JP2003501341A - 水分散性アルファ−アルミナ一水化物の製造方法 - Google Patents

水分散性アルファ−アルミナ一水化物の製造方法

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JP2003501341A JP2001502961A JP2001502961A JP2003501341A JP 2003501341 A JP2003501341 A JP 2003501341A JP 2001502961 A JP2001502961 A JP 2001502961A JP 2001502961 A JP2001502961 A JP 2001502961A JP 2003501341 A JP2003501341 A JP 2003501341A
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ポープ,デイブ・エス
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Abstract

(57)【要約】 アルファ−アルミナ一水化物の分散性を向上させる方法であって、式MX[式中、Mは、相当する金属の水酸化物が示す溶解度積KSPが10-20未満である多価金属カチオン成分であり、そしてXは、10+1より高いイオン化定数KAを示す一価酸に由来するアニオン成分である]で表される塩そして特定の燐塩化物およびアンチモン塩化物から成る群から選択される塩または一塩基性酸を有効量で含んで成る分散性向上剤とアルファ−アルミナ一水化物と水の混合物を生じさせた後に、前記混合物を熟成なしに乾燥させることで向上した水分散性を示す乾燥したアルファ−アルミナ一水化物を生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 発明の分野 本発明は水分散性(water−dispersible)アルミナ、より詳
細には水分散性が向上したアルファ−アルミナ一水化物を製造する方法に関する
【0002】 (従来技術の説明) 良く知られているように、アルファ−アルミナ一水化物は研磨剤、紙表面、フ
ィアバーグラス表面および金属表面の摩擦化(frictionizing)、
羊毛、ナイロンおよびアクリル系カーペット用の防電(static prot
ection)および防汚剤、そしてラグシャンプー(rug shampoo
s)などに入れる分散剤の如き用途で商業的に幅広く用いられている。そのよう
な商業的用途のアルミナは典型的に酸性水溶液に入っている分散液として用いら
れる。酸を水性アルミナスラリーに添加した後に乾燥させてアルファ−アルミナ
一水化物を生じさせると結果として水に高い度合で分散し得る生成物がもたらさ
れることは長年に渡って知られていた。実際、米国特許第4,676,928号
(これは全目的で引用することによって本明細書に組み入れられる)には、アル
ミナのスラリーに一塩基性酸を含有させてそれを高温、例えば約70℃を越える
温度でアルミナの大部分がコロイド状ゾルに変化するに充分な時間熟成させるこ
とでアルミナが酸溶液中で示す分散性を向上させる方法が開示されている。米国
特許第4,676,928号に開示されている方法の利点は、それによって水分
散性が向上したアルミナがもたらされる点にあるが、そこでは一般に酸の含有量
を低くすることで、酸の含有量が高いことに伴ってアルミナ組成物に固有の腐食
性および取り扱いに関する問題を回避している。しかしながら、そのような方法
でもたらされる生成物はそれでも酸性であり、その上、熟成を高温で長時間行う
必要がある。
【0003】 米国特許第4,055,509号(これは全目的で引用することによって本明
細書に組み入れられる)には、アルファ−アルミナ一水化物を有効量の塩化合物
、例えば式MX[式中、Mは、多価金属カチオン成分(これに相当する金属の水
酸化物が示す溶解度積KSPは10-20未満である)であり、そしてXは、10+1
より高いイオン化定数KAを示す一価酸に由来するアニオン成分である]で表さ
れる塩などと一緒に乾式混合することでアルファ−アルミナ一水化物の水分散性
を高くする、即ち向上させる方法が開示されている。
【0004】 (発明の要約) 従って、本発明の目的は、水分散性が向上したアルファ−アルミナ一水化物を
製造する方法を提供することにある。
【0005】 本発明の別の目的は、酸性にしたアルファ−アルミナスラリーを高温で熟成す
る必要なく分散し得るアルファ−アルミナ一水化物を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0006】 本発明のさらなる目的は、水に分散して実質的に中性のゾルをもたらし得るア
ルファ−アルミナ一水化物を与える方法を提供することにある。
【0007】 本図、本明細書に示す説明および添付請求の範囲から本発明の前記および他の
目的が明らかになるであろう。
【0008】 本発明の方法に従い、一塩基性酸、式MX[式中、Mは、多価金属カチオン成
分(これに相当する金属の水酸化物が示す溶解度積KSPは10-20未満である)
であり、そしてXは、10+1より高いイオン化定数KAを示す一価酸に由来する
アニオン成分である]で表される塩、二塩化燐、三塩化燐、五塩化燐、三臭化燐
、五臭化燐、五臭化アンチモンおよびそれらの混合物から成る群から選択される
化合物を有効量で含んで成る分散性向上剤(dispersibility e
nhancer)とアルファ−アルミナ一水化物と水の混合物を生じさせた後に
、前記混合物を遊離水が除去されて向上した水分散性を示す乾燥したアルファ−
アルミナ一水化物が生じるに充分な高温で乾燥させる。
【0009】 (好適な態様の説明) 本発明の方法に従う処理を受けさせることができるアルミナは、アルファ−ア
ルミナ一水化物(Al23・H2O)を含有しかつ追加的に遊離水などを含有し
ていてもよい一般に明らかに乾燥している製品であるアルファ−アルミナ一水化
物である。そのようなアルファ−アルミナ一水化物は一般にプソイドベーマイト
(pseudo−boehmite)またはベーマイトアルミナと呼ばれる。こ
のアルファ−アルミナ一水化物の乾燥度合は、この一水化物のAl23含有量で
示される。商業的に入手可能なアルファ−アルミナ一水化物のAl23含有量は
典型的に約86重量%未満であり、たいてい、Al23の含有量は約81重量%
未満である。商業的に入手可能なアルファ−アルミナ一水化物のAl23含有量
は、より典型的には約68から約75重量%の範囲である。
【0010】 Al23含有量が86重量%に近くなるようにアルファ−アルミナ一水化物を
乾燥させることで生じさせた産物の形態は、乾燥前に存在していた形態とは別の
何らかの形態であり、分散性の観点から押出し加工、分散または他の様式の使用
が困難になる。明らかに乾燥しているアルファ−アルミナ一水化物分散物から遊
離水の全部を除去すると分散、押出し加工などが極めて困難になることが良く知
られており、従って、大部分のアルファ−アルミナ一水化物はAl23が68か
ら約75重量%の重量範囲の状態で市販されている。しかしながら、Al23
濃度を50重量%の如く低くすると、そのようなアルファ−アルミナ一水化物は
乾燥している固体に見えても水に容易には分散しない。これに関して、25から
55重量%の位の分散度(dispersibility)が通常であり、アル
ファ−アルミナ一水化物をこの上に挙げた如き範囲、即ちAl23が68から7
5重量%であると言った範囲になるまで乾燥させると、それが水単独中で示す分
散度は一般に5から20%の位である。この上に示したように、アルミナ一水化
物の分散度は酸を用いると顕著に高くなり得る。
【0011】 本発明の方法で用いるに有用なアルファ−アルミナ一水化物の製造は、アルミ
ニウムアルコキサイドに水による加水分解を受けさせる方法、アルミン酸ナトリ
ウム方法およびみょうばん方法(alum process)(これらは全部本
分野の技術者に良く知られている)などの如き技術を用いて実施可能である。し
かしながら、アルミニウムアルコキサイドの加水分解で得られるアルミナが本発
明の方法で用いるに特に望ましいことを確認した。アルミニウムアルコキサイド
の製造および加水分解方法は米国特許第4,242,271号および4,202
,870号(これらは全目的で引用することによって本明細書に組み入れられる
)に開示されている。
【0012】 本発明の方法で用いるに有用であることを見いだした分散性向上剤には、一塩
基性酸、例えば硝酸、塩酸および炭素原子数が1から2の有機酸、例えば蟻酸、
酢酸などばかりでなく、式MX[式中、Mは、多価金属カチオン成分(これに相
当する金属の水酸化物が示す溶解度積KSPは10-20未満である)であり、そし
てXは、10+1より高いイオン化定数KAを示す一価酸に由来するアニオン成分
である]で表される塩から成る群から選択される塩化合物が含まれる。追加的に
、二塩化燐、三塩化燐、五塩化燐、三臭化燐、五臭化燐および五塩化アンチモン
の如き化合物も有用であることを見いだした。前記の中で特に好適な酸は一塩基
性酸、例えば硝酸および塩酸などであり、硝酸が特に好適である。また、カチオ
ンがSc+3、Y+3、Nd+3、Sn+3、Eu+3、Gd+3、Er+3、Tm+3、Yb+3 、Lu+3、Ti+3、Zr+4、Th+3、Cr+3、U+4、Mn+3、Fe+3、Co+3
Ru+3、Pd+2、Pt+2、Au+3、Al+3、Ga+3、In+3、Sn+2、Sn+4
Bi+3から成りそしてアニオンがCl-、NO3 -、I-、ClO3、ClO4、Br - 、MnO4 -から成る群から選択される前記式MXで表される塩も好適である。
この上に挙げたハロゲン化燐塩の中で塩化物塩が好適である。
【0013】 そのようなアルファ−アルミナ一水化物/分散性向上剤/水の混合物のアルミ
ナ含有量をAl23として計算して一般に約5から約15重量%にする。前記分
散性向上剤を有効量で用い、この有効量は、前記アルミナに所望度合の分散性を
与えるに必要な量である。従って、そのような混合物に含める分散性向上剤の量
は幅広く多様であるが、この量を一般にAl23として計算したアルファ−アル
ミナ一水化物の重量を基準にして約0.5から約10重量%の範囲にする。
【0014】 本発明の方法に従い、この上に記述した如きアルファ−アルミナ一水化物、こ
の上に記述した如き分散性向上剤の1種以上および水を一緒にして混合物を生じ
させるが、前記分散性向上剤は、一般に、この分散性向上剤と固体状アルミナ粒
子が入っている水溶液(これはコロイド形態であり得る)がそのままであるよう
に水に溶解し得る。米国特許第4,676,928号に記述されている従来技術
の方法では、一塩基性酸を用いる時には酸とアルミナが入っているスラリーに熟
成を少なくとも約70℃、より一般的には約70から約100℃の温度で受けさ
せる必要があった。一般的に言って、そのような熟成は前記スラリーに入ってい
るアルミナがコロイド状のゾルに変化するに充分な時間実施され、その時間はp
Hおよび温度に伴って変わる。しかしながら、米国特許第4,676,928号
に示されている実施例で見られるように、数時間から数カ月に及ぶ熟成時間が必
要であった。このように、米国特許第4,676,928号に開示されている方
法とは異なり、アルファ−アルミナ一水化物/分散性向上剤/水の混合物に熟成
を受けさせる必要はない。むしろ、前記混合物を単に乾燥、例えばスプレー乾燥
またはオーブン内で遊離水が実質的に全部除去されて乾燥した固体または粉末(
この乾燥した材料の形態は用いる乾燥の種類に依存する)がもたらされるに充分
な温度で乾燥させる。この乾燥温度は一般に60から110℃の範囲であるが、
結合している水が除去されない、即ち前記一水化物が焼成を受けないことを条件
として、より高い温度を用いることも可能である。
【0015】 本発明の方法は、この上で米国特許第4,055,509号および4,676
,928号に関して考察した従来技術に比べて、水分散性の向上に関して顕著な
利点をいくつか与える。その1つは、この上に示したように、高温で行う長期の
熟成を用いる必要がない点にある。本方法は、米国特許第4,055,509号
に開示されている方法を考慮すると、生じるアルファ−アルミナ一水化物がずっ
と高い分散性を示しかつこれがより低い分散性向上剤濃度で達成される点で著し
く向上した方法である。
【0016】 本発明の方法はアルミナのスラリーまたはアルミナ粉末(これを水に入れてス
ラリーにする)に適用可能である。本発明の方法を用いると顕著な利点がいくつ
か得られる。熱処理を行う必要がないことから、結晶を酸の存在なしに成長させ
そして次に結晶子が適切な大きさに到達した後に前記分散性向上剤(塩)を添加
することができることで反応時間を短縮することが可能になる。追加的に、前記
分散性向上剤がこの上に述べた塩の1種である時には酸を添加していないことか
ら中性のアルファ−アルミナ一水化物ゾルを生じさせることが可能になる。本発
明を用いると、また、高酸添加(high acid addition)なし
に結晶子の大きさが小さいアルミナを分散させることも可能になる。また、加水
分解反応で回収してスプレードライヤーに送り込む前のアルミナスラリーに前記
分散性向上剤を添加することができることから、本発明の方法をアルミニウムア
ルコキサイドの加水分解でアルファ−アルミナ一水化物を製造する現在の連続方
法に適用するのは容易であり得る。最後に、本発明を用いると触媒特性を示すド
ーパント添加(doped)アルミナを製造することも可能であると考えている
。これに関して、この上に挙げた分散性向上基準を満足させるジルコニウム含有
化合物を加水分解反応から回収したアルミナスラリーに添加することで、前記ア
ルミナスラリーとジルコニウム化合物の混合物にスプレー乾燥を受けさせた時に
それが触媒活性種を構成するようにすることを通して、ジルコニウムおよび他の
金属イオン(これらはいろいろな反応で触媒活性を示す)をアルミナの中に取り
込ませることができる。本発明のより詳細な説明を行う目的で以下に非限定実施
例を示す。実施例1 CONDEA Vista Companyが販売しているCATAPAL(
商標)Bアルファ−アルミナ一水化物粉末を25グラム用いてこれを175.5
グラムの水およびいろいろな量のAlCl3と一緒に混合した。この混合物を6
0℃の鍋乾燥(pan−drying)で遊離水を全く含有しない固体が得られ
るまで数時間乾燥させた。米国特許第4,676,928号の方法に従い、また
、CATAPAL(商標)Bアルミナといろいろな量の塩化アルミニウムの混合
物を一緒にブレンドして一般に均一な乾燥混合物を生じさせることを通して、こ
の2種類の材料の乾燥混合物も生じさせた。次に、本発明に従って生じさせたア
ルミナが水中で示す分散度と米国特許第4,055,509号の方法に従って生
じさせたアルミナが水中で示す分散度を比較した。その結果を図1に示す。図1
から分かるであろうように、本発明の方法を用いると、AlCl3を1グラムの
Al23当たり0.03から0.09グラムの範囲で用いた時、アルミナが水中
で示す分散度は95%を越えたが、米国特許第4,055,509号の方法で生
じさせたアルミナの場合の分散度は、AlCl3含有量を1グラムのAl23
たり0.03グラムにした時の40重量%からAlCl3濃度を1グラムのAl23当たり0.09グラムにした時の90%以上に及ぶ範囲であった。この実施
例は、米国特許第4,055,509号の方法に比較して、塩をずっと少ない量
で用いて高い分散性を示すアルミナを得ることができることを明らかに示してい
る。実施例2 水と硝酸アルミニウムとCONDEA Vista Companyが販売し
ているCATAPAL(商標)Dアルファ−アルミナ一水化物で構成されている
ゾルを生じさせた。硝酸アルミニウムの濃度をAl(NO33・9H2Oが1g
のAl23当たり0.06から0.10gであると言った範囲にした。2つのケ
ースで、前記ゾルを60℃の鍋乾燥で数時間乾燥させるか或はスプレー乾燥で入
り口温度を340℃にし出口温度を110℃にし滞留時間を数秒間にして乾燥さ
せた。3番目のケースとして、前記ゾルに入っているCATAPAL(商標)D
アルミナ(未乾燥状態)の分散度を測定した。その結果を図2に示す。図2から
分かるであろうように、CATAPAL(商標)Dアルミナと硝酸アルミニウム
が入っている未乾燥ゾルではAl(NO33・9H2Oが1gのAl23当たり
約0.17グラムの濃度の時に分散度が最大値である77%に到達する一方、前
記ゾルをオーブン乾燥またはスプレー乾燥のいずれかで乾燥させた場合には、分
散度が劇的にほぼ98.2%にまで高くなる。より重要なことに、乾燥させた材
料の場合には硝酸アルミニウム添加量の全範囲に渡って分散度が95%を越える
一方、アルミニウムゾル自身の場合の分散度は低い値である54.7%から高い
値である77.0%に及ぶ範囲であった。特に、硝酸アルミニウムの濃度を低く
した時にそのような分散度の差が特に顕著になって、その度合は、Al(NO3
3・9H2Oが1gのAl23当たり0.06グラムの時の約57%から同じ硝
酸アルミニウム/アルミナ比の時の97%以上に至る度合であることを注目すべ
きである。実施例3 この実施例では、分散性が結晶子の大きさおよび分散性向上剤の濃度に依存す
ることを示す。いろいろな結晶子サイズを有するアルファ−アルミナ一水化物を
所定量の硝酸アルミニウムと一緒に混合した後、これに鍋乾燥を60℃で受けさ
せることで遊離水を除去した。次に、その結果として得た粉末を水と一緒に混合
することを通して、分散度を測定した。その結果を図3に示す。図3から分かる
であろうように、アルミナの結晶子サイズが大きくなるにつれて分散度が向上す
る。硝酸アルミニウム濃度に関しても同様な結果が見られる、即ち硝酸アルミニ
ウムの濃度を高くするにつれて分散度が高くなる。実施例4 この実施例では分散性向上剤の濃度が分散度に与える効果を示す。3組のいろ
いろな結晶子サイズを有するアルファ−アルミナ一水化物サンプルを用いた。1
つは、020面の結晶子サイズが60Åの実験サンプルであり、1つは020面
の結晶子サイズが41ÅのCATAPAL(商標)Dアルミナであり、そして1
つは020面の結晶子サイズが28ÅのCATAPAL(商標)Aアルミナであ
った。この上に記述したアルミナのスラリーをいろいろな量の硝酸アルミニウム
と一緒に混合した後、これに鍋乾燥を60℃で受けさせた。その結果を図4に示
す。図4から分かるであろうように、硝酸アルミニウムの濃度が低い時には結晶
子サイズが大きくなればなるほど分散度が大きくなる。更に、硝酸アルミニウム
の濃度を高くして行くと分散度が高くなる。また図4から分かるであろうように
、硝酸アルミニウムの濃度を変化させるとその度合が僅かでも分散度が有意に高
くなると言った比較的鋭敏な転移領域が存在するのは明らかである。このような
濃度領域は結晶子の大きさに依存する。例えば、結晶子サイズ(020面)が2
8Åのアルミナの場合、Al(NO33・9H2Oが1gのAl23当たり0.
03から0.08gであると言った硝酸アルミニウム濃度に渡って分散度が急激
に高くなる。しかしながら、結晶子サイズが41Åのアルミナの場合の転移領域
はAl(NO33・9H2Oが1gのAl23当たり0.01から0.03gで
あると言った濃度範囲に存在する。実施例5 この実施例では、本発明の方法でいろいろな分散性向上剤を用いた時に達成し
た分散度の結果を示す。CATAPAL(商標)Bといろいろな分散性向上剤が
入っている水性ゾルを調製した。このゾルに入っているアルミナの分散度を測定
することに加えて、このゾルに鍋乾燥を60℃で受けさせることで得た粉末の分
散度も測定した。その結果を以下の表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】 このデータから分かるであろうように、分散性向上剤を含有させたゾルを乾燥さ
せる本発明の方法で得た粉末は前記ゾル自身に比較して顕著に高い水分散度を示
す。更に分かるであろうように、Fe+3とNO3 -1の如きイオンの組み合わせは
アルミナを分散させるが、Na+1とNO3 -1の如きイオンの組み合わせはアルミ
ナを分散させない。また、多価アニオン、例えばSO4 -2などはアルミナの分散
で用いるに適さないことも明らかである。表1は、また、酸を分散性向上剤とし
て用いると分散度が劇的に高くなることも示している。例えば、HClの濃度を
1gのAl23当たり0.025gにすると、アルミナの分散度がゾルにおける
36%から前記ゾルを乾燥させた後の粉末を再び分散させた時の粉末が示した9
5%にまで高くなる。
【0019】 この上に示した実施例が明らかに示すように、本発明の方法は、アルファ−ア
ルミナ一水化物の分散性が高くなるような顕著な改良を受けさせた方法を提供す
るものである。本方法では長期の熟成も高温熟成も必要でなく、従って米国特許
第4,676,928号に開示されている如き方法に比べてずっと経済的である
。追加的に、酸を用いることなく顕著に向上した分散性を達成することができ、
その結果として、中性の分散性アルミナを生じさせることが可能になる。更に、
本発明は、必要な分散性向上剤、例えば塩などの濃度が低いことから、米国特許
第4,055,509号に開示されている方法に対する顕著な改良である。加う
るに、乾式ブレンドまたは混合が必要な米国特許第4,055,509号の方法
に比較して、水性分散液を用いる本発明の方法では、より均一な生成物が生じる
ことが確保される。
【0020】 この上に示した説明および実施例は本発明の選択した態様を説明するものであ
る。本分野の技術者は前記を考慮することでそれらの変形および修飾形を思い浮
かぶと思われ、それらは全部本発明の精神および範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法で生じさせたアルファ−アルミナ一水化物の水分散性と
米国特許第4,055,509号の方法で生じさせたアルファ−アルミナ一水化
物の分散性の比較を示すグラフである。
【図2】 図2は、硝酸アルミニウムを含有させたアルファ−アルミナ一水化物ゾルが示
す水分散度と本発明の方法に従って前記ゾルから生じさせた乾燥固体または粉末
が示す水分散度を比較するグラフである。
【図3】 図3は、本発明の方法に従って生じさせた分散性が向上したアルファ−アルミ
ナ一水化物の分散度と結晶子の大きさと硝酸アルミニウムの濃度の間の関係を示
すグラフである。
【図4】 図4に、硝酸アルミニウムの濃度が分散度に対して与える効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルファ−アルミナ一水化物の分散性を向上させる方法であ
    って、 一塩基性酸、式MX[式中、Mは、相当する金属の水酸化物が示す溶解度積K SP が10-20未満である多価金属カチオン成分であり、そしてXは、10+1より
    高いイオン化定数KAを示す一価酸に由来するアニオン成分である]で表される
    塩、二塩化燐、三塩化燐、五塩化燐、三臭化燐、五臭化燐およびそれらの混合物
    から成る群から選択される分散性向上剤とアルファ−アルミナ一水化物と水の混
    合物を生じさせ、そして 前記混合物を遊離水が実質的に除去されて向上した水分散性を示す乾燥したア
    ルファ−アルミナ一水化物粉末が生じるに充分な温度で乾燥させる、 ことを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 MがSc+3、Y+3、Nd+3、Sn+3、Eu+3、Gd+3、Er +3 、Tm+3、Yb+3、Lu+3、Ti+3、Zr+4、Th+3、Cr+3、U+4、Mn+3 、Fe+3、Co+3、Ru+3、Pd+2、Pt+2、Au+3、Al+3、Ga+3、In+3 、Sn+2、Sn+4、Bi+3から成る群から選択される多価金属カチオン成分であ
    りそしてXがCl-、NO3 -、I-、ClO3、ClO4、Br-、MnO4 -から成
    る群から選択される一価の酸に由来するアニオン成分である請求項1記載の方法
  3. 【請求項3】 前記一塩基性酸を硝酸、塩酸および炭素原子数が1から2の
    有機酸から成る群から選択する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 MをSn+3、Ti+3、Cr+3、Mn+3、Fe+3、Co+3、P
    +2、Pt+2、Au+3、Al+3、Sn+2、Sn+4およびBi+3から成る群から選
    択する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 XをCl-、NO3 -、I-およびBr-から成る群から選択す
    る請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記分散性向上剤を二塩化燐、三塩化燐、五塩化燐および五
    塩化アンチモンから成る群から選択する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミナを前記混合物中にAl23として計算して5か
    ら15重量%の量で存在させそして前記分散性向上剤を前記混合物中にAl23 として計算したアルファ−アルミナ一水化物の重量を基準にして0.5から約1
    0重量%の量で存在させる請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記アルファ−アルミナ一水化物が含有するAl23の量が
    81重量%以下である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記アルファ−アルミナ一水化物が含有するAl23の量が
    78重量%以下である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アルファ−アルミナ一水化物が含有するAl23の量
    が68から78重量%である請求項1記載の方法。
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