JP2003513156A - 改善された磁性流体組成物及び製造方法 - Google Patents

改善された磁性流体組成物及び製造方法

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids

Abstract

(57)【要約】 発明は、界面活性剤を受け入れる層として作用する分散剤ではない低分子量表面改質剤で最初に覆われた多数の磁性粒子、それから少なくとも一種の界面活性剤からなる化学的に安定な磁性流体組成物とその製造方法に関する。表面改質剤/界面活性剤で覆われた磁性粒子は、それからシリコーン油、炭化水素油及びエステル油のいずれかを基剤とした液体分散媒に懸濁される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性流体とその製造方法に関する。特に、この発明は、界面活性剤
を適用する前に、磁性粒子上に界面活性剤を受け入れる層として、分散剤ではな
いシランを基剤とした表面改質剤を用いる磁性流体に関する。より詳細には、こ
の発明は、シリコーン、炭化水素及びエステルのいずれかを基剤とした磁性流体
に対し、磁性粒子上に化学的安定性を改善する界面活性剤を受け入れる層として
、分散剤ではないシランを基剤とした表面改質剤を用いる磁性流体に関する。な
お一層詳細には、この発明は、その化学的性質が故に、油を基剤とした磁性流体
において第一番目の界面活性剤として以前は用いられなかった界面活性剤の使用
を可能にするシランを基剤とした表面改質剤を用いる磁性流体に関する。そして
より一層詳細には、界面活性剤を受け入れる層として分散剤ではないシランを基
剤とした表面改質剤を有する、安定な磁性流体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
時にフェローフルイド(ferrofluid)あるいは磁性コロイド(m
agnetic colloid)と呼ばれる磁性流体(magnetic f
luid)は、コロイド状分散液又は懸濁液であり、細かく分割された30から
150Åの範囲の大きさの磁性又は磁化できる粒子が分散媒中に分散されたもの
である。磁性流体の重要な特質の一つは、容器の必要なくして、磁界により空間
に位置づけられ、保持される能力である。この磁性流体の特徴的な性質は、多様
な応用例をもたらし磁性流体の利用につながった。そのような利用方法の一つは
、低トルクの液体シールとしての磁性流体の利用であるが、そのシールは、従来
のシールの様に動作中に粉塵を発生することがない。そこで、これらの液体シー
ルは、シールの一方の側から他方の側に空気で運ばれる粒子やガスの通過を防ぐ
ための防塵シールとしてコンピュータのディスクドライブに広く用いられている
。環境の分野においては、有害あるいは潜在的に有害な固体、液体あるいは気体
の大気への放出を防ぐために、環境シールとして用いられる。
【0003】 その他に、オーディオスピーカーのコイルと磁石の間の熱移動媒体、ダンピン
グ用途のダンピング流体、及び動圧軸受用途の軸受潤滑剤としての、磁性流体の
利用法がある。さらに、真空回転導入シールのような多数の液体シールを有する
か又は多段階を経る装置における圧力シールとしての他の磁性流体の利用もある
。典型的には、この種のシールは、圧力差が存在する環境に回転するシャフトを
突き出しながらも、シールの一方の側と他方の側の圧力差を維持することが目的
である。
【0004】 磁性粒子は一般的に、粉砕法、沈殿法、蒸着法あるいは他の類似の方法で作製
される細かいフェライト粒子である。純度、粒径制御、及び生産性の観点から、
通常、沈殿法がフェライト粒子を作製するためのより好ましい方法である。磁性
流体を使用する産業上の応用例の大部分は、磁性粒子として酸化鉄を含有する。
磁性流体の応用に最も適する酸化鉄は、マグネタイトと、マグヘマイトと呼ばれ
るγ酸化鉄等のフェライトである。フェライトや第二酸化鉄は、磁性流体に多く
の物理的、化学的性質を与えるが、それらの内最も重要なものは、飽和磁化、粘
度、磁気的安定性及び全体の化学的安定性である。懸濁状態を維持するため、フ
ェライト粒子は、粒子が凝固したり凝集したりするのを防ぐ目的で、この分野の
技術者には分散剤として知られる界面活性剤の被覆を必要とする。
【0005】 オレイン酸等の脂肪酸が、低分子量無極性炭化水素液体中において、磁性粒子
の懸濁液を安定化させるための分散剤として用いられてきた。この低分子量無極
性炭化水素の液体は、ケロシン、トルエン等の比較的揮発性しやすい溶剤である
。相対的な揮発性に起因するこれら揮発性炭化水素液体の蒸発は、磁性流体自身
の機能を劣化させるので、重大な問題である。したがって、有効に利用するため
には、磁性流体は低沸点炭化水素液体ではなく、低蒸気圧分散媒を用いて製造し
なければならない。しかしながら、炭化水素を基剤とした磁性流体は、温度の関
数である粘度の相対的に大きな変化の故に、限られた用途に限定されてきた。
【0006】 界面活性剤/分散剤は、二つの主要な機能を持つ。第一は、ファンデルワー
ルス力と磁気的吸引力により引き起こされる吸引力に打ち勝つため磁性粒子間の
一定の距離を確実に保つこと、すなわち凝固や凝集を防止することである。第二
は、磁性粒子の外表面に液体分散媒と相溶性の化学組成物を提供することである
【0007】 磁性流体の飽和磁化(G)は、磁性流体中の磁性体分散相の体積の関数である
。磁性流体における実際の分散相の体積は、磁性粒子相の体積に結合された分散
剤相の体積を加えたものに等しい。磁性粒子含有量が高ければ高いほど、飽和磁
化値は高くなる。流体中の磁性粒子の種類もまた、流体の飽和磁化を決定する。
流体中の所定の体積%のコバルトや鉄のような金属粒子は、同じ体積%のフェラ
イトより、高い飽和磁化を生ずる。磁性流体が有する飽和磁化の最適値は、その
応用に応じて決定される。例えば、ハードディスクドライブに用いられる防塵シ
ールのための飽和磁化は、通常、半導体産業に用いられる真空シールのための値
より低い。
【0008】 今日用いられている磁性流体のほとんどは、磁性粒子の周りに1、2あるいは
3層に配列された1〜3種類の界面活性剤を含有する。磁性流体のための界面活
性剤は、充分に長い連鎖であり、その一端に官能基を持つ。その原子鎖は、芳香
族炭化水素を含んでもよい。その官能基は、陽イオン性、陰イオン性あるいは非
イオン性でありうる。その官能基は、化学的結合、物理的結合、あるいはその両
方の組みあわせにより磁性粒子の外表面に結合する。原子鎖あるいは界面活性剤
の尾部は、粒子間に一定の距離及び液体分散媒との相溶性をもたらす。
【0009】 これまで、様々な磁性流体とそれを製造する方法が考案されてきた。油を基剤
とした分散媒は、一般に、約8,000〜約9,000までの範囲の分子量を有
する炭化水素(ポリαオレフィン、芳香族連鎖構造分子)、エステル類(ポリオ
ールエステル)、シリコーン、あるいはフッ素化された、また他の特殊な分子等
の様々な化学組成物で、極性又は無極性の有機分子である。ほとんどの製法は、
フェライト粒子を解膠するために低沸点炭化水素溶剤を用いる。結果として生ず
る油を基剤とした磁性流体から炭化水素溶剤を蒸発させるため、これらの製法の
すべては、約70℃以上あるいは減圧下ではより低い温度での磁性流体の加熱処
理を要する。磁性流体の物理的及び化学的性質に影響を及ぼす要因は多く存在す
るため、また、ある性質を改善しても逆に他の性質に影響を及ぼすことがあるた
め、組成物あるいは製法を変更したときの、磁性流体の全体としての有効性に及
ぼす効果を予見することは困難である。この技術分野では、分散剤の一つがオレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸あるいはイソステアリン酸等
の脂肪酸である磁性流体は、分散剤系が酸化劣化しやすいことが知られている。
これは、磁性流体のゲル化に帰着する。
【0010】 磁性流体組成物の液体分散媒として、スピーカーにおいて使用するために、シ
リコーン油が提案されてきた。しかし、安定なシリコーン油を基剤とした磁性流
体は、実際には合成するのが困難であった。シリコーン油を基剤とした磁性流体
を合成するための過去の試みは、オレイン酸のような界面活性剤を使用しており
、成功例は非常に限られていた。オレイン酸型の界面活性剤と用いると、望まし
くない高い蒸発速度を有する、非常に低分子量のシリコーンを基剤とした磁性流
体のみが得られた。加えて、他の界面活性剤を使用した、シリコーンを基剤とし
た流体は、保管中にも使用中にも、磁場あるいは重力場において安定であること
が証明できなかったため、他の界面活性剤を使用しても同様に、シリコーンを基
剤とした磁性流体を作製することにおいては不十分であることが証明された。
【0011】 磁性流体粒子を分散した状態に保つ界面活性剤は、本来の磁性流体の働きにお
ける決め手である。多重の界面活性剤を用いた磁性流体が、慣例的に用いられて
きた。そのような磁性流体の一つは、米国特許第4,956,113号に記述さ
れている。
【0012】 米国特許番号4,956,113(1990年、Kannoら)は、磁性流体を
作製するための方法を教えている。磁性流体は、低蒸気圧の基油に安定に分散し
たフェライト微粒子を含む。低沸点炭化水素溶剤に分散した界面活性剤の吸着し
たフェライト微粒子の懸濁液に、N−ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドを添加することにより、磁性流体が作製される。フェライト微粒
子上に吸着した界面活性剤は、炭化水素溶剤に微粒子を分散させるために一般的
に用いられるものの一つであり、界面活性剤の好ましいものは、高級脂肪酸塩と
ソルビタンエステルである。混合物は、炭化水素溶剤を除去するために加熱し、
その後、低蒸気圧基油と特定の分散剤を添加する。結果として得られる混合物は
、分散処理を受ける。
【0013】 磁性流体は、アルコール類、酢酸エステル類、エーテル類あるいは他の水溶液
類に加え、ケロシン、ヘプタン等の炭化水素類、トルエン、キシレン、スチレン
等の芳香族類、アゼライン酸エチルへキシル等のジエステル類を含むさまざまな
液体分散媒を用いて作製されうる。しかしながら、今日、炭化水素とエステルを
基剤とした磁性流体は、温度の関数である粘度が相対的に大きな変化を示すが故
に、いくつかの用途に限定されてきた。シリコーン油(ポリシロキサン)は、磁
性流体組成物においては、液体分散媒として用いうる。特に、高分子量のポリジ
メチルシロキサン(PDMS)油は、粘度において相対的に小さい変化を示し、
広い温度範囲にわたる効力を有する。それ故に、PDMS油を用いて作製された
磁性流体は、炭化水素やエステルを基剤とした磁性流体が容易に適さない環境に
おいて、使用される。
【0014】 長い期間安定で濃縮されたシリコーン油を基剤とした磁性流体は、一つには、
満足のいく界面活性剤系が入手できないために、実際には、合成することが困難
であった。米国特許第4,356,098号(1982年、Chagnon)は
、ただ一種のシリコーン油界面活性剤を使用するシリコーン分散媒を用いた磁性
流体を開示している。しかしながら、その一種のシリコーン油界面活性剤は完全
には磁性粒子表面に結合しないことが分かった。加えて、シリコーンを基剤とし
た磁性流体は、短い期間でポリマー化により固化し、その本来の流動特性を失う
【0015】 米国特許第5,851,416号(1998年、Rajら)は、シリコーン油
分散媒中に細かく分割された磁性粒子がコロイド状に分散している、シリコーン
油を基剤とした磁性流体を開示している。磁性粒子の表面は、少なくとも一つの
極性基を有する炭化水素からなる第一の界面活性剤と、少なくとも一つの極性基
を有し、シリコーン油分散媒に溶解できるシリコーン油界面活性剤からなる第二
の界面活性剤を用いて、修飾される。主にオレイン酸のもたらす炭化水素の大き
な尾部のため、この開示に基づく磁性流体は、ゲル化時間が大変乏しいと確信さ
れる。大きな炭化水素分子はシリコーンに溶かすことができず、加えて大きな炭
化水素分子は全体の系を不安定にすることはよく知られている。また、比較的高
い粘度を有する分散媒油とともに多量の界面活性剤を使用することは、製品の飽
和磁化の最大値の相対的な低下と粘度上昇の一因となると確信される。
【0016】 あらゆる従来の技術は、液体分散媒中に磁性粒子を分散させるために、一種、
、二種、あるいは三種の界面活性剤を用いる。さらに、磁性粒子上に吸着する能
力があり、それらを液体分散媒中に分散させる第一の分散剤については、選択肢
が限られる。また、磁性流体への添加剤として、低分子量表面改質剤の使用を提
案している従来の技術もある。
【0017】 米国特許第5,676,877号(1997年、Borduzら)は、界面活
性剤で覆われた細かく分割された磁性粒子からなる化学的に安定な磁性流体組成
物とそれを製造する方法を開示している。ここでは、界面活性剤により覆われて
いない、粒子の外面層の酸化されやすい露出した外表面を完全に覆うために、界
面活性剤の吸着後に添加される表面改質剤が、さらに用いられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
いかなる従来の技術も、より大きな界面活性剤の吸着前に磁性粒子の表面部分
を覆うための表面改質剤として、分散剤ではない低分子量表面改質剤の使用を提
案あるいは示唆していない。
【0019】 それゆえに、必要とされるのは、より大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子の
表面部分を覆う低分子量表面改質剤を含む磁性流体である。また必要とされるの
は、より大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子の表面部分を覆う低分子量シラン
を基剤とした表面改質剤を含む磁性流体である。さらに必要とされるのは、より
大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子の表面部分を覆う低分子量アルキルアルコ
キシシランを基剤とした表面改質剤を含む磁性流体である。その上さらに必要と
されるのは、第一の界面活性剤として以前は用いることができなかった、あるい
は、第一の界面活性剤として使用できるようになるためには複雑な工程を必要と
した界面活性剤の使用を可能にする、磁性粒子の表面部分を覆う低分子量アルキ
ルアルコキシシランを基剤とした表面改質剤を含む、シリコーン油、炭化水素及
びエステルのいずれかを基剤とした磁性流体である。最後に必要とされるのは、
優れた化学的安定性を有するシリコーン油、炭化水素油及びエステル油のいずれ
かを基剤とした磁性流体を製造する方法である。
【0020】 磁性流体は、今日の産業用途において用いられるため、二つの領域で安定性を
示さなければならない。第一には、磁界の強さの非常に急な勾配の下で、磁気的
安定性を有することである。磁性粒子は、急勾配の磁界の強さの下で凝固したり
凝集したりする傾向があり、コロイドの残りの部分から分離する。第二には、界
面活性剤と有機油の分散媒の酸化に対する化学的安定性を有することである。あ
らゆる有機油は、時の経過とともに遅かれ早かれ酸化の過程を経る。これは、油
がゲルや固体になる点までその油の粘度上昇をもたらす。この過程は、磁性流体
の高温での応用において、加速される。
【0021】 本発明の目的は、より大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子の表面部分を覆う
低分子量表面改質剤を含み、また、化学的安定性の向上した磁性流体を提供する
ことである。本発明の更なる目的は、より大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子
の表面部分を覆う低分子量シランを基剤とした表面改質剤を含み、また、化学的
安定性の向上した磁性流体を提供することである。また、更なる本発明の目的は
、より大きな界面活性剤の結合前に磁性粒子の表面部分を覆う低分子量アルキル
アルコキシシランを基剤とした表面改質剤を含み、また、化学的安定性の向上し
た磁性流体を提供することである。なおまた、更なる本発明の目的は、磁性粒子
の外面層に直接結合する第一の界面活性剤として以前は用いることができなかっ
た、あるいは、第一の界面活性剤として使用できるようにするためには複雑な工
程を必要とした界面活性剤の使用が可能である、磁性粒子の表面部分を覆う低分
子量アルキルアルコキシシランを基剤とした表面改質剤を含み、かつ、化学的安
定性の向上したシリコーン油、炭化水素油及びエステル油のいずれかを基剤とし
た磁性流体を提供することである。本発明の更なる目的は、化学的安定性の向上
したシリコーン油、炭化水素油及びエステル油のいずれかを基剤とした磁性流体
を製造する方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のような磁性流体と磁性流体を製造する方法を提供することによ
り、これらと他の目的を達成する。その磁性流体組成物は、シリコーン油、炭化
水素油及びエステル油のいずれかを基剤とした磁性流体において使用できる界面
活性剤の範囲を広げるため、また、磁性流体の化学的安定性を高めるため、分散
剤ではないシランを基剤とした表面改質剤を使用する。
【0023】 本発明は、磁性粒子の外表面上に吸着する低分子量シランを基剤とした表面改
質剤で覆われた磁性粒子を含む磁性流体を提供する。それから、少なくとも一種
の界面活性剤が、表面改質剤で覆われた粒子に吸着あるいは結合する。それら粒
子は、それから低蒸気圧基油に懸濁させる。本発明の磁性流体は、四つの構成成
分、すなわち、油の液体分散媒、低分子量表面改質剤(好ましくはアルキルアル
コキシシラン)、一種あるいはそれ以上の有機界面活性剤/分散剤、及び磁性微
粒子から成り立っている。シリコーン油と炭化水素油は、磁性流体混合物におい
て相反する性質を持つ構成成分である。すなわち、シリコーン油は炭化水素油に
混合できない(溶解できない)ことが知られている。その磁性流体のシリコーン
油と炭化水素油の成分は、分離し、不安定な流体になる。表面改質剤が界面活性
剤を妨げない様に小さいことは重要である。一般的に、表面改質剤は、低蒸気圧
液体分散媒において単独の分散剤として作用する能力がない様に、その尾部は大
変小さくなければならない。
【0024】 界面活性剤が、それらを界面活性剤として相応しく作用する様な特別の性質を
有し、したがって強い個性を持っているとみなされるが故に、このことは重要で
ある。しかしながら、炭化水素の大きな尾部は、特にシリコーン油中では不適当
であるので、表面改質剤の個性は、本発明の場合、歓迎されない。本発明にとっ
て、界面活性剤は強い個性を持つが、低分子量の表面改質剤はほとんど個性を持
たないと言うことは重要である。個性は、磁性流体のコロイドの安定性や他の特
性に影響を及ぼし、そして貢献する化合物の能力として、定義される。磁性流体
の特質が概ねあるいは完全に界面活性剤により決定される様にするため、好まし
くは表面改質剤は、ほとんどあるいは全く個性を持たないべきである。また、表
面改質剤のこの特性は、第一の界面活性剤として以前は用いることができなかっ
た他の界面活性剤が、磁性粒子上にそれ自身直接吸着する表面改質剤の上あるい
は近くに吸着するのを可能にするように、磁性粒子の外面層を変えることを可能
にする。図1に示す様に、界面活性剤は、表面改質剤のケイ素−酸素部分の上あ
るいは近くに吸着するということは、発明者の考えである。
【0025】 本発明で用いる表面改質剤は、分子の一端の1〜3の類似する官能基と大変短
い尾部とからなる。表面改質剤は、次の化学式で表される。
【化3】 ここで、R基は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より
好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、R基は、1〜3
個の炭素原子のアルコキサイド及びそれらの塩化物からなる群から選択される加
水分解可能な基を意味し、そして、nは、平均して1、2、又は3である。特に
、イソブチルトリメトキシシランは、特に有用な表面改質剤であることが見出さ
れた。この特定の表面改質剤において、Rはイソブチル基を意味し、Rはメ
トキシ基を意味し、そして、nは3である。
【0026】 表面改質剤は、用いられる界面活性剤の種類に依存するが、磁性粒子を、シリ
コーン油、炭化水素油及びエステル油のいずれかを基剤とした液体分散媒に分散
させうる種々の界面活性剤の使用を可能にする。表面改質剤はまた、脂肪酸のよ
うなより好ましくない第一の界面活性剤を使用することなく、磁性粒子上で第一
の界面活性剤として以前は用いることができなかった種々の界面活性剤の使用を
可能にする。
【0027】 一般的に、本発明を作製する工程は下記の通りである。磁性粒子が、水溶液中
に沈殿し、磁性粒子の泥漿を形成する。その泥漿を予め決められた温度まで加熱
し、予め決められた量の低分子量表面改質剤を添加する。泥漿は、それから(1
)粒子を沈殿させるために高速混合を受けるか又は、(2)高速混合を受けそし
て低沸点の炭化水素又はシリコーン溶剤中で予め決められた量の界面活性剤を用
いて解膠される。
【0028】 沈殿法(1)の下では、水を傾瀉により注ぎ出し、低分子量表面改質剤で覆わ
れた磁性粒子は、水で数回洗浄される。それから、磁性粒子は、一時的に、低沸
点炭化水素又はシリコーン溶剤に懸濁させる。
【0029】 方法(1)と(2)、両方の下で用いる低沸点炭化水素又はシリコーン溶剤は
、沸点約60〜約200℃の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素、あるいはシリ
コーン溶剤である。例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デ
カン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、石
油エーテル、石油ベンゼン、ナフサ、リグロイン、低分子量のポリジメチルシロ
キサン(PDMS)溶剤等の少なくとも一種が用いられる。ヘプタンは、本発明
の溶剤を基剤とした磁性流体を作製するための特別に適した低沸点炭化水素であ
る。
【0030】 方法(1)の下では、流体混合物は、約10分間磁石の上に放置する。溶剤は
傾瀉により注ぎ出され、残った粒子はより多くの低沸点炭化水素溶剤に懸濁させ
、別の泥漿を形成する。その泥漿は、予め決められた温度、好ましくは85℃±
5℃に加熱する。相溶性の低沸点炭化水素溶剤中に投入された予め決められた量
の界面活性剤は、約85℃に加熱し、界面活性剤/炭化水素溶剤の混合物を泥漿
に添加する。泥漿/界面活性剤の混合物は、短い時間撹拌し、それから冷却する
【0031】 方法(2)の下では、予め決められた量の界面活性剤を、予め決められた量の
低沸点炭化水素又はシリコーン溶剤に添加し、予め決められた温度に加熱する。
界面活性剤混合物は、それから表面改質剤で覆われた粒子混合物に添加され、約
5分間撹拌し、それから室温に冷却する。
【0032】 方法(1)と(2)両方においては、冷却後、流体は約30分間磁石の上に置
く。流体の上の部分、溶剤を基剤とした磁性流体は、ビーカーのような別の容器
に入れられる。一定量の液体分散媒が、溶剤を基剤とした磁性流体に添加され、
それから溶剤は、好ましくは加熱によって蒸発により除去される。方法(2)の
みにおいては、分散媒油を溶剤を基剤とした磁性流体に添加するときに、一定量
の界面活性剤も同様に添加する。
【0033】 添加する分散媒油の量は、最終的に完成する磁性流体に望む飽和磁化に依存し
、最終的な磁性流体の約35〜約75体積%の範囲となる量である。それから、
最終的な磁性流体の飽和磁化をより好ましい値に調整するために、充分な量の分
散媒油が添加される。好ましい飽和磁化の値は、目的とする応用に応じて決定さ
れる。
【0034】 フェライトの磁性微粒子は、粉砕法、沈殿法、蒸着法あるいは他の類似の方法
により作製しうるが、本発明は、純度、粒径制御及び生産性の観点から、より好
ましい方法として沈殿法を用いる。本発明において使用するのに適する磁性粒子
は、マグネタイトとマンガン亜鉛を基質としたフェライトのようなフェライト類
、γ酸化鉄、二酸化クロム、及び種々の金属合金である。好ましくは、磁性粒子
は、マグネタイト(Fe)とγ酸化鉄(Fe)である。より好まし
くは、磁性粒子はマグネタイトである。磁性粒子の沈殿は、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等のアルカリ溶液による鉄イオンを含む水
溶液の急速な中和によりなされ、結果として磁性粒子の懸濁液を生ずる。その分
野の技術者は、最適な磁性粒子を作製する手順に精通している。
【0035】 最終の磁性流体中の磁性粒子は、約30〜約150Åの平均粒子径を有するこ
とになる。本発明で用いるのにより好ましい平均磁性粒子径は、約90〜約11
0Åである。最適な粒子の大きさは、磁性流体の目的とする応用に基づいて容易
に決定される。例えば、シール用途における使用に対しては、より好ましい平均
粒子径は約90〜約100Å、そして、オーディオ用途に対しては約90〜約1
10Åである。本発明において用いられる磁性粒子の濃度も同様に、磁性流体の
意図する使用目的によって決まり、最適濃度は容易に決定される。好ましくは、
磁性粒子の濃度は磁性流体の約1〜約40体積%である。より好ましくは、磁性
粒子の濃度は磁性流体の約1〜約30体積%である。例えば、真空シールに対す
るより好ましい磁性粒子の濃度は約10〜約30体積%であり、コンピュータシ
ールに対しては約5〜約15体積%であり、そして、オーディオスピーカーに対
しては、約2〜約30体積%である。
【0036】
【発明の実施の形態】
既存の技術からすれば、尾部に相対的に少ない炭素原子数を有する、分散剤で
はない低分子量表面改質剤で覆われたフェライト粒子を用いた時、シリコーン油
、炭化水素油及びエステル油のいずれかを基剤とした磁性流体において、安定な
磁性コロイドが得られることを見出したのは、驚くべきことであり、予期しない
ことであった。さらに、フェライト粒子を界面活性剤を用いた処理の前に分散剤
ではない低分子量表面改質剤で覆った時、磁性流体に対し以前は用いることがで
きなかった界面活性剤を用いて、磁性コロイドが得られることを見出したのは、
驚くべきことであり、予期しないことであった。
【0037】 本発明は、一種あるいはそれ以上の界面活性剤処理の前に磁性粒子を覆うため
、分散剤ではない低分子量表面改質剤を用いる。図1は、界面活性剤で覆われた
磁性粒子10を示す本発明の典型的な例図である。界面活性剤で覆われた磁性粒
子10は、界面活性剤16により覆われた低分子量表面改質剤14、さらには低
分子量表面改質剤14により覆われた磁性粒子12を含む。図2は、表面改質剤
14で覆われた磁性粒子12を示す。
【0038】 本発明の磁性流体は、四つの構成成分から製造される。すなわち、低蒸気圧液
体分散媒、低分子量表面改質剤、少なくとも一つの有機界面活性剤/分散剤、及
び磁性微粒子である。液体分散媒は、一般的に、シリコーン油、炭化水素油及び
エステル油である。シリコーン油を基剤とした磁性流体については、いかなるポ
リシロキサンを用いてもよい。炭化水素油を基剤とした磁性流体については、炭
化水素油の分散媒は、この分野の技術者に磁性流体に対して有用であると知られ
ているいかなる液体分散媒でもよい。分散媒は、極性液体分散媒でも無極性液体
分散媒でもよい。分散媒とその量の選択は、磁性流体の応用目的に依存する。こ
れは、熟練した技術者により、容易に決定される。
【0039】 本発明の実施例で用いられる無極性液体分散媒としては、炭化水素油、特に、
低揮発性で低粘度のポリαオレフィン油が挙げられる。そのような油は、市販品
として容易に入手できる。例えば、100℃で2、4、6、8又は10センチス
トークス(cSt)の粘度を有するGulf Oil社により生産されるSYN
THANE油、Amoco Chemicals社により生産されるDuras
yn油は、本発明に用いる無極性分散媒として有用である。
【0040】 磁性粒子の安定な懸濁液を形成できる極性液体分散媒には、塩化ビニル樹脂の
ようなポリマーに対するいかなるエステル系可塑剤も含まれる。そのような化合
物は、市販品として容易に入手できる。適当な極性分散媒は、C〜C12の炭
化水素酸等の飽和炭化水素酸のポリエステル、ジオクチル及び他のジアルキルフ
タル酸エステル等のフタル酸エステル、クエン酸エステル、及びトリ(n−オク
チル/n−デシル)エステル等のトリメリット酸エステルが挙げられる。他の適
当な極性分散媒は、ジアルキル及びアルキルベンジルオルトフタル酸エステル等
のフタル酸誘導体、トリアリール、トリアルキルあるいはアルキルアリールリン
酸エステル等のリン酸エステル、及びエポキシ化大豆油等のエポキシ誘導体を含
む。
【0041】 本発明で用いるより好ましい極性エステル液体分散媒は、トリメリット酸エス
テルである。さらに好ましくは、分散媒は、電線やケーブル産業において、可塑
剤として広く用いられるトリメリット酸トリエステルである。より好ましいトリ
メリット酸トリエステルは、例えば、商品名PX336として米国ペンシルベニ
ア州のAristech Chemical社から入手できる。
【0042】 シリコーン油の分散媒は、一般的に、ケイ素原子が連鎖において少なくとも一
つの酸素原子に結合し、そのケイ素原子の隣に種々の有機基が置換した、シロキ
サンから誘導される直鎖状ポリマー構造の液体物質である。概してそのようなシ
リコーン油は、温度変化に対して粘度変化が大変小さく(大変高い粘度指数を有
し)、例えば約−50℃〜約250℃の特定の温度範囲にわたり安定である。“
シリコーン油”と言う用語は、上記一般的特性を有するシリコーンエステルある
いは他の液状シリコーン化合物を含むことを意図している。シリコーン油の典型
的な化学式は、次の通りである。
【0043】
【化4】 ここで、Rはアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基等の脂
肪族基、又は、アルコキシ基、フェニル基であるが、典型的なRは、フェニル基
、メチル基、又はその組み合わせである。より好ましい実施形態では、Rはメチ
ル基である。高い粘度指数を有する典型的な液状シリコーン油は、特に限定はさ
れないが、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジプ
ロピルシロキサン、ポリフェニルシロキサン等が挙げられ、これらは直鎖状ケイ
素−酸素骨格があり、また、xが約0〜約10,000、好ましくは約1〜約2
00、最も好ましくは約10〜約125の値を有する。分散媒油は、液体分散媒
群の混合物でもよい。
【0044】 本発明で用いる低分子量表面改質剤は、シランを基剤とした表面改質剤である
。本発明において用いる表面改質剤は、一端に1〜3の類似する官能基と炭化水
素原子の大変短い尾部からなる。表面改質剤は、次の化学式で表される。
【化5】 ここで、R基は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より
好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、R基は、1〜3
個の炭素原子のアルコキサイド及び塩化物からなる群から選択される加水分解可
能な基を意味し、nは、平均して1、2、又は3である。特に、イソブチルトリ
メトキシシランは、大いに有用な表面改質剤であることが見出された。この特定
の表面改質剤において、Rはイソブチル基を意味し、Rはメトキシ基を意味
し、そして、nは3である。露出した表面へのシランの結合機構は、(1)表面
改質剤のアルコキシ部分が、副産物としてアルコールを生成しながら磁性粒子表
面の無機水酸基からのプロトンと反応する、(2)シラン表面改質剤が、加水分
解する、又は(3)その両方の組み合わせが起こり、そして、ケイ素が、表面改
質剤あるいは磁性粒子の外層に存在する水酸基からの酸素を介して磁性粒子の外
層に結合すると考えられる。
【0045】 表面との反応の間、表面改質剤は、分子の一部、すなわち、アルコキサイド又
は塩化物基がこの反応の副産物として除去されるため、より小さくなる。
【0046】 シリコーン油を基剤とした磁性流体に対し、相応しい界面活性剤は、親水基を
有するシリコーン類として記述できる。それらは、いくつかのメチル基がプロピ
ル基を介してケイ素原子に結合されたポリアルキレノキシ、ピロリドン又はカル
ボキシレート基により置換されたジメチルシロキサン分子骨格で構成される。シ
リコーン界面活性剤の典型的な化学式は、次の通りである。
【化6】 ここで、Rはカルボキシレートプロピル又はアミノアルキル基である。典型的な
液状シリコーン界面活性剤は、特に限定はされないが、(カルボキシレートプロ
ピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体とアミノエチルアミノプ
ロピルメトキシシラン−ジメチルシロキサン共重合体、及び直鎖状ケイ素−酸素
骨格である他の液状シリコーン界面活性剤が挙げられる。
【0047】 炭化水素油又はエステル油を基剤とした磁性流体に対しては、高級脂肪酸、無
灰分分散剤、陽イオン性および非イオン性有機化合物を、界面活性剤として用い
ることができる。
【0048】 本発明の低分子量表面改質剤を用いた磁性粒子の処理をすることによって、第
一の界面活性剤として以前は用いることができなかった、あるいは第一の界面活
性剤として用いるためには複雑な工程を必要とした有機溶媒中の有機界面活性剤
を、今や用いることができる。そのような界面活性剤の例は、ジココジモニウム
クロライド(米国ニューヨーク州Witco社製Adrogen 462)、ラ
ウリン酸POE(米国イリノイ州The CP Hall社製CPH376)、
アルキルアミン(米国オハイオ州Lubrizol社製Lubrizol 89
0、Ircosperse 2173及びIrcosperse 2177)、
アルケニルコハク酸無水物型の無灰分分散剤(米国テキサス州Exxon Ch
emical社製Paranox 105(登録商標))、セチルジメチコンコ
ポリオール+ポリグリセリルイソステアレート、ヘキシルラウレート(米国バー
ジニア州Goldschmidt Chemical社製Abil WE−09
)等の脂肪酸、ポリグリセリル−6 ジオレート(米国ニュージャージー州Ga
ttefosse社製Plurol Oleique WL 1173)とポリ
グリセロール−3−ジ−イソステアレート(Gattefosse社製Plur
ol Di Isostearique)、及びポリマー状エステル(米国ニュ
ージャージー州Troy Chemical社製Troysol CD2)であ
る。
【0049】 〔磁性粒子の製造方法、標準の大きさ〕 39.4gの硫酸第一鉄7水和物を147ccの最終混合物を形成するのに充
分な水に溶解する。この混合物に、64ccの42ボーメ度の塩化第二鉄を添加
し、混合物を均一になるまで撹拌し、第一の混合物を作る。第二の混合物は、9
0ccの26%アンモニア水と55ccの水を共に加えることにより作製する。
【0050】 〔磁性粒子の製造方法、2倍の大きさ〕 第一の混合物は、それから第二の混合物に加え、均質になるまで撹拌する。7
8.8gの硫酸第一鉄7水和物を294ccの最終混合物を形成するのに充分な
水に溶解する。この混合物に、128ccの42ボーメ度の塩化第二鉄を添加し
、混合物を均一になるまで撹拌し、第一の混合物を作る。第二の混合物は、18
0ccの26%アンモニア水と110ccの水を共に加えて作製する。第一の混
合物を、それから第二の混合物に加え、均質になるまで撹拌する。
【0051】 〔ゲル試験手順〕 磁性流体試料を、内径約12.9mm、外径約15.0mm、高さ約10.0
mmのガラス皿にそれぞれ投入する。ガラス皿中の磁性流体の厚みが約3mmと
なるのに充分な量の磁性流体を、個々の皿に加える。ガラス皿は、ぴったり合う
ような大きさの穴の空けられたアルミニウム板(190mm×315mm×20
mm)に置く。アルミニウム板はそれから、特定の試験が行われる温度に対応し
て、約150℃±3℃、約170℃±3℃又は約190℃±3℃に温度制御され
たオーブンに置かれる。ガラス皿は、定期的にオーブンから取り出され、約1〜
2時間の間で室温に冷却され、ゲル形成の徴候について調べられる。小さな磁石
を、皿の流体のメニスカスに置く。その物質が、メニスカス上に保持された磁石
の部分にもはや引きつけられなくなった時、磁性流体はゲル化したと見なした。
【0052】 実施例1 本発明の磁性流体は、より好ましい表面改質剤であるイソブチルトリメトキシ
シラン(米国ミシガン州ミッドランドのDow Corning社よりカタログ
番号1−2306で入手できる)と2種類のシリコーン界面活性剤である(カル
ボキシレートプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(米国
ペンシルベニア州のGelest社よりカタログ番号YBD−125で入手でき
る)とアミノエチルアミノプロピルメトキシシラン−ジメチルシロキサン共重合
体(Gelest社よりカタログ番号ATM−1322で入手できる)を用いて
作製された。液体分散媒又は基油は、Gelest社から(カタログ番号DMS
T−12)入手できるポリジメチルシリコーン油である。より好ましい表面改
質剤を用いるシリコーン油を基剤とした磁性流体の製造手順は、下記の通りであ
る。
【0053】 ステップ12において、一定量の基油をヘプタンを基剤とした磁性流体に添加
することに注意するのは重要である。ヘプタンを基剤とした磁性流体に添加する
基油の量は、200Gの流体に対しては、典型的には得られる最終的な磁性流体
量の約35%〜約55%、100Gの流体に対しては、典型的には得られる最終
的な磁性流体量の約55%〜約75%である。得られる最終的な磁性流体量は、
下記の等式を用いて、この分野の技術者により容易に決定される。
【数1】 ここで、Mはヘプタンを基剤とした磁性流体の飽和磁化、Vはヘプタンを基
剤とした磁性流体の体積、Mは最終的な磁性流体に対して望む飽和磁化、及び
は最終的な磁性流体の体積である。
【0054】 ヘプタンを基剤とした磁性流体の飽和磁化と体積は、既知の技術を用いて決定
される。一度、最終的な磁性流体量が計算されれば、ヘプタンを基剤とした磁性
流体に添加する基油の体積範囲が決定される。
【0055】 ステップ1:磁性粒子は、上記の“磁性粒子の製造方法、標準の大きさ”に従っ
て作製する。 ステップ2:175ccの26%アンモニア水を、磁性粒子の泥漿に添加する。
ステップ3:泥漿を約55℃±5℃に加熱する。 ステップ4:70ccの表面改質剤を、粒子を沈殿させるために高速撹拌の下で
泥漿に添加する。 ステップ5:水は静かに注ぎ出し、粒子は水で5回洗浄する。 ステップ6:得られた粒子は、250ccのヘプタンに懸濁させる。 ステップ7:ヘプタン/粒子の流体は、10分間アルニコ磁石の上に置く。 ステップ8:溶剤は静かに注ぎ出し、150ccのヘプタンを再び粒子に加える
。 ステップ9:ヘプタン/粒子の流体を、約85℃±5℃に加熱する。 ステップ10:別の容器中で、200ccのヘプタンに20gの界面活性剤を加
え、85℃±5℃に加熱し、それから、この流体をステップ9のヘプタン/粒子
の流体に添加し、約3分間撹拌する。 ステップ11:混合物は室温まで冷却し、それから、30分間アルニコ磁石の上
に置く。 ステップ12:ヘプタンを基剤とした磁性流体は、ビーカーのような別の容器に
静かに注ぐ。ステップ13における溶剤の蒸発後、磁性流体が200Gより高い
飽和磁化を有するのに充分な量のシリコーン油を添加する。 ステップ13:ヘプタンを基剤とした磁性流体は、溶剤の蒸発が止まるまで加熱
し、最終的な磁性流体の飽和磁化を約200Gに調整するのに充分な量のシリコ
ーン油を添加する。 ステップ14:一定量の200Gの流体を、150Gと100G磁性流体を作製
するために用いる。これは、ホットプレート上で二つの別々の量の200G磁性
流体を100℃に加熱し、一方の試料の飽和磁化を150Gに、他方を100G
に調整するためにそれぞれに充分な量のシリコーン油を添加することによりなさ
れる。
【0056】 表1Aは、表面改質剤イソブチルトリメトキシシランと表に示された界面活性
剤を用いて作製された、種々のシリコーン油を基剤とした磁性流体のゲル化時間
を示す。表1Bは、表1Aの磁性流体に類似しているが、表面改質剤処理(ステ
ップ2〜4)を受けなかった磁性流体試料のゲル化時間を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】 実施例2 炭化水素油又はエステル油を基剤とした磁性流体を、より好ましい表面改質剤
であるイソブチルトリメトキシシラン(米国ミシガン州ミッドランドのDow
Corning社からカタログ番号1−2306で入手できる)、並びに、3種
類の界面活性剤である、米国ニュージャージー州のFinetex社から入手で
きるFindet AD−18、米国テキサス州のAnedco社から入手でき
るAW398及び米国デラウェア州のICI Americas社から入手でき
るHypermer LP1を用いて作製した。炭化水素油を基剤とした磁性流
体に用いる基油は、100℃で4cStの粘度を有するポリαオレフィンである
。エステル油を基剤とした磁性流体に用いる液体分散媒は、商品名PX336で
米国ペンシルベニア州のAristech Chemical社から入手できる
トリメリット酸トリエステルである。より好ましい表面改質剤を用いた、炭化水
素及びエステル油を基剤とした磁性流体の製造手順は、下記の通りである。
【0060】 ステップ1〜ステップ8は、実施例1で記入した手順と同じである。 ステップ9:7.5ccのヘプタン/粒子の流体を、約85℃±5℃に加熱する
。 ステップ10:別の容器中で、10ccのヘプタンに1gの界面活性剤を加え、
85℃±5℃に加熱し、それから、この流体は、ステップ9のヘプタン/粒子の
流体に添加し、約3分間撹拌する。 ステップ11:混合物は室温まで冷却し、それから、30分間アルニコ磁石の上
に置く。 ステップ12:このステップ12で溶剤の蒸発後、磁性流体が100Gより高い
、好ましくは100G〜200Gの範囲の飽和磁化を有するのに充分な量の基油
を添加する。基油の添加量は、実施例1で記述した式を用いて計算する。ヘプタ
ンを基剤とした磁性流体は、溶剤の蒸発が止まるまで加熱し、最終的な磁性流体
の飽和磁化を約100Gに調整するのに充分な量の分液体散媒を添加する。
【0061】 表2は、イソブチルトリメトキシシラン表面改質剤と表に示された界面活性剤
を用いて作製された、種々の炭化水素油又はエステル油を基剤とした磁性流体の
ゲル化時間を示す。
【0062】
【表3】
【0063】 実施例3 炭化水素油を基剤とした磁性流体を、より好ましい表面改質剤であるイソブチ
ルトリメトキシシラン(ミシガン州ミッドランドのDow Corning社か
らカタログ番号1−2306で入手できる)、及び第一の界面活性剤として米国
テキサス州のExxon Chemical社により生産される窒素機能化ポリ
アルケニル無水コハク酸イミドを含む潤滑油添加剤Paranox 105(登
録商標)を用いて作製した。本発明のなされる以前、N−ポリアルキレンポリア
ミン置換アルケニルコハク酸イミド型界面活性剤は、油を基剤とした磁性流体を
作製する第一の界面活性剤として用いるためには複雑な工程を必要としたという
ことは特筆されるべきである。表面改質剤と界面活性剤を用いて作製された磁性
流体試料と、第一の界面活性剤としてオレイン酸、第二の界面活性剤としてPa
ranox 105(登録商標)を用いた試料との間で、比較試験を実施した。
分散媒油は、Emery 3008として知られ、米国オハイオ州のEmery
グループのHenkel社から入手できるポリαオレフィンである。同様に、米
国ニューヨーク州のCiba Specialty Chemicals社から
入手できる酸化防止剤Irganox L57の添加を伴う流体と、そうでない
ものとで、付加的な比較試験を実施した。オレイン酸及びより好ましい表面改質
剤を用いた、炭化水素油を基剤とした磁性流体の製造手順は、下記の通りである
【0064】 〔オレイン酸磁性流体の製造手順〕 ステップ1:磁性粒子は、上記の“磁性粒子の製造方法、標準の大きさ”に従っ
て作製する。 ステップ2:8ccの26%アンモニア水を磁性粒子の泥漿に添加する。 ステップ3:92.5ccのヘプタン中の6.5ccのオレイン酸を、磁性粒子
の泥漿に添加し、約5分間撹拌する。 ステップ4:20ccのアセトンをステップ3の混合物に添加し、約3分間撹拌
する。 ステップ5:ヘプタンを基剤とした磁性流体は、サイフォンで別のビーカーに取
り出し、約30分間アルニコV字型磁石の上に置く。 ステップ6:上部(ヘプタンを基剤とした磁性流体)は、別のビーカーに移す。
ステップ7:20.7gのParanox 105(登録商標)といくらかの基
油をヘプタンを基剤とした磁性流体に添加し、混合物はホットプレート上で16
0℃に加熱し、そのまま約1時間維持する。液体分散媒の添加量は、実施例1で
記述した式を用いて計算する。飽和磁化を200Gに調整するのに充分な量の分
散媒を用いる。酸化防止剤を含む試料については、200Gの磁性流体の体積に
対し約2%の酸化防止剤を、200Gの磁性流体に添加する。
【0065】 〔表面改質剤磁性流体の製造手順〕 ステップ1:磁性粒子は、上記の“磁性粒子の製造方法、標準の大きさ”に従っ
て作製する。 ステップ2:175ccの26%アンモニア水を、磁性粒子の泥漿に添加する。
ステップ3:磁性粒子の泥漿を約55℃±5℃に加熱する。 ステップ4:別の容器/ビーカーで、200ccのヘプタン中の20gの界面活
性剤(Paranox 105(登録商標))を、約55℃±5℃に加熱する。
ステップ5:70ccの表面改質剤を、粒子を沈殿させるために高速撹拌の下で
ステップ3の泥漿に添加する。 ステップ6:約1分後、粒子は互いにくっつき始める。次に、ステップ5の粒子
にステップ4の界面活性剤混合物を添加し、約5分間撹拌し、およそ室温に冷却
する。 ステップ7:冷却後、ヘプタンを基剤とした磁性流体は、サイフォンで別のビー
カーに取り出し、約30分間アルニコV字型磁石の上に置く。 ステップ8:上部のヘプタンを基剤とした磁性流体は、別のビーカーに移す。 ステップ9:14.5gのParanox 105(登録商標)といくらかの液
体分散媒をヘプタンを基剤とした磁性流体に添加し、混合物はホットプレート上
で160℃に加熱し、そのまま約1時間維持する。分散媒の添加量は、実施例1
で記述した式を用いて計算する。飽和磁化を200Gに調整するのに充分な量の
分散媒を用いる。酸化防止剤を含む試料については、200Gの磁性流体の体積
に対し約2%の酸化防止剤を、Paranox 105(登録商標)とともに2
00Gの磁性流体に添加する。
【0066】 表3は、酸化防止剤使用と未使用のものとで、表面改質剤に加えてParan
ox 105(登録商標)及びオレイン酸に加えてParanox 105(登
録商標)を用いて作製された、種々の炭化水素油を基剤とした磁性流体のゲル化
時間を示す。
【0067】
【表4】
【0068】 実施例4 炭化水素油又はエステル油を基剤とした磁性流体を、より好ましい表面改質剤
であるイソブチルトリメトキシシラン(ミシガン州ミッドランドのDow Co
rning社からカタログ番号1−2306で入手できる)、及び、磁性粒子上
に第一の界面活性剤として以前は用いることができなかったあるいは第一の界面
活性剤として用いるために複雑な工程を必要とした、10種の界面活性剤を用い
て作製した。試験した界面活性剤は、米国ニューヨーク州Witco社から入手
できるAdrogen 462、米国イリノイ州The CP Hall社から
入手できるCPH376、米国オハイオ州Lubrizol社から入手できるL
ubrizol 890、Ircosperse 2173とIrcosper
se 2177、米国テキサス州Exxon Chemical社から入手でき
るParanox 105(登録商標)、米国バージニア州Goldschmi
dt Chemical社から入手できるAbil WE−09、米国ニュージ
ャージー州Gattefosse社から入手できるPlurol Oleiqu
e WL 1173とPlurol Di Isostearique(PIS
)、及び米国ニュージャージー州Troy Chemical社から入手できる
Troysol CD2である。炭化水素油を基剤とした磁性流体に用いる分散
媒油は米国オハイオ州EmeryグループのHenkel社(カタログ番号、3
004)から入手できる100℃で4cStの粘度を有するポリαオレフィンで
ある。エステル油を基剤とした磁性流体に用いる分散媒油は、商品名PX336
で米国ペンシルベニア州のAristech Chemical社から入手でき
るトリメリット酸トリエステルである。より好ましい表面改質剤を用いた炭化水
素油又はエステル油を基剤とした磁性流体の製造手順は、下記の通りである。
【0069】 ステップ1〜ステップ8は、実施例1で記述した手順と同じである。 ステップ9:ヘプタン/粒子の流体を、20試料に分割し、約85℃±5℃に加
熱する。 ステップ10:別の容器で、10ccのヘプタンに1gの界面活性剤を加え、8
5℃±5℃に加熱し、それから、この流体は、ステップ9のヘプタン/粒子の流
体の一つに添加され、約3分間撹拌する。このステップは、炭化水素油及びエス
テル油を基剤とした磁性流体の作製としての後の使用に対し、一対ずつの試料が
同じ界面活性剤を含むように、残りの19試料の個々に対して繰り返される。 ステップ11:混合物は室温に冷却し、それから、30分間アルニコ磁石の上に
置く。 ステップ12:このステップ12における溶剤の蒸発後、磁性流体が100Gよ
り高い飽和磁化を有するのに充分な量の分散媒油を添加する。分散媒油の添加量
は、実施例1で記述した式を用いて計算する。ヘプタンを基剤とした磁性流体は
、溶剤の蒸発が止まるまで加熱し、最終的な磁性流体の飽和磁化を約100Gに
調整するのに充分な量の分散媒を添加する。分散媒は、Emery3004、P
X−336のどちらか一方である。
【0070】 表4は、表面改質剤イソブチルトリメトキシシランと、表に示した界面活性剤
を用いて作製した、種々の炭化水素油又はエステル油を基剤とした磁性流体のゲ
ル化時間を示す。
【0071】
【表5】
【0072】 実施例5 本発明のシリコーン油を基剤とした磁性流体を、他の低分子量シランを基剤と
した表面改質剤を用いて作製した。これらの表面改質剤は、イソブチルトリメト
キシシラン(米国ペンシルベニア州Gelest社製カタログ番号SII645
3.7)、イソブチルトリエトキシシラン(Gelest社製カタログ番号SI
I6453.5)、ジメチルジメトキシシラン(日本国東京都信越化学社製カタ
ログ番号KBM22)、ジメチルジエトキシシラン(Gelest社製カタログ
番号SID4121.0)、トリメチルメトキシシラン(Gelest社製カタ
ログ番号SIT8566.0)、n−プロピルトリメトキシシラン(Geles
t社製カタログ番号SIP6918.0)、n−ブチルトリメトキシシラン(G
elest社製カタログ番号SIB1988.0)及びイソブチルトリクロロシ
ラン(Gelest社製カタログ番号SII6453.0)である。シリコーン
界面活性剤は、Gelest社製YBD125である。液体分散媒又は基油は、
Gelest社から(カタログ番号、DMS T−12)入手できるポリジメチ
ルシロキサンである。上記の表面改質剤を用いた、シリコーン油を基剤とした磁
性流体の製造手順は次の通りである。
【0073】 ステップ1:磁性粒子は、上記の“磁性粒子の製造方法、2倍の大きさ”に従
って作製する。 ステップ2:ステップ1の混合物の約1/10の体積を取る(約1/10の体積
を、試験する個々の表面改質剤に対し用いる)。 ステップ3:35ccの26%アンモニア水を、ステップ2の磁性粒子の泥漿に
添加する。 ステップ4:泥漿は、約55℃±5℃に加熱する。 ステップ5:特定量の表面改質剤を、粒子を沈殿させるために約5分間の高速撹
拌の下泥漿に添加する。個々の表面改質剤の量は、表5に与えられる。 ステップ6:水は静かに注ぎ出し、粒子は水で5回洗浄し、二つの試料に分割さ
れる。 ステップ7:約30ccの磁性粒子の泥漿を作るのに充分な量のヘプタンを、ス
テップ6の分割された粒子それぞれに添加する。 ステップ8:ヘプタンを基剤とした流体は、10分間大きなアルニコV字型磁石
の上に置く。 ステップ9:溶剤は静かに注ぎ出し、約20ccの泥漿を形成するため残りの粒
子にヘプタンを追加する。 ステップ10:泥漿は、約85℃±5℃に加熱する。 ステップ11:別の容器/ビーカーで、約20ccのヘプタン中の3gの界面活
性剤を85℃±5℃に加熱する。 ステップ12:ステップ11で加熱した界面活性剤/ヘプタン混合物を、ステッ
プ10で加熱した泥漿に添加し、約3分間撹拌する。 ステップ13:ステップ12の混合物は室温に冷却し、それから、30分間アル
ニコ磁石の上に置く。 ステップ14:ヘプタンを基剤とした磁性流体の上部は、別のビーカーに移す。
一定の量の分散媒油を、ヘプタンを基剤とした磁性流体に添加する。溶剤の蒸発
後、磁性流体が100Gより高い飽和磁化を有するのに充分な量のシリコーン油
を添加する。添加する分散媒の量は、実施例1で記述した式を用いて計算する。
混合物は、溶剤を蒸発させるために加熱する。溶剤の蒸発後、最終的な磁性流体
の飽和磁化を約100Gに調整するためにいくらかの分散媒油を添加する。
【0074】 表5は、他の低分子量表面改質剤を用いて作製された、シリコーン油を基剤と
した磁性流体のゲル化時間を示す。
【0075】
【表6】
【0076】 実施例6 本発明の炭化水素油を基剤とした磁性流体を、他の低分子量シランを基剤とし
た表面改質剤を用いて作製した。これらの表面改質剤は、n−プロピルトリメト
キシシラン(Gelest社製カタログ番号SIP6918.0)、n−ブチル
トリメトキシシラン(Gelest社製カタログ番号SIB1988.0)及び
イソブチルトリクロロシラン(Gelest社製カタログ番号SII6453.
0)である。界面活性剤は、商品名Paranox 105(登録商標)として
入手できる無灰分分散剤である。分散媒油は、EmeryグループのHenke
l社から(カタログ番号、3008)入手できる100℃で8cStの粘度を有
するポリαオレフィンである。上記の表面改質剤を用いた、炭化水素油を基剤と
した磁性流体の製造手順は、下記の通りである。
【0077】 ステップ1:磁性粒子は、上記の“磁性粒子の製造方法、2倍の大きさ”に従っ
て作製する。 ステップ2:ステップ1の混合物の約1/10の体積を取る(約1/10の体積
を、試験する個々の表面改質剤に対し用いる)。 ステップ3:35ccの26%アンモニア水を、ステップ2の分割された磁性粒
子の泥漿に添加する。 ステップ4:泥漿は、約55℃±5℃に加熱する。 ステップ5:特定量の表面改質剤を、粒子を沈殿させるために約5分間の高速撹
拌の下泥漿に添加する。個々の表面改質剤の量は、表6に与えられる。 ステップ6:水は、静かに注ぎ出し、粒子は、水で5回洗浄し、二つの試料に分
割する。 ステップ7:約30ccの磁性の泥漿を作るのに充分な量のヘプタンを、ステッ
プ6の分割された粒子の一つに添加する。 ステップ8:ヘプタンを基剤とした流体は、約10分間大きなアルニコV字型磁
石の上に置く。 ステップ9:溶剤は静かに注ぎ出し、約20ccの泥漿を形成するために残りの
粒子にヘプタンを追加する。 ステップ10:泥漿は、約85℃±5℃に加熱する。 ステップ11:約20ccのヘプタン中の4gの界面活性剤を、85℃±5℃に
加熱する。 ステップ12:ステップ11で加熱した界面活性剤/ヘプタン混合物を、ステッ
プ10で加熱した泥漿に添加し、約3分間撹拌する。 ステップ13:ステップ12の混合物は室温に冷却し、それから、約30分間ア
ルニコ磁石の上に置く。 ステップ14:ヘプタンを基剤とした磁性流体の上部は、別のビーカーに移す。
溶剤の蒸発後、磁性流体が100Gより高い飽和磁化を有するのに充分な量の分
散媒油をヘプタンを基剤とした磁性流体に添加する。添加する分散媒の量は、実
施例1で記述した式を用いて計算する。混合物は、溶剤を蒸発させるために加熱
する。溶剤の蒸発後、最終の磁性流体の飽和磁化を約100Gに調整するために
いくらかの分散媒油(ポリαオレフィン油)を添加する。
【0078】 表6は、他の低分子量表面改質剤を用いて作製した、炭化水素油を基剤とした
磁性流体のゲル化時間を示す。
【0079】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、磁性粒子上の低分子量表面改質剤の層の上の、長い尾部
を有する界面活性剤の配列の一例を示す。
【図2】 図2は、低分子量表面改質剤の結合した磁性粒子を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 107/48 C10M 107/48 107/50 107/50 113/06 113/06 125/00 125/00 125/10 125/10 139/04 139/04 // C10M 105/32 105/32 C10N 10:04 C10N 10:04 10:12 10:12 10:14 10:14 10:16 10:16 20:00 20:00 Z 20:06 20:06 A Z 30:00 30:00 A 30:04 30:04 40:14 40:14 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4G065 AA02 AA05 AB01X BA01 BA20 BB03 CA11 DA10 EA02 EA05 FA01 4H104 AA08C AA13C AA28C BA07A BB31A BB33A BH03A BJ03C CA01A CJ02A DA06A EA08C EA09C EA15C EB04 FA02 FA06 FA07 FA08 LA02 LA11 PA17

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改善された磁性流体組成物であって、多数の磁性粒子と、界
    面活性剤を受け入れる層として前記多数の磁性粒子の上に吸着する、分散剤とな
    らないために充分小さい分子量であり、界面活性剤の個性に比べほとんどあるい
    は全くその個性を有していないシランを基剤とした表面改質剤と、前記多数の磁
    性粒子の外層において前記シランを基剤とした表面改質剤の上を覆う少なくとも
    一種の界面活性剤と、液体分散媒とからなる改善された磁性流体組成物。
  2. 【請求項2】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜8個の
    群のいずれかの尾部を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜6個の
    群のいずれかの尾部を有する請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜4個の
    群のいずれかの尾部を有する請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記シランを基剤とした表面改質剤が、次の化学式により表
    される請求項1に記載の組成物。 【化1】 (式中、R基は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、R基は1〜3の炭
    素原子の加水分解可能な基を意味し、nは平均で1、2、あるいは3である。)
  6. 【請求項6】 前記加水分解可能な基は、1〜3個の炭素原子のアルコキサ
    イドからなる群から選択される請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記加水分解可能な基は、塩化物である請求項5に記載の組
    成物。
  8. 【請求項8】 前記シランを基剤とする表面改質剤が、イソブチルトリメト
    キシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
    チルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
    シラン、n−ブチルトリメトキシシラン及びイソブチルトリクロロシランからな
    る群から選択される請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面
    活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤類から選択され、少なくと
    も150の分子量を有する請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記液体分散媒は、少なくとも一種の界面活性剤に相溶性
    の有機分子である請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記液体分散媒は、シリコーンを基剤とした液体分散媒、
    炭化水素を基剤とした液体分散媒及びエステルを基剤とした液体分散媒の一つで
    ある請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記液体分散媒は、シリコーン油を基剤とした液体分散媒
    、炭化水素油を基剤とした液体分散媒又はエステル油を基剤とした液体分散媒の
    一つである請求項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、アルキルアルコキ
    シシラン表面改質剤又はアルキルクロロシラン表面改質剤である請求項1に記載
    の組成物。
  14. 【請求項14】 前記改善された磁性流体組成物が、酸化防止剤をさらに含
    む請求項1に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 種々の成分を組み合わせることにより得られる磁性流体で
    あって、前記成分は、多数の磁性粒子と、界面活性剤を受け入れる層として前記
    多数の磁性粒子の上に吸着する、分散剤とならないために充分小さい分子量であ
    り、界面活性剤の個性に比べほとんどあるいは全くその個性を有していないシラ
    ンを基剤とした表面改質剤と、前記多数の磁性粒子の外層において前記シランを
    基剤とした表面改質剤の上を覆う少なくとも一種の界面活性剤と、液体分散媒と
    からなる磁性流体。
  16. 【請求項16】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜8個
    の群のいずれかの尾部を有する請求項15に記載の磁性流体。
  17. 【請求項17】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜6個
    の群のいずれかの尾部を有する請求項16に記載の磁性流体。
  18. 【請求項18】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、炭素原子1〜4個
    の群のいずれかの尾部を有する請求項17に記載の磁性流体。
  19. 【請求項19】 前記表面改質剤が、次の化学式により表される請求項15
    に記載の磁性流体。 【化2】 (式中、R基は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、R基は1〜3の炭
    素原子の加水分解可能な基を意味し、nは平均で1、2、あるいは3である。)
  20. 【請求項20】 前記加水分解可能な基は、炭素原子1〜3個のアルコキサ
    イドからなる群から選択される請求項19に記載の磁性流体。
  21. 【請求項21】 前記加水分解可能な基は、塩化物である請求項19に記載
    の磁性流体。
  22. 【請求項22】 前記表面改質剤が、イソブチルトリメトキシシラン、イソ
    ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
    ラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチ
    ルトリメトキシシラン及びイソブチルトリクロロシランからなる群から選択され
    る請求項15に記載の磁性流体。
  23. 【請求項23】 前記界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界
    面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤類から選択され、少なく
    とも150の分子量を有する請求項15に記載の磁性流体。
  24. 【請求項24】 前記液体分散媒は、少なくとも一種の界面活性剤に相溶性
    の有機分子である請求項15に記載の磁性流体。
  25. 【請求項25】 前記液体分散媒は、シリコーン油を基剤とした液体分散媒
    、炭化水素油を基剤とした液体分散媒及びエステル油を基剤とした液体分散媒の
    いずれかである請求項24に記載の磁性流体。
  26. 【請求項26】 前記シランを基剤とした表面改質剤は、アルキルアルコキ
    シシラン表面改質剤又はアルキルクロロシラン表面改質剤である請求項15に記
    載の磁性流体。
  27. 【請求項27】 前記磁性流体が、さらに添加された酸化防止剤を含む請求
    項15に記載の磁性流体。
  28. 【請求項28】 磁性流体組成物の製造方法であって、第一の溶剤に懸濁さ
    せた多数の磁性粒子を得る工程と、前記多数の磁性粒子上に、分散剤とならない
    ために充分小さい分子量であり、界面活性剤の個性に比べほとんどあるいは全く
    その個性を有していない低分子量シランを基剤とした表面改質剤を吸着させる工
    程と、前記表面改質剤の吸着した前記多数の粒子を少なくとも一種の界面活性剤
    で覆う工程と、前記界面活性剤で覆われた多数の磁性粒子を油を基剤とする液体
    分散媒に懸濁させる工程とを経る製造方法。
  29. 【請求項29】 前記多数の磁性粒子を得る前記工程は、さらに、前記多数
    の磁性粒子を周囲の温度より高く前記第一の溶剤の沸点より低い温度に加熱する
    ことを含む請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記加熱は、約50℃〜約60℃の温度である請求項29
    に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記表面改質剤を吸着させる工程は、さらに、前記第一の
    溶剤中の前記多数の磁性粒子に前記表面改質剤を添加することを含む請求項28
    に記載の方法。
  32. 【請求項32】 さらに、前記多数の磁性粒子を沈殿させるために、前記溶
    剤を充分高速で撹拌することを含む請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 さらに、前記多数の磁性粒子から前記第一の溶剤を分離し
    、前記多数の磁性粒子を第二の溶剤の第一の部分に懸濁させることを含む請求項
    32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 さらに、前記第二の溶剤の前記第一の部分に懸濁された前
    記多数の磁性粒子を、周囲の温度より高く前記第二の溶剤の沸点より低い温度に
    加熱することを含む請求項31に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記界面活性剤で覆う工程は、界面活性剤混合物を形成す
    る前記少なくとも一種の界面活性剤を前記第二の溶剤の第二の部分に添加し、前
    記界面活性剤混合物を周囲の温度より高く前記第二の溶剤の沸点より低い温度に
    加熱することをさらに含む請求項28に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記界面活性剤混合物と、前記表面改質剤がその上に吸着
    した前記多数の磁性粒子を結合させることをさらに含む請求項35に記載の方法
  37. 【請求項37】 前記油を基剤とした液体分散媒に懸濁させる工程は、さら
    に、予め決められた量の前記液体分散媒を前記多数の界面活性剤で覆われた磁性
    粒子に添加し、前記第二の溶剤を除去することを含む請求項28に記載の方法。
  38. 【請求項38】 予め決められた飽和磁化を有する磁性流体を得るために、
    さらに、前記第二の溶剤除去後、充分な量の前記液体分散媒を添加することを含
    む請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記界面活性剤で覆う工程は、界面活性剤混合物を形成す
    る前記少なくとも一種の界面活性剤を第二の溶剤に添加し、前記界面活性剤混合
    物を周囲の温度より高く前記第二の溶剤の沸点より低い温度に加熱することをさ
    らに含む請求項28に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記界面活性剤混合物と、前記表面改質剤をその上に吸着
    させた前記多数の磁性粒子とを結合させて結合した混合物を形成し、前記結合し
    た混合物を予め決められた時間撹拌することをさらに含む請求項39に記載の方
    法。
  41. 【請求項41】 さらに、前記結合した混合物を予め決められた時間磁石の
    上に置くことを含む請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 さらに、前記結合した混合物の上部液体部分を取り、予め
    決められた量の前記液体分散媒と前記界面活性剤を前記上部液体部分に添加し、
    それから前記第二の溶剤を除去することを含む請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 さらに、予め決められた飽和磁化を有する磁性流体を得る
    ために、前記第二の溶剤除去後、充分な量の前記液体分散媒を添加することを含
    む請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 さらに、前記改善された磁性流体組成物に酸化防止剤を添
    加することを含む請求項28に記載の方法。
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