JP2003501027A - 脂肪細胞補体関連タンパク質同族体zacrp5 - Google Patents

脂肪細胞補体関連タンパク質同族体zacrp5

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JP2003501027A JP2001500756A JP2001500756A JP2003501027A JP 2003501027 A JP2003501027 A JP 2003501027A JP 2001500756 A JP2001500756 A JP 2001500756A JP 2001500756 A JP2001500756 A JP 2001500756A JP 2003501027 A JP2003501027 A JP 2003501027A
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エス. ピディントン,クリストファー
オー. シェパード,ポール
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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、zacrp5、すなわち、コラーゲン様ドメインおよびClqドメインを支持するタンパク質の1ファミリーの新規なメンバー、についてのポリヌクレオチドおよびポリペプチド分子に関する。ポリペプチドおよびそれらをコードするポリヌクレオチドはホモおよびヘテロトリマー化またはオリゴマー化に関係づけられ、それらの研究において使用することができる。本発明は、また、zacrp5ポリペプチドに対する抗体を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 細胞−細胞および細胞−細胞外基質の相互作用は、多細胞生物の種々の細胞間
の情報の交換およびそれらの間の共同作用を可能とし、大部分の生物学的プロセ
スのための基本である。これらの相互作用は受精から死までのすべてにおいてあ
る役割を演ずる。このような相互作用は発生および分化の間において必須であり
、かつ生物の機能および保護のために重大である。例えば、細胞とその環境との
間の相互作用は組織の改造を開始しかつモジュレートすることが必要である。こ
れらの改造は、例えば、多数の因子に応答して開始されることがある。このよう
な因子は、肉体的損傷、細胞障害性損傷、代謝的ストレスまたは発生的刺激を包
含する。病理学と治癒(または代謝的最適化)との間のモジュレーションは、一
部分、刺激された細胞と細胞外基質ならびに局所的溶媒との相互作用により実施
することができる。
【0002】 細胞とそれらの環境との間の相互作用においてある役割を演じ、かつ細胞外基
質と細胞との界面において作用するように思われるタンパク質の1ファミリーは
、脂肪細胞補体関係タンパク質である。これらのタンパク質は、Acrp30、すなわ
ち、脂肪細胞により独占的に発現される247アミノ酸のポリペプチド、を包含す
る。Acrp30ポリペプチドは、アミノ末端のシグナル配列、未知の相同性を有する
27アミノ酸のストレッチ、22の完全なGly−Xaa−Proまたは不完全なGly−Xaa−X
aaコラーゲン反復およびカルボキシ末端の球状ドメインから構成されている。
【0003】 Scherer他、J. Biol. Chem. 270(45):26746−9、1995および国際特許出
願No.WO 96/39429参照。Acrp30、インスリンにより調節される豊富なヒト血
清タンパク質は、特にカルボキシ末端の球状ドメインにおいて、補体因子Clqお
よび冬眠するシベリアシマリスの夏血清タンパク質(Hib27)に対して構造的類
似性を共有する。Acrp30の発現は脂肪細胞の分化の間に100を超えて誘導される
。Acrp30はエネルギー収支のモジュレーションおよび被験試料中の脂肪細胞の同
定において使用することが示唆されている。
【0004】 追加のメンバーは、zsig37(WO 99/04000)、すなわち、心臓、大動脈およ
び胎盤において主として発現され、14のコラーゲン反復およびAcrp30に類似する
Clq球状ドメインを有する、281アミノ酸残基のタンパク質、を包含する。zsig37
は補体活性を阻害することが示され、SK5繊維芽細胞に結合し、Clq−細胞応答を
開始することが知られている濃度において増殖を刺激する。また、zsig37は、投
与量依存的方法で、ヒト全血および血小板に富んだプラスミド中の血小板のコラ
ーゲン活性化を特異的に阻害する(同時継続米国出願、09/253,640)。また、z
sig39(WO 99/10492)、すなわち、心臓および小腸において主として発現され
、22または23のコラーゲン反復およびAcrp30およびzsig37に類似するClqドメイ
ンを有する、243アミノ酸残基のタンパク質、が包含する。
【0005】 これらのタンパク質のすべてはClqドメインを共有する。補体因子Clqは3つの
関係するポリペプチド(A、BおよびC鎖)の6コピーから成り、各ポリペプチドは
約225アミノ酸長さであり、付近のアミノ末端のコラーゲンドメインおよびカル
ボキシ末端の球状領域を有する。6つの三重らせん領域は6つのA、6つのBおよび6
つのC鎖のコラーゲンドメインにより形成されており、中央領域および6つのスト
ークを形成する。球状ヘッド部分はA、BおよびC鎖の球状C末端ドメインのアソシ
エーションにより形成される。したがって、Clqは中央のフィブリル領域に対し
て6つのコラーゲン様ストークを介して結合された、6つの球状ヘッドから構成さ
れている。Sellar他、Biochem. J. 274:481−90、1991。
【0006】 この立体配置は花束としばしば呼ばれる。Acrp30は、単一の型のポリペプチド
鎖から形成された、同様な花束構造を有する。Acrp30のClq球状ドメインは、10
のベータ鎖「ジェリーロール」トポロジーを有することが決定された(Shapiro
およびScherer、Curr. Biol. 8:335−8、1998)。構造因子、例えば、フォル
ディングトポロジー、保存された残基および同様なトリマー界面およびイントロ
ンの位置は腫瘍壊死因子のファミリーに類似し、TNFとClqとの間の結合を示唆す
る。zsig39およびzsig37はその上この構造および相同性を共有する。
【0007】 細胞の相互作用においてある役割を演ずるタンパク質、例えば、転写因子およ
びホルモンは診断および治療の薬剤として有効である。特異的相互作用、例えば
、改造をモジュレートするタンパク質は特に有効であろう。本発明は、本明細書
における教示から当業者にとって明らかである、これらおよび他の用途のための
、このようなポリペプチドを提供する。
【0008】 発明の要約 1つの面において、本発明は、配列番号2の残基70〜252に対して少なくとも80
%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸残基の配列を含んでなり、前記配列が、コ
ラーゲン様ドメインを形成するGly−Xaa−XaaおよびGly−Xaa−Proコラーゲン反
復、ここでXaaは任意のアミノ酸残基である;およびカルボキシル末端のClqドメ
イン;を含んでなる、単離されたポリペプチドを提供する。1つの面において、
ポリペプチドは配列番号2の残基18〜252に対して少なくとも90%のアミノ酸同一
性を有する。関係する態様において、前記ポリペプチドと配列番号2との間の差
が保存的アミノ酸置換のためである。
【0009】 他の態様において、コラーゲン様ドメインが14のGly−Xaa−Xaa反復および1つ
のGly−Xaa−Pro反復から成る。なお他の態様において、ポリペプチドは、アミ
ノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaa反復および1
つのGly−Xaa−Pro反復、ここでXaaは任意のアミノ酸残基である;および配列番
号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜152、156〜158、162〜173、178〜
184、189〜196、200〜211、216〜221、および240〜244に対応する10ベータ鎖を
含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン;を含んでなる。それ以上の態様に
おいて、ポリペプチドは配列番号2のポリペプチドと特異的に結合する抗体と特
異的に結合する。
【0010】 他の態様において、コラーゲン様ドメインは配列番号2のアミノ酸残基70〜111
を含んでなる。他の態様において、Clqドメインは配列番号2のアミノ酸残基112
〜252を含んでなる。他の態様において、ポリペプチドは配列番号2の残基70〜25
2、配列番号2の残基18〜252、または配列番号2の残基1〜252を含んでなる。他の
態様において、ポリペプチドは分子間ジサルファイド結合により複合化されてホ
モトリマーを形成している。なお他の態様において、ポリペプチドは分子間ジサ
ルファイド結合によりコラーゲン様ドメインを有する1またはそれ以上のポリペ
プチドに対して複合化されて、ヘテロトリマーを形成している。
【0011】 それ以上の態様において、ポリペプチドは、アミノまたはカルボキシル末端に
おいて、親和標識、トキシン、ラジオヌクレオチド、酵素および発蛍光団から成
る群から選択される部分に共有結合されている。本発明は、また、下記のポリペ
プチドから成る群から選択される単離されたポリペプチドを提供する:a)配列
番号2の残基70〜残基111のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチド;およびb
)配列番号2の残基112〜残基252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチド。
【0012】 他の態様において、ペプチド結合により結合された第1部分および第2部分から
本質的に成り、前記第1部分は、 a)配列番号2の残基70〜252に対して少なくとも80%のアミノ酸同一性を有す
るアミノ酸残基の配列を含んでなり、前記配列が、コラーゲン様ドメインを形成
するGly−Xaa−XaaおよびGly−Xaa−Proコラーゲン反復、ここでXaaは任意のア
ミノ酸残基である;およびカルボキシル末端のClqドメイン;を含んでなるポリ
ペプチド;
【0013】 b)アミノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaaコ
ラーゲン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復、ここでXaaは任意のア
ミノ酸残基である;および配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜
152、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、および2
40〜244に対応する10ベータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン;を
含んでなるポリペプチド;
【0014】 c)コラーゲン様ドメインまたはトリマー化またはオリゴマー化することはで
きるコラーゲン様ドメインの部分を含んでなる、配列番号2に示すzacrp5ポリペ
プチドの部分; d)ClqドメインまたはClqドメインの活性部分を含んでなる、配列番号2に示す
zacrp5ポリペプチドの部分;またはe)コラーゲン様ドメインおよびClqドメイン
を含んでなる、配列番号2に示すzacrp2ポリペプチドの部分; から成る群から選択されるポリペプチドから成り;そして前記第2部分は他の
ポリペプチドを含んでなる。
【0015】 関係する態様において、第1部分は、 a)配列番号2のアミノ酸残基70〜アミノ酸残基111の配列から成るポリペプチ
ド; b)配列番号2のアミノ酸残基112〜アミノ酸残基252の配列から成るポリペプチ
ド; c)配列番号2のアミノ酸残基70〜252の配列から成るポリペプチド; d)配列番号2のアミノ酸残基18〜252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプ
チド;および e)配列番号2のアミノ酸残基1〜252アミノ酸残基の配列から成るポリペプチド
; から成る群から選択される。 本発明は、また、薬学上許容されるビヒクルと組み合わされた、前述のポリペ
プチドを提供する。
【0016】 他の面において、本発明は、動物にポリペプチドを接種し、ポリペプチドは、 a)配列番号2の残基70〜252に対して少なくとも80%のアミノ酸同一性を有す
るアミノ酸残基の配列を含んでなり、前記配列が、コラーゲン様ドメインを形成
するGly−Xaa−XaaおよびGly−Xaa−Proコラーゲン反復、(ここでXaaは任意の
アミノ酸残基である);およびカルボキシル末端のClqドメイン;を含んでなる
ポリペプチド;
【0017】 b)アミノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaaコ
ラーゲン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復、ここでXaaは任意のア
ミノ酸残基である;および配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜
170、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、および2
40〜244に対応する10ベータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン;を
含んでなるポリペプチド; c)コラーゲン様ドメインまたはトリマー化またはオリゴマー化することはで
きるコラーゲン様ドメインの部分を含んでなる、配列番号2に示すzacrp5ポリペ
プチドの部分;
【0018】 d)ClqドメインまたはClqドメインの活性部分を含んでなる、配列番号2に示す
zacrp5ポリペプチドの部分;または e)コラーゲン様ドメインおよびClqドメインを含んでなる、配列番号2に示すz
acrp5ポリペプチドの部分; から成る群から選択され;そしてここで前記ポリペプチドは動物において免疫
応答を誘発して抗体を産生し; そして動物から抗体を単離する、ことを含む、ポリペプチドに対する抗体を産
生する方法を提供する。
【0019】 また、前述のポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗体フラグメントが
提供される。1つの態様において、抗体は、 a)ポリクローナル抗体; b)ネズミモノクローナル抗体; c)上記b)に由来するヒト化モノクローナル抗体;および d)ヒトモノクローナル抗体; から成る群から選択される。 他の態様において、抗体フラグメントは、F(ab')、F(ab)、Fab'、Fab、Fv
、scFv、および最小認識単位から成る群から選択される。他の態様において、前
述の抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体が提供される。また、本発明
によれば、前述のポリペプチドのエピトープに特異的に結合する結合性タンパク
質が提供される。
【0020】 他の面において、本発明は、前述のポリペプチドをコードする単離されたポリ
ヌクレオチドを提供する。また、本発明において、 a)配列番号1のヌクレオチド1〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; b)配列番号1のヌクレオチド52〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; c)配列番号1のヌクレオチド208〜ヌクレオチド303のヌクレオチド配列; d)配列番号1のヌクレオチド334〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; e)配列番号1のヌクレオチド208〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; f)配列番号1のヌクレオチド52〜ヌクレオチド111のヌクレオチド配列;
【0021】 g)配列番号2の残基70〜111のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド; h)配列番号2の残基112〜残基252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチド
をコードするポリヌクレオチド; i)ストリンジェント洗浄条件後に、配列番号1のヌクレオチド配列、または配
列番号1の相補体から成るポリヌクレオチドに対してハイブリダイゼーションし
て止まるポリヌクレオチド; j)上記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)またはi)に対して相補的で
あるヌクレオチド配列;および k)上記g)またはh)の縮重ヌクレオチド配列; から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチドが提供される。
【0022】 また、前述の融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供
される。 本発明は、また、配列番号12のヌクレオチド1〜ヌクレオチド756のヌクレオチ
ド配列から成る単離されたポリヌクレオチド。 他の面において、本発明は、下記の作用可能に連鎖された因子を含んでなる発
現ベクターを提供する:転写プロモーター;前述のポリペプチドをコードするDN
Aセグメント;および転写ターミネーター。1つの態様において、DNAセグメント
はポリペプチドに作用可能に連鎖された分泌シグナル配列をさらにコードする。
関係する態様において、分泌シグナル配列は配列番号2の残基1〜17を含んでなる
【0023】 本発明は、また、前述の発現ベクターは導入されており、前記DNAセグメント
によりコードされるポリペプチドを発現する、培養された細胞を提供する。1つ
の態様において、培養された細胞はコラーゲン様ドメインを有するポリペプチド
をコードするDNAセグメントを含んでなる、1またはそれ以上の発現ベクターをさ
らに含む。他の面において、本発明は、前述の発現ベクターは導入された細胞を
培養し;ここで前記細胞は前記DNAセグメントによりコードされる前記タンパク
質を発現し;そして前記発現された細胞を回収する;ことを含む、タンパク質を
製造する方法を提供する。1つの態様において、発現されたタンパク質はホモト
リマーである。他の態様において、発現されたタンパク質はヘテロトリマーであ
る。
【0024】 本発明は、(a)zacrp5核酸プローブをハイブリダイゼーション条件下に(i)
生物学的試料から単離された被験RNA分子、または(ii)単離されたRNA分子から
合成された核酸分子と接触させ、ここでプローブは前述の核酸分子のヌクレオチ
ド配列の一部分を含んでなるヌクレオチド配列、またはその補体から成り;そし
て(b)核酸プローブと被験RNA分子または合成された核酸分子とのハイブリッド
の形成を検出する;ことを含み、ここでハイブリッドの存在は生物学的試料中の
zacrp5 RNAの存在を示す、生物学的試料中のzacrp5遺伝子の発現の存在を検出
する方法を提供する。
【0025】 他の面において、(a)生物学的試料を前述の抗体、または抗体フラグメント
と接触させ、ここで生物学的試料に対する抗体または抗体フラグメントの結合を
可能とする条件下に接触を実施し;、そして(b)結合した抗体または結合した
抗体フラグメントを検出する;ことを含む、生物学的試料中のzacrp5の存在を検
出する方法が提供される。
【0026】 発明の詳細な説明 本発明を詳細に説明する前に、下記の用語を定義することはその理解の助けと
なるであろう: 用語「親和標識」は、本明細書において、ポリペプチドの精製または検出を提
供するか、あるいは基質へのポリペプチドの結合部位を提供するために、ペプチ
ドに結合させることができるポリペプチドのセグメントを表すために使用される
。原理的には、抗体または他の特異的な結合因子が利用可能な任意のペプチドま
たはタンパク質を親和標識として使用することができる。
【0027】 親和標識は下記のものを包含する:ポリヒスチジントラクト、プロテインA(N
ilsson他、EMBO J. 4:1075、1985;Nilsson他、Methods Enzymol. 198:3
、1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(SmithおよびJohnson、Gene 67
:31、1988)、サブスタンスP、FlagTMペプチド(Hopp他、Biotechnology 6:1
204−10、1988、Eastman Kodak Co.、コネチカット州ニューヘブン、から入手
可能である)、ストレプチアビジン結合ペプチド、または他の抗原エピトープま
たは結合ドメイン。一般に、Ford他、Protein Expression and Purification
2:95−107、1991、参照。親和標識をコードするDNAは、商業的供給会社から
入手可能である(例えば、Pharmacia Biotech、ニュージャージイ州ピスカタウ
ェイ)。
【0028】 用語「アレレ変異型」は、本明細書において、同一染色体遺伝子座を占有する
遺伝子の2またはそれ以上のオールタネイト形態の任意のものを表すために使用
される。アレレの変動は突然変異により天然に起こり、そして集団内に表現型の
多形性を生じさせることがある。遺伝子の突然変異はサイレント(コードされた
ポリペプチドの非変化)であるか、あるいは変更されたアミノ酸配列を有するポ
リペプチドをコードすることができる。アレレ変異型という用語は、また、本明
細書において遺伝子のアレレ変異型によりコードされるタンパク質を表すために
使用される。
【0029】 用語「アミノ末端」または「カルボキシル末端」は、本明細書において、ポリ
ペプチド内の位置を表すために使用される。この関係が許す場合、これらの用語
は近接性または相対的位置を表すためにポリペプチドの特定の配列または部分を
参照して使用される。例えば、ペプチド内の参照配列に対してカルボキシル末端
に位置するある種の配列は、参照配列のカルボキシル末端に対して近接して位置
するが、完全なポリペプチドのカルボキシル末端に必ずしも存在しない。
【0030】 用語「相補体/抗相補体の対」は、適当な条件下に非共有結合的にアソシエー
トした安定な対を形成する、非同一部分を表す。例えば、ビオチンおよびアビジ
ン(またはストレプトアビジン)は、相補体/抗相補体の対のプロトタイプのメ
ンバーである。他の典型的な相補体/抗相補体の対は、レセプター/リガンドの
対、抗体/抗原(またはハプテンまたはエピトープ)の対、センス/アンチセン
スポリヌクレオチドの対、およびその他を包含する。相補体/抗相補体の対の引
き続く解離を望む場合、補体/抗補体の対は好ましくは<109/Mの結合アフィニ
ティーを有する。
【0031】 用語「ポリヌクレオチド分子の相補体」は、相補的塩基配列を有しかつ参照配
列に比較して逆の向きを有するポリヌクレオチド分子である。例えば、配列5'
ATGCACGGG 3'は5' CCCGTGCAT 3'に対して相補的である。 用語「contig」は、他のポリヌクレオチドに対して同一であるか、あるいは相
補的な配列の隣接するストレッチを有するポリヌクレオチドを表す。隣接する配
列は、それらの全体においてあるいはポリヌクレオチドの部分的ストレッチに沿
って、ポリヌクレオチド配列の所定のストレッチを「オーバーラップ」させると
言われる。例えば、ポリヌクレオチド配列5'−ATGGCTTAGCTT−3'に対する代表的
なcontigは5'−TAGCTTgagtct−3'および3'−gtcgacTACCGA−3'である。
【0032】 用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1またはそれ以上の縮重コドンを含むヌク
レオチド配列(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比較して
)を表す。縮重コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含有するが、同一
アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUおよびGACのトリプレットの各々はAs
pをコードする)。
【0033】 用語「発現ベクター」は、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に
連鎖された、問題のポリペプチドをコードするセグメントからなる、線状または
円形のDNA分子を表すために使用される。このような追加のセグメントは、プロ
モーターおよびターミネーターの配列を包含し、そして、また、1またはそれ以
上の複製起点、1またはそれ以上の選択可能なマーカー、エンハンサー、ポリア
デニル化シグナル、およびその他を包含することができる。発現ベクターは、一
般に、プラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、あるいは双方の因子を
含有することができる。
【0034】 用語「単離された」は、ポリヌクレオチドに適用されるとき、ポリヌクレオチ
ドがその自然の遺伝的環境から取出され、こうして他の余分のまたは望ましくな
いコーディング配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質の産生系内で
使用するために適当な形態であることを表す。このような単離された分子はそれ
らの自然の環境から分離されたものであり、そしてcDNAおよびゲノムのクローン
を包含する。本発明の単離されたDNA分子は、それらが通常アソシエートされる
他の遺伝子を含まないが、天然に存在する5'および3'の非翻訳領域、例えば、プ
ロモーターおよびターミネーターを包むことができる。アソシエートされた領域
の同定は当業者にとって明らかであろう(例えば、DynanおよびTijan、Nature
316:774−78、1985、参照)。
【0035】 「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その自然環境、例えば、血
液および動物の組織、以外の条件において見出されるポリペプチドまたはタンパ
ク質である。好ましい形態において、単離されたポリペプチドは他のポリペプチ
ド、特に動物由来の他のポリペプチドを実質的に含まない。高度に精製された形
態、すなわち、95%より大きい純度、より好ましくは99%より大きい純度のポリ
ペプチドを提供することが好ましい。この関係において使用するとき、用語「単
離された」は別の物理的形態、例えば、二量体、あるいはグリコシル化または誘
導化された形態の同一のポリペプチドの存在を排除しない。
【0036】 用語「作用可能に連鎖された」は、DNAセグメントについて言及するとき、セ
グメントがそれらの意図する目的のために調和して機能するように、例えば、転
写がプロモーターにおいて開始し、コーディングセグメントを通してターミネー
ターに進行するように、セグメントが配置されていることを示す。 用語「オーソログ」は、異なる種からのポリペプチドまたはタンパク質の機能
的対応物である、1つの種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を表す。
オーソログ間の配列の差は種形成の結果である。 「パラログ」は、生物により作られた、明確な、構造的に関係するタンパク質
である。パラログは遺伝子の重複を通して生ずると考えられる。例えば、α−グ
ロビン、β−グロビン、およびミオグロビンは互いにパラログである。
【0037】 「ポリヌクレオチド」は、5'→3'末端の方向に読んだ、デオキシリボヌクレオ
チドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーである。ポリ
ヌクレオチドはRNAおよびDNAを包含し、天然源から単離され、in vitroで合成
されるか、あるいは天然の分子と合成の分子との組合わせから製造することがで
きる。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(略号「bp」)、ヌクレオチド(「
nt」)、またはキロ塩基(「kb」)として表される。この関係が許す場合、後者
の2つの用語は一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載することがで
きる。
【0038】 この用語を二本鎖の分子に適用するとき、それは全体の長さを表すために使用
され、そして用語「塩基対」に等しいと理解されるであろう。当業者は認識する
ように、二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖はわずかに長さが異なることがあり
、そして酵素の切断の結果その末端は食い違うことがある;こうして、二本鎖ポ
リヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドは対合していなことがある。このよう
な不対末端は一般に20ヌクレオチド長さを越えない。 「ポリペプチド」は、自然にまたは合成的に生産された、ペプチド結合により
結合されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基より小さいポリペ
プチドは普通に「ペプチド」と呼ばれる。
【0039】 「プローブおよび/またはプライマー」は、本明細書において使用するとき、
RNAまたはDNAであることができる。DNAはcDNAまたはゲノムDNAであることができ
る。ポリヌクレオチドのプローブおよびプライマーは一本鎖または二本鎖のDNA
またはRNAであり、一般に合成オリゴヌクレオチドであるが、クローニングされ
たcDNAまたはゲノム配列またはその補体から発生させることができる。分析用プ
ローブは一般に少なくとも20ヌクレオチド長さであるが、多少これより短いプロ
ーブ(14〜17ヌクレオチド)を使用することができる。PCRプライマーは少なく
とも5ヌクレオチド長さ、好ましくは15ntまたはそれより長い、より好ましくは2
0〜30ntである。
【0040】 遺伝子の小さい領域を分析のためにターゲットするとき、短いポリヌクレオチ
ドを使用することができる。遺伝子の全体の分析のために、ポリヌクレオチドプ
ローブは全体のエクソンまたはそれ以上を含んでなることができる。プローブを
、この分野においてよく知られている技術に従い、例えば、酵素、ビオチン、放
射性核種、発蛍光団、化学発光因子、常磁性粒子およびその他(これらは多数の
源、例えば、モレキュラー・プローブス・インコーポレーテッド(Molecular P
robes,Inc.)、オレゴン州エウジーン、およびアマーシャム・コーポレーショ
ン(Amersham Corporation)、イリノイ州アーリントン・ハイツ、から商業的
に入手可能である)で標識化して検出可能なシグナルを提供することができる。
【0041】 用語「プロモーター」は、本明細書において、RNAポリメラーゼの結合を提供
しかつ転写を開始させるDNA配列を含有する遺伝子の部分を表す、この分野にお
いて認識されている意味において使用される。プロモーター配列は普通に、しか
し常にではないが、遺伝子の5'非コーディング領域の中に見出される。
【0042】 用語「レセプター」は、生物活性分子(すなわち、リガンド)に結合し、細胞
上のリガンドの作用を伝達する、細胞関連タンパク質を表す。膜に結合したレセ
プターは、細胞外リガンド結合性ドメインと、典型的にはシグナルトランスダク
ションに関係する細胞内エフェクタードメインとからなる、多ペプチド構造によ
り特徴づけられる。レセプターへのリガンドの結合は、エフェクタードメインと
、細胞中の1またはそれ以上の他の分子との間の相互作用を引き起こす、レセプ
ターにおけるコンフォメーションの変化を生ずる。この相互作用は、引き続いて
、細胞の代謝の変更に導く。
【0043】 レセプター−リガンドの相互作用に関係する代謝の事象は、遺伝子の転写、リ
ン酸化、脱リン酸化、サイクル的AMP産生の増加、細胞のカルシウムの移動化、
膜脂質の移動化、細胞の接着、イノシトール脂質の加水分解、およびリン脂質の
加水分解を包含する。大部分の核レセプターは、また、アミノ末端のトランス作
用性ドメイン、DNA結合性ドメインおよびリガンド結合性ドメインを包含する、
多ドメイン構造を示す。一般に、レセプターは、膜結合、細胞質ゾルまたは核レ
セプター;モノマーのレセプター(例えば、甲状腺刺激ホルモンのレセプター、
ベータ−アドレナリン作動性レセプター)またはマルチマーのレセプター(例え
ば、PDGFレセプター、成長ホルモンレセプター、IL−3レセプター、GM−CSFレセ
プター、G−CSFレセプター、エリトロポイエチンレセプターおよびIL−6レセプ
ター)であることができる。
【0044】 用語「分泌シグナル配列」は、ポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードす
るDNA配列を表し、それは、より大きいポリペプチドの1成分として、より大きい
ポリペプチドが合成される細胞の分泌経路を通してそのポリペプチドを向ける。
通常、より大きいポリペプチドは、分泌経路を通る移行の間に切断されて、分泌
ペプチドを除去する。
【0045】 「可溶性レセプター」は、細胞膜に結合しないレセプターポリペプチド。最も
普通には、可溶性のレセプターはトランスメンブランおよび細胞質ドメインを欠
如するリガンド結合性レセプターのポリペプチドである。可溶性レセプターは、
追加のアミノ酸残基、例えば、ポリペプチドの精製を提供するまたは基質へのポ
リペプチドの結合部位を提供する親和標識を含んでなることができる。多数の細
胞表面のレセプターは、タンパク質分解により産生されるか、あるいは選択的に
スプライスされたmRNAから翻訳される、天然に存在する、可溶性対応物を有する
。レセプターのポリペプチドは、それぞれ、膜の定着またはシグナルトランスダ
クションを提供する、これらのセグメントの十分な部分を欠如するとき、トラン
スメンブランおよび細胞内ポリペプチドのセグメントを実質的に含まないと言わ
れる。
【0046】 用語「スプライス変異型」は、本明細書において、遺伝子から転写されたRNA
の別の形態を表すために使用される。スプライス変異型は転写されたRNA分子内
の、あるいはそれ程普通ではないが別々に転写されたRNA分子の間の、オールタ
ネイトスプライス部位の使用により自然に発生し、そして同一遺伝子から転写さ
れたいくつかのmRNAを生ずることがある。スプライス変異型は、変更されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。また、スプライス変
異型という用語は、本明細書において、ある遺伝子から転写されたmRNAのスプラ
イス変異型によりコードされるタンパク質を表すために使用される。
【0047】 不正確な分析法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されたポリマーの分子量
および長さは、近似値であると理解されるであろう。このような値を「約」Xま
たは「ほぼ」Xとして表すとき、Xの記載する値は±10%の正確さであると理解さ
れるであろう。
【0048】 本発明は、一部分、脂肪細胞補体関係タンパク質zsig37(WO 99/04000)に
対する相同性を有する新規なDNA配列の発見に基づく。このDNA配列は、アミノ末
端のシグナル配列、非相同性の隣接するN末端領域、14のコラーゲン反復から構
成されたコラーゲンドメインおよびカルボキシ末端の球状様C1qドメインを有す
るポリペプチドをコードする。前述の一般的ポリペプチド構造はzsig37、zsig39
、Acrp30およびClqドメインにより共有される(図面参照)。整列されたタンパ
ク質中のカルボキシ末端の球状Clqドメインの中に見出される、相同性の他の領
域は、本発明において、他のファミリーメンバーを検索する有用なプライマーと
して同定された。例えば、zsig37、zsig39、Acrp30およびClqドメインは、プラ
イマーを使用する検索において同定されるであろう、鎖内ジサルファイド結合は
配列番号2の残基26、29、30、112および158においてシステインを含むことがで
きる。
【0049】 本発明の新規なzacrp5ポリヌクレオチドは、仕上げられていないゲノム配列に
おいて最初に同定された。ゲノム配列は染色体16に由来する遺伝子座HS349E11上
に位置する。配列番号7は、開始コドンにおいて開始するzacrp5の同定されたエ
クソン1、ヌクレオチド1〜208、イントロン1、ヌクレオチド209〜870および停止
コドンにおいて終わるエクソン2、ヌクレオチド871〜1421を提供する。厳格にエ
クソン予測と呼ぶものを使用して、新規な脂肪細胞補体関係因子は他の脂肪細胞
補体関係因子、zsig37(WO 99/04000)に対して相同性であることが見出され
た。
【0050】 zacrp5と他のファミリーのメンバーとの間の全分子にわたるアミノ酸レベルに
おける同一性百分率を表1Aに示す。Clqドメインにわたる同一性百分率を表1Bに
示す。整列は下記のデフォルト設定を有するクルスタルクス(Clustalx)多重整
列ツールを使用して実行した:ブラサム系列重量マトリックス(Blosum Series
Weght Matricies)、ギャップオープニングペナルティー:10.0、ギャップエ
クステンションペナルティー:0.05。同一性百分率を計算する前に、多重整列を
手によりさらに同調させた。同一性百分率はオーバーラップにわたる同一残基の
数である。
【0051】
【表1】
【0052】 zacrp5のヌクレオチド配列を配列番号1に記載し、そしてその推定されたアミ
ノ酸配列を配列番号2に記載する。一般に前述したように、zacrp5ポリペプチド
は配列番号2のアミノ酸1(Met)〜アミノ酸残基17(Ala)の範囲のシグナル配列
、配列番号1のヌクレオチド1〜51を包含する。したがって、成熟ポリペプチドは
配列番号2のアミノ酸18(Trp)〜アミノ酸残基252(Leu)、配列番号1のヌクレ
オチド52〜759の範囲である。成熟ポリペプチド内で、配列番号2のアミノ酸18(
Trp)〜アミノ酸残基69(Lys)、配列番号1のヌクレオチド52〜207の間の範囲の
、既知の相同性をもたないN末端領域が見出された。さらに、コラーゲン様ドメ
インが配列番号2のアミノ酸70(Gly)および111(Ala)、配列番号1のヌクレオ
チド208〜333の間に見出された。
【0053】 コラーゲン様ドメインにおいて、1つの完全なGly−Xaa−Proおよび13の不完全
なGly−Xaa−Xaa反復が観測された。Acrp30は22の完全なまたは不完全な反復を
含有する。zsig37は14コラーゲン反復を有し、そしてzsig39は22または23コラー
ゲン反復を有する。このドメインにおいて配列番号2のアミノ酸残基90および108
に見出されるプロリン残基をヒドロキシル化することができる。zacrp5ポリペプ
チドは、また、配列番号2の約アミノ酸112(Cys)〜252(Leu)、配列番号1のヌ
クレオチド334〜759の範囲のカルボキシル末端のC1qドメインを含む。
【0054】 C1qドメイン内にかなりな量の保存された構造が存在して、適切なフォルディ
ングを可能とする。不完全な芳香族モチーフ(F−X(5)−[ND]−X(4)−[F
YWL]−X(6)−F−X(5)−G−X−Y−X−F−X−[FY](配列番号8)が配列番
号2の残基138(Phe)〜168(Leu)の間に見出された。Xはアミノ酸残基を表し、
そして括弧()中の数字は残基のアミノ酸の数を表す。正方形の括弧[]内に含
有されるアミノ酸残基は、その特定の位置におけるアミノ酸残基の選択を制限す
る。このモチーフの最後残基はPheまたはTyrの代わりにLeuである。zacrp5ポリ
ペプチド、ヒトzsig37、ヒトzsig39、ヒトClq CおよびAcrp30はコラーゲンドメ
イン内およびC1qドメインにおいて相同性であるように思われるが、成熟ポリペ
プチドのN末端部分において相同性であるように思われない。
【0055】 本発明の他の面は、zacrp5ポリペプチドフラグメントを包含する。好ましいフ
ラグメントは、配列番号2のアミノ酸1(Met)、18(Trp)または70(Gly)〜ア
ミノ酸111(Ala)の範囲のzacrp5ポリペプチドのコラーゲン様ドメインを含有す
るフラグメント、コラーゲン様ドメインを含有するzacrp5ポリペプチドの部分ま
たは二量化またはオリゴマー化することができるコラーゲン様ドメインの部分を
含む。本明細書において使用するとき、「コラーゲン」または「コラーゲン様ド
メイン」は1系列の反復するトリプレットアミノ酸配列を意味し、「反復」また
は「コラーゲン反復」はモチーフGly−Xaa−ProまたはGly−Xaa−Xaaにより表さ
れ、ここでXaaは任意のアミノ酸残基である。
【0056】 このようなドメインは14程度に多いまたはそれより多いコラーゲン反復を含有
することができる。そのうえ、このようなコラーゲン様ドメインを含有するフラ
グメントまたはタンパク質は、ヘテロマー構築物、通常トリマーを形成すること
ができる。構造分析および他のコラーゲン様ドメインを含有するタンパク質に対
する相同性は、コラーゲン様ドメインを含んでなるzacrp5ポリペプチド、フラグ
メントまたは融合物が他のコラーゲンドメインを含有するポリペプチドと複合化
してホモトリマーおよびヘテロトリマーを形成することができることを示す。
【0057】 これらのコラーゲン様ドメインを含有するフラグメントは、いっそう詳しく後
述するように、コラーゲンのトリマー化またはオリゴマー化の研究においてまた
は融合タンパク質の形成において特に有用である。このようなフラグメントをコ
ードするポリヌクレオチドは、また、本発明に包含され、 (a)配列番号1に示すヌクレオチド1、52または208〜ヌクレオチド333のヌク
レオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; (b)配列番号2のアミノ酸残基70(Gly)〜アミノ酸残基111(Ala)のアミノ
酸配列に対して少なくとも80%のアミノ酸配列の同一性を有するzacrp5ポリペプ
チドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子; (c)上記(a)または(b)に対して相補的な分子;および (d)zacrp5ポリペプチドのコラーゲン様ドメインのフラグメントをコードす
る縮重ヌクレオチド配列;から成るグループを含む。
【0058】 他のコラーゲン様ドメインを含有するポリペプチドは、脂肪細胞補体関係タン
パク質のファミリーのメンバー、例えば、zsig37、zsig39およびAcrp30を包含す
る。本発明のトリマーのタンパク質は、ポリペプチド内の保存されたシステイン
残基の間で形成された分子間ジサルファイド結合により形成される。したがって
、本発明は、分子間ジサルファイド結合により複合化されてホモトリマーを形成
するzacrp6ポリペプチドを提供する。さらに、本発明は、分子間ジサルファイド
結合によりコラーゲン様ドメインを有する他のポリペプチドに対して複合化され
てヘテロトリマーを形成するzacrp5ポリペプチドを提供する。
【0059】 他の好ましいフラグメントは、配列番号2のアミノ酸112(Cys)〜252(Leu)
の範囲のzacrp5ポリペプチドの球状C1qドメイン、Clqドメインを含有するzacrp5
ポリペプチドの部分またはC1qドメインの活性部分を含む。他のC1qドメインを含
有するタンパク質は、zsig37(WO 99/04000)、zsig39(WO 99/10492)、C1
q A、BおよびC(Sellar他、前掲、Reid、前掲、およびReid他、Biochem. J.
203:559−69、1982)、シマリス冬眠関連血漿タンパク質HP−20、HP−25および
HP−27(Takamatsu他、Mol. Cell. Biol. 13:1516−21、1993およびKondoお
よびKondo、J. Biol. Chem. 267:473−8、1992)、ヒトプレセレベリン(Ur
ade他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1069−73、1991)、ヒト内皮細
胞マルチメリン(Hayward他、J. Biol. Chem. 270:18246−51、1995)およ
び脊椎動物コラーゲンVIIIおよびX型(Muragaki他、Eur. J. Biochem. 197:
615−22、1991)を包含する。
【0060】 ACRP30の球状C1qドメインは、TNFファミリーに対する有意な相同性を示す10ベ
ータ鎖「ジェリーロール」トポロジー(ShapiroおよびScherer、Curr. Biol.
8:335−8、1998)を有することが決定され、そして配列番号2により表されるza
crp5配列はこの構造のすべての10のベータ鎖(アミノ酸残基119〜123、141〜143
、149〜152、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、
および240〜244)を含有する。これらの鎖は、それぞれ、「A」、「A'」、「B」
、「B'」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」および「H」と表示した。
【0061】 zacrp5は、アミノ酸残基125〜151および183〜196に、2つのレセプター結合性
ループを有する。アミノ酸残基162(Gly)、164(Tyr)、211(Leu)および241
(Phe)は、CD40、TNFα、TNFβ、ACRP30およびzacrp5を包含するスーパーファ
ミリーを通して保存されるように思われる。
【0062】 これらのフラグメントは、細胞および細胞外基質の相互作用の研究およびモジ
ュレーションにおいて特に有用である。抗菌活性は、また、このようなフラグメ
ントの中に存在することがある。TNFタンパク質に対する相同性は、このような
フラグメントが肥満症に関係するインスリン耐性、免疫調節、炎症応答、アポト
ーシスおよび溶骨細胞の成熟において有用であろう。
【0063】 このようなフラグメントをコードするポリヌクレオチドは、また、本発明に包
含され、 (a)配列番号1に示すヌクレオチド334〜ヌクレオチド252のヌクレオチド配列
を含んでなるポリヌクレオチド分子; (b)配列番号2のアミノ酸残基112(Phe)〜アミノ酸残基252(Leu)のアミノ
酸配列に対して少なくとも80%のアミノ酸配列の同一性を有するzacrp5ポリペプ
チドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子; (c)上記(a)または(b)に対して相補的な分子;および (d)zacrp5ポリペプチドのC1qドメインのフラグメントをコードする縮重ヌク
レオチド配列;から成るグループを含む。
【0064】 本発明の他のzacrp5ポリペプチドフラグメントは、コラーゲン様ドメインおよ
び配列番号2のアミノ酸残基70(Gly)〜252(Leu)の範囲のC1qドメインの両方
を含む。このようなフラグメントをコードするポリヌクレオチドは、また、本発
明に包含され、 (a)配列番号1に示すヌクレオチド208〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列
を含んでなるポリヌクレオチド分子; (b)配列番号2のアミノ酸残基70(Gly)〜アミノ酸残基252(Leu)のアミノ
酸配列に対して少なくとも80%のアミノ酸配列の同一性を有するzacrp5ポリペプ
チドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子; (c)上記(a)または(b)に対して相補的な分子;および (d)zacrp5ポリペプチドのコラーゲン様ドメイン−C1qドメインのフラグメン
トをコードする縮重ヌクレオチド配列;から成るグループを含む。
【0065】 高度に保存されたアミノ酸、特にzacrp5ポリペプチドのカルボキシ末端のC1q
ドメインにおける高度に保存されたアミノ酸は、新しいファミリーメンバーを同
定するツールとして使用することができる。例えば、逆方向転写−ポリメラーゼ
連鎖反応(RT−PCR)を使用して、種々の組織源から得られたRNAからの保存され
たモチーフをコードする配列を増幅することができる。特に、保存された配列か
ら設計された、高度に縮重のプライマーはこの目的に有用である。特に、下記の
プライマーおよびそれらの補体はこの目的に有用である:
【0066】 配列番号2のアミノ酸残基161〜166をコードする縮重プライマー配列 MSN GGN NTN TAY TWY YT(配列番号9) 配列番号2のアミノ酸残基214〜219をコードする縮重プライマー配列 SRN GAN VVN GTN TGG BT(配列番号10) 配列番号2のアミノ酸残基240〜245をコードする縮重プライマー配列 RYN TTY WSN GGN YWY YT(配列番号11) 前述のポリヌクレオチドの相補体に対応するプローブがまた包含される。
【0067】 本発明は、また、本明細書に開示するzacrp5ポリペプチドをコードする、DNA
およびRNA分子を包含する、ポリヌクレオチド分子を提供する。種々の組織から
配列番号1のポリヌクレオチドを単離するために、プローブおよび/またはプラ
イマーを配列番号1および配列番号7のエクソン予測された領域から設計する。za
crp5を発現する組織は、ハイブリダイゼーション(ノザンブロット)または逆転
写酵素(RT)PCRにより同定することができた。次いで、zacrp5の発現を示す組
織から、ライブラリーを発生させる。次いで、本明細書において記載するように
プローブを使用するハイブリダイゼーションおよび/またはプライマーを使用す
るPCRにより、このようなライブラリーから単一クローンを同定する。cDNA配列
のコンフォメーションは、本発明において提供される配列を使用して確認するこ
とができる。
【0068】 当業者は容易に認識するように、遺伝暗号のデジェネラシーにかんがみて、か
なりの配列変動がこれらのポリヌクレオチド分子間で可能である。配列番号12は
、配列番号2のzacrp5ポリペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA
配列である。当業者は認識するように、配列番号11の縮重配列は、また、UをTと
置換することによって配列番号2をコードするすべてのRNA配列を提供する。こう
して、zacrp5ポリペプチドをコードする配列番号12のヌクレオチド1〜ヌクレオ
チド756およびそれらのRNA同等物は本発明に包含される。縮重ヌクレオチド位置
を表すために配列番号12内で使用した1文字コードを表2に記載する。「解」はコ
ード文字により表されるヌクレオチドである。「相補体」は1またはそれ以上の
相補的ヌクレオチドのコードである。例えば、コードYはCまたはTを表し、そし
てその相補体RはAまたはGを表し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対
して相補的である。
【0069】
【表2】
【0070】 所定のアミノ酸についてすべての可能なコドンを包含する、配列番号12におい
て使用する縮重コドンを表3に記載する。
【0071】
【表3】
【0072】 当業者は認識するように、各アミノ酸をコードするすべての可能なコドンを代
表する縮重コドンを決定するとき、多少の不明確さが導入される。例えば、セリ
ンの縮重コドン(WSN)は、ある環境において、アルギニン(AGR)をコードする
ことができ、そしてアルギニンの縮重コドン(MGN)は、ある環境において、セ
リン(AGY)をコードすることができる。同様な関係がフェニルアラニンおよび
ロイシンをコードするコドンの間に存在する。したがって、縮重配列に包含され
る、いくつかのポリヌクレオチドは変異型アミノ酸配列をコードすることができ
るが、当業者は、配列番号2のアミノ酸配列を参照することによって、このよう
な変異型配列を容易に同定することができる。変異型配列は、本明細書において
記載するように、機能性について容易に試験することができる。
【0073】 また、当業者は認識するように、異なる種は「優先的コドンの使用」を示すこ
とができる。一般に、下記の文献を参照のこと:Grantham他、Nucl. Acids Re
s. 8:1893−912、1980;Haas他、Curr. Biol. 6:315−24、1996;Wain−Ho
bson他、Gene 13:355−64、1981;GrosjeanおよびFiers、Gene 18:199−209
、1982;Holm、Nucl. Acids Res. 14:3075−87、1986;Ikemura、J. Mol.
Biol. 158:573−97、1982。本発明において使用するとき、用語「優先的コ
ドンの使用」または「優先的コドン」は、ある種の細胞において最も頻繁に使用
され、こうして各アミノ酸をコードする可能なコドンの1つまたはわずかの代表
的なものに好んで使用される、タンパク質翻訳コドンを言及する、この分野の用
語である(表3参照)。
【0074】 例えば、アミノ酸のスレオニン(Thr)はACA、ACC、ACG、またはACTによりコ
ードされることができるが、哺乳動物細胞において、ACCは最も普通に使用され
るコドンである;他の種、例えば、昆虫細胞、酵母、ウイルスまたは細菌におい
て、異なるThrコドンは優先的であることができる。特定の種の優先的コドンを
、この分野において知られている種々の技術により、本発明のポリヌクレオチド
の中に導入することができる。
【0075】 組換えDNAの中への優先的コドンの導入は、例えば、特定の細胞の型または種
内のタンパク質の翻訳を効率よくすることによって、タンパク質の産生を増強す
ることができる。したがって、配列番号12に開示されている縮重コドンの配列は
、この分野において普通に使用されかつ本明細書において開示する、種々の細胞
の型および種におけるポリヌクレオチドの発現を最適化するための鋳型として働
く。優先的コドンを含有する配列を、本明細書において開示するように、種々の
種における発現について試験し、発現のために最適化し、そして機能性について
試験することができる。
【0076】 本発明は、さらに、他の種からの対応物を表すポリペプチドおよびポリヌクレ
オチド(オーソログ)を提供する。これらの種は下記のものを包含するが、これ
らに限定されない:哺乳動物、トリ、両生類、爬虫類、魚類、昆虫および他の脊
椎動物および無脊椎動物。特に興味あるものは、他の哺乳動物種、例えば、ネズ
ミ、ブタ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ、ウマ、および他の霊長類のポリペプチド
からのzacrp5ポリペプチドである。
【0077】 ヒトzacrp5のオーソログは、本発明により提供される情報および組成物を慣用
のクローニング技術と組み合わせて使用して、クローニングすることができる。
例えば、本明細書において開示するように、zacrp5を発現する組織および細胞型
から得られるmRNAを使用して、cDNAをクローニングすることができる。本明細書
において開示する配列から設計されたプローブでノザンブロットをプロービング
することによって、mRNAの適当な源を同定することができる。次いで、陽性の組
織または細胞系統のmRNAからライブラリーを調製することができる。
【0078】 次いで、種々の方法、例えば、完全なまたは部分的ヒトcDNAで、または開示し
た配列をベースとする1またはそれ以上の組の縮重プローブでプロービングする
ことによって、zacrp5をコードするcDNAを単離することができる。また、本明細
書に開示する代表的ヒトzacrp5配列から設計したプライマーを使用するポリメラ
ーゼ連鎖反応により、cDNAをクローニングすることができる。追加の方法におい
て、cDNAライブラリーを使用して宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトす
ることができ、そしてzacrp5ポリペプチドに対する抗体で問題のcDNAの発現を検
出することができる。また、ゲノムのクローンの単離に同様な技術を適用するこ
とができる。
【0079】 当業者は認識するように、配列番号1に開示する配列はヒトzacrp5の単一のア
レレを表し、そしてアレレ変異型およびオールタネイトスプライシングが起こる
ことが期待される。この配列のアレレ変異型は、標準的手順に従い、異なる個体
からのcDNAまたはゲノムのライブラリーをプロービングすることによって、クロ
ーニングすることができる。配列番号1に示すヌクレオチド配列のアレレ変異型
は、サイレント突然変異体含有するものおよび突然変異がアミノ酸配列を変化さ
せるものを包含し、配列番号2のアレレ変異型であるタンパク質と同様に、本発
明の範囲内に入る。
【0080】 交互にスプライスされたmRNAから発生するcDNA分子は、zacrp5ポリペプチドの
性質を保持し、このようなcDNAおよびmRNAによりコードされるポリペプチドと同
様に、本発明の範囲内に入る。これらの配列のアレレ変異型およびスプライス変
異型は、この分野において知られている標準的手順に従い、異なる個体または組
織からのcDNAまたはゲノムのライブラリーをプロービングすることによって、ク
ローニングすることができる。
【0081】 本発明の好ましい態様において、単離された核酸分子は、ストリンジェント条
件下に、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子または配列番号1に対し
て相補的なヌクレオチド配列を有する核酸分子に対してハイブリダイゼーション
するであろう。一般に、ストリンジェント条件は、規定されたイオン強度および
pHにおいて、特定の配列の熱的融点(Tm)よりも約5℃低いように選択される。T
mはターゲット配列の50%が完全に合致するプローブにハイブリダイゼーション
する温度(規定されたイオン強度およびpHにおいて)である。
【0082】 1対の核酸分子、例えば、DNA−DNA、RNA−RNAおよびDNA−RNAは、ヌクレオチ
ド配列がある程度の相補性を有する場合、ハイブリダイゼーションすることがで
きる。ハイブリッドは二重らせん中のミスマッチ塩基対を許容できるが、ハイブ
リッドの安定性はミスマッチの程度により影響される。ミスマッチのハイブリッ
ドのTmは1〜1. 5%の塩基対ミスマッチ毎に1℃だけ低下する。ハイブリダイゼー
ション条件のストリンジェンシイを変化させると、ハイブリッドの中に存在する
ミスマッチの程度をコントロールすることができる。ハイブリダイゼーション温
度が増加しかつハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が減少するにつれて
、ストリンジェンシイの程度は増加する。
【0083】 ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、ハイブリッドのTmよりも約
5〜25℃低い温度および1MまでのNa+を有するハイブリダイゼーション緩衝液を包
含する。より低い温度におけるより高い程度のストリンジェンシイはホルムアミ
ドの添加により達成することができる。ホルムアミドは、緩衝液中の1%のホル
ムアミドにつきハイブリッドのTmを約1℃だけ低下させる。一般に、このような
ストリンジェント条件は20〜70℃の温度および6×までのSSCおよび0〜50%のホ
ルムアミドを含有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。より高い程度
のストリンジェンシイは、40〜70℃の温度において、4×までのSSCおよび0〜50
%のホルムアミドを含有するハイブリダイゼーション緩衝液を使用して達成可能
である。
【0084】 高度にストリンジェントの条件は、典型的には、42〜70℃の温度、および1×
までのSSCおよび0〜50%のホルムアミドを含有するハイブリダイゼーション緩衝
液を包含する。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の間に異なる程度のストリン
ジェンシイを使用して、配列に対する最大の特異的結合を達成することができる
。典型的には、増加する程度のストリンジェンシイにおいてハイブリダイゼーシ
ョン後の洗浄を実施して、ハイブリダイゼーションした複合体からハイブリダイ
ゼーションしなかったポリヌクレオチドプローブを除去することができる。
【0085】 上記条件は指針として働くこと意味し、そして当業者は特定のポリペプチドの
ハイブリッドとともに使用するためにこれらの条件を適合させることができる。
特定のターゲット配列のTmは、ターゲット配列の50%が完全に合致したプローブ
配列にハイブリダイゼーションする温度(規定された条件下に)である。Tmに影
響を及ぼす条件は、ポリヌクレオチドプローブのサイズおよび塩基対含量、ハイ
ブリダイゼーション溶液のイオン強度、およびハイブリダイゼーション溶液中の
脱安定化因子の存在を包含する。
【0086】 Tmを計算する多数の方程式はこの分野において知られており、そして変化する
長さのDNA、RNAおよびDNA−RNAハイブリッドおよびポリヌクレオチドプローブ配
列について特異的である(例えば、下記の文献を参照のこと:Molecular Cloni
ng:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Press 1989);A
usubel他(編者)、Current Protocols in Molecular Biology(John Wile
y & Sons,Inc. 1987);BergerおよびKimmel(編者)、Guide to Molecula
r Cloning Techniques(Academic Press,Inc. 1987);およびWetmur、Cri
t. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227(1990))。
【0087】 配列解析ソフトウェア、例えば、OLIGO 6.0(LSR;ミネソタ州ロングレイク
)およびPrimer Premier 4.0(Premier Biosoft International;カリフォ
ルニア州パロアルト)、ならびにインターネット上のサイトは、所定の配列を解
析しかつユーザー規定基準に基づいてTmを計算するための入手可能な道具である
。また、このようなプログラムにより、規定された条件下に所定の配列を解析し
、適当なプローブ配列を同定することができる。典型的には、>50塩基対の、よ
り長いポリヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを計算したTmよりも約20
〜25℃だけ低い温度において実施する。<50塩基対の、より小さいプローブにつ
いて、ハイブリダイゼーションは典型的にはTmまたは5〜10℃だけ低い温度にお
いて実施される。これにより、DNA−DNAおよびDNA−RNAハイブリッドについてハ
イブリダイゼーション速度を最大にすることができる。
【0088】 ポリヌクレオチド配列の長さは、ハイブリッド形成の速度および安定性に影響
を及ぼす。<50塩基対の、より小さいプローブ配列は、相補的配列との平衡化に
急速に到達するが、低い安定性のハイブリッドを形成することがある。数分から
数時間のいずれかのインキュベート時間を使用して、ハイブリッドを形成するこ
とができる。より長いプローブ配列はいっそうゆっくり平衡化するようになるが
、より低い温度においてさえいっそう安定な複合体を形成する。インキュベーシ
ョンは一夜またはそれより長い時間進行させることができる。一般に、インキュ
ベーションは計算したCot時間の3倍に等しい期間の間実施される。Cot時間は、
ポリヌクレオチド配列が再アソシエーションするために要する時間であり、この
分野において知られている方法により特定の配列について計算することができる
【0089】 ポリヌクレオチド配列の塩基対組成はハイブリッド複合体の熱安定性に影響を
与え、これによりハイブリダイゼーション温度およびハイブリダイゼーション緩
衝液のイオン強度に影響を及ぼすであろう。A−T対は塩化ナトリウムを含有する
水溶液中でG−C対よりも安定性が低い。したがって、G−C含量が高くなるほど、
ハイブリッドはより安定になる。配列内のGおよびC残基の均一な分布もまたハイ
ブリッドの安定性に積極的に寄与する。さらに、塩基対組成を操作して所定の配
列のTmを変更することができる。例えば、5−メチルデオキシシチジンをデオキ
シシチジンと置換し、5−ブロモデオキシウリジンをチミジンと置換してTmを増
加することができ、これに対して7−デアズ−2'−デオキシグアノシンをグアノ
シンと置換してTmに対する依存性を減少することができる。
【0090】 ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン濃度は、また、ハイブリッドの安定性
に影響を与える。ハイブリダイゼーション緩衝液は、一般に、ブロッキング剤、
例えば、デンハルト溶液(Sigma Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)、
変性サケ精子DNA、tRNA、ミルク粉末(BLOTTO)、ヘパリンまたはSDS、およびNa + 源、例えば、SSC(1×SSC:0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸ナトリウ
ム)またはSSPE(1×SSPE:1. 8MのNaCl、10mMのNaH2PO4、1mMのEDTA、pH7. 7)
を含有する。
【0091】 緩衝液のイオン濃度を減少させることによって、ハイブリッドの安定性を増加
させる。典型的には、ハイブリダイゼーション緩衝液は10mM〜1MのNa+を含有す
る。脱安定化剤または変性剤、例えば、ホルムアミド、テトラアルキルアンモニ
ウム塩、グアニジニウムカチオンまたはチオシアネートカチオンをハイブリダイ
ゼーション溶液に添加して、ハイブリッドのTmを変更させる。典型的には、ホル
ムアミドを50%までの濃度において使用して、より好都合な、より低い温度にお
いてインキュベーションを実施することができる。また、RNAプローブ使用する
とき、ホルムアミドは非特異的バックグラウンドを減少する作用をする。
【0092】 例示として、42℃において50%のホルムアミド、5×SSC(1×SSC:0.15Mの塩
化ナトリウムおよび15mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH
7. 6)、5×デンハルト溶液(100×デンハルト溶液:2%(w/v)のフィコール40
0、2%(w/v)のポリビニルピロリドン、および2%(w/v)のウシ血清アルブミ
ン)、10%のデキストラン硫酸、および20μg/mlの変性、剪断サケ精子DNAを含
んでなる溶液中で、変異型zacrp5ポリペプチドをコードする核酸分子を、配列番
号1のヌクレオチド配列(またはその補体)を有する核酸分子と一夜ハイブリダ
イゼーションさせることができる。
【0093】 当業者はこれらのハイブリダイゼーション条件の変更を案出することができる
。例えば、より高いまたはより低い温度、例えば、約65℃において、ホルムアミ
ドを含有しない溶液中で、ハイブリダイゼーション混合物をインキュベートする
ことができる。そのうえ、プレミックスハイブリダイゼーション溶液は入手可能
であり(例えば、EXPRESSHYBハイブリダイゼーション溶液、CLONTECH Laborato
ries,Inc.)そしてハイブリダイゼーションを製造業者の使用説明書に従い実施
することができる。
【0094】 ハイブリダイゼーション後、核酸分子をストリンジェント条件下に、または高
度にストリンジェントな条件下に洗浄して非ハイブリダイゼーション核酸分子を
除去する。典型的なストリンジェント洗浄条件は、0.5×〜2×SSCおよび0.1%の
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の溶液中の55〜65℃における洗浄を包含する。
すなわち、変異型zacrp5ポリペプチドをコードする核酸分子は配列番号1のヌク
レオチド配列(またはその補体)を有する核酸分子とストリンジェント洗浄条件
下にハイブリダイゼーションし、ここで洗浄ストリンジェントは55〜65℃におけ
る0.5×〜2×SSCおよび0.1%のSDSに等しく、55℃における0.5×SSCおよび0.1%
のSDS、または65℃における2×SSCおよび0.1%のSDSを包含する。当業者は、例
えば、洗浄溶液中のSSCをSSPEと置換することによって、同等条件を容易に案出
することができる。
【0095】 典型的な高度にストリンジェントな洗浄条件は、50〜65℃における0.1×〜0.2
×SSCおよび0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の溶液中の洗浄を包含する
。換言すると、変異型zacrp5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは配列
番号1のヌクレオチド配列(またはその補体)を有する核酸分子と高度にストリ
ンジェントな洗浄条件下にハイブリダイゼーションし、ここで洗浄ストリンジェ
ントは55〜65℃における0.1×〜0.2×SSCおよび0.1%のSDSに等しく、50℃にお
ける0.1×SSCおよび0.1%のSDS、または65℃における0.2×SSCおよび0.1%のSDS
を包含する。
【0096】 本発明は、また、配列番号2の単離されたzacrp5ポリペプチドおよびそれらの
オーソログに対して実質的に類似する、単離されたzacrp5ポリペプチドを提供す
る。用語「実質的に類似する配列の同一性」は、本明細書において、配列番号2
に示す配列またはそれらのオーソログに対して少なくとも70%、少なくとも80%
、少なくとも90%、少なくとも95%のまたは95%より大きい配列の同一性を有す
るポリペプチドを表すために使用される。本発明は、また、配列番号2のアミノ
酸残基70〜252の配列に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90
%、少なくとも95%のまたは95%より大きい配列の同一性を有するアミノ酸配列
を含んでなるポリペプチドを包含する。本発明は、さらに、このようなポリペプ
チドをコードする核酸分子を包含する。同一性百分率を決定する方法を後述する
【0097】 本発明は、また、下記の2つの基準を使用して同定できる、zacrp5の種々の核
酸分子を包含する:前述したような、配列番号2のアミノ酸配列をもつコードさ
れたポリペプチドの間の類似性の決定、およびハイブリダイゼーションアッセイ
。このようなzacrp5変異型は下記の核酸分子を包含する: (1)スリンジェント洗浄条件下に配列番号1のヌクレオチド配列(またはその
相補体)を有する核酸分子とハイブリダイゼーションする核酸分子、ここで洗浄
ストリンジェンシイは55〜65℃における0.5×〜2×SSC、0.1%のSDSに等しい、
および (2)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少
なくとも90%、少なくとも95%のまたは95%より大きい配列の同一性を有するポ
リペプチドをコードする核酸分子。
【0098】 あるいは、zacrp5変異型は、 (1)高度にストリンジェントの洗浄条件下に配列番号1のヌクレオチド配列(
またはその補体)を有する核酸分子とハイブリダイゼーションする核酸分子、こ
こで洗浄ストリンジェンシイは50〜65℃における0.1×〜0.2×SSC、0.1%のSDS
に等しい、および (2)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少
なくとも90%、少なくとも95%のまたは95%より大きい配列の同一性を有するポ
リペプチドをコードする核酸分子、として特徴づけることができる。
【0099】 配列の同一性の百分率は慣用法により決定される。例えば、下記の文献を参照
のこと:Altschul他、Bull. Math. Bio. 48:603、1986およびHenikoffおよ
びHenikoff、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915、1992。簡単に述べ
ると、表4(アミノ酸は標準的1文字コードにより示されている)に示すように10
のギャップオープニングペナルティー、1のギャップエクステンションペナルテ
ィー、およびHenikoffおよびHenikoff(前掲)の「ブロサム(BLOSUM)62」スコ
アリングマトリックスを使用して、2つのアミノ酸配列を整列させて整列スコア
を最適化する。次いで同一性百分率を次のように計算する:
【0100】
【数1】
【0101】
【表4】
【0102】 当業者は認識するように、2つのアミノ酸配列を整列するために有効な多数の
アルゴリズムが存在する。PearsonおよびLipmanの「FASTA」類似性の検索アルゴ
リズムは、本明細書に開示するアミノ酸配列および推定上の変異型zacrp5のアミ
ノ酸配列が共有する同一性のレベルを検査する、適当なタンパク質整列法である
。FASTAアルゴリズムは下記の文献に記載されている:PearsonおよびLipman、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444、1988、およびPearson、Meth. Enzy
mol. 183:63、1990。
【0103】 簡単に述べると、まず、保存的アミノ酸の置換、挿入、または欠失を考慮しな
いで、問題の配列(例えば、配列番号2)、および同一性の最高密度(ktup変数
が1である場合)または同一性の対(ktup=2である場合)を有する試験配列が共
有する領域を同定することによって、FASTAは配列の類似性を特性決定する。次
いで、アミノ酸置換マトリックスを使用してすべての対合アミノ酸の類似性を比
較することによって、同一性の最高密度をもつ10領域を再スコアリングし、そし
て最高スコアに寄与する残基のみを含むように、領域の末端を「トリミング」す
る。
【0104】 「カットオフ」値(配列の長さおよびktup値に基づいて前もって決定した式に
より計算される)より大きいスコアをもつ、いくつかの領域が存在する場合、ト
リミングした最初の領域を検査して、領域を結合してギャップをもつ近似整列を
形成できるかどうかを決定する。最後に、アミノ酸配列の挿入または欠失を可能
とする、Needleman−Wunsch−Sellersアルゴリズムの変法(NeedlemanおよびWun
sch、J. Mol. Biol. 48:444、1970;Sellers、SIAM J. Appl. Math. 26
:787、1974)を使用して、2つのアミノ酸配列の最高のスコアリング領域を整列
させる。
【0105】 FASTA分析のためのパラメーターの例は次の通りである:ktup=1,ギャップオ
ープニングペナルティー=10、ギャップエクステンションペナルティー=1、お
よび置換マトリックス=BLOSUM62。Pearson、Meth. Enzymol. 183:63、1990
の付録2に説明されているように、スコアリングマトリックスファイル(「SMATR
IX」)を変更することによって、これらのパラメーターをFASTAプログラムの中
に導入することができる。
【0106】 また、上に開示した比を使用して核酸分子の配列の同一性を決定するために、
FASTAを使用することができる。ヌクレオチド配列を比較するために、ktup値は1
〜6、好ましくは4〜6の範囲であることができる。
【0107】 本発明は、配列番号2のアミノ酸配列と比較して、1またはそれ以上の「保存的
アミノ酸置換」を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。保存的
アミノ酸置換はアミノ酸の化学的特性に基づくことができる。すなわち、配列番
号2の1またはそれ以上のアミノ酸置換を含有する変異型を得ることができ、ここ
でアルキルアミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中のアルキルアミノ酸と置換されてお
り、芳香族アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中の芳香族アミノ酸と置換されており
、硫黄含有アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中の硫黄含有アミノ酸と置換されてお
り、ヒドロキシ含有アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中のヒドロキシ含有アミノ酸
と置換されており、酸性アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中の酸性アミノ酸と置換
されており、塩基性アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中の塩基性アミノ酸と置換さ
れているか、あるいは二塩基性モノカルボン酸アミノ酸はzacrp5アミノ酸配列中
の二塩基性モノカルボン酸アミノ酸と置換されている。
【0108】 例えば、普通のアミノ酸の間で、「保存的アミノ酸置換」は、下記の基の各々
内のアミノ酸間の置換により例示される:(1)グリシン、アラニン、バリン、
ロイシン、およびイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン、およびト
リプトファン、(3)セリンおよびトレオニン、(4)アスパラギン酸塩およびグ
ルタミン酸塩、(5)グルタミンおよびアスパラギン、および(6)リシン、アル
ギニンおよびヒスチジン。
【0109】 BLOSUM62表は、関係するタンパク質の500より多いグループの高度に保存され
た領域を表す、タンパク質配列のセグメントの約2,000の局所的多重整列から誘
導されたアミノ酸置換マトリックスである(HenikoffおよびHenikoff、Proc. N
atl'l. Acad. Sci. USA、89:10915、1992)。したがって、本発明のアミノ
酸配列の中に導入することができる保存的アミノ酸置換を定めるために、BLOSUM
62置換頻度を使用することができる。
【0110】 化学的特性にのみ基づくアミノ酸置換を設計することができる(前述したよう
に)が、「保存的アミノ酸置換」という言葉は好ましくは−1より大きいBLOSUM6
2値により表される置換を意味する。例えば、置換が0、1、2、または3により特
徴づけられる場合、アミノ酸置換は保存的である。このシステムに従うと、好ま
しい保存的アミノ酸置換は少なくとも1(例えば、1、2または3)のBLOSUM62値に
より特徴づけられるが、より好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも2(例え
ば、2または3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
【0111】 配列番号1に記載するヌクレオチドをヌクレオチドで置換することによって、z
acrp5遺伝子における保存的アミノ酸変化を導入することができる。このような
「保存的アミノ酸」の変異型は、例えば、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘
発、リンカー−走査突然変異誘発、ポリメラーゼ連鎖反応を使用する突然変異誘
発、およびその他により得ることができる(下記の文献を参照のこと:Ausubel
(1995)pp. 8−10〜8−22;およびMcPherson(編者)、Directed Mutagenesi
s:A Practical Approach(IRL Press 1991))。細胞および細胞外相互作
用のモジュレートするこのような変異型の能力ならびに野生型タンパク質の他の
性質は、標準的方法、例えば、本明細書に記載するアッセイを使用して決定する
ことができる。あるいは、抗zacrp5抗体に特異的に結合する能力により、変異型
zacrp5ポリペプチドを同定することができる。
【0112】 本発明のタンパク質は、また、天然に存在しないアミノ酸残基を含むことがで
きる。天然に存在しないアミノ酸は、限定されずに、下記のものを包含する:ト
ランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、シス−4−ヒドロキシプロ
リン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニ
ン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシ
ステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカ
ルボン酸、デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプ
ロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェ
ニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、および4−フルオロフェニルアラニン
【0113】 天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質の中に組込む、いくつかの方法は
この分野において知られている。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレ
ッサーtRNAを使用してナンセンス突然変異を抑制する、in vitro系を使用する
ことができる。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法はこの分野に
おいて知られている。典型的には、大腸菌(E. coli)S30抽出物および商業的
に入手可能な酵素および他の試薬を含んでなる、無細胞系において、ナンセンス
突然変異を含有するプラスミドの転写および翻訳は実施される。タンパク質をク
ロマトグラフィーにより精製する。例えば、下記の文献を参照のこと:Robertso
n他、J. Am. Chem. Soc. 113:2722、1991;Ellman他、Methods Enzymol.
202:301、1991;Chung他、Science 259:806−809、1993;およびChung他、
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145−9、1993。
【0114】 第2の方法において、突然変異されたmRNAおよび化学的にアミノアシル化され
たサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションにより、キセノプス・オオサイ
ト(Xenopus oocytes)中で翻訳を実施する(Turcatti他、J. Biol. Chem.
271:19991、1996)。第3の方法において、置換すべき天然のアミノ酸(例えば
、フェニルアラニン)の非存在においてかつ所望の天然に存在しない1またはそ
れ以上のアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニ
ン、4−アザフェニルアラニンまたは4−フルオロフェニルアラニン)の存在下に
、大腸菌(E. coli)細胞を培養する。
【0115】 天然に存在しないアミノ酸をその天然の対応物の代わりにタンパク質の中に組
込む。Koide他、Biochem. 33:7470、1994、参照。in vitro化学的修飾により
、天然に存在するアミノ酸残基を天然に存在しない種に変換することができる。
化学的修飾を部位特異的突然変異誘発と組合わせて、置換の範囲をさらに拡張す
ることができる(WynnおよびRichards、Protein Sci. 2:395、1993)。 制限された数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によりコードされないアミノ酸、
天然に存在しないアミノ酸、および非天然のアミノ酸をzacrp5アミノ酸残基と置
換することができる。
【0116】 既知の突然変異誘発およびスクリーニングの方法、例えば、下記の文献に記載
されている方法を使用して、多重アミノ酸置換を行い、試験することができる:
Reidhaar−OlsonおよびSauer、Science 241:53、1988またはBowieおよびSauer
、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 86:2152、1989。簡単に述べると、これら
の著者らはポリペプチド中の2またはそれ以上の位置を同時にランダム化し、機
能的ポリペプチドについて選択し、次いで突然変異化ポリペプチドを配列決定し
て、各位置における許容可能な置換のスペクトルを決定する方法を開示している
。使用できる他の方法は下記の方法を包含する:ファージディスプレイ(例えば
、Lowman他、Biochem. 30:10832、1991;Ladner他、米国特許第5,223,409号;
Huse、国際公開WO 92/06204)および領域特異的突然変異誘発(Derbyshire他
、Gene 46:145、1986;Ner他、DNA 7:127、1988)。
【0117】 また、開示したzacrp5ヌクレオチドおよびポリペプチド配列の変異型を、下記
の文献に開示されているように、DNAシャフリングにより発生させることができ
る:Stemmer、Nature 370:389、1994、Stemmer、Proc. Nat. Acad. Sci.
USA 91:10747、1994および国際開WO 90/20078。簡単に述べると、親DNAをラ
ンダムフラグメント化し、次いでPCRによりリアセンブリーして、ランダムに導
入された点突然変異を生じさせることによって、in vitro相同的組換えにより
変異型DNA分子を発生させる。
【0118】 親DNA分子のファミリー、例えば、アレレ変異型または異なる種からのDNA分子
を使用して、追加の可変性をプロセスの中に導入することによって、この技術を
修飾することができる。所望の活性について選択またはスクリーニングし、次い
で突然変異誘発およびアッセイをさらに反復して、所望の突然変異を選択すると
同時に有害な変化に対して選択することによって、配列を急速に「進化」させる
【0119】 本明細書に開示する突然変異誘発法を大きい処理量の自動化スクリーニング法
と組合わせて、宿主細胞においてクローニングされ、突然変異化されたポリペプ
チドの活性を検出することができる。生物学的に活性なポリペプチド、または抗
zacrp5抗体に結合するポリペプチドをコードする突然変異化DNA分子を宿主細胞
から回収し、現代的装置を使用して急速に配列決定することができる。これらの
方法は、問題のポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定
を可能とし、未知構造のポリペプチドに適用することができる。
【0120】 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、この分野において知られてい
る手順、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従
い同定することができる(CunninghamおよびWells、Science 244:1081、1989
;Bass他、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 88:4498、1991;CoombsおよびCor
ey、″Site−Directed Mutagenesis and Protein Engineering″、Proteins
:Analysis and Design、Angeletti(編者)、pp. 259−311(Academic Pre
ss,Inc. 1998)。
【0121】 後者の技術において、単一のアラニンの突然変異を分子中のすべての残基にお
いて導入し、そして、後述するように、生ずる突然変異体分子を生物学的活性に
ついて試験して、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定する。ま
た、Hilton他、J. Biol. Chem. 271:4699、1996参照。必須アミノ酸の同定
は、また、関係するポリペプチドとの相同性から推定することができる。
【0122】 zacrp5レセプター結合性ドメインの位置は、核磁気共鳴、結晶学、電子回折ま
たはフォトアフィニティー標識化のような技術により、推定上の接触部位のアミ
ノ酸の突然変異と組み合わせて、決定して、構造の物理的解析により同定するこ
とができる。例えば、下記の文献を参照のこと:de Vos他、Science 255:306
、1992、Smith他、J. Mol. Biol. 224:899、1992、およびWlodaver他、FEBS
Lett. 309:59、1992。そのうえ、ビオチンまたはFITCで標識化されたzacrp5
はzacrp5レセプターの発現クローニングのための使用することができる。
【0123】 本発明は、また、本明細書に記載するzacrp5ポリペプチドのエピトープを支持
する部分を含んでなるポリペプチドフラグメントまたはペプチドを提供する。こ
のようなフラグメントまたはペプチドは「免疫原性エピトープ」を含むことがで
きる。免疫原性エピトープは、全体のタンパク質を免疫原として使用するとき、
抗体の応答を誘発するタンパク質の部分である。免疫原性エピトープを支持する
ペプチドは標準的方法により同定することができる(例えば、Geysen他、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 81:3998、1983、参照)。
【0124】 対照的に、ポリペプチドのフラグメントまたはペプチドは、抗体が特異的に結
合するタンパク質分子の領域である、「抗原エピトープ」を含むことができる。
ある種のエピトープはアミノ酸の線状または隣接ストレッチから成り、そしてこ
のようなエピトープの抗原性は変性因子により崩壊されない。タンパク質のエピ
トープを模擬できる、比較的短い合成ペプチドを使用して、タンパク質に対する
抗体の産生を刺激することができることはこの分野において知られている(例え
ば、Sutcliffe他、Science 219:660、1983参照)。したがって、本発明の抗原
性エピトープを支持するペプチドおよびポリペプチドは、本明細書に記載するポ
リペプチドに結合する抗体を発生させるために有用である。
【0125】 エピトープを支持するペプチドおよびポリペプチドは、配列番号2の少なくと
も4〜10アミノ酸、少なくとも10〜15アミノ酸、または約15〜約30アミノ酸を含
有することが好ましい。このようなエピトープを支持するペプチドおよびポリペ
プチドは、本明細書に記載するように、zacrp5ポリペプチドをフラグメント化す
るか、あるいは化学的ペプチド合成により製造することができる。そのうえ、エ
ピトープはランダムペプチドライブラリーのファージディスプレイにより選択で
きる(例えば、下記の文献を参照のこと:LaneおよびStephen、Curr. Opin. I
mmunol. 5:268、1993、およびCortese他、Curr. Opin. Biotechnol. 7:61
6、1996)。
【0126】 エピトープを同定し、そしてエピトープを含んでなる小さいペプチドから抗体
を産生する標準的方法は、例えば、下記の文献に記載されている:Mole、"Epito
pe Mapping"、 Methods in Molecular Biology、Vol. 10、Manson(編)
、pp. 105−16(The Humana Press,Inc. 1992)、Price、"Production and
Characterization of Synthetic Peptide−Derived Antibodies"、Monocl
onal Antibodies:Production,Engineering,and Clinical Application、R
itterおよびLadyman(編者)、pp. 60−84(Cambridge University Press 19
95)、およびColigan他(編者)、Current Protocols in Imunology、pp. 9.
3. 1−9. 3. 5およびpp. 9. 4. 1−9. 4. 11(John Wiley & Sons 1997)
【0127】 変異型zacrp5遺伝子の特定のヌクレオチド配列を無視して、この遺伝子は細胞
または細胞外の相互作用、または野生型タンパク質の他の活性をモジュレートす
るその能力により特徴づけられるポリペプチドをコードする。さらに詳しくは、
変異型zacrp5遺伝子は、本明細書に記載するヒトzacrp5遺伝子によりコードされ
るポリペプチドの活性の少なくとも50%の、好ましくは70、80、または90%より
大きい活性を示すポリペプチドをコードする。
【0128】 変異型および融合タンパク質を包含する、任意のzacrp5ポリペプチドについて
、当業者は上記表2および3に記載される情報を使用して、その変異型をコードす
る、完全に縮重のポリヌクレオチド配列を容易に発生させることができる。その
うえ、当業者は標準的ソフトウェアを使用して、本明細書に記載するヌクレオチ
ドおよびアミノ酸配列をベースとするzacrp5変異型を案出することができる。し
たがって、本発明は、下記の配列の少なくとも1つを提供するデータ構造でコー
ドされたコンピューターで読取り可能な媒体を包含する:配列番号1、配列番号2
または配列番号11。
【0129】 コンピューターで読取り可能な媒体の適当な形態は、磁気媒体および光学的に
読取り可能な媒体を包含する。磁気媒体の例は、ハードまたは固定ドライブ、ラ
ンダムアクセスメモリー(RAM)チップ、フロッピーディスク、ディジタル線状
テープ(DLT)、ディスクカシェ、およびZIPディスクを包含する。光学的に読取
り可能な媒体は、コンパクトディスク(例えば、CD−読出し専用メモリー(ROM
)、CD−再書込み可能な(RW)、およびCD−再記録可能な)、およびディジタル
多角的/ビデオディスク(DVD)(例えば、DVD−ROM、DVD−RAM、およびDVD+RW
)により例示される。
【0130】 さらに、本発明は、種々のポリペプチド融合物および1またはそれ以上のポリ
ペプチド融合物を含んでなる関係するマルチマータンパク質を提供する。例えば
、zacrp5ポリペプチドは、米国特許第5,155,027号および米国特許第5,567,584号
に開示されているように、二量化タンパク質に対する融合物として調製すること
ができる。これに関して好ましい二量化タンパク質は、免疫グロブリン構築物の
定常領域を包含する。免疫グロブリン−zacrp5ポリペプチドの融合物を遺伝子操
作された細胞において発現させて、種々のマルチマーのzacrp5アナローグを産生
することができる。補助的ドメインをzacrp5ポリペプチドに融合させて、それら
を特異的細胞、組織、または高分子(例えば、コラーゲン)に対してターゲッテ
ィングすることができる。
【0131】 例えば、ターゲット細胞の使用上のレセプターに特異的に結合するリガンドに
対してzacrp5ポリペプチドを融合することによって、zacrp5ポリペプチドまたは
タンパク質を前もって決定した細胞型ニターゲッティングすることができる。こ
のようにして、ポリペプチドおよびタンパク質を治療または診断の目的でターゲ
ッティングすることができる。zacrp5ポリペプチドを1またはそれ以上の成分、
例えば、精製のための親和標識およびターゲッティングドメインに対して融合す
ることができる。ポリペプチドの融合物は、また、特にドメイン間に、1または
それ以上の切断部位を含むことができる。Tuan他、Connective Tissue Resear
ch 34:1−9、1996参照。
【0132】 本発明の融合タンパク質は下記の成分からなる: (1)(a)配列番号2に示され、アミノ酸残基1(Met)、18(Trp)または70(
Gly)〜アミノ酸残基252(Leu)のアミノ酸残基の配列を含んでなるポリペプチ
ド分子; (b)配列番号2のアミノ酸70(Gly)〜アミノ酸111(Pro)の範囲のポリペプ
チド分子、コラーゲン様ドメインを含有するzacrp5ポリペプチドの部分、または
二量体化またはオリゴマー化することができるコラーゲン様ドメインの部分; (c)配列番号2のアミノ酸112(Cys)〜アミノ酸252(Leu)の範囲のポリペプ
チド分子、C1qドメインを含有するzacrp5ポリペプチドの部分またはC1qドメイン
の活性部分;または (d)アミノ酸70(Gly)〜252(Leu)の範囲のポリペプチド分子、コラーゲン
様ドメインおよびC1qドメインを含むzacrp5ポリペプチドの部分から成る群より
選択されるポリペプチド;および (2)他のポリペプチド。
【0133】 他のポリペプチドはオールタネイティブまたは追加のC1qドメイン、オールタ
ネイティブまたは追加のコラーゲン様ドメイン、融合タンパク質の分泌を促進す
るシグナルペプチドまたはその他であることができる。このようなドメインは他
の脂肪細胞補体関係タンパク質ファミリーのメンバー、本明細書において開示す
るようなコラーゲンおよび/またはClqドメインを有する他のタンパク質から得
ることができる。補体の球状ドメインはIgGに結合し、こうして、zacrp5ポリペ
プチド、フラグメントまたは融合物の球状ドメインは同様な役割を有することが
できる。
【0134】 アミノ酸1(Met)〜アミノ酸252(Leu)の範囲のzacrp5ポリペプチド;アミノ
酸18(Trp)〜アミノ酸252(Leu)の範囲の成熟zacrp5ポリペプチド;またはア
ミノ酸1(Met)〜アミノ酸17(Ala)の範囲の、それらの分泌リーダーフラグメ
ントを、細胞のタンパク質の分泌の研究において使用することができる。本発明
のこの面の好ましい態様において、成熟ポリペプチドを推定上の分泌シグナル配
列として形成する;融合タンパク質の発現を指令することができる調節領域を支
持するプラスミドを被験細胞の中に導入する;そして成熟タンパク質の分泌をモ
ニターする。モニターはこの分野において知られている技術、例えば、HPLCおよ
びその他により実施することができる。
【0135】 全長のタンパク質、それらのフラグメントおよび融合ポリペプチドを包含する
、本発明のポリペプチドを、慣用技術に従い、遺伝子操作された宿主細胞におい
て製造することができる。適当な宿主細胞は、外因的DNAで形質転換またはトラ
ンスフェクトし、培養において増殖させることができる細胞の型であり、そして
細菌、真菌細胞、および培養された高等真核細胞を包含する。真核細胞、特に多
細胞微生物の培養された細胞は好ましい。クローニングされたDNA分子を操作し
、外因的DNAを種々の宿主細胞の中に導入する技術は下記の文献に記載されてい
る:Sambrook他、前掲、およびAusubel他、前掲。
【0136】 一般に、zacrp5ポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベクター内に一般
に転写プロモーターおよびターミネーターを含む、その発現に必要な他の遺伝因
子に作用可能に連鎖される。このベクターは、また、1またはそれ以上の選択可
能なマーカーおよび1またはそれ以上の複製起点を普通に含有するが、当業者は
認識するように、ある種の系内で選択可能なマーカーを別々のベクター上に提供
し、そして宿主細胞のゲノムの中への組込みにより外因的DNAの複製を得ること
ができる。プロモーター、ターミネーター、選択可能なマーカー、ベクターおよ
び他の因子の選択は、当業者のレベル内の日常的設計事項である。多数のこのよ
うな因子は文献に記載されており、そして商業的供給会社から入手可能である。
【0137】 zacrp5ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるために、分泌シグナル
配列(また、リーダー配列、シグナル配列、プレプロ配列または前配列として知
られている)を発現ベクターの中に準備する。分泌シグナル配列はzacrp5ポリペ
プチドのそれであることができるか、あるいは他の分泌されたタンパク質(例え
ば、t−PA)から誘導するか、あるいは新規に合成することができる。
【0138】 分泌シグナル配列をzacrp5ポリペプチドDNA配列に正しいリーディングフレー
ムで結合させる。分泌シグナル配列は普通に問題のポリペプチドをコードするDN
A配列に対して5'に配置されるが、ある種の分泌シグナル配列は問題のDNA配列の
中のどこかに位置決定することができる(例えば、Welch他、米国特許第5,037,7
43号;Holland他、米国特許第5,143,830号、参照)。逆に、類似する方法により
、zacrp5ポリペプチドのシグナル配列の一部分(配列番号2のアミノ酸残基1〜17
)を使用してオールタネイティブタンパク質の分泌を指令することができる。
【0139】 本発明のポリペプチドの中に含有される分泌シグナル配列を使用して、他のポ
リペプチドを分泌経路の中に向けることができる。本発明はこのような融合ポリ
ペプチドを提供する。配列番号2のアミノ酸残基1〜17から誘導された分泌シグナ
ル配列が他のポリペプチドに作用可能に連鎖されたシグナル融合ポリペプチドを
、この分野において知られておりかつ本明細書に開示されている方法により、作
ることができる。
【0140】 好ましくは、本発明の融合ポリペプチドの中に含有される分泌シグナル配列を
追加のペプチドに対してアミノ末端的に融合させて、追加のペプチドを分泌経路
の中に向ける。このような構築物はこの分野において知られている多数の用途を
有する。例えば、これらの新規な分泌シグナル配列の融合構築物は、例えば、常
態で分泌されないタンパク質の活性成分、例えば、レセプターの分泌を指令する
ことができる。このような融合物をin vivoまたはin vitroにおいて使用して
、ペプチドを分泌経路を通して向けることができる。
【0141】 培養された哺乳動物細胞は本発明において適当な宿主である。外因的DNAを哺
乳動物の宿主細胞の中に導入する方法は下記の方法を包含する:リン酸カルシウ
ム仲介トランスフェクション(Wigler他、Cell 14:725、1978;Corsaroおよび
Pearson、Somatic Cell Genetics 7:603、1981;GrahamおよびVan der Eb
、Virology 52:456、1973)、エレクトロポレーション(Neumann他、EMBO J.
1:841−5、1982)、DEAE−デキストリン仲介トランスフェクション(Ausubel
他、前掲)、およびリポソーム仲介トランスフェクション(Hawley−Nelson他、
Focus 15:73、1993;Ciccarone他、Focus 15:80、1993)、およびウイルス
ベクター(MillerおよびRosman、BioTechniques 7:980−90、1989;Wangおよ
びFiner、Nature Med. 2:714−6、1996)。
【0142】 培養された哺乳動物細胞における組換えポリペプチドの産生は、例えば、下記
の特許文献に記載されている:Levinson他、米国特許第4,713,339号;Hagen他、
米国特許第4,784,950号;Palmiter他、米国特許第4,579,821号;およびRingold
、米国特許第4,656,134号。適当な培養された哺乳動物細胞は下記のものを包含
する:COS−1(ATCC No. CRL 1650)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BH
K(ATCC No. CRL 1632)、BHK570(ATCC No. CRL 10314)、293(ATCC N
o. CRL 1573;Graham他、J. Gen. Virol. 36:59−72、1977);およびチ
ャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO−K1;ATCC No. CRL 61)細胞系統
【0143】 追加の適当な細胞系統はこの分野において知られており、そして公衆の寄託機
関、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type
Culture Collection)バージニア州マンナッサス、から入手可能である。一
般に、強い転写プロモーター、例えば、SV−40またはサイトメガロウイルスから
のプロモーターは好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号参照。他の適当な
プロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からのプロモーター(米国特許第4,57
9,821号および米国特許第4,601,978号)およびアデノウイルスの主要な後期プロ
モーターを包含する。
【0144】 薬剤選択を一般に使用して、外来DNAが挿入された、培養された哺乳動物細胞
について選択する。このような細胞は普通に「トランスフェクタント」と呼ばれ
る。例えば、選択因子の存在において培養され、問題の遺伝子をそれらの子孫に
移行させることができる細胞は、「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。
好ましい選択可能なマーカーは、抗生物質のネオマイシンに対する耐性をコード
する遺伝子である。選択はネオマイシン型薬剤、例えば、G−418またはその他の
存在において実施される。また、選択系を使用して、問題の遺伝子の発現レベル
を増加することができる、「増幅」と呼ぶ方法。
【0145】 低いレベルの選択因子の存在においてトランスフェクタントを培養し、次いで
選択因子の量を増加して、導入された遺伝子の産物を高いレベルで産生する細胞
について選択することによって、増幅は実施される。好ましい増幅可能な選択可
能なマーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する、ジヒドロフォレー
トリダクターゼである。他の薬剤耐性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、多
薬剤耐性、プロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)を使用することもできる
【0146】 変更された表現型を導入するオールタネイティブマーカー、例えば、緑色蛍光
タンパク質、または細胞表面のタンパク質、例えば、CD4、CD8、クラスIのMHC、
胎盤アルカリ性ホスファターゼを使用して、FACSソーティングまたは磁気ビーズ
分離技術により、トランスフェクトされない細胞からトランスフェクトされた細
胞をソーティングすることができる。植物細胞、昆虫細胞およびトリの細胞を包
含する、他の高等真核細胞を宿主細胞として使用することもできる。
【0147】 植物細胞中で遺伝子を発現するのためのベクターとしてアグロバクテリウム・
リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を使用することは、Sinkar他、J. B
iosci.(Bangalore)11:47−58、1987、において概観されている。昆虫細胞の
形質転換およびその中の外来ポリペプチドの産生は、Guarino他、米国特許第5,1
62,222号およびWIPO公開WO 94/06463に開示されている。オートグラファト・カ
リフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)から普
通に誘導される、組換えバキュロウイルスで、昆虫細胞を感染させることができ
る。
【0148】 下記の文献を参照のこと:KingおよびPossee、The Baculovirus Expression
System:A Laboratory Guide、London、Chapman & Hall、O'Reilly他、Ba
culovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual、New York、Oxford
University Press、1994;およびRichardson、C. D. 編者、Baculovirus
Expression Protocols、 Methods in Molecular Biology、Totowa、NJ、Hu
mana Press、1995。
【0149】 組換えzacrp5バキュロウイルスを作る第2の方法は、Luckowが記載するトラン
スポゾンをベースとする系を利用する(Luckow他、J. Virol. 67:4566−79、
1993)。この系はBac−to−BacTMキット(Life Technologies、マリイランド州
ロックビレ)で販売されている。この系は転移ベクター、pFastBac1TM(Life T
echnologies)を利用し、ここでpFastBac1TMは「バクミド(bacmid)」と呼ばれ
る大きいプラスミドとして大腸菌(E. coli)の中に維持されたバキュロウイル
スのゲノムの中にzacrp5ポリペプチドをコードするDNAを動かすために、Tn7トラ
ンスポゾンを含有する。
【0150】 pFastBac1TM転移ベクターは、問題の遺伝子、この場合においてzacrp5の発現
を推進するためにAcNPVポリヘドリンプロモーターを利用する。しかしながら、p
FastBac1TMをかなりの程度に修飾することができる。ポリヘドリンプロモーター
を除去し、バキュロウイルスの基本的タンパク質プロモーター(また、Pcor、p6
.9またはMPプロモーターとして知られている)で置換することができ、このプロ
モーターはバキュロウイルス感染において初期に発現され、分泌されたタンパク
質を発現させるために好都合であることが示された。
【0151】 下記の文献を参照のこと:Hill−PerkinsおよびPossee、J. Gen. Virol. 7
1:971−6、1990;Bonning他、J. Gen. Virol. 75:1551−6、1994;および
、ChazenbalkおよびRapoport、J. Biol. Chem. 270:1543−9、1995。このよ
うな転移ベクター構築物において、基本的タンパク質プロモーターの短いおよび
長いバージョンを使用することができる。そのうえ、自然zacrp5分泌シグナル配
列を昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列で置換された、転移ベクターを
構築することができる。
【0152】 例えば、エクチステロイドグルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチ
メリチン(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)、またはバキュロウ
イルスgp67(PharMingen、カリフォルニア州サンディエゴ)からの分泌シグナル
配列を構築物において使用して、自然zacrp5分泌シグナル配列を置換することが
できる。さらに、転移ベクターは、発現されたzacrp5ポリペプチドのC末端また
はN末端におけるエピトープ標識、例えば、Glu−Gluエピトープ標識をコードす
るDNAとのインフレーム融合物を含むことができる(Grussenmeyer、他、Proc.
Natl. Acad. Sci. 82:7952−4、1985)。
【0153】 この分野において知られている技術を使用して、zacrp5を含有する転移ベクタ
ーを大腸菌(E.coli)の中に形質転換し、そして組換えバキュロウイルスを示す
中断されたlacZ遺伝子を含有するバクミドについてスクリーニングする。組換え
バキュロウイルスのゲノムを含有するバクミドDNAを普通の技術に従い単離し、
そしてスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えば、
Sf9細胞をトランスフェクトする。zacrp5を発現する組換えベクターを引き続い
て生成させる。この分野において普通に使用されている方法により、組換えウイ
ルスの系統を作る。
【0154】 宿主細胞、典型的にはヨトウガ、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera
frugiperda)に由来する細胞系統を感染させるために、組換えウイルスを使用す
る。一般に、下記の文献を参照のこと:GlickおよびPasternak、Molecular Bio
technology:Principle and Applications of Recombinant DNA、ASM Pre
ss、Washington、D. C.、1994。他の適当な細胞系統は、トリコデルマ・ニ(Tr
ichoderma ni)に由来するHigh FiveOTM細胞系統(Invitrogen)である(米国
特許第5,300,435号)。商業的に入手可能な無血清培地を使用して、細胞を増殖
させかつ維持する。
【0155】 適当な培地はSf9細胞についてSf900 IITM(Life Technologies)またはESF
921TM(Expression System);およびトリコデルマ・ニ(T.ni)細胞につい
てEx−cellO450TM(JRH Bioscience、カンサス州レネクサ)またはExpress Fi
veOTM(Life Technologies)である。細胞をほぼ2〜5×105細胞の接種密度から
1〜2×106細胞の密度に増殖させ、この時組換えウイルスの系統を0.1〜10、より
典型的には3付近の感染の多重度で添加する。使用する手順は一般に入手可能な
実験室のマニュアルに記載されている(KingおよびPossee、前掲;O'Reilly他、
前掲;Richardson、前掲)。本明細書に記載する方法に従い、上清からのzacrp5
ポリペプチドの引き続く精製を実施することができる。
【0156】 酵母細胞を包含する真菌細胞を本発明において使用することもできる。これに
関して特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、およびピキア・メタ
ノリカ(Pichia metanolica)を包含する。外因的DNAでサッカロミセス・セレ
ビシエ(S. cerevisiae)を形質転換し、それから組換えポリペプチドを生産す
る方法は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Kawasaki、米国特許第4,
599,311号;Kawasaki他、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008
号;Welch他、米国特許第5,037,743号;およびMurry他、米国特許第4,845,075号
【0157】 選択可能なマーカーにより決定された表現型、普通の薬剤耐性または特定の栄
養(例えば、ロイシン)の非存在において増殖する能力により、形質転換された
細胞を選択する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
において使用するために好ましいベクター系は、Kawasaki他(米国特許第4,931,
373号)により開示されているPOT1ベクター系であり、これによりグルコースを
含有する培地中の増殖により形質転換細胞を選択することができる。
【0158】 酵母において使用するために適当なプロモーターおよびターミネーターは、解
糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki、米国特許第4,599,311号;Ingsman他、米国特
許第4,615,974号;およびBitter、米国特許第4,977,092号、参照)およびアルコ
ールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、米国特許第4,990,44
6号;米国特許第5,063,154号;米国特許第5,139,936号および米国特許第4,661,4
54号、参照。
【0159】 ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカラロミセ
ス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロマイセス・ラクチス(
Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces
frgilis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ピキア・パストリ
ス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)、ピキア
・グイレルモンディイ(Pichia guillermondii)およびカンジダ・マルトサ(C
andida maltosa)を包含する、他の酵母のための形質転換系はこの分野におい
て知られている。
【0160】 例えば、Gleeson他、J. Gen. Microbiol. 132:3459−65、1986およびCreg
g、米国特許第4,882,279号、参照。McKnight他、米国特許第4,935,349号の方法
に従い、アスペルギルス(Aspergillus)細胞を利用することができる。アクレ
モニウム・クリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)は、Sumino他、米国特許
第5,162,228号に開示されている。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換す
る方法は、Lambowitz、米国特許第4,486,533号に開示されている。
【0161】 組換えタンパク質の生産のための宿主としてピキア・メタノリカ(Pichia me
tanolica)を使用することは、WIPO公開WO 97/17450、WO 97/17451、WO 98
/02536、およびWO 98/02565に開示されている。ピキア・メタノリカ(P. me
tanolica)の形質転換において使用するDNA分子は二本鎖、円形のプラスミドと
して普通に製造され、これらは好ましくは形質転換の前に線状化される。ピキア
・メタノリカ(P. metanolica)におけるタンパク質の産生のために、プラスミ
ド中のプロモーターおよびターミネーターはピキア・メタノリカ(P. metanoli
ca)の遺伝子、例えば、ピキア・メタノリカ(P. metanolica)のアルコール利
用遺伝子(AUG1またはAUG2)のそれであることが好ましい。
【0162】 他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ホル
メートデヒドロゲナーゼ(FMD)、およびカタラーゼ(CAT)遺伝子のプロモータ
ーを包含する。宿主染色体の中へのDNAの組込みを促進するために、宿主DNA配列
により双方の末端においてフランクされたプラスミドの全体の発現セグメントを
有することが好ましい。ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)において使
用するために好ましい選択可能なマーカーはピキア・メタノリカ(P. metanoli
ca)のADE2遺伝子であり、これはホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカル
ボキシラーゼ(AIRC;EC4.1.1.21)をコードし、これはアデニンの非存在におい
てade2宿主細胞を増殖させる。
【0163】 メタノールの使用を最小としようとする、大規模の工業的方法のために、双方
のメタノール利用遺伝子(AUG1およびAUG2)が欠失されている、宿主細胞を使用
することが好ましい。分泌されたタンパク質の生産のために、液胞プロテアーゼ
遺伝子(PEP4およびPRB1)を欠如する宿主細胞は好ましい。問題のポリペプチド
をコードするDNAを含有するプラスミドをピキア・メタノリカ(P. metanolica
)細胞の中に導入することを促進するために、エレクトロポレーションを使用す
る。2.5〜4.5kV/cm、好ましくは約3.75kV/cmの電界強度を有する、指数的に減
衰する、パルス電界、および1〜40ミリセカント、最も好ましくは約20ミリセカ
ントの時間定数(τ)を使用する、エレクトロポレーションにより、ピキア・メ
タノリカ(P. metanolica)細胞を形質転換することが好ましい。
【0164】 細菌大腸菌(Escherichia coli)、バシラス(Bacillus)および他の属の株
を包含する、原核宿主細胞は、また、本発明において有用である。これらの宿主
を発現させ、その中でクローニングされた外来DNA配列を発現する技術はこの分
野においてよく知られている(例えば、Sambrook他、前掲参照)。大腸菌(E.
coli)のような細菌においてzacrp5ポリペプチドを発現させるとき、ポリペプチ
ドを、典型的には不溶性粒子として、細胞質の中に保持させることができるか、
あるいは細菌の分泌配列によりペリプラスミック空間の中に向けることができる
【0165】 前者の場合において、細胞を溶解し、粒子を回収し、例えば、グアニジンイソ
チオシアネートまたは尿素を使用して、変性する。次いで変性されたポリペプチ
ドをリフォルディングさせ、変性物の希釈により、例えば、尿素の溶液および還
元されたグルタチオンおよび酸化されたグルタチオンとの組合わせに対する透析
、および引き続く緩衝化生理食塩水に対する透析により、二量体化させることが
できる。後者の場合において、細胞を崩壊させて(例えば、超音波処理または浸
透圧ショックにより)ペリプラスミック空間の内容物を解放し、これにより変性
およびリフォルディングの必要性を排除することによって、ポリペプチドをペリ
プラスミック空間から可溶性の、機能的形態で回収することができる。
【0166】 形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、慣用手順に従い、栄養素
および選択した宿主細胞の成長に必要な他の成分を含有する培地中で培養する。
規定された培地および複合培地を包含する、種々の適当な培地は、この分野にお
いて知られており、そして一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミンおよ
び無機質を含む。培地は、また、必要に応じて、成長因子または血清のような成
分を含有することができる。一般に、外因的に添加されたDNAを含有する細胞に
ついて成長培地を選択する。この選択は、例えば、薬剤選択または必須栄養素の
欠如により実施され、必須栄養素は発現ベクター上に担持されるか、あるいは宿
主細胞の中に共トランスフェクトされた選択可能なマーカーにより補足される。
【0167】 分画および/または慣用の精製方法および培地を使用して、発現された組換え
zacrp5ポリペプチド(またはzacrp5のフラグメントまたは融合ポリペプチド)を
精製することができる。試料の分画のために、硫酸アンモニウム沈降および酸ま
たはカオトロープ抽出を使用することができる。典型的な精製工程は、ヒドロキ
シアパタイト、サイズ排除、FPLCおよび逆相高性能液体クロマトグラフィーを包
含することができる。適当なアニオン交換媒質は、誘導化デキストラン、アガロ
ース、セルロース、ポリアクリルアミド、特製シリカ、およびその他を包含する
。PEI、DEAE、QAEおよびQ誘導体は好ましく、DEAE高速流れセファローズ(Pharm
acia、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)は特に好ましい。
【0168】 典型的なクロマトグラフィー媒質は、フェニル、ブチル、またはオクチル基で
誘導化された媒質、例えば、フェニル−セファローズFF(Pharmacia)、トヨパ
ールブチル650(Toso Haas、ペンシルベニア州モントゴメリヴィレ)、オクチ
ル−セファローズ(Pharmacia)およびその他;またはポリアクリル樹脂、例え
ば、Amberchrom CG 71(Toso Haas)およびその他を包含する。適当な固体支
持体は、ガラスビーズ、シリカをベースとする樹脂、セルロース樹脂、アガロー
スビーズ、架橋アガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋ポリアクリルアミ
ド樹脂、およびその他を包含し、これらはこれらを使用する条件下に不溶性であ
る。
【0169】 これらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキ
シル基および/または炭水化物部分によるタンパク質の結合を可能とする反応性
基で修飾することができる。化学的カップリングの例は、臭化シアン活性化、N
−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化
、ヒドラジド活性化、およびカーボジイミドの化学的カップリングのためのカル
ボキシルおよびアミノ誘導体を包含する。
【0170】 これらおよび他の固体の媒質はこの分野においてよく知られており、かつ広く
使用されており、そして商業的供給会社から入手可能である。レセプターのポリ
ペプチドを支持媒質に結合する方法は、この分野においてよく知られている。特
定の方法の選択は日常的設計事項であり、そして一部分選択した支持体の性質に
より決定される。例えば、下記の文献を参照のこと:Affinity Chromatography
:Principle & Methods、Pharmacia LKB Biotechnology、スイス国ウップサ
ラ、1988。
【0171】 本発明のポリペプチドは、それらの構造的および結合的性質を利用することに
よって、単離することができる。例えば、固定化金属イオン吸着(IMAC)クロマ
トグラフィーを使用して、ヒスチジンに富んだタンパク質またはHisタグを有す
るタンパク質を精製することができる。簡単に述べると、ゲルをまず2価の金属
イオンで帯電させてキレート化剤を形成する(Sulkowski、Trends in Biochem
. 3:1−7、1985)。ヒスチジンに富んだタンパク質は、使用する金属イオンに
依存して、異なるアフィニティーでこのマトリックスに吸着され、競合的溶離、
pHの低下、または強いキレート剤の使用により溶離されるであろう。
【0172】 他の精製法は、レクチンアフィニティークロマトグラフィーおよびイオン交換
クロマトグラフィーによるグリコシル化タンパク質の精製を包含する(Methods
in Enzymol.、Vol. 182、″Guide to Protein Purification″、M. Deu
tscher(編)、Academic Press、サンディエゴ、1990、pp. 529−39)。本発
明の追加の態様の範囲内において、下記の実施例の節に詳細に論じられているよ
うに、問題のポリペプチドと親和標識(例えば、マルトース結合性タンパク質、
FLAG、Glu−Gluタグ、免疫グロブリンドメイン)との融合物を構築して、精製を
促進することができる。
【0173】 タンパク質の再フォルディング(および必要に応じて再酸化)手法を好都合に
使用することができる。汚染する高分子、特に他のタンパク質および核酸に関し
て>80%の純度、より好ましくは>90%、なおより好ましくは>95%の純度にタ
ンパク質を精製することが好ましく、製剤学的に純粋な状態、すなわち、99.9%
より大きい純度にタンパク質を精製すること、そしてタンパク質は感染因子およ
び発熱因子を含有しないことが特に好ましい。好ましくは、精製されたタンパク
質は他のタンパク質、特に動物由来の他のタンパク質を実質的に含まない。
【0174】 zacrp5ポリペプチドまたはそのフラグメントは、また、この分野においてよく
知られている方法。例えば、排除固相合成、部分的固相法、フラグメント縮合反
応または古典的溶液合成により化学的合成的に製造することができる。例えば、
Merrifield,J. Am. Chem. Soc. 85:2149参照。このようなzacrp5ポリペプ
チドはモノマーまたはマルチマーであることができ、グリコシル化されているか
、あるいはされていないことができ、ペギル化されているか、あるいはされてい
ないことができ、そして初期のメチオニンアミノ酸残基を含むか、あるいは含ま
ないことができる。
【0175】 リガンド結合性ポリペプチド、例えば、zacrp5結合性ポリペプチドをリガンド
の精製に使用することもできる。ポリペプチドを固体支持体、例えば、アガロー
ス、架橋したアガロース、ガラス、セルロース樹脂、シリカをベースとする樹脂
、ポリスチレン、架橋ポリアクリルアミド、または使用条件下に安定である同様
な物質のビーズ上に固定化する。
【0176】 固体支持体にポリペプチドを結合する方法はこの分野において知られており、
そしてアミン化学、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、
エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、およびヒドラジド活性化を包含する
。生ずる媒質は一般にカラムの形態に形造り、そしてリガンドを含有する流体を
カラムに1またはそれ以上の回数通過させて、リガンドをリガンド結合性ポリペ
プチドに結合させる。次いで塩濃度、カオトロープ因子(グアニジンHCl)、ま
たはリガンド−レセプターの結合を崩壊するpHの変化により、リガンドを溶離す
る。
【0177】 リガンド結合性レセプター(または抗体、補体/抗補体の対の一方のメンバー
)またはそれらの結合性フラグメント、および商業的に入手可能なバイオセンサ
ー計器(BIAcoreTM、Pharmacia Biosensor、ニュージャージイ州ピスカタウェ
イ)を使用するアッセイシステムを好都合に使用することができる。このような
レセプター、抗体、補体/抗補体の対のメンバーまたはフラグメントをレセプタ
ーチップの表面上に固定化する。この計器の使用は下記の文献に開示されている
:Karlsson、J. Immunol. Methods 145:229−40、1991およびCunninghamお
よびWells、J. Mol. Biol. 234:554−63、1993。
【0178】 アミンまたはスルフヒドリル化学を使用して、レセプター、抗体、補体/抗補
体の対のメンバーまたはフラグメントをフローセル内の金薄膜に結合したデキス
トラン繊維に共有結合させる。被験試料をセルに通過させる。リガンド、エピト
ープ、または補体/抗補体の対のメンバーが試料の中に存在する場合、それはそ
れぞれ固定化されたレセプター、抗体またはメンバーに結合し、媒質の屈折率を
変化させ、これは金薄膜表面のプラスモン共鳴の変化として検出される。このシ
ステムは、結合アフィニティーをそれから計算することができるオンおよびオフ
の割合、および結合の化学量論の評価を可能とする。
【0179】 また、この分野において知られている他のアッセイシステムにおいて、リガン
ド結合性ポリペプチドを使用することができる。このようなシステムは結合アフ
ィニティーを測定するスキャッチャード分析(Scatchard、Ann. NY Acad. Sc
i. 51:660−72、1949)および比色アッセイ(Cunningham他、Science 253:5
45−48、1991およびCunningham他、Science 245:821−25、1991参照)。
【0180】 本発明は、また、抗zacrp5抗体を提供する。例えば、zacrp5発現ベクターの産
物、または天然源から単離されたzacrp5を抗原として使用して、zacrp5に対する
抗体を得ることができる。特に有効な抗zacrp5抗体は、zacrp5に「特異的に結合
する」。抗体が106/Mまたはそれより大きい、好ましくは107/Mまたはそれより
大きい、より好ましくは108/Mまたはそれより大きい、最も好ましくは109/Mま
たはそれより大きい結合アフィニティー(Ka)でzacrp5ポリペプチド、ペプチド
またはエピトープに結合する場合、抗体は「特異的に結合する」と考える。抗体
の結合アフィニティーは、例えば、スキャッチャード分析(Scatchard、Ann. N
Y Acad. Sci. 51:660、1949)により、容易に決定することができる。適当
な抗体は、特定のドメインにおいてzacrp5に結合する抗体を包含する。
【0181】 抗原zacrp5エピトープを支持するペプチドおよびポリペプチドを使用して、抗
zacrp5抗体を製造することができる。本発明の抗原エピトープを支持するペプチ
ドおよびポリペプチドは、配列番号2内に含有される少なくとも9、好ましくは15
〜約30アミノ酸の配列を含有する。しかしながら、本発明のアミノ酸配列のより
大きい部分を含んでなり、本発明のポリペプチドの30〜50アミノ酸、またはアミ
ノ酸配列の全体までの任意の長さのアミノ酸を含有し、かつ本発明のポリペプチ
ドのアミノ酸配列の全体を包含する、ペプチドまたはポリペプチドは、また、za
crp5に結合する抗体を誘導するために有効である。
【0182】 水性溶媒中の実質的な溶解度を提供するようにエピトープ支持ペプチドのアミ
ノ酸配列を選択することが望ましい(すなわち、配列は比較的親水性の残基を含
むが、疎水性残基を回避することが好ましい)。親水性ペプチドは疎水性プロッ
トから予測することができる、例えば、下記の文献を参照のこと:HoppおよびWo
ods、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 78:3824−8、1981およびKyteおよびDoo
little、J. Mol. Biol. 157:105−142、1982。そのうえ、プロリン残基を含
有するアミノ酸配列は、また、抗体産生に望ましいことがある。
【0183】 組換えzacrp5タンパク質または天然源から単離されたzacrp5に対するポリクロ
ーナル抗体は、この分野においてよく知られている方法を使用して製造すること
ができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Green他、“Production of Pol
yclonal Antsera,”Immunochemical Protocols(Manson、編)、pp. 1−5(
Humana Press 1992)、およびWilliams他、“Expression of foreign prot
eins in E. coli using plasmid vectors and purification of spec
ific polyclonal antibodies,”DNA Cloning 2:Expression Systems、第
2版、Glover他(編者)、p. 15(Oxford University Press 1995)。
【0184】 アジュバント、例えば、明礬(水酸化アルミニウム)またはフロインド完全ア
ジュバントまたはフロインド不完全アジュバントを使用して、zacrp5ポリペプチ
ドの免疫原性を増加することができる。免疫化に有効なポリペプチドは、また、
融合ポリペプチド、例えば、zacrp5またはその一部分と免疫グロブリンまたはマ
ルトース結合性タンパク質との融合物を包含する。ポリペプチド免疫原は全長の
分子またはその一部分であることができる。ポリペプチドの一部分が「ハプテン
様」である場合、このような一部分は免疫化のために好都合には高分子担体(例
えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)
または破傷風トキソイド)に結合または連鎖することができる。
【0185】 ポリクローナル抗体は典型的には動物、例えば、ウマ、雌牛、イヌ、ニワトリ
、ラット、マウス、ウサギ、ハムスター、モルモット、ヤギまたはヒツジにおい
て発生させるが、本発明の抗zacrp5抗体は類人猿の抗体に由来することができる
。ヒヒにおいて診断的、療法的に有効な抗体を発生させる一般的技術は、例えば
、下記の文献に記載されている:Goldenberg、国際特許公開No.WO 91/11465、
およびLosman他、Int. J. Cancer 46:310、1990。また、抗体はトランスジ
ェニック動物、例えば、トランスジェニックヒツジ、雌牛、ヤギまたはブタにお
いて発生させることができ、そして酵母および真菌中で修飾された形態でならび
に哺乳動物細胞および昆虫細胞中で発現させることができる。
【0186】 あるいは、モノクローナル抗zacrp5抗体を発生させることができる。特異的抗
原に対する齧歯類モノクローナル抗体は、この分野において知られている方法に
より得ることができる(例えば、下記の文献を参照のこと:Kohler他、Nature
256:495、1975;Coligan他(編者)、Current Protocols in Imunology、Vo
l. 1、pp. 2.5.1−2.6.7(John Wiley & Sons 1991);Picksley他、“Pr
oduction of monoclonal antibodies against proteins expressed in
E. coli,”DNA Cloning:Expression Systems、第2版、Glover他(編者)、
p. 63(Oxford University Press 1995))。
【0187】 簡単に述べると、モノクローナル抗体は次のようにして得ることができる。za
crp5遺伝子産物を含んでなる組成物をマウスに注射し、血清試料を取出すことに
よって抗体産生を確認し、脾臓を取出してBリンパ球を獲得し、Bリンパ球を骨髄
腫細胞と融合してハイブリドーマを産生し、ハイブリドーマをクローニングし、
抗原に対する抗体を産生する陽性クローンを選択し、抗原に対する抗体を産生す
るクローンを培養し、そしてハイブリドーマ培養物から抗体を単離する。
【0188】 さらに、本発明の抗zacrp5抗体はヒトモノクローナル抗体に由来することがで
きる。抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗体を産生するように操作されたト
ランスジェニックマウスから、ヒトモノクローナル抗体は得られる。この技術に
おいて、内因的重鎖および軽鎖遺伝子座のターゲッテッド崩壊を含有する胚幹細
胞系統に由来したマウスの中に、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子座の因子を導入する
。トランスジェニックマウスはヒト抗原に対して特異的なヒト抗体を合成するこ
とができ、そしてこのマウスを使用してヒト抗体分泌ハイブリドーマを産生する
ことができる。トランスジェニックマウスからヒト抗体を得る方法は、例えば、
下記の文献に記載されている:Green他、Nature Genet. 7:13、1994;Lonber
g他、Nature 368:856、1994;およびTaylor他、Int. Immun. 6:579、1994
【0189】 種々のよく確立された技術により、モノクローナル抗体をハイブリドーマ培養
物から単離し、精製することができる。このような単離技術は、プロテインAセ
ファローズを使用するアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマト
グラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーを包含する(例えば、下記の
文献を参照のこと:Coligen、pp. 2.7.1−2.7.12およびpp. 2.9.1−2.9.3;Ba
ines他、“Purification of Immunoglobulin G(IgG),”Methods in Mol
ecular Biology、Vol. 10、pp. 79−104(The Humana Press,Inc. 1992
))。
【0190】 特定の用途のために、抗zacrp5抗体のフラグメントを製造することが望ましい
。このような抗体フラグメントは、例えば、抗体のタンパク質分解的加水分解に
より、得ることができる。抗体フラグメントは、慣用法に従い全抗体のペプシン
またはパパイン消化により得ることができる。例示として、抗体をペプシンで酵
素的に消化してF(ab)'2と表示する5Sフラグメントを形成することによって、
抗体フラグメントを製造することができる。チオール還元剤を使用して、このフ
ラグメントをさらに切断して、3.5S Fab'1価フラグメントを産生することがで
きる。
【0191】 必要に応じて、ジサルファイド結合の切断から生ずるスルフヒドリル基のブロ
ッキング基を使用して、切断反応を実施することができる。別法として、ペプシ
ンを使用する酵素的切断は2つの1価FabフラグメントおよびFcフラグメントを直
接的に産生する。これらの方法は、例えば、下記の文献に記載されている:Gold
enberg、米国特許第4,331,647号;Nisonoff他、Arch. Biochem. Biophys. 89
:230、1960;Porter、Biochem. J. 73:119、1959;Edelman他、in Methods
in Enzymology、Vol. 1、p. 422(Academic Press 1967);およびColig
an、前掲。
【0192】 フラグメントが無傷の抗体により認識される抗原に結合するかぎり、抗体を切
断する他の方法、例えば、重鎖を分離して1価の軽−重鎖フラグメントを形成す
る方法、フラグメントをさらに切断する方法、または他の酵素的、化学的または
遺伝学的技術を使用することもできる。 例えば、FvフラグメントはVHおよびVL鎖のアソシエーションを含んでなる。下
記の文献に記載されているように、このアソシエーションは非共有結合であるこ
とができる:Inbar他、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 69:2659、1972。ある
いは、可変鎖は細胞間ジサルファイド結合により結合するか、あるいは化学物質
、例えば、グルタルアルデヒドにより架橋することができる(例えば、下記の文
献を参照のこと:Sandhu、Crit. Rev. Biotch. 12:437、1992)。
【0193】 Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより接続されたVHおよびVL鎖を含んで
なることができる。オリゴヌクレオチドにより接続されたVHおよびVLドメインを
コードするDNA配列を含んでなる構造的遺伝子を構築することによって、これら
の一本鎖抗原結合性タンパク質(scFv)は製造される。構造遺伝子を発現ベクタ
ーの中に挿入し、次いで発現ベクターを宿主細胞、例えば、大腸菌(E. coli)
の中に導入する。これらの組換え宿主細胞は、2つのVドメインを架橋するリンカ
ーペプチドを有する単一のポリペプチド鎖を合成する。scFvを産生する方法は、
例えば、下記の文献に記載されている:Whitlow他、Methods:A Companion to
Methods in Enzymology 2:97、1991;また、Bird他、Science 242:423
、1988;Ladner他、米国特許第4,946,778号;Pack他、Bio/Technology 11:12
71、1993;およびSandhu、前掲。
【0194】 例示として、リンパ球をin vitroにおいてzacrp5ポリペプチドに暴露し、フ
ァージまたは同様なベクター中の抗体表示ライブラリーを選択することによって
、scFvを得ることができる(例えば、固定化または標識化zacrp5タンパク質また
はペプチドを使用する)。潜在的zacrp5ポリペプチド結合性ドメインを有するペ
プチドをコードする遺伝子は、ファージ上で(ファージ表示)または細菌、例え
ば、大腸菌(E. coli)上で表示されたランダムペプチドライブラリーをスクリ
ーニングすることによって得ることができる。
【0195】 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多数の方法、例えば、ランダ
ム突然変異誘発およびランダムポリヌクレオチド合成により得ることができる。
これらのランダムペプチド表示ライブラリーを使用して、既知のターゲットと相
互作用するペプチドについてスクリーニングすることができる。このターゲット
はタンパク質またはポリペプチド、例えば、リガンドまたはレセプター、生物学
的または合成的高分子、または有機または無機の物質であることができる。
【0196】 このようなランダムペプチド表示ライブラリーをつくりかつスクリーニングす
る技術はこの分野において知られている(Ladner他、米国特許第5,223,409号、L
adner他、米国特許第4,946,778号、Ladner他、米国特許第5,403,484号、Ladner
他、米国特許第5,571,698号、およびKay他、Phage Display of Peptides an
d Poteins(Academic Press,Inc. 1996)そしてランダムペプチド表示ライ
ブラリーおよびこのようなライブラリーをスクリーニングするキットは、例えば
、Clontech(カリフォルニア州パロアルト)、Invitrogen Inc.(カリフォルニ
ア州サンディエゴ)、New England Biolabs,Inc.(マサチュセッツ州ベバー
リイ)、およびPharmacia LKB Biotechnology Inc.(ニュージャージイ州ピ
スカタウェイ)から商業的に入手可能である。本明細書に開示するzacrp5配列を
使用して、ランダムペプチド表示ライブラリーをスクリーニングして、zacrp5に
結合するタンパク質を同定することができる。
【0197】 抗体フラグメントの他の形態は、単一の相補性決定領域(CDR)をコードする
ペプチドである。問題の抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することによって
、CDRペプチド(「最小認識単位」)を得ることができる。このような遺伝子は
、例えば、抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成するPCRにより製造される(例
えば、下記の文献を参照のこと:Larrick他、Methods:A Companion to Meth
ods in Enzymology 2:106、1991);Courtenay−Luck、“Genetic Manipul
ation of Monoclonal Antibodies,”Monoclonal Antibodies:Production
,Engineering and Clinical Application、Ritter他、(編者)、p. 166(
Cambridge University Press 1995);およびWard他、“Genetic Manipulat
ion and Expression of Antibodies,”Monoclonal Antibodies:Principl
es and Applications、Birch他、(編者)、p. 137(Wiley−Liss,Inc. 19
95))。
【0198】 あるいは、抗zacrp5抗体は「ヒト化」モノクローナル抗体から誘導することが
できる。マウス相補性決定領域をマウス免疫グロブリンの重および軽可変鎖から
ヒト可変ドメインの中に転移することによって、ヒト化モノクローナル抗体を産
生する。次いでヒト抗体の典型的な残基を、ネズミ対応物のフレームワーク領域
において置換する。ヒトモノクローナル抗体に由来する抗体成分の使用は、ネズ
ミ定常領域の免疫原性に関連する潜在的問題を排除する。
【0199】 ネズミ免疫グロブリン可変領域をクローニングする一般的技術は、例えば、下
記の文献に記載されている:Orlandi他、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 86:
3833、1989。ヒト化モノクローナル抗体を産生する技術は、例えば、下記の文献
に記載されている:Jones他、Nature 321:522、1986;Carter他、Proc. Nat.
Acad. Sci. USA 89:4285、1992;Sandhu、Crit. Rev. Biotch. 12:43
7、1992;Singer他、J. Immun. 150:2844、1993;Sudhir(編者)、Antibody
Engineering Protocols(Humana Press,Inc. 1995);Kelley、“Enginee
ring Therapeutic Antibodies,”Protein Engineering:Principles and
Practice、Cleland他(編者)、pp. 399−434(John Wiley & Sons,Inc.
1996);およびQueen他、米国特許第5,693,762号(1997)。
【0200】 ポリクローナル抗イディオタイプ抗体は、動物を抗zacrp5抗体または抗体フラ
グメントで標準的技術に従い免疫化することによって製造することができる。例
えば、下記の文献を参照のこと:Green他、“Production of Polyclonal Ant
isera,”Methods In Molecular Biology:Immunochemical Protocols、Man
son(編者)、pp. 1−12(Humana Press 1992)。
【0201】 また、Coligan、前掲、pp. 2.4.1−2.4.7参照。あるいは、モノクローナル抗
イディオタイプ抗体は、前述の技術に従い、免疫原として抗zacrp5抗体または抗
体フラグメントを使用して製造することができる。別法として、ヒト化抗イディ
オタイプ抗体または類人猿抗イディオタイプ抗体は前述の技術に従い製造するこ
とができる。抗イディオタイプ抗体を製造する方法は、例えば、下記の文献に記
載されている:Irie、米国特許第5,208,146号、Greene他、米国特許第5,637,677
号、およびVarthakaviおよびMinocha、J. Gen. Virol. 77:1875、1996。
【0202】 ファージ(ファージディスプレイ)上にまたは細菌、例えば、大腸菌(E. co
li)上にディスプレイされたランダムまたは方向づけられたライブラリーをスク
リーニングすることによって、潜在的zacrp5ポリペプチド結合性ドメインを有す
るポリペプチド、「結合性タンパク質」をコードする遺伝子を得ることができる
。ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多数の方法、例えば、ランダ
ム突然変異誘発およびランダムポリヌクレオチド合成において得ることができる
。あるいは、拘束ファージディスプレイライブラリーを製造することもできる。
これらのペプチドディスプレイライブラリーを使用して、既知のターゲットと相
互作用するペプチドについてスクリーニングすることができる。ここでターゲッ
トはタンパク質またはポリペプチド、例えば、リガンドまたはレセプター、生物
学的または合成的高分子、または有機または無機の物質であることができる。
【0203】 このようなペプチドディスプレイをつくりかつスクリーニングする技術はこの
分野において知られており(Ladner他、米国特許第5,223,409号;Ladner他、米
国特許第4,946,778号;Ladner他、米国特許第5,403,484号およびLadner他、米国
特許第5,571,698号)そしてペプチドディスプレイライブラリーおよびこのよう
なライブラリーをスクリーニングするキットは、例えば、クロンテク(Clontech
、カリフォルニア州パロアルト)、インビトロゲン(Invitrogen、カリフォルニ
ア州サンディエゴ)、ニュー・イングランド・バイオラブス・インコーポレーテ
ッド(New England Biolabs,Inc.、マサチュセッツ州ベバーリイ)およびフ
ァーマシアLKBバイオテクノロジー・インコーポレーテッド(Pharmacia LKB B
iotechnology,Inc.、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)から商業的に入手可
能である。本明細書に開示するzacrp5配列を使用してペプチドディスプレイライ
ブラリーをスクリーニングして、zacrp5に結合するタンパク質を同定することが
できる。zacrp5ポリペプチドと相互作用する、これらの「結合性タンパク質」を
本質的に抗体と同様に使用することができる。
【0204】 この分野において知られている種々のアッセイを利用して、zacrp5タンパク質
またはペプチドに特異的に結合する抗体および/または結合性タンパク質を検出
することができる。典型的なアッセイは下記の文献に詳細に記載されている:An
tibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane(編者)、Cold Spring
Harbor Laboratory Press、1988。このようなアッセイの代表的例は下記の
ものを包含する:並流免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、放射線免疫沈降、
酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、ドットブロットまたはウェスタンブロット
アッセイ、阻害または競合アッセイ、およびサンドイッチアッセイ。さらに、野
生型vs突然変異体zacrp5タンパク質またはポリペプチドに対する結合について、
抗体をスクリーニングすることができる。
【0205】 zacrp5に対する抗体および結合性タンパク質は下記の用途に使用することがで
きる:zacrp5を発現する細胞の標識化;アフィニティー精製によるzacrp5の単離
;zacrp5ポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイ;根元的病理または
疾患のマーカーとして可溶性zacrp5の検出または定量;FACSを使用する方法にお
いて;発現ライブラリーのスクリーニング;抗イディオタイプ抗体を発生させる
ため;およびin vitroおよびin vivoにおける精子形成または同様な活性のzac
rp5ポリペプチドのモジュレーションをブロックする中和性抗体またはアンタゴ
ニストとして。
【0206】 適当な直接的タグまたは標識は、放射性核種、酵素、基質、コファクター、イ
ンヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子およびその他を包含す
る;間接的タグまたは標識は、ビオチン−アビジンまたは他の補体/抗補体の対
を中間体として使用することを特徴とする。そのうえ、アッセイ、例えば、ウェ
スタンブロットアッセイまたはこの分野において知られている他のアッセイにお
いて、zacrp5またはそのフラグメントに対する抗体をin vitroにおいて使用し
て、変性されたzacrp5またはそのフラグメントを検出することができる。
【0207】 本発明における抗体またはポリペプチドは、また、薬剤、トキシン、放射性核
種およびその他と直接的または間接的に複合化することができ、そしてこれらの
複合体はin vivoの診断または療法の応用において使用することができる。例え
ば、対応する抗相補的分子(例えば、それぞれ、レセプターまたは抗原)を発現
する組織または器官を同定または処置するために、本発明のポリペプチドまたは
抗体を使用することができる。さらに詳しくは、zacrp5ポリペプチドまたは抗za
crp5抗体、またはそれらの生物活性フラグメントまたは部分を検出可能な分子ま
たは細胞障害性分子にカップリングさせ、そして抗相補的分子を発現する細胞、
組織または器官を有する哺乳動物に送達することができる。
【0208】 本発明の追加の面は、前述のzacrp5ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴ
ニストを同定する方法を提供し、前記アゴニストまたはアンタゴニストは本明細
書においてさらに論ずるように価値のある特性を有することができる。1つの態
様において、zacrp5ポリペプチドアゴニストを同定する方法が提供され、この方
法はアゴニストに対して応答性の細胞を準備し、被検化合物の存在下に細胞を培
養し、細胞の応答をzacrp5ポリペプチドの存在下に培養した細胞と比較し、そし
て細胞の応答が同一型である被検化合物を選択することを含む。
【0209】 他の態様において、zacrp5ポリペプチドのアンタゴニストを同定する方法が提
供され、この方法はzacrp5ポリペプチドに対して応答性の細胞を準備し、zacrp5
ポリペプチドの存在下に細胞の第1部分を培養し、zacrp5ポリペプチドおよび被
検化合物の存在下に細胞の第2部分を培養し、そして細胞の第1部分に比較して細
胞の第2部分の細胞の応答の減少を検出することを含む。本明細書に開示するア
ッセイに加えて、レセプターの結合またはzacrp5依存的細胞応答の刺激/阻害を
測定するように設計された、種々のアッセイにおいて、試料をzacrp5活性の阻害
について試験することができる。
【0210】 例えば、zacrp5刺激細胞経路に対して応答性であるリポーター遺伝子構築物で
zacrp5応答性細胞系統をトランスフェクトすることができる。この型のリポータ
ー遺伝子構築物はこの分野において知られており、そして一般にアッセイ可能な
タンパク質、例えば、ルシフェラーゼをコードする遺伝子に作用可能に連鎖され
た、zacrp5−DNA応答因子を含んでなるであろう。
【0211】 DNA応答因子は下記のものを包含するが、これらに限定されない:環状AMP応答
因子(CRE)、ホルモン応答因子(HRE)、インスリン応答因子(IRE)(Nasrin
他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:5273−7、1990)および血清応答因
子(SRE)(Shaw他、Cell 56:563−72、1989)。環状AMP応答因子は下記の文
献において概観されている:Roestler他、J. Biol. Chem. 263(19):9063
−6、1988およびHabener、Molec. Endocrinol. 4(8):1087−94、1990。ホ
ルモン応答因子は、Beato、Cell 56:335−44。1989において概観されている。
【0212】 リポーター遺伝子発現のzacrp5刺激の減少により証明されるように、ターゲッ
ト細胞に対するzacrp5の活性を阻害する能力について、候補の化合物、溶液、混
合物または抽出物を試験する。この型のアッセイは、細胞表面レセプターに対す
るzacrp5の結合を直接的にブロックする化合物、ならびにレセプター−リガンド
結合に引き続いて細胞経路のプロセスをブロックする化合物を検出するであろう
【0213】 別法において、検出可能な標識(例えば、125I、ビオチン、セイヨウワサビペ
ルオキシダーゼ、FITC、およびその他)で標識化したzacrp5を使用して、化合物
または試料をレセプターに対するzacrp5の結合の直接的ブロックについて試験す
ることができる。このアッセイにおいて、レセプターに対する標識化zacrp5の結
合を阻害する被験試料の能力は阻害活性を示し、これは二次的アッセイにより確
証することができる。結合アッセイにおいて使用するレセプターは細胞のレセプ
ターまたは単離し、固定化されたレセプターであることができる。
【0214】 脂肪細胞補体関連タンパク質は、細胞−細胞または細胞−細胞外基質の相互作
用、特に組織の改造のモジュレートを包含する相互作用に関係づけられる。多数
の自己免疫および改造に関係する疾患の表現型的発現は、炎症および/または組
織の改造プロセスの広範な活性化である。機能的器官または下位器官は置換され
た生物学的構造物の機能を実行できない種々の細胞外基質(ECM)成分により置
換されることがしばしば起こる。これらの疾患における初期事象、およびその結
果生ずる過剰の細胞外基質の沈着について完全には理解されていない。
【0215】 初期事象は、損傷または最適な生物学的構造物の調節の初期混乱を包含すると
仮定されてきた。興味深いことには、時には細胞内成分は、特定の疾患を示す、
自己抗原として見出された。免疫系による抗体産生は、これらの細胞内タンパク
質に対して過度の暴露後、過剰のまたは不適切な改造の結果であることがある。
改造プロセスをターゲッティングすることによって、有効な自己抗原を減少させ
ることができるであろう。したがって、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融
合物、アゴニスト、アンタゴニストおよびその他は、種々の自己免疫および改造
疾患をモジュレートするとき有益であろう。
【0216】 関節における結合組織または筋肉の損傷に応答する不適切な改造は、損傷部位
における細胞成分の過剰の解放に対する感受性を生ずることがある。zacrp6ポリ
ペプチド、フラグメント、融合物、アゴニスト、アンタゴニストおよびその他は
、このような応答と関節炎に関連する炎症との間にアソシエーションが存在する
かどうかを決定する場合、有効であろう。このようなインジケーターは、炎症の
減少および疼痛または剛性の軽減を包含する。
【0217】 動物モデルにおいて、適用は関節の巨視的検査および後足の腫脹の変化から誘
導されるであろう。zacrp6ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニスト、
アンタゴニストおよびその他は、骨関節炎の動物モデルに投与して(Kikuchi他
、Osteoarthritis Cartilage 6:177−86、1998およびLohmander他、Arthriti
s Rheum 42:534−44、1999)、コラゲナーゼの作用により刺激された炎症か
ら生ずる、これらの組織の破壊の抑制を探すことができる。
【0218】 強皮症の症状を示す自己抗原的は細胞質タンパク質と考えられるものであるこ
とが、最近の研究により示された。zacrp5についてのノックアウト動物は、本明
細書において記載するように、本発明において提供されるzacrp5ポリペプチド、
フラグメント、融合物、およびその他は、脂肪細胞補体関係タンパク質により仲
介される局所的組織の不適切なまたは不完全な修復による炎症に対する応答とし
て、このようなタンパク質に対する抗体が発生されるかどうかの決定において有
効であろう。
【0219】 本発明において提供される、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、お
よびその他は、過剰のおよび/または不適切な動脈改造は動脈硬化症および動脈
損傷、例えば、動脈閉塞におけるプラーク形成においてある役割を演ずるかどう
かを、ここにおいて提供される方法により、決定するとき有効であろう。脂肪細
胞補体タンパク質zsig37を使用する脈管損傷(および根元的細胞外基質)の治療
は、非常に初期の段階における脈管改造プロセスを変更するように思われる(同
時継続米国出願第09/253,604号)。脂肪細胞補体タンパク質を使用する治療は
、損傷後において血小板を比較的静止状態に保持し、前改造性および前炎症性タ
ンパク質および細胞の過剰のリクルートメントを排除する作用することができる
【0220】 このファミリーの他のメンバーは、例えば、脂肪、またはコレステロールの存
在により誘導される改造をモジュレートすることができる。血液の過剰量のコレ
ステロールおよび脂肪は、正しい脂肪細胞補体タンパク質のファミリーのメンバ
ーの非存在において、改造を活性化することができる。 Acrp30は活性的に増殖する脂肪組織においてのみ発現される。結合組織の改造
は脂肪細胞のこの活性化に厳密に関係づけられる。過剰の重量増加(脂肪)と糖
尿病との間に明瞭な関係が存在する。したがって、Acrp30は脂肪改造関係づけら
れ、そしてこのプロセスは肥満の個体において酷使されるようである。その結果
、不適切な脂肪貯蔵の作用はII型糖尿病に寄与する。
【0221】 エネルギー収支(エネルギー代謝、栄養状態、脂肪貯蔵およびその他を包含す
る)は、健康について重要な基準である。このエネルギーのホメオスタシスは、
随意および不随意の機能のために必要なエネルギー発生させるための食物摂取お
よび炭水化物および脂肪の代謝を包含する。タンパク質の代謝はエネルギー発生
に導くことができるが、好ましくは筋肉の形成または修復に導く。他の結果の中
で、エネルギーのホメオスタシスは脂肪組織の過度または過小の形成に導く。
【0222】 脂肪の形成および貯蔵はインスリンでモジュレートされる。例えば、インスリ
ンは細胞の中へのグルコースの輸送を刺激し、細胞においてグルコースはα−グ
リセロホスフェートに代謝され、後者は脂肪酸のエステル化に使用されて、トリ
グリセリドとしての脂肪酸の貯蔵を可能とする。さらに、脂肪細胞(脂肪の細胞
)は、遊離脂肪酸の脂肪細胞への変換を増強する、特異的輸送タンパク質を発現
する。
【0223】 また、脂肪細胞は、グルコースおよび脂肪の代謝のホメオスタシス的コントロ
ールをモジュレートすると考えられる、いくつかのタンパク質を分泌する。これ
らの追加の脂肪細胞分泌タンパク質は、アジプシン、補体因子C3およびB、腫瘍
壊死因子α、ob遺伝子産物およびAcrp30を包含する。また、脂肪細胞におけるイ
ンスリン調節分泌経路の存在を示唆する証拠が存在する。Scherer他、J. Biol.
Chem. 270(45):26746−9、1995。これらの成分の過度または過小の分泌は
、脂肪組織の過度または過小の形成により一部分衝撃され、肥満症または拒食症
に直接または間接的に関連する病理学的症状に導くことがある。
【0224】 他の脂肪細胞補体関係タンパク質、例えば、Acrp30に対する相同性に基づいて
、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニストまたはアンタゴニス
トを使用して哺乳動物におけるエネルギー収支をモジュレートするか、あるいは
損傷から内皮細胞を保護することができる。エネルギー収支のモジュレーション
に関すると、zacrp5ポリペプチドは細胞の代謝反応をモジュレートする。このよ
うな代謝反応は、脂肪生成、グルコース新生、グリコーゲン分解、脂質生成、グ
ルコース吸収、タンパク質合成、熱発生、酸素の利用およびその他を包含する。
【0225】 zacrp5ポリペプチドは、また、交感神経系または副交感神経系に関連する組織
中のポリペプチドの発現により示されるように、神経伝達物質として、または神
経伝達のモジュレーターとしての使用を見出することができる。これに関して、
zacrp5ポリペプチドは、例えば、脳またはその他における2−デオキシ−グルコ
ースの吸収により証明されるように、栄養分の吸収における実用性を見出すこと
ができる。
【0226】 この分野において知られているか、あるいは本明細書において記載されている
他の方法の中で、哺乳動物のエネルギー収支を下記の代謝機能の1または2以上を
モニターすることによって評価することができる:脂肪生成、グルコース新生、
グリコーゲン分解、脂質生成、グルコース吸収、タンパク質合成、熱発生、酸素
の利用およびその他。これらの代謝機能は、いっそう詳細に後述するように、当
業者に知られている技術(アッセイまたは動物モデル)によりモニターされる。
【0227】 例えば、インスリンのグルコース調節作用は、肝臓、骨格筋および脂肪組織に
おいて主として発揮される。インスリンはこれらの組織中のその細胞のレセプタ
ーに結合し、組織特異的作用を開始し、これは、例えば、グルコース産生の阻害
およびグルコース利用の刺激を生ずる。肝臓において、インスリンはグルコース
吸収を刺激し、グルコース新生およびグリコーゲン分解を阻害する。骨格筋およ
び脂肪組織において、インスリンはグルコースの吸収、貯蔵および利用を刺激す
る作用をする。
【0228】 前述の代謝機能のすべてをモニターする、この分野において認識されている方
法が存在する。こうして、当業者は、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合
タンパク質、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストを代謝のモジュレート機能
のために評価することができる。典型的なモジュレーション技術は後述される。
【0229】 脂肪生成、グルコース新生およびグリコーゲン分解は、哺乳動物のエネルギー
収支の相互に関係する成分であり、既知の技術、例えば、ob/obマウスまたはdb
/dbマウスにより評価することができる。ob/obマウスは、ob(肥満)位置にお
ける不活性化突然変異に対してホモ結合的である同系繁殖マウスである。このよ
うなob/obマウスは過食性および代謝低下性であり、循環OBタンパク質の産生を
欠如すると考えられる。db/dbマウスはdb(糖尿病)位置における不活性化突然
変異に対してホモ結合的である同系繁殖マウスである。db/dbマウスは、また、
糖尿病の表現型を表示する以外、ob/obマウスのそれに類似する表現型を表示す
る。このようなdb/dbマウスは循環OBタンパク質の作用に対して耐性であると考
えられる。また、これらのパラメーターを評価する種々のin vitro法がこの分
野において知られている。
【0230】 インスリン刺激脂質生成は、例えば、トリグリセリド中の14C−アセテートの
取込み(Mackall他、J. Biol. Chem. 251:6462−4、1976)またはトリグリ
セリドの蓄積(Kletzien他、Mol. Pharmacol. 41:393−8、1992)の測定によ
りモニターすることができる。
【0231】 グルコースの吸収は、例えば、インスリン刺激グルコース輸送についてのアッ
セイにおいて評価することができる。1g/lのグルコース、0.5または1.0%のBSA
、20mMのHepes、および2mMのグルタミンを含有するDMEMの中に、非トランスフェ
クト、分化L6筋管(G418の非存在下に維持される)を入れる。2〜5時間培養した
後、0.5または1.0%のBSA、20mMのHepes、および2mMのグルタミンを含有する、
新鮮な、無グルコースDMEMと培地を置換する。適当な濃度のインスリンまたはIG
F−1、または希釈系列の被験物質を添加し、細胞を20〜30分間インキュベートす
る。3Hまたは14C標識化デオキシグルコースを約50mMの最終濃度に添加し、細胞
をほぼ10〜30分間インキュベートする。
【0232】 次いで細胞を冷緩衝液(例えば、PBS)で急速にすぎ、適当な溶解剤(例えば
、1%のSDSまたは1NのNaOH)で溶解する。次いでシンチレーションカウンターで
計数することによって、細胞ライゼートを評価する。グルコース輸送のインヒビ
ターであるサイトカラシンbの存在下に細胞をインキュベートすることによって
測定して、細胞に関連する放射能を非特異的結合を減じた後のグルコース輸送の
測度として採る。他の方法は、例えば、Manchester他、Am. J. Physiol. 266
(Endocrinol. Metab. 29):E326−E333、1994(インスリン刺激グルコース
輸送)に記載されている方法を包含する。
【0233】 タンパク質合成は、例えば、被験細胞と35S−メチオニンとインキュベートし
た後、35S−メチオニン標識化タンパク質の沈澱を35S−メチオニンおよびタンパ
ク質合成の推定上のモジュレーターと比較することによって評価することができ
る。 熱発生は下記の文献に記載されているようにして評価することができる:B.
Stanley、The Biology of Neutropeptide Y and Related Peptides、W.
ColmersおよびC. Wahlestedt(編者)、Humana Press、Ottawa、1993、pp.
457−509;C. Billington他、Am. J. Physiol. 260:R321、1991;N. Za
rjevski他、Endocrinology 133:1753、1993;C. Billington他、Am. J. Ph
ysiol. 266:R1765、1994;Heller他、Am. J. Physiol. 252(4 Pt 2):
R661−7、1987;およびHeller他、Am. J. Physiol. 245:R321−8、1993。ま
た、代謝速度は、種々の技術により測定することができ、熱発生の間接的測度で
ある。
【0234】 酸素の利用は、Heller他、Pflugers Arch 369:55−9、1977に記載するよう
にして評価することができる。この方法は、また、視床下部温度および代謝熱産
生の分析を含んだ。酸素の利用および熱調節は、また、ヒトにおいてHaskell他
、J. Appl. Physiol. 51:948−54、1981に記載されているように評価された
【0235】 神経伝達物質の機能を脳における2−デオキシ−グルコースの吸収をモニター
することによって評価することができる。このパラメーターはこの分野において
知られている技術(アッセイまたは動物モデル)、例えば、オートラジオグラフ
ィーによりモニターされる。有効なモニター技術は、例えば、Kilduff他、J. N
eurosci. 10:2463−75、1990に記載されており、下記の文献に記載されている
ように、関係する技術を使用して「冬眠心臓」を評価する:Gerber他、Circulat
ion 94(4):651−8、1996、およびFallavollita他、Circulation 95:1900
−9、1997。
【0236】 さらに、zacrp5ポリペプチド、そのフラグメント、融合物、アゴニストまたは
アンタゴニストは、抗微生物の用途に療法上有用である。例えば、補体成分C1q
は、感染因子、例えば、細菌およびウイルスに対する宿主の防御においてある役
割を演ずる。C1qはいくつかの特殊化された機能を示すことが知られている。例
えば、C1qは結合した抗体またはC反応性タンパク質(CRP)との相互作用を介し
て補体のカスケードを誘発する。
【0237】 また、C1qはある種の細菌、RNAウイルス、マイコプラズマ、尿酸結晶、細菌の
エンドトキシンの脂質A成分およびある種の細胞内オルガネラの膜と直接的に相
互作用する。C1qレセプターに対するC1qの結合は、食作用を促進すると考えられ
る。また、C1qは宿主の防御系の抗体形成の面を増強するように思われる。例え
ば、下記の文献を参照のこと:Johnston、Pediatr. Infect. Dis. J. 12(1
1):933−41、1993。こうして、可溶性C1q様分子は、感染因子の溶解または食
作用を促進する抗菌剤として有用であろう。
【0238】 zacrp5フラグメントならびにzacrp5ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニス
ト、アンタゴニストおよび抗体は、この分野において知られている手法に従い、
それらの抗微生物特性に関して評価することができる。例えば、下記の文献を参
照のこと:Barsum他、Eur. Respir. J. 8(5):709−14、1995;Sandovsky
−Losica他、J. Med. Vet. Mycol.(England)28(4):279−87、1990;Meh
entee他、J. Gen. Microbiol.(England)135(Pt. 8):2181−8、1989;Se
galおよびSavage、Journal of Medical and Vet. Mycol. 24:477−9、19
86およびその他。
【0239】 所望ならば、これに関するzacrp5の性能をこれに関して機能的であることが知
られているタンパク質、例えば、プロリンに富んだタンパク質、リゾチーム、ヒ
スタチン、ラクトペルオキシダーゼまたはその他と比較することができる。さら
に、zacrp5のフラグメント、ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニスト、アン
タゴニストまたは抗体を1またはそれ以上の抗微生物因子と組み合わせて評価し
て、相乗効果を同定することができる。当業者は認識するように、zacrp5のポリ
ペプチド、フラグメント、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニストおよび
抗体の抗微生物特性を同様に評価することができる。
【0240】 神経伝達物質または神経伝達モジュレーターとして、本発明のzacrp5ポリペプ
チドフラグメントならびにzacrp5ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニスト、
アンタゴニストまたは抗体は、また、カルシウムイオン濃度、筋肉収縮、ホルモ
ン分泌、DNA合成または細胞成長、リン酸イノシトールの代謝回転、アラキドン
酸塩の放出、ホスホリパーゼ−Cの活性化、胃内容排出、ヒト好中球の活性化ま
たはADCC能力、スーパーオキシドアニオンの産生およびその他をモジュレート
することができる。これらの性質の評価は既知の方法、例えば、本明細書におい
て記載する方法により実施することができる。
【0241】 細胞内カルシウムレベルに対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物
、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られて
いる方法、例えば、Dobrzanski他、Regulatory Peptides 45:341−52、1993
、およびその他に記載されている方法により評価することができる。筋肉収縮に
対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニストまたはアンタゴ
ニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば、SmitsおよびLeb
ebvre、J. Auton. Pharmcol. 14:383−92、1994、Belloli他、J. Vet. Ph
armacol. Therap. 17:379−83、1994、Maggi他、Regulatory Peptides 53
:259−74、1994、およびその他に記載されている方法により評価することがで
きる。
【0242】 ホルモン分泌に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニス
トまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば
、プロラクチンの放出について、Henriksen他、J. Recep. Sig. Transd. Re
s. 15(1−4):529−41、1995、およびその他に記載されている方法により評
価することができる。
【0243】 DNA合成または細胞成長に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物
、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方
法、例えば、Dobrzanski他、Regulatory Peptides 45:341−52、1993、およ
びその他に記載されている方法により評価することができる。リン酸イノシトー
ルの代謝回転に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニスト
またはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば、
Dobrzanski他、Regulatory Peptides 45:341−52、1993、およびその他に記
載されている方法により評価することができる。
【0244】 また、アラキドン酸塩の放出に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融
合物、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られてい
る方法、例えば、Dobrzanski他、Regulatory Peptides 45:341−52、1993、
およびその他に記載されている方法により評価することができる。ホスホリパー
ゼ−Cの活性化に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニス
トまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば
、Dobrzanski他、Regulatory Peptides 45:341−52、1993、およびその他に
記載されている方法により評価することができる。
【0245】 胃内容排出に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニスト
またはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば、
Varga他、Eur. J. Pharmacol. 286:109−112、1995、およびその他に記載さ
れている方法により評価することができる。ヒト好中球の活性化およびADCC能力
に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニストまたはアンタ
ゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法、例えば、Wozniak他、I
mmunology 78:629−34、1993、およびその他に記載されている方法により評価
することができる。スーパーオキシドのアニオンの産生に対するzacrp5ポリペプ
チド、フラグメント、融合物、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、この
分野において知られている方法、例えば、Wozniak他、Immunology 78:629−34
、1993、およびその他に記載されている方法により評価することができる。
【0246】 コラーゲンは血小板凝集の効力のあるインデューサーである。これは血管損傷
から回復する患者に危険を付与する。コラーゲン誘導血小板凝集のインヒビター
は、コラーゲン被覆した表面に対する血小板の結合をブロックし、そして関連す
るコラーゲン誘導血小板凝集を減少するために有用であろう。C1qは補体経路の1
成分であり、防御メカニズムを刺激し、ならびに組織の損傷を引き起こすことが
ある毒性酸素種の発生を誘発することが見出された(Tenner、Behring Inst.
Mitt. 93:241−53、1993)。
【0247】 C1q結合性部位が血小板上に見出された。C1qは免疫結合性相手に対して独立し
て、血小板凝集を阻害するが、血小板の付着または形状変化を阻害しないことが
見出された。C1qのアミノ末端領域はコラーゲンとの相同性を共有する(Peersch
keおよびGhebrehiwet、J. Immunol. 145:2984−88、1990)。C1qおよび補体
経路の阻害は、本明細書に開示するか、あるいはこの分野において知られている
方法、例えば、SubaおよびCsako、J. Immunol. 117:304−9、1976に記載され
ている方法により測定することができる。
【0248】 補体阻害に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニストま
たはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られている方法により評価す
ることができる。Clq結合活性に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融
合物、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、この分野において知られてい
る方法により評価することができる。
【0249】 コラーゲン仲介血小板の接着、活性化および凝集に対するzacrp5ポリペプチド
、フラグメント、融合物、アゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、本明細書
に開示するか、あるいはこの分野において知られている方法、例えば、血小板凝
集アッセイ(Chiang他、Thrombosis Res. 37:605−12、1985)および血小板
接着アッセイ(PeerschkeおよびGhebrehiwet、J. Immunol. 144:221−5、199
0)により評価することができる。コラーゲンに対する血小板の接着およびコラ
ーゲン誘導血小板凝集の阻害についてのアッセイは、下記の文献に記載されてい
る方法により測定することができる:Keller他、J. Biol. Chem. 268:5450
−6、1993;WaxmanおよびConnolly、J. Biol. Chem. 268:5445−9、1993;N
oeske−Jungblut他、J. Biol. Chem. 269:5050−3、1994またはDeckmyn他、
Blood 85:712−9、1995。
【0250】 大動脈環の血管拡張に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、ア
ゴニストまたはアンタゴニストの衝撃は、Dainty他、J. Pharmacol. 100:767
、1990およびRhee他、Neurotox. 16:179、1995の方法に従い測定することがで
きる。
【0251】 虚血および再灌流の損傷に対するzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合タ
ンパク質、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストの作用を評価するために、種
々のin vitroおよびin vivoモデルが入手可能である。例えば、下記の文献を
参照のこと:Shandelya他、Circulation 88:2812−26、1993;Weisman他、Sci
ence 249:146−151、1991;Buerke他、Circulation 91:393−402、1995;Ho
rstick他、Circulation 95:701−5、1997およびBurke他、J. Phar. Exp. T
herap. 286:429−38、1998。
【0252】 ex vivoハムスター血小板凝集アッセイは、Deckmyn他、前掲に記載されている
。Deckmyn他、前掲に記載されているモデルを使用して、zacrp5ポリペプチドの
注射後、ハムスターおよびヒヒにおける出血時間を測定することができる。Deck
myn他、前掲により提供されるハムスター大腿静脈血栓モデルを使用して、本発
明のタンパク質の投与に応答した血栓形成を測定することができる。zacrp5投与
後における流れ条件下の血小板接着の変化は、Harsfalvi他、Blood 85:705−1
1、1995に記載されている方法により測定することができる。
【0253】 補体の阻害および創傷の治癒について、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、
融合タンパク質、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストを単独で、あるいはコ
ラーゲン誘導血小板活性化および凝集の他の既知インヒビター、例えば、パルジ
ピン、モウバチンまたはカリンと組合わせて評価することができる。
【0254】 本明細書に開示するか、あるいはこの分野において知られている方法、例えば
、ブタにおける皮膚層の治癒(Lynch他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84
:7696−700、1987)および遺伝的に糖尿病のマウスにおける全厚さの皮膚の創
傷(Greenhalgh他、Am. J. Pathol. 136:1235−46、1990)を使用して、zac
rp5ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニストまたはア
ンタゴニストを評価することができる。本発明のポリペプチドを単独で、あるい
は前述した他の既知の補体インヒビターと組合わせてアッセイすることができる
【0255】 放射性ハイブリッドマッピングは、哺乳動物の染色体の高い分解能の、隣接す
る地図を構築するために開発された、幹細胞の遺伝的技術である(Cox他、Scien
ce 250:245−50、1990)。遺伝子の配列の部分的または完全な知識は、染色体
の放射性ハイブリッドマッピングパネルとともに使用するために適当なPCRプラ
イマーの設計を可能とする。全体のヒトゲノムをカバーする、放射性ハイブリッ
ドマッピングパネル、例えば、Stanford G3 PanelおよびGeneBridge 4 RH
Panel(Research Genetics,Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ)は商業的に入手
可能である。
【0256】 これらのパネルは、急速な、PCRをベースとする染色体の局在化および遺伝子
、配列標識化部位(STS)、および問題の領域内の他の非多形性および多形性マ
ーカーの順序決定を可能とする。これは、問題の新しく発見された遺伝子と前に
マッピングされたマーカーとの間の、直接的に比例する物理的距離の確立を包含
する。
【0257】 遺伝子の位置の正確な知識は、下記の目的を包含する、多数の目的に有用であ
る:1)配列が存在するcontigの一部分であるかどうかを決定し、そして追加の
取り囲む遺伝的配列を種々の形態、例えば、YAC−、BAC−またはcDNAクローンで
得ること;2)同一染色体領域に対する連鎖を示す、遺伝性疾患の可能な候補の
遺伝子を準備すること;および3)特定の遺伝子がどんな機能を有することがで
きるかの決定を促進することができる、交差参照モデルの生物、例えば、マウス
。放射線ハイブリッドマッピングを使用して、ヒト染色体16に対 するzacrp5の局在化を確証した。
【0258】 本発明は、また、診断的用途に使用される試薬を提供する。例えば、zacrp5遺
伝子、zacrp5のDNAまたはRNAを含んでなるプローブ、またはそのサブ配列を使用
して、zacrp5遺伝子が染色体4上に存在するかどうか、または突然変異が起こっ
たかどうかを決定することができる。zacrp5遺伝子の遺伝子座における検出可能
な染色体異常は下記のものを包含するが、これらに限定されない:異数性、遺伝
子コピー数の変化、挿入、欠失、制限部位の変化および再配列。これらの異常は
、上流のプロモーターおよび調節領域を包含する、コーディング配列内、イント
ロン内、またはフランキング配列内で起こることがあり、そしてコーディング配
列内の物理的変更または遺伝子発現レベルの変化として発現されることがある。
【0259】 一般に、これらの診断法は下記の工程からなる:(a)患者から遺伝的試料を
を採取し、(b)遺伝的試料を前述のポリヌクレオチドのプローブまたはプロモ
ーターと、ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダ
イゼーションする条件下に、インキュベートして、第1反応生成物を生成し、そ
して(iii)第1反応生成物を対照反応生成物と比較する。第1反応生成物と対照
反応生成物との間の差は、患者における遺伝的異常性を示す。本発明において使
用する遺伝的試料は、ゲノムDNA、cDNA、およびRNAを包含する。ポリヌクレオチ
ドのプローブまたはプライマーはRNAまたはDNAであることができ、そして配列番
号1の一部分、配列番号1の補体、またはそれらのRNA同等物を含むであろう。
【0260】 これに関して適当なアッセイ法は、この分野において知られている分子遺伝的
技術、例えば、制限フラグメントの長さ多形性(RFLP)の分析、PCR技術を使用
する短い直列反復(STR)の分析、結合鎖反応(Barany、PCR Methods and Ap
plications 1:1−15、1991)、リボヌクレアーゼ保護アッセイ、およびこの分
野において知られている他の遺伝的結合分析技術を包含する(Sambrook他、前掲
;Ausubel他、前掲;Marian;Chest 108:255−65、1995)。
【0261】 リボヌクレアーゼ保護アッセイ(例えば、Ausubel他、前掲、ch. 4参照)は
、RNAプローブを患者のRNA試料に対してハイブリダイゼーションさせ、次いで反
応生成物(RNA−RNAハイブリッド)をRNアーゼに対して暴露することからなる。
RNAのハイブリダイゼーションした領域を消化から保護する。PCRアッセイにおい
て、患者の遺伝的試料を1対のポリヌクレオチドのプライマーとインキュベート
し、プライマー間の領域を増幅し、回収する。回収された生成物の大きさおよび
量の変化は患者における突然変異を示す。使用することができる他のPCRをベー
スとする技術は、一本鎖コンフォメーション多形性(SSCP)分析である(Hayash
i、PCR Methods and Applications 1:34−8、1991)。
【0262】 本発明は、また、zacrp5遺伝子の発現についての診断アッセイを実行するか、
あるいはzacrp5遺伝子座を検査するためのキットを意図する。このようなキット
は、核酸プローブ、例えば、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部分を
含んでなる二本鎖核酸分子、ならびに配列番号1のヌクレオチド配列の補体また
はその一部分を有する一本鎖核酸分子を含んでなる。プローブ分子はDNA、RNA、
オリゴヌクレオチド、およびその他であることができる。キットはPCRを実行す
るために核酸プライマーを含んでなることができる。
【0263】 このようなキットは、前述の核酸診断アッセイを実行するためのすべての必要
な因子を含有することができる。キットはzacrp5プローブまたはプライマー対応
する少なくとも1つの容器を含む。また、キットはzacrp5配列の存在を示すこと
ができる1またはそれ以上の試薬を含む第2容器を含んでなることができる。この
ようなインジケーターの例は、検出可能標識、例えば、放射性標識、蛍光色素、
化学発光因子、およびその他を包含する。また、キットは、zacrp5プローブおよ
びプライマーを使用してzacrp5遺伝子の発現を検出することをユーザーに伝える
手段を含むことができる。
【0264】 例えば、zacrp5をコードする核酸分子を検出するか、あるいはzacrp5エンコー
ディングヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を有する核酸
分子を検出するために、同封された核酸分子を使用できることを、書かれた使用
説明書により示すことができる。書かれた材料は容器に直接的に適用するか、あ
るいはパッケージの挿入物として提供することができる。
【0265】 また、(a)zacrp5核酸プローブをハイブリダイゼーション条件下に(i)生物
学的試料から単離された被験RNA分子、または(ii)単離されたRNA分子から合成
された核酸分子と接触させ、ここでプローブは本明細書において記載する核酸分
子のヌクレオチド配列の一部分を含んでなるヌクレオチド配列、またはその補体
から成り;そして(b)核酸プローブと被験RNA分子または合成された核酸分子と
のハイブリッドの形成を検出する;ことを含み、ここでハイブリッドの存在は生
物学的試料中のzacrp5 RNAの存在を示す、生物学的試料中のzacrp5遺伝子の発
現の存在を検出する方法が提供される。
【0266】 さらに、(a)生物学的試料を本明細書において記載する抗体、または抗体フ
ラグメントと接触させ、ここで生物学的試料に対する抗体または抗体フラグメン
トの結合を可能とする条件下に接触を実施し;そして(b)結合した抗体または
結合した抗体フラグメントを検出する;ことを含む、生物学的試料中のzacrp5の
存在を検出する方法が提供される。
【0267】 zacrp5ポリペプチドは、哺乳動物のエネルギー収支の分析において使用するこ
とができる。血清または組織の試料の中に見出されるzacrp5ポリペプチドは、食
物を貯蔵する哺乳動物の能力を示し、いっそう高度に効率よい哺乳動物は肥満に
向かう傾向がある。さらに詳しくは、本発明は下記の工程からなるzacrp5ポリペ
プチドを検出する方法を包含する:
【0268】 zacrp5ポリペプチドを含有する可能性がある試料を固体の支持体に結合させた
抗体に暴露し、ここで前記抗体はzacrp5ポリペプチドのエピトープに結合し; 前記固定化された抗体−ポリペプチドを洗浄して、非結合汚染物質を除去し; 前記固定化された抗体−ポリペプチドをzacrp5ポリペプチドの第2エピトープ
に対して向けられた第2抗体に暴露し;ここで第2抗体は検出可能な標識とアソシ
エートし;そして 検出可能な標識を検出する。被験試料中のzacrp5ポリペプチドの濃度は哺乳動
物のエネルギー効率を示すように思われる。この情報は哺乳動物の栄養の分析を
促進する。潜在的に、この情報はエネルギー欠乏組織の同定および/またはター
ゲッティングにおいて有用であろう。
【0269】 本発明のそれ以上の面は、インスリンを研究する方法を提供する。本発明のこ
のような方法は、zacrp5ポリペプチド、そのモノクローナル抗体、アゴニストま
たはアンタゴニスト±インスリンを含んでなる培地中で脂肪細胞インキュベート
し、そして脂肪細胞のタンパク質の分泌または分化の変化を観測することからな
る。
【0270】 抗微生物保護因子は、直接的に作用性または間接的に作用性であることができ
る。このような因子は、膜のアソシエーションまたは孔の形成メカニズムを介し
て働き、攻撃性微生物に直接的に結合する。抗微生物因子は、また、酵素的メカ
ニズムを介して作用して、微生物保護物質または微生物の細胞壁/膜を破壊する
ことができる。微生物の増殖または作用を阻害するか、あるいは前述のいずれか
のメカニズムにより微生物の完全性を崩壊することができる、抗微生物因子は、
抗微生物活性に対して感受性である微生物による、細胞培養における汚染を防止
する方法において有用である。このような技術は、有効量の前記zacrp5ポリペプ
チドまたはそのアゴニストまたはアンタゴニストの存在下に、細胞を培養するこ
とを含む。
【0271】 また、zacrp5ポリペプチドまたはそのアゴニストを、外因的微生物の感染、例
えば、細菌、ウイルスまたは菌類の感染のin vitro研究において、細胞培養試
薬として使用することができる。このような成分は、また、感染のin vivo動物
モデルとして使用することができる。 本発明は、また、哺乳動物細胞の代謝を研究する方法を提供する。本発明のこ
のような方法は、研究すべき細胞、例えば、ヒト導管内皮細胞、±zacrp5ポリペ
プチド、そのモノクローナル抗体、アゴニストまたはアンタゴニストをインキュ
ベートし、そして脂肪生成、グルコース新生、グリコーゲン分解、脂質生成、グ
ルコース吸収、またはその他の変化を観測することからなる。
【0272】 本発明のzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニ
ストまたはアンタゴニストは、接着し、活性化される血小板の数および血小板凝
集の大きさを減少することによって、哺乳動物の血管構造内の血流を促進する方
法において使用することができる。このような目的のために、zacrp5は哺乳動物
における血管の急性損傷の前、間または後に投与することができる。血管損傷は
、血管の再構築のためであることができ、このような再構築は下記のものを包含
するが、これらに限定されない:血管形成術、冠状動脈バイパス移植、微小血管
修復または血管移植片の吻口。また、外傷、卒中および動脈瘤のための血管損傷
が考えられる。
【0273】 他の好ましい方法において、血管損傷はプラーク破裂、血管構造の劣化、糖尿
病に関連する合併症およびアテローム性動脈硬化症のためである。冠状動脈にお
けるプラーク破裂は心臓発作を誘導し、そして脳動脈におけるプラーク破裂は卒
中を誘導する。このような方法におけるzacrp5ポリペプチド、フラグメント、融
合タンパク質、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストの使用は、また、免疫系
に関連する血管構造の全系統の疾患、例えば、内転移した血管内凝固(DIC)お
よびSIDを改善するために有効である。
【0274】 さらに、補体阻害活性は、非血管構造の免疫疾患、例えば、アテローム性動脈
硬化症の治療に有効であろう。所望ならば、これに関するzacrp5ポリペプチド、
フラグメント、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニストまたは抗体の性能
をこれに関して機能することが知られているタンパク質、例えば、zsig37または
その他と比較することができる。さらに、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、
融合タンパク質、抗体、アゴニストまたはアンタゴニストを1またはそれ以上の
血小板凝集または活性化阻害因子と組み合わせて評価して、相乗作用を同定する
ことができる。
【0275】 また、ポリペプチド、フラグメント、融合物、アゴニスト、アンタゴニストま
たは抗体は急性脈管損傷の治療に有効である。急性脈管損傷は、寿命にわたって
発生する慢性脈管損傷(例えば、アテローム性動脈硬化症)と対照的に、急速に
(すなわち、数日〜数カ月にわたって)起こる損傷である。急性脈管損傷は血管
形成、動脈血管内膜切除、縮小血管切除、血管内ステンティング、血管内レーザ
ー切除、血管移植片の吻口術またはその他を使用する外科的手順、例えば、脈管
再構築からしばしば生ずる。また、例えば、血管移植または器官移植の使用に対
する応答において遅延した応答として、過形成が起こることがある。
【0276】 局在化虚血性心筋中のC1qの存在と冠状動脈閉塞および再灌流後の白血球の蓄
積との間の相関が見出された。組織損傷後の細胞成分の解放は補体の活性化を誘
発し、これにより心筋損傷の主要な原因であることがある、毒性酸素産物を生ず
る(Rossen他、Circ. Res. 62:572−84ね1998およびTenner、前掲)。補体経
路のブロッキングは、再灌流損傷から虚血性心筋を保護することが見出された(
Buerke他、J. Pharmacol. Exp. Ther. 286:429−38、1998)。補体阻害お
よびC1q結合活性を有するタンパク質は、このような目的に有用であろう。
【0277】 脂肪細胞補体関係タンパク質同族体、例えば、zacrp5のコラーゲンおよびC1q
結合能力は、損傷したコラーゲン組織を落ち着かせ、血小板の接着、活性化また
は凝集、および毒性酸素生成物の解放に導く炎症プロセスの活性化を防止するた
めに有効であろう。暴露された組織を補体活性、血栓活性および免疫活性化のよ
うなプロセスに対して不活性とすることによって、虚血および再灌流の損傷作用
を減少させる。特に、このような損傷は、外傷損傷虚血、腸窒息、および血流の
確立前および後に関連する損傷を包含するであろう。このようなポリペプチドは
、心肺バイパス虚血およびリセシテイション(recesitation)、心筋梗塞および
外傷後の血管痙攣、例えば、発作または経皮的経管血管形成ならびに偶発的また
は外科的に誘導された血管外傷の治療において有効であろう。
【0278】 さらに、このようなコラーゲンおよびC1q結合性ポリペプチドは、人工生物材
料および外科的装置を落ち着かせて、材料の表面を補体活性化、血栓活性または
免疫活性化に対して不活性とするために有効であろう。このような材料は下記の
ものを包含するが、これらに限定されない:コラーゲンまたはコラーゲンフラグ
メント被覆生物材料、ゼラチン被覆生物材料、フィブリン被覆生物材料、フィブ
ロネクチン被覆生物材料、ヘパリン被覆生物材料、コラーゲンおよびゲル被覆ス
テント、動脈移植片、合成心臓弁、人工的器官または1×108より大においてzacr
p5に結合する血液に暴露された人工材料の応用。このような材料の被覆はこの分
野において知られている方法を使用して実施することができる、例えば、Rubens
、米国特許第5,272,074号参照。
【0279】 補体およびC1qは炎症においてある役割を演ずる。補体活性化はC1qを免疫グロ
ブリンに結合することによって開始される(Johnston、Pediatr. Infect. Dis
. J. 12:933−41、1993;WardおよびGhetie、Therap. Immunol. 2:77−94
、1995)。C1qおよび補体のインヒビターは抗炎症剤として有効であろう。この
ような応用は感染を防止することができる。さらに、補体活性化およびC1qに対
する免疫複合体の結合により仲介される炎症を患う個体に、このようなインヒビ
ターを投与することができる。C1qおよび補体のインヒビターは、創傷修復を仲
介し、障害された創傷治癒を克服することによって創傷治癒の進行を増強する方
法において有効であろう。創傷治癒の進行は、例えば、炎症の減少、繊維芽細胞
のリクルートメント、創傷の退縮および感染の減少のような要素を包含する。
【0280】 コラーゲンに結合する腫瘍細胞の能力は腫瘍の転移に寄与することがある。コ
ラーゲン結合のインヒビターは、また、腫瘍の接着性相互作用および転移拡大を
仲介するために有効である(Noeske−Jungbult他、米国特許第5,723,312号)。
【0281】 さらに、zacrp5ポリペプチド、それらのフラグメント、融合物、アゴニストま
たはアンタゴニストは抗菌応用のために療法上有効であろう。例えば、補体成分
C1qは感染因子、例えば、細菌およびウイルスに対する宿主の防御においてある
役割を演ずる。C1qはいくつかの特殊化した機能を示すことが知られている。例
えば、C1qは結合した抗体またはC反応性タンパク質(CRP)との相互作用を介し
て補体のカスケードを誘発する。
【0282】 また、C1qはある種の細菌、RNAウイルス、マイコプラズマ、尿酸結晶、細菌の
エンドトキシンの脂肪A成分およびある種の細胞内オルガネラの膜と直接的に相
互作用する。C1qレセプターに対するC1qの結合は、食作用を促進すると考えられ
る。また、C1qは宿主防御系の抗体形成の面を増強ように思われる。例えば、下
記の文献を参照のこと:Johnston,Pediatr. Infect. Dis. J. 12(11):9
33−41、1993。こうして、可溶性C1q様分子は抗菌剤として感染因子の溶解また
は食作用を促進するために有効であろう。
【0283】 C1qおよびマクロファージ掃去剤レセプターの正に帯電した、細胞外、三重ら
せんの、コラーゲンドメインはリガンドの結合においてある役割を演ずることが
決定され、ポリアニオンに対して広い結合特異性を有することが示された(Acto
n他、J. Biol. Chem. 268:3530−37、1993)。リゾホスホリピッド成長因子
(リゾホスファチジン酸、LPA)および他のマイトジェンアニオンは損傷した組
織の部位に局在化し、創傷修復を促進する。LPAは血小板の活性化およびマトリ
ックスアセンブリーのアップレギュレーションを包含する、多数の生物学的作用
を発揮する。LPAは他の血液凝固因子と相乗し、創傷治癒を仲介すると考えられ
る。
【0284】 タンパク質、例えば、C1qおよびマクロファージ掃去剤レセプターのコラーゲ
ンドメインは、酸性リン脂質、例えば、LPAに結合することが知られている。zac
rp5のコラーゲン反復の9マー領域、配列番号2のアミノ酸残基98〜106はClqおよ
びマクロファージスキャベンジャーレセプター上に見出されるコラーゲンドメイ
ンと配列の相同体を共有する。zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合物、ア
ゴニストまたはアンタゴニストとマイトジェンアニオン、例えば、LPAとの相互
作用は、この分野において知られているアッセイを使用して測定することができ
る、、例えば、Acton他、前掲参照。本発明のポリペプチドおよび抗体の炎症プ
ロセスの阻害は、創傷部位における感染を予防するとき有効である。
【0285】 薬学的に使用するために、本発明のタンパク質は、慣用法に従い、非経口的、
経口的、経鼻的、経直腸的、局所的、経皮的投与またはその他のための薬学上許
容される担体を使用して処方することができる。本発明の好ましい態様において
、投与は脈管損傷部位にまたはその付近において実施される。一般に、医薬処方
物はzacrp5タンパク質と、薬学上許容されるビヒクル、例えば、生理食塩水、緩
衝化生理食塩水、水中の5%デキストロースまたはその他との組合わせを含むで
あろう。処方物は、さらに、1または2以上の賦形剤、保存剤、可溶化剤、緩衝化
剤、バイアル表面上のタンパク質の損失を防止するためのアルブミン、およびそ
の他を含むことができる。
【0286】 処方法はこの分野においてよく知られており、そして、例えば、下記の文献に
開示されている:The Science and Practice of Pharmacy、Gennaro、編、
Mack Publshing Company、ペンシルベニア州イーストン、第19版、1995。治療
的投与量は一般に承認された標準に従い、治療すべき症状の特質および重症度、
患者の体質、およびその他を考慮して、臨床医により決定される。投与量の決定
は当業者のレベルの範囲内である。
【0287】 本明細書において使用するとき、zacrp5ポリペプチド、フラグメント、融合タ
ンパク質、アゴニストまたはアンタゴニストの「薬学的に有効量」は所望の生物
学的結果を誘導するために十分な量である。この結果は疾患の徴候、症候、また
は原因の軽減、あるいは生物学的系の任意の他の所望の変更であることができる
。例えば、zacrp5ポリペプチドの有効量は、臨床医または他の適格とされた観察
者により認められた症候の主観的軽減または客観的同定可能な改善を提供する量
である。このような有効量のzacrp5ポリペプチドは、例えば、C1qを包含する、
コラーゲン活性化血小板活性化および補体経路の阻害、患者の脈管内の局在化血
流の増加および虚血および再灌流の損傷的作用の減少を提供するであろう。
【0288】 関節炎に関連する炎症のモジュレーションは炎症の減少および疼痛または剛直
性の軽減を包含し、動物モデルにおいて、指示は関節の巨視的検査および後足の
腫脹の変化から誘導される。zacrp5ポリペプチドの有効量は、治療すべき疾患ま
たは症候に依存して広く変化させることができる。投与すべきポリペプチドの量
および処方物中のその濃度は、選択したベヒクル、投与経路、特定のポリペプチ
ドの効力、患者の臨床的症状、処方物中の化合物の副作用および安定性に依存す
る。
【0289】 したがって、臨床医は、問題の患者または同様な患者を使用する臨床的経験に
依存して、処方物の中に適当な濃度を含有する適当な調製物、ならびに処方物の
投与量を使用するであろう。このような量は、一部分、治療すべき特定の症状、
患者の年齢、体重、および一般的健康、および当業者にとって明らかな他の因子
に依存するであろう。典型的には、投与量は0.01〜100mg/被検体kgの範囲であ
ろう。
【0290】 バルーンカテーテルのような応用において、典型的な投与量の範囲は0.05〜5m
g/被検体kgであろう。特定の化合物の投与量は、実験動物についての研究と組
合わせたin vitroまたはex vivo研究から決定することができる。in vitroま
たはex vivoにおいて有効であることが見出された化合物の濃度は動物の研究の
ために手引きを提供し、ここで投与量は作用部位において同様な濃度を提供する
ように計算される。
【0291】 zacrp5ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、zacrp5活性を増加させ
るか、あるいは阻害する遺伝子治療において有用である。哺乳動物が突然変異し
たzacrp5遺伝子をもつか、あるいはzacrp5遺伝子をもたない場合、zacrp5遺伝子
を哺乳動物の細胞の中に導入することができる。1つの態様において、zacrp5ポ
リペプチドをコードする遺伝子をin vivoにおいてウイルスのベクターの中に導
入する。このようなベクターは、弱毒化または欠陥DNAウイルス、例えば、単純
ヘルペスウイルス(HSV)、肺炎ウイルス、EBウイルス(EBV)、アデノウイルス
、アデノ関連ウイルス(AAV)、およびその他を包含するが、これらに限定され
ない。欠陥ウイルスは、ウイルス遺伝子を完全にまたはほとんど完全に欠如し、
このようなウイルスは好ましい。
【0292】 欠陥ウイルスは、細胞の中に導入された後、感染性ではない。欠陥ウイルスの
ベクターを使用すると、ベクターが他の細胞を感染することができるということ
を無視して、特定の局在化区域における細胞への投与が可能となる。特定のベク
ターの例は下記のものを包含するが、これらに限定されない:欠陥単純ヘルペス
ウイルス1(HSV1)のベクター(Kaplitt et al.、Molec. Cell. Neurosci.
2:320−30、1991);弱毒化アデノウイルス、例えば、Stratford−Perricaud
et et al.、J. Clin. Invest. 90:626−30、1992、に記載されているベク
ター;および欠陥アデノ関連ウイルスのベクター(Samulski et al.、J. Vir
ol. 61:3096−101、1987;Samulski et al.、J. Virol. 63:3822−8、19
89)。
【0293】 他の態様において、zacrp5遺伝子を、例えば、下記の文献に記載されているよ
うに、レトロウイルスのベクターの中に導入することができる:Anderson et
al.、米国特許第5,399,346号;Mann et al.、Cell 33:153、1983;Temin e
t al.、米国特許第4,650,764号;Temin et al.、米国特許第4,980,289号;Ma
rkwoitz et al.、J. Virol. 62:1120、1988;Temin et al.、米国特許第
5,124,263号;Dougherty et al.、WIPO公開No. WO95/07358号;およびKuo
et al.、Blood 82:845、1993。あるいは、ベクターはリポソームを使用するi
n vivoにおけるリポフェクションにより導入することができる。
【0294】 合成カチオン性脂質を使用して、マーカーをコードする遺伝子バンクのin vi
voトランスフェクションのためのリポソームを調製する(Felgner et al.、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413−7、1987;Mackey et al.、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 85:8027−31、1988)。外因的遺伝子を特定の器
官の中にin vivoにおいて導入するリポフェクションを使用すると、ある種の実
際的利点が得られる。特定の細胞に対するリポソームの分子のターゲッティング
は、1つの範囲の利益を表す。
【0295】 さらに詳しくは、トランスフェクションを特定の細胞に向けることは、1つの
範囲の利益を表す。例えば、特定の細胞型にトランスフェクションを向けること
は、細胞の異種性を有する組織、例えば、膵臓、肝臓、腎臓、および脳において
特に好都合である。脂質をターゲッティングの目的で他の分子に化学的にカップ
リングさせることができる。ターゲッテッドペプチド(例えば、ホルモンまたは
神経伝達物質)、タンパク質、例えば、抗体、または非ペプチド分子をリポソー
ムの化学的にカップリングさせることができる。
【0296】 標的細胞を体から取出し、裸のDNAプラスミドとしてベクターを導入し、次い
で形質転換された細胞を体の中に再移植することができる。遺伝子治療のための
裸のDNAベクターを、この分野において知られている方法、例えば、トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスダ
クション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈降法、遺伝子ガン
の使用またはDNAベクターのトランスポーターの使用により、所望の宿主細胞の
中に導入することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Wu et al.、J
. Biol. Chem. 267:963−7、1992;Wu et al.、J. Biol. Chem. 263:
14621−4、1988。
【0297】 アンチセンスの方法を使用して、zacrp5遺伝子の転写を阻害すること、例えば
、in vivoにおいて細胞の増殖を阻害することができる。zacrp5をコードするmR
NAに結合しかつこのようなmRNAの翻訳を阻害するように、zacrp5をコードするポ
リヌクレオチド(例えば、配列番号1に記載するポリヌクレオチド)のセグメン
トに対して相補的であるポリヌクレオチドを設計する。細胞培養において、また
は被検者において、zacrp5ポリペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害するた
めに、このようなアンチセンスのポリヌクレオチドを使用する。
【0298】 zacrp5遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウス、および
zacrp5遺伝子機能の完全な非存在を示すマウス、「ノックアウトマウス」と呼ぶ
(Snouwaert et al.、Science、257:1083、1992)を発生させることもできる
(Lowell et al.、Nature 366:740−42、1993)。これらのマウスを使用し
て、in vivo系においてzacrp5遺伝子およびそれによりコードされるタンパク質
を研究することができる。 下記の非限定的実施例により、本発明をさらに例示する。
【0299】 実施例1.zacrp5配列の同定 本発明の新規なzacrp5ポリペプチドエンコーディングポリヌクレオチドは、脂
肪細胞補体関係タンパク質、zsig37(WO 99/04000)の相同体について検索す
る間に、仕上げられていないゲノム配列において最初に同定され、シグナル配列
、コラーゲン様ドメインおよびClqドメインにより特性決定された。ゲノム配列
は、染色体16に由来する遺伝子座HS349E11上に位置する。配列番号7は、開始コ
ドンにおいて開始するzacrp5の同定されたエクソン1、ヌクレオチド1〜208、イ
ントロン1、ヌクレオチド209〜870および停止コドンで終わるエクソン2、ヌクレ
オチド871〜1421を提供する。生ずる1169bpの配列を配列番号1に開示する。
【0300】 種々の組織から配列番号1のポリヌクレオチドを単離するために、配列番号1お
よび配列番号7からプローブおよび/またはプライマーを設計する。zacrp5を発
現する組織をハイブリダイゼーション(ノザンブロット)または逆転写酵素(RT
)PCRにより同定することができた。次いでzacrp5の発現を示すように思われる
組織からライブラリーを発生させる。次いで本明細書において記載するようにプ
ローブを使用するハイブリダイゼーションおよび/またはプライマーを使用する
PCRにより、このようなライブラリーから単一クローンを同定する。本明細書に
おいて提供される配列を使用して、zacrp5 cDNA配列のコンフォメーションを確
認することができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図面は、本発明のzacrp5ポリペプチドおよび脂肪細胞補体関係タンパク質
相同体zsig37(配列番号3、WO 99/04000)、ヒトACRP30(ACR3_HUMAN)(配
列番号4、Maeda他、Biochem. Biophys. Res. Commun. 221:286−9、1996)
、脂肪細胞補体関係タンパク質相同体zsig39(配列番号3、WO 99/10492)およ
びヒトClq C(配列番号6、Sellar他、Biochem. J. 274:481−90、1991およ
びReid、Biochem. J. 179:361−71、1979)の多重整列を図解する。デフォル
ト設定を有するClustalx多重整列ツールを使用して、多重整列を実行した:ブロ
サムエクステンションマトリックス、ギャップオープニングペナルティー:10.0
、ギャップエクステンションペナルティー:0.05。同一性百分率を計算する前に
、多重整列をさらに手で同調させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 9/10 101 4C085 9/10 C07K 14/78 4H045 101 16/18 C07K 14/78 16/42 16/18 19/00 16/42 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 C12Q 1/68 A 15/02 G01N 33/53 D C12P 21/02 M 21/08 33/566 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 C 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シェパード,ポール オー. アメリカ合衆国,ワシントン 98252,グ ラニト フォールズ,トゥーハンドレッド セブンティーエイス ドライブ ノースイ ースト 13532 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA44 BA80 CA02 CA04 CA09 DA05 DA06 DA12 EA02 GA05 GA11 HA04 HA08 HA12 4B063 QA00 QA01 QA13 QA19 QQ02 QQ43 QQ79 QR08 QR14 QR24 QR31 QR32 QR33 QR40 QR42 QR50 QR55 QR56 QR58 QR59 QR62 QR66 QR72 QS25 QS34 QX02 4B064 AG01 AG26 AG27 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA03 DA13 4B065 AA77X AA80X AA90X AA93Y AB01 CA23 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 BA02 BA22 CA18 CA36 CA53 DC50 NA14 ZA362 ZA452 ZC352 4C085 AA13 AA14 BB11 CC03 CC05 DD22 DD33 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 BA54 CA40 DA76 EA20 EA28 FA72 FA74

Claims (57)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の残基70〜252に対して少なくとも80%のアミノ酸
    同一性を有するアミノ酸残基の配列を含んでなり、前記配列が、 コラーゲン様ドメインを形成するGly−Xaa−XaaおよびGly−Xaa−Proコラーゲ
    ン反復(ここでXaaは任意のアミノ酸残基である);および カルボキシル末端のClqドメイン; を含んでなる、単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基18〜252に対して少なく
    とも90%のアミノ酸同一性を有する、請求項1に記載の単離されたポリペプチド
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドと配列番号2との間の差が保存的アミノ酸
    置換のためである、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 前記コラーゲン様ドメインが14のGly−Xaa−Xaaコラーゲン
    反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復から成る、請求項2に記載の単離
    されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドが、 アミノ末端の領域; コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaaコラーゲン反復および1つ
    のGly−Xaa−Proコラーゲン反復(ここでXaaは任意のアミノ酸残基である);お
    よび 配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜152、156〜158、162〜17
    3、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、および240〜244に対応する10ベ
    ータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン; を含んでなる、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  6. 【請求項6】 前記ポリペプチドが配列番号2のポリペプチドと特異的に結
    合する抗体と特異的に結合する、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  7. 【請求項7】 前記コラーゲン様ドメインが配列番号2のアミノ酸残基70〜1
    11を含んでなる、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  8. 【請求項8】 前記Clqドメインが配列番号2のアミノ酸残基112〜252を含ん
    でなる、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  9. 【請求項9】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基70〜252を含んでなる、
    請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基18〜252を含んでなる
    、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基1〜252を含んでなる
    、請求項2に記載の単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 前記ポリペプチドが分子間ジサルファイド結合により複合
    化されてホモトリマーを形成している、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  13. 【請求項13】 前記ポリペプチドが分子間ジサルファイド結合によりコラ
    ーゲン様ドメインを有する1またはそれ以上のポリペプチドに対して複合化され
    て、ヘテロトリマーを形成している、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  14. 【請求項14】 アミノまたはカルボキシル末端において、親和標識、トキ
    シン、ラジオヌクレオチド、酵素および発蛍光団から成る群から選択される成分
    に共有結合されている、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  15. 【請求項15】 下記のポリペプチドから成る群から選択される単離された
    ポリペプチド: a) 配列番号2の残基70〜残基111のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチ
    ド;および b) 配列番号2の残基112〜残基252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチ
    ド。
  16. 【請求項16】 ペプチド結合により結合された第1部分および第2部分から
    本質的に成り、前記第1部分が、 a) 請求項1に記載のポリペプチド; b) アミノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaa
    コラーゲン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復(ここでXaaは任意の
    アミノ酸残基である);および配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、1
    49〜152、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、お
    よび240〜244に対応する10ベータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイ
    ン;を含んでなるポリペプチド; c) コラーゲン様ドメインまたはトリマー化またはオリゴマー化することが
    できるコラーゲン様ドメインの部分を含んでなる、配列番号2に示すzacrp5ポリ
    ペプチドの部分; d) ClqドメインまたはClqドメインの活性部分を含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp5ポリペプチドの部分;または e) コラーゲン様ドメインおよびClqドメインを含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp2ポリペプチドの部分; から成る群から選択され;そして 前記第2部分が他のポリペプチドを含んでなる; 融合タンパク質。
  17. 【請求項17】 前記第1部分が、 a) 配列番号2のアミノ酸残基70〜アミノ酸残基111の配列から成るポリペプ
    チド; b) 配列番号2のアミノ酸残基112〜アミノ酸残基252の配列から成るポリペプ
    チド; c) 配列番号2のアミノ酸残基70〜アミノ酸残基252の配列から成るポリペプ
    チド; d) 配列番号2のアミノ酸残基18〜252のアミノ酸残基の配列から成るポリペ
    プチド;および e) 配列番号2のアミノ酸残基1〜252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプ
    チド; から成る群から選択される、請求項16に記載の融合タンパク質。
  18. 【請求項18】 薬学上許容されるビヒクルと組み合わされた、請求項1に
    記載のポリペプチド。
  19. 【請求項19】 動物にポリペプチドを接種し、前記ポリペプチドは、 a) 請求項1に記載のポリペプチド; b) アミノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaa
    コラーゲン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復、ここでXaaは任意の
    アミノ酸残基である;および配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149
    〜152、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、およ
    び240〜244に対応する10ベータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン
    ;を含んでなるポリペプチド; c) コラーゲン様ドメインまたはトリマー化またはオリゴマー化することが
    できるコラーゲン様ドメインの部分を含んでなる、配列番号2に示すzacrp5ポリ
    ペプチドの部分; d) ClqドメインまたはClqドメインの活性部分を含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp5ポリペプチドの部分;または e) コラーゲン様ドメインおよびClqドメインを含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp5ポリペプチドの部分; から成る群から選択され;そして ここで前記ポリペプチドは動物において免疫応答を誘発して抗体を産生し;そ
    して 動物から抗体を単離する、 工程を含む、ポリペプチドに対する抗体を産生する方法。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体ま
    たは抗体フラグメント。
  21. 【請求項21】 前記抗体が、 a) ポリクローナル抗体; b) ネズミモノクローナル抗体; c) 上記b)に由来するヒト型化モノクローナル抗体;および d) ヒトモノクローナル抗体; から成る群から選択される、請求項20に記載の抗体。
  22. 【請求項22】 前記抗体フラグメントが、F(ab')、F(ab)、Fab'、Fab
    、Fv、scFv、および最小認識単位から成る群から選択される、請求項20に記載の
    抗体フラグメント。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の前記抗体に特異的に結合する抗イディオ
    タイプ抗体。
  24. 【請求項24】 請求項1に記載のポリペプチドのエピトープに特異的に結
    合する結合性タンパク質。
  25. 【請求項25】 配列番号2の残基70〜252に対して少なくとも80%のアミノ
    酸同一性を有するアミノ酸残基の配列を含んでなるポリペプチドをコードする単
    離されたポリヌクレオチド、前記配列は、 コラーゲン様ドメインを形成するGly−Xaa−XaaおよびGly−Xaa−Proコラーゲ
    ン反復(ここでXaaは任意のアミノ酸残基である);および カルボキシル末端のClqドメイン; を含んでなる。
  26. 【請求項26】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基18〜252に対して少な
    くとも90%のアミノ酸同一性を有する、請求項25に記載の単離されたポリヌクレ
    オチド。
  27. 【請求項27】 前記コラーゲン様ドメインが14のGly−Xaa−Xaaコラーゲ
    ン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復から成る、請求項25に記載の単
    離されたポリヌクレオチド。
  28. 【請求項28】 前記ポリペプチドが、 アミノ末端の領域; コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaaコラーゲン反復および1つ
    のGly−Xaa−Proコラーゲン反復(ここでXaaは任意のアミノ酸残基である);お
    よび 配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜152、156〜158、162〜17
    3、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、および240〜244に対応する10ベ
    ータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン; を含んでなる、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  29. 【請求項29】 前記ポリペプチドと配列番号2との間の差が保存的アミノ
    酸置換のためである、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  30. 【請求項30】 前記ポリペプチドが配列番号2のポリペプチドと特異的に
    結合する抗体と特異的に結合する、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  31. 【請求項31】 前記コラーゲン様ドメインが配列番号2のアミノ酸残基70
    〜111を含んでなる、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  32. 【請求項32】 w前記ポリペプチドが配列番号2の残基70〜252を含んでな
    る、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  33. 【請求項33】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基18〜252を含んでなる
    、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  34. 【請求項34】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基1〜252を含んでなる
    、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  35. 【請求項35】 アミノまたはカルボキシル末端において、親和標識、トキ
    シン、ラジオヌクレオチド、酵素および発蛍光団から成る群から選択される部分
    に共有結合されている、請求項25に記載の単離されたペプチド。
  36. 【請求項36】 a) 配列番号1のヌクレオチド1〜ヌクレオチド759のヌク
    レオチド配列; b) 配列番号1のヌクレオチド52〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; c) 配列番号1のヌクレオチド208 ヌクレオチド333のヌクレオチド配列 ; d) 配列番号1のヌクレオチド334〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; e) 配列番号1のヌクレオチド208〜ヌクレオチド759のヌクレオチド配列; f) 配列番号1のヌクレオチド52〜ヌクレオチド111のヌクレオチド配列; g) 配列番号2の残基70〜111のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチド; h) 配列番号2の残基112〜残基252のアミノ酸残基の配列から成るポリペプチ
    ドをコードするポリヌクレオチド; i) ストリンジェント洗浄条件後に、配列番号の1ヌクレオチド配列、または
    配列番号1の相補体から成るポリヌクレオチドに対してハイブリダイズして停ま
    るポリヌクレオチド; j) 上記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)またはi)に対して相補的
    であるヌクレオチド配列;および k) 上記g)またはh)の縮重ヌクレオチド配列; から成る群から選択される単離されたポリヌクレオチド。
  37. 【請求項37】 ペプチド結合により結合された第1部分および第2部分から
    本質的に成る融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドであって
    、前記第1部分は、 a) 請求項1に記載のポリペプチド; b) アミノ末端の領域;コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaa
    コラーゲン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復(ここでXaaは任意の
    アミノ酸残基である);および配列番号1のアミノ酸残基119〜123、141〜143、1
    49〜152、156〜158、162〜173、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、お
    よび240〜244に対応する10ベータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイ
    ン;を含んでなるポリペプチド; c) コラーゲン様ドメインまたはトリマー化またはオリゴマー化することが
    できるコラーゲン様ドメインの部分を含んでなる、配列番号2に示すzacrp5ポリ
    ペプチドの部分; d) ClqドメインまたはClqドメインの活性部分を含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp5ポリペプチドの部分;または e) コラーゲン様ドメインおよびClqドメインを含んでなる、配列番号2に示
    すzacrp5ポリペプチドの部分; から成る群から選択され;そして 前記第2部分は他のポリペプチドを含んでなる; ことを特徴とするポリヌクレオチド。
  38. 【請求項38】 配列番号12のヌクレオチド1〜ヌクレオチド756のヌクレオ
    チド配列から成る単離されたポリヌクレオチド。
  39. 【請求項39】 下記の作用可能に連鎖された因子: 転写プロモーター; 請求項1に記載のポリペプチドをコードするDNAセグメント;および 転写ターミネーター; を含んでなる発現ベクター。
  40. 【請求項40】 前記DNAセグメントが配列番号2の残基18〜252に対して少
    なくとも90%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドをコードする、請求項39に
    記載の単離された発現ベクター。
  41. 【請求項41】 前記コラーゲン様ドメインが14のGly−Xaa−Xaaコラーゲ
    ン反復および1つのGly−Xaa−Proコラーゲン反復から成る、請求項39に記載の単
    離された発現ベクター。
  42. 【請求項42】 前記DNAセグメントが下記を含んでなるポリペプチド: アミノ末端の領域; コラーゲン様ドメインを形成する14のGly−Xaa−Xaaコラーゲン反復および1つ
    のGly−Xaa−Proコラーゲン反復、ここでXaaは任意のアミノ酸残基である;およ
    び 配列番号2のアミノ酸残基119〜123、141〜143、149〜152、156〜158、162〜17
    3、178〜184、189〜196、200〜211、216〜221、および240〜244に対応する10ベ
    ータ鎖を含んでなるカルボキシル末端のClqドメイン; をコードする請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  43. 【請求項43】 前記コラーゲン様ドメインが配列番号2のアミノ酸残基70
    〜111を含んでなる、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  44. 【請求項44】 前記ポリペプチドと配列番号2との間の差が保存的アミノ
    酸置換のためである、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  45. 【請求項45】 前記ポリペプチドが配列番号2のポリペプチドと特異的に
    結合する抗体と特異的に結合する、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  46. 【請求項46】 前記DNAが配列番号2の残基70〜252を含んでなるポリペプ
    チドをコードする、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  47. 【請求項47】 前記DNAセグメントが配列番号2の残基18〜252を含んでな
    るポリペプチドをコードする、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  48. 【請求項48】 前記DNAセグメントが配列番号2の残基1〜252を含んでなる
    ポリペプチドをコードする、請求項39に記載の単離された発現ベクター。
  49. 【請求項49】 前記DNAセグメントが前記ポリペプチドに作用可能に連鎖
    された分泌シグナル配列をさらにコードする、請求項39に記載の発現ベクター。
  50. 【請求項50】 前記分泌シグナル配列が配列番号2の残基1〜17を含んでな
    る、請求項39に記載の発現ベクター。
  51. 【請求項51】 請求項39に記載の発現ベクターが導入されており、前記DN
    Aセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現する、培養された細胞
  52. 【請求項52】 コラーゲン様ドメインを有するポリペプチドをコードする
    DNAセグメントを含んでなる、1またはそれ以上の発現ベクターをさらに含む、請
    求項51に記載の培養された細胞。
  53. 【請求項53】 請求項39に記載の発現ベクターが導入された細胞を培養し
    ; ここで前記細胞は前記DNAセグメントによりコードされる前記タンパク質を発
    現し;そして 前記発現された細胞を回収する; 工程を含む、タンパク質を製造する方法。
  54. 【請求項54】 前記発現されたタンパク質がホモトリマーである、請求項
    53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記発現されたタンパク質がヘテロトリマーである、請求
    項53に記載の方法。
  56. 【請求項56】 (a) zacrp5核酸プローブをハイブリダイゼーション条
    件下に(i)生物学的試料から単離された被験RNA分子、または(ii)単離された
    RNA分子から合成された核酸分子と接触させ、ここで前記プローブは請求項25に
    記載の核酸分子のヌクレオチド配列の一部分を含んでなるヌクレオチド配列、ま
    たはその相補体から成り;そして (b) 核酸プローブと被験RNA分子または合成された核酸分子とのハイブリッ
    ドの形成を検出する; 工程を含み、ここでハイブリッドの存在は生物学的試料中のzacrp5 RNAの存在
    を示す、生物学的試料中のzacrp5遺伝子の発現の存在を検出する方法。
  57. 【請求項57】 (a) 生物学的試料を請求項20に記載の抗体、または抗
    体フラグメントと接触させ、ここで生物学的試料に対する抗体または抗体フラグ
    メントの結合を可能とする条件下に前記接触を実施し;そして (b) 結合した抗体または結合した抗体フラグメントを検出する; 工程を含む、生物学的試料中のzacrp5の存在を検出する方法。
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