JP2003510026A - ヒト結腸上皮細胞から単離したdna配列 - Google Patents

ヒト結腸上皮細胞から単離したdna配列

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JP2003510026A
JP2003510026A JP2001515833A JP2001515833A JP2003510026A JP 2003510026 A JP2003510026 A JP 2003510026A JP 2001515833 A JP2001515833 A JP 2001515833A JP 2001515833 A JP2001515833 A JP 2001515833A JP 2003510026 A JP2003510026 A JP 2003510026A
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ボーマン・ブルース・エム
ワン・リアンジュン
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シーエイティーエックス インコーポレイテッド
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、結腸の上皮細胞の成長調節に関係がある新規な核酸配列を開示し、正常な結腸組織と比較して、これらの配列は癌性結腸組織中で差次的に発現される。異常な細胞成長の診断、異常な細胞成長の治療、および異常な細胞成長の治療のためのスクリーニングアッセイにおいて、これらの配列は有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ヒト結腸上皮の成長調節に関係する新規な遺伝子および他の核酸配
列、詳細には発癌に関係がある可能性のある新規な遺伝子および他の核酸配列を
提供する。本発明はさらに、ヒト結腸上皮の異常な成長調節に関連する疾患の診
断および治療における、このような核酸配列およびこれらでエンコードされてい
るポリペプチドおよびタンパク質の使用を提供する。
【0002】 (発明の背景) 感染、癌および自己免疫障害などの多くの病状状態は、ある分子の不適切な過
剰または過小な発現によって特徴づけられることは非常に明確である。したがっ
てこれらの分子は、特定の病状または異常状態用のマーカーとして機能すること
ができる。診断的な標的、すなわち同定されてこのような異常状態を診断するた
めの物質として以外に、これら分子は、診断および/または治療剤を創造するた
めに使用することができる試薬として役立つ。この非制限的な一例は、特定のマ
ーカーに特異的な抗体を産生するための癌のマーカーとしての利用である。
【0003】 胃腸(GI)管は、米国で毎年発生している新たに診断されている癌および致
命的な癌の両方の、最も一般的な部位である。米国内の結腸癌の発生率は増加し
ているが、一方で胃癌の発生率は低下しており、小腸の癌はまれである。消化器
癌の発生率は地理学的に変化する。アフラトキシンなどの環境的発癌因子に加え
て、ある障害は癌の素因である可能性がある。たとえば、悪性貧血は胃癌、未治
療の非熱帯性スプルーおよび免疫障害はリンパ腫および癌腫、潰瘍性および肉芽
腫性大腸炎、単離型ポリープ、および遺伝的家族性ポリープ症は結腸の癌腫の素
因である可能性がある。結腸の最も一般的な腫瘍は、腺腫性ポリープである。原
発性リンパ腫は結腸ではまれであり、小腸において最も一般的である。
【0004】 腺腫性ポリープは、最も一般的な良性GI腫瘍である。腺腫性ポリープはGI
管全体、最も一般的には結腸および胃において発生し、女性よりも男性により高
い頻度で見られる。これらは単発性、またはより一般的には多発性、無茎または
有茎であることがある。腺腫性ポリープは家族性ポリープ症およびガードナー症
候群として遺伝する可能性があり、これは主に結腸に関係がある。結腸癌の進行
は家族性ポリープ症において一般的である。ポリープはしばしば出血を引き起こ
し、潜在的または肉眼で見られる可能性があるが、合併症が後に続かない限りは
痛みを引き起こすことはほとんどない。乳頭状腺腫(結腸のみで見られるあまり
一般的ではない形)は、電解質の損失およびムコイドの放出も引き起こすことが
ある。
【0005】 悪性腫瘍は、湿潤性または外方増殖性であって、直腸S字結腸において最も一
般的に発生する結腸の癌腫を含む。上向結腸の中身は液体なので、この領域の癌
腫は通常は閉塞症を引き起こすことはないが、患者は疾患の経過の後期で貧血、
腹部の痛み、または腹部の塊または触知できる塊を示す傾向がある。
【0006】 結腸の腫瘍に関する予後は、大腸壁侵入の程度および局所リンパ節の関与の存
在および遠方への転移に依存している。直腸および下向結腸の癌腫に関する予後
は、以外にも非常に良い。結節浸潤が進行する前に早期摘出によって、80〜9
0%の治療率が可能である。このため、以前は健康であった患者において説明の
つかない貧血、潜行性胃腸の出血、または大腸の習性の変化が進むときは、充分
なケアを行ってこの疾患を取り除かなければならない。病巣がリンパ節に拡がる
前にそれを完全に取り除くことによって、結腸の癌を有する患者について生存の
最良のチャンスが提供される。潜血、血液スクリーニングによる無症候群性の患
者における検出によって、最高5年生き延びる結果となる。
【0007】 通常、臨床的に疑わしい悪性の病巣は放射線によって検出することができる。
しかしながら、1cm未満のポリープは、特に上部S字結腸においておよび憩室
症の存在するときは、容易に見過ごされる可能性がある。食道、胃または結腸に
おいて臨床的に疑わしく、放射線によって検出される病巣を、対象の生検および
ブラッシュ栄養学によって作成される組織学的な組織診断と組み合わせた、ファ
イバーオプティック内視鏡検査によって確認することができる。結腸鏡検査は、
結腸の疾患を検出するために使用される他の方法である。X線によって視覚化さ
れない良性および悪性ポリープは、結腸鏡検査によって検出されることが多い。
さらにX線によって1つの病巣を有している患者は、結腸鏡検査によって検出さ
れるさらなる病巣を有していることが多い。しかしながらS字結腸鏡検査は、結
腸の腫瘍の約50%しか検出しない。
【0008】 結腸癌を検出する前述の方法には、いくつかの欠点がある。たとえば小さな結
腸腫瘍は、これらすべてによって見過ごされる可能性がある。結腸癌の早期検出
の重要性も、転移を防ぐためには非常に重要である。さらに、治療戦略に異なっ
て反応する可能性があるさまざまなタイプの腫瘍間で区別するために、具体的な
検出方法が必要とされる。
【0009】 (発明の概要) 本発明は、結腸の上皮細胞の成長調節に関係があり、正常組織と癌性組織中で
差次的に発現される新規な核酸配列を開示する。これらの配列は、異常な細胞成
長の診断、異常な細胞成長の治療、および異常な細胞成長の治療に関するスクリ
ーニングアッセイにおいて有用である。
【0010】 一実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の1つのヌクレオチド配列、またはこれと
相補的な配列を含む単離した核酸を提供する。
【0011】 関連実施形態では、核酸はSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の一つ、またはこれと相補的な配列の少な
くとも約12個、少なくとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも
約40個以上の連続したヌクレオチドからその全長まで、または前記配列が断片
である遺伝子のオープンリーディングフレームの全長までに対応する配列と少な
くとも約80%以上、100%まで同一である。
【0012】 他の実施形態では、核酸配列はSEQ ID NO:27;SEQ ID N
O:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ I
D NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38の1つ
に対応する配列と少なくとも約80%以上、100%まで同一であり、酵母菌2
ハイブリッドシステムにおいてAPCと相互作用するポリペプチドまたはタンパ
ク質をエンコードしている。
【0013】 他の実施形態では、核酸はSEQ ID NO:40;SEQ ID NO:
42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61 の
1つに対応する配列と少なくとも約80%以上、100%まで同一であり、酵母
菌2ハイブリッドシステムにおいてE12と相互作用するポリペプチドまたはタ
ンパク質をエンコードしている。
【0014】 他の態様では本発明は、ストリンジェントな条件下でSEQ ID NO:2
7;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID N
O:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ I
D NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SE
Q ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48
;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO
:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つの配列ま
たはこれと相補的な配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む単離した
核酸を提供する。関連実施形態では、核酸はSEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;
SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:
38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;S
EQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つに少なくとも約12
個、少なくとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも約40個以上
の連続したヌクレオチドからその全長まで、または前記配列が断片である遺伝子
のオープンリーディングフレームの全長までと対応する配列と少なくとも約80
%以上、100%まで同一である。
【0015】 一実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の1つのヌクレオチド配列またはこれと相
補的な配列を含む核酸配列、およびヌクレオチド配列を発現ベクターとして使用
するのに適したものにするためにヌクレオチド配列に動作可能に結合している転
写調節配列を含む核酸を提供する。他の実施形態では、核酸は原核または真核細
胞中で複製する能力がある発現ベクター中に含まれることがある。関連実施形態
では、本発明は、発現ベクターによってトランスフェクトされた宿主細胞を提供
する。
【0016】 一実施形態では本発明は、ストリンジェントな条件下でSEQ ID NO:
27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
EQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:4
8;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID N
O:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つの配列
またはこれと相補的な配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列およびヌクレ
オチド配列を発現ベクターとして使用するのに適したものにするためにヌクレオ
チド配列に動作可能に結合している転写調節配列を含む核酸を提供する。他の実
施形態では、核酸は原核または真核細胞中で複製する能力がある発現ベクター中
に含まれることがある。関連実施形態では、本発明は、発現ベクターによってト
ランスフェクトされた宿主細胞を提供する。
【0017】 他の実施形態では本発明は、トランスジェニック動物の細胞中に取り込まれた
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ 1D NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61の1つヌクレオチド配列またはこれと相補的な配列を含む核酸のトラン
スジーンを有するトランスジェニック動物を提供する。トランスジーンは核酸の
発現のレベル、核酸のmRNA転写体の安定性、または核酸のエンコードしてい
る生成物の活性を変化させる。
【0018】 他の実施形態では本発明は、トランスジェニック動物の細胞中に取り込まれた
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61の1つの配列またはこれと相補的な配列に、ストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む核酸のトランスジーンを有するト
ランスジェニック動物を提供する。トランスジーンは核酸の発現のレベル、核酸
のmRNA転写体の安定性、または核酸のエンコードしている生成物の活性を変
化させる。
【0019】 他の実施形態では、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61の1つ、もしくはこれと相補的な配列、または前
記配列が断片である遺伝子の全長までのオープンリーディングフレームを含む実
質的に純粋な核酸を提供する。
【0020】 他の実施形態では、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61の1つまたはこれと相補的な配列の少なくとも約
12個、少なくとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも約40個
以上の連続したヌクレオチドから全長まで、または前記配列が断片である遺伝子
のオープンリーディングフレームの全長までに対応する核酸プローブに、ストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズする実質的に純粋な核酸を提供する。
【0021】 本発明は、配列番号SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61の1つまたはこれと相補的である配列の少なくと
も12個、少なくとも15個、または少なくとも50個以上の連続したヌクレオ
チドから前述の配列番号の1つの完全長まで、または前記配列が断片である遺伝
子のオープンリーディングフレームの全長まで含むアンチセンスオリゴヌクレオ
チドも提供する。一実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヌクレ
アーゼ、好ましくは内因性エンドヌクレアーゼまたはエクソヌクレアーゼによる
切断に耐性がある。
【0022】 本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ
ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;S
EQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:4
0;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID N
O:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ I
D NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SE
Q ID NO:61 の1つまたはこれと相補的である配列の少なくとも12
個、少なくとも15個、または少なくとも50個以上の連続したヌクレオチドか
ら前述の配列番号の1つの完全長まで、または前記配列が断片である遺伝子のオ
ープンリーディングフレームの全長までストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズするアンチセンスオリゴヌクレオチドも提供する。一実施形態では、アンチ
センスオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ、好ましくは内因性エンドヌクレア
ーゼまたはエクソヌクレアーゼによる切断に耐性がある。
【0023】 他の実施形態では本発明は、実質的に純化されたオリゴヌクレオチドを含むプ
ローブ/プライマーを提供し、前記オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列は
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61,から選択されるセンスまたはアンチセンス配列の少なくとも約12個
、少なくとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも約40個以上の
連続したヌクレオチドから前述の配列番号の1つの完全長まで、またはこれと相
補的である配列、または前記配列が断片である遺伝子のオープンリーディングフ
レームの全長まで含む、ヌクレオチド配列の領域を含む。好ましい実施形態では
、プローブは標的の核酸と選択的にハイブリダイズする。他の実施形態ではプロ
ーブは、プローブに接着して検出することができる標識基を含むことができる。
この標識基はラジオアイソトープ、蛍光化合物、酵素、および酵素の補因子を含
む基(これらだけには限られないが)から選択することができる。本発明はさら
に、前述のように固形担体に接着する少なくとも約10個、少なくとも約25個
、少なくとも約50個、または少なくとも約100個またはそれ以上の異なるプ
ローブの配列を提供する。
【0024】 他の実施形態では本発明は、実質的に純化されたオリゴヌクレオチドを含むプ
ローブ/プライマーを提供し、前記オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列は
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61から選択されるセンスまたはアンチセンス配列の少なくとも約12個、
少なくとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも約40個以上の連
続したヌクレオチドから前述の配列番号の1つの完全長まで、またはこれと相補
的である配列、または前記配列が断片である遺伝子のオープンリーディングフレ
ームの全長までとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ヌクレオチ
ド配列の領域を含む。好ましい実施形態では、プローブは標的の核酸と選択的に
ハイブリダイズする。他の実施形態ではプローブは、プローブに接着して検出す
ることができる標識基を含むことができる。標識基はラジオアイソトープ、蛍光
化合物、酵素、および酵素の補因子を含む基から(これらだけには限られないが
)選択することができる。本発明はさらに、前述のように固形担体に接着する少
なくとも約10個、少なくとも約25個、少なくとも約50個、または少なくと
も約100個またはそれ以上の異なるプローブの配列を提供する。
【0025】 他の実施形態では、本発明は細胞の表現型を決定する方法に関し、この方法は
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO 42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61,から選択される少なくとも1つの核酸の差次的発現を正常な細胞と比
較して検出することを含み、この核酸は少なくとも2倍、少なくとも5倍、少な
くとも20倍、または少なくとも50倍以上差次的に発現される。
【0026】 他の実施形態では、本発明は細胞の表現型を決定する方法に関し、この方法は
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61の少なくとも1つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする少
なくとも1つの核酸の差次的発現を正常な細胞と比較して検出することを含み、
この核酸は少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも20倍、または少なく
とも50倍以上差次的に発現される。
【0027】 他の態様では本発明は、本発明の核酸によってエンコードされているポリペプ
チドを提供する。一実施形態では本発明は、核酸によってエンコードされている
アミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。この核酸はSEQ ID NO:2
7;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID N
O:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ I
D NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SE
Q ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48
;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO
:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61 の1つのヌク
レオチド配列、またはそれと相補的な配列、または少なくとも約25個、または
少なくとも約40個を超えるそのアミノ酸を含む断片を含む。これらのポリペプ
チドと免疫反応性のある抗体をさらに提供する。
【0028】 他の態様では本発明は、本発明の核酸によってエンコードされているポリペプ
チドを提供する。一実施形態では本発明は、核酸によってエンコードされている
アミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。この核酸はSEQ ID NO:2
7;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID N
O:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ I
D NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SE
Q ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48
;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO
:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つの配列と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列、それと相補
的な配列、または少なくとも約25個、または少なくとも約40個を超えるその
アミノ酸を含む断片を含む。これらのポリペプチドと免疫反応性のある抗体をさ
らに提供する。
【0029】 他の態様では、本発明は診断方法を提供する。一実施形態では本発明は、1つ
または複数の核酸プローブを提供することによって、患者からの細胞の表現型を
決定する方法に関する。前記核酸プローブは SEQ ID NO:27;SE
Q ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33
;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO
:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;
SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61 の1つまたはこれと相
補的である配列の少なくとも約12個、少なくとも約15個、少なくとも約25
個、または少なくとも約40個以上の連続したヌクレオチドから前述の配列番号
の1つの完全長まで、または前記核酸配列が断片である遺伝子のオープンリーデ
ィングフレームの全長までを有するヌクレオチド配列を含む。この方法は患者か
ら第1のサンプルの細胞を得ること、その実質的にすべてが癌性ではない第2の
サンプルの細胞を提供すること、核酸プローブをストリンジェントな条件下で前
記第1および第2の細胞サンプルのそれぞれのmRNAと接触させること、(a
)プローブと第1の細胞サンプルのmRNAのハイブリダイゼーションの量と(
b)プローブと第2の細胞サンプルとmRNAをハイブリダイゼーションの量を
比較することを含み、第2の細胞サンプルのmRNAとのハイブリダイゼーショ
ンの量と比較したとき、第1の細胞サンプルのmRNAとのハイブリダイゼーシ
ョンの量の少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも20倍、または少なく
とも50倍を超える違いが第1の細胞サンプル中の細胞の表現型を示す。表現型
を決定することは遺伝子型(この語は本明細書で使用するとおりである)を決定
することを含む。
【0030】 他の実施形態では本発明は、患者から単離した細胞のサンプル中において前述
の1つまたは複数のプローブ/プライマーを含む形質転換された細胞を同定する
ため、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;S
EQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:4
6;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID N
O:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ I
D NO:61の1つまたは複数の核酸にストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする核酸のレベルを測定するための試験用キットを提供する。ある実施形
態では、このキットはさらに、キットを使用するための指示、細胞を懸濁または
固定するための溶液、検出可能なタグまたは標識、核酸をハイブリダイゼーショ
ンしやすくさせるための溶液、細胞を溶解させるための溶液、核酸の精製用の溶
液を含むことができる。
【0031】 他の実施形態では、本発明は細胞の表現型を決定する方法を提供し、この方法
はSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61の1つの核酸によってエンコードされている少なくとも1つのタンパ
ク質の差次的発現を正常な細胞と比較して検出することを含み、このタンパク質
は少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも20倍、または少なくとも50
倍以上差次的に発現される。一実施形態では、イムノアッセイにおいてタンパク
質のレベルを検出する。
【0032】 他の実施形態では、本発明は細胞の表現型を決定する方法を提供し、この方法
はSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38の1つにストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズする核酸によってエンコードされている少なくとも1つのタンパ
ク質の差次的発現を正常な細胞と比較して検出することを含み、このタンパク質
はAPCと酵母菌2ハイブリッドシステムにおいて相互作用し、このタンパク質
は少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも20倍、または少なくとも50
倍以上差次的に発現される。一実施形態では、イムノアッセイにおいてタンパク
質のレベルを検出する。
【0033】 他の実施形態では、本発明は細胞の表現型を決定する方法を提供し、この方法
はSEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO
:44;SEQ ID NO:46の1つにストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする核酸によってエンコードされている少なくとも1つのタンパク質の
差次的発現を正常な細胞と比較して検出することを含み、このタンパク質はE1
2と酵母菌2ハイブリッドシステムにおいて相互作用し、このタンパク質は少な
くとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも20倍、または少なくとも50倍以上
差次的に発現される。一実施形態では、イムノアッセイにおいてタンパク質のレ
ベルを検出する。
【0034】 本発明は、細胞中でSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61 の1つにストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする核酸の存在または不在を判定するための方法にも関し、この方法は当
該細胞を前記の3つの実施形態に記載した1つまたは複数のプローブ/プライマ
ーと接触させることを含む。
【0035】 本発明は、細胞中でSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61の1つにストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする核酸によってエンコードされている本発明のポリペプチドの存在または
不在を判定するための方法をさらに提供し、この方法は当該細胞を前述の抗体と
接触させることを含む。
【0036】 他の実施形態では本発明は、異常な突然変異(たとえば核酸の欠失、挿入、ま
たは置換)、または異常なメチル化配列、またはSEQ ID NO:27;S
EQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:3
3;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID N
O:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ I
D NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SE
Q ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52
;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61 の1つの核酸配列、
またはその配列と相補的な配列を含む遺伝子の存在を判定するための方法を提供
する。この方法は患者から細胞のサンプルを採取すること、サンプルの細胞から
核酸を単離すること、核酸サンプルと1つまたは複数の下記プライマーを接触さ
せること(このプライマーはSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の核酸配列の1つに、プローブ/プライマ
ーと核酸のハイブリダイゼーションおよびその後の核酸の増幅を可能にする条件
下で特異的にハイブリダイズするものである)、増幅生成物の存在、不在、サイ
ズを正常な細胞の増幅生成物と比較することを含む。
【0037】 一実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の1つの核酸によってエンコードされてい
るタンパク質に特異的な抗体を含む、形質転換された細胞を同定するための試験
用キットを提供する。ある実施形態ではこのキットはさらに、キットを使用する
ための指示を含む。ある実施形態では、キットを使用するための指示書、細胞を
懸濁または固定するための溶液、検出可能なタグまたは標識、ポリペプチドを抗
体に結合しやすくさせるための溶液、細胞を溶解させるための溶液、ポリペプチ
ドの精製用の溶液を含むことができる。
【0038】 他の態様では本発明は、本発明の核酸を含む薬剤組成物を提供する。一実施形
態では、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;
SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:
46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID
NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ
ID NO:61またはこれらと相補的な配列の1つの核酸の細胞中の発現のレ
ベルを変化させる薬剤を、細胞を用意すること、試験剤で細胞を処理すること、
前述の配列番号の1つまたはそれと相補的な配列にストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズする核酸の細胞中の発現のレベルを判定すること、処理した細胞
中の核酸の発現のレベルを未処理の細胞中の核酸の発現のレベルと比較すること
によって同定し、未処理の細胞の核酸の発現のレベルの変化と比較した、処理し
た細胞の核酸の発現のレベルの変化は、細胞中の核酸の発現のレベルを変化させ
る薬剤を示す。本発明はさらに、この方法によって同定される薬剤を含む薬剤組
成物を提供する。
【0039】 他の実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO
:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;
SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:
50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61 の1つのヌクレオチド配列またはそれ
と相補的な配列を有する核酸によってエンコードされている、ポリペプチドを含
む薬剤組成物を提供する。
【0040】 一実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の1つまたはそれと相補的な配列にストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、核酸を含む薬剤組成物に
関する。
【0041】 一実施形態では、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
;SEQ ID NO:61の1つまたはこれと相補的な配列とストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズする核酸の細胞中の発現のレベルを変化させる因子
を以下の方法によって同定する、すなわち、細胞を用意すること、試験剤で細胞
を処理すること、前述の配列番号の1つまたはそれと相補的な配列にストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする核酸の細胞中の発現のレベルを判定するこ
と、処理した細胞中の核酸の発現のレベルの変化を未処理の細胞中の核酸の発現
のレベルの変化と比較することによって同定し、未処理の細胞中の核酸の発現の
レベルと比較した、処理した細胞中の核酸の発現のレベルの変化は、細胞中の核
酸の発現のレベルを変化させる因子を示す。本発明はさらに、この方法によって
同定される因子を含む薬剤組成物を提供する。
【0042】 他の実施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO
:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;
SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:
50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61 の1つまたはそれと相補的な配列とス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸に
よってエンコードされている、ポリペプチドを含む薬剤組成物を提供する。一実
施形態では本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれと相補的な配列とストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、核酸を含む薬剤組成物に関する
【0043】 (発明の詳細な説明) 本発明は開示されている核酸配列(SEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;
SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:
44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
ID NO:60;SEQ ID NO:61)および完全長cDNA、mRN
A、およびこれらの配列に対応する遺伝子を有する核酸、これらの核酸および遺
伝子(およびこれらの一部分)によってエンコードされているポリペプチドおよ
びタンパク質に関する。
【0044】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61の核酸によってエンコードされているポリペプチドおよびタンパク質
も含まれる。これらのポリペプチドおよびタンパク質をエンコードすることがで
きるさまざまな核酸は、遺伝コードの縮重(degeneracy)のため大部分のアミノ酸
は2つ以上のトリプレットコドンによってエンコードされている点において異な
る。このようなコドンの同一性は当分野でよく知られており、本発明の範囲内で
核酸を構築するために、この情報を使用することができる。
【0045】 当該核酸、関連するcDNAおよび遺伝子によってエンコードされているポリ
ペプチドおよびタンパク質の変異体である核酸によってエンコードされているポ
リペプチドおよびタンパク質をエンコードしている核酸も本発明の範囲内にある
。野生型タンパク質の生物学的活性を高め、追加し、または低下させる1つまた
は複数のアミノ酸置換を有する点において、この変異体は野生型タンパク質と異
なる。ひとたびアミノ酸の変化が選択されると、この変異体をエンコードしてい
る核酸が構築され、その機能は本発明に従って決定される。
【0046】 以下の詳細な記述によって、本発明の核酸配列およびそれらの核酸に対応する
完全長cDNAおよびヒト遺伝子を得るか(または作成するか)方法、これらの
核酸および遺伝子が発現する方法、核酸に対応する遺伝子によってエンコードさ
れているポリペプチドまたはタンパク質の相互作用を同定する方法、組織プロフ
ァイリングにおいてプローブとして核酸を使用する方法、診断および治療目的で
核酸、ポリペプチド、およびタンパク質を使用する方法開示する。
【0047】 本明細書で開示する配列は、結腸癌細胞株および/または結腸癌組織から得ら
れるサンプル中で差次的に発現されることが分かっている。さらに、CATX1
、CATX2、CATX3、CATX4、CATX5、CATX6、およびCA
TX7と指定される核酸配列によってエンコードされているタンパク質は少なく
ともAPC遺伝子と相互作用し、CATX11、CATX12、CATX13、
CATX14、CATX15の核酸配列によってエンコードされているタンパク
質は少なくともE12遺伝子と相互作用し、CATX8、CATX9、CATX
10の核酸配列はSCL遺伝子と相同的である。遺伝子と関係のある異なる癌に
ついてのこれらの特異的相互作用および相同性によって、開示した配列もまた他
のタイプの癌に関しても有用性がある可能性があることが示唆される。
【0048】 したがって本発明のある態様は、腫瘍組織中(特に結腸癌細胞株)で差次的に
発現される核酸、このような核酸によってエンコードされているポリペプチド、
およびこれらのポリペプチドと免疫反応性がある抗体、およびこのような組成物
の調製に関する。さらに本発明は、たとえば本発明の核酸の異常な発現含めた障
害を検出および治療するための、診断および治療アッセイおよび試薬を提供する
。 本明細書では、以下の略語を使用する。 APC−腺腫性ポリープ症coli遺伝子 DNA−デオキシリボ核酸 RNA−リボ核酸 cDNA−相補的DNA 完全cDNA−完全長メッセンジャーRNA分子に対応する相補的配列を含む
cDNA PCR−ポリメラーゼ連鎖反応 bHLH−基本的ヘリックスループヘリックス E12−bHLHモチーフを含む転写因子をエンコードしている遺伝子 SCL−幹細胞白血病遺伝子
【0049】 一般事項 本発明はヒト腫瘍中、詳細には固形腫瘍中に存在する癌性細胞たとえば癌腫お
よび肉腫、たとえば乳癌および結腸癌を同定および/または分類するための新規
な方法に部分的に関する。ある核酸配列は、正常な結腸細胞などの関係のある正
常な細胞と比較して、癌細胞株および/または癌組織中で差次的に発現されると
いう発見にこの方法は基づいており、したがって個々の配列の発現のアップレギ
ュレーションおよび/またはダウンレギュレーションによって腫瘍細胞を同定ま
たは分類し、この場合腫瘍形成が示される。
【0050】 アップレギュレーション(すなわち腫瘍形成遺伝子などのある種の遺伝子の発
現を増大させること)が働いて、悪性の成長が促進される。ダウンレギュレーシ
ョン(すなわち腫瘍抑制遺伝子などの遺伝子の発現を低下させること)も、悪性
の成長を促進する。したがって、いずれかのタイプの遺伝子の発現の変化は、あ
る被験体は癌が進行しているかまたは癌を有しているかどうか(特に結腸癌)を
判定するための診断指標である可能性がある。
【0051】 したがって一態様では、本発明はヒト腫瘍細胞用、たとえば結腸癌細胞用の核
酸分子マーカーなどのバイオマーカーも提供する。本発明はこれらの核酸分子マ
ーカーによってエンコードされているタンパク質も提供する。本発明はこのよう
な癌細胞の治療のため、および癌状態(結腸癌など)の治療のために有用な薬剤
を同定するための方法も特徴とする。従来の方法とは異なり、本発明は進行の初
期の段階で癌細胞を同定するための手段を提供し、したがって癌細胞がヒトの体
中に広がる前に前癌性細胞を同定することができる。この手段によって、潜在的
に癌性の状態を早期に検出すること、癌細胞が体中に広がる前、すなわち可逆的
な癌状態が進行する前に、これらの癌状態を治療することが可能である。
【0052】 定義 便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において使用する、い
くつかの用語およびフレーズの意味を以下に与える。
【0053】 本発明の核酸に適用される「異常な発現」という語は、健康な組織中の核酸の
発現のレベルが異なるか、または健常対象中に存在するポリペプチドの活性が異
なる核酸の発現のレベルのことである。ポリペプチドの活性は異常である可能性
がある。なぜなら、それは元の同等物の活性よりも強いからである。代替的に、
活性が異常である可能性がある。なぜなら元の同等物の活性と比べて、それが弱
いかまたは存在しないからである。異常活性も活性が変化する可能性がある。た
とえば、異常なポリペプチドは異なる標的ペプチドと相互作用することができる
。遺伝子が過剰発現または過小発現するために、細胞は遺伝子の異常な発現レベ
ルを有する可能性がある。
【0054】 本明細書で使用する「アゴニスト」という語は、タンパク質の生物活性を模倣
またはアップレギュレートする(たとえば助長または補足する)試薬を意味する
。アゴニストは、野生型タンパク質の少なくとも1つの生物活性を有する野生型
タンパク質またはその誘導体であってよい。アゴニストは、遺伝子の発現をアッ
プレギュレートするか、タンパク質の少なくとも1つの生物活性を増大させる化
合物であってもよい。アゴニストは、ポリペプチドと他の分子(たとえば標的ペ
プチドまたは核酸)の相互作用を高める化合物であってもよい。
【0055】 本明細書で「対立変異体」と互換的に使用する「対立遺伝子」という語は、遺
伝子またはその一部分の代替形のことである。対立遺伝子は、相同染色体上の同
じ遺伝子座または位置を占める。ある被験体が1つの遺伝子の2つの異なる対立
遺伝子を有するとき、その被験体はその遺伝子または対立遺伝子について相同的
であるという。ある被験体が1つの遺伝子の2つの異なる対立遺伝子を有すると
き、その被験体はその遺伝子または対立遺伝子について異型であるという。個々
の遺伝子の対立遺伝子は1つのヌクレオチド、または数個のヌクレオチドがそれ
ぞれ異なる可能性があり、ヌクレオチドの置換体、欠失および/または挿入体を
含む可能性がある。遺伝子の対立遺伝子は、突然変異体を含む遺伝子の形であっ
てよい。
【0056】 「遺伝子の多形領域の対立変異体」という語は、異なる個体中の遺伝子の領域
において見られる可能性のある数個のヌクレオチド配列の1つを有する遺伝子の
領域のことである。
【0057】 本明細書で使用する「アンタゴニスト」は、タンパク質の少なくとも1つの生
物活性をダウンレギュレートする(たとえば抑制または阻害する)試薬を意味す
る。アンタゴニストは、タンパク質と他の分子(たとえば標的ペプチドまたは酵
素基質)の相互作用を阻害または低下させる化合物であってよい。アンタゴニス
トは、遺伝子の発現をダウンレギュレートするか、または存在する発現型タンパ
ク質の量を減少させる化合物であってもよい。
【0058】 本明細書で使用する「抗体」という語は、任意のイソタイプ(IgG、IgA
、IgM、IgEなど)の抗体すべて、およびセキツイ動物(たとえばホ乳類)
のタンパク質とも特異的に反応するその断片を含むことが企図される。従来の技
法を使用して抗体を断片化することができ、同じ方法で抗体すべてに関して有用
性ついてその断片を調べる。したがってこの語は、タンパク質分解によって切断
されたセグメント、またはあるタンパク質と選択的に反応する能力がある抗体分
子の組換えによって調製した部分を含む。このようなタンパク質分解および/ま
たは組換え断片の非制限的な例にはFab、F(ab’)2、Fab’、Fv、
およびペプチド結合剤によって結びついているV[L]および/またはV[H]
ドメインを含む一本鎖抗体(scFv)がある。scFvは共有的または非共有
的に結合して、2つ以上の結合部位を有する抗体を形成する。本発明はポリクロ
ーナル、モノクローナル、または抗体および組換え体の他の精製された調製物を
含むが、ヒト化された抗体だけには限られない。
【0059】 「アポトーシス」という現象はよく知られており、細胞のプログラムされた死
として記載することができる。知られているようにアポトーシスは、「壊死」(
毒性物質または他の外的影響によって殺される結果として細胞が死ぬときの現象
)とは対照的である。アポトーシスは染色体濃縮、膜の泡状化、およびDNAの
断片化を伴ない、これらはいずれも顕微鏡による検査によって一般的に見ること
ができる。
【0060】 核酸の異常な発現に「関係がある」または「特徴付けられる」疾患、障害、ま
たは状態とは、被験体の個体の疾患、障害、または状態のことであり、これらの
疾患、障害、または状態は、核酸の発現の異常なレベルによって引き起こされか
、これに原因があるか、または核酸の発現の異常なレベルを引き起こす。
【0061】 本明細書で使用する「ポリペプチドの生物活性断片」という語は、完全長のポ
リペプチドのことであり、この断片は野生型ポリペプチドの活性を特異的にアゴ
ナイズ(模倣)またはアンタゴナイズ(阻害)する。生物活性断片は少なくとも
1つの他の分子、たとえばタンパク質、小分子、または完全長のタンパク質に結
合することができるDNAと相互作用する能力のある断片であることが好ましい
【0062】 互換的に使用される「生物学的活性」または「生物活性」または「活性」また
は「生物学的機能」は、ポリペプチド(元の形状または変性した形状のいずれか
)またはその任意の配列によって直接的あるいは間接的に行われる、エフェクタ
ーまたは抗原機能を本明細書では意味する。生物学的活性はポリペプチドへの結
合、他のタンパク質または分子への結合、DNA結合タンパク質として(たとえ
ば、転写調節物として)の活性、損傷したDNAに結合する能力などを含む。生
物活性は、本発明のポリペプチドに直接影響を与えることによって、調節するこ
とができる。または、生物活性は、ポリペプチドのレベルを調節することによっ
て、たとえば対応する遺伝子の発現を調節することによって、変化させることが
できる。
【0063】 「バイオマーカー」という語は、たとえば核酸、ペプチド、ホルモンなどの生
物学的分子のことであり、これらの存在または濃度を検出し、疾患状態などの知
られている状態と関連付けることができる。
【0064】 「細胞」、「宿主細胞」または「組換え宿主細胞」は、本明細書で互換的に使
用される語である。これらの語は個々の対象細胞だけでなく、このような細胞の
子孫または潜在的な子孫を指すことが理解される。世代を継承する際に突然変異
または環境的影響によっていくらかの変化が引き起こされる可能性があるので、
実際このような子孫が親細胞と同一ではない可能性があるが、これらも本明細書
で使用する語の範囲内に含まれる。
【0065】 「キメラポリペプチド」または「融合ポリペプチド」は、本発明のポリペプチ
ドの1つをエンコードしている第1のアミノ酸配列と、本発明のポリペプチドの
任意のドメインと異質であるかまたは実質的に相同性がないドメイン(たとえば
ポリペプチド部分)を定義する第2のアミノ酸配列の融合体である。キメラポリ
ペプチドは、第1のポリペプチドも発現する組織中(ただし異なるポリペプチド
中)で見られる異質のドメインであるか、「種間」、「遺伝子間」のもの、異な
る種類の生物によって発現されるポリペプチド構造の融合体であってよい。
【0066】 「送達複合体」は標的手段(たとえば、核酸、タンパク質、ポリペプチドまた
はペプチドを標的細胞の表面に高い親和性で結合させる分子、および/または標
的細胞による細胞または核の取り込みが増大すること)を意味するものとする。
標的手段の例には、ステロール(たとえばコレステロール)、脂質(たとえばカ
チオン性脂質、ビロソームまたはリポソーム)、ウイルス(たとえばアデノウイ
ルス、アデノ関連ウイルス、およびレトロウイルス)、または標的細胞特異的結
合剤(たとえば、標的細胞特異的受容体によって認識されるリガンド)がある。
標的細胞による内在化の前に大きなアンカップリングを防ぐために、in vi
troで充分に安定している複合体が好ましい。しかしながら複合体は、適切な
条件下では細胞外または細胞内において切断可能であり、したがって核酸、タン
パク質、ポリペプチドまたはペプチドは機能的な形で切り離される。
【0067】 よく知られているように、遺伝子または個々のポリペプチドは、個体中のゲノ
ム内の1つまたは多数のコピー中に存在している可能性がある。このような重複
遺伝子は同一であるか、ヌクレオチド置換、付加または欠失を含めたある種の変
異物を有している可能性があり、これらはすべて実質的に同じ活性を有するポリ
ペプチドをコードする。したがって「ポリペプチドをエンコードしているDNA
配列」という語は、個々の個体中の1つまたは複数の核酸配列をいうことができ
る。さらに、個々の生物間にヌクレオチド配列のいくらかの違いが存在する可能
性があり、これらは対立遺伝子と呼ばれる。このような対立遺伝子の違いによっ
て、同じ生物学的活性を有するポリペプチドをさらにエンコードしているエンコ
ード型ポリペプチドのアミノ酸配列が異なる結果となることもならないこともあ
る。
【0068】 「均等な」という語は、機能的に均等なポリペプチドをエンコードしているヌ
クレオチド配列を含むことが理解される。均等なヌクレオチド配列は、1つまた
は複数のヌクレオチド置換、付加または欠失が異なる対立遺伝子変異体などの配
列を含むはずであり、したがって対立遺伝子は、遺伝コードの縮重のためにSE
Q ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31
;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO
:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID
NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ
ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;
SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:
61 中に示される核酸のヌクレオチド配列と異なる配列を含むはずである。
【0069】 本明細書で使用する「遺伝子」、「組換え遺伝子」、および「遺伝子構築体」
いう語は、エキソンおよび任意選択でイントロン配列も含む、オープンリーディ
ングフレームと関係がある本発明の核酸のことである。
【0070】 「組換え遺伝子」とは、ポリペプチドをエンコードしておりエキソン配列を含
む核酸のことであるが、任意選択でたとえば関連のある(または関連のない)染
色体遺伝子から誘導されるイントロン配列を含んでもよい。「イントロン」いう
語は、タンパク質に翻訳されていない所与の遺伝子中に存在するDNA配列のこ
とであり、一般にエキソン間に見られる。
【0071】 細胞の「成長」または「成長状態」という語は、細胞の増殖状態およびその分
化状態のことである。したがって、この語は、たとえばG0、G1、G2、有糸分
裂期、中期、または終期、およびその分化の状態にある(たとえば未分化である
か、部分的に分化しているか、または完全に分化している)細胞周期の相のこと
である。非制限的に、通常細胞の分化は細胞の増殖率の低下を伴なう。
【0072】 「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つのペプチド間または
2つの核酸分子間の配列の類似性のことであり、同一性は比較がより厳しい。比
較の目的のために一列に並べることができる配列中の位置をそれぞれ比較するこ
とによって、相同性および同一性をそれぞれ判定することができる。比較する配
列中の位置が同じ塩基またはアミノ酸によって占められるとき、これらの分子は
その位置において同一である。核酸配列間の相同性または類似性または同一性の
程度は、核酸配列によって共有されている位置において、同一であるかまたは整
合しているヌクレオチドの数の関数である。アミノ酸配列の同一性の程度は、ア
ミノ酸配列によって共有されている位置において同一であるアミノ酸の数の関数
である。相同性または類似性の程度は、アミノ酸配列によって共有されている位
置における、アミノ酸(すなわち構造的に関連がある)の数の関数である。「関
連性のない」または「相同的ではない」配列は、本発明の配列の1つとの同一性
が40%未満である(しかしながら同一性は25%未満であることが好ましい)
【0073】 「同一性の%」という語は、2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド
配列間の配列の同一性ことである。比較の目的のために一列に並べることができ
るそれぞれの配列中の位置を比較することによって、同一性をそれぞれ判定する
ことができる。比較する配列中の均等な位置が同じ塩基またはアミノ酸によって
占められるとき、これらの分子はその位置において同一である。その均等な部位
が同じであるかまたは類似のアミノ酸残基(たとえば、立体的および/または電
気的性質が類似である)によって占められるとき、その分子はその位置において
相同的(類似)であると言うことができる。相同性、類似性、または同一性のパ
ーセンテージとしての発現は、比較される配列によって共有されている位置にお
ける、同一であるかまたは類似のアミノ酸の数の関数である。FASTA、BL
AST、またはENTREZを含めた(これらだけには限られないが)、さまざ
まなアラインメントアルゴリズムおよび/またはプログラムを使用することがで
きる。FASTAおよびBLASTは、たとえばGCG配列分析パッケージ(U
niversity of Wisconsin,Madison,WI)の一
部として利用可能であり、たとえばデフォルト設定と共に使用することができる
。ENTREZは、the National Center for Bio
technology Information、National Libr
ary of Medicine、National Institute o
f Health、Bethesda、MDを通して利用可能である。一実施形
態では、ギャップウエイト1に関するGCGプログラムによって、2つの配列の
同一性の%を判定することができる。たとえば、それが2つの配列間のただ1つ
のアミノ酸またはヌクレオチドのミスマッチであるかのごとく、それぞれのアミ
ノ酸ギャップが加重される。
【0074】 アラインメントに関する他の技法は、Methods in Enzvmol
ogy、vol.266:Computer Methods for Mac
romolecular Sequence Analysis(1996),
ed.Doolittle、Academic Press、Inc.、(Ha
rcourt Brace and Co.,San Diego,Calif
ornia,USAの一部門)に記載されている。配列中のギャップを可能にす
るアラインメントプログラムを使用して、配列を一列に並べることが好ましい。
Smith−Watermanは、配列アラインメントのギャップを可能にする
アルゴリズムの1タイプである。Meth.Mol70−187(1997)を
参照のこと。さらに、Needleman and Wunschアラインメン
ト法を使用するGAPプログラムを使用して、配列を一列に並べることができる
。1つの代替検索戦略はMPSRCHソフトウェアを使用し、これはMASPA
Rコンピュータ上で行う。MPSRCHはSmith−Watermanアルゴ
リズムを使用して、巨大なパラレルコンピュータ上で配列を与える。この手法は
遠方で関連している組み合わせを集める能力を向上させ、小さなギャップおよび
ヌクレオチド配列のエラーに特に寛容性がある。核酸エンコード型アミノ酸配列
を使用して、タンパク質およびDNAのデータベースの両方を検索することがで
きる。
【0075】 個々の配列に関するデータベースは、前述のMethods in Enzv
mology ed.Doolittleに記載されている。データベースはG
enbank、EMBL、およびDNA Database of Japan
(DDBJ)を含むが、これらだけには限られない。
【0076】 好ましい核酸は SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
;SEQ ID NO:61 の1つまたはそれと相補的な配列を含む。さらに
好ましい核酸はSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ
ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;
SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:
40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;S
EQ ID NO:61の1つの核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズする配列を含む。好ましい核酸は、SEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;
SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:
38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;S
EQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つのにおいて示される
配列の核酸配列と少なくとも70%、より好ましくは80%同一である、さらに
好ましくは90%、さらに好ましくは少なくとも95%同一である配列を有する
。さらに、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ I
D NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SE
Q ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40
;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO
:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID
NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ
ID NO:61の1つのにおいて表される核酸配列と少なくとも90%、よ
り好ましくは95%、最も好ましくは少なくとも約98〜99%同一である核酸
も、本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、核酸はホ乳類のものである
【0077】 本明細書で使用する「相互作用する」という語は、天然のタンパク質−タンパ
ク質、タンパク質−核酸、核酸−核酸、およびタンパク質−小分子または核酸−
小分子間の相互作用などの、分子間の検出可能な相互作用(たとえば生化学的な
相互作用)を含むことを意味する。
【0078】 DNAまたはRNAなどの核酸に関して本明細書で使用する「単離した」とい
う語は、高分子の天然源中に存在する他のDNAまたはRNAからそれぞれ分離
した分子のことである。本明細書で使用する「単離した」という語は、組換えD
NA技法によって生成されるとき細胞性物質、ウイルス性物質、培養基がほとん
どない、または化学的に合成されるとき化学的前駆物質または他の化学物質がほ
とんどない核酸またはペプチドのことである。さらに「単離した核酸」は、天然
には断片として存在せず自然の状態では発見されないであろう核酸断片を含むこ
とを意味する。「単離した」という語は本明細書において、他の細胞性タンパク
質から単離されるポリペプチドを示すためにも使用され、精製型および組換え型
の両方のポリペプチドを包含することを意味する。
【0079】 本明細書で使用する「調整された」および「差次的に調節された」という語は
、アップレギュレーション(すなわち活性化または刺激、たとえばアゴナイジン
グすることまたは強化することによる)およびダウンレギュレーション(すなわ
ち阻害または抑制、たとえばアンタゴナイジングすること、低下させることまた
は阻害することによる)の両方のことである。
【0080】 「突然変異した遺伝子」という語は、対立遺伝子形の遺伝子のことであり、こ
れは突然変異した遺伝子を有していない被験体と比べて、突然変異した遺伝子を
有する被験体の表現型を変える能力がある。変化した表現型を有するこの突然変
異体について被験体が相同でなければならない場合、この突然変異体は劣勢であ
ると言われる。突然変異した遺伝子の1つのコピーが被験体の表現型を変えるほ
ど充分である場合、その突然変異体は優勢であると言われる。被験体が突然変異
した遺伝子の1つのコピーを有し、相同の表現型と異形の表現型の中間の表現型
を有する(その遺伝子に関して)場合、その突然変異体は共優勢であると言われ
る。
【0081】 添付の配列表中に現れる「N」という表示は、対応するヌクレオチドの同一性
が知られていないことを示す。したがって「N」は必ずしも、たとえばA、T、
C、またはGなど任意のヌクレオチドについての認められている置換として解釈
されるべきではなく、その同一性が確実には決定されていないヌクレオチドの位
置を保持している。
【0082】 本発明の「ヒトではない動物」には、げっ歯類、ヒトではない霊長類、ヒツジ
、イヌ、ウシ、およびなどのホ乳類、ニワトリ、両生類、爬虫類などのホ乳類で
はない動物がある。好ましいヒトではない動物は、ラットおよびマウス(最も好
ましくはマウス)を含めたげっ歯類ファミリーから選択されるが、ゼノプス属の
メンバーなどのトランスジェニック両生類、およびトランスジェニックチキンも
、たとえば胚形成および組織形成に影響を与える可能性がある因子を、理解し同
定するための重要なツールとなる可能性がある。「キメラ動物」という語が本明
細書で使用され、その中で組換え遺伝子が見られるか、またはその組換え遺伝子
が動物の一部の細胞(すべての細胞ではない)中で発現している動物を指す。「
組織特異的キメラ動物」という語は、組換え遺伝子の1つが一部の組織(すべて
の組織ではない)中に存在しているか、および/または発現または破壊されてい
ることを示す。
【0083】 本明細書で使用するように、「核酸」という語は、デオキシリボ核酸(DNA
)、適切にはリボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチドのことである。この語
は均等物としてヌクレオチド類縁体から作成されるRNAまたはDNAのいずれ
かの類縁体、および記載の実施形態に適用可能なものとして改質することも可能
である一本(センスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドを含む
ことも理解すべきである。EST、染色体、cDNA、mRNA、rRNAは、
核酸と呼ぶことができる分子の代表的な例である。
【0084】 「配列番号Xのヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列」という語は、
配列番号がXである核酸鎖の相補鎖のヌクレオチド配列のことである。「相補鎖
」という語は、本明細書では「相補体」という語と互換的に使用される。核酸鎖
の相補体は、コーディング鎖の相補体または非コーディング鎖の相補体であって
よい。
【0085】 「多形性」という語は、2つ以上の形の遺伝子またはその一部分(たとえば対
立遺伝子変異体)が共存することである。少なくとも2つの異なる形、すなわち
2つの異なるヌクレオチド配列がある遺伝子の一部分は、「遺伝子の多形領域」
と呼ばれる。多形領域は1つのヌクレオチドであってよく、その同一性は異なる
対立遺伝子において異なる。多形領域は数個のヌクレオチドの長さであってもよ
い。
【0086】 「多形遺伝子」とは、少なくとも1つの多形領域を有する遺伝子のことである
【0087】 本明細書で使用するように、「プロモーター」という語は、プロモーターに動
作可能に結合している選択されたDNA配列の発現を調節し、細胞中でその選択
されたDNA配列の発現を行うDNA配列を意味する。この語は「組織特異的」
プロモーター、すなわち特定の細胞中(たとえば特異的組織の細胞)のみで選択
されたDNA配列の発現を行うプロモーターを包含する。この語はいわゆる「漏
出」プロモーターも含み、これは主に1つの組織中で選択されたDNAの発現を
調節するが、他の組織中においても同様に発現を引き起こす。この語は非組織特
異的プロモーター、および構造的に発現されるかあるいは誘導性である(すなわ
ち、発現レベルを調節することができる)プロモーターも包含する。
【0088】 遺伝子産物を指すとき、「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチ
ド」という語を本明細書において互換的に使用する。
【0089】 「組換えタンパク質」という語は、組換えDNA技法によって生成される本発
明のポリペプチドのことであり、一般的にはポリペプチドをエンコードしている
DNAが適切な発現ベクター中に挿入され、次にこれを使用して宿主細胞を形質
転換し、異形タンパク質を生成する。さらに組換え遺伝子に関する「から誘導さ
れる」というフレーズは、元のポリペプチドのアミノ酸配列を有するタンパク質
である「組換えタンパク質」、または天然に存在する形のポリペプチドの置換お
よび欠失を含めた(切断含む)突然変異によって生成する、それと類似のアミノ
酸配列の意味を含むことを意味する。
【0090】 本明細書で使用する「小分子」という語は、分子量が約5kD未満、最も好ま
しくは約4kD未満である組成物を指すことを意味する。小分子は核酸、ペプチ
ド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂質または他の有機(炭素含有
)または無機分子であってよい。多くの製薬会社は、化学的および/または生物
学的混合物(真菌性、細菌性、または藻類の抽出物であることが多い)の広大な
ライブラリーを有しており、本発明の任意のアッセイによってこれらを調べて、
生物活性を調整する化合物を同定することができる。
【0091】 「固体相」とは、本発明の核酸または抗体が接着することができる非水性マト
リックスのことである。本明細書に包含される固体相の例には、たとえば調節型
孔ガラスで部分的または全体的にガラスで形成されているもの、たとえばアガロ
ースなどの多糖類、ポリカーボネートなどの有機ポリマー、ポリアクリルアミド
、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、およびシリコーンがある。ある実施形
態ではコンテクストに応じて、固体相はアッセイプレートのウエルを含むことが
でき、他の実施形態では、それは精製カラム(たとえば親和性クロマトグラフィ
カラム)である。この語は、米国特許第4,275,149号に記載される固体
相などの、離散的粒子の不連続的な固体相も含む。
【0092】 本明細書で使用するように、「特異的にハイブリダイズする」または「特異的
に検出する」という語は、たとえばSEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;S
EQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:4
4;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID N
O:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ I
D NO:60;SEQ ID NO:61の任意の1つにおいて指定される核
酸の少なくとも一部分、例えば約6、12、15、20、30、50、100、
150、200、300、350、400、500、750、または1000個
の連続ヌクレオチドのまたはこれと相補的な配列、または天然に存在するその突
然変異体にハイブリダイズする、本発明の核酸分子の能力のことであり、その結
果本発明の核酸分子は、異なるタンパク質をエンコードしている細胞の核酸(た
とえばmRNAまたはゲノムDNA)に15%未満、好ましくは10%未満、よ
り好ましくは5%未満バックグランドハイブリダイゼーションする。好ましい実
施形態では、オリゴヌクレオチドプローブが特異的な核酸のみを検出する。たと
えば、オリゴヌクレオチドプローブは類似または関連核酸、またはその相補体と
は実質的にハイブリダイズしない。
【0093】 「転写調節配列」は本明細書を通じて使用される一般的な語であり、開始シグ
ナル、エンハンサー、およびプロモーターなどのDNA配列のことを指し、これ
らはこれらに動作可能に結合している配列をコードしているタンパク質の転写を
誘導または調節する。好ましい実施形態では、遺伝子の1つの転写はプロモータ
ー配列(または他の転写調節配列)の制御下にあり、この配列がその中での発現
しようとする細胞型中の組換え遺伝子の発現を制御する。組換え遺伝子は、天然
に存在する形のポリペプチドの転写を制御する配列と同じであるかまたは異なる
転写調節配列の制御下にある可能性があることも理解されるはずである。
【0094】 本明細書で使用するように、「トランシフェクション」という語は、核酸仲介
型の遺伝子の移動による核酸の受容細胞への導入(たとえば発現ベクターを介す
る)を意味する。本明細書で使用するように、「形質転換(transformation)」と
は、外因性DNAまたはRNAの細胞の取り込みの結果として細胞の遺伝子型を
変化させる方法のことであり、たとえば形質転換された細胞はポリペプチドの組
換え形を発現し、または、移動した遺伝子からのアンチセンス発現の場合は、標
的遺伝子の発現が中断される。
【0095】 本明細書で使用するように、「トランスジーン(transgene)」という語は、細
胞内に導入されている核酸配列(またはそのアンチセンス転写物)を意味する。
トランスジーンは、それが導入されるトランスジェニック動物または細胞と部分
的または全体的に異型(すなわち異質)であるか、またはそれが導入されるトラ
ンスジェニック動物または細胞の内因性遺伝子と同質であるが、それが挿入され
る細胞のゲノムを変化させるような方法で、動物のゲノム中に挿入されるように
設計されている(または挿入される)(たとえばトランスジーンは、本来の遺伝
子と異なる位置に挿入され、すなわちその挿入がノックアウトを引き起こす結果
となる)。トランスジーンが、エピソームの形で細胞中に存在する可能性もある
。トランスジーンは、1つまたは複数の転写調節配列およびイントロンなどの任
意の他の核酸を含むことができ、選択した核酸の最適な発現に必要である可能性
がある。
【0096】 「トランスジェニック動物」とは任意の動物のことであり、その動物の1つま
たは複数の細胞が人間の介在(当分野でよく知られるトランスジェニック技法な
ど)によって導入される異型の核酸を含むヒトではない動物(鳥類または両生類
)であることが好ましい。ミクロインジェクションまたは組換えウイルスとの感
染などによる意図的な遺伝的操作によって、細胞の前駆物質への導入により直接
的または間接的に、核酸が細胞内に導入される。遺伝的操作という語は、古典的
な異種交配、またはin vitroでの受精は含まず、組換えDNA分子の導
入を対象とする。この分子は染色体中に組み込むことができるか、または染色体
外で複製しているDNAであってよい。本明細書に記載する典型的なトランスジ
ェニック動物では、トランスジーンが本発明のポリペプチドの1つの組換え形、
たとえばアゴニスティックまたはアンタゴニスティック形のいずれかを細胞に発
現させる。しかしながら、組換え遺伝子がサイレントであるトランスジェニック
動物、たとえば以下に記載するELPまたはCREリコンビナーゼ依存構築体も
企図される。さらに「トランスジェニック動物」は、1つまたは複数の遺伝子の
遺伝子破壊が、組換えおよびアンチセンス技法の両方を含めた人間の介在によっ
て引き起こされる組換え動物も含む。
【0097】 本明細書で使用する「処置」という語は、状態または疾患の少なくとも1つの
徴候を治療および改善することを包含するものとする。
【0098】 「ベクター」という語は、他の核酸分子を運びそれを結合させる能力がある核
酸分子のことである。好ましいベクターの1タイプはエピソープ、すなわち染色
体外で複製を行う能力がある核酸である。好ましいベクターは、自発的複製する
かおよび/またはそれらが結合している核酸を発現させる能力があるベクターで
ある。ベクターが動作可能に結合している遺伝子の発現を指示する能力があるベ
クターを、本明細書では「発現ベクター」と呼ぶ。一般に、組換えDNA技法に
おいて有用な発現ベクターは「プラスミド」の形であることが多く、一般にプラ
スミドとは環状二本鎖DNA分子のことであり、これはベクターの形では染色体
に結合しない。本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」を互換的に使
用する。なぜなら、プラスミドは最も一般的に使用される形のベクターであるか
らである。しかしながら本発明は、均等な機能を果たししたがって当分野で知ら
れるようになる、このような他の形の発現ベクターを含むことが企図される。
【0099】 「野生型対立遺伝子」という語は、被験体中の2つのコピー中に存在する遺伝
子が野生型の表現型に結果としてなるとき、その遺伝子の対立遺伝子のことであ
る。遺伝子中で変化するあるヌクレオチドが、そのヌクレオチドの変化によって
遺伝子の2つのコピーを有する被験体の表現型に影響を与える可能性はないので
、特定の遺伝子のいくつかの異なる野生型対立遺伝子が存在する可能性がある。
【0100】 本発明の核酸 以下に記載するように、本発明の一態様は単離した核酸配列、変異体、および
/またはこのような核酸の均等物に関する。
【0101】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61またはそれと相補的な配列を含む本発明の核酸は、腫瘍細胞、たとえ
ば結腸癌由来の細胞株中で(正常な組織、たとえば正常な結腸組織および/また
は正常な非結腸組織における発現レベルと比べて)差次的に発現するものとして
同定されている。ある実施形態では、本発明の核酸は、少なくとも2倍、好まし
くは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも20倍、さらに好ましくは少
なくとも50倍以上差次的に発現される。好ましい核酸には、結腸癌細胞組織お
よび結腸癌細胞株の両方において差次的に発現すると同定されている配列がある
。好ましい実施形態では、本発明の核酸は腫瘍細胞中、特に結腸癌組織および/
または結腸癌由来の細胞株中でアップレギュレートされる。他の実施形態では、
本発明の核酸は腫瘍細胞中、特に結腸癌組織および/または結腸癌由来の細胞株
中でダウンレギュレートされる。
【0102】 特に好ましいポリペプチドは、SEQ ID NO:27;SEQ ID N
O:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ I
D NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SE
Q ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44
;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO
:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61の核酸配列と少なくとも約70%、7
5%、80%、90%、95%、97%、または98%類似である核酸配列によ
ってエンコードされているポリペプチドである。核酸は、SEQ ID NO:
27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
EQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:4
8;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID N
O:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の核酸に対応
するヌクレオチド配列の全体または一部分(たとえば少なくとも約12個、少な
くとも約15個、少なくとも約25個、または少なくとも約40個以上のヌクレ
オチド)、またはそれと相補的な配列を含むことが好ましい。
【0103】 本発明の他の好ましい核酸は、SEQ ID NO:27;SEQ ID N
O:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ I
D NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SE
Q ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44
;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO
:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61の1つによってエンコードされている
ポリペプチドの少なくとも一部分を含むポリペプチドをエンコードしている。た
とえば、プローブ/プライマーまたはアンチセンス分子(すなわちコードしてい
ない核酸分子)として使用するための好ましい核酸分子は、少なくとも約12、
20、30、50、60、70、80、90、または100塩基対の長さ〜完全
長の遺伝子を含むことができる。コード型核酸分子は、たとえば約50、60、
70、80、90、または100以上の塩基対〜完全遺伝子の長さを含むことが
できる。
【0104】 本発明の他の態様は、ストリンジェンシー(stringency)が低い、
中程度、または高い条件下でSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:
29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;S
EQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5
0;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID N
O:60;SEQ ID NO:61の1つによって表される核酸配列、または
この配列と相補的な配列にハイブリダイズする核酸を提供する。DNAのハイブ
リダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件、たとえば約45℃
で6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、次に50℃での2
.0×SSCの洗浄、は当業者に知られているか、またはCurrent Pr
otocols in Molecular Biology、John Wi
ley & Sons、N.Y.(1989)、6.3.1−12.3.6にお
いて見ることができる。たとえば、洗浄ステップ中の塩の濃度は低ストリンジェ
ンシー(50℃での約2.0×SSC)〜高ストリンジェンシー(50℃での約
0.2×SSC)から選択することができる。さらに、洗浄ステップにおける温
度は、室温、約22℃の低ストリンジェンシー条件から約65℃の高ストリンジ
ェンシー条件に上昇させることができる。温度および塩の両方が変化するか、ま
たは一方変化しても温度または塩濃度は、変化可能な他方が変化しても、一定に
保たれる可能性がある。好ましい実施形態では、ストリンジェンシーが適度な条
件下、たとえば約2.0×SSCおよび約40℃で、本発明の核酸は SEQ
ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;S
EQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:3
7;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID N
O:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ I
D NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SE
Q ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61
の1つ、またはこれと相補的な配列と結合するはずである。特に好ましい実施形
態では、ストリンジェンシーが高い条件下で、本発明の核酸分子はSEQ ID
NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ
ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;
SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:
42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1
つ、またはこれと相補的な配列と結合するはずである。
【0105】 一実施形態では本発明は、低ストリンジェンシー条件下(室温での6×SSC
、次に室温での2×SSCの洗浄)でハイブリダイズする核酸を提供する。
【0106】 他の実施形態では本発明は、高ストリンジェンシー条件下で(65℃での2×
SSC、次に65℃での0.2×SSCの洗浄)ハイブリダイズする核酸を提供
する。
【0107】 遺伝コードの縮重のために、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO
:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;
SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:
50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61の1つで示されるヌクレオチド配列また
はこれと相補的な配列と異なる配列を有する核酸も本発明の範囲内である。この
ような核酸は、機能的に均等なペプチド(すなわち均等または類似の生物学的活
性を有する)をエンコードしているが、遺伝コードの縮重のために配列表中に示
される配列とは配列が異なる。たとえば、いくつかのアミノ酸は2つ以上のトリ
プレットによって指定される。同じアミノ酸またはシノニムを指定するコドン(
たとえば、CAUおよびCACはそれぞれヒスチジンをエンコードする)は、「
サイレント」突然変異につながる可能性があり、この突然変異がポリペプチドの
アミノ酸配列に影響を及ぼすことはない。しかしながら、本発明のポリペプチド
のアミノ酸配列の変化につながらない、DNA配列の多形性がホ乳類の間に存在
することが予期される。ポリペプチドの活性を有するポリペプチドをエンコード
している核酸の、1つまたは複数のヌクレオチド中のこのような変化(たとえば
、ヌクレオチドの約3〜5%まで)が、元の対立遺伝子が変化するために、所与
の種の個体間に存在することを当業者は理解するはずである。
【0108】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61の核酸、またはこれと相補的な配列よってエンコードされているタン
パク質のスプライシング変異体をエンコードしている核酸、またはこのようなタ
ンパク質の天然の相同体も、本発明の範囲内である。本明細書に記載するように
、ハイブリダイゼーションまたはPCRによって、このような相同体をクローン
化することができる。
【0109】 ポリヌクレオチド配列はリーダー配列、たとえば本発明のポリペプチドの本来
のリーダー配列または異型のリーダー配列をエンコードしていてもよい。たとえ
ば、所望のDNA配列を同じリーディングフレーム中で、宿主細胞からのポリペ
プチドの発現および分泌を補助するDNA配列、たとえば細胞からのポリペプチ
ドの輸送を調節するために分泌配列として機能するリーダー配列に融合すること
ができる。リーダー配列を有するタンパク質はプレタンパク質であり、宿主細胞
によって切断されるリーダー配列を有し、タンパク質の成熟形を形成する可能性
がある。
【0110】 本発明のポリヌクレオチドは、フレーム中でマーカー配列(本明細書では「タ
グペプチド」をエンコードしている「タグ配列」とも呼ぶ)と融合させることが
でき、この配列によって本発明のマーキングおよび/または精製が可能になる。
好ましい実施形態ではマーカー配列は、たとえばPQE−9ベクターによって供
給されるヘキサヒスチジンタグである。おおくの他のタグペプチドは市販されて
いる。他の頻繁に使用されるタグには、c−mycからの10残基配列を含むm
yc−エピトープ(たとえばEllison他(1991)J Boil he
m266:21150−2 1157を参照のこと)、pFLAGシステム(I
nternational Biotechnologies、Inc.)、p
EZZ−protein Asystem(Pharmacia,NJ)、およ
びヘモフィルスインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質の16個のアミノ酸部分
がある。さらに、反応物、たとえばタグポリペプチドと特異的に相互作用する抗
体が入手でき、または調製や同定できる限りは、任意のポリペプチドをタグとし
て使用することができる。
【0111】 以下に述べる実施例によって示されるように、多くの真核細胞のいずれかに存
在するmRNAから核酸を得ることができ、核酸は好ましくは原生動物(metazoa
n)の細胞から、さらに好ましくはセキツイ動物の細胞から、さらに好ましくはホ
乳類の細胞から得られる。本発明の核酸を成体および胚の両方のゲノムDNAか
ら得ることも可能であるはずである。たとえば、当業者に一般的に知られている
プロトコルに従って、cDNAまたはゲノムライブラリーのいずれかから遺伝子
をクローン化することができる。細胞、たとえばセキツイ動物の細胞、哺乳動物
の細胞、またはヒト細胞(胚細胞を含めて)からすべてのmRNAを単離するこ
とによって、cDNAを得ることができる。そして、すべてのmRNAから二本
鎖cDNAを作製し、その後多くの知られている技法の任意の1つを使用して、
cDNAを適切なプラスミドまたはバクテリオファージベクターに挿入すること
ができる。本発明が提供するヌクレオチド配列情報に従って、確立したPCR増
幅技法を使用して遺伝子をクローン化することもできる。
【0112】 本発明は、この生物学的物質から得られる核酸配列のヌクレオチド配列を有す
るポリヌクレオチドをその範囲内に含み、この核酸はストリンジェントな条件下
(たとえば参照によって参照することによって援用する米国特許第5,707,
829号に記載されているように65℃での少なくとも約4×SSC、または4
2℃での少なくとも約4×SSC)で SEQ ID NO:27;SEQ I
D NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SE
Q ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38
;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO
:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
ID NO:60;SEQ ID NO:61の少なくとも1つの少なくとも
15個の連続ヌクレオチドとハイブリダイズする。これによって、SEQ ID
NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ
ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;
SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:
42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1
つの少なくとも15個の隣接ヌクレオチドがプローブとして使用されるとき、そ
のプローブは相補的配列を含む(生物学的物質の)遺伝子またはmRNAと優先
的にハイブリダイズするはずであり、選択したプローブに特異的にハイブリダイ
ズする生物学的物質の核酸の同定および探索(retrieval)が可能になることが企
図される。同じ遺伝子またはmRNAから誘導されるcDNAが1つのmRNA
に対応する場合、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SE
Q ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35
;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO
:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;
SEQ ID NO:61のうちの2つ以上からのプローブは、同じ遺伝子また
はmRNAとハイブリダイズするはずである。15個を超えるヌクレオチドのプ
ローブを使用することができるが、特異的な同定のためには15個のヌクレオチ
ドは充分な配列である。
【0113】 さらに本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
5;or SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38 の1つとの
相同性が少なくとも80%である核酸配列によってエンコードされているアミノ
酸配列を含むペプチドまたはタンパク質を含み、さらにこのペプチドまたはタン
パク質は、酵母菌2ハイブリッドシステムにおいてAPCと相互作用する。
【0114】 さらに本発明は、SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
EQ ID NO:44;or SEQ ID NO:46の1つとの相同性が
少なくとも80%である核酸配列によってエンコードされているアミノ酸配列を
含むペプチドまたはタンパク質を含み、さらにこのペプチドまたはタンパク質は
、酵母菌2ハイブリッドシステムにおいてE12と相互作用する。
【0115】 本発明の核酸のいくつかは部分的なmRNA転写産物であるので、本発明の2
つ以上の核酸は、同じmRNA転写産物および同じ遺伝子の異なる領域である可
能性がある。したがって、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:2
9;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID N
O:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ I
D NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SE
Q ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50
;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO
:60;SEQ ID NO:61 の2つ以上が同じクローンに属していると
同定される場合、いずれかの配列を使用して完全長mRNAまたは遺伝子を得る
ことができる。核酸関連ポリヌクレオチドを、cDNAライブラリーから単離す
ることもできる。これらのライブラリーは、ヒト結腸細胞のmRNAから作製さ
れることが好ましく、ヒト結腸癌特異的組織から作製されることがさらに好まし
い。他の実施形態では、正常なヒト結腸特異的組織から作製したライブラリーか
ら核酸を単離する。他の実施形態では本発明は、ヒト結腸癌腫細胞株HCT11
6(ATCCNo.CCL−247)から作製したライブラリー、および正常な
ヒト結腸特異的組織または結腸癌特異的組織のいずれかから作製したライブラリ
ーの両方から単離することができる核酸配列を開示する。これらの配列を、SE
Q ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31
;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO
:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID
NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ
ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;
SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:
61 として配列表中に記載する。前述のようにSEQ ID NO:27;S
EQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:3
3;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID N
O:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ I
D NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SE
Q ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52
;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61のアラインメントは、
関連タンパク質またはポリヌクレオチドの細胞株または組織源は、核酸関連cD
NAの源としても使用できる可能性があることを示すことができる。
【0116】 核酸配列ライブラリーを生み出し調べるための技法は、たとえばSambro
ok他、「Molecular Cloning:A Laboratory
Manual」(New York、Cold Spring Harbor
Laboratory、1998)に記載されている。SEQ ID NO:2
7;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID N
O:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ I
D NO;38:SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SE
Q ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48
;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO
:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61からの配列に基
づくプライマーを使用することによって、cDNAを作製することができる。一
実施形態では、ポリアデニル化したmRNAのみからcDNAライブラリーを作
成することができる。したがって、ポリ−Tプライマーを使用して、mRNAか
らcDNAを作製することができる。SEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;
SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:
44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
ID NO:60;SEQ ID NO:61のアラインメントが、関連ポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドの同定につながる可能性がある。本明細書で開示
するいくつかのポリヌクレオチドは、検索手順中にマスキングにかけられた繰り
返し領域を含む。この繰り返し領域についての情報を以下で論じる。
【0117】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61 の配列を有するポリヌクレオチドの構築体を合成的に生み出すこと
ができる。代替方法として、多数のオリゴデオキシリボヌクレオチドからの遺伝
子およびすべてのプラスミドの単一ステップアセンブリが、Stemmer他、
Gene(Amsterdam)(1995)164(i):49−53によっ
て記載されている。この方法では、アセンブリPCR(多数のオリゴデオキシリ
ボヌクレオチド(オリゴ)からの長いDNA配列の合成)が記載されている。こ
の方法はDNAシャッフリング(Stemmer他、Nature(1997)
370:389−391)に由来し、DNAリガーゼを利用するものではなく、
その代わりにDNAポリメラーゼを利用して、アセンブリプロセス中に非常に長
いDNA断片を作成する。たとえば1つの反応中で、それぞれの長さがヌクレオ
チド40個分である合計56のオリゴから、TEM−1 βラクタマーゼをエン
コードしている遺伝子(bla)を含む1.1kbの断片を組み立てることがで
きる。合成遺伝子をPCR増幅し、たとえば唯一の選択可能なマーカーとしてテ
トラサイクリン耐性遺伝子(Tc−R)を含むベクター中でクローン化すること
ができる。アンピシリン(Ap)選択を利用しないと、76%のTc−Rコロニ
ーはAp−Rであり、この手法は任意の遺伝子を迅速でコスト効果的に合成する
ための一般的な方法となる。
【0118】 当分野で認められている方法を使用する新規な配列の機能的および構造的モチ
ーフの同定 酵母菌2ハイブリッドシステムまたは低ストリンジェンシーPCRにおいてc
DNAライブラリーを使用して、他の核酸またはタンパク質との相互作用によっ
て、本発明の核酸を同定した。本発明で使用した酵母菌2ハイブリッドアッセイ
は、Fieldsおよび同僚によって開発された方法(Nature、340:
245−247、1989)に基づいていた。酵母菌2ハイブリッドアッセイは
、in vitroのタンパク質−タンパク質相互作用を検出するために設計さ
れている、酵母菌をベースとする遺伝的アッセイである。この2ハイブリッドア
ッセイに関して得られる良い結果によって遺伝子、たとえばcDNAライブラリ
ー(それらの遺伝子は標的タンパク質(「bait」)と相互作用する候補タン
パク質をエンコードしている)からの遺伝子の存在の検出が可能になる。この方
法は、真核生物の転写活性化タンパク質は2つの物理的に分離可能なドメインか
らなるという事実に基づいている。1つはDNA結合ドメイン(「BD」)とし
て作用し、他方は転写活性化ドメイン(「AD」)として作用する。酵母菌2ハ
イブリッドシステムでは、特異的なDNA配列、たとえばGAL4応答要素を含
み、特異的なDNA配列がbaitに結合している組換えBDタンパク質と相互
作用することができるレポーター酵母菌株を使用する。この応答要素は、この要
素によって調節されるレポーター遺伝子(たとえばLac ZおよびHIS3)
の上流部分である。さらにこの応答要素は、候補タンパク質のライブラリーに結
合している組換えBDタンパク質と相互作用することができるプロモーター配列
に結合している。BDおよびADは両方共に、細胞中またはin vitroで
の転写の正常な活性化のために必要とされる。したがって、転写機構の他の成分
を含むことによって転写を開始させることができる。細胞中では、両方のドメイ
ンは正常では同じタンパク質の一部であるが、酵母菌2ハイブリッドシステムで
は、タンパク質複合体(BD標的型タンパク質およびADライブラリータンパク
質)として、機能的活性化タンパク質を組み立てることができる。
【0119】 機能的に関係があるタンパク質を同定する他の方法は、知られている核酸また
はペプチドまたはタンパク質の機能的または保存的領域から生じるプライマーを
用いる、cDNAライブラリーの低ストリンジェンシーPCRスクリーニングで
ある。
【0120】 知られている配列へのその相互作用または相同性によってひとたび核酸が同定
されると、核酸、CDNA、または完全遺伝子のヌクレオチド配列の翻訳物を、
個々の知られている配列と一列に並べることができる。このアラインメントが、
同定した配列中の追加的な異なる機能的ドメインの同定につながる可能性がある
。さらに、2個以上の個々の配列と類似性を示す配列は、個々の配列のいずれか
または両方に特徴的な活性を示す可能性がある。
【0121】 最近種のポリヌクレオチド配列の完全長配列および断片をプローブおよびプラ
イマーとして使用して、核酸の完全長配列を同定し単離することができる。最近
種は、核酸の完全長配列用のライブラリーを構築するために使用される、組織ま
たは細胞タイプを示すことができる。
【0122】 典型的には、核酸は合計6つのフレーム中で翻訳されて、個々の配列について
の最良のアラインメントが決定される。本明細書で配列表において開示する配列
は5’から3’方向であり、3つのフレーム中での翻訳が充分である可能性があ
る(実施例中に記載する数個の具体的例外を除いて)。これらのアミノ酸配列は
、一般にクエリー配列と呼ばれており、個々の配列と一列に並ぶはずである。
【0123】 前に開示した任意の方法によって、核酸配列を知られている遺伝子について比
較することができる。個々およびクエリー配列アラインメントの結果は、3つの
カデゴリー、類似性が高い、類似性が低い、類似性がまったくない、に分けるこ
とができる。高類似性〜低類似性の範囲の個々のアラインメントの結果によって
、ポリペプチド活性および/または構造を決定するための基盤が提供される。
【0124】 個々の結果を分類するためのパメーターには以下のものがある。最強のアライ
ンメントが見られるアラインメント領域長のパーセンテージ、配列同一性のパー
セント、およびp値である。
【0125】 クエリー配列と個々の配列の間のアミノ酸マッチの数を数え、マッチの合計数
を最強のアラインメントの領域中で見られる個々の配列の残基の数で割ることに
よって、配列同一性のパーセントを計算する。前述の例では、同一性のパーセン
トは、11個のアミノ酸で割られる10マッチ、すなわち約90.9%であろう
【0126】 p値とは、アラインメントが偶然に生み出される確率である。1つのアライン
メントについては、Karlin他、Proc.Natl.Acad.Sci.
87:2264(1990)およびKarlin他、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.90:(1993)に従ってp値を計算することができる。Al
tschul他、Genet.6:119(1994)に記載されている発見的
手法を使用して、同じクエリー配列を使用する多数のアラインメントのp値を計
算することができる。BLASTプログラムなどのアラインメントプログラムは
、p値を計算することができる。
【0127】 前述のDoolittle、Methods in Enzymology、
BLASTまたはFASTAプログラムに従って、または配列同一性が最高であ
るエリアを決定することによって、配列が一列に並ぶ領域の境界を決定すること
ができる。
【0128】 前述のDoolittle、Methods in Enzymology、
BLASTまたはFASTAプログラムに従って、または配列同一性が最高であ
るエリアを決定することによって、配列が一列に並ぶ領域の境界を決定すること
ができる。
【0129】 同一性または類似性の決定について考慮する他の因子は、類似性または同一性
の位置である。アラインメントの長さが短い場合でも、強い局部的なアラインメ
ントは類似性を示すことができる。クエリー配列の長さ全体に分散する配列同一
性は、クエリー配列とプロファイル配列の間の類似性も示すことができる。
【0130】 プローブおよびプライマー 腫瘍細胞、特に結腸癌の細胞系および組織からの核酸配列のクローニングによ
って決定した核酸配列は、他の組織から得られたものなど他の細胞系における相
同体、ならびに他の哺乳動物からの相同体の同定および/またはクローニングの
ために設計されたプローブおよびプライマーの作製を可能にする。プローブ/プ
ライマーとして有用なヌクレオチド配列として、SEQ ID NO:27;S
EQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:3
3;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID N
O:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ I
D NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SE
Q ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52
;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61にリストされた配列、
またはそれらに相補的な配列の全てもしくは一部、またはSEQ ID NO:
27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO;42;S
EQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:4
8;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID N
O:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の全てもしく
は一部とストリンジェントな条件下でハイブリッドを形成する配列が含まれる。
例えば、本発明は実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プラ
イマーを提供するが、このオリゴヌクレオチドはSEQ ID NO:27;S
EQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:3
3;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID N
O:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ I
D NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SE
Q ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52
;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の各配列、またはそれ
に相補的な配列、またはその自然突然変異体からなる群から選択されたセンス配
列もしくはアンチセンス配列の少なくとも約12個、好ましくは25個、より好
ましくは40、50、もしくは75個の連続するヌクレオチドからその全長にい
たるまでとストリンジェントな条件下でハイブリッドを形成するヌクレオチド配
列を含む。例えば、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
;SEQ ID NO:61に示された核酸、またはそれに相補的な配列示され
る核酸に基づいたプライマーをPCR反応を用いて、その配列の相同体をクロー
ニングすることができる。
【0131】 別の実施形態において、本発明は、SEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;
SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:
44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
ID NO:60;SEQ ID NO:61の各配列、またはその自然突然変
異体かなる群から選択されたセンス配列もしくはアンチセンス配列の少なくとも
約12、16、25、40、50もしくは75個の連続するヌクレオチドからそ
の全長にいたるまでと中等度のストリンジェントな条件下でハイブリッドを形成
するヌクレオチド配列を含むプローブ/プライマーを提供する。
【0132】 特に、このようなプローブは本発明の野生型遺伝子における突然変異を検出す
る手段を提供するので有用である。本発明の野生型遺伝子と相補的で、突然変異
遺伝子とは不正対合(mismatches)を形成できる核酸プローブが提供されており、
酵素的もしくは化学的切断よって、または電気泳動移動度のシフトによって検出
を可能にしている。同様に、対象の配列に基づくプローブを用いて、例えば予後
もしくは診断検定で使用するために、同じつまり相同のタンパク質をエンコード
する転写物またはゲノム配列を検出することができる。好ましい実施形態におい
て、このプローブは、更にそれに結合させた標識基を含むので検出が可能である
。この標識基としては、たとえば放射性同位体、蛍光化合物、化学発光化合物、
酵素、および酵素補助因から選択される。
【0133】 本発明の核酸を含む完全長cDNA分子を以下のようにして得る。SEQ I
D NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SE
Q ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37
;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO
:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の
各配列またはそれに相補的な配列の少なくとも約12、15、18もしくは20
個のヌクレオチドからその全長にいたるまでを含む対象の核酸またはその一部を
ハイブリッド形成プローブとして用い、参照により本明細書に援用する米国特許
第5,654,173号「分泌タンパク質とそれをエンコードしたポリヌクレオ
チド」に記載のプローブデザイン法、クローニング法およびクローン選択手法を
使用してcDNAライブラリーのハイブリッド形成メンバーを検出することがで
きる。cDNAのライブラリーは、選択された組織、例えば正常もしくは腫瘍組
織、または例えば医薬品を投与した哺乳動物の組織から作製することができる。
核酸とcDNAはともに発現遺伝子を表すので、この組織は核酸の作製に使用し
たものと同一にするのが好ましい。最も好ましくは、本明細書の実施例に記載し
た生物材料からcDNAライブラリーを作製する。あるいは、多くのcDNAラ
イブラリーが市販されている。(Sambrook他、Molecular C
loning:A Laboratory Manual,2nd Ed.(C
old Spring Harbor Press,Cold Spring
Harbor,NY 1989)。ライブラリー構築用細胞型の核酸は、核酸関
連遺伝子によってエンコードされたタンパク質が同定された後に作製してもよい
。これにより、どの組織および細胞種(cell type)が関連遺伝子を発現し易く、
したがってcDNAを作製するためのmRNAを含んでいるかが示される。
【0134】 核酸よりも大きく、また好ましくは元のメッセージの完全な配列を含むライブ
ラリーメンバーが得られる可能性がある。完全なcDNAが得られたことを確認
するために、RNA保護試験を下記のように実施してもよい。完全長cDNAと
mRNAとのハイブリッド形成により、RNAはRNアーゼによる分解から保護
される可能性がある。cDNAが完全長でない場合は、mRNAのハイブリダイ
ズしていない部分はRNアースによる分解を受けるかもしれない。このことは、
当該分野では知られているように、ポリアクリルアミドゲル電気泳動における移
動度の変化または放出されたモノリボヌクレオチドの検出によって検査すること
ができる。Sambrook他、Molecular Cloning:A L
aboratory Manual,2nd Ed.(Cold Spring
Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY
1989)。5’から部分cDNAの末端までの追加の配列を得るために、5’
RACE(PCR Protocols:A Guide to Method
s and Applications(Academic Press,In
c.1990))を行うことができる。
【0135】 完全長cDNAの単離と類似の方法で、核酸を用いてゲノムDNAを単離でき
る。簡単に説明すると、核酸またはその一部をゲノムDNAライブラリーに対し
てプローブとして使用できる。ライブラリーは核酸の作製に使用したものと同じ
種類の細胞から得るのが好ましい。最も好ましくは、本明細書の実施例に記載し
た生物材料からゲノムDNAを得る。このようなライブラリーは、Sambro
ok他、9.4−9.30に詳しく記載されているように、P1もしくはYAC
などの大きなゲノム断片の運搬に適したベクターに存在している可能性がある。
更に、ゲノム配列はヒトBACライブラリーから単離でき、こうしたライブラリ
ーはResearch Genetics,Inc.,Huntville,A
labama,USAなどから市販されている。追加の5’または3’配列を得
るために、Sambrook他が記述しているように染色体歩行を行うことがで
き、これにより隣接かつ重複するゲノムDNA断片が単離できる。当該分野で知
られているように、これらは制限消化酵素とDNAリガーゼを使用してマッピン
グして組み合わせることができる。
【0136】 本発明の核酸を使用して、古典的方法およびPCR法を用いて対応する完全長
遺伝子を単離し、cDNAライブラリーを構築して探索することができる。いず
れかの方法を使用し、好ましくはノーザンブロットを多くの細胞種に適用し、ど
の細胞系が最も高率に関心遺伝子を発現するか調べることができる。
【0137】 上記Sambrook他におけるcDNAライブラリー構築の古典的方法。こ
れらの方法を使用して、mRNAからcDNAを作製してウイルスベクターまた
は発現ベクターに挿入することができる。一般的には、ポリ(A)鎖を含むmR
NAのライブラリーはポリ(T)プライマーで作製できる。同様に、cDNAラ
イブラリーは即席の配列をプライマーとして用いて作製できる。
【0138】 PCR法を用いて望みの挿入断片を含むcDNAライブラリーのメンバーを増
幅できる。このような場合は、望みの挿入断片は即席の核酸に対応する完全長c
DNAからの配列を含む可能性がある。こうしたPCR法として遺伝子トラップ
法とRACE法がある。
【0139】 遺伝子トラップ法では、cDNAライブラリーメンバーをベクターに挿入する
必要がある。ベクターは変性を受け一本鎖の分子になる。次に、ビオチン化オリ
ゴなどの基質結合性プローブを使用して関心のcDNA挿入断片を捕捉できる。
ビオチン化プローブはアビジン結合性固体基質に結合させることができる。PC
R法を使用して捕捉したcDNAを増幅する。完全長遺伝子に対応する配列を捕
捉するために、標識プローブ配列の作製を本発明の核酸、例えばSEQ ID
NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ
ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;S
EQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:4
2;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID N
O:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ I
D NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61または
これらに相補的な配列に基づいてもよい。ランダムプライマーまたはライブラリ
ーベクターに特異的なプライマーを用いて、捕捉されたcDNAを増幅すること
ができる。こうした遺伝子トラッピング手法は、Gruber他、PCT WO
95/04745およびGruber他、米国特許第5,500,356号に
記載されている。遺伝子トラップの実験を行うためのキットがLife Tec
hnologies,Gaithersburg,Maryland,USAな
どから市販されている。
【0140】 「cDNA末端の高速増幅」つまりRACEは、多くの異なるRNAからcD
NAを増幅するためのPCR法である。cDNAをオリゴヌクレオチドリンカー
に結合し、2個のプライマーを用いてPCR法で増幅することができる。プライ
マーの1つは完全長配列が望まれる即席の核酸からの配列に基づいて作製でき、
他のプライマーはcDNAを増幅するためのオリゴヌクレオチドリンカーとハイ
ブリダイズする配列を含むことも可能である。この方法はPCT Pub.No
.WO 97/19110で説明されている。
【0141】 RACEの好ましい実施形態において、一般的なプライマーをcDNA末端に
結合した任意のアダプター配列にアニーリングするように設計することができる
(Apte and Siebert,Biotechniques 15:8
90−893,1993;Edwards他、Nuc.Acids Res.1
9:5227−5232,1991)。単遺伝子特異的RACEプライマーをこ
の一般的なプライマーと対にした場合、単遺伝子特異的プライマーと一般的なプ
ライマーとの間で選択的な配列の増幅が起こる。RACE用に改変された市販の
cDNAプールが入手できる。
【0142】 他のPCR法では、cDNA配列に関して特定の情報がない場合でもアンカー
末端で完全長cDNAライブラリーを作製する。この方法はロックドッキングプ
ライマー(1−VI)を使用し、プライマーの1つ、ポリTV(I−III)が
第1の鎖の合成を起こす真核生物のmRNAのポリA鎖に結合し、第2のプライ
マー、ポリGH(IV−VI)が末端のデオキシヌクレオチジルトランスフェラ
ーゼ(TdT)によって付加されたポリC鎖に連結する。この方法はPCT P
ub.No.WO 96/40998に記載されている。
【0143】 遺伝子のプロモーター領域は、一般的に5’からRNAポリメラーゼILの開
始部位までに位置する。非常に多くのプロモーターは、「TATA」ボックスと
呼ばれる突然変異の影響を受けやすいTATTAまたはTATAAなどの配列を
含む。プロモーター領域は、遺伝子のコード領域からのプライマーを使用した5
’RACEにより得られる。あるいはcDNAをゲノム配列のプローブとして使
用でき、5’からコード領域までの領域は「遡上歩行」によって同定される。
【0144】 遺伝子が高度に発現されるか特異的な発現をする場合、この遺伝子のプロモー
ターは異種遺伝子の調節構築物で用いると有用である。
【0145】 完全長cDNAまたは遺伝子が得られると、Sambrook 15.3−1
5.63に詳説されているように、位置指定突然変異導入法によって変異体をエ
ンコードするDNAを作製できる。交換すべきコドンまたはヌクレオチドの選択
は、タンパク質の構造および/または機能を変更するアミノ酸の任意の変化に関
する本明細書に記載の開示に基づいて行うことができる。
【0146】 生物材料からDNAまたはRNAを得る別法として、本発明による核酸の1つ
かまたは複数の配列を有するヌクレオチドを含む核酸の合成が可能である。この
ように、本発明は長さがヌクレオチド12個(SEQ ID NO:27;SE
Q ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33
;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO
:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;
SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の配列の1つまたはそれ
に相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするかまたは少な
くとも80%の相同性を示す少なくとも12個の連続するヌクレオチドに対応)
から最大長までの、核酸分子の複製や発現を含む生物学的操作に適した核酸分子
を包含する。本発明は、それには限定されないが(a)完全遺伝子の大きさを有
し、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID N
O:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ I
D NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SE
Q ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46
;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO
:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61の少なくとも1つまたはそれに相補的な配列を含む核酸、(b)融
合タンパク質の発現を可能にするように連結された少なくとも1個の付加の遺伝
子を含む(a)の核酸、(c)(a)または(b)を含む発現ベクター、(d)
(a)または(b)を含むプラスミド、および(e)(a)または(b)を含む
組換えウイルス粒子を包含する。(a)の構築は下記のように行う(本発明の核
酸を運ぶベクター)。
【0147】 本発明の核酸の配列は限定されておらず、A、T、Gおよび/またはCの如何
なる配列(DNAの場合)およびA、U、Gおよび/またはCの如何なる配列(
RNAの場合)、またはイノシンやプソイドウリジンなどそれらの修飾塩基の配
列であってもよい。配列の選択は望みの機能によって決まり、望みのコード領域
、イントロン様領域、および調節領域によって決めることができる。
【0148】 本発明の核酸を含むベクター 本発明は、更に、宿主細胞における遺伝子の発現に使用するプラスミドおよび
ベクターを提供する。宿主細胞は如何なる原核細胞または真核細胞であってもよ
い。したがって、あるタンパク質の全体またはその選択された一部をエンコード
する、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;S
EQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:4
6;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID N
O:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ I
D NO:61のいずれかに由来するヌクレオチド配列またはそれに相補的な配
列を使用して、微生物学的または真核細胞的プロセスによりポリペプチドの組換
え体の作製が可能である。ポリヌクレオチド配列を発現ベクターのような遺伝子
構築物に連結したり、真核生物(酵母、鳥類、昆虫もしくは哺乳類)または原核
生物(細菌類)の宿主を形質転換またはトランスフェクションする手法は、当該
分野で公知の標準方法である。
【0149】 細胞内での核酸の発現を可能にするベクターを発現ベクターと称す。一般的に
は、発現ベクターは少なくとも1個の転写調節配列に作用可能に連結した核酸を
含む。調節配列は当該分野では公知であり、対象の核酸の発現を誘導するものが
選択される。転写調節配列は、Goeddel;Gene Expressio
n Technology:Methods in Enzymology 1
85,Academic Press,San Diego,CA(1990)
に記載されている。ある実施形態において、発現ベクターは対象のポリペプチド
の作用活性を有するかまたは拮抗体であるペプチドをエンコードする組換え遺伝
子を含む。
【0150】 プラスミドの選択は増殖を望む細胞の種類および増殖の目的によって決まる。
ある種のベクターが所望のDNA配列の増幅および大量作製に有用である。別の
ベクターは培養細胞内での発現に適している。別のベクターは動物およびヒトの
体の細胞内での伝達および発現に適している。適当なベクターの選択は当該分野
における熟練の範囲内である。多くのこうしたベクターは購入可能である。核酸
または完全長遺伝子は、一般的にはベクターの切断制限酵素部位にDNAリガー
ゼを連結する方法でベクターに挿入される。あるいは、生体内で相同組換えによ
って所望のヌクレオチド配列を挿入できる。一般的には、これは相同領域をベク
ターに対して望みのヌクレオチド配列の脇に連結することで達成される。相同領
域の付加は、オリゴヌクレオチドの連結、または相同領域と所望のヌクレオチド
配列の一部を含むプライマーを使用したポリメラーゼ連鎖反応によってなされる
【0151】 核酸または完全長遺伝子を適宜調節配列に連結し、所望の発現性が得られる。
このようなものとして、プロモーター(センス鎖の5’末端またはアンチセンス
鎖の3’末端に連結)、エンハンサー、ターミネーター、オペレーター、リプレ
ッサー、インデューサーなどがある。プロモーターは調節可能か構成性である。
状況によっては、組織特異的または発達段階特異的プロモーターなどの条件的活
性プロモーターの使用が望ましいこともある。こうしたプロモーターは、前記ベ
クター連結手法を使用して所望のヌクレオチド配列に連結される。当該分野で公
知の手法はいずれも使用できる。
【0152】 前記宿主細胞のいずれか、または他の適当な宿主細胞もしくは生物体を本発明
のポリヌクレオチドまたは核酸の複製および/発現に使用する場合は、作製され
る複製核酸、RNA、発現タンパク質またはポリペプチドは、宿主細胞または生
物体の生成物として本発明の範囲内にある。生成物は当該分野で公知の適当な手
段で回収する。
【0153】 核酸に対応する遺伝子が同定されると、遺伝子が由来する細胞内においてその
発現の調節が可能である。例えば、細胞の内因性遺伝子は、米国特許第5,64
1,670号「タンパク質の生成と送達」に開示されているように、外因性調節
配列による調節が可能である。
【0154】 酵母では組換えタンパク質の発現用のベクターが多く存在する(参照によって
本明細書に援用するBroach他(1983)、Experimental
Manipulation of Gene Expression,ed.M
.Inouye,Academic Press,p.83などを参照)。更に
、アンピシリンなどの薬剤耐性マーカーも使用できる。例示した実施形態におい
て、SEQ ID No.1〜544、好ましくはSEQ ID No.1〜1
68、より好ましくはSEQ ID No.1〜35のいずれかの配列、または
それに相補的な配列で示される核酸の1つをサブクローニングして作製される発
現ベクターを組換えに使用してポリペプチドが作製される。
【0155】 好ましい哺乳動物発現ベクターは、細菌内でのベクターの増殖を促進するため
の原核細胞の配列と共に、真核細胞内で発現する1つかまたは複数の真核細胞の
転写ユニットを含む。プラスミドの作製および宿主生物の形質転換で使用される
各種方法は、当該分野では公知である。原核細胞および真核細胞の両方に適した
他の発現システムならびに一般的組換え手順に関しては、Molecular
Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,
ed.by Sambrook,Fritsch and Maniatis(
Cold Spring Harbor Laboratory Press:
1989)第16章、17章を参照。
【0156】 トランケーション突然変異体など遺伝子の一部のみを発現するのが好ましい場
合、開始コドン(ATG)を、発現すべき所望の配列を含むオリゴヌクレオチド
断片に付加する必要があるかもしれない。当該分野では公知であるが、N末端の
メチオニンをメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)で酵素的に切断できる。
MAPはE.coli(Ben−Bassat他、(1987)J.Bacte
riol.169:751−757)およびSalmonella typhi
muriumからクローニングされ、そのin vitro活性は組換えタンパク質上で
実証された(Miller他、(1987)PNAS 84:2718−172
2)。したがって、N末端メチオニンの除去が望ましい場合は、in vivoでMA
Pを生成する宿主内(例えば、E.coli、CM89またはS.cerevi
siae)でポリペプチドを発現させるか、またはin vitroで精製MAPを使用
する(例えば、上記Miller他の手順)。
【0157】 更に、本発明の核酸構築物は、アンチセンス核酸などの核酸を送達する遺伝子
療法プロトコルの一部としても使用できる。したがって、本発明の別の態様は生
体内または生体外におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドによるトランスフェ
クションで用いる発現ベクターにある。
【0158】 ウイルスによる伝達方法に加え、非ウイルス的方法を使用して対象の核酸の導
入が可能であり、例えば、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:2
9;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID N
O:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ I
D NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SE
Q ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50
;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO
:60;SEQ ID NO:61のいずれかの配列、またはそれに相補的な配
列を動物の組織に導入できる。遺伝子伝達の非ウイルス的方法の多くは、哺乳動
物の細胞が巨大分子の取り込みや細胞内輸送で用いる通常の機構に依存する。好
ましい実施形態において、本発明の非ウイルス的ターゲッティング手段は、標的
細胞による対象核酸の取り込みのためのエンドサイトーシス(endocytic)経路に
依存する。例示したこの種のターゲッティング手段は、リポソーム由来システム
、ポリリシン複合体、および人工ウイルスエンベロープを含む。
【0159】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO
:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;
SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:
51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID
NO:61のいずれの核酸、またはそれに相補的な配列、対応するcDNA、も
しくは完全長遺伝子を使用して、部分的または完全な遺伝子産物の発現が可能で
ある。適当な核酸構築物の精製が、Sambrook他、(1989)Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual,2n
d ed.(Cold Spring Harbor Press,Cold
Spring Harbor,New York)などに記載の標準組換えDN
A技術を用いて、またUnited States Dept.of HHS,
National Institute of Health(NIH)Gui
delines for Recombinant DNA Research
に記載の現行規則の下で可能である。こうした核酸がエンコードするポリペプチ
ドの発現は、例えば細菌、酵母、昆虫、両生類、哺乳動物系を含む如何なる発現
系においても可能である。適したベクターおよび宿主細胞は米国特許第5,65
4,173号などに記載されている。
【0160】 細菌 細菌の発現系は、Chang他、Nature(1978)275:6
15,Goeddel他、Nature(1979)281 :544,Goe
ddel他、Nucleic Acids Rec.(1980)8:4057
;EP 0 036,776,米国特許第4,551,433号,DeBoer
他、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1983)80:2
125,およびSiebenlist他、Cell(1980)20:269な
どに記載されている。
【0161】 酵母 酵母の発現系は、Hinnen他、Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)(1978)75:1929;Ito他、J.Bacteri
ol.(1983)153:163;Kurtz他、Mol.Cell.Bio
l.(1986)6:142;Kunze他、J.Basic Microbi
ol.(1985)25:141;Gleeson他、J.Gen.Micro
biol.(1986)132:3459,Roggenkamp他、Mol.
Gen.Genet.(1986)202:302)Das他、J.Bacte
riol.(1984)158:1165;De Louvencourt他、
J.Bacteriol.(1983)154:737,Van den Be
rg他、Bio/Technology(1990)8:135;Kunze他
、J.Basic Microbiol.(1985)25:141;Creg
g他、Mol.Cell.Biol.(1985)5:3376,米国特許第4
,837,148号、同4,929,555号;Beach and Nurs
e,Nature(1981)300:706;Davidow他、Curr.
Genet.(1985)10:380,Gaillardin他、Curr.
Genet.(1985)10:49,Ballance他、Biochem.
Biophys.Res.Commun.(1983)112:284289;
Tilburn他、Gene(1983)26:205221,Yelton他
、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1984)81:14
701474,Kelly and Hynes,EMBOJ.(1985)4
:475479;EP 0 244,234,およびWO 91/00357な
どに記載されている。
【0162】 昆虫細胞 昆虫における異種遺伝子の発現は、米国特許第4,745,051
号,Friesen他、(1986)「The Regulation of
Baculovirus Gene Expression」:The Mol
ecular Biology Of Baculoviruses(W.Do
erfler,ed.),EP 0 127,839,EP 0 155,47
6,およびVlak他、J.Gen.Virol.(1988)69:7657
76,Miller他、Ann.Rev.Microbiol.(1988)4
2:177,Carbonell他、Gene(1988)73:409,Ma
eda他、Nature(1985)315:592594,Lebacq V
erheyden他、Mol.Cell.Biol.(1988)8:3129
;Smith他、Proc.Nail.Acad.Sci.(USA)(198
5)82:8404,Miyajima他、Gene(1987)58:273
;およびMartin他、DNA(1988)7:99に記載されている。多く
のバキュロウイルス系統および変異株、ならびに宿主からの対応する許容昆虫宿
主細胞が、Luckow他、Bio/Technology(1988)6:4
755,Miller他、Generic Engineering(Setl
ow,J.K.他編集),Vol.8(Plenum Publishing,
1986),pp.277279,およびMaeda他、Nature,(19
85)315:592−594に記載されている。
【0163】 哺乳動物細胞 哺乳動物における発現が、Dijkema他、EMBO J.
(1985)4:761,Gorman他、Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)(1982)79:6777,Boshart他、Cell(
1985)41:52 1および米国特許第4,399,216号に記載されて
いる。哺乳動物における発現の他の特徴が、Ham and Wallace,
Meth.Enz.(1979)58:44,Barnes and Sato
,Anal.Biochem.(1980)102:255,米国特許第4,7
67,704号、同4,657,866号、同4,927,762号、同4,5
60,655号,WO 90/103430,WO 87/00195,および
U.S.RE 30,985に記載のように達成されている。
【0164】 治療用核酸構築物 本発明の一態様は、単離した核酸、例えばSEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;
SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:
38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;S
EQ ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれに相補的な配列
のアンチセンス療法での使用に関する。本明細書で使用されるように、アンチセ
ンス療法とはオリゴヌクレオチド分子もしくはそれらの誘導体の投与またはin
situ生成を意味し、これら化合物は細胞条件下で細胞mRNAおよび/ま
たはゲノムDNAと特異的にハイブリダイズ(例えば、結合)し、それにより当
該遺伝子の転写および/翻訳を阻止する。この結合は通常の塩基対相補性による
か、または、例えば二重らせんDNAへの結合の場合は、二重らせんの主溝にお
ける特異的相互作用による。一般的に、アンチセンス療法は当該分野で一般的に
採用される範囲の技術を指し、オリゴヌクレオチド配列に対する特異的結合に依
存する療法全般を含む。
【0165】 本発明のアンチセンス構築物は、細胞内で転写された際に少なくとも細胞mR
NAのユニーク部分と相補的なRNAを生成する発現プラスミドなどとして送達
することができる。あるいは、そのアンチセンス構築物は生体外で作製され、細
胞に導入された時にmRNAおよび/または本発明の核酸のゲノム配列とハイブ
リダイズして発現を阻止するオリゴヌクレオチドプローブである。このようなオ
リゴヌクレオチドプローブは、好ましくはエキソヌクレアーゼおよび/またはエ
ンドヌクレアーゼなどの内因性ヌクレアーゼに耐性の修飾オリゴヌクレオチドで
あって、生体内で安定である。アンチセンスオリゴヌクレオチドとして使用でき
る核酸分子の例として、ホスホルアミデート、ホスホロチオエート、およびメチ
ルホスホネートDNA類似化合物 がある(米国特許第5,176,996号、
同5,264,564号、同5,256,775号も参照)。更に、アンチセン
ス療法に有用なオリゴマーを構築する一般的手法のレビュー記事として、Van
der Krol他、(1988)Bio Techniques 6:95
8−976;およびStein他、(1988)Cancer Res 48:
2659−2668などがある。アンチセンスDNAに関しては、翻訳開始部位
、例えば関心ヌクレオチド配列の−10〜+10領域に由来するオリゴデオキシ
リボヌクレオチドが好まれる。
【0166】 アンチセンス手法には、mRNAに相補的なオリゴヌクレオチド(DNAまた
はRNA)の設計が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドはmRNA転写
物と結合して翻訳を阻止する。絶対的相補性は望ましいが要求されてはいない。
したがって、二本鎖アンチセンス核酸の場合、二重らせんDNAの一本の鎖が試
験されるか三重らせん形成が検査される。ハイブリダイゼーション能は、相補性
ならびにアンチセンス核酸の長さによって決まる。一般的に、ハイブリダイズし
ている核酸が長いほどRNAに対する塩基の不正対合が多く、それでも安定な二
重らせんを形成する(もしくは三重らせんの場合もある)。当業者は、ハイブリ
ッド複合体の融解温度を測定する標準の手法を用いて、不正対合の許容程度を確
認できる。
【0167】 mRNAの5’末端に相補的なオリゴヌクレオチド、例えばAUG開始コドン
までの5’非翻訳配列は、翻訳の阻止を非常に効率よく行う。しかし、mRNA
の3’非翻訳配列に相補的な配列も、mRNAの翻訳阻止に有効であることが最
近明らかにされた(Wagner,R.1994.Nature 372:33
3)。したがって、ある遺伝子の5’または3’非翻訳、非コード領域に相補的
なオリゴヌクレオチドを、内因性mRNAの翻訳を阻止するアンチセンス手法で
使用できる。mRNAの5’非翻訳領域に相補的なオリゴヌクレオチドは、AU
G開始コドンの相補体を含むことが望ましい。mRNAコード領域に相補的なア
ンチセンスオリゴヌクレオチドは、概して翻訳阻止効果は比較的低いが、本発明
に従って使用が可能である。本発明のmRNAの5’領域、3’領域またはコー
ド領域のいずれとハイブリダイズするように設計されようが、アンチセンス核酸
は長さが少なくとも6個で、好ましくは約100個未満、より好ましくは約50
、25、17または10個未満のヌクレオチドである。
【0168】 対象とする配列の選択に関係なく、アンチセンスオリゴヌクレオチドの遺伝子
発現阻止能力を測定するために、生体外試験を先ず行うのが好ましい。こうした
研究では、アンチセンス遺伝子阻止とオリゴヌクレオチドの非特異的生物学的効
果を区別できるように対照を設けることが好ましい。また、このような研究では
標的RNAまたはタンパク質レベルを内部対照のRNAまたはタンパク質のレベ
ルと比較するのが好ましい。更に、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して
得られた結果を対照のオリゴヌクレオチドで得られた結果と比較することも思い
描かれている。対照のオリゴヌクレオチドは試験用オリゴヌクレオチドとほぼ同
じ長さを有し、そのヌクレオチド配列は標的配列との特異的ハイブリダイゼーシ
ョンを阻止するのに必要なだけアンチセンス配列とは異なることが望ましい。
【0169】 前記オリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNA、またはキメラ混合物もし
くは誘導体、またはこれらの修飾されたもの、一本鎖または二本鎖である。オリ
ゴヌクレオチドは、例えば分子やハイブリダイゼーション等の安定性を改善する
ために、塩基部分、糖部分または燐酸バックボーン部で修飾してもよい。オリゴ
ヌクレオチドはペプチド(例えば、宿主細胞の受容体を標的とするための)、ま
たは細胞膜(Letsinger他、1989,Proc.Natl.Acad
.Sci.U.S.A.86:6553−6556;Lemaitre他、19
87,Proc.Natl.Acad.Sci.84:648−652;PCT
Publication No.WO 88/098 10,1988年12
月15日発行、などを参照)もしくは血液脳関門(PCT Publicati
on No.WO 89/10 134,1988年4月25日発行、などを参
照)の透過性を向上させる作動体、ハイブリダイゼーション誘導切断剤(Kro
l他、1988,BioTechniques 6:958−976などを参照
)、または挿入剤(Zon,1988,Pharm.Res.5:539−54
9などを参照)などの付加基を含むことも可能である。この目的のために、前記
オリゴヌクレオチドをペプチド、ハイブリダイゼーション誘導架橋剤、輸送剤、
ハイブリダイゼーション誘導切断剤など他の分子と結合させることも可能である
【0170】 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、これには限定されないが5−フルオ
ロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、
ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロ
キシトリエチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリ
ジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D
−ガラクトシルケオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチ
ルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデ
ニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−
アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキ
シアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルケオシン、5−メトキ
シカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−
イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン
、プソイドウラシル、ケノシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラ
シル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−
5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル
−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウ
ラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリンを含む群から選択され
た少なくとも1個の修飾塩基を含むことができる。
【0171】 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、これには限定されないが、アラビノ
ース、2−フルオロアラビノース、キシルロースおよびヘキソースを含む群から
選択された少なくとも1個の修飾された糖を含むことも可能である。
【0172】 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、中性のペプチド様バックボーンも含
んでよい。こうした分子はペプチド核酸(PNA)オリゴマーと名付けられ、P
eny−O’Keefe他、(1996)Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A.93:14670およびEglom他、(1993)Natu
re 365:566などに記載されている。PNAオリゴマーの1つの利点は
、DNAの中性バックボーンのために、媒体のイオン強度とは実質的に無関係に
相補的DNAと結合できることである。別の実施形態において、アンチセンスオ
リゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホルア
ミドチオエート、ホスホルアミデート、ホスホルジアミデート、メチルホスホネ
ート、アルキルホスホトリエステル、およびホルムアセタールまたはこれらの類
似化合物からなる群から選択された少なくとも1個の修飾されたリン酸バックボ
ーンを含む。
【0173】 別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、αアノマーオリ
ゴヌクレオチドである。αアノマーオリゴヌクレオチドは相補的RNAと特異的
な二本鎖ハイブリッドを形成するが、この二本鎖の鎖は通常のnユニットとは異
なり互いに平行になっている(Gautier他、1987,Nucl.Aci
ds Res.15:6625−6641)。このオリゴヌクレオチドは、2’
−O−メチルリボヌクレオチド(Inoue他、1987,Nucl.Acid
s Res.15:6131−12148)またはキメラRNA−DNA類似化
合物(Jnoue他、1987,FEBS Lett.215:327−330
)である。
【0174】 本発明のオリゴヌクレオチドは、自動DNAシンセサイザー(Biosear
ch,Applied Biosystemsなどから市販されている)を使用
した方法など、当該分野では公知の標準的方法で合成できる。例としては、ホス
ホロチオエートオリゴヌクレオチドはStein他(1988,Nucl.Ac
ids Res.16:3209)の方法で、メチルホスホネートオリゴヌクレ
オチドは制御ポアグラスポリマーサポート(Sarin他、1988,Proc
.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:7448−7451)を使
用して調製できる。
【0175】 コード領域配列に相補的なアンチセンスヌクレオチドも使用できるが、転写さ
れた非翻訳領域および開始メチオニンと相補的なアンチセンスヌクレオチドが最
も好まれる。
【0176】 前記アンチセンス分子は、生体内で標的核酸を発現する細胞へ送達できる。ア
ンチセンスDNAまたはRNAを細胞へ送達するための多くの方法が開発されて
いる。アンチセンス分子は組織部位へ直接注入できるし、所望の細胞を標的にす
るように設計された修飾アンチセンス分子(例えば、標的細胞表面で発現する受
容体または抗原に特異的に結合するペプチドまたは抗体に結合したアンチセンス
)は全身投与が可能である。
【0177】 しかし、細胞内で内因性mRNAの翻訳を阻止するのに充分なアンチセンス濃
度を達成することは困難なことが多い。したがって、アンチセンスオリゴヌクレ
オチドが強力なpol IIIまたはpol IIプロモーターの支配下にある
組換えDNA構築物を使用することが好ましい。このような構築物を使用して患
者の標的細胞にトランスフェクションすることにより、内因性転写物と相補的な
塩基対を形成しそれにより標的mRNAの翻訳を阻止するような一本鎖RNAの
充分な量が転写される。例えば、生体内でベクターを導入し、それが細胞に取り
込まれアンチセンスRNAの転写を誘導するようにできる。こうしたベクターは
、転写されて所望のアンチセンスRNAを生成する限り、エピソームのままであ
っても染色体に組込まれてもよい。このようなベクターは、当該分野で標準の組
換えDNA技術により構築できる。ベクターはプラスミド、ウイルス、または哺
乳動物細胞における複製および発現について当該分野で公知のものが使用できる
。アンチセンスRNAをエンコードする配列を発現するためには、哺乳動物、好
ましくはヒトの細胞において作用することが当該分野で公知のプロモーターなら
如何なるものでも使用できる。こうしたプロモーターは誘導性であっても構成性
であってもよい。このようなプロモーターとして、これには限定されないが以下
のものがある。SV40初期プロモーター領域(Bernoist and C
hambon,1981,Nature 290:304−3 10)、ラウス
肉腫ウイルスの3’長末端反復に含まれるプロモーター(Yamamoto他、
1980,Cell 22:787−797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロ
モーター(Wagner他、1981,Proc.Natl.Acad.Sci
.U.S.A.78:1441−1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配
列(Brinster他、1982,Nature 296:39−42)。ど
のような種類のプラスミド、コスミド、YACまたはウイルスベクターを用いて
も、脈絡膜叢または視床下部などの組織部位へ直接導入できる組換えDNA構築
物を調製できる。あるいは、所望の組織に選択的に感染するウイルスベクターの
使用も可能である(例えば、脳に対してはヘルペスウイルスベクターが使用でき
る)が、この場合は別の経路で投与する(例えば、全身投与)。
【0178】 本発明の別の態様において、標的mRNA転写物を触媒作用で切断できるよう
に設計されたリボザイム分子を用いて、標的mRNAの翻訳と標的タンパク質の
発現を阻止することが可能である(PCT International Pu
blication W090/1l364,1990年10月4日発行;Sa
rver他、1990,Science 247:1222−1225および米
国特許第5,093,246号などを参照)。認識配列に特異的な部位でmRN
Aを切断するリボザイムを使用しての標的mRNAの分断も可能であるが、ハン
マーヘッドリボザイムの使用が好まれる。ハンマーヘッドリボザイムは、標的m
RNAと相補的塩基対を形成するフランキング領域により指定された部位でmR
NAを切断する。ただ1つの必要条件は、標的mRNAが次の2個の塩基、5’
−UG−3’の配列を有することである。ハンマーヘッドリボザイムの構築およ
び作製は当該分野で公知であり、Haseloff and Gerlach,
1988,Nature,334:585−591により詳細に記載されている
。リボザイムは切断認識部位が標的mRNAの5’末端の近くに位置するように
作製するのが好ましく、それは効率を良くし、また機能していないmRNA転写
物の細胞内蓄積を最小限にするためである。
【0179】 本発明のリボザイムは、RNAエンドリボヌクレアーゼ(本明細書では以降「
Cechタイプリボザイム」と呼ぶ)も含み、例えば、Tetrahymena thermophilaにより生成されるもの(IVSもしくはL−19 I
VS RNAとして知られる)があり、これはThomas Cechと共同研
究者によって多数報告されている(Zaug他、1984,Science,2
24:574−578;Zaug and Cech,1986,Scienc
e,23 1:470−475;Zaug他、1986,Nature,324
:429−433;University Patents Inc.が出願し
た公開国際特許出願No.W088/04300;Been and Cech
,1986,Cell,47:2072 16)。Cechタイプリボザイムは
、8塩基対の活性部位を有し、それは標的RNA配列とハイブリダイズしその後
で標的RNAの切断が起こる。本発明は標的遺伝子に存在する8塩基対活性部位
配列を標的にするCechタイプリボザイムを包含する。
【0180】 アンチセンス手法と同様に、リボザイムは修飾オリゴヌクレオチド(安定性の
向上、標的化などのために)で構成することが可能で、生体内で標的遺伝子を発
現する細胞に送達することが望ましい。送達の方法としては、リボザイムを「エ
ンコード」するDNA構築物を強力な構造性polIIIまたはpolIIプロ
モーターの支配下で使用し、トランスフェクションされた細胞が内因性メッセー
ジを破壊して翻訳を阻止するのに十分な量のリボザイムを生成する方法が好まし
い。アンチセンス分子と異なりリボザイムは触媒作用があるので、効果を上げる
のにより低い細胞内濃度が要求される。
【0181】 本発明によるアンチセンスRNA、DNA、およびリボザイム分子は、当該分
野で公知のDNAおよびRNA分子のどの合成法によっても作製が可能である。
これには当該分野で公知の、オリゴデオキシリボヌクレオチドやオリゴリボヌク
レオチドの化学的合成法が含まれ、固相ホスホルアミダイト化学合成などがある
。あるいは、RNA分子の作製は、アンチセンスRNA分子をエンコードするD
NA配列の生体内および生体外転写によって可能である。このようなDNA配列
は、T7またはSP6ポリメラーゼプロモーターなどの適当なRNAポリメラー
ゼプロモーターを組み込んだ様々なベクターに組み込むことができる。あるいは
、アンチセンスRNAを使用するプロモーターによって構成的にまたは誘導的に
合成するアンチセンスcDNA構築物を、細胞系に安定して導入することが可能
である。
【0182】 更に、細胞内安定性および半減期を向上させる手段として、核酸分子を修飾す
る各種公知の方法を導入できる。可能な修飾方法として、これには限定されない
がリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのフランキング配列を当該
分子の5’および/または3’末端に付加する方法、またはオリゴデオキシリボ
ヌクレオチドバックボーン内にホスホジエステラーゼ結合の代わりにホスホロチ
オエートまたは2’O−メチル結合を使用する方法がある。
【0183】 本発明によるポリペプチド 本発明は、他の細胞タンパク質から単離したペプチド、または他の細胞タンパ
ク質、特に通常ポリペプチドと連結している可能性のある他のシグナル伝達因子
および/または転写因子を実質的に含まない単離ポリペプチドを提供する。本発
明による対象ポリペプチドとして、SEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;S
EQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:4
4;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID N
O:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ I
D NO:60;SEQ ID NO:61の核酸もしくはその相補的配列がエ
ンコードするポリペプチド、またはSEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;S
EQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:4
4;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID N
O:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ I
D NO:60;SEQ ID NO:61の配列もしくはそれに相補的な配列
がその断片である遺伝子がエンコードするポリペプチドなどがある。本発明によ
るポリペプチドは、腫瘍細胞、特に結腸癌由来細胞系において差次的(正常結腸
組織および非結腸組織などの正常細胞と比較して)に調節されるタンパク質を含
む。好ましい実施形態において、ポリペプチドは腫瘍細胞、特に結腸癌由来細胞
系においてアップレギュレーションされている。別の実施形態において、ポリペ
プチドは腫瘍細胞、特に結腸癌由来細胞系においてダウンレギュレーションされ
ている。異常増殖細胞において、癌遺伝子などアップレギュレーションされたタ
ンパク質、または腫瘍サプレッサーなどダウンレギュレーションされたタンパク
質は、診断または治療技術の標的となる可能性がある。
【0184】 「実質的に他の細胞タンパク質を含まない」(本明細書においては以降「混濁
タンパク質」と呼ぶ)または「実質的に純粋または純化された調製物」という用
語は、混濁タンパク質が約20%(乾燥重量で)未満、好ましくは5%未満のポ
リペプチド調製物を包含するものと定義される。対象ポリペプチドの機能的な形
態のものが、本明細書に記載したようにクローン核酸を使用することにより初め
て精製調製物として調製できる。完全長タンパク質または1個以上の特定のモチ
ーフおよび/またはドメインまたは任意の大きさ、例えば少なくとも5、10、
25、50、75もしくは100個のアミノ酸長に対応する断片は、本発明の範
囲に含まれる。
【0185】 例えば、単離ポリペプチドは、SEQ ID NO:27;SEQ ID N
O:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ I
D NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SE
Q ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44
;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO
:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
NO:60;SEQ ID NO:61のいずれかの核酸配列もしくはそれに
相補的な配列の全体または一部によってエンコードされる。単離タンパク質のペ
プチジル部分は、このようなペプチドをエンコードする核酸の対応する断片から
組換えにより作製されるペプチドのスクリーニングによって得られる。更に、通
常のメリフィールド(Merrifield)固相f−Mocまたはt−Boc化学法などの
当該分野で公知の技術を使用して断片を化学的に合成できる。例えば、本発明の
ポリペプチドは、断片の重複なしに任意の所望の長さの断片に分割でき、または
好ましくは所望の長さの重複する断片に分割できる。断片は(組換えによりまた
は化学的に)作成することができ、作成された断片を検査して、野性型(例えば
、「真正な」)タンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能するペ
プチジル断片の同定する。
【0186】 本発明の別の態様は、対象タンパク質の組換え体に関する。本発明による好ま
しい組換えポリペプチドは、上述したように元のタンパク質に加え、SEQ I
D No.1〜544によってエンコードされたアミノ酸配列と少なくとも60
%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90
%、より好ましくは95%一致する核酸によってエンコードされる。SEQ I
D NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SE
Q ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37
;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO
:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の
配列と少なくとも約98〜100%一致する核酸によってエンコードされるポリ
ペプチドも、本発明の範囲に含まれる。更に、このようなタンパク質の少なくと
も一部を含むペプチド断片も、本発明に含まれる。
【0187】 好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは哺乳動物のポリペプチド
であり、ヒトポリペプチドが更により好ましい。特に好ましい実施形態において
、ポリペプチドは野性型生物活性を保持している。リン酸化のような特定の翻訳
後修飾は、非修飾のポリペプチド鎖と比較してポリペプチドの見かけの分子量を
増加することが理解されよう。
【0188】 本発明は、更に、ある対象ポリペプチドの組換え体に関する。このような組換
えポリペプチドは添付の配列表の野性型(「真正な」)ポリペプチドが有する少
なくとも1個の生物活性のアンタゴニストの役割もしくはアンタゴニストとして
機能できることが望ましい。タンパク質のアミノ酸配列に関連した「進化論的に
関係する」という用語は、自然に発生したアミノ酸配列を有するポリペプチドお
よび組み合わせ突然変異などに由来するヒトポリペプチドの突然変異体を意味す
る。
【0189】 一般的に、本明細書においてタンパク質の活性を有する(例えば、「生物活性
」がある)として言及されているポリペプチドは、SEQ ID NO:27;
SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:
33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID
NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ
ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;S
EQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:5
2;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の一つで示される核
酸配列もしくはそれに相補的な配列の全体または一部によってエンコードされた
アミノ酸配列を含み、天然タンパク質の生物的/生化学的活性の全てまたは一部
を模倣もしくは拮抗するポリペプチドと定義される。本発明によれば、ポリペプ
チドが天然形態のタンパク質の特異的作動薬または拮抗薬であるならば、そのポ
リペプチドは生物活性を有する。
【0190】 化合物、例えばタンパク質またはその変異体などが上記生物活性の1つ以上を
有するかどうかを決定する検査方法は、当該分野では公知である。ある実施形態
において、本発明によるポリペプチドは上記概略で示したような活性をもつ。
【0191】 別の実施形態において、ポリペプチドをコードする配列は、別のポリペプチド
をエンコードするヌクレオチド配列を含む融合遺伝子の一部として組み込むこと
ができる。この種の発現システムは、免疫原性のポリペプチド断片を作製するこ
とが望ましい条件下では有用となることもある(EP Publication
No:0259149;およびEvans他、(1989)Nature 3
39:3 85;Huang他、(1988)J.Virol.62:3 85
5;Schlienger他、(1992)J.Virol.66:2などを参
照)。融合タンパク質は免疫原性を高めるために利用することに加え、融合タン
パク質はタンパク質の発現を促進すること、したがって本発明のポリペプチドの
発現にも使用できることが広く評価されている(例えば、Current Pr
otocols in Molecular Biology,eds.Aus
ubel他、(N.Y.John Wiley & Sons,1991)など
を参照)。別の実施形態において、精製リーダー配列、例えば組換えタンパク質
の所望の部位のN末端にあるポリ−(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列
をコードする融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を用いたアフィニティークロマトグ
ラフィによる発現融合タンパク質の精製を可能にする。精製リーダー配列はその
後エンテロキナーゼ処理で取り除き、精製タンパク質を得ることができる(例え
ば、Hochuli他、(1987)J.Chromatography 41
1:177;およびJanknecht他、PNAS 88:8972)。
【0192】 融合遺伝子の作製技術は当分野の技術者には公知である。実際、異なるポリペ
プチド配列をコードする各種DNA断片を結合させることは、平滑末端もしくは
スタッガー末端連結や、適当な末端を調製するための制限酵素分解、適当な場合
における粘着末端の充填、望ましくない結合を避けるためのアルカリホスファタ
ーゼ処理、酵素的連結などの従来の技術に従って行われている。別の実施形態に
おいては、融合遺伝子は、従来の自動DNAシンセサイザーなどの技術により合
成できる。あるいは、核酸断片のPCR増幅を行うこともできるが、これには2
個の連続する核酸断片の間に相補的な突出末端を生じさせるアンカープライマー
を使用し、この核酸断片は後にアニーリングされキメラ核酸配列を生成する(C
urrent Protocols in Molecular Biolog
y,eds.Ausubel他、John Wiley & Sons:199
2などを参照)。
【0193】 本発明は、更に、対象ポリペプチドの作製方法に関する。例えば、対象ポリペ
プチドをエンコードするヌクレオチド配列の発現を誘導する核酸ベクターでトラ
ンスフェクションされた宿主細胞を適当な条件下で培養し、ペプチドの発現を可
能にすることがdきる。細胞培養に適する培地は当該分野では公知である。組換
えポリペプチドは、細胞培養培地もしくは宿主細胞または両者から、当該分野で
公知のイオン交換クロマトグラフィ、ゲルろ過クロマトグラフィ、限外ろ過、電
気泳動、ペプチドに特異的な抗体による免疫親和精製などのタンパク質精製手法
を用いて単離することができる。好ましい実施形態において、組換えポリペプチ
ドはGST融合タンパク質などの融合タンパク質であり、その精製を促進するド
メインを含んでいる。
【0194】 更に、特定の状況下では、天然に存在する形態のタンパク質がもつ生物活性の
サブセットのみを促進または阻止するために、作動薬(模倣性)または拮抗薬と
して限定的に機能するある対象ポリペプチドの相同体を提供することが有利であ
ることは一般的に評価されよう。このように、限定的機能の相同体による処理に
より特異的生物効果の誘発が可能であり、しかも、対象タンパク質の天然形態が
示す全ての生物活性を標的にした作動薬または拮抗薬による処理と比較して副作
用が少ない。
【0195】 各対象ポリペプチドの相同体は、分離点(discrete poit)突然変異などの突然
変異またはトランケーションにより作製できる。例えば、突然変異はポリペプチ
ドのもつ生物活性と実質的に同じか単なるサブセットを保持する相同体を生成す
る。あるいは、天然形態のタンパク質の機能を受容体との競合的結合などにより
阻止する拮抗型のポリペプチドの作製が可能である。
【0196】 本発明による組換えポリペプチドは、野性型タンパク質の相同体も含み、これ
には当のタンパク質に関連したユビキチン化または他の酵素ターゲッティングを
変化させる突然変異により、タンパク質分解的切断に耐性を示すタンパク質など
がある。
【0197】 ポリペプチドは化学的に修飾して誘導体を作製することもでき、このためには
グリコシル基や、脂質、リン酸塩、アセチル基のような化学的成分と共有結合ま
たは会合複合体を形成する。タンパク質の共有結合誘導体は化学的成分をタンパ
ク質のアミノ酸側鎖上の官能基、またはポリペプチドのN末端もしくはC末端に
結合することで調製できる。
【0198】 対象ポリペプチド構造の修飾は、治療もしくは予防効果、安定性(例えば生体
外保存性やタンパク質分解抵抗性)、または翻訳後修飾(例えば、タンパク質の
リン酸化パターンの変更)の強化などの目的で行うことができる。このような修
飾ペプチドは、当タンパク質の天然形が有する少なくとも1個の活性を保持する
よう、またはその特異的拮抗体を生成するように設計されたならば、本明細書で
より詳細に記載されたポリペプチドの機能的等価物と考えられる。こうした修飾
ペプチドは、アミノ酸の置換、除去または付加などにより作製できる。置換変異
体は置換された保存アミノ酸または置換された非保存アミノ酸でよい。
【0199】 例えば、ロイシンのイソロイシンもしくはバリンによる置換、アスパラギン酸
のグルタミン酸による置換、トレオニンのセリンによる置換の独立した置換、ま
たはアミノ酸の構造的に関連したアミノ酸(つまり、立体的等価および/または
等電点突然変異)による類似の置換は、置換された分子の生物活性に大きな影響
を与えないと予想するのは理に適っている。保存的置換は側鎖が関連しているア
ミノ酸ファミリー内で起こる置換のことである。遺伝的にエンコードされたアミ
ノ酸は以下の4群に分類される。(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸、
(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン、(3)非極性=アラニン、バ
リン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、ト
リプトファン、および(4)非荷電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン
、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。同様にして、アミノ酸レパート
リーは以下のように分類される。(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸、
(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン、(3)脂肪族=グリシン、ア
ラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、但しセリンと
トレオニンは脂肪族ヒドロキシルとして別に分類されることもある、(4)芳香
族=フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、(5)アミド=アスパラギ
ン、グルタミン、および(6)含硫=システイン、メチオニン。(Bioche
mistry,2 ed.,Ed.by L.Stryer,WH Freem
an and Co.:1981などを参照。)ペプチドのアミノ酸配列におけ
る変化により機能的相同体(例えば、生成されるポリペプチドが野性型を模倣ま
たは拮抗するという意味で機能的)が生成されるかどうかは、変異体ペプチドの
細胞内で野性型タンパク質と類似の方法で反応を起こす能力、またはそのような
反応を競合的に阻止する能力の検査により簡単に判断できる。
【0200】 複数の置換が起こったポリペプチドは、類似の方法で容易に検査することがで
きる。変異体は当のタンパク質の特定領域の生物活性を保持するように設計でき
る。非限定的実施例において、Osawa他、1994,Biochemist
ry and Molecular International 34:10
03−1009、は数種の異なる種からのタンパク質のアクチン結合領域を検討
している。これらの種のアクチン結合領域は、「相同残基群」に分類されるアミ
ノ酸をもつことから相同とみなされている。相同残基は以下の群に従って判断さ
れる(アミノ酸の1文字表示を使用):STAG;ILVMF;HRK;DEQ
N;およびFYW。例えば、S、T,AまたはGがある位置に存在すると、機能
(この場合はアクチン結合)は保持される。
【0201】 アミノ酸置換に関する追加の情報が、タンパク質の進化に関する研究から得ら
れている。Go他、1980,Int.J.Peptide Protein
Res.15:211−224,は、アミノ酸残基部位をそれらのアクセスの容
易程度から内部残基部位または外部残基部位に分類した。8個の相同タンパク質
ファミリーにおいて、生物学的機能および補欠分子族の有無に関係なく、一般的
に外部部位においてより頻繁に置換が起こることが確認された。実質的に、全て
の種類のアミノ酸残基は内部よりも外部において高い突然変異性を示した。内部
および外部のアミノ酸残基で、それぞれ突然変異性と極性との相関関係は認めら
れなかった。アミノ酸残基はそれらの極性に基づき3群に分類された:極性(A
rg、Lys、His、Gln、Asn、AspおよびGlu)、弱い極性(A
la、Pro、Gly、ThrおよびSer)および非極性(Cys、Val、
Met、Ile、Leu、Phe、TyrおよびTrp)。タンパク質の進化の
過程で起きたアミノ酸の置換は非常に保存的であった:内部と外部でそれぞれ8
8%と76%の置換はこの3群の同じ群の中で起こった。群間の置換に関しては
、弱い極性の残基が内部においては非極性の残基によって、外部においては極性
の残基によってより頻繁に置換される。
【0202】 診断および予後検定と医薬スクリーニング法 本発明は、対象が好ましくない細胞増殖を特徴とするある疾患または病態を起
こす危険があるか判断する方法を提供し、この判断は開示されているバイオマー
カー、つまり開示されている核酸マーカー(SEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;
SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:
38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;S
EQ ID NO:60;SEQ ID NO:61)および/またはそれらが
エンコードする結腸癌のポリペプチドマーカーの検出に基づく。
【0203】 臨床適用において、ヒト組織サンプルのスクリーニングにより、本明細書で示
したバイオマーカーの有無の確認が可能である。このようなサンプルとして、針
生検標本、外科的切除サンプル、リンパ節組織または血清が使用できる。例とし
て、こうした方法では、生検標本を採取した後、任意に凍結切片作製法により分
画して腫瘍細胞を全細胞数の約80%まで濃縮する。ある実施形態においては、
こうしたサンプルから抽出した核酸は当該分野で公知の方法で増幅してもよい。
選択されたマーカーの検出されたレベルは、統計的に有効な転移、非転移悪性、
良性または正常結腸組織サンプル群と比較されよう。
【0204】 一実施形態において、この診断法には、対象において開示されたマーカーがm
RNAおよび/またはタンパク質中で異常なレベルを示すか測定するステップが
含まれ、この測定にはノーザンブロット法、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(R
T−PCR法)、in−situハイブリダイゼーション、免疫沈降、ウェスタ
ンブロットハイブリダイゼーション、免疫組織化学などを用いる。この診断法に
よると、細胞を対象から採取し、開示されたバイオマーカーとタンパク質または
mRNAレベルを測定し、健常対象におけるこれらバイオマーカーレベルと比較
する。バイオマーカーポリペプチドまたはmRNAの異常なレベルは、結腸癌な
どの癌の徴候である可能性がある。
【0205】 したがって一態様において、本発明は本明細書で開示した特有の核酸マーカー
に特異的なプローブおよびプライマーを提供する。したがって、この核酸プロー
ブは、あるマーカー核酸配列のコード配列の一部と相補的なコード配列の一部で
その長さが少なくとも12個、好ましくは少なくとも15個、より好ましくは2
5個、最も好ましくは少なくとも40個のヌクレオチドからその全長もしくはほ
ぼ全長のヌクレオチド配列を含み、このマーカー核酸配列の核酸配列はSEQ
ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;S
EQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:3
7;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID N
O:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ I
D NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SE
Q ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61
またはそれに相補的な配列で示される。
【0206】 一実施形態において、前記方法は核酸プローブを使用して患者組織の癌細胞の
存在を確認する。この方法には、具体的には以下のステップが含まれる。 1.SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;S
EQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:4
6;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID N
O:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ I
D NO:61またはそれに相補的な配列で示される核酸配列のコード配列の一
部と相補的で、結腸癌細胞などの腫瘍細胞内で差次的に発現されるコード配列の
少なくとも12個、好ましくは少なくとも15個、より好ましくは25個、最も
好ましくは少なくとも40個のヌクレオチドからその全長もしくはほぼ全長のヌ
クレオチド配列を含む核酸プローブを提供するステップと; 2.癌細胞をもっている可能性のある患者から組織サンプルを採取するステッ
プと; 3.ほぼ全てが非癌性の細胞を含む別の組織サンプルを提供するステップと; 4.核酸プローブをストリンジェント条件下で前記第1と第2の各組織サンプ
ルのRNAと接触させるステップ(例えば、ノーザンブロットまたはin si
tuハイブリダイゼーション法で)と; 5.プローブと第1の組織サンプルのRNAとのハイブリダイゼーションの量
(a)をプローブと第2の組織サンプルのRNAとのハイブリダイゼーションの
量(b)と比較するステップを含む。この比較において、第2の組織サンプルの
RNAとのハイブリダイゼーション量との比較による第1の組織サンプルのRN
Aとのハイブリダイゼーション量における統計的に有意な差は、第1の組織サン
プルにおける癌細胞の存在を示している。
【0207】 一態様において、本法は所定のマーカー核酸配列に由来するプローブとのin
situハイブリダイゼーションを含み、この核酸配列はSEQ ID NO
:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;
SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:
48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID
NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれ
に相補的な配列によって示される。この方法には、標識ハイブリダイゼーション
プローブを正常細胞のほかに癌細胞または前癌細胞を含んでいる可能性のある所
定の種類の組織サンプルと接触させるステップと、このプローブが所定の組織の
細胞のいくつかを、同種組織の他の細胞を標識する程度とは有意に異なる程度(
例えば、少なくとも2倍、または5倍、または20倍、または50倍)で標識す
るかを測定するステップが含まれる。
【0208】 更に本発明には、所定のヒト組織からの試験細胞の表現型を決定する方法が含
まれ、例えばその細胞が(a)正常または(b)癌性もしくは前癌性であるかど
うかを判断するために、試験細胞のmRNAをSEQ ID NO:27;SE
Q ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33
;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO
:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;
SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれに相補的な配
列で示される核酸配列のコード配列の一部と相補的で、所定の種類の組織の正常
細胞との比較で腫瘍細胞内で差次的に発現される配列の少なくとも12個、好ま
しくは少なくとも15個、より好ましくは25個、最も好ましくは少なくとも4
0個のヌクレオチドからその全長もしくはほぼ全長のヌクレオチド配列を含む核
酸プローブと接触させ、プローブとmRNAとのおよそのハイブリダイゼーショ
ン量を測定し、同種組織の正常細胞のmRNAよりも多いか少ないハイブリダイ
ゼーション量は試験細胞が癌性または前癌性であることを示していると判断する
【0209】 あるいは、上記診断法はマーカー核酸配列によってエンコードされるタンパク
生成物を検出する抗体を用いて実施することも可能で、この核酸配列はSEQ
ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;S
EQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:3
7;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID N
O:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ I
D NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SE
Q ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61
またはそれに相補的な配列で示される。したがって、一実施形態において、この
検査方法は、試験細胞のタンパク質をSEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;
SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO;
44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれに相補的な配列で示さ
れる核酸の遺伝子産物に特異的な抗体と接触させ、前記マーカー核酸は試験細胞
と同種組織の正常細胞において所定の制御レベルで発現するステップと、抗体と
試験細胞のタンパク質によるおよその免疫複合体生成量を測定するステップを含
み、ここにおいて試験細胞のタンパク質で生成した免疫複合体の量が同種組織の
正常細胞と比較して統計的に有意に異なる場合は、試験細胞が癌性または前癌性
であることが示唆される。
【0210】 別のこうした方法には、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:2
9;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID N
O:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ I
D NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SE
Q ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50
;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO
:60;SEQ ID NO:61で示されたマーカー核酸配列の遺伝子産物に
特異的な抗体を提供し、この遺伝子産物は所定の種類の組織(例えば、結腸組織
)の癌組織内に同種組織の非癌性組織における遺伝子産物レベルよりも高いか低
いレベルで存在するステップと、所定の種類の組織の第1のサンプルを患者から
採取し、このサンプルは癌性細胞を含んでいる可能性があるステップと、同種組
織の第2のサンプル(これは同じ患者からでも健常対照からでもよい。例えば、
別の個々の細胞または培養細胞)を提供し、この第2のサンプルは正常細胞を含
むが癌性細胞は実質的に含まないステップと、前記抗体を抗体とサンプル中のマ
ーカー核酸配列産物との間の免疫複合体の形成を可能にする条件下で第1および
第2のサンプルのタンパク質(溶解しているが未分画の細胞内またはin si
tuで部分精製してもよい)と接触させるステップと、第1のサンプルにおける
免疫複合体の生成量(a)と第2のサンプルにおける免疫複合体の生成量(b)
を比較するステップが含まれ、ここにおいて第1のサンプルにおける免疫複合体
の生成量が第2のサンプルにおける免疫複合体生成量と比較して統計的に有意に
異なる場合は、第1の組織サンプルにおける癌性細胞の存在を示唆している。
【0211】 対象の発明は、更に対象から採取した細胞サンプルが異常な量のマーカーポリ
ペプチドを示すか測定する方法を提供し、この方法には(a)対象から細胞サン
プルを採取するステップと、(b)得られたサンプル中のマーカーポリペプチド
を定量するステップと、(c)定量したマーカーポリペプチドの量を公知の標準
と比較するステップが含まれ、そうすることにより対象から得られた細胞サンプ
ルが異常な量のマーカーポリペプチドを有するかを確認する。こうしたマーカー
ポリペプチドは、免疫化学検定法、ドットブロット検定、ELISA、およびこ
れらと類似の方法で検出が可能である。
【0212】 免疫検定は細胞サンプルのタンパク質を定量するために一般的に用いられてお
り、他の多くの免疫検定手法が当分野で公知となっている。本発明は特定の検定
法には限定されず、したがって同種異種の方法が含まれることを意図している。
本発明に従って実施できる免疫検定法の例として、蛍光偏光免疫検定(FPIA
)、蛍光免疫検定(FIA)、酵素免疫検定法(EIA)、比濁阻止検定法(N
IA)、酵素結合免疫吸着定量法(ELIZA)、ラジオイムノアッセイ(RI
A)などがある。指標部分つまり標識基は、対象の抗体に付着させることができ
、使用できる検定装置および適合する免疫検定法によって決まることの多い各種
用途の必要を満たすように選択される。上記各種免疫検定の実施に使用されるべ
き一般的技術は、当分野の技術者には公知である。
【0213】 別の実施形態において、エンコード産物つまりSEQ ID NO:27;S
EQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:3
3;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID N
O:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ I
D NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SE
Q ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52
;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれに相補的な
配列によってエンコードされた産物の患者の生物体液(例えば、血液や尿)にお
けるレベルは、その患者の細胞におけるマーカー核酸配列の発現のレベルをモニ
ターすることにより測定できる。こうした方法には、患者から生物体液サンプル
を採取するステップと、そのサンプル(またはサンプルから得たタンパク質)を
エンコードされたマーカーポリペプチドに特異的な抗体と接触させるステップと
、その抗体による免疫複合体の生成量を測定するステップが含まれ、その免疫複
合体生成量はサンプル中のマーカーエンコード産物のレベルの指標となる。この
測定は健康人から採取した対照サンプル中、または同人物から前もってもしくは
後に採取した1つかまたは複数のサンプル中の同じ抗体による免疫複合体の生成
量と比較すると特に有益である。
【0214】 別の実施形態において、本法は細胞内のマーカーポリペプチドの定量に使用で
き、その結果を今度は結腸癌などの過増殖障害の進行と相関させることが可能で
ある。マーカーポリペプチドのレベルを、細胞サンプルが形質転換細胞であるか
またはその傾向がある細胞を含んでいるかを予測するために使用できる。更に、
当方法は、形質転換されたことが既知である細胞の表現型の検査のためにも使用
でき、その結果は特定の治療計画の作成上有用である。例えば、細胞サンプルに
おける非常に高いレベルのマーカーポリペプチドは、結腸癌などの癌の強力な診
断および予後マーカーである。マーカーポリペプチドレベルの観察を、より積極
的な治療の決定の際などに利用することができる。
【0215】 上記のように、本発明の一態様は患者から分離した細胞内という条件下で、マ
ーカーポリペプチドレベルが細胞サンプル内で有意に低下するか確定するための
診断検査に関する。「有意に低下」という用語は、類似の組織に由来する正常細
胞と比較して細胞内マーカーポリペプチドの量が低い表現型を指す。例えば、あ
る細胞のもつマーカーポリペプチドの量が、正常な対照細胞に比べて約50%以
下、25%以下、10%以下または5%以下のことがある。特に、この検査では
、試験細胞におけるマーカーポリペプチドレベルを評価し、また好ましくはその
測定結果を表現型が既知である少なくとも1個の対照細胞、すなわち正常細胞お
よび/または形質転換細胞において検出されたマーカーポリペプチドと比較する
【0216】 本発明にとって特に重要なことは、正常または異常なマーカーポリペプチドレ
ベルと関連する細胞数に基づく測定のような、マーカーポリペプチドレベルを定
量する能力である。特定のマーカーポリペプチド表現型をもつ細胞数を、今度は
患者の予後と相関させることが可能である。本発明の一実施形態において、病巣
部のマーカーポリペプチド表現型は、生検における異常に高い/低いマーカーポ
リペプチドレベルが示された細胞の割合で決められる。こうした発現は、免疫化
学検定法、ドットブロット検定法、ELISA、およびこれと類似の方法で検出
できる。
【0217】 組織サンプルを使用する場合は、免疫組織化学染色法を使用してマーカーポリ
ペプチド表現型をもつ細胞数を測定できる。このような染色では、生検または他
の組織サンプルから多ブロックを採取して、プロテアーゼKまたはペプシンなど
の剤を用いてタンパク質を加水分解する。ある実施形態では、細胞サンプルから
核分画を分離し、この核分画のマーカーポリペプチドレベルを検出するのが望ま
しい。
【0218】 組織サンプルは、ホルマリン、グルタルアルデヒド、メタノールなどの試薬で
処理して固定する。次にサンプルをマーカーポリペプチドと特異的に結合する抗
体、好ましくはモノクローナル抗体とインキュベートする。この抗体を後の結合
の検出のために標識と結合することもできる。サンプルのインキュベーションは
、免疫複合体の形成に充分な時間行う。抗体の結合は、この抗体に結合させた標
識のお陰で検出される。抗体が標識されていない場合は、別の標識抗体を使用し
てもよく、これには抗マーカーポリペプチド抗体のイソタイプに特異的な抗体な
どがある。使用してもよい標識の例として、放射性核種、蛍光剤、化学発光剤、
酵素のようなものが含まれる。
【0219】 酵素を使用する場合は、着色または蛍光産物を生成するためにサンプルに酵素
の基質を添加してもよい。複合体での使用に適する酵素の例として、ワサビペル
オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼなどがある
。市販されていない場合は、こうした抗体−酵素複合体は当分野の技術者に公知
の技術で容易に作製できる。
【0220】 一実施形態において、検査法はドットブロット検定法が行われる。ドットブロ
ット検定法には、所定の細胞数から得られた無細胞抽出物におけるマーカーポリ
ペプチドの量を相関させることにより1個の細胞と関連したマーカーポリペプチ
ドの平均量の測定を可能にするように、組織サンプルを使用する特定の適用例が
ある。
【0221】 同種の腫瘍細胞(例えば、乳房および/または結腸の腫瘍細胞)が個々の癌遺
伝子発現の均一な増加および個々の癌抑制遺伝子発現の均一な低下を示さないこ
とは、癌に関する文献で明白になっている。所定の種類の癌の間でも所定のマー
カー遺伝子の発現程度は様々であり、このことからも1つの試験だけでなく一連
の試験を検討する必要性があることが強調されている。したがって、一態様にお
いて、本発明は診断検査の信頼性および/または精度を高めるために、本発明に
よる多くのプローブを使った一連の試験を提供している。
【0222】 一実施形態において、本発明は核酸プローブを有機的に配列してDNAチップ
上に固定化する方法も提供する。オリゴヌクレオチドはリトグラフィーなど各種
方法で固体支持体に固定することができる。例えば、1つのチップは最大250
,000個のオリゴヌクレオチドを保持できる(例えば、GeneChip(登
録商標),Affymetrix,Santa Clara,CAから入手でき
る)。このような核酸プローブは、SEQ ID NO:27;SEQ ID
NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ
ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;S
EQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:4
4;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID N
O:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ I
D NO:60;SEQ ID NO:61で示されるマーカー核酸配列のコー
ド配列の一部と相補的で、結腸癌細胞などの腫瘍細胞内で差次的に発現される配
列の少なくとも約12個、好ましくは少なくとも約15個、より好ましくは少な
くとも約25個、最も好ましくは少なくとも約40個のヌクレオチドからその全
長もしくはほぼ全長のヌクレオチド配列を含む核酸配列を含む。本発明は、1個
のチップ上に整列した多くの核酸マーカーを備えることで検査の信頼性を高める
ので、結腸癌などの各種癌に利用されている検査法に比べて著しい利点を提供す
る。
【0223】 この方法では生検材料を採取するが、その生検材料は腫瘍細胞を全細胞数の約
80%に濃縮するために任意に凍結切片作製法により分画される。DNAまたは
RNAを抽出し、増幅し、DNAチップで分析してマーカー核酸配列の有無を確
定する。
【0224】 一実施形態においては、核酸プローブを2次元マトリックスまたはアレイの基
質上にスポットする。核酸サンプルを標識してからプローブとハイブリダイズす
ることが可能である。二本鎖核酸は、プローブの核酸に結合した標識核酸サンプ
ルを含み、サンプルの非結合の部分が洗い流されると検出できる。
【0225】 プローブ核酸は、ガラス、ニトロセルロースなどの基質上にスポットすること
ができる。プローブは、共有結合または疎水的相互作用などの非特異的相互作用
によって基質と結合できる。核酸サンプルは、放射性標識、発蛍光団、発色団な
どの使用により標識化することができる。
【0226】 アレイの構築技術およびこれらアレイの使用方法は、EP No.0 799
897;PCT No.WO 97/292 12;PCT No.WO 9
7127317;EP No.0785280;PCT No.WO 97/0
2357;米国特許第5,593,839号;米国特許第5,578,832号
;EP No.0728 520;米国特許第5,599,695号;EP N
o.0721 016;米国特許第5,556,752号;PCT No.WO
95/22058;および米国特許第5,631,734号に記載されている
【0227】 更に、アレイを使用して遺伝子の差次的発現の検査および遺伝子機能の測定が
可能である。例えば、当該核酸配列のアレイを使用して、例えば核酸配列のいず
れかが正常細胞と癌細胞の間で差次的に発現されるかを測定できる。癌細胞にお
いて、対応する正常細胞では観察されない特定のメッセージが強く発現される場
合は、癌特異的タンパク質を示している可能性がある。
【0228】 別の実施形態において、本発明は本発明によるマーカーポリペプチドに対する
一群の抗体を使用することを意図しており、このポリペプチドはSEQ ID
NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ
ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;S
EQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:4
2;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID N
O:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ I
D NO;52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61によっ
てエンコードされる。このような一群の抗体は結腸癌に対して信頼できる診断プ
ローブとして使用できる。本発明の検査法では、結腸細胞などの細胞を含む生検
サンプルをエンコード産物の1つかまたは複数に対する一群の抗体と接触させて
、マーカーポリペプチドの有無を確認する。
【0229】 当発明の診断方法は、治療の追跡調査として使用してもよく、例えばマーカー
ポリペプチドレベルの定量値は、現在使用中か以前使用した癌療法の効果と並ん
でこうした治療の患者の予後に与える影響の指標となる可能性がある。
【0230】 したがって、本発明は、細胞の腫瘍形成性形質転換などに起因する増殖性障害
の診断およびフェノタイピングに役立つために、細胞のマーカーポリペプチドの
増減を検出する診断検査法および試薬を提供する。
【0231】 上記診断法を改変して、予後検査にも使用できるようにできる。こうした適用
は、本発明の検査法が示す、腫瘍の特徴的な発達段階で起こる事象に対する感受
性を利用する。例えば、所定のマーカー遺伝子が非常に早い段階、おそらく細胞
が不可逆的に悪性の方向に向かうより前の段階でアップレギュレーションまたは
ダウンレギュレーションされる一方、別のマーカー遺伝子は特徴的にそれよりも
相当遅い段階でのみアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションされ
ることが起こり得る。このような方法は、試験細胞のmRNAと癌性もしくは前
癌性細胞において、異なる腫瘍発達段階で特徴的な異なるレベルで発現される所
定のマーカー核酸に由来する核酸プローブとを接触させるステップと、前記プロ
ーブと前記細胞のmRNAとのハイブリダイゼーションのおよその量を測定する
ステップを含み、ここにおいてこの量は細胞における遺伝子発現レベル、したが
って細胞の腫瘍発達段階を示す。あるいは、前記検査方法において、所定のマー
カー核酸の遺伝子産物に特異的な抗体を使用し、その抗体を試験細胞のタンパク
質と接触させてもよい。こうした一連の試験は腫瘍の存在および位置を明らかに
するだけでなく、臨床医が腫瘍に最も適した治療方法を選択しその治療の成功率
を予測することを可能にする。
【0232】 本発明の方法は、腫瘍の臨床経過の追跡にも使用できる。例えば、本発明の検
査法は患者の組織サンプルに適用できる。癌の治療後、患者から別の組織サンプ
ルを採取して検査を繰り返す。治療が成功すると、癌性もしくは前癌性細胞に特
徴的な差次的発現を示す細胞が全て消失するか、それらの細胞における遺伝子の
発現が正常に近いかそれを超えるレベルに高まる。
【0233】 別の実施形態において、本発明は対象がSEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;S
EQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:3
8;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID N
O:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ I
D NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SE
Q ID NO:60;SEQ ID NO:61の核酸によってエンコードさ
れたポリペプチドのいずれか1つの異常な活性に関連したある疾患を起こす恐れ
があるか、例えば結腸癌などの癌を発症する素因があるかを確定する方法を提供
し、ここにおいてポリペプチドの異常な活性の特徴は、(i)マーカーポリペプ
チドをエンコードする遺伝子の完全性に影響する変化、または(ii)エンコー
ドする核酸の誤発現、これらの少なくとも1つを特徴とする遺伝的病巣の有無を
検出することにより明らかにできる。理解し易く説明すると、このような遺伝的
病巣は、(i)核酸配列からの1個または複数のヌクレオチドの欠失、(ii)
核酸配列への1個または複数のヌクレオチドの付加、(iii)核酸配列の1個
または複数のヌクレオチドの置換、(iv)核酸配列の大きな染色体再配列、(
v)核酸配列のメッセンジャーRNA転写物レベルにおける大きな変化、(vi
)ゲノムDNAのメチル化様式の変化など核酸配列の異常な変化、(vii)遺
伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野性型スプライシング様式の存在、(v
iii)マーカーポリペプチドの非野性型レベル、(ix)対立遺伝子の欠落、
および/または(x)マーカーポリペプチドの不適切な翻訳後修飾、これらの少
なくとも1つの存在の確認により検出できる。
【0234】 本発明は、エンコードする核酸配列における病巣を検出する検査手法を提供す
る。こうした手法には、配列解析、サザンブロットハイブリダイゼーション、制
限酵素部位マッピングを含む方法、および解析対象の核酸とプローブとの間での
ヌクレオチド対形成の欠落の検出を含む方法などがあるが、これらの方法に限定
はされない。
【0235】 例えば遺伝的疾患および障害などの特異的疾患および障害は、突然変異タンパ
ク質をエンコードするとは限らない特定遺伝子の多型性領域の特異的変異対立遺
伝子と関連している。したがって、対象における遺伝子の多型性領域における特
異的対立遺伝子変異体の存在は、対象を、特異的疾患または障害を発症し易い体
質にする可能性がある。遺伝子の多型性領域は、個体の集団における遺伝子のヌ
クレオチド配列の測定により確認できる。多型性領域が確認されると、結腸癌な
どの特定の疾患を発症した個体の集団など特定の個体の集団を調べることにより
、特定の疾患との関係を確定できる。多型性領域は、エキソン、エキソンのコー
ド領域または非コード領域、イントロン、プロモーター領域など遺伝子のどの領
域にも存在し得る。
【0236】 ある実施例において、核酸プローブを含む核酸構成物が提供されており、この
核酸プローブは、ある遺伝子もしくはその自然突然変異体のセンス配列またはア
ンチセンス配列、または対象遺伝子もしくはその自然突然変異体と自然連結した
5’もしくは3’フランキング配列またはイントロン配列とハイブリダイズする
ことができるヌクレオチド配列領域を含む。細胞の核酸はハイブリダイズし易く
なっており、プローブはサンプルの核酸と接触しており、プローブとサンプルの
核酸とのハイブリダイゼーションが検出される。こうした手法は、欠失、置換な
どのゲノムまたはmRNAレベルでの病巣もしくは対立遺伝子変異体 (allelic
variants)の検出、ならびにmRNAの転写レベルの測定のために使用できる。
【0237】 好ましい検出方法は、変異部位または多形部位と重なり、および変異領域また
は多形領域周囲の約5個、10個、20個、25個または30個のヌクレオチド
を有するプローブを用いた対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションである。本
発明の好ましい実施形態において、対立遺伝子変異体に特異的にハイブリダイズ
できる数個のプローブを、固相支持体、例えば「チップ」に付加する。オリゴヌ
クレオチドを含んでなるこれらのチップを用いる変異検出分析は、また「DNA
プローブアレイ」と呼ばれ、例えばCronin他(1996)Human M
utation 7:244に記載されている。1つの実施形態において、チッ
プは、遺伝子の少なくとも1つの多形領域の全対立遺伝子変異体を含んで成る。
次いで固相支持体を試験核酸と接触させ、特定のプローブに対するハイブリダイ
ゼーションを検出する。したがって、1つまたは複数の遺伝子の多数対立遺伝子
変異体の同定は、簡単なハイブリダイゼーション実験において決定できる。
【0238】 ある一定の実施形態において、病巣の検出は、アンカーPCRまたはRACE
PCRなどのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において(例えば米国特許第4
,683,195号および第4,683,202号を参照)、または別途にリガ
ーゼ連鎖反応(LCR)において(例えば、Landegren他(1988)
Science 241:1077−1080;およびNakazawa他(1
994)PNAS 91:360−364を参照)、プローブ/プライマーを利
用することを含んで成り、後者は、遺伝子における点変異に特に有用であり得る
(Abravaya他(1995)Nuc Acid Res 23:675−
682を参照)。単に例証的な実施形態において、この方法は、(i)患者から
細胞サンプルを採集するステップ、(ii)細胞サンプルから核酸を単離する(
例えば、ゲノム、mRNAまたはその両者)ステップ、(iii)核酸サンプル
を、核酸(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような
条件下で、核酸配列に特異的にハイブリダイズする1個または複数のプライマー
と接触させるステップ、および(iv)増幅生成物の有無を検出すること、また
は増幅生成物のサイズを検出することおよびその長さを対照サンプルと比較する
ステップを含む。PCRおよび/またはLCRは、ここに記載された変異を検出
するのに使用される任意の方法と連結して予備的増幅ステップとして使用するこ
とが望ましいと予想される。
【0239】 他の増幅法としては:自己維持配列複製(Guatelli,J.C.他、1
990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1
878)、転写増幅システム(Kwoh,D.Y.他、1989、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177)、Q−ベータ
レプリカーゼ(Lizardi,P.M.他、1988、Bio/Techno
logy 6:1197)、または任意の他の核酸増幅法が挙げられ、次いで当
業者によく知られている方法を用いて増幅分子の検出を行う。これら検出スキー
ムはそのような核酸分子が非常に少数であるときに核酸分子の検出に都区に有用
である。
【0240】 課題のアッセイの好ましい実施形態において、細胞サンプルからの遺伝子にお
ける変異またはその遺伝子の対立遺伝子変異体は、制限酵素開裂パターンの変化
により同定される。例えば、サンプルおよび対照DNAを単離し、増幅し(任意
に)、1つまたは複数の制限エンドヌクレアーゼで消化し、フラグメント長サイ
ズをゲル電気泳動により測定する。さらに、配列特異的リボチームの使用(例え
ば、米国特許第5,498,531号を参照)が、リボチーム開裂部位の発生ま
たは消失により特異的変異の存在に係るスコアに使用できる。
【0241】 本発明の他の態様は、異常増殖により特徴付けられる細胞の分化および増殖を
調節できる試剤の同定に向けられている。この点において、本発明は、マーカー
核酸(SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;S
EQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:4
6;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID N
O:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ I
D NO:61)の発現を調節し、および/またはエンコードされたポリペプチ
ドの生物活性を変更し、例えば阻害する化合物を決定するためのアッセイを提供
する。
【0242】 幾つかのin vivo法は、マーカー核酸(SEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;S
EQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:3
8;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID N
O:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ I
D NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SE
Q ID NO:60;SEQ ID NO:61)の発現を調節し、および/
またはエンコードされたポリペプチドの生物活性を変更し、例えば阻害する化合
物を同定するのに使用できる。
【0243】 医薬品のスクリーニングは、試験化合物を細胞サンプルに加え、そして効果を
モニターするることにより実施される。試験化合物を入れない比較サンプルもま
た、対照としてモニターする。次いで処理および未処理細胞は、限定しないが、
顕微鏡分析、生死判別試験、複製能力、組織学的検査、特定RNAまたは細胞に
関連するポリペプチドのレベル、細胞または細胞溶解産物により発現された酵素
活性レベル、および他の細胞または化合物と相互作用する細胞能力を含む任意の
好適な表現型の基準により比較する。処理細胞と未処理細胞との間の相違は、試
験化合物による効果を示す。
【0244】 試験化合物の望ましい効果は、癌に関連するマーカー核酸配列により与えられ
た任意の表現型に及ぼす効果を含む。例としては、過剰のmRNAを制限し、エ
ンコードされたタンパク質の産生を制限し、またはタンパク質の機能効果を制限
する試験化合物を含む。試験化合物の効果は、処理細胞と未処理細胞との間の結
果を比較すると明らかになるであろう。
【0245】 したがって本発明はまた、核酸マーカー(SEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;
SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:
38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID
NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ
ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;S
EQ ID NO:60;SEQ ID NO:61)のin vitro発現
を阻害する試剤に関するスクリーニング法を包含し、試剤がmRNAの産生を阻
害できるかどうかを決定するために、このマーカー核酸mRNAが、培養細胞中
検出できる細胞または組織を試剤に曝露すること;および曝露細胞または組織中
のmRNA濃度を決定することを含んで成り、ここで細胞系の試剤に対する曝露
後のmRNAのレベル減少がマーカー核酸mRNAの産生阻害を示す。
【0246】 また、スクリーニング法としては、マーカータンパク質の産生を阻害すると思
われる試剤に対して、マーカータンパク質が培養細胞中検出できる細胞または組
織のin vitroスクリーニング;および細胞または組織中のマーカータンパク質の
レベル測定を含んでもよく、ここで細胞または組織の試剤に対する曝露後のマー
カータンパク質のレベル減少がマーカータンパク質の産生阻害を示す。
【0247】 本発明はまた、マーカー核酸の発現を阻害する試剤に関するin vivoスクリー
ニング法を包含し、マーカーmRNAまたはタンパク質が検出できる腫瘍細胞を
有する哺乳動物を、マーカーmRNAまたはタンパク質の産生を阻害すると思わ
れる試剤に曝露すること;および曝露された哺乳動物の腫瘍細胞中のマーカーm
RNA、またはタンパク質のレベルを測定することを含んでなる。哺乳動物の試
剤に対する曝露後のマーカーmRNAまたはタンパク質のレベル減少がマーカー
核酸の発現阻害を示す。
【0248】 したがって、本発明は、マーカー核酸(SEQ ID NO:27;SEQ
ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;S
EQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:3
8;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID N
O:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ I
D NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SE
Q ID NO:60;SEQ ID NO:61)を発現する細胞を試験化合
物と共に培養し、mRNAレベルまたはタンパク質レベルを測定することを含ん
でなる方法を提供する。さらに本発明は、細胞集団におけるマーカー核酸の発現
レベルを定量的に測定する方法、および試剤が細胞集団におけるマーカー核酸の
発現レベルを増加または減少できるかどうかを測定する方法を提供する。試剤が
細胞集団におけるマーカー核酸の発現レベルを増加または減少できるかどうかを
測定する方法は、(a)対照細胞集団および試剤処理した細胞集団からの細胞抽
出物を調製するステップ、(b)この細胞抽出物からマーカーポリペプチドを単
離するステップ、(c)マーカーポリペプチドと前記ポリペプチドに特異的な抗
体の間で形成された免疫複合体の量を定量する(例えば、並列で)ステップを含
んで成る。本発明のマーカーポリペプチドはまた、その生物活性をアッセイする
ことにより定量化する。マーカー核酸発現を増加誘導する試剤は、対照細胞中に
形成された免疫複合体の量と比較して、処理細胞中に形成された免疫複合体の量
を増加させる能力により同定し得る。同様に、マーカー核酸の発現を減少させる
試剤は、対照細胞と比較して、処理細胞抽出物中に形成された免疫複合体の量を
減少する能力により同定し得る。
【0249】 mRNAレベルは、ノーザンブロットハイブリダイゼーションにより測定でき
る。mRNAレベルはまた、PCRを伴う方法により測定できる。高スループッ
トアッセイに使用できるmRNAを測定する他の高感度の方法、例えばDELF
IAエンドポイント検出および定量法は、例えば、WebbおよびHurska
inen(1996)Journal of Biomolecular Sc
reening 1:119に記載されている。マーカータンパク質レベルは、
SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
O:61によりエンコードされたタンパク質生成物を特異的に認識する抗体を用
いる免疫沈降または免疫組織化学により決定できる。
【0250】 医薬品スクリーニングアッセイにおいて活性なものとして同定される試剤は、
細胞増殖活性を遮断する能力に関して試験されることになる候補物質である。こ
れらの試剤は、細胞、特に結腸細胞の異常増殖に関連する障害を治療するために
有用となろう。
【0251】 種々のアッセイ構成が、十分存在するであろうが、本開示に鑑みて、ここに明
確に記載していないものであっても通常の当業者により理解されるものとなろう
。例えば、アッセイは、多くの異なる構成で創出することができ、無傷の細胞を
利用する細胞に基づくアッセイや無細胞系、例えば精製タンパク質または細胞溶
解産物に基づくアッセイを含み得る。
【0252】 化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの医薬品スクリーニン
グプログラムにおいて、高スループットアッセイは、与えられた時間内で調査さ
れる化合物数を最大にするために望ましい。精製または半精製タンパク質または
溶解産物で誘導され得るような無細胞系において実施される本発明のアッセイは
、「第一次」スクリーンとして好ましいことが多く、そこでは試験化合物により
媒介される分子標的の変化を迅速に展開し比較的簡便な検出を可能にするために
、これらのアッセイが創出される。さらに、試験化合物の細胞毒性および/また
は生物学的利用能の効果は、一般にin vitro系において無視でき、その代わりこ
のアッセイは主に、他のタンパク質との結合親和性の変化、または分子標的の酵
素的性質の変化において明白であり得るような分子標的に関する医薬品の効果に
焦点を合わせるものである。
【0253】 組織プロファイリングプローブにおけるプローブとして核酸の使用 上記のポリヌクレオチドプローブは、例えば、ヌクレオチドSEQ ID N
O:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ I
D NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SE
Q ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42
;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO
:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID
NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61から選ば
れた少なくとも12種の連続したヌクレオチド、またはその相補的配列を含んで
なり、転写レベルを決定することを含む種々の目的に用いられる。
【0254】 ヌクレオチドプローブは、核酸に相当する遺伝子発現を検出するのに用いられ
る。例えば、ノーザンブロットにおいて、mRNAを電気泳動的に分離し、プロ
ーブと接触させる。プローブは、特定サイズのmRNA種にハイブリダイズして
検出される。ハイブリダイゼーション量は定量化され、例えば特定条件下で相対
発現量を決定する。プローブはまた、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅生成物を
検出するのに用いられる。この反応生成物は、プローブにハイブリダイズされて
、ハイブリッドが検出される。プローブは、発現を検出するために細胞にin sit
uでのハイブリダイゼーションに用いられる。プローブはまた、ハイブリダイズ
している配列の診断的検出のためにインビボで用いることもできる。プローブは
、一般に放射性同位元素で標識される。他の種類の検出できる標識としては、発
色団、蛍光体および酵素などを用いてもよい。
【0255】 特異的mRNAの発現は、各種細胞型において変り得、組織特異的であり得る
。各種細胞型におけるmRNAレベルのこの変化は、組織型を決定するために核
酸プローブアッセイと共に利用できる。例えば、PCR、分枝状DNAプローブ
アッセイ、またはSEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SE
Q ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35
;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO
:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;
SEQ ID NO:61の核酸またはそれに相補的な配列に実質的に同一また
は相補的な核酸プローブを利用するブロッティング法は、標的cDNAまたはm
RNAの有無を決定することができる。
【0256】 ヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイの例としては、Urdea他の
PCTWO 92/02526、およびUrdea他の米国特許第5,124,
246号に記載され、双方とも参照することによりここに援用する。この参考文
献にはサンドイッチのヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイの例を記載
している。
【0257】 別途に、PCRは、Mullis他のMet/i.Enzymol.(198
7)155:335−350;米国特許第4,683,195号;および米国特
許第4,683,202号に記載されるように、少量の標的核酸を検出する他の
方法であり、これら文献は全て参照することにより援用する。2種のプライマー
ポリヌクレオチドヌクレオチドが、標的核酸とハイブリダイズし、反応をプライ
ムするのに用いられる。プライマーは、配列表のポリヌクレオチド内の配列また
はポリヌクレオチドに対して3’および5’から構成されてもよい。別途にプラ
イマーがこれらのポリヌクレオチドに対して3’および5’である場合、プライ
マーは、それらにまたはそれらの相補体にハイブリダイズする必要はない。熱安
定性ポリメラーゼは、元の標的核酸をテンプレートとして用いてプライマーから
標的核酸のコピーを作製する。多量の標的核酸をポリメラーゼにより生成後、そ
れはサザンブロットなどの方法により検出される。サザンブロット法を用いると
、標識プローブは、配列表のポリヌクレオチドまたは相補体にハイブリダイズす
ることになる。
【0258】 さらに、mRNAまたはcDNAを、Sambrook他の「Molecul
ar Cloning:A Laboratory Mannual」(ニュー
ヨーク、Cold Spring Harbor Laboratory、19
89年)に記載された従来のブロッティング法により検出できる。ポリメラーゼ
酵素を用いてmRNAから生成したmRNAまたはcDNAは、ゲル電気泳動を
用いて精製分離できる。次いでゲル上の核酸をニトロセルロースなどの固形支持
体上にブロットする。この固形支持体を標識プローブに曝露し、次いでハイブリ
ダイズされていないプローブを全て除去するために洗浄する。次に標識プローブ
を含有する複式体を検出する。一般にプローブを放射活性で標識する。
【0259】 組織プロファイリング 本発明の核酸は、与えられたサンプルが誘導された組織タイプを決定するため
に使用できる。例えば、転移性病巣を、その器官または組織の特定マーカーの発
現を同定することにより発現した器官または組織源により確認する。核酸が特定
の組織型においてのみ発現し、転移性病巣がその核酸を発現することが判れば、
病巣の発現源が確認されたことになる。特定の核酸の発現は、対応するmRNA
またはタンパク質生成物の何れかの検出により評価される。抗体着色などの免疫
学的手法は、特定のタンパク質生成物を検出するのに用いられる。ハイブリダイ
ゼーション法は、限定しないが、in situハイブリダイゼーションおよびノーザ
ンブロッティングを含む特定のmRNA種を検出するのに用いてもよい。
【0260】 抗体増加のための核酸およびエンコードされたポリペプチドの使用 核酸の発現生成物、対応するmRNAまたはcDNAまたは対応する完全遺伝
子を調製し、並びに実験目的、診断目的および治療目的のために抗体を増加させ
るために使用する。対応する遺伝子が指定されなかった核酸に関して、これは対
応する遺伝子同定の補足的な方法を提供する。核酸または関連cDNAを上記の
ように発現させ、抗体を調製する。これらの抗体は、エンコードされたポリペプ
チド上のエピトープに特異的であり、沈殿できるか、または細胞または組織調製
において、またはin vitro発現系の無細胞抽出において対応する固有の
タンパク質に結合できる。
【0261】 抗体を増加させるための免疫原は、本発明の核酸とアジュバントとによりエン
コードされたポリペプチドを混合することにより調製される。別途に、ポリペプ
チドは、より大きな免疫原タンパク質への融合タンパク質として作製される。ポ
リペプチドはまた、キーホールリンペットヘモシニアンなどの他のより大きな免
疫原タンパク質に共有結合する。免疫原は、一般に皮内に、皮下にまたは筋肉内
に投与する。免疫原は、ウサギ、ヒツジおよびマウスなどの実験動物に投与して
抗体を生成する。任意に動物脾臓細胞を単離し、骨髄細胞と融合してモノクロー
ナル抗体を分泌するハイブリドーマを形成する。このような方法は、当業界によ
く知られている。当業界に知られた他の方法に従って、核酸は、筋肉内注射によ
るなど直接投与し、インビボで発現する。発現タンパク質は、タンパク質の投与
と同等の抗体生成を含む種々のタンパク質特異的免疫応答を生成する。
【0262】 核酸エンコードされたタンパク質およびポリペプチドに特異的なポリクローナ
ルおよびモノクローナル抗体の調製は、当業界に知られている標準的な方法を用
いて作製される。SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SE
Q ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35
;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO
:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;
SEQ ID NO:61の核酸またはそれに相補的な配列によりエンコードさ
れたポリペプチドに存在するエピトープに、抗体は特異的に結合する。他の実施
形態において、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ
ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;
SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:
40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;S
EQ ID NO:61によりエンコードされたポリペプチドに存在するエピト
ープに、抗体は特異的に結合する。典型的には、少なくとも約6個、8個、10
個または12個の連続するアミノ酸は、エピトープを形成するために必要である
。しかしながら、不連続のアミノ酸を含むエピトープは、より多くの例えば少な
くとも約15個、25個または50個のアミノ酸が必要と思われる。したがって
、核酸の短い配列は、公知のタンパク質との交叉反応の可能性があるため、対応
する新規なタンパク質を同定するために抗体を増加させるエピトープとして使用
するにあたり不適であると思われる。しかしながら、抗体は、特にそれらが、公
知のタンパク質と本発明の核酸によりエンコードされた新規なポリペプチドに共
通の構造的特徴を同定する場合、他の目的のために有用であり得る。
【0263】 ヒト核酸のエンコードされたポリペプチドに特異的に結合する抗体は、ウェス
タンブロットまたは他の免疫化学アッセイに用いられる場合、他のタンパク質に
より供される検出シグナルよりも少なくとも5倍、10倍または20倍高い検出
シグナルを提供するはずである。好ましくは、核酸Tでエンコードされたポリペ
プチドに特異的に結合する抗体は、免疫化学アッセイにおいて他のタンパク質を
検出せず、溶液から核酸でエンコードされたタンパク質を免疫沈降させることが
できる。
【0264】 ヒトの集団中に核酸でエンコードされたポリペプチドに対する血清抗体の存在
を試験するために、ヒト抗体を当業界によく知られた方法により精製する。好ま
しくは、抗血清を核酸でエンコードされたタンパク質、ポリペプチドまたは融合
タンパク質が結合しているカラムを通過させることにより、抗体をアフィニティ
ー精製する。次いで結合した抗体を、例えば高塩濃度緩衝液を用いてカラムから
溶出できる。
【0265】 上記で検討した抗体に加えて、単一鎖抗体のような遺伝子工学的抗体誘導体を
作製する。
【0266】 抗体は、当業界に知られた標準的なプロトコルを用いることにより作製し得る
(例えば、抗体:HarlowおよびLane編集の実験室マニュアル(コール
ドスプリングハーバープレス:1988年)を参照)。マウス、ハムスターまた
はウサギなどの哺乳動物は、ペプチドの免疫原形体により免疫できる(例えば、
上記のような抗体反応または融合タンパク質を誘発できる哺乳動物のポリペプチ
ドまたは抗原性フラグメント)。
【0267】 1つの態様において、本発明は、対象のポリペプチドが結腸直腸組織または腫
瘍組織、特に結腸癌組織または結腸癌誘導細胞系に高度に発現することを示すモ
ノクローナル抗体を含む。したがって、1つの実施形態において、本発明は、一
般に対象のポリペプチドの発現分析用診断手段、特に結腸癌の診断として提供す
る。
【0268】 タンパク質またはペプチドに免疫原性を与える方法は、担体への接合または当
業界によく知られた他の方法を含む。タンパク質の免疫原性部分は、アジュバン
トの存在下で投与できる。免疫化の進行は、血漿または血清の抗体力価の検出に
よりモニターできる。標準ELISAまたは他のイムノアッセイは、抗体レベル
を評価するために抗原としての免疫原と共に使用できる。好ましい実施形態にお
いて、被検抗体は、哺乳動物のたんぱく質の抗原性決定因子、例えばSEQ I
D NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SE
Q ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37
;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO
:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID
NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ
ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の
1つまたは緊密に関連する相同体(例えば、少なくとも90%同一、さらに好ま
しくは少なくとも95%同一)によりエンコードされたタンパク質の抗原性決定
因子に免疫特異的である。
【0269】 ポリペプチドの抗原調製による動物の免疫化後、抗血清を得ることができ、所
望ならば、血清から単離されたポリクローナル抗体を得ることができる。モノク
ローナル抗体を産生するために、抗体産生細胞(リンパ球)は、免疫化動物から
収穫でき、骨髄腫細胞などの不滅細胞を用いて標準的な体細胞融合法により融合
できてハイブリドーマ細胞を産生する。このような方法は、当業界によく知られ
ており、例えばハイブリドーマ法(KohlerおよびMilstein,(1
975)Nature,256:495−497により初めて開発された)、ヒ
トB細胞ハイブリドーマ法(Kozbar他、(1983)Immunolog
y Today,4:72)、およびヒトモノクローナル抗体を産生するEBV
−ハイブリドーマ法(Cole他、(1985)Monoclonal Ant
ibodies and Cancer Therapy,Alan R.Li
ss,Inc.pp.77−96)を含む。ハイブリドーマ細胞は、本発明のポ
リペプチドと特異的に反応する抗体、およびこのようなハイブリドーマ細胞を含
んで成る培地から単離されたモノクローナル抗体の産生のために免疫化学的にス
クリーンできる。
【0270】 ここで用いられる用語の抗体とは、被験体のポリペプチドの1つと特異的に反
応する抗体のフラグメントを含むように意図されている。抗体は、従来の技法を
用いてフラグメント化でき、このフラグメントは、全抗体に関して上記と同じ手
法で利用のためスクリーンできる。例えば、F(ab)2フラグメントは、抗体
をペプシンで処理することにより生成できる。生じたF(ab)2フラグメント
は、ジスルフィド架橋を還元するために処理することができ、Fabフラグメン
トを産生する。本発明の抗体は、さらに二重特異性、単一鎖、および抗体の少な
くとも1つのCDR領域によって与えられるポリペプチドへの親和性を有するキ
メラ分子並びにヒト化分子を含むように意図されている。好ましい実施形態にお
いて、抗体は、さらにそれに付加した標識を含んで成り、検出できる(例えば、
標識は、放射性同位元素、蛍光化合物、化学発光化合物、酵素、または酵素補助
因子であり得る)。
【0271】 抗体は、例えば異常タンパク質レベルと関連する結腸癌などの疾患またはその
状態を有するかどうかを決定するため、またはそのような障害に苦しめられてい
る個体の投与治療法の効力決定を可能にする個体のタンパク質レベルをモニター
するために使用できる。ポリペプチドのレベルは、血液サンプルなどの体液中の
細胞から測定し得る。
【0272】 本発明の抗体について他の適用は、gtl1、gtl8〜23、ZAPおよび
ORF8などの発現ベクターに構築されたcDNAライブラリーの免疫学的スク
リーニングにある。修正読取り枠および配向に挿入されたコード配列を有するこ
の種のメッセンジャーライブラリーは、融合タンパク質を産生し得る。例えば、
gtl1は、アミノ末端がβ−ガラクトシダーゼアミノ酸配列から成り、カルボ
キシル末端が異種のポリペプチドから成る融合タンパク質を産生する。タンパク
質の抗原性エピトープ類、例えば特定タンパク質の他のオルトログまたは同一種
からの他のパラログは、例えば、感染プレートから取り上げたニトロセルロース
フィルタを抗体と反応させるように、抗体により検出できる。次いでこのアッセ
イにより検出された陽性のファージは、感染プレートから単離できる。したがっ
て、ヒトからのイソ体(スプライシング変異体を含む)を交替できるように、相
同体の存在を検出でき、他の動物からクローン化できる。
【0273】 他の実施形態において、エピトームに関連する各々の機能がモノクローナル抗
体により表されるモノクローナル抗体のパネルを用いることができる。このパネ
ルにおけるモノクローナル抗体結合の消失または混乱は、タンパク質、したがっ
て対応する遺伝子の変異に対する注意を示すことになろう。
【0274】 差次的発現 本発明はまた、ヒトにおける異常組織または疾病組織を同定する方法を提供す
る。上記のように、タンパク質群のプロフィールに対応する核酸に関して、組織
の選択を推定される生化学的機能により決定することもできる。特定の核酸に対
応する遺伝子発現は、疾病と疑われる第1の組織と第2の正常なヒト組織との間
で比較される。正常組織は、ヒトの任意の組織であり、限定しないが、特に脳、
甲状腺、精巣、心臓、前立腺、胎盤、脾臓、小腸、骨格筋、膵臓、および結腸粘
膜裏層を含む標的遺伝子を発現するものである。
【0275】 異常または疾病と疑われる組織は、ヒトの各種組織種から誘導できるが、好ま
しくは、同一組織種から誘導し、例えば腸のポリープまたは他の異常成長は、正
常な腸組織と比較する必要がある。比較される2つの組織における標的遺伝子、
mRNAまたはタンパク質の間の、例えば分子量、アミノ酸またはヌクレオチド
配列または相対量についての相違は、疾病と疑われたヒト組織における遺伝子変
化、またはそれを制御する遺伝子の変化を示す。
【0276】 2つの組織における標的遺伝子は、当業界に知られる任意の方法により比較さ
れる。例えば、2つの遺伝子は配列決定され、疾病と疑われる組織における遺伝
子配列を、正常組織における遺伝子配列と比較する。2つの組織における標的遺
伝子またはその部分は、例えば配列表に示されるヌクレオチド配列に基づきヌク
レオチドプライマーを用い、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて増幅される。増幅遺
伝子または遺伝子部分は、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:2
9;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID N
O:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ I
D NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SE
Q ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50
;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO
:60;SEQ ID NO:61に示される対応するヌクレオチド配列から選
ばれるヌクレオチドプローブにハイブリダイズされる。正常ヌクレオチド配列と
比較された疾病と疑われる組織における標的遺伝子のヌクレオチド配列における
相違は、疾病における核酸でエンコードされたタンパク質の役割を示唆し、治療
薬を調製するための手がかりを提供する。ヌクレオチドプローブは、放射性標識
、ビオチニル化、または蛍光または化学発光タグによる標識などの種々の方法に
より標識化され、当業界に知られた標準的方法により検出される。
【0277】 別途に、2つの組織における標的mRNAが比較される。ポリA+RNAは、
当業界に知られるようにこの2つの組織から単離される。例えば、当業者は、ノ
ーザンブロットおよび配列リストに示されるヌクレオチド配列から選ばれるヌク
レオチドプローブを用いて2つの組織間の標的mRNA転写体サイズ、または量
の相違を容易に決定できる。正常組織における同一の標的mRNAの発現と比較
して、疾病と疑われる組織サンプル中の標的mRNA発現の増加または減少は、
発現タンパク質が疾病においてある役割を有していることを示唆し、また治療薬
を調製するための手がかりを提供する。
【0278】 タンパク質を分析する任意の方法が、組合せたサンプルからの2つの核酸でエ
ンコードされたタンパク質を比較するために用いられる。2つの組織におけるタ
ンパク質のサイズは、例えば本発明の抗体を用いて比較して、2つの組織からの
タンパク質抽出物のウェスタンブロットにおいて核酸でエンコードされたタンパ
ク質を検出する。発現レベルおよび細胞内局在下などの他の変化もまた、対応す
るタンパク質に対する抗体を用いて免疫学的に検出できる。正常組織における同
一の核酸でエンコードされたタンパク質発現レベルと比較して、疾病と疑われる
組織において核酸でエンコードされたタンパク質発現がより高レベルまたは低レ
ベルかは、発現タンパク質がその疾病においてある役割を有していることを示し
、治療薬を調製するための他の手がかりを提供する。
【0279】 同様に、遺伝子配列または遺伝子発現生成物、例えば疾病と疑われるヒト組織
とヒトの正常組織との間のmRNAおよびタンパク質の比較は、ヒトにおける疾
病の進行または寛解を追跡するために使用される。遺伝子、mRNAまたはタン
パク質のこのような比較は、上記のようになされる。
【0280】 例えば、腫瘍性と疑われる組織において標的遺伝子発現の増加または減少は、
組織における腫瘍性細胞の存在を示すことができる。正常組織の遺伝子発現と相
対的な腫瘍性組織中の標的遺伝子発現の増加程度、または経時的腫瘍性組織中の
標的遺伝子発現の増加量における相違は、その組織における異常増殖の進行を評
価するのに用いられ、または腫瘍性組織の治療プロトコルに対する応答を経時的
にモニターするのに用いられる。
【0281】 任意の2つの細胞種における発現パターンは、低転移性および高転移性腫瘍細
胞系、または治療薬に曝露および非曝露の組織からの細胞などを比較できる。ヒ
トにおける遺伝的疾病素質は、胎児組織における標的遺伝子、mRNA、または
タンパク質を、正常標的遺伝子、正常mRNA、または正常タンパク質と比較す
ることにより検出される。この目的のために使用される胎児組織としては、限定
しないが、羊水、絨毛膜絨毛、血液、およびin vitro受精胎芽の分割細
胞が挙げられる。同等の正常標的遺伝子が任意の組織から得られる。mRNAま
たはタンパク質は、標的遺伝子を発現するヒト正常組織から得られる。胎児標的
遺伝子またはmRNAのヌクレオチド配列またはサイズにおける変化、または胎
児標的タンパク質の分子量、アミノ酸配列または相対量における変化などの相違
は、胎児の標的遺伝子における生殖細胞系変異を示すことができ、これは遺伝的
疾病素質を示す。
【0282】 ペプチドアナログおよびアンタゴニストに関するスクリーンのための核酸およ びエンコードされたポリペプチドの使用 例えば、インスタント核酸またはそれに相補的な配列によりエンコードされた
ポリペプチド、および対応する完全長の遺伝子が、ペプチドライブラリーをスク
リーンするために使用でき、エンコードされたポリペプチドの中からレセプター
などの結合パートナーを同定する。
【0283】 ペプチドのライブラリーは、米国特許第5,010,175号およびPCTW
O 91/17823に開示された方法に従って合成し得る。以下に略記のよう
に、ペプチド混合物を調製し、次いでそれをスクリーンして、所望のシグナル形
質導入およびレセプター結合活性を示すペプチドを同定する。‘175の方法に
おいて、好適なペプチド合成支持体(例えば、樹脂)を、適切に保護された、活
性化アミノ酸の混合物と結合させる。反応混合物における各アミノ酸の濃度は平
衡が保たれているか、または結合反応速度に対して逆比例して調整されるので、
生成物は、出発樹脂と結合したアミノ酸の等モル混合物である。次に結合アミノ
酸類は、脱保護されて、他の平衡が保たれたアミノ酸混合物と反応して可能性の
ある全ジペプチドの等モル混合物を形成する。この方法は、所望の長さ(例えば
、ヘキサマー)のペプチド混合物が形成されるまで繰り返される。各ステップに
おいて全てのアミノ酸を含む必要はなく:幾つかのステップにおいて1種のみま
たは2種のみのアミノ酸を含んでいるだけでよく(例えば、与えられた位置に特
定のアミノ酸が必須であることが知られている場合)、したがって混合物の複雑
さを減じることに注意されたい。ペプチドライブラリーの合成が終了後、ペプチ
ド混合物はスクリーンされ、選ばれたポリペプチドに結合させる。次いでこのペ
プチドを、活性を阻害または増進させる能力に関して試験する。次に所望の活性
を示すペプチドを単離し、配列決定する。
【0284】 WO 91/17823に記載された方法も同様である。しかしながら、合成
樹脂を活性化アミノ酸と反応させる替わりに、樹脂を20個の均等部分に分けて
(またはそのステップに加えられる各種アミノ酸数に相当する部分の数に)、各
アミノ酸を個々に樹脂のその部分に結合する。次いで樹脂部分を結合し、混合し
、再度第2のアミノ酸との反応のために等しい部分の数に分ける。この手法で、
各反応は、容易に完了させ得る。さらに、各ステップで全ての樹脂を結合するの
ではなく、並列に各部分を処理することにより別々の「サブプール」を保持して
もよい。これは、決定方法を簡便化し、このペプチドは任意に観察されたレセプ
ター結合またはシグナル形質導入活性に応答できる。
【0285】 このような場合、例えば各々1〜2,000個の候補物質を含むサブプールを
、それぞれ本発明の1個または複数のポリペプチドに曝露する。次いで、陽性結
果を生じる各サブプールを、例えば20〜100個の候補物質を含むより小さな
サブプール(サブサブプール)群として再合成し、再評価する。陽性のサブサブ
プールを個々の化合物として再合成してもよく、最終的に評価して高結合定数を
示すペプチドを決定する。これらのペプチド類を、本来の活性を阻害または増進
させる能力に関して試験できる。WO 91/7823および米国特許第5,1
94,392号(参照してここに組入れている)に記載された方法は、全ての合
成および再合成が日常的に実施し得るように、並列に自動化された方法によりこ
のようなプ−ルおよびサブプールの調製を可能にする。
【0286】 ペプチドアゴニストまたはアンタゴニストを、シグナル形質導入、抗体結合、
レセプター結合、細胞分裂誘起アッセイ、走化性因子アッセイなどの任意の利用
できる方法を用いてスクリーンする。ここに記載されている方法が現在のところ
好ましい。アッセイ条件は、理想的には本来の活性がインビボで示される条件、
すなわち生理的pH、温度およびイオン強度に似せる必要がある。好適なアゴニ
ストまたはアンタゴニストは、対象において毒性の副作用を引き起こさない濃度
において本来の活性に対して強い阻害または増進を示すこととなる。アゴニスト
または本来のポリペプチドに結合に競合するアンタゴニストは、本来の濃度に等
しいかまたはその濃度よりも大きな濃度を必要とすることが考えられ、一方、ポ
リペプチドに不可逆的に結合できる阻害剤は、本来の濃度オーダーによる濃度で
加え得ると考えられる。
【0287】 このようなスクリーニングおよび実験の最終結果は、本発明の核酸によりエン
コードされたレセプターのような少なくとも1つの新規結合パートナーおよび新
規な結合パートナーの少なくとも1種のペプチドアゴニストまたはアンタゴニス
トである。このようなアゴニストおよびアンタゴニストは、このレセプターが本
来のものである細胞内の、または遺伝子工学の結果、レセプターを有する細胞内
のレセプター機能を調節し、増進、または阻害するために使用できる。さらに、
新規レセプターが、生物学的に重要な特徴を公知のレセプターと共通に持ってい
る場合、アゴニスト/アンタゴニスト結合についての情報は、公知のレセプター
の改善されたアゴニスト/アンタゴニストの改良を進める助けとなる。
【0288】 薬剤組成および治療的使用 薬剤組成物には、発明の請求の範囲におけるポリペプチド、抗体、またはポリ
ヌクレオチドを含むことができる。薬剤組成物には、発明の請求の範囲における
ポリペプチド、抗体、またはポリヌクレオチドの何れかの治療的に有効量を含ん
で成る。
【0289】 ここで用いられる用語の「治療的に有効量」とは、目的の疾病または状態を治
療し、改善し、または予防し、または検出できる治療効果または予防効果を示す
治療薬の量を云う。この効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルにより
検出できる。治療効果はまた、体温低下などの身体症状の減少を含む。対象に対
する正確な有効量は、対象の大きさおよび健康、状態の性質および程度、および
投与に選ばれた療法または併用療法に依存する。したがって、予め厳密な有効量
を特定することは有用ではない。しかしながら、与えられた状態に対する有効量
は、日常的な実験により決定でき、臨床医の判定内にある。
【0290】 本発明の目的のために、有効投与量は、投与される個体においてDNA構成物
の約0.01mg/kgから50mg/kgまたは0.05mg/kgから約1
0mg/kgとなる。
【0291】 薬剤組成物はまた、薬剤的に許容できる担体を含むことができる。用語の「薬
剤的に許容できる担体」とは、抗体またはポリペプチド、遺伝子および他の治療
薬などの治療薬投与用の担体を云う。この用語は、組成物を投与される個体に有
害な抗体産生をそれ自身で誘導せず、過度の毒性なしで投与し得る任意の薬剤担
体を云う。好適な担体は、タンパク質、多糖、ポリ酢酸、ポリグリコール酸、重
合アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子などの大きな、ゆっ
くりと代謝される巨大分子であり得る。このような担体は、通常の当業者によく
知られている。
【0292】 薬剤的に許容できる塩は、例えば、塩化水素、臭化水素、リン酸塩、硫酸塩な
どの鉱酸塩をここで用いることができ、および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン
酸塩、安息香酸塩などの有機酸塩を使用できる。薬剤的に許容できる賦形剤の徹
底的検討が、Remington’s Pharmaceutical Sci
ences(Mack Pub.Co.,N.J.1991)で利用できる。
【0293】 薬剤的に許容できる治療組成物中の担体は、水、生理食塩水、グリセロールお
よびエタノールを含んでよい。さらに、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など
の補助物質が、このような媒体に存在してもよい。典型的には、治療組成物は、
液体溶液または懸濁液の何れかで注射剤として調製され、注射前に液体媒体に溶
解または懸濁するために好適な固体もまた調製し得る。リポソーム類は、薬剤的
に許容できる担体の定義内に含まれる。
【0294】 送達法 本発明の核酸組成物が製剤化されれば、(1)対象に直接投与でき、(2)対
象から誘導された細胞にエックスビボで送達できる、または(3)組換えタンパ
ク質の発現のためにin vitroで送達できる。
【0295】 組成物の直接送達は、一般に皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内の注射により
達成され、または組織間腔空間に送達される。組成物はまた、腫瘍または病巣に
投与できる。投与の他の態様としては、経口投与および肺動脈投与、坐薬および
経皮塗布、針、および遺伝子癌またはハイポスプレイが挙げられる。投薬治療は
、単回投与スケジュールまたは頻回投与スケジュールであってもよい。
【0296】 対象に対するエックスビボ送達法および形質転換細胞の再移植法は、当業者に
知られており、例えば国際公開WO 93/14778に記載されている。ex v
ivo適用に有用な細胞例としては、例えば、幹細胞、特に造血細胞、リンパ細胞
、マクロファージ、樹状細胞または腫瘍細胞が挙げられる。
【0297】 一般に、ex vivoおよびin vitro適用の双方に関する核酸送達は、例えばデキ
ストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介ト
ランスフェクション、プロトプラスト融合、電気穿孔法(electropor
ation)、ポリヌクレオチド(類)のリポソーム中へのカプセル化、および
DNAの核への直接ミクロ注射により達成でき、全て当業界によく知られている
【0298】 対象の遺伝子が、新形成、異形成および過形成などの増殖障害と相関すると判
った場合、この障害は、核酸または対応するポリペプチドに基づいた治療薬の投
与により治療を受けることができる。
【0299】 アンチセンスポリペプチドの調製は、上記で検討している。アンチセンス組成
物で処理される新形成には、限定しないが、子宮頚癌、黒色腫、結腸直腸アデノ
カルチノーマ、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫、サルコーマ、筋肉腫、肺癌、お
よび慢性骨髄性白血病、前骨髄球白血病、単球性白血病、骨髄性白血病などの白
血病、および組織球白血病などの白血病が挙げられる。治療組成物で処理される
増殖障害には、アンヒドリック遺伝性外胚葉異形成、先天性肺胞異形成、頚部上
皮異形成、線維性骨異形成および乳房異形成などの障害が挙げられる。過形成症
は、例えば子宮内膜増殖症、副腎増殖症、乳房増殖症、前立腺増殖症または甲状
増殖症、または皮膚の偽上皮腫性増殖症は、アンチセンス治療組成物により治療
される。対応遺伝子変異が無関係である症状においても、核酸関連の遺伝子発現
のダウンレギュレーションまたは阻害は、治療適用を有することができる。例え
ば、核酸関連の遺伝子発現の減少は、遺伝子発現の増進が関連している腫瘍を抑
制するための助けに成り得る。
【0300】 アンチセンス組成物の投与量および投与方法の双方とも、治療組成物の特質、
患者の状態、年齢および体重、疾病の進行、および他の関連因子に基づいて決定
される。本発明のアンチセンス治療薬の投与は、局部または全身投与を含み、注
射、経口投与、粒子ガン(particle gun)投与、またはカテーテル投与および局所
投与を含む。好ましくは、アンチセンス治療組成物はプロモーターおよび核酸の
アンチセンス鎖の少なくとも約12個、22個、25個、30個または35個の
連続ヌクレオチドのポリヌクレオチドセグメントを含んで成る発現構成物を含有
する。発現構成物内で、ポリヌクレオチドセグメントはプロモーターから下流に
位置しており、ポリヌクレオチドセグメントの転写は、プロモーターにおいて開
始する。
【0301】 種々の方法が、治療組成物を直接身体の特定部位に投与するために用いられる
。例えば、小さな転移病巣が局在している場合は、治療組成物を腫瘍本体内の数
個の異なる位置に数回注射する。別途に、腫瘍に働いている動脈を確認し、組成
物を直接腫瘍に送達するために、治療組成物をこのような動脈に注射する。壊死
中心部を有する腫瘍を吸引し、組成物を腫瘍のすでに空いた中心に直接注射する
。アンチセンス組成物は、例えば、組成物の局所適用により腫瘍の表面に直接投
与する。X線像は、上記送達法を確実に助けるために使用される。
【0302】 アンチセンスポリヌクレオチド、サブゲノムポリヌクレオチドまたは特定組織
に対する抗体を含む治療組成物のレセプター媒介標的送達も使用される。レセプ
ター媒介DNA送達法は、例えばFindeis他、Trends in Bi
otechnol.(1993)11:202−205;Chiou他、(19
94)Gene Therapeutics:Methods And App
lications Of Direct Gene Transfer(J.
A.Wolff編集);Wu & Wu,J.Biol.Chem.(1988
)263:621−24;Wu他、J.Biol.Chem.(1994)26
9:542−46;Zenke他、Proc.Nail.Acad.Sci.(
USA)(1990)87:3655−59;Wu他、J.Biol.Chem
.(1991)266:338−42に記載される。好ましくは、本発明の抗体
を含む治療組成物のレセプター媒介標的送達は、抗体を特定の組織に送達するた
めに使用される。
【0303】 アンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドを含む治療組成物は、遺伝子治療プ
ロトコルにおける局所投与のためにDNAの約100ngから約200mgの範
囲で投与される。DNAの約500ngから約50mg、約1mgから約2mg
、約5mgから約500mgおよび約20mgから約100mgの濃度範囲がま
た、遺伝子治療プロトコル中で用いることができる。作用方法および形質転換お
よび発現の有効性などの因子は、アンチセンスサブゲノム核酸の究極の有効性に
必要な投薬量に影響する考慮事項である。組織のより大きな領域にわたって、よ
り大きな発現が望まれる場合、アンチセンスサブゲノム核酸のより多い量または
連続投与のプロトコルにおける同一量の再投与、または例えば腫瘍部位の異なる
隣接または近接した組織部分に対する数回の投与が、陽性の治療成果を達成する
ために必要になると思われる。全ての場合で、臨床試験における規定どおりの実
験が最適治療効果のための特定範囲を決定することになる。遺伝子治療ベクター
、特にレトロウイルスベクターのさらに完全な記載は、ここに明確に組込まれる
米国特許出願第08/869,309号、および下記のF節に含まれる。
【0304】 抗炎症活性を有するポリペプチドまたはタンパク質をエンコードする遺伝子に
関して、好適な使用、用量および投与は、ここに参照することにより援用する米
国特許第5,654,173号に記載される。米国特許第5,654,173号
に記載されるように、治療薬はまた、対象の核酸によりエンコードされるタンパ
ク質およびポリペプチドに対する抗体を含む。
【0305】 トランスジェニック動物 本発明の1つの態様は、1種または複数の遺伝子の生物学的活性が染色体的に
導入されたトランスジーンにより変えられている生殖細胞系および/または体細
胞を有するトランスジェニック非ヒト動物に関連する。
【0306】 好ましい実施形態において、トランスジーンは、野生型のタンパク質において
少なくとも一部の生物学的機能に拮抗する優性陰性タンパク質などの変異タンパ
ク質をエンコードする。
【0307】 また他の好ましいトランスジェニック動物は、遺伝形質転換から転写される際
、その転写遺伝子またはその転写物のmRNAとハイブリダイズするアンチセン
ス転写をエンコードするトランスジーンを含み、この遺伝子発現を阻害する。
【0308】 1つの実施形態において、本発明は、非ヒト動物または動物細胞を癌に疾病素
質化させるように予め規定された、特異的な所望の変化を含む所望の非ヒト動物
または動物(ヒトを含む)細胞を提供する。具体的には、本発明は、腫瘍抑制遺
伝子における2種の対立遺伝子のうち少なくとも1種を欠損する培養において、
遺伝学的に変化した非ヒト動物(最も好ましくは、マウス)または細胞(非ヒト
動物またはヒトの何れか)に相応しい。これら腫瘍抑制対立遺伝子の少なくとも
1種の不活化により、例えばサイトカインまたは成長因子から、腫瘍誘導または
他の増殖性障害または分化障害、または異常シグナル導入によりマークされた障
害に対して高感受性を有する動物となる。この種の遺伝学的変化マウスは、遺伝
性癌の有用なモデルおよび発癌物質研究の試験動物として供することができる。
さらに本発明は、このような非ヒト動物または動物細胞の使用、および研究およ
び医学におけるそれらの後代に相応しい。
【0309】 さらに、本発明のトランスジェニック動物細胞は、例えば第2の腫瘍抑制遺伝
子または腫瘍遺伝子の生物学的活性を変える他のトランスジーンを含むことがで
きる。例えば、第2の遺伝形質転換は、p53、p73、DCC、p21cipl
p27kipl、Rb、MadまたはE2Fなどの第2の腫瘍抑制遺伝子の生物学的
活性を機能的に破壊する。また、第2のトランスジーンは、ras、myc、a
cdc25ホスファターゼ、Bcl−2、Bcl−6、形質転換成長因子、ne
u、int−3、ポリオーマウイルスミドルT抗原、SV40ラージT抗原、乳
頭腫ウイルスE6タンパク質、乳頭腫ウイルスE7タンパク質、CDK4または
シクリンD1などの腫瘍遺伝子の過剰発現または消失を引き起こすことができる
【0310】 本発明の好ましいトランスジェニック非ヒト動物は、遺伝子の1種または複数
の対立遺伝子が染色体的に取り込まれたトランスジーンにより破壊される生殖細
胞系および/または体細胞を有し、そこには、トランスジーンが、トランスジェ
ニック動物細胞にトランスジーンの存在を同定するための検出できるシグナルを
提供するマーカー配列を含み、およびその遺伝子の少なくとも一部を取り替え、
遺伝子に挿入され、または野生型のタンパク質発現を破壊する。
【0311】 本発明のさらに他の態様は、機能的に破壊された内因性遺伝子を有する非ヒト
動物および幹細胞を生じる方法に関する。好ましい実施形態において、その方法
には: (i)(a)組換え領域がトランスジーンと当該遺伝子の組換えを誘導するそ
の当該遺伝子の少なくとも一部を有する組換え領域、および(b)細胞のトラン
スジーンの存在を同定するための検出シグナルを提供するマーカー配列を含むト
ランスジーン構成物を構築するステップ; (ii)トランスジーンを非ヒト動物の幹細胞に移入するステップ; (iii)トランスジーンと遺伝子との間の正確に標的となった相同性組換え
を有する幹細胞を選択するステップ; (iv)ステップ(iii)で同定された細胞を非ヒト胚盤胞に移入し、生じ
たキメラ胚盤胞を非ヒトメスに移植するステップ;および (v)正確に標的となった組換えを有する内因性対立遺伝子を宿す子孫を採取
するステップを含んで成る。
【0312】 本発明のさらに他の態様は、(i)本発明の遺伝形質転換動物を試験薬と接触
させること、および(ii)処理動物からのサンプル中の形質変換細胞数を、未
処理の遺伝形質転換動物または対照薬で処理された遺伝形質転換動物からのサン
プル中の変換数と比較することによる薬剤の発癌性の可能性を評価する方法を提
供する。対照薬で処理しない場合の形質変換細胞数に対する、処理動物における
形質変換細胞数の差は、試験化合物の発癌性の可能性を示す。
【0313】 本発明の他の態様は、試験化合物の抗増殖活性を評価する方法を提供する。好
ましい実施形態において、この方法は、本発明のトランスジェニッィ動物、すな
わちトランスゲニック動物からの細胞サンプルを試験薬と接触させて、遺伝形質
転換動物からのサンプル、すなわち細胞サンプルにおける形質変換細胞数を測定
することを含む。試験薬の不在下での形質変換細胞数に対する、形質変換細胞数
の統計学的に有意な減少は、試験化合物が可能な抗増殖剤であることを示す。
【0314】 本発明の実行には、他に示さない限り、当業界内に存在する細胞生物学の従来
法、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDN
Aおよび免疫学を使用する。このような方法は、文献に十分に説明されている。
例えば、Molecular Cloning A Laboratory M
anual,2nd Ed.,Sambrook,FritschおよびMan
iatisにより編集(Cold Spring Harbor Labora
tory Press:1989);DNA Cloning,Volumes
IおよびII(D.N.Glover編集、1985);Oligonucl
eotide Synthesis(M.J.Gait編集、1984);Mu
llis他、米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid H
ybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins
編集、1984);Transcription And Translati
on(B.D.Hames & S.J.Higgins編集、1984);C
ulture Of Animal Cells(R.I.Freshney,
Alan R.Liss,Inc.,1987);Immobilized C
ells And Enzymes(IRL Press,1986);B.P
erbal,A Practical Guide To Molecular
Cloning(1984);the treatise,Methods
in Enzymology(Academic press,Inc.,ニュ
ーヨーク);Gene Transfer Vectors For Mamm
alian Cells(J.H.Miller およびM.P.Calos編
集、1987,Cold Spring Harbor Laboratory
);Methods In Enzymology,Vols.154 and
155(Wu他編集),Immunochemical Methods I
n Cell And Molecular Biology(Mayer お
よびWalker編集、Academic Press、ロンドン、1987)
;Handbook Of Experimental Immunology
,Volumes I−IV(D.M.WeirおよびC.C.Blackwe
ll編集、1986);Manipulating the Mouse Em
bryo(Cold Spring Harbor Laboratory P
ress、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、1986)
を参照されたい。
【0315】 上記のように、ここに記載された配列は、結腸癌に関して特定の有用性を有し
ていると思われる。しかしながら、それらはまた、他種類の癌および他の疾病状
態と共に有用であり得る。
【0316】 本発明は、特に有益な実施形態を述べる以下の例を参照して説明する。しかし
ながら、これらの実施形態は説明のためのものであり、如何なる方法においても
本発明を限定するように解釈されるものではない。
【0317】 (実施例) 2つの異なる方法が、本新規配列をクローンするために使用された:(1)酵
母の2ハイブリッド系、および(2)低ストリンジェンシーPCR増幅。
【0318】 本配列を同定するのに用いられる方法は、起源の特定組織に関する実質的な情
報、それらの生物相互作用の性質、および細胞増殖調節におけるそれらの重要性
を提供する。新規に発見された本配列に関してスクリーンするのに用いられる方
法は、(1)ユニークなcDNAライブラリーを利用する、および(2)幾つか
の本配列に部分的な相同性を有する遺伝子配列(例えば、物質組成を単に反映す
るEST)を単離するのに以前に用いられた他の方法とは異なる方法を利用する
という観点からユニークである。
【0319】 酵母−2ハイブリッド系を用いる本発明による配列の同定 本発明に用いられる酵母2ハイブリッドアッセイは、Fieldsおよび共同
研究者(Nature,340:245−247,1989)により開発された
方法に基づいた。酵母2ハイブリッドアッセイは、in vitroのタンパク
質−タンパク質相互作用を検出するためにデザインされた酵母に基づく遺伝学的
アッセイである。2ハイブリッドアッセイにより得られた陽性結果は、例えば、
遺伝子が、標的タンパク質(「ベイト(bait)」)と相互作用する候補タン
パク質をエンコードするcDNAライブラリーからの遺伝子存在の検出を可能に
する。この方法は、多くの真核性転写活性化体タンパク質が2つの物理的に分離
可能なドメインから成る事実に基づく、すなわち1つはDNA結合ドメイン(「
BD」)として作用し、その他は転写活性ドメイン(「AD」)として作用する
。酵素2ハイブリッド系において、特定のDNA配列、例えばベイトに結合され
る組換えBDタンパク質と相互作用できるGAL4感受性要素を含むレポーター
酵母株が用いられる。この感受性要素は、この要素により調節されるレポーター
遺伝子(例えば、LacZおよびHIS3)の上流にある。さらに、この感受性
要素は、候補タンパク質のライブラリーに結合する組換えADタンパク質と相互
作用できるプロモーター配列に結合する。BDドメインおよびADドメインの両
者は、細胞またはin vitroにおいて転写の正常な活性化に必要である。
次いで転写は、転写機構の他の成分を伴うことにより開始できる。細胞において
、2つのドメインは、正常には同一タンパク質の部分であり、一方、酵母2ハイ
ブリッド系において、機能活性化体タンパク質は、タンパク質複合体(BD−標
的タンパク質およびAD−ライブラリータンパク質)として組み立てられる。
【0320】 本方法において、2種のcDNAライブラリーが使用された:1種は、以前に
報告された方法(Cell.Dev.Biol.−Animal,33:18−
27,1997)により単離された新鮮な正常結腸上皮細胞から誘導され、その
他は培養結腸癌HCT116細胞(ATCCNo.CCL−247)から誘導さ
れる。双方のライブラリーにおいて、cDNAフラグメントは、融合ベクターp
GAD10(CLONTECH Laboratories社、パロアルト、カ
リフォルニア州、製造者の使用説明書に従った)を用いてGAL4−ADドメイ
ンのEcoRI部位の下流にクローンされた。
【表1】
【0321】 新規遺伝子を単離するために、CLONTECH Laboratories
社から入手したプロトコルPT1265−1に記載されているように、MATC
HMAKER(登録商標)2−ハイブリッドシステム(CLONTECH La
boratories社、パロアル、カリフォルニア州)を使用してcDNAラ
イブラリーをスクリーンした。2種の組換えベイトベクターを構築した:各々の
ベクターがコードする標的ポリペプチド、(1)ヌクレオチド6502〜853
2から成るAPC遺伝子の3’フラグメント、および(2)E12ボックスプロ
モーター領域に結合するbHLHモチーフ遺伝子をエンコードするヌクレオチド
1528〜1962から成るE12遺伝子のフラグメントである。各配列は、C
LONTECH融合ベクターpGBT9におけるGAL4−BDの下流に別個に
挿入された。これらの研究における全ての実験は、以下の遺伝子特性を有するS
accharomyces cerevisiae酵母細胞株HF7cを用いて
実施した:MATa、Ura3−52、his3−200、lys2−801、
ade2−101、trpl 901、leu2−3、112、gal4−54
2、gal8O−538、LYS2:GAL1−HIS3、URA3:(GAL
4J7−mers)3−CYC1−lacZ。
【0322】 cDNAライブラリーおよびベイトのHF7c酵母への共形質転換後、細胞を
SD−TipLeu−Hisプレート上で平板培養し、30℃で7〜10日間ま
たは肉視できるコロニーが出現するまで培養した。β−ガラクトシダーゼ活性の
アッセイは、以下のように相互作用タンパク質(すなわち、ADライブラリータ
ンパク質およびBD標的タンパク質)の存在を確認するために用いた。SD−T
rp−Leu−Hisプレートにおける栄養物の選択後、CLONTECHPT
1265−1プロトコルに記載されているように、酵母細胞コロニーをワットマ
ンフィルタ(#3、ワットマン社、クリフトン、ニュージャージー州)に移し、
液体窒素により凍結して浸透性にし、30℃で10時間培養した。陽性コロニー
をそれらの青色により検出してから、cDNA候補遺伝子を含有する融合プラス
ミドをそれらから単離した。
【0323】 各々のライブラリーにおいて約200万のインフォーマントをスクリーンした
(表1参照)。適切な酵母表現型を有する幾つかのクローンが同定され、配列決
定された。クローンが単独遺伝子から生じたかどうかを決定するために、類似性
について相互に分析し、数個の候補配列の多数のコピーを双方のベイトを用いて
同定した。ベイトとして上記APCフラグメントを用い、我々は、7種の新規配
列(CATX−1、CATX−2、CATX−3、CATX−4、CATX−5
、CATX−6およびCATX−7と命名)を得た。E12フラグメントを用い
て、5種の新規配列(CATX−11、CATX−12、CATX−13、CA
TX−14およびCATX−15と命名)を得た。cDNAライブラリースクリ
ーンを用いて、E12標的タンパク質と相互作用する数種の公知の配列も得られ
た(例えば、id1、id2、id3)。
【0324】 1つのライブラリーで同定されたクローンは、その他のライブラリーに存在す
るかどうかPCRを用いて分析した(94℃で1分間;52℃で1分間;72℃
で2分間;この加熱周期を30回繰り返した)。表2に示されたように、数種の
クローンが双方のライブラリーに見出された。
【表2】
【0325】 酵母の2ハイブリッド系により正常結腸上皮細胞ライブラリーをスクリーンす
るためベイトとしてAPCフラグメントを用いて得られた生成物は、以下のクロ
ーンを含む:471bpを有し、部分的なcDNA配列であるCATX−1[S
EQ ID NO:27]。pGAD10からの読取り枠に従って、121アミ
ノ酸を有するペプチドが予知でき、SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を
有する。
【0326】 CATX−2[SEQ ID NO:29]は983bpを有する。この配列
は、スタートおよびストップコドン双方を含むオープン読取り枠を含むことから
、完全cDNAクローンのようである。本開示は、この遺伝子配列をコードする
完全長の最初の報告を表している。pGAD10ベクターからの読取り枠による
と、このコード領域は135bpであり、予知されたタンパク質は、N末端にロ
イシンジッパーモチーフを含む45個のアミノ酸を有する[SEQ ID NO
:30]。
【0327】 CATX−3[SEQ ID NO:31]は301bpを有し、部分的なc
DNA配列である。pGAD10からの読取り枠によって、我々は、31個のア
ミノ酸を有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:32]。
【0328】 CATX−4[SEQ ID NO:33]は158bpを有し、部分的なc
DNA配列である。pGAD10からの読取り枠によると、52個のアミノ酸を
有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:34]。
【0329】 CATX−5[SEQ ID NO:35]は290bpを有し、部分的なc
DNA配列である。pGAD10からの読取り枠によると、78個のアミノ酸を
有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:36]。
【0330】 CATX−6[SEQ ID NO:37]は520bpを有し、部分的なc
DNA配列である。
【0331】 CATX−7[SEQ ID NO:38]は410bpを有し、部分的なc
DNA配列である。
【0332】 CATX−12[SEQ ID NO:39]を、遺伝子バンク(GenBa
nk)(GBALL)を利用して以前に報告された配列に対する相同性に関して
調べた。この結果は、CATX−12が以前に知られた遺伝子COX1ヒトチト
クローム−cオキシダーゼポリペプチドI(遺伝子バンク登録番号#X9333
4)に相当する(P値=0)ことが示された。
【0333】 酵母の2ハイブリッド系によりHCT116cDNAライブラリーをスクリー
ンするためベイトとしてE12を用いて、以下のクローンが得られた:
【0334】 CATX−11[SEQ ID NO:40]は978bpを有する。pGA
D10からの読取り枠によると、これは部分的なcDNAである。pGAD10
からの読取り枠によると、324個のアミノ酸を有するペプチドが予知できる[
SEQ ID NO:41]。
【0335】 CATX−13[SEQ ID NO:42]は326bpを有し、部分的な
cDNA配列である。pGAD10からの読取り枠によると、48個のアミノ酸
を有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:43]。
【0336】 CATX−14[SEQ ID NO:44]は418bpを有し、部分的な
cDNA配列である。pGAD10からの読取り枠によると、66個のアミノ酸
を有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:45]。
【0337】 CATX−15[SEQ ID NO:46]は3032bpを有する。これ
は完全なcDNAのようである。本開示は、この転写体の完全長配列に関する最
初の報告を表している。pGAD10からの読取り枠によると、246個のアミ
ノ酸を有するペプチドが予知できる[SEQ ID NO:47]。
【0338】 SLC配列からデザインされた縮退化(degerate)プライマーを用いた結腸上皮 ライブラリーの低ストリンジェントPCR増幅 正常なヒト結腸上皮cDNAライブラリーのSCL遺伝子と相同性をもつ配列
をクローン化するためにPCRが用いられた。第1のプライマーは、アミノ酸配
列ERWRから成るSCL保存領域に基づく縮退プライマーデザインを用いて構
築された。したがって、このプライマーヌクレオチド酸配列は、CCGCCAT
CGCTC(アンチセンス)[SEQ ID NO:23]であった。第2のプ
ライマーは、pGAD10プラスミド領域(TACCACTACAATGGAT
G)[SEQ ID NO:24]に相当する一般的プライマーであった。正常
結腸上皮ライブラリーをスクリーンするために、94℃で1分間;42℃で1分
間;72℃で3分間の合計30周期のストリンジェントPCR条件を用いてPC
R増幅を行った。次にPCR産生物を、アガロースゲル電気泳動により分離し、
ゲルから精製し、pGEM(登録商標)−Tベクター(Promega、マディ
ソン、ウィスコンシン州)にクローン化し、配列決定した。ストリンジェントP
CR増幅を用いて、CATX−8、CATX−9およびCATX−10と命名し
た3種の候補配列が同定された。
【0339】 正常結腸上皮cDNAライブラリーをスクリーンするためにPCRを用いると
、以下のクローンが得られた。
【0340】 CATX−8[SEQ ID NO:48]は1085bpを有し、完全cD
NAのようである。これは、この配列の完全長配列に関する最初の報告を表して
いる。データ探索に基づき、256個のアミノ酸を含んで成るタンパク質が予知
された[SEQ ID NO:49]。
【0341】 この配列は、ATP結合ドメインおよびGTP結合ドメイン(p−ループを含
むAA15〜28)の存在を示すモチーフを含んでいる。CATX−8に対する
内因性ATP結合およびGTP結合に関しての分析は陽性であった(ニトロセル
ロース紙上に200ngCATX−8タンパク質をスポットし、PBS中50μ
Ciγ−32PATPまたはGTPを含む溶液20ml中24℃で30分間培養し
、次に100mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.2で3回洗浄し、オートラジ
オグラフィを行った)。RT−PCRによると、このタンパク質は、肝臓、子宮
、乳房、筋肉、結腸粘膜などの大抵のヒト組織中に発現することが示された。用
いられたプライマー配列を表3に示す。
【表3】
【0342】 CATX−9[SEQ ID NO:50]は162bpを有し、部分的なc
DNA配列である。
【0343】 CATX−10[SEQ ID NO:51]は302bpを有し、部分的な
cDNA配列である。
【0344】 ヒト組織におけるCATX−2の組織プロファイリング ヒト組織におけるCATX−2の発現を逆転写(3μgの全RNA);200
Uの逆転写酵素(Gibco BRL(登録商標)、Life Technol
ogies社、ロックビレ、メリーランド州);20μl中50ngのランダム
プライマー;50mM Tris−HCl;pH8.3;75mM KCl;1
0mM DTT;0.5mM dNTP)およびPCR(94℃で1分間;52
℃で1分間;72℃で2分間;30サイクル)により調べた。用いたプライマー
配列は上記した。CATX−2は、肝臓(1/1)、子宮(1/1)、乳房(1
/1)、筋肉(1/1)、および結腸粘膜(10/10)を含む検査した全正常
ヒト組織において発現する。CATX−2は、15個の結腸癌サンプルから2個
のみに、気管支原生癌脳移転の0/1に、および肝細胞癌の0/1に発現した。
【0345】 チューブリン重合化に及ぼすCATX−2の効果 機能的研究によれば、CATX−2タンパク質はin vitroでヒストン5μg、
ポリスレオニン5μgおよびCOOH−APC断片(1〜5μg)をリン酸化す
るが、ポリTyr/Glu(5μg)はリン酸化しないことが明らかとなった(
リン酸化条件:50mM Tris−HCl;pH7.5;20mM MgCl 2 50μCiγ−32PdATP;1mM DTT;1μgCATX−2;容量1
00μl;30℃で30分間)。また、CATX−2タンパク質(1μg)によ
るカルボキシル末端APC断片のリン酸化(冷ATP[1mM]を用いて1〜5
μgをリン酸化)によりAPC能が増強し、in vitroでチューブリン重合化を誘
導した(チューブリン200μg(細胞骨格);80mM PIPES緩衝剤;
pH6.8;0.5mM MgCl21.0mM EGTA;1.0mM GT
P;200μl中;吸光度を1時間モニター)。このように、CATX−2はA
PCのカルボキシル末端領域のリン酸化の内因性プロテインキナーゼ活性を有し
、これがAPCのチューブリン重合化活性を調節していると思われる。図1はA
PCのチューブリン重合化活性に及ぼすCATX−2の効果を示している。
【0346】 培養結腸癌細胞に及ぼすCATX−8過剰発現の効果 HCT116培養結腸癌細胞における組換えCATX−8発現の効果を、細胞
周期を通じてのこれらの細胞発達に及ぼすこのタンパク質の効果を評価するため
に研究した。組換えCATX−8の過剰発現は、CATX−8/PcDNA3.
1哺乳動物発現ベクター構築物を用いて、HCT116細胞のトランスフェクシ
ョンにより達成した。対照は、空PcDNA3.1ベクターのトランスフェクシ
ョンを行った。組換えHCT116細胞は、血清を含まないMcCoyの培地で
72時間血清欠乏を保ち、次に10%FBSを加えたMcCoyの培地を用いて
20時間増殖を刺激した。次に組換えHCT116細胞の細胞周期分布を測定す
るためにフローサイトメトリー分析を用いた。その結果(表4)、HCT116
細胞におけるCATX−8の過剰発現により、GO/G1、G2期においてはよ
り多くの細胞を、S期においてはより少ない細胞を生じさせることが示される。
【表4】
【0347】 これらのデータは、CATX−8が微小管細胞骨格に及ぼす効果を通して増殖
調節にある役割を演じている可能性を示唆している。精製組換えCATX−8タ
ンパク質(His付加CATX−8によるNi−カラム精製)は、in vitroで直
接チューブリン重合を誘導することができる。
【0348】 図2は、チューブリン重合に及ぼすCATX−8の効果を示す。重合条件は、
200μl中;CATX−8(1〜5μg);チューブリン200μg(細胞骨
格);80mM PIPES緩衝剤;pH6.8;0.5mM MgCl21.
0mM EGTA;1.0mM GTPを含み、吸光度を1時間モニターした。
【0349】 本発明による配列の相同性探索 BLAST2を用いて、本発明で得られたCATX配列と有意な相同性を有す
る配列に関して遺伝子バンクESTおよび他のデータベースを探索した。その結
果は下記のとおりである。
【0350】 CATX−1:これらは遺伝子バンクデータベースにおける公知の何れの配列
に対してもCATX−1の有意な相同性はなかった(最低スコア=0.0037
のP値)。また、何れのESTにも有意な相同性はなかった(最低スコア=0.
06のP値)。CATX−1からの翻訳ペプチドに関しSWALLデータベース
を用いる相同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対しても有意な相同性
を示さなかった。このことは、CATX−1配列が新規であることを示す。
【0351】 CATX−2:BLAST2を用いて、遺伝子バンクデータベースを探索し、
X染色体(HTGS相1)上のクローン199L16のヒトDNA配列(AL0
22151)に対し、CATX−2はE−105のP値で最も大きな相同性を有
することが確認された。しかし、CATX−2の54%(343〜975bp)
のみがこの遺伝子バンク配列に相同性を示した。BLAST2を用いてESTデ
ータベースを探索すると、P値7.00E−28でnc17gO4.rlNCI
CGAP PriホモサピエンスcDNAクローン(AA226330)と相
同性を有することが確認された。しかし、このEST配列と相同性を示したのは
、このフラグメントの17%(341〜544bp)のみであった。したがって
、CATX−2は、遺伝子バンクまたはESTのデータベースに報告されていな
い配列を含むため、新規な配列であることを表している。さらに、この新規CA
TX−2領域(1〜340)は、CATX−2に関して予知されたタンパク質生
成物のコード化領域を含んでいる。
【0352】 また、ESTデータベースにおけるEST(AA806809)とCATX−
2との相同性に基づき、CATX−2に相当するcDNA配列が、次のポリ−A
尾部を有する3’セグメント[SEQ ID NO:52]を含むことが予知し
得る。
【0353】 非過剰遺伝子バンクCDS翻訳データベース、スイスプロット(SwissP
rot)データベースおよびPIRデータベースを用いて、CATX−2からの
翻訳ペプチドに関する相同性探索では、公知の何れのタンパク質にも有意な相同
性を示さなかった(最低スコア=0.57のE値)。このことは、CATX−2
タンパク質が新規であることを示している。しかし、CATX−2中の1領域(
10〜26個のアミノ酸)は、幾つかのキナーゼにあるドメインとの相同性を示
しており、これはCATX−2タンパク質がキナーゼであることを示している。
【表5】
【0354】 CATX−3:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、C
ATX−3が、染色体6q24.i−25.1上のPAC352A20からのホ
モサピエンスDNA配列(AL021939)に対しP値2.00E−52で最
も高い相同性を有することが確認された。しかし、この遺伝子バンク配列との相
同性を示したのは、CATX−3配列の61%(75〜208、および235〜
288)だけであった。BLAST2を用いて、ESTデータベースを探索する
と、1.00E−48のP値でEST配列yg73d02.sIソアレス(So
ares)幼児脳1NIBホモサピエンスcDNAクローン39227(R51
582)と相同であることが判明した。しかし、このEST配列と相同であるこ
とを示したのは、CATX−3配列の39%(83〜208)だけであった。こ
のようにCATX−3は、予知されたCATX−3タンパク質をエンコードする
領域を含む配列(1〜74および209〜234)を含むが、これは遺伝子バン
クまたはESTデータベースに報告されていない。
【0355】 また、ESTデータベースにおけるEST(AA602971)に対するCA
TX−3の相同性に基づき、CATX−3に相当するcDNA配列は、ポリ−A
尾部を含む3’セグメント[SEQ ID NO:60]を含むことが予知され
得る。
【0356】 CATX−3からの翻訳ペプチドに関してSWALLデータベースを用いて相
同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対しても有意な相同性は示されな
かったが、このことは、CATX−3配列が新規であることを示している。しか
し、CATX−3(4〜23bp)中、1つのセグメントがプロテインホスファ
ターゼ2C様タンパク質中に含まれるドメイン(2842482)と13/20
(65%)陽性で局部的相同性を示している。
【0357】 CATX−4:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、染
色体11q12からのホモサピエンスDNA配列(AC004230)に対しC
ATX−4は2.00E−65のP値で最も高い相同性を有することが確認され
た。しかし、この遺伝子バンク配列との相同性を示したのは、CATX−4配列
の80%(18〜144bp)だけであった。BLAST2を用いて、ESTデ
ータベースを探索すると、公知の何れのEST配列にも有意な相同性を表さなか
った。このようにCATX−4は、予知されたCATX4タンパク質をエンコー
ドする領域の一部を含む配列(1〜17および145〜158)を含むが、これ
は遺伝子バンクまたはESTデータベースに報告されていない。CATX−4は
CATX−6と部分的相同性を有し(164個の残基が重複して47%の同一性
)またCATX−7と部分的相同性を有するが(157個の残基が重複して45
.9%の同一性)、このことは、これら3種の配列が同一ファミリーのメンバー
である可能性を示している。CATX−4からの翻訳ペプチドに関してSWAL
Lデータベースを用いて相同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対して
も有意な相同性は示さなかった。
【0358】 CATX−5:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、C
ATX−5は、染色体22q11からのヒトPACクローンDJ515N1(A
C002073)に対し弱い相同性(P値=3.00E−14)を有することが
確認された。しかし、この遺伝子バンク配列との相同性を示したのは、CATX
−5の15%だけであった。BLAST2を用いて、ESTデータベースを探索
すると、CATX−5はEST配列zg4Ofl2.slソアレス(Soare
s)松果腺(AA757892)に弱い相同性(P値=2.00E−10)を有
していることが確認された。しかし、このEST配列に相同性を示したのは、C
ATX−5の14%だけであった。このようにCATX−5は、遺伝子バンクま
たはESTデータベースに報告されない配列を含んでいる。
【0359】 CATX−5からの翻訳ペプチドに関してSWALLデータベースを用いて相
同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対しても有意な相同性は示さなか
った。このことは、CATX−5タンパク質が新規であることを示している。
【0360】 CATX−6:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、C
ATX−6はホモサピエンスCIT−HSP−2340D6.Trゲノム探索配
列(AQ056648)に対し、P値4.00E−30で最も高い相同性を有す
ることが確認された。しかし、この遺伝子バンク配列との相同性を示したのは、
CATX−6の18%だけであった。BLAST2を用いて、ESTデータベー
スを探索すると、EST配列ホモサピエンス部分cDNA配列クローンe−la
c10:mRNA配列(P02778)に対し、P値4.00E−28で相同性
を示した。しかし、このEST配列に相同性を示したのは、CATX−6の17
%だけであった。このようにCATXは、遺伝子バンクまたはESTデータベー
スに報告されていない配列を含んでいる。CATX−6は、CATX−4と部分
的相同性を有し(164個の残基が重複で47%の同一性)、またCATX−7
と部分的相同性を有し(310個の残基が重複で42.9%の同一性)、このこ
とは、これら3種の配列が同一ファミリーのメンバーである可能性を示している
【0361】 また、ESTデータベースにおけるEST(R60196)に対するCATX
−6の相同性に基づき、CATXに相当するcDNAA配列は、3’セグメント
[SEQ ID NO:61]を含んでいることを予知し得る。公知のタンパク
質に対する類似性に関する相同性探索(6種の可能な読み枠を用いて)では、公
知の何れのタンパク質に対しても有意な相同性を示さなかった。
【0362】 CATX−7:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、C
ATX−7は染色体9q34のゲノム配列(AC002110)に対し、P値1
.00E−4Iで部分的相同性を有することが確認された。しかし、この遺伝子
バンク配列との相同性を示したのは、CATX−7の24%だけであった。BL
AST2を用いて、ESTデータベースを探索すると、P値1.00E−39で
EST配列(AA508809)ホモサピエンスnh69c09.slNCIC
GAPPr8との相同性を示した。しかし、このEST配列に相同性を示したの
は、CATX−7の23%だけであった。このようにCATX−7は、遺伝子バ
ンクまたはEST12データベースに報告されていない配列を含んでいる。CA
TX−7は、CATX−6と部分的相同性を有し(157個の残基が重複で45
.9%の同一性)、またCATX−6と部分的相同性を有し(310個の残基が
重複で42.9%の同一性)、このことは、これら3種の配列が同一ファミリー
のメンバーである可能性を示している。公知のタンパク質に対する類似性に関す
る相同性探索(6種の可能な読み枠を用いて)では、公知の何れのタンパク質に
対しても有意な相同性を示さなかった。
【0363】 CATX−8:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索し、C
ATX−8はウサギRab25小GTP−結合タンパク質mRNA(L0330
3)に対し、有意な相同性を有することが確認された(P値=0)。しかし、こ
の遺伝子バンク配列との相同性を示したのは、CATX−8フラグメントの56
%だけであった。BLAST2を用いて、ESTデータベースを探索すると、E
ST配列ホモサピエンスcDNAクローンnm79g03.slNCICGAP
Co(AA579639)に有意な相同性(P値=0)を示した。しかし、この
EST配列に相同性を示したのは、CATX−8フラグメントの55%だけであ
った。このようにCATX−8は、遺伝子バンクまたはESTデータベースに報
告されていない配列を含んでいる。
【0364】 CATX−8からの翻訳ペプチドに関してSWALLデータベースを用いて相
同性探索を行うと、ウサギRab25(A48500)小GTP−結合タンパク
質に対して有意な相同性(P値E−103)が判明した(陽性=196/206
アミノ酸[94%])。しかし、このRab25アミノ酸配列(推定鎖長213
個のアミノ酸)との相同性を示したのはCATX−8の一部分だけであった(合
計256個のAAのうち1〜206個のAA)。このようにCATX−8は、以
前には報告されていないヒトコード化配列を含んでいる。
【0365】 CATX−9:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索すると
、CATX−9は、公知の何れの遺伝子に対しても有意な相同性を示さなかった
(最低スコアのP値2.8)。BLAST2を用いてESTデータベースを探索
すると、何れのESTに対しても有意な相同性を示さなかった(最低スコアP値
1.2)。このようにCATX−9は、遺伝子バンクまたはESTデータベース
に報告されている遺伝子に対する相同性を示さない。公知のタンパク質に対する
類似性に関する相同性探索(6種の可能な読み枠を用いて)では、公知のタンパ
ク質に対しても有意な相同性を示さなかった。
【0366】 CATX−10:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索する
と、CATX−10は、公知の何れの遺伝子に対しても有意な相同性を示さなか
った(最低スコア=P値1.0E−07)。BLAST2を用いてESTデータ
ベースを探索すると、有意な相同性を示さなかった(最低スコアのP値4.0E
−05)。このようにCATX−10は、遺伝子バンクまたはESTデータベー
スに報告されている遺伝子に対する相同性を示さない。公知のタンパク質に対す
る類似性に関する相同性探索(6種の可能な読み枠を用いて)では、公知の何れ
のタンパク質に対しても有意な相同性を示さなかった。
【0367】 CATX−11:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索する
と、CATX−11は、公知の何れの遺伝子に対しても有意な相同性を示さなか
った(最低スコア=P値0.078)。BLAST2を用いてESTデータベー
スを探索すると、EST配列zqSOfDl.rlストラtジェーン(Stratagen
e)神経上皮(AA205858)ホモサピエンスcDNAクローンに対し、P値
0で有意な相同性を示した。しかし、このEST配列との相同性を示したのは、
CATX−11フラグメントの52%(4−527bp)だけであった。このよ
うにCATX−11は、予知されたCATX−11タンパク質をエンコードする
領域の部分を含む配列(1〜3および527〜978bp)を含んでいるが、こ
れは遺伝子バンクまたはESTデータベースに報告されていない。
【0368】 CATX−12からの翻訳ペプチドに関して、SWALLおよびProDom
データベースを用いて相同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対しても
有意な相同性を示さなかった(最低スコア=P値1.0E−08)。
【0369】 CATX−13:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索する
と、CATX−13は、公知の何れの遺伝子に対しても有意な相同性を示さなか
った(最低スコア=P値1.5)。BLAST2を用いてESTデータベースを
探索すると、有意な相同性を示さなかった(最低スコアのP値0.041)。こ
のようにCATX−13は、遺伝子バンクまたはESTデータベースに報告され
ている遺伝子に対する相同性を示さない。
【0370】 CATX−13からの翻訳ペプチドに関して、SWALLおよびProDom
データベースを用いて相同性探索を行うと、公知の何れのタンパク質に対しても
有意な相同性を示さなかった(最低スコア=P値0.95)。
【0371】 CATX−14:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索する
と、CATX−14は、染色体X上のPAC37M17からのホモサピエンスD
NA配列(Z78022)にP値1.0E−84で最も高い相同性を有している
ことが確認された。しかし、この遺伝子バンク配列との相同性を示したのは、C
ATX−14フラグメントの41%(86〜265bp)だけであった。BLA
ST2を用いて、ESTデータベースを探索すると、P値9.00E−78でE
ST配列ze56bo4.rlソアレス(Soares)網膜N2b4HRホモ
サピエンスcDNAクローン362959(AA018943)との相同性を示
した。しかし、このEST配列に相同性を示したのは、CATX−14配列の4
1%だけであった(86〜265bp)。このようにCATX−14は、予知さ
れたCATX−14タンパク質をエンコードする領域の部分を含む配列(1〜8
5および266〜418bp)を含んでいるが、これは遺伝子バンクまたはES
Tデータベースに報告されていない。
【0372】 CATX−14からの予知された翻訳ペプチドに関して、SWALLおよびP
roDomデータベースを用いて相同性探索を行うと、マウスTLM発癌遺伝子
タンパク質(P17408)に対し弱い相同性(3.6E−06)を示し、CA
TX−14の1領域(34〜54個のアミノ酸)がTLMドメインと局部的相同
性を示しており(陽性=18/21[84%])、このことはCATX−14が
発癌遺伝子である可能性を示している。
【0373】 CATX−15:BLAST2を用いて遺伝子バンクデータベースを探索する
と、CATX−15は、公知の何れの遺伝子に対しても有意な相同性を示さなか
った(最低スコア=P値1.1)。BLAST2を用いてESTデータベースを
探索すると、有意な相同性を示さなかった(最低スコア=P値0.46)。この
ようにCATX−15は、遺伝子バンクまたはESTデータベースに報告されて
いる遺伝子に対する相同性を示さない。
【0374】 CATX−15からの予知された翻訳ペプチドに関して、SWALLおよびN
RPデータベースを用いて相同性探索を行うと、DMDヒトジストロフィン(5
.0E−05)およびヒナ鎖スペクトリンタンパク質アクチン結合(3.0E−
06)と弱い相同性を示した。
【0375】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/53 D C12Q 1/02 M 1/68 33/574 Z G01N 33/53 37/00 102 C12P 21/02 C 33/574 C12N 15/00 ZNAA 37/00 102 5/00 A // C12P 21/02 15/00 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA21 BA80 CA04 CA09 DA02 EA04 GA11 HA14 HA15 4B063 QA01 QA12 QA17 QA18 QA19 QQ02 QQ42 QQ52 QQ79 QR56 QR59 QR62 QR77 QR80 QR82 QS24 QS25 QS34 4B064 AG02 CA10 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA30 BA18 CA40 DA01 DA76 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
    EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
    5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
    O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
    D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
    Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
    ;SEQ ID NO:61の1つのヌクレオチド配列またはこれと相補的な配
    列を含む単離した核酸。
  2. 【請求項2】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
    EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
    5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
    O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
    D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:5O;SE
    Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
    ;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェン
    トな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む単離した核酸。
  3. 【請求項3】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
    EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
    5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID N
    O:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ I
    D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
    Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
    ;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列の少なくとも約1
    5個の連続したヌクレオチドに対応する配列に少なくとも約80%同一であるヌ
    クレオチド配列を含む単離した核酸。
  4. 【請求項4】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;S
    EQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:3
    5;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38の1つに対応する配
    列と少なくとも約80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離した核酸
    であって、前記核酸配列が酵母2ハイブリッドシステムでAPCと相互作用する
    ポリペプチドまたはタンパク質をエンコードする単離した核酸。
  5. 【請求項5】 SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
    EQ ID NO:44;SEQ ED NO:46の1つに対応する配列と少
    なくとも約80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸であって、前記
    核酸配列が酵母2ハイブリッドシステムでE12と相互作用するポリペプチドま
    たはタンパク質をエンコードする単離した核酸。
  6. 【請求項6】 SEQ ID NO:28;SEQ ID NO:30;S
    EQ ID NO:32;SEQ ID NO:34;SEQ ID NO:3
    6;SEQ ID NO:41;SEQ ID NO:43;SEQ ID N
    O:45;SEQ ID NO:47;or SEQ ID NO:49の1つ
    のポリペプチドをエンコードする単離した核酸。
  7. 【請求項7】 さらに、前記ヌクレオチド配列を発現ベクターとして使用す
    るのに適したものにするために前記ヌクレオチド配列に動作可能に(operatively
    )結合している転写調節配列を含む請求項1に記載の単離した核酸。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の核酸を含む発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の発現ベクターでトランスフェクトした宿主
    細胞。
  10. 【請求項10】 細胞に取り込まれた請求項1に記載の核酸を含むトランス
    ジーンを有するトランスジェニック動物であって、前記トランスジーン(transge
    ne)が核酸の発現のレベル、核酸のmRNA転写体の安定性、または核酸がエン
    コードするポリペプチドの活性を変化させるトランスジェニック動物。
  11. 【請求項11】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つの少なくとも12個の連続したヌクレオチ
    ドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離した核酸。
  12. 【請求項12】 請求項1の核酸がエンコードする少なくとも25個のアミ
    ノ酸を含むアミノ酸配列を有する単離したポリペピチド。
  13. 【請求項13】 SEQ ID NO:28;SEQ ID NO:30;
    SEQ ID NO:32;SEQ ID NO:34;SEQ ID NO:
    36;SEQ ID NO:41;SEQ ID NO:43;SEQ ID
    NO:45;SEQ ID NO:47;or SEQ ID NO:49の1
    つのポリペプチド。
  14. 【請求項14】 実質的に純化されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ/
    プライマーであって、前記オリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:27;
    SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:
    33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID
    NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ
    ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;S
    EQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:5
    2;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに
    相補的な配列の少なくとも約12個の連続したヌクレオチドとストリンジェント
    な条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含むプローブ/プライ
    マー。
  15. 【請求項15】 固体支持体に結合した請求項14に記載の少なくとも10
    個異なるオリゴヌクレオチドを含むアレイ。
  16. 【請求項16】 さらに、結合させた検出可能な標識基も含む請求項15に
    記載のプローブ/プライマー。
  17. 【請求項17】 前記検出可能は標識基が放射性同位元素、蛍光化合物、酵
    素、酵素コファクターからなる群から選択される請求項16に記載のプローブ/
    プライマー。
  18. 【請求項18】 請求項12に記載のポリペプチドと免疫反応性の抗体。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載のポリペプチドと免疫反応性の抗体。
  20. 【請求項20】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列の少なくとも1
    2個の連続したヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
    アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 プローブ/プライマーを含む細胞の表現型を決定する試験
    キットであって、患者から単離した細胞のサンプル中の、SEQ ID NO:
    27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
    NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
    ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
    EQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:4
    8;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID N
    O:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61の1つまたは
    複数またはそれに相補的な配列の核酸を含む核酸のレベルを測定できる試験キッ
    ト。
  22. 【請求項22】 プローブ/プライマーを含む細胞の表現型を決定する試験
    キットであって、患者から単離した細胞のサンプル中の、SEQ ID NO:
    27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID
    NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ
    ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;S
    EQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:4
    8;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID N
    O:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO:61またはそれに
    相補的な配列の1つまたは複数の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダ
    イズする核酸のレベルを測定できる試験キット。
  23. 【請求項23】 形質転換細胞の表現型を決定する試験キットであって、S
    EQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:3
    1;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID N
    O:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ I
    D NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SE
    Q ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51
    ;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO
    :61のいずれか1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸が
    エンコードするアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的な抗体を含む試験キッ
    ト。
  24. 【請求項24】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID N 42;SEQ ID NO:44;SEQ I
    D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
    Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
    ;SEQ ID NO:61を含む少なくとも1つの核酸の差次的発現を正常な
    細胞と比較して検出することを含む細胞の表現型を決定する方法であって、核酸
    が少なくとも2倍差次的に発現される方法。
  25. 【請求項25】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID N 42;SEQ ID NO:44;SEQ I
    D NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SE
    Q ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60
    ;SEQ ID NO:61の1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
    ズする少なくとも1つの核酸の差次的発現を正常な細胞と比較して検出すること
    を含む細胞の表現型を決定する方法であって、核酸が少なくとも2倍差次的に発
    現される方法。
  26. 【請求項26】 個体からの組織サンプル中の細胞の表現型を決定する方法
    であって、 (i)SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID
    NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ
    ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;
    SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:
    46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID
    NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ
    ID NO:61のいずれかまたはそれに相補的な配列の少なくとも12個の連
    続したヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を含む核酸プローブを用意するこ
    とと、 (ii)個体から第1の組織サンプルを得ることと、 (iii)実質的に癌性ではない第2の組織サンプルを用意することと、 (iv)前記プローブと前記組織サンプルをハイブリダイズさせる条件下で、
    前記第1および第2の組織サンプルを核酸プローブと接触させることと、 (v)(a)第1の組織サンプルのハイブリダイゼーションの量と(b)第2
    の組織サンプルのプローブのハイブリダイゼーションの量を比較することを含み
    、第1の組織サンプルへのプローブのハイブリダイゼーションの量が第2の組織
    サンプルのハイブリダイゼーションの量と比較して少なくとも2倍異なることが
    第1の組織サンプル中の細胞の表現型を示す、方法。
  27. 【請求項27】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェ
    ントな条件下でハイブリダイズする核酸がエンコードするアミノ酸配列を含む少
    なくとも1つのポリペプチドの差次的発現を正常細胞と比較して検出することを
    含み、ポリペプチドが少なくとも2倍差次的に発現される、細胞の表現型を決定
    する方法。
  28. 【請求項28】 前記タンパク質のレベルをイムノアッセイで検出する請求
    項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 細胞を請求項14に記載のプローブ/プライマーと接触さ
    せることを含む、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SE
    Q ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35
    ;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO
    :40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID
    NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ
    ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;
    SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェント
    な条件下でハイブリダイズする核酸の存否を決定する方法。
  30. 【請求項30】 細胞を請求項18または19に記載の抗体と接触させるこ
    とを含む、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ I
    D NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SE
    Q ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40
    ;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO
    :46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID
    NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ
    ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列の核酸がエンコードするア
    ミノ酸を含むポリペプチドの存否を決定する方法。
  31. 【請求項31】 細胞を請求項18または19に記載の抗体と接触させるこ
    とを含む、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ I
    D NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SE
    Q ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40
    ;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO
    :46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID
    NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ
    ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェントな条件
    下でハイブリダイズする核酸がエンコードするポリペプチドの存否を決定する方
    法。
  32. 【請求項32】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列またはそれに相
    補的な配列の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする試験核酸中
    の突然変異を検出する方法であって、 i.個体から組織サンプルと採取することと、 ii.組織サンプルの細胞から核酸を単離することと、 iii.核酸のハイブリダイゼーションおよび増幅を可能にする条件下で、S
    EQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:3
    1;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID N
    O:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ I
    D NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;SE
    Q ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:51
    ;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID NO
    :61の少なくとも1つまたはそれに相補的な配列の核酸配列と特異的にハイブ
    リダイズする1つまたは複数のプライマーと核酸サンプルを接触させることと、 iv.増幅産物の存否またはサイズを正常細胞の増幅産物と比較することとを
    含む方法。
  33. 【請求項33】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェ
    ントな条件下でハイブリダイズする核酸の細胞中での発現レベルを変化させる薬
    剤を同定する方法であって、 (i)細胞を用意することと、 (ii)細胞を試験薬剤で処理することと、 (iii)SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ
    ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;S
    EQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:4
    0;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID N
    O:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ I
    D NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SE
    Q ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とストリンジェントな条
    件下でハイブリダイズする核酸の細胞中での発現レベルを測定することと、 (iv)処理細胞での核酸の発現レベルを、非処理細胞での核酸の発現レベル
    と比較することを含み、非処理細胞での核酸の発現レベルと比較した処理細胞で
    の核酸の発現レベルの変化が、細胞中での核酸の発現レベルを変化させる薬剤で
    あることを示す方法。
  34. 【請求項34】 核酸が、SEQ ID NO:27;SEQ ID NO
    :29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID
    NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ
    ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;
    SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:
    50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID
    NO:60;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な配列とスト
    リンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸である請求項28に記載の方法
  35. 【請求項35】 請求項33または34に記載の方法で同定した薬剤を含む
    薬剤組成物。
  36. 【請求項36】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の少なくとも1つのヌクレオチド配列またはそれ
    に相補的な配列を含む薬剤組成物。
  37. 【請求項37】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の少なくとも1つの核酸がエンコードするアミノ
    酸配列を含むポリペプチドを含む薬剤組成物。
  38. 【請求項38】 ポリペプチドが、SEQ ID NO:27;SEQ I
    D NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SE
    Q ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38
    ;SEQ ID NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO
    :44;SEQ ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID
    NO:50;SEQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ
    ID NO:60;SEQ ID NO:61の少なくとも1つとストリンジ
    ェントな条件下でハイブリダイズする核酸がエンコードするアミノ酸配列を含む
    請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 ポリペプチドが、SEQ ID NO:27;SEQ I
    D NO:29;SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SE
    Q ID NO:35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38
    の少なくとも1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸がエン
    コードするアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドがAPCである薬剤組成物。
  40. 【請求項40】 ポリペプチドが、SEQ ID NO:40;SEQ I
    D NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46の少な
    くとも1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸がエンコード
    するアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドがE12と相互作用する薬剤組成物
  41. 【請求項41】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたは複数またはそれに相補的な配列をプ
    ローブ/プライマーとして使用する腫瘍を検出する方法であって、 (i)個体から細胞のサンプルを採取することと、 (ii)サンプルの細胞から核酸を単離することと、 (iii)核酸のハイブリダイゼーションおよび増幅を可能にする条件下で、
    SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;SEQ ID NO:
    31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:35;SEQ ID
    NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID NO:40;SEQ
    ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ ID NO:46;S
    EQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;SEQ ID NO:5
    1;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:60;SEQ ID N
    O:61の少なくとも1つまたはそれに相補的な配列の核酸配列と特異的にハイ
    ブリダイズする1つまたは複数のプライマーと核酸サンプルを接触させることと
    、 (iv)増幅産物の存否またはサイズを正常細胞の増幅産物と比較することと
    を含む方法。
  42. 【請求項42】 前記腫瘍が結腸癌である請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の少なくとも1つがエンコードするタンパク質に
    対する抗体とサンプルを接触させることを含む個体からのサンプル中の腫瘍を検
    出する方法。
  44. 【請求項44】 前記腫瘍が結腸癌である請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 SEQ ID NO:27;SEQ ID NO:29;
    SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:33;SEQ ID NO:
    35;SEQ ID NO:37;SEQ ID NO:38;SEQ ID
    NO:40;SEQ ID NO:42;SEQ ID NO:44;SEQ
    ID NO:46;SEQ ID NO:48;SEQ ID NO:50;S
    EQ ID NO:51;SEQ ID NO:52;SEQ ID NO:6
    0;SEQ ID NO:61の1つまたはそれに相補的な単離した核酸から本
    質的になる、結腸癌または結腸癌の前駆体の存在を検出するプローブ。
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