JP2003515122A - 化学物質を収集および検出するための装置および方法 - Google Patents

化学物質を収集および検出するための装置および方法

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アンビア,フレドリック
エー. エルトン,ジョン
ダブリュ. ボーゲル,ジョージ
ジュニア クレイコーム,シー.ロジャー
プフラグシャウプト,リック,イー.
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フェムトメトリクス,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 流体中の化学物質(114)を検出するための装置(10)は、該化学物質を吸着するための吸着要素(18)を備えており、この吸着要素(18)は、双方向ポンプ(30)と、検出器(50)とに連結されている。この双方向ポンプ(30)は、液体が吸着材(28)を通して第1の方向(118、112、116a)にポンプで送られることにより、いくつかの化学物質(114)を吸着材(28)の片側にて蓄積させる。双方向ポンプ(30)を反転して、流体が第2の反対方向(132、134、136)にポンプで送られることにより、蓄積された化学物質(114)を検出器(50)へ搬送させる。流体中に含まれている化学物質(114)を収集および検出するための別の装置(10)は、吸着要素(18)、少なくとも1つの化学センサー(58)、吸着要素(18)を通して流体をポンプで送るための第1のポンプ(30)、および流体を化学センサー(58)へポンプで送るための第2のポンプ(64)を備える。吸着要素(18)は中に吸着材(28)と加熱要素(82)を含む。第1のポンプ(30)は流体を吸着要素(18)中へポンプで送り、それによって、吸着材(28)上で化学物質(114)を収集する。加熱要素(82)は吸着要素(18)に熱を与えて、吸着材(28)から化学物質(114)を脱着させる。吸着材(28)から脱着した化学物質(114)は次に、吸着要素(18)から化学センサー(58)へポンプで送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] 本発明は、化学試料を収集するための装置に関し、より具体的には、所定の時
間にわたり、ある濃度の化学物質(a concentration of chemicals)を蓄積する
ための装置に関する。
【0002】 毒性化学物質に晒されることに起因する損傷を防止するために、毒性化学物質
の存在をその濃度が毒性レベル以下であるうちに検出しなければならない。した
がって、毒性の高い化学物質を検出するために、短時間のうちに低濃度を検出す
ることが可能な装置が必要とされる。
【0003】 低濃度の化学物質を検出するための従来技術の装置の1つは、薄膜ポンプのよ
うなポンプ、および予備濃縮管(preconcentrator tube)を備えている。このポ
ンプは、化学物質が蓄積する予備濃縮管を通して空気を送る。この予備濃縮管は
、吸着材を含む低熱質量管(low thermal mass tube)を備えることができる。
「予備濃縮管」および「吸着材」という用語は当分野では周知であり、それぞれ
、化学物質を蓄積するための管、および吸着する(ひいてはその化学物質を蓄積
する)物質に相当する。
【0004】 予備濃縮管の周囲に巻かれた加熱要素(heating element)を用いて上記吸着
材を加熱し、それによってその化学物質を脱着させる。単一のポンプを用いて、
予備濃縮管を通して検出器まで空気を送る。予備濃縮管内に含まれた吸着材内に
、その空気中の化学物質を蓄積する。予備濃縮管の外側にあるヒーターを作動し
て、吸着材上で吸着された化学物質を放出する。吸着材から放出された化学物質
は、検出器へポンプでの送達中の空気の中に伴出される(entrained)。
【0005】 この従来技術の構成は、単純でありコストが低い。さらに、この構成は、他の
従来技術の設計に比べてほとんど電力を消費しない。しかしながら、この従来技
術の構成の1つの欠点は、吸着材にて化学物質を蓄積するのにある所定の時間を
要するため、検出器が、空気中に含まれる化学物質をリアルタイムに測定するこ
とができないということである。予備濃縮管内で化学物質が蓄積している時間中
、使用者には、空気中に毒性化学物質が存在していることが目に見えない。この
時間は数分間続く場合もある。この時間中、使用者は、毒性レベルにあるかもし
れないその化学物質に晒されることになる。吸着材に熱が加えられた場合にのみ
、その化学物質が放出され検出される。
【0006】 この従来技術の設計の別の欠点は、脱着した化学物質が、検出器に到達する前
に吸着材の全長を通過しなければならないということである。しかしながら、こ
の化学物質は、通過する際に吸着材と反応する場合もある。その結果、吸着材を
通過する化学試料は、吸着材に流れ込む化学物質の濃度を正確に反映しないかも
しれない。さらに、予備濃縮管が十分な時間加熱されない限り、吸着材にて蓄積
された化学物質の全てが放出されるということにはならないであろう。くり返す
が、検出器に到達する、吸着材から放出された化学試料は、吸着材に流れ込む化
学物質の濃度を正確に反映しない場合がある。さらに、装置は、予備濃縮管が持
続して加熱される場合に、吸着材に残存している化学物質が放出され得る記憶効
果を示す場合がある。この持続的な加熱の間中、検出器にて化学物質のレベルが
不自然に高くなることが生じる場合もある。
【0007】 別の従来技術の構成は、2つのポンプ、すなわち第1のポンプおよび第2のポ
ンプ、3口型三方弁、予備濃縮管、および検出器を用いる。3口型三方弁が第1
の位置にある場合、2つの別個の通路が形成される。第1の通路は、第1の吸気
口から予備濃縮管に、かつ予備濃縮管から第1のポンプに延びている。第2の通
路は、第2の吸気口から検出器に、かつ検出器から第2のポンプに延びている。
第2の位置にある場合、3口型三方弁は、第2の吸気口から予備濃縮管に、予備
濃縮管から検出器に、かつ検出器から第2のポンプに延びた流路を形成する。
【0008】 3口型三方弁が第1の位置にある場合、空気は、第1の吸気口に吸い込まれ、
3口三方弁、および予備濃縮管を通ってポンプで送られ、第1のポンプに連結さ
れた排気口にポンプで吸い出される。このようにして、予備濃縮管の内部に含ま
れている吸着材にて化学物質が収集される。同時に、化学物質は第2の吸気口か
ら弁を通って検出器へ吸い込まれる。したがって、検出器が感知するのに十分に
高い濃度で存在している化学物質に対して、リアルタイムでの検出が提供される
【0009】 続いて、第1のポンプを停止して、3口型三方弁を第2の位置に切り換え、予
備濃縮管を囲んでいるヒーターを作動する。ヒーターが作動することにより、吸
着材にて収集された化学物質が放出され、第2のポンプによって検出器へ吸い込
まれる。
【0010】 3口型三方弁が第2の位置にある場合、空気が予備濃縮管を通ってポンプで送
られる方向が逆になる。したがって、吸着材にて収集された化学物質の全てが、
吸着材を通って移動して検出器に到達する必要はなく、それゆえ、化学物質と吸
着材との化学反応の可能性を低下させる。脱着もより効果的である。吸着材は、
化学物質が吸着材全体を通過する必要がないため、長いこと加熱される必要はな
い。これらの利点にもかかわらず、この従来技術の構成には重大な欠点がある。
特に、3口型三方弁は、容積が大きく大量のエネルギーを要するため、可搬式の
化学センサー装置での使用は実用的ではない。
【0011】 他の従来技術の構成は、第2の従来技術の構成に採用した3口型三方弁を、磁
気的にラッチされており、磁気的にラッチされていない弁よりも電力の消費が少
ない3つの単一口型三方弁に代えている。全体の電力消費は、磁気的にラッチさ
れた弁に切り換えることによって低減することができる。3つの単一口型三方弁
の大きさは、1つの3口型三方弁の大きさよりもわずかに大きいが、3つの単一
口型三方弁に要されるバッテリ数は比して少ない。それにもかかわらず、この構
成は、多数の実用にあたって非常に多くのスペースとエネルギーを要する。
【0012】 したがって、当分野では、小型化することができ、軽量で、電力消費が比較的
少ない化学物質検出装置が必要とされる。
【0013】 [発明の概要] 本発明の一態様によれば、1つまたはそれ以上の化学物質を検出するための装
置は、1つまたはそれ以上の化学物質を吸着するための吸着要素、双方向ポンプ
、および少なくとも1つの化学物質検出器を備える。吸着要素は、その中を通る
流体流路を有する。双方向ポンプは、1つまたはそれ以上の化学物質を吸着して
いる間に、吸着要素の流体流路を通して流体を第1の方向にポンプで送り、1つ
またはそれ以上の化学物質を脱着させている間に、吸着要素の流体流路を通して
流体を第2の方向にポンプで送るために連結される。少なくとも1つの化学物質
検出器は、脱着した化学物質を受け取るために連結される。この装置は、双方向
ポンプから吸着要素への、および吸着要素から化学物質検出器への囲い込み通路
(enclosed passageway)をさらに備え得る。吸着要素は、中に吸着材を有する
管を備え得る。
【0014】 本発明の別の態様では、1つまたはそれ以上の化学物質を検出するための装置
は、入口と出口を有する吸着材、双方向ポンプ、および少なくとも1つの化学セ
ンサーを含む検出器ハウジングを備えた検出器を備える。吸着要素は、吸着材を
備える。双方向ポンプは、吸気口と通気口を有する。この双方向ポンプは、第1
の方向にポンプで送る場合に流体を吸気口から通気口へポンプで送り、第2の方
向にポンプで送る場合に流体を通気口から吸気口へポンプで送るように適合され
ている。吸着要素の出口は、双方向ポンプが第1の方向にポンプで送るときに流
体が吸着材から双方向ポンプに流れるように、双方向ポンプの吸気口に連結され
る。吸着要素の入口は、双方向ポンプが第2の方向にポンプで送るときに流体が
双方向ポンプからセンサーに流れるように、検出器に連結される。吸着材は、2
,6ジフェニル−ρ−フェニレンオキシドを含む多孔性ポリマーを含む。装置は
、吸気口と通気口を有する検出器ポンプをさらに備えることができ、この検出器
ポンプの吸気口は、センサーを含む検出器に連結される。
【0015】 本発明のさらに別の態様は、流体中に含有まれている1つまたはそれ以上の化
学物質を検出するための方法を含む。この方法は、吸着要素を通る流体の流れの
ための第1の流路と、少なくとも1つの化学物質検出器への流体の流れのための
第2の流路とを備える複数の流路を提供することを含む。第1および第2の流路
はそれぞれ、第1および第2のポンプに連結される。1つまたはそれ以上の化学
物質を含む流体が吸気口内に導入される。1つまたはそれ以上の化学物質を含む
流体の第1の部分は、吸気口から第1の流路を通って流される。それによって、
1つまたはそれ以上の化学物質の少なくとも一部が、吸着要素内で収集される。
1つまたはそれ以上の化学物質を含む流体の第2の部分は、同時に、吸気口から
第2の流路を通して化学物質検出器へ流される。ポンプとの流路の連結を変える
ことなく、第1および第2の流路の双方を通して流体を流して、吸着要素内で収
集された1つまたはそれ以上の化学物質を化学物質検出器へ送る。この方法は、
吸着要素を加熱して、吸着要素にて収集された1つまたはそれ以上の化学物質を
脱着させることをさらに含み得る。
【0016】 流体中に含まれている化学物質を収集および検出するための装置は、流体を通
過させる流路を提供するエンクロージャー(囲い)を備える。このエンクロージ
ャーは、流体がエンクロージャーに出入りすることを可能にするための2つの流
体の流れの口を有する。吸着材および加熱要素は、エンクロージャー内に含まれ
ている。この装置は、少なくとも1つの化学センサー、第1のポンプ、および第
2のポンプをさらに備える。第1のポンプは、流体をエンクロージャーへポンプ
で送り、それによって化学物質を吸着材上に収集させる。第2のポンプは、その
化学物質を化学センサーへポンプで送る。吸着材は中に空洞があり、加熱要素が
その空洞内に配置されている。あるいは、加熱要素を、エンクロージャーと吸着
材との間に配置してもよい。この加熱要素は、エンクロージャーの内部表面上に
形成された抵抗膜を備えていてもよい。
【0017】 流体中に含まれている化学物質を収集および検出するための方法は、エンクロ
ージャー内に吸着材を提供することを含む。吸着材は外壁を含み、エンクロージ
ャーは内壁を含む。流体をエンクロージャー中に導入し、それによって、吸着材
上で化学物質を収集する。内部に配置された熱源からエンクロージャーの内壁に
熱を放出することによって、吸着材から化学物質を脱着させる。吸着材から脱着
した化学物質は、エンクロージャーから少なくとも1つの化学センサーまで送ら
れる。この方法は、内部に配置された熱源から吸着材の外壁に熱を放出すること
を含み得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1において、本発明の好適な実施形態に係る、分子等の化学物質を検出する
装置10を示す。装置10は主吸気口12を有し、この主吸気口12は、主吸気
通路16へと通じる第1の開口14に対応する。図1は、主吸気通路16に配置
されたフィルタ17を示し、このフィルタ17が不要な廃物(debris)を取り除
く。
【0019】 主吸気通路16は、前端部20および後端部22を有する管を含む予備濃縮要
素18まで延在する。主吸気通路16は、予備濃縮管18の前端部20において
側面24と接続する。図1に示す実施形態における吸着剤(すなわち予備濃縮要
素)18は管の形態であるが、本発明は、管を吸着要素として使用することに限
定されない。化学物質は、管状でない形状のチャンバ内に蓄積させてもよい。
【0020】 本明細書中で使用されるように、「予備濃縮要素(preconcentrator element
)」という用語は、化学物質を蓄積させる構造(管など)として定義される。好
適な実施形態において、かかる蓄積は、吸着材28を含む予備濃縮管18により
達成される。吸着材28は、AKZO Research Laboratoriesが開発し、Alltech As
sociatesから入手可能である、2,6ジフェニル−ρ−フェニレンオキシドをベ
ースとした多孔質ポリマーであるTenax(商標)TA30/60メッシュを
含むことが好ましい。あるいは吸着材28は、Tenax(商標)GA、Carbos
ieve、粒状炭からなる群から選択され得る。
【0021】 好ましい実施形態では、吸着材28を有する管が用いられるが、ある濃度の化
学物質の蓄積にはいかなる吸着要素18を用いてもよい。たとえば、吸着要素1
8は、化学物質が付着するコーティング表面を有する予備濃縮管を含み得る。あ
るいは、予備濃縮管18は、内部表面での吸着を促進するために冷却されてもよ
い。いずれの場合も吸着要素18は、流体がその中を流れていくことができると
同時に、その流動流体中の化学物質を収集する。
【0022】 本明細書中において、双方向ポンプは、流体を二方向に送ることのできるポン
プとして定義される。たとえば図1において、吸気口32および通気口34を有
するものとして示す双方向ポンプ30は、吸気口から通気口へと、あるいは通気
口から吸気口へと空気をポンプで送ることができる。この双方向ポンプ30は、
回転羽根ポンプを構成することが好ましい。本発明により用いることのできる他
の種類の双方向ポンプ30には、送風機および容積式ポンプが挙げられる。また
、この双方向ポンプ30は、25〜2000スタンダード立方センチメートル毎
分(sccm)の範囲の流量で空気を送ることができることが好ましい。最も好
ましくは、双方向ポンプ30は、200〜1000sccmの範囲の流量で空気
をポンプで送ることができる。
【0023】 図1に示すように、予備濃縮管18の後端部22は、通路36を介して双方向
ポンプ30の吸気口32に接続される。第1の流量計38および第1のスクラバ
ー(集塵器)40が、予備濃縮管18を双方向ポンプ30へ接続する通路36に
配設される。流量計は、その中を流れる空気の流れ、あるいは流れに関連する他
の特性(たとえば流量)を測定する。本明細書中においてスクラバーは、その慣
用的用法に従って、流体を浄化するフィルタとして定義される。
【0024】 第1の流量計38は、両方向性流量計(すなわち単一の通路を二方向のいずれ
かで通過する流れを測定することのできる流量計)を構成することが好ましい。
特に、第1の流量計38は、予備濃縮管18から双方向ポンプ30への空気の流
れを測定でき、かつ、ポンプから予備濃縮管への空気の流れを測定できることが
好ましい。
【0025】 図1に示すように、双方向ポンプ30から延出する排気ライン42が排気口4
4を有する。この排気口は、大気に通気することが好ましい。
【0026】 排気ライン42には、第2のスクラバー46が配設される。好ましくは、第1
のスクラバー40ならびに第2のスクラバー46はともに、予備濃縮管18内に
含まれる吸着材28と同一の材料からなる。たとえば、第1のスクラバー40な
らびに第2のスクラバー46は、Tenax(商標)TAを含み得る。
【0027】 検出器50が、流入口54および排出口56を有するハウジング52を含む。
通路48が、検出器ハウジング52の流入口54を、主吸気通路16の第2の開
口60へ接続される。検出器ハウジング52は、検出すべき化学物質を感知可能
な複数のセンサーを含むセンサーアレイ58を含むことが好ましい。あるいはハ
ウジング52は、単一のセンサーを含み得る。
【0028】 好適な実施形態のセンサーアレイ58は、複数の表面弾性波(SAW)センサ
ーを含むことが好ましい。SAWデバイスのアレイを用いた化学センサーアレイ
が、1998年9月11日提出の「Chemical Sensor Array」と題するWilliam D
. Bowersらの出願第09/151,747号(この記載内容はこの参照により開
示に含まれる)に開示されている。あるいは検出器50は、他の化学検出器(た
とえばガスクロマトグラフ、イオン移動度分光計、または質量分析器を含む)を
構成し得る。
【0029】 別個の通路62が、検出器50のハウジング52の排出口56を、通気口68
を有する検出器ポンプ64の吸気口66へ接続する。検出器ポンプ64は、50
〜500スタンダード立方センチメートル毎分(sccm)の範囲の流量で空気
を送ることが可能であり、大気に通気することが好ましい。第2の流量計70が
、通路62の、検出器50と検出器ポンプ64との間に配設される。
【0030】 本発明によると、通路のそれぞれ(主吸気通路16、予備濃縮管18を双方向
ポンプ30へ接続する通路36、双方向ポンプから延出する排気通路42、主吸
気通路を検出器50へ接続する通路48、および検出器を検出器ポンプ64へ接
続する通路62)は、管により形成され得る。あるいは、通路16、36、42
、48、62は、管状以外の形状を有し得る。たとえば、通路16、36、42
、48、62は、マニホルドの一部である一体型流路回路(integrated flow ci
rcuit)として形成され得る。
【0031】 図1は、予備濃縮管18および吸着材28と熱接触するヒーター72および温
度センサー74を表す。電子制御器76が電源78と電気的に接続されており、
この電源78は、ヒーター72、双方向ポンプ30、および検出器ポンプ64と
電気的に接続されている。第1の流量計38、第2の流量計70、および温度セ
ンサー74も、制御器76と電気的に接続されている。
【0032】 図1に示すように、検出装置80は、検出器50と、第2の流量計70と、検
出器ポンプ64と、電子制御器76と、電源78とからなる。予備濃縮管18、
第1の流量計38、および双方向ポンプ30は、検出装置80と電気的に接続さ
れている。本発明の好適な実施形態と併せて用いることのできる、検出装置80
と、表面から気体試料を得るための試料取得デバイスとが、1998年9月11
日提出の「Pulsed Air Sampler」と題するWilliam D. Bowersの出願第09/1
51,743号(この記載内容はこの参照により開示に含まれる)に開示される
【0033】 図2Aおよび図2Bに最もよく示されるように、ヒーター72は、予備濃縮管
18の端部26から当該管内へと延在する加熱要素82を有する。この加熱要素
82は、吸着材28の中央の細長い長手方向の空洞を貫いて延在する。
【0034】 図2Aおよび図2Bに示す加熱要素82は、セラミック管84の外面上に形成
された膜85を含む。この膜85は少なくとも、セラミック管84の、吸着材2
8の長手方向の空洞内へと延在する部分を被覆する。膜85は、吸着材28と並
置されて実質的に接触する主要表面88を有する。セラミック管84の、膜85
で被覆されない部分は、熱を発生しない非加熱帯(no heat zone)である。この
膜85は、堆積時に抵抗膜を形成する材料を含むことが好ましい。より詳細には
、この膜85は、半導体産業で用いられる酸化インジウムスズ(ITO)膜およ
びプリント抵抗インク膜(printed resistive ink films)からなる群から選択
される材料を含み得る。この膜85は、蒸着膜、厚膜、あるいは薄膜も含み得る
。セラミック管84は、酸化アルミニウムを含み得る。電源78へ接続される2
本のヒーター線86が、ヒーター72から延出する。図2Aおよび図2Bでは、
セラミック管84上に形成した抵抗膜85を示すが、他の種類のヒーター72を
用いることもできる。
【0035】 図2Aに示すように、吸着材28は、保持スクリーン92a、92bによって
予備濃縮管18の内部90に固定される。保持スクリーンの一方92aはセラミ
ック管84上に備え付けられ、他方の保持スクリーン92bは予備濃縮管18の
内壁94に取り付けられる。好ましい実施形態において、吸着材28は、図2A
に示すように、予備濃縮管18の内壁94に接触するような大きさを有する。
【0036】 図3Aおよび図3Bは、予備濃縮管18と吸着材28との間に配置される加熱
要素82を表す。この加熱要素82は、吸着材28を取り囲むよう配置される。
図3Aおよび図3Bに示す加熱要素82は、予備濃縮管18と吸着材28との間
に形成した膜を含む。この膜は、堆積時に抵抗膜を形成する材料を含むことが好
ましい。より詳細には、この膜は、半導体産業で用いられる酸化インジウムスズ
(ITO)膜およびプリント抵抗インク膜からなる群から選択される材料を含み
得る。この膜は、蒸着膜、厚膜、あるいは薄膜も含み得る。
【0037】 図3Aおよび図3Bに示す加熱要素82は、吸着材28と接触して並置される
第1の表面96を有する。この第1の表面96の反対側にある第2の表面98は
、管18の内壁と並置されて接触する。
【0038】 図3Aおよび図3Bに表した予備濃縮管18は、セラミックを含むことが好ま
しい。より好ましくは、この予備濃縮管18は、熱質量(thermal mass)の低い
(または質量の低い)セラミックを含む。より好ましくは、予備濃縮管18は、
その迅速な加熱および冷却を可能とするために比熱も低い。
【0039】 吸着材28は、保持スクリーン92a、92bによって予備濃縮管18の内部
90に固定される。図3Aにおいて、保持スクリーン92a、92bはそれぞれ
、予備濃縮管18の内壁94に固着される。
【0040】 図4Aおよび図4Bは、加熱要素82に包まれた予備濃縮管18を表す。この
加熱要素82は、予備濃縮管18を取り囲むよう配置される。
【0041】 図4Aおよび図4Bに示すヒーター72は薄箔ヒーターを構成する。電源78
へ接続される2本のヒーター線86が、加熱要素82から延出する。図4Aおよ
び図4Bでは薄箔ヒーターが示されるが、吸着材28を予備濃縮管18の外側か
ら加熱する他のヒーター72を用いることもできる。たとえば、予備濃縮管18
の周囲に巻きつけた電線に電流を流すことも可能である。ヒーター線とその周囲
に巻きつけた絶縁材を含む巻線ヒーターを用いることも可能である。
【0042】 図4Aおよび図4Bに示す箔ヒーター用の加熱要素82は、吸着材28に接触
せずに面する第1の主要表面102を有する。第1の表面102の反対側にある
第2の主要表面104は、吸着材28に接触せず面してもいない。この加熱要素
82は、第1の主要表面102および第2の主要表面104に垂直な端部表面1
06も有し、この端部表面は吸着材28に接触せず面してもいない。
【0043】 図4Aおよび図4Bに示す予備濃縮管18は、好ましくは金属を含み、より好
ましくは熱質量の低い金属を含む。低い熱質量は、低い質量により達成すること
ができる。したがって、薄い壁を有する予備濃縮管18が有利に用いられ得る。
【0044】 図4Aは、予備濃縮管18の内壁94に固着された保持スクリーン92a、9
2bの各々、ならびに予備濃縮管の内壁まで延在する吸着材28も示す。
【0045】 図2A−図2B、図3A−図3B、および図4A−図4Bに示すように、加熱
要素82は、吸着材28内あるいはその外側のいずれにも存在することができる
。しかしながら、吸着材28内の加熱要素82は、より均一な加熱を提供する。
さらに、吸着材28内からの加熱は、より効率的で高速である。加熱要素82が
吸着材28内に備えられる場合、当該加熱要素の表面積の大部分が、吸着材に面
して接触することになる。したがって、放射または伝導によって吸着材28から
失われる熱がより少なくなる。
【0046】 たとえば、図2A−図2Bに示される加熱要素82は、加熱要素のより大きな
表面積が吸着材28への熱伝達に使用可能であるため、図4A−図4Bに示され
る箔ヒーターより効率的である。図2A−図2Bに表した加熱要素82の主要表
面88のかなりの部分が、吸着材28に接触あるいは面している。したがって、
主要表面88を介した伝導または放射により、熱を吸着材28へと伝達すること
ができる。
【0047】 これと対照的に、図4A−図4Bに表した箔ヒーターの第1の主要表面102
は吸着材28に面しているが、第2の主要表面104はこれに面しておらず、第
2の主要表面は第1の主要表面と同じ大きさである。したがって、箔ヒーターの
表面積の少なくとも半分が、吸着材28への熱の直接伝達に関与していない。熱
エネルギーを吸着材28に送るのは、箔ヒーターの第1の主要表面102のみで
ある。図2A−図2Bに表した箔ヒーターの端部表面106は、吸着材28に面
しておらず接触もしないため、熱を吸着材28へ直接伝達しない。
【0048】 したがって、図2A−図2Bに示す加熱要素82は、図4A−図4Bの加熱要
素よりも効率的である。たとえば、吸着材28から放出される熱がより少ない。
さらに、図2A−図2Bの加熱要素82は吸着材28と直接接触するが、図4A
−図4Bに示すヒーター箔はそうでない。
【0049】 同様に、図3A−図3B中の加熱要素82も、図4A−図4Bの加熱要素より
効率的である。図3A−図3Bの加熱要素82は、第1の表面96が吸着材28
に直接接触して面しているのに対し、図4A−図4Bの薄箔ヒーターは、吸着要
素と直接接触していない。
【0050】 図5Aおよび図5Bは、図1の実施形態の動作を表す。図5Aは第1の動作モ
ード、すなわち収集モードを示し、このモードにおいて化学物質が吸着材28に
収集される。図5Bは第2の動作モード、すなわち脱着モードを表し、このモー
ドにおいて吸着材上に収集された化学物質が脱着される。
【0051】 収集モードにおいて、双方向ポンプ30を作動して、空気が主吸気口12へ、
そして予備濃縮管18を通って吸い込まれるようにすることにより、分子等の化
学物質が吸着材28に収集される。この空気は、双方向ポンプ30の通気口34
から排出される。空気が吸気口12から予備濃縮管18を通って流れるようにす
るために、双方向ポンプ30は第1の方向(本明細書中において順方向と呼ぶ)
に動作する。
【0052】 図5Aは、主吸気口12への、そして主吸気通路16を通る空気の流れを表す
矢印108、110を示す。主吸気口12へ吸い込まれた空気は第1のフィルタ
17を通過する。この第1のフィルタは、空気から不要な岩屑を取り除くことで
、この不要な岩屑が吸着材28上に蓄積することを防止する。
【0053】 空気は、別の矢印112に示されるように、主吸気通路16から予備濃縮管1
8へと移動する。予備濃縮管18に流入した空気は吸着材28の中を流れ、この
吸着材は空気中の化学物質114を捕らえる。
【0054】 空気は、予備濃縮管18の後端部22を出て、予備濃縮管と双方向ポンプ30
を接続する通路36へと移動する。空気は、2つの矢印116a、116bに示
されるように、第1の流量計38を通り抜ける。この第1の流量計38は、予備
濃縮管18および吸着材28を通る流れまたは流量を測定する。
【0055】 第1の流量計38は、制御器76へ電気的に接続することにより、双方向ポン
プ30が空気を予備濃縮管18に通す流量を調節するためのフィードバック(fee
dback)を提供することができる。より具体的には、第1の流量計38は、予備濃
縮管18を通る流れまたは流量を示す信号を出力することにより、制御器76が
この信号に応じて双方向ポンプ30のポンプ流量を調整することを可能にする。
制御器76は、双方向ポンプ30に送られる電源78からの電力を設定すること
により、双方向ポンプが吸着材28を通してポンプで送る空気の流量を制御する
ことになる。
【0056】 双方向ポンプは、ポンプ速度(たとえば回転/分)を測定して出力する回転速
度計も有し得る。したがってこの回転計は、流量を制御するためのフィードバッ
クを提供するとともに、一般的診断情報を提供することができる。
【0057】 吸着材28上に収集される化学物質114の数密度は、吸着剤の化学的性質と
、空気中の化学物質濃度と、吸着材を通してポンプで送られた空気の全体積との
関数である。吸着材を通してポンプで送られる空気の全体積は、吸着材28を通
る空気の流量と、空気が吸着材を通り抜ける時間の長さとに依存する。吸着材2
8を通る流量が大きいほど、十分な濃度の検出すべき化学物質を収集するのに要
する時間が短くなる。したがって、高流量で吸着剤を通るのが好ましい。これら
の流量は、25〜2000スタンダード立方センチメートル毎分(sccm)の
範囲に及ぶ場合があり、より好ましくは200〜1000sccmである。最も
好ましくは、双方向ポンプ30により提供される最大流量は、収集モード中に使
用される。
【0058】 第1のスクラバー40の両側にある矢印116b、116cは、双方向ポンプ
30に流入する前の、第1のスクラバーを通る空気の通過を示す。第1のスクラ
バー40は、さもなければ双方向ポンプ30に到達してしまうであろうあらゆる
化学物質を濾別する。上述のように、この第1のスクラバー40は、検出器50
において検出される種類の化学物質を捕らえる吸着材を含むことが好ましい。第
1のスクラバー40がない場合、これらの化学物質は双方向ポンプ30に到達し
てこれを汚染してしまう。この結果として、双方向ポンプ30が逆方向にポンプ
で送る度に、これらの化学物質の一部が双方向ポンプ30により放出されて、予
備濃縮管18と双方向ポンプの間の通路36へと戻ってしまう恐れがある。する
とこれらの化学物質は予備濃縮管18を通って検出器50へと流れてゆき、当該
検出器による不自然に高い示度を生じてしまう。しかしながら、好適な実施形態
では、予備濃縮管18と双方向ポンプ30の間の通路36中の空気は、収集モー
ド時に、第1のスクラバー40を通ってポンプで送られる。化学物質は、第1の
スクラバー40の吸着材に捕らえられ、双方向ポンプ30に到達しない。
【0059】 空気は、第1のスクラバー40を通り抜けた後に、双方向ポンプ30へと移動
する。この双方向ポンプ30は、主吸気口12から、そして予備濃縮管18を通
して空気を輸送するためのポンプ力(pumping power)を提供する。図5Aにお
いて、当該双方向ポンプ30は回転羽根ポンプとして示される。化学物質を検出
する装置10が収集モードで動作する際の、双方向ポンプ30内のローターおよ
び羽根120の動きを、矢印118により示す。
【0060】 双方向ポンプ30に吸い込まれた空気は、双方向ポンプの通気口34から排気
ライン42へと排出される。空気は、第2のスクラバー46の両側にある2つの
矢印122a、122bで示されるように、第2のスクラバー46を通り抜ける
。別の矢印124は、排気ライン42の開口44から排出される空気を表す。
【0061】 収集モード中、双方向ポンプ30が予備濃縮管18を通して空気を送る間に、
検出器ポンプ64は、主吸気口12へと吸い込まれた空気をサンプリングして、
化学物質の存在をリアルタイムで検出する。特に、主吸気口12に流入して主吸
気通路16を通り抜ける空気の一部は、検出器ポンプ64により、主吸気通路と
検出器50の間の通路48へと吸い込まれる。矢印126は、主吸気通路16か
らの、主吸気通路と検出器50の間の通路48を通って検出器50へと向かう空
気の流れを示す。空気は、流入口54を通って検出器50に流入し、センサーア
レイ58を通過する。センサーアレイ58は、検出されるべき化学物質の存在を
検出し、信号を出力する。この信号は、装置10のユーザに伝達される。
【0062】 センサーアレイ58を通過した空気は、排出口56を通って検出器50を抜け
、別の矢印128により示されるように、検出器50と検出器ポンプ64の間の
通路62に流入する。この空気は、第2の流量計70を通って検出器ポンプ64
へと進む。空気は、検出器ポンプ64の吸気口66へと吸い込まれ、当該検出器
ポンプの通気口68から排出される。検出器ポンプ64は、空気の一部を主吸気
通路16から検出器50へ吸い込むためのポンプ力を提供し、同時に第2の流量
計70は、検出器を通る流れまたは流量を測定する。第2の流量計70は、制御
器76と電気的に接続することにより、検出器ポンプ64が空気を検出器50に
通す流量を調節するためのフィードバックを提供することができる。より具体的
には、第2の流量計70は、検出器50を通る流れまたは流量を示す信号を出力
することにより、検出器ポンプ64に送られる電源78からの電力を制御器76
が設定することを可能にする。
【0063】 化学物質114が予備濃縮管18に収集される期間の後で、化学物質を検出す
る装置10は、収集モードから脱着モードにシフトされる。脱着モードにおいて
、空気が双方向ポンプ30の排気ライン42から予備濃縮管18を通ってポンプ
で送られている間にヒーター72を作動することにより、吸着材28上に収集さ
れた化学物質114が脱着される。
【0064】 収集モードから脱着モードへのシフトのために、双方向ポンプ30は、第1の
方向(すなわち順方向)のポンプでの送達から第2の方向(本明細書中において
逆方向と呼ぶ)のポンプでの送達へと切り替えられる。したがって、双方向ポン
プ30および予備濃縮管18を通る空気の流れは逆となり、空気は、双方向ポン
プの排気ライン42の開口44から予備濃縮管に向かってポンプで送られるよう
になる。
【0065】 図5Bは、脱着モードにおける、化学物質を検出する装置の動作を表す。空気
が排気ライン42の開口44へと吸い込まれる。この空気は、排気ライン42を
通って双方向ポンプ30へとポンプで送られる。空気は、双方向ポンプ30に到
達する前に、2つの矢印130a、130bに示されるように、第2のスクラバ
ー46を通り抜ける。
【0066】 第2のスクラバー46は、排気ライン42に流入する空気から不要な化学物質
を取り除くことで、これらの不要な化学物質が双方向ポンプ30に侵入すること
を防止する。上述のように、第2のスクラバー46は、検出器50において検出
される種類の化学物質を捕らえる吸着材を含むことが好ましい。化学物質は、第
2のスクラバー46の吸着材に捕らえられ、双方向ポンプ30には決して到達し
ない。したがって、これらの不要な化学物質は、予備濃縮管18を通って検出器
50へと流入して検出器の出力に影響を及ぼすことがない。
【0067】 排気ライン42中の空気は、双方向ポンプ30へと進み、ここで双方向ポンプ
の通気口34へと吸い込まれる。双方向ポンプ30はこの空気を、その吸気口3
2から、双方向ポンプを予備濃縮管18と接続する通路36へと押し出す。こう
して、双方向ポンプ30は、排気ライン42の開口44から空気を吸い込み、こ
の空気に予備濃縮管18を通過させるためのポンプ力を提供する。
【0068】 図5Bにおいて、双方向ポンプ30は回転羽根ポンプとして示される。化学物
質を検出する装置10が脱着モードで動作する際の、双方向ポンプ30内のロー
ターおよび羽根120の動きを、矢印132により示す。双方向ポンプ30が回
転羽根ポンプである場合、この双方向ポンプの方向を順方向から逆方向へと切り
替えるために、電源78から双方向ポンプへと供給される電圧の極性を逆にする
。極性を切り替えることによって、ローターおよび羽根120は反対方向に回転
するようになる。
【0069】 図5B中の矢印134は、双方向ポンプ30を予備濃縮管18と接続する通路
36を通る空気の流れを表す。図5Bは、第1のスクラバー40を通り抜ける空
気を表す。この第1のスクラバーは、双方向ポンプ30により放出されるあらゆ
る化学物質を濾別する。かかる化学物質は、第1のスクラバー40中の吸着材に
捕らえられ、予備濃縮管18や検出器50に到達しない。
【0070】 第1のスクラバー40を通り抜けた空気は、続いて第1の流量計38を通り抜
ける。この第1の流量計は、予備濃縮管18および吸着材28を通る流れまたは
流量を測定する。第1の流量計38は、制御器76へ電気的に接続することによ
り、双方向ポンプ30が空気を予備濃縮管18に通す流量を調節するためのフィ
ードバックを提供することができる。
【0071】 空気は、双方向ポンプ30を予備濃縮管18と接続する通路36から、続いて
予備濃縮管へと移動し、ここで空気は吸着材28中を流れる。装置10が脱着モ
ードにあるとき、ヒーター72は、吸着材28に収集された化学物質114を、
予備濃縮管18中を流れる空気中に脱着させるエネルギーを提供するように作動
される。これらの化学物質144は、いったん脱着すると、図5Bに示す予備濃
縮管の前端部にある矢印136に示されるように、予備濃縮管18中を流れる空
気によって運ばれてゆく。
【0072】 電源78によって電力がヒーター72に供給され、この電源78は、温度セン
サー74からのフィードバックにより調節される。予備濃縮管18を介して吸着
材28と熱接触する温度センサー74は、信号を制御器76に送信し、するとこ
の制御器76が、ヒーター72へと送達される電源78からの電力量を調節する
【0073】 好ましくは、ヒーター72は、吸着材18を約70℃〜250℃(Tenax
(商標)の場合は200℃)の範囲の温度まで加熱し、そこから化学物質を脱着
させる。より好ましくは、温度制御器76は、吸着材28の温度を段階的に上げ
るようプログラムされており、検出すべき化学物質が吸着材から脱着する温度に
達する前に、多数の温度設定点で温度を保持する。
【0074】 ある低濃度の化学物質を検出する場合、少量の当該化学物質は多数のバックグ
ラウンドの化学物質(background chemicals)と混合されている場合がある。こ
れらのバックグラウンドの化学物質は、当該化学物質よりも数桁高い濃度で存在
する可能性がある。予備濃縮管18を、検出すべき化学物質のすべてが吸着材か
ら脱着される温度まで一段階で加熱する場合、バックグラウンドの化学物質は当
該化学物質とともに放出される恐れがある。バックグラウンドの化学物質の放出
は「化学的ノイズ」を生じる。すなわち検出器50は、検出すべき化学物質の存
在をバックグラウンドの化学物質と区別可能でなければならない。
【0075】 しかしながら、当該化学物質を他の化学物質と区別する能力は、異なる化学物
質が吸着材28から脱着される時間を分離することにより改良できる。吸着材2
8の温度は段階的に上げて、検出すべき化学物質が吸着材から脱着される温度よ
りも低い1つまたはそれ以上の温度に一定期間保持することができる。すると、
高濃度のバックグラウンドの化学物質は、検出すべき化学物質とは異なる時間に
検出器に到達することになる。
【0076】 たとえば、不揮発性の毒性化学物質を検出する場合、予備濃縮管18は、先ず
不揮発性の毒性化学物質が脱着される温度よりも低い温度に加熱され、次に不揮
発性の毒性化学物質が脱着される温度に加熱されることができる。こうすること
で、先ず低揮発性のバックグラウンドの化学物質が吸着材28から追い出される
。したがって、不揮発性の毒性化学物質が検出器50に到達する時点で、検出器
50における化学的ノイズは低減される。
【0077】 吸着材28からいったん脱着した化学物質114は、予備濃縮管18中を流れ
る空気により、主吸気通路16へと運ばれてゆく。空気を予備濃縮管18から押
し出して主吸気通路16へと送り込むポンプ力は、双方向ポンプ30により提供
される。
【0078】 化学物質を検出する装置10が脱着モードにある間、検出器ポンプ64は、空
気を検出器50へと送り込み続ける。この結果、予備濃縮管18を通って主吸気
通路16へとポンプで送られる空気は、主吸気通路を検出器50と接続する通路
48へと送られる。矢印138は、主吸気通路16から主吸気通路と検出器50
との間の通路へと向かう空気の流れを示す。次にこの空気は、検出器50に流入
し、センサーアレイ58を通過する。センサーアレイ58は、化学物質の存在を
検出し、信号を出力する。この信号は装置10のユーザに、好ましくは何らかの
処理後に伝達される。
【0079】 検出器ポンプ64は、主吸気通路16から検出器50へと空気を送り込むポン
プ力を提供する。第2の流量計70は、検出器50を通る流れまたは流量を測定
し、制御器76にフィードバックを提供する。制御器76は、検出器ポンプ64
が検出器50に空気を通す流量を調節するために用いられる。
【0080】 双方向ポンプ30は、検出器ポンプ64が検出器50を通して空気をポンプで
送る流量とおよそ等しい流量で、予備濃縮管18を通して空気をポンプで送るこ
とが好ましい。予備濃縮管18を通る空気の流量が検出器50への空気の流量を
超えると、予備濃縮管を通るいくらかの空気が、主吸気通路16を検出器50と
接続する通路48に流入しなくなる。その代わりに、いくらかの空気が主吸気口
12を通って逃げてしまう。したがって、検出すべき化学物質の一部が、検出の
ために検出器50に到達しなくなる。対照的に、検出器50への空気の流量が予
備濃縮管18を通る空気の流量を超えると、主吸気口12を通して吸い込まれる
さらなる空気が検出器に到達し、予備濃縮管から放出される化学物質114の濃
度が薄まることになる。したがって、吸着材28から化学物質114を運び出す
、予備濃縮管18を通る空気の流量は、検出器50への空気の流量とおよそ等し
くなければならない。この目的のために、第1の流量計38および第2の流量計
70は、制御器76にフィードバックを提供するために用いることにより、予備
濃縮管18を通る空気の流量を検出器50への空気の流量と一致させることがで
きる。あるいは予備濃縮管18における圧力を、検出器50における圧力と一致
させることもできる。上記の理由から、検出器50が生成する測定値は、予備濃
縮管18における圧力が検出器50における圧力とおよそ等しい場合に、最も正
確となる。
【0081】 図6は、図1に表される、SAWセンサーを検出器50として用いる装置10
を用いて得られる測定値の再現性を示す。SAWセンサーは、化学物質が当該セ
ンサー上に吸着されるとシフトする周波数を有する振動信号を出力する。この周
波数シフト(ヘルツ)は経時的(秒)にプロットされ、収集および脱着の3周期
間のSAWセンサーの出力を追跡記録する。検出器ポンプ64が検出器50にわ
たって空気をポンプで送ると同時に化学物質が予備濃縮管18に収集される間隔
は、3つの期間T1、T2、T3に相当する。これら3つの期間T1、T2、T3中の
SAWセンサー出力は相対的に小さく、すなわち40〜100Hzの範囲である
。対照的に、3つのピーク140は、脱着中の化学物質114の放出の結果であ
る。ピーク値は、それぞれ560、580、580Hzと極めて再現性があり、
脱着中、予備濃縮管18、第1のスクラバー40、第2のスクラバー46、双方
向ポンプ30のいずれからも化学物質は偶発的に放出されるのではないことを示
している。
【0082】
【発明の効果】
双方向ポンプ30を使用し、その方向を逆にして、予備濃縮管18から放出さ
れる化学物質114の検出を行うことにより、予備濃縮管を通る流れの方向を弁
により切り替える必要がなくなる。空気の流れを変えるためにそうした弁を必要
としないことで、化学物質を検出する装置10は、より簡易で、より小型で、よ
り低コストなものとなる。さらに、収集モードおよび脱着モード中に空気の流れ
を導くために弁を必要としないことから、装置10の消費電力はより低くなる。
【0083】 双方向ポンプ30のポンプでの送達の方向を切り替えることによって予備濃縮
管18を通る流れは逆となるため、熱脱着した化学物質は、吸着材28中を完全
に通り抜ける必要がない。脱着した化学物質は、導入された側から抜け出るだけ
でよいのである。この結果、化学物質114が吸着材28と化学反応する可能性
は少なくなる。また、脱着効率が増加され、吸着材28はそれほど長く加熱され
る必要がない。さらに、検出器50が収集モードならびに脱着モード中に絶え間
なく空気をモニタリングするため、リアルタイムの測定が可能となる。
【0084】 空気中に含まれる化学物質を検出するものとして好ましい実施形態を説明して
きたが、本発明の別の実施形態は、他の流体中の化学物質を検出するために使用
することができる。さらに、装置10を用いて、サブミクロンの電荷中性化学物
質あるいはエアロゾル形態の化学物質等といった、分子以外の化学物質の存在を
検出することができる。
【0085】 本発明は、本明細書中に記載の本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形
態で実施することができる。上述の実施形態は、あらゆる点で例示としてのみ考
慮されるものとし、いかようにも限定されるものではない。したがって、いかな
る発明の範囲も、上記説明ではなく併記の特許請求の範囲により示される。特許
請求の範囲の均等物の意味および範囲に含まれるあらゆるすべての変更が、それ
らの範囲において考慮されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好適な実施形態の概略図である。
【図2】 図2Aは、予備濃縮管の部分断面図であり、予備濃縮管内に含まれた吸着材を
通過する加熱要素を示している。図2Bは、図2Aに示した予備濃縮管および加
熱要素の透視図である。
【図3】 図3Aは、予備濃縮管の部分断面図であり、予備濃縮管と該予備濃縮管内に含
まれた吸着材との間に配置された加熱要素を示している。図3Bは、図3Aに示
した予備濃縮管および加熱要素の透視図である。
【図4】 図4Aは、予備濃縮管の部分断面図であり、予備濃縮管を囲んでいる加熱要素
を示している。図4Bは、図4Aに示した予備濃縮管および加熱要素の透視図で
ある。
【図5】 図5Aは、図1に示した実施形態の概略図であり、吸着材にて化学物質を収集
することを示す。図5Bは、図1に示した実施形態の概略図であり、吸着材から
化学物質を脱着させることを示す。
【図6】 図6は、時間(秒)軸および周波数(ヘルツ)偏移軸についてのプロット図で
あり、3周期の収集および脱着中のセンサー出力を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ボーゲル,ジョージ ダブリュ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92630 レイク フォレスト バックランド レ ーン 23281 (72)発明者 クレイコーム,シー.ロジャー ジュニア アメリカ合衆国 テキサス 78664 ラウ ンド ロック ナンバー1413 イースト パーム バレー アベニュー 515 (72)発明者 プフラグシャウプト,リック,イー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92833 フラートン サウス パシフィック ド ライブ 1515 Fターム(参考) 2G047 AA01 AD01 BC04 BC15 CB03 GG28 2G052 AA01 AB22 AD02 AD33 BA22 CA12 CA35 EA03 EB11 ED06 ED10 GA26 HA15 HC04 HC10 HC28 JA07 JA11 JA16 4G066 AC21B BA22 DA01 EA20 GA02 【要約の続き】 8)中へポンプで送り、それによって、吸着材(28) 上で化学物質(114)を収集する。加熱要素(82) は吸着要素(18)に熱を与えて、吸着材(28)から 化学物質(114)を脱着させる。吸着材(28)から 脱着した化学物質(114)は次に、吸着要素(18) から化学センサー(58)へポンプで送られる。

Claims (61)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つまたはそれ以上の化学物質(114)を検出するための
    装置(10)であって、 前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を吸着するためのものであって
    、そこを通過する流体流路(90)を有する吸着要素(18)と、 前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を吸着している間に、前記吸着
    要素(18)の前記流体流路(90)を通る流体を第1の方向(112、116
    a)にポンプで送り、そして、前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を
    脱着している間に、前記吸着要素(18)の前記流体流路(90)を通る流体を
    第2の方向(134、136)にポンプで送るために連結された双方向ポンプ(
    30)と、 前記脱着した化学物質(114)を受け取るために連結された少なくとも1つ
    の化学物質検出器(50)と、 を備えた装置。
  2. 【請求項2】 前記双方向ポンプ(30)は回転真空ポンプを備えた、請求
    項1に記載の装置(10)。
  3. 【請求項3】 前記双方向ポンプ(30)から前記吸着要素(18)への、
    および前記吸着要素(28)から前記化学物質検出器(50)への囲い込み通路
    (36、48)をさらに備えた、請求項1に記載の装置(10)。
  4. 【請求項4】 前記囲い込み通路(36、48)の少なくとも一部は、マニ
    ホルド内に収納された一体型流路回路を備えた、請求項3に記載の装置(10)
  5. 【請求項5】 前記吸着要素(18)は中に吸着材(28)を有する管(1
    8)である、請求項3に記載の装置(10)。
  6. 【請求項6】 前記吸着材(18)は、2,6ジフェニル−ρ−フェニレン
    オキシドを含む多孔性ポリマーを含む、請求項5に記載の装置(10)。
  7. 【請求項7】 前記流体を前記化学物質検出器(58)へポンプで送る検出
    器ポンプ(64)をさらに備えた、請求項1に記載の装置(10)。
  8. 【請求項8】 前記検出器ポンプ(64)および前記双方向ポンプ(30、
    64)は、前記装置(10)内で同時に作動するように適合されている、請求項
    7に記載の装置(10)。
  9. 【請求項9】 前記吸着要素(18)と熱接触しているヒーター(72)を
    さらに備えた、請求項1に記載の装置(10)。
  10. 【請求項10】 前記ヒーター(72)は、前記吸着要素(18)を囲んで
    いる加熱要素(82)を含む、請求項9に記載の装置(10)。
  11. 【請求項11】 前記加熱要素(82)は箔ヒーターを含む、請求項10に
    記載の装置(10)。
  12. 【請求項12】 前記吸着材(28)を通る前記流体の流量を測定する第1
    の流量計(38)をさらに備えた、請求項1に記載の装置(10)。
  13. 【請求項13】 前記第1の流量計(38)は双方向流量計を含む、請求項
    12に記載の装置(10)。
  14. 【請求項14】 前記検出器(50)へ向かう前記流体の流量を測定する第
    2の流量計(70)をさらに備えた、請求項12に記載の装置(10)。
  15. 【請求項15】 前記第1の流量計(38)および前記第2の流量計(70
    )に電気的に接続された制御器(76)をさらに備えた、請求項14に記載の装
    置(10)。
  16. 【請求項16】 前記制御器(76)は、前記吸着要素(18)を通る流量
    が前記検出器(50)へ向かって通過する流量に近似するようにさせる回路を備
    えた、請求項15に記載の装置(10)。
  17. 【請求項17】 前記吸着要素(18)と熱接触している温度センサー(7
    4)をさらに備えた、請求項9に記載の装置(10)。
  18. 【請求項18】 前記ヒーター(72)の温度を制御する、前記温度センサ
    ー(74)に電気的に接続されたヒーター制御回路構成(76)をさらに備えた
    、請求項17に記載の装置(10)。
  19. 【請求項19】 前記双方向ポンプ(30)と前記吸着要素(18)との間
    の位置で前記通路(36)内に配置された第1のスクラバー(40)をさらに備
    えた、請求項3に記載の装置(10)。
  20. 【請求項20】 前記吸着要素(18)は吸着材(28)を含み、前記第1
    のスクラバー(40)は、前記吸着要素(18)が含むのと同じ吸着材(28)
    を含む、請求項19に記載の装置(10)。
  21. 【請求項21】 前記双方向ポンプ(30)が前記流体を前記第1の方向(
    112、116a)にポンプで送る場合には、前記流体が順に、前記吸着要素(
    18)、前記双方向ポンプ(30)、および前記第2のスクラバー(46)を通
    過するような、そして、前記双方向ポンプ(30)が前記流体を前記第2の方向
    (134、136)にポンプで送る場合には、前記流体が順に、前記第2のスク
    ラバー(46)、前記双方向ポンプ(30)、および前記吸着要素(18)を通
    過するような位置で前記双方向ポンプ(30)に連結された第2のスクラバー(
    46)をさらに備えた、請求項1に記載の装置(10)。
  22. 【請求項22】 前記吸着要素(18)は吸着材(28)を含み、前記第2のスクラバー(46
    )は、前記吸着要素(18)が含むのと同じ吸着材(28)を含む、請求項21
    に記載の装置(10)。
  23. 【請求項23】 前記流体流路(90)は大気を受け入れるように適合されている、請求項1に
    記載の装置(10)。
  24. 【請求項24】 1つまたはそれ以上の化学物質(114)を検出するための装置(10)であ
    って、 (a)吸着材(28)を含む、入口および出口を有する吸着要素(18)と、 (c) 吸気口(32)および通気口(34)を有する双方向ポンプ(30)
    であって、第1の方向(118)に前記流体をポンプで送る場合には、流体を前
    記吸気口(32)から前記通気口(34)へポンプで送るように適合され、第2
    の方向(132)に前記流体をポンプで送る場合には、前記流体を前記通気口(
    34)から前記吸気口(32)へポンプで送るように適合されている双方向ポン
    プ(30)と、 を備え、 前記吸着要素(18)の出口は、前記双方向ポンプ(30)が前記第1の方向
    (118)にポンプで流体を送る場合に前記流体が前記吸着材(28)から前記
    双方向ポンプ(30)に流れるように、前記双方向ポンプの吸気口(32)に連
    結されており、 (d) 少なくとも1つの化学センサー(58)を有する検出器ハウジング(
    52)を備えた検出器(50)と、 を備え、 前記吸着要素(18)の入口は、前記双方向ポンプ(30)が前記第2の方向
    (132)にポンプで流体を送る場合に前記流体が前記双方向ポンプ(30)か
    ら前記センサー(58)に流れるように、前記検出器(50)に連結されている
    、装置。
  25. 【請求項25】 前記吸着材(28)は、2,6ジフェニル−ρ−フェニレ
    ンオキシドを含む多孔性ポリマーを含む、請求項24に記載の装置(10)。
  26. 【請求項26】 吸気口(66)および通気口(68)を有する検出器ポン
    プ(64)をさらに備え、前記検出器ポンプの前記吸気口(66)は、前記セン
    サー(58)を有する前記検出器(50)に連結されている、請求項24に記載
    の装置(10)。
  27. 【請求項27】 前記吸着材(28)と熱接触しているヒーター(72)を
    さらに備えた、請求項24に記載の装置(10)。
  28. 【請求項28】 前記吸着材(28)を通る前記流体の前記流量を測定する
    第1の流量計(38)をさらに備えた、請求項24に記載の装置(10)。
  29. 【請求項29】 前記検出器(50)へ向かう前記流体の前記流量を測定す
    る第2の流量計(70)をさらに備えた、請求項28に記載の装置(10)。
  30. 【請求項30】 前記吸着材(28)と熱接触している温度センサー(74
    )をさらに備えた、請求項27に記載の装置(10)。
  31. 【請求項31】 前記吸着材(28)と前記双方向ポンプ(30)の吸気口
    (32)との間に配置された第1のスクラバー(40)をさらに備えた、請求項
    24に記載の装置(10)。
  32. 【請求項32】 前記第1のスクラバー(40)は、前記吸着要素(18)
    に含まれているのと同じ吸着材(28)を備えた、請求項31に記載の装置(1
    0)。
  33. 【請求項33】 前記双方向ポンプ(30)の前記通気口(34)に連結さ
    れた第2のスクラバー(46)をさらに備えた、請求項24に記載の装置(10
    )。
  34. 【請求項34】 前記第2のスクラバー(46)は、前記吸着要素(28)
    に含まれているのと同じ吸着材(28)を備えた、請求項33に記載の装置(1
    0)。
  35. 【請求項35】 前記吸着要素(18)の前記吸気口は気体を受け入れるよ
    うに適合されている、請求項24に記載の装置(10)。
  36. 【請求項36】 前記気体は大気を含む、請求項35に記載の装置(10)
  37. 【請求項37】 流体中に含まれている1つまたはそれ以上の化学物質(1
    14)を検出する方法であって、 (a) 吸着要素(18)を通る流体の流れのための第1の流路(90)と、
    少なくとも1つの化学物質検出器(50)への流体の流れのための第2の流路(
    48)とを含む複数の流路(48)を提供することであって、前記第1および第
    2の流路(90、48)はそれぞれ第1および第2のポンプ(30、64)に連
    結されていることと、 (b) 前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を含む前記流体を吸気
    口(14)へ導入し、 (c) 前記吸気口(14)から前記第1の流路(90)を通して、前記1つ
    またはそれ以上の化学物質(114)を含む前記流体の第1の部分を流し、それ
    によって前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)の少なくとも一部を前記
    吸着要素(18)内で収集し、 (d) 前記第2の流路(48)を通して前記吸気口(14)から前記化学物
    質検出器(50)へ、前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を含む前記
    流体の第2の部分を同時に流し、 (e) 前記ポンプ(30、64)との前記流路の連結を変えることなく、前
    記第1および第2の流路(48)の双方を通して前記流体を流して、前記吸着要
    素(18)内で収集された前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を前記
    化学物質検出器(50)へ送ること、 を含む方法。
  38. 【請求項38】 前記吸着要素(18)は吸着材(28)を含む、請求項3
    7に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記吸着材(28)は、2,6ジフェニル−ρ−フェニレ
    ンオキシドを含む多孔性ポリマーを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記流路(48)は弁によって遮断されていない、請求項
    37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記吸着要素(18)内で収集された前記1つまたはそれ
    以上の化学物質(114)が前記化学物質検出器(50)に送られている間、前
    記吸気口(14)から排出されるか、または前記吸気口(14)に吸い込まれる
    流体は実質的にない、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記吸着要素(18)を加熱して、前記吸着要素(18)
    内で収集された前記1つまたはそれ以上の化学物質(114)を脱着することを
    さらに含む、請求項37に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記(e)は、前記第2の流路(48)を通る前記流体の
    流れを逆流させることなく、前記第1の流路(90)を通る前記流体の流れを逆
    流させることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記(b)は、大気を導入することを含む、請求項37に
    記載の方法。
  45. 【請求項45】 流体中に含まれている化学物質(114)を収集および検
    出するための装置(10)であって、 (a) 流体を通過させるための流路(90)を提供するエンクロージャー(
    18)であって、前記流体が前記エンクロージャー(18)に対し出入りするこ
    とを可能にさせる2つの流体口を有するエンクロージャー(18)と、 (b) 前記エンクロージャー(18)内に含まれている吸着材(28)と、 (c) 前記エンクロージャー(18)内に含まれている加熱要素(82)と
    、 (d) 少なくとも1つの化学センサー(58)と、 (e) 前記エンクロージャー(18)を通して前記流体をポンプで送り、そ
    れにより前記化学物質(114)を前記吸着材(28)上で収集する第1のポン
    プ(30)と、 (f) 前記化学センサー(58)に前記化学物質(114)をポンプで送る
    ための第2のポンプ(64)と、 を備えた装置。
  46. 【請求項46】 前記吸着材(28)は中に空洞があり、前記加熱要素(8
    2)は前記空洞内に配置されている、請求項45に記載の装置(10)。
  47. 【請求項47】 前記加熱要素(82)は、抵抗膜(85)が表面に形成さ
    れているセラミック管(84)を備え、前記抵抗膜(85)は前記吸着材(28
    )と並置されている、請求項46に記載の装置(10)。
  48. 【請求項48】 前記吸着材(28)は、2,6ジフェニル−ρ−フェニレ
    ンオキシドを含む多孔性ポリマーを含む、請求項45に記載の装置(10)。
  49. 【請求項49】 前記加熱要素(82)は、前記エンクロージャー(18)
    と前記吸着材(28)との間に配置されている、請求項45に記載の装置(10
    )。
  50. 【請求項50】 前記加熱要素(82)は、前記エンクロージャー(18)
    の内部表面(94)上に形成された抵抗膜を含む、請求項49に記載の装置(1
    0)。
  51. 【請求項51】 前記抵抗膜は酸化インジウムスズを含む、請求項50に記
    載の装置(10)。
  52. 【請求項52】 前記抵抗膜はプリント抵抗インクを含む、請求項50に記
    載の装置(10)。
  53. 【請求項53】 前記加熱要素(82)は、前記吸着材(28)と並置され
    て、前記吸着材(28)と熱接触するようになっている表面(96)を含む、請
    求項45に記載の装置(10)。
  54. 【請求項54】 前記加熱要素(82)は前記吸着材(28)と直接接触し
    ている、請求項53に記載の装置(10)。
  55. 【請求項55】 前記吸着材(28)と熱接触している温度センサー(74
    )をさらに備えた、請求項53に記載の装置(10)。
  56. 【請求項56】 前記流路(90)は気体を通す、請求項45に記載の装置
    (10)。
  57. 【請求項57】 流体中の化学物質(114)を収集および検出するための
    方法であって、 (a)エンクロージャー(18)内に吸着材(28)を提供することであって
    、前記吸着材(28)は外壁を有し、前記エンクロージャー(18)は内壁(9
    4)を有し、 (b)前記エンクロージャー(18)へ前記流体を導入し、それによって前記
    吸着材(28)上で前記化学物質(114)を収集し、 (c)前記エンクロージャー(18)の前記内壁(94)の内部に配置された
    熱源(82)から熱を放出し、それによって前記吸着材(28)から前記化学物
    質(114)を脱着させ、 (d) 前記吸着材(28)から脱着した前記化学物質(114)を、前記エ
    ンクロージャー(18)から少なくとも1つの化学センサー(58)へ運ぶこと
    、 を含む方法。
  58. 【請求項58】 前記吸着材(28)の前記外壁の内部に配置された熱源(
    82)から熱を放出することを含む、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記吸着材(28)内の空洞に熱を加えることを含む、請
    求項57に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記流体を導入することは気体を導入することを含む、請
    求項57に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記流体を導入することは大気を導入することを含む、請
    求項60に記載の方法。
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