JP2005532795A - タンパク質zacrp14に関連する脂肪細胞補体 - Google Patents

タンパク質zacrp14に関連する脂肪細胞補体 Download PDF

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Abstract

新規zacrp14ポリペプチド、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及び関連組成物及び使用方法が開示される。zacrp14タンパク質又はそのフラグメントに対する抗体がまた開示される。

Description

発明の背景:
細胞−細胞及び細胞−細胞外マトリックス相互作用は、多細胞生物の種々の細胞間での情報の交換、及びそれらの細胞間での協調を可能にし、そしてほとんどの生物学的工程のための基礎である。それらの相互作用は、受精から死まであらゆることにおいて役割を演じる。そのような相互作用は、成長及び分化の間、必須であり、そして生物の機能及び保護のために決定的である。例えば、細胞とその環境との間の相互作用は、組織再造形を開始し、そして介入するために必要である。それらの再造形は、多くの因子、例えば物理的損傷、細胞毒性損傷、代謝ストレス又は成長刺激に応答して開始され得る。病理学と治療(又は代謝最適化)との間の調整は、細胞マトリックス及び局部溶媒と刺激された細胞との間の相互作用により一部、行われ得る。
脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーは、細胞とそれらの環境との相互作用において役割を演じ、そして細胞外マトリックス及び細胞の界面で作用すると思われる。それらのタンパク質は、Acrp30(Schererなど., J. Biol. Chem. 270: 26746-49, 1995)、apM1 (Meadaなど., Biochem. Biophys. Res. Comm. 221: 286-9, 1996), GBP28 (Nakanoなど., J. Biochem. 120: 803-12, 1996), zsig39 (Sheppard and Humes, WIPO 公開特許番号:WO99/10492号)、zsig37 (Sheppard, WIPO公開)特許番号WO99/04000号)、ZCRP30R1(Smithなど., WIPO公開特許番号WO99/56619号)、ACRP30R1L(Hensleyなど., WIPO公開特許番号WO99/59618号)、ACRP30R2(Hensleyなど., WIPO公開特許番号99/64629号)、PRO353及びPRO344(Woodなど., WIPO公開特許番号WO99/28462号)、zacrp2 (Piddingtonなど., WO00/63376号)、zacrp3 (Piddingtonなど., WO00/63377号)、zacrp3×2(Haldemanなど., WO02/46417号)zacrp4 (Hollowayなど., WO01/02565号)、zacrp5 (Piddingtonなど., WO00/73444号)、zacrp6 (Piddingtonなど., WO00/73466号)、zacrp8 (Piddingtonなど., WO03/****)、及びzacrp13 (Foxなど., WO02/059282号)を包含する。
それらのタンパク質はすべて、完全Gly−Xaa−Pro及び不完全Gly−Xaa−Xaaコラーゲン反復体を含んで成るコラーゲン−様ドメイン、及びC1qドメインを共有する。補体因子C1qは、3種の関連するポリペプチド(A、B及びC鎖)の6個のコピーから成り、そして個々のポリペプチドは、近くのアミノ末端コラーゲンドメイン及びカルボキシ末端球状領域を有する、約225個の長さのアミノ酸である。6種の3ヘリカル領域は、中心領域及び6個の軸を形成する、6個のA鎖、6個のB鎖の及び6個のC鎖のコラーゲンドメインにより形成される。
球状の頭部部分は、A,B及びC鎖の球状カルボキシ末端ドメインの会合により形成される。C1qは、中心細繊維領域に対して、6個のコラーゲン−株軸を通して結合される6個の球状頭部から構成される。Sellarなど., Bichem. J. 274: 481-90, 1991。この形状は、“花束(bouquet of flowers)”として、しばしば言及される。Acrp30は、1つの型のポリペプチド鎖から形成される類似する花束構造を有する。ACRP30のC1q球状ドメインは、10β鎖“ジェリーロール”を有することが決定されている(Shapiro and Scherer, Curr. Biol. 8: 335-8, 1998)。その構造要素、例えば折りたたみトポロジー、保存された残基及び類似するトリマー界面、及びイントロン位置は、腫瘍壊死因子と相同であり、このことは、TNFとC1qファミリーとの間での結合を示す。
さらに、血管への損傷は、その損傷を修復し、そして血管からの血液の放出を制御するために一連の現象を推進する。この工程は、止血として知られている。血小板は、血管損傷を一時的に修復するために血栓又は栓を形成することによって止血において初期役割を演じる。血小板は通常、血管壁を被覆する内皮とは相互作用しないが、しかし偶然の事故を通しての又は手術工程に間、血管への損傷が、内皮細胞を破壊する。損傷の程度に依存して、種々の内皮下層要素、例えばコラーゲン、弾性板又は結合される筋原線維コラーゲンを有する平滑筋が流動血液に暴露されるであろう。
内皮下層が血管損傷に従って暴露される場合、局部血液流において移動する血小板は、コラーゲンを含む暴露された内皮下層マトリックスと相互作用し、そして減速される。血小板表面上の受容体と暴露されるコラーゲン層との間のさらなる相互作用が、血小板結合及び活性化を誘発し、局部血流の阻止をもたらす。結合された血小板は、活性化され、そしてフィブリノーゲン−血小板間橋の形成を通して、通過する血流における血小板との凝集体を形成する(Morio and Jung, Frontiers in Biosience 3: 719-28, 1998; Barnesなど.,Atherosclerosis XI, Jacotot など., eds., Elsevier Science, pp.299-306, 1998及びBarnesなど., Curr. Opin. Hematol. 5: 314-20, 1998)。
止血応答は、徐々に変化し、そして血管への損傷の程度、暴露される特定の血管構成成分、及び損傷された領域における血流状態に依存する(Randなど., Thrombosis and Haemostasis 78: 445-50, 1997)。例えば軽い血管損傷の間の内皮下層マトリックス(タイプVIコラーゲン及びvon Willebrand因子)の暴露は、遅い血流状態を有する領域において低い程度の付着及び凝集を促進する。高い程度の血管外傷をもたらす損傷及び追加の血管構成成分、例えば内部弾性板及びエラスチン結合された筋原線維の暴露は、より強い血小板凝集体の形成を刺激するであろう。筋原線維コラーゲンを暴露する重度の血管外傷は、血液の過度の損失から犠牲者を保護する血栓血小板応答を刺激する(Randnado., 前記)。
補体因子Clqは、3種の関連するポリペプチド(A, B及びC鎖)の6個のコピーから成り、そして個々のポリペプチドは、類似アミノ−末端コラーゲンドメイン及びカルボキシ−末端球状ドメインを有する約225個の長さのアミノ酸である。6個の三本鎖ヘリックス領域は、中心領域及び6個の柄を形成する、6個のA, 6個のB及び6個のC鎖のコラーゲンドメインにより形成される。球状ヘッド部分は、A, B及びC鎖の球状カルボキシ末端ドメインの会合により形成される。従って、Clqは、6個のコラーゲン様柄を通して、中心細繊維領域に結合される6個の球状ヘッドから構成される。Sellarなど., Biochem. J. 274: 481-90, 1991を参照のこと。この配置はしばしば、花のブーケとして言及される。acrp30は単一型のポリペプチド鎖から形成される類似するブーケット構造を有する。
Clqは、防御機構を刺激し、そして組織損傷を引き起こすことができる毒性酵素種の生成を誘発する(Tenner, Behring Inst. Mitt. 93: 241-53, 1993)。Clq結合部位は、血小板上に見出される。さらに、補体及びClqは、炎症において役割を演じる。補体活性化は、免疫グルブリンへのClqの結合により開始される。
細胞相互作用において役割を演じるタンパク質、例えば転写因子及びホルモンは、有用な診断及び治療剤である。特定の相互作用、例えば再造形を介在するタンパク質は、特に有用である。さらに、止血のインヒビターは、血管損傷に続いて血流を早め、そしてコラーゲン性表面を静めるために有用である。インヒビター及び補体経路のC1qは、抗−炎症用途、補体活性化の阻害及び血栓活性のために有用である。
本発明は、当業者に明らかであるそれらの及び他の使用のためのそのようなポリペプチドを提供する。
発明の要約:
本発明は、“zacrp14”と称する新規の脂肪細胞補体関連タンパク質を提供する。本発明はまた、“zacrp14”変異体ポリペプチド及び“zacrp14”融合タンパク質、及びそのようなポリペプチド及びタンパク質をコードする核酸分子、並びに、それらの核酸分子及びアミノ酸配列の使用方法を提供する。
1つの観点においては、本発明は、配列番号2の少なくとも一部を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。1つの態様においては、配列番号2の少なくとも一部は、1〜21、1〜161、1〜295、21〜161、21〜295、21〜298、164〜295、164〜298、及びそれらの組合せから成る群から選択された配列番号2のアミノ酸残基を包含する。もう1つの態様においては、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、20〜298であり得る。任意には、ポリペプチドは、配列番号2を含んで成るか、又波それらから成る。もう1つの観点においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、親和性標識、毒素、放射性核種、酵素及びフルオロフォアーから成る群から選択された成分に、アミノ又はカルボキシル末端で共有結合される。もう1つの態様においては、本発明の単離されたポリペプチドは、医薬的に許容できるビークルと組合される。1つの観点においては、ポリペプチドは、本発明の少なくとも2つのポリペプチドを含んで成るポリペプチドオリゴマーを形成することができる。ポリペプチドオリゴマーは、1又は複数の分子間ジスルフィド結合により結合され得る。オリゴマーは例えば、トリマー、ヘキサマー、9マー又は18マーであり得る。
1つの観点においては、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、又は20〜298と少なくとも95%の配列同一性を有する、創傷治療を促進する、単離されたポリペプチドを提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、又は20〜298を含んで成る単離されたポリペプチド;及び医薬的に許容できるビークルを含んで成る組成物を提供する。組成物は、ポリペプチドのオリゴマー化された複合体を含んで成る。任意には、オリゴマー化されたポリペプチドは、トリマー、ヘキサマー、9マー又は18マーであり得る。組成物は、オリゴマー化されたポリペプチドの混合物、例えばヘキサマー及びトリマーの混合物であり得、ここで前記混合物は、例えば約90%のヘキサマー及び約10%のトリマーから構成され得る。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるようなポリペプチドに対して特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを提供する。1つの態様においては、前記抗体は、ポリクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体に由来のヒト型化抗体、抗体フラグメント、及びヒトモノクローナル抗体から成る群から選択される。1つの態様においては、抗体フラグメントは、上記に開示されるとおりであり、ここで前記抗体フラグメントは、F(ab’), F(ab), Fab’, Fab, Fv, scFv及び最小の認識単位から成る群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、上記開示されるような抗体に対して特異的に結合する抗−イディオタイプ抗体を提供する。
第2の観点においては、本発明は、ペプチド結合により結合される、第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質を提供し、ここで第1部分は、a)配列番号2のアミノ酸残基1〜295;b)配列番号2のアミノ酸残基21〜295;c)配列番号2のアミノ酸残基164〜295;d)配列番号2のアミノ酸残基1〜161;e)配列番号2のアミノ酸残基21〜161;f)配列番号2のアミノ酸残基1〜21;及びg)それらの組合せから成る群から選択されたポリペプチドを包含し;そして第2部分は、もう1つのポリペプチドを含んで成る。例えば、本発明の融合タンパク質は、本明細書に記載されるような、免疫グロブリンフラグメント及びzacrp14又はポリペプチドを包含する。そのような融合タンパク質の免疫グロブリン成分は、免疫グロブリンの少なくとも1つの不変領域を包含する。好ましくは、免疫グロブリン成分は、ヒト免疫グロブリンのセグメントを提供する。融合タンパク質の第2部分は任意には、タンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーのもう1つのメンバーを包含する。
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号1の核酸分子;及びb)配列番号3の核酸分子から成る群から選択された、単離された核酸分子を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、50%のホルムアミド、5×SSC(1×SSC:0.15Mの塩化ナトリウム及び15mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt's 溶液、2%(w/v)ウシ血清アルブミン、10%硫酸デキストラン及び20μg/ml の変性され、剪断されたサケ精子DNAのハイブリダイゼーション条件下で、約42℃〜約70℃で、配列番号1又はその補体にハイブリダイズできる単離された核酸分子を提供する。核酸分子は、ポリペプチドの少なくとも一部をコードすることができる。任意には、核酸分子は、配列番号2の少なくとも一部をコードすることができる。核酸分子はまた、配列番号2の少なくとも一部をコードし、ここで配列番号2の少なくとも1部は、1〜295、20〜295、21〜295、22〜295、164〜295、1〜161、21〜161、1〜21、22〜298、21〜298、20〜298から成るアミノ酸残基の群から選択される。核酸分子は、配列番号2により表されるポリペプチドをコードすることができる。
もう1つの観点においては、本発明はまた、ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し、ここでコードされるポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298または20〜298に対して少なくとも95%の配列同一を有するアミノ酸配列を含んで成り、そしてそのコードされるポリペプチドは本明細書に記載される機能を行い、例えば創傷治療を促進する。
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号1の核酸分子;及びb)配列番号3の核酸分子から成る群から選択された、単離された核酸分子を提供する。単離された核酸分子は例えば、配列番号1又は3の連続したヌクレオチドを包含し、ここで前記ヌクレオチドは、1〜964、81〜139、81〜562、81〜964、137〜562、137〜964、569〜964、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、ペプチド結合により結合される、第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供し、ここで第1部分は、a)配列番号2のアミノ酸残基1〜295;b)配列番号2のアミノ酸残基21〜295;c)配列番号2のアミノ酸残基164〜295;d)配列番号2のアミノ酸残基1〜161;e)配列番号2のアミノ酸残基21〜161;f)配列番号2のアミノ酸残基1〜21;g)配列番号2のアミノ酸残基22〜298;h) 配列番号2のアミノ酸残基21〜298;及びi) 配列番号2のアミノ酸残基20 〜298から成る群から選択されたポリペプチドを包含し;そして第2部分は、もう1つのポリペプチドを含んで成る。
もう1つの観点においては、本発明のペプチド及びポリペプチドは、配列番号2の少なくとも6、少なくとも9又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る。本発明のある態様においては、ポリペプチドは、配列番号2の20, 30, 40, 50, 100又はそれ以上の連続した残基を含んで成る。追加のポリペプチドは、配列番号2のそのような領域の少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45又は少なくとも70個の連続したアミノ酸を含んで成ることができる。そのようなペプチド及びポリペプチドコードする核酸分子は、ポリメラーゼ鎖反応プライマー及びプローブとして有用である。
もう1つの観点においては、本発明は、次の作用可能に連結された要素:転写プロモーター;本発明のポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるような発現ベクターが導入されている、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞を提供する。例示的な宿主細胞は、細菌、酵母、菌類、昆虫、哺乳類及び植物細菌を包含する。そのような発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞は、発現ベクターを含んで成り、そしてzacrp14タンパク質を生成するそのような組換え宿主細胞を培養し、そして任意には、培養された組換え宿主細胞からzacrp14タンパク質を単離することにより、zacrp14ポリペプチドを生成するために使用され得る。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるような発現ベクターが導入されている細胞を培養し;それにより前記細胞が前記DNAセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現し;そして前記発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る、ポリペプチドの生成方法を提供する。
本発明はまた、それらの検出方法を行うためのキットも提供する。例えば、zacrp14遺伝子発現の検出のためのキットは、核酸分子を含んで成る容器を含んで成り、ここで前記核酸分子は、(a)配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、(b)配列番号1のヌクレオチド配列の補体を含んで成る核酸分子、(c)配列番号1の少なくとも15、30、45又は60個の連続したヌクレオチドから成る核酸分子、又はそれらの補体から成る群から選択される。例示的な核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1−964、1−197、22−973、21−973、20−973、81−139、81−562、81−964、137−562、137−964、及び569−964又はその補体を含んで成る核酸分子を包含する。そのようなキットはまた、核酸分子の存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器も包含する。他方では、zacrp14タンパク質の検出のためのキットは、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを含んで成る容器を含んで成ることができる。
本発明のそれらの及び他の観点は、次の特定の記載から明らかになるであろう。
本発明の特定の記載:
定義:
次の記載においては、多くの用語が広範囲に使用される。次の定義は、本発明の理解を促進するために提供される。
特にことわらない限り、“1つの(”a”)”、“その(”the”)”、及び“少なくとも1つの”とは、交換可能的に使用され、そして1つの又は1つよりも多くを意味する。
本明細書において使用される場合、“核酸”又は“核酸分子”とは、ポリヌクレオチド、例えばデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により生成されるフラグメント、及び連結、切断、エンドヌクレアーゼ作用及びエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより生成されるフラグメントを言及する。核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド(例えばDNA及びRNA)、又は天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば天然に存在するヌクレオチドのα−鏡像異性体形)、又は両者の組み合わせであるモノマーから構成され得る。修飾されたヌクレオチドは、糖成分において、及び/又はピリミジン又はプリン塩基成分において変更を有することができる。糖修飾は、ハロゲン、アルキル基、アミン及びアジド基による1又は複数のヒドロキシル基の置換を包含し、又は糖はエーテル又はエステルとして機能され得る。
さらに、全糖成分は、立体的に及び電子的に類似する構造体、例えばアザ−糖及びカルボン酸糖類似体により置換さえ得る。塩基成分における修飾の例は、アルキル化されたプリン及びピリミジン、アシル化されたプリン又はピリミジン、又は他の良く知られている複素環式置換基を包含する。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合又はそのような結合の類似体により結合さえ得る。ホスホジエステル結合の類似体は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホラニリデート、ホスホラミデート、及び同様のものを包含する。用語“核酸分子”とはまた、いわゆる、ポリアミド主鎖に結合される天然に存在するか又は修飾された核酸塩基を含んで成る“ペプチド核酸”も包含する。核酸は一本鎖又は二本鎖のいずれかであり得る。
用語“核酸分子の相補体”とは、相補的ヌクレオチド配列、及び対照ヌクレオチド配列に比較して逆の配向を有する核酸分子である。例えば、配列5’ ATGCACGGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。
用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAspをコードする)。
用語“構造遺伝子”とは、特定のポリペプチドの特徴のアミノ酸の配列に翻訳されるメッセンジャーRNA(mRNC)に転写される核酸分子を言及する。
“単離された核酸分子”とは、生物のゲノムDNAに組み込まれない核酸分子である。例えば、細胞のゲノムDNAから分離された成長因子をコードするDNA分子が、単離されたDNA分子である。単離された核酸分子のもう1つの例は、生物のゲノムに組み込まれない、化学的に合成された核酸分子である。特定の種から単離された核酸分子は、その種からの染色体の完全なDNA分子よりも小さい。
“核酸分子構造体”とは、天然においては存在しない配置で組み合わされ、そして並置された核酸のセグメントを含むようヒト介在を通して修飾された−本鎖又は二本鎖の核酸分子である。
“相補的DNA(cDNA)”とは、逆転写酵素によりmRNA鋳型から形成される一本鎖DNA分子である。典型的には、mRNAの一部に対して相補的なプライマーは、逆転写の開始のために使用される。当業者はまた、そのような一本鎖DNA分子及びその相補的DNA鎖から成る二本鎖DNA分子を言及するために用語“cDNA”を用いる。用語“cDNA”はまた、RNA鋳型から生成されたcDNA分子のクローンも言及する。
“プロモーター”とは、構造遺伝子の転写を方向づけるヌクレオチド配列である。典型的には、プロモーターは、構造遺伝子の転写開始部位に最も近い、遺伝子の5’非コードに領域位置する。転写の開始において機能するプロモーター内の配列要素は、しばしば、コンセンサスヌクレオチド配列により特徴づけられる。それらのプロモーター要素は、RNAポリメラーゼ結合部位、TATA配列、CAAT配列、分化−特異的要素(DSE:McGeheeなど., Mol. Endocrinol. 7: 511 (1993))、サイクリックのAMP応答要素(CRE)、血清応答要素(SRE:Treisman, Seminars in Cancer Biol. 1: 47 (1990))、グルココルチコイド応答要素(GRE)及び他の転写因子のための結合部位、例えばCRE/ATF(O’Reillyなど., J. Biol. Chem. 267: 19938 (1992))、AP2 (Yeなど., J. Biol. Chem. 269: 25728 (1994)), SP1, cAMP応答要素結合タンパク質(CREB;Loeken, Gene Expr. 3: 253 (1993))、及びオクタマー因子(一般的には、Watsonなど., eds., Molecular Biology of the Gene, 4th ed. (The Benjamin Kummings Publishing Company, Inc. 1987), and Lemaigre and Rousseau, Biochem. J. 303: 1 (1994))を包含する。プロモーターが誘発プロモーターである場合、転写の速度は誘発剤に応答して上昇する。対照的に、転写の速度は、プロモーターが構成プロモーターである場合、誘発剤により調節されない。抑制できるプロモーターはまた知られている。
“コアプロモーター”は、TATAボックス及び転写の開始を包含するプロモーター機能のための必須ヌクレオチド配列を含む。この定義によれば、コアプロモーターは、活性を増強し又は組織特異的活性を付与することができる特定の配列の不在下で検出できる活性を有しても又は有さなくても良い。
“エンハンサー”は、転写の開始部位に対してエンハンサーの距離又は配向に関係なく、転写の効率を高めることができるタイプの調節要素である。
“異種DNA”とは、所定の宿主細胞内に天然において存在しない、DNA分子又はDNA分子の集団を言及する。特定宿主細胞に対して異種であるDNA分子は、宿主DNAが非宿主DNA(すなわち、外来性DNA)と組み合わされる限り、宿主細胞種(すなわち、内因性DNA)に由来するDNAを含むことができる。例えば、転写プロモーターを含んで成る宿主DNAセグメントに作用可能に連結されるポリペプチドをコードする非宿主DNAセグメントを含むDNA分子は、異種DNA分子であると思われる。逆に言えば、異種DNA分子は、外来プロモーターと作用可能に連結される内因性遺伝子を含むことができる。もう1つの例として、野生型細胞に由来する遺伝子を含んで成るDNA分子は、そのDNA分子が野生型遺伝子を欠いている突然変異細胞中に導入される場合、異種DNAであると思われる。
“ポリペプチド”とは、天然又は合成的に生成されても、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約10個よりも少ないアミノ酸残基のポリペプチドは通常、“ペプチド”として言及される。
“タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
非宿主DNA分子によりコードされるペプチド又はポリペプチドは“異種”ペプチド又はポリペプチドである。
“クローニングベクター”は、宿主細胞において自律的に複製する能力を有する、核酸分子、例えばプラスミド、コスミド、又はバクテリオファージである。クローニングベクターは典型的には、ベクターの必須の生物学的機能を失わないで、決定できる態様で核酸分子の挿入を可能にする1又は少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位、及びクローニングベクターにより形質転換された細胞の同定及び選択への使用のために適切であるマーカー遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含む。マーカー遺伝子は典型的には、テトラサイクリン耐性又はアンピシリン耐性を付与する遺伝子を含む。
“発現ベクター”は、宿主細胞において発現される遺伝子をコードする核酸分子である。典型的には、発現ベクターは、転写プロモーター、遺伝子及び転写ターミネーターを含む。遺伝子発現は通常、プロモーターの制御下に配置され、そしてそのような遺伝子はプロモーターに“作用可能に結合される”と言われる。同様に、調節要素及びコアプロモーターは、調節要素がコアプロモーターの活性を調節する場合、作用可能に連結される。
“組換え宿主”とは、異種核酸分子、例えばクローニングベクター又は発現ベクターを含む細胞である。本明細書においては、組換え宿主の例は、発現ベクターからzacrp14を生成する細胞である。対照的に、zacrp14は、zacrp14の“天然源”であり、そして発現ベクターを欠いている細胞により生成さえ得る。
“融合タンパク質”は、少なくとも2つの遺伝子のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子により発現されるハイブリッドタンパク質である。例えば、融合タンパク質は、親和性マトリックスを結合するポリペプチドにより融合されるzacrp14ポリペプチドの少なくとも一部を含むことができる。そのような融合タンパク質は、親和性クロマトグラフィーを用いて、多量のzacrp14を単離するための手段を提供する。
用語“受容体”とは、“リガンド”と称する生物活性分子に結合する、細胞結合されたタンパク質を示す。この相互作用は、細胞に対するリガンドの効果を介在する。受容体は、膜結合されたシトソール又は核;モノマー(例えば、胸腺刺激性ホルモン受容体、β−アドレナリン作用受容体)又はマルチマー(例えば、PDGF受容体、成長ホルモン受容体IL−3受容体、GM−CSF受容体、G−CSF受容体、エリトロポエチン受容体及びIL−6受容体)であり得る。膜結合された受容体は、細胞外リガンド−結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクションに関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多−ドメイン構造により特徴づけられる。一定の膜結合された受容体においては、細胞外リガンド−結合ドメイン及び細胞内エフェクタードメインは、完全な機能的受容体を含んで成る別々のポリペプチドに位置する。
一般的に、受容体へのリガンドの結合は、細胞の代謝における変更を導く、細胞におけるエフェクタードメインと他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体のコンホメーション変化をもたらす。受容体−リガンド相互作用にしばしば連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクリックAMPを生成の上昇、細胞カルシウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂質の加水分解及びリン脂質の加水分解を包含する。
用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向づけるペプチド(“分泌ペプチド”)をコードするヌクレオチド配列を示す。前記のより大きなポリペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解される。
“単離されたポリペプチド”は、汚染性細胞成分、例えば炭水化物、脂質又は天然においてポリペプチドに関連している他のタンパク質性不純物を実質的に含まないポリペプチドである。典型的には、単離されたポリペプチドの調製物は、高く精製された形で、すなわち少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、95%以上の純度、又は99%以上の純度でポリペプチドを含む。特定のタンパク質調製物が単離されたポリペプチドを含むことを示すための1つの手段は、タンパク質調製物のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びゲルのクーマシーブルー染色によるシングルバンドの出現によるものである。しかしながら、用語“単離された”とは、他の物理形、例えばダイマー又は他のグリコシル化された又は誘導体化された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それらの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末端側に位置する一定の配列は、その対照配列のカルボキシル末端に隣接して位置するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではない。
用語“発現”とは、遺伝子生成物の生合成を言及する。例えば、構造遺伝子においては、発現はmRNAへの構造遺伝子の転写及び1又は複数のポリペプチドへのmRNAの翻訳を包含する。
用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライシング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写されるいくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるポリペプチドを示すために本明細書において使用される。
本明細書において使用される場合、用語“イムノモジュレータ−”とは、サイトカイン、幹細胞成長因子、リンフォトキシン、同時−刺激分子、造血因子及びそれらの分子の合成類似体を包含する。
用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
“抗−イディオタイプ抗体”とは、免疫グロブリンの可変領域ドメインと結合する抗体である。本明細書においては、抗−イディオタイプの抗体は、抗−zacrp14抗体の可変領域と結合し、そして従って、抗−イディオタイプ抗体はzacrp14のエピトープを模倣する。
“抗体フラグメント”は、抗体の一部、例えばF(ab’)2, F(ab)2, Fab’, Fab及び同様のものである。構造に関係なく、抗体フラグメントは、損なわれていない抗体により認識される同じ抗原と結合する。例えば、抗−zacrp14モノクローナル抗体フラグメントは、zacrp14のエピトープと結合する。
用語“抗体フラグメント”はまた、特定の抗原に結合する、合成の又は遺伝的に構築されたポリペプチド、例えばL鎖可変領域から成るポリペプチド、H及びL鎖の可変領域から成る“Fv”フラグメント、L及びH鎖可変領域がペプチドリンガーにより連結されている組換え一本鎖ポリペプチド分子(“svFvタンパク質”)、及び超可変領域を模倣するアミノ酸残基から成る最少認識単位を包含する。
“キメラ抗体”は、囓歯動物抗体に由来する種々のドメイン及び相補的決定領域を含む組換えタンパク質であるが、ところが抗体分子の残りはヒト抗体に由来する。
“ヒト型化抗体”は、モノクローナル抗体のネズミ相補的決定領域がネズミ免疫グロブリンのH及びL可変鎖からヒト可変ドメインに移行されている組換えタンパク質である。
本明細書において使用される場合、“治療剤”は、治療のために有用である接合体を生成するために抗体成分に接合される分子又は原子である。治療剤の例は、薬剤、毒素、イムノモジュレーター、キレート化剤、硼素化合物、光活性剤又は染料、及び放射生同位体を包含する。
“検出できるラベル”は、診断のために有用な分子を生成するために抗体成分に接合され得る分子又は原子である。検出できるラベルの例は、キレート化剤、光活性剤、放射性同位体、蛍光剤、常磁性イオン又は他のマーカー成分を包含する。
“親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質への第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタンパク質が親和性標識として使用され得る。
親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など., EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991), グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコードする核酸分子は、商品供給者(例えばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs, Beverly, MA)から入手できる。
“裸の抗体”は、抗体フラグメントに対立するものとして、治療剤により接合されない完全な抗体である。裸の抗体は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、並びに一定の組換え抗体、例えばキメラ性及びヒト型化抗体を包含する。
本明細書において使用される場合、用語“抗体成分”は、完全な抗体及び抗体フラグメントの両者を包含する。
“免疫接合体”は、治療剤又は検出できるラベルと抗体成分との接合体である。
本発明において使用される場合、用語“抗体融合タンパク質”とは、抗体成分及び治療剤を含んで成る組換え分子を言及する。そのような融合タンパク質のために適切な治療剤の例は、イミノモデュレーター(“抗体−イミノモデュレーター融合タンパク質”)、及びトキシン(“抗体−トキシン融合タンパク質”)を包含する。
“標的ポリペプチド”又は“標的ペプチド”は、少なくとも1つのエピトープを含み、そして標的細胞、例えば腫瘍細胞、又は感染剤抗原を担持する細胞上で発現されるアミノ酸配列である。T細胞は、標的ポリペプチド又は標的ペプチドに、主要組織適合性複合体分子により提供されるペプチドエピトープを認識し、そして典型的には、標的細胞を溶解し、又は標的細胞の例に他の免疫細胞を補充し、それにより標的細胞を殺害する。
“抗原性ペプチド”は、T細胞により認識されるMHC−ペプチド複合体を形成するために、主要組織適合複合体分子を結合し、それにより、T細胞への提供に基づいて細胞毒性リンパ球応答を誘発するペプチドである。従って、抗原性ペプチドは、適切な主要組織適合性複合体分子に結合し、そして細胞毒性T細胞応答、例えば抗原を結合するか又は発現する標的細胞に対する細胞溶解又は特異的サイトカイン開放を誘発することができる。抗原性ペプチドは、抗原提供細胞又は標的細胞上に、クラスI又はクラスII主要組織適合性複合体分子に関して結合され得る。
真核生物においては、RNAポリメラーゼIIは、mRNAを生成するために構造遺伝子の転写を触媒する。核酸分子はRNAポリメラーゼII鋳型を含むより企画され、ここでRNA転写体は特定のmRNAの配列に対して相補的である配列を有する。RNA転写体は、“アンチセンスRNA”と呼ばれ、そしてアンチセンスRNAをコードする核酸分子は“アンチセンス遺伝子”と呼ばれる。アンチセンスRNA分子は、mRNA分子に結合することができ、mRNA翻訳の阻害をもたらす。
“zacrp14に対して特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド”又は“zacrp14アンチセンスオリゴヌクレオチド”は、(a)zacrp14遺伝子の一部と共に安定した三量体を形成できるか、又は(b)zacrp14遺伝子のmRNA転写体の一部と共に安定した二量体を形成できる配列を有するオリゴヌクレオチドである。
“リボザイム”は、触媒中心を含む核酸分子である。この用語は、RNA酵素、自己スプライシングRNA、自己分解性RNA及びそれらの触媒機能を行う核酸分子を包含する。リボザイムをコードする核酸分子は、“リボザイム遺伝子”と言われる。
“外部案内配列”は、細胞内mRNAの特定種に内因性リボザイム、すなわちRNアーゼPを方向づけ、RNアーゼPによるmRNAの分解をもたらす核酸分子である。外部案内配列をコードする核酸分子は、“外部案内配列遺伝子”と呼ばれる。
用語“変異体zacrp14遺伝子”は、配列番号2の修飾であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸分子を言及する。そのような変異体は、天然に存在する多型現象のzacrp14遺伝子、及び配列番号2のアミノ酸配列の保存性アミノ酸置換を含む合成遺伝子を包含する。zacrp14遺伝子の追加の変異体形は、本明細書に記載されるヌクレオチド配列の挿入又は欠失を含む核酸分子である。変異体zacrp14遺伝子は、その遺伝子が配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子、又はその補体と、緊縮条件下でハイブリダイズするかどうかを決定することによって同定され得る。
他方では、変異体zacrp14遺伝子は、配列−比較により同定さえ得る。2つのアミノ酸配列は、その2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基が、最大の応答により整列される場合、同じである場合、“100%のアミノ酸配列同一性”を有する。配列比較は、標準のソフトウェアプログラム、例えばDNASTAR(Madison, Wisconsin)により製造されるLASERGENE生物情報コンピューターサイトに包含されるそれらのプログラムを用いて行われ得る。
最適な整列を決定することによって、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列を比較するための他の方法は、当業者に良く知られている(例えば、Peruski and Peruski, The Internet and the New Biology: Tools for Genomic and Molecular Research (ASM Press, Inc. 1997), Wu など. (eds.), “Information Superhighway and Computer Databases of Nucleic Acids and Proteins.” In Methods in Gene Biotechnology, Pages 123-151 (CRC Press. Inc. 1997), 及びBishop (ed.), Guide to Human Genome Computing, 2nd Edition (Academic Press, Inc. 1998) を参照のこと)。配列同一性を決定するための特定の方法は下記に記載される。
用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされたポリペプチドにおける変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。
用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。
“パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,しかし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じると思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互いパラ体である。
本発明は、zacrp14遺伝子の機能的フラグメントを包含する。本発明においては、zacrp14遺伝子の“機能的フラグメント”は、抗−zacrp14抗体と特異的に結合するzacrp14ポリペプチドの一部をコードする核酸分子を言及する。例えば、本明細書に記載されるzacrp14遺伝子の機能的フラグメントは、配列番号1のヌクレオチド配列の一部を含んで成り、そして抗−zacrp14抗体と特異的に結合するポリペプチドをコードする。
標準分析法の不正確さのために、ポリマーの分子量及び長さは、おおよその値であることが理解される。そのような値が“約”X又は“およそ”Xとして表される場合、Xの言及された値は、±10%で正確であると理解されるであろう。
本発明は、脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーに対する相同性を有するポリペプチドをコードする新規DNA配列の発見に一部、基づかれる。前記ポリペプチドは、zacrp14と命名されている。zacrp14のヌクレオチド配列は配列番号1に記載され、そしてその推定されるアミノ酸配列は配列番号2に示される。zacrp14ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基1(Met)〜アミノ酸残基21(Gly)、すなわち配列番号1のヌクレオチド81 −139を含んで成るシグナル配列を包含する。成熟ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸21 (Gly)〜アミノ酸298(Gln)、すなわち配列番号1のヌクレオチド137−973の範囲にわたる。
成熟ポリペプチド内に、配列番号2のアミノ酸21(Gly)〜161(Thr)、すなわち配列番号1のヌクレオチド137〜562のコラーゲン−様ドメインが見出される。前記コラーゲン−様ドメインにおいては、47個のコラーゲン反復体、すなわち7個の完全Gly−Xaa−Pro反復体及び40個の不完全Gly−Xaa−Xaa反復体が存在する。配列番号2のアミノ酸残基23,26, 29,62, 67,73, 85,97, 100,103, 109,112, 116,118, 121,125, 127,133, 136, 及び 140でこのドメインにおいて見出されるプロリン残基が加水分解され得る。zacrp14ポリペプチドはまた、配列番号2のアミノ酸164(Leu)〜295(Phe)、すなわち配列番号1のヌクレオチド569−964の範囲のカルボキシ−末端C1q/TNFドメインを包含する。
芳香族モチーフF-X(5)-[ND]-X(4)-[FYWL]-X(6)-F-X(5)-G-X-Y-X(4) (配列番号14)はまた、配列番号2の残基188(Phe)〜218(Tyr)、すなわち配列番号1のヌクレオチド641−733内に見出される。Xはいずれかのアミノ酸残基を表し、そして括弧( )内の数字は残基のアミノ酸番号を示す。括弧[ ]内に含まれるアミノ酸残基は、特定の位置でのアミノ酸残基の選択を制限する。正しい折りたたみを可能にするためにC1qドメイン内に相当量の保存された構造体が存在する。当業者は、それらのドメイン境界がおおよそであり、そして既知タンパク質との一列配置及びタンパク質折りたたみの予測に基づかれることを理解するであろう。
本発明のもう1つの観点は、zacrp14ポリペプチドフラグメント及びその組合せを包含する。好ましいフラグメントは、配列番号2のアミノ酸1(Met)又は21(Gly)〜アミノ酸161(Thr)の範囲のzacrp14ポリペプチドのコラーゲン−様ドメイン、前記コラーゲン−様ドメインを含むzacrp14ポリペプチドの一部、又は二量体化又はオリゴマー化できるコラーゲン−様ドメインの一部を含むそれらを包含する。本明細書において使用される場合、用語“コラーゲン”又は“コラーゲン−様ドメイン”とは、一連の反復トリプレットアミノ酸配列、すなわちモチーフGly-Xaa-Pro又はGly-Xaa-Xaa(ここで、Xaaはいずれかのアミノ酸残基である)により表される“反復体”又は“コラーゲン反復体”を言及する。
コラーゲン−様ドメイン内のコラーゲン反復体の数は、脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリー内で変化する。そのようなコラーゲン−様ドメインを含むフラグメント又はタンパク質は、ホモマー構造体(同じフラグメント又はタンパク質のダイマー又はオリゴマー)を形成することができる。さらに、そのようなコラーゲン−様ドメインを含むそのようなフラグメント又はタンパク質は、ヘテロマー構造体(異なったフラグメント又はタンパク質のダイマー、トリマー又はオリゴマー)を形成することができる。
それらのフラグメントは、コラーゲン二量体化又はオリゴマー化の研究、又は下記により十分に記載されるような融合タンパク質の形成において特に有用である。(a)ヌクレオチド1, 81, 137又は569〜ヌクレオチド964の配列番号1に示されるようなヌクレオチドの配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b)アミノ酸残基21(Gly)〜アミノ酸残基161Thr)の配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、90%、又は95%、同一であるzacrp14ポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子;(c)(a)又は(b)に対して相補的な分子;及び(d)zacrp14ポリペプチドコラーゲン−様ドメインフラグメントをコードする縮重ヌクレオチド配列から成る群を包含する、そのようなフラグメントをコードするポリヌクレオチドが、本発明により包含される。
他の好ましいフラグメントは、配列番号2のアミノ酸188(Phe)〜218(Tyr)及びアミノ酸164(Leu)〜295(Phe)の範囲のzacrp14ポリペプチドの球状C1qドメイン、C1qドメインを含むzacrp14ポリペプチドの一部、又はC1qドメインの活性部分を含む。他のC1qドメイン含有タンパク質は、C1qA, B及びC(Sellarなど., 前記、Reid、前記、及びReidなど., 1982, 前記)、シマリス冬眠関連血漿タンパク質HP−20、HP−25及びHP−27(Takamatsuなど., 前記及びKondo & Kondo, 前記)、ヒトプレセレベリン(Uradaなど., 前記)、ヒト内皮細胞マルチメリン(Haywardなど, 前記)、脊椎動物コラーゲンVIII型及びX型(Muragakiなど., 前記)、脂肪細胞補体関連タンパク質Acrp30(Schererなど., 前記)、apM1 (Meadaなど., Biochem. Biophys. Res. Comm. 221: 286-9, 1996), GBP28 (Nakanoなど., J. Biochem. 120: 803-12, 1996), zsig39 (Sheppard and Humes, WIPO 公開特許番号:WO99/10492号)、zsig37 (Sheppard, WIPO公開)特許番号WO99/04000号)、ZCRP30R1(Smithなど., WIPO公開特許番号WO99/56619号)、ACRP30R1L(Hensleyなど., WIPO公開特許番号WO99/59618号)、ACRP30R2(Hensleyなど., WIPO公開特許番号99/64629号)、PRO353及びPRO344(Woodなど., WIPO公開特許番号WO99/28462号)、zacrp2 (Piddingtonなど., WO00/63376号)、zacrp3 (Piddingtonなど., WO00/63377号)、zacrp3×2 (Haldemanなど., WO02/****)、zacrp4 (Piddingtonなど., WO01/12565号)、zacrp5 (Piddingtonなど., WO00/73444号)、zacrp6 (Piddingtonなど., WO00/73466号)、zacrp11 (Piddingtonなど., WO00/****)、zacrp12 (Piddingtonなど., WO00/****)及び zacrp13 (Brian A. Fox, WO02/****)を包含する。
脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーのメンバーは、オリゴマー、例えばacrp30(Scherer など. , J. Biol. Chem., 270 (45): 26746- 26749 (1995))及びzsig37(Sheppard など. , WO 00/48625号)を形成することが知られている。本発明は、zacrp14ペプチド、zacrp14ポリペプチド及びzacrp14融合タンパク質のオリゴマーの使用を包含する。そのようなオリゴマーは、トリマー、ヘキサマー、9マー及び18マーを包含する。従って、本発明のタンパク質及び/又はフラグメントは、ホモマー、又は脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーの他のメンバーとヘテロマーを形成することができる。例えば、ヘキサマーは、zacrp14のホモダイマー、又はzacrp14及びacrp30のヘテロダイマーとして形成され得る。
zacrp14の次のフラグメントは、本明細書に記載される治療方法のために有用である:配列番号2のアミノ酸残基21〜161、配列番号2のアミノ酸残基164〜295、配列番号2のアミノ酸残基21〜295、及びそれらの組合せ。それらのポリペプチドは、単一鎖として、又はオリゴマー、例えばホモダイマー、ホモトリマー又はホモヘキサマーとして投与され得る。他方では、それらのポリペプチドは、他の脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーのオリゴマーと共に、ホモダイマー、ホモトリマー又はホモヘキサマーとして投与され得る。しかしながら、zacrp14ポリペプチドは、投与の前、脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーの他のメンバーと共にヘテロマーを形成するようにされ得る。それらのポリペプチドの変異体はまた、少なくとも1つのシステイン残基がセリン残基により置換されている治療化合物としても使用され得る。
本発明の治療組成物は、zacrp14 アミノ酸配列, acrp30 アミノ酸配列(Scherer などl. , J. Biol. Chem., 270 (45): 26746- 26749 (1995) ), zacrp2 アミノ酸配列(Piddington など. , WO 00/63376), zacrp7 アミノ酸配列(Piddingtonなど. , WO 00/73448), zsig39アミノ酸配列(Humesなど. , WO 99/10492), zacrp3 アミノ酸配列(Piddington など. , WO 00/63377号), zsig37 アミノ酸配列(Sheppard, P. , WO 99/04000号), zacrp5 アミノ酸配列(Piddington など. , WO 00/73444号), 及び zacrp6 アミノ酸配列(Piddington など. , WO 00/73446号)の混合物を含んで成るzacrp14へテロマー、例えばヘキサマーを包含する。
治療組成物はまた、zacrp14, acrp30, zacrp2, zacrp7, zsig39, zacrp3, zsig37, zacrp5及びzacrp6のフラグメント、例えば配列番号2のアミノ酸残基16〜25、acrp30 アミノ酸配列PKGTCAGWMA (配列番号4), zacrp2 アミノ酸配列SPQLVCSLPG (配列番号5) 及び GPCSCGSGHT (配列番号6), zacrp7 アミノ酸配列PRYICSIPGL (配列番号7) 及び PGVCRCGSIV (配列番号8), zsig39 アミノ酸配列IPSLCPGHPG (配列番号9), zacrp3 アミノ酸配列PDCSKCCHGD配列番号10), zsig37 アミノ酸配列SRCLRCCDPG (配列番号11), zacrp5 アミノ酸配列RPCVHCCRPA (配列番号12), 及び zacrp6アミノ酸配列SGCQRCCDSE (配列番号 13)を含んで成る。それらの治療化合物は、ホモマー又はヘテロマーであり得る。例示的なオリゴマーは、ホモ−及びヘテロ−トリマー、及びホモ−及びヘテロ−ヘキサマーを包含する。
zacrp14のC1qドメインは、 Shapiro and Scherer により記載される、“ジェリーロール”トポロジーを形成する10β鎖(配列番号2のアミノ酸残基168-172,190-193, 199-203,207-210, 212-223, 225-233,237-244, 250-260,265-270, 及び 287-295)を含む。それらの鎖は、それぞれ”A”, “Aプライマー”, “Bプライマー”, “B”, “C”, “D”, “E”, “F”, “G”及び”H”と称する(Shapiro and Scherer, Curr. Biol. 8: 335-8, 1998)。
それらのフラグメントは、エネルギーバランス又は神経伝達、特にダイエット−又はストレス−関連神経伝達、コラーゲン阻害及び補体阻害の研究又は調整において特に有用である。抗微生物活性がまた、そのようなフラグメントに存在することができる。TNFタンパク質(Shapiro and Scherer, 前記)に対する脂肪細胞補体関連タンパク質C1qドメインの相同性は、そのようなフラグメントが肥満−関連インスリン耐性、免疫調節、炎症応答、血小板付着調整、アポプトシス、及び破骨細胞成熟において有用である。
(a)ヌクレオチド569〜ヌクレオチド964の配列番号1に示されるようなヌクレオチドの配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b)アミノ酸残基164(Leu)〜アミノ酸残基295(Phe)の配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、90%、又は95%、同一であるzacrp14ポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子;(c)(a)又は(b)に対して相補的な分子;及び(d)zacrp14ポリペプチドC1qドメインフラグメントをコードする縮重ヌクレオチド配列から成る群を包含する、そのようなフラグメントをコードするポリヌクレオチドが、本発明により包含される。
本発明のzacrp14ポリペプチドフラグメントは、コラーゲン−様ドメイン、及び配列番号2のアミノ酸残基21(Gly)〜295(Phe)の範囲のC1qドメインの両者を包含する。(a)ヌクレオチド137又は219 〜ヌクレオチド964の配列番号1に示されるようなヌクレオチドの配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b)アミノ酸残基21 (Gly)〜アミノ酸残基295(Phe)の配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、90%、又は95%、同一であるzacrp14ポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチド分子;(c)(a)又は(b)に対して相補的な分子;及び(d)zacrp14ポリペプチドコラーゲン−様ドメイン−C1qドメインフラグメントをコードする縮重ヌクレオチド配列から成る群を包含する、そのようなフラグメントをコードするポリヌクレオチドが、本発明により包含される。
本発明はまた、(a)zacrp14核酸プローブと、(i)生物学的サンプルから単離された試験RNA分子又は(ii)前記単離されたRNA分子から合成される核酸分子のいずれかとを、ハイブリダイゼーション条件下で接触せしめ、ここで前記プローブは、配列番号1のヌクレオチド配列の一部、又はその補体を含んで成るヌクレオチド配列を有し、そして(b)前記核酸プローブ、及び前記試験RNA分子又は前記合成された核酸分子のいずれかのハイブリッドの形成を検出する段階を含んで成る、生物学的サンプルにおけるzacrp14 RNAの存在を検出するための方法を企画し、ここで前記ハイブリッドの存在が生物学的サンプルにおけるzacrp14 RNAの存在を示す。生物学的サンプルの例は、ヒト生物学的サンプル、例えば生検又は剖検である。
本発明はさらに、(a)生物学的サンプルと、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントとを接触せしめ、ここで前記接触は、生物学的サンプルへの抗体又は抗体フラグメントの結合を可能にする条件下で行われ、そして(b)前記結合された抗体又は抗体フラグメントのいずれかを検出する段階を含んで成る、生物学的サンプルにおけるzacrp14ポリペプチドの存在を検出するための方法を提供する。そのような抗体又は抗体フラグメントはさらに、放射性同位体、蛍光ラベル、化学発光ラベル、酵素ラベル、生物発光ラベル、及びコロイド状金から成る群から選択された検出できるラベルを含んで成る。典型的な生物学的サンプルは、ヒト生物学的サンプルである。
ヒトzacrp14遺伝子の生成:
ヒトzacrp14遺伝子をコードする核酸分子は、配列番号1に基づいてのポリヌクレオチドプローブを用いて、ヒトcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。それらの技法は、標準であり、そして十分に確立されている。例示されるように、ヒトzacrp14遺伝子をコードする核酸分子は、ヒトcDNAライブラリーから単離され得る。この場合、第1段階は、当業者に良く知られている方法を用いて、cDNAライブラリーを調製することである。一般的に、RNA単離技法は、細胞を分解するための方法、RNAのRNアーゼ指図された分解を阻害するための手段、及びDNA、タンパク質及び多糖類汚染物からRNAを分離する方法を提供すべきである。
例えば、全RNAは、液体窒素において組織を凍結し、その凍結された組織を乳針及び乳棒により粉砕し、細胞を溶解し、フェノール/クロロホルムの溶液により前記粉砕された組織を抽出し、タンパク質を除き、そして塩化リチウムによる選択的沈殿によりRNAを残る不純物から分離することによって単離され得る(例えば、Ausubel など., (eds.), Short Protocols in Molecular Biology, 3rd Edition pages4-1〜4-6 (John Wiley& Sons 1995 )[“Ausubel (1995)”]; Wuなど., Methods in Gene Biotechnology, pages33-41 (CRC Press, Inc. 1997 ) [“Wu(1997)”]を参照のこと)。他方では、全RNAは、粉砕された組織をグアニジニウムイソチオシアネートにより抽出し、有機溶媒により抽出し、そしてRNAを汚染物から示差遠心分離により分離することによって単離され得る(例えば、Chirgwinなど., Biochemistry 18: 52 (1979); Ausubel (1995) P.4-1〜4-6; Wu (1997) P.33-41 を参照のこと)。
cDNAライブラリーを構成するために、ポリ(A)+RNAが全RNA調製物から単離されるべきである。ポリ(A)+RNAは、オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィーの標準技法を用いて、全RNAから単離され得る(例えば、Aviv and Leder, Proc. Natl. Acad.Sci. USA69: 1408 (1972); Ausubel (1995) P. 4-11〜4-12を参照のこと)。
二本鎖cDNA分子は、当業者に良く知られている技法を用いて、ポリ(A)+RNAから合成される(例えば、Wu (1997) P.41-46を参照のこと)。さらに、市販のキットが、二本鎖cDNA分子を合成するために使用され得る。例えば、そのようなキットは、Life Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD), CLONTECH Laboratories, Inc. (Palo Alto, CA), Promega Corporation (Madison, WI) 及びSTRATAGENE (La Jolla, CA) から入手できる。
種々のクローニングベクターが、cDNAライブラリーの構成のために適切である。例えば、cDNAライブラリーは、バクテリオファージに由来するベクター、例えばλgt10バクターにおいて調製され得る。例えば、Huynhなど., “Construction and Screening cDNA Libraries in λgt10 and λ11” in DNA Cloning: A Practica Approach Vol. I, Glovar (ed.), page 49 (IRL Press, 1985); Wu (1997) at pages 47-52 を参照のこと。
他方では、二本鎖cDNA分子は、プラスミドベクター、例えばPBLUESCRIPTベクター(STRATAGENE;La Jolla, CA), LAMDAGEM-4 (Promega Corp.) 又は他の市販のベクター中に挿入され得る。適切なクローニングベクターはまた、American Type Culture Collection (Manassas. VA) から入手できる。
クローン化されたcDNA分子を増幅するために、cDNAライブラリーが、標準技法を用いて、原核宿主中に挿入される。例えば、cDNAライブラリーは、例えばLife Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD) から得られるコンピテントE.コリDH5細胞中に導入され得る。
ヒトゲノムライブラリーは、当業界において良く知られている手段により調製され得る(例えばAusubel (1995) p. 5-1〜5-6; Wu (1997) p. 307-327を参照のこと)。ゲノムDNAは、界面活性剤Sarkosylにより組織を溶解し、その溶解物をプロテイナーゼKにより消化し、不溶性残骸を溶解物から遠心分離により清浄し、イソプロパノールを用いて溶解物から核酸を沈殿し、そして塩化セシウム密度グラジエント上で再懸濁されたDNAを精製することによって単離され得る。
ゲノムライブラリーの生成のために適切であるDNAフラグメントは、ゲノムDNAのランダム剪断により、又は制限エンドヌクレアーゼによるゲノムDNAの部分消化により得られる。ゲノムDNAフラグメントは、従来の技法、例えば適切な末端を供給するために制限酵素消化の使用、DNA分子の所望しない連結を回避するためにアルカリホスファターゼ処理の使用、及び適切がリガーゼによる連結に従って、ベクター、例えばバクテリオファージ又はコスミドベクター中に挿入され得る。そのような操作のための技法は当業界において良く知られている(例えば、Ausubel (1995) p. 5-1〜5−6; Wu (1997) p. 307-327 を参照のこと)。
ヒトzacrp14遺伝子をコードする核酸分子はまた、本明細書に記載されるように、zacrp14遺伝子のヌクレオチド配列に基づくヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーによるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて得られる。PCRによるライブラリーのスクリーニングの一般的方法は、例えば、Yuなど., “Use of The Polymerase Chain Reaction to Screen Phage Libraries”. In Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols: Current Methods and Application, White (ed.), p.211-215 (Humana Press, Inc. 1993)により提供される。さらに、関連する遺伝子を単離するためへのPCRの使用の技法は、例えばPreston, “Use of Degenerate Oligonucleotide Primers and the Polymerase Chain Reaction to Clone Gene Family Members,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols; Current Metods and Applications. White (ed.), pages 317-337 (Humana Press, Inc. 1993) により記載される。
他方では、ヒトゲノムライブラリーは、市販源、例えばResearch Genetic (Huntsville, AL) 及びATCC (Marassas, VA) から得られる。
cDNA又はゲノムクローンを含むライブラリーは、標準方法を用いて、配列番号1に基づかれる1又は複数のポリヌクレオチドプローブによりスクリーンされ得る(例えば、Ausubel (1995) p. 6-1〜6-11を参照のこと)。
下記のようにして生成された抗−zacrp14抗体はまた、cDNAライブラリーからのzacrp14遺伝子をコードするDNA配列を単離するためにも使用され得る。例えば、抗体はλgt11発現ライブラリーをスクリーンするために使用され、又は抗体はハイブリッド選択及び翻訳に続くイムノスクリーニングのために使用され得る(例えば、Ausubel(1995)p.6-12〜6-16; Margolis など., “Screening λ expression libraries with untibody and Protein Probes” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など (eds.) p. 1-14 (Oxford University Press 1995) を参照のこと)。
他に、zacrp14遺伝子は、お互いプライムする長いオリゴヌクレオチド、及び本明細書に記載されるヌクレオチド配列を用いて、核酸分子を合成することによって得られる(例えば、Ausubel (1995) p.8-8〜8-9を参照のこと)。ポリメラーゼ鎖反応を用いての確立された技法は、少なくとも2kbの長さのDNA分子を合成する能力を提供する(Adang など., Plant Molec. Biol. 21: 1131 (1993). Bambot など., PCR Methods and Applications 2:266 (1993), Dilfon など., “Use of the Polymerase Chain Reaction for the Rapid Constrauction of Synthetic Genes,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols: Current Methods and Applications. White (ed.), Pages 263-268. (Humana Press. Inc. 1993), 及びHolowachukなど., PCR Methods Appl. 4: 299 (1995))。
本発明の核酸分子はまた、ホスホラミジット方法のようなプロトコールを用いて、“遺伝子機会”により合成され得る。化学的に合成される二本鎖DNAが遺伝子又は遺伝子フラグメントの合成のような用途のために必要とされる場合、個々の相補的鎖は別々に製造される。短い遺伝子(60〜80の塩基対)の生成は技術的に簡単であり、そして相補的鎖を合成し、そして次にそれらをアニーリングすることによって達成され得る。しかしながら、長い遺伝子(300以上の塩基対)の生成に関しては、化学的DNA合成の間、個々のサイクルのカップリング効率はめったに100%ではないので、特殊な手段が必要とされる。この問題を克服するために、合成遺伝子(二本鎖)が、20〜100個の長さのヌクレオチドである一本鎖フラグメントからモジュラー形でアセンブルされる。
合成遺伝子を構築するための1つの方法は、それぞれ20〜60個の長さのヌクレオチドである、1組のオーバーラップする相補的オリゴヌクレオチドの初期生成を必要とする。鎖の配列は、アニーリングの後、遺伝子の2つの末端セグメントがブラント末端を得るために一列整列されるよう設計される。遺伝子の個々の部分は、隣接する部分と共に正確に塩基対のために企画される相補的3’及び5’末端延長部を有する。従って、遺伝子がアセンブルされた後、工程を完結する唯一の残る必要条件は、T4 DNAリガーゼにより、2本の鎖の主鎖にそってニックを密封することである。タンパク質コード配列のほかに、合成遺伝子は、クローニングベクターの制限エンドヌクレアーゼ部位中への挿入を促進する末端配列により企画され得、そして転写及び翻訳の正しい開始及び終結のためのシグナルを含む他の配列が付加されるべきである。
十分な長さの遺伝子を調製するための他の手段は、特定組みのオーバーラップするオリゴヌクレオチド(40〜100個のヌクレオチド)を合成することである。3’及び5’の延長領域(6〜10個のヌクレオチド)がアニーリングされた後、大きなギャップが残存するが、しかし塩基対合された領域は、その構造体を一緒に維持するのに十分に長く且つ十分に安定性である。ギャップが満たされ、そしてDNA複合体がE.コリDNAポリメラーゼIによる酵素DNA合成により完結される。この酵素は、複製開始点として3’-ヒドロキシル基、及び鋳型として一本鎖領域を使用する。酵素合成の完結の後、ニックがT4 DNAリガーゼにより密閉される。
より大きな遺伝子に関しては、完全な遺伝子配列は通常、4〜6種のオーバーラップするオリゴヌクレオチド(それぞれ20〜60個の塩基対)を連結することによって一緒に配置される二本鎖フラグメントから集成される。個々の合成及びアニーリング段階の後、十分な量の二本鎖フラグメントが存在する場合、それらはお互い単純に連結される。一方では個々のフラグメントは、利用できるDNAの量を増幅するためにベクター中にクローン化される。両者の場合、二本鎖構造体は完全な遺伝子配列を形成するためにお互いに連続して連結される。個々の二本鎖フラグメント及び完全な配列は、化学的に合成された遺伝子が正しいヌクレオチド配列を有することを確かめるために、DNA配列分析により特徴づけられるべきである。ポリヌクレオチド合成の再考のためには、例えば、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology, Principles and Applications of Recombinant DNA (ASM Press 1994), Itakura など., Annu. Rev. Biochem. 53: 323 (1984), などClimie など., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 87: 633 (1990) を参照のこと。
zacrp14 cDNA又はzacrp14ゲノムフラグメントの配列は、標準の方法を用いて決定され得る。本明細書に開示されるzacrp14ポリヌクレオチド配列はまた、zacrp14遺伝子の5’側の非−コード領域をクローン化するためのプローブ又はプライマーとして使用され得る。zacrp14遺伝からのプロモーター要素は、例えばトランスジェニック動物、又は遺伝子治療を受けている患者において異種遺伝子の発現を方向づけるために使用され得る。zacrp14プロモーター又は調節要素を含むゲノムフラグメントの同定は、十分に確立された技法、例えば欠失分析を用いて達成され得る(一般的には、Ausubel (1995) を参照のこと)。
5’側フランギング配列のクローニングはまた、アメリカ特許第5,641,670号に開示される方法に従って、“遺伝子活性化”によるzacrp14タンパク質の生成を促進する。手短くに言及すれば、細胞における内因性zacrp14遺伝子の発現は、少なくとも標的配列、調節配列、エキソン、及び対になっていないスプライスドナー部位を含んで成るDNA構造体を、zacrp14遺伝子座中に導入することによって変更される。標的配列は、内因性zacrp14遺伝子座を有する構造体の相同組換えを可能にするzacrp14 5’側非コード配列であり、それにより、前記構造体内の配列は内因性zacrp14コード配列により作用可能に連結されるようになる。この場合、内因性zacrp14プロモーターが、他の調節は列により置換されるか又はそれにより補充され、増強された組織特異的、又は他方では、調節された発現が提供される。
zacrp14遺伝子変異体の生成:
本発明は、本明細書に開示されるzacrp14ポリペプチドをコードする種々の核酸分子、例えばDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能であることを容易に認識するであろう。配列番号6は、それぞれ配列番号2のzacrp14ポリペプチドをコードするすべての核酸分子を包含する縮重ヌクレオチド配列である。当業者は、配列番号3の縮重配列がまた、Tに代わってUを置換することによって、それぞれ配列番号2をコードするすべてのRNA配列を提供することを認識するであろう。従って、本発明は、配列番号1のヌクレオチド1−973、及びそれらのRNA同等物を含んで成るzacrp14ポリペプチド−コード核酸分子を企画する。
表1は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される1文字コードを示す。“解”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コードYはC又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA又はGを示し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
Figure 2005532795
所定のアミノ酸についてのすべての可能なコドンを包含する、配列番号3に使用される縮重コドンが表2に示される。
Figure 2005532795
当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するであろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列への参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
異なった種は“選択的コドン使用法”を示すことができる。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980; Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 13:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,Nuc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97,1982、Sharyp and Matassi, Curr. Opin. Genet. Dev. 4: 851 (1994), Kane, Curr. Opin. Biotechnol. 6: 494(1995), 及びMakrides, Microbiol. Rev. 60: 512(1996) を参照のこと。
本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン使用法”又は“選択的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従って個々のアミノ酸をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパク質翻訳コドンを言及する技術的用語である(表2を参照のこと)。例えば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、しかし哺乳類細胞においては、ACCが最も通常に使用されるコドンであり;他の種においては、例えば昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌においては、異なったThrコドンが好ましい。
特定の種のための選択的コドンは、当業界において知られている種々の方法により、本発明のポリヌクレオチド中に導入され得る。例えば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生成を増強する。従って、配列番号3に開示される縮重コドン配列は、当業界において通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種においてポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを含む配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示される官能性について試験され得る。
本発明はさらに、他の種(オルト体)からの相対物を表すポリペプチド及び核酸分子を供給する。それらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫及び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない。特に興味あるものは、他の哺乳類種、例えばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネコ、馬及び他の霊長類ポリペプチドからのzacrp14ポリペプチドである。zacrp14ポリペプチドのそのようなオルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明により供給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。例えば、cDNAは、本明細書に開示されるようにzacrp14を発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化され得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から企画されたプローブによりノザンブロットをプローブすることによって同定され得る。次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。
次に、zacrp14コードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分的なcDNAにより、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プローブにより、プローブすることによって単離され得る。cDNAはまた、本明細書に開示される代表的なzacrp14配列から企画されたプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応を用いてもクローン化され得る。さらなる方法においては、、cDNAライブラリーが、宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトするために使用され、そして興味あるcDNAの発現がzacrp14ポリペプチドに対する抗体により検出され得る。類似する技法がまた、ゲノムクローンの単離のために適用され得る。
当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトzacrp14の単一の対立遺伝子を表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測されることを認識するであろう。本明細書に開示されるヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体は、標準の方法に従って、異なった個人からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによってクローン化され得る。
配列番号1に示されるヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体、例えばサイレント突然変異を含むそれらの変異体及び突然変異がアミノ酸配列変更をもたらすそれらの変異体は、配列番号2の対立遺伝子変異体であるタンパク質のように、本発明の範囲内である。zacrp14ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNAから生成されるcDNA分子は、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチドと同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異体及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、異なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによってクローン化され得る。
本発明の好ましい態様においては、単離された核酸分子は、本明細書に開示されるヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子に対して、緊縮条件下でハイブリダイズするであろう。例えば、そのような核酸分子は、緊縮条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、配列番号1のヌクレオチドから成る核酸分子、又は配列番号1に対して相補的なヌクレオチド配列、又は配列番号1対して相補的なヌクレオチド配列からなる核酸分子にハイブリダイズすることができる。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選択される。Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。
1対の核酸分子、例えばDNA-DNA, RNA-RNA及びDNA-RNAは、ヌクレオチド配列がいくらかの程度の相補性を有する場合、ハイブリダイズすることができる。ハイブリッド二重ヘリックスにおけるミスマッチ塩基対を許容できるが、しかしハイブリッドの安定性はミスマッチの程度により影響される。ミスマッチハイブリッドのTmは、1〜1.5%の塩基対ミスマッチごとに1℃低下する。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性の変更は、ハイブリッドに存在するであろうミスマッチの程度に対する制御を可能にする。
緊縮性の程度は、ハイブリダイゼーション温度が上昇し、そしてハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が低下するにつれて、上昇する。緊縮ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリッドの熱溶融点(Tm)よりも約5〜25℃低い温度、及び1MまでのNa+を有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。より低い温度でのより高い温度の緊縮性は、緩衝溶液における個々の1%ホルムアミドについて約1℃、ハイブリッドのTmを低めるホルムアミドの添加により達成され得る。一般的に、そのような緊縮条件は、20〜70℃の温度、及び6×SSC及び0〜50%のホルムアミドを含むハイブリッド緩衝液を包含する。
高い程度の緊縮性は、40〜70℃の温度で及び4×SSC及び0〜50%のホルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液により達成され得る。高い緊縮条件は典型的には、42〜70℃の温度、及び1×SSC及び0〜50%のホルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。異なった程度の緊縮液が、標的配列への最大の特異的結合を達成するために、ハイブリダイゼーション、及び洗浄の間、使用され得る。典型的には、ハイブリダイゼーションに続く洗浄は、ハイブリダイズされた複合体からハイブリダイズされていないポリヌクレオチドプローブを除去するために、上昇する程度の緊縮性で行われる。
上記条件は、ガイドとして作用することを意味し、そしてそれは特定のポリペプチドハイブリッドとの使用のためのそれらの条件を適合するために、十分に当業者の能力の範囲内である。特定の標的配列についてのTmは、標的配列の50%が完全に適合されたプローブ配列にハイブリダイズするであろう温度(定義された条件下での)である。Tmに影響を及ぼすそれらの条件は、ポリヌクレオチドプローブのサイズ及び塩基対含有率、ハイブリダイゼーション溶液のイオン温度、及びハイブリダイゼーション溶液における不安定化剤の存在を包含する。
Tmを計算するための多くの等式は当業界において知られており、そして種々の長さのDNA、RNA及びDNA−RNAハイブリッド及びポリヌクレオチドプローブ配列に対して特異的である(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Press 1988); Ausubel など., (eds.), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), Guide to Molecular Cloning Techniques, (Academic Press, Inc. 1987); 及びWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227 (1990)を参照のこと)。
配列分析ソフトウェア、並びにインターネット上のサイトが所定の配列を分析し、そして使用者の定義された基準に基づいてTmを計算するための手段を入手できる。そのようなプログラムはまた、定義された条件下で所定の配置を分析し、そして適切なプローブ配列を同定することができる。典型的には、50以上の塩基対の長いポリヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションは、計算されたTmよりも約20〜25℃低い温度で行われる。50以下の塩基対の小さなプローブに関しては、ハイブリダイゼーションは典型的には、Tm又はそれよりも5〜10℃以下で行われる。これは、DNA−DNA及びDNA−RNAハイブリッドに関して、最大速度のハイブリダイゼーションを可能にする。
ヌクレオチド配列の長さは、ハイブリッド形成の速度及び安定性に影響を及ぼす。小さなプローブ配列、すなわち50個以下の塩基対は、相補的配列との平衡化にすばやく達するが、しかし安定したハイブリッドは形成されない。インキュベーション時間(およそ分〜時)が、ハイブリッド形成を達成するために使用され得る。より長いプローブ配列はよりゆっくりと平衡化するが、しかし低い温度でさえ、より安定した複合体を形成する。インキュベーションは、一晩又はそれ以上の間、進行せしめられる。一般的に、インキュベーションは、計算されたコット時間の3倍に等しい期間、行われ得る。コット時間、すなわちポリヌクレオチド配列が再会合するのにかかる時間は、当業界において知られている方法により、特定の配列について計算され得る。
ポリヌクレオチド配列の塩基対組成が、ハイブリッド複合体の熱安定性をもたらし、それにより、ハイブリダイゼーション温度の選択及びハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度に影響を及ぼす。A−T対は、塩化ナトリウムを含む水溶液においてG−C対よりも低い安定性である。従って、G−C含有率が高いほど、ハイブリッドはより安定する。配列内のG及びC残基の平等な分布がまた、ハイブリッド安定性に正に寄与する。さらに、塩基対組成は、所定の配列のTmを変えるために操作され得る。例えば5−メチルデオキシシヂンは、デオキシシスチジンより置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンは、デオキシシチジンにより置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンはTmを高めるためにチミジンにより置換され、そして7−デアズ−2’−デオキシグアノシンは、Tmに対する依存性を低めるためにグアノシンにより置換され得る。
ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン濃度はまた、ハイブッリドの安定性に影響お及ぼす。ハイブリダイゼーション緩衝液は一般的にブロッキング剤、例えばDenhardt溶液(Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.)、変性されたサケ精子DNA、粉乳(BLOTTO)、ヘパリン又はSDS、及びNa+源、例えばSSC(1×SSC:0.15:NのNaCl、15mMのクエン酸ナトリウム)又はSSPE(1×SSPE:1.8MのNaCl、10mMのNaH2PO4、1mMのEDTA、pH7.7)を含む。緩衝液のイオン濃度を低めることによって、ハイブリッドの安定性は高められる。典型的には、ハイブリダイゼーション緩衝液は、10mM〜1MのNa+を含む。
不安定剤又は変性剤、例えば、ホルムアミド、テトラアルキルアンモニウム塩、グアニジウムカチオン又はチオシアネートカチオンのハイブリダイゼーション溶液への添加が、ハイブリッドのTmを変更するであろう。典型的には、ホルムアミドが、より便利で且つ低い温度でのインキュベーションの実施を可能にするために、50%までの濃度で使用される。ホルムアミドはまた、RNAプローブを用いる場合、非特異的バッググラウンドを低めるためにも作用する。
例示のように、変異体zacrp14ポリペプチドをコードする核酸分子が、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子により、50%ホルムアミド、5×SSC、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt’s 溶液(100×Denhardt’s 溶液:2%(w/v)のFicoll 400, 2% (w/v)のポリビニルピロリドン及び2%(w/v)のウシ血清アルブミン)、10%の硫酸デキストラン及び20μg/mlの変性され、剪断されたサケ精子DNAを含んで成る溶液において、42℃で一晩ハイブリダイズされ得る。当業者は、それらのハイブリダイゼーション条件の変動性を考慮することができる。例えば、ハイブリダイゼーション混合物は、ホルムアミドを含まない溶液において、高度で、例えば約65℃でインキュベートされ得る。さらに、予備混合されたハイブリダイゼーション溶液が入手でき(例えば、CLONTECH Laboratories, Inc. からのEXPRESSHYB Hybridization Solution),そしてハイブリダイゼーションは製造業者の説明書に従って行われ得る。
ハイブリダイゼーションに続いて、核酸分子は、緊縮条件下で、又は高い緊縮条件下で、ハイブリダイズされなかった核酸分子を除去するために洗浄され得る。典型的な緊縮洗浄条件は、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.5×〜2×SSC溶液による55〜65%での洗浄を包含する。すなわち、変異体zacrp14ポリペプチドをコードする核酸分子は、緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで前記洗浄緊縮性は、55〜65℃での、0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液、例えば55℃での、0.1%SDSを含む0.5×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む2×SSC溶液に等しい。当業者は、例えば洗浄溶液におけるSSCをSSPEにより置換することによって同等の条件を容易に製造することができる。
典型的な高い緊縮洗浄条件は、50〜65℃での0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.1×〜0.2×SSCの溶液による洗浄を包含する。言いかえれば、変異体zacrp14ポリペプチドをコードする核酸分子は、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで前記洗浄緊縮性は、50〜65℃での、0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液、例えば50℃での、0.1%SDSを含む0.1×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む0.2×SSC溶液に等しい。
本発明はまた、配列番号2のポリペプチド又はそれらのオルト体に対して実質的に類似する配列同一性を有する単離されたzacrp14ポリペプチドも提供する。用語“実質的に類似する配列同一性”とは、配列番号2で示される配列又はそれらのオルト体に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は少なくとも99%以上の配列同一性を有するポリペプチドを示すために本明細書において使用される。
本発明はまた、2種の次の基準を用いて同定され得るzacrp14変異体核酸分子を企画する:配列番号2のアミノ酸配列とコードされたポリペプチドとの間の類似性の決定、及びハイブリダイゼーションアッセイ。そのようなzacrp14変異体は、(1)55〜65℃での0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液に等しい緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸残基164〜295のアミノ酸残基を含んで成るポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。
他方では、zacrp14変異体は、(1)50〜65℃での0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液に等しい、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸残基21〜295のアミノ酸残基を含んで成るポリペプチドをコードする核酸分子として特徴づけられ得る。
本発明はまた、配列番号1のヌクレオチド配列又はその補体から成る核酸分子のフラグメントである対照核酸分子とのハイブリダイゼーション分析を用いて特徴づけられる特定のzacrp14変異体も包含する。例えば、そのような対照核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド配列又はその補体、配列番号1のヌクレオチド137−964から成る核酸分子を包含する。
%配列同一性は、従来の方法により決定される。例えば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表3(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff (前記)の“BLOSUM62”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のようにして計算される。
Figure 2005532795
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当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査アルゴリズムは、本明細書に開示される1つのアミノ酸配列及び推定上のzacrp14変異体のアミノ酸配列により共有される同一性のレベルを試験するための適切なタンパク質整列方法である。前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 183: 63 (1990) により記載される。手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号2又は6)及び保存性アミノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が1である場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験配列により共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。
次に、最高密度の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用いて、すべての対合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され、そして前記領域の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう“整えられる”。“カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定された式により計算される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合、その整えられた初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形成するために結合され得るかどうかを決定するために試験される。
最終的に、2種のアミノ酸配列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可能にする、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. Biol. 48: 444, 1970; Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を用いて整列される。FASTA 分析のための好ましいパラメーターは次のものである:ktup=1、ギャップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及び置換マトリックス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pearson, 1990 (前記)に説明されるように、評点マトリックスを調節することによってFASTAプログラム中に導入され得る。
FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は、上記に設定される他のパラメーターを伴なって、1〜6、好ましくは3〜6、最も好ましくは3であり得る。
本発明は、配列番号2のアミノ酸配列に比較して、保存性アミノ酸変更を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。すなわち、配列番号2の1又は複数のアミノ酸置換を含む変異体が得られ、ここでアルキルアミノ酸がzacrp14アミノ酸配列におけるアルキルアミノ酸に代わって置換され、芳香族アミノ酸がzacrp14アミノ酸における芳香族アミノ酸に代わって置換され、硫黄含有アミノ酸がzacrp14アミノ酸配列における硫黄含有アミノ酸に代わって置換され、ヒドロキシ含有アミノ酸zacrp14アミノ酸配列におけるヒドロキシ含有アミノ酸に代わって置換され、酸性アミノ酸がzacrp14アミノ酸配列における酸性アミノ酸に代わって置換され、塩基性アミノ酸がzacrp14アミノ酸配列における塩基性アミノ酸に代わって置換され、又は二塩基性モノカルボン酸アミノ酸zacrp14アミノ酸配列における二塩基性モノカルボン酸アミノ酸に代わって置換される。
通常のアミノ酸の中で、“保存性アミノ酸置換”は、次のグループの個々内のアミノ酸間の置換により示される:(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、(3)セリン及びトレオニン、(4)アスパラギン酸及びグルタミン酸、(5)グルタミン及びアスパラギン、及び(6)リシン、アルギニン及びヒスチジン。
BLOSUM62表は、関連するタンパク質の500以上のグループの高く保存された領域を表す、タンパク質配列セグメントの約2,000の局部の複数整列に由来するアミノ酸置換マトリックスである[Henikoff and Henikoff, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 89: 10915 (1992) ]。従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明のアミノ酸配列中に導入され得る保存性アミノ酸置換を定義するために使用され得る。単に化学的性質に基づいてのアミノ酸置換を企画することが可能であるが(上記で論じられたように)、用語“保存性アミノ酸置換”とは、−1よりも大きなBLOSUM62値により表される置換を言及する。例えば、アミノ酸置換は、その置換が0,1,2又は3のBLOSUM62値により特徴づけられる場合、保存性である。このシステムによれば、好ましい保存性アミノ酸置換は、少なくとも1(例えば、1,2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられ、ところがより好ましくは保存性置換は、少なくとも2(例えば、2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
zacrp14の特定の変異体が、その対応するアミノ酸配列(すなわち、配列番号2)に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は少なくとも99%以上の配列同一性を有することによって特徴づけられ、ここでアミノ酸配列の変動は、1又は複数のアミノ酸置換による。
zacrp14遺伝子における保存性アミノ酸変化が、配列番号1に列挙されるヌクレオチドに代わってヌクレオチドを置換することによって導入され得る。そのような“保存性アミノ酸”変異体は、例えばオリゴヌクレオチド指図された突然変異誘発、リンカー走査突然変異誘発、ポリメラーゼ鎖反応を用いての突然変異誘発及び同様の方法により得られる(Ausubel(1995)pages8-10〜8-22; 及びMcPhrson(ed.), Directed Mutagenesis: A Practical Approach (IRL Press 1991) を参照のこと)。
アミノ酸配列の変更が、生物学的活性に対して必須である高次構造体の破壊を最少にするためにzacrp14ポリペプチドにおいて行われる。例えば、アミノ酸残基の変更が、分子の幾何学及び他の成分を破壊しないよう行われ、ここでコンホメーションの変化が、いくらかの決定的な機能を弱める。アミノ酸配列の変更の効果は、例えば上記に開示されるようなコンピューターモデルにより予測され得、又は結晶構造の分析により決定され得る(例えば、Lapthornなど., Nat. Struct. Biol. 2: 266-268, 1995)。
当業界において良く知られている他の技法は、標準の分子(例えば、生来のタンパク質)と変異体タンパク質の折りたたみを比較する。例えば、変異体及び標準の分子におけるシステインパターンの比較が行われ得る。質量分光及び還元及びアルキル化を用いての化学的修飾は、ジスルフィド結合に関連するか又はそのような関連を有さないシステイン残基を決定するための方法を提供する(Beanなど., Anal. Biochem. 201: 216-226, 1992; Gray, Protein Sci. 2: 1732-1748, 1993: 及びPattersonなど., Anal. Chem. 66: 3727-3732, 1994)。
一般的に、修飾された分子が標準の分子と同じジスルフィド結合パターンを有さない場合、折りたたみが影響を及ぼされると思われる。折りたたみを測定するためのもう1つの良く知られており、且つ許容できる方法は、円ニ色性(CD)である。修飾された分子及び標準の分子により生成されるCDスペクトルの測定及び比較は、通常のことである(Johnson, Protein 7:205-214, 1990)。結晶学は、折りたたみ及び構造を分析するためのもう1つの良く知られた方法である。核磁気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング及びエピトープマッピングはまた、タンパク質とポリペプチドとの間の折りたたみ及び構造的類似性を分析するための既知方法でもある(Schaananなど., Science 257: 961-964, 1992)。
配列番号2に示されるようなzacrp14タンパク質配列のHopp/Woods親水性プロフィールが生成され得る(Hoppなど.,Proc Natl. Acad. Sci. 78: 3828, 1981; Hopp, J. Immun. Meth. 88: 1-18, 1986及びTriquierなど., Protein Engineering 11: 153-169, 1998)。前記プロフィールは、スライドする6−残基窓(sliding six-residue window)に基づかれている。埋もれたG, S及びT残基及び暴露されたH, Y及びW残基は無視された。
当業者は、親水性又は疎水性が、全体的な構造及び生物学的プロフィールを破壊しないよう、zacrp14ポリペプチドのアミノ酸配列における修飾を企画する場合、考慮されるであろうことを認識するであろう。Val, Leu及びIleから成る群、又はMet, Gly, Ser, Ala, Tyr及びTrpから成る群から選択された疎水性残基の置換が特に興味の対象である。例えば、置換に耐性の残基は、Val、Leu及びIle、又は配列番号2に示されるようなMet、Gly、Ser、Ala、Tyr及びTrp残基から成る群を包含する。構造に基づいて変異体zacrp14ポリヌクレオチドを同定する他のアプローチは、可能性ある変異体zacrp14をコードする核酸分子が、上記に論じられるように、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子に対してハイブリダイズできるかどうかを決定することである。
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を同定する他の方法は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン走査突然変異誘発である(Cunningham and Wells. Science 244: 1081 (1989);Bass など., Pro. Nat. Acad. Sci. USA 88: 4498 (1991); Coombs and Gorey, “Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering”, in Proteins. Aualysis and Design, Angeletti (ed.), P. 259-311 (Academic Press, Inc. 1998))。後者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子におけるあらゆる残基で導入され、そして得られる変異体分子が、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、下記に開示されるように、生物学的又は生化学的活性について試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699 (1996) を参照のこと。
本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含んで成る。天然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。
天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界において知られている。例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る。アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこと。
第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノアミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271: 1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定である天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導入される。
Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403, 1993)。
限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、zacrp14アミノ酸により置換され得る。
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989; Bassなど., Proc. Natl. Scad. Sci. USA 88: 4498−502, 1991), Coombs and Corey, “Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering” ,in Proteins: Analysis and Design, Angeletti(ed.) Ppages 259-311(Academic Press, Inc. 1998))。後者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基で導入され、そして得られる変異体分子が、前記分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、下記に開示されるようして、生物学的活性について試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699−5708, 1996を参照のこと。
zacrp14受容体結合ドメインの位置はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と共に、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造体の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Ves など., Science 255: 306 (1992), Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899 (1992), 及びWlodaver など., FEBS Lett. 309:59 (1992) を参照のこと。さらに、ビオチン又はFITCによりラベルされたzacrp14は、zacrp14基質及びインヒビターの発現クローニングのために使用され得る。
複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばReidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリーンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
開示されるzacrp14ヌクレオチド及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いてのアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なった種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択することによって、配列の急速な“進化”を提供する。
本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。生物学的に活性のポリペプチド又は抗−zacrp14抗体と結合するポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用され得る。
本発明はまた、zacrp14ポリペプチドの“機能的フラグメント”及びそのような機能的フラグメントをコードする分子を包含する。核酸分子の通常の欠失分析は、zacrp14ポリペプチドをコードする核酸分子の機能的フラグメントを得るために行われ得る。例示されるように、配列番号1のヌクレオチド配列を有するDNA分子は、一連の欠失を得るためにBal3 Tヌクレアーゼにより消化され得る。エキソヌクレアーゼ消化のための1つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図された突然変異誘発を使用し、又は所望するフラグメントの生成を特定するために停止コドンを使用することである。他方ではzacrp14遺伝子の特定のフラグメントは、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
例示のように、インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に基づいての研究が、Horisberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66: 507 (1995) により要約されることにより例示される。さらに、タンパク質の機能的分析のための標準技法は、例えばTreulterなど., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Content など., “Expression and preliminary deletion analysisi of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by human interferon”, in Biological Interferon Systems, Proceedings of ISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff 1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in Cortrol of Animal Cell Proliferation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages 169-199 (Academic Press 1985), Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 29270 (1995); Fukunaga など., J. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi など., Biochem. Pharmacol. 50: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Molec. Biol. 30: 1 (1996)により記載される。
本発明はまた、配列番号2のアミノ配列に比較して、アミノ配列変化を有するzacrp14遺伝子の機能的フラグメントも企画する。変異体zacrp14遺伝子は、上記のように、配列番号1及び2のヌクレオチド及びアミノ酸配列との同一性のレベルを決定することにより、構造体に基づいて同定され得る。構造体に基づいて変異体遺伝子を同定するもう1つのアプローチは、可能性ある変異体zacrp14遺伝子をコードする核酸分子が、上記のように、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズすることができるかどうかを決定することである。
本発明はまた、本明細書に記載されるzacrp14ポリペプチドのエピトープ−担持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。そのようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用される場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを含んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定され得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を参照のこと)。
対照的に、ポリペプチドフラグメント又はペプチドは、抗体が特異的に結合することができるタンパク質分子の領域である“抗原性エピトープ”を含んで成る。一定のエピトープは、線状又は連続した範囲のアミノ酸から成り、そしてそのようなエピトープの抗原性は、変性剤により破壊されない。タンパク質のエピトープを模倣する比較的短い合成ペプチドがタンパク質に対する抗体の生成を刺激するために使用され得ることは、当業界において知られている(例えば、Sutcliffeなど., Science 219: 660, 1983を参照のこと)。従って、本発明の抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるポリペプチドと結合する抗体を生ぜしめるために有用である。
抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個のアミノ酸、又は約15〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるように、zacrp14ポリペプチドのフラグメント化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに、エピトープは、ランダムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され得る(例えば、Lane and Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びCortese など., Curr. Opin. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John Wiley & Sons, 1997)により記載される。
変異体及び融合タンパク質を包含するいずれかのzacrp14ポリペプチドに関しては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコードする十分な縮重ポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。さらに、当業者は、本明細書に記載されるヌクレオチド及びアミノ酸配列に基づいて、種々のzacrp14変異体に標準のソフトウェアを使用することができる。従って、本発明は、次の配列、すなわち配列番号1、2、又は3の少なくとも1つの配列を提供するデータ構造によりコードされるコンピューターに読み取り可能媒体を包含する。
適切な形のコンピューター読み取り可能媒体は、磁気媒体及び光学的読み取り可能な媒体包含する。磁気媒体の例は、ハード又は固定されたドライブ、ランダムアクセス記憶(RAM)チップ、フロッピーディスク、デジタルリニアーテープ(DLT)、ディスクカーシ及びZIPディスクを包含する。光学的読み取り可能な媒体は、コンパクトディスク(例えば、CD−読み取りのみ記憶(ROM)、CD−再書き込みできる(RW)及びCD−再記録できる)、及びデジタル可転性/ビデオディスク(DVD)(例えば、DVD−ROM, DVD−RAM及びDVD+RW)により例示される。
zacrp14融合タンパク質の生成:
zacrp14の融合タンパク質は、組換え宿主においてzacrp14を発現するために、そして発現されたzacrp14を単離するために使用され得る。下記に記載されるように、特定のzacrp14融合タンパク質はまた、診断及び治療にも使用される。
1つのタイプの融合タンパク質は、組換え宿主細胞からのzacrp14ポリペプチドを案内するペプチドを含んで成る。zacrp14ポリペプチドを、真核細胞の分泌経路中に方向づけるためには、分泌シグナル配列(また、シグナルペプチド、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、zacrp14発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列はzacrp14に由来するが、適切なシグナル配列はまた、もう1つの分泌されたタンパク質から誘導されるか、又は新たに合成され得る。
分泌シグナル配列は、zacrp14−コード配列に作用可能に連結され、すなわち2つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分泌シグナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’ 側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるヌクレオチド配列の他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
zacrp14の分泌シグナル配列又は哺乳類細胞により生成されるもう1つのタンパク質(例えば、アメリカ特許第5,641,655号に記載されるような組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子シグナル配列)は、組換え哺乳類宿主におけるzacrp14の発現のために有用であるが、酵母シグナル配列は、酵母細胞における発現のために有用である。適切な酵母シグナル配列の例は、酵母対合現象α−因子(MFα1遺伝子によりコードされる)、インバーターゼ(SUC2遺伝子によりコードされる)又は酸性ホスファターゼ(PHO遺伝子によりコードされる)に由来するそれらのものである。例えば,Romanos など., “Expression of Cloned Genes in Yeast” in DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and Hames (eds.), p.123-167 (Oxford University Press 1995) を参照のこと。
細菌細胞においては、毒性を低め、安定性を高め、そして発現されたタンパク質の回収性を高めるために、異種タンパク質を融合タンパク質として発現することが、しばしば所望される。例えばzacrp14は、グルタチオンS−トランスフェラーゼポリペプチドを含んで成る融合タンパク質として発現され得る。グルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質は、典型的には、可溶性であり、そして固定されたグルタチオンカラム上でE. コリ融解物から容易に精製できる。類似するアプローチにおいては、マルトース結合タンパク質ポリペプチドを含んで成るzacrp14融合タンパク質は、アミロース樹脂カラムにより単離され得、そして切断されたタンパク質A遺伝子のC−末端を含んで成る融合タンパク質は、IgG−セファロースを用いて精製され得る。
細菌細胞において異種ポリペプチドを、融合タンパク質として発現するために確立された技法は、Williamsなど., “Expression of Foreign Proteins in E. coli Using Plasmid Vectors and Purification of Specific Polyclonal Antibodies”, in DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and Hames (Eds.), p.15-58 (Oxford University Press 1995) により記載される。さらに、市販の発現システムが利用できる。例えば、PINPOINT Xaタンパク質精製システム(Promega Corporation, Madison, WI)は、アビジンを含んで成る樹脂により、発現の間、ビオチニル化されるポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を単離するための方法を提供する。
原核又は真核細胞により発現される異種ポリペプチドを単離するために有用であるペプチド標識は、ポリヒスチジン標識(ニッケル−キレート化樹脂に対する親和性を有する)、c-myc標識、カルモジュリン結合タンパク質(カルモジュリン親和性クロマトグラフィーにより単離される)、物質P, RYIRS 標識(抗−RYIRS抗体と結合する)、Gln−Gln標識及びFLAG標識(抗−FLG抗体と結合する)を包含する。例えば、Luoなど., Srch. Biochem. Biophys. 329: 215 (1996), Morganti など., Biotechnol. Appl. Biochem. 23: 67 (1996), 及びZhengなど., Gene 186: 55 (1997) を参照のこと。そのようなペプチド標識コードする核酸分子は、例えばSigma−Aldrich Corporation (St. Louis, MO) から入手できる。
もう1つの形の融合タンパク質は、zacrp14ポリペプチド、及び2又は3個の複領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可変領域を欠いている免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的なFcフラグメントを含んで成る。例示のように、Chang など., (アメリカ特許第5,723,125号) は、ヒトインターフェロン及びヒト免疫グロブリンFcフラグメントを含んで成る融合タンパク質を記載する。インターフェロンのC−末端は、ペプチドリンカー成分によりFcフラグメントのN−末端に連結される。
ペプチドリンカーの例は、免疫学的に不活性であるT細胞不活性配列を主に含んで成るペプチドである。そのような融合タンパク質においては、例示的なFc成分は、溶液において安定性であり、そして活性を活性化する補体をほとんど有さないか又は完全に有さないヒトγ4鎖である。従って、本発明はzacrp14成分及びヒトFcフラグメントを含んで成るzacrp14融合タンパク質を企画し、ここで前記zacrp14成分のC−末端は、ペプチドリンカー、例えば配列番号4のアミノ酸配列から成るペプチドを通してFcフラグメントのN−末端に結合される。zacrp14成分は、zacrp14分子又はそのフラグメントであり得る。
もう1つの態様においては、zacrp14融合タンパク質は、IgG配列、IgG 配列のアミノ酸末端に共有結合されるzacrp14成分、及びzacrp14のアミノ酸末端に共有結合されるシグナルペプチドを含んで成り、ここで前記IgG配列は、次の順序での次の要素から成る:CH2ドメイン及びCH3ドメイン。従って、IgG配列はCH1ドメインを欠いている。zacrp14成分は、本明細書に記載されるように、zacrp14活性、例えばzacrp14抗体と結合する能力を示す。抗体及び非抗体部分の両者を含んで成る融合タンパク質を生成するこの一般的なアプローチは、LaRochelleなど., ヨーロッパ特許第742830号(WO95/21258号)により記載されている。
zacrp14成分及びFc成分を含んで成る融合タンパク質は、インビトロアッセイ手段として使用され得る。例えば、生物学的サンプルにおけるzacrp14インヒビターの存在は、zacrp14−抗体融合タンパク質を用いて検出され得、ここでzacrp14成分は、基質又はインヒビターを標的化するために使用され、そして高分子、例えばタンパク質A又は抗−Fc抗体は、結合されたタンパク質−受容体複合体を検出するために使用される。さらに、そのような融合タンパク質は、zacrp14及び基質の結合を妨害する分子を同定するために使用され得る。
融合タンパク質は、その融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれらを化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得る。他方では、正しく読み取り枠を整合して融合タンパク質の両成分をコードするポリヌクレオチドは、既知の技法を用いて生成され、そして本明細書に記載される方法により発現され得る。融合タンパク質の酵素的及び化学分解のための一般的な方法は、例えばAusubel(1995)、p. 16-19〜16−25により記載される。
zacrp14類似体及びzacrp14インヒビター:
1つの一般的な種類のzacrp14類似体は、本明細書に開示されるアミノ酸配列の突然変異であるアミノ酸配列を有する変異体である。もう1つの一般的種類のzacrp14類似体は、下記のように、抗−イディオタイプ抗体及びそのフラグメントにより供給される。さらに、抗−イディオタイプの可変ドメインを含んで成る組換え抗体が、類似体として使用され得る(例えば、Monfardiniなど., proc. Assoc. Am. Physicians 108: 420 (1996) を参照のこと)。抗−イディオタイプzacrp14抗体の可変ドメインはzacrp14を模倣するので、それらのドメインは、zacrp14結合活性を提供することができる。、抗−イディオタイプ触媒性抗体を生成するための方法は、当業者に知られている(例えば、Joronなど., Ann. N. Y. Acad. Sci. 672:216(1992), Fribouletなど., Appl. Biochem. Biotechnol. 47:229(1994),及びAvalleなど., Ann. N. Y. Acad. Sci.864:118(1998)を参照のこと)。
zacrp14類似体を同定するもう1つのアプローチは、結合ライブラリーの使用により提供される。ファージ表示及び他の結合ライブラリーを構成し、そしてスクリーニングする方法は、例えばKayなど., Phage Display of Peptide and Proteins (Academic Press 1996), Verdine, アメリカ特許第5,783,384号、Kay, など., アメリカ特許第5,747, 334号及びKauffmanなど., アメリカ特許第5,723,323号号により提供される。
溶液インビトロアッセイはzacrp14基質又はインヒビターを同定するために使用され得る。固相システムはまた、zacrp14ポリペプチドの基質又はインヒビターを同定するために使用され得る。例えば、zacrp14ポリペプチド又はzacrp14融合タンパク質は、市販のバイオセンサー装置の受容体チップの表面上に固定され得る(BLACORE, Biacore AB; uppsala, Sweden)。この装置の使用は、例えばkarlsson, Immunol. Methods 145:229 (1991)、及びCunningham and Wells, J. Mol. Biol. 234:554 (1993) により開示される。
手短には、zacrp14ポリペプチド又は融合タンパク質は、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、共有結合される。次ぎに、試験サンプルが、細胞を通して通される。zacrp14基質又はインヒビターがサンプルに存在する場合、それは固定されたポリペプチド又は融合タンパク質に結合し、培地の屈折率の変化を引き起こし、これが金フィルムの表面プラスモン共鳴の変化として検出される。このシステムは、結合親和性が計算され得るオン−及びオフ−速度の測定、及び結合の化学量論、及びzacrp14突然変異の運動学的効果の評価を可能にする。このシステムはまた、抗体−抗原相互作用、及び他の補体/抗−補体対の相互作用を試験するためにも使用され得る。
培養された細胞におけるzacrp14ポリペプチドの生成:
十分な長さのポリペプチド、機能的フラグメント及び融合タンパク質を包含する本発明のポリペプチドは、従来の技法に従って、組換え宿主細胞において生成され得る。zacrp14遺伝子を発現するためには、ポリペプチドをコードする核酸分子が、発現ペプチドにおいて転写発現を制御し、そして次に、宿主細胞中に導入される調節配列に作用可能に連結されるべきである。転写調節配列、例えばプロモーター及びエンハンサーの他に、発現ベクターは、翻訳調節配列、及び発現ベクターを担持する細胞の選択のために適切なマーカー遺伝子を包含することができる。
真核細胞において外来性タンパク質の生成のために適切である発現ベクターは、典型的には、(1)細胞宿主における発現ベクターの増殖及び選択を提供するための細菌複製起点及び抗生物質耐性マーカーをコードする真核DNA要素;(2)転写の開始を制御する真核DNA要素、例えばプロモーター;及び(3)転写体のプロセッシングを制御するDNA要素、例えば転写終結/ポリアデニル化配列を含む。上記で論じられたように、発現ベクターはまた、異種ポリペプチドを、宿主細胞の分泌経路中に方向づける分泌配列コードするヌクレオチド配列を包含する。例えば、zacrp14発現ベクターは、zacrp14遺伝子、及びzacrp14遺伝子及びもう1つの分泌された遺伝子に由来する分泌配列を含むことができる。
本発明のzacrp14タンパク質は、哺乳類細胞において発現され得る。適切な哺乳類宿主細胞の例は、アフリカミドリザル腎細胞(Vero; ATCC CRL1587)、ヒト胚腎細胞(293−HEK; ATCC CRL1573)、子供のハムスター腎細胞(BHK−21, BHK−570;ATCC CRL8544, ATCC CRL10314)、イヌ腎細胞(MDCK;ATCC CCL34)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1; ATCC CCL61; CHO DG44 [Chasinなど., Som. Cell. Molec. Genet. 12: 555 (1986)]、ラット下垂体細胞(CH1;ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H−4−II−E;ATCC CRL1548)、SV40−形質転換されたモンキー腎細胞(COS−1;ATCC CRL1650)及びネズミ胚細胞(NIH−3T3;ATCC CRL1658)を包含する。
哺乳類宿主に関しては、転写及び翻訳シグナルは、ウィルス源、例えばアデノウィルス、ウシ乳頭腫ウィルス、サルウィルス又は同様のものに由来することができ、ここで調節するシグナルは、高レベルの発現を有する特定の遺伝子に関連している。適切な転写及び翻訳調節配列はまた、哺乳類遺伝子、例えばアクチン、コラーゲン、ミコシン及びメタロチオネイン遺伝子から得られる。
転写調節配列は、RNA合成の開始を方向づけるために十分なプロモーター領域を含む。適切な真核プロモーターは、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーター(Hamerなど., J. Molec. Appl. Genet. 1: 273 (1982))、ヘルペスウィルスのTKプロモーター(Mcknight, Cell 31 : 355 (1982))、SV40初期プロモーター(Benoistなど., Nature 290: 304 (1981))、Rous肉腫ウィルスプロモーター(Gormanなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 6777 (1982))、サイトメガロウィルスプロモーター(Foeckingなど., Gene 45: 101 (1980))及びマウス乳腫瘍ウィルスプロモーター(一般的には、Etcheverry, “Expression of Engineered Protein in Mammalian Cell Culture”, in Protein Engineering: Principles and Practice, Cleland など., (eds.), p. 163-181 (John Wiley & Sons, Inc. 1996)を参照のこと)を包含する。
他方では、原核プロモーター、例えばバクテリオファージT3 RNAポリメラーゼプロモーターは、その原核プロモーターが真核プロモーターにより調節される場合、哺乳類細胞におけるzacrp14遺伝子発現を制御するために使用され得る(Zhouなど., Mol. Cell. Biol. 10: 4529 (1990), 及びKaukamanなど., Nucl. Acids Res. 19: 4485 (1991) を参照のこと)。
発現ベクターは、種々の標準の技法、例えばリン酸カルシウムトランスフェクション、リポソーム−介在性トランスフェクション、マイクロプロジェクト−介在性供給、エレクトロポレーション及び同様のものを用いて、宿主細胞中に導入され得る。好ましくは、トランスフェクトされた細胞が選択され、そして増殖され、宿主細胞ゲノムに安定して組み込まれる発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞が供給される。真核細胞中にベクターを導入するための技法、及び優性選択マーカーを用いてのそのような安定した形質転換体を選択するための技法は、例えばAusubel (1995) 及びMurray (ed.), Gene Transfer and Expression Protocols (Humana Press 1991) により記載される。
例えば、1つの適切な選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性を付与する遺伝子である。この場合、選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様のもの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される。好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。
他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
zacrp14ポリペプチドはまた、ウィルス供給システムを用いて、培養された哺乳類細胞により生成され得る。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種核酸の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。アデノウィルスシステムの利点は、比較的大きなDNA挿入体の収容、高い力価に増殖する能力、広範囲の哺乳類細胞型を感染する能力、及び異なったプロモーターを含む多数の入手できるベクターとの使用を可能にする柔軟性を包含する。
アデノウィルスゲノムの一部を欠失することによって、異種DNAの大きな挿入体(7kbまでの)が収容され得る。それらの挿入体は、直接的な連結により、又はトランスフェクトされたプラスミドによる相同組換えにより、ウィルスDNA中に導入され得る。EI遺伝子が宿主細胞により供給されない場合、複製の無能性をもたらす、ウィルスベクターからの必須EI遺伝子を欠失することは任意である。例えば、アデノウィルスベクター−感染されたヒト293細胞(ATCC No. CRL−1573, 45504, 45505)は、有意な量のタンパク質を生成するために比較的高い細胞密度で、付着細胞として、又は懸濁培養物において増殖され得る(Garnierなど., Cytotechnol. 15: 145 (1994) を参照のこと)。
zacrp14遺伝子はまた、他の高等真核細胞、例えば鳥類、菌類、昆虫、酵母、又は植物細胞においても発現され得る。バキュロウィルスシステムは、昆虫細胞中に、クローン化されたzacrp14遺伝子を導入するための効果的な手段を提供する。適切な発現ベクターは、オートグラファ・カリホルニカ(Autographa californica) 核多角体病ウィルス(AcMNPV)に基づかれており、そして良く知られているプロモーター、例えばショウジョウバエ熱ショックタンパク質(hsp)70プロモーター、オートグラファ・カルホルニカ核多角体病ウィルス即時−初期遺伝子プロモーター(ie-I)及び遅延された初期39K プロモーター、バキュロウィルスp10プロモーター及びジョウジョウバエメタロチオネインプロモーターを含む。
組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, VA, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに基づくシステムを利用する。トランスファーベクターを利用するこのシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Technologies, Rockville, MD)として市販されている。このシステムは、“bacmid” と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに維持されるバキュロウィルスゲノム中に、zacrp14ポリペプチドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、pFastBacI TM (Life Technologies )を利用する。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
さらに、トランスファーベクターは発現されたzacrp14ポリペプチドのC−又はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNAとのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。当業界において知られている技法を用いて、zacrp14遺伝子を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida についてスクリーンされる。組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単離される。
例示的なPFASTBACベクターは、相当の程度まで修飾され得る。例えば、前記ポリヒドリンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又はMPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロモーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。さらに、昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列により天然のzacrp14分泌シグナル配列を置換しているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsbad, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)からのシグナル配列は、生来のzacrp14分泌シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。
組換えウィルス又はbacmidは、宿主細胞をトランスフェクトするために使用される。適切な昆虫宿主細胞は、IPLB−Sf−21に由来する細胞系、スポドプテラフルギペルダ(Spodoptera frugiperda)さなぎ卵巣細胞系、例えばSf9 (ATCC CRL 1711)、Sf21AE及びSf21(Invitrogen Corporation; San Diego, CA)、及びショウジョウバエSchneider−2細胞、並びにトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するHIGH FIVEO 細胞系(Invitrogen)を包含する(アメリカ特許第5,300,435号)。
市販の血清フリー培地が、細胞の増殖及び維持のために使用され得る。適切な培地は、Sf9細胞に関しては、Sf900IITM (Life Technologies) 又はESF921TM (Expression Systems);及びトリコプルシア・ニ細胞に関しては、Ex−cellO405TM (JRH Biosiences, Lenexa, KS) 又はExpress FiveOTM (Life Technologies)を包含する。組換えウィルスが使用される場合、細胞は典型的には、組換えウィルスストックが0.1〜10、より典型的には、約3の感染の多重度(MOI)で添加される地点で、約2〜5×105個の細胞1〜2×106個の細胞の接種密度で触媒される。
バキュロウィルスでの組換えタンパク質を生成するための確立された技法は、Baileyなど., “Manipulation of Baculovirus Vectors”, in Methods in Molecular Biology, Volume 7: Gene Transfer and Expression Protocols, Murray (ed.), P. 147-168 (The Humana Press, (nc. 1991) により、Patel など., “The buculovirus expression system”, in DNA Cloing2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など., (eds.) p.205-244 (Oxford University Press 1995) により、Ausubel (1995) p.16-37〜16-57により、Richardson (ed.), Baculovirus Expression Proteocols (The Humana Press, Inc. 1995) により、及びLucknow, “Insect Cell Expression Technology”, in Protein Engineering: Principles and Practice. Cleland など. (eds.), p.183-218 (John Wiley & Sons, Inc. 1996) により提供される。
菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本明細書に開示される遺伝子を発現するためにも使用され得る。これに関して、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pichia methanolica) を包含する。酵母における発現のための適切なプロモーターは、GAL1(ガラクトース)、PGK(ホスホグリセリンキナーゼ)、ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)、AOX1(アルコールオキシダーゼ)、HIS4(ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ)及び同様のものからのプロモーターを包含する。
外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,743号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択される。
サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシステムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び第4,661,454号を参照のこと。
他の酵母、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知られている。
例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCregg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mcknight など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,533号により開示される。
例えば、組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、Raymond、アメリカ特許第5,716,808号、Raymond、アメリカ特許第5,736,383号、Raymondなど.,Yeast 14: 11-23 (1998)、及びWIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。
他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノリカへの使用のための例示的な選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。
メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用することが好ましい。分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(t)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
発現ベクターはまた、植物プロトプラスト、損なわれていない植物組織又は単離された植物細胞中にも導入され得る。植物組織中に発現ベクターを導入するための方法は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、マイクロプロジェクティル−介在性供給、DNA注射、エレクトロポレーション及び同様のものによる植物組織の直接的な感染又はそれらと共にs植物細胞の同時培養を包含する。例えば、Horschなど., Science 227:1229 (1995)、Kleinなど., Biotechnology 10: 268 (1992) 及びMikiなど., “Procedures for Intoducing Foreign DNA into Plants”, in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick など. (eds.), P.67-88 (CRC Press, 1993) を参照のこと。
他方では、zacrp14遺伝子は、原核宿主細胞において発現され得る。原核細胞においてzacrp14ポリペプチドを発現するために使用され得る適切なプロモーターは、当業者に良く知られており、そしてT4, T3, Sp6及びT7ポリメラーゼを認識できるプロモーター、バクテリオファージλのPR及びPLプロモーター、E.コリのtrp, recA, 熱ショック、lacUV5, tac, lpp-lacSpr, phoA及びlacZプロモーター、B.スブチリスのプロモーター、バチルスのバクテリオファージのプロモーター、ストレプトミセスプロモーター、バクテリオファージλのintプロモーター、pBR322のblaプロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターを包含する。原核プロモーターは、Glick, J. Ind. Microbiol. 1: 277 (1987), Watsonなど., molecular Biology of the Gene, 4th Ed. (Benjamin Cummins 1987), 及びAusubelなど. (1995) により再考されている。
有用な原核宿主は、E.コリ及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)を包含する。E.コリの適切な株は、BL21 (DE3), BL21 (DE3) pLysS, BL21 (DE3)pLysE, DH1, DH4, DH5, DH51, DH51F, DH51MCR, DH 10B, DH10B/p3, DH11S, C600, HB101, JM101, JM105, JM109, JM110, K38, RR1, Y1088, Y1089, CSH18, ER1451及びER1647を包含する(例えば、Brown (ed.), Molecular Biology Labfax (Academic Press 1991) を参照のこと)。バチルス・スブチリスの適切な株は、BR151、YB886、MI119、MI120及びBI70を包含する(例えば、Hardy, “Bacillus Cloning Methods”, in DNA Cloning: A Practical Approach, Clover (ed.) (IRL Press 1985) を参照のこと。
細菌、例えばE.コリにおいてzacrp14ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そして例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元された及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収することによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変性及び再生のための必要性を回避することができる。
原核宿主においてタンパク質を発現するための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Williamsなど., “Expression of foreign protein in E.coli using plasmid vectors and purification of specific polyclonal antibodies” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), P.15 (Oxford University Press 1995), Ward など., “Genetic Manipulation and Expression of Antibodies” in Monoclonal Antibodies: Principles and Applications, p. 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995), 及びGeorgiou, “Expression of Proteins in Bacteria”, in Protein Engineering: Principles and Practice; Cleland など. (eds.), p101 (John Wiley & Sons, Inc. 1996) を参照のこと)。
細菌、酵母、昆虫及び植物細胞中に発現ベクターを導入するための標準方法は、Ausubel (1995) により提供される。哺乳類細胞系により生成される外来性タンパク質を発現し、そして回収するための一般的方法は、例えばEtcheverry, “Expression of Engineered Proteins in Mammalian Cell Culture “in Protein Englineering: Principles and Practice, Cleland など. (eds.), p163 (Wiley-Liss, Inc. 1996) により提供される。細菌系により生成されるタンパク質を回収するための標準技法は、例えばGrisshammer など., “Purification of Over-Produced proteins from E.coli cells “in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), p.59-92 (Oxford University Press 1995) により提供される。バキュロウィルス系から組換えタンパク質を単離するための確立された方法は、Richardson (ed.), Baculovirus Expression Protocols (The Humana Press, Inc. 1995) により記載される。
他方では、本発明のポリペプチドは、独占的固相合成、部分固相方法、フラグメント縮合又は従来の溶液合成により合成され得る。それらの合成方法は、当業者に良く知られている(例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 2149 (1963), Stewart et al., “Solid Phase Peptide Synthesis” (2nd Edition), (Pierce Chemical Co. 1984), Bayer and Rapp, Chem. Pept. 3.3 (1986). Atherton など., Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach (IRL Press 1989). Fields and Colowick, “Solid-Phase Peptide Synthesis.” Methods in Enzymology Volume 289 (Academic Press 1997), 及び Lloyd-Williams など., Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins (CRC Press, Inc. 1997)を参照のこと)。
全体的な化学合成方法、例えば“生来の化学的連結”及び“発現されたタンパク質連結”における変動性もまた標準である(例えば、Dawsonなど., Science 266: 776 (1994), Hackengなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA94: 7845 (1997), Dawson, Methods Enzymol. 287: 34 (1997), Muir など., proc. Natl. Acad. Sci. USA95: 6705 (1998),及び Severinov and Muir, J. Biol. Chem. 273: 16205 (1998)を参照のこと)。
zacrp14ポリペプチドの単離:
本発明のポリペプチドは、汚染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に対して、少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、又は95%以上の純度に精製することが好ましく、そして感染性及び発熱性剤を有さない。本発明のポリペプチドはまた、99.9%以上の純度である医薬的に純粋な状態に精製され得る。特定の製剤においては、精製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に有さない。
分別及び/又は従来の精製方法は、天然源から精製されたzacrp14、及び組換え宿主細胞から精製された組換えzacrp14ポリペプチド及び融合zacrp14ポリペプチドの調製物を得るために使用され得る。一般的に、硫酸アンモニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用される。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。
典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及びカルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そして広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。ポリペプチド単離及び精製の特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988、及びDoonan, Protein Purification Protocols (The Humana Press 1996)を参照のこと。
zacrp14単離及び精製における追加の変動は、当業者により調節され得る。例えば、下記のようにして得られる抗−zacrp14抗体は、免疫親和性精製により多量のタンパク質を単離するために使用され得る。
本発明のポリペプチドは、アニオン及びカチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除、及び親和性クロマトグラフィーを包含する方法の組み合わせより単離され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれらのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends in Biochem. 3: 1−7, 1985)。
ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるであろう。他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(M. Deutscher, (ed.), Methods Enzymol. 182, 529(1990))。本発明のさらなる態様においては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合タンパク質、FLAG標識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するために構成され得る。
zacrp14ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、下記のようにして、化学合成を通して調製され得る。zacrp14ポリペプチドは、モノマー又はマルチマーであり得;グリコシル化されても、又はグリコシル化されなくても良く;PEG化されても、又はPEG化されなくても良く;そして初期メチオニンアミノ酸残基を含むことができるか、又は含まなくても良い。
本発明はまたzacrp14ポリペプチドがポリマーにより連結される、化学的に修飾されたzacrp14組成物を企画する。典型的には、前記ポリマーは、zacrp14接合体が水性環境、例えば生理学的環境において沈殿しないよう水溶性である。適切なポリマーの例は、単一の反応基、例えばアシル化のための活性エステル、又はアルキル化のためのアルデヒドを有する修飾されている1つのポリマーである。この場合、重合化の程度は調節され得る。反応性アルデヒドの例は、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、又はモノ−(C1−C10)アルコキシ、又はそれらのアリールオキシ誘導体である(例えば、Harrisなど., アメリカ特許第5,252,714号を参照のこと)。ポリマーは枝分かれ鎖であっても、又は枝分かれ鎖でなくても良い。さらに、ポリマーの混合物がzacrp14接合体を生成するために使用され得る。
治療のために使用され得るzacrp14接合体は、好ましくは医薬的に許容できる水溶性ポリマー成分を含むべきである。適切な水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ−PEG、モノ−(C1−C10)アルコキシ−PEG、アリールオキシ−PEG、ポリ−(N−ビニルピロリドン)PEG、トレシルモノメトキシPEG、PEGプロピオンアルデヒド、ビス−スクシンイミジルカーボネートPEG、プロピレングリコールホモポリマー、酸化ポリプロピレン/酸化エチレンコポリマー、ポリオキシエチル化されたポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、デキストラン、セルロース又は他の炭水化物基材のポリマーを包含する。適切なPEGは、約600〜約60,000、例えば5,000、12,000及び25,000の分子量を有することができる。zacrp14接合体はまた、そのような水溶性ポリマーの混合物も含むことができる。抗−zacrp14抗体又は抗−イディオタイプ抗体はまた、水溶性ポリマーと接合され得る。
本発明は、本明細書に記載されるペプチド又はポリペプチドを含んで成る組成物を企画する。そのような組成物はさらに、キャリヤーを含むことができる。前記キャリヤーは、従来の有機又は無機キャリヤーであり得る。キャリヤーの例は、水、緩衝液、アルコール、ポリエチレングリコール、マクロゲル、ゴマ油、トウモロコシ油及び同様のものを包含する。
本発明のペプチド及びポリペプチドは、配列番号2の少なくとも6個、少なくとも9個又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る。本発明の1つの態様においては、ポリペプチドは、それらのアミノ酸配列の20個,30個,40個,50個,100個又はそれ以上の連続した残基を含んで成る。追加のポリペプチドは、配列番号2のそのような領域のアミノ酸配列の少なくとも15個,少なくとも30個,少なくとも40個,又は少なくとも50個の連続した残基を含んで成る。そのようなペプチド及びポリペプチドをコードする核酸分子は、ポリメラーゼ鎖反応プライマー及びプローブとして有用である。
zacrp14タンパク質に対する抗体の生成:
zacrp14に対する抗体は、例えば抗原として、zacrp14発現ベクターの生成物又は天然源から単離されたzacrp14を用いて得られる。特に有用な抗−zacrp14抗体は、zacrp14を、“特異的に結合する”。抗体は、その抗体が次の2つの性質の少なくとも1つを示す場合、特異的に結合すると思われる:(1)抗体が限界レベルの結合活性を伴って、zacrp14に結合し、そして(2)抗体がzacrp14に関連するポリペプチドと有意に交差反応しない場合。
第1の特徴に関しては、抗体は、それらが、106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を伴なって、zacrp14ポリペプチド、ペプチド又はエピトープに結合する場合、特異的に結合する。抗体の結合親和性は、Scatchard 分析(Scatchard, Ann. NY Acad. Sci. 51: 660 (1949))により、当業者により容易に決定され得る。第2の特徴に関しては、抗体は、それらが、標準のウェスターンブロット分析を用いて、zacrp14を検出するが、しかし現在知られているポリペプチドを検出しない場合、関連するポリペプチドと有意に交差反応しない。既知の関連するポリペプチドの例は、1つのタンパク質ファミリーのメンバーである同じ種からのオルト体及びタンパク質である。
抗−zacrp14抗体は、抗原性zacrp14エピトープ−担持ペプチドを用いて生成され得る。本発明の抗原性エピトープ−担持ペプチド及びポリペプチドは、配列番号2内に含まれる、少なくとも9個、又は15〜約30個のアミノ酸の配列、又は本明細書に開示されるもう1つのアミノ酸配列を含む。しかしながら、30〜50個のアミノ酸、又は本発明のポリペプチドの全アミノ酸配列までのいずれかの長さのアミノ酸を含む、本発明のアミノ酸配列の大きな部分を含んで成るペプチド又はポリペプチドはまた、zacrp14と結合する抗体を誘発するためにも有用である。所望には、エピトープ担持ペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒において実質的な溶解性を提供するよう選択される(すなわち、前記配列は、比較的親水性の残基を包含し、そして疎水性残基は好ましくは、回避される)。さらに、プロリン残基を含むアミノ酸配列がまた、抗体生成のために所望される。
例示のように、zacrp14における可能性ある抗原性部位が、LASERGENE(DNASTAR;Madison, WI)のPROTEANプログラム(バージョン3.14)により実効されるように、Jameson-Wolf method, Jameson and Wolf, CABIOS 4: 181, (1988) を用いて、同定された。デフォールトパラメーター(default parameter)が、この分析に使用された。
Jameson−Wolf方法は、タンパク質構造予測のために6種の主要サブルーチンを組合すことによって、可能性ある抗原決定基を予測する。手短には、Hopp−Woods方法、Hoppなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 3924 (1981) が最初に、最大の局部親水性の領域を表すアミノ酸配列を同定するために使用された(パラメーター:平均7個の残基)。第2段階においては、Emini方法、Eminなど., J. Virolgy 55: 836 (1985) が、表面確立を計算するために使用された(パラメーター:表面決定限界値(0.6)=1)。第3に、Karplus−Schultz方法、Karplus and Schultz, Naturwissenschaften 72: 212 (1985) が、主鎖柔軟性を予測するために使用された(パラメーター:柔軟性限界値(0.2)=1)。
分析の第4及び第5段階においては、二次構造の予測が、Chou-Fasmanの方法、Chou, “Prediction of Protein Structural Classes from Amino Acid Composition”, in Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation, Fasman (ed.), p.549-586 (1978) を用いて、データに適用された(Chou-Fasman パラメーター:コンホメーション表=64タンパク質;β領域限界値=105;Grrnier-Robsonパラメーター:α及びβ決定パラメーター=0)。
第6のサブルーチンにおいては、柔軟性パラメーター及び水治療/溶媒接近性因子が、“抗原指数”として呼ばれる表面輪郭値を決定するために組合された。最終的に、ピーク拡大機能が、抗原指数に適用され、内部領域に対する表面領域の移動度に由来する追加の自由エネルギーを計算するために、それぞれのピーク値の20, 40, 60又は80%を付加することによって主用表面ピークを拡大する。しかしながら、この計算は、ヘリカル領域がほとんど柔軟性になる傾向がないので、ヘリカル領域に存在するいずれかの主用ピークにも適用されなかった。
組換えzacrp14タンパク質、又は天然源から単離されたzacrp14に対するポリクローナル抗体は、当業者に良く知られている方法を用いて調製され得る。抗体はまた、Burrus and McMahon, Exp. Cell. Res. 220: 363(1995)により記載される方法に類似する、zacrp14−グルタチオントランスフェラーゼ融合タンパク質を用いて生成され得る。ポリクローナル抗体を生成するための一般的な方法は、例えば、Green など., “Production of polyclonal Antisera,” in Immunochemical Protecols (Manson, ed.), pages 1-5 (Humana Press 1992), 及びWilliams など., “Expression of foreign proteins in E. coli using plasmid vectors and purification of specific polyclonal antibodies,” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など., (eds.), page 15 (Oxford University press 1995により記載される。
zacrp14ポリペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えばみょうばん(水酸化アルミニウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用を通して高められ得る。免疫化のために有用なポリペプチドはまた、融合ポリペプチド、例えばzacrp14又はその一部と、免疫グロブリンポリペプチド又はマルトース結合タンパク質との融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は好都合には、免疫化のために高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に結合されるか又は連結され得る。
ポリクローナル抗体は典型的には、動物、例えば馬、牛、犬、鶏、ラット、マウス、ウサギ、テンジュクネズミ、ヤギ又は羊において生ぜしめられるが、本発明の抗−zacrp14抗体はまた、ヒトに近い霊長類抗体から誘導され得る。ヒヒにおいて診断的に及び治療的に有用な抗体を生ぜしめるための一般的な技法は、例えばGoldenbergなど., 国際特許出願番号WO91/11465号及びLosmanなど., Int. J. Cancer 46: 310, 1990に見出され得る。
他方では、モノクローナル抗−zacrp14抗体が生成され得る。特定抗原に対する囓歯動物モノクローナル抗体は、当業者に知られている方法により得られる(例えば、Kohler など., Nature 256: 495 (1975), Coliga など., (eds.), Current Protocols in Immunology, Vol. 1, page 2.5.1-2.6.7 (John Wiley & Sons 1991), Picksley など., “Production of monoclonal antibodies against proteins expressed in E. coli,” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), page 93 (Oxford University Press 1995を参照のこと)。
手短には、モノクローナル抗体は、zacrp14遺伝子生成物を含んで成る組成物をマウスに注射し、血清サンプルを除去することにより抗体生成の存在を確かめ、B−リンパ球を得るために脾臓を除去し、ハイブリドーマを生成するために前記リンパ球を骨髄腫細胞により融合し、ハイブリドーマをクローニングし、抗原に対する抗体を生成する陽性クローンを選択し、抗原に対する抗体を生成するクローンを培養し、そしてハイブリドーマ培養物から抗体を単離することに得られる。
さらに、本発明の抗−zacrp14抗体は、ヒトモノクローナル抗体から誘導され得る。ヒトモノクローナル抗体は、抗原攻撃に応答して特定のヒト抗体を生成するよう構築されたトランスジェニックマウスから得られる。この技法においては、ヒトH鎖及びL鎖遺伝子座の要素が、内因性H鎖及びL鎖遺伝子座の標的化された破壊を含む胚幹細胞系に由来するマウス株中に導入される。トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に対して特異的なヒト抗体を合成することができ、そして前記マウスはヒト抗体−分泌性ハイブリドーマを生成するために使用され得る。トランスジェニックマウスからヒト抗体を得るための方法は、Greenなど., Nat. Genet. 7: 13, 1994, Lonberg など., Nature 368: 856, 1994, 及びTaylorなど., Inc. Immun. 6: 576, 1994により記載される。
モノクローナル抗体は、種々の十分に確立された技法により、ハイブリドーマ培養物から単離され、そして精製され得る。そのような単離技法は、プロテイン−Aセファロースによる親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーを包含する(例えば、Coligan, page 2.7.1-2.7.12及びpage 2.9.1^2.9.3; Bainesなど.,” Purification of Imunoglobulin G (IgG)”, Methods in Molecular Biology, vol, 10, p. 79-104 (The Humana Press, Inc. 1992) を参照のこと)。
特定の用途に関しては、抗−zacrp14抗体のフラグメントを調製することが所望される。そのような抗体フラグメントは、例えば抗体のタンパク質加水分解により得られる。抗体フラグメントは、従来の方法による完全な抗体のペプシン又はパパイン消化により得られる。例示のように、抗体フラグメントは、F(ab’)2として示される5Sフラグメントを供給するためにペプシンによる抗体の酵素分解により生成され得る。このフラグメントはさらに、3.5S Fab’ 単価フラグメントを生成するためにチオール還元剤を用いて分解され得る。
任意には、その分解反応は、ジスルフィド結合の分解に起因するスルフヒドリル基に関するブロッキング基を用いて行われ得る。他の手段としては、ペプシンを用いての酸素分解が2種の単位Fabフラグメント及びFcフラグメントを直接的に生成する。それらの方法は、例えば、Goldenberg, アメリカ特許第4,331,647号、Nisonoff など., Arcg Biochem. Biophys. 89: 230, 1960, Porter, Biochem. J. 73: 119, 1959, Edelman など., in Methods in Enzymology vol. 1, p. 422 (Academic Press 1967), 及びColigan, p. 2.8.1-2.8.10及び2.10-2.10.4により記載される。
抗体を分解する他の方法、例えば単価L−H鎖フラグメントを形成するためへのH鎖の分解、フラグメントの追加の分解、又は他の酵素的、化学的又は遺伝的技法がまた、そのフラグメントが損なわれていない抗体により認識される抗原に結合する限り、使用され得る。
例えば、Fvフラグメントは、VH及びVL鎖の会合を含んで成る。この会合は、Inbar など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 2659, 1972により記載のように、非共有的であり得る。他方では、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合により連結され、又は化学物質、例えばグルテルアルデヒドにより交差結合され得る(例えば、Sandhu, Crit. Rew. Biotech. 12: 437, 1992を参照のこと)。
Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより連結されるVH及びVL鎖を含んで成る。それらの一本鎖抗原結合タンパク質(scFv)は、オリゴヌクレオチドにより連結されるVH及びVLドメインをコードするDNA配列を含んで成る構造遺伝子を構成することによって調製される。構造遺伝子が、続いて、宿主細胞、例えばE.コリ中に導入される発現ベクター中に挿入される。組換え宿主細胞は、2種のVドメインを架橋するリンカーペプチドを有する単鎖ポリペプチドを合成する。ScFvを生成するための方法は、例えばWhitlow など., Methods: A Companion to Metheds in Enzymology 2:97, 1991により記載される。Bird など., Science 242:423, 1988, Ladner など., アメリカ特許第4,946,778号、Packなど., Bio/Technology 11: 1271, 1993及びSandhu, 前記も参照のこと。
例示のように、scFvは、インビトロで、zacrp14ポリペプチドにリンパ球を暴露し、そしてファージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例えば、固定された又はラベルされたzacrp14タンパク質又はペプチドの作用を通して)によって得られる。可能性あるzacrp14ポリペプチド結合ドメインを有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例えばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばランダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。それらのランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され得る。
そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号;Ladner など., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698 号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Press, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなライブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto, CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverly, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販されている。ランダムペプチド表示ライブラリーは、zacrp14に結合するタンパク質を同定するために、本明細書に開示されるzacrp14配列を用いてスクリーンされ得る。
抗体フラグメントのもう1つの形は、単一の相補性−決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(“最小認識単位”)は、興味ある抗体のDCRをコードする遺伝子を構成することによって得られる。そのような遺伝子は、例えば抗体−生成細胞のRNAから可変領域を合成するためにポリメラーゼ鎖反応を用いることによって調製される(例えば、Larrick など., Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:106, (1991), Courtenay-Luck, “Genetic Manipulation of Monoclonal Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering and Clinical Application, Ritter など., (eds.), page 166 (Cambridge University Press 1995), 及びWard など., “Genetic Manipulation and Expression of Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Principles and Applications, Birch など., (eds.), page 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995)を参照のこと)。
他方では、抗−zacrp14抗体は、“ヒト適合された”モノクローナル抗体から誘導され得る。ヒト適合されたモノクローナル抗体は、マウス免疫グロブリンH及びL可変鎖からのマウス相補的決定領域を、ヒト可変ドメイン中に移行することにより生成される。次に、ヒト抗体の典型的な残基がネズミ相対物の骨格領域において置換される。ヒト適合されたモノクローナル抗体に由来する抗体成分の使用は、ネズミ不変領域の免疫原性に関連する可能性ある問題を回避する。
ネズミ免疫グロブリン可変ドメインをクローン化するための一般的な技法は、例えば、Orlandiなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3833, 1989により記載される。ヒト適合されたモノクローナル抗体を生成するための技法は、例えば、Jones など., Nature 321:522, 1986, Carter など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4285, 1992, Sandhu, Crit. Rey. Biotech. 12: 437, 1992, Singer など., J. Tmmun. 150: 2844, 1993, Sudhir (ed.), Antibody Engineering Protocols (Humana Press, Inc. 1995), Kelley, “Engineering Therapeutic Antibodies,” in Protein Engineering: Principles and Practice, Cleland など. (eds.), pages 399-434 (John Wiley & Sons, Inc. 1996), 及びQueen など., アメリカ特許第5,693,762号(1997)により記載される。
ポリクローナル抗−イディオタイプ抗体は、標準技法を用いて、抗−zacrp14抗体又は抗体フラグメントにより動物を免疫化することにより調製され得る。例えば、Greenなど., “Production of Ployclonal Antisera” in Methods in Molecular Biology: Immunochemical Protocols, Manson (ed.), P. 1-2 (Humana Press 1992) を参照のこと。また、Coligan, 前記、p.2.4.1-2.4.7も参照のこと。他方では、モノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、上記の技法により、抗−zacrp14抗体又は抗体フラグメントを免疫原として用いて調製され得る。もう1つの方法として、ヒト適合された抗−イディオタイプ抗体又は人間に近い霊長類抗−イディオタイプ抗体が、上記技法を用いて調製され得る。抗−イディオタイプ抗体を調製するための方法は、例えばIrie, アメリカ特許第5,208,146号, Greeneなど., アメリカ特許第5,637,677号、及びVarthakovi and Minocha, J. Gen. Virol 77: 1875, (1996)により記載される。
抗−イディオタイプzacrp14抗体及びzacrp14ポリペプチドは、zacrp14基質及びインヒビターを同定し、そして単離するための使用され得る。例えば、本発明のタンパク質及びペプチドは、カラム上に固定され、そしてカラム上を流動する生物学的サンプルからの基質及びインヒビタータンパク質を結合するために使用され得る(Hermansonなど. (eds.), Immobilized Affinity Ligand Techniques, pages 195-202 (Academic Press 1992))。放射性ラベルされた又は親和性ラベルされたzacrp14ポリペプチドはまた、生物学的サンプルにおけるzacrp14基質及びインヒビターを同定するか又は局部制限するために使用され得る(例えば、Deutscher (ed.), Methods in Enzymol., vol. 182, Payes 721-37 (Academic Press 1990); Brunnerなど., Ann. Rev. Biochem. 62: 483 (1993); Fedanなど., Biochem. Pharmacol. 33: 1167 (1984) を参照のこと)。
zacrp14遺伝子発現を検出し、そしてzacrp14遺伝子構造を試験するためへのzacrp14ヌクレオチド配列の使用:
核酸分子は、生物学的サンプルにおけるzacrp14遺伝子の発現を検出するために使用され得る。そのようなプローブ分子は、配列番号1のヌクレオチド配列、又はそのフラグメントを含んで成る二本鎖核酸分子、及び配列番号1のヌクレオチド配列の補体、又はそのフラグメントを有する1本鎖核酸分子を包含する。プローブ分子は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド及び同様のものであり得る。
基本的アッセイにおいては、一本鎖プローブ分子が、プローブと標的zacrp14 RNA種との間の塩基対合を促進する、温度及びイオン強度の条件下で、生物学的サンプルから単離されたRNAと共にインキュベートされる。末結合のプローブをハイブリダイズされた分子から分離した後、ハイブリッドの量が検出される。
RNA検出の十分に確立されたハイブリダイゼーション方法は、ノザン分析及びドット/スロット ブロットハイブリダイゼーションを包含する(例えば、Ausubel 前記、p4−1〜4−27、及びWuなど. (eds.)、”Analysis of Gene Expression at the RNA Level”, in Methods in Gene Biotechnology, p. 225-39, CRC Press, Inc., 1997を参照のこと)。核酸プローブは、放射性同位体、例えば32P又は35Sにより検出できるようラベルされ得る。他方では、zacrp14 RNAは、非放射性ハイブリダイゼーション方法により検出され得る(例えば、Isaac (ed.), Protocols for Nucleic Acid Analysis by Nonradioactive Probes, Humana Press, Inc., 1993を参照のこと)。典型的には、非放射能性検出は、クロモゲン又は化学ルミネセンス基質の酵素転換により達成される。例示的な非放射性成分は、ビオチン、フルオレセイン及びジゴキシゲニンを包含する。
zacrp14オリゴヌクレオチドプローブはまた、インビボ診断のためにも有用である。例示として、16F−ラベルされたオリゴヌクレオチドが対象に投与され、そして陽電子射出断層撮影法により可視可され得る(Tavitian など., Nat. Med. 4: 467, 1998)。
多くの診断方法は、検出方法の感度を高めるために、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を利用する。PCRを実施するための標準技法は良く知られている(一般的には、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics, Humana Press, Inc., 1991; White (ed.), PCR Protocols: Current Methods and Applications, Humana Press, Inc., 1993; Cotter (ed.), Molecular Diagnosis of Cancer, Humana Press, Inc., 1996; Hanausek and Walaszed (eds.), Tumor Marker Protocols, Humana Press, Inc., 1998; Lo (ed.), Clinical Applications of PCR, Humana Press, Inc., 1998及びMeltzer (ed.), PCR in Bioanalysis, Humana Press, Inc., 1998を参照のこと)。
診断アッセイについてのPCRの1つの変法は、逆転写酵素−PCR(RT−PCR)である。RT−PCR技法においては、RNAが生物学的サンプルから単離され、cDNAに逆転写され、そしてそのcDNAがzacrp14プライマーと共にインキュベートされる(例えば、Wuなど. (eds.), “Rapid Isolation of Specific cDNA or Genes by PCR”, in Methods in Gene Biotechnology, P. 15-28, CRC Press, Inc. 1997を参照のこと)。次に、PCRが行われ、そして生成物が標準技法を用いて分析される。
例示のように、RNAは、例えば上記グアニジニウム−チオシアネート細胞溶解を用いて、生物学的サンプルから単離される。他方では、固相技法が、細胞溶解物からmRNAを単離するために使用され得る。逆転写反応は、ランダムオリゴヌクレオチド、dTの短いホモポリマー、又はzacrp14アンチセンスオリゴマーを用いて、単離されたRNAにより感作され得る。オリゴ−dTプライマーは、対照の標的配列を提供することができる種々のmRNAヌクレオチド配列が増幅される利点を提供する。zacrp14配列は、典型的には20個の長さの塩基である2種のフランキングオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応により増幅される。
PCR増幅方法は、種々のアプローチを用いて検出され得る。例えば、PCR生成物は、ゲル電気泳動により分別され、そして臭化エチジウム染色により可視化される。他方では、分別されたPCR生成物は、膜に移行され、検出できるようにラベルされたzacrp14プローブによりハイブリダイズされ、そしてオートラジオグラフィーにより試験され得る。追加の他のアプローチは、化学ルミネセンス検出及びC−TRAK比色アッセイを提供するために、ジゴキシゲニンによりラベルされたデオキシリボ核酸三ミリ酸の使用を包含する。
zacrp14発現の検出のためのもう1つのアプローチは、サイクリングプローブ技法(CPT)であり、ここで一本鎖DNA標的物が過剰のDNA−RNA−DNAキメラプローブと結合し、複合体を形成し、RNA部分がRNアーゼHにより分化され、そして分解されたプローブの存在が検出される(例えば、Beggsなど., J. Clin. Microbiol. 34: 2985, 1996, 及び Bekkuouiなど., Biotechniques 20: 240, 1996を参照のこと)。zacrp14配列の検出のための他の方法は、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、交差ハイブリダイゼーションによる鋳型の協同増幅(CATCH)及びリガーゼ鎖反応(LCR)のようなアプローチを利用することができる(例えば、Marshallなど., アメリカ特許第5,686,272号(1997)、Dyerなど., J. Virol. Methods 60: 161, 1996; Ehrichtなど., Eur. J. Biochem. 243: 358, 1997; 及びChadwickなど., J. Viro. Methods 70:59, 1998を参照のこと)。他の標準方法も当業者に知られている。
zacrp14プローブ及びプライマーはまた、組織サンプルにおけるzacrp14遺伝子発現を検出し、そして位置決定するためにも使用され得る。そのような現場ハイブリダイゼーションのための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Choo (ed.), In situ Hybridization Protocols, Humana Press, Inc., 1994; We など. (eds.), “Analysis of Cellular DNA or Abundance of mRNA by Radioactive In Situ Hybridization (RISH), “ in Methods in Gene Biotechnology, pages 259-278, CRC Press, Inc., 1997; 及びWuなど. (eds.), “Localizaion of DNA or Abundance of mRNA by Fluorescence In Situ Hybridization (RISH),” in Methods in Gene Biotechnology, pages 279-289, CRC Press, Inc., 1997を参照のこと)。
種々の追加の診断アプローチも当業者に良く知られている(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics, Humana Press, Inc., 1991; Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnostics, Humana Press, Inc., 1996; 及びElles, molecular Diagnosis of Genetics Diseases, Humana Press Inc., 1996を参照のこと)。
zacrp14ヌクレオチド配列は、種々の疾病についての連鎖に基づく試験に、及び対象の染色体がzacrp14遺伝子に突然変異を含むかどうかを決定するために使用され得る。zacrp14遺伝子座での検出できる染色体異常性は、異数性、遺伝子コピー数の変化、挿入、欠失、制限部位変化及び転移を包含するが、但しそれらだけには制限されない。zacrp14遺伝子を不活性化する遺伝子変更が特に興味あるものである。zacrp14遺伝子座に関連する逸脱は、分子遺伝子技法、例えば制限フラグメント長さ他型現象(RFLP)分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体(STR)分析、増幅−不応性突然変異システム(ARMS)分析、一本鎖コンホメーション多型現象(SSCP)検出、RNアーゼ切断方法、変性グラジエントゲル電気泳動、蛍光−助力のミスマッチ(FAMA)分析、及び当業界において知られている他の遺伝子分析により、本発明の核酸分子を用いて検出され得る
(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press. Inc. 1991), Marian, Chest 108:255 (1995), Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnositics (Human Press, Inc. 1996), Elles (ed.) Morecular Diagnosis of Genetic Diseases (Humana Press, Inc. 1996), Landegren (ed.), Laboratory Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1996), Burren など. (eds.), Genome Analysis, Vol. 2: Detecting Genes (Cold Spring Habor Laboratory Press 1998), Dracopoli など. (eds.), Current Protocols in Human Genetics (John Wiley & Sons 1998), 及びRichards and Ward, “Molecular Diagnostic Testing,” in Principles of Molecular Medicine, Pages 83-88 (Humana Presa. Inc. 1998) を参照のこと)。
タンパク質切断試験はまた、翻訳−終結突然変異がコードされたタンパク質の一部のみを生成する、遺伝子の不活性化を検出するために有用である(例えば、Stoppa-Lynnet など., Blood 91: 3920 (1998) を参照のこと)。このアプローチによれば、RNAが生物学的サンプルから単離され、そしてcDNAを合成するために使用される。次に、PCRが、zacrp14標的物配列を増幅し、そしてRNAポリメラーゼプロモーター、翻訳開始配列及びインフレ−ムATGトリプレットを導入するために使用される。PCR生成物が、RNAポリメラーゼを用いて転写され、そして転写体がT7−結合された網様体溶解物システムによりインビトロで翻訳される。次に、翻訳生成物が、その翻訳生成物の長さを決定するために、SDS−PAGEにより分別される。タンパク質切断試験は、例えば、Dracopoliなど. (eds.), Current Protocols in Human Genetics, p.9.11.1-9.11.18 (John Wiley & Sons 1998) により記載される。
本発明はまた、zacrp14遺伝子発現のための診断アッセイを行うための又は対象のzacrp14遺伝子座を分析するためのキットも企画する。そのようなキットは、核酸プローブ、例えば配列番号1のヌクレオチド配列、又はそのフラグメントを含んで成る二本鎖分子、及び配列番号1のヌクレオチド配列、又はそのフラグメントを有する一本鎖核酸分子を含んで成る。プローブ分子は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド及び同様のものであり得る。キットは、PCRを行うための核酸プライマーを含んで成る。そのようなキットは、上記核酸診断アッセイを行うためのすべての必要な要素を含むことができる。キットは、zacrp14プローブ又はプライマーを含んで成る少なくとももう1つの容器を含むであろう。
キットはまた、zacrp14配列の存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含むことができる。そのようなインジケーター試薬の例は、検出できるラベル、例えば放射性ラベル、蛍光色素、化学ルミネセント剤、及び同様のものを包含する。キットはまた、zacrp14プローブ及びプライマーがzacrp14遺伝子発現を検出するために使用される、使用者に知られるための手段を含んで成る。例えば、文書の説明書は、封入されている核酸分子が、zacrp14をコードする核酸分子、又はzacrp14コードのヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を有する核酸分子のいずれかを検出するために、又はzacrp14遺伝子座に関連する染色体配列を分析するために使用され得ることを記載する。その文書の材料は、容器に直接的に適用され、又は文書の材料は、パッケージング挿入体の形で提供され得る。
本発明はまた、診断用途に使用される試薬を提供する。例えば、zacrp14遺伝子、すなわちzacrp14 DNA又はRNA又はその副配列を含んで成るプローブは、zacrp14遺伝子がヒト染色体、例えば染色体13上に存在するかどうか、又は突然変異が生じたかどうかを決定するために使用され得る。zacrp14ゲノムDNAの一部を含むヒトゲノムDNAのフラグメントの注釈に基づけば、zacrp14は、染色体13のq12.12領域に位置する。zacrp14遺伝子座での検出できる染色体異常型は、異数性、遺伝子コピー数変化、異種性の損失(LOH)、トランスロケーション、挿入、欠失、制限部位変更及び転位を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
それらの異常性は、コード配列内、イントロン内、又は上流のプロモーター及び調節領域を包含するフランキング配列内で発生することができ、そしてコード配列内での物理的変更、又は遺伝子発現レベルでの変化として明らかである。そのような異常性は、分子遺伝学的技法、例えば制限フラグメント長さ多型現象(RELP)分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体(STR)分析、及び当業界において知られている他の遺伝子連鎖分析技法を用いることによって、本発明のポリヌクレオチドを用いて検出され得る(Sambrookなど., 前記;Ausubel など., 前記;Marian, Chest 108: 255-65, 1995)。
遺伝子位置の正確な知識は、次のような多くの目的のために有用である:1)配列が存在するコンティグの一部であるかどうかの決定及び種々の形、例えばYAC, BAC又はcDNAクローンにおける追加の周囲遺伝子配列の獲得;2)同じ染色体領域への結合を示す遺伝的な疾病についての可能な候補体遺伝子の提供;及び3)特定遺伝子が有する機能の決定を助けるモデル生物、例えばマウスの相互参照。
zacrp14遺伝子は、染色体13のq12.12領域に領域に位置する。既知機能のいくつかの遺伝子は、ヒト疾病に連結されるこの領域に位置する。従って、zacrp14遺伝子は染色体q12.12に位置するので、本発明のzacrp14ポリヌクレオチドプローブは、染色体13モノソミーの存在及び他の染色体q12.12欠失、及び特に腫瘍に関連する染色体13モノソミー及び欠失、及びq12.12での染色体異常、例えば欠失、転移及び染色体分解点、及びトランスロケーションを検出し、そして診断するために使用され得る。従って、本発明のzacrp14遺伝子は、この決定的領域に位置するので、本発明のzacrp14ポリヌクレオチドプローブは、それらの疾病に関連する染色体欠失、トランスロケーション及び転移を検出し、そして診断するために使用され得る。
公的に入手できるWWWサーバーに基づいてのヒト染色体13及びq12.12のこの領域については、Online Mendellian Inheritence of Man (OMIMTM, National Center for Biotechnology Information, National Library of Medicine, Bethesda, MD) 遺伝子地図、及びそこにおける文献を参照のこと。それらのすべては、zacrp14遺伝子と同じ染色体領域への連鎖を示す遺伝的疾患についての可能な候補体遺伝子として作用する。従って、zacrp14ポリヌクレオチドプローブは、それらの欠失に関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。
診断は、疾病のタイプ及び適切な関連する治療の決定において医者を助けることができるか、又は遺伝的カウンセリングを助けることができる。それ自体、本発明の抗−zacrp14抗体、ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、zacrp14ポリペプチド、mRNA又は抗−zacrp14抗体の検出のために使用され、従って当業界において知られており、そして本明細書において記載される方法を用いて、本明細書に記載されるようにして、遺伝的疾病又は癌の検出のためのマーカーとして作用し、そしてそのために直接的に使用される。
さらに、zacrp14ポリヌクレオチドプローブは、ヒト疾病、例えば上記に記載されるような疾病に関連する染色体q12.12欠失、染色体13モノソミー及びトランスロケーション、又は悪性又は他の癌における染色体転位に関与することが予測される、腫瘍の悪性進行又は他のq12.12突然変異に関与する他のトランスロケーションに関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。同様に、zacrp14ポリヌクレオチドプローブが、染色体q12.12三染色体性、及びヒト疾病又は自然流産に関連する染色体欠失に関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。それらのすべては、zacrp14遺伝子と同じ染色体領域への連鎖を示す遺伝性疾病についての可能性ある候補体遺伝子として作用する。従って、zacrp14ポリヌクレオチドプローブは、それらの欠失に関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。
当業者は、zacrp14ポリヌクレオチドが、異種性の欠失(LOH)、染色体獲得(例えば、トリソミー)、トランスロケーション、染色体欠失(モノソミー)、DNA増幅及び同様のものに関連する全体的な染色体13異常性の診断のために特に有用であることを認識する。zacrp14遺伝子が位置する染色体遺伝子座q12.12内のトランスロケーションは、ヒト疾病に関連することが知られている。例えば、q12.12欠失、モノソミー及びトランスロケーションは、上記で論じられたような特定のヒト疾病に関連している。従って、zacrp14遺伝子はこの決定的領域に位置するので、本発明のzacrp14ポリヌクレオチドプローブは、上記のようなq12.12トランスロケーション、欠失及びトリソミーに関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。
上記で論じられるように、zacrp14遺伝子自体における欠陥は、遺伝性ヒト疾病状態をもたらすことができる。本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、zacrp14遺伝子欠陥に関連する疾病の検出、診断予防及び処理を助ける。さらに、zacrp14ポリペプチドプローブは、zacrp14染色体遺伝子座で、疾病又は非疾病の個人間での対立遺伝子差異を検出するために使用され得る。それ自体、zacrp14配列は、法的なDNAプロフィーリングにおける診断として使用され得る。
一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖分析に使用される診断方法は、当業界において知られている。分析用プローブは一般的に、少なくとも20個の長さのntを有するが、但し幾分短いプローブも使用され得る(例えば、14−17nt)。PCRプライマーは、少なくとも5個の長さのnt、好ましくは15又はそれ以上の長さのnt、より好ましくは20−30個の長さのntである。遺伝子又は染色体DNAの全体的な分析のために、zacrp14ポリヌクレオチドプローブは、完全なエキソン又はそれ以上を含むことができる。エキソンは、zacrp14配列(配列番号1)とzacrp14についてのヒトゲノムDNAとを比較することによって、容易に決定される。一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖分析に使用される診断方法は、当業界に知られている。
ほとんどの診断方法は、(i)潜在的に疾病の患者、疾病の患者又は劣性疾病対立遺伝子の可能性ある非疾病キャリヤーから遺伝子サンプルを得;(ii)zacrp14ポリヌクレオチドプローブと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることにより(ここで、前記ポリヌクレオチドは、RFIP分析においては、相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするであろう)、又は適切なPCR反応条件下でPCR反応において、センス及びアンチセンスプライマーと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることにより、第1反応生成物を生成し;(iii)前記第1反応生物を、電気泳動及び/又は他の既知方法により可視化し、例えば、前記第1反応生成物を、zacrp14ポリヌクレオチドプローブ(ここで、前記ポリヌクレオチドは第1反応の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするであろう)により可視化し、そして(iV)正常又は対照の個人からの遺伝子サンプルの第2対照反応生成物と、前記可視化された第1反応生成物とを比較する段階を含んで成る。
第1反応生成物と対照反応生成物との間の差異は、疾病又は潜在的に疾病の患者における遺伝子異常性の、又は非疾病患者についてのヘテロ接合性劣性キャリヤー表現型の存在の、又は疾病患者からの腫瘍における遺伝子欠陥の存在の、又は胎児又は移植前胚における遺伝子異常性の存在の表示である。例えば、制限フラグメントパターン、PCR生成物の長さ、zacrp14遺伝子座の反復性配列の長さ、及び同様のもの差異は、遺伝子異常性、遺伝子異常型、又は正常な対照に比較しての対立遺伝子差異の表示である。
対照は、サンプルの試験及び利用性に依存して、影響されていないファミリーメンバー又は無関係の個人からであり得る。本発明内への使用のための遺伝子サンプルは、患者からのいずれかの組織又は他の生物学的サンプル、例えば血液、唾液、精子、胚細胞、羊水及び同様のもの(但し、それらだけには限定されない)から単離されたゲノムDNA、mRNA及びcDNAを包含する。ポリヌクレオチドプローブ又はプライマーは、RNA又はDNAであり得、そして配列番号1の一部、配列番号1の補体、又はそれらのRNA同等物を含んで成る。ヒト疾病表現型ヘの遺伝子連鎖分析を示すそのような方法は、当業界において良く知られている。
診断における、PCRに基づく方法の参照のためには、一般的、次の文献を参照のこと:Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press, Inc. 1991), White (ed), PCR Protocols; Current Methods and Applications (Humana Press, Inc, 1993), Cotter (ed), molecular Diagnosis of Cancer (Humana Press, Inc. 1996), Hanausek and Walaszek (eds.), Tumor Marker Protocols。(Humana Press, Inc. 1998). Lo (ed), Clinical Application of PCR (Humana Press, Inc. 1998), 及びMeltzer (ed), PCR in Bioanalysis (Humana Press. Inc. 1998))。
zacrp14遺伝子座に関連する突然変異は、直接的名突然変異分析のための標準の方法、例えば制限フラグメント長さ他型現象分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体分析、増幅−不応性突然変異システム分析、一本鎖コンホメーション多型現象検出、RNアーゼ切断方法、変性グラジエントゲル電気泳動、蛍光−助力のミスマッチ分析、及び当業界において知られている他の遺伝子分析により、本発明の核酸分子を用いて検出され得る
(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press. Inc. 1991), Marian, Chest 108:255 (1995), Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnositics (Human Press, Inc. 1996), Elles (ed.) Morecular Diagnosis of Genetic Diseases (Humana Press, Inc. 1996), Landegren (ed.), Laboratory Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1996), Burren など. (eds.), Genome Analysis, Vol. 2: Detecting Genes (Cold Spring Habor Laboratory Press 1998), Dracopoli など. (eds.), Current Protocols in Human Genetics (John Wiley & Sons 1998), 及びRichards and Ward, “Molecular Diagnostic Testing,” in Principles of Molecular Medicine, Pages 83-88 (Humana Presa. Inc. 1998) を参照のこと)。
突然変異についてのzacrp14遺伝子の直接的な分析は、対象のゲノムDNAを用いて行われ得る。末梢血液リンパ球から得られるゲノムDNAを増幅するための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Dracopoliなど. (eds.), Current Protocols in Human Genetics, at page 7.1.6 to 7.1.7 (John Wiley & Sons 1998) を参照のこと)。
zacrp14タンパク質を検出するためへの抗−zacrp14抗体の使用:
本発明は、zacrp14の存在についてインビトロで生物学的サンプルをスクリーンするためへの抗−zacrp14抗体の使用を企画する。1つのタイプのインビトロアッセイにおいては、抗−zacrp14抗体が液相において使用される。例えば、生物学的サンプルにおけるzacrp14の存在は、生物学的サンプルと、微量のラベルされたzacrp14及び抗−zacrp14抗体とを、zacrp14とその抗体との間の結合を促進する条件下で混合することによって試験され得る。サンプルにおけるzacrp14及び抗−zacrp14の複合体が、前記複合体を、抗体、例えばFc抗体又はスタフィロコーカスタンパク質Aと結合する同定されたタンパク質とを接触することによって、反応混合物から分離され得る。生物学的サンプルにおけるzacrp14の濃度は、抗体に結合されるラベルされたzacrp14の量に反比例し、そして遊離ラベルにされたzacrp14の量に直接的に関連する。例示的な試験サンプルは、血液、尿、唾液、組織生検及び検死材料を包含する。
他方では、抗−zacrp14抗体が固相キャリヤーに結合されるインビトロアッセイが行われ得る。例えば、抗体が、不溶性支持体、例えばポリマー−被覆されたビーズ、プレート又は管に抗体を結合するために、ポリマー、例えばアミノデキストランに結合され得る。他の適切なインビトロアッセイは、当業者に明らかであろう。
もう1つのアプローチにおいては、抗−zacrp14抗体が、生検検体から調製された組織切片においてzacrp14を検出するために使用され得る。そのような免疫化学的検出が、比較的多くのzacrp14を決定するために、及び試験される組織におけるzacrp14の分布を決定するために使用され得る。一般的な免疫化学的技法は、十分に確立されている(例えば、Ponder, “Cell Marking Techniques and Their Application.”in Mammalian Development: A Practical Approach, Monk (ed.), pages 115-38 (IRL Press 1987), Coligan at pages 5.8.1-5.8.8, Ausubel (1995) at pages 14.6.1 to 14.6.13 (Wiley interscience 1990), and Manson (ed.), Methods In Molecular Biology. Vol. 10: Immunochemical Proteocols (The Humana Press. Inc. 1992) を参照のこと)。
免疫化学的検出は、生物学的サンプルと抗−zacrp14抗体とを接触し、そして次に、前記生物学的サンプルと、抗体に結合する検出できるラベルされた分子とを接触せしめることによって行われ得る。例えば、前記検出できるラベルされた分子は、抗−zacrp14抗体に結合する抗体成分を含んで成る。他方では、抗−zacrp14抗体は、アビジン/ストレプタビジン(又はビオチン)により接合され、そして検出できるラベルされた分子はビオチン(又はアビジン/ストレプタビジン)を含むことができる。この基本的技法の多くの変法は、当業者に良く知られている。
他方では、抗−zacrp14抗体が、抗−zacrp14免疫接合体を形成するために、検出できるラベルにより接合され得る。適切な検出できるラベルは、例えば放射生同位体、蛍光ラベル、化学ルミネセンスラベル、酵素ラベル、生物ルミネセンスラベル又はコロイド状金を包含する。そのような検出できるラベルされた免疫接合体の製造及び検出方法は、当業者に良く知られており、そして下記により詳細に記載される。
検出できるラベルは、オートラジオグラフィーにより検出される放射性同位体であり得る。本発明のために特に有用である同位体は、3H, 125I, 131I, 35S及び14Cである。
抗−zacrp14免疫接合体はまた、蛍光化合物によりラベルされ得る。蛍光ラブルされた抗体の存在は、適切な波長の光に免疫接合体を暴露し、そして得られる蛍光を検出することによって決定される。蛍光ラベル化合物は、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド及びフルオレサミンを包含する。
他方では、抗−zacrp14免疫接合体は、化合物ルミネセンス化合物に抗体化合物を接合することによって、検出的にラベルされ得る。化学ルミネセンス−標識された免疫接合体の存在は、化学反応の間に生じるルミネセンスの存在を検出することによって決定される。化学ルミネセンスラベリング化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩及びオキサレートエステルを包含する。
同様に、化学ルミネセンス化合物は、本発明の抗−zacrp14免疫接合体をラベルするために使用され得る。生物発光は、触媒タンパク質が化学ルミネセンス反応の効率を高める生物学的システムに見出されるタイプの化学ルミネセンスである。生物ルミネセンスタンパク質の存在は、ルミネセンスの存在を検出することによって決定される。ラベリングのために有用である生物ルミネセンス化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及びエクオリンを包含する。
他方では、抗−zacrp14免疫接合体は、酵素に抗−zacrp14抗体化合物を接合することによって検出できるようラベルされ得る。抗−zacrp14−酵素接合体が適切な基質の存在下でインキュベートされる場合、酵素成分は、分光光度、蛍光又は可視手段により検出され得る化学成分を生成するために基質と反応する。多くの特異的免疫接合体を検出できるようにラベルするために使用され得る酵素の例は、β−ガラクトシダーゼ、グルコオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼを包含する。
当業者は、本発明に従って使用され得る他の適切なラベルを知っているであろう。抗−zacrp14抗体へのマーカー成分の結合は、当業界において知られている標準技法を用いて達成され得る。これに関しての典型的な方法論は、Kennedyなど., Clin. Chim. Acta 70:1 (1976), Schursなど., Clim. Acta 81:1 (1977), Shihなど., Int’l. J. Cancer 46:1101 (1990), steinなど., Cancer Res. 50:1330 (1990), 及びColigan、前記により記載される。
さらに、免疫化学的検出の便利さ及び多様性は、アビジン、ストレプタビジン及びビオチンにより接合された抗−zacrp14抗体を用いることによって増強され得る(例えば、Wilchek. など., (eds.), “Avidin-Biotin Technology,” Methods In Enzymology, Vol. 184 (Academic Press 1990), and Bayerなど., “Immunochemical Applications of Avidin-Biotin Technology,” in Methods In Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.) pages 149-162 (The Humana Press. Inc. 1992) を参照のこと)。
イムノアッセイを行うための方法は十分に確立されている。例えば、Cook and Self, “Monoclonal Antibodies in Diagonostic Immunoassays,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), Pages 180-208. (Cambridg University Press, 1995), Perry, “The Role of Monoclonal antibodies in the Advancement of Immunoassay Technoogy”, in Monoclonal Antibodies; Principles and applications, Birch and Lennox (eds.), pages 107-120 (Wiley-Liss, Inc. 1995), and Diamandis, Immunoassay (Academic Press, Inc. 1996 を参照のこと。
関連するアプローチにおいては、ビオチン−又はFTTC−ラベルされたzacrp14が、zacrp14を結合する細胞を同定するために使用され得る。そのような結合は、例えば流動細胞計測法を用いて検出され得る。
本発明はまた、zacrp14遺伝子発現についての免疫学的診断アッセイを行うためのキットも企画する。そのようなキットは、抗−zacrp14抗体又は抗体フラグメントを含んで成る少なくとも1つの容器を含んで成る。キットはまた、zacrp14抗体又は抗体フラグメントの存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含むことができる。そのようなインジケーター試薬の例は、検出できるラベル、例えば放射性ラベル、蛍光ラベル、化学ルミネセンスラベル、酵素ラベル、生物ルミネセンスラベル、コロイド状金及び同様のものを包含する。キットはまた、zacrp14抗体又は抗体フラグメントが、zacrp14タンパク質を検出するために使用される、使用者に伝達するための手段を含んで成る。例えば、文書の説明書は、封入される抗体又は抗体フラグメントが、zacrp14を検出するために使用され得ることを言及する。文書の材料は容器に直接的に適用され、又は文書の材料は、パッケージング挿入体の形で提供され得る。
zacrp14ポリペプチド及びポリペプチドの使用:
zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストは、哺乳類におけるエネルギーバランスを調整するか、又は外傷から内皮細胞を保護するために使用され得る。エネルギーバランスの調整に関して、zacrp14ポリペプチドは、細胞代謝反応を調整するために使用される。そのような代謝反応は、脂肪生成、糖新生、糖原分解、脂質生成、グルコース摂取、タンパク質合成、熟発生、酵素使用及び同様のものを包含する。
zacrp14はまた、抗−微生物活性のためにも評価され得る。zacrp14ポリペプチドは、虚血及び/又は炎症又は同様の工程による損傷を妨げる手術前処理のために使用され得る。zacrp14ポリペプチドはまた、神経伝達物質として、又は神経伝達のモジュレーターとして使用され得る。これに関しては、zacrp14ポリペプチドは、例えば、脳又は同様のものにおける2−デオキシ−グルコース摂取により示されるように、栄養摂取の調整に使用され得る。
炎症は、侵入剤を受けとめるための生物による保護応答である。炎症は、多くの細胞及び体液メディエーターを包含する段階的に連続した現象である。他方では、炎症応答の制御は宿主を免疫無防備状態にするが、しかしながら、抑制されなければ、炎症は、慢性炎症性疾患(例えば、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び同様のもの)、敗血性ショック及び多発性器官不全を包含する重度の合併症を導くことができる。重要なことには、それらの種々の疾病状態は、共通する炎症性メディエーターを共有する。炎症により特徴づけられる集合的疾病は、ヒト罹病率及び死亡率に対して大きな衝撃を有する。
従って、抗−炎症性抗体及びポリペプチド、例えば本明細書に記載されるようなzacrp14ポリペプチド(例えば、zacrp14ポリペプチド、例えばホモ−及びヘテロ−トリマー、ヘキサマー、9マー及び18マー、及びそれらの混合物)、それらのフラグメント、融合タンパク質、それらに対する抗体が、喘息及びアレルギーから自己免疫性及び敗血性ショックまでの莫大に多くのヒト及び動物疾患のための決定的な治療可能性を有することが明白である。本発明の抗−炎症性zacrp14ポリペプチドの使用は、特に関節炎、内毒血症、炎症性腸疾患、乾癬、及び関連する疾患のような疾病において、本明細書に記載されるzacrp14アゴニスト/アンタゴニストとして治療的に使用され得る。
1.関節炎:
変形性関節炎、リュウマチ様関節炎、損傷の結果としての関節炎性の関節、及び同様のものを包含する関節炎は、本発明のzacrp14ポリペプチドの治療使用から利益を得る通常の炎症状態である。例えば、リウマチ様関節炎(RA)は、全身体に影響を及ぼす全身性疾患であり、そして最も通常の形の関節炎の1つである。それは、痛み、硬直、発熱、赤み及び膨潤を引き起こす、関節の内側をおおう膜の炎症によって特徴づけられる。炎症細胞は、骨及び軟骨を消化することができる酵素を開放する。リウマチ様関節炎の結果として、炎症の関節内層、すなわち滑液が侵入し、そして骨及び軟骨に損傷を与え、他の生理学的効果の中で、関節変性及び重度の痛みを導く。その関連する関節は、その形状及び整合を失い、痛み及び運動の損傷をもたらす。
リウマチ様関節炎(RA)は、重度の疾病及び高められた死亡率を導く、炎症及び続く組織損傷により特に特徴づけられる免疫介在性疾病である。種々のサイトカインがリウマチ様関節炎において局部的に生成される。多くの研究は、IL−1及びTNF−α(2種のプロトタイプのプロ炎症性サイトカイン)が滑膜炎症及び進行性関節破壊に関与する機構において重要な役割を演じることを実証している。実際、RAを有する患者におけるTNF−α及びIL−1インヒビターの投与は、炎症の臨床学的及び生物学的徴候の劇的な改良、及び骨侵食及び軟骨破壊の放射線学徴候の低下を誘導して来た。
しかしながら、それらの有望な結果にもかかわらず、有用な%の患者がそれらの剤に対して応答せず、このことは、他のメディエイターがまた、関節炎の病理学にも関与することを示唆する(Gabay, Expert. Opin. Biol. Ther. 2(2): 135-149, 2002)。それらのメディエーターの1つは、リウマチ様関節炎及び他の関節炎患者における炎症を低めるか、調節するか、又は阻害するための価値ある治療剤として作用することができるzacrp14であり得る。
当業界において知られているリウマチ様関節炎についてのいくつかの動物モデルが存在する。例えば、コラーゲン−誘発された関節炎(CIA)モデルにおいては、マウスは、ヒトリウマチ様関節炎に密接に類似する慢性炎症性関節炎を進行する。CIAはRAと、類似する免疫学的及び病理学的特徴とを共有するので、これは、可能性あるヒト抗炎症性化合物をスクリーリングのための理想的モデルにする。このCIAモデルは、免疫応答及び炎症性応答の両者に依存する、マウスにおける良く知られているモデルである。免疫応答は、抗原として与えられ、そして抗−コラーゲン抗体の生成を導く、コラーゲンに応答してB−細胞及びCD4+ T−細胞の相互作用を包含する。炎症相は、マウスの生来のコラーゲンと交差反応し、そして補体カスケードを活性化するそれらのいくつかの抗体の結果として、炎症のメディエーターからの組織応答の結果である。
CIAモデルを用いることの利点は、病因の基本的機構が知られていることである。タイプIIコラーゲン上の適切なT−細胞及びB−細胞エピトープは同定されており、そして免疫介在性関節炎に関係する、種々の免疫学的(例えば、遅延性型過敏症及び抗−コラーゲン抗体)及び炎症性(例えば、サイトカイン、ケモカイン及びマトリックス−分解酵素)パートナーが決定されており、そして従って、CIAモデルにおける試験化合物の効率を評価するために使用され得る。(Wooley, Curr. Opin. Rheum. 3:407−20、1999;Williameなど., Immunol. 89:9784−788、1992;Myersなど., Life Sci. 61: 1861-78, 1997; 及びWangなど.,Immunol.92:8955−959、1995)。
本発明のzcytor17含有ポリペプチドのそれらのCIAモデルマウスへの投与は、症状を改善し、そして疾病の経路を変更するためへのzacrp14の使用を評価するために使用された。免疫及び炎症性応答を調節する分子zacrp14は、リウマチ様関節炎の病因に関連するSAAの生成を誘発し、そしてzacrp14はインビトロ及びインビボでSAA活性を阻害することができることができるので、zacrp14含有ポリペプチドの全身性又は局部投与は、RAにおける炎症性応答及び同様のものを実質的に抑制することができる。
2.内毒血症:
内毒血症は、感染剤、例えば細菌及び他の感染性疾病剤、敗血症、毒性ショック症候群に通常起因するか、又は日和見性感染及び同様のものにゆだねられた免疫無防備状態の患者における重症状態である。治療的に有用な本発明のzacrp14ポリペプチドは、ヒト及び動物における内毒血症の予防及び処理、及び内毒血症における炎症及び病理学的効果の低減を助ける。
ポリ多糖類(LPS)誘発された内毒血症は、感染性疾病において病理学的効果を生成する多くのプロ炎症メディエーターと連動し、そして囓歯動物におけるLPS誘発された内毒血症は、可能性あるプロ炎症又は免疫調節剤の薬理学的効果を研究するための広く使用され、そして許容できるモデルである。グラム陰性細菌において生成されるLPSは、敗血性ショックの病因における主要原因剤である(Glausnerなど., Lancet 338: 732, 1991)。ショック様状態は実際、LPSの動物中への1回の注射入により実験的に誘発され得る。
LPSに応答する細胞により生成される分子は、病原体を直接的に又は間接的に標的化することができる。それらの生物学的応答は侵入性病原体に対して宿主を保護するが、それらは損傷を引き起こすことができる。従って、重度のグラム陰性細菌感染の結果として生じる生来の免疫性の強力な刺激が、サイトカイン及び他の分子の過剰の生成、及び致命的症状、発熱により特徴づけられる敗血性ショック症状、低血圧、散在性血管内凝固、及び多発性器官不全の進行を誘導する(Dumitruなど., Cell 103: 1071-1083, 2000)。
LPSのそれらの毒性効果は、複数の炎症性メディエーターの導くマクロファージ活性化に最も関連している。それらのメディエーターの中で、TNFは、中和化抗−TNF抗体の投与によるLPS毒性の予防により示されるように、決定的な役割を演じるように見える(Beutlerなど., Science 229: 869, 1985)。C57B1/6マウス中へのE.コリLPS1μgの注射が、注射の約2時間後、循環性IL−6、TNF−α、IL−1、及び急性相タンパク質(例えば、SAA)の有意な上昇をもたらすであろうことは、十分に確立されている。
LPSの毒性は、それらのメディエーターに対する受動性免疫化が低められた致死性をもたらすので、それらのサイトカインにより介在されると思われる(Beutler など., Science 229: 869, 1985)。敗血性ショックの予防及び/又は処理のための可能性ある免疫介入方法は、抗−TNF mAb, IL-1受動体アンタゴニスト、LIF、IL−10及びG−CSFを包含する。LPSは、内毒血症の病理学にたぶん寄与するプロ−炎症性因子の生成を誘発するので、zacrp14によるSAA又は他のプロ−炎症因子のその中和は、例えば内毒性ショック及び同様のものに見られるように、内毒血症の症状を減じるために使用され得る。
3.炎症性腸疾患:
アメリカ合衆国においては、約500,000人の人々が、結腸又は直腸のいずれか(潰瘍性大腸炎)、又は小及び大腸の両者(クローン病)に影響を及ぼすことができる炎症性腸疾患(IBD)を有する。それらの疾病の病因は不明であるが、しかしそれらは影響される組織の慢性炎症を包含する。本発明のzacrp14ポリペプチドを包含する有力な治療剤は、IBD及び関連する疾病における炎症性及び病理学的効果を低めるための価値ある治療剤として作用する。
潰瘍性大腸炎(UC)は、結腸の粘膜又は最も内部の内層の炎症及び潰瘍により特徴づけられた、通常結腸と呼ばれる大腸の炎症性疾患である。この炎症は、時折結腸を空にし、下痢をもたらす。症状は、下痢ぎみ及び関連する腸の痙攣、発熱及び体重の低下を包含する。UCの正確な原因は未知であるが、最近の研究は、身体の天然の防御が、身体が外来性と見なすタンパク質に対して作用する(“自己免疫反応”)ことを示唆する。たぶん、それらは腸における細菌タンパク質に類似するので、それらのタンパク質は、結腸の内層を破壊し始める炎症工程を生ぜしめるか又は刺激することができる。
結腸の内層が破壊されるにつれて、潰瘍が開放性粘液、膿及び血液を形成する。その疾病は通常、直腸領域で始まり、そして最終的に、全大腸中に拡張する。炎症の反復された症状の発現は、瘢痕組織を伴なって、腸及び直腸の壁の肥厚化を導く。結腸組織の死又は販血症は、重度の疾病を生ぜしめる。潰瘍性大腸炎の症状は重症度において変化し、そしてそれらの開始は徐々であるか又は突然であり得る。攻撃は、多くの要因、例えば呼吸器感染又はストレスにより刺激され得る。
現在、UCについての有益な治療は存在しないが、処理は、結腸内層における異常炎症工程の抑制に集中される。コルチコステロイド免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン、メルカプトプリン及びメトトレキセ−ト)及びアミノサリチレートを包含する処理は、その疾病を処理するために入手できる。しかしながら、免疫抑制剤、例えばコルチコステロイド及びアザチオプリンの長期使用は、骨の微細化、白内障、感染、及び腎臓及び骨髄の効果を包含する重度の副作用をもたらすことができる。現在の治療が好都合でない患者においては、手術が任意である。手術は、全結腸及び直腸の除去を包含する。
慢性潰瘍性大腸炎に部分的に類似するいくつかの動物モデルが存在する。最も広く使用されるモデルは、結腸において慢性炎症及び潰瘍を誘発する、2,4,6−トリニトロベンスルホン酸/エタノール(TNBS)誘発された大腸炎モデルである。TNBSが直腸内点滴を通して敏感なマウスの結腸中に導入される場合、それは、結腸粘膜において、T−細胞介在性免疫応答を誘発し、この場合、大腸の全壁じゅうへのT−細胞及びマクロファージの強い浸潤により特徴づけされた大量の粘膜浸潤を導く。さらに、この組織病理学的臨床像は、進行性体重の低下(消耗)、出血性下痢、直腸脱出及び大腸壁の肥厚化の臨床学的像を付随する(Neurathなど., Intern, Rev. Immunol. 19: 51-62, 2000)。
もう1つの大腸炎モデルは、出血性下痢により明白な急性大腸炎、体重の低下、結腸の短縮、及び好中球浸潤を伴なっての粘膜性潰瘍を誘発する硫酸デキストランナトリウム(DSS)を使用する。DSS誘発された大腸炎は、リンパ過形成、病巣陰窩損傷及び上皮潰瘍を伴なって、粘膜固有層中への炎症細胞の浸潤により組織学的に特徴づけられる。それらの変化は、上皮上へのDSSの毒性効果により、及び粘膜固有層細胞のファゴサイトーシス、及びTNF−α及びIFN−γの生成により進行すると思われる。その通常の使用にもかかわらず、ヒト疾病への関連性についてのDSSの機構に関するいくつかの問題点は末解決のままである。DSSは、それがT細胞欠失動物、例えばSCIDマウスにおいて観察されるので、T細胞−無関係モデルとして見なされる。
本発明のzacrp14ポリペプチド、例えばホモ及び/又はヘテロトリマー、ホモ及び/又はヘテロヘキサマー、ホモ及び/又はヘテロ18マー、及びそれらの混合物、融合タンパク質及びそれらのフラグメントのそれらのTNBS又はDSSモデルへの投与は、症状を改善し、そして胃腸病の経路を変更するためにzacrp14の使用を評価するために使用され得る。zacrp14は、大腸炎における炎症応答において中和役割を演じ、そしてzacrp14の投与は、IBD及び他の同様の炎症性疾患に関しての可能性ある治療アプローチである。
4.乾癬:
乾癬は、700万以上のアメリカ人に影響を及ぼす慢性皮膚状態である。乾癬は、新しい皮膚細胞が異常に増殖する場合に生じ、古い皮膚がすばやく十分に脱皮しない皮膚の赤く熱をもち、はれ上がった、鱗状の皮膚パッチをもたらす。最も通常の形であるプラーク乾癬は、銀色がかった白色鱗片を上部に有する皮膚の炎症性パッチ(“病変”)により特徴づけられる。乾癬は、少数のプラークに限定されるか、又は頭皮、膝、肘及び体幹上に最も通常には出現する、中位〜強い皮膚領域を包含する。
それは高く認識できるが、乾癬は感染性疾病ではない。疾病の病因は、影響された組織の慢性炎症を包含する。本発明のzacrp14ポリペプチドは、乾癬、他の炎症性皮膚疾患、皮膚及び粘膜アレルギー及び関連する疾病における炎症及び病理学的効果を低めるために価値ある治療剤として作用することができる。 乾癬及び膿疱性乾癬の処理における本発明のzacrp14ポリペプチドの有効性を試験するために、動物モデルが、Mizutani, H.,など., Arch Dermatol Res 2003 Apr; 295 Suppl. 1: s67-8, 及びPol, A.,など., Skin Pharmacol Appl Skin Physiol 2002 Jul-Aug; 15 (4): 252-61に論じられている。
乾癬は、相当な不快性を引き起こすことができる皮膚のT−細胞介在性炎症障害である。それは、治癒せず、そしてすべての年齢の人々に影響を及ぼす疾病である。乾癬は、ヨーロッパ及び北アメリカの人口の約2%に影響する。軽い乾癬を有する個人はしばしば、局部剤によりそれらの疾病を制御することができるが、世界じゅうの10万人以上の患者は、紫外線又は全身性免疫抑制療法を必要とする。不運なことには、紫外線の不便性及び危険性、及び多くの治療の毒性が、それらの長期使用を制限する。さらに、患者は通常、乾癬の再発、及び多くの場合、免疫抑制療法の停止後すぐに、再発を有する。
当業界において知られているか又は本明細書に記載される他の方法の中で、哺乳類エネルギーバランスは、1又は複数の次の代謝機能をモニターすることによって評価され得る:脂肪生成、糖新生、糖原分解、脂質生成、グルコース摂取、タンパク質合成、熱発生、又は同様のもの。それらの代謝機能は、より詳細に下記に示されるように、当業者に知られている技法(アッセイ又は動物モデル)によりモニターされる。例えば、インスリンの糖調節効果は、肝臓、骨格筋及び脂肪組織において優先的に発揮される。インスリンは、それらの3種の組織におけるその細胞受容体に結合し、そして例えば、グルコース生成の阻害及びグルコース利用の刺激をもたらす組織−特異的作用を開始する。肝臓においては、インスリンは、グルコース摂取を刺激し、そして糖新生及び糖原分解を阻害する。骨格筋及び脂肪細胞においては、インスリンは、グルコースの摂取、貯蔵及び利用を刺激するよう作用する。
上記代謝機能のすべてをモニターするための技術的に認識されている方法が存在する。従って、当業者は、代謝調節機能についてzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト及びアンタゴニストを評価することができる。典型的な調整技法は下記に示される。
脂肪生成、糖新生及び糖原分解は、例えばob/obマウス又はdb/dbマウスを用いての既知技法により評価され得る哺乳類エネルギーバランスの相互関係のある成分である。ob/obマウスは、ob(肥満)遺伝子座での不活性化突然変異のためにホモ接合性である近交系マウスである。そのようなob/obマウスは過食及び代謝低下性であり、そして循環性OBタンパク質の生成を欠いていると思われる。db/dbマウスは、db (糖尿病)遺伝子座での不活性化突然変異のためにホモ接合性である近交系マウスである。db/dbマウスは、ob/obマウスの表現型に類似する表現型を示すが、但しab/abマウスはまた、糖尿病表現型を示す。そのようなdb/dbマウスは、循環性OBタンパク質の効果に対して耐性であると思われる。また、それらのパラメーターを評価する種々のインビトロ方法は、当業者において知られている。
インスリン−刺激された脂質生成は、トリグリセリド中への14C−アセテートの組込み(Mackallなど., J. Biol. Chem. 251: 6462-4, 1976)、又はトリグリセリド蓄積(Kletzienなど., Mol. Pharmacol. 41: 393-8, 1992)を測定することによってモニターされ得る。
グルコース摂取は、例えばインスリン−刺激されたグルコース輸送についてのアッセイにおいて評価され得る。トランスフェクトされていない、分化されたL6筋管(G418の存在下で維持される)が、1g/lのグルコース、0.5又は1.0%のBSA、20mMのHepes, 及び2mMのグルタミンを含むDMEMに配置される。2〜5時間の培養の後、培地が、0.5又は1.0%のBSA、20mMのHepes、1mMのピルベート及び2mMのグルタミンを含む新鮮なグルコースフリーのDMEMにより置換される。適切な濃度のインスリン又はIGF−1、又は試験物質の一連の希釈溶液が添加され、そして細胞が20〜30分間インキュベートされる。3H又は14C−ラベルされたデオキシグルコースが約50μMの最終濃度まで添加され、そして細胞が約10〜30分間インキュベートされる。
次に、細胞が冷緩衝液(例えば、PBS)により、すばやくすすがれ、次に、適切な溶解剤(例えば、1%SDS又は1NのNaOH)により溶解される。次に、細胞溶解物がシンチレーションカウンターによる計数により評価される。細胞−結合された放射能が、サイトカラシンb、すなわちグルコース輸送のインヒビターの存在下で細胞をインキュベートすることによって決定されるように、非特異的結合を控除した後、グルコース輸送の測定として取られる。他の方法は、例えば、Manchesterなど., Am. J. Physiol. 266 (Endocrinol. Metab. 29): E326-E333, 1994(インスリン−刺激されたグルコース輸送)により記載されるそれらの方法を包含する。
タンパク質合成は、例えば35S−メチオニンと共に試験細胞をインキュベーションした後、35S−メチオニン−ラベルされたタンパク質の沈殿、例えば35S−メチオニン及びタンパク質合成の推定上のモジュレーターを比較することによって評価され得る。
熱発生は、B.Stanley in The Biology of Neuropeptide Y and Related Peptides, W. Colmers and C. Wahestedt (eds.) Humana Press, Ottawa, 1993, pp. 457-507; C. Billington など., Am. J. Physiol. 260: R321, 1991; N. Zarjevskiなど., Endocrinology 133: 1753, 1993; C. Billingtonなど., Am. J. Physiol. 266: R1765, 1994; Hellerなど., Am. J. physiol. 252 (4Pt2): R661-7, 1987; 及びHeller など., Am. J. Physiol. 245: R321-8, 1983により記載のようにして評価され得る。種々の技法により測定され得る代謝速度は、熱発生の間接的測定である。
酸素使用は、Hellerなど. Pflugers Arch 369: 55-9, 1977に記載のようにして評価され得る。この方法はまた、視床下部温度及び代謝熱生成の分析を包含する。酸素使用及び熱調節はまた、Haskellなど., J. Appl. Physiol. 51: 948-54, 1981により記載のようにして、ヒトにおいて評価されて来た。
当業者において知られているか又は本明細書に記載される他の方法の中で、神経伝達機能は、脳における2−デオキシ−グルコース摂取をモニターすることによって評価され得る。このパラメーターは、当業者に知られている技法(アッセイ又は動物モデル)、例えばオートラジオグラフィーによりモニターされる。有用なモニター技法は、例えばKilduffなど., J. Neurasci. 10: 2463-75, 1990により記載されており、そして関連する技法は、Gerberなど., Circulation 94: 651-8, 1996及びFallavollitaなど., Circulation 95: 1900-9, 1997に記載のようにして、“冬眠心臓”を評価するために使用される。
さらに、zacrp14ポリペプチド、そのフラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストは、抗−微生物用途のために治療的に有用である。例えば、補体成分C1qは、感染剤、例えば細菌及びウィルスに対する宿主防御において役割を演じる。C1qは、いくつかの特定の機能を示すことが知られている。例えば、C1qは、結合された抗体又はC−反応性タンパク質(CRP)との相互作用を通して補体カスケードを誘発する。また、C1qは、一定の細菌、RNAウィルス、マイコプラスマ、尿酸結晶、細菌内毒素の脂質A成分、及び一定の細胞内オルガネラの膜と直接的に相互作用する。C1q受容体に結合するC1qは、ファゴサイトーシスを促進すると思われる。C1qはまた、宿主防御システムの抗体形成点を増強すると思われる。例えば、Johnston, Pediatr. Infect. Dis. J. 12 (11): 933-11, 1993を参照のこと。従って、可溶性C1q−様分子は、感染剤の溶解又はファゴサイトーシスを促進する抗−微生物剤として有用である。
タンパク質、例えばC1q及びマイクロファージスキャベンジャー受容体のコラーゲンドメインは、酸性リン脂質、例えばLPAを結合することが知られている。zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストとミトゲン性アニオン、例えばLPAとの相互作用は、当業界において知られているアッセイを用いて決定され得る。例えば、Actonなど., 前記を参照のこと。本発明のポリペプチド及び抗体による炎症工程の阻害はまた、創傷部位での感染を妨げることにおいて有用である。
抗−微生物保護剤は、直接的に又は間接的に作用することができる。膜結合又は作用の孔形成機構を通して作用するそのような剤は、攻撃性微生物に直接的に結合する。抗−微生物剤はまた、酵素機構、すなわち微生物保護物質又はその細胞壁/膜の分解を通して作用することができる。微生物増強又は作用を阻害するか、又は上記に示されたいずれかの機能により微生物統合性を破壊することができる抗−微生物剤は、その抗−微生物活性に対して敏感な微生物による細胞培養物における汚染を妨げるための方法において有用である。そのような技法は、有効量の前記zacrp14ポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストの存在下で細胞を培養することを包含する。
また、zacrp14ポリペプチド又はそのアゴニストは、外因性微生物感染、例えば細菌、ウィルス又は菌類感染のインビトロ研究における細胞培養試薬として使用され得る。そのような成分はまた、感染のインビボ動物モデルにおいても使用され得る。
zacrp14フラグメント、及びzacrp14ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト又は抗体は、当業界において知られている方法に従って、それらの抗−微生物性質に関して評価され得る。例えば、Barsumなど., Eur. Respin. J. 8 (5): 709-14, 1995; Sandovsky-Losicaなど., J. Med. Vet. Mycol. (England) 28 (4): 279-87, 1990; Mehenteeなど., J. Gen. Microbiol. (England) 135 (Pt. 8): 2181-8, 1989; Segal and Savage, J. Med. Vet. Mycol. 24: 477-9, 1986及び同様のものを参照のこと。
所望には、これに関してのzacrp14の性能は、これに関して機能的であることが知られているタンパク質、例えばプロリンに富んでいるタンパク質、リゾチーム、ヒスタチン、ラクトペルオキシダーゼ又は同様のものに比較され得る。さらに、zacrp14フラグメント、ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト又は抗体は、相乗効果を同定するために1又は複数の抗−微生物剤と組合して評価され得る。当業者は、zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト及び抗体の抗−微生物性質が同様に評価され得ることを理解するであろう。
神経伝達物質又は神経伝達モジュレーターとして、本発明のzacrp14ポリペプチドフラグメント、及びzacrp14ポリペプチド、融合タンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト又は抗体はまた、カルシウムイオン、筋肉収縮、ホルモン分泌、DNA合成又は細胞増殖、イノシトールリン酸ターンオーバー、アラキドン酸放出、ホスホリンパーゼ−C活性化、胃空腹化、好中球活性化又はADCC能力、スーパーオキシドアニオン生成及び同様のものを調整することができる。それらの性質の評価は、既知方法、例えば本明細書に示されるそれらの方法により行われ得る。
細胞内カルシウムレベルに対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばDobrzankiなど., Regulatory Peptides 45: 341-52, 1993及び同様のものに記載されるそれらの方法により評価され得る。筋肉収縮に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばSmits & Lebebvre, J. Auton. Pharmacol. 14: 383-92, 1994; Belloliなど., J. Vet. Pharmacol. Therap. 17: 379-83, 1994; Maggiなど., Regulatory Peptides 53: 259-74, 1994及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。
ホルモン分泌によるzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばHenriksenなど., J. Recep. Sig. Transd. Res. 15 (1-4): 529-41, 1995及び同様のものに記載されるプロラクチン放出についての方法により評価され得る。DNA合成又は細胞増殖に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばDobrzankiなど., Regulatory Reptides 45: 341-52, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。イノシトールホスフェートターンオーバーに対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばDobrzanskiなど., Regulatory Peptides 45: 341-52, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。
また、アラキドン酸放出に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばDobrzanskiなど., Regulatory Peptides 45: 341-52, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。ホスホリパーゼ−C活性化に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばDobrzanskiなど., Regulatory Peptides 45: 341-52, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。
胃空腹に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばVargaなどEur. J. Pharmacol. 286: 109-112, 1995及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。ヒト好中球活性化及びADCC能力に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばWozniakなど., Immunology 73: 629-34, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。スーパーオキシドアニオン生成に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの影響力は、当業界において知られている方法、例えばWozniakなど., Immunology 73: 629-34, 1993及び同様のものにより記載されるそれらの方法により評価され得る。
細胞表面付着分子、例えばE−セレクチン(内皮白血球付着分子)、V−CAM(血管細胞付着分子)、及びI−CAM(細胞内付着分子)の発現に対するzacrp14の効果は、Ouchiなど., (Circulation 100: 2473-7, 1999) に従って細胞ELISAにおける微小血管骨髄細胞(TRBMEC)を用いて測定され得る。この活性は、炎症性サイトカイン、例えばTNF(腫瘍壊死因子)からの刺激に比較され得る。Ouchiなど., (前記)及びCybulsky and Gimbrone, (Science 251: 788-91, 1991) に従ってのTHP−1単球付着アッセイは、zacrp14活性を測定するためにも使用され得る。
コラーゲンは、血小板凝集の可能性あるインジューサーである。血小板は、血栓を形成するために、損傷された血管壁と相互作用する。応答の程度は、暴露される内皮下層組織及び損傷された領域における血流により等級化される。これは、血管損傷から回復する患者に対する危険性を付与する。コラーゲン−誘発された血小板凝集のインヒビターは、コラーゲン−被覆された表面への血小板の結合の阻止、及び関連するコラーゲン−誘発された血小板凝集の低下のために有用である。C1qは補体経路の成分であり、そして防御機構を刺激し、そして組織損傷を引き起こす毒性酸素種の生成を誘発することが見出されている。(Tenner, Behring Inst. Mitt. 93: 241-53, 1993)。
C1q結合部位は、血小板上に見出される。C1qは、免疫結合パートナーとは無関係に、血小板付着又は形状変化でなく、血小板凝集を阻害することが見出されている。C1qのアミノ末端領域は、コラーゲンと相同性を共有する(Peerschke and Ghebrehiwet, J. Immunol. 145: 2984-88, 1990)。C1q及びその補体経路の阻害は、本明細書において開示されるか又は当業界において知られている方法、例えばSuba and Csako, J. Immunol. 117: 304-9, 1976に記載される方法を用いて決定され得る。これに関しては、zacrp14ポリペプチドは、止血の調節、血管損傷を流れる血流の上昇、及びコラーゲン表面の静止において有用である。
コラーゲン−介在血小板付着、活性化及び凝集に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの活性は、本明細書に記載されるか又は当業界において知られている方法、例えば血小板凝集アッセイ(Chiangなど., Thrombosis Res. 37: 605-12, 1985)及び血小板付着アッセイ(Peerschke and Ghebrehiwet, J. Immunol. 144: 221-25, 1990)を用いて測定され得る。コラーゲンへの血小板付着、及びコラーゲン−誘発された血小板凝集阻害の阻害についてのアッセイは、Kellerなど., J. Biol. Chem. 268: 5450-6, 1993; Waxman and Connolly, J. Biol. Chem. 268: 5445-9, 1993; Noeske-Jungblutなど., J. Biol. Chem. 269: 5050-3, 1994, 又はDeckmynなど., Blood 85: 712-9, 1995に記載される方法を用いて測定され得る。
本発明のzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、付着し、そして活性化される血小板の数、及び血小板凝集体のサイズを低めることによって、哺乳類の血管系内での血流を促進する方法において使用され得る。そのような方法は、そのような処理の必要な哺乳類への、治療的有効量のzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストの投与を包含し、それによりzacrp14は、哺乳類の血管系内のトロンボゲン及び補体活性を低める。そのような方法に使用される、zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、哺乳類における急性血管損傷の前、その間又はそれに続いて投与され得る。
1つのそのような方法においては、血管損傷は、血管再構成、例えば血管形成、血管内膜切除、冠動脈バイパス移植片、微小血管修復又は血管移植片の吻合のためである。外傷、発作又は動脈瘤による血管損傷がまた考慮される。好ましい方法においては、血管損傷は、プラーク破壊、血管系の劣化、糖尿病に関する合併症及びアテローム硬化症のためである。冠動脈におけるプラーク破壊は、心臓発作を誘発し、そして大脳動脈においては、発作を誘発する。そのような方法へのzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストの使用はまた、免疫系に関連する血管の完全なシステム患者、例えば播種性血管内凝集(DIC)及びSIDの改善のために有用である。さらに、補体阻害活性は、非血管系免疫疾患、例えばアテローム硬化症の処理のために有用である。
相互関係が、局在化される虚血性心筋におけるC1qの介在と、冠状動脈閉塞及び再灌流に続く白血球の蓄積との間に見出された。組織損傷に続く細胞成分の放出は、心筋損傷の主要原因である毒性酸素生成物をもたらす補体活性化を誘発する(Rossenなど., Circ. Res. 62: 572-84, 1998, 及びTenner、前記)。補体経路の阻止は、再灌流損傷から虚血性心筋を保護することが見出された(Buerkeなど., J. Pharm. Exp. Therp. 286: 429-38, 1998)。zacrp14ポリペプチドの補体阻害及びC1q結合活性が、そのような目的のために有用である。
大動脈環の血管拡張に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストの活性は、Daintyなど., J. Pharmacol. 100: 767, 1990及びRheeなど., Neurotox. 16: 179, 1995の方法に従って測定され得る。
種々のインビトロ及びインビボモデルは、虚血性及び再灌流損傷に対するzacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体タンパク質、抗体、アゴニスト及びアンタゴニスト効果を測定するために入手できる。例えば、Shandelyaなど., Circulation 88:2812-26, 1993; Weismanなど., Science 249: 146-151, 1991; Buerkeなど., Circulation 91: 393-402, 1995; Horstickなど., Circulation 95: 701-8, 1997及びBurkeなど., J. Phar. Exp. Therp. 286: 429-38, 1998を参照のこと。エクスビボハムスター血小板凝集アッセイは、Beckmynなど., 前記により記載される。ハムスター及びヒヒにおける放血時間は、Deckmynなど., 前記により記載されるモデルを用いて、zacrp14ポリペプチドの注入に続いて測定され得る。本発明のタンパク質の投与に応答しての血栓の形成は、Deckmyになど., 前記により提供されるハムスター大腿静脈血栓症モデルを用いて測定され得る。zacrp14の投与に続く流動条件下での血小板付着の変化は、Harsfahiなど., Blood 85: 705-11, 1995に記載される方法を用いて測定され得る。
zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストの補体阻害及び創傷治癒活性は、単独で、又はコラーゲン−誘発された血小板活性化及び凝集の他の既知インヒビター、例えばパルジピン、モウバチン又はカリンと組合してアッセイされ得る。
zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、本明細書に記載されるか又は当業界において知られている方法、例えばブタにおける皮膚層の治癒(Lynchなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7696-700, 1987)及び遺伝的糖尿病マウスにおける十分な厚さの皮膚創傷(Greenhalghなど., Am. J. Pathol. 136: 1235-46, 1990)を用いて評価され得る。本発明のポリペプチドは、単独で、又は上記に記載される他の既知補体インヒビターと組合してアッセイされ得る。
コラーゲンを結合するタンパク質は、損傷されたコラーゲン組織阻害血小板付着、活性化又は凝集、及び毒性酸素生成物の放出を導く炎症工程の活性化を低めるために有用である。補体活性、血栓活性及び免疫活性化のような工程に対して、暴露された組織を不活性にすることによって、zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、虚血及び再灌流の損傷効果を低めることにおいて有用である。特に、そのような損傷は、外傷性虚血症、腸紋扼、及び血流の前−及び後−確立に関連する損傷を包含する。zacrp14は、心肺バイパス虚血及び後退、心筋梗塞及び後外傷性血管痙攣、例えば発作又は経皮管腔血管形成、及び偶発的又は手術−誘発された血管外傷の処理において有用である。
zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストはまた、補体活性化、血栓活性又は免疫活性化に対して材料の表面を不活性化するよう補綴生物材料及び手術用装置を静めるためにも有用である。そのような材料は、コラーゲン、フラグメント−被覆された生物材料、ゼラチン−被覆された生物材料、フィブリン−被覆された生物材料、フィブロネクチン−被覆された生物材料、ヘパリン−被覆された生物材料、コラーゲン及びゲル−被覆されたステント、動脈移植片、合成心臓弁、人工器官、又は1×108以上でzacrp14を結合する血液に暴露されるいずれかの補綴適用を包含するが、但しそれらだけには限定されない。そのような材料の被覆は、当業界において知られている方法を用いて行われ得る。例えば、アメリカ特許第5,272,074号(Rubens)を参照のこと。
補体及びC1qは、炎症において役割を演じる。補体活性化は、免疫グロブリンへのC1qの結合により開始される(Johrston, Pediatr. Infect. Dis. J. 12: 933-41, 1993; Ward and Ghetie, Therap. Immunol. 2: 77-94, 1995)。C1q及び補体のインヒビターは、抗−炎症剤として有用である。そのような適用は、感染を妨げるために行われ得る。さらに、そのようなインビビターは、補体活性化及びC1qへの免疫複合体の結合により介在される炎症を有する個人に投与され得る。zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合タンパク質、抗体、アゴニスト又はアンタゴニストは、欠陥性創傷治療を克服することによって創傷治癒の進行を増強する創傷修復の介在方法において有用である。創傷治癒の進行は、炎症の縮小、線維芽細胞回復、創傷の収縮及び感染の低下のような要素を包含する。
コラーゲンに結合する腫瘍の細胞の能力は、腫瘍の転位に寄与する。コラーゲン結合のインヒビターはまた、腫瘍の付着相互作用及び転移性拡張を介在するためにも有用である(Noesk-Jungbultなど., アメリカ特許第5,723,312号)。さらに、細胞とのその細胞外マトリックスとの相互作用を介在し、破壊し又は調節するzacrp14の能力は、腫瘍の転移に寄与することができる。従って、zacrp14アンタゴニスト又はインヒビターは、腫瘍細胞転移を減じるか又は妨げることができる。
さらに、腫瘍進行及び転移に対するzacrp14の活性及び効果が、インビボで測定され得る。いくつかの同系マウスモデルが、腫瘍進行に対するポリペプチド、化合物又は他の処理の影響を研究するために開発されて来た。それらのモデルにおいては、培養継代された腫瘍細胞が、腫瘍ドナーと同じ株のマウス中に移植される。細胞は、受容体マウスにおいて類似する特徴を有する腫瘍中に増殖し、そして転移がまた、そのモデルのいくつかにおいて生じるであろう。本発明者の研究のための適切な腫瘍モデルは、中でも、Lewis肺癌(ATCC No. CRL-1642)及びB16黒色腫(ATCC No. Crl-6323)を包含する。それらは、インビトロで容易に培養され、そして操作される、C57BL6マウスと同種の通常使用される腫瘍系である。
それらの細胞系のいずれかの移植に起因する腫瘍は、C57BL6マウスの肺に転移することができる。Lewis肺癌モデルが最近、脈管形成のインヒビターを同定するためにマウスに使用されている(O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 1994)。C57BL6/Jマウスが、組換えタンパク質、アゴニスト又はアンタゴニストの毎日の注入、又は組換えアデノウィルスの1回の注入を通して、実験剤により処理される。この処理に続いて3日で、105〜106個の細胞が背面の皮膚下に移植される。他方では、細胞自体が、タンパク質が全身的によりもむしろ腫瘍部位で又は細胞内で合成されるよう、移植の前、組換えアデノウィルス、例えばzacrp14を発現するアデノウィルスにより感染され得る。マウスは、通常5日以内に眼に見える腫瘍を進行する。
腫瘍が3週間までの間、増殖され、この間、それらは対照の処理グループにおいて1500−1800mm3のサイズに達することができる。腫瘍サイズ及び体重が、その実験を通して注意してモニターされる。殺害の時点で、腫瘍が、肺及び肝臓と共に除去され、そして計量される。肺の重量が、転移性腫瘍負荷量と相互関係することが示された。さらなる測定として、肺表面転移が計数される。切除された腫瘍、肺及び肝臓が、当業界において知られており、そして本明細書に記載される方法を用いて、組織学的試験、免疫組織化学及び現場ハイブリダイゼーションのために調製される。
従って血管構造を回復し、そして転移を受ける腫瘍の能力に対する、問題の発現されたポリペプチド、例えばzacrp14の影響が評価され得る。さらに、アデノウィルスとは別に、移植された細胞がzacrp14により一時的にトランスフェクトされ得る。安定したzacrp14トランスフェクトの使用、及びインビボでのzacrp14発現を活性化する誘発性プロモーターの使用は、当業界において知られており、そして転移のzacrp14誘発を評価するためにこのシステムに使用され得る。さらに、精製されたzacrp14又はzacrp14ならし培地が、このマウスモデルに直接的に注入され、そして従って、このシステムに使用される。一般的な文献については、O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 1994, 及びRusciano D, など、Murine Models of Liver Metastasis, Invasion Metastasis 14: 349-361,1995を参照のこと。
本発明のzacrp14ポリペプチド、及び/又はzacrp14抗体は、腫瘍形成を処理することにおいて有用であり、そして従って、癌の処理において有用である。zacrp14は、角質細胞移動及び他の細胞外マトリックス相互作用を増強し、そして/又は促進することができる。さらに、zacrp14は、それらの活性化に誘導する免疫系の細胞、例えば単球、マクロファージ、樹状突起細胞、ランゲルハンス細胞、B-細胞及びT-細胞に結合するか、又はそれらと直接的に又は間接的に相互作用することができる。
zacrp14による、活性化されたT−細胞、単球及びマクロファージの過剰刺激は、ヒト疾病状態、例えば免疫細胞癌又は他の癌をもたらす。本発明のzacrp14ポリペプチドは、診断剤として作用し、そして腫瘍細胞増殖及び/又は転移活性のアンタゴニストとして作用することができる。zacrp14ポリペプチドは、従来の化学治療剤及び免疫モジュレータ−、例えばインターフェロンαを包含する使用において、他の剤と組合して投与され得る。α/βインターフェロンは、いくつかの白血病及び動物疾病モデルの処理において効果的であることが示されており、そしてインターフェクトα及びzacrp14の増殖阻害効果は付加的である。
zacrp14はまた、癌の進行にも関与している。従って、本発明のzacrp14ポリペプチド、又はzacrp14抗体により、上皮起源の腫瘍、例えば癌、腺癌及びメラノーマ(但し、それらだけには限定されない)を処理することが有用である。それにもかかわらず、本発明のzacrp14ポリペプチド、又はzacrp14アンタゴニストは、癌を処理するために、又は癌の1又は複数の症状を低めるために使用され得、ここで前記癌は、鱗状細胞又は類表皮癌、基底細胞癌、腺癌、乳頭腫、嚢胞腺癌、気管支原性癌、気管支腺癌、メラノーマ、腎細胞癌、肝細胞癌、移行細胞癌、繊毛癌、精上皮腫、胚癌、唾液腺起源の悪性混合腫瘍、Wilms腫瘍、未成熟奇形腫、奇形癌、及び上皮起源の少なくともいくらかの細胞を包含する他の主要を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
血小板付着、活性化及び凝集は、本明細書に開示されるか又は当業界において知られている方法、例えば血小板凝集アッセイ(Chiangなど., Thrombosis Res. 37: 605-12, 1985)及び血小板付着アッセイ(Peerschke and Ghebrehiwet, J. Immunol. 144: 221-25, 1990)を用いて評価され得る。C1q及び補体経路の阻害は、本明細書に開示されるか又は当業界において知られている方法、例えばSuba and Csako, J. Immunol. 117: 304-9, 1976に記載される方法を用いて決定され得る。コラーゲンへの血小板付着、及びコラーゲン−誘発された血小板凝集の阻害についてのアッセイは、Kellerなど., J. Biol. Chem. 268: 5450-6, 1993; Waxman and Connolly, J. Biol. Chem. 268: 5445-9, 1993; Noeske-Jungblutなど., J. Biol. Chem. 269: 5050-3, 1994又はDeckmynなど., Blood 85: 712-9, 1995に記載される方法を用いて測定され得る。
C1q及びマイクロファージスキャベンジャー受容体の正の荷電された、細胞外三ヘリックスのコラーゲンドメインは、リガンド結合において役割を演じることが決定されており、そしてポリアニオンに対して広い結合特異性を有することが示されている(Actonなど., J. Biol. Chem. 268: 3530-37, 1993)。リゾリン脂質成長因子(リゾホスファチジン酸、LPA)及び他のミトゲン性アニオンは、損傷された組織の部位に位置し、そして創傷修復を助ける。LPAは、多くの生物学的効果、例えば血小板の活性化及びマトリックスアッセンブリーのアップ−レギュレーションを発揮する。LPAは他の血液凝集因子を補強し、そして創傷治癒に介在すると思われる。
タンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリー他のメンバーのように、zacrp14ポリペプチド、フラグメント、融合体、アゴニスト又はアンタゴニストはまた、組織再造形を開始するか又は終結するための特定の組織、例えば組織開始因子、acrp30及びzsig37の決定をもたらすためにも使用され得る。組織再造形は、多くの因子、例えば物理的外傷、細胞毒性損傷、代謝ストレス又は進行性刺激により開始され得る。組織再造形は、細胞外マトリックス、例えば間隙性コラーゲン、基礎膜コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、アグレカン及び種々のプロテオグリカンの一定した再構成及び再改造を必要とする、組織の生成及び破壊を包含する。
Heinegard など., FASEB J. , 3 : 2042-2051 (1989); 及び Woessner, FASEB J. , 5: 2145-2154 (1991)。通常型の再造形工程は、胚成長、子宮の分娩後退縮、排卵、創傷治癒(例えば、瘢痕及び熱傷)、及び骨及び成長プレート再造形を包含する。Woessner など., Steroids, 54 : 491-499 (1989); Weeks など., Biochim Biophys Acta, 445 : 205-214 (1976); Lepage and Gache, EMBO J. , 9: 3003-3012 (1990); 及び Wride など., Dev-Dyn, 198 (3): 225-239 (1993)。類似する工程がまた、疾病状態、例えばリウマチ疹及び変形性関節炎における関節破壊、歯周組織及び腫瘍細胞転移においても存在する。Thompson など. , J. Bone Joint Surg., 61 : 407-416 (1979); Reynolds など., Adv-Dent-Res., 8 (2): 312-319 (1994)。それらの工程の1つの例は、慢性関節リウマチにおける滑膜組織における炎症の部位へのマクロファージの移動である。
Cutolo など., Clin. and Exper. Rheum., 11 : 331-339 (1993)。細胞外マトリックス成分は、種々の外因性及び内因性因子により、正常及び病理学的状態の両者において調節される。病理学と正常治癒との間の差異は精巧に調整された工程であるべきであり、そして刺激された細胞と、細胞外マトリックス環境及び局部溶媒との相互作用により部分的に調節され得る。タンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーは、界面細胞外マトリックスで作用するように見え、そして細胞(図1)、例えばzsig37は、特定のコラーゲン型及び/又は血小板を結合する(Sheppard, P. , WO 99/04000号; 及びBishop など. , WO 00/48625号)。
多くの自己免疫及び再造形関連疾患の表現型的表示は、炎症及び/又は組織再造形工程の広範な活性化である。その結果はしばしば、機能的器官又は器官下組織が置換された生物学的構造体の機能を実施できない種々の細胞外マトリックス成分により置換されることである。理論的に制限されないが、それらの疾病における開始現象は、最適な生物学的構造調節の損傷又は初期混乱を包含することができる。例えば、acrop30, すなわちタンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーのメンバーは、活性的に増殖する脂肪細胞組織においてのみ発現される。
結合組織再造形は、脂肪細胞のこの活性化に強く連結される。従って、過度の体重の増加(脂肪)と糖尿病との間に明白な連鎖が存在し、たぶんacrp30, 及びタンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーの他のメンバー、例えばzacrp14が、脂肪再造形に包含される。さらに、この脂肪再造形工程はたぶん、肥満個人において過度に負担をかけられる。結果的に、それは、II型糖尿病(非−インシュリン依存性糖尿病)の開始に寄与する誤った及び不適切な脂肪貯蔵の効果である。zucrp8が位置するゲノム遺伝子座がII型糖尿病に関連している(Watanabe など., Am J Huin Genet. 2000 Nov; 67 (5): 1186-1200)。さらなる例は、動脈閉塞をもたらす、動脈硬化及び動脈損傷における過度のプラーク形成である。
この血管疾患状態は、過度の及び/又は不適切な動脈再造形に起因するか、又はそれにより有意に影響され得る。zsig37及びたぶんzacrp14による血管損傷(及び基部の細胞マトリックス)の処理は、非常に初期段階での血管再造形の工程を変更すると思われる(Bishopなど., WO00/48625号)。当業者は、zsig37による処理が、損傷の後、血小板を比較的穏やかに維持し、そして従って、前−再造形及び前−炎症タンパク質の過度の補充が決して生じないことを仮定することができる。タンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーの他のメンバー、例えばzacrp14は、例えば脂肪又はコレステロールの存在により誘発される再造形を調節することができる。血液における過剰量のコレステロール及び脂肪が、zacrp14の存在下で、再造形を活性化することができる。
興味あることには、細胞内成分は時々、特定疾病を示す自己−抗原として見出される。理論により制限されないが、抗体の免疫系の生成は、それらの細胞内タンパク質への過度の暴露の後、たぶん、過度の又は不適切な再造形の結果である。従って、免疫系の標的化の他に、自己−抗原はさらに、再造形工程の標的化により制限され得る。例えば、硬皮症の自己−抗原診断は、細胞質タンパク質である。
限定されないが、それらのタンパク質に対する抗体は、zacrp14により少なくとも一部、介在される、不適切な又は不完全な局部組織修復により誘発される非特異的炎症に応答して生ぜしめられる。追加の例は、関節炎に存在する炎症である。たぶん、関節炎は、開始する自己−抗原応答により引き起こされる。しかしながら、これは、疾病状態を引き起こす、基礎をなす開始現象であり得ない。制限されないが、損傷の部位で細胞成分の過度の解放に対する感受性をもたらす、関節における結合組織又は筋肉損傷に対する不適切な再造形応答は、たぶん疾病状態の進行における基本的原因又は有意な因子である。
zacrp14活性を有するポリペプチドの治療使用:
本発明は、zacrp14活性を有するタンパク質、ポリペプチド及びペプチド(例えば、zacrp14ポリペプチド、抗−イディオタイプ抗−zacrp14抗体及びzacrp14融合タンパク質)の、zacrp14タンパク質の必要な対象への使用を包含する。
一般的に、投与される本発明のzacrp14ポリペプチドの用量は、患者の年齢、体重、身長、性別、一般的な医学的状態及びこれまでの医学的歴史のような要因に依存して変化するであろう。典型的には、約1pg/kg〜10mg/kg(剤の量/患者の体重)の範囲である、zacrp14ポリペプチドの用量(但し、それよりも低いか又は高い用量もまた、環境が指図する場合、投与され得る)を、受容体に供給することが所望される。当業者は、当業者に知られている方法を用いて、そのような用量、及びそれに対する調節を容易に決定することができる。
zacrp14ポリペプチドの対象への投与は、局部カテーテルを通しての灌流によるか又は直接的な病変内注入による、局部吸入、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、鞘内投与であり得る。注射により治療用タンパク質を投与する場合、投与は連続的注入によるか、又は一回又は複数回のボーラスによることができる。1つの形の投与は、血管損傷の部位で、又はその近くで行われる。
投与の追加経路は、経口、粘膜、肺及び経皮を包含する。経口供給は、ポリエステル微小球、ゼイン微小球、プロテイノイド微小球、ポリシアノアクリレート微小球及び脂質基剤システムのために適切である(例えば、DiBase and Morrel, “Oral Delivery of Microencapsulated Protein”, in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), p.255-288 (Plenum Press 1977) を参照のこと)。鼻腔内供給の実行可能性は、インスリン投与のそのような態様により例示される(例えば、Hinchcliffe and Illum, Adv. Drug Deliv. Rev. 35: 199 (1997) を参照のこと)。zacrp14を含んで成る乾燥又は液体粒子は、乾燥−粉末分散機、液体エーロゾル発生器又はネブライザーの助けにより調製され、そして吸入され得る(例えば、Pettit and Gombotz, TIBTECH 16: 343 (1998); Patton など., Adv. Drug Deliv. Rev. 35: 235 (1999) を参照のこと)。
このアプローチは、エーロゾル化されたインスリンを肺に供給する電動吸入器であるAERX糖尿病治療システムにより例示される。研究によれば、48,000kDaほどの大きなタンパク質が、経皮投与の実行可能性を例示する、低周波超音波の助けにより治療濃度で皮膚を通して供給されることが示された(Mitragotriなど., Science 269: 850 (1995))。エレクトロポレーションを用いての経皮供給は、zacrp14活性を有する分子を投与するもう1つの手段を提供する(Pottsなど., Pharm. Biotechnol. 10: 213 (1997))。
zacrp14結合活性を有するタンパク質、ポリペプチド又はヘプチドを含んで成る医薬組成物は、医薬的に有用な組成物を調製する既知の方法に従って配合され得、それによれば、治療用タンパク質が医薬的に許容できるキャリヤーと共に混合される。組成物は、その投与が受容体患者により許容され得る場合、“医薬的に許容できるキャリヤー”であると言われる。無菌リン酸緩衝溶液は、医薬的に許容できるキャリヤーの1つの例である。他の適切なキャリヤーは、当業者に良く知られている。例えば、Gennaro (ed.), Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th Edition (Mack Publishing Company 1995) を参照のこと。
治療のためには、zacrp14活性を有する分子及び医薬的に許容できるキャリヤーが、治療的に有効な量で患者に投与される。Zacrp14活性を有するタンパク質、ポリペプチド又はペプチド、及び医薬的に許容できキャリヤーの組み合わせは、その投与される量が生理学的に有意である場合、“治療的に有効な量”で投与されると言われる。剤は、その存在が受容体患者の生理学において検出される変化をもたらす場合、生理学的に有意である。例えば、炎症を処理するために使用される剤は、その存在が炎症応答を緩和する場合、生理学的に有意である。
本発明のzacrp14ポリペプチドを含んで成る医薬組成物は、液体形、エーロゾル、又は固体形で維持され得る。液体形は、注射用溶液、エーロゾル、液滴、局部用溶液及び経口懸濁液により例示される。典型的な固体形は、カプセル、錠剤及び調節された開放形を包含する。後者の形は、ミニ浸透ポンプ及び移植体により例示される(Bremer など., Pharm. Biotechnol. 10:239 (1997): Ranade. “Implants in Drug Delivery,” in Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 95-123 (CRC Press 1995); Bremer など., “Protein Delivery with Infusion Pum-s,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), Pages 239-254 (Plenum Press 1997); Yewey など., “Delivery of Proteins from a Controlled Release Injectable Implant,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), Pages 93-117 (Plenum Press 1997))。他の個体形は、クリーム、ペースト、他の局部適用、及び同様のものを包含する。
リポソームは、治療用ポリペプチドを、患者に、静脈内、腹膜内、鞘内、筋肉内、皮下、又は経口、吸入又は鼻腔内供給するための1つの手段を提供する。リポソームは、水性区画を取り組む1又は複数の脂質二層から成る微小ビークルである(一般的には、Bakker Woudenberg など., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis. 12 (Suppl. 1): S61 (1993), Kim Drugs 46:618 (1993), and Ranade, “Site-Specific Drug Delivery Using Liposomes as Carriers,” in Drug Delivery Systems, Ranade and組生Hollinger (eds.), pages 3-24 (CRC Press 1995)を参照のこと)。
リポソームは、組成において細胞膜に類似し、そして結果として、リポソームは安全に投与され、そして生分解性である。調製方法に依存して、リポソームは、単層又は多層性であり得、そしてリポソームは0.02μm〜10μm以上の範囲の直径でサイズ的に変化することができる。種々の剤がリポソームに封入され得る:疎水性剤は二層に分割され、そして親水性剤は内部水性空間内に封入される(例えば、Macky など., Liposomes In Cell Biology and Pharmacology (John Libbey 1987), 及びOstroなど., American J. Hosp. Pharm. 46: 1576 (1989) を参照のこと)。さらに、リポソームサイズ、二層の数、脂質組成、及びリポソームの電荷及び表面性質を変えることにより、封入される剤の治療利用性を調節することが可能である。
リポソームは、実質的にいずれかのタイプの細胞に吸着することができ、そして次に、封入された剤をゆっくりと開放する。他方では、吸収されたリポソームは、食細胞性である細胞によりエンドサイト−シス化され得る。エンドサイト−シスに続いて、リポソーム脂質のリソソーム内分解が伴ない、そして封入された剤が開放される(Scherphof など., Ann. N.Y. Acad. Sci. 446: 368 (1985))。静脈内投与の後、小さなリポソーム(0.1〜1.0μm)は、典型的には、肝臓及び脾臓に主として位置する網内細胞系の細胞により摂取されるが、ところが3.0μmよりも大きなリポソームは肺に沈着される。網内細胞系の細胞による小さなリポソームのこの好ましい摂取は、マクロファージ及び肝臓の腫瘍に化学治療剤を供給するために使用されて来た。
網内細胞系は、いくつかの方法、例えば多量のリポソーム粒子による飽和、又は薬理学的手段による選択的マクロファージ不活性化により回避され得る(Claassenなど., Biochim. Biophys. Acta 802: 428 (1984))。さらに、リポソーム膜中への糖脂質−又はポリエチレングリコール−誘導されたリン脂質の組み込みは、網内細胞系による有意に低められた摂取をもたらすことが示されている(Allen など., Biochim. Biophys. Acta 1068:133 (1991); Allen など., Biochim. Biophys. Acta 1150: 9 (1993))。
リポソームはまた、リン脂質組成を変えることによって、又はリポソーム中に受容体又はリガンドを挿入することによって、特定の細胞又は器官を標的化するためにも調製され得る。例えば、高い含有率の非イオン性界面活性剤により調製されたリポソームが、肝臓を標的化するために使用されて来た(Hayakawaなど., 日本特許04-244,018号;Katoなど., Biol. Pharm. Bull. 16:960 (1993))。それらの配合物は、メタノールにおいて、大豆ホスファチジルコリン、α−トコフェロール及びエトキシル化され、水素付加されたヒマシ油(HCO−60)を混合し、前記混合物を真空下で濃縮し、そして次に、前記混合物を水により再構成することによって調製された。大豆由来のステリルグルコシド混合物(SG)及びコレステロール(Ch)と共にジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のリポソーム配列物はまた、肝臓を標的化することが示されている(Shimizuなど., Biol. Pharm. Bull. 20:881(1997))。
他方では、種々の標的化リガンドが、リポソーム、例えば抗体、抗体フラグメント、炭水化物、ビタミン及び輸送タンパク質の表面に結合され得る。例えば、リポソームは、肝臓細胞の表面上で独占的に発現されるアシアログリコプロテイン(ガラクトース)受容体標的化するために、枝分かれ型のガラクトシル脂質誘導体により変性され得る(Kato and Sugiyama, Crit. Rev. Ther. Drug. Carrier Syst. 14: 287 (1997); Murahashiなど., Biol. Pharm. Bull. 20:259 (1997))。同様に、Wuなど., Hepatology 27: 772 (1988) は、アジアロフェチュインによるリポソームのラベリングが短くされたリポソーム結晶半減期を導き、そしてアジアロフェチュイン−ラベルされたリポソームの肝細胞による摂取を非常に高めたことを示している。
他方では、枝分かれ型のガラクトシル脂質誘導体を含んで成るリポソームの肝臓蓄積が、アジアロフェチュインの前注入により阻害され得る(Murahashiなど., Biol. Pharm. Bull. 20: 259 (1997))。ポリアコニチル化されたヒト血清アルブミンリポソームは、肝臓細胞へのリポソームの標的化のためのもう1つのアプローチを提供する(Kamps など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 11681 (1997))。さらに、Gehoなど., (アメリカ特許第4,603,044号)は、肝臓の特殊化された代謝細胞に関連する肝胆管受容体に対する特異性を有する、肝細胞−指図されたリポソーム小胞供給システムを記載する。
組織標的化へのより一般的なアプローチにおいては、標的細胞は、標的細胞により発現されるリガンドに対して特異的な、ビオチニル化された抗体によりプレラベルされる(Harasymなど., Adv. Drug Deliv. Rev. 32: 99 (1998))。遊離抗体の血漿排除の後、ストレプタビジン−接合されたリポソームが投与される。もう1つのアプローチにおいては、標的化抗体は、リポソームに直接的に結合される(Harasymなど., Adv. Drug. Deliv. Rev. 32: 99 (1998))。
zacrp14活性を有するポリペプチドは、タンパク質のマイクロカプセル封入の標準技法を用いて、リポソーム内に封入され得る(例えばAndersonなど., Infect. Immun. 31: 1099 (1981), Andersonなど., Cancer Res. 50: 1853 (1990), and Cobenなど., Biochim. Biophys. Acta 1063:95 (1991), Alving など., “Preparation and Use of Liposomes in Immunological Studies,” in Liposome Technology, 2nd Edition, Vol. III, Gregoriadis (ed.), page 317 (CRC Press 1993), Wassef など., Meth. Enzymol. 149: 124 (1987)を参照のこと)。上記に示されるように、治療的に有用なリポソームは、種々の成分を含むことができる。例えば、リポソームは、ポリ(エチレングリコール)の脂質誘導体を含むことができる(Allenなど., Biochim. Biophys. Acta 1150: 9 (1993))。
分解性ポリマー微小球が、治療用タンパク質の高い全身レベルを維持するため企画された。微小球は、分解性ポリマー、例えばポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)、モノ生分解性エチルビニルアセテートポリマー(タンパク質がポリマー封入される)から調製されるGombotz and Pettit, Bioconugate Chem. 6:332 (1995); Ranade, “Role of Polymers in Drug Delivery.” In Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 51-93 (CRC Press 1995); Roskos and Maskiewicz, “Degradable Controlled Release Systems Useful for Protein Delivery,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), pages 45-92 (Plenum Press 1997); Bartus など., Science 281:1161 (1998); Putney and Burke, Nature Biotechnology 16:153 (1998); Putney, Curr. Opin. Chem. Biol. 2:548 (1998))。ポリエチレングリコール(PEG)被覆された超微小球はまた、治療用タンパク質の静脈内投与のためのキャリヤーを提供することができる(例えば、Grefなど., Pharm. Biotechnol. 10:167 (1997) を参照のこと)。
本発明はまた、上記で論じられたように、ポリペプチドがポリマーにより結合されている、zacrp14活性を有する化学的に変性されたポリペプチド、例えばzacrp14ポリペプチド、zacrp14アゴニスト、及びzacrp14アンタゴニスト、例えば抗−zacrp14抗体を企画する。
他の用量形は、例えば、Anset and Popovich. Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. 5th Edition (Lea & Febiger 1990), Gennaro (ed.), Remington’s Pharmaceutical sciences. 19th Edition (Mack Publishing Company 1995) により、及びRanade and Hollinger, Drug Delivery Systems (CRC Press 1996) により示されるように、当業者により考案され得る。
例示のように、医薬組成物は、zacrp14ポリペプチド、又はzacrp14アンタゴニスト(例えば、zacrp14ポリペプチドを結合する抗体又は抗体フラグメント)を含んで成る容器を含んで成るキットとして供給され得る。治療用ポリペプチドは、単一又は複数回の用量のための注射用溶液の形で、又は注射の前、再構成されるであろう無菌粉末として供給され得る。他方では、そのようなキットは、治療用ポリペプチドの投与のための乾燥粉末分散機、液体エーロゾル発生機又はネブライザーを包含することができる。そのようなキットはさらに、医薬組成物の指示及び使用法に対する文書での情報を包含する。さらに、そのような情報は、zacrp14組成物が、zacrp14に対する既知の過敏性を有する患者に禁忌を示される提示も包含することができる。
対象は、オリゴマーの形で存在する、zacrp14ペプチド、ポリペプチド又は融合タンパク質を含んで成る医薬組成物により処理され得る。例示的オリゴマーは、トリマー、ヘキサマー、9マー及び18マーを包含する。医薬組成物は、配列番号2のアミノ酸残基26〜333を含んで成るポリペプチドのトリマー及びヘキサマーの混合物を含んで成る。特定のトリマー−ヘキサマー混合物においては、トリマー/ヘキサマーの比は、約1/99, 2/98, 3/97, 4/95,5/95, 6/94, 7/93, 8/92, 9/91, 10/90, 11/89, 12/88, 13/87, 14/86,15/85, 16/84,17/83, 18/82,19/81, 20/80, 25/75,30/70, 40/60, 50/50,60/40, 70/30, 75/25, 80/20,81/19, 82/18,83/17, 84/16, 85/15, 86/14,87/13, 88/12,89/11, 90/10,91/9, 92/8, 93/7, 94/6,95/5, 96/4, 97/3, 98/2, 又は 99/1の範囲で存在する。ある医薬組成物は、トリマー/ヘキサマーの比が約5/95〜20/80の範囲で存在するオリゴマーの混合物を含んで成る。
zacrp14ペプチド、ポリペプチド又は融合タンパク質は、追加の治療剤を伴って又はそれを伴わないで、対象に投与され得る。それらの治療剤は、zacrp14ペプチド、ポリペプチド又は融合タンパク質の投与の前、それと同時に、又はその後に投与され得る。
組合せ治療は、本明細書に記載されるような障害及び疾病を処理するために使用され得る。例えば、zacrp14ペプチド、ポリペプチド又は融合タンパク質と少なくとも1つの他の治療剤との組合せが、例えば急性心筋梗塞を処理するために使用され得る。
教育的な使用:
本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドは、遺伝子学及び分子生物学、タンパク質化学及び抗体生成及び分析に関連する過程のための実験室用実施キットにおける教育手段として有用である。そのユニークなポリヌクレオチド及びポリペプチド配列のために、zacrp14の分子は試験目的のための標準として、又は“未知のもの”として使用され得る。
例えば、zacrp14ポリヌクレオチドは、zacrp14が発現されるべき遺伝子である、融合構成体を包含する、細菌、ウィルス又は哺乳類発現のための発現構成体をいかにして調製するか、生徒に教授するための;ポリヌクレオチドの制限エンドヌクレアーゼ分解部位の決定のための;組織におけるzacrp14ポリヌクレオチドのmRNA及びDNA局在化の決定のための(すなわち、ノザン及びサザンブロット、及びポリメラーゼ鎖反応による);及び核酸ハイブリダイゼーションにより関連するポリヌクレオチド及びポリペプチドの同定のための助剤として使用され得る。
zacrp14ポリペプチドは、抗体の調製の教授のための;ウェスターンブロットによるタンパク質の同定のための;タンパク質精製のための;発現される合計タンパク質に対する比率としての発現されるzacrp14ポリペプチドの重量を決定するための;ペプチド分解部位の同定のための;アミノ及びカルボキシル末端標識のカップリングのための;アミノ酸配列分析のための;及び天然及び標識されたタンパク質の両者の生物学的活性のインビトロ及びインビボでのモニターのための助剤として使用され得る。
zacrp14ポリペプチドはまた、分析熟練、例えば、特に4種のαヘリックスのコンホメーションを決定するために質量分光学、円二色性を、原子的に詳細に立体構造を決定するためにX−線結晶学を、溶液でのタンパク質の構造を表すために核磁気共鳴分光学を教授するためにも使用され得る。例えば、zacrp14を含むキットは、分析する学生に与えられ得る。アミノ酸配列は教授によっては知られているので、すなわちタンパク質は、学生の熟練を決定するか、又は学生の熟練を開発するための試験として学生に与えられるので、教授は、学生がポリペプチドを正しく分析したか又はしなかったかを知るであろう。あらゆるポリペプチドはユニークであるので、zacrp14の教育学的利用性はそれ自体ユニークであろう。
zacrp14に対して特異的に結合する抗体は、zacrp14を精製するために親和製クロマトグラフィーカラムをいかにして調製するかを、学生に教授するための教授助剤として、抗体をコードするポリヌクレオチドをクローニングし、そして配列決定するための教授助剤として、及び従って、ヒト型化抗体をいかにして企画するか、学生を教授するための実習課目として使用され得る。zacrp14遺伝子、ポリペプチド又は抗体は、試薬会社によりパッケージングされ、そして学生が分子生物学の熟練を得るために教育機関に市販されている。個々の遺伝子及びタンパク質はユニークであるので、個々の遺伝子及びタンパク質は実験実習課目における学生のためのユニークな挑戦及び学習経験を創造する。zacrp14遺伝子ポリペプチド又は、抗体を含むそのような教育用キットは、本発明の範囲内にあると思われる。
zacrp14ヌクレオチド配列の治療的使用:
本発明は、zacrp14を、そのような処理の必要な対象に供給するためへのzacrp14ヌクレオチド配列の使用を包含する。さらに、zacrp14遺伝子発現を阻害する治療用発現ベクター、例えばアンチセンス分子、リボザイム又は外部案内配列分子が供給され得る。
zacrp14を発現する組換え宿主細胞の使用、zacrp14をコードする裸の核酸の供給、zacrp14をコードする核酸分子と共にカチオン性脂質キャリヤーの使用、及びzacrp14を発現するウィルス、例えば組換えレトロウィルス、組換えアデノ−関連ウィルス、組換えアデノウィルス、及び組換えヘルペス単純ウィルス(HSV)の使用を包含する、zacrp14遺伝子を対象に導入するための多くのアプローチが存在する(例えば、Mulligan, Science 260: 926 (1993), Rosenberg など., Science 242: 1575 (1988), LaSalle など., Science 250: 988 (1993), Wolffなど., Science 247: 1465 (1990), Breakfield and Deluca, The New Biologist 3: 203 (1991) を参照のこと)。エクスビボアプローチにおいては、細胞が対象から単離され、zacrp14遺伝子を発現するベクターによりトランスフェクトされ、そして次に、対象中に移植される。
zacrp14遺伝子の発現をもたらすために、zacrp14遺伝子をコードするヌクレオチド配列が、遺伝子転写を制御するために、コアプロモーター及び任意には、調節要素に作用可能に連結される発現ベクターが構成される。発現ベクターの一般的な必要性は、上記に記載されている。
他方では、zacrp14遺伝子は、組換えウィルスベクター、例えばアデノウィルスベクター(例えば、Kass-Eister など., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 90: 11498 (1993), Kolis など., proc. Nat’l Acad. Sci. USA 91: 215 (1994), Liなど., Hum. Gene Ther. 4;403 (1993), Vincent など., Nat. Genet. 5:130 (1993), and Zabner など., Cell 75: 207 (1993))、アデノウィルス−関連ウィルスベクター(Flotteなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10613 (1993))、アルファウィルス、例えば“Semliki Forest ウィルス及びSindbisウィルス(Hertz and Huang, J. Vir. 66: 857 (1992), Raju and Huang, J.vir. 65:2501 (1991), 及びXiongなど., Science 243: 1188 (1989))、ヘルペスウィルスベクター(Koeringなど., Hum. Gene. Therap. 5: 457 (1994))、
ポックスウィルスベクター(Ozakiなど., Biochem. Biophys. Res. Comm. 193: 653 (1993), Panicali and Paoietti, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 4927 (1982))、ポックスウィルス、例えばカナリヤポックスウィルス又はワクシニアウィルス(Fisher-Hochなど., Proc. Hatl. Acad. Sci. USA 86: 317 (1989) 及びFlexner など., Ann. N. Y. Acad. Sci. 569: 86 (1989))、及びレトロウィルス(Baba など., J. Neurosurg 79: 729 (1993), Ram など., Cancer Res. 53:83 (1993), Takamiyaなど., J. Neurosci. Res. 33: 493 (1992), Vile and Hart, Cancer Res. 53: 962 (1993), Vile and Hart, Cancer Res. 53: 3860 (1993) 及びAndersonなど., アメリカ特許第5,399,346号)を用いて供給され得る。種々の態様においては、ウィルスベクター自体又はウィルスベクターを含むウィルス粒子のいずれかが、下記に記載される方法及び組成物に使用され得る。
1つシステムの例示として、アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは、異種核酸分子の供給のための十分に特徴づけられた遺伝子トランスファーベクターである(Beckerなど., Meth. Cell Biol. 43:161 (1994); Douglas and Curiel, Science & Medicine 4:44 (1997))。アデノウィルスシステムは、次のいくつかの利点を提供する:(i)比較的大きなDNA挿入体を収容する能力、(ii)高い力価に増殖する能力、(iii)広範囲の哺乳類細胞型を感染する能力、及び(iV)多くの異なったプロモーター、例えば遍在性で、組織特異的な、及び調節できるプロモーターと共に使用される能力。さらに、アデノウィルスは、そのウィルスが血流において安定しているので、静脈内注射により投与され得る。
アデノウィルスゲノムの一部が欠失されているアデノウィルスベクターを用いて、挿入体は、直接的な連結により、又は同時トランスフェクトされたプラスミドによる相同組換えにより、ウィルスDNA中に組み込まれる。典型的なシステムにおいては、必須E1遺伝子がウィルスベクターから欠失され、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細胞により供給されない場合、複製しないであろう。損なわれていない動物に静脈内供給される場合、アデノウィルスは主に、肝臓を標的化する。E1遺伝子欠失を有するアデノウィルス供給システムが宿主細胞において複製しない場合、宿主の組織は、コードされた異種タンパク質を発現し、そしてプロセッシングするであろう。宿主細胞はまた、その対応する遺伝子が分泌シグナル配列を含む場合、異種タンパク質を分泌するであろう。分泌されたタンパク質は、異種遺伝子を発現する組織(例えば、高く血管化された肝臓)から循環に侵入するであろう。
さらに、ウィルス遺伝子の種々の欠失を含むアデノウィルスベクターは、そのベクターに対する免疫応答を低めるか又は排除するために使用され得る。そのようなアデノウィルスは、E1−欠失され、そしてさらに、E2A又はE4の欠失を含む(Luskyなど., J. Virol. 72: 2022 (1998); Raper など., Human Gene Therapy 9: 671 (1998))。E2bの欠失はまた、免疫応答を低めることが報告されている(Amalfitanoなど., J. Virol. 72:926 (1998))。完全なアデノウィルスゲノムを欠失することによって、異種DNAの非常に大きな挿入体が収容され得る。すべてのウィルス遺伝子が欠失されている、いわゆる“不活性(gutless)”アデノウィルスの生成は、異種DNAの大きな挿入体の挿入のために特に好都合である(Yeh and Perricaudet, FASEB J. 11: 615 (1997) を参照のこと)。
治療用遺伝子を発現できる組換えウィルスの高い力価のストックが、標準方法を用いて、感染された哺乳類細胞から得られる。例えば、組換えHSVは、Vero細胞において、Brandtなど., J. Gen. Virol. 72: 2043 (1991), Herold など., J. Gen. Virol. 75:1211 (1994), Visalli and Brandt, Virology 185:419 (1991), Grauなど., Invest. Ophtalmol. Vis. Sci. 30: 2474 (1989), Brandiなど., J. Virol. Meth. 36:209 (1992), 及びBrawn and MacLean (eds.), HSV Virus Protocols (Human Press 1997) により記載のようにして、調製され得る。
他方では、zacrp14遺伝子を含んで成る発現ベクターは、リポソームを用いてのインビボリポフェクションにより、対象の細胞に導入され得る。合成カチオン脂質が、マーカーをコードする遺伝子のインビボトランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る(Felgner など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-17, 1987; 及びMackey など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8027-31, 1988)。インビボで特定の器官中に外因遺伝子を導入するためへのリポフェクションの使用は、一定の実際的な利点を有する。特定細胞型へのトランスフェクションの方向づけが、細胞異質性を有する組織、例えば膵臓、肝臓、腎臓及び脳において特に好都合であることは明白である。脂質は、標的化のために他の分子に化学的に得られる。標的化されたペプチド(例えば、ホルモン又は神経伝達物質)、タンパク質、例えば抗体又は非ペプチド分子は、化学的にリポソームに結合され得る。
エレクトロポレーションは、投与のもう1つの態様である。例えば、Aihara and Miyazaki, Nature Biotechnology 16: 867 (1998) は、筋肉中への遺伝子トランスファーのためへのインビボエレクトロポレーションの使用を示している。
遺伝子療法へのもう1つのアプローチにおいては、治療用遺伝子は、zacrp14の発現を阻害するzacrp14アンチセンスRNAをコードすることができる。アンチセンス構造体の調製方法は当業界に知られている。例えば、Ericksonなど., Dev. Genet. 14: 274 (1993) [トランジェニックマウス]、Augustineなど., Dev. Genet. 14: 500 (1993 [ネズミ完全胚培養物]、及びOlson and Gibo, Exp. Cell Res. 241: 134 (1998) [培養された細胞] を参照のこと。zacrp14アンチセンス分子のための適切な配列は、本明細書に開示されるzacrp14のヌクレオチド配列から誘導され得る。
他方では、調節要素がリボザイムをコードするヌクレオチド配列に作用可能に連結される発現ベクターが構成され得る。リボザイムは、mRNA分子における一定の標的配列に向けられるエンドヌクレアーゼ活性を発現するよう企画され得る(例えば、Draper and Macejak, アメリカ特許第5,496,698号、McSwiggen, アメリカ特許第5,525,468号、Chowrira and McSwiggen, アメリカ特許第5,631,369号及びRobertson and Goldberg, アメリカ特許第5,225,337号を参照のこと)。本発明においては、リボザイムはzacrp14 mRNAと結合するヌクレオチド配列を包含する。
もう1つのアプローチにおいては、調節要素がzacrp14遺伝子をコードするmRNA分子のRNアーゼP−介在性切断を促進できるRNA転写体の生成を方向づける発現ベクターが構成され得る。このアプローチによれば、外部案内配列が、細胞リボザイムにより続いて切断される、特定種の細胞内mRNAに内因性リボザイム、すなわちRNアーゼPを向けるために構成され得る(例えば、Altmanなど., アメリカ特許第5,168,053号、Yuanなど., Science 263: 1269 (1994), Paceなど., WO96/18733号、Georgeなど., WO96/21731号及びWemerなど., WO97/33991号を参照のこと)。
好ましくは、前記外部案内配列は、zacrp14 mRNAに対して相補的な10〜15個のヌクレオチド配列、及び3’−NCCAヌクレオチド配列(ここで、Nは好ましくはプリンである)を含んで成る。外部案内配列転写体は、mRNAと相補的外部案内配列との間での塩基対の形成により、標的化されたmRNA種に結合し、従って、前記塩基対合された領域の5’側に位置するヌクレオチドでのRNアーゼPによるmRNAの切断を促進する。
一般的に、zacrp14ヌクレオチド酸配列を有する治療用ベクター、例えば組換えウィルスを含んで成る組成物の用量は、対照の年齢、体重、身長、性別、一般的な医学的状態及びこれまでの医学的歴史のような要因に依存して変化するであろう。治療用ベクターの適切な投与経路は、静脈内注射、動脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、腫瘍内注射、及び腫瘍を含む腔中への注射を包含する。
本発明のウィルスベクター、非ウィルスベクター又はウィルス及び非ウィルスベクターの組み合わせを含んで成る組成物は、医薬的に有用な組成物を調製するための既知方法に従って配合され得、それによれば、ベクター又はウィルスは、医薬的に許容できるキャリヤーと共に混合される。上記で示されるように、組成物、例えばリン酸緩衝溶液は、その投与が受容体対象により許容され得る場合、“医薬的に許容できるキャリヤー”であると言われる。他の適切なキャリヤーは、当業者に良く知られている(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th Ed. (Mack Publishing Co. 1995), 及びGilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Ed. (MacMillan Publishing Co. 1985) を参照のこと)。
治療のためには、治療用遺伝子ベクター、又はそのようなベクターを含んで成る組換えウィルス、及び医薬的に許容できるキャリヤーが、治療的有効量で対象に投与され得る。発現ベクター(又はウィルス)及び医薬的に許容できるキャリヤーの組み合わせは、投与される量が生理学的に有意である場合、“治療的有効量”で投与されると言われる。剤は、その存在が受容体対象の生理学において検出できる変化をもたらす場合、生理学的に有意である。
治療用遺伝子発現ベクター又は組換えウィルスにより処理される対象がヒトである場合、治療は好ましくは、体細胞遺伝子治療である。すなわち、治療用遺伝子発現ベクター又は組換えウィルスによるヒトの好ましい処理は、ヒト生殖細胞系の一部を形成し、そして次の世代に通され得る核酸分子を細胞中に導入すること(すなわち、ヒト生殖系遺伝子治療)を必要としない。
1つの観点においては、本発明は、配列番号2の少なくとも一部を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。1つの態様においては、配列番号2の少なくとも一部は、1〜21、1〜161、1〜295、21〜161、21〜295、21〜298、164〜295、164〜298、及びそれらの組合せから成る群から選択された配列番号2のアミノ酸残基を包含する。もう1つの態様においては、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、20〜298であり得る。任意には、ポリペプチドは、配列番号2を含んで成るか、又波それらから成る。
もう1つの観点においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、親和性標識、毒素、放射性核種、酵素及びフルオロフォアーから成る群から選択された成分に、アミノ又はカルボキシル末端で共有結合される。もう1つの態様においては、本発明の単離されたポリペプチドは、医薬的に許容できるビークルと組合される。1つの観点においては、ポリペプチドは、本発明の少なくとも2つのポリペプチドを含んで成るポリペプチドオリゴマーを形成することができる。ポリペプチドオリゴマーは、1又は複数の分子間ジスルフィド結合により結合され得る。オリゴマーは例えば、トリマー、ヘキサマー、9マー又は18マーであり得る。
1つの観点においては、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、又は20〜298と少なくとも95%の配列同一性を有する、創傷治療を促進する、単離されたポリペプチドを提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298、又は20〜298を含んで成る単離されたポリペプチド;及び医薬的に許容できるビークルを含んで成る組成物を提供する。組成物は、ポリペプチドのオリゴマー化された複合体を含んで成る。任意には、オリゴマー化されたポリペプチドは、トリマー、ヘキサマー、9マー又は18マーであり得る。組成物は、オリゴマー化されたポリペプチドの混合物、例えばヘキサマー及びトリマーの混合物であり得、ここで前記混合物は、例えば約90%のヘキサマー及び約10%のトリマーから構成され得る。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるようなポリペプチドに対して特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを提供する。1つの態様においては、前記抗体は、ポリクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体に由来のヒト型化抗体、抗体フラグメント、及びヒトモノクローナル抗体から成る群から選択される。1つの態様においては、抗体フラグメントは、上記に開示されるとおりであり、ここで前記抗体フラグメントは、F(ab’), F(ab), Fab’, Fab, Fv, scFv及び最小の認識単位から成る群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、上記開示されるような抗体に対して特異的に結合する抗−イディオタイプ抗体を提供する。
第2の観点においては、本発明は、ペプチド結合により結合される、第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質を提供し、ここで第1部分は、a)配列番号2のアミノ酸残基1〜295;b)配列番号2のアミノ酸残基21〜295;c)配列番号2のアミノ酸残基164〜295;d)配列番号2のアミノ酸残基1〜161;e)配列番号2のアミノ酸残基21〜161;f)配列番号2のアミノ酸残基1〜21;及びg)それらの組合せから成る群から選択されたポリペプチドを包含し;そして第2部分は、もう1つのポリペプチドを含んで成る。
例えば、本発明の融合タンパク質は、本明細書に記載されるような、免疫グロブリンフラグメント及びzacrp14又はポリペプチドを包含する。そのような融合タンパク質の免疫グロブリン成分は、免疫グロブリンの少なくとも1つの不変領域を包含する。好ましくは、免疫グロブリン成分は、ヒト免疫グロブリンのセグメントを提供する。融合タンパク質の第2部分は任意には、タンパク質の脂肪細胞補体関連ファミリーのもう1つのメンバーを包含する。
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号1の核酸分子;及びb)配列番号3の核酸分子から成る群から選択された、単離された核酸分子を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、50%のホルムアミド、5×SSC(1×SSC:0.15Mの塩化ナトリウム及び15mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt's 溶液、2%(w/v)ウシ血清アルブミン、10%硫酸デキストラン及び20μg/ml の変性され、剪断されたサケ精子DNAのハイブリダイゼーション条件下で、約42℃〜約70℃で、配列番号1又はその補体にハイブリダイズできる単離された核酸分子を提供する。
核酸分子は、ポリペプチドの少なくとも一部をコードすることができる。任意には、核酸分子は、配列番号2の少なくとも一部をコードすることができる。核酸分子はまた、配列番号2の少なくとも一部をコードし、ここで配列番号2の少なくとも1部は、1〜295、20〜295、21〜295、22〜295、164〜295、1〜161、21〜161、1〜21、22〜298、21〜298、20〜298から成るアミノ酸残基の群から選択される。核酸分子は、配列番号2により表されるポリペプチドをコードすることができる。
もう1つの観点においては、本発明はまた、ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し、ここでコードされるポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜298、21〜298または20〜298に対して少なくとも95%の配列同一を有するアミノ酸配列を含んで成り、そしてそのコードされるポリペプチドは本明細書に記載される機能を行い、例えば創傷治療を促進する。
もう1つの観点においては、本発明は、a)配列番号1の核酸分子;及びb)配列番号3の核酸分子から成る群から選択された、単離された核酸分子を提供する。単離された核酸分子は例えば、配列番号1又は3の連続したヌクレオチドを包含し、ここで前記ヌクレオチドは、1〜964、81〜139、81〜562、81〜964、137〜562、137〜964、569〜964、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、ペプチド結合により結合される、第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供し、ここで第1部分は、a)配列番号2のアミノ酸残基1〜295;b)配列番号2のアミノ酸残基21〜295;c)配列番号2のアミノ酸残基164〜295;d)配列番号2のアミノ酸残基1〜161;e)配列番号2のアミノ酸残基21〜161;f)配列番号2のアミノ酸残基1〜21;g)配列番号2のアミノ酸残基22〜298;h) 配列番号2のアミノ酸残基21〜298;及びi) 配列番号2のアミノ酸残基20 〜298から成る群から選択されたポリペプチドを包含し;そして第2部分は、もう1つのポリペプチドを含んで成る。
もう1つの観点においては、本発明のペプチド及びポリペプチドは、配列番号2の少なくとも6、少なくとも9又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る。本発明のある態様においては、ポリペプチドは、配列番号2の20, 30, 40, 50, 100又はそれ以上の連続した残基を含んで成る。追加のポリペプチドは、配列番号2のそのような領域の少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45又は少なくとも70個の連続したアミノ酸を含んで成ることができる。そのようなペプチド及びポリペプチドコードする核酸分子は、ポリメラーゼ鎖反応プライマー及びプローブとして有用である。
もう1つの観点においては、本発明は、次の作用可能に連結された要素:転写プロモーター;本発明のポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるような発現ベクターが導入されている、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞を提供する。例示的な宿主細胞は、細菌、酵母、菌類、昆虫、哺乳類及び植物細菌を包含する。そのような発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞は、発現ベクターを含んで成り、そしてzacrp14タンパク質を生成するそのような組換え宿主細胞を培養し、そして任意には、培養された組換え宿主細胞からzacrp14タンパク質を単離することにより、zacrp14ポリペプチドを生成するために使用され得る。
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるような発現ベクターが導入されている細胞を培養し;それにより前記細胞が前記DNAセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現し;そして前記発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る、ポリペプチドの生成方法を提供する。
本発明はまた、それらの検出方法を行うためのキットも提供する。例えば、zacrp14遺伝子発現の検出のためのキットは、核酸分子を含んで成る容器を含んで成り、ここで前記核酸分子は、(a)配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、(b)配列番号1のヌクレオチド配列の補体を含んで成る核酸分子、(c)配列番号1の少なくとも15、30、45又は60個の連続したヌクレオチドから成る核酸分子、又はそれらの補体から成る群から選択される。例示的な核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1−964、1−197、22−973、21−973、20−973、81−139、81−562、81−964、137−562、137−964、及び569−964又はその補体を含んで成る核酸分子を包含する。そのようなキットはまた、核酸分子の存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器も包含する。他方では、zacrp14タンパク質の検出のためのキットは、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを含んで成る容器を含んで成ることができる。
トランスジェニックマウスの生成:
トランスジェニックマウスは、すべての組織において、又は組織−特異的又は組織に好ましい調節要素の制御下で、zacrp14遺伝子を過剰発現するよう構築され得る。zacrp14のそれらの過剰生成体は、過剰発現に起因する表現型を特徴づけるために使用され得、そしてトランスジェニック動物は過剰zacrp14により引き起こされるヒト疾病のためのモデルとして作用することができる。zacrp14を過剰発現するトランスジェニックマウスはまた、大きな動物の乳汁又は血液におけるzacrp14、例えば可溶性zacrp14の生成のためのモデル生物反応体を提供する。
トランスジェニックマウスを生成するための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Jacob, “Expression and Knockout of interferons in Transgenic Mice,” in Overexpression and Knockout of Cytokines in Transgenic Mice, Jacob (ed.), Pages 111-124 (Academic Press, Ltd. 1994), Monastersky and Robl (eds.), Strategies in Transgenic Animal Science (ASM Press 1995), and Abbud and Nilson, “Recombinant Protein Expression in Transgeic Mice,” in Gen Expression Systems: using Nature for the Art of Expression, Fernandez and Hoeffler (eds.), pages 367-397 (Academic Press, Inc. 1999)を参照のこと)。
例えば、zacrp14遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを生成するための方法は、成熟した受精能雄(種マウス)(B6C3f1, 生後2−8ヶ月(Tacomic Farms, Germantown, NY))、精管切除された雄(duds)(B6D2f1, 2−8ヶ月(Taconic Farms))、 思春期直前受胎能雌(ドナー)(B6C3f1, 4-5週(Taconic Farms))、及び成熟した受胎能雌(受容体)(B6D2f1, 2−4ヶ月(taconic farms))により開始することができる。ドナーは、1週間、気候順応化され、そして次に、約8IU/マウスのPregnant Mare’s Serum ゴナドトロピン(Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)I.P. により、及び46−47時間後、8IU/マウスのヒトChorionic Gonadotropin (hCG (Sigma)) L.P. により注射され、過剰排卵を誘発された。ドナーが、ホルモン注射に続いて、種マウスにより交配される。排卵は一般的に、hCG注射の13時間以内に生じる。交接は、交配の次の朝、膣栓の存在により確認される。
受精された卵を手術用スコープ下で集める。卵管を集め、そして卵を、ヒアルロニダーゼ(Sigma)を含む尿検査用スライド中に開放する。卵を、1度、アヒルロニダーゼにより洗浄し、そして2度、Whitten’s W640 媒体(Menino and O’cloray, Biol. Reprod. 77: 159 (1986), 及びDienhart and Downs, Zygote 4: 129 (1996) により記載される)により洗浄し、これを5%CO2、5%O2及び90%N2と共に37℃でインキュベートする。次に、卵を、マイクロインジェクションまで、37℃/5%CO2のインキュベーターに貯蔵する。
zacrp14コード配列を含むプラスミドDNA10〜12μgを、線状化し、ゲル精製し、そしてマイクロインジェクションのために5−10ng/μlの最終濃度で、10mMのトリス−HCl (pH7.4), 0.25mMのEDTA(pH8.0)の溶液に再懸濁する。例えば、zacrp14コード配列は、配列番号2又は6のアミノ酸残基をコードすることができる。
プラスミドDNAを、暖かな、CO2平衡化された鉱油により被覆された1度のW640媒体に含まれる、収穫された卵中にマイクロインジェクトする。DNAを注射用針中に吸い込み(0.75mmのID, 1mmのOD硼珪酸塩ガラス細管から引き抜かれる)、そして個々の卵中に注入する。注射用針により、個々の卵の、ハプロイド前核の1つ又は両者中に貫通する。
数ピコリットルのDNAを前核中に注入し、そして注射用針を、核と接触しないよう引き抜く。前記方法を、すべての卵が注入されるまで、反復する。都合良くマイクロインジェクトされた卵を、前もってガス抜きされたW640媒体を有する器官組織−培養皿中に移し、37℃/5%CO2のインキュベーターにおいて一晩、貯蔵する。
次の日、2細胞の胚を、偽妊娠受容体中に移す。受容体は、精管切除されたdudsとの交接の後、膣栓の存在により同定される。受容体に麻酔をし、そして背面左側上の毛を剃り、そして手術用顕微鏡に移す。切開を、皮膚において、及び胸郭、背部及び後脚により概略される腹部の中央、すなわち膝と脾臓との間の中途まで筋肉壁を通して行う。生殖器官を、小さな手術用ドレープ上に切除する。脂肪パッドを、手術用ドレープ上に広げ、そして子供用止血小鉗子(Roboz, Rockville, MD)を、脂肪パットに取り付け、そしてマウスの背部上をつるし、器官が腹部にスライドすることを防ぐ。
鉱油、続いて交互にW640及び空気気泡を含む精巧なトランスファーピペットにより、前日の注入からの12〜17個の健康な2−細胞胚を、受容体中に移す。膨張した膨大部を位置決定し、そしてその膨大部と包との間の卵管を保持し、卵管の刻み目を前記包に隣接して、28gの針により行い、膨大部又は包を裂かないことを確かめる。
ピペットを、卵管における刻み目に移し、そして胚を吹き込み、最初の空気気泡のピペットからの除去を可能にする。脂肪パッドを軽く、腹膜中に押し込み、そして生殖器官を滑り込ませる。腹膜壁を、1つの縫合により閉じ、そして皮膚を傷口用クリップにより閉じる。マウスは、少なくとも4時間、37℃の暖かなスライド上で回復した。
受容体を、対でカゴに戻し、そして19−21日の妊娠を可能にする。誕生後、19−21日の産後を、離乳の前に可能にする。離乳子供の性別を鑑別し、そして別々の性別のカゴに入れ、そして0.5cmの生検(遺伝子型識別のために使用される)を、尾から、無菌のハサミにより取る。
ゲノムDNAを、QIAGEN DNEASYキットを用いて、その製造業者の説明書に従って、切り取られた尾から調製する。ゲノムDNAを、同じプラスミドに導入されたzacrp14遺伝子又は選択マーカー遺伝子を増幅するために企画されたプライマーを用いて、PCRにより分析する。動物がトランスジェニックであることが確かめられた後、それらは、トランスジェニック雌を野生型雄と共に、又はトランスジェニック雄を1又は複数の野生型雌と共に配置することによって、近交系に戻し交雑する。子供が生まれ、そして離乳され、性別を分け、そしてそれらの尾を、遺伝子型識別のために切り取る。
生存動物におけるトランスジーンの発現について調べるために、部分肝切除を行う。手術準備を、zyphoid工程下で直接的に上部腹部に行う。無菌技法を用いて、小さな1.5−2cmの切開を、胸骨下で行い、そして肝臓の左側葉を取り出す。4−0絹糸を用いて、下部葉を体腔外に確保するために、その下部葉の回りを縛る。クランプを用いて、その結び目を保持し、そして吸収性Dexon (American Cyanamid; Wayne, N. J.) の第2ループを、最初の結び目に隣接して配置する。
遠位切断をDexon結び目から行い、そして約100mgの切除された肝臓組織を、無菌ペトリ皿に配置する。切除された肝臓切片を、14mlのポリプロピレン丸底管に移し、そして液体窒素において凍結し、そして次に、ドライアイス上に貯蔵する。手術部位を、縫合及び傷口用クリップにより閉じ、そして動物のカゴを、37℃で加熱されるパッド上に、手術の後、24時間、配置する。動物を手術の後、毎日調べ、そして傷口用クリップを、手術の7−10日後に取り除く。zacrp14 mRNAの発現レベルを、RNA溶液ハイブリダイゼーションアッセイ又はポリメラーゼ鎖反応を用いて、個々のトランスジェニックマウスについて試験する。
zacrp14を過剰発現するトランスジェニックマウスを生成する他に、その遺伝子を異常に低く発現するか、又はまったく発現しないトランスジェニックマウスを構築することは有用である。そのようなトランスジェニックマウスは、zacrp14の欠失に関連する疾病のための有用なモデルを提供する。上記で論じられたように、zacrp14遺伝子発現は、アンチセンス遺伝子、リボザイム遺伝子、又は外部案内配列遺伝子を用いて阻害され得る。zacrp14遺伝子を過少発現するトランスジェニックマウスを生成するためには、そのような阻害配列がzacrp14 mRNAに標的化される。
特定の遺伝子の異常に低い発現をトランスジェニックマウスを生成するための方法は、当業者に知られている(例えば、Wuなど., “Gene Under Expression in Cultured Cells and Animals by Antisense DNA and DNA Strategies” in Methods in Gene Biotechnology, p. 205-224 (CRC Press 1997) を参照のこと)。
zacrp14遺伝子発現をほとんどか又はまったく有さないトランスジェニックマウスを生成するための他のアプローチは、非官能性zacrp14遺伝子により置換された、少なくとも1つの正常zacrp14対立遺伝子を有するマウスを生成することである。非官能性zacrp14遺伝子を企画する1つの方法は、もう1つの遺伝子、例えば選択マーカー遺伝子を、zacrp14をコードする核酸分子内に挿入することである。いわゆるそれらの“ノックアウトマウス”を生成するための標準の方法は、当業者に知られている(例えば、Jacob, “Expression and Knockout of Interferons in Transgenic Mice,” in Overexpression and Knockout of Cytokines in Transgenic Mice, Jacob (ed.), Pages 111-124 (Academic Press, Ltd, 1994), 及びWuなど., “New Strategies for Gene Knockout,” in Methods in Gene Biotechnology, Pages 339-365 (CRC Press 1997)を参照のこと)。
本発明は、次の非−制限的例によりさらに例示される。
例1zacrp14の同定
本発明のポリヌクレオチドをコードする新規zacrp14ポリペプチドを、シグナル配列、コラーゲン様ドメイン及びClqドメインにより特徴づけられる、脂肪細胞補体関連タンパク質に対して相同性を有するタンパク質についてESTデータベースに質問をすることにより最初に同定した。ESTに適合するそれらの調査基準に対応するポリペプチドを、脂肪細胞補体関連タンパク質に対して相同性を有する未知のタンパク質を同定するために、既知配列に比較した。集められたESTクラスターを生成し、そして分泌されたタンパク質であることを予測した。得られる976bpの配列は、配列番号1で開示される。
例2複数組織第1鎖cDNAのRT−PCR分析に基づいてのヒトzacrp14組織分布発現
zacrp14の遺伝子発現を、市販の標準化された複数組織第1鎖cDNAパネル(OriGene Technologies, Inc. Rockville, MD)を用いて試験した。OriGene Human Tissue Rapid-Scan Panel (カタログ番号CHSCA-101)は、22の異なった組織、骨髄及び血漿血液白血球を包含する。
PCR反応を、921bpの生成物を生成するzacrp14特異的オリゴプライマーzc41, 720,5'atggccagaaaaatcagaaatg 3'(配列番号15)及zc41, 716,5' gtcacctgcagccacacc 3'(配列番号16)、Qiagen HotStarTaq DNA Polymerase and Buffer (Qiagen, Inc. , Valencia, CA), GeneAmp dNTPs (Applied Biosystems, Foster City, CA), 及び RediLoad dye (Research Genetics, Inc., Huntville, AL)を用いて設定した。PCRサイクラー条件は次の通りであった:95℃での15分の変性(初期の1サイクル)、94℃で30秒の変性、68℃での30秒のアニーリング及び60 ℃での1分30秒の延長(35サイクル)、続いて72℃での3分の延長(1サイクル)。反応を、2%アガロースゲル(EM Science, Gibbstown, NJ)上での電気泳動により分離し、そして臭化エチジュウムによる染色により可視化した。
正しいサイズのDNAフラグメントを、次のヒト成人組織において観察した:副腎、脳、胎盤、精巣、及び胎児肝臓。最高の発現が、胎盤及び精巣において見られた。
例3子供ハムスター腎臓(BHK)細胞におけるzacrp14の発現
zacrp14についてのcDNAを、PCR増幅し、それぞれ5’及び3’末端で、NotI及びBglII部位と共に、C−末端Glu−Glu標識を付加した。zacrp14を増幅するために使用されるプライマーは、zc41649 (CACACAGGCCGGCCACCATGGCCAGAAAAATCAGAAATGGAAT)(配列番号17)及びプライマーzc41705 (CACACAGATCTTACTCCATGGGCATGTACTCCTGGCTGCTGAACAGAAGGAACCC)(配列番号18)であった。
zacrp14 cDNAを、5%DMSOを含むPCR反応において次の通りに増幅した:95℃で5分間、続いて、90℃で30秒;53℃で30秒;65℃で30秒(18サイクル)、続いて65℃で7分(1サイクル)、続いて4℃でのソーキング。PCR反応生成物を、TAE緩衝液中、1.0%(低溶解)SEAPLAQUE GTG (FMC BioProducts; Rockland, ME)ゲル上に負荷した。zacrp14 PCR生成物をゲルから切除し、65℃で溶融し、2度フェノール抽出し、そして次に、エタノール沈殿せしめた。次に、PCR生成物を、FseI-BglIIにより消化し、フェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈殿し、そして20μlの蒸留水に再水和化した。
cDNAを、pZMP31のFseI−BalII部位中にクローン化した。連結を、FAST-LINK DNA連結及びスクリーニングキット (EPICENTRE TECHNOLOGIES ; Madison, WI)を用いて行った。zacrp14 cDNAを含むクローンを、標準のミニプレプ方法により同定した。
zacrp14のためのcDNAを含むpZMP31プラスミドを、次の方法によりBHK570細胞中にトランスフェクトした。1.7mlの管において、16μgのDNAを、血清フリーのDMEM(Gibco−BRL)により640μlに希釈した。別の1.7mlの管において、35μlのリポフェクタミン(Gibco-BRL)を、血清フリーDMEMにより640μlに希釈した。そのリポフェクタミン混合物を、前記DNAに添加し、そして軽く混合し、そして室温で15分間、貯蔵した。脂質/DNA複合体を、5mlの血清フリー培地を含む、BHK細胞(50〜60%の集密性)の10cmlの皿に添加した。
6時間後、血清フリー培地を、完全成長培地(DMEM, 5%FBS, 2mMのGlutaMAX−1及び1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco-BRL))により置換した。24時間後、1μMのメチルトレキセートを、培地に添加し、トランスフェクトされた細胞を選択した。zacrp14によりトランスフェクトされたBHK細胞は、懸濁液において円形の細胞として増殖した。トランスフェクトされていない細胞及びベクターのみによりトランスフェクトされた細胞は、線維芽細胞特徴を有する付随する単層として増殖した。データは、図1に示されるように、細胞外マトリックスによる干渉と一致する。
これは、zacrp14によりトランスフェクトされたBHK細胞(zacrp14として示される)及びzacrp14によらない細胞(ベクター対照として示される)を示す写真である。

Claims (31)

  1. 配列番号2のアミノ酸残基22−298を含んで成る単離されたポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが配列番号2のアミノ酸残基21−298を含んで成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが配列番号2のアミノ酸残基20−298を含んで成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドが配列番号2である請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが、親和性標識、毒素、放射性核種、酵素及び蛍光団から成る群から選択された成分に、アミノ又はカルボキシル末端で共有結合される請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  6. 請求項1記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体又は抗体フラグメント。
  7. 前記抗体が、ポリクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体に由来のヒト型化抗体、抗体フラグメント、中和抗体、及びヒトモノクローナル抗体から成る群から選択される請求項6記載の抗体。
  8. 前記抗体フラグメントが、F(ab’), F(ab), Fab’, Fab, Fv, scFv及び最小の認識単位から成る群から選択される請求項6記載の抗体フラグメント。
  9. 請求項6記載の抗体に対して特異的に結合する抗−イディオタイプ抗体を含んで成る抗−イディオタイプ抗体。
  10. 配列番号2のアミノ酸残基21−298を含んで成る単離されたポリペプチド;及び
    医薬的に許容できるビークルを含んで成る組成物。
  11. 前記ポリペプチドのオリゴマー化された複合体を含んで成る請求項10記載の組成物。
  12. 前記オリゴマー化された複合体が、前記ポリペプチドのトリマーを含んで成る請求項11記載の組成物。
  13. 前記オリゴマー化された複合体が、前記ポリペプチドのヘキサマーを含んで成る請求項11記載の組成物。
  14. 前記オリゴマー化された複合体が、前記ポリペプチドの18マーを含んで成る請求項11記載の組成物。
  15. ポリペプチドトリマー及びポリペプチドヘキサマーの混合物を含んで成る請求項11記載の組成物。
  16. 前記混合物が、約90%のヘキサマー及び約10%のトリマーである請求項15記載の組成物。
  17. ペプチド結合により結合される第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質であって、前記第1部分が配列番号2のアミノ酸残基21−298を含んで成るポリペプチドを含んで成り;そして前記第2部分がもう1つのポリペプチドを含んで成る融合タンパク質。
  18. 前記第2部分が、少なくとも1つの不変領域を含んで成る免疫グロブリン成分である請求項17記載の融合タンパク質。
  19. 前記第2部分が、脂肪細胞補体関連タンパク質ファミリーのもう1つのメンバーである請求項17記載の融合タンパク質。
  20. 50%のホルムアミド、5×SSC(1×SSC:0.15Mの塩化ナトリウム及び15mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt's 溶液、2%(w/v)ウシ血清アルブミン、10%硫酸デキストラン及び20μg/ml の変性され、剪断されたサケ精子DNAのハイブリダイゼーション条件下で、約42℃〜約70℃で、配列番号1又はその補体にハイブリダイズできる単離された核酸分子。
  21. 前記核酸分子が、配列番号2のアミノ酸残基22−298を含んで成る単離されたポリペプチドをコードする請求項20記載の核酸分子。
  22. 前記コードされるポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残基21−298をを含んで成る請求項21記載の核酸分子。
  23. 前記コードされるポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残基20−298を含んで成る請求項21記載の核酸分子。
  24. 前記コードされるポリペプチドが、配列番号2である請求項21記載の核酸分子。
  25. 配列番号1のヌクレオチド143−973のヌクレオチド配列を含んで成る単離された核酸分子。
  26. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のヌクレオチド140−973を含んで成る請求項25記載の単離された核酸分子。
  27. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のヌクレオチド137−973を含んで成る請求項25記載の単離された核酸分子。
  28. ペプチド結合により結合される第1部分及び第2部分を含んで成る融合タンパク質をコードする単離された核酸分子であって、前記第1部分が配列番号2のアミノ酸残基21−298を含んで成るポリペプチドを含んで成り;そして前記第2部分がもう1つのポリペプチドを含んで成る単離された核酸分子。
  29. 次の作用可能に連結された要素:
    転写プロモーター;
    請求項1記載のポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び
    転写ターミネーターを含んで成る発現ベクター。
  30. 請求項29記載の発現ベクターが導入されている、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞。
  31. ポリペプチドの生成方法であって、
    請求項29記載の発現ベクターが導入されている細胞を培養し;
    それにより前記細胞が前記DNAセグメントによりコードされる前記ポリペプチドを発現し;そして
    前記発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
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