JP2003501887A - カオス信号を使用したマルチプル・アクセス通信システムおよびカオス信号を発生・抽出する方法 - Google Patents

カオス信号を使用したマルチプル・アクセス通信システムおよびカオス信号を発生・抽出する方法

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 多重アクセス通信システムが提供され、それはカオス信号を使用する。各送信機はカオス・システムを有し、それは、その位相空間中に少なくとも1つの予測不能なのアトラクタを有し、各受信機はカオス・システムを有し、それは送信機中のカオス・システムに対応し、それは送信機からの信号を受信する。ユーザの各ペアは予測不能なアトラクタから周期的な不安定軌道のセットが割当てられ、それは、ユーザのペアがシグナリングのためにそれを使用できる。送信機側で、マルチプレクサは複数のユーザからデータを受信する。これらのデータは時間多重され、非同期データ・ストリームを生成する。データ・ストリームは、その後、各送信機および受信機ペアに対する軌道のセットに従って、一連のカオス信号にマッピングされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カオス信号を使用しているマルチプル・アクセス通信システムに関
する。特に、本発明は、送信側にカオス信号発生ユニットおよび受信側にカオス
信号受信機を有するマルチプル・アクセス通信システムに関し、さらにカオス信
号シーケンスを発生し、および受信カオス信号シーケンスからカオス信号を抽出
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、多くの異なる通信方法が、マルチプル・アクセス・モードを利用するこ
とはよく知られている。これらの方法は、周波数、時間またはチャネルのコード
分割を備えるシステムにおいて、実現される。このようなシステムは、周波数分
割マルチプル・アクセス(Frequency Division Multiple Access、FDMA)シ
ステム、時分割マルチプル・アクセス(Time Division Multiple Access、TD
MA)システム、およびコード分割マルチプル・アクセス(Code Division Mult
iple Access、CDMA)システムと呼ばれている。
【0003】 これらのシステムの各々は、それ自身の利点および不利な点を有する。たとえ
ば、FDMAシステムは、必要な周波数で受信フィルタを調整することによって
、簡単に必要なチャネルが供給される。しかし、この利点の裏側は、制限された
動作バンド幅による追加チャネルの制限である。TDMAシステムは、異なるユ
ーザからの情報をシリアルに断片的に伝送することによって、同じ周波数での通
信が可能である。しかし、この場合、所定の期間に繰り返される伝送スロットが
有限の長さであるために、チャネル数に関してFDMAシステムと同じ制限があ
る。CDMAシステムは、通信速度の増加を図ることができる。しかし、また、
これらのシステムも、個々のコードを形成するための疑似ランダム・シーケンス
(PRS)を使用するために、チャネルの数が制限される。その理由は、このよ
うなPRSの数は有限であるからである。概して、これらの通信システムにおい
ては、チャネル分割方法が、共通に使われる。
【0004】 さらに、実際の運用においては、多数のユーザからのデータが、任意の瞬間に
このようなシステムの伝送ステーションに到達すると、これらのシステムは非同
期のデータ・シーケンスを形成する問題を有する。TDMAシステムにおいては
、情報断片のシーケンシャル伝送が実行される。異なるユーザから来た情報断片
は、共通シーケンスの各時間の間同じく持続する。このようなデータ・シーケン
スを形成することは、通信システムのいわゆる優先ユーザ、たとえば、非常事態
または救出サービスがない場合、および通信システムが多かれ少なかれ均一な負
荷を有する条件では、むしろ好ましいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際問題として、負荷はまず均一でない。さらに、多数のユーザから
送信される一連のデータの形成が明らかに非同期の性質を有するときに、たとえ
ば、優先ユーザまたは割当てられた優先チャネルがあると、動作は複雑になる。
CDMAシステムにおいては、ユーザの情報シンボルは、同じビット数を有する
コードワードによって、エンコードされる。ビット数を通信チャネルの特定の条
件に適応するコードワードに変わる可能性を有するそれらの通信システムにおい
てさえ、このビット数の変化は、同時に全てのコードワードに対して生じる。そ
の際、非同期の送信データ・シーケンスを供給することは、TDMAシステムの
場合と同様に難しい。
【0006】 マルチプル・アクセス通信の信号システムを形成する方法は、Wornellによっ
て1996年10月29日に発行された米国特許5570351に開示される。
この特許において、各ユーザに対する情報シーケンスは、たとえば、そのユーザ
および未知のユーザに割当てられた所定のランダムなシーケンスを有するいわゆ
る拡張サインでコンボリューションすることによって、エンコードされる。した
がって、この方法は、ユーザ数が限定されるというCDMAの不利な点を含んで
いる。
【0007】 マルチプル・アクセス通信のシステムを形成する他の方法は、Dmitriev A.S等
による論文「ダイナミック・カオス:現代の通信システムのための原理」(fore
ign radioeiectronics、modern radioeiectronics、1997、No.10、pp.13-14)に開
示される。この方法は、カオス信号を使用する。この方法によれば、システムが
その位相空間中で予測不能なアトラクタを有するように、少なくとも1つのダイ
ナミック・カオス・システムが構成される。そして、このダイナミック・カオス
・システムは複数のカオス軌跡であり、不安定な周期的なスケルトン軌道の可算
数のセットを含む。
【0008】 不安定なスケルトン軌道は、ダイナミック・カオス・システムの振動構造によ
って決定される。複数の不安定なスケルトン軌道に対応するカオス信号は、所定
のルールに従って選択される。ユーザのアルファベット・シンボルから成る情報
メッセージは、通信システムのユーザから受信される。ユーザから受信されるシ
ンボルからの共通シーケンスは、シンボルが所定のルールによって定義される順
序に従うように形成される。ダイナミック・カオス・システムはカオス信号を発
生するために連続的に調整され、それぞれは形成された共通シーケンスの特定の
シンボルに対応する。その後、通信チャネルにおいて、非同期データ・シーケン
スは、連続的に発生するカオス信号から形成される。
【0009】 この方法は、スプレッド・スペクトル通信システムを使用する。カオス信号を
使用したスプレッド・スペクトル通信システムの利点は、実行が容易であり、お
よび自己同期回路を造れる可能性があり、多くの干渉に関して安定であることで
ある。しかし、この論文は、カオス信号によって、通信を行うための原則だけが
開示され、カオス信号システムまたはマルチプル・アクセス通信システム中での
非同期のデータ・シーケンスを形成するに必要ないかなる具体的なステップも開
示されていない。
【0010】 非同期のデータ・シーケンスを有する伝送を使用した既存のマルチプル・アク
セス通信システムにおいては、重要な特徴は、受信側で、特定のユーザに宛てら
れた信号を抽出できることである。
【0011】 上記の論文も、非同期のデータ・シーケンスから情報を抽出する方法を開示す
。アルファベットが、前もって通信システムのあらゆる送受信ペアに割当てられ
る。アルファベットのシンボルは、少なく他の送受信ペアでのアルファベットの
シンボルと異なる。通信システムの送信側で、非同期のデータ・シーケンスは、
各ユーザからの情報メッセージに従って、ダイナミック・カオス・システムによ
ってシーケンシャルに発生されたカオス信号から形成される。通信システムの受
信部で、あらゆる受信者に、この特定の受信者が関係する送受信ペア中の受信者
に割当てられるアルファベットのシンボルに対応する抽出カオス信号に同調する
選択システムが供給される。
【0012】 特定の受信者が非同期のデータ・シーケンスを受信した時に、その受信者は、
選択システムによって、非同期のデータ・シーケンスからこの受信者に宛てられ
たカオス信号を抽出する。しかし、この論文には、カオス信号システムを基礎と
して形成されたマルチプル・アクセス通信システム中の非同期のデータ・シーケ
ンスから情報を抽出するための原理だけが記述され、このような非同期のデータ
・シーケンスから情報を抽出するのに必要な特定のステップに関するいかなる詳
細な記述も開示されてない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様によれば、多数のユーザを含む多重アクセス通信システムが提供
される。この通信システムは、カオス信号発生ユニット、カオス信号受信ユニッ
ト、および前記カオス信号発生ユニットと前記カオス信号受信ユニットとを接続
する通信リンクから構成される。
【0014】 カオス信号発生ユニットは、不安定な周期軌道を含む予測不能なアトラクタを
有する送信機ダイナミック・カオス・システムを使用する。キャラクタのセット
はユーザの各送受信ペアに割当てられ、キャラクタの各シンボルは不安定軌道の
一つとマッチングされる。カオス信号発生ユニットは、送信機ダイナミック・カ
オス・システムの反復プロセスをステップバイステップで実行する制御装置を有
し、要求されたカオス信号を発生し、反復プロセス中に現れる現在の不安定軌道
の軌跡点が要求された不安定軌道の所定近傍に落ちるとき、現在の不安定軌道を
安定化させて、安定化された不安定軌道から非同期のカオス信号シーケンスを形
成する。
【0015】 前記カオス信号受信ユニットは、各受信者に対してカオス信号で調和された選
択ステムを含む。この選択システムは、選択ダイナミック・カオス・システムを
使用し、これは、各受信者に割当てられたキャラクタのシンボルに対応する少な
くとも不安定軌道のセット有する予測不能なアトラクタを有する。前記カオス信
号受信ユニットは、各受信者に宛てられたカオス信号に対応する不安定軌道を発
生する選択ダイナミック・カオス・システムスの反復プロセスをテップバイステ
ップで実行する受信制御ユニットを有し、宛先カオス信号を抽出する。
【0016】 本発明の他の態様によれば、不安定な周期軌道を含む予測不能なアトラクタを
有する少なくとも1つのダイナミック・カオス・システムを使用するカオス信号
を形成する装置および方法が提供される。不安定軌道が存在するパラメータ領域
を明らかにするために、ダイナミック・カオス・システムを構成すると共に、ダ
イナミック・カオス・システムの分岐特性の解析が提供される。所定の期間を有
する不安定軌道の検索は、明らかにされたパラメータ領域において、検出された
不安定軌道のリストを形成するために実行される。不安定軌道間の相違が所定の
基準を満たすように、不安定軌道のサブセットが選択される。その後、ダイナミ
ック・カオス・システムは、選択された不安定なスケルトン軌道に対応するカオ
ス信号を形成するために制御される。
【0017】 ダイナミック・カオス・システムは、ダイナミック・カオス・システムの反復
プロセスをステップバイステップで開始することによって、カオス信号を発生す
るために連続的に調整され、要求されたカオス信号を発生し、反復プロセスに現
れる現在の不安定軌道の軌跡点が要求された不安定軌道の所定の近傍に落ちると
き、現在の不安定軌道を安定化させる。
【0018】 本発明他の態様によれば、非同期のカオス信号シーケンスから、各受信者に宛
てられたカオス信号を抽出する装置および方法が提供される。各受信者は、特定
の受信者に対して割当てられたキャラクタのシンボルに対応するカオス信号で調
整される選択システムが提供される。この選択システムは、各受信者に割当てら
れるキャラクタのシンボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有してい
る予測不能なアトラクタを有する選択ダイナミック・カオス・システムを使用す
る。このカオス信号は、特定の受信者に対して宛てられたカオス信号に対応する
不安定軌道を発生する選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをス
テップバイステップで実行することにより抽出される。
【0019】 本発明の他の側面および特徴は、好適な実施例の以下の詳細な説明の説明およ
び添付の図面から、当業者に明らかである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態のマルチプル・アクセス通信システム2を示す
図である。通信システム2は、送信側4のカオス信号発生ユニット12、受信側
6のカオス信号受信ユニット14、および、カオス信号発生ユニット12とカオ
ス信号受信ユニット14とを接続する通信リンク16から構成される。カオス信
号発生ユニット12は、それに接続される複数のユーザ18、19から、データ
30を受信して、カオス信号シーケンス36を発生して、通信リンク16に送信
する。後述するように、カオス信号受信ユニット14はカオス信号受信シーケン
ス36を受信してデータ30を抽出し、それに接続されたユーザ20、21に送
信する。図1の送信側4および受信側6には、図面の簡単化のために、それぞれ
2つのユーザだけが示されるが、2以上のユーザを通信システム2の各側に接続
することができる。図2は、カオス信号発生ユニット12の一例を示す図である
。カオス信号発生ユニット12は、データ・ミキサ22、制御装置24、登録部
26およびダイナミック・カオス・システム28から構成される。
【0021】 データ・ミキサ22は、多数のユーザからデータ30を受信して、データを混
合し、非同期の混合データ・シーケンス32を発生し、制御装置24に送信する
。登録部26に格納される情報を使用することによって、後述するように、制御
装置24は混合されたデータ・シーケンス3に従って制御信号34を発生する。
ダイナミック・カオス・システム28は、受信制御信号34に従ってカオス信号
を発生して、非同期のカオス信号シーケンス36を形成し、通信リンク16に送
信する。
【0022】 ダイナミック・カオス・システム28は、ダイナミック・カオスを発生する。
本発明で用いられるダイナミック・カオスの特徴を以下に説明する。ダイナミッ
ク・カオスは、また、決定論的カオスとも呼ばれている。
【0023】 ダイナミック・カオス、すなわち決定論的カオスは、非線形ダイナミック・シ
ステムによって発生される複雑な非周期的な動きを有する。この動きは、外部ノ
イズが完全にないところで発生されることができ、非線形ダイナミック・システ
ム自体の性質によって、完全に決定される。ダイナミック・カオスは、ランダム
・プロセス、たとえば、連続パワー・スペクトル、指数関数的に減少している相
関関数、大きい時間間隔を越える非予測性等の多くの特徴を所有する。
【0024】 ダイナミック・システムの動作を記述するときに、位相空間の概念が使われる
。位相空間において、ダイナミック・システムの状態は、点によって描写される
。時間領域におけるこの状態の変化は、描写される点の動きに沿って、位相軌道
によって描写される。決定論的カオスを備えるシステムは、位相空間中の領域を
有し、そこで、位相軌道はそれらが単一のシーケンス中で収束するように振る舞
う。位相空間のこのような領域は、予測不能なアトラクタまたはカオス・アトラ
クタと呼ばれている。
【0025】 カオスの振る舞いの例は、式(1)によって表される論理マッピングによって
、与えられる: x(k+1)=μx(k)(1−x(k)) (1) ここで、μは可変システム・パラメータであり、kは変数である。
【0026】 パラメータμのある領域において、式(1)はサンプルxの非周期的な無限
のシーケンスを生成する。このサンプルxは、このダイナミック・システム位
相空間のカオス・アトラクタに直接関連する。このことは、Auerbach D.、 Cvita
novic P.、 Eckmann J.P.、 Gunarathe G.および Procaccia I.によって最近発表
された論文「周期軌道中のカオスの動きの調査」(PHYS.REV.LETT.V.58、NO.23、P
.2387、1987)、およびCvitanovic P.による論文「サイクルに関する予測不能な
セットの不変の測定値」(Phys.Rev.Lett.V.61、No.24、P.2729、1988)に示され、
そこで予測不能なアトラクタは、不安定な周期軌道(すなわち限度サイクル)の
可算数の所定の「スケルトン」として扱われる。
【0027】 カオス・システムの状態を描写している点を描写するカオス動きは、描写して
いる点が1つの不安定軌道から他の点にホップする軌道を記述するとき、不安定
軌道のこのスケルトンの上の「放浪」と取り扱うことができる。これによって、
不安定軌道とそれらの近傍を行き来することができる。
【0028】 カオス・アトラクタ上の軌道は、戻りの性質を有する。各不安定軌道は、現在
のカオス軌跡が戻り点と呼ばれる所定の点の所定の近傍に戻るサイクル期間を有
する。同じサイクル期間のいくつかの軌道形式と呼ばれる不安定な異なる軌道が
あってもよい。不安定軌道の異なる軌道形式の数は、それらの反復サイクル期間
によって指数的に増加する。
【0029】 図3(a)は、システム・パラメータμ=3.9を有する論理マッピング(1
)のカオス・ダイナミックスを示す図である。この図上の点は、いくらかの値x から式(1)の項−μX(k)を表す放物線状のカーブ41に垂直な線に沿
って動き、その後、座標(x)の原点Xn+1から式(1)の項μx(k)を表
している直線42に水平な線に沿って動き、再び放物線状のカーブ41に垂直な
線に沿って動き、その後再び直線42、Xn+2に動く。このシーケンシャルな
反復において、点xは、サンプルのカオス・シーケンスを形成する。全ての可
能な期間の不安定な周期的軌道は、カオス・アトラクタ40の構造に埋め込まれ
る。シャーコフスキイ(Sharkovsky A.N)の論文「それ自体への直線の連続変換
のサイクル共存」(Ukraininan Math.Magazine、1964、No.1、pp.61-71(ロシア語
)に記述されるように、論理マッピング周期的軌道の出現のシーケンスはシャー
コフスキイ順序によって支配される。このシャーコフスキイ順序は以下のように
表される。 1→2→2→2→・・・・・・5→・・・5→5→・・・3→3→3→カオス
【0030】 図3(b)は、放物線状のカーブ41で点45−47に沿って動く期間3不安
定軌道44の例を示す。図3(c)は、放物線状のカーブ41の点49−52に
沿って動く期間4不安定軌道48の例を示す。
【0031】 図4は、論理マッピング(1)に従って構成されるダイナミック・カオス・シ
ステム28の例60を示す。このダイナミック・カオス・システム60は、2次
の特性を有し“X ”で表わされる無慣性非線形コンバータ62、”−l”で
表わされる1単位の遅延素子64、加算器66および乗算器68、70で構成さ
れる。値Xは、コンバータ62への入力され、X が出力される。乗算器6
8は、X を受信して、それに−1を乗算し、−X を出力する。乗算器6
8から−X とXとを加算し、X(1−X)を出力する。乗算器70は
、X(1−X)を受信し、それにμを乗算する。このようにして、出力72
からXn+1=μX(1−X)が出力される。Xn+1は、さらに遅延素子
64に入力され、上記のプロセスが繰り返えされる。
【0032】 カオス・システム60の全ての素子62−70は、公知の技術によって、ハー
ドウェアおよびソフトウェアの助けを借りて実現できる。
【0033】 本発明は、構造があらゆるダイナミック・システムに対してユニークである不
安定軌道を使用する。同じダイナミック・システムにおいて、不安定軌道の構造
は、システム・パラメータの異なるセットに対して異なるものである。したがっ
て、そのパラメータの固定値での各ダイナミック・システムに対しては、その全
番号が可算可能な不安定軌道のユニークなセットがある。この事実によって、本
発明のマルチプル・アクセス通信の信号システムとして、不安定軌道のセットま
たはカオス・アトラクタの一部を使用することができる。
【0034】 図1,2に戻ると、カオス信号発生ユニット12は、ダイナミック・カオス・
システム28のカオス・アトラクタの異なる不安定軌道に対応するカオス信号の
シーケンス36を形成することによって、情報コーディング手順を実行する。す
なわち、カオス信号発生ユニット12は、ユーザ18、19によって送信された
データのシンボルに対応する不安定軌道を再生する。不安定軌道の再生は、何回
も繰り返される。送信するデータがない場合には、位相軌道はカオス・アトラク
タの構造を形成する不安定軌道のセットを回遊し、ユーザ18、19からのいか
なるデータのいかなるシンボルにも対応しない。
【0035】 図5は、本発明の一実施の形態のカオス信号を形成する方法のフローを示す図
である。この方法は、少なくともダイナミック・カオス・システム28(S02
)を構成することによって始められる。ダイナミック・カオス・システム28は
、1以上の可変パラメータを有し、いくらかのパラメータ値でカオス動作ができ
る。そのようなパラメータ値は、一般には前もって知ることはできない。カオス
・システム28は、その位相空間のカオス・アトラクタを有し、それは複数のカ
オス軌跡であって、周期的な不安定軌道の可算数のセットを含む。
【0036】 パラメータ・バリエーションの全範囲においてダイナミック・カオス・システ
ム28の動作は、制御装置24によって解析され、不安定軌道が存在するパラメ
ータ領域を検出する(S04)。制御装置24は、不安定軌道が存在する検出パ
ラメータ領域の不安定軌道を検索し、登録部26において検出された不安定軌道
のリストが作られる(S06)。不安定軌道のサブセットはリストから選ばれ、
カオス信号を形成する(S08)。カオス信号は、後述するように、伝送のため
のユーザから受信されたデータをエンコードするために利用される。
【0037】 ステップS04のダイナミック・カオス・システム動作を解析するために、制
御装置24は、ダイナミック・カオス・システム28の各パラメータ平面の分岐
図をプロットする。分岐図は、パラメータが変化するとき、周期的な不安定軌道
の発生および終焉を示す図である。分岐図において、類似した動作に対応するパ
ラメータ領域、すなわち、安定した釣合い状態に対応する領域、多くの期間の周
期的動きの領域、カオスモードの領域および有限解のない領域の境界が決定され
る。したがって、不安定なスケルトン軌道が存在するそれらのパラメータ領域を
決定できる。
【0038】 分岐図のプロットをするために、制御装置24は、ダイナミック・カオス・シ
ステム28の動作を定義しているパラメータ値のメッシュ上でダイナミック・カ
オス・システム28の式を直接繰り返す、そして、時間経過におけるデータを解
析する。制御装置24は、また、ダイナミック・カオス・システム28の動作に
反しているパラメータ値のメッシュ上では、システム式を数値的に統合すること
によって、分岐図のプロットをすることができる、このようにして、得られた解
を解析することができる。
【0039】 分岐図のプロットをするための手順の例が図6に示される。1つのシステム・
パラメータを選択することによって手順がスタートし(S20)、固定された全
ての他のパラメータ値について、選択されたパラメータの関数として、ダイナミ
ック・システムの動作を解析する。選択されたパラメータは小さいステップだけ
歩進されるかまたは歩退され(S22)、選択されたパラメータの各値に対して
結果の解が解析されて、プロットされる(S24)。たとえば、安定した釣合い
状態または周期的な解は、システムの数的統合の結果として得られた解の形から
直接に決定され、一方、擬周期的またはカオスモードは、リャプノフ(Lyapunov
)指数のスペクトル解析から識別される。
【0040】 ステップS22およびS24は、選択されたパラメータが全範囲について変化
するまで繰り返される(S26)。この結果、選択されたパラメータのバリエー
ションに対応して、パラメータ空間の平面または超平面中で線がプロットされる
【0041】 ステップS20−26は、全てのパラメータが選択される(S28)まで、異
なるパラメータに対して繰り返される。したがって、パラメータ空間の濃いメッ
シュ上で、ダイナミック・システム類似モードに対応する領域の境界がプロット
される。その後、不安定な周期軌道を有するパラメータ空間の領域は、識別され
て、局所化される(S30)。よりよいカオス信号を出力するために、不安定軌
道の大きいマニホールドを有する領域を局所化することが好ましい。分岐図を解
析することによって、カオス・アトラクタの不安定な周期軌道構造の複雑さを事
前に予測できる。
【0042】 カオス・アトラクタ上の軌道は戻りの性質を有するので、現在の軌道上のカオ
ス・アトラクタの点に対して、時間間隔Tが存在し、そこでは軌道はこの点の小
さな近傍または近隣にある。
【0043】 パラメータ空間中の不安定な周期軌道の好ましい潜在的に大きなマニホールド
を有する領域を局所化した後、図5のステップS06の検索手順が実行される。
検索で検出された不安定軌道は、登録部26(図2)に登録される。検索は続け
られ、最大サイクル期間Tmaxまでの反復期間を有する不安定軌道を検出する。
したがって、検索の終わりに、それらの不安定軌道のリストは、登録部26中に
形成される。
【0044】 期間Tを有する他の不安定なカオス軌跡の検索は、同じカオス軌跡にまたは異
なるカオス軌跡上で実行される。この検索手順の例を図7に示す。検索は、局所
化された領域の1つに属しているシステム・パラメータのセットを選ぶことによ
って始まる(S40)。ダイナミック・カオス・システムのカオス・アトラクタ
の初期条件は、このパラメータのセットによって設定される。
【0045】 検索は、検索期間T=Tをセットすることによって始まる(S42)。サイ
クル期間Tの不安定軌道を検出するために、軌道は任意のアトラクタ点から始
まる(S44)。ダイナミック・カオス・システムの式は、数値的に式を統合す
ることによって、繰り返される(S46)。その解は、時間領域において、時間
間隔Tだけ離れた軌跡点のペアを、相互間の距離が位相空間の所定値ε未満と
なるように、検索することによって、連続的にチェックされる(S48)。その
ような軌跡点のペアが検出されるまで、ステップS46およびS48が繰り返さ
れる。
【0046】 このような軌跡点のペアが検出されると、軌跡点のペア間の軌道部分は、期間
の不安定軌道に対して近似であるとされる(S49)。その後、位相空間中
で得られた不安定軌道の一は訂正され(S50)、新しく検出された不安定軌道
の形が決定される。その形が登録部に存在する軌道の形と異なる場合、軌道の形
の情報は、また、登録部のリストに格納される(S52)。
【0047】 不安定軌道の位置の訂正は、非線形等式の根を見つけるためのニュートン反復
手順を使用することにより実行できる。得られた初期の不安定軌道予測は、初期
条件を更なる反復手順にセットするために使われる。
【0048】 検索手順は、同じカオス軌跡上または異なるカオス軌跡上の期間Tを有する
他の不安定なカオス軌跡を検索するために順次に適用される(S54)。検索は
、期間T<T<・・・<Tmaxを有する不安定軌道を検索するために、最大期間
まで行われる(S58)。
【0049】 たとえば、ダイナミック・カオス・システムは、以下の式によって、自己の中
にN次元空間のマッピングをすることによって与えられる。 Xk+1=F(X) ここで、X、X∈R、Xは期間mの不安定軌道、すなわち、X=F
x)である。従って、順序数値型閾値xは、以下の非線形等式を有するシステム
の根である・ G(x)=F(x)−x=0
【0050】 根xは、以下のニュートン反復手順の助けを借りて検出できる。 Xk+l=X−G’ −1(X)G(X) ここで、G’ −1(X)は、G(X)に対するヤコビアンである。xが検
出された後、不安定軌道の全ての他のm−l点は、サイクル固有値に沿って計算
される。検出された不安定軌道、たとえば、その形および固有値に関する情報は
、登録部のリストに含まれる。
【0051】 この結果、ダイナミック・システム・パラメータの選択された組に対応して、
多くの期間およびそれらの特性(たとえば、固有値)のスケルトン不安定軌道の
リストが、形成される。スケルトン不安定軌道のリストを形成する手順は、ここ
で、よりはるかにカオス動作を有する2つの古典的な二次元マップ(へノン(He
non)マップおよびロッツイ(Lozi)マップ)を用いて説明する。
【0052】 へノンマップは、以下の式により表される。 x(k+l)=l−αx(k)+y(k)、 y(k+l)=βx(k) (2) ここで、αとβは、可変システム・パラメータであり、kは変数である。へノン
マップは、マップ・ダイナミックスに固有の種々のダイナミック現象を示す。そ
のダイナミックは、3つの連続動作(非線形伸張、不変の回転、縮小)によって
、条件付きで決定される。
【0053】 へノンマップを発生するダイナミック・カオス・システム80の構造は、図8
に示される。へノンマップ・ダイナミック・カオス・システム80は、非線形コ
ンバータ82、1単位の遅延素子90、96、加算器86、92および乗算器8
4、88以下から成る。値Xは、コンバータ82への入力であり、コンバータ
82の出力はX である。乗算器84は、Xを受信して、それに−αを乗算
する。乗算器84の出力−αX と1が加算器86に入力され、それらが加算
され1−αX が出力される。値Xは、βを乗算する乗算器88へ入力され
る。乗算器88の出力βXは遅延素子90に入力され、βXn−1が出力され
る。加算器92は、加算器86の出力1−αX と遅延素子90の出力βX −1 を加算し、1−αX +βXn−1を出力する。このようにして、Xn+ =1−αX +βXn−1が出力94として得られる。値Xn+1は、また
、遅延素子96に入力され、そして、上記の方法が繰り返される。
【0054】 へノンマップ・カオス・システム80は、図2のダイナミック・カオス・シス
テム28中に供給され、制御装置24に接続される。制御装置24は、図9に示
すように、αが一定でパラメータβの歩進ステップが0.005を有する1つの
パラメータ断面をプロットすることによって、パラメータαおよびβの2パラメ
ータ分岐図100をプロットする。
【0055】 分岐線図100は、多くのシステム・パラメータ値におけるヘノンマップの動
作を示す図である。分岐線図100の数字は、対応期間の安定な限定軌道が存在
する「安定性ウインドウ」102のパラメータ領域を示す。白い領域104は、
カオス動作に対応する。不安定モード領域106は、分岐線図100の上右の角
領域106に位置する。
【0056】 第1に、増加するαおよび固定のβを有するシステム動作の後には、安定なお
よび不安定な期間2、4、・・・、2の軌道ペアの連続的な発生が伴う。その後
、カオス動作の広い領域104は、分岐線図の白いゾーンとして現れる。カオス
領域104において、多数の安定な「ツバメ」型ウインドウ108が存在する。
「尾」110の境界は、新しい周期軌道の発生線である。安定した軌道が対応す
る境界と交差するとき、それらは安定性を失うが、不安定軌道として、まだこの
カオス・アトラクタ構造に残る。
【0057】 カオスモード構造の詳細な解析は、安定性ウインドウによって、充分に満たさ
れ、それは、ツバメ状ウインドウおよびストリップ状ウインドウの2つの型に分
類できる。図9において、期間5、7および9のツバメ状ウインドウが示される
。同じ期間の異なる形を有する軌道は、この構造に表わされる。各ツバメ状ウイ
ンドウ108は、前方の2つの「翼」109と後方の重なり合う「尾」110か
ら成る。パラメータαが増加すると、前方の「翼」109は、非常に似た形の同
じサイクル期間の安定および不安定軌道のペアの発生の直交分岐を介して開く。
αがさらに増加すると、安定した軌道は期間2重分岐を介してその安定性を失う
が、両方の期間m軌道は、直交分岐線を越えるパラメータαの次に続く全ての値
に対して、不安定な形のアトラクタの構造中に残る。従って、直交すする分岐線
は、パラメータ平面を2つの領域に分割し、そこでは、両方のスケルトンの不安
定軌道のいずれもが同時に存在するか、さもなければ全く存在しない。
【0058】 さらにパラメータαを増加させると、「ツバメ尾」110は連続的に開きおよ
び閉じて、前方尾の境界によって区分されたパラメータ領域において、他の期間
m軌道のペアを発生させる。
【0059】 図10は、期間m軌道の2つの連続したツバメ状の安定性ウインドウ120、
124に対する、期間m軌道の発生および累積を示す図である。ツバメ翼121
、125および尾122、126に対応する分岐線は、五つの領域I−Vにパラ
メータ空間を再分割する。領域Iには期間m軌道がない。パラメータαが、第1
ウインドウ120のツバメ翼121に対応する領域IおよびII間の領域と交わ
るとき、期間m軌道の1つのペアが発生する。領域IIIには、安定な第1のウ
インドウ120によって発生された2ペアの期間m軌道が存在する。第2のウイ
ンドウ124のツバメ翼125に対応する領域IIIおよびIV間の境界では、
期間m軌道の他のペアが発生する。最後に、領域Vにおいて、期間mスケルトン
軌道の全ての4つのペアは、2つのウインドウ120、124によって発生され
たアトラクタ構造中に存在する。
【0060】 ツバメ状のウインドウの他の面白い現象は、ツバメ状のウインドウの重なって
いる「尾」の2つの安定軌道が共存することである。システムの具体的なモード
の実現は、システム軌道の初期条件により決定される。
【0061】 「ストリップ状の」ウインドウ112の構造は、より単純である。期間3軌道
安定性ウインドウ112を含む分岐図100の部分が図11に示される。このウ
インドウ112はパラメータ平面の斜めの一ストリップであり、このストリップ
の傾斜は分岐図100の全ての期間の全てのストリップ状ウインドウに対して同
じものである。パラメータが増加すると、まず、ツバメ状のウインドウの場合と
同様に、安定および不安定な期間3軌道のペアが、直交分岐の結果として現れる
。その後、このペアの両方の期間3軌道が不安定な形でアトラクタ構造中に残る
けれども、パラメータαの増加と共に、安定した軌道は、期間2倍分岐114を
介して安定性を失う。
【0062】 このように、分岐図100の軌道発生の3つの異なる可能性がある。 (a) スケルトン期間m不安定軌道は、偶数mに対する期間2倍分岐の結果と
して、期間m/2軌道から現れる。 (b)期間m軌道のペアは、期間m軌道のツバメ翼または尾の安定ウインドウの
境界上に、直交分岐の結果として現れる。 (c)期間m軌道のストリップ状安定性ウインドウの前部境界上の直交分岐の結
果として、安定および不安定軌道を含む期間m軌道が現れる。
【0063】 へノンアトラクタの詳細な解析によって、スケルトン不安定軌道のリストをコ
ンパイルすることができる。パラメータa=1.4、β=0.3のリストが表1
に示される。
【表1】
【0064】 パラメータ平面中のウインドウの位置は、増加する非線形パラメータαおよび
減少するパラメータβを有するヘノンマップ中の軌道の全数の累積についての結
論を示す。全ての可能な軌道(α,β)=(2,0)の累積点は、上記の1-D
の論理マップ(1)へのヘノンマップの退化に対応する。表1に示される(α,
β)=(1.4、0.3)の古典的なケースと比較して、表2に示すように、こ
れらのパラメータ値で実行される数値解析によって、アトラクタの不安定な周期
軌道はより豊富に登録部に格納される。
【表2】
【0065】 軌道を中間システム状態として、また不安定の程度をこれらの状態中のシステ
ムの存在の時間を特徴づけている値とみなすと、非直線性、すなわち、パラメー
タαが増加し、これらの状態間の遷移率と同様に可能な状態数も増加する。アト
ラクタ周期構造の特徴は、それらのサイクル期間の増加を有する平均サイクル固
有値の指数関数的な成長である。増加しているαおよび固定のβ=0.3を有す
る安定および不安定な多様体に対応する平均的な安定および不安定な固有値λ およびλ のエボリューションは、4つの異なる期間7軌道の例として図1
2に示される。サイクル期間nの関数としての平均の安定および不安定なサイク
ル固有値値λ およびλ は、点(α,β)=(1.4,0.3)中のカオ
ス・アトラクタに対して図13に示される。
【0066】 ロッツイマップは、標準的なカオス・システムの他の例であって、以下の式に
よって示される。 x(k+l)=(α−l)−α|x(k)|+y(k)、 y(k+l)=βx(k) (3) ここで、αおよびβは、可変システム・パラメータおよびkは変数である。ロッ
ツイマップに基づくダイナミック・カオス発生システム140の構造は、図14
に示される。
【0067】 ロッツイマップ・ダイナミック・カオス・システム140は、遅延素子入力値
をその絶対値に変換するための非線形コンバータ142、1単位の遅延素子15
0、156、加算器146、152および乗算器144、148から成る。コン
バータ142には、値Yが入力され、|Y|が出力される。乗算器144は
、|Y|を受信して、それに−αを乗算する。乗算器144の出力−α|Y |は、加算器146へ入力され、(α−1)に−α|Y|が加算され、(α−
1)−α|Y|が出力される。値Yは、また、βを乗算する乗算器148へ
入力される。乗算器148の出力βYは、遅延素子150に入力され、βY −1 を出力する。加算器152は、加算器146の出力(α−1)−α|Y
を遅延素子150の出力βYn−1に加え(α−1)−α|Y|+βYn−1 を出力する。このように、出力154からYn−1=(α−1)−α|Y|+
βYn−1が出力される。Yn+1は、また、遅延素子156へ入力され、上記
のプロセスが繰り返される。
【0068】 ロッツイマップ・カオス・システム140は、図2のダイナミック・カオス・
システム28に供給され、制御装置24に接続されている。制御装置24は、図
15に示すように、へノンマップ(2)と同様な方法で、αが一定で増加する小
さいパラメータβを有する1つのパラメータ断面を使用してパラメータαおよび
βの2パラメータ分岐図160をプロットする。分岐図160において、白い領
域はカオス・アトラクタ存在領域162を示し、暗い領域は不安定軌道164を
示す。
【0069】 へノンマップ(2)と対照的に、カオス・アトラクタ存在領域162中には安
定性ウインドウがない。同時に、ロッツイ・アトラクタの不安定軌道164の構
造は、へノンマップのそれよりも豊富である。表3および表4は、システム・パ
ラメータ(α,β)=(1.7,0.5)、および(α,β)=(1.8,0.
08)の2つのセットに対して得られたロッツイ・アトラクタ・スケルトンの不
安定軌道のリストを示す。
【表3】
【表4】
【0070】 (α,β)=(1.7,0.5)におけるロッツイ・アトラクタ位相ポートレ
ート170は、図16に示され、その構造上にマークされる期間16不安定軌道
172を有する。4つの異なる期間16不安定軌道172の形180−183は
、図17(a)−17(d)に示される。このように、分岐図を解析することに
よって、不安定軌道のリストは、たとえば、表1−表4に示すように形成される
【0071】 図2および図5のステップS08において、カオス信号発生ユニット12は、
登録部26からのリストから不安定軌道のサブセットを選択し、マルチプル・ア
クセス通信用のカオス信号のサブセットとしてのサブセットを使用する。登録部
26からの不安定軌道のサブセットの選択は、信号性質の具体的な要求および異
なるユーザによりそれらの抽出条件に基づいて、制御装置24によって実行され
る。たとえば、カオス信号のサブセットは、不安定な一定の程度を有する同じ周
期的な期間の不安定軌道から形成される。この場合、選択されたサイクル固有値
は、所定の値未満ではない。
【0072】 図18は、不安定軌道のサブセットを選択する方法、マルチプル・アクセス通
信システム2のための非同期カオス信号シーケンスまたはストリーム36を形成
する方法の手順を示す。通信を始める前に、カオス信号発生ユニット12は、デ
ータまたはメッセージを形成するための1セットのキャラクタを、通信システム
2のユーザの各送受信ペアに割当てる(S70)。キャラクタのシンボルは、ユ
ーザの少なくとも他の送受信ペアのそれらと異なる。1セットのキャラクタは、
アルファベットおよび/または数を含んでもよい。
【0073】 1セットのキャラクタをユーザの各送受信ペアに割当てるときに、たとえば、
最も単純なケースの場合、ユーザの全ての送受信ペアのキャラクタはバイナリで
もよく、これらのキャラクタのシンボル0および1はユーザの各送受信ペアに対
して異なるコードワードによって指定してもよい。より複雑なケースにおいては
、システムは、いずれかのユーザに、たとえば、特別なサービスに対して優先度
を与えてもよい。そのような場合、特別に選択されたシンボル、たとえば、バイ
ナリのアルファベットの場合、コードワードを有するキャラクタは、それらの優
先ユーザに割当てられる。選択されたシンボルのアウトルックは、直ちにこれら
のシンボルにより送信されるデータの優先度を示す。
【0074】 他の場合においては、優先ユーザは、他の非選択ユーザのキャラクタより多く
のシンボルを有するキャラクタが与えられてもよい。その際に、そのような特殊
文字の各シンボルは、他のどのキャラクタものシンボルより多くの情報を運ぶ。
たとえば、共通のキャラクタは、バイナリのシンボルを有することができ、特殊
文字は8進数のシンボルを有することができる。他の場合には、優先ユーザのメ
ッセージに対して、条件が導入され、時間毎のシンボルの所定の数よりも少なく
ない伝送を供給する。さらに、各優先ユーザは、各キャラクタ・シンボルに対し
ていくつかのカオス信号が供給されてもよい。
【0075】 また、いくらかのキャラクタは、優先度が与えられてもよい。伝送中に、各ユ
ーザがこれらのキャラクタに対処するときに、各ユーザは優先度を得てもよい。
たとえば、救急車または消防車を呼ぶときに、これらのキャラクタを指定できる
。優先ユーザのキャラクタについて上で言及されたことは、優先キャラクタに適
しており、これは当業者に明らかである。
【0076】 ユーザの各送受信ペアに1セットのキャラクタを割当てる他の例は、ユーザの
i番目の送受信に対して、ダイナミック・システム・パラメータ値μのベクト
ルを選ぶことである。ダイナミック・システム・カオス・アトラクタの1セット
のM不安定軌道は、システム・パラメータのベクトル値μに対応するように
選択される。
【0077】 たとえば、2対のユーザに対して、論理双曲線マップ(1)は、ダイナミック
・システムとして、それぞれパラメータ値μ=3.95およびμ=3.97
に取ることができる。ユーザの他のペアに対する信号システムを組織するために
、対応の異なるパラメータ値を有するダイナミック・システムが取られる。
【0078】 他の例は、異なる送受信ペアに対して異なるダイナミック・システムを使用す
ることである。たとえば、ユーザの第1のペアに対して、パラメータ値ベクトル
μ(α、β)を有するヘノンマップ(2)が使用でき、ユーザの第2のペアに
対して、パラメータ値ベクトルμ(α,β)を有するロッツイマップ(3)が
使用できる。
【0079】 ユーザの数が用いられた数Kにより決定されるとき、シンボルを使用した、そ
して、各i番目のユーザに対する1セットのキャラクタが根Mを有するとき、
必要なシンボルの全数は以下の関係を満たす。
【数1】
【0080】 一般に、多くのユーザに対するキャラクタのセットは、相互に重複されないよ
うに選択される。すなわち、軌道のシステムは、i番目の仮想チャネルに対する
キャラクタとして選択される。その軌道は、j番目の仮想チャネルのキャラクタ
のセットして使用されない。
【0081】 不安定なスケルトン軌道の記憶部として、1つの正のリャプノフ指数を有する
カオスを備えたダイナミック・カオス・システムのカオス・アトラクタを使用す
る代わりに、ハイパー・カオス、すなわち、2つの正のリャプノフ指数を有する
2つの不安定な方向を有するカオス・アトラクタ、を備えたダイナミック・シス
テムのカオス・アトラクタを使用してもよい。1つの正のリャプノフ指数を有す
るアトラクタと比較すると、ハイパー・カオスを有するアトラクタは、不安定な
スケルトン軌道の本質的なより強力なセットを有する。
【0082】 キャラクタのセットをユーザの各送受信ペアに割当てた後、キャラクタの各シ
ンボルは、登録部26のリストからのカオス信号にマッチングされる(S72)
。この場合、異なる変数が可能である。たとえば、全てのユーザまたはキャラク
タにおける優先ユーザまたはキャラクタがない場合、各キャラクタの各シンボル
は、同じ期間のカオス信号の一つとマッチングしてもよい。優先度がユーザまた
はキャラクタに与えられるときに、優先ユーザのキャラクタのシンボルまたは優
先キャラクタのシンボルは、より短い期間を有するカオス信号と、またはこれら
のキャラクタの各シンボルに対するいくつかのカオス信号とマッチングすること
ができる。
【0083】 キャラクタの各セット中の各シンボルがリストからのカオス信号の1つとマッ
チングすると、カオス信号発生ユニット12は、次のようにマルチプル・アクセ
ス通信システム2中の非同期カオス信号シーケンス36を形成する。各ユーザは
、キャラクタの割当てられたセットを使用することによって、データまたは情報
を形成し、キャラクタのシンボルを構成するデータをカオス信号発生ユニット1
2に送信する。カオス信号発生ユニット12は、非同期のデータ・ミキサ22に
よって、多数のユーザ18、19からキャラクタ・シンボルを構成しているデー
タを受信する(S74)。
【0084】 非同期のデータ・ミキサ22は、ユーザ18、19から受信されるキャラクタ
・シンボルから共通の混合データ・シーケンス32を形成する(S76)。この
シンボルのシーケンスは、所定の順序で続く。異なるユーザからのキャラクタ・
シンボルが、データ・ミキサ22によって受信されるときに、共通の待ち行列に
設定される時に、この順序は、逐次順序である。システムがユーザまたはキャラ
クタに優先度を与えるときに、優先ユーザのキャラクタのシンボルまたは優先キ
ャラクタのシンボルはいかなる待ち行列もなく直ちに送信される。いくつかの優
先ユーザまたはキャラクタのシンボルが同時に混合ミキサ22に入力される場合
、それらは、それらの優先度に従って、他のシンボル待ち行列の前に送信される
自身のシーケンスに設定される。
【0085】 混合データ・シーケンス32は、制御装置24へ転送され、この制御装置24
は、シンボルをダイナミック・カオス・システム28に供給される制御動作へ変
換する。制御装置24は連続的にダイナミック・カオスジェネレータ28を調整
し、カオス信号を発生する。これらの各カオス信号は混合データ・シーケンス3
2のキャラクタ・シンボルに対応する(S78)。このように、通信チャネル1
6において、非同期のカオス信号シーケンス36は、連続的に発生するカオス信
号から形成される(S80)。制御装置24の特定の実施の形態は、ダイナミッ
ク・カオス・システム28が1つまたは他の不安定な周期軌道に調整される方法
に依存する。
【0086】 カオス信号を形成する例は、図1、19および20に記載される。送信側4で
、第1のユーザ18および第2のユーザ19は、カオス信号発生ユニット12に
接続されている。受信側6で、第3のユーザ20および第4のユーザ21は、カ
オス信号受信ユニット14に接続されている。この例では、3つのシンボルX、
YおよびZから成っているキャラクタのセットは、第1のユーザ18および第3
のユーザ20の第1のペアに割当てられ、2つのシンボルAおよびBから成って
いるキャラクタのセットは、第2のユーザ19および第4のユーザ21の第2の
ペアに割当てられる。図19に示すように、それ自身の周期的な不安定軌道23
0−234はこれらの5つのシンボルの各々に対応する。
【0087】 最初のユーザ18からのメッセージ「XZZYX」を第3のユーザ20に送信
するために、ダイナミック・カオス・システムは、カオス信号発生ユニット12
中で使用される。ダイナミック・カオス・システムは、図19に示すように、こ
れらのキャラクタ・シンボルに対応する不安定な周期軌道232−234を発生
する。同様に、第2のユーザ19からのメッセージ「AABB」を第4のユーザ
21に送信するために、ダイナミック・カオス・システムは、不安定な周期軌道
230、231を発生するためにカオス信号発生ユニット12中で使用される。
【0088】 カオス信号発生ユニット12は、ユーザの第1および第2のペアのキャラクタ
・シンボルに対応する全てのカオス信号230−234を発生するために、図2
に示す1つのダイナミック・カオス・システム28を使用する。ユーザの両ペア
からキャラクタ・シンボルの信号がデータ・ミキサ22の入力に入ってくると、
キャラクタ・シンボルを混合し、混合データ・シーケンス32を発生する。混合
データ・シーケンス32の各シンボルを受信すると、制御装置24は、ダイナミ
ック・カオス・システム28を切替えおよび調整し、この瞬間にどのシンボルが
来るかによって、シンボルに対応する不安定な周期軌道230−234を発生す
る。この結果、カオスジェネレータ28の出力で、不安定な周期軌道の非同期の
カオス信号シーケンス36は、周期軌道およびカオス動き断片の継続から構成さ
れる時間領域において形成される。カオス信号シーケンス36は、通信チャネル
16に入る。
【0089】 「自己の」不安定軌道は、お互いに続き、または「エイリアン」不安定軌道ま
たは非説明的な間隔と入れ替えまたはインタリーブされる。シンボル・シーケン
ス「AXZABZYBX」に対応するそのような非同期シーケンスは、図20に
示される。ここで、データ休止に対応する時間間隔は、灰色のトーンまたは非情
報間隔235として表される。1つのシンボルを送信するために、対応のカオス
信号を発生するステップは、一回以上実行される。
【0090】 図21で示すように、カオス信号発生ユニット12’は、第1および第2のカ
オス発生システム236、237、第1および第2の制御装置238、239お
よび信号ミキサ240から検出される。この場合、第1のカオス・システム23
6はユーザ18および20の第1のペアのキャラクタ・シンボルに対応するカオ
ス信号232−234を発生する。そして、第2のカオス発生システム237は
、図19に示すように、ユーザ19および21の第2のペアのキャラクタ・シン
ボルに対応するカオス信号230、231を発生する。ユーザの両方のペアから
のキャラクタ・シンボルの信号がカオス信号発生ユニット12’に入力すると、
制御装置238、239はカオスジェネレータ236、237に切替えまたは調
整し、第2のカオス・システム237から不安定周期軌道230、231を発生
し、第1のカオス・システム236から不安定軌道230、231を発生する。
その後、不安定軌道は、信号ミキサ240によって混合される。その結果、図1
に示されるシンボル・シーケンス36の「AXZABZYBX」に対応する非同
期シーケンス)が、通信チャネル16に入る。
【0091】 上記のおよび以下の説明は、図2に示されるカオス信号発生ユニット12に基
づいて行われる。しかし、本発明では、図2に示される装置12に類似する図2
1に示されるカオス信号発生ユニット12’を使用できる。
【0092】 情報データがない場合、ダイナミック・カオス・システム28は、カオス・ア
トラクタモードにあり、そして、カオス信号はシステム出力で形成される。いく
らかの情報データ・シンボルが制御装置24の入力に来ると、制御装置24は入
力データ・シンボル、たとえば、シンボル・コード、に対応する不安定軌道上に
ダイナミック・カオス・システム28を調整するかまたは「押しつける」。した
がって、信号はカオスジェネレータ28の出力で形成され、それはカオス信号を
作っている周期的なサンプル・シーケンスである。
【0093】 本発明によれば、要求されたカオス信号を発生するダイナミック・カオス・シ
ステム28の調整は、ダイナミック・カオス・システム28のステップバイステ
ップで反復的プロセスにより実行される。
【0094】 図22において、ステップバイステップで反復的プロセスはダイナミック・カ
オス・システム28の初期条件を変えることによって始まる。すなわち、反復プ
ロセスは、混合データ・シーケンス32の受信シンボルに従って、データ・ミキ
サ22から要求された不安定な周期軌道に属するダイナミック・カオス・システ
ム28の位相空間中の任意の点、すなわち現在の点、からスタートする(S90
)。
【0095】 その後、マップは繰り返される(S92)。ダイナミック・カオス・システム
28の反復プロセスの間、制御装置24は、要求された不安定な周期軌道に属す
る位相空間中の点を検出し(S94)、その点は、位相空間中でダイナミック・
カオス・システム28の現在の状態を表している点にメトリック的にまた進化的
に最も近いものである。現在の状態点に最も近い点を見つけることが好ましい。
【0096】 この反復プロセスは、連続的にでなく分離したステップで実行される。これは
、図4、8および14に示すように、どの複雑なカオスジェネレータ28の回路
も1単位の遅延素子64を有しているという理由によるものである。
【0097】 反復プロセスの間、反復プロセス中に現れるいくらかの軌跡点が、要求された
不安定な周期軌道の所定の近傍に落ちるとき(S94)、制御装置24は現在の
点Xと要求された不安定な周期軌道X間の現在の距離を決定する(S96)。
その後、制御装置24は、システム・パラメータを変えることによって、対応の
不安定な周期軌道を安定化させる(S98)。換言すれば、反復プロセス中で得
られた軌道のいくらかの点は、その瞬間に送信されるキャラクタ・シンボルに対
応する要求された不安定な周期軌道の近くで起きる。
【0098】 不安定な周期軌道の安定化は、ダイナミック・カオス・システム28の少なく
とも1つのシステム・パラメータを変えることにより実行される。その結果、ダ
イナミック・カオス・システム28の現在の状態を反映しているダイナミック・
カオス・システム位相空間の点は要求された不安定な周期軌道の安定したマニホ
ールド上に動く。
【0099】 その際に、少なくとも1つのシステム・パラメータが不安定な周期軌道の期間
の間に、少なくとも1つの反復ステップ上のダイナミック・カオス・システム位
相空間の点の動きを訂正することによって、変わることが好ましい(S100)
【0100】 ダイナミック・カオス・システム位相空間中の点の動きの訂正は、不安定な周
期軌道の期間の間、各反復的なステップで実行されることが好ましい。
【0101】 制御装置24による制御動作手順は、3つの位相から成る。第1の位相は、カ
オス動作から要求された不安定な周期軌道へのシステム遷移である。第2の位相
は、要求された不安定な周期軌道上にカオスジェネレータ28を保つことである
。第3の位相は、後影響、すなわち、カオスジェネレータ28のカオス状態への
切り離しおよび弛緩である。情報レートの観点からみれば、第1の位相持続を最
小にすることが望ましい。第2の位相は、動作である。その持続は、受信条件に
より決定される。第3の位相の代わりに、次の情報シンボルに対する制御動作を
実行してもよい。対応する不安定な周期軌道の安定化は、異なる方法で実行され
る(S98)。
【0102】 まず第1に、このような安定化は、Phys.Rev.Lett.V.64 1196-1199、1990にお
いて、Ott、E.Grebogi、C.Yorke、J.A.により提案された技術によって実行できる。
この技術は、OGY制御と呼ばれている。この技術の概念は、システム・パラメ
ータの小さい摂動にあり、それは不安定軌道をローカルな安定化に導く。
【0103】 図23は、2次元の離散的なダイナミック・システムun+1=F(u、p
)の例を示す。カオス・アトラクタに属する不安定なサイクル点uは、2つの
マニホールド、安定253および不安定254、によって特徴づけられる。25
0で示すように、既存のカオス軌跡の代表点がuが軌道254の近くにフィッ
トする場合には、その後251で示すように、パラメータp=p+δpを変化さ
せることによる対応のシステムへの変更後に、252で示すように、代表点u +1 を正確に安定したマニホールド253上に「位置決めし」て、軌道を要求さ
れた軌道に収束させる。
【0104】 摂動δの値は、以下の関係に従って計算される。 δp=G*(u−u) (4
) ここで、Gは、安定軌道、すなわちヤコビアン・マトリックス固有値の特性によ
って、および点u中の偏微分∂F/∂pの値によって、決定される値である。
規則的な安定化手順の重要なパラメータは、制御領域幅、すなわち|u−u |<εの値であり、それに対して、安定化アルゴリズムが「ターンオン」される
。点uまでの距離が所定値εより上にあると、安定軌道の要求点へ近づく条件
が満たされるまで、システムはカオス・アトラクタモードを維持する。したがっ
て、標準のOGY手順を使用することによって、要求された不安定軌道を生成す
る第1の位相時間を長くすることができる。
【0105】 シーケンスのキャラクタ・シンボルに対応する不安定軌道の安定化手順のアプ
リケーションは、要求された信号構造を有するデータ・シーケンスを形成する。
【0106】 図24は、標準のOGY手順を使用したそのようなシーケンスを形成するカオ
ス信号発生ユニット260の例を示す。カオス信号発生ユニット260は、デー
タ・ミキサ(図示せず)、ダイナミック・カオス・システム261および制御装
置262から成る。制御装置262は、シンボル265のシーケンスを受信して
、シーケンス265に従ってダイナミック・カオス・システム261を制御する
【0107】 離散的なカオス信号を発生するダイナミック・カオス・システム261は、フ
ィードバック・ループ268中の単位時間遅延装置267を有する機能F(u,
p)266により表される。制御装置262は、コントローラ263および読み
出し専用メモリ(ROM)ユニット264を有する。手順パラメータを制御する
情報は、ROM264に格納される。この情報は、不安定軌道、たとえば、軌道
が近くに来なければならないサイクル点uの座標および摂動を計算するのに必
要なパラメータGの情報を含む。また関数|u−u|269が供給され、そ
の関数は、ダイナミック・カオス・システム261の出力からの値|u−u |を計算し、それをコントローラ263にとって入力する。
【0108】 データ・シンボル・シーケンス36を受信する前に、ダイナミック・カオス・
システム260は、カオス・アトラクタモードにあり、その出力で、カオスサン
プルuは形成される。データ・キャラクタに属する次のシンボルが、制御装置
262の入力に供給されるときに、コントローラ263は点uの出力サンプル
振幅、または多次元システム中では、点uの全ての現在の座標を、対応点u の値と、ステップバイステップで比較する。コントローラ263が、現在の点が
要求された点の近くにあることが分かると、コントローラ263はダイナミック
・システム(4)のパラメータの訂正を始め、ジェネレータ出力261out
、安定軌道のサイクル点に対応するサンプルが形成される。この安定化手順は、
第1の位相、すなわち、一時的なカオスプロセスの比較的長い継続時間を有する
【0109】 図25(a)−25(c)は、へノンアトラクタ(2)の期間16軌道の1つ
に対する安定化手順を示す。ここで、nは、反復の数である。図25(a)およ
び25(b)から分かるように、期間16を有する限定周期軌道での発生は約1
50の反復の十分に長い一時的なプロセスにより先行される。
【0110】 離散的なダイナミック・システムのように、長い周期の不安定軌道は、多数の
サイクル点を有する。このような長い周期の不安定軌道を安定化するためには、
一度の期間ではなく何回もの期間、たとえば、各サイクル点毎に、動き訂正を行
う安定化手順を使用することが好ましい。動き訂正が各サイクル点で実行される
ときに、制御パラメータは、安定軌道の各サイクル点に対して訂正される。
【0111】 この場合、パラメータ・バリエーションは、次のように表される。ト p=pi-p*=- GN*(i/N)(ui-XN(i/N))*W( [GN*(I/N)(ui-XN*(i/N))]) ここで、W(α)=O for a<O, 1 for a>O. Xは制御された軌道のサイクル点であ
る。関数Wは、現在のサイクル点からの座標偏位GN*(i/N)(ui-XN*(i/N))の絶対
値だけでなく、メトリック偏位上の複素依存であってもよい。pは制御パラメ
ータである。δは、システム・パラメータpのバリエーションの範囲を定義す
る制御手順を特性定数である。ρは、安定化手順を開始するために現在の点がメ
トリック的な意味で要求された点にどの程度近いかを定義する制御パラメータで
あり、次の値を有する。 l for |(ui-XN*(i/N))|<螟 0 for |(ui-XN*(i/N))|> BR>
【0112】 ダイナミック・カオス・システム261は繰り返され、すなわち、制御パラメ
ータの初期値ではなく異なる値を有する次の点u=F(u,p)が、ジェ
ネレータの出力で得られる。このパラメータの値の変更は、システムを要求され
た軌道に沿って安定動作に持ってくるものと仮定される。
【0113】 その後、次のステップに対するパラメータ・バリエーションが、i=i+lに
対して計算される。そして、このプロセスは何度も繰り返される。uの無限行列
は、そのうちに、順序集合{Xi}、すなわち、時間領域中でそれ自体を再生す
る安定制限軌道を排他的に構成する。ランダム制御値としての確立時間の分布は
、指数的であり、許されるパラメータ・バリエーションδの増加と共に、平均に
的には本質的に減少する。
【0114】 動き安定化による時間費用に関して、システムを制御している標準OGYを使
用することによって、たとえパラメータδおよびγのバリエーションが大きい場
合でも、「高価な」一時的プロセスを通り抜けることができる。図27(a)は
、記載されている手順が、へノンアトラクタ(3)の期間16の4つの異なる周
期軌道の安定化に適用される場合の現象を示す。図27(a)において、4つの
選択された不安定軌道間への切替えは、ランダムな順序で実行される。これらの
各軌道にとどまること期間は、8つの期間がある。形成された信号中には、所定
の周期軌道の安定化がない場合を示す断片と共に、十分に「速い」切替えに対応
する実際的にはほとんど遷移がない断片がある。
【0115】 情報通信速度を増加するためには、カオスジェネレータ中の不安定軌道間で切
替えをすることによって、一時的プロセスが、できるだけ大きく減少することが
望ましい。このために、図24で使用される標準の手順を改善する軌道制御の改
善方法が以下に説明される。
【0116】 安定化手順をオンにする前に、どの制御手順をオンすべきであるかに対して最
も「近い」サイクル点が検出される。「近さ」は、メトリック的意味だけでなく
ダイナミック・システムの進化の性質という意味も有する。この最も近い点を検
出するために、以下の関数が用いられ、それによって、予備的に最小化問題が解
かれる。 (q、ui)=瘁~((Kq(ui-Xq))2)+(1- ラ(ui-Xq)2 ここで、αは0<α<lの係数である。
【0117】 問題は、i(ul)=argmin(q、関数(q、u1))によって解かれる。関数の最小化によっ
て検出された点は、第1ステップでの制御「ターゲット」としてさらに使用され
る。制御手順の残りは、図24で使用される手順と同じである。
【0118】 この例では、確立時間を制御する観点からの最良の結果は、αが近い0.5に
近いときに得られる。ダイナミック項、すなわち、α=0、がないときには、周
期的なモード確立の平均の時間は、増加する。
【0119】 この改善された手順の利益は、以下の例で容易に理解できる。ダイナミック・
カオス・システムがサイクル点の1つに近いときに、要求された軌道の生成が開
始される。この状態は、大きい期間軌道に対して典型的である。そのいくつかの
点は、ダイナミック・システム位相空間中で互いに近くにおかれる。その内部の
サイクル点リストにおける標準のOGY安定化方法は、一般に、最初のものであ
る点を扱わない、それゆえに、システムはこの点が訂正を必要とするものと認め
る。システムは、潜在的に長いは一時的なプロセスを通り抜ける。対照的に、こ
の修正された手順は、各サイクル点を「自分のもの」として認識し、もはや一時
性はない。
【0120】 図27(a)は、ロッツイマップ(3)に対する標準のOGY手順を使用する
軌道切替えの図を示す。図27(a)において、20の期間16軌道は、ランダ
ムに切替えをされる。図27(b)は、α=0.5,δ=0.5で固定されたパ
ラメータを有する修正手順を実行した同じ制御を示す。
【0121】 図26(b)は、パラメータ値がα=0.5、δ=0.3であるヘノンアトラ
クタに対する4つの異なる期間16軌道間で連続的に切替えを行う例を示す。
【0122】 図28は、初期条件によって、制御の修正手順を使用して非同期カオス信号シ
ーケンスを発生するためのカオス信号発生ユニットの他の例270を示す。カオ
ス信号発生ユニット270は、シンボル・シーケンス275発生するためのデー
タ・ミキサ(図示せず)、ダイナミック・カオス・システム271および制御装
置272をから成る。制御装置272は、シンボル・シーケンス275を受信し
て、ダイナミック・カオス・システム271を制御する。
【0123】 離散的なカオス信号を発生するダイナミック・カオス・システム271は、フ
ィードバック・ループ278中の単位時間遅延装置277を有する関数F(u,
p)276によって表される。制御装置272は、制御手順パラメータ上の情報
を図24に示されるROMユニット264と同様のROMに格納するためのコン
トローラ273を有する。
【0124】 情報シンボルが制御装置272の入力に供給されるとき、カオス・ダイナミッ
ク・システム271に対する初期条件はサイクル点の1つにセットされる。カオ
ス軌跡上の軌道の不安定性のために、使われる軌道の点を通過した後に、ダイナ
ミック・カオス・システム271は、選択された周期軌道から徐々に「去る」。
各nサイクル期間ごとの偏位の後、増加している偏位を補償するために、ダイナ
ミック・カオス・システム271は、位相軌跡点を正確に全く同じサイクル点上
にセットすることによって「調節される」。そのような調整の数は、この軌道に
対応する周期的なモード上にとどまっているシステムの要求された継続時間によ
って決定される。この修正手順を実行するために、その期間とに沿った1サイク
ル点のみが、ROMユニット274に格納するために必要である。それゆえに、
この修正手順は、図24において使用される手順と比べると有利である。初期条
件は、1期間で何度か調節できる。
【0125】 上記の実施の形態において使用される素子は、デジタル信号プロセッサで実行
され、多数のユーザのキャラクタ・シンボルに対応する個々のカオス信号の生成
が可能である。
【0126】 受信側で、各受信者は、非同期のカオス信号シーケンスから受信した情報を抽
出する。このために、各受信者は、選択ダイナミック・カオス・システムを備え
ている。
【0127】 図1に戻って、カオス信号発生ユニット12によって発生された非同期のカオ
ス信号シーケンス36は、通信リンク16を通してカオス信号受信ユニット14
に送信される。受信側6で、カオス信号受信ユニット14は、非同期のカオス信
号シーケンス36からカオス信号受信ユニット14に接続されたユーザ20また
は21の方向に送られる情報を抽出する。
【0128】 図1は、1つのカオス信号受信ユニット14のみを示す。しかし、通信システ
ム2は、複数のカオス信号受信ユニットを含むことができる。そのような場合、
非同期のカオス信号シーケンス36は、通信システム2中の全ての動作中のカオ
ス信号受信ユニットに伝送される。
【0129】 図29は、カオス信号受信ユニット14の一実施の形態を示す。受信ユニット
14は、そこに接続される各ユーザ20、21に、選択ダイナミック・カオス・
システム218、220に供給する。各ダイナミック・カオス・システム218
、220の選択は、各受信制御ユニット214、216により制御される。
【0130】 各選択ダイナミック・カオス・システム218、220は、少なくとも1つの
カオス・アトラクタを有し、それは、その位相空間中に、不安定な周期軌道のい
くつかのセットを有し、それは、通信システム2の送信側4で、カオス信号発生
ユニット12のダイナミック・カオス・システム中におかれる。各選択ダイナミ
ック・カオス・システム218、220は、このユーザ20、21が一部を占め
る送受信ペア中に各ユーザ20、21に割当てられたキャラクタのセットのシン
ボルに対応するカオス信号の不安定な周期軌道に調整される。
【0131】 選択ダイナミック・カオス・システム218、220は、送信側4のカオス信
号発生ユニット12のダイナミック・カオス・システム28と同じであってもよ
い。しかし、特定の選択ダイナミック・カオス・システム218、220は、各
ユーザ20、21に関連したいくつかのカオス信号だけを抽出することが必要で
あるので、各ユーザに関する要求されたカオス信号にマッチするそれらの不安定
な周期軌道だけを発生させる選択ダイナミック・カオス・システムを構成すれば
十分である。
【0132】 選択ダイナミック・カオス・システム218、220および受信制御ユニット
214、216は、図1には1つのカオス信号受信ユニット14に示されるが、
この通信システムは複数のカオス信号受信ユニットを含むことができる。そして
、各選択ダイナミック・カオス・システムおよび受信制御ユニットは、別の異な
るカオス信号受信ユニット中に供給してもよい。また、図29において、各選択
ダイナミック・カオス・システムは、その各受信制御ユニットにより制御される
。しかし、1つの受信制御ユニットは、多くの選択ダイナミック・カオス・シス
テムを制御してもよい。
【0133】 非同期のカオス信号シーケンス36からユーザ21に宛てられたカオス信号を
受信ユーザ21が抽出するために、ユーザ21の選択ダイナミック・カオス・シ
ステム220は、受信されたカオス信号シーケンス36と受信制御ユニット21
6の基に、ユーザ21に対するカオス信号に対応するそれらの不安定な周期軌道
を形成する。
【0134】 図30は、そのような動作の例を図式的に例示する。受信ユニット14は、送
信者18および19のキャラクタ・シンボルに対応するカオス信号からなる非同
期のカオス信号シーケンス36「AXAYXBXBYZAZXB」を受信する。
カオス信号シーケンス36から、受信ユニット14は、ユーザ19および21の
送受信ペアのキャラクタ・シンボル「A」、「B」に対応する「自己の」カオス
信号を抽出する。したがって、受信ユニット14は、ユーザ21にデータ・スト
リーム「AABBA」281を出力する。この場合、図31に示すように、選択
ダイナミック・カオス・システム220は、入力されたカオス信号シーケンス3
6にフィルタをかけて、選択ダイナミック・カオス・システム220が調整され
た信号を歪み無しで通過させる。
【0135】 要求されたカオス信号の選択は、受信者21の選択ダイナミック・カオス・シ
ステム220のステップバイステップの反復プロセスを開始することによって実
行される。この反復プロセスの結果、選択ダイナミック・カオス・システム22
0は、その入力で受信される「自己」信号と同様の信号を出力する。
【0136】 反復プロセスの間、図32に示すように、受信ユニット14の選択ダイナミッ
ク・カオス・システム220は、形成された信号Y1−Y4のコンバージェンス
300を、点P1−P4によって表わされる予め選択された不安定軌道に対応す
る「自己」信号に供給する。同時に、図33に示すように、受信ユニット14の
入力に入ってくる「エイリアン」信号Y1−Y4は、選択ダイナミック・カオス
・システム220中に形成された点P1−P4によって表される予め選択された
不安定な軌道から軌道302の自然のダイバージェンスが生じる。
【0137】 「自己の」カオス信号を選択する動作は、異なる回路を使用して異なる方法で
実行することができる。図34は、本発明の一実施の形態のカオス信号受信ユニ
ット320のブロック図を示す。この受信ユニット320は、選択ダイナミック
・カオス・システムF(x)323、サイクル点を検索するための検索ユニット
321を含む受信制御ユニット、スイッチ322、選択ダイナミック・カオス・
システム323のシステム・パラメータを制御するための軌道制御ユニット32
4、1単位遅延素子325、加算器326、制御回路327、加算器328およ
びコンパレータ329から構成される。
【0138】 動作について説明すると、図35に示すように、受信ユニット320は最初に
カオス・システム323のシステム・パラメータを選んで固定する(S101)
。それによって、ダイナミック・カオス・システム323は、受信ユニット32
0に接続されている各ユーザに対応するその位相空間のカオス・アトラクタを発
生する。検索ユニット321は、選択システム・パラメータを備える選択ダイナ
ミック・カオス・システム323のカオス・アトラクタに属する不安定な周期軌
道セットの1つを選択する(S102)。受信された非同期のカオス信号シーケ
ンス36の現在のカオス信号サンプルZがカオス信号受信ユニット320の入力
に入ると、信号サンプルZは検索ユニット321に入力される(S103)。
【0139】 検索ユニット321は、位相空間の現在の点を決定する(S104)。その後
、その検索ユニット321は、選択された軌道に属している点に、受信されたカ
オス信号サンプルZに対応する点のメトリック近傍を評価し、予測する(S10
5)。対応する位相空間の点間の距離の標準は、近傍測定として使うことができ
る。選択された不安定な周期軌道の点への受信サンプルZに対応する点に対する
メトリック近傍の得られた予測が所定の限度を越える場合には(S106)、検
索ユニット321は、軌道の他の点に対しておよびカオス・アトラクタに属する
他の軌道の点に対して予測プロセスを続ける(S107)。もし得られた予測近
傍がカオス・アトラクタ中のいかなる軌道の点の近くにも落ちない場合、プロセ
スは次のカオス信号サンプルZを受信するためにステップS103に戻る。
【0140】 メトリック近傍の得られた予測が所定の範囲内にフィットすると(S106)
、制御回路327は、スイッチ322を制御して、現在点をスイッチ322を介
して、選択ダイナミック・カオス・システム323に、および軌道制御ユニット
324に入力する(S108)。
【0141】 軌道制御ユニット324は、ステップバイステップで反復的プロセスを開始す
る(S109)。入力信号サンプルが選択ダイナミック・カオス・システム32
3の自己の不安定な周期軌道の1つの点に近いと、入力されたサンプルZに対応
して、その反復プロセスは最初の点からスタートする。
【0142】 その際に、軌道制御ユニット324は、この選択ダイナミック・カオス・シス
テム323の位相空間中の描写点の動きを訂正することによって、反復された不
安定な周期軌道を安定化させる。訂正プロセスによって、カオス・システム32
3のパラメータは、サンプルZに対応する要求された軌道の安定したマニホール
ドの上へカオス・システム323の描写点を「押す」ように調整される。選択ダ
イナミック・カオス・システム323出力は、その出力が信号Xである単位遅延
素子325に供給される。信号Xは、その後、カオス・システム323の入力に
供給され、さらに軌道制御ユニット324へも供給される。軌道制御ユニット3
24は、信号Xと安定した軌道の格納値と比較する。この比較は、たとえば、安
定した軌道の各点または期間で実行されることができる。したがって、軌道制御
ユニット324は、システム323の制御されたパラメータへ要求された訂正値
を決定する。
【0143】 同時に、遅延した出力信号Xは、加算器326において、受信された非同期の
カオス信号シーケンス36の次の信号サンプルZと比較される(S110)。も
し比較された値間の違いが所定の範囲内にあるかどうか、すなわち、新しく受信
されたサンプルZに対応する点が信号Xに対して発生された軌道の点の近いかど
うかが比較され、その後、選択された軌道の安定化に対してカオス・システム3
23の反復プロセスが続けられる(S109)。もし次の入力サンプルZが安定
する軌道の対応するサンプルXから「遠い」場合(S110)、制御装置327
は、所定の範囲を越えた偏位値に従って、スイッチ322をフィードバック・ル
ープ330からフォワード回路331に移動する。このようにして、カオス・シ
ステム323の反復プロセスが終了する(S111)。この結果、カオス・シス
テム323は、カオス・システム323の不安定な周期軌道セットの軌道の1つ
の点に近い新しいサンプルZの待ちモードに移る。
【0144】 フォワード回路331において、加算器326で得られた差の値、すなわち、
出力エラーは、加算器328において安定サイクル期間の間累積される(S11
2)。コンパレータ329は、全エラーと所定の閾値値とを比較し、「自己の」
カオス信号が来たか、または「予測不能な」カオス信号が来たかを決定する(S
113)。
【0145】 図36は、本発明の他の実施の形態のカオス信号受信ユニット340のブロッ
ク図を示す。受信ユニット340は、図34に示される受信ユニット320と同
様であるが、受信ユニット340においては、軌道制御ユニット324が存在し
ない。この実施の形態において、選択された軌道を安定化させるステップ(図3
5のS109)は受信ユニット340においては実行されない。というのは、選
択された軌道は、通信システムの送信側で、厳密に安定化された不安定な周期軌
道に対応しているからである。受信ユニット340は、また、カオス信号が送信
側で軌道を安定化させることなく発生されるときには適切なものである。受信ユ
ニット340において、信号サンプルがカオス・システム323の入力に入って
来るときに、位相空間点が選択ダイナミック・カオス・システム323の不安定
な周期軌道セットの軌道の1つに近い信号サンプルは、選択された軌道を安定化
させることなく、反復プロセスを直接開始する。その他の点では、受信ユニット
340は、図34に示される受信ユニット320と同様に作動する。
【0146】 図37は、図34に示される受信ユニット320の特徴を示すために実行され
る数値シミュレーションの結果を描写する。カオス信号を発生している基本的な
ダイナミック・システムとして、ロッツイマップ(3)は、パラメータ値α=1
.4およびβ=0.3を用いている。カオス信号シーケンス36は、受信者の受
信ユニット320の入力で受信される。カオス信号シーケンス36は、断片0〜
50および100〜150で「エイリアン」信号350を構成し、およびサンプ
ル断片50〜100および150〜200で「自己の」信号352を構成する。
「自己の」反復信号は、期間8を有するロッツイマップ(3)の不安定軌道の一
つに対応する。図33に示されるように、受信ユニット320によって、「エイ
リアン」信号を処理する場合、サイクル点P1−P4からの出力信号Y1−Y4
の「ミスマッチ」303の急速な上昇が観測される。これに反して、図32に示
されるように、「自己の」信号が受信ユニット320の入力に来ると、入来信号
に対応するマッチングした信号が第2のサンプルY2から実際的に始まる出力で
形成される。この例では、入力に来ている「自己の」信号は、まず、前記の時間
間隔で何度も繰り返され、次に、期間8を有する軌道の任意の点から開始される
【0147】 受信された非同期のカオス信号シーケンス36のサンプルは、検索ユニット3
21にそれらを供給する前に、量子化されたレベルであってもよい。特に、サン
プルは単にバイナリ化されてもよい。
【0148】 図29に戻って、特定の受信者20の選択ダイナミック・カオス・システム2
18は、同じ種類のいくつかの部分から構成することができる。その各々は、こ
の特定の受信者20が占める送受信ペア中で、この受信者20に割当てられたキ
ャラクタのセットのシンボルに対応するカオス信号の1つに調整される。その場
合、これらの各部分は、1つのカオス信号に対応する1つの不安定な周期軌道を
発生できる選択ダイナミック・カオス・システムであってもよい。
【0149】 通信システムの受信側の選択ダイナミック・カオス・システムと通信システム
の送信側のダイナミック・カオス・システムと構造が異なるとき、軌道安定化ま
たは直接の反復プロセスは、選択ダイナミック・カオス・システム中で実行して
もよい。選択ダイナミック・カオス・システムは、全ての可能な軌道または通信
システムの送信側で使用されるそれらの軌道の1つだけを発生して、選択ダイナ
ミック・カオス・システムことに接続された受信者に対してカオス信号を形成す
る。
【0150】 その際に、それらの軌道の抽出は、特定のダイナミック・システムを合成する
ことにより実行でき、そのシステムはこれらの不安定な周期軌道を発生する。
【0151】 このようなダイナミック・システムは、たとえば、対応する限定軌道が記録情
報ブロックとして取られる情報を格納する区分線形マップを使用することにより
合成することができる。このような区分線形マップは、Dmitriev A.S.、 Panas A
.I.、 Starkov S.Oの論文「1−Dマップの安定軌道に基づく情報の格納と認識」
、(Phys.Rev.Lett.、1991、V.155、N 1、P.494-499);Dmitriev A.、 Andreev Yu.、 B
elsky Yu.、 Kuminov D.、 Panas A.、Starkov S.による米国特許No.5774587「目
標認識方法」;および、 Yu.A.Andreev、 A.S.Dmitriev、S.0. Starkovの論文「カ
オスを有する1−Dシステム中の情報処理」(IEEE Transaction on Circuits and
Systems 1997, Vol.44、1、pp.21-28)に開示される。区分線形マップは特別な方
法で構成されるダイナミック・システムであり、そこでは、ダイナミック・シス
テムは、格納された情報のタイプに従って合成される。この場合、マップ軌道の
限定不安定軌道は、各情報ブロックまたはイメージにマッチングされる。
【0152】 図38(a)および38(b)は、期間3を有する2つの軌道が格納される1
次元の区分線形マップの例を示す。ここでは、振幅サンプルのシーケンスは、以
下の情報ブロックとして格納される。 (図38(a)に示される第1の軌道354) 0.15→0.45→0.75→0.15→0.45→0.75→0.15→・・・・・・ (図38(b)に示される第2の軌道356) 0.35→0.65→0.95→0.35→0.65→0.95→0.35→・・・・・・
【0153】 区分線形マップの連続した反復は、その登録部に格納された軌道の一つを再生
する。軌道の選択は、反復に対する初期条件により決定される。マップの線形セ
クションの傾斜を変えることによって、選択された軌道の安定性を制御すること
が可能である。45°未満の対応するセクションの傾斜については、軌道は安定
になる、さもなければ、反復はサンプル{X}のカオス・シーケンスを生成す
る。格納された情報を有するマップの性質によって、異なる不安定軌道を抽出す
るための同じマップを使用することができる。
【0154】 非同期のカオス信号シーケンスから信号を抽出する間、この特定の受信者の選
択ダイナミック・カオス・システムによって発生される信号は予め選択されても
よい。この予め選択された動作は、同じダイナミック・カオス・システムのペア
に対する同相のカオス同期応答の出現中に構成されるカオス同期現象に基づいて
実行されてもよい。マスタ・スレイブ・ペアのカオス同期は、受信側で、すなわ
ちスレイブ・システムで、追加のフィードバックを導入することによって得られ
、入力する自己信号の重み付け加算を実行する。
【0155】 同期回路として、図39に示される回路360が使用される。このような同期
回路360は、Dmitriev A.S.、 Shirokov M.およびStarkov S.O.の論文「ローカ
ルおよびグローバルに結合された離散−時間ダイナミック・システムのアンサン
ブルのカオス同期、厳密な結果とコンピュータ・シミュレーション」(Proc.3-rd
Int.Workshop NDES-95、 Dublin、 Ireland.1995、 pp.287-290);Dmitriev A.S.、
Shirokov M.E.、 Starkov S.Oの論文「結合マップのアンサアンブルのカオス同期
」(IEEE Transaction on Circuits and Systems,1997、vol.44、No.10、pp.918-926)
に開示されている。
【0156】 同期回路360は、着信フィードバック・ループ362および追加の自己信号
フィードバックはループ364から構成される。着信フィードバック・ループ3
62は、カオス関数f366、1つの遅延素子368および出力yを有する。
自己信号フィードバック・ループ364は、カオス関数f370、1つの遅延素
子372、および出力xn+1を有する。加算器374は、混合係数αとフィー
ドバック・ループ362の出力yの合計と自己信号フィードバック・ループ3
64の出力xn+1とを重み付けして混合する。これによって、加算器374は
、重み付けされた加算αy+(l−α)Xn+1を出力する。
【0157】 スレイブ・システムの同期マッチ応答を供給する混合係数αの値は、システム
カオスの性質によって、すなわち、第1のリャプノフ指数λの値により決定され
る。図39に示される同期回路360に対して、この依存度は、次の関係により
定義される。 |1−α|<exp(−λ) (4)
【0158】 この場合、αが式(4)を満たすとき、スレイブ・システムの出力での信号は
、マスタ・システム、すなわち送信側、から来る入力信号を正確に再生する。同
期は同じダイナミック・システムのペアに対してのみ可能であるので、スレイブ
・システムの入力に入る信号が他のダイナミック・カオス・システムによって、
または他のパラメータ・セットを有するシステムによって形成されるときには、
同期応答は存在しない。この結果、カオス信号の入力シーケンスから、送信側で
のダイナミック・カオス・システムによって形成されたそれらの断片だけを抽出
することが可能である。それは通信システムの受信側におけるダイナミック・カ
オス・システムと同様である。したがって、たとえば、受信者または受信者グル
ープに対するカオス信号の予めの選択は、コード・キャラクタと同じダイナミッ
ク・カオス・システムによって生成された信号(不安定軌道)を使用することに
よって実行される。
【0159】 非同期のカオス信号シーケンスから情報を抽出するためのカオス信号受信ユニ
ットの上記の実施の形態は、また、デジタル処理技術によって実現でき、たとえ
ば、多くのユーザのキャラクタに対応する多くの各カオス信号の生成を可能にす
るデジタル信号プロセッサによって実現できる。
【0160】 本発明の特定の実施の形態が記載されるが、本発明の真の範囲から逸脱するこ
となく、そのような実施の形態に対して変化および修正を行うことが可能である
【0161】 たとえば、上記の実施の形態は、ユーザの各送受信ペアに、異なるキャラクタ
セットを使用して記載されている。しかし、本発明は、また、異なるキャラクタ
のセットが各ユーザに割当てられるシステムに適用することが可能である。そし
て、このメッセージはメッセージが送られる特定のユーザを識別する識別子と共
に送られることができる。この場合、特定のユーザの選択ダイナミック・カオス
・システムは、識別データを使用しているその「自己の」信号を選ぶことができ
る。
【0162】 上記の実施の形態において、1つのダイナミック・カオス・システムだけが、
カオス信号発生ユニット中で使用される。しかし、複数のダイナミック・カオス
・システムが異なるカオス信号を発生するために用いてもよい、またそれらのダ
イナミック・カオス・システムの出力は、多数のユーザからの受信されたデータ
に対応するカオス信号シーケンスを形成するために組み合わされることができる
【0163】 本発明は、コンピュータ・プロセッサまたは上述のステップを実行するように
プログラムされた類似の装置によって実行されることができ、またはこれらのス
テップを実行する手段を備えている電子的なシステムにより実行されることがで
きる。
【0164】 本発明は、また、コンピュータ中のステップを実行するために使用されるステ
イトメントまたは命令を格納するコンピュータ・ディスケット、CD−ROM、
RAMおよびROMのようなコンピュータ可読登録部をカバーする。また、これ
らのステップを表している電子信号は、また、通信ネットワークを通して送信す
ることができる。このような電子信号は、また本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態のマルチプル・アクセス通信システムを示
すブロック図である。
【図2】 図1に示されるカオス信号発生ユニットを示すブロック図である
【図3】 (a)は、論理マップを示す図であり、(b)は、(a)に示さ
れる論理マップの不安定な周期軌道の例を示す図であり、(c)は、(a)に示
される論理マップ中の不安定な周期軌道の他の例を示す図である。
【図4】 図3(a)に示される論理マップのダイナミック・カオス・シス
テムの例を示す電気回路図である。
【図5】 本発明の一実施の形態のカオス信号を発生する方法のフローチャ
ートである。
【図6】 ダイナミック・カオス・システムの位相空間の不安定軌道の領域
を発見する方法を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の一実施の形態のダイナミック・カオス・システムの位相
空間中の不安定軌道を検索する方法を示すフローチャートである。
【図8】 へノンマップによるダイナミック・カオス・システムの一例を示
すブロック図である。
【図9】 へノンマップのシステム・パラメータα、βに対する分岐を示す
図である。
【図10】 図9における安定なツバメ型ウインドウに対するスケルトン不
安定軌道の発生および累積を示す図である。
【図11】 図9に示される分岐図の拡大部分を示す図である。
【図12】 図9の4つの期間7スケルトン軌道に対するサイクル固有値を
示す図である。
【図13】 図12に示される平均固有値のサイクル期間依存性を示す図で
ある。
【図14】 ロッツイマップに従うダイナミック・カオス・システムの他の
例を示すブロック図である。
【図15】 パラメータα=1.β=0.5を有するロッツイマップに対す
るカオス・アトラクタ構造を示す図である、
【図16】 へノンマップ用システム・パラメータα、βに対する分岐を示
す図である。
【図17】 (a)は、図15に示されるカオス・アトラクタに属する期間
16の不安定スケルトン軌道の例を示す図であり、(b)は、図15に示される
カオス・アトラクタに属する期間16の不安定スケルトン軌道の他の例を示す図
であり、(c)は、図15に示されるカオス・アトラクタに属する期間16の不
安定スケルトン軌道の他の例を示す図であり、(d)は、図15に示されるカオ
ス・アトラクタに属する期間16の不安定スケルトン軌道の他の例を示す図であ
る。
【図18】 本発明の一実施の形態の非同期カオス信号シーケンスを形成す
る方法を示すフローチャートである。
【図19】 図1に示される通信システムにおいて使用されるシンボルに対
応する周期的な不安定軌道の例を示す図である。
【図20】 図1に示される通信システムで送信される非同期のカオス信号
シーケンスの例を示す図である。
【図21】 本発明の他の実施の形態のカオス信号発生ユニットの例を示す
ブロック図である。
【図22】 反復プロセスの例を示すフローチャートである。
【図23】 図2に示されるダイナミック・カオス・システムの特性を制御
するための方法の例を示す図である。
【図24】 本発明の他の実施の形態のカオス信号発生ユニットの例を示す
ブロック図である。
【図25】 (a)は、へノン・アトラクタ・サイクルを安定化させるため
の手順の例を示す図であり、(b)は、(a)の図の拡大部分を示す図であり、
(c)は、(a)の図の他の拡大部分を示す図である。
【図26】 (a)は、へノンアトラクタの軌道を安定化させるための手順
の一例を示す図であり、(b)は、へノンアトラクタの軌道を安定化させるため
の手順の他の例を示す図である。
【図27】 (a)は、ロッツイ・アトラクタ軌道を安定化させるための手
順の例を示す図であり、(b)は、ロッツイ・アトラクタ軌道を安定化させるた
めの手順の他の例を示す図である、
【図28】 カオス信号発生ユニットの他の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図29】 カオス信号受信ユニットの実施の形態を示すブロック図である
【図30】 図1に示されるカオス信号受信機による信号の抽出を示す図で
ある。
【図31】 図1に示される受信機の選択ダイナミック・カオス・システム
の前後の非同期ストリームの例を示す図である。
【図32】 受信機で信号を選択する間、「自己の」軌道の収束を図式的に
示す図である。
【図33】 受信機で信号を選択する間、「自己の」軌道からの「エイリア
ン」信号に対応する軌道のダイバージェンスを図式的に示す図である。
【図34】 本発明の一実施の形態の受信機を示すブロック図である。
【図35】 受信機で、受信信号から「自己」信号を抽出するためのプロセ
スを示すフローチャートである。
【図36】 直接の反復的方法を使用して、受信機で受信された「自己」信
号を抽出するためのプロセスを示すブロック図である。
【図37】 図32に示す受信機によって実行される数値シミュレーション
の結果を示す図である。
【図38】 (a)は、一次元の区分線形マップ中の期間3サイクリック不
安定軌道の例を示す図であり、(b)は、一次元の区分線形マップの期間3サイ
クリック不安定軌道の他の例を示す図である。
【図39】 カオス同期回路の例を示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項12】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、少なくとも2つ
の異なるシステム・パラメータを有する前記同じダイナミック・カオス・システ
ムの異なるアトラクタに属する前記同じ期間のカオス信号のサブセットを選択す
るステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
【請求項13】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選ぶ前記ステップは、前記同じダイナミッ
ク・カオス・システム中で供給される異なる期間のカオス信号のサブセットを選
択するステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
【請求項14】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、異なるダイナミ
ック・カオス・システムの不安定なスケルトン軌道に対応するカオス信号のサブ
セットを選択するステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
【請求項15】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、ハイパー・カオ
ス・アトラクタを有するダイナミック・カオス・システムの不安定なスケルトン
軌道に対応するカオス信号のサブセットを選択するステップを含むことを特徴と
するカオス信号形成方法。
【請求項16】 請求項5のカオス信号形成方法において、さらに前記選択
されたカオス信号をレベル量子化するステップを含むことを特徴とするカオス信
号形成方法。
【請求項17】 前記通信システム上でデータを送信している多数のユーザ
を含むマルチプル・アクセス通信システムに対してカオス信号シーケンスを発生
するためのカオス信号発生ユニットにおいて、 前記カオス信号発生ユニットは: 共通のデータ・ストリームを発生するために、多数のユーザからのデータを受
信し・混合するデータ・ミキサと、 少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不能なアト
ラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描写する描
写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可変パラメ
ータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各不安定軌
道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期間を有す
るダイナミック・カオス・システムと、 少なくともユーザの他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なるキャラク
タのセットをユーザの各送受信ペアに割当て、前記不安定軌道の1つを前記各キ
ャラクタの各シンボルにマッチングさせ、前記ダイナミック・カオス・システム
を連続的に調整して、前記共通のデータ・ストリームのシンボルに対応する不安
定軌道に対応するカオス信号を発生する制御装置とを備え、 前記制御装置は: 前記共通のデータ・ストリーム中の現在のシンボルに対応する要求されたカオ
ス信号を発生するために、前記ダイナミック・カオス・システムの反復プロセス
をステップバイステップで実行し、要求されたカオス信号に従って要求される不 安定周期軌道を含むダイナミック・カオス・システムの位相空間で反復プロセス をステップバイステップで実行する反復 手段と、 前記反復プロセス中に現れる前記現在の不安定軌道の軌跡点が前記要求された
不安定軌道の所定の近傍に落ちるとき、現在の不安定軌道を安定化させる手段と
、 前記安定化された不安定軌道から前記非同期のカオス信号シーケンスを形成す
る手段とを備えたことを特徴とするカオス信号発生ユニット。
【請求項18】 請求項17のカオス信号発生ユニットにおいて、 さらに、前記予測不能なアトラクタの前記不安定軌道のリストを登録するため
の登録部を備え、 前記制御装置は、さらに、不安定軌道が存在するシステム・パラメータ領域を
決定する前記ダイナミック・カオス・システムの分岐特性を解析する手段と、前
記登録部中の前記不安定軌道の前記リストを形成するために所定の期間を有する
不安定軌道に対し決定されたパラメータ領域を検索する手段と、前記選択された
不安定軌道に基づいて前記カオス信号を形成するために前記リストから前記不安
定軌道のサブセットを選択する手段とを備えることを特徴とするカオス信号発生
ユニット。
【請求項19】 データを多数のユーザ間で伝送するマルチプル・アクセス
通信システムにおいて非同期のデータ・ストリームを形成する方法において、 前記方法は: 少なくともユーザの他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なるキャラク
タのセットをユーザの前もって各送受信ペアに割当て、前記各キャラクタの各シ
ンボルに、少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不
能なアトラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描
写する描写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可
変パラメータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各
不安定軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期
間を有するダイナミック・カオス・システムによって発生されたカオス信号の1
つを、マッチングさせ、 多数のユーザから、前記ユーザのキャラクタのシンボルから成るデータを受信
し、 前記ユーザから受信された前記シンボルから共通のデータ・ストリームを形成
し、そのシーケンス中で、シンボル次のオーダは、所定のルールによって定義さ
れ、 各々が前記共通のデータ・ストリームの各シンボルに対応するカオス信号を発
生するために、前記ダイナミック・カオス・システムを連続的に調整し、 通信チャネル中で、連続的に発生する前記カオス信号からの非同期のカオス信
号シーケンスを形成するステップを備え、 前記の連続的に調整する前記ステップは: 前記共通のデータ・ストリーム中の現在のシンボルに対応する要求されたカオ
ス信号を発生するために、前記ダイナミック・カオス・システムの反復プロセス
をステップバイステップで開始し、前記反復プロセス中に現れる前記現在の不安
定軌道の軌跡点が前記要求された不安定軌道の所定の近傍に落ちるとき、現在の
不安定軌道を安定化させ、前記安定化軌道から非同期カオス信号を形成すること
を特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項20】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 さらに、前記ダイナミック・カオス・システムの前記反復プロセスの間、そし
て、安定化させる前記ステップの前に、メトリック的および進化的に前記ダイナ
ミック・カオス・システムの前記現在の状態を反映している現在点に近い前記要
求された不安定軌道に属する前記ダイナミック・カオス・システムの前記位相空
間中で点を検出するステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリーム
の形成方法。
【請求項21】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記ダイナミック・カオス・システムの前記反復プロセスを開始するステップ
は、前記ダイナミック・カオス・システムの初期条件を変化させ、前記要求され
た不安定軌道に属する位相空間点から前記反復プロセスを開始させることによっ
て、実行されることを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項22】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記不安定軌道を安定化させる前記ステップは、前記ダイナミック・カオス・
システムの前記システム・パラメータを変化させ、前記要求された不安定軌道の
安定したマニホールド上の前記ダイナミック・カオス・システムの前記現在の状
態を反映している現在点を移動されることによって、実行されることを特徴とす
る非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項23】 請求項22の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記ダイナミック・カオス・システムのパラメータを変化させる前記ステップ
は、前記不安定軌道の前記期間の間、前記反復プロセス中で、少なくとも一度、
前記位相空間中の点の動きを訂正することによって、実行されることを特徴とす
る非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項24】 請求項23の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記位相空間中の前記点の動き訂正する前記ステップは、前記不安定軌道の前
記期間の間、各反復的なステップで実行されることを特徴とする非同期データ・
ストリームの形成方法。
【請求項25】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記共通のデータ・ストリームを形成する前記ステップは、前記ユーザから来
た前記データの順に実行されることを特徴とする非同期データ・ストリームの形
成方法。
【請求項26】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各キャラクタに前も
って割当てられた優先度を勘案して実行されることを特徴とする非同期データ・
ストリームの形成方法。
【請求項27】 請求項19の方法非同期データ・ストリームの形成方法に
おいて、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各ユーザに前もって
割当てられた優先度を勘案して実行されることを特徴とする非同期データ・スト
リームの形成方法。
【請求項28】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各優先ユーザに対す
る単位時間当たり所定数のシンボルの伝送を勘案して実行されることを特徴とす
る非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項29】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各優先キャラクタに
対する単位時間当たり所定数のシンボルの伝送を勘案して実行されることを特徴
とする非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項30】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 キャラクタのセットを割当てる前記ステップは、他の各ユーザに割当てられた
キャラクタのセットよりも多くのシンボルを有するキャラクタのセットを各優先
ユーザに割当てるステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの
形成方法。
【請求項31】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、各キャラクタの各シンボル上
のいくつかのカオス信号を各優先ユーザに供給するステップを含むことを特徴と
する非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項32】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、他の各ユーザに対するカオス
信号よりも短い不安定軌道期間を有するカオス信号を各優先ユーザに供給するス
テップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項33】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、他の各キャラクタに対するカ
オス信号よりも短い不安定軌道期間を有するカオス信号を各優先キャラクタに供
給するステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
【請求項34】 請求項19の非同期データ・ストリームの形成方法におい
て、 少なくとも1つのシンボルを送信するために、前記対応のカオス信号を発生す
る前記ステップは、一度以上実行されることを特徴とする非同期データ・ストリ
ームの形成方法。
【請求項35】 請求項3に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 シンボルのセットによって表されるキャラクタのセットが、各ユーザに割当て
られ、前記登録部は、各シンボルの関係および少なくとも前記不安定軌道の一部
を使用して形成された各カオス信号を格納することを特徴とするカオス信号発生
ユニット。
【請求項36】 請求項4に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 前記ユーザは、前記データの優先度を示す優先データをそのデータに含み、前
記データ・ミキサは前記優先データに基づいて前記データを混合することを特徴
とするカオス信号発生ユニット。
【請求項37】 請求項36に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 より高い優先度データは、より低い優先度データのそれより短い反復期間を有
する不安定軌道を使用することを特徴とするカオス信号発生ユニット。
【請求項38】 マルチプル・アクセス通信システム中の非同期のカオス信
号シーケンスから、各受信者に対して宛てられたカオス信号を抽出するカオス信
号受信ユニットにおいて、前記カオス信号は、前記非同期のカオス信号シーケン
スはカオス信号を含み前記通信システム中のユーザの通信中の送受信ペアに割当
てられるキャラクタのシンボルに対応し、ユーザの特定の送受信キャラクタのセ
ットのシンボルは少なくともいくらかの他の送受信ペアのキャラクタのシンボル
と異なり、送信機ダイナミック・カオス・システムによって発生された不安定な
周期軌道に対応する各カオス信号は、少なくとも可変システム・パラメータを有
し、その位相空間で少なくとも予測不能なアトラクタは前記位相空間の前記カオ
ス・システムの状態を描写する描写点の複数のカオス軌跡から成り、前記予測不
能なアトラクタは、前記システム・パラメータによって決定される不安定軌道の
可算数のセットを含み、各不安定軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点
の所定近傍に戻る反復期間を有し、 前記受信ユニットは: 各ユーザ受信者に対して供給され、前記各受信者が関係するユーザの送受信ペ
ア中の前記各受信者に割当てられた前記キャラクタのシンボルに対応するカオス
信号で調整され、前記非同期のカオス信号シーケンスを受信し、前記非同期カオ
ス信号シーケンスから、前記各受信者に宛てられたカオス信号を抽出する選択シ
ステムを備え、 そこで前記選択手段は: 少なくとも可変システム・パラメータと位相空間中の予測不能なアトラクタを
有し、前記予測不能なアトラクタは、前記各受信者に割当てられた前記キャラク
タの前記シンボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有する選択ダイナ
ミック・カオス・システムと、 前記各受信者に対して宛てられたカオス信号に対応する不安定軌道を発生する
ために、前記選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをステップバ
イステップで実行し、前記宛先のカオス信号を抽出する受信制御ユニットとを備
えることを特徴とするカオス信号発生ユニット。
【請求項39】 マルチプル・アクセス通信システムの非同期のカオス信号
シーケンスから、特定の受信者に宛てられたカオス信号を抽出する方法において
、 前記非同期のカオス信号シーケンスはカオス信号を含み、前記カオス信号は、
前記通信システムのユーザの送受信ペアに割当てられたキャラクタのシンボルに
対応し、ユーザの特定の送受信ペアのキャラクタのセットのシンボルは、少なく
とも他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なり、少なくとも可変システム
・パラメータとその位相空間で少なくとも予測不能なアトラクタとを有する送信
機ダイナミック・カオス・システムによって発生された不安定な周期軌道に対応
する各カオス信号は、前記位相空間中の前記カオス・システムの状態を描写する
描写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記システム
・パラメータによって決定される不安定軌道の可算数のセットを含み、各不安定
軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定近傍に戻る反復期間を有し
、 前記特定の受信者が関係する送受信ペアの前記特定の受信者に割当てられたキ
ャラクタのシンボルに対応するカオス信号に調整されたシステムを各受信者に供
給し、 前記非同期のカオス信号シーケンスを受信し、 前記特定の受信者に宛てられた前記非同期のカオス信号からシーケンスを抽出
し、 そこで、前記方法は、 前記選択システムに選択ダイナミック・カオス・システムを供給し、前記選択
システムに選択ダイナミック・カオス・システムは、少なくとも可変システム・
パラメータと、その位相空間に少なくとも予測不能なアトラクタを有し、前記予
測不能なアトラクタは、前記各受信者に割当てられた前記キャラクタの前記シン
ボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有し、 前記特定の受信者に宛てられた前記カオス信号に対応する前記不安定軌道を発
生するために、前記選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをステ
ップバイステップで実行することによって、前記カオス信号を抽出する前記ステ
ップを実行することを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項40】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに、前記反復プロセスをステ
ップバイステップで実行する間、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前
記システム・パラメータを適切に調整することによって、前記特定の受信者の選
択ダイナミック・カオス・システムのカオス信号に対応する前記不安定軌道を安
定化させるステップを含むことを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項41】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記安定化ステップは: 前記選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中で、前記選択ダイナ
ミック・カオス・システムに属する前記各不安定軌道に対応する点に、前記非同
期のカオス信号シーケンスの受信サンプルに対応する点のメトリック近傍を予測
し、 メトリック近傍予測が所定の範囲内にある不安定軌道で、前記選択ダイナミッ
ク・カオス・システムの前記反復プロセスをステップバイステップで開始し、 前記反復不安定軌道の反復期間の間に、前記反復プロセスの少なくとも1つの
ステップ上で選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中の点の動きを
訂正し、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前記位相空間中の各反復
的なステップにおける前記反復プロセスの間、前記非同期のカオス信号シーケン
スの次に受信されたサンプルに対応する点の次のメトリック近傍を、前記反復不
安定軌道の次の点に予測し、 前記次のメトリック近傍予測が前記所定の範囲の外側に落ちた時に、前記反復
プロセスを終了することを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項42】 請求項41のカオス信号抽出方法において、 前記点の動きを訂正する前記ステップは、前記選択ダイナミック・カオス・シ
ステムの前記反復プロセスの各ステップで実行されることを特徴とするカオス信
号抽出方法。
【請求項43】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中で、前記選
択ダイナミック・カオス・システムに属する前記各不安定軌道に対応する点に、
前記非同期のカオス信号シーケンスの受信サンプルに対応する点のメトリック近
傍を予測し、 メトリック近傍予測が所定の範囲内にある不安定軌道で、前記選択ダイナミッ
ク・カオス・システムの前記反復プロセスをステップバイステップで開始し、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前記位相空間中の各反復
的なステップにおける前記反復プロセスの間、前記非同期のカオス信号シーケン
スの次に受信されたサンプルに対応する点の次のメトリック近傍を、前記反復不
安定軌道の次の点に予測し、 前記次のメトリック近傍予測が前記所定の範囲の外側に落ちた時に、前記反復
プロセスを終了することを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項44】 請求項43のカオス信号抽出方法において、 前記選択ダイナミック・カオス・システムは、前記通信システムの前記送信機
ダイナミック・カオス・システムと同様であり、前記特定の受信者に対するカオ
ス信号を形成するために前記送信機ダイナミック・カオス・システムによって使
用される不安定軌道だけを抽出するように調整されることを特徴とするカオス信
号抽出方法。
【請求項45】請求項43のカオス信号抽出方法において、 前記選択ダイナミック・カオス・システムは、前記通信システムの前記送信機
ダイナミック・カオス・システムと異なり、前記送信機ダイナミック・カオス・
システムで使われる周期軌道を有し、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記送信機ダイナミック・
カオス・システムを有する前記選択ダイナミック・カオス・システムを合成する
ステップを含むことを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項46】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、多数の選択ダイナミック・カオス
・システムを使用することにより実行され、これらの各々は、前記特定の受信者
に対する前記カオス信号の各1つを抽出するように調整されることを特徴とする
カオス信号抽出方法。
【請求項47】 請求項43のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは: 前記反復不安定軌道の1つの反復継続時間に対応する時間間隔の間、前記メト
リック近傍予測を蓄積し、前記蓄積された値が所定の閾値を越えないときに、前
記カオス信号の抽出を決定することを特徴とするカオス信号抽出方法。
【請求項48】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
ーケンス中の前記カオス信号の振幅を量子化するステップを含むことを特徴とす
るカオス信号抽出方法。
【請求項49】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
ーケンスにおいて、カオス信号をあらかじめ選択するステップを含み、そのため
に、前記選択ダイナミック・カオス・システムのタイプは、他の受信者の選択ダ
イナミック・カオス・システムのタイプと異なることを特徴とするカオス信号抽
出方法。
【請求項50】 請求項39のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
ーケンスにおいて、カオス信号をあらかじめ選択するステップを含み、そのため
に、前記選択ダイナミック・カオス・システムのシステム・パラメータのセット
は、他の受信者の選択ダイナミック・カオス・システムのシステム・パラメータ
のセットと異なることを特徴とするカオス信号抽出方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】 図22において、ステップバイステップで反復的プロセスはダイナミック・カ
オス・システム28の初期条件を変えることによって始まる。すなわち、反復プ
ロセスは、混合データ・シーケンス32の受信シンボルに従って、データ・ミキ
サ22から要求された不安定な周期軌道を含むダイナミック・カオス・システム
28の位相空間中の任意の点、すなわち現在の点、からスタートする(S90)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スタルコフ,セルゲイ オレゴビッチ ロシア国 249020、オブニンスク,2− 166、ユーエル.エンゲルサ (72)発明者 シロコフ,マキシム エフゲニービッチ ロシア国,141400,キムキ,6−80,ピー アール.ユビレニ, (72)発明者 パナス,アンドレイ イワノビッチ ロシア国,141120,フリアジノ,17−24, ユーエル.フォクザルナヤ, (72)発明者 リー,ヨング カナダ国,ケー2エム 2エル3,オンタ リオ,カナタ,エメラルド メードーズ ドライブ 26 (72)発明者 トング,ウエン カナダ国,ケー2シー 3エル7、オンタ リオ,オタワ,キャスル ヒル クレッシ ェント,903−1000 (72)発明者 ワング,ルイ,アール. カナダ国,ケー2シー 3エル6,オンタ リオ,オタワ,ダインズ ロード 1204− 900 Fターム(参考) 5K022 EE01

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カオス信号発生ユニット、カオス信号受信ユニット、通信リ
    ンクおよび多数のユーザを含む多重アクセス通信システムにおいて: 前記カオス信号発生ユニットは: 共通のデータ・ストリームを発生するために、多数のユーザからのデータを受
    信し・混合するデータ・ミキサと、 少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不能なアト
    ラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描写する描
    写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可変パラメ
    ータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各不安定軌
    道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期間を有す
    る送信機ダイナミック・カオス・システムと、 前記キャラクタのセットをユーザの各送受信ペアに割当て、前記キャラクタの
    シンボルは、ユーザの少なくとも他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異な
    っており、前記不安定軌道の1つを前記キャラクタの各シンボルにマッチングさ
    せ、前記ダイナミック・カオス・システムを連続的に調整して前記共通のデータ
    ・ストリームのシンボルに対応する前記不安定軌道に対応するカオス信号を発生
    し、前記で発生されたカオス信号から非同期のカオス信号シーケンスを形成する
    前記制御装置とを備え; 前記カオス信号受信ユニットは: 各ユーザ受信者に対して供給され、前記各受信者が関係するユーザの送受信ペ
    ア中の前記各受信者に割当てられた前記キャラクタのシンボルに対応するカオス
    信号で調整され、前記非同期のカオス信号シーケンスを受信し、前記非同期カオ
    ス信号シーケンスから、前記各受信者に宛てられたカオス信号を抽出する選択シ
    ステムを備え; 前記通信リンクは、前記カオス信号発生ユニットと前記カオス信号受信ユ
    ニットを接続し: 前記カオス信号発生ユニットにおいて前記制御装置は: 前記共通のデータ・ストリームの現在のシンボルに対応する要求されたカオス
    信号を発生するために、前記送信機ダイナミック・カオス・システムをステップ
    バイステップで反復的にプロセスを実行する手段と、 前記反復プロセス中に現れた現在の不安定軌道の軌跡点が前記要求された不安
    定軌道の所定の近傍に落ちるときに、現在の不安定軌道を安定化させる手段と、 前記安定化不安定軌道から前記非同期のカオス信号シーケンスを形成する手段
    とを備え; 前記受信ユニットにおいて前記選択手段は: 少なくとも可変システム・パラメータと位相空間中の予測不能なアトラクタを
    有し、前記予測不能なアトラクタは、前記各受信者に割当てられた前記キャラク
    タの前記シンボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有する選択ダイナ
    ミック・カオス・システムと、 前記各受信者に対して宛てられたカオス信号に対応する不安定軌道を発生する
    ために、前記選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをステップバ
    イステップで実行し、前記宛先のカオス信号を抽出する受信制御ユニットとを備
    えることを特徴とする多重アクセス通信システム。
  2. 【請求項2】 請求項1のマルチプル・アクセス通信システムにおいて、 前記カオス信号発生ユニットは、さらに前記予測不能なアトラクタの前記不安
    定軌道のリストを登録するための登録部を有し、 前記制御装置は、さらに、不安定軌道が存在するシステム・パラメータ領域を
    決定する前記送信機ダイナミック・カオス・システムの分岐特性を解析する手段
    と、前記登録部中の前記不安定軌道の前記リストを形成するために所定の期間を
    有する不安定軌道に対し決定されたパラメータ領域を検索する手段と、前記選択
    された不安定軌道に基づいて前記カオス信号を形成するために前記リストから前
    記不安定軌道のサブセットを選択する手段とを備えることを特徴とするマルチプ
    ル・アクセス通信システム。
  3. 【請求項3】 マルチプル・アクセス通信システムのためにカオス信号を形
    成するためのカオス信号発生ユニットにおいて、 前記カオス信号発生ユニットは: 少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不能なアト
    ラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描写する描
    写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可変パラメ
    ータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各不安定軌
    道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期間を有す
    るダイナミック・カオス・システムと、 所定のルールに従って選択される複数の前記不安定軌道に対応するカオス信号
    を発生するために、前記ダイナミック・カオス・システムを制御する制御装置と
    、 前記予測不能なアトラクタの前記不安定軌道のリストを登録するための登録部
    とを備え、 前記制御装置は、さらに、不安定軌道が存在するシステム・パラメータ領域を
    決定する前記送信機ダイナミック・カオス・システムの分岐特性を解析する手段
    と、前記登録部中の前記不安定軌道の前記リストを形成するために所定の期間を
    有する不安定軌道に対し決定されたパラメータ領域を検索する手段と、前記選択
    された不安定軌道に基づいて前記カオス信号を形成するために前記リストから前
    記不安定軌道のサブセットを選択する手段とを備えることを特徴とするマルチプ
    ル・アクセス通信システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 前記カオス信号ユニットは、さらに、前記カオス信号発生ユニットに接続され
    る多数のユーザから送信されるデータを受信して、混合し、共通のデータ・スト
    リームを発生するデータ・ミキサを備え、 前記制御装置は、前記共通のデータ・ストリームを受信し、前記共通のデータ
    ・ストリームに対応するカオス信号を発生するために前記ダイナミック・カオス
    ・システムを制御してカオス信号シーケンスを形成することを特徴とするカオス
    信号発生ユニット。
  5. 【請求項5】 マルチプル・アクセス通信のためにカオス信号を形成する方
    法において、 前記方法は: 少なくとも1つの可変システム・パラメータを有する少なくとも1つのダイナ
    ミック・カオス・システムおよび位相空間中の少なくとも1つの予測不能なアト
    ラクタを構成し、 前記予測不能なアトラクタは複数のカオス軌跡であり、前記システム・パラメ
    ータによって決定された不安定な周期スケルトン軌道の可算数のセットを含み、
    前記各不安定軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道上の戻り点の所定の近傍に戻
    る反復期間を有し、 所定のルールに従って選択される複数の前記不安定軌道に対応するカオス信号
    を発生し、 そこで、前記方法は、さらに、 前記ダイナミック・カオス・システムを構成する間に、前記不安定軌道が存在
    するパラメータ領域を明らかにする前記ダイナミック・カオス・システムの分岐
    特性を解析し、 前記明らかにされたパラメータ領域中で、所定の期間を有する不安定軌道の検
    索を行い、 検出された前記不安定軌道のリストを形成し、 前記で形成されたリストから、前記不安定軌道のサブセット、すなわち、所定
    の基準を満たしている前記不安定軌道間の差を選択し、 前記ダイナミック・カオス・システムを制御して、前記選択された不安定なス
    ケルトン軌道に対応する前記カオス信号を形成することを特徴とするカオス信号
    形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記の解析を行うステップは: 前記システム・パラメータの全可変範囲で前記ダイナミック・カオス・システ
    ムの行動モードを反映する分岐図をプロットし、 前記分岐図に基づいて、前記ダイナミック・カオス・システムの前記不安定軌
    道が存在する前記パラメータ領域を決定することを特徴とするカオス信号形成方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6のカオス信号形成方法において、 前記分岐図をプロットする前記ステップは: 前記ダイナミック・カオス・システムの前記行動を定義する前記システム・パ
    ラメータのメッシュ値上の前記ダイナミック・カオス・システムのシステム式を
    直接反復し、得られた時間シリーズを解析することを特徴とするカオス信号形成
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項6のカオス信号形成方法において、 前記分岐図をプロットする前記ステップは: 前記ダイナミック・カオス・システムの前記行動を定義している前記システム
    ・パラメータのメッシュ値の上で前記ダイナミック・カオス・システムのシステ
    ム式を数値的に積分して、得られた時間シリーズを解析することを特徴とするカ
    オス信号形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記検索を行う前記ステップは: 前記ダイナミック・カオス・システムの前記システム・パラメータを固定し、 前記予測不能なアトラクタ上のスタート条件を決定することによって、前記ダ
    イナミック・カオス・システムの前記位相空間中の前記カオス軌跡の1つを選択
    し、 期間Tを有する戻り点を決定し、所定の時刻Tの後、前記選択されたカオス軌
    跡が戻る戻り点の所定の近傍を決定し、 前記期間Tを有する前記不安定なカオス軌跡の位置を改善するために式を解き
    、 前記期間Tを有する前記不安定なカオス軌跡の特性を定義し、 もし前記期間Tを有する前記不安定なスケルトン軌道が前記リストにまだ存在
    しない場合には、前記不安定なカオス軌跡を、前記期間Tを有する不安定なスケ
    ルトン軌道として、前記リスト中に入れ、 前記期間Tを有する他の不安定なカオス軌跡の前記検索を続けることことを特
    徴とするカオス信号形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9のカオス信号形成方法において、 前記期間Tを有する他の不安定なカオス軌跡の前記検索を続けるステップは、
    前記同じカオス軌跡上で実行されることを特徴とするカオス信号形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項9のカオス信号形成方法において、 前記期間Tを有する他の不安定なカオス軌跡の前記検索を続けるステップは、
    他のカオス軌跡上で実行されることを特徴とするカオス信号形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップにおいて、前記所定
    の基準は、それらの信頼できる受信に対するカオス信号の前記ダイナミック分離
    の具体的な原則を考慮に入れることを特徴とするカオス信号形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、少なくとも2つ
    の異なるシステム・パラメータを有する前記同じダイナミック・カオス・システ
    ムの異なるアトラクタに属する前記同じ期間のカオス信号のサブセットを選択す
    るステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
  14. 【請求項14】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選ぶ前記ステップは、前記同じダイナミッ
    ク・カオス・システム中で供給される異なる期間のカオス信号のサブセットを選
    択するステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、異なるダイナミ
    ック・カオス・システムの不安定なスケルトン軌道に対応するカオス信号のサブ
    セットを選択するステップを含むことを特徴とするカオス信号形成方法。
  16. 【請求項16】 請求項5のカオス信号形成方法において、 前記不安定軌道の前記サブセットを選択する前記ステップは、ハイパー・カオ
    ス・アトラクタを有するダイナミック・カオス・システムの不安定なスケルトン
    軌道に対応するカオス信号のサブセットを選択するステップを含むことを特徴と
    するカオス信号形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項5のカオス信号形成方法において、さらに前記選択
    されたカオス信号をレベル量子化するステップを含むことを特徴とするカオス信
    号形成方法。
  18. 【請求項18】 前記通信システム上でデータを送信している多数のユーザ
    を含むマルチプル・アクセス通信システムに対してカオス信号シーケンスを発生
    するためのカオス信号発生ユニットにおいて、 前記カオス信号発生ユニットは: 共通のデータ・ストリームを発生するために、多数のユーザからのデータを受
    信し・混合するデータ・ミキサと、 少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不能なアト
    ラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描写する描
    写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可変パラメ
    ータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各不安定軌
    道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期間を有す
    るダイナミック・カオス・システムと、 少なくともユーザの他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なるキャラク
    タのセットをユーザの各送受信ペアに割当て、前記不安定軌道の1つを前記各キ
    ャラクタの各シンボルにマッチングさせ、前記ダイナミック・カオス・システム
    を連続的に調整して、前記共通のデータ・ストリームのシンボルに対応する不安
    定軌道に対応するカオス信号を発生する制御装置とを備え、 前記制御装置は: 前記共通のデータ・ストリーム中の現在のシンボルに対応する要求されたカオ
    ス信号を発生するために、前記ダイナミック・カオス・システムの反復プロセス
    をステップバイステップで実行する手段と、 前記反復プロセス中に現れる前記現在の不安定軌道の軌跡点が前記要求された
    不安定軌道の所定の近傍に落ちるとき、現在の不安定軌道を安定化させる手段と
    、 前記安定化された不安定軌道から前記非同期のカオス信号シーケンスを形成す
    る手段とを備えたことを特徴とするカオス信号発生ユニット。
  19. 【請求項19】 請求項18のカオス信号発生ユニットにおいて、 さらに、前記予測不能なアトラクタの前記不安定軌道のリストを登録するため
    の登録部を備え、 前記制御装置は、さらに、不安定軌道が存在するシステム・パラメータ領域を
    決定する前記ダイナミック・カオス・システムの分岐特性を解析する手段と、前
    記登録部中の前記不安定軌道の前記リストを形成するために所定の期間を有する
    不安定軌道に対し決定されたパラメータ領域を検索する手段と、前記選択された
    不安定軌道に基づいて前記カオス信号を形成するために前記リストから前記不安
    定軌道のサブセットを選択する手段とを備えることを特徴とするカオス信号発生
    ユニット。
  20. 【請求項20】 データを多数のユーザ間で伝送するマルチプル・アクセス
    通信システムにおいて非同期のデータ・ストリームを形成する方法において、 前記方法は: 少なくともユーザの他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なるキャラク
    タのセットをユーザの前もって各送受信ペアに割当て、前記各キャラクタの各シ
    ンボルに、少なくとも可変システム・パラメータを有し、その位相空間に予測不
    能なアトラクタを有し、さらに前記位相空間に前記カオス・システムの状態を描
    写する描写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記可
    変パラメータによって決定された不安定な周期軌道の可算数のセットを含み、各
    不安定軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定の近傍に戻る反復期
    間を有するダイナミック・カオス・システムによって発生されたカオス信号の1
    つを、マッチングさせ、 多数のユーザから、前記ユーザのキャラクタのシンボルから成るデータを受信
    し、 前記ユーザから受信された前記シンボルから共通のデータ・ストリームを形成
    し、そのシーケンス中で、シンボル次のオーダは、所定のルールによって定義さ
    れ、 各々が前記共通のデータ・ストリームの各シンボルに対応するカオス信号を発
    生するために、前記ダイナミック・カオス・システムを連続的に調整し、 通信チャネル中で、連続的に発生する前記カオス信号からの非同期のカオス信
    号シーケンスを形成するステップを備え、 前記の連続的に調整する前記ステップは: 前記共通のデータ・ストリーム中の現在のシンボルに対応する要求されたカオ
    ス信号を発生するために、前記ダイナミック・カオス・システムの反復プロセス
    をステップバイステップで開始し、前記反復プロセス中に現れる前記現在の不安
    定軌道の軌跡点が前記要求された不安定軌道の所定の近傍に落ちるとき、現在の
    不安定軌道を安定化させることを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 さらに、前記ダイナミック・カオス・システムの前記反復プロセスの間、そし
    て、安定化させる前記ステップの前に、メトリック的および進化的に前記ダイナ
    ミック・カオス・システムの前記現在の状態を反映している現在点に近い前記要
    求された不安定軌道に属する前記ダイナミック・カオス・システムの前記位相空
    間中で点を検出するステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリーム
    の形成方法。
  22. 【請求項22】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記ダイナミック・カオス・システムの前記反復プロセスを開始するステップ
    は、前記ダイナミック・カオス・システムの初期条件を変化させ、前記要求され
    た不安定軌道に属する位相空間点から前記反復プロセスを開始させることによっ
    て、実行されることを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
  23. 【請求項23】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記不安定軌道を安定化させる前記ステップは、前記ダイナミック・カオス・
    システムの前記システム・パラメータを変化させ、前記要求された不安定軌道の
    安定したマニホールド上の前記ダイナミック・カオス・システムの前記現在の状
    態を反映している現在点を移動されることによって、実行されることを特徴とす
    る非同期データ・ストリームの形成方法。
  24. 【請求項24】 請求項23の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記ダイナミック・カオス・システムのパラメータを変化させる前記ステップ
    は、前記不安定軌道の前記期間の間、前記反復プロセス中で、少なくとも一度、
    前記位相空間中の点の動きを訂正することによって、実行されることを特徴とす
    る非同期データ・ストリームの形成方法。
  25. 【請求項25】 請求項24の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記位相空間中の前記点の動き訂正する前記ステップは、前記不安定軌道の前
    記期間の間、各反復的なステップで実行されることを特徴とする非同期データ・
    ストリームの形成方法。
  26. 【請求項26】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記共通のデータ・ストリームを形成する前記ステップは、前記ユーザから来
    た前記データの順に実行されることを特徴とする非同期データ・ストリームの形
    成方法。
  27. 【請求項27】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各キャラクタに前も
    って割当てられた優先度を勘案して実行されることを特徴とする非同期データ・
    ストリームの形成方法。
  28. 【請求項28】 請求項20の方法非同期データ・ストリームの形成方法に
    おいて、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各ユーザに前もって
    割当てられた優先度を勘案して実行されることを特徴とする非同期データ・スト
    リームの形成方法。
  29. 【請求項29】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各優先ユーザに対す
    る単位時間当たり所定数のシンボルの伝送を勘案して実行されることを特徴とす
    る非同期データ・ストリームの形成方法。
  30. 【請求項30】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 前記共有データ・ストリームを形成する前記ステップは、各優先キャラクタに
    対する単位時間当たり所定数のシンボルの伝送を勘案して実行されることを特徴
    とする非同期データ・ストリームの形成方法。
  31. 【請求項31】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 キャラクタのセットを割当てる前記ステップは、他の各ユーザに割当てられた
    キャラクタのセットよりも多くのシンボルを有するキャラクタのセットを各優先
    ユーザに割当てるステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの
    形成方法。
  32. 【請求項32】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、各キャラクタの各シンボル上
    のいくつかのカオス信号を各優先ユーザに供給するステップを含むことを特徴と
    する非同期データ・ストリームの形成方法。
  33. 【請求項33】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、他の各ユーザに対するカオス
    信号よりも短い不安定軌道期間を有するカオス信号を各優先ユーザに供給するス
    テップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
  34. 【請求項34】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 カオス信号をマッチングさせる前記ステップは、他の各キャラクタに対するカ
    オス信号よりも短い不安定軌道期間を有するカオス信号を各優先キャラクタに供
    給するステップを含むことを特徴とする非同期データ・ストリームの形成方法。
  35. 【請求項35】 請求項20の非同期データ・ストリームの形成方法におい
    て、 少なくとも1つのシンボルを送信するために、前記対応のカオス信号を発生す
    る前記ステップは、一度以上実行されることを特徴とする非同期データ・ストリ
    ームの形成方法。
  36. 【請求項36】 請求項3に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 シンボルのセットによって表されるキャラクタのセットが、各ユーザに割当て
    られ、前記登録部は、各シンボルの関係および少なくとも前記不安定軌道の一部
    を使用して形成された各カオス信号を格納することを特徴とするカオス信号発生
    ユニット。
  37. 【請求項37】 請求項4に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 前記ユーザは、前記データの優先度を示す優先データをそのデータに含み、前
    記データ・ミキサは前記優先データに基づいて前記データを混合することを特徴
    とするカオス信号発生ユニット。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載のカオス信号発生ユニットにおいて、 より高い優先度データは、より低い優先度データのそれより短い反復期間を有
    する不安定軌道を使用することを特徴とするカオス信号発生ユニット。
  39. 【請求項39】 マルチプル・アクセス通信システム中の非同期のカオス信
    号シーケンスから、各受信者に対して宛てられたカオス信号を抽出するカオス信
    号受信ユニットにおいて、前記カオス信号は、前記非同期のカオス信号シーケン
    スはカオス信号を含み前記通信システム中のユーザの通信中の送受信ペアに割当
    てられるキャラクタのシンボルに対応し、ユーザの特定の送受信キャラクタのセ
    ットのシンボルは少なくともいくらかの他の送受信ペアのキャラクタのシンボル
    と異なり、送信機ダイナミック・カオス・システムによって発生された不安定な
    周期軌道に対応する各カオス信号は、少なくとも可変システム・パラメータを有
    し、その位相空間で少なくとも予測不能なアトラクタは前記位相空間の前記カオ
    ス・システムの状態を描写する描写点の複数のカオス軌跡から成り、前記予測不
    能なアトラクタは、前記システム・パラメータによって決定される不安定軌道の
    可算数のセットを含み、各不安定軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点
    の所定近傍に戻る反復期間を有し、 前記受信ユニットは: 各ユーザ受信者に対して供給され、前記各受信者が関係するユーザの送受信ペ
    ア中の前記各受信者に割当てられた前記キャラクタのシンボルに対応するカオス
    信号で調整され、前記非同期のカオス信号シーケンスを受信し、前記非同期カオ
    ス信号シーケンスから、前記各受信者に宛てられたカオス信号を抽出する選択シ
    ステムを備え、 そこで前記選択手段は: 少なくとも可変システム・パラメータと位相空間中の予測不能なアトラクタを
    有し、前記予測不能なアトラクタは、前記各受信者に割当てられた前記キャラク
    タの前記シンボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有する選択ダイナ
    ミック・カオス・システムと、 前記各受信者に対して宛てられたカオス信号に対応する不安定軌道を発生する
    ために、前記選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをステップバ
    イステップで実行し、前記宛先のカオス信号を抽出する受信制御ユニットとを備
    えることを特徴とするカオス信号発生ユニット。
  40. 【請求項40】 マルチプル・アクセス通信システムの非同期のカオス信号
    シーケンスから、特定の受信者に宛てられたカオス信号を抽出する方法において
    、 前記非同期のカオス信号シーケンスはカオス信号を含み、前記カオス信号は、
    前記通信システムのユーザの送受信ペアに割当てられたキャラクタのシンボルに
    対応し、ユーザの特定の送受信ペアのキャラクタのセットのシンボルは、少なく
    とも他の送受信ペアのキャラクタのシンボルと異なり、少なくとも可変システム
    ・パラメータとその位相空間で少なくとも予測不能なアトラクタとを有する送信
    機ダイナミック・カオス・システムによって発生された不安定な周期軌道に対応
    する各カオス信号は、前記位相空間中の前記カオス・システムの状態を描写する
    描写点の複数のカオス軌跡を含み、前記予測不能なアトラクタは、前記システム
    ・パラメータによって決定される不安定軌道の可算数のセットを含み、各不安定
    軌道は、カオス軌跡が前記不安定軌道の戻り点の所定近傍に戻る反復期間を有し
    、 前記特定の受信者が関係する送受信ペアの前記特定の受信者に割当てられたキ
    ャラクタのシンボルに対応するカオス信号に調整されたシステムを各受信者に供
    給し、 前記非同期のカオス信号シーケンスを受信し、 前記特定の受信者に宛てられた前記非同期のカオス信号からシーケンスを抽出
    し、 そこで、前記方法は、 前記選択システムに選択ダイナミック・カオス・システムを供給し、前記選択
    システムに選択ダイナミック・カオス・システムは、少なくとも可変システム・
    パラメータと、その位相空間に少なくとも予測不能なアトラクタを有し、前記予
    測不能なアトラクタは、前記各受信者に割当てられた前記キャラクタの前記シン
    ボルに対応する少なくとも不安定軌道のセットを有し、 前記特定の受信者に宛てられた前記カオス信号に対応する前記不安定軌道を発
    生するために、前記選択ダイナミック・カオス・システムの反復プロセスをステ
    ップバイステップで実行することによって、前記カオス信号を抽出する前記ステ
    ップを実行することを特徴とするカオス信号抽出方法。
  41. 【請求項41】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに、前記反復プロセスをステ
    ップバイステップで実行する間、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前
    記システム・パラメータを適切に調整することによって、前記特定の受信者の選
    択ダイナミック・カオス・システムのカオス信号に対応する前記不安定軌道を安
    定化させるステップを含むことを特徴とするカオス信号抽出方法。
  42. 【請求項42】 請求項41のカオス信号抽出方法において、 前記安定化ステップは: 前記選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中で、前記選択ダイナ
    ミック・カオス・システムに属する前記各不安定軌道に対応する点に、前記非同
    期のカオス信号シーケンスの受信サンプルに対応する点のメトリック近傍を予測
    し、 メトリック近傍予測が所定の範囲内にある不安定軌道で、前記選択ダイナミッ
    ク・カオス・システムの前記反復プロセスをステップバイステップで開始し、 前記反復不安定軌道の反復期間の間に、前記反復プロセスの少なくとも1つの
    ステップ上で選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中の点の動きを
    訂正し、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前記位相空間中の各反復
    的なステップにおける前記反復プロセスの間、前記非同期のカオス信号シーケン
    スの次に受信されたサンプルに対応する点の次のメトリック近傍を、前記反復不
    安定軌道の次の点に予測し、 前記次のメトリック近傍予測が前記所定の範囲の外側に落ちた時に、前記反復
    プロセスを終了することを特徴とするカオス信号抽出方法。
  43. 【請求項43】 請求項42のカオス信号抽出方法において、 前記点の動きを訂正する前記ステップは、前記選択ダイナミック・カオス・シ
    ステムの前記反復プロセスの各ステップで実行されることを特徴とするカオス信
    号抽出方法。
  44. 【請求項44】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システム前記位相空間中で、前記選
    択ダイナミック・カオス・システムに属する前記各不安定軌道に対応する点に、
    前記非同期のカオス信号シーケンスの受信サンプルに対応する点のメトリック近
    傍を予測し、 メトリック近傍予測が所定の範囲内にある不安定軌道で、前記選択ダイナミッ
    ク・カオス・システムの前記反復プロセスをステップバイステップで開始し、 さらに、前記選択ダイナミック・カオス・システムの前記位相空間中の各反復
    的なステップにおける前記反復プロセスの間、前記非同期のカオス信号シーケン
    スの次に受信されたサンプルに対応する点の次のメトリック近傍を、前記反復不
    安定軌道の次の点に予測し、 前記次のメトリック近傍予測が前記所定の範囲の外側に落ちた時に、前記反復
    プロセスを終了することを特徴とするカオス信号抽出方法。
  45. 【請求項45】 請求項44のカオス信号抽出方法において、 前記選択ダイナミック・カオス・システムは、前記通信システムの前記送信機
    ダイナミック・カオス・システムと同様であり、前記特定の受信者に対するカオ
    ス信号を形成するために前記送信機ダイナミック・カオス・システムによって使
    用される不安定軌道だけを抽出するように調整されることを特徴とするカオス信
    号抽出方法。
  46. 【請求項46】請求項44のカオス信号抽出方法において、 前記選択ダイナミック・カオス・システムは、前記通信システムの前記送信機
    ダイナミック・カオス・システムと異なり、前記送信機ダイナミック・カオス・
    システムで使われる周期軌道を有し、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記送信機ダイナミック・
    カオス・システムを有する前記選択ダイナミック・カオス・システムを合成する
    ステップを含むことを特徴とするカオス信号抽出方法。
  47. 【請求項47】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、多数の選択ダイナミック・カオス
    ・システムを使用することにより実行され、これらの各々は、前記特定の受信者
    に対する前記カオス信号の各1つを抽出するように調整されることを特徴とする
    カオス信号抽出方法。
  48. 【請求項48】 請求項44のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは: 前記反復不安定軌道の1つの反復継続時間に対応する時間間隔の間、前記メト
    リック近傍予測を蓄積し、前記蓄積された値が所定の閾値を越えないときに、前
    記カオス信号の抽出を決定することを特徴とするカオス信号抽出方法。
  49. 【請求項49】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
    ーケンス中の前記カオス信号の振幅を量子化するステップを含むことを特徴とす
    るカオス信号抽出方法。
  50. 【請求項50】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
    ーケンスにおいて、カオス信号をあらかじめ選択するステップを含み、そのため
    に、前記選択ダイナミック・カオス・システムのタイプは、他の受信者の選択ダ
    イナミック・カオス・システムのタイプと異なることを特徴とするカオス信号抽
    出方法。
  51. 【請求項51】 請求項40のカオス信号抽出方法において、 前記カオス信号を抽出する前記ステップは、さらに前記非同期のカオス信号シ
    ーケンスにおいて、カオス信号をあらかじめ選択するステップを含み、そのため
    に、前記選択ダイナミック・カオス・システムのシステム・パラメータのセット
    は、他の受信者の選択ダイナミック・カオス・システムのシステム・パラメータ
    のセットと異なることを特徴とするカオス信号抽出方法。
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