JP2003502500A - 三次元部品を積層的に製造する装置へ粉末を供給するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 三次元部品を積層的に製造するために使用される装置、特にレーザ焼結装置の平坦な表面（１）上に粉末を供給する装置を開示している。発明の装置は、被覆装置（３）を有し、この被覆装置は、第１の方向を横切って延在する第２の方向において、横方向第１の位置とこれと反対側の第２の位置との間を駆動機構によって前後に移動可能である。この装置は、上記２つの位置の少なくとも一方において、粉末を充填される。この装置を簡単化し且つ動作を改善するために、上記被覆装置（３）は、その全幅に亘って延在するとともにその頂部および底部が開口したスリット（６）を備え、更に、前記表面に対向する両端部に平坦化素子をそれぞれ備えている。貯蔵容器（９）が、被覆装置（３）の終端位置においてその上方に設けられている。ここで、前記貯蔵容器の容積は、その直下のスリットの容積と、その全幅に亘る各点において、等しくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は、請求項１の前提項に記載した三次元部品を積層的に製造する装置
の平面上へ粉末を供給するための装置に関するものである。

【０００２】 三次元部品を積層的に製造する装置は、例えば、国際公開公報ＷＯ ９５／１
８７１５、同じくＷＯ ９８／１８１２４及びヨーロッパ特許第０ ８８２ ５
６８から知られている。このような装置を使用して、粉末材料の引続く複数の層
を部品の各断面に対応した位置において、例えば、レーザビームの作用により、
選択的に固化させることによって、三次元部品が製造される。

【０００３】 この種の公知の装置においては、横方向端部位置において、所定の量の粉末が
その貯蔵容器から、被覆装置へ供給される。この所定の量は、各層において全面
が粉末によって確実に被覆されることを保証するために、理論的に必要な量より
も多くなければならない。先に処理した各層において表面の幅に亘って焼結が均
一でないことにより、被覆装置の各部における粉末消費が異なることになる。そ
の理由のために、粉末充填の前、或いは被覆工程を所定回数行った後、被覆装置
の全幅に亘って予め定められた量の粉末を新たに充填する前に、被覆装置をその
全幅に亘って全て空にしている。このことにより、一方では、粉末の消費量が比
較的高くなり、粉末はリサイクルされることが必要であり、他方では、全体の工
程が、その空にするための工程分だけ、長くなってしまう。

【０００４】 被覆手段に充填される粉末の予め定られた量が理論的に必要なものより多く、
かつ余分の粉末を各被覆工程の後に空にするようにした装置は、国際公開公報Ｗ
Ｏ ９５／１８７１５号から知られている。

【０００５】 本発明は、上記の欠点を回避することを目的とする。

【０００６】 この目的は、請求項１の特徴項によって特徴づけられた装置によって、達成さ
れる。

【０００７】 本発明の更なる態様及び応用は、図面に示す実施例の説明において、より詳細
に議論されるであろう。

【０００８】 図１において、表面１は、図の面に直角な第１の方向及び該第１の面に直角な
、矢印２で示される第２の方向に延在するものとして示されている。レーザ焼結
の各サイクルにおいて、この表面１には粉末が公知の方法で供給され、続いて、
この粉末は、形成されるべき部品の幾何学的図形配列によって与えられる位置に
おいて形成される部品の幾何学的配列の関数として、レーザビームによって焼結
される。各サイクルの終了時に、この表面には、再び、粉末が供給され、続いて
、レーザビームを使用した焼結が行われる。

【０００９】 この目的のために、図１に示された装置は、表面１の全幅に亘って第１の方向
に延在する被覆装置３を有している。この被覆装置は、互いに間隔をおいて全幅
に亘って延在する２つの壁部４、５を有しており、これらの壁部の間には、上方
及び下方に開いたスリット６が形成されている。壁部４及び５は、表面１に隣接
した下端に、平坦化素子７、８を有している。これらの平坦化素子は、通常の方
法で、ゴム片或いは金属刃として形成することができる。この被覆装置３は、表
面１の全体に亘って前後に移動可能なように、その両端或いは一端を装置フレー
ム内で案内されている。

【００１０】 図１の実施の形態においては、被覆装置３は、その一端部に接近した状態にあ
る。貯蔵容器９は、装置フレーム１０に支持されて設けられており、これは、垂
直に延在する第１の壁部１１と、これに平行でかつそこから所定距離に配置され
た第２の壁部１２とを有している。これら２つの壁部１１および１２は、被覆装
置３の壁部４および５に並行で、且つ表面１の全幅に亘って、しかし少なくとも
壁部４および５と同じ距離に亘って、延在している。これら２つの壁部１１およ
び１２の互いの間の距離は、２つの壁部４及び５間の距離と等しいか僅かに小さ
い。したがって、その間に上方及び下方に開いたスリット１３を規定しており、
このスリットは、スリット６と等しいか、僅かに小さい。

【００１１】 ２つの壁部１１及び１２の位置、したがってスリット１３の位置は、もし被覆
装置３が対応する側の端部に移動された時、スリット１３がスリット６の丁度真
上になるように選ばれる。

【００１２】 スリット１３の高さは、その単位長さあたりの容積が、下方のスリット６の単
位長さあたりの容積と少なくとも同一か、好ましくは、僅かに大きくなるように
選ばれる。

【００１３】 図１に最もよく示されているように、貯蔵容器９は、その底部に摺動シャッタ
１４を有し、これは、図１に示される位置にあるとき、スリット１３の底部をそ
の全幅に亘って閉じる。この摺動シャッタ１４は、図示の閉じた位置から、被覆
装置３との係合によって開放される位置へ移動できるように、ガイド１５中に設
置されている。こうして、スリット１３の下方開口は、その下を被覆装置３が移
動する範囲にさらされることになる。もし、被覆装置３が、再び、スリット１３
の下方位置から離れる方向に表面１を横切って動かされると、摺動シャッタ１４
は、概略的に示されたスプリングの偏倚力を受けて、スリット１３を閉じる。

【００１４】 図１から判るように、貯蔵容器９は、壁部４及び５の上端が壁部１１及び１２
の下端に沿って摺動するような高さに正確に配置されている。

【００１５】 被覆装置３を移動させるためのモータ駆動機構は、公知のように設けられる。

【００１６】 動作について説明すると、先ず、スリット１３に粉末を充填する。次ぎに、被
覆装置３を、その長さに沿って、端部位置へ移動させる。これにより、摺動シャ
ッタ１４の端部位置への移動を引き起こし、スリットの下部開口１３を露出させ
る。このとき、粉末が下方のスリット６中に、全幅に亘って落下し、そのスリッ
トをその上縁まで満たす。引続いて、被覆装置を遠ざかる方向に移動すると、第
２の壁部１２の下端がスリット６中に収容された粉末を平坦化し、粉末がスリッ
ト６の縁より上に突出している状態を解消する。

【００１７】 このようにして充填された被覆装置は、引続く動作サイクルにおいて、粉末を
散布する。

【００１８】 好ましくは、摺動シャッタ１４とホルダーとを有しかつ互いに対応する複数の
貯蔵容器が、表面１の対向する両側に配置されると良い。その結果、充填を両側
で行う事ができる。

【００１９】 図２を参照して、第２の実施の形態が示されている。ここでは、第１の実施の
形態と一致した特徴部分は、同じ参照符号を付してある。

【００２０】 この実施の形態において、第１の実施の形態と同様に、被覆装置が表面１を横
切って移動できるように設けられている。しかしながら、粉末材料の供給装置は
異なる方法で設けられている。この粉末材料の供給装置は、貯蔵容器１７を有し
、この貯蔵容器は、貯蔵容器９と同様に、表面の全幅に亘って、且つ少なくとも
スリット６の全幅に亘って延在し、その底部に、スリット形状の開口１８を有し
ている。この開口の直下に、水平方向に上記スリット形開口と平行に延在するコ
ンベヤ１９が設けられている。このコンベヤは対向して配置された２つの偏向ロ
ーラに案内されてモータ駆動される。図２に示されるように、被覆装置３の充填
位置がコンベヤ１９の一端の直下に位置付けられるように、装置の配置が形成さ
れている。

【００２１】 貯蔵容器１７は、また、装置フレーム１０に固定されるとともに、加えて、壁
部４および５の全幅に亘って延在するスクレーパ２０を有している。このスクレ
ーパは壁４の上方、被覆装置３が充填されて後被覆工程を行うために移動される
方向に面して配置されている。

【００２２】 動作について説明すると、被覆装置３が図２に示される充填位置に到達すると
直ぐ、コンベヤ１９がスタートし、貯蔵容器１７中の粉末をスリット１６へ搬送
する。所定の充填レベルに達すると、コンベヤ１９は停止し、被覆装置３がその
モータ駆動機構によって表面１を横切って矢印２の方向に移動する。この際、ス
リットの上に突出した粉末２１はスクレーパ２０によって掻き取られ、壁部５の
背後の床上に落下する。かくして、スリットへの充填がその全幅に亘って均一に
行われる。

【００２３】 図２に示されるように、底部開口２２が設けられ、これは余分な粉末を受ける
容器（図示されていない）に連結されている。スクレーパによって掻き落とされ
て床上にある粉末は、その後の充填工程の間に、平坦化素子によって、開口２２
中に掻き込まれ、再使用のために回収される。

【００２４】 第３の実施の形態を示す図３から５を参照して、被覆装置３のスリット６は、
その上端部にファンネル形延長部を有している。更に、スリット６と平坦化素子
７，８を有する被覆装置は、表面１を横切る横方向へ延在していることと案内に
ついては、図１の実施の形態の被覆装置に対応する。

【００２５】 また、貯蔵容器２３は、被覆装置の全幅に亘って延在し、かつ被覆装置の上方
に設けられており、十分に大きな貯蔵スペースを有している。その底部開口は、
フレームに設置された枢軸即ちピン２５に回転可能に取り付けられたシャッタ２
６を有している。このシャッタ２６は、前記ピン２５にヒンジ結合された横方向
ガイド装置２７を有している。この横方向ガイド装置は貯蔵容器２３の底部開口
の全長さ及び幅に亘って延在する面板２８を支持している。板２８は、その両側
の一方に突出したボルト２９を備えている。被覆装置３の壁は、充填位置に達し
たとき上記ボルトに係合する作動アーム３０を有している。

【００２６】 図３〜５に示されるように、貯蔵容器２３は、その作動位置に在るとき（図３
）、シャッタ２６の自重或いはスプリングによって閉じられる。被覆装置が充填
位置に達すると、ボルト２９と作動アーム３０とが係合することによって、貯蔵
容器２３が開き、粉末が貯蔵スペース２４からスリット６中に落下する。十分な
充填レベルに達すると、被覆装置３は、逆転して図５で矢印３１にて示す方向に
表面１を横切って移動する。この結果、貯蔵容器３は再び閉じられる。

【００２７】 また、所望の充填レベルは、センサを用いて、或いは被覆装置を充填位置に所
定時間停止させておくことによって、達成される。

【００２８】 上の実施の形態に代わるものとして、貯蔵容器は、被覆装置の上方以外の場所
、例えば、焼結装置の外に設けても良い。その場合、貯蔵容器は、被覆装置と適
当な搬送装置によって連結される。

【００２９】 本発明は、レーザ焼結装置へ粉末を供給する装置に限定されるものではない。
例えば、本装置は、粉末をバインダ或いは接着剤の供給によって固化させること
によって、三次元部品を積層的に製造する装置においても使用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の実施の形態の横断面側面図である。

【図２】 第２の実施の形態の同様の図である。

【図３】 第３の実施の形態の第１の動作位置における概略側面図である。

【図４】 図３の実施の形態の第２の動作位置を示す図である。

【図５】 第３の実施の形態の第３の動作位置を示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グラフ，ベルナルド−フランツ ドイツ連邦共和国，ディー−86938 ショ ーンドルフ，シュールシュトラッセ ２ (72)発明者 ザクマイスター，ウリ クリスティアン ドイツ連邦共和国，ディー−84389 ポス トミュンスター，ライジング １ Ｆターム(参考） 4K018 CA27 DA00

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三次元部品を積層的に製造する装置の平坦な表面（１）上に
   粉末を供給する装置であって、上記表面上を第１の方向に亘って延在する被覆装
   置（３）を有し、該被覆装置（３）は、上記第１の方向に直角な第２の方向にお
   いて、両端側に在る横方向第１の位置及び第２の位置の間を駆動機構によって前
   後に移動可能であり、且つ上記２つの位置の少なくとも一方において、上方から
   粉末を充填されるように構成されている前記粉末を供給する装置において、上記
   被覆装置（３）は、その全幅に亘って延在するとともにその頂部および底部が開
   口した空孔部（６）を備え、更に、貯蔵容器（９）が設けられており、該貯蔵容
   器（９）は、前記横方向一方の端部位置で前記被覆装置（３）に被覆に使用する
   材料を供給し、前記空孔部をその全幅に亘って所定のレベルまで充填することを
   特徴とする粉末を供給する装置。
2. 【請求項２】 前記貯蔵容器（９）が前記被覆装置（３）の上方に設けられ
   ていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 前記貯蔵容器（９）の前記全幅に亘る各位置における容積が
   、その直下のスリットの容積に等しいことを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 前記貯蔵容器の底部に摺動シャッタまたはフラップが設けら
   れ、その第１の位置において閉じられており、前記被覆装置が該貯蔵容器の直下
   に移動した際に該被覆装置と係合することにより開放されることを特徴とする請
   求項１〜３のいずれか１つに記載の装置。
5. 【請求項５】 前記貯蔵容器の底部側に、前記所定のレベルを越えて突出す
   る材料を掻き取る為のスクレーパ（２０）を設けていることを特徴とする請求項
   １〜３のいずれか１つに記載の装置。
6. 【請求項６】 前記貯蔵容器が、前記空孔部（６）に対面する底部側を枢軸
   回転するシャッタ（２６）によって閉じられており、該枢軸回転するシャッタは
   、前記被覆装置（３）が充填位置に達したときに開放位置に動かされるように構
   成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の装置。
7. 【請求項７】 前記空孔部はスリット（６）として構成されていることを特
   徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載の装置。
8. 【請求項８】 前記被覆装置（３）は、前記表面に対向する端部において、
   前記空孔部の各側面に平坦化素子（７，８）を有していることを特徴とする請求
   項１〜７のいずれか１つに記載の装置。
9. 【請求項９】 前記貯蔵容器の直下にコンベヤ（１９）が設けられており、
   このコンベヤは、前記被覆装置への充填位置が該コンベヤの一端の直下になるよ
   うに配置されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載の装置
   。
10. 【請求項１０】 前記コンベヤは、前記所定の充填レベルを達成するために
    調整可能な時間だけ駆動されることを特徴とする請求項９に記載の装置。
11. 【請求項１１】 前記所定の充填レベルに達したか否かを検知するためのセ
    ンサを設けたことを特徴とする請求項１〜９のいずれか１つに記載の装置。
12. 【請求項１２】 レーザ焼結装置の一部であることを特徴とする請求項１〜
    １１のいずれか１つに記載の装置。
13. 【請求項１３】 請求項１〜１１のいずれか１つに記載の平坦な表面に粉末
    を供給する装置を有することを特徴とするレーザ焼結装置。