JP2003346670A - クライストロン装置 - Google Patents

クライストロン装置

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JP2003346670A
JP2003346670A JP2002156447A JP2002156447A JP2003346670A JP 2003346670 A JP2003346670 A JP 2003346670A JP 2002156447 A JP2002156447 A JP 2002156447A JP 2002156447 A JP2002156447 A JP 2002156447A JP 2003346670 A JP2003346670 A JP 2003346670A
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Shigehiro Chin
栄浩 陳
Keiji Oya
圭司 大家
Setsuo Miyake
節雄 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を複雑化したり大型化することなく、十
分に冷却できるクライストロン装置を提供する。 【解決手段】 ドリフト管7および中間空胴12にスペー
サ40をろう接し、このスペーサ40に水冷管52をろう接し
て一体化する。スペーサ40に切り欠き凹部53、磁極42に
水冷管挿通孔54、および、永久磁石45に切り欠き部を形
成する。切り欠き凹部53、水冷管挿通孔54、および切り
欠き部に水冷管52を位置させることにより、永久磁石45
および磁極42の内径が大型化することもない。高周波損
失電力とビームの損失電力による発熱は水冷管52を通し
て速やかに冷却水に吸収されるとともに、構造も複雑化
しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石を用いて
周期磁界を形成するクライストロン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のクライストロン装置は、
入力空胴、中間空胴および出力空胴が形成された長手環
状のドリフト管を有する高周波相互作用部を備え、この
高周波相互作用部のドリフト管の一端側に電子ビームを
射出する電子銃部が配設され、ドリフト管の他端側には
用済みの電子ビームを捕集するコレクタ部が配設されて
いる。また、入力空胴から高周波電界を与え、電子ビー
ムと高周波電界の相互作用により高周波電力を増幅し、
出力空胴から高周波電力を出力している。
【0003】また、ドリフト管の周囲に設ける電子ビー
ムの集束装置には、コイルをドリフト管の周囲に巻回し
た電磁石により一様集束磁界が用いられ、コイルに発生
した磁界により電子ビームを集束している。すなわち、
電磁石による磁界の向きは、ドリフト管の軸上では電子
銃部からコレクタ部まで同方向で、磁束密度は入力空
胴、中間空胴、出力空胴の空胴部ではほぼ等しく、電子
銃部およびコレクタ部では空胴部より弱い適切な値に設
定している。この集束方法は、クライストロン装置の最
良な特性を得る磁界値をコイルに流す電流値によって調
節することが容易に可能である。
【0004】クライストロン装置の出力が大きくなるに
従い、より強い磁界が必要になる。たとえば12GHz
帯でパルス出力が50MW級の場合、ドリフト管内のビ
ーム中心軸上の磁界は約0.3テスラ(3000ガウ
ス)必要となる。このような強い磁界を得るためには、
電磁石のコイルの巻数を増すか、あるいは、コイルに流
れる電流を多くしなければならない。このため、コイル
に使用するたとえば銅線の抵抗により、電力が消費され
てそれはそのまま熱損失になるので、クライストロン装
置の全体の効率を下げる。
【0005】そこで、効率の低下を防止するために、電
磁石に代えて永久磁石を用いた周期磁界(Periodic Per
manent Magnet)の集束装置を用いる構成が知られてい
る。
【0006】この永久磁石で周期磁界を構成する場合に
は、ドリフト管の周囲にこのドリフト管と間隙を介して
環状の永久磁石をドリフト管の長手方向に沿って複数配
設し、隣合う永久磁石間に永久磁石とともに磁気回路を
構成する円管状の磁極が配設され、ドリフト管の長手方
向に沿って永久磁石および磁極を交互に配設している。
また、永久磁石の磁化の向きは隣合う永久磁石ごとに異
なり、ドリフト管の長手方向に沿ってN極−S極、S極
−N極およびN極−S極のように構成され、永久磁石に
よるドリフト管の軸方向の磁束密度はほぼ正弦波とな
る。そして、この正弦波の周期磁界により電子ビームを
集束している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように永久磁石を
用いたクライストロン装置でも、高周波相互作用部では
すべての電子ビームが透過するわけではなく、一部の電
子ビームが高周波相互作用部で損失電力となる。また、
入力空胴、中間空胴および出力空胴でも高周波損失電力
が生じ、いずれも発熱するため冷却する必要がある。
【0008】特に、周波数が比較的高く、出力電力が大
きいクライストロン装置では、高周波相互作用部での損
失電力による発熱が問題で、水冷が必要である。
【0009】一方、ドリフト管の軸上に同じ磁界を生じ
させる場合、永久磁石の内径が小さいほど永久磁石の小
型化を図れるものの、ドリフト管より径大の入力空胴、
中間空胴あるいは出力空胴の外径に制約されるため、こ
れら入力空胴、中間空胴および出力空胴の外径に合わせ
た内径の環状の永久磁石をドリフト管の周囲に配設して
いる。
【0010】環状の永久磁石の内径を大きくして、環状
のドリフト管との間に冷却手段を配設することが考えら
れるが、必要なドリフト管の軸上での磁束密度を得るた
めには磁石が大型になる。
【0011】一方、磁石の外側に冷却管を配設すること
も考えられ、磁石は小型になるが、冷却管と冷却すべき
ドリフト管との距離が長くなり、十分に冷却するには装
置が大型化、複雑化する。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、構造を複雑化したり大型化することなく、十分に冷
却できるクライストロン装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子ビームを
発生する電子銃部と、一端にこの電子銃部が対向し真空
気密を保つ長手管状のドリフト管、このドリフト管の長
手方向に複数形成された空胴、前記ドリフト管および空
胴の周囲にドリフト管の長手方向に沿って前記ドリフト
管に対して間隙を介して複数配設され周期磁界を形成す
る切り欠き部を有する永久磁石、前記永久磁石間の前記
ドリフト管の周囲に位置して配設され磁気回路を構成す
る複数の磁極、少なくとも一部が前記永久磁石の切り欠
き部に位置し前記ドリフト管の長手方向に沿って配設さ
れた冷却手段を備え、高周波電力を増幅する高周波相互
作用部と、この高周波相互作用部に高周波電力を入力す
る入力部と、前記高周波相互作用部からの高周波電力を
出力する出力部と、前記高周波相互作用部のドリフト管
の他端側に位置し電子ビームを捕集するコレクタ部とを
具備したもので、永久磁石の切り欠き部に位置して冷却
手段を配設することにより、ドリフト管と永久磁石との
間隙を広くすることなく冷却手段を配設できるため、永
久磁石を大きくすることなく冷却が可能になり、装置を
複雑化することなく高周波相互作用部を確実に冷却す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のクライストロン装
置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】図3に示すように、1はたとえば12GH
z帯の高周波電力を増幅する大電力用のクライストロン
装置で、このクライストロン装置1は下側となる基端側
に電子ビームを射出する電子銃部2が配設されている。
この電子銃部2は、上方に向けたカソード3を有し、こ
のカソード3の上方にカソード3に対向したアノード4
が配設され、カソード3およびアノード4間には、電子
ビームを集束させる集束電極5が配設されている。
【0016】また、電子銃部2のアノード4には、長手
状の高周波相互作用部6が気密に接続されている。この
高周波相互作用部6は、中心に真空気密を保つ強度の大
きいステンレスなどの金属製のドリフト管7を有し、こ
のドリフト管7にはこのドリフト管7と同軸でドリフト
管7より径大のいずれも同様に強度の大きいステンレス
などの金属製の入力空胴11、中間空胴12〜16および出力
空胴17〜20が設けられており、ドリフト管7の入力空胴
11までの部分は、電子銃部2のアノードから徐々に縮径
して電子ビームを導く縮径部21が形成されている。な
お、入力空胴11、中間空胴12〜16および出力空胴17〜20
は、それぞれ最適位置となるように磁界の周期長の整数
倍の位置に位置し、入力空胴11、中間空胴12〜16および
出力空胴17〜20の内径および高さ、ドリフト管7の内径
はクライストロン装置1の性能仕様値、たとえば出力電
力、動作周波数、動作電圧および動作電流などにより決
定され、所定の寸法範囲となる。そして、高周波相互作
用部6では、電子ビームおよび高周波電界の相互作用で
高周波電力を増幅する。さらに、ドリフト管7の周囲に
は電子ビームを集束させる集束部22が取り付けられてい
る。
【0017】そして、電子銃部2に支持体23が設けら
れ、この支持体23にはコレクタ部24が取り付けられ、こ
のコレクタ部24の入力側はドリフト管7の上側となる先
端側に気密に取り付けられ、コレクタ部24は高周波相互
作用部6からの用済みの電子ビームを捕集する。そし
て、このコレクタ部24の周囲にはコレクタ部24を覆うよ
うにX線遮蔽用の鉛製の遮蔽体25が取り付けられてい
る。
【0018】また、入力空胴11には、入力部31が気密に
接続されている。この入力部31は、入力空胴11に入力導
波管32が接続され、入力導波管32には入力窓33が形成さ
れ、高周波電力を入力する。
【0019】さらに、出力空胴17〜20には、出力部34が
接続されている。この出力部34は、出力空胴17〜20に出
力導波管35が接続され、出力導波管35には出力窓36が形
成され、高周波電力を出力する。
【0020】またさらに、高周波相互作用部6の入力側
および出力側には、それぞれイオンポンプ37,38が取り
付けられている。
【0021】ここで、高周波相互作用部6の具体的な構
成を図1および図2を参照して説明する。
【0022】この高周波相互作用部6のドリフト管7
は、軸方向でそれぞれ分割された複数のドリフト管体7a
で構成されており、隣合うドリフト管体7a,7a間には間
隙が形成されて、この間隙にはたとえば中間空胴12が形
成されている。
【0023】また、この中間空胴12は、一端側のドリフ
ト管体7aに環状の中間空胴底面部12aが真空気密の状態
となるようにろう接され、他端側のドリフト管体7aには
断面L字状の蓋部12bが同様に真空気密の状態となるよ
うにろう接され、底面部12aと蓋部12bとがろう接され
て、ドリフト管7に中間空胴12が真空気密状態を保持し
て形成されている。なお、入力空胴11、中間空胴13〜16
および出力空胴17〜20も、基本的には中間空胴12と同様
に形成されている。
【0024】さらに、ドリフト管7の周囲には、所定の
間隔をおいて熱伝導性が良く非磁性体である銅製の環状
のスペーサ40が配設され、このスペーサ40にはドリフト
管7が挿通される挿通孔41が中心軸上に形成され、この
スペーサ40の挿通孔41にドリフト管7が挿通されてろう
接されている。
【0025】そして、隣合うスペーサ40,40の間には、
この間隔に対応した厚さの鉄製の円環状の磁極42が挿入
されて取り付けられている。すなわち、スペーサ40,40
により、隣合う磁極42,42間の距離が適切に保持され
る。また、磁極42にはドリフト管7が挿通される挿通孔
43が形成されてドリフト管7の周囲に位置し、半径大の
部分は薄肉部となっていて、厚さ方向に段差44を有す
る。
【0026】環状の永久磁石45は直径方向で二分割され
た二つの永久磁石45a,45aで構成され、磁極42,42の間
に挿入、装着されて、たとえば周囲を図示しないバンド
などにより保持、固定する。この場合、半径方向の位置
で磁極42の段差44により決まる。また、図2に示すよう
に、二分割された永久磁石45a,45aは組み合わせた場
合、周方向には連続せず、二箇所で切り欠かれ、切り欠
き部46,46を持つ形状となる。さらに、永久磁石45は軸
方向に沿ってN極−S極、S極−N極…N極−S極のよ
うに、磁化され隣合う永久磁石45,45は反対方向の磁界
を形成するように構成されている。そして、永久磁石45
および磁極42により磁気回路が形成されて、隣合う永久
磁石45の極性が異なることにより、ドリフト管7の長手
方向に沿って周期性を有する周期磁界を形成している。
また、電子ビーム軸上での磁束密度および磁界周期長も
クライストロン装置1の性能仕様値から決定される。
【0027】さらに、永久磁石45a,45a間の間には、ド
リフト管7の長手方向に沿った冷却手段51を有してお
り、この冷却手段51は冷却管としての円管状の水冷管52
内に冷却水が流れることにより冷却するように構成され
ている。また、この水冷管52は、スペーサ40にろう接さ
れている。すなわちスペーサ40の周囲の2ヶ所には、水
冷管52の外周に対応した形状の円弧状の切り欠き凹部53
が形成され、この切り欠き凹部53に水冷管52がろう接さ
れている。また、磁極42には、水冷管52を挿通する水冷
管挿通孔54が形成されている。
【0028】次に、上記実施の形態のクライストロン装
置1の高周波相互作用部6の組み立てについて説明す
る。
【0029】まず、ドリフト管体7a、スペーサ40、磁極
42、中間空胴底面部12a、蓋部12b、磁極42、スペーサ4
0、ドリフト管体7aおよび水冷管52,52を、ドリフト管
体7a,7aと中間空胴底面部12a、蓋部12bで真空気密とな
るように、一体的にろう接により組み立てる。この場合
に周方向に位置は、図2に示すように、スペーサ40,40
に設けられた円弧状の切り欠き凹部53,53と磁極42,42
の水冷管52を挿通させる水冷管挿通孔54が揃うようにし
て、この部分に水冷管52,52が位置するようにする。入
力空胴11、中間空胴12〜16、出力胴部17〜20もこのよ
うに一体でろう接により組み立てる。こうして組み立て
られた、永久磁石45を除く高周波相互作用部6と、別に
組み立てられた電子銃部2、入力部31、出力部34、コレ
クタ部24を、たとえば溶接により一体として、全体を真
空排気する。その後、永久磁石45a,45aを磁極42,42の
間に挿入し外側をバンドなどで固定する。
【0030】ここで、上記実施の形態のクライストロン
装置1の動作について説明する。
【0031】まず、電子銃部2のカソードから電子ビー
ムを射出し、高周波相互作用部6に入射する。この高周
波相互作用部6では、入力部31の入力窓33から入力空胴
11に高周波電界を与え、高周波相互作用部6では中間空
胴12〜16などで電子ビームと高周波電界との相互作用に
より高周波電力を増幅し、出力空胴17〜20から出力部34
の出力窓36から高周波電力を出力する。また、集束部22
では、永久磁石45と磁極42により、周期磁界が形成され
て、電子ビームを集束する。
【0032】また、入力空胴11、中間空胴12〜16および
出力空胴17〜20での高周波損失電力やドリフト管7およ
び入力空胴11、中間空胴12〜16および出力空胴17〜20に
落ちる電子ビームによる損失電力が生ずると発熱する。
この発熱は、ドリフト管7、入力空胴11、中間空胴12〜
16あるいは出力空胴17〜20から熱伝導性の良いスペーサ
40を介して冷却手段51の水冷管52に熱伝導され、水冷管
52内に流れる冷却水に吸収されることにより熱交換され
て、速やかに効率良く冷却される。
【0033】一方、高周波相互作用部6で用済みの電子
ビームは、コレクタ部24で捕集され、このコレクタ部24
で捕集される際に発生したX線は遮蔽体25により遮蔽さ
れ、外部にX線が漏洩することを防止する。
【0034】次に、上記実施の形態のように、永久磁石
45の一部に切り欠き部46を有する場合の3次元シミュレ
ーションによる軸上磁束密度の解析結果について説明す
る。
【0035】シミュレーションに使用した高周波相互作
用部6は、図4に示すように、永久磁石45が9個、磁極
42が10個の4.5周期のものを用いている。ドリフト
管7および水冷管52はいずれも非磁性体なので図示して
いない。座標軸はドリフト管7の中心軸が位置する長手
方向がZ軸、このZ軸に対して直角の面のそれぞれ直交
方向をX軸およびY軸としている。
【0036】まず、中心軸上磁束密度であるZ方向成分
については、図5に示すように、9個の永久磁石45に対
応してピーク磁束密度が約0.3テスラ(約3000ガ
ウス)となる。
【0037】そして、Z方向の中心点で半径0.315
cmの円周上の磁束密度のZ方向の成分は、図6に示す
ようになる。すなわち、Z軸の0を中心に、横軸は半径
0.315cm上の位置で、数字は72°毎のX座標と
Y座標となる。ここで、単位をX=0.315cm,Y
=0cmの点、すなわち高周波相互作用部6の端部の磁
束密度0.3164テスラ(3164ガウス)で正規化
した値となる。永久磁石45の切り欠き部46の位置(X=
0.315cm、Y=0cm,およびX=−0.315
cm、Y=0cm)では正規化磁束密度が約1であり、
切り欠き部46のない位置(X=0cm、Y=0.315
cmおよびX=−0.315cm、Y=0cm)では約
1.00014である。したがって、最大値と最小値と
の差は約0.00014であり、約0.00004テス
ラ(0.4ガウス)(0.00014×3164)でほ
とんど無視できる。したがって、永久磁石45に切り欠き
部46を形成するとともに、磁極42に水冷管挿通孔54を形
成しても、磁束密度への影響は0.000044テスラ
(0.44ガウス)しかなく、実用上問題がない。
【0038】上記実施の形態によれば、ドリフト管7、
スペーサ40、入力空胴11、中間空胴12〜16、出力空胴17
〜20および水冷管52をろう接して一体に形成するので相
互に十分密着しており、また熱伝導性の良い金属で形成
されているため、高周波損失電力とビームの損失電力に
よる発熱は水冷管52を通して速やかに冷却水に吸収され
るとともに、構造も複雑化しない。また、解析の結果に
示したように磁極42の水冷管挿通孔54および永久磁石45
の切り欠き部46は磁束密度にほとんど影響がないので、
電子ビームの透過にも影響がなく、動作が安定する。
【0039】また、所要の磁束密度を得るためには磁極
42および永久磁石45の内径は小さいほど磁力が小さくて
すむため小型化を図れるが、磁極42の内径はドリフト管
7、永久磁石45の内径は入力空胴11、中間空胴12〜16、
出力空胴17〜20の寸法で制約されている。
【0040】したがって所要の磁束密度を得るために
は、永久磁石45と、磁極42の外径を適切に選ぶ必要があ
るが、永久磁石45、切り欠き部46、および磁極42に水冷
管挿入孔54を形成しても、これらがない場合に比べそれ
ぞれ0.3cm、0.2cmの外径の増大にしかなら
ず、大型化することもない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、永久磁石の切り欠き部
に位置して冷却手段を配設することにより、ドリフト管
と永久磁石との間隙を広くすることなく冷却手段を配設
できるため、永久磁石を大きくすることなく冷却が可能
になり、装置を複雑化することなく高周波相互作用部を
確実に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクライストロン装置の一実施の形態の
高周波相互作用部を示す図2のI−I断面図である。
【図2】同上高周波相互作用部を示す横断面図である。
【図3】同上クライストロン装置を示す断面図である。
【図4】同上高周波相互作用部を示す斜視図である。
【図5】同上Z軸上における磁束密度を示すグラフであ
る。
【図6】同上高周波相互作用部の周囲の磁束密度を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 クライストロン装置 2 電子銃部 6 高周波相互作用部 7 ドリフト管 11 入力空胴 12〜16 中間空胴 17〜20 出力空胴 24 コレクタ部 31 入力部 34 出力部 40 スペーサ 42 磁極 45 永久磁石 46 切り欠き部 51 冷却手段 52 冷却管としての水冷管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを発生する電子銃部と、 一端にこの電子銃部が対向し真空気密を保つ長手管状の
    ドリフト管、このドリフト管の長手方向に複数形成され
    た空胴、前記ドリフト管および空胴の周囲にドリフト管
    の長手方向に沿って前記ドリフト管に対して間隙を介し
    て複数配設され周期磁界を形成する切り欠き部を有する
    永久磁石、前記永久磁石間の前記ドリフト管の周囲に位
    置して配設され磁気回路を構成する複数の磁極、少なく
    とも一部が前記永久磁石の切り欠き部に位置し前記ドリ
    フト管の長手方向に沿って配設された冷却手段を備え、
    高周波電力を増幅する高周波相互作用部と、 この高周波相互作用部に高周波電力を入力する入力部
    と、 前記高周波相互作用部からの高周波電力を出力する出力
    部と、 前記高周波相互作用部のドリフト管の他端側に位置し電
    子ビームを捕集するコレクタ部とを具備したことを特徴
    とするクライストロン装置。
  2. 【請求項2】 高周波相互作用部は、磁極間の前記ドリ
    フト管の周囲に配設された少なくとも一箇所に冷却手段
    に対応する凹部を有する円環状のスペーサを備え、 ドリフト管は前記スペーサを挿通する円管状で、前記ス
    ペーサに挿通される冷却手段はドリフト管の長手方向に
    沿った長手状で、前記ドリフト管、スペーサおよび冷却
    手段はろう接により一体的に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載のクライストロン装置。
  3. 【請求項3】 冷却手段は、内部に冷却液が流通可能
    な冷却管で構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のクライストロン装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106783475A (zh) * 2017-03-01 2017-05-31 中国科学院电子学研究所 星载速调管散热装置
CN107978504A (zh) * 2017-12-31 2018-05-01 中国电子科技集团公司第十二研究所 一种磁控管能量输出器及包括该能量输出器的磁控管

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