JP2003508799A - 偏光保存光学系 - Google Patents

偏光保存光学系

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Abstract

(57)【要約】 平面偏光ビームの偏光の直線状態を変えずに、予め選択された角度によって、平面偏光ビーム(371,372)を偏向させるのに使用する偏光保存光学系。その入射光を常にP偏光またはS偏光するように複数の反射表面が配置される。プラズマ光学素子(310、320、330、340)は、鏡化された表面および/または全反射(TIR)表面を含むアセンブリを構成するように使用されるのが好ましい。アセンブリは、また、偏光ビームスプリットコート構成、および/または、複屈折材料を含み得、そのような系を伝搬する直交偏光ビームの間の消光比を向上させる。光学系は様々な用途を有し、古典的なリトロリフレクタで見出される、別の方法で現れる望ましくない偏光回転に関連するエラーをもたらし得る望ましくない偏光効果を減少することにより、測定精度を上げるような、距離測定干渉計法(DMI)の分野の使用に特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、偏光保存光学系および変位測定干渉計(DMI)の使用に関する。
【0002】 非偏光保存リトロリフレクタは、周知であり、入来ビームが入来方向の伝搬方
向に平行な外出ビームとして移動するように方向に対して正確に反転され、光を
180°偏向させるように動作し、それに関して空間的にオフセットする。古典
的なリトロリフレクタは、基本的に3つの相互に垂直な面の表面の交差コーナー
を含み、立方体コーナーリトロリフレクタまたは四面体コーナーリトロリフレク
タとしても知られている。本明細書では、光線は、リトロリフレクタに出入りす
るプロセスにおいて、各120°のセクタからの反射を1回として、一般に3回
反射を経験する。理想的には、反射光線の方向は、入射光線の反対であるが、リ
トロリフレクタの交差コーナーによる反射によって変位が生じる。偏光効果の観
点からの古典的なリトロリフレクタについての主要な問題は、鏡表面について光
線が作る角度はスキューであることである。フレスネル反射公式に沿った、ジョ
ーンズ行列フォーマリズムを用いる詳細な計算は、異なる最初の偏光およびリト
ロリフレクタに対して結果的に生じる偏光を予測するために用いられ得る。小さ
く、直線偏光されたビームがリトロリフレクタの小さなサブアパーチャのみと相
互作用するDMI用途でリトロリフレクタを使用する観点からの、正味の効果は
、幾分かの角度(一般に6°)での偏光面を回転させることである。この現象は
、Retro Induced Polarization Rotation
(RIPR)と呼ばれ、測定された干渉計位相の大きな周期的なエラーを引き起
こし得る干渉計の偏光ビームスプリッタに対してビーム偏光方向を調整不良にす
る。High Stability Plane Mirror Interf
erometers(HSPMI)で生じる特にトラブルとなる周期的なまたは
「サイクリックな」エラーは、1/2ドップラーシフトについての1つの周波数
(および他の周波数)のエラーを生成する。リトロリフレクタの偏光回転特性に
より引き起こされるこのエラーは、極端に大きくなり得、ビームスプリッタの質
に関わらず、生じる。
【0003】 結果として、本発明の第1の目的は、有害な偏光効果をもたらすことなく、ビ
ーム偏光特性を提供する偏光保存光学系を利用する偏光干渉計を提供することで
ある。
【0004】 本発明の別の目的は、従来の立方体コーナーリトロリフレクタの代わりに、偏
光保存光学系を用いる変位測定干渉計を提供することである。
【0005】 本発明のさらなる別の目的は、光学系を通る直交平面偏光ビーム間で偏光混合
が生じずに、任意の角度で平面偏光ビームを偏向させる偏光保存光学系を提供す
ることである。
【0006】 本明細書のさらに別の目的は、複数の波長で使用する偏光保存光学系を提供す
ることである。
【0007】 本発明の他の目的は、部分的に、明らかであり、部分的に、以下の詳細な説明
を添付図面と関連付けて読むと、本明細書中で明らかとなる。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、偏光の線形状態を変えることなく、予め選択された角度で平面偏光
ビームを偏向させるのに使用する偏光保存光学系に関する。本発明の光学系は、
様々な用途を有し、古典的なリトロリフレクタで見出される、別の方法で現れる
望ましくない偏光回転に関連するエラーをもたらし得る望ましくない偏光効果を
減少することにより、測定精度を上げるような、距離測定干渉計法(DMI)の
分野の使用に特に適している。
【0009】 本発明の偏光保存光学系は、配置された複数の反射面を含み、これによって、
入来ビームおよび外出ビームの両方に垂直な入来ビームの伝搬方向の変化は、入
来ビームの変化の方向と反対方向における外出ビームの伝搬方向の変化を引き起
こし、入来ビームに垂直な、入来ビームおよび外出ビームの両方に垂直な直交面
における入来ビームの伝搬方向の変化は、入来ビームの伝搬方向の変化によって
引き起こされる入来ビームの対応する回転と同一である直交面における外出ビー
ムの回転を引き起こし、反射面のそれぞれでの入射面は、それに対する入射ビー
ムの偏光面に直交かまたは平行である。
【0010】 偏光保存光学系は、好適には、複数のプリズム光学素子で製造され、複数の反
射面は、プリズム光学素子の選択された表面を含み、全反射によって好適に動作
する。
【0011】 複数のプリズム光学素子は、好適には、それぞれのプリズム光学素子の少なく
とも1表面は、別のプリズム光学素子の少なくとも1表面に接触し、少なくとも
1ビームスプリッタが含まれ得る一体型アセンブリとして構成される。
【0012】 プリズム光学素子は、ポロプリズム、直角プリズム、ドーブプリズム、ペンタ
プリズム、および「K」プリズムからなる群から選択され、1実施形態は、直角
プリズム、ポロプリズム、およびペンタプリズムの連続的な組み合せを含む。
【0013】 複数の反射面の少なくとも1つは、多層偏光ビームスプリッタコーティング構
成物を面上に形成し得、偏光保存光学系に入る直交偏光ビームとそれから生じる
アップストリームとの間の消光比を高め、そのようなコーティングは、複数の波
長で動作するように構造化され得る。複屈折材料はまた、同様の目的のために、
様々なプリズム光学素子を構築するように使用され得る。
【0014】 出力ビーム対入力ビームの様々な関係は、示され、系の特定の設計ジオメトリ
に依存する。
【0015】 本発明の構造、動作、および方法論は、本発明の他の目的および利点と共に、
各パートが様々な図面に現れる場合に常に各パートの参照符号を有する図面と関
連付けて詳細な説明を読むことによって最大限に理解され得る。
【0016】 (発明の詳細な説明) 本発明は、偏光保存光学系および変位測定干渉計のコンポーネントとしての偏
光保存光学系の使用に関する。従って、偏光保存光学系自体の構造および性質が
、最初に説明され、次いで変位測定干渉計におけるその用途が説明される。
【0017】 本発明の偏光保存光学系の様々な実施形態が説明され、各偏光保存光学系は、
2つの性質を有する。そのような光学系が有する第1の性質は、光学系の反射面
および屈折面のそれぞれの入力ビームの偏光状態および対応する出力ビームの偏
光状態が全て線形である直線偏光の配向面のセットである。直線偏光の配向面の
セットは、本明細書では、固有モードと呼ばれる。従って、光学系は、固有モー
ド状態の直線偏光を有するその系への入力ビームについて、光学系の各反射面お
よび屈折面の入力ビームおよび対応する出力ビームの直線偏光状態を「保存する
」。
【0018】 そのような固有モードを示す光学系のセットは、光学系の任意の反射面または
屈折面のそれぞれでの固有モードの偏光面が、その表面の入射面に平行するかま
たは直交するかのどちらかであるような、反射面および屈折面を含む。
【0019】 本明細書中で説明される様々な実施形態の装置がさらに有する第2の性質は、
変換特性の一定のセットである。変換特性のセットは、入力ビームおよび出力ビ
ームの伝搬方向が平行であり得るかまたは平行であり得ない場合についての、入
力ビームの伝搬方向の変化から生じる光学系からの出力ビームの伝搬方向の変化
の間の特定の関係を説明する。変換特性のこのセットは、本明細書中で変換タイ
プTRetと呼ばれる。
【0020】 図1aは、入射光ビームと射出光ビームとの伝搬方向をそれぞれ示すベクトル
→k1と→k2との間の関係を示す模式的な透視図であり (本明細書において、→k1は、
【0021】
【数1】 を示し、→k2は、
【0022】
【数2】 を示す)、光学系は変換タイプTRetの変換特性を示す。入力および出力ベクト
ルの大きさ、|→k1|および|→k2|はそれぞれ、個々の波数ki=2π/λ
i(i=1、2)である。ここで、λiは、個々のベクトルの波長である。
【0023】 変換タイプTRetの変換特性は、→k’1と→k’2を形成するように、ベクト
ル→k1と→k2について、それぞれ、無限小変化△→k1、対応する無限小変化
△→k2の用語で規定される。無限小変化△→k1および△→k2は、それぞれ|
→k’1|=|→k1|、|→k’2|=|→k2|である、ベクトル→k1と→k2 に直交している。従って、無限小変化△→k1および△→k2は、それぞれ、→k 1 および→k2の直交軸について、→k’1および→k’2の回転を生成する。
【0024】 任意の無限小変化△→k1は、2つの直交無限小ベクトルコンポーネント△→
1‖および△→k1⊥の合計として示され得る。コンポーネント△→k1‖は、
単位ベクトル^a(本明細書において、単位ベクトル
【0025】
【数3】 を^aで示す)に平行なコンポーネントとして定義される。単位ベクトル^aは
、ベクトル積、→k1×→k2として定義される。ここで、→k1および→k2は、
→k1×→k2の大きさ|→k1×→k2|により正規化される、すなわち、
【0026】
【数4】 である。ベクトル→k1、→k2と^aとの関係が、図1bの模式的な透視図に示
される。コンポーネント△→k1⊥は、→k1に直交し、単位ベクトル^aに直交
する、すなわち、^k1×^a(^k1=→k1/k1)である。ベクトル→k1
^a、および^k1×^aの関係は、図1cの模式的な透視図において示される
。△→k1‖および△→k1⊥はそれぞれ、図2および図3の模式的な透視図で示
される。
【0027】 △→k1‖および△→k1⊥に対応する無限小変化△→k2‖および△→k2⊥
それぞれ、変換タイプTRet変換特性を示す光学系の以下の性質を有する。
【0028】 (1)△→k2‖は、ベクトル^aに平行であり、△→k1‖と反対の方向を有
する。
【0029】 (2)△→k2⊥は、→k2および単位ベクトル^aに直交している、すなわち
、^k2×^a(^k2=→k2/k2)に平行であり、△→k2⊥×→k2の方向は
、△→k1⊥×→k1の方向と同じであるというさらなる条件を伴う。
【0030】 ベクトル→k2、^a、および^k2×^aの関係は、図1dの模式的な透視図
で示される。ベクトル△→k1‖および△→k2‖の関係は、図2で模式的な透視
図で示される。ベクトル△→k1⊥および△→k2⊥の関係は、図3の模式的な透
視図で示される。
【0031】 本発明に従う光学系の第1の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプT Ret 変換特性の両方を示す。第1の実施形態は、図4の模式的な透視図として示
される。第1の実施形態は、図4において一様に10で指定される。第1の実施
形態の光学系10は、ポロプリズム20および直角プリズム30を含む。
【0032】 入力ビーム71は、光学系10に入り、出力ビーム72として光学系10を出
る(図4参照)。光学系10を通る入力ビーム71の光路は、図4に示される。
入力ビーム71は、ポロプリズム20の面に垂直に入射し、その後、連続的に、
ポロプリズム20の第1の表面により反射され、次いで、第2の表面により反射
され、直角プリズム30に入り、直角プリズム30の斜辺表面により反射され、
出力ビーム72として、直角プリズム30の面を垂直に出る。ポロプリズム20
の第1および第2の表面の入射面は、他方に対して平行な入射面であり、直角プ
リズム30の斜辺表面の入射面に直交している。
【0033】 第1の実施形態の2つの偏光保存固有モードがある。2つの固有モードの入力
偏光状態は、ポロプリズム20の第1の入射表面に平行であり、第2の入射表面
に直交している。2つの偏光保存固有モードの対応する出力偏光状態はそれぞれ
、直角プリズム30の斜辺表面の入射面に直交し、平行している。固有モードの
偏光状態は、光学系10の反射および屈折についての個々の入射面に平行である
か、または直交であるかのどちらかであるので、固有モードは偏光を保存してい
る。
【0034】 入力ビーム71の伝搬方向の変化より生じる出力72の伝搬方向の変化につい
ての光学系10の変換特性は、タイプTRet変換特性の性質と同じである。これ
は、光学系10を通る入力ビーム71の伝搬方向の変化の影響をマッピングする
ことで、当業者には明らかとなる。
【0035】 本発明に従う光学系の第2の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプT Ret 変換特性の両方を示す。第2の実施形態は、図5の模式的な実施形態として
示される。図5では、第2の実施形態は、110と一様に指定される。光学系1
10は、ポロプリズム120および台形プリズム130を含む。
【0036】 入力ビーム171は、光学系110に入り、出力ビーム172として光学系1
10を出る(図5参照)。光学系110を通る入力ビーム171の光路が図5に
示される。入力ビーム171は、ポロプリズム120の表面に垂直に入射し、そ
の後、連続的に、ポロプリズム120の第1の表面により反射され、次いで、第
2の表面により反射され、台形プリズム130に入り、台形プリズム130の底
面により反射され、出力ビーム172として台形プリズム130の表面を垂直に
出る。台形プリズム130の入射および射出面の長さは、最終用途の要件に従い
、等しいか、または等しくないかである。
【0037】 ポロプリズム120の第1および第2の表面の入射面は、台形プリズム130
の表面の入射面に平行で、直交している。台形プリズム130の入射面および射
出面は平行である。入力ビーム171および出力ビーム172の伝搬方向は、一
般に平行でないか、または直交でない。
【0038】 第2の実施形態の2つの偏光保存固有モードがある。2つの偏光保存固有モー
ドの入力偏光状態は、ポロプリズム120の第1の表面の入射面に平行であり、
第2の表面の入射面に直交している。2つの偏光保存固有モードの対応する出力
偏光状態はそれぞれ、台形プリズム130の射出表面の入射面に直交で、平行で
ある。固有モードの偏光状態は、光学系110の反射および屈折についての個々
の入射面に平行であるか、または直交であるかのどちらかであるので、固有モー
ドは偏光を保存している。
【0039】 入力ビーム171の伝搬方向の変化より生じる出力172の伝搬方向の変化に
ついての光学系110の変換特性は、タイプTRet変換特性の性質と同じである
。これは、光学系110を通る入力ビーム171の伝搬方向の変化の影響をマッ
ピングすると、当業者には明らかとなる。
【0040】 本発明に従う光学系の第3の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプT Ret 変換特性の両方を示す。第3の実施形態は、図6の模式的な透視図として示
される。図6において、第3の実施形態は、210で一様に指定される。第3の
実施形態の光学系210は、ポロプリズム220および反転プリズム230を含
む。
【0041】 入力ビーム271は、光学系210に入り、出力ビーム272として光学系2
10を出る(図6参照)。光学系210を通る入力ビーム271の光路は、図6
に示される。入力ビーム271は、ポロプリズム220の表面に垂直に入射し、
その後、連続して、ポロプリズム220の第1の表面により反射され、次いで、
第2の表面により反射され、ポロプリズム220の射出表面を出て、反転プリズ
ム230の入射表面に入り、反転プリズム230の第1の表面、第2の表面、第
3の表面により反射され、出力ビーム272として反転プリズム230の射出表
面から出る。ポロプリズム270の第1および第2の表面の入射面は、反転プリ
ズム230の第1、第2、第3の表面の入射面に平行で、直交している。反転プ
リズムの第1、第2、および第3の表面の入射面、入射表面、および射出表面は
、平行である。入射ビーム271および射出ビーム272の伝搬方向は、最終用
途の要件に従い、平行であってもよく、または平行でなくてもよい。
【0042】 第3の実施形態の2つの偏光保存固有モードがある。偏光保存固有モードの入
力偏光状態は、ポロプリズム220の第1の表面の入射面に平行であり、第2の
表面の入射面に直交している。2つの偏光保存固有モードの対応する出力偏光状
態はそれぞれ、反転プリズム230の第1、第2、および第3の表面の入射面に
直行で、平行である。固有モードの偏光状態は、光学系210の反射および屈折
についての個々の入射面に平行であるか、または直交であるかのどちらかである
ので、固有モードは偏光を保存している。
【0043】 入力ビーム271の伝搬方向の変化より生じる出力272の伝搬方向の変化に
ついての光学系210の変換特性は、タイプTRet変換特性の性質と同じである
。これは、光学系210を通る入力ビーム271の伝搬方向の変化の影響をマッ
ピングすることで、当業者には明らかとなる。
【0044】 本発明に従う光学系の第4の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプT Ret 変換特性の両方を示す。第4の実施形態は、図7の模式的な透視図として示
される。図7では、第4の実施形態は、310で一様に指定される。光学系31
0は、直角プリズム320、ポロプリズム330、およびペンタプリズム340
を含む。直角プリズム320およびポロプリズム330を含む光学系310のサ
ブシステムは、偏光保存固有モードおよびタイプTRetの両方を示し、サブシス
テムは、第1の実施形態の光学系10と等価である。
【0045】 入力ビーム371は、光学系310に入り、出力372として光学系310を
出る(図7参照)。光学系310を通る入力ビーム371の一部は、図7に示さ
れる。入力ビーム371は、直角プリズム320の表面に垂直に入射し、その後
、直角プリズム320の斜辺表面により反射され、直角プリズム320の射出表
面から出て、ポロプリズム330の入射表面に入り、連続的に、ポロプリズム3
30の第1の表面により反射され、次いで、第2の表面により反射され、ポロプ
リズム330の射出面から出る。ポロプリズム330に入った後、ビーム371
はペンタプリズム340の入射面に入り、その後、ペンタプリズム340の第1
および第2の表面により反射され、射出ビーム372としてペンタプリズム34
0の射出面から垂直に出る。
【0046】 直角プリズム320の斜辺表面の入射面は、ポロプリズム330の第1および
第2の表面の入射面に直交している。ポロプリズム330の第1および第2の表
面の入射面は、ペンタプリズム340の第1および第2の表面の入射面に直交し
ている。入力ビーム371および出力ビーム372の伝搬方向は平行である。
【0047】 第4の実施形態の2つの偏光保存固有モードがある。2つの偏光保存固有モー
ドの入力偏光状態は、直角プリズム370の斜辺表面の入射面に平行で、直交し
ている。2つの偏光保存固有モードの対応する出力偏光状態は、ペンタプリズム
340の第1の入射面に平行で、第2の入射表面に直交している。固有モードの
偏光状態は、光学系310における反射および屈折のそれぞれに対する個々の入
射面に平行しているかまたは直交しているので、固有モードは偏光を保存してい
る。
【0048】 入力ビーム371の伝搬方向の変化より生じる出力372の伝搬方向の変化に
ついての光学系310の変換特性は、タイプTRet変換特性の性質と同じである
。これは、光学系310を通る入力ビーム371の伝搬方向の変化の影響をマッ
ピングすることで、当業者には明らかとなる。
【0049】 本発明に従う光学系の第5の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプT Ret 変換特性の両方を示す。第5の実施形態は、図8の模式的な透視図として示
される。図8では、第5の実施形態は、410で一様に指定される。光学系41
0は、2つのビームスプリッタおよびポロプリズム430を含む。第1のビーム
スプリッタは、直角プリズム421およびビームスプリッティング界面423を
備える台形プリズム422を含む。第2のビームスプリッタは、プリズム441
およびビームスプリッティング界面443を備える直角442プリズムを含む。
【0050】 第5の実施形態は、偏光保存固有モードおよびタイプTRet変換特性の両方を
示す光学素子のサブシステムを含む。光学素子のサブシステムは、ビームスプリ
ッタ界面423を備える台形プリズム422、ポロプリズム430、ビームスプ
リッティング界面443を備えるプリズム441を含む。
【0051】 入力ビーム471および472は、光学系410に入り、出力ビーム475お
よび476として光学系410を出る(図8参照)。光学系410を通る入力ビ
ーム471および472の光路は図8に示される。
【0052】 入力ビーム471および472は第1のビームスプリッタに入り、その偏光面
はビームスプリッティング界面423の個々の入射面に平行なまたは直交してい
る。入力ビーム471および472は、ビームスプリッティング界面423によ
り反射され、次いで、台形プリズム422を出て、ポロプリズム430の表面に
垂直に入射し、連続的に、ポロプリズム430の第1の表面で、次いで、第2の
表面で反射され、ビーム473および474としてそれぞれ、ポロプリズム43
0の垂直に入射した表面から出る。ポロプリズム430の第1および第2の表面
のビーム471および472は、ビームスプリッティング界面423の個々の入
射面に直交しているか、または平行であるかのどちらかである。
【0053】 台形プリズム422およびポロプリズム430を含む光学系410のサブシス
テムは、偏光保存固有モードおよびタイプTRet変換特性の両方を示し、サブシ
ステムは第2の実施形態の光学系110と等価である。ビーム471および47
2は、サブシステムの固有モードおよびサブシステムの光ビームであると分類さ
れる条件を満たす光ビームである。その光ビームにはタイプTRet変換が適用さ
れる。
【0054】 次に、ビーム473および474は、プリズム441の入射面にプリズム44
1入射して入り、連続的に、第1の面により反射され、次いで、ビームスプリッ
ティング界面443に反射され、出力ビーム475および476としてそれぞれ
垂直に入射したプリズム441の射出面から出る。ビーム473および474の
偏光面は、プリズム441の第1の表面およびビームスプリッティング表面の個
々の入射面に平行であるか、または直行している。
【0055】 第5の実施形態の2つの偏光保存固有モードがある。2つの偏光保存固有モー
ドの入力偏光状態は、台形プリズム422のビームスプリッタ界面の入射面に平
行で、直交している。2つの偏光保存固有モードの対応する出力偏光状態はそれ
ぞれ、プリズム441の第1およびビームスプリッティングの入射面に平行で、
直交している。固有モードの偏光状態は、光学系410における反射および屈折
のそれぞれに対する個々の入射面に平行しているかまたは直交しているので、固
有モードは偏光を保存している。
【0056】 入力ビーム471および472の伝搬方向の変化より生じる出力ビーム475
および476の伝搬方向の変化についての光学系410の変換特性は、タイプT Ret 変換特性の性質と同じである。これは、光学系410を通る入力ビーム47
1および472の伝搬方向の変化の影響をマッピングすることで、当業者には明
らかとなる。
【0057】 本発明に従う偏光保存光学系の多数の実施形態を説明してきたが、ここで、そ
のような光学系を組み込んだ、干渉計を形成する実施形態が説明される。
【0058】 本発明に従う光学系の第6の実施形態は、図9の模式的な透視図として示され
る平面鏡干渉計510である。平面鏡干渉計510は、偏光ビームスプリッタ5
13、1/4波長板リタデーション板551、対物鏡553、ならびに一般に5
11および512でそれぞれ指定される第1および第2の偏光保存光学系を含む
。偏光ビーム513のコンポーネントは、偏光界面523を備えるプリズム52
1および522である。第1および第2の偏光保存光学系のそれぞれの説明は、
図7に示される第4の実施形態の偏光保存光学系について与えられた説明と同じ
である。
【0059】 入力ビームは、2つの直交変換ビーム571および572を含み、ビーム57
1は、測定ビームとして機能し、ビーム572は、基準ビームとして機能する。
偏光ビームスプリッタ513は、偏光界面523において、基準ビーム572を
反射し、測定ビーム571を透過する。基準ビームは、第2の偏光保存光学系5
12により反射され、再度偏光ビームスプリッタ513により反射された後に、
ビーム574として出力に戻る。測定ビームは、対物鏡553から2回反射され
、2回位相リタデーション板551を通って対物鏡553を往復し、511の第
1の偏光保存光学系により反射され、偏光ビームスプリッタ513により2回透
過して、2回反射された後にビーム573として出力へと至る。
【0060】 入力ビーム571および572ならびに出力ビーム573および574は、空
間的に分離して、図9で示される。入力ビーム571および572ならびにビー
ム573および574が、本発明の範囲および意図を逸脱することなく、同じ広
さを有するように交互に構成され得ることは、当業者には明らかである。
【0061】 本発明に従う第7の実施形態は、図10の模式的な透視図に示される高安定平
面鏡干渉計600である。高安定平面鏡干渉計600は、偏光ビームスプリッタ
602、1/4位相リタデーション板651および652、対物鏡653、基準
鏡654、および611で一様に指定される偏光保存光学系を含む。偏光ビーム
スプリッタ602のコンポーネントは、偏光界面623を備えるプリズム621
および622である。偏光保存光学系の説明は、図7で示される第4の実施形態
の偏光保存光学系について与えられた説明と同じである。
【0062】 入力ビーム671は、2つの直交偏光ビーム成分を含む。偏光ビームスプリッ
タ602は、偏光界面623において、入力ビーム671の1つの成分を反射ビ
ームとして反射し、測定ビームとして入力ビーム671の第2の成分を透過する
。基準ビームは、基準鏡654によって2回反射され、位相リタデーション板6
52を2回透過して基準鏡654に往復し、611の偏光保存光学系によって反
射され、偏光ビームスプリッタ602により2回反射され、2回透過した後、出
力ビーム673の基準ビーム成分として戻る。測定ビームは、対物鏡653から
2回反射され、位相リタデーション板651を2回通って対物鏡653を往復し
、611の偏光保存光学系により反射され、偏光ビームスプリッタ602により
2回透過し、2回反射された後、出力ビーム673の測定ビーム成分として戻る
【0063】 入力ビーム671の基準および測定ビームおよび出力ビーム673の基準およ
び測定ビームはそれぞれ、同じ広がりを有するように図10で示される。入力ビ
ーム671の基準および測定ビーム成分ならびに出力ビーム673の基準および
測定ビーム成分が、本発明の範囲および意図を逸脱することなく、交互に空間的
に分離するように構成され得ることが当業者には明らかである。
【0064】 本発明に従う第8の実施形態は、図11の模式的な透視図において示される高
安定平面鏡干渉計700である。第8の実施形態は、減少されたサイクリックエ
ラーを示し、測定レグのスプリット1/4位相リタデーション板を供える鏡干渉
計を含む。第8の実施形態の多くの要素は、図10に示される第7の実施形態の
要素と同じ機能を形成し、第8の実施形態の要素番号は、対応する第7の実施形
態の要素より100だけ大きい。第7の実施形態の位相リタデーション板651
の機能は、第8の実施形態において、2つの位相リタデーション板751Aおよ
び751Bにより達成される。
【0065】 位相リタデーション板751Aおよび751Bが互いに傾斜し、これによりサ
イクリックエラーの潜在的なソースを除去する。潜在的なソースは、第7の実施
形態で見受けられる位相リタデーション板651等の位相リタデーション板から
の2つのゴースト反射によるスプリアスビームの生成である。第8の実施形態に
おけるサイクリックエラーの減少の説明は、同一人に譲渡された同時係属中の、
Peter de Grootによる「INTERFEROMETER HAV
ING REDUCED GHOST BEAM EFFECTS」と題する米
国特許出願番号09/386,609号において与えられた、対応する説明と同
じである。その内容は、参考として本明細書中で援用される。位相リタデーショ
ン板の機能は、干渉計の他の表面により、例えば偏光ビームスプリッタの選択さ
れた表面を傾斜させることにより計略的に達成され得る。
【0066】 第8の実施形態の残りの説明は、第7の実施形態に与えられた説明の対応部分
と同じである。
【0067】 本発明に従う第9の実施形態は、図12の模式的な透視図および図13の模式
的な側面図において示された差分平面鏡干渉計800である。差分平面鏡干渉計
800は、シヤー板816、偏光ビームスプリッタ802、1/4位相リタデー
ション板851、対物鏡853、基準鏡854、および811で一様に指定され
る偏光保存光学系を含む。偏光ビームスプリッタ802のコンポーネントは、偏
光界面823を備えるプリズム821および822である。偏光保存光学系の説
明は、図7に示される第4の実施形態の偏光保存光学系に与えられた説明と同じ
である。
【0068】 入力ビーム871は、2つの直交偏光ビーム成分を含む。シヤー板816は、
入力ビーム871のある偏光成分を測定ビーム872として透過する。入力ビー
ム871の第2の偏光成分は、シヤー板816によりはじめに透過され、2回の
内部反射の後に、次いで、1/2波長位相リタデーション板855により基準ビ
ーム873として透過される。1/2波長位相リタデーション板855が配向さ
れ、これにより、測定ビーム872の偏光面に平行であり、図13の面に平行で
あるように、基準ビーム873の偏光面を回転させる。測定ビーム872および
基準ビーム873は、空間的に分離される。
【0069】 測定ビーム872は、対物鏡853により2回反射され、位相リタデーション
板851を2回通って対物鏡853を往復し、偏光保存光学系811により反射
され、偏光ビームスプリッタ802により2回反射され、2回透過した後、測定
ビーム874として戻る。基準鏡854は、2つのアパーチャを含む(図12参
照)。測定ビームは、この2つのアパーチャを通って対物鏡853を往復する。
【0070】 基準ビーム873は、基準鏡854により2回反射され、位相リタデーション
板851から2回通って基準鏡854を往復し、偏光保存光学系811により反
射され、偏光ビームスプリッタ802により2回反射され、2回透過した後、基
準ビーム875として戻る。
【0071】 次に、測定ビーム874は1/2位相リタデーション板856を透過し、次い
で、2回の内部反射の後に、出力ビーム876の測定ビーム成分としてシヤー板
816を透過する。1/2位相リタデーション位相856は、配向され、これに
より、出力ビーム876の測定ビーム成分の偏光面を、測定ビーム874の偏光
面に対して90°回転させる。基準ビーム875は、シヤー板816により、出
力ビーム876の基準ビーム成分として透過する。出力ビーム876の測定およ
び基準ビーム成分は直交偏光される。
【0072】 第9の実施形態の残りの説明は、第7の実施形態について与えられた説明の対
応部分と同じである。
【0073】 本発明に従う第10の実施形態は、図14の模式的な透視図に示される高安定
平面鏡干渉計902である。第10の実施形態の高安定平面鏡干渉計900は、
コラム基準を要求する用途の使用のために構成される。
【0074】 第10の実施形態の多くの要素は、図10に示される第7の実施形態の要素と
同じ機能を形成する。第10の実施形態の要素の要素番号は、対応する第8の実
施形態要素の要素番号より200だけ大きい。鏡955は、基準鏡954と偏光
ビームスプリッタ902との間を移動する基準ビームを反射する。基準鏡954
は、ウエハに放射の焦点を合わせるイメージングシステムを含むコラム等の基準
オブジェクトに取り付けられ、測定鏡953は、ウエハを支持する測定オブジェ
クトとしてウエハステージに取り付けられる。イメージングシステム、放射、ウ
エハ、およびウエハステージは、本明細書中でさらに説明されるリソグラフィ装
置等の、集積回路の製造で用いられるリソグラフィ装置のコンポーネントである
【0075】 第10の実施形態の残りの説明は、第8の実施形態について与えられた説明の
対応部分と同じである。
【0076】 本発明に従う第11の実施形態は、図15の模式的な図で示される双対線形(
dual linear)/角度変位干渉計システム1000である。双対線形
/角度変位干渉計1000の特定のサブシステムは、偏光保存固有モードおよび
タイプTRet変換特性の両方を示す。図15において要素1010として示され
る双対線形/角度変位干渉計は、2つの干渉計を含む。2つの干渉計の出力は、
対物鏡の線形変位および角度変位を生じさせるように組み合わされる。双対線形
/角度変位干渉計1010は、2つの干渉計のそれぞれに高安定平面鏡干渉計を
さらに含み、2つの干渉計は、共通の偏光ビームスプリッタ1002、共通の対
物鏡1053、共通の基準鏡1054、共通の1/4波長位相リタデーション板
1051および1052、共通光源1014を含む。偏光ビームスプリッタ10
02は、偏光界面1023を有するプリズム1021および1022を含む。
【0077】 高安定平面鏡干渉計は、図10に示される第7の実施形態の偏光保存タイプの
それぞれである。高安定平面鏡干渉計は、概して1011および1012で示さ
れる偏光保存光学系を含む。偏光保存光学系は、第4の実施形態の図7に示され
る偏光保存光学系と同じである。
【0078】 共通光源1014はビーム1071を生成する。光源1014は、好適には、
単一周波数レーザーおよび異なる光周波数を有する2つの直交偏光成分を有する
ビーム1071を生成するように構成された音響光学変調器等の光源である。2
つの直交する偏光面は、図15の面に45°の角度で配向される。ビーム107
1は、非偏光ビームスプリッタ1016Aに入射し、その第1の部分は、2つの
高安定平面鏡干渉計の1つの第1の入力ビームとして透過する。ビームスプリッ
タ1016Aに入射するビーム1071の第2の部分は、ビームスプリッタ10
16Aにより反射され、次いで、2つの高安定平面鏡干渉計の他方の第2の入射
ビーム1072として鏡1016Bにより反射される。
【0079】 双対線形/角度変位干渉計1010を通る第1の入力ビームおよび第2の入力
ビーム1072の伝搬は、図15で示され、それぞれ出力ビーム1073および
1074として干渉計1010から出る。出力ビーム1073および1074は
それぞれ、直交偏光される測定および基準ビーム成分を有する。出力ビーム10
73は、混合ビームとして偏光子1055を透過し、混合ビームは、検出器10
61により、好適には、第1の電気的干渉信号または第1のヘテロダイン信号を
生成する光電効果により、検出される。出力ビーム1074は、混合ビームとし
て偏光子1056を透過し、混合ビームは、検出器1062により、好適には、
第2の電気的干渉信号または第2のヘテロダイン信号を生成する光電効果により
、検出される。第1および第2のヘテロダイン信号は、電気プロセッサおよびコ
ンピュータ1065を透過し、対応する第1および第2の相対線形変位を生成す
る。第1および第2の相対線形変位は、対物鏡1053の相対線形変位1075
を生成するように平均され、他方から一方を引いたものである。結果として生じ
る差は、対物鏡1053の相対的角度変位1076を生成するように使用される
【0080】 第11の実施形態の残りの説明は、第7の実施形態について与えられた対応部
分と同じである。
【0081】 本発明に従う第11の実施形態の変形は、双対線形/角度変位干渉計システム
を含む。第11の実施形態の変形は、一定のサイクリックエラーの減少されたソ
ースを示し、双対線形/角度変位干渉計システムの特定のサブシステムは、偏光
保存固有モードおよびタイプTRet変換特性の両方を示す。第11の実施形態の
変形は、2つの高安定平面鏡を含む。高安定平面鏡干渉計の各々は、第8の実施
形態の図11に示された高安定平面鏡干渉計タイプである。
【0082】 第11の実施形態の変形の残りの説明は、第8および第11の実施形態につい
て与えられた説明の対応部分と同じである。
【0083】 本発明に従う第11の実施形態は、図15の模式図として示される双対線形/
角度変位干渉計システム1000である。双対線形/角度変位干渉計システム1
000の一定のサブシステムは、偏向保存固有モードおよびタイプTRef変換特
性の両方を示す。図15に要素1010として示される双対線形/角度変位干渉
計は、対物鏡の線形変位および角度変位を生じるように2つの干渉計の出力が組
み合わされる2つの干渉計を含む。双対線形/角度変位干渉計1010は、2つ
の干渉計のそれぞれに対して高安定性平面鏡干渉計をさらに含み、2つの干渉計
は、共通偏光ビームスプリッタ1002と、共通対物鏡1053と、共通基準鏡
1054と、共通1/4波長位相リタデーション板1051および1052と、
共通光源1014とを含む。偏光ビームスプリッタ1002は、偏光界面102
3を有するプリズム1021および1022を含む。
【0084】 高安定平面鏡干渉計は、図10に示される第7の実施形態のそれぞれの偏光保
存タイプである。高安定平面鏡干渉計は、1011および1012で一般に示さ
れる偏光保存光学系を含む。偏光保存光学系は、第4の実施形態の図7に示され
るものと同じである。
【0085】 共通光源1014はビーム1071を生成する。光源1014は、好適には、
単一周波数レーザーおよび異なる光学周波数を有する2つの直交変換された成分
を有するビーム1071を生成するように配置された音響光学変調器等の光源で
ある。偏光の2つの直交面は、図15の面に45°の角度で配向される。ビーム
1071は、非偏光ビームスプリッタ1016Aに入射し、その第1の部分は、
2つの高安定平面鏡干渉計の一方に第1の入射ビームとして透過される。ビーム
スプリッタ1016Aに入射するビーム1071の第2の部分は、ビームスプリ
ッタ1016Aにより反射され、次いで、2つの高安定平面鏡干渉計の他方に対
する第2の入力ビーム1072として、鏡1016Bにより反射される。
【0086】 双対線形/角度変位干渉計1010を通る第1の入力ビームおよび第2の入力
ビーム1072の伝搬は図15に示され、干渉計1010の射出ビームは出力ビ
ーム1073および1074として個々に示される。出力ビーム1073および
1074のそれぞれは、直交変換された測定および基準ビーム成分を有する。出
力ビーム1073は、検出器1061によって、好適には第1の電気干渉信号ま
たは第1のヘテロダイン信号を生成する光電効果により検出される混合ビームと
して、偏光子1055を透過する。出力ビーム1074は、検出器1062によ
って、好適には第2の電気干渉信号または第2のヘテロダイン信号を生成する光
電効果により検出される混合ビームとして、偏光子1056を透過する。第1お
よび第2のヘテロダイン信号は、電気的プロセッサおよびコンピュータ1065
に伝送され、対応する第1および第2の相対線形変位を生成する。第1および第
2の相対線形変位は平均化され、対物鏡1053の相対線形変位1075および
他方から一方を除いた変位を生成する。ここで、結果として生じる差は、対物鏡
1053の相対角度変位1076を生成するために使用される。
【0087】 第11の実施形態の残りの説明は、第7の実施形態について与えられた説明の
対応部分と同じである。
【0088】 本発明に従う第11の実施形態の変形は、双対線形/角度変位干渉計システム
を含む。第11の実施形態の変形は、特定のサイクリックエラーの減少されたソ
ースを示し、双対線形/角度変位干渉計システムの特定のサブシステムは、偏光
保存固有モードおよびタイプTRet変換特性の両方を示す。第11の実施形態の
変形は、2つの高安定平面鏡干渉計を含む。ここで、高安定平面鏡干渉計のそれ
ぞれは、図11に示される第8の実施形態の高安定平面鏡干渉計タイプである。
【0089】 第11の実施形態の変形の残りの説明は、第8および第11の実施形態につい
て与えられた説明の対応部分と同じである。
【0090】 偏光保存固有モードおよびタイプTRet変換特性を示す光学系の他の例は、本
発明に従う第12の実施形態の光学系である。第12の実施形態は、図16aの
模式的な透視図に示される動的要素1155を備える差分平面鏡干渉計1100
を含む。動的要素1155の配向は、測定ビームを対物鏡1153に垂直に維持
するようにサーボ制御される。
【0091】 入力ビーム1171は、一方が他方と異なる周波数を有する2つの直交偏光成
分を含む。入力ビーム1171は、直角プリズム1141および偏光界面114
3を有する偏菱形プリズム1142を含む第1のビームスプリッタに入る。偏光
界面1143に入射する入力ビーム1171の第1の部分は、測定ビーム117
3として透過する。偏光界面1143に入射する入力ビーム1171の第2の部
分は、反射され、内部反射の後、基準ビーム1174として第1のビームスプリ
ッタを出る。
【0092】 測定ビーム1173および基準ビーム1174はそれぞれ、出力測定ビーム1
175および出力基準ビーム1176として、差分平面鏡干渉計1100を出る
。差分平面鏡干渉計1100を通る測定ビーム1173および基準ビーム117
4の伝搬は図16aに示される。動的鏡1155の配向は、変換器1156A、
1156B、1156Cにより制御される。出力測定ビーム1175および出力
基準1176は、直角プリズム1144、偏菱形プリズム1145、およびビー
ムスプリッティング界面1146を含む第2のビームスプリッタにより混合出力
ビームに組み合わされる。出力ビームは、検出器および信号プロセッサ1160
により受けられる。検出器および信号プロセッサ1160は、動的鏡1155の
サーボ制御に用いるために、例えば、対物鏡1153の線形変位および/または
角度変位について位相検出および位相分析等の情報、ならびに、例えば、出力ビ
ームの測定ビーム成分の伝搬方向の変化の検出等の、ビームのアライメントに関
連する情報を提供する。動的要素を有する他の干渉計と共に、差分平面鏡干渉計
1100の動作は、1999年8月27日に出願した同一人に譲渡された同時係
属中の、Henry A. Hillによる「Interferometry
System Having A Dynamic Beam Steerin
g Assembly For Measuring Angle and D
istance」と題する米国特許出願番号09/384,851号において、
さらに説明される。その同時係属出願は、参考として本明細書中で援用される。
【0093】 図16aに1100として示される光学サブシステム、1/4波長位相リタデ
ーション板1151、および基準鏡1154は、第1の光学系として、入力基準
ビーム1174について偏光保存固有モードおよびタイプTRet変換特性を示す
。光学サブシステム1100、1/4波長位相リタデーション板1151、対物
鏡1153、および固定された配向に対する動的要素1155は、第2の光学サ
ブシステムとして、入力測定ビーム1174についての偏光保存固有モードおよ
びタイプTRet変換特性を示す。
【0094】 光学サブシステム1100はそれぞれ、図16b、図16c、図16d、およ
び図16eに模式的に示される変更されたポロプリズム1121およびプリズム
1125、1129、および1133を含む。表面1128および1130を含
む界面は、偏光ビームスプリッタ界面である。
【0095】 第1の光学系の2つの偏光保存固有モードがある。2つの固有モードの入力偏
光状態はそれぞれ、プリズム1133の表面1136の入射面に直交し、平行で
ある。2つの偏光保存固有モードの対応する出力偏光状態は、プリズム1121
の表面1123の入射面に直交し、平行である。固有モードの偏光状態は、第1
の光学系の反射および屈折それぞれの各入射面に平行であるか、または直交して
いるかのどちらかであるので、固有モードは偏光を保存している。
【0096】 第2の光学系の2つの偏光保存固有モードもある。2つの固有モードの入力偏
光状態はそれぞれ、動的要素1155の第1の表面の入射面に直交し、平行して
いる。動的要素1155の第1の表面の入射面は、ポロプリズム1121の表面
1123における固有モードのビーム入射面に平行である。2つの偏光保存固有
モードの対応する出力偏光状態はそれぞれ、動的要素1155の表面の入射面に
平行で、直行している。固有モードの偏光状態は、第2の光学系の反射および屈
折それぞれの各入射面に平行であるか、または直交しているかのどちらかである
ので、固有モードは偏光を保存している。
【0097】 入力ビーム1173および1174の伝搬方向の変化より生じる出力ビーム1
175および1176の伝搬方向の変化についての第12の実施形態の第1およ
び第2の光学系の変換特性は、タイプTRet変換特性の性質と同じである。これ
は、第1および第2の光学系を通る入力ビーム1173および1174の伝搬方
向の変化の影響をマッピングすると、当業者には明らかとなる。
【0098】 本発明に従う光学系の第13の実施形態は、エンハンスされた偏光ビームスプ
リッタの特性、偏光保存固有モードおよびタイプTRet変換特性の両方を示す。
エンハンスされた偏光ビームスプリッタ特性を示す干渉計の光学系の使用は、例
えば、干渉計で測定された位相差の減少されたサイクリックエラーに至り得る。
【0099】 第13の実施形態は、図17の模式的な透視図に示され、ビームスプリッタお
よび1211で一般に示される偏光保存光学系を含む。ビームスプリッタは、偏
光ビームスプリッティング界面1223を備えるプリズム1221および122
2を含む。偏光保存光学系は、特定の反射表面が偏光特性を備える、第4の実施
形態の図7に示される偏光保存光学系を含む。特定の反射表面は、(偏光保存光
学系の)固有モードに対応するビームを内部反射する偏光保存光学系の直角プリ
ズム、ポロプリズム、およびペンタプリズムの1つ以上のこれらの表面を含み得
る。第13の実施形態について、特定の反射表面は、偏光保存光学系のポロプリ
ズムおよびペンタプリズムの内部反射表面を含む。
【0100】 オプティカルフラット1231、1232、1233、および1234は、光
学級セメント(optical grade cement)によって、または
光学接続(contacting)によってポロプリズムおよびペンタプリズム
の内部反射表面に接合される(図17参照)。紫外線領域にある第13の実施形
態に出入りする光学ビームについて、オプティカルフラット用の好適な取り付け
方法は光学接続である。オプティカルフラットを接合するまたは光学接続する前
に、多層薄膜コーティングはオプティカルフラットの表面および/またはポロプ
リズムおよびペンタプリズムの対応する表面に適用され、その結果、接合または
接続手続きの後、個々の界面は偏光保存逆反射体の固有モードの偏光表面となる
【0101】 偏光表面の対応部分の偏光特性は、偏光ビームスプリッタの偏光界面1223
の部分により反射される(透過する)固有モードについて、偏光保存光学系の偏
光表面の対応部分が好適には固有モードを反射する(反射する)ように選択され
る。結果として、偏光表面は「偏光フィルタ」として有用である。偏光表面は、
偏光ビームスプリッタの偏光界面1223により望まれないビームの反射(透過
)によって生成されるスプリアスビームを透過する。
【0102】 第13の実施形態の偏光ビームスプリッタおよび偏光保存光学系は、本発明の
、第6、第7、第8、第9、第10、第11、および第12の実施形態のサブシ
ステムを含むことがそれぞれの図面を検討すると明らかである。
【0103】 偏光保存光学系の偏光フィルタリング特性はまた、偏光保存光学系の1つ以上
のコンポーネントを、複屈折媒体(例えば、石英、方解石、またはリチウムニオ
ベート)から作製された対応するコンポーネントに代替することにより増大され
るおよび/または達成される。その結果、対応するコンポーネントは偏光子とな
る。
【0104】 複屈折媒体を含むペンタプリズム偏光子1340は、図18に示される。複屈
折媒体の光学軸1341は、図18の面に平行であり、図18に示されるように
変更されたペンタプリズム1340の表面に角度βで配向される。ペンタプリズ
ムの表面の配向および角度βは、入力ビームの所望の偏光成分がペンタプリズム
を伝搬し、ペンタプリズムの偏光保存固有モードとして、偏光フィルタリングを
含むペンタプリズムから出るように選択される。ペンタプリズム偏光子の実施例
は、H.LotemおよびK.Rabinovitchによる、Appl.Op
tics 32(12) pp2017−2020(1993)における、名称
「Penta prism laser polarizer」において説明さ
れる。
【0105】 偏光保存固有モードを示し、偏光フィルタリングをさらに含む光学系は、2つ
の広く分離した波長で(詳細には、2つの調波的に関連する波長で)同時に動作
する干渉計を生成するために使用され得る。2つの波長についての測定および基
準光路は、干渉計の個々の部分で同じ広がりを有し得、詳細には、偏光スプリッ
タ界面で、従来技術の干渉計のサイクリックエラーのソースと比較して両方の波
長でのサイクリックエラーのソースを著しく減少させ得る。
【0106】 上述の干渉計システムは、コンピュータチップ等の大規模集積回路の製造につ
いてのリソグラフィ用途に特に有効であり得る。リソグラフィは、半導体製造産
業を牽引する重要な技術である。オーバーレイの向上は、100nm未満の線幅
(設計規則)に至る5つの最も困難な課題のうちの1つである(the Sem
iconductor Industry Roadmap,P82(1997
)を参照)。オーバーレイは、直接にその性能、すなわち、ウエハおよびレチク
ル(またはマスク)ステージを配置するために用いる距離測定干渉計の精度およ
び正確さに依存する。リソグラフィ装置は50〜100万ドル/年の生産を行い
得るので、性能が向上した距離測定干渉計の経済的価値は重要である。リソグラ
フィツールの歩留まりが1%増加するたびに、集積回路製造者に約100万ドル
/年の経済利得が生じ、リソグラフィ購買者に実質的な競争上の利点が生じる。
【0107】 リソグラフィツールの機能はフォトレジストコーティングされたウエハに空間
的なパターニング放射を向けることである。そのプロセスは、放射を受けるよう
にウエハの位置をどこにするかを決定(アライメント)し、その位置でフォトレ
ジストに放射を与えること(露光)を含む。
【0108】 適切にウエハを配置するためには、ウエハは、専用センサにより計測され得る
ウエハ上にアライメントマークを含む。アライメントマークの測定位置は、ツー
ル内のウエハの位置を規定する。この情報は、ウエハ表面の所望のパターニング
の仕様と共に、空間的なパターニング放射に対して、ウエハのアライメントを導
く。そのような情報に基づいて、フォトレジストコーティングされたウエハを支
持する移動可能ステージは、放射がウエハの正確な位置を露光するようにウエハ
を移動する。
【0109】 露光の間、放射源はパターニングされたレチクルを照明し、パターニングされ
たレチクルは空間的にパターニングされた放射を生成するように放射を散乱する
。レチクルはまたマスクと呼ばれ、これらの用語は以下で交換可能に用いられる
。縮小リソグラフィの場合、縮小レンズは散乱放射を集め、レチクルパターンの
縮小画像を形成する。あるいは、近接印刷(proximity printi
ng)の場合、散乱放射は、ウエハに接触する前の、短い距離(一般には、ミク
ロンのオーダー)を伝搬し、レチクルパターンの1:1画像を生成する。放射は
、フォトレジスト内に放射パターンを潜像に変換する、フォトレジストにおける
光化学プロセスを開始する。
【0110】 上述の干渉計システムは、ウエハおよびレチクルの位置を制御し、ウエハ上に
レチクル画像を記録させる配置機構の重要な構成要素である。
【0111】 一般に、リソグラフィシステムは露光システムと呼ばれ、一般に、照射システ
ムおよびウエハ配置システムを含む。照射システムは、紫外線、可視光、x線、
電子線、またはイオン放射等の放射を与える放射源と、放射にパターンを与える
レチクルまたはマスクとを含み、これにより空間的にパターニングされた放射を
生成する。さらに、縮小リソグラフィの場合について、照射システムは、空間的
なパターニングされた放射をウエハに投射するレンズアセンブリを含み得る。投
射された放射は、ウエハにコーティングされたフォトレジストに露光する。照射
システムはまた、マスクを支持するマスクステージと、マスクを通して向けられ
た放射に対してマスクステージの位置を調整する配置システムとを含む。ウエハ
配置システムは、ウエハを支持するウエハステージと、投射された放射に対して
ウエハステージの位置を調整する配置システムとを含む。集積回路の製造は、複
数の露光工程を含み得る。リソグラフィの一般的な参照例については、例えば、
J.R.SheatsおよびB.W.Smithによる、Microlitho
graphy:Science and Technology(Marcel
Dekker,Inc.,New York,1998)の記載を参照する。
上記の内容は、参考として本明細書中で援用される。
【0112】 上述の干渉計システムは、レンズアセンブリ、放射源、または支持構造等の露
光システムの他のコンポーネントに対してウエハステージおよびマスクステージ
のそれぞれの位置を正確に測定するように使用され得る。そのような場合、干渉
計システムは、静的構造に取り付けられ得、測定対象は、マスクおよびウエハス
テージの一方等の移動可能要素に取り付けられ得る。あるいは、その状況は反転
され得、干渉計システムは、移動可能なオブジェクトに取り付けられ得、測定対
象は静的なオブジェクトに取り付けられ得る。
【0113】 さらに一般的には、干渉計システムは、露光システムの任意のあるコンポーネ
ントの位置を露光システムの任意の他のコンポーネントに対して測定するように
使用され得る。露光システムにおいて、干渉計システムは、あるコンポーネント
により取り付けられ、または支持され、測定対象は、他のコンポーネントにより
取り付けられ、または支持される。
【0114】 干渉計システム1426を用いるリソグラフィスキャナ1400の実施例は、
図19aに示される。干渉計システムは、露光システム内のウエハの位置を正確
に測定するように使用される。ここで、ステージ1422は、露光ステーション
に対してウエハを配置するように使用される。スキャナ1400は、フレーム1
402を含み、フレーム1402は、他の支持構造およびこれらの構造上に保持
されるさまざまなコンポーネントを保持する。露光ベース1404は、レンズハ
ウジング1406をその上部に備える。レンズハウジング1406の上部には、
レチクルまたはマスクを支持するようにレチクルまたはマスクステージ1416
を取り付けられる。露光ステーションに対してマスクを配置する配置システムは
、要素1417により模式的に示される。配置システム1417は、例えば、圧
電変換器要素および対応する制御エレクトロニクスを含み得る。上述された本実
施形態において含まれていないが、上述された1つ以上の干渉計システムはまた
、マスクステージおよび他の移動可能な要素の位置を正確に測定するために使用
され得る。その位置は、リソグラフィック構造を製造するプロセスにおいて、正
確にモニタリングされなければならない(上述のSheats and Smi
th Microlithography:Science and Tech
nologyを参照する)。
【0115】 ウエハステージ1422を運搬する支持ベース1413は、露光ベース140
4の下に吊り下げられる。ステージ1422は、干渉計システム1426により
ステージに向けられた測定ビーム1454を反射する平面鏡を含む。干渉計シス
テム1426に対してステージ1422を配置する配置システムは、要素141
9により模式的に示される。配置システム1419は、例えば、圧電変換器要素
および対応する制御エレクトロニクスを含み得る。測定ビームは、反射して干渉
計システムに戻る。干渉計システムは、露光ベース1404に取り付けられる。
干渉計システムは、上述の実施形態のいずれかであり得る。
【0116】 動作中に、放射ビーム1410(例えば、UVレーザー(図示なし)からの紫
外線(UV)ビーム)は、ビーム形成光学アセンブリ1412を通過し、鏡14
14から反射した後に、下方に移動する。その後、放射ビームは、マスクステー
ジ1416により保持されるマスク(図示なし)を通過する。マスク(図示なし
)は、レンズハウジング1406において保持されるレンズアセンブリ1408
を介してウエハステージ1422のウエハ(図示せず)上に投射される。ベース
1404およびベース1404により支持されるさまざまなコンポーネントは、
スプリング1420により示される減衰システムによって、環境上の振動から遮
断される。
【0117】 リソグラフィスキャナの他の実施形態において、上述された1つ以上の干渉計
システムは、例えば、これらに限定されるわけではないが、ウエハおよびレチク
ル(またはマスク)ステージに関連する複数の軸および角度に沿って距離を測定
するように使用され得る。また、UVレーザービームではなく、x線、電子線、
イオンビーム、および可視光ビーム等を含む他のビームがウエハを露光するよう
に使用され得る。
【0118】 さらに、リソグラフィックスキャナはカラム基準を含み得る。カラム基準にお
いて、干渉計システム1426が、レンズハウジング1406または、干渉計シ
ステム内部の基準光路ではなく放射ビームを向けるいくつか他の構造に基準ビー
ムを向ける。ステージ1422から反射された測定ビーム1454とレンスハウ
ジング1406から反射された基準ビームとを組み合わせた場合に干渉計システ
ム1426により生成される干渉信号は、放射ビームに対するステージの位置の
変化を示す。さらに、他の実施形態において、干渉計システム1426は、レチ
クル(またはマスク)ステージ1416若しくはスキャナシステムの他の移動可
能なコンポーネントの変化を測定するように配置され得る。最後に、干渉計シス
テムは、スキャナに加えてまたはスキャナではなく、ステッパを含むリソグラフ
ィシステムと同様の方法で使用され得る。
【0119】 当該分野に周知のように、リソグラフィは、半導体デバイスを作製する製造方
法の重要な部分である。例えば、米国特許番号第5,483,343号は、その
ような製造方法の工程の外郭を示す。これらの工程は、図19bおよび図19c
を参考として、以下で説明される。図19bは、半導体チップ(例えば、ICま
たはLSI)、液晶パネルまたはCCD等の半導体デバイスを製造する一連のフ
ローチャートである。工程1451は、半導体デバイスの回路を設計する設計プ
ロセスである。工程1452は、回路パターン設計に基づくマスクを製造するプ
ロセスである。工程1453は、シリコン等の材料を用いることによりウエハを
製造するプロセスである。
【0120】 工程1454は、前工程と呼ばれるウエハプロセスである。ここでは、準備さ
れたマスクおよびウエハを用いて、回路が、リソグラフィを介してウエハ上に形
成される。工程1455は組み立て工程であり、組み立て工程は後工程と呼ばれ
る。後工程では、工程1454により処理されたウエハが半導体チップに形成さ
れる。工程1455は、組み立て(ダイシングおよびボンディング)ならびにパ
ッケージング(チップ封入)を含む。工程1456は、工程1455により生産
された半導体デバイスの動作上のチェック、耐久性チェック等が実行される検査
工程である。これらのプロセスにより、半導体デバイスは完成し、出荷される(
工程1457)。
【0121】 図19cは、詳細なウエハプロセスを示すフローチャートである。工程146
1は、ウエハの表面を酸化する酸化プロセスである。工程1462は、ウエハ表
面上に絶縁膜を形成するCVDプロセスである。工程1463は、蒸着法により
ウエハ上に電極を形成する電極形成プロセスである。工程1464は、ウエハに
イオンを注入するイオン注入プロセスである。工程1465は、フォトレジスト
(フォトレジスト材料)をウエハに付与するフォトレジストプロセスである。工
程1466は、上述の露光装置を介してウエハ上に、露光によりマスクの回路パ
ターンを印刷する露光システムである。工程1467は、露光されたウエハを現
像する現像プロセスである。工程1468は、現像されたフォトレジスト画像を
除いた部分を取り除くエッチングプロセスである。工程1469は、エッチング
プロセスを終えた後に、ウエハ上のフォトレジスト材料残留物を取り分けるフォ
トレジスト分離プロセスである。これらのプロセスを繰り返すことによって、回
路パターンは、ウエハ上に形成され、重ね合わされる。
【0122】 上述の干渉計システムはまた、対象の相対位置が正確に測定される必要がある
他の用途で用いられ得る。例えば、基板またはビームを動かしてレーザー、x線
、イオン、または電子ビーム等の書き込みビームが、基板上にパターンを記す用
途において、干渉計システムは、基板と書き込みビームとの間の相対運動を測定
するように使用され得る。
【0123】 例として、模式的なビーム書き込みシステム1500が図20に示される。源
1510は、書き込みビーム1512を生成し、ビームフォーカシングアセンブ
リ1514は、放射ビームを、移動可能なステージ1518により支持される基
板1516に向ける。ステージの相対位置を判定するために、干渉計システム1
520は、基準ビーム1522を、ビームフォーカシングアセンブリ1514上
に取り付けられた鏡1524に向け、測定ビーム1526を、ステージ1518
に取り付けられた鏡1528に向ける。干渉計システム1520は、任意の上述
の干渉計システムを含む。干渉計システムにより測定された位置の変化は、基板
1516上の、書き込みビーム1512の相対位置の変化に対応する。干渉計シ
ステム1520は、基板1516上の書き込みビーム1512の相対位置を示す
測定信号1532を、コントローラ1530に送信する。コントローラ1530
は、出力信号1534を、ステージ1518を支持し、配置するベース1536
に送信する。さらに、コントローラ1530は、書き込みビーム1512の強度
を変化させる、または遮断する源1510に、信号1538を送信する。その結
果、書き込みビームは、基板の選択された位置で、光物理的、光化学的な変化の
みを引き起こすには十分な強度で、基板に接触する。さらに、いくつかの実施形
態において、コントローラ1530は、例えば、信号1544を使用して、ビー
ムフォーカシングアセンブリ1514に基板の領域にわたって書き込みビームを
走査させる。結果として、コントローラ1530は、基板をパターニングするよ
うにシステムの他のコンポーネントを向ける。パターニングは、一般に、コント
ローラに格納された電子設計パターンに基づく。いくつかの用途において、書き
込みビームは、基板上にコーティングされたフォトレジストのパターニングを行
い、他の用途においては、書き込みビームは、直接的に、例えば、エッチャや基
板をパターニングする。
【0124】 そのようなシステムの重要な用途は、上述したリソグラフィ方法で用いられる
マスクおよびレチクルの製造である。例えば、リソグラフィマスクを製造するた
めに、電子ビームは、クロムコーティングされたガラス基板をパターニングする
ように使用され得る。書き込みビームが電子ビームであるそのような場合、ビー
ム書き込みシステムは、電子ビームパスを真空で取り囲む。また、書き込みビー
ムが、例えば、電子またはイオンビームである場合、ビームフォーカシングアセ
ンブリは、真空条件において、荷電粒子の焦点を基板に合わせ、荷電粒子を基板
に向ける四極子レンズ等の電場生成器を含む。書き込みビームが、x線、UV、
または可視光放射等の放射ビームである場合に、ビームフォーカシングアセンブ
リは、放射の焦点を基板に合わせ、放射を基板に向ける対応する光学系を含む。
【0125】 本発明は、本明細書の詳細な説明と関連して説明されたきたが、上述の説明は
、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は
本明細書の特許請求の範囲により規定される。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 図1aは、汎用偏光保存光学系の性質を有する光学系に出入りするビーム間の
関係を示す模式的な透視図である。
【図1b】 図1bは、図1aに示される入力ビームおよび出力ビームと両方のビームに対
する法線ベクトルとの間の関係を示す模式的な透視図である。
【図1c】 図1cは、図1aの入力ビーム、図1bの法線ベクトルとその両方に対する法
線ベクトルとの間の関係を示す模式的な透視図である。
【図1d】 図1dは、図1aの出力ビーム、図1bの法線ベクトルとその両方に対する法
線ベクトルとの間の関係を示す模式的な透視図である。
【図2】 図2は、入力ビームの方向の変化を図1aのその方向と比較し、その変化が図
1bの法線と平行である、図1aの光学系に出入りするビーム間の関係を示す模
式的な透視図である。
【図3】 図3は、入力ビームの方向の変化を図1aのその方向と比較し、その変化が図
1bの法線および図1aの入力ビームに垂直である面にある、図1aの光学系に
出入りするビーム間の関係を示す模式的な透視図である。
【図4】 図4は、入力ビームおよび出力ビームは、ポロプリズムの面に入力ビームが入
る方向の変化を受け、入力ビームおよび出力ビームがオフセットされ、互いに垂
直となるような入力ビームと出力ビームとの間の関係に沿って、直角プリズムと
組み合わせたポロプリズムを含む偏光保存汎用光学系アセンブリの模式的な透視
図である。
【図5】 図5は、入力ビームおよび出力ビームは、ポロプリズムの面に入力ビームが入
る方向の変化を受け、入力ビームおよび出力ビームがオフセットされ、互いに直
角以外になるような入力ビームと出力ビームとの間の関係に沿って、ドーブプリ
ズムと組み合わせたポロプリズムを含む偏光保存汎用光学系アセンブリの模式的
な透視図である。
【図6】 図6は、入力ビームおよび出力ビームは、ポロプリズムの面に入力ビームが入
る方向の変化を受け、入力ビームおよび出力ビームがオフセットされ、互いに平
行になるような入力ビームと出力ビームとの間の関係に沿って、「K」タイププ
リズムと組み合わせたポロプリズムを含む偏光保存汎用光学系アセンブリの模式
的な透視図である。
【図7】 図7は、入力ビームおよび出力ビームがオフセットされ、互いに平行になるよ
うな入力ビームと出力ビームとの間の関係に沿って、直角プリズムおよびペンタ
プリズムと組み合わせたポロプリズムを含み、分解してアセンブリの個々のコン
ポーネントもまた示す、偏光保存汎用光学系アセンブリの模式的な透視図である
【図8】 図8は、ルートプリズムを備える偏光ビームスプリッタと、入力ビームおよび
出力ビームがオフセットされ、互いに平行になり、一列に配置されるような、ア
センブリの2つの入力および2つの出力ビームの間の関係に沿って、2つの直角
プリズムを組み合わせたポロプリズムとを含む、偏光保存汎用光学系アセンブリ
の模式的な透視図である。
【図9】 図9は、図7に示されたタイプの2つの偏光保存光学系アセンブリを用いる平
面鏡干渉計の模式的な透視図である。
【図10】 図10は、図7に示されたタイプの1つの偏光保存光学系アセンブリを用いる
高安定平面鏡干渉計の模式的な透視図である。
【図11】 図11は、偏光ビームスプリッタとオブジェクト(object)鏡との間に
介在する空間内の1/4波長板と共に図7に示されたタイプの1つの偏光保存光
学系アセンブリを用いる高安定平面鏡干渉計の模式的な透視図であり、スプリッ
ト1/4波長板の板は、望ましくない偏光混合を防止するように互いに傾斜する
【図12】 図12は、入力および出力ビームを空間的に分離し、組み合わせる偏光ビーム
スプリッタ表面を備えるシヤープレートと共に図7に示されるタイプの1つの偏
光保存光学系アセンブリを用いる差分平面鏡干渉計の模式的な透視図である。
【図13】 図13は、アセンブリを介して伝搬するビームの移動の様々な光路を示す図1
2の模式的な立面図である。
【図14】 図14は、偏光ビームスプリッタとオブジェクト鏡との間に介在する空間内の
1/4波長板と共に図7に示されたタイプの1つの偏光保存光学系アセンブリを
用いる高安定平面鏡コラムタイプ干渉計の模式的な透視図であり、スプリット1
/4波長板の板は、望ましくない偏光混合を防止するように互いに傾斜する。
【図15】 図15は、直線および角度変位を測定する一対の偏光保存光学系アセンブリを
用いるデュアル高安定干渉計の模式的な透視図である。
【図16a】 図16aは、測定ビームが平面オブジェクト鏡に垂直に配列された状態を維持
することを保証する動的要素と共に、偏光保存光学系を用いる差分平面鏡干渉計
の模式的な透視図である。
【図16b】 図16bは、図16aの干渉計の要素の平面図である。
【図16c】 図16cは、図16aの干渉計の要素の平面図である。
【図16d】 図16dは、図16aの干渉計の要素の平面図である。
【図16e】 図16eは、図16aの干渉計の要素の平面図である。
【図17】 図17は、偏光ビームスプリッタと組み合わせた偏光保存光学系アセンブリの
模式的な透視図であり、光学系システムアセンブリのプリズム要素の1つは、組
合せたアセンブリの消光比をエンハンスするように形成される多層ビームスプリ
ッタ構成物を備える反射面を有する。
【図18】 図18は、2つの同じ複屈折要素で形成されるペンタプリズムの模式的な透視
図である。上記複屈折要素は、2つの同じ広がりの直交偏光成分を有し、上記コ
ンポーネントを、異なる伝搬方向を有し、空間的に分離する2つの外出直交偏光
ビームに分離する。
【図19a】 図19aは、集積回路を製造するための、リソグラフィおよびその用途に関連
する、干渉計システムを用いるリソグラフィ露光システムの模式図である。
【図19b】 図19bは、集積回路を製造するための、リソグラフィおよびその用途に関連
する、集積回路を製造するステップを説明するフローチャートである。
【図19c】 図19cは、集積回路を製造するための、リソグラフィおよびその用途に関連
する、集積回路を製造するステップを説明するフローチャートである。
【図20】 図20は、干渉計システムを用いるビーム書き込みシステムの模式図である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光保存光学系であって、該光学系は、入力ビームと出力ビ
    ームとの両方に対して垂直な、該入力ビームの伝搬方向の変化により、該入力ビ
    ームの変化の方向に対向する方向に該出力ビームを伝搬方向が変化し、該入力ビ
    ームに垂直で、該入力ビームと該出力ビームとの両方の垂線に対して直交する平
    面における該入力ビームの伝搬方向が変化し、該入力ビームの伝搬方向の変化に
    よって生じる該入力ビームに対応する回転と同じように該平面における該出力ビ
    ームの回転が生じるように配置される複数の反射表面を含み、該反射表面の各々
    における入射面は、入射ビームの偏光面に直交または平行のいずれかである、偏
    光保存光学系。
  2. 【請求項2】 前記偏光保存光学系は、複数のプリズム光学素子から製造さ
    れ、前記複数の反射表面は、該複数のプリズム光学素子の選択された表面を含む
    、請求項1に記載の偏光保存光学系。
  3. 【請求項3】 前記複数のプリズム光学素子の表面の少なくとも1つは、全
    反射によって動作する、請求項2に記載の偏光保存光学系。
  4. 【請求項4】 前記複数のプリズム光学素子は、各プリズム光学素子の少な
    くとも1つの表面が、該複数のプリズム光学素子のうちの別のプリズム光学素子
    の少なくとも1つの表面と接触する、集積アセンブリを含む、請求項2に記載の
    偏光保存光学系。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの偏光ビームスプリッタをさらに含む、請求
    項2に記載の偏光保存光学系。
  6. 【請求項6】 前記集積アセンプリは、少なくとも1つの偏光ビームスプリ
    ッタをさらに含む、請求項4に記載の偏光保存光学系。
  7. 【請求項7】 前記光学系の前記プリズム素子は、ポロプリズム、直角プリ
    ズム、ドーブプリズム、ペンタプリズム、「K」プリズムからなる群から選択さ
    れた少なくとも1つのプリズム素子を含む、請求項2に記載の偏光保存光学系。
  8. 【請求項8】 前記プリズム素子は、直角プリズム、ポロプリズム、ペンタ
    プリズムを含む、請求項2に記載の偏光保存光学系。
  9. 【請求項9】 前記複数の反射表面の少なくとも1つは鏡を含む、請求項1
    に記載の偏光保存光学系。
  10. 【請求項10】 前記複数の反射表面の少なくとも1つが、その上に、多層
    偏光ビームスプリッタコーティング配置を形成し、そのアップストリームから出
    て、前記偏光保存光学系に入射する直交偏光ビームの間の消光比を増加させる、
    請求項1に記載の偏光保存光学系。
  11. 【請求項11】 前記複数のプリズム光学素子の少なくとも1つは、複屈折
    光学材料から形成される、請求項2に記載の偏光保存光学系。
  12. 【請求項12】 前記複数の反射表面は、前記ビームが前記偏光保存光学系
    に実質的に平行に入射および射出し、お互いに対してオフセットがあるように、
    お互いに対して構成および配置される、請求項1に記載の偏光保存光学系。
  13. 【請求項13】 前記複数の反射表面は、前記ビームが前記偏光保存光学系
    にお互いに実質的に直角で入射および射出するように、お互いに構成および配置
    される、請求項1に記載の偏光保存光学系。
  14. 【請求項14】 前記複数の反射表面は、前記ビームが前記偏光保存光学系
    にお互いに実質的に直角で入射および射出し、お互いのオフセットが平面内にあ
    るように、お互いに対してさらに構成および配置される、請求項13に記載の偏
    光保存光学系。
  15. 【請求項15】 前記偏光保存光学系に入射するビームのアレイは、射出ビ
    ームのアレイが該入射ビームのアレイに実質的に平行であるように、射出するよ
    うに、前記複数の反射表面はお互いに対してさらに構成および配置され、該入射
    ビームのアレイは、該射出ビームのアレイに対して、両方が存在する同じ平面内
    でオフセットがある、請求項12に記載の偏光保存光学系。
  16. 【請求項16】 前記偏光保存光学系に入射するビームのアレイは、射出ビ
    ームのアレイが該入射ビームのアレイに実質的に平行であるように、射出するよ
    うに、前記複数の反射表面はお互いに対してさらに構成および配置され、該入射
    ビームのアレイは、お互い対してオフセットがある平面内に存在する、請求項1
    2に記載の偏光保存光学系。
  17. 【請求項17】 前記ビームが180度とは異なる予め選択された角度で前
    記偏光保存光学系に入射および射出するように、前記複数の反射表面は、お互い
    に構成および配置される、請求項1に記載の偏光保存光学系。
  18. 【請求項18】 前記複数のプリズム光学素子は、光ビームの入射から射出
    するまで順番に、ポロプリズムと直角プリズムとを含む、請求項2に記載の偏光
    保存光学系。
  19. 【請求項19】 前記複数のプリズム光学素子は、光ビームの入射から射出
    するまで順番に、ポロプリズムとドーブプリズムとを含む、請求項2に記載の偏
    光保存光学系。
  20. 【請求項20】 前記複数のプリズム光学素子は、光ビームの入射から射出
    するまで順番に、直角プリズムとポロプリズムとペンタプリズムとを含む、請求
    項2に記載の偏光保存光学系。
  21. 【請求項21】 前記直角プリズムのある面が入口面として機能し、前記ペ
    ンタプリズムのある面が出口面として機能し、該入口面および該出口面はお互い
    に平行である、請求項20に記載の偏光保存光学系。
  22. 【請求項22】 前記直角プリズムの入口面のアップストリームに配置され
    る少なくとも1つの偏光ビームスプリッタをさらに含む、請求項21に記載の偏
    光保存光学系。
  23. 【請求項23】 前記偏光ビームスプリッタのある表面と、前記直角プリズ
    ムの前記入口面とは、お互いに光学的に接触している、請求項22に記載の偏光
    保存光学系。
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