JP2003504391A - 脂質に被包された治療剤の製造方法 - Google Patents
脂質に被包された治療剤の製造方法Info
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Abstract
Description
、アンチセンス療法又は遺伝子治療に有用である、脂質で被包された治療用核酸
粒子)の新規な製造方法に関する。
されてきた。製剤は、脂質の外側に対する治療剤の錯形成反応(complexation;
錯化)、或いは治療剤の実際的閉じ込め(entrapment)に依存してきた。とはい
え、いずれのタイプの製剤を造る能力も、脂質粒子を造るために採用される方法
だけでなく、脂質及び治療剤の特性の適合性(matching)に左右される。治療剤
が閉じ込められた粒子の場合、閉じ込め方法は、受動的である(即ち、諸脂質粒
子は治療剤の存在下で組み立てられ、治療剤の幾らかは偶然に閉じ込められる)
か;又は能動的である(即ち、誘導されたある種の勾配の結果として、脂質粒子
の内側の中に、治療剤が引張られるか又は推し進められる)ことがある。脂質粒
子をキャリヤとして利用する努力が多く成されているにもかかわらず、脂質で閉
じ込められた治療剤を実際に適用することを制限する諸問題が残されている。こ
れら問題には、薬物/脂質の基部上への治療剤の取り込みレベルが低いこと;治
療剤を捕獲する効率が低いこと;及び脂質被包された治療剤の粒子を大規模に製
造するための適切な手段が欠如していること;が含まれる。
包された治療剤の粒子は、大規模には製造されてこなかった。基本的な問題は凝
集である。帯電した脂質を逆符号に帯電した治療剤と混合すると、通常、凝集が
生じ、治療に使用できないどころか、その後の処理加工に使用することができな
い乳白色の毛房状塊を含有する溶液が生じる結果となる。この凝集の問題は、非
常に有用である治療用組成物の開発を妨げてきた。
卓上規模)の製剤は、バリー(Bally)等の米国特許第5,705,385号明
細書(PCT出願番号WO96/40964号明細書;米国特許出願シリアル番
号08/484,282号明細書;同08/485,458号明細書;同08/
660,025号明細書;及び同09/140,476号明細書も参照のこと)
並びにセンプル(Semple)等のPCT特許出願番号WO98/51278号明細
書(米国特許出願シリアル番号08/856,374号明細書も参照のこと)に
記述される受動的カプセル化方法で、カチオン性脂質及びアニオン核酸を使用し
てうまく達成された。これら米国特許及び特許出願は全て本発明の譲受人に譲渡
されている。また、これら明細書に言及することにより、それらの内容を本明細
書に組み入れる。更に、「ウィーラー(Wheeler)等:安定化されたプラスミド
−脂質の粒子(Stabilized plasmid-lipid particles),構造と特徴(Construc
tion and characterization),Gen.Ther.6:271〜281(19
99)」も参照のこと。これらの技術では、PEG−脂質、ATTA−脂質等の
凝集防止性脂質(同時係属出願の米国特許出願08/996,783号明細書に
開示されている。この明細書に言及することにより、その内容を本明細書に組み
入れる)が採用されている。その凝集防止性脂質によって、複雑な凝集形成が効
果的に防止される。得られた、脂質で十分に被包された治療剤の粒子は、(30
〜250nmの範囲に)制御された大きさ;(例えば、ヌクレアーゼ抵抗によっ
て測定される)十分なカプセル化;血清中での安定性;等の優れた薬物特性を有
する。
て、脂質被包された治療剤の粒子を調製するためのベンチスケール法が記述され
ている。この既知の方法には、脂質の水和工程及びリポソームのサイジング工程
という2つの基本工程が採用されている。脂質の水和工程では、カチオン性脂質
溶液(95%EtOH溶媒)が、クエン酸塩緩衝液(pH 3.8)に入れたポ
リヌクレオチド治療剤の入っている容器の中に1滴ずつ撹拌されながら添加され
、EtOH 40%、脂質 9.9mg/ml及びポリヌクレオチド 2.0mg
/mlの最終組成物となる。この水和工程から得られる脂質の粒子は、典型的に
は直径400nm以上であって、治療に役立つものとして一般的に使用するには
大き過ぎる。このため、適切な大きさの脂質粒子を得るためには、高温押し出し
(65℃で)、及び随意的には凍結融解(液体窒素から65℃水浴まで)のよう
な、大規模な二次生成処理が必要である。これを使用したカプセル化の効率は、
回収される最終[薬物]:[脂質]比に関してはかなり高い(60〜90%)が
、最終粒子製剤の中に出発ポリヌクレオチドが取り込まれる絶対効率(absolute
efficiency)は、準最適である(25〜45%)。
業的に大規模に製造しても、効率よくは達成されない。「バンガン(Bangham)
,AD.等:カチオンに対するリン脂質構造の透過性に及ぼすステロイド及びス
トレプトリシンSの影響(The action of steroid and streptolysin S on the
permeability of phospholipid structures to cations),J.Mol.Bio
l.13,138〜147(1965)」によってリポソームの調製方法が最初
に記述されて以来、リポソーム/薬物の製剤を製造することに関する多くの技術
が出現してきたにもかかわらず、これらの問題は存在する。
和(即ち、受動的閉じ込め);(2)逆相蒸発;(3)高圧押し出し;及び(4
)溶媒注入(希釈化);に大きく分類することができる[例えば、マーチン(Ma
rtin)等の米国特許第4,752,425号明細書;同第4,737,323号
明細書を参照のこと]。当業界で開示されている、脂質粒子を製造するための詳
細な文書には、シュナイダー(Schneider)等の米国特許第5,270,053
号明細書、同第5,466,468号明細書; 「アイゼル(Isele),U.等
:有機溶媒の制御希釈による単量体亜鉛フタロシアニンを含有するリポソームの
大規模製造(Large-Scale Production of Liposomes Containing Monomeric Zin
c Phthalocyanine by Controlled Dilution of Organic Solvents),J.Ph
arma.Sci.第83巻(11),1608〜1616(1994)」;
「クリフナー(Kriftner),RW.:リポソームの製造(Liposome Production
)(1992)」; 「ブルアン−ファルコ(Bruan-Falco)等編集:エタノー
ル注入技術(The Ethanol Injection Technique),リポソーム誘導体(Liposom
e Derivatives),Berlin, Springer-Verlag, 第91頁〜100頁(1992)
」; 「クレマー(Kremer)等:変形注入法により調製した可変直径の小胞(Ve
sicles of Variable Diameter Prepared by a Modified Injection Method),
生化学(Biochemistry) 16(17)、 3932〜3935(1977)」
; 「バツリ(Batzri),S及びコーン(Korn),ED.:高周波分解なしで調
製した単二重層リポソーム(Single Bilayer Liposome Prepared Without Sonic
ation),Bioch.Biophys.Acta 298,1015〜101
9(1973)」;が包含される。
記センプル(Semple)等の優れた薬物特性を有する、帯電脂質及び逆に帯電した
治療剤から成る製剤のスケールアップには適していない。上記バリー(Bally)
等及び上記センプル(Semple)等に記述されている製造技術は、わずか1〜10
0mlのために開発されたものであり、扱い難く、しかも、大規模製造(即ち、
20〜200リットルの規模のもの)では維持できないほど非効率なものとなる
。 本発明によって、脂質で十分に被包された治療剤の粒子を大規模に調製する方
法であって、脂質及び治療剤が逆に帯電している該調製方法が初めて提供される
。これらの粒子は、治療用組成物として、また、試験等のために有用である。
め形成された脂質小胞、帯電した治療剤及び不安定化剤(destabilizing agent
)から成る脂質組成物を結合させて、予め形成された小胞と治療剤の混合物を不
安定化溶媒中で形成することによって調製する。不安定化溶媒は、予め形成され
た脂質小胞を崩壊することなく、該脂質小胞の膜を不安定化するのに有効である
。得られた混合物は、予め形成された脂質小胞の内部に、治療剤をカプセル封じ
(encapsulation)させるのに十分な時間の間、定温放置(incubate)する。次
いで、不安定化剤を除去して、脂質で十分に被包された治療剤の粒子を得る。予
め形成された脂質小胞は、帯電した治療剤の電荷と反対の電荷を持つ帯電脂質と
、凝集を制御するための立体構造の障壁部分を有する修飾脂質とを含有する。修
飾脂質は、予め形成された小胞の凝集を遅らせるが妨げないのに有効な量で、予
め形成された小胞中に存在する。本発明の好ましい態様において、脂質粒子を大
規模(例えば、20〜200リットル)で効率的に形成するのに有効な、核酸(
例えば、アンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチド)を含有する治療剤溶液は
、エタノールの25〜40%水溶液に入れた予め形成された脂質小胞と結合させ
る。脂質で十分に被包された治療剤の粒子が自然発生的に製造される結果となる
には、この混合物を約1時間の間、定温放置すれば十分である。
うに意図されているが、幾つかの用語については、いかなる不明確さをも避ける
ために明確に定義する。従って、本出願の明細書(及び特許請求の範囲)におい
て使用する用語: 「帯電脂質(charged lipid)」は、カチオン電荷若しくは負電荷を有する脂
質種、又は、正味中和していない、両性イオンである脂質種のことを言い、概し
て、その脂質が見出される溶液のpHを参照する必要がある。
ての、脂質膜の特性の変化を言う。脂質膜が不安定化するとき、初期の脂質膜の
基本形態は維持されている。しかし、低分子量の溶質の漏れ速度が増大し、脂質
はその脂質膜を横切って「フリップ・フロップし(flip-flop)」、急速に他の
脂質粒子に変化し得る。本発明における脂質膜の不安定化は、例えば、25〜4
0%のエタノール濃度で観察される。本明細書では、脂質小胞を不安定化させる
が崩壊はさせない溶媒を、不安定化性溶媒(destabilizing solvents)と呼ぶ。 「崩壊(disruption)」は、初期の脂質膜の基本形態が喪失する程度に、脂質
膜の性質が変成することを言う。脂質膜の崩壊は、例えば、60%を越えるエタ
ノール濃度で観察される。
、脂質粒子であってそこでは治療剤がリポソーム等の脂質小胞の内腔(lumen)
の中に入っているか又は脂質粒子の二重層の内部に埋め込まれていて、治療剤の
いかなる部分も脂質粒子を取り囲む外部媒体に直接接近することができない該脂
質粒子を言う。脂質粒子であってそこでは治療剤が十分に被包されている該脂質
粒子は、粒子であってそこでは治療剤が(例えば、イオン的相互作用によって)
その脂質粒子の外部と複合体を形成している該粒子、或いは、粒子であってそこ
では治療剤が部分的に脂質内に埋め込まれ、また部分的に外部媒体にさらされて
いる該粒子とは全く異なる。被包(encapsulation; カプセル化; カプセル封じ
)の程度は、入手可能な治療剤を劣化させる諸方法を用いて、決定することがで
きる。ポリヌクレオチドの場合、これらの方法には、S1ヌクレアーゼ消化(Nu
clease Digestion)、血清ヌクレアーゼ(Serum Nuclease)、及び小球菌ヌクレ
アーゼ(Micrococcal Nuclease)分析法が包含される。もう1つの方法として、
オリグリーン(OliGreen)(登録商標)検定法を採用することができる。定量的
な意味において、「十分に被包された」治療剤は、治療剤の90%より多い量が
自由形態(free form; 拘束されていない形態)で劣化するという条件下で、脂
質粒子中における治療剤の10%未満(好ましくは治療剤の5%未満)が劣化す
る治療剤である。更に、本発明から逸脱することなく、十分には被包されていな
い1種以上の追加治療剤を、錯形成反応(complexation)又は別のやり方で、そ
の脂質粒子と結合させることができる。
般的プロセスを言う。このプロセスにおいて、脂質を取り囲む溶媒中の水の量は
、約5%未満の濃度(この濃度で脂質分子は、通常、個々に溶媒和されている)
から40〜60%以上の濃度(この濃度で脂質は、自発的に膜、ミセル又は粒子
の形を取る)まで増加する。 「脂質(lipid)」は、脂肪酸のエステルであって水には溶けないが多くの有
機溶媒には溶けることを特徴とする諸有機化合物の群を言う。それらは通常、少
なくとも3つの種類:(1)ワックスの他に油脂を包含する「単純脂質」;(2
)リン脂質及び糖脂質を包含する「複合脂質」;並びに、(3)ステロイド等の
「誘導脂質」;に分けられる。多種多様の脂質が本発明に使用することができ、
それらの幾つかを下記に説明する。
れる出発脂質組成物を言い、脂質小胞が包含される。これら小胞は、概して球形
又は卵形の自己閉鎖構造(self-closed structure)を有する。この自己閉鎖構
造は、1つ以上の脂質層から形成され、また、溶媒の一部を含有する内腔(inte
rior lumen)を有する。これら小胞は、単層構造、少層構造(oligolamellar st
ructure)又は多重膜構造である場合がある。
新規な方法であって、とりわけ、カチオン性脂質及びアニオンポリヌクレオチド
を形成するときに見られるように、脂質及び治療剤が逆に帯電している場合、そ
のような諸粒子の大規模製造に適用することのできる該方法に関する。本発明は
、予め形成された脂質小胞を治療剤の溶液と混ぜ合わせれば、結果的に、治療上
有用な粒度の、脂質で十分に被包された治療剤が自発的に形成され得るという予
期されない驚くべき観察結果に依る。従って、脂質で十分に被包された治療剤の
粒子は、予め形成された脂質小胞を含有する脂質組成物と治療剤の溶液とを混合
し、次いで、前記脂質小胞中に前記治療剤を被包するの時間の間、前記の得られ
た混合物を定温放置する諸工程を含む方法による本発明に従って形成される。脂
質成分は、小胞を破壊することなく、脂質の膜を不安定化するのに有効な溶媒系
を更に含有する。
かの重要な特徴を有する。第1に、該方法は、単一バッチ中における被包済み治
療剤のかなりの量(例えば、100gを超える量)を製造するのに使用すること
のできる大規模な方法である。第2に、治療剤を導入して、治療する上で有用な
粒度の粒子を得た後に脂質粒子を処理することが必要でないようなやり方で、予
め形成された脂質小胞の粒度は実質的に維持される。第3に、被包の効率は高い
。第4に、粒子の中に負荷される治療剤の量は多い。
電荷を有する帯電脂質;及び(2)凝集を制限するのに有用な、ポリエチレング
リコール置換基等の変性剤を含有する修飾脂質;を包含する幾つかの種類の脂質
を組み合わせることによって形成される。加えて、製剤には、中性脂質又はステ
ロールが含有されることがある。上述の全ての成分を用いて脂質粒子を配合する
場合、次の量の各脂質成分:帯電脂質 10〜40モル%;中性脂質 25〜40
モル%;ステロール 35〜55モル%;及び修飾脂質0.5〜15モル%;を
使用するのが適切である。特定の脂質諸成分は、次の非制限的諸例の中から選定
することができる。
ルアンモニウムクロリド(DODAC); N−(2,3−ジオレイルオキシ)
プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA); N
,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB); N
−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウ
ムクロリド(DOTAP); 3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタ
ン)−カルバモイル)コレステロール(DC−Chol); N−(1,2−ジ
ミリスチルオキシプロップ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエ
チルアンモニウムブロミド(DMRIE)(N-(1,2-dimyristyloxyprop-3-yl)
-N,N-dimethyl-N-hydroxyethyl ammonium bromide);を包含するが、それらに
限定されない。更に、本発明で使用することができる多数のカチオン性脂質製剤
が、市販されている。これら製剤には、例えば、リポフェクチン(Lipofectin)
(登録商標)[米国ニューヨーク州、グランドアイランド、GIBCO/BRL
からの、DOTMAと、1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールア
ミン(DOPE)とを含有する、市販のカチオンリポソーム];リポフェクタミ
ン(Lipofectamine)(登録商標)[GIBCO/BRLからの、N−(1−(
2,3−ジオレイロキシ)プロピル)−N−(2−(スペルミンカルボキサミド
)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート(DOSP
A)と、DOPEとを含有する、市販のカチオンリポソーム];及び、トランス
フェクタム(Transfectam) (登録商標)[米国ウィスコンシン州、プロメガ社
(Promega Corp.)からの、エタノールに入ったジオクタデシルアミドグリシル
カルボキシスペルミン(DOGS)を含有する、市販のカチオン性脂質];が包
含される。
は、生理的pH又はその近辺でのpKaを有し、また、それら脂質が緩酸ではカ
チオン性が強く、生理的pHではカチオン性が弱い(又はカチオンではない)と
いう、本発明にとって重要な結果を与える。そのようなカチオン帯電脂質は、N
−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリ
ド(DODMA)及び1,2−ジオレイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパ
ン(DODAP)を包含するが、それらに限定されない。
ァチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ジホスファ
チジルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)−ホスファチジルエタノール
アミン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチ
ジルグリセロール、ジラウリロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイ
ルホスファチジルグリセロール、ジステアリロイルホスファチジルグリセロール
、ジミリストイルリン酸、ジパルミトイルリン酸、ジミリストイルホスファチジ
ルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、脳ホスファチジルセリン等を
包含するが、それらに限定されない。
は、生理的pH又はその近辺でのpKaを有し、また、それら脂質が緩酸ではア
ニオン性が強く、生理的pHではアニオン性が弱い(又はアニオンではない)と
いう、本発明にとって重要な結果を与える。当業者は、本明細書に開示する原理
に基づいて、そのようなアニオン帯電脂質を認識することができる。
両性イオン形態で存在する多くの脂質種のあらゆる物を言う。そのような脂質に
は、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノー
ルアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレ
ブドシド及びジアシルグリセロールが包含される。
マー−脂質(例えば、ATTA−脂質)等の凝集防止性脂質、及び立体障壁又は
「ステルス(stealth)」−脂質を含有するものが幾つかある。そのよう
な諸脂質は、シアーズ(Sears)の米国特許第4,320,121号明細書;チ
ョウイ(Choi)等の米国特許第5,820,873号明細書;ホランド(Hollan
d)等の米国特許第5,885,613号明細書;WO98/51278[発明
者 センプル(Semple)等];及びポリアミドオリゴマーに関する米国特許出願
シリアルNo.09/218988号明細書;に記述されている。これらは全て
、言及することによって、本願明細書に組み入れる。これらの脂質は、逆に帯電
した脂質と治療剤とを含有する製剤が沈降したり、凝集するのを防止する。これ
らの脂質はまた、生体内における循環寿命(circulation lifetime)を改善する
のに使用することができる[クリバノフ(Klibanov)等:FEBS Lette
rs,268(1),235〜237(1990)を参照]か、又は、それら脂
質は、生体内で製剤から外れて迅速に交換されるように選定することができる(
米国特許第5,885,613号明細書を参照)。とりわけ有用な交換性脂質は
、一層短いアクリル鎖を有するPEG−セラミド(即ち、C14若しくはC18
、本明細書ではPEG−CerC14及びPEG−CerC18と称する)、又
はC14アクリル鎖を有するPEG−PEである。
化(localization)を助長するように設計されたターゲッティング成分(target
ing moieties)を有することがある。ターゲッティング成分は、調製の間か又は
調製の後、脂質粒子の外部二重層に連結させることができる。これらの方法は、
当業界では周知である。加えて、幾つかの脂質粒子製剤は、PEAA等のフソジ
ェニックポリマー(fusogenic polymers);血球凝集素;他のリポペプチド(米
国特許出願シリアルNo.08/835,281号明細書、及び同60/083
,294号明細書を参照。これら明細書は、言及することによって本明細書に組
み入れる);並びに、生体内及び/又は細胞内運搬(intracellular delivery)
のために有用な他の特徴;を使用することができる。
水和工程を用いて調製することができる。エタノール又は他の有機溶媒の割合は
、脂質粒子がその溶媒(通常、60%を超える量のエタノール)の中に分解もさ
れず再融解もされないが、本発明の自発的被包化プロセスを可能にする条件(エ
タノール約5%〜50%、一層好ましくはエタノール 25〜40%)を与える
ようなやり方で、選定しなければならない。別の方法として、膜の不安定化に寄
与する、洗剤等の追加配合剤を、脂質小胞の溶液中に含有させることができる。
本明細のために、「有機溶媒(organic solvent)」は、完全に有機の溶媒(即
ち、100%エタノール)か、又は部分的に有機の溶媒(例えば、水中のエタノ
ール等、即ち、20%エタノール、40%エタノール等)を意味する。エタノー
ル又は他のアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、DMSO、
アセトン、他のケトン類、その他同種類のものを包含する、多種多様の水混和性
有機溶媒を使用することができる。一層大きい極性又は一層小さい極性を有する
溶媒が有用な場合もある。洗剤溶液には、β−D−グルコピラノシド;トウィー
ン(Tween)20;WO 96/40964号明細書及び米国特許出願シリアル
No.09/169573号明細書(これら両方の明細書は、言及することによ
って本明細書に組み入れる)に開示されているもの;並びに、逆に帯電した脂質
及び治療剤を混合する間、粒子の凝集を防止することができるところの、及び/
又は、同じ溶解度の特徴を与えることができるところの、他のあらゆる洗剤若し
くは立体障壁化合物;が包含される。全ての有機溶媒又は洗剤溶液は、配合プロ
セスによって患者への投与が妨げられないように、薬学的に痕跡量又はそれ以上
の量で許容され得るのが好ましい。
カチオン電荷の基によって妨げられることなくカチオン性脂質と相互作用をする
ことのできる、負に帯電した基を有する;あらゆる治療剤が包含される。そのよ
うな治療剤には、オリゴヌクレオチド;核酸;(タンパク質−核酸等を包含する
)変性核酸;負の電荷の基を有するペプチド及びタンパク質;植物アルカロイド
等の従来の薬物;並びに、負の電荷の基を有する類似体;等(しかし、それらに
限定されない)の薬物並びに化合物の全てを包含する、既知の又は潜在的な治療
剤のいかなる物も包含される。本質的にアニオン性でない諸治療剤は、本発明で
容易に使用するためにアニオン基で誘導してもよい。例えば、パクリタキセルは
、その2’炭素に結合したポリグルタミン酸基で誘導することができる。
負電荷の基によって妨げられることなく負の脂質と相互作用をすることのできる
、正に帯電した基を有する;あらゆる治療剤が包含される。そのような治療剤に
は、カチオン電荷に結合した修飾核酸;正の電荷の基を有するペプチド及びタン
パク質;植物アルカロイド等の従来の薬物;並びに、正の電荷の基を有する類似
体;等(しかし、それらに限定されない)の薬物並びに化合物の全てを包含する
、既知の又は潜在的な治療剤のいかなる物も包含される。本質的にカチオン性で
ない諸治療剤は、本発明で容易に使用するためにカチオン基で誘導してもよい。
溶媒を含有する緩衝水溶液に入れる。塩濃度は、本発明で使用する自己集合プロ
セス(self assembly process)(米国特許出願シリアルNo.09/16957
3号明細書;これに言及することにより本明細書に組み入れる)に強い影響を及
ぼす場合があるので、使用する緩衝塩は注意深く選定しなければならない。更に
、全ての緩衝液は、微量が最終製剤に残存することがあるため、薬学的に受け入
れられなければならない。適切な緩衝液は、ホスホロチオエート型オリゴデオキ
シヌクレオチドに対しては300mMクエン酸塩緩衝液である。一層小さい結合
親和性(binding affinities)を有する、ホスホジエステルベースのオリゴデオキ
シヌクレオチド及びプラスミドDNAに対しては、イオン強度が一層小さい緩衝
液が適切である。例えば、典型的なクエン酸塩濃度は25〜150mMであり、
最大の閉じ込めが生じるのは約50mMである。エタノール、又は含有されるこ
ともある他の有機溶媒は、水性有機混合物中の治療剤の溶解度によって制御され
るし、また、治療剤と予め形成された脂質小胞との最終混合物の望ましい特性に
よっても制御される。
組成物が提供されるように選定する。従って、もし治療剤がポリアニオン性オリ
ゴヌクレオチドであるならば、脂質成分は、安定化溶媒中の諸条件下でカチオン
性である脂質を含有するように選定する。逆に、もし治療剤がカチオン性である
ならば、脂質成分は、不安定化溶媒中の諸条件下でアニオン性である脂質を含有
するように選定すべきである。このことは、脂質溶液中に含有される全ての脂質
が帯電していなければならないことも、幾らかの量の、同様に帯電している脂質
若しくは両性イオン性脂質の取り込みを排除することも意味していない。上記の
ことは単に、脂質溶液が、治療剤の実効電荷と反対の実効電荷を有する脂質を持
っていなければならないことを意味する。
剤溶液は通常、治療剤 1〜1000mg/ml、好ましくは10〜50mg/
mlの濃度を持ち、0.2〜10mg/ml、好ましくは1〜2mg/mlの範
囲の(予め形成された脂質小胞と混合した後の)最終濃度を生じる。予め形成さ
れた脂質小胞は治療剤溶液と混合して、(治療剤溶液と混合した後の)得られた
脂質濃度が約1.5〜30mg/ml(約2〜40mM)、好ましくは10mg
/mlとなるようにする。ポリヌクレオチド治療剤と共に使用する予め形成され
た小胞の好ましい組成物は、標準的脂質比[PEG−cerC14:DODAP:
DSPC:Chol(モル比 5:25:25:45)]で造られる。この溶液
は、100%エタノールに入れ、水性緩衝液(例えば、pH 4.0の300m
Mクエン酸塩)と混合することによって、エタノール5〜50%(好ましくはエ
タノール40%)に希釈する。
で撹拌し;次いで、全く混合しないで、或いは約1〜2時間の間、穏かに混合し
て、定温放置する;ときに生じる。次いで、得られた溶液を透析して、エタノー
ル;又は脂質粒子の膜を不安定にする他の物質;を取り除く。粒子の外部と複合
体を形成するかも知れない治療剤を解放するために、(帯電脂質が滴定可能であ
る場合)pHを調整し、表面電荷を中性化することもある。
包された治療剤の粒子であって、治療用途に受け入れられ;且つ、予め形成され
た脂質小胞の出発サイドに基づいて予測することのできる;粒度を有する該粒子
が生じることとなる。従って、当業者に知られているタイプの分粒工程(sizing
step)は通常、必要でない。このことは好都合である。なぜなら、治療剤を取り
込んだ後、脂質小胞に対して何ら機械的応力を加える必要がなく;また、治療剤
を減損させる危険性も、治療剤を損傷させる危険性も全くないからである。生成
物粒子を更に分粒することが望まれるなら、得られた脂質粒子を分流するための
随意的工程を採用することができる。また、分粒工程は、望ましい粒度の出発小
胞を得るために、治療剤を導入する前の予め形成された小胞を調製する工程の一
部として、採用することができる。
、分粒することが本発明の一部として使用されるとき、採用することができる。
押し出し(extrusion)方法は、リポソームを分流するための好ましい方法である
。「ホープ(Hope),MJ等:押し出しによるリポソーム粒度の減縮及び単層小胞
の調製(Reduction of Liposome Size and Preparation of Unilamellar Vesicle
s by Extrusion Techniques),In:Liposome Technology
(G.,グレゴリアディス(Gregoriadis),編集)」を参照。この方法は、小孔
ポリカーボネート膜又は非対称のセラミック膜を通過させてリポソームを押し出
し、リポソーム粒度を小さくして比較的明確な粒度分布にすることから成る。典
型的には、リポソームの望ましい粒度分布が達成されるまで、懸濁液をその膜に
1回以上循環させる。リポソームは、リポソーム粒度を漸進的に小さくするため
に、孔が逐次的に小さくなって孔膜を通過させて押し出すことができる。
小さくするためには、当業者に知られている種々の代替的方法を利用することが
できる。1つの分粒方法は、米国特許第4,737,323号明細書に記述され
ており、その明細書は言及することにより本明細書に組み入れる。浴超音波分解
若しくはプローブ超音波分解によりリポソーム懸濁液を超音波処理することによ
って、粒度を漸進的に小さくし、直径が約0.05μm未満の小さい単層小胞に
する。均質化(homogenization)はもう1つの方法である。この方法は、大きいリ
ポソームを崩壊させて一層小さいリポソームにするためのエネルギーを奪い取る
ことに依る。典型的な均質化において、多重膜小胞は、選定したリポソーム粒度
(典型的には、約0.1〜0.5μm)が観測されるまで、標準エマルション・
ホモジェナイザー(standard emulsion homogenizer)を通して再循環させる。リ
ポソーム小胞の粒度は、「Bloomfield,Ann.Rev.Bioph
ys.Bioeng.,10,421〜450(1981)」に記述されるよう
に、準電光散乱(quasi-electric light scattering)(QELS)によって決定
することができる。リポソームの平均直径は、形成されたリポソームの超音波分
解により小さくすることができる。断続的超音波分解サイクルは、QELS評価
と交互に入れ替えて、能率的なリポソーム合成を導くことができる。
る程度、リポソームが造られている用途に左右されるが、通常、25〜250n
mの範囲内となる。適切な粒度の具体的な諸例は、以下の諸例に開示する。 本発明により造られる脂質粒子の研究において、中空の大きい単層膜小胞(L
UV)は、閉じ込められた治療剤を有する多重膜小胞に転化されるということが
、意外なことに発見された。いかなる特定の機構に縛られる意図はないが、生じ
ているプロセスは、図1に示されるようなものであって、カチオンに帯電した脂
質と、アニオン性治療剤とが想定される。そのプロセスは、単層小胞10で出発
する。単層小胞10は、カチオン性脂質を含有する結果として、二重層壁の内側
表面及び外側表面に正の表面電荷を有する。アンチセンス・オリゴヌクレオチド
11等のアニオン性治療剤を添加することによって、中間複合体12が形成され
ることとなる。中間複合体12において、治療剤の分子11は、イオン機構/静
電気機構によって、LUVの表面上で、逆に帯電した脂質に結合されている。
UV/治療剤の複合体の凝集体13が形成される。この凝集工程は非常に複雑で
あり、帯電した治療剤によって影響されるだけでなく;外見上、不安定化剤(例
えば、エタノール)の量、及び予め形成された小胞中の変性脂質の量に依存して
いるようである。これらの諸プロセスに関するある種の限定された知識は、当業
者に提供されているが、本発明のベースとなっている現象を当業者は、予測する
ことも説明することもできない。カチオン性のリポソーム/DNA複合体は、接
触領域の平らな二重層隔膜を有する凝集したリポソームのクラスター(clusters)
;DNAで被覆されたリポソーム;及び、(凝集した)多重膜構造であって、脂
質の二重層の間にDNAが挟まれている該構造;を包含する多種多様の異なった
構造を示すことが知られている[グスタフソン(Gustafsson)等,1995;ラシ
ク(Lasic),1997;ラシク等,1997;ヒューブナー(Huebner)等,199
9;シュ(Xu)等,1999]。後者の構造は、二重層又はリポソームを平らに積
み重ねたものであり、それら構造の外部表面にはしばしば、開放二重層セグメン
トを示す。類似の諸構造は、負に帯電したリポソームにCa2+が結合した後で観
察されてきた[パパハドジョポーロス(Papahadjopoulos),1975;ミラー(Mi
ller)及びダール(Dahl),1982;ランド(Rand)等,1985;カカール(Kach
ar)等,1986]。これらの系で構造変形が生じることは、二重層の破壊及び
融合のような、接着媒介プロセスの結果であると考えられた[ランド(Rand)等,
1985;カカール(Kachar)等,1986;ヒューブナー(Huebner)等,199
9]。第1に、リポソームは、DNA又はCa2+によって架橋して凝集する。接
触領域の急速な広がりは、諸リポソームが互いに平らになるように変形する。こ
のために、二重層は増大した張力下に置かれる。もし張力(接着エネルギー)が
十分に大きいならば、脂質膜上にかかる応力は、融合(面積/体積比の増大)及
び/又は破壊(体積損)によって取り除かれる。面積が約3%だけ増大したとき
、大抵の二重層は破壊する[エバンズ(Evans)及びパルセジアン(Parsegian),1
983]。二重層が破壊するとき、小胞は互いに平らになって崩壊し、多重膜の
積み重なったもの(stacks)を形成する。エタノール等の膜不安定化剤は、カチオ
ン性リポソームが、DNA又はオリゴヌクレオチドと相互作用を起こすとき、構
造の再配列が生じるのを調整することができる。
が形成されることはまた、それらの形成のための接着媒介プロセス(adhesion-me
diated process)の証拠となる。しかし、この場合の生成物は同心二重層殻であ
るため、そのプロセスは、ある点で、終端膜(terminated membranes)を有する複
合体と相違する。後者の諸構造を形成するためには、エタノール又は類似の不安
定化剤が必要であるが、これらの構造の再配列がどのように影響を受けるのかは
っきりしていない。これらの再配列は、脂質のフリップ・フロップ(これは、ア
ルコール濃度と相関がある)だけでなく;一層小さい諸分子に対する膜透過性障
壁の損失、及び迅速な脂質交換とも相関がある。加えて、LUVから変性脂質を
交換することは、脂質小胞の再組織化にとって重要な因子である。いずれにして
も、ある種の機構によって、凝集体13は再配列して、薄層間及び小胞の内部に
閉じ込められた治療剤を有する多重膜小胞14を形成する。この再配列は、形成
される凝集体の性質だけでなく、凝集体が定温放置される温度にも左右される。
治療剤の中には、多重膜小胞の外部の電荷と結合したままであるものがある。こ
れらは、電荷の中和(neutralization)(例えば、滴定可能な帯電済み脂質の場合
は、酸若しくは塩基を用いて)、又はイオン交換によって取り除くことができる
。
;また、これらの諸特性の選定は、生成物の多重膜小胞の特性を制御するのに使
用することができる;ことが実験によって見出された。これらの諸特性には、 (1)予め形成された脂質小胞中に、治療剤の電荷と逆の電荷を有する帯電脂
質が含有されていること; (2)凝集を遅らせるには十分な量であるが、凝集を妨げるには十分でない量
で、修飾脂質が含有されていること。PEG−CerC14の場合、その量は、約
2.5〜10%であることが分かった; (3)不安定溶媒中に、(例えば、エタノール、洗剤等の)不安定剤が、予め
形成された脂質小胞を不安定にするがそれら予め形成された脂質小胞を崩壊しな
い量で含有されていること;及び (4)凝集工程及び閉じ込め工程が減結合しない(decoupled)温度で、脂質で
十分に被包された治療剤の粒子の集合体を予め形成すること。通常、これは、室
温(〜20oC)以上の温度範囲で操作する必要があり、この温度範囲は不安定
剤の濃度及び脂質の組成に左右される; が包含される。
規模製造のためには、同時に出願されたPCT出願[主題:脂質小胞を調製する
ための方法と装置(Methods and Apparatus for Preparation of Lipid Vesicles
);シリアル番号はまだ与えられていない;出願日:2000年7月14日;代
理人生理番号:80472−6]に記載されている、特別に適合した装置を使用
することが望ましい。その明細書は、言及することによって本明細書に組み入れ
る。 さて、本発明の方法は、次の非限定的諸例に言及して、更に説明される。
クレオチド及びプラスミドDNAは、イネックス製薬(Inex Pharmaceuticals)
(バーナビー(Burnaby),BC,カナダ)によって提供された。オリゴヌクレ
オチドのmRNA標的及び配列は次の通りである: ヒトc−myc,5’−TAACGTTGAGGGGCAT−3’(配列ID
番号1); ヒトICAM−1,5’−GCCCAAGCTGGCATCCGTCA−3’
(配列ID番号2);及び FITC−標識ヒトEGFR,5’−CCGTGGTCATGCTCC−3’
(配列ID番号3)。
、ノーザン・リピッズ(Northern Lipids)(バンクーバー(Vancouver),BC
,カナダ)から購入した。また、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニ
ウムプロパン(DODAP);1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホ
スホセリン−N−(7−ニトロ−2−1,3−ベンゾオキサジアゾール−4−イ
ル)(NBD−PS);1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエ
タノールアミン(DOPE);1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホ
スホエタノールアミン−N−(リサミン ローダミン b スルホニル)[1,2-diol
eoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-(lissamine rhodamine b sulfonyl
)](LRh−PE);及び1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
エタノールアミン−N−(7−ニトロ−2−1,3−ベンゾオキサジアゾール−
4−イル)(NBD−PE);は、アバンチ・ポーラー・リピッヅ(Avanti Pol
ar Lipids)(Alabaster,AL)から購入した。1−ヘキサデカノイ
ル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン[1-Hex
adecanoyl-2-(1-pyrenedecanoyl)-sn-glycero-3-phosphocholine](Py-HP
C);及びオリゴヌクレオチド−結合染料オリグリーン[oligonucleotide-bindi
ng dye OliGreen]は、モレキュラ・プローブズ(Molecular Probes)(Euge
ne,OR)から入手した。1−O−(2’−(ω−メトキシポリエチレン−グ
リコール)スクシノイル)−2−N−ミリストイルスフィンゴシン(PEG-C
erC14);放射能標識[3H]−PEG−CerC14;及び1−O−(2’−
(ω−メトキシポリエチレン−グリコール)スクシノイル)−2−N−ドデカノ
イルスフィンゴシン(PEG-CerC20);は、INEX ファルマシューティ
カルズ(Pharmaceuticals)(Burnaby,BC,カナダ)によって提供さ
れた。コレステロール(chol);n−オクチル β−D−グルコピラノシド(O
GP);トリトン(Triton) X−100;カルセイン;ジクロロジメチルシラ
ン;ヒドロ亜硫酸ナトリウム(亜ジチオン酸塩);2−p−トルイジニルナフタ
レン−6−スルホネート(TNS);ポリアネトールスルホン酸(PASA);
は、シグマ(Oakville,ON,カナダ)から入手した。四酸化オスミウ
ム;クエン酸鉛;マレイン酸;カコジル酸ナトリウム;及び埋め込み樹脂Emb
ed 812;は、エレクトロン・マイクロスコープ・サイエンシズ(Electron
Microscopy Sciences)(フォートワシントン(Fort Washington),PA)か
ら購入し、また、低融点(L.M.P)アガロースは、ライフ・テクノロジーズ
(Life Technologies)(Burlinton,オンタリオ)から購入した。コ
レステロール(CHOL)は、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical
Company)(St.Louis,ミズリー州,米国)から購入した。PEG−セ
ラミドは、PCT WO 96/40964号明細書(この明細書は、言及するこ
とによって本明細書に組み入れる)記述されている手順を用いながら、イネック
ス・ファルマシューティカルズ社(Inex Pharmaceuticals Corp.)のチャオ・ワ
ング(Zhao Wang)博士が合成した。[3H]又は[14C]−CHEは、NEN(
米国マサチューセッツ州、ボストン)から購入した。脂質は全て、99%を越え
る純度であった。エタノール(95%)、メタノール、クロロホルム、クエン酸
、HEPES及びNaClは全て、商業的供給業者から購入した。
ているかどうかを決定するために使用した分析方法は、WO 98/51278
号明細書に開示されている(その明細書は、言及することによって本明細書に組
み入れる)。そのような方法には、S1ヌクレアーゼ消化、血清ヌクレアーゼ、
及び小球菌ヌクレアーゼ分析法が包含される。
を定量するのに使用した。水溶液中の1本鎖オリゴヌクレオチドを定量するため
の蛍光染料結合分析(fluorescent dye binding assay)は、ビオルミン(Biolu
min)(登録商標)960蛍光プレート・リーダー[米国カリフォルニア州サニ
ーベール、モレキュラー・ダイナミックス(Molecular Dynamics)]を用いて確
立した。手短に言えば、被包済みオリゴヌクレオチドのアリコートは、HEPE
S緩衝食塩水(HBS;20mM HEPES,145mM NaCl,pH
7.5)で希釈した。希釈率1:200のオリグリーン(Oligreen)(登録商標
)試薬の100μリットル[トリトン(Triton)X−100洗剤 0.1%を含
有するものと含有しないものの両方]に、希釈試料の10μリットルアリコート
を添加した。被包済みオリゴを定量するため、トリトンX−100洗剤 0.1
%を含有するものと含有しないものを用いて、オリゴ標準曲線を作成した。オリ
グリーン(Oligreen)(登録商標)−アンチセンス複合体の蛍光性(fluorescen
ce)は、485nmの励起波長及び520nmの発光波長を用いて測定した。表
面関連アンチセンス(surface associated antisense)は、洗剤の不存在下及び
存在下の蛍光測定値を比較することによって決定した。
度測定器[カリフォルニア州サンタバーバラ、ニコン・パーティクル・サイジン
グ社(Nicomp Particle Sizing Inc.)]を用いて、動的光散乱によって決定し
た。本出願書類全体に渡り、実験による相関関数からのキュムラント適合度(cu
mulant fit)によって得られた数平均粒度(number-averaged sizes)が与えら
れている。多分散性(polydispersity)は、モノモードガウス粒度分布(monomo
dal Gaussian size distribution)の半値高さ半値幅(half-width at half-hei
ght)として表わす。エタノール/クエン酸塩緩衝液の粘度は、ウベローデ型粘
度計[キャノン(Cannon) 50]を用いて決定した。23℃の水と比較して測
定した、同一温度のエタノール/300mMクエン酸塩緩衝液[40/60(v
/v)]の粘度は、2.674mPa*sであることが分かった。ゼータ電位は
、クールター(Coulter)光散乱計器[DELSA,クールター電子社(Coulter
Electronics Inc.),FL]を用いた、電気泳動光散乱によって決定した。
亜ジチオン酸ナトリウムを用いて[マッキンタイヤ(McIntyre)及びスレイト(
Sleight)(1991);レンツ(Lentz)等(1997)]、蛍光脂質、NBD
−PSを、非蛍光化合物まで化学還元することによって決定した。リポソームは
、20mM脂質で、1モル% NBD−PSの存在下、押し出すことによって調
製した。外部単一層に位置するNBD−PSのみが、外部媒体に添加された還元
剤(亜ジチオン酸塩)に接近することができる。内部単一層から外部単一層まで
のそれの再分配は、外部膜のリーフレット(leaflet)中でNBD−PSが還元
された後、生じる。1モルの亜ジチオン酸ナトリウムを、1モルのTRISで新
たに調製した。外部単一層中のNBD−PSは、NBDに応じた亜ジチオン酸ナ
トリウムの100倍過剰のモルを添加し;次いで、10分間定温放置する;こと
によって還元した。反応の完了は、465nmでの還元励起(reduction exciti
ng)の前後において、520nmでの亜ジチオン酸塩の蛍光発光を測定すること
によって調べた。次いで、過剰の亜ジチオン酸塩は、「セファデックス(Sephad
ex) G50 カラム」でのサイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chr
omatography)によって排除した。リポソームは、40%エタノールの存在下で
定温放置し、最終脂質濃度 150μMに対応するアリコートを種々の時間ポイ
ントで測定のために取り去った。
込められた溶質の大きさ(分子量)の関数として測定した。漏出に対する低分子
量のマーカーとしては、カルセインを使用し、また、高分子量のマーカーとして
は、FITC−デキストラン(dextran)(分子量 19500)を使用した。自
己消光濃度で閉じ込められたカルセインの漏出の後、カルセインの蛍光の脱消光
(dequenching)をモニタリングした。LUVsは、水酸化ナトリウムを添加す
ることによってpH 7.5に調整した、カルセイン 75mM及びHEPES
5mMを含有する水溶液で、脂質膜を水和し;次いで、5回の凍結/融解サイク
ルにかけ;二重に積み重ねた100nmフィルタを通して(10回通過)押し出
しを行う;ことによって調製した。DSPC/Chol/PEG−CerC14/
DODAPの押し出しは、60℃で行った。閉じ込められなかったカルセインは
、「DEAE セファローズ(Sepharose)CL6Bカラム」でのアニオン交換
クロマトグラフィによって、等浸透圧性(isoosmotic)HBS緩衝液に対して交
換した。リポソームの原液(stock solution; 貯蔵液)は、25℃、40℃又は
60℃で予備均衡化された、変動量のエタノールを含有するHBSで、3μMの
脂質濃度に希釈した。対応する温度で5分間定温放置を行った後、「Perkin Elm
er LS50 蛍光計(Perkin Elmer)」を用いて、520nmでの蛍光を測定
した[励起波長 488nm;430nmでのロングパス・フィルタ(long-pass
filter)]。10%「Triton X−100」溶液を添加して、最終濃度を0.0
5%にすることによって、100%漏出(最大の脱消光)のための値を得た。カ
ルセインの漏出は、 漏出(%)=(Fs−Fb)/(FTx−Fb)*100 [式中、Fsは試料の蛍光であり;Fbは、エタノールの不存在下で、カルセイン
含有リポソームに対応するバックグラウンドであり;FTxは、「Triton X−1
00」値である]に従って計算した。
LRh−PEを取り入れて、45mg/mlの最終濃度にして、DSPC/C
hol/PEG−CerC14/DODAPのリポソーム中に閉じ込めた。閉じ込
めは、エタノールに溶解した脂質を、HBSに入れたFITC−デキストラン溶
液に添加し;次いで、押し出しを行い(二重に積み重ねた100nmフィルタ、
2回通過);次いで、透析によってエタノールを除去する;ことによって実施し
た。閉じ込められなかったFITC−デキストランは、「セファローズ(Sephar
ose)CL4B カラム(1.5×1.5cm)」でのサイズ排除クロマトグラフ
ィーによって排除した。40%エタノールにさらされたリポソームからのFIT
C−デキストランの損失は、「セファローズ CL4B カラム(1.5×1.5
cm)」でのサイズ排除クロマトグラフィーによって解放されるFITC−デキ
ストランを除去した後、決定した。FITC/LRh−PEの比は、エタノール
添加の前後に測定した。FITC及びLRh−PEの蛍光は、励起波長をそれぞ
れ485nm及び560nmに設定して、515nm及び590nmで測定した
。
h−PE)の間で、共鳴エネルギー移動の損失が生じた後に、エタノール誘導脂
質混合/交換が生じ、また、これらドナー及びアクセプターは、非標識標的膜の
中にプローブが希釈されるとき、極めて接近している[ストラック(Struck)等
,1981]。LUVsは、NBD−PEとLRh−PEの両方を0.75モル
%含有した。標識リポソーム及び非標識リポソームは、pH 7.5のHBS中
で、20mMの脂質濃度で押し出しを行うことによって調製した。標識リポソー
ム及び非標識リポソームにエタノールを添加して、最終エタノール濃度が40%
(v/v)になるようにした。次いで、標識リポソーム及び非標識リポソームの
エタノール性分散系を、1:5のモル脂質比で混合し;次いで、適切な温度で定
温放置した。所定の時間ポイントで、アリコートを回収し;次いで、HBS 2
mlに加えて、150μMの最終脂質濃度を与えた。NBD及びLRhの発光ス
ペクトルは、励起波長を465nmに設定して(430nm発光、ロングパス・
フィルタ)、505〜650nmの範囲で測定した。バックグラウンドを差し引
いた後(150μM脂質の非標識リポソーム)、共鳴エネルギー移動の損失は、
NBD/LRh比の増加として表わした。
し、モノマーとは異なる波長で蛍光を発する。エキシマーの形成は、拡散律速過
程であり、2つの分子が一緒になって二量体を形成する必要がある。膜中のピレ
ン−HPCの横への可動性(lateral mobility)が減少することも、脂質を混合
すること(標的膜)も、ピレンエキシマーの蛍光が減少することとなり得る[フ
ックストラ(Hoekstra),1990;デュポールテイル(Duportail)及びリア
ノス(Lianos),1996]。外側相を分離すれば、通常、ピレンエキシマーの
蛍光が減少することとなる[デュポールテイル及びリアノス,1996]。この
試験の理論的根拠は、リポソーム膜に及ぼすオリゴヌクレオチド結合の影響を調
べることであった。オリゴヌクレオチドを閉じ込めるリポソームのピレン−HP
Cの蛍光は、膜間pH勾配が減損する前後に、中空の対照リポソームと比較した
。内部のpHが7.5に増大することによって、膜結合済みオリゴヌクレオチド
が解放されることになる。7モル%の濃度でピレン−HPCを取り込んでいるリ
ポソームは、pH 4のクエン酸塩緩衝液に、エタノールに溶解した脂質を添加
することによって調製した。アリコートを取り去り、上述のようにオリゴヌクレ
オチドを被包した。残りの初期リポソームは、後続の諸工程の全てにおいて同様
のやり方で処理した(以下の閉じ込みを参照)。pH勾配は、pH 7.5に調
整した酢酸アンモニウムを用いて消失させた。リポソームは、適切な緩衝液、p
H 7.5のHBS、又はpH 7.5の150mM 酢酸アンモニウムで希釈し
て、2μMの最終脂質濃度にした。ピレン−HPC発光スペクトルは、345n
mで励起し、350nmの発光カットオフ・フィルタを用いて、365〜550
nmの波長領域で記録した。[397nmでのモノマーの蛍光]対[478nm
での二量体の蛍光]の強度比は、pH勾配が消失する前後において、オリゴヌク
レオチド含有リポソームに対しても、初期リポソームに対してもプロットした。
SL200」分光計を用いて、31P NMRスペクトルを得た。10mmプロー
ブの2.0ml試料について、2000Hzのスペクトル幅と、3秒インターパ
ルス遅れを伴う2.8μs50°パルスとを使用することによって、800又は
2400走査(scans)に対応する自由誘導減衰(free induction decays)(F
IDs)を集めた。減結合している(decoupling)プロトンは全く使用しなかっ
た。線広がり(line broading)の25Hzに対応する指数的増加は、フーリエ
変換を行う前にFIDsに適用した。化学シフトは、外部の85%リン酸(H3
PO4)に関係した。pH 7.5での遊離オリゴヌクレオチド及び被包されたオ
リゴヌクレオチドのスピン格子緩和時間(T1)は、T1 free=1.7秒、及びT 1 enc. =2.1秒と本質的に同一であった。T1値は、逆位−回復パルス配列(in
version-recovery pulse sequence)によって測定した。50°パルスに対する
3秒のインターパルス遅れによって、全てのアンチセンス共鳴の完全な緩和が可
能となる。
ポソーム、及びオリゴヌクレオチドを被包しなかったリポソームは、pH 7.
5のHBS中のショ糖 1%、2.5%、10%及び15%(w/v)であって
、それぞれ3.5、3.5、2.5及び1.5mlの段階容量を有するものから
成るショ糖段階勾配(sucrose step gradient)について、超遠心分離法によっ
て分別した。「SW41Ti」回転子を組み合わせた「ベックマン(Beckmann)
L8−70」超遠心分離機を使用して、36000rpm(RCRRmax 221
000xg)で2時間の間、諸試料を分離した。勾配は、上部から分別するか;
又は針でチューブに穴をあけた後、注射器を用いて個々のバンドを除去した。
に塗った。過剰の液は、炭素膜の穴を覆っている水の薄層を残しながら、ろ紙で
吸い取ることによって除去した。グリッドは、液体エタンで急速に凍結し、小胞
が無定形氷の薄膜中に埋め込まれる結果となった。「フィリップス(Philips)
CM200 FEG」電子顕微鏡の「Gatan」低温ホールダーを用い、66
000倍、1.5μm以下の焦点ボケの極低温条件下で、氷中の小胞の画像を得
た。
は、25% グリセロールの存在下、液体N2で冷却した液体フロン(Freon)2
2の中にそれら試料を沈めることによって、極低温固定した。破面は、「バルツ
ァーズ凍結エッチング(Balzers Freeze-Etching) BAF 400D (リヒテ
ンシュテインのバルツァーズ(Balzers))」を使用して、白金(45°)で一
定方向に影を投じ、また、炭素(90°)で被覆した。「JEOL Model
JEM 1200EX」電子顕微鏡[カナダ、QC、モントリオール、Soquel
ec]を使用して、レプリカ(replicas)を分析した。
胞は、2% 四酸化オスミウムの1容量を、HBSに入れた小胞の0.5容量に
加えることによって固定し;次いで、17000xg、4℃で45分間、遠心分
離機で分離した。得られたペレットは、等容量の3%アガロース/PBSと混合
し、顕微鏡のスライドの上にピペットで移し、次いで、4℃に冷却した。小胞を
含有する、固化したアガロースは、1mmの断片に切断し、次いで、更なる処理
を行うため、ガラス管に移した。それらブロック(blocks)は、2%酢酸ウラニ
ルで1時間染色する前に、pH 5.2の0.05M マレイン酸で、3×5分間
の間、洗浄した。組織片は、一連の傾斜アルコール(50〜100%)で脱水し
;[エポキシ樹脂(EMbed 812)]:[プロピレンオキシド]比を増大
させて浸透させ;次いで、100%「EMbed 812」の中に60℃で24
時間の間、埋め込んだ。極薄切片は、2%クエン酸鉛で染色し、次いで、「ツァ
イス(Zeiss) EM 10C」透過型電子顕微鏡(ドイツ、オーベルコッヒェン
)を使用して検査を行った。
光学的仕様「エキサイテーション 475±20/2色性 500/エミッション
535±22.5」を有する、オメガ・オプティカル(Omega Optical)(バー
モント州ブラトルバロ)からの「1.6x optovar」レンズ及び「XF100」
フィルターセットと組み合わせた、「Plan Apochromat 63x/1.4NA」油浸レンズ
を使用している、「Zeiss Axiovert 100」顕微鏡によって、位相差蛍光顕微
鏡検査を行った。画像は、「Zeiss MC80 DX」顕微鏡カメラを用いて、1
600 ISOの「Kodak Ektachrome P1600」カラー・リバーサル・フィル
ムに記録した。スライド及びカバーガラスは、ジクロロジメチルシランでシリコ
ン化して、さもなければ負に帯電するガラス表面を中和した。
5:45のモル比で含有する脂質混合物から、中空の予め形成された小胞を調製
した。それら4種の脂質を100%エタノールに溶解し、全脂質濃度 25mg
/ml(33mM)にした。次いで、エタノール性脂質は、0.25mmのオリ
フィス直径を有する噴射ノズルを通して、300mMのクエン酸塩緩衝液(pH
4.0)を含有する容器の中に導入した。容器及び全ての溶液は室温であった
。エタノール性脂質の全容量は6リットルであり、脂質を導入するための流量は
、200〜300ml/分であった。クエン酸塩緩衝液の全容量は9リットルで
あった。その結果として得られた15リットルの混合物は、40%のエタノール
濃度と180mMのクエン酸塩を有した。中央粒径 170±20nmの小胞が
生成した。空の予め形成された小胞は、二枚の80nmの積み重ね膜を使用して
いる、低圧(最高水準の500〜1000p.s.i.から低下させた100p
.s.i.)の押出し回路(extrusion circuit)を、65℃で1〜3回通過さ
せることによって、中央粒径 90〜120nmの大きさに造った。次いで、そ
れら中空の予め形成された小胞は、容器(reservoir)20の中に貯留し、次い
で、治療剤の溶液を添加するまで、40℃に保持した。
INX−6295(配列ID番号1)を使用した、脂質で十分に被包された治療
剤の粒子を造った。蒸留水に入れたオリゴヌクレオチド INX−6295は、
100%エタノールを追加することによって希釈し、40%エタノールに入って
いるオリゴヌクレオチド 10、20、30、40又は50mg/mlという種
々の溶液を作った。エタノール性オリゴヌクレオチドは、40℃の容器20に入
れた予め形成された小胞に、穏かに混合しながら添加した。エタノール性オリゴ
ヌクレオチドの量及び容量を計算して、[薬物]:[脂質]の最終重量比 0.
1〜0.25を与えた。次いで、その混合物は、1時間の間、穏かに且つ断続的
に混ぜ合わせながら、40℃で定温放置した。定温放置した後、その溶液は、ダ
イアフィルトレーション(diafiltration)によって処理し、遊離の又は過剰の
付随オリゴヌクレオチドを取り除き、エタノールを除去し、次いで、緩衝系をp
H 7.4のリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)と交換した。濃化、除菌及びパ
ッケージを行うことによって、商業用製品の製剤が完成する。
で十分に被包された治療剤の粒子の調製にとっていずれのパラメータが重要であ
るかを決定した。これらの実験において、全オリゴヌクレオチドの回収率(収率
);全脂質の回収率(収率);及び被包化効率;は、製品とプロセスの質を示す
ものと考えた。全オリゴヌクレオチドの回収率は、式: [{最終オリゴ濃度(mg/ml)×最終容量(ml)}/ {初期オリゴ濃度(mg/ml)×初期容量(ml)}]×100% を用いて計算した。 全脂質の回収率は、式: [{最終脂質濃度(mg/ml)×最終容量(ml)}/ {初期脂質濃度(mg/ml)×初期容量(ml)}]×100% を用いて計算した。 被包化効率(E.E.);は、 [{初期オリゴ(mg/ml)/初期脂質(mg/ml)}/ {最終オリゴ(mg/ml)/最終脂質(mg/ml)}]×100% を用いて計算した。 被包された(即ち、二重層の中に組み込まれたか、又は脂質粒子の内部に閉じ
込められた)オリゴの割合は、上述のオリグリーン分析(OliGreen assay)によ
って決定した。
発比(starting ratios)を用いて実験を行った。表1にその結果をまとめる。
オリゴヌクレオチドを負荷するプロセスに、小胞の粒度の変化は全く観察されな
かった。
間の間、実験を行った。表2にその結果をまとめる。示される通り、60℃とい
う一層高い温度は、プロセスの有効性を損ない始め、また、粒度を増大させる。
従って、一層低い温度が好ましい。
温放置温度とで、実験を行った。表3にその結果をまとめる。示される通り、収
率は、0.5時間〜1時間の間で改善されるが、1時間を越える定温放置時間で
は、実質的に改善されない。このように、使用した装置での最も有効なプロセス
は、約1時間の定温放置時間を使用することである。
緩衝液の4種の異なる濃度と、初期[薬物]/[脂質]比 0.1とで、実験を
行った。表4にその結果をまとめる。
薬物]/[脂質]比の各々について3種の異なる初期エタノール濃度で、実験を
行った。表5にその結果をまとめる。各々の出発[薬物]/[脂質]比について
異なる、最適エタノール濃度が存在するようである。表5には記載していない追
加実験では、50%の初期エタノール濃度を、0.1の[オリゴ]/[脂質]比
と一緒に使用した。この実験で、未知の原因による重大な問題に遭遇し、製品の
収率は全くなかった。
]比を得るための治療剤溶液の容量の有意性)を判断するために、オリゴヌクレ
オチドの4種の異なる濃度の原液(stock solutions)を使用した。表6にその
結果をまとめる。示されるように、このパラメータは、本発明の方法を用いて得
られる結果には重要でないように思われる。
pINEX L1018(CMVプロモーターに連結したルシフェラーゼ遺伝子
をコード化しており、また、SV40エンハンサー及びAmpL遺伝子を持って
いる5.5kbプラスミド)を予め形成された脂質小胞の中に負荷した。 予め形成された脂質小胞は、100%エタノールに溶解した諸脂質(20/4
5/25/10モル%比でのDSPC/Chol/DODAP/PEG−Cer
14)10mgを、25mMクエン酸塩緩衝液[水酸化ナトリウムでpH 4に
調整した、25mMクエン酸、255mMスクロース(ショ糖)]にゆっくり添
加することによって調製した。両方の溶液は、混合する前に、40℃に予熱した
。最終エタノール濃度は、40%(v/v)であった。脂質小胞のエタノール分
散系は、室温で、二重に積み重ねた100nmポリカーボネート・フィルタを2
回通過させて押し出した。それら脂質小胞に、40%エタノールに入れたプラス
ミドDNA 0.25mgを室温で添加し、次いで、その試料は40℃で1時間
の間定温放置した。初期[プラスミド]/[脂質]比は0.025であった。続
いて、その試料は、pH 7の25mM生理食塩水(20mM HEPES、15
0mM NaCl) 2リットルに対して合計18〜20時間の間透析した。
Aを除去した後、DEAEセファローズ(Sepharose)CL6Bカラムでのアニ
オン交換クロマトグラフィによって決定した。プラスミドDNAは、ブライ・ダ
イアー抽出法(Bligh Dyer extraction)によってプラスミドから分離した後、
DNA結合系ピコグリーン脂質(DNA Binding System PicoGreen lipid)を用い
て、フィスケ・サバロウ(Fiske and Subbarrow)による無機リン酸塩分析によ
って定量した。加えて、最終脂質濃度は、蛍光標識済み脂質、リサミン ローダ
ミン−PE 0.25モル%を、脂質小胞の中に組み入れることによって決定し
た。 最終のプラスミド 脂質比は0.022であった。この値は、88%の閉じ込
めに相当する。得られた脂質被包済み治療剤の粒子は、100nmの平均粒度と
、非常に小さい粒度分布とを有した。
ムは、押し出したリポソームにエタノールを添加するか;又はエタノールに溶解
した脂質を水性緩衝液に添加し、次いで、押し出す;ことによって調製した。両
者いずれの方法も、同じ閉じ込め結果を与え、下記に一層詳細に記述する: 1.pH 4のクエン酸塩緩衝液に入れた脂質膜を水和し、凍結/融解サイク
ルを5回行った後、二重に積み重ねた100nmフィルタを通過させて(10回
通過)押し出すことによって、大きな単膜リポソーム(LUVs)を生成した。
DODAP/DSPC/Chol/PEG−Cer14のリポソームの場合、押
し出しは60℃で行った。次いで、急速に混合しながら、エタノールをゆっくり
添加した。エタノールを除去した後、動的光散乱法によって決定した、典型的な
リポソーム粒度は、DODAP/DSPC/Chol/PEG−Cer14系につ
いて90±20nmであった。エタノール濃度がある上限値を越えるや否や、リ
ポソームが不安定になり、合体して大きい脂質構造になるため、エタノールをゆ
っくり添加すること及び急速に混合することは、重要である。後者は、脂質の組
成に依存する。例えば、エタノール濃度が50%(v/v)を越えるとき、初期
に半透明のDSPC/Chol/PEG−Cer14/DODAPリポソーム分散
系は、乳白色になる。
した脂質をpH 4のクエン酸塩緩衝液(0.6ml)に室温でゆっくり添加し
、次いで、二重に積み重ねた100nmフィルタを通過させて(2回通過)押し
出すことによって調製した。エタノール中で行った動的光散乱測定値と、透析に
よってエタノールを除去した後に行った動的光散乱測定値とは、粒度の有意差を
示さず、粒度は典型的には75±18nmである。激しく混合しながらエタノー
ルを非常にゆっくり添加して、エタノール濃度が局部的に高くなるのが回避され
る場合、押し出し工程は省略することができる。
、渦巻き状に撹拌しながらゆっくり添加し;次いで、その溶液は、適切な温度で
1時間の間、定温放置し;クエン酸塩緩衝液に対して2時間の間透析して大半の
エタノールを除去し;次いで、HBS(20mM HEPES/145mM Na
Cl;pH 7.5)に対して再び透析した。DODAPは、pH 7.5で、電
荷中性となり、外側膜表面に結合したオリゴヌクレオチドは、カチオン性脂質と
の結合から解放される。次いで、pH 7.5のHBSで平衡状態に保たれてい
る「DEAE−セファローズ(sepharose) CL−6B カラム」によるアニオ
ン交換クロマトグラフィにより、被包されなかったオリゴヌクレオチドを取り除
いた。エタノールに代えてオクチルグルコシドを使用した場合、洗剤をリポソー
ムに添加して(1:1 v/v)、最終濃度が30〜40mMの範囲になるよう
にした。初期の透析工程をpH 4のクエン酸塩緩衝液に対して行い、その工程
を5時間に伸ばしたことを除いて、後続の諸工程は全て上述のように実施した。
次の諸例において、別に断らない限り、DSPC/Chol/PEG−Cer14 /DODAPリポソーム(20:45:10:25モル%);c−myc(配列
ID No.1);40%(v/v)エタノール;300mMクエン酸塩緩衝液
;及び40℃での定温放置;を使用した。
後、アニオン交換クロマトグラフィによって決定した。オリゴヌクレオチドの濃
度は、「島津UV160U 分光光度計」による紫外分光法によって決定した。
1:2.1:1のクロロホルム/メタノール/水相(試料/HBS)の容量比の
クロロホルム/メタノールに試料を可溶化した後、260nmでの吸光度を測定
した。混合した後、溶液が完全に透明にならなかった場合、メタノール 50〜
100μlを更に添加した。もう1つの方法として、100mM オクチルグル
コシドに試料を可溶化した後、吸光度を読み取った。アンチセンスの濃度は、 c[μg/μl]=A260*1OD260ユニット[μg/ml]*希釈因子(fa
ctor)[ml/μl] (式中、希釈因子は、試料の容量[μl]で除した全分析容量[ml]によって
与えられる)に従って計算した。OD260ユニットは、個々のデオキシヌクレオ
チドの対吸光係数(pairwise extinction coefficients)から計算した。これら
対吸光係数は、隣接相互作用を考慮している。1ODは、30.97μg/ml
のc−myc(配列ID.No.1);33.37μg/mlのh−ICAM−
1(配列ID.No.2);及び34μg/mlのEGFR(配列ID.No.
3);に対応する。脂質濃度は、ブライ・ダイアー抽出法(ブライ及びダイアー
,1959)により、オリゴヌクレオチドから脂質を分離した後、無機リン酸分
析によって決定した。手短に言えば、水相(試料/HBS) 250μlに、メ
タノール 525μl及びクロロホルム 250μlを添加して、透明な単一相[
水相/メタノール/クロロホルム(1:2.1:1容量比)]を形成した。溶液
が透明でない場合、少量のメタノールを追加した。次いで、HBS 250μl
及び等量のクロロホルムを添加した。諸試料は混合し、3000rpmで5〜1
0分間、遠心分離機で分離した。これによって、透明な2相系が得られた。クロ
ロホルム相は、フィスケ・サバロウ法(1925)により、リン脂質含有量を分
析した。別に断らない限り、閉じ込め効率は、[オリゴヌクレオチド]対[脂質
]重量比(w/w)として表わす。
DODAPリポソーム(変性なし脂質成分)に、増加量のエタノールを添加した
。全ての試料は、オリゴヌクレオチドを添加すると直ちに乳白色になった。これ
は、オリゴヌクレオチドにより誘導された凝集を示す。pH 4において0.0
35のモル[ODN]/[脂質]比でアンチセンス・オリゴヌクレオチドと共に
定温放置を行った後、エタノールと、閉じ込められなかったオリゴヌクレオチド
とを取り除いた。表7に、得られた多重膜小胞の最終粒度と共に、動的光散乱に
よって決定した被包効率を記載する。エタノール濃度が増大するにつれて、ます
ます多くのアンチセンス・オリゴヌクレオチドが閉じ込められる。同時に、粒度
及び多分散性(polydispersity)が増大することは、LUVs(大きな単膜リポ
ソーム)が一層大きな脂質構造に漸次再編成されたことを反映している。これら
一層大きな脂質構造は、大部分が大きな多重膜リポソームであると思われる。こ
れらの系の粒度のために、閉じ込められなかった外部のオリゴヌクレオチドを除
去するのに使用したアニオン交換カラムの上で失われる脂質もあることに注目す
べきである。溶出した部分は、全脂質の約50〜60%に相当する。40%以上
のエタノール濃度で、初期リポソームは、不安定になり、融合し、乳白色の分散
系を形成する。
共心薄層(concentric lamallae)間にオリゴヌクレオチドを閉じ込めさせる構
造的再配列(structural rearrangements)を生じ易くなることを実証する。し
かし、得られるリポソームの粒度を容易に制御することはできない。
り、次いで、例5及び6の諸プロトコルを用いて試験を行った。各々の場合、P
EG−Cer濃度の減少は、DPSCレベルの増大によって調整した。リポソー
ムの中に修飾脂質を取り込むこと(incorporation)によって、アンチセンス含
有リポソームの最終粒度が調節されることが分かった。リポソームは、PEG−
Cerが存在する場合、それが存在しない場合と比べて、一層大きいエタノール
濃度で安定する。PEG−Cer 2.5モル%を含有する試料については、濁
度がわずかに増大するのが認められたが、40%エタノール中では、それら分散
系は光学的に半透明のままであった。安定性が増大したことはまた、閉じ込め(
entrapment)が生じるために必要なエタノールの量が一層多いことに反映される
(表8、図2)。図2には、被包効率が、PEG−Cer 10モル%を含有す
るリポソームに対するエタノール濃度の関数として描かれる。最大の閉じ込めは
、40%エタノールで達成され、また、閉じ込めが生じるためには、25%(v
/v)を越えるエタノール濃度(>4.3M)が必要であった。エタノールが存
在しないと、閉じ込めは全く見出されなかった。表8には、動的光散乱によって
決定される閉じ込め効率及び粒度が、図2から決定される最小エタノール濃度及
び最大エタノール濃度での、PEG−Cer含有量(2.5〜10モル%)の関
数として記載される。初期の被押し出しリポソームの粒度は、括弧内に与えられ
る。閉じ込めが生じるために必要なエタノールの量は、リポソームのPEG−C
er含有量に依存する。PEG−Cer 2.5モル%を含有するリポソームに
では、25%エタノールでオリゴヌクレオチドの約15%が閉じ込められた。対
照的に、PEG−Cer 10モル%において、25%エタノールの存在下では
実質的に閉じ込めは達成されず(≦5%)、また、40%エタノールの存在下で
は60%であった。全ての場合、初期の[オリゴヌクレオチド]対[脂質]比は
0.037(モル/モル)であった。PEG−Cer含有量が2.5モル%から
10モル%まで増大するとき、閉じ込めレベルは、40%エタノール中で、45
%からほぼ60%まで増大した。リポソーム粒度及び多分散性は131±40n
mから100±26nmまで減少した。
order);小さいイオンの膜透過性;及びDPPC系における鎖の相互からみ合
いの誘導;の変化に関連して、主に低いエタノール濃度(<15%、v/v)で
研究されてきた[スレイター(Slater)及びハング(Hung),1988;バーチ
フェルド(Barchfeld)及びディーマー(Deamer),1988;シュビッヒテン
ホーベル(Schwichtenhovel)等,1992;スレイター(Slater)等,199
3;バリー(Barry)及びゴーリッヒ(Gawrisch),1994;ビエル(Vierl)
等,1994;ロベッケ(Lobbecke)及びチェブク(Cevc),1995;コマツ
(Komatsu)及びオカダ(Okada),1996;ホルテ(Holte)及びゴーリッヒ
(Gawrisch),1997]。閉じ込めるために必要な高濃度のエタノールにおい
てリポソームが依然として無傷であるか否かを問うことは道理にかなっている。
図3Aには、エタノールの濃度の関数として、DSPC/Chol/PEG−C
erC14/DODAPリポソーム中の自己消光濃度(self-quenching concentra
tions)で閉じ込められたカルセインの解放(黒丸)が、同一の脂質組成のリポ
ソームを使用して得られた被包効率と共に描かれている。漏出の実験も被包の実
験も、40℃で行った。カルセイン(623の分子量を持つ小さい分子)の漏出
は、30%以下のエタノールで出発し、約40%のエタノールで最大に達する。
オリゴヌクレオチドの閉じ込めは、類似のエタノール依存を示し、その閉じ込め
が、リポソーム膜の透過性障壁の不安定性と相関関係が高いことを表わしている
。カルセインとは対照的に、FITC−デキストラン(分子量 19500)の
解放は、40%エタノール中で10%未満である。このことは、オクチルグルコ
シド等の洗剤についても報告されてきたように[アルモッグ(Almog)等,19
90]、透過性障壁の損失が、分子量依存であることを示す。40%エタノール
に入った巨大リポソームの位相差顕微鏡検査によっても、無傷のリポソーム構造
が明らかとなった。
一層及び外部単一層の間で、迅速に交換できる。図3Bに示されるように、NB
D−PE/LRh−PE FRET分析によって検出されるような脂質混合(lip
id mixing)は、40%エタノール中で、有効に隣接している。小胞粒度の増大
は全く観察されず、脂質混合がリポソームの融合よりむしろリポソーム間の迅速
な脂質交換から生じていることを示している。図3Bに示される結果はまた、亜
ジチオン酸ナトリウムとの化学還元に基づく、外部脂質単一層中に位置している
NBD−PSの蛍光の損失によって示される通り、諸脂質が、リポソーム脂質の
二重層の一方側から他方側へ迅速に移動する(フリップ・フロップする)ことを
実証する。
tes)の形成]によって先行されることを示す。その凝集工程及び閉じ込みは、
低温で切り離すことができる。オリゴヌクレオチドを添加する時又は添加の直後
に、試料は濁り、また、濁度は時間が経てば増大する。エタノールが存在しない
場合、濁度がわずかに増大するのみであり、その後、光の透過率は一定のままで
ある。40℃で調製した試料とは対照的に、4℃で定温放置した試料は、エタノ
ールを除去すると、再び半透明になり、リポソームはオリゴヌクレオチドを閉じ
込めない。図4には、閉じ込め効率が、温度の関数として、カルセインの漏出デ
ータと共にプロットされている。漏出データは、カルセインの50%解放を引き
起こすのに必要なエタノール濃度として与えられる。また、リポソーム膜の不安
定性と閉じ込め効率の間には、質的な相関関係が存在する。
ができる。図5のA及び図5のBは、溶解状態のc−mycの31P−NMRスペ
クトルを示し(図5のA)、また、DODAP/DSPC/Chol/PEG−
CerC14リポソームに閉じ込められたc−mycの31P−NMRスペクトルを
示す(図5のB)。それらリポソームは、初期に、内部pHが4であり外部pH
が7.5である膜間pH勾配を示した。これらの条件下で、閉じ込められたオリ
ゴヌクレオチドは、正に帯電したリポソーム膜としっかりと結合している。この
固定化によって、NMR信号は消失する(disappearance)(幅が広がる)結果
となる(図5のB)。酢酸アンモニウムの添加によってpH勾配が消滅し、外部
pHが7.5に調整されるとき、DODAPは脱プロトン化し、オリゴヌクレオ
チドはリポソーム膜から解離する。このことは、NMR信号の回復(recovery)
(図5のC)によって実証される。しかし、この回復は不完全であり、初期信号
の約50%である。この信号の減衰は、NMR共鳴の飽和に起因するものではな
い。それは、2つの可能性:被包されたアンチセンスの量がその溶解度を越えて
、その一部が沈降すること;又は、アンチセンス分子の移動度が、例えば、2つ
の接近して並んでいる二重層の間に固定化されることによって、空間的に制約さ
れること;に起因するのかも知れない(図3Aを参照)。オリゴヌクレオチドが
、被包されてリポソームの水性内部に局部集中したことを確認するために、Mn
SO4 5mMを外部溶液に添加した(図5のD)。Mn2+は、膜不透過性常磁性
線広がり剤(membrane impermeable paramagnetic line broadening agent)で
あって、オリゴヌクレオチドだけでなく、接近可能な全てのリン酸基、リン脂質
の信号を消滅させる。しかし、オリゴヌクレオチドの信号は、影響されないまま
であり、OGPを有するリポソームの可溶化に基づいてのみ消滅した(図5のE
)。初期リポソーム(図5のB)が、Mn2+の不存在下で、OGPにより可溶化
されるとき、全体のオリゴヌクレオチド信号は回復する。これらのデータによっ
て、オリゴヌクレオチドがリポソーム内に閉じ込められ、また、外部膜と単純に
は結合しないことが明白に実証される。閉じ込められたオリゴヌクレオチドは、
オリゴヌクレオチド結合性染料オリグリーン(OliGreen)に接近しなかったこと
にも注目すべきである。
ドとリポソームの間の相互作用が説明される。脂質の動特性の変化及び膜組織は
、ピレン標識脂質を用いて精査することができる[デュポーテイル(Duportail
)及びリアノス(Lianos),1996]。ピレン標識脂質は、高濃度で、励起状
態の二量体を形成する。これら二量体は、モノマーと異なる波長で蛍光を発する
。エキシマーの形成は、拡散律速過程(diffusion-controlled process)であっ
て、一緒になって二量体を形成する2つの分子を必要とする。それらオリゴヌク
レオチドの結合によって、リポソームを制御するのに関与し、オリゴヌクレオチ
ドを含有しない全ての脂質種の横への移動性(lateral mobility)が著しく減少
する結果となる。その膜は横方向に圧搾される。これは、ピレン−HPCのエキ
シマー蛍光の減少が観測されることによって得られる。膜間pH勾配の減損によ
って、エキシマー蛍光が増加し、脂質の移動性が回復する結果となる。
期[アンチセンス]対[脂質]比に依存する。図6は、高い[アンチセンス]対
[脂質]比でオリゴヌクレオチドを効率よく閉じ込め得ることを示す。閉じ込め
効率は、初期[オリゴヌクレオチド]対[脂質]比の関数としてプロットされて
いる。最大閉じ込め効率での結合レベルは、脂質1mg当りオリゴヌクレオチド
0.16mg(0.024モル/モル)である。これは、100nmのリポソ
ーム当り約2250分子のオリゴヌクレオチドに相当し、また、この閉じ込め手
順が高効率であることを実証する。閉じ込め効率は、受動的被包化(passive en
capsulation)によって得られたものより、約3桁大きい。 [オリゴヌクレオチド]対[脂質]比を増大させるとき、試料の多分散性も粒
度も、リポソーム単独の70±10nmから、0.2の初期[ODN]対[脂質
]重量比の110±30nmまでわずかに増大する。凍結破断電子顕微鏡検査(
freeze-fracture electron microscopy)により、初期[オリゴヌクレオチド]
対[脂質]比の増大と共に、一層大きいリポソームの数が増大することが分かっ
た。また、初期に半透明であったリポソーム分散系は、[アンチセンス]対[脂
質]比が増大するにつれて、ますます濁ってくることに注目すべきである。
顕微鏡検査)によって観察される該膜の形成を、PEGコーティングは妨げるこ
とが期待される。従って、放射能標識PEG−CerC14を使用することによっ
て、PEG−Cerの命運について試験を行った。アンチセンス・オリゴヌクレ
オチドを、非標識PEG−CerC14 10モル%と、5.9の[3H]/[C14 ]比での、コレステロールマーカーとしての[14C]−コレステロールヘキサデ
シルエーテル(CHE)とに加えて、痕跡量の[3H]−PEG−CerC14を
含有するリポソーム中に被包した。この比は、見掛けの[PEG−Cer]/[
Chol]比を表わし、また、[PEG−Cer]/[Chol]のモル比に代
えて使用される。初期の[アンチセンス]対[脂質]重量比は0.29であった
。閉じ込めは、最終的に0.16の最終[アンチセンス]対[脂質]比となった
。遊離のPEG−Cerミセル及びPEGミセルは、ショ糖段階勾配(sucrose
step gradient)[HBSに入ったショ糖 1%、2.5%、10%、15%(w
/v)]を用いて、超遠心分離法によってリポソームから分離した。中空のリポ
ソームは、5.5の見掛け[PEG−Cer]/[Chol]比で、2.5%シ
ョ糖と10%ショ糖の境界に集まる。このバンド(band)は、全脂質の約80%
を占める。アンチセンス含有リポソームは、同一の位置に弱いバンドを示し、こ
のバンドは全脂質の9%未満に相当する。しかし、大抵のリポソームアンチセン
スは、15%ショ糖層又は下部のペレットに移動する。表9に、勾配のリポソー
ム含有フラクション(fractions)の全分析を示す。それら結果は、高い[オリ
ゴヌクレオチド]対[脂質]比で調製した試料を表わす。相対的な[PEG−C
er]/[Chol]比は、勾配の下部の方に向かい漸進的に減少している。P
EG−Cerの50%以上が、初期リポソーム(見掛け[PEG−Cer]/[
Chol]比は5.5)に比べて下部フラクションから失われている。[DSP
C]/[Chol]比は変化していない。PEG−Cerの27%は、コレステ
ロールの6.6%と共に、上部フラクションに見出すことができる。ほぼ同じ量
の非リポソーム結合PEG−Cerが、中空の対照リポソームに見られる。
ムはそれらのアンチセンス含有量及び粒度において大きな差異を示すことが分か
る(表9)。平均粒度も[オリゴヌクレオチド]対[脂質]比も、上部から下部
へ増大する。三つの主要集団を、明瞭なバンドとして確認することができる(表
10)。それらの相対割合は、初期[オリゴヌクレオチド]対[脂質]比に依存
する(表10)。第1の集団は、低い[ODN]/[脂質]比(0.03〜0.
05)のアンチセンス含有リポソームである。第2の集団は、0.14〜0.1
5の[ODN]/[脂質]比を有するリポソームである。最後の集団は、非常に
高い[ODN]/[脂質]比(0.29mg/mg)を有するリポソームである
。最後の集団は、初期[ODN]/[脂質]比が減少しているそれら初めの2つ
の集団に有利なように減少している。最後の集団は、光学的に濁っているのに対
して、他の2つの集団は、半透明である。閉じ込み率と粒度の観測差異を、極低
温透過型電子顕微鏡検査によって認識される形態の不均質性と関連付けることを
試みた。アンチセンスは、高い初期[オリゴヌクレオチド]/[脂質]比(0.
28mg/mg)で閉じ込められ、また、表10のフラクション15及び17に
対応する2つの主要フラクションは、透析によりショ糖を除去した後、極低温透
過型電子顕微鏡検査によって検査した。上部のフラクションは専ら、二重層リポ
ソームであってそれらの多くがバルブ(bulbs)を示す該二重層リポソームから
成るのに対し、下部のフラクションは、二重層リポソームと多重膜リポソームの
混合物を含有した。
ば、ドメイン形成を生じさせることができる。見られる多重膜リポソームの形成
は、リポソームの接着によって先行されなければならない。しかし、エタノール
の不存在下では、10モル%PEG−Cerは接着を完全に妨げる。エタノール
の存在下では、2つの効果:即ち、第1に、迅速な脂質交換による、非膜取り込
み済み(non membrane-incorporated)PEG−Cerの量の増加;及び、PE
G−Cer中で消耗されアンチセンス・オリゴヌクレオチド中で富化される小さ
いドメインの形成;が、リポソームの接着に寄与し得る。後者の可能性を研究し
た。オリゴヌクレオチド結合の効果は、FITC標識オリゴヌクレオチドと併せ
てDSPC/Chol/DODAP/PEG−CerC14の巨大リポソームを用
いて、位相差蛍光顕微鏡により視覚化した。観察された大抵のリポソームは、多
重膜であり、内部構造を示した。エタノールの不存在下で、巨大リポソームは崩
壊して不規則形状の凝集体となり、また、アンチセンスの添加によって一層小さ
いリポソームとなった。グリーンFITC蛍光発光(green FITC fluorescence
)によって、オリゴヌクレオチドの位置が明らかとなった。40%エタノールの
存在下では、全く異なる事態が与えられる。初期に丸いリポソームは、オリゴヌ
クレオチドを添加して5〜10分間は西洋なし形状をしており、また、これらオ
リゴヌクレオチドは、これらリポソーム構造体の一方側では半円形で置かれてい
る。内部膜は、この馬蹄形のものから圧搾される。この馬蹄形のものは、(とり
わけ、温度が上昇するとき)引き離されて崩壊し、蛍光が完全にグリーンに見え
る、緻密でわずかに不規則な構造体となる。オリゴヌクレオチドの分離は、エタ
ノールがドメインの形成を刺激し得ることを表わしている。
ないし、また、使用される高いクエン酸塩濃度にも制限されない。被包化は、5
0mMクエン酸塩緩衝液で最も効率が高く、一層低いクエン酸塩濃度でも一層高
いクエン酸塩濃度でも減少する。粒度及び多分散性は、25mM以下のクエン酸
塩濃度ではかなり増大する。図7は、プラスミド−DNAも、c−myc(配列
ID番号1)以外の諸オリゴヌクレオチドも、DSPC/Chol/DODAP
/PEG−CerC14のリポソーム中に効率よく閉じ込めることができることを
示す。初期の[オリゴヌクレオチド]対[脂質]重量比は0.1mg/mgであ
り、オリゴヌクレオチドを閉じ込めるために、300mMクエン酸塩緩衝液を使
用した。pDNAの閉じ込めは、0.03の[pDNA]対[脂質]重量比で、
50mMクエン酸塩緩衝液中で行った。ホスホロチオエート型アンチセンス・オ
リゴヌクレオチドと異なり、ホスホジエステルベースの分子は、300mMクエ
ン酸塩緩衝液等の高いイオン強度の緩衝液では、被包することができない。これ
は恐らく、結合親和性(binding affinities)の差異を反映する[センプル(Se
mple)等,2000]。大きい分子の効率のよい被包化とは対照的に、ATPの
10%未満は、0.2mg/mgの初期[ATP]対[脂質]比で、DSPC/
Chol/DODAP/PEG−CerC14のリポソーム中に閉じ込めることが
できる。ATPの閉じ込めは、50mMクエン酸塩緩衝液中で行った。表5は、
この閉じ込め手順が、DOPE系を含有する他の諸脂質組成物に拡張することが
できることを実証する。負に帯電したリポソーム;及び正に帯電した、ポリリシ
ンを含む高分子電解質;に関する予備結果によって、閉じ込みが、エタノール中
における、高分子電解質と、逆に帯電したリポソームとの相互作用の一般的特徴
であることが分かる。
ソームに添加し(1:1 v/v)、最終濃度を30〜40mMの範囲とした。
後続の諸工程は全て、例5で記述した通りに実施した。但し、pH 4のクエン
酸塩緩衝液に対する初期透析工程は5時間に延長した。オリゴヌクレオチドは、
外部から添加されるオリグリーン(Oligreen)、蛍光オリゴ−結合性染料から保
護されるべきことが分かった。初期[オリゴヌクレオチド]対[脂質]比は、0
.23(mg/mg)であった。粒度は、数平均粒度を表わす。DSPC/Ch
ol/DODAP/PEG−CerC14は、20/45/25/10モル%であ
った。表11に、被包化の観察レベル、及び最終粒度をまとめる。
れた治療剤の粒子を生成するための、他の方法並びに手段を認識することが可能
であり、それら方法及び手段の全ては、特許請求の範囲に包含される。
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ed plasmid-lipid particles: construction and characterization),Gen
e Therapy,6,271〜281(1999). フィール(Vierl),U.;L.,ロベッケ(Lobbecke);N.,ナーゲル(N
agel);G.,チェブク(Cevc):脂質の二重層膜のコロイドと相の挙動に及ぼ
す溶質の影響:エタノール−ジパルミトイルホスファチジルコリン混合物(Solu
te effects on the colloidal and phase behavior of lipid bilayer membrane
s: ethanol-dipalmitoylphosphatidylcholine mixtures),Biophys.J
.,67,1067〜1079(1994). シュ(Xu),Y.;S.W.,ホイ(Hui);P.,フレデリック(Frederick
);F.C.,ショカ(Szoka):カチオンリポソームの物理化学特性と精製(P
hysicochemical characterization and purification of cationic liposomes)
,Biophys.J.,77,341〜53(1999).
含有するリポソームのためのエタノール濃度の関数として表わす。
DODAPのリポソーム中の自己消光(self-quenching)濃度で閉じ込められた
カルセインの解放(黒丸)を、同じ脂質組成のリポソームを用いて得られた被包
効率(白丸)と共に描く。
速な交換を示す。
を示す。
す。
め効率のグラフを示す。
A(pDNA)とに対する被包効率を示す。
Claims (12)
- 【請求項1】 帯電した治療剤の、脂質で十分に被包された治療剤粒子を製
造する方法であって、 予め形成された脂質小胞から成る脂質組成物と、帯電した治療剤と、不安定化
溶媒中で予め形成された小胞と治療剤の混合物を形成するための不安定化剤とを
混合する工程であって、不安定化溶媒は、予め形成された脂質小胞を崩壊するこ
となく脂質小胞の膜を不安定化するのに有効であり、 予め形成された脂質小胞の内部に治療剤を被包するのに十分な時間、前記混合
物を定温放置する工程、 前記不安定化剤を除去する工程、 からなり、予め形成された脂質小胞が、帯電した治療剤の電荷と反対の電荷を持
つ帯電脂質と、凝集を制御するための立体構造の障壁部分を有する修飾脂質から
なり、及び、修飾脂質が、予め形成された小胞の凝集を遅らせるものの妨げない
有効な量で、予め形成された小胞中に存在する、上記製造方法。 - 【請求項2】 予め形成された脂質小胞中の帯電脂質がカチオン性脂質から
なり、治療剤がアニオン性治療剤である、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 治療剤がポリヌクレオチドである、請求項2記載の方法。
- 【請求項4】 カチオン性脂質が、 ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC); N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモ
ニウムクロリド(DOTMA); N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB); N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモ
ニウムクロリド(DOTAP); 3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル)コレス
テロール(DC−Chol); N−(1,2−ジミリスチルオキシプロップ−3−イル)−N,N−ジメチル−
N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE); DOTMA及び1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(
DOPE)から成るカチオン性リポソーム; N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−(2−(スペルミ
ンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオロアセ
テート(DOSPA)及びDOPEから成るカチオン性リポソーム; エタノール中のジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOG
S)から成るカチオン性脂質; N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N−ジメチルアンモニウム
クロリド(DODMA)及び1,2−ジオレイル−3−ジメチルアンモニウム−
プロパン(DODAP) から成る群から選ばれる、請求項2又は3に記載の方法。 - 【請求項5】 脂質組成物が、帯電脂質 10〜40モル%、中性脂質 25
〜40モル%、ステロール 35〜55モル%、及び修飾脂質2.5〜10モル
%から成る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項6】 不安定化剤がエタノールである、請求項1〜5のいずれか一
項に記載の方法。 - 【請求項7】 エタノールが、不安定化溶媒中に25〜40%の濃度で存在
する、請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 不安定化剤が界面活性剤である、請求項1〜5のいずれか一
項に記載の方法。 - 【請求項9】 不安定化溶媒が、更にクエン酸塩緩衝液 25〜300mM
から成る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項10】 混合物は、約40℃の温度で定温放置する、請求項1〜9
のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項11】 修飾脂質が、PEG−CerC14である、請求項1〜10
のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項12】 予め形成された脂質小胞が、カチオン性脂質;DOPE及
びDSPCから成る群から選ばれる中性脂質;修飾脂質;並びにコレステロール
を含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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