JP2003512078A - 芳香族アルデヒド及び/又はカルボン酸の微生物学的製造方法 - Google Patents

芳香族アルデヒド及び/又はカルボン酸の微生物学的製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はキシレンモノオキシゲナーゼ又はアルカンモノオキシゲナーゼを発現する遺伝子組み換え微生物を使用して芳香族化合物を相応のアルデヒド誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の段階的な酸化のための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はキシレンモノオキシゲナーゼ又はアルカンモノオキシゲナーゼを発現
する組み換え微生物の使用下に芳香族アルデヒド誘導体及び/又はカルボン酸誘
導体を製造するための酸化的な微生物学的方法に関する。
【0002】 例えばシュードモナス プチダmt−2のTOL−プラスミドpWWOによっ
てコードされるキシレンモノオキシゲナーゼ(XMO)はトルエン及びキシレン
異化の際に重要な役割を果たす酵素系である。XMOはアルキル基ヒドロキシラ
ーゼのファミリーに属し、選択的に芳香環上のメチル基をヒドロキシル化する。
これはカルボン酸誘導体の形成に導く代謝経路の第1工程(図1の(A)参照)
であり、これらの誘導体を所謂メタ異化経路を介してクレブス回路のための基質
に変換する。
【0003】 XMOは2つのポリペプチド−サブユニットXylM及びXylAからなり、
これらは遺伝子xylM及びxylAによってコードされる(xylMA GE
NBANK−アクセッション番号M37480)。XylAはNADH受容体レ
ダクターゼ、すなわち電子伝達タンパク質であり、これはNADHからXylM
膜に局在するヒドロキシラーゼへと還元当量を伝達する。
【0004】 XylMの活性はリン脂質及び鉄(II)イオンの存在に依存し、7のpH最
適値を有する。XylMのアミノ酸配列はP.オレオボランス(P.oleovorans)
GPo1からのアルカン−ヒドロキシラーゼのヒドロキシラーゼ構成要素Alk
Bのアミノ酸配列と25%以下の相同性を有する。
【0005】 アルカンヒドロキシラーゼは中鎖長のアルカンのための異化経路の第1の酵素
であり、これにOCT異化プラスミド上で2つのalk−遺伝子クラスターによ
ってコードされる1組の酵素がそれに関連している。
【0006】 図1(A)に示される代謝経路における第2の酵素はベンジルアルコールデヒ
ドロゲナーゼ(BADH)、長鎖アルコールを基質とする亜鉛含有のデヒドロゲ
ナーゼファミリーのホモダイマーのメンバーである。この酵素はxylB−遺伝
子によってコードされる。図1(A)に示される代謝経路における第3の酵素は
、同様にxylC−遺伝子によってコードされるモノダイマーであるベンズアル
デヒドデヒドロゲナーゼ(BZDH)である。
【0007】 前記の遺伝子及び酵素の機能及び特性に対する更なる詳細は文献箇所(1)〜
(18)にある。
【0008】 XMOを発現するように遺伝子組み換えされたエシェリキア コリがトルエン
及びキシレンだけでなく、m−及びp−エチル−、メトキシ−、ニトロ−及びク
ロロ−置換されたトルエン並びにm−ブロム置換されたトルエンをも相応のベン
ジルアルコール誘導体に酸化できることを示すことができる(19,20)。ス
チレンはスチレンオキシド(ee95%)に酸化される。更にXMOは図1(A
)に示される代謝経路における第2工程を触媒する、すなわちインビボで相応の
アルデヒドにベンジルアルコールを酸化することが推測された(すなわち完全な
生存細胞による試験において)(2,21)。また図1(A)に示される代謝経
路の第3工程の後にベンゾエートへのベンズアルデヒドの変換を既に観察するこ
とができるが、E.コリにおける非特異的なデヒドロゲナーゼとみなされる(2
)。それに対して更にインビトロで実施される部分的に精製されたXylMAに
よる調査(この記載においてはXMOの別名が使用されている、すなわちそのた
めに2つのポリペプチド−サブユニット、すなわちXylM及びXylAからな
る機能的酵素)はこれがベンジルアルコールに関して活性を有さないことを示し
ている。この矛盾に関する理由は依然として明らかでない。
【0009】 キシレンモノオキシゲナーゼ及びアルカンモノオキシゲナーゼ(AMO、アル
カンヒドロキシラーゼとも呼称される;GENBANKアクセッション番号:A
J245436)の間に表れる相同性に基づいて、当業者は触媒反応の種類及び
規模に関する両者の系に関する類似の制限を見込んでいる。
【0010】 今まで先行技術から公知の生体触媒的な芳香族アルデヒドもしくはカルボン酸
の製造方法は、なおも要求が満たされない限りはその実施のために種々の酵素を
必要とするとみなされる。また化学合成は必要なレジオ選択性及び化学選択性に
基づいて困難なことが明らかにされた。
【0011】 従って本発明の課題は芳香族アルデヒド及び/又はカルボン酸の簡単な製造方
法を提供することである。
【0012】 本発明によれば、意想外にも簡単な微生物学的な製造方法を提供することがで
きた。本発明は、特にXMOもしくはAMOが図1(A)もしくは図1(B)に
示される反応経路の各個々の工程を触媒することができる、すなわちアルキル置
換された芳香族化合物を相応のアルコール誘導体及び相応のアルデヒド誘導体を
中間体として介してカルボン酸誘導体に酸化するという意想外な知識に基づく。
意想外にも本発明によれば、XMOを発現する組み換えE.コリ(20,21)
による以前の調査と比較してXMO遺伝子、すなわちxylM及びxylAに関
する特定の発現系を使用すると10〜20倍高い活性を達成できることも確認さ
れた。
【0013】 本発明の第1の対象は従って一般式I: Ar−(CH−R (I) [式中、 Arは一置換又は多置換されていてよい一核性の芳香環を表し、 Rは酸素含有基−CHO又は−COOHを表し、 nは0〜15、例えば0〜12、1〜6又は6〜12の整数値を表す]の芳香族
アルデヒド及び/又はカルボン酸を製造するにあたり、 a)式II: Ar−R (II) [式中、 Arは前記の意味を有し、かつ Rは−CH=CH又は−(CHn+1(式中、nは前記のように定
義されており、かつRはH又はOHを表す)を表し、又はRが−COOHを
表す場合には、Rは−(CHを表してよく、その際、nは前記のよ
うに定義されており、かつRは−CHOを表す]の芳香族基質を含有する培養
培地中でキシレンモノオキシゲナーゼ(XMO)及びアルカンモノオキシゲナー
ゼ(AMO)から選択される酵素を発現する微生物を、特に好気的に培養し、か
つ b)式Iの化合物を培養培地から単離することを特徴とする方法である。
【0014】 従って本発明による反応は同一の酵素を使用して1段階又は多段階で実施でき
る。基質としては、アルキル化された芳香族化合物、相応のアルコール又は相応
のアルデヒドを使用してよい。使用される基質の酸化の程度は以下に記載される
ように容易に調節できる。
【0015】 規定の理論に定められること無く、18O−導入実験は質量分光測定によって
得られる断片化パターンに関連して、次いで恐らく非立体特異的に脱水素してア
ルデヒドが得られる中間生成物としてのゲミナルなジオールの形成を介するXM
Oによって触媒されるアルコール酸化の最も見込みのあるメカニズムが進行する
ことが示唆される(図6を参照)。
【0016】 本発明により製造されるもしくは基質として使用される一般式I及びIIの化
合物における芳香族環系Arは一置換又は多置換されていてよい。環置換の位置
は任意に選択できる。しかしながら酸化されるべき側鎖に対してメタ位及び/又
はパラ位が有利である。
【0017】 本発明による方法によってXMOにより酸化可能な一般式IIの基質の具体的
な制限されない例は、トルエン、キシレン、スチレン、m−及び/又はp−メチ
ル、エチル−、メトキシ−、ニトロ−及びクロロ−置換されたトルエン、並びに
m−ブロム−置換されたトルエン及びシュードクメン(すなわちトリメチルベン
ゼン)並びに前記化合物の相応のアルコールもしくはアルデヒドである。本発明
による方法によりAMOにより酸化可能な一般式IIの基質の具体的な制限され
ない例は、トルエン、エチルベンゼン、n−及びi−プロピルベンゼン、n−ブ
チルベンゼン並びにm−及び/又はp−メチル、エチル−、メトキシ−、ニトロ
−及びクロロ−置換された前記化合物の類似体;及び該化合物の相応のアルコー
ル及びアルデヒドである。
【0018】 本発明による方法は有利には以下の酵素の使用下に実施する: xylMAのGENBANKアクセッション番号M37480による遺伝子xy
lA及びxylBによってコードされるXMO及び相応のイソ酵素。XMOは有
利には属シュードモナス、特に種シュードモナス プチダ、有利には株mt−2
(ATCC33015)の細菌に由来する。
【0019】 GENBANKアクセッション番号AJ245436による遺伝子alkB、a
lkG及びalkTによってコードされるAMO及び相応のイソ酵素(例えばa
lkBに対するイソ酵素)。AMOは有利には属シュードモナス、特に種シュー
ドモナス オレオボランス、有利には株GPo1(ATCC29347)の細菌
に由来する。
【0020】 本発明により包含されるものは、同様に具体的に開示されているXMO及びA
MOの“機能的等価物”の使用である。
【0021】 “機能的等価物”又は具体的に開示されているモノオキシゲナーゼの類似体は
本発明の範囲におけるそれとは異なるものであり、これらは更に望ましい反応を
示し、かつ前記の一般式Iのアルデヒド及び/又はカルボン酸の製造のために使
用できる。
【0022】 “機能的等価物”とは、少なくとも1つの配列位置で本来のアミノ酸とは別の
アミノ酸を有するが、それにもかかわらず前記の酸化反応を触媒するものを表す
。“機能的等価物”は従って1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失及び/又は逆
位によって得られる突然変異体を含み、その際、前記の変更は、本発明による触
媒活性を有する突然変異体に導く限りそれぞれの配列位置に生じてよい。機能的
等価物は、特に突然変異体及び変更されていない酵素間の反応性型が質的に一致
する、すなわち例えば同じ基質を異なる速度で変換する場合に与えられる。
【0023】 “機能的等価物”は本来、別の生物、例えば本願で具体的に挙げられた細菌と
は別の生物から得られるモノオキシゲナーゼ並びに天然に存在する変異体又はイ
ソ酵素を含む、例えば配列比較によって相同的な配列領域の範囲を確認して、本
発明の具体的な基準に関連して同等な酵素を突き止めることができる。
【0024】 本発明により包含されるものは、また前記のモノオキシゲナーゼ及びその機能
的等価物の1つをコードする具体的に挙げられる核酸配列(一本鎖及び二本鎖の
DNA配列及びRNA配列)とは別の配列の使用である。他の本発明により使用
可能な核酸配列は従って1つ又は複数のヌクレオチドの付加、置換、挿入又は欠
失による具体的に使用される配列とは異なるが、更に望ましい特性プロフィール
を有するモノオキシゲナーゼをコードしている。
【0025】 本発明により含まれるものは、また所謂サイレント突然変異を含むか又は特定
の起源又は宿主生物のコドン利用に相応して具体的に挙げられる配列と比較して
その天然に存在する変異体、例えばスプライス変異体と同様にそれによって変更
されている核酸配列の使用である。同様に対象は保存的なヌクレオチド置換(す
なわち当該アミノ酸を電荷、サイズ、極性及び/又は溶解性が同じアミノ酸に取
り換える)によって得られる配列である。
【0026】 本発明の対象は更に調節核酸配列の遺伝的制御下に本発明により使用可能なモ
ノオキシゲナーゼ酵素をコードする核酸配列を有する発現構築物;並びにこれら
の発現構築物の少なくとも1つを有するベクターである。有利には本発明による
構築物はそれぞれのコーディング配列の5′上流にプロモーターを有し、3′下
流にターミネーター配列並びに場合により通常の調節エレメントを有し、特にそ
れぞれはコーディング配列と機能的に結合している。“機能的結合”とはプロモ
ーター、コーディング配列、ターミネーター及び場合により他の調節エレメント
の配置順序が、各調節エレメントがコーディング配列の発現において規定のよう
にその機能を満たすことができるような順序であることを意味する。機能的に結
合可能な配列のための例はターゲティング配列並びに翻訳強化因子、エンハンサ
ー、ポリアデニル化シグナルなどである。他の調節エレメントは選択可能なマー
カー、増幅シグナル、複製起点などを含む。
【0027】 人工的な調節配列の他に、実際の構造遺伝子の前に天然の調節配列が存在して
いてよい。遺伝的変化によって、この天然の調節は場合によりオフにでき、遺伝
子発現を高めるか、又は低めることができる。しかしながら該遺伝子構築物は容
易に合成できる、すなわち構造遺伝子の前に付加的な調節シグナルを挿入せず、
かつその調節を有するプロモーターは除去されない。その代わりに、天然の調節
配列を、調節がもはや行われず、かつ遺伝子発現を高めるか、又は低めるように
変異させる。核酸配列は1つ以上のコピーを遺伝子構築物中に有していてよい。
【0028】 使用可能なプロモーターの例は:グラム陰性細菌で使用されるcos−プロモ
ーター、tac−プロモーター、trp−プロモーター、tet−プロモーター
、trp−tet−プロモーター、lpp−プロモーター、lac−プロモータ
ー、lpp−lac−プロモーター、lacIq−プロモーター、T7−プロモ
ーター、T5−プロモーター、T3−プロモーター、gal−プロモーター、t
rc−プロモーター、ara−プロモーター、SP6−プロモーター、l−PR
−プロモーター又はl−PL−プロモーター並びにグラム陽性プロモーターam
y及びSPO2、酵母プロモーターADC1、MFa、AC、P−60、CYC
1、GAPDH又は植物プロモーターCaMV/35S、SSU、OCS、li
b4、usp、STLS1、B33、not又はユビキチンプロモーター又はフ
ァセオリンプロモーターである。誘導可能なプロモーター、例えば光又は温度で
誘導可能なプロモーター、例えばP−プロモーターが特に有利である。
【0029】 原則的に、その調節配列を有する全ての天然のプロモーターを使用できる。更
にまた合成プロモーターを有利に使用することができる。
【0030】 前記の調節配列は核酸配列の意図された発現及びタンパク質発現を可能にする
べきである。これは、例えば宿主生物に応じて、遺伝子が誘導後に初めて発現す
るか又は過剰発現するか、又は直ちに発現及び/又は過剰発現することを意味す
る。
【0031】 調節配列もしくは因子は更に有利には発現にポジティブに作用し、それによっ
て高められるか、又は低められる。このように調節エレメントの強化は転写レベ
ルで、強力な転写シグナル、例えばプロモーター及び/又は“エンハンサー”を
使用することによって実施できる。しかしながらその他にも翻訳の強化が、例え
ばmRNAの安定性の改善によって可能である。
【0032】 本発明による発現カセットの製造は適当なプロモーターと適当なモノオキシゲ
ナーゼ−ヌクレオチド配列並びにターミネーターシグナル又はポリアデニル化シ
グナルとの融合によって実施する。このために、例えばT.マニアティス(T.Ma
niatis)他(24)並びにT.J.ジルハヴィ(T.J.Silhavy)他(32)及び
アウスユーベル(Ausubel),F.M.他(33)に記載のような慣用の組み換
え技術及びクローニング技術が使用される。
【0033】 組み換え核酸構築物もしくは遺伝子構築物は適当な宿主生物中での発現のため
に有利には、宿主において最適な遺伝子発現を可能にする宿主特異的なベクター
に挿入される。ベクターは当業者に公知であり、例えば“クローニングベクター
(Cloning Vectors)”(Pouwels P. H. et al.(34))から引用できる。
【0034】 ベクターとは、プラスミドの他に全ての当業者に公知の別のベクター、例えば
ファージ、ウイルス、例えばSV40、CMV、バキュウロウイルス及びアデノ
ウイルス、トランスポゾン、ISエレメント、ファズミド、コスミド及び線状又
は環状DNAを意味する。
【0035】 これらのベクターは宿主生物中で自律的に複製され、又は染色体により複製さ
れることがある。
【0036】 かかる本発明によるベクターを使用して、例えば少なくとも1種の本発明によ
るベクターで形質転換されており、かつ本発明による方法で使用できる組み換え
微生物を製造できる。有利には前記の本発明による組み換え構築物を適当な宿主
系に導入し、発現させる。このために、有利には当業者に公知の慣用のクローニ
ング法及びトランスフェクション法、例えば共沈殿法、プロトプラスト融合、エ
レクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクションなどを使用して、
前記の核酸をそれぞれの発現系に発現のために導入する。適当な系は、例えば分
子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、F
.アウスベル他(35)に記載されている。
【0037】 宿主生物としては、原則的に本発明による核酸、そのアレル変異体、機能的等
価物又は誘導体の発現を可能にし、本発明による微生物学的酸化反応の実施のた
めに使用できる全ての生物である。宿主生物とは、例えば細菌、菌類、酵母、植
物細胞又は動物細胞を意味する。有利な生物は細菌である。
【0038】 しかしながら有利には、かかるXMOを発現する、実質的にベンジルアルコー
ルデヒドロゲナーゼ(BADH)及び/又はベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ
(BZDH)の活性を有さない微生物が使用される。
【0039】 更に、実質的に遺伝子alkJもしくはalkHによってコードされるアルカ
ノールデヒドロゲナーゼ(AODH)及び/又はアルカナールデヒドロゲナーゼ
(AADH)の活性を有さないAMOを発現する微生物が使用される。例えば微
生物として、属エシェリキア、例えばE.コリ、例えば株W3110及びK12
株、例えばJM101及びDH5α又はシュードモナス プチダ株、例えば株K
T2440の細菌を使用できる。幾つかの有利なE.コリ株の特性を第1表に挙
げている。
【0040】 微生物をベクターで形質転換することは、本発明によれば確立された標準技術
(24)に従って実施し、かつ従って詳細な説明は省く。
【0041】 首尾よく形質転換された生物の選択は、同様にベクター又は発現カセット中に
含まれるマーカー遺伝子によって実施できる。かかるマーカー遺伝子のための例
は抗生物質耐性のための遺伝子及び形質転換された細胞の呈色をもたらす呈色反
応を触媒する酵素のための遺伝子である。これらは自動的なセルソーティングに
よって選択できる。ベクターで首尾よく形質転換された相応の抗生物質耐性遺伝
子(例えばG418又はハイグロマイシン)を有する微生物は相応の抗生物質を
含有する固体又は液体培地によって選択できる。細胞表面に提示されるマーカー
タンパク質はアフィニティクロマトグラフィーによる選択のために役立つ。
【0042】 宿主生物及び該生物に適当なベクター、プラスミド、ウイルス又はファージ、
例えばRNA−ポリメラーゼ/プロモーター系を有するプラスミド、ファージλ
又はμ又は別のテンペレートファージ又はトランスポゾン及び/又は他の有利な
調節配列の組合せが発現系を形成する。
【0043】 特に有利な実施形によれば、XMOをコードする遺伝子xylM及びxylA
又はAMOをコードする遺伝子alkB、alkG及びalkTを機能的結合で
有するシュードモナス オレオボランスGPo1からのalk調節系の遺伝的制
御下にある発現ベクターで形質転換された組み換え微生物を使用する。
【0044】 特に有利には微生物をxylMAをコードする発現プラスミドpSPZ3で形
質転換する。
【0045】 シュードモナス オレオボランスGPo1からのalk調節系は自体公知であ
る。2つの前記のalk遺伝子クラスタの第1のクラスタの発現はalkBp、
alkプロモーターの制御下にあり、かつ第2のalk遺伝子クラスタによって
コードされる機能的調節タンパク質alkSの存在下、インデューサー、例えば
アルカン例えば、n−オクタン又はこれによって僅かに抑えられる化合物、例え
ばジシクロプロピルケトン(DCPK)(8,22,23)の存在下に開始する
。alk調節系をE.コリ中で使用することは異化作用抑制を生じないという利
点を有する。
【0046】 本発明による方法において、有利にはn−オクタン及びDCPKをインデュー
サーとして使用し、特に有利にはn−オクタンの場合には0.001〜0.5%
(V/V)の量で、かつDCPKの場合には0.005〜0.5%(V/V)の
量で使用される。もちろん、n−オクタン及びDCPKからなる混合物を使用し
てもよい。これらの濃度範囲で作業する場合に誘導が最大になる。
【0047】 更に本発明は、前記の組み換え微生物によって前記の型の有機化合物の酸化の
ための微生物学的方法に関する。本発明により使用される組み換え微生物は公知
の方法によって培養及び発酵できる。これらの細菌は、例えばTB培地又はLB
培地中で、かつ20〜40℃の温度及び6〜9のpH値で培養できる。詳細に、
適当な培養条件は、例えばT.マニアティス他、上述の箇所に記載されている。
【0048】 前記の組み換え微生物を使用して本発明による微生物学的酸化を実施する場合
には、有利にはまず酸素及び天然培地、例えばTB培地又はLB培地中で、約2
0〜40℃より高い培養温度及び約6〜9のpH値で十分な細胞密度が得られる
まで実施する。酸化反応をより良好に調節しうるために、有利には誘導可能なプ
ロモーターを使用してよい。培養は、モノオキシゲナーゼ生産の誘導の後に酸素
の存在下に、例えば1時間から3日間継続する。形成された酸化生成物又は酸化
生成物混合物を、次いで慣習的な方法で、例えば抽出又はクロマトグラフィーに
よって培地から単離かつ精製することができる。
【0049】 本発明による反応は、有利にはバイオリアクター中で実施でき、これらは本発
明による組み換え微生物を、例えば固定化された形で有する。
【0050】 本発明により使用される基質の酸化の程度は簡単に制御できる。例えば、定期
的な間隔で試料を培養培地から取り出し、ガスクロマトグラフィー又はガスクロ
マトグラフィーと質量分析器との連結(GC−MS)又は高圧液体クロマトグラ
フィーを使用して相応のアルコール誘導体、アルデヒド誘導体及び/又はカルボ
ン酸誘導体の含有率を調査する。どのような酸化された誘導体が望ましいか、又
は所望の混合比を調整しているかに応じて、インキュベーションを中断する。こ
れは、例えば微生物を培養培地から分離又はそれを分解することによって、例え
ば遠心分離及びデカンテーション及び/又は酸、トリクロロ酢酸での処理又は熱
による処理によって実施できる。また酸化されていない基質(例えばトルエン及
び/又ははシュードクメン)の供給によって酸形成を阻害できる。
【0051】 酸化された芳香族化合物を、次いで慣用の分離法によって、例えば簡単な蒸留
、分別蒸留、精留、場合により真空中で、又は適当なクロマトグラフィー法を使
用して、有利には蒸留によって単離できる。適切には、微生物細胞を生成物の精
製前に培養培地から除去する。
【0052】 本発明により有利な発現ベクターpSPZ3の構築は(31)パンケ他(Pank
e)、Applied and Environmental Microbiology (1991) 2324-2332に記載され、
引用することにより記載されたものとする。
【0053】 本発明による調査の構成において、微生物の形質転換のために、XMO遺伝子
xylM及びxylAの他に更にシュードモナス プチダmt−2からのベンジ
ルアルコールデヒドロゲナーゼ(BADH)遺伝子xylBを発現可能な形で有
するベクターを使用した。ベンジルアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子xylB
をxylA遺伝子の下流に直接、前記のプラスミドpSPZ3に挿入するために
、xylB遺伝子を有するプラスミドpCK04(25)の2.3kb長のXh
oI/FspI断片をまずXhoI及びSmaIで消化されたベクターpGEM
−7zf(+)(プロメガ、チューリッヒ、スイス)中に挿入してpGEMAB
を得た。この構築物から、2.3kb長の断片をXhoI及びBamHIで切断
し、XhoI及びBamHIで消化されたプラスミドpSPZ3中にライゲーシ
ョンした。生じるプラスミドをpRMABと呼称した(図2)。
【0054】 pRMABによる調査はしかしながら、BADHの存在下にXMOの他にベン
ジルアルコールを低い活性でのみベンズアルデヒドに酸化するだけでなく、ベン
ジルアルコールを逆形成することが示される。
【0055】 ネガティブコントロールとして、本発明による調査の構成においてxyl遺伝
子を有さないプラスミドpRSを構築した。pRMABをBamHI及びSma
Iで消化し、クレノウ酵素で処理した。大きい方の断片を単離した後でベクター
をリライゲーションした。
【0056】 以下に具体的な制限しない例に関する本発明による方法及び図面を説明する。
【0057】 図1は(A)トルエンからのベンジルアルコール、ベンズアルデヒド及び安息
香酸への上位のTOL代謝経路の酵素による段階的な酸化及び上位のTOLオペ
ロンのxyl遺伝子の編成を示している。BADH及びBZDHはベンジルアル
コールデヒドロゲナーゼもしくはベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼを表す。P は上位のTOLオペロン−プロモーター、xylW未知の機能を有する遺伝子
、xylCというBZDHをコードする遺伝子、xylMというXMOの末端ヒ
ドロキシラーゼ成分をコードする遺伝子、xylAというXMOのNADH:受
容体レダクターゼ成分をコードする遺伝子、xylBというBADHをコードす
る遺伝子並びにxylNという未知の機能を有する遺伝子を表す;(B)相応の
アルカノール及びアルカナールを介してアリール置換されたアルカンをアルカン
カルボン酸に段階的に酸化することは、酵素のアルカンヒドロキシラーゼ(AM
O)、アルカノールデヒドロゲナーゼ(AODH)及びアルカナールデヒドロゲ
ナーゼ(AADH)によって触媒される。
【0058】 図2はalk調節系の制御下に遺伝子xylMA及びxylMABを有する発
現プラスミドpSPZ3及びpRMABの構築図を示している。alkBpはa
lkオペロンのプロモーターを意味し、alkSは正のレギュレーターAlkS
に関する遺伝子である。これらの遺伝子xylM*及びxylAはキシレンモノ
オキシゲナーゼ(*はxylM遺伝子中でNdeI部位が除去されていることを
意味する)。xylB遺伝子はBADHをコードする。Kmはカナマイシン耐性
のための遺伝子を示し、かつT4tはファージT4の転写ターミネーターである
【0059】 図3はE.コリ JM101(pSPZ3)(A)及びE.コリ JM101(
pRMAB)(B)の酸化を示している。トルエン(1.37mM)を静止E.
コリ JM101(pSPZ3/pBRMAB)細胞のリン酸カリウムバッファ
ー(50mM)pH7.4、1%(w/v)グルコース中の懸濁液(2.07〜
2.14g*l- CDW)に添加した。丸:トルエン、正方形:ベンジルアルコ
ール、三角形:ベンズアルデヒド、菱形:安息香酸、×印:4つの濃度の総計。
【0060】 図4はシュードクメン、相応のアルコール及び相応のアルデヒドのE.コリ
JM101(pSPZ3)(A,C,E)及びE.コリ JM101(pRMA
B)(B,D)による酸化を示している。これらの基質(0.46mM)を静止
E.コリ JM101(pSPZ3/pBRMAB)細胞(0.86〜0.92
g*l- CDW)のリン酸カリウムバッファー(50mM)pH7.4、1%(
w/v)グルコース中の懸濁液に添加した。グラフ(A)及び(B)はシュード
クメンの酸化を示し、グラフ(C)及び(D)は3,4−ジメチルベンジルアル
コールの酸化を示し、かつグラフ(E)は3,4−ジメチルベンズアルデヒドの
酸化を示す。丸:シュードクメン、正方形:3,4−ジメチルベンジルアルコー
ル、三角形:3,4−ジメチルベンズアルデヒド、菱形:3,4−ジメチル安息
香酸、×印:全ての濃度の総計。
【0061】 図5はE.コリ JM101(pSPZ3)におけるXMOの増殖キネティッ
ク及び誘導キネティックを示している。グラフ(A)はn−オクタンによる誘導
の後の種々の時点に対するキシレンモノオキシゲナーゼ活性及び細胞乾燥質量(
CDW)を示しており、一方でグラフ(B)及び(C)はn−オクタンあるいは
ジシクロプロピルケトン(DCPK)の種々の量による誘導の3.5時間後の同
じ値を示している。各活性測定は無関係な培養に由来する。シュードクメン(1
.37mM)を静止E.コリ JM101(pSPZ3)細胞(2.04〜2.
44g*l- CDW)のリン酸カリウムバッファー(50mM)pH7.4、1
%(w/v)グルコース中の懸濁液に添加した。比活性は反応の最初の5分間の
間の生成物形成に基づく。グラフ(A)中の矢印は、XylMA合成を誘導する
ためにいつ0.1%(v/v)のn−オクタンを添加したかを示している。塗ら
れた丸:誘導されていない培養のCDW、開いた丸:誘導された培養のCDW、
×印:誘導された培養の比活性。
【0062】 図6はベンジルアルコールからのベンズアルデヒドのXMO触媒的形成のため
の可能な機械的な説明を示している。
【0063】 一般的方法及び使用される材料 a)細菌及びプラスミド 表I 細菌株及びプラスミド
【0064】
【表1】
【0065】 b)化学物質及び酵素 全ての使用される化学物質及び酵素は、例えばベーリンガーマンハイム(ロー
トクロイツ、スイス)、NEB(シュバルバッハ、ドイツ)、Gibco(バー
ゼル、スイス)、AGS(ハイデルベルク、ドイツ)、Promega(チュー
リッヒ、スイス)、Fluka(ブッフス、スイス)、Aldrich(ブッフ
ス、スイス)及びLancaster(ミュールハイム、ドイツ)で市販されて
いる。小規模でのプラスミドDNAの調製のために、製造元の指示に従ってQu
iagen(バーゼル、スイス)のQIAprep−Spin−MiniPre
pキットを使用した。
【0066】 c)遺伝子工学的方法 使用されるベクター/プラスミドの構築及び細菌のトランスフェクションもし
くは形質転換のために遺伝子工学の標準的方法を使用した。これらは例えばサン
ブローク(Sambrook)、フリッチュ(Fritsch)及びマニアティス(Maniatis)
の書籍(24)に詳細に記載されている。更に材料及び方法の章で文献リストに
挙げたオリジナル論文に示される。従って進んだ論議は省く。
【0067】 d)細菌の培養 細菌をルリア−ベルタニ(LB)ブロス(Difco, Detroit, Mich)又は3倍濃
度のリン酸塩(M9*)及び0.5%(W/V)の唯一の炭素源としてのグルコ
ースを含有するM9−最少培地のどちらか一方で増殖させた。培養に場合により
カナマイシン(最終濃度:50mg/リットル)、アンピシリン(100mg/
リットル)、クロラムフェニコール(30mg/リットル)、チアミン(10-
%、W/V)、1mMのインドール及び0.5mMのIPTG(イソプロピル
−β−D−1−チオガラクトピラノシド)を補った。固体培地は1.5%(W/
V)のアガーを含有した。液体培養を通常のように30又は37℃で水平振盪器
において200rpmで増殖させた。
【0068】 e)酵素活性の測定 酵素活性の測定を簡素化のために全細胞の使用下に実施した。
【0069】 ユニット(U)は1マイクロモルの全生成物が1分間で生じる活性として定義
する。比活性は本願では1gの細胞乾燥質量(CDW)あたりの活性(Ug-
CDW)として表現する(以下に単に活性とも呼ぶ)。1gのCDWあたりの反
応の最初の5分間で形成される生成物の量に対する平均活性として計算する。調
査は少なくとも3回、互いに無関係に繰り返した。
【0070】 該アッセイは以下のように実施した。相応のベクターで形質転換されたE.コ
リ JM101を40又は100mlの培地中でカナマイシンの存在下にインキ
ュベートした。450nmでの光学密度が約0.3である場合に、細胞を0.0
5%(V/V)のDCPK又は0.1%(V/V)のn−オクタンの添加によっ
て誘導し、3〜3.5時間、OD450が典型的に0.8〜0.9になるまで更
にインキュベートした。次いで細胞を回収し、50mMのリン酸カリウムバッフ
ァー、pH7.4(1%(W/V)のグルコース含有)中に2.5g/lの細胞
乾燥質量にまで再懸濁した。1又は2mlのアリコートを閉栓されたパイレック
ス(登録商標)−試験管に添加し、水平に回転振盪器で30℃及び250rpm
においてインキュベートした。5分後に、それぞれの基質を1.5mMの最終濃
度に20倍に濃縮されたエタノール中の原液の形で添加した。3,4−ジメチル
安息香酸の形成を測定する調査において、細胞乾燥質量を1g/lに低減させ、
それぞれの基質を0.5mMの最終濃度にまで添加する。それというのもこれら
の化合物は僅かに水溶性であるからである。反応を振盪器において5分間実施し
、次いで試料を氷中に置き、直ちに40又は80μlの過塩素酸原液(10%V
/V)と混合することによって完了させるので、懸濁液のpH値は2であった。
【0071】 f)時間の関数としての生成物形成の測定 時間の関数としての生成物形成の調査のために、細胞を前記のように培養し、
誘導し、回収して、再懸濁し、種々の長さ、すなわち5分、10分、20分、3
0分、40分及び80分の間、それぞれの基質とインキュベートした。次いで反
応を前記のように中断し、細胞を遠心分離(7800g、8分)によって除去し
、上清を分析した。
【0072】 ベンジルアルコール、ベンジルアルデヒド及び安息香酸の分離のために、高性
能液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した。カラムとしてNucleo
sil C18(孔径100Å、粒度5μm、長さ25cm、内径4mm)(Mac
herey-Nagel, Oensingen, Schweiz)を使用し、かつ移動相として69.9%の
O−30%アセトニトリル−0.1%HPOを流速0.7ml/分で使
用した。3,4−ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチルベンズアルデ
ヒド及び3,4−ジメチル安息香酸の分離のために、同一のカラムを使用するが
、移動相として64.9%のHO−35%アセトニトリル−0.1%HPO を同一の流速で使用した。検出のために、210nmでUV吸収を測定した。
分離された化合物をそれらの滞留時間を市販のスタンダードの滞留時間と比較す
ることによって同定した。
【0073】 トルエン/シュードクメン及び相応のアルコール、アルデヒド及び酸の場合に
は、分離をガスクロマトグラフィーによって実施した。ガスクロマトグラフィー
(Fisons Instruments, England)はMacherey−Nagel(Oensingen
, Schweiz)のOPTIMA−5型の石英キャピラリーカラム(長さ25m、内
径0.32mm、膜厚0.25μm)を装備していた。キャリヤーガスとして水
素を使用し、かつ注入をスプリットなしに実施した。この場合に、以下の温度プ
ロフィールを使用した:40℃から70℃まで15℃/分で、70℃から105
℃まで5℃/分で、かつ105℃から240℃まで20℃/分で。化合物の検出
は水素炎イオン化検出器で実施した。分離された化合物をその滞留時間と市販の
スタンダードの滞留時間との比較によって同定した。選択的に検出は質量分析器
を使用しても実施できる(GC−MS連結)。後者は、特異的なクロマトグラフ
ィーによる滞留時間の他にフラグメンテーション型及び個々のピークの強度分布
を反応生成物の定性的又は定量的な測定のために考慮するという利点を有する。
【0074】 Fison型の質量分析器及びCP−Sil−5CBカラム(Chrompak, Nied
erlande)を備えたガスクロマトグラフからなるGC−MS連結。キャリヤーガ
スとしてヘリウムを使用した。注入はスプリット(20:1)で実施した。温度
プログラムは前記のガスクロマトグラフィーによる分離と同じであった。
【0075】 ガスクロマトグラフもGC−MS連結の両者とも、試料に同量の氷冷エーテル
(内部標準として0.1mMのドデカンを含有する)を添加した。引き続き塩化
ナトリウムを飽和するまで添加し、水相を30℃で5分間の激しい攪拌後に抽出
した。有機相を無水の硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで分析した。
【0076】 例1:トルエン及びその誘導体のキシレンモノオキシゲナーゼによる酸化 以下の調査において、細胞をそれぞれ0.09gCDW/lの細胞密度にまで
増殖させ、通常のように0.1%(V/V)のn−オクタンで誘導した。次いで
培養を更に3〜3.5時間インキュベートし、0.23〜0.27gCDW/l
の細胞密度まで増殖させた。
【0077】 表IIは、XMOがトルエンをベンジルアルコールに酸化し、ベンジルアルコ
ールをベンズアルデヒドに酸化し、かつベンズアルデヒドを安息香酸に酸化する
ことを示している。最初の2つの酸化反応のために、活性は95〜100U/g
CDWにまで確認され、他方ベンズアルデヒドの酸化は低い活性、すなわち10
U/gCDWのみで実施した。
【0078】 シュードクメンの場合には結果は類似していた。シュードクメンは3,4−ジ
メチルベンジルアルコールに酸化され、3,4−ジメチルベンジルアルコールは
3,4−ジメチルベンズアルデヒドに酸化され、3,4−ジメチルベンズアルデ
ヒドは3,4−ジメチル安息香酸に酸化される。シュードクメンの酸化のために
100U/gCDWが確認され、それに対して3,4−ジメチルベンズアルデヒ
ドは50U/gCDWの活性で形成され、かつベンズアルデヒドよりも明らかに
高い活性(55U/gCDW)で3,4−ジメチル安息香酸に酸化された。
【0079】 酸を基質として添加した場合、反応生成物は確認されず、かつ酸の減少も確認
されなかった。
【0080】 コントロールとして、プラスミドpSPZ3を有する誘導されていないE.コ
リ JM101並びにプラスミドを有さない誘導されたE.コリ JM101を使
用した。alk調節系のE.コリに対する各影響を排除するために、付加的なコ
ントロールとしてプラスミドpRSを含有するE.コリ JM101を使用した
。プラスミドpRSはなおもalk遺伝子を有するが、xyl遺伝子を有さない
。表IIは、トルエン、シュードクメン及び相応のアルコールを基質として使用
する場合にコントロール試験において変換生成物を検出できないことを示してい
る。
【0081】 以下の表IIIは、それにもかかわらず前記試験において基質として添加した
アルデヒドが一定の活性でアルコールに還元されることを示している。また3,
4−ジメチル安息香酸の形成が確認できるが、2〜2.5U/gCDWの非常に
低い活性で確認される。これは誘導されたE.コリ JM101(pSPZ3)
(この略記は本願では微生物が挙げられたプラスミドを有することを意味する)
によって形成される殆どの酸がXMOの存在にあることを結論づける。
【0082】 ここで形成された生成物及び活性もしくは形成速度に関して通常のように使用
されるインデューサーである0.1%(V/V)n−オクタン及び代替的に使用
されるインデューサーである0.05%(V/V)DCPKの間で大きな差異が
確認できないことを示している。
【0083】 表II XMOによるトルエン及び誘導体の酸化
【0084】
【表2】
【0085】 表III コントロール試験におけるアルデヒドの変換
【0086】
【表3】
【0087】 誘導されていないE.コリ JM101(pSPZ3)及び誘導されたE.コ
リ JM101(pRS)の使用下にコントロール試験で確認されるアルデヒド
のアルコールへの還元は、熱力学的理由から平衡がアルコール側にある反応を触
媒するE.コリ−アルコールデヒドロゲナーゼの作用を明確にすることができる
。E.コリ JM101(pSPZ3)(図5A参照)によるトルエンの生体変
換の終わりにおけるベンジルアルコールの逆変換は同様に高い活性のE.コリ−
デヒドロゲナーゼに割り当てることができる。それというのもXMO活性は時間
とともに低下するからである。
【0088】 例2:種々の基質の酸化の時間経過の測定 トルエン、シュードクメン、3,4−ジメチルベンジルアルコール及び3,4
−ジメチルベンズアルデヒドの酸化の時間経過を図3及び4で示している。これ
らのアッセイを前記のように実施した。それぞれの基質をそれぞれの静止細胞の
50mMのリン酸カリウムバッファー、pH7.4(1%(W/V)のグルコー
スを含有する)中の懸濁液に添加した。
【0089】 トルエン又はシュードクメンを基質として添加する場合には、相応のアルコー
ル、アルデヒド及び酸の連続的な形成が確認された(図3A及び4A)。活性ア
ッセイにおいて確認されるように、ベンジルアルコール、3,4−ジメチルベン
ジルアルコール及びベンズアルデヒドを形成する活性が高かった。3,4−ジメ
チルベンズアルデヒド及び3,4−ジエチル安息香酸を形成する活性は中程度の
高さであり、安息香酸は低い活性で形成された。最初の5分間で、両者の基質の
シュードクメン及びトルエンから100U/gCDWの比活性(表IIを参照)
で生成物が形成された。5〜10分の範囲内で、ベンズアルデヒドは80U/g
CDWの活性で形成されるが、一方3,4−ジメチルベンズアルデヒドはより緩
慢に形成された(37U/gCDW)。酸の形成はトルエン又はシュードクメン
の完全な消費の後に開始され、特に3.2U/gCDWもしくは21U/gCD
Wの活性で安息香酸もしくは3,4−ジメチル安息香酸の場合には10〜30分
の間で開始される。常にベンジルアルコールの低い濃度が残る。40〜80分の
間で、ベンジルアルコールの濃度は再び増大するが、一方でベンズアルデヒドの
濃度は低下する(図3A)。シュードクメン、3,4−ジメチルベンジルアルコ
ール及び3,4−ジメチルベンズアルデヒドは完全に3,4−ジメチル安息香酸
の形成下に消費される(図4A)。
【0090】 3,4−ジメチルベンジルアルコールを基質として添加した場合には、3,4
−ジメチルベンズアルデヒドを形成する活性は50U/gCDWであり(表II
)、それに対して3,4−ジメチル安息香酸を形成する活性は23U/gCDW
であり、特に10〜30分の時間である(図4C)。ベンジルアルコールを基質
として使用した場合にはベンズアルデヒドを形成する活性は95U/gCDWで
あり、安息香酸を形成する活性は一定に2.9U/gCDW(結果は示さず)で
ある。調査された時間において、3,4−ジメチルベンジルアルコールはベンジ
ルアルコールの存在下に完全に酸に変換された。
【0091】 3,4−ジメチルベンズアルデヒドを基質として添加した場合に(図4E)、
3,4−ジメチル安息香酸は55U/gCDWの活性で形成され、かつ20分後
に既に優性種であった。ベンズアルデヒドを基質として使用した場合には、緩慢
かつ一定の安息香酸の形成(3U/gCDW)が確認された(結果は示さず)。
ここでは最初の5分間での初期活性は10U/gCDWの比活性であった(表I
I)。
【0092】 例3:E.コリ JM101(pRMAB)によるトルエン及びシュードクメ
ンの変換 この調査はBADH及びXMOの同時の存在によって、アルデヒドをトルエン
及びシュードクメンから形成する活性が増加するか又は低下するかという問題を
明確にするために使用されるべきである。幾つかのアルコールデヒドロゲナーゼ
は生理学的pH値における平衡がアルコールの側にある反応を触媒するので、後
者の可能性は完全に存在し、従ってBADHはアルデヒド形成速度を低下させる
【0093】 実際に、E.コリ JM101(pSPZ3)と比較して生体変換活性の差異
は明らかに確認できた。トルエンは87U/gCDWの初期の比活性でその相応
の酸化生成物に変換された。ベンジルアルコール、シュードクメン及び3,4−
ジメチルベンジルアルコールのための相応の活性は66、73及び42U/gC
DWであった。BADHが存在する場合には、従ってこれは生体触媒よりも組み
換えE.コリ MJ101の生体変換活性の低下を引き起こすと考えられる。
【0094】 トルエンを添加した場合には、順々にベンジルアルコール、ベンズアルデヒド
及び安息香酸が形成される(図3B)。5分〜10分間の間の時間において、ベ
ンジルアルコールは34U/gCDWの活性で形成され、酸は10〜40分の時
間において1U/gCDWの活性で形成される。約20分後に、ベンジルアルコ
ールの濃度は再び低下し始める(恐らく逆反応の開始の故に)。80分後に、ベ
ンズアルデヒドは最早ほとんど残留しておらず、非常に少量の安息香酸のみが形
成された。
【0095】 ベンジルアルコールを基質として添加した場合には、非常に類似の結果(示さ
ず)が得られる。これと反対に、約20分後にアルコールの形成の間にアルデヒ
ドの濃度が低下した。従って遺伝子xylBの導入はアルデヒドをアルコールに
相当の還元を引き起こし、これはアルデヒドの形成はBADHの添加によって低
下されないことを示している。
【0096】 シュードクメンを基質として添加する場合には、再び順々に行われる3,4−
ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチルベンズアルデヒド及び3,4−
ジメチル安息香酸の形成が確認された(図4B)。5〜10分の時間の間に、3
,4−ジメチルベンズアルデヒドが15U/gCDWの活性で形成された。酸は
30〜40分の時間において、ほぼ同じ活性(13U/gCDW)で形成した。
アルコールの迅速な形成の後に、アルデヒド濃度は20分間比較的高いままであ
った。それにもかかわらず、アルコール及びアルデヒドの反応の最後には完全に
酸に変換された。
【0097】 3,4−ジメチルベンジルアルコールを基質として添加した場合には、3,4
−ジメチルベンズアルデヒド及び3,4−ジメチル安息香酸が形成された(図5
B)。20〜30分の時間において、酸は8U/gCDWの比活性で形成された
。アルデヒド濃度は決してアルコール濃度を超えない。3,4−ジメチルベンジ
ルアルコールのより長期の存在は、酸化の他に反対にアルデヒドのアルコールへ
の還元が行われていることを示しており、BADHがその原因とみなされる。
【0098】 例4:E.コリ JM101(pSPZ3)の増殖−及び誘導キネティック 各活性点のために、個々の培養を培養した。活性アッセイを前記のように実施
した。図5Aの場合には、シュードクメン(1.37mM)を静止E.コリ J
M101(pSPZ3)(2.04〜2.26gl- CDW)の50mMのリ
ン酸カリウムバッファー、pH7.4(1%(W/V)のグルコースを含有する
)中の懸濁液に添加した。比活性を、ガスクロマトグラフィーによって測定した
変換の最初の5分間に形成された生成物の量を使用して計算した。矢印は、その
時点に0.1%(V/V)のn−オクタンをxylMA合成の誘導のために添加
したことを示している。塗られた丸は誘導されていない培養の細胞乾燥質量(S
DW)を示し、塗られていない丸は誘導された培養の細胞乾燥質量を示し、×印
は誘導された培養の比活性を示している。
【0099】 図5(B)及び(C)は図5(A)のように得られたが、細胞密度は2.26
〜2.44gl- CDWであった。図5(B)は異なる量のn−オクタンの作
用を示し、図5(C)はDCPKによる作用を示している。丸は誘導の3.5時
間後の細胞乾燥質量を示し、×印は誘導された培養の比活性を示している。
【0100】 XMO活性を0.1%(V/V)のn−オクタン(図5(A))又は0.05
%(V/V)のDCPKによる誘導の後に測定した。XMO活性を両者の化合物
によって直ちに誘導して、3〜3.5時間の誘導時間後に約115もしくは10
5U/gCDWの一定の強度がn−オクタンもしくはDCPKの場合に達成され
た。誘導されていない細胞との比較において、誘導された細胞の増殖速度は明ら
かに低い。
【0101】 XMO活性の誘導濃度[0.00001〜1%の範囲]による依存性を、E.
コリ JM101(pSPZ3)を1リットルあたり0.09gのCDWの濃度
にまで増大させ、細胞を種々の量のn−オクタン及びDCPKによって誘導する
ことによって測定した。更に3.5時間の培養の後に、それぞれのインデューサ
ー濃度に関して細胞乾燥質量及びXMO活性を測定した(図5(B)及び(C)
)。0.0001%(V/V)のn−オクタン又は0.0001%(V/V)の
DCPKを培養培地に添加した場合には非常に低いXMO活性が生じる。最大の
誘導は、0.005%〜0.01(V/V)のDCPK濃度及び0.001〜0
.004%(V/V)のn−オクタン濃度において確認された。より高い誘導濃
度においては、XMO活性は一定のままであった。n−オクタンの高い蒸気圧に
基づいて、封止された振盪フラスコを使用するが、その時でさえもn−オクタン
の一部のみが水性媒体に溶解されるだけである。蒸留された水中のn−オクタン
の溶解度は非常に低く、0.7mg/l又は0.0001%(V/V)であった
【0102】 酵素活性をその最大値にまで増大させるインデューサー濃度範囲において細胞
密度が低下する。より高いn−オクタンの濃度においては、酵素活性は一定のま
まであった。それに対してDCPKのより高い濃度は細胞密度の更なる低下を引
き起こす(図5(B)及び(C))。更に種々のインデューサー濃度がプラスミ
ドを有さないE.コリ JM101の増殖に直接影響することを調査した。高濃
度のn−オクタンは細胞増殖に影響を及ぼさなかった。それに対して、0.01
%(V/V)より高い濃度は増殖速度の低下をもたらす。0.5%(V/V)の
DCPK濃度のにおいては、誘導の3.5時間後に0.073g/lの細胞乾燥
質量が測定されたにすぎない。高いDCPK濃度は明らかに細胞に毒性作用を有
することを示している。従ってn−オクタンはより良好なインデューサーである
【0103】 まとめると、以下のことを確認できる。トルエン及びシュードクメンの段階的
な酸化において、2つの大きな差異がある。3,4−ジメチルベンジルアルコー
ルはベンジルアルコールよりも穏やかに酸化され、3,4−ジメチル安息香酸は
安息香酸よりも明らかに高い活性で形成される。これは置換基の変更が酸化され
た基質のためのXMOの比活性に、未酸化の基質、例えばトルエン及びシュード
クメンのための比活性とは別の作用を示し、そのためにXMOは非常に類似した
活性を有する。他の重要な結果は、トルエン又はシュードクメンは多かれ少なか
れ完全に消費されるまでは酸は形成されないことである。一般にそのようにすべ
き場合には、XMOは明らかに、トルエン及びシュードクメンに関しては相応の
アルデヒドに関してよりもより高い親和性を有する。BADHの存在は生成物形
成に関するより低い活性をもたらし、それどころかベンジルアルコールの逆形成
をもたらす。BADHを有する細胞はアルデヒドを明らかに穏やかに蓄積する。
BADHはE.コリ−デヒドロゲナーゼの作用を劇的に低下させると考えられ、
その際、このデヒドロゲナーゼ反応の平衡はアルコールの側にあると考えられる
。このことは、従来の技術において公知の方法によって熱力学的計算によって(
26〜29)かつ酵素的調査によって(16〜18)によって確認される。
【0104】
【外1】
【0105】
【外2】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aはトルエンからのベンジルアルコール、ベンズアルデヒド及び安息香酸
への上位のTOL代謝経路の酵素による段階的な酸化を示している。
【図1B】 図1Bは上位のTOLオペロンのxyl遺伝子の編成を示している。
【図2】 図2はalk調節系の制御下に遺伝子xylMA及びxylMABを有する発
現プラスミドpSPZ3及びpRMABの構築図を示している。
【図3A】 図3AはE.コリ JM101(pSPZ3)の酸化を示している。
【図3B】 図3BはE.コリ JM101(pRMAB)の酸化を示している。
【図4A】 図4AはシュードクメンのE.コリ JM101(pSPZ3)による酸化を
示している。、相応のアルコール及び相応のアルデヒドのE.コリ JM101
(pSPZ3)(A,C,E)及びE.コリ JM101(pRMAB)(B,
D)による酸化を示している。
【図4B】 図4Bは図4Aに相応のアルコールのE.コリ JM101(pRMAB)に
よる酸化を示している。
【図4C】 図4Cは図4Aに相応のアルコールのE.コリ JM101(pSPZ3)に
よる酸化を示している。
【図4D】 図4Dは図4Aに相応のアルデヒドのE.コリ JM101(pRMAB)に
よる酸化を示している。
【図4E】 図4Eは図4Aに相応のアルデヒドのE.コリ JM101(pSPZ3)に
よる酸化を示している。
【図5A】 図5AはE.コリ JM101(pSPZ3)におけるXMOの増殖キネティ
ック及び誘導キネティックを示している。
【図5B】 図5BはE.コリ JM101(pSPZ3)におけるXMOの増殖キネティ
ック及び誘導キネティックを示している。
【図5C】 図5CはE.コリ JM101(pSPZ3)におけるXMOの増殖キネティ
ック及び誘導キネティックを示している。
【図6】 図6はベンジルアルコールからのベンズアルデヒドのXMOの触媒による形成
を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月14日(2001.12.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:19) C12N 15/00 A (C12N 1/21 C12R 1:38) (C12P 7/24 C12R 1:19) (C12P 7/40 C12R 1:38) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ベルンハルト ハウアー ドイツ連邦共和国 フスゲーンハイム メ ロヴィンガーシュトラーセ 1 (72)発明者 ブルノ ビューラー スイス国 チューリッヒ デンラーシュト ラーセ 8 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA08 CA02 DA05 DA06 EA04 FA01 GA11 4B064 AC26 AD25 CA02 CA19 CC24 CD04 CD05 CD06 DA16 4B065 AA26X AA41X AA41Y AA44Y AB01 AC14 BA02 BB04 BB06 BB07 CA08 CA10 CA28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: Ar−(CH−R (I) [式中、 Arは一置換又は多置換されていてよい一核性の芳香環を表し、 Rは酸素含有基−CHO又は−COOHを表し、 nは0〜15の整数値を表す]の芳香族アルデヒド及び/又はカルボン酸の製造
    方法において、 a)一般式II: Ar−R (II) [式中、 Arは前記の意味を有し、かつ Rは−CH=CH又は−(CHn+1(式中、nは前記のように定
    義されており、かつRはH又はOHを表す)を表すか、又はRが−COOH
    を表す場合にはRは−(CHを表してもよく、その際、nは前記の
    ように定義されており、Rは−CHOを表す]の芳香族基質を含有する培養培
    地中で、キシレンモノオキシゲナーゼ(XMO)及びアルカンモノオキシゲナー
    ゼ(AMO)から選択される酵素を発現する微生物を培養し;かつ b)式Iの化合物を培養培地から単離することを特徴とする芳香族アルデヒド及
    び/又はカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 XMOを発現する微生物が実質的にベンジルアルコールデヒ
    ドロゲナーゼ(BADH)及び/又はベンズアルデヒドデヒドロゲナーゼ(BZ
    DH)の活性を有さない、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 AMOを発現する微生物が実質的にアルカノールデヒドロゲ
    ナーゼ及び/又はアルカナールデヒドロゲナーゼ(AADH)の活性を有さない
    、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 シュードモナス オレオボランス GPo1からのalk調節
    系の遺伝子制御下にXMOをコードする遺伝子xylM及びxylA又はAMO
    をコードする遺伝子alkB、alkG及びalkTを機能的な結合で有する発
    現ベクターで形質転換された組み換え微生物を使用する、請求項1から3までの
    いずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 微生物が発現プラスミドpSPZ3で形質転換されている、
    請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 微生物が属エシェリキアの細菌である、請求項1から5まで
    のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 酵素発現を培養培地へのインデューサーの添加によって開始
    する、請求項4から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 Rが−CH=CH、−CH又は−CHOHを表す式
    IIの化合物を、XMO活性を発現する微生物によって変換させる、請求項1か
    ら7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 Rが−(CH−Rを表し、その際、Rが前記の
    ように定義されており、mが6〜13の整数値を表す式IIの化合物を、AMO
    活性を発現する微生物によって変換させる、請求項1から7までのいずれか1項
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 シュードモナス プチダmt−2からのキシレンモノオキ
    シゲナーゼが発現される、請求項4記載の方法。
  11. 【請求項11】 シュードモナス オレオボランスGPo1からのalk調
    節系の遺伝子制御下にXMOをコードする遺伝子xylM及びxylA又はAM
    Oをコードする遺伝子alkB、alkG及びalkTを機能的な結合で有する
    発現ベクターを有する、組み換え微生物。
  12. 【請求項12】 属エシェリキア及びシュードモナスの細菌から選択される
    、請求項11記載の微生物。
  13. 【請求項13】 プラスミドpSPZ3で形質転換された、請求項11又は
    12記載の微生物。
  14. 【請求項14】 シュードモナス オレオボランスGPo1からのalk調
    節系の遺伝子制御下にXMOをコードする遺伝子xylM及びxylA又はAM
    Oをコードする遺伝子alkB、alkG及びalkTを機能的な結合で有する
    、発現構築物。
  15. 【請求項15】 請求項11から13までのいずれか1項記載の微生物又は
    請求項14記載の発現構築物の、一般式Iの芳香族化合物の微生物学的製造のた
    めの使用。
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