JP2003514539A - 生化学物質の同定方法 - Google Patents

生化学物質の同定方法

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JP2003514539A JP2001538802A JP2001538802A JP2003514539A JP 2003514539 A JP2003514539 A JP 2003514539A JP 2001538802 A JP2001538802 A JP 2001538802A JP 2001538802 A JP2001538802 A JP 2001538802A JP 2003514539 A JP2003514539 A JP 2003514539A
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Abstract

(57)【要約】 被検物質を含む流体を、細胞物質を含む検出領域と接触させ;検出領域にわたって電気特性をモニターし;かつ検出領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知することにより物質の存在を検出することからなる、流体中の被検物質の存在を示す方法が提供される。また、所定の領域内に局在する細胞物質を保持できる容器であって、流体を容器に保持される細胞物質と接触させることができる容器;及び所定領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知し得る検出装置からなる、流体中の被検物質の存在を示す装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 この発明は、試料中の生物学的又は化学的な物質の存在を定性及び/又は定量
的に測定するための方法に関する。
【0002】発明の背景 多くの実験室又は他の環境では、液体又は気体試料中の種々の分子又は他の化
学的もしくは生物学的な物質の存在を検出することが望ましく、又はそうするこ
とが必要である。そのような化学的又は生物学的な物質には、例えば、ヒト及び
動物の血液中のウイルス、ホルモン及び毒素、大気中の有毒な汚染物質及び水中
の除草剤の残渣が含まれる。測定して同定される分子又は他の物質は、種々の化
学基に属し、全く異なる性質及び生物学的機能を有する可能性がある。分子又は
他の物質はまた、自由な形態で存在するか、又は他の分子もしくは細胞とすら結
合し得る(例えば細胞に結合し得る)。
【0003】 分子を検出及び同定するための従来方法は、分子量、溶解度、電荷等のような
種々の分子の物理的及び/又は化学的性質における差異の測定に依拠している。
これらの方法は、試料において、必要な分子と残留分子を高度な効率で分離でき
る利点を有する。しかしながら、試料組成物を定性及び定量的に完全に測定する
ためには、1以上の検出方法を組み合わせた適用が度々必要である。例えば、様
々なクロマトグラフ方法(ガス及び液体)、質量分析法及び核磁気共鳴分光器は
、たとえ混合物が多量の成分を含んでいる場合でも、そのような混合物の成分の
分離及び同定の組み合わせによく用いられる。これらの方法は、作業者が全く危
険にさらされず、多量の又は全ての成分構成を明らかにするためにもしばしば使
用されている。
【0004】 別の分析方法の種類は、抗体又はそのFabもしくはFvフラグメントで試料中の
種々の分子(リガンド)を選択的かつ特異的に認識すること(例えば、酵素結合
イムノソルベントアッセイつまり「ELISA」)に依拠する。しかしながら、これ
らの方法は、DNA及びRNA分子の分子分析のような分子構造検出方法と比較して、
信頼度及び感度が低い(例えば、感度とは、対象分子が試料の10億分子当たり10
0分子以上の濃度で存在する場合、対象分子の検出のみを可能にするもの、即ち1
00ppbより大きい感度)。後者の技術は、通常、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に
よる核酸配列の増幅、次いでラジオイムノアッセイ(RIA)のような方法による
増幅配列の検出を含む。PCRを利用する技術は一般に極めて感受性であり(>0.1
〜1.0部/10億)、放射性ラベルを頻繁に利用するので作業者が危険にさらされる
可能性はあるが、選択的である。
【0005】 一般に、従来法で試料の定性及び定量的な分析を行うために必要な装置は、高
価で場所をとる。そのような装置は、特別に訓練された作業者によってしばしば
操作される必要があり、特別な実験環境を要する。さらに、分析を完全に行うの
に必要な時間は、数時間から数週間の間で変動する。したがって、従来の測定方
法には、各分析の実用性、時間及び費用の問題に関する限りかなりの欠点がある
【0006】 対象の分子又は他の生物学的もしくは化学的物質は、当該分野で既知の、生細
胞の表面上に見出されるか、さもなければ生細胞と連結したタンパク質又はタン
パク質ベースの生体分子である分化した「レセプター」によって認識され得る。
各レセプターは、特定の構造形態の分子又はその一部を選択的かつ非共有的に結
合する。そのようなレセプターは、細胞膜タンパク質、抗体タンパク質又は他の
分子であってもよい。他の場合は、あるレセプターと選択的に相互作用する代わ
りに、測定中の分子は、例えば膜部分、微小管、酵素及び遺伝子のような構造的
又は機能的な細胞成分と相互に作用する。この相互作用はしばしば細胞代謝に複
雑な変化をもたらすが、必ずしも特定の型の変化を生じるわけではない。
【0007】 生物学的センサー(バイオセンサー)に基づく診断上の用途数が、近年急速に
増加している。この理由は、通常の分析の場合、訓練された作業者と特別な実験
環境を同時に要する、かさ高く重い分析機器(例えば液体及びガスクロマトグラ
フ)を回避することが望ましいためである。このような場合(例えば血液試験又
は環境汚染のモニター)、持ち運び可能で、利用し易い装置の使用が選択方法と
してしばしば示されている。バイオセンサーは、試料中の対象分子の存在を検出
するために、レセプター又は酵素のような生物学的化合物と該分子との特異的な
相互作用を利用する。バイオセンサーは、通常、物質又は支持体上に取り付けら
れる少量のバイオセンサー材料で構成される。次いで、被試験試料をバイオセン
サー材料に接触させ、バイオセンサー材料と対象分子との相互作用を、幾つかの
測定可能な物理的パラメーターの関数として検出する(例えば、対象分子として
の基質又は支持体の屈折率の変化はバイオセンサー材料に結び付く)。
【0008】 バイオセンサーは、目標の作業条件を幾つか満たさなければならない。その幾
つかは(Eggins, Biosensors-An Introduction, Wiley & Teubner、Chichester
、1996で説明されるように): ・百万当たりの部(ppm)から10億当たりの部(ppb)の範囲の感度 ・1分子(又はいくつかの類似構造の分子の中からできる限り少数の分子)の検
出特異性 ・1〜60分のアッセイ時間 ・最小の試料量 ・十分な貯蔵期間(少なくとも数日) ・危険性のない適用 ・最低限の作業者訓練の必要性 ・比較的低費用 である。
【0009】 圧倒的大多数の既存のバイオセンサーは、酵素又は抗体分子の物理化学特性の
パターンを間接的に測定して操作する。これらの方法は、長い反応時間(>90分
)、検出分子を含有する構成単位に対し短い貯蔵期間(1日〜最大1週間)、及び
比較的低い感度(例えば、100ppb以上の濃度でのみ対象分子を検出)によりしば
しば特徴付けられる。さらに、抗体以外の生体分子が生体感知材料として用いら
れる場合、既存のバイオセンサーの選択性(即ち、対象分子を他の分子、特に試
料中で見いだされ得る類似構造の他の分子と区別するバイオセンサーの能力)は
しばしば不十分である。抗体が生体感知材料として用いられる場合には、低感度
により、これらの方法が(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の用途を含む方
法として)感度の高いDNA及びRNA分子の分析方法に成功裏に代わることはできな
い。
【0010】 電気生理学的効果に基づくバイオセンサーの適用は、当該分野で公知である。
そのようなバイオセンサー及びそれらの適用の例は、以下のようである: ・誘電泳動で大腸菌細菌を血液混合物から分離し、続いて微細加工された1つの
生体電子チップで電子溶解する。細菌の同定は、細菌性DNA/RNAについて電気的
に強化したハイブリッド形成で行われる(Chengら、Nature Biotechnology 16:5
41〜546)。さらに、この方法の変法は、溶液中の種々のDNA/RNA分子の検出に利
用される(米国特許出願第5,653,939号、5,728,532号、5,858,666号参照)。こ
のような適用は非常に複雑で、高性能な装置及び訓練された作業者を必要とする
が、一方で、環境汚染物質のようなより微小な分子ではなく、ポリヌクレオチド
及びタンパク質のような生体ポリマーのみを少なくとも現在検出することができ
る。
【0011】 ・電極カップ中で、バナナと黒鉛粉末状流動パラフィンの混合物からなるバナナ
トロード(bananatorode)は、酵素ポリフェノラーゼでのキノンに対するドーパ
ミンの転化をモニターして、試料中のドーパミンの存在を測定するのに用いられ
る。 ・結晶に固定化した抗体からなる圧電センサーは当該分野で既知であり、ウイル
ス、微生物の毒素及び他の汚染物質のマイクロ重量測定(microgravimetric)イム
ノアッセイを含むいくつかの用途が報告されている(Suleimanら、Analyst 119
(II):2279〜82)。そのような圧電センサーの使用には、相対的に時間がかか
る(>90分)。 ・最近のいくつかの用途は、特定の揮発性化合物から生じた電気信号を記録する
ことによってそれらを検出するため、完全に無傷の器官(特に昆虫の触角)を使
用することに依拠する(Schrothら、Biosensors and Bioelectronics 14:303〜3
08 (1999):Schutzら、 Biosensors and Bioelectronics 14: 221〜228 (1999))
。そのようなバイオセンサーの扱い及び保存には、依然として問題がある。
【0012】 以下は、本発明と関連していると信じられている他の技術のリストである:Ce
vc. Biochemica et Biophisica Acta 1031〜3; 311〜382 (1990)); Goldsworthy
ら、Plant Cell. Tissue and Organ Cult. 30:221〜226 (1992);米国特許第5,65
3,939号、Ogataら、 Aust. J. Plant Physiol. 10: 339〜351 (1983); Smith、A
ust. J. Plant Physiol. 10:329〜337 (1983); Tsongら、Ann. Rev. Phsiol. 50
:273〜290; Vigh ら、TIBS 23: 369〜374 (1998); WO98/54294; WO98/55870; WO
98/23948; Iwata ら、Brit. J. Pharmacol. 126:1691〜1698 (1999); Wangら、V
irology 205(I): 133〜140 (1994); ドイツ特許出願第19540098号;米国特許出
願第4,343,782号;Martyら、Analusis 26:M144〜M149 (1998); Rawsonら、Biose
nsors 4: 299〜312 (1989)。
【0013】発明の要約 現在利用できるバイオセンサー及びバイオセンサー方法よりも高感度かつ高選
択性で生体分子を検出でき、広い実験空間を必要としないバイオセンサー及びバ
イオセンサー方法を、使用に安全で、その操作に訓練された作業者を必要とせず
、現在公知のバイオセンサー方法よりも速く結果をもたらし、原則として現在当
該分野で公知のバイオセンサーよりも長期間にわたって使用できるものとするこ
とは、有用であろう。
【0014】 このように、本発明の好ましい実施形態によって、 被検物質を含む流体を、細胞物質を含む検出領域と接触させ; 検出領域にわたって電気特性をモニターし;かつ 検出領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知することにより物
質の存在を検出する ことからなる、流体中の被検物質の存在を示す方法が提供される。
【0015】 本発明の好ましい一実施形態によれば、電気特性は電位である。本発明の好ま
しい別の実施形態では、電気特性は電導度である。本発明の好ましい別の実施形
態によれば、電気特性は抵抗である。 本発明の好ましい実施形態によれば、被検物質を含む流体は検出領域を通って
流れる。 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質は(a)多様な細胞及び(b)細
胞の一部の少なくとも1つを含有する。本発明の好ましい一実施形態によれば、
前記の多様な細胞は培養された多様な細胞である。本発明の好ましい別の実施形
態では、多様な細胞は組織形態である。
【0016】 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質を含む検出領域は、細胞物質を
含む導電性マトリクスからなる。 本発明の好ましい一実施形態によれば、被検物質の存在は、少なくとも幾つか
の細胞物質にわたって導電率に変化をもたらす。本発明の好ましい実施形態によ
れば、導電率の変化は導電率の増大である。 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質は固定化される。 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質は被検物質に特異的に反応性の
分化した細胞物質を少なくとも幾つか含む。 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質は、異なる被検物質にそれぞれ
特異的に反応性の少なくとも2種の分化した細胞物質を含む。
【0017】 本発明の好ましい実施形態によれば、細胞物質は、異なる方法で被検物質にそ
れぞれ反応性の少なくとも2種の分化した細胞物質を含む。 また、本発明の好ましい実施形態によれば、所定の領域内に局在する細胞物質
を保持できる容器であって、流体を容器に保持される細胞物質と接触させること
ができる容器;及び所定領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知し
得る検出装置からなる、流体中の被検物質の存在を示す装置が提供される。 本発明の好ましい実施形態によれば、容器は細胞物質を含む。 本発明の好ましい実施形態によれば、容器は、流体を所定の領域にわたって流
れさせることができるように適合されている。
【0018】図面の簡単な説明 本発明は、以下の図面と共に以下の詳細な説明からより十分に理解されるであ
ろう: 図1A-1Cは、本発明によって構築され、機能的に作用するバイオセンサーの
検出部に関し、いくつかの有り得る形態を図示している。 図2は、本発明によるバイオセンサーを構築し、操作するための手順を簡単に
概説している。 図3は、植物病原性ウイルスの定性測定の結果を表す図である。 図4は、植物病原性ウイルス(タバコウイルス)の定量測定の結果を表す図で
ある。 図5は、植物病原性ウイルス(タバコウイルス)の定量測定の結果を表す別の
図である。 図6は、ヒト血液試料中のC型肝炎ウイルスの定性測定の結果を表す図である。 図7は、除草剤グリホサート及びフェニルアラニン類似化合物p-フルオロフェ
ニルアラニンの定性及び定量測定の結果を表す図である。及び 図8は、除草剤グリホサート及びフェニルアラニン類似化合物p-フルオロフェ
ニルアラニンの定性及び定量測定の結果を表す別の図である。
【0019】発明の詳細な説明及びその好ましい具体例 この発明は、細胞物質、例えば固定化細胞(又は細胞成分)、多くの細胞又はさ
らにその器官もしくは一部を含む組織をバイオセンサー材料として利用する。こ
の発明は、種々の分子又は他の化学的もしくは生物学的物質に対するこの細胞物
質の電気反応を観察することに基づく。
【0020】 なぜなら、原則として、異なる化学及び/又は生物学的物質に対する反応が異
なる異なる細胞、又は異なる化学及び/又は生物学的物質に対し異なる反応を示
す細胞系が見出され、単離できるためである。この発明は、原則として、ほとん
ど無限の数の被検物質(以降、「検出物(detectant)」)を検出するバイオセンサ
ーを構築するのに利用することができる。所望の反応特性を示す細胞がいったん
見出され、単離されると、そのような細胞はインビトロで増殖し得る。したがっ
て、好ましい具体例では、この発明は、例えば所望の反応特性を有する細胞を成
長させ、該細胞をカラムに充填して固定化し、次いで、検出物含有試料が細胞を
含むカラムの領域を流れるにつれて、その領域にわたる電気反応の変化を検出す
ることにより大規模に利用できる。固定化細胞は2〜3ヶ月間その特性を変えない
ので、このために、この発明は、現在使用されている大部分のバイオセンサー材
料(例えば抗体又は酵素を用いるバイオセンサー)よりも、長期間利用可能なバイ
オセンサー材料を含むバイオセンサーを提供する。さらに、現在使用される幾つ
かのバイオアッセイ、例えばELISAと異なって、この発明により構築され、機能
的に作用するバイオセンサーの所定の検出物に対する測定反応は、特に、全体に
無傷の細胞がバイオセンサー材料として用いられる場合に、検出物の実際の作用
様式にかなり密接に相関していると考えられる。
【0021】 以降の明細書の記載をとおしてバイオセンサー材料が「細胞物質」として記さ
れる場合には、組織及び器官のような細胞の大きな集合体と同様、細胞の一部、
例えば膜、細胞小器官なども意味されると理解されたい。 被検物質(検出物)に対する細胞反応は、細胞物質の細胞(又はその一部)に対す
る検出物の結合により、細胞の電気特性、例えば電位、電導度又は抵抗の変化を
測定して評価することができる。この方法を用いて、検出物-細胞の相互作用を
直接かつ迅速な方法で評価することができる。この発明の特に好ましい具体例で
は、測定される変化は、電位の変化である。
【0022】 また、この発明のバイオセンサーは、原則として再使用できる可能性があり、
細胞物質(例えば固定化細胞表面)に存在する全てのレセプターについてごくわず
かな%を利用して、所定の試料で検出物を検出し、別の試料での検出物の検出に
利用できる残りのレセプターを残すことができる。 さらに、この発明のバイオセンサーは、細胞の電気生理学的特性が変化するメ
カニズムが未知であるか又は十分に解明されていない場合にさえ使用することが
できる。例えば、細胞全体が細胞物質として用いられる際には、幾つかの場合に
、バイオセンサーの細胞物質を構成する細胞表面上のレセプターに検出物質分子
が結合することで、それらの細胞でイオンチャンネルが影響を受け、その結果、
電気生理学的特性(例えば細胞表面の電位、電導度、抵抗)が影響を受けるであろ
う。しかし、検出物の結合が細胞物質の電気生理学的特性に影響を及ぼすメカニ
ズムは、イオンチャンネルベース以外の他のものであってもよく、例えば検出物
の結合は、細胞物質の細胞の膜又はその一部での構造もしくはコンフォメーショ
ンの変化を生じ得る。実際、検出物の結合が細胞物質の電気生理学的特性に影響
を及ぼすメカニズムは、極めて複雑である。この発明の実施において、従業者は
、 (例えばイオンチャンネル又は細胞における構造変化を介した)作用のメカニ
ズムを知る必要がない。むしろ、この発明の実施では、所定の条件下で、所定の
検出物が細胞物質の電気生理学的特性に特定方法で影響を及ぼすことが分かれば
十分である(例えば、特定の形態で配列された所定量の細胞物質の電導度は、特
定の検出物の結合時にある量だけ変化する)。
【0023】 したがって、この発明は、従来法、例えばリガンドと膜の相互作用の電気生理
学的観点を研究するために通常用いられるパッチクランプ技術にまさる利点があ
る。パッチクランプ技術を用いる細胞表面にわたる膜電位、膜電導度及び膜起電
力の測定は、通常、区域作用(zoning effect)及び「ケーブル特性」のために複
雑である[Smith, Aust. J. Plant Physiol. 10: 329-337]。この発明は、一つに
は、多数の細胞全体又はその一部、例えば膜にわたって電気生理学的特性を測定
できるため、実施が容易である。
【0024】 この発明のバイオセンサーは、2つの部分:検出(バイオセンサー)構成部分、
及び記録構成部分を有すると考えることができる。好ましくは、検出(バイオセ
ンサー)構成単位は、マトリクス中、又は寒天のような適当な物質の基質に固定
化される細胞物質(つまり、細胞全体又は組織もしくは器官のような細胞の凝集
物、又は細胞の成分又は凍結乾燥細胞)からなる。好ましくは、細胞物質は、細
胞物質の機能的な完全性、特に検出物との特異的な相互作用様式が保持されるよ
うに固定化される。したがって、バイオセンサーの検出構成単位は、好ましくは
1以上の検出物と特異的に相互作用しうる細胞物質の少なくとも1つの型からなる
。検出物は、(i)細胞表面に局在し、及び/又は細胞膜に固定されるレセプターに
よって認識されるか、又は(ii)構造又は機能的な細胞成分と反応し、この結果、
細胞の代謝及び機能に影響を及ぼし、細胞物質の電位又は他の電気特性の変化を
誘発してもよい。
【0025】 したがって、例えば、この発明の実施での使用に適した細胞物質は、種々の生
物又は非生物性のストレス因子(例えばウイルス及び毒素)に対して特異的に感受
性又は耐性の動物もしくは植物の細胞からなっていてもよい。ある例では、検出
物の主たる天然のインビボ標的である細胞は、バイオセンサーに高度な特異性を
生じさせることができるので、用いることができる。この発明によればバイオセ
ンサーの構築で固定化される細胞物質は、天然の源から単離してもよく、又はイ
ンビトロの培養でクローン的に増殖させてもよい。後者の方法は、特定の検出物
(つまりある種のストレス因子)に対して所望の特異的な反応を有する細胞物質を
生じるための選択(つまりインビトロでの選択)のような方法を含み得る。
【0026】 この発明の別の好ましい具体例で、レセプター分子又は(検出物と特異的に反
応する)他の細胞成分を有する人工のリン脂質二分子膜(例えばリポソーム)は、
細胞物質として用いることができる。リポソームの構築及びレセプター挿入は、
当該分野で周知であるように行ってもよい。 この発明の好ましい別の具体例で、細胞物質は、凍結乾燥細胞から単離される
膜全体を含む。凍結乾燥後に単離される他の細胞成分は、単離された膜とともに
存在していてもよい。このような膜は、インビボで膜に通常存在するトランスメ
ンブランタンパク質又は他のレセプターを少なくとも幾つか含むことが好ましい
【0027】 この発明の別の好ましい具体例で、細胞物質は、T-細胞全体からなる。当該分
野で周知であるように、T-細胞は、例えば抗体及びMHC分子と結合する高度に選
択的な生体分子をしばしば有し、このために、特に特定のレセプター分子を産生
する細胞系(例えば単一の抗体を産生するハイブリドーマ細胞)として生じた場合
には、T-細胞の集合体を、この発明の好ましい具体例で使用することができる。 上記のように、この発明によれば、細胞物質は、適当なマトリクス中又は適当
な基質上に固定される。好ましくは、マトリクス又は基質は、(a)固定化した細
胞又は他の細胞物質に非毒性であり、(b)少なくともアッセイを行うのに十分な
時間、より好ましくはバイオセンサーの保管のあいだ、細胞物質の生活力及び検
出物との特異的な相互作用様式を保存でき、(c)試料の使用中に変化せず、かつ(
d)マトリクスの場合には、検出物が、比較的妨げられていない固定化細胞物質に
達することができるように、十分、多孔性(つまり、十分な大きさの直径の孔を
十分数、有する)である。
【0028】 つまり、例えば、この発明の好ましい具体例によれば、適当なマトリクス物質
は、0.8〜5%(w/v)のアガロース溶液、アルギン酸カルシウム又はポリ(カルバモ
イル)スルホン酸である。細胞物質が細胞全体からなる場合には、マトリクスへ
の細胞の固定化は、当該分野で周知であるようにして行うことができる。細胞の
凝集物、組織又はその一部、細胞膜、抗体などの固定化は、同様にして行うこと
ができる。固定化細胞の密度を増すと、細胞の凝集物/組織、細胞の一部を用い
てセンサーの感度を増すことができる。 好ましくは、バイオセンサーは、固定化した細胞物質の電位(又は他の電気特
性)の測定用の適当な電極とともに形成される。電極は、当該分野で知られるよ
うな、銀(Ag/AgCl電極)、プラチナのような種々の導電性物質からなっていても
よい。好ましくは、電極は、細胞物質の生活力に影響を及ぼさないか、又は検出
物との特異的な相互作用様式に影響しない物質からなる。
【0029】 図1A〜1Cは、この発明により構築され、機能的に作用するバイオセンサーの
検出部位が構築され、機能的に作用し得る3つの異なる構成を概略して示してい
る。図1A〜1Cは、それぞれ容器10を示す。図1A及び1Bに示すように、この発
明の好ましい具体例では、容器10は、カラムクロマトグラフィーに通常用いられ
るようなカラムに構造が似たカラムであってもよい。但し、図1Cに示すように
、これはこの場合には必要ではない。容器内には、細胞物質、例えば細胞14が固
定化される、マトリクス又は基質12、例えば上記のようなアガロースとアルギン
酸カルシウムの混合物が配置される。固定化細胞14又は他の細胞物質は、最初は
容器10の近いほうの一方の端に位置してもよく、あるいは細胞物質は容器10の全
体をとおして実質的に均質に分散していてもよい。また、容器10内には、電極16
及び18が配置される。
【0030】 操作中、1以上の検出物を含む流動性(液体又は気体)の試料であり、好ましく
は溶媒に溶解される試料20(点の集まりによって概略的に示す)は、容器10の一方
の端に付される。図1A及び1Bに示すように、電極16及び18は、一方の電極が付
される試料の付近にあり、他方の電極がマトリクス又は基質によって囲まれるが
、当初は付した試料と接触しない(但し、固定化細胞物質がマトリクス/基質中に
分散すると、第二電極は細胞物質とも接触するであろう)ように位置付けること
が好ましい。このような構成では、付された試料の付近の電極は測定電極であり
、試料と当初は接触しない電極は基準電極となるであろう。 カラムクロマトグラフィーで用いられるカラムに対して、クロマトグラフィー
の基質(例えばシリカゲル)は、溶媒で「ウェット」に維持する必要があり、マト
リクス/基質12は必要ではなく、好ましくは溶媒で分散しないことが好ましい。
あるいは、この発明の好ましい具体例で、試料は、重力、毛管作用、強制流(for
ced flow)又はその組合せを介して固定化細胞物質を含む領域を移動するであろ
う。マトリクス又は基質は、電極間の領域で少なくとも1つの電気特性の変化を
測定できるように、電気的に導電性であるべきである。
【0031】 図1Aにおいて、容器10は末端22(ここで目的の試料20が最初に挿入される)で
空け放たれてあり、さらに末端22に対して最後の末端に開口部24を備える。この
ため、図1Aは、「開放」構成を示していると言える。開放構成では、試料20は
容器10をとおして流れることができる。電極間の電位(又は他の電気生理学的特
性)は、試料20が現れる前から、細胞物質が固定化された容器の領域を少なくと
も試料が通過するまで、モニターされる。試料が検出領域を通過するにつれて電
位の変化が認められる。試料が対象の検出物を含む場合には、マトリクス又は基
質12に固定化された細胞物質は、検出物と結合するか、さもなければ相互作用し
、電位(又は他の電気生理学的な量、例えば2つの電極間の容器の長さにわたる抵
抗)の特徴的な変化を生じる。この特徴的な変化は予め測定され、細胞物質は、
検出が望まれる検出物にしたがって、これに基づいて選択される。
【0032】 試料中の検出物は、末端22の付近に局在する細胞物質14と相互作用する。した
がって、近傍末端22で細胞の電気特性は、検出物を含む試料を付した直後に変化
するであろう。試料が容器10を移動するほど、より多くの細胞物質が検出物と相
互作用するであろう。最終的には、試料は容器10を溶出する。このため、「開口
」構成を有する容器は、細胞物質が容器中に分散していても、原則として再使用
でき得る。試料の性質によって、容器10は、気体又は液体状態で検出物を検出す
るように構築してもよい。 開口部24がない以外は図1Aに示す装備に似た、図1Bに示される「密閉」構成
では、試料は重力及び/又は毛管作用によって容器を流れるが、「開口」構成と
同じくらい早くには流れない。図1Aのように、電気生理学的な反応の変化は、
検出領域を試料が通過するとモニターされる。容器のマトリクス/基質の容量に
対して少量の試料が用いられ、細胞物質が図1Bに示される容器の「開口」末端
近くにのみ局在していれば、図1Bに示されるような「密閉」容器は原則として
再使用でき得る。
【0033】 また、図1Cは、試料が図1Bのように容器の一方の開口末端に付される「密閉
」構成を示す。しかし、図1Cに示す容器では、支持体/マトリクス及び細胞物質
は、容器中に均質かつ連続的に分散される。つまり、双方の電極は、細胞物質を
含む容器の一部に位置し、つまり、図1Cに示す容器は電池対物質(バッテリー)
として機能できる。この場合、測定される電気生理学的特性は、試料含有検出物
を付す前、その間、またその後の起電力(emf)の変化である。 図3、4及び6に関して以下に記載するように、測定される電気生理学的特性
は、検出物を含む試料を付すと顕著に変化するが、多様な細胞全体がバイオセン
サーの生物物質として使用されると、電気生理学的特性の値が部分的に又は完全
に、この特性のベースライン値(試料を付す前に得られた)にしばしば戻ることが
経験的に認められる。いずれかの特定の理論に拘束されないことが望ましいが、
この知見は、生細胞が、細胞膜を横切る電位の相違に対し平衡を維持する傾向が
あり、この結果、検出物との最初の接触が、こうして影響を及ぼされた各細胞が
可能な限り平衡に再度達した後、こうして接触した細胞の電気生理学的特性を変
化させ得るという事実に起因すると考えられる。幾つかの場合、例えば特定の病
原性ウイルスである検出物では、細胞の機能は、最初の平衡再度達せられるよう
に検出物と接触することによって崩壊され得ると考えられる。
【0034】 つまり、検出物は、検出物の種々の濃度に応じたバイオセンサーの電位(又は
別の電気特性)パターンが、類似の構造又は機能の他の検出物に対して、検出物
の特性と反応が異なるバイオセンサーと比較して、特に定量測定目的のために、
検出物濃度を、静止値(rest value)から全体的な電気特性パターン領域で相関す
ることによって、既知であれば、検出することができる。 バイオセンサーをバッテリー(電池対物質)として使用すると、試料を付す前後
のその起電力の定量及び定性パターンを、検出物の濃度と構造で相関させること
ができる。
【0035】 記録構成単位は、電極を介してバイオセンサーに連結され、固定化した細胞物
質の電位又は他の電気特性を測定するのに適当な、いずれの装置であってもよく
、シグナルのアナログ-デジタル変換用装置、これらのシグナルをプロセシング
するための適当な備品及びソフトウエアを包含する。 試料は、試料溶液の液相又は気相に応じて、いずれかの適当な手段で付すこと
ができる。試料容量は、極めて少量(<5μl)であってもよい。検出物のない溶媒
は、基準溶液(コントロール)として用いることができる。 バイオセンサーの構築及び操作の手順を、図2に簡潔に概略する。バイオセン
サーの構築は、細胞物質の汚染を避けるために、滅菌条件下で行なうことが好ま
しい。 この発明は、好ましい具体例の例示であって、非限定的な例ではない以下の例
示により、より良く理解されるであろう。
【0036】 実施例1 植物病原性ウイルスの定性及び定量測定 タバコ(Nicotiana tabacum L.)品種のプロトプラストを固定化することにより
、滅菌条件下でバイオセンサーを構築した。これは、表1に示すように、3つの
異なるウイルスに対し異なる反応を有する:
【0037】
【表1】
【0038】 プロトプラストは、1時間0.7Mマンニトールを補充したCPW溶液20ml中でタバコ
の葉0.5gについて予め原形質分離を起こし、次いで、0.7Mマンニトール、ペクチ
ナーゼ(Aspergilus niger由来) 3mg及びセルラーゼ(Trichoderma viridae由来)
2mgを補充したCPW溶液(Reinert及びYoeman. Plant Cell and Tissue Culture, S
pringer-Verlag, Berlin, 1982に記載されるCPW培地)20mlで葉を20時間インキュ
ベートすることにより単離した。プロトプラスト1ml及び単細胞溶液(40X104細胞
/mlの密度)を20℃で20分14,000RPMで遠心分離した。得られたペレットを溶解し
、40℃(アガロースの固化を避けるため)で、蒸留水中の低融点アガロース溶液1
%(w/v)と混合する。細胞-アガロース混合物を、Ag/AgCl電極を備えた約15cm3
量の適当な成形した箱(つまり、1(b)に述べられるような、「密閉」バイオセン
サー構築物の例)に移した。こうして、45個のバイオセンサーを試験される各濃
度又は群について構築した。これらのうち39個は、製造した日と同日に用い、残
りの6個は、2個は2週間、2個は4週間及び2個は6週間、使用前に-5℃で保管した
。保管したバイオセンサーと非保管のバイオセンサーとに反応の違いは認められ
ず、したがって、バイオセンサー全てから得たデータをプールした。各アッセイ
の前に、各センサーの電極を、Advantec PCL-711TM PC I/Oカードからなる記録
装置に連結した。このカードのアナログ-デジタル変換器(ADC)は、16-ビット、5
-スケールの単極/双極変換器で、〜0.01mVの精度でシグナル(電圧)を記録した
。シグナルの記録及びデータ処理のもととなるソフトウエアは、Advantec Genie
TM v2.0の改変版であった。
【0039】 ウイルスの定性検出のために、コントロール溶液(リン酸緩衝液pH7.4)又は試
料(ウイルス1μg/mlを含む緩衝液) 20μlを、表2に示すようにバイオセンサー
装置に付した。
【0040】
【表2】
【0041】 各アッセイでのCGMMVウイルスの定量分析には、表3に示すように、徐々に量
を増した試料(ウイルス1〜2μg/mlを含む緩衝液)とコントロール溶液(リン酸緩
衝液pH7.4)を付した。
【0042】
【表3】
【0043】 定性ウイルス測定の結果を図3に、定量測定の結果を図4に示す。 図3に関して、種々のウイルスとコントロールとに対するセンサーの反応には
明確な違いがある。各場合に、各ウイルス溶液に対するバイオセンサー反応を、
静止値からの電位の偏差として示す。病原性株CMVとTRVは迅速な反応を誘発する
が、非病原性株CGMMVに対する反応は比較的遅い。CMVは部分的に不可逆的な反応
を誘発するが、TRVは完全に不可逆的な反応を誘発する。この作用は、バイオセ
ンサー反応のパターンによって認識でき、測定された電位は最初の静止値に復帰
せず、新たな「改変された」定常状態レベルに復帰した。これは、細胞-ウイル
スの相互作用中の細胞物質の消耗、例えば幾つかの細胞物質の崩壊、又は幾つか
のウイルス粒子の幾つかの細胞に対する不可逆的結合を示し得る。対照的に、CG
MMV及びコントロール溶液に対するバイオセンサー反応は、完全に可逆性あった
【0044】 CGMMV株の定性測定に関して、バイオセンサー反応(電圧曲線下の領域)と20ng
より多量のウイルスに対するウイルス濃度とには、およそ直線状の相関関係があ
る(図5も参照のこと)。 0℃より低い温度での2ヶ月間のバイオセンサーの保管は、規則的間隔で行われ
た測定に影響を及ぼさなかった。
【0045】 実施例2 ヒト病原性ウイルス(C型肝炎ウイルス)の検出 バイオセンサーは、ヒト上皮細胞(子宮内膜/膣由来細胞系)を固定化すること
により滅菌条件下で行なった。これらの細胞は、他のタイプのウイルス又は他の
検出物に対するこれらの細胞の反応と著しく異なるC型肝炎ウイルス(HCV)に対し
、独特の反応を有する。
【0046】 37℃で10分トリプシン/EDTAを加えて培養器から細胞を分離し、遠心分離(1200
rpmかつ20℃で6分)により細胞を濃縮した後、細胞(4X106/ml密度)を37℃で(アガ
ロースの固化を避けるため)蒸留水中の低融点アガロースの1%(w/v)溶液と混合
した。細胞-アガロース混合物を、図1の1(c)に示すようなAg/AgCl電極を備えた
約15cm3容量の適当な成形箱(「密閉」、「電池対物質」バイオセンサー)に移し
た。こうして、45個のバイオセンサーを、試験される各濃度又は群について構築
した。これらのうち39個を製造した日と同日に用い、残りの6個は、使用前に2個
を2週間、2個を4週間及び2個を6週間、-5℃で保管した。保存バイオセンサーと
未保存バイオセンサーとの反応に違いは認められなかった。したがって、全ての
バイオセンサーから得たデータをプールした。各アッセイ前に、各センサーの電
極をAdvantec PCL-711TM PC I/Oカードからなる記録装置に連結した。このカー
ドのアナログ-デジタル変換器(ADC)は、16-ビット、5-スケールの単極/双極変換
器で、〜0.01mVの精度でシグナル(電圧)を記録した。シグナルの記録及びデー
タ処理のもととなるソフトウエアは、Advantec Genie TM v2.0の改変版であった
【0047】 ウイルス検出のために、コントロール(他種のウイルスの存在に関わらず、C型
肝炎ウイルスのない血液)又は試料溶液(C型肝炎ウイルス感染血液)20μlをアッ
セイした。アッセイは、溶液をゲルマトリクスに完全に分散させた後に行った。
各試料中のウイルスの存在の確認は、標準的な方法(ELISA)で行った。 アッセイの結果を図6に示す。これは、ウイルス感染試料(vir)とコントロール
(co)に対するセンサー反応間の明確な違いを示している。ウイルスは、+5mV(コン
トロール)〜-5mV(試料)の平均静止値からバイオセンサー電位(「起電力」)の偏
差を誘発する。
【0048】 実施例3 化学除草剤の定性及び定量測定 2つのジョソングラス(Sorghum halepense L.)生物型のプロトプラストを固定
化することにより、滅菌条件下でバイオセンサーを構築した。これは、除草剤の
グリホサート及びL-フェニルアラニンの構造類似体であるp-フルオロ-L-フェニ
ルアラニンに対する反応が異なる。
【0049】 プロトプラストは、1時間0.7Mマンニトールを補充したCPW溶液(Reinert及びYo
eman. Plant Cell and Tissue Culture, Springer-Verlag, Berlin, 1982に記載
されるCPW培地)20ml中でジョソングラスの葉0.5gについて予め原形質分離を起こ
し、次いで、0.7Mマンニトール、ペクチナーゼ(Aspergilus niger由来) 3mg及び
セルラーゼ(Trichoderma viridae由来) 2mgを補充したCPW溶液20mlで葉を20時間
インキュベートすることにより単離した。プロトプラスト1ml及び単細胞溶液(40
X104細胞/mlの密度)を20℃で20分14,000RPMで遠心分離した。得られたペレット
を溶解し、40℃(アガロースの固化を避けるため)で、蒸留水中の低融点アガロー
ス溶液1%(w/v)と混合する。細胞-アガロース混合物を、図1の1(b)に示されるよ
うな、Ag/AgCl電極を備えた約15cm3容量の適当な成形した箱(「密閉」バイオセ
ンサー)に移した。こうして、45個のバイオセンサーを試験される各濃度又は群
について構築した。これらのうち39個は、製造した日と同日に用い、残りの6個
は、2個は2週間、2個は4週間及び2個は6週間、使用前に-5℃で保管した。保管し
たバイオセンサーと非保管バイオセンサーとに反応の違いは認められず、したが
って、バイオセンサー全てから得たデータをプールした。各アッセイの前に、各
センサーの電極を、Advantec PCL-711TM PC I/Oカードからなる記録装置に連結
した。このカードのアナログ-デジタル変換器(ADC)は、16-ビット、5-スケール
の単極/双極変換器で、〜0.01mVの精度でシグナル(電圧)を記録した。シグナル
の記録及びデータ処理のもととなるソフトウエアは、Advantec Genie TM v2.0の
改変版であった。
【0050】 化合物の定性測定のために、コントロール溶液(蒸留水)又は試料(水中10-3
は10-4Mのグリホサートもしくはp-フルオロ-L-フェニルアラニン) 20μlを、バ
イオセンサー装置に付した。 グリホサート測定の結果を図7に、p-フルオロ-L-フェニルアラニン測定の結
果を図8に示す、これらの結果から、いずれの化合物も本質的に同様(芳香族ア
ミノ酸の生合成又はそのタンパク質への導入阻害)にして植物細胞の成長を阻害
するが、それにもかかわらず、これらの化合物は静止値からの電位について、異
なる化合物-及び生物型-に特異的な偏差を誘発することは明らかである。この偏
差は、濃度-依存性でもある。したがって、各化合物の検出(及び定量)は、対象
の各化合物の種々の濃度に対するバイオセンサー電位の反応パターンが同様の構
造又は機能の他の化合物に対して既知であれば、可能である。
【0051】 0℃より低い温度での2ヶ月間のバイオセンサーの保管は、規則的間隔で行われ
た測定には影響を及ぼさなかった。 当業者によれば、この発明は、生物学的試料及び非生物学的試料中の分子なら
びに他の物質の検出、同定ならびに定量、例えば疾患の診断、及び医薬、獣医科
学及び植物病理学における感染剤、毒理学試験、生物における代謝産物の分析、
汚染検出による品質保証及び環境汚染のモニターに使用できることが好ましいで
あろう。これらの適用は、(通常の分析の意味で)商業用であってもよく、又は純
粋な研究目的に寄与してもよい。
【0052】 なぜなら、この発明は、この発明のバイオセンサーにおいて、事実上な限度の
ない種々の細胞物質源を用いて利用できるためである。この発明は、何千もの異
なる分子及び他の化学及び/又は生物物質を特異的に検出できる。1つのタイプの
レセプターを有する人工リポソームの固定は、センサーの感度について個々の推
論を可能にするであろう。また、この発明のバイオセンサーと方法を用いて、細
胞(タイプ)が表面に発現する分子に応じて、異なる細胞タイプ又は単一の細胞/
組織の異なる発達段階を識別することができる。こうして、疾患の(例えば癌)の
発生の初期検出が、容易になり得る。さらに、マトリクス又は基質で固定化細胞
の密度を増すことにより、例えば導電性物質からなるゲルマトリクスを用いるか
、及び/又は密度を増して人工リポソーム(レセプターを有する)を固定化するこ
とにより、この発明により構築され、機能的に作用するバイオセンサーの感度を
増すことができる。このバイオセンサーの構築で使用される細胞物質が破壊され
ないか、又は検出物により不可逆的に結合されない程度に、このバイオセンサー
は再使用可能である。
【0053】 さらに、当業者に公知の多くのバイオセンサー法と異なって、この発明の実施
では、入手したり、利用するのに必要な、特定のレセプター又は酵素又は他の細
胞系と対象の化合物(検出物)との相互作用メカニズムに関する従来技術の知識が
ない。(電気特性パターンとして示される)化合物に対して特異的に反応し得る細
胞物質の存在が、必要なものの全てである。こうして、異なる用途に対しバイオ
センサーを短時間で構築することができる。
【0054】 また、この発明は、ウイルスに対する抗体を宿主が生じる前に、ウイルス及び
他の微生物の検出できることが好ましいであろう。現在のところ、標準的な診断
方法(例えばELISA及び免疫組織学的方法)をベースとするのは、抗-HIV抗体のよ
うな抗体の検出である。これらの標準的な診断方法は、抗体/抗原及び抗体/抗体
の相互作用の高度な特異性に依拠している。しかし、感染宿主がELISA又は他の
標準的な方法で検出し得る十分な濃度で抗-ウイルス抗体を生じるのに必要な時
間は月のオーダーで、この間には感染が検出されないであろう。この発明は、毒
性分子自体を検出する可能性を提供している。ウイルスの場合、これは、上記の
ように、極めて精巧な装置と訓練された人員を要し、危険性をはらみ、通常長期
のアッセイ時間を要する分子分析方法を適用することによってのみ、現在実施が
可能である。
【0055】 同じ意味で、この発明は、新規な改良分子の検出を促進する、新たなワクチン
、医薬及び他の生物活性化合物をスクリーンするのに用いることができる。さら
に、その実施原則に基づけば、このバイオセンサーを用いて、細胞膜表面上で、
又は標的細胞内で化合物が作用するか否かを明確にすることができる。 この発明のアッセイは比較的迅速であるので、この発明は、即時に化合物の検
出に用いることができる。例えば、この発明のバイオセンサーは、環境汚染、イ
ンビボでの化学又は生化学反応又は宿主における疾患の発生をモニターするため
の連続モニターシステムの一部を構成し得る。
【0056】 この発明及びその利点は詳細に記載されているが、添付の請求の範囲に定義さ
れるこの発明の主旨及び範囲から逸脱しない限り、種々の変化、置換及び交代が
行い得るものと理解すべきである。例えば、シグナル記録装置は、集積された又
は他の電子回路によって置換されてもよい。シグナル記録装置の大きさは、パー
ソナルコンピューターを用いる必要性を省く可能性があるので、縮小してもよい
。記録装置とAg/AgCl電極は、いずれも電界効果トランジスターのようなシグナ
ルの獲得及び処理用の別のシステムで置換してもよい。また、シグナル記録装置
は、バイオセンサーマトリクスに導入してもよい。これらの場合、他の電気特性
(例えば静電容量、電流又は抵抗)を評価し得る。さらに、細胞固定化マトリクス
は、種々の物質(例えばアルギン酸カルシウム、セラミック、ポリピロール、イ
オン交換ポリマーなど)からなっていてもよく、細胞は種々の方法(例えば電気泳
動)で固定化することができる。バイオセンサーは、液相又は気相に試料を導入
するのを容易にするために、(例えばマイクロポンプを付して)適当に成形するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A-1C】 本発明によって構築され、機能的に作用するバイオセンサーの検出部に関し、
いくつかの有り得る形態を図示している。
【図2】 本発明によるバイオセンサーを構築し、操作するための手順を簡単に概説して
いる。
【図3】 植物病原性ウイルスの定性測定の結果を表す図である。
【図4】 植物病原性ウイルス(タバコウイルス)の定量測定の結果を表す図である。
【図5】 植物病原性ウイルス(タバコウイルス)の定量測定の結果を表す別の図である
【図6】 ヒト血液試料中のC型肝炎ウイルスの定性測定の結果を表す図である。
【図7】 除草剤グリホサート及びフェニルアラニン類似化合物p-フルオロフェニルアラ
ニンの定性及び定量測定の結果を表す図である。
【図8】 除草剤グリホサート及びフェニルアラニン類似化合物p-フルオロフェニルアラ
ニンの定性及び定量測定の結果を表す別の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/416 G01N 33/483 E 33/483 33/48 E // G01N 33/48 27/46 386G (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Agricultural Univer sity of Athens,Facu lty of Agricultural Biotechnology,Labo ratory of Plant Phy siology,75 Iera Odo s,GR−118 55 Athens GR EECE (72)発明者 キンジオス,スピリドン ギリシャ、ジーアール−118 55 アテネ、 75 イエラ オドス、ラボラトリー オブ プラント フィサイオロジィ、ファカル ティ オブ アグリカルチュラル バイオ テクノロジィ、アグリカルチュラル ユニ バーシティ オブ アテネ Fターム(参考) 2G045 AA01 AA24 CA26 CB01 FB05 FB19 GC16 GC18 2G060 AA06 AC02 AD06 AE17 AF07 AF08 AF13 FA01 HC06 KA06 4B029 AA07 AA23 AA24 BB01 CC03 FA15 4B063 QA18 QQ09 QS39 QX05

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物質を含む流体を、細胞物質を含む検出領域と接触させ
    ; 検出領域にわたって電気特性をモニターし;かつ 検出領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知することにより物
    質の存在を検出する ことからなる、流体中の被検物質の存在を示す方法。
  2. 【請求項2】 電気特性が電位である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 電気特性が電導度である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 電気特性が抵抗である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 被検物質を含む流体が検出領域を流れる請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 細胞物質が、 多様な細胞;及び 細胞の一部 の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 多様な細胞が、培養された多様な細胞である請求項6に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 多様な細胞が、組織の形態である請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 細胞物質を含む検出領域が、細胞物質を含む導電性マトリク
    スからなる請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 被検物質の存在が、少なくとも細胞物質の幾つかにわたる
    導電率の変化を引起こす請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 被検物質の存在が、少なくとも細胞物質の幾つかにわたっ
    て導電率の増加を引起こす請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 細胞物質が固定化される請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 細胞物質が、被検物質に特異的に反応性の分化した細胞物
    質を少なくとも幾つか含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 細胞物質が、異なる被検物質にそれぞれ特異的に反応性の
    、分化した細胞物質を少なくとも2種含む請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 細胞物質が、異なる方法で被検物質にそれぞれ反応性の、
    分化した細胞物質を少なくとも2種含む請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 所定の領域内に局在する細胞物質を保持できる容器であっ
    て、流体を容器に保持される細胞物質と接触させることができる容器;及び 所定領域にわたる電気特性の所定の変化を少なくとも検知し得る検出装置 からなる、流体中の被検物質の存在を示す装置。
  17. 【請求項17】 容器が細胞物質を含む請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】 容器が、流体を所定の領域にわたって流れさせることがで
    きるように適合されている請求項16に記載の装置。
  19. 【請求項19】 特性が電位である請求項16に記載の装置。
  20. 【請求項20】 特性が、電導度である請求項16に記載の装置。
  21. 【請求項21】 特性が抵抗である請求項16に記載の装置。
  22. 【請求項22】 細胞物質が、 多様な細胞;及び 細胞の一部 の少なくとも1つを含む請求項16に記載の装置。
  23. 【請求項23】 多様な細胞が、培養された多様な細胞である請求項22に
    記載の装置。
  24. 【請求項24】 多様な細胞が、組織の形態である請求項22に記載の装置
  25. 【請求項25】 細胞物質を含む所定の領域が、細胞物質を含む導電性マト
    リクスからなる請求項16に記載の装置。
  26. 【請求項26】 被検物質の存在が、少なくとも細胞物質の幾つかにわたる
    導電率の変化を引起こす請求項16に記載の装置。
  27. 【請求項27】 被検物質が、少なくとも細胞物質の幾つかにわたって導電
    率の増加を引起こす請求項16に記載の装置。
  28. 【請求項28】 細胞物質が固定化される請求項16に記載の装置。
  29. 【請求項29】 細胞物質が、被検物質に特異的に反応性の分化した細胞物
    質を少なくとも幾つか含む請求項16に記載の装置。
  30. 【請求項30】 細胞物質が、異なる被検物質にそれぞれ特異的に反応性の
    、分化した細胞物質を少なくとも2種含む請求項16に記載の装置。
  31. 【請求項31】 細胞物質が、異なる方法で被検物質にそれぞれ反応性の、
    分化した細胞物質を少なくとも2種含む請求項16に記載の装置。
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