JP2003344215A - 風洞模型の磁力支持天秤装置 - Google Patents

風洞模型の磁力支持天秤装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風洞模型の内部に配置された磁石体の磁気モ
ーメントと揚力用コイルによる外部磁場との干渉によっ
て、本来の干渉磁気力に加えて、風洞模型の浮揚力の一
部を補う力を得ることができる風洞模型の磁力支持天秤
装置を提供する。 【解決手段】 風洞模型1の上方に配置されている上方
磁気支持コイル23,27と風洞模型1の内部の磁石体
2とを貫通して形成される磁気回路10は、磁石体2の
磁気モーメントと揚力用コイルがもたらす外部磁場との
干渉磁気力に加えて、磁石体2に、風洞模型1の重量を
支える浮揚力の一部としての吸上げ力を及ぼしている。
吸上げ力は、磁石体2を磁石片3,4に分割し互いに傾
斜させることで容易に得られる。揚力用コイルに通電さ
れる電流は、真っ直ぐな磁石体2である場合に通電すべ
き電流と比較して、小さい電流で済ますことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物体の空力的な
特性を調べるため気流の中に物体の模型を置く風洞装置
において、模型の内部に磁石を含め、模型を磁力支持す
る磁力支持天秤装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、物体の空力的な特性を模型で得るた
め風洞設備の測定部において模型を支持体で支持するこ
とが一般的に行われてきたが、支持体自体が模型表面に
おける空気流れに影響を及ぼすので、試験結果をそのま
ま模型の空力特性として採用することができない。そこ
で、風洞試験において、模型を磁力で支持することが提
案されている。模型を磁力支持することによって支持体
が不要となるので、支持体が存在することに起因した模
型への空力的な影響を取り除くことができる。
【0003】模型を磁力支持する磁力支持天秤装置は、
風洞試験において模型の周りを流れる気流が模型に作用
する揚力、抗力、ピッチング(縦揺れ)モーメント等の
静的又は動的な空力特性を、模型の内部に設けられる磁
石と相互作用する磁気力を生じさせるために設けられて
いるコイルに流す電流の大きさに置き換えて測定する装
置である。こうした空気力とコイル電流の大きさとの関
係を調べて予めマップ、関数、表等の対応関係を用意し
ておくことにより、コイル電流を測定することで模型に
作用する空力特性を知ることができる。
【0004】図4及び図5を参照して、磁力支持型風洞
及び磁力支持天秤装置の概要を説明する。図4は磁力支
持型風洞と磁力支持天秤装置の概要を示す斜視図であ
り、図5は磁力支持型風洞と磁力支持天秤装置に用いら
れる電源系と計測系を示す概念図である。図4に示す磁
力支持天秤装置20は、風洞模型1を磁気の力で気流中
に支持する装置であり、支持干渉のない風洞試験を実現
することができる。風洞模型1には磁化された物質、超
伝導コイルのような電流を流し続けているコイル、或い
は永久磁石等から成る強力な磁石体が搭載される。風洞
模型1の磁石体には、風洞の測定部の周りに配置したコ
イルに通電することにより生じた外部磁場との磁気作用
によって磁気力が生じ、風洞模型1を磁気的に浮上支持
させることができる。外部磁場は、磁気支持コイルとし
てのコイル23〜26とコイル27〜30とから成る二
つの磁気回路21,22、及びその外側に配置された同
じく磁気支持コイルとしての空芯コイル31,32によ
って発生され、磁気回路21,22の各コイルに流れる
電流を調節することにより、磁気回路21,22内のy
−z面内での磁場の強さと方向及びそれらのx軸方向の
変化率を連続的に変化させることができる。また、空芯
コイル31,32に流れる電流を調節することによりx
軸方向磁場の強さのx軸方向で見た変化率を制御でき、
都合5軸の制御が可能である。即ち、磁気回路21,2
2のコイル23〜30は、風洞模型1に働く揚力と縦揺
れモーメントとに対抗する磁気力を与える揚力用コイル
として機能し、空芯コイル31,32は風洞模型1に働
く抗力に対抗する磁気力を与える抗力対抗用コイルとし
て機能している。
【0005】風洞には、風洞模型1とコイル23〜32
の他に、各コイルを駆動する電源系、風洞模型1の位置
と姿勢とを計測する計測系、及び風洞模型1の位置と姿
勢とを制御する制御系が組み込まれている。図5に示す
ように、計測系であるカメラ33が検出した風洞模型1
の位置姿勢に関する計測データは、パソコン等の計算機
34に送信され、計算機34での演算結果をアンプ35
にて増幅した後、各コイル23〜32に制御された駆動
電流を通じている。
【0006】磁力支持型の風洞装置においては、図6に
示すように、模型1を磁気力で支持するために模型1の
内部に設けられる磁石体として、通常、真っ直ぐな棒状
の強力な永久磁石40をその長手方向軸線が模型の中心
軸に沿うように配置することが多い。永久磁石40を鉛
直上方へ持ち上げる力は、永久磁石40が保持している
磁気モーメントと、磁気回路21,22が生じさせる磁
場の永久磁石周りにおける鉛直上方に向かう磁気強さ成
分の磁石軸方勾配との積で表される。即ち、xを永久磁
石40の長手方向軸(通常は、模型中心軸に一致する)
とし、Mxを永久磁石40が保持している磁気モーメン
トとし、Hzを鉛直上方に向かう磁気強さとすると、永
久磁石40を持ち上げようとする鉛直上方の磁気力Fz
は、次の式で表される。この磁気力Fzが模型1に働く
重力mgと釣り合うことで模型1を風洞内の気流中に浮
揚させることができる。 Fz=Mx×(∂Hz/∂x)
【0007】風洞装置の能力、即ち、幅広い模型1の重
量の範囲で風洞試験を行うことを可能にするには、上記
の式から明らかなように、保持している磁気モーメント
Mxができるだけ大きい永久磁石を用いる必要がある。
現状では、軸方向長さを大きく取ることができる永久磁
石40としては、アルニコ5と呼ばれる磁石が最も優れ
ている。しかしながら、模型1の内部に機器を搭載する
等の事情で、止むを得ず模型1の重量の軽量化が困難な
場合には、この最高性能の永久磁石40であっても十分
な磁気力Fzを得られない場合が多々ある。こうした場
合には、磁気回路21,22において用いられる揚力用
コイルに流す電流を大きくして、上記式中、(∂Hz/
∂x)の値を大きくすることが考えられる。
【0008】しかしながら、揚力用コイルに流す電流を
大きくすると、揚力用コイルの温度上昇が速くなる。揚
力用コイルの温度が高温になると、電流−磁気力特性が
不安定化して模型の正確な空力特性が得られなくなるの
で、揚力用コイルの温度上昇が速いときには、所定温度
を超えるまでの風洞試験を行い得る試験時間が短くなる
とともに、磁気力が減少して模型の浮揚支持自体が困難
になる。風洞試験においては同じ風洞条件を所定期間に
渡って維持することが重要であり、一旦、風洞試験を中
断すると、同一試験条件を回復することが困難になるば
かりでなく、同一試験条件を再現すること自体に時間を
消費して正味の試験時間が短くなることがある。また、
揚力用コイルに流す電流を大きくすると、風洞装置の電
力消費も嵩むことになる。このように、磁気浮揚式の風
洞装置では、コイルの温度上昇に伴って、試験条件の維
持や試験時間の確保が難しくなり、効率的な使用ができ
ないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、風洞装置の磁
力支持天秤装置において、風洞模型の内部に配置された
磁石体の磁気モーメントと揚力用コイルがもたらす外部
磁場との干渉磁気力に加えて、磁石体に風洞模型の浮揚
力を得る点で解決すべき課題がある。
【0010】この発明の目的は、風洞模型の内部に配置
された磁石体の構造と揚力用コイルがもたらす外部磁場
の向きとを工夫することにより、磁石体の磁気モーメン
トと外部磁場との本来の干渉磁気力に加えて、模型に対
して追加的な磁気浮揚力を生じさせることによって、揚
力用コイルに流す電流を従来以上に大きくすることな
く、広範な範囲の重量の風洞模型を磁気浮揚させること
を可能にし、揚力用コイルの発熱量を減少して温度上昇
を抑えて、揚力用コイルに流す電流が同じであってもよ
り重い風洞模型を浮揚支持することを可能にし、同じ重
量の風洞模型の場合には長時間に渡って且つ消費電流を
少なくして省エネルギーを図りつつ風洞試験を行うこと
を可能にする風洞模型の磁力支持天秤装置を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明による風洞模型の磁力支持天秤装置は、磁
場発生用の磁気支持コイルを備え、磁石体を備えた風洞
模型を前記磁場と前記磁石体との磁気作用によって風洞
内に浮揚支持する磁力支持天秤装置において、前記磁気
支持コイルのうち前記風洞模型の上方に配置されている
上方磁気支持コイルと前記磁石体とを貫通して形成され
る磁気回路が前記磁石体に及ぼす吸上げ力を前記風洞模
型の浮揚力の一部に利用したことから成っている。
【0012】この風洞模型の磁力支持天秤装置によれ
ば、風洞装置内に置かれた風洞模型は気流によって揚
力、抗力、縦揺れモーメント等の空力的な力を受ける
が、そうした力は、風洞装置に備わる磁気支持コイルに
通電することによって生じる磁場が磁石体に及ぼす磁気
作用によって支持される。磁気支持コイルのうち風洞模
型の上方に配置されている上方磁気支持コイルと磁石体
とを貫通して形成される磁気回路が磁石体に吸上げ力を
作用させており、その吸上げ力は、風洞模型の磁石体の
磁気モーメントと磁気支持コイルがもたらす外部磁場と
の本来的な干渉磁気力に対して追加的な磁気力として、
風洞模型の浮揚力の一部に利用される。その結果、磁気
支持コイルに通電される電流は、風洞模型に備わる磁石
体が真っ直ぐな磁石である場合に、そうした磁石体に対
する干渉磁気力のみで風洞模型の浮揚力を得るために通
電すべき電流と比較して小さくすることが可能になる。
【0013】この風洞模型の磁力支持天秤装置におい
て、前記磁石体は、その長手方向中央に対して両端部を
前記上方磁気支持コイル側に向けた形状に形成される。
即ち、両端部を上方磁気支持コイル側に向けるという構
造が簡単な磁石体を用いるだけで、上向きの姿勢に置か
れた馬蹄形の永久磁石が上方に固定された鉄片に自ら吸
い上げられるのと同様の作用によって、上方磁気支持コ
イルと磁石体とを貫通して形成される磁気回路に基づい
て磁石体には上方磁気支持コイルに向かう吸上げ力を作
用させることができる。
【0014】この風洞模型の磁力支持天秤装置におい
て、前記磁石体はその長手方向に二つの磁石片に分割さ
れており、前記各磁石片の互いに遠隔側の端部が互いに
近接側の端部から前記上方磁気支持コイル側に傾斜させ
ることができる。即ち、真っ直ぐな棒状の磁石体をその
長手方向に二つの磁石片に分割し、互いに突き合わせた
状態で両端を同じ側に傾斜させて配置するだけで、簡単
に上方磁気支持コイルへ向かう吸上げ力が得られる磁石
体を構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による風洞模型の磁力支持天秤装置の実施例を説明す
る。図1はこの発明による風洞模型の磁力支持天秤装置
の一実施例の概要を示す概念図である。風洞模型及びそ
の磁力支持天秤装置の前提となる基本的な構造は、図4
〜図6に示したものと同様であるので、それらについて
の再度の詳細な説明を省略する。
【0016】図1は、風洞模型(以下、単に、「模型」
という)1の重心を通る縦面による断面図であって、模
型1の内部に備わる磁石体2は強力な永久磁石である。
磁石体2は、模型1の前後方向軸線9に対して長手方向
を合わせて配置された棒状の磁石を、中央で前後に二分
割して構成されている。即ち、磁石体2は、前側の磁石
片3と後側の磁石片4とから構成されており、互いの近
接側の端部5,6が接近配置されている。
【0017】風洞装置において、電磁石から成る磁気支
持コイル23〜30のうち、模型1の上方、即ち、分割
された各磁石片3,4の遠隔側の端部7,8の前後の上
方に配置されている磁気支持コイル23,27を、上方
磁気支持コイルとして用いている。各磁石片3,4の遠
隔側の端部7,8は、それぞれ上方磁気支持コイル2
3,27側に持ち上げられて、前後方向軸線9に対して
同じ角度αで傾斜した状態に置かれている。上方磁気支
持コイル23,27はコイル軸線を縦軸として配置され
ており、上方磁気支持コイル23,27に通電すること
によって生じる磁束12は磁石片3,4を貫通し、吸上
げ用の強い磁気回路10を構成している。磁石体2を上
記のように磁石片3,4に分割して互いに傾斜させた姿
勢を取らせても、磁石体2が保持する磁気モーメントは
殆ど減少することがなく、測定すべき空力特性に大きな
影響を及ぼすことはない。
【0018】磁石片3,4の遠隔側の端部7,8がそれ
ぞれ上方磁気支持コイル23,27側に持ち上がる方向
に傾斜しているので、磁束12も磁石片3,4内では前
後方向軸線9に対して傾斜している。従って、磁気回路
10は全体として比較的に滑らかに湾曲した形状とな
り、磁石体2には、磁力線の自己収縮性によって上方磁
気支持コイル23,27側に持ち上げられる方向の吸上
げ力が作用する。即ち、模型1内に配置される磁石体を
真っ直ぐな棒磁石とするのでは、棒磁石の内部を通るこ
とで歪んだ磁力線が自然な形に戻ろうとしても、棒磁石
に対して有効な吸上げ力として作用しない。一方、この
磁力支持天秤装置では、磁石片3,4を予め傾斜させて
おくことにより、磁石片3,4の内部を貫通する磁力線
は、外側に広がる方向に歪んだ状態から自然な形に戻る
方向に収縮しやすくなっており、馬蹄形磁石が鉄片に吸
い寄せられるのと同様の現象によって、磁石片3,4に
は上方磁気支持コイル23,27に吸い上げられる力が
生じる。
【0019】この吸上げ力を模型1の浮揚力の一部とし
て利用することにより、模型1を浮揚させるのに必要な
磁気回路21,22(図4参照)の揚力用コイルに通電
すべき電流として、模型1内に真っ直ぐな棒磁石を設け
た場合と比較して、電流値を小さくすることができる。
通電する電流が小さくなれば、揚力用コイル23〜30
に発生する発熱量が少なくなり、風洞装置の使用時間、
即ち、風洞試験時間を長く確保することができる。同じ
重量の模型1であれば、揚力用コイル23〜30に流す
電流を小さくすることで省エネルギーに貢献することが
できる。また、揚力用コイル23〜30に流す電流が制
限される場合には、より重い模型1を風洞装置内で浮揚
させることができる。
【0020】図2は、上方磁気支持コイル23,27に
通電される電流値に対する浮揚力の大きさを磁石片3,
4の傾斜角度αをパラメータとして示したグラフであ
る。傾斜角度αは、0°,3°,10°の3つの角度に
ついて浮揚力を求めた。図2に示すように、浮揚力(y
軸)は上方磁気支持コイル23,27に通電される電流
値(x軸)を増やすのに対して一次関数的に増加してお
り、この範囲の傾斜角度αでは、大きな傾斜角度αほど
浮揚力は大きくなっている。
【0021】図3は、上方磁気支持コイル23,27に
通電される電流値を一定にした状態で、傾斜角度αを0
°から12°まで変化させたときの吸上げ力としての浮
揚力の変化を、真っ直ぐな磁石体を基準にして示したグ
ラフである。図3に示されているように、真っ直ぐな磁
石体の場合と比較して、傾斜角度αが8°付近で最も大
きな吸上げ力が得られている。この浮揚力は、揚力用コ
イルに通電する電流値を最大15%減少させる効果があ
る。
【0022】この風洞模型の磁力支持天秤装置におい
て、磁石体2を分割・傾斜したことによって揚力、抗力
及び縦揺れモーメントに対する影響は僅かであるが生じ
る可能性があるので、揚力、抗力及び縦揺れモーメント
の測定にはその影響を補正することが望ましい。即ち、
一つの補正処理として、磁石体2が真っ直ぐな磁石体で
あるとして吸上げ力がないとしたときに磁気支持コイル
23,27に通電される電流値に基づいて予めマップ等
で求められている模型の空力特性を、分割された磁石片
2を持つ模型1の磁気支持コイル23,27に通電され
る電流値に基づいて補正することが考えられる。空力特
性の補正量は、分割された磁石片2の傾斜角度αに応じ
て、予め求めておくことが好ましい。このようにすれ
ば、実際に用いる模型1の磁石片2の傾斜角度αと上方
磁気支持コイル23,27に通電される電流値とに基づ
いて模型1に働く空力特性の補正量を求め、補正量が求
まれば実際の空力特性も容易に求めることができる。
【0023】上記の実施例では、磁石体2は、二つの磁
石片に二分割した例を挙げて説明したが、これに限ら
ず、三つ以上の磁石片に分割しても、あるいは、分割す
ることなく曲げ変形してもよいことは明らかである。更
に、磁石体2を分割する場合には、互いの磁石片の折れ
曲がり角度を変更可能に設定することにより、模型1や
その付属物によって変化する重量に対応して、模型1毎
に適切な折れ曲がり角度を設定することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による風
洞模型の磁力支持天秤装置によれば、風洞内で風洞模型
を磁気力によって気流中に支持する磁力支持天秤装置に
おいて、通電によって磁場を生じさせるコイルとして風
洞模型の上方に配置された上方磁気支持コイルを含み、
上方磁気支持コイルと風洞模型内に配置される磁石体と
を貫通して形成される磁気回路が磁石体に及ぼす吸上げ
力を風洞模型の浮揚力の一部に利用している。既存の上
方磁気支持コイルを利用し風洞模型内部の磁石体の構造
を工夫しているので、風洞模型の内部に配置された磁石
体の磁気モーメントと揚力用コイルがもたらす外部磁場
との磁気干渉によって、本来の干渉磁気力に加えて、模
型の浮揚力の一部を賄うことができる。従って、揚力用
コイルに流す電流を従来以上に大きくすることなく、広
範な範囲の重量の風洞模型を浮揚させることができ、揚
力用コイルの発熱量を減少して温度上昇を抑えることに
より、同じ重量の風洞模型では長時間に渡って安定し且
つ確実な浮揚状態で風洞試験を行うことができ、更に、
長期の試験時間に渡って試験条件を維持し、風洞装置の
効率的な使用を行うことができる。また、揚力用コイル
に流す電流が同じである場合には、磁気回路による吸上
げ力の分だけ、より重い風洞模型を浮揚支持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による風洞模型の磁力支持天秤装置の
一実施例を示す概念図である。
【図2】図1に示す風洞模型の磁力支持天秤装置につい
て、上方磁気支持コイルに通電される電流値に対する浮
揚力の大きさを磁石片の傾斜角度αをパラメータとして
示したグラフである。
【図3】図1に示す風洞模型の磁力支持天秤装置につい
て、上方磁気支持コイルに通電される電流値を一定にし
た状態で、傾斜角度αを変化させたときの吸上げ力の変
化を示したグラフである。
【図4】磁力支持型風洞及びその磁力支持天秤装置の概
要を示す斜視図である。
【図5】図4に示す磁力支持型風洞及び磁力支持天秤装
置における電源系及び測定系の概念図である。
【図6】風洞模型の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
1 風洞模型 2 磁石体 3,4 磁石片 5,6 近接側の端部 7,8 遠隔側の
端部 9 前後方向軸線 10 磁気回路 12 磁束 20 磁力支持天秤装置 21,22 磁気
回路 23,27 上方磁気支持コイル 24〜26,28〜30 揚力用コイル α 傾斜角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場発生用の磁気支持コイルを備え、磁
    石体を備えた風洞模型を前記磁場と前記磁石体との磁気
    作用によって風洞内に浮揚支持する磁力支持天秤装置に
    おいて、前記磁気支持コイルのうち前記風洞模型の上方
    に配置されている上方磁気支持コイルと前記磁石体とを
    貫通して形成される磁気回路が前記磁石体に及ぼす吸上
    げ力を前記風洞模型の浮揚力の一部に利用したことから
    成る風洞模型の磁力支持天秤装置。
  2. 【請求項2】 前記磁石体は、その長手方向中央に対し
    て両端部を前記上方磁気支持コイル側に向けた形状に形
    成されていることから成る請求項1に記載の風洞模型の
    磁力支持天秤装置。
  3. 【請求項3】 前記磁石体はその長手方向に二つの磁石
    片に分割されており、前記各磁石片の互いに遠隔側の端
    部が互いに近接側の端部から前記上方磁気支持コイル側
    に傾斜されていることから成る請求項2に記載の風洞模
    型の磁力支持天秤装置。
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