JP2003512377A - p38プロテインキナーゼのインヒビターとしてのアルキルアミノ置換二環式窒素複素環 - Google Patents

p38プロテインキナーゼのインヒビターとしてのアルキルアミノ置換二環式窒素複素環

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Abstract

(57)【要約】 式(I)(式中、R1〜R3は、出願明細書中と同義である)のアルキルアミノ置換ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジノン誘導体が、その製造方法及びこれらを含む製剤と共に提供されるが、これらは、p38のインヒビターとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、二環式窒素複素環に関する。更に詳細には、本発明は、ある種のア
ルキルアミノ置換ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジノン誘導体、これら
の製造方法、これらの使用、これらを含む薬剤及び薬剤の製造方法に関する。
【0002】 マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼは、その基質を二重リン酸
化により活性化する、プロリン指向セリン/トレオニンキナーゼのファミリーで
ある。このキナーゼは、栄養及び浸透圧ストレス、UV光、増殖因子、エンドト
キシン並びに炎症性サイトカインを含む、種々のシグナルにより活性化される。
MAPキナーゼの1群は、種々のアイソフォーム(例えば、p38α、p38β
及びp38γ)を含む、p38キナーゼ群である。p38キナーゼは、転写因子
、更には他のキナーゼのリン酸化及び活性化を担当し、そしてこれら自体は、物
理的及び化学的ストレス、前炎症性(pro-inflammatory)サイトカイン並びに細
菌のリポ多糖類により活性化される。
【0003】 更に重要なことに、p38リン酸化の産物は、TNF及びIL−1を含む炎症
性サイトカイン、並びにシクロオキシゲナーゼ−2の産生に介在することが証明
されている。これらのサイトカインのそれぞれは、多くの病態及び病状に関係し
ている。例えば、TNF−αは、活性化単球及びマクロファージにより主として
産生されるサイトカインである。その過剰又は無秩序な産生は、慢性関節リウマ
チの病理発生において原因となる役割を果たすというような関係がある。更に最
近になって、TNF産生の阻害は、炎症、炎症性腸疾患、多発性硬化症及び喘息
の治療において広い応用を有することが証明されている。
【0004】 TNFはまた、特に、HIV、インフルエンザウイルス、及びヘルペスウイル
ス(単純ヘルペスウィルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウィルス2型(H
SV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV
)、エプスタイン−バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス−6(HHV−6)、
ヒトヘルペスウィルス−7(HHV−7)、ヒトヘルペスウィルス−8(HHV
−8)、仮性狂犬病及び鼻気管炎を含む)のような、ウイルス感染症にも関係し
ている。
【0005】 同様に、IL−1は、活性化単球及びマクロファージにより産生され、そして
慢性関節リウマチ、発熱及び骨吸収の減少を含む、多くの病態生理学的応答にお
いてある役割を演じる。p38キナーゼの阻害によるこれらのサイトカインの阻
害は、これらの病態の多くを制御、縮小及び軽減することに有益である。
【0006】 式(I)の化合物及びその前述の塩は、プロテインキナーゼのインヒビターで
あり、そしてインビボでp38に対する驚くべき有効な活性を示す。式(I)の
化合物は、約10μM未満のレベルでT細胞チロシンキナーゼp56lckに対する
活性は示さない。本化合物は、TNF及びIL−1のような前炎症性サイトカイ
ンが介在する疾患の治療のために使用することができる。
【0007】 本明細書において使用されるとき、 「アルキル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖の飽和一価炭化水素基、又は3〜
6個の炭素原子の分岐の飽和一価炭化水素基を意味する(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、2−プロピル、tert−ブチル、ペンチルなど)。
【0008】 「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖の飽和二価炭化水素基、又は3
〜6個の炭素原子の分岐の飽和二価炭化水素基を意味する(例えば、メチレン、
エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレンなど)。
【0009】 「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含む、2〜6個の炭素原子の
直鎖の一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐の一価炭化水素基を意味
する(例えば、エテニル、プロペニルなど)。
【0010】 「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含む、2〜6個の炭素原子の
直鎖の一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐の一価炭化水素基を意味
する(例えば、エチニル、プロピニルなど)。
【0011】 「シクロアルキル」とは、3〜7個の環炭素の飽和一価環状炭化水素基をいう
。このシクロアルキルは、場合により、アルキル、場合により置換されたフェニ
ル、又は−C(O)R(ここで、Rは、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ
、一置換アミノ、二置換アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、又は場合により置換
されたフェニルである)から選択される、1個、2個、又は3個の置換基で独立
に置換されていてもよい。更に具体的には、シクロアルキルというこの用語は、
例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニルシクロヘキシル、4−カル
ボキシシクロヘキシル、2−カルボキサミドシクロヘキシル、2−ジメチルアミ
ノカルボニル−シクロヘキシルなどを含む。
【0012】 「シクロアルケニル」は、不飽和で非芳香族の3〜7個の環炭素の一価環状炭
化水素基を意味する。代表的な例は、シクロヘキセニル及びシクロペンテニルを
含む。
【0013】 「シクロアルキルアルキル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルキレン基
であり、そしてRbは、シクロアルキル基である(本明細書に定義されていると
おりである))を意味する(例えば、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルプ
ロピル、3−シクロヘキシル−2−メチルプロピルなど)。
【0014】 「アシル」は、−C(O)R′基(ここで、R′は、アルキル、ハロアルキル
、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル又はヘテロアラルキ
ルである)を意味する。
【0015】 「アルコキシ」、「アリールオキシ」、「アラルキルオキシ」、又は「ヘテロ
アラルキルオキシ」は、−OR基(ここで、Rはそれぞれ、本明細書に定義され
ている、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロアラルキルである)を意
味する(例えば、メトキシ、フェノキシ、ピリジン−2−イルメチルオキシ、ベ
ンジルオキシなど)。
【0016】 「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、好ま
しくはフルオロ又はクロロを意味する。
【0017】 「ハロアルキル」は、1個以上の同一又は異なるハロ原子で置換されているア
ルキルを意味し(例えば、−CH2Cl、−CF3、−CH2CF3、−CH2CC
3など)、そして更に、全部の水素原子がフッ素原子により置換されている、
ペルフルオロアルキルのようなアルキル基を含む。
【0018】 「ヒドロキシアルキル」は、1個以上の、好ましくは1個、2個又は3個のヒ
ドロキシ基で置換された(ただし、同じ炭素原子は、1個を超えるヒドロキシ基
を持たない)、本明細書に定義されているアルキル基を意味する。代表的な例は
、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、
1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−
ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1
−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシブチル
、3,4−ジヒドロキシブチル、及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキ
シプロピルであり、好ましくは2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプ
ロピル及び1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルを含むが、これら
に限定されない。従って、本明細書に使用されている用語「ヒドロキシアルキル
」は、ヘテロアルキル基の下位集合を定義するために使用される。
【0019】 「一置換アミノ」は、−NHR基(ここで、Rは、アルキル、ヘテロアルキル
、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラル
キル、アラルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル
、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキル基である)を意味する(例えば
、メチルアミノ、エチルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノなど)。
【0020】 「二置換アミノ」は、−NRR′基(ここで、R及びR′は、相互に独立に、
アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルア
ルキル、アリール、アラルキル、アラルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアラル
キル、ヘテロアラルケニル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであ
るか、あるいはR及びR′は、これらが結合している窒素原子と一緒に、ヘテロ
シクリル環を形成する)である。代表的な例は、ジメチルアミノ、メチルエチル
アミノ、ジ(1−メチルエチル)アミノ、ピペラジン−1−イルなどを含むが、
これらに限定されない。
【0021】 「アリール」は、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロ、ニトロ、
シアノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、シクロアルキル、場合により置
換されたフェニル、ヘテロアリール、ハロアルコキシ、場合により置換されたフ
ェノキシ、ヘテロアリールオキシ、−COR(ここで、Rは、アルキル又は場合
により置換されたフェニルである)、−(CR′R″)n−COOR(ここで、
nは、0〜5の整数であり、R′及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり
、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで
ある)又は−(CR′R″)n−CONRab(ここで、nは、0〜5の整数で
あり、R′及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRa及びRb
、相互に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキル
であるか、あるいはRa及びRbは、これらが結合している窒素原子と一緒に、ヘ
テロシクリル環を形成する)から選択される、1個以上の置換基、好ましくは1
個、2個、又は3個の置換基で独立に置換されている、6〜10個の環原子の一
価の単環式又は二環式芳香族炭化水素基を意味する。更に具体的には、アリール
という用語は、フェニル、1−ナフチル、及び2−ナフチル、並びにこれらの誘
導体を含むが、これらに限定されない。
【0022】 「アラルキル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルキレン基であり、そし
てRbは、アリール基である(本明細書に定義されているとおりである))を意
味する(例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2
−メチルペンチルなど)。
【0023】 「アラルケニル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルケニレン基であり、
そしてRbは、アリール基である(本明細書に定義されているとおりである))
を意味する(例えば、3−フェニル−2−プロペニルなど)。
【0024】 「アリールヘテロアルキル」は、−Rab基(ここで、Raは、ヘテロアルキ
レン基であり、そしてRbは、アリール基である(本明細書に定義されていると
おりである))を意味する(例えば、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2
−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−2−フェニルエチルなど)。
【0025】 「場合により置換されたフェニル」は、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアル
キル、ハロ、ニトロ、シアノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、シクロア
ルキル、シクロアルキルアルキル、−COR(ここで、Rは、アルキル又は場合
により置換されたフェニルである)、−(CR′R″)n−COOR(ここで、
nは、0〜5の整数であり、R′及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり
、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで
ある)、又は−(CR′R″)n−CONRab(ここで、nは、0〜5の整数
であり、R′及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRa及びRb は、相互に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキ
ルであるか、あるいはRa及びRbは、これらが結合している窒素原子と一緒に、
ヘテロシクリル環を形成する)から選択される、1個以上の置換基、好ましくは
1個又は2個の置換基で、場合により独立に置換されたフェニル環を意味する。
【0026】 「ヘテロアリール」は、このヘテロアリール基の結合点が、芳香環上にあると
いう条件で、N、O、又はSから選択される、1個、2個、又は3個の環ヘテロ
原子を含み、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香環を有する、5〜
12個の環原子の一価の単環式又は二環式基を意味する。このヘテロアリール環
は、場合により、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ハロ、ニトロ、シ
アノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、−COR(ここで、Rは、ア
ルキル又は場合により置換されたフェニルである)、−(CR′R″)n−CO
OR(ここで、nは、0〜5の整数であり、R′及びR″は、独立に、水素又は
アルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロアル
キルアルキルである)、又は−(CR′R″)n−CONRab(ここで、nは
、0〜5の整数であり、R′及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり、そ
してRa及びRbは、相互に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル又はシクロ
アルキルアルキルであるか、あるいはRa及びRbは、これらが結合している窒素
原子と一緒に、ヘテロシクリル環を形成する)から選択される、1個以上の置換
基、好ましくは1個又は2個の置換基で独立に置換されている。更に具体的には
、へテロアリールという用語は、ピリジル、フラニル、チエニル、チアゾリル、
イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、
ピラゾリル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イ
ソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾ
リル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、テトラヒ
ドロキノリニル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル
又はベンゾチエニル、及びこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0027】 「ヘテロアラルキル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルキレン基であり
、そしてRbは、ヘテロアリール基である(本明細書に定義されているとおりで
ある))を意味する(例えば、ピリジン−3−イルメチル、3−(ベンゾフラン
−2−イル)−プロピルなど)。
【0028】 「ヘテロアラルケニル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルケニレン基で
あり、そしてRbは、ヘテロアリール基である(本明細書に定義されているとお
りである))を意味する(例えば、3−(ピリジン−3−イル)プロペン−2−
イルなど)。
【0029】 「ヘテロシクリル」は、1個又は2個の環原子が、NR(ここで、Rは独立に
、水素又はアルキルである)、O、又はS(O)n(ここで、nは、0〜2の整
数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCである(ここで
、1個又は2個のC原子は、場合によりカルボニル基により置換されていてもよ
い)、3〜8個の環原子の飽和又は不飽和の非芳香族の環状基を意味する。この
ヘテロシクリル環は、場合により、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、
ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置
換アミノ、−COR(ここで、Rは、アルキル又は場合により置換されたフェニ
ルである)、−(CR′R″)n−COOR(nは、0〜5の整数であり、R′
及びR″は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、
シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルである)、又は−(CR′R″)n
−CONRab(ここで、nは、0〜5の整数であり、R′及びR″は、独立に
、水素又はアルキルであり、そしてRa及びRbは、相互に独立に、水素、アルキ
ル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであるか、あるいはRa及びRb は、これらが結合している窒素原子と一緒に、ヘテロシクリル環を形成する)。
更に具体的には、ヘテロシクリルという用語は、テトラヒドロピラニル、ピペリ
ジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−
3−イル、3−ピロリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1
−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、ピロリニル、イミダゾリニ
ル、並びにこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0030】 「ヘテロシクリルアルキル」は、−Rab基(ここで、Raは、アルキレン基
であり、そしてRbは、ヘテロシクリル基である(本明細書に定義されていると
おりである))を意味する(例えば、テトラヒドロピラン−2−イルメチル、4
−メチルピペラジン−1−イルエチル、3−ピペリジニルメチルなど)。
【0031】 「ヘテロアルキル」は、−ORa、−NRbc、及び−S(O)nd(ここで
、nは、0〜2の整数である)から独立に選択される、1個、2個又は3個の置
換基を持つ、本明細書に定義されているアルキル基を意味する。Raは、水素、
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシ
クリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘ
テロアラルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキ
サミド、又はモノ−若しくはジ−アルキルカルバモイルである。Rbは、水素、
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシ
クリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又は
ヘテロアラルキルである。Rcは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアル
キル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ア
リール、アラルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アリールオ
キシカルボニル、カルボキサミド又はモノ−若しくはジ−アルキルカルバモイル
である。Rdは、水素(ただし、nは0である)、アルキル、ハロアルキル、シ
クロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアル
キル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アミノ、一
置換アミノ、二置換アミノ、又はヒドロキシアルキルである。代表的な例は、例
えば、2−メトキシエチル、ベンジルオキシメチル、チオフェン−2−イルチオ
メチル、2−ヒドロキシエチル、及び2,3−ジヒドロキシプロピルを含む。
【0032】 「ヘテロアルキレン」は、−ORa、−NRbc、及び−S(O)nd(ここ
で、nは、0〜2の整数である)(ここで、Ra、Rb、Rc、及びRdは、ヘテロ
アルキル基に関して本明細書に定義されている)から独立に選択される、1個、
2個又は3個の置換基を持つ、1〜6個の炭素の直鎖の飽和二価炭化水素基、又
は3〜6個の炭素原子の分岐の飽和炭化水素基を意味する。例は、2−ヒドロキ
シエタン−1,1−ジイル、2−ヒドロキシプロパン−1,1−ジイルなどを含
む。
【0033】 「ヘテロ置換シクロアルキル」は、1個、2個、又は3個の水素原子が、ヒド
ロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、−SOnR(ここ
で、nは、0〜2の整数であり、そしてRは、水素(ただし、nは0である)、
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシ
クリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、へテロアリール、へ
テロアラルキル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、又はヒドロキシアルキ
ルである)からなる基から独立に選択される置換基により置換される、シクロア
ルキル基を意味する。例は、4−ヒドロキシシクロヘキシル、2−アミノシクロ
ヘキシルなどを含む。
【0034】 「ヘテロアルキル置換シクロアルキル」は、1個、2個、又は3個の水素がヘ
テロアルキル基により独立に置換される、シクロアルキル基を意味する。例は、
1−ヒドロキシメチル−シクロペンタ−1−イル、2−ヒドロキシメチル−シク
ロヘキサ−2−イルなどを含む。
【0035】 「離脱基」は、これらに関する合成有機化学における従来からの意味、即ち、
求核試薬により置換することができる原子又は基であり、そしてハロ(クロロ、
ブロモ、ヨードなど)、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ
、アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキ
シ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリ
ールオキシ(例えば、2,4−ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O−ジメ
チルヒドロキシルアミノなどを含む。
【0036】 「薬学的に許容しうる賦形剤」は、一般に安全で非毒性かつ生物学的にも他の
点でも有害でない、薬剤組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味しており、そ
して獣医学的使用、更にはヒトの薬剤としての使用に許容しうる賦形剤を含む。
本明細書及び請求の範囲において使用されるとき「薬学的に許容しうる賦形剤」
は、1つ及び1つを超えるこのような賦形剤の両方を含む。
【0037】 化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、薬学的に許容しうるものであり、かつ
親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩は、以下を
含む:
【0038】 (1)酸付加塩:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸
により形成するもの;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプ
ロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸
、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシ
ベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸
、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ〔2.
2.2〕オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4′−メ
チレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプ
ロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、
グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸な
どのような有機酸により形成するもの;あるいは
【0039】 (2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ
金属イオン、アルカリ土類金属イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置換
されるか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどのような有機塩基との配位結合によ
り形成する塩。
【0040】 「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが被験哺乳動物に投与されると
、インビボで式(I)の活性な親薬物を放出する、任意の化合物を意味する。式
(I)の化合物のプロドラッグは、式(I)の化合物中に存在する官能基を、そ
の修飾がインビボで開裂して親化合物を放出しうるように、修飾することにより
製造される。プロドラッグは、式(I)の化合物(ここで、式(I)の化合物中
のヒドロキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基は、インビボで開裂してそれぞれ
遊離のヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基を再生しうる、任意の基に
結合している)を含む。プロドラッグの例は、式(I)の化合物中のヒドロキシ
官能基のエステル類(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル、及び安息香酸エス
テル誘導体)、カルバミン酸エステル類(例えば、N,N−ジメチルアミノカル
ボニル)などを含むが、これらに限定されない。
【0041】 「保護基」とは、分子中の反応性基に結合すると、その反応性をマスクするか
、減少させるか、又は妨げる原子団のことをいう。保護基の例は、T.W. Greene
とP.G. Futsの「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chem
istry)」(Wiley, 2nd ed. 1991)及びHarrisonとHarrisonらの「有機合成法の
概論(Compendium of Synthetic Organic Methods)」、1〜8巻(John Wiley
and Sons. 1971-1996)に見い出すことができる。代表的アミノ保護基は、ホル
ミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル
(CBZ)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS
)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(SES)、トリチル及び置換ト
リチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
(FMOC)、ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)などを含む。代
表的ヒドロキシ保護基は、ベンジル及びトリチルエーテル、更にはアルキルエー
テル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル及びアリル
エーテルのような、ヒドロキシ基が、アシル化又はアルキル化されるものを含む
【0042】 疾患を「治療すること」又はそれの「治療」は以下を含む: (1)疾患を予防すること、即ち、疾患に曝露しているか、又は罹患しやすい
が、未だ疾患の症候を経験又は表出していない哺乳動物において、疾患の臨床的
症候を発生させなくすること、 (2)疾患を阻害すること、即ち、疾患又はその臨床的症候の進展を阻止又は
限定すること、あるいは (3)疾患を軽減すること、即ち、疾患又はその臨床的症候の緩解を引き起こ
すこと。
【0043】 「治療上有効な量」は、疾患の治療のために哺乳動物に投与されるとき、この
ような疾患の治療を遂行するのに十分な化合物の量を意味する。「治療上有効な
量」は、その化合物、疾患とその重篤度及び治療される哺乳動物の年齢、体重な
どに依存して変化する。
【0044】 1つの側面において、本発明は、式(I):
【0045】
【化4】
【0046】 〔式中、 下付文字のnは、0〜3の整数であり; R1は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルア
ルケニル、シクロアルキルアルキニル及びアラルキルであり; 各R2は、アルキル、ハロ、ヘテロアルキル及びビニルよりなる群から独立に
選択され;そして R3は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアル
キルカルボニル、ヘテロ置換シクロアルキル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキ
ル、ヘテロ置換シクロアルキルアルケニル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキニ
ル、ヘテロアルキル置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアル
キル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、−(アルキレ
ン)−C(O)R31及び−(ヘテロアルキレン)−C(O)R31であり;ここで R31は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換
アミノ、二置換アミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルである〕により表される化
合物、及びこれらの薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0047】 式(I)において、R1という記号は、水素、アルキル、アルケニル、アルキ
ニル、アルキルカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキ
ルアルキル、シクロアルキルアルケニル、シクロアルキルアルキニル又はアラル
キル基を表す。
【0048】 更に好ましくは、R1は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル
カルボニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケ
ニル、シクロアルキルアルキニル又はアラルキル基を表す。
【0049】 更に好ましい実施態様において、R1は水素、アルキル、シクロアルキル又は
アラルキルである。更に好ましくは、R1はアルキル又はシクロアルキルである
。R1がアルキルである好ましい実施態様において、R1は、窒素原子に結合して
いる炭素原子が四面体の炭素原子である、分岐鎖状のアルキル基であり、好まし
くは0又は1の結合した水素原子を有する。更に好ましくは、R1は2−プロピ
ル、シクロへキシル又は1−メチル−シクロへキシル、最も好ましくは2−メチ
ル−2−プロピルである。
【0050】 式(I)において、R2という記号は、アルキル、ハロ、ヘテロアルキル又は
ビニルを表す。R2は、フェニル環の残りの5個の原子価のいずれにおいて結合
(そうでなければ、水素に占有される)してもよい。下付文字のnは、0〜3の
整数であり、これはフェニル環が、0〜3個のR2基により、好ましくは1個又
は2個のR2基により置換されていることを示している。2個又は3個のR2基が
存在する実施態様に関して、それぞれは、他と独立であってよい。式(I)の化
合物のR2の好ましい実施態様では、nは、1又は2であり、そして各R2は、ハ
ロ又はアルキル、更に好ましくはR2は、ハロである。更に好ましいのは、−(
2nが、2−ハロ又は2,6−ジハロ、更に好ましくは2−クロロ又は2,6
−ジクロロを表す実施態様である。
【0051】 上述のように、R3という記号は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、へテ
ロアルキニル、ヘテロアルキルカルボニル、へテロ置換シクロアルキル、へテロ
置換シクロアルキルアルキル、へテロ置換シクロアルキルアルケニル、ヘテロ置
換シクロアルキルアルキニル、ヘテロアルキル置換シクロアルキル、ヘテロシク
リル、ヘテロシクリルアルキル、アリールヘテロアルキル、へテロアリールヘテ
ロアルキル、−(アルキレン)−C(O)R31又は−(ヘテロアルキレン)−C
(O)R31を表し;ここでR31は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アル
コキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、シクロアルキル、シクロアルキ
ルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロアラルキルを表
す。
【0052】 式(I)の化合物のR3の好ましい実施態様において、R3はヘテロアルキル、
ヘテロシクリル及びヘテロ置換シクロアルキルから選択される。特に好ましいR 3 の実施態様の1群において、R3はヘテロアルキル、更に好ましくはヒドロキシ
アルキル又はアルコキシアルキルである。特にヒドロキシアルキル及びアルコキ
シアルキル基は、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ
−2−プロピル、2−ヒドロキシ−1−プロピル、1−ヒドロキシ−2−(ヒド
ロキシメチル)−3−プロピル、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル、1,3
−ジメトキシ−2−プロピル、1−メトキシ−2−(メトキシメチル)−3−プ
ロピル、3,4−ジヒドロキシ−1−シクロペンチルである。更に、特には、2
,3−ジヒドロキシ−1−プロピル及び2−メトキシエチルである。
【0053】 別の群の特に好ましいR3の実施態様において、R3はヘテロシクリルアルキル
である。特にヘテロシクリルアルキル基は、2−(N−ピペリジニル)エチル又
は2−(N−(2−ピロリジノニル))エチルを含む。
【0054】 更に別の群の特に好ましい実施態様において、R3は−(アルキレン)−C(
O)R31(ここで、R31はヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ
、メチル及びエチル)である。より好ましくは、アルキレン部分はメチレン、エ
チレン又はプロピレンである。
【0055】 上述の化合物に加えて、本発明は、これらの化合物の全ての薬学的に許容しう
る塩、更には化合物のプロドラッグ型及び全ての異性体(純粋なキラル型と、ラ
セミ混合物又は他の型の混合物とのいずれをも)を含む。
【0056】 更には、式(I)の化合物のための上述の好ましい基の組合せは、他の好まし
い実施態様を形成する。1群の特に好ましい実施態様において、R1はアルキル
又はシクロアルキルであり、R2はハロであり、R3はヘテロアルキル又は−(ア
ルキレン)−C(O)R31であり、そしてnは1又は2である。別の群において
、R1はアルキル又はシクロアルキルであり、R2はハロであり、R3はヘテロア
ルキルであり、そしてnは1又は2である;又はR1はアルキル若しくはシクロ
アルキルであり、R2はハロであり、R3はヘテロシクリルであり、そしてnは1
又は2である;又はR1はアルキル若しくはシクロアルキルであり、R2はハロで
あり、R3はヘテロ置換シクロアルキルであり、そしてnは1又は2である、若
しくはR1はイソプロピルであり、R2はハロであり、そしてnは1又は2である
【0057】 特に、式(I)の化合物は、3−(2−クロロ−フェニル)−1−エトキシカ
ルボニルメチル−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,
5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−カルボキシメチル−7−イソプロピルア
ミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オ
ン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−(2−メトキシエチル)−7−イソプロ
ピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H
)−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−7−イソプロピルアミノ−1−(2−メチル
スルホニルエチル)−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−
2(1H)−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−7−イソプ
ロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1
H)−オン、 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2S)−2,3−ジヒドロキシエチル
〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリ
ミジン−2(1H)−オン、 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2R)−2,3−ジヒドロキシエチル
〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリ
ミジン−2(1H)−オン、及び 7−イソプロピルアミノ−3−(2−クロロフェニル)−1−(2−ピペリジ
ニル−エチル)−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(
1H)−オン、並びにこれらの薬学的に許容しうる塩よりなる群から選択される
【0058】 別の態様において、本発明は、上述の式(I)の化合物の製造方法を提供する
。簡単に述べると、この方法は、 (a)式(II):
【0059】
【化5】
【0060】 〔式中、n、R2及びR3は、上記の式(I)に関して与えられた意味を有する(
ただし、存在する任意の妨害性の反応性基は、場合により保護型である)、そし
てLは、離脱基である〕で示される化合物を式(III): R1−NH2 (III)
【0061】 〔式中、R1は、上記の式(I)に関して与えられた意味を有する(ただし、存
在する任意の妨害性の反応性基は、場合により保護型である)〕で示されるアミ
ンで処理し、必要であれば、任意の保護反応性基を脱保護する、又は (b)式(IV):
【0062】
【化6】
【0063】 〔式中、R1、n、及びR2は、式(I)のために与えられた意味を有する(ただ
し、存在する任意の妨害性の反応性基は、場合により保護型である)〕で示され
る化合物を式(V): R3−X (V)
【0064】 〔式中、R3は、式(I)関して与えられた意味を有し、Xは、反応の間に活性
化される離脱基又は水酸基である(ただし、存在する任意の妨害性の反応性基は
、場合により保護型である)〕で示されるアルキル化剤で処理し、必要であれば
、任意の保護反応性基を脱保護し、そして場合により式(I)の化合物を薬学的
に許容しうる塩に変換することを特徴とする方法のいずれかを含む。
【0065】 本発明の化合物は、当業者には周知の手順を用いて、種々の方法により製造す
ることができる。例えば、1つの実施態様において、化合物は、スキーム1に略
述されるものと同様な方法を使用して製造される。
【0066】
【化7】
【0067】 第1級アミン(R3−NH2)で式(Ia)の化合物を処理することによって、
式(Ib)の化合物が得られる。この反応は、便利には反応条件下で不活性な溶
媒、好ましくは開鎖式若しくは環状エーテル(テトラヒドロフランなど)、ハロ
ゲン化脂肪族炭化水素、特にジクロロメタン、場合によりハロゲン化された芳香
族炭化水素、ホルムアミド又は低級アルカノール中で行われる。適切には、この
反応は、約−20℃〜約120℃で行われる。
【0068】 式(Ib)の化合物の還元によって、式(Ic)のアルコールが得られる。この
還元は、典型的には当業者には周知の方法で(例えば、還元の条件下で不活性な
溶媒、好ましくは開鎖式又は環状エーテル、特にテトラヒドロフラン中で、約−
20〜約70℃、好ましくは約0℃〜約室温で)水素化アルミニウムリチウムを
用いて行われる。
【0069】 次の工程における式(Ic)のアルコールの酸化によって、式(Id)のカルボ
キサルデヒドが得られる。この酸化は、典型的には二酸化マンガンにより行われ
るが、他の多数の方法も利用することができる(例えば、「高等有機化学、第4
版(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 4TH ED.)」, March, John Wiley & Sons, N
ew York (1992)を参照のこと)。利用される酸化剤に依存して、この反応は、便
利には特定の酸化条件下で不活性な溶媒、好ましくはハロゲン化脂肪族炭化水素
、特にジクロロメタン、又は場合によりハロゲン化された芳香族炭化水素中で行
われる。適切には、この酸化は、約0℃〜約60℃で行われる。
【0070】 式(Id)のカルボキサルデヒドと置換アニリンとの反応によって、式(Ie)
の化合物が得られる。この反応は、酸、例えば、芳香族スルホン酸、好ましくは
4−トルエンスルホン酸の存在下で、反応中に生成する水を共沸除去しながら行
ってもよい。便利には、この反応は、反応条件下で不活性な溶媒、好ましくは芳
香族炭化水素、特にトルエン又は場合によりハロゲン化された芳香族炭化水素中
で、そして約70℃〜約150℃の温度、特に上記の水の共沸除去を助けるため
に溶媒の還流温度で行われる。
【0071】 式(If)の化合物を与える式(Ie)の化合物の還元は、例えば、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナ
トリウムを用いて、当業者には周知の条件下で行うことができる。好ましくは、
式(Ie)の化合物は、精製せずに、むしろ製造される反応混合物を濃縮し、得
られる濃縮物を、この還元の条件下で不活性な溶媒、好ましくは開鎖式若しくは
環状エーテル、特にテトラヒドロフラン又は場合によりハロゲン化された芳香族
炭化水素又は低級アルカノールに溶解し、次に上述の還元剤で処理する。この還
元は、適切には約0〜約100℃、好ましくは約0〜25℃で行われる。
【0072】 式(If)の化合物の環化によって、式(Ig)の二環式窒素複素環が得られる
。この環化は、(If)と、ホスゲン又はクロロギ酸トリクロロメチル(又はホ
スゲン同等物)との、便利には第3級有機塩基、好ましくはトリ(低級アルキル
)アミン、特にトリエチルアミンの存在下での反応により遂行することができる
。更に詳細には、この環化は、この反応の条件下で不活性な溶媒、好ましくは開
鎖式若しくは環状エーテル、特にテトラヒドロフラン、場合によりハロゲン化さ
れた芳香族炭化水素又はハロゲン化脂肪族炭化水素中で行われる。便利には、こ
の反応は、約−20〜約50℃、好ましくは約0℃〜約室温で行われる。
【0073】 3−クロロ過安息香酸での(Ig)の酸化によって、スルホン(Ih)が得られ
、これを種々の目標化合物に変換することができる。典型的には、(Ig)の酸
化は、この酸化の条件下で不活性な溶媒、好ましくはハロゲン化脂肪族炭化水素
、特にクロロホルム又はジクロロメタン中で、そして約−20℃〜約50℃、好
ましくは約0℃〜約室温で行われる。
【0074】 最後に、アミン(R1−NH2)での(Ih)の処理によって、式(I)の目標
化合物が得られる。この反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる
。便利には、この反応は、約0〜約200℃、更に好ましくは約室温〜約150
℃の温度で行われる。
【0075】 したがって本発明は、一般式(Ii)の化合物をアミン(R1−NH2)で処理
することによる、式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【0076】
【化8】
【0077】 化合物(Ii)において、記号のR2、R3及び下付文字のnは、式(I)に関
して上記で与えられた意味を有する。文字のLは、離脱基を表し、そしてこれは
、ハロゲン、低級アルカンスルホニル基(例えば、メタンスルホニル又はトリフ
ルオロメタンスルホニル)又は芳香族スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニ
ル又は4−トルエンスルホニル)であってよい。他の適切な離脱基は、当業者に
は知られており、そして例えば、「高等有機化学、第4版(ADVANCED ORGANIC C
HEMISTRY, 4TH ED.)」, March, John Wiley & Sons, New York (1992)に見い出
すことができる。適切なアミン(R1−NH2)は、R1が、式(I)に関して上
記の任意のR1基を表すものである。
【0078】 好ましい実施態様において、二環式窒素複素環を構築することができ、そして
3は、スキーム2に示されるように合成の遅い段階で導入することができる。
【0079】
【化9】
【0080】 スキーム2における出発物質である化合物(IIa)は、市販の4−アミノ−2
−メルカプト−ピリミジン−5−カルボン酸エチルから製造することができる。
簡単に述べると、適切なアルキル化剤(R−X)でのメルカプト化合物の処理に
よって、式(Ib)(R3=H)の化合物が得られる。(Ib)(R3=H)の(II
a)への変換は、スキーム1に与えられる工程にしたがうことができる。
【0081】 (IIa)の環化によって、式(IIb)の二環式窒素複素環が得られる。この環化
は、(IIa)と、ホスゲン又はクロロギ酸トリクロロメチル(又はホスゲン同等
物)との、典型的には第3級有機塩基、好ましくはトリ(低級アルキル)アミン
、特にトリエチルアミンの存在下での反応によって遂行することができる。更に
詳細には、この環化は、この反応の条件下で不活性な溶媒、好ましくは開鎖式若
しくは環状エーテル、特にテトラヒドロフラン、場合によりハロゲン化された芳
香族炭化水素又はハロゲン化脂肪族炭化水素中で行われる。便利には、この反応
は、約−20〜約50℃、好ましくは約0℃〜約室温で行われる。
【0082】 式(IIc)の化合物を与えるR3基の導入は、種々の条件下で達成することがで
きる。例えば、(IIb)は、アルカリ金属水素化物、特に水素化ナトリウムで処
理して、次に一般式:R3−L(ここで、R3は、水素、アリール又はヘテロアリ
ールを除いて、前述のR3による任意の意味を有し、そしてLは、離脱基(例え
ば、ハロ、メタンスルホナート、トルエンスルホナート、トリフルオロメタンス
ルホナートなど)を表す)の化合物と反応させることができる。N−置換は、便
利にはこの反応条件下で不活性な溶媒、好ましくはホルムアミド、特にN−メチ
ルピロリジノン若しくはジメチルホルムアミド、開鎖式若しくは環状エーテル又
は場合によりハロゲン化された芳香族炭化水素中で行われる。適切には、この反
応は、約50〜約200℃、好ましくは約50〜約150℃で行われる。あるい
は、アルキル化は、炭酸カリウムのような無機塩基により、N−メチルピロリジ
ノンのようなホルムアミド溶媒中で、約0〜約25℃の温度で行われてもよい。
【0083】 R3の導入のための、代わりの好ましい方法は、光延反応(Mitsunobu)条件下
でピリミジノン窒素のアルキル化を伴う。この方法では、一般式:R3−OHの
アルコールは、一般式(IIb)の化合物と、例えば、トリフェニルホスフィンと
アゾジカルボン酸ジエチル、又はジフェニルピリジルホスフィンとアゾジカルボ
ン酸t−ブチルの存在下で化合させる(Tetrahedron Lett., 40: 4497-4500 (19
99)を参照のこと)。このアルキル化は、便利にはこの反応条件下で不活性な溶
媒、好ましくは開鎖式又は環状エーテル中で、約−20℃〜約100℃、好まし
くは約0℃〜約30℃(又は室温)の温度で行われる。他のアルキル化法と同様
に、第1級及び第2級アルコールが、これらの条件下の反応には最も適している
【0084】 R3の導入に続いて、酸化及び置換工程(R1−NH−を導入するため)は、式
(I)の目標化合物を与えるために上記で略述されるように達成することができ
る。
【0085】 代替の経路において、光延反応条件下でまず(IIb)をアルキル化し、R3を導
入し、その後、スルフィドの酸化を行い、対応するスルフォン(IId)に変換す
ることにより、(IIb)を(IId)に変換する。
【0086】 更に他の実施態様では、この化合物は、スキーム3に示されるように、アルキ
ル化と置換工程の順序を逆にする(このため−R3と−NH−R1導入の順序を逆
にする)ことにより製造することができる。
【0087】
【化10】
【0088】 したがって、式(IIa)の化合物は、(スキーム2に前述されるように)、(I
Ib)に環化することができる。(IIIa)への(IIb)の酸化によって、次の置換
及びアルキル化工程のための型が得られる。即ち、上述の条件下でのR1−NH2 による(IIIa)の処理によって、(IIIb)が得られるが、これを、R3−L(こ
こで、Lは、上記の意味を有する)又はR3−OHを用いて、光延反応条件下で
アルキル化することにより、式(I)の目標化合物が得られる。
【0089】 当業者であれば、上記スキームへのある程度の変更は、企図されており、本発
明の範囲に入るものであることを理解するであろう。例えば、ある工程は、特定
の反応条件に適合性でない反応性官能基の保護と脱保護を伴うものであろう。
【0090】 別の態様において、本発明は、薬学的に許容しうる賦形剤及び上述の式(I)
の化合物を含む組成物を提供する。
【0091】 式(I)の化合物及び式(I)の塩基性化合物と酸との薬学的に許容しうる塩
は、例えば、製剤の形で、医薬として使用することができる。この製剤は、経腸
的に、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、
液剤、乳剤若しくは懸濁剤の剤形で経口的に、例えば、鼻内スプレーの剤形で鼻
内に、又は例えば、坐剤の剤形で直腸内に投与することができる。しかし、これ
らはまた、例えば、注射液の剤形で、非経口投与することができる。
【0092】 式(I)の化合物及び前述のその薬学的に許容しうる塩は、製剤の製造のため
に、薬学的に不活性な、有機又は無機担体と一緒に加工することができる。乳糖
、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩など
は、例えば、そのまま錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤
の担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体
は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである;しか
し、活性成分の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合には、通常担体を必
要としない。液剤及びシロップ剤のための適切な担体は、例えば、水、ポリオー
ル、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などである。坐剤のための適切な担体は、例えば
、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0093】 この製剤はまた、保存料、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色
料、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝化剤、マスキング剤又は酸化防
止剤を含んでもよい。これらはまた、式(I)及びその前述の薬学的に許容しう
る塩の他に、治療上有用な物質を含んでもよい。
【0094】 適合性の薬剤担体物質と共に、式(I)の化合物又は式(I)の塩基性化合物
と酸との薬学的に許容しうる塩を含む医薬もまた、本発明の目的である。更に別
の態様において、本発明はp38介在性疾患及び状態の治療に有用な医薬の製造
方法を提供する。この方法は、1種以上のこれらの化合物又は塩及び、所望であ
れば、1種以上のその他の治療上価値のある物質を、適合性の薬剤担体と一緒に
製剤投与剤形でもたらすことを含む。
【0095】 前述のように、式(I)の化合物及びその前述の薬学的に許容しうる塩は、本
発明により治療上活性物質として、特に抗炎症剤として、又は移植手術後の移植
片拒絶の予防用に使用することができる。用量は、広い範囲で変化させてよく、
当然ながら、各特定の症例における個別の要求に適合させる。一般に、成人への
投与の場合には、便利な1日用量は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、好ましく
は約0.5mg/kg〜約5mg/kgであろう。1日用量は、単回用量として、又は分割
投与で投与することができ、そして更に、前記の用量上限は、必要が見い出され
れば、これを上まわってもよい。
【0096】 最後に、特に炎症、免疫、腫瘍、気管支肺、皮膚及び心血管の障害の治療又は
予防における、喘息、中枢神経系障害又は糖尿病合併症の治療における、あるい
は移植手術後の移植片拒絶の予防のための、医薬の製造のための式(I)の化合
物及び前述のその薬学的に許容しうる塩の用途もまた、本発明の目的である。
【0097】 式(I)の化合物は、特に限定しないが、ヒト、又は他の哺乳動物における任
意の障害又は病態(これは、このような哺乳動物による、過剰又は無秩序なTN
F及び/又はIL−1又はp38キナーゼ産生によって増悪されるか、又は引き
起こされる)の治療に有用であろう。したがって本発明は、有効なサイトカイン
妨害量の式(I)の化合物、又は薬学的に許容しうるその塩若しくは互変異性体
を投与することを特徴とする、サイトカイン介在性疾患を治療する方法を提供す
る。
【0098】 式(I)の化合物は、特に限定しないが、被験者における炎症の治療、及び発
熱の治療用の鎮痛薬としての使用のために有用であろう。本発明の化合物は、慢
性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性エリテマト
ーデス及び若年性関節炎、変形性関節症、痛風性関節炎及び他の関節炎症状を含
むが、これらに限定されない関節炎を治療するために有用であろう。このような
化合物は、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、珪肺、及び慢性肺
炎症疾患を含む、肺障害又は肺炎症の治療のために有用であろう。本化合物はま
た、敗血症、敗血症性ショック、グラム陰性菌敗血症、マラリア、髄膜炎、感染
症又は悪性腫瘍に続発する悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に続発す
る悪液質、AIDS、ARC(AIDS関連症候群)、肺炎、及びヘルペスウイ
ルスを含む、ウイルス性及び細菌性感染症の治療のためにも有用である。本化合
物はまた、骨粗鬆症のような骨吸収性疾患、エンドトキシンショック、トキシッ
クショック症候群、再灌流障害、自己免疫疾患(移植片対宿主反応及び同種移植
片拒絶反応を含む)、心血管疾患(アテローム動脈硬化、血栓症、うっ血性心不
全、及び心再灌流障害を含む)、腎再灌流障害、肝臓疾患及び腎炎、並びに感染
症による筋肉痛の治療のためにも有用である。
【0099】 本化合物はまた、インフルエンザ、多発性硬化症、癌、糖尿病、全身性エリテ
マトーデス(SLE)、皮膚関連症状(乾癬、湿疹、火傷、皮膚炎、ケロイド形
成、及び瘢痕組織形成など)の治療のためにも有用である。本発明の化合物はま
た、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群及び潰瘍性大腸炎のよう
な胃腸症状を治療するためにも有用であろう。本化合物はまた、網膜炎、網膜症
、ブドウ膜炎、眼羞明、及び眼組織に対する急性損傷のような、眼疾患の治療に
おいても有用であろう。本発明の化合物はまた、新生組織形成を含む脈管形成;
腫瘍の転移;眼症状(角膜移植片拒絶、眼の新血管新生、網膜の新血管新生(傷
害又は感染後の新血管新生を含む)、糖尿病性網膜症、水晶体後線維増殖症及び
血管新生緑内障など);胃潰瘍のような潰瘍性疾患;乳児性血管腫を含む血管腫
、鼻咽頭の線維性血管腫及び骨の無血管性壊死のような病的ではあるが悪性では
ない症状;糖尿病性腎症及び心筋症;並びに子宮内膜症のような女性生殖器系の
障害の治療のためにも有用であろう。本発明の化合物はまた、シクロオキシゲナ
ーゼ−2の産生を妨げるために有用であり、そして本発明の化合物はまた、癌、
特に大腸癌の予防及び治療において有用であると期待される。本発明の化合物は
また、アルツハイマー病の予防及び治療において有用であると期待される。
【0100】 ヒトの治療のために有用であることの他に、これらの化合物はまた、哺乳動物
、齧歯類などを含む、ペット(companion animals)、外来動物及び家畜の獣医
学的治療のためにも有用である。更に好ましい動物は、ウマ、イヌ、及びネコを
含む。
【0101】 本化合物はまた、部分的又は完全に、他の従来の抗炎症薬の代わりに、ステロ
イド、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、NSAID、DMARDS、免
疫抑制剤、5−リポキシゲナーゼインヒビター、LTB4アンタゴニスト及びL
TA4ヒドロラーゼインヒビターと一緒のような、共同療法において使用するこ
とができる。
【0102】 本明細書において使用されるとき、「TNF介在性障害」という用語は、TN
F自体の制御により、又はTNFがIL−1、IL−6又はIL−8(これらに
限定されない)のような別のモノカインを放出させることにより、TNFがある
役割を演じる、任意及び全ての障害及び病態のことをいう。例えば、IL−1が
、主要な成分であって、その産生又は作用が、TNFに応答して悪化又は分泌さ
れる病態は、よってTNFが介在する障害と考えられよう。
【0103】 本明細書において使用されるとき、「p38介在性障害」という用語は、p3
8自体の制御により、又はp38がIL−1、IL−6又はIL−8(これらに
限定されない)のような別の因子を放出させることにより、p38がある役割を
演じる、任意及び全ての障害及び病態のことをいう。例えば、IL−1が、主要
な成分であって、その産生又は作用が、p38に応答して悪化又は分泌される病
態は、よってp38が介在する障害と考えられよう。
【0104】 TNF−βは、TNF−α(カケクチンとしても知られている)と近い構造的
相同性を有するため、そしてそれぞれが、同様な生物学的応答を誘導し、かつ同
じ細胞内受容体に結合するため、TNF−α及びTNF−β両方の合成は、本発
明の化合物により阻害されるため、本明細書では、他に特に記載がなければ、集
合的に「TNF」と呼ばれる。
【0105】 実施例 以下の実施例において、特記しない限り、温度は摂氏(℃)で示し;操作は、
室温または周囲温度(典型的には約18〜25℃の範囲)で実施し;溶媒の蒸発
は回転蒸発器を使用して減圧下(典型的には4.5〜30mmHg)で60℃以下の
浴温度で実施し;反応の経過は典型的にはTLCにより追跡し、反応時間は単に
説明のために提供し;融点は未補正であり;生成物は、満足のいく1H−NMR
及び/又は微量分析データを示し;収率は単に説明のために提供し;そして以下
の慣用的な略称も使用する;mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)
、mmol(ミリモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、およびh
(時間)。DEADはジエチルアゾジカルボキシレートを意味する。DIADは
ジイソプロピルアゾジカルボキシレートを意味する。
【0106】 実施例1 本実施例は、7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒ
ドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オンを用いて始まる、3
−(2−クロロフェニル)−1−エトキシカルボニルメチル−7−イソプロピル
アミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オ
ンおよび3−(2−クロロフェニル)−1−カルボキシメチル−7−イソプロピ
ルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−
オンの調製を例示する。
【0107】 1.1 ピリミジノンのアルキル化
【化11】
【0108】 スルフィド1aの7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−3,4−
ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン(1.5g、3
.92mmol、実施例6に記載されるようにして調製)をジメチルホルムアミド(
15mL)に溶解して、水素化ナトリウム(60%、0.172g、4.31mmol
)を加えた。得られた混合物を20分間攪拌し、その後、ブロモ酢酸エチル(0
.87mL、7.84mmol)を加えた。3時間後、反応を水でクエンチさせ、酢酸
エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を水で5回洗浄し、MgSO4で乾燥し
て、真空下で濃縮した。残渣を、30:70のアセトン/ヘキサンを使用するシ
リカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して、1.283gのエステル1
bを得た。
【0109】 1.2 ベンジルスルフィドの酸化
【化12】
【0110】 エステル1b(0.600g、1.28mmol)をクロロホルム(15mL)に溶
解して、3−クロロペルオキシ安息香酸(50%、0.883g、2.56mmol
)を室温で加えた。混合物を2時間攪拌し、その後、10%(w/w)亜硫酸ナト
リウム水溶液で3回、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で1回、そして水で1回洗浄
した。有機層をMgSO4で乾燥し、真空下で濃縮して、0.670gのベンジ
ルスルホン1cを得た。
【0111】 1.3 スルホンの置換
【化13】
【0112】 ベンジルスルホン1c(0.520g、1.04mmol)およびイソプロピルア
ミン(0.18mL、2.08mmol)を合わせて90℃〜100℃に1時間加熱し
た。反応物を室温に冷却し、そして混合物を、18:1のCH2Cl2/MeOH
を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を
含有する画分を合わせて濃縮して、0.366gの1d、3−(2−クロロフェ
ニル)−1−エトキシカルボニルメチル−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジ
ヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン(質量スペクトル
:MH+=404、融点:188.8℃〜191.4℃)を得た。
【0113】 1.4 エチルエステルのけん化
【化14】
【0114】 1d(0.266g、0.66mmol)を含むMeOH(10mL)溶液に水酸化
ナトリウム(0.026g、0.66mmol)および水(3mL)を加えた。反応混
合物を室温で12時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮して、酢酸エチル中で粉
砕し、その後、MeOHに再溶解して真空下で濃縮した。残渣をエーテル中で粉
砕して、ろ過し、乾燥して、0.225gの1e、3−(2−クロロフェニル)
−1−カルボキシメチル−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド
〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン(質量スペクトル:MH+=37
6、融点:172.0℃〜188.0℃)を得た。
【0115】 実施例2 本実施例は、3−(2−クロロフェニル)1−(2−メトキシエチル)−7−
イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2
(1H)−オンの調製を例示する。この場合、アルキル化が、光延反応条件を使
用して行われる。
【0116】
【化15】
【0117】 ピリミジノン2a(0.500g、1.57mmol、上記1.3の条件のもとで
7−ベンジルスルホニル−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピリ
ミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オンをイソプロピルアミンと処理
することにより調製)を含むTHF(20mL)溶液にトリフェニルホスフィン(
0.413g、1.57mmol)および2−メトキシエタノール(0.12mL、1
.57mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却して、DIAD(0.31mL、1.
57mmol)を加えた。反応物を室温に加温して12時間攪拌した。さらなる量の
2−メトキシエタノール(0.12mL、1.57mmol)、トリフェニルホスフィ
ン(0.413g、1.57mmol)およびDIAD(0.31mL、1.57mmol
)を加えて、混合物を室温でさらに12時間攪拌し、その後、55℃〜60℃に
加熱した。2時間後、混合物を真空下で濃縮して、残渣を、1:1のヘキサン/
酢酸エチルを溶出液として使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーに
よって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して油状物にし、これを
酢酸エチルに再溶解した。塩酸(1.0M/Et2O、0.6mL)を加えて、塩を
得た。混合物を12時間攪拌し、その後、真空下で濃縮した。残渣をドライアイ
ス上においてエーテル中で粉砕して、室温にゆっくり加温し、混合物を12時間
攪拌した。固体をろ過して、0.139gの表題化合物2bの塩酸塩を得た(質
量スペクトル:MH+=376、融点:126.0℃〜131.6℃)。
【0118】 実施例3 本実施例は、3−(2−クロロフェニル)−7−イソプロピルアミノ−1−(
2−メチルスルホニルエチル)−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリ
ミジン−2(1H)−オンの調製を例示する。
【0119】 3.1 ピリミジノンの「光延反応」アルキル化
【化16】
【0120】 ベンジルスルフィド1a(500mg、1.31mmol)を、2−(メチルチオ)
エタノール(114μL、1.31mmol)、トリフェニルホスフィン(343mg
、1.31mmol)およびDEAD(0.31mL、1.31mmol)とともに2mLの
THFに溶解した。混合物を室温で4日間攪拌し、真空下で蒸発させ、そして5
〜20%アセトン/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲルでのクロマトグラ
フィーによって精製して、3aを得た(529mg、1.16mmol、88%)。
【0121】 3.2 ベンジルスルフィドの酸化
【化17】
【0122】 3aの酸化を、室温で5時間攪拌しながらCH2Cl2中においてm−CPBA
(1.19g、5.8mmol)を使用して達成した。反応を10%Na2SO3(水
溶液、50mL)でクエンチさせ、反応物をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた
抽出物を飽和NaHCO3で洗浄し、真空下で濃縮して、3bを得た。これを精
製することなく使用した。
【0123】 3.3 スルホンの置換
【化18】
【0124】 粗生成物3bをイソプロピルアミン(5mL、58mmol)に溶解して、そのまま
室温で2日間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、そして10〜50%アセトン
/ヘキサンを溶出液として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって
精製して、3cを得た(287mg、0.732mmol、3aから63%、1aから
56%)。精製された生成物を酢酸エチルに溶解し、そして1当量のHCl/E
2Oで処理して、3cのHCl塩を沈殿させた(質量スペクトル:MH+=42
4)。
【0125】 実施例4 本実施例は、3−(2−クロロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−
7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン
−2(1H)−オンの調製を例示する。
【0126】 4.1 ピリミジノンの「光延反応」アルキル化
【化19】
【0127】 ベンジルスルフィド1a(500mg、1.31mmol)を7mLのDMFに溶解し
て、トリイソプロピルシリルで保護されたヨードエタノール(555mg、1.5
7mmol、J. Am. Chem. Soc.、112(10)、4078〜9(1990)およびJ. Chem. Soc. Per
kin Trans.、1(6)、1417〜23(1998)に記載される手順に従って調製)で処理し、
そして0℃に冷却した。水素化ナトリウム(油中において60%、63mg、1.
57mmol)を加え、反応混合物を0℃から30℃に加温し、その後、30℃で一
晩攪拌した。さらに63mgの60%水素化ナトリウムを加えた。さらに6時間経
た後、反応を、10mLの水を加えることによってクエンチさせた。得られた混合
物をEtOAcおよびCH2Cl2で抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で乾燥
し、真空下で濃縮し、そして10〜20%アセトン/ヘキサンを溶出液として使
用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して、4aを得た(43
0mg、0.738mmol、56%)。
【0128】 4.2 ベンジルスルフィドの酸化
【化20】
【0129】 4aの酸化を、CH2Cl2中においてm−CPBA(500mg、2.46mmol
)を用いて達成した。反応をNa2SO3(水溶液)でクエンチさせた後、粗生成
物4bをCH2Cl2で抽出し、飽和NaHCO3で洗浄し、真空下で濃縮して、
さらに精製することなく使用した。
【0130】 4.3 スルホンの置換
【化21】
【0131】 粗ベンジルスルホン4bを、イソプロピルアミン(1mL、11.7mmol)を含
有する3mLのCH2Cl2に溶解して、80℃で一晩攪拌して、真空下で濃縮し、
そして5〜20%アセトン/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲルでのクロ
マトグラフィーによって精製して、4cを得た(281mg、0.542mmol、4
aから73%)。
【0132】 4.4 ヒドロキシ基の脱保護
【化22】
【0133】 4cの脱保護を、室温で4時間攪拌しながらTHF中においてテトラブチルア
ンモニウイムフッ化物(0.54mL、1M/THF、0.542mmol)を用いて
達成した。混合物を真空下で濃縮して、10〜40%アセトン/ヘキサンを溶出
液として用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーを使用して精製して、4dを
得た(179mg、0.495mmol)。精製された生成物を酢酸エチルに溶解し、
そして1当量のHCl/Et2Oで処理して、4dのHCl塩を沈殿させた(質
量スペクトル:MH+=362)。
【0134】 実施例5 4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジン−5−カルボキサルデヒド
【化23】
【0135】 a)272g(4.0mol)のナトリウムエトキシド(Lancaster)を1Lのエ
タノール中で攪拌し、304g(4.0mol)のチオ尿素(Avocado)で処理した
。676g(4.0mol)のエチル・エトキシメチレン・シアノアセタート(Avo
cado)を加えて、混合物を8時間加熱還流した。室温に一晩冷却した後、反応混
合物を2Lの水および400mLの酢酸で順次処理した。反応混合物を30分間加
熱還流し、そして室温に冷却して、懸濁物をろ過した。固体を、500mLの水で
3回、500mLのアセトンで2回、そして500mLのジエチルエーテルで洗浄し
た。生成物を乾燥して、473.3g(60%)の4−アミノ−5−カルボエト
キシピリミジン−2−チオールを、融点が>250℃であるクリーム色の固体と
して得た。
【0136】 b)473g(2.377mol)の4−アミノ−5−カルボエトキシピリミジ
ン−2−チオールを含む3.5Lのエタノールにおける攪拌懸濁物を、180.
4g(1.307mol)の炭酸カリウムおよび447.1g(2.615mmol)
の臭化ベンジルで処理した。混合物を2時間加熱還流し、その後、室温に一晩冷
却した。懸濁物をろ過して、固体を、500mLのエタノールで2回、2Lの水、
そして500mLの水で2回洗浄した。生成物を、真空下、50℃において五酸化
リンで乾燥して、416g(61%)の4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジ
ン−5−カルボン酸エチルを、融点が117℃〜118℃であるクリーム色の固
体として得た。
【0137】 c)462.4g(1.6mol)の4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジン
−5−カルボン酸エチルを含む2.3Lのシーブ乾燥したテトラヒドロフランの
溶液を、氷冷しながら、窒素雰囲気下で水素化アルミニウムリチウムの1Mテト
ラヒドロフラン溶液の1.6L(1.6mol)に攪拌しながらゆっくり加えた。溶
液を、18℃〜20℃の温度が維持される速度で加えた。添加が終了すると、混
合物を60℃に加熱して、60.8mLの水で1.5時間にわたって慎重に処理し
た。60.8mLの15%水酸化ナトリウム水溶液を30分かけて加え、その後、
182.5mLの水を30分かけて加えた。懸濁物を60℃で一晩攪拌し、その後
、熱いうちにHyfloろ過助剤を用いてろ過して、固体を1Lのテトラヒドロフラン
で2回洗浄した。ろ液を蒸発乾燥して、392.5g(99%)の4−アミノ−
2−ベンジルチオピリミジン−5−メタノールをオフホワイト色の固体として得
た。これをさらに精製することなく次ステップで使用した。
【0138】 d)392.5g(1.59mol)の4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジ
ン−5−メタノールを含む7.75Lのジクロロメタンの懸濁物を、窒素雰囲気
下、1.382Kg(15.9mol)の活性化二酸化マンガン(Acros)で処理した
。反応混合物を周囲温度で一晩攪拌し、その後、Hyfloろ過助剤を用いてろ過し
た。固体を1Lのジクロロメタンで3回洗浄し、そして合わせたろ液を蒸発させ
て、340.5g(88%)の4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジン−5−
カルボキサルデヒドを、融点が136℃〜139℃である淡い黄色固体として得
た。
【0139】 実施例6 7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド
〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン
【0140】 6.1 5−(2−クロロフェニル)アミノメチル−4−アミノ−2−ベンジ
ルチオピリミジンの調製
【化24】
【0141】 5g(20.4mmol)の4−アミノ−2−ベンジルチオピリミジン−5−カル
ボキサルデヒド、2.25mL(21.4mmol)の2−クロロアニリンおよび0.
1g(0.5mmol)の4−トルエンスルホン酸一水塩を含む60mLのトルエンに
おける混合物を、水の共沸除去を行いながら3時間加熱還流した。混合物を0℃
に冷却して、沈殿物を真空ろ過によって集め、ヘキサンで洗浄して、空気乾燥し
た。その後、この固体を100mLのTHFに溶解して、反応物を0℃に冷却した
。水素化アルミニウムリチウム(0.735g、18.8mmol)を45分かけて
少量ずつ加えた。添加が終了すると、混合物をさらに15分間攪拌し、そして慎
重に、0.8mLのH2O、0.8mLの15%NaOH水溶液、その後2.4mLの
2Oで順次処理した。混合物を30分間攪拌して、セライトでろ過し、そして
ろ液を真空下で濃縮した。固体をジエチルエーテルとともに攪拌して、ろ過し、
空気乾燥して、6.1gの5−(2−クロロフェニル)アミノメチル−4−アミ
ノ−2−ベンジルチオピリミジンを白色固体として得た。
【0142】 6.2 3−(2−クロロフェニル)−7−ベンジルチオ−3,4−ジヒドロ
ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オンの調製
【化25】
【0143】 4.3g(12.1mmol)の5−(2−クロロフェニル)アミノメチル−4−
アミノ−2−ベンジルチオピリミジンを含む100mLのテトラヒドロフランにお
ける攪拌溶液を−10℃に冷却し、これに3.1mL(22.2mmol)のトリエチ
ルアミンを加えた。その後、この溶液を、6.15mLのホスゲン溶液(トルエン
における20%溶液;11.8mmol)を滴下して処理した。30分間攪拌した後
、さらに1.0mLのトリエチルアミン(7.1mmol)を加え、その後、2.0mL
のホスゲン(トルエンにおける20%溶液;3.8mmol)を加えた。反応物を室
温に加温して、0.5mLのH2Oで処理し、30分間攪拌した。その後、反応物
をろ過して、母液を濃縮して、ジクロロメタンとともに攪拌した。その後、生成
物を真空ろ過によって集め、真空下で乾燥して、3.83gの7−ベンジルチオ
−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリ
ミジン−2(1H)−オンを白色固体として得た。
【0144】 実施例7 7−ベンジルスルホニル−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピ
リミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン
【0145】
【化26】
【0146】 1g(2.61mmol)の7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−3
,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オンを含む1
0mLのジクロロメタンにおける懸濁物を氷冷して、1.29g(5.23mmol)
の70%3−クロロ過安息香酸で処理した。混合物を室温で2時間攪拌し、その
後、25mLの10%Na223水溶液で処理して、攪拌を30分間続けた。反
応物を100mLのジクロロメタンで希釈して、相を分離した。有機相を、10%
2CO3水溶液、食塩水で洗浄し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過
した。ろ液を減圧下で濃縮することにより、0.73gの7−ベンジルスルホニ
ル−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピ
リミジン−2(1H)−オンを白色固体として得た。
【0147】 実施例8 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2S)−2,3−ジヒドロキシエチル
〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミ
ジン−2(1H)−オン
【0148】 ステップ1
【化27】
【0149】 1.0g(2.6mmol)の7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−
3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン、1.
5g(5.2mmol)のL−α,β−イソプロピリデングリセロール−γ−トシラ
ートおよび1.44g(10.4mmol)の炭酸カリウムの混合物を窒素雰囲気下
においてDMF(20mL)中で攪拌して80℃で加熱した。16時間後、反応混
合物を室温に冷却して、食塩水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出して、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶液を真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40
%EtOAc/ヘキサンによる溶出)によって精製して、1.1gのイソプロピ
リデンケタール付加物を油状物として得た(質量スペクトル:MH+=496)
【0150】 ステップ2
【化28】
【0151】 上記で調製された1.2g(2.4mmol)のイソプロピリデンケタール付加物
を含む塩化メチレン(25mL)の溶液を、窒素雰囲気下、氷水浴で冷却し、これ
に1.8g(9.6mmol)のm−クロロ過安息香酸を少量ずつ加えた。得られた
懸濁物を攪拌して、室温まで加温した。16時間後、反応混合物を氷水浴で冷却
して、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を滴下して加えた。混合物を
30分間攪拌して、層を分離した。水層を塩化メチレンで抽出し、合わせた有機
画分を食塩水で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮乾燥した。残渣
を、フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント溶出:60〜100%酢酸エ
チル/ヘキサン)によって精製した。スルホン生成物が泡状物として単離された
(0.73g)(質量スペクトル:MH+=529)。
【0152】 ステップ3
【化29】
【0153】 上記で調製された0.7g(1.3mmol)のスルホンを含む10mLのイソプロ
ピルアミンにおける溶液を窒素雰囲気下において40℃で加熱した。3時間後、
反応混合物を室温に冷却して、濃縮乾燥し、そしてフラッシュクロマトグラフィ
ー(60%酢酸エチル/ヘキサンによる溶出)によって精製して、0.42gの
イソプロピルアミン付加物を泡状物として得た。
【0154】 ステップ4
【化30】
【0155】 上記で調製された0.4g(0.93mmol)のイソプロピルアミン付加物を含
むメタノール(15mL)および水(7mL)における溶液に0.05gのp−トル
エンスルホン酸を加えて、混合物を50℃に加熱した。16時間後、メタノール
を減圧下で除き、得られた水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機画分を5%重炭
酸ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、その後、硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント溶出:40〜100%
酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、0.2gの生成物3−(2−クロロ
フェニル)−1−〔(2S)−2,3−ジヒドロキシエチル〕−7−イソプロピ
ルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−
オンを得た(質量スペクトル:M+=391、融点:130.8℃〜134.7
℃)。
【0156】 実施例9 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2R)−2,3−ジヒドロキシエチル
〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミ
ジン−2(1H)−オン
【0157】 ステップ1
【化31】
【0158】 1.0g(2.6mmol)の7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−
3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン、1.
5g(5.2mmol)のD−α,β−イソプロピリデングリセロール−γ−トシラ
ートおよび1.44g(10.4mmol)の炭酸カリウムの混合物を窒素雰囲気下
においてDMF(25mL)中で攪拌して80℃に加熱した。16時間後、反応混
合物を室温に冷却して、食塩水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出して、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶液を真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40
%EtOAc/ヘキサンによる溶出)によって精製して、1.2gのイソプロピ
リデンケタール付加物を油状物として得た。
【0159】 ステップ2
【化32】
【0160】 上記で調製された1.2g(2.4mmol)のイソプロピリデンケタール付加物
を含む塩化メチレン(30mL)における溶液を、窒素雰囲気下、氷水浴で冷却し
、これに1.1g(5.6mmol)のm−クロロ過安息香酸を少量ずつ加えた。得
られた懸濁物を攪拌して、室温にまで加温した。6時間後、反応混合物を氷水浴
で冷却して、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を滴下して加えた。混
合物を30分間攪拌して、層を分離した。水層を塩化メチレンで抽出し、合わせ
た有機画分を食塩水で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮乾燥した
。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(グラジエント溶出:酢酸エチル〜1
0%メタノール/酢酸エチル)によって精製した。スルホン生成物が泡状物とし
て単離された(1.1g)(質量スペクトル:MH+=529)。
【0161】 ステップ3
【化33】
【0162】 上記で調製された0.22g(0.42mmol)のスルホンを含む5mLのイソプ
ロピルアミンにおける溶液を窒素雰囲気下において40℃で加熱した。3時間後
、反応混合物を室温に冷却して、濃縮乾燥し、そしてフラッシュクロマトグラフ
ィー(酢酸エチルによる溶出)によって精製して、0.088gの生成物3−(
2−クロロフェニル)−1−〔(2R)−2,3−ジヒドロキシエチル〕−7−
イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2
(1H)−オンを泡状物として得た(質量スペクトル:MH+=392)。
【0163】 実施例10 7−イソプロピルアミノ−3−(2−クロロフェニル)−1−(2−ピペリジ
ニルエチル)−3,4−ジヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H
)−オン
【0164】
【化34】
【0165】 7−ベンジルチオ−3−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド
〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オン(500mg、1.31mmol)を、
1−ピペリジンエタノール(0.173mL、1.31mmol)、トリフェニルホス
フィン(343mg、1.31mmol)およびDEAD(0.21mL、1.31mmol
)とともに2mLのTHFに溶解して、室温で4日間攪拌し、その後、2〜5%メ
タノール/ジクロロメタンを溶出液として用いるシリカゲルでのクロマトグラフ
ィーによって精製して、350mgのN−(2−ピペリジニルエチル)付加物を得
た。
【0166】
【化35】
【0167】 スルフィドの酸化を、室温で1時間攪拌しながらジクロロメタン中m−CPB
A(0.201g、0.708mmol)を使用して達成した。反応液を0.5mlの
25%亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出した。抽
出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、スルホキシドを得
た。これを精製することなく使用した。
【0168】
【化36】
【0169】 粗スルホキシドを5mlのイソプロピルアミンに溶解して、40℃で一晩、その
後、80℃で4日間攪拌した。混合物を、1〜10%メタノール/ジクロロメタ
ンを溶出液として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して
、アミンを得た(48mg、0.112mmol)。精製された生成物を酢酸エチルに
溶解し、そして1当量のHCl/Et2Oで処理して、7−イソプロピルアミノ
−3−(2−クロロフェニル)−1−(2−ピペリジニルエチル)−3,4−ジ
ヒドロピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オンのHCl塩を沈殿
させた。
【0170】 実施例11 インビトロでのp38MAPキナーゼ阻害アッセイ 本実施例は、本発明の化合物を評価するために有用なp38(MAP)キナー
ゼインビトロアッセイを例示する。
【0171】 本発明の化合物のインビトロでのp−38MAPキナーゼ阻害活性を、Ahnら
、J. Biol. Chem. 266:4220〜4227(1991)に記載される方法の小さな変更を使用
して、p−38キナーゼによるγ−33P−ATPからミエリン塩基性タンパク質
(MBP)へのγ−リン酸の転移を測定することによって求めた。
【0172】 組換えp38MAPキナーゼのリン酸化形態を大腸菌においてSEK−1およ
びMEKKとともに同時に発現させ(Khokhlatchevら、J. Biol. Chem. 272:110
57〜11067(1997)を参照のこと)、その後、ニッケルカラムを使用してアフィニ
ティークロマトグラフィーによって精製した。
【0173】 リン酸化されたp38MAPキナーゼをキナーゼ緩衝液(20mMの3−(N−
モルホリノ)プロパンスルホン酸(pH7.2)、25mMのβ−グリセロールリン
酸、5mMのエチレングルコールビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N
′,N′−四酢酸、1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、1mMのジチオスレイト
ール、40mMの塩化マグネシウム)で希釈した。DMSOに溶解された試験化合
物またはDMSOのみ(対照)を加えて、サンプルを30℃で10分間インキュ
ベーションした。キナーゼ反応を、MBPおよびγ−33P−ATPを含有する基
質カクテルを加えることによって開始させた。30℃でさらに20分間インキュ
ベーションした後、反応を、0.75%リン酸を加えることによって停止させた
。その後、リン酸化されたMBPを、ホスホセルロースメンブラン(MA州ベッ
ドフォード所在ミリポア)を使用して残留するγ−33P−ATPから分離し、そ
してシンチレーションカウンター(CT州メリデン所在パッカード)を使用して
定量した。
【0174】 実施例1〜4に記載される本発明の化合物のp38阻害活性(アッセイされて
いるp38酵素の50%阻害を生じさせる濃度であるIC50として表現される)
は10μM未満であった。
【0175】 実施例12 インビトロTNF阻害アッセイ 本実施例は、THP1細胞におけるLPSにより誘導されるTNF−α生産の
阻害を評価するためのインビトロアッセイを例示する。
【0176】 TNF−αの放出を阻害する本発明の化合物の能力を、Blifeldら、Transplan
tation、51:498〜503(1991)に記載される方法の小さな変更を使用して決定した
【0177】 (a)TNF生合成の誘導: THP−1細胞を培養培地〔15%ウシ胎児血清、0.02mM2−メルカプト
エタノールを含有するRPMI(MD州ゲーサーズバーグ所在ギブコ−BRL)
〕において2.5×106細胞/mLの濃度で懸濁して、96ウエルプレートに入
れた(各ウエルに0.2mLずつ)。試験化合物をDMSOに溶解し、その後、最
終DMSO濃度が5%になるように培養培地で希釈した。25μL分量の試験溶
液またはDMSOを含む培地のみ(対照)を各ウエルに加えた。細胞を37℃で
30分間インキュベーションした。LPS(MO州セントルイス所在シグマ)を
0.5μg/mlの最終濃度でウエルに加えて、細胞をさらに2時間インキュベーシ
ョンした。インキュベーション期間が終了したとき、培養上清を集めて、存在す
るTNF−αの量を、下記に記載されるELISAアッセイを使用して測定した
【0178】 (b)ELISAアッセイ: 存在するヒトTNF−αの量を、Reimund, J. M.ら、GUT. 第39(5)巻、684〜6
89(1996)に記載される2つの抗TNF−α抗体(2TNF−H12および2TN
F−H34)を使用する特異的な捕獲ELISAアッセイによって決定した。
【0179】 ポリスチレンの96ウエルプレートを、抗体2TNF−H12を含むPBS(
10μg/mL)の1ウエルあたり50μlでコーティングし、4℃の加湿チャンバ
ーにおいて一晩インキュベーションした。プレートをPBSで洗浄し、その後、
5%非脂肪乾燥ミルクを含むPBSを用いて室温で1時間ブロッキングして、0
.1%BSA(ウシ血清アルブミン)を含むPBSで洗浄した。
【0180】 TNF標準をヒト組換えTNF−α(MN州ミネアポリス所在R&Dシステム
ズ)のストック溶液から調製した。アッセイにおける標準の濃度は10ng/mLか
ら始まり、半log連続希釈が6回行われた。
【0181】 25μL等分の上記培養上清またはTNF標準または培地のみ(対照)を25
μ等分のビオチン化モノクローナル抗体2TNF−H34(0.1%BSAを含
有するPBSにおいて2μg/mL)と混合して、各ウエルに加えた。サンプルを穏
やかに振とうしながら室温で2時間インキュベーションし、その後、0.1%B
SAを含むPBSで3回洗浄した。0.416μg/mLのペルオキシダーゼ−スト
レプトアビジンおよびPBS中0.1%BSAを含有する50μlのペルオキシ
ダーゼ−ストレプトアビジン(CA州サンフランシスコ所在Zymed, S.)溶液を
各ウエルに加えた。サンプルを室温でさらに1時間インキュベーションし、その
後、PBS中0.1%BSAで4回洗浄した。50μLのO−フェニレンジアミ
ン溶液(1μg/mLのO−フェニレンジアミンおよび0.2Mクエン酸緩衝液、pH
4.5中0.03%の過酸化水素)を各ウエルに加えて、サンプルを室温におい
て暗所で30分間インキュベーションした。サンプルおよび基準の光学密度を4
50nmおよび650nmでそれぞれ読み取った。TNF−αのレベルを、450nm
における光学密度を使用された濃度に関係づけるグラフから決定した。
【0182】 IC50値は、450nmの吸光度が最大値の半分に低下することに対応する試験
化合物の濃度として定義された。
【0183】 実施例13 本実施例は、LPSにより誘導されるTNF−α生産のマウス(またはラット
)における阻害を評価するためのインビボアッセイを例示する。
【0184】 TNF−αの放出をインビボで阻害する本発明の化合物の能力を、Zanettiら
、J. Immunol.、148:1890(1992)およびSekutら、J. Lab. Clin. Med.、124:813(
1994)に記載される方法の小さな変更を使用して決定した。
【0185】 18〜21gの体重の雌BALB/cマウス(CA州ホリスター所在Charles
River)を、1週間馴化した。各8匹のマウスを含む群に、0.9%塩化ナトリ
ウム、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム、0.4%ポリソルベー
ト80、0.9%ベンジルアルコール(CMCベヒクル)またはベヒクルのみ(
対照群)を含む水性ベヒクルに懸濁または溶解した試験化合物で経口投与した。
30分後、マウスに、20μgのLPS(MO州セントルイス所在シグマ)を腹
腔内注射した。1.5時間後、マウスをCO2吸入により屠殺し、血液を心臓穿
刺により収集した。血液を、15,600×gで5分間遠心分離することにより
清澄にし、血清を清潔なチューブに移し、製造業者の指示に従って、−20℃で
ELIZAアッセイ(CA州カマリロ所在Biosource International)によりT
NF−αについて解析するまで凍結した。
【0186】 本明細書に記載の実施例および実施形態は、単に説明のためであり、それに照
らして種々の修飾または変更が、当業者には示唆され、本出願の精神および権限
並びに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると理解される。
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月22日(2002.4.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、 下付文字のnは、0〜3の整数であり; R1は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルア
ルケニル、シクロアルキルアルキニル及びアラルキルであり; 各R2は、アルキル、ハロ、ヘテロアルキル及びビニルよりなる群から独立に
選択され;そして R3は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアル
キルカルボニル、ヘテロ置換シクロアルキル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキ
ル、ヘテロ置換シクロアルキルアルケニル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキニ
ル、ヘテロアルキル置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアル
キル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、−(アルキレ
ン)−C(O)R31及び−(ヘテロアルキレン)−C(O)R31であり;ここで R31は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換
アミノ、二置換アミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルである〕により表される化
合物、及びこれらの薬学的に許容しうる塩の群から選択される化合物。
【化2】 〔式中、n、R2及びR3は、請求項1と同義であり(ただし、存在する任意の妨
害性の反応性基は、場合により保護型である)、そしてLは、離脱基である〕で
示される化合物を式(III):
【化3】 〔式中、R1は、請求項1と同義である(ただし、存在する任意の妨害性の反応
性基は、場合により保護型である)〕で示されるアミンで処理し、必要であれば
、反応生成物中に存在する保護反応性基を脱保護し、そして場合により式(I)
の化合物を薬学的に許容しうる塩に変換することを特徴とする方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/02 A61P 19/02 43/00 111 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゴールドスタイン,デービッド・マイケル アメリカ合衆国、カリフォルニア 95138、 サン・ホセ、ロクスバーグ・コート 5283 (72)発明者 ハリス,ウイリアム イギリス国、ベッドフォードシャー エス ジー16 6ジェイワイ、ヘンロー、ローワ ー・ストンドン、フェイクスウェル・レー ン 8 (72)発明者 スミス,イアン・エドワード・デービッド イギリス国、ベッドフォードシャー エム ケー44 3キューディー、ウィリントン、 チャーチ・ロード 5 (72)発明者 ウェルシュ,テレサ・ロザンヌ アメリカ合衆国、カリフォルニア 95014、 クパーティーノ、プルネリッジ・アベニュ ー 19500 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB08 CC08 EE04 FF01 GG03 HH01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 CB10 MA01 MA04 NA14 ZA59 ZA66 ZA96 ZC02 ZC20

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 〔式中、 下付文字のnは、0〜3の整数であり; R1は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、シ
    クロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルア
    ルケニル、シクロアルキルアルキニル及びアラルキルであり; 各R2は、アルキル、ハロ、ヘテロアルキル及びビニルよりなる群から独立に
    選択され;そして R3は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアル
    キルカルボニル、ヘテロ置換シクロアルキル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキ
    ル、ヘテロ置換シクロアルキルアルケニル、ヘテロ置換シクロアルキルアルキニ
    ル、ヘテロアルキル置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアル
    キル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、−(アルキレ
    ン)−C(O)R31及び−(ヘテロアルキレン)−C(O)R31であり;ここで R31は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換
    アミノ、二置換アミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、
    アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルである〕により表される化
    合物、及びこれらの薬学的に許容しうる塩の群から選択される化合物。
  2. 【請求項2】 R1が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキ
    ルカルボニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアル
    ケニル、シクロアルキルアルキニル及びアラルキルよりなる群から選択されるメ
    ンバーである、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1が、水素、アルキル、シクロアルキル及びアラルキルよ
    りなる群から選択されるメンバーである、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1が、アルキルである、請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1が、シクロアルキルである、請求項3記載の化合物。
  6. 【請求項6】 nが、1〜2の整数であり、そして各R2が、ハロ及びアル
    キルよりなる群から独立に選択される、請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 nが、1〜2の整数であり、そして各R2が、独立にハロゲ
    ンである、請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 −(R2nが、2−ハロ又は2,6−ジハロを表す、請求項
    7記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R3が、ヘテロアルキルである、請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】 R3が、ヘテロシクリルアルキルである、請求項1記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】 R1が、アルキル又はシクロアルキルであり、R2が、ハロ
    であり、R3が、ヘテロアルキルであり、そしてnが、1又は2である、請求項
    7記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R1が、アルキル又はシクロアルキルであり、R2が、ハロ
    であり、R3が、ヘテロシクリルであり、そしてnが、1又は2である、請求項
    7記載の化合物。
  13. 【請求項13】 R1が、アルキル又はシクロアルキルであり、R2が、ハロ
    であり、R3が、ヘテロ置換シクロアルキルであり、そしてnが、1又は2であ
    る、請求項7記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R1が、イソプロピルであり、R2が、ハロであり、そして
    nが、1又は2である、請求項1記載の化合物。
  15. 【請求項15】 3−(2−クロロ−フェニル)−1−エトキシカルボニル
    メチル−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕
    ピリミジン−2(1H)−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−カルボキシメチル−7−イソプロピルア
    ミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H)−オ
    ン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−(2−メトキシエチル)−7−イソプロ
    ピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1H
    )−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−7−イソプロピルアミノ−1−(2−メチル
    スルホニルエチル)−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−
    2(1H)−オン、 3−(2−クロロ−フェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−7−イソプ
    ロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(1
    H)−オン、 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2S)−2,3−ジヒドロキシエチル
    〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリ
    ミジン−2(1H)−オン、 3−(2−クロロフェニル)−1−〔(2R)−2,3−ジヒドロキシエチル
    〕−7−イソプロピルアミノ−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリ
    ミジン−2(1H)−オン、及び 7−イソプロピルアミノ−3−(2−クロロフェニル)−1−(2−ピペリジ
    ニル−エチル)−3,4−ジヒドロ−ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン−2(
    1H)−オン、並びにこれらの薬学的に許容しうる塩よりなる群から選択される
    、請求項1記載の化合物。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の化合物の製造方法であって、 (a)式(II): 【化2】 〔式中、n、R2及びR3は、請求項1と同義であり(ただし、存在する任意の妨
    害性の反応性基は、場合により保護型である)、そしてLは、離脱基である〕で
    示される化合物を式(III): 【化3】 〔式中、R1は、請求項1と同義である(ただし、存在する任意の妨害性の反応
    性基は、場合により保護型である)〕で示されるアミンで処理し、必要であれば
    、反応生成物中に存在する保護反応性基を脱保護し、そして場合により式(I)
    の化合物を薬学的に許容しうる塩に変換することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物、又は薬学的
    に許容しうるその塩、及び適合性の薬剤担体を含む、薬剤組成物。
  18. 【請求項18】 治療薬として使用するための、請求項1〜15のいずれか
    1項記載の化合物。
  19. 【請求項19】 p38介在性障害の治療又は予防における治療薬として使
    用するための、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
  20. 【請求項20】 関節炎、クローン病、過敏性腸症候群、成人呼吸窮迫症候
    群及び慢性閉塞性肺疾患の治療又は予防において使用するための、請求項1〜1
    5のいずれか1項記載の化合物。
  21. 【請求項21】 p38介在性障害の治療又は予防における、特に、関節炎
    、クローン病、過敏性腸症候群、成人呼吸窮迫症候群及び慢性閉塞性肺疾患の治
    療又は予防における、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物の使用。
  22. 【請求項22】 請求項1〜15のいずれか1項記載の1種以上の化合物、
    又はその塩、及び所望であれば、1種以上の他の治療上有用な物質を、適合性の
    薬剤担体と一緒に製剤投与剤形にすることを特徴とする、製剤の製造方法。
  23. 【請求項23】 関節炎、クローン病、過敏性腸症候群、成人呼吸窮迫症候
    群及び慢性閉塞性肺疾患の治療又は予防用の薬剤組成物の製造における、請求項
    1〜15のいずれか1項記載の化合物の使用。
  24. 【請求項24】 請求項16記載の方法により製造される、請求項1記載の
    化合物。
  25. 【請求項25】 特に、新しい化合物、方法、薬剤組成物及びその使用に関
    する、実質的に本明細書に記載の発明。
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