JP2003505926A - 送信ダイバーシチを用いるチャネル推定方法及び装置 - Google Patents

送信ダイバーシチを用いるチャネル推定方法及び装置

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JP2003505926A JP2001511023A JP2001511023A JP2003505926A JP 2003505926 A JP2003505926 A JP 2003505926A JP 2001511023 A JP2001511023 A JP 2001511023A JP 2001511023 A JP2001511023 A JP 2001511023A JP 2003505926 A JP2003505926 A JP 2003505926A
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Abstract

(57)【要約】 送信ダイバーシチを用いる無線通信システムにおけるチャネルを推定する方法及び装置が説明される。送信ダイバーシチチャネルに関するチャネル係数g 11、g 12、g 21、g 22は、基地局(BS)及び少なくとも1つの移動局(MS)を有し、BSに関連する少なくとも2つのアンテナから、少なくとも2つの伝播経路を介して送信される送信ダイバーシチチャネルを含む無線通信システムにおいて推定される。BSからMSへ、送信ダイバーシチチャネルを介して送信するため、パイロットシンボル系列が少なくとも2つのアンテナの各々に供給される。シンボル列r1、r2、r3、r4がMSにおいて送信ダイバーシチチャネルから受信され、パイロットシンボル系列の値の行列Pが、行列Pのフルランク状態を満たす関係に従って設定される。行列PはP-1とともにメモリに格納されても良い。チャネル推定は行列及び受信系列を用いて決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景技術) 本発明は送信ダイバーシチが使用される際の移動受信機におけるチャネル推定
に関する。特に、本発明はパイロット信号を用いる送信ダイバーシチ環境におけ
るチャネル推定に関する。
【0002】 送信ダイバーシチは2つのアンテナからのデータ送信を含む技術であり、フェ
ージングマージンを向上するために用いられる。より具体的には、送信ダイバー
シチ及び対応するダイバーシチ受信を用いる移動無線通信システムにおいて、1
つの信号は、同一の情報を持つ信号で変調され、2つ又は3つ以上の独立した信
号源から発し、任意の瞬間においてその伝送特性が異なりうる複数の信号を合成
することによって得られる。ダイバーシチ送信及び受信はフェージング、停電(o
utages)及び回路故障の影響を克服し、信頼性及び良好な信号品質を得るために
用いられる。ダイバーシチ送信及び受信を用いる無線通信システムにおいて、受
信信号の品質向上は回路停止及び故障だけでなく、信号のフェージング特性の独
立性にも依存する。
【0003】 無線通信におけるフェージングは受信信号の1つ又は複数の周波数成分の振幅
及び/又は相対位相の時間変動と見ることができる。フェージングは無線通信シ
ステムでは一般にエアインタフェースである伝送媒体の伝播経路特性が時間と共
に変動することによって発生する。従って、例えば、地理的領域又はサービス領
域全体に渡って必要なサービス品質が維持されることを保証する目的のためのフ
ェージングマージンを、十分なシステム利得又は予期される信号フェージングに
適応するための感度を提供する設計上の許容量として定義可能である。フェージ
ングマージンは、システム性能が例えば移動局(MS)による受信が可能な特定
の閾値を下回ることなしに削減可能な受信信号レベルの量を表す。
【0004】 送信ダイバーシチは例えば、2つのアンテナからの独立した送信によって実現
することができる。例えば、2つの基地局に関連する2つのアンテナから送信す
ることによって、伝播経路特性に対するチャネル雑音又は他の変化に起因して1
つ又は両方の伝播経路に信号フェージングが生じても、通信の完全性の崩壊に対
する感度が低くなる。BSはデータ及び制御信号の両方をMSに送信しうる。さ
らに、所定の信号、例えばパイロット信号をBSからMSに送信するのは一般的
なことである。
【0005】 パイロット信号は、例えば無線通信システムのエアインタフェース上を、監視
、制御、等価、連続性、同期又は参照を目的として、通常単一周波数で送信され
る信号である。周波数ホッピングシステムの急増により、パイロット関連情報搬
送のためにいくつかの独立したパイロット周波数を用いねばならない場合がある
。そのようなシステムにおけるパイロット信号は、所定のシンボルの列を含むこ
とができる。このような所定のシンボルは、受信機がチャネル推定を行うために
用いることの可能な既知の情報を提供しうる。
【0006】 送信ダイバーシチを用いるシステムの場合、異なるパイロット信号又はパイロ
ットシンボルが2つのアンテナ上で送信される。これは2つのBSアンテナによ
って送信された信号の各々のチャネル推定をMSが得ることを可能にする。チャ
ネル推定は、例えばシンボル間干渉(ISI)を生成することで、エアインタフ
ェースが送信されたシンボルに影響を与える方法を受信機が特徴づけることを可
能にする。従って、チャネル推定は信号フェージング及び類似の事象が発生した
場合、受信信号からの情報復元を容易にする。既知のパイロット信号を用いるチ
ャネル推定は、他のシステムが依然として受信された信号の事前知識なしにエア
インタフェースの特徴付けを試みる一方で、受信機に受信された信号の性質に関
するいくらかの情報、例えば干渉推定(coherent estimation)を提供する。
【0007】 MSに、送信ダイバーシチのシナリオにあるような、2つのアンテナから送信
された信号に基づく個々のチャネル推定を行う機会を与えるため、異なるパイロ
ットシンボル系列が2つのアンテナで送信される。そのようなパイロットパター
ン方式の1つが3GPP規格において記述されている。3GPP(3rd Generatio
n Partnership Project)、3GPP RAN 25.211 V2.1.0, June 1999, Section 5.3.2
を参照されたい。また、その記述は本明細書に参照として組み込まれる。
【0008】 送信ダイバーシチ符号化パイロットを用いるチャネル推定方法はグループ化に
依存し、例えば2組のチャネル推定を生成するためにパイロットシンボルを交互
にする。従来のシステムは、パイロットシンボルが送信されるチャネルがある期
間、例えば3又は4シンボル期間一定であると仮定している。しかし、3シンボ
ルの間チャネルが一定であるという仮定が不正確でありうるという点において問
題が発生する。そのような仮定は、例えば高い拡散係数に加えて大きなドップラ
シフトが起こった際に例えば見られる、急速に経時変化するチャネルに対する送
信ダイバーシチシナリオにおいて特に問題である。
【0009】 一般に、高い拡散係数に関連してさらに問題が生じる。例えばDS−CDMA
システムに関連する拡散係数はシンボルのチップ長、例えば拡散系列において情
報ビット又はシンボルあたりに送信されるビット又はシンボル数に関連する。高
い拡散係数は1シンボルの期間が長いことを示す。期間の長いシンボルはチャネ
ル特性の経時変化による様々な異常に影響を受けやすいことが理解できよう。
【0010】 従って、本技術分野において、チャネル推定を形成するために一定であるべき
連続パイロットシンボル数に依存せず、送信ダイバーシチシステムにおけるチャ
ネル推定を改善するための方法及び装置に対する要求が存在することが理解され
よう。そのような方法及び装置は、チャネルオーバヘッドが削減され、ペイロー
ドを搬送するための改善された帯域を実現し、シンボル検出を向上させる。
【0011】 (発明の概要) 従って、本発明の目的は、送信ダイバーシチチャネルにおけるチャネル推定を
決定する方法及び装置を提供することにある。
【0012】 本発明の別の目的は経時変化するチャネルに対するチャネル推定を向上させる
パイロットシンボル系列を用いるチャネル推定を提供することにある。
【0013】 本発明の1つの見地によれば、上述した目的及び他の目的は、無線通信システ
ムにおける送信ダイバーシチチャネルに関するチャネル係数g 11、g 12、g 21 、g 22を推定するための方法及び装置を提供することにある。そのような
無線通信システムにおいて、パイロットシンボル系列の選択はBS又は類似の送
信機によって実行されても良いが、無線通信システムは基地局(BS)及び少な
くとも1つの移動局(MS)を有してもよい。送信ダイバーシチチャネルはBS
又は類似の送信機に付随した少なくとも2つのアンテナから、少なくとも2つの
伝播経路上を送信されるであろう。BSは、好ましくはMSへ、送信ダイバーシ
チチャネル上で送信するための2つのアンテナのそれぞれに対してパイロットシ
ンボル系列を供給することができる。MSは例えば送信ダイバーシチチャネル上
でシンボル列r1、r2、r3、r4を受信することができ、チャネル推定を容易に
するため、前記パイロットシンボルの列の値の行列Pを以下の関係に従って定め
る。
【0014】 ここで、パイロットシンボル系列は行列Pがフルランク(full rank)を有するよ
うに選択することができる。従って、チャネル係数g 11、g 12、g 21、g 22 は前記行列P及び前記シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて決定すること
ができる。行列P-1をさらにメモリに格納し、また読み出しても良い。
【0015】 パイロットシンボル系列は例えば、第1の(1つの)アンテナに関連した第1
系列p1、p2、p3及びp4と、第2の(1つの)アンテナに関連した第2系列p 1 、−p* 4、−p3及びp* 2を含むことができる。行列Pがフルランクを有するよ
う、系列は例えばp1=−1−j、p2=−1−j、p3=−1−j及びp4=−1
+jを含む値を用いることができる。従って、行列Pは以下の形式となりうる。
【0016】 本発明の別の実施形態において、送信ダイバーシチチャネルに関するチャネル
係数g 11、g 12、g 21、g 22を推定する方法はMSで実施することがで
きる。送信ダイバーシチチャネルは上述の通りでよく、例えばBS等の送信機に
付随する少なくとも2つのアンテナから、少なくとも2つの伝播経路を介して送
信される。MSは送信ダイバーシチチャネルからシンボル列r1、r2、r3、r4 を受信し、以下の関係に従って既知のパイロットシンボル系列の値の行列Pを決
定する。
【0017】 ここで、既知のパイロットシンボル系列は前記行列Pがフルランクを持つように
選択される。従って、チャネル推定用のチャネル係数g 11、g 12、g 21
22は行列P及び受信シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて決定することが
できる。行列P-1をさらにメモリに格納し、また読み出しても良い。
【0018】 推定を容易にするため、パイロットシンボル系列は第1の(複数の)アンテナ
に関連した第1系列p1、p2、p3及びp4と、第2の(複数の)アンテナに関連
した第2系列p1、−p* 4、−p3及びp* 2を含むことができる。行列Pがフルラ
ンクを達成するよう、系列は例えばp1=−1−j、p2=−1−j、p3=−1
−j及びp4=−1+jを含む値を用いることができる。従って、行列Pは好ま
しくは以下の形式を有する。
【0019】 本発明の目的及び長所は以下の詳細な説明を図面と共に読むことで理解されよ
う。
【0020】 (詳細な説明) 本発明の様々な特徴を図面に関して説明する。図面において、類似の部分は同
一の参照符号によって表される。
【0021】 本発明の典型的な実施形態によれば、送信ダイバーシチを用いる無線通信シス
テム内で信号が受信される受信機における改善されたチャネル推定を提供するた
めの方法及び装置が示される。本発明のチャネル推定方法及び装置は、従来技術
の方法が3又はそれ以上のシンボルの間チャネルが一定であるという仮定に基づ
いていたのに対し、チャネルが2シンボル時間一定であるという仮定の下にチャ
ネルを形成する。従って、チャネル推定はより高速に実施され、時間変動するチ
ャネルにおけるチャネル推定を改善する。
【0022】 図1には、アンテナ1(110)及びアンテナ2(120)を含むいくつかの
部品を有する典型的な送信機100が示されている。データ180は送信機10
0内部で生成され、例えばチャネル符号化データ、送信電力制御(Trasmit Powe
r Contorol:TPC)コマンド、オプションである搬送フォーマット結合インジ
ケータ(Transport Format Combination Indicator:TFCI)等を含む。本発
明によるダウンリンク送信ダイバーシチシステムのために、データ180は入力
ライン171上を、空間時間ブロック符号化ベースの送信ダイバーシチ(Space
Time block coding based Transmit Diversity:STTD)符号化器170へ入
力される。
【0023】 データ180はまた、非ダイバーシチシステムにおいて実施されるのと同様に
、速度マッチング(rate matching)、インタリーブ等の処理の対象となってもよ
い。さらに、STTD符号化器170が符号化データを多重化器140へ受け渡
すことが好ましい。符号化データは多重化器140において、送信アンテナ11
0及び120にそれぞれ向けられた出力143及び144へルーティングされる
ことが可能である。ダイバーシチパイロット信号150及び160もまた、入力
ライン141及び142上をそれぞれ多重化器140へ入力され、アンテナ11
0及び120で出力するためにSTTD符号化データと共にパッケージ化される
。チャネライゼーション符号、スクランブル符号等が入力130に供給され、入
力131及び132を介してこれら符号は多重化器140の出力信号143及び
144と加算ジャンクション145及び146で結合されることが好ましい。
【0024】 統合信号出力147及び148はアンテナ110及び120上をエアインタフ
ェースチャネル111及び121をそれぞれ介してMS190へ送信され、本発
明に従って出力情報の送信ダイバーシチを実現する。好ましくは、MS190が
本技術分野で一般的であるような、例えばアンテナ191、プロセッサ192及
びメモリ193を含むことに留意されたい。
【0025】 図2に、スーパーフレーム230、フレーム220及びタイムスロット210
のレベルにおける典型的なデータチャネルマッピング200を示す。格別重要な
のはタイムスロットフォーマット210であり、タイムスロットフォーマット2
10は他の情報はもとより、本発明によるパイロット信号215を含む。加えて
、タイムスロットフォーマット210はTFCIブロック211、データ1ブロ
ック212、TPCブロック213及びデータ2ブロック214を含むことがで
きる。ここでTFCIブロック211、データ1ブロック212、TPCブロッ
ク213及びデータ2ブロック214で表される送信データはダイバーシチ送信
機100内の両方のアンテナ110及び120に対して同一であって良いが、以
下により詳しく説明するように、パイロット信号215はどちらのアンテナが特
定の信号グループの送信に用いられるかによって異ならせることができる。
【0026】 図3に、例えばアンテナ110及び120でそれぞれ送信される信号に対応し
た、2つの異なるパイロット系列310及び320が示される。図示されるよう
に、各パイロット系列は4つの符号化パイロットシンボルを含む。MS190に
おいて、例えば、パイロットシンボルはエアインタフェースチャネル111及び
112を介して4つのシンボルとして受信される。パイロット系列310につい
ては、パイロットシンボルp1311、p2312、p3313及びp4314が含
まれる。パイロット系列320については、パイロットシンボルp1321、−
* 4322(p4314の負の共役)、−p3323及びp* 2324(p2312
の共役)が含まれる。
【0027】 送信ダイバーシチシステム100について、受信シンボルをr1、r2、r3
びr4とする。送信処理は以下のようにモデル化される。
【0028】 r1=h111+h212+n1 (3) r2=h122−h224 *+n2 (4) r3=h133−h233+n3 (5) r4=h144−h242 *+n4 (6)
【0029】 ここで、hij∈Cはチャネル係数、nj∈Cは加算されるノイズ、そしてpj∈C
は上述したパイロットシンボルである。チャネル係数hijはアンテナ1(110
)及びアンテナ2(120)に対して異なり、時間変動する。MS190のタス
クは、受信したシンボルrjを用いてhijを推定することである。このタスクは
チャネル推定問題の別名でも知られる。
【0030】 送信ダイバーシチ符号化されたパイロット系列310及び320を用いたチャ
ネル推定は、チャネル推定の第1のセット及び第2のセットを得るため、r1
3並びにr2とr4をグループ化することを要求する。パイロットパターン符号
化の構成は、通常そのようなアプローチに適している。受信シンボルr1とr3
、例えば、パイロットシンボルp1(311)及びp3(313)に依存する。第
2のチャネル推定r2とr4は、例えばパイロットシンボルp2(312)及びp4 (314)に依存する。パイロット系列310及び320に関連するチャネルは
3シンボルの期間一定であると仮定しても良い。そのような仮定は新しいチャネ
ル係数f11、f21、f12及びf22の間に以下の関係を導く。
【0031】 f11=h11=h13 (5) f12=h12=h14 (6) f21=h21=h23 (7) f22=h22=h24 (8)
【0032】 受信信号は以下のように記述できる。 r1=f111+f211+n1 (9) r3=f113−f213+n3 (10)
【0033】 そして、チャネル推定の第1のセットは以下のように形成できる。 ここで、 である。
【0034】 P1がフルランク行列であるため、ゼロでないパイロットシンボルp1(311
)及びp3(313)に対して、逆行列が存在する。同様の方法を第2(p2(3
12))及び第4(p4(314))に適用すると、パイロットシンボルはチャ
ネル推定 を与える。ここで、 である。
【0035】 繰り返すが、行列P2がフルランク行列であるため、ゼロでないパイロットシン
ボルに対して逆行列が存在する。しかし、説明したチャネル推定方法には、チャ
ネルが3シンボルの間一定であるという仮定が時間変動チャネルの場合に不十分
であるという問題がある。この3シンボルの仮定は、上述したように、例えばひ
どいドップラシフトがあり、高い拡散係数で情報を伝搬するチャネルに対しては
効力がないであろう。
【0036】 本発明による解決策は、アンテナ1(110)及びアンテナ2(120)に関
連したそれらがパイロット系列中2パイロットシンボル、例えば、アンテナ1(
110)によって送信されるパイロット系列310に関連するp1(311)及
びp3(313)の間だけ一定であるかのようなモデリングチャネルを提供する
。アンテナ1(110)チャネル係数としてg11が、アンテナ2(120)チャ
ネル係数としてg21が導入されたとする。パイロット系列の最後の2シンボル、
例えばアンテナ1(110)についてのp3(313)及びp4(314)に対し
、アンテナ1(110)についてのチャネル係数はg12、アンテナ2(120)
についてはg22である。そのような関係は以下のような仮定を与える。
【0037】 g11=h11=h12 (15) g12=h13=h14 (16) g21=h21=h22 (17) g22=h23=h24 (18)
【0038】 本発明によれば、連続したチャネル係数のみが等しいものとして仮定されること
が重要である。受信信号は以下のように記述できる。
【0039】 ここで、 である。行列Pがフルランクを有する場合、チャネル推定は以下のように得るこ
とができる。
【0040】 本発明によるチャネル推定の有効性は、例えば式(20)における行列Pのラン
ク状態に依存する。しかし、Pのランク状態を満たすいくつかのパイロットシン
ボル系列が存在する。そのようなパイロット系列の一例は、p1=−1−j、p2 =−1−j、p3=−1−j及びp4=−1+jである。従って、行列Pに対する
適切なランク状態を達成するようにパイロット系列310及び320を選択する
ことが重要である。本発明によるチャネル推定方法はまた、パイロット系列31
0及び320の個々のパイロットシンボルのパイロットパターンを選択するため
の基準をも生み出す。本発明によるパイロットパターンの選択が行列Pをフルラ
ンクにすることもまた重要である。
【0041】 本発明のチャネル推定方法の1つの実施形態は直接実施することも可能である
。そのような典型的な実施形態に対する逆行列は以下のような形式を有すること
ができる。 ここで、*はゼロでない可能性のある要素を示す。逆行列は周知の方法で事前に
計算し、MS190に付随するメモリに格納しておくことができる。典型的なチ
ャネル推定子は
【0042】 として直接実施される。ここで、式(22)におけるゼロの構成は、より効率的
な実施を行うために利用可能である。典型的な実施形態を特定のパイロットパタ
ーンを用いて説明したが、同一特性を有する送信ダイバーシチ符号化に対して好
適な、類似の変形パイロットパターンが存在することに留意すべきである。この
ようなパターンの全ては、列挙することなく本発明によるものと予期される。
【0043】 本発明に従ってチャネル推定を得るための典型的な処理400のフローチャー
トが図4に示される。処理はブロック410から開始し、ここでは初期化及び他
のルーティング方式(routing formalities)が実施され、矢印(arc)411に沿っ
てブロック420へ進む。ここではパイロット系列310及び320といったパ
イロット系列が基地局送信機の各アンテナ1(110)及びアンテナ2(120
)にそれぞれ供給される。従って、パイロット系列310及び320は、それぞ
れが例えば基地局に付随するアンテナ110及び120を用いて、送信ダイバー
シチチャネル上を送信される。
【0044】 MS190等のMSは、パイロットシンボルとして知られるシンボルr1、r2 、r3及びr4を受信する。この時点で行列Pは矢印421に従ってブロック44
0で設定され、ここでパイロットシンボルはブロック420から受信され、矢印
431はブロック430から受信されたシンボルを表す。行列Pは行列をリアル
タイムに構築することによっても、好ましくは例えばメモリ193から読み出す
ことによっても設定可能であることに注意すべきである。行列Pはブロック42
0で選択されたようにパイロット系列を反映することが好ましい。ブロック43
0からの受信シンボルr1、r2、r3及びr4と、ブロック440からの行列Pを
用い、例えば式(23)の関係に従って、チャネル係数g 11、g 12、g 21 、g 22がブロック460において計算される。必要なら、ブロック470で示
されるように処理400を繰り返しても良い。
【0045】 本発明を特定の実施形態に関して説明してきた。しかし、本施術分野の当業者
は上述した好ましい実施形態と異なる特定の形式で本発明を実施可能であること
を容易に理解するであろう。これは本発明の精神を離れることなく実行すること
ができる。好ましい実施形態は単なる例証であり、いかなる意味においても限定
的なものと解釈すべきでない。本発明の範囲は上述の説明ではなく添付の請求範
囲で与えられ、請求項の範囲に含まれる全ての変形物及び等価物は請求項に包含
されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による典型的なダイバーシチ送信機を示す図である。
【図2】 図1の典型的なダイバーシチ送信機によって、本発明に従って送信される情報
のための典型的なチャネルフォーマットを示す図である。
【図3】 本発明に従って、図1のダイバーシチ送信機によって送信される典型的なパイ
ロット系列を示す図である。
【図4】 本発明の典型的な実施形態に従ったチャネル推定方法の、適用におけるステッ
プを示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年10月5日(2001.10.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】 MSに、送信ダイバーシチのシナリオにあるような、2つのアンテナから送信
された信号に基づく個々のチャネル推定を行う機会を与えるため、異なるパイロ
ットシンボル系列が2つのアンテナで送信される。そのようなパイロットパター
ン方式の1つが3GPP規格において記述されている。3GPP(3rd Generatio
n Partnership Project)、3GPP RAN 25.211 V2.1.0, June 1999, Section 5.3.2
を参照されたい。また、その記述は本明細書に参照として組み込まれる。 IEEE. Trans. On Communications, Vol. 47, No.4, April 1999に掲載された
、J.C. Guey等による、「レイリーフェージングチャネルを介した送信機ダイバ
ーシチ無線通信システムのための信号設計(Signal Design for Transmitter Div ersity Wireless Communication Systems)」は、周波数非選択性フェージングチ ャネルにおける線形変調について検討し、低い移動性でもインターリー部不要で ある、多元送信/多元送信機システムに固有なダイバーシチを提供する新しい符 号化変調方式を提案している。 2000年4月12日にEP 0 993 129 A2として発行された欧州特許出願第99203291.2 号は、広帯域符号分割多元アクセス(WCDMA)信号のチャネル推定のための 空間時間ブロック符号化送信アンテナダイバーシチを目的としたものである。特 に、この文献はa)複数の経路に沿った外部ソースから複数の入力信号と、b) 少なくとも1つの既知の信号を受信するように接続された推定回路を有して設計 された回路を開示する。少なくとも1つの既知の信号は予め定められた値を有す る。推定回路は複数の入力信号及び1つの既知の信号に応答して、各信号経路に 対応する複数の推定信号を生成する。訂正回路が複数の推定信号及び複数の入力 信号を受信するように接続される。訂正回路は複数の推定信号及び複数の入力信 号に応答して第1のシンボル推定を生成する。訂正回路は複数の推定信号及び複 数の入力信号に応答して第2のシンボル推定を生成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】 一般に、送信ダイバーシチ符号化パイロットを用いるチャネル推定方法はグル
ープ化に依存し、例えば2組のチャネル推定を生成するためにパイロットシンボ
ルを交互にする。従来のシステムは、パイロットシンボルが送信されるチャネル
がある期間、例えば3又は4シンボル期間一定であると仮定している。しかし、
3シンボルの間チャネルが一定であるという仮定が不正確でありうるという点に
おいて問題が発生する。そのような仮定は、例えば高い拡散係数に加えて大きな
ドップラシフトが起こった際に例えば見られる、急速に経時変化するチャネルに
対する送信ダイバーシチシナリオにおいて特に問題である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局(BS)及び少なくとも1つの移動局(MS)を有す
    る無線通信システムにおいて、前記BSに関連する少なくとも2つのアンテナか
    ら、少なくとも2つの伝播経路上を送信される送信ダイバーシチチャネルに関す
    るチャネル係数g 11、g 12、g 21、g 22を推定する方法であって、 前記少なくとも2つのアンテナの各々に、前記送信ダイバーシチチャネルを介
    して前記BSから前記MSへ送信するためのパイロットシンボル系列を供給する
    ステップと、 前記MSにおいて、前記送信ダイバーシチチャネルから、シンボル列r1、r2 、r3、r4を受信するステップと、 以下の関係に従って、前記パイロットシンボル系列の値の行列P-1を設定する
    ステップと、 (ここで、前記パイロットシンボル系列は前記行列Pがフルランクを有するよう
    に選択されている) 前記行列P及び前記シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて前記チャネル係数
    11、g 12、g 21、g 22を決定するステップとを有することを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記設定するステップが前記行列P-1をメモリから読み出す
    ステップを更に有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記パイロットシンボル系列が前記少なくとも2つのアンテ
    ナの第1に関連する第1の系列p1、p2、p3及びp4と、前記少なくとも2つの
    アンテナの第2に関連する第2の系列p1、−p* 4、−p3及びp* 2を有すること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記系列がp1=−1−j、p2=−1−j、p3=−1−j
    及びp4=−1+jを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記行列Pが以下の構成を有する行列を有することを特徴と
    する請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 送信機に関連する少なくとも2つのアンテナから、少なくと
    も2つの伝播経路上を送信される送信ダイバーシチチャネルに関するチャネル係
    数g 11、g 12、g 21、g 22を移動局(MS)において推定する方法であ
    って、 前記MSにおいて、前記送信ダイバーシチチャネルから、シンボル列r1、r2 、r3、r4を受信するステップと、 以下の関係に従って、既知のパイロットシンボル系列の値の行列Pを設定する
    ステップと、 (ここで、前記パイロットシンボル系列は前記行列Pがフルランクを有するよう
    に選択されている) 前記行列P及び前記シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて前記チャネル係数
    11、g 12、g 21、g 22を決定するステップとを有することを特徴とす
    る方法。
  7. 【請求項7】 前記設定するステップが前記行列P-1をメモリから読み出す
    ステップを更に有することを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記既知のパイロットシンボル系列が前記少なくとも2つの
    アンテナの第1に関連する第1の系列p1、p2、p3及びp4と、前記少なくとも
    2つのアンテナの第2に関連する第2の系列p1、−p* 4、−p3及びp* 2を有す
    ることを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記既知の系列がp1=−1−j、p2=−1−j、p3=−
    1−j及びp4=−1+jを含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記行列Pが以下の構成を有する行列を有することを特徴
    とする請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 基地局(BS)及び少なくとも1つの移動局(MS)を有
    する無線通信システムにおいて、前記BSに関連する少なくとも2つのアンテナ
    から、少なくとも2つの伝播経路上を送信される送信ダイバーシチチャネルに関
    するチャネル係数g 11、g 12、g 21、g 22を推定する装置であって、 前記少なくとも2つのアンテナの各々に、前記送信ダイバーシチチャネルを介
    して前記BSから前記MSへ送信するためのパイロットシンボル系列を供給する
    手段と、 前記MSにおいて、前記送信ダイバーシチチャネルから、シンボル列r1、r2 、r3、r4を受信する手段と、 以下の関係に従って、前記パイロットシンボル系列の値の行列Pを設定する手
    段と、 (ここで、前記パイロットシンボル系列は前記行列Pがフルランクを有するよう
    に選択されている) 前記行列P及び前記シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて前記チャネル係数
    11、g 12、g 21、g 22を決定する手段とを有することを特徴とする装
    置。
  12. 【請求項12】 前記設定する手段が前記行列P-1を格納する格納手段を更
    に有することを特徴とする請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記パイロットシンボル系列が前記少なくとも2つのアン
    テナの第1に関連する第1の系列p1、p2、p3及びp4と、前記少なくとも2つ
    のアンテナの第2に関連する第2の系列p1、−p* 4、−p3及びp* 2を有するこ
    とを特徴とする請求項11記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記系列がp1=−1−j、p2=−1−j、p3=−1−
    j及びp4=−1+jを含むことを特徴とする請求項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記行列Pが以下の構成を有する行列を有することを特徴
    とする請求項13記載の装置。
  16. 【請求項16】 送信機に関連する少なくとも2つのアンテナから、少なく
    とも2つの伝播経路上を送信される送信ダイバーシチチャネルに関するチャネル
    係数g 11、g 12、g 21、g 22を移動局(MS)において推定する装置で
    あって、 前記MSにおいて、前記送信ダイバーシチチャネルから、シンボル列r1、r2 、r3、r4を受信する手段と、 以下の関係に従って、既知のパイロットシンボル系列の値の行列Pを設定する
    手段と、 (ここで、前記パイロットシンボル系列は前記行列Pがフルランクを有するよう
    に選択されている) 前記行列P及び前記シンボル列r1、r2、r3、r4を用いて前記チャネル係数
    11、g 12、g 21、g 22を決定する手段とを有することを特徴とする装
    置。
  17. 【請求項17】 前記設定する手段が前記行列P-1を格納する格納手段を更
    に有することを特徴とする請求項16記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記既知のパイロットシンボル系列が前記少なくとも2つ
    のアンテナの第1に関連する第1の系列p1、p2、p3及びp4と、前記少なくと
    も2つのアンテナの第2に関連する第2の系列p1、−p* 4、−p3及びp* 2を有
    することを特徴とする請求項16記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記既知の系列がp1=−1−j、p2=−1−j、p3
    −1−j及びp4=−1+jを含むことを特徴とする請求項18記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記行列Pが以下の構成を有する行列を有することを特徴
    とする請求項18記載の装置。
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