JP2003513106A - 家畜における乳腺分泌抗体の生産 - Google Patents

家畜における乳腺分泌抗体の生産

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、同一かまたは異なる少なくとも2つの、抗体を誘発する抗原を含有する組成物の家畜への投与を含む、家畜の乳腺分泌産物中に抗体を得るための手段および方法を提供する。該方法は、粘膜および/または全身性の高い免疫応答を得るための少なくとも前記第1の組成物の投与を含み、かつ少なくとも第2の前記組成物は前記動物の乳腺および/または乳腺上リンパ節に投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、免疫学の分野に関する。より詳細には、本発明は抗体製造の手段お
よび方法に関する。
【0002】 科学および医学において、抗体は多くの用途が見出されている。それらは、非
常に特異的な標的に結合するという驚くべき能力を有する。さらに、ある標的に
対する新しい抗体を産生することはかなり簡単なことである。抗体は種々の方法
で製造できる。大抵の用途のために、抗体は、抗体産生B細胞と不死化した細胞
株を融合させて得られるハイブリドーマと呼ばれる細胞株によって生産される。
そのようなハイブリドーマ細胞は容易に培養でき、抗体を培養液上清から採集す
ることができる。抗体を生産する別の方法は、免疫した動物の血清からの採集、
または細菌による抗体断片の生産である。勿論、他にも多くの生産方法が存在す
る。
【0003】 抗体生産のためのたくさんの異なる方法が存在するにもかかわらず、それらは
全て、多かれ少なかれ同じ問題を抱えている。生産コストが比較的高いことであ
る。ハイブリドーマ系の培養系のためには、大きな培養系を確立し、認証し、維
持しなければならない。血清が供給源の場合、血液を収集し、処理する必要があ
る。さらに、系においては、産物の微生物/ウィルスによる汚染を適切に点検す
る必要がある。抗体のコストが重要な所では、生産コストが高いと、多くの用途
の実行が阻害される。例えば、多くの疾病の診断キットは、発展途上国にとって
は一般に利用できないものである。
【0004】 抗体生産のコストを減少させるための一つの方法は、家畜を用いることである
。家畜の繁殖技術は広く知られており、また家畜小屋(farm−animal
housing)は比較的安価である。家畜の乳中で抗体を生産するという幾
つかの試みがなされている。例えば、乳腺上のリンパ節による免疫が、ギドリー
(Guidry)ら著、J.Dairy Sci.77(10):2965−2
974(1994)、およびトミタ(Tomita)ら著、J.Dairy S
ci.81(8):2159−2164(1998)に記載されている。鼻腔内
または乳房内経路による免疫は、ウッド(Wood)J.著、Am.Vet.M
ed.Assoc.173(5Pt2):643−647(1978)、および
ボール(Bohl)ら著、Infect.Immun.11(1):23−32
(1975)に記載されている。レイントナー(Leintner)らのWO9
9/33954に記載されるように、乳腺上のリンパ節によって、またピーター
セン(Petersen)らの米国特許第3,376,198号、およびハスチ
ン(Hasting)の米国特許第5,017,372号に記載されるように、
乳腺組織への直接注入による免疫によって、市販規模で実行することが試みられ
ている。しかしながら従来は、家畜の乳腺分泌産物中には、免疫原特異的な抗体
が限られた量しか得られなかった。最良の結果は初乳、すなわち、出産後の雌に
よって生産される最初の乳汁(lacteal fluid)中に得られる。初
乳段階(colostrial stage)の後の段階にある雌によって生産
される乳を、ここでは熟成乳(mature milk)と呼ぶ。初乳は、乳腺
の特徴的な生理的かつ機能的な状態から生じる、極めて独特な産物である。反芻
動物においては、初乳と熟成乳の組成上の主な差異は、非常に高含有量の初乳免
疫グロブリンであり、そのうちIgGクラスは80〜90%以上である。
【0005】
【表1】 初乳中の抗体レベルが熟成(通常の)乳よりも高いにもかかわらず、初乳は出
産後最長でも2,3日しか持続しないので、初乳の採集には、出産の正確な時期
が必要となる。さらに、初乳は2,3日しか得られないので、動物当たり採集で
きる抗体の絶対的な量が限られている。より多くの、市販規模の抗体を生産する
ためには、大量の家畜を維持しなければならない。大量の家畜が必要ということ
は、より多くの免疫等が必要となり、従って、物流上の問題および生産コストが
増加する。さらに、初乳の濃度/粘度のために(脂肪とタンパク質の濃度が非常
に濃い)、初乳の下流での加工が問題となる。
【0006】 何十年もの間、家畜の乳腺による免疫原特異的な抗体の分泌を上昇させるため
に、種々の(免疫の)試みが行われてきた。そのような試みは、乳による大量の
免疫原特異的抗体の産生と同様に、部分的に、乳腺における感染、すなわち乳腺
炎を抑制すること(ギドリー(Guidry)ら著、J.Dairy Sci.
77(10):2965−2974(1994);ピエッティ(Pighett
i)ら著、J.Dairy Sci.78(3):528−537(1995)
)を目的としていた。しかしながら、熟成乳中の抗体レベルは、初乳中に得られ
る抗体レベルと比較すると未だ低い(約1オーダー分)ままである(ホドキンソ
ン(Hodgkinson)ら、WO98/54226、ハスティングス(Ha
stings)、米国特許第5017372号)。従って、多くの臨床および前
臨床試験において使用される抗原特異的抗体は、初乳由来であり、大部分はIg
Gクラスに属する(トレマー(Tollemar)ら著、Bone Marro
w Transpl.23:283−290(1999);ボストウィック(B
ostwick)ら、米国特許第5,773,000号;コードル(Cordl
e)ら、米国特許第5,260,057)。
【0007】 本発明は、ある抗原に特異的な抗体を含有する、採集された乳腺分泌産物を提
供し、乳腺分泌産物は、 −家畜を抗原で超免疫(hyperimmunizing)し、 −前記抗原を動物の乳腺および/または乳腺上リンパ節に投与し、かつ −乳腺分泌産物を家畜から採集する ことにより得られる。乳腺分泌産物は驚くべきことに、従来技術における通常の
方法により得られる分泌産物よりも高レベルの、抗原に特異的な抗体(ここでは
抗原原特異的抗体と呼ぶ)を含有する。さらに、本発明の方法を使用すると、授
乳中の動物の熟成乳中に、実質的な量の抗原特異的抗体を得ることが可能である
ことが観察された。実際には、そのような抗原特異的抗体のレベルは初乳中に産
生され得る範囲であった。超免疫によるということは、動物は超通常レベルの抗
原特異的抗体を、血液中または粘膜分泌において生産し、乳分泌において生産す
るのではないことを意味する。超通常レベルとは、動物の体内の抗体量が、その
抗原を投与しない場合、または一回投与後よりも高いことを意味する。好ましく
は、超免疫は、動物の気道への抗原の投与を含む。気道投与をすると、動物に抗
体の追加免疫投与をする必要なく、動物の乳中における実質的な量の抗体の長期
生産を得ることが可能である。しかしながら、いくらかの時間後に抗原特異的抗
体のレベルが低下したことが分かった場合には、動物に対する抗原の追加免疫投
与を行ってもよい。好ましくは、気道投与は、抗原の鼻腔内投与を含む。鼻腔内
投与は、実施が比較的容易であり、また気道投与はより高レベルの抗原特異的抗
体を乳腺分泌産物中に誘導し、またさらに、動物の乳中における抗体の生産を長
時間(over time)維持することが観察されている。好ましくは、乳腺
分泌産物は乳である。乳は収集が容易であり、乳中における抗原特異的抗体生産
が長時間維持されるので、乳中に最適なレベルの抗原特異的抗体を有する動物の
群を選択することが可能であり、従って、生産の全体的な性能および物流(lo
gistics)が向上する。
【0008】 従って、本発明は、長期的な方法における独特な乳汁の生産の可能性を証明す
る。そのような乳汁の特徴は、a)該乳汁は、抗原特異的抗体レベルに関する限
りでは初乳の特徴を有し、b)さらに、該乳汁の全体的な組成上の特徴は乳のそ
れに匹敵することである。ここで意味する抗原特異的抗体レベルに関する限りの
初乳の特徴によれば、抗原特異的抗体の量および/または種類は、乳よりも初乳
に匹敵する。例えば、乳汁中の抗原特異的抗体の量は、通常乳中に得られる抗原
特異的抗体の量よりも多くなければならない。そのような場合、その乳汁中の抗
原特異的抗体の量は、いずれの量も通常乳中に得られる抗原特異的抗体の量より
も多いので、少なくとも幾分かは、初乳中の抗原特異的抗体の量に匹敵する。
【0009】 抗原で超免疫された動物において起こるいかなる免疫スケジュールも、結果を
得るためには、乳腺および/または乳腺上リンパ節への抗原の投与と併用できる
ことは明らかである。抗原の乳腺および/または乳腺上リンパ節への投与が行わ
れる前に、動物が超免疫されたかどうかを評価する必要性は実際には無い。人は
、動物の乳腺分泌産物中の抗体レベルを容易に測定できる。分泌産物中の抗体が
低レベルであれば、動物が超免疫されておらず、また、超免疫を達成させるには
さらなる抗原の投与が必要であることを表す。
【0010】 抗原特異的抗体が産生される抗原は、免疫応答を誘発し得るいかなる化合物ま
たは化合物集団であっても良い。抗原は一般的に、タンパク質またはそれらの機
能的部位、派生物および/または類似化合物を含む。動物に投与された抗原は、
一般的に、その動物への投与と異ならない。しかしながら、これは必ずしも真実
でなくてもよい。異なる提示が免疫学的に同じ部分を少なくとも1部分含む限り
、異なる抗原、例えば異なるタンパク質の提示を使用することも可能である。免
疫学的に言えば、同じということは、その抗体が、抗原の異なる提示を認識する
能力があることを意味する。抗原または機能的にそれに相当するものをコードす
る核酸を投与することによっても、抗原を投与することができる。投与された核
酸は、核酸が導入された動物の細胞によって発現される。動物の細胞内における
抗原または機能的に等価なものの発現は、免疫応答の上昇(mounting)
を導く。この技術は当該技術において、核酸ワクチンとも呼ばれる。
【0011】 理論によって束縛されるものではないが、抗原特異的抗体産生細胞の実質的な
貯蔵、循環または蓄積を提供するためには、高度の一般的な免疫応答が必要とさ
れると考えられる。抗原特異的抗体の乳腺排出産物への分泌が可能となるように
、細胞を、貯蔵、循環、または蓄積から乳腺組織に誘引するためには、乳腺およ
び/または乳腺上リンパ節の免疫が必要である。この方法によれば、貯蔵、循環
、または蓄積の少なくとも一部は乳腺に対して初回抗原刺激され得るので、貯蔵
、循環、または蓄積の発生が高度な粘膜免疫応答をもたらす免疫スケジュールと
共に起こることが好ましい。従って、乳腺および/または乳腺上リンパ節の免疫
における抗原特異的抗体の、より早期で、より明白な分泌が亢進する。しかしな
がら、貯蔵、循環、または蓄積は、粘膜のおよび/または全身性の高度な免疫応
答をもたらす免疫スケジュールによって生じることが好ましい。
【0012】 免疫スケジュールは、家畜への1またはそれ以上の抗原投与を含む。粘膜のお
よび/または全身性の高度な免疫応答という結果を引き起こす免疫スケジュール
は、好ましくは少なくともある程度は、動物による抗原の吸入によって達成され
る。吸入用の組成物は勿論、好ましくは組成物中の抗原が、動物の気道の主要部
分に渡って分布するように投与される。気道投与は、好ましくはエールゾルの形
態で達成される。好ましくは、気道投与は、鼻腔内投与によって行われる。好ま
しくは、粘膜および/または全身性の高度な免疫応答という結果を引き起こす免
疫は、抗原を含む組成物の少なくとも2回の気道投与を含む。更に好ましくは、
抗原を含む組成物の少なくとも4回の気道投与を含む。
【0013】 本発明の手段および方法によれば、乳腺免疫、および抗原含有組成物の乳腺上
投与の両方とも、家畜の乳中に、大量の抗原特異的抗体の分泌を可能にする効果
を有する。好ましくは、乳腺上リンパ節に少なくとも1回の投与が行われる。好
ましくは、乳腺上リンパ節に少なくとも2回の投与が行われる。乳腺上リンパ節
投与により、より高度でより早期に、乳中の抗原特異的抗体が急増する(sur
ge)。
【0014】 本発明の手段および方法は、高度で長期的な、いかなる授乳中の哺乳動物の乳
中における抗原特異的抗体産生を達成するのにも好適である。好ましくは、動物
は家畜である。家畜とは、乳、肉、または抗体を生産するために、人によって商
業ベースの目的で利用される動物である。既に市販規模の乳の生産に利用されて
いる家畜は、これらの動物には乳の生産に最適化された特別な系統および/また
は品種が存在するので、本発明にとって好ましい。好ましくは、家畜は乳牛であ
る。代わりとしては、家畜はヤギである。
【0015】 本発明の方法を用いると、例えば初乳または乳のような、いかなる乳腺分泌産
物中にも、高レベルの抗原特異的抗体を得ることが可能である。
【0016】 乳中の抗原特異的抗体は、いかなる免疫クラスでもよい。しかしながら、好ま
しくは抗体はIgGおよび/またはIgAクラスである。より好ましくは、抗体
はIgAクラスである。
【0017】 抗原特異的抗体を含有する乳は、好ましくは動物を搾乳することにより収集す
る。従って収集された乳は直接使用することもでき、または乳は、例えば純粋な
抗原特異的抗体へとさらに加工されてもよい。乳からの(抗原特異的)抗体の(
部分的な)精製方法は当該技術分野に存在し、ここに記載する必要はない。
【0018】 本発明の抗原特異的抗体は、ほとんどのいかなる目的にも使用できる。好まし
くは、抗体は、当該技術において使用されるポリクローナル抗体の目的に使用さ
れる。しかしながら、当該技術における精製方法を使用すると、例えば本質的に
1つだけの抗原部位を含む抗原による免疫処理によって、本質的にモノクローナ
ル抗体を得ることも可能である。本来、モノクローナル抗体は、例えば、抗体に
対して本質的に1つだけの結合領域を含むペプチドを用いた免疫精製のような他
の方法によっても生産できる。(乳から精製された、または精製されていない)
抗原特異的抗体は、好ましくは薬物の調製に使用される。そのような抗体は、例
えば皮膚の創傷の治療用の薬物を調製するのに、例えば皮膚細菌に特異的な抗体
と共に使用できる。そのような抗体は、消化管内の病原体によって引き起こされ
る疾病の治療に特に好適でもある。一般的に、家畜の乳からの抗原特異的抗体は
、人体のいかなる(少なくともある程度は)免疫保護された領域においても使用
できる。そのような領域は、例えば消化管、気道、尿生殖路、眼、口、および皮
膚である。しかしながら、そのような抗体は、例えば、患者への抗体の全身性投
与のように、血流によって患者に到達され得る抗原に結合するためにも使用でき
る。治療される個体が通常は人であり、かつ抗体は家畜に由来するものであるこ
とを考慮すると、特に全身的に投与された場合、個体の免疫系は投与された抗体
に応答することが予想される。しかしながら、そのような抗体の全身性投与の多
くの用途が可能である。例えば、個体がまだ抗体に対する免疫応答が起きていな
い場合(例えば前記個体において初めて使用する場合)、または免疫応答が消え
てしまっている場合(オーバータイム(overtime))である。
【0019】 抗原特異的抗体(乳から精製されたまたはされていないもの)は、例えば食品
の調製にも使用できる。細菌性だけでなくウィルス性の多くの微生物は、消化管
内に存在し得る。それらの微生物のいくつかは、潜在的に存在し得る。本発明の
方法によれば、微生物のうち1またはそれ以上に対して特異的な抗体が産生され
得る。そのような抗体は、食品または他の製品の調製にも使用できる。その製品
を食べることにより、1またはそれ以上の微生物に対する抗体が消化管内に放出
され、少なくともある程度は微生物が増殖するのを防止する。
【0020】 家畜内で抗体が産生されることを考慮すると、その抗体は一般的にその動物内
に通常存在しない抗原(異物)に特異的であろう。従って、一般的に抗体はその
動物に対して外来性のいかなる抗原に対しても産生され得る。一般的に、そのよ
うな抗体は、細菌、ウィルス、およびそれらの毒に対する特異性を有する。しか
しながら、投与した抗原と家畜内のその抗原の相同体との間に十分な相違がある
場合は、哺乳動物の抗原に対する抗体も産生され得る。あまり容易ではないが、
少なくともいくらかの自己抗原に反応する抗体を産生することも可能である。そ
の結果を得るいくつかの方法が、当該技術に存在する。
【0021】 1またはそれ以上の免疫スケジュールは、家畜の免疫応答の刺激および/また
は調節ができる1またはそれ以上の他の化合物の投与をさらに含んでも良い。好
適なアジュバントは当該技術において知られており、数ある中でも、フロイント
不完全アジュバント、水酸化アルミニウム、サポニン/コレステロール系免疫刺
激複合物ISCOMS、およびグリセリド−ポリソルベート系アジュバント「R
hino Vax」(ヤコブセン(Jakobsen)ら著、Infect.I
mmun.67:4128−4133(1999))を含むことができる。好ま
しくは、そのアジュバントは粘膜の免疫応答を促進するように免疫応答を調節で
きる。そのような化合物の非限定的な例は、Iα,25(OH)、コレラ
ホロ毒素、クロストリジウムジフィセル(Clostridium diffi
cile)のA毒素およびB毒素、IL−5、IL−6、IL−12またはTG
F−3のようなサイトカイン、リン酸ジエステルを主鎖とする非メチル化C
(細菌のDNA)配列である。フロイント完全アジュバントに代わる商業的に入
手可能なものは、Ribi adjuvant system(RAS)、Ti
ter Max、Syntex Adjuvant Formulation(
SAF)、Elvax 40W、Montanide、AdjuPrime、G
erbuAdjuvant、およびSuper Carrierである。ゆっく
りと放出させるために、抗原をL−チロシンと共沈殿させるか、またはニトロセ
ルロースに吸着させることが出来る。勿論、アジュバントを組み合わせたものも
使用できる。
【0022】 本発明の方法は、家畜において、抗原に対する免疫応答を誘発するのに使用で
きる。しかしながら、勿論本発明の方法を、その家畜内に既に存在する抗原に対
する免疫を増幅するために用いることも可能である。
【0023】 家畜は、1つの抗原に対して免疫することができるが、ポリクローナル免疫応
答が発生していることを考慮すると、乳中の抗原特異的抗体は一般的に、その抗
原の2またはそれ以上の異なる部位に対する特異性を有する。異なる化合物の複
合混合物を含む抗原を用いる場合、その抗原の異なる部位に対する特異性を含む
たくさんの抗体が産生され、その動物の乳中に存在することになるであろう。異
なる抗原に対して本発明の方法を1または複数回繰り返し、1または複数の抗原
または複数の架橋された抗原に対する抗体の組(set)を含む乳腺分泌産物を
産生することは勿論容易である。
【0024】 与えられた抗原に対する家畜の免疫応答性は、その動物に対する遺伝子操作に
よってさらに増強させることができる。例えば、B細胞の活性化から粘膜表面に
おける抗体分泌までの工程に含まれる不可欠な多数の生化学的段階のそれぞれは
、遺伝子操作によって最適化することができる。非限定的な例は、十分な抗原提
示のための特異的なMHC抗原分子の発現の増加、IgA二量体形成を増加させ
るためのJ鎖の発現の増加、および/または活性化リンパ球の乳腺組織への移動
の増加のためのホーミング受容体の発現の増加、である。工程に含まれる多数の
サイトカインおよびリンホカインの発現は、抗体分泌が最大となるように最適な
レベルに操作することもできる。さらに、所定の抗原に対して高度な応答者であ
ることが証明された動物をクローン化することができ、クローン化された動物の
免疫においては、抗原特異的抗体が高収率で得られることが保証される。
【0025】 一つの実施形態においては、抗原はクロストリジウムジフィセルの培養液から
採集される化合物の収集物を含む。この化合物の収集物は、ホルムアルデヒド不
活化C.ジフィセル(VPI10463)細胞、この微生物のホルムアルデヒド
不活化胞子、およびこの微生物のホルムアルデヒド不活化トキソイド(A毒素お
よびB毒素)の中の幾つかのタンパク質を含有する。この収集物に対して産生さ
れる抗体は、一般的に、C.ジフィセルの1以上のタンパク質に対する特異性を
有する。好ましくは、この抗体はC.ジフィセルの胞子に特異的な抗体を含む。
そのような抗体の調製は、C.ジフィセル感染に関連する疾病の治療用の薬物の
調製に利用できる。ある個体への投与は、好ましくは抗体が腸に搬送されるよう
に行われる。当該技術においてそのような搬送を可能にするための方法はいくつ
か存在し、例えば抗体を、中身を腸に放出するための丸薬に包含させることがで
きる。本発明の好ましい実施形態において、本発明の抗体はC.ジフィセルの胞
子に対する特異性を有する。そのような抗体は、少なくともある程度は、C.ジ
フィセルに関連する疾病の再発を防ぐのに特に有用である。一般的に、C.ジフ
ィセル関連疾病は、C.ジフィセルの細菌を直接的に除去する薬物療法によって
治療する。そのような薬物療法は、例えば1またはそれ以上のC.ジフィセルの
細菌成分に対する抗生物質および/または抗体の投与から成る。この治療は一般
的に、患者を症状から治癒させるのに有効であるにもかかわらず、しばしば(2
0%の場合)、患者における疾病の再発を防止するのには十分でない。C.ジフ
ィセルの胞子に対する特異性を持つ抗体を患者の腸に搬送することにより、少な
くともある程度は、再発を防ぐことができる。腸内のC.ジフィセル胞子の少な
くとも一部分に対する抗体の結合は、少なくともある程度は、胞子が孵化する傾
向を減少させる。従って、患者におけるC.ジフィセル関連疾病の再発を、少な
くともある程度は防止する。従って本発明は、C.ジフィセルの胞子に結合可能
な抗体を含有する組成物も提供する。さらに、薬物の調製のための、C.ジフィ
セル胞子特異的抗体の使用を提供する。好ましくは、抗体はC.ジフィセル関連
疾病の治療用の薬物の調製に使用される。
【0026】 家畜を搾乳すると、乳腺内に、細菌性および/またはウィルス性の感染が起こ
り得る。そのような感染は少なくともある程度は、乳腺の分泌区画(compa
rtment)への抗原特異的抗体分泌を可能にすることによって治療できる。
そのような疾病のうちの1つは、乳腺炎である。従って本発明はさらに、高度な
免疫応答を得るための抗原の動物への投与、および動物の乳腺および/または乳
腺上リンパ節への抗体の投与を含み、抗原は少なくともその微生物の一部分、ま
たはその機能的な派生物、および/または類似化合物を含む、動物の乳腺におけ
る細菌感染の治療方法を提供する。免疫応答は、全身性の免疫応答でも良い。好
ましくは、免疫応答は通常の(全身性および粘膜性のいずれも)免疫応答である
。動物は乳腺炎を患っているまたは乳腺炎を患っている危険性があることが好ま
しい。
【0027】 本発明はさらに、乳腺の細菌感染の治療用の薬物の調製における抗原の使用で
あって、薬物が、抗原の気道投与用の組成物、および抗原の乳腺および/または
乳腺上リンパ節投与用の組成物を含む使用を提供する。好ましくは、細菌感染は
乳腺炎を引き起こす。薬物は人の治療に好適であっても良い。
【0028】 乳腺炎は、一過性の、および時には永久的な乳生産の減少を引き起こす。乳生
産の減少は、その疾病自体によって、または乳生産に影響を及ぼす抗体の使用、
またはその両方によって誘導され得る。乳腺炎を患った動物は重病になり、時に
は死亡する。乳腺炎は、農業家にとって、仕事量および生産コストにかなり影響
する。
【0029】 他の態様において、本発明は、家畜を搾乳することにより得られる、少なくと
も0.5μg/mLの抗原特異的抗体を含む乳を提供する。好ましくは、乳は少
なくとも15μg/mLの抗原特異的抗体を含む。より好ましくは、乳は少なく
とも50μg/mLの、本発明の方法によって動物を免疫した抗原に対する抗体
を含む。
【0030】 動物への抗原の投与は、当該技術において知られる手段によって行われる。一
般的に抗原は、約10kDaのタンパク質で5〜500μgの範囲で投与される
。細胞全体(不活化させたもの)および/または胞子に基づく抗原は、一般的に
、10〜1011個の範囲に相当する細胞および/または胞子が動物に提供さ
れるように投与される。動物のサイズ、抗原の免疫原性、および/またはアジュ
バントおよび他の当該技術において知られる可変性のものに依存して、別の濃度
および/または量が同様に使用できる。
【0031】 文献には、乳牛の初乳および乳から得られる病原体特異的抗体は、種々の病原
体によって引き起こされる胃腸管系の感染の予防や治療に効果的であるという、
多くの証拠が存在する。しかしながら、有望な効能があるにもかかわらず、主と
して十分な量の病原体特異的抗体が入手不可能であるために、製品開発は未だ広
く実現されていない。
【0032】 通常の方法による免疫後に、乳牛の初乳からから高レベルの抗原特異的抗体を
得ることは比較的容易である。しかしながら、初乳の分泌は、各出産後2,3日
しか続かず、熟成した授乳期に入るとすぐに、その抗体レベルは0付近まで低下
する。本発明において、我々は、授乳中の家畜の初乳中だけでなく熟成乳中にも
、高レベルの抗原特異的抗体の分泌を持続して起こす免疫方法を記述する。本実
施例において示すように、本発明の方法を用いれば、当該技術における通常の方
法を用いて動物の初乳から平均して得られるものの少なくとも半分の量の抗原特
異的抗体を含む熟成乳を、動物から得ることが可能である。
【0033】 従って、本発明の1つの態様によれば、その哺乳動物の初乳(ここで、この初
乳は抗原で哺乳動物を免疫した後に得られるものである)から得られる抗原特異
的抗体の少なくとも50%の量の抗原特異的抗体を含む、哺乳動物から得られる
熟成乳が提供される。IgAは複合体を非常によく形成できる二量体を形成する
ので、抗原特異的抗体はIgAから成ることが好ましい。
【0034】 ここでは、初乳中に得られる抗原特異的抗体の平均含量とは、その抗原で免疫
した非選択的な別々の動物の初乳から得られる抗原特異的抗体の収量の平均を意
味する。
【0035】 先行技術においては、熟成乳中の抗原特異的抗体の収率は、初乳から得られる
収率と比較して10分の1が可能なだけであったので、少なくとも50%の収率
というのは重大な改良点である。しかしながら、本実施例において示すように、
本発明は、熟成乳中に、当該技術における通常の方法を用いた初乳中において得
られるよりも高い収率のIgAを提供する。従って、本発明の好ましい態様にお
いては、その割合が少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%で
ある、本発明に従った熟成乳が提供される。
【0036】 実施例 材料および方法 人への使用が認可された経口コレラワクチンであるDUKORAL(登録商標
)を、ストックホルム所在のSBL Vaccin ABより購入した。各アン
プルは、pH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)3mL中にそれぞれ、細胞数
1011のホルマリン不活化されたコレラ菌およびコレラ毒素サブユニットB(
CTB)、および1mgのタンパク質が含まれて成る。
【0037】 クロストリジウムジフィセルホールセル。C.ジフィセルホールセルを以前に
記載されているように調製し、不活化させた。すなわち、C.ジフィセルVIP
10463をBHI培地中で、37℃の嫌気性雰囲気下で36時間培養した。培
養物を遠心分離し、細胞をPBSで3回洗浄した。得られた沈殿物を、1%(v
ol/vol)ホルムアルデヒドを含有するPBS中に再懸濁し、使用するまで
4℃に放置した。各免疫前にPBSで2回洗浄することにより過剰のホルムアル
デヒドを除去した。10CFUに相当するC.ジフィセル(光路1cmで55
0nmにおける吸光度が1.0である細胞懸濁液)をBHI培地に接種し、嫌気
製雰囲気中で37℃、36時間後、増殖は見られなかった。
【0038】 C.ジフィセルトキソイド。C.ジフィセル培養物の濾液を以前に記載されて
いるように調製し、不活化させた。すなわち、C.ジフィセルVPI10463
を、プロテオースペプトン−イースト抽出物培地中で37℃、48時間培養し、
ホルムアルデヒドを1%(vol/vol)の濃度になるように添加し、37℃
で1時間インキュベートすることにより不活化した。上清をフィルター滅菌し、
限外濾過(Amicon、30kDa)によりPBSで3回洗浄し、500ml
の細胞濃縮機(cell concentrator)中で10倍に濃縮し、使
用するまで−20℃で保存した。
【0039】 動物。妊娠中のホルスタイン種(Holstein−Fresian)および
MRY乳牛(dairy cows)を、オランダにおいて一般的に受け入れら
れている酪農管理方法に従って管理した。本明細書において記載した実験におい
ては、ほとんどホルスタイン種の牛を使用した。さらに、妊娠中のヤギを選択し
、別の飼育場で、一般的に受け入れられている管理方法に従って管理した。
【0040】 免疫の経路および方法。乳牛:筋肉内(IM)、乳腺内(IUDR)、または
乳腺上リンパ節内(LMF)免疫のために、2mLPBS中のワクチン製剤を、
それぞれの組織内への直接注射によって投与した。鼻腔内(IN)免疫のために
は、顔を上に向けさせている間に、牛の鼻孔の一方に、注射器に取り付けたノズ
ルを通して、2mLのワクチン製剤を噴霧した。コレラワクチンでの免疫のため
には、DUKORAL(登録商標)を、2mL当たり6.5×10のV.コレ
ラと66μgのCTBを含むようにPBSで希釈した。C.ジフィセル(CD)
ワクチンの場合には、トキソイドとホールセル製剤を混合し、培養液上清2mL
中に5×1010の不活化したC.ジフィセルと、5.5mgのタンパク質を含
むようにPBSで希釈した。
【0041】 ヤギ:乳牛用に調製したワクチンを、等量のPBSでさらに(50%となるよ
うに)希釈した。LMF以外の各免疫には2mL使用し、LMFには1mLだけ
使用した。
【0042】 試料の収集および、血清および乳性の調製。通常は、各乳房区から5mLずつ
の乳試料を毎週収集した。必要な時に、5mLの血液試料も尾静脈から収集した
。乳清を乳試料から以前に記載されているように調製した。すなわち、4℃にお
いて、MSE Mistral Centrifuge6000で4,300×
g、15分の遠心により、脂肪を除去した。酢酸ナトリウムと酢酸を添加するこ
とによりpH4.6で酸沈殿(acid precipitation)させた
後、室温で3,500×g、15分の遠心により、カゼインを除去した。血液を
凝固させるために4℃で一晩放置し、遠心により血清を得た。
【0043】 アッセイ。乳清および血清試料中の免疫原特異的IgGおよびIgAレベルを
測定するために、間接ELISAを行った。初めに(DUKORALで免疫した
乳牛からの試料のために)、ELISAを手作業で行ったが、後で(CDワクチ
ンで免疫した乳牛からの試料と、DUKORALおよびCDワクチンで免疫した
ヤギからの試料のために)、ELISA robot BioTek OMNI
を行った。両方の場合において、マイクロタイタープレート(Greiner6
55902,Greiner)をCTBまたはC.ジフィセルホールセルのいず
れかで、それぞれ1ウェルあたり0.3μgCTBまたは2×10セルの濃度
でコートした。コーティングは、CTBで37℃、2時間、またはC.ジフィセ
ルホールセルで70℃、2時間のインキュベーションにより行った。各インキュ
ベーション工程後に、プレートを0.05%のTween20を含むPBSで洗
浄した。ウェルをPBS中の2%ゼラチンで、室温で1時間ブロッキング処理し
た。試料をPBSで2倍に希釈し、37℃で1時間インキュベートした。収集し
た試料中の抗原特異的ウシ抗体を測定するために、ジゴキシゲニン標識したモノ
クローナル抗ウシIgG、または抗ウシIgAを研究室内で製造し、2次抗体と
して使用した。収集した試料中の抗原特異的ヤギ抗体を測定するために、2次抗
体として、抗ウシ抗体の代わりにモノクローナル抗ヤギ抗体を使用した。検出に
は、西洋わさびペルオキシダーゼ標識した、ヤギ抗ジゴキシゲニン−POD,F
abフラグメント(Boehringer Mannheim)を使用した。西
洋わさびペルオキシダーゼの基質として、ABTS,2,2’−アジノジエチル
ベンゾチアゾリンスルホン酸(2,2’−Azino diethylbenz
othiazoline sulfonic acid)(Sigma)を使用
した。37℃で30分インキュベート後、415nmにおける吸光度を、Bio
−Tek Elx800 readerで測定した。
【0044】 力価。試料中の免疫原特異的Igのレベルは、1000ユニット/mLの標準
物質に対するユニットで表した。標準物質は、DUKORALまたはCDワクチ
ンのいずれかで免疫した乳牛の初乳から調製した乳清である。
【0045】 乳中の総Igの測定。免疫した乳または免疫していない乳から調製した各乳清
試料中の総Ig含量を、高圧ゲルろ過液体クロマトグラフィーを用いて測定した
【0046】 結果 抗原特異的抗体アッセイのための標準物質の産生。妊娠後期の乳牛を、出産前
に、免疫の間隔を3週間開けて4回免疫した。各免疫には、鼻腔内(IN)およ
び皮下(SC)経路を組み合わせて使用した。等容量の両ワクチン(DUKOR
ALおよびCDワクチン)から成る免疫原を、IN経路ではコレラ毒素(50μ
g/ウシ/免疫)で、SC経路ではフロイント不完全アジュバント(免疫源と等
容量)で補充した。それぞれの乳牛から初回搾乳の初乳を収集し、乳清を調製し
た。必要なだけPBSで希釈(抗CTB IgA320倍、抗CTB IgG8
000倍、抗CD IgA130倍、および抗CD IgG8000倍)後、E
LISAを行った。415nmにおける吸光度測定の結果を図1(抗CTB抗体
)および図2(抗CD抗体)に示した。乳清製剤を貯蔵し、標準物質として使用
した。
【0047】 コレラワクチン、Dukoralで免疫後の乳牛の乳中の抗CTB Igレベ
ル。哺乳動物の乳中に高レベルの免疫源特異的Igを長期間得るという目的で、
種々の免疫経路を用いて、授乳中の乳牛において、抗原として種々の服用量のD
ukoralを試した。例えば、皮下(CS)、乳腺内(IUDR)、乳腺上リ
ンパ節(LMF)、膣内(IVG)、および腹腔内(IP)経路の組み合わせを
、DUKORALの濃度範囲が50倍希釈から無希釈までで探索した。大抵の場
合、乳中の抗CTB IgAおよびIgGの力価は、1000ユニット/mLの
標準物質と比較すると、非常に低かった(図3および図4)。少数の場合におい
て、レベルが数百ユニットに達したが、それらは1週間以上持続できなかった。
さらに、そのような散発性のピークの出現時期は、免疫の時期と関連して予測で
きなかった。
【0048】 経鼻噴霧、続いて乳腺内免疫後の、乳牛の乳中および血中の抗CTB Igレ
ベル。成熟授乳(mature lactation)中の6頭の乳牛のグルー
プを、1週間に1回、5週連続してコレラワクチン、Dukoralで鼻腔内(
IN)経路で免疫した。この5週間の期間中、乳の乳清および血液中のCTB特
異的IgAおよびIgGのレベルをモニターした。乳中においては低レベル(0
から約50の範囲)であり、以前の実験で得られた結果と有意な差は無かった(
図5および図6)。しかしながら、血液中の抗CTB IgGレベルは、繰り返
すIN処理に伴って増加し続け(約10から始まり、第5免疫セッションの最後
には約1000ユニットまで)、一方、血中のCTB特異的IgAは実験期間を
通して検出可能なレベル以下であった。しかしながら、1回のブースト処置は、
多数の態様におけるこれらの結果に興味深い変化をもたらした(図5および図6
)。最後のIN免疫後6週間与えたブースト処置は、それぞれ2mLずつ、IM
を1回、後部右側(rear right)乳房区へのIUDRを1回、および
これも後部右側乳房区へのLMFを1回で行った。5ヶ月に渡る抗CTB Ig
Aおよび抗CTB IgGの力価の測定結果を、図5および図6に示した。乳腺
内ブースト免疫により得られたわずかな著しい変化は、次のようである。i)抗
CTB IgAおよび抗CTB IgGの両方の応答が、全ての動物(6/6)
において観察された。ii)標準物質(1000ユニット/mL)における力価
と比較して、IgA応答が非常に強く、数頭の乳牛において標準レベルの約30
0〜500%に達した。IgG応答はIgAの応答よりは低かったが、依然とし
て非常に高かった(高い応答者においては標準の30%に達した)。iii)I
gA応答はIgG応答よりも明らかに長く続いた。iv)免疫応答において動物
間で大きな違いがあるにもかかわらず、ここで用いた免疫方法は、動物間で同調
的な応答をもたらすことができた。v)IgA応答は、多かれ少なかれ免疫した
乳房区に限定されたが、IgG応答は一般的に4つの全ての乳房区に拡散した。
【0049】 経鼻噴霧、続いて乳腺内免疫後の乳中の、抗C.ジフィセル(ホールセル)I
gレベル。以前の実験において成された興味深い観察により、発明者らは異なる
免疫源を用いて実験を広げることにした。従って、上記で用いた手順に多少の修
正をして、CDワクチンを用いて実験を行った。新しい手順において使用した変
更点は、IN免疫と乳腺内免疫の間隔の重要性と同様に、乳腺内注入前のIN免
疫回数の重要性の評価を意図したものである。授乳期間の中頃にある10頭のグ
ループの各乳牛に、2mLのIN免疫を1回と、2mLのIM免疫を1回行った
。初回免疫刺激後、ブースト前に収集した試料中の抗CD(ホールセル)IgA
およびIgGレベルの測定は予想通りの結果を示し、わずかに検出可能であった
(図7)。初回免疫刺激から3週間後、各乳牛に、2mLのINを1回、2mL
のIUDRを後部右側乳房区に1回、および2mLのLMFを、これも後部右側
乳房区に1回からなるブースト処置を行った。乳試料を毎週収集し続け、抗CD
(ホールセル)レベルの測定を、ELISAを用いて行った。乳牛によって13
0〜430ユニット/mL(1000ユニット/mLの抗CD標準物質と対照し
て)の範囲での免疫源特異的IgGの同調的な急増(surge)が、ブースト
処置後の初めの1週間で観察された(図7)。コレラワクチンを用いた場合にお
いて観察されたように、抗CD IgG分泌は4つの乳房区に均等に分布し、ま
た高レベルの分泌は比較的短期間であり、2週間以内に約50%のレベルまで減
少した。即時型であるブースト後のIgG応答とは異なり、抗CD IgA応答
は遅く現れ、1ヶ月以上後に検出でき(図8)、その時には(10頭中)7頭の
乳牛を選択して再免疫した。再免疫は、2回のIN免疫を1週間置いて行うこと
から始めた。その2週間後、各乳牛に、1回のIN免疫と2回のLMF免疫(各
後部乳房区に1回ずつ)を行った。IgG応答の場合と異なり、驚いたことに、
抗CD IgA応答は、免疫した乳牛の間で、同調しなかった。(抗CD Ig
A応答の同調性は、後で、ブーストとしてLMFとIMA経路を組み合わせて行
った時に回復した(図11の実験を参照))。本実験における他の予想外の結果
は、抗CTB IgA応答の場合に観察されたがここでは観察されなかった、強
い乳房区特異性であり、即ち、免疫した乳房区(後部右側)が必ずしも最高レベ
ルの抗CD IgAを分泌するわけではないということである。
【0050】 免疫経路の相対的な重要性。乳中への抗体分泌の最終的な結果に対する各免疫
経路の相対的な寄与を評価するために、8頭の乳牛をCDワクチンで免疫した。
予想されたように、2週間の間隔を開けて2回連続して行ったIN経路による免
疫後の乳中には、抗CD抗体は検出されなかった(図9および図10)。2回目
のINから1週間後、全ての乳牛に、前部(front)乳房区のみへのIMA
免疫に加えて3回目のINを行った(5/22/2000に)。それから1週間
後(5/28/2000)、抗CD IgGが4つ全ての乳房区から検出された
が、非常に少なかった(図9)。しかしながら抗CD IgAは、4つ全ての乳
房区から検出されなかった(図10)。次に、8頭の乳牛を2つのグループに分
けた。そのうちの4頭(グループ1)にLMF経路でCDワクチンを接種し、別
の4頭(グループ2)には生理食塩水を接種した(5/29/2000)。それ
から1週間後、グループ1のみにおいて、抗IgG分泌において注目すべき上昇
が起こり、IMA経路はIgGクラスの分泌には比較的重要でないことを意味し
た(図9)。予想されたように、この分泌には乳房区特異性は無かった。しかし
ながら、IgAクラスは、両方のグループにおいて、生理食塩水で処置したグル
ープでさえも(時間の経過と共にすぐに減少したものの)、有意なレベルの抗C
D抗体の分泌が観察された(図10)。このデータは、LMF経路はIgA分泌
にとって主要な役割を果たし、IMA経路はより低い程度の役割を果たすことを
意味する。さらに(以前の実験に加えて)、乳房区特異性の明らかな減少があっ
た。この観察結果は免疫の経路とは独立して現れ、従って使用したワクチン、即
ち、CDの弱毒化したA毒素、CDの弱毒化したB毒素、および/または不活化
したCD細胞によるものに違いない。この観察結果は、乳牛の後部乳房区のみか
ら乳を収集しなくてはならないという、望ましくない物流上の問題を解決させて
くれるので、潜在的に重要である。(LMF経路を用いた乳牛の前部乳房区の免
疫は、手術なしでは出来ない)。本実験におけるIgAおよびIgG両方の全体
的な抗CD抗体のレベル(図9および図10)は、以前観察されたものよりも少
なくとも1オーダー分だけ低かった。この結果は明らかに、IMA、膣内、直腸
内、および/または好ましくは鼻腔内経路のような、他の粘膜性の経路に伴って
、LMF経路によりブーストすることは、非常に望ましいということを示唆する
。IN経路による初回免疫後に、LMFおよびIMA経路によって乳牛を免疫し
た例の一つを、図11(抗CD IgA)、および図12(抗CD IgG)に
示す。
【0051】 免疫した乳牛の乳中の総Ig濃度のレベル。本明細書中に記載される方法を用
いると、抗原特異的抗体レベルは、免疫した乳牛の初乳中に通常見られる範囲に
達する(近づく)ことができた。免疫していない乳牛の初乳中の総Ig濃度は熟
成乳中のものよりも約2オーダー分だけ高いので、明白な論点は、免疫した乳牛
中の乳中の総Ig濃度がどうなるかである。高圧液体クロマトグラフィーを用い
て行った測定により、免疫した乳中の総Ig量は、免疫していない乳中のそれと
は明らかな違いは無いことが示され、その平均は0.3mg/mLであった。免
疫した乳および免疫していない乳中の相対的な総Ig量を、図13に示す(各乳
牛の免疫応答性は図8を参照されたい)。対照グループの値は、貯蔵されたもの
(9検体から)の値である。
【0052】 乳牛以外の他の動物の免疫応答性。同様な結果を得るための、他の哺乳動物に
対する同じ免疫方法の適用性を調べるために、ヤギを選択した。ヤギは大量に入
手可能であり、それぞれは2,000リットルに達する乳を生産できる。自動搾
乳装置も入手可能であり、また、その病気状態や取り扱いについての情報と同様
に、その乳からのチーズの作製方法、従って乳清の作製方法も広く知られている
。10頭のヤギをIN経路によって、各免疫の間隔を3週間開けて3回免疫した
。3回目のINから2週間後、各ヤギに3種の免疫を、IN、IMA、LMF経
路によってそれぞれ1回ずつ行った。乳清試料中の抗CTB IgG、抗CTB
IgA、抗CD IgGおよび抗CD IgAのレベルの測定結果は、免疫し
た乳中の乳中に観察された免疫応答の一般的なパターンと同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 標準物質として使用した、免疫した乳牛の初乳中の抗CTB IgAおよびI
gGの相対レベルを示す図。
【図2】 標準物質として使用した、免疫した乳牛の初乳中の抗CD IgAおよびIg
Gの相対レベルを示す図。
【図3】 当該技術において知られる種々の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗
CTB IgA応答(標準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図4】 当該技術において知られる種々の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗
CTB IgG応答(標準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図5】 本発明の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗CTB IgA応答(標
準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図6】 本発明の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗CTB IgG応答(標
準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図7】 本発明の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗CD IgG応答(標準
の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図8】 本発明の免疫方法の適用後の乳牛の乳中における、抗CTB IgA応答(標
準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図。
【図9】 種々の経路による免疫後の乳中における、相対的な抗CD IgG応答性を示
す図。
【図10】 種々の経路による免疫後の乳中における、相対的な抗CD IgA応答性を示
す図。
【図11】 LMF経路とIMA経路によってブーストした結果としての、乳牛の乳中にお
ける抗CD IgA応答(標準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図
【図12】 LMF経路とIMA経路によってブーストした結果としての、乳牛の乳中にお
ける抗CD IgG応答(標準の1,000ユニット/mLに対する)を示す図
【図13】 免疫していない乳牛に対する免疫した乳牛の、乳中の総Igの相対的なレベル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/14 171 A61P 15/14 171 31/04 171 31/04 171 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある抗原に特異的な抗体を含有する、採集された乳腺分泌産
    物であって、前記乳腺分泌産物が、 −前記抗原による家畜の超免疫、 −前記動物の乳腺および/または乳腺上リンパ節への前記抗原の投与、および −前記乳腺分泌産物の前記動物からの採集 を含む方法によって入手できる分泌産物。
  2. 【請求項2】 前記超免疫が、前記動物の気道への前記抗原の投与を含む請
    求項1記載の分泌産物。
  3. 【請求項3】 前記抗原が鼻腔内的に投与される請求項2記載の分泌産物。
  4. 【請求項4】 前記乳腺分泌産物が乳である請求項1ないし3のいずれか1
    項記載の分泌産物。
  5. 【請求項5】 前記抗体がIgA抗体である請求項1ないし4のいずれか1
    項記載の分泌産物。
  6. 【請求項6】 前記動物における前記抗原に対する免疫応答をブーストする
    ことをさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項記載の分泌産物。
  7. 【請求項7】 前記ブーストが、前記抗原を前記動物の気道、乳腺、および
    /または乳腺上リンパ節への投与により行われる請求項6記載の分泌産物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に従った方法により得られ
    る乳腺分泌産物。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項記載の乳腺分泌産物に由来
    する抗体成分。
  10. 【請求項10】 薬物の調製における、請求項1ないし8のいずれか1項記
    載の乳腺分泌産物、または請求項9記載の抗体成分の使用。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし8のいずれか1項記載の乳腺分泌産物、ま
    たは請求項9記載の抗体成分を含有する食品。
  12. 【請求項12】 動物における乳腺の微生物感染の治療方法であって、高い
    免疫応答を得るための抗原の前記動物への投与、および前記動物の乳腺および/
    または乳腺上リンパ節への前記抗原の投与を含み、前記抗原は前記微生物の少な
    くとも一部分、またはその機能的な派生物、および/またはその類似化合物を含
    む治療方法。
  13. 【請求項13】 前記動物が乳腺炎を患っているかまたは患っている危険性
    がある請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 乳腺の微生物感染の治療用の薬物の調製における抗原の使
    用であって、前記薬物は、前記抗原の気道投与用の組成物、および前記抗原の乳
    腺および/または乳腺上リンパ節投与用の組成物を含む使用。
  15. 【請求項15】 前記微生物感染が乳腺炎を引き起こす、請求項14記載の
    使用。
  16. 【請求項16】 動物から得られる熟成乳であって、前記動物の前記抗原に
    よる免疫後に得られる初乳中に得られる抗原特異的抗体の平均値の少なくとも5
    0パーセントの量の抗原特異的抗体を含有する熟成乳。
  17. 【請求項17】 前記抗体がIgAからなる請求項16記載の熟成乳。
  18. 【請求項18】 前記割合が少なくとも100パーセントである請求項16
    または17記載の熟成乳。
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