JP2003501081A - 幹細胞の増殖工程 - Google Patents
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Abstract
Description
な増殖及び未分化状態での維持を同時に可能にする工程に関する。
を増殖させる現行の培養は、細胞が非常に緩やかに分裂する長期培養である。よ
り詳細には、例えば幹細胞(詳細には造血幹細胞)の自己再生(同一細胞へ増殖
)を可能にする培養は、単に骨髄間質での培養、又は骨髄間質の非存在下での緩
やかな増殖による培養である。
骨髄間質で発育し、それにより微量のサイトカインしか使用させないが、前駆細
胞と成熟造血細胞及び間質細胞との混合物の存在下で細胞の緩やかな分裂(及び
それによる細胞の緩やかな増殖)を引き起こすデクスター型(Dexter type)の
培養が挙げられる。
culture system)が挙げられる。この培養系(Piacibello et al, 1997 Blood
)では、造血幹細胞を含有するCD34+細胞が20,000細胞/mlの量で播
種され、毎週培養物の半分が除去されて、新鮮な培地に交換される。2週間後か
ら数ヶ月間、週に1回の割合で細胞数が倍増する。Piacibello培養での最初の2
週間は、CD34+細胞の高い損失があり、2%未満で安定する。
を維持する幹細胞の産生とはあまり適合性がない。
で知られていない。
させる幹細胞の培養工程を提供することである。
急速な培養工程を提供することである。
で得られた幹細胞の使用である。
らの未分化状態を維持するための制御された手法による細胞発育の阻害物質の使
用に関する。
質ともなり得る」という本発明者によりなされた発見から発している。これに関
して、幹細胞(詳細には造血幹細胞又は原始造血前駆細胞)の細胞発育の阻害物
質としてこれまでに公知のTGF−β(形質転換成長因子)が細胞分化の阻害物
質であることが、本発明により見出されている。
)及び/又は細胞分化を阻害するいずれの物質も同時に包含する。
を意味する。
物質が、 a)所望なら、細胞分裂の途中又は終了時に幹細胞の未分化状態を維持しながら
、前記幹細胞の細胞分裂を可能にするため、あるいは b)必要ならば、前記幹細胞の細胞分化を阻害するために幹細胞の細胞発育の阻
害を可能にするため、の改良可能な手法で用いられることを意味する。
化を防ぐ制御された条件下で分裂するために、その幹細胞がそれらの休止状態か
ら脱出されるような条件で、細胞発育の阻害物質が用いられ得ることを意味する
。
原始細胞、又は多能性細胞、又は多分化細胞を意味する。
、並びに/あるいは血液及び/又は(皮膚、肝臓、膵臓、心臓、腎臓、骨、若し
くは神経組織のような)種々の固体組織を起源とする幹細胞/体性前駆細胞自身
からなる群から選択されたヒト幹細胞である。
1つを産生し得る細胞と定義される。
胞(primitive hematopoietic progenitor)とも呼ばれる。
は、細胞分化及び/又は細胞分裂に関して細胞発育を制御する遺伝子の産物、サ
イクリン依存性キナーゼの阻害物質、アポトーシス又は加齢を制御する因子、並
びに(インターフェロン及びTGF−βのような)サイトカインからなる群から
選択される。用語「サイトカイン」は、成長因子がある条件下で成長阻害物質と
しても作用し得る場合でも、その成長因子全てを意味する。
は、詳細には成長因子、サイトカイン、及び分化、加齢、又はアポトーシスを制
御する遺伝子の産物が挙げられる。
、並びにP15、P16、P21、及びP27遺伝子が挙げられる。
as遺伝子が挙げられる。
ロン(詳細にはTGF−β)が挙げられる。
状態を維持しながら、1〜約100(詳細には1〜約10)の範囲の複数の細胞
分裂を開始する、詳細には1回の細胞分裂を開始する細胞増殖の抗阻害物質との
逐次配合における、上記定義のような細胞発育の阻害物質の使用に関する。
いられないことを意味する。
の増殖工程に関し、それが: −休止状態の幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、その細胞により産生され、そし
て/又は培地中に存在する細胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)
の影響の中和により、それらの休止状態から脱出され、それにより1〜約100
(詳細には1〜約10)の範囲の複数の細胞分裂(詳細には1回の細胞分裂)の
開始がある段階、 −及び先行の段階で得られた幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、細胞発育の阻害
物質の援助によりそれらの分化を阻害される段階、を含むことを特徴とする。
が: −分裂の状態の幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、細胞発育の阻害物質の援助に
より分化の状態に入るのを防がれることによる段階、 −及び先行の段階で得られた幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、細胞発育の阻害
物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)の影響の中和により分裂の状態に復帰し、
それにより1〜約100(詳細には1〜約10)の範囲の複数の細胞分裂(詳細
には1回の細胞分裂)の開始があることによる段階、を含むことを特徴とする。
た幹細胞が未分化状態に維持されていることを特徴とする。
同じ意味を有する。その上、表現「増殖工程」は、表現「増幅工程」と同じ意味
を有する。
幹細胞を起源とする胚性幹細胞、並びに血液及び/又は(皮膚、肝臓、膵臓、心
臓、腎臓、骨、若しくは神経組織のような)種々の固体組織を起源とする体性細
胞自身からなる群から選択されたヒト幹細胞である。
010細胞/mlの細胞濃度、詳細には約103〜約1010細胞/ml、より詳細には
約104〜約109細胞/mlの範囲の濃度で存在することを特徴とする。
ある。
細胞)により合成され、そして/又は幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)を含有する
培地に添加される。
、に培地に添加される。
たは分泌されなくてもよい。
(a)最初の細胞分裂前の休止状態に維持されるため、そして(b)それらが事
前に分裂状態にある場合には休止状態に入れられるために十分でなければならな
い。
mg/ml、詳細には0.1pg〜10ng/mlまで様々であってもよい。
l、詳細には1pg〜10ng/mlまで様々であってもよい。
細胞分化及び/又は細胞分裂に関して細胞発育を制御する遺伝子産物、サイクリ
ン依存性キナーゼの阻害物質、アポトーシス又は加齢を制御する因子、並びに(
インターフェロン及びTGF−βのような)サイトカインからなる群から選択さ
れることを特徴とする。
クリン依存性キナーゼの阻害物質、アポトーシス又は加齢を制御する因子、並び
にサイトカインは、詳細には上記のものである。
濃度(詳細には約10-10mg/ml〜1mg/mlの範囲の濃度)で存在する。 本発明による増殖工程は、培地中に存在する細胞発育の阻害物質(詳細には細
胞増殖の阻害物質)の影響の中和が、 −細胞増殖の抗阻害物質の培地への添加、及び/又は −細胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)の培地からの回収、によ
り実行されることを特徴とする。
とも1回の分裂を開始させる。
る場合には、前記阻害物質の影響は、アンチセンスオリゴヌクレオチドのような
細胞へ浸透し得る細胞増殖の抗阻害物質の培地への添加により中和される。
質が培地に添加される場合には、前記阻害物質の影響は、細胞増殖の抗阻害物質
の培地への添加、又は細胞発育の阻害物質の培地からの回収、のいずれかにより
中和される。
は前記阻害物質を中和するための洗浄により実行され得る。
0、詳細には1〜約10の範囲の複数の細胞分裂、より詳細には1回の細胞分裂
の開始があるために十分でなければならない。
には0.1pg〜10ng/mlまで様々である。
するサイトカイン及びアンチセンスオリゴヌクレオチドからなる群に属する。
0、詳細には1〜約10の範囲の複数の細胞分裂、より詳細には1回の細胞分裂
の開始があるために十分でなければならない。
ml、又は培地中のアンチセンスオリゴヌクレオチド0.01μM〜1mM、詳細に
は遮断抗体1μg〜100μg/ml、又はアンチセンスオリゴヌクレオチド0.1
μM〜100μMまで様々である。
なる群から選択され、詳細には抗TGF−βである。
、約10-18〜約10-3g/ml、詳細には0.1〜20μg/ml、詳細には4・10- 6 g/ml(4μg/ml)の範囲の濃度で存在することを特徴とする。
態に維持された十分な数の幹細胞を得るために、1〜100周期、詳細には5〜
20周期、詳細には10周期の分裂周期総数を含むことを特徴とする。
、1時間〜3年、詳細には20時間〜200時間まで様々であり、本発明による
増殖工程の分裂周期全ての合計期間は、10時間〜3年、詳細には20時間〜2
00時間まで様々である。
、約1時間〜3年の範囲で、詳細には約6時間〜72時間であること、そして1
つの分裂周期の期間が、約6時間〜3年の範囲で、詳細には6時間〜24時間で
あることを特徴とする。
年の範囲で、詳細には1日〜15日である。
〜15日継続し、提案される適用例は細胞療法である。
3年継続し、提案される適用例は実験的指図のものである。
。
本発明による工程は、約2〜約1012、詳細には2〜約104の因子による幹細
胞の増幅を得させる。
高い、増幅され未分化状態に維持された多数の幹細胞を得させる。
し、インターロイキン及びCSFからなる群から選択された(培地に添加された
)1種以上のサイトカイン(前記サイトカインは、約10-8μg/ml〜約1mg/ml
、詳細には約10-5μg/ml〜約0.1μg/mlの範囲の濃度で存在する)、及び適
当ならば別の成長因子を含む。
うなインターロイキン、GM−CSF(顆粒球及び単球コロニー刺激因子)、G
CSF(顆粒球コロニー−刺激因子)、MCSF(単球コロニー刺激因子)のよ
うなCSF(コロニー刺激因子)、SF(Steel因子)、TPO(トロンボ
ポエチン)、又はFL(Flt−3リガンド)が挙げられる。
詳細には以下の段階: a)未分化胚性又は体性幹細胞(詳細には造血体性幹細胞)が最初の細胞分裂の
開始により休止状態を離脱するような、1種以上のサイトカインの存在下での、
高い開始細胞濃度(詳細には約103〜約1010細胞/mlの範囲の濃度)の休止
状態の前記未分化幹細胞を播種することによる、そして培地中に存在する細胞発
育の阻害物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)の影響の中和による、培地中の前
述の細胞の分裂の第1周期の開始、 b)未分化胚性又は体性幹細胞により合成された、又は培地に添加された細胞発
育の阻害物質の援助による、先行の段階で得られた前記幹細胞の休止への復帰、
c)適当ならば、培地中に存在し得る異化産物及び細胞発育の阻害物質(詳細に
は細胞増殖の阻害物質)を除去するための、先行の段階で得られた未分化胚性又
は体性幹細胞の洗浄、 d)適当ならば、約100〜1010細胞/mlの範囲の最適な細胞濃度を維持する
ための、先行の段階で得られた未分化胚性又は体性幹細胞の希釈、 e)細胞の増幅因子が、約1日〜3年、詳細には1日〜15日の増殖工程の合計
期間に対応する所望の幹細胞の数(詳細には初期未分化胚性又は体性幹細胞の数
の2倍〜約1012倍)を得るために十分となるまでの上記分裂及び休止サイクル
の連続反復、 f)インビトロで未分化胚性又は体性幹細胞を保存する、それらを使用する、又
はそれらを分化させるためのそれらの増殖の停止、を含むことを特徴とする。
されたものである。
回収された細胞発育の阻害物質の量は、こうして最初の細胞分裂の開始があるた
めに十分でなければならない。
F−βは、造血体性幹細胞自身により0.01pg〜1ng/mlの範囲の量で合成さ
れる。
により中和される。抗TGF−βは、0.1〜100μg/mlの範囲の量の抗体、
又は0.1μM〜10μMの範囲の量のオリゴヌクレオチドを添加される。
前記幹細胞自身により合成されたTGF−β(又はそれ以外の添加された阻害物
質)により得られる。
の途中又は終了時に形成された阻害物質TGF−βの中和を可能にする。
、幹細胞の休止状態への急速な復帰、 −細胞増殖の抗阻害物質(詳細には抗TGF−β)の存在下での、各休止状態の
後の幹細胞の実に急速な分裂、を可能にする。
び終了時に)幹細胞の分化の工程を減速させる
れらを凍結すること、又はそれらを分化の培地に入れることにより実行され得る
。
られる分化の培地は、再生を意図する組織又は器官により選択される。
PO)を含む培地を用いる。
記工程の種々の休止及び分裂周期の途中で、未分化状態に維持される。未熟細胞
の有意な産生は、この方法で少ない容量で得られる。
記発明の工程により得られるような未分化及び増幅されたヒト幹細胞の使用に関
する。
してさい帯、骨髄、又は末梢血からの不十分な血液試料を増幅させるため、又は
造血幹細胞の移植のために用いることができる。
ゲノム(ヒト発育の遺伝子の発現及び機能)に関する研究に用いることができる
。
せる(細胞が倍増した後、その株の強度を2で割り、4倍に増加した後は4で割
るなど)。こうして、正しく置き換えられた種々の集団が得られた。
は分裂し、3日後には2回以上分裂した細胞は、CD34+high細胞を1.1%
しか含有しなかった。
0pg/ml)ため(図1B)、より高い割合のCD34+high細胞が観察された。
体性幹細胞であり、膜マーカーCD34+を特徴とする。以下では、前記細胞を
「CD34+細胞」と呼ぶ。
ミン)(0.2%)で希釈して、FITC(フルオロイソチオシアネート)でコ
ンジュゲートした抗CD34+抗体(8G12クローン;Becton Dickinson, Sa
n José, CA)と共に4℃で30分間インキュベートし、その後PBS/
BSAで2回洗浄した。対照は、FITCでコンジュゲートした非特異性IgG
1と共にインキュベートした細胞からなった。 細胞の増殖をモニタリングさせる株を検出するために、CD34+をメーカー
の使用説明書に従ってPKH26株(Sigma, France)で標識した。 PKH26の平均強度を備えた細胞を、完全な幅の約10%を示す窓(window
)でスクリーニングした。これは、CD34+細胞の約20%に対応した。40
0細胞の4等分したものを、HPP−Q試験に用いた。休止細胞及び増殖する細
胞の残りをスクリーニングして、半固型培地で培養した。校正ビーズ(calibrat
ed beads)(Coulter-Beckman)を用いて、0日目〜3日目の分析値を標準化し
た。 HPP−Q試験の説明(高度増殖性潜在的静止細胞(high proliferative pot
ential-quiescent cell)) HPP−Q試験は、細胞発育の阻害物質(詳細にはTGF−β)が幹細胞(詳
細には造血幹細胞)を維持していることを検証させた。 詳細には、HPP−Q試験は、幹細胞(詳細には造血幹細胞)の成熟度の測定
からなり、以下の: −幹細胞(詳細には造血幹細胞)の初回回収物を、それらの培養に適した、約1
4〜約28日間(好ましくは18日間)TGF−βのような少なくとも1種の細
胞発育の阻害物質を遮断する手段を全く含有しない培地で培養する段階、 −上述のものと同じ性質及び同じ成熟度の幹細胞(詳細には造血幹細胞)の2回
目回収物を、少なくとも1種の細胞発育の阻害物質のための、効果的濃度の培地
に存在する遮断の手段を含む適切な培地で培養する段階、 −幹細胞の2つの回収物それぞれの培養開始後18日目に、2回目回収物及び初
回回収物それぞれのコロニー数及び性質、並びに高度増殖能のコロニー(HHP
−CFC=高度増殖能のコロニーを形成する前駆細胞、HPP−MEG=高度増
殖能の巨核球前駆細胞、HPP−GEMM=高度増殖能の顆粒球赤血球単球巨核
球前駆細胞)の総数の差を比較する段階、を含むことを特徴とした。 幹細胞の成熟又は未熟の評価は、以下の観察に対応した。 18日後に、コロニーの数及び性質を顕微鏡下で観察した:赤線及び1種以上
の白線の細胞で作られた混合コロニーの数を計数した。培養した細胞集団が未熟
で(即ち幼若な細胞で作られ)、その一部が休止している場合、混合コロニーの
数はより高かった。一方で、コロニーを生成した細胞が未熟なほど(又は休止し
ていれば)増殖能がより高く、それ故この細胞を起源とするコロニーが一旦活性
化すると、より大きなサイズになる。
穴培養プレートに播種した。サイトカイン及びTGF−βの阻害物質(抗−TG
F−β)を含む無血清培地に、前記細胞を播種した。 「培地」; SBA(アルブミンを含む無血清培地)+ SF(Steel因子) 10ng/ml TPO(トロンボポエチン) 10ng/ml FL(リガンドFLt3) 50ng/ml IL6(インターロイキン6) 10ng/ml 抗TGF−β 4μg/ml CD34+細胞を5%CO2雰囲気、97%湿度飽和で、37℃でインキュベ
ートした。 2日毎に培養物の容量を測定し、CD34+細胞の数を計数して、前記細胞の
生存率を測定した。 培養物中に含有するCD34+細胞の数を計数した後、106細胞/穴だけを
残すのに必要な容量を取り出した。 容量、培地中のサイトカイン又は成長因子、及びTGF−βの阻害物質を再調
整した。 8日毎にスクリーニングを実施し、CD34+及びCD38−細胞を評価して
、CD34+細胞の増殖能をHPP−Q試験で評価した。 HPP−Q試験の結果は、免疫欠損マウス(SCID−NOD)による試験で
一様に確認した。 本発明による工程のプロトコールは、(サイトカイン及び阻害物質以外では)
培地の条件を異化産物及び同化産物に関して一定に保つミクロバイオリアクター
で細胞を培養させた。 高い細胞濃度のCD34+細胞の播種は、バイオリアクターを高い細胞濃度で
作成させ、こうして培養容量を減少させた。 バイオリアクター又はミクロバイオリアクターの原理 ミクロバイオリアクターは、細胞数及び細胞密度に適したサイズ(1〜100
ml)の培養チャンバーを含み、透析チャンバーとは膜で、そして適当ならばガス
チャンバーとは別の膜で分離されて、培養の構成物を一定に保つ。 微量測定装置(microdetector)は、培養チャンバーの種々のパラメータ:p
H、CO2、O2、グルコース、乳酸塩などの制御を可能にする。 入口及び出口は、培地の再生又は変更、あるいは細胞の添加又は回収を可能に
する。 ミクロバイオリアクター全体は、ポンプ及びコンピュータプログラムにより自
動化することができる。
Claims (17)
- 【請求項1】 幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)の細胞分裂を可能にしながら
、それらの細胞の未分化状態を維持するための制御された手法による細胞発育の
阻害物質の使用。 - 【請求項2】 その幹細胞が、体性幹細胞を起源とする胚性幹細胞、並びに
/あるいは血液及び/又は(皮膚、肝臓、膵臓、心臓、腎臓、骨、若しくは神経
組織のような)種々の固体組織を起源とする幹細胞/体性前駆細胞自身からなる
群から選択されたヒト細胞である、請求項1記載の阻害物質の使用。 - 【請求項3】 その細胞発育の阻害物質が、細胞分化及び/又は細胞分裂に
関して細胞発育を制御する遺伝子の産物、サイクリン依存性キナーゼの阻害物質
、アポトーシス又は加齢を制御する因子、並びに(インターフェロン及びTGF
−βのような)サイトカインからなる群から選択される、請求項1又は2記載の
阻害物質の使用。 - 【請求項4】 細胞増殖の抗阻害物質の逐次配合において、幹細胞(詳細に
はヒト幹細胞)の未分化状態を維持しながら、1〜約100(詳細には1〜約1
0)の範囲の複数の細胞分裂を開始する、詳細には1回の細胞分裂を開始する、
請求項1〜3のいずれか1項記載の阻害物質の使用。 - 【請求項5】 培地中の幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)の増殖工程であって
、それが: −休止状態の幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、その細胞により産生され、そし
て/又は培地中に存在する細胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)
の影響の中和により、それらの休止状態から脱出され、それにより1〜約100
(詳細には1〜約10)の範囲の複数の細胞分裂(詳細には1回の細胞分裂)の
開始がある段階、 −及び先行の段階で得られた幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)が、細胞発育の阻害
物質の援助によりそれらの分化を阻害される段階、 を含むことを特徴とする増殖方法。 - 【請求項6】 増殖工程の終了時に、この方法で増殖した幹細胞が、未分化
状態に維持されていることを特徴とする、請求項5記載の増殖方法。 - 【請求項7】 その幹細胞が、体性幹細胞を起源とする胚性幹細胞、並びに
血液及び/又は(皮膚、肝臓、膵臓、心臓、腎臓、骨、若しくは神経組織のよう
な)種々の固体組織を起源とする体性細胞自身からなる群より選択されるヒト細
胞であることを特徴とする、請求項5記載の増殖方法。 - 【請求項8】 その幹細胞(詳細にはヒト細胞)が、約1〜約1010細胞/
mlの細胞濃度、詳細には約103〜約1010細胞/ml、より詳細には約104〜約
109細胞/mlの範囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項5〜7のいず
れか1項記載の増殖方法。 - 【請求項9】 細胞発育の阻害物質が、幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)によ
り合成され、そして/又は幹細胞(詳細にはヒト幹細胞)を含有する培地に添加
されることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項記載の増殖方法。 - 【請求項10】 細胞発育の阻害物質が、細胞分化及び/又は細胞分裂に関
して細胞発育を制御する遺伝子の産物、サイクリン依存性キナーゼの阻害物質、
アポトーシス又は加齢を制御する因子、並びに(インターフェロン及びTGF−
βのような)サイトカインからなる群より選択されることを特徴とする、請求項
5〜9のいずれか1項記載の増殖方法。 - 【請求項11】 細胞発育の阻害物質が、幹細胞を含有する培地に低濃度(
詳細には約10-10mg/ml〜1mg/mlの範囲の濃度)で存在することを特徴とする
、請求項5〜10のいずれか1項記載の増殖方法。 - 【請求項12】 培地中に存在する細胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖
の阻害物質)の影響の中和が、 −適切な量の抗TGF−βのような細胞増殖の抗阻害物質の、培地への添加、及
び/又は −(詳細にはサイトカイン類に属する)細胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖
の阻害物質)の培地からの回収、 により達成されることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか1項記載の増殖
方法。 - 【請求項13】 細胞増殖の抗阻害物質が、約10-18〜約10-3g/mlの範
囲の濃度で存在することを特徴とする、請求項5〜12のいずれか1項記載の増
殖方法。 - 【請求項14】 その培地が、造血幹細胞を含有し、インターロイキン及び
CSFからなる群より選択された(培地に添加された)1種以上のサイトカイン
を含み、前記サイトカインが、約10-8μg/ml〜約1mg/ml、詳細には約10-5
μg/ml〜0.1μg/mlの範囲の濃度で存在する、請求項5〜8のいずれか1項記
載の増殖方法。 - 【請求項15】 請求項5〜14のいずれか1項記載の増殖工程であって、
それが以下の段階: a)未分化胚性又は体性幹細胞(詳細には造血体性幹細胞)が最初の細胞分裂の
開始により休止状態を離脱するような、1種以上のサイトカインの存在下での、
高い開始細胞濃度(詳細には103〜1010細胞/mlの範囲の濃度)の休止状態
の未分化胚性又は体性幹細胞を播種することによる、そして培地中に存在する細
胞発育の阻害物質(詳細には細胞増殖の阻害物質)の影響の中和による、培地中
の上述の細胞の分裂の第1周期の開始、 b)未分化胚性又は体性幹細胞により合成された、又は培地に添加された細胞発
育の阻害物質の援助による、先行の段階で得られた前記幹細胞の休止への復帰、
c)適当ならば、培地中に存在し得る異化産物及び細胞発育の阻害物質(詳細に
は細胞増殖の阻害物質)を除去するための、先行の段階で得られた未分化胚性又
は体性幹細胞の洗浄、 d)適当ならば、約100〜1010細胞/mlの範囲の最適な細胞濃度を維持する
ための、先行の段階で得られた未分化胚性又は体性幹細胞の希釈、 e)細胞の増幅因子が、約1日〜3年、詳細には1日〜15日の増殖工程の合計
期間に対応する所望の幹細胞の数(詳細には初期未分化胚性又は体性幹細胞の数
の2倍〜1012倍)を得るために十分となるまでの上記分裂及び休止サイクルの
連続反復、 f)インビトロで未分化胚性又は体性幹細胞を保存する、それらを使用する、又
はそれらを分化させるためのそれらの増殖の停止、 を含むことを特徴とする、請求項5〜14のいずれか1項記載の増殖方法。 - 【請求項16】 1回の休止状態の期間が約1時間〜3年の範囲であり、詳
細には約6時間〜72時間であること、及び1回の分化周期の期間が、約6時間
〜3年の範囲であり、詳細には約6時間〜24時間であることを特徴とする、請
求項5〜15のいずれか1項記載の増殖方法。 - 【請求項17】 ヒト血液及び/又はヒト固体組織若しくは器官を再生する
ために、請求項5〜16のいずれか1項記載の工程により得られるような未分化
及び増幅されたヒト幹細胞の使用。
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