JP2003513271A - 汎用蛍光センサー - Google Patents

汎用蛍光センサー

Info

Publication number
JP2003513271A
JP2003513271A JP2001535034A JP2001535034A JP2003513271A JP 2003513271 A JP2003513271 A JP 2003513271A JP 2001535034 A JP2001535034 A JP 2001535034A JP 2001535034 A JP2001535034 A JP 2001535034A JP 2003513271 A JP2003513271 A JP 2003513271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
peptide
target
cell
fret
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001535034A
Other languages
English (en)
Inventor
マーク・デイビッド・フリッカー
デイビッド・ジョン・タルバット・ボー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oxford University Innovation Ltd
Original Assignee
Oxford University Innovation Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oxford University Innovation Ltd filed Critical Oxford University Innovation Ltd
Publication of JP2003513271A publication Critical patent/JP2003513271A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New or modified breeds of animals
    • A01K67/033Rearing or breeding invertebrates; New breeds of invertebrates
    • A01K67/0333Genetically modified invertebrates, e.g. transgenic, polyploid
    • A01K67/0337Genetically modified Arthropods
    • A01K67/0339Genetically modified insects, e.g. Drosophila melanogaster, medfly
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6818Hybridisation assays characterised by the detection means involving interaction of two or more labels, e.g. resonant energy transfer
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2267/00Animals characterised by purpose
    • A01K2267/03Animal model, e.g. for test or diseases
    • A01K2267/0393Animal model comprising a reporter system for screening tests

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Control Of Combustion (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Soil Working Implements (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Food-Manufacturing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (i)第一の蛍光性ポリペプチドに付着した標的結合部位ペプチドと、(ii)該標的結合サイトペプチドに結合可能で、第二の蛍光性ポリペプチドに付着した模倣ペプチド、及び(iii)二つの蛍光性ポリペプチドを連結する、前記蛍光性ポリペプチド間の距離に変動を許すリンカーからなり、前記の両蛍光性ポリペプチドが、両者の間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を起こすことのできるプローブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、広範な物質の検出に用いられるプローブに関する。本発明は、また
阻害剤の無い状態ではお互いに結合する二物質間の結合を低下させる阻害剤の検
出に用いられるプローブに関する。
【0002】 また、本発明のプローブは、例えば、医学診断、水系の汚染物質や、食品中の
混入物質の検出、動物あるいは植物生物学で使用可能である。また、これらは、
治療薬の同定にも使用可能である。
【0003】 (背景技術) 蛍光物質が光を吸収すると、電子は高エネルギーレベルに励起される。通常、
その電子は、基底状態に減衰する前にいくらかエネルギーを失う。この転移の間
に、励起光子より低いエネルギーを持つ光子、従ってより長波長の光子が放出さ
れる。第二の蛍光体が近傍に存在する場合、ドナー蛍光体の減衰に伴って励起電
子から放出されるエネルギーは、第二のアクセプター蛍光体に直接転移され、後
者の電子の一つを高エネルギーレベルに励起させる。アクセプター中の電子がこ
の状態から減衰すると、より長波長の光子さえ放出される。このプロセスは、蛍
光共鳴エネルギー転移(FRET)と呼ばれる。FRETがどの程度起こるかは
、二つの蛍光体間のスペクトルの重なりと、これら間の距離に依存する。このた
め、FRETは、概ね二つの蛍光体間の距離の4乗に比例して減少し、分子レベ
ルでの二つの蛍光体間の距離を示す強力な指標となる。
【0004】 一連の蛍光性タンパクのコーディング配列は今日利用可能であり、またこれら
のタンパクのいくつかは、FRETを起こすのに十分な程度、発光及び吸収スペ
クトルにおいて適当な重なりを有している。HeimとTsien(1996,
Curr. Bio1. 6, 178−182)は、2種のこのような蛍光
性タンパクを連結させる時、両タンパク間でFRETが起こりうること、また、
両者を連結するペプチドリンカーをプロテアーゼで切断するとFRETシグナル
が変化することを明らかにしている。この原理を利用して、ミヤワキらは、FR
ETを基礎とする指標をカルシウムの検出に利用できることを明示している(1
997, Nature、 388, 882−887)。これは、カルシウム
結合タンパク(カルモジュリン)と、二つの蛍光体間のリンカーの一部としての
カルモジュリン結合標的配列(M13)とを、使用してなされたものである。カ
ルモジュリンは、カルシウムとの結合により立体配座の変化を起こし、次いで隣
接するカルモジュリン結合配列に結合する。これは蛍光性タンパク間の距離を変
化させ、FRETのレベルを変化させる。
【0005】 他分子の測定のためのプローブを作り出す可能性はあるが、標的に結合し、ま
た蛍光体間の距離を変動させるなどの適正な特徴をもつタンパクやタンパクモチ
ーフを、スクリーニングし特定することは簡単ではない。
【0006】 (発明の開示) 本発明により、 (i)第一の蛍光性ポリペプチドに付着された標的結合サイトペプチドと、 (ii)該標的結合サイトペプチドに結合可能で、第二の蛍光性ポリペプチド
に付着された模倣ペプチドと、 (iii)該2個の蛍光性ポリペプチドを連結し、前記蛍光性ポリペプチド間
の距離が変化するのを可能とするリンカーを含み、 ここに、前記蛍光性ポリペプチドが、両者間で蛍光共鳴エネルギー転移(FR
ET)を示すプローブが提供される。
【0007】 また本発明は、 本発明のプローブをコードするポリヌクレオチド、 本発明のポリヌクレオチドを導入したベクター、 本発明のプローブ、ポリヌクレオチド、またはベクターを含有する細胞、 本発明のプローブ、ポリヌクレオチド、またはベクターをからなる菌類、植物
または動物、及び (i)本発明のプローブ、 (ii)該プローブを励起可能な光源、 (iii)プローブからのFRET量を測定可能な検出器 からなるセンサー、 試験試料中の標的物質の存否を検出する方法であって、 (i)本発明のプローブ、細胞、またはセンサーを供し、ここに該プローブ、
細胞またはセンサーの標的結合サイトペプチドは標的物質に結合可能であり、 (ii)該プローブ、細胞、またはセンサーのFRET量を決定し、 (iii)プローブ、細胞、またはセンサーを試験試料に接触させ、次いで、 (iv)FRETの変化を決定して、試験試料中が標的物質を含有するどうか
を決定することからなる試験試料中の標的物質の存否の検出方法、 試験試料中の標的物質の存否の検出における本発明のプローブ、細胞、または
センサーの使用であって、該プローブ、細胞、またはセンサーの標的結合サイト
ペプチドが標的物質に結合可能である該使用、 阻害剤の非存在下では互いに結合する二物質間の結合阻害剤を特定する方法で
あって、 (i)本発明のプローブまたは細胞を供し、ここに、標的サイトペプチドと模
倣ペプチド間の結合は、二物質の相互結合を模倣しており、 (ii)該プローブまたは細胞のFRET量を決定し、 (iii)プローブまたは細胞を試験試料に接触させ、 (iv)FRETの変化を決定し、試験物質が二物質間の結合を阻害するかど
うかを決定することからなる検出方法、及び、 二物質間の結合の阻害剤の同定における本発明のプローブまたは細胞の使用で
あって、標的サイトペプチドと模倣ペプチド間の結合は二物質間相互の結合を模
倣している該使用を提供する。
【0008】 (発明の詳細な説明) 本発明のプローブは、1個のリンカーにより連結された2個の蛍光性ポリペプ
チドからなる。標的結合サイトペプチドは、一方の蛍光性ポリペプチドに付着し
ている。模倣ペプチドは、他方の蛍光性ポリペプチドに付着している。模倣ペプ
チドは、標的結合サイトペプチドの構造に相補的な三次元構造を持っている。こ
のため、模倣ペプチドは、標的結合サイトペプチドに結合することができる。
【0009】 プローブの各種領域は、通常、標的結合サイトと模倣ペプチドが、自由に相互
作用が可能なように配置されている。標的結合サイトと模倣ペプチドが結合する
と、2個の蛍光性ポリペプチド(蛍光体)間の距離が減少し、FRETが起こる
【0010】 標的サイトペプチドと模倣ペプチドとの結合を乱す物質が存在すると、標的結
合サイトペプチドと模倣ペプチド間の距離が増加し、この結果、蛍光体間の距離
も増加すると考えられる。蛍光体間の距離が増加すると、FRETのレベルが減
少する。
【0011】 本発明のプローブは、実質的にすべての物質を検出できるように設計されてい
る。このようなプローブでは、標的結合サイトは、プローブで検出すべく設計さ
れた物質、即ち、[標的物質」と結合可能である。模倣ペプチドは、標的物質と
標的結合サイトペプチドとの結合を模倣して、標的結合サイトペプチドと結合す
る。
【0012】 標的物質の不存在下では、標的結合サイトと模倣ペプチドは相互に自由に結合
でき、蛍光性ポリペプチド間の距離は減少し、FRETが起こる(図1A)。標
的物質の存在下では、その物質が模倣ペプチドと標的結合サイトペプチドとの結
合につき競合し、模倣ペプチドを標的結合サイトから移動させる。標的物質が模
倣ペプチドを移動させると、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチド間の距離が
増加し、蛍光体間の距離が増大し、この結果、FRET量が減少する(図1B)
【0013】 標的物質の濃度が増加すると、模倣ペプチドの移動の程度も増加し、このため
本発明のプローブは、標的物質量の定性的及び定量的な指標を提供できると考え
られる。
【0014】 本発明のプローブは、また、阻害剤の不存在下で相互に結合する二物質間の結
合を乱し、減少させ、または防止する阻害剤のスクリーニングに使用するのも良
いと考えられる。このようなプローブでは、標的結合サイトペプチドと模倣ペプ
チドは、重要性のある二物質間の結合相互作用を模倣するように選択される。
【0015】 適切なプローブでは、阻害剤の不存在下に標的結合サイトペプチドと模倣ペプ
チドは自由に相互結合ができる。蛍光体間の距離は減少し、FRETが起こる。
阻害剤の存在時は、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチド間の結合は乱される
。標的結合サイトペプチドと模倣ペプチド間の距離は増加し、FRETは減少す
る。
【0016】 阻害剤の非存在下で結合可能な二物質間の結合を、実質的に乱すことができる
化合物のスクリーニングに、例えば、化学物質のコンビナトリアルライブラリー
を使用することが可能である。
【0017】 本発明のプローブは、また、二物質間の結合を増加または促進させる刺激剤の
スクリーニングとすることもできる。このようなプローブでは、標的結合サイト
ペプチドと模倣ペプチドは、重要性のある二物質を模倣するように選択される。
【0018】 適当なプローブでは、刺激剤の不存在下では、標的結合サイトペプチドと模倣
ペプチド間の相互結合が弱いか全く無い。このため、蛍光体間距離は大きく、F
RETが全く無いか低い状態にある。刺激剤の存在下では、標的結合サイトペプ
チドと模倣ペプチドは相互に結合し、あるいは刺激剤不存在下に比べより強固な
結合をする。蛍光体間の距離は減少し、FRETは増加する。
【0019】 このように、本発明のプローブは、例えば、二物質間の結合強度を増加させる
因子、または、二物質間の結合が起こるのに必要な因子の特定に利用できる。結
合相互作用の刺激剤を特定するためのスクリーニングに、例えば、コンビナトリ
アルライブラリーを使用しても良い。
【0020】 要約すると、本発明のプローブは、5個の領域からなる。即ち、標的物質に結
合する領域(標的結合サイトペプチド)、標的サイトに結合する領域(模倣ペプ
チド)、ドナー蛍光性ポリペプチド、リンカー、及びアクセプター蛍光性ポリペ
プチドである。
【0021】 通常、リンカーは、ペプチド/ポリペプチドで、2個の蛍光性ポリペプチドと
ペプチド結合で連結している。また、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドは
、通常はそれぞれ相当する蛍光性ポリペプチドとペプチド結合に付着されている
。したがって、本発明のプローブは、通常、単一のペプチドである。プローブが
単一ペプチドであるなら、そのプローブをコードするポリヌクレオチドを得るこ
とができる。そのようなポリヌクレオチド、例えば、細菌中での発現、あるいは
、無細胞系でのポリヌクレオチドの転写翻訳などで、プローブの製造に使用可能
である。
【0022】 模倣ペプチドは、非タンパク物質に連結されても良いし、あるいは非タンパク
物質に結合可能なペプチド配列を含んでいても良い。例えば、模倣ペプチドはビ
オチン化可能な配列からなっていても良い。ビオチン化標的配列を含むプローブ
を、ビオチン化し、また更にストレプトアビジンに結合させることもできる。あ
るビオチン化物質を、プローブ−ストレプトアビジン複合体に添加すると、プロ
ーブとそのビオチン化物質の複合体の生成を引き起こす。標的結合サイトペプチ
ドは、通常、そのビオチン化物質と結合可能で、このためこのプローブは、その
ビオチン化物質の検出に利用できる。
【0023】 そのようなビオチン化プローブは、試験試料中のmRNA、DNA、炭水化物
、脂質や他の有機分子などの非ぺプチド成分の存否を検出するために使用される
プローブを製造のための比較的単純な経路を提供する。また、そのらのプローブ
を、二物質間の結合の阻害剤を特定するのに使用しても良い。図2は、転写因子
とこの転写因子が結合するヌクレオチドモチーフ間の結合相互作用の阻害剤をス
クリーニングするのに、ビオチン化プローブを使用可能であることを示している
【0024】 ビオチン化プローブは、ビオチンリガーゼの基質として作用し、内因性ビオチ
ン化プロテインの産生を許す、17残基からなるビオチンアクセプター配列を使
って形成されていると考えられる。ビオチンアクセプター配列の適正例は、MS
GLNDIFEAQKIEWHEで、これは、より高い親和性を持たせるのに必
要(Beckett ら, 1999, Protein Sci. 8, 9
21−929)である最小アクセプター配列(Schatz, 1998, B
iotechnology 11, 1138−1143)に基づいている。内
部に模倣ペプチドをコードする配列中にビオチン化配列をコードするヌクレオチ
ド配列を含む、プローブをコードするポリヌクレオチド作成物は、BirA(ビ
オチンリガーゼ)を過剰発現している細菌種中で発現可能である。これは、ビオ
チン化されたプロテインの発現につながる。このタンパクは、ビオチン化ペプチ
ドの場所により、N−末端またはC−末端のいずれかにビオチン化され得る。こ
の技術は、Avidity社により、Avitagの商標名(US−A−5,7
23,584)で開発された。
【0025】 ビオチン化プローブは、カラム担体に付着された2−イミノ−ビオチンにスト
レプトアビジンが結合したアフィニティーカラムにより精製することができる。
プローブ−アビジン複合体は、次いで、2−イミノ−ビオチンカラム担体から、
通常、低pH、例えばpH4.0で解離させることにより溶離される。このアプ
ローチにより、2−イミノ−ビオチンカラムから溶離後、ビオチンに対しフリー
な結合サイトを有するプローブ−ストレプトアビジン複合体が精製されることに
なる。この後、いずれかのビオチン化物質を添加することにより、完全なプロー
ブの再構成が可能となる。
【0026】 適する一対の蛍光性ポリペプチドは、FRETを示すものある。即ち、ドナー
ポリペプチドは、光を吸収し電子を高エネルギーレベルに励起させることができ
なければならない。その電子は、基底状態に減衰して戻る時にエネルギーを放出
する。アクセプターポリペプチドは、次いでそのエネルギーを受け取り、それ自
体が励起されることとなる。FRETが起こる範囲は、これらの蛍光性ポリペプ
チドのスペクトルの重なりと、それら間の距離に決定的に依存している。本発明
のプローブに使用する蛍光性ポリペプチドの組合せを選択するにあたり、ドナー
及びアクセプターの各種分光学的特徴を考慮すべきである。(1)ドナー蛍光性
ポリペプチドが選択的に刺激されるためには、励起スペクトル間に十分な差がな
ければならない、(2)効率的なエネルギー転移を起こすためには、ドナーの発
光スペクトルと、アクセプターの励起スペクトル間に重なりがなければならない
、および、(3)ドナーとアクセプター蛍光性ポリペプチドの発色体の蛍光を別
々に測定するには、両ペプチドの発光スペクトル間に適度な差がなければならな
い。
【0027】 適当なポリペプチドとしては、Aequoria victoria種のクラゲ
由来の緑色蛍光性タンパク(GFP)群ポリペプチドからのものが挙げられる。
数種の基本的な有用GFP変異体群がすでに報告されており、その中には、(1
)レッドシフトGFP(野生種のGFPに近い511nmに発光ピークを持ち、
近紫外395nmの励起ピークを欠く)、(2)青色蛍光性タンパク(BFP)
、(3)シアン蛍光性タンパク(CFP)、(4)サファイア、及び、(5)黄
色蛍光性タンパク(YFP)などが含まれる。GFPを概観するには、Poll
okとHeim、1999, TIBS9, 57−60を参照。更に、GFP
の変異体が存在し、例えば、pH非感応性CFPが作られている(ミヤワキ ら
、 1999, Proc. Nat1. Acad. Sci. USA,
96, 2135−2140)。これらのポリペプチドをコードする配列は既知
であり、これらのポリヌクレオチド配列を相当するポリペプチドの生産に利用も
可能である。更に、Aequoria victoria以外の種由来の蛍光性
タンパクを使用しても良い。
【0028】 GFPのペアとしては、BFP(ドナーとして)及びレッドシフトGFP、C
FPとYFP、及びpH−非感応性CFPとYFPなどが適当である。また、G
FP間の組合せや他種の蛍光性タンパクの組み合わせを経験的に求めても良い。
【0029】 FRETは、当分野で既知のいずれの方法によっても測定可能である。例えば
、シアン蛍光性タンパク(CFP)と黄色蛍光性タンパク(YFP)からなるプ
ローブの場合、CFPの励起は、430から440nmの光での励起で行うこと
ができる。一部のエネルギーは、FRETによりYFPに転移される。このエネ
ルギーは、かなり長波長(540nm)で発光される。このため、このプローブ
は、480nmと540nmの両波長で測定すべきである。
【0030】 ドナー蛍光性ポリペプチドを励起する光源としては、どのようなものを使用し
ても良いが、例えば、キセノンアークランプ、タングステン−ハロゲンランプ、
レーザーまたはLEDが挙げられる。ドナー及びアクセプター蛍光性ポリペプチ
ドの両方からの発光も、例えば、光電倍増管、シリコン検出器、電荷結合素子(
CCD)検出器、ダイオード・アレイ、CCDカメラ、あるいは表面プラズモン
共鳴法などの適当な検出器のいずれかで測定される。例えば、干渉フィルター、
吸収フィルター、ダイクロミックミラー、プリズムまたは回折格子により、特定
の波長を選択しても良い。これらの光源、検出器及び波長選択装置は、蛍光分析
器、蛍光プレート・リーダー、光度測定システム、共焦点顕微鏡、多光子顕微鏡
や比例撮像装置などの現在入手可能な装置に組み込まれていても良い。
【0031】 2個の蛍光性ポリペプチドは、一個のリンカーにより連結されている。通常、
そのリンカーは、十分に柔軟で、蛍光性ポリペプチド間の距離が変動するのを許
容する。このため、リンカーの柔軟性を変化させると、概して、標的と模倣体間
の見掛けの結合親和性を変化させることとなる。したがって、リンカーの性質は
、本発明のプローブの感度を決定するのに重要である。
【0032】 通常、このリンカーは、ペプチド/ポリペプチドである。リンカーの柔軟性は
、リンカーの長さやリンカーの実際のアミノ酸組成に影響されると思われる。リ
ンカーポリペプチドの好適例には、(GlySer)、及び/または、抗体
重鎖由来のヒンジ配列が含まれる。
【0033】 どちらの蛍光性ポリペプチド(ドナーまたはアクセプター)を標的結合サイト
ペプチド、または模倣ペプチドに付着させるかは、一般に重要ではない。ドナー
を標的結合サイトペプチドに付着させる場合には、アクセプターを模倣ペプチド
に付着させる。また、逆もまた可能である。通常、標的結合サイトペプチドと模
倣ペプチドは、それぞれその蛍光性ポリペプチドとペプチド結合で付着されてい
る。しかし、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドは、他の非ペプチド結合性
の連結により、蛍光性ポリペプチドに付着していても良い。
【0034】 プローブは、翻訳後修飾されたポリペプチドも含む。このためプローブは、リ
ン酸化、ファルネシル化、またはグリコシル化などの翻訳後修飾を含んでいる。
これらのプローブは、一種以上の翻訳後修飾を含んでいてもよく、10箇所まで
、20箇所まで、30箇所まで、50箇所まで、100箇所まで、あるいは10
0箇所以上の翻訳後修飾を含んでいてもよい。
【0035】 通常、1個のプローブは、単一のポリペプチドからなり、したがってそのプロ
ーブは、単一のポリヌクレオチドにコードされていても良い。適当な標的サイト
と模倣ペプチドの単離、及びこれらをコードするそれぞれに相当するポリヌクレ
オチドの単離により、プローブをコードするポリヌクレオチドの生産が可能とな
る。このため、本発明は、本発明のプローブをコードするポリヌクレオチドも提
供する。
【0036】 本発明は、更に、本発明のポリヌクレオチド及びその相補体からなる二重鎖ポ
リヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドは、DNAまたはRNA
のいずれからなっていても良い。これらは、また、内部に合成または修飾ヌクレ
オチドを含むポリヌクレオチドであっても良い。これらのポリヌクレオチドの一
連の各種修飾法は、当分野では公知である。これらの修飾は、本発明のポリヌク
レオチドのイン・ビボ活性、寿命、ヌクレア−ゼ耐性、あるいは細胞内進入能力
を増強するために使用できる。例えば、ホスホロチオネート化オリゴヌクレオチ
ドを使用できる。他のデオキシヌクレオチド・アナログとしては、メチルホスホ
ネート、ホスホロアミデート、ホスホロジチオネート、N3’P5’−ホスホロ
アミデート、および、オリゴヌクレオチド・ホスホロチオネート及び2’−O−
アルキル・アナログ及び2’−O−メチルリボヌクレオチド・メチルホスホネー
トなどが挙げられる。
【0037】 一方、混合主鎖オリゴヌクレオチド(MBO)も使用可能である。MBOは、
ホスホロチオネート・オリゴヌクレオチド領域に、適当なオリゴヌデオキシまた
はオリゴリボヌクレオチドの修飾体の領域を配したものである。MBOは、ホス
ホロチオネート結合領域と、他のオリゴヌクレオチド修飾体(例えば、非イオン
性でヌクレア−ゼに対する抵抗性の高いメチルホスホネート、または2’−O−
アルキルオリゴリボヌクレトチド)の領域の両方を含んでいる。
【0038】 本発明のDNAポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドは、遺伝子工学的、
合成的、あるいは当分野では公知の他の方法のいずれかで生産することができる
。それらは、また標準的な技法でクローン化できる。それらのポリヌクレオチド
は、通常単離品及び/または精製品の形で提供される。一般にこれらの技法は当
分野で公知ではあるが、特にSambrookら、1989, Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manualの方法を引
用しておく。
【0039】 本発明のポリヌクレオチドは、複製可能な組換えベクターに取り込むことがで
きる。そのベクターは、適当な宿主細胞中で核酸を複製するのに使用される。こ
のため、もう一つの実施様態では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを、複
製可能なベクターに導入し、そのベクターを適当な宿主細胞に導入し、この宿主
細胞を培養して、ベクターの複製をさせることからなる、本発明のプローブの生
産方法を提供する。これらのベクターは、宿主細胞より回収することもできる。
【0040】 ベクターに取り込まれた本発明のポリヌクレオチドは、宿主細胞によるポリヌ
クレオチドの発現を可能とする制御配列と、作動可能に連結している、つまり、
ベクターは発現ベクターである。用語「作動可能に連結」は、両立状態、つまり
、その構成成分が、それぞれ所期の機能を発揮することができる状態を指す。ポ
リヌクレオチドに「作動可能に連結」しているプロモーターやターミネーターな
どの制御配列とは、ポリヌクレオチドの発現が、その制御配列に対応した状態で
行われるように並べられていることを意味する。通常、制御配列は、プロモータ
ー(一般に、ポリヌクレオチドの5’末端に位置する)、及び/またはターミネ
ーター(例えば、GCCACCATGG または GCCCCCATGG) 、
及び/または、翻訳終止コドン(例えば、 TAA, TAG または、 TG
A)、及び/または、ポリアデニル化シグナル、及び/または、1個以上のエン
ハンサー配列、及び/または、RNA減衰サイトなどからなっている。制御配列
は、ポリヌクレオチドの転写及び/または翻訳を増加させたり、あるいは、特定
の組織でのみポリヌクレオチドの発現を可能とする。
【0041】 ベクターは、例えば、複製開始点と、好ましくは更に上記制御配列を保持する
、プラスミド、コスミド、あるいは、ウィルスまたはファージベクターである。
これらのベクターは、1個以上の選択マーカー遺伝子を含んでも良い。選択マー
カー遺伝子の例ととしては、細菌プラスミドの場合、アンピシリン耐性遺伝子、
植物ベクターの場合、カナマイシン耐性遺伝子が挙げられる。
【0042】 ベクターは、イン・ビトロで、例えばRNAの生産に使用、あるいは宿主細胞
への導入に使用しても良い。ベクターを細胞に導入するのに、どのような形質移
入または形質転換技術を用いても良く、例えば、電気穿孔、塩析、リポソーム仲
介、プロトプラスト融合、ウィルス感染、マイクロインジェクションまたはバリ
スティック法などの技法が挙げられる。この導入は、細胞が物質を取り込む自然
のメカニズム、例えば飲作用や食作用により助けられている。
【0043】 このように、本発明のもう一つの実施様態では、本発明のベクターを含有する
宿主細胞を提供する。本発明のベクターで形質移入または形質転換された細胞に
より、本発明のプローブをコードするポリヌクレオチドの複製及び/または発現
が可能となる。このため、この発明は、また、本発明のプローブを含有する細胞
を提供する。この細胞は、細胞培養液中に存在しても良い。即ち細胞を増殖させ
る媒体を含んでいても良い。
【0044】 これらの細胞は、前記ベクターに適応するように選択され、細菌細胞(例えば
、大腸菌)などの原核細胞、あるいは、酵母、菌、昆虫、植物、哺乳類、ヒトも
含む動物などの真核細胞であっても良い。また、これらの細胞は、分化細胞でも
未分化細胞でもよい。ベクターは、宿主細胞中でエピソーム状態で存在しても良
いし、ベクター中の導入されたポリヌクレオチドが、細胞のゲノムに取り込まれ
ていても良い。
【0045】 プロモーターなどの制御配列は、発現させたい宿主細胞に適するように選択さ
れる。例えば、酵母プロモーターには、S. cerevisiaeのGAL4
及びADHプロモーター、S. pombeのnmt1及びadhプロモータ
ーが選ばれる。植物プロモーターには、CAMV35S及びルビスコssuプロ
モーターが、哺乳類プロモーターには、カドミウムなどの重金属に応答して誘導
されるメタロチオネインプロモーターが含まれる。SV40 largeT抗原
プロモーターやアデノウィルス・プロモーターなどのウィルスプロモーターを、
哺乳類での発現に使用しても良い。これらすべてのプロモーターは、当分野で容
易に入手可能である。
【0046】 この細胞は、遺伝子産物を生産するための発現系で使用可能である。好ましい
発現系は、バキュロウィルス系である。このため、更に一つの実施様態として、
本発明は、プローブをコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターで形
質転換または形質移入された宿主細胞を、そのプローブの発現可能な状態で培養
し、次いで随意的にその発現されたプローブを収穫することからなる、本発明の
プローブの生産プロセスを提供する。
【0047】 本発明のプローブは、どの標的物質も実質的に検出できるようにデザインでき
る。標的物質は、適当な標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドのペアを作り出
すことができるなら、どのような物質であっても良い。
【0048】 また、プローブは、阻害剤の不存在下では相互に結合する二物質間の結合阻害
剤を特定するようにデザインすることも可能である。興味のある二物質間の結合
を模倣した結合様式をとる標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドとのペアを作
り出すことができるなら、実質的にすべての二物質間の結合相互作用も、スクリ
ーン可能である。
【0049】 適当な標的結合サイトペプチドは、いずれの方法によっても単離できる。また
、これに適する方法は、同業界の熟練者にとっては公知であろう。例えば、特定
の標的物質に特異的な抗体、あるいは相互結合を調べたい一対の物質に特異的な
抗体が単離される。これにより、適当な一本鎖抗体のコード配列の単離が可能と
なる。したがって、一本鎖抗体を作る生物体、例えばラクダから抗体を作るのが
便利である。
【0050】 標的結合サイトペプチドを単離するための代替戦略は、明確な物質特異性を持
つタンパクあるいはタンパクモチーフの配列を選択することである。また、グリ
コシル化されたタンパクまたはタンパクモチーフの配列は、糖や炭水化物に対し
て適当な標的結合サイトペプチドを提供すると考えられる。
【0051】 同様に、模倣ペプチドは、いずれの方法によっても単離可能で、これらの適当
な方法は、当分野の熟練者にとって公知である。例えば、標的物質に対する抗イ
ディオタイプ抗体が作られ、適当な一本鎖抗イディオタイプ抗体のコーディング
配列が決められる。または、模倣ペプチドが、明確な物質特異性を持つタンパク
あるいはタンパクモチーフの配列を選択することにより作られる。
【0052】 プローブは、イディオタイプネットワークを用いて、リガンドの存否を検出す
ることに使用できる。このアプローチでは、一対のモノクローナル抗体、一方は
、他方の内部イメージ抗イディオタイプ抗体、が使用される。この方法では、各
抗体のScFvでの発現が求められる。なお、一つの抗体は標的結合サイトペプ
チドとして、他方は模倣ペプチドとして使用される。これにより、標的結合サイ
トペプチドと模倣ペプチド間の結合が起こり、休止状態でFRETシグナルを引
き起こす。このプローブは、抗イディオタイプ抗体が内部イメージとなっている
本来のリガンドを、FRETシグナルの消失につながる競合により、特異的に特
定するのに使用できる。このアプローチは、したがって、元の抗体の特異性に匹
敵する特異性を持つリガンドの検出や測定のための一般的なアプローチとなる。
リガンドは必ずしもペプチド/タンパク質である必要は無いことは明瞭だろう。
リガンドは、それに必要な一対のモノクローナル抗体が作れればどのような物質
でも良い。
【0053】 また、ある標的結合サイトペプチドに結合する物質を、ペプチド配列のコンビ
ナトリアル・ライブラリーでスクリーニングすることも可能である。また、プロ
ーブをコードするポリヌクレオチドのライブラリーも作ることが可能で、ここで
は模倣ペプチド領域が、ポリヌクレオチドライブラリーにコードされている。ラ
イブラリーは、FRETのスクリーニングにも使用できる。高レベルのFRET
を示すクローンは、標的結合サイトペプチドに結合する模倣ペプチドをコードす
るポリヌクレオチドを含んでいるはずである。
【0054】 上記の技術において、抗体は、適当な技法のいずれで単離されても良い。例え
ば、標的物質を、ウサギ、ラット、マウスまたはニワトリなどの動物の免疫に使
用しても良い。代わりに、発現ライブラリーあるいはファージ表示ライブラリー
をスクリーニングしても良い。これらの技法により、適当な抗体をコードするポ
リヌクレオチドを簡便に回収することが可能となる。
【0055】 本発明のプローブをある特定の標的物質の存否の検出に用いる時、プローブの
特異性は、標的結合サイトペプチドのその標的物質への特異性と、模倣ペプチド
の特異性の両方に依存する。プローブの感度は、結合サイトタンパクの解離定数
、模倣ペプチド−結合サイトタンパク相互作用の解離定数、およびリンカーによ
りもたらされる束縛/柔軟性に依存する。これらの変数を一つ以上変更すると、
プローブの特異性及び感度に変化をもたらすと考えられる。
【0056】 通常、プローブは、1個または、例えば、2個、3個、5個あるいは10個な
どの少数の標的物質に特異的であろう。しかし、本発明は特異性が弱く、例えば
少なくとも10個、少なくとも20個、あるいは少なくとも50個の一連の物質
を検出可能なプローブも提供する。これら一連の物質は、通常それらの構造の面
で類似性を持っている。
【0057】 感度の高いプローブが好ましい。FRETの変化は、通常ドナーの蛍光とアク
セプターの蛍光の比の変化で測定される。FRETの減少は、通常、ドナーの蛍
光とアクセプターの蛍光の比の増加で示される。標的物質種への結合に伴うドナ
ー蛍光とアクセプター蛍光の比の増加が大きいほど、プローブの感度が高い。好
ましいプローブは、あるプローブ分子がある標的分子種に結合すると、FRET
の減少、つまりドナー蛍光とアクセプター蛍光の比において、1.5から2の、
好ましくは0.5から3.0の、更に好ましくは0.1から5.0の増加を示す
【0058】 新しいプローブがFRETを示すかどうかを決めるために、新しいプローブを
スクリーニングすることもできる。FRETを示すプローブは、標的物質で規定
することで、感度を決定することができる。プローブは、次いで、標的物質に類
似した物質でスクリーニングすることにより、そのプローブの特異性を決定する
ことができる。
【0059】 本発明のプローブは、どのような試験試料中の標的物質の検出にも使用できる
。したがって、本発明は、試験試料中のある物質の存否を決定する方法を提供す
る。通常、この試験試料は液体である。プローブは、通常、実質的に精製された
タンパクとして使用される。あるいは、プローブ(または複数のプローブ)を発
現している、例えばバクテリア細胞などの生細胞を使用することもできる。
【0060】 通常、ある物質の存否を決定する方法は、まずプローブまたはそのプローブを
含有する細胞からのFRET量を決定し、そのプローブまたは細胞を、試験試料
に接触させ、次いでそのプローブまたは細胞からのFRETの変化を測定するこ
とにより、試料中の標的物質の存否が決定することからなっている。本発明の方
法は、標的物質の存否を定性的に示すことは勿論、試験試料中に存在する物質の
定量的測定も可能とする。
【0061】 本発明のプローブは、単独であるいは組み合わせで、使用できる。このため、
2個以上、例えば、3個、5個、10個以上のプローブを、本発明の試験試料の
存否を検出する方法において、同時に使用することができる。通常、1個以上の
本発明のプローブを同時に使用する場合、各プローブのドナー及びアクセプター
ポリペプチドは異なっている。1個以上のプローブを使う場合、いずれの使用プ
ローブも、他のプローブのFRET活性に干渉しないことが望まれる。各プロー
ブからのFRETの測定は、適当な検出装置により、経時的にあるいは同時に行
われる。利用する本発明の方法において、物質の存否の検出に1個以上のプロー
ブを使用すれば、試験試料中の1個以上の物質の存否を決定することができるよ
うになる。
【0062】 実質的に精製されたプローブを使う場合、試験試料の存否を検出する方法とし
て、どのような技術を使用しても良い。通常、次の二つのアプローチがとられる
。 (1)平衡によるアプローチ。通常濃度の標的物質に匹敵する親和性を持つプ
ローブを、比較的低い絶対量で使用する。こうすることで、標的物質分子のほん
の一部がプローブ分子に結合し、標的物質の濃度はほとんど影響されない。
【0063】 プローブの較正は、既知量の標的物質を含む媒体を使用して行われる。なお、
この際、適当なコントロール、例えば標的物質を含まない媒体が使用される。ま
た、未知及び既知量の標的物質で競争実験を行い、試験試料中に存在する他の化
合物による干渉を試験することもできる。更に、ある試験終了後にプローブを洗
浄しプローブを再度較正して、プローブの非可逆的変化を試験することもできる
。 (2)飽和(親和性)によるアプローチ。このプローブは、標的物質の濃度に
比較して、非常に高い親和性を持ち、実質的に試験試料中に標的物質が無くなる
程の量で存在する。このアプローチは、プローブは、既知量の試料と接触されて
いる静的システム、または、フローセルシステム中で、試験試料の溶液、及び/
またはコントロール溶液を固定化されたプロ−ブ上を流し接触させられるシステ
ムで使用される。同様なコントロールを、上記(1)に記載のアプローチにも用
いることができる。また、固定化プローブからなるセンサーを使う場合、センサ
ーの長さ方向に沿った結合分布を測定、分析し、標的とプローブ間の結合親和性
を計算することができる。
【0064】 プローブをある物質の存否を検出するために使用し、またそのプローブが細胞
内に存在する場合、これに適するアッセイ法は、もっと複雑である。プローブの
較正は、既知濃度の標的物質が細胞内に何らかの方法で導入されてから行うのが
好ましい。イオンに関しては、これはイオノフォアを使用して行われる。有機分
子に対しては、非選択的透過剤、例えば連鎖球菌溶血素を、既知量の標的物質を
含む媒体中で使用すれば良い。あるいは、較正は、細胞内のプローブの環境を模
倣するように設計された媒体中で測定されたプローブの応答をもとにしても良い
【0065】 本発明のプローブは、センサーに組み込んでも良い。このようなセンサーは、
小型で携帯型が好ましい。したがって、本発明は、本発明のプローブ、プローブ
を励起させることのできる光源、およびFRET量を測定可能な検出器からなる
センサーを提供する。典型的なセンサーの一例をを、図3に示す。センサーは、
一般的に、シリコンチップ上に、次の5つの部品が乗っている。(i)青色光発
光ダイオードまたは小型青色レーザー、または、ドナー蛍光性ポリペプチドが異
なる波長の光に応答する場合、異なる波長の光を発生させるLED、または小型
青色レーザー。(ii)プローブを固定化するための板、この板は、(iii)
に隣接している。(iii)試料供給/フローセルシステム。(iv)第一のシ
リコン検出器。及び(v)第二のシリコン検出器。なお、これらの二つのシリコ
ン検出器は、プローブの2個の異なる蛍光性ポリペプチドからの蛍光を測定する
ため、異なる光感受性を持っている。
【0066】 典型的な低価格検出器は、2個の素子器からなっており、各素子は、適当なピ
ークと波長幅を持つ光を透過させる干渉フィルターまたは着色ガラスフィルター
を備えている。このような検出器は、単独でも、あるいは場合によっては複数個
配列して使用することができる。状況によっては、シグナル/ノイズ比を良くす
るに−20℃に冷却することが必要になるかもしれない。より複雑なシステムは
、プリズムまたは回折格子の後にダイオードアレイ検出器を配したもので、単に
二つの発光波長だけでなく、完全な発光スペクトルを得ることができるようにな
っている。完全な発光スペクトルは、シグナルの変化が、完全にFRETの変化
によるものかについての情報をより多く含んでいる。
【0067】 センサーは、分光ミラーで光を2光路に分けまた各光路は適当なフィルターが
備わっている二重増倍管システムの形態であっても良い。これに代えて、適当な
フィルターを備えた二つの光電増倍管を、上記のシリコン検出器システムで示さ
れたように、試料室に隣接して設置することもできる。
【0068】 複雑なエレクトロニクスが利用できないか好ましくない遠隔用途向けには、フ
ィルムまたは蛍光画像板によるセンサーが利用できると考えられる。
【0069】 検出器の受ける直接光の量を最小とするため、検出器は、一般に光源に対し1
80℃または0℃の角度に置かない。通常、光不透過性物質に固定化されたプロ
ーブから見て、検出器は光源に対し約45℃に配するべきである。多くの標的物
質が同時に測定可能とするために、センサーは、異なるプローブが、好ましくは
並列に、並んだフローセルからなっていても良い。また、フローセルは、同一物
質に対し特異的を示すが、例えば、プローブが柔軟性の異なるリンカーを持つた
め標的物質に対する親和性が異なる一連/一列のプローブを含むフローセルであ
っても良い。
【0070】 本発明のプローブは、例えば、動物またはヒト、植物、菌または微生物などの
いずれの生物体由来の液体試料などの抽出液中に存在する、例えば、代謝物、ホ
ルモン、薬剤、毒性物質あるいは汚染物質などの物質の存在を検出するのに使用
される。
【0071】 例えば、本発明のプローブは、スクロース、オリゴ糖または非炭水化物模倣体
の検出に使用できる。この用途では、プローブの標的結合サイトとしては、目的
のオリゴ糖結合特異性を持つ組換えモノマー性植物レクチンが含まれている。模
倣ペプチドは、内因的にビオチン化されている。このプローブは、ビオチン化糖
ペプチドの付着により活性化され、レクチンとその同族のオリゴ糖認識部間の相
互作用を形成し、結果としてFRETシグナルを発生させる。糖、オリゴ糖、ま
たは非炭化水素模倣体は、この後、FRRETシグナルを減少させる能力により
検出される。
【0072】 本発明のプローブは、ステロイドホルモンの存否の決定にも使用できる。この
用途での測定は、合成ペプチドプローブのステロイドホルモンリセプターとの結
合親和性の変化、例えば、エストロゲンリセプター(ER)がある特定のステロ
イドホルモンと結合する場合の変化を利用する(Paigeら、 1999,
Proc. Nat1. Acad. Sci. USA, 96, 3999
−4004)。適当なプローブの標的結合サイトは、エストロゲンリセプターに
相当するcDNAでコードされる配列からなる。模倣ペプチドは、少なくとも次
の3配列の一つを含む。 (i) SSNHQSSRLIELLSR (この配列は、エストラジオール
の存在下以外ではERと結合しない)。 (ii) SAPRATISHYLMGG (この配列は、ステロイドの非存
在下でERと結合するが、エストラジオールまたはタモキシフェンにより解離す
る)。 (iii) SSPGSREWFKDMLSR (この配列は、タモキシフェン
の存在下以外では、ERと結合しない)。
【0073】 配列(i)と(ii)では、プローブは、一般的に上に記したプローブとは異
なった方向で作動する。つまり、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドは、標
的物質の不存在下では相互に自由に結合しない。代わって、標的物質の存在下で
のみ、標的結合サイトペプチドと模倣ペプチドが結合する。このような場合、標
的物質の存在が蛍光体間の距離を減少させ、このためFRETを増加させる。こ
れまでのプローブでは、通常、標的物質の存在が、FRETの減少により示され
ている。
【0074】 動物またはヒトの場合、試料は、血液、唾液、涙液、脳脊髄液、または、精液
などが例示される。プローブは、動物またはヒト試料中の特定物質の存否を決定
するのに使用される。ある物質中のある特定物質の存在は、一つの疾病状態を示
すこともある。また、ある特定物質の不存在が、一つの疾病/臨床状態を示すこ
ともある。このため、本発明は、ヒトまたは動物体の診断方法に使用されるプロ
ーブを提供する。
【0075】 本発明は、また、プローブのFRET量をまず測定し、次いで本発明のプロー
ブで動物またはヒト試料を接触させることからなる診断方法を提供する。FRE
Tの変化を測定し、これにより特定の標的物質の存否を決定する。動物あるいは
ヒトの疾病状態、健康あるいは他の状態が、このように測定できる。この方法は
、通常、エクスビボで、即ち対象から取り出した試料により実施される。
【0076】 動物またはヒトへの応用として、これ以外に、薬物やアルコールの試験、毒物
または汚染物質への露出試験が挙げられる。
【0077】 本発明のプローブは、大気物質、例えば大気中の汚染物質の検出にも使用でき
る。ただし、これらの物質は溶解性でなければならない。したがって、本発明の
プローブは、水性媒体に入れて供給され、周囲の大気に暴露される。周囲の大気
中に存在する溶解性物質は、媒体を含むプローブに溶解し、媒体中の適当なプロ
ーブ(または複数のプローブ)により検出される。
【0078】 本発明のプローブは、また、植物、菌、細菌などの微生物などのエキス中の特
定物質の検出に利用できる。植物エキス、例えば浸出液は、植物病原性ウィルス
あるいは植物中の細菌の検出に有用である。また、本発明のプローブは、植物エ
キス中の微量元素や汚染物質の存在や量を測定するのにも使用できる。これらの
アッセイの結果は、土壌品質の間接的な指標を提供し、場合によっては、土壌汚
染の種類を示すと考えられる。
【0079】 本発明のプローブのもう一つの用途は、遺伝子組換え植物、遺伝子組換え動物
、菌または微生物中に発現されたタンパクを検出する用途である。遺伝子組換え
生物体が作られる場合、しばしば、多数のいわゆる第一次形質転換体が、導入遺
伝子の発現の存否について、スクリーニングされる。通常、時間のかかるRNA
及びタンパクブロッティング法が使用されている。本発明のプローブは、これら
RNA及びタンパクブロッティング法に比べ、より定量的に粗抽出液をアッセイ
可能で、また、迅速である。
【0080】 プローブは、例えば飲用水、土壌または工場排水中の、例えば混入物や汚染物
質の検出に使用できる。プローブは、例えば食品や医薬品中の混入物を検出する
品質管理の状況でも使用可能である。
【0081】 本発明は、また、本発明のプローブ、ポリヌクレオチド、ベクター、または細
胞からなる、多細胞生物体またはその一部も提供する。通常、このような生物体
は、本発明のポリヌクレオチドを含み、そのポリヌクレオチドがコードするプロ
ーブがその生物体またはその一部中で発現するようにしてある。即ち、これらの
生物体またはその一部は、本発明のポリヌクレオチドの遺伝子組換え体である。
生物体またはその一部は、本発明の1個以上のポリヌクレオチド、ベクター、細
胞、またはプローブからなっていて良い。
【0082】 プローブの発現は、組織特異的でも非特異的でも良く、生物体の全ライフサイ
クルを通じたものあるいはライフサイクルの内の特定の発生段階のみの発現であ
っても良い。生物体のライフサイクルの内の異なる時期に、異なるプローブを発
現しても良い。このように、生物体が生産される時、プローブが、構成的プロモ
ーターの制御下で、あるいは、空間的時間的に制約された発現を制御するプロモ
ーターの制御下で発現されている。適当なプロモーターは、当分野の熟練者には
公知である。
【0083】 いずれの多細胞生物体も、本発明のプローブ、ヌクレオチド、ベクター、また
は、例えば菌、植物、動物などの細胞を含んでいて良い。適当な植物は、単子葉
植物または双子葉植物である。単子葉植物では、小麦、トウモロコシ、米、カラ
スムギ、オオムギやライ、モロコシ、ライコムギ及びサトウキビなどのイネ科植
物が好ましい。双子葉作物植物の好ましい例としては、トマト、ジャガイモ、サ
トウダイコンや他のサトウダイコン作物、アブラナ、亜麻仁油、タバコ、ヒマワ
リなどの十字花科作物、綿などの繊維性作物、エンドウマメ、マメ(特にダイズ
)、アルファルファなどの豆科植物が挙げられる。適当な動物としては、例えば
ドロソフィラメラノガスターなどの昆虫や、マウス、ヒツジ、ブタやウシなどの
哺乳類が挙げられる。
【0084】 本発明のプローブ、ポリヌクレオチド、ベクターまたは細胞を含む多細胞生物
体は、当分野の熟練者には公知の方法で作成される。本発明のポリヌクレオチド
は、一般に、ベクターに導入され、そのベクターは、生物体の細胞の形質転換ま
たは形質移入に使用される。その細胞は、多細胞生物体の再生に使用され、その
多細胞生物体は一般に複製可能である。このため、本発明は、その生物体の一つ
の細胞を本発明のポリペプチドで形質転換または形質移入し、その細胞を多細胞
生物体に発育させることからなる、遺伝子組換え生物体の生産方法を提供する。
【0085】 本発明のプローブを生細胞中で使用は、(i)単離細胞を培養して使用、(i
i)もとの多細胞生物体をそのまま使用の二つに分類される。
【0086】 培地中の単離細胞は、例えば細菌などの微生物、菌、植物、哺乳類などの動物
細胞で、本発明の1個以上のプローブを含んでいる。これらのブローブは、どの
ような物質に対するものでも良く、例えばグルコース、ショ糖やNADPHなど
の代謝物、例えばCa2+、H、Ins(1,4,5)P3、cAMP、cG
MOなどのシグナルペプチド、毒物、薬品、除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの異物
、カルモジュリンやキナーゼ類などのペプチド、リン酸化、グリコシル化やファ
ルネシル化サイトなどの転写後修飾サイトなどが挙げられる。
【0087】 プローブを含有する細胞は、例えば多穴プレートや顕微チャンバーなどに入れ
られた、適当な培地中で成長させる。FRETの変化は、例えば、蛍光定量装置
、蛍光板リーダー、カメラ画像化システム、共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡などで
測定できる。
【0088】 アッセイは、薬剤の存在を直接検出するものというよりは、薬剤の細胞の代謝
や生理に与える間接的な影響を見るものであっても良い。このようなシステムは
、高スループット生理スクリーニングシステムの基礎となる。例えば、治療効果
と共に好ましからざる副作用を持つ治療薬の場合、その副作用を抑える能力で持
って物質をスクリーニングすることができる。副作用の生理的指標となる物質(
例えば、特定の代謝物の増加集積)に特異的なプローブが使用される。このよう
な代謝物の増加を抑え、薬の副作用を緩和する能力を持つ物質の高スループット
アッセイに、物質の集合体、例えばコンビナトリアルライブラリーを使用するこ
とができる。
【0089】 多細胞系でも、単細胞系に述べたのと同じアプローチを使う。しかし、多細胞
生物体の表面にある細胞層のみが、非破壊蛍光技法により測定可能である。全体
的な蛍光測定は、測光装置、蛍光定量装置、カメラ、共焦点あるいは多光子法で
実施できる。組織、細胞または細胞小器官特異性は、組織特異的、発生特異的、
及び/または標的プローブ、即ち、組織特異的または発生特異的プローブ、また
は標的ペプチドを含むプローブのの支配下で発現されたプローブを使用すること
で達成可能である。
【0090】 例えば、植物ホルモンのアブシシン酸の葉の気孔保護細胞内の変化を測定する
ためのアブシシン酸に対するプローブは、これらの細胞中でのみ発現される。プ
ローブのFRET変化は、非画像システムで測定される。一方、プローブが植物
全体で万遍なく発現される場合、測定は、画像技法を使用して保護細胞のみから
実施される。
【0091】 本発明のプローブは、もともと相互に結合する二物質間の結合を調べるのにも
使われる。したがって、本発明は、阻害剤のない状態で相互に結合する二物質間
の結合の阻害剤を同定する方法も提供する。
【0092】 調べられる結合相互作用の種類としては、例えば、ペプチド−ペプチド相互作
用、ペプチド−炭水化物、ペプチド−核酸、またはペプチド−リガンド相互作用
が挙げられる。興味のある二物質間の結合相互作用を模倣した一対の標的結合サ
イトペプチドと模倣ペプチドが同定されれば、これらの二物質間の相互作用を調
べることができる。
【0093】 通常、このような方法は、ヒトや動物の疾病状態に深く関連する相互作用を研
究するのに使用される。例えば、病原体による宿主の認識は、しばしば感染の最
も重要なステップである。本発明のプローブは、病原体−宿主認識相互作用の研
究に使用できる。例えば、いくつかの病原体は、宿主細胞表面の炭水化物種を認
識する。病原体と宿主細胞表面の炭水化物分子間の結合相互作用を阻害する阻害
剤を特定するのに用いられる適当なプローブがデザイン可能である。このように
して特定された阻害剤は、宿主と病原体間の認識相互作用を妨害するため、病原
体の宿主細胞への感染を防ぐのに使用できると考えられる。
【0094】 このため、本発明によるプローブにより特定される阻害剤は、ヒトや動物体の
治療方法の中で使用可能である。
【0095】 本発明のプローブは、エストロゲン刺激転写の阻害剤を特定するのに 利用で
きるようにデザイン可能である。このプローブでは、エストロゲンリセプター(
ER)を標的結合サイトペプチドとし、模倣ペプチドがビオチン化されている。
このため、エストロゲンリセプター応答成分(ERE)を持つビオチン化オリゴ
ヌクレオチドは、模倣ペプチドに付着される。ERは、EREに結合し、FRE
Tシグナルを与える。ただし、この際DNA−タンパク相互作用の阻害剤がある
と、FRETシグナルは消失する。したがって、このプローブは、エストロゲン
感応性乳癌の成長の阻害剤をスクリーニングするのに使うことが可能である。こ
のスクリーニングは、合成エストロゲンのタモキシフェンが標的とするサイトと
は異なったサイトに作用する抗腫瘍剤を特定するのに使用できる。
【0096】 本発明のプローブは、プロテアーゼ阻害剤の同定にも使用できる。適当なプロ
ーブの標的結合サイトは、組換えプロテアーゼからなり、模倣ペプチドは既知の
ペプチド阻害剤からなる。阻害剤はプロテアーゼの活性サイトに結合するため、
休止状態でFRETが検出される。このように、本プローブはプロテアーゼの活
性結合サイトの阻害剤をスクリニングするのに使用可能である。
【0097】 本発明のプローブは、更に、細胞内Gタンパクシグナル阻害剤を同定するのに
も使用可能である。このように、プローブは、新種のシグナル伝達阻害剤を同定
するのに使用可能である。適当なプローブの一例では、標的結合サイトペプチド
が7回膜貫通リセプターの細胞質ループからなり、他方は三量体Gタンパク複合
体のアルファサブユニットのC末端部からなる。アルファサブユニットのC末端
領域は、リセプター結合サイトを含み、単離しても機能するため、このプローブ
は休止状態でFRETを発生する。この相互作用の阻害剤は、FRETシグナル
を減少させると考えられる。
【0098】 通常、二物質間の結合相互作用の阻害剤の同定は、適当なプローブを、試験試
料を含まない状態でFRET量を測定し、このプローブを、試験試料に接触させ
、次いで、プローブからのFRETを測定して、試験試料が興味のある二物質間
の結合相互作用を阻害することができるかどうかを決定する方法で実施される。
結合相互作用の阻害は、通常プローブのFRETの減少として示される。
【0099】 適当なコントロール実験も実施できる。例えば、ある候補の阻害剤が、調べて
いる相互作用を特異的に阻害しており、他の多くの相互作用の非特異的な阻害で
はないことを決定するため、その阻害剤を本発明の他のプローブを用いて試験す
ることができる。
【0100】 結合相互作用の阻害剤の特定するための方法を実施するのに、どのようなフォ
ーマットを用いても良い。しかし、スクリーニング法は、単一の媒体中、より好
ましくは、一つのプラスチックマイクロタイタープレートの単一の穴の中で行わ
れることが好ましい。このようにして、この方法は、高スループットスクリーニ
ング技術に適応できる。
【0101】 結合相互作用の阻害剤として適当な試験物質としては、コンビナトリアルライブ
ラリー、既知化学物質、ペプチドやペプチド模倣体、オリゴヌクレオチドや天然
産物ライブラリーなどが挙げられる。これらの試験物質は、例えば反応当たり1
0物質などを一挙に測定し、この中から阻害を示す物質群を個別にテストする一
次スクリーニングで使用できる。また、抗体産生物(例えば、モノクローナル抗
体やポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体やCDRグラフト抗体)も使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プローブのデザインと作動原理と示す。 A.標的化合物の不存在下、模倣ペプチドは標的結合サイトペプチドに結合す
る。リンカーは、2個の蛍光体の相互接近を許し、高レベルのFRETが起こる
。 B.標的分子は、模倣体と標的結合サイトにつき競合し、二つの蛍光体の分離
を引き起こし、FRETを減少させる。
【図2】 ビオチン化プローブのデザインを示す。 A.模倣ペプチドは、ビオチン化が可能な配列を有する。 アビジンはビオチン化プローブに結合し、この複合体は次いでビオチン化物質と
結合できる。ビオチン化オリゴヌクレオチドが、標的ペプチド、例えば、転写因
子、と結合して図示されている。 B.阻害剤は転写因子に結合し、オリゴヌクレオチドと転写因子間の結合を分
裂させる。2個の蛍光性ペプチド間の距離は増大し、FRETはこのため減少す
る。
【図3】 励起光源(青色LED、青色レーザーまたは他の適当な光源)、
フローセル、及びそれを取り囲む2個の検出器の配置図を示す。フローセル内部
には、本発明で使用される各種化合物検出用のセンサー板が並んでいる。 A.断面図 B.表面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12Q 1/02 15/09 ZNA G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 デイビッド・ジョン・タルバット・ボー イギリス、オーエックス1・3アールビ ー、オックスフォード、サウス・パーク ス・ロード、サー・ウィリアム・ダン・ス クール・オブ・パソロジー、ユニバーシテ ィ・オブ・オックスフォード Fターム(参考) 2B030 AB04 AD08 CA06 CA17 2G045 AA40 DA36 FB03 FB07 FB12 GC15 4B024 AA11 BA80 CA02 CA07 DA01 DA02 DA05 DA11 GA11 HA11 4B063 QA01 QA05 QQ21 QQ41 QQ61 QR48 QR56 QR74 QR80 QS32 QS39 QX02 4B065 AA01X AA58X AA72X AA87X AB01 AC14 BA02 CA24 CA46

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)第一の蛍光性ポリペプチドに付着された標的結合サイ
    トペプチドと、 (ii)該標的結合サイトペプチドに結合可能で、第二の蛍光性ポリペプチド
    に付着された模倣ペプチドと、及び、 (iii)該2個の蛍光性ポリペプチドを連結し、前記蛍光性ポリペプチド間
    の距離が変化するのを可能とするリンカーとを含み、 前記蛍光性ポリペプチドが、両者間で蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を
    示すことを特徴とするプローブ。
  2. 【請求項2】 リンカーがペプチドまたはポリペプチドである請求項1に記
    載のプローブ。
  3. 【請求項3】 単一ポリペプチドである、請求項2に記載のプローブ。
  4. 【請求項4】 第一の蛍光性ポリペプチドが緑蛍光性タンパク(GFP)で
    ある、前記請求項いずれか1項に記載のプローブ。
  5. 【請求項5】 第二の蛍光性ポリペプチドがGFPである、前記請求項いず
    れか1項に記載のプローブ。
  6. 【請求項6】 模倣ペプチドが、ビオチン化可能な配列からなる、前記請求
    項いずれか1項に記載のプローブ。
  7. 【請求項7】 ビオチン化された請求項6に記載のプローブ。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし7のいずれか1項に記載のプローブをコード
    するポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 DNA配列である請求項8に記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載のポリヌクレオチドを組み込んだベ
    クター。
  11. 【請求項11】 発現ベクターである請求項10に記載のベクター。
  12. 【請求項12】 請求項1から7のいずれかに1項に記載のプローブ、請求
    項8または9に記載のポリヌクレオチド、または請求項10または11に記載の
    ベクターを含有する細胞。
  13. 【請求項13】 請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブ、請求項
    8または9に記載のポリヌクレオチド、請求項10または11に記載のベクター
    、または請求項12に記載の細胞を含有する菌、植物または動物。
  14. 【請求項14】 (i)請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブと
    、 (ii)該プローブを励起可能な光源と、 (iii)該プローブからのFRET量を測定可能な検出器と、 からなるセンサー。
  15. 【請求項15】 二つの検出器からなり、一方がプローブの第一の蛍光性ポ
    リペプチドに感応し、他方がプローブの第二の蛍光性ポリペプチドに感応する請
    求項14に記載のセンサー。
  16. 【請求項16】 1個以上のプローブからなる請求項14または15に記載
    のセンサー。
  17. 【請求項17】 試験試料中の標的物質の存否を検出する方法であって、 (i)請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブ、請求項12に記載の
    細胞、または、請求項14から16のいずれか1項に記載のセンサーを供し、こ
    こに、該プローブ、細胞またはセンサーの標的結合サイトペプチドは該標的物質
    に結合可能であり、 (ii)該プローブ、細胞またはセンサーのFRET量を測定し、 (iii)該プローブ、細胞またはセンサーに試験試料を接触させ、次いで、 (iv)FRETの変化を測定して試験試料が該標的物質を含むかどうか決定
    することを含む試験試料中の標的物質の存否の検出方法。
  18. 【請求項18】 試験試料中の標的物質の存否を検出するにおける、請求項
    1から7のいずれか1項に記載のプローブ、請求項12に記載の細胞、または請
    求項14から16のいずれか1項に記載のセンサーの使用であって、該プローブ
    、細胞またはセンサーの標的結合サイトペプチドが標的物質に結合可能な該使用
  19. 【請求項19】 阻害剤の非存在下で相互に結合する二物質間の結合の阻害
    剤を同定する方法であって、 (i)請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブ、または請求項12記
    載の細胞を供し、ここに、標的結合サイトペプチドとその模倣ペプチドの結合が
    該二物質の相互結合を模倣しており、 (ii)該プローブまたは細胞のFRET量を測定し、 (iii)該プローブまたは細胞に試験試料を接触させ、次いで、 (iv)FRETの変化を測定して、試験物質が該二物質間の結合を阻害する
    かどうかを決定することからなる阻害剤の同定方法。
  20. 【請求項20】 二物質間の結合阻害剤を同定するにおける、請求項1から
    7のいずれか1項に記載のプローブ、または請求項12記載の細胞の使用であっ
    て、その標的結合サイトペプチドとその模倣ペプチド間の結合がそれぞれ二物質
    間の結合を模倣している該使用。
JP2001535034A 1999-11-05 2000-11-06 汎用蛍光センサー Withdrawn JP2003513271A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9926336.0 1999-11-05
GBGB9926336.0A GB9926336D0 (en) 1999-11-05 1999-11-05 Universal flourescent sensors
PCT/GB2000/004255 WO2001033199A2 (en) 1999-11-05 2000-11-06 Universal fluorescent sensors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003513271A true JP2003513271A (ja) 2003-04-08

Family

ID=10864093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001535034A Withdrawn JP2003513271A (ja) 1999-11-05 2000-11-06 汎用蛍光センサー

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP1226436B1 (ja)
JP (1) JP2003513271A (ja)
AT (1) ATE293790T1 (ja)
AU (1) AU1162201A (ja)
DE (1) DE60019629T2 (ja)
GB (1) GB9926336D0 (ja)
WO (1) WO2001033199A2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004095024A1 (ja) * 2003-04-24 2004-11-04 Japan Science And Technology Agency 脂質セカンドメッセンジャー検出・定量用プローブとそれを用いた脂質セカンドメッセンジャーの検出および定量方法
WO2007015509A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Japan Science And Technology Agency 免疫測定用試薬
JP2008298610A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Eiken Chem Co Ltd リン酸化タンパク質免疫測定用試薬
JP2009502205A (ja) * 2005-08-02 2009-01-29 プラネット・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド 炭疽菌の処置および予防のための改良されたキメラ毒素受容体タンパクおよびキメラ毒素受容体タンパク質
WO2015124690A1 (de) * 2014-02-24 2015-08-27 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Zusammensetzung mit fret-paar in definierter geometrie
CN112930354A (zh) * 2018-07-24 2021-06-08 密歇根大学董事会 分子内动力学探针

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0111459D0 (en) * 2001-05-10 2001-07-04 Isis Innovation Universal fluorescent sensors
CA2505515C (en) * 2002-11-07 2013-08-27 Erasmus Universiteit Rotterdam Fret probes and methods for detecting interacting molecules
US7056683B2 (en) 2002-11-12 2006-06-06 Massachusetts Institute Of Technology Genetically encoded fluorescent reporters of kinase, methyltransferase, and acetyl-transferase activities
WO2007070572A2 (en) 2005-12-12 2007-06-21 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Probe for nucleic acid sequencing and methods of use
US8703734B2 (en) 2005-12-12 2014-04-22 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Nanoprobes for detection or modification of molecules
US7532128B2 (en) * 2006-10-25 2009-05-12 Alverix, Inc. Position sensitive indicator detection
CN102692400B (zh) * 2012-05-28 2014-07-30 浙江农林大学 一种用于激活微生物体内光敏蛋白的装置及应用

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8807488D0 (en) * 1988-03-29 1988-05-05 Ares Serono Res & Dev Ltd Method of assay
US5246867A (en) * 1992-01-17 1993-09-21 University Of Maryland At Baltimore Determination and quantification of saccharides by luminescence lifetimes and energy transfer
EP0552108B1 (en) * 1992-01-17 1999-11-10 Lakowicz, Joseph R. Energy transfer phase-modulation fluoro-immunoassay
CA2215727C (en) * 1995-03-23 2003-12-30 Kenneth F. Buechler Hybrid phthalocyanine derivatives and their uses
DE69840146D1 (de) * 1997-03-14 2008-12-04 Univ California Fluoreszenzprotein-sensoren zur erkennung von analyten
US6376257B1 (en) * 1997-04-24 2002-04-23 University Of Rochester Detection by fret changes of ligand binding by GFP fusion proteins

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004095024A1 (ja) * 2003-04-24 2004-11-04 Japan Science And Technology Agency 脂質セカンドメッセンジャー検出・定量用プローブとそれを用いた脂質セカンドメッセンジャーの検出および定量方法
JP2009502205A (ja) * 2005-08-02 2009-01-29 プラネット・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド 炭疽菌の処置および予防のための改良されたキメラ毒素受容体タンパクおよびキメラ毒素受容体タンパク質
WO2007015509A1 (ja) * 2005-08-03 2007-02-08 Japan Science And Technology Agency 免疫測定用試薬
JP2008298610A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Eiken Chem Co Ltd リン酸化タンパク質免疫測定用試薬
WO2015124690A1 (de) * 2014-02-24 2015-08-27 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Zusammensetzung mit fret-paar in definierter geometrie
CN112930354A (zh) * 2018-07-24 2021-06-08 密歇根大学董事会 分子内动力学探针
JP2021531024A (ja) * 2018-07-24 2021-11-18 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン 分子内動力学的プローブ
JP7438553B2 (ja) 2018-07-24 2024-02-27 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン 分子内動力学的プローブ

Also Published As

Publication number Publication date
ATE293790T1 (de) 2005-05-15
EP1226436B1 (en) 2005-04-20
WO2001033199A2 (en) 2001-05-10
DE60019629T2 (de) 2006-03-09
AU1162201A (en) 2001-05-14
DE60019629D1 (de) 2005-05-25
GB9926336D0 (en) 2000-01-12
EP1226436A2 (en) 2002-07-31
WO2001033199A3 (en) 2002-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090148867A1 (en) Universal fluorescent sensors
Kuner et al. A genetically encoded ratiometric indicator for chloride: capturing chloride transients in cultured hippocampal neurons
AU759347B2 (en) Methods of assaying receptor activity and constructs useful in such methods
EP1088233B9 (en) A bioluminescence resonance energy transfer (bret) system and its use
CN109553687B (zh) 基于g蛋白偶联受体构建的荧光探针
EP1145004B1 (en) Methods for detecting changes to cellular components
WO2001046694A2 (en) A bioluminescence resonance energy transfer (bret) fusion molecule and method of use
JP2003513271A (ja) 汎用蛍光センサー
Kaláb et al. The design of Förster (fluorescence) resonance energy transfer (FRET)-based molecular sensors for Ran GTPase
EP1571448A1 (en) Fluorescent indicator using fret
Graham et al. Ligand binding by recombinant domains from insect ecdysone receptors
Damelin et al. Nuclear protein transport
US20090123954A1 (en) Multicolor bioluminescent visualization probe set, or single-molecule-format multicolor bioluminescent visualization probe
US20080108128A1 (en) Resonance Energy Transfer Assay System for Multi-Component Detection
US20140170769A1 (en) Microscope apparatus for detecting or imaging protein using probe for intrinsic fluorescence resonance energy transfer and method for detecting or imaging protein using the same
US20030143634A1 (en) Method to detect interactions between cellular components in intact living cells, and to extract quantitative information relating to those interactions by fluorescence redistribution
US8580517B2 (en) Biosensor and use thereof to identify therapeutic drug molecules and molecules binding orphan receptors
WO2002086505A2 (en) Intracellular analysis
Umezawa et al. Methods of analysis for chemicals that promote/disrupt cellular signaling
CN105466912B (zh) 一种检测阿尔法突触核蛋白的方法
US20090088337A1 (en) RET-Based Analyte Detection
US7045305B1 (en) Methods and reagents for targeting organic compounds to selected cellular locations
RU2338785C2 (ru) Флуоресцирующие белки и хромопротеины из видов hydrozoa, не относящихся к aequorea, и способы их получения
JP4808952B2 (ja) Ip3指示薬
WO2006020550A2 (en) Analyte sensors and method for constructing analyte binding motifs

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108