面で利用してもよい。さらに、本文に記載された選択されたレ
パートリーのポリペプチドは、細胞の異種集団から標的細胞個体群を選択的に死
滅、減少、または除去するために、生体外またはin vitroにおいて使用してもよ
い。哺乳動物から得た血液を、選択された抗体、細胞表面受容体またはその結合
タンパク質と生体外と組み合わせて、これによって所望でない細胞は殺傷または
該血液から除去され、標準的な技術に従って哺乳動物に戻すこともできる。
【0078】 本発明は例示の目的のみのために、以下の実施例においてさらに記載される。
【0079】実施例1 抗体を標的リガンドとして用いた発現cDNAアレイの選抜 スクリーニングのための標的リガンドはTomlinsonライブラリーIおよびJか
ら選択され、これらはVH(V3-23/DP47およびJH4b)およびVK(O12/O2/DPK9およ
びJK1)に対する単一のヒト骨格に基づいたものである。このscFvライブラリー
において、側鎖の多様性はPCRによって重鎖ならびに軽鎖双方のCDR2およびCDR3
に組み込まれる。この枠組み(VH: 1-3、VK: 2-1-1)によってコードされる基本
構造では、ヒト抗体レパートリーの中で最も共通している。該抗体遺伝子をscFv
sをIPTG誘導性に発現させるためにpIT2ベクター内に組み込んで、これは細菌ペ
リプラズムにpelBリーダー配列によって誘導される。ScFv発現の際、scFvsはペ
リプラズムから出て上清中に拡散する。ScFvライブラリーは、VHの細菌性スーパ
ー抗原Aへの結合およびVKの細菌性スーパー抗原Lへの結合について予備選択さ
れている。96個のScFvを100μg/mlアンピシリン、1%グルコースTYE培地上で一晩
増殖させた後ピックアップして、次いで100μg/mlアンピシリン、1%グルコース2
×TY液体培地上で一晩増殖させた。少量の接種物(約2μl)を新しい96ウエルプ
レートに移し(96ウエルトランスファーデバイスを用いて)かつクローンを37℃
で3時間OD値0.9になるまで再び増殖させた。IPTGを加えて該クローンを一晩誘導
した。細菌細胞を遠心分離によって沈殿させて、ELISA中で上清のscFv発現レベ
ルを試験した。一般的なリガンドサンドウィッチアッセイを用いて、最も発現の
高い12個のクローンを96ウェルのプレート1枚から選んだ。このアッセイにおい
て、プロテインLをプレートに結合させ、個々のクローン由来の上清を該プロテ
インL上でインキュベートし、次に結合させたscFvをプロテインA-HRPを用いて
検出する。これらのクローンで機能的かつ発現の高いものは、このELISAにおい
て強いシグナルを示すが、一方でそれらのクローンで機能的でないあるいは発現
が不十分なものは、シグナルが低いかまたは全くシグナルを示さない。高い発現
により選ばれた12個のscFvを個々に再びピックアップして増殖させた後、誘導し
て100mlの濾過滅菌済みのscFv上清を得た。
【0080】 2組のPVDFメンブレンには各々cDNA発現ライブラリーhEX1(Bussowら1998)由
来の27,000個のクローンが二重にスポットしてあり、これを20分間無水エタノー
ルに浸した。該メンブレンを次に各々1リットルのPBS/0.5% TritonX-100/0.05%
Tween 20(PBS-T-T)中で撹拌しながら5分間洗浄した。各々のメンブレンを次に
1リットルのPBS中で2回短時間すすぎ、さらに1リットルのPBS中で撹拌しながら
5分間洗浄した。各々のメンブレンを次に1リットルの3%MPBS中で撹拌しながら45
分間ブロックし、次に6×10mlのscFv上清および60mlの2×PBS、6%marvel中で撹
拌しながら1時間インキュベートした。2枚のメンブレンのうちの1枚をライブ
ラリーI由来の6個のscFvと共にインキュベートし、かつもう一方はライブラリー
J由来の6個のscFvと共にインキュベートした。ScFvと1時間インキュベートした
後、各々のメンブレンを1リットルのPBS-T-T中で撹拌しながら5分間洗浄し、次
に各々1リットルのPBS中で2回すすぎ、1リットルのPBS中で5分間1回撹拌しな
がら洗浄した。次に各々のメンブレンを3%MPBS中で5000分の1希釈したプロテイ
ンL-HRP(Affitech)150ml中で40分間インキュベートした。各々のメンブレン
を次に1リットルのPBS-T-T中で撹拌しながら5分間2回、および1リットルのPBS
中で撹拌しながら5分間2回洗浄した。次に各々のフィルターを総量60mlのECL試
薬(Amersham Life Science)中で現像しかつ写真フィルム(Kodak)に感光した
。対照として、このシステムにおいてscFvsがそれらの標的抗原に結合している
ことを示すために、scFvでファージ選抜によりユビキチンへの結合物質として予
め特定されていたものを用いて、ライブラリーhEX1アレイを有するメンブレンを
プロービングした。陽性として特定された発現cDNAクローンの配列決定をした。
配列決定をして示された2つのクローンは双方がユビキチンであることが認めら
れた。
【0081】 全ての4つの異なる抗体−抗原相互作用は標的リガンドに対するファージ選択
の必要性がなく特定され、これらはウエスタンブロッティングによって確認され
た。
【0082】 それらの二重にスポットした位置の両方が陽性シグナルである場合、12種のsc
Fvsのうちの1種によって結合されている抗原を写真フィルム上で特定した(図
1)。
【0083】 全ての4つの異なる抗体−抗原相互作用は標的リガンドに対するファージ選択
をする必要なく特定された(図2および表1)。これらはウエスタンブロッティ
ングによって確認された。
【0084】 4種の抗体と抗原の対のうちの1つ(D12および抗原M)をさらに、その標的
抗原に対してナイーブスクリーニングしたscFvの検出における特異性および感度
のための試験をした。ScFv D12のその標的(抗原M)に対する検出感度をウエス
タンブロッティングで試験した(図3)。D12の抗原Mに対する検出感度を抗ユ
ビキチンscFvのその標的抗原(ユビキチン)に対する検出感度と比較した。ファ
ージおよびナイーブスクリーニングされたscFvsはそれらの標的抗原を同じ感度
で検出された。ScFvのその標的(D12)に対する特異性もまたウエスタンブロッ
ティング上で試験した(図4)。同じ濃度の抗原Mおよび10種の他の抗原をD12
scFvでプロービングし、抗原Mのみを検出した。抗原MをBiPA4に対して選択さ
れたscFvによってプロービングすると、抗原Mは検出されなかった。従ってscFv
D12は抗原Mの特異的検出を示し、かつ抗原Mは交差反応を示さなかった。表1 直接スクリーニングで特定された各々の抗原のアミノ酸配列 Cのアミノ酸配列 Oのアミノ酸配列 Bのアミノ酸配列 Mのアミノ酸配列
【0085】実施例2 発現cDNAsを標的リガンドとして用いたアレイ化scFvライブラリーのスクリーニ
ング 抗体アレイの作製 選択されていない抗体のナイーブアレイを作製した。該抗体アレイを作製する
ために用いた方法は、標的抗原(ファージの一次選抜由来のものではない)に曝
露されていない未選択抗体を使用したこと以外は、同時係属中の国際特許出願WO
99/20749(MRC)およびWildtら2000に記載されている方法である。また、使用し
た抗体ライブラリーを、ファージP3タンパク質を有していないpAB1ベクターにク
ローニングした。これらのライブラリーは、ナイーブスクリーニングによって特
定されたあらゆる抗体−抗原相互作用がファージ選択された抗体由来の混入によ
るものである可能性を排除するために用いた。簡単に記載すると、Tomlinsonラ
イブラリーIおよびJ由来の18,432個の単一の未選択クローンを384ウェルプレ
ート中の液体培地にピックアップして入れ、かつ一晩37℃で増殖させたか、ある
いはクローンの保存物を384ウェルプレートの各々のウエルに移した(これは細
菌細胞をおよそ106個/プレート(genetix Q-tray)の濃度で増殖させ、かつ次
に384本の針先をプレートの中に差し込み、かつ針先についた細菌を384ウェルプ
レートに移すことで行った。この結果、多様な細菌を384ウェルプレートの各々
のウエルに移し、かつそれによってより多くのクローンをメンブレン上に同じ濃
度でグリッド化した細菌についてスクリーニングすることができた)。一晩培養
物由来の細菌を4% Marvel中でプレブロッキングしておいた2枚のニトロセルロ
ースメンブレンに2連でグリッド化し、そのそれぞれを寒天培地(Genetix Q-tr
ay 100μ/mlアンピシリン、1%グルコース2×Ty)に被せた。グリッド化したプレ
ートを一晩37℃で増殖させた。一方で、ナイーブスクリーニングのための標的リ
ガンドを、ヒト脳cDNAライブラリーhEX1(Bussowら、1998)からよく発現するタ
ンパク質産物の産生能を基準にして選んだ。タンパク質産物を2つのプールに分
け、かつ一晩かけて2枚のニトロセルロースメンブレン(22cm×22cm)上に100m
lPBS中に約10μg/mlの濃度でコートさせた。該抗原メンブレンをPBS中で2回洗浄
しかつ次に4% Marvel-PBS中で1時間ブロッキングし、PBS中で2回洗浄し、2×Ty
中で1回すすぎ、かつ次に大きな角型プレート(Genetix Q-trayで250mlの100μl
/mg Amp、1mMイソプロピルβ−D−ガラクトシド(IPTG)2×Tyを含む)に移し
た。増殖細菌を含む1枚目のメンブレンを次に各々の容器において2枚目の(抗
原)メンブレン上に移した。該プレートを3時間インキュベートしてscFvsの発現
を誘導し、かつそれらの標的リガンドへの結合を促進させた。
【0086】メンブレンのプロービング 上部の(細菌性)メンブレンを捨て去り、かつ下部のメンブレンを2回PBS(0.
05% tween-20)(PBST)中で洗浄し、かつ4% MPBS中で30分間ブロッキングし、
次にPBSTで2回洗浄した。結合したscFvsの検出のために、メンブレンを1時間MPB
S中の1/2000プロテインL-HRPと共にインキュベートし、PBSTで2回洗浄し、かつ
次にECL試薬で現像した後に写真フィルム(Kodak)に感光させた。
【0087】結合抗体の特定 異なる標的抗原でコートされた2枚のメンブレンは、同じ集団の抗体でプロー
ビングした。2種の異なる抗原での結合強度において重要な違いを示すあらゆる
scFvsをピックアップして寒天培地上にストリークした。単一コロニーを再スト
リークした培地からピックアップして、これらの陽性クローンと推定されるもの
を縮小した規模のアレイフォーマット中の個々のタンパク質について再度スクリ
ーニングした(プールされたscFvsの場合、12〜16コロニーを各々の陽性と推定
されるものから再選択した)。あらゆる候補物を特定し、大容量の2×Ty中で増
殖させ、かつ誘導して可溶性scFvを発現させた。次にこれらのscFvsを抗原に対
する結合性についてELISAおよびウエスタン形式で試験した。
【0088】結果 3種のscFvsが特定され、それらはそれらの標的抗原に対する特異性を示した
。ScFv1は抗原Mに特異的であり、scFvs2および5は抗原Dに特異的である。3種
全てのscFvsはベクターpAB1内で見られた(およびゆえに該単純選択において混
入物は選択されなかった)。3種全てのscFvsは、ELISAおよびウエスタン(図1
)フォーマットの両方において標的抗原を特異的に結合する。興味深いことに、
3種全てのscFvsは、主に重鎖または軽鎖のいずれかに存在している結合特異性
を有することが認められた。ダミーの(dummy)重鎖と対になった場合scFv1の軽鎖
は抗原Mに結合し、ダミーの軽鎖と対になった場合scFvs2および5の重鎖が抗原
Dに結合する(図2)。クローン1、2および5の配列決定を行い、かつ該配列を
以下の表2に示す。
【0089】表2 本明細書に記載された全ての刊行物、および該刊行物に引用される参照は、参
照により本明細書中に組み込まれるものとする。
【0090】 上記の本発明の方法とシステムの様々な改良および変更は当業者に明確に理解
され、本発明の範囲および精神から逸脱することはないであろう。特定の好適な
実施形態と結びつけて本発明を記載してきたが、特許請求の範囲に定めた本発明
をこの様な特定の実施形態に過度に限定するべきではないということが理解され
るべきである。実際、本発明は分子生物学あるいはその関連分野の当業者にとっ
ては明らかであり、本発明の実施に際する上記の態様の様々な改良は特許請求の
範囲内に包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、非選択scFv D12は、ライブラリーhEX1に由来する発現cDNAのアレイ上
の抗原Mを検出する(Bussowら 1998)。二次検出は組換えタンパク質L-HRP(Affit
ech Ltd)を用いた。
【図2】 図2は、アレイ上の抗原と結合した4つのナイーブスクリーニングされたscFv
のそれぞれから得た可変(variable)CDRの配列、および各scFvが結合した抗原の
名前を示す。これらの抗原はそれぞれ機能が未知である。
【図3】 図3は、同じscFvライブラリーからナイーブスクリーニングされたscFvとファ
ージ選択されたsvFvとの検出感受性の比較を示す。ナイーブスクリーニングされ
たscFv D12は抗原Mを検出し、ファージ選択された抗ユビキチンscFvはユビキチ
ンを検出する。2つのscFvは、それらの標的抗原を同様の感受性で検出する。両
方の場合において二次検出は組換えタンパク質L-HRP(Affitech Ltd)を用いた。
【図4】 図4は、同様濃度の抗原Mおよび10の他の抗原でのウェスタンブロットをD12
scFvでプローブし、抗原Mのみが検出されたことを示す。BiPA4に対して選択し
たsvFvで抗原Mをプローブした場合には、抗原Mは検出されなかった。従って、
D12 scFvは、抗原Mに対して特異的であり、抗原Mは交差反応性を持たない。
【図5】 図5は、抗原Mに対するscFv 1、ならびに抗原Dに対するscFv 2および5の特
異性を示すウェスタンブロットの結果を示す。
【図6】 図6は、抗原Mに対するクローン1の軽鎖の特異性、ならびに抗原Dに対する
クローン2および5の重鎖の特異性を示すELISAの結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 トムリンソン,イアン イギリス国 シイービイー2 5エルジェ イ ケンブリッジ,グレート シェルフォ ード,タンウェルズ レーン 13 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 DA05 EA03 EA04 GA11 HA01 HA15 4H045 AA30 CA40 DA50 DA76 EA50 FA74 GA20

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特異的標的リガンドを用いる予備選択をしていないナイーブ
    ポリペプチドレパートリーから、該特異的標的リガンドと相互作用し得る対象の
    ポリペプチドを単離する方法であって、標的リガンドを用いてナイーブポリペプ
    チドレパートリーを直接スクリーニングして対象のポリペプチドを特定すること
    を含む、上記方法。
  2. 【請求項2】 ナイーブポリペプチドレパートリーを、機能的に発現させた
    ポリペプチドレパートリー中の分子と結合可能な一般的リガンドを用いて予備選
    択することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記一般的リガンドがポリペプチドのレパートリーのサブセ
    ットに結合するものである、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 2つ以上の上記サブセットが、ポリペプチドのレパートリー
    から選択されることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記選択を2つ以上の一般的リガンドを用いて実施すること
    を特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 2つ以上の上記サブセットを選択した後に組み合わせて、1
    つの別のポリペプチドのレパートリーを作製することを特徴とする、請求項4ま
    たは5記載の方法。
  7. 【請求項7】 2つ以上のポリペプチドのレパートリーを一般的リガンドと
    接触させて、そこで得られたポリペプチドのサブセットを組み合わせることを特
    徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 機能的に発現された標的リガンドを、1種以上の一般的リガ
    ンドへの結合能に基づいて一群の標的リガンドから選択することを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 レパートリーのポリペプチドまたは標的リガンドが免疫グロ
    ブリンスーパーファミリーに属するものである、請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 レパートリーのポリペプチドまたは標的リガンドが抗体ま
    たはT細胞受容体ポリペプチドである、請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 レパートリーのポリペプチドまたは標的リガンドがVHまた
    はVβドメインである、請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 レパートリーのポリペプチドまたは標的リガンドがVLまた
    はVαドメインである、請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のポリペプチドのレパートリーと請求項1
    2記載のポリペプチドのレパートリーとを一般的リガンドと接触させて、そこで
    得られたサブセットを組み合わせることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 一般的リガンドが、金属イオンマトリクス、有機化合物の
    集団、タンパク質の集団、ペプチドの集団、モノクローナル抗体の集団、ポリク
    ローナル抗体の集団およびスーパー抗原からなる群より選択されることを特徴と
    する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により選択さ
    れたポリペプチドのレパートリーの1つ以上のメンバーを、検出、固定化、精製
    または免疫沈降するための方法であって、一般的リガンドを該メンバーに結合さ
    せることを含む、上記方法。
  16. 【請求項16】
  17. 【請求項17】 ポリペプチドのレパートリーをコードする核酸分子をラン
    ダムに配置させてアレイを作製することを含む、請求項1〜16のいずれか1項
    に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ポリペプチドのレパートリーをコードする核酸分子を規則
    正しく並べて配置させてアレイを作製することを含む、請求項1〜16のいずれ
    か1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ロボット工学的なトランスファーを用いてアレイ化するこ
    とを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 ポリペプチドのレパートリーを2種以上の標的分子につい
    て別々にスクリーニングすることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 特異的標的リガンドを用いて直接スクリーニングするのに
    適していることを特徴とする、1種以上の一般的リガンドと結合させることによ
    り非機能的なメンバーを完全にまたは部分的に排除したナイーブポリペプチドレ
    パートリー。
  22. 【請求項22】 一般的リガンドおよび標的リガンドの両方を用いて選択す
    るために設計されたナイーブポリペプチドレパートリー。
  23. 【請求項23】 免疫グロブリンスーパーファミリーのポリペプチドをコー
    ドするかまたは含む、請求項21または22記載のナイーブポリペプチドレパー
    トリー。
  24. 【請求項24】
  25. 【請求項25】 ポリペプチドが抗体またはT細胞受容体ポリペプチドであ
    る、請求項23記載のナイーブポリペプチドレパートリー。
  26. 【請求項26】 ポリペプチドがVHまたはVβドメインである、請求項25
    記載のナイーブポリペプチドレパートリー。
  27. 【請求項27】 ポリペプチドがVLまたはVαドメインである、請求項26
    記載のナイーブポリペプチドレパートリー。
  28. 【請求項28】 請求項26記載のポリペプチドのレパートリーおよび請求
    項27記載のポリペプチドのレパートリーを一般的リガンドと接触させて、そこ
    で得られたサブセットをまとめることを特徴とするナイーブポリペプチドレパー
    トリー。
  29. 【請求項29】 レパートリーの機能的なメンバーが既知の主鎖立体構造を
    有することを特徴とする、請求項21〜28のいずれか1項に記載のナイーブポ
    リペプチドレパートリー。
  30. 【請求項30】 レパートリーの機能的なメンバーが単一の主鎖立体構造を
    有することを特徴とする、請求項29記載のナイーブポリペプチドレパートリー
  31. 【請求項31】 免疫グロブリン骨格が生殖細胞系列のV遺伝子断片の配列
    に基づくものであることを特徴とする、請求項29または30記載のナイーブポ
    リペプチドレパートリー。
  32. 【請求項32】 ポリペプチドがランダムな位置で変異していることを特徴
    とする、請求項21〜30のいずれか1項に記載のナイーブポリペプチドレパー
    トリー。
  33. 【請求項33】 ポリペプチドが選択された位置で変異していることを特徴
    とする、請求項21〜30のいずれか1項に記載のナイーブポリペプチドレパー
    トリー。
  34. 【請求項34】 上記選択された位置が標的リガンドに対する結合部位を形
    成する位置であることを特徴とする、請求項33記載のナイーブポリペプチドレ
    パートリー。
  35. 【請求項35】 上記選択された位置が標的リガンドに対する結合部位を形
    成する位置のサブセットであることを特徴とする、請求項34記載のナイーブポ
    リペプチドレパートリー。
  36. 【請求項36】 請求項35記載のポリペプチドのレパートリーをまず標的
    リガンドと接触させて標的リガンドに対して特異的なポリペプチドのサブセット
    を単離した後に、該ポリペプチドのサブセットを、その機能、標的リガンドの相
    互作用、特異性または親和性を変化させるために、その残基のさらなるサブセッ
    トを変異させていることを特徴とする、ナイーブポリペプチドレパートリー。
  37. 【請求項37】 上記変異が、変異させる位置に、20種全種の異なるアミノ
    酸を組込むことにより達成される、請求項33〜36のいずれか1項に記載のナ
    イーブポリペプチドレパートリー。
  38. 【請求項38】 上記変異が、変異させる位置に、20種全種ではなく数種の
    異なるアミノ酸を組込むことにより達成される、請求項33〜36のいずれか1
    項に記載のナイーブポリペプチドレパートリー。
  39. 【請求項39】 請求項21〜38のいずれか1項に記載のポリペプチドの
    レパートリーをコードする核酸ライブラリー。
  40. 【請求項40】 固相支持体上にアレイの形態で固定化されていることを特
    徴とする、請求項21〜38のいずれか1項に記載のポリペプチドのレパートリ
    ー。
  41. 【請求項41】 固相支持体上に固定化されている一般的リガンドに該レパ
    ートリーのポリペプチドが結合することによりアレイ化されていることを特徴と
    する、請求項40記載のレパートリー。
  42. 【請求項42】 固相支持体にポリペプチドが直接結合することによりアレ
    イ化されていることを特徴とする、請求項40記載のレパートリー。
  43. 【請求項43】 溶液の形態でスクリーニングされることを特徴とする、請
    求項21〜38のいずれか1項に記載のポリペプチドのレパートリー。
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