JP2003344383A - ホルムアルデヒド測定用試薬 - Google Patents

ホルムアルデヒド測定用試薬

Info

Publication number
JP2003344383A
JP2003344383A JP2002155181A JP2002155181A JP2003344383A JP 2003344383 A JP2003344383 A JP 2003344383A JP 2002155181 A JP2002155181 A JP 2002155181A JP 2002155181 A JP2002155181 A JP 2002155181A JP 2003344383 A JP2003344383 A JP 2003344383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reagent
silver
formaldehyde
carbonate
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002155181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003344383A5 (ja
Inventor
Takashi Kojima
孝 小島
Masaharu Kurooka
正治 黒岡
Tomohiro Ito
智博 伊藤
Hitoshi Uemori
仁志 上森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002155181A priority Critical patent/JP2003344383A/ja
Publication of JP2003344383A publication Critical patent/JP2003344383A/ja
Publication of JP2003344383A5 publication Critical patent/JP2003344383A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な分析機器や煩雑な操作を必
要とせず、また、ホルムアルデヒドを特異的に測定でき
る簡便なホルムアルデヒド測定用試薬並びにそれを用い
た測定方法の提供。 【解決手段】 銀塩を担持させた担体を含んでな
るホルムアルデヒド測定用試薬、銀塩及び炭酸塩を担持
させた担体を含んでなるホルムアルデヒド測定用試薬並
びにこれら試薬を用いたホルムアルデヒドの測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩を担持させた
担体を含んでなるホルムアルデヒドガス測定用試薬及び
その試薬を用いたホルムアルデヒドガス測定方法に関す
る発明である。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の建材や家具の材料等に由来
する揮発性化学物質が、その住人の健康に様々な影響与
えるシックハウス症候群が問題となっている。シックハ
ウス症候群の原因とされる揮発性化学物質の中でも、ホ
ルムアルデヒドはその主たる原因物質とされており、特
に注目を浴びている。厚生労働省は、このホルムアルデ
ヒドによる健康被害を防止する室内濃度指針値(ガイド
ライン)を0.08ppmと規定しており、低濃度でも人々の
健康に影響を与えるおそれがあるとしている。従って、
ホルムアルデヒドの測定は微量のそれを測定し得ること
が求められており、従来は液体クロマトグラフィーやガ
スクロマトグラフィー等の分析機器を用いた測定方法に
よりなされることが多かった。しかしながら、ホルムア
ルデヒドの測定は住宅等でなされることが多く、上記の
ような高価な分析機器を必要としない簡易な測定方法の
開発が望まれていた。
【0003】また、従来用いられていた、還元により銀
が呈色することを利用したトレンス反応等を利用した、
分析機器を必要としない測定方法では、試薬自身が還元
され易いため、測定時に試薬を調製する必要があり、ま
た、測定する環境中のホルムアルデヒドガスを一度蒸留
水等に抽出し、水溶液試料とした後に分析を行う必要が
あり、操作が煩雑であるという問題点を有していた。
【0004】一方、簡易な測定方法として、例えば、ア
ルデヒド等のカルボニル基を有する化合物とヒドロキシ
ルアミンとを反応させ、オキシムを生成する反応を利用
した特許3187235号に記載の方法等がある。しかしなが
ら、この方法では、ヒドロキシルアミンがホルムアルデ
ヒドとだけでなくその他のアルデヒド類とも反応するた
め、ホルムアルデヒドを特異的に精度良く測定すること
はできず、また、塩基性ガス、酸性ガス或いは有機溶媒
ガスの共存により、測定値に大きな誤差が生じるという
問題点も有していた。
【0005】上記のように、ホルムアルデヒドの測定は
種々改良がなされているが、高価な装置を必要とする、
簡易な測定方法でない、ホルムアルデヒドを特異的に精
度良く測定することができない等の問題点全てを解決し
た方法は未だ見出されておらず、現在それらを克服した
簡便な測定方法の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、高価な分析機器や煩雑な
操作を必要とせず、また、ホルムアルデヒドを特異的に
測定できる簡便なホルムアルデヒド測定用試薬並びにそ
れを用いた測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する目的でなされたものであり、銀塩を担持させた担体
を含んでなるホルムアルデヒド測定用試薬、銀塩及び炭
酸塩を担持させた担体を含んでなるホルムアルデヒド測
定用試薬並びにこれら試薬を用いたホルムアルデヒドの
測定方法に関するものである。
【0008】即ち、本発明者らは、上記した如き問題点
を有さない、簡便で感度が高く且つ特異性の高いホルム
アルデヒド測定用試薬並びに方法を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、銀塩が担持された担体或いは銀塩及び炭
酸塩を担持させた担体とホルムアルデヒドとを接触させ
銀塩がホルムアルデヒドにより還元されて呈色する現象
を利用すれば上記した如き目的を達成し得ることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に係る銀塩としては、ホルムアルデ
ヒドと接触して反応することにより銀に還元され得るも
のであれば特に限定はされず、例えば硝酸銀、硫酸銀、
過塩素酸銀、酢酸銀、シュウ酸銀、酪酸銀、リン酸銀等
が挙げられ、中でも感光性が低いものが好ましく、例え
ば硝酸銀等が好ましい。
【0010】本発明に係る担体としては、銀塩を担持し
得るものであればよく、例えばガラス繊維濾紙、ポリス
チレン、ポリスチレンジビニルベンゼン共重合体、シリ
カゲル、石英粒、アルミナ、フロリジル、ガラスビー
ズ、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、好ま
しくはガラス繊維濾紙、ポリスチレン、ポリスチレンジ
ビニルベンゼン共重合体、シリカゲル、石英粒、アルミ
ナ、フロリジル、ガラスビーズ等であり、より好ましく
はシリカゲル、アルミナ、ガラスビーズであり、更に好
ましくはシリカゲルである。尚、ガラス繊維濾紙、ガラ
スビーズ等のガラス製物質を用いる場合、その表面積を
増加して試料との接触を容易にするために、フッ化水素
酸等のフッ素化合物による処理を行ったものや水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリで処理を
おこなったものを用いてもよい。その処理方法は、例え
ば以下の如く行えばよい。即ち、例えばガラスビーズと
フッ化水素酸を用いる場合、ガラスビーズを、通常0.5
〜48%、好ましくは1〜30%のフッ化水素酸中に浸漬
し、0.5〜48時間静かに攪拌する。次いで、上清を除去
し蒸留水で洗浄した後、乾燥することによりフッ化水素
酸処理をしたガラスビーズが得られる。
【0011】また、上記担体の表面酸性度は中性から塩
基性であることが好ましく、具体的には通常pH3〜1
2、好ましくはpH4〜10である。尚、このpH値は、担
体を脱炭酸ガス蒸留水に浸漬して空気と遮断し、その状
態で30分間静置した後、その上清をpHメーターを使用
して測定した値を表す。その際に用いられる脱炭酸ガス
蒸留水の量は、担体5gに対して50mlである。また、担
体の表面酸性度が上記範囲外である場合は、その値が上
記範囲内となるように担体を調製することが好ましく、
その方法としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等のアルカリ水溶液に担体を一定時間浸漬後、洗浄し乾
燥することにより行えばよく、そのアルカリ水溶液の量
及び濃度は、表面酸性度が上記範囲内になるように適宜
調節すればよい。
【0012】本発明の試薬としては、上記の銀塩を上記
担体に担持させたもの(以下、銀塩担持担体と略記する
場合がある)を含むものであり、ホルムアルデヒドと接
触することにより呈色を示すものである。また、銀塩及
び炭酸塩を上記担体に担持させたものを含んでなるもの
(以下、銀塩・炭酸塩担持担体と略記する場合がある)
も本発明の試薬に含まれる。このような銀塩・炭酸塩担
持担体を用いることにより、酢酸ガスや塩酸ガス等に代
表される酸性ガスが銀塩担持担体に及ぼす影響を回避又
は除去することができる。このような銀塩・炭酸塩担持
担体は、担体一粒子に対して銀塩及び炭酸塩両者を担持
させたものでも、銀塩担持担体と炭酸塩とを混合したも
のでも、銀塩担持担体と炭酸塩を担持させた担体(以
下、炭酸塩担持担体と略記する場合がある)とを混合し
たものの何れでもよいが、銀塩と炭酸塩とを反応させず
に調製するのが容易であり且つ混合時にこれらの混ざり
具合が均一となり易い、銀塩担持担体と炭酸塩担持担体
を混合したものが好ましい。更にまた、上記した如き銀
塩担持担体又は銀塩・炭酸塩担持担体を、ガラス製又は
プラスチックス製の管或いはポリエチレン製等のチュー
ブに充填したもの(以下、本発明の検知管試薬と略記す
る場合がある)、コップ、ビーカー、試験管等の容器に
上記した如き銀塩担持担体又は銀塩・炭酸塩担持担体を
入れたもの、ネット等の気体の流通が可能な袋に上記し
た如き銀塩担持担体又は銀塩・炭酸塩担持担体を入れた
もの等も本発明の試薬に含まれるが、中でも、本発明の
検知管試薬が呈色の判別のし易さ等の点から好ましく、
銀塩・炭酸塩担持担体を充填した検知管試薬が特に好ま
しい。尚、本発明の試薬の調製時及び保存時には、感光
性による銀塩の還元を避けるため、試薬を入れる容器等
をアルミホイル、布等で覆う、試薬を入れる容器等には
褐色のものを用いる等の遮光処理を施すことが望まし
い。
【0013】本発明に係る銀塩担持担体を調製するに
は、例えば以下の如く行えばよい。即ち、例えば上記し
た如き銀塩水溶液を担体に滴下後、乾燥させることによ
り調製すればよい。その際、減圧又は真空下で乾燥して
も、加熱下で乾燥しても、加熱減圧又は加熱真空下で乾
燥してもよい。この銀塩担持担体の調製時に用いられる
銀塩水溶液の濃度としては、用いられる銀塩の種類及び
用いられる担体の種類により異なるが、通常0.001〜1g/
ml、好ましくは0.01〜0.3 g/mlである。また、その銀塩
水溶液の量は、用いられる担体の種類及びその濃度によ
り異なるが、担体100gに対して通常5〜500 ml、好まし
くは10〜200 mlである。また、最終的に担体に担持され
る銀塩の量は、本発明の試薬の総重量に対して通常0.02
〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0014】本発明に係る炭酸塩としては、その水溶液
がアルカリ性を示すものであればよいが、具体的には例
えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム等が挙げられ、中
でも炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等が好
ましい。また、炭酸塩を担持させる担体の具体例として
は、上記した銀塩担持担体を調製する際に用いられるも
のと同じものが挙げられる。また、その担体は、同時に
用いられる銀塩担持担体を調製する際に用いたものと同
じものである方が、均一に混合させ易くなるので、望ま
しい。
【0015】炭酸塩を上記担体に担持させる方法として
は、上記炭酸塩の水溶液を担体に滴下し、乾燥させるこ
とによりなされる。その際、減圧又は真空下で乾燥して
も、加熱下で乾燥しても、加熱減圧又は加熱真空下で乾
燥してもよい。この際の濃度としては、用いられる炭酸
塩の種類及び用いられる担体の種類、銀塩・炭酸塩担持
担体の調製方法等により異なるが、通常10〜100mg/ml、
好ましくは20〜80mg/mlである。また、炭酸塩水溶液の
量は、用いられる担体の種類及び炭酸水溶液の濃度、銀
塩・炭酸塩担持担体の調製方法等により異なるが、担体
100gに対して通常5〜100ml、好ましくは10〜50mlであ
る。また、最終的に担体に担持される炭酸塩の量は、本
発明の試薬の総重量に対して例えば担体一粒子に対して
銀塩及び炭酸塩両者を担持させる場合、通常0.1〜20重
量%、好ましくは0.2〜10重量%であり、例えば銀塩担
持担体と炭酸塩担持担体とを混合する場合、炭酸塩担持
担体中の濃度として、通常0.2〜50重量%、好ましくは2
〜25重量%である。
【0016】また、銀塩・炭酸塩担持担体を調製する方
法として、例えば担体一粒子に対して銀塩及び炭酸塩両
者を担持させる場合には、担体に上記した如き方法で銀
塩を担持させ、その後上記した如き方法で炭酸塩を担持
させればよい。また、炭酸塩を担持させた後に銀塩を担
持させてもよい。また、例えば銀塩担持担体と炭酸塩と
を混合する場合や銀塩担持担体と炭酸塩担持担体とを混
合する場合には、銀塩担持担体と、炭酸塩又は炭酸塩担
持担体とが充分混合する方法であればよく、例えば乳鉢
等を用いて充分混合する等すればよい。銀塩・炭酸塩担
持担体を調製する際の銀塩担持担体と炭酸塩担持担体と
の混合物の混合比率としては、通常20:1〜1:2、好ま
しくは10:1〜1:1である。但し、銀塩担持担体と炭酸
塩とを混合する場合の混合比率は、通常20:1〜2:1で
ある。
【0017】本発明の検知管試薬を作製する場合には、
ガラス製又はプラスチックス製の管或いはポリエチレン
製等のチューブ等の一端を封じた後、そこに上記の如く
調製した試薬を充填し、他の一端にガラスウール、ガラ
ス繊維ろ紙、多孔性プラスチックス等のストッパーを詰
めることにより作製すればよい。尚、吸引機を用いて測
定する場合には、上記の管の一端に上記ストッパーを詰
めた後に、上記の如く調製した試薬を充填するだけでよ
く、ストッパーを有する端に吸引機を接続し、吸引する
ことにより目的の測定が可能となる。
【0018】本発明の試薬は、本発明に係る銀塩がホル
ムアルデヒドと接触することで銀に還元され呈色をする
反応を利用するものである。従って、本発明の試薬は、
その呈色の色、度合い等を基に容易にホルムアルデヒド
濃度を測定することができる。例えば銀塩として硝酸銀
塩を用い担体にシリカゲルを用いた場合、接触させるホ
ルムアルデヒドの濃度が高くなるにつれて、白色、灰
色、黒色と呈色が黒に近づくので、その色の変化から濃
度を測定することが可能であり、また例えば銀塩として
硝酸銀塩を用い担体にアルミナを用いた場合、接触させ
るホルムアルデヒドの濃度が高くなるにつれて、その表
面に占める黒色の割合が増えるので、その割合からホル
ムアルデヒド濃度を測定することも可能である。さら
に、本発明の一端が封じた検知管試薬を用いる場合、或
いは吸引機を用いて本発明の検知管に気体試料を導入す
る場合には、一端から呈色が始まるため、その上端から
の呈色層の長さを測定することによってもホルムアルデ
ヒドの濃度を測定することが可能となる。
【0019】本発明に係る気体試料としては、ホルムア
ルデヒドガスを含有しているものであれば特に限定はさ
れないが、例えば建築物の室内等から得られる空気、食
器棚等の家具内部から得られる空気等のホルムアルデヒ
ドガスを含有する環境にある気体が挙げられる。また、
その試料中に含まれるホルムアルデヒドガス検出濃度範
囲は、通常、0.005〜500ppm、少なくとも0.02〜100ppm
の範囲である。
【0020】本発明の試薬を用いて、ホルムアルデヒド
を測定する方法としては、気体試料を本発明の試薬と接
触させ、それによる本発明の試薬の色の変化の観察、或
いは検知管試薬を用いる場合であれば呈色層の長さを測
定すればよく、具体的には以下の如く行えばよい。即
ち、例えば環境中或いは室内の空気等を採取し、ポリエ
チレン製等の容器内に密閉し、その密閉容器に上記の如
く調製された試薬を通常1〜48時間、好ましくは5〜24時
間放置した後の試薬の色の変化又は呈色層の長さからホ
ルムアルデヒド濃度を測定する。また、密閉容器等を使
用せずに試薬を一定時間測定対象の気体試料が存在する
環境中に放置し、その試薬の色の変化又は呈色層の長さ
からホルムアルデヒド濃度を測定してもよい。さらに、
例えば本発明の検知管試薬の一端にエアーポンプ等の吸
引機を接続し、該吸引機により測定気体試料の一定量を
検知管試薬の他端から吸引することにより該検知管試薬
と気体試料とを接触させ、それにより試薬の呈色又は呈
色層の長さを測定することによりホルムアルデヒドの測
定を行ってもよい。
【0021】上記した如く特徴を有する本発明の試薬
は、銀塩担持担体を含むものであり、従来問題となって
いた操作の煩雑さ、精度の低さ等の問題を解決したホル
ムアルデヒド測定用試薬である。
【0022】以下に実施例及び実験例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定され
るものではない。 実施例1 (1)検知管の作製 硝酸銀含有シリカゲル(以下、硝酸銀シリカゲルと略
記する)の調製 500ml褐色ナス型フラスコ中に収納したシリカゲル(Wako
gel C-200(粒径:75-150μmを75%以上含有)、和光純
薬工業(株)製)90gに、硝酸銀10gを蒸留水50mlに溶解
して調製した硝酸銀水溶液を少量ずつ滴下後、シリカゲ
ル全体にまんべんなく混ざるように容器ごと振盪を行っ
た。更に、調製した硝酸銀水溶液を少量滴下後に振盪を
する操作を繰り返し、硝酸銀水溶液全量を加えた。この
硝酸銀水溶液含有シリカゲルを80℃の水浴で加熱下、ロ
ータリーエバポレーターを使用して真空乾燥を2時間行
い、硝酸銀シリカゲル100.5gを得た。 硝酸銀シリカゲル検知管の作製 内径5mmのガラス管の一端をガラス細工用ガスバーナー
で熔封した後、反対側の一端からで調製した硝酸銀シ
リカゲル1.5gを該ガラス管に充填した。充填後、硝酸銀
シリカゲル層の上端にガラスウールをストッパーとして
詰めて硝酸銀シリカゲル検知管を作製した。尚、作製し
た検知管は褐色デシケーター中に保存した。
【0023】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 ホルムアルデヒドガスを含む環境に検知管を静置し一定
時間後に検知管の呈色層の長さを測長するパッシブ法に
より測定を行った。操作方法:10Lガラス瓶を用い、各
瓶内のホルムアルデヒドガス濃度が0、0.05、0.1、0.2、
0.5、1、2ppmとなるように調製し、各種ガス濃度のガラ
ス瓶の中に上記(1)で作製した検知管を入れて室温
(18-22℃)で24時間静置した。24時間静置後、検知
管を取り出して、呈色層の長さの測定及び呈色の観察を
行った。得られた結果を表1に示す。尚、表中の検知管
呈色層の長さが長いほど、また色調が黒に近いほどホル
ムアルデヒドの濃度が高いことを示す。以下、測定結果
に於ける表記は同様の意味を表す。
【0024】
【表1】
【0025】この結果から硝酸銀シリカゲル検知管を用
いてパッシブ法で測定することによって、0.05ppm以上
のホルムアルデヒドガスを測定し得ることが判明した。
【0026】実施例2 (1)検知管の作製 実施例1(1)で作製した硝酸銀シリカゲル1.5gを、
内径5mmのガラス管の一端をガラス細工用ガスバーナー
で熔封したものに充填し検知管を作製した。尚、作製し
た検知管は褐色デシケーター中に保存した。
【0027】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 実施例1と同様にパッシブ法で測定を行った。操作方
法:10Lガラス瓶を用い、各瓶内のホルムアルデヒドガ
ス濃度が0、0.02、0.04、0.08、0.2、0.5、1ppmとなるように
調製し、各種ガス濃度のガラス瓶の中に上記(1)で作
製した検知管を入れて室温(21-24℃)で48時間静置し
た。48時間静置後、検知管を取り出して、呈色層の長さ
の測定及び呈色の観察を行った。得られた結果を表2に
示す。
【0028】
【表2】
【0029】この結果から硝酸銀シリカゲル検知管を用
いてパッシブ法で静置時間を48時間として測定するこ
とによって、0.02ppm以上のホルムアルデヒドガスを測
定し得ることが判明した。
【0030】実施例3 (1)検知管の作製 内径2mmのガラス管(キャピラリー)の一端をガラス細工
用ガスバーナーで熔封した後、反対側の一端から実施例
1(1)で調製した硝酸銀シリカゲル0.15gを充填し
た。充填後、硝酸銀シリカゲル層の上端にガラスウール
をストッパーとして詰めて硝酸銀シリカゲル検知管を作
製した。尚、作製した検知管は褐色デシケーター中に保
存した。
【0031】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 3Lガラス瓶を用い、各瓶内のホルムアルデヒドガス濃度
が0、0.1、0.5、1、5ppmの5種類の濃度になるよう調製
した。各種ガス濃度のガラス瓶の中に上記(1)で作製
した検知管を入れて室温(18-22℃)で24時間静置し
た。24時間静置後、検知管を取り出して、呈色層の長さ
の測定及び呈色の観察を行った。得られた結果を表3に
示す。
【0032】
【表3】
【0033】この結果から、検知管試薬に充填する硝酸
銀シリカゲルの量を実施例1の10分の1量である0.15g
にしても、0.1ppm以上のホルムアルデヒドガスを測定し
得ることが判明した。即ち、本発明によれば、充填する
硝酸銀シリカゲル量が0.15g程度の少量でも感度良くホ
ルムアルデヒドを測定することが可能であること、更に
は、ガラス管の内径を小さくすることでホルムアルデヒ
ド濃度当たりの呈色層の長さが長くなり、測定がしやす
くなることが分かった。
【0034】実施例4. (1)検知管の作製 酢酸銀含有シリカゲル(以下、酢酸銀シリカゲルと略
記する)の調製 シリカゲル(Wakogel C-200(粒径:75-150μmを75%以上
含有)、和光純薬工業(株)製)99gを500mlの褐色ナス
型フラスコに入れ、酢酸銀1gを蒸留水150mlに溶解して
調製した酢酸銀水溶液50ml(全量の3分の1)を加え
て、シリカゲルの全体に行き渡るように混合した。これ
を浴温60℃の水浴で加熱下、ロータリーエバポレーター
を使用して真空乾燥を1時間行った。このように酢酸銀
水溶液50mlを加え加温下で真空乾燥する操作を、更に2
回繰り返して酢酸銀溶液全量をシリカゲルに担持させ
た。尚、3回目の乾燥は2時間行い、最終的に酢酸銀シ
リカゲルを101g得た。 酢酸銀シリカゲル検知管の作製 内径5mmのガラス管の一端をガラス細工用ガスバーナー
で熔封した後、反対側の一端から上記で調製した酢酸
銀シリカゲル1.5gを充填した。充填後、酢酸銀シリカゲ
ル層の上端にガラスウールをストッパーとして詰めて酢
酸銀シリカゲル検知管を作製した。尚、作製した検知管
は褐色デシケーター中に保存した。
【0035】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 10Lガラス瓶を用い、各瓶内のホルムアルデヒドガス濃
度が0、0.08、0.2、0.5、1、2ppmとなるように調製し、
各種ガス濃度のガラス瓶の中に上記(1)で作製した検
知管を入れて室温(20-23℃)で24時間静置した。24時
間静置後、検知管を取り出して、呈色層の長さの測定及
び呈色の観察を行った。得られた結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】この結果から酢酸銀シリカゲル検知管を用
いてパッシブ法で測定することによって、0.08ppm以上
のホルムアルデヒドガスを測定し得ることが判明した。
【0038】実施例5. (1)検知管の作製 硝酸銀含有ガラスビーズ(以下、硝酸銀ガラスビーズ
と略す)の調製 ガラスビーズ(粒径:35〜0.50mm)200gを容積1Lのポリ
エチレン製ビーカーに入れ、そこに48%ふっ化水素酸100
gを蒸留水300mlで希釈したふっ化水素酸水溶液を加え
た後、室温で12時間静かに攪拌を行った。上澄み液を
除去後、洗浄液のpHが蒸留水のpHと同じになるまで
蒸留水で洗浄を繰り返し行った。ガラスろ過器を用いて
洗浄液を除去後、加熱乾燥器を使用して乾燥を行って表
面処理済みガラスビーズ173gを得た。
【0039】得られた表面処理済みガラスビーズ30gを
容量200mlの褐色ナス型フラスコに取り、試薬の硝酸銀
0.3gを蒸留水45mlに溶解して調製した硝酸銀水溶液約8
ml加え、容器ごと振盪を行った。次に浴温60℃の水浴で
加熱下ロータリーエバポレーターを用いて真空乾燥を30
分間行った。硝酸銀水溶液の全量を添加し終わるまで、
硝酸銀水溶液の添加、振盪と真空乾燥を繰り返し、最後
に残りの硝酸銀水溶液5mlを添加後1時間乾燥行い、硝
酸銀ガラスビーズ30.5gを得た。 硝酸銀ガラスビーズ検知管の作成 内径5mmのガラス管(キャピラリー)の一端をガラス細工
用ガスバーナーで熔封した後、上記の方法で調製した硝
酸銀ガラスビーズを5.5g充填した。硝酸銀ガラスビーズ
層の上端にガラスウールをストッパーとして詰めて硝酸
銀ガラスビーズ検知管を作製した。尚、作製した検知管
は褐色デシケーター中に保存した。
【0040】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 10Lガラス瓶を用い、各瓶内のホルムアルデヒドガス濃
度が0、0.25、0.5、1、2.5ppmとなるよう調製し、各種
ガス濃度のガラス瓶の中に上記(1)で作製した検知管
を入れて室温(21〜24℃)に24時間静置した。24時間静
置後、検知管を取り出して、呈色層の長さの測定及び色
調の観察を行った。得られた結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】この結果から硝酸銀ガラスビーズ検知管を
用いてパッシブ法で測定することによって、0.25ppm以
上のホルムアルデヒドガスを測定し得ることが判明し
た。
【0043】実施例6 (1)検知管の作製 硝酸銀含有アルミナ(以下、硝酸銀アルミナと略記す
る)の調製 300ml褐色ナス型フラスコ中に収納した活性アルミナ,A
bout 75μm(粒径:45-150μmを90%以上含有、和光純薬
工業(株)製)47.5gに、硝酸銀2.5gを蒸留水20mlに溶解
して調製した硝酸銀水溶液を少量ずつ滴下後、アルミナ
全体にまんべんなく混ざるように容器ごと振盪を行っ
た。更に、調製した硝酸銀水溶液を少量滴下後に振盪す
る操作を繰り返し、硝酸銀水溶液全量を加えた。この硝
酸銀水溶液含有アルミナを82℃の水浴で加熱下、ロータ
リーエバポレーターを使用して真空乾燥を2.5時間行
い、硝酸銀アルミナ51.2gを得た。 硝酸銀アルミナ検知管の作製 ポリエチレン製サンプルチューブ(内径8mm、長さ30m
m)にで調製した硝酸銀アルミナ1.5gを充填した。充
填後、硝酸銀アルミナ層の上端を、先端が平らなガラス
棒で平らにならした後、直径8mmの円形ガラス繊維ろ紙
を硝酸銀アルミナ層の上端から3mm離して載せてストッ
パーとし、硝酸銀アルミナ検知管を作製した。尚、作製
した検知管は褐色デシケーター中に保存した。
【0044】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定と観察 ホルムアルデヒドガスを含む環境に検知管を静置し一定
時間後に検知管の呈色層を観察するパッシブ法で測定を
行った。操作方法:10Lガラス瓶を用い、各瓶内のホル
ムアルデヒドガス濃度が0、0.04、0.08、0.2、0.5、1pp
mとなるよう調製し、各種ガス濃度のガラス瓶の中に上
記(1)で作製した検知管を入れて室温(22-25℃)で2
4時間静置した。24時間静置後、検知管を取り出し、ガ
ラス繊維ろ紙製ストッパーを除いた後、呈色層の長さの
測定及び呈色の観察を行った。得られた結果を表6に示
す。尚、表面の黒色度とは、検知管の上部表面(直径8
mmの円形部分)に於いて黒色に変化した部分が占める面
積の割合を、目視により測定したものを表す。
【0045】
【表6】
【0046】この結果、硝酸銀アルミナ検知管をパッシ
ブ法で用いて、硝酸銀アルミナ検知管の表面の黒色度を
測定することによっても、0.04ppm以上のホルムアルデ
ヒドガスを測定し得ることが判明した。
【0047】実施例7 (1)検知管の作製 硝酸銀アルミナは、実施例6で調製したものを使用し
た。 硝酸銀アルミナ検知管の作製 ガラス管の一端が内径約2mm×0.5cmであり、その他の部
分が内径5mm×6cmあるガラス管を作製し、該ガラス管の
内径約2mm×0.5cmの部分にガラスウールをストッパーと
して詰めた後、他端から硝酸銀アルミナ1.8gを充填し
た。充填後、硝酸銀アルミナ層の上端にガラスウールを
ストッパーとして詰めて硝酸銀アルミナ検知管を作製し
た。尚、作製した検知管は褐色デシケーター中に保存し
た。 (2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する検知管の呈色
層の測定と観察 ホルムアルデヒドガスを含む気体試料をエアーポンプを
用いて検知管に通気し、その際に検知管が示す呈色を観
察するアクティブ法により測定を行った。即ち、先ず10
Lポリエチレン製コンテナーを用い、その各コンテナー
内のホルムアルデヒドガス濃度が0、0.04、0.08、0.2、
0.5、1ppmとなるように調製し、該各コンテナーに上記
(1)で作製した検知管の内径5mmの一端を接続し、更
に該検知管の他端に定量ポンプを接続した。その後、室
温(23-24℃)下、流速毎分120mlでポンプを運転し、検
知管にホルムアルデヒドガスを含む気体試料を通気し
た。全量の10Lを通気した後に、呈色層幅の長さの測定
及び呈色の観察を行った。得られた結果を表7に示す。
尚、表面の黒色度とは、検知管の上部表面(直径5mmの
円形部分)に於いて黒色に変化した部分が占める面積の
割合を、目視により測定したものを表す。
【0048】
【表7】
【0049】この結果、硝酸銀アルミナ検知管を用いて
アクティブ法で測定した場合の感度は0.04ppm以上あ
り、実施例6の結果と同じであった。即ち、本発明の検
知管試薬に気体試料をポンプ等で通気するアクティブ法
によっても、パッシブ法による測定と同じ感度でホルム
アルデヒドガスを測定し得ることが判明した。また、こ
の方法によれば約1.5時間で目的の測定を実施し得るこ
とが分かった。
【0050】実験例1 各種アルデヒドガスの共存によりホルムアルデヒドの測
定が妨害されるかどうかを調べるため、本発明の検知管
試薬の各種アルデヒドに対する感度を測定した。
【0051】検知管は、実施例1(1)で作製したものを
用い、実験は以下のように行った。即ち、3Lガラス瓶
を用い、各瓶内に所定のアルデヒドガス1種を入れ、そ
の濃度が1ppmとなるように調製し、該ガラス瓶の中に検
知管を入れて室温(21〜24℃)で24時間静置した。その
後、検知管を取り出して、呈色層の長さの測定及び呈色
の観察を行った。検知管の幅がホルムアルデヒドガス測
定時の1ppmに相当する呈色に達しなかった場合、アルデ
ヒドガスの濃度を20ppmに上げて同様に実験を行った。
以後同様に、検知管の呈色層の長さと色調がホルムアル
デヒド測定時の1ppmに相当するこれらに達しなかった場
合は、アルデヒドガス濃度を50、100ppmと上げていき、
ホルムアルデヒド1ppm測定時の呈色の色調を指標に各種
アルデヒドに対する検知管の感度を決定した。その結果
を表8に示す。
【0052】
【表8】
【0053】上記の結果から明らかなように、いずれの
アルデヒドもホルムアルデヒドの20分の1以下の検出
感度であり、共存してもホルムアルデヒドの検出時に影
響を及ぼす可能性が低いことが分かった。
【0054】実験例2 実験例1と同様に各種有機溶媒ガス、酸性ガス、塩基性
ガスを用いた場合のホルムアルデヒドガス1ppmに相当す
る濃度の感度の実験を行った。
【0055】検知管は実施例1で作製したものを用い、
実験操作は実験例1と同様にして行った。尚、有機溶媒
に関しては、その濃度を1000ppmとした場合についても
検討を行った。その結果を表9に示す。
【0056】
【表9】
【0057】この結果から、アンモニアは約500ppmでホ
ルムアルデヒド1ppmに相当する呈色を示したが、その他
の溶媒は1000ppmでも呈色を示さず、これらがホルムア
ルデヒドの検出時に影響を及ぼす可能性が低いことが分
かった。
【0058】実験例3 実験例2で検討した各種溶媒についてホルムアルデヒド
0.1ppmを測定する際に妨害を与える濃度について検討を
行った。
【0059】検知管は、実施例1で作製したものを用
い、以下のように実験を行った。即ち、3Lガラス瓶を
用い、各瓶内に各種溶媒1種とホルムアルデヒドを入
れ、その濃度が100ppmで且つホルムアルデヒド濃度が0.
1ppmとなるように調製した。該ガラス瓶の中に検知管を
入れて室温(21〜24℃)下に24時間静置した後、検知管
を取り出して、呈色層の長さの測定及び呈色の色調を観
察した。検知管の呈色層の長さがホルムアルデヒド0.1p
pmの測定時と同じであった場合は、各種溶媒の濃度を20
0ppmに上げて同様に実験を行った。以後同様に、検知管
の呈色層の長さがホルムアルデヒド0.1ppm測定時と同じ
であった場合は、各種溶媒濃度を300、400、500、1000p
pmと上げていき、各溶媒がホルムアルデヒド0.1ppm測定
時に影響を及ぼす濃度を測定した。その結果を表10に
示す。
【0060】
【表10】
【0061】その結果、有機溶媒及びアンモニアは、10
0ppm以下であれば、ホルムアルデヒドガス0.1ppmの測定
に影響を及ぼさないことが分かった。また、酢酸は10pp
mの存在でホルムアルデヒドガス0.1ppmの測定に影響を
及ぼすことが分かった。従って、これら有機溶媒及びア
ンモニア等の塩基性ガスは、通常の環境下では測定に影
響を及ぼさないものの、酢酸等の酸性ガスに関しては測
定への影響を考慮すべきであることが分かった。
【0062】実施例8. (1)検知管の作製 硝酸銀シリカゲルの調製 1L褐色ナス型フラスコ中に収納したシリカゲル(Wakogel
C-200)99gに、硝酸銀1.25gを蒸留水25mlに溶解して調
製した硝酸銀水溶液を少量ずつ滴下、シリカゲルの全体
にまんべんなく混ざるように容器ごと振盪を行った。更
に、調製した硝酸銀水溶液を少量滴下後に振盪をする操
作を繰り返し、硝酸銀水溶液全量を加えた。得られた硝
酸銀水溶液含有シリカゲルを60℃の水浴で加熱下、ロー
タリーエバポレーターを使用して真空乾燥を2時間行
い、1%硝酸銀シリカゲル100.2gを得た。 炭酸水素ナトリウムシリカゲルの調製 500ml褐色ナス型フラスコ中に収納したシリカゲル(Wako
gel C-200)49gに、炭酸水素ナトリウム1.25gを蒸留水22
mlに溶解して調製した炭酸水素ナトリウム水溶液を少量
ずつ滴下、シリカゲルの全体にまんべんなく混ざるよう
に容器ごと振盪を行った。更に、上記硝酸銀シリカゲル
の調製と同様に、滴下及び振盪の操作を繰り返し、炭酸
水素ナトリウム水溶液全量を加えた。これを80℃の水浴
で加熱下で、ロータリーエバポレーターを使用して真空
乾燥を1時間行い、2.5%炭酸水素ナトリウムシリカゲル
50.2gを得た。 炭酸水素ナトリウム含有硝酸銀シリカゲルの調製 次に調製した1.25%硝酸銀シリカゲル40gと2.5%炭酸水素
ナトリウムシリカゲル10gとを乳鉢中で十分混合して0.5
%炭酸水素ナトリウム含有1.0%硝酸銀シリカゲル(以
下、炭酸水素Na含有硝酸銀シリカゲルと略記する)を調
製した。 炭酸水素Na含有硝酸銀シリカゲル検知管の作成 内径5mmのガラス管の一端をガラス細工用ガスバーナー
で熔封した後、上記で調製した炭酸水素Na含有硝酸銀
シリカゲル1.0gをガラス管に充填した。充填後、炭酸
水素Na含有硝酸銀シリカゲル層の上端にガラスウールを
ストッパーとして詰めて炭酸水素Na含有硝酸銀シリカゲ
ル検知管を作製した。尚、作製した検知管は褐色デシケ
ーター中に保存した。
【0063】(2)各種ホルムアルデヒド濃度に対する
検知管の呈色層の測定 3Lガラス瓶を用いてホルムアルデヒドのガス濃度0pp
m、0.1ppm、0.5ppm、2ppmとなるように調製した。各種
ガス濃度の気体を各々3本づつ調製し、その3本のガラ
ス瓶に酢酸を添加し、酢酸ガス濃度がそれぞれ5、20、5
0ppmになるように調製した。このガラス瓶を室温70℃の
空気恒温槽に6時間入れて酢酸を気化させた。その後、
各ガラス瓶の中に炭酸水素Na含有硝酸銀シリカゲル検知
管を入れて室温(21-24℃)で24時間静置した。24時間
後に検知管を取り出して、呈色層の長さの測定及び色調
の観察を行った。結果を表11に示す。
【0064】
【表11】
【0065】この結果から、炭酸水素Na含有硝酸銀シリ
カゲル検知管を用いることによって、5〜50ppmの酢酸蒸
気が共存しても、その影響をうけることなくホルムアル
デヒドを測定し得ることが判明した。
【0066】
【発明の効果】本発明は、ホルムアルデヒドを特異的に
且つ少なくとも0.02ppm以上の感度で測定することを可
能とする方法及びそれに用いられる試薬を提供するもの
であり、また、各種有機溶媒ガス、酸性ガス、塩基性ガ
ス等が気体試料中に混合していても影響を受けずに精度
の高いホルムアルデヒド測定を行うことができる方法及
びそれに用いられる試薬を提供するものである。更に、
本発明の方法及びそれに用いられる試薬は、高価な機器
を必要とせず、操作も簡易であるので、優れたホルムア
ルデヒド簡易測定用試薬である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上森 仁志 埼玉県川越市大字的場1633 和光純薬工業 株式会社試薬研究所内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD08 CA01 CB01 DA03 DA08 FA03 FA11 FB06 GA05 HA07 2G054 AA01 AB07 CA30 FA06 GB04 GE01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀塩を担持させた担体を含んでなるホルム
    アルデヒド測定用試薬。
  2. 【請求項2】銀塩及び炭酸塩を担持させた担体を含んで
    なるホルムアルデヒド測定用試薬。
  3. 【請求項3】担体が、ガラス繊維濾紙、ポリスチレン、
    ポリスチレンジビニルベンゼン共重合体、シリカゲル、
    石英粒、アルミナ、フロリジル又はガラスビーズである
    請求項1又は2に記載の試薬。
  4. 【請求項4】担体がシリカゲル、アルミナ又はガラスビ
    ーズである、請求項1又は2に記載の試薬。
  5. 【請求項5】担体がシリカゲルである請求項3に記載の
    試薬。
  6. 【請求項6】銀塩が、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢
    酸銀、シュウ酸銀、酪酸銀又はリン酸銀である請求項1
    〜5の何れかに記載の試薬。
  7. 【請求項7】銀塩が硝酸銀である、請求項6に記載の試
    薬。
  8. 【請求項8】炭酸塩が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
    ウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、又は炭酸リチ
    ウムである請求項2〜7の何れかに記載の試薬
  9. 【請求項9】炭酸塩が炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素
    カリウムである請求項8に記載の試薬
  10. 【請求項10】銀塩を担持させた担体或いは銀塩及び炭
    酸塩を担持させた担体を、ガラス製又はプラスチックス
    製の管或いはポリエチレン製のチューブに充填してなる
    請求項1〜9の何れかに記載の試薬。
  11. 【請求項11】請求項1〜10の何れかに記載の試薬を
    用いたホルムアルデヒドの測定方法。
  12. 【請求項12】気体試料と試薬とを接触させることを特
    徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】気体試料を、容器に密封し、該容器内で
    試料と試薬とを接触させる請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】気体試料と試薬との接触を、試薬をホル
    ムアルデヒドガスが存在する環境中に放置し、該環境中
    のホルムアルデヒドを含む気体試料と試薬とを接触させ
    ることにより行う、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】気体試料と試薬との接触を、吸引機を使
    用して気体試料の一定量を試薬に通気させることにより
    行う、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】更に、試薬の色の変化に基づいてホルム
    アルデヒドの定性又は定量を行う請求項11〜15の何
    れかに記載の方法。
JP2002155181A 2002-05-29 2002-05-29 ホルムアルデヒド測定用試薬 Pending JP2003344383A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002155181A JP2003344383A (ja) 2002-05-29 2002-05-29 ホルムアルデヒド測定用試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002155181A JP2003344383A (ja) 2002-05-29 2002-05-29 ホルムアルデヒド測定用試薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003344383A true JP2003344383A (ja) 2003-12-03
JP2003344383A5 JP2003344383A5 (ja) 2005-09-15

Family

ID=29771759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002155181A Pending JP2003344383A (ja) 2002-05-29 2002-05-29 ホルムアルデヒド測定用試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003344383A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010054333A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Gastec:Kk ガス検知管
JP2015152514A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 独立行政法人国立高等専門学校機構 環境汚染物質の検出材およびその製造方法、ならびに環境汚染の評価方法
CN109490374A (zh) * 2018-11-30 2019-03-19 北京联合大学 空气中甲醛、苯、氨和一氧化碳的交叉敏感材料
CN111129486A (zh) * 2019-12-27 2020-05-08 中天新兴材料有限公司 锂电池三元正极材料配料方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010054333A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Gastec:Kk ガス検知管
JP2015152514A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 独立行政法人国立高等専門学校機構 環境汚染物質の検出材およびその製造方法、ならびに環境汚染の評価方法
CN109490374A (zh) * 2018-11-30 2019-03-19 北京联合大学 空气中甲醛、苯、氨和一氧化碳的交叉敏感材料
CN109490374B (zh) * 2018-11-30 2020-11-13 北京联合大学 空气中甲醛、苯、氨和一氧化碳的交叉敏感材料
CN111129486A (zh) * 2019-12-27 2020-05-08 中天新兴材料有限公司 锂电池三元正极材料配料方法
CN111129486B (zh) * 2019-12-27 2021-05-14 中天新兴材料有限公司 锂电池三元正极材料配料方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9018016B2 (en) Material and method for trapping, detecting and quantifying heterocyclic aromatic compounds and others
US6835573B2 (en) Method and device for testing aldehyde in polyester polymer
US6043096A (en) Device and method for the determination of water
WO2003091724A1 (fr) Procede de mesure de la concentration en formaldehyde d'un gaz et instrument de mesure
JP2003344383A (ja) ホルムアルデヒド測定用試薬
JP2011508883A (ja) オゾン及びカルボニル基含有化合物を検知する方法及び装置
AU2007332902B2 (en) Spreading layer and humidity control layer for enhancing sensor performance
JP3479412B2 (ja) アミン類捕集剤、アミン類捕集装置及びアミン類の捕集・分析方法
JP3889989B2 (ja) ガス中のホルムアルデヒド濃度の測定方法および測定装置
US3397966A (en) Ozone determination
JP3035734B2 (ja) Dms検知剤、その調製方法及びdms用検知管
JP3567058B2 (ja) 検知剤
SE452510B (sv) Sett att meta en halt av en forening, t ex en gas, i luft, fast adsorbent for utovande av settet samt anvendning av adsorbenten
JP6662524B1 (ja) 検出材およびその製造方法、ならびに検出用具およびその製造方法
KR20150120249A (ko) 가스 중의 포름알데히드 농도의 측정방법 및 측정장치
JP3187235B2 (ja) ホルムアルデヒド検知紙
JP2005274288A (ja) ホルムアルデヒドの検知方法および検知材料
JPS61142443A (ja) 亜硝酸イオンの検出方法および装置
CN113984755B (zh) 水质余氯、臭氧、总氯快检粉剂及其制备方法
GB1574807A (en) Chemical monitoring devices
SU286143A1 (ru) Способ контроля качества дезинфекции поверхностей помещения аэрозолями химическихпрепаратов
JPH0583866B2 (ja)
RU2022266C1 (ru) Способ обнаружения паров ртути в воздухе
RU2146364C1 (ru) СПОСОБ ОПРЕДЕЛЕНИЯ β-ХЛОРВИНИЛДИХЛОРАРСИНА В ВОЗДУХЕ НА УРОВНЕ ПДК
JPS6375561A (ja) 呼気中のアセトン指示薬及び測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050405

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050405

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060725

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070123